防ごうヒートショック 冬の入浴で高まる危険性、特に高齢者は注意が必要
1/14(日) 山形新聞
寒さが厳しさを増し、「ヒートショック」の危険性が高まっている。
室内の移動など急激な温度変化で血圧が上下し、心筋梗塞や脳梗塞、不整脈などを引き起こす。
特に注意が必要なのは高齢者の入浴で、専門家は「万が一に備えて家族に一言伝えることが命を防ぐことにつながる」としている。
ヒートショックは、温かい場所から寒い場所に移動することなどで起きる。
入浴時は肌を露出し、お湯に漬かるため、温度変化の影響を最も受けやすく、危険性がより高まるという。
山形市の「きくち内科医院」の菊地義文院長によると、高齢者は加齢とともに血圧を制御する機能が衰える。
血圧や心拍数の変動に体がついていけず、発症する危険性があるという。
高齢者は暑さや寒さを感じにくく、体の変化に気付かない可能性もある。
県がん対策・健康長寿日本一推進課のまとめでは、ヒートショックを含む冬季の浴室からの搬送人数は、県内で2017年565人、18年622人、19年594人、20年555人、21年566人。
同課は予防策として
▽入浴前に浴室と脱衣所の室内を暖める
▽お湯の温度は41度以下、入浴時間は10分以内
▽浴槽から出る際はゆっくりと立ち上がる―ことなどを挙げる。
入浴時以外にも、日常生活のさまざまな場面に危険性が潜む。
同課によると、夜中に布団から出てトイレに行く時や、朝のごみ出しなど、温かい場所から急に寒い場所に移ると体への負担が大きいとする。