2024年02月01日

「党の未来のためです…」党員vs.共産党の「異例裁判」を起こす元共産党員が明かした決意

「党の未来のためです…」党員vs.共産党の「異例裁判」を起こす元共産党員が明かした決意
1/30(火)  FRIDAY

共産党は1月18日、志位和夫委員長(69)の退任を発表。後任に田村智子参議院議員(58)が就くこととなった。
党として初の女性委員長で、実に23年ぶりとなる交代劇は近く衆議院選挙が行われることを見越したイメージ刷新を意図してのものだろう。
しかし、新体制となって早速、党内から懐疑的な意見が噴出している。

元党員でジャーナリストの松竹伸幸氏(68)は昨年2月、「重大な規約違反があった」として党から除名された。
11月に除名処分撤回を求める再審査を請求するも、今月の党大会で請求棄却されている。
その決定に神奈川県議が異を唱えると、田村委員長は「全く節度を欠いた乱暴な発言」「問題の政治的本質を全く理解していない」などと激しい口調で畳み掛けた。
この新委員長の発言に対して「パワハラ」を指摘する声が相次いだのだ。

「今の、そして今後の共産党に一番必要なのは透明性だと思います。それを明らかにするためにも、党を相手に司法の場で戦う決心をしました」

著書『シン・日本共産党宣言』(文春新書)のなかで「党首選挙制」の導入を訴えている松竹氏は今後、法廷で除名処分撤回を求め闘うことになる。
共産党に今、何が起こっているのか――。
「党の未来のために訴訟に踏み切った」という松竹氏に、今後の展望について聞いた。

「主な争点は除名処分撤回を求める地位保全と、しんぶん赤旗の紙上などで『松竹は(権力と結託し)分派活動を行っている』という、いわれのない個人攻撃を受けたことに対する名誉毀損です。
既に3名の弁護士団と打ち合わせを重ねています。
私の再審査請求の審査をしたのは約800人の大会代議員ではなく、21名の党幹部でした。
大会代議員には私の再審査請求は配られてすらいなかった。
このプロセスには納得できません。
もちろん今でも『党に戻りたい』という思いは強い。
ですが、私の本当の目的は裁判を通して党の規約や、党幹部の判断などを可視化すること。
党の規約の解釈には現状、齟齬が生じている部分がある。
それが裁判の過程で明らかになれば、党員の自由な発言が可能となり、健全な組織に変わっていく可能性があるのではないか、という思いがあります」

昨年2月に除名されて以降、党員からも「除名はやりすぎ」というな意見がSNS上で散見されるようになった。
1月11日には、現役党員ら7名が除名処分撤回や、ハラスメント対策を訴え、集団会見を行っている。

共産党において、党員が執行部への意見を会見で述べることは異例中の異例だ。

しかし、党の機関紙であるしんぶん赤旗は“松竹氏除名は当然”という論調で、「処分は適切に行われた」という意見が相次いだ、と報じられている。

松竹氏が言う。
「党員の言論や、集会の自由が脅かされていると感じます。
私の除名以降、自主的に考えを発信する党員が出てきました。
これは党批判ではなく、本来なら単なる意見であるはず。
それを『分派活動』と断定されることには違和感しかありません。
動画配信も行われていた党大会という公の場で、異論を唱えた一般党員を糾弾するという行為は、パワハラと捉えられても仕方ないでしょう。
パワハラに対して世間の厳しい目が向けられている昨今、一般社会と共産党の常識との大きな乖離を感じせざるを得ない。
ハラスメント問題を追及してきた共産党において、その矛盾は大きい。
党大会の結果を受けて嫌気がさし、離党の意思を表明した党員も出てきています」

裁判は長期化が予想される。
松竹氏は費用は1000万円ほどと見積もり、支援者からのカンパや、自身のメルマガ配信などで資金調達を行っていく予定だという。
党員と党を巡る判例は、’88年に除名した党員に対し、党所有の家屋の明け渡しを求めた「共産党袴田事件」がある。
だが、政党内部の行為について原則的に司法審査は及ばないとして、元党員が敗訴した。
今回も厳しい闘いになることは十分に理解している。
それでも「法廷の場で闘い続ける意思を持つのは理由がある」と続けた。

「共産党は党員数も議席数も減少を続けています。変化すべきところは柔軟に対応することが必要だと考えています。多くの有権者にとって共産党は“日本の最左派”でしょうが、私は“左側の自民党”と捉えています。やり方次第では、中間層から保守層まで支持者を伸ばしていける党だと思います。理念を持って党員間で議論を行うことで、そんな理想に近づけると信じています。未来の党員達のためにも、私は闘い続けるつもりです」

共産党を相手どった元党員の闘いは、はたして何を生み出すだろうか。

FRIDAYデジタル
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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