終活より今の時間大切に
2024/05/14 読売新聞[ライフ]
3月に夫が88歳で亡くなった。
年の差があったので夫が先立つことへの心づもりはしていた。
そのはずなのに、これから一人で生きていくさみしさと不安がこみ上げてくる。
そこで、今後を考えて終活を学ぶ通信講座を受講した。
テキストを読んで課題を提出し、エンディングノートに必要なことを記入していく。
ところが、私が望む葬儀などを誰に託したらいいのか悩む。
私には子どもがいない。
入院時の高齢者向け身元保証代行サービスもあるが数が多く、自分が亡くなった後の事務手続きも依頼すると高額な契約金が必要となり、選ぶのが難しく迷う。
これまで社会保険労務士や行政書士の資格試験で学んだ知識や、介護や役所手続きなどの経験もある。
しかし、他人へのアドバイスはできても自分のこととなれば話は別なのだと終活を通じ痛感した。
でも、先のことを心配して迷っていても不安が増すだけだ。
夫との思い出とともに、まず今という時間を大切にしなければと思えるきっかけになった。
さみしくもあるが、自由な一人暮らしだ。
焦らず、行動してみよう。
(東京都板橋区・石橋正美 69)