寿司屋で“恥をかかない”作法7選。「あがり」「おあいそ」はカッコ悪い
2024年06月02日 SPA!
2024年06月02日 SPA!
そろそろカウンター寿司デビューしたいけれど、自信がない。
そのようなモヤモヤ感を抱えている方はいませんか?
寿司屋の基本作法がわからない、請求金額がわからないから怖いと感じているは、少なくないでしょう。
そこで私は考えました。それは、高級寿司店の基本マナーや食べ方をわかりやすく整理し、安心して楽しんでいただくためのコツをお伝えしようというものです。
◆まずは「おまかせ」を味わう
◆手を使って一口で食べるが基本
前編では、寿司の聖地東京・銀座で高級寿司店「佐たけ」を営む佐竹大(さたけたけし)大将に、寿司店に行く際の衣装や事前の心得についてご紹介しましたが、後編では本番の「食べる」にフォーカス。「寿司を食べる際の基本作法や、知っておくべき留意点」について7つに整理しましたので、早速ご紹介していくことにしましょう。
◆まずは「おまかせ」を味わう
はじめに、「自分の好みや要望をどこまで伝えるか?」という疑問について。
「私たちのような寿司店では寿司を握る職人技を堪能していただきたいので、まずはおまかせを味わっていただきたいというのが願いです」と大将は言います。
事前にアレルギー情報は伝えて、ネタの指定などを細かくしない方が、断然に楽しめるそうです。
◆手を使って一口で食べるが基本
次に、「手で上手に食べる自信がないので、箸で食べても大丈夫か?」という質問について。
シャリをふわりと握るような本格寿司の場合、箸では寿司が崩れてしまうリスクがあります。
そのため基本は手で食べた方が良く、一口で食べた方がキレイに食べることができるでしょう。
箸を使いたい場合は、タテではなくシャリをヨコからすくい上げるようなイメージが良いそうです。
◆握りたてを味わうべし、理想は5秒
食べる上で重要なのは、おいしさのためになるべく早く食べるということ。寿司は目の前に置かれた瞬間から劣化がはじまるので、SNS投稿のための写真撮影はおいしさと引き換えになってしまうんだとか。
理想は5秒以内で食べること。
まずは寿司を最高の状態で食べることを体験してみましょう。
◆ひじをついて食べる、途中で電話やタバコは控える
あまり気持ちよく感じない客の言動を聞いたところ、「肘をついて召し上がったり、電話などで途中席を立たれることは、周りのお客様のことを考えても決して気持ち良いものではない」と教えてくれました。
◆ひじをついて食べる、途中で電話やタバコは控える
あまり気持ちよく感じない客の言動を聞いたところ、「肘をついて召し上がったり、電話などで途中席を立たれることは、周りのお客様のことを考えても決して気持ち良いものではない」と教えてくれました。
さらに「外でタバコを吸いに行き、戻ってきた時のタバコ臭は想像以上に強い」そうです。
◆あがり、おあいそ、むらさき。職人が使う言葉は使わない
店とのやり取りの中で、「あがり」や「おさいそ」という、一見ツウを思わせるような用語を使う客がいるそうです。
◆あがり、おあいそ、むらさき。職人が使う言葉は使わない
店とのやり取りの中で、「あがり」や「おさいそ」という、一見ツウを思わせるような用語を使う客がいるそうです。
これらのワード、実は店側の符丁(合言葉)であり、客が使うものではありません。
普通に「お茶」や「お会計をお願いします、しめてください」でOKなのです。
◆褒め方としてうれしいのは、シャリやコハダ、そして…
店とのやり取りの中で、「寿司をどう褒めるか?」という点については、「〇〇がおいしかった」と具体的に褒めてくれることが喜びにつながるようです。
◆褒め方としてうれしいのは、シャリやコハダ、そして…
店とのやり取りの中で、「寿司をどう褒めるか?」という点については、「〇〇がおいしかった」と具体的に褒めてくれることが喜びにつながるようです。
中でも、寿司屋の命ともいわれるシャリやコハダを気に入ってもらえることは、職人冥利に尽きるのだとか。
そして、おいしかった以上に嬉しいのが、「楽しかった」という称賛。
そのために緊張感を盛って真剣に寿司を握り、客と対話をしているそうです。
◆寿司屋での最大の心得は、「ヒト対ヒトの関係を楽しむこと」
「おいしい寿司を味わっていただくのは最も重要だと考えていますが、店としてはお客様が会話を楽しんでいただいて、信頼関係を作っていただけるような努力をしています」と、しっかりとした口調で答えた大将。
◆会計は明朗なケースがほとんど。事前決済もオススメ
やっぱり気になるのが、お会計。
「最近の寿司店ではおまかせコースであればサイト等で価格が明示されているので、想定外の請求になることはまずありません」と佐竹大将。
もう少し具体的な数字を教えてもらうために、2人で来店して飲み物を2杯ずつ注文した想定で請求額を教えてもらったところ、65300円という回答をもらいました。
これなら心の準備がしやすくなるかもしれません。
◆寿司屋での最大の心得は、「ヒト対ヒトの関係を楽しむこと」
「おいしい寿司を味わっていただくのは最も重要だと考えていますが、店としてはお客様が会話を楽しんでいただいて、信頼関係を作っていただけるような努力をしています」と、しっかりとした口調で答えた大将。
どの寿司職人も、人間力の強い板前を目指して日々研鑽を重ねているそうですから、客としても“ヒト対ヒトの関係性を楽しむ”意識を持つことこそが、高級寿司店を存分に堪能することにつながるようです。
さあ、皆さんも心配せずに高級寿司店を楽しみましょう!
<取材・文/スギアカツキ>