「なぜ私は出来ないんだろう」元・片づけられない人間が大変身できた理由
12/29(日) 現代ビジネス
この年末、心地よい状態で新年を迎えるべく家のお掃除や片付けに励んでいる方も多いのではないでしょうか?
とはいえ「どこから手をつけたらいいのかわからない!」
「せっかく頑張っても、どうせすぐにしっちゃかめっちゃかになるんだろうな……」と始める前からどんよりしてしまう人もいるかもしれません。
そこで今回は、以前話題を集めた『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら二度と散らからない部屋になりました』の著者・なぎまゆさん(@naggy2018)のインタビューを、本書籍の一部試し読みとともに改めてご紹介。
元・片付けられない人間だったというなぎまゆさん曰く、「あること」に気づいてから、片付けられるようになったのだそう。
それは一体どんなことなのでしょうか? キレイを保つのが難しい! という方、必見の内容です。
“元・片付けられない人間”という、なぎまゆさん。
親に怒られるたび、友人を家に招くたびに「ちゃんとしなきゃ!」とキレイにしても、すぐにリバウンドして元の状態に戻ってしまうことが多かったといいます。
「何故 私はきちんと出来ないんだろう」「何故 私はこうなってしまうのだろう」とずっと思っていたある時、几帳面な人の何をするにも丁寧におこなうその所作を見て、「大雑把」である自分は「几帳面」な人と同じようにはなれない、ということに気づいたそう。
「必要なのは几帳面な人と同じになる『努力』ではなく、大雑把な私でも片付いていられる『工夫』ではないか」
それをきっかけに、自分にあったやり方で試してみたところ、気づけば片付けられるようになっていたそう!
そんななぎまゆさんが、今度はご友人宅の片付けを手伝うことに。
物に溢れたご友人のお部屋を片付けながら「こうなってしまう気持ちすごくわかる…」ととても共感したといいます。
じゃあ、どうやって自分は片付けられるようになったのかーー実際の片付けの事例を漫画で振り返るとともに、なぎまゆさんが見つけた「“大雑把な人”ならではの片付けアイデア」を1冊にまとめたのが、2018年に発売された著書『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら二度と散らからない部屋になりました』。
「どこから手をつけたらいいんだろう」と頭を抱えている人、「何度やってもリバウンドしちゃう」という人でも、自分が知らず知らずのうちにやっている癖に気づき、片付けの知恵を分けてもらえる内容になっています。
今回改めて、「ちゃんとしなきゃ!」と思ってもそれができずに悩み続けてきた著者のなぎまゆさんに色々とお話を伺いました。
ーー“元・片付けられない人間”だったけれど、今では“ごく普通に片付けられる人”になった、とのことですが、そもそも以前はどのくらい片付けられなかったのでしょうか?
「人生で片付けられなかった期間の方が圧倒的に長いです。
子供時代は親に毎日のように『部屋を片付けなさい』と注意されていましたし、成人してからも人を部屋に招く時は、床に散らかった物をブルドーザーのようにかき集めてクローゼットに隠すのが常でした。
普通に片付けられるようになったのは、ここ数年と言っていいと思います」
ーー「何度トライしても『大雑把』である自分が『几帳面』な人と同じにはなれませんでした」とありますが、なぎまゆさんが考える「几帳面な人」と「大雑把」だとおっしゃるご自身とでは、具体的にどんなところが「違う」と感じましたか?
「無意識の時の所作です。
几帳面な人は物を出す時もしまう時も所作が丁寧ですが、私の場合、無意識の時は特に、物を出す時に周りの物が多少ズレても気づかないし、しまう時も放るようにしまったりします。
これは片付けができるようになった今でも変わりません。
だから大雑把な性格のままでも片付けが続く工夫が必要だったんです」
ーー片付けがうまくできなかった当時の「このようなことを試してみたけどうまくいかなかった」というようなエピソードがあれば、ぜひ伺いたいです。
「『床に落ちている物をかき集めて、ダンボールや紙袋に入れて部屋のスミに寄せておく』という方法です。
その時は片付いたように感じるのですが、何度も同じことを繰り返しているうちに同じようなダンボールや紙袋がいくつも積み上がって部屋は狭くなるし、必要な物を取り出すためにそれらをひっくり返したりするので、最終的には余計に散らかってしまいましたね……」
ーー本棚、書類の整理、洋服など、やらなければいけないことだらけで「一体どこから手をつけたらいいんだろう」と悩む人も多いと思うのですが、なぎまゆさんは、まずどこから着手して、今のように“片付けられる人”になれたのでしょうか?
また、「ここから手をつけるのがおすすめ!」という部分などはありますか?
「私は『場所ごと』ではなく『物ごと』に片付けることで片付けができるようになりました。
ですので『場所ごと』の片付けは基本的には推奨していません。
それでも取っ掛かりとして『場所ごと』に少しでも片付けたいという方は、物を捨てる捨てないの判断が比較的容易なので『消費期限がある物の収納場所』『愛着がない物が多く収納されている場所』がおすすめです。
具体的に言うと冷蔵庫、薬箱、洗面台の下やトイレの収納等ですね。愛着のある本や写真を手放すことは難しいですが、消費期限が切れた薬や腐った食材を手放すことは比較的容易だからです」
ーー片付けられるようになってからハッと気づいた、1番の「ご自身の変化」はなんでしたか?
「片付けでも片付け以外でも以前は『誰々が考えた方法をそのまま取り入れた結果、なぜか続かない、なぜか失敗する』ということが多かったのですが、今は『誰々が考えた方法を参考にはするけど、合わなければ自分の性格や生活スタイルに合う方法を考える』という視点が前より強くなったように感じます」
ーー片付けられるようになってから、「物の買い方」や「時間の使い方」などにも変化が起きたりしましたか? 以前と変わった習慣などがあればお聞きしたいです。
「片付けができるようになってから、自分は今、何をいくつ持っているか、何がいくつ必要なのか、自分が管理できる物の種類や数はどれくらいなのかが明確になったので、買い物をする時に『何となく欲しいから買う』ということがなくなりました。
時間の使い方については、意識的に何かを変えたわけではないのですが、物を探す時間や片付けに割いていた時間を他の時間に当てられるようになったので、その分生活や精神的に余裕ができたと思います」
自分自身が深く悩み、色々と考え試してきたからこそ気づけた「キレイを保つ方法」。
皆さんも本書を通して、「そんなやり方があるんだ〜!」と片付けのヒントを得てみてはいかがでしょうか?
なぎまゆ、FRaU マンガ部