2025年01月05日

"自分軸"で考える、今年こそ「後悔しない生き方」

"自分軸"で考える、今年こそ「後悔しない生き方」
改めて問いかけたい「人生で何が最も大切?」
マーク・マチニック : 経営コンサルタント
2025/01/04  東洋経済オンライン

めまぐるしく過ぎ去っていく現代社会。変化に戸惑い、不安を抱えながら、自分を見失ってしまう人も多いのが現状です。
だからこそ、改めて自分自身の人生を見つめ直してみませんか(本記事は、アメリカの経営コンサルタント、マーク・マチニック氏の著書『後悔しない生き方 人生をより豊かで有意義なものにする30の方法』から一部を抜粋したものです)。

何から始めるかを選択する

年が明けるたびに、人びとは「新年の抱負」という恒例の行事に取り組む。
紙に書きとめる人もいれば、頭の中で記憶するだけの人もいる。

ただし、やろうと思うだけで、実行をいつまでも延期する人が少なくない。
いずれにしろ、誰もが新しい年に達成したい目標を考える。

たとえば、体重を落としてスリムになる、もっとお金を稼ぐ、転職する、新しい友人をつくる、仕事とプライベートのバランスをとる、古い写真をスクラップブックに入れる、健康的な食生活を実践する、長期休暇をとる、もっと運動する、大切なことを先延ばしにしない、などなど。

しかし、多くの人にとってこうした「to-doリスト」の最大の問題は、項目をたくさん掲げすぎることだ。
その結果、それらをすべて達成することは不可能に近いという厳しい現実に直面する。

一度に多くのことをしようとすると力が分散して、どの項目も達成できずに後悔することになる。
また、リストの項目をすべて達成する方法を考えるのに時間をかけているうちに身動きがとれなくなり、ほとんど何も達成できなくなる。
そしてそれもまた後悔の原因になる。では、どこから始めればいいのか?

数年前、ある男性が「人生を好転させる方法を教えてほしい」と相談を持ちかけてきた。
目標に向かって邁進(まいしん)するために、日々の課題をてきぱきと片づけていきたいというのだ。

どんな課題でも成し遂げるという自信家だが、最近はどうも仕事がはかどっていない様子だった。
一例として、毎日、百通を超えるメールを受信していたが、優先順位が高い十通ほどのメールを開いて読むだけだった。

残りは未開封のまま月末までため込み、翌月の最初の日に数千通の未読メールを一気に処理して、幸先のいいスタートを切っているという幻想に浸っていたのだ。

しかし、こんなやり方では問題が解決するどころか、状況が悪化する一方だった。
それだけでなく、彼は新規のベンチャー事業を育成しながら、退職した2人分の仕事を抱え込んでバタバタしていた。

さらに、出席しなければならない会議がいくつもあり、大事な作業の時間を奪っていた。
おまけに、毎晩、職場で片づけられなかった仕事を家に持ち帰って処理していたので、家族と過ごす貴重な時間が少なくなっていた。
ストレスで疲れ果ててフラストレーションがたまっていたのは当然だ。

私の助言は「何から始めるかを選択する」というごく単純なものだった。
そこで彼にこう言った。

「あなたのto-doリストの中で、やり遂げなければ後悔のもとになる項目をひとつ選んでください」

「では、残りの項目はどうするのですか?」と彼は尋ねた。

「残りの項目を忘れるようなことはないでしょう」と私は答えた。

「しばらくの間、最も集中しなければならないことを見つけるだけです。
現時点での問題は、リストの項目が多すぎて、どこから始めていいかわかっていないことです」

彼は私のアドバイスに完全に納得したわけではなかったが、受信メールの処理から実行に移すことにした。

当初の目標は、週に2回、1時間ずつメール処理をして1カ月にたまる未読メールを半分に減らすことだった。
ところが、いざやってみると、最初の1カ月で未読メールを70パーセント減らし、翌月には85パーセントも減らすことができた。

受信メールの処理が効率的にできるようになったので、リストの次の項目により多くの時間をかけられるようになった。
こうしてまもなく、いつもバタバタして課題を終えられずに後悔するパターンから自分を解放することができた。

多くのことを下手にするより、ひとつのことを上手にするほうがいい。
to-do リストに取り組むときは、全項目を一気に片づけようとしてはいけない。
リストのどの項目が最も満足感を与え、投資した時間に対する見返りを最大にするかを考えよう。

最も優先順位の高いものを選び、そこから始めよう。

【自分自身に問いかけてみよう】
●あなたの現在のto-doリストはどんな状況か?
●出発点を選ぶとすると、どの項目を選ぶか、そしてその理由は何か?

いちばん大切なことを優先する

人生ではさまざまなことを交互にしなければならない。
まるで曲芸のお手玉のようだが、空中に投げるボールが多すぎると落とす恐れがある。

数年前、仕事で遠方に出張していたために、子どもたちの始業式に出席できなかったことがある。
それまで毎年、当日の朝、子どもたちと一緒に早起きをして朝食の準備をし、前庭で記念撮影をしていた。
かなり前からカレンダーにしるしをつけていたのだが、クライアントとの打ち合わせの日程を変更できなかったのだ。

子育てをしながら働いていると、子どもの特別な行事に必ず出席することは至難のわざである。
しかし、私は「どんなことがあっても、始業式には絶対に出席する」と心の中で誓いを立てていた。

それだけに、「今回は出席できない」と子どもたちに伝えるのはたいへんつらかった。
そして、子どもたちをがっかりさせたのは残念だったが、それ以上に自分に対する誓いを守れなかったことのほうがもっと残念だった。

どんなに用事が多くても、後悔せずに生きたいなら、いちばん大切なことを優先しなければならない。
この経験は私にとって重大な教訓となり、それ以来、家族と質の高い時間を過ごすことをつねに優先してきた。

難しいこともあるが、なるべく出張を減らし、地元かインターネットでできる業務に専念している。
さらに、息子と放課後にキャッチボールやサッカーをし、娘のバンドのセッションを見学し、家族で旅行をし、家事を分担するよう配慮している。
当然、子どもたちの始業式には必ず出席している。

人はみな自分の価値観を持って生きているが、その価値観と相いれない困難な決定を迫られることがある。
そんなときに自問すべきことは、「いちばん大切なことは何か」ということだ。

そうすれば自分の価値観を優先し、本当に大切なことに取り組むことができる。
たとえば、仕事に励むことと家族と一緒に過ごすことはどちらも大切だが、そのふたつが重なり合ったときはどちらを優先するかを考えなければならない。
その答えが見つかれば、一方を犠牲にする決定をくだしても、後悔しながら人生を振り返ることはない。

「人生でいちばん大切なことは何か?」といつも自問し、それを優先しよう。

[自分自身に問いかけてみよう】

●人生の中で、何が最も大切か?
●ある優先事項が他の優先事項と重なったとき、そのジレンマをどう解決するか?

毎日を最大限に生きる

人生に残された時間はかぎられている。
どんなに長生きしようとしても、永遠に生きることはできない。
人はみな、いずれ死ぬ。いくら頑張っても、この現実を変えることはできない。

過去に戻れればどんなにいいかと夢想しても、私たちは現在に生きる以外にすべはなく、今この瞬間を最大限に活用する方法を考えなければならない。

浪費した時間は失われた時間であり、すべて後悔の原因になる可能性がある。
私たちが問うべきことは、「自分は時間の中でさまよう放浪者か、発見という使命を遂行する探検家か」ということである。

もし答えが後者なら、傍観者ではなく参加者として人生に立ち向かうべきだ。
私たちは漠然と日々を送るのではなく、毎日を大切にするために全力を尽くさなければならない。

時間の使い方についても計画的になろう。無計画に時間を過ごしていると、何も成し遂げることができず、いずれ後悔することになる。

数年前の夏、祖母が91年に及ぶ幸せな生涯を閉じた。
私が知るかぎり、この人ほど毎日を大切にして生きる方法を熟知している人はいなかったように思う。

死ぬ間際まで世界中を旅し、政治運動をし、慈善活動にも熱心だった。
人生に情熱を燃やし、笑うのが大好きだった。
遊び好きで、ユーモアがあり、美しく、愛情に満ち、思いやりがあり、親切だった。
遠方のパーティーにも出席して場を盛り上げていた。

毎朝、6時になると歌いながら活動を開始し、周囲の人たちに好影響を与えた。
来る日も来る日も思う存分に生きていた。

祖母について感心したのは、恐怖感や嫌悪感を交えずに死について率直に話していたことだ。
「毎日を大切に生きているから、いつ死んでも後悔しない」と明言していたのが印象に残っている。

祖母は亡くなる1年ほど前に飛行機で大陸を横断し、西海岸にいる私たちのもとを訪ねてくれた。
身体は見るからに衰弱していたが、精神的にはしっかりしていた。

「気分はどう?」と尋ねたときの答えは、今でも忘れられない。
「私のことは心配しなくていいのよ。素晴らしい人生を送ってきたから」と言い、さらにこう続けたのだ。

「いっぱい旅行をした。素晴らしい男性とめぐり合って充実した結婚生活を送ることができた。
22人の素晴らしい孫とひ孫がいるし、その倍くらいの数のめいとおいがいる。健康にも恵まれ、たいへん幸せだった。これ以上何を望むことがあるかしら。

楽しい思いをたくさんしたし、やりたいことはすべてやった。
だから、私が死んだとき、お願いだから泣かないでほしいの。私の死を悼んで無駄な涙を流さないでね。毎日を精いっぱい生きてきたから、後悔なんてまったくしていないわ」

「人生は一度きり」目標や理想を追い求めよう

毎日を大切にすることは、誰にでもできることだ。
しかし、それを現実にするには、単にお題目を唱えているだけではできない。たゆまぬ努力、積極的な生き方、冒険心、行動力が必要になる。

人生は一度きりだ。今日から精いっぱい生きよう。
毎日を最大限に生きよう。すべての日を思い出に残る有意義なものにする方法を見つけよう。

自分が信じる目標や理想を追い求めよう。
行ったことのない場所へ行こう。愉快な人と付き合おう。たまにはちょっと贅沢をしよう。好奇心を持って学び続けよう。大きな声で笑おう。

人生を最大限に生きるために、毎日を大切にしよう。

【自分自身に問いかけてみよう】
●毎日を大切にするために何をしているか?
●それを現実にする際に、どんな試練に直面するか?
posted by 小だぬき at 01:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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