周りの人の言動を気にしすぎてしまう…臨床心理士が解説する、3つの原因と対処法
1/10(金) ヨガジャーナルオンライン
周りの人のちょっとした言動を気にしすぎていませんか?
「小さいことをいつまでもくよくよ気にしている自分が嫌だ」と思い悩んでいる人もいるかもしれません。
今回は周りの人の言動が気になってしまう原因と対処法について解説します。
■周りの人の言動を気にしすぎるのはなぜ?
まずは、周りの人の言動が気になる3つの原因について解説します。
■■他者に嫌われたくない
周りの人の言動を気にしすぎる原因の1つは「他者に嫌われたくない」こと。
自分の意思と周りの人の意思がずれるとケンカになったり、嫌われたりするかもしれません。
そんな事態にならないために、徹底して周りの人の言動をキャッチし、それに合わせてしまうのです。
■■過去のトラウマ
周りの人の言動を気にしすぎる原因の2つ目は「過去のトラウマ」です。
例えば、過去にみんなの前で失敗をして、笑われたり、からかわれたりした体験があると、「二度とあんな思いはしたくない」と考えます。
その結果、周りの人が自分のふるまいに対して、悪いことを言っていないかを過剰に気にするようになります。
■■完璧主義
周りの人の言動を気にしすぎる原因の3つ目は「完璧主義」です。
いつも「絶対に失敗しちゃダメだ」「100点じゃないとダメだ」と考えています。
もちろん、周りの人からも高い評価を得なければ満足できません。
万が一にも悪い評価をつけられはしないかと、いつも気にしています。
■周りの人の言動を気にしすぎない対処法
ここからは、周りの人の言動を気にしすぎない対処法を3つご紹介します。
■■色々な考え方を持ってみる
周りの人の言動を気にしすぎる人は、「周りの人の言動に合わせられないと嫌われるに違いない」「油断していると笑われるに違いない」などネガティブな確信を抱いています。
しかし、もっと別の考え方もできるかもしれません。例えば、
「この程度のことで嫌われることはないだろう」
「嫌われたならそれまでの関係だったんだ」
「私が〇〇しても、××さんは笑わないだろう」
「笑われても一緒に笑えばいい」
などです。
ほかにも色々な考え方ができるでしょう。
柔軟に考えることで「周りの人の言動を気にしなければ」という気持ちは少しずつ和らいでいきます。
自分では考えられない人は、家族や友人に「あなたならどう考える?」と尋ねてみても良いかもしれません。
■■小さな成功体験を重ねる
周りの人の言動を気にする人は、自分の選択に自信がなく、他者の選択に頼りがちです。
自分の選択に自信が持てるように、小さな成功体験を重ねましょう。
例えば、
・自分の食べたかったお菓子を買ってみる
・自分の行きたかった映画を観に行ってみる
・気になっていた喫茶店に入ってみる
・自分の好きなぬいぐるみを買ってみる
など、
自分の意思を実現してみるのです。
自分の選択の結果、ポジティブな体験ができれば、少しずつ自分の選択に自信がつきます。
その結果、周りの言動ばかりに振り回されなくなっていきます。
■■あえて失敗してみる
周りの人の言動を気にしすぎる人は、あえて失敗してみるのも1つの手。
例えば、次のような失敗です。
・周りの人の意見にあえて違う意見を言ってみる
・シャツのボタンをわざとつけ忘れてみる
・完璧ではない書類を提出してみる
わざと失敗しても、「思ったより笑われなかった」「完璧じゃなくても問題なかった」などの体験を重ねることで、「そこまで周りの言動を気にしすぎなくてもよかったんだ」と実感できます。
■おわりに
「いつもより周りの言動が気になる」という場合は、心身の調子を崩しかけている可能性があります。
意識的に休息をとりましょう。
周りの言動が気になりすぎて、日常生活も苦しい場合は、医療機関の受診をおすすめします。
ライター/佐藤セイ(臨床心理士)