2025年04月25日

【心療内科医直伝】五月病を防ぐ!連休中に実践すべきリフレッシュ&メンタルコントロール法

【心療内科医直伝】五月病を防ぐ!連休中に実践すべきリフレッシュ&メンタルコントロール法
<文・渋谷365メンタルクリニック 院長 森秀和>
4/24(木) 求人ボックスジャーナル

新年度が始まり、慌ただしく過ごした4月を経て、ゴールデンウィーク明けにやる気が出なくなったり、心身の不調を感じたりしてしまうーー。
いわゆる「五月病」は、誰にでも起こりうる現象です。
特に責任感が強い人はストレスをため込んでしまう傾向があるため、注意が必要です。
本記事では、五月病の原因や陥りやすい人の特徴を整理し、連休中に実践すべき具体的な予防・対策方法を、心療内科医が直伝。連休明けをすっきりとした気持ちで迎えるための秘訣を紹介します。

五月病とは?

五月病は、 新しい環境や生活リズムの変化によるストレスが蓄積し、心身のバランスを崩すことで起こります 。
一般的な用語で、医学的な診断名ではありません。
日本特有の現象とされますが、海外にも類似の症状は存在します。
例えば、欧米では冬季に日照時間の減少やホリデーシーズン後の落ち込みにより、「ウィンターブルース(winter blues)」や「1月の憂鬱(January blues)」と呼ばれる一時的な気分の低下が見られます。

五月病の原因

五月病の原因はさまざまありますが、大きく3つに分けられます。

1. 新生活のストレス

新年度が始まり、仕事や学校、部署異動などで新しい環境に適応するために多くのエネルギーを消費します。
この緊張感が続いた後、5月の連休で一気に緩み、疲れが表面化します。

2. 生活リズムの乱れ

連休中に夜更かしや昼夜逆転をしてしまうと、体内時計が乱れ、再び通常のリズムに戻すのが困難になります。

3. モチベーションの低下

新年度のスタートダッシュを終え、最初の目標達成後に「このままでいいのか?」という気持ちが芽生え、無気力感に襲われることがあります。
特に注意してほしいのが、責任感が強く、自分で抱え込みがちな方 です。
周囲に頼ることが苦手なため、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまう傾向があります。

五月病の予防と対策

五月病を予防するためには以下の6つを意識してみてください。

1. 生活リズムを整える

ゴールデンウィーク中も、なるべく普段と同じような時間に起床・就寝することを意識しましょう。
特に以下の点を守ることで、体調を崩しにくくなります。

朝起きたら日光を浴びる(体内時計の調整)
毎日3食を決まった時間に摂る
夜更かしを避け、7時間以上の睡眠を確保する

完全に同じスケジュールが難しい場合でも、極端な昼夜逆転を避け、できるだけ一定の生活リズムを維持することが大切です。本当にちょっとしたことで良いので、できる範囲で試してみましょう。
例えば、朝食はバナナ1本だけでも良いですし、起きてすぐにコップ1杯の水を飲むだけでも、朝日と水分補給によって体内時計がリセットされるため、体のリズムを整えるのに役立ちます。

2. 適度な運動を取り入れる

運動はストレス解消に非常に効果的です。
特に以下のような活動を毎日30分程度行うことで、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が促され、メンタルの安定につながります。

朝の散歩(太陽の光を浴びながら歩くとより効果的) ヨガやストレッチ 軽いジョギングやサイクリング

普段運動習慣がない方は、30分程度の運動もなかなかハードルが高いかもしれません。
その場合は、5分間でも良いのでストレッチをすることから始めてみましょう。日常でできるトレーニングとしては、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うことから始めるのも効果的です。

3. バランスの良い食事を意識する

身体に良いとされる栄養素であっても、特定のものだけを摂るのではなく、バランスの取れた食事が推奨されます。
「まごわやさしい」という健康的な食事の合言葉を意識してみてはいかがでしょうか。
「まごわやさしい」は 豆、ごま、わかめ(海藻類)、野菜、魚、しいたけ(きのこ類)、いも類 の頭文字をとった略称で、昔から自然とストレス耐性を高められる食材の取り入れ方の考え方で、いわば和食の知恵です。


【ま】大豆製品:良質なたんぱく質やビタミンB群

【ご】ごま、くるみ、ナッツ系:不飽和脂肪酸、ビタミンEなど

【わ】わかめなど海藻類:食物繊維、ヨウ素、ミネラル

【や】野菜:ビタミン、ミネラル、食物繊維

【さ】魚:タンパク質、DHA/EPA

【し】しいたけなどきのこ類:ビタミンD、食物繊維

【い】いも類:炭水化物、ビタミンC、食物繊維

しかし、毎回栄養素まで把握して食べるのは難しいので、まずは「一品追加」を意識してみましょう。
例えば、いつもの食事に野菜を少し足すだけでも十分です。

また、食事に関しては、 これまで食べたことのない食材にチャレンジするのも精神的に良い刺激となります 。
例えば、行ったことのないレストランに足を運んでみる、コンビニやスーパー、自販機などで普段飲まないものを試してみるといった小さな変化が気分転換につながります。

4. リラックスできる時間を確保する

連休中は、遊びや資格勉強などの予定を詰め込みたくなる方もいると思いますが、 「タスク」と感じない程度に留めることが大切です 。
意識的に「息抜きする時間」を確保しても良いと思います。以下のようなリラックス方法を試してみましょう。

読書や映画鑑賞など 瞑想や深呼吸 自然の中で過ごす

特に、就寝前は体内時計を整え、睡眠の質を高めるためにもブルーライトを避けるリラックス方法を選ぶのがおすすめです。ゴールデンウィーク前に自分に合ったリラックス方法を見つけておきましょう。

5. 周囲とのコミュニケーションを大切にする

例えば、地方から都市に出てきた人など、新しい環境で過ごしている方は、友人が近くにおらず、連休中に孤立してしまう可能性があります。

孤立が続くと不安が募りやすいため、家族や友人と会うために帰省したり、オンラインで交流したりするのも良いでしょう。意識的に人との関わりを持つことで、気持ちが安定しやすくなります。

6. 完璧を求めすぎない

目標を立てることは大切ですが、達成できなかったからといって自分を責めないことも大事です。
連休中は、スケジュールを無理に詰め込まず、柔軟に調整できる余白を残しておきましょう。
また、 大小問わず1日1つ新しいことに挑戦する意識を持ち、できなかったことよりも「できたこと」に目を向けることを意識して過ごす と、前向きな気持ちで過ごせます。

まとめ

五月病は、新生活のストレスや生活リズムの乱れが原因で起こります。

これを防ぐためには、

〇生活リズムの維持
〇適度な運動
〇バランスの取れた食事
〇リラックスする時間の確保
〇周囲とのコミュニケーション
〇完璧を求めすぎない姿勢

これらを意識することが重要です。

ゴールデンウィークを迎える今だからこそ、意識的に予防策を取り入れ、心身ともに健康な状態を維持し、充実した毎日を過ごしましょう。
本当にちょっとしたことで良いので、ご自身が無理なくできる範囲で取り組んでみてください。

渋谷365メンタルクリニック
院⻑ 森秀和
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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