老眼だと思ったら緑内障だったケースも...「瞳の健康」を守るために知っておきたい3つの習慣を日本人医師が解説
5/7(水) Harper’s BAZAAR(ハーパーズ バザー)
見えづらさや目の不快感があれば、人生のクオリティが著しく下がり、脳機能を衰えさせる可能性も。
デジタルデバイスを日常的に使う現代人必見!
日々の小さな習慣や意識の持ちかたで、瞳を老化や疲れから守ることはできるのか?
「患者が絶えないカリスマ眼科医」とも呼ばれる眼科専門医の平松類先生が、目の健康を守るために意識したい3つの習慣をレクチャーする。
教えてくれたのは……
平松 類(Rui Hiramatsu): 眼科専門医。医学博士。
二本松眼科病院勤務。診断、治療が的確で全国から患者が集まる。YouTubeチャンネル「眼科医平松類」は登録者数20万人超え。
@大人になっても進む近視で、目の疾病リスクもアップ
遺伝だけでなく、後天的な環境の影響が大きい近視
「学校でもタブレット端末を使用するなどデジタルデバイスが身近にあり、外で遊ばず太陽光を浴びない生活が日常になった子どもたちにも近視が増加。
そして大人になっても近視は進みます」。
たかが近視とあなどるなかれ。「近視の人ほど、日本の失明原因の1位である緑内障の他、白内障、網膜剥離、黄斑変性のリスクが高くなります。
コロナ禍のステイホームで動画配信の視聴が増え近視が進んだ、という声も」。
元に戻すのは難しくても、進行を止める習慣は急務だ。
「長時間のパソコン作業中は1時間に1回、できれば6m、難しければ2m以上遠くを最低20秒間ほど見つめ、毛様体筋をゆるめてあげましょう」
A避けては通れない老眼と、さらに深刻な加齢トラブル
細かいものを見るときに距離を遠ざける“老眼しぐさ”は、いつか自分にもやってくる。
「老眼は遠くを見たり近くを見たりする際にピントを合わせる機能が低下した状態で、見える距離の幅が狭くなります。
実はピント調整機能の低下は20代から進行。
最近はスマホの長時間利用による“スマホ老眼”も増えています」。
老眼が始まったら速やかに老眼鏡を使って進行を防ぐのが賢明だ。
逆に、老眼だと思ったら他の病気だったというケースも。
「たとえば視野が欠ける緑内障。40歳以上の20人に1人が発症し、失明のリスクが高い疾患ですが、じわじわ進行するので気づきにくいもの。
加齢で白内障や黄斑変性も増えるので、違和感があったら眼科専門医を受診して」
B近視や乱視を矯正するならメガネ?それとも手術?
近視や乱視をどう矯正するか。
「コンタクトレンズは目が傷つきやすくアレルギーのリスクが。
眼科医の多くは、目に負担がなく不要なときには外せるメガネユーザーです」。
また、視力回復手術という方法もある。
「角膜を削るレーシックは細かく近視の矯正ができる半面、目が乾燥しやすく効果も短期的。
最近は、水晶体の前に遠近両用の人工レンズを入れる、眼内コンタクトレンズ(ICL)も人気。
強度の近視や乱視も矯正できますが微調整は難しい。どちらも感染症のリスクがあり、老眼が始まる40代は慎重に考えて。
50代から発症しやすい白内障の手術では、老眼も矯正できる“多焦点レンズ”も」。
リスクとリターンを理解した上で、自分に合う方法を選択したい。