2014年10月29日

香山リカのココロの万華鏡:イラッとしたら「1、2、3」

香山リカのココロの万華鏡:
イラッとしたら「1、2、3」
毎日新聞 2014年10月28日 首都圏版

「最近、診察室で目につく変化はありますか」という質問をよく受けるのだが、ここ数年の印象で答えれば「イライラを訴える人が増えた」となるかもしれない。

 「電車の中で大声で話している人を見るとイライラする」「注文した料理が遅くてイライラして怒鳴ってしまった」「子どもが言うことをきかず、いつもイライラしている」など、とにかく何かがやたらに気になって、怒りや憤りの感情をつのらせている人が増えているように思うのだ。

 とはいえ、「社会のマナーを何とかしてほしい」と思って診察室に来るわけではない。

必要以上にイライラしすぎだという自覚はあり、「どうすればコントロールできるのか」と相談に来るのだ。
中には「外を歩いていても職場にいても、こんなにイライラしていては、いつかたいへんなトラブルを起こしそうな気がする。
一刻も早くこれを止めてください」とかなり切羽詰まっている人もいる。

 感情や衝動のコントロールはとてもむずかしいが、私たちにはありがたいことに理性がある。

理性といっても高度な思考ではなく、「おっと、これはいけない」と自分を客観的に見て、「このへんでストップ」と自分に話しかける力のようなものと考えてもらってよい。

生活していれば、いろいろと自分の意に反することは起こり、そのたびにカチンときたりムッとしたりはするが、そのつど私たちはこの理性の働きに助けられ、「ここで大声をあげるのは大人げないぞ」「ワーッと泣き出しそうだけれどがんばって静かに話そう」などと自分をうまく操縦してきた。

 しかし、なぜかそれができない人が多くなっている、ということだ。
私は診察室でよくこんな話をする。

 「いまの時代、自分勝手な人も増えていますからイライラがつのるのもある意味、仕方ないですよね。
でも、イライラやそれが発展した爆発は、心のエネルギーをすり減らしますからやめておきましょう」。

そして、こんなアドバイスをする。
「イライラを軽くするのは、それほどむずかしくないですよ。
イラッとしたら『1、2、3』と三つゆっくり数えてください。
その間キレずにがまんできたら、もう大丈夫。
イライラの炎はかなり小さくなっています」

 数えているあいだに出遅れていた理性が動き出し、「ここは冷静に」と自分に言い聞かせることができるはず。
イライラは、自分にとっても相手にとっても何の得にもならないのだ。(精神科医)
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2014年10月31日

日本の高血圧治療のデタラメ横行に苦言

東大医科研特任教授が
日本の高血圧治療のデタラメ横行に苦言
2014.10.30 07:00 SAPIO2014年11月号

製薬会社・ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」の臨床試験に関する疑惑でも明らかになった、製薬会社と医師の癒着構造を、専門家たちはどう捉えているのか。

日本の健康基準値の歪みを指摘することでその構造を喝破してきた大櫛陽一・東海大学医学部名誉教授と、
医療ガバナンスの旗手として大学医療の中枢から内部告発を続ける上昌広・東京大学医科研特任教授が初対談した。

大櫛:今年4月、日本人間ドック学会が発表した「健康診断(健診)の新基準」は現行の基準から大きくかけ離れているということで日本高血圧学会などの臨床学会から「国民の健康に危険を及ぼしかねない」と袋だたきにあって潰されてしまいましたが、私は150万人を調査対象とした人間ドック学会の方が正しいと思っています。


 私自身が過去に行なった70万人を対象とした大規模調査の基準値とも合致する。
たとえば現行基準では年齢も性別も関係なく「上」(収縮期血圧)は130から高血圧と診断されてしまいますが、人間ドック学会は147でも正常。

私たちの調査でも60〜64歳の男性は164まで正常値の範囲です。
高過ぎると思うかもしれませんが、我々の基準の方が欧米で用いられる最新のガイドラインにも合致しているのです。

上:私は高過ぎる高血圧についてはやはり薬を使用すべきと考えますが、確かに年齢や性別を無視した10数年前につくられた基準が現代に通用するわけがない。
とにかく血圧を下げればいいなんてのはデタラメな治療であって、個々の事情を考慮すべきです。

大櫛:ただ、この問題よりも恐ろしいのは、誤った基準によって健康な人が飲む必要のない薬を飲まされているということです。

日本では国がやるべき診察のガイドラインを製薬企業という利益集団が決めてしまっている。
これは欧米では10年以上前に問題視されて改善されたことです。

 たとえば、降圧剤のセールスのために世界各国で血圧の基準を下げてきた「高血圧マフィア」と呼ばれる集団が有名です。
彼らはまず1993年にアメリカでJNC5という政府の委員会に働きかけて血圧の基準を厳しくし、1999年にはWHO(世界保健機関)の基準も厳しくすることに成功します。

 後にこれは良識のある医師たちから批判されて元に戻るのですが、日本高血圧学会はこの「高血圧マフィア」がつくった基準を今も正しいと主張しているわけです。

上:その件を私は詳しくは知りませんが、日本の高血圧学会に関して言えば、あの人たちにそこまでの大きな力はないと思っています。

たとえば、ノバルティスファーマ社の降圧剤ディオバンをめぐる論文不正事件のなかで、高血圧学会が裏で糸を引いているような陰謀論が囁かれましたが、ノ社による降圧剤セールスのための「営業ツール」として利用されたに過ぎません。

臨床学会というのはなにかあったら訴えられる現場の医師と違って、安全な場所で提言できる。だからこそ製薬企業に利用されやすいのです。
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2014年11月05日

近藤誠医師 がんよりがんを切りたがる外科医が怖い理由解説

近藤誠医師
がんよりがんを切りたがる外科医が
          怖い理由解説
2014.11.04 07:00 NEWSポストセブン

「がんもどき理論」や「がん放置療法」など、がん治療について医療界の常識を覆す理論を提唱してきた近藤誠氏が、新刊『がんより怖いがん治療』(小学館刊)を上梓した。

今年3月に慶応大学病院を定年退職した近藤氏の、がん治療医40年間の経験と知識の集大成になる。

 近藤氏は1980年代に乳房温存療法を日本に広めた第一人者だが、そのきっかけとなった米国留学時代の体験や、教授から繰り返された“肩叩き”秘話など、自伝的なエピソードも多い。
氏の40年の歩みは、日本のがん治療の歩みでもあり、治療の理解を深める上で参考になる。  

たとえば、がん治療といえば、まず手術が思い浮かぶが、近藤氏は自身の研究とデータから、手術をするほど、がんの転移、再発のリスクが高まると述べている。

手術には、『局所転移』を増やすリスクもある
『局所転移』とは、ぼくの造語だが、メスを入れた箇所にがん細胞がとりつき、爆発的に増殖することをいう
(中略)手術時にもがん細胞は血中にあって、体内をめぐっている。
メスを入れられた箇所は抵抗力が落ち、血中のがん細胞がもぐり込んで増殖しやすい環境になるのである」(『がんより怖いがん治療』より)

 どんな手術でも人体への負担は大きい。
メスを入れられた箇所は、体が優先的に栄養を送り回復させようと努めるわけだが、すると、がん細胞まで集まってきてしまう。
その結果、手術した箇所に再発しやすくなるというのである。

 がんを告白した芸能人が手術後、記者会見で「がんはすべて切除」「完全寛解」と宣言する場面をたびたび目にする。
しかし数か月後に「再発しました」というケースは多々ある。
さらに再手術すれど再々発というケースも珍しくない。
しかも、再発までの期間は、1回目の再発より短くなっていることが多い。

こうした現象を近藤氏の「局所転移」は説明している。

 そもそも近藤氏によれば、手術は「がんより怖い」。
手術には少なからぬ術死、合併症のリスクがあること、術後のクオリティ・オブ・ライフが著しく低下する恐れがあることなどを、メスを握る医師はきちんと説明しないことが多いと注意を促す。

近藤氏が語る。
「2012年の暮れに、食道がんの手術による合併症で亡くなった歌舞伎俳優の中村勘三郎さんは、その典型です。
食道がんの場合、手術でも放射線治療でも生存率は変わらない。

同じなら、術後のクオリティ・オブ・ライフの観点から、食道を切除され、不自由な飲食を余儀なくされる手術より、それまでと変わりなく飲み食いできる放射線治療のほうがいいでしょう。  それでも主治医は手術を勧めました。

手術と放射線の治療成績が同じであることを説明していたら、中村さんは放射線治療を選んだはず。
 外科は切れるものなら切ってしまいたいんです。
患者を放射線科に回すと、外科医の仕事がなくなってしまいますからね。
がんが怖いのではない、切りたがる外科医が怖いのです」

 実際、近藤氏は、慶應大学病院でこんな経験をしている。

近藤氏が普及に努めていた乳房温存療法を受けるために彼の診察を望んで来院した乳がん患者が、当時の主流だった乳房全摘手術を担当する乳腺外科に、一方的に入院させられたのである。

たまたま近藤氏は、その患者のことを知り、面会できたことで彼女を全摘手術から救うこともできたが、もし会えずにいたら、彼女は乳房を失っていたはずだ。

 今なら刑事訴訟になりそうな“患者泥棒”の顛末は、最新刊に詳しい。

「外科医は手術すればするほど腕が上達し、それが出世につながります。
外科の収入もアップし、院内での発言力も増しますからね。
そういうインセンティブが働くので、外科医は切りたがるんです」(近藤氏)

 がんが怖いのか、がんの治療が怖いのか。そういったことを突きつける書となっている。

【プロフィール】
こんどう・まこと:
1948年生まれ。慶應義塾大学医学部放射線科講師を2014年3月に定年退職。
「乳房温存療法」のパイオニアとして知られ、安易な手術、抗がん剤治療を批判。
現在「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を運営。
11月4日に自身の集大成となる『がんより怖いがん治療』(小学館刊)を上梓した。
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2014年11月06日

高齢者1人20万円で売買!? 介護をしゃぶり尽くす面々

高齢者1人20万円で売買!?
介護をしゃぶり尽くす面々
2014年11月5日 週刊ダイヤモンド編集部

10兆円もの天文学的数字に達した介護保険料。
右肩上がりの裏には、介護事業者による過剰サービスはもちろん、福祉施設に高齢者を“売る”ブローカーまで暗躍する膨大な無駄がある。

「相場は10万円から、いいところで20万円。
大体、1人15万円が平均ですわ」
こう語るのは、関西で介護事業に携わる男性だ。

取引しているもの、それは人間、しかも高齢者だ。

実態は人身売買と変わらない」と、この男性は過去に自らも取引に関わったと明かす。

“商品”は、病院に入院している要介護の高齢者たち。
彼らをサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホームといった高齢者施設に“売る”のだ。

事情に詳しい別の大阪の介護業界関係者によれば、その基本的なスキームは次の通りだ。

昨今、高齢者施設業界には新規参入者が相次ぎ競争が激化、入居者集めに苦労する所が増えている。
そうした施設が頼るのが、元ケアマネジャーや不動産業者といった「ブローカー」たちだ。

依頼を受けたブローカーは、退院が決まった高齢者やその家族に、懇意にする民間病院の看護部長や事務長、医療ソーシャルワーカーなどの口を借りて「良い施設を知っていますよ。紹介しましょうか?」と近づく。
「無償の善意」を前面に押し出し、依頼主である施設に高齢者を紹介するのだ。
  無論、その背後にはカネが流れている。


図3-1を参照してほしい。
三位一体の介護老人売買.jpg

高齢者施設からブローカーに渡る入居者1人当たりの成功報酬は10万〜20万円。
そのうち、数万円がブローカーから病院スタッフのポケットに流れるという。

一方、施設側は、入居者に「一定期間の退去を認めない」といった縛りをかけ、ブローカーに掛かった費用を回収するのが一般的だ。

だが、退院後の行き先が決まらず焦る本人ばかりか、自宅での介護に不安を覚える家族にとっても、まさに渡りに船の話。

「お世話になった看護師さんが勧めるのだからきちんとした施設のはず」と喜んで入居を決めることが多いという
もちろん、その施設が入居者にとって満足のいく優良な代物であれば、こうした裏事情については“知らぬが仏”で済む話。
だが、そもそも、そんな優良施設であれば、入居者募集に困るはずがない。

ブローカーに頼る施設の大半は、
「サービスの質も劣る所がほとんど。高齢者を物としか考えていないのだから」(別の介護業界関係者)。

本人や家族が失敗に気付いたとしても時すでに遅しだ。

“過保護”散歩から 無駄なリハビリまで
お手盛り介護の実態

こうして“取引”された高齢者たちは、施設でもとことんしゃぶり尽くされる。

先月、厚生労働省が初めて行った全国調査の結果が判明した。
これは、サ高住や住宅型有料老人ホームで横行する介護保険の「過剰サービス」の実態を把握する目的で、監督権限を持つ都道府県など110自治体を対象に実施したものだ。

その結果、不必要な介護サービスや、逆に介護報酬を得ながら所定のサービスを行わない「介護渋り」が発生しているとした自治体は半分強。

また、サ高住などが併設する介護事業所の利用を入居者に契約で強制するなどの方法で利益を独占する「囲い込み」も、過半数の自治体が問題に挙げ、全国で介護保険の無駄遣いが日常茶飯事となっている実態が、あらためて浮き彫りとなった。

例えば、国から「利用者の立場で、公正中立」であるべしとされるケアマネの少なくない数が、特定の事業所の「ひも付き」になり、事業所の求めるまま、介護保険料の限度額はおろか、高額な自己負担まで強いるケアプラン策定に奔走していることは、よく知られるところだ。

東京都内の介護業界関係者は、諦めの表情を浮かべる。

「利用者が散歩するにしても、『心拍数が上がるかもしれない』などの理由をつけて、ケアマネが看護師とヘルパーの両方を付き添わせる。

散歩すれば若くても心拍数は上がるのに。
狙いは、医療保険と介護保険の二重取りにある」

また、介護に携わる都内の看護師も首をかしげることしきりだ。
「寝たきりの要介護5の利用者に、『リハビリが必要』と訴えるまでは許せるが、実際に行うのは、手のひらを開くようボールを握らせたりするだけ。
病院であれば、家族が面会時に行っていることに、1回8000円も費やしている

一方、利用者側の“甘え”にも問題があると言うのは、別の高齢者施設幹部だ。

「介護保険のおかげで、サービス料の1割しか自己負担がないため、『リハビリして動いた方がいいよ、お部屋片付けられないよねぇ、食事が大変でしょ』と言えば、大半の利用者が『そうだなぁ』と二つ返事。
家族も拒否することに罪悪感があるから首を縦に振る」
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2014年11月08日

現役販売員が教える「買ってはいけない家電」

現役販売員が教える「買ってはいけない家電」
2014.10.28 日刊SPA

 大手家電量販店で、販売員歴9年の兼田祐二氏(仮名)は、あくまで個人的な見解と前置きした上でこう証言する。

「海外メーカーは買うべきではありません。
“安かろう悪かろう”というイメージを抱いている人も多いと思いますが、実際その通りなんです。
クレームを受ける約7割が海外メーカーで、その中でも目立つのが、ハイアール製品ですね。
洗濯機は水漏れ、冷蔵庫は冷凍室がうまく稼働せず、いまどき霜だらけになるというクレームが多いです」

 現在、国内メーカーも部品は海外で製造することが当たり前になってはいるが、クレームが増えた実感はないという。
しかし、液晶テレビは例外なのだとか。

「国内メーカーですが、海外での販売に力を入れているオリオン電気の液晶テレビは、買うべきではありません。
“低価格で長寿命”が液晶テレビの特徴なのですが、残念ながら同社の製品は“低価格で短寿命”。通常10年程度はもつのですが、3年を過ぎた頃から映らなくなったというクレームをよく耳にしますね。
安い商品を買う場合は、それなりの覚悟や諦めが必要。
それが持てないようであれば、中級以上の値段がついている商品を選ぶべきでしょう

<クレームの多かった商品ベスト3>
●1位<洗濯機>ハイアール(中国)JW-K50F-W
●2位<冷蔵庫>ハイアール(中国)JR-NF305AL-S
●3位<テレビ>オリオン電気 DL32-32B

 兼田氏のアドバイスはごもっともだが、それでも、少しでも安く手に入れたいと思うのが消費者心理。

失敗せずに安く手に入れるためには、どうするべきなのか。
「ひとつ前の型落ち品を狙うべきですね。
性能は新型とほぼ変わらないのに、定価の5〜6割で購入できます。
ですが、正直いまは難しい。

というのも、各メーカーは年末商戦の目玉にするため、型落ち品を出し渋っている状態なのです。
現在は品切れでも、年末の商戦には必ず店頭に並ぶので、そこを狙ってください」

 また、店頭での販売員は、客とのやり取りによって勧める商品を変えているのだとか。
「僕たちは営業マンですので、正直数字が欲しいんです。
そこでお客様の反応で高額商品を勧めるかどうかを決めています。

販売員に、いまお使いの品番や機種を聞かれたことがあると思いますが、それこそが我々のチェックポイントなのです。

その質問に、品番や気に入っている点、不要に感じている機能などをハッキリ答えるお客様は、使用目的がハッキリしているので、いくら高スペックの商品を紹介したところでまったく響きません。

ですが、その答えがあやふやなお客さんは、こちらがいいというものを購入いただける確立が非常に高いんです」
 言葉は悪いが、こうして高額商品を売りつけることも仕事の一環なのだとか。販売員の思惑に踊らされている消費者は、多いのかもしれない。(後略)
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2014年11月09日

<自殺遺児>社会変えた 思いつづった文集、国の対策促す

Listening:
<自殺遺児>社会変えた
 思いつづった文集、国の対策促す
2014年11月07日 毎日新聞

14年前、自殺で親を亡くした子供たちが「心の叫びを聞いてほしい」と訴えた小さな文集が、日本の自殺防止対策の出発点だったと世界に発信されている。

世界保健機関(WHO)は今秋、「世界自殺リポート」を初めて公表し、この中で日本の自殺対策を世界の先進事例として取り上げた。
そのきっかけとして紹介されたのが文集の存在。

ここで胸の内を明かした自死遺児の一人は「個人の責任と片付けられていた自殺が、社会の問題だと思ってもらえるようになった」と振り返る。
【清水健二】

 世界自殺リポートは、WHOが掲げる「2020年までに各国の自殺率を1割下げる」の目標達成に向け、世界の現状と課題をまとめたものだ。
個別事例として特徴的な4カ国の対策が紹介され、日本が最も大きく扱われた。
かつて「社会的タブー」だった自殺の問題は、00年に遺児たちが語り始めたことで変化が起きたと解説している。

 文集「自殺って言えない」は、親を病気や自殺で亡くした子を支援する「あしなが育英会」が発行。
家族が自殺した17人の高校生、大学生、妻が匿名で思いをつづった。

長野県の久保井康典さん(33)は当時大学2年。中1の時に借金苦から自殺した父を助けられなかった後悔、仲間に過去を打ち明けるまでの葛藤を書き「僕たちと同じ境遇の人たちに“一人じゃない”と伝えたい」と結んだ。

 A5判でわずか36ページの文集は反響を呼び、NHKが特集番組を制作した。
そのディレクターだった清水康之さん(42)が退職して設立したNPO法人「ライフリンク」は、自殺防止や遺族支援の活動を全国に広げた。

 久保井さんらは01年12月、小泉純一郎首相(当時)に面会できることになり、首相官邸で対策の必要性を訴えた。
これを機に国の取り組みが加速し、06年の自殺対策基本法制定につながった。

専門家は「法律に基づき各省庁や自治体が横断的に自殺対策を取っている国は、世界でまだ少ない」と指摘する。

 大学を出た久保井さんは郷里に戻って自治体職員になり、結婚して2児の父になった。

生活保護を担当した際は人を支援することの難しさを実感した。
家族の自殺を抵抗なく語れる社会になったとも思えない。
それでも「自殺を個人の問題と考える人は減り、社会全体が解決に向き合っている」と感じるという。

 1990年代後半に急増し、03年にピークの3万4427人に達した自殺者は10年から減少に転じ、12年にようやく3万人を割った。

 久保井さんは「国が対策を進めなかったら、自殺者は今よりも多かったかもしれない」と思う一方、現状を喜んではいない。

「それでも毎年2万人以上が自ら死を選んでいる。
その数倍の自死遺族が生まれていることを忘れてほしくない

◇「適切な介入と治療で防止可能」WHOリポート

 世界で約40秒に1人が自ら命を絶ち、その「予備軍」は20倍に上る−−。
WHOのリポートは世界の自殺の現状をそう伝え、「適切な介入と治療で防止が可能だ」と指摘する。

 2012年の自殺者数は推計80万3900人。
うち75%は国民所得が低〜中位の国。
性別では男性が多く、女性の1・9倍、高所得国に限ると3・5倍(日本は2・4倍)に達する。
15〜29歳の若者は、自殺が死因の2位(日本では1位)。

 自殺の危険因子としては、
世界共通で▽精神障害▽差別▽社会的孤立−−などが挙げられる。

紛争や自然災害があると自殺が減るとの説もあるが「明白な方向性はなかった」。

 リポートは「自殺を口にする人は自殺するつもりがない」
「自殺について話すのはよくない」など、精神保健学的に誤った「俗説」を、正しい事実とともに紹介している。

 日本語版を翻訳した国立精神・神経医療研究センターの小高真美研究員は
自殺の危険は人生のどこにでもあり、避けて通れない。
身近な問題だと知って、正しい知識を持ってほしい」と訴える。 ……………………………………………
◇WHOリポートが指摘する自殺の「俗説」

「自殺を口にする人は実際にするつもりはない」
→(事実)自殺を考える人の多くは、絶望を 抱え他に選択肢はないと感じており、口にする時はおそらく支援や援助を求めている

「自殺は予告なく突然起こる」
→(事実)多くは言葉か行動による事前のサインがあり、用心することが重要

「自殺の危機にある人は死ぬ決意をしている」
→(事実)危機にある人は、生と死の相反する 感情を同時に持っていることが多い

「自殺について話すのは、促しているようでよくない」
→(事実)包み隠さず話すことは、他の選択肢を考え直す時間を与えて、むしろ予防する
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羽生選手に「感動」するだけでよいのか? 

羽生選手に「感動」するだけでよいのか?
 誤ったスポーツ観が選手「生命」を奪う
 脳震盪後、1日は安静に
2014年11月9日(日) 6時0分
内田良  リスクレポート

羽生選手の姿に「感動」の問題点

この週末(11/8-9)、スポーツ医学の中核を担う「日本臨床スポーツ医学会」の学術集会が東京で開かれている。

脳震盪(のうしんとう)に関する調査研究がいくつも発表され、日本のスポーツ界において、脳震盪への対応が喫緊の課題であることを感じさせてくれる。

まさにその最中に、羽生結弦選手の事故が起きた。
それは端的にいうと、(脳震盪であったとすれば)その事後対応は、多くのスポーツドクターが目を疑う光景であったといってよい。

フィギュアスケートのGPシリーズ第3戦。
羽生結弦選手は、フリー演技前の練習中に中国の選手と正面衝突し、顔面からリンクに倒れていった。

羽生選手は、一度は起き上がろうとしたものの起き上がることができず、リンクに仰向けになった。
脳震盪の症状があったのではないかと疑われる。
なお補足までに言っておくと、「脳震盪」とは、意識消失のみを指すわけではない。

頭痛、吐き気、バランスが悪い、めまい、光や音に敏感など、その症状は多岐にわたる。
このことさえ、一般にはまだよく知られていない。

話を戻そう。羽生選手は、倒れてから10分後には練習に復帰した。
そして、さらに本番にも登場した。
本番は転倒をくり返しながらも、幸いにしてなんとか演技を終えることができた。

さて、ここで最大の問題は、その姿を、マスコミや観客、視聴者は、「感動した」「涙が出た」とたたえたことである。
羽生選手側にもさまざまな事情はあっただろう。
今回はそのことは置いておくとして、この事案から、脳震盪の怖さと日本のスポーツ文化のあり方について考える必要がある。

「魔法の水」の時代はもう終わった

「魔法の水」という言葉をご存じだろうか。
ラグビーの試合中に選手が脳震盪で倒れたときに、ヤカンに入れた水(=魔法の水)を選手の顔にかける。
選手は水の刺激で気を取り戻し、競技に復帰する。
観客はそれを、拍手でもってたたえる。

いま、プロの公式戦でそのような姿をみることはなくなった。
なぜなら、脳震盪の症状があらわれた場合には、試合を続行してはならないという考えがスポーツ医学の常識となったからである。

「魔法の水」の時代は、もう終わったのである。
なぜ、試合を続行してはならないのか。
脳震盪について考えるときには、交通事故による脳震盪とスポーツによる脳震盪のちがいを認識するとよい。

その決定的なちがいというのは、スポーツでは脳震盪を含む脳損傷が、「くり返される」可能性が高いということである。

交通事故をたびたび繰り返す人はそういないが、スポーツの脳損傷はくり返される。
そしてそうした脳へのダメージのくり返しが、致命傷になりうることがこの数年、脳神経外科医の間ではもっとも重大な関心事となっている。

しかも恐ろしいのは、脳へのダメージがくり返されるときには、2回目以降の脳への衝撃がそれほど大きくなくても、致命傷になりうるというのである。

字義どおりの、選手「生命」の危機である。

柔道事故からの教訓

脳へのダメージがくり返されることが致命傷となる。

その危機感を可視化させたのは、2009年頃から話題になった柔道による重大事故であった。
柔道では学校管理下だけでも過去30年に118件の死亡事故が起きている。

この数年を振り返ってみると,たとえば、2011年には名古屋市内で、柔道で投げられて頭部を打ち付けて,「頭が痛い」と言っていた高校1年の生徒が、数週間後にまた頭を打ち、そのまま頭痛を訴えながら,3回目の頭部の受傷により命を落とした。

また今年の3月には、沖縄県の町道場でも小学3年男児が同じような事故に遭った。
男児は柔道の練習中に、頭が痛いと感じそれを指導者に訴えたものの、最終的には男児が練習を続ける意志をみせたため、練習を継続。
その後男児は、意識を失い倒れる。
急性硬膜下血腫を発症し,重大な後遺症が残る事態となってしまった。

このような事例は,まだまだある。
これらは率直に、指導者が、くり返しの脳損傷に敏感であれば、明らかに「防げた事故」である。

脳震盪後、24時間は競技に復帰すべきではない スポーツ時に脳震盪が生じたときには、それをくり返さないことがとても重要なことである。

それゆえ、「競技復帰」には慎重を期すべきである。
脳震盪問題に早くから取り組んできたラグビー界は、この競技復帰のあり方について詳細な取り決めをおこなっている。

日本ラグビーフットボール協会(JRFU)では、国際ラグビー評議会(IRB)の規定にならって、医師が状況を管理してくれる場合は「受傷後最低24時間」、医師により管理されない場合には「最低14日間」は競技に復帰すべきでないという方針である。

この基準に照らし合わせると、仮に羽生選手が脳震盪であったとすれば、羽生選手は、医師の管理下にあったと考えられるため、それでも「受傷後最低24時間」は安静にすべきだったということになる。

羽生選手の側には、本番をこなさなければならない事情もあるだろう。
ファンの声に応えたい気持ちもあっただろう。
そのことは個別の問題として置いておくとしても、どうしても気がかりなことがある。

それは、脳震盪に対する関心の低さと、脳震盪(の疑い)を乗り越える姿が美談化される日本のスポーツ文化である。

日本のスポーツ文化は、根性で危機を乗り越える場面を、拍手でもってたたえる。

そこには感動の涙が溢れている。

脳震盪の可能性が疑われるのであれば、どうか今回の出来事を機に、考え直してほしい。
そうした「拍手」や「感動」は、選手の生命をむしろ危機に追いやる可能性があるのだということを。

※ 内田良
名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授
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時間の経過する速度

時間の経過する速度は
暦の後半ほど速く感じる
2014年11月9日 東京新聞「筆洗」

 時間の経過する速度は暦の後半ほど速く感じるものだ。
二、三月あたりは猪牙(ちょき)舟で川を下る心地だが、十一月、十二月はもうロケットに乗っている気分になる

▼<やはらかに人押し合ひて一の酉(とり)>中村金鈴。
早いもので、十日は一の酉である。
暦の関係で、ことしは二の酉(二十二日)まで。
三の酉まである年は火事が増えるというが、その通りならば、ありがたい

▼はや一の酉と感じる、その体感速度を緩めるのは容易ではないが、工夫はある。
ある人に教わった。
思い切って、もう来年になったと思い込んでみるというのだ。
今年の十一月は二〇一五年マイナス二月。
十二月は同年マイナス一月という具合

▼ばかばかしいとは思わぬ。
そもそも終わってしまうと意識するので焦る。
これが時の猛スピードの正体か。
残り二分とせっつかれた二分と通常の二分は違うものだ

▼もう来年と思うことには別の利もある。
この時期を来年への助走ととらえれば、早く決意し、準備もできる。

十一月、十二月に新たな挑戦を始める人はあまりいないか。
もう年が改まるからと一月まで先送りしたくなるものだが、それでは、時間が惜しい

▼よい時期の合意である。
日中両政府が近く首脳会談を行う。
やっとである。
来年は終戦七十年という節目の年。
来年に向けて両政府が関係改善に動きだしたと信じたい。
こればっかりは鬼も笑うまい。
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2014年11月10日

NGワード!イラッとしても「親が子どもに絶対言っちゃダメ」なセリフ5つ

NGワード!
イラッとしても
「親が子どもに絶対言っちゃダメ」なセリフ5つ
WooRis(ウーリス) 2014/11/09 09:00 by 吉田和充

何度言っても言うことを聞かない。
毎回、同じことで怒られる。
こんな時、我が子を腹立たしく思い、思わず言ってしまうセリフ、ありますよね?

 ところが、子どもの成長を考えると、いくら親がイラついていても言ってはいけないセリフがあると言うのです。
そこで今回は、アジア圏の子育てサイト『The Asian Parent』の記事を参考に、“どんなにイラついていても子どもに言ってはいけないセリフ5つ”を紹介します。

■1:“ママも嫌い!

” 子どもは、ちょっと怒られただけでよく言いますよね。
「ママのことなんか嫌い!」
これを言われて、いくらイライラしていたとしても、親が絶対言ってはいけないのが、このセリフ。
子どもは親に守られているという安心感があるからこそ、こういったセリフを言うのです。
逆に、こういったセリフが出てくるのは、親子関係が健全な証拠かもしれません。
親が同じことを言うと、子どもを深く傷つけてしまう可能性があります。

■2:“バカな子だね!

” ついついイライラして、いけないと分かっていても子どもに言ってしまうことありませんか? これは子どもを相当、傷つけてしまうようです。

どんなにイライラしていても、全人格を否定するような言葉は使わないほうが良いのです。怒るのは、行為に対してのみにしましょう。

■3:“泣くのをやめなさい!

” いつまでも泣いている子どもに対して、ついこう言いたくなる気持ちも非常に分かります。
子どもの泣き声は、親をイラつかせる効果満点です。
しかし、子どもを早く泣き止めさせたかったら、これは逆効果です。
こう言われた子どもは、“自分の気持ちを受け入れてもらえていない”と思って、ますます泣き続けます。
一度、彼らの気持ちを受け入れてあげましょう。
“痛かったね”でも、“泣きたいねえ”でも何でもいいのです。
案外、すぐに泣き止みます。

■4:“うるさい! あっちに行ってなさい”

忙しい時や、ちょっと大事なことに取り込んでいる時に限って、子どもは「ママ〜」とやって来ますよね。
一度言っても分からず、しつこく何度も邪魔してきたりすると、親もついついイラッときて、言ってしまうこともあるでしょう。
しかし、これも子どもを深く傷つけるセリフです。
自分のことを大事に思ってもらえていない、と感じるようです。
「5分待って」のように、いつまで、というのを明確にしてあげると良いでしょう。

■5:“ママが言っているんだからやりなさい!

” 子どもは好奇心の固まりなので、なぜ? どうして? といった疑問がいっぱいあります。
それは怒られている時でも同じです。
しつこくしつこく理由を聞いてきます。
そんな時、面倒臭くなって、ついついこの言葉を言ってしまっていませんか?
 しかし、この言葉は、何の説得力もないどころか、逆に子どもに不平を感じさせてしまいます。
短くても、こじつけでもいいので、理由を説明しましょう。

以上、“どんなにイラついていても子どもに言ってはいけないセリフ5つ”でしたがいかがだったでしょうか。
ついつい言ってしまう、というものばかりではありませんか?
こうしたセリフ、大人が思っている以上に、子どもは傷つくこともあるようです。

育児は育自ともいいますが、自分を大人に育てるためにも、イライラした時に、このセリフだけは言ってはいけない、ということは覚えておきましょう。
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2014年11月14日

他人事じゃない!年間1万人が命を落とす「寒暖差によるショック」回避法

他人事じゃない!年間1万人が命を落とす
「寒暖差によるショック」回避法
2014.11.13 19:30 NEWSポストセブン

だんだんと寒くなってきました。
これからの季節、寒暖差で身体がダメージを受ける“ヒートショック”で命を落とす人が増えてきます。
ヒートショックが原因で亡くなる人は、年間なんと1万人以上いるといいます。
とくに気をつけたいのが高齢者。
高齢者が家の中で亡くなる原因の約25%は、このヒートショックが原因とも言われています。
ただ、これは高齢者に限らず、若い世代でも起こりうること。
そこで今回は、管理栄養士の筆者が、他人事ではない“ヒートショック”について、その対策法と一緒にご紹介します。

■ヒートショックとは

ヒートショックとは、急激な温度変化によって、身体に及ぼされる影響のこと。

例えば、寒い外から帰宅して、そのあとすぐに熱いお風呂に入る、なんてことありませんか? ついやってしまいがちな行動ですが、10度近い急激な温度変化があり、身体に悪影響を及ぼしてしまいます。

■脳にも危険!

では、急激な温度変化は身体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
気温と関係するのが血圧です。
寒い時は血管が収縮し、熱い時は血管が拡張しますが、急激な温度変化が起こると、体温を一定に保とうとするために、血圧や脈速度も変化し、心臓に負担を与えてしまいます。

冷たい水を急に身体にかけられると心臓麻痺を起こしやすいというのは知られていますが、その逆でも身体に負担がかかってしまうことは意外と知らない方もいるのではないでしょうか。
血液の流れるリズムが急激に変わるので、血圧、心臓以外に脳にも影響を及ぼし、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害などにつながりかねない危険な状態になることもあります。

■ヒートショックが起こりやすい場所と予防策

では、どのようにすればヒートショックを防げるのでしょうか。
日常生活において、ありがちな状況といえば、寒い脱衣所から温かい湯船があるお風呂場へ移動する時が挙げられます。
脱衣所はお風呂に入る前から温めておき、お風呂場に入る時は、床をシャワーで温めておく、または湯船に入る前に心臓から遠い足や手にかけ湯をするなどして、身体を慣れさせていくことが予防策になります。

以上、年間1万人以上が命を落としているという“ヒートショック”についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

寒い時期ではありますが、入浴温度が41度以上になると、浴室での死亡者が増加するとも言われています。
お風呂の温度は38〜40度くらいにして、20分くらい時間をかけて入浴することで、ぬるめのお湯でも身体の芯まで温まることができますよ。

とくに、もともと血圧が正常でない人や、不整脈がある人はもちろん、肥満気味の人、1番風呂が好きな人は、ヒートショックになりやすいので注意が必要です。
お酒を飲んだあとにも気をつけてくださいね。
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2014年11月15日

近藤誠さんが発言できる社会

近藤誠さんが発言できる社会
2014年11月14日 読売新聞
イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常

 僕は、常々、「少数意見も聞いてみよう」と思っています。
そして、そんな姿勢を実行してきたつもりです。
いろいろな意見を聞いて、それらを参考にして自分で判断を下すのが一番、腑ふに落ちるからです。

 ヨミドクターにも、「近藤誠さんが流行る深層」というコラムが登場しました。

 近藤先生と僕は同じ大学の卒業で、僕の10年ぐらい先輩になります。
面識はありません。
近藤先生も僕の事は知らないと思います。

一般外科医として乳癌がんの手術をしていた二十数年前から、その当時定型的であった乳癌の治療に対する疑問を投げかけていた方なので、僕にはなんとなく「嫌な存在」でした。

自分のやっていることを否定されているようで。

いろいろな意見が出るのが健全

 さて、最近は近藤誠先生をちょっと応援しています。
理由は簡単で、少数意見だからです。

僕は、少数意見が正しく発信される世の中が健全と思っています。
大多数の意見の陰に隠れて、少数意見が言えないような雰囲気が嫌いなのです。

今の日本の世論にもそんな危険を少々感じています。

 いろいろな意見が出て、それも実名で自分の意見を言って、それに反対の意見があれば、それも聞いて、自分の主張の正しさを訴えるもよし、また反対意見の有益性を考慮して、自分の意見を修正することもいいでしょう。

 近藤誠という人が、今の医学的常識とはちょっと異なったことを言える世の中が好きなのです。
そして、今の世の中は、「市場原理」の見えない力が働いています。
また、医療は「明らかに間違い」と思われていることと「明らかに正しい」と思われていること以外のグレーの部分が実は結構多いのです。

医療にはグレーゾーンが多い

 さらに、「今、症状がない病気」を扱うと、そのグレーゾーンは一気に広がります
「今、症状がある病気」は比較的判断しやすいです。
痛みがあれば、その痛みをとる治療の合否は比較的簡単にわかりそうです。
今出血して命にかかわる状態であれば、その出血を止めないと救命できないので、なんとなく正しそうな医療はわかりそうです。

 一方で「今、症状がない病気」に対する判断は結構むずかしいのです。
 例えば、
(1)高血圧を放置すると将来的により重い病気になるから、今治療を開始しましょう。
(2)早期癌の状態で発見すれば延命可能です。
(3)検診で病気を見つければ長生きできます。

 どれもなかなか現時点では正しいか間違いか判然としません。
それは将来的なことについて、比較的短い期間の観察や、少数の観察者からの推測で、なんとか正しい結論を見いだそうとしているからです。

そこに作為や市場原理が働くこともあるでしょう。
「今、症状がない病気」に対する介入は、寿命を延ばすことを目的としているのですから、観察しているグループが死ぬときに、そして治療をした群と、しない群の膨大な数をすべて比較検討すれば、結論は出ます。
でもそれは数十年先のことですね。

反論は実名ですべき  近藤誠先生と意見の異なる先生方は、ヨミドクターのコラムのように、実名で反論すべきですね。
そして、僕は公開の討論会が開催されることを望みます。
できれば、ライブがいいですね。
そしてその画像を後から、誰でも視聴できることがフェアだと思います。

そして、いろいろな意見があることを多くの人が理解し、どちらが正しいかを判断すればいいのです。
または、僕のように、「ある意味、両方正しいのかもしれないな。
いずれ正しいことは判明するだろうな」と思うこともいいでしょう。

 そんないろいろな意見が日の目を見る世の中が大好きです。
そんなこと当たり前だと思いますか。

東日本大震災の時に、ほとんどの専門家は、福島原発はメルトダウンしていないと言い放っていました。
メルトダウンしているという少数派の意見は抹殺されていました。
でも、今ではメルトダウンは誰もが認める事実です。
本当に専門家が全員そう思っていたのであれば、それこそ想定外ですね。
少数派の意見も大切ですよね。
どんな領域でも、どんな時にも。医療分野でも。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

◆ 新見正則(にいみ まさのり)
                 帝京大医学部准教授
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2014年11月16日

「マナーがなってない」のは中高年の方だ! 「若者擁護」の新聞投書めぐりネットでバトル

「マナーがなってない」のは中高年の方だ! 
「若者擁護」の新聞投書めぐりネットでバトル
2014/11/15 16:27 J-CASTニュース

「最近の若者はマナーや礼儀がなっていない」とよく批判されているが、むしろマナーや礼儀がなっていないのは中高年の方である――朝日新聞に寄せられた、そんな読者の「本音」がネットで話題になっている。

投稿したのは「牛丼店でアルバイトをしている」という40代の女性で、これを読んだ人たちは、「接客業をしているとこういう結論になる」といった賛同や、マナーや礼儀を知らない人は一定数いて少子高齢化で数の多い中高年が目立っているだけ、などといった反論が出ている。

「店でキレて騒いでるのは、おっさんおばさんばかりだよ」 

話題になっているのは2014年11月14日付けの生活面「職場のホ・ン・ネ」への投稿だ。

題は「お金投げ置く中高年」となっていて、内容は、若い人は食事を終えた後に「ごちそうさまでした」と言って料金を払ってくれるけれども、レジで言葉もなく、投げるようにお金を置くのは中高年の男性ばかりだ、と書いている。

「お金を払って食べてやっている」という感覚なのかもしれないが、そんな親に育てられた子供があいさつしない大人に育つのだと思う、とし、 「嘆くべきは常識のない若者ではなく、お手本にならない大人たちではないでしょうか」 と疑問を投げかけた。

この投稿は、この欄に11月7日付けで掲載された投書への反論で、11月7日付けでは大手企業の社員寮で清掃をしている60代の女性が、「150人程いる20代の独身男性のうち約半数がろくにあいさつもしない」と嘆いていた。

この投書を巡ってネット上では、マナーや礼儀がなっていないのは若者なのか、中高年なのか、といった議論が起きていて、ツイッターや掲示板には、
「私も接客業で働いたことあるけど、中高年のおじさんって本当にタチ悪い。何であの年代って横柄なんだろ」

「若い人にもクズはいるのはあたりまえだが、実際に店でキレて騒いでるのはおっさんおばさんばかりだよ
「カスタマーサポートでもクレーマーは大抵40代以降のやつだったなw若い子はおどおどして慣れてない感じだけど敬語だったり謙虚な子がほとんど」 などといった意見が出ている。

一方で、少子高齢化社会だから数の多い中高年が目立っているだけであり、若者はマナーや礼儀を知らないばかりか狂暴化しているとし、東京・渋谷での、サッカーやハロウィンの際のバカ騒ぎぶりを挙げる人もいる。

「近頃の若者」よりも
「近頃の年寄り」を検討すべき

ただし、「近頃の若い奴らは・・・」と語られ、若者の将来を憂う事はいつの時代にもあったわけだが、ここのところ、若者だけでなく中高年のマナーや礼儀、モラルの低下を指摘する声が大きくなって来ているのも確かだ。

国際政治学者で慶應義塾大学法学部の田所昌幸教授が13年11月3日付けの読売新聞に『「昔はよかった」と言うけれど』(大倉幸宏著)の書評を書いていて、
近年の若者は一般に礼儀正しく、公共の場所でのマナーもよいのに対して、むしろ傍若無人なのは、親父世代に多いように思えてならない」 と論じている。

いろんな窓口で若い担当者に苦情を言っているのは比較的年配の女性が多い印象だし、電車内で田所教授にいつも絡んでくるのは団塊の世代の男性なのだそうだ。

この団塊の世代も「最近の若い者は」というセリフをさんざん聞かされた。
若者のマナーやモラルの低下について識者は、都市化や近代化が原因だと結論付けてきたが、果たしてそうなのか、と疑問を投げかけ、 「元気のいい高齢者が増えた現代では、『近頃の若者』より、むしろ『近頃の年寄り』の方を検討してはどうかしら」 などと提案していた。

今回の投書をめぐる議論を通し、田所氏の提案や指摘にあらためて注目が集まりそうだ。
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2014年11月17日

5年何もしないと預金が消えちゃうって本当?


5年何もしないと預金が消えちゃうって本当?
2014年11月16日 9時34分 マイナビウーマン

給与振り込みから公共料金の引き落としまで、幅広く使える普通預金。

現金で持っていても利息がつかないし、火事やドロボウのリスクを考えると、金融機関に預けておけば安心と思っているひとが多いだろうが、5年間使わなかった預金は、消滅しても文句が言えないのはご存じだろうか。

友人や知人に貸したお金は10年経つと時効を迎え、返す必要がなくなるが、銀行に預けたお金は「商行為」とみなされ、5年間なにもしないと払い戻しができなくなる。

トラブルを避けるためには、普通預金ならときどき出し入れを、定期預金は自動継続にしておくのがおすすめだ。

■5年経ったら預金が消える!

お金を貸した場合、貸し主には取り返す権利=債権(さいけん)が、借りたひとは返却する義務を意味する債務(さいむ)が発生する。

本来、債権/債務は永久に続くべきなのだろうが、ある一定の期間を過ぎても債権を行使しない場合、「返して欲しい」という意思がないと見なされ債権が消失する。

これは時効(じこう)と呼ばれ、商売を目的とした商事債権は5年、友人や知人に貸すなど営利目的でない場合の民事債権は10年と定められている。

もし10年以上前にお金を貸していたら、商事/民事のどちらのパターンも時効となっているので、あきらめるしかないのだ。

金融機関に預けたお金はどのように扱われるのか?

 あまり意識せずに預金するひとが多いとは思うが、預金を運用するのが仕事だから、金融機関からみれば「商行為」以外のなにものでもない。
つまり預金者にとって口座のお金は「商事債権」となるので、やはり5年で時効を迎え、それ以降は払い戻しができなくなる可能性があるのだ。

ポイントは「5年間一度も引き出しをしていない」点で、たとえ千円でも引き出せば債権を行使したことになり、時効の起算日はリセットされる。

定期預金の場合、満期を迎えると普通預金に入金されるパターンが一般的で、うっかりしているとこれも時効を迎えてしまう。
そこで「自動継続」にしておけば、満期のたびに出金〜入金をしたことになるのでOKだ。

■郵便貯金は別モノ扱い

ただし「郵便貯金」の場合は5年経っても時効は完成しない。
郵便貯金法・29条によって20年2ヶ月と定められているからだ。
郵便貯金法は民営化を機に廃止されたが、
1. 最後の利用から10年経つと、別ワクとして扱われる
2. 1.から10年後に、預金者に通知を送る
3. さらに2ヶ月経ったら、貯金が消滅
のルールで、なんと20年2ヶ月のあいだに一度でも預け入れか払い戻しがなされればリセットされる。

民営化後は、他の金融機関と同じ「5年ルール」が適用されるので、利用しているひとは確認しておこう。
これらは法律上の「可能性」であり、実際は時効を迎えるまえに金融機関から通知が来るのが一般的だし、時効となったあとも払い戻しできるケースも多い。

ただし「応じられません」と言われても、法律に準じた対応だけに反論の余地はない。
いくつかの金融機関に預金を分散させているひとは「めったに使わない口座」が生まれやすいので、ときどき預け入れ/引き出しをしておこう。

■まとめ
・預金は5年で時効を迎える
・時効後のお金は「消滅」扱いとなり、引き出せなくても文句が言えない
・ときどきお金を出し入れすれば、時効はリセットされる
          (関口 寿/ガリレオワークス)
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2014年11月20日

「うつ」でもできた相続手続き

個人でもできる遺産相続
うつ病障害手帳2級 小だぬき

住居の法務局での所有権移転手続き終了、信託銀行の名義変更終了、地銀名義変更終了と 一歩ずつ相続手続きがすすんでいます。
9月には 母への遺族年金手続き終了。

妹の電話問い合わせや書類申請の力が 土台になっています。

一番大変だったのが 父の産まれてから今までの戸籍謄本の収得。
水戸市役所での追跡でした。
係りの人の親切で 何とか結婚までの戸籍謄本を取れましたが、戸籍法の改正が幾度かあって 様式も違う手書き戸籍。
今の電子化より温もりが感じられるものです。

また 遺書があればともかく ない場合の「遺産分割協議書」の作成。
遺産となる預貯金や株の洗い出しから始めました。

不動産の所有権移転の手続きの際、相談員から「遺産分割協議書」の誤字一つ指摘されましたが、まず 通るでしょうと受理してくれて 昨日 登記が終了しました。

遺産分割協議書も葬儀社の相続手続きの手引きで 作成しました。
葬儀社の選定が 大切だと思いました。アフターケアーも充実した会社を頼めるようにしたいものです。
弟の死の時、大変親切に助言してくれた葬儀社に 父の葬儀も迷わず頼みました。

今記録として必要な書類を書いておきます。
⑴被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
⑵相続人の戸籍謄本、印鑑証明、住民登録票
⑶遺書または「遺産分割協議書」
⑷各金融機関の相続、名義変更用の書類
⑸死亡診断書(少なくとも5枚はコピーしたい)
⑹年金手帳、年金支給通知書
⑺被相続人の通帳や証書

私の印象ですが、年金事務所の社労士さん  法務局の相談員の方はとっても丁寧に詳しく説明してくれて 届出用紙の記入もアドバイスしてくれました。
また 各金融機関の担当の方の対応も素敵でした。

全ての手続きを 金融機関なりに委託すると100万円ほどの支払いになるとのことです。
苦労してでも 被相続人の生きた記録を追試するつもりで やろうと思えば 相続家族で自力でできます。

あと残っているのは、相続の書類待ちの分と死後3ヶ月ほどで送られてくるという 父の「準確定申告」です。
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2014年11月22日

人間ドック 毎年受けるほど健康リスクが上がると近藤誠医師

人間ドック 毎年受けるほど
健康リスクが上がると近藤誠医師
2014.11.21 07:00 NEWSポストセブン

 職場の健康診断で、人間ドックを受ける人も多いだろう。
毎年きちんと受けていれば安心と思いたいところだが、人間ドックに行く人ほど寿命が縮む危険があるから要注意と言うのが、元慶應大学病院のがん治療医、近藤誠氏だ。

どういうことだろうか?
「今は機械が精密になっているから、数ミリの小さな腫瘤も発見されてしまう。
脳に腫瘤を見つけられて、いつ破裂するかわかりません、なんて言われれば、手術して切除しようと考えるのも無理ないでしょう。

 でも、脳腫瘍の場合、1センチ未満の腫瘤が1年以内に破裂する可能性は0.05%です。
20年経っても1パーセント。

一方、脳腫瘍の手術を受けて、後遺症が残る確率は15パーセントです。
どちらが危険でしょうか?
 毎年きちんと人間ドックを受ける人ほど、小さな腫瘍を発見されてしまうから危険なんですよ。

 血圧やコレステロールなんかもそう。ちょっと基準値を外れるだけで異常とされ、薬を出されてしまいます。
血圧140mmHgで降圧剤なんてとんでもないですよ。
適正な血圧は人によって違うのです。
それを一律に下げようというのはおかしい。
そもそも高血圧値の基準は根拠のはっきりしない恣意的なものです」  

 人間ドックの受診者は年間300万人を超えるが(2012年)、受診者の9割方に、どこかしらに異常が発見される。
そして何かしらの治療を勧められるのが現状だ。
人間ドックに行かなければ降圧剤を常用する生活とは無縁だった──という人も少なくあるまい。  

しかし人間ドックは、がんの早期発見に必要ではないかと考える人は多いが、近藤氏はそれを否定する。

「検診でがんを早期発見すれば、治療しやすいというのは思い込みであって、科学的に証明できるデータはないんですね。
それより問題は、検診で“がんもどき”を発見されて、受けなくてもいい治療に駆り立てられることです。
今すぐ手術しないと治らないとか脅されて臓器を切除されたり、抗がん剤の副作用で苦しめられる可能性があり、そのほうがよほど有害。
不要な治療によって寿命が縮むこともありますから」

“がんもどき”というのは、近藤氏の命名で、放っておいても転移しないがん細胞のことである。「検診で見つかるがんは、ほとんどがんもどき」だと言う。

「一番いいのは人間ドックも検診も受けないことです。
体調が悪いという自覚症状が出てきたら検査すればいいのです。

無症状で受ける検査は百害あって一利なし」

近藤氏自身、職場の定期健診を受けたのは慶應大学病院に入局した初めの年だけ。
その後40年間、受診を拒否した。

その間、病院側が何とか近藤氏に健診を受けさせて、氏の「検診・健診不要論」の切り崩しを画策したことが、新刊『がんより怖いがん治療』(小学館刊)に明らかにされている。

 ところで、現在発売中の漫画雑誌『ビッグコミック』の表紙を近藤氏が飾った。
医療界の不正にメスを入れる新連載「医者を見たら死神と思え」(原作・よこみぞ邦彦、作画・はしもとみつお)の監修者としての登場である。
表紙には「告発者」として紹介されているが、人間ドックを含めた検診の無効性も告発しつづけている。
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2014年11月24日

要注意!週末の「寝だめ」は逆に疲れやすい身体になる

要注意!週末の「寝だめ」は
   逆に疲れやすい身体になる
2014.11.23 雑学 日刊SPA

普段、あなたが何となくとっていた行動や良いと信じて行っていたことが、実は自分や周りに害を及ぼすとしたら……!?
 朝起きてから眠るまで、あらゆるシチュエーションのNG行為をジャッジしてみた 【健康編】

その定説、今となっては大間違いかも 睡眠

 体に良かれと思ってしていたことが、実はまったく意味がない、あるいは逆効果という場合が。

 睡眠に関する誤解は多い。
例えば、寝不足で週末などに寝だめする人が多いが、これは厳禁だ。

「睡眠にはリズムがあります。
体内時計は個人差があり、一日24時間ぴったりではない人が多いのですが、毎朝強い光を浴びることで、地球の24時間に合わせています。
ところが、週末などにたっぷり寝てしまうと、体内時計が乱れ、休み明けの目覚めの悪さに繋がってしまいます」(ロフテー快眠スタジオの上級ピローフィッター・矢部亜由美氏)

 ついやりがちなスポーツウェアを寝間着にすることも逆効果!

 「スポーツウェアは、激しい動きに耐えられるよう縫製などしっかりしているため、体を締め付けることがあります。
また、運動するときとは違い、寝るときはスポーツウェアのまわりに布団があるので、汗が逃げにくいことも。
寝るときはゆったり寝返りを打てて、汗を吸い、乾きやすいものを着ることが大切です」(矢部氏)

 さらに「眠れないときは、布団の中で目を閉じて横になるだけでもいい」という定説も実はNGだ。

「眠くないのに布団に入ることで、『寝よう、寝よう』と意識しすぎて、かえってプレッシャーで寝られなくなることもあります。
すると、布団が『眠れない場所』として脳で記憶されてしまい、不眠に繋がる危険性もあるんです」(同)

 また意外なところでは、金縛りを怖がること。
金縛りは脳は覚醒して体は休んでいる状態で、心霊現象ではない。怖がることで、かえって恐ろしい幻想を脳が描いてしまうんです」(同)

●寝酒をしてはいけない ⇒寝入りは良くなるが睡眠の質が落ちて体は休まらない
●寝る直前に熱い湯船に浸かる ⇒交感神経が刺激されて逆に目がさえてしまう
●シャワーで鼻うがいをしてはいけない ⇒水道水の細菌が体内に入り込み脳炎を起こす可能性も
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2014年11月25日

介護の前に知りたい認知症の「行動パターン」

介護の前に知りたい認知症の「行動パターン」
2014年11月25日(火)配信
週刊朝日 2014年11月28日号掲載

認知症になった親や配偶者が問題行動を起こしたとき、家族は否定したり、抑えつけようとするが、その「NGワード」でかえって行動をエスカレートさせ、症状を悪化させることが多い。  

NGワードで認知症の人を傷つけたり、気遣って治療が遅れてしまわないためにも、認知症になったとき、どんな症状が表れるのか「行動パターン」を知っておきたい。

「川崎幸クリニック」(川崎市幸区)の杉山孝博院長は30年以上、認知症の診察に携わり、現在も約140人以上を訪問診療している。

現場での経験に基づき、認知症の人には「行動のパターン」があることを見つけた。
講演会等で介護をする家族に広く伝えている。

 まずは、(1)「記憶障害に関する法則」。

これは、何度も繰り返し同じことを言うトモコさん(仮名・50代)の70代の母の「記銘力低下」に当てはまる。
記憶障害にはほかに、話したり食べたりした経験そのものを忘れる「全体記憶の障害」、近いことから忘れていく「記憶の逆行性喪失」がある。


 ヨウコさん(仮名・50代)に暴言を吐いた80代の義父は、身近な人に感情が強く出る
(2)「症状の出現強度に関する法則」。

 介護する人が押さえておきたいのは

(3)「自己有利の法則」。

記憶障害のため、やったことを忘れて「知らない」「そのことをやったのは自分ではない」と言う。
息子の妻に傷つく言葉を投げかけられたカズコさん(仮名・77)の症状がこれだ。

「周りの人は、やったのに『やっていない』と言い訳することが認知症の症状なのだと捉えて、腹を立てないで、その言い分を冷静に受け止めてほしい」(杉山院長)

(4)の「まだら症状の法則」は、
正常な部分と認知症として理解すべき部分が混在すること。周りの人は歯がゆく感じて、強い口調で否定してしまうことがあるが、効果はない。

(5)「感情残像の法則」は、

出来事はすぐに忘れても、嫌な感情は残像のように残ること。
カズコさんの場合は叱責されたことで認知症の症状を悪化させ、半年間ふさぎ込んでしまった。

認知症の人に悪い感情を残させないための四つのコツは、
会話の中で「褒める、感謝する」「同情する」「共感する」「謝る、認める、演技する」など。  

家族が認知症を理解したことで、NGワードを発しなくなり、症状が改善することもある。

※週刊朝日  2014年11月28日号より抜粋
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2014年11月26日

「修繕積立金」のマジック 新築時は低く設定し徐々に値上げ

「修繕積立金」のマジック
 新築時は低く設定し徐々に値上げ
2014.11.23 zakzak 夕刊フジ 連載
:本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司

 分譲マンションを購入すると、誰もが払わなければならないのが管理費と修繕積立金。

管理費は日常の管理業務に対するコストだが、修繕積立金は将来発生する共用部分の修繕工事のための積み立てだ。

 多くの分譲マンションは、十数年に一度の割合で大規模修繕工事を行っている。
だいたい1戸当たり100万円くらいの負担になるケースが多い。
修繕積立金とは、主にその費用を毎月積み立てていると考えればよい。

 しかし、この修繕積立金のあり方には多くの問題がある。

 まず、そもそも大規模修繕工事が十数年に一度という頻度で必要か、という基本的な問題。
多くのマンションでは、大規模修繕工事を管理会社が請け負って下請けに丸投げしている。
利益率は推定で2割から4割。
分譲マンションの中には40年以上も大規模修繕工事を行っていないのに、さしたる支障をきたしていないケースも多い。

 つまり、多くのマンションは差し迫った必要のない大規模修繕工事を行っている可能性が高い。
以前にも指摘した通り、分譲マンションの長期修繕計画は、管理会社の長期収益計画と化している

 さらに、その費用である修繕積立金は入居後に値上げされるケースが多い。
新築時は7000円だったのが15年後には2万円になっている、といったパターンだ。
特に50戸未満の小さなマンションの場合は要注意。

 これは、新築物件を売りやすくするための偽装のようなものだ。
住宅ローンを使って購入しようとする消費者は、販売価格よりも月々の負担額、ローン返済と管理費等の合計額を重視する傾向にある。
 そのため、販売側は管理費や修繕積立金をできるだけ安く見せたいと考える。
ところが、日常のコストである管理費には限界がある。
そこで、修繕積立金を本来必要である額よりも低く設定する。
不足分は将来の値上げで補うという発想だ。

 入居後数年ごとに3割から5割程度値上げしていき、最終的には当初の3倍程度の負担になるような計画が多い。
購入者は、そのことを説明されても「まあ、何年も先のことだから」「その頃には給料も増えているだろう」と、安易に受けいれてしまう。
そして、実際に値上げの時がやってくるとがくぜんとする。

 管理費や修繕積立金の高い中古マンションは敬遠されるから、資産価値にも影響する。

 新築時の修繕積立金を低く設定するのは、明らかに販売側の都合。
購入者にとっては多少買いやすくなるメリットはあっても、将来への負債を増やすというデメリットと相殺される。
  これは、業界にはびこる消費者軽視の悪しき商習慣の一例だ。

 だが、購入者にも対抗手段はある。
そもそも管理費や修繕積立金の負担額は、各マンションの管理組合が決めること。
不必要な大規模修繕工事を行わずに、管理費を据え置くように組合の総会で決議すればよいのである。
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2014年11月27日

リニアは?原発は?…列島縦断「糸魚川断層」動き出した恐怖

リニアは?原発は?…
列島縦断「糸魚川断層」動き出した恐怖
2014年11月25日 日刊ゲンダイ

3連休の初日(22日)に起きた長野北部地震。
連休明け25日の午前6時27分ごろにも、長野県小谷村で震度4の地震があった。
これで余震は90回近くを数え、何とも不気味なのだが、最大震度6弱(M6・7)は、「神城断層」が動いて発生したとみられている。

神城断層は「糸魚川―静岡構造線断層帯」の一部。
日本列島を縦に貫く大断層だ。

ここが動き出したとなると、リニアや原発など、「大丈夫なのか!?」とさまざまな心配が出てくる。

東北大災害科学国際研究所の遠田晋次教授が言う。

「1000〜2000年かけて地表がズレた『ひずみ』が今度の地震で解放されたことになります。
となると、阪神大震災クラスの地震(M7・2)が起きても不思議ではなかったが、今回動いたのは神城断層のごく一部。
震源の深さは約10キロでした。

『糸魚川―静岡構造線断層帯』は全長150キロといわれています。
松本―甲府にかけては一度にズレたら最悪M8クラスの揺れが起きるとされている。
今度の地震が今後、どう影響するかは分からない状況で、調査を進める必要があります」

「糸魚川―静岡構造線断層帯」は、リニアの建設ルートである南アルプス地域に重なっている。専門家の中には、運行中の地震に対する備えが不十分と指摘する声も多い。

静岡県では断層帯の上に浜岡原発がある。

 富士山噴火への影響も気になる。

9月、噴火した御嶽山は糸静線の上にあるのだ。

 地震直後には、震度5弱を記録した長野県小谷村を南北に流れる姫川の水位が低下。
一時40センチも低くなり、今でも20〜30センチ下がったままだ。

 糸静線の西に位置する岐阜県飛騨市神岡町の地下水観測所では8月から10月半ばにかけて、毎分130リットルほどの流量が25リットルに激減した。

9月には富士山の北麓に位置する山梨県笛吹市石和町の道路が、縦7メートル、横4メートル、深さ3メートルにわたって陥没した。

「河川の水位低下、地下水量の減少、道路の陥没は、地盤沈下で説明がつきます。
日本最大の活断層・糸静線や富士山周辺の地殻が少しずつ下がっているのです。
火山のマグマだまりはスポイトのつまむ部分みたいな構造で、断続的に刺激を受けていると、富士山のマグマだまりが刺激され、噴火に結びつく恐れは十分あります」(琉球大名誉教授・木村政昭氏=地震学)

 人的被害が少なかったからといって、今回の地震を軽視できない。
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2014年11月28日

公平・平等を欠く小児臓器移植報道

中村祐輔の「これでいいのか!日本の医療」
公平・平等を欠く小児臓器移植報道
2014年11月25日 読売新聞

 子供の臓器移植のための募金活動や、子供が海外に移植を受けに行ったり、元気に帰ってきたりした際の報道を目にする。
このようなニュースに触れる度に、移植を受けさせたくともお金もない、募金するすべも知らない親の気持ちを考えると、やるせなく、切ない思いが胸をよぎる。

 2010年7月17日に改正臓器移植法が施行され、本人の意思が不明な場合でも、家族の承諾があれば臓器が提供できるようになった。

これを受けて臓器移植の数はふえたものの、日本では臓器移植を希望する患者数に対して、提供者数ははるかに少ない。

 日本臓器移植ネットワークの2014年10月31日現在でのデータによると、臓器移植を希望する患者数は、臓器別に心臓が347名、肺236名、肝臓406名、腎臓12,612名、膵すい臓200名となっている。

これに対して、2013年度に臓器を提供された方は84名に過ぎない。
実施された移植件数は、心臓37件、肺40件、心肺同時1件、肝臓38件、腎臓130件、膵臓9件、肝腎同時1件、膵腎同時24件となっている。

これでは、生きるために、海外に臓器移植を求めざるを得ない。

科学的には脳死は人の死

 様々な理由での反対論が巻き起こり、法的な整備が遅れたことが、日本で臓器移植が進まない大きな要因の一つだ。
これにもまして大きな理由は、脳死を死として認めない、認めたくない日本人的な感情がある。このような感情はもちろん理解できるが、やはり科学的には脳死は人の死と同等だと私は考える。

 脳死の定義や判定法などに疑義が呈されることがあるが、医療に100%の完全を求めることは無理だと思うし、例外的な予想外の事態は必ず起こる。
進行がん患者から、がんが消えてしまうことは珍しいが、報告例はあることも事実であるように、医療に完全・絶対はありえないことだ。

募金活動を支援する基準を明確に

 しかし、報道に見る臓器移植のダブルスタンダードは何とかしてほしい。
臓器移植、すなわち、脳死に疑義を唱えるなら、臓器移植を美談として報道しないでほしい。
もし、是とするなら、その必要性を訴えてほしいと思う。
それにもまして、苦々しく思うのは、特定の子供に対する募金活動支援だ。

 15歳未満で心臓移植を希望する子供は15名いる。
一体どのような基準で、募金活動を支援するしないを決め、助ける子供を選択しているのか。
報道機関は支援する基準を明確にすべきだ。

腎臓・肝臓移植についても、近親者から臓器や臓器の一部の提供を受ける可能性もあるものの、15歳未満の希望者は80名近い。

著しく公平性・平等性を欠く姿勢だと感じているのは私だけか?

臓器提供をした側を思いやる配慮を  臓器移植が重要な医療の一環と考えるなら、このような個別の募金活動支援ではなく、脳死移植が進んでいない現状を報道し、移植医療の重要性を訴えるべきではないのか。

かつて、海外で健康な人から腎移植を受けた日本人がいたことが問題になった。
このような状況を容認することはできないが、腎臓移植希望者に対して、2013年の1年間に実施できた腎臓移植は、1%強だという現実は重い。
病腎移植問題も結局うやむやになったままだ。

 当然のことながら、脳死移植は、他人の不幸を前提にした医療であるという認識が必要である

海外で臓器移植を受けて健康で帰ってくる子供の背後に、子供の死を嘆き悲しんでいる親がいることを忘れてはならない。
日本の報道は、常に、美談仕立てになっているが、臓器提供をした側を思いやる配慮に欠けていることが悲しい。
 報道が不公平・不平等な医療を生み出していることを含め、現実の臓器移植の問題を見つめてほしい。
心臓・肝臓や腎臓の再生医療など遠い未来の話なのだから。
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2014年11月29日

あなたは大丈夫? 今月の給料を使い切ってしまう「3つの原因」

あなたは大丈夫?
今月の給料を使い切ってしまう「3つの原因」
2014年11月29日(土)12時45分配信 All About

【ニューリッチへの道ガイド:午堂登紀雄】

 「人は資源を使い切る傾向がある」というのが「パーキンソンの法則」です。
これはお金も同じで、「稼いだお金は全部使う」「収入に応じて支出も増える」という人がいます。なぜなのか考えてみましょう。

■入ってきたお金を使い切ってしまう、
                      パーキンソンの法則

 パーキンソンの法則とは、イギリスの政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが、「役人の数は仕事の量とは関係なく増大する」と英国の官僚主義を観察したことが由来です。

 現代では「仕事量は与えられた時間を使い切るまで膨張する」(第一法則)、
「支出は収入の額と一致するまで増大する」(第二法則)で有名です。

あるいはコンピュータの世界でも「データは与えられた記憶容量を埋め尽くすまで増大する」などのバリエーションがあります。

 いずれにせよ、「人は資源を使い切る傾向がある」というのが「パーキンソンの法則」です。これはお金でも同じで、「稼いだお金は全部使う」「収入に応じて支出も増える」という人は、「パーキンソン症候群」と言い換えることができそうです(病気のパーキンソン病のことではありません)。

 収入をすべて使いきってしまう人の傾向としては3つあります。

 1つは、「今と同じ収入が今後も続くはず」という、根拠のない過信があること。
高額所得者が陥りがちな傾向ですが、「先月も100万円入ってきたし、今月も100万円入ってきた。
だから来月も再来月も100万円ずつ入ってくる」と思い込み、気が大きくなって高コストな習慣になってしまうことがあります。

 2つ目として、自分がどこへ重点的にお金をかけるかの軸がないことも要因として挙げられます。
軸がないから満遍なくお金を使い、それが浪費に拍車をかけます。

 ではなぜ軸がないかというと、プライドが高いからです。
そのため、人の目に触れやすいものや、自尊心を満足させてくれるものにお金を使いがちです。飲食費、被服費、住居費の割合が高いのもこのタイプです。
だから、年収が1000万円あっても、貯金はほとんどないということが起こります。

 3つ目は、「あるものは食べ尽くす」という動物が持っている本能を、理性で抑えられないことです。
草食動物を見ればわかるとおり、草原のエサ(草)がなくなるまで食べ、食べ尽くしたら飢えるか別の場所に移動します。

 彼らには、「これは小さな芽だから食べないで育つまで待とう」
「食べ尽くすと将来飢えてしまうから残しておこう」という自制心はありせん。
そこに生えていて食べられるなら全部食べます(もちろん例外はあり、たとえばネコがよくエサを食べ残すのも、飢えに備える本能だといわれています)。

 人間は理性があるため、安定的に食糧を確保したり、お金であれば全部使いきらないで将来の備えとします。

 そんな「使い切ったら将来困るかも」という想像や、「少しは貯めておこう」という自制が効かない人が、一定の割合で存在するようです。

たとえば山や砂漠で遭難したとき、手持ちの水は少しずつ飲まないと、あとで苦しくなるとわかりますが、一気に飲んでしまうような人です。

 ただし、20代のうちは貯金などせず、すべてを自己投資(人と会う、本を読む、旅をする、多種多様な経験をする)に充てるくらいでちょうどよいと私は考えています。

 とはいえ、2つ目の原因のように、投下した以上の効用が得られない、ただの自己満足で終わるという使い方をしていたとしたら、それはただの浪費ということになってしまうので、注意が必要です。
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2014年11月30日

路上生活より過酷な彼女たちの生。これがいまの日本の現実なのか?

路上生活より過酷な彼女たちの生。
         これがいまの日本の現実なのか?
2014.11.20 ザヴィンチNEWS

最貧困女子
 : 発売元 : 幻冬舍 著者名:鈴木大介

 軽い気持ちで読み始めたが、こんなに暗く救われない思いにとらわれるとは…。

最貧困女子。
この本でそう呼ばれているのは、低所得に加えて、
家族の無縁(助けてくれる家族親戚がいない)、
地域の無縁(苦しい時に相談できる、助言してくれる友人、知人がいない)、
制度の無縁(生活保護など、社会保障制度から漏れてしまっている、または制度そのものを知らない)の「三つの無縁」と、
精神障害、発達障害、知的障害の「三つの障害」がさまざまに重なり合って、困窮を極めた生活を送っている女性のことであり、そしてそれはセックスワークの最下層で生きる10代から20代の女性たちとぴたりと重なる。

 セックスワークの最下層、つまり生活のために、その日の寝場所、食べ物を確保するために、身を売って生きている少女たちがいるということに、まず衝撃を受けた。

なんでそんな状態に陥るのか。
彼女たちの生い立ち、堕ちていく過程はほぼ似通っている。

たいてい家出をしてセックス産業に取り込まれ、そこから抜けられなくなっていく。
一見「自己責任」と切り捨てられかねない状況だ。

家出少女=非行少女で、元々素行が悪いのだから、そういう最低の世界に堕ちていくのはしょうがない。
自業自得。
そういう論調が世の中の主流だし、現に私もそう思っていた。

 だが、筆者は丁寧な、そして丹念な取材を通して、なぜ少女たちが非行に走り、札付きの悪ガキ(!)と化し、ついには家出してセックスワークを選んでしまうのか、そしてそこから抜け出せず、最下層に沈んでいくのかを、詳細に明らかにしていく。

あまりにも悲惨で壮絶な世界…。
実際に見て聞いた筆者の衝撃とは比べ物にならないけれど、それでも読むだけでぐったりする。とてもそのまま放置しておくわけにはいかない! が、しかし…。

いったいどうやって、彼女たちを救い上げればいいのか? その問いはあまりにも重い。

 最貧困女子という、まるで戦後の赤線みたいな状況下で生きている女性が、この平成の日本に存在するというきつい現実。
彼女たちの10年後、20年後を思うと、本当にやりきれない。

ずっと身を売るために街に立ち続けるのだろうか、それとも、年をとり、売れるものがなくなり、本当のホームレス(見えるホームレス)となってやっと、社会的支援が受けられるのか…。

粗野で攻撃的、自分から社会との縁を断ち切ってしまう、普通の会話が成り立たない、めんどくさくて可愛くない彼女たち。
その圧倒的な不幸、孤独が見えにくい彼女たちの「現実」を、興味本位の差別の目ではなく、冷静で公平な目で見つめる、そのきっかけを与えてくれる真摯な一冊。
posted by 小だぬき at 18:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月06日

高速化はストレスを増やす

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
高速化はストレスを増やす
2014年12月5日 読売新聞 yomiDr.

北海道新幹線が試験走行を始めたそうです。

 今は、東京から新青森間を3時間以下で結ぶ東北新幹線「はやぶさ」もあります。
2年後に函館までつながると、なんと東京から函館が4時間そこそこになるそうです。

 僕が子供の頃は、東京から函館に行くのは大仕事でした。
一番速い特急でも東京から青森が8時間。
そして青森から函館が青函連絡船で約4時間の船旅でした。

青森駅での乗り換えは、演歌「津軽海峡冬景色」の世界そのものでした。
合計で12時間以上の長い、長い「旅」でした。
それが2年後には、4時間、つまり乗り換え時間を含めなくても、昔の3分の1で到達できるのですね。

のんびりした旅は安らぎの時間だった

 今年、青森に学会で出張しました。僕は日帰りを選びました。
片道3時間ですから十分に日帰りできます。
たまたま乗せてもらったタクシーの運転手さんに、「東京が近くなって良いですね」と声をかけたら、「多くの人が日帰りで、泊まる人が減ったので、町と観光業にとっては、ありがたくはありません」とのご返事でした。

 たしかに、そうですね。
片道8時間もかかれば、当然1泊でしょう。
2泊になるかもしれません。
また、時間を節約するには夜行寝台などといった選択肢もありました。
そんなのんびりとしたのどかな「旅」は、ある意味心安らぐ時間でもありました。

 その上、昔は携帯電話がありません。
遠方に出張に行くときは、その時間がある意味、自由な時間でした。
仕事からまったく解放される時間でした。
いまは、どこにいても携帯がつながります。
本当に便利です。便利すぎます。
いつでも仕事ができるようになりました。
いつでも、どこでも仕事をせざるを得なくなりました。
そして、移動手段も高速化し、息つく時間もなく、働ける世の中になりました。

ストレスは人の体をむしばむ

 最近は、僕の外来にも、心の病で漢方を求めに、また医療相談に来る人も増えました。
以前は、「怠け癖がある人が増えたのでは」と思った時期もあります。
でも、たくさんお話をうかがい、そして困っていることの内容を知り、実際の生活状況がわかりました。

ストレスの多さは、むかしに比べて格段に増加しています。
高速な交通手段がなく、携帯電話もないひと昔前は、また幸せな時でもあったのです。

 ストレスは人の体をむしばみます。
体に障害を及ぼすようなストレスは避けるべきです。

一方でストレスに強い体を作る努力も大切です。
ストレスに強い体を維持する努力も大切です。

人は少し休むとまた少々のストレスには打ち勝てる体が、心が回復します。

ところが、そんなに休む時間が削られたり、なくなると、ちょっとしたストレスでも体は壊れます。
上手にストレスを発散する時間を持てる人、そんな能力がある人は、相当なストレスを受けても、それを受け流せるので滅多に心の病気になりません。
羨ましい限りです。

 しかし、いくらストレスに強い人でも、限界を超えると壊れます。
ストレスで病んだり壊れそうな体には、なにより休養が大切です。

そして休養は、ただ単なる時間の経過だけでも、過度なストレスを減らすことができます。
そして休息は、ストレスに強い体を作ることができます。
適度のストレスを楽しみ、そして適度の休息でストレスにより強い体を作りましょう。

壊れる前に休養を取ろう

 昔の携帯もなく時間がかかる出張は、ある意味、ストレスを減らす絶好の機会であったかもしれません。
お弁当とおつまみとビールを買って寝台列車に乗り込み、レールと車輪が奏でる音を聞きながら、闇の中に浮かび、そして過ぎゆく光を眺めることは、心落ち着く瞬間でもありました。

 そんな時間がなくなったのですね。
ストレス社会といわれる所以ゆえんです。
ストレスに強い体を作るにも限界があります。
壊れる前に上手にしっかりと休養をとりましょう。
体の休養とともに、心の休養がなにより大切です。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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「こだわり」が強すぎる……日常生活に支障をきたす強迫神経症

「こだわり」が強すぎる……
日常生活に支障をきたす強迫神経症
2014年12月5日 20時45分 All About

  毎日、何かしら同じ事をする傾向の有無には大きな個人差がみられます。

 「毎日同じ事を繰り返すだけなんてとんでもない」と思う方もいれば、「毎日同じ事を繰り返していた方が心が落ち着く!」という方もいると思います。

 それ自体はその人の個性で、精神医学的にあれこれ言う事ではないでしょうが、もし「毎日これをしないとダメ!」という考えに強く駆られるのであれば、強迫観念や強迫行為のレベルになっている可能性もあります。
 そこで日常生活に潜む可能性がある強迫的な症状とその注意点を詳しく解説します。

■物事の手順にはどのくらい気を使いますか?

 物事の手順にこだわりやすい方は少なからずいるでしょう。
例えば、歯磨きは必ず下段の左側から始まり、次に右側、そして上段……と決めている人がいたとします。

うっかり順序を間違えて磨きはじめた後、それに気付いた時が問題です。
 そのままいつもと違う順序で歯磨きを完了させた場合、心が落ち着かなくなってしまうことがあります。
そしてその気持ちを直したい気持ちに駆られ、仕切り直しでいつも通りに磨き直した場合、そのこだわりは少々強迫的だと言えるでしょう。

 「強迫行為」は精神医学の用語で、何か物事を行なう際、その手順あるいは方法に強いこだわりがあり、ある程度気が済むまでそれを繰り返す傾向のことを言います。

例えば外出時、家のドアを施錠したか不安になり、ドアのノブを何回確認しても不安を完全に拭いきれず、その確認行為を延々と繰り返してしまう……といった事も起こり得ます。

 こうした強迫行為は不合理なほど物事に手間を掛けてしまう事になり、日常生活の効率を大きく低下させる可能性があります。
もし生活に必要な事をこなせなくなっていたら、「強迫神経症」のレベルになっている可能性も考えられます。

■その原因は単にストレス、それとも?

 強迫行為の問題点はその不合理性にありますが、人は必ずしも常に合理的に行動するとは限りません。

例えば、自宅から遠いA店でバーゲンがある事を知ったとします。
急にその店に行きたくなってしまい、そのままその店に行ってしまった。
でも交通費を考慮すれば、実は近くのB店に行った方が安上がりで、時間もセーブできていた……といった事は少なからずあるかもしれません。

もっとも、経済的には不合理でも、その時の気分で自由気ままに行動した方がストレス解消には良い場合もあります。

 実際、ストレスは私たちの行動に不合理性を生み出す大きな要因です
仕事のプレッシャーが強くなると、すぐ仕事に取組むべきだと分かっていても、心理的になかなかそれに取り掛かれない人もいるでしょう。

 例えば、とりあえずインターネットのブラウザーを開いてしまう。
普段閲覧するサイトを一通りチェックすると、トイレに一旦席をはずす。
そして戻ってくると、今度は机の上を眺めて、資料の位置やコンピューターの位置など、気になる部分に満足してから、ようやく仕事に取り掛かる……。

 ここまでで既に20分以上経過している場合、他人の目から見れば非効率なのは一目瞭然でしょうが、本人は意外とそれを意識していないかもしれません。

場合によってはそれが習慣化して、仕事を始める前に必要な儀式になっていたら、そうなっている自分をはっきり認識しておきたいものです。

■生活の能率向上のため、強迫性をチェックしていきましょう!

 「こうした強迫性は自分には関係ない!」と思われた方も多いかもしれませんが、強迫性は個人差が大きい、人のパーソナリティの特質の一つと見る事もできます。

個人個人の生活に現われている、その特質のレベルは抽象的になりますが、スペクトラム(spectrum:連続体)を形成します。

 その一方の端は強迫性とは正反対で、物事に無頓着、日常生活に秩序がまるで欠けているようなレベルに。
そして、もう一方の端は精神科(神経科)を受診され、病状に応じた治療を受ける事が望ましい強迫神経症のレベルになるでしょう。

 多くの方は、このスペクトラム上、この2つの端から離れた、中央の正常範囲のレベルに位置するでしょうが、それは日常生活に顕著な支障をきたさないという意味での正常範囲で、強迫的な行為は物事の能率をある程度低下させる事は注意しましょう。

 もし最近時間が足りない! と悩んでいる方は、ただ単にやるべきことが多いだけかもしれませんが、物事への取り組み方に何らかの不合理性が潜んでいないかを確認したいところです。

自分の思考や行動は、必ずしも自分の認識通りとは限りません。
今回解説しました強迫行為などの不合理性は、程度には個人差がありますが、誰にでも潜んでいる可能性がある事は是非認識しておきましょう。
   【メンタルヘルスガイド:中嶋 泰憲】
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2014年12月16日

かなり危険! 突然ガクっと体調を崩す「隠れ疲労」

かなり危険!
突然ガクっと体調を崩す「隠れ疲労」
2014年12月15日 20時45分 All About

 ある日突然、具合が悪くなり倒れてしまい、過労死に……という話を聞いたりします。
そういった最悪の事態を防ぐには、「隠れ疲労」状態に陥っていないか、自身で知ることが必要になります。

■「疲れた!」と口に出すのは避けるべき!?

 「あぁ、疲れたぁ……」と思わずつぶやいてしまうことはありませんか?
「弱虫なイメージがあって嫌だ」
「もっと疲れが出てきてしまいそう」など、疲れを言葉にすることに良い印象を持たない人が多いかもしれません。

ただ、口に出して「疲れ」を表現し、グチることも、時には必要です。
 「自分の疲れた状態を周囲の人たちに知られることで、不快な思いをさせてしまうのでは?」と、周りに気遣うことも大切ではありますが、疲れをため込み続けたり、疲れた自分に気づかないふりをしたりすることが、のちのち体に不調となって重大な影響を及ぼすことにもなりかねません

■疲れている自覚はありますか?

 実は「疲れを隠してしまう」「疲れが隠れてしまう」という状態は意外と多いものです。

仕事に追われて多忙極まりない人は、疲れを感じていても「やるしかない」という意識になりがちで、疲れから意識を逸らせて、やり過ごす、ということもあります。

 疲れていても、疲れが表に出ないのは、元気でパワーがみなぎっている証拠ではないか、と良い状態だと捉える人もいるかもしれません。
しかし、これはとても危険なことです。

そもそも疲れを感じるということは、体からの危険を知らせるものです。
「そろそろ体を休めないと、体調を崩しますよ」「それ以上頑張っても、集中力も途切れて、仕事の能率が低下しますよ」といったサインでもあるのです。

■厄介なのは「疲れ」の感じ方に個人差があること

 「疲れ」の感じ方には個人差があります。
本当はとても疲れているのにさほど疲れを感じない、ということは、多少の無理がきく体として、他人にも自慢できそうですね。
しかし、「疲れの実感」をぼやかしてしまうと、急激にガクっと体調を崩す可能性があります。  

疲れの感じ方に個人差がある理由には、心理的な作用がかかわっています。
例えば睡眠不足で仕事の疲れがなかなか抜けなくても、「明日は大好きなゴルフに行くんだ!」と思うとワクワクして、早朝にも関わらず頭もスッキリ目覚めてしまうでしょう。
好きなことに対しては、疲労をさほど感じなくなるケースも少なくありません。

 しかし、この例でいえる危険なポイントは、「疲れを隠してしまった」ということです。
本当はゴルフに行かずにゆっくりと休息をとり、疲労回復にあてる時間を持つべきだと思います。
しかし、好きなことができるといった楽しい気持ちによって、体からの危険シグナルである「疲労を感じること」を鈍らせてしまったのです。
疲労が回復しないまま、また通勤が続く1週間がスタートする……となると、体力、気力はキープできるのでしょうか?

■頑張れちゃう人は気をつけて!

 こうした例からもいえるのですが、「気持ちを切り替えれば大丈夫!」と自分を今以上に頑張らせることができ、連日の残業で寝不足が続いている過酷な状態でも乗り越えることができる人こそが、疲れを隠してしまう「隠れ疲労」に陥りやすいのです。

 意識をして疲れを隠そうとしなくても結果的に、「疲労を感じないように隠してしまう状態」になっているケースも含まれます。
過酷な状況を乗り越えること自体を「楽しい!」と感じることができる人でも、そういった気持ちとは裏腹に、身体は「休みたい……寝かせてほしい」と疲労回復を要求しているかもしれません。

■こんな人は「隠れ疲労」のリスクが高い!  

□多少疲れていても、楽しいイベントなどには参加すると疲れが消える  
□人から頼られると、はりきって頑張るタイプだ  
□大きな課題を成し終えたあとの達成感や充実感は、たまらなく好きだ  
□自分へのご褒美があれば、つらいことでも乗り越えられる  
□休日は、なるべく遊びや買い物など外出をするようにしている  
□寝ている時間がもったいなく感じるので、眠くても起きて趣味などの時間に当てている  
□責任感のある仕事を任されていて、今、まさにやる気に満ち溢れている  

当てはまる項目が多いほど、「隠れ疲労」状態に陥りやすく、最悪の場合は突然倒れてしまう……なんていうことにもなりかねません。
自分のライフスタイルや1ヵ月のスケジュールを客観的に見てみましょう。

 □睡眠不足になりがち
 □ぼ〜っとリラックスする時間が足りない
 □食事をきちんととる時間が少ない
 □心身を活動的に維持している時間が長い
 □休息時間・疲労回復時間が少ない人で、健康のためと称して毎週スポーツに励んでいる

 このような傾向がみられる場合は、空き時間があれば、積極的に「身も心も休ませる」ことに徹してください。
客観的に自分の行動を見てみないと、その頑張り過ぎの状態に気がつかず、「隠れ疲労」を進めることになるのです。
ストレス解消に! といって、あちこち遊び回らず、体の力を抜きながら、のんびりと過ごすことも大事です。
【疲労回復法ガイド:檜垣 暁子】
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2014年12月17日

ささやかな幸せも大切に

香山リカのココロの万華鏡:
ささやかな幸せも大切に
毎日新聞 2014年12月16日 首都圏版

今年もいよいよ年の瀬。
診察室でも「この1年を振り返って」といった話題が多く出る時期となった。

 意外に思われるかもしれないが、そこで「今年は進歩もありました」「まあまあ幸せな1年でした」と前向きなことを口にする人も少なくない。

とはいえ、それらの多くは「苦手だった電車、各駅停車なら乗れるようになった」「第1志望ではないけれど子どもが高校に受かった」「私以外の家族は大きな病気もしなかった」など、聞きようによっては“ささやかな幸せ”だ。

 一方、診察室の外では「今年は良くなかった」という振り返りの声もしばしば耳にする。
こちらは「支店倍増計画の達成率が8割止まり」「ハワイの別荘にあまり行けなかった」など、ずいぶん規模の大きい話だ。
彼らは会社経営者やベストセラー作家などだが、「健康なのが何よりですよ」と言っても「そうですよね、でも来年はもっとがんばりたい」とあくまで向上心にこだわってみせる。

 もちろん大きな夢を持つのは悪いことであるはずがない。
いまの自分に満足せず、上を目指すことが成長につながるのもたしかだ。

 でも、病気を経験した人たちが身のまわりのことで“ささやかな幸せ”を感じ、「今年は良い年だった」と笑顔になることができるのに、とりあえず健康で仕事も順調な人たちが「ひどい年だった」と苦虫をかみつぶしたような顔をしなくてはならない、というのはなんとも皮肉な話ではないか。

 生きていれば楽しいこともあれば、苦しいこともある。
突然、体調が悪くなったかと思うと、また復調する時期も訪れる。

それでも毎日の暮らしの中で、散歩の途中できれいな花を見つけたりいつものお茶がおいしく感じられたりして「ああ、幸せ」と思う瞬間は誰にでもあるはずだ。
大きな目標や夢を掲げて前や上にばかり目をやるあまり、そんな瞬間も見すごしてしまうのは本当にもったいない。

 今年もいろいろあったけれど、なんとかここまでたどり着いた。
ときどきはほっとしたり、にっこり笑ったりもした。
そんな自分にとりあえずは合格点。
これくらいの心のゆとりを忘れずに、残り少ない今年の日々を大切にすごしたいものだ。

 そして、「来年こそは」と高すぎる目標を設定せずに、「とりあえずは今年の続きで」くらいの気持ちで肩の力を入れず、ゆるゆると新しい年を迎えてみるのも、よいのではないだろうか。(精神科医)
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2014年12月18日

ネットで繋がるのが自分と同類ばかりになるタコ壺化現象とは

ネットで繋がるのが
自分と同類ばかりになるタコ壺化現象とは
2014.12.17 16:00 NEWSホストセブン

 インターネットの登場以降、多種多様な人々と交流できるようになったと言われる。
しかし、本当にそうだろうか?
 実はネットでつながるのは、自分と同じような嗜好を持った人や、同種の職業にいる人ばかりになるという「タコ壺化現象」が進んでいるのだという。
新刊『縁の切り方〜絆と孤独を考える〜』(小学館新書)を上梓したばかりのネットニュース編集者・中川淳一郎氏が解説する。


     * * *

 インターネットがあるお陰で多種多様な人々と交流できる、という定説は誤りだ。

結局、自らフォローする相手を選べ、検索で自分の心地良いものばかり探すことが可能なネットは、同じような考えを持つ人との接点を結局は作るもの。

所詮「多種多様な人々の交流で新しい価値観が生まれる」なんてものはあり得ない。

 私は以前、ツイッターで気になる発言をしている人々をリスト化し「ツイッター七福神」(7人)と「ツイッター身も蓋も無さズ」(8人)と名付けた。

両方合わせて15人だったのだが、ツイッター上で気が合ったため実際にオフ会をすることに。
すると、見事なまでに自分と同様に、メディア・広告関係者だらけだったのだ。

ツイッターの場合であれば、自分にとってウザい人間はブロックしてしまえばいい。
かくして均質な意見ばかりを見るようになる。

 よく「私のタイムラインでは◯◯の話題ばかりだ」みたいな話が出る。
タイムラインとは、自分がツイッターでフォローしている人のツイートが流れてくる画面のことをいう。
フォローする人は自ら選べるため、いわば、「私のタイムライン」は自分にとって有益であったり、心地良いツイートをする人々の集合体ということだ。

 たとえば、「ハフィントンポスト」という米発のニュースサイトが2013年5月7日に上陸した時のこと。
このサイトは以前よりIT関係者から注目されており、日本版登場の日を固唾を呑んで見守っている人々が多かった。

 日本の低俗なニュースサイトばかりが幅を利かせる中、インターネットの本場・アメリカ発で世界各国版も存在する巨大サイトであり、次世代ジャーナリズムの旗手とされているサイトだからだ。
ただし、注目されているとはいっても、あくまでもIT・メディア・広告関係者中心である。
確かに、私が普段使っているツイッターIDの一つ(フォロワーはIT・メディア・広告関係者中心)のタイムラインはハフィントンポストの話題だらけだった。

 7日の0時、ついにサイトがオープンした時はまさにハフィントンポスト一色だった。
しかし、私が観察用に使っている別のIDでは一切ハフィントンポストの話題はなかった。

 一つは、「岡山県のアパレル店に勤務する26歳フリーター」という設定でやっているIDである。
フォローしている人は、「ツイッタードラマ」(ツイッターを通じて男女が出会う群像劇)として2010年にオンエアされた『素直になれなくて』(フジテレビ系)というドラマを観てツイッターを開始した人々だ。恐らくはドラマ好きで素直な若い人が中心で、女性の方が割合は多いだろう。

 もう一つ、「騎乗位」という言葉で検索したところひっかかったエロい人々をフォローしているIDもあるが、こうしたIT・メディア・広告関係者以外の人々でハフィントンポストについて言及する人は皆無だった。

 こういったところにネットの中での断絶やタコ壺化現象を見ることができるのである。
原理として、インターネットは誰にでも話しかけることは可能だ。
だが、実際に話しかけたり、その後もやり取りを続けるのは、同じような趣味嗜好を持ち、同じような仕事をしている人に結局は帰結する。

※中川淳一郎・著/『縁の切り方〜絆と孤独を考える〜』より
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ワケもなく気分が落ち込む…「冬のプチうつ」を防ぐ5つの方法

ワケもなく気分が落ち込む…
「冬のプチうつ」を防ぐ5つの方法
2014.12.18 07:30 WooRis

天候が悪く、なかなか外に出られない冬。
こんな季節は、普段明るい人でも何となくダークな気分になりがち。
普段「ちょっとプチうつ気味かも……」と疑う人なら、なおさら注意が必要です。

年末は仕事やイベントで慌しく、心や体のバランスも崩れがち。
こんなときは、まず自分の気持ちがどうしてこんなに暗くなっているのかまず原因を考えたり、ゆっくり休養したりすることが先決です。
でも、「特に理由はなさそうだけど?」という場合、まずは薬に頼らず、気持ちが明るくなる小さな努力をしてみましょう!

 今回は、英語健康系サイト『Rodale News』『Prevention』『Women’s Health』などの記事を参考に、“冬うつを防ぐ方法”をご紹介します。

■1:睡眠時間を一定にする

慌しい生活を送っていると、週末ぐらいはのんびりしたくなります。
でも、「普段寝不足だから、土日の午前中は寝だめしてます」はNG!
睡眠時間のパターンが崩れると体内時計のリズムが狂い、まるで“時差ぼけ”のような状態になるそうです。
その結果、エネルギーが低下して精神的に落ち込んだような状態になるとか。
平日も週末も、なるべく一定の時間に就寝・起床するリズムをつけましょう。
睡眠不足ならば、毎日1時間早く就寝しましょう。

■2:腸内環境を整える

人間の腸内にいる“善玉菌”を増やすことが、うつの治療法として今注目を浴びているそうです!

カナダやアメリカの研究によると、腸内に善玉菌を増やすことにより、恐怖心やストレスが軽減するなど、行動に変化が見られたということです。
腸内の善玉菌を増やす近道はヨーグルトを食べること。
近年、腸内細菌の健康効果が認識され、市販のヨーグルトにも善玉菌配合を売りにしている商品がたくさん。
食べることを日課にしてみてくださいね!

■3:家にこもらない

人間なら誰しも、「今日は何だか心がツライ……」という日があるもの。
そんなときは家でゆっくり休養したくなりますよね。
でも、ずっと家に引きこもるのではかえって事態が悪化します。
無理にとはいいませんが、お天気のいい朝は外に出て新鮮な空気を吸い、軽いウォーキングやジョギングを試してください。
太陽の光やエクササイズは、気分を明るくする効果があるそうです。

■4:家の中を明るくする

気分が落ち込むと「今は、外の世界を見たくない」とカーテンで窓を閉めきり、部屋を暗くすることも多いもの。
でも、暗い部屋にいては心が“負のスパイラル”に!

 こんなときは、部屋に太陽の光を入れて明るくするのが効果的だそうです。
冬は日照時間が短く、太陽も隠れがち。
インテリアを明るいものにしたり、まぶしすぎない程度の照明を取り入れたりして、部屋自体を明るくしてみましょう。

■5:ビタミンDを摂る

ビタミンDは、近年、がん予防や心臓病予防、骨の強化、うつの治療などで脚光を浴びる“スーパー栄養素”として注目を浴びています。
ビタミンDは食品から摂取できますが、一番の供給源は太陽の光だそうです。
もちろんサプリもあるので、過剰にならないよう医師に相談するなどして、必要ならば摂取してみてください。

以上、この冬「ちょっと気分が落ち込んでるな……」というときの対処法をお伝えしましたが、いかがでしょうか?
気分が暗くなるときは誰にでもあること。

でも、「何をやっても効かない」という場合は、なるべく早く心療の専門家を受診してみてくださいね!
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2014年12月19日

選挙終わり弱者イジメ再開…安倍政権が進める「介護崩壊」

選挙終わり弱者イジメ再開…
安倍政権が進める「介護崩壊」
2014年12月18日 日刊ゲンダイ

 選挙が終わった途端、弱者イジメだ。

安倍政権が、介護サービス事業者に支払われる「介護報酬」を15年度から引き下げる方針を固めた。
下げ幅は2〜3%が軸になるという。

 介護職員の平均賃金は月22万円弱。
ただでさえ、他業種に比べて10万円も低いのに、さらに賃金が低くなれば、働き手はほとんどいなくなるだろう。

 政府は職員の人件費は下げない措置を取ると打ち出しているが、どこまで実現するか疑問だ。  現状でも、有効求人倍率(10月)は2.41倍と、慢性的な人手不足状態だ。

働く人が集まらなければ、結果としてサービスの質が低下し、高齢者の側も、満足な介護を受けられなくなる。

■介護スタッフの多くがワーキングプア

「崩壊する介護現場」の著者で、ルポライターの中村淳彦氏はこう言う。
「現在、介護の現場で働く多くがワーキングプアに陥っています。

介護報酬を下げれば、サービスの質の低下どころでは済みません。
将来的に事業者の半数が破綻し、職員の多くが路頭に迷うことになる。
自殺者も出るかもしれません。

高齢化が進み、2025年にはさらに100万人の介護人材が必要になるというのに、全く逆行した政策です。
介護業界はトドメを刺されるようなものです」

 そもそも、消費税率アップは、福祉を充実させるために行われたはずだ。
「社会保障と税の一体改革」という謳い文句だった。

なのに、安倍首相は介護報酬を引き下げようというのだから、国民だましもいいところだ。
そのくせ、消費税増税で得た税収で大企業の法人税を引き下げようとしている
しかも、法人税減税の恩恵を受ける大企業は、その見返りとして安倍自民党に巨額な政治献金をしている。

 こんなことが許されていいのか。総選挙で自民党を大勝させた国民は、よく考えるべきだ。
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政治も医療も、いろいろな意見が必要

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
政治も医療も、いろいろな意見が必要
2014年12月19日 読売新聞 yomiDr.

 衆議院議員選挙は、連立与党である自由民主党と公明党の圧勝でした。
多くの国民がいわゆる「アベノミクス」を支持した結果となりました。
そして日本の議院内閣制としては、極論すれば「何でも出来る」3分の2以上の議員数を占めました。
どんどんと「よいと思われること」を行って頂きたいと思っています。

今、よいと思われること

 「今、よいと思われること」を精一杯やらざるを得ないのが政治です。
そして経済もそうでしょう。
でも結果は近い将来に出ます。
結果が出なければ、国民の今回の選択肢は間違いであったとなりますし、結果がでれば、日本全体にとって素晴らしいことです。

 医療も実は、「今、よいと思われること」を精一杯やっているのが実情です。
僕は、医療は人体実験で日々進歩していると思っています。

「今困っていること」への対応はすぐに分かります。
医療では、「今の痛みを楽にしてくれ」とか、「命にかかわる出血を止めてくれ」とかいった訴えです。

「何が正しい医療か」

「何が正しかったか」については比較的判断しやすいと思います。

政治で言えば、東日本大震災で今も避難生活を送っている人々にどう対応するかなどですね
やろうと思えばすぐにできます。

 一方で日本の経済活力をどうやって復活させるのかとか、高齢者がますます増加する今後の日本社会のあり方をどうやって描くのかとか、貧富の差が広がっていると感じられている状況をどう是正するのかなど、長期的にみてやっと結果がでる領域も多数あります。

正しい批判者が必要

 政治でも、いろいろな意見が必要です。
絶対安定多数の連立与党に正しく物を言える政党が必要だと思っています。
そして、政権には緊張感が必要でしょうから、失敗すれば政権交代がいつでも起こりうるという状況、そして、その時に政権を担う政党も必要です。

医療でも同じ事が言えます。
「今、正しいと思っていること」をやっている医療従事者は常に、もしかしたら間違っているかもしれないと思う心の余裕が必要です。
そして、違った意見がしっかりと発言された方が、自分の行っていることの精一杯の正当性を考え直す機会になります。

 医療はある意味、専門性が必要です。
その結果閉鎖的なものになります。
だからこそ正しい批判者が必要です。
そんな存在が、異端と思われる意見のこともあります。
僕もときどき、ちょっと疑問を提示しています。

また、近藤誠という先生を筆頭に極端な意見を述べる人も増えています。
それが正しい進歩の方向と思っています。
そして、ヨミドクターのコラムからも「アンチ近藤誠」の意見もでます。
それでいいのです。
いろいろな意見がでることが健全なのです。

 近藤誠という人の意見については、以前は、外科医は見向きもしませんでした。
手術できる癌がんを手術しないという選択肢は受け入れがたいものでした。

ところが、最近、たくさんの外科医と話をすると、「手術をしないで、それでも生きている患者が実はまれにいる」ということを耳にします。
手術も含めて何もしていないこともあれば、手術はしないが放射線治療や抗がん剤治療を行っている場合もあります。

つまり、「近藤誠はうそだ!」といった論調から、「近藤誠の例はまれだ!」といった論調に変わってきています。
僕の興味は、その「まれな頻度」を正確に知りたいことなのです。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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2014年12月21日

叱るのは逆効果!? 「子どもの嘘」に対する正しい対処法

叱るのは逆効果!?
「子どもの嘘」に対する正しい対処法
※ 清水克彦(2013)『よい親 ダメ親 ふつうの親』(アスコム社)
2012.10.10 マイナビウーマン

「嘘付きは泥棒の始まり」などといわれますが、子どもに嘘をつかれると、親としてはかなりショックですよね。
「どうしてそんな嘘つくの!?」とつい声を荒げたくなるかもしれません。
もちろん、嘘はいけないこと。
ただ、「嘘はダメ!」と厳しく叱るだけでは、逆効果なことも……。
委縮した子どもが隠し事をするようになったり、バレないように巧妙な嘘をつこうとしたりするおそれがあるのです。

そこで、教育ジャーナリストの清水克彦さんの著書『よい親 ダメ親 ふつうの親』をもとに、子どもの嘘への対処法をお届けしたいと思います。

■“嘘の背景に何があるのか”
      子どもと一緒に考えよう

子どもの嘘は、主に以下の3つの種類にわけることができます。
(1)自分の失敗や過ちをごまかそうとする嘘
(2)「本当はこうだったらいいな」という願望からつく嘘
(3)両親の関心を引くためにつく嘘

どのタイプの嘘であっても、親は単に叱るのではなく、なぜ嘘をついたのか、子どもと一緒に考えるのが大事。

以下、3つの嘘のタイプごとに対処法を見ていきましょう。

■自分の失敗や過ちをごまかそうとする嘘

たとえば、テストの点数が低かったときに、「僕だけじゃなくて、クラスの子はみんな50点くらいだったよ」などと言う嘘です。
このタイプの嘘は、親が過度な期待を子どもにかけていて、子どももそれを重く受け止めているときによく見られます。
「ダメな自分を見せたくない」と、子どもなりにプレッシャーを感じているのです。
ですから、このタイプの嘘に遭遇した場合は、厳しく叱って子どもをますます追い込むよりも、「自分が期待をかけすぎていたせいなのでは?」とまずは冷静に振り返りましょう。
そのうえで、「うまくいかないこともあるよね」などと声をかけて、嘘をつかざるをえなかった重圧から子どもを解放してあげてください。

■願望からつく嘘

たとえば、リレーの選手になれなかったのに「なれた」と嘘をつくなどです。
この場合、嘘をついたことはきちんと叱ったうえで、「リレーの選手になりたかったんだね。じゃあ次はなれるように練習しよう」などと子どもの気持ちを共有して、一緒にがんばろうという姿勢を見せるようにしましょう。

■親の関心を引く嘘

たとえば、お腹が痛いふりをしたり、「物がなくなった」とさわいだりといった嘘です。
これは不安や寂しさから生じることが多いので、子どもときちんと向き合っているのかどうか顧みましょう。
そして、子どもと過ごす時間を増やしたり、しっかり抱きしめたりして、子どもを安心させることが嘘の再発防止策になります。

■まずは親が嘘をつかないようにしよう

子どもは親を映す鏡。
子どもに嘘をつかせないためには、親自身が正直・誠実なところを子どもに見せることが何よりです。
単に“事実と反することをわざと告げる”嘘だけでなく、親が言い訳するのもよくありません。

たとえば、子どもとの約束をうっかり忘れていた場合に、「だって忙しかったんだから!」と逆ギレするなどです。
そういう不誠実な態度は、子どもに「都合が悪くなったらごまかせばいい」という誤ったメッセージを伝えてしまい、子どもの嘘を引き寄せます。

親がミスをしたときは、たとえ何らかの事情があったとしても、まずは「ごめん、悪かった」ときちんと謝ることが大事です。
子どもは自分の最も近しい存在である親に、つい嘘をついてしまうもの。
子どもに嘘をつかれたら、感情的に叱り飛ばす前に、ぜひここで紹介したことを思い出してみてくださいね。
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2014年12月23日

2人に1人が「拒否・放棄」あなたも親の介護は丸投げですか

2人に1人が「拒否・放棄」
あなたも親の介護は丸投げですか
(PRESIDENT Online )相沢光
2014年12月20日(土)配信

■親の介護を
深刻に受け止めない人たち

昨年のちょうど今頃、私は父親の介護に追われていました。
体の衰えとともに認知症が進行し、昼夜を問わず呼び出されて疲労は蓄積。
精神的にも不安定になっていました。
介護をしていたのは約1か月半という短い期間でしたが、嵐に見舞われているような日々でした。
(略)
父の死と同時に介護の当事者としての役割は終わりましたが、介護を体験したことでテレビなどのメディアで取り上げられる介護の事例は身近な問題として受け止めるようになりました。

取り上げられるのは介護鬱や介護離職といった大変な話ばかり。
現在、600万人近い要介護者がいるようですが、その家庭の多くが、私が体験したような、つらさを味わっているのだな、と思っていました。

ところが、必ずしもそうとは限らないことを、つい最近会ったケアマネージャーから聞きました。
介護現場の現状について介護用品レンタル会社のIさんという人に私はしばしば尋ねます。

介護用品レンタルの担当者は多くのケアマネージャーと接します。

そうした立場上、ケアマネージャーの良し悪しを客観的にジャッジできるわけですが、そのIさんが「ベスト・ケアマネージャー」と語るFさんを紹介してくれました。

そのFさんが開口一番こう言うのです。
親が要介護になっても、他人事みたいな感じで、そう深刻に受け止めず、我々介護サービス事業者に介護を丸投げする人が結構いるんですよね」

ケアマネージャーは介護福祉士や社会福祉士、看護師などの資格を持っていて、5年以上の実務経験がないと受験できない難関資格です。

ホームヘルパーとして介護業界の門をたたいたFさんは、当初「自分の親が大変な状況になっているのだし、9割ぐらいの人は真剣に介護に取り組むだろう」と思っていたそうです。
ところが、現実はそうではありません。

要介護状態になった親の心配をする素振りは見せず、むしろ冷淡。
自分の手で介護をすることはほとんどなく、サービス事業者にすべてを任せたいという態度をとる人が、かなりいるのです。

世の中にはさまざまな親子関係があります。
子どもの頃、親から虐待を受けていた人もいるでしょう。
そこまでいかなくても、意見が対立するなどして冷え切った親子関係にある人もそれなりの数いるはずです。

Fさんは「家庭の事情は外からうかがいしれないものですが」と前置きをしたうえで「でも、それほど親子関係に問題があるとは思えない人でも、親の介護なんかしたくないという人が結構いるんですよね」といいます。

ケアマネージャーとして、多くの要介護者とその家族と接してきた今、親の心配をし前向きに介護に取り組む人と、やる気がない人の比率は半々ぐらい、という感覚になっているそうです。

■介護丸投げ派は、
介護保険支給制度にも無知

親が要介護と認定され、介護保険が適用されるようになると、さまざまな介護サービスが1割負担で利用できるようになります。
しかし、案外知られていないのは1割負担で受けられるサービスが要介護度によって限度があることや、介護保険の「単位」の計算がどのように行われるのか、知っている方は少ないのではないでしょうか。

介護が始まる時、ケアマネージャーがその説明を簡単にするのですが、私などは目の前の介護のことで頭がいっぱいで耳に入ってきませんでした。

介護が終わり、介護の問題に関心を持つようになって「単位」や利用限度のことがわかってきたというのが実情です。

長い期間に渡って介護をしている人は単位のことも理解するようなるでしょうが、やる気のない人はそんなことを学ぶ意識もないわけで、どれだけ多くのサービスを受けても1割負担でいいと思っているはずです。

ここで介護保険の「単位」について簡単に説明しておきます。

介護保険による支給限度額(月額)は「単位」で表わされます。
その単位数は現在、こうなっています。

要支援1=4970
要支援2=10400
要介護1=16580
要介護2=19480
要介護3=26750
要介護4=30600
要介護5=35830

基本的にはこの単位に10円をかけた額がひと月あたりの支給限度額です。

要介護3と認定された私の父の場合は、26750単位×10で26万7500までが支給限度額で2万6750円が自己負担額。
この「単位」を超えるサービスを利用した場合、1割負担ではなく全額負担になります。

(余談ですが、「だったら最初から10をかけて金額で表わせばいいじゃないか。
なんで「単位」なんて解かりにくい言い方をするんだ」という人がいるかもしれません。
しかし、厳密にいえば加算額が地域によって微妙に異なるのです。
たとえば1級地=11.26円、2級地=11.05円といった具合。
地域によって物価や人件費が異なるため、「単位」に地域別の加算をし補正しているわけです)。

「単位」はサービスの内容や所要時間、サービス提供者の人数、利用する時間帯などによってさまざまです。

うちが利用したサービスを例にとると、まず訪問看護師が「30分以上〜1時間未満」の利用で834単位、2人以上の看護師さんに来てもらっていたので、これに402単位が加わり1236単位(夜間や早朝、深夜の場合はさらに加算される)。

訪問看護師には週に2回来てもらっていたので、月にすると8回。
上限の26750単位中、訪問看護師のサービスだけ(1236×8)で9888単位くらいが費やされることになります。
この他にも、訪問入浴とホームヘルパーを週1回ずつ、介護用品のレンタルも利用していたので、要介護3の上限単位の半分くらいは利用していたと思います。

■生み育ててくれた人であっても ケアマネージャーは要介護者とその家族の状況を見て、どの介護サービスが必要かを考え、単位を計算しながらケアプランを立てるわけです。

そこには1割負担を超えないようにしたいという配慮もありますし、限られた財源(介護保険料50%、国や自治体の公費=税金50%)が頭にあり、できるだけ抑えたいという意識が働くこともあるようです。
もちろん利用者が必要としているのなら限度枠ギリギリまでサービスを提供してくれますが。

うちの場合は私が介護をしていたこともあって、限度枠まで余裕がある状態でしたが、自分で介護をする気がなく、それを介護サービス事業者に丸投げしてしまおうとする人は、ケアマネージャーの配慮などお構いなしに、多くのサービスを要求したりするようです。

もちろん上限を超えれば、そのサービスは利用者の全額負担になるわけで、ケアマネージャーもそれを説明するそうですが、なかなか理解してくれない人もいるといいます。

また、自分で介護をせず介護サービス事業者に任せるケースは、どうしても独居か老老介護になります。
ひとりのケアマネージャーが担当するのは最大39人。
そのなかでも独居の人はどんな状況にあるのかチェックする必要があるため、1日に1回は訪問するようにしているそうです。

それが仕事とはいえ40人近い利用者に目配りをしたうえ、そうした独居の介護者の見守りをするのは大きな負担になります。

Fさんは、そうした負担の原因となっている親の介護をしようとしない人がいるのも仕方がないと受けとめているようです。

ただ、こうも言っていました。
自分を生み育ててくれた親が要介護になっているんです。
どのような事情があるのか分りませんが、少しは心配し、介護しようとする気になるのが人というものじゃないですか。
そういう感覚がない人が結構いることには暗然としてしまいます」
介護の現場にはこうした現実があることを知り、驚いたことはいうまでもありません。

相沢光一=文
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2014年12月24日

香山リカのココロの万華鏡:リセット願望 

香山リカのココロの万華鏡:リセット願望
毎日新聞 2014年12月23日 首都圏版

一年の計は元旦にあり、などと言う。
私も子どもの頃は、正月に「早寝早起き」「毎日本を読む」などと今年の目標を習字で書いた覚えがある。

 しかし、目標が達成されたことは一度としてない。
1週間もするとまた夜ふかしになり、読むはずの本はマンガにかわった。
いわゆる三日坊主だ。
 おそらく私のような人は少なくないはずだ。

それにもかかわらず、なぜ人は新年に「目標」や「計画」を考えようとするのか。

 その理由のひとつは、誰にでも「リセット願望」があるからだろう。
とくに日本の場合、正月をとても大事にしており、前の年の悩み、失敗や挫折、人間関係のゴタゴタなどはそこできれいさっぱり消えるはずということになっている。

大掃除で家の中もきれいにして、下着なども新しいものをおろして、「生まれ変わった私」として新しい年を迎える。
「いまの私はこれまでとは違う」という気分になるのでつい、達成不可能な目標や計画を立ててしまうのだ。

 よく考えれば、12月31日が1月1日になったくらいで人が生まれ変われるわけはない。

おっとりしていた人がいきなりテキパキしたり、ケンカしていた友だちどうしがさっぱりと仲直りしたり、というほうが不自然だ。
人間は、これまでの自分を引きずり、生きてきた時間の積み重ねの上に今日という日を築いていくのだ。

 とはいえ、とくにイヤなこと、マイナスなことは「年が改まったら消えてなくなる」と思うのは悪いことではない。

診察室にも「家族に傷つけられたことがどうしても頭を離れない」と過去にこだわる人が多く訪れ、「まあ、悩みは悩みのままひとまず棚に上げて、楽しい予定でも立ててみませんか」と“悩みの小休止”を勧めることがあるが、正月はその絶好のチャンスかもしれない。

 さて、あなたの場合、古い年に置いていきたいものは何だろう。
そして、新しい年にも持っていきたいものは何か。

「春に仕事でトラブルがあったことは忘れよう。
でも、夏に旧友と再会した思い出は大切にしたい」と“仕分け”してもよいのではないだろうか。  

私は、「いろいろな暗い事件でコメントをしてそのつど重くなった気分」を今年に置き去りにし、新しい年には「若い友人が何人かできてうれしかったこと」を持って行こうかな。
「それは都合よすぎる」と言われるかもしれないが、正月が来るのだから、都合がよくたっていいのです。(精神科医)
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2014年12月26日

まだ大丈夫よね…が命取り!「賞味期限を厳守すべき」身近な7食材

まだ大丈夫よね…が命取り!
「賞味期限を厳守すべき」身近な7食材
2014.12.25 16:00 美レンジャー

突然ですが、皆さんは賞味期限を必ず守っていますか?

 気付いたら、賞味期限が2、3日過ぎてしまっていた……なんてことありませんか。
ところが、食材のなかには賞味期限を守らないと、食中毒の恐れがある危険な食材も存在するのです。
そこで今回は、“知らないと危険!賞味期限厳守の食べ物”をご紹介します。

■もう一度おさらい“賞味期限”とは?

農林水産省のHPには、賞味期限に関して以下のように記されています。(以下、引用)

<・ハム・ソーセージやスナック菓子、缶詰など冷蔵や常温で保存がきく食品に表示してあります。
 ・開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、おいしく食べられる期限を示しています。(省略)
   ・一度開封したものは、表示されている期限にかかわらず早めに食べるようにしましょう。

表示されている期限は、開封後も保障されているわけではありません。>

以上のことを踏まえたうえで、“賞味期限を絶対守るべき食材”をチェックしていきましょう。

■賞味期限をしっかりチェック!
 守るべき食材7つ

(1)卵
卵がけご飯にすき焼き、温泉卵……。
生卵を好むのは日本特有の食文化でもありますが、実は卵は、食中毒になりやすい食材ナンバーワン!
  日本でも自宅で生卵を食べ、サルモネラ菌の食中毒で死亡した女性の遺族が卵の生産業者を訴えた訴訟では、「生産業者に責任あり」との判決が下されました。
さらに、アメリカのレストランでは、基本的に生卵の提供を禁止している地区が多くあるとのこと。

(2)パン
パンのなかでも、調理パンや生クリームの入った菓子パンはとくに傷むのが早く、注意したい食材の1つです。

(3)ひき肉
ステーキなどと違って、注意したいのがひき肉を使用したハンバーガーです。
ミディアムレア、レアで食べることが多いアメリカでは、大腸菌を生きたまま摂取することになり、毎年9万人もの人が感染してるのだとか!

(4)イチゴ
時期や品種などにもよりますが、基本的にイチゴは傷みやすく、外部からの圧力にも弱い果物です。
パックの下部分は、傷んでしまっているなんてことも。
ブヨブヨと柔らかくなっている状態ならば、食べるのは避けた方がよいでしょう。

(5)貝類
貝には、ビブリオ・バルニフィカスという菌が付着しており、新鮮なうちは問題ありませんが、少しでも古くなると食中毒のリスクも高くなります。

(6)チーズ
ソフトチーズやセミソフトチーズに発生しやすいのが、リステリア菌です。
切り口はしっかりラップで包み、湿度の高い野菜室で保管するのがおススメです。

(7)鶏肉
カンピロバクター食中毒は鶏肉が原因とされることが多く、平成20年にはノロウィルスに次いで、患者数が2番目に多い食中毒となりました。

賞味期限を守ることはもちろんのこと、十分な加熱を加える、包丁やまな板などは使用後しっかりと洗浄、消毒を行うことが大切です。

いかがでしたか? 
賞味期限を守らないことで、食中毒を引き起こしてしまうリスクもあるのですね。
今回ご紹介した食材には特に気をつけて、美味しく健康に食事を楽しみたいですね。
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2014年12月27日

年末年始が見極めるチャンス 老親の認知症「15の兆候」

年末年始が見極めるチャンス
老親の認知症「15の兆候」
2014年12月25日 日刊ゲンダイ

 親と接する時間が長い年末年始は、認知症のサインをチェックするいい機会だ。
たとえ同居していても、仕事をしている日中に親が何をしているのかは分からない。
まして離れて暮らしていればなおさらで、現在の状態なんてほとんど知らないだろう。

認知症に関する著書が多数ある「眞田クリニック」の眞田祥一院長に話を聞いた。


「年を取ればだれでも脳の機能が低下してきます。
それによって、“これまでにはなかった現象”がいろいろ出てきますが、大きく分けて、老化現象と病的な現象に分けられます。
アルツハイマーをはじめとする認知症は後者。

よく知られる“物忘れ”以外に、判断力、思考力、感情表現などの低下が見られます

■最初に影響が出るのは嗅覚

 老化現象の物忘れか、それとも認知症による物忘れか。

たとえば、高倉健の写真を見て、「ほら、この人が出てた、あのハンカチが出てくる映画、ほら、あの……」というように名前が出てこないケースはよくある老化現象。

しかし、高倉健を知らないはずがないのに、「これ、だれだっけ? 近所の人だっけ?」となるのは認知症が疑われる。

「これまで家事をきちんとこなしていた母親が、部屋の掃除をきちんとしていない、洗濯物がたためていない、下駄箱の靴がきれいに並べられていない、上がりかまちにある敷布が汚いままといったことがあれば、認知症のせいかもしれません。

ただし、多少部屋が汚れている程度なら、老化で感覚や手足の動きが鈍り、単に若いころと同じようにできていないことも考えられます」

 五感の中で、一番最初に影響が出やすいのは嗅覚だといわれている。
「認知症でよくあるのは、生ゴミのニオイなどに無頓着になること。
玄関のドアを開けて“なんか臭う”と思っていたら実は……というケースもあります」

 寒いのに妙に薄着。
暑いのにやたらと着込んでいる。
これも認知症による判断能力の低下が原因かもしれない。

「認知症の初期のサインはさりげないものが多く、気づきにくいのです。
普段離れて暮らしている老親なら、久しぶりに子供や孫と会うため脳の働きが“持ち直し”て、サインが出にくくなっていることもある。
それでも注意深く見ていれば、分かることが出てきます」

 よくあるサインは下記の通り。

1.知っているはずの物・事柄の名前が出てこない
2.食事をしたことすら忘れている
3.きれい好きだったのに部屋が雑然としている
4.ありえない場所にありえないものが置かれていた(冷蔵庫にテレビのリモコンなど)
5.部屋が臭い
6.ちぐはぐな服装をしていた(寒いのに超薄着)
7.身なりに構わなくなっていた
8.食事の味付けが変わっていた(極端に味付けが薄い/濃いなど)
9.久しぶりに会ったのに、仕事や孫のことなど聞きもしない(無関心)
10.疑り深くなっていた
11.怒りっぽくなっていた
12.毎日使っている電気スイッチの使い方が分からなくなっていた
13.コンセントが入っていないことに気づかず、壊れたと怒り出した
14.漢和辞典と国語辞典の違いが分からない
15.慣れた道なのに迷う
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2014年12月28日

再び120円台 年の瀬円安地獄「物価上昇率ランキング」

再び120円台 年の瀬円安地獄
「物価上昇率ランキング」
2014年12月26日 日刊ゲンダイ

 為替相場で約2週間ぶりに1ドル=120円台を付けた。
米GDP(7─9月期)の上方修正で、米経済の回復基調が鮮明となり、ドル高・円安が進んだ。

株式市場は円安を好感。
前日比219円高と5日続伸し、兜町は年内の「日経平均1万8000円」と色めき立っている。

 だが、庶民生活は円安地獄にまっしぐらだ。

輸入価格の高騰で値上げラッシュは続き、来年1月からは「カップヌードル」や「一平ちゃん生麺」、冷凍食品、食用油など生活に密着した商品が一段と値上がりする。

 安倍政権がスタートした2012年12月は1ドル=85円水準だった。
円安は40%以上も進み、平均的な家庭(2人以上世帯、年収600万円)の家計負担額は年38万円に達する。

■食品の凄まじい上昇

 どんなモノの値上がりが激しいのか。

消費者物価指数(10月)を基に調べたところ、この1年間に最も上昇したのは公立高校授業料(524.4%)だった。
公立高校の授業料無償化に所得制限が設けられたための上昇なので、円安とは無関係だろうが、仰天だったのは肉や魚、野菜といった食品類の上昇率の凄まじさだ。

塩さけ(25.1%)、キャベツ(22.0%)、牛肩ロース輸入品(18.7%)、たこ(17.3%)などが上昇率の上位に並ぶ。

「1年前(昨年10月)のドル円相場は1ドル=100円水準でした。
円安が20円進んだことで、多くの食料品が値上がりした。

消費増税分(実質2.85%)を差し引いても2桁の上昇率とは驚きです」(市場関係者)

 悲劇は家計だけではない。渡米して臓器移植を望む患者は、数千万円単位で費用が膨らんでいるという。
米国に留学を決めた学生も、想定以上の学費増大に頭を悩ます。

年末年始の海外脱出組は「円パワー」の暴落を実感することだろう。

「この先、ドル高(円安)が止まるとは考えにくい。しばらくは07年6月に付けた1ドル=124円14銭を目指すでしょう。
早ければ、年明けにも到達すると思っています。
その後はテクニカル分析上の節目である126円、130円、132円と円安が進む可能性があります」(マネーパートナーズの武市佳史チーフアナリスト)

 物価はもっと上がることになる。アベクロコンビの円安誘導策がもたらした「悪い円安」で、庶民は暗い年の瀬を迎えなければならない。
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2014年12月31日

<幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。>

<幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。>
2014年12月31日 東京新聞「筆洗」

<幸福は、ごはんが炊かれる場所にある。>
何年か前のお弁当屋さんのコピー、宣伝文句である

▼何も家庭だけに限らない。
どこだろうとごはんが炊かれ、そこに誰かが集まって、食べている空間には幸せがあるという。お書きになったのはコピーライターの岩崎俊一さん。
二十日に亡くなった。六十七歳

▼<年賀状は、贈り物だと思う。>
人生は、冬ではなく、春で終わりたい。
がんばる人の、がんばらない時間。>。

いずれも、心に刺さるというよりも、心の上にポッと積もり、それがいつまでも解けない雪のような作品である

▼<ごはん>のコピーには裏話がある。
小学生の時、勝手に「荒れた家」と思っていた家の少年が夕方、炊きたてごはんのおこげで作った、おいしそうなおにぎりを食べていた。
それを見て「なんだ大丈夫じゃないか」と安心したそうだ。
その記憶でこのコピーができた

▼<しみしみと一人はさむし鐘の声>永井荷風。
「しみしみ」が切ない。
独り暮らしの世帯が増えている。
年末年始さえ、誰かと「ごはんが炊かれる場所」を共用できにくい時代になっている

▼家族を亡くし、一人で年越しをする若者たちに、一緒に過ごそうよと呼び掛けている女性の記事を読んだ。
家族ではない。
それでも、その場所には<幸福>な時間がきっと訪れる。
そう信じる。

小欄もこれにてお開き。良いお年を。
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2015年01月03日

何かを見失いそうになった時、きっと助けてくれる「30の言葉」

何かを見失いそうになった時、
きっと助けてくれる「30の言葉」
2015/1/ 1 09:52 J-CASTニュース
            大関暁夫(おおぜき・あけお)

新年あけましておめでとうございます。
新年早々不祝儀話で恐縮ですが、年末近くに訃報があり、銀行時代に大変お世話になった会社の会長さんの葬儀に行って参りました。
94歳の大往生でした。

戦争体験から多くのことを学んだ

会長は東南アジアに派兵された戦争体験から多くのことを学んだと、事あるごとに私にいろいろなお話を聞かせてくれました。
戦争の最前線で所属軍が壊滅状態に瀕する中、戦火をかいくぐって奇跡的に生還されたのです。

戦後、内地に戻った会長は、この先の人生を賜り物として捉え亡き戦友への弔いの意も込め、世のため人のため、人の嫌がることを率先して受けようと無一文から葬祭事業を起こしたのでした。
その際に心に決めたことは、戦地で多くの嫌な思いをぶつけられ、あるいは理不尽に現地の人たちを苦しめてきた日本軍将校の行動を会社経営の反面教師とすることでした。

その考えに沿う形でビジネスを立ち上げ、人材を育て業界のあるべき姿を考え行動される中で、長年にわたり多くの社内外の方々から手本にすべき経営者として慕われてきたのでした。
数年前の新年のことです。ちょうど他の用事で会社の近くを通りがかったので、年初のご挨拶にとうかがいました。
久々にお目にかかる会長の歓待を受け、「せっかくのお正月だから」と一片の書簡を手渡されました。
「会社を元気にする30の言葉」と題されたその書簡は、自分が様々な苦労をしながら会社経営をしてきた中で、とある尊敬すべき方から授かったという30の言葉と、その言葉への思いが記されていました。
お世話になった会長から手渡された書簡 「この30の言葉と出会ったとき、私が戦地の苦境の中で学びとったことの一つひとつを端的に表したものだと感じました。
この言葉を胸に抱いていれば、いつの日も自分や会社を元気にしてくれる素敵なものだなとも思いました。
大関さんのこの先のお仕事が、そして人生が健やかで明るいものでありますよう、これを差し上げましょう。
これらの言葉たちは、何かを見失いそうになった時にきっと助けてくれるでしょう。
ぜひ毎年、年の初めにはこの言葉の一つひとつの意味を噛みしめて、新しい年を惰性で迎えることのないよう気をつけてください」

私はありがたく頂戴し、会長に言われたとおりに以降新しい年を迎えるたびに、この書簡に記された30の言葉をかみしめ、自己を諌めつつ前に進むようにしています。
新しい年の始まりに際して、尊敬すべき亡き会長への弔いの意を表しつつ、この言葉を読者の皆さんにもお読みいただきたいと思います。
次のページで紹介します。
ぜひ御手元に置いて、皆さまの生活にビジネスにお役立ていただければ幸いです。
本年もよろしくお願いいたします。(大関暁夫)

「会社を元気にする30の言葉」

(仕事をすすめる15の言葉)
☆歩き出すと道が見えてくる
☆できるかできないかではなく、やるかやらないかである
☆今までより、今から
☆何をするのかよりも、なぜするのか
☆決意は伝えなくとも伝わる
☆批判に感謝した時、批判は消え去る
☆万策尽きた時、あきらめないという名案がある
☆とことんやると他人と違うものになる
☆どんな時でも手法は百万通りある
☆商品に魂が入ると作品になる
☆大事なものほど身近にある
☆信用とは努力である
☆本当に自信がある時は腹が立たない
☆大変とは、大きく変わることである
☆決意とはいかなる困難をも受け入れることである


(人を育てる15の言葉)
☆罰を与えず、夢を与える
☆できない理由はできる理由
☆明日やるというウソ
☆成長するほど他人の長所が見えてくる
☆他人を変える最良の方法は、自分を変えることである
☆無駄な努力はない、成果は出ずとも成長している
☆安楽な日々は過ぎ去る、充実した日々は積み重る
☆楽を求めるほど苦しくなり、夢に向かうほど楽しくなる
☆苦境に挑む姿が他人を育てる
☆何でもとことんやると自分らしくなる
☆すべては自分で選んだこと
☆限界は自分でしかつくれない
☆謙虚な者ほど大きく見える
☆うまくいかないことを楽しめた時、成果は大きくなる
☆一粒の雨が海になる如く、一粒の汗が未来になる
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2015年01月04日

交流し、共に生きる社会を ハシ先生のメッセージ

交流し、共に生きる社会ヲ 
      ハシ先生のメッセージ
2015年1月3日 東京新聞朝刊

◆「できるか、できないかではなく
        やるか、やらないか」

 「かなわぬ夢を夢見、勝てぬ敵と闘い…」

 昨年十二月下旬。
神奈川県鎌倉市の主婦稲田睦子(むつこ)(71)の自宅に、一枚のファクスが届いた。
文章はこう続く。
「忍びがたい悲しみに耐え、勇者もひるむ土地を馳(か)け…」

 愛と信念を貫く騎士を題材に、一九六五年に米ブロードウェーで初演されたミュージカル「ラ・マンチャの男」。
そのラストで歌われる「見果てぬ夢」を、日赤の元青少年課長の橋本祐子(さちこ)(故人)が邦訳した手書きの歌詞だった。

 「ハシ先生の気持ちそのままだ」
 稲田の脳裏に、六四年の東京パラリンピックがよみがえる。
青山学院大学四年だった二十一歳。
日赤が組織した通訳ボランティア「語学奉仕団」に参加した。

 約二百人のメンバーを率いたのが「ハシ先生」こと橋本。
当時の日本では、下半身まひの身体障害者の多くは病院などで一生を過ごし、接する機会がない。
橋本は大会前、奉仕の精神を学ばせようと、障害児施設などにメンバーを連れ出した。

 「子どもを抱っこしてあげたら?」。
しかし、戸惑い、顔色をうかがう者が多かった。

橋本はこう導いた。
「できるか、できないかじゃない。
やりたいか、やりたくないか。
やるか、やらないのか、なのよ」

 決して「やりなさい」とは言わない。
強制されたら奉仕ではないから。
代わりに数々の名言で背中を押した。

「未来は今日つくられるの」
「苦しみのない喜びは三流品よ」

 それは稲田の心にも染み渡った。
大会本番、車いすのスイス選手団を付ききりで介助した。
買い物や外食にも付き添い、翌年スイスの自宅を訪ねるほど絆が強まった。

 理想に燃える橋本の信条のようなラ・マンチャの訳詞が、元メンバー宅から見つかったのは昨年のこと。
ハシ先生の思い出を共有しようと、仲間が稲田宅にもファクスしてくれた。

 橋本は一九〇九年に中国・上海で生まれた。
四五年の終戦を北京で迎え、日本へ引き揚げる早春。
約百二十キロ離れた港町に向かう汽車は寒くてたまらなかった。
屋根もない石炭用の貨車だったからだ。

 乗り合わせた数十人が、持っていた小さな布を集めた。
縫い合わせて屋根代わりにし、身を寄せ合って風雨をしのいだ。

 赤十字との出合いは帰国の二年後。
友人に誘われ、日赤本社を訪れた時だ。
まだ占領下の配給時代。
ボランティアの準備会合で「奉仕どころではない」と本音を漏らした参加者に、三十八歳の橋本は黙っていられなかった。

 「奉仕って何ですか。余計に持っているものをあげることですか。
違うでしょ。
分け合うことではないのですか」。
引き揚げ体験を切々と訴えた。

 日赤の職員となり、パラリンピックを皮切りに、アビリンピック(全国障害者技能競技大会)やさまざまな国際イベントで若者のボランティアを指導した。
都内にある墓碑には「できるか、できないか…」の語句が刻まれている。

 教え子の稲田は、奉仕団を辞めた後も市民講座や英会話サークルのボランティアを続けた。
古希を過ぎ、二〇二〇年に再び迎える東京パラリンピック。
息子や娘、小学生の孫らにも、外国人や障害者と交流してほしいと願う気持ちが強くなってきた。

 思いついたのがホームステイの受け入れだ。子ども部屋が物置になっている。
そこを片付けよう
友達にも声を掛ければ、高齢化が進む地域の活性化になる。
 ハシ先生は半世紀前、挑戦を、と勇気付けてくれた。稲田は言う。
「やってみるって、すばらしいこと。
へたでも何でも、いいじゃないですか」 (敬称略)
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2015年01月09日

子どもが将来マネしちゃう…お金にまつわる「親のNG習慣」4つ

子どもが将来マネしちゃう…
お金にまつわる「親のNG習慣」4つ
2015年1月8日 11時30分 WooRis(ウーリス)

年末年始は大きなイベントやお年玉、冬休みの旅行など、いろいろお金が入用なもの。
こんなときこそしっかり計画を立てて、上手にお金を遣いたいですよね。

でも、「お金ないけど……いいや、遣っちゃえ!」なんて言ってると、見てますよ、あなたの子どもたちが!
子どもに対する金銭的教育は、つい親が怠りがちな科目です。
でも、子どもは絶対的存在である親のマネをして育っていくのですよ。
英語ニュースサイト『U.S. News & World Report』の記事を参考に、子どもが将来マネするかもしれないお金の悪癖を認識しましょう!

■1:ガマンをしない

お金がないのに、アレもコレも欲しいものは即買い。子どもが「アレ買って!」と言っても、「しょうがないわね……」と無理して購入したりしていませんか?

そんなことでは、子どもが“ガマンすること”を学ばず、「お金がないけど、どうしても欲しいから、今クレジットカードで買う」という悪癖を身につけてしまいます。
「NOというのも子どもの将来のため」と心を鬼にして、ダメなときはきちんとそう伝えましょう。

■2:必要なときに何でも買い与える

子どもは毎月お小遣いや労働に対する“賃金”をもらって、そのお金でやりくりをしていますか? それとも、子どもが必要なとき、必要なものを親がその都度買い与えていますか?

欲しいときいつでもお金を与えては、「お金は努力せずともいつでも入ってくる」と思ってしまいます。
家事を手伝わせるなどして賃金を支払い、その中でやりくりさせるようにすれば、お金を稼ぐことの喜びと、お金のありがたさ、やりくりの仕方が備わります。

■3:衝動買いが多い

食料品でも洋服でも、子どもを連れて買い物に行くとき「あっ、コレ欲しい!」と思ったものを衝動的に買うことが多くありませんか?
そんなことをしながら「お金を計画的に遣いなさい!」なんて教えられませんよね。
買い物前に必要なもののリストを作ってから行くと、あっちへこっちへフラフラ……ということも少なくなります。

■4:子どもに教えることを自ら実行しない

子どもは、親の矛盾をびっくりするほどよく観察しているものです。
あなたが「健康にいい野菜を食べなさい」と子どもに言いつつケーキをバクバク食べていたのでは、説得力がありませんよね。

子どもへのお金教育も同じことが言えます。
「お小遣いを無駄遣いしちゃダメ!」と言いつつ、自分が無駄なものを買い込んでいるようでは、子どもはあなたの行動をマネするようになりますよ!

以上、子どもがマネしてしまうお金にまつわるNG習慣をご紹介しましたが、いかがでしょうか?

  新年は、子どもにも新しい習慣を身に付けさせるいい機会。
気分を新たに、親子で2015年のお金の目標を立ててみましょう!
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2015年01月13日

初めての和式トイレに戸惑う新小学1年生 今や練習する場もない、と親は嘆く

初めての和式トイレに戸惑う新小学1年生
 今や練習する場もない、と親は嘆く
2015年1月12日 11時30分 J-CASTニュース

春の入学シーズンももうすぐだが、小学校に入学した新1年生が最も戸惑う環境の1つが学校内の「和式トイレ」だという。

今や家庭でも公共施設でもほとんどが「洋式トイレ」で、和式を目にする機会すら少ない。

小学校に入学して初めて和式トイレを目にする子供は大半に上るとされており、子供たちや父母らにとっては深刻な問題となっている。


「入学前に和式トイレを使う練習をした方がいいと言われたが、練習する場もない」。
ある母親は困惑した表情で話す。
小学校に入って初めて和式トイレを使い、座る位置さえわからず、トイレを汚してしまう子供も多いという。

小学校全体の約6割が、和式が多いと回答

小林製薬が2014年7月、インターネット上で全国の母親と小学生412組を対象に行った「小学校のトイレ」に関するアンケート調査によると、「すべて和式」は17%、「和式が多い」は42%で、全体の約6割が、和式が多いと回答した。

10年度の同様の調査では、「すべて和式」(26%)と「和式が多い」(52%)の合計は78%を占めており、年々改善しているとはいえるが、いまだに和式トイレが多い状況が大半を占めていることが分かる。

問題は、慣れていない和式トイレを前に、排便したがらない子供が多いことだ。
学校のトイレで排便することへの抵抗感を聞いた調査では、洋式トイレが多い学校では「抵抗を感じる」(30%)、「やや抵抗を感じる」(20%)の合計は50%。

これに対し、和式が多い学校では、「抵抗を感じる」(34%)、「やや抵抗を感じる」(27%)の合計は61%に上った。

排便したがらない理由では、「和式トイレを使うのが苦手」が44%と最も多く、子供たちが和式トイレに戸惑い、悩んでいる姿が浮かび上がった。

排便を我慢すれば体調にも影響し、子供たちの健康への懸念も大きい。

校舎すべてを洋式に改修すればばく大な費用が必要

そもそも、一般家庭では今や9割超が洋式トイレを設置しているという。
公共のホールやショッピングセンターでも洋式トイレは大半を占め、女性トイレで1〜2台設置してある和式トイレなど、大人でさえ誰も使わないのが現状だ。

小学校に上がったばかりの子供たちが和式トイレに大きな負担をおぼえるのも無理はない。
では、なぜ小学校では和式が多くを占めるのか。
最大の理由は予算問題だ。
校舎すべてを洋式に改修すればばく大な費用が必要で、4階建ての校舎なら4000万〜5000万円程度かかるとの試算もある。

東日本大震災後は校舎の耐震化工事が急速に進められており、国や自治体の財政状況が厳しい中、トイレの改修は後回しにされがちという事情もある。

新1年生には厳しい現実だが、しばらくは試練と捉えるしかないのかもしれない。
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2015年01月17日

医療も「言論の自由」が大事

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
医療も「言論の自由」が大事
2015年1月16日 読売新聞

 最近の僕的に大きなニュースは、フランスの政治週刊紙「シャルリー・エブド」のパリ本社が銃撃され、12人が殺害された事件です。
逃亡した容疑者が籠城し、射殺されました。
そして、その銃撃テロ事件の犠牲者を追悼する大行進に370万人が参加したとフランス内務省は発表しました。

 襲撃された週刊紙は、ある人たちにとっては行き過ぎとも言える表現があったのかも知れません。
しかし、言論の自由は正しい判断をするためにとても大切なものです。
いろいろな意見があることが正しい判断の源と常々思っていますので、「自分たちの意にそぐわないことを言っているから、そんなとんでもない報道をするやつらは襲撃しよう」という発想には断固反対です。

医療情報は玉石混交

 医療の分野でも、たくさんの意見が出た方がいいのです。

本屋さんの医療コーナーを眺めれば、また医療の記事をネットサーフィンすれば、いろいろな意見を主張する本やHPがあります。
両極端の意見も珍しくありません。

長生きするためには医者に行かない方がいいといった論調から、どんどん医者には行くべきだといったものなどわかりやすい両極端の意見です。
そんないろいろな意見があることが楽しいではないですか。
玉石混交です。

どれが正しいかもわかりません。
明らかに正しいこと、明らかに間違っていることを本にすることはまず無理でしょうから、書籍になっている段階で、ある程度はそれなりの論拠があると思っています。

 ではなぜ、そんなにたくさんの意見が、特に医療の分野にはあるのでしょう。
それは、人はいろいろだからですね。
全員に当てはまらないことは間違っているのでしょう。
でも将来は当てはまると敢あえて言うこともできます。
少なくとも今までに何人かに当てはまっていれば、その意見を葬り去ることは無理です。

人はいろいろということは、各個人に対する医療もいろいろと考える方が腑ふに落ちます。
でもそこまでオーダーメイド化するためのサイエンスは進歩していないのです。
ですから、多くの人にとって有益であろうと思われることを精一杯やっているのが医療です。

そんな目線でいろいろな情報に接することが大切ですね。

信頼できる医師を持とう

 もしもどの医療情報が正しいか解わからないときは、信頼できる医師に相談しましょう。
つまり常日頃から、かかりつけの信頼できる医師を持っておくことが大切です。
信頼できるというのは、「その先生の言うことであれば、もしも間違っていても、もしも自分に当てはまらなくても致し方ない」と思える医師のことです。

僕たち医療関係者も、その人にその医療がどれほど大切かはなかなか解らないのです。
精一杯現在までの情報でいいと思っていることをやっているのです。
だからこそ、僕たち医療サイドも、いろいろな情報の存在を知りたいのです。
そんな玉石混交の情報から、よりよいと思われることを取捨選択するのが、医療のプロの仕事と思っています。

 大きなニュースの陰で、先日医療にとって大切な決定がなされました。
来年度の予算で財務大臣と厚生労働大臣の大臣折衝が行われ「介護報酬」を2015年度から2.27%引き下げる方針となりました。

高齢化社会がどんどんと進行する中で介護の問題を国民全体が考えることはとても大切なことなのです。
僕的には介護報酬は増額が何よりも必要で、減額などはもっての他と思っています。

しかし、介護職員の給与は月1万2000円程度上がるとも報道されています。
そうであれば、労働の割に低賃金と言われている介護職員には朗報です。
「介護報酬」がどのように運用されるのかも、しっかりと見守っていきたいと思っています。

社会保障は国としての大切な問題です。
大切な税金の使い道です。
社会保障に対するいろいろな意見も本やネットでたくさん発言されればいいのです。

 極端な意見があってもいいのです。
それが発言できる世の中が、まず大切なのです。
言論の自由はどんなことがあっても守りたいと思う今日この頃でした。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
続きを読む
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2015年01月18日

阪神大震災20年 忘れまい復興の光と影

阪神大震災20年
 忘れまい復興の光と影
2015年1月17日 東京新聞「社説」

 悲しみを乗り越えて街の姿は蘇(よみがえ)ったが、なお、生活を取り戻せぬ被災者も少なくはない。
阪神大震災から二十年。
復興の教訓を風化させてはならない。

 一九九五年一月十七日朝に起きた阪神大震災は淡路島北部を震源地とする直下型地震だった。

神戸市を中心に死者六千四百人以上、住家の全半壊は約二十四万九千棟に及び、道路、鉄道、あらゆるライフラインが崩壊した。

 廃虚同然となった被災地には二十年後の今、新たなビルが立ち並び、街の姿は、以前にも増して華やかに見えもする。
すでに神戸市では、震災を体験していない世代や転入者が人口の四割を超えている。

◆遠かった生活の再建

 都市崩壊の生々しい記憶が薄れていくことは復興の一つの証しかもしれないが、大きな悲しみを乗り越える中で学んだ教訓まで薄れさせてはなるまい。

 阪神大震災の復興は「創造的復興」を掲げて進められた。

 創造的復興とは、当時の貝原俊民兵庫県知事が用いた言葉で、単に震災前の街の姿に戻すのではなく、二十一世紀の成熟社会にふさわしい姿に復興する、という考え方だった。

 高速道路や鉄道、港湾施設などのインフラの復旧は総じて早かった。
土地区画整理事業、市街地再開発なども次々進められた。
街の再建が目に見えて進んでいくことが人々を大いに勇気づけたのは間違いないだろう。

 その一方、いくら行政主導で創造的復興が進んでも、住民が家を再建し、安らかな生活を取り戻す「人間の復興」は順調に進んだとは言えない。

 例えば、都市計画や住宅政策が専門の塩崎賢明・神戸大名誉教授は「巨大再開発という復興施策がもたらす『復興災害』がいまなお進行中だ」と指摘している。

◆住民戻れぬ再開発

 火災で全焼した神戸市長田区の新長田駅南地区は、商店街が縦横に広がる住宅・商業・工業の混合地域だった。
そこでは、壊滅した地区内のすべての土地を神戸市が買収し、四十四棟のビルを建設する再開発事業が進められた。

 しかし、完成したビルの商業・業務区画の売却・賃貸は進まず、地下や二階は今も軒並みシャッターが下りたままである。

 再開発ビルの住宅も、分譲価格が従前権利の評価額より総じて高くなった。
追加資金を持たない人の入居は難しく、震災前の住民の45%が地区外に転出したとの調査結果もある。

 再開発事業が都市計画決定されたのは震災からわずか二カ月後。
その日その日を生きるのが精いっぱいだった被災住民の声をきちんと聞いた形跡はない。

 コミュニティー復興への目配りが欠けていたのである。

 千七百戸の仮設住宅が並ぶ神戸市西区にプレハブの仮設診療所を開設して被災者を支援し、二〇一二年に亡くなった額田勲医師も、著書『孤独死』(岩波書店)で「人間の復興はあまりにも遅々としている。
見果てぬ夢を追いながら、仮設住宅で生を終えた人たちは、おびただしい数に上るはずである」と振り返っている。

 復興は、建物や道路を取り戻せば終わりではない。暮らしやコミュニティーをいかに復興するか。

 現在進行中の東日本大震災からの復興のみならず、南海トラフ巨大地震や首都直下地震も想定し、阪神の教訓を考えねばなるまい。

 生かすべき経験は、もちろん、影の部分ばかりではない。


 阪神大震災では百六十七万人がボランティアとして活動した。
試行錯誤の連続で、事がスムーズに運んだわけではない。
善意の空回りもあったが、ボランティアの心は社会に根付き、九五年は「ボランティア元年」と呼ばれることになった。


 阪神での経験を契機に、九八年には特定非営利活動促進法(NPO法)が施行された。
今や、大災害のたびに各地からボランティアが集まり、行政が進める事業よりも柔軟に支援活動を展開するのが普通の光景になってきた。

 日本でも無論、古くから相互扶助が行われてきた。
結(ゆい)、講…。
つまり、血縁社会、地縁社会の中で機能していた仕組みである。

◆助け合い、参加する

 ボランティア活動は、地縁、血縁による助け合いに代わる新しい社会の相互扶助の仕組みである。
日本社会の高齢化、人口減が進む中、その重みは増す一方である。

 法人税減税の財源をめぐり、昨年、NPO法人の優遇税制を見直す動きもあったが、社会貢献活動の普及に水を差す逆戻りなど、もっての外である。

 大きな悲しみをきっかけにわたしたちの社会に現れてきた助け合いの心、参加する気持ちである。
より大きく育てていかねば。
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2015年01月20日

猛威をふるうインフルエンザ!

猛威をふるうインフルエンザ!
「うがい薬は逆効果」
「ソープの薬用成分は意味なし」
間違いだらけの予防知識とは?
2015年1月19日(月)0時0分配信 週プレNEWS

今シーズンは例年より3週間早く、12月頭から流行入りしているというインフルエンザ。
1週間の受診者数は約139万人と、昨年同時期の約4倍もの猛威をふるっている。

それだけに、うがい、手洗いなど様々な予防を行なっている人も多いだろうが、果たして本当にそれは正しい行為なのか? 
WHOの感染症対策チームで国際的なインフルエンザ対策に従事した経験をもつ医師、村中璃子氏に聞いてみた。

●うがいは水で十分!

うがいで重要なことは、ウイルスを殺すことではなく、洗い流すこと。

18歳から65歳までの387人を対象に実施した京都大学による二重盲比較試験(※1)によれば、うがい薬(ヨード液)とただの水による予防効果は、水で40%、うがい薬で12%。どちらも効果はありますが、ただの水のほうが効果的だったという結果が出ています。

また、日本で水によるうがいによって得られる経済効果(風邪になった場合にかかる医療費や仕事を休むことによって失われる賃金などの総額)は、年間1人当たり3万1800ドルとの試算もあります。
とはいえ、インフルエンザや風邪の予防にうがいを推奨するのは日本くらいのもの。この安価で効果的な習慣を世界にも紹介したいですね!

●かかってからのうがい薬は逆効果

イソジンなど市販のうがい薬の主成分であるヨードは、外科手術で手洗いに用いるほど効果の高い消毒薬ですが、特に風邪やインフルエンザにかかってからのヨード液によるうがいは、傷に塩をもみ込むようなもの。
炎症を起こした粘膜を刺激し、かえって症状を悪化させます。

同じ理由で、病院でもヨード液による喉の消毒治療はやらなくなりました。
私が産業医を務める企業ではトイレからうがい薬を撤去し、代わりに使い捨ての紙コップを置くことにしました。

●最大の感染源は自分の手

人は気づかないうちに、驚くほど頻繁(ひんぱん)に手で顔を触わっています。
特にパソコンを触る人は顔を触る頻度が高く、5分に1回から3回、一日換算では200回から600回も触るという報告もあります。

最大の感染ルートは一般に、空気中に浮遊するウイルスを吸い込むことと考えられていますが、咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)が空気中を浮遊している時間は非常に短く(風流や湿度などによります)、手を通じての感染の頻度のほうが高いという専門家もいます。

アメリカでは新兵の90%が、最初の数ヵ月間でなんらかの呼吸器感染症にかかるそうですが、予防対策として紫外線照射(直射日光に当たるのと同じ効果)、消毒薬散布など様々な方法を試みたところ、一番効果があったのは手洗いだったそうです。
「一日に最低5回手洗いする」という指示で、呼吸器疾患で受診する新兵の数は半減したといいます。

●薬用ソープの「薬用」成分は意味なし

手洗いの基本は、うがいと同じで洗い流すこと。
爪の先や指と指の間まで15秒ほどずつこすってウイルスをしっかり落とすことが重要です。

「薬用」と聞くと消毒効果を期待しますが、いわゆる薬用ソープの主成分トリクロサンは、細菌には有効でもウイルスは殺せません。
インフルエンザも風邪の原因微生物の9割も細菌ではなくウイルスです。
また、固形のせっけんではウイルスが長時間生き続け、逆に感染源となることもあります。
薬用であるなしにかかわらず固形せっけんよりもハンドソープのほうが安全でしょう。

●裏返しマスクに注意!

マスクには予防効果はないという専門家もいますが、目の前の人がした咳やくしゃみをそのまま吸い込んでしまうのを防ぎ、ウイルスがついた手で自分の鼻や口に触れにくくするなど一定の効果はあります。

そして、意外と間違いが多いのがマスクのつけ方。
いろんなタイプのマスクが売られていますが、表面のプリーツ(蛇腹の折り目)が下向きになるようにつけるのが正解です。
逆につけると、プリーツの間にウイルスや細菌がたまりやすくなるので要注意です。

●マスクは使い捨てる!

ところで、通勤の行きで使ったマスクを帰りにも…と、ちょっと使っただけのマスクはまた使いたくなりますね。
でも、マスクは「使い捨て」が原則。

使ったマスクの表面にはウイルスや細菌がついており、外すときにも手にウイルスが付着する可能性があるので、手洗いは「マスクを外してから」が鉄則です。

また、ウイルスは髪の毛やマスクに覆われていなかった部分の顔にも付着するので、髪をタオルで拭き、手だけではなく顔も洗うのも効果的です。

ただし、マスクも日本や大気汚染の激しいアジア諸国でのみ広く受け入れられている習慣です。マスク姿が目立つ冬の日本に来て「毒ガステロ? パンデミック(世界流行)!?」と驚く外国人も多いとか。

●ワクチンを打ってもかかる?

「ワクチンを打ったらインフルエンザになった」と訴える人がいますが、インフルエンザワクチンにインフルエンザウイルスは含まれていないので、ワクチンでインフルエンザになることは絶対にありません。
もちろん、ワクチンの効果は100%ではありません。
しかし、感染の確率を下げ、かかった場合も重症化を防ぎます。
一度打てば半年から一年は効果がありますが、抗体が上がるのに接種から3、4週間はかかるので、シーズン前の12月中旬までに打つのが原則です。

●ワクチンの中身は5月に決まっている!

ちなみに、ワクチンに含まれるウイルス株は重症化しやすいA型2種類とおなかの症状が強いB型1種類の計3種類。
その年、ワクチンに入れるウイルス株は、世界での流行傾向に応じて毎年5月には専門家の意見をもとに決定し、10月末頃には医療機関に供給できるよう夏前から製造が開始されます。
意外に早いでしょ?

◆村中璃子 MURANAKA RIKO 医師・医療ライター。一橋大学社会学部・大学院卒。社会学修士。北海道大学医学部卒。WHO(世界保健機関)の新興・再興感染症対策チームでは、主として国際レベル・地域レベルでのインフルエンザ対策を担当した
■週刊プレイボーイ5号(1月19日発売)「かなり間違いだらけなインフルエンザ予防法」より
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2015年01月21日

復興担う公務員にエール 

香山リカのココロの万華鏡:
復興担う公務員にエール 
毎日新聞 2015年01月20日 首都圏版

 東日本大震災の発生から4年がたとうとしている。
東北の放送局から「自治体職員のストレスについて番組を作るので」と出演依頼があった。
私が被災地自治体職員の心のケア活動を行っていることを知り、その経験を話してほしいということだった。

喜んで応じたが、現地の記者が取材したビデオで、ある自治体で職員の心の健康チェックを行ったところ、15%が「うつ病」に相当した、という調査結果を知り衝撃を受けた。

それでも多くの職員は、「なんとか復興を」といまも必死にがんばっている。

 阪神淡路大震災からは20年がたった。
住民と行政とがぶつかり合いながら進められた神戸の復興の記録をテレビで見た。

当時、都市再生の中心となった元職員が登場し、「住民のための復興だっただろうか」とややつらそうな顔で振り返っていた。
定年になり退職した現在も責任を感じているようだった。

 もちろん、誰もが同じように勤勉というわけではない。
しかし、東日本大震災の被災地で私が出会った行政の人たちはすべて、「自分より住民や地域のために」と身を粉にして働き続けていた。

 「真面目で責任感が強い」というのは仕事の上では欠かせないことだが、すぐに「働きすぎ」につながる。

また、いつまでも「こうしたほうがよかったのではないか」と考え込んだり、「私のせいでは」と自分を責めることにもなりかねない。

それらがさらに進むとうつ病になってしまう場合もある。

 では、真面目な人はどうすればうつ病にならずにすむのだろう。
まずは、がんばり時間と思いきりくつろぐ時間、つまり「オンとオフ」をはっきり分けることだ。

夜は、できなかったことや失敗ではなく、できたことやほめられたことを思い出しながら眠りにつく。
そして、自分に「よくやってるよ」とそっと声をかけ、できれば周囲の同僚たちとも互いに「おつかれさま」「がんばったね」とねぎらい合う。

 最近は何かあるとすぐに「悪いのはあの人のせい」と責任逃れをする人が増えているとも言われるが、まだまだ「私のがんばりが足りなかったのです」と自分を責める人も少なくない。

反省のしすぎから「私はダメだ」と自信を喪失することなく、「気持ちを切り替えて次に行こう」と前向きな気持ちになってもらいたい。
もちろん、被災地で復興のために尽力する人たちにも「がんばり続けている自分に自信と誇りを持ってくださいね」と伝えたい。(精神科医)
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2015年01月23日

安心して治療に専念 患者が医者に聞くべき5つのポイント

安心して治療に専念
患者が医者に聞くべき5つのポイント
2015年1月22日 日刊ゲンダイ

 体調を崩して病院に駆け込み医師の言うがままに治療を受けたものの、なんとなく不安を感じた経験がある人は少なくないだろう。

良質で適切な医療を受けるには、医師とのコミュニケーションが欠かせない。
患者が聞いておくべきポイントは5つある。

 信頼できる医師に安心して治療を受けたい。
そのためには、「質問」が重要だという。

「医者が患者に教えない病気の真実」などの著者で、江田クリニック院長の江田証氏は言う。

「患者さんは、医者に何を聞いていいか分からないから不安になる。
的確な質問ができれば、漠然とした不安を取り除くことにつながります。
医者の方も、患者さんから質問されることで改めてその病気に対する知識や対処を整理できますし、うっかり見落としていたことを気づかされるケースもある。
誤診を防ぐためにも質問は大切です。
患者からあれこれ聞かれるのを煙たがる医者がいるのも事実ですが、そういう医者は自分自身がその病気に対してよく理解できていない証拠。
いいかげんな医者を見分けることにもなります」

 これまで、病院とはほとんど無縁だった50代のAさんが、40度近い高熱に見舞われた。

ただの風邪かと思っていたが、咳と痰がなかなか治まらない。
日に日に息苦しさも増している。
さすがに心配になり、病院で診察を受けたところ「肺炎」だと告げられた。

 医師はサクサク診断・治療を進めていく。
Aさんは不安でたまらなかったが、言われるがままにうなずくことしかできなかった――。
 これでは、安心して治療に専念することは難しい。

それを避けるために「患者が医師に聞いておくべき5つのポイント」を江田院長にまとめてもらった。例えばAさんのケースはこうだ。

【1】診断の根拠
 なぜその病気だと診断したのか、その根拠を尋ねる。
その病気をよく理解できていない医師はしっかり説明できない。
ただ、中には時間経過によって症状がどう変化するかを見てみないと診断がつかない場合や、まず薬を飲んで効果を見て診断する「診断的治療」という方法もあるので、焦らず理解しておく。

「肺炎はレントゲンに写った肺の影を見て診断します。
影の形が不整形で、星形のようにあちこちが尖っている場合、悪性(肺がん)の可能性も出てくる」

【2】他に考えられる病気
 診断する際は、候補になる病気をいくつも挙げることが重要とされている(鑑別診断)。
その候補をひとつひとつ分析し、根拠に基づいて消去していくことで正確な診断に行き着く。 「Aさんの場合、インフルエンザなどのウイルスが原因のウイルス性肺炎、カビなどが原因になる真菌性肺炎、結核、肺がんといった病気を候補に挙げて考えていきます」

【3】治療の選択肢
 どんな治療法があり、それぞれの治療法にリスクと効果がどれぐらいあるのかを尋ねる。
治療しなかった場合はどうなるかも聞いておく。
「細菌性肺炎には抗生物質による治療が行われます。
痰から原因菌を特定するまでに時間がかかるので、病原菌の予想をつけて抗生物質を開始するのが一般的です」

【4】治療効果を示すデータ
 治療にあたっては、効果を客観的に判断するためのデータが重要。
「肺炎はレントゲンの影が改善したかどうかを見ますが、治っても写真が改善するまでには時間的な遅れがある。
そこで、CRP(C反応性タンパク)などの炎症反応が下がっているか、白血球数が正常になってきているかを見ます」

【5】治療の目標
 根治するのか、どのぐらいの期間で治るのか。
治療効果の感触や予想を明確にする。
「肺炎は通常なら1週間程度で根治します。
根治が難しい病気の場合は、病気と上手に付き合っていく方法を考えます」

 5つのポイントを押さえておけば、Aさんも安心して治療に臨める。
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2015年01月24日

WHO、インフルエンザはワクチンで予防不可と結論

WHO、
インフルエンザはワクチンで予防不可と結論
 病院は巨額利益、接種しても感染多数
2015年1月23日 6時0分 ビジネスジャーナル

 インフルエンザが猛威を振るっており、昨年後半から1月16日までに病院で受診した患者は600万人を超えた(厚生労働省調べ)。

 そんなインフルエンザへの感染を避けるため、ワクチンを接種する人も多いが、実はワクチンは感染を防ぐ効果はほとんどないことが判明した。

 厚労省のホームページを見ると、「インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます」と書いてあり、ワクチンの効果を「ある程度」認めている。

 しかし、国立感染症研究所の調査によって、昨シーズンA香港型のワクチンを接種した人でも、A香港型のインフルエンザに感染した人が多くいたことが明らかになった。

以前からワクチンの効果について疑問視する声は医師の間から上がっていたが、同研究所は、効果が低かった理由を製造工程にあるとし、見直しを検討している。

 国は、シーズンごとに流行する型を予測し、ワクチンをつくるウイルスを選定する。
ワクチンメーカーは、そのウイルスを鶏の有精卵で培養して免疫成分を取り出す。


 同研究所が調べたところ、実際に流行したA香港型と、ワクチン用に培養したウイルスでは、遺伝子配列が大きく異なっていたという。

卵を使って培養すると、その工程で変質することが知られており、昨シーズンのウイルスは特に大きく変質したことで効果が下がったと同研究所はみている。

●ワクチンには予防効果がない

 その一方で、東京都内で内科医を開業する医師は、ワクチンそのものに疑問を投げかけている。
「世界保健機関(WHO)のホームページを見ても、
『ワクチンで、インフルエンザ感染の予防はできない。また有効とするデータもない』と書いてあります。

そもそも、インフルエンザはA香港型、Aソ連型、B型などと分類しますが、同じ型であってもウイルスは細かく変異を続けているため、ぴったりと当てはまる型のウイルスを事前につくり出すことは事実上不可能です」(内科医)

 つまり、流行するウイルスの型を正確に予測することはできないのに、ワクチンを製造して希望者に接種しているということになる。

「インフルエンザ予防にはワクチンが有効だと考えている人は多いですが、はっきり言って妄想です」(同)

 ではなぜ、効果がないにもかかわらず、ワクチン接種が定着しているのだろうか。
その理由について前出の内科医は次のように述べる。

「ワクチンは毎年約3000万本製造されています。
また、巨額の税金をつぎ込み、輸入もしています。
5年前、国内の在庫が足りずに慌てて輸入したところ、ワクチンが届くころにはインフルエンザが終息し、大量の在庫を抱えたことがありました。
毎年一定量のワクチンを使用することで、備蓄量をコントロールしたいとの政府の思惑も働いていると考えられます。
また、インフルエンザがはやる季節には、ワクチンだけで小さな病院でも数百万円、大病院では数千万円の利益になります。
病院にとってワクチンは安定収入を得る手段になっているのです

 国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)の疫学部感染症室長を務めたこともある医師の母里啓子氏は、著作『インフルエンザワクチンは打たないで』(双葉社)の中で、衛生研究所の調査によると予防効果はないと断言している。

一部の医師は20〜30%は予防効果があると主張しているが、母里氏はそれすらも否定しているのだ。
また、老人ホームで行った調査で、50〜60%重症化を防ぐ効果があったとするデータがあり、それをワクチン接種の意義と唱える医師も多いが、母里氏は脳症などの重症化を防ぐ効果はまったくないと述べている。

 つまり、ワクチンを打つことの是非は意見が分かれるところだが、予防効果には多少疑問がある。
それどころか、毎年ワクチンの副作用によって死者も出ている。
惰性で接種するのではなく、熟慮の上で判断するようお勧めしたい。
(文=編集部)
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2015年01月29日

あす東京都心で積雪か 交通への影響に注意

あす東京都心で積雪か 交通への影響に注意
ウェザーマップ 1月29日(木)16時33分配信

東京地方では30日明け方から昼頃にかけ雪が降り、積雪となる所がある見込み。
雪や積雪による交通への影響に注意が必要だ。

 前線を伴った低気圧が関東の南海上を通過する影響で、30日は東京地方で雪となる見込み。

30日午後6時までの24時間に予想される降雪量はいずれも多い所で、多摩西部で10センチ、多摩北部・多摩南部・東京23区で5センチとなっている。

 雪は30日昼過ぎから雨に変わる予想だが、気温が低く推移した場合は雪が降り続き、予想よりも雪の量が増えるおそれがある。

気象庁は通勤通学時に雪が降るとして、交通への影響に注意するよう呼びかけている。
posted by 小だぬき at 20:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月30日

「あるがまま」でいい 

香山リカのココロの万華鏡:
「あるがまま」でいい 
毎日新聞 2015年01月27日 首都圏版

 「ありのままで」。
言わずと知れた大ヒットアニメの主題歌タイトル。
昨年、日本中の子どもや女性がこのフレーズを口ずさんだ。

 心の医療の世界にも似た言葉がある。
それは「あるがまま」。
明治生まれの精神科医、森田正馬が生み出した森田療法の基本になる考えだ。

 森田医師は学生時代、今でいうパニック発作の症状で苦しむ。
何ともいえない不安感と動悸(どうき)が突然、襲ってきたという。
あちこちの病院を受診しても治らない。

大学の定期試験が近づき、一度は欠席も考えたが、あるとき「どうにでもなれ」と開き直った気持ちになって受験を決意する。
それから睡眠時間を削って猛勉強をしている間は、不思議なことにパニック発作はまったく出なかった。

 後に森田医師はその経験を振り返り、不安や苦しさを無理に抑え込もうとせず、「あるがまま」と受け入れて今やるべきことに集中したのが、結果的に症状の克服につながったと考えた。そして、その「あるがまま」を軸に、心の分析よりも生活や作業を大切にする治療法、森田療法を作り出したのだ。

 私たちは暮らしの中で、何かと感情や考えをコントロールすることを求められる。
とくに「落ち込む」「悲しむ」「クヨクヨする」といったマイナスの感情は“悪いこと”と見なされ、「もっと前向きになろうよ」と励まされる。
しかし、そう言われてもすぐに明るくなれるわけでもないし、無理に笑顔を作るとその後の疲れが何倍にもなる。

 森田療法は、負の気持ちもそのまま受け入れ、「それに正面から取り組まずに、まず今やらなければならないことをやろう」と呼びかける。

不安を引きずったまま新しいことを始めて失敗したらどうしよう、などと取り越し苦労をしすぎない。
そのときはそのとき、と開き直りも大切だ。

 アニメ主題歌の「ありのままで」には、ひと目を気にしすぎずに今の自分に自信を持とう、というメッセージが込められていた。

森田療法の「あるがまま」はもう一歩進んで、自分を苦しめる不安や恐怖、その他のマイナスの感情も受け入れよう、と言っている。

 もちろん、そう言われてなかなか「どんとこい」「どうなってもいいや」と開き直れるものではない。
ただ、とにかく明るく元気な自分でいなきゃダメなんだ、と思い込んでいる人には、この言葉がやさしく響くのではないだろうか。
「あるがまま」。
今年のお守りの言葉にしてみてはどうだろう。
             (精神科医)
posted by 小だぬき at 20:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月31日

年金を実質削減 「マクロ経済スライド」初発動

年金を実質削減
「マクロ経済スライド」初発動
2015年1月31日(土) しんぶん赤旗

 厚生労働省は30日、4月からの年金支給額について、物価や賃金の上昇よりも低く抑える「マクロ経済スライド」を初めて発動することなどによって、伸び率0・9%に抑制し、実質的に引き下げると発表しました。
年金マクロスライド.jpg
アベノミクスによって物価上昇を引き起こしながら耐え難い年金削減を押し付けるものです。  

国民年金は、満額の月額6万4400円から本来の伸び率より約900円程度少ない6万5008円に。

厚生年金は、夫婦2人の標準世帯で、現在の月額21万9066円から本来より約2600円程度少ない22万1507円になります。

 支給額の増額は1999年度以来16年ぶりですが、物価上昇分に及ばないため実質削減となります
6月に支給される4、5月分から適用されます。

 年金の支給額は物価や賃金に応じて決められることになっています。

2014年は物価が2・7%、賃金上昇率は2・3%。これまでなら低いほうの賃金伸び率にあわせて改定するため、2・3%が本来の改定率でした。

 しかし、「マクロ経済スライド」を発動することで0・9%、過去の物価下落時に引き下げなかった分を取り戻すとして0・5%をそれぞれ差し引いた結果、0・9%の引き上げにとどまりました。

 「マクロ経済スライド」は自公政権の2004年に導入。
現役労働者数の減少などにあわせて自動的に支給水準を削減する仕組み。


 物価下落時には発動しないルールですが、安倍内閣は今後、下落時にも発動できるようにして約30年間も削減を続け、国民年金は3割、厚生年金は2割削減をねらっています。
posted by 小だぬき at 14:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月01日

引きこもりや頑固者は危ない 「認知症」なる人、ならない人

引きこもりや頑固者は危ない
「認知症」なる人、ならない人
2015年1月30日 日刊ゲンダイ

安倍首相が認知症の対策を推進すると公表して話題になっている。

厚労省によると、国内の認知症患者の推計は2012年が462万人、65歳以上の高齢者の7人に1人が患者だった。

これが25年には700万人、実に5人に1人が認知症になると予想されている。

厚労省は認知症への理解を深めるための取り組みや、医療・介護の提供など「七つの柱」を打ち出した。

 5人に1人が発症するとは他人事と思えない。
どんな人が認知症になるのか。
「医療法人社団すずき病院」理事長で精神科医の坂本博子氏に聞いた。

「一番危険なのは定年退職したりして、周囲のことに興味を示さず、一種の引きこもり状態に陥っている人です。
頑固な性格で他人と柔軟な関係を築けない人も黄信号。
肥満気味の人はコレステロール値が高まって動脈硬化になり、血管が詰まって脳血管性の認知症になることがあります。
栄養失調も要注意。
脳に栄養がいかなくなり、認知症を誘発しかねません」

■居酒屋や魚屋店主はボケしらず

 認知症の前触れは季節感が分からず、パジャマの上からズボンをはいたりする行為。

昔のことは覚えているのに朝食で何を食べたかをすっぽり忘れたり、サイフを置き忘れて、「誰かに盗まれた」と騒ぐのも前兆のひとつだ。

 この病気を防ぐには何をすればいいのか。


「まずは脳を活性化させるために軽い運動を続けること。
クイズ番組やミステリー小説を読んで頭を働かせる。
短歌を詠んだり絵を描いたりして、“もっといい作品を作るぞ”と前向きになったり、時事問題について議論することも予防法です。
脳が活発に働くには脂質やタンパク質が重要なので、バランスの取れた食事をしてください」(坂本博子氏)

 昔から、「居酒屋や魚屋のような商店の店主はボケない」と言われる。

「明日は何を売って儲けるか」と四六時中考えているからだ。
いつまでもクリアな頭でいたいなら、ヤフオク販売のような手軽なビジネスを始めるのも効果的なのだ。
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「ド忘れ」を防ぐ3つのポイント

「ド忘れ」を防ぐ3つのポイント
2015.02.01 11:03 R25編集部

知り合いの名前が、すぐそこまで出てきているのに思い出せない…最近そんなことが増えてきたような。
やっぱり年をとるにつれて、記憶は抜け落ちていくものなのだろうか?

「思い出せないからといって、脳内の記憶が消えてしまったとは限りませんよ!」 と、教えてくれたのは、自然科学研究機構生理学研究所で脳を研究する柿木隆介先生。

「すべての記憶は脳の海馬という部分に一度蓄えられますが、その後は取捨選択され『長期記憶』と『短期記憶』に振り分けられる、という説が現時点では有力です

短期記憶は捨てられてしまうものですが、
長期記憶は脳の前頭葉や側頭葉と呼ばれる部分にある“引き出し”に、ずっと保存されているのです」

柿木先生いわく、「思い出したい事柄があるのになかなか言葉が出てこない」というのは、該当する長期記憶がどの引き出しにしまわれているかを探しきれない状態なのだそう。

では、どんなタイプの情報なら、引き出しから取り出しやすい(=思い出しやすい)のでしょう?
「個人によって差がありますが、『人の顔』は特別思い出しやすいといわれています。
顔の記憶に関しては特別な経路が脳内に存在している、という説もあるくらいです。

あとは、風景や音楽、匂いなどは印象深く、記憶に残りやすいですね」

そういえば、筆者は中学時代の担任の顔をいまだに憶えているが、彼の授業で習った内容はきれいさっぱり忘れている…(それは別問題か)。

視覚や聴覚など、五感に訴えるものは憶えやすい傾向にあるようだ。

「反対に、数字の羅列や聞きなれない外国語のスペル、漢字など2次元的な情報は、脳にとって区別がつきにくく、忘れやすい。
変わった読み方をする名詞や数字の語呂などは印象に残りますから、語呂合わせの暗記法は効果があるようです」

とはいえ、取引先の人の名前など、憶えておかなければいけない事柄の大半は特に印象深くもない情報…。

どうにかド忘れを防ぐ方法はないものだろうか。
「先ほどの『印象度』に加え、『重要度』『時間』の3つの要素がポイントです。

たとえば、繰り返し書いて覚える暗記法は、脳に『重要度』を認識させているんです。
また、『時間』という観点でいうと、長い間放置していた記憶はアクセスしにくくなるので、読み返すことで記憶を新たにすることが大切です」

やはり凡人が記憶を維持するには、「印象度」「時間」を使った地道な努力をするのが一番の近道なのかも。
名前をド忘れして気まずい思いをしないように、コツコツ頑張ります!
                          (松原麻依/清談社)
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2015年02月03日

「自分が正しい」と思い込む攻撃者への対処法を精神科医解説

「自分が正しい」と思い込む攻撃者への
対処法を精神科医解説
2015.02.03 07:00 NEWSポストセブン

 パワハラやDV、虐待、ネット上の中傷など、現代社会は多方面からの攻撃のリスクに溢れている。
こういった不条理な攻撃に対し、我々はどう対処すれば良いのか?
 精神科医の片田珠美さんが解説する。
 * * *
 先行き不透明な社会状況を反映してか、「攻撃の連鎖」と見られる事例が相次いでいます。

パワハラ、DV、児童虐待、ネット上の誹謗・中傷の書き込み、駅員への暴言・暴行などは、自分が他から攻撃されて溜まったフラストレーションのはけ口を、より弱い相手に向けていると言える。

問題は、八つ当たりのように「攻撃の連鎖」に加担する人、あるいは逆に攻撃されて心身を壊す人が多いことです。

 実際、精神科外来や企業のメンタルヘルス相談で話を聞くと、職場や家庭など身近に攻撃者が潜んでいるケースが実に多い。
しかも、本人は心身に不調をきたすまで気付かないのです。

“正義”を振りかざして罪悪感に訴えてきたり、偶然かワザとかわからないような陰湿な方法で追い詰めてきたり……中には味方のような顔をした「フレネミー(フレンドとエネミーの造語:友を装う敵)」もいるからです。

 攻撃に対しては戦うか逃げるかですが、攻撃者が職場の上司だったりすると、どちらも現実的ではない。

私は、間をとって「ちょっと戦う」「ちょっと逃げる」ことを提案します。

できるだけ顔を合わせないようにするとか、飲みの誘いを丁重に断るとか、できることは意外と多い。
言葉を真に受けずスルーするにも、攻撃に気付くかそうでないかで心的負担はずいぶん違います。
心身に不調をきたすまで破壊されずにすむし、さらに弱い相手を攻撃せずにすむ。

「いつかは自分をわかってくれる」「やめてくれる日がくる」など、攻撃者に期待するのは間違い。
現実と願望を混同してはいけません。

理想や正義を掲げている人ほど注意が必要。
自分が「絶対正しい」と思っている“根性曲がり”につけるクスリはないのです。

※SAPIO2015年2月号
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2015年02月04日

ニュースからのトラウマ 

香山リカのココロの万華鏡:
ニュースからのトラウマ 
毎日新聞 2015年02月03日 東京版

 過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件は最悪の結末となった。
公開された映像や音声メッセージを見たり聴いたりして、大きな恐怖感を抱いた人もいるのではないだろうか。

診察室では「ニュースを見て恐ろしくなった」という声をしばしば耳にするが、単純な件数で言えばその訴えは東日本大震災以来の多さであった。

 子どもを持つ親からは「人質の拘束や殺害といったニュースをわが子に見せてよいのか」という質問もあった。

私は「なるべく映像は見せず、新聞を見せながら“こんなことが起きている”と親の言葉で説明してあげるのがよいのではないか」とこたえている。

 ネットでも「ショッキングな映像によるトラウマから子どもを守って」と発信した。
するとかなりの数の人たちから反論が寄せられた。
「事実から目を背けさせるな」
「子どもの知りたい欲求を阻害するな」
「テレビの映像を隠せばネットで見ようとするから逆効果」といった意見だ。

 たしかに、いくら相手が子どもだからといって、事実を隠しすぎたりゆがめたりすることは良くない。
すべての刺激的な報道やニュースから子どもを遠ざければよい、というわけでもないのは確かだ。
それに、親子で地図帳を開きながらこの件をきっかけにいろいろな話ができれば、逆にとても有意義な経験となるだろう。

 しかし、最近の研究で、とくに子どもにとっては、遠いところで起きた災害や事件も、テレビなどでの映像によってトラウマになる場合があるとわかっている。

実際に大学では学生たちから、「10年前、日本人青年がイラクで人質となって殺害されたとき、とても大きな衝撃を受けた。
今回の件でそのときの恐怖がまざまざとよみがえった」という切実な声も聞いた。

彼らはそのとき小学生から中学生。
日本の若者がとらわれ、亡くなるというニュースや映像をおとなとはまた違った受け取り方をして、中にはそれがトラウマとなって残った人もいるのだろう。

 基本的には、衝撃的なニュースをどれくらい子どもに見せるかについては、それぞれの家庭でよく考え、決めればよい。

ただ、何でも事実を包み隠さずに見せればよい、というわけではない。
これはおとなでも同じで、私たちには「見ないことで心の安定を保つ」という選択もあるのだ。

犠牲となった方たちの冥福を祈りつつ、「自分や家族の心を守るのもテロに屈しないこと」と考えたい。(精神科医)
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2015年02月07日

大学病院は危険?死亡事故多発、流れ作業の診察、新薬実験…自分を守る3つのポイント

大学病院は危険?
死亡事故多発、流れ作業の診察、新薬実験
…自分を守る3つのポイント
2015年2月6日 6時0分 ビジネスジャーナル

 群馬大学医学部附属病院で、2011〜14年に同一医師が執刀した腹腔鏡下手術を受けた患者約100人のうち、少なくとも8人が術後2週間〜100日以内に死亡していたことが明らかになった。
この死亡事故は、なぜ発生したのだろうか?

 岩手県一関市の医師・菅原由香子氏は、同病院にはいくつかの問題点があると指摘している。  

腹腔鏡下手術は傷が小さくて済むため、術後の回復が早く、患者にとって負担が少ないが、その一方でリスクも多く、医師には高度な技術が必要とされている。

「群馬大学病院の事故は、すべて同じ医師が執刀していたことから、まず同医師の技量に疑問があります。
また、同病院の内規では、事前に臨床試験審査委員会の審査を受けることとされていますが、同医師は審査の申請をしていなかったことが明らかになっています。
つまり、手術の管理にも問題があると考えられます」(菅原氏)

 報道によると、60〜80代の男性患者5人、女性患者3人が術後の容体悪化で死亡した。

腹腔鏡下手術の中でも、特に高度な技術を要する肝臓の区域切除などの手術によって事故が起きている。
群馬大学の発表では、6人の患者は術後に容体が悪化して集中治療室(ICU)に移されたという。
「術後に容体が悪化したことから、深刻な状態に陥ったと予想できます。
おそらく肝機能不全を発症していたのでしょう。
区域切除は、切除する肝臓部位が大きい手術です。
肝臓は生命維持をつかさどる重要な臓器ですから、より慎重な執刀が求められます。
患者が手術に耐えられるかなど、綿密なシミュレーションを行わなければなりません」(同)  

シミュレーションに基づき、危険と判断すれば無理に手術は行わないだろう。
執刀医は、危険がないと判断したのか、それともそもそもシミュレーションを行っていなかったのか、その判断についても検証を行う必要がある。
また、事故が起きた時点で病院は速やかに事実を公表して事故調査委員会を設置すべきだったが、昨年11月時点までそれは行われていなかった。

●患者側が受診の際に留意すべきポイント

 大学病院をはじめ、病床数の多い総合病院は患者も多く、医師の対応は流れ作業になりがちだ。
手を抜いているという意味ではなく、そうでなければ全員の診療をすることができない現実がある。
現在の日本では紹介状がなくても受診可能なため、いきなり総合病院に足を運ぶ患者も多い。

日本でも欧米諸国同様に紹介状がなければ総合病院で受診できないようにする法案が国会で検討されているので、いずれ法制化されるだろう。
しかし、法整備を待つまでもなく、重篤な症状でない限り総合病院での受診をなるべく控えるよう一人ひとりが心がけなければならない。

 また、大学病院は実験的治療に注力する傾向が強い。
製薬会社も積極的に大学病院などの総合病院に新薬を持ち込んでいる。
治療方法や薬について丁寧な説明をしてくれると安心して治療のすべてを医師任せにする患者がいるが、それは新薬などを実験したいがために行っている可能性もある。
安全性については、自ら確認する必要があるのはいうまでもない。

 受診の際に心がけるべき点は、次の3つである。
(1)医師の説明でわからないことがあれば、徹底的に聞いてみる
(2)検査データの貸し出しを嫌がる、または質問に回答しない医師は信用しない
(3)治療方針に不安を感じたら、躊躇せず転院する

 病院には一層高いレベルの医療技術と病院全体の管理体制の強化が求められる時代となったが、患者側も自身の健康を守るために、医師と適切な関係を構築することが重要である。

(文=尾藤克之/ジャーナリスト、経営コンサルタント)
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2015年02月11日

みなで支え合い心守ろう 

香山リカのココロの万華鏡:
みなで支え合い心守ろう 
毎日新聞 2015年02月10日 首都圏版

 「イスラム国」の日本人人質事件に続き、和歌山県で小学5年の男子児童が殺害されるといういたましい事件が起きた。

診察室でも「子どもを衝撃的なニュースからどう守ったらよいのでしょう」と質問後、「私自身もかなりまいってます」と告白した人がいた。

 地域での事件、世界での大きな悪いできごとが起きたときには、おとなはまず「だいじょうぶ、必ず守ってあげるから」と伝えることが大切だ。
その上でなるべくいつも通りの生活を続けながら、子どもが不安や恐怖を口にしたら話をそらさず聞いてあげる。

とくに答えは出さなくても、「そう思ったんだね」とゆるやかに肯定しながら聞けば、子どもは次第に自分で気持ちを整理していくことができるものだ。

 では、そうするためおとなはどうやって自分の心を守ればよいのか。
まず必要なのは、支えてくれる“誰か”の存在だ。
配偶者がベストだが、友人あるいは親やきょうだいという場合もあるだろう。

 運悪く「誰も自分を支えてくれる人はいない」という人もいる。
そのときは、学校の先生、カウンセラーなどの専門家にも話を聴いてもらい、アドバイスを受ける。
そして何より、無理をしすぎないことが大切だ。

「私ひとりで子どもを守る」「子どもの前では笑顔で元気にしなきゃ」と肩に力が入りすぎると心身に不調が出てしまう。

「世の中物騒なことばかりだけど、とにかくこの時間は好きなドラマを見ましょう」とリラックスできる時間を忘れない。

あまり目の前の心配ごとにばかりとらわれず、子どもといっしょにからだを動かし、汗をかいて心地よい疲労感を味わうこともよいだろう。

 もちろん、運動やリラックスで一時的に不安から逃れても、夜になるとあれこれ思い出し、「また恐ろしいできごとが起きるのでは」と心配になるかもしれない。
そういうときはあまりあせらず、「不安になるのはあたりまえだ」と自分に言い聞かせてみてはどうだろう。

 最近、診察室で動揺を隠せない人たちには、こんなことを伝えている。
「お恥ずかしい話ですが、私もです。
ニュースを見ていると気が滅入(めい)りますよね」。
精神科医が心の弱さを見せるのはふだんはタブーだが、今回ばかりは多くの人はほっとした顔をしてくれる。

「なんだ、先生も同じなんですね」。
そう、「この社会、どうなっちゃったの?」と不安なのはみな同じ。
お互い支え合い、無理せずに日々を送りたい。
          (精神科医)
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2015年02月12日

エッ…それだけで?「記憶力の低下と脳の老化」を招く最悪のNG習慣4つ

エッ…それだけで?
「記憶力の低下と脳の老化」を招く
最悪のNG習慣4つ
2015/02/12 08:00 by 坂本正敬 WooRis

年齢を重ねると、誰でも記憶力は衰えてしまうもの。
ある程度は仕方ない話なのかもしれませんね。
でも、実は幾つかのNG習慣によって、記憶力の低下や脳の衰えを加速させてしまう恐れがあることをご存じでしたか?
そこで今回は、米国国立老化研究所や厚生労働省の情報を参考にしながら、記憶力低下や脳の老化を招きかねないNG習慣をまとめてみました。
ぜひともチェックしてみてください。

■1:有酸素運動の習慣がない

運動不足の人は、記憶力の低下に気をつけて!
 特に有酸素運動の習慣がないと、記憶力の低下が起こりやすいそうです。
有酸素運動とは呼吸を繰り返しながら行うエクササイズのこと。
ウォーキングやランニングなどが代表格ですね。
有酸素運動が、記憶に関連する脳の一部の血流や代謝を良くしてくれるといいます。
記憶力の衰えを食い止めたい人は、有酸素運動を習慣付けてみてはいかがですか?

■2:新しい物事に挑戦しない

不得意分野や未経験の分野に積極的に挑戦する習慣のない人は、脳の能力がどんどん低下するといわれています。
ラットを使った動物実験でも、刺激の多い環境で育ったラットの方が脳の情報伝達力が高くなると判明しているんですよ。
仕事や家事もそうですが、趣味の分野でも、「この年齢で今さら」と思う自分を乗り越えて、未知の分野に挑戦できるといいですね。

■3:他人と会う回数、時間が少ない

アルツハイマー型認知症になりやすい人の特徴として、他人に合う回数が少ないという点が挙げられています。
夫婦で同居をしつつ、子どもや友人、親族と週に1回以上会う人と、1人暮らしで閉じこもりがちな人を比較すると、後者の方がアルツハイマー型認知症に8倍もなりやすくなるという研究もあります。
積極的に外に飛び出し、いろいろな人と会って刺激をもらう毎日が、脳の健康や記憶力の維持に役立つのですね。

■4:スケジュール帳を付ける習慣がない

スケジュール帳を付けていますか?

 先々の予定を管理し、計画的に段取りして行動に移していく毎日は、脳の健康の維持や記憶力の低下予防に効果的だと分かっています。

Todoリストを作る、カレンダーに予定を書き込むなど、日常の仕事や段取りを何となくではなく意識的に行ってみてください。
時間の節約にもなるだけでなく、脳にもいいとのことです。

主婦の方で「必要ない」という人も、家族全員のスケジュールを管理するなど、意識的に計画を立てて実行する・させる習慣を心掛けてみるといいかもしれませんね。


以上、記憶力の低下と脳の老化を招くNG習慣についてまとめましたが、いかがでしたか?

  運動もせず、新しい物事に興味関心も持たず、決まり切った生活パターンで部屋に閉じこもっている毎日が、最も脳に好ましくないのですね。
どうしても自分1人ではパターン化した日常を打破できないという人は、活動的な友人を持ち、その人にリードしてもらうなどして、上手に生活習慣を変えられるといいですね。
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2015年02月13日

風邪薬で風邪は治らない? 胃薬は依存症に? 医者が教える危険な薬、ダメな病院

風邪薬で風邪は治らない? 胃薬は依存症に?
医者が教える危険な薬、ダメな病院
2015年2月12日 8時0分 LITERA(リテラ)

「医者から出された薬はきちんと飲む」「風邪を引いたら風呂に入ってはいけない」「健康診断は必ず行く」
 特に考えるまでもなく守っている病気対策や健康法。
しかしそれが、間違っているとしたら......。

『医者が教える行ってはいけない病院 間違いだらけの健康法』(洋泉社)では、著者で東京有明医療大学教授・東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門担当の川嶋朗氏が、そのような間違いを丁寧に指摘し解説している。

 まずは医師が出す薬についてだが、「風邪に抗生物質を出す医者はダメ医者です」とバッサリ。
逆に長引く可能性も指摘する。

「風邪で抗生物質を飲むことには意味がありません。
抗生物質はバクテリアに対して効きますが、風邪はウイルスですから、種類が違います。
それどころか、抗生物質を飲むと腸内の善玉菌まで死滅してしまい、免疫力が堕ちます

 川嶋氏は、「薬は風邪を治すのではなく症状を抑えるだけですが、それでも飲みますか?」とデメリットを説明する医者にかかることを薦めている。

さらに、「病院に行くより、家で休んでいるほうがよい」とまで断言。
薬が風邪を長引かせる危険性を指摘している。

「風邪で鼻水や咳が出たり、熱が上がったりするのは、体が必死にウイルスを外に出すために機能しているということです。
鼻水や咳を止めたり、熱を下げたりすると、ウイルスは『しめしめ、居心地がよいぞ』とばかりに長居してしまいます」

  ほかにも、飲み続けることを薦めない薬として胃薬を上げているが、その理由が、「やめるのが大変だから」だという。
 たばこも酒もやめないうちから胃薬に頼ったり、本当はそうでもないのに胃が弱いと思い込んでいる人、飲まないと胃が痛くなるのではと不安で飲み続ける人が多いそうだ。

該当する人はどうすればよいのだろうか。
「まず同じ胃酸を抑える薬でも、現在飲んでいる薬より、弱い薬に替えます。
同時に、胃の粘膜を保護するような薬もプラスして飲みます。
これで胃酸が過剰に分泌されても、胃の壁を守ってくれます。
様子を見ながら、徐々に薬を切り替えて、最終的にだんだんと薬をやめる方向に導くことになります」

 さて、処方された薬は必ず医者から飲み方の指示が出るが、これを守ることも、依存から身を守る大切な方法である。

 たとえば自律神経失調症で処方される薬など、飲むと不安な気持ちが治まる薬は、「必ず夜、寝る前に飲んでください」と指示されるだろう。
これは、「裏を返せば『日中は飲まないでください』という意味」だ。

「日中に飲むと、不安が治まっていくのがはっきり自覚できます。
『この薬を飲むと不安が解消されて、体が楽になる』と思ってしまうでしょう。
すると次に少しでも不安を感じると、飲まずにはいられなくなるのです。
夜に飲めば、薬の効き目を感じる前に眠ってしまうはずです」
 自覚せぬまま依存に陥らないよう、薬の飲み方には気をつけたい

 次は「風邪を引いているときは風呂に入ってはいけない」という"常識"だが、こちらも川嶋氏はNOを掲げ、「風邪にはお風呂も効果的」だと言う。

「体を温めることで体内のウイルスが居づらい環境にすることができるからです」

 そのためにはまず、浴室を十分に温め、38〜40度くらいのお湯にゆっくりと浸かる。
ポイントは、このお湯の温度だ。

「40度以下のお湯に浸かると、リンパ球が増えるのです。
さらに体に熱を加えると『ヒートショックプロテイン』というダメージを受けたタンパク質や異常細胞を修復する、抗ストレス作用の強いタンパク質が生まれることも分かっています」

 薬に頼る前にできる、簡単な風邪改善法が風呂にあったのは盲点だった。

 そして、家族や会社、自治体などから、毎年のように急かされ受ける羽目になる健康診断だが、川嶋氏は「自治体や会社が健康診断を義務化することについては、私は疑問を感じます」と懐疑的だ。

「自分がどんな状態で健康診断を受けて、それをどう活かしたいのか。
結果によっては生活習慣、食習慣を改善することは、もし病気が見つかった場合の治療をどうするかまで考えるのであれば、健康診断を受ける意味があります

しかし、『結果がどうでも関係ないし、治療もしたくなければ、生活も変えたくない』とおっしゃっているなら、それは費用や時間の無駄です」

 さらに健康診断には、体調を悪化させてしまう危険性も孕んでいるというのだ。

「日常的にできる小さながん細胞が、たまたまがん検診で見つかってしまい、ショックで滅入ってしまったら、免疫が落ちてしまうかもしれません。

気づかなければ免疫システムが直してくれたような小さな癌が、ストレスによって手術が必要なほどのがんになってしまうかもしれないのです

 それは極端な例かもしれない。
しかし、固定観念に縛られず、結局自分の体は自分にしか守れないということを肝に銘じておきたい。
                              (羽屋川ふみ)
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2015年02月14日

直感的「健康に生きる方法」

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
直感的「健康に生きる方法」
2015年2月13日 読売新聞

 30年間の臨床医としての経験から、やっと最近わかったことは、個人個人の健康にとって本当に良いことはなかなかわからないということです。

こんな想おもいが僕の連載や書籍や講演の根底にあるのです。

でも医療は着実に進歩します。
多くの集団にとっては、「こんなことをした方が、長生きには、病気のリスクの軽減には、病気と付き合うには、良さそうだ」といった臨床研究はたくさん報告されています。

その問題点は、その集団がすべての集団の代表ではなく、所詮しょせんある特定の集団でしかないということです。
丁度自分がその集団とぴったり一致していれば、その結果は相当信頼できるものになります。

しかし、なんとなく同じ、または結構違う集団での結果であれば、どこまで自分に当てはまるかはわからないのです。

研究データがどうあれ、人はそれぞれ

 その上、もしもほぼ自分と同じ集団の結果が得られたとしても、やっぱり人はそれぞれなのです。
まったく自分と同じ人はいません。

一卵性双生児は遺伝子がまったく同じ上に、全く同じ時刻に生まれてきます。
ちょっと生まれるタイミングに前後はありますが。
でも、死ぬ時は異なります。
死ぬ病気もそれぞれです。

一卵性双生児でそうなのですから、自分と同じ集団と思ってもその結果を鵜呑うのみにはできないですね。
ましてや、ある人の成功談が自分に当てはまるかはまったくわかりません。

 そんな不確かなことが続くのでは困ります。
そこで医療情報をビッグデータ化して、少なくとも保険診療で得られる情報は国としてしっかり蓄えて、幸せに長生きした人と相関するいろいろな因子を探し出すことは医療を進歩させるという意味では何より必要だと思っています。

また不要な医療を探し出すためにも有意義です。
しかし、それらのデータは僕たちが死ぬときに後世に残すものであって、世の中がその恩恵を受けるのは遙はるか先の話になります。

経験から得られた19の健康対策

 「では、医療はなにをやっているんだ!」ということになります。
それは今まである情報から、精一杯良いと思うことを行っているのです。

「では、お前は何をやっているんだ?」とお叱りを含めて、尋ねられることも多々あります。
そんな時に伝える健康に生きるために僕が思っていることのメッセージが以下です。

ここには臨床データというよりも、僕の経験から得られた直感が満載です。
でも、こんな想いを心に持って、そしてこれがより正しいのか、それとも間違っているのかを日々の臨床の実感と、研究論文の閲覧などで調べているのです。

 そんな僕の考え方の核になる想いは以下です。


(1)ともかくリラックスが大切。
(2)ストレスをなるべく減らす。またストレスに強い体と心をつくる。
(3)内臓脂肪面積は100平方センチ未満に。
(4)じとーっと汗をかくような散歩を毎日。
(5)1階上には階段で行こう。
(6)こまめに動く。同じ姿勢は長く続けない。
(7)1日1回はお腹なかが鳴るように。
(8)炭水化物は少なめに。
(9)ともかくバランス良く、いろいろなものを食べよう。
(10)冷たいものはあまり食べない。
(11)起きる時間はだいたい一定に。あまり寝坊はしない。
(12)サプリメントは不要、または良いと体感できるものをひとつだけ。
(13)西洋薬はできる限り少なく。でも必要なものはしっかり使う。
(14)たばこはできることなら控える。やめる。
(15)お酒は飲み過ぎない。眠るための飲酒は厳禁。
(16)睡眠薬は使用しない。少なくとも連日は飲まない。
(17)採血や検査の数値に一喜一憂しない。
(18)健康に老化することを心がける。ある程度の老いは受け入れる。
(19)自分は運が良いと、思い込む。

 こんな話の詳細をこれからボツボツこの連載にも入れていきたいと思います。
また、他のお話もします。
面白い出来事があればそれに関した医療的な想いも綴つづります。
待っていられないという方は、拙著「死ぬならボケずにガンがいい」(新潮社)を読んでください。
上記はそこからの引用です。
この連載では、そこでは触れられていないことも含めて、のんびりと、着実に、毎週僕の健康への想いを書いていきますね。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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2015年02月16日

認知症チェックリスト 5つ以上当てはまったら病院で要受診

認知症チェックリスト 
5つ以上当てはまったら病院で要受診
2015.02.16 07:00 NEWSポストセブ


 徘徊、ご飯を食べたことを忘れる、家族を他人と勘違いする認知症といえば、そんな症状を思い浮かべる人は多い。
もし自分自身が認知症になったら「もう人生の終わり」と思っている人もいるかもしれない。  

だが、実際には冒頭のような症状はかなり認知症が進行した場合のものだ。
10年後には認知症患者は700万人に達するとみられており、誰もが認知症と無関係ではいられない。

大切なのは正しい知識、そして準備だ。
新田クリニックの新田国夫院長は次のように解説する。
「認知症は進行が遅い病気です。
初期段階で治療すれば、症状を軽い段階である期間留めておける可能性が高い。
 それなのに、みなさん認知症に悪いイメージしか持っていないから、自分に認知症の症状が表れても『認知症と認めたくない』と、病院に行かず、どんどん症状が進んでしまうことがあるのです」
 まずはどれだけ自分に認知症の可能性があるのか、下記のチェックリストで確認してほしい。

もし該当する項目が5つ以上あれば、病院で受診したほうがいい。
チェックリストを作成してくれた認知症介護研究・研修仙台センター長の加藤伸司さんは言う。

「最初はかかりつけの病院の医師に相談してみてください。
健康診断のような気軽な気持ちで行ってください。
 そこで簡単な物忘れの検査などを受け、専門医の診断が必要と判断されたら紹介状を書いてもらいましょう」

【認知症チェックリスト】

□ 誰かへの伝言を頼まれても、その事自体を忘れてしまいがち
□ ど忘れした物事を最後まで思い出せない
□ 昼寝から起きたとき、昼か夜かわからない
□ スーパーに買い物に行き、帰り道に迷ったことがある
□ 知らない人から親しげに話しかけられる
□ 物を置いた場所がわからない
□ 料理の手順が途中でわからなくなる
□ 料理の味付けが同じようにならない
         (監修:加藤伸司さん)

※女性セブン2015年2月26日号
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2015年02月18日

若者よ気軽に相談を

香山リカのココロの万華鏡:
若者よ気軽に相談を
毎日新聞 2015年02月17日 首都圏版

 大学入試のシーズンがやって来た。
私は大学に所属しているので入試の監督をすることがある。

カゼの多いこの季節、マスクをしている受験生も目立つ。
咳(せき)をするなど調子が悪そうな人もいる。
監督のマニュアルには「体調不良、トイレなどの場合は手をあげて知らせてください」とあり、開始前に毎時間、読み上げる。

 試験時間中、監督は誰か手をあげないか、と注意を払う。
とはいっても、こちらをチラチラ見ている受験生がいても、「何かご用ですか」と声をかけるわけにはいかない。
あくまで彼らが手をあげるのを待つだけだ。

 ある科目のとき、いかにも体調が悪そうな受験生がいて、こちらも気にしていたのだがなかなか手をあげない。
試験時間の終わり頃になってようやく「おなかが痛い」と申し出たときには、顔色も真っ青だった。
「無理せずにもっと早く言ってくれればいいのに」と思ったが、受験生としてはとても言い出せないのだろう。

 そのあと受験生が集うネットの掲示板を見たら、「トイレとの戦いだった」「吐き気がしたけど“ちょっと外に出ていいですか”なんて言えなかった」といった書き込みがけっこうあった。

どうして「ちょっとトイレ」と手をあげてくれないのか。
がまんなど必要ないのだ。
「受験生よ、あまり遠慮したりおそれたりせずに、試験監督になんでも申し出てほしい」と思った。
私たちはそこで怒ったり点数を差し引いたりすることはない。

 受験に限ったことではない。
子どもや若者は「おとなに言ってもわかってもらえない」「逆に説教されたり自分が不利になったりするだけ」と思いがちなのではないだろうか。

そして、困っていることや悩みができても、身近なおとなには言わずがまんしてしまう。

 しかし、私もおとなになってよくわかった。
おとなは、若い人が頼ってくれたり悩みを打ち明けてくれたりするのを、決してわずらわしいとは思っていない。
それよりも「何か役に立ちたい」と思って、待っているおとなもたくさんいるのだ。

もっと気軽に、まわりにいるおとなに気持ちを話してみてはどうだろう。
ただ、不幸にして最初に話したおとながよく理解してくれない、という場合もあるかもしれない。
そのときはあきらめずに、次の人をさがしてほしい。

そしてもちろんこれから受験という人は、試験時間中のトイレや体調不良での一時退席をためらわず、気軽に手をあげてほしいと思う。
          (精神科医)
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高齢者への虐待 社会で介護を支えよう

高齢者への虐待 社会で介護を支えよう
2015年2月18日 東京新聞「社説」

 高齢者への虐待件数が増えている。
厚生労働省の調査によると、二〇一三年度は前年度比4%増の一万六千件だった。
認知症に関する知識の普及や、介護を担う家族への支援が急務だ。

 調査は高齢者虐待防止法に基づき〇六年度に開始。
一三年度は過去三番目に多かった。

 内訳は、特別養護老人ホームなど介護施設の職員による虐待が二百二十一件、残りが家族や親族などによるものだった。
施設職員による虐待件数は前年度比四割増と急増しており、被害者の八割超が認知症の人だった。
死亡したのは二十一人で、いずれも家族らによる虐待が原因だった。

 職員による虐待の内容で最も多かったのが殴る蹴るなどの「身体的虐待」で64%。
次いで暴言や無視などの「心理的虐待」、「介護放棄」が続いた。

 虐待件数が増加している要因について、厚労省は「市町村の取り組みが進んだことに加え、施設職員の意識の高まりから、虐待が広く拾われるようになったため」と説明。

確かにそれも一因だろう。
 だが、発生要因は、施設職員の場合、徘徊(はいかい)や妄想など認知症の症状などの知識不足に次いで「職員のストレス」が多かった。

家族らの場合、最多が「介護疲れ・介護ストレス」だ。
 悲劇を防ぐために市町村の取り組みをより強化するべきだ。

調査で、介護保険サービスを受けていると、第三者の目が入るため虐待の深刻度が低いということも分かった。
在宅介護サービス事業者、医療機関、警察などと連携し、未然防止や早期発見に努めたい。

また、虐待する家族はアルコール依存症やうつ病などを患っているケースも多く、家族への支援も求められる。

認知症の人や家族を支援する「認知症サポーター」は現在五百八十万人が登録しているが、地域での見守りネットワークをさらに充実させたい。

 認知症の人は二五年に約七百万人になるという。
心配なのは、四月から介護報酬が引き下げられ、認知症グループホームを含め軒並み報酬減となることだ。
事業者が撤退したり現場の人手不足がより深刻になることが懸念される。

四月から実施される介護保険サービスのカットで介護を担う家族の負担も増大する恐れがある。  

政府は先月末、認知症対策の総合戦略で「認知症高齢者にやさしい地域づくり」を宣言したが、一連の見直しは、その理念に逆行している。
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2015年02月20日

「健康寿命」の理想と現実

鈴木隆雄のシニアのための健康術:
「健康寿命」の理想と現実
2015年02月12日 毎日新聞

 最近、「健康寿命を延ばす」ということがあちこちで話題になっています。

一生の間、特に高齢期にできるだけ自立して(人様の助けを借りずに)生活できる期間を延ばすことが最重要課題として、国家再興戦略など国の基本的な方針にまで取り入れられています。

例えば「2020年までに国民の健康寿命を1歳以上延ばす」ことが大きな目標の一つとなっています。

 この「健康寿命(を延ばす)」という言葉は耳当たりが良く、受け入れやすい半面、最近はあまりにも安易に使われているように思います。

私は長く高齢者の健康に関するさまざまな問題に取り組んできましたが、現在の日本のように平均寿命が80歳を超え、今後90歳まで延びていくような状況で、健康寿命を1歳以上も延ばすことは「至難のわざ」であると考えます。

これは、単に「生活習慣病を予防すればよい」「再生医療や先進医療を加速させればよい」「医療や介護のサービス体制を整備すればよい」ということではないからです。
 いずれも重要で大切な取り組みであることに異論はありません。

現在の日本のシニア、特に前期高齢者(65〜74歳)は驚くほどに健康的で活動的、社会への貢献度も高いです。
しかし、後期高齢者(75歳以上)になると老化が目立つようになり、晩年を迎えてからの心身の機能低下は、どんな努力をしてもいかんともしがたい状態になります。

超高齢社会を生きていく私たちにとって、晩年の不健康は致し方のない面もあることを理解することが必要です。

 人生晩年の心身が衰えることは必然的かつ不可避であり、これを忌避することはできません。

最後は誰かに助けてもらわなくては、生命をまっとうできないという「現実」を直視しなければならないと思います。

よく言われる「ピンピンコロリ」は現実にはほとんどあり得ません。

健康寿命を一日でも長くするため普段から自助努力を尽くして暮らすと同時に、やがては不健康となり周囲からの助けが必要となる自分をいつくしむこと、それをしっかり受け止めることができるような心の準備もまた必要なのだと思います。

(すずき・たかお=国立長寿医療研究センター研究所長
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2015年02月21日

受験シーズン、教育と健康に共通点を見た!

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
受験シーズン、教育と健康に共通点を見た!
2015年2月20日 読売新聞

前回、個人個人の健康にとって本当に良いことはなかなかわからないという想いが僕の連載や書籍や講演の根底にあると書きました。
ちょっとピンと来ない方は、「健康」を「教育」に置き換えるとわかりやすいと思います。

 今は2月です。受験シーズンです。
大学受験、高校受験など花盛りです。
また中学受験、小学校受験が盛んな地域もあります。

どんな教育が本当に必要で大切かは実はわからないですよね。
でも後日、それらが正解か間違いかはわかります。

ちょっと前まで、ゆとり教育が叫ばれていました。
でもゆとり教育はあまりよい結果を残せなかったのでしょう。
結局はしっかり教えるべきだという風潮に変わっていると思います。

なにが最良かわからない

 なにが教育にとって最良かはわからないが、でも一生懸命、今正しいと思うことをせざるを得ないのです。
そして後日、その結果をみて、やっとその教育方法が正しいか間違いかが判明するのです。
僕がお話ししている医療と同じですね。

将来は判明するであろうことを、でも今はなかなか正確には分からないことを、得られる情報から推測して、精一杯正しいと思われる医療を提供しているのです。

 こんな高校に行けば、一流大学に入学できる可能性が高くなる。
この中学に行けば、中高一貫校で、一流大学に入学できる可能性が高くなる。
そして実際に、この学校からは、これだけの学生が一流大学に入学した。
そしてその高校や中学校には、この塾からこれだけの数の塾生が合格したといった情報がメディアやネットなどにも掲載されます。

でも大切なことは、一流大学に入ることではなくて、その後の人生が各人にとって本当に幸せかです。

つまり各個人の人生全体を考えて、そして幸せに人生を送った人のどのくらいが一流大学を卒業しているかを解析しないとダメですね。
でもそんなことができたとしても、各個人が人生を終えたときに出る答えなのです。
そこまで待てません。

手遅れにならないように?

 「あとから後悔しないように、今からしっかり○○を飲みましょう」とか、「手遅れにならないように、早期に体のチェックを行いましょう」と言ったメッセージがたくさん見られます。

同じように、「あとから後悔しないように、今からしっかり塾に通いましょう」、そして「手遅れにならないように、早期に受験勉強を始めましょう」と言ったメッセージがあります。
同じ構造ですね。

何が本当に正しいかは
                わからないのです

僕は勉強を行う本人が、嫌でなければ、早期に勉強を始めること、塾に通うことなどは大歓迎です。
一方で、本人が嫌なのに、強制的に勉強を勧めてもどこまで意味があるかは不明です。
子供にそんな意志決定ができないから親がそんな雰囲気を作るべきだという意見もあるでしょう。
また、親が勉強させなければ、だれが勉強を強制するのだという意見もあるでしょう。
確かにもっともな意見です。

でも、勉強は一生するものと思っています。
そして一流大学だけが人生ではありません。

ひとはそれぞれです。
それぞれの能力を発揮して、幸せに生きる方法は他にもたくさんあるはずです。

 健康に気を遣うことは大切です。そして必要な薬、必要な検査もあります。
一方で不必要な薬、不必要な検査もあります。

癌の検診を一生懸命やって、早く癌を見つけても、将来的に生命予後に差がないこともあります。
同じように、一流大学には入学したが、人生の幸せ度では、他の道を進んだ人と差がなかったという結果が出るかもしれません。
そして僕はそんな結果を願っています。

負担にならない程度がなにより  教育・勉強と同じように、医療も本人が負担にならない程度に行うことがなにより大切と思っています。

本人が勉強を楽しいと感じるのであれば、どんどんと勧めるべきでしょう。
それは一流大学に入学するためではなく、一生何らかの形で勉強して、幸せな人生を築くための布石です。

勉強は、学校の勉強に限りません。
なんでもいいのです。

ひとそれぞれに秘められている能力を磨くことが勉強です。
そしてそれこそが人生を豊かにすると思っています。

医療も人々を幸せにするための道具です。
上手に医療を利用して行きましょう。  

人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

新見正則(にいみ まさのり) 帝京大医学部准教授
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市販の頭痛薬や鼻炎薬の使用で「突然死」する危険性

市販の頭痛薬や鼻炎薬の使用で
「突然死」する危険性
2015.02.20 日刊SPA 雑学

  インフルエンザや花粉症、風邪などで、体が辛い。
そんな時、誰しも症状を和らげるべく、「薬」に頼るのが当たり前になっている昨今。
だが、こうした風潮に警鐘を鳴らすのが、がん研究で有名な医師・近藤誠氏。

昨今はなにかと薬に頼る風潮がありますが、実はどんな症状も、基本は薬に頼らず、自然治癒力で治すことが望ましいんです。

そもそも発熱や咳などの兆候は、体がウイルスを排除すべく戦っているサイン。
それを無理に薬で抑えてしまうと、治癒力は下がるし、悪いものが体に留まったままになる。
だから、安易な薬の服用は控えたほうがいいんです

 40代ともなれば、体調が悪化しても簡単に医師などに行けないケースも多い。
そこで、ついつい頭痛薬や鼻炎薬など、市販の薬に頼ってしまいがちなところだが?

「たとえば、市販の頭痛薬や解熱剤にはアスピリンなどが入っているケースが多いのですが、これらを服用すると、アナフィラキシーショックを起こして突然死する可能性だってあります。
また、花粉症シーズンなどに利用しがちな鼻炎薬などの過剰服用も危険です。

『スティーブン・ジョンソン症候群』と呼ばれる高熱や眼、唇、喉などを悪化させる病気や、アナフィラキシーショックを起こすケースも。鼻炎薬による死亡例も確認されています」

 とはいえ、医師で処方してもらう薬ならば、必ずしも安心というわけではないと近藤氏は語る。
「たとえば、現在流行中のインフルエンザ。昨今、インフルエンザの治療には、解熱剤を使うことが多いのですが、実はこの解毒剤が体には非常に有害なんです。

実際、解熱剤を使ったせいで子どもたちが急性脳症で死んだという事例も数多く報告されています。
そもそも高い発熱は白血球が体内のウイルスを駆逐するために出るもの。
それを人為的に熱を下げることで、白血球の働きが弱まってしまい、なかなか治らないんですね。
だから成人でも、なるべく利用しないほうがいいんです」

 とはいえ、体調が悪ければ症状を和らげるべく薬を飲みたくなるところ。
ならば、薬の服用時、どんなことを心がけたらよいのだろうか。

「『薬は体にいい』と思ってしまいがちですが、薬には必ず副作用があるものです
大半の人には副作用が起こらずとも、一定の確率で深刻な被害を引き起こす可能性も。
どんな薬も絶対に安心ではないので、自分で調べられる範囲で知識を身に付けて判断してほしいですね」

 個人差はあれど、人によっては薬が害を及ぼすケースもある。
体調が悪ければ安易に薬を飲む、という悪しき習慣は改めたいところだ。

【近藤 誠氏】
近藤誠がん研究所所長。慶應義塾大学医学部にて講師として勤務。
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2015年02月26日

高齢者世帯の4割は老後破産状態?

高齢者世帯の4割は老後破産状態?
少ない年金、住宅ローン、子どもの借金
…貯蓄4千万でも危険
2015年2月25日 6時0分 ビジネスジャーナル

 テレビ、週刊誌などでは、「老後破産」と銘打ち老後の生活に苦労している高齢者を取り上げることが増えています。
「老後破産」とは、高齢者が生活保護基準より低い収入で生活している状態を指し、現在、高齢者世帯の約4割が老後破産状態にあります。

一人暮らしの世帯の半数は低収入で、そのうち3分の1は生活保護を受けており、残り3分の2の高齢者が老後破産の状態にあるようです。

 これらの人々は定年退職前には自分が老後破産するということは考えたこともなかったといいます。
会社員として定年まで働き、退職時には2000〜4000万円の貯蓄があった人もいます。

 では、どうして老後破産になってしまったのか、原因を考えてみましょう。

 第1の原因として考えられるのは、年金が生活費より少ないケースです。

2014年度の国民年金の月額は満額で6万4400円、夫婦2人で12万8800円と、生活できる金額ではありません。
この金額は子世帯と同居することを前提に決められたものです。

今後さらに年金額は減り、健康保険料、介護保険料は値上がりして年金から引かれるために、生活はますます苦しくなります。
 厚生年金については、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は22万6925 円で、平均的な生活費とされている27万円より約5万円低く、生活するのは大変です。

そこで、足りない部分を補うためには貯蓄が必要になります。
夫婦で3000万円あれば老後の生活費は賄えるといわれていますが、老後破産してしまう場合もあります。

 第2に、医療費の使い過ぎや、子どもの借金の返済を負担するケースです。

貯金があっても、保険の利かない医療にお金を使い過ぎないことが大切です。
高額医療には高額療養費制度を利用して支出を抑えましょう。
子どもの借金は子どもに返済させましょう。
援助し過ぎると、自分の老後が破綻してしまいます。

 第3に、定年を過ぎても住宅ローンが残っているケースです。

年金収入だけでは生活費も足りない状況ですので、ローンなど払っている余裕はありません。
定年までに払い終わるようなローン設計をしなければ老後破産となります。

●生活が成り立たなくなったら、遠慮せずに生活保護を申請するべき
 老後破産しないために、どうすべきかを検討しましょう。

(1)住宅ローンは退職するまでに払い終わる計画を立てる。
(2)退職までに老後生活に必要な貯蓄をする。ちなみに、現在50代の3人に1人が貯金ゼロといわれています。「老後生活費の総額−年金収入の合計額=必要貯蓄額」です。
(3)老後は「年金+貯蓄」の範囲内で生活する。

 以上のことに注意して生活していても、貯金を使い果たし、毎日の生活が成り立たなくなったら、市区町村役場に相談しましょう。
高齢者の8割くらいは自宅を持っているので、自宅を担保に生活資金を貸してもらえるかもしれません。
貸してもらえない場合は生活保護を申請しましょう。

 憲法第25条は、国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障しています。
それを受けて、生活保護法第1条では、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障すると規定しています。

現在、2人世帯では月18万円位、1人世帯では12万円位を生活保護基準額として、年金との差額を支給してもらえます。
医療費も無料になります。

 老後は気力、体力、知力が落ち、不安な気持ちになりやすく、その上、満足な食事もとれないとなると、死にたくなってしまいます。

 しかし、生活保護の範囲内で暮らすことができれば生活の不安は減り、老後破産にならずに済みます。
(文=藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会)
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2015年02月27日

やしきたかじんさん死後のトラブルに学ぶこと

専門家に聞きたい!終末期と緩和ケアの本当の話
やしきたかじんさん死後のトラブルに学ぶこと
2015年2月26日 読売新聞

大津 秀一(おおつ しゅういち)
緩和医療医。
東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンター長。

 歌手で、司会者であったやしきたかじんさんは、2014年1月に、都内の病院で亡くなられました。

 皆さんがご存じのように、やしきたかじんさんが亡くなられた後、奥さんのことを有名作家がノンフィクションとして出した本の出版差し止めを求めて、やしきたかじんさんの長女さんが提訴するという状況になっています(東京地裁で係争中)。

 私はやしきたかじんさんとお会いしたことがありませんし、事の真相を知る立場にはありません。
ただ、亡くなられた後にこうして争いが起こったことを草葉の陰からどのように見つめられているのだろうかと思いをはせます。

 健康な時、私たちは自身の判断力が変化するなど想像もつかないと思います。
 自分はいつまでも自分、普通はそのように思うものでしょう。私もそうです。

 しかし当然のごとく、重い認知症になってしまえば、はたして正当な意思を示せるのだろうか、自分らしい決断がなされるのだろうか、というと難しいです。

 また認知症にならずとも、がんの終末期から臨死期に近づくと、程度の差こそあれ、多くの方はせん妄状態に陥り、時間や場所・人の認識も障害されるのが普通です。

 私たちは自らの処遇を、人に委ねざるを得ない弱い立場に、誰もがなり得るのです。

 調査によると、日本人は他国の方と比べて、死のことは頻繁に考えるようです(理想の看取りと死に関する国際比較研究 国際長寿センター 2011年)。

他国の人が10%台やそれ以下なのに対して、日本人は実に30%の方が「死についてよく考える」と回答しています。
突出して多い値です。

 一方で、本当に“準備”はしているのか、というと、以前も連載で触れたように、「あなたは、ご自身の死が近い場合に受けたい医療や受けたくない医療について、ご家族とどのくらい話し合ったことがありますか?」に「詳しく話し合っている」と答えたのは2.8%(人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書 厚生労働省 2014年)に過ぎず、自分では考えるけれども話し合わないという特性が読み取れます。

 あるいは、いざという時でも、自分の意思を表示できるはずと楽観視しているのかもしれません。

 しかし認知症など死の年単位前から意思表示が難しくなる病気ではなくても、あらゆる病気において、終末期になると「自分がこうしてほしい」と決断し、主張するのは、心身の衰弱から難しくなるのが普通です。

 準備をしておくのに越したことはありません。
そしていざという時に、自分の意思を代わりに示してくれる人を事前に決めて、十分話し合っておくことが重要でしょう。
 正当な医療用麻薬治療において、判断力等は障害されないと、以前がん患者さんの就労の話でも触れました。

 医学的にはそうであっても、法廷で意見を闘わせる場では、思わぬ結果が出ないとは限りません。

 私も以前、医療用麻薬の使用下の遺言が正当かどうかで問題になった事例を聞き知っています。
 医学的には明らかに問題なかったのに、遺産相続が不利になる側がそこを突いてもめたのです。

 いや、医療用麻薬では問題なくても、その時は実はせん妄だったのではないか、と問われるとさらに判断は難しいです。
せん妄は症状に日内変動があり、ある時間帯は比較的正常で意思表示も可能だけれども、ある時間帯には意識も障害されてまるで正当な意思を表示できないということもあります。

せん妄かどうかは実際に診療している医療者しかわかりませんし、その判断の習熟度やせん妄のタイプによっては見逃されていることもあります。

 以上により、状態悪化時の意思というものは、時に係争の因子ともなるということを知っておくと良いと思います。
間際の遺言は思わぬ争いを自身の死後に残してしまうことにならないとも限りません。

 それではどうしたら良いでしょうか?  それは間違いなく、きちんと準備をし、決定しておかねばならないことは元気なうちから決断しておくことです。

 今月出版した『死ぬまでに決断しておきたいこと20』(KADOKAWA/メディアファクトリー)という本でも、どのような決断を人は終末期にしなければならなくなるかについて記しました。

これを早いうちにしておけば、自身の死後に骨肉の争いが生じることをできるだけ回避することが可能となるのではないかと思います。

 やしきたかじんさんを巡る事象は、私たちに、特に「様々なものを持っている方」ほど、事前の細やかな決断が必要となることを教えてくれていると思います。

それを前掲書でもエピソードを元に記しました。
何をしてほしく、何をしてほしくないのか、そして自身の意思が表示できなくても何だけは絶対にしてほしく、絶対にしてほしくないのか、それをしっかり指し示しておくことが必要となるでしょう。
 終末期も、そして死後も、自分を貫くためには、事前の決断と行動がどうしても必要なのです。皆さんも素晴らしく人生の着地を決められることを、心から願っております。
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2015年02月28日

口に入るものはすべて危険!?

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
口に入るものはすべて危険!?
2015年2月27日 読売新聞

 今日は、「コレステロール過剰摂取心配なし…米報告書」という新聞記事に関係したことをお話しします。

 これまで、卵やエビなどコレステロールが多いものを食べ過ぎると、血中のコレステロールが増えて動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの病気につながるとされてきましたが、米保健福祉省と農務省の食生活指針諮問委員会が、コレステロール摂取量と血中コレステロールの関係を調べたところ、両者の関連性を示す証拠はなかったと言うことです。

卵やエビ、控えても無意味

 びっくりされた方が少なからずいるでしょう。
検診などで血中のコレステロール値が高いと言われて、卵やエビなどを極力控えていた人もいるでしょう。
また、検診では異常はないと言われているが、健康管理の意味合いでコレステロールが多い食品を避けていた人もいるはずです。
そんな努力が無意味だと、この報告書は言っています。
それもアメリカのお役所である保健福祉省と農務省の発言です。

 僕のコラムを愛読している方々は、「医療は今正しいと思うことを精一杯やっているに過ぎない」という僕のエッセーの根底にあるメッセージをご理解していただいているでしょうから、それほど腹立たしいことはないと思います。
これが医療です。

つまり、今までの報告を改めた今回の報告が、実は後日、誤りと判明するかもしれませんね。  

では我が国のおはなしです。
 厚生省のHPにある「日本人の食事摂取基準」(2010年版)の脂質の項目の89ページにコレステロールに関する記載があります。
今までの科学的データからこう考えているということが丁寧にわかりやすく書かれています。

そして結論は「ハワイ在住の日系中年男性の結果から、30歳以上において、747mg/日(丸め処理を行って750mg/日)を男性の目標量(上限)とした。」となっています。

コレステロール摂取に目標値なし

 ところが、2015年版の日本人の食事摂取基準の脂質の125ページには「コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。」とあります。

 厚生労働省も今回のアメリカの報告とほぼおなじメッセージを送っています。
すくなくとも僕が2010版と2015版の日本人の食事摂取基準を読み比べる限りは、そう思えます。

 日々、いろいろなメディアが、「健康のためには○○がいい」という有益と思われる情報を流していますが、その多くは同じようなもので、将来的に翻される可能性もあります。

むしろ、ここまでの科学的データがない個人の感想のレベルのお話も多数あります。

やっぱり何が正しいかはなかなかわからないのです。

なにごともバランスだ!  

では、どうやって生きていけばいいのでしょうか。
僕は口に入る物はすべて危険な可能性が少なからずあると思って食べています。
そう考えれば、ひとつの食品を大量に摂取すると言うことは憚はばかられます。
僕はなにごともバランスだと思っているのです。

つまりコレステロールの食べ過ぎは害であろうと直感的に思っているのです。
炭水化物の食べ過ぎも、アルコールの飲み過ぎも害であろうと思っています。

生きていく以上、僕たちはたくさんの命を頂いて生きているのです。
それぞれの命は、動物であれ、植物であれ、できれば食べられたくないというシステムがあるのではないかと思っています。

科学的理由などは不要で、僕はバランス良く食べることが大切だと信じているのです。

 コレステロール値に関しては、まったく病気がない健康な人と、すでに動脈硬化性疾患を患っている方、または血中のコレステロール値が異常に高い方などは、対応が異なるでしょう。

専門家に食事の内容などを含めて相談することが肝要です。
現時点で、最良と思われることを提示してくれます。

 しかし、その最良と思われる選択肢が実は将来は間違いかもしれないのですよ。
でもそれしかできないのです。

なんでも相談できる、そして知識が豊富で、アップデートの知識を持っている、そんな主治医をぜひ、かかりつけ医に持って下さい。
その先生の言うことであれば、将来間違っていても致し方ないと思えるほど信頼できる医師と言うことです。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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2015年03月03日

医師が推薦!「花粉症予防」に今すぐ取り入れたい5つの食品

医師が推薦!
「花粉症予防」に
今すぐ取り入れたい5つの食品
2015/03/02 08:00 by 相馬佳(WooRis)

厳しい寒さの冬ももうすぐ終わり、温かい春がやってきます。

小鳥のさえずりや、緑に芽吹く木々……。

そんな素晴らしい光景とともに訪れるのが、全然素晴らしくない“花粉症”にほかなりません!

多くの人々を毎年悩ます、くしゃみ、鼻水・鼻づまり、目のかゆみ、呼吸の問題など、アレルギー症状を起こす花粉症。

「春はしょうがないわね」と諦め、家に閉じこもるなど、せっかくの春を“残念な季節”にしていませんか?
春真っ盛りになる前に、対策を始めましょう!
 そこで今回は、海外の健康系サイト『everyday HEALTH』の記事を参考に、医師が勧める“花粉症などのアレルギー症状を防ぐ”食品をご紹介します!

■1:ヨーグルト

米国のアレルギー専門医によると、ヨーグルトに含まれる“プロバイオティクス”は、花粉症などによるアレルギー症状や炎症を鎮静する効果を持つそうです!

善玉菌をたくさん含む無糖のプレーンヨーグルトを選んで食べれば、腸内環境が整い、アレルギー体質の元となる毒素の排出にも効果があるとか。
ほかの病気予防もできて一石二鳥ですね!

■2:ビタミンCを多く含む野菜や果物

苦しいアレルギーのもととなる物質は“ヒスタミン”。
この物質のせいで、痒みや炎症などが発生することが多いそうですので、そのヒスタミンを抑制するビタミンCを多く含む食品を摂取しましょう。

ビタミンCは、リンゴやイチゴを含むベリー類、スイカなどに多く含まれます。

■3:アーモンド

上記と同じく、アレルギー物質の“ヒスタミン”を抑える栄養素が“マグネシウム”。
そのマグネシウムをたくさん含む食品といえばアーモンドです。

アーモンドにはほかにも、ダイエットやアンチエイジング、美肌にも効果のあるビタミンEや食物繊維、ミネラル、不飽和脂肪酸などの栄養素も含んでいます。
マグネシウムは、気管支の筋肉を落ち着け、炎症を防ぐ役割も果たすそうです。

■4:ケルセチンを含む食品

医師によると、花粉症による鼻炎など、アレルギーのもととなる前述の“ヒスタミン”は“マスト細胞”というものから放出されるそうです。

このマスト細胞からヒスタミンの放出を抑制する働きをするのが、“バイオフラボノイド”と呼ばれる物質。
ケルセチンはこのバイオフラボノイドの中で最も強力な物質だそう。

ケルセチンは、玉ネギに多く含まれるそうですが、そのほかにもリンゴやケール、赤ワイン、お茶などにも含まれるそうです。
積極的に摂取したいですね。

■5:魚類

「はくしょん!」とくしゃみを連発しているときに、魚を食べようという気分にはならないかも……。
しかし、医師によると、鮭やイワシ、サバなどの魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、アレルギー症状が原因で起こる炎症などを抑える働きを持つそうです!
 海の幸で予防しましょう。


以上、花粉症によるアレルギー症状の予防を助けてくれる食品をご紹介しましたが、いかがでしたか?
もちろん、1度食べればすぐ治るというわけではありません!
 これらの食品をうまく毎日の健康的な食生活に取り入れ、アレルギーに強い体作りを心がけることが大事です。

上記の食品自体にアレルギーを持つという場合は、もちろん食べちゃいけませんよ!
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2015年03月04日

国保見直し 医療「最後の砦」守れ

国保見直し 医療「最後の砦」守れ
2015年3月4日 東京新聞「社説」

 政府は三日、医療保険制度改革関連法案を閣議決定し、国会に提出した。

国民健康保険は、非正規労働者や会社退職後の無職者などにとって「最後の砦(とりで)」だ。財政を強化し、この制度を守るべきだ。

 改革の柱は、市町村が運営する国民健康保険(国保)の財政運営を都道府県に移管することだ。

 国保は財政難に苦しんでおり、運営する市町村の五割超が一般会計から繰り入れして、赤字を埋めている。
二〇一三年度の赤字総額は三千五百億円。

 かつては、農林水産業者と自営業者が加入者の六割を占めていたが、今は非正規労働者と会社退職後の無職者などが七割を超える。

低所得者が多い上に、医療費がかかる高齢者が増えているのが赤字の要因だ。
加入者一人あたりの平均所得は一二年度で国保が年八十三万円なのに対し、大企業サラリーマンなどの健康保険組合(健保組合)は二・四倍の同二百万円。

国保は保険料格差も大きく、全国で見るとその差は五倍以上だ。

 改革では、都道府県に財政責任を負わせた上で、三千四百億円の公費を投入し、財政基盤を強化する。
都道府県は市町村ごとに「標準保険料率」を定める。
保険料の格差が是正されることも期待される。
一八年度の実施を目指す。

 当面の財政は安定するとしても、国保に低所得者や高齢者が増えているという構造は変わらない。

高齢化が進む中、さらなる改革が必要だ。
国保の保険料は割高だ。
平均の保険料負担率は所得の9・9%と、健保組合の倍近い。

健保組合など被用者保険は、扶養家族の保険料は徴収しないが、国保の場合は子どもを含めた家族の人数に応じて加算される。

国保の保険料滞納世帯は一四年で17%に上っている。

 非正規労働者の被用者保険への加入条件緩和をさらに進め、保険料の軽減を図るべきだ。

一六年秋に一定程度緩和され、約二十五万人の非正規が新たに被用者保険に加入するが、まだまだ不十分だ。

 また、厚生労働省は併せて、七十五歳以上の高齢者の保険料軽減特例を一七年度から段階的に廃止するとしている。

夫婦二人世帯で、それぞれの年金収入が八十万円以下の場合、月七百四十円の保険料が二千二百円余と、三倍になる。
入院時の食事代自己負担も一食二百六十円から四百六十円に引き上げる。

消費税増税に加え、物価は上がり、公的年金は実質目減りしていく。
低所得者へのきめ細かい配慮が求められる。 
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2015年03月05日

「良寛さん候補」存在大切

香山リカのココロの万華鏡
「良寛さん候補」存在大切
毎日新聞 2015年03月03日 首都圏版

 川崎市の河原で中学1年男子生徒が遺体で発見された事件にかかわった容疑で、少年3人が逮捕された。

 被害生徒は、その少年らが作る遊び仲間に加わっていたと言われている。

ところが実際には、年長の少年らから暴行を受けたり学校に行くなと脅かされたりしていたことが、同級生らの証言から明らかになりつつある。

 こういう事件が起きると、必ず「なぜ親や教師が気づかないのか」という声が上がる。
たしかに、いちばん身近にいるおとなが異変に気づき、声をかけ、場合によっては何か行動を起こせば、ここまでの大事には至らなかったかもしれない。

 とはいえ、私がこれまでかかわってきた子どものいじめや少年仲間のトラブルのケースでも、ほとんどの場合で親は「気づかなかった」と語っていた。

 子どもに無関心な親ばかりではない。
むしろ、教育熱心な両親であればあるほど、子どもは親の前で自分が問題に巻き込まれていることを隠そうとする傾向があった。

「心配をかけたくない」「ダメな子だと親に思われたくない」というのがその理由だ。

 また、子どもにはおとな以上に「隠す力」がある

自室では無料通信アプリで「もう死にたい」などと友人にメッセージを送りながら、家族と食卓を囲むときには明るい子を演じていた、というケースもあった。

 たとえ親や教師が何かに気づき、「悩みがあるんじゃない?」ときいても、「大丈夫だよ」と答えられれば、それ以上、踏み込むのをためらってしまうかもしれない。

 では、どうすればよいのか。
私は以前から「あまり近すぎない距離にいるおとな」の存在が大切だ、と考えている。

理想を言えば、近所の子どもと遊ぶのが好きだったという江戸時代の僧侶、良寛和尚のような人になるだろうか。

 「現代の良寛さん候補」は、近所の世話好きのおばさん、親戚の誰か、塾やならいごとの先生などになるが、必ずしもそういう人がいるとは限らない。

だとしたら、その学校の保健室の養護教諭やスクールカウンセラーでもよいだろう。

近すぎない相手のほうが、子どもは意外に本音をさらけ出せるものだ。

 ただ、そこには大きな壁もある。
よく知らないおとなが「私になんでも話してごらん」と近づいても、いまの時代、逆に警戒されてしまうだけだ

誰がどのように「現代の良寛さん」になればよいのか。悩ましい問題がまた増えた。
            (精神科医)
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2015年03月06日

ヤバッどうしよう…職場でありがちな「ピンチを乗り切る」ワザ3つ

ヤバッどうしよう…
         職場でありがちな
「ピンチを乗り切る」ワザ3つ
2015/03/05 19:00 by 西山美紀(WooRis)

そろそろ春。入社&異動シーズンがやってきますね。

フレッシャーズのみなさんはもちろん、ベテランの人も異動などにより初めての仕事をすることになるかもしれません。
初めての仕事だと、さまざまな“うっかり”が発生してしまうかもしれません。
その際、どのように乗り越えるかで、あなたの力量が問われるものです。

そこで今回は、弁護士・石井琢磨さんの著書『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』から、“仕事でうっかり”な3つのシチュエーションでうまく乗り切る技を紹介します。

■1:アポをすっぽかしてしまった場合

アポがあったのにうっかり忘れていた……さてどうしよう。
相手は、自分が軽く見られていると思って怒っている。

そんな時、とっさに「御社の企画を詰めていまして」などと言い訳をするのはNGだそう。

<相手をどれだけ重視しようが、連絡なくすっぽかす理由にはならない。
企画を詰めようが何をしようが、通常は予定変更の連絡くらい入れられるだろう。
まともな理由を説明できていない。
言い訳を考える時間があるなら、信頼を取り返す方に労力を使った方がいい。
(中略)
言い訳を考える暇があったら「申し訳ございません、取り返します」と相手に貢献することを考えたい。>

緊急事態になると、焦って言い訳を考えてしまいがち。
それをグッと飲みこんで、自分に非があることを認めてしっかり謝り、挽回する気持ちがあることを伝えたいですね。

■2:大手の名前を出して説得された時

何かを契約する際に、相手から大手の名前を出されて「A社さんもやっているんですよ」などという口説き文句を言われたら?

 うっかり「そうか、A社さんもか……」などと、影響を受けそうになってしまうと判断を誤ってしまいます。
ここでも一呼吸おきましょう。

<あなたのいる会社とA社さんとでは、状況は違うはずだ。
本来、関係ない情報である。
あえて気にするなら、「何でA社さんは始めたんですかね」と情報を集め、自分の状況と比較する材料をもらえばいい。
そのうえで、A社さんが加入した事情が自分にとっても役立つと判断したならば、その時点で真似すればいいのだ。>

「有名なB社さんも! なんでB社さんは始めたんですかね?」などと、一歩突っ込んで話を聞いてから、冷静に判断したいものです。

■3:SNSで職場の微妙な人から申請がきた時

フェイスブックやLINEなどのSNSは、プライベートで使っている人も多いもの。

ところが上司など、あまりつながりたくない微妙な関係の人から申請がきたら、どうしたらいいのでしょう? 

「上司からだし…」とうっかり承認してしまうとSNSで発信しづらくなり、後悔しそうですよね。

自分「だけ」が外されているのではなく、公平なルールの運用だということで、不公平感が解消されれば上司も納得しやすくなる。
「同期しかつながっていないので」
「情報収集が目的なので」
「100記事以上アップしている人だけ」など、微妙な相手をうまく除外できるマイルールを考えておけばいい。>

ただし、「同期しかつながっていないので」と言いつつ、他の上司とつながっていたら、相手を怒らせてしまうかも。
相手が納得できるルールを考えておきたいですね。

以上、“仕事でうっかり”なシチュエーションをかわす方法について3つお伝えしましたが、いかがでしたか?
 しっかり心構えがあれば、いざという時でも上手に乗り切れるかもしれません。
ぜひチェックしておいてくださいね。
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2015年03月07日

入浴中の気持ちのいいウトウト 実は危険!「失神寸前」ケースも

入浴中の気持ちのいいウトウト 
実は危険!「失神寸前」ケースも
2015/3/ 6 19:11 J-CASTニュース

1日の疲れを癒す入浴は、まさに至福のひと時だ。

湯船でリラックスするうちにウトウトし、気が付けば眠ってしまっていた...という経験がある人も少なくないだろう。
だが、この「眠気」、実は通常の眠気とは異なる場合があり、危ないのだ。

「入浴中に気持ち良くウトウトするのは、実は眠気ではなく、失神寸前の状態なんです」

血圧低下で脳が血流不足に
眠くなったら湯船から出るなど工夫を

2015年3月3日放送の「中居正広のミになる図書館」(テレビ朝日系)では、国際医療福祉大学の前田眞治教授がこう説明。

「ウトウト」に心当たりのある視聴者も多かったようで、放送後にはインターネット上でも
「毎回ウトウトしてるんだけど!」
「何度かお風呂で寝てた事あったな。生きてて良かった...」
「1分だけって思っても気づいたら意識飛んでる」などと大きな反響を呼んだ。

一体どういうことなのか。前田教授に詳しく解説してもらった。

「胸までお風呂に入ると、数秒後から血圧が急に下がり、その後、数分でさらにじわじわと下がり始めます。
この血圧低下によって脳に血流が十分に行き届かなくなった場合、『眠気』として感じられるのですが、実際は失神一歩手前の状態になっているのです」

前田教授によれば、数秒後に起きる血圧低下は水圧による心臓圧迫で、

「湯船に胸まで浸かると心臓はぎゅっと強く抱きしめられたような状態になり、通常時よりも拡がらなくなる。
すると心臓に入ってくる血液も少なくなり、力強く鼓動できなくなります」。

その後の数分後に下がる血圧低下は湯船に長く浸かっていることで起きる皮膚の血管の拡張だ。血液が皮膚に集まり、脳に行く血液が少なくなるという。

これによって脳が血流不足となると、脳活動が低下してしまうそうだ。

40〜41度のお湯に10分程度が好ましい

もっとも、大半の人は入浴中に血圧が下がっても脳血流は保たれるという。
つまりウトウトしているすべての人が「失神寸前の状態」というわけではなく、「そうしたケースは一部であり、多くはリラックスして(副交感神経が優位になって)ウトウトしている」と前田教授は指摘する。

ただし見た目だけでは、どちらなのかは区別がつかないそうだ。

脳の血流不足によって、実際に失神に至ってしまうこともある。
これが原因とみられる入浴中の溺死事故も少なくなく、油断は禁物だ。

一般的な失神時には、めまいなどの「前触れ」のあるケースが多いが、前田教授によれば、入浴中の場合はめまいよりも意識低下が先に起きると考えられるという。

本人も変化に気づきにくいだけに、注意する必要がある。

眠気を催した場合は、すぐに浴槽から出ることを心がけるといいだろう。
湯船に沈み込まないよう浴槽につかえを入れたり、顔の下までふたを閉めたりするのも有効かもしれない。

前田教授によれば「40〜41度のお湯に10〜15分程度」が入浴の目安だという。
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2015年03月13日

勇気出し「声」かけを 

香山リカのココロの万華鏡:
勇気出し「声」かけを
 毎日新聞 2015年03月10日 首都圏版

 ラジオでリスナーからのメール相談にこたえる番組をしている。
もちろん、病気に関する医療相談ではなく、あくまで日常の範囲のいわゆる“お悩み相談”だ。

女性をターゲットにした番組だが、男性からのメールも少なくない。
 あるときスタッフと相談メールをチェックしていて、「えっ」と声をあげたことがあった。

「これまで一度も女性と交際したことがない」というメールが3通、続いたのだ。
「これ、みんな同一の男性からかな?」と確認したが、どうもそうではないようだった。

 どのメールも文面は丁寧で、やさしさが感じられた。
「大学時代、期待して入ったサークルから女子学生が次々に去って行き」などと悲しい体験をユーモアも交えて書いている人もいて、思わずクスッと笑ってしまうものもあった。

 おそらくこの男性たちはまじめで控えめ、決してセクハラとかDVとかはしないような「女性の良き味方」だと思われる。

ただ、いまひとつ積極性に欠けるために、なかなか出会いのチャンスがなかったのだ。
そして、気になる女性がいたとしても、話しかけられずにいるうちに、社交的で強引な男性が先に近づいてしまう。

そんなことを繰り返すうちに人生の半ばになってしまったのかもしれない。

 しかし、心やさしき男性たちは悲観することはない。
女性は気づきつつあるからだ。
強くてたのもしいように見えても女性を理解しようとせず、支配したがる男性よりも、恋人や妻であってもひとりの人間として尊重してくれる男性のほうがずっと自分にとってプラスになる、ということを。

 少しくらい線が細い、声が小さい、スポーツが苦手、などということでコンプレックスを感じる必要はない。

引っ込み思案の男性たちは少しの勇気を振りしぼり、職場や趣味のサークルなどでがんばっている女性たちに声をかけてあげてほしい。
「いつもがんばってますね、すごいと思います」。

それは多くの女性にとっては、「カワイイね」「スタイル抜群だね」などと外見をほめられるより、ずっと心に響くことばなのだ。

 ちなみにそのラジオ番組には、女性からは「仕事で疲れている」「どこまで努力してよいかわからない」といった相談が多い。

私はいつも、「ああ、これがリアルなら、私が仲人となって、この“走り続ける女性”を“やさしく物静かな男性”に紹介してあげるのにな」などと思うのである。
            (精神科医)
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2015年03月14日

ささいなことに腹が立つのは「虫の居所がわるい」からだし…

ささいなことに腹が立つのは
「虫の居所がわるい」からだし…
毎日新聞 2015年03月13日 「余録」

 ささいなことに腹が立つのは「虫の居所がわるい」からだし、何となく気に入らないのは「虫が好かない」からだ。

虫が納まる」とは怒りがとけることだし、昔は短気のことを「虫が早い」、びっくりすることを「虫が動じる」とも言った

▲人の体の中には虫がいて、心身にさまざまな影響を及ぼすという考え方は、中国の道教の「三尸(さんし)の虫」に由来するらしい。

この3匹の虫は人の体内にすみ、行動を監視している。
庚(かのえ)申(さる)の夜には人が寝ている間に体を抜け出し、天の神にその悪事を報告するというのだ

▲庚申の夜は眠らぬ風習
「庚申待(こうしんまち)」は虫の報告を阻むためである。
この身中の虫がそれとなく当人に未来の凶事を教えてくれる場合は「虫の知らせ」という。

もし神様より先に当人の悪いところを告げてくれればありがたい

▲もともと体内に寄生した線虫が未発見の胃がんに集まっていたことから研究が進められたという。
体長約1ミリの線虫ががん患者とそうでない人の尿のにおいを識別できることが分かったという九州大学などのチームの研究である。
虫は患者の尿に好んで近寄るという

▲実験に用いた線虫は犬と同程度のにおいの受容体をもち、判別は尿1滴あればいい。

結果、24人のがん患者のうち23人を識別し、うち5人は採尿前にがんは未発見だった。
がん検診への実用化にはなお課題も残るが、体に負担をかけぬ早期がん発見への期待はつのる

▲見た目は気味悪い線虫だ。
しかし人の危難をいち早く教えてくれる「虫の知らせ」の研究を聞けば、けなげにも、かわいくも思えてくる。
身勝手といわれようが、「虫がいい」のは人間の常である。 
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2015年03月18日

止まった時間、ゆっくりと 

今日は 彼岸の入り。
明日は、弟の命日、明後日は 父の月命日
彼岸の入りの今日、菩提寺のある水戸へ「墓参り」したいと思います。
コメント返しなど 遅くなることを ご了承ください。
**************************
香山リカのココロの万華鏡:
止まった時間、ゆっくりと 
毎日新聞 2015年03月17日 首都圏版

 東日本大震災から4年が経過した。

2万人を超える死者、行方不明者に加え、その後の避難生活での体調悪化や過労など間接的な原因で亡くなった「震災関連死」も3000人を超えた。

 誰かが亡くなると、必然的に「遺族」と呼ばれる人が生じる。
4人家族で1人が亡くなれば3人は遺族となる。

その計算を単純にあてはめると、大震災では7万人が「遺族」となったと考えられる。
7万人といえば、ちょっとした地方都市の人口に匹敵する。
 その人たちはどんな4年間をすごしてきて、いまどんな気持ちなのだろう。

私は大震災の少し前に父を亡くしたのだが、4年もたてば記憶も悲しみも薄れるわけではないと実感している。

さすがに直後の痛みのような悲しさではないものの、季節の変わり目などにふとこの時期をともにすごした思い出がよみがえり、「もういない」とリアルに感じることもある。

老いた父を病で失ってさえそうなのだから、夫や妻、子どもを突然、奪われた人の苦しみ、悲しみはどれほどか。

 今回の大震災によってではないが、わが子を失った経験を持つ女性が、3月に診察室でこんな話をしてくれたことがあった。

 「この時期がいちばんつらいんです。子どもの同級生はどんどん成長して進学したり、就職したりするでしょう。
町も新生活を控えて買い物する人などであふれています。
そんな中、自分だけが前に進めない。
新しい洋服もスマホも買う気になれないから、いつまでも時代遅れのファッション、昔の携帯電話のままなのです」

 大切な人を亡くしたときに時間が止まり、周囲の目まぐるしい変化をひとごとのように眺めている。
これは大きな喪失体験をした人によく起きる心の反応だ。

本人は「私だけ取り残されている、遅れてしまう」とあせりを感じるかもしれないが、私はよくこう話す。

「それは遅れなどではなく、いつまでも愛するお子さんといっしょにいたい、というあなたのやさしさのあらわれですよ」

 世の中には「前進は善、停滞は悪」という考え方があり、悲しみを抱えている人にも「さあ、いつまでも泣いてないで、前を向いて元気に歩き出そう」と励ます人がいるが、それは違うと思う。

とくに愛する家族を失った遺族が、思い出とともに足踏みし、停滞を続けるのはあたりまえのことだ。
「ゆっくりね、待ってるよ」とまわりは温かく見守りたい。
           (精神科医)
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2015年03月19日

障害年金をもらうための四つのハードル

原記者の「医療・福祉のツボ」
障害年金をもらうための四つのハードル
2015年3月6日 読売新聞

 障害年金は、国民年金(障害基礎年金)しかない人でも1級で年間96万円、2級で77万円、厚生年金加入者だけに設けられている3級でも最低57万円を受け取れます。

状態が変わらなければ毎年、給付が続くのですから、経済的メリットの大きい制度です。

 しかし、受給するための要件がけっこう厳格に定められており、4点のハードルをクリアしないといけません。
一般的には「3要件」と呼ばれますが、3要件のすべてに関係する初診日の証明を独立させ、4点として説明します。

1 初診日の証明

 障害の原因となった病気やけがで最初に医療機関にかかった日が「初診日」になります(発症時期ではない)。

最初の医療機関で診断がつかなかったり、誤診されたりしていても、その日が初診日です。

健康診断で異常を指摘された場合は、健診を受けた日が初診日になります。

 初診日は、原則として「日」まで特定する必要があります。
医療機関に頼んで「受診状況等証明書」を発行してもらいます。

 問題は、初診の時期が古い場合です。
大きな病院はカルテ(診療録)を長い年月にわたって保存していますが、医師法によるカルテの保存義務は5年。
中小の医療機関ではカルテが廃棄されていることもあるし、医療機関自体がなくなっていることもあるからです。

医療機関から廃棄したと言われても、正式にカルテ開示請求をすると見つかったケースもあるので、そこまで試みましょう。
 それでも無理な場合、過去の診断書、身体障害者手帳、交通事故証明、労災事故証明、事業所の健康診断記録、医療情報サマリー、救急搬送記録、紹介状、診察券、領収書、次の医療機関の記録など、他の資料で初診日を証明できればよいのですが、それもないと請求をあきらめざるをえないことがあります(保険料の納付状況によっては「月」「年」までの特定でも認められる)。

だから、できるだけ早く障害年金のための作業にかかるべきなのです。

 糖尿病による網膜症・腎障害・足切断など、因果関係のあるとされる場合は、障害が生じた時ではなく、最初の病気やけがによる受診時が初診日になります。
 生まれつきの知的障害は、後で説明するように、初診日の証明なしでも請求できます。

2 初診日に、その年金制度の加入者だった(例外あり)

 「加入要件」と呼ばれます。
初診日に加入していなければ、公的年金制度による障害年金は、基本的には、もらえません(労災保険による年金は別)。

 だから、「体調が悪いけど、退職して時間ができてから医者にかかろう」というのは大間違い。
勤めている時に受診しないと、障害厚生年金をもらえずに大損するかもしれません。

 加入状況は年金手帳で一応わかりますが、念のため、基礎年金番号をもとに確認しましょう。

基礎年金番号は、国民年金、厚生年金、共済組合といった、すべての公的年金制度に共通で、一人に一つの番号です。
ネットでも照会は可能です。

・ねんきんネッ ト

 日本年金機構の年金事務所または年金相談センターに出向いても、照会してもらえます。
国民年金だけとわかっているなら、市町村の年金担当課でもかまいません。

<20歳前の障害

 国民年金の加入対象は20歳以上〜60歳未満で国内に住所がある人です(2012年7月9日以降は、日本に3か月を超えて合法的に在留する外国人を含む)。

 初診日が20歳より前だった場合は、どうなるのでしょうか。
国民年金に未加入で、保険料を納めていないわけですが、20歳になった後に請求して、1級・2級の障害にあてはまれば、障害基礎年金が支給されます。

障害者が無年金になるのを防ぐための福祉的な支給です(本人の所得が一定額より多い場合は半額または全額の支給停止)。

 先天性の知的障害は、生まれた日が初診日とされます。

一方、発達障害も生まれつきですが、こちらもなぜか、実際に診療を受けた初診日の証明が求められます(初診が20歳より後なら通常の保険加入に基づく障害年金になる)。

その他の先天性障害・難病や幼少時の病気・けがも、実際の初診日の証明が必要です。

子どもの時から年数がたって、書類による初診日の証明が難しいことも多いので、親族以外の複数の人の証言で20歳前の受診が認定されることもあります。

 一方、初診日に20歳未満でも、すでに勤めていて厚生年金に加入していれば、成人と同様に障害厚生年金が支給されます(1級・2級は障害基礎年金もセット)。

<60歳以上の障害>

 初診日が60歳以上65歳未満のときは、国民年金の加入者とみなされます。
70歳未満で国民年金に任意加入している時も加入要件を満たし、障害基礎年金の請求は可能です。
ただし、老齢基礎年金の受給権を得ていないことと、初診日に国内に住所があることが受給の条件です。

 また、厚生年金保険は、適用事業所の常用労働者なら、70歳未満まで強制加入なので、初診日が70歳より前なら、通常と同様に障害年金を請求できます。
もし老齢基礎年金の受給権を得ている場合は、上乗せ部分の障害厚生年金だけを請求できます。

3 保険料の未納期間が一定以下である

 「納付要件」と呼ばれます。
これが問われるのは国民年金の部分ですが、クリアしないと障害厚生年金ももらえません。
2種類のパターンのどちらかを満たせば、大丈夫です。

<初診の前々月までの加入期間のうち、保険料の未納期間が3分の1未満>

 逆に言うと、保険料の納付期間と免除期間が合わせて3分の2以上あればよいのです。
納付期間には、厚生年金や共済の加入期間が含まれます。

免除期間には、低所得などによる法定免除・申請免除のほか、学生納付特例、若年者猶予(30歳未満)の期間も含まれます(ただし1991年3月までの学生期間は任意加入だったので、分母からも分子からも除外して計算する)。

<65歳未満で、初診日の前々月までの直前1年間に未納がない>

 最初のパターンをクリアできないときの救済措置として設けられている方式です。
納付期間・免除期間の考え方は、先ほどと同じです。

 どちらの納付要件を用いる場合でも、「初診日の前日」にクリアしている必要があります。
つまり、病気やけがで受診した後に、あわてて過去の保険料を納めても、障害年金はもらえません。
現在の制度上は、後の祭りです。
だから、保険料を未納にしていると、まずいのです。

4 初診日の1年6か月後、またはその前の症状固定日に、障害等級にあてはまる状態だった  

「障害状態要件」と呼ばれます。
一般的には、初診日の1年6か月後が「障害認定日」になり、その時点で障害等級にあてはまるかどうかが判定されます。

体の一部を失ったとき、体内に一定の機器を入れたときは、症状固定が明らかなので、その時点。
人工透析は受け始めて3か月を過ぎると、障害認定日になります。

 どちらも障害認定日から3か月以内の状態について、医師の診断書が必要です。
認定されるような書き方をしてもらうことが、重要なポイントです。

 障害年金の受給権は、障害認定日から有効です。

厚生年金保険の加入者なら、健康保険による傷病手当金の支給が最長1年6か月なので、その後を障害年金につなげるわけです。
請求から支給まで3か月以上かかるので、先に障害年金を請求しましょう。

<遡及そきゅう請求>

 請求は、5年前の分までさかのぼってできます。

障害認定日から1年を過ぎて請求する場合は、現在の状態の診断書も必要です。
障害認定日より5年以上遅れると、古い分から毎月、時効になっていくので、早めに手続きをしましょう。

<事後重症の請求>

 当初は症状が軽く、後から障害等級にあてはまる状態になった場合も請求できます。
重症になった時点から3か月以内の診断書を添えます。
この場合も初診日の証明は必要です。

また、事後重症の場合は過去にさかのぼった請求ができず、年金の支給は請求の翌月分からになります。 

<別の障害が加わって支給対象になる>

 最初の障害の程度が軽く、後から別の種類の障害が加わって、両方を合わせると年金支給対象の障害等級になるときは、後発の障害(基準傷病)の初診日、障害認定日をもとに請求します。

この場合も過去にさかのぼった給付は行われず、年金の支給は請求の翌月分からです。

ややこしそうなときは社労士に依頼する

 障害年金を請求できるのは基本的に65歳未満です。
「ひとりの年金は1種類」が原則なので、障害、老齢、遺族の複数の年金を請求できるときは、いずれかを選択します(障害基礎年金+老齢厚生年金といった組み合わせは可能)。

 以上の説明は、現行法の対象になる場合(障害認定日が1986年度以降)です。
それより前は適用される制度が違ってきます。

 基本的なことでわからない点は、年金機構の電話相談を利用しましょう。

・年金相談ダイヤル 
           0570・05・1165  
(050で始まる電話からは03・6700・1165)

 実際の請求には「病歴・就労状況等申立書」なども必要で、手続きはやっかいです。
医療機関や福祉事業所によっては、ソーシャルワーカーがやってくれますが、昔にさかのぼる請求や等級の認定が微妙と思われるときなどは、障害年金に詳しい社会保険労務士に依頼するほうが賢いでしょう。
費用は、着手金が数万円または無料、交通費などは実費、成功報酬が年金の2か月分、または遡及請求で支給された総額の10%といった設定が多いようです。

 年金機構の決定に不満があれば、行政不服申し立て(審査請求、再審査請求)や行政訴訟もできます。
再審査請求までは社労士が代理できます。
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2015年03月20日

愛想笑いとずるい言葉=近藤勝重

しあわせのトンボ:
愛想笑いとずるい言葉=近藤勝重
毎日新聞 2015年03月19日 東京夕刊

 本心を隠したり、偽ったりせずに生きている人がいるだろうか。
おそらくいないだろう。
と、断定的に言うのも、例えば人間は愛想笑いを浮かべることができるからだ。

 養老孟司氏が監修したリタ・カーター著「ビジュアル版 脳と心の地形図」によると、愛想笑いについてこう記している。

 「怪しげなこの能力は、人間しか持っていない。ほかの動物は顔の表情をコントロールできない」

 意識しての愛想笑いと、無意識の自発的な笑いは、使われる筋肉もそれをコントロールする脳の回路も、まったく別なのだそうだ。

 長年記者を続けてきたぼくなど、一体どれほど愛想笑いを浮かべてきたことか。

取材先が気をつかう相手であればあるほど、怪しげな笑みを口元に作っていたはずだ。

 そんなことを思いつつ記者生活を振り返ると、ふと自己嫌悪に似た感情を覚える一方で、だから記者をやってこられたのだという思いもある。

さらに愛想笑いにこだわれば、ずるい言葉とセットになっていることに気付かされ、今なお忘れ難い映画の名セリフが頭をかすめる。

織田作之助原作の「夫婦善哉」で、問屋のドラ息子、柳吉(森繁久弥)が芸者の蝶子(淡島千景)に冗談めかして言うこの一言である。
 「頼りにしてまっせ、おばはん」

 寄りかかる男心と共に発せられた言葉は大阪弁の語感とも相わたり、女心を動かさずにはおかなかった。

 ついでながら、同じ大阪弁川柳で、どなたの作であったか、ずるい言い方だなあと思わせる一句があるので紹介しておこう。

 ええ男やけどなあとくさしているらしい  と書いてきて、気になるのは政治とカネにまつわる政治家諸氏の答弁である。

時に意味不明の笑いを浮かべつつ、ずるいというよりずる賢い物言いに徹して、のらりくらりと追及をかわしてみせる。

政治とはそんなものだと思われる向きもあろうが、ぼくが恐れるのは先に紹介した2種類の笑い、すなわち意識しての愛想笑いと無意識の反射的な笑いに倣って言うと、もはや政治家の都合のよい釈明は、無意識の反射的なものに感じられることだ。
 当の政治家がその自覚さえもなくしているとしたら……いや、心配だ。
                              (客員編集委員)
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2015年03月21日

なんとなくダル〜い 寒暖差で体調崩す「春バテ」対策法

なんとなくダル〜い
寒暖差で体調崩す「春バテ」対策法
2015年3月21日 日刊ゲンダイ

 17日は各地で気温が20度を超え、18日も東京都心は21度まで気温が上がり、今シーズンで最高気温となった。

ところが、週明けの東京は、予想最低気温が1度と、「寒の戻り」でグッと寒くなる。

 毎年この時季になると、寒暖差で体調を崩す人が多い。

その上、なぜか気分まで落ち込み、通勤するのもおっくう――そんな「春バテ」状態について、医学博士で作家の左門新氏がこう解説する。

自律神経が乱れることが春バテの原因です。

自律神経には、日中優位になる交感神経と、睡眠時に優位になる副交感神経があります。

気温が低い時は、体温を保つため血管を収縮させる必要がある。
この働きをつかさどるのが交感神経です。

逆に、暑い時は、内臓の働きをコントロールする副交感神経が発汗を促進する。

普通は季節に合わせて徐々に自律神経が順応していくのですが、こうも暖かい日と寒い日が交互すると、切り替えが難しくなるのです。

その上、3月は異動や入社など、環境の変化でストレスをためやすい。
ストレスが副交感神経の働きを阻害し、睡眠の質が下がることも春バテの原因だと考えられます」

 どんな対策をすればいいのか。

「面倒でも寒い日は厚着、暖かい日は薄着と、変化に対応することが基本です。
また、毎日、起床時刻と就寝時刻を一定にし、自律神経の働きをコントロールする必要があります。
就寝前には徹底的にリラックスして、副交感神経の働きを優位にする。
逆に、起床時はラジオ体操などで体を動かし、交感神経の働きを活発にさせることです。

ストレスをため込まないために、ストレス発散法を見つけることも肝要です。

適度な飲酒などが有効ですが、自分に合ったものを探した方がいいでしょう」(左門新氏)

 どうしても仕事で帰宅が遅くなってしまう向きは、遅いなら遅いで就寝時刻や食事の時間を一定にするべきだという。
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2015年03月22日

「デブ」は病気なのか?

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
「デブ」は病気なのか?
2015年3月20日 読売新聞

 今週、気になった医療記事は、「『肥満は病気』提唱…日本のメタボ対策海外へ」というものです。
 いろいろな見方が好きな僕です。
いろいろな考え方があることをいつも提唱している僕です。
医療は人それぞれの要素が強いといつもメッセージを送っている僕です。
そんな僕的視点から今日はお話が始まります。

「肥満者=病気」には条件がある

 このタイトルだけをみると、「肥満は必ず病気」と思えます。
しかし、記事のなかで、「肥満は病気」を提唱している日本肥満学会の春日雅人理事長のコメントには、「肥満は世界的に増えているが、外国ではリスク要因とは捉えても、一定の条件にあてはまれば病気だという発想がない。

糖尿病や高血圧の治療は行っても、肥満の治療を行わないから根本的解決にならない」とあります。

つまり、肥満で一定の条件にあてはまれば病気なのです。
肥満者が全員病気とは言っていません。

一定の条件にあてはまらなければ、病気ではありません。
その点がとても大切に思えます。

 では、一定の基準とはなんでしょう。
厚生労働省のホームページをみると詳細に、わかりやすく書いてあります。

 その出だしはこうです。「BMIで肥満と判定されても、すぐに治療を始めるわけではありません。
医学的に減量を必要とする肥満を『肥満症』といいますが、肥満症は、次の二つの場合です。」とあります。

ひとつめは、BMIが25以上で、肥満に原因があるか肥満に関連していて、減量を必要とする健康障害を伴うものです。
BMIは体重(キロ・グラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)です。

 そして肥満に関連する健康障害は、

1.耐糖能異常・2型糖尿病
2.脂質代謝異常
3.高血圧
4.高尿酸血症・痛風
5.脂肪肝
6.冠動脈疾患
7.脳梗塞
8.骨・関節疾患
9.睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群
10.月経異常
11.肥満妊婦
12.心理的サポートが必要な肥満症  です。

今病気があって、減量すればその病気から解放される、または相当軽くなる症状が並んでいますので、これらの疾患を有する肥満は、病気であると考えるのは当然ですね。

「健康デブ」の判断基準

 さて、「肥満症」のふたつめです。
「BMIが25以上で、上記のような健康障害はなくても、検査によって内臓脂肪型肥満症と診断されたもの」とあります。

そして、それを知るためのスクリーニング方法が、立って息を吐いたときのへその周囲のサイズが、男性では85センチ・メートル以上で、女性では90センチ・メートル以上です。

そして確定診断は、CTスキャンによる測定で、へその断面積で、内臓脂肪が100平方センチ・メートル以上です。

 するとBMIが25以上でも、上記二つにあてはまらなければ、肥満症という病気ではありません。
ここが何より大切です。

つまり、今、肥満による病気がなくて、そしてCTスキャンによる内臓脂肪の量が100平方センチ・メートル未満であれば、病気ではないのですよ。
つまり「健康デブ」ということになります。

 二つめの基準は、メダボリックシンドロームの最初の一歩の基準と同じです。

 そしてこれを満たすと、2番目の診断基準に進みます。

そして脂質異常、高血圧、高血糖の項目でふたつ以上が異常値になるとメタボリックシンドロームとなります。
ここで高血圧と高血糖は、通常よりもきつめの設定になっています。

最初の一歩の正確な診断はCTスキャンです。
 僕は肥満を一生懸命研究している先生方が間違っているとは思っていません。

かれらのメッセージが正しく反映されていません。
つまり、へその周囲径だけで、メタボリックシンドロームと思っている人は、ぜひCTスキャンで正確な内臓脂肪の測定をして下さい。

そして、内臓脂肪が100平方センチ・メートル未満であれば、まずメタボリックシンドロームではありません。

そして、肥満による病気がなければ「肥満症」でもないのです。

つまり「健康デブ」なのですよ。

長生きは「ちょい健康デブ」

 実際に、国立がん研究センターの男性16万人を平均11年間追跡した調査では、全死因でもっとも死亡率が少なかったのは、なんとBMIが25から26.9のグループです。
このグループは肥満に該当するグループなのです。

 つまりこの結果からは、男性では「ちょい健康デブ」がもっとも長生きということになります。

 もっと知りたい方は僕の本「長生きしたけりゃデブがいい」(ソフトバンク新書)を読んでください。

そしてこの本を上梓じょうししてから、肥満の患者さんが僕の外来に急増し、愛誠病院(東京都板橋区加賀)に肥満合併症解消入院を導入しました。

2週間の入院です。
この入院の目的は、肥満による病気のチェックと指導、そして肥満自体への対応は内臓脂肪を100平方センチ・メートル未満にすることに主眼が置かれています。

もちろん病気なのですから医療保険が利きますよ。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

◆ 新見正則(にいみ まさのり)
      帝京大医学部准教授
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2015年03月31日

診察にも悪影響!医師から嫌われる「こじらせ患者」のヤバい特徴5つ

診察にも悪影響!医師から嫌われる
「こじらせ患者」のヤバい特徴5つ
2015/03/31 09:00 by 並木まき WooRis

体調を崩すと病院を受診しますが、医師とのコミュニケーションは、上手にとれていますか?

ひょっとすると、「どうも、かかりつけ医との相性が悪い……」と、感じている人もいるかもしれませんね。

病院においては、“患者=お客様”という認識の人もいますが、実際のところ、医師といえども人間ですから、診察時に相手を困らせる患者さんになってしまうと、上手なコミュニケーションも、とれなくなってしまいます。

そこで、医師専用サイト『MedPeer(メドピア)』が発表した調査情報をもとに、医師から嫌われる“こじらせ患者”のヤバい特徴を、5つお伝えしましょう。

■1:暴力・暴言を吐く

「モンスターペイシェントが増えている」(30代、腎臓内科)という声もあり、正当な主張や意見ではなく、文句や暴言にしか聞こえないような言動をしてしまえば、コミュニケーションは難しくなってしまいます。
「患者さんにされて最も困る事は?」の調査では、スタッフへの暴力・暴言に困る医師が最も多いという結果に。
病気で不安な気持ちはわかりますが、高圧的にならない態度を、心がけたいものですよね。

■2:自己都合で治療を中断

病院でもらった薬を途中でやめたり、勝手に市販薬に変えてしまったり……と、自己判断で治療を中断する患者も、医師を困らせます。

同調査では、困る患者の2位にランクインしていますが、「自己判断で中止して、悪化する例が多い」(50代、一般内科)、「患者自身が自分の体調が良くなったと思い、処方した内服薬を自己中断し、検査結果が増悪した経験があります」(30代、腎臓内科)というコメントが寄せられました。
自己判断の結果、かえって病状が悪化するケースもあるようです。

■3:処方した薬を正しく使用しない

処方したお薬をきちんと服用していただけないと治療効果の判定も出来ません」(50代、一般内科)という意見でもわかるように、処方通りに薬を飲まず症状が悪化したといわれても、医師としては困惑してしまうでしょう。

「血圧が高いからといって、自己判断で降圧薬を余分に飲んでいた患者さんがいらっしゃったが、血圧が下がりすぎたら困るので、医師に相談してからにして頂きたい」(20代、その他)という例もあるので、処方薬が出ている間に別の薬を飲むときには、必ず医師に相談するべきですよね。

■4:無理な要求

「検査、診断、処方を自分の思い通りにするよう主張されることが多々ある」(40代、一般内科)、「診察を受けずに薬だけ欲しいと要求を止めない患者がいた」(40代、精神科)のように、診察を受ける立場なのに、自分の要求ばかり通そうとする言動も、困惑される患者の特徴のようです。
なかには、「救急車で来たから早くしろといって、風邪なのに救急車で来る」(40代、小児科)という残念な実態もあるようですが、救急車は適正利用も、改めて注意したいところです。

■5:コンビニ(時間外)受診

昼間は仕事があるから……と、安易に夜間受診ばかりしていませんか?

救急はやはり緊急性のある方がかかるべきであり、日中仕事をしていて忙しいからというのはやはりやめてほしい」(20代、その他)という切実な意見もあり、安易な夜間受診は避けるべきでしょう。
「夜間のコンビニ受診、過度なお客様扱いの要求は本当に困ります。
夜間開いているといっても、コンビニのように24時間同じサービスをすることを目的としているのではなく、夜間にどうしても治療が必要な人のためにあります」(30代、産婦人科)。

このようなコメントもありますので、本来の夜間診療の位置付けを、忘れないようにしたいものですよね。


以上、医師から嫌われる“こじらせ患者”のヤバい特徴5つをお伝えしましたが、いかがでしたか?
このほかにも、「テレビで特集をされるとすぐに自分に当てはめて受診する患者さんが多い」(50代、一般内科)、
「ネット情報やTV情報を真実だと信じて疑わない」(30代、一般内科)のような患者にも、医師たちは戸惑いを感じるようです。

病気で不安だからと、医師を疑いすぎて自己判断に頼ると、かえって悪化することにも。

医師とコミュニケーションがとれない上に、病状までこじらせかねない、いろんな意味での“こじらせ患者”には、絶対にならないようにしたいですね。
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2015年04月05日

心身症と身心症

臨床の現場から
心身症と身心症
2015年4月2日 読売新聞

 心の問題で体に変調をきたす病気を心身症といいます。
逆に体の不調が心に及ぶのを身心症ということもあります。

 身心症には、がんや脳血管障害で、患者さんが先行きに不安や焦りを感じるケースがあります。
このほか、膵炎や肝炎、肺炎の治癒後に倦怠感やうつ気分が続く場合があります。

不安や焦り、うつ反応が強い時には、それが原因となって2次的な心身症をきたすこともあります。

 心身症では、めまいや頭重、息苦しさ、動悸、胃痛、不眠など多彩な症状が出現します

しかし、検査で原因となる異常が見つかることはまれです。
症状のほとんどが自律神経の機能異常によるもので、心の病と診断されるのを嫌う我が国では自律神経失調症の診断名が汎用されてきました。

最近は、心の問題を身体症状で表現していると考え、「身体表現性障害」と呼びます。

 心身症の主原因は、職場や家庭、地域でのストレスです。
職場のメンタルチェックで、不安、うつ度が強く、面談したところ、家庭のストレスが原因だったケースが多く、驚いた経験があります。

 心身症の治療の根本は、心の問題を明らかにし、カウンセリングや、緊張、不安を除く薬を上手に使うことです。

心身症に似た疾患にうつ病があります。
この中に気分の沈みを訴えず、身体症状が主という仮面うつ病がありますが、抗うつ薬が有効です。

ちなみに、うつ病の症状は午前中が強く、夕方の方が軽いのが特徴ですから参考にしてください。

 現代はストレスの時代と言われています。感じるストレスの大きさや対応する能力には、個人差があります。
ストレスに対処する個人力は、長年の地道な努力で培われるように感じています。
  
   (山本紘子・藤田保健衛生大名誉教授)
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2015年04月07日

保険も転職も困難に 「うつ」を逃げる口実と思ったら大間違い

保険も転職も困難に
「うつ」を逃げる口実と思ったら大間違い
2015年4月5日 日刊ゲンダイ

「上司のワンマンについていけない」
「営業ノルマがきつい」と悩み、「うつの診断書さえあれば、長期休養や閑職につくこともできるかも」なんて夢想する。
サラリーマンなら一度はそんな経験があるのでは?

■一度の診断が一生ついて回る

「最近は傷病休暇の取得を狙って病院に行く人が増えています。
うつっぽいと医師に言えば診断書に書いてくれ、会社を休んだり、異動の口実にできたりする。

でも、その後に、医療保険に加入できなくなったり、うつの診断をもらっていたことを忘れて契約し、告知義務違反になるケースがあります」(外資系保険会社広報)

 軽々しく「うつ」なんて診断してもらうと、あとあと厄介なことになるのだ。

 大手生保の営業担当者も言う。
「精神疾患がある方はウチの医療保険はほぼNG。
経験上そうなので、病歴で“うつ”と聞いた時点でそれ以上の営業はしません。
がんや梗塞は、一定期間を過ぎれば加入できる保険もあります。

でも、うつの場合は、一度診断されると、いくら年数が経過したところで、加入できたケースを聞いたことがない。
ケース・バイ・ケースとはいうけれど、告知項目にある会社(商品)は加入が難しいと思ったほうがいいですね」

 ドライバーも要注意だ。
交通事故に遭い、過失割合について争う場合、うつの病歴を指摘されると過失相殺で不利益を生じる場合があるという。
その上、翌年から車両保険の保険料が高くなる可能性も出てくる。

「損保は比較的告知義務のある商品は少ないですが、所得補償保険などは引き受けできないケースもあり得ます」(大手損保広報)
 転職も不利だ。
「たとえ病気が口実だったとしても、新しい職場で同じことをされて長期休養なんて可能性がありますから、どんなに華々しい経歴があっても採用は考えますね」(メーカー人事担当)

■精神疾患を問う項目がない保険商品も

 さて、医療保険に入れなくなったらどうするか。
ニッセンライフは「持病があっても安心ナビ」というサイトを運営している。
複雑化した保険の加入基準をデータベース化してあるため、病名、治療状況などを選択していくと、疾病のある人が加入できる可能性のある保険をリストアップしてくれるというものだ。

「治療状況や治療歴などによりますが、うつ病だからといって全く加入できないわけではありません。
病状を細かく入力いただけば、可能性のある保険商品をご案内しています。
現在は、主にアクサ生命やメディケア生命などの緩和型商品を紹介しています」(ニッセンライフ広報)

 同サイトは、1カ月最高7万アクセス、3700件の資料請求があり、問い合わせ上位10位以内に精神疾患関連の病名が3種も入っている。

それだけ切実に医療保険を探している人たちがいるということだ。
記者が調べたところ、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の商品では申込時の告知すべき内容の別表がなく、精神疾患を問う項目がなかった。

こういった商品を探すのも、ひとつの手かもしれない。

 最近はうつを“心の風邪”なんて言うこともあり、カジュアルに感じるが、リスクが大きいことも覚えておこう。
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2015年04月08日

人間関係はアナログで

香山リカのココロの万華鏡:
人間関係はアナログで
毎日新聞 2015年04月07日 首都圏版

 今年も入学、入社の季節がやって来た。
 大学にも初々しい新入生があふれ、サークルの先輩たちが勧誘のためさかんに声をかけている。
中にははじめてひとり暮らしをする学生もおり、大学側が生活ガイドブックなどを頒布している。

 以前、学生相談室の担当者と話したときに「昔は駅がわからない、料理ができない、と相談に来る新入生が多かったけれど今はほとんどいない」と聞いた。
スマホやパソコンで簡単に調べがつくからだろう。

 しかし、それにかわって増えた相談は「友だちの作り方がわからない」。
「友だちができなかったらどうしよう」と不安を口にする学生も多いそうだ。

 診察室にいても「転職したが新しい会社の同僚になじめない」と相談に来る人がいる。
「夫の転勤で引っ越した地域の“ママ友”と話せない」と言う主婦もいる。

いまを生きる人にとって「他者とどうつき合うか、どうコミュニケーションするか」は大問題なのだ。

 そういう人たちは、「わかってもらえるはず」と他者への期待が大きすぎるようにも見える。

これまで実家や暮らしなれた地域で、こちらから何かを口にしなくても「全部わかってるよ」とまわりが受け入れてくれた。

ところが新しい環境になればそうはいかない。
自分から「こんにちは。最近、引っ越してきたのですが」と自己紹介しなければならず、それに対して相手が「すてきな人ですね、仲良くしましょう」と最初から歓迎してくれるとも限らない。
少し話してみたけれどなんだか相性があわない、ということもあるだろう。

 そのように初対面の人とはギクシャクするのは、むしろあたりまえのことだ。
はじめから「待っていました」と両手を広げて受け入れられることなど、あるわけはない。

お互いに「相手はどんな人かな」と警戒しながら、少しずつ近づき、会話を重ねて「この人となら仲良くできそう」となったらさらに親しくすればよいし、「ちょっと違うかな」と思ったらしばらく距離を置く。

デジタル時代になっても、人間関係だけはアナログ方式のまま、手さぐりで作り上げていくしかないのだ。

 「なんでも検索すればすぐわかる」という時代に育った人にとって、この手さぐりはいかにもじれったく思うかもしれない。

でも、決してあせることなく、自分にとってプラスになる友だち、同僚を見つけてほしい。
この春、新しい環境に飛び込んだ人には、そんなアドバイスをしたい。
           (精神科医)
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2015年04月10日

糖尿病の「総カロリー制限食」 世界の潮流から全く外れている

糖尿病の「総カロリー制限食」 
世界の潮流から全く外れている
2015.04.09 16:00 NEWSポストセブン

 日本人が“常識”だと考える健康情報には往々にして間違いがある。

本誌は日本の学会が固執する「コレステロールは危険」という考えが最新研究で否定されていることをレポートしてきた。

似通った構図が、日本人の国民病といわれる「糖尿病」にもある。

 1970年代には約200万人と推計されていた糖尿病患者は増え続け、2012年には約950万人となった。予備群を含めると2000万人超とされる。

  糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの異常により、血液中の糖(血糖)が高くなる病気だ。
日本人の糖尿病の95%を占める2型糖尿病では、血糖をエネルギーに変えるインスリンの機能が弱くなり血糖値を正常に戻せなくなる。

  糖尿病で何より怖いのは高血糖が続くことによって起きる合併症だ。

代表的なものでは失明の恐れがある「網膜症」、
発症すれば週に数回の人工透析が必要になる「腎症」などがあり、
狭心症や心筋梗塞、脳血管障害も起こりやすくなる。
血糖値はとくに食後に急上昇するため、糖尿病患者には厳しい食事制限が課される。

  その食事療法を行なう際に日本で“常識”とされるのが「カロリー制限」だ。

日本糖尿病学会は『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013』でカロリー制限を採用する。
身長やその人の普段の仕事内容に応じて1日の摂取カロリーを定めるやり方だ。

東海大学名誉教授の大櫛陽一・大櫛医学情報研究所所長が解説する。
  「身長から導き出される標準体重に、仕事内容ごとに設定された身体活動量を乗じて『摂取エネルギー量(1日に摂取する総カロリー)』を算出します。
たとえば立ち仕事が多い身長178センチの人なら、摂取エネルギー量は約2091キロカロリーとなります。

その上でガイドラインでは総カロリーのうち50〜60%を炭水化物(糖質)から摂取するようにも勧めています。
これに従うと毎食おにぎり2個分強(約200グラム)の炭水化物を摂る計算になります」

 日本の権威ある学会はカロリーを厳密に制限した上で、その半分以上を炭水化物から摂るよう指導しているのである。

 ところが、このやり方は世界の潮流からは全く外れている。大櫛氏が続ける。

  「2004年、米国糖尿病学会は公式見解として『カロリーを含有する炭水化物、たんぱく質、脂肪のうち、炭水化物だけが血糖値を上昇させる』と発表し、医療者向けのテキスト(Life with Diabetes)の記述を書き換えました。

つまり、血糖値を抑える上で日本の学会のガイドラインにある『総カロリー制限』は意味がなく、本当は炭水化物(糖質)の摂取量だけを問題にすべきだということです」

※週刊ポスト2015年4月17日号
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「早い!」と「まだ…」 1週間の過ぎ方にズレ感じるのはなぜ?

「早い!」と「まだ…」
1週間の過ぎ方にズレ感じるのはなぜ?
2015年4月10日 日刊ゲンダイ

 新年度がスタートした。新しいメンバーを迎え、普段より忙しい日々を送るサラリーマンが「今日は木曜、いや、まてよ。まだ水曜日か。今週は長いなぁ……」。

こんな奇妙な経験をしたことはないだろうか。

1週間は同じ7日間なのに、いつもの1週間より時間の経過が長く感じるときだ。

 これとは逆に、休日などはアッという間に時間が過ぎてしまう感覚になることがある。
同じ週末の2日間なのに、時間の経過が「早い!」と感じるケース。

なぜ、こんなことが起きるのか?

 埼玉学園大学の古澤照幸教授(心理学)が言う。
基本は記憶の問題だと考えられます。
月曜日から次から次にいろんな仕事をやったけど、自分自身が興味がないものだったり、充実感がない仕事だと、一つ一つを覚えてもいないし時間は長く感じます。
つまり、残念ですが、その週は仕事をやった割には充実していなかったということ。
繰り返しいろいろやったときほどこの傾向が強まります。

逆に、面白いとか充実した時間を過ごした場合は、時間の経過が早い。
たとえば、楽しみにしているテレビドラマを見たり、面白いゲームをしたときなど。
よく印象に残っているし、時間が過ぎるのが早いはず。仕事も同じです」

 新年度から“今週は1週間が長いなぁ”と感じているようでは、先が思いやられる。
充実感がない可能性が高いわけで、新入社員がこんなセリフを吐いたら要注意だ。

 能動的、積極的な作業をやったかどうかも影響があるという。

「たとえば、単純な課題で簡単過ぎるような作業は、魅力を感じないため時間を長く感じやすい。
対して、ある程度難しい課題の作業は魅力を感じやすく時間経過を短く感じやすいのです」(古澤教授)

 動機づけやヤル気も関係し、ヤル気が出る作業内容の場合は1週間が過ぎるのが早いという。慣れるためとはいえ、新人に単純作業をさせるのは考えものかもしれない。

■休日がすぐ終わる理由は?

 一方、休日などの時間経過が意外に“早い”というのはなぜか。

「休みの日は趣味など興味を持っている題材に集中して過ごします。
好きな映画のDVDを見るとかです。
家族や彼女と一緒のときもそうですが、とくに“時間に目を向けない”で、何かをやるときは早く時間が過ぎる感覚を感じやすい。
逆に“時間に強い関心を持つ”状況では長く感じやすい。
時計とにらめっこしながら電車を待っているときなどがいい例。
時間経過に注意が向いているときほど、待ち時間が長く感じるのです」(古澤教授)

 脳科学の側面からも説明がつく。
諏訪東京理科大の篠原菊紀教授が言う。

「凄くパワフルに遊んだり、面白いことをしたりして興奮すると、代謝が上がり心的活性度が高まる。
結果、時計遺伝子の代謝も促進され体感時間が早く進みます。
仕事も同様に興味を持って頑張ったときは一日が過ぎるのが早いと思います」

体感時間は、時計遺伝子と関わっていたのだ。

 医学的にはどうなのだろうか。何か病気の前兆だったら一大事だが……。

脳神経外科の専門医で、眞田クリニック(東京・大田区)の眞田祥一院長が言う。

「時間感覚のズレが脳と関係があるのは間違いないでしょうが、この程度で認知症の前兆とは言えません。
唯一、病的なことで可能性があるとするなら松果体の腫瘍です。
非常にまれですが、できものができることがあります」

“長〜い一日”や“短い週末”にはちゃんとした理由があったのだ。
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2015年04月13日

薬には副作用があると考えた方がよい 「市販薬飲んで死亡」5年間で15件

薬には副作用があると考えた方がよい
 「市販薬飲んで死亡」5年間で15件
2015/4/12 14:30  J-CASTニュース

薬局やドラッグストアで販売されている薬による副作用が、5年間で1225例に上った。
死亡例や後遺症が残った症例も報告されている。

定められた用法や用量どおりに服用したにもかかわらず、深刻な症状が現れたケースがある。
市販薬が副作用を起こす恐れがある事実自体、広く知られていないようだ。

市販薬の「使用上の注意」には重篤な症状も想定

消費者庁は2015年4月8日、2009〜13年度の5年間で市販薬による副作用の報告数は合計1225例と発表した。
これは独立行政法人・医薬品医療機器総合機構に報告された内容に基づいた数字だ。
うち死亡例、後遺症が残った症例がそれぞれ15例あった。

症例数が最も多かったのは総合感冒薬、つまり風邪薬で400例に達した。
解熱鎮痛消炎剤が279例、漢方製剤が134例と続く。

風邪薬による死亡例は、全体の15例中8例となった。
市販薬には、使用上の注意を書いた説明書が付いている。

実際に複数の風邪薬の説明書を見ると、「副作用の可能性」について触れていた。

服用後に皮膚の発疹やかゆみ、吐き気、めまい、顔のほてりといった症状が現れた場合は医師や薬剤師、薬の登録販売者に相談するよう促している。

さらに重篤な症状も想定されている
肝機能障害やぜんそく、間質性肺炎と並んでアナフィラキシーやスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死融解症などだ。

これらの中には、悪化すると死に至るものもある。

このうちSJSは、高熱や全身の倦怠感などの症状を伴って、口や目をはじめ全身に紅斑や水疱が多数現れる疾患。
2012年11月19日放送の「クローズアップ現代」(NHK)では、解熱鎮痛剤を飲んだ後にSJSを発症したケースを紹介した。

風邪気味だと感じた女性が、用法・用量を守って薬を服用した。
だが3時間後には唇が腫れ、翌朝になると目が痛がゆくなり、さらに顔に発疹が現れて高熱が出たという。

再度同じ薬を飲み、眼科や内科で診察を受けたが快方に向かわず、4日目には口の中が水疱だらけになり息苦しさを感じたそうだ。
夜間急病センターに駆け込んだところ、SJSとの診断結果が出た。
一時呼吸困難になるなど危険な状態に陥ったものの、一命は取り留めた。
ただ、左目の視力をほとんど失うなど深刻な後遺症に見舞われてしまった。

同じ薬でも人によって合う、合わないがある

消費者庁は、「一般用医薬品の副作用症状についてはまだ多くの人に知られておらず、副作用の発見が遅くなるおそれがあります」としている。

「使用上の注意」に書かれていても、あまり気にかけないまま薬を服用している人もいるだろう。
「クローズアップ現代」で取り上げられた女性の場合、以前飲んだことのある薬で副作用が現れた。
健康体でも、過去に問題なかった薬でも、副作用のリスクがゼロとは言えないようだ。

医療専門紙の記者はJ-CASTニュースの取材に、「薬には副作用があると考えておいた方がよいでしょう」と話す。

2014年11月の薬事法改正に伴い施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」では、国民の役割として「国民は、医薬品等を適正に使用するとともに、これらの有効性及び安全性に関する知識と理解を深めるよう努めなければならない」(第1条の6)と新たに定められた。

薬を使う側が、説明書を読むなど自発的に安全かどうかを確認する努力をしなさい、というわけだ。
医療専門紙の記者はひとつの方策として、医療機関での処方薬の情報が記録される「おくすり手帳」の活用を勧めた。

通院時に忘れず携帯して処方薬の履歴を管理しておき、薬局で市販薬を購入する際に薬剤師に見せてどの薬が適しているかを相談するのだ。

「同じ薬でも人によって合う、合わないがあります。過去の服用記録を薬剤師が見れば、薬の安全性に関してある程度の手がかりがつかめるのではないでしょうか」。

いつ、どこで副作用のリスクに襲われるかは分からない。

自己防衛のために意識を高めておくことが第一歩となる。
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2015年04月14日

患者に2.5倍の薬代払わせる「医薬分業」のトンチンカン規制

患者に2.5倍の薬代払わせる
「医薬分業」のトンチンカン規制
2015.04.13 07:00 NEWSポストセブン

 大手ドラッグストアチェーン傘下の調剤薬局「くすりの福太郎」が「薬のカルテ」と呼ばれる薬剤服用歴(薬歴)を記録管理せずに、患者に薬を出していたニュースを覚えているだろうか(2月10日に発覚)。

 調剤薬局が患者に薬を出すときは薬歴を残すことが薬事法で義務付けられている。
病歴や薬のアレルギー、症状などを管理して安全に薬を提供するためだ。

 薬歴管理で薬局は1件当たり410円の調剤報酬を受け取っている。
未記録は少なくとも17万件余に上ったというから、7000万円強を不正に得ていた形である。  

このニュースの裏側には、実はもっとひどい話が隠れている。
いまの医薬分業の下で、患者は不当に高すぎる薬代を払わされているのだ。

 病気や怪我で街の診療所や病院に行く。
すると患者は薬の処方箋を受け取るだろう。
患者はそれを手に院外の薬局で薬をもらう。

昔は院内薬局で薬をもらう場合が多かったが、いまは医者が院外処方箋を出すのが普通になった。

 どうしてそうなったかといえば「薬漬け批判」が高まったからだ。
医者が薬局も経営していると、薬を出せば出すほど儲かるから、患者が薬漬けになりやすい。

そこで政府は薬局を切り離すように金銭で誘導する政策を採用した。

 医者に支払う処方箋料を1974年に1件100円から500円へ5倍に引き上げたのだ。
これで爆発的に院外薬局が増えた。
同時に、患者や健康保険から薬局に支払われる調剤報酬も手厚くした。

 その結果、患者が負担する薬代はどうなったか。
診療所や病院で薬をもらう院内処方に比べて、外の薬局で調剤してもらう院外処方は実に2.5倍以上も高くなってしまったのだ。

具体的に示そう。
 内服薬7日分で院内処方なら薬剤情報提供料とお薬手帳の記載加算、調剤料、処方料、調剤技術基本料で計720円だ。

ところが院外処方だと処方箋料、調剤料、調剤基本料、薬剤服用歴管理指導料で計1850円になる(規制改革推進室調べ)。

 このうち「薬剤服用歴管理指導料」を管理も指導もしていなかったのに受け取っていたのが冒頭のケースだ。

 薬剤師業界は院外の薬代が高くなる理由について「薬局は複数の医師が処方する薬の飲み合わせや副作用を専門家の立場で独自に考えるから」などと説明してきた。

こういう事件を目の当たりにすると、そんな説明はまったく信用できなくなる。

 患者にしてみれば薬漬けも困るが、だからといって院内と院外で2.5倍も薬代が違うのは納得できるか。
私は納得できない。
医者と薬局の都合で患者に不当な負担が押し付けられていると思う。

 おかしな話はもう1つある。「薬局は病院と〈構造的に〉切り離されていなければならない」という政府の規制だ。
同じ建物、敷地内にあってはいけないが、公道を1本はさんでいればOKという。

 もとはといえば、病院と薬局の経営分離が狙いだったのに、いつの間にか構造分離になってしまった。
おかげで患者は病院と薬局に行く二度手間を強いられている。

熱を出していたり車椅子状態だったら公道を横断するのは不便どころか、危険ではないか。
雨だったら大変だ。
 たとえば、院内にコンビニエンスストアや花屋がある病院はいくらでもある。
だからといって、コンビニや花屋を経営している病院は聞いたことがない。

患者に負担をしわ寄せするトンチンカンな規制はさっさと見直すべきだ。

■文・長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ)
:東京新聞・中日新聞論説副主幹。
1953年生まれ。
ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。
規制改革会議委員。
近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)

※週刊ポスト2015年4月24日号
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2015年04月15日

親の監督責任 限界は示したものの

親の監督責任 限界は示したものの
2015年4月14日 東京新聞「社説」

 小学生が蹴ったサッカーボールが道に飛び出し、バイクの転倒事故が起きた。

最高裁は親の賠償責任を免ずる初判断をした。
親に責任を負わせるばかりだった司法の流れに一石を投じたといえる。

 十一歳の小学生は放課後に友達とフリーキックの練習をしていた。
サッカーゴールを目がけて蹴ったボールは、目標をはずれ、高さ一・三メートルの門扉の上を越えて、道路までころがってしまった。

 バイクで通り掛かった八十代の男性は、ボールを避けようとして転倒し、骨折した。
そのまま入院し、約一年四カ月後に死亡した。

 ここで民法の規定が登場する。
責任能力のない子どもらが他人に危害を加えた場合、本人に代わって、親など「監督義務者」が賠償責任を負うと定めているのだ。

大阪地裁も大阪高裁も、小学生に過失があったことを認め、事故と死亡との因果関係もあるとして、両親に賠償を命じた。
一千万円を超える金額だった。

 だが、最高裁は違った。「通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能であるなど特別な事情が認められない限り、子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきではない」と述べた。

 日常的な行為で偶然、人を傷つけた場合、親に賠償責任はないとする判断だ。

従来は親の監督責任をほぼ無条件に認めてきたから、その限界を示した新しい司法判断が出たといえる。
今後は子どもや認知症の高齢者らが起こした事故の訴訟にも影響を与えよう。

 だが、この考え方が独り歩きをすれば、被害者が救済されないことになってしまう。
泣き寝入りするしかないのなら疑問が湧く。

最高裁は今回の判決で、親が免責される具体例などを示してはいない。
ケース・バイ・ケースで適切な判断をしてほしい。

 過去には小学生が公園でキャッチボールをしていたときに、近くにいた子どもにボールがあたり死亡。
三千万円で和解したケースがある。

小学生が自転車で散歩中の女性に衝突し、女性が寝たきりになった。
このときは親に九千五百万円の賠償が命ぜられた。

 親の監督責任はどこまでか、悩ましい現実に変わりはない。

ただ、事故を恐れて校庭や公園の使用を制限しては、子どもの成長を妨げかねない。

自由に遊べる工夫は必要であるし、安全対策をもっと充実する努力は可能なはずだ。
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2015年04月23日

科学の目と人間の目

香山リカのココロの万華鏡:
科学の目と人間の目 
毎日新聞 2015年04月21日 首都圏版

 往年の名作「白い巨塔」に始まり、病院や医療の世界を舞台にしたテレビドラマは常に人気だそうで、この春もいくつかスタートした。

もちろん娯楽作品とわかって見ているのだが、ちょっと気になる点がある。

それは、必ず「良くない医者」が出てくるが、その特徴がいつも同じということだ。

患者さんの話を聞かずに短時間診療で終わらせる、診察よりも検査データを重要視する、すぐに薬を出したり手術をしようとしたりする……。

じっくり時間をかけて“手当て”をする「医は仁術」的な医者の対極にあるイメージだ。

 たしかに、患者さんのことより自分の名誉や利益だけを重んじるのは、医療関係者として許せる態度ではない。
しかし、「検査や薬よりとにかく対話」というのはどうかな、とときどき首をひねってしまう。  

私は研修医や若手の時代、何度か検査の不徹底で患者さんのからだの病気を見逃しそうになり、指導医からしかられた。

たとえば甲状腺から出るホルモンの異常でうつ病そっくりの症状が出ることがあるのだが、診察時間のすべてを対話だけにあてて血液検査を忘れたことがあったのだ。

また、心臓に異常がないのに動悸(どうき)が続く患者さんに生活改善の指導などを続けたがうまくいかず、軽い安定剤を処方したらすぐにおさまったことがあった。
そのときに患者さんが口にした言葉が忘れられない。

「最初からこの薬を出してくれたらよかったのに。
時間を損しちゃった」

 もちろん、診察に十分な時間もかけず、データだけですべてを判断したり何でも薬ですませようとしたりする医者が患者さんから信頼されないのは、あたりまえのことだ。

とはいえ「検査データに頼るのは悪い医者」というのも違う。

結局、大切なのは「科学的検査、治療と人間的な医療とのバランス」ということになるのだろう。

 現在の医療制度では外来で患者さんひとりにかけられる時間は、どうしても限られてくる。
私の勤務する診療所では原則として「初診20分、再診10分」。

この時間内にバランス良く、科学の目と人間の目で患者さんを診てもっとも適切な治療の手段を選んでいくのはかなりむずかしい。

 テレビドラマに出てくる「良い医者」は、ひとりに何十分も時間をかけ、とことん患者さんの話に耳を傾ける。
なるほど、患者さんが望んでいるのはこれだな、と思いながら心のどこかで「でも現実的には不可能だな」とため息をついているのである。
            (精神科医)     
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2015年04月27日

酒の安売り規制 消費者の利益を損なわないか

酒の安売り規制 
消費者の利益を損なわないか
2015年04月26日 01時24分 読売新聞「社説」

 酒の安売りを規制するため、自民党は酒税法などの改正案を今国会に提出する方針だ。

 財務相が、酒類販売の「公正な取引基準」を新たに定め、業者が従わない場合には、販売免許を取り消せるようにする。

 量販店などの安売りから、「街の酒屋さん」を保護する狙いという。
だが、免許取り消しを恐れ、経営努力による適正な値引きまでしなくなる懸念は拭えない。

 過剰な規制強化で、消費者の利益が損なわれないだろうか。
慎重に見極める必要がある。

 酒の販売は、1990年代以降の規制緩和で大手スーパーや量販店などの参入が相次ぎ、競争が激化した。
一般の酒店はこの20年でほぼ半減し、全国で約5万5000店になっている。

 追い込まれた中小販売店の組合などが安売り規制の強化を求め、自民党が議員立法で対抗措置を講じることになった。
 新しい取引基準の詳細は決まっていないが、原価を下回る安値販売などを禁じ、これを守らない業者名の公表、罰金、免許取り消しへと、段階的に重い処分を科す内容になりそうだ。

 もちろん、採算を度外視した安値攻勢で大手業者が周辺の酒店を廃業に追い込むといった、不当な販売は看過できない。

 ただ、こうした不当廉売については、独占禁止法に基づいて公正取引委員会が摘発する仕組みがある。
国税庁も2006年に策定した取引指針で、公取委との連携強化などを打ち出している。

 まずは、既存の制度をしっかり機能させることが重要だ。

 量販店などの攻勢を受けているのは酒店だけではない。
なぜ、酒に限って独禁法とは別の廉売規制が必要なのか。
筋の通った説明がなければ、酒以外の小売店や消費者はとても納得できまい。

 酒店は、コンビニやネットスーパーなどとの競争でも劣勢に立たされている。

求められるのは、大型店にない個性的な品ぞろえなどの創意工夫だ。
法律で量販店などの安売りを制限しても、業績改善の効果は限られよう。

 新たな安売り規制は、自民党などが昨年に議員立法で実施したタクシー業界の参入規制強化と同様に、競争制限的な政策だ。

 規制緩和を推進して民間の自由な競争を促し、経済活性化を目指すことが「アベノミクス」の本筋と言える。
自民党は、安易な業者保護政策に走り、成長戦略の路線を踏み外してはならない。
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2015年04月30日

放置された指定医の暴走

佐藤記者の「新・精神医療ルネサンス」
放置された指定医の暴走
2015年4月28日 読売新聞

 川崎市の聖マリアンナ医大病院で、強制入院(措置入院、医療保護入院など)が必要かどうかを判定する精神保健指定医の資格不正取得問題が発覚し、4月15日、厚生労働省が20人(不正取得者11人と指導者9人)の指定を取り消す異例の事態となった。

資格取得には8症例のリポート提出が必要だが、不正取得者は他の精神科医の症例を使い回し、自分があたかも担当したかのように装っていたという。

 尾崎承一院長はこの日の記者会見で「手続き上のミスではなく、医師の倫理や法律順守の問題。
医師教育に落ち度があり、おわびしたい」と語った。

憲法が保障する「人身の自由」を制約し、監禁や拘束を合法的に行える力を特別に与えられた人々が、実はそもそも、倫理感や法律順守の意識を持ち合わせていなかったというのだから、「最近よくあるコピペ問題」では済まされない。

彼らは、指定医の重い職責をどう捉えていたのだろうか。

 精神保健指定医の仕事ぶりを取材する度に、私は人の世のゆがみを思い知らされてきた。

お年寄りの財産を狙い、重い認知症だと医師にウソをついて精神科病院に長期入院させようとたくらむ親族がいる。

家庭内不和の解決手段として、健康な家族を「精神病」と決めつけ、精神科医に入院の相談をする人々がいる。

「患者」扱いされた人よりも、入院を依頼しに来た家族の方が、実は心を病んでいたという例もある。

 このような悪巧みや不当な訴えを見抜き、不必要な入院や拘束を防ぐことも精神保健指定医の重要な役割だ。
指定医は患者の人権を守る最後の砦とりでなのだ。

実際、的確な診断や状況判断で人権侵害を未然に防いだ経験のある指定医は少なくない。

だが、残念なことに指定医の実力もピンキリで、家族のウソを真に受けて、本人を診ていないのに強制入院が必要だと決めつけ、鍵付きの保護室を空けて待つ指定医もいる。

屈強な搬送業者に拉致されて本人がやってくると、この種の指定医は、診察室での本人の反応を全て精神疾患に結びつける。

 例えば、あなたが診察室で「なんでこんなことをするんだ」「私は病気じゃない」「もう帰る」「訴えてやる」と怒ったとしよう。

すると「不穏」「興奮」「病識(自分が病気であるという認識)がない」などとカルテに書き込まれ、病気の証しにされてしまう。

では、変な解釈をされないように黙っていればいいのかと言えば、それも危うい。

「緘黙かんもく」という症状にされ、統合失調症に結びつけられた人もいる。

 突然拉致され、精神科に連れて来られたら怒るのはあたり前で、病気ではないのだから病識などあるはずがない。

しかし、人権意識や倫理観、想像力が欠如し、いつも患者を見下して、自分の思い込み診断を押しつけるばかりの危ない指定医には、道理は通じない。

 更に問題なのは、このような不当な移送や強制入院が、近年も度々発生していたにもかかわらず、国や自治体は十分な調査や対策に乗り出さなかったことだ。

被害者が繰り返し文書を送るなどして対策を求めても、役人たちは何もしなかった。
不当な強制入院例や行政の逃げ腰対応は、拙著「精神医療ダークサイド」(講談社現代新書)に詳しいのでお読みいただきたい。

「リポート目的の強制入院」の指摘も

 精神保健指定医は、学会が認定する専門医ではなく、その大きな権限ゆえに、厚生労働相が精神保健福祉法に基づき指定する。

医師として5年以上、精神科医として3年以上の臨床経験を持つ医師が、8症例のリポート提出と研修を受け、審査に合格すると指定される。

2013年末時点の指定医は1万4630人。
この資格を得ると、外来診療でも診療報酬が増えるなど、診療報酬上の優遇措置が拡大してきたため、入院施設のないクリニックの開業を考えている若手精神科医も、取得を目指す資格になっている。

そうしたこともあり、指定医の本分である「人権擁護」のためではなく、金や見栄のための取得が増えているようだ。

 この資格は、社会に衝撃を与えた栃木県の「宇都宮病院事件」(1984年)をきっかけに、1988年に誕生した。

看護職員の度重なる暴行で患者が死亡するなどしたこの陰惨な事件は、国連でも取り上げられて国際問題となった。

慌てた国が打ち出した人権擁護策の一つが、措置入院(都道府県知事による強制入院)のみならず、医療保護入院(家族などの同意で行う強制入院)などにも関与する精神保健指定医の創設だった。

それまであった精神衛生鑑定医(措置入院を判定)の資格は、一定の臨床経験を持つ精神科医であれば申請で取得できたが、精神保健指定医は、統合失調症や認知症、依存症など多岐にわたる8症例のケースリポートを求められるなど、厳しい取得要件を課せられることになった。

 だが、制度の変更前に精神衛生鑑定医になっていた精神科医は、移行措置という特例でそのまま精神保健指定医になることができた。

新制度の施行直前、移行措置を狙って駆け込みで精神衛生鑑定医になる医師も多かった。

2003年に発行された雑誌「精神医療」(批評社)の特集記事「指定医制度の行方」(浜垣誠司氏)は、こう指摘している。

「この現象は当時いささかの揶揄をこめて『駆け込み鑑定医』と呼ばれ、実に6000名を超える人々が、この時期にこうして指定医となった」。

 精神保健指定医制度は、誕生して間もない時から形骸化が指摘されていた。

指定医を取得していない若手精神科医を対象とした1990年の調査(非指定医・研修医交流会のアンケート調査)で、興味深い結果が報告されている。

患者の入院などで、指定医の判断が必要な状況になった場合、「必ず指定医を呼ぶ」という回答は16%に過ぎず、54%は「追認」と答えたのだ。

判定資格のない医師がとりあえず強制入院を決め、指定医が後でつじつまを合わせるご都合主義的な対応が、極めて不適切な入院につながったケースは最近も表面化している。

 前述の特集記事は、こうも指摘している。
「ケースレポート症例として利用するために、本来ならば任意入院でもよい患者を、医療保護入院あるいは措置入院にしてしまう場合があるという衝撃的な報告もあり、昭和40年代に入院費の公費化のために増加した措置入院が『経済措置』と呼ばれたことにならって、一部では『研修措置』という言葉まで生まれたという」。

8症例のケースリポートの中には、子どもの強制入院症例も必ず加える必要がある。

腹黒い強制入院の被害が子どもにまで及んでいないことを願いたい。

 今回の聖マリアンナ医大の問題を受け、複数の専門家が、資格審査の形骸化を指摘した。
だが、問題はそればかりではない。

強制入院制度と人権擁護の仕組み自体も形骸化しているのだ。

資格審査の再検証と体制の見直しは当然として、日々行われている強制入院の審査、検証体制も、実効性のある仕組みに変える必要がある。
腰の引けた行政の対応には、もっと厳しい目を向けることも欠かせない。

◆ 佐藤光展(さとう・みつのぶ)
    読売新聞東京本社医療部記者。
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2015年05月01日

憂楽帳:重みの伝え方

憂楽帳:重みの伝え方
毎日新聞 2015年04月30日 大阪夕刊

 70歳を過ぎた母親が、膨らんだ小銭入れを手にしながらぼやいた。
「あれ以降、すごい増えたんよ」。

家計への影響も含め、昨年4月の消費増税を恨めしそうに振り返る。

 彼女は徹底した「現金派」。
利用額に応じたポイントなどの特典をはじめ、クレジットカードの利便性を説いても「どうも苦手で」と笑う。

戦中生まれ。
お金のやりとりは、手と手を介してこそ安心なのはもっともかもしれない。

 翻って我が身。カードと電子マネーを数種類ずつ使い分け、現金を持ち歩く機会は減るばかり。
世の風潮も同様らしく、5%から8%への税率引き上げに備え、昨年4年ぶりに製造が再開された1円玉の流通量は増えなかった。

 保育園児の我が子も、スーパーではレジで「ピッ」と電子マネーをかざすことが楽しみの一つ。

だが自分の記憶をひもとけば、駄菓子屋で小遣いを握りしめ、品定めする中で金銭感覚を身につけた気がする。

「1円を笑う者は1円に泣く」。
かつては日常で実感できた格言の重みをいかに伝えるか。
便利さの裏には、やはり悩みもある。 
    
    【野村和史】    
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2015年05月05日

こどもの日 地域のおせっかいが大切だ

こどもの日 地域のおせっかいが大切だ
2015年05月05日 01時13分 読売新聞「社説」

 「世界には 君の輝く場所がある」。
「こどもの日」から始まる児童福祉週間の今年の標語は、千葉県に住む10歳の男の子が作った。
 すべての子供が、希望を胸に、未来を切り開いていく。
それを大人が支え、見守りたい。

 今年の「こども未来賞」(読売新聞社など主催)に選ばれたエッセーのタイトルは、「子育ては公共事業よ!」である。

 近所の人が子供たちを褒めたり叱ったりしなくなった――。
最近の風潮に疑問を感じた京都府の主婦、笹谷豊子さん(68)が、子育て中だった約30年前の経験を交えて書き上げた。

 3歳の長男と公園デビューをした。同じ年頃の男の子におもちゃを取られ、けんかになりかけた。
見知らぬ子を注意することもできず、ハラハラ、ドキドキ……。

 すると
相手の男の子をきつく叱った母親が、こう言った。
うちの子が悪いことをしたら叱ってやってほしいねん。子育ては公共事業や。頼むわなァ

 それから長男は、公園で近所の大人に叱られ、教えられ、褒められ、「ありがとう、ごめんね」を言えるようになった。
生きる力を育んでいったとつづる。

 子供に善悪の判断や社会のルールを身につけさせる責任は、地域の大人全体にある。
そんなメッセージが伝わってくる。

 地域ぐるみで子供に目配りする必要性は一段と高まっている。

 所得が標準の半分未満の貧困世帯で暮らす子供の割合は、2012年に過去最悪の16%台に達した。
低所得の家庭の子供は高校や大学への進学率が低い。
食生活が乱れがちとの調査もある。

 かつてのような地域の「おせっかい」を再生しようと、困難を抱える子供の学習や食事を支援するボランティア団体などが、各地で増えているのは心強い。

 東京都豊島区で学習支援を行うNPO法人は、月2回、民家で子供たちに夕食を300円で提供している。
大阪府吹田市などでも、同様の取り組みが広がる。

 4月にスタートした生活困窮者の自立支援制度では、自治体の事業メニューとして、子供の学習支援を行う民間団体などへの補助が盛り込まれた。
積極的に実施してもらいたい。

 官民一体で子供の貧困問題の解決を目指す「子供の未来応援国民運動」も始まった。
企業などの寄付で基金を創設し、学習やスポーツ活動を支援する。
政府も、しっかり後押しすべきだ。
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2015年05月06日

医療や介護 支えきれぬ恐れ

長寿日本の問題点は?
2015年5月5日 読売新聞

医療や介護 支えきれぬ恐れ  

Q 最近のニュースで、世界最高齢の大阪市の女性が117歳で亡くなったと伝えられていたね。
長い歳月を生き抜いてこられたんだなぁ。
僕のおばあちゃんも70歳を過ぎているけど、まだまだ元気。
「勉強しろっ」て叱られっぱなしだけど、長生きしてほしいな。
質問者.jpg
 A 健康で何よりだね。日本は、世界でも有数の長寿の国なんだ。
2013年の平均寿命は、女性が86・61歳、男性が80・21歳となっている。
*クリックで拡大平均寿命.jpg
  
   Q あれっ、男性と女性で寿命は違うの?

 A 世界的にみても女性の方がより長生きといえる。
理由は諸説あるけど、女性ホルモンなどの関係や、たばこやアルコールの摂取といった生活習慣の違いから、女性の方が、病気にかかりにくいといわれている。
世界の平均寿命.jpg

 Q へえ。でも、おばあちゃんが子どもの頃は、70歳を超える人は少なかったって聞いたけど。

 A 終戦後の1947年の平均寿命は、女性が54歳、男性が50歳だったからね。
死因も今とは違って、1位が結核、2位が肺炎や気管支炎、3位が胃腸炎だった。
その後、栄養状態が改善したり、医療技術や薬も新しいものがどんどん出てきて、状況は変わった。
今は、がんや心疾患(心不全など)、肺炎、脳血管疾患(脳梗塞など)が死因の上位だ。医療技術などが進歩し続ければ、寿命はさらに延びていくと予想されている。

 Q 僕も100歳まで生きられるのかな。

 A 健康に気をつければ、夢ではないかもね。
でも、みんなが長生きだと、どういう社会になると思う?

 Q お年寄りばかりになりそう。

 A そうだね。驚くような数字だけど、2025年はおよそ5人に1人、60年は4人に1人が75歳以上になるという試算があるんだ。

 Q 60年というと、僕は60歳ぐらいだ。

 A 私はちょうど75歳。ちなみに、60歳という年齢は、今でも現役といえるよ。
健康に問題なく日常生活を送れる「健康寿命」(10年時点)は、男性が約70歳、女性が約74歳、と言われているからね。
でも、75歳以上になると、どうしても、病気になったり、足腰が悪くなったりして、医療や介護が必要になってくる。

 Q じゃあ、病院にかかったり、介護施設に入ったりするお年寄りがもっと増えるってことか。

 A そうすると、何が問題になってくるだろう。

 Q お金かな。施設も足りなくなりそう。

 A そうだね。25年度の医療にかかる費用は、15年度の約1・4倍、介護は約1・9倍まで増える予想だ。
しかも、こうした費用を負担しているのは、本人だけじゃない。
保険料というかたちで働く世代も出しているし、国や地方自治体の税金も使われている。

 Q でも、若い人は減っているんだよね。

 A その通り。少子化が続いて働く世代は減っている。
医療や介護の施設で働く人も足りなくなる。
長寿化はおめでたいことなんだけど、このままでは、お年寄りが受ける医療や介護サービスを支えきれなくなる恐れもあるんだ。

 Q 何だか不安になってきた。僕が年を取ったとき、日本は一体どうなっているんだろう。  

   A 日本は今、他のどの国も経験したことのないスピードでお年寄りが増えている。
高齢化の先進国なんだ。お年寄りが健康に長生きできるよう、地域や職場で長く活躍できる場を増やしたり、亡くなるまで自宅で安心して暮らせる仕組みづくりを進めたりしないとね。
老いは誰にでも訪れる。
ひとごとじゃない。長寿を楽しめる社会にしたいね。
(手嶋由梨)
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2015年05月08日

林真理子と江原啓之の冷たさにゾッとする

林真理子と江原啓之の
               冷たさにゾッとする
2015.05.07 messy 清水美紀

 「女性セブン」(小学館)5.14・21合併号に掲載された、江原啓之(50)と林真理子(61)の【GWスペシャル対談】はすさまじくくだらなかった。

切り口は、今年2月に起きた神奈川県川崎市の中1男子殺害事件。
上村遼太くんという中学1年生の男児が殺害されたこの事件が、「私たちにあまりにも多くの悔恨と教訓を残した」とリード文は綴る。

被害児童は不登校で、深夜まで不良グループと出歩いており、顔にも体にもいくつものアザをつくって「暴力を受けている痕跡」が見られたのに、「親や周囲のオトナは事件を防げなかった」として、本対談は【母親の覚悟】を問う内容とされている。

この期に及んでまだ【母親の覚悟】に責任を取らせようとする林真理子と江原啓之の無神経に、卒倒しそうになった。

何も考えてないのは江原のほうでは?

 被害児童の母親は、夫の家庭内暴力が原因で離婚している。
5人の子供は彼女が手元で養育していた。
高校生の長男、中学生の次男(被害児童)、小学生の長女と次女、そして保育園児の三男。

母親は、昼は病院で看護職に就き、夜もスナックで働いて生活費を稼いでいた。
しかし林真理子は 「シングルマザーでも、貧しくても、きちんと子育てしている人はいっぱいいる」
「子供を貧困の渦の中に巻き込んでは駄目」
 と、手厳しい。

貧困の渦に子供が巻き込まれるかどうかを、親の努力次第と切って捨てている。

要するに林は天上界から下界を見下ろして「あなたが私のようになれないのは、あなたの努力が足りないからよ」とニヤついているだけなのだ。

江原「元はといえば、覚悟を持って離婚したのかな、ということも、私は思いました」

林「5人もの子供を産んで、なぜ離婚するんですか、と多くの人が思ったのではないでしょうか(中略)離婚するなら、相当の覚悟と同時に、経済的な保証、祖父母の協力も得られるのかどうか、事前の準備もいるはずなんです」

 なるほど、彼らの理屈では、「覚悟も経済的基盤もなしに離婚届に判を押した母親は考えなしだ」ということになる。

父親が逃げてしまったり、暴力をふるって家庭を崩壊させたり、離婚後に養育費を支払わなかったりといった無責任には一切言及されないのが不思議だ。

我慢せずに離婚を切り出した母親、あるいは離婚を切り出されて粘らず承諾した母親が悪い、ということにされている。

 ただ補足もされていて、「経済的に余裕がないならば、児童施設に預けるなどの手立てを考えるべき」
「生活が安定するまで、祖父母に子供を預ければよい」などの提案がある。

せっかく対談でそこまで話が広がったのだから、この議論をもっと深めることもできたはずだ。

「母親たるもの、子を産んだら自らの力で一人前に育て上げることが務めだ」という思い込みを瓦解させ、子育てを家庭内の問題として処理させずに社会で子供の成長を支援する取り組みこそ急務だ……といった方向性へ舵を切っても良かったのだ。

 しかし2人は、「今のお母さんたちは自分に甘すぎる」と批判する方向に展開してしまう。

「いくつになっても女でいたい」と望む母親たちを想定して、これでもかとばかりに責めまくる。

江原「家事育児は放棄、それでいて自分は欲望のままに生きたいなんて、自分に甘すぎますよ」

林「せめて子供が義務教育を終えるまでは我慢して自分のことは後回しにしなくちゃ」

江原「何も考えずに結婚をして、何も考えずに離婚をして、何も考えずに子育てする人がどれほど多いか」

ネットを怖がるジジババたち

 さらに貧困から抜け出せない人々についても、彼らは現状を正確に認識しようとしないまま話をすすめていく。

林いわく「手に職を持って一生懸命働くとか、努力した人、能力が高い人はそれなりの待遇を得ているんですよ」。
裏返せば、貧困層の人々は「一生懸命働いていない、努力していない、能力が低い」。
確かに林真理子は必死に努力して今の地位まで駆け上がったが、彼女の主張は「ですから皆さんもそうなさい」の一点張りでまことに救いがない。

 さらにトンチンカンなのは、
江原が「母子家庭で子供が3人いて貧しくて」と嘆いて相談に来る女性に対して、「子育てなんかあっという間だから今は貧しくても我慢しなさい。

子供たちが働けるようになったら、1人が20万円の働きだったとしても、4人合わせたら80万円ですよ」とアドバイスするという話だ。

それでは子供たちは新しい家庭を持てないし裕福になれないし自立できないと思うのだが……。

老いた親の生活を支えるのが親孝行?
 子供は年金代わりの投資か?

 「孝行してもらうためにお子さんを立派に育て上げなさい」と説く老人たちの薄気味悪さをあらためて確認した。

 そのうえ江原は自らの子供時代を振り返って、貧乏だったり夫婦喧嘩が絶えなかったり夜逃げしたりという荒んだ家や地域はあったが「誰もがどこかで他人の痛みがわかっていたから、今の時代みたいな陰惨ないじめはなかった」とさも美談のように語る。

そんな嘘くさい話を聞かされてこちらは絶句するしかない。
なぜ陰惨ないじめがなかったと言い切れるのか、どうして「昔の人は他人の痛みがわかっていた」と言えるのか、読者はちっとも納得できないのに彼らは「そうよね〜」と微笑し合ってオワリにしてしまう。

想像力が欠如しているのはアンタら自身だろうと言いたい。

江原や林の言葉はいちいち、「あなたのことを思って」という姿勢を見せ付けるわりに、実に非情だ。

ゾッとするほど冷たいと言ってもいいだろう。
そりゃあ、親類縁者でもなく利害関係もない他人がどうなろうと知ったことではないだろうが、ここまで「THE・他人事」感満載でおしゃべりしているだけのジジババ対談を重宝する理由がどこにあるだろうか。

 最終的に対談は、彼らにとって一番「自分事」に近いテーマ、「コンピューターって恐ろしい」
「インターネットって刺激が強すぎるわよね」というところに落とし込まれる。

林は、15歳以下の青少年のPC、スマホ使用について夜9時以降は禁止すべきと具体的に提案し、「国をあげてやったらできないわけはないでしょう」とまで言う。
自らへの批判が書き連ねられ、伝播していくツールは、彼らにとっては脅威なのだろう。

よその子供にネット接続を禁じるのではなく、自分たちこそがネット断食でもしてみてはどうか。

 林真理子も江原啓之も、自分に火の粉が飛んでくる「コンピューター/インターネット」は国をあげて規制してもらいたいけれど、シングルペアレントの子供たちが貧困から抜け出し十分な教育を受けて稼げる大人になるための施策について国に提言することなどはなく、各家庭の親たちに「努力が足りない、頭が悪い」と文句をつけておしまいだ。

加えて「私たちの頃は、こんなんじゃなかったわよね〜」
「いやあね〜、最近の子供たちはかわいそうね〜」と世の中を憂う。
そんな世間話はわざわざ誌面で公開するほどのものではない。
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2015年05月11日

生活保護制度、廃止すべきか?

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
生活保護制度、廃止すべきか?
2015年5月8日 読売新聞

 原稿を書いている今日は憲法記念日の5月3日、日曜日です。
通常原稿の締め切りは火曜日ですが、ゴールデンウィーク中で、かつ今日が憲法記念日なので、憲法に対する思いを交えて書き下ろします。

1945年に日本が無条件降伏しました。
その翌年の46年11月3日に日本国憲法が公布され、6か月後の47年5月3日に施行されました。

日本国憲法の中で僕が大好きな条文は99条です。
そこには、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」とあります。
この文言の中に、国民が入っていないことが、僕がこの条文を愛する理由です。

つまり、憲法を守る義務は国民にはありません。それを堂々と憲法が宣言しています。
憲法は国家権力を制限するためにあるのだと僕は信じています

一方で、法律は国民を制限するものです。
いろいろな人が暮らしていく以上、ある程度の制限は当然必要になります。
だから国民は法律を順守する必要があります。
それで秩序が成り立っています。

だからこそ、憲法は法律の上にあるので、最高法規と位置づけられていると思っています。

 憲法の改正には賛成です。
必要があればその時代に即して改めていくことは当然と思っています。

しかし、その議論の根底にアメリカから押しつけられたものだから改憲すべきだという理論には賛成できません。
アメリカから与えられた憲法でも、問題がなければそれでいいのです。

現憲法に問題があれば、憲法96条に従って改憲すればいいと思っています。

少々英語が苦手でもぜひ、日本国憲法の英語の原文を見て、そして読んでみてください。
結構面白いですよ。
HPの検索で「日本国憲法 英語」とでも入力するといつくかのサイトがすぐに見つかります。

96条には「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で…」とあります。
過半数ではないですね。
それも出席議員ではなく総議員です。
つまり、政権与党以外の賛成もないと通常は改正できない仕組みです。
僕はこれでいいと思っています。

医療と法律…
違反しなければ問題ない?

 さて、医療についてです。
日本は民主主義の国ですから、法律に違反しなければ何でもOKなのでしょうか。
実はそんなことはないですね。

医療を規制する法律も、当然憲法に束縛されます。
また、医療者の倫理が当然の如く存在します。
詐欺まがいの高額な自費診療を行っている医師が「法を犯していないから問題ない」と言い放っている光景や、患者に危険性を説明してあるから自分の手術で何人が死亡しても法律的には問題ないという医師の存在は、なんだかちょっと間違っているように思えます。

不正受給?相次いでいるが…

 一方で、病院やクリニックの外来には生活保護の人々もたくさん来院します。
生活保護の人の医療費は無料です。
「みんなのお金」から出しているのです。
そんな生活保護の人々が200万人を超えています。

これだけの人が生活保護を受けていると、その中には不埒な人もいます。
僕の外来にも、生活保護受給者なのに超高級腕時計をしている人、生活保護受給者なのに働いて結構な収入のある人、医療費が無料だからとたくさんの薬を欲しがる人、全く働く気がない人など、不埒な人を数え上げれば切りがありません。

そんな不埒な人の情報も個人情報ですから、僕から氏名が他に漏れることはありません。
そんな人々に無料で医療を提供していると、若い先生だけでなく、経験を積んだ医師でも、「とんでもない。こんな制度は廃止した方がいい」という感情を持ちます。

昔からよく耳にする言葉で、僕自身も時々そう思うこともあります。

そんな光景を全国民に発信して、国民の過半数が賛成しても実は生活保護の制度を廃止することはできません。

憲法25条で生存権は保障されているからです。
憲法を変えないと生活保護の廃止もできません。
ではいっそ憲法を改正しようといった流れにもなります。

安心して生きていくために

 生活保護を受けて不埒なことをする人々は後を絶ちませんが、でもそれは200万人を超える全体からみれば、ほんの一握りです。

多くの生活保護受給者は精いっぱい、人に迷惑を掛けないように生きています。
そしてそう願いたいですね。

過半数の意思決定では、その時々の勢いで変わってしまいます。
憲法はそうあってはいけないと思っています。

憲法改正は通常よりも高いハードルでいいと思っています。
しかし、「みんなのお金」を使っている生活保護がもっと上手うまく機能するように努力する必要は当然にあります。

今は健康で、何ひとつ不自由がない人も、突然に病気や怪我けがで「みんなのお金」が必要になることがあるのです。
相互扶助は安心して生きていくための大切なシステムだと思っています。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

◆ 新見正則(にいみ まさのり)
          帝京大医学部准教授
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2015年05月23日

市販薬の副作用に注意! こんな症状が出たら病院へ

市販薬の副作用に注意!
 こんな症状が出たら病院へ
新刊JPニュース 2015/5/22 19:00

◆風邪をひいたらとき、すぐに薬に頼っていませんか?

 「頭が痛い」「ちょっと風邪っぽいな」というときに病院には行かずに、とりあえずドラッグストアなどにある市販の風邪薬や鎮痛剤を飲んで様子をみるという人は少なくないでしょう。

しかし、もし、市販薬を服用して、新たな症状が出たり、より症状が重篤化した場合は副作用の可能性があります。

 2015年4月8日、消費者庁は過去5年間で市販薬の副作用で死に至ったケースが15件、後遺症がのこったケースが15件あり、それらを含めた副作用が疑われる症例報告が1225件に及んだことを発表。
「副作用の初期症状」を知り、「症状に気付いたらすぐに医師、薬剤師に相談しましょう」と注意を喚起しています。

 『クスリに殺されない47の心得』(近藤誠著/アスコム刊)では、
市販薬も含め、どんな薬でも、飲んだあと下記の症状が出たらすぐに病院に行くべきだと言っています。

・高熱とともに湿疹が出る
・目の充血/目やに(眼分泌物)/まぶたの腫れ/目が開けづらい
・くちびるのただれ ・陰部のただれ/排尿排便時の痛み
・のどの痛み ・皮膚の広い範囲が赤くなる

 これらの症状は急激に悪化する恐れがあり、最悪の場合、命に関わることがあるといいます。

消費者庁が発表したように、市販薬で死亡してしまうケースもあります。
まずは、なんとなく飲んでいる薬に“どんな副作用があるのか”“副作用の初期症状はどういうものなのか”を調べてみることが大切です。

◆薬に頼らずしつこい頭痛を治す方法があるって!?

 また、前述した本書では、薬の9割に病気を完全に治す力はなく、症状をしばらくうやむやにするだけだと述べられています。

 たとえば、頭が痛いからといって、そのたびに頭痛薬に頼ることを繰り返していると、脳は痛みに敏感になり、より頻繁に強く痛むようになってしまうそうです。

 では、それを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか? 
本書ではこの3つを続けることを勧めています。

(1)早起きする
(2)深呼吸を心がける
(3)運動する  
  つまり、生活習慣を正すことが頭痛の改善につながるといいます。

ただ、かつて経験したことのない激しい痛みやひどい吐き気、めまい、意識障害などの症状が出ている場合は深刻な病気からくる頭痛の恐れもあるので、すぐに病院に行きましょう。

 気軽に買えることから、ついつい頼ってしまう市販薬。
しかし、なるべく薬に頼りたくないというのが本音であるはず。
もし、薬がやめるのが不安な場合は、本書の「上手な薬の減らし方」を参考にしてみてもいいでしょう。
                       (新刊JP編集部)
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2015年05月24日

ブラックバイト 大学生を使いつぶすな

ブラックバイト 大学生を使いつぶすな
2015年5月23日 東京新聞「社説」

 アルバイトなのに長時間労働を強いられ、学業に支障が出る。
ノルマを達成できないと、自腹で商品を買わされる。
大学生らを使いつぶす「ブラックバイト」の被害を食い止めたい。

 東京都内の男子大学生Aさんは大手アパレル店でアルバイトを始めた。
契約書には勤務時間、週十八時間(三日)とされていたが、二カ月目には週七十時間にも及ぶ勤務予定が組まれていた。
Aさんが「シフトを変えてほしい」と社員に頼むと、「代わりのバイトを探さなければ休めない」と言われた。
Aさんは授業やゼミを欠席せざるをえず、その学期、多くの単位を落とした。

 労働組合「ブラックバイトユニオン」には、こうした被害の相談が数多く寄せられている。  

ほかにも、家庭教師派遣会社が「辞める」と言った学生に五十万円の損害賠償を求めた。
コンビニなどの店舗販売でノルマを達成できなかった分、自腹で商品を購入させられた、などの事例もある。違法行為も多いという。

 弁護士やNPOからなるブラック企業対策プロジェクトは、全国の大学生約三千六百人を対象とする調査結果を公表。

不当な扱いを経験した学生は七割弱いたが、うち半数超は泣き寝入りした。

アルバイトのために試験や課題の準備時間がとれなかったことがある学生は約四割だった。

労働法規への学生の知識不足に企業側がつけ込んでいる面もあるとみられる。

 調査に関わった大内裕和中京大教授は背景に「学生の貧困化と、労働市場で非正規雇用が『補助労働』から『基幹労働』に切り替わったことがある」という。

 国立大学の標準授業料は年五十三万円余と、四十数年で四十倍以上になっている。
一方、世帯所得の中央値は二〇一二年で四百三十二万円と、十四年間で百万円強下がっている。

奨学金を利用する学生(昼間)は一九九〇年代は20%台だが、今は五割を超えた。
ほとんどが貸与型だ。

多くの学生たちは学費や生活費を賄うため働かざるを得ない状況だ。

 自衛策としては、働き始める前に労働条件を書面で確認する。
働いていて「おかしい」と思ったら、労働組合などに相談しよう。

前出のブラックバイトユニオンのほか、首都圏学生ユニオン、「ブラックバイト対策弁護団あいち」などがある。
また、各大学は夏休み前にガイダンスを開き、注意喚起をしてほしい。
ブラックバイトの被害から、若者たちを救おう。
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2015年05月28日

“支援の出前”よろしく

香山リカのココロの万華鏡:
“支援の出前”よろしく
毎日新聞 2015年05月26日 首都圏版

 大惨事になった川崎市の簡易宿泊所火災。

現在9人の死亡が確認されているが、ほかにも名簿にはない犠牲者がいる可能性があるのだという。

 かつては日雇いで建設業などに従事する人が利用していた簡易宿泊所だが、現在は生活保護を受給している高齢者や健康の問題を抱えた人が長期滞在するなど、“住まい”として利用する人が増えているという。

ひとりあたりのスペースはきわめて限られていて、トイレや洗面所も共同。
多くの人は家族がいないか、いても関係が途絶えており、孤立した生活を送っている。

 あるとき弁護士の知人が話してくれたことがあった。
宿泊者の中には、多重債務を抱えて取り立てから逃げ回り、全国の簡易宿泊所を転々としている人もいる。
しかしその多くは、弁護士などが間に入って整理すれば、解決策が見つかるような借金などだという。

「ある人はまったく返す必要のない高額の利子を要求され、長年、逃げ続けていました。
弁護士がボランティアで簡易宿泊所を訪れて話したら、10年間の問題が何と15分で解決したんです」

 おそらく長期滞在者の中には、そのように専門家の知恵を借りたら答えが見つかるような問題に苦しみ続ける人もいるだろう。
また、いろいろな公的な制度を使えばもっと生活が安定したり適切な医療を受けたりできる人もいるに違いない。

ただ、彼らは自分から専門家や制度を利用することができず、まわりにもアドバイスしてくれる人がいないのだ。

 先の弁護士は「だからこそ法律や医療の専門家や福祉の担当者が事務所で待っているのではなくて、こちらから必要とされる場所に出向くことが大切なんですよ」と言っていた。

いわば“専門家の出前”だが、それをアウトリーチ型の支援と呼ぶそうだ。

 もちろん、多くの専門家や行政担当者は自分たちの日常の仕事で忙しく、なかなか「さあ、今日はあの簡易宿泊所に出向いて無料相談会を開いてみようかな」とはならないだろう。

ただ、高齢化や格差の拡大が進むいま、どこにも行き場がなく、簡易宿泊所にたどり着き、孤独や病気に耐えながらひっそり暮らす高齢者はこれからますます増えることが予想される。
その人たちには「専門家や制度に頼ることをためらわないで」と伝え、また担当者には「これからは“支援の出前”もよろしく」とお願いしたい。
そして今回の火災のような悲劇が二度と起こらないことを心から祈りたい。
          (精神科医)
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2015年06月03日

香山リカのココロの万華鏡:「患者さん」に救われた 

香山リカのココロの万華鏡:
「患者さん」に救われた 
毎日新聞 2015年06月02日 首都圏版

 先日、外来診療中に地震があった。東京は震度4、携帯電話の緊急地震速報があちこちでけたたましく鳴り響いた。

 私は思わず、「あ、地震。けっこう大きいですね」と椅子から立ち上がりかけてしまった。  

診察室にいたのは、そのとき診療中だった男性の患者さん。

彼はまったく動じることなく、
「先生、大丈夫ですよ。私は建設現場で長らく仕事をしていたのでわかりますが、これくらいの地震じゃこの建物はびくともしません」と笑顔で話してくれたのだ。

 その言葉に私もほっとして、「そうですか、よかった」と腰を落ち着けることができた。

それからひとしきり、その男性の患者さんは「昔、高い足場の上にいるときに地震が来たことがあって」などと昔ばなしをユーモアを交えて披露してくれた。
おそらくまだ私の顔が青ざめていたので、気をつかってくれたのだろう。

 その男性の気配りのおかげで、その後の診察も滞りなく終えることができた。
看護師さんたちに「お疲れさまでした」と告げて病院を出るとき、私は「今日はあの人に救われたな」としみじみ思った。

 思い返してみると、地震が起きるまではその男性の患者さんが体の不調をあれこれ訴えて、私のほうが
「困りましたね。ちょっと外出のトレーニングなどをしてはどうですか」などとアドバイスする立場だったのだ。

それが、あの揺れの瞬間、立場が逆転して、私のほうがオロオロして、彼が私をやさしくなだめてくれた。
人間としてはその人のほうがよほど落ち着いている、と言ってもよいだろう。

 もちろん、私は職業として医者をやっているだけで、決して人格的にすぐれているわけではないことは言うまでもない。
しかし、いつも「先生」と呼ばれ、助言したり薬を出したりしているといつの間にか自分でもカン違いし、どこかで「私はしっかりした人間だ」などと思い込んでいる可能性もある。

 そして同時に、日ごろは体調不良や気持ちの落ち込みに悩み、“患者さん”と呼ばれる立場にいる人も、当然のことだがもともとのやさしさ、強さなどまで失っているわけではないことにも改めて気づいた。

 いくら病に陥っていても、その人はその人。
持ち前の良さはそのままなのだ。
地震の一件は、私にいろいろなことを考えさせてくれた。
           (精神科医)
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5月病より危ない「6月病」。連休明けで祝日なし、ジメジメした気候が原因で…

5月病より危ない「6月病」。
連休明けで祝日なし、
ジメジメした気候が原因で…
2015.06.02 R-30<取材・文/週刊SPA!編集部>

 長い連休が明け、いざ本格始動、と分かっていても、どうにも気が乗らない。

頭が重く、体の節々も痛む。
周囲にボヤけば、「今さら5月病?」と一笑に付されてしまう。
そんな悩みをお持ちの読者はまず、下記の6項目に目を通して頂きたい。
この中に当てはまるものがあれば、あなたは「6月病」を発症している可能性がある。

<こんな人は6月病になっているかも……>
(1)責任が増えて不安を感じる
(2)なかなか職場に馴染めない
(3)連休明けの疲れが取れない
(4)休みのない日が続いている
(5)仕事にうまく集中できない
(6)イライラすることが多い

◆春先の環境の変化が積み重なりうつ状態に

「昨年の春に昇進し、大きなプロジェクトを任されることになったんです。
やり甲斐がある反面、周りのプレッシャーもあり、大きな溜息を吐くことが増えて……。

6月は休みがなく疲れているはずなのに、毎日1、2時間しか眠れません。
食欲も失せ、無理に食べればお腹を下す。
気づけば体重は5キロ近く減っていました……」というのはIT企業に勤める吉田博志さん(仮名・34歳)。

 彼は部署の異動や役職へのプレッシャーでまんまと6月病になってしまったケースだ。

 なぜこの6月に心身の異変として表れやすいのだろうか?

 精神科医の春日武彦氏は次のように分析する。
6月はGWの休み明けで、季節の変わり目、このダブルパンチで誰もが嫌にはなるのは当然。ニュースで最終日に成田空港に到着した日本人のお父さんが、『スッキリしたんで明日からがんばります!』とか言うけど、絶対辛いと思いますよ(笑)。

マジメな人ほど、『俺はダメな奴だ……』と、余計に自分を責めてしまいがちです。

この昇進した男性も、上司に守られてきたのに、急に風上に立たされたプレッシャーが心身に影響して、まず不眠として6月に表れているのではないでしょうか。

これは新人だけの話ではありません。
ベテランでも寝つきが悪い、熟睡感がない、朝起きられないなどは、精神が落ち着いていない証です

 連休明け、祝日なし、季節の変わり目、ムシムシと湿気が増す季節……。

環境の変化で生じた5月病がより悪化してしまうのがこの季節なのだ。

 6/2発売の週刊SPA!「[6月病]が危ない」では、精神面での不調のみならず、この季節特有のカビや埃による悪影響まで「6月」という季節が持つ「病のタネ」に焦点を当てている。
    <取材・文/週刊SPA!編集部>
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2015年06月22日

慢性疲労症候群 脳の炎症も関係…客観的な診断法に期待

慢性疲労症候群 脳の炎症も関係
…客観的な診断法に期待
2015年6月19日 読売新聞

 頭痛や微熱、筋肉痛など様々な症状とともに、激しい疲労感に襲われるようになり、生活に長く支障をきたす「慢性疲労症候群」。

休めば回復する単なる疲れではなく、脳の炎症も関わる全身性の病気と分かってきた。

客観的な診断法や治療法の開発が期待されている。

 慢性疲労症候群が一つの病気と認識されるきっかけは、1984年に米国で原因不明の激しい疲労や痛み、思考力低下などを訴える患者が集団発生し、本格的な研究が始まったこと。
その後、各国で同様の患者が報告された。

 全身の倦怠けんたい感があり、体を動かす、ものを考える、感情を動かされるなど、普通の人なら負担にならない活動でも疲れは増す。
感染症や免疫力の低下が原因とみられているが、はっきりしない。

 国内の推定患者数は24万〜38万人。月に数日、自宅で休むことが必要な程度から、寝たきり状態まで症状には幅がある。
最近の厚生労働省の実態調査では約3割がほぼ寝たきりだった。

 慢性疲労症候群という病名では、病気の深刻さが伝わらないことから、筋痛性脳脊髄炎という病名が使われることが多い。
だが、筋肉の痛み以外に様々な症状があり、不適切との意見もある。

 米国では今年2月、多くの医師がこの病気に適切に対応できるように、専門家の委員会が9000以上の文献を調べ、新たな病名と診断基準を提案した。

 新病名は「SEID」。
日本語訳は未定だが、直訳すれば「全身性労作不耐疾患」。
体や脳の活動が、極度の疲労を中心とする全身の不調を引き起こすという意味だ。

 SEIDの診断基準は、

〈1〉活動レベルの大幅低下が半年以上続き、休んでも回復しない疲労がある
〈2〉運動や作業後に悪化する極度の倦怠感
〈3〉睡眠障害――の三つの症状があることに加え、

〈1〉認知機能の低下
〈2〉めまいなどで立っているのが困難――の少なくとも一つがあるとした。

 日本でも米国の動きをふまえて来年3月、厚労省研究班が新たな診断基準を発表する。
代表研究者の倉恒弘彦・関西福祉科学大学教授によると、従来の診断は症状の把握に頼っていたが、今回は最新の研究をふまえて客観的な診断指標も取り入れる予定だ。

 理化学研究所などは昨年、この病気の患者の認知機能障害、痛み、抑うつ症状などの程度が、脳の特定部位の炎症と相関していることを明らかにした。
脳の炎症に伴って増える血中たんぱく質も見つかっており、血液検査で疑わしい人を絞って脳の詳しい検査を行えば、客観的な診断ができる可能性がある。

 治療は、漢方薬やビタミンCで体力や免疫力を上げたり、必要に応じて抗うつ薬の治療が行われたりするが、効果は確実でない。
倉恒教授は「脳の炎症を直接抑える薬ができれば、根本的な治療になるかもしれない」と話す。  

最近、患者団体が期待を寄せるのが和温療法。
15分の低温サウナの後、体を30分保温して深部体温を上げ、血流を促す。
慢性心不全に対する先進医療だが慢性疲労症候群にも有効との報告がある。
 慢性疲労症候群患者に和温療法を行っている静風荘病院(埼玉県新座市)の天野恵子医師は、和温療法による患者の脳の変化を調べる共同研究を計画している。
                                  (藤田勝)
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2015年06月25日

香山リカ、『絶歌』から「元少年A」の脳の機能不全を読み解く

香山リカ、『絶歌』から
「元少年A」の脳の機能不全を読み解く
2015.06.24 日刊SPAニュース

 話題の書『絶歌』を読んだ。
出版自体の倫理を問う声もあるが、何らかの精神的な病理を抱え、それが犯行にも関与しているはずの元少年のこの手記を読まないわけにはいかない。

 世間の感想とはかなり違うと思うが、私は一読して「痛々しい」と思った。
当時は精神鑑定で「行為障害」という診断名を与えられたが、元少年は当時もいまも感情のない世界を生きている。
おそらくその原因は、男性の脳の構造や機能の特徴というか、機能不全に由来するものだろう。  

それは本質的には変わっていないし、そのことを本当の意味で異常だとは実感できないままだ。

だから、こんな手記を書いてしまったのだろう。
というより、彼にはこれしか書けなかったのだ。
世間の人が言うような、自己陶酔でも自己顕示でもないと思う。

彼なりに少年院やその後の生活で一生懸命、「感情とは何か」ということを“学習”し、それなりの成果はあげている。
これはその発表なのだが、世間の基準からはいまだかなりずれており、奇妙というより嫌悪感を抱かせるものにしかなっていない。

「これを発表するとこんな反応が返ってくるよ」と誰かが懇切丁寧に説明しなかったのだろうか。
あるいは、せめて誰か専門家が「なぜ男性はこのような書き方をするのか」と精神医学や脳科学見地から解説を加えたほうがよかったのではないか。

 それにしても、世間からの逆風は凄まじい。
遺族への連絡もないまま出版された本書を、販売しない、と決めた大手書店もあり、有識者らもこぞって出版や内容を非難した。

遺族が抗議を申し出るのは当然と思われるが、ネットを中心に「買いません」「見たくもない」という声が渦巻いている。

 また、その内容についても「自己陶酔的な書き方で不愉快でしかない」「謝罪や反省の言葉がほとんど見られない」「文学作品からの引用をちりばめた卑怯な自己正当化」といった酷評がほとんどで、発行部数10万部を超える“ベストセラー”となったことから、多額の印税のゆくえへの疑義を訴える声もある。

 しかし、ちょっと待ってほしい。
 冒頭で触れたように、本書は“読み方”に注意して読む必要がある本だと思う。

一般常識に照らし合わせて読み、「反省の色が足りない」などと評するのは、もちろん自然な感想ではあるが、実はあまり意味がないのではないだろうか。

繰り返しになるが、なぜなら、おそらく元少年A(同手記にならって、ここからはその名前を使うことにしよう)は「感情の存在しない世界」でしか生きられない、というある種の障害を抱えていると思われるからだ。
そして、それは「心の闇」といった心理的な問題ではなく、何らかの脳の機能不全に基づいていると考えられる。

 その状態にあえて名前をつければ、やはり「サイコパス」ということになるだろう。
「サイコパス」はかつて「精神病質」といわれ、その後、差別的なレッテルだということでガイドラインから消えたが、最近、脳科学の発展とともに再び復活の兆しがある診断名だ。

現在は「反社会性パーソナリティ障害」という診断名に吸収された形になっているが、前者は単に「ルールを守れない人、道徳心が欠如した人」を指すとすると、後者は情動障害つまり適切な感情が持てない、他者の感情が理解できないという側面がより強い。

 元少年Aには逮捕の後、精神鑑定が行われ、「行為障害」と「性障害(性的サディズム)」という診断名が与えられた。

「行為障害」はわかりやすく言えば「18歳以下の反社会性パーソナリティ障害」を指す。
パーソナリティ障害という診断名は18歳以上に与えられるものだからだ。

そしてやや複雑な話だが、「行為障害」は現在の精神医学では「素行障害」と呼ばれている(英語の「condut disorder」に対する訳語の変更)。

 素行障害の特徴は、ひとことで言えば「他者の権利の侵害と攻撃性」。

年齢相応の社会的規範や規則を守れず、複数の分野にわたる問題行動が起きて、その結果として他者の重大な権利の侵害を招くような「反復し持続する行動様式」とされる。

つまり、ルール違反も一度か二度では「素行障害」とはならない。

「じゃ、いわゆる不良やウソつき、万引き常習犯か」という話になるはずだが、元少年Aはそのどれにもあてはまらない。
2013年に発表された最新の精神障害ガイドライン(DSM-5)には、この素行障害に「冷淡で非情緒的特性型」というサブタイプが加わった。

これは「感情的体験の欠如、傲慢で他者を操作しがち、自己愛的、衝動的で無責任」を特徴とする素行障害で、まさに元少年Aを思わせるものである。

 さて、この素行障害が大人になったものが反社会性パーソナリティ障害、と先ほど述べたが、この新しいタイプ「冷淡で非情緒的特性型」も大人になるとそうなるのだろうか。

このあたりは専門的な話になって恐縮だが、どうもそうとは言い切れないのだ。

 というか、現在のガイドラインでは反社会性パーソナリティ障害としか診断できない人たちの中に、「ちょっとほかとは違う」というタイプがいる。

つまり、「ただのワルや詐欺師(の大人)」というのではなく、一見、知的で人あたりも良いのだが、実は心の中が冷え冷えとして一切の良心を持ち合わせていないような人たちだ。

これこそ「サイコパス」で、この人たちは従来の「反社会性パーソナリティ障害」から区別すべきだ、というのが最近の議論なのだ。

 話が込み入ってしまったが、私は元少年Aはこの「サイコパス」に相当しており、それが犯行当時には「素行障害(非情緒的特性タイプ)」と診断されたのではないか、と考えている。

「サイコパス」は医学的、臨床心理学的かかわりでその攻撃性や衝動性をコントルールすることはできるはずだが、本質的な意味で「完全に治る」ということはない。

 脳の研究は、その動きをリアルタイムで画像検査することができるような装置ができて、画期的に進んだ。
最新の研究では、自分の感情にも鈍感で他者に共感することができないサイコパスの人たちでは、その脳の奥まったところにある帯状の組織
(傍辺縁系と呼ばれるひとまとまりの馬蹄形の部分。
眼窩前頭前野、前帯状回、後帯状回、島、側頭葉極、扁桃身体という部分からなる)がうまく機能していていないことが明らかになりつつある。

この組織は、情動のキャッチや調整、衝動の抑制、社会的規範の認識などに重要な役割を果たしている。
ある論文には、これが「サイコパスの脳の画像検査では、この傍辺縁系組織が顕著に薄くなっていることがわかっており、弱い筋肉と同じように脳のこの部分が十分に発達していない」とわかりやすく説明されていた。

 しかし、元少年Aの場合、完全なサイコパスかといえばそれも違う気がする。
彼は自分の中に「魔物」が住んでいると当時の作文に記し、今回の手記にも「本当は誰よりも自分で自分の異常性に気付いていたのではないか?」と書いている。

また、サイコパスは自分の感情にも他人の感情にも気づけないはずだが、元少年Aは少なくとも祖母や飼い犬とは情緒的な交流ができていた。
また母親に対しても「自分のやったことを、母親に対してだけは知られたくなかった」と述べている。

さらに、少年院で勧められるがままに古今東西の文学作品を読み漁ったのも、自分には感情や他者への共感に関するセンサーが欠けており、何とかそれを取り戻さなければという気持ちはあったのだろう。
完全なサイコパスであれば、いくら感情に無自覚でも不安になったりあせりを感じたりもないのだ。

 おそらく今回の手記は、彼なりの情緒に関する“学習の成果”なのだろう。
生来の生真面目さもあって彼は一生懸命、本を読み、近くにいた人たちを観察し、「人の痛みを感じるとはこんなこと」と学んで、それを手記に書いたのだ。

しかし、そんな努力をしなくても生まれつき「かわいそう」「かわいい」「わあ、喜んでくれてうれしい」といった情緒を持っている人たちから見ると、不自然さだけが前面に出た世にも奇妙な回想であり説明でしかなかった、というわけだ……。

 そういう意味で私は、今回の本にはやはり専門家の解説をつけるべきだったのではないか、と思う。
彼がなぜこういう手記を書こうと思ったのか。
そして、なぜこのような内容になったのか。
それは彼の脳の問題やそれに由来する情動障害という問題を抜きにしては、理解できないだろう。

 私が彼に脳の機能不全がある、と確信している理由はもうひとつある。

 それは、これも当時の精神鑑定にある「直観像素質」という映像記憶の能力だ。
彼は見たものをそのまま記憶し、正確に再現してみせる能力があると言われており、それもまた今回の手記では「反省していないから詳細に記憶しているのだ」と批判の対象になっている。
しかし、これも脳機能の問題である発達障害の人の中に、この特殊な記憶の能力を持つ人がいる。
元少年Aは発達障害の枠内では考えられないケースだとは思うが、彼の脳機能に何らかの特殊性があったことを示すサインである。
 もちろん、脳に機能不全があるから何をしてもよい、何を書いてもよい、ということではない。
また「サイコパス」という呼び名じたいがレッテル貼り、差別だとして一時、使われなくなった時期もあり、私も今回、その名前を使うのをためらった。

しかし、脳研究の進歩によりサイコパスの実態が科学的にわかるようになってきて、同時に彼らに有効な心理療法の可能性も出てきたのだ。
そのため今回は、あえてその単語を使った。

 ただ残念ながら、現在の医学ではサイコパスの脳の機能不全を、本質的な意味で治療する方法はない。
集中的な心理療法を行っても、社会のルールを逸脱したり犯罪を起こさないよう衝動をコントロールできるようになるだけで、完全に他者の気持ちに配慮したり共感したりできるようにはならないだろう。
そういう意味で加害男性は「治っていない」と言えるかもしれない。

 男性はもともと高い知的能力があり、冒頭でも触れたように、心理療法での“学習”はかなり成功した、と考えられる。
また、彼に残っていた祖母や愛犬との情緒的交流の記憶が、その後の回復に一定の役割を果たしていることも事実だ。

しかし、本書を通して読むと、とくに前半の子ども時代の残虐行為の詳細で客観的な記述のあたりからは、「ああ、本当の意味では同情、憐憫、共感などの感情は持てないままなんだな」と思わざるをえない。

 私が気になるのは、社会で生活しているこの男性は、いま何らかの心理的サポートや医療のケアを受けているのかどうか、ということだ。
もちろん、これだけの事件なのだから何もフォローがないとは思えないが、手記にはその記述が一切ないのがやや気がかりだ。

 また、これは研究者としての関心なのだが、彼は脳の画像検査や機能検査をどれほど受けたのだろう。
もちろんプライバシーの問題もありそれをつまびらかにするのはむずかしいのかもしれないが、手記まで発表して何らかの社会的貢献をしたいと考えているのであれば、ここはいっそのこと、研究者とともに自らの心理テストの所見、脳画像検査の所見なども発表する、という手もあったと思う。

 これはぜひ強調したいのだが、もちろんサイコパスにも生きる権利はあると私は考えており、強力なサポートがあれば彼らが社会の中でほかの人たちと共存したり、少しずつでもいわゆる“人間らしさ”と一般的に言われるものを獲得していったりすることも不可能ではない、と私は自らの臨床経験や先行研究の調査などを通じて確信している。
 そのためにもぜひ、この男性にはサイコパスへの教育プログラム作りに積極的に協力する、くらいのことはしてもらいたいと考える。

 いずれにしても、程度の差こそあれ、「素行障害(非情緒的特性タイプ)」の子どもや少年は確実に一定数、存在しており、より効果的(社会にとっても本人にとっても)なプログラムの開発が早急に望まれる。
犠牲になった方々や遺族のためにも、少年法に守られ、いまは社会で暮らす元少年A自身そして今回の手記が、せめてプログラム作りの一助になることを願いたい。              
         <文/香山リカ>
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2015年06月29日

「今の世の中に夢や希望を持てない人」につけるクスリ

「今の世の中に夢や希望を持てない人」
                               につけるクスリ
2015年06月28日 ライフハック・キャリア

【石原壮一郎の名言に訊け】〜のび太の巻

Q:
これからの日本は、ますます高齢化社会や格差社会が進んでいくのは確実だ。
経済成長も頭打ちだし、凶悪な犯罪だって増える一方だろう。
勤勉さや思いやりといった日本人の良さは、どんどん失われている。
こんなろくでもない世の中に生まれた自分は、本当に運が悪い。
高度経済成長をぬくぬく生きてきた大人の奴らは、何かというと「もっと夢を抱け」「未来に希望を持て」みたいなことを言うけど、どう持てばいいんだ。
終戦直後みたいな混乱した世の中のほうが、可能性がたくさんあったし夢や希望も抱きやすかったに違いない。
ああ、そっちに生まれたかった。
(東京都・26歳・フリーター) 絶望する男

A:
おやおや、絵に描いたようなおバカさんな相談が来ましたね。
絵じゃなくて文字ですけど。
ただ、ここまで極端じゃなくても、「今の世の中」を呪っている人は少なくなさそうです。

喫茶「いしはら」のカウンターでは、大家さんの息子で超しっかりしている小学6年生のしんちゃんが宿題をしているので、こういう大人をどう思うか聞いてみましょう。

 ああ、いるよね、こういう人。
僕は、今の日本に生まれて、すごくラッキーだと思ってるけどね。
そりゃ、悪いところを探せばキリがないけど、安全だし平和だし便利だし食べるものにも困らない。
理想的な世の中だよね。
なのに文句ばっかり言ってる大人って何なの?
 何が欲しいの?
 文句言うのが偉いと思ってんの?

 小学生に言われたくないだろうけど、この人ほど今の世の中に生まれてラッキーだった人はいないんじゃないかなあ。
もし終戦直後に生まれていたら、夢や希望どころか、たぶん生きていられないよね。
生きていられたとしても、きっと夢や希望なんて抱かないし、可能性を求めて努力したりもしないよね。
だって、こんなに誰にでも可能性が与えられている世の中に生まれているのに、ないものねだりばっかりしてるんだもん。

 僕の大好きな『ドラえもん』の中で、のび太がこんなことを言ってるよ。
「今の時代が気にいらないとこぼしてるだけじゃなんにもならない。ぼくらのすんでるこの時代を少しでもよくするためがんばらなくちゃ」

 クラスにもいてさあ。
「○組の担任の先生はハズレだ」とか「ウチの学校は環境に恵まれていない」とか言っているヤツらが。
お母さんがそう言ってるんだと思うけど、そういうヤツってクラスの雰囲気を悪くするばっかりで、自分じゃ何にもしようとしないんだよね。

そういうことを子どもに吹き込むお母さんも含めて、お前らがいることがこそがハズレで、お前らこそが環境を悪くしている原因だよ。
ごめん、ちょっと言い過ぎちゃった。

 この人、本当は世の中じゃなくて自分に幻滅してるんじゃないかな。
慰めになるかどうかわからないけど、のび太はこうも言っているよ。
「一番いけないのは、自分なんかだめだと思い込むことだよ」って。

のび太だってがんばってるんだから、おにいさんもがんばってよ。

【今回の大人メソッド】

夢や希望や理想は「今できること」の先にある
 夢や希望を抱いたり理想を語ったりするのは、まあ簡単です。
しかし、一足飛びにそれをつかむ方法はありません。

とりあえず、今の自分にできるのは「今できること」だけです。
何をやるかは十分に考えるとして、「今できること」を一生懸命にやって、少しずつ自分を成長させたり環境を変えていったりしましょう。
焦りは禁物ですが、諦めも禁物です。
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2015年07月09日

患者に「早く死なせてほしい」と言われて…終末医療の専門医が真情を吐露

患者に「早く死なせてほしい」と言われて…
終末医療の専門医が真情を吐露
2015.07.08 日刊SPAニュース

 93歳の夫が、体の痛みを訴えていた妻に頼まれ殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われた公判が千葉地裁で開かれている。

妻は生前、介護サービスを受けるのを嫌がり「家族に迷惑をかけたくない」と書かれたメモを残したと、6月18日付の朝日新聞が報じている。
判決は7月8日に言い渡されるという。(注、小だぬき:千葉地裁判決→懲役3年・執行猶予5年)

 今や総人口の26%が65歳以上の高齢社会である日本では、自分がこうした場面に直面することは決して珍しくない。

病気で弱り、他人を頼って生きていくことは誰にでも起こりうるのであり、いずれ自身が苦悩することも考えられる。

安楽死が認められていない日本で、この問題にどう向き合えばよいのだろうか。
 先日『患者から早く死なせてほしいと言われたらどうしますか?』(金原出版)を上梓したばかりの医師・新城拓也氏も、今までに患者から「お願いだから死なせてほしい」と切望された経験が何度もあると話し、こう続ける。

「『死にたいほどつらい』というのは、生きる意味が見出せないことや、他人への負担感であることが医学の研究で示されています。

人は元気だった頃と同じように過ごせなくなったとき、生きていることの意味を見失ってしまうのです。
私の経験では、自分でトイレへ行けなくなる状況に直面したとき、老若男女を問わず精神的な苦痛がピークになると感じています。

そして、自分のことが自分でできなくなることが苦痛になるだけではなく、自分でできなくなったことを他人に手伝ってもらうことも、二重となって心のつらさになるのです

 どうして他人にモノを頼み、依存することに苦痛を感じてしまうのだろうか。

「一つの答えとして、幼い頃から『自分のことは自分でする』と教育されているからでしょうね。
できるだけ他人に頼らず、自分のことは自分でする、それが自立であるという信念です。

この信念を持ち続けて生きていくと、自分が弱ったときに自分のことが許せなくなります。

社会でも、医療でも、繰り返し問われ続けるこうした原則が『こんな状態で生きていくのなら、死んだほうがよい。
早く死なせてほしい』と患者を追い詰めてしまうのではないでしょうか」

 誰しも老いて病気になってしまう可能性はある。
それでは、これからの高齢社会のなかで、どういう人がうまく生きていけるのだろうか。

「他人にモノを頼める人は、在宅でもうまくやっていけます。
自立は依存先を増やすことであり、何でも自分一人でやろうとせず、人に頼み事ができること、人に自分を委ねられることこそが、真に自立した生き方であるということです

【新城拓也氏】
1971年生まれ。1996年名古屋市立大学医学部を卒業。脳外科、内科を経て、社会保険神戸中央病院緩和ケア病棟でホスピス医として10年間勤務。
2012年に、がん患者の外来・訪問診療を実践する「しんじょう医院」を開業。
以来、在宅医療の世界に身を投じ、日々奮闘している。日本緩和医療学会理事。近著に『患者から早く死なせてほしいと言われたらどうしますか?』(金原出版)など。
       <取材・文/北村篤裕>
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2015年07月10日

「妻への愛情故の犯行」 嘱託殺人、93歳被告に猶予刑 千葉地裁

「妻への愛情故の犯行」 
嘱託殺人、93歳被告に猶予刑 千葉地裁
ちばとぴ by 千葉日報 7月8日(水)19時40分配信

「苦しむ妻への愛情故の犯行だったことを疑う余地はない」

 自宅で2014年11月、体の痛みを訴えていた妻=当時(83)=に頼まれてネクタイで首を絞め、その後死亡させたとして、嘱託殺人の罪に問われた夫(93)に対して、千葉地裁は8日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)を言い渡した。

閉廷前、佐藤傑裁判官は夫に「どこかで妻が見たときに悲しまないよう、穏やかな日々が送れることを願っています」と言葉をかけた。

 判決を受けたのは茂原市の夫(93)。
判決によると、被告の妻は次第に足腰が弱くなり、14年、転倒したことから強い痛みをしきりに訴えるようになった。
自力歩行が困難なり、痛みで夜も眠れない妻のため、被告は自らも軽度の認知症を患いながらも、自宅に手すりを設置したり、マッサージをするなど寝る間を惜しんで献身的な介護を続けた。

 妻がヘルパーの利用や高度な治療を受けることに消極的だったため、2人きりで過ごす時間が多かった。
絶えず痛みにさいなまれる妻は安楽死を望む発言をしたこともあったという。

被告は同年11月2日、廊下で転倒した妻から「殺してほしい」と懇願され苦渋の思いで了承。
添い寝をして思い出話をした後、あらためて妻に覚悟を確かめ、同日午後6時10分ごろ、自宅で妻の首を二重に巻き付けたネクタイで絞めた。
妻は12月16日に死亡した。

 公判で「妻を愛している」と発言した被告。

佐藤裁判官は量刑理由で「妻が天寿を全うできるように尽力することが被告には求められており。短絡的な犯行」と指弾する一方、
介護に追われ、被告は心身ともに疲弊していた。妻を苦しみから解放することを最優先に犯行に及んだことは強く非難できない。
60年以上連れ添った妻を自らの手にかけることを決断せざるを得なかった苦悩は同情を禁じ得ない」と述べた。

 佐藤裁判官は大きな声でゆっくりと判決文を朗読。
「被告に対しては、社会内で妻の冥福を祈りつつ、平穏に余生を送る機会を与えることが相当」と締めくくった。
    (本紙、ちばとぴでは実名報道)
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2015年07月11日

 生活を支えられない公的年金

貧困と生活保護
生活を支えられない公的年金
2015年7月10日 読売新聞

貧困が拡大してきた大きな要因は、公的年金制度にもあります。


 とくに、高齢者の貧困率が高いのは、無年金・低年金が大きな原因です。
所得保障のしくみとして十分に機能していないわけです。どこに問題があるのでしょうか。

 まず、老齢年金の受給権を得るのに必要な年数が、原則25年とハードルが高いこと。
 次に、現役時代の働き方や賃金水準によって、老後の年金額の格差が大きいこと。
 そして、基礎年金の給付水準が低く、それだけではとても生活していけないこと。

 すでに高齢になっている人たちだけの問題ではありません。
現役世代の人たちも、やがては高齢になるわけで、ひとごとではありません。
また、老後に安心できる収入を見込めるかどうかは、現役時代の生活にも影響してきます。

必要期間25年の高いハードル  

 まず、公的年金制度のアウトラインを押さえておきましょう。

 公的年金の大きな柱は、老齢年金、障害年金、遺族年金の三つ。
今回のテーマは老齢年金ですが、細部に入るとたいへん複雑なので、現行制度の大ざっぱな説明にとどめます。

 日本の公的年金が2階建てになっていて、国民年金制度による基礎年金部分と報酬比例部分に分かれていることは多くの人がご存じでしょう。

国民年金にしか加入したことがない場合は、基礎年金だけの支給です。

厚生年金保険または公務員や私学の共済制度に加入していた月があれば、その月数に応じた報酬比例分が、基礎年金に上乗せされます。

 老齢年金の支給開始年齢は、原則として65歳です(一定の範囲で受給を繰り上げ・繰り下げできる。
厚生年金は当面、60歳から報酬比例部分だけの特別支給を受けられる)。

 老齢基礎年金を受給するには、「保険料納付済み期間」「保険料免除期間」「それ以外の合算対象期間」の合計(受給資格期間)が、25年以上ないといけません。

 何らかの事情で国民年金に加入していない時期があったり、加入していても保険料の未納の月が多かったりして、受給資格期間が足りないと、老齢基礎年金も、それに上乗せされる報酬比例部分の老齢厚生年金も、原則としてもらえません。

10年への期間短縮は先送り

 保険料の「免除」は受給資格期間にカウントされ、「未納」(滞納)はカウントされないという点で、扱いがまったく違います。

 生活保護を受けているときや障害基礎年金を受けているときは、届け出をすれば法定で全額免除になります。
それ以外でも所得が基準以下のときは、全額免除または4分の3免除、2分の1免除、4分の1免除を申請できます。

しかし申請しないまま、保険料を納めていなければ、未納扱いです。
学生納付特例による免除、所得の少ない若年者の納付猶予(30歳まで)の期間も、原則として免除期間に含まれますが、それらを申請していないと未納になります。

 25年という受給資格期間の長さ、そして保険料免除の制度が十分に周知されていないことが、無年金の高齢者を生み出す一因になっています。

 どうしてそんなに長い期間のハードルを設けているのか。
保険料を確実に集めるのが目的でしょうが、受給資格期間の月数や保険料納付済み期間の月数に連動するような形で年金額が変わる方式でもいいのではないか、と思いますよね。

 そこで、必要な受給資格期間を10年に短縮する年金機能強化法が2012年に成立しました。
大きな意味のある改正ですが、消費税率を10%に引き上げる時期(2017年4月予定)まで、実施が先送りされています。

保険料負担の違い

 国民年金の被保険者(加入者)の種類と、その実際は、次のような感じです。

1号被保険者(20歳以上60歳未満)


1 農業、漁業、自営業の人
2 労働時間・日数が少ないか、適用外事業所で、厚生年金の加入対象にならない労働者
3 失業中、病気・障害・ひきこもりなどで働いていない人
4 学生

2号被保険者 

 被用者年金(厚生年金、共済)に加入している勤め人

3号被保険者

2号被保険者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)


 1号の人は、国民年金の保険料(2015年度は月1万5590円)を自分で納めないといけません。
   2号の人の保険料(報酬比例部分を含む)は、賃金水準に応じた標準報酬月額によって決まり、事業主と労働者が半分ずつ負担します。
労働者分は給料から天引きされます。

 基礎年金の給付費用の2分の1は国が負担し、残り2分の1を保険料でまかないます。
保険料でまかなうべき総額を、1〜3号の被保険者の総数(未納者と免除分を除く)で割った額が、1号の保険料額になります。

厚生年金会計と共済組合は、それと同じ額に2号と3号の合計人数を掛けた拠出金を基礎年金の会計へ渡します。

2号の人の基礎年金分の実質負担は、3号の人を2号みんなで背負う分だけ、すこし高くなります。
 とはいえ、1号は保険料の全額が自己負担、2号は半分が事業主負担です。

1号のうち農業や自営業の人は、所得のすべてが把握されにくい点で勤め人と違いがありますが、短時間労働者や無職の人にとって、1号の保険料は相対的に重い負担です。

滞納が起きやすいわけです。

月6万円台では暮らせない

 老齢基礎年金の満額は、2015年度の新規受給者の場合、78万0100円。
月額に直すと6万5008円です。
この満額を受け取るには40年間の納付が必要です。

受給資格期間25年のハードルをクリアしていても、保険料納付済み月数が少ないと、年金額は少なくなります(給付費用の2分の1は国の負担なので、たとえ全額免除ばかりだった人でも一定の額は出る)。

 月6万円台でも、独立して生計を営むのは、かなり困難でしょう。
大都市部の単身者だと、生活保護の生活費の基準さえ下回ります(家賃を考慮すればまるで届かない)。
しかも高齢になると、医療や介護の費用もかかります。

基礎年金の給付水準は、働いている子どもと同居している場合、あるいは地方の郡部で持ち家に夫婦で住んでいる場合に、何とかなるという程度でしょう。

 もちろん、報酬比例部分の年金があればよいのですが、その年金額は、現役時代の賃金水準に連動します。
もともと賃金の低かった人は厚生年金の上積みも少ないわけです。

 貯蓄をしておけばいい? その通りですが、収入の少ない人ほど、貯蓄はできません。

 結果として高齢者は、もともと収入が多くて年金額も貯蓄も多い人、相続などで資産を持っている人、会社役員として稼ぎ続けている人といった豊かな層と、
わずかな年金しかなく貯蓄や資産も乏しい貧困層という、二極分化が大きくなっています。

 実際、2012年の厚生労働省「年金制度基礎調査」を見ると、老齢年金受給者(有効回答1万3495人)の人数の分布は、以下の通りです。

男性の公的年金額は平均180.7万円ですが、山が二つに分かれ、100万円未満が26.2%。
女性は平均98.6万円で、低年金者が多く、100万円未満が6割を超えています。

公的年金額(万円)        男性                              女性
50未満                     401 (6.8%)      1680(22.2%)
50以上、100未満  1146(19.4%)   3095(40.8%) 
100以上、150未満  841(14.2%)   1420(18.7%)   
150以上、200未満  863(14.6%)      723(9.5%)
200以上、250未満 1169(19.8%)    421(5.6%)
250以上〜300未満   993(16.8%)     166(2.2%)
300以上〜350未満   374(6.3%)           51(0.7%)
350以上                    125(2.1%)           28(0.4%)               

  非正規の人たちが高齢になったら  公的年金制度をめぐっては、財政負担がいつも強調されます。 
高齢者の人口が増えて、大変だというわけです。

政府は2004年度から「保険料水準固定方式」を採用しています。
老齢年金の受給者が増え、現役世代の人口が減るのに合わせて、給付水準を抑えていく政策です。
2015年度に発動された「マクロ経済スライド」による給付抑制はその本格化で、内容的に見れば「マクロ年金財政スライド」と考えるほうが理解しやすいでしょう。

 たしかに財政は難題です。
年金額が少なく、資産も乏しい高齢者は、最低限度の生活に満たない窮乏状態のまま暮らすか、生活保護を受けることになります。
生活に余裕があって扶養できる子どもは少ないでしょう。

現に、生活保護を受ける高齢者は増え続けています。
はたしてそれが効率的なのか。
基礎年金が生活保護基準より少なくてよいのか。
下支えを重視して、生活できる年金額を確保し、それに見合う財源を何とかして作り出す方策は、ありえないのでしょうか。

 心配なのは、非正規雇用の多い世代が、高齢者になるときです。
現役時代の賃金が安ければ、年金額は少なく、貯蓄も乏しい。
そうした人たちが、どっと生活保護になだれ込むことになりかねません。

非正規や低賃金の雇用は、保険料収入を減らして現在の年金財政を危うくするとともに、将来の社会保障費も食っているとも言えるでしょう。

 考えてみれば、失業が急増して、非正規雇用も増え始めた1998年に50歳だった人は、今年67歳。
すでにその現象は始まっているのかもしれません。

◆ 原昌平(はら・しょうへい)
   読売新聞大阪本社編集委員。
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2015年07月13日

【辛坊持論】年金月額12万円「貴重さ」気付いてくれていれば…

【辛坊持論】年金月額12万円
「貴重さ」気付いてくれていれば…
2015年7月12日 17時50分 スポーツ報知

 71歳の老人が新幹線の車内にガソリンをまいて焼身自殺し、巻き添えで27人が死傷しました。
これはもう「自殺」でなくて「テロ」です。

 事件の背景に何があるのか? 
高齢者を敵に回すのを承知で書きますが、日本の高齢者の多くが持つ「勘違い」が、この事件を引き起こしたような気がするんです。

 犯行理由は「35年も掛け金を払ったのに、月12万円の年金は少なすぎる」というところにあったと報じられています。
高齢の方と話をしていると、「年金は要らないから、今まで払った掛け金を返してほしい」なんて声をよく聞きます。

 現役世代にとって、これは実に歓迎すべき提案です。
なぜなら高齢者それぞれに、過去に払い込んだ年金掛け金(物価上昇分と金利を加えて)を返金することで年金支払いを止められるのなら、日本の年金問題は一発で解決するからです。

 現在の年金受給者が過去に払った年金掛け金は、この皆さんが平均寿命まで生きた場合に受け取れる金額を支払うのには到底足りないんです。

じゃあいったいどうやって年金を支払っているのかというと、現役世代が払い込んでいる掛け金を右から左に流用してるんです。
こうして日本の年金システムは維持されているんですね。

新幹線放火老人が払い込んだ掛け金では、とても月額12万円の年金を払うことはできません。  

私がとても残念に思うのは、新幹線に火をつけた老人が、自分の受け取っている年金は現役世代が自分の現在と未来を「犠牲」にして払っている貴重なお金から出ていることに気が付いていなかった点です。
それを知っていたら、不当な不満を抱くこともなく、今回のような凶行に及ぶこともなかったんじゃないでしょうか。

 現在、約800万人の高齢者が月額平均5万円程の国民年金しか受け取っていない厳しい現実があります。
貧困高齢者に救いの手を差し伸べる必要は当然あります。
でも、それと同時に高齢者に必要なのは、日本社会が維持されている仕組みをしっかりと理解することでしょう。

 若者は自分たちを生み出してくれた高齢者に感謝し、高齢者は自分たちの生活を維持してくれている若者に感謝する、これが社会の基本だと思うんですよね。

((株)大阪綜合研究所代表・辛坊 治郎)
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2015年07月14日

胃癌患った外科医 「時代遅れのバリウムより内視鏡検診を」

胃癌患った外科医 
「時代遅れのバリウムより内視鏡検診を」
2015.07.13 16:00 NEWSポストセブン

 年間1000万人以上が受けるバリウム検査では、多くの胃がんの見逃しや死亡事故が起きている。

「僕の主治医が内視鏡で見つけてくれたのは、8ミリの印環細胞がんという初期のスキルス性胃がんでした。
胃粘膜の色が少し違っていたんです。
凹凸がないから、バリウム検査では絶対に見つからなかった」

 日本を代表する外科医だった武藤徹一郎・がん研有明病院名誉院長は、2006年に受けた内視鏡検査で胃がんが早期発見され、胃の粘膜切除を受けて完治した。

 バリウム検査は、X線画像のシルエットに現われる凹凸で、がんを見つけ出す。
ただし、ある程度進行しないと凹凸が出ないので“毎年受けていたのに、見つかった時には手遅れ”というケースは多い。

 一方、内視鏡は鮮明なハイビジョン画像になり、胃粘膜のわずかな変化を特殊な色素で強調するなど、技術革新が著しい。
鼻から挿入する細くてしなやかな経鼻内視鏡は、「内視鏡は苦しい」というイメージを一新。
発見率もバリウム検査の3倍以上と報告される。

武藤医師が自身の経験を振り返って語る。


「僕が外科医を引退する決意をしたのは、アメリカの腹腔鏡手術を見た時だった。日本は開腹手術が主流で僕も腕に自信があったけれど、腹腔鏡手術は出血量が10分の1で、次元がまったく違ったからだ。
胃がん検診も同じで、時代遅れのバリウムは発見精度に優れている内視鏡に代わる必要がある。こうやって元気にしている僕が生き証人だ」

 胃がんの早期発見には、内視鏡検査がベストな選択である。
ただし、内視鏡検査も絶対安全ではない。

医師であれば誰でも内視鏡を扱えるのをご存じだろうか。
専門の資格は必要ないため、診断の技術格差が極めて大きいのだ。

 バリウム検査同様、内視鏡検査においても深刻な偶発症(医療上の検査や治療に伴って生じる不都合な症状、事故)が起きている。

 日本消化器内視鏡学会による調査では、2003〜2007年の5年間で、上部消化管(食道、胃)検査740万件のうち、偶発症は372件、発生頻度は「0.005%」だ。

内視鏡で咽頭付近を突き破る穿孔(臓器に穴を空ける重大事故)が最も多く、14人が死亡した。  

体内の奥深くに内視鏡を入れる以上、事故のリスクはゼロではないことを我々は知るべきだ。

●文/岩澤倫彦(ジャーナリスト)と本誌取材班
※週刊ポスト2015年7月17・24日号
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2015年07月18日

日本で「子どもの貧困」が深刻化している――家で朝食が食べられず保健室に行列をつくる児童たち

日本で「子どもの貧困」が深刻化している―
―家で朝食が食べられず
保健室に行列をつくる児童たち
2015.07.17 日刊SPAニュース

 日本で「子どもの貧困」が深刻化している。

昨年、厚生労働省が発表した「子どもの相対的貧困率」は過去最悪の16.3%で、6人に1人の子どもが「貧困」とされる。

しかし、海外のストリートチルドレンのような路上で生活する子どもを目にするわけでもなく、日本でそう言われてもピンとこない人が大半だろう。

その「子どもの貧困」を伝える一例として、家庭で朝食を食べられず、牛乳とパンを求めて保健室に行列をつくる子どもたちの姿が『子どもの貧困連鎖』(新潮社)には描かれている。

本書で紹介される大阪府内の公立小学校では、2008年から保健室で朝食を出すようになったという。
 始業前、まだ鍵の掛かった小学校の保健室。
五人ほどの常連の児童が、ランドセルを下ろして廊下に座り込み、養護教諭を待っている。
朝食を食べていない子どもたちのお目当ては、給食の残りのパンと牛乳だ――。

 本書は小学校の保健室の役割について、次のように分析している。
学校の保健室は子どもたちの「駆け込み寺」のような存在だ。
特に体が小さい小学生はすぐ「苦しい」と言ってやってくる。

子どもが体と心の異変を訴えられる、学校で最初に不調に気づいてあげられる貴重な場所だ。
このため、熱心な養護教諭がいる学校では親の虐待に気づく端緒になるケースも少なくない。>  

文部科学省の「平成22年度全国学力・学習状況調査」を見ると、毎日朝食を摂る児童生徒ほど、学力調査の得点が高い傾向があることがわかる。

脳で使われているエネルギーはブドウ糖から補充されるが、肝臓に蓄えられているブドウ糖は約12時間分しかなく、朝食でブドウ糖をはじめとする様々な栄養素を補給して、午前中しっかりと活動できる状態をつくることが大切だと補足している。
⇒【グラフ】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=894614  

実際に学校現場では「早寝早起き朝ごはん」の重要性が謳われ、「朝ごはんをしっかり食べることが大切だ」と子どもは教えられる。

しかし、貧困のために朝食を食べられない子どもが存在することは、学力向上の阻害に拍車をかける。
 また子どもの貧困は「健康格差」まで生んでしまう現状があることを紹介している。
本書で登場する養護教諭の河野悦子(仮名)は、家庭環境の変化のひずみは子どもの心や体に表れるのだと力説する

「うちの学校は7割の児童が虫歯で、4割は視力が低下しています。
でも、お金がかかるから歯医者に行けず、眼鏡を買えない家庭も少なくないんです。
虫歯の子は全国的には減っているんですが、うちの学校は多い状態が続いています」

 こうした厳しい生活環境の背景の一つは、非正規雇用の拡大などによる、子どもを持つ若い親たちの労働状況の悪化だろう。

日本の場合、貧困の具合によって政府からの子育て世帯への援助は限られている。
貧困家庭の収入が低いのは親たちが働かないからではなく、ほとんどがワーキングプアであるという状況だ。
 子育て世帯が経済的に困窮していても、児童手当などの現金給付を十分に受けられれば、子どもの貧困を防ぐことができる。

他の先進国が子どもの貧困率を低く抑えることができているのは、日本に比べて現金給付が潤沢なためだ。
 日本の将来は、いったい誰が支えていくことになるのだろうか。

                       <取材・文/北村篤裕>
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2015年07月24日

夏風邪に一番効果的なのは市販薬?処方薬?それとも……


夏風邪に一番効果的なのは
市販薬?処方薬?それとも……
ダイヤモンド・オンライン 2015/7/23 14:00 岡田正彦

 日本各地で続々と梅雨明け宣言が出されています。
これで本格的な夏到来! ということでしょうが、この時期から活動し始めるのが、「夏風邪」のウィルスです。
しかしこの夏風邪、なかなか治らない原因が、私たちが普段当たり前に飲んでるアレだとしたら……。

● 総合感冒薬の無意味 を知っていますか? 

 「鼻水が出る、咳が止まらい、悪寒がする……、これは風邪かな? 」
 そう感じたときに、普段私たちがとりがちな行動が、「クスリを飲む」ということではないでしょうか。

 ドラッグストアで買える風邪薬(総合感冒薬)には、さまざまな成分が含まれています。
以下は、ある売れ筋の風邪薬の場合です。

・トラネキサム酸(炎症を抑える。病院で使われるトランサミンと同じ)
・イブプロフェン(熱を下げ、痛みを取る)
・クレマスチンフマル酸(アレルギーを抑える。眠気を催す)
・ブロムヘキシン塩酸塩(痰のきれをよくする)
・dl‐メチルエフェドリン塩酸塩(自律神経に作用して咳を抑える)
・ジヒドロコデインリン酸塩(脳に作用して咳を抑える)
・チアミン硝化物(ビタミンの1つで、口の中の炎症を抑える)
・リボフラビン(口腔内の粘膜の荒れを修復する)  ほかの商品もほぼ成分は同じです。

なぜ、これほど多くの成分が配合されているのかといえば、風邪の症状がそれだけ多彩だからです。
 発熱、鼻水、のどの痛み、咳、痰などは、風邪の際に誰でも経験したことがあるでしょう。  しかし、これらの症状はすべて私たちの体に防御機能が備わっているからこそ生じるものです。

風邪の原因となるウイルスは熱に弱く、体は発熱することによってウイルスを撃退します。
 鼻水、咳、痰などの症状は、ウイルス感染で傷んだ細胞の残骸などを体外に排出するための大切な機能です。
 そうです、すでにお気づきのように、風邪薬は、病気から回復するための防御機能をすべて抑え込んでしまっているのです。

 実際、外国での調査によれば、風邪をひいたあとクスリを飲んだ人たちのほうが、飲まなかった人より回復が遅れることがわかっています。
 風邪を早く治す秘訣は、昔から言われているように、
「栄養を取ること」
「体を休めること」
「水分を十分に取ること」に尽きるのです。

● ビニール袋いっぱいのクスリ。 果たしてその効能は? 

 では、病院のクスリはどうでしょうか。
 病院で処方される風邪薬は、市販品と異なり、1つのクスリに1つの作用しかありません。
そのため病院では、総合感冒薬に含まれる成分と同じ数だけクスリが処方されることになります。


 加えて病院では、抗生物質がいっしょに処方されることがしばしばです。
このクスリは細菌を殺す強い作用を持っていますが、すでに述べたように風邪はウイルスで起こるものですから、細菌にしか効かないクスリでは意味がありません。

 それにもかかわらず医師が処方するのは、細菌感染による肺炎を考えてのことです。

 ただし風邪にかかった人が肺炎になる割合はきわめて低く、しかも実際に起こっているかどうかは胸のレントゲン撮影やCT検査を行わなければわかりません。

 これらの検査を行わずに、簡単な診察だけで抗生物質が処方されたとすれば、それは、あとで患者さんに訴えられたりしないようにするためです。

 結果的に、病院から帰るときには、ビニール袋いっぱいのクスリを抱えていることになります。

 単なる風邪にもかかわらず、大量のクスリを処方するような医師は、ほかの病気でも同じことをしているのではないでしょうか。

 私はたとえ風邪をひいても市販薬、処方薬ともにクスリは一切飲みません。

栄養と水分を十分に摂り、ゆっくり体を休めることにしています。

 結果的にそのほうが、長期間グズグズと風邪を長引かせることもないので、仕事への影響も最小限にとどめることができるのです。

 (本連載は、『「先生が患者ならどうします? 」医師が自分のために選ぶクスリ・治療法』に、一部加筆したものです)
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2015年07月25日

使い捨てライター:危険「残り火」やけど22人1人は死亡

使い捨てライター:危険「残り火」
やけど22人1人は死亡
毎日新聞 2015年07月24日 22時33分

 消費者庁は24日、使い捨て式のライターを利用した後、火が消えずに残っている「残り火」状態のまま衣服のポケットに入れて燃え移り、やけどを負った人がこれまで22人に上り、うち1人が死亡していたと発表した。

事故防止策として、ライターの内部に挟まっているごみの除去や、10秒以上続けて火をつけないようにすることを呼びかけている。

 消費者庁が2010年4月以降に把握した情報をまとめたところ、使用直後のライターをポケットに入れて衣服が焼けたのは44人いた。
大半が使い捨て式のライターで、着火レバーから指を離しても火がついたままだったとみられる。

今年6月には、兵庫県の成人男性がライターを使った後、衣服のポケットに入れたところ衣服に火が付き、重いやけどを負って死亡した。

他のやけどの事例では、重症が4人、軽症は5人が確認された。

 使い捨て式のライターの規制については、10年12月に国の定めた技術基準に適合したことを証明する「PSCマーク」の表示が義務付けられた。

これにより、子供の火遊びを防ぐため点火レバーが固くなったほか、火の消える速度などの安全基準を満たした上で「火炎が消えていることを確認すること」などの注意事項が記されるようになった。

PSCマークがないものは11年9月以降、販売禁止となったが、PSCマークがついているライターでも、少なくとも4人が残り火による事故に遭っている。

 残り火は、着火レバーとノズルねじの間にごみなどの異物が入った場合、レバーが正常の位置まで戻らず、微量のガスが漏れて発生しやすくなる。

また10秒以上点火すると放出されたガスが残ってしまい、火が消えるまで時間がかかるという。

消費者庁消費者安全課は「残り火は小さいため、気づかないままポケットに入れてしまう恐れがある。
使用後は完全に火が消えたか確認してほしい」としている。
                          【鳴海崇】
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2015年07月26日

がんと「そば派・うどん派」「日本海側・太平洋側」の関係は

がんと「そば派・うどん派」
「日本海側・太平洋側」の関係は
 2015.07.24 16:01 NEWSポストセブン

 日本人の2人に1人が罹患するというがん。
がんは習慣が大きな影響を与えるといわれているが、意外と勘違いしていることも。
秋津医院院長秋津壽男さんに疑問を投げかけた。

疑問】下痢を繰り返すと便秘が続く、どっちが大腸がんのリスクが高い?

回答】両方とも。
「下痢と便秘を繰り返す。
他にも血便、便が細くなった、便から腐敗臭がするなどが、初期症状に見られます。
痔だと思っていたら大腸がんだったということもあるので早目の検査を」(秋津さん)。

疑問】日本人には麺好きが多いが、そば派とうどん派、大腸がんになりにくいのはどっち?

回答】そば派。
「大腸がんのリスクとして食物繊維不足による腸内環境の悪化があげられます。
そばには、食物繊維が含まれていますが、うどんにはありません。
そばのほうが大腸がんになりにくいといえます」(秋津さん)。

疑問】太平洋側と日本海側、どっちに住んでいる人?

回答】日本海側。
今年発表された国立がん研究センターによる統計では、日本海側に胃がん患者が多い傾向が見られた。
はっきりとした要因はわかっていないが、 「日本海側は寒い地域が多く、保存性の高い塩蔵品を食べるためではないかと思われます」(秋津さん)。

※女性セブン2015年7月30日・8月6日号
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「熱中症」に7つの対策 予防アイテムも有効 7月下旬が最も危険

「熱中症」に7つの対策 
予防アイテムも有効 7月下旬が最も危険
2015.07.25 ZAKZAK

 強烈な暑さに包まれている日本列島。
この猛暑でひとごとではないのが熱中症だ。
地球温暖化などの影響で年々被害は深刻化し、約20年前に比べて死者数は何と20倍以上に跳ね上がっている。
専門家は7月下旬のいまの時期が最も危険だと指摘。
つの対策を挙げ、予防にはあるアイテムが有効と勧める。

 全国の広い地域で猛暑が続き、気象庁は「高温注意情報」を発表、注意を呼びかけている。

総務省消防庁の調べでは13〜19日の1週間に、全国の6165人が熱中症の症状で救急搬送され、うち14人が搬送時に死亡(速報値)。
前週の3190人からほぼ倍増した。

 環境省の「熱中症環境保健マニュアル」によると、1993年以前は熱中症による死亡例は年平均67人だったが、94年以降は年平均492人に増加。
2010年は1745人と、93年以前の約26倍に達した。

 熱中症は筋肉のけいれんや立ちくらみから始まり、やがて頭痛や吐き気、めまいを発症。
重症になると発汗停止、手足の震え、意識障害などが現れ、最悪の場合、死にいたる。

 そもそも熱中症はなぜ起こるのか。
昭和大医学部教授で救急医学が専門の三宅康史氏は、人間の体の仕組みを自動車にたとえて説明する。

 「体内の臓器は働くと熱を発する。
その熱は血液で運ばれて、体の表面で放出される。
臓器はエンジン、血液は冷却水、汗をかいて体を冷やす体の表面はラジエーターのようなものだ。

熱中症は外気温が上がることで、体の外に熱が十分に出せなくなる状態を指す。
体が暑さに慣れていない、梅雨明け前後のいまが、毎年一番危ない」

 なかでもとりわけ心配されるのが高齢者。
13〜19日の1週間で救急搬送された患者のうち54%が65歳以上だった。

 「熱中症を防ぐには適切な水分、塩分を得ることが大切だが、高齢者は暑さにバテて食が細くなりやすい。
また『エアコンは体に悪い』というイメージがまだあるのか使わない人も多い。
年齢にともない暑さに対する感覚が鈍化し、重症化しやすい傾向にある。
水分補給はもちろん、部屋に温度計を用意し、30度を超えたらエアコンを使うようにした方がいい」(三宅氏)

 働き盛りのサラリーマンもこの時期に限っては頑張りすぎは禁物だ。

 「外気温が高いなか、エンジンを回し続ければオーバーヒートするのと同じように、外回りの営業マンなどは数時間で熱中症になる恐れもある。

猛暑が続く間は、10軒の(お得意先の)ノルマを7軒にするなど、パフォーマンスを落としてでも体を優先するべきだ。
汗をかくので水分とともに塩飴などで塩分も積極的にとるといい」(同)

 取るべき対策は
(1)炎天下を避ける
(2)適切なエアコンの利用
3)水分補給
(4)塩分補給
(5)良質な睡眠を心がける
(6)深酒を避けるなど。
なかでも、三宅氏は7番目に「水筒」の利用を呼びかけている。

 「冷たい飲み物を携行しよう。
5〜6度の温度で飲んだ水が37度の尿になって出てくれば、体からそれだけの熱が放出されたことになる。
こまめに水分補給する際も冷たい飲み物を飲んだ方が、熱中症対策により効率的といえる」

 夏を謳歌するなら、無理は禁物と心得たい。
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2015年07月28日

介護保険の負担、2割に引き上げ…8月から60万人

介護保険の負担、2割に引き上げ…
8月から60万人
2015年7月27日 読売新聞

護保険の利用者負担が、一部の人について、8月から引き上げられる。
所得の高い人は、これまで1割だった負担割合が2割になる。

介護施設で、低所得者向けの食費と部屋代の補助制度が受けられなくなる人も出る。
高齢化で費用が膨らむ介護保険制度を支えるのが狙いだが、利用控えなどの影響を心配する声もある。

 「まさか、自分が2割になるなんて。きついよね」  東京都国分寺市に暮らす男性(69)がつぶやいた。

今月、市役所から「介護保険負担割合証」が届き、利用する介護保険のデイサービスの自己負担が、1割から2割に上がると知った。

 厚生労働省の基準では、2割負担になるのは、収入が年金だけなら年280万円以上の人。
個人の収入で判断するため「夫が2割、妻が1割」ということもありうる。

ただ、夫婦のどちらかの年金が280万円以上あっても、夫婦の年金の合計額が346万円未満なら2人とも1割のままだ。

 同省によると、利用者482万人(2013年度)のうち、約60万人が2割負担になる。
会社員だったこの男性の場合、厚生年金などが300万円あるため2割負担になった。

 男性は要介護1で、閉じこもりの防止と介護をする妻(66)の負担軽減のため、6月はデイサービスに20回通い、自己負担分約1万6000円を支払った。
8月からは、同じ利用回数なら負担額は約3万2000円になる。

男性は「持病の治療費もかかる。
同じ程度の費用に抑えるには回数を減らすしかない」と、8月は15回程度に減らすつもりだ。  

ただ、男性の妻は「夫が家にいる時間が増えれば、私の負担も増える」と話し、家計を見直して同じ回数を利用してもらうかどうか悩んでいる。
 男性を担当するケアマネジャーの青木美佳さん(41)は「男性の心身の状態を維持するには今のサービスが必要。
利用を減らすことで、意欲が低下し、家族が疲弊するなどの問題が出ないか心配だ」と話す。

■初の見直し

 一律1割だった介護保険の自己負担割合の見直しは、2000年度に制度が始まって以来初めて。
ただ、支払う額は必ず2倍になるわけではない。
1か月の支払額が世帯当たり3万7200円の上限を超えると、超えた分が返金される仕組みがあるからだ。

ただし、収入が年金のみで年383万円以上ある単身者などは、この上限額も月4万4400円に上がる。
 政府は、負担が増えても支払える所得層だと説明する。

東洋大学の高野龍昭たつあき准教授(高齢者福祉)は「2割負担になるかどうかを決める国の基準は低く、生活が厳しくなる人もいる。
制度を維持するため、高所得者の負担増は避けられないが、利用抑制による影響などについて、中長期的に把握していくべきだ」と指摘する。

■施設補助も削減

 2割負担とは別に、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設の3施設の利用者の中に負担が増える人がいる。

 住民税が非課税の世帯の人には、食費と部屋代の補助制度がある。
8月からは、一定の預貯金がある場合などは、補助を受けられなくなる。
3施設に短期間入所するショートステイの場合も同じ扱いになる。

 収入が低くても高額の預貯金がある人もいるためで、夫婦なら計2000万円、単身者なら1000万円を超えると補助制度の対象外になる。

厚労省の推計では、制度を使う113万人のうち、14万人程度が該当する。

 川崎市幸区の特養「みんなと暮らす町」(全室個室)では、入居者120人のうち8割が補助を受けており、このうち5〜8人が対象から外れる見通しだ。
食費と部屋代は月6万〜8万円増え、現在の2〜3倍になる。
広嶋稔之施設長は「家族は納得してくれているが、不安も大きいと思う。丁寧に説明したい」と話す。
                            (野口博文)
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2015年08月04日

なぜ私たちはこれほど疲れているのか

予防医学研究者・石川善樹の『続けたくなる健康法』
なぜ私たちはこれほど疲れているのか
2015年8月3日 読売新聞yomiD.r

 改めて近代の歴史を振り返ると、人類は技術の革新と共に歩んできました。

 例えば、古くは蒸気機関の発明に始まり、鉄道の普及、電気・化学・自動車・航空機の出現、そして最近ではITの登場が挙げられます。

 これらの技術革新は、それぞれ長期的な景気向上に貢献し、私たちの生活を豊かなものにしてくれました。

 ……ところが、その結果どうなったかというと、現代の私たちは幸せな気持ちではなく、疲れ果てて一日を終えています。
一体どうなっているのでしょうか?

 この不思議な現象について、先日シェフの松嶋啓介さんと話をしていたら、面白いことをおっしゃっていました。

 「現代の人は、体じゃなくて、脳が疲れているんだよね

 どういうことかというと、昔の料理人は、疲れた体を癒やすため、例えば塩味の利いた料理を提供していたといいます。
しかし、今の人は脳が疲れているので、アタマに刺激を与えるような料理を提供しないと「美味うまい!」と思ってもらえないそうです。

 確かに私たちは、あまりに脳を酷使して生活しています。

例えば先日、こんな光景を目にしました。

 電車の中で、通学途中であろう女子高生が、携帯電話をいじりながら友達とこんなことをしゃべっていたのです。

 「うわー、LINEで○○からメッセージ来たよ。これ、どう返そう?!」
 そうして返信を悩んでいるうちに、さらに事態は悪化していきます。
 「あ、やばい! △△からのメッセージに返事してなかった。怒ってる……どうしよう?!」  私はその様子を見ながら、この調子だと学校に着くころにはヘトヘトになって、とても勉強どころではないだろうなと思いました。

 20世紀の心理学者たちは、「人間が一日に使える意志決定の量は限られている」ことを発見しました。
つまり、朝、どの服を着ていこうかとか、あるいはLINEでどう返事をしようかと意志決定するたびに、私たちの心はすり減っていくのです。

 そして、一日に許された意志決定を使い果たすと、あとは理性ではなく欲望が私たちを支配するようになります。
その結果、余計な買い物をしたり、暴飲暴食をしたり、あるいはイライラして相手につらくあたったりするのです。

 確かに技術革新は、私たちを肉体労働から解放してくれました。
しかし、私たちがなさねばならない意志決定は、減るどころか増える一方です。

こんな調子では、疲れ果てて一日を終えるのは、当たり前と言えるでしょう。

 では、どうすればよいのでしょうか?!

世界で注目「マインドフルネス」

 最近、世界的に注目されているのが、「マインドフルネス」です。

 携帯やインターネットなどの刺激にふりまわされるのではなく、「今というこの瞬間を生きる」という世界的な動きです。
 「マインドフルネス」とカタカナで言われると難しい気もしますが、要は禅の世界で広く行われてきた瞑想のことです。

例えば、グーグルという会社では、瞑想を社員に教えるプログラムが大人気となっており、それに刺激を受けた様々な会社で取り入れられ始めています。

 瞑想といっても、特に難しい話ではありません。
その基本は、次の3つのステップからなっています。

 1) 姿勢を正す
 2) ゆっくりと呼吸する
 3) 一度に一つのことだけに集中する(例:呼吸、食べる、歩く、など)

 これらは、座っていてもできますし、もちろん歩きながらすることもできます。

 私自身、忙しくてイライラしそうになったら、この3つのステップに立ち戻り、リラックスするようにしています。

 ぜひみなさまも、忙しいときほど「マインドフルネス」を心がけてみてはいかがでしょうか?
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2015年08月09日

低所得よりも怖いのは“精神的な貧困”

低所得よりも怖いのは
“精神的な貧困”
週刊SPA! 8月8日(土)13時51分配信

「未婚化が進む日本では、高齢男性の“おひとりさま”世帯はより増えていきます。

経済的な貧困の解決は政治の問題ですが、“精神的な貧困”に陥らない方策を提示することが社会学的な課題です」
 そう語るのは社会学者の阿部真大氏。

精神的な貧困の代表である孤立化は未婚化が進む現代人にも悩みの種だ。

「老人ホームの調査をする際、たむろしておしゃべりしている女性に対して、男性は独りぽつねんとしている姿を目にします。
別に『男もおしゃべりのスキルを』と言っているわけではなく、“独りでいても孤独を感じない”ということが重要です。

これは“他人志向型”――つまり他者からの評価を価値基準とする出世競争に邁進してきた人ほど陥りやすい。
精神的貧困を避けるためには、自分だけが楽しめる価値観を持った、“内部志向型”の人間を目指すべきです

 定年後、おもむろに趣味を持ち始めようとして挫折する高齢者は多い。
現役世代のうちに、仕事とは別の趣味や生きがい、人的ネットワークを持つことが大切なのだ。

「高齢化社会というとマイナス面ばかりが取りざたされますが、見方を変えれば、“知恵を持ち、落ち着いて物事を見れる”人が多い社会ともいえます。

成熟した高齢者の知恵とは生きるための工夫や、人付き合いのスキルである“生活知”のこと。

コンテンツばかりが高齢化している今の消費社会では見えづらいですが、老後は消費することが豊かさには直結しません。
そのために必要なインテリジェンスは、今からでもカネをかけずに身につけることができます」  カネがすべての価値観が閉塞感を生み格差を感じる。
ボロを着てても心は錦の精神が重要だ。

 <取材・文/スギナミ>

<3か条>
1 孤立しても孤独を感じない内部志向型の人間を目指す
2 現役世代のうちに仕事とは別の趣味、仲間を見つける
3 生活知を磨くことが尊敬される老人への第一歩

【阿部真大氏】
社会学者。甲南大学准教授。
労働社会学を専門とし、現代日本の労働現場を分析する。
近著に『「破格」の人―半歩出る働き方』(KADOKAWA)
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2015年08月16日

定年退職は失業扱いに ハロワ申請で失業給付受け取りも可能

定年退職は失業扱いに 
ハロワ申請で失業給付受け取りも可能
2015年8月15日(土)16時0分配信 NEWSポストセブン

 公的年金などの受給額は「どんどん減る時代」に突入しているが、定年退職も「失業」なので、ハローワークに申請すれば雇用保険の失業給付を受け取ることができるのをご存じだろうか。  

20年以上雇用保険に加入するサラリーマンなら日給相当額の45〜80%を150日間受け取れる。

「年金博士」として知られる社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。
「早期退職制度に応募するなどの『自己都合』ではない、『会社都合』の失業なら給付期間は60歳以上で240日、45歳以上60歳未満で330日まで伸びます。

 また、給付期間の終了直前、国が転職に役立つと認めた技術・知識を身につける公共職業訓練を受け始めれば給付期間が延長され、訓練期間中はずっと失業保険を受け続けることができます。

 さらに、60歳以降に一度失業保険を受け取った後、別の会社に就職した場合も65歳まで1年以上働けば再度90日間分の失業保険がもらえます」

※週刊ポスト2015年8月21・28日号
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2015年08月18日

認知症予防 達成感を感じられる程度の難易度の脳トレを推奨

認知症予防 
達成感を感じられる程度の
難易度の脳トレを推奨
2015.08.16 16:00 NEWSポストセブン

 認知症と聞いて、「まだ若いから大丈夫」と思っている人も、人ごとではない。
認知症の原因となる脳の変化は、なんと、認知症を発症する数十年前から始まっているのだ。  

現在、認知症の予防に効果的といわれているのが、「運動」「知的活動」「食事」の3つをトータルで実践すること。
予防だけでなく、MCI(軽度認知障害)や認知症の進行を遅らせる効果もあるという。

 その中で、遊びながら記憶力や集中力を鍛えられる知的活動が、パズルやドリルといった脳トレーニング(脳トレ)だ

諏訪東京理科大学教授で脳科学者の篠原菊紀さんは次のように説明する。
脳トレでワーキングメモリ(作業記憶)と呼ばれる脳の働きを使うと、神経伝達物質であるドーパミンの受容体が増え、知的活動の中核である前頭前野が刺激されることがわかっています」(篠原さん。以下「」内同)

 実際、脳トレ、食事、運動、血圧などの健康管理を行ったグループと、そうでないグループとでは、認知機能テストの成績や物事を見てから反応するまでの速度に、大きな差があったことも報告されているという。

大切なのは、達成感を感じられるくらいの難易度の脳トレを行うこと。
難解すぎる必要はありませんが、逆に簡単すぎると脳に負荷がかからないので、トレーニングをしても効果はありません」

 認知症の予防には、3つの方法がある。

 まず1つは運動。
散歩よりややきついと感じる程度の速さでのウオーキングを、1日30分以上、週3日以上を目安に継続して行うと効果が出やすい。
有酸素運動は、アルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβタンパク質の脳内への蓄積を防ぐだけでなく、記憶をつかさどる海馬の神経細胞の増加を促すといわれる。

 2つめは知的活動。
人とおしゃべりしたり、将棋、麻雀など他人と競い合うゲームをするなど、コミュニケーションを必要とする「ちょっと疲れる」くらいの活動が、脳の働きを活性化する。
パズルやドリルなどの脳トレも、一人でやるよりも、家族や友達と点数を競い合いながらやるほうが効果的。

 3つめは、食事だ。
カロリーの摂りすぎ、食べすぎに注意し、食事をするときはゆっくりと食べること。
早食いは血糖値の急上昇、インシュリンの過剰な分泌につながり、脳の機能を低下させる要因に。
また、脂肪が貯まると、脂肪細胞が分泌するレプチンが脳にダメージを与え、認知症を引き起こすこともある。

※女性セブン2015年8月20・27日号
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2015年08月20日

個人支出が大減速 暑くても“節約モード”で消費戻る気配なし

個人支出が大減速
暑くても“節約モード”で消費戻る気配なし
2015年8月19日 日刊ゲンダイ

 4〜6月期のGDPは実質1.6%減(年率)と景気減速を裏付けた。
なかでも個人消費の落ち込みは深刻だ。

「2015年4〜6月の家計調査をみると、消費支出は消費増税の影響を受けた昨年4〜6月期と同水準です。

消費の落ち込みは予想以上に深刻かもしれません」(第一生命経済研究所主任エコノミストの藤代宏一氏)

 14年4〜6月期の消費支出(2人以上世帯)は増税の影響で前年同期比マイナス5.2%とガタ減りした。
普通なら、翌年はかなり盛り返すが、今年の同期間は0.5%増にとどまった。
額にすると、3000円ちょっと支出が増えただけだ。

1カ月だとわずか1000円増にすぎない。

 GDP統計に使われる民間最終消費支出も大減速している。
15年4〜6月期はマイナス3.0%で、08年リーマン・ショック後でみると、11年の震災直後、14年の消費増税後に次ぐワースト記録だ。

家計は節約モードのままなのです。実質賃金は5月に横ばいとなったものの、それまで24カ月連続マイナスだった。
消費が増える道理はありません」(市場関係者)

 政府が消費の起爆剤として期待するプレミアム商品券は、消費押し上げにつながりそうにない。

「商品券で大量の日用品を購入しても消費を先食いするだけです。普段買わないぜいたく品に使われないと、政府が期待するような効果は得にくいでしょう」(藤代宏一氏)

 小売業の売り上げ動向(7月)をみると、訪日客の爆買いで潤う百貨店は前年比プラスだが、通販のニッセンやシャディ、居酒屋「ワタミ」、カー用品の「オートバックス」、コンビニの「サークルKサンクス」、回転寿司「かっぱ寿司」など庶民に身近な流通業は前年同月比でマイナスだった。
ユニクロも1.2%減だ。

 ダイヤモンド・オンライン(ダイヤモンド社)が7月に実施した夏のボーナスに関するアンケートでは、「下がった」「変わらない・その他」が80%に上っている。

 内閣府の7月消費動向調査(一般世帯対象)にある「収入の増え方」に対する回答は「やや良くなる」が4.0%、「やや悪くなる」が25.1%だった。
賃金アップのメドがないのだから、消費が上向くはずもない。
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2015年08月22日

認知症と詐欺被害、「壊れていく自分を繕う行為」が落とし穴

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
認知症と詐欺被害
「壊れていく自分を繕う行為」が落とし穴
2015年8月21日 読売新聞

今日は、「まさか?」というお話と認知症についてです。

 戦後70年の終戦記念日も終わりました。昨年亡くなった母の初盆でした。
たくさん書き下ろしたいことはあるのですが、何より「まさか?」というお話です。

母の認知症が進んでいき、最後は僕のこともわかりませんでした。
世話をしている家内のことが最期までなんとなくわかっていたであろうことが救いでした。

母の認知症は、本人が以前から「昔と違うのよね…」と言っていました。
85歳ぐらいのときでしょうか。
認知症を判断するひとつの試験である長谷川式テストでは正常範囲でした。
でも、本人は自分の変化に少々怯おびえていたのではないかと思っています。

そんな時に人は「繕う」ようになります。
自分がちょっと壊れていくのを隠したいという本能やプライドで繕うのだろうと思っています。

母も精一杯繕っていたと思います。
勉強好きな品のいい母でした。

少しずつ壊れていく自分を「繕う」

 ある時、母と僕は国政選挙に行きました。
母は投票用紙を記入する段になって、記入の場所で固まってしまいました。
母は僕の方を向きます。
何かを尋ねたいそぶりです。

そんな会話を選挙管理委員の人が見つけて、「個人の判断で記入して下さい。介助者が助言してはダメです」と注意されました。

でも本人は固まっています。
誰の名前を書いたらいいのか、もしかしたら選挙とは何かもその時はわからなかったのかもしれません。
認知症の人の選挙権に対して考える機会になりました。

 最近は詐欺事件が多発しています。
オレオレ詐欺などは、母は簡単にだまされるだろうと思っていました。
だって、壊れていく自分を繕いたいのですから、少々のギャップは一生懸命、前後の文脈や、経験から繕うのです。

だから、「なんでそんなに簡単にだまされるのだろう」という認知症の人を知らない人ではまったくわからないことが起こるのです。
そして、それは病院などの諸検査で認知症との診断に至らない人でも、微妙に起こっているのです。

「繕う」というキーワードが、老人性うつと認知症を見分けるにも大切と思っています。

僕もスマホ詐欺の被害者に?

 以前に、イギリス滞在中に、片側2車線の道路をなぜか逆走してしまったことを話しました。今から20年近く前の話です。
寝不足でも、アルコールや薬物を飲んでいた訳でもなく、まったく正常な判断能力があると思っていたのですが、なぜか逆走したのです。
自分の逆走に気が付いたときは「まさか?」という思いでした。

 そして、昨日僕のスマートフォンにあるお知らせが届きました。僕はiPhoneを使用しています。
「iPhone7のテストユーザーに選出された」といった内容でした。
そして「99円でiPhone6を届けますよ」ということでした。
なぜか、それを信じて自分の名前、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、そして希望のパスワードを入力し送信しました。

そして次の画面に99円を支払うクレジットカードの入力画面に移動し、「もしかしたら…」という疑念が湧き、ネットサーフィンをして、同じような手口の詐欺が多発していることに気が付きました。
個人情報は全て送ってしまいました。
幸いだったことは、希望のパスワードにどうでもいいパスワードを記入したことです。

今の僕のパスワードはどれも別々です。
でも以前は銀行口座からカード、メールに至るまで、基本的に同じものを使用していました。
もしも、その当時にこの詐欺にはまっていれば、僕の大切なパスワードが簡単に盗まれてしまったことになります。
恐ろしいですね。

 認知症の母を最期まで看病して、そして認知症の経過を肌身で知ると、認知症の人が「繕う」という行為で簡単にだまされてしまうことにやっと合点がいきました。

巧妙な詐欺の手口では日頃から詐欺にハマるのは愚かなことだと思っている僕にも、ある時ある瞬間には詐欺の被害者になりかねないのです。
本当に「まさか?」という思いで頭が一杯でした。

愚かなことと思うことが自分や自分の身の回りにも、いつでも起こる可能性があるということを再認識した瞬間でした。

母を送っても解決しない問題

 一方で認知症に関する答えは母を送った今でも解決しない問題です。
メディアの表面的な発言の多くは本当に介護をしている人には当てはまらないことが多々あります。

高齢者がどんどんと増え、そして医療が進歩してお迎えの時期がどんとんと延びる一方で、認知症の治療はボツボツとしか進歩していません。

母を介護していて思ったことは、認知症の根本的な治療が開発されるまでは、高齢者に対する治療が進歩することは不幸の増幅にも思えました。

「お迎えをお迎えとして受け入れること」も大切な選択と思っています。
母は自宅で亡くなりました。
最期まで点滴も胃瘻いろうもしませんでした。

食べられなくなった時がお迎えの時と家族が決めていたからです。
最期は30キロもありませんでした。
点滴も胃瘻もしなかったので乾いて枯れるように亡くなりました。
まったく汚くも臭くもありませんでした。

母が亡くなってドライアイスで冷やして一晩部屋で過ごしました。
その母に寄り添って娘は一晩中同じ布団で寝ていました。
「冷たいおばあちゃんも気持ちいい」と言っていました。

その母の初盆が終わりました。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

◆ 新見正則(にいみ まさのり)
    帝京大医学部准教授
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2015年08月23日

93歳夫が83歳妻殺害 究極の夫婦愛と老老介護を記した判決文

93歳夫が83歳妻殺害 
究極の夫婦愛と老老介護を記した判決文
2015.08.22 16:00 NEWSポストセブン

 病に蝕まれ、生きる気力をなくした妻。
介護の負担を一身に背負い込む夫。
疲れ果てた高齢の夫婦。
夫は妻の苦しみを取り除くため、彼女の首を絞めた──。

 老老介護の果てに、日本中でこんな悲劇が繰り返されている。
7月8日、千葉地裁で下された判決は、この国のすべての夫婦に「真実の愛」の形を突きつけた。

〈被告人が被害者を早期に苦しみから解放することを最優先に犯行に及んだことを強く非難することはできない。
むしろ、60年以上連れ添った妻を自ら手に掛けることを決断せざるを得なかった被告人の苦悩を考えれば、同情を禁じ得ない〉

 裁判官がゆっくりと穏やかに語りかけた相手は宮本浩二・被告(仮名・93歳)。
問われた罪名は、当時83歳の妻に対する「嘱託殺人未遂(妻の死亡後、嘱託殺人に訴因変更)」だった。

裁判を傍聴した全国紙記者が話す。

「ここまで被告人の心情に寄り添った判決を耳にしたのは初めてです。
断罪する箇所はなく、判決文から浮き彫りになったのは“究極の夫婦愛”と老老介護の壮絶な現実でした」

 裁判官が〈被告人の刑事責任に見合う刑罰として実刑が相応しいとはいえない〉と前置きして言い渡した判決は、「懲役3年、執行猶予5年」だった。
その瞬間、傍聴席から嗚咽(おえつ)が洩れたという。

 事件が起きたのは昨年11月2日だった。
千葉県茂原市の自宅で、宮本被告は妻の首にネクタイを巻き付けて殺害を決意。
犯行後、「妻を殺した。病気で苦しんでいてかわいそうだった」と自ら110番通報した。

 心肺停止状態だった妻は病院に搬送されたが、翌月死亡した。

再び判決文から引用する。

〈被害者(妻)は、昼夜を問わずに足腰の痛みに苦しんでおり、睡眠もままならず、日常生活を送ることにも多大な困難を伴う状況であった(中略)苦しみに耐えかねた被害者から殺してほしいと懇願され、被害者を苦しみから解放するためにはその求めに応じる以外に方法がないものと考えた〉

 公判では、2013年秋頃から妻の足腰が急激に衰えたことが明らかにされた。
昨年10月には転倒して腰を骨折。自力歩行が困難となり、痛み止めの薬も効かず、「痛みで眠れない」「もう死んでも構わない」と訴えるようになった。

 そんな妻を見て、宮本被告は「妻はなんでこんなに苦しむんだ!」と苦悶に満ちた声で叫んだことがあったと、弁護側証人として出廷した長女は証言している。

〈当時92歳と超高齢の被告人が、軽度の認知症を抱えながらも、自宅において被害者とほぼ2人きりの閉ざされた環境で眠る間もなく献身的に介護を続ける中で、次第に疲弊し、追い詰められた〉(判決文より)

 老老介護の“泥沼”にはまっていく被告の姿が映し出されていた。

※週刊ポスト2015年9月4日号
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2015年08月24日

症状悪化でも、介護保険の判定厳しくなり…自立困難に

心療眼科医・若倉雅登のひとりごと
症状悪化でも、
介護保険の判定厳しくなり…自立困難に
2015年8月20日 読売新聞

 前回、自立心のある70歳代の、両目視神経萎縮の女性が介護保険を申請したら、非該当になったことを取り上げました。

 診察室では、このほかにも、いろいろな事例が聞こえてきます。

 先日は、緑内障の末期で視野がかなり狭くなって、日常生活にも支障が出ている80歳に近い女性が、
 「主人の介護保険の等級が、介護2から1になって困りました」  と報告してきました。

 等級が軽くなったということは、状態が改善してきたことなのに、なぜ困るのかと聞きますと、御主人の状態はよいどころか、悪くなっているように感じるといいます。

加えて、自分の目の異常も、加齢とともに益々ますます進んできて、老々介護も限界なのに、介護1という判定に変わり、ヘルパーさんを頼める頻度が減って困り果てているのだといいます。  

福祉予算が厳しさを増して、判定を厳しくしているのでしょうか。

 介護保険では、本人以外の家族の健康状態に関しては不問であり、一人暮らしか否かということも評価に影響しません。
介護保険法を議論する段階で、家庭環境も考慮すべきとの意見も出たようですが、結局採用されなかったという話も聞きました。

 脳梗塞などで身体障害が生じ、入院して一所懸命リハビリをして動けるようになった人が、家に帰ると再び寝たきりになってしまうといった事例は、時々聞かされます。
リハビリや自立には、それだけ周囲の協力や手間が必要だということの証左です。

 視覚障害者でも、いろいろな工夫、努力、トレーニングによって、健常者と遜色ない社会生活ができるようになる人もいます。
しかし、たとえそれで、かなりの程度自立したとしても、自由自在に活動できる健常者とは明らかに違います。

 自立して来ると、等級を下げ、はては福祉サービスを止めてしまうというような事態は、せっかく自立しはじめた者をもとに戻してしまう危険を孕はらむばかりでなく、自分も努力し、周囲も頑張って、その人が自立してきた暁にはかえって損をするという、逆行する風潮を招来しかねません。

 国や政府が「国民のため」というとき、一人一人に隠されているさまざまな事情が、その人の頭に描かれているのかなと思うことが、最近よくあります。

 「国民」という用語を十把一絡からげにした物体として扱うような考え方で、血の通った医療や福祉が実現するはずがありません。

医療や福祉にお金がかかるのは、高齢化社会では理の当然です。
だから、額を減らそうというのでなく、それを捻出するのが政治の仕事だと思うのは私だけではないでしょう

◆ 若倉雅登(わかくら まさと)
井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
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2015年09月06日

忙しかった1週間の疲れは「寝だめで取れる」の真偽とは?

忙しかった1週間の疲れは
「寝だめで取れる」の真偽とは?
2015.09.05 16:00 NEWSポストセブン

 生活習慣について、真偽がわからないがまことしやかに健康に良いとされている行為がある。

気になるこの習慣は都市伝説? 
それとも本当に健康に良い? 専門家にきいてみました。

 まず、朝日を浴びると体にスイッチが入るってホント?

 ホント。
予防医療コンサルタント細川モモさんはこう解説する。
「日本人女性の体内時計は1日24時間10分。
放っておくと地球の24時間との誤差がどんどん広がってしまいます。
この体内時計の調整に大きくかかわっているのが太陽。

朝日を浴びることで脳にある体内時計がリセットされ、活性するんです」

 忙しかった1週間の疲れは、週末に寝だめすれば大丈夫ってホント?

 これはウソ。
寝だめはできないと、スリープクリニック銀座の倉知美幸さんは言う。
「睡眠は前項の体内時計と関係が深く、人は朝日を浴びて14〜16時間後にメラトニンという、眠りを誘う物質が出て、夜寝つきやすくなります。

休日だからと昼過ぎまで寝ていると、リズムが乱れて夜に眠れず、翌朝起きられないことも。

睡眠は成長ホルモンを促すなど、若返りのためにも重要。
寝不足なら早めに就寝し、朝はいつもどおり起きて、その夜、早めに寝るほうが、長時間寝るより疲れがとれますよ」(倉知さん)

 お風呂に入るなら、帰宅後すぐと、寝る前30分のどっち?

 寝る30分前のほうが、寝つきがスムーズ。
「汗をかいた日は、帰宅後すぐにお風呂に入りたいと思いますが、睡眠という観点から見ると、就寝前がオススメです。
人は、体温が急激に下がる時に眠くなります。
そのため、入浴を就寝の30分前にしたほうが、寝つきやすいんです。
帰宅後すぐはシャワーで汗をサッと流し、就寝前にゆっくり入浴するのもいいでしょう」(倉知さん)。

※女性セブン2015年9月17日号
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2015年09月07日

スマホ依存から救うコツ…香山リカ

小町拝見
スマホ依存から救うコツ…香山リカ
2015年09月07日 読売新聞

 「スマホばかり見る人」というトピを見たが、診察室でもときどき同じような話を聞く。  

「夕食のときも夫がずっとスマホをいじっている。
『仕事のメールだよ』と言うけれど、ホントなのかどうか」と顔をしかめた女性もいた。

「不倫チャットでも何でもいいけどとにかく『ここじゃないどこか』に気持ちが行ってるのが許せない」と言うのだ。

 スマホができたおかげで、人は簡単に「ここじゃないどこか」に意識を飛ばせるようになった。
電車の中でも会議中でも、遠く離れた人と会話したり海外の情報にアクセスしたりできる。
その面白さにのめり込み、中毒になってしまう人がいるのも当然だろう。

 とはいえ、おとなの場合は、「時と事情」というものがある。
とくに目の前に家族や恋人という大切な人間がいるのに、心だけ遠いどこかに飛んでいては相手は気を悪くもするはずだ。

 中には「食卓の妻と会話しながらスマホのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿もできる」と豪語する人もいるが、人間の脳は意識を同時に分散できるほど器用にはできていない
おろそかになるのは必ず目の前の現実のほう。
上の空で返事をして関係が険悪になってしまうことになる。

 どうすれば夫や恋人をスマホ依存から救うことができるか。

どなったり取り上げたりするのは、逆に「見たい」という渇望を引き起こす。
ここは「飽きるまでどうぞ」とやらせつつ、「でも終わるまで食事には手をつけないでね」と一つだけルールを提示してみるのがよいと思う。

いくら興味のあるサイトやゲームでも、やるだけやったら「飽きてきた」となり、「それより食事のほうがいまは大切」と自らスマホを置く気にもなる。

本人が積極的に「もうやめよう」という気にならないと、依存症からなかなか脱出できないことが、最近の精神医学の研究で明らかになりつつあるのだ。
 「お好きなだけどうぞ。ただし食事はそのあとで」。ぜひ試してみてください。

香山リカ(かやま・りか)
 精神科医、立教大教授。
1960年、北海道生まれ。
豊富な臨床経験を生かし、新聞やラジオ、テレビなど様々なメディアで、現代人の心の問題について発言している。

2015年09月07日 Copyright コピーライトマーク The Yomiuri Shimbun
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2015年09月12日

<関東・東北豪雨>「まさか、これはダメ」水没に悲鳴 宮城

<関東・東北豪雨>
「まさか、これはダメ」
水没に悲鳴 宮城
毎日新聞 9月11日(金)21時53分配信  

◇田園地帯。大崎市流れる渋井川が決壊

 「まさか、ここでも」。
茨城県など北関東地方に大きな被害をもたらした南北に連なる「線状豪雨」が、今度は東北地方を襲った。
河川はまたもや未明になって次々と氾濫。
住宅街や周囲の水田を次々とのみ込み、住民の多くはなすすべもなく、救助を待った。

 宮城県北部の田園地帯

大崎市を流れる渋井川の堤防は11日午前5時前に決壊し、付近の住宅街に水が流れ込んだ。
早朝に水かさが一気に増したため自宅に取り残された住民も多く、不安を抱えながら救助を待った。
市によると、渋井川の堤防決壊で古川西荒井地区周辺で孤立した146人がヘリやボートで救助された。

 避難所となった古川第五小体育館には自力避難を含めて約160人が避難。
同地区の佐々木はるさん(63)は同日午前4時半ごろ、近所の人に声をかけられ、玄関のドアを開けると水が家の中に流れ込んできた。
平屋建ての自宅では「危ない」と感じ、119番した後、10カ月の孫のミルクとおむつをゴミ袋に詰めて助けを待った。
駆けつけたレスキュー隊員に孫を抱えてもらい、胸まで水につかり、流れにさらわれそうになりながら、家族6人で約20分歩いて脱出したという。

「家はもう住めないかもしれないが、家族全員が元気なことが唯一の救い」と話した。

 隣の地区の佐々木公男さん(74)は自宅1階が床上浸水し、2階のベランダからタオルを振って救援を求め、自衛隊ヘリで体育館に運ばれた。
佐々木さんによると、午前5時50分ごろ自宅の外が15センチ程度浸水しており、その10分後には外に出られないほど深くなり、同7時には家に水が入ってきたという。

「玄関を無理やり開けたら膝上まで水があり、これはダメだと思った。
水が一気に上がったから逃げるか判断する時間もなかった」と振り返った。

 同県栗原市の自営業、菅原久孝さん(71)は、同市内で死亡が確認された女性が車で流されるのを見て通報した。
菅原さんは女性が「助けて」と何度も叫ぶ声を聞いた後、車が左右に一回転しながら泥水に押し流されるのを見た。
女性が窓を閉めたため、菅原さんは開けるようにジェスチャーしたが、直後に沈んだという。

「こんなに恐ろしい洪水は初めて。
助けられなくて本当に残念だった」とうつむいた。

 11日で東日本大震災から4年半

震災の津波で甚大な被害を受けた同県東松島市野蒜(のびる)地区では、近くの吉田川の増水で午前7時前に近隣世帯に避難指示が出され、避難所の一つの旧野蒜小校舎には昼までに約100人が避難した。

近くの尾形典子(ふみこ)さん(83)は
「今日は震災の月命日で、あの日と同じ金曜日。
心配で、震災以来用意してきた防災リュックを持ってきた」。

小山恵美子さん(82)は「ここに嫁に来て約60年になるが、川の増水で避難指示が出るのは初めて。
昨日は茨城の大雨の映像を見て震災を思い出し、眠れなかった」と話した。

            【百武信幸、本橋敦子、二村祐士朗】
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2015年10月07日

「他人の悪口ばかり言う人」の頭の中はどうなっているのか?

「他人の悪口ばかり言う人」の
頭の中はどうなっているのか?
2015年10月6日 日刊ゲンダイ

 口さえ開けば、他人の悪口を言っている人がいる。
本人は悦に入って気持ちいいのだろうが、周囲は「またか」とうんざり。
職場の風紀を乱していることに当人だけが気付いていない。

 転職する理由として常にトップに来るのが、「職場の人間関係」だ。
性格的に合わない上司や同僚がいて、やむにやまれず職場を去るというケースもある。

 Web支援サービス「サムライファクトリー」が、転職者150人にアンケートしたところ、生々しい証言が次々に飛び出している。

「説明を頭の中で整理していると、『○○さんには理解できないね。じゃあいいです』と呆れて笑うように言った」(35歳男)

「現状すべてに不満があるような人がいて、職場の飲み会の店にまでケチをつけて嫌な気分になる」(50歳女)

「仕事のアドバイスを上司に求めたとき、『おまえ、もういらないよ』と言われた」(38歳男)
「自分がミスしてしまったのもいけないが、『親もバカなんだろうな』と侮辱されたことが許せなかった」(26歳男)

 性格が悪いと言ってしまえばそこまでだが、この手の連中はどこの職場にもいる。

■「脳の異常」の可能性も

 これがネットの世界になると、さらに暴言は酷くなる。

話題の新著「他人を非難してばかりいる人たち」(幻冬舎新書)には、そんな事例が数多く登場する。

 例えば、2013年6月に岩手県議の小泉光男氏が自殺した件――。

 小泉氏は、岩手県立中央病院で呼び出しを名前でなく番号でされたことに立腹。
病院にクレームの電話を入れた上、ブログに「ここは刑務所か」と病院を批判する内容を記載した。

 すると、「公僕のくせに何様だ」といった抗議が殺到。
フジテレビ「とくダネ!」などのワイドショーが小泉氏の自宅を突撃取材し、いよいよ集中砲火を浴びる羽目に。

 ネットで偏執的に批判を繰り返すような人は、バカバカしいことをしているのに気づいていない。
他人を批判しても彼らは個人的に利益を得るわけでもないのに、自分の貴重な時間を削ってまで他人を攻撃しているのだ。

 他人の悪口ばかりを言っている人は
       何か理由でもあるのか?

 改めて著者の岩波明氏(昭和大学医学部教授)に聞いた。

ネット住民たちの悪口は、最初は正論から始まります。
そこから“嘲笑”“さげすみ”に発展し、最後は“罰を与えること”が目的になる。
五輪エンブレムの問題でも、最終的には人格否定や家族攻撃に向かいました。

では、なぜ他人を批判するかというと、端的にはその人が“弱い人”だからです。不満や悪口を言うことで留飲を下げているのです」

 攻撃的になっているとすれば、原因は遺伝的、脳の異常、ストレスなどの環境要因も考えられる。
米国の研究では、思春期や青年期に強いストレス(いじめを受けたり、両親との対立など)があると、他人を思いやれない性格になりやすい。

こういう人が職場にいたら「可哀想な人だ」と思って割り切った関係を続けるしかない。
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2015年10月08日

おとなを拒否する少女

香山リカのココロの万華鏡:
おとなを拒否する少女
毎日新聞 2015年10月06日 首都圏版

 また悲しい事件が起きた。
三重県で高校3年の女子生徒が同じ学校の男子生徒に刃物で胸を刺されて殺害されたのだ。
取り調べで少年は「頼まれて殺した」と述べ、友人らは女子生徒に「自殺願望があった」と語っている。

 事件の詳細はまだ明らかでない部分も多いのでここからは一般的な話をしたい。

10代の少女は、しばしば「おとなの女性になりたくない」と口にする。
女の子の場合、おとなへと成長する中でからだの変化も激しく、それを嫌悪することもめずらしくない。

食事を極端に減らす拒食症の少女は、よく「ほっそりした少年のようなからだは清潔、豊満な女性のからだはきたない」と語る。
その「きたない」というイメージが母親に投影され、「お母さんのようなおとなの女になりたくない」と反発する少女もいる。

 その中に、まれではあるが「心もからだもおとなの女性になるくらいなら、その前にきれいな少女のまま死んだほうがよい」と考えるケースもある。
しかし、この少女たちにとって「死」は空想や物語の世界の出来事で、実際に何を意味しているのかの実感はあまりない場合が多い。

「私がいなくなったら親はどれくらい苦しむかな。それを見たい」などと話す少女に「でも、死んだらその様子を見ることもできないよ」と伝えてハッとした顔をされたこともある。

どうも彼女は「死後も現実の世界を見続けることができる」といった内容の小説を読み、それをうのみにしていたようだった。
 「おとなの女性はきたない」と思い込み、成熟を拒否する少女たちとは、よく「カッコいいおとなにしかできないこと」といった話をする。

自分の人生は自分で切り開けるのだから、すてきな女性として生きる生き方を選べばよいのだ。

「おとなはみな嫌い、というわけじゃないでしょう」
「うん。アフリカとかで医者をやっている女性をテレビで見て感動した」
「じゃ、それを目指そうよ」といった会話も何度かした。

 実際におとなになってみると、心の中は10代の頃とそれほど変わるわけではなく、むしろ好きなことを思い切りやることだってできる。
体重やシワが増えたりすることはあるけれど、「きたない」と思うほうが間違っているとも気づいた。
「きれい、清潔」と思える生き方かどうかは、年齢や見た目が決めるのではない。

「おとなになりたくない」少女たちには、恐れずにおとなの女性になって自分らしさを十分に花開かせてほしいと願っている。
            (精神科医)
posted by 小だぬき at 12:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月09日

貧困と生活保護、丸裸になってからの保護でよいのか

原記者の「医療・福祉のツボ
貧困と生活保護
丸裸になってからの保護でよいのか
2015年10月9日 読売新聞

生活保護を受けるときの要件のひとつは、その世帯が持っている資産の活用です。

 現金、預貯金、不動産、自動車、家財道具、掛け捨てでない保険などの保有が、どれぐらい認められるのかが問題になります。

 簡単に言うと、現金・預貯金の保有限度額については、非常に厳しいのが現状です。
自動車の所有も、かなり厳しくなっています。

 一方、住んでいる持ち家や耕作中の田畑は、所有したまま保護を受けられるのが原則です。
いま持っている家財道具や電化製品も、一般的なものなら、手放さなくて大丈夫です。

申請時の手持ち金の目安は、保護基準の1か月分

 生活保護の対象になるかどうかは、その世帯の1か月あたりの収入と、必要な最低生活費=生活保護基準額(家賃・医療費・介護費を含む)を比べて判断します。

収入や医療費は月によって変動するので、過去3か月平均で見ますが、大きく変わる事情があれば、実情にあわせて判断します。

 そのとき、手持ちの現金や預貯金の扱いは、どうなるのでしょうか。

 結論から言うと、現金・預貯金があるとき、生活保護を申請して認められる実際上の目安は、保護基準額の1か月分です。
それを上回る現金・預貯金があると、申請しても却下されます。
先に手持ち金を使って生活しなさい、ということです。

 実は、厚生労働省は、資産による保護の要否判定の線引きをはっきり示していません。
明示しているのは、保護を開始するとき、保護基準額の5割を超える手持ち金があれば、超えた部分を収入として認定し、最初に支給する保護費を減らすということです。

保護開始時の手持ち金は、保護基準の半月分だけ

 申請する段階で持っていた手持ち金のうち、保護基準額の5割を超えている分は、あとから保護費の減額という形で“没収”されることになります。

 結局、保護を受ける時に保有が認められるのは、保護基準額の0.5か月分にとどまります。

保護基準額は、地域、年齢、障害の有無、医療費の額などによって違ってきますが、0.5か月分は単身の場合だと5万〜8万円程度でしょう。
 それを考えると、手持ち金が保護基準額の半分に減るまでは、家財道具や電化製品で足りない物を買ったり、買い替え・修理したりしておくほうが得策です。

家財道具や電化製品の購入費用は、本当に最低限の物がないときや、新しい住居に住むときに一定額が出るのを除いて、生活保護で支給されないからです。

いろいろな物が壊れたり傷んだりしても、修理や買い替えの費用の別途支給はなく、保護費の中からをやりくりするしかありません。
実際に生活に困っている人は、そんなことを考える余裕のない場合が大半でしょうが……。

生活再建をかえって妨げないか

 手持ち金の実務上の線引きに対しては、ほとんど丸裸にならないと保護を受けられず、厳しすぎるという意見があります。

保護を受けていない段階では、公的な保険料や医療費、水道代などの負担がかかります。
生活費以外のお金が乏しいと、就職活動のための交通費や衣服代を出せない、医療にかかりにくいといった状況が続き、生活力が弱って精神的も追い込まれがちです。
弱ってから保護するのでは、生活再建がむずかしくなるのではないか、ということです。

 保護を受け始めてからも、手持ち金が乏しいと、生活の向上や自立に向けた活動の余裕がなく、かえって保護からの脱却を妨げるのではないか、という指摘があります。

 2004年12月に出された「生活保護制度の在り方に関する専門委員会報告書」は、破産法の規定を参考に、手持ち金の保有限度額を3か月程度まで認めるべきだという多数意見を示しました。

しかし、一般世帯とのバランス、国民感情、財政負担などを理由に反対する意見もあったことから、厚労省は保有限度額を拡大していません(むしろ反対に、保護基準を下げています)。

 他の先進国の公的扶助制度では、これほど厳しい資産基準は設定されていないようです。
手持ち金がほぼ完全になくなってから保護するという考え方は、見直すべきだと筆者は思います。

保護費のやりくりで貯蓄するのは問題ない
保護を受けてから、保護費をやりくりして貯蓄するのは、認められるのでしょうか。

 保護費の使い道は基本的に自由です。
生活の維持向上や自立に向けた貯蓄は問題ありません。

 かつては、保護費を切りつめた貯蓄でも、資産と解釈して高額なら収入認定するという運用があったのですが、加藤訴訟秋田地裁判決(1993年4月23日、高齢の障害者が将来の介護費用として約80万円をためていた)、中嶋訴訟最高裁判決(2004年3月16日、子どもの高校進学のため満期保険金50万円の学資保険に加入していた)――を経て、運用が変わりました。

 中嶋訴訟で最高裁は「生活保護法の趣旨目的にかなった目的と態様で保護金品等を原資としてされた貯蓄等は,収入認定の対象とすべき資産には当たらない」と判断したのです。

 この裁判の影響もあって、高校・高専レベルの学校の就学費用は、2005年度から生業扶助として生活保護から出るようになりました。

 しかし、子どもの塾代や大学の進学費用は出ません。
家財道具や電化製品の修理・買い替え費用、結婚費用も出ないのが現状です。あまりにも切りつめた生活をするのは問題ですが、やりくりによる貯蓄を認めるのは当然でしょう。

 なお、住宅が傷んだときの修理費、資格や技能の習得費、就労活動費、就職支度費、出産費、葬祭費は、一定の範囲で生活保護から支給されます。

生命保険、学資保険の扱い  保護を申請したときに、解約返戻金のある生命保険に加入していると、資産として解約を求められるのが原則です。

ただし返戻金が少額で、保険料も高くないときは、保険金や返戻金を受け取ったときに保護費を返還するという条件つきで、保護を受ける方法が認められています。

目安としては、返戻金の額が、医療扶助を除いた保護基準額の3か月分程度、保険料が、医療扶助を除いた保護基準額の1割程度以下とされています。

 このほか、厚労省の見解は示されていないのですが、近いうちに亡くなるか重い障害になる病人がいて、やがて保険金が出る見込みのとき、入院特約があって入院の見込みがあるとき、年金特約があって年金給付が近く始まるときなどは、加入の継続を認めるべきではないでしょうか。

福祉事務所が認めない場合は、法律家に相談して交渉してみるとよいでしょう。

 学資保険は、保護を申請する時点で加入している場合、解約返戻金が50万円以下なら、保有したたま保護を開始してよいという解釈を厚労省は示しています。

先に述べた中嶋訴訟の事例にぴったり合わせた金額です。
 ただし保護を受けてから加入した場合と違い、満期でお金を受け取ったら原則として、申請時の解約返戻金に相当する額を返還するよう求められます。

学費がどんどん高くなった中、大学などに進学するために入った学資保険でも、もともと保有していた分を没収されるとしたら、自立を助長するという生活保護の目的に反する気がするのですが、どうでしょうか。

◆ 原昌平(はら・しょうへい)
           読売新聞大阪本社編集委員。
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2015年10月10日

「すぐ態度を変える人と深く関わると信用を失う」と心理学者

すぐ態度を変える人と
深く関わると信用を失う」と心理学者
2015.10.09 16:00 NEWSポストセブン

 フジテレビ系『全力!脱力タイムズ』でもおなじみの、東京未来大学・こども心理学部長の出口保行さんが同僚に困っているという女性の相談にお答えします。

【相談】
 同僚の美奈子は自分にとって有利な先輩を見つけると、すぐにその人になびいていきます。
それまで慕っていた人のことなどなかったかのような変わり身の早さに、こっちが恥ずかしくなるくらい。
そんなアンテナより仕事のアンテナ張ってくれるかな! (神奈川・佳苗・32才)

【回答】
 同僚の美奈子さんはつねに社内の形勢を見て、自分に有利な人につくという考え方であること。
そして、その手のひら返し具合があまりにもあからさまで、佳苗さんやほかの同僚の目に余るのですね。
 その場の状況で、有利なほうに流れたり、他人の意向を気にし、それに左右される人を、世間では日和見主義とか風見鶏などと呼び、あまりいい印象がないようです。

 ずいぶん前ですが、総理大臣まで務めた日本のある大物政治家が、党内でのポジションを情勢によってクルクル変え、その様子を風見鶏にたとえられたのは有名な話です。

 しかし、美奈子さんのようなタイプは、どの会社にも多かれ少なかれいるのではないでしょうか。
 このタイプは長いものに巻かれる人、調子のいい人など、ネガティブなイメージがありますが、この立ち居振る舞いは生きていく上で必要なことでもあるのです。

 自分の持っている能力ではなく、人の能力を借りて何とかしようとするわけですが、それには状況判断能力や先を見とおす能力が高くなければできません。

 となれば、社会の中ではこの能力は必要ですし、その能力がある人は、成り上がっていけるのです。
もちろん、それがあまりにもあからさまだと、いやらしく見えて、周りの人から嫌われますから、程度問題というのはあるでしょうが…。

【対策】
 どんなに仲よくしている相手でも、不要になるとバッサリ切ってくるのがこのタイプ。
その変わり身といったら、あっぱれといいたくなるくらい、後をひきません。

 つきあうなら、「いつ裏切られるかわからない」と肝に銘じ、距離をとりながらかかわることです。
短期間に利益を得ようとする場合、このタイプの人はうまくことが運ぶかもしれませんが、コロコロと態度が変わるため、最終的に信用を失う可能性も高い。

 深くかかわると、あなたまで周りから信用を失いかねません。
距離をとってつきあうことは、裏切られた時の屈辱を味わわないための自衛策でもあるのです。とはいっても、苦々しく思うことばかりではないのです。

 人の意見に左右されない堅く強い意志を持っている“志操堅固”がいいとされる、日本人の文化があるから、日和見主義や風見鶏のようなタイプはよしとされにくいのですが、下手に意地や義理をとおして失敗する人が多いことも事実です。

 つまり、美奈子さんのようなタイプで、出世はするけど、周りから信用されないケースもあれば、その真逆のタイプだからこそ失敗し、周りの人が去っていくケースもある。

 どちらも極端な例だから、いい悪いは一概にはいえませんが、美奈子さんほどではないにしろ、佳苗さん自身も、状況判断能力や、時間的な展望などを俯瞰する能力を身につけることは、社会で生きていくためには必要だということを理解しておきましょう。

   ※女性セブン2015年10月22・29日号
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2015年10月12日

遅刻厳禁!完璧主義なオトコと付き合う前に知っておくべきこと4つ

遅刻厳禁!
完璧主義なオトコと付き合う前に
知っておくべきこと4つ
2015年10月11日(日)19時30分配信 Menjoy!

どんなタイプの男性と付き合いたかと聞かれて、「しっかりしている人」と答える女性って結構多いです。
結婚するとなったらチャランポラン男では頼りないし、男性に持っておいてほしい性質ですよね。

でも、もし彼が完璧にこだわるパーフェクショニストだったら、それはそれで大変だったります。
そこで、海外女子大生向け情報サイト『College Candy』に掲載された記事を参考に、?完璧主義なオトコと付き合う前に知っておくべきこと4つ”をお届けします。
うまく完璧主義な男性と付き合えたら、頼りない男性とはオサラバできるかもしれませんよ!

■1:完璧主義者は急な予定の変更を嫌う

完璧主義者は、自分が計画した通りに物事を進めたがる傾向があるので、突然のプラン変更を好みません。
デートや旅行も、滞りなく楽しめるように詳細を全て調べているので、できるだけ彼の計画通りに動いてあげましょう。
そういう意味では、思い付きで自由に行動したい女性とは、相性が良くないと言えるでしょう。

■2:いつも時間厳守で!

とにかく、しっかりしている彼は、自分の時間も大切にしているので相手の時間もムダにしません。
なので、いつも10分前行動は当たり前で約束の時間を厳守するので、あなたも遅刻しないように気を付ける必要があります。
いつも遅れて待たされるのも困りますが、常に時間厳守も結構大変です。
どっちもどっちかもしれませんが、あなたの時間を尊重してくれる、彼のそんなところを長所だと思ってあげてください。

■3:身だしなみがOKか、常に聞かれる準備を!

何でも完璧にしたい彼は、ファッションのコーディネートからヘアスタイルに至るまで、全てがバッチシ! なのに、服装がおかしくないかとか髪のセットが乱れていないかとか、あなたに確認を取ったり鏡のチェックに大忙しです。

交際当初は我慢できても、次第に彼のそういう点がうっとおしくなってくるかもしれません。
それでも、前もって「完璧男はこんなものだ」と心の準備をしておけば、軽く流せるようになるはずです。

■4:超キレイ好きなので、その覚悟を!

完璧主義な男はキレイ好きが多いので、部屋もきちんと整理整頓されている場合がほとんどです。
もし、あなたが散らかす癖があるならお泊りの時は気を付けて、自分のマンションや部屋も掃除してキレイにしておかないと、彼にドン引かれちゃうかもしれません。

ダラしなくて頼りがいがないのと、全てきちんとしている完璧主義オトコならどちらが良いですか!?

 きっと、慣れてしまえばパーフェクショニストな男の方が、付き合いやすいのではないでしょうか。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
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コンビニおにぎりと弁当は危険!原価5円?添加物まみれで健康被害の恐れ

コンビニおにぎりと弁当は危険!
原価5円?添加物まみれで健康被害の恐れ
 2015年10月12日(月)6時6分配信 ビジネスジャーナル

 英ロンドンで行われているラクビーワールドカップでの日本代表チームの大活躍が、世界中のラクビーファンを熱狂させています。
 そんな日本代表チーム躍進の原動力を支えているのが、おにぎりだというのです。

10月5日のJNNニュースによると、イギリスの食事だけでは選手が持たないと、試合前後に1人2個ずつ、ロンドンの居酒屋店女将がつくったおにぎりを食べているといいます。
具はサケで、海苔は消化が悪いため付けていないとのことです。

 このニュースを見て、「やっぱり日本人はおにぎりだよな」と、納得しました。
日本代表チームには外国籍の選手も多くいますが、皆、長期間日本でプレーをしている選手たちで、おにぎりも日頃から食べています。

 しかし、おにぎりとはいっても、コンビニエンスストアのおにぎりで今回のような力を発揮することができたのかは疑問でしょう。
読者諸氏も、日本代表チームがおにぎりを食べて劇的な活躍をしたのに刺戟されて、「俺もコンビニおにぎりを食べるぞ」なんて決して思わないことです。

「安い、うまい、便利」ということで、コンビニおにぎりを愛好している人は少なくありません。
ところが、コンビニおにぎりは、コメ本来の味を引き出した食品ではありません。
うまいと感じているのは化学調味料(うまみ味調味料)など食品添加物の味です。
おにぎりは、ごはんと具だけのシンプルな食べ物だから添加物の心配は少ないと思っていたら、とんでもないのです。

コンビニ食品でよく見かける「保存料・合成着色料不使用」のキャッチコピーに騙されてはいけません。
これは添加物不使用ということではありません。
保存料、合成着色料に代わる添加物は使用されているのです。

 まず、ほとんどのコンビニおにぎりに使われている添加物がグリシンという炊飯改良剤です。ごはんのつやを出す効果存性を高める目的で添加されています。

グリシンは人工的に合成されたアミノ酸です。
体内でつくられるアミノ酸のグリシンは脳に働きかけ睡眠を深くさせる作用があります。
こうしたことから、添加物グリシンは一部の製薬会社から安眠効果を高めるサプリメントとして販売されています。

●人工合成されたグリシンに要注意

 しかし、人間の体内でつくられるアミノ酸のグリシンと、人工的につくられた添加物のグリシンとは別の物質と理解しておかないと、予想もしない健康被害に遭う恐れがあります。
もっとも心配されるのが過剰摂取です。

「食品添加物公定書」という公的な専門書には、グリシンをモルモットに大量に与えると、筋緊張の消失と一過性の完全麻痺が起こったという報告があります。
また、大きな特徴として右回りの円運動を行うとも報告されています。

大量に食べると、ということですが、グリシンはコンビニおにぎりだけでなく、ほとんどのコンビニ弁当に使われています。

 合成アミノ酸を大量に摂取する怖さは、「L-トリプトファン事件」が実証しています。
これは1988年から89年にかけて、昭和電工が製造した合成アミノ酸のL-トリプトファンを添加した清涼飲料水を飲んだ人が、米国で38人も死亡した食品公害事件です。
日本でも同様の清涼飲料水が発売される予定でしたが、米国での被害が表面化したため、急遽発売を中止し、難を逃れたのです。

 今のように、量的にも対象食品も無制限にグリシンを使用している状態では、いつL-トリプトファン事件のような事態が起こるかわかりません。

身を守る一番の方法は、グリシンの添加された食品、サプリメントは摂取しないことです。

 おにぎりの具といえば、梅干しやサケが頭に浮かびます。
ラクビー日本代表チームでもサケが一番の人気だったのことです。
コンビニおにぎりでは、そのサケにも添加物が使われています。

サケの身のつや出しに甘味料のソルビット(ソルビトール)、品質保持のためにpH調整剤などが使われています。

ちなみに、海上自衛隊(呉補給廠)では、pH調整剤の添加されているパックご飯は使えないことになっています。
おそらく、国を守る隊員に対しては、健康に悪影響を与える食品は提供できないということなのでしょう。

 普段コンビニおにぎりを食べている人は、「コンビニおにぎりが体に良いとは思えないけれど、何しろ安いから、背に腹は代えられない」と言うかもしれません。
 確かに、1個100円前後ですから安いと思うでしょう。
しかし、コンビニおにぎり1個の原価(コメのみ)は、間違いなく5円以下です。

昨年などコメの取引価格が暴落して、産地によって違いはありますが、多くは60キロ(1俵)7000円台で生産者から卸業者へ売られています。

コンビニおにぎりに使用されるコメは1個当たり80グラムほどですから、7000円台のおコメで計算すると、1個3円程度です。
少し高いコメを使っても5円以下のはずです。
具とか輸送費、人件費などを入れても1個100円はとんでもなく高い価格です。

スーパーで5キロ2500円のおコメを買ってきておにぎりをつくれば、1膳分(140グラム)30円、1500円のおコメなら18円です。
「安くて、安全で、おいいしい」おにぎりは、絶対に手づくりに徹するべきです。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)
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2015年10月15日

「一億総活躍社会」は一億総"ストレス"社会 .

「一億総活躍社会」は
「一億総ストレス社会」?
12月の法改正は“しんどくても働け”!?
2015.10.14. ヘルスプレス

 今年12月1日に施行される改正労働安全衛生法。
その取り決めにより、事業者は従業員に対し、ストレスチェックと面接指導の実施等が義務づけられることになった。

 50人以上の従業員がいる企業にとっては、あと2カ月足らずで適用されるこの制度(従業員50人未満の事業は当分の間、努力義務)。
いったいどのようなものなのだろうか?

 厚生労働省が発表している「制度の概要」によると、このストレスチェック制度は、
「定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させる」
「検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、ストレスの要因そのものも低減させるもの」だという。

 さらに「その中でメンタルヘルス不調のリスクの高い者を早期に発見し、医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止する取組」だと説明している。  

ストレスチェックの調査票にどのようなものを使うかは事業者が自ら選択できるが、国が推奨する標準的な調査票もあり、それがネットでも公開されている。

ネットで公開された“標準的な調査票”

 「A あなたの仕事についてうかがいます。最もあてはまるものに○を付けてください」という設問には、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理できない」「一生懸命働かなければならない」「かなり注意を集中する必要がある」など17問。

それぞれ「そうだ」「まあそうだ」「ややちがう」「ちがう」の4段階から回答する。

 「B 最近1カ月間のあなたの状態についてうかがいます。
最もあてはまるものに○を付けてください」とい設問には、
「活気がわいてくる」「元気がいっぱいだ」「生き生きする」「怒りを感じる」など29問。
それぞれ「ほとんどなかった」「ときどきあった」「しばしばあった」「ほとんどいつもあった」から選択する。

 「C あなたの周りの方々についてうかがいます」には、「上司」「職場の同僚」「配偶者、家族、友人等」についてそれぞれ「どのくらい気軽に話ができるか」「どのくらい頼りになるか」「個人的な相談をどのくらいきいてくれるか」を回答する、といった具合だ。

 最後のDは「満足度について」。「仕事」「家庭生活」それぞれに対し、「満足」「まあ満足」「やや不満足」「不満足」の4つから回答する。

制度と逆行する「一億総活躍」の掛け声 .

 うつ病による休職者や退職者の高止まりが社会問題となり、多くの人が苦しんでいるなかで、職場におけるストレスの度合いを早めにチェックする調査が制度化されることは評価したい。  だが、このような機械的な調査が根本的な解決につながるのかというと、それは疑問だ。

「調査をちゃんとやっているからうちの会社は大丈夫」という免罪符に使われてしまい、職場におけるコミュニケーションの柔軟さや、ゆとりのある仕事内容、勤務時間の短縮といった本質的な問題がむしろないがしろにされはしないかという懸念が残る。

そもそも、調査対象となる人が会社に気を使って正直に回答しない可能性だって否定できないのだ。

 折しも、安倍晋三首相は「一億総活躍社会」などということを言いだし、先の内閣改造で「担当大臣」まで任命した。
「一億総活躍」というのは、要するに小さな子ども以外は、どんなにしんどくても休みたくても身体や心が疲弊しても働き続けろ、という意味につながりはしないのか?  

そのように、走り続けなければふるい落とされてしまうようなハードな社会の動きこそが、疲弊するビジネスマンを大量に生み出しているのではないだろうか――。

 厚生労働省の「ストレスチェック制度の概要」によると、このストレスチェックで高ストレスの通知を受けた労働者から申し出があったときは、医師による面接指導を行なうことが事業者の義務になるという。

 願わくは、この「ストレスチェック調査票」が正しく使われ、休みたいときは休める社会にもっと近づくことを期待したい。
うつ病の多くは、まぎれもなく「職場の過重負担」によって起こっているのだから。
             (文=編集部)
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香山リカのココロの万華鏡:その子に何が最善か 

香山リカのココロの万華鏡:
その子に何が最善か 
毎日新聞 2015年10月14日 首都圏版

 悲しいニュースが報道された。
2014年度の児童虐待が過去最多に上った、というのだ。

全国の児童相談所が対応した件数を厚生労働省がまとめたのだが、前の年に比べて約2割増の8万8931件だったとのことだ。
 厚労省は増加に関して慎重な説明をしている。
「きょうだいへの虐待」や子どもの前でたとえば父親が母親に暴力を振るう「面前ドメスティックバイオレンス」も、本人への虐待として対応するようになったことも関係しているのではないか、というのだ。

 ただ、たとえその分が増加に数えられたとしても、楽観はできない。
診察室で見ていても、虐待の種類やあり方は本当にさまざまだ。

「殴る蹴る」だけが虐待だと思い込んでいる人は今やいないと思うが、家族への暴力を見せられただけではなく、万引きの手伝いを強要された、親が使う違法薬物の受け渡し役となった、といった話も聞いたことがある。

母親が家にいるのに父親とその愛人との旅行に同行しなければならなかったのが苦痛だった、と涙ながらに話してくれた人もいた。
 もちろん、家族の形はそれぞれ違ってよいので「両親がそろっていつも笑顔で家にいること」が何としても必要、と言いたいわけではない。

親が病気でほとんど子どもの世話ができないという家庭もあるだろう。
ただ、子どもはおとなが好きに扱ってよい“所有物”ではなく、独立した心とからだを持った立派な人間なのだ、という基本はどんな場合も忘れてはならない。

 「いやならはっきり言えばよかったのに」と後になって言う親もいるが、子どもはからだも小さく力も弱く、「親にきらわれたくない」といつも思っている。

たとえ「お兄ちゃんが殴られているのを見るのはつらい」と感じても、とても「やめて」と言い出すこともできず、「早く終わらないだろうか」とひたすら待つだけだ。

 かつては「どんな場合も子どもは親のそばで育ったほうがよい」という考え方が一般的で、警察や児童相談所が家庭に介入するのがむずかしかったが、最近、かなり考えが変わってきた。

危機が迫っている場合、子どもはまず命を保護されなければならない。
また、一歩踏み込めば、なんでも「親元がいちばん」ではなく、「この子の場合は別の信頼できるおとなのそばですごしたほうがよい」というケースもあるはずだ。
子どもの問題は一般論では語れない。
「この子ども」にとって何が最善か、と常に考えたい。   
         (精神科医)
posted by 小だぬき at 09:06 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月16日

怒りは6秒たつと落ち着く!? イラッとしてしまったときの対処法

怒りは6秒たつと落ち着く!?
イラッとしてしまったときの対処法
2015.10.16 R-30

◆人はなぜ、イラついてしまうのか?
〜イラッとのメカニズムと対策〜

「多くの人はイライラする原因は自分の外にあると思っています。
でも、それが間違い。
原因はすべて自分の中にあるんです」

 こう話すのは、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の代表理事を務める安藤俊介氏。

「人はそれぞれ『するべき』『するべきではない』という行動基準を持っています。
その基準に外れた行動などを見ると腹が立つ。
それがイラつきのメカニズムです」

 例えば周囲を気にせず傘を振り回して歩く人を見てイライラした場合、原因はその人ではなく、その行動を許せないと思う自分自身にあるというわけだ。

「基準は人によって違うので、多少のイライラはやむを得ない。
ですが、自分の基準から外れるすべての行動にイラついていてもダメ。

人の心の中には『許せる』『自分とは少し違うと思うが許せる』『許せない』の3つの基準があります。
中間の『自分とは違うと思うけど許せる』の幅が広い人は、多少のことではイラつかない人なのです」

 つまり、「自分とは少し違うけど許せる」幅を広げることが、イラつかない秘訣なのだ。
では、具体的にはどうすればいいのか。

「何にイライラしたか書き出して、自分自身の怒りの基準を明確にするといいでしょう。
そうすれば、自分がいかにくだらないことでイラついているかがわかるので『これではダメだ』と思えて改善の努力をするようになります」

 とは言いつつも、一朝一夕で心が広くなるとも思えない……。
思わずイラッとしてしまったときの対処法はないのだろうか。
「怒りは6秒たつと落ち着くといわれているので、まずは6秒間耐えること。
怒りを10点満点で数値化するのもイライラを客観視できて冷静になれるので有効ですね。
また、友人や恋人など親しい相手には直接注意することも必要です」

 ちなみに、イラつきの原因を愚痴ることはご法度。
話すことで負の感情が記憶に定着し、かえってイライラしやすくなるという。
すぐにイライラするということは他人や外的要因に感情を操られているということ。
それではあまりにも寂しい。
感情を自分でコントロールできるよう、普段から意識したほうがいいと思います

 生きていればイライラすることも多い。
そんなときは、“アンガーマネジメント”で穏やかな日々を過ごせるよう心掛けたい。
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2015年10月17日

疲れや不眠が続いたらチェック:見過ごしてはいけない「うつ病」の7つのサイン

疲れや不眠が続いたらチェック:
見過ごしてはいけない
「うつ病」の7つのサイン
2015年10月15日 21時0分 ライフハッカー[日本版]

米疾病対策センターによると、10人に1人のアメリカ人はうつ病を経験しているそうです。
しかし、うつ病の状態にある人でも、自分がうつ病だと気づいていない人が多いのです。
うつ病は軽度から重度まで範囲も広く、かなり症状が異なります。

うつ病の兆候は、疲れやストレス、加齢によるものだと思われていることもよくあります。
今回は、見過ごしてはいけないうつ病のサインを7つ、ご紹介します。

1. 怒りっぽくなる

ほとんどの人は、うつ病になると悲観的になり落ち込むものだと思っています。
しかし、うつ病でも絶望的になったり落ち込んだりするのではなく、イライラしたり怒りっぽくなる人もいます。
自分が怒りっぽくなってきたと思ったり、周りの人が腫れものに触るかのように自分に接していると気付いたら、見過ごしてはいけません。
ストレス過多や仕事の負荷が高い状態で、自分がイライラしたり怒りっぽくなっていることを責めてはいけません。
そういうときは、もしかしたらうつ病かもしれないと考えてみてください。

2. 睡眠障害がある

1日や2日、眠れない日があっても、そこまで警戒する必要はありませんが、睡眠が困難な状態が続いたら赤信号です。
うつ病の症状で不眠症になっていることがあります。

うつ病の人の多くが、疲れているにも関わらず、寝付きが悪かったり、眠りが浅いことに悩まされています。

また、うつ病で眠り過ぎるようになる人もいます。
朝起きるのが困難になり、夜も眠気を我慢できなくなります。
日中に昼寝をするようになる人も多いです。
自分の睡眠習慣が変わってきたと思ったら、その背後にある原因の可能性について確かめることが大事です。

3. 痛みがある

心と体は驚くほどつながっています。
メンタルヘルスに問題を抱えていると、身体的にも問題があらわれることがよくあります。
原因不明の痛みや、通常は加齢に伴う痛みなどは、多くの人が見過ごしてしまいがちです。
しかし、頭痛や腰痛、筋肉痛もうつ病のサインの場合があります。

4. 元気がなくなる

うつ病になると元気がなくなり、常にだるく無気力になります。
しかし、多くの人が「最近寝るのが遅いから」とか「忙し過ぎていつも疲れているだけ」などと言って、疲れのせいだと思っています。


自分のエネルギーレベルが、時間とともにどのように変化してきたかを考えてみましょう。ちょっとした仕事でも疲れたり、終わらせるのに時間がかかるようになってきたら、うつ病になっているかもしれません。

5. 罪悪感を感じる

人生や生活の中で起こった出来事に対して、不必要に自分を責めるのは健全ではありません。
離婚から子どものようにケンカしてしまったことまで、あらゆることに罪悪感を感じているなら、うつ病かもしれません。


また、うつ病の人は自分に価値がないと感じていることも多いです。
頭の中の自分の言葉に注意を払い、あまりにも刺々しく批判的になり過ぎていたら、それはうつ病のサインかもしれません。

6. 向こう見ずな行動をする

外では明るいお祭り人間のように見えている人が、実はうつ病を患っていることがよくあります。
ギャンブルにハマったり、リスクの高い性行為をしたり、薬物を乱用したりするのは、不快な感情を隠そうとしているのかもしれません。
最近、新しく危険なことに没頭しはじめた人は、精神的な不安を紛らわそうとしているサインかもしれません。
残念ながら、この手の不健全なもので気が紛れるのはほんの一瞬だけです。
長い目で見ると、うつ病を悪化させることになります。

7. 集中力が落ちる

集中し続けることが難しかったり、頭がぼんやりする場合は、うつ病のサインかもしれません。

うつ病の人は忘れっぽくなったり、カギや書類など毎日何かを忘れたりすることがあります。
現代のようなデジタル社会では、ほとんどの人が集中しにくい状況にありますが、集中力に問題がある場合は気分障害の可能性も考えられます。
生産性が落ちてきたり、仕事をし続けるのが難しいと感じたら、うつ病かもしれないと考えてみてください。

うつ病かもしれないと思ったらやるべきこと

自分はうつ病かもしれないと思ったら、すぐに病院に行って医師に相談しましょう。
うつ病は治療が可能な病気です。
セラピーや瞑想、その2つを組み合わせたものなどで、症状が軽減することもあります。

7 Subtle Signs of Depression You Shouldn't Ignore
|Inc. Amy Morin(訳:的野裕子) .
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人生相談:母に仕事を辞めたことを責められつらい

人生相談:
母に仕事を辞めたことを責められつらい
=回答者・高橋源一郎
毎日新聞 2015年10月17日 東京朝刊

 1年前に会社を辞めました。
そのころ母の体調が悪く、母を思って報告しませんでした。
それが最近「なんで私に言わなかったんね。
聞いていたら最後までとどまれといったのに」などと言われるようになり、自分はだめな人間だと考えるようになりました。
悪気はないのでしょうが、母の言葉が記憶に残り、小さいころから傷ついています。
大学生の子ども2人を一人で育てています。(50代・女性)

 

他人を傷つけることばを平気で吐く人がいます。
そして、当人はたいていそのことに無自覚……と書くと、みんな、その通りと思うでしょう。
どうしてそんなことができるのか、って。

   実は、ほとんどの人がそうやって、他人を傷つけています。
わたしだって、例外じゃありません。

自分のことばが、どんなふうに受けとられ、他人を傷つけているのか、気づかない。
誰もが他人を傷つける。
ただ、そのことを知っているか、知らないか、の違いがあるだけです。

お母さまを許してあげましょう。
ことばの恐ろしさをよく 知っているあなたの方が、自覚のないお母さまにとっては、親のような存在なんですから。
 
さて、お母さまを許してあげるなら、あなた自身も許してあげる必要があるでしょう。
女手一つで子どもたちを育てあげようとしている。
頑張られましたね。
そんなあなたが、自分を否定するようなことばを(内心ではあれ)発するとします。
もし、そのことを知ったら(そんな態度をとったら)、お子さんたちは、深く傷つくことでしょう。
自分の母親が、自分自身の生涯を肯定できない、としたら、子どもにとって、それほど悲しいことはないのです。

 親の役目は、ただ、子どもを育てることだけじゃありません。
「自分を肯定する」姿を、子どもたちに見せてあげなければならないのです。
あなたにはできるはずです。
こんなにも頑張ってこられたのだから。(作家)
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2015年10月26日

インフルエンザワクチン:製造原価上昇で接種費値上げ

インフルエンザワクチン:
製造原価上昇で接種費値上げ
毎日新聞 2015年10月25日 11時33分

 ◇高齢者の手控え懸念も

 インフルエンザワクチンの接種費用が値上がりしている。
今季からワクチンの成分が変わり製造原価が上がったためで、医療機関などによると、納入価格は昨季の約1.5倍。

流行が本格化するのを前に、現場の医師からは「接種を控える人が出るのでは」と懸念する声も出ている。
 従来のワクチンは、A型2種類とB型1種類の計3種類のウイルスで作られ、B型は専門家が季節ごとに流行を予測して2種類のうち1種類だけに対応していた。
しかし、近年はB型2種類が混合するタイプの流行が目立ち、厚生労働省は今年5月、効果を高めるため計4種類に対応するものに切り替えた。

 国内四つのワクチン製造元は、いずれも販売価格を公表していない。
このうち阪大微生物病研究会(大阪府)の担当者は「この十数年、原材料費が高騰しても価格を据え置いてきた。
今季から原料となる鶏卵の使用数も増え、値上げせざるを得なかった」と話す。

東京都が複数の卸売り大手に確認したところ、昨季は1人分1000円だった希望小売価格がいずれも1500円になっていた。

 任意接種のインフルエンザワクチンは公的医療保険の対象外で、料金は医療機関によって異なる。
横浜市のある診療所は昨季の3000円から3780円に値上げした。
ワクチンの納入価格と昨年の消費税の増税分を反映させたという。

 6カ月以上13歳未満は2回の接種が必要なため、値上がりの影響はより大きくなる。

 一方、65歳以上の高齢者などは予防接種法で接種が推奨され、自治体が費用を助成する定期接種の対象となっている。
自治体ごとに自己負担額が決められ、値上がりへの対応には差がある。

 東京都新宿区は今季の自己負担額を昨季の2200円から2500円にした。
担当者は「値上がり分を区と接種者で折半した形」と説明する。

1000円から1400円に上げた札幌市は「地元医師会に頼み、一部は医療機関に吸収してもらった」という。

名古屋市は「値上げを周知する時間が足りない」と据え置いた。

 NPO法人「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろうの会」理事の片岡正医師は「これほどの値上げは過去になく、医療機関としては接種料に上乗せせざるを得ない。
特に高齢者にとってインフルエンザの重症化は命に関わり、接種率の低下が心配だ」と話している。
                      【黒田阿紗子】
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2015年10月31日

貧困と生活保護・ 扶養義務の強化は、悲劇をもたらす

原記者の「医療・福祉のツボ」
貧困と生活保護(15)
扶養義務の強化は、悲劇をもたらす
2015年10月30日 読売新聞

生活保護と親族の扶養をめぐって、「子どもが老親の面倒をみるのは当然だ」」「生活保護に頼る前に家族、親族で助け合うべきだ」などと主張する人たちがいます。

伝統的な家族観に立って道徳や美風の復活を説いているのだと思いますが、本当にその方向がよいのでしょうか。

 現実にどんなことが起きるか、想像力をはたらかせて、よく考えてみないといけません。
 親族による扶養義務を強めると、さまざまな悲劇をもたらすばかりか、かえって家族・親族の関係が壊れてしまう、と筆者は考えます。

 「生活保護なんて、自分に関係することはない」と思っている人こそ、扶養義務の強化によって、足を取られるかもしれません。


もともと関係が良くない場合がある

 現在の生活保護制度では、親族による扶養は、生活保護の給付に「優先」するものです。
現実に親族から援助があったら、それを先に使って、足りなければ生活保護で補うという意味です。

 これが、親族による扶養の追求が生活保護の「要件」になったり、それに近い運用が行われたりしたら、どうなるでしょうか。
経済力を持つ親族がいるだけで保護を受けられない、あるいは親族から援助を得るために最大限の努力をしないと保護を受けられない、さらには、扶養義務を負う者が生活保護にかかる費用の一部を福祉事務所から強制的に徴収されるといったやり方です。

 まず念頭に置く必要があるのは、家族・親族であっても実情はさまざまで、そもそも人間関係が良好とは限らないことです
 まだ離婚していない夫婦間でも、DVを受けていたり、憎しみ合っていたりすることがあります。
親子でも、親から虐待を受けて育った、親から捨てられていた、親が失踪して長年、音信不通だったといったケース。
反対に、子どもから暴力や虐待を受けていた、金の無心をさんざんされて財産を食いつぶされたといったケースもあるでしょう。
きょうだい同士も、仲が悪いことはしばしばあります。

 そういう関係のときに、生活に困ったなら親族だから援助してもらえ、過去は水に流して援助しろ、と求めるのは、とうてい無理がありますよね。

良かった人間関係も悪化する

 もともと関係の悪くない親族なら、スムーズに援助が行われるでしょうか。
 援助する側に経済的余裕がたっぷりあって、当事者同士の気持ちが通い合って自主的に援助が行われるならよいのですが、それほど裕福でない場合、親族の生活保護の利用に関連して金銭援助を求められると、おそらく良い気分にならないでしょう。
援助を受ける側は、負い目を感じます。
それが一時的ならまだしも、長く続くと人間関係がぎくしゃくしてくるでしょう。
まして、大人になったきょうだいだと、配偶者がいたりするわけです。

 ホームレス状態で野宿している人たちに対して「なぜ親、子、きょうだいに頼れないのか」という見方がありましたが、金銭の援助を求めたら関係が悪化する、家に転がり込んだら関係が悪化する、実際に住まわせてもらったけれど関係が悪化したので出てきた、という現実があるのです。

保護の必要な人が受けにくい

 生活保護の申請をすると、扶養義務者に関する調査が行われます。
本人から親族の生活状況を聞き取り、年齢などを確認したうえで、

<1>生活保持義務関係にある人(配偶者、未成熟の子に対する親)
<2>親子関係にあって扶養の可能性が期待できる人
<3>本人と特別の事情のある親族で扶養能力があると推測される人―
―だけに、扶養できるかどうかを照会すればよい、と厚生労働省は説明しています。

兄弟姉妹は原則として照会の対象外です。

 しかしこれまで、福祉事務所によっては、画一的に広い範囲の親族へ照会文書を送って「この人が生活保護を申請しているのですが、あなたは援助できませんか?」と問い合わせることがありました。
何十年も音信不通の親族へ照会したケースもありました。
 そうすると申請した人は、自分の恥をさらすことになる、あるいは相手に負担をかけるのではないか、と気がかりですよね。

それがいやで、生活に困窮していても生活保護の申請をあきらめる人が、現在でも少なくないのです。

 2013年の生活保護法改正(14年7月施行)では、扶養義務者の収入・資産の調査を含めて福祉事務所の調査権限が強化され、保護を受ける当事者だけでなく、扶養義務者や同居の親族に対しても、報告を求めることができるという規定が新設されました。
 さらに扶養義務が強化されていくと、保護の必要な状態にある人が、保護を申請しない、保護を受けられないという事態が大幅に増えかねません。

貧困に周囲が巻き込まれる

 かりに、生活保護にともなって、十分な余裕のない親族にも扶養義務による金銭援助が強く求められると、どうなるでしょうか。
お金を出す側の経済状態は当然、低下します。
 誰かが貧困状態に陥ると、周りの親族も巻き込まれてお金を取り上げられる、場合によっては、そちらも貧困に陥るのです。

貧困の渦巻きのようなものです。
そうなると、生活保護を受ける人は親族たちから白い目で見られ、やっかい者扱いされるでしょう。
 いまは元気に働いて収入を得ている人でも、たとえば病気をしたら、たちまち貧困に陥ることがあります。
そういうときに、裕福でない親族にまで扶養を強いるのは、親族に負担を押し付け、親族を犠牲にすることにほかなりません。

 公的扶助(生活保護)が公的な責任を果たし、きちんと機能していてこそ、周りの人が貧困に巻き込まれずに済むのです。

子どもや障害者の自立を妨げる

 さらに考えてほしいことがあります。
まず、生活保護を受ける家庭に育った子どものことです。


 就職して独立し、多少の収入を得るようになっても、生活保護を受けている親やきょうだいへの援助を義務づけられるとしたら、資格の取得、通信教育、読書など、自分を高めるのに使えるお金が減ります。
結婚資金もためにくいでしょう。
そうすると、貧困家庭に育った子どもは、自分を犠牲にして親きょうだいをいつまでも養い続けろということになります。
まさに「貧困の世代間連鎖」をもたらし、格差の固定化を招くのです。

 今年、大阪府大東市で次のような事例が判明しました。
5人暮らしだった生活保護世帯の18歳の長男が高校を卒業して就職し、6月になって女性と暮らすために独立して住んだことに対し、福祉事務所が、非難する指導指示書を出したのです。

長男が家に残って給料を入れ、いずれ下のきょうだい2人も働くようになれば、世帯の収入が増えて生活保護から脱却できるのに、というのが福祉事務所の主張でした。
この世帯の父親は脳卒中の後遺症のため要介護状態で、母親も介護に追われていました。

就職後2か月間の長男の給料は世帯の収入として認定され、保護費の支給が減っていました。
独立後も長男は福祉事務所から要請され、月3万円を仕送りしていました。
 弁護士の抗議を受けて、福祉事務所は8月末、指導指示書を撤回し、仕送りの要請もやめましたが、この福祉事務所のやり方は、保護費の支給を減らすことばかり考えて、子どもの自立を軽んじたものと言えるでしょう。

 障害者の場合も問題が生じます。
障害者は、収入が少なくて生活保護を利用することが珍しくありません。
大人になった障害者についても、親に養ってもらえ、独立して住んで生活保護を受けるときでも親から援助してもらえ、と要求されるなら、いつまでたっても自立した生活を営めません。

親のほうも障害者がいるために負担を強いられ、経済的に苦しい状態が続きます。
 
 生活保護は世帯単位が原則ですが、個人の自立を助けるために「世帯分離」という扱いをすることがあります。
たとえば長期の入院、施設入所、寝たきり、重度障害で医療・介護の費用がかさむ人がいれば、その人だけを生活保護にして家計の負担を減らす。
反対に、奨学金やアルバイトで生活費を得ている大学生・専門学校生、結婚・独立を控えている人は、その人を保護から外して自分のために収入を使えるようにし、残りの世帯だけを保護する、といった方法です。


 生活保護法の目的の一つである「自立助長」は、貧困が多くの人に波及するのを食い止める意味を含んでいます。
そこを理解せずに親族の扶養ばかり強調するのは、法の目的に反するのです。

外国と比べてどうか

 そもそも日本の民法が「夫婦、直系血族、兄弟姉妹、特別の事情がある3親等内の親族」の扶養義務を定めていることについては「範囲が広すぎて、現代の実情に合わない」という批判があります。
たしかに、兄弟姉妹の間で扶養を求めるのは、現実に照らして、いかがなものでしょうか。
また3親等内の親族というと、自分のおじ、おば、おい、めいに加えて、配偶者の父母、きょうだい、おじ、おば、おい、めいまで及びます。

 外国では、どうでしょうか。
近畿弁護士会連合会編『生活保護と扶養義務』(民事法研究会、2014年)は、主な先進国の民法上の扶養義務や、公的扶助にかかわる扶養義務者への求償制度(費用徴収制度)を調べた結果を紹介しています。


<国>  <民法上の扶養義務>  <公的扶助に関する求償制度>
イギリス 夫婦間、未成熟の子に対する親  求償制度はない
フランス 夫婦間、未成年の子に対する親  求償の明文規定はない
ドイツ 夫婦間、未成年の子に対する親、直系血族 1親等内で収入が年10万ユーロを超す場合に限り、求償
スウェーデン 夫婦間、独立前の子に対する親  子どもの養育費は資力があれば徴収
アメリカ 夫婦間、未成年の子に対する親(州により差) 子どもの養育費は支払いを強制

 生活に困った人を誰が助けるかについては、親族間の私的扶養から、社会による公的扶助へ、しだいに重点が移ってきたのが歴史の流れで、欧米主要国の扶養義務の範囲は限られています。  

日本の現実に即した妥当な範囲はどのあたりなのか、民法の扶養義務のあり方を含めて、見直しを行う必要があるように思います。

◆ 原昌平(はら・しょうへい)
   読売新聞大阪本社編集委員。
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2015年11月05日

今冬は「新型ノロウイルス」大流行の恐れ、感染から身を守るにはどうすればいいか

今冬は「新型ノロウイルス」大流行の恐れ 
感染から身を守るにはどうすればいいか
2015/11/ 4 17:30 J-CASTニュース

毎年11月ごろから流行が本格化するノロウイルス。
2015年冬は「新型」ウイルスが流行の兆しを見せている。
各種メディアの報道によれば「新しいウイルスには免疫を持つ人が少ない」として、感染拡大が懸念されている。

ノロウイルス対策には「手をよくこすり、汚れを洗い流すことが大切」という これから半年近く「特別な警戒」が必要

ノロウイルスによる食中毒は一年中発生しているが、11月ごろから患者数が急増し、流行は春先まで続く。
これから半年近く「特別な警戒」が必要ということになる。
とくに今シーズンは新型ノロウイルスの発生により、大きな流行になるのではないかとの懸念が広がっている。
NHKが報じたところによると、今年9月以降に国内で発生したノロウイルスの集団感染は、ほとんどが遺伝子の変異した新型ウイルスによるものだったことがわかり、厚生労働省は注意を呼び掛けている。

ノロウイルスは主に手指や食品などを介して経口感染し、おう吐や下痢、腹痛などを引き起こす。
健康な人は1〜2日で軽快することがほとんどだが、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者などでは、脱水症状を起こしたり、吐しゃ物をのどに詰まらせたりして死亡するケースもある。

メディアで「新型、新型」と報道されているので、従来のノロウイルスより強力なのではないか、子どもが感染して重症化したら......などと悪い想像をしてしまう。
「新型」は従来のノロウイルスと比べて何が違うのか、注意すべき点について、
アンチエイジング医師団のメンバーで、感染症内科専門の岩田健太郎医師に聞いた。

“「新しいタイプのウイルスが見つかったのは事実ですが、現段階で従来のものより毒性が強いという根拠は強くありません。

『過去に免疫がないから』という話もありますが、そもそもノロウイルス感染症には免疫が成立しにくく、何度でも再感染します。
基本的には感染経路や症状、対処法が変わるわけではないので『新型』という言葉に惑わされず、従来通りの対策をきちんととるのが肝心です」
「新型」だからといって、特別な違いがあるわけではないようだ。

ノロウイルスは感染力が強く、ウイルス粒子10〜100個で感染・発病する。
急性期の患者の便には1グラム中に1億個、吐物には100万個のウイルスが存在するというから、ほんの少し触れただけでも感染する確率は高い。

服や敷物に付着することもある。
目に見えないウイルスから身を守るには、どうすればよいのだろうか。

アルコール消毒は効かない

インフルエンザなどと異なり、ノロウイルスにはワクチンがない。
予防の基本は、入念な手洗いと調理の際の加熱の徹底だ。

岩田氏は「ノロウイルスには一般的な消毒薬が効かないのが特徴です。
手洗いによく使われる石けんやアルコール製剤には効果がありません。
手をよくこすり、汚れを洗い流すことが大切です」と言う。

予防のための手洗いの方法が厚労省のウェブサイト「ノロウイルスQ&A」で紹介されている。

ポイントは、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄する、
温水による流水で十分にすすぎ、
清潔なタオルで拭く、消毒用エタノールは手洗いの代用にはならない、の3点だ。


食品の加熱と調理器具の殺菌も忘れてはならない
カキなどの二枚貝は、中心部が85〜90度で90秒以上加熱することが望ましい。
また、生の貝を調理した後のまな板や包丁からサラダ用の生野菜にウイルスが付着することもある。
調理器具の殺菌には、ハイターやブリーチなど市販の家庭用塩素系漂白剤(次亜鉛酸ナトリウム)が有効だ。
これらは床やトイレの便座、ドアノブなどの消毒にも使える。

しかし、いくら家庭で注意していても、運悪く感染してしまうこともある。
昨年1月に静岡県内の小学校で食パンの検品の際にウイルスが付着し、集団感染が発生した事件は記憶に新しい。
また、2006年には都内のホテルでじゅうたんに付着した吐物から、人が歩くたびにノロウイルスが空気中に拡散し、感染が広がった例もある。

ノロウイルスによる食中毒の原因施設別の発生件数(厚労省)を見ると、飲食店が68%ともっとも多く、次いで旅館が12%で、この2つだけで全体の8割を占める。

食品を扱う業者や多くの人が宿泊する施設の関係者は、用心の上に用心を重ねて衛生管理を徹底してほしいものだ。

現在、ノロウイルスに対する抗ウイルス剤はないので、感染した場合は安静にして、水分と栄養補給を十分に行い、回復を待つほかない。
予防策には限界があるうえ、治療法もないとなると不安だ。

「ただ、ノロウイルスはエボラ出血熱や天然痘と違い、多くの場合は自然に治るものですから、極端に恐れる必要はありません」と岩田氏は言う。
感染してしまったら冷静に受け止め(苦しくて冷静になどしていられないかもしれないが)、周囲に感染を広げないよう、自宅でゆっくり静養しよう。
[監修/岩田健太郎 神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長]

アンチエイジング医師団
「アンチエイジングに関する正確で、最新かつ有効な情報」を紹介・発信するためにアンチエイジング医学/医療の第一線に携わるドクターたちが結成。
放送・出版などの媒体や講演会・イベント等を通じて、世の中に安全で正しいアンチエイジング情報を伝え、真の健康長寿に向き合っていく。
2015年4月1日から医療・健康・美容に関する情報サイト「エイジングスタイル(http://www.agingstyle.com/)」の運営も開始。
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2015年11月17日

間違いだらけの食事制限 空腹が健康

新見正則「医療の極論、常識、非常識」
間違いだらけの食事制限…
1日1食と3食、どちらがよい?
「空腹」が健康をもたらす!
2015.11.16 ビジネスジャーナル

今回は食事の回数について、「極端君」と「常識君」が激論を交わしています。

極端君は「1日1食で快調だ!」と言う論調で、一方の常識君は「1日3食、規則正しく食べるのが長年の伝統だろう」という意見です。

 まず常識君が主張するように1日3回食べることが日常になったのは、実は江戸時代中期といわれています。
元禄時代(1688〜1704年)から今日の3食という習慣になったようです。
それまでは1日2食だったそうです。もちろん労働者の人々は今よりも長時間働いていたと思われますので、間食などは摂っていたことでしょう。
1日3食は現代の常識ですが、実は300年ほどの歴史しかない常識ともいえます。

 一方で、1日1食というのは昨今ではときどき耳にすることです。
太っている人が痩せたいがためにチャレンジしていることが多いようです。
学校の給食にしろ、世の中の生活のスタイルが3食で設計されていますので、1食主義者の人は現代ではちょっと変人扱いされます。

飢餓を楽しむ

 では、健康にはどちらがいいのでしょうか。
 それは人それぞれでいいのです。
まず、朝食、昼食、夕食、そしておやつを食べても健康で過ごしている方は、特別に今のスタイルを変更する必要はありません。

問題は太りすぎていて痩せたい方ですね。
そんな方が3回食べて1回当たりの食事量を減らすのか、それとも1日1食でがんばるのかという選択肢です。
これも痩せるということが目的であれば、自分が痩せやすいほうを選択すれば良いのです。

 まず、1日1食でOKな人は、基本的に健康です。
その意味は、食事のカロリーで補えない時は保存されているエネルギーを使用することができるからです。
炭水化物や脂肪は余剰な時は脂肪として貯えられるのです。
そして食事を摂らずにちょっとした飢餓状態になると、その貯えた脂肪を燃焼するシステムが効率的に働くのです。

 一方で頻回に食事やおやつを摂らないと仕事の効率が落ちる方は、脂肪を燃やすシステムがうまく稼働していません。
ですからちょっとした空腹で血糖が下がると、脂肪を燃やす前にお腹が減って、そして甘い物を口にするようになるのです。
精一杯の自己防衛本能なのですが、余ったエネルギーは脂肪として貯えられ、でもそれを効率的に利用できないのでどんどんと太ることになります。

 ですから、お勧めは常識君の発言のように1日3食の生活を基本にして、炭水化物や脂肪を減らす食事にする。
そしてときどきは非常識君が言うように飢餓を楽しむのです
つまり空腹を楽しむのです。

空腹の時こそ、貯えた脂肪を燃やすスイッチが入るのです。
最初は5分の空腹でも辛いのです。
でもちょっとした挑戦を繰り返すと、30分、1時間、2時間と空腹に耐えることが可能になります。ときどき昼食を抜いてみましょう。
そんな生活が健康的と最近は思っています。

 運動の前に食事をするのか、運動の後に食事をするのかも問題になります。
これも、脂肪を正しく燃やすシステムを持っている人にとってはどちらでもいいのです。
運動の初心者で脂肪を上手に燃やせない人は、空腹時の運動はちょっと危険です。
(文=新見正則/医学博士、医師)

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年〜 慶應義塾大学医学部外科
1993年〜1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年〜 帝京大学医学部外科に勤務
幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。
著書多数。
なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。
大学病院は紹介状が必要です。
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2015年11月18日

「インフルエンザのワクチン価格高騰」は厚労省のせい!?

「インフルエンザのワクチン価格高騰」
              は厚労省のせい!?
             2015.11.17 日刊SPA
今年もインフルエンザが流行の兆しを見せるなか、ワクチン接種費用が値上がりしている。

値上げ幅は、卸値で昨年の1.5倍。
保険外のため医療機関による違いはあるが、昨年の相場の3000円から500〜800円も高騰している。
  原因は「従来の3種のウイルスに対応するタイプ(3価)から、4種に対応する(4価)ワクチンになったから」と報じられているが、元厚労省医系技官で医師の木村盛世氏は真っ向から否定する。
単純に品薄から価格が高騰しているだけです

ワクチンの製造4社のうち2社は無名の財団法人で、製造能力に乏しい。
ならば大手に任せればいいのですが、これら弱小メーカーは厚労省の天下り先になっている。

’09年、新型インフルエンザの世界的大流行でワクチンが不足したが、輸入が遅れたのも弱小メーカーを守るため。
厚労行政の構造的問題が、ワクチン高騰という形で表れたに過ぎない。

そもそも、海外ではインフルエンザワクチンは4価なのに、日本だけが3価だった。
実は、日本の感染症対策は世界から半世紀以上遅れており、行政がこうした“ガラパゴス化”に拍車をかけている。
ワクチン不足で感染者が増えたら、それは人災にほかなりません」
      <取材・文/週刊SPA!編集部>
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2015年11月19日

香山リカのココロの万華鏡:依存症者、元はステキな人

香山リカのココロの万華鏡:
依存症者、元はステキな人
毎日新聞 2015年11月17日 首都圏版

 「アルコール依存症は病気です。そして治療があります!」というユニークな名の啓発イベントに参加した。
企画したのは「生きづらさ」を表現する詩人としても知られる月乃光司さん。
月乃さん自身、20代のときにアルコール依存症に陥った経験を持っている。

 イベントの主張は明確で「アルコール依存症は甘えや意志の弱さの問題ではなく、治療が必要な病気だ」というもの。
残念ながら、依存症者は100万人以上いると言われながら、治療を受けているのはわずか4万人あまり。
残りは自分が病気だとも気づかないまま酒におぼれ、周囲に迷惑をかけ自分のからだを痛め続けている。

 イベントで当事者の体験談を聞きながら、私はひとりの患者さんを思い出した。

いわゆる一流大学を出て大手企業に入ったその男性は、仕事などでイヤなことがあるたび飲酒の量が増え、診察室に来たときには昼休みにも缶酎ハイを飲むほどになっていた。
「依存症ですね。治療しましょう」と言うと、彼は視線をそらし「家族がいるわけでもないし、どうなってもいいんだ」とつぶやいた。
40代で独身、趣味もなく「酒をやめても楽しいことがあるとは思えない」と言うのだ。

 話をしていると、とてもまじめで繊細な人だとわかってきた。
大手企業にいて高収入があれば、それだけで「自分は偉い」と自信を持てる人もいる。
しかし、彼は「そんなものはむなしい」と感じ、生きる寂しさ、しんどさといつも向き合ってきたのだ。

私はしみじみ「よくわかります。もし私があなたの会社にいたら、いばってばかりいる人よりあなたのような人と友だちになりたいと思ったでしょう」と言った。
そして、こう付け加えた。「実はそんな人はたくさんいると思いますよ。ただ、酒びたりでは気づくことができないでしょうけれどね」

 「ウソはやめてください」と言われたが、そんな話を何度かするうち、彼は入院を決意してくれて、専門病院を紹介することになった。

酒がなくなったら楽しみがないと言っていたが、そんなはずはない。
今は治療を受けて、新しい友人や趣味などを見つけていると信じている。
アルコールなどの依存症には人間的には魅力的な人が多い。
感受性が鋭いからこそ社会や生活に耐えられず、何かに逃避してしまうのだろう。

そんな人たちに言いたい。
あなたは実はとてもステキですよ。
そして、お酒や薬物をやめたら、もっともっとステキな人になれるはず
         (精神科医)
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2015年11月20日

病院の初診料「一律1万円」増額?

鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」
政府、病院の初診料
「一律1万円」の患者負担を検討
…さらに入院時の食費負担増も
2015.11.19 ビジネスジャーナル

 体調が悪くなって病院で診療を受けると、診療継続中でない限り初診料を払わなければならない。
この初診料を1万円にする案が厚生労働省で検討されている。
長時間待ちの数分間診療」と揶揄される病院での診察で、こんな暴挙が起ころうとしている。

現在、厚労省の社会保障審議会は、「大病院に紹介状がなく外来を受診した場合、初診時に通常の窓口負担とは別に一定額の支払いを徴収する」方向で検討を行っている。

 病院には大きく分けて、以下の3種類がある。
(1)特定機能病院
 高度医療を提供し、医療技術の開発・評価を行い、研修ができる病院。400床以上の病床数を持ち、厚生労働大臣によって承認される。
(2)地域医療支援病院
 医療機器などを一般病院や診療所と共同で利用し、かかりつけ医を後方支援する病院。
200床以上の病床数を持ち、都道府県知事によって承認される。
(3)その他の一般病院  
特定機能病院、地域医療支援病院以外の病院。

 大病院とは、上記のうち病床数200床以上の病院を指す。

 現在、病院の初診料は2820円と決まっており、自己負担が3割の場合に患者が支払う額は846円だ。
ただし、病床数200床以上の大病院については、現在でも紹介状がない初診の場合には、2000円程度の特別料金をかけることができるが、その徴収は任意となっている。

 今回、厚労省が検討しているのは、紹介状がなく大病院で受診した場合、初診料のほかに特別料金として1万円または5000円を追加するといった案だが、1万円案が有力になっている。  

大病院の初診料に1万円の特別料金をかける案が検討されている背景には、病気やケガの症状が軽い場合でも患者が大病院に集中する傾向があり、そのため緊急患者などへの対応に影響が出ていることがある。
 確かに、厚労省の2014年受療行動調査によると、医師の紹介により外来で受診するのは35.6%となっており、
紹介がなく外来受診をしているケースが6割以上いることになる。

 一方で、特定機能病院では90.7%、大病院では86.0%が予約をして受診しているが、それでも外来の待ち時間は15分未満が25.0%、15〜30分未満が24.0%、30〜60分未満が20.2%となっており、予約をしていても待ち時間が短いとはいえない。

さらに60〜90分未満が10.7%もおり、中には2〜3時間未満4.4%、3時間以上1.9%ということもある。
 その上、受診時間は3〜10分未満が51.2%、3分未満16.5%と、7割近くが10分未満の診療時間となっている。

「長時間待ちの数分間診療」はいまだに健在なのだ。
こうした状況に、外来患者のうち診療に「満足している」と回答しているのは、57.9%と6割に満たない。
4割以上の外来患者が「不満」としているのだ。

 確かに、緊急患者などへの対応に影響が出たり、軽い症状の患者が大病院に行くことで外来患者数が無用に増加し、混雑を引き起こし、満足な診察を受けられないことには問題がある。
だからといって、特別料金として初診料に1万円を上乗せして、大病院から患者を遠ざける方法が得策なのだろうか。

 厚労省の社会保障審議会では、大病院の初診料特別料金のほかにも、入院患者の病院に支払う食費の自己負担額(1食当たり原則260円)も大幅に引き上げる方向で検討している。

これは、全額自費の在宅患者との公平性を図ることを狙ったものだが、米国では同様の措置を行ったために、食費を払えない入院患者が急増した例もある。

 そもそも安倍晋三政権は、昨年4月の消費税率引き上げの際に、「増税分は社会保障へ使う」と説明し、目的税化したはずだ。
それを反故にするように、国民に医療費負担の増加を押し付ける政策を検討すること自体が公約違反ではないのだろうか。
    (文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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2015年11月23日

「本当はいくつ?」血圧を巡るデータに素朴な疑問

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
「本当はいくつ?」
血圧を巡るデータに素朴な疑問
2015年11月20日 読売新聞

 今日は、「本当はいくつ?」と言うおはなし。
自分の歳をちょっと若く吹聴している人への率直な疑問ではないのですよ。
企業の不祥事などがあると減給○○%とか、役員手当の返上とかが報道されますね。

でもそんな時に思いませんか。いくらの月収がいくらになったのだろうと。
年収に換算するといくらの所得が、今回の不祥事の反省としていくらに減額になるのだろうと。

「本当はいくらになったの?」という疑問が生じますよね。
庶民からするととんでもない高額をもらっている人が30%減俸といっても、庶民感覚からすると遙かに高額な年収を維持しているということかも知れません。
そのあたりが、実ははっきりとわからないことが多いということです。
また、報道から受けるイメージと事実には乖離があるかもしれないということです。

死亡者が27%も減るのなら…  今回、次の様な記事がありました。
「血圧120未満で病死27%減」という内容です。

死亡者が27%も減るのであれば血圧は120未満にした方が良いに決まっていると直感的には思いますよね。
この根拠になっている論文は、世界の一流医学雑誌であるNew England Journal of Medicineに載っていて、PDFが閲覧できます。

くじ引きでグループ分け!?

 概要は、くじ引きで約15000人を2つのグループに割り当てます。
くじ引きで治療をきめるのですが、これが一番、信頼性のある研究だと言われているのです。
ひとつのグループは収縮期の血圧を140未満にします。
収縮期とは血圧を測ると示される高い方の値です。
ちなみに低い方の値を拡張期血圧と言います。

今回、このグループの多くの患者で血圧は130から140に収まるようになっています。
もう一つのグループは、収縮期血圧を120未満にします。
そして死亡数や心臓血管疾患の発病率を調べました。

まず15000人中、今回の検査に適さない人が除外され、結局 140未満にしたグループは4678人、120未満にしたグループは4683人でした。
彼らを平均3年半観察すると、140未満にしたグループの死亡者は4.5%、120未満にしたグループの死者は3.3%となりました。

そこで4.5%の死者が3.3%の死者になったので、(4.5−3.3)/4.5の計算をすると0.27となり、死亡者が27%減となります。
確かに素晴らしい結果です。
血圧を120未満にした方が、27%も死亡者が減るのです。
要するに、給与の減額に例えると…  では実数はどうなのでしょうか。
「本当はいくつ?」という疑問です。

実際に観察期間中に何人が死亡したのでしょうか。
140未満にしたグループでは死亡者は210人、
120未満にしたグループでは155人でした。
それぞれのグループは4678人と4683人で、両グループの違いはたった5人ですから、ほぼ同数とみていいですね。
つまり単純に人数で比べてもOKで、死亡数の差は55人です。
全体が約4600人ですから、約1%ですね。

ある人は「たった1%の差であれば、余り気にしない」と言うでしょう。
むしろこんな意見のほうが多いかもしれません。
最初の見出しにあるような「病死27%減」という文言にまったくウソはありませんが、実際の死亡数と見出しから受けるイメージは相当違いますね。

また、重大な有害事象という欄に着目すると、急性腎不全や急性腎機能障害の項では、なんと140未満にしたグループでは120人、
120未満にしたグループでは204人が罹患りかんしています。

つまり、血圧を120未満に強制的に下げることにより死亡者は55人減ったが、急性腎不全は84人増えたことになります。
給与の減額の話に例えると、「27%も給与をカットしたが、でも他でそれ以上の副収入を得た」といったイメージです。

医療を巡る報道、妄信しないで

 そんないろいろな事情を考慮して、医師は各個人に適切だと思える治療を行います。
僕は、運動や食事制限、そして少ない内服薬で血圧が120未満になるのであれば、それはとてもおめでたいことと理解します。
そして血圧が下がることによるふらつき感やめまいなどがないことも大切なことですね。

一方で、140までは血圧が簡単に下がるが、120にするには多数の内服薬を追加する必要があるのであれば、薬の副作用も当然に増えるでしょう。
そうであれば「これぐらいの血圧で妥協するか」という話になります。
その当たりの事情を勘案して医師と患者さんが相談して決めればいいことです。

患者さんがいろいろな報道を見て、それを参考にするのはとてもよいことです。
そして何気なく見るぐらいであればまったく問題ありませんが、それを頭から信じることにはちょっと注意がいります。

まして医療従事者であれば、頭から信じる前に原文をしっかり読むことが必要です。
大切なことは、いろいろな情報に精通して、そして患者さんの「いろいろ感」を考慮して、バランス良く考えることができる「かかりつけ医」の先生を見つけることが大切ですよ。
そして、いろいろと率直に相談してください。
かかりつけ医の先生と一緒によりよい健康管理をしましょう。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
 
◆新見正則(にいみ まさのり)
         帝京大医学部准教授
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2015年11月27日

ジェネリックに医師が不信感 同じ材料でも同じ薬にならない

ジェネリックに医師が不信感
同じ材料でも同じ薬にならない
2015年11月25日(水) NEWSポストセブン

 11月6日、厚生労働省は医師などを対象に行なったジェネリック医薬品についての意識調査の結果を、中央社会保険医療協議会に報告した。

 それによると、病院勤務の医師のうち54.9%、つまり半数以上が、現在のジェネリックに対して「不信感がある」と回答。

その主な理由は、
先発医薬品との「効果・副作用の違い」(67.9%)
「使用感の違い」(38.6%)などである。

 ジェネリックは、医薬品の「有効成分の特許」が切れた後に発売される低価格の後発薬で、年々かさむ医療費を抑えるための「救世主」と目されてきた。

 新薬の開発には臨床試験などの費用として数百億円かかるといわれるが、先発薬と同じ有効成分を使うジェネリックは臨床試験が大幅に割愛されるため、開発費が節約され、薬価が抑えられる
先発薬と比べて3〜5割安くなる場合もある。

 厚労省によると、2012年度の国民医療費は約39兆2000億円。
2025年度には55兆円を超えるとみられている。
ジェネリックの利用が増えれば患者個人の医療費だけでなく、国民医療費を大幅に削減することにもなる。

 政府は今年5月、2020年度末までにジェネリックの普及率を80%以上に引き上げるとする目標を掲げ、医療財政を健全化するための施策とした。
 そんな中で発表された今回の調査結果は、医療業界で大きな話題となっている。

医師たちがジェネリックに不信感を抱く主な理由である先発薬との「効果、副作用の違い」は、“特許が切れた後”という部分に起因している。

『なぜ、あなたの薬は効かないのか? 薬剤師しか知らない薬の真実』(光文社刊)の著者で薬剤師の深井良祐氏が解説する。
医薬品の特許は、有効成分そのものの『物質特許』や薬の製造過程に関わる『製剤特許』など様々です。
最初に切れるのが『物質特許』で、多くのジェネリックはこの特許だけを真似して出されています。
『製剤特許』が切れるまでは成分と用量は先発品と同じでも、製剤法は同じではないのです。
さらに薬は有効成分だけでなく、添加物も含まれます。
剤形(錠剤、カプセル、粒状などの形)の違いで効果に差が出る可能性もあります

 つまり、ジェネリックと先発薬は「完全に同じ薬」ではない

 双方を治療で使用した場合に全く同じ効果が出るかどうかを検証した調査は存在しない。
患者がジェネリックに切り替えたところ、発作の悪化や副作用の出現が報告された事例もあるという。

新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦氏は次のように語る。
「添加物や剤形が変わると、薬の溶け出す速度が変化したり、有効成分が分解されやすくなったりします。
人によっては効きすぎたり効果が出にくかったりする。
同じ料理を同じ材料、分量で作ったとしても、違う調味料が加われば異なるレシピとなり、味も変わるのと同じことです」

 前出の深井氏は、実際に効果の差が表われやすい医薬品を挙げる。
「たとえば、喘息を治療するための貼り薬のジェネリックを敬遠する医療従事者は多い。
貼り薬は肌にピタッと貼ることで徐々に薬が溶け出していく。
溶け出しのタイミングは、製剤方法に左右されます。
それが真似できない状況でジェネリックが次々と出てくるため、効果に違いが表われやすいのです。
その他にも“外用薬”といわれる湿布や点眼薬、塗り薬などは、効果に差が出やすいと言われています」
※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号
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2015年11月28日

原節子さん 戦後を支えた銀幕の人

原節子さん 
戦後を支えた銀幕の人
2015年11月28日 東京新聞「社説」

 原節子さんが亡くなった。
銀幕からふと姿を消して五十三年、その素顔と心の内を完璧に隠し通した美学の人。
戦後昭和を遠くから照らし続けた美しい人の面影は、永遠に、色あせることがない。

 広島県尾道市。「東京物語」の舞台になった海辺のまちの料理旅館で、撮影中、原節子さんが逗留(とうりゅう)したという部屋を見せてもらったことがある。

 「ここに原節子さんがいたんですよね」  
その家の主人は、あたかも本人の気配を感じているように、誇らしげにうなずいた。

 撮影から半世紀以上が過ぎてなお、不在の部屋に名残を感じる。
昨今の「レジェンド(伝説)」には、いささか安売りの感がある。
だが、女優「原節子」こそ、真の生ける伝説だった。

 小津安二郎監督の「紀子三部作」のうち、出世作といわれる一作目の「晩春」を見直した。  
妻に早く先立たれ、一人娘に身のまわりの世話を焼かせ続けた父親が、自らも再婚すると偽って、娘・紀子を嫁がせる−。
日常の断面を切り取った動きの少ない画面から、静けさがにじみ出るような“小津調”の典型だ。  

花嫁姿の紀子が三つ指をついて父親に別れを告げるクライマックス。
原さんの大きな瞳がみるみる潤む。
白い歯がのぞく口元に、ぎこちない含羞の笑み。

 白黒スタンダードサイズの画面がそこだけ天然色に染まったような、日本の美、そのものだ。  その存在感が群を抜いているだけに、あるじなき部屋の姿見に映る虚(うつ)ろな障子の桟に、不在の悲しみが際立った。

 タイトルに「昭和二十四年完成」とある。
急速に米国色に染まりつつあったその時代、原さんの存在感が、日本の美、それも、ささやかな日常に潜む美を、しみじみ思い出させてくれたのだ。

 三部作のあと二作、「麦秋」と「東京物語」のラストでも、紀子の不在と再生の予感が語られる。

 人々は敗戦による喪失を埋めてあまりある日本の美に励まされ、戦後の昭和を生き抜いたのではなかったか。
 秘すれば花−。

 女優「原節子」はモノクロだけに色あせず、人々の心の銀幕で生き続けるに違いない。華やかな昭和の残像とともに。
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2015年11月30日

そのうつ、実は天気のせいかも…本当は怖い「天気痛」

そのうつ、実は天気のせいかも
…本当は怖い「天気痛」
2015.11.29 日刊SPA

「雨が降る前は片頭痛が悪化する」
「低気圧が来ると、昔ケガをしたところが痛む」など、これらは気象の変化によって持病が悪化することを指すもの。

昔から天気と人の体調には相関関係があるが、近年、大型台風の増加などの異常気象により、天気痛を訴える人が増えているとう。
 しかも実は、「天気痛」という言葉の名付け親でもあり、愛知医科大学病院で「天気痛外来」を開設している医師の佐藤純氏によると、頭痛や関節痛だけでなく、うつや不安症、不眠症といった心の病気も、天気の変化に左右されるのだそうだ

「気圧が上がったり下がったりすると、自律神経が乱れ、不調が生じるのが天気痛のメカニズムですが、『心の不調』といわれる諸症状も、気圧の変化に大きく左右されます。

例えば、最近増えている新型うつ。
また、心の中にもやもやとした感情を抱えている不安症、人と話をするのが得意ではない、過去の出来事にショックを受けて引きずっている、パニック発作など、広範囲に及びます。

重症患者さんじゃなくても、天気の変化が激しい春、梅雨、秋などは、『何故か気持ちが落ち込む』
『だるくて起き上がれない』となる方は多いです」(佐藤氏)

10年以上も悩まされていたうつが、ある日突然……

これを裏付けるような、実際の診療例がある。
原因不明のうつが、実は気圧由来だったというケースだ。

 佐藤氏の診療室の門をたたいた50代のある男性は、10年以上も原因不明のだるさやうつ的な症状に悩まされていた。
その男性は理科系の研究開発をしており、仕事の内容は緻密さを要求される厳しいもの。
産業医からの診察を受けて休職したものの、復職してもしばらくするとまた心身の不調が起こり、10年のうちに5〜6回休職と復職を繰り返したという。

「そのうち、自分の症状が『天気にも左右されているのではないか』と思うようになったのだそうです。
というのも天気が悪い日は、あからさまに起き上がれなくなってしまう。
産業医や精神科の先生にそう訴えたものの『まあ、天気も関係あるんだろうが、今のところは天気にはなすすべがない』と言って、睡眠薬や精神に作用する薬、内科的な症状に合わせた薬を処方してもらうしかなかったそうです。

そして薬を服用していても、特に劇的な改善がないまま月日だけが過ぎていきました」(佐藤氏)  そんなある日のこと。
テレビで佐藤氏が天気痛について解説しているのを見た男性は、「自分の症状はこれなんじゃないか!?」と思い当たった。

「私がテレビで紹介した『天気痛には、内耳の働きをおさえる酔い止め薬が効く』という方法をとりあえず試してみようと、これから具合が悪くなりそうだなと思ったときに、市販の酔い止め薬を飲んだそうです。
すると、モヤモヤ・うつうつとしていた頭が、みるみるうちにパーッと明瞭になって、驚かれたそうです」(佐藤氏)

 この経験によって、男性は「自分のうつは、内耳に関わる天気依存の症状に間違いない」と確信。
その後、医師の紹介で佐藤氏の外来を受診したが、その時点でうつはかなりラクになっており、「復職できます」と笑顔を見せていたという。

「私の外来に来るのは女性のほうが多いですが、男性も潜在的な患者さんがいると思います。
特に働き盛りの男性は、具合が悪くても我慢する傾向にあります。
原因不明の体調不良に悩まされるようになったら、『自分は天気痛かも』と疑ってみることが大切です」(佐藤氏)

【佐藤純氏】
愛知医科大学病院で「天気痛外来」を開設
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2015年12月02日

捏造も当たり前…病気で儲ける製薬企業

神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」
捏造も当たり前…
病気を「つくり」ガッポリ儲ける製薬企業
高血圧の基準がコロコロ変わる裏事情
2015.12.01 ビジネスジャーナル
文=神樹兵輔/マネーコンサルタント

「最高血圧120未満」が治療目標?

 先頃、米国の国立心肺血液研究所が発表した「高血圧基準値は120未満を目標にするべき」という大規模な研究報告が、波紋を呼んでいます。
日本では一時期「130未満」が基準値となっていたものの、現在では高齢者が血圧を下げすぎると転倒して骨折を招くおそれがあることから、概ね140未満を目安とする治療が主流になっていたためです。

 肥満者の多い米国人との比較が一律に日本人に当てはまるのかは疑問ですが、今回の報告は、50歳以上の高血圧症と心筋梗塞のリスク患者9400人への3年間の追跡研究から導き出されたものとなっています。

9400人に対して、血圧を「120未満」に下げる患者と、「130未満」に下げる患者の2群に分け3年間追跡。
その結果、「120未満」にした患者のほうが心不全や心筋梗塞、脳卒中の発症リスクが、「130未満」にした患者よりも27%も低かったといいます。

 いずれにしろ、この研究報告を素直に受け止められないのは、これまでの医療業界、製薬業界のさまざまな過去の経緯から、欺瞞的な匂いがプンプンと漂ってくるからにほかなりません。

日本は米国に次ぐ世界第2位の薬漬け国家

 意外に知られていませんが、日本は米国に次ぐ世界第2位の薬漬け国家です。
米国の医薬品市場は世界市場の4割弱を占めますが、日本も同約1割を占める薬漬け国家なのです。
薬剤費がべらぼうに使われていることが窺われます。

 日本の場合、医薬品は約9割が医療機関向けです。
国の医療費は年々伸び続け、2014年度には40兆円に達しています。
00年度と比べて14年間で10.5兆円もの増加です。
40兆円の医療費のうち、薬剤費の占める割合は、ほぼ4分の1にまで達しています。
00年度と比べ、調剤薬局の薬剤料だけが2倍以上もの突出した伸びを示しているのです。

 もちろん、厚労省もほぼ2年毎に薬価を見直し引き下げに動いていますが、薬剤費は下がりません。
業界はジェネリック医薬品の浸透を阻むべく、薬価基準を巧妙にすり抜ける新薬もどきの製品への切り替えで、薬剤費を膨張させてきたからです。
 製薬会社は、どこも儲かっています。
景気に左右されない業態である上に、特許切れによる収益減に備え、潤沢な内部留保を活かしての世界市場でのM&Aに邁進しています。

病気の基準値を厳しくするほど「儲け」が増える製薬メーカー  

 薬剤費が下がらないもうひとつ理由は、製薬メーカーが医師や医療機関と癒着した関係のなかで「病気の基準値を変える」というマジックを実現してきたからです。

 高血圧症、糖尿病、高脂血症(脂質異常症) という3大慢性病の基準値は、これまで次々と改訂され、厳しくなってきたという背景があります。

 たとえば、日本における高血圧症の患者数は1987年には170万人でした。
それが11年には205.3倍の907万人にまで増えています。

同様に糖尿病も、1990年の560万人が2012年には950万人と1.7倍に増えています。

高脂血症も96年の968万人が11年には1900万人と約2倍以上に増えています。

 1980年代までは、高血圧の基準は「年齢+90」といわれ、概ね180/100 と大らかなものだったのです(旧厚生省)。
それが、93年にはWHO(世界保健機関)と国際高血圧学会が140/90を打ち出したことにより、日本の高血圧症患者数はグンと伸び、96年には750万人を突破しました。

 さらに2008年には、日本高血圧学会が130/85の数値を正常値と定めたおかげで、患者数は797万人まで膨れ上がりました(14年に140未満に緩和された)。

この基準値でいくと潜在患者数、つまり基準値を上回る人の推定は4300万人といわれますから、製薬会社は笑いが止まりません。
高血圧症の医療費だけで2兆円となり、そのうちの9000億円が薬剤費となったのです。
今では「成人の3人に1人が高血圧症」とWHOも警告する始末なのです。
 しょせん、WHOも各医学研究団体も共存共栄の構図があるゆえんです。

医療機関も逆らえない「金権」構図

 高血圧といえば、世界第2位の売り上げ(約500億ドル)を誇るスイスの製薬メーカー・ノバルティスファーマの日本支社で、14年6月に元社員が逮捕され、家宅捜索が行われています。
これは、同社の看板薬で年間1000億円を売り上げていた高血圧治療薬「ディオバン(一般名称はバルサルタン)」が他社製品よりも優れていると見せかけるため、大学の研究機関に捏造データを渡して論文を作成させ、それを販促活動に使っていたという不正によるものでした。

 このことからも明らかなように、医学界において製薬メーカーは偉大なスポンサーです。
研究名目や寄付で医者や研究者を御用学者として手なずけ、学会やセミナーで自社製品に都合のよい発表をさせるなど、相互にズブズブの癒着関係があるのです。

 11年の製薬メーカーの研究開発費は平均データで売り上げの18%を占め、これは自動車や家電メーカーの3倍強に当たります。
他産業と比較して突出して高いことで知られますが、実はこの中に医学界への潤沢な謝金が含まれているのです。  
 日本製薬工業協会加盟72社の医師など医療関係者への謝金額総額は4793億円です(13年度)。
うち研究開発費が2472億円、情報提供関係費が1405億円、学術研究助成費が536億円、原稿料が267億円、接遇費が113億円です。

 医者や医療研究者が、製薬メーカーに逆らえない構図がここにはっきりと見て取れるでしょう。

 近年、なぜ肥満の基準がBMI基準に代わったのか、疑問を持つ方も多いと思います。かつては身長マイナス100に0.9をかけたものが標準体重でした。
BMI基準では、体重を身長の2乗で割り、22の標準に近いかを見ます。
これによって、太り過ぎの人だけでなく、痩せた人も厳しく病気予防に駆り立てられるようになったというわけです。

   医療業界が、製薬メーカーの支配下に置かれているという事実だけは、今後もしっかりと押さえておきたいところです。
   (文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)
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2015年12月04日

忍びよる老後破産、普通の人が次々

『あさイチ』の報道より
過酷な「老後破産」の現実!
真面目に働いてきた人たちが老後、次々と…
2015.12.02. LITERA(伊勢崎馨)


 非正規雇用の割合が、初めて4割を超えた。
近代日本史上初の異常な事態である。
不安定な雇用と収入、何の保障もない若者たちは結婚や出産を躊躇し、生活に不安を持ち続ける日々。
そして熟年層もまた、リストラや親の介護、年金への不安など自分たちの“老後”に大きな不安を抱え始める社会。
それが現在の偽らざる日本の姿だ。

 だが、それは将来のことだけではない。
今日の『あさイチ』(NHK)でも取り上げられていたが、高齢者たちの間で「老後破産」はすでに現実のものとなっている。

 昨年9月、同じNHKで放送された『NHKスペシャル 老人漂流社会 “老後破産”の現実』。
この取材を詳細にまとめた書『老後破産 長寿という悪夢』(NHKスペシャル取材班/新潮社)には、その切実で恐怖ともいうべき実情が描かれている。

 都内で一人暮らしをする田代孝さん(83歳)は、幼い頃に父親をなくし、旧制中学を卒業後ビール会社に就職、その後独立し居酒屋を経営していた。
ずっと独身を通し現在は厚生、国民年金を合わせて月10万円ほどの暮らしだが、その生活は苦しい。
家賃6万円を支払えば残るのは4万円。
より安い家賃へ引っ越すにも引っ越し代は捻出できず、節約に節約を重ねてもギリギリの生活だ。
しかも「年金をもらっているから生活保護は受けられない」と間違った認識を持っているため、受給される可能性があるにも関わらず自治体などに相談さえ行っていなかった。
 しかし、田代さんは病気や介護が必要でないだけましなのかもしれない。

都営団地に住む80代の菊池幸子さん(仮名)は要介護2を認定されており、介護費用が重くのしかかっている。
主婦だった菊池さんだが、夫が亡くなるまでは2人で13万円ほどあった年金は、3年前の夫の死で8万円ほどに減少した。
現在は身寄りもなく一人暮らしだ。

 その生活の内訳は、1万円の家賃に介護費用は3万円。
食費や生活費に7万円はかかり毎月3万円の赤字だ。
しかもリウマチで足腰が弱り、むくみ、心臓病もあり、立っていることがやっとだという。
ベッドから食事の入った冷蔵庫に行くにも、かなりの労力と時間を要する。
外出したいとは思うが、それは2か月に一度だけ。

年金支給日にヘルパーさんに連れられ預金を下ろす1時間ほどの間だという。
理由はお金がないからだ。
「(車椅子がないと外出できない菊池さんの)外出のチャンスを得られる一縷の望みは介護保険のサービスだ。

しかしそれも現実には難しかった。
食事作りやトイレ掃除、洗濯などで月々に利用できるサービスを増やすことなど─むろん、お金を払えば可能だが─不可能なことだった」

 従って、年金を下ろす際の外出費用は全額自己負担の2千円が必要となる。
 さらにその後、菊池さんは体調悪化で入院、要介護3となるが、これでさらに介護費用の負担も増えるのだ。
数万円の介護費用は安いという認識もあるだろう。
しかし10万円ほどの年金しか収入がなく、貯金を切り崩して老後を送る高齢者にとって、それは多大な負担なことが分かる。

 本書に登場する高齢者たちは皆真面目に働き、貯金もあった普通の人々だ。
「元気なうちはどうにかなる」。
そう考え、人様の迷惑にならないよう必死でがんばる人々でもある。
しかし配偶者の死亡、病気によって、その生活は簡単に破綻する。

例えば年金支給時に2千万円もの貯金があっても、一旦病気になれば生活は成り立たないという調査結果さえある。
しかも、老後破綻は80代という高齢者の問題ではない。

働きたくても働けない、それどころか深刻な病気なのに病院に行けないという60代男性のケースがそれだ。

 元タクシー運転手だった山田憲吾さんは、現在12万円の年金暮らしだ。
家賃や諸経費を除くと手元に3万円しか残らないが、しかし男性は持病があった。
「心臓に持病があり、また足腰が慢性の関節炎で整形外科に通う必要がある山田さんは月それぞれ1度、通院が欠かせない」という。


 生活費の残り3万円をこれで補うが、60代の山田さんの医療費負担は3割。
これだけでもギリギリだが、加えて山田さんは視野や視力が次第に低下する深刻な難病を患っていた。
専門医は自宅からも遠い。
「心臓や足腰に負担がかかるため、ひとりで電車やバスを乗り継いで行く事には不安がある。
タクシーを利用すれば、往復で2万円程度かかる」
 そのため、行きたくても病院にさえ行けないのだ。

 同様に35年間働いた会社を心不全のため一方的に解雇された60代女性は、会社が手続きを怠っていたため未年金で現在の収入はない。
300万円ほどの貯金で食いつないでいるが、生活費や医療費で、その貯金が底をつくのは時間の問題だ。
60代でも、いや50代でもケガや病気などで職を失えば、一気に「老後破産」は目の前に迫って来る。

 繰り返すが、彼や彼女たちはみな、若い頃はそれなりの生活を謳歌し、普通に働き、普通に生活してきた人々だ。
ところが一旦仕事をなくし、高齢になり、配偶者と死別し、病気やケガをすれば簡単に破綻に追い込まれる。

 にもかかわらず、生活保護を受ける高齢者は意外に少ない。
最低の生活をする権利の行使をしていない。
現在、600万人の高齢者のうち、年収が生活保護水準を下回るのはおよそ半数。
だが、生活保護を受けるのはその4分の1ほどの70万人だ。

 前述した田代さんのように「年金を貰っているから」という謝った認識で生活保護申請をしないケースもある。
また、代々続いた土地を手放したくない、世話になっている親族の意向から持ち家を処分できないなどの理由で生活保護を受けない人もいる。
しかし多くは高齢者の“美徳”ともいえる理由からだという。
「『贅沢は敵』とばかりに、出費を切り詰め、耐え忍んでいる。
生活保護を受けることは、『国のお世話になること』でもあり、罪悪感を伴うと訴える声も多い」

 今後、さらに年金引き下げが行われる中、若い世代が高齢者へ「貰い過ぎ」との不公平を訴える声もあるが、しかし“老後破産”は現在の高齢者だけの問題ではない。
「自己責任論」などと金持ちだけが優遇される現在の政治、社会状況にあって、地道に真面目に働く多くの市井の人々にとって“老後破産”は自らの切実な問題だ。

“老後破産”は現在の高齢者だけの問題ではない。
いま、この問題にきちんと対峙し、対策の仕組みを構築しなければ、さらなる悲惨な“老後破綻”が日本中を覆い尽くすだろう。
老後破産は私たち誰しもにとってほぼ例外ない現実だ。

 さらに本書では、老後破産は次世代に連鎖し、再生産される危険性をも訴える。
が、一方でこうした状況にも関わらず安倍政権は発足以来、生活・住宅扶助の削減など相次いで大規模な生活保護費の大幅カットに着手している。

さらに今年11月からは暖房や光熱費などの「冬季加算」までが減額された
 セーフティネットを政府が遮断する社会。
高齢者や弱者が顧みられない社会。
だからこそ、国民ひとりひとりの意識、そして取り組みが必要だ。
            (伊勢崎馨)
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2015年12月05日

意識不明の家族の“お金”問題

くも膜下出血で家族が意識不明で入院!
医療費・保険・預金口座…“お金の行方
2015.12.03. へレスプレス

 いつも通りに出勤したものの、朝から頭痛がする。
同僚に心配されるも、「大丈夫」と返していたら、突然の嘔吐。
次第に意識が混濁して病院に救急搬送された結果、くも膜下出血と判明。
緊急手術をするも意識は戻らず……。

 厚生労働省が行った平成26年度の人口動態統計によれば、
日本人の死因の

第1位は悪性腫瘍(がん)、
第2位に心疾患(狭心症や心筋梗塞)、
第3位肺炎と続き、
第4位が脳血管疾患となっている。
くも膜下出血や脳内出血、脳梗塞などだ。

脳梗塞の発症平均年齢は70代だが、くも膜下出血は40〜50代も多く発症する。

 冒頭の例のように、働き盛りの人が突然倒れるという現象は決して珍しいことではない。
人の目がある会社内で倒れた場合はすぐに病院で処置ができる幸運はあるが、不幸にしてそのまま意識が戻らないこともあるだろう。
命は取り留めたものの、回復の見込みが医師にも判断つかない状態になったとき、患者の親族には経済的な心配が持ち上がってくる。

いつまでかかるかわからない入院費や手術代をどうすればいいのか…?

脳血管疾患や心疾患で労災保険の受給は難しい

 勤務先での発症の場合、一番に考えるのは労災保険だろう。
勤務時間内はもちろん通勤途中でも、怪我などを負えば、業務災害として労災保険の申請・受給ができる。
 しかし、脳血管疾患や心疾患については話が違う。
発症の原因が仕事に関係あると証明できなければ、受給はできない。

厚労省が示している労災認定基準によれば、以下の3点のいずれかを満たさなければならない。

@疾患を発症した当日直前から前日までの間に仕事上の事故・事件など異常な出来事に遭遇した
A発症前の1週間に特に過重な業務をしていた
B発症前の6カ月間著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務をしていた、  

具体的には、1カ月当たりおおむね45時間超の時間外労働で、発症との関係が強まるとされる。また、発症までの1カ月間におおむね100時間、または2カ月間ないし6カ月間にわたって1カ月当たり80時間超の時間外労働があった場合には、発症との関係が強いと判断される。

 この基準に適うかどうか、勤務形態を詳しく知らない親族ではわからないだろう。
受給申請の手続きはできるが、審査には時間がかかるため、すぐに保険金がおりることはない。もちろん適用外との結果が出れば、支給はない。

限度額適用認定証や傷病手当で医療費を軽減しよう

 労災保険が適用にならないとなると、頼りは健康保険だ。

 緊急の手術に入院となると、高額な医療費が発生する。
医療費の支払いが高額になった場合、後日申請することで一旦払った限度額を超えた金額が戻ってくる「高額療養費制度」が健康保険には存在する。
しかし、一時的でも大きな支払は負担だ。
 あらかじめ高額になることが予想される際は、勤務先を通じて「限度額適用認定証」を申請することができる。
この認定証を入院先の医療機関へ提出すれば、支払額が自己負担限度額以上になることはない。病院の支払いは月ごとに発生するので、なるべく早く申請し、認定証を取り寄せたほうがいいだろう。

 当初の支払が終わっても、患者の意識が戻らなければ継続的な入院となり、当然に休業状態となる。
そのようなときは、「傷病手当」を受けることができる。
通常は仕事を休んだ日から数えて4日目より受給でき、その期間は最長1年6か月。
勤務先の就業規則に療養中の給与についての規定があるときも、傷病手当の額が給与を上回った場合には、その差額を受け取ることができる。

指定代理人を指名していれば生命保険が請求できる

 入院費としては、生命保険の補償も考えられる。
いわゆる「医療保険」「入院保険」といわれるもので、入院に際しては1日当たり5000〜10000円の支給される。1回の入院で60日程度を限度としており、入院費とは別に手術給付金が設定もされていることも多い。
 ただし、気をつけなければいけないことがある。
加入している保険が、指定代理人制度をとっているかどうかだ。
生命保険の請求権は、当然、契約者である患者本人にある。
本人の意思が確認できない限りは、たとえ親族といえども保険請求はできない。

 だが、事前に指定代理人を指名しておけば、意識不明など“特別な事情”が起こったときに、契約者に代わって傷害保険や入院保険を請求・受給することができるのだ。

現在、保険に入っている、または保険加入を検討している人は、万が一に備えて一考すべきだろう。

法定後見人は患者の預金口座も動かせる

 医療費の充填として、患者本人の預貯金を思い浮かべることもあるだろう。
特に、患者の意識が戻らず、医師から「回復が難しい」と言われたときなどは、すぐにお金の管理を始めなければ、と考えるのも無理はない。

 だが、本人が存命中は、他人が銀行口座を動かすことは原則としてできない。
先の保険契約と同様、預貯金もまた患者本人と金融機関との契約なのである。
事前に委任状などを用意しているのであれば別だが、本人が存命である限りは、契約者しか取引を行えないのだ。

 それでも引き出しなどを考えるときは、「成年後見人」を申し立てるしかない。
成年後見人制度とは、認知症や障害などで判断能力が不十分な人に代わって、財産の管理や様々な契約を締結する代理人を認定する制度だ。
意識不明者に関しては「法定後見人制度」が相当する。

 法定後見人は、四親等以内の親族であれば申請ができる。
本人の住所地にある家庭裁判所に必要書類を提出し、裁判所からの調査などを経て後見人として選任されれば、本人の預貯金の管理も含め法律的な行為を代理することができる。

回復に長期間かかるとなれば、転院や新たな施設への入所手続きが必要だ。
成年後見人になっていれば、こういった手続きもスムーズに進められるだろう。

 これらの手当や手続きについては、病院のソーシャルワーカーや役所の専門員などが詳しい。

成年後見人の申し立てを、親族に代わって申請してくれる司法書士もいる。
より現実的な悩みがあれば、家族会などへの相談も有効だ。

 脳血管疾患や心疾患は、突然訪れる。
親族や周囲の人間が急な発症にパニックを起こし、どうしていいかわからなくなるのは当然だ。

せちがらい話だが、そんなときでも手術費や入院費などの現実的な問題は避けられない。
もしものとき、こんな助けがあるのだと知っておくのは悪いことではない。
            (文=編集部) 
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2015年12月09日

深刻な医師不足解消に医学部が抵抗!

医師不足深刻化でも、
大学医学部が定員増に必死の抵抗…
「医師不足利権」の病理
2015.12.08 ビジネスジャーナル

文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授

 医師不足の日本で、医師を派遣する権限は絶大だ。
そこに利権が発生する
利権にたかるのは、大学幹部や県庁の役人だけではない。医局を仕切る医学部の教授なら、誰もが利権のお裾分けに預かっている。

 大学教授たちがたかる相手は主に民間病院だ。
都内の病院経営者は「外科医などを常勤で派遣してもらえば、億単位の売り上げが期待できる。教授に数百万円戻しても十分に元はとれる」と言い切る。

 医師派遣には金がつきまとう。
この状況は以前から変わらない。
ただ、従来は「袖の下」と見なされていた。
ところが、近年の特徴は、公然と行われるようになったことだ。

きっかけは「寄付講座」だ。
国のお墨付きのもと、役所までが正々堂々と寄付金という「袖の下」を送るようになった。

 この結果、最近は大学以外の医療機関までもが「医師派遣ビジネス」に乗り出している。
その一例が千葉県の「医師不足病院医師派遣促進事業」だ。
 この事業では、医療機関が医師1人を千葉県内の自治体病院に派遣すると、医師への給与とは別に月額125万円が派遣元の医療機関に支払われる。
3分の2は千葉県、残りは派遣先の自治体病院が負担する。
つまり、医師を1名派遣すれば年間1500万円を受け取ることになる。
「医師の技量は問われないから、問題のある医師を送ればいい(千葉県の病院勤務医)」ことになる。

 千葉県の亀田総合病院関係者は、「幹部は損税の穴を埋めるため、医師派遣を推し進めている」と打ち明ける。
地域医療の雄である亀田総合病院といえども、経営が悪化すれば医師派遣ビジネスに手を染めざるを得ない。
 このように医師不足はさまざまな利権を産み出している。
メディアが「医師不足」「医療崩壊」を報じれば報じるほど、利権が拡大する。

 もちろん、厚労省も黙ってみているわけではない。
自らの権限を強め、利権に食い込もうとしている。
厚労省は14年度から地域医療支援センター運営事業を開始した。
その目的について「都道府県が責任を持って医師の地域偏在の解消に取組むコントロールタワーの確立」を挙げている。

 具体的には、この組織が「公的補助金決定にも参画」し、「優先的に支援すべき医療機関を判断」するらしい。
これでは、まるで「社会主義」だ。

官僚が強大な権限を握る。
その結果、多くの利権が生まれる。

 例えば昨年、厚労省医系技官で健康局長を務めた矢島鉄也氏が、千葉県病院事業管理者に就任した。
医師免許はあるものの、病院経営などやったことがない素人で、典型的な天下りである。
天下り先が減った昨今、「役人にとって干天の慈雨」(元厚労官僚)ともいえるポストだ。
 なぜ、このような厚労省の振る舞いに医師たちは文句を言わないのだろうか。
それは、このような流れは大学にとっても都合がいいからだ。

 医師不足の多くの地域で、実質的に医師を差配しているのは大学だ。
地域医療支援センターは大学と無関係に運営できない。
政府や県庁と連携することで、補助金のおこぼれにあずかることができる。

 例えば岩手医科大学の場合、総収入に占める補助金の比率は14.9%で、近年増加傾向だ。
09年度の32億8700万円から、13年度には49億5200万円に増加した。
いまや一流国立大学医学部なみの金額だ。

 財政難の日本で大学が受け取る運営費交付金や補助金は減っている。
医師不足が問題となっていない東京の私立医大は、特にそうだ。
14年度、日本医科大学が受け取った補助金は前年と比べ10億円減ったという。
 もちろん岩手医大の場合、震災の影響もある。
しかしながら、それだけでは説明できない。
その証拠に岩手県からの補助金は震災前の09年の7億7600万円から10年9億9600万円と増加している。
震災後の12年には17億1600万円となった。
岩手医大の経営にとり、医師不足ほどありがたいことはない。

「医学部新設は絶対に認めず」
 救急車のたらい回しが頻発しようが、入院できない患者がいくらいようが、厚労官僚や医学部教授にとって医師不足の現状がもっとも好ましい。
何もしなくても金とポストを得ることができるからだ。
できるだけ、医師不足の状況を維持したい。
こうなると、彼らの敵は、医師が増えることだ。
医師を増やそうとする動きには、一致団結して抵抗する。

 例えば08年、舛添要一厚労大臣(当時)が医学部定員を増やそうとしたときには、文科省医学教育課長に出向中だった医系技官は、東京大学などの医学部長に「医師はなるべく増やさない方向で頼みます」と電話し回った。
 この時は結局、舛添氏に押しきられ、その後の民主党政権もこの路線を踏襲したが、12年に自民党が政権に復帰以降、医学部定員増員を骨抜きにした

09年度には医学部定員が、693名も増員されたのに、14年度の増員はわずかに20名だ。
08年当時、定員を5割増やすことが目標とされたが、結局2割の増員で打ち止めにした。

 代わって宮城県や千葉県成田市に医学部新設の話が持ち上がった際には、前出の岩手医大や千葉大の学長たちが反対の急先鋒に立った。
 小川彰・岩手医大学長は「医学部の新設は、医師不足に対してまったく意味がない」という奇妙な理屈をこね、「医学部新設は絶対に認めず」という論陣を張った。
もちろん、新規参入を妨害し既得権を守りたいだけだろう。

 日本の医師は絶対数が足りず、遍在している。
この問題を解決するには、医師の養成数を増やすしかない。
あるいは医師が独占してきた業務を看護師や薬剤師に解放すべきだ。
そうすれば、駄目な医師・病院・医学部は淘汰されるだろう。

真っ先に淘汰されるのは、前述のような既得権益層だ。
逆に彼らや厚労官僚の権限を強化しても問題は悪化するばかりなのは、これまでの経緯から明らかだ。
今こそ、国民の視点に立って医療提供体制の在り方を抜本的に見直さねばならない。

(文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授) .
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2015年12月10日

母の在宅介護で苦労した安藤和津 国や職場の支援必要性語る

母の在宅介護で苦労した安藤和津
 国や職場の支援必要性語る
2015.12.09 16:00 NEWSポストセブン

 高齢化社会を迎えている日本。
家族の介護に追われているという人も少なくないだろう。
そして、家庭で介護をすることの大変さは、してみた人でないとわからない。

エッセイストの安藤和津(67才)は、母が1998年に脳腫瘍と認知症と診断され、2006年に亡くなるまでの間、壮絶な介護の日々が続いた。

「夜は15分おきに起こされ、2時間おきにおむつを交換。
母は大柄で70kg以上あったので、トイレの介護では支えきれずに肩を脱臼したことも。
長引く介護生活でうつになってしまい、喜怒哀楽がなくなり、面白いテレビを見ても笑えない。
毎日同じような黒い洋服を着て、料理もできなくなった時期もあったんです」(安藤)

 それでもなんとかハードな仕事を続け、子育ても介護もこなした。
安藤の支えになったのは、夫で俳優の奥田瑛二(65才)だった。


「ウンチを漏らした母をトイレに運ぼうとしたとき、意識がもうろうとした母が私の上に倒れてしまいました。
その時、偶然帰宅した奥田が『お母さん、ぼくならいいよね』と汚物まみれの母を抱え、手伝ってくれました。
在宅介護は母にとってはベストの選択でしたが、そのつらさは想像を超えていました。

家族の助けがなかったらどうなっていたかわからないし、この気持ちは経験されたかたでないとわからないと思います」

 安倍政権は、介護の人手不足と少子化問題の両方に対する政策として「三世代同居」を掲げている。
これは、子を育てる親たちがその親世代と一緒に暮らすことを推奨する政策で、増築や購入の際に上限50万〜100万円程度の補助金を出すなど、地方ではすでに独自の政策を行っている自治体もある。
今回政府は、同居に必要な住まいの改修を行った場合、所得税や相続税を減額する方向で検討している。

「もちろん三世代同居は理想です。かつての日本では当たり前だったことですが、国がどれだけのサポートをしてくれるのか、また職場を含めて周囲の理解も必要です。
介護する側、される側、どちらも在宅でよかったと最後に思えるには、まだまだ難しいのが現状だと思います」(安藤)

※女性セブン2015年12月17日号
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2015年12月15日

川島なお美が近藤誠の診断を告発

川島なお美が遺著で
近藤誠医師のセカンドオピニオンを告発していた!
「あれは何だったの」「がんを放置しないで」
2015.12.14. LITERA(小石川シンイチ)

〈抗がん剤や放射線治療に見向きもしなかったのも先生の影響かもしれません。
でも、がんは放置さえすれば本当にいいのでしょうか?〉

 今年2015年9月に54歳と若くして胆管がんで亡くなった川島なお美が、ベストセラー『患者よ、がんと闘うな』などの著書をはじめ“がん放置療法”で知られる近藤誠医師を批判していたことがわかった。

 たしかに、川島は近藤医師からセカンドオピニオンを受けており、そのことが論議を呼んでいた。
もともとは近藤医師自身が「文藝春秋」11月号で川島が2年前に近藤医師の外来を訪れ、がん治療のセカンドオピニオンを受けていた事実を明らかにしたのだが、
その近藤医師のセカンドオピニオンの内容に対して医学界から「近藤氏の診断のせいで、手術を遅らせ、治るチャンスを逸してしまった」という批判の声が上がったのだ。

 だが、川島自身も近藤医師の診断に怒りをもっていたようだ。
12月に発売された川島の遺作『カーテンコール』(川島なお美・鎧塚俊彦/新潮社)は闘病中の手記をまとめたものだが、近藤医師のセカンドオピニオン外来を受診した様子も克明に描かれているのだ。

 13年8月の精密検査で腫瘍が見つかった川島が近藤医師のもとを訪れたのは、翌月の9月のこと。
〈この人だったら命を預けてもいい、そう思える医師に出会えるまで手術はしないと決めて、納得するまでセカンドオピニオンを受け続け〉ることにした川島は近藤医師のセカンドオピニオン外来も予約する。
 近藤医師の著書を読んでいた川島は、その理由をこう書いている。

〈そもそも先生の著書で目からウロコだったのは、「ほとんどのがんはがんもどき。早期発見などで慌てて切るとロクなことはない。
生活に支障なく元気ならば様子を見る、放置する、余命3カ月と言われた患者さんも、無駄な治療をせず放置して、何年も長生きしたケースを見てきた」というもの
こういう考え方もあるんだと、感心しました。
そしてすぐさま先生に「ご意見を伺いたい!」とアポを取ったのでした〉

 しかし、近藤医師の診断は予想とはまったくちがうものだった。
〈「切る必要はありません。きっとがんもどきです。様子をみればいいでしょう」
 そう言われるかと思いきや、意外な答えが返ってきました。
胆管がんだとしたらとてもやっかいだね。
2、3年は元気でいられるけど、ほうっておいたらいずれ黄疸症状が出て肝機能不全になる。
手術しても生存率は悪く、死んじゃうよ」──言葉が出ませんでした。

きっとこの先生の前で泣き崩れる患者さんは多々いたはず。
でも、私は初めて会った人の前で泣くなんて、カチンコが鳴ってもいないのにできなかった。
また何か悪い夢でもみているよう……〉
「ほうっておいたら、死んじゃうよ」──残酷な死亡宣告に固まる川島。
しかし、近藤医師がその後に発した一言に救いを求めてしまう。

〈固まっていると、先生がすぐさま言いました。
「でも肝臓は強い臓器だからね、80パーセント以上腫瘍が占めるまではなんともない。
ラジオ波がいいよ」  一瞬にして光が見えた気がしました〉

 近藤医師が勧めた「ラジオ波」とはラジオ波焼灼術のことで、腫瘍の中に電極計を挿入し、ラジオ波電流を流すことにより、熱によって病変を固めてしまうもの。
保険が適用され肝細胞がんでは標準的な治療法とされている。

このときの診断を近藤医師は前述の「文藝春秋」のインタビュー記事で次のように語っている。

〈川島さんは『切除手術も抗がん剤治療も受けたくない』とおっしゃる一方で、「とにかく初発病巣だけは何とかしたい」との思いを持っておられるようだったので、僕は切除手術に比較して体への侵襲度がはるかに低い「ラジオ波焼灼術」を提案しました。
これなら入院期間も格段に短く済みますからね。
彼女には「万が一、転移が潜んでいたとしても、病巣にメスを入れる切除手術とは違い、肝臓に針を刺して病巣を焼く焼灼術なら、転移巣がどんどん大きくなってしまう可能性も低いでしょう」〉
〈(放射線治療との比較をすれば)ただ、制御率の面では、ラジオ波だったら百人やってほぼ百人がうまく行くんだけど、放射線の場合は百人やってうまく行くのは九十数人と取りこぼしが出る可能性があるんです。
それでラジオ波を提案したところ、川島さんもかなり乗り気の様子で、「今の主治医に相談してみます」とおっしゃっていました〉

 ラジオ波ならうまく行く、そう聞いた川島は「ありがとうございます。
ラジオ波の専門医をもう予約してあるので行ってきます、不幸中の幸い、運ってものがあるとしたら、私は人一倍強いので」と近藤医師と握手して辞去する。

 川島が「運ってものがある」といったのは、次の日、ラジオ波の名医のセカンドオピニオンを受ける予約をしていたからだ。
ところが、翌日、関西弁を駆使するマイペースだが頭はシャープそうなラジオ波の名医の一言は再び川島を絶望の奈落に突き落とす。
「う〜ん……胆管がんは一般の肝臓がんと違って、ラジオ波じゃとりきれんのですわ。
良心的な医者なら90パーセント、今回の場合、ラジオ波はおすすめしませんな」

 なんと近藤医師がセカンドオピニオンとして提案したラジオ波は川島の胆管がんには適応しないというのだ。
これにより、川島は途方にくれるのだ。

〈M先生(引用者注:近藤医師のこと)は確かに「私の患者で、胆管がんの人を何人もラジオ波専門医に送り込んだよ」とおっしゃっていましたが、あれって一体なんだったのでしょうか?〉  

その後、川島が腹腔鏡手術の名医であるK先生に出会い手術を決断する10月まで、がんを放置し進行させてしまった。
 結局、近藤医師のセカンドオピニオンは的外れのラジオ波治療というものだった。
川島の夫である鎧塚氏も「追記」の中で〈専門医による「胆管がんにラジオ波は有効ではない」との判断とM先生(引用者注:近藤誠医師のこと)との見解の違いについては、確かに今でも疑問に感じることがあります〉と書いている。

 また、診療代についても、川島は不満を書いている。
M先生がデータを見ながら説明してくれた時間は、約15分。
お支払い含めて20分足らず。
消費税がまだ5パーセントの時代、20分のセカンドオピニオンで3万1500円也。
領収証は頼んでいないうちから書かれていました。お高い!!〉

 なお、〈この人だったら命を預けてもいい、そう思える医師」である腹腔鏡手術の名医であるK先生のセカンドオピニオンは〈診察に1時間以上かけていただきましたが、お会計は1万円という大変良心的な値段だった〉という。

 そして、川島は冒頭で紹介したように、「序章」で、近藤医師の“がん放置療法”に対し、根本的な疑問を投げかけ、がん患者に“放置療法”に騙されないよう警告まで発している。

〈それからもうひとつ。
様々な著書で有名なM先生の存在です。
先生の本でためになったこともたくさんあります。
即手術しなかったのも、抗がん剤や放射線治療に見向きもしなかったのも先生の影響かもしれません。
でも、がんは放置さえすれば本当にいいのでしょうか?
(略)私はそうは思いません。
がんかもしれないと診断されることで、人生真っ暗になってしまったとしても、それは一瞬のこと。
目からウロコの『気づき』をたくさんもらえて、かえって健康的でいきいきした人生に変わることだってある。
それは、自分の病への向き合い方次第なんです。
(略)がんと診断されたら放置するのではなく、その対処いかんでより健全で、充実した生き方が待っている。
それは私ががんになってみて初めてわかったことなのです。
がんと診断された皆さん、決して『放置』などしないでください。
まだやるべきことは残っています

 がん患者は、近藤医師の本に洗脳される前に、川島なお美の声に耳を傾けるべきだろう。
              (小石川シンイチ)
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2015年12月16日

香山リカのココロの万華鏡 ・ Xマスは「あなたの日」 

香山リカのココロの万華鏡
. Xマスは「あなたの日」 
毎日新聞2015年12月15日 首都圏版

 クリスマスが近づいてきた。
診察室では「楽しみです」と言う人より「孤独だと思い知らされる」「街がにぎやかだとよけいに自分がみじめ」と顔を暗くする人のほうが多い。

 どんな言葉をかけてあげればよいのか、と思っているところに、大門義和氏という牧師から小冊子が送られてきた。
大門牧師が手づくりで長年、発行しているものだ。

 冒頭に「すべての人が貴い人であるとの宣言がクリスマス」という言葉が記されていた。
「クリスマスはイエス・キリストと、あとはハッピーな恋人や家族のものじゃないの?」と思いながら読むと、こんなことが書かれていた。

聖書にはイエスは「例外なくすべての人を照らす光」とあり、その光は人を区別したり分類したりはしない。
だから、イエスが生まれたクリスマスは、分け隔てなくすべての人にとっての喜びであり、どんな人をも尊び祝う日なのだ……。

 私のような医者は、診察室に来た人の問診をして「何の病気か」「重症度はどれくらいか」とその人を精神医学の体系にあてはめていく。
そして、診察室を出る頃にはその人をすっかり「患者さん」として扱い、「無理しないでくださいね。
ではまた来週」と送り出す。
そうやって区別、分類するのが私の仕事と言ってもよい。

 しかし、その医者としての「区別や分類」は、いつの間にか、その人が幸福なのか、孤独なのか、かわいそうなのか、といった人間的な部分にまで及んでいたかもしれない。
そして私だけではなくて、患者さん側も、自分で自分を「私には価値がない」「負け組です」などと分類しているのではないか。

 先の小冊子で私は、キリスト教では、クリスマスは孤独な人がより孤独を感じる行事ではなく、孤独だと思っている人も「あなたが生きているのはすばらしいことです」とたたえられるための日なのだ、と知った。
なるほど、と私は膝を打った。
これから12月の診察室では、「クリスマスは誰も区別されない日なんですって」と話すことにしよう。
 いや、クリスマスだけではない。お正月、各地で行われる冬のイベント、いろいろな祝日。「まわりが楽しそうだとよけいにみじめになる」と暗い顔をする人には、そのたびに「これはあなたのための日ですよ」と声をかけてみることにしたい。
まずはこのクリスマスシーズンをひとりですごしている人も、「私も貴い人間なんだよね」と笑顔になってみてはどうだろう。
          (精神科医)
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2015年12月26日

全員一致か、反対者いたのか…

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
 全員一致か、反対者いたのか…
医療ガイドラインで気になること
2015年12月25日 読売新聞

 今年最後のお題は、「違憲判決」についてです。

 12月16日、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)で、女性再婚禁止期間の一部違憲、夫婦同姓合憲の判決が出ました。

僕の興味は、その判決が全員一致で決まったのか、反対があったのか、そして何人の裁判官がどんな理由で反対したのか、なのです。
再婚禁止期間に関しては全員一致で違憲でしたが、夫婦同姓は全員一致で合憲ではありませんでした。
15人のうち5人が反対で、女性の裁判官3人は全員が違憲という主張でした。
この法廷の裁判官の比率が男女ほぼ同数であれば、違憲となったのではとも思いたくなります。

15人のうち、10人が合憲で5人が違憲です。
相当な差があるようにも思えますが、たった3人が合憲から違憲に考えを変えれば、それで翻ってしまうような結果ということです。
裁判所の意見は、少なくともあからさまに夫婦同姓が違憲とは言えないので、国会で議論を深めろという趣旨だと思います。

結婚したら
新しい姓を名乗るような制度も
僕は「人はいろいろ」と思っていますので、家族のあり方もいろいろであっていいと思っています。
つまり昔ながらの家族、祖母・祖父・父親・母親・子供といった三世代、またはそれ以上の世代が一緒に暮らすスタイルもほほ笑ましいでしょう。
また、お年寄りだけの家族もあるでしょう。
若い人だけの家族も当然にあります。
父親と子供だけ、母親と子供だけと言ったいわゆるシングルファーザー、シングルマザーの家庭もありえます。
独身という生き方もありますし、また男同士、女同士の家庭もオーケーです。

そうであれば、夫婦という形もいろいろになりますので、夫婦別姓をあえて否定することもないように思えます。
ただ、子供の姓をどちらにするかは結構大切なことで、夫婦仲が良い時は夫婦別姓でも問題ないのでしょうが、後からどちらでも選べるとなると夫婦仲の悪い状態で子供がどちらの親の姓を選ぶかを決めるのはちょっと酷なように思えます。

いっそ、結婚したらまったく新しい姓を名乗るようなシステムも悪くないなと僕は思っています。
マイナンバーで個人の特定は姓名とは無関係に死ぬまで、または死後も追えるようになるのですから、ある意味姓名はどうでもいいことにもなります。

反対意見、将来的には正しいことも

 さて、ここからが医療のお話です。
最高裁大法廷も全員一致で決まるものもあれば、また反対意見が存在するものもあります。
それが大切なのです。

反対意見があって決められたことは、もしかしたら反対意見が将来的に理にかなっている可能性も相当あると思っています。
また専門家・有識者が全員一致で決めても、もしかしたら反対のことが正しいこともあります。

その良い例は、原発事故のメルトダウンで、有識者の方々は当初、ほぼ全員がメルトダウンはしていないとテレビ、ラジオ、新聞で言い放っていましたが、今やメルトダウンが起こっていないと言う人は皆無になりました。

医療にはガイドラインがあります。
専門家、有識者と呼ばれる方々が、今までの臨床試験や経験をもとに最良と思う治療戦略を書き留めたものがガイドラインです。
ガイドラインに対して希望することは、その意見が全員一致で決まったのか、それとも専門家・有識者の中に反対を唱える人がいたかがわかるようにしてもらいたいのです。

最高裁大法廷で行われている反対意見の明記のようなことはガイドラインでは通常行われていません。
つまり、全員一致で決まったガイドラインか、または反対意見があったガイドラインか、そしてどんな反対意見があったのかなどが不明なのです。
また、ガイドラインは改定されていきます。
つまりどんどんと進歩・改良されるのです。
それは以前のガイドラインは少々問題があったということの裏返しです。

ですから、ガイドラインを頭から信じ込むことは間違っており、その時点での多くの専門家・有識者の意見の集約の結果であると理解することが大切です。
人はいろいろですから、多くの人を通常はグループ化せず、また年齢や併存疾患で分ける程度のざっくりとしたグループ分類で治療方針を示しています。
ガイドラインを使用する医師は、目の前の患者さんがどれに当てはまるかを考え、そしてそのガイドラインを使用した方が患者さんに有益であると思えるときは、それに従えばいいのです。

また、あまり有益でないと感じる時は、敢あえてガイドラインとは異なった治療をすることも実は患者さんのためかもしれません。

最高裁大法廷の判決には当然に拘束力がありますが、ガイドラインには法的拘束力はありません。
ガイドラインを十分に参考にしながら、人それぞれに合わせた治療を行うのが経験豊富な真の臨床医と思っています。

 1年間、僕のエッセーにお付き合い頂きありがとうございました。
来年は1月8日より登場です。
来年もよろしくお願い申し上げます。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

◆ 新見正則(にいみ まさのり)
    帝京大医学部准教授
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2015年12月27日

デスクワーク中心の現代人に「1日3食」は必要か

デスクワーク中心の現代人に
「1日3食」は必要か
2015年12月27日 11時0分 新刊JPニュース

 「女性は25歳が肌の曲がり角」とよくいわれますが、肌に限らず体力や体質についても、「同じ生活をしていたらそれまでの状態をキープできなくなる」という曲がり角のような年齢が存在するようです。

 たとえば40歳という年齢は「健康の曲がり角」です。
 『40歳過ぎたら、「1日2食」にしなさい:「超善玉ホルモン」が、体中の細胞を奮い立たせる!』(藤城博/著、三笠書房/刊)によると、40代に入ると基礎代謝量が急に落ち、それまでと同じ生活をしていると多くの場合体重が増えるといいます。
その結果、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった肥満が引き起こす病気のリスクを高める結果に…。

 となると、40代以降の健康を考えるならまずは見直すべきは「食事」です。
ただでさえデスクワーク中心で消費エネルギーが少なく、過食傾向にあるとされる現代人。
基礎代謝量が落ちてきてもなお、古くからの習慣通り「3食しっかり食べるのが健康の秘訣」と考えていると食べ過ぎてしまうのは目に見えています。

 そこで本書では40代以降の食事として「3食のうち1食を抜いて2食にする」ことをすすめているのですが、それには「摂取カロリーを抑える」だけでなく「3食まんべんなく量を減らすよりも、1食抜く方が簡単」
「12時間以上食べない時間を確保する」という意味合いがあります。

 前者については理解しやすいと思いますが、後者の「12時間以上食べない時間を確保する」については説明が必要でしょう。

■胃腸に必要な休息を与える

 まず挙げられるのは「胃腸を休ませることができる」ということです。
私たちは疲れている時は体を休めるのに、不思議と胃腸を休ませるということは考えません。
それどころか食べれば食べるほど元気が出るとばかりにいつもより余分に食べて胃腸を酷使することもあります。

 胃腸など消化器にももちろん休養は必要。
2食にすることで食事の間隔を広げ、「仕事をしなくていい時間」を作ることで胃腸は十分に休息をとることができるため、英気を養って質のいい細胞を作り生まれ変わることができるといいます。

■悪い物質が体内に残らない

 また、2食にすることで体内から健康を害する可能性のある物質を減らしたり、排出することができるというのも注目すべき点です。
「たべない時間」とは、「エネルギーを入れない時間」ですから、その間体は体脂肪を燃やしてエネルギーにします。
そのため内臓脂肪や肝脂肪が消費されますし、12時間以上食事をとらないことで、食物とともにどうしても体に入ってしまう農薬や化学肥料といった物質の排出が進むことになります。    

もちろん、一番の目的は「摂取カロリーを減らすこと」ですから、2食にした分、一度の食事をドカ食いしてしまっては意味がありません。
量は増やさずに回数を減らすことができたら、「1日2食」は40代以降の健康に最適の生活習慣なのだとか。
 本書にはその実現のための細かいコツや、アドバイスが集められていますので、ついつい大酒を飲んだりドカ食いしがちな年末年始だからこそ、生活スタイルを見直す意味で参考にしてみてはいかがでしょうか。
           (新刊JP編集部)
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2015年12月28日

マンション「大規模修繕積立金」不足

マンション「大規模修繕積立金」
不足が全国で相次ぐ 
「復興」「五輪」で費用高騰に加え、
販売会社の「無責任」も
2015/12/27 11:30 J-CASTニュース

分譲マンションの建物を適切に維持するための大規模修繕に備え、入居者が月々支払っている「修繕積立金」が不足し、予定通りの修繕ができないケースが、2015年にかけて全国に広がっているという。
施工費用の高騰などが背景とされるが、マンションを販売する側の売り方にも問題があるとの指摘が強い。

管理組合の新たな借金も急増

マンションは年月がたてば、給水管や配管のほか、壁や屋上も傷む。
住環境を良好な状態に維持し、資産価値を落とさないためには、定期的に修繕を行わなければならない。
しかし、多数の世帯が住み、建物の規模も大きいことから、修繕工事の費用は億単位に上ることも多く、その都度、一括徴収することは難しい。

このため分譲マンションは、長期の修繕計画を作り、これに基づいて月々の積立金の額を決め、各世帯が支払っているのが一般的だ。
しかし、この2年ほどで積立金不足が問題になる例が全国で相次いでいるという。
積立金不足への対応のため、借金までする管理組合も増えているのだそうだ。

実際、住宅金融支援機構によると、管理組合向けの大規模修繕用融資の件数は2011年度に178件だったのが、2014年度は278件と1.5倍に増えた。
1戸当たりの平均融資額も2011年度の46万円が、2014年度は53万円へと約15%も膨らんでいる。
2015年も同じ傾向と見られる。

積立金不足の大きな要因の一つは、施工費用が高騰していることだ。
「修繕工事の見積もり額は2013年ごろと比べて約4割上昇している」(東京都内のマンション管理コンサルタント)とされる。

東日本大震災の復興工事や2020年の東京五輪に向けて工事需要は急速に高まっており、資材や人権費が急騰しているためだ。

「分譲時に物件を安く見せたい」と
           野放し状態

ただ、マンション管理の専門家らによれば、根深い問題は分譲マンションを販売する側の姿勢だという。
マンションの入居者はマンションの本体価格に加え、月々管理費と修繕積立金を支払う。
管理費は当初から一定額が必ず必要だが、修繕積立金なら低く提示しても当面は大きな問題とならない。
このため、販売会社は少しでも買いやすく見せるよう、修繕積立金を低く設定するケースが少なくないという。
ある不動産コンサルタントは「分譲時に物件を安く見せたいという販売サイドの責任は大きいが、修繕積立金の設定などに関する規制はなく、『野放し状態』というのが実態だ」と問題を指摘する。

分譲マンションの購入者は最終的に、自分の資産を自分で守るしかない
少なくとも、修繕積立金が安いという目先の魅力に飛びつかず、修繕計画がどうなっているかを確認し、積立金が妥当か、購入前のチェックが不可欠だ。
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高齢者狙う 悪徳商法最新手口

高齢者狙う悪徳商法 
利殖勧誘事犯や点検商法に送りつけ商法
2015.12.28 07:00 NEWSポストセブン

 違法合法にかかわらず、高齢者を狙った勧誘があとを絶たない。
家族が悪徳商法の手口を知り、親を見守ることがいちばんの対策。
遠距離ならば、日々の様子を知るために電話でこまめに声がけを。

 多い勧誘として、利殖勧誘事犯がある。
手持ちの資金を少しでも増やしたいという願望につけ込み、「社債」「未公開株」などの投資話を装い、「絶対に儲かる」などと嘘をつき出資金をだまし取る。

 また、点検商法にも要注意。
住宅の無料点検を装って訪問し、「柱にヒビが入っていて危険」「水道管の中が錆びているので水を飲むと病気になる」などと嘘を言い、必要のない工事を施工したり、浄水器などを売りつけたりする。

 なかには、送りつけ商法と呼ばれる大胆な手口も。
代金引換サービス(販売者から依頼を受け、商品の引き渡し時に配送業者が購入者から代金を受け取る)などを利用して、健康食品などを一方的に送りつけ、購入させてしまう。

 高齢者の弱みに付け込んで高圧的な態度で売りつける、押し付け商法も問題となっている。
高額な商品や不要な商品を販売するため、家に上がりこんで長時間居座ったり、大声で脅かして、高額な羽毛ぶとんや消火器などを無理やり売りつける。

 これらの高齢者を狙った悪徳商法を目の当たりにした被害者に話をきいた。

50代女性・Aさんは実家帰省時に母親が被害にあったことに気づいたという。
「久々に帰省すると、玄関や床の間に飾ってあった、壺や掛け軸がありません。
ひとり暮らしの母親に聞くと、『親切な人が来て、高値で買い取ってくれた』とうれしそう。
聞けば着物から骨董まで一切合財を12万円で引き取っていったというのです。
 冗談じゃない、掛け軸だけで100万円はくだらない代物です。
聞けば、文句が出にくい微妙な金額で高額商品を引き取る手口が横行しているそう。
連絡先もわからず、どうしようもありませんでした」

 さらに、認知症の父への銀行員の勧誘に憤りを覚えている50代女性・Bさん。
なにがあったのか…?
「父親から『預金を下ろせない』という相談を受け、預金通帳を見ると、残高が1万円余りしかない。
調べると、通帳にあった200万円が定期預金に。
少し認知症が始まっている父は、銀行の窓口ですすめられ、意味もわからず定期にしてしまったのです。
 すぐ普通預金に戻しましたが、その途端、今度は別の行員が別の定期をすすめてきました。
支店長を呼び出し、『二度とうちの父のお金には手を出さないよう、全行員に通達して!』と怒鳴りました」
  ※女性セブン2015年1月7・14日号
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2015年12月29日

欧米では使われない日本の湿布薬

来年から湿布薬の処方枚数に制限
〜欧米では使われない不思議な薬
2015.12.28. ヘルプレ

 昔から日本人には馴染みのある「湿布薬」。
捻挫や打撲、肩こり、腰痛などで用いられる、日本ではポピュラーな薬だ。
日本人なら誰もが一度は使ったことがあるのではないだろうか。

 そんな身近に処方されてきた湿布薬(鎮痛消炎貼付剤)が、2016年4月の診療報酬の改定を機に、処方枚数が制限されるという。
厚生労働省は、1回で70枚以上処方される患者は延べ約30万人/月いるとして、今回の制限によって国費ベースで年間数十億円の医療費削減につながるとみている。

 市販の湿布薬を買うと全額自己負担だが、医師が処方すると原則1〜3割の負担ですむ。
「湿布薬は何枚あっても困らない」と多めに処方してもらい、余ったものをストック、家族などに譲渡するケースは少なくない。
患者に必要以上の枚数が処方されるという無駄が問題視されてきた。

 そもそも、湿布薬の効果や副作用について十分な知識をもたず、安易に使用していないだろうか。

温熱効果や冷却効果はない!

 湿布は、開発の経緯から大きく「第一世代」と「第二世代」に区分けされる。

第一世代は、消炎鎮痛成分(サリチル酸メチルなど) に加え、刺激成分が温感・冷感を与える。
その後、鎮痛効果の高い非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs) を含んだ貼付剤が登場した。
これが現在、主流となっている「第二世代」である。

いずれも、肩こりや腰痛の原因である「筋肉の凝り」を取ってくれるわけではない。
あくまで「痛み止め」「炎症を抑える」ための薬だ。

冷湿布を貼るとヒンヤリする冷却効果は、配合されているメンソールによるもので、実際には「冷却」されているわけでない。
一方、温湿布も、トウガラシエキスなどによって温かく感じているだけだ。
実際に冷やす・温めるという効果は期待できないということを覚えておこう。

欧米ではほとんど使われていない湿布

 ところで、日本ではとても普及している湿布だが、欧米ではほとんど使われていない。
痛み止めといえば飲み薬が一般的で、湿布のような貼り薬はあまり使われない。
また、保険が適応されない国も多い。
文化や習慣の違いなのかもしれないが、「薬」として“認めていない”場合が多いのだ。

 湿布はその手軽さから、「薬物」のイメージは薄いが、保険診療で採用されている、れっきとした薬。
たとえば、ハガキ大のサイズの湿布薬を10枚ほど使うと、血中の鎮痛成分の濃度は、飲み薬1日分と同じくらいになるという研究結果がある。

湿布の多用、連用で副作用に見舞われることも

 すべての薬には何らかの副作用がつきものだが、湿布も同様だ。
安易に使っていると思わぬ副作用に見舞われることがある。

特に高齢者に多いのが、多用、連用によるものだ。
 たとえば、痛みや炎症を抑える医療用貼り薬「モーラステープ」に含まれる「ケトプロフェン」という鎮痛成分には、「光線過敏症」という副作用がある。
貼ったまま紫外線を浴びると、貼った部位に発疹腫れかゆみ水ぶくれなどの症状が表れる。

 厚生労働省の発表によると、妊娠後期に使用した後、胎児の心臓につながる胎児動脈管が収縮し、胎児に肺高血圧症などが起きたケース、妊娠中期の使用で羊水が少なくなる羊水過少症も報告されている。

 また、インドメタシンには、筋肉を萎縮させてしまう副作用があり、ほかにも喘息を患っている人には用いてはならないという欠点がある。

そのほかにも、アレルギー反応を引き起こしたり、胃の粘膜を刺激して胃腸炎になったりしたケースが報告されている。
 今回の湿布の処方枚数の制限策が、医療費削減の面だけでなく、適切な使用に基づく効果や副作用への喚起を呼ぶことに期待したい。
    
   (文=編集部、監修=三木貴弘)
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2015年12月30日

誰もが“下流老人”として苦境に陥る可能性がある - 藤田孝典

誰もが“下流老人”として
苦境に陥る可能性がある - 藤田孝典
BLOGOS編集部 2015年12月30日 06:11

2015年6月に出版された「下流老人」は、12月20日現在、20万部を超える発行部数を記録している。
驚くことに2015年の新語・流行語にもノミネートされた。
今年を象徴するキーワードにしていただいたことに感謝している。

思い返せば、年末は様々な貧困に関連するイベントが行われてきた。
2008年末には、リーマンショックの影響で、いわゆる派遣切りに遭った派遣労働者が日比谷公園で過ごす「年越し派遣村」がクローズアップされた。
今年も各地で年越しに困難を抱える人々のための生活相談会が開催されている。

貧困問題は、発見されては忘れ去られ、そしてまた再発見されるという状況を繰り返している。そのようななか、高齢者の貧困を今年「見える化」できたことは非常に大きな成果だった。
何かと貧困問題に注目が集まりやすい年末だからこそ、「下流老人」について改めて再考してみたいと思う。

企業や家族に依存してきた
        貧困対策の弱さが露呈

わたしが定義する下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」である。
乱暴であるが、首都圏では単身の生活保護基準は、生活扶助費(8万円程度)と住宅扶助費(5万円程度)で、概ね13万円前後である(※世帯の状況にもよる)。
介護や医療サービスは必要最低限のものが現物で給付される。
納税や各種支払いを減免されることもあり、額面上の支給よりも様々な権利が享受できる。
これは生活保護に「最低生活保障」や「ナショナルミニマム」という理念があり、人間が健康で文化的に暮らす水準を規定しているためだ。
要するに、日本において人間らしい暮らしを送れる最低限の水準なのである。

当然ながら、年金支給基準はそれほど高くないし、国民年金だけであれば満額でも月額6万5千円程度である。
生活保護基準が高いのではなく、年金だけでは老後を暮らす上でのセーフティネットが弱いということだろう。

本来は年金だけで暮らせるわけはなく、付加的な社会保障として、住宅や医療や介護などを現物や現金で給付する政策も必要だといえる。

企業の福利厚生(退職金や企業年金、社宅など)や家族相互の扶助に依存してきた政府の貧困対策の弱さが露呈したといえよう。
さらに、現在の高齢者人口は約3,400万人で、その年齢層の相対的貧困率は約20%である。
年間所得にすれば、1人世帯で120万円程度、2人世帯で170万円程度の収入しかないと相対的貧困状態に該当する。
すでにその人口は約700万人存在することがわかる。

このような年金などの収入が低いことと併せて、貯蓄額が少ないことも特徴としてあげられる。高齢者はお金を持っているイメージがあるかもしれない。
しかし、他の世代と比べれば多いが、大半の高齢者は預貯金が少ないか、保有していない。
約20%の高齢者が貯蓄ゼロ世帯であり、500万円以下では40%程度が該当する。

そのようななか、生活に困窮して相談に来られる高齢者は後を絶たない。
以下で具体的な事例を紹介しよう

離婚や子どもの病気…“想定外の事態”で苦境に 熟年離婚の末に・・・
夫婦仲の険悪さが続いていた69歳の女性は離婚したことをきっかけに貧困に至ってしまう。

2008年の法改正では、離婚しても夫の年金を分割してもらえるようになり、離婚を決意する高齢者が増える一方、その後の生活が成り立たない人々が増えている。

 夫の年金額は、厚生年金16万円程度。女性は専業主婦で国民年金のみなので約6万円である。
2人合わせると約22万円であり、持ち家があるので、医療費などがかかりつつも、なんとか暮らせる水準だった。

しかし、協議離婚になり、夫の厚生年金と女性の国民年金を分割してみると、夫が14万円、女性は8万円程度であり、二人とも生活に困難を抱えてしまう。
8万円の年金で一人暮らしを始めても家賃を払うと生活が困窮することが理解できるだろう。
女性には持病があり、医療費もかかるため、預貯金や資産分割した金銭も使い果たし、相談に来られた。
生活保護申請するなど、手続きをして生活再建に取り組んでいる。
このように熟年離婚は、リスクが高いといえる。

特に、高齢期を単身で過ごす場合は注意が必要だ。
統計的にも、高齢男性のみの世帯の相対的貧困率は38・3%、高齢女性のみの家庭では52・3%である。
要するに、単身高齢者の貧困率は上昇する傾向にあり、困りやすいともいえる。

<息子が統合失調症に。少ない年金で援助する・・・>

別の78歳の男性の年収は50歳代後半に約800万円あったそうだ。
埼玉県の郊外に、持ち家もあり、厚生年金などを夫婦2人で月額25万円程度支給されている。
問題は息子さんが20歳代後半に、重い統合失調症と診断され、一切働けなくなったことだ。
息子さんはもともと人間関係も苦手だったらしく、それでも頑張って大学卒業後にIT企業の事務作業に長時間従事していたそうだ。
療養費や医療費もかかるため、25万円の年金では、3人が生活していくことは難しいと悩んでいた。
予想以上に長期の療養生活になっている息子さんのために、退職金や預貯金も底を尽きかけており、いつまでこの生活が続くのか不安が消えない日々を送っている。
当然、大学で借りた奨学金の返済も両親の年金から支払っている。
非正規雇用やブラック企業のニュースが連日世間を賑わせているが、このようなニュースと高齢者は無関係ではない。

雇用が悪化すると、その現役世代を援助せざるを得ない家族も困窮する要因となる。
全労働者の約4割が非正規雇用であり、不安定なうえ生涯賃金も低い。
自分の力だけでは生活が成り立たないので、親世代が同居したり、生活費を補てんして支えている構造がある。

消費税以外の
税の再分配のあり方を議論すべき

この誰でもなりえる「下流老人」の増大による悪影響は計り知れない。
老後に不安を抱える人々が起こす行動は何だろうか。
貯金や節約である。
個人消費が伸びないことはいうまでもない。
今年、過去最高益を記録したトヨタ自動車は象徴的な存在だ。
このトヨタ自動車は足元の国内需要が伸び悩んでいる。
本来、現役世代は消費意欲が旺盛だが、老後に不安を抱えるならば、自動車を買わないし、買えない。
あるいは買い替えられないのである。

他にも家電製品メーカーや量販店など、個人消費が伸びていない産業をあげればキリがないくらいだ。
まず経済成長を考えるのであれば、アベノミクスなどの経済政策と同時に、国民の不安の解消として、社会保障の整備をおこなう必要があることは言うまでもない。

真剣に消費税以外の税の再分配のあり方を「財源がない」とサボらずに議論してほしい。
負担すべき者が負担を免れては、社会が再生産できなくなってしまう。
これは深刻な少子高齢社会を見れば明らかである。

「下流老人」という言説への批判への応答

最後に、「下流老人」という言葉が階層を生み、差別を生む恐れがあるので使用を控えるべきだという批判(2015年10月11日北海道新聞)が少し前に淑徳大学の結城康博教授よりあった。
「低所得高齢者」や別の言葉に置き換えるべきではないかと。

簡単に応答しておきたい。
わたしは「下流老人」という言葉にこだわりを持っている。
日本における階級や階層が見えにくくなり、漠然とした中流意識を多くの人が持っている。
多くの大学でも労働階級論や階層論などを、教授しなくなって久しい。
ふとしたきっかけでそれらの人々は「下流老人」に至ると指摘してきた。

結城氏が指摘する以前に、すでに世代内に厳然と階層はある。
貧富の是認しがたい不公正な格差や不平等も著しい。
それにも関わらず、あたかも貧困に至ったのは「自己責任」と言わんばかりの差別的な対応が横行している。
介護保険料を支払っても特別養護老人ホームに入所できない。
全国で50万人待ちである。
富裕層は月額30万円程度でも有料老人ホームに入所することは可能だ。
要するに、今現在でも金がなければ悠々自適な老後は送れないのである。
それも大半の高齢者が該当する問題である。

高齢者の間で基礎的に必要なサービスである介護ひとつとっても、富は公正に再配分されていない。
この事実を知りながら「かわいそうだから」と現状を突きつけずに目をつぶるのか。
それとも階級や階層を意識して、社会構造や社会保障制度を改変し、富の再分配をするように声を上げる主体になってもらうのか。
高齢者や次世代の高齢者自身が問われているだろう。

わたしは「下流老人」という言説を活用し、それをきっかけにして問題に気づき、多くの方が漠然とした不安を政治や政策に反映させてくださることを心から願っている。

ふじた たかのり
ほっとプラス代表理事。
ブラック企業対策プロジェクト共同代表、
生活保護問題対策全国会議、
福祉系大学非常勤講師。
著書に『ひとりも殺させない』など。
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2016年01月11日

解熱鎮痛剤 安易に使うべからず

知っているようで、ほとんど知らない風邪の秘密
解熱鎮痛剤 安易に使うべからず
2016年1月10日 毎日新聞・医療プレミア

谷口恭 / 太融寺町谷口医院院長


 今回は「風邪」をひいたときの解熱鎮痛剤の使い方と危険性についてお話ししたいと思います。

風邪を致命的に
悪化させることがある解熱鎮痛剤

 まず基本的な言葉を押さえておきましょう。
風邪で用いる解熱鎮痛剤というのは「熱を下げたいとき」または「痛み(それは咽頭〈いんとう〉痛でも頭痛でも生理痛でも関節痛でも)を和らげたいとき」に用います。
そのため解熱鎮痛剤はときには「熱冷まし」と呼ばれ、ときには「痛み止め」と呼ばれます。

このうち一方だけに作用させることはできず、「熱冷まし」として飲んでも痛みは和らぎますし、逆に「痛み止め」として用いても熱が下がります。

たとえば、虫歯の治療で「痛み止め」を飲んでいると、風邪をひいても熱が上がりにくくなります。
 今回はここで結論を述べたいと思います。
それは「風邪の病原体によっては解熱鎮痛剤が症状を悪化させることがある。
自分の判断で安易に解熱鎮痛薬を飲むべきでない」ということです。

例を挙げましょう。
 たとえばインフルエンザウイルスに罹患したとき、重症化すると「インフルエンザ脳炎・脳症」という状態になることがあります。
このときに、もしも「サリチル酸系解熱剤」と分類される解熱鎮痛剤を使用すると、脳の血管を傷つけてしまう危険性があります。
つまり、インフルエンザ脳炎・脳症を悪化させる可能性があるのです

誰もが知る市販薬でも要注意

 そして「アスピリン」「バファリン」「ケロリン」など薬局で簡単に買える、誰もが名前を知っている非常に有名な解熱鎮痛剤のいくつかは、サリチル酸系解熱剤なのです。
つまり、インフルエンザに罹患しているときに、薬局でこれらの薬を買って飲むと重症化する可能性があるということです。

さらに、サリチル酸系解熱剤以外にも、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸といった成分を含む解熱鎮痛剤(商品名では「ボルタレン」「ポンタール」など、いずれも有名でよく使われているものです)にも危険性があります。

 実は、我々医師も「風邪」に対する鎮痛や解熱はかなり慎重に行っています。
インフルエンザは典型例であれば臨床症状から見当をつけることはできますが、100%の精度で診断できるわけではありません。
15分くらいでインフルエンザに罹患しているかどうかを判別できるキットもありますが、感染初期の場合は正確な結果が出ないことが多々あります。

 もしもインフルエンザであるのにもかかわらず、先に述べた解熱鎮痛剤を処方すると、医師が処方した薬のせいでインフルエンザが重症化し、最悪の場合帰らぬ人に……、という可能性もなくはありません。

では、先に挙げたもの以外の解熱鎮痛剤を処方すればいいではないか、と思う人もいるでしょう。
 しかしそう簡単ではないのです。

「PL顆粒(かりゅう)」「ピーエイ」「ペレックス」といった医療機関で最もよく処方される「風邪薬」には、サリチル酸系解熱剤が含まれています。
つまり、軽度なただのウイルス性の風邪と診断して、こういった風邪薬を処方すると、インフルエンザが重症化して……という可能性もあるというわけです。

水ぼうそう、デング熱でもリスクが

 インフルエンザだけではありません。
まだ皮疹の症状が出ていない初期の水ぼうそう(水痘)は、風邪のような症状を示します。
もしもこのときに単なる風邪と判断し、サリチル酸系解熱剤が含まれた薬を処方すると、やはり脳症を起こし生命にかかわる状態になることがあります。

 まだあります。第14回で紹介したデング熱にも皮疹が生じますが、発熱や頭痛などの風邪症状から数日遅れて出てきます。
もしもデング熱にサリチル酸系解熱剤を含む「普通の風邪薬」を処方すると、場合によっては一気に重症化して生命にかかわることもあります。

 もちろん世の中の「普通の風邪」には「普通の風邪薬」を使っても生命が脅かされることはありません。
しかし、初期の段階で「普通の風邪」とインフルエンザや水ぼうそう、デング熱などを見分けることはときに困難です。
医師であっても困難です。

アセトアミノフェンの使い方を知ろう

 では、どうすればいいのでしょうか。
風邪の症状が出て、高熱がある。
しんどい。
解熱薬が必要。
しかしインフルエンザだったとしたらどうしよう……。

そんな時の答えは「アセトアミノフェンを用いる」です。
 アセトアミノフェンというのは世界のどこででも用いられている解熱鎮痛剤で、インフルエンザ、水ぼうそう、デング熱などを含むどのような「風邪」にも用いることができます。
しかも赤ちゃんでもお年寄りでも妊婦さんでも使うことができます
言わば最も安全な解熱鎮痛剤と言えるのです(もちろん小児の使用量は成人とは異なります。妊婦さんへの使用は危険とする研究もないわけではありません。
また副作用がないわけではなく特に量を増やしたときには危険性が増します)。

 私の知る限り、アジア、欧米問わず海外では薬局でアセトアミノフェンを販売しており、多くの人が風邪、発熱、頭痛などのときに治療の第1選択としています。

国によってはパラセタモールという呼び方をするところもあります。
アセトアミノフェン、パラセタモールは共に一般名ですが、アメリカでは、「タイレノール」という商品名の方が名が通っています。

 日本ではどうかというと、アセトアミノフェンは商品名「カロナール」などが医療機関でよく処方されますし、実は(なぜかあまり知られていないようですが)タイレノールは日本の薬局でも購入できます。
ですから、私個人の意見をいえば、風邪症状が出現したときには派手なCMをしている総合感冒薬よりもアセトアミノフェンを薬局で買うか、あるいは総合感冒薬に含まれている解熱鎮痛剤がアセトアミノフェンだけのものを使用すべきだと考えています(注1、注2)。
   ×   ×   ×
注1:ただし日本の薬局で買えるアセトアミノフェンは1回に飲んでもいいとされている用量が海外のものと比べて少ないという欠点があります。
医療機関でアセトアミノフェンを処方するときは、患者さんの体重、重症度、他に服用している薬などを考慮して適切な量を決定します。

注2:風邪の趣旨から外れるために本文では述べませんでしたが、解熱鎮痛薬はどんな場合でも気軽に飲んでいい薬ではありません。
その最大の理由は「依存性」です。
特に頭痛で鎮痛剤をたくさん飲んでいる人は要注意で、鎮痛剤の飲み過ぎで頭痛が悪化することがあります。
これを「薬物乱用頭痛」と呼び、治療に難渋します。

私が院長を務める太融寺町谷口医院には軽症から重症まで頭痛の患者さんがたくさん受診されますが、薬物乱用頭痛の治療が最も困難です。
個人的な印象では、鎮痛剤の依存症はニコチン依存症よりもはるかに治療に苦労します。
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2016年01月13日

たかが手洗い、されど手洗い

知って安心!今村先生の感染症塾
たかが手洗い、されど手洗い
2016年1月12日 読売新聞

 年末年明けの連休が終わった学校や会社で、少し遅めのインフルエンザ流行がはじまっています。
このような感染症が流行した時に、いつもすすめられるのが「手洗い」と「咳せきエチケット」。
これらは、インフルエンザだけでなく、いろいろな感染症を防げることができる「万能の感染対策」です。
今日は、この大切な予防のことを、みなさんと一緒に考えてみましょう。

正しい手洗いを身につけよう

 冬はノロウイルスやインフルエンザ、夏には咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナなどの子どもの夏かぜ。
感染症は、毎年のように大きな流行を繰り返しています。
乾燥に強いウイルスは、人の手や、汚染された環境を介しても感染が広がっていくため、「手洗い」が予防の基本となります。

 トイレで、ちょっと水をかけるだけではいけません。
正しく、しっかりと手洗いをするよう心がけましょう。
洗い残しが多いのは、指先、指の間、親指付近、そして手首です。
日常生活では、口や鼻に触れる「指先」を特に気をつける必要があります
手洗いをできるようにするためには、子どもの時からの、家での習慣づくりも大切です。
家でいつもやっていると、ちゃんと外でもできるようになるからです。

空気感染する3つの感染症

 日常的な感染症で「空気感染」するのは、結核、麻疹はしか、水痘みずぼうそうの3つしかありません。
これらの感染症では、くしゃみや咳がでると、病原体が小さな小さな粒となり、空中で長く浮遊してしまいます。
したがって、同じ部屋などの狭い空間に、より長く一緒にいるほど、感染の危険性が高まってしまうことになります。

飛沫で広がる感染症

 一方、インフルエンザ、RSウイルス、マイコプラズマなどの多くの呼吸器感染症は、「飛沫ひまつ感染」でうつります。
飛んでいく粒が空気感染と比べて大きいため、咳やくしゃみで口から飛び出しても、通常は1〜2m以内で地上に落ちてしまいます。
飛沫感染する病原体は、いつまでも空中をただよってはいません。
だから、がんばって空間を除菌しようとしても、そこにはもう病原体はいないのです。

 飛沫感染においては、距離と方向が大切です。
距離が離れていたり、違う方向に向いていたりすれば、飛び出した病原体が直接口などに入ってくる可能性も低くなるからです。

本人が気をつける咳エチケット

 「うつらない」ように着けるマスクより、「うつさない」ように着けるマスクの方が有効です。
くしゃみや咳によってうつる感染症では、本人が人にうつさないように気をつけることが、最も効果の高い予防策となります。
感染している本人が気をつけることから、この予防を「咳エチケット」と呼ぶようになりました。

口を覆わず、肘でブロック

 咳やくしゃみをするときには、手のひらで口を覆うのではなく、水平チョップのように肘の裏を口の前にもっていき、「肘でブロック」するようにしましょう。
子どもは、手のひらで口を覆うと、汚れた手のひらをなめてしまうことがあります。
また、病原体のついた手で触れることで、環境を汚染してしまうかもしれません。
間に合わなければ、横を向くだけでもかまいません。
みんなが咳エチケットを心がければ、感染は少なくなっていきます。
=================== 
・くしゃみや咳をする人がマスクをつける。  
・マスクをつけてなければ、ハンカチやティッシュで口をおおう。  
・ハンカチがなければ、肘の裏でブロックする。
====================

飛沫感染でも、手洗いは大切  

飛沫感染する感染症も、自分の口に触れたりして、病原体が手につくことで感染がひろがってしまいます。
「感染した人の口や鼻→手→環境→他の人の手→口や鼻」…このように、手を介して、人から人へと感染していくのです。
したがって、くしゃみや咳でうつる感染症でも、「手洗い」は大切な予防策となります。
また、日頃から口や鼻をあまり触らないようにすることも、感染を少なくする方法のひとつです。

手洗いのタイミング

 感染症が大きな流行になると、様々な環境が病原体によって汚染されてしまいます。
そのような日常生活の中では、流水と石けんによる手洗いを、それほど頻回に繰り返すことはできないかもしれません。
しかし、完璧を目指すのではなく、会社や学校、レジャー施設など、人が多いところを中心に手洗いの機会を増やしましょう。
手洗いする場所や機会がない時には、市販されているアルコール製の手指衛生剤も有効です(ノロウイルスやロタウイルスは、アルコールが効きにくいため、流水と石けんでの手洗いの方がすすめられています)。

 また、冬になるとマスクをつけている人も多いと思います。
マスクを着用している時には、仮に手が汚染されても、その手で口や鼻を触れる機会が少なくなるはずです。
したがって、マスクを取る時が、手洗いをする良いタイミングとなります。

たかが手洗い、されど手洗い  

毎年、毎年、いろいろな感染症が流行しますね。
 でも、どんな感染症がやってきたとしても、日常生活における予防の基本は変わりません。  

「たかが手洗い、されど手洗い」  
「ゴホンとしたら、咳エチケット」  

この習慣が、きっとあなたや家族を救うはずです。
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国民全体が最低限の医療を保障されている今の制度は、恐らく崩壊する

国民全体が
最低限の医療を保障されている
今の制度は、恐らく崩壊する
Business Journal 1月13日(水)7時0分配信
文=新見正則/医学博士、医師

 新年早々ですが、今日は医療保険制度の話題で盛り上がっています。
「極論君」は「医療保険制度は早晩崩壊する」と言い、
「非常識君」は「これからは、個人の責任で保険会社が用意する医療保険に加入すればよいのだ」という論調。
「常識君」は「日本は素晴らしい国だから、今の医療保険制度が崩壊することはない」という楽観論です。

 さて、まず医療保険制度について説明しましょう。
厚生労働省のHPには、次のように記載されています。

・我が国は、国民皆保険制度を通じて世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を実現。
・今後とも現行の社会保険方式による国民皆保険を堅持し、国民の安全・安心な暮らしを保障していくことが必要。

 そのHPに掲載されている円グラフを見ると、日本の国民医療費の負担構造(財源別)がわかります。
保険料の被保険者分が28.4%、保険料の事業主分が20.2%、国庫が26.0%、地方が12.4%、そして患者負担が12.3%です。
つまり保険料として48.6%、公費として38.4%、残りが患者負担で12.3%となります。

 そして概要の図を見ると、
75歳以上が1割負担(現役並み所得者は3割負担)、
70歳から74歳は2割負担(現役並み所得者は3割負担)、
義務教育就学後から69歳が3割負担、
義務教育就学前が2割負担と書いてあります。

 医療費は39.2兆円で、患者負担が4.7兆円、保険料が19.1兆円とも書いてあります。39.2×12.3=4.82ですので4.7とならないのがちょっと不思議なのですが、この概要が正しい前提で話を進めましょう。

●国民皆保険が崩壊する?

  まず、医療費は年々増加しています。
約50年前の1965年は医療費が1兆円を超えた年でした。
そして50年経った今、それが40兆円近くに跳ね上がりました。
当たり前です。
医療は進歩しているからです。
医療の進歩はこのまま続くでしょうから、医療費がますます増加することは自明の理です。

 そうであれば、極論君が言うように「今の医療保険制度は早晩崩壊する」というコメントに賛成せざるを得ません。
高齢化が進んで労働人口が減少し、そして高齢化による医療費がさらに医療費を圧迫するでしょう。
常識君の「日本は素晴らしい国だから、今の医療保険制度が崩壊することはない」という夢のような理屈が実現するには、医療費の増加を補うほどの経済成長が見込めればいいのです。
 この点に関して私は専門家ではないのでコメントできませんが、雰囲気的にはそんなことは起こりそうにありません。
でも起こるかもしれません。

 政府は医療を成長産業にしようとしています。
とてもいいことですが、医療が成長産業になるということは、医療でお金が回るということです。
つまり、医療費がますます増加するということですから、その発想自体が、国民皆保険が崩壊するということを念頭に置いているとしか思えません。

 そうであれば、非常識君が言うように「各自の責任で、民間保険会社の医療保険に加入すればよい」という立ち位置が実はバランスがよいように思えます。

自分の健康は自分で責任を持つということです。
高額な医療費が将来必要となったときに、それまで支払ってくれるような保険に入っておこうという発想です。
 その前提には今の医療保険制度は崩壊するか、または国が最低限の医療のみ保障するという体制に変化します。
確かにもっともな意見で、なぜ非常識君がこんなもっともな意見を言うのかとかえっていぶかしくなります。

●家族が病気になることを想像できない

 大切なことは、健康な時には自分や家族が病気になるとどうなるかということが想像できないという点です。
または想像できても、今生きるのが精一杯な人、今食べるのが精一杯な人、今子供の教育費に少しでもお金を掛けたい家庭に、「将来の病気を予測して今から自己責任で保険に入れ」と勧めてもなかなかできないものです。

ですから、ある意味強制的に保険料を徴収したり、税金から補填することで社会保障が成り立っているのです。
そんな意味でこのもっともな発言は、非常識君の発言としたのです。

 悩ましいですね。
国民全体が同じ医療を受けられるという今の制度は限界でしょう。
非常識君の発言は確かにもっともで、最低限の医療を国民全体が享受できる、つまり10年前の治療やジェネリック医薬品を用いた医療は国民皆保険で、それよりも新しい医療は自分の責任で民間の保険会社の保険に入るといった制度にならざるを得ないようにも思えます
そんなことにならないように、常識君の夢のような発言が現実となることを祈っています。

新年ですから夢と希望を持って、経済のミラクルを願っています。
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2016年01月14日

離婚間近の松居一代 義父と一度も会わぬ等波乱の結婚生活

離婚間近の松居一代
義父と一度も会わぬ等
波乱の結婚生活
2016.01.14 16:00 NEWSポストセブン

 船越英一郎(55才)が、妻・松居一代(58才)の過剰なまでの束縛や嫉妬心に疲れ果て、ついには離婚を決断した──。

現在、船越は松居が住む自宅マンションでは生活しておらず、その近くにある別宅マンションで暮らしており、年末から年始にかけて2週間以上も夫婦は顔を合わせていないとのこと。
船越を知る芸能関係者によると、船越は早ければ2月中にも離婚の決着をつけたいと考えているという。

 2001年に結婚した船越と松居だが、最初から順風満帆ではなかった。
「みなさま、もうお気づきのことと思います。口に出すのをはばかられるので黙っていらっしゃるのでしょうけど、だからこそちゃんと私がいいます。
今日、船越の両親は来ていません」

 2001年10月31日、今はなき『赤坂プリンスホテル』で行われた船越と松居の挙式披露宴は、新郎の所属事務所であるホリプロ・堀威夫会長のこんな挨拶で始まった。
門出から山あり谷ありの夫婦だった。

1987年にDCブランド創業者と結婚、1990年に長男をもうけた松居だが、夫の度重なる浮気と借金問題に悩み、1996年に離婚していた。

 船越よりも3才年上で、連れ子を持つ松居との結婚に、船越の両親は猛反対した。
神奈川県湯河原で旅館を運営し、息子に後を継がせようとしていた父・船越英二さん(享年84)には、バツイチ子持ちという松居の経歴は受け入れがたいものだった。

「披露宴を欠席しただけではありません。
英二さんは2007年に亡くなるまで、松居さんとは生涯一度も会っていない。

大正生まれの英二さんにとって、夫婦の形は“夫唱婦随”が当たり前。

結婚後にテレビで夫の恐妻ぶりをおもしろおかしく話す松居さんの存在は、最期まで許せなかったのです」(船越家の知人)

 実家で暮らしていた船越の妹、洋子さんは、新聞のテレビ欄を毎日見て、松居の出演する番組が父の目に触れないよう気を使ったほどだった。
 断絶したまま父は逝ったが、救いもあった。

父の死をきっかけに、母と松居の関係が修復に向かったのだ。
「洋子さんの尽力によるものでした。
“母には同じ思いをさせたくない”と、父の葬儀で松居さんと母の初対面を実現させたのです。
以後、食事の席をもうけたり、嫁姑の仲を繋ぐことに腐心してきました」(前出・船越家の知人)

 いつしか松居は船越の母とディズニーランドに行くまでになった。
だが2010年3月、洋子さんは重度のうつ病で自殺した(享年47)。
葬儀の場で、遺影を抱えて号泣する船越と松居の姿が参列者の涙を誘った。

 家族との断絶と修復、身内の悲劇、それら全てを乗り越えて、船越と松居の絆は一層深まっていくように見えた。
ベストカップル賞やベストファミリー賞を次々に受賞し、「恐妻の松居と尻に敷かれる船越」というおしどり夫婦像が世間にも浸透していった。

 若い女優からのメールに嫉妬した松居が、「船越の携帯を鍋で煮た」という事件を女性セブン(2003年11月)が報じたのを皮切りに、「小遣い3万円」「電話は朝昼晩晩晩の1日5回」など、彼女の恐妻エピソードがたびたびメディアを賑わせてきた。

 2013年4月には、あるバラエティー番組で、「浮気を疑うあまり、今年だけで船越の携帯を3回折っている」と明かし、スタジオを騒然とさせた。
松居のぶっちゃけるそれは、笑い話として世間に消費されていった。だがひとり、船越は笑っていなかった…。
    ※女性セブン2016年1月28日号
posted by 小だぬき at 20:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月17日

「TPPの主目的は、実は関税ではなく医療」

ジャーナリスト
TPPの主目的は、
実は関税ではなく医療
(週刊女性 ) 2016年1月16日(土)配信

TPPの大筋合意が報じられた昨年11月から、テレビや新聞は歓迎ムード一色。
生活への影響は大。
何がどう変わって、いったい誰がトクしてソンするのか?

 そこで識者にTPPによる変化について教えてもらった。
例えば、指のケガの治療に1週間待たされたあげく、請求される治療費は10万円。
近い将来のこのシミュレーションに耐えられる人はいるだろうか。

このまま黙っていたら、今まで500円だった子どもの診療費が1万円単位になるかもしれません。命の沙汰も金次第。そんな国になるのは絶対に避けたい
こんな警告を発するのは、『沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉』(集英社新書)などの著書で知られるジャーナリスト・堤未果さんだ。

健康保険証1枚さえあれば、誰がどの医療機関に行こうとも、窓口で支払う医療費は未就学児なら無料で(助成がつく自治体なら22歳まで)、大人なら1〜3割負担だけ。
逆に言えば、未就学児なら10割を、大人なら7〜9割の医療費は国が支払ってくれる。

単純明快、かつ、どの収入層にも平等な日本の『国民皆保険』制度は世界的に評価が高い。
だが、長年アメリカと日本を行き来して取材を続ける堤さんは、このままいくと将来、日本も盲腸手術に800万円の請求書が来て医療破産するような“アメリカ型医療”になっていくと懸念する。

ちなみに、日本での盲腸手術は保険適用の3割負担なら12万円。
さらに低所得者は『高額療養費制度』という助成制度を利用すれば2万4600円の負担ですむ。

昨年アメリカのアトランタで開催のTPP閣僚会合後、「交渉は大筋合意」とのニュースが一斉に流れた。
日本では“関税撤廃で米などの国産農産物が打撃を受ける”と報道されているが、堤さんは「TPPの主目的は、実は関税ではなく医療。

何十年も日本医療を商売にしたくてしかたないアメリカの財界と金融業界が、日本をねらっているのです」と強調する。
アメリカの医療制度は日本とは全く異なる。
全国民の公的医療保険はなく、国民は自分で民間医療保険を買うしかない。
同じ疾病でも、保険によって支払われる金額が違うため、医者もまず保険会社に「いくら払われる」か聞いてからでないと治療できないのだ。

アメリカで有名なマイケル・ムーア監督の作品に『シッコ』というドキュメンタリー映画がある。
アメリカ医療の現実を描いた内容は衝撃的だ。
民間医療保険会社に加入しても、疾病や傷害への保険が下りない事例はザラ。
下りたとしても、例えば、仕事中に指を2本切断した人には、その接合手術に薬指なら1万2000ドル(144万円)、中指なら6万ドル(720万円)かかると告げ、本人が中指をあきらめるなど、医療保険会社に苦しめられる実態を紹介している。

「アメリカでは、医産複合体(保険会社と製薬会社)が政治家に費やすロビー活動費は年間5400億円。
大半の政治家に巨額の政治献金をばらまいて、完全に政治を買っている状態です」
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2016年01月18日

18日、東京23区で10センチの降雪も

18日、東京23区で
10センチの降雪も
2016年01月17日 18時10分 読売新聞

気象庁は17日、低気圧の影響で18日は北日本と東日本の太平洋側を中心に大雪の恐れがあると発表した。

 同日昼までの24時間降雪量は多い所で、関東甲信が40センチ、東北と北陸が30センチなどと予想され、東京23区でも10センチの降雪の可能性がある。

 同庁によると、17〜18日に低気圧が急速に発達しながら本州南岸を北東に進むため、北日本から西日本まで非常に強い風が吹き、猛吹雪となる所もある。

 北日本や東日本の太平洋側では内陸や山沿いを中心に大雪となり、平野部でも雪が積もる見込み。

18日昼までの降雪量はほかに、関東北部の平野部で30センチ、東海25センチ、北海道と中国20センチ、近畿15センチ、四国と九州北部5センチと予想されている。

 また、19〜21日頃には強い冬型の気圧配置となり、日本海側を中心に大雪となる見込みで、同庁は暴風雪や高波などへの警戒を呼びかけている。
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2016年01月21日

家族の物の処分 ルールを作る

坂岡洋子の暮らしかる
家族の物の処分 ルールを作る
毎日新聞2016年1月18日 東京朝刊

 年が改まり「今年こそは」と目標を立てた人はありませんか。
次にくる言葉は「やせる」や「物を片付ける」かもしれません。
この二つは自分が実行するかどうかです。
ただ「わかっているけど、なかなかできない」から「今年こそは」となるのかもしれません。  

では「家族の物」はどうでしょう。
妻が「今年こそは夫の山のような本を処分する」とか夫が「今年こそはクローゼットからはみ出している妻の洋服を処分する」はどうでしょう。
「うるさい」とか「余計なお世話よ」とかえってトラブルになることが多いのです。
人の心は面白いもので、自分が捨てようと思っている物でも人に「捨てろ」と言われると腹が立ちます。
ましてや自分の物を家族が勝手に捨てたら、きっと怒るでしょう。
つまり「自分の物は自分で処分する」が基本です。

 40代の女性Oさんの相談は「他のことでは申し分のない夫だけれど、唯一の欠点が物を捨てないことです。
新し物好きで次々と台所用品やルームアクセサリーを買ってきます。
ハート形のホットケーキを焼くフライパンなんて娘と1、2度使っただけなので、こっそりゴミ箱に捨てたら、まだ使うからと拾ってきます。
何とかならないでしょうか」でした。

 もしかしたら夫も妻がすぐに物を捨てることに不満を持っているかもしれません。
夫婦や親子でも性格や価値観が違います。共に暮らすことは共に考えることでもあります。

 まずOさんが夫に、物が増えるとなぜ困るのか話し、次に夫の話をじっくり聞き、お互いが納得できるルールを決めることです。
妥協も必要でしょう。
この場所に入りきらないものは処分するとか、物を買う時には相談するなど提案してみてください。
また山積みの本で地震がきたら危ないとか、安全を脅かされるような場合はどうすれば解決できるか、感情的にならずに話し合ってみてください。
      (老前整理コンサルタント)
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2016年01月27日

食べ放題は3〜4人で行くと一番食べられることが判明

食べ放題は3〜4人で行くと
一番食べられることが判明
2016年1月27日 12時0分 教えて!goo ウォッチ

食べ放題で思ったより食べられず、悔しい思いをしたことのある人は多いはず。
金額的に安くない場合、元を取りたいという気持ちが特に強くなるものだ。

今回、「教えて!goo」で「食べ放題でできる限りたくさん食べるためにみなさんが行っていることはなんですか?」と聞いたところ、
「噛みすぎないことです」(ヒュンメルさん)、
「飲まない。単価の高い物を選んで食べる。友人と競って食べる」(銀鱗さん)など、さまざまな秘策が挙がった。
では心理学的な観点から、たくさん食べる方法はないだろうか。心理学者の内藤誼人先生に聞いた。

■食べ放題を3〜4人で行くといい理由

「一人ではなく友達と行くといいのではないでしょうか。
社会的促進と呼ばれる現象が起き、たくさん食べることができます。
簡単に言うと、みんなと一緒の時のほうがたくさん食べることができるというわけです」(内藤先生)

「社会的促進」とは、集団で同じ行動をすると他者の存在が刺激となり、一人の時よりも多くの効果が生まれること。

内藤先生によると、たとえば鶏でも同じようなことが起きるという。
まず一羽の鶏を満腹にして、たくさんの鶏の中に入れる。
その時、周囲の鶏がエサを食べていると、満腹だったはずの鶏も再び食べはじめるというのだ。

その理論からすると、食べ放題にはできるだけ大勢で行ったほうがいいということになるのだろうか。
それこそ十人や二十人で行ったらものすごい量を食べられるのだろうか……?

「食べられる量は3〜4人の時に頭打ちになります。
仮に10人で行ったとしても、3人の時と変らないでしょう」(内藤先生)
内藤先生によるともう一つ、たくさん食べるためのコツがあるという。

■楽しくおしゃべりしながら食べる

「みんなで楽しく話しながら食べると、たくさん食べられます。
人間は、楽しい気分の時にたくさん食べるのです。
逆に、つまらない時は食べられません。
たとえば、上司と一緒の時に箸が進まないのは、気分がよくないからなのです。
みんなで和気あいあいと食べることがたくさん食べるためのコツだといえます」(内藤先生)
確かに、会話が弾むとついたくさん食べてしまうものだ。

楽しく食べるといえば、「もうお腹いっぱい」と言っていたはずの女性が、山盛りのデザートをニコニコしながら食べる姿を見かけることがある。
必ずといっていいほど聞く言葉が「デザートは別腹」だが、実際のところどうなのだろうか。

基本的に、別腹はありません。
ただ、脳は複数のことを同時に処理するのが苦手です。
会話が弾み快楽中枢が働くことで、満腹中枢を処理できなくなることがあります
その結果、より多く食べられることがあります」(内藤先生)

食べ放題では、3〜4人の気の置けない仲間同士で行くのがお得のようだ。
楽しく話しながら食事をすると、いつもより多く食べられるのかもしれない。
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2016年01月28日

要介護者、爆発的増加で予測不能事態

要介護者、爆発的増加で
予測不能事態も…3K労働で
介護施設も職員も絶対的に不足
文=鷲尾香一/ジャーナリスト
2016.01.27 Business Journal

安倍晋三政権が「一億総活躍社会」の実現に向けて打ち出した“新3本の矢”のひとつである「介護離職ゼロ」が、早くも折れかかっている。
 介護離職ゼロとは、文字通り介護のための離職者をゼロにすることを指す。
総務省の統計によると、介護を理由に離職や転職をする人は現在約10万人いる。
安倍政権は、これを2020年初めまでにゼロにすることを打ち出した。

 その具体策が「介護保険事業計画」だ。
同計画では、介護施設、ケアハウス、グループホームなどの入所者数を20年度までに38万人以上増やし、さらに24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスの充実により、施設と在宅を合わせて10万人分の介護サービス利用を拡大、加えてサービス付高齢者向け住宅の供給を2万人分増加する。
これらを合計すると50万人以上になる。

 しかし、特別養護老人ホーム(以下、特養)への入所を希望しながら、順番待ちをしている要介護者は、13年9月末で52万4000人もいる。
計画通りに50万人以上の受け皿ができたとしても、すでに順番待ちをしている特養への入所希望者ですら賄えないのが実態だ。

 その上、介護施設への入所ではなく在宅介護ということになれば、いくら24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスがあっても家族は介護に付き添う必要があり、介護離職が発生する可能性が残る。
基本的に介護離職をゼロにしようとするならば、入所希望者全員が介護施設へ入れることが前提となる。
 さらに問題なのは、団塊の世代が75歳以上となる25年には、要介護者が爆発的に増加し始め、高水準が継続する可能性が高いことだ。
政府は、社会福祉法人の認可基準を緩和する方向で検討を進めており、さらに、これまで特養は社会福祉法人が建物を所有することが条件となっていたが、都市部においては賃借を認めるなど、介護施設の増加を促そうとしている。

 だが、いくら施設数が増加しても、介護職員数が増加しなければ十分な介護を受けることはできない。
「3K(きつい、汚い、給与が安い)」といわれる介護職員は、慢性的な人員不足の状態が続いている。

 厚生労働省によると、08年度から13年度までの6年間で要介護者は約130万人増加した。
同時期に介護職員は約50万人増加している。
この間、介護職員1人当たりの担当する要介護者は3〜4人で、ほぼ横ばいの状態が続いている。

しかし、団塊の世代が75歳以上となる25年までには介護職員を253万人に増やす必要があるにもかかわらず、推計では介護職員は215万2000人にとどまり、37万7000人の不足が生じると指摘されている。

介護事業者の経営は厳しさを増している

 1月13日、大手信用調査会社の帝国データバンクと東京商工リサーチは、15年の老人福祉・介護事業者の倒産状況を発表した。
帝国データバンクは倒産件数を58件、東京商工リサーチは76件としているが、両社とも「介護保険法が施行された00年以降、過去最悪」としている。
また、倒産した介護事業者の中心は新規事業者で小規模事業者としている点と、倒産の一因として15年4月から9年ぶりに介護報酬が2.27%と大幅に引き下げられたことを挙げている点で、分析は共通している。

 東京商工リサーチは「介護報酬改定では、基本報酬がダウンした一方で、充実したサービスを行う施設への加算が拡充された。
しかし、小規模事業者では加算の条件を満たせないところも多い」とし、帝国データバンクは「介護報酬改定によって、経営悪化が進む事業者が相次いだ」としている。

 このように安倍政権は、一方で介護報酬を大幅に引き下げて事業者の経営を悪化させ倒産に追い込んでいながら、他方では介護施設の増設により「介護離職ゼロ」という夢のような皮算用を行っている。
 当然のことながら、介護事業者や介護職員にとって、インセンティブが働くような状況にならなければ、3Kといわれて敬遠される介護職員が増加する可能性は低い。
このままでは、20年初めまでに介護離職ゼロという矢は間違いなく折れることになるだろう。
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2016年02月02日

「風呂は41度以下に」など、安全に入浴する5カ条

あなたの健康百科
「風呂は41度以下に」など、
     安全に入浴する5カ条
2016年2月1日 読売新聞

高齢者の入浴事故防止を呼びかけ―消費者庁

 冬場は脳卒中や心筋梗塞とともに、高齢者の入浴中の事故も起こりやすい季節。
厚生労働省の調査によると、年間約1万9,000人が入浴中の事故で死亡しており、そのうちの約半数が12〜2月の3カ月間に発生しているという。

消費者庁は1月20日、高齢者の入浴事故を防ぐために注意を呼びかけ、「風呂の湯温は41度以下」や「湯につかる時間は10分までを目安にする」など、安全に入浴するための5つの注意点を紹介した。

風呂場でぐったりしている人を見つけたら…  

消費者庁によると、家庭の浴槽で溺死した人はこの10年間で約7割増え、
2014年は4,866人。そのうち、65歳以上の高齢者が約9割を占めている。
65歳以上の溺死者は10万人当たり19.0人になり、フランス(3.5人)、米国(1.5人)、イタリア(1.1人)、英国(0.5人)と、欧米に比べて大幅に多いという。

 そのため同庁は、安全に入浴するための5カ条を紹介した。

1.入浴前に脱衣所や浴室を暖める
2.湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安に
3.浴槽から急に立ち上がらない
4.アルコールが抜けるまで、また食後すぐの入浴は控える
5.入浴する前に同居者へ一声かけ、入浴中に見回ってもらう

 また、意識を失って溺れるなど、浴槽でぐったりしている人を発見した場合の対処法として、以下の6点を挙げている。

1.浴槽の栓を抜き、大声で助けを呼び、人を集める
2.入浴者を出せるようであれば浴槽内から救出し、直ちに救急車の出動を要請する(出せないようならば、風呂のフタに上半身を乗せるなど沈まないようにする)。
3.浴槽から出せた場合は、肩をたたきながら声をかけ、反応があるか確認する
4.反応がない場合は呼吸を確認する
5.呼吸がない場合には胸骨圧迫を開始する。
    胸の真ん中を約5センチ、1分間に100〜120回のテンポで押す
6.人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す(できなければ胸骨圧迫のみ)
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2016年02月09日

「国産農産物が安全」だと思っているのは日本人だけ!?

「国産農産物が安全」だと
思っているのは日本人だけ!?
2016.02.08 日刊SPA

「日本の農産物は安心・安全」。
常識だと思っていたことが、海外ではまったく違う捉えられ方をしている。
甘い安全基準が不安視されているのだという。
東京五輪やTPPを控え、日本の農産物は大丈夫なのか。

[国産農産物は安全]神話が崩壊する!

 昨年11月23日、無農薬栽培で有名なリンゴ農家の木村秋則氏が、農業関連のシンポジウムでこんな“爆弾発言”をしていた。
「世界70か国の若手農家の集いに呼ばれてイタリアを訪問した際、『日本の農産物は本当に安心なのか。
東京五輪のときには選手団にイタリアから食材を持参することを考えている』と言われました。

日本の農産物が『安心・安全』というのは大間違いです

 司会を務めていたタレントの高木美保さんは「そこまで厳しい評価ですか……」と驚いたが、木村さんの対談相手を務めていた2人のパネリストも同じ見方だった。
歌手のマドンナのプライベートシェフとして有名な西邨まゆみさんが「今回、マドンナも来日するのですが、『日本に安全な食材はあるのか』と言っていました」と内輪話を披露。

 食の安全に詳しい内海聡医師も「東京五輪に向けて『日本の選手村の食の質を高める』というプロジェクトが進んでいます。
そこだけはやるのですが、安全基準は緩いまま。
選手以外の日本人は『危ないものを食べておけ』ということです」と語った。

 国産農産物が安全だと思っているのは日本人だけで、世界ではまったく違う捉えられ方をしているというのだ。
木村氏はこう語る。
「(日本の農産物が危ないと言われて)私は悔しかったから言いました。
『ご指摘の通りです。
でも’20年の東京五輪までには、自然栽培(無農薬・無肥料栽培)を増やして、世界一の食材を提供しましょう』と」


⇒【資料】は コチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1036971
            (主要国の農薬使用量で日本はワースト3)
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2016年02月10日

恋に病気は関係ない 

香山リカのココロの万華鏡
恋に病気は関係ない 
毎日新聞2016年2月9日 首都圏版

 今年もバレンタインデーが近づいてきた。
毎年、何人かの女性患者さんから「はい、先生」とチョコレートを手わたされる。
いまは女性から女性に親愛の証しとしてチョコを贈ることもあるのだ。

 そんなとき、「ありがとう。お目当ての男性にはあげないの?」とついきいてしまうことがある。
軽い雑談のつもりだ。
いつだったか、そう尋ねたら相手の顔が急に曇り、
「先生、私はずっと精神の病を患ってます。彼氏なんか作っちゃいけない人間なんです」と真剣な顔で言い返されたことがあった。
そのけんまくに押され「ごめんなさい」と謝ったが、あとになって「どうして? 病気でも恋人を作っていいんですよ」と言えばよかった、と後悔した。

 今年になって、ある大学病院で去年7月に産婦人科医が重度の知的障害がある20代の患者を診察した際、「あなたは将来、彼氏も結婚もできない」などと言っていたと報じられ、大きな問題となった。
もちろん、これは人権を傷つける差別的な発言だが、私も若い頃、同じような考えを持っていなかったか、と我が身を振り返る。

 20代のとき、担当していた長期入院の女性患者さんがついに退院することになった。
家族がいないので、病院のそばのアパートでひとり暮らしだ。
私も退院まであれこれサポートしてきたので、無事生活が始まったときは本当にうれしかった。  

しばらくして外来受診にやって来たその女性は私に「先生、実は私、結婚することになったのです。お相手は……」と少し前に退院した男性の名前を告げた。
入院しているときに意気投合し、退院したら結婚しよう、という約束になっていたという。

私は不安になり、「まだ症状も落ち着いていないのに大丈夫? もう少し待ったほうがいいんじゃない?」などと言ってしまった。
しかし彼女たちは結婚し、力を合わせてふたりの生活を築いていった。
私は「病気だって恋してもいいんだ。
それが実って結婚するのはすばらしいことなんだ」と心から反省した。

 昨年、東京で春画の展覧会が開催され、江戸時代のおおらかな愛や性の描写を見に多くの人が押しかけたという。
きっと誰もがもっと誰かを好きになりたい、いまのパートナーともっと仲良くしたい、と願っているのだろう。
それは、健康だとか病気や障害があるとかには関係ない。
 さて、私は今年、誰にチョコをあげようかな。そう考えるだけで胸があたたかくなる。
       (精神科医)
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2016年02月14日

乳幼児の虐待死 連携強めて命を救おう

乳幼児の虐待死 
連携強めて命を救おう
毎日新聞2016年2月12日「社説」

 虐待によって幼い命が奪われる事件が後を絶たない。
 埼玉県と東京都で先月に起きた事件の被害者はいずれも3歳児だった。
無抵抗で体も小さい乳幼児の虐待は死亡につながりやすい。
関係機関は全力で対策を講じてほしい。

 埼玉県狭山市では藤本羽月ちゃんが遺体で見つかり、母親(22)と同居の男(24)が逮捕された。
2人は自宅マンションで羽月ちゃんの顔に熱湯をかけてやけどを負わせるなどしたうえ、病院に連れて行かずに放置したとされる。

 東京都大田区の新井礼人ちゃんは母親(22)の交際相手の暴力団組員(20)から暴行されて大けがをしたとされる。
礼人ちゃんは病院に運ばれたが死亡した。

 いずれの事件も、あまりにむごい。
強い憤りを禁じ得ない。

 狭山市では、市の職員は羽月ちゃんや姉が定期的な乳幼児健診を受けていないことから自宅を何度か訪問し、虐待がないかなど様子を確認していた。
 当時、母子は羽月ちゃんの祖母と同居し、祖母に家事を手伝ってもらうなどの支援を受けていた。
その後、母子はマンションに移り、逮捕された男と同居中に事件が起きた。

 マンションでは羽月ちゃんが玄関の前に出されていたり、泣き続けていたりするのを近所の人が気づいて警察に2度通報していた。
しかし、警察官が訪問した際には虐待の形跡はなかったという。

 通報があったことは狭山市には知らされず、市は母子の転居も把握していなかった。
関係機関が情報を共有していれば、家庭への関わりを強められたのではないか。

 大田区の事件では、母親が若い時の妊娠だったため、区は特別の支援が必要な「特定妊婦」として乳幼児健診の時に気をつけていた。
だが、組員との同居は把握しておらず、虐待にも気づかなかった。

もう一歩関わる方法はなかっただろうか。

 厚生労働省のまとめによると、2003年度から13年度に児童虐待で死亡した582人の中で3歳以下が437人と75%を占めている。
うち3歳児は57人、0歳児は最多の256人に上る。

 厚労省の専門委員会が昨年公表した報告書は「虐待のリスクについて妊娠期から着目して支援につなぐことが肝要」と指摘した。
 その場合、妊婦と接する機会が多い産科の医療機関が果たす役割も大きい。
母親本人や家庭の状況から虐待の危険性を察して児童相談所や市町村へ連絡し、出生後のケアを引き継ぐことができるからだ。
 妊娠期から家庭へ継続的な対応ができる体制を整えるとともに、関係機関が連携を強化する必要がある。
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2016年02月17日

アマゾンのお坊さん便に中止要請!

ベンツ乗り回すお坊さん、
お布施不明瞭…
アマゾンのお坊さん便に
全日本仏教会が中止要請
2016.02.16 Business Journal
文=中村未来/清談社

 2015年12月8日から、通販サイト「アマゾン」で新たなサービスが始まった。
その名も「お坊さん便」だ。
インターネット上で申し込みをするだけで、法事で読経を行う僧侶を派遣してくれる仲介サービスである。

 明確な金額設定などが「わかりやすい」と好評の一方、「ありがたみがない」「お経は商品じゃない」など批判の声もある。

全国の宗派で構成される全日本仏教会も「宗教行為を商品にしている」と声明を出し、アマゾン側にサービス停止を求める文書を送っている。

実際、現役の僧侶は「お坊さん便」をどう思っているのだろうか。
「僧侶や仏教関係者の一人ひとりに考えがあるため、全員一致の総意ではありませんが」と前置きした上で、「私個人としては『お坊さん便』の“システム自体”は、まったく問題ないと思っています」と話すのは真言宗の僧侶・N氏だ。

 N氏によれば、もともと仏教界には「ポータル的な役割を果たす人が、依頼者に僧侶を紹介する仕組みがある」という。
例えば、普段から懇意にしている寺がない場合、「お経をあげてほしい」となっても、どこに頼めばいいのかわからない。
そうした人たちのために、各都道府県の寺には「支所長」と呼ばれる人が在籍している。
「依頼者が『お経をあげてほしい』と寺に問い合わせると、支所長のいる寺を紹介されます。
そこに連絡すると、あらためて住んでいる地域や宗派を聞かれ、お坊さんを紹介してもらえるという仕組みです。
このシステムだけを見ると、仲介者を通じて僧侶を派遣するアマゾンと、かなり似ていると思います」(N氏)

僧侶の素性や責任が曖昧な「お坊さん便」

 ただし、アマゾンの「お坊さん便」には大きな問題点が2つあるという。
ひとつ目は、どんな僧侶が来るかわからないという点です。
派遣されて来る僧侶が本当に信頼できる僧侶なのか?
 もし問題があった場合、誰が責任を取るのか?
 そのあたりが、アマゾンの『お坊さん便』では曖昧です。
私のまわりに登録している僧侶はいないこともあり、実際にどんな僧侶が来るのか、本当にわかりません。

 もうひとつの問題は、お布施の金額が決まっているという点です。
僧侶があげるお経は本来“商品”ではなく、対価を決めてしまうと、それはもはやお布施とはいえません。
また、お布施とは『喜捨』するもので、『喜んで捨てる』という考え方です。
依頼者が満足した分を僧侶に渡せばいいので、金額を決めたら喜捨ではなくなってしまいます」(同)
「お坊さん便」の料金は、戒名なしで3万5000円、戒名授与で6万5000円となっている。
もちろん、この金額には派遣会社へのマージンやアマゾンの手数料なども含まれているが、本来「喜んで捨てる」はずのお金が企業の収益になるという仕組みには、確かに違和感を覚える。  

しかし、一方では、金額が不明瞭なことから「読経や戒名などに支払われるお布施が、僧侶の利権になっているのではないか」という見方があるのも事実だ。
お坊さんが乗る自動車を見ても、メルセデス・ベンツやアウディといった高級輸入車が多い印象がある。
実際のところ、「坊主丸儲け」の噂は、どこまで本当なのだろうか。

僧侶の約40%は、年収300万円以下?

「確かに、参拝客が毎年何万人と来るような大きな寺の場合、かなりの収入があるでしょう。
それこそ、正月の三が日だけで1年間ご飯を食べていけるくらいの利益を上げると聞きます。
ただ、それはほんのひと握りで、普通の寺はそうはいきません。
僧侶の中には、学校の講師などの副業をしている人も非常に多いです」(同)

 浄土宗の僧侶・鵜飼秀徳氏の著書『寺院消滅』(日経BP社)によると、浄土真宗では年収300万円以下の僧侶が全体の40%強で、経営が厳しい寺も多く存在するという。


「お坊さんがベンツを乗り回しているという話も聞きますが、日本の僧侶は30万人以上いるので、クルマ好きの人も当然いるでしょう。
なかには、檀家さんから譲り受けるケースもあると思います。
『お世話になっているお坊さんに、みすぼらしい格好はさせられない』という心遣いもありますから」(同)

「坊主丸儲け」は、あくまで噂にすぎないというわけか。
N氏は、アマゾンの「お坊さん便」について、「前述の2つの問題点さえクリアできれば、ネットを利用したお坊さんの派遣も悪くはないのでは」と語る。


「本当は、各宗派の総本山がそういったシステムをつくるのがいいと思いますが、まずやらないでしょう。
寺には、『ご縁によって続けることができている』という考え方が強くあります。
良くも悪くも、“面倒くささ”にありがたみを感じる人も多くいるわけです」(同)

 とはいえ、ネットが発達した今、システムとして便利な「お坊さん便」の需要が伸びる可能性はおおいにある。
その時のために、各宗派は今から対策を練っておくべきかもしれない。
           (文=中村未来/清談社)
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2016年02月21日

介護施設の虐待 職員の数と質の担保を

介護施設の虐待 
職員の数と質の担保を
2016年2月20日 東京新聞「社説」

 特別養護老人ホームなど介護施設の職員による高齢者への虐待が急増している。
介護が必要な高齢者が安心して暮らせるよう、人手不足を解消するための財源措置が求められる。

 厚生労働省によると、介護施設の職員による虐待件数は二〇一四年度、過去最多の三百件に上った。
前年度比35%増となっており、ここ二年間で倍増している。
しかもこの数は公式に虐待と認められたものであり、氷山の一角である可能性が高い。

 被害者数は六百九十一人。
虐待の種類は、最も多かったのが殴る蹴るなどの「身体的虐待」で64%、
次いで暴言や無視などの「心理的虐待」(43%)、
貯金を使い込むなどの「経済的虐待」(17%)だった。

 虐待が起こった理由については、「教育、知識、介護技術の問題」が六割超で最も多かった。「職員のストレスや感情コントロールの問題」も二割だった。

 虐待した職員は三十代以下が四割を超え、若い世代ほど多い傾向にある。
経験不足も背景にあるだろう。
 入所者を転落死させたという容疑で元職員が逮捕された老人ホーム(川崎市)を運営する会社の親会社である介護事業大手「メッセージ」は、系列施設内で起きた虐待や事故など約二千件について自治体への報告を怠っていた。

 事件との関連は別にせよ、一般に介護施設の職員教育の充実や人材の確保は急務にちがいない。
 介護現場における人手不足は慢性化している。
重大な背景の一つに過酷な労働なのに賃金が低いという問題が指摘される。

一四年の施設介護職員の平均月収は、全産業平均を十一万円下回る約二十二万円だ。
離職率は16%を超える。
 職員不足で、一部閉鎖に追い込まれる施設もある。
在宅介護を担う職員には最低限「介護職員初任者研修」が義務付けられているが、施設職員にはそうした規定はない。
採用には無理も出てくる。

 にもかかわらず政府は昨年四月、介護サービス事業者に支払われる介護報酬を過去最大に近い2・27%引き下げた。
これでは現実に逆行する
また、施設は職員研修の費用などを削減する傾向にあるともいう。

 要介護者が安心して施設で暮らせるよう、職員の数と質を担保するため、介護報酬を引き上げることが求められる。
介護を社会全体で担うという制度導入時の意気込みを忘れてはなるまい。
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2016年03月03日

「不安の先取り」も大事

香山リカのココロの万華鏡 
「不安の先取り」も大事
毎日新聞2016年3月1日 東京版

 3月になると増えるのが、「転勤や引っ越しが心配」という相談だ。
もちろん、早々に転勤が決まり、「新しいところでやっていけるか」と悩んでいる人もいるが、もっと多いのが「転勤になったらどうしよう」とまだ決定していないのに不安になっている人だ。
 時としては、すでに決まったことよりも、「もしそうなったら」とこれから起きるかもしれないことのほうが、私たちの心を悩ませる。
こういった「不安の先取り」のことを、精神医学では「予期不安」と呼ぶ。

いざとなったらハラをくくってがんばれる人も、予期不安の段階では「いつそうなるのか」「もしなったらどうしよう」と、オロオロしたりソワソワしたり。

 私は、そういう人たちにこんな話をすることがある。
それは予期不安というものですね。
いいでしょう、いまの段階でじっくり予行演習しておいてください。
そうすると実際にそうなったとき“なんだ、予想よりずっとラクじゃないか”と、うまく対処できることが多いんですよ

 すると、たいていの人は
「えっ、取り越し苦労は意味がない、と言われるかと思った」
「この不安の先取りを消してくれるんじゃないですか」と拍子抜けした顔をする。

私はここぞとばかりに「いえいえ、むしろ徹底的に悪い予想のほうがいいですよ。
そうだ、ここでやってみましょう」と促して話してもらう。
 「えーと、突然、異動を命じられて、それもまったく行きたくない離島の支社で、行ってみるとまわりに映画館もコンビニもなくて……。
結局、休みの日は釣りをするしかない」

 ほとんど人は「できるだけ“悪い予想”をして」と言われても、実際にやってみるとそれほどひどい話はできないようだ。
そして、その悪い予想の中にも、何か楽しみや希望を見つけることになる。
人間って、本質的には楽観主義にできているんじゃないか、とときどき思う。
 もちろん、望まない転勤でがっかりする人、住み慣れた町から離れるのがつらい人もいるだろう。
しかし、どんな失望や悲しみの中でも、私たちは必ず何かひとつは得になること、楽しいことを見つけ出す力を持っている。
「転勤はいやだな」という話のはずが、いつの間にか「釣りができる」にかわっていった人は、結局、異動にならなかった。
彼がその報告に来た診察室でぽつり。
「本当はちょっぴり転勤したい気持ちになっていたのに、残念!」
          (精神科医)
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2016年03月04日

忘れないために生きる=近藤勝重

しあわせのトンボ
忘れないために生きる=近藤勝重
毎日新聞2016年3月3日 東京夕刊

 自分に正直に生きたい。
よく聞く言葉だが、ぼく自身はとてもそんなことは言えない。
正直に生きたらどうなっていたかと思うと、ぞっとする。

しかし何のために生きているのか、と自問して、生きるために生きようと思った時期がある。50すぎ、がんを患って以後のことだ。
 当時「サンデー毎日」の編集長だったが、続行したいという思いもかなわず、何くその気概があったのだろう、1年後、みんなと夕刊編集部をスタートさせ、新聞と雑誌の中間を行くデーリーマガジンを目指した。

 今は客員編集委員としてコラムなどを書いているが、そんな自分が年をとってなお、何のために生きているのかと問うて、案外すっと答えが出たのには驚いた。
 忘れてはならないことを忘れないためにも生きよう。

 ある種、義務めいた答えが浮かんだわけだ。
何より忘れてならないのは、この国が戦争で信じられないほど多くの犠牲者を出し、あやまちを二度と繰り返すまいと新憲法で「戦争の放棄」を誓ったことである。
ぼくらは当たり前の誓いと思って戦後を生きてきたが、現政権はその隙(すき)を突くかのように集団的自衛権の行使ができる、すなわち戦争の可能な安保関連法を成立させた。
そこまでやるかの思いと同時に、自分らが護憲のために、さして何もしてこなかったという自責の念にかられたのも確かだった。

 忘れてはならないと思うことで大切なもう一つは、である。
村上春樹氏は「3・11」の原発事故から3カ月後、スペインのカタルーニャ国際賞の受賞スピーチで、我々日本人は歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民なのに、いつしか核への拒否感をまひさせ、地震の多い狭い日本が、世界で3番目に原子炉の多い国になっていたと現状を憂い、日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった、と述べている
同感だ。
氏が核発電所と呼ぶ原発は次々と再稼働し、あろうことか、本来、40年で廃炉に向かうべきものまで動き出そうとしている。
 人間は忘れるから生きていけるんだ、という人がいる。そうかもしれない。
ただし、それがこの国どころか、地球に人が住めるかどうかに関わる問題だとしたら、決して忘れてはならないだろう。
               (客員編集委員)
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2016年03月05日

セルフネグレクト…心身の病 ごみ屋敷の原因

こころ元気塾
セルフネグレクト…
心身の病 ごみ屋敷の原因
2016年3月3日 読売新聞

背景に高齢、孤立化

家の内外にごみをため込んで近隣住民に迷惑をかける「ごみ屋敷」が各地で問題になっている。

自分自身の心や体の健康を守れなくなるセルフネグレクトが原因とされ、認知症や心の病などが背景となることもあるという。
医療や介護などの支援につなげる試みも始まっている。(野村昌玄)

 東京都北区の住宅街にある2階建ての一軒家。
近隣から集めた廃品類が周囲に置かれ、開けっ放しの1階窓からは衣類や段ボールがあふれ出しそうだ。

 昨年末まで、72歳の男性が独り暮らしをしていた。
廃品類は一時路上も占拠し、苦情を受けた区の地域包括支援センターが1年近く話し合ってきたが、男性は徘徊して廃品を運び続けた。
周辺住民への暴言もエスカレートしていた。

 同センターの連絡を受けた区内の開業医の河村雅明さん(61)は昨年6月、職員とともに男性を訪問した。
髪の毛はぼさぼさで、服も長期間洗っていないのが一目で分かる。
典型的なセルフネグレクトの状態だった。
 「周りは文句を言うが、ごみではない」と繰り返す男性は、支給される年金の管理ができず、電気やガスなどは止められていた。
後日受診した男性から改めて話を聞き、河村さんは精神疾患と認知症があると診断した。
男性はその後、区内の病院に入院。
成年後見制度の手続きが終われば、家屋やごみの処分の方針が決まるという。

 北区は2012年度から、認知症患者の在宅診療に携わる地元医師を非常勤職員にする制度を作り、現在は5人が登録されている。
同センターの要請で問題を抱える高齢者を訪ね、治療や老人福祉施設への入所などの必要性を見極める。
河村さんもその一人だ。
区の担当者は「経済的な理由で受診をためらっていたり、病気の自覚がなかったりする人を早い段階で支援できる」と説明する。

 北区の高齢化率は東京23区で最も高い25%。
高度経済成長期に上京した地方出身者の多い公営団地も抱える。
地縁血縁が薄く、夫婦のいずれかが先立ち孤立する人も少なくない。
セルフネグレクト状態の患者の診療もする河村さんは「行政だけでは解決が難しいケースも多く、医師が関わることが必要だ」と話す。

 「ごみ屋敷」の問題では、東京都足立区や京都市などは、ごみを強制的に撤去できる条例を制定。
東京都世田谷区が今年4月に施行を予定する条例では、医師や社会福祉士らが居住者に接触し、健康状態に応じた医療支援を目指す。
 ただ、原因となるセルフネグレクトへの対応が不十分だと、元通りになる恐れもある。

 この問題に詳しい東邦大教授の岸恵美子さんによると、近隣とのトラブルを繰り返すようなら、認知や判断能力の低下によるセルフネグレクトの可能性もあり、医療や介護などの早急な支援が重要だ。
一方で、当事者に接触しても、医療機関への受診や介護サービスを拒まれ、必要な対策につなげられないことも少なくないという。
 岸さんは「高齢化や孤立化が進み、セルフネグレクトは誰の身近にも起こり得る問題。
自治体の条例頼みではなく、国も法整備を急ぐべきだ」と話す。

 セルフネグレクト
自分を大切にしなかったり、大切にできなくなったりすること。
認知症などの病気による判断能力の低下や、社会的孤立、貧困などで、健康管理ができず、ごみをため込んだり、極端に不潔な状態になっていたりする。
内閣府の2011年の推計によると、こうした高齢者は全国で最大約1万2000人にのぼる。
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2016年03月08日

介護保険カット 創設の理念が失われる

介護保険カット 
創設の理念が失われる
2016年3月7日 東京新聞「社説」

 介護保険サービスのさらなるカットに向けた議論が厚生労働省の審議会でスタートした。
介護を理由とする退職者をゼロにするという政府の目標にも逆行している。
受ける身になって考えるべきだ。

 財政制度等審議会(財政審)や経済財政諮問会議でこれまで、多くの給付削減策が示されている。
厚労省の審議会も、これに基づき議論を進めるとみられる。
 最大の焦点が、「要介護1、2」といった比較的、介護が必要な度合いが低い高齢者向けの掃除や洗濯、調理、買い物といった生活援助サービスの見直しだ。
現在は訪問介護サービスとして保険の対象となっている。
これを対象から外し、原則、自己負担とすることが検討される。

 要介護1、2の人は約二百万人。
中でも要介護1の中では、生活援助サービスのみの利用者が五割を超えている。
財政審は「生活援助は日常生活で通常、負担する費用」と指摘し、自己負担とすることを求めた。

現在、生活援助サービス一回の利用者負担は二百五十円程度だが、それが一気に二千五百円になることになる。
 膨張し続ける介護費用を抑制する狙いがあるが、あまりに乱暴ではないか。
生活援助サービスを受け、かろうじて自宅での生活を維持できる高齢者も多いだろう。
また、定期的なホームヘルパーの見守りが、急な症状悪化の発見につながることもある。
給付カットで家族の負担が重くなり、介護離職者が増えることも予想される。

 厚労省の審議会でも「給付を削減することで重度化のスピードを速め、介護保険財源をますます圧迫する」など慎重な対応を求める意見が相次いだ。

 このほか、昨夏から一定以上の所得者の負担が一割から二割に引き上げられたが、この対象拡大や、毎月の利用料が高額になった場合に一部が払い戻される「高額介護サービス費」の負担上限額を引き上げる案が、議論の俎上(そじょう)に載せられるとみられる。
負担の余裕がある人とそうでない人がいる。
要は、できるだけ当事者の身になって考えることだ。

 介護保険サービスの大幅カットを柱とする見直しは二〇一五年度、施行されたばかり。
改正の影響を検証せずに矢継ぎ早に給付減を打ち出せば、多くの高齢者やその家族を苦境に陥らせかねない。
 介護を家族だけに担わせず、社会全体で支え合う「介護の社会化」という当初の理念が失われかねない。
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2016年03月09日

「保育園落ちたの私だ」

香山リカのココロの万華鏡
「保育園落ちたの私だ」
毎日新聞2016年3月8日 東京版

子どもの保育園への入園を断られた母親が「何なんだよ日本。1億総活躍じゃねーのかよ」と強い口調で抗議の言葉を書いた匿名ブログが話題になった。
国会で野党議員がこれを取り上げ、「言葉は荒っぽいが、本音、本質だ」と待機児童解消や保育士の待遇改善を安倍晋三首相に迫ったところ、議員席から「誰が書いたんだよ」などのヤジが飛んだ。

首相自身は待機児童の問題は重大であることを認めながらも、「匿名である以上、実際起こっているか確認しようがない」とも述べた。

 これを受けてネットでは「保育園落ちたの私だ」というフレーズをつけてこの問題を訴える動きが急激に広がっている。
「特定の誰かのクレームではなく、みんなの問題なのだ」と共有している。
 興味深いのは、この訴えに参加しているのは、実際に子どもの入園を断られた経験を持つ母親ばかりではないことだ。

保育園に入れた人、それどころか子どもを持たない人や未婚の男性までが、「保育園落ちたの私だ」というキャッチフレーズとともに意見を述べている。
これは社会全体の問題だ、という意識のもと、立場の違いに関係なく、誰もが「これは私のこと」として発言している。

 ネット上のこの動きを見て、私は「日本の社会も本当の意味で変わってきたんだな」と感じた。
これまでは、何かの社会的な問題について発言するのは当事者や関係者という雰囲気があったと思う。
私のような精神医療の専門家が、たとえば「東京オリンピックと環境」というテーマで原稿を書くと、「専門外のことに口をはさむな」といった批判が寄せられる。
「日本に住む私にとってオリンピックは人ごとではない」と説明してもなかなか理解されなかった。

 しかし、この保育園の問題などを見ると、直接の当事者ではなくても「これは私のこと」として発言する人が確実に増えつつあることがわかる。
今後、この流れが広がっていくのだろうか。

うつ病ではない人が「うつ病なのは私だ」として心の病への差別に抗議し、大学時代の奨学金の返済で苦しんでいる若者の問題を「奨学金を返せないのは私だ」と高齢者が訴える。

こうして誰もが「人ごとではない、私のことだ」と問題をとらえ、声を上げていけるようになるのは、とてもすてきなことだ、と私は思っている。
 私にも実は子どもがいない。
でも、ここで大きな声で言わせてもらおう。「保育園落ちたの私だ」
            (精神科医)
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2016年03月10日

発熱や痛み、無理に止めると危険!

安保徹「間違いやすい医学の常識」
ケガや病気の発熱や痛み、
  無理に止めると危険!
  治らなくなる恐れも
2016.03.09 Business Journal
文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

 潰瘍性大腸炎、リウマチ、気管支炎などの炎症はつらい症状です。
腫れ、発熱、痛みを伴うからです。
組織には、マクロファージや顆粒球、リンパ球が押しかけてきますし、これらの白血球やまわりの組織から炎症性物質が出されます。

特に重要な働きをしているのが、プロスタグランジンという組織ホルモンです
これのほか、炎症性サイトカインと呼ばれる物質も関与しています。

 プロスタグランジンの産生阻害剤が消炎鎮痛剤です。
アスピリン、メチルサリチル酸、エンドメサシン、ロキソプロフェンナトリウムなど種類が多く、皆さんも耳にしたことがあるでしょう。
消炎鎮痛剤はひとつの薬で、先に挙げた3つのつらい症状を止める力が強いので、消炎剤、解熱剤、痛み止めとも呼ばれています。

 腫れ、発熱、痛みを伴うものに、捻挫、霜焼け、火傷もあります。
これらの病状の共通点は組織の破壊です。
そして、この壊された組織を修復するために血流を増やしたり、発熱して代謝を亢進させたり、再び同じ組織破壊を招かないように痛んで、危険を知らせているのです
つらいからといっていつまでも局部を冷やしていると、症状は軽くなるのですが、修復する期間は延びてしまいます。
極端になると、治る機会を失ってしまいます。

 このように炎症はつらい症状を伴うことから、止めたくなるのですが、治るためのステップとして起こっているので止め過ぎるのは問題です。
霜焼けをもう一度冷やす人はいないし、捻挫をいつまでも冷やし続ける人はいないでしょう。  先に述べた潰瘍性大腸炎、リウマチ、気管支炎でも同じことがいえます。

炎症はやはり治るためのステップなのです。
消炎鎮痛剤やステロイドや生物学的製剤であまり熱心に炎症を止めると治る機会を失います
からだのほうも、治りたいので炎症を繰り返すことになります。
この辺の理解が現代医学に必要なことでしょう。

わざわざ発熱を起こしている

 炎症と発熱をつくるためのエネルギーは、細胞内小器官であるミトコンドリアでつくられています。
人間は真核生物として進化、発展をしてきましたが、真核生物ゆえの組織修復過程が炎症ということができます。

 もう少し真核生物の特徴を述べると、嫌気的(無酸素)解糖系生命体に好気的ミトコンドリアが共生して誕生したのが真核生物です。
このため真核生物は、食べ物からエネルギーを取り出すのに、50%は嫌気的解糖系で、残り50%は好気的ミトコンドリア系で行っています。
ミトコンドリア系が強く働く時は発熱するのが特徴です。

 このような背景から、組織修復のための多くの反応系が発熱を伴うミトコンドリアの力に依存しているのです。
ミトコンドリアは37℃以上の高い体温で働くために、わざわざ発熱を起こしているわけです。

風邪を引いた時も発熱しますが、免疫を司るリンパ球が十分に働くためにリンパ球のミトコンドリアを活性化している反応です。
 氷で冷やしたり、湿布薬で冷やしたり、消炎鎮痛剤やステロイドで炎症を止めにかかると、一時的には楽になりますが、ミトコンドリアが働けなくなるので組織修復が抑制されるわけです。このようなメカニズムを知って我が身を守りましょう。
(文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士)
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2016年03月12日

いまだに増える「震災関連死」

東日本大震災から5年
〜いまだに増え続ける
「震災関連死」の現状と原因は?
2016.03.11. ヘルスプレス  

2016年2月10日、警察庁は、3.11東日本大震災による死者1万5894人、重軽傷者6152人、警察に届出があった行方不明者2562人と発表した。

 2016年1月4日付け毎日新聞の報道によれば、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による震災関連死と認定された人は、昨年12月28日現在、福島県2007人、岩手県455人、宮城県918人。
被災3県でも福島県で多発している。
福島県の震災関連死は、地震や津波による死者・行方不明者3835人の半数以上を占めていることが分かる。

 震災関連死とは何か? 
津波や家屋倒壊などの災害の直接的な被害ではなく、長期の避難所生活による過労やストレス、住環境やQOL(生活の質)の劣化などが誘因となり、発病や持病の悪化などによって死亡する非常事態をいう。

 復興庁は、震災関連死の死者を「東日本大震災による負傷の悪化などにより死亡し、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、当該災害弔慰金の支給対象となった者」と定義する。
遺族の申請を受けた市町村の審査会が災害と死亡の因果関係を判断して認定している。

震災から5年、なぜ震災関連死は減らないのか?

 復興庁のデータによると、2016年1月14日現在、約17万8000人の避難者のうち、岩手県、宮城県、福島県の3県に約12万8000人、それ以外の都道府県に約5万人が避難所生活を続けている。
 震災関連死の原因は何か? 
復興庁によれば、避難所生活の肉体・精神的疲労が約3割、避難所などへの移動中の肉体・精神的疲労が約2割、病院の機能停止による初期治療の遅れなどが約2割だ。

 また、岩手県、宮城県、福島県の3県の震災関連の自殺者は、2011年6月から2015年11月末現在で154人。
2011年には宮城県で22人、岩手県で17人だったが、昨年には宮城県で1人、岩手県で2人に減った。
だが福島県は、2011年には10人、2014年には15人、2015年には19人と漸増。
3県全体の自殺者の半数以上を福島県が占めている。

 これらのデータを見るまでもなく、津波と原発事故に伴う先行きが見えない避難所生活が被災者の心身に甚大なストレスや悪影響を及ぼしているのは明らかだ。
飲酒に走り、不眠に陥り、うつ病やPTSDに苦しむ被災者が多い

 2016年3月9日、厚生労働省研究班は、宮城県(7755人)と岩手県(2739人)の被災者のメンタルヘルス(心の健康)の状態を5年間追跡した調査結果を発表した。
 心理的苦痛を感じている宮城県の被災者は、18.4%(2011年)から14.3%(2015年)に低下したが、全国平均の10.0%よりも高い。
経済状況や社会的な孤立感が関連していると考えられる。

また、要介護認定者は、6.3%(2011年)から16.2%(2015年)に急増している。
 一方、岩手県の被災者のうち、飲酒量が多くなったと答えた男性は、全国平均の1.69倍(2011年)から1.81(2015年)に増えている。
仮設住宅に住む女性は、メンタルヘルスに問題を抱え、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や不眠を訴える人が少なくない。

PTSD については、別の調査がある。

 2014年2月、東北大学の富田博秋教授(災害精神医学)は、石巻市など宮城県の沿岸6市町に住む特定健康診査(メタボ健診)を受けた成人男女3744人を対象に、PTSDについてのアンケート調査を行なった。
 調査結果によると、うつ症状や不安感が強い人はおよそ7%に上り、厚生労働省が2004年に実施した全国調査より3倍も高い。
およそ5%の人にPTSDの疑いがあることも分かった。

 富田教授は「過酷な被災体験や近親者の死が原因と考えられる。潜在的には、メンタルヘルスの状態が悪化している人は、もっと多い可能性がある」と指摘する。

 さらに、2011年4月から2013年8月までの2年4カ月間にわたって、岩手県の12市町村、宮城県の15市町、避難指示区域となった福島県の15市町村に勤務する自治体職員を対象に行なった1か月以上の長期休職者の調査がある。
 うつ病などのメンタルヘルやPTSのために長期休職した職員は、2011年度は286人、2012年度は254人、2013年度は5カ月で147人。
震災前の2010年度の177人を上回った。

 震災後2年半の県別の休職者数(延べ人数)は、宮城県461人、福島県180人、岩手県46人。市町村別(延べ人数)は、仙台市207人、いわき市101人、石巻市90人だった。
いずれも復興事業の本格化による業務の多忙や職員の精神的・肉体的な負担が原因と考えられる。

 3.11東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から5年――。
避難所生活の長期化で被災者の心身への負担が重くのしかかる。
災害公営住宅の建設、集団移転する高台の造成、帰還困難区域への帰還も進めなければならない。
 ヨウ素131による甲状腺がん、セシウムやストロンチウムなどによるさまざまな放射能汚染の実態は明確ではない。
チェルノブイリ原発事故などから得られた知見に基づいて、急性白血病、糖尿病、心臓病、腎臓病、突然死などの病理学的な解明を急がなければならない。
 いま私たちに問われているのは、真のレジリエンス(精神的な回復力)かもしれない。
                               (文=編集部)
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2016年03月13日

小泉純一郎が安倍の原発政策批判!

小泉純一郎が3.11に際して
安倍首相の原発政策を批判!
元首相を「原発ゼロ」に駆り立てる
本当の理由とは
2016.03.12.LITERA(野尻民夫)

 福島原発事故から5年目。
小泉純一郎は「原発ゼロ」をまったくあきらめる気はないらしい。
3月9日には、福島市公会堂の「ふくしま自然エネルギー基金」設立イベントで講演。
明らかに安倍首相を想定して「原発事故から学ぼうという姿勢がなくなっている」
「汚染水はアンダーコントロールされているとか日本の安全基準は世界一とデタラメなことを言っている」と、手厳しい批判を浴びせた。

「日刊ゲンダイ」によれば、小泉氏は講演後の会見でも、安倍首相に対して「どうしてこんな簡単なことがわからないのか」と苛立ちとも言える言葉まで口にしたという。
 9日の講演だけではない。
2月にも、いわき市の講演で「原発ゼロの社会は夢があるが、空想でも幻想でもない。日本は原発ゼロでも2年間やってきた。
事実が証明してくれる」と熱く語った。

 官邸は小泉氏のこうした反原発への激しい動きの裏にいったい何があるのか、つかみあぐね、困惑を隠しきれないでいるようだが、実は小泉氏には裏も何もなく、「原発ゼロ」実現に対して完全に「本気」らしい。

 そのことがよくわかるのが、最近、出版された『小泉純一郎、最後の闘い ただちに「原発ゼロ」へ!』(筑摩書房)だ。
著者の冨名腰隆氏と関根慎一氏は朝日新聞の政治部記者で、いずれも小泉首相の“番記者”だった。
昨年9月、首相退任以来、メディアの取材に応じていなかった小泉の退任後初の単独インタビューをものにしたことでも知られている。
 そんな小泉氏と近い記者が書いたこの本には、今まで語られてこなかった、小泉氏の反原発の原点が明かされている。

 小泉の「原発ゼロ」姿勢を決定づけたのはフィンランドにある使用済み核燃料の最終処分場「オンカロ」の視察だったことはよく知られている。
2013年夏のことだ。
3.11以降、脱原発寄りの発言を続けていた小泉をなんとか懐柔しようと、三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部が連れ出したのだ。
ところが、その目論見はみごとにハズレる。
オンカロを見た小泉は、核燃料の最終処分の難しさを痛感し、「原発ゼロ」を確信するようになったという。

 それもそのはず。フィンランドが最終処分場に選んだオンカロは地震がめったになく、地層は18億年間、ほとんど動いていない場所だという。
その岩盤を400メートル掘り下げて2キロ四方のスペース(東京ドームの約85倍)をつくり、そこに高レベル放射性廃棄物を保管しようというのだ。
そんな場所はまず日本にはない。
しかも、保存期間は10万年だ。

小泉は言う。
「水が出たら、(有害物質が)外に漏れる可能性がある。
10万年も絶対に外に出してはいけない。
日本にそんな地域がありますか。
400メートル掘れば、水が出てこないどころじゃない。
ほとんどの地域は温泉が出てくるんじゃないか」(2015年5月9日、神奈川県小田原市での講演)
 ただでさえ難しかった最終処分場の候補地選びは福島原発の事故によって絶望的になったとも言う。
さらに、10万年という途方もない歳月について「言葉」の問題はどうするのかと、鋭い疑問を投げかける。
例えば、現代日本人は同じ日本語であっても、たかだか1000年あまり前の古文を読むのに苦労する。
古代エジプトの象形文字は専門家でなければ判読不能だ。
同じように、我々がいま使っている言葉が1000年後、1万年後にどうなっているかすらわからない。
そこに危険な物質が保管されているということを10万年後の人類に正しく伝えられるだろうか、と小泉は言うのである。
確かにそうだ。
 原発は「トイレのないマンション」といわれ、いまだにトイレができる目処すら立っていない。
いまからつくろうといっても絶対に無理だ。
だったら、別のこと(自然エネルギー)を考えたほうが早い、というのが小泉の考えなのだ。  小泉が、この使用済み燃料の最終処分について語るときによく使うたとえがある。

日本では産廃業者が自分で処分場を見つけなければ都道府県知事の許可がおりない。
なのに、原発業者は産廃より危ない核廃棄物の処分場を一つも見つけていないのに認められている。
これはおかしくないか?
新聞はなんでこれを書かないんだ、と。

実は、小泉がこうした「ゴミ問題」に食いつくのにはわけがあった。
 きっかけは、1970年代〜80年代にかけて問題が表面化した瀬戸内海に浮かぶ豊島(てしま、香川県)の産廃不法投棄事件だ。
約6.9ヘクタールの土地に50万トンもの廃棄物が積み上げられ、ゴミの島と化してしまった事件だった。
廃棄物から水銀やPCBなど有害物質が流れ出し、住民は恐怖の中での暮らしを余儀なくされていた。
この問題に正面から取り組んだのが1996年に第2次橋本内閣で厚生相に就いた小泉だった。  

小泉は就任インタビューで、
「豊島の問題はテレビで以前見たが、ひどい。
住民の怒りは当然だ。
十分理解できる」と発言するなど、この問題に強い関心を示していた。
その言葉通り、まずは廃棄物処理法の強化に着手し、不法投棄に対する罰金額を引き上げたり、不法投棄した産廃業者が倒産した場合は排出業者に責任を取らせるようにしたりする。
さらに、首相になった後の2003年6月には、過去に不法投棄された産業廃棄物の撤去費用を国が支援する「特定産業廃棄物支障除去特別措置法」を成立させ、豊島の産廃処理がその法律適用の第1号事業として認めさせた。

 1997年4月の参院厚生委員会ではこんな発言もしている。
廃棄物の問題は、人間社会、どうしてもこれから環境保全ということを考えますと、解決していかなきゃならない最重要課題の一つだと思います。
動植物の世界は見事なリサイクルの世界ですね。
食うもの、食われるもの、生まれるもの、死にゆくもの、これがまさに神の見えざる手で、見事なリサイクル社会を形成している。
ところが、人間社会だけですね、火を使う、道具を使う。
確かに便利になったんですけれども、自らつくり出す文明の利器で、また大きな被害を被っている……」
 つまり、この「廃棄物」問題へのこだわりが、3.11、そして、オンカロへの視察を経て、原発への危機感を生み出したということだろう。
 また、小泉氏にはもうひとつ、原発ゼロを強く打ち出すバックボーンがあった。
それは2002年4月、首相になったった直後に行ったある改革が物語っている。

 小泉改革といえば、ほとんどの人は郵政民営化を想起すると思うが、実は小泉氏が改革の第一弾として5月の閣議で全閣僚に指示を出したのが「すべての公用車を低公害車に切り替えよ」という方針だった。
低公害車は当時の基準では、電気自動車、天然ガス車、メタノール車、ハイブリッド車で、政府は2000年度には公用車の10%を低公害車にする目標を定めていたが、実際は6%程度に留まっていた。
それを一気に100%にしろというのだ。

 当時、ハイブリッド車を生産していたのはトヨタとホンダだけだった。
官邸には「大臣や幹部の移動に使うには狭すぎる」「ガソリン車と比べて割高」といった“抵抗勢力”からの声が続々と届いたという。
環境省の事務次官が「政府の公用車のすべてを低公害車に切り替えるには7年かかる」と説明すると、小泉は「こんなもんじゃダメだ。生ぬるい」と突き返した。
 自動車メーカー首脳と直接会って「低公害車の開発をよろしく」と打診する場面もあった。

国会の所信表明演説でも、高らかにこう宣言している。
「私は21世紀に生きる子孫へ、恵み豊かな環境を確実に引き継ぎ、自然との共生が可能となる社会を実現したいと思います。
おいしい水、きれいな空気、安全な食べ物、心休まる住居、美しい自然の姿などは、我々が住む生活です。
自然と共生するための努力を、新たな成長要因に転換し、質の高い経済社会を実現してまいります。
このため、環境の制約を克服する科学技術を開発・普及したいと思います。
環境問題への取り組みは、まず身近なことから始めるという姿勢が大事です。
政府は、原則としてすべてに公用車を低公害車に切り替えてまいります」

 つまり、小泉氏はかなり前から、地球環境を守り、 自然と共生するための技術開発を新たな成長要因にするということを政治信念にもち、その実現にこだわってきたのである。

 しかし、その小泉氏もエネルギーについては、そういったスタンスをとらなかった。
それどころか、首相在任時は原発の危険性を指摘する声を否定し、その安全性にお墨付きを与えている。
たとえば、2004年のスマトラ沖大地震・インド洋大津波を受け、翌05年1月の参院本会議で民主党の江田五月議員から原発の津波対策について問われた小泉首相(当時)は、こんな答弁をしている
「国内の原子力発電施設について、地震や津波が発生した際に放射能漏れなどの事故を起こすことがないよう設備の耐震性の強化を図っているほか、津波により海水が引いた場合にも冷却水を提供できるような措置を講じております」
 小泉もまた、福島原発事故の戦犯のひとりなのだ。
しかし、だからこそ、小泉は「あの時、自分が総理として、決断していれば、原発ゼロを実現できたし、福島原発の事故は防げた」という強い後悔の念をもっているのだろう。

 実際、小泉氏は朝日新聞(15年9月13日付朝刊)のインタビューでも、「当時は役人や専門家に騙されていた」
政府や電力会社、専門家が言う『原発は安全で、コストが一番安く、クリーンなエネルギー』。
これ全部うそだ」と悔しがり、こう話している。
「かつて原発を推進してきた一人としての責任は感じている。
でも、うそだと分かってほっかむりしていいのか。
論語にも『過ちは改むるに憚ることなかれ』とあるじゃない。
首相経験者として逃げるべきじゃない、やっていかなければと決意した」
 そして、総理として決断できなかったという後悔があるからこそ、「原発ゼロ」は総理の決断ひとつでできると、繰り返し主張しているのだろう

 しかし、安倍首相にはまったくその気はない。
それどころか、原発利権の代理人として、次々に原発再稼働政策を推し進めている。
 小泉氏は冒頭で紹介した講演の後の質疑応答で、小泉氏は記者からの「原発ゼロ」は参院選の争点になるか、の問いにこう語ったという。
「大きな公約のひとつにするべきです。与党はしたくないでしょう。
私は原発ゼロの時代が来るまで粘り強く活動を続けていこうと思っています。
引退したけど、あの事故を目の当たりにして、『こういうものだったのか』という悔しい思いをしている。
他の問題に口を出すときりがないからこれに絞ってやっている。
日本の国民の力は大きいから諦めていませんよ」
 小泉氏の次の一手に注目したい。
                             (野尻民夫)
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2016年03月16日

待機児童300万人 なぜ保育園に入れない @

待機児童300万人
なぜ保育園に入れない @
平均月収20万円…
保育士の待遇が悪すぎる“理不尽”
2016年3月15日 日刊ゲンダイ

「保育園落ちた日本死ね!!!」――
匿名ブロガーの投稿で、保育所不足の深刻さが浮き彫りになった。
待機児童は潜在人数を含めると300万人なんて推計もある。
保育所が足りない大きな要因のひとつが保育士不足だ。

2015年の保育士の有効求人倍率は、全国平均2.18。
なり手がいないのは「待遇の悪さ」が原因だ。
 保育士の平均月収は約20万7000円とされ、全産業平均より9万円以上低い。

昨年8月の厚労省の調査によると、〈保育士としての就業を希望しない理由〉のトップは〈賃金と希望が合わない〉だった。
一方、〈就業を希望しない理由が解消した場合の保育士への就業希望〉については、〈希望する〉との回答が63%に上った。
つまり、待遇さえ改善されれば保育士をやりたい人は多いのだ。

■全国に「滞在保育士」は約68万人

 全国で保育士の資格を持っていながら、働いていない「潜在保育士」は約68万人と推計されるから、単純計算で、約43万人が保育士の仕事に就く可能性がある。

一体、なぜ保育士の待遇は悪いのか。
 待機児童問題に詳しい「認定NPO法人フローレンス」代表理事の駒崎弘樹氏はこう言う。

「『保育士は女性の仕事でしょせんは子守り』との偏見が根強く、社会的に専門性を評価されていないことが原因です。
また、認可保育所は国から補助金が入るので、保育料が安い。
環境もいいので人気が高く、経営も安定しやすいですが、保育料だけが収入源の認可外保育所は、保育料を高くしないとやっていけない。
少しでも人件費を削り、保育料を抑えないと認可保育所に子供を取られっぱなしになってしまいます。
認可外保育所の保育士の多くは、非正規雇用で時給制。
昇給もまず望めません」

 では、保育士の待遇をどう改善すべきなのか。
「私は、全国の保育士の給与を月1万円上げるのに約340億円の財源が必要と推計しています。
月10万円なら3400億円です。
安倍政権発足以降、国と地方の税収は約21兆円増加しました。
3400億円程度の財源は微々たるものでしょう。
子育て支援を拡充すれば、多くの女性が働くことが可能になります。
さらなる経済成長、税収増を見込めるはずです。
未来への投資と考え、保育所への補助金の予算規模を拡大すべきです」(駒崎弘樹氏)

 消費増税を決めた3党合意で、保育士の給与改善のための381億円を含む3000億円の「子育て支援策」が決まっていた。
ところが、安倍政権になって実施はウヤムヤだ。
それを厚労委で問われた塩崎厚労相は「検討したい」と明確な答弁をさけたが、一刻も早く対処しなければウソである。
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2016年04月13日

年金支給額さらに抑制 関連法案が閣議決定 高齢者反発も

年金支給額さらに抑制 
関連法案が閣議決定 
高齢者反発も
2016年3月11日 東京新聞夕刊

 政府は十一日午前の閣議で、二〇一八年度から公的年金の額の伸びを今より抑えることなどを柱とする年金制度改革関連法案を決定した。
高齢者からの反発が予想され、夏の参院選を控えた与党内には今国会で成立させることに慎重論もある。
           (我那覇圭)

 年金の額は物価・賃金の動きに合わせて毎年度改定される。
伸びを抑える仕組みは「マクロ経済スライド」と呼ばれ、年金額は物価・賃金の伸びより1%程度低く抑えている。
デフレ下では適用しないルールで、法案では適用見送り分を翌年度以降に繰り越し、景気が上向いた時にその年度に抑制する分と合わせて実施する。
給付の抑制強化により、現行より年金額の目減りが早く進む。
低く抑えた分は、将来世代の年金財源に回す。

 ほかに、パート従業員らの厚生年金加入の拡大を促す。
従業員五百人以下の企業を対象に、労使が合意すれば今年十月から短時間で働く人も加入できる。
対象は約五十万人。
五百人超の企業は既に十月からの適用が決まっている。

 自営業など国民年金に入る女性に対し、産前・産後の四カ月間の保険料を免除する支援策も行う。
年金は保険料を払った場合と同額を受け取れる。
財源は加入者全員に保険料を月百円程度を追加負担してもらう。
対象は約二十万人。
実施は一九年四月。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織改革も一七年十月に行い、理事長に権限や責任が集中している現行体制を改め、「経営委員会」を新設する。
合議制にして、運用する資産の構成割合などの重要事項を決めるようにする。
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2016年04月15日

けが人多数「追い付かない」=医師招集、懸命の手当て−熊本市の各病院

けが人多数
「追い付かない」=医師招集、
懸命の手当て−熊本市の各病院
2016年4月15日(金) 時事通信

 熊本県益城町で震度7の揺れを観測した地震で、隣接する熊本市内の各病院では14日夜から15日朝にかけ、医師らを緊急招集して数百人に上る負傷者を手当てした。

 熊本赤十字病院は地震直後、災害対策本部を設置。
緊急招集を受けた医師や看護師が懸命の治療を続けた。
職員は「とにかくけが人が多く、対応が追いつかない」と話した。

 地震で停電したが非常用電源があり、治療に支障はなかったという。
救急外来などで治療を受けた患者の多くは、落ちてきた物で頭などを打った人たちだった。
 国立病院機構熊本医療センターには15日午前0時半までに57人が搬送されるなどした。
うち子供を含む5人は重傷で、やけどや脳挫傷、骨折などのけがをしていた。

 病院に大きな被害はなかったが、一部の窓ガラスが割れ、エレベーターやガスが止まった。
電気は通じているが、ボイラーが使えないため空調が機能せず、蒸し暑い状態になった。
入院患者は全員無事だった。

 他の病院で受け入れ切れない負傷者が搬送されてくると想定した男性職員は14日夜、準備に追われながら「これから大変になる」と話した。
 済生会熊本病院や熊本中央病院でもそれぞれ数十人のけが人を受け入れた。 
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2016年04月25日

普段の生活に現れる「下流老人になる人」の意外な共通点

普段の生活に現れる
「下流老人になる人」の
意外な共通点
2016年4月24日 9時3分 日刊SPA!

<下流老人になる人の特徴はこれだ!生活編>
・困っても人の助けは借りずになるべく自力で何とかしたい 70.5%
・健康診断は年に一度くらいだ 65.5%
・電化製品はスペックがなるべく良いものを選ぶ 64.5%
・妻が専業主婦でもいい 50.5%
・100円ショップが好き 49%
・40代まで割と波風立てずにやってきた 43%
・自炊が苦手 42%
・ジャンクフードや脂っこいものが好き 42%
・生活費の3か月分の預金を常に確保できていない 40.5%
・同年代よりもかなり年下の女性が好き 33%
・たまには自分へのご褒美はありだ 30%
・景気が良くなれば給料も上がると思う 27%
・マネープランは投資がメインである 24.5%
・月収の3割以上の借金がある 23%
・SNSを多用する 12.5%

※40代男性200人への調査結果。1項目につき1点とし、8点以上であれば要注意。
40代からの経済観念や生活習慣が一生に響いてくるため、多く当てはまる人は再考が必要だ

◆リスクが押し寄せる40代。順風満帆だった人ほど危険?

 消費者生活専門相談員の資格も持つファイナンシャルプランナーの黒田尚子氏が挙げた15の特徴のなかで一番マズいのは「40代まで波風立てずにやってきた」人(43%)と話す。

「40代は子育てや住宅購入など支出が重なり始める時期で、ここで初めて人生に行き詰まる人が多い。選択を間違えると、下流老人まっしぐらです」
 黒田氏によると、下流老人に直結する家計の3大共通点は「生活費の3か月分の預金を常に確保できていない」(40.5%)、「月収の3割以上の借金がある」(23%)人と「病気リスクが高い」人だという。

病気になると、治療費で老後の資金が一気に削られる。
「40代は高血圧・糖尿病など生活習慣病が急増します。
脂っこいものやジャンクフードが好きな人(42%)は要注意ですね」

 年に一度健康診断を受ける程度ではガンや重病の早期発見に繋がりにくい一方、「健康診断は年に一度くらいだ」も65.5%と多数である。

 また、自分が倒れたときだけでなく、親の介護のリスクもあるため、親族と良好な関係を築けていないのも下流老人化しやすい。
「家族はリスクでもあるが、将来の財布の数でもあるのです」

 そうした意味では、独身よりも妻子持ちのほうが安心だが、結婚相手が落とし穴になることも。
「妻や妻にしたい人が一回り以上年下だと問題があるかもしれません。
そうした女性は男性に養ってもらう願望が強い。
最初はうまくいっても、50代になると収入は減り、子育てなどの資金もかさみ、離婚され慰謝料をもぎ取られた結果、下流老人になる例も多い」

 同じく、「妻が専業主婦でもいい」(50.5%)が、必要に応じて働いてくれない場合は危険。
また、妻に家事を丸投げした結果、「自炊が苦手」(42%)であるのも下流に直結する。


「妻と離婚か死別した場合、自炊ができない男性は食費がかさむため、一気に貧困生活に陥ります」
 70.5%と大半が該当した「困っても人の助けは借りずになるべく自力で何とかしたい」という傾向も、行政や知人の支援を受ける機会を逃す要因になり、下流化を加速させる。

「100円ショップが好き」(49%)も意外であるが……。
「100円ショップでは安いからといって必要のないものまで買ってしまいますが、収入が減ってもそういう癖は変えられません」
 40代の些細な性質と事柄が、下流化に繋がっていくのだ。

【黒田尚子氏】
ファイナンシャルプランナー。
’98年よりFPとして活動。
CFP1級ファイナンシャルプランニング技能士、CNJ認定乳がん体験者コーディネーター。
連載、著書も多数
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2016年04月30日

仮面高血圧のリスクを見分ける血圧測定の5箇条

仮面高血圧のリスクを
見分ける血圧測定の5か条
2016.04.29 16:00
※週刊ポスト2016年5月6・13日号

 日本高血圧学会によれば、日本の高血圧者数は推定約4300万人。
日本人の3人に1人の計算である。
だが、うち約2000万人は「自分が高血圧」と自覚していない仮面高血圧患者の可能性が指摘されている。

東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌氏が解説する。
「仮面高血圧はオフィスなどで血圧が上がる『職場高血圧』と、家庭で深夜や早朝に血圧が上昇する『早朝高血圧』の2つに大別されます。危険なのは後者です」

 早朝高血圧はさらに2つのタイプに分かれる。
就寝中ずっと血圧の高い状態が続く「夜間持続型」と、寝ている間の血圧は正常だが起床後に急上昇する「早朝上昇型」だ。
重病リスクが高いのは夜間持続型だという。

「就寝時間の分だけ高血圧の状態が続く。
8時間睡眠だと1日の3分の1にもなるため、寝る時間が長い人ほど血管に与える負担が大きく、血管の詰まりを引き起こしやすくなる」(桑島氏)  

仮面高血圧を発見するためには、毎日、家庭で血圧を測り続けることが重要となる。
家庭用血圧計は様々な種類が売られているが、上腕(二の腕)で測るタイプが最も数値が正確に出ると桑島氏は教えてくれた。

 さらに1日に朝と夜の2回、正確を期すためにそれぞれ1測定につき2回は測ることも重要だ。また両腕の血圧には開きがあり、10%以上の差が出ることもあるという。

仮面血圧症を指摘された都内に住む高田実氏(65歳・仮名)が言う。
「私は左腕で測ってもらっていて、数値は上が125mmHgでした。
ところが、右腕を測ると148mmHgだったことで、仮面高血圧が発覚しました。
大動脈から分離した左側の鎖骨下動脈が詰まっていて、左腕の血圧が下がっていたのです」

 また「1週間測ってみて、血圧が上135mmHg、下85mmHgを超えることが2回以上あれば、仮面高血圧が疑われる」(桑島氏)ため、病院で受診することをお勧めするという。

病院でリラックスして血圧が下がる人がいる一方で、多くの人は自宅にいる時にリラックスしているため、家庭血圧の方が病院などで測るより低くなる。
基準値も低く設定されているので注意が必要である。


 以下の血圧測定「5か条」を参考に、自分の正確な血圧を把握し、リスクを避けてほしい。

1】測定器は上腕式
【2】朝と夜の2回測定
【3】1測定に2回
【4】右腕と左腕の両方測定
【5】測定は心臓と同じ高さ
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2016年05月02日

感染症・「蚊との闘い」局地的対策に限界 ジカ熱の危惧も

感染症 .
「蚊との闘い」
   局地的対策に限界
ジカ熱の危惧も
毎日新聞2016年5月1日 14時01分

 今年も蚊に悩まされる季節が近づいてきた。
2年前、蚊が媒介する感染症のデング熱患者が国内で相次いだが、今年はリオデジャネイロ五輪・パラリンピックの開催国のブラジルでジカ熱が流行しているため、これも国内感染者が出るのではと危惧されている。

東京都などはウイルスを運ぶ蚊の発生を減らす対策を強めているが、人の往来や温暖化が進む今の世界で「蚊との闘い」に勝つのは簡単ではない。
       【桐野耕一、野田武】  

東京都渋谷区の都立代々木公園で4月18日、蚊がウイルスを保有していないか調べるための捕獲が実施された。
顔を防虫ネットで覆った作業員は虫捕り網を振って蚊を捕り、ボウフラの発生状況を調べるため雨水のたまる雨水升もチェックした。
この日捕れた蚊にウイルスはなかった。

都は秋まで公園など25カ所を調査する。
都の職員は「今年はジカ熱のウイルス検査もする。
感染が広がらないよう警戒したい」と厳しい表情で語った。

 2014年8月、渡航歴のない国内のデング熱感染者が69年ぶりに確認された。
海外で感染した人が帰国後に蚊に刺され、さらにその蚊が別の人を刺さなければ国内感染は起きない。
当初は感染は限定的と思われたが、感染者は162人に達し、広がりの中心になったのが代々木公園だった。
 都が同9月に園内20地点で蚊を採取したところ、10地点の蚊からウイルスを検出。
担当者は「流行地の東南アジアでも、ウイルスを保有する蚊が確認されるのはまれだと聞いていたので驚いた」と振り返る。

 都は対策に乗り出し、園内のヤブなどに殺虫剤、雨水升に昆虫成長制御剤(IGR)をまいた。
IGRはボウフラの脱皮を阻害し、成虫にさせない薬剤で、人や動物への影響は少ないとされる。
 昨年は他の昆虫を殺さないよう、IGRだけを代々木、上野など人が集まる11公園の雨水升計約3000カ所と周辺都道などの雨水升に月1回程度投入。
品川区なども同様の対応を取った。
結果的にデング熱の国内発生はなく、都は「蚊が比較的減っており効果が出ている」とみている。
 ただし、こうした局地的な対策は、数を増やしたとしても「点」としての予防でしかない。

約10年前から住民が協力し、住宅街という「面」で蚊を減らす取り組みをしてきたのが、横浜市泉区の緑園2丁目自治会だ。
 「以前は玄関を開けるとすぐ家に入ってくるほど蚊がいたが、今はそれほど気にならなくなった」と、自治会長の杉山昌樹さん(68)は語る。
 2丁目には約740世帯が暮らし、公園に加えて庭のある一戸建てが多い。
洗濯物を外に干すと多数の蚊に刺されるなど、蚊の悩みを訴える住民が多かった。
そこで自治会が費用を出し、06年からIGRをまくことにした。
4〜9月に月1回、公道と各家庭の雨水升計857カ所に手分けして投入している。
 年5万〜6万円の出費だが「この活動は住民同士の理解と協力が不可欠」(杉山さん)。

デング熱が発生した2年前から市内の他の自治会からの問い合わせが増え、泉区緑園では1〜7丁目の全域に活動が広がった。
杉山さんは「蚊の発生を減らすには、ボウフラが発生しやすい植木鉢の受け皿にたまった水をなくすなど各家庭での取り組みも大切。
今後も地域で力を合わせたい」と力を込める。

温暖化で広がる生息域
 さまざまな感染症を媒介する蚊は「人間にとって最も危険な生物」とも言われる。
近年、地球温暖化や人の移動の広がりによって蚊媒介感染症の脅威は拡大しており、日本も例外ではない。

 蚊は種類によって、媒介するウイルスが異なる。
デング熱やジカ熱のウイルスを運ぶのは、主にネッタイシマカとヒトスジシマカ。
ネッタイシマカは日本にいないが、「ヤブ蚊」と言われるヒトスジシマカは広く分布する。

年間2億人以上が感染するマラリアはハマダラカが媒介するが、国内の都市部ではほとんど生息していない。

 国立感染症研究所昆虫医科学部の小林睦生(むつお)さんによると、ヒトスジシマカの生息域は、盛岡市や秋田県北部より南。
1950年ごろは栃木県、2000年ごろは宮城・山形県が北限だった。

年間平均気温が11度以上の地域では生息可能とされ、気候変動のシミュレーションによると、35年までに青森県、2100年には札幌市まで広がる見通しという。

 ヒトスジシマカは冬に成虫が死滅するため、現時点ではウイルスが定着する可能性は極めて低い。
だが、海外からウイルスが持ち込まれるのを避けるのは難しく、小林さんは「国内で蚊の生息域が広がり、密度も高くなっていれば、感染が拡大する恐れが高まる。注意が必要だ」と話す。

デング熱、ジカ熱 
特効薬やワクチンなく
 ジカ熱とデング熱は、ともに発熱、関節痛、発疹などの症状があり、特効薬やワクチンはない。
ジカ熱は、性交渉で感染した例も海外で報告されている。

 二つを比べると、症状が重くなりやすいのはデング熱だ。
熱が38〜40度程度まで急に上がり、一度かかった人が別の型のウイルスに感染すると、免疫が過剰に働いて死に至ることもまれにある。

 一方、ジカ熱は通常38.5度以下の発熱で済み、1週間以内に回復する。
また、感染したら必ず発症するわけではなく、米疾病対策センター(CDC)によると、約8割は感染しても症状が出ないという。

都野展子(つののぶこ)・金沢大准教授(生態学)は「感染者が自覚のないまま外出して蚊に刺され、感染を広めてしまうリスクはある。
公園などへ行く時は長袖や長ズボンで蚊対策に配慮すれば、自分が感染源にならないで済む」と話す。

 ただし、妊婦は警戒が必要だ。
CDCは4月13日、ジカウイルス感染が小頭症の赤ちゃんが生まれる原因になると結論付けた。
ブラジルでは小頭症や脳障害が疑われる子の出生が昨年10月〜今年1月で4000人を超える。
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2016年05月05日

こどもの日に考える それが希望 推進力だ

こどもの日に考える 
それが希望 推進力だ
2016年5月5日 東京新聞「社説」

 こいのぼりを眺めていると、子どもたちに風を送ってあげなければと思います。
だが待てよ。
子どもは風の子。
大人を泳がす追い風なのではないかしら。

 名古屋駅西に活動の拠点を置く芸能プロデューサー、中村浩一さん(48)には、夢がある。  「芸能文化の地域主権」
 中村さんは考えます。
日本の芸能文化は、政治や経済以上に東京に一極集中し過ぎている。
まるで、殿様と家来のような関係です。
 ご当地アイドル花盛りとはいうものの、結局いつかは上京したい、芸能界=東京なんだと、誰もが思い詰めています。

 中村さんは、テレビのローカル番組で学生リポーターを経験し、「キラキラと楽しい」芸能界に十九歳で足を踏み入れました。
 卒業後は広告会社や出版社にも身を置きながら、芸能プロデューサーとして、アイドルの発掘、育成、売り込みなどを続けてきた。

 ところが次第に、ギョーカイの闇も見えてきた。
 上京した美少女が、すっかりやつれてひっそり戻る。
うつ病の果てに自殺に至ったケースもありました。

 東京に踏みとどまるために、際どい水着のグラビアやAVまがいの仕事をいやいや受ける。
とどのつまりは使い捨て…。
そうじゃない世界をつくりたい。

 今の時代“三種の神器(ブログ、ツイッター、ユーチューブ)”を駆使すれば、“ナゴヤ発信”は十分可能。
まずはご当地アイドルのレベルをぐんと引き上げよう。
 地元にいたまま活動できて、リスクを冒さず、家賃もいらず、ステージやけいこを終えて家へ帰って、家族と一緒にご飯を食べて、「今日はどうだった」「うん、がんばってるよ」と日常会話ができるアイドル−。
それを、何としてでも成し遂げたい。

◆輝いた季節のあとで
 そんな思いで六年前、名古屋市大須商店街がジモトのアイドルユニット「OS☆U」をプロデュース。
そして今は駅西で、二〇一二年結成の「dela(デラ)」=写真=を手がけている。
 中一から二十三歳までの十八人、全員自宅通勤です。

 中村さんはもう一つ、自らに課題を与えています。
アイドルの“卒業生”をどうするか。
 ラグビー歴三十年の中村さんは、delaをラグビーチームになぞらえます。
“One for all、All for one(ひとりはみんなのために みんなはひとりのために)”の精神を、歌や踊り以上に重んじます。
 リーダーならぬキャプテンを先頭に、あいさつ、自己表現、そしてチームワークを徹底します。

 ♪振り向けば十四人の友がいる…。
「15(Fifteen)」。
中村さんが作詞したdelaの持ち歌です。
 キラキラと輝く季節を終えて、就職しても、お嫁に行っても、起業をしても必ず役に立つように。

 ある日のこと、中村さんは、かつてのメンバーの父親から、呼び出しを受けました。
当時高校二年の娘をアイドルにすることに猛反対した人でした。
 恐る恐る出かけて行った鉄板焼きの店。父親は言いました。
「ありがとう。君は娘を二年早く大人にしてくれた」

 中村さんの見果てぬ夢は、いつかかなうかもしれません。
 三月で終了したNHK朝の連ドラ「あさが来た」。
今アイドル界の頂点に輝くAKB48の主題歌「365日の紙飛行機」も大ヒットになりました。
 はじめは不思議でしかたなかった。
自立する女性の物語のはずなのに、なぜ<人生は紙飛行機>なんだろう。
紙飛行機は思い通りに飛べません。
 でも、しばらく聞いているうちに、何となく疑問が解けてきた。
 歌の後半に<それが希望 推進力だ>という歌詞が出てきます。

◆思い通りにならない日は
 思い通りにならない人生だからこそ、推進力が必要です。
 独り立ちと独りぼっちは違います

誰かに背中を押してもらって、紙飛行機は力いっぱい、飛べるところまで飛べばいい。
 こどもの日、大人は子どもの推進力に…と思いきや、子どもこそ、大人の<希望 推進力>ではないですか。
 見上げれば、五月の風にこいのぼり。大きい真鯉(まごい)も小さい緋鯉(ひごい)も、気持ちよさげに飛んでいます。
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2016年05月10日

ゴールデンウイーク明けは自殺者が増える! .

ゴールデンウイーク明けは
自殺者が増える!
自殺を予防する
「TALKの原則」とは?
2016.05.09.ヘルスプレス

 毎年、ゴールデンウイークが明けた時期に自殺が急増する。
抑うつ、無気力、不安、焦りに襲われる五月病と自殺の相関は高い。

 警察庁の集計(2016年1月15日の速報値)によれば、2015年の自殺者は前年比5.7%(1456人)減の2万3971人。
6年連続の減少で18年ぶりに2万5000人を割り込んだ。

 だが、1日平均約66人もの人が自殺している状況は変わらない。
10万人あたりの自殺率(2014年)は20.9人。
OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均12.4人よりかなり高い。

 自殺者数の内訳は、男性1万6641人(前年比745人減)、女性7330人(同711人減)。
都道府県別で増加率が高いのは岡山(19.0%)、石川(17.1%)、熊本(10.3%)。
減少率が高いのは高知(36.2%)、徳島(23.1%)、山梨(20.2%)。
自殺の原因は、病気、経済的問題、家庭問題、仕事・職場の人間関係の順だ。

自殺する人はSOSサインを出している

 なぜ人は自殺するのか?
 この難問に正解はない。
ただ、自殺する人はSOSサインを出している。
高橋祥友・著『自殺の危険』(金剛出版)によれば、自殺はある日、突然に、何の前ぶれもなく起きるのではなく、自殺に至る前に自分の安全や健康を守れなくなる現象が起きている。

 特に、うつ病の人に見られる自殺の兆候現象を、事故傾性(accident proneness)と呼ぶ。
たとえば、ギャンブルにのめり込む、多額の借金をする、暴力事件を引き起こす、自暴自棄に陥って投げやりな行動をとる、車の運転や言動が荒くなる、性的な逸脱行為を重ねる、些細なケガで事故を起こす、忽然と失踪する、職場を無断欠勤するなどは事故傾性の特徴だ。

 また、慢性糖尿病の患者がインスリンを投与しなくなる、腎不全の患者が人工透析を受けなくなる、臓器移植を受けた患者が免疫抑制剤の服用を止める、慢性疾患の予防や医学的な助言をまったく無視する、自分の健康管理に無頓着になり、必要な処置を拒む。
生命の危険につながりかねない無謀な行為に及ぶのも事故傾性だ。

 このような意識的にも無意識的にも自己破壊的な破綻した言動を示すうつ病の人は、事故を避ける配慮や注意力が不足し、現実を冷静に考える能力が低下しているため、事故に頻繁に遭いやすくなり、自殺に走るリスクが高まる。

うつ病、双極性障害、
気分変調症は、自殺の3大要因!?

 アメリカ精神医学会の定めた精神障害(うつ病、双極性障害、気分変調症)に関する診断基準である「DSM‐1V‐TR」の評価スケールによれば、重症のうつ病患者の6人に1人は自殺するため、うつ病患者の自殺率は健常者より数10倍も高い。
自殺未遂歴のある糖尿病患者の10人に1人は自殺に至るが、その自殺率の高さは健常者の数百倍に相当する。

 世界保健機関(WHO)が行った調査によれば、自殺と精神障害には密接な関連がある。
自殺者が生前に何らかの精神障害に陥っていた割合はおよそ9割だが、連切な治療を受けていた人は2割程度に留まる。
WHOは、自殺の強い誘因になる精神障害を早期の段階で診断し、適切な治療を実施すれば、自殺を予防できると強調する。

自殺を予防する
「TALKの原則」とは?

 うつ病の完治は困難を極める。
だが、自殺するリスクが高い人の自殺を予防するTALKの原則がある。
TALKは「Tell」「Ask」「Listen」「Keep safe」の頭文字の合成語だ。

▶︎Tell:はっきりと言葉に出して相手を心配していると伝える。
▶︎Ask:死にたいと思っているかどうかを率直に尋ねる。
▶︎Listen:絶望的な気持ちを一生懸命受けとめ、聞き役に回り、徹底的に傾聴する。
▶︎Keep safe:危険と判断したら、本人の安全を確保し、適切に対処する。

 自殺するリスクが高い人は、手を差し伸べられても拒絶し、精神科を受診することを抵抗する人が多い。
相手に自殺の危険を感じたときは、TALKの原則で対応し、できるだけ早く精神科を受診させるのが賢命だ。   

 うつ病、双極性障害、気分変調症に罹り、自殺するリスクが高い人への治療は、精神医学の専門家による薬物療法、心理療法を受け、周囲の人々との絆の回復を図りつつ、総合的・長期的に取り組むほかない。

自殺の危険は、繰り返し生じてくる可能性が高いので、長期にわたるフォローアップが必要になる。

 また、アルコール依存症がうつ病を合併すれば、酩酊状態のまま自殺に及ぶ危険性が強まる。精神的につながりの強い人を巻き込む拡大自殺(無理心中)の恐れもある。

たとえば、患者が若い母親なら幼い子どもが犠牲になったり、中年男性なら家族全員を殺害後に自殺したり、老親なら身体障害のある成人の子どもを道連れにする場合も少なくない。
 したがって、患者の自殺だけでなく、社会的・家庭的な状況にも注意を払い、攻撃される恐れのある人の安全も守らなければならない。
 しかし、前述のように自殺に向かう人は、事故傾性という前ぶれが現れることが多い。
睡眠は十分か、食欲はあるか、仕事に集中しているか、感情が安定しているか、飲酒量が増えていないかなど、家族や友人がいつも気を配れば、自殺の前兆を知ることができる。
うつ病を早期に診断し、適切な治療をすれば、自殺は予防できることを忘れてはならない。
        (文=編集部)
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2016年05月15日

医師への「袖の下」で治療内容に差が出ることは皆無

医師への「袖の下」で
治療内容に差が出ることは皆無
※女性セブン2016年5月26日号

 医師といえば頭が良くて、お金持ち。
人々のために働く“聖職”というイメージが強いだろう。

しかし、TBS系『直撃!コロシアム!!』(4月11日放送)で、名医50人がぶっちゃけた本音が、ちょっとひどいのではないかと話題になっているというのだ。
そこで、実際のところを番組に出演した医師に聞いてみた。 “袖の下”とは、人目につかないよう袖の下から渡す贈り物のこと。
患者が医師に便宜を図ってもらうためや、感謝の気持ちを伝えるために渡す。
番組では医師50人に「患者から“袖の下”をもらったことがあるか」と質問し、50人中46人が「ある」と答えた。

 同番組に出演していたおおたけ消化器内科クリニックの大竹真一郎院長はもらったことがある医師の1人。
ちなみに大竹氏は安全で苦痛のない大腸内視鏡検査、及び消化器系のがんにおけるスーパードクターと名高い。
「1回ももらったことがない医者はすごく少ないと思う。
渡すのはお年寄りのかたが多いですが“そんなん、いらんよ”と言っても、一度出したお金を引っ込めません。
だから、“今回だけいただくけど、もうやめてね”と伝えます。
これまでにもらった最低額は1万円、最高で15万円です」

 これまでの医療ドラマでも菓子折りの箱の底にびっしりと詰められた万札の束がよく描かれてきた。
でも、そんなこと現実にあるの? と思ってはいても、なかなか医師には聞けず、真相は藪の中だっただけに、このぶっちゃけにはびっくり!

 しかし──。
大学病院に勤務する脳外科医が明かす。
「20年以上前の教授や部長クラスであれば50万〜100万円は珍しくありませんでした。
昔に比べて減っていますが、コネで名医を紹介してもらったときや、脳や心臓など難しい手術のときは50万円ほど包む人もいます」

 さらに番組で、“正しい袖の下の渡し方”について医師が語ったことが波紋を呼んだ。
その方法とは、看護師が目を離した隙にカルテに挟む、ポケットにスッと入れる、手紙と一緒に渡すというもの。

放送を見ていた東京都在住の主婦Aさん(47才)が言う。
「先生たちはもらうのを当然のように話していましたよね。
どの先生もあまりに普通に話していて、呆れてしまいましたが、自分や家族の命を守るためには、多少は渡したほうがいいのかなと思いました」

 しかし、「渡す必要はないし、治療内容に差が出ることは決してない」と断言するのは同番組出演者の森田豊氏。
医師で医療ジャーナリストの森田氏は、『ドクターX』シリーズの医療監修をするなど、医療現場を取りまくさまざまな問題を私たちにわかりやすく伝えてくれる心強いドクターだ。

ちょっと病室に行く回数が増えるくらいの差はあるかもしれませんが、治療は変わりません。ほかの人より手厚い医療が受けられるはず…という患者さんの自己欲求を満たすだけです」

 この意見には前出の大竹氏も同調している。
 一方で、私たちが袖の下を渡そうとしても、菓子折りやみかん1つさえ受け取らない病院もある。
都内の総合病院に勤務する外科医が証言する。
国公立の病院の医師は公務員で、金品の受け取りは賄賂になるため、病院の規則で受け取りを一切禁止されています。
一度でも金銭でゴタゴタを起こすと、すぐに業界内に知れわたって転職も難しくなってしまうので絶対受け取りません」

 そもそも、手術に失敗すれば医師としての名声を失いかねないし、手術が始まれば目の前の患者の命を救うために必死になるのが医師として大前提。
それは謝礼の有無に左右されるものではない。
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2016年05月17日

1億総活躍 共生の視点も忘れずに

1億総活躍 
共生の視点も忘れずに
毎日新聞「社説」2016年5月16日 東京朝刊

 安倍政権の掲げる「1億総活躍社会」の議論が大詰めを迎えている。
同一労働同一賃金の導入、保育士や介護士の待遇改善など就労関係に焦点が当てられているが、「1億」の中には働くことが難しい人もいる。

 そうした人々にとって「活躍」とは何か。
どうすれば生きがいを持って暮らせるのか。
経済成長の視点ばかりではない議論がもっと必要だ。

「若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会」

「一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、能力を発揮でき、生きがいを感じることができる社会」

 1億総活躍社会を政府はそのように定義する。

 要介護・要支援の認定を受けている高齢者は約600万人、ひきこもりの若者は70万人とも言われる。
病気や障害でフルタイムの就労が難しい人々も大勢いる。
そうした人々も包摂して、それぞれの能力が発揮され、生きがいを感じられる社会を実現するための方策が必要だ。

 議論の場である1億総活躍国民会議ではそうした問題提起がないわけではない。

 北海道当別町の社会福祉法人は、障害者が働く農園や喫茶店を高齢者や子供の居場所としても活用している。
介護保険には就労支援のサービスがないが、ここで農作業を始めた認知症のお年寄りが元気になり、要介護度が改善されたという。

 学校になじめない発達障害の子供と高齢のがん患者が囲碁を通して交流し、双方が孤立から救われた例もある。
地域の人々も活動に参加し、個性と多様性を尊重する町づくりが当別町では実践されていることが同会議で報告された。

 体が弱った高齢者や軽い認知症の人がそれなりに働いている例はたくさんある。
もともと第1次産業や自営業には定年がなく、経験を積んだ高齢者でないとできない仕事もある。
仕事と生活が密着し、病気を持った人も障害者も何らかの役割を持って暮らしている。

 高齢・障害・子供など縦割りの福祉ではなく、地域づくりの観点も取り込んだ制度設計や、総合的なスキルを持った人材育成を進めないといけない。

 福祉サービスを「提供する人」と「受ける人」に分けるだけでなく、それぞれが役割を担って支え合う共生型社会への転換も考えるべきだ。

 家族や近隣の自然な人間関係の中での支え合いには、プロによる保育や介護とはまた違った安心感や充足感がある。
 民間の自発的な取り組みを後押しする政策が必要だ。
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2016年05月18日

香山リカのココロの万華鏡、真実のあるところ

香山リカのココロの万華鏡 .
真実のあるところ
毎日新聞2016年5月17日 首都圏版

 すでに一部で話題になっている森達也監督の新作ドキュメンタリー「FAKE」の試写を見た。
 この作品の主人公は佐村河内守氏と妻だ。
忘れかけている人もいるかもしれないが、佐村河内氏は聴覚障害を持ちながら数多くの音楽作品を発表し、テレビの特集番組などで「現代のベートーベン」とまで称賛された作曲家だ。
ところが、あるとき別の作曲家が「私は佐村河内氏のゴーストライターとして18年間、作曲をしていた」と発表。
聴覚障害についても「会話できていた。障害があるとは感じなかった」と否定的なコメントをしたため、大騒動となった。

 その後、一度、記者会見を開いた後、佐村河内氏はほとんど公の前に姿を現していない。
その自宅に森監督とカメラが入り現在の生活や夫婦の素顔に迫ったのがこの作品だ。
 印象的なシーンはいくつもあるが、どちらかというと感情的な佐村河内氏とは対照的に、いつも落ち着いている妻の姿が心に残った。
とことん追ってくるマスコミに疲れきっている佐村河内氏に、妻は何かを尋ねることもなく、いつも淡々と食事の支度をしたりインタビューに来たジャーナリストにケーキを出したりしている。

世間からの冷たい風から寄り添うようにして身を守る夫婦それぞれに、監督が「(相手を)愛してるの?」と尋ねるシーンがある。
その回答が何かは実際の作品で確かめてもらいたいのだが、答えが出るまでにも妻のほうはかなり時間がかかる。
 では、妻はこの間、何も感じていなかったのだろうか。
それは違う。
カメラは妻が感情をそっと表に出す様子もとらえているが、それを見ていると「ああ、心の中にはいろいろあるんだろうな」と思わずにはいられない。

 最近は「言ったもの勝ち、大きな声の人が勝ち」という雰囲気があり、自分の思いをはっきり表明したり喜怒哀楽をあらわす人の意見が通りやすい。
しかし、多くを語らなくてもさまざまなことを感じたり考えたりしている人もいるし、何かのときにも信用できるのは「沈黙の人」のほうだったりもする。

 真実は言葉があるところにだけではなく、この妻のように静かにたたずむ人、黙々と生活を営む人の側にある場合もある。
この一大ドラマの中で自分を変えることなくすごした人がいたことに、私は救いを感じた。
人間とは、夫婦とは、そして「ウソ」と「ホント」を決めるのは誰か。
公開されたら多くの人に見て考えてもらいたい快作だ。
           (精神科医)
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2016年05月22日

世界からバナナが消えたなら……

世界からバナナが消えたなら」〜
“パナマ” の拡大が世界を震撼させる
2016.05.20 ヘルスプレス

 現在上映中の映画『世界から猫が消えたなら』が、主演の佐藤健さんと愛くるしい癒し猫の競演で話題をよんでいる。
 一方、こちらは「世界からバナナが消えたなら……」と世界中の嗜好家を動揺させている話題だ。

その原因は震撼の「パナマ文書」
             ならぬ「パナマ病」である。
 パナマ病、別名「萎凋病(いちょうびょう)」とは、カビの一種がバナナの木を枯らせてしまう病状だ。
最長で40年間も土壌中に残る可能性も懸念されており、深刻な事態となっている。

 1960年代にはバナナ史上「最も美味」と食されたグロス・ミシェル種が全滅に追いやられた。
その耐性から台頭してきたのが、現在一般的なキャベンディッシュ種だ。
 ところがこのキャベンディッシュ種、世界各地の生産地で「新型パナマ病」に見舞われ、バナナ市場を震撼させている。

 先月には国際食糧農業機関(FAO)も「世界で最も破壊的なバナナの病気のひとつ」と指摘し、早急な対策を喚起した。
 台湾や中国、フィリピンでも新種の開発は随時試みられているが、いずれも味覚のレベルや長距離輸送に不向きなど、難題をかかえているようだ。

 現在危機に直面しているキャベンディッシュ種の年間生産量は5500トン。
世界のバナナ輸出市場の95%(FAO調べ)を占めており、“代役”の緊急な登場が待たれている。

日本人にもダントツ人気の果物王者
 日本人とバナナの関係は1903年(明治36年)、台湾から神戸港への貨客船で初めて商業用バナナが輸入された時まで遡れる。
 それが一般大衆の口にも入るようになったのは大正時代の後期、その台湾産も戦後の自由化(1963年)を機に減少し、1970年代以降はフィリピン産の輸入量が日本市場の首位を占めてきた。

 その定番のフィリピン産、最近値上りぎみだ。
2012年の巨大台風下で生産地の2割弱が大打撃をうけるという直接的理由があるものの、さらに新型パナマ病の被害が早くも広がりつつあるのだ。

 日本でのバナナ人気は不動だ。
2014年の1世帯(=2人以上)あたりの年間購入量は18sで果物中の首位、13kgで2位のミカンを大きく引き離す(数値は総務省統計局「家計調査年報」から)。
 価格も半世紀もの間ほぼ安定している。
「物価の優等生」といえるバナナだが、「世界からバナナが消えたなら……」が現実化すると価格上昇は必至だ。

皮肉にも“バナナの効用”に再注目
 ところが皮肉にも、ここへ来て“バナナの効用”が再注目されている。
 4月20日放送のNHK『ガッテン』(特集「結果にコミットー!効果2倍の筋肉UP術)では、トレーニング直後の「タンパク質+糖質」の食事法を伝授。
その筋力アップ用の推奨食品としてバナナを挙げていた。

 バナナのクエン酸カリウムが血圧降下に効果的だということを発見したのは、セント・ジョージ・メディカルスクールの研究(2005年)。
食物繊維の多さが心臓病・糖尿病・循環器疾患を減らすようだとしているのはハーバード大学公衆衛生大学院……。
 バナナに含まれる栄養素、その健康効果の報告は枚挙にいとまがない。

値上げには「50度洗い」で応戦?
 アジアから豪州の一部、アフリカや中東の生産地にも被害を広げている新型パナマ病。
このまま被害が拡大すれば、栄養価に不釣合いな値ごろ感が薄まるのは必至だ。

 となれば、庶民の自衛策は、稀少化するバナナを一本も腐らせずに、せめて美味しく完食することくらいだろうか。
  近年注目されている「50度(℃)洗い」の効果をこの際、試してみるのも得策かもしれない。野菜、肉、魚……50度のお湯で洗い、本来の食感や鮮度や美味しさを引き立たせ、保存期間を伸ばす効果も絶大なこの方法。
 果物類にも有効で、バナナの場合は皮ごと50度のお湯につければ(酸の性質が変わり)甘さが引き立ち、まろやかになるそうだ。
                        (文=編集部)
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2016年05月23日

糖質・炭水化物を食べないのは危険!

糖質・炭水化物を食べないのは危険!
肥満で悩んだら
「栄養バランスの黄金比率」を重視!
2016.05.22 Business Journal
文=森真理/武庫川女子大学国際健康開発研究所講師、管理栄養士

 糖質制限や抗糖化など、最近、さまざまなダイエット法が健康に良いと注目を浴びていますが、本当のところはどうなのでしょうか。

 糖質は糖尿病の原因とされ、なるべく血糖値を上昇させない、糖質を制限するという食べ方が注目されています。
その昔は、血糖値を上げないためにインスリンが十分に出せることが良いと考えられていましたが、今はインスリンを多く出し過ぎるのも身体にとってはリスクになるので、なるべく血糖値を低く保てるように、糖質を制限してしまったほうが良いと思われています。
それが糖質制限ダイエットの基本的な考え方になっています。

 そして、抗糖化というのは糖が血中に長く存在することでタンパク質と結合し、その最終糖化産物が老化を促進してしまうことから、GI値(グリセミック・インデックス)の高い白米ごはんや、白パンなどの糖質の多い食品を避け、GI値の低い食品が推奨されています。

 では、この糖質や炭水化物は、身体にとって必要ない物なのでしょうか。
 それは明らかに違います。
炭水化物、脂質、タンパク質は生きていく上で必要なエネルギーになることから、3大栄養素といわれていますし、それぞれに特徴があり、今の栄養学では、これらをバランス良く摂取することが重要とされています。

「糖質・炭水化物=悪者」となった背景
 それでは、なぜ糖質や炭水化物がここまで悪者になってしまったのでしょうか。
 基本的に食べ物のなかった時代には、肥満者は存在しませんでした。
エネルギーは使った分だけ食べるような食習慣だったと想像できます。
そして、少しずつ飽食の時代となり、肥満が裕福の象徴だった時期もありましたが、逆に健康リスクにつながるという数多くの報告から、肥満が良くないという認識が定着しています。

 そして、肥満の原因はカロリーの摂り過ぎであるため、体重を減らすため1グラム当たり9キロカロリーと、もっともカロリーの高い脂肪をいかに摂取しないようにするかが、ダイエットの主流であった頃があります。

 しかし、脂質を制限してしまうと、今度は糖質の摂りすぎの問題が浮上してきました。
逆に糖質を制限しすぎると、脂肪やタンパク質でエネルギーを摂取しなければならなくなり、食事のバランスが脂肪やタンパク質に偏ってしまうため、また別の問題が浮上してくるように思います。

 現に、糖質制限食を実践されている人で、動脈硬化のリスクが高くなるという海外での論文報告がありますし、高タンパク質食でもエネルギー過多の問題や、タンパク質が分解された後、体の毒素となるアンモニアを無毒化し体外へ排泄させるため、肝臓や腎臓への負担が懸念されます。

 要するに、エネルギーは必要な量を摂取すれば問題がなく、炭水化物、脂質、タンパク質は、それぞれの役割があるため、ある一定量は最低限でも必要で、それらを最適なバランスで摂取する事が理想だと考えます。

栄養バランスの黄金比率
 現在、国が推奨している日本人に適している栄養バランスは、
炭水化物 50〜65%、
脂質 20〜30%、
タンパク質 13〜20%となっています。

 これを見た目の食事バランスでわかりやすく表現すれば、図のようになります
このとき注意が必要なことが、

主菜は基本、肉や魚、卵や大豆製品のこと、
副菜は野菜が中心で1皿70グラム以上あれば十分です。
脂質摂取にかかわるポイントとしては、4皿のうち脂質を使用してよいのは2皿まで。

主菜には必ず脂肪が含まれていますので、残りの主食を含む3皿のうち、2皿はお浸しや、味噌汁、和え物など、まったく油を使わない調理法にすれば良いと考えます。

 そしてエネルギー量はご飯で調整。
活動量の多い人は、ごはんは多めでも問題ないですが、活動量が少ない人では100グラム程度のごはんでも十分な場合があります。

 このとき、主に糖質は主食であるごはんに多く含まれますが、副菜や主菜の食材や使用された調味料にも、含まれますので、どのような食材が使われ、どのような調理をされているかを理解することが重要です。

 健康的にバランスよく食事をしたい方は、極端な制限食を実践するのではなく、3大栄養素である炭水化物、脂質、タンパク質の黄金バランスを崩さずに、活動量に適したエネルギー量を摂取することをお勧めします。

十分な野菜や適量のタンパク質をバランス良く摂取する事で、糖質や脂質の吸収リスクも避けられますし、体内で働く酵素や補酵素としての栄養素も、しっかり体内に入ることが可能となります。

 体質改善をしたい方や肥満を解消されたい方は、まずご自身が食べられている食事の内容を把握することから始めてみましょう。
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2016年06月03日

病院でイラッとした医者の態度4つ

ちょっと、どこ見てんのよっ!?
病院でイラッとした医者の態度4つ
2016.6.2 マイナビウーマン編集部

数多くの患者さんを診なくてはならないお医者さんは、大変な思いをしていることも多いはず。とはいえ、あまりにひどい態度に正直ガッカリしてしまったという女性たちの声も……。
そこで今回は、病院でイラッとした医師の態度について、女性のみなさんの本音をぶっちゃけてもらいました。

■話を聞かない

・「こちらの話をまともに聞かず、”○○が流行ってるから、多分それだ”と決めつけられたことがある。信用できない医者だなぁと思った」(33歳/食品・飲料/事務系専門職)
・「こちらの話をろくに聞かず、『こうだからこうなったんでしょ』と自分の意見だけで診察を進める」(28歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「こっちの話をまったく聞かない」(24歳/生保・損保/事務系専門職)

なかなか患者さんの話に耳を傾けてくれない医師に、不安を抱く声が多く集まりました。
たしかに医師はたくさの知識を持っていて、説明されても素人ではわからないこともあるの。
ですが、しっかりと患者側の話を聞いて、くわしく説明してくれるだけで、こちらとしても安心できますよね。

■パソコンばかり見る

・「顔を見ないで、パソコンばかり見ている。『それで何がわかるの?』と言いたくなる」(27歳/建設・土木/秘書・アシスタント職)
・「パソコンの画面ばかりを見ているお医者さん。もうちょっと親身になって聞いてほしい」(25歳/食品・飲料/専門職)
・「こちらの顔を見ず、パソコンばかり見ている」(33歳/食品・飲料/事務系専門職)

カルテもほとんどが電子カルテとなっているので、たいていの病院ではパソコンの画面を見ながらの診察となっています。
検査の結果もパソコン画面なのでどうしても、画面を見ながら話してしまいがち……。
ですが、目を見て話をしてくれるお医者さんに出会うとほっとしますよね。

■上から目線

・「上から目線で話をする。患者ではあるけど、人間として下ではないと思うから」(30歳/医療・福祉/事務系専門職)
・「歯医者の話し方が高圧的で、治療も無理やりな気がして、嫌だった」(27歳/情報・IT/技術職)
・「偉そう。『何様!?』と思う」(26歳/商社・卸/事務系専門職)

すべてのお医者さんがというわけではありませんが、中には偉そうに話す人もいるようです。
こういった話し方をされると、治療を押しつけられているような気がしてしまいますよね……。

■待ち時間が長いのに診察は数分で終了

・「長い待ち時間なのに数分の診察で終了」(31歳/建設・土木/事務系専門職)
・「体調の悪い中、1時間以上待って診察時間は3分だったときにイラッとした」(25歳/医療・福祉/専門職)
・「長時間待たされたのに、診察はちゃちゃっと簡単な感じで終わらされた」(27歳/運輸・倉庫/販売職・サービス系)

実際に病院では、1時間以上待たされることもザラにありますよね。
病院は具合が悪いときに行く場所。
誰が悪いわけでもないはずなのに、延々と待ったあげく、診察はさらっと終わってしまうと、イライラしてしまうこともありそうです。

<まとめ>

どこの病院に行っても患者さんが多くて、長時間待たされたという人も少なくないかもしれません。
ということは、お医者さんもいろいろと忙しいということになりますよね。
多少は苦労を察してあげることも必要かもしれませんが、中には、それ以前に……ということもあるようですね。
みなさんは、こんな経験ありますか?
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「男の更年期障害」が増えている?

「男の更年期障害」が増えている?
中高年の6人に1人が発症
ビートたけしやテリー伊藤も襲われた
2016年6月2日(木)5時0分配信 キャリコネ

働き盛りの中高年男性の「更年期障害」が急増しているという。
5月26日放送の「あさチャン!」(TBS系)によると、中高年男性の発症率は実に6人に1人。
国内では600万人もの患者がいると推測されている。

これまで更年期障害といえば、閉経前後の女性特有の症状とされてきたが、男性の場合も深刻らしい。
番組が取材した男性更年期の専門外来があるクリニックでは、院長が「昨年度の1.5倍の患者が見えている。
潜在的な患者は相当数いる」と明かした。
                               (文:みゆくらけん)

原因は男性ホルモンの減少。
生活習慣病の悪化も この日、治療に訪れていたのは42歳の男性会社員。
去年から突然寝られなくなり、めまいのような症状が続いているという。
不調は体だけではなく、「急に不安感に襲われる」といった精神面にも及ぶ。
集中力も低下し、仕事の効率が落ちたことでさらに落ち込む。
原因が分からないことには治療もできず、まさに悪循環のスパイラルだ。

「痛いとか骨折しているとかではないので、なかなか(周りに)相談できなくて、なおさら辛い」
クリニックで調べたところ、診断結果は「LOH症候群」。
男性ホルモンが減少することで引き起こされる男性更年期障害であることがわかった。
治療は男性ホルモンを補充する注射を行うことで症状を緩和させる。
中には、不調があってもそれが更年期障害だと疑えず、クリニックを受診しない人もいる。

院長は症状を放置するリスクについて、「男性ホルモン低下により、内臓脂肪が増えて筋肉量が減ってくる。
そうすると生活習慣病が悪化して、糖尿病と高脂血症、血圧の問題も出てくる」と話している。

たけしの悩み「1日3回ぐらい意見が変わる」
めまいや頭痛といった体の症状に出てくる人もいれば、やる気の低下やイライラなど精神面に出てくる人もいるのが更年期障害。鬱病と間違われやすいのも特徴だ。

有名人では、テリー伊藤が「女性にも音楽にも、街の景色にもときめかない自分がいた」と過去の体験を振り返る。

ビートたけしも悩まされ、50歳過ぎの頃に「受ける」といった仕事の依頼をその日の夜に「やらない」と言い、また次の日の朝になって「やっぱりやる」と言うように、気分がコロコロ変わる自分に振り回されていたという。
「ひどい時には1日3回ぐらい意見が変わる。
あぁ、これは絶対に体に異変が起きていることで考え方にも異変が起きている、とよく分かる」(2015年7月の新CM発表会見より)

やっぱりホルモンって凄い。
たけしでも太刀打ちできないものなんだなァと思う。
現在34歳女性の筆者も、ホルモン様の威力には毎月恐れおののいている。
月経直前など、体も心もお肌も絶不調!イライラを解放すべく、「悪い子はいねぇーがぁ!?」となまはげのように人や物にブチ当たり散らしている。
自分ではどうしようもない。

10項目のチェックリストで自己診断を
でも、こういうホルモンによる症状って女性は体験的に理解できても、月経のない男性には「受け入れ」がなかなか難しそう。
「それ、更年期障害かもよ」って周りが気づかせてあげるのも優しさなのかもしれない。
不調が更年期によるものだと知るだけでも、本人も周りも少しはラクになるものだから。
患者自体が増えているかどうかは分からないが、治療でよくなる人が多いことはいいことだ。
さて、以下は更年期障害のチェックリスト。

10項目のうち、自身に当てはまるものはいくつあるだろう。
1.総合的に体の調子が思わしくない
2.自分だけ暑かったり、汗をかいている
3.「あれ」「それ」などの言葉を多用している
4.仕事や家事のやる気が出ない
5.よくイライラする
6.ぐっすり眠れない
7.人との約束をよく忘れる
8.大好きだった趣味などに興味がなくなった
9.動悸や息切れが多くなった
10.頭痛・めまい・吐き気がよくある

3つ以上当てはまった人は要注意。
6つ以上の場合、男性は泌尿器科、女性は婦人科で診てもらうことをおすすめする。
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2016年06月08日

1日の思考の8割はネガティブ!常に前向きな「超一流」の考え方

1日の思考の8割はネガティブ!
常に前向きな「超一流」の考え方
2016年6月6日(月)21時0分配信 Suzie

職場での人間関係、失業、失恋、家族間のトラブルなど、誰しもがいろんな悩みや不安を抱え、ときには壁にぶち当たりながら生きていますよね。

一説によれば、「1人の人間が1日に思考する回数は約7万回で、そのうち8割はネガティブな思考をしている」そうです。
だとすれば、マイナス思考はむしろ自然なことであり、無理してポジティブになる必要はないのかもしれません。

ところが一方で、常に前向きな人もいます。
世間で「超一流」といわれている人たちの多くが、なにごとも前向きに考える思考法を手に入れているというのです。
そんな超一流の人たちがどんな考え方をしたり、壁を乗り越えてきたのかというエピソードを、クイズ形式で紹介しているのが、西沢泰生さんの『読むだけでポジティブになれる 超一流の人のちょっと深い話』(アスコム)。

モヤモヤとした気持ちを解消したり、人生のピンチに役立つ、すぐれたエピソードをご紹介していきましょう。

■1:巨匠、黒澤明監督がこだわった「9時5時」の習慣


リアリティの追求にこだわって完璧主義を貫いた、日本映画界の巨匠、黒澤明監督。
その撮影時間は、意外にも朝の9時から夕方5時までと決まっていたそうです。
理由は、スタッフに撮影の準備と後片づけのための時間を十分に与えるため。
朝9時にスタートするには、スタッフは早朝5時から準備を開始し、撮影が夕方5時に終わったとしても後片付けに11時までかかったとか。
これ以上撮影時間を延長すれば、スタッフの睡眠時間がなくなることを知っていたからなのです。
部下の仕事の時間を確保し、休む時間まで考慮する。
そして、最高のパフォーマンスを引き出す。
これぞ、マネジメントの極意といえそうですね。
黒澤監督が、名作を量産できた理由のひとつがわかった気がします。

■2:ドクター・中松の発明がすべて成功している理由

数々の発明を生み出した、ドクター・中松はまさに天才。
「いままでに失敗したことはありますか?」と問われると、「自分の発明はすべて成功している」といい切ってしまうほど。
その発言の真意とは、「成功するまでギブアップしない」ということなのです。
現段階で失敗していても、そこで終わりではなく、粘り強く工夫し、必ず成功までもっていく」というのが発明家の極意。
エジソンも「成功するための確実な方法は、どんなときももう1回だけ試してみると思い続けること」といっています。

画期的な掃除機で人気のダイソンも、試作品が完成するまでにかかった歳月は15年。
それまでに作った失敗作の数は5125個。
ケンタッキー・フライド・チキンのカーネル・サンダースが、融資先の企業を求めて売り込みを続けた企業の数は、なんと1009社。
1、2回の失敗なんて、まさに序の口。
失敗なんてない、あるのは成功につながる経験だけ」。
そんなふうに出来事を受け止め、成功するまで工夫してチャレンジし続けましょう。

■3:帝国ホテルのバーテンダーが2杯目のグラスを置く場所


究極のもてなしで客人を迎える帝国ホテル。
バーの居心地のよさも格別です。
ここのバーテンダーは、1杯目のグラスはお客が手に取りやすい右斜め前に置くそうですが、2杯目はいったいどこに置くのでしょうか。
答えは、1杯目のグラスが置かれていた位置。
人間ならだれしも無意識に飲みやすい場所や置いておきたい場所に置くもの。
それを観察し、当たり前のようにさりげなくその位置に置く気配りができれば、人の心をとらえることができるというわけです。
さすがは、帝国ホテル。
配慮の行き届いた接客術の真骨頂といってもいいでしょう。

■4:ピカソが3分で描いたスケッチが5,000フラン?

ある婦人がピカソに「私のスケッチを描いてくださいませんか? お値段は言い値でけっこうです」と声をかけたところ、3分ほどで描きあげられた絵の値段はなんと5,000フラン(今の相場で約40万円)。
高額すぎると憤慨する婦人に、ピカソが告げたひと言とは――。
「私はここまで来るのに、生涯を費やしているのです」


生涯に15万点もの作品を生み出したピカソは、「もっとも多くの作品を残した画家」としてギネスブックにも載っているほど多作な芸術家。
その膨大な積み上げがあるからこそ、3分の絵にも価値があると自信をもっていえるのでしょう。
ちなみに、正岡子規が36歳で他界するまでの16年間で詠んだ俳句は2万3,647句。
エジソンの死後に見つかった、アイデアがぎっしり書かれたノートの数はなんと約3,500冊。
日々の膨大な積み重ねが、圧倒的な自信につながることを証明していますね。

■5:漫画家、赤塚不二夫の「2度目だから」という思いやり


いわずと知れたギャグ漫画『天才バカボン』の生みの親、赤塚不二夫さん。
描きあげた原稿を編集者に渡したあとに事件が発生したことがあるといいます。
なんと編集者が、原稿をタクシーに置き忘れてなくしてしまったというのです。
それを聞いた赤塚さん。
まったく怒ることなく、「ネーム(脚本のようなもの)があるからまた描ける」といい、さらにこう続けます。
「まだ少し時間がある。飲みに行こう」と。
そして編集者を気遣い、飲んで帰ったあと、同じ話を数時間かけて描きあげたそうです。
そして、編集者に手渡すときに「2度目だから、もっとうまく描けたよ」といったのです。

ファンからも出版関係者からも愛されていた彼の葬儀には1,200人が参列したとか。
いかに慕われていたか、よくわかるエピソードですね。

失敗をしたらつい責めてしまいたくなりますが、そんなときにも周囲を気遣える人こそ、本当に優しい人なのかもしれません。
  
* 悩んだり、つまづいたりしたとき、自分とは異なる発想を知ることで、思わぬ解決策が見つかることがあります。
身近な人と話すことも大事ですが、超一流の人の考え方に触れることもひとつの方法です。
大いに活用しましょう。
                 (文/山本裕美)
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2016年06月16日

子どもの叱り方…カッとしたら時間置く

子どもの叱り方…
カッとしたら時間置く
2016年6月15日 読売新聞

褒めることも忘れず

 北海道の山中で、小学2年生の男児が親に置き去りにされ、その後保護された出来事で、しつけのあり方が改めて注目されている。

 子どものしつけについて悩む親は多い。
叱り方や怒りの対処法などについて専門家に聞いた。

 「子どもをどう叱ればいいか、悩んでいる」と話すのは3歳と6歳の子どもがいる横浜市の会社員の女性(39)だ。
外出先で騒いだり、あいさつができなかったりする時に、きつく怒ってしまうことがある。
注意を聞かないと暗い部屋に閉じ込めたことも。
「置き去りにした親の気持ちもわかる。
夫の帰宅は深夜。
一人で子育てをしていると、余裕がなくなってしまう」

 NPO法人「子育て学協会」の2013年の調査(6歳以下の子どもがいる親約1000人、複数回答)によると、育児の悩みは、
「感情的に叱ってしまう」が35%で最多だった。
以下「食事の好き嫌い」24%、
「叱り方がわからない」20%と続いた。

 神奈川県茅ヶ崎市は2009年から、子どもの叱り方や褒め方を教える市民向け講座を開いている。
講師を務める一人で同市こども育成相談課の渡辺めぐみさんは、
暴力や家から閉め出すなどは、一見効果があるように見えても、何がいけなかったのか子どもはわからないままのことが多い。
親の行動もエスカレートしやすい」と指摘する。

 子どもが石を投げるなど危険なことをした場合、まず制止し、「(嫌なことがあって石を投げたのなら)口で言おうね」などと言葉で説明する。

 子どもの行動にカッとしたときはどうすればいいか。
父親の育児を支援するNPO法人「ファザーリング・ジャパン」理事の棒田明子さんは、

気持ちを落ち着かせるために一時その場を離れたり、時間を置いたりすることを勧める。
「子どもが小学生の頃、感情的になった時には、一人で台所に入り、冷静になる時間を作った」。
一方、子どもが興奮して、親の話を聞けそうにない時には、「話せる準備ができたらお母さんのところに来て」と言って落ち着かせたという。

 「子どもの内面も理解してほしい」と訴えるのは、立教大学教授、浅井春夫さん(児童福祉論)だ。
落ち着きがなかったりいたずらを繰り返したりと、大人の目に『困った子ども』と映る子どもは、衝動を抑える方法や適切な振る舞い方がわからず、自分でも困っていることが多い」と指摘。
言葉にできないいらだちを感じているような場合は「『学校で嫌なことがあったの?』などと話しかけ、原因に気づいてあげることも大切だ」とアドバイスする。

 東京学芸大学付属幼稚園園長で同大教授の岩立京子さん(発達心理学)は、
「叱るだけではなく、褒めることもセットに」と助言する。

日頃からよく褒めてもらったり、親との間に楽しい思い出をたくさん共有できていたりする子どもほど、大好きな親から受けた注意が心に響くという。

 岩立さんは「親も社会も、子育てにすぐに結果を求め、子どもの成長や変化を待つ余裕を失っている。
成長には時間もかかることを理解してほしい。
子育てに悩んだら、周囲の人や地域の子育て支援センターなどに相談し、一人で抱え込まないで」と話す。

子どもの権利…海外では敏感  

海外でしつけのため子どもを置き去りにしたらどうなるか。
ニューヨークでの子育て経験がある海外生活カウンセラーの福永佳津子さんは、「危険を回避する能力がない子どもを、親の保護が及ばない場所に置き去りにするのは、アメリカなどでは刑事事件になる場合がある」と話す。

 「日本には『家の外にいる子どもでも、誰か大人が見ていてくれる』と信じる文化があるが、一般に海外では『子どもの安全は親が守る』というのが常識」という。

アメリカに住んでいた日本人夫婦が、眠っている子どもを乗せた車をスーパーの駐車場にとめ、短時間で買い物を終えて戻ってみると、警察官が窓をこじ開けて子どもを助け出していたという事件もあったという。
 日本では、街中で、子どもをたたいたり、言うことを聞かない子を置いて歩いて行ったりする光景を見ることがある。
「海外は、子どもの権利に敏感で、刑事事件となる可能性がある」と福永さん。

 子どもが他人にけがを負わせるような危険なことをしている時、海外ではどのように注意すべきだと考えるだろうか。
「子どもの手を取ってやめさせ、その行為がなぜいけないかを目を見ながら言って聞かせるでしょう」。
いい叱り方については、海外も日本も大きな差はないようだ。
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2016年06月17日

救急の現場から霊や神を語る

東大教授・矢作直樹さんインタビュー
2013年2月14日 読売新聞「心の元気塾」

(1)救急の現場から霊や神を語る

 最先端の救急医療に携わりながら、霊や神といった科学の枠を超えた存在について語り、話題になっているのが東京大病院救急部・集中治療部長の矢作直樹さん(57)。
仕事の性質とは相反するような思索の理由を聞いた。(藤田勝)

 ――2011年9月に「人は死なない」というタイトルの著書を出版し、その後、気功や超常現象の専門家との対談本まで出されましたね。

 「最初の本は、知人の作家の出版記念会で出会った出版社社長に、個人的な関心から調べたり、考えたりしていたことを話したら『面白い。本にしたい』と勧められたのがきっかけです。タイトルは、<肉体は滅んでも霊魂は残る>という意味です。
様々な霊的な現象や研究を紹介しているのでキワモノに思われそうですが、日本人古来の死生観からすれば、そんなに理解できない内容ではないと思います」

 ――医師としての仕事とは関係があるのですか。

 「最近、人はいつか死ぬという当然のことを忘れているように見受けられる患者さんやご家族が増えました。
病院に来れば治ると思い込み、いざ死に直面するとあわててしまう。
いくら医療が進歩しても死は避けられないのです。
生と死についてもっと深く考えて、豊かで幸せな人生を送ってほしい
医療はサービス業の面もありますから、とにかく患者さんやご家族に少しでも満足してもらえたらと思います。
それが執筆の大きな動機です」

 ――なぜ死や霊に強い関心を持つようになったのですか。

 「何度か、死を覚悟した経験が大きいです。小学校3年生の時に車にはねられて、病院のベッドで医師と母親の会話を聞きながら『死ぬんだ』と思いました。
幸い助かりましたが、以来、死がとても身近なものになりました」
 「大学では単独登山に熱中し、冬山で大きな事故を2回経験しました。
最初の墜落事故では、落ち始めた瞬間に死ぬと思いました。
奇跡的に助かったのに懲りず、同じ年、また冬山で滑落しました。
その時も助かって下山した後、どこからか『もう山に来るな』という声が聞こえたのです。
以来、ぱったりと登山をやめました。
あの声は単なる幻聴だったとは思えないのです」

2013年2月15日 読売新聞「心の元気塾」
(2)亡くなった人に見守られている  

――医療現場でも不思議な経験はありますか。

 「治療がうまくいったはずの患者さんが急変して亡くなったり、逆に助からないはずの患者さんが回復したり、現代医学で説明できないことは多くあります」
 「いわゆる臨死体験を患者の口から聞くこともあります。
光を見た体験などを語るのです。
脳内ホルモンの作用で説明されることがありますが、それだけで説明し切れない場合もあります」  
「代替医療としての気功に関心を持ち、講習に参加したことがあります。
物理法則では説明がつかない力があることに衝撃を受けました」
科学は現象のメカニズムは説明しますが、例えば、なぜ宇宙があるのか、という根源的な問いには答えません。
この世界は神秘に満ち、人が知りうる部分はわずかです。
欧米では著名な科学者が心霊研究に取り組んできた歴史がありますし、今も代替医療などへの関心は高いのですが、日本は明治時代に古来の思想を捨ててしまいました」

 ――もっと宗教を大事にすべきということですか。

 「特定の神様を信じる必要はありません。
人知を超えた大きな力の存在を意識すればいいのです。
それを宗教では神と呼びますが、私はそれを『摂理』と呼んでいます。
日本人はよく無宗教だと言われますが、古来、森羅万象に神々の存在を感じ、死者の霊の存在も信じてきました。
そうしたすばらしい感性は、今でも残っていると思います」  

摂理によって人は生かされており、肉体は滅んでも霊魂は永遠である。
亡くなった人の霊に、いつも自分は見守られている。
そのように考えれば、生きている限りは感謝の気持ちを持って生きられ、死に直面してもあわてずに済むのではないでしょうか」  
「危険な宗教には近寄ってはいけません。見分けるのは簡単です。
心身を追いつめる、金品を要求する、本人の自由意志に干渉する、他者や他の宗教をけなす、そんな宗教は危険です」(終わり)

矢作直樹(やはぎ・なおき)  
1956年、神奈川県生まれ。
金沢大医学部卒。
麻酔科、救急・集中治療、外科、内科など経験し、2001年から、東大医学部救急医学分野教授、同大病院救急部・集中治療部長。
著書に「人は死なない」(バジリコ)など。
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2016年06月21日

「うつ病」は薬を売るための病名だった!? 

「うつ病」は
薬を売るための病名だった!? 
実は投薬のほとんどが無意味だと
医者は知っている
「薬漬け社会」のタブーを斬る
2016年06月19日(日) 週刊現代

「心の風邪」だと騙されて 「うつ病の人は'99年を境に急増しました。
同年に抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)のルボックス(デプロメール)が認可されたのがきっかけです。

製薬業界はSSRIを売るために、うつ病啓発キャンペーンを大々的に展開しました。
『うつ病は心の風邪』という言葉が流行して、本来は病気とは言えないような人もうつ病と認定されることになり、薬を処方されるようになったのです」
こう語るのは名古屋フォレストクリニック院長の河野和彦氏。

実際、下のグラフを見ればわかるように、'96年には43万人程度だった日本のうつ病患者は、わずか12年のうちに100万人を超えるようになった。


また同時期に、地方公務員や公立学校職員などの公務員の「メンタル休職率」も急増している。地方公務員のメンタル休職率は'98年に0・3%程度だったのが、'06年には1%近く、つまり3倍にも増えているのだ。

うつ病患者の増加は、バブル崩壊後、失われた10年で日本社会にストレスが増えたからなどと語られることもあるが、とうてい社会環境の変化だけでは説明のつかない増え方だ。

製薬会社の「心の風邪」キャンペーンに見事にひっかかり、ちょっとした心理的不調で「自分はうつ病かもしれない」と思い込む。
そして神経内科に通院する人が増えたというのが本当のところだろう。


同時期に「新型うつ」という事象も話題になった。
メンタル休職しているはずの社員や公務員が、いったん職場を離れると趣味を楽しんだり旅行に出かけたりするほど元気になるケースだ。
このような現象が話題になるのも、本来病気でないはずの人が「病人」に仕立てられていることの証左だ。
製薬会社のキャンペーンはものの見事に功を奏し、抗うつ剤の市場規模は'98年の145億円から'10年の1100億円まで、実に7倍以上も増加している。

最悪、歩けなくなることも

このように病気がないところに病気を作り出すことを「疾患喧伝」という。
医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。


「やる気が出ない、だるいからといって安易に精神科や心療内科に行くのはやめたほうがいい。

医者にかかって、『うつ病だからこの薬を飲みなさい』と言われた瞬間に、ただ悩みがあっただけの健康な人が病人にされてしまうのです。

SSRIは心の安定に関わるセロトニンの再吸収に作用する薬で、脳内の環境を変えてしまいます。病気でもないのに、そんな薬を飲んでよいわけがありません」

病気でもないのに病人扱いされ、しかも不要な薬を投与されることで、副作用に苦しむことだってあるのだ。
高齢化の進んだ現代の日本社会では、抗うつ剤に関する新たな問題も生まれてきている。

前出の河野氏が語る。
「認知症と抗うつ剤の問題です。
日本では認知症患者は精神科で見ることが多い。
認知症の患者は表情が暗く無気力で、活力がない人が多い。
こうした症状は認知症の周辺症状の一つにすぎませんが、精神科医のなかには、これをうつ病と誤診して、強い抗うつ剤を処方することがあるのです」

認知症の患者に抗うつ剤を処方すると歩行困難や寝たきりになるケースが多い。
「認知症の人は、脳の状態が非常にデリケートです。
薬の量が少し多いだけでもダメージが大きくなります。
症状が悪化すると、医者がパニックになり、もっと強い抗うつ剤を出す。
すると症状がさらに悪化し、二度と改善しないほど深刻化することになる」(河野氏)

高齢者の場合、それが認知症なのか、うつ病や統合失調症なのか区別をするのが難しい。
「幻視や妄想の症状のある人に、リスパダールという抗精神病薬を処方する精神科医が多いですが、これも認知症の可能性がある。
認知症患者にリスパダールを処方するのは極めて危険で、筋肉に異常が起こり、歩けなくなることが非常に多い」(河野氏)

「医者に言われたから」「有名な薬だから」と安易に薬を飲んでいると取り返しのつかないことになる。
医者と病院にダマされないためには、こちらにも「知識」という武器が必要なのだ。

「週刊現代」2016年6月18日号より
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2016年06月24日

激痛で飛び起きることも…「夜中に足がつる」のはナゼ?

激痛で飛び起きることも…
「夜中に足がつる」のはナゼ?
2016年6月23日 日刊ゲンダイ(伊藤あゆみ)

 安眠を妨げる激痛の正体は?
国際医療福祉大学熱海病院の〆谷直人先生が教えてくれました。

睡眠中に足がつる主な原因は、『血行不良』です。
足の血流が悪くなると筋肉が収縮しやすくなり、足がつりやすくなるのです

 通常、足がつるのは長い立ち仕事や運動の後。筋肉が長時間緊張したことで、筋肉や腱のセンサーが誤作動を起こし、異常な収縮が起こるのです。

 また、発汗により血液中の水分やナトリウムが排出されると他の電解質のバランスも崩れて、神経や筋肉が興奮しやすくなることも要因です。

 一方、睡眠中に足がつるのは「冷え」による血行不良が主だといいます。
「たとえば涼しい部屋で足を出して寝ていると、冷えて血流が悪くなり、足がつりやすくなります。
そもそも睡眠中は体幹部に血液が集まるので、手足の血流が低下し、足がつるリスクが高まるのです」

 そんなリスクを避けるには、適度な運動をして足の筋肉をつけること。
筋力が低下すると血流が悪くなり、筋肉に十分な栄養が行き届かなくなりがち。

 すると筋肉が疲労しやすくなり、ますます足がつりやすくなるのです。

頻繁に足がつる場合は、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、糖尿病、腎不全、下肢静脈のうっ血や閉塞性動脈硬化症などの病気が潜んでいる恐れもあります

 これら病気の可能性も視野に入れつつ、まずは筋力アップを目指しましょう!
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2016年06月27日

最高の医療を受けるには「患者力」が必要だ

医者に任せっきりの「二流患者」は損をする
(東洋経済オンライン 2016年06月25日掲載)
2016年6月25日(土)配信 中村 陽子 :東洋経済 記者

病院ランキングや名医ガイドのたぐいが相変わらず人気を集めている。
だが、『一流患者と三流患者』を書いた米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター永代教授の上野直人氏は、こうした風潮に異論を唱える。
同氏は、最高の医療を保証するのはランキングでもブランドでもなく、患者自身がいかに医療に参加するかの「患者力」だと力説する。

■一流と二流、三流の違いは

──タイトルの「一流患者」「三流患者」とは? 医者と一緒に考え、治療を選択し、納得のいく治療を選び取れる患者さんを一流患者としました。
それに対し、医者の言うことはすべて受け入れ、自ら考えることなしに一言「お任せします」の患者さんを二流患者
文句ばかりで病院との信頼関係を作れないモンスター患者を三流患者としました。
最低限のことしか病院から引き出せず、本人が損するタイプです。

あえて一流、三流と呼びますが、その意図は患者間に優劣をつけることではなく、自分の患者力がどのレベルにあるかを見直して、よりよい医療を受けられるよう、スキルを上げることです。

──「お任せします」はもう通用しない?
自分の身を守るためにも、二流患者の物言わぬスタンスは、ぜひ改めてほしいです。
新しい治療法や薬が出て治療の選択肢が増え、医療はどんどん高度化、細分化している。
医者は膨大な情報と日々格闘しており、正直手いっぱいです。
医者も人間。
国家試験は医療従事者として最低限の能力を保証するものであって、運転免許証を持っていても自動車事故が起きてしまうのと同じ。
丁寧な運転の人もいれば暴走癖の人もいる。

この医者は大丈夫か、本当に自分のことを考えてくれているか、患者はつねに質問をぶつけて突っつくことが大切です。
医者との会話で医者を試す、といってもいい。

この治療法でいいか、ほかの治療法はないか、組み合わせはどうか。自分の生き方に合った最適な治療を医者から引き出していくのです。

みんな遅かれ早かれ病院の世話になるときがやってくる。
病気に向き合う準備を先延ばしにせず、たとえば風邪を引いて受診するときなど、今から練習を始めてほしいのです。

──まずは、この薬は何のための薬ですか、と聞くことからですね。
そう、とにかく質問です。
何となく引っ掛かったら必ず聞くことを習慣にする。
なぜこの病名か、なぜこの診断か、なぜこの検査をするのか、なぜこの薬か、なぜ効かなかったのか。Why(なぜ)をつねに問う。自分が直面している事実を理解するためです。

専門用語の羅列でわからないなら、わからないとハッキリと言う。
なぜ?を重ねることで、自分の理解も深まっていく。
医者にとっては、質問が気づきのきっかけにもなります

見落としや別の可能性に気づいて、より多くの選択肢が提示できるかもしれない。
それから診察時には必ずメモ帳とペンの持参を。

一言断って会話を録音するのもいいし、誰かに付き添ってもらって話の受け手を増やすのもいい。
医者とのコミュニケーションは真剣勝負。
一言も漏らさず聞くぞという意気込みでいきましょう。
疑問は放置せず、その場でも次回でもよいので、必ず聞くようにしてください。

話を理解できたかどうか確認するのにいちばんいい方法は、自分が受けた説明を他人に話すこと。
聞かされた側が要領を得ないようなら、自分がちゃんと理解できていないってこと。

次回受診時に、医者相手に話して反応を見る。
僕の場合は大抵僕のほうから聞きますね。
どう、ちゃんと理解してる?ちょっと話してみて、と。これは必ずやります。

ネットで得た情報は医者と共有を
──病気の医学的な正式名を必ず聞くことも強調されていますね。
ネットで調べるとき、正式な病名で検索したほうが情報が精査されます。
セカンドオピニオンを取る際にも意思疎通がスムーズになる。

それから、ネットで得た情報は医者と共有し、わからないところは医者に聞くようにしてください。
僕の患者さんはネットで見たものをプリントアウトして持ってきますよ。
僕もそれを歓迎していて、必ず情報共有しようと約束します。
ネットで見つけたサプリメントや代替療法を試したいなら、その前に絶対見せてくださいと。
プリントアウトを見ても判断がつかない場合は、自分でもサイトを見に行きます。
そこまでするのが医療従事者の責任ですから。

──日米の差は患者力の差だと書かれていますが。
実際には米国の患者だって一流ばかりでは全然ない。
ただ米国では、患者力を与えることが重要だという意識を医療側が持っていて、病院全体で患者を一流に引き上げていく仕組みというか、サポートが日本よりはある。

まず医者が患者に質問を促します。
小児科なら、子供の患者に対し「質問はないか」と必ず聞く。
親がいると話しにくいなら席を外してもらう。
そうやって医者に質問することが当たり前という感覚を育てていく。
そうした中で、優れた患者がキャッチボールを通して育つ可能性が高いというだけ。

 ──日本ではまだ、躊躇してしまう患者も多いかもしれません。
でも、質問し情報を正しく把握することは、日常生活のあちこちでやっていることでしょう。
医者に対してだけ、恐縮して言えないとか遠慮してしまうとか、聖域視する必要はないし、そんな神話はなくさないといけない。
医者には説明責任が、患者には医者の言葉を理解しようとする責任があります。

医者が投げたボールをきちんと受け止め、しっかり投げ返す。
説明下手だったり面倒がったりするような医者の悪投は「ちゃんと投げて」と投げ返す。

大事なのはキャッチボールです。
キャッチボールする理由の一つは、相手がまっとうな医者かどうかを見極めることでもある。
患者が要求しないから医者が変わらない

──何といっても「3時間待ち3分医療」の現実があります。
現状のシステムを変えるためには、患者側からの突き上げが必要です。
医療側には大きなプレッシャーになる。

10年経っても20年経っても何も変わらないのは、誰も要求しないから。
もっと説明を受ける時間が欲しい、それが要求である、とわからせないといけない。
動かすのは患者団体などではなく、やはり個々の現場です。
消費者ベースの市場なのに、消費者が声に出さないから市場ニーズが低い状態のままなんです。 日本のモノやサービスの質が成熟しているのは消費者が要求したから。
それと同じ。
医療だけを聖域視するのはおかしい。
現実に、患者とともに医療を進めていきたいと考える若手や中堅の医者はとても多くなっています。
医者が患者の面倒を見る時代から、医者のよさを最大限引き出すために、患者が医者を試し育てる時代へと移行しているのです
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2016年07月04日

駅のポスターに思う…無用なリスクを避けるために

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
駅のポスターに思う…
無用なリスクを避けるために
2016年7月1日 読売新聞

 今日は、リスク回避のお話です。
沢山 の人が一緒に暮らしている以上、いろいろなトラブルが生じますね。
そんなトラブルが原因で、傷害事件や過失致死事件にまで発展することもあります。
病気と並んで 怪我 を回避することも大切な長生きの 秘訣 ですね。

さて、「みんなで手すりにつかまろう!」というポスターをご存じですか。
黄色の背景にエスカレーターが描かれていて、利用している人は手すりを持って左右どちらにも立っています。
つまり、エスカレーターの片側を空けて歩いたり、走ったりするのは 止めましょうというメッセージです。
 東京駅や上野駅など僕が利用する駅でもちょくちょく見ます。

さて、そんなポスターを素直に信じて、右側に立って手すりを持っていたら、年配の御夫婦から「関東では左に立って、右を空けるのがルールですよ」と親切なお言葉をいただきました。
そして、壁に貼ってあるそのポスターを指でさして納得していただきました。

 また、別の駅で右側の手すりを持って立っていると、後方から来たちょっと怖そうなお兄さんに「どけ!」と言われました。
この時は、横のポスターを指し示すようなムードではなかったので、左側によけて、彼が駆け上がる通路を空けました。

駅員に聞いてみると…
 このキャンペーンは、 HP上でのパンフレット を見ると、昨年の7月21日から8月31日に行われたもので、後援が国土交通省と消費者庁、そしてJR各社や私鉄各社、地下鉄各社など約50社が名を連ねています。
そのポスターが貼ってあります。

 そして、駅員の方に聞いてみました。すると、なんと何人かの駅員の方は、「左に立って、右を空けて下さい」と答えるではないですか。
このポスターの写真をスマートフォンで見せると、その存在も、その意味するところも知っています。
では、「僕はこのポスターに従って、左でも右でも好きな方に立って、手すりを持てば良いのですか」と尋ねると、なんとも返答に窮するのです。
そこで、JR東日本にも電話で確認をしてみました。

上野駅と東京駅、そしてJR東日本の駅でこのポスターをよく見かけるものですから。
すると、対応した女性も、このポスターの存在も、そして意味するところも知っています。
 そこで、僕は質問しました。
「女性専用車両だから男性はご遠慮下さい」とか、「車内マナーの向上のために携帯電話の使用はお控え下さい」とか、「リュックは背負わずに、前に抱えるか、下に置きましょう」とか、「足は組まずに、席は詰めて座りましょう」とか、うるさいと感じるほど車内アナウンスをするのに、
なぜ、「エスカレーターは国土交通省と消費者庁の後援で、そして鉄道各社の総意で、手すりを持って利用することになりました。
従って、左右どちらにでも立って、そして手すりを持って安全に利用して下さい」という車内アナウンスや、構内アナウンスをしないのかと尋ねると、これもまた、回答はありませんでした。

「お客様のご意見として社内に周知致します」という返事です。
書面の回答を希望しましたが、「そのシステムはありません」との御返事でした。
真剣に取り組むつもりがないのなら…

 問題は、本気で取り組まないポスターを貼ると、乗客同士のいらぬトラブルが多発するということです。
こちらは親切にも知らせているのに、なんとも無責任な回答ですね。
「みんなで手すりにつかまろう!」といったポスターを貼らなければ問題は大きくなりません。ところが、こんなポスターを貼って、真面目にそれを見て実行した人、そして、「そんな 奴やつ らは邪魔だ」と思う人、また常識がないと思う人たちとの 軋轢が生じるではないですか。
これこそ、無責任なリスクの増大そのものです。

 病気に関しては、ほんのちょっとの良いことを一生懸命探して、テレビやメディアは毎日のように発信しています。
「エスカレーターを歩かないように」というメッセージの根底には、本来は歩かないように設計されているエスカレーターを歩くことによって、エスカレーターを正しく利用している人が事故に遭って怪我をするからこそ、そんなポスターができたのでしょう。
 そして、「みんなで手すりにつかまろう!」といったポスターを貼るならば、真剣にそれを実行しないと、実行した人が 馬鹿 をみることになりますね。
なんとも、いいかげんな対応と思っています。

病気でも怪我でもリスクを減らすことが何より大切です。
ある意味、真剣に取り組むつもりが鉄道会社にないのであれば、「みんなで手すりにつかまろう!」などという乗客の精神的軋轢のリスクを増大させるようなポスターは、早々とやめた方がいいと思っています。

階段を使ってリスク回避
 そんなことがあって、僕は極力エスカレーターには乗りません。
階段を利用します。
また乗るときは左側に立って乗っています。
そして関西に行けば右側に立って乗っています。
無用なリスクを極力避ける。
これは病気や怪我に対しても言えることですよ。
本当に無責任なポスターだと思っています。
真面目に実行した人がトラブルに巻き込まれないことを願っています。

人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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2016年07月06日

介護のために追い詰められ殺人する悲劇が続々

介護のために追い詰められ
殺人する悲劇が続々
2016.07.05 16:00 NEWSポストセブン

 介護のために追い詰められ、長年連れ添った妻や夫を、あるいは親を手にかける──。
そんな悲惨な事件が、いまや決して他人事とはいえない状況になっている。

 6月25日、埼玉県坂戸市で87歳の夫が85歳の妻を殺害する事件が発生した。
足腰が弱り、物忘れがひどくなっていた妻を、夫がおよそ10年にわたって介護してきた。
しかし「俺はもうダメだ」と、介護用ベッドで寝ていた妻の首を手で絞めたり、鼻や口を手で強く押さえつけたりして殺害したのである。

 殺された妻は6月上旬に市内の介護施設を出たばかりで、近く再入所する予定だったという。
なぜこのタイミングで殺人が起きてしまったのか。

「この地域の人は昔気質で、自分たちが介護されたり、老人ホームのやっかいになったりするのを嫌がる人も多い。
殺してしまった旦那さんも、『息子たちの負担になる』ことを一番気にしていた」(近隣住民)  

親の介護に疲れた子供が親を殺した事件もある。
昨年11月21日、埼玉県深谷市を流れる利根川で、両親の面倒を見ていた三女(47)が一家心中を図った、“利根川心中”事件である。

 三女は認知症とパーキンソン病を患う81歳の母親の介護を10年以上続けていたが、新聞配達で一家の家計を支えてきた74歳の父親が病に倒れてしまう。
父親と三女は生活保護を申請したが、その翌日に父親が心中をもちかけ、三女も同意したという。
 三女は両親を車に乗せて利根川に突っ込んだが、屋根まで水没しなかったため、車を出て右手に父親、左手に母親の服をつかみ、水深が深い方へと進んだ。
「死んじゃうよ、死んじゃうよ」と手足をばたつかせる母に「ごめんね、ごめんね」と繰り返し謝り続けたという。
 いつのまにか父親の服からも手が離れ、三女も流れに身を任せていたが、浅瀬に流れ着き、ひとり死ぬことができなかった。

 殺人と自殺幇助の罪で起訴された三女は、被告人尋問で「本当は3人で死にたかった」「父を証言台に立たせることにならずによかった」と嗚咽(おえつ)を漏らした。
6月23日、さいたま地裁が言い渡したのは懲役4年の実刑判決だった。

 周辺住民によれば、3人はとても仲のよい親子だったという。
「娘さんはお母さんの認知症がひどくなったために、仕事を辞めたと聞きました。
よくお母さんと一緒に散歩していて、その時は笑顔を見せていたのに……」
 献身的な娘が両親を殺さなければならない。
それが日本の現状なのである。

※週刊ポスト2016年7月15日号
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浪費誘う「安い」「無料」の巧妙な罠

松崎のり子「誰が貯めに金は成る」
「おトクだ!」と錯覚して
実は高額な無駄遣い…
「安い」「無料」の巧妙な罠
2016.07.06 Business Journal

 いよいよ、夏のボーナスシーズン。
つい、財布の紐が緩みがちになる時期だ。
ショップにはバーゲンやセールの文字が躍り、インターネット通販はポイント倍増のキャッチコピーで誘惑してくる。

 どうせ買うなら、なるべく安く買いたい。
それが人間の心理だ。
ところが、誰もが持つ「安く買いたい」「損はしたくない」という感情が、なぜか不要な出費を招くことがある。

 例えば、ネット通販で買い物をして、いざ決済という場面になると、「あと3000円買うと送料無料!」というメッセージに出くわすことがある。
それを見ると、「そうか。じゃあ、ついでに何か買おうかな」と素直に買い物を続ける人が多いだろう。
 そして、3000円きっちりの買い物をするのは難しいため、どうしても多めに買うことになる。

しかし、ここで冷静に考えてみよう。
そもそも、その買い物に3000円以上の送料はかかるだろうか?
 届け先がはるか遠くの離島だったり、クール便や大型便だったりしない限り、そこまで多額の送料にはならないと思われる。
 それなら、素直に送料を払うほうが、不要な3000円の買い物をするよりも得なはずだ。
しかし、「送料を払う」=「損をする」という認識になるため、なぜか多くお金を払う行動をとってしまう。

損を嫌うあまりに損をする――この不合理な思考が、人間の心理に生じる「お金が漏れて行く穴」なのだ。

 実は、私たちにとってお金の価値は一定ではない。
例えば、1万円をもらった時の喜びと損をした時のショックを比較すると、同じ金額なのに、損をした時のダメージのほうをより強く感じるというデータがある。

 人の選択や行動は実は合理的ではなく、ごく主観的な部分で左右されると提唱した「プロスペクト理論」というものがある。
これを展開した心理学者のダニエル・カーネマン氏はノーベル経済学賞を受賞しており、同理論は金融の世界でも注目を集める「行動経済学」の元となった。
 とはいえ、これは小難しい話ではない。

身近なのは「松竹梅の罠」といわれる心理だ。
定食屋に入り、梅(950円)と竹(1500円)の2種類の和定食があった場合、我々は安いほうの梅を選ぼうとする。
次の日、別の店に行くと、今度は竹の上に松(2000円)というメニューがあった。
すると、つい真ん中の竹を選んでしまうのだ。梅より550円も高いのに!

 これは「極端の回避性」とも呼ばれるが、人は安すぎたり高すぎたりするものをなかなか選ばない傾向があるからだ。
どちらも損をする可能性があるなら、一番無難な中間を取ろうと考える。

 つまり、店側にすれば、一番売りたい商品の上にワンランク上位の商品を置けばいい。
「誰が買うのか」と思うようなハイスペックすぎる高価な家電製品が通常スペックの商品と並んでいるのは、この心理をついているからともいえる。

買い物に行った先で、つい当初の予算より値段が高い“真ん中”の商品を選んでいないか、自問してみたほうがいいだろう。

人間の金銭感覚は簡単に狂わされる!

 金額を錯覚することによって、余計な出費をしてしまう事例もある。
バーゲン会場で見かけるのが「アンカリング効果」だ。
もともとの値段が5万円のスーツに「50%オフ」という値札がつけられていたとたん、「これは安い!」と思ってしまう。
 もし、隣に定価2万5000円のスーツが並んでいたとしても、つい50%オフのほうを選ぶだろう。
これは、「2万5000円」という価格が安いかどうかという判断ではなく、最初の5万円がアンカー(錨)になってしまい、それより値下げされているだけで「安い!」と感じてしまうからだ。

 同じような錯覚は、最初に認識した金額によっても起きる。
「そろそろ、マイホームを買おう」と考え、物件を見に行ったとする。
最初の予算は3200万円だったが、3500万円の物件を見たら、それもなかなかいい。
3200万円という数字が出発点になっているので、3500万円を見ても、2つの金額にあまり差がない気がしてくる。
それどころか、「間を取って、3300万円あたりの物件もいいか」などと考える。
 実際は100万円単位で違うのだから、かなりの差があるだろう。
我々は、最初に大きな数字を見てしまうと金銭感覚が惑わされやすい。

よくいわれる「100万円近い価格の車を買った後は、3万円のオプションを気軽に契約してしまう」というのは、これと同じ錯覚によるものだ。
普段は、105円の缶酎ハイを買うか115円の発泡酒を買うか、真剣に悩むというのに。

 金額の錯覚を排除するには、まず数字だけを思い浮かべるといい。
はたして、スーツ代の2万5000円が財布からなくなっても困らないか。
これだけあれば、5回は飲みに行けるかもしれない。
マイホームなら、予算オーバーの100万円を貯めるのに何年かかるだろうか。
頭金を貯めるのにあれだけ節約したというのに……。

そもそも、このような冷静さを保つことができる人なら、こんな錯覚には陥らないともいえるのだが。

「割引」より「100円均一」のほうがよく売れる?

 我々の消費欲をそそる罠は、まだまだある。
表現や見せ方によって、受ける印象や選択するものが変わる現象を「フレーミング効果」という。
 例えば、100人のうち、「あるダイエット法でやせた人が40%」といわれるのと、「6割の人が、体重が変わらなかった」といわれるのでは、受ける印象が真逆になる。
言っていることは、同じだというのに。

 先日、電撃退任したセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文元会長も、自著のなかで「行動経済学をビジネスにとり入れていた」と語っている。
例えば、コンビニおにぎりのような少額商品の場合は、「○%引き」という比較表示よりも「100円均一」というセールのほうが売り上げが上がるという。
 また、衣料品のセールでよく見る「20%割引」の代わりに「代金の20%をキャッシュバックする」というキャンペーンを行ったところ、大ヒットしたこともあるようだ。

 この例は、いずれもフレーミング効果によるものだ。
割引の金額は同じでも、表現によって、人はだまされてお金を使ってしまうという好例だろう。

この世は、いかに我々に気付かれずに消費させるかという罠に満ちているのだ。
 罠は、ほかにもまだまだある。
「安い」「トク」「無料」「ポイント倍増」「キャッシュバック」……そんなキーワードを見たら、くれぐれもご用心を。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)

●松崎のり子
消費経済ジャーナリスト。
生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。
「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。
また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。
著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
Facebookページ「消費経済リサーチルーム」
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2016年07月07日

社会保障 将来の不安に応えよ

社会保障 将来の不安に応えよ
2016年7月6日 東京新聞「社説」

 参院選の世論調査で関心の高い政策のトップは「社会保障」だ。
それだけ将来への不安が強いということだろう。

各党には、社会保障を具体的に語ってほしい。
 この三年間で、個人消費を支える中間層が減少し、高所得層と低所得層への二分化が進んでいる。
 子ども、現役世代、高齢者と、全世代で貧困・格差が広がる。
生活保護を受給する世帯のうち、高齢者を中心とする世帯が今春、初めて五割を超えた。

 日本世論調査会の調査で社会保障制度について「安心できない」「あまり安心できない」と回答したのは計七割超に達している。

 消費税の増税を財源に社会保障の充実・安定を図るとした社会保障と税の一体改革の枠組みは、二度の増税延期で破綻している。
 その一方で、社会保障の切り下げはどんどん進む。
二〇一五年度から介護保険について、一定所得以上の利用者負担が引き上げられたほか、介護施設に入る低所得者への補助縮小などの給付カットが実施されている。
医療保険の自己負担も上がった。
年金も目減りし、生活保護も減額された。

 安倍政権は昨秋、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」をつくるとして「介護離職ゼロ」などの目標を掲げた。
しかし、その足元で介護保険の軽度者向けのサービスの一部を保険対象から外すなど、さらなる給付カットが検討されている。
介護離職ゼロどころか、介護離職者を増やしかねない。

 急速な少子高齢化が進む。
全人口に占める高齢者の割合は四人に一人となり、五十年後には四割を超える見通しだ。
高齢化により社会保障費は、毎年五千億〜六千億円増え続けている。
とはいえ、このまま一律にカットを進めれば、弱い人はより追い詰められる。

 社会保障の給付と負担はどうあるべきなのか−。
与野党の論戦では、十年後、二十年後を見据えた将来像は語られないままだ。
これでは、国民の不安が募るのも当然である。
将来への不安は消費をも停滞させる

 病気になる、失業する、介護が必要になる−。
こうした個人のリスクに社会全体で備える「生活の安全網」が社会保障であり、その機能の劣化は許されない。

 誰もが生き生きと暮らせる社会を実現するために、再分配機能を強化したい。
財源には、高所得層や富裕層への課税率引き上げも必要だ。
「支え合い」の制度を空洞化させてはならない。
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2016年07月14日

<皇室>天皇陛下「生前退位」意向 数年内に譲位望む

<皇室>
天皇陛下「生前退位」意向 
数年内に譲位望む
毎日新聞 7月13日(水)21時31分配信

 天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁関係者に示されていることが政府関係者の話で分かった。
数年以内での譲位を望まれ、宮内庁は、近く陛下自ら国民に向けてお気持ちを表明する方向で調整を進めている。

皇室制度を定めた「皇室典範」に天皇の退位に関する規定はなく、今後、皇室典範の改定を含めた議論が始まる可能性がある。

 陛下は現在82歳で、125代の天皇の位にある。
2012年2月に心臓の冠動脈バイパス手術を受けた後は宮中祭祀(さいし)を減らすなどする一方、高齢となった今も、憲法に規定された国事行為や震災などの被災地のお見舞い、外国元首との会見など多くの公務を続けている。

 関係者によると、陛下は公務を大幅に削減することや、摂政などの代役を立てる形でご自身が天皇の位にとどまることは望まれていない。
また、「憲法に定められた象徴としての務めを十分に果たせる者が天皇の位にあるべきだ」との考えを持っており、ご意向は、皇后さまや皇太子さま、秋篠宮さまにも示されているという。  

陛下は、天皇が象徴と位置づけられた現憲法下で初めて1989年に即位。
皇后さまと臨んだ即位の会見では「憲法に定められた天皇の在り方を念頭に置き、天皇のつとめを果たしていきたいと思っております」と述べた。

「象徴天皇」の在り方を求め、皇太子時代から続けてきた障害者施設への訪問のほか阪神大震災の被災地訪問などを続けてきた。
即位10年の会見でも「障害者や高齢者、災害を受けた人々、あるいは社会や人々のために尽くしている人々に心を寄せていくことは、私どもの大切な務めである」と述べ、平成時代の天皇像を形づくってきた。

 宮内庁は陛下が高齢になるにつれ負担軽減策を探ってきた。
08年12月に心労が原因とみられる不整脈などで体調を崩したことを受け、09年1月には式典での「おことば」の多くを取りやめるなどの軽減方針を発表。
陛下は12年2月には心臓の冠動脈バイパス手術を受けたが、その直後の東日本大震災の追悼式には出席した。
同年の79歳の誕生日を前にした会見では「今のところしばらくはこのままでいきたい」と述べた。

 一方で、両陛下が始めた行事を皇太子さまらに引き継ぐことも始めており、「こどもの日」や「敬老の日」にちなんだ施設訪問は14年を最後にしていた。
宮内庁は今年5月には、国や地方の行政機関などの長との面会8件を取りやめるなどの公務見直しを行ったばかりだった。

 宮内庁によると、昭和天皇まで124代の天皇のうち、生前に皇位を譲ることは珍しくない。ただ、明治以降は天皇の譲位はなく、最後の譲位は江戸時代後期の光格天皇という。
 欧州の王室では生前退位は珍しくなく、13年には日本の皇室とも親交が深いオランダのベアトリクス女王やローマ法王ベネディクト16世が退位し、注目を集めた。
          【高島博之、長谷川豊】
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2016年07月15日

満足度が肝心 睡眠に悩む50代が変えるべき「3つの行動」

満足度が肝心  睡眠に悩む
50代が変えるべき「3つの行動」
日刊ゲンダイ 7月14日(木)9時26分配信

 早朝に目が覚めて、眠り直したいのに眠れない。
若い頃のように長時間眠りたい……。
加齢とともに表れる睡眠の悩みを抱えている中高年は多い。

全国で睡眠セミナーを開催している作業療法士の菅原洋平氏に解決策を聞いた。

 人間は、年を取ると睡眠時間が短くなる。
中高年になると基礎代謝が低下して、日中のエネルギー消費量も少なくなる。
そのため、体が必要とする睡眠時間も短くなっていく。

た、年を重ねて過去の経験が増えていくと、睡眠中に脳が行っている「記憶を定着させる作業」に費やす時間も短くなる。
その分、長い睡眠時間が必要なくなる。

 男性の場合、55歳を境にこうした睡眠の変化が表れる。
55歳を越えたら、睡眠時間が短くても問題ないし、若い頃のように長時間眠れないのも当たり前なのだ。
しかし、そうはいっても「やっぱりぐっすり眠りたい」と悩んでいる中高年は多い。

解決策はあるのか?
「睡眠を考えるとき、重要な要素が3つあります
@質(深く眠れているか)
A日中に眠くならないか(睡眠時間が足りているか)
B満足度(本人が納得できているか)です。

@とAに問題がない場合でも、本人が納得していないBの状態だと、〈あなたはしっかり眠れていますよ〉といくら説明しても、睡眠の悩みは解決しません。
逆に、Bさえ満たされていれば、@とAが不十分でもトラブルは解消されます」

 中高年の睡眠の悩みは、いかにB満足度を高めるかが重要なのだ。

 睡眠の満足度が低い人は、他人と比較して自分は劣っていると感じているケースが多い。
睡眠に対する感覚はあいまいで、実際は他人と自分を比べて優劣は決められないのに、いたずらに焦って悩んでいるという。
「ただ、いくら他人と比べないようにとアドバイスをしても、自分の〈考え方〉を変えることは難しい。
そこで、まずは〈行動〉を変えてもらいます。
行動を変えると考え方も変わり、満足度が高まるのです

 変えるべき行動は3つ
@早い時間にベッドに入らない
A夜中に目覚めても時計を見て時刻を確認しない
B早く起きたからといって早く行動を始めない。

これを2週間続けると、考え方が変わり、睡眠の満足度も高くなるという。

「身体的な障害ではなく、睡眠に悩んでいる中高年に質問をすると、

@〈長時間寝たいと思っているから、早くベッドに入ろうとしていませんか?〉
A〈夜中に目覚めてしまったことを確認するために、時計を見ていませんか?〉
B〈早く目覚めて時間を持て余してしまうから、早く行動を始めていませんか?〉の3つにイエスと回答する人がほとんどです。

ぐっすり眠りたいからと行っている行動が、かえって満足度を下げてしまっていることに気が付いていない。
そこで、まずは行動を変えてもらいます」

■15分眠れなかったらベッドを出る

 少しでも長く寝ようとして早い時間にベッドに入ると、逆に寝付けなくて焦り、どんどん眠れなくなっていく。
15分眠れなかったら、ベッドから出る。
軽くストレッチなどをしながら、眠くなったらベッドに入るようにすればいい。

 夜中に目覚めて時計を確認する行動は、覚醒のリズムを早めてしまう。
「脳は、起床する3時間前から覚醒を促すホルモンのコルチゾールを分泌し始めます。
夜中に目覚めたときに時計を確認して〈3時に起きてしまった〉という行動を繰り返すと、脳には〈3時に起床する〉というプログラムが組まれ、それに合わせて、コルチゾールの分泌を開始してしまうのです」

 早く起き過ぎてしまう人は、睡眠を促すホルモンのメラトニンの分泌が前倒しになっている。

「メラトニンは網膜が光を感知した時点で分泌がストップします。
早すぎる時間に目覚めてそのまま日光を浴びてしまうと、脳はその時間が〈朝〉だと認識して、メラトニンの分泌リズムを早めてしまう。

早く起きすぎてしまったらベッドから出て、自分が起きたい時間まで、暗い中で過ごす。
目標の時間になったら、カーテンを開けて照明をつけるようにしてください」

 睡眠で悩んでいる中高年は、まずは3つの行動を変えるべし。
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2016年07月21日

ガソリンスタンド過疎地&石油難民の激増が社会問題化…生活維持が困難、首都圏でも

ガソリンスタンド過疎地
石油難民の激増が社会問題化…
生活維持が困難、首都圏でも
2016.07.20 Business Journal

鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」/ジャーナリスト

 約1年前、本連載でガソリンスタンド(以下、SS)が急激に減少し、地方の過疎地で“石油難民”を生み出している実態を指摘した。

SSの減少はその後も止まるところを知らず、危機感を抱いた経済産業省資源エネルギー庁を中心とした関係団体は、「SS過疎地対策ハンドブック」なるマニュアルを作成する事態にまで至っている。

 このハンドブックは、経済産業省資源エネルギー庁、石油元売各社、全国農業協同組合連合会、石油連盟、全国石油商業組合連合会(各都道府県石油商業組合)で組織された「SS過疎地対策協議会」が作成した。

 SS減少の実態をみてみると、全国のSS数は1994年度末の6万421カ所をピークにその後は減少が続いており、14年度末時点で3万3510カ所と約半数に減少している。
その原因はガソリン需要の減少、後継者難等によるところが大きい。

 ガソリン販売量は、少子高齢化や自動車の燃費向上等といった構造的な要因のため、今後も減少傾向が続くとみられている。
この販売量の減少は、SSの減少に直接的に影響を与えている。

SSでは商品の差別化が難しいことから、どうしても価格競争に走ることになる。
特に人口減少が著しい地域ではSSの収益率が低下している。

突如としてSS過疎地問題に直面

 地域別に分析すると、首都圏など大都市部での減少率が大きい。
2005年度末から14年度末の10年間でSSの減少率は全国平均が29.6%なのに対して、東京都では37.9%、大阪府37.1%、神奈川県35.0%も減少している。

これは、セルフ化による設備大型化に関わる投資が進みやすく、SSの集約・統合が進んでいるためだ。
都市部のSSはコンビニエンスストアなど他業種への転業がしやすいという特徴がある。

 一方で、SS過疎地の多い地域では、過疎そのものの影響によりSSの転廃業が進みにくく、同期間の減少率は沖縄県では15.8%、北海道22.9%、富山県23.3%、長崎県23.8%となっている。
これらの地域では、設備更新が進まず設備の寿命や経営者の高齢化に伴いSSの閉鎖・共倒れが相次ぎ、突如としてSS過疎地問題に直面するリスクがある。

 都市部と過疎地では月間のガソリン販売量が大幅に異なる。
全国平均132キロリットルなのに対して、都市部では476キロリットルと3倍以上の販売量があるのに対して、過疎地では24キロリットルと全国平均の6分の1程度の販売量しかない。  

全国的にみても、販売量が少ないほど営業利益が赤字となりやすい傾向にあることから、SS過疎地では燃料油販売だけでは販売業者は生計を立てられない状況に陥っている。
これを放置すると今後さらにSS過疎地が増大し、多くの地域で石油製品の安定供給に支障が生じる恐れがあり、ひいては地域の衰退につながることが懸念される。

首都圏だからこそ過疎が発生しやすい地域も

 では、実際にSS過疎地の石油難民の実態はどうなっているのか。
SS過疎地は、市町村内のSS数が3カ所以下の自治体として定義されており、12年度末から公表されている。
その数は、12年度末257、13年度末は265、14年度末283市町村と着実に増加している。

 一方、同一市町村内にSSが少ない場合であっても、隣接自治体で営業するSSが相当数に上り、そこで給油を行うことなどにより、実際の生活上で燃料供給に関する支障が生じていない地域も存在する。
そこで、「最寄りSSまでの道路距離が15km以上離れている住民が所在する市町村」も調査されており、その数は257カ所となっている。

 では、どのような市町村がSS過疎地になっているのか。
15年度末時点でSSがゼロの市町村は全国に11町村ある。
このなかには、大阪府豊能郡豊能町が含まれている。
1カ所なのは71町村で、都市部でも埼玉県1カ所、東京都3カ所、神奈川県5カ所が含まれている。
ちなみに、SSが2カ所なのは100町村、3カ所なのは106市町村に上る。

 さて、「最寄りのSSまで15km以上離れている市町村」257カ所と「市町村内のSS数が3カ所以下の市町村」288カ所で重複している、SS過疎地中の過疎地は49町村となっており、埼玉県の秩父郡小鹿野町や東京都の西多摩郡檜原村、西多摩郡奥多摩町なども含まれている。

このことから首都圏だからといって過疎が発生していないわけではなく、むしろ首都圏だからこそ過疎が発生しやすい地域があることがわかる。

 同マニュアルでは、こうした近隣にSSがない地域では自家用車や農業機械への給油や、移動手段を持たない高齢者への冬場の灯油配送などに支障を来すといった石油難民が大きな問題となっており、
過疎地の販売業者を維持し石油の安定供給を行っていくためには、地域のニーズにこたえる総合生活サービス拠点として、SSがビジネスの多角化に取り組むことが不可欠と指摘している。
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2016年07月22日

重大病の“サイン”かも…高齢者の「むくみ」を甘く見るな

重大病の“サイン”かも…
高齢者の「むくみ」を甘く見るな
2016年7月21日 日刊ゲンダイ

 高齢になると足がむくみやすくなる。
比較的ありがちな症状だが、甘く見ていると命にかかわる重大病を見逃してしまうかもしれない。
高齢者の病気に詳しい「東京都健康長寿医療センター」(東京・板橋区)循環器内科の原田和昌副院長に話を聞いた。

 一般的に、高齢者は若い世代に比べて運動不足になるため、むくみが起きやすいという。
「血管には動脈と静脈があり、動脈は心臓から押し出される圧力で血液を全身に循環させています。
一方の静脈は、全身に栄養を届け終わって心臓に戻っていく血液を循環させていて、足の筋肉の圧力をポンプとして利用します。
運動不足が続くと足の筋力が弱り、ポンプの力が衰えてしまう。
すると、静脈の循環が滞り、余分な水分や老廃物が血管から染み出して、むくみが起こるのです」

 この静脈の滞りがさらにひどくなると、「深部静脈血栓症」(エコノミークラス症候群)を発症してしまう。
震災時などの避難生活で車内での寝泊まりが続き、体を長時間動かさずにいると静脈が滞り、足がパンパンにむくむ。
そして、静脈でできた血栓が肺などに飛んで、ショック死を引き起こすのだ。

 高齢者は血流が滞りやすいため、普段から6時間以上同じ姿勢でいることは避けたい。
 ある程度、体を動かしているのに足がむくんでいるという人は、他の病気の疑いがある。

■「よくあること」とは考えない

 まずは、心臓、腎臓、肝臓といった重要臓器の機能障害によるむくみに注意したい。


「最も危険なむくみは『心不全』によるものです。
両足がむくんで、歩くと息切れ(労作時息切れ)が起こります。
心臓に障害が起きて静脈全体の圧力が上昇し、静脈から筋肉やリンパに水分などが漏れ出してむくみが生じます。
死に直結する病気なので、兆候が見られたらすぐに病院で診察を受けてください」

 腎障害によるむくみも深刻だ。
これは両足だけでなく、体全体がむくむという。
「高血圧や糖尿病を長期間放置したり、過度の疲労などで腎臓に負担をかけ続けると、腎障害が起こります。
すると、腎臓での水分排出のコントロールがうまくいかなくなり、体がむくむのです。
腎臓病自体は、一般的にはゆっくりと進行して最後に腎不全から透析に至るもので、直ちに死に直結することはありませんが、タンパク質を尿から大量に失ってむくみが起こる『腎症・ネフローゼ症候群』が突然発症した場合は注意が必要です。
腫瘍随伴症候群の可能性が高く、とくに肺がんが疑われます」

 がん細胞に対抗するために、体内で生まれる抗体と抗原が結合した免疫複合体の作用で起こる膜性腎症が原因。
腎臓に問題がなかったのに、突然、体全体のむくみが表れたら、すぐに医師の診察を受けるべきだ。

 また、高齢者には「肝硬変」によるむくみも多い。
お腹や足にむくみが生じる。腹水がたまるため柔らかく、“カエル腹”とも呼ばれている。
これも早めの治療が必要だ。

 臓器の機能障害ではなく、「低栄養」によるむくみも侮ってはいけない。
高齢になって食事量が極端に低下したり、偏食が続くと、血清中にあるタンパク質の一種「アルブミン」が不足してしまう。
「アルブミンには血管内外の水分のバランスを調整する役割があるため、アルブミンが不足すると水分が血管内から外に染み出してむくみが出るのです」

 低栄養の人は心血管疾患で死亡しやすくなったり、免疫力が低下して感染症などさまざまな病気にかかりやすくなってしまう。
放置してはいけない。

 高齢者のむくみは、体に何らかのトラブルがあることを訴えている“サイン”といえる。
年を取ったらよくあることなどと軽く考えず、医師の診断を受けたい。
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2016年07月24日

相次ぐ震度4…“地震の巣”が引き起こす首都圏直下の予兆

地震の巣”が引き起こす
首都圏直下の予兆
2016年7月23日 日刊ゲンダイ  

これは、不気味な兆候ではないか。
20日までの4日間に、関東で震度4規模の地震が3回も起きた。

 最初は3連休の真ん中にあたる17日。
茨城県南部を震源とするM5.0を観測した。
19日千葉県東方沖が震源のM5.2が発生。
20日には再び茨城県南部が震源のM5.0の地震が起き、水戸市、栃木市、さいたま市などで震度4、東京も渋谷区、千代田区などで震度3の揺れを観測した。

 最も頻発しているのは茨城で、体感地震が今月だけで13回も起きている。
「今回の震源地である茨城県南部と千葉県北部が近接する筑波山付近は、ここ数年、地震活動が活発になっています。
地震学者の間では『地震の巣』と呼ばれるほど。
北米プレートの上にあり、東から太平洋プレートがぶつかり、さらに南からフィリピン海プレート相次ぐ震度4…“が重なる。

3.11後、地下にある基盤岩が一挙に動き、非常に“歪み”がたまりやすい状況になっています」(武蔵野学院大の島村英紀特任教授)

■江戸時代まではハイペースで発生
 この100年ほどの間には、M7.2の茨城県南部地震(1895年)、M7.0の茨城・竜ケ崎地震(1921年)など、“地震の巣”の近くで何度もM7クラスの首都直下型の地震が発生している。
「江戸時代まで、首都圏では震度6〜7級の地震が4年間に1度のペースで起きていたという記録があります。
ところが、1923年の関東大震災を機に巨大地震がピタリとなくなり、この90年間ほどは首都圏で震度5クラスの地震が4回しか起きていません。

ただ、“地震の巣”の近くで頻発する最近の地震を見ていると、“異例だった状態”から、江戸時代までの“通常の状態”に戻りつつある印象がします。

今は幸い、M5クラスでとどまり、震源も深いため被害は限られています。
しかし今後、もっとエネルギーが大きい地震が首都直下の浅い震源で発生する可能性もあり得るのです」(島村英紀氏)
 今年4月の熊本地震も“まさか”だった。油断しない方がよさそうだ。
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2016年08月01日

MEGA地震予測 南関東が初の最高警戒レベル5へ

MEGA地震予測 
南関東が初の最高警戒レベル5
2016.08.01 07:00

 測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授の「MEGA地震予測」は、これまで驚異の的中率で読者を驚かせてきた。
7月中旬から関東地方で相次いで発生した地震に不安が募るなか、村井氏は「全国で顕著な異常が見られる。
いつ大地震が起きてもおかしくない」と警鐘を鳴らす。


 首都圏で大地震に対する不安が高まっている。
関東地方では7月17日(茨城県南部)、
19日(千葉県東方沖)、
20日(茨城県南部)と立て続けに「震度4」、
27日には茨城県北部で「震度5弱」を記録する地震が起きた。
これらの地震では発表された震度以上の大きな横揺れを感じたという声が相次ぎ、「熊本の次は首都圏か」と、不安の声も聞こえてくる。

 そんな中、注目を集めているのが本誌で抜群の的中率を残してきた村井氏の「MEGA地震予測」である。
村井氏が警告する。
「全国で一斉異常変動が起きています。危険が大きい5センチ以上の異常変動を記録した電子基準点の数は、1月24日から7月23日までの半年間で約140。
前回の『週刊ポスト』の記事(4月25日発売号)に掲載したマップは同じく半年間(2015年10月18日〜16年4月16日)で約30でしたから4倍以上に増えている。
いつ、どこで大地震が起きてもおかしくない。
特に関東では顕著な異常が見られます。  

我々が発行するメルマガでは、首都圏を含む南関東を史上初の最高位『レベル5』に引き上げ、特別警戒を呼び掛けています」
 測量学の世界的権威として知られる村井氏が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)は、毎週発行のメールマガジン「MEGA地震予測」で最新版の地震予測を公開している。 「MEGA地震予測」は全国1300か所に設置された国土地理院の「電子基準点」のGPSデータに基づいている。

そのデータから地表のわずかな動きを捉え、1週間ごとの基準点の上下動による「異常変動」、地表の長期的な「隆起・沈降」(上下動)、地表が東西南北のどの方向に動いているかの「水平方向の動き」の3つの指標を主に分析し、総合的に予測している。

「レベル5」は5段階ある警戒レベルの中でも、〈震度5以上の地震の可能性が極めて高く緊急性がある〉と「最高警戒レベル」に位置付けられている。

これまで、この「レベル5」まで引き上げられた地域はなかった。
果たして今、南関東に何が起きているのか。

村井氏がいう。
「今回、首都圏を含む南関東では3つの指標全てで異常が見られている。
震度4以上の地震が相次いでいますが、まだエネルギーは放出されきっていないため、今後、さらに大きい地震が起こる可能性は高いと考えるべきでしょう」

◆「これはただ事ではない」

「南関東」に表われている異常とは、具体的にはどのようなものか。まず、6月後半から伊豆半島、伊豆諸島を中心に天城湯ヶ島7.08センチ、三宅8.59センチと、7センチを超える大きな変動が続いている。 「さらに長期的な隆起・沈降のデータでも伊豆諸島の三宅島が隆起している一方、近くの式根島と神津島は沈降し、その高低差は拡大を続けている。

境目には相当な歪みが溜まっていると思われます」(村井氏)

「水平方向の動き」でも、伊豆諸島の大島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島などがそれぞれ別々の方向に動いており、複数の場所で歪みが蓄積されていると考えられるという。

「複数の異常が重なったことから、『これはただ事ではない』と南関東を『レベル5』にしました。
『震度6』を超える大地震がいつ起きてもおかしくない。
ですから、くれぐれも警戒は怠らないでほしい。

多くの人は首都直下型地震を心配しますが、関東のどこが震源になっても地盤の緩い首都圏は危ない」(村井氏)

●JESEAでは毎週水曜日にメルマガ「週刊MEGA地震予測」(月額216円)、スマホ用ウェブサービス「nexi地震予測」(月額378円)で情報提供している。詳しくはhttp://www.jesea.co.jp ※週刊ポスト2016年8月12日号 関連記事

■ 東大名誉教授の最新MEGA地震予測 
千葉、神奈川の異常を指摘
■ 2015年前半 震度5以上の地震警戒すべき首都圏・東海エリア
■ 2015年前半 震度5以上の地震を警戒すべきな奥羽山脈エリア
■ 2015年前半 震度5以上の地震警戒すべき南海・東南海エリア
■ 2015年前半 震度5以上を警戒すべきは九州・南西エリア
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2016年08月02日

いつの間にか“成人病のデパート”と化していた、渡辺徹。 . ここから本文です 渡辺徹、週に3回の人工透析・・・成人病のデパートに

渡辺徹、週に3回の人工透析
・・・成人病のデパートに
デイリー新潮 7月30日(土)5時52分配信

「国民的疾患」とされる糖尿病は、自覚症状が出た時には手遅れの場合が多い。
そのため「サイレント・キラー」とも呼ばれるが、いまや患者数は310万人に達し、さらにその1割の約32万人が人工透析による治療を受けている。

俳優の渡辺徹(55)もその1人で、いつの間にか“成人病のデパート”と化していた。
 ***
 弱冠20歳にして、当時の人気刑事ドラマ「太陽にほえろ!」で華々しくデビューした渡辺も、30年を経たいまは満身創痍の状態だ。
 30歳で糖尿病と診断されて以降、2012年4月には虚血性心疾患が判明し、完全に閉塞した冠動脈の血流を復活させるために、6時間ものカテーテル手術を受けて一命を取り留めた。
 それから1年も経たない13年3月には、急性膵炎で緊急入院を余儀なくされている。
ともに糖尿病による合併症と見られるが、ベテラン芸能記者によれば、 「いずれも経過は順調と言われていました。
ところが最近は、糖尿病がかなり進行しているというのです。
腎機能が低下して慢性腎不全を発症したようで、いまでは週に3回、都内の有名な専門クリニックで人工透析を受けています。
治療の事実を伏せているのは症状が芳しくないのか、イメージの低下を懸念しているのでしょう」
 闘病中ともなれば、CMやバラエティ番組などの出演オファーが見送られかねないのが芸能界である。

 腎臓疾患が専門の、南青山内科クリニックの鈴木孝子院長が解説する。
「慢性腎不全は糖尿病による合併症の多くの割合を占めています。簡単に言うと、腎臓で濾過(ろか)されるはずの老廃物が腎機能の低下によって体内に蓄積されることで、体に変調を来たすというもの。厚労省は全ての腎臓病を5段階に分類しています。慢性腎不全はこの分類の中で最も症状が進んでいるステージ5に相当します。

渡辺さんは若い頃から糖尿病を患っていたということですから、食事制限や運動による体調管理の重要性を甘く見て、怠ってしまったのでしょう」

 透析は1回4時間、それを週に3回繰り返すことが基本だが、これが患者に与える大きな負担の一つという。

■医療費は全額免除

 加えて透析後に襲って来る強い疲労感や倦怠感も患者を悩ませる。
「渡辺さんのように大柄な場合(身長180センチ)は、1回の透析で2〜3リットルの水分を抜くこともあります。短時間に大量の水分が失われるわけですから、中には100メートルを全力疾走した後のような疲労感を訴える患者さんもいますね」

 ただ、透析の間は比較的自由に過ごせるそうで、 「眠っていても、テレビを見ていても構いません。
例えば、舞台や番組の脚本に目を通してお過ごしになることも可能ですよ」

 とはいえ、医療費は高額で、年間500万円から600万円に達するという。
「透析患者は重度の慢性腎不全患者として、身体障害者1級の認定を受けられます。これにより、医療費は全額免除されるのです」
 さて、渡辺に現在の症状について尋ねると、マネージャーを通じて、 「透析を受けているのは事実ですが、症状はそれほど重いものではありません」  との回答が寄せられた。  現在の主な仕事はテレビ番組のナレーターと、ラジオのパーソナリティ。時間の融通が利く芸能人だけに、仕事と治療の両立は上手く行われているようだ。

「ワイド特集 守ってあげたい」より
「週刊新潮」2016年7月28日号 掲載 . 新潮社
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2016年08月07日

関東の水がめピンチ! 家庭の「節水」ウソとホントを知る

関東の水がめピンチ!
家庭の「節水」
ウソとホントを知る
2016年8月5日 日刊ゲンダイ

 先週ようやく関東にも梅雨明け宣言が出たが、梅雨の間もほとんど雨は降らず、関東の水がめは大ピンチだ。
国土交通省関東地方整備局の発表によると、利根川水系のダム8カ所の貯水率は7月31日の時点で56%。
整備局の担当者は
「近年で一番厳しい状況。
まだ一般家庭への影響はありませんが、このまま雨が降らない状況が続くと、給水制限に踏み切る可能性もあります」と言う。
 すでに節水を始めている人もいるだろうが、そもそもどの方法が効果的なのか。
節水方法のウソ・ホントを、節約アドバイザーの和田由貴氏に聞いた。

「家庭の中でもっとも節水効果があるのがお風呂。次いで炊事・洗濯、トイレです。
特に大量に水を使うお風呂は工夫次第で4割ほど節水が可能。
水道代にも関わりますから、すぐにでも取り掛かりたいですね」

【こまめに水を止める】

「シャワーは1分間で12リットルの水を使います。
仮に15分間シャワーを流しっぱなしにすると浴槽1杯分。
残り湯を洗濯や掃除に2次利用することを考えると、入浴は浴槽にお湯をためて入るほうが節水になります。
ちなみに1日1分、使用を短縮すると年間で水道とガスの料金を合わせて3000円節約できます」〈ホント〉

【節水シャワーヘッドを使う】

「節水シャワーヘッドを使うと水圧が低くなると敬遠する人がいますが、最近の商品は水圧は強く、それでいて20〜50%も節水が可能。
手元に止水スイッチがあるものを選べば、こまめに止められるので効果は大です」〈ホント〉

【トイレタンクにペットボトルを入れる】
「汚物が流れる水量が出ず、詰まりやタンクが壊れる原因になりますから厳禁です」〈ウソ〉

【流せるお掃除シートは流さない】

「トイレの節水は意外に難しく、大小レバーの使い分けくらいしかありません。
大レバー1回で10〜12リットルの水を使うので、トイレ掃除の際に使った流せるシートはごみ箱に捨てましょう」〈ホント〉

【蛇口に泡沫水栓をつける】

「蛇口につけると、水の中に空気を含んで勢いが出るアダプターがあり、40%ほど節水になります。
水ハネも防げるのでキッチンのほか洗面所にもおすすめです」〈ホント〉

【すすぎ1回用の洗剤を使う】

「すすぎが1回で済めば、10〜60リットルの節約効果があります。とはいえ、風呂の残り湯ですすぐのはNG。
洗い終わった時点で洗剤は排水されているのに、湯に含まれた汚れが洗濯物に付着してしまいます」〈ホント〉
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2016年08月11日

笑い飛ばすしかない!結婚式のハプニング

笑い飛ばすしかない!
結婚式のハプニング
2016年08月10日 11時00分 R25

ふたりの永遠の愛を誓う、厳かな結婚式。
一世一代の晴れ姿を披露する大切なひとときに限って、とんでもないハプニングは起きるもの…。
セキララ★ゼクシィの調査では、20〜30代女性の43%が「ハプニングの目撃経験あり」と答えました。
「指輪が入らない」
「新婦が転びそうになる」
「誓いのキスの順番を間違える」なんて序の口!
 皆さまからお寄せいただいた、爆笑を誘うハプニング集をまとめてご紹介します。

■みんなお酒のせいだ

●「新郎友人がベロベロに酔って傍若無人で振る舞って、新婦父が激怒で殴り合い。披露宴が台無しに…かわいそうだった」(34歳)
●「新郎が酔いつぶれて、途中でいなくなった」(34歳)
●「新郎側の会社の社長が酔いつぶれて倒れた」(29歳)

■ここ一番の見せ場が…!

●「ブーケトスで誰もキャッチできずにブーケが落ちて崩壊」(28歳)
●「リングボーイが途中でぐすり、リングを投げた」(24歳)
●「新婦のお父さんが娘からの手紙に対して大声で応えていた」(31歳)

■お祝いの場なのにヒヤヒヤ

●「チャペルの大階段から参列者女子が落下。パンツ丸見え」(35歳)
●「プランナーがこれからサプライズをしますとアナウンスでばらした」(37歳)
●「新婦が照明で熱射病になり、お色直し中に吐いていた」(36歳)

■じーんとくる、涙のハプニング

●「新郎の上司が花嫁の手紙で大号泣。親より泣いていた」(27歳)
●「花嫁の手紙でなぜか新郎の方の父親が大号泣していて、司会にも実況されていた」(28歳)
●「花嫁の手紙のときに、本人とご両親を差し置いて号泣していた新婦弟。みんなの視線がくぎ付けに。いや、ほほ笑ましかったですが」(37歳)

これでもかという皆さまの面白ハプニングに爆笑です。
このほかにも「新郎が新婦のお父さんより年上でざわついた」(28歳)、
「新郎のプロフィールビデオがちょっとヤンキーな裸のものが多く、新婦の父親の表情が怖かったこと」(34歳)、
「新郎のめいっ子が新婦に懐き過ぎていて結婚式中ずっと高砂席にいた。

最初はふたりの子どもかと勘違いしてしまった」(30歳)という状況をリアルに想像できるコメントも頂いています。
できれば起きてほしくないものですが、ハプニングには張り詰めていた雰囲気が和むというよい点もありますよね。
どんな出来事であっても後で笑い飛ばしてしまえたら、皆さんの心に残るお祝いになりそうです。
     記事提供/『セキララ★ゼクシィ』
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2016年08月14日

熱中症対策のつもりが…水分補給のNG例5

熱中症対策のつもりが…
水分補給のNG例5
2016年08月13日 09時03分 女子SPA!

 むやみに飲むと、超危険。

 38℃、39℃という猛烈な暑さが続いていますが、ニュースなどで騒がれている「熱中症対策」は万全ですか?
 熱中症を予防するためには、「水分対策」が最も重要。
しかし、むやみに水分を摂ろうとして、正しい対策になっていないケースもあるんだとか。
そこで今回は、よくありがちな「水分補給の間違い5例」をご紹介してみたいと思います。

◆(1)とにかく「水・お茶」を飲む ⇒かえって熱中症の引き金になる可能性あり!
 熱中症予防には、とにかく「水分」と信じこみ、「水」や「無糖茶」ばかり飲んでしまうのは要注意。

「自発的脱水」と呼ばれる症状を引き起こしてしまいます。
 これは、水を飲んで大量に汗を書いた時、血液中のナトリウム濃度が下がるのを防ぐために、発汗量に見合った分の水を飲めなくなるようにカラダが反応・調整してしまう現象。

結果、水を飲む気持ちがなくなり、結果として熱中症につながってしまうことに。

 正しくは、「水」だけでなく、適度な「塩分」と「糖分」をこまめに摂取しなければなりません。
日本体育協会では、0.1〜0.2%の「食塩」(ナトリウム40〜80mg/100ml)と「糖質」(1時間以上運動をする時は4〜8%)を含んだ飲料を推奨しています。

◆(2)エナジードリンクを常飲する ⇒熱中症対策ドリンクではないので要注意!

 暑さで疲れを感じた時、パワーが欲しくて安易に選びがちなのが、「エナジードリンク」。
大概のエナジードリンクは、「カフェイン」が大量に含まれていて、その覚醒作用が眠気・倦怠感を和らげてくれます。

 しかしこれは、熱中症対策のために作られた飲料ではなく、欲しい塩分は含まれません。
また、大量の砂糖が含まれているため、注意が必要。
「なんとなく元気になったから大丈夫」という感覚的な過信は、全く役立ちません。

◆(3)スポーツドリンクを薄めて飲む ⇒水分と塩分・糖分のスムーズな吸収が損なわれてしまう可能性あり!

 熱中症対策として、ポカリスエット(大塚製薬)やアクエリアス(コカ・コーラ)などの「スポーツドリンク」を選ぶのは賢明ですが、「吸収が早くなるかも!?」、「甘くてカロリーが心配」などの理由で、薄めて飲んでしまうと、無意味になってしまう可能性が。
 スポーツ飲料は、カラダ本来の体液組成に基づいて各成分(電解質・糖分など)の濃度が調整されているため、薄めてしまうと、これらのスムーズな吸収が損なわれてしまいます。
ペットボトルタイプのものは、薄めずにそのままを。
パウダータイプのものは、規定通りの調合をすることが正解です。

◆(4)スポーツドリンクを凍らせて飲む ⇒濃度が不均一になるのでNG!

 そもそもペットボトルタイプのスポーツ飲料をそのまま凍らせると、中の液体が膨らんで容器破損の恐れがあるため、要注意。
また、うまく凍らせたとしても、飲料全体の濃度が不均一(上部が薄く下部が濃くなる)になってしまうため、溶かしながら飲むと、せっかくの効果が期待できなくなってしまいます。
 大量の氷を入れてキンキンに冷やすのも避けたほうが良いでしょう。
温めて飲む分には問題ありません。

◆(5)経口補水液をむやみに飲む ⇒軽〜中度の脱水症状に適した飲料。

平時には「塩分」に注意!
 嘔吐や下痢などを伴う風邪をひいた際に医療機関から勧められる「経口補水液」。
これは、脱水時に不足する電解質を含み、素早く吸収できるよう、糖質(ブドウ糖)が少量配合された飲料のことで、熱中症対策に飲もうとしている人も。

 しかしこの飲料は、健康状態を良くするものではなく、スポーツドリンクなどの飲料に比べて塩分が多く含まれている(1.5g程度/500ml)ことを念頭におくことが重要です。

 脱水状態になりやすい状況や、軽〜中度の脱水状態に陥った際には有効ですが、通常時に水代わりとしてガブガブ飲むドリンクではありません。
 もっとも大事なのは、熱中症についての正しい知識と対処法。
最近では、わかりやすく整理された情報サイトが充実していますから、要チェックしてみてはいかがでしょうか?

【熱中症対策についての詳しい情報サイト】


(1)環境省
熱中症の正しい知識と予防と対処法(動画アリ)

(2)大塚製薬(株)
熱中症からカラダを守ろう


(3)日本コカ・コーラ(株)
小・中・高校生向け熱中症対策情報(動画アリ)

<TEXT,/スギアカツキ>
【スギ アカツキ】
東大卒の食文化研究家。
長寿美容食研究家。
在学中に基礎医学や生命科学を学ぶ。
さらにオーガニックや久司マクロビオティックを学び、独自で料理研究をはじめる。
モットーは「長く美しくを、簡単に」。
忙しい現代女性に合わせた健康メニューが得意。
ヨガ教室や人気ブログ(http://saqai.com/)も手がけている。
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2016年08月22日

富家孝「危ない医療」.大橋巨泉、不適格な医師に殺された?

富家孝「危ない医療」.
大橋巨泉さんは、
不適格な医師に「殺された」のか? 
在宅医療の危険な問題点が露呈
2016.08.21Business Journal

文=富家孝/医師、ラ・クイリマ代表取締役

「もし、一つ愚痴をお許しいただければ、最後の在宅介護の痛み止めの誤投与がなければと、許せない気持ちです」

 これは、去る7月12日に亡くなられた大橋巨泉さん(享年82歳)の夫人・寿々子さんが、メディアに公表したコメントだ。
その後、巨泉さんのご家族や事務所関係者は、死に至る経緯を「週刊現代」(講談社/8月6日号)で、かなり克明に語った。  

 この寿々子夫人のコメントと巨泉さんの死に至る経緯は、その後、大きな波紋を呼んだ。
それは、日本の在宅緩和ケアが抱える問題を浮き彫りにしたからだ。
筆者も近年、終末期医療の現場にかかわってきた実体験に基づき、今回はこの問題について考察してみたい。

治療の経緯  
 巨泉さんが最初のがんの手術を受けたのは、2005年6月だった。
この時のがんは胃がんで、巨泉さんは摘出手術を選択した。
それは、「疑わしきはすべて切る」という考えを持っていたからだ(「週刊文春」<文藝春秋/8月4日号>より)。

その理由は、巨泉さんが大学3年のとき母親を子宮がんで亡くしたが、これが誤診だったからだ。
初の医師の診断は「子宮筋腫」で、手術の必要はないというものだったが、亡くなってみるとすでにがんは遠隔転移していた。
そのため、巨泉さんは自身ががんになったときは、ともかく手術するという考えになったのである。

 巨泉さんの2度目のがん摘出手術は13年11月で、この時は中咽頭がん。
そして14年11月、肺と食道の間にある「縦隔」のリンパ節に腫瘍が見つかり、放射線治療を受けた。

 3度目の摘出手術は15年5月で、この時は肺がん。
右肺の約3分の1を摘出した。
さらに、同年10月、縦隔のリンパ節に腫瘍が2カ所発見され、腫瘍の除去手術を受けた。
その後、放射線治療などを受けた後、今年4月5日に退院し、千葉県内の自宅で在宅医療を受けることになった。

もう少し長生きできた
 以上の経緯を見ると、退院後の在宅診療は、終末期の緩和ケアであり、これはがんによる痛みを少しでも緩和し、安らかに死を迎えるためのケアである。
 したがって、ご本人の希望をできるだけかなえる治療が求められる。

しかし、それを担った近所の在宅診療所の院長であるA医師は、巨泉さんが「背中が痛い」と言うと、単純にモルヒネ系の鎮痛剤を処方しただけだった。
しかも、その量を減らそうとはせず、巨泉さんはひとりで歩けなくなるほど体力が低下し、意識も薄れるようになった。

それで、慌てたご家族は、ツテのある医師らに相談し、再びがんセンターに再入院したが、もう手遅れだった。

前出「週刊現代」記事には、次のようなご家族のコメントが載っている。
「親族はみな後悔の気持ちでいっぱいです。
あとで調べたら、A氏は皮膚科や美容形成外科の分野で有名な医師だったと知り、驚きました」  

はっきり書かせていただくが、巨泉さんはもう少し長生きできた。
それも最期まで、QOL(生活の質)の面からも意識を失うことなく、穏やかな日常生活を送れたはずである。

在宅医の「不適格」さ
 ではなぜ、そうはならなかったのか?  
 まずいえるのは、在宅緩和ケアを担当したA医師の「未熟」というか、「不適格」さである。

通常、在宅医療は担当医の独断ではできず、看護師や薬剤師もベッドサイドに赴き、相談しながら進められることになっている。
また、入院先だった病院との間に、患者の状況に関して十分な情報共有が求められる。
 つまり、こうしたコミュニケーションが著しく不足していたと思われる。
A医師は、単にモルヒネ等を投与すればいいとだけ考えていたようだ。

 じつは、在宅診療における緩和ケアは、医師免許と麻薬使用者免許を持っていれば、どんな医師でもできる。
臨床経験の有無は問われない。
なぜなら、法的には緩和ケアをするための特別な講習や資格は定められていないからだ。
つまり、経験などなくても、免許さえあれば医者なら誰でもできてしまうのだ。

そのため、在宅診療を行う医師は玉石混交状態で、不適格な在宅診療医は全国にいっぱいいる。  

国は数年前から、政策的に「看取り」を病院から「在宅」に変更し、在宅医を増やしてきた。
現在、在宅での看取り(自宅で死を迎えること)は10パーセントほどだが、これを25パーセントに高めようとしている。

 ということは、不適格な在宅診療医に任せたら、人間らしい最期は迎えられないということだ。
残念だが、誰が適格で不適格かは一般にはわからない。
情報公開もされていない。

日本の医療政策「在宅重視」の犠牲
 次に、緩和ケアで使われる鎮痛剤だが、「モルヒネは怖い」という見方がある。
しかし、それは誤解で、医療用麻薬は使い方さえ誤らなければ決して怖いクスリではない。
日本では、「WHO方式がん疼痛治療」が普及しており、その治療が適切に行われている限り危険性はない。

要するに使い方が問題で、単に患者の痛みを楽にするだけのために投与するというのは、医者の“おざなり診療”の典型だ。
疼痛治療の本来の目的は、「痛みを軽くすることで生活の質を高める」ことにある。
巨泉さんは、モルヒネ投与で体力を落とし、意識を失うまでになってしまったが、本来は逆である。
疼痛治療により体力が回復し、日常生活が楽になっていなければならなかった。

 残念だが、巨泉さんの場合は、終末期に最悪の在宅医と日本の医療政策「在宅重視」の犠牲になってしまったというほかない。
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2016年08月23日

「睡眠不足」でうつ病に!? 土日の“寝だめ”は逆効果

「睡眠不足」でうつ病に!?
土日の“寝だめ”は逆効果
2016年08月21日 09時01分 SPA!

 うつ病患者の多くに、不眠の症状が表れることは広く知られているだろう。
 一方で近年は、睡眠不足が原因となり、うつ病を発症する……というケースも多く報告されているという。

「睡眠不足や睡眠サイクルの乱れは、うつ病の誘因になることがあります。
例えば、交代勤務の仕事に就いていて、睡眠時間が十分に確保できていない人は、うつ病になりやすいというデータもあるんです」

 そう話すのは、日本睡眠学会理事で、久留米大学教授の内村直尚氏。

また、体の疾患が原因で不眠となり、それがうつ病に発展するケースもあるそうだ。
「例えば高血圧や糖尿病の人は、30〜40%が不眠を認めるというデータがあります。
また、痛みを伴う疾患を持つ人も40〜50%に不眠がみられ、夜間頻尿なども不眠の要因となりますね。
体の病気はストレスになりますし、ストレスを感じると交感神経が優位になり、寝つきが悪くなる。
そして、入眠困難の症状は、放置するとうつ病の誘因になるのです」

 なお今年の熊本地震では、避難所生活で眠れなくなった人が高血圧になった……というケースも報告されているという。

睡眠と心の健康、体の健康はそれだけ密接に繋がっているというわけだ

「一方で、身体疾患に不眠が合併している場合、不眠を改善することが、身体疾患の改善にも繋がることもわかっています。
睡眠時間をしっかり確保することは、心身の病気の予防にもなるわけです」

 ただ、「平日に忙しくて眠れなかった分を土日で“寝だめ”する」という方法は、逆効果だということもわかっている。

確かに睡眠不足が続いているときは、心身の状態の回復に長めの睡眠を要します。
ただ、それはあくまで“借金の返済”であり、長く眠っても“睡眠の貯金”はつくれません。

逆に、土曜日に普段より5時間遅くまで眠ったとしたら、それは5時間の時差ボケを自らつくり出すことと同じ。
眠りすぎると週明けの体調は余計に悪くなってしまいます。
休日の朝に遅寝で多めに眠るなら、範囲は+2時間までの範囲に収めましょう」

 また、寝つきを良くするとされてきた寝酒も、「睡眠の質と量を低下させる」とのこと。
睡眠に悩みを抱える人はまずは医師に相談をしよう。

<正解はこうだ>
不眠の改善が身体疾患の改善に繋がることも!

【内村直尚氏】
日本睡眠学会理事。
久留米大学医学部長、久留米大学精神神経科教授。
医学博士。
専門は睡眠医学で、精神疾患に伴う睡眠障害などについて研究を行う。
編著に『プライマリ・ケア医のための睡眠障害』など
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2016年08月28日

なぜ医師はバリウム検査を受けない?

村上純一「医療の裏を読む」.
なぜ医師は
バリウム検査を受けない?
無意味で発がんリスク増大、
重大な副作用も
2016.08.28 Business Journal

文=村上純一/医療ジャーナリスト

 毎年、健康診断を受けている人は多いだろう。
会社が加入する保険組合や自治体から、検診費用の助成を受け、指定された検査項目を粛々と受診する。
その多くは、病気の早期発見に役立つ。

しかし、胃部レントゲン検査に関しては、医師の間からも多くの疑問が投げかけられている。  
なぜなら胃部レントゲン検査は、デメリットが多くメリットがほとんどないのだ。

 まず、撮影の際に服用するバリウムの副作用が挙げられる。
不快感や嘔吐といった症状のほか、腸閉塞、腹膜炎を発症することもある。
また、アナフィラキシーショックにより、血圧低下に伴い失神、意識消失、呼吸困難といった重篤な症状も報告されている。

 また、検査している間、ずっと放射線を浴びているため、被爆量が極めて多い。
具体的な数値としては、15〜20mSv(ミリシーベルト)で、胸部X線写真を撮影する際の150〜300倍の被曝量だ。
当然、発がんリスクがある。

 3月15日付読売新聞記事によると、英国オックスフォード大グループの調査で、日本人で75歳までにがんになった人のうち、放射線診断によってがんが誘発された人の割合は、3.2%に上るという。
つまり、がん全体の3.2%がレントゲンによる被ばくが原因なのだ。
これは、調査対象の15カ国のうちで最も高い割合だった。

 これだけリスクがあるにもかかわらず、胃がんを発見できる可能性はほとんどない。
かなり大きくなったがんであれば見つかることもあるが、早期発見などは期待できない。
何か異変があったとしても、確定的な診断はできず、胃カメラによって詳細な検査をすることになる。

 そのため、医師のうちには胃部レントゲン検査を受ける人は皆無といわれている。
胃に不安がある人はレントゲンではなく、胃カメラによって検査するのだ。
また、最近では胃がん発症者の98%はピロリ菌を保有していることがわかっており、ピロリ菌を駆除すれば胃がんにかかる可能性はほとんどないといわれている。
そのため、ピロリ菌検査で陰性だった場合、そもそも胃がん検診が必要ないという医師も少なくない。

レントゲン検査がなくならないワケ

 そんな胃部レントゲン検査が、なぜ人間ドックやがん検診の項目からなくならないのだろうか。
 まず、検査を行う医療機関側の都合がある。
胃カメラは医師しか操作が許されない検査方法だが、レントゲン検査はレントゲン技師が行うことができる。
人件費は、医師に比べてレントゲン技師のほうがはるかに低いため、コスト削減のために胃カメラよりレントゲンを採用する医療機関も多い。
裏を返すと、レントゲン検査がなくなれば、レントゲン技師の仕事が激減することになる。

 そして何よりも、レントゲン検査には大きな利権が隠されているのだ。
胃がん検診にレントゲン検査を推奨している国立がん研究センターは厚生労働省から支給されている科学研究費の一部を業者に預け、裏金をつくっていたことが発覚している。
 がん研は、検診業者と癒着しているのだ。

胃部レントゲン検査に用いる「二重造影法」という技術は、日本が独自に開発したもので、それに過大な誇りを抱いていることも固執する原因となっている。

 さらに、検診車やX線装置などの設備には多大な費用がかかり、レントゲン技師や検診業者、バリウムを製造する製薬会社、フィルム等のメーカーなど、極めて多くの既得権益が絡んでいる。
今や時代遅れのレントゲン検査だからといって、いきなり廃止することはできないのだ。

 がんをはじめとする胃の病気の発見に関しては、レントゲンよりも胃カメラのほうがはるかに優れた効果を持つ。
がん発見率は3倍以上ともいわれる。
病変が見つかれば、その場で細胞を切除して詳細な検査をすることもできる。

これに対して、レントゲンを推奨するがん研の関係者は、「内視鏡(胃カメラ)では、治療の必要もないがんまで見つけてしまい、過剰医療につながるおそれがある」と述べている。

 早期発見を謳いながら、治療の必要もないがんを見つけてはいけないなどと詭弁を弄するがん研の体質にはあきれるほかない。

 レントゲンを推奨するがん研の方針に対しては、日本消化器内視鏡学会も強く異を唱えている。
レントゲン検査の実態をよく知る内科、消化器科などの医師に聞くと、自分が人間ドックを受けるときは絶対に胃カメラにすると異口同音に答える。
 会社などの人間ドックでは、胃部レントゲン検査がパックになっていることが多いが、「自分で胃カメラ検査を受けます」などと伝えれば、レントゲン検査を拒否することはできる。
デメリットを知った上で、検査を受けるのであれば何も言うことはないが、決してお勧めできる検査方法ではない。
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2016年08月30日

睡眠中にビクっとなる「ジャーキング」はストレスが原因って本当?

睡眠中にビクっとなる
「ジャーキング」は
ストレスが原因って本当?
2016年08月28日 21時30分 Doctors Me

うたたねをしているとき、身体がビクッとなった経験をみなさんもお持ちかと思います。
実はあの現象には「ジャーキング」という名前が付いており、みなさんの生活習慣が深く関係しているのです。
そこで今回は睡眠時の痙攣(けいれん)現象「ジャーキング」のメカニズムと、対処方法を医師に聞いてみました。

寝ているときビクッとなる「ジャーキング」

うとうとしているとき、寝入りばなや眠っている最中に、瞬間的に身体がびくっとけいれんする動きが出ることがあります。
これを「ジャーキング」と呼びます。
ジャーキングの原因は不明ですが、とある説によると、睡眠時に脳と脊髄が眠っている状態で高所から落下した、と間違えて神経伝達させることによって発症するとも言われています。
症状が非常に強い場合は、周期性四肢運動障害という病気が隠れている場合もあります。

ジャーキングはこんなとき起きやすい
■非常に疲れている
■ストレスが強い
■快適ではない姿勢で寝ている
■寝入りばな
■レム睡眠(浅い睡眠時)
■寝ているときに近くで話しかけられる
■寝ているときに大きな物音がした場合
■下に落ちていくような夢を見る

病気によって起きるジャーキング
周期性四肢運動障害によって起きるジャーキング
■睡眠中に足の指先がけいれん
■肘の速い曲げ伸ばしのような動き
■膝でものをけるような動き

この周期性四肢運動障害は、ジャーキングよりも長い時間、多くの回数起こりますので、睡眠の質が低下してしまって日中の生活にも眠気などで影響を与えることがあります。
もし持続的にジャーキングに悩まされる場合は、医療機関にかかるとよいでしょう。

ジャーキングはストレスや疲労が関係している
ジャーキングは疲労がたまっているときや、ストレスを多く抱えているとき、あるいは不自然な姿勢で寝ているときに起きやすいとされています。
生活習慣などはジャーキングに大きな影響を与えているので、頻繁に症状が起きる場合は、日々の生活や自分の体調を見直しましょう。

ジャーキングの改善方法
■ストレスを溜めすぎない
■気持ちをリラックスし、解放させる時間をとる
■睡眠不足にならないようにする
■体調不良を防いで体力をつける
■食生活に細かく気を配るようにする
■運動を少しでも日常生活に取り入れる
■アロマテラピー
■寝る前のストレッチ

医師からのアドバイス
よく寝ているときに見かけるぴくっとなる症状、いったい何だろうと思ったことのある方も多いのではないでしょうか。
多くの方が経験するもので、それほど病的なものである割合は高くありませんが、最近多いかな、と思ったら少し自分をいたわってあげて、リラックスさせましょう。
         (監修:Doctors Me 医師)
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2016年09月01日

子どもの自殺が最多 夏休み明け“魔の9月1日”どう防ぐ

子どもの自殺が最多
夏休み明け
“魔の9月1日”どう防ぐ?
2016年8月31日 日刊ゲンダイ

子どもたちの新学期が始まる9月1日。
実はこの日、一年のうちで最も子どもの自殺が多い日でもある。

 内閣府が調査した1972〜2013年における18歳以下の子どもの自殺件数の日別平均は49・4人(42年トータル)。
ところが、9月1日は131人となっており、断然自殺件数が多くなるのだ。

 また、9月2日は94人、8月31日には92人と、これまた多い。

 夏休み明けにこれほどまでに自殺件数が急増するのは、いったいなぜなのか。
都内のフリースクール「東京シューレ」代表の奥地圭子氏は「夏休みに限らず、冬・春休みやゴールデンウイークなどの連休明けには多くなる傾向です」と説明した上で、こう話す。

「学校生活に不安や悩みを抱えている子たちにとっては、休み明けが近づいてくるのが恐怖なんです。
でも、親や先生など周囲の大人はつい、『夏休み明けからは頑張って通おうね』と声をかけてしまいがち。
そしてその期待に応えようと、『2学期は頑張るから』と言わざるを得ず、苦しい思いをする、そんな子が多いのです」

 長期休みは「リセット期間」のようにも思えるが、不安や悩みが休んだだけで解決されるわけではない。
その上に周囲の期待がプレッシャーとなり、押しつぶされてしまうのだ。

■学校だけが選択肢ではない

 奥地氏は、そもそも「学校は行かなくてはいけない場所」という価値観が固定化されていることが問題だと言う。
「国も不登校への対策を進める中で、学校以外の選択肢を示してきています。
しかし、学校側はいまだに『学校に復帰させる』ことに目標を置いたり、親も子どもも『学校に行かなくては将来がない』と思い込んでしまったり、選択肢がないと思い込んでしまっているんです。
だから、追い詰められてしまうのです」

 実際に、92年からはフリースクールに通っても、在籍する学校で出席日数がカウントされるようになっている。
また、従来の学校教育とは異なる独自の学習指導を行う「オルタナティブスクール」も各種あり、各自治体の教育委員会が運営する「適応指導教室」(教育支援センター)といった選択肢もある。

「単に、『学校は休んでもいいんだよ』と声をかけるだけでは、『でも行かないとどうなっちゃうんだろう』と子どもは不安に思います。
選択肢があるということを知ることが大切なんです。
そのためには『学校だけが選択肢ではない』ということを、親や教育関係者だけでなく、一般社会が理解することが必要です」(奥地氏)

 1日が始業式という学校も多いが、死んだら何にもならないのだ。
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2016年09月04日

<医療>残暑の日 危険な「尿が出ない頻尿」に注意!

<医療>残暑の日
危険な「尿が出ない頻尿」に注意!
毎日新聞 9月4日(日)10時20分配信

 9月になりましたが、残暑はしばらく続きそうです。
気象庁の1カ月予報によると今後も全国的に平年より暑い日が続く見込みで、涼しい秋の到来はしばらく先かもしれません。

暑い日の注意事項と言えば熱中症ですが、暑さが原因で起きる意外な病気があるそうです。
それは「頻尿」。
発症するのは比較的まれですが、時に命にかかわることもあるといいます。
その仕組みと対策を、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニックの奥井識仁院長に聞きました。【医療プレミア編集部】

 ◇前立腺肥大症の人は
暑気あたりで頻尿になることがある  
暑さで体調を崩すことを「暑気あたり」といいます。
暑気あたりには、軽いものから重いものまでさまざまありますが、特に注意を要するのが熱中症です。

今年は猛暑だったため、メディアでは連日、熱中症の警告が行われていましたが、その中に熱中症になると「尿が少なくなる」という説明があります。
事実、暑気あたりになると体が脱水状態になり、トイレの回数は減ります。
しかし時折、逆に頻尿になる人がいます。
まれですが、命にかかわりかねない重症になることもあります。

 泌尿器科に通院している男性の多くは、前立腺肥大症という病気を持っています。
前立腺は尿道とぼうこうのつなぎ目にあり、クルミぐらいの大きさをしていますが、60代以降になると大きく肥大し、時にはこぶし大になることがあります。
そのために起きる代表的な病気が前立腺肥大症で、排尿したい感じが強くなり(尿意切迫感)、何度も排尿に行き(頻尿)、排尿しても出し切れない(残尿感)などの不快感が付きまといます。

 前立腺肥大症は、前立腺への血行が悪くなると症状が強くなります。
肥満の人は脂肪に圧迫されて前立腺やぼうこう、直腸などを含む「骨盤内臓器」への血行が悪くなります。
すると前立腺の新陳代謝は悪くなり、むくみやすくなって、前立腺肥大症が悪化します。

長時間座ったままも同様です。
また加齢とともに血管自体も衰えて血液の流れが悪くなるため、高齢の人はさらに症状が強くなります。  

◇尿意はあるのに尿はあまり出ない
 暑気あたりの時、前立腺はどうなるのでしょうか?
 この分野には症例報告がありません。
前立腺肥大症の人でも大半は汗が出て排尿の回数が減るのですが、日ごろ診療をしていると、逆に重症の頻尿になる人が時折いることに気が付きます。

体が熱を持ち、水分が不足すると、肺や心臓のような太い血管をもつ臓器には血液が流れますが、前立腺やぼうこうのような細かく細い血管しかない臓器の血行は著しく悪くなります。
このため前立腺がむくみ、前立腺肥大症の症状が強くなって頻尿になると考えられます。

 この時、体全体で見ると暑気あたりのため汗をかき過ぎ、脱水になっているので、あまり尿が作られていません。
そのため尿意は感じているのに、あまり尿は出ないという状態になります。
また前立腺が腫れているので、排尿時に痛みを感じる人もいます。
もし、身近な60代以降の男性が暑い日に極端に何度もトイレに行くようになったら、あるいは前立腺肥大症で通院中の方の症状が著しく悪化したら、暑さがその原因の一つかもしれません。  

ちなみに前立腺肥大症ではない人は、尿意は起きず、体が尿を作らないためほとんどトイレには行かなくなります。  

◇ぼうこう瘤や慢性ぼうこう炎の女性も要注意  
そして女性でもぼうこうの血行が悪い人は、同様の症状になることがあります。

 たとえば高齢女性に見られる、骨盤の中の筋肉が衰えて、ぼうこうが膣(ちつ)から落ちてくる「ぼうこう瘤(りゅう)」という病気の人は、ぼうこうにつながる血管が長く伸びているために血行が悪化し、頻尿になりがちです。
そのような人が暑気あたりになると、ぼうこうへの血行がさらに悪化し、さらに重症の頻尿になります。

 またぼうこう炎を繰り返して抗生物質をずっと服用している人は、ぼうこうの中にカビである真菌が増え、その死骸を餌にして細菌が増えることがあります。
その結果、ぼうこうがむくみ、頻尿になる人がいます。
これは慢性ぼうこう炎の原因の一つなのですが、このような患者さんも暑気あたりで頻尿の症状が増します。
尿があまり出ないのは男性の例と同じです。  

◇脳梗塞の前兆になることも
 これらの症状が危険なのは、頻尿の次には、もっと太い血管で同じように血行不足が起きる可能性があるからです。
例えば、脳梗塞(こうそく)など命にかかわる危険な状態です。
暑気あたりは、清暑益気湯(せいしょえっきとう)、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)など、体内の熱を取る作用のある漢方薬をうまく使うと、ある程度の予防や症状の改善が期待できます。
加えて水分を十分に取り脱水を治すことが大切です。
その上で、残暑の日に頻尿が悪化したら、泌尿器科医に「暑気あたりで脱水になり、調子が悪い」という可能性を伝えて、しっかり診察を受けてください。
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2016年09月06日

母が 母が 大動脈閉塞で 父の元に旅立ちました。

朝、1時27分に母が父の元に旅立ちました。
昨日までは元気だったのですが、今日 具合が悪そうなので救急車を呼び病院へ。
動脈がつまってしまい 内臓が壊死を始めていて、検査の結果 手術不能でなくなりました。
死に顔がとても穏やかだったのが 家族にとって救いです。
しばらくは発行が不定期で乱れると思いますが、お許しください。

とうとう妹と2人になってしまいました。
posted by 小だぬき at 02:25 | Comment(7) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月07日

母を急死させた動脈塞栓症/急性動脈閉塞

母は 高血圧・動脈硬化・心臓肥大・坐骨骨折・脳梗塞の持病があり、要介護4に認定されるような寝たっきり状態になり リハビリを兼ねてディーケアに週3泊お世話になり、残りの日々は嫁いでいる妹が母の面倒をみてくれました。

妹の旦那さんの義弟やその子たちの協力がなければ 到底 介護生活は乗り切れなかったと思います。
兄の私が病気がちなため 殆どの(すべての)介護・家事は妹が担ってくれました
何か「親の死」ということを真剣に考えず 妹に甘え 自分の静養にあててしまいました。
反省すること多しです。

政府が目指す 施設から家庭介護への移行では 介護者も要介護者も疲労困憊してしまいます。
社会保障というのは「当事者なら」の視点で議論しなければ ならないと思います。
声高に政府は 介護・保育・医療・健康保険を 予算の数字だけで切り捨てようとしています。
毎年会計検査院から 予算の不正執行やムダが指摘されているお金を無くして 「国民のための」自己責任論に陥らない 議論をして欲しいものだと思います

母の急死は、命のなんと脆い物かという気持ちを強くします。
予防重視は土台ですが、私のように「健康といえる臓器」を見つけるのが大変となった 60代にとっては 医療費自己負担の増大や各種税の「予算がないから」増税では 死活問題です。

国の膨大な借金やムダな箱物・公共工事を作り出したのは、歴代政府です。
きちんと施策の責任を明確にしてから 消費税等の議論をする 国民目線を取り戻したいものです。
*******************************
急性動脈閉塞
Doctors Me より引用

急性動脈閉塞が起こると急激な血流の減少が起こり、痛みや脈拍消失、蒼白などの症状が起こります。
発症から時間が経過すると、血流遮断に伴う知覚鈍麻や運動障害が起こり始め、最終的には細胞の壊死が起こります。

急性ではなく慢性の動脈塞栓症の場合、初期症状として側線が起きた先の手足などのしびれや指先の冷たさを感じるようになります。
歩行など日常生活に大きな支障がない状態がしばらく続きますが、疲れやすさや筋肉痛のような状態が起こりやすくなります。
この状態ではしばらく休めば症状が改善することがほとんどです。
さらに悪化すると就寝時など安静にしている時でも痛みが生じるようになり、塞栓している動脈の先の細胞が壊死していきます。

動脈塞栓症/急性動脈閉塞は最終的には細胞の壊死などの取り返しのつかない結果になりますから、異変が現れた時には、すみやかに医療機関での診断、治療が必要です

動脈塞栓症/急性動脈閉塞の原因

動脈塞栓症/急性動脈閉塞の原因は動脈が徐々に、もしくは突然詰まることによって引き起こされます。
急性の場合には心臓や大動脈などに付着した血栓などが剥離し、血流に乗ってて足の血管などで詰まることが原因となって動脈の塞栓を引き起こします。

急性動脈塞栓を引き起こす元の血栓が心臓などにできる要因としては、心房細動などの不整脈によるものが多いとされています。
およそ9割は心原性の急性動脈閉塞と言われています。

慢性の塞栓症の場合、動脈硬化によって血管壁が厚くなったり血栓ができ、血流が減少していくことが原因となります。
慢性の場合症状の進行は、数年単位で起こることも多いのですが、最終的な塞栓に伴う症状は急速に現れることがあります
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2016年09月08日

すぐ眠くなる中で・・・

昨日は、疲れのためか 実家にいてもウトウトしてしまう1日。

そのなかで、
1.叔母(私と2歳違い)と妹・姪っ子を 葬儀社に案内し、母と対面。
2.宅急便受け取り。
3.床屋。
4.台風に備えた買い出し。
5.故買業者からの電話 などで疲労困憊。

互いの意思疎通の大切さ

1.葬儀社への母との対面で 互いの意思疎通・思い違いで ちょっとトラブリました。
初めは 叔母が母に会いたい・来たいというので 私の身体の負荷軽減のために来れる時間が解ったら 葬儀社に電話して 父の時のように「タクシーで葬儀社へいき、駅経由で実家に戻る」と提案し、私は そのつもりでした。

誤解のもとは、夜 叔母の所に 妹からメールが入り 妹と姪も合流していくということになったと 朝 叔母から「これから出ます」という電話を受けた時、知りました。

その時点で私への連絡がなかったので、妹が案内して行くつもりだと 私に甘く判断したことが 妹の意思と食い違いを起こしました。
妹は妹で「私の案内で行く」と思っていたようです。
出かける寸前で そのことが解り、私は歩くのがシンドイなという気持ちがでて、妹に辛辣な言葉を発してしまいました。
兄・妹でも このような食い違いが出るのですから、普段から 意志疎通に思い違いがないか ツメは しっかりとしないとと思いました。

2.葬儀社の帰り、本来なら 叔母や姪の感謝のため 昼食の接待は 私がしないといけないのですが、その時点でロレツが回らず 歩くのがやっとという状態になり 妹に任せました。
帰宅してから 宅急便がくるまで爆睡状態に入り、折角 家のかたづけをするつもりだった妹・姪っ子に 起こしては悪いと気を使わせたようです。
反省です。

3.宅急便、米と水を 若い子が軽々と持ち 2つ同時に受け取ろうとすると「重いですから、一つずつにしてくださいね」とクロネコヤマト嬢。
寝起きの顔とロレツのまわらない受け答えに配慮をしてくれました。

4.伸び放題だった髪をカットしに床屋さんへ。
ここでもウトウトしてしまい 「ごめん、後ろを切る時は ムラがでてしまうので起きていてね」と言われる始末。

5.夕食が初めての食事だったので、野菜中心の食事に。

6.買い取り業者からの電話、49日後 遺品分けが済んだら と約束。

若い時は、二日の徹夜など平気でしたし 林間学校での3泊4日なども ほぼ眠らない状態で 登山や各種行事に参加できたのですが、今は5分で息が上がり ロレツが回らなくなる。
歳ですね。

来週予定されている 所沢の初任校の教職員同窓会をキャンセル。
新設校に7年いて 川口に転出したので 33年間会う機会が同じサークル合宿以外なかった方とも会うチャンスでしたが こんな私でも「会えるんだね」と喜んでくれていたという先輩方・・・。
申し訳なく思います。

うつ病休職・退職して、弟・父・母を失う。
喪失感に注意しながら 通院は欠かせないと思っています。
posted by 小だぬき at 07:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月09日

葬儀後、私の心身の精密検査へ

明日、母の葬儀(満86歳)

今日は 明日の食事の人数確定と注文。
懐石料理のなんと値段の高いことか・・、一人5000円で妥協。

午後は整形外科の通院、首の神経を椎間板が圧迫して神経が一部細くなっているため。 手術を前提に薬で 悪化をおくらせる治療です。

息切れとロレツの回らないことを申告し 看護師さんと優先治療順位を決め、来週は「脳神経外科」でロレツの回らない原因をさぐることに。

月曜日の検査で見つからなければ、循環器へ、そしてもっと専門分野を絞る必要があれば絞っていきましょうとのこと。


それと並行して 息切れが 循環器からきているのか呼吸器から来ているのか探ろうとのことです。

川口市に移動した最初の年、運動会で倒れ「狭心症」と診断され 10年ほど二トロールとフランドルテープを使用した経験があるので 循環器の可能性も捨てきれないとのことです。

少なくとも 父と母の七回忌は 長男坊としてしたいので 遺産相続手続きが終わったら 手術が必要な所はする決意です。

民間医療保険を退職の時、やめなければよかったと 後悔。
そのかわり退職教職員互助会の医療扶助が 受けられるうちに・・・。
手術となると 大がかりになりそうな 悪い予感がしています。
posted by 小だぬき at 16:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月10日

葬儀社選択の考え方

今日 10時30分〜 通夜・告別式・初七日法要を兼ねて 母を仏界に送り出します。

私が 今の「葬儀社」を選択しているのは、値段は決して安いとはいえませんが 納得・安心できる心づかいを感じるからです。

お葬式だけは「お試し」ということはできません。

20数年前の叔母の自宅葬の時、テレビCMや雑誌・新聞に広告をうつ 全国規模で会員制の葬儀・ホール会社に依頼して 苦い思いをしたのです。

祭壇1段いくらとか とにかく事務的な応対で 心遣いもアフターケアもなしでした。
葬儀が終わると 事務的に撤収作業を始め ぽつんと5段の木の祭壇と写真が残されました。

な、なんなんだ この事務的形式進行と遺族への心遣いの無さはと 憤慨した記憶が残り、コマーシャルと実際の乖離に呆れました。

母の葬儀を依頼した所は、弟・父も お世話になったところです。
弟の時、身体障害1級・生活保護受給で 市民葬(お寺・焼却場・各種手続き)でしたが、葬儀社の方の 私への心遣いに感動??したのです。
父母は要介護の状態にはいっていたので、私が 喪主代行をしたのですが、手続き等 親身になって相談に乗ってくれました。
この体験・経験が 大きいのです。

今、盛んに「小さな葬儀」ということで ネットでもマスコミでも注目されていますが、故人にとっては 一生に一度の最後の舞台。
顔が見える 葬儀社のスタッフと相談しながら 故人を仏界に送ることが出来るのが 一番重要な視点だと思います

私は、地元の葬儀社を選択しましたが、是非「小さな葬儀」を選択した場合でも 悔いの残らない式であって欲しいと思います。

また、いままで多くの葬儀に参列して 地域性や宗教によって 大きく差異がでるのが 冠婚葬祭だと感じています。

葬儀にあたって感じるのは お寺・住職のお布施の不可解さです。
これから戒名・四十九日・年度法要など 今まで以上にお寺と長い付き合いになるのですが、お布施に関しての戸惑いは 今後とも続くと思います。
                AM.3:50  小だぬき
posted by 小だぬき at 03:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月11日

母、三途の川を渡る準備期間に・・・

無事、母の霊を「三途の川」を渡る 準備期間に送り出すことができました。
励まし・弔意を頂きありがとうございました。
また、ブログアクセスをして下さった皆様の支えも大きなものがありました。


とっても穏やかな顔での母の旅立ちでした。

町会からも「ご霊前」を頂きました。
これまで、実家の生活用品の買い出しなどを見ていてくれたのでしょうか、なんでも一人で抱えないでとの言葉。(介護は 妹が主に担ってくれたのが大きいのですが・・)

荷物整理などの力仕事は 町会でいくらでもお手伝いします。
土日なら 男手を動員できるので 連絡くださいとの 言葉もいただきました。

困った時は遠慮なく連絡させていただきますと、素直に答えました。

妹の来てくれている日以外は、午前か午後 実家に行き過ごしていたのですが、実家とアパート双方で目撃されていたようです。

埼玉県職の小学校教員だったものですから 20数年 町会に空白があるのですが、知らず知らず 顔見知り・井戸端会議・気軽に話せる人が 川口市から川崎市に住所変更をし、長時間通勤を選択していらい増えているのをここ数日 声がけを多くの方にされ気づきました。

うつ発症の時は、2年間ほど 通院日に行く以外「引きこもり」でしたが・・・。

「小だぬき家で一人」になっても 地域では「孤立」せず 生きていける自信のようなものを いただけていると感じました。

どうもタイミングが悪く、何人もの方から 留守でしたとの声を頂きました。
実家・アパート・病院・買い出し・役所のどれかの時間とブッキングしていて 一人暮らしも難しいものだと今ごろになって気づいたものです。

来週から自分の健康検査も始まりますので ますます留守で迷惑をかけるかな?? とも思いました。
実家の整理にしばらく妹が来てくれるそうですし、預貯金の相続の目録も作ってもらい、書類を役所から取りしだい、「遺産分割協議書」を作成したいと思います。

父の時、手続きが大変だと思った 不動産登記変更も 前回、懇切丁寧に長い時間説明してくれた法務局の方のおかげで 壁は低いです。

問題は、路線価と売買市場価格・固定資産税評価額のどれを税務署がとるかで 相続税が決まります。
概ね「安い 固定資産税評価額になる」との説明は受けてはいますが・・・。

11日(日)は、49日法要日の相談と戒名の郵送依頼を 水戸の菩提寺としたいと思います。
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2016年09月12日

雨の中の洗濯、しばらくは放浪したい

身心とも疲れがでた日
数時間、洗濯と菩提寺との連絡をして、あとは妹と大ゲンカ。

自分の都合や考え方、してやったというような「母への介護の姿勢」「家庭を犠牲にして、やっているのに・・」という言葉、さも「兄貴は何もせず 私ばかりが犠牲になって」のメール。
(私の心が感じただけで じつによくやってくれたと評価はしています)

妹の読んでいた本を 旦那様が車で来るというので 持って帰ってもらおうと移動したら「母との思い出の場を勝手にいじらないで・・」

私と父が愛読していた本は 大胆に処分して しかたがないと協力したのに、早く妹を家庭に帰そうと 出来ることを見つけて 日々 携帯電話と足でムリしても事を進めようとした私に
「母が 死んでから 動けるなんておかしい」と・・・。

今日、「相続放棄」の書類をつくりました。
実家も預貯金も 一人になってはいらない。

妹に 明日からは 全て任せ、自分の心身の健康に専念したいです

何か 自分の預貯金を使って 一人旅がしたくなりました。
この「〜したい」という感情は 鬱発症いらい8年ぶりの感情。

互いに疲れからの「売り言葉に買い言葉」だと 重々 理性では理解できても、都合のいいように私を「長男」「喪主」として扱い 体調の悪い中での私の日々を否定されたようで 無性に怒りが湧いてくるのです。

葬儀で一言でも 兄貴への配慮が欲しかった。

「悲劇のヒロインと悪代官」のように聞こえる言葉の一言一言。

もう 父母やご先祖にには 申し訳ないけれど 「小だぬき家」は 「妹の思うように閉めたらいい」と思います。
私は「相続放棄」で心身の整理をして 残りの人生を充実させるため、明日からの通院で手術が必要ならして 小だぬき個人として「フ〜テンの小だぬき」になりたいと思いました。

日々 いろいろなことがあるな・・・、
でも 妹の善意の介護と信じていたいのに 義務・犠牲・大変さを強調されると 病気持ちのの兄としては、全否定されたような感情になる「鬱状態に入った」1日のようです。

この記事は深刻に受け止めないでください。
ただ 自分を無くしていた小だぬきに 自己主張がうまれた日です。
しばらく わがままに自分を生きてみたいなぁと思うだけです。

そのための「相続放棄」は真剣に考えています。
他人より 身内の矛盾した言動の方が 心を抉るものだといいたいだけです。
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2016年09月13日

一瞬でブログ原稿消失、あ〜ぁ

昨日の報告、一瞬で消失。ダメージ大です。
な、なぜなんだ・・・
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2016年09月14日

雨の日は身体が重い・・・、ペースダウン

順調に葬儀関係の会計・支払いも進んでいます。

1.告別式の食事代の振込みに信用金庫に。

店内に入り 窓口嬢に聞くと「ATMの方が 手数料が安いので よろしければご案内します」とATMの側に立ち、操作完了まで付き合ってくれました。
これは代理でしてもらうわけにはいかないの?? と聞くと「社内規定でお客様の個人情報を行員がすると 懲戒処分になります」とさも申し訳なさそうに答えてくれました。

私のようにPCを使っていても「機械を信用しきれない」ものにとって、本当に生きづらくなってきています。

確かにATM操作を覚えれば、便利この上ないものでしょうが(機械を信じ切れる人には)、どうも信じられない私などは、窓口が空いていれば 窓口対応をお願いしたくなります。

それと、もうそろそろ 考えて欲しいのは、限度額の変更です。
詐欺事件の被害が多額になるという理由でしょうが それなら以前のように窓口対応を徹底すればいい。
場合によっては、高齢者のATM使用は原則遠慮していただき 窓口対応にするほうが防犯上いいのでは なんて思ってしまいます。

自分のお金でATMを動かして 手数料が利子以上に高いなんて 変ですよね。

2.急死病院への支払い

「死亡診断書」によると 前日4時間 当日4時間の治療となっていますかが、これは死亡確認後 葬儀社の搬送時間までをカウントしています。

霊安室で母と二人、 搬送まで過ごした時間が とっても短く感じたのですが、約1時間も過ごせました。
笑われそうですが、母の霊と対面したくて 側で見つめ続けた時間もありました。

レントゲン写真や断層写真で説明を受け、次から次に搬送されてくる救急患者の多さを考えると 母の葬儀社搬送まで寄り添ってくれた看護師と担当医師に感謝です。

請求金額から考えると とても救急救命だけでは 経営は苦しいだろうなと思う金額でした。


昨日段階では 母は戸籍上は生きています。
区役所の人も本籍区からの手続き完了連絡で証明書発行になるとのこと。
マイナンバーの発行窓口が 各証明書窓口の隣にあったので、私は住基ネットのカードの有効期限が まだ大分残っているのですが マイナンバーも持たないと不都合がありますか?? と聞いたら 当面はありませんとの返事でした。

水曜日は葬儀社アフターサービスの人と面会・葬儀費用支払い。
木曜日は精神科・内科通院、
金曜日は脳神経外科のMRI検査と診察。

その隙間に国民年金センターでの遺族年金停止手続きをします。
この所、新聞やPC画面をみているうちに 深い眠りに数時間入る状態が続いています。
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2016年09月15日

アフターケア担当Fさんと・・・

昨日は アフターケア担当のFさんと面談
父の時の手続きを思いだしつつ 確認していきました。

Fさんと同じ歳ということで互いに本音で話し合いました。

できればお身内の不幸はないに越したことはないのですが、万が一の場合の参考に これからも手続きごとに 概要報告をしたいと思っています。

@葬儀費用の支払い
 ちょっと痛い金額でしたが、気持ちよく旅立ちをした?「母の父に会う旅費」だと思えば 許容範囲。
A後期高齢者保険証・介護保険証の返還(済)
  葬祭費補助金申請(済)
B遺族年金停止手続き(電話連絡済と戸籍謄本待ち)
C各手続きに必要な書類準備
 ・母の出生時から 結婚除籍までの戸籍謄本
 ・抹消戸籍謄本
 ・相続者戸籍謄本
 ・住民登録票 ・印鑑証明証
D財産目録
 ・預貯金の金額
 ・生命保険、簡保生命
 ・証券や債権
 ・不動産(自己持ち分は固定資産税)、土地は路線価(税務署) 
 ・その他 財産とみなし得るもの
E遺産分割協議書
F各種相続手続き
 ・金融機関や証券会社に連絡し 相続手続き
 ・不動産登記変更(法務局)
G税務申告
(基礎控除3000万円+相続者1人600万円×人数)
 やはり不動産価格が控除内に収まるかのキーポイントに。
 いざという場合は、葬儀・相続手続きにかかった費用(交通費を含む)の領収書とメモを税務署に持ち込み 控除対象に。

位牌の依頼
 昨日、菩提寺から戒名が届いたので 依頼。
本人と父母連名位牌の2本

菩提寺との打合せ
 ・住職に戒名には どれほどのお布施が必要ですか?? と 聞くと相場は30万円とのこと。 母に喜んでもらえる「戒名」なので 「用意いたします」
  ・住職の奥様に代わっていただき、
住職には直接聞きづらいのでと「49日法要と納骨の流れと食事のための控室の継続使用」を依頼。
快く受けてくださいました。

これだけで疲れがでて、爆睡モード。
明日は 精神科通院だけにホッとする自分がいます。
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2016年09月16日

最後のツメが甘い、でも動けた・・・

最近は 何かをしている時 急にウトウトが始まり それに身を任しているためか 睡眠リズムが狂いだしています。
幸か不幸か、そのために普通の人のように 朝からのスタートが出来るようになってきているのは 不思議に心地いいのです。

昨日も精神科通院、区役所、年金事務所と「普通の時間」で動き、待ち時間などで爆睡しながらも 夕方に疲労感を感じる生活ができたことは とても新鮮な感覚です。

それまでは、睡眠剤で眠り 午前中は ボーっとして 午後から心身が何とか動くで 活動範囲も通院なら通院だけ、買い物なら買い物だけと極端に使える時間が短かかったのです。

精神科通院

今の医師は、うつ病初発診断の時、学校管理職に「自殺させる気か!!、今の状態では勤務は認められない、休職を」と 診察室で電話の管理職に抗議して 「休職診断書を含め一切は 主治医である 私を通して 小だぬきに連絡をする」と うつ病要因の一つ、管理者の高圧的態度から 心身を守ってくれた医師です。

途中、弟や父の通院介助のために 診察日を土曜日に変えたため2年間ほど「若くて美人」の先生にお世話になり、長期休職・途中退職してから 再び主治医になってくれている先生です。

カルテも私の書いた「組合機関紙原稿」や「レポート」なども提出していたので ページ数もかなりの量になっています。


主治医に 母が亡くなりましたと報告すると、
「絶対に自分を責めないでくださいね、やれる範囲のことはやりきれたと思ってください」
「法要が重なり 今 症状以上のことを 緊張と性格でできています。眠たくなったら 心身が休めとシグナルを送っているのだから 今のように身を任していいですよ」
「忙しさの峠を超えたら、睡眠剤で生活リズムを戻すようにすればいいのです」
「絶対に思いつめないでくださいね」と 温かい言葉を頂きました。

内科は、地元病院にうつる気持ちなのでパスしました。
高血圧薬と高脂血症の薬が主なので 地元病院の脳外科 MRI検査と診断の時 循環器科を申し込みたいと思います。

区役所

マンションの固定資産税評価書、戸籍謄本・印鑑証明をとったのですが、広いロビーをメモを見ながら 歩き回る小だぬきは、窓口の方からは「動物園の珍獣を見る」光景だったに違いありません。
しかも今週は2度 窓口にいっていますので覚えられたかな??

国民年金センター

母の年金受給資格停止手続きでいったのですが、8・9月分をどう継承するかまでは 頭がいっていませんでした。
同居していれば それほど手間はかからないのですが、別居していたため 少々面倒な「代理受取り申請」を出すことに。

親身になって 話しと説明をしてくれた 担当の社会保険労務士さんが 帰宅後 電話をくれ「お母さんの通帳が生きていて、小だぬきさんの申請が遅れれば、一旦振り込まれた年金を返却していただいてから 小だぬきさんの通帳に振込手続きをすることになります」と暗に「明日出せればだして」とのお電話を頂きました。

朝の目覚めの調子の状態です。
年金だけ母の抹消住民登録証が必要になります。

年金相談・申請の窓口が 社会保険労務士さんというのは、不祥事の多い「国民年金センター」としては いい改善点です。

墓地石屋さんとの連絡

菩提寺に紹介を依頼した石屋さんが 偶然にも 今まで頼んできた石屋さんだったので、費用見積もり・墓碑記入の字の確認、四十九日法要の時の納骨の時間などを確認しました。


どの書類も 一度ですめば 負担が少ないのですが、遺産相続手続きなんていくら父の時の体験といっても 追われるように動いた記憶だけで やはり抜けてしまいます。
専門家や係の人に 「わからないことはわからない」と聞くようにしています。

今日は 16時からのMRI検査通院の前に どんな手紙・電話が舞い込んでくるか 楽しみ??
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2016年09月17日

身体は正直、今日はMRI検査のみ

前日 つい体調がいいからといって歩き過ぎたようで 朝起きると 腿は痛い・膝は笑う状態でした。
おまけに「社会保険労務士」さんの期待を裏切るように 申請書も書けなかったし ましてや区役所に行く気力もでずでした。

前夜、睡眠剤を久し振りに服用したせいか、効き目がよく熟睡、朝7時まで寝てしまいました。
それでも 定期的に「睡魔」が襲ってくるのですから、総睡眠時間は 赤ちゃんといい勝負か・・・。

介護関係の支払いと在宅診療の診療代は 家のかたづけをかね妹が実家にきてくれたので 任せきりに・・・。

私は、MRI検査と診療のみの1日でした。
通院の途中、ミニトップで遅い昼食。
朝から 切れて吸っていなかった煙草を買い、一服。

16時30分から約20分のMRI検査でしたが、音のうるささは 耳栓を使っても聞こえてくる。
小だぬきの図太さは その騒音を感じたのは1分程度で 爆睡できたこと。

その結果ですが、軽い脳梗塞が発見され 定期通院患者に昇格。
悩への血流は各動脈にしっかりと流れているので 安心なのですが、前回検査の時、楽観的な脳神経外科医と思っていたのに 、用心のために軽い血流剤から 経過観察していきましょうと慎重姿勢に。
ロレツの回らなくなる原因とはいえず、今度は 循環器を紹介してもらうことになりそう。

前日・今日と 長い距離歩いたのですが「息ぎれ」はでませんでした。
普段の運動不足原因説が 循環器検査の前ですが 有力・説得力を持つ説になっています。

土日・休日は 役所・金融機関は休みです。
書かなければいけない申請書類を ゆとりをもって書く時間にします。
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2016年09月18日

台風16号 予報円が大きい理由

昨日も睡眠剤を飲んで就寝。
なんと目覚めたのが AM.11:40 完全な「うつモード」でした。
筋肉痛も酷いので 完全休養日にあて ウトウトに身を任せました。
やっと夕飯を食べる気になったのは PM.9:00
薬は クッキーを食べて 朝・昼飲みましたが、夜は大幅に遅れました。
お彼岸と台風の雨が重なりそうなので もし重なったら49日法要の時に ご先祖様にお詫びします。今の所 父の月命日の20日の予定ですが・・・、台風の速度が遅い場合は 弟の月命日の19日ということも考えています。
母を納骨したら 小だぬき家として1人残った私が、墓参りができなくなった時の墓じまいと永代供養について住職とじっくりと相談したいと思っています。
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台風16号 予報円が大きい理由
片山由紀子 | 気象予報士/ウェザーマップ所属
2016年9月17日 17時34分配信

台風16号は来週前半にも、西日本に接近するおそれがあるが、5日先の予報円は半径850キロもあり、大きすぎるために戸惑う人も多いだろう。

予報円は楕円など円形以外では表示できないため、台風のスピードに誤差が大きいと、進路も定まっていないような誤解を与える欠点がある。

台風16号 与那国島で最大瞬間風速66.8メートル
台風16号は非常に強い勢力で北上、暴風域に入った与那国島では猛烈な風が吹きました。
台風は次第に進路を東寄りに変えて、来週前半にも西日本にかなり接近、上陸するおそれもあります。

台風の予報円は先になればなるほど大きくなります。
それは予想の誤差が拡大するためで、台風の強さや大きさには関係ありません。
予報円が大きくなると、台風も強くなると誤解してしまうけれど、そうではないんです。


とはいっても、台風16号の5日先(22日午後3時)の予報円は半径850キロもあり、本州が覆われてしまうほどの大きさです。
これではいくら中心線があっても、どこにいくのかわからない、台風が巨大化するのでは?など誤解を与える大きさです。

実際、日本の南海上で一回転し、予測不可能とさえいわれた台風10号でさえ、予報円の大きさは最大で半径650キロでした。
今回の台風16号はさらに200キロも大きく、予報円としては最大級でしょう。

予報円が大きくなる2つの理由 どうしてこれほどまでに予報円が大きいのでしょう。


ひとつは、予報円は予想した時刻に台風の中心が70%の確率で入る範囲を示しているので、台風の進路が定まらない場合は予報円が大きくなります。
二つ目は予報円は円形で表現しなければいけないからです。

たとえば、楕円とか、三角とか、四角とか、曲線とか、予報進路を表現する方法はいろいろあります。
現在の円形になったのは昭和57年からで、それまでは扇形でした。
台風のスピードが遅くなるか、速くなるか定まらない場合、円形よりも楕円のような形で表現したほうがわかりやすいと思うときがあります。

5日先予報はどうしても不確実性が大きく、予報円が巨大化してしまう可能性があったため、導入する際に新しい表現方法が検討されましたが、従来の3日先までの予報と兼ね合いもあり、今の予報円となりました。
それでも、進路がまったく定まっていない場合と、進路がほぼ定まっているんだけれども、台風の速さが不安定な場合、どちらも同じ大きさの予報円では、受け取り手にその違いが伝わっておらず、改善の余地があると思います。

今回の台風16号の場合はどちらかというと、進路の不確実さよりも、速度の差に原因があるように思います。
台風予報は数ある気象情報のなかで最も注目度が高い情報ですが、すべての人が正しい見方を知っているとは限りません。
だからこそ、台風経路図から受けるイメージは重要で、予報円の情報を的確に伝える、誤解を与えないことが大切です。

一方で、受け取り側も、予報円の中心や予報線ばかりに注目せずに、予報円の広がりや変化に着目しましょう。
とくに、4日先、5日先の予報円の中心は必ずしも台風が到達する可能性が高い場所ではありませんので、注意が必要です。
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2016年09月19日

「健常者」という妄想

睡眠剤再開3日目、今日はAM7:40  起床。
静養・睡眠に時間をとりました。
「年金事務所での遺族年金代理受取り申請」と「福島県いわき市役所での 母出生から結婚除籍までの戸籍謄本の手配」の二つが課題として残されています。
黄泉の国があるのか、輪廻転生があるのか 父と母に霊として出てきて教えて欲しいと願っています。
********************************
【私説・論説室から】
「健常者」という妄想
2016年9月14日 東京新聞(大西隆)

「人は誰でも年老いれば障害者になる。
命を差別しないでいただきたい」。

リオデジャネイロ・パラリンピックの開幕にあたり、競泳の成田真由美選手は相模原市での障害者殺傷事件に触れ、訴えた。
ひとり容疑者の優生思想や凶行を責めたのではなく、健常者一人ひとりの心の奥底に潜んでいるかもしれない「容疑者性」に向けて警告したのだろう。

 例えば、高度成長期の一九六六年から七四年にかけて、兵庫県で展開された「不幸な子どもの生まれない県民運動」。
遺伝性疾患や心身障害の子らを「不幸」と決めつけ、旧優生保護法を背景に異常のある胎児の中絶を促した。
「本人や家族の苦悩はもちろん、社会の負担は計り知れない」との考えだった。

 障害者団体が反発して運動は表面上はついえたが、成長主義の社会は水面下でその「容疑者性」を強めている。
生命科学や医療技術の進歩は、出生前の命を高精度で選別し、終末期の命を巧妙に管理しうる時代をもたらした。

障害者の生命、自由、幸福追求の権利は置き去りにされ、尊厳は脅かされている。
 成田選手が言うように、人は誰しも「老化障害」を抱えている。
程度の軽重が違うだけで、健常者という存在は妄想にすぎない。
そう認識して支え合う社会をめざせないか。
抗(あらが)うべきは、他者の生を値踏みし、幸か不幸かとレッテルを貼る動きだ。それが悲劇の根源となることは歴史が教えている。 
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2016年09月20日

医師も「ゾッとする」と話す急性上腸間膜動脈閉塞症の激痛

医師も「ゾッとする」と話す
急性上腸間膜動脈閉塞症の激痛
2016.09.19 16:00
※週刊ポスト2016年9月30日号

「がん」「脳卒中」「心疾患」などによる死の中には、苦しみや痛みを伴うものもあれば、比較的「ポックリ」と死ねるものも存在する。
一方で、様々な「死に方」の中で、どれが一番辛いかを見極めるのは難しい。

 そこで今回、本誌は名医に取材を敢行。
患者の傍らで数多くの死を見届けてきた彼らに「もし自分ならこの病気で死ぬことだけは避けたい」というものを挙げてもらった。

循環器を専門とする目黒通りハートクリニック院長・安田洋医師が挙げるのは急性上腸間膜動脈閉塞症だ。
「血流が途絶えて栄養が行き渡らなくなった腸が腐って、腹部に激痛が走るようになります。
発症後は痛みがどんどん増幅する。
患者は、血流の途絶えた腸の痙攣で内臓を絞りちぎられるような痛みに襲われパニックになるほど。
やがて腸内のばい菌が全身に回って敗血症を引き起こし、意識がもうろうとするなか亡くなることが多い」

 小林憲二さん(享年66)も激痛に悶えながら救急搬送先で帰らぬ人となった。
小林さんの妻が証言する。
「夫は高血圧だったにもかかわらず、医師からの生活習慣指導を無視し続けていた。
ある朝、突然お腹を押さえて床に突っ伏したかと思うと『ウォ〜』と叫びながら転げまわったんです。
顔面蒼白であぶら汗を流し痛がったので、救急車を呼んだ。

『急性上腸間膜動脈閉塞症』と診断され、即手術。
しかしその甲斐なく数日後に帰らぬ人となりました」

「看取り」が専門の石飛幸三医師もこの病気を挙げた。
「2〜3時間で処置しないと大量の下血、嘔吐、脱水症状などでショック状態に陥り、死に至る。あの激痛にもし自分が直面したら……と思うとゾッとします」
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2016年09月21日

介護業者倒産数の最悪更新へ

特別養護老人ホームは
全国で約50万人待ち!
介護業者倒産数の最悪更新へ
2016年09月20日 18時00分 まいじつ

自宅でも病院でも介護施設でも介護を受けることができないという、いわゆる“介護難民”の数が年々増加している。
厚生労働省の発表によると、2012年の時点で約550万人が存在しており、2025年には約700万人になると試算されている。
その数は待機児童の比ではない。

それにもかかわらず、老人福祉・介護事業者の倒産が過去最悪のペースになっている。
民間の調査会社によると、今年1〜8月の倒産件数は62件で、介護保険法が施行された2000年以降では、過去最多だった昨年の76件を大きく上回るペースになっている。

老人福祉・介護事業の倒産は、2012年の安倍政権発足後、毎年のように過去最多を更新している。
安倍晋三首相は“介護離職者ゼロ”をスローガンに掲げたが、絵に描いた餅に終わる可能性が大きい。
「倒産の特徴ですが、設立5年以内の新規参入組の倒産が29件と約半数を占めています。
特別養護老人ホームが全国で約50万人待ちなど、各地で介護難民が発生する一方で、新規参入が非常に難しいというう現状が、このことからも分かります。
また、昨年4月に行った『介護報酬改定』も大きく影響しています」(社会福祉に詳しいジャーナリスト)

介護難民を減らすには、介護ホームの運営事業者が増えること、介護士を増やすことが最優先される解決策だが、依然として介護業界の離職率は高く、慢性的な人材不足に悩んでいる。


重労働であることや、責任の重さに比べ、高報酬を得ることができない。
そのため、特に男性の介護士不足が顕著です。
こうした人材不足解消のために、外国人労働者の導入も検討されていますが、それが一層の労働力不足を招くのではとも指摘されています」(同)

また、新規参入者の倒産が多い原因は次のような理由もある。
「例えば、本業が不調だからというような理由で、安易に介護事業に参入する業者が増えていること。
また、介護報酬改定では、基本報酬がダウンする一方で、充実したサービスを行う施設には加算されています。
サービス向上のためには多少の淘汰は仕方がないかも知れませんが、新規参入が難しい業種だからこそ、基本報酬を下げてはいけなかったと思います」(同)

皮肉にもアベノミクスによって求人は増えたが、そのため高報酬を求めて介護職から他業種に移る人も増えた。
これを止めるために、事業者側も給料を上げなければならず、それがさらなる負担となって倒産するという悪循環だ。
今後も高齢化社会が深刻化していくことは十数年前から言われている。
介護の現場で働く人の待遇をもっと向上させるべきだったはずなのに、アベノミクスは基本報酬は下げる施策を採った。

やっていることが“あべこべ”なのである。
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2016年09月22日

母の年金の手続き終了。メンタル不調の「9月病」にはどう接すればいいのか

昨日、年金事務所にて 母の年金と振込先変更手続きが終了。
同居していれば 手続きもラクなのですが 私のように蔵書や仕事時間の関係で別居していたものには 少々 大変でした。
@同一生計の届書(年金事務所発行)
この証明者が3親等以外とのことで、行きつけの薬局のご主人にお願いしました。
A振込先の証明(年金事務所発行)
これには通帳の金融機関確認印が必要。
B年金手帳・基礎年金番号通知書
C戸籍謄本・除籍住民登録・私の住民登録
これらを揃え「年金事務所」に提出・受理になりました。
基礎年金通知書や年金手帳は、わかる場所に保存が大切と感じました。
******************************
メンタル不調の「9月病」には
どう接すればいいのか
2016.09.21 07:00 NEWSポストセブン

9月は5月病のようにメンタルの変調を来す時期という。
秋から冬にかけての「季節性うつ病」と呼ばれる症状もある。
うつの人とどう関係を結べばいいのか。
コラムニストのオハダカズユキ氏が体験的に語る。
 * * *
「5月病」は広く知られているが、同じような内容を意味する「9月病」という言い方もある。
夏の体力消耗、季節の変わり面の身体的ストレス、職場環境の変化の疲れなどで、メンタル不調が起こりやすい時期なのだ。
 
秋から冬にかけて、気分が落ちこみ、どうにもこうにもならなくなる「季節性うつ病」と呼ばれる症状もある。
涼しくなって過ごしやすくなるのは元気な人で、気温の低下と共にふさぎこんでしまう人もいるわけである。

 コミックエッセイ『ツレがうつになりまして。』の出版が2006年、映画化が2011年。
行政の後押しもあり、およそこの10年、20年でずいぶんと啓発活動が進み、うつ病への偏見が減り、症状の自覚のある人が精神科や心療内科のクリニックを受診しやすくなった。
 クリニックに関しては、あまりにも急激にその敷居が低くなって、安易に受診する人も増えたことから、「精神科バブル」を指摘する医療関係者も少なくないほどだ。

 だが、そのいっぽうで、実際に身近な人がうつ病と診断されたり、疾患が危惧されたりした場合、はたして当人と周囲がうまく関係をつくれているかというと、まだまだなのが現状だと思う。
 たとえば、「うつ病の人に、頑張れ、と言ってはいけない」という件。
 この“常識”は、「うつ病は心の風邪」という喩えと同じくらい万人の知るところとなっている。

しかし、「うつ病は心の風邪」が「風邪くらいなら簡単に治るだろう」という誤解も生んでしまったように、「頑張れ、と言ってはいけない」のほうにもけっこう弊害がある。
 うつ病患者は基本的に、仕事や人間関係の困難に対して頑張り抜いた結果、疲弊してしまって、身体が言うことをきかなくなっている。
そんな「頑張りすぎで病気になった人」に、「頑張れ、頑張れ」と励ますことが問題なのは言うまでもない。

 ただ、「頑張れ、と言ってはいけない」の常識化で、職場などにうつ病患者やうつ病っぽい人が出た際に、当人とどう接していいのか周囲がわからなくなって、結果的にその人をみんなで遠ざけてしまう事態がよく起きている。

 決して悪意で遠ざけているわけではないのだが、メンタル不調でもどうにかこうにかやっている当人からしたら、「やっぱり自分がダメだから、みんなに迷惑をかけてしまっているんだ……」と自責のもとになりやすい。
うつ病などメンタル疾患の当人の多くは、「誰もわかってくれない」という孤独を抱え苦しんでいる。
まわりが「頑張れとも言えないし」と腫物を扱うように距離をとると、孤独アンテナがその空気を過剰にキャッチして、さらなる苦しみに追い込んでしまいかねない。

 いや、最近の特に若者は、メンタル不調を自分のせいではなく、他人のせいにするらしいじゃないか、という反論があるかもしれない。
たしかに一時期、社会問題として流行ったいわゆる「新型うつ病」は、自責をこじらせるのではなく、他責思考を強め、自分のメンタルの調子が悪いのは会社がブラックだからだとばかりに、診断書を片手に休職を繰り返すなどする人が急増している、ということだった。
 その実態や原因については、専門家によっても見方がバラバラで、そもそも「新型うつ病」はマスコミが作り出した非医学用語だからか、国内で行われた信頼できそうな疫学調査もいまだに私は探せない。

 だが、複数の精神科臨床医にあたっていくと、いまでも深刻なのは自責傾向の強い旧来型のうつ病のほうで、患者数もそちらのほうがずっと多い、との声ばかりだ。
若者も含め、今でも不調を自分のせいと考え、落ちこぼれの孤独の穴のようなところに入ってしまう、そういう昔ながらのタイプが問題の主流なのだそうだ。

 では、そうして心の調子を崩している同僚や仲間、あるいは家族に対し、周囲の者はどう接すればいいのか。 
 そこでしばしば登場するのが、「受容」「傾聴」「共感」の3セットである。
相手がどんな状態であろうが存在そのものを全肯定する「受容」、相手が理解しがたい何を言おうがとにかくその声に耳を傾ける「傾聴」、そしてその気持ちがどんな内容であろうが相手を評価せずにただ感じることに専念する「共感」が、調子を崩した人とのコミュニケーションの基本だというわけだ。

 だが、この“正論”を聞くたびに、正直、言葉の空回り感を覚える。
「受容」「傾聴」「共感」は、欧米のカウンセリング理論由来のもので、あくまで精神科領域に関わるプロの技術の一部なのだ。
使いこなすには、相応の訓練を要する。
それを素人に求めてもなあ、と思うのである。
メンタル不調の人と言っても、当然のことながら、いろんな性格の人がいる。

不調かどうか関係なく相性があわないことも普通にあるし、さらに調子を崩しているからとにかくネガティブで、「受容」「傾聴」「共感」をやっていたらこっちのメンタルがまいっちゃうよ、というケースも実際は多い。
 プロが仕事モードでするぶんにはいいが、職場が一緒だからというだけでそこまでつき合ってらんないね、となりやすいし、その程度には他人は他人のことを思いやれないものなのである。  

もちろん、うつ病ならうつ病のメカニズムなど、そのイロハを知っておくだけでも、本人をいたずらに追い込むような言動を取らないよう、気をつける姿勢をつくることはできる。
職場単位、会社単位でイロハを共有することは、その組織全体のタフネス増進につながるだろう。
 基礎知識は必要なのだ。
だけれども、それが即、本人支援につながるというほど簡単なものではない、という自覚も不可欠なのだ。
 私個人は、相手を否定しないという意味での「受容」、愚痴をふんふんと聞く程度の「傾聴」ならば、嫌いなやつでなければ、メンタル不調の人に対して心がけたいと思っている。
でも、「共感」はムリだ
病気であるなしに関係なく、他人の気持ちを自分の中で感じることなんて、そうそう滅多にできるもんじゃない。
必要だからやれと言われても、やったらそれは自分にとって偽善行為になるのである。
「我ながら嘘っぽいなあ」と感じながら相手に寄り添うなどしたら、相手のアンテナは容易に私の偽善ぶりをキャッチし、余計、孤独を深めるだろう。
そんなことはしたくない。

そうじゃなく、相手がメンタル不調になる前と、できるだけ同じように接したい。
弱っているのだから、前よりも少しの気くばりをしながら。
 その気くばりの仕方はケースバイケース、相手によりけりなのだが、以上は、メンタル不調で「うつ病」の診断を精神科クリニックで貰ったことのある私としての思いでもある。
病人視して遠ざけないで、私個人として見てほしい、ただしちょっと優しくね。
という、言葉にすると若干気持ち悪いのだが、自分の調子が悪かったときにそうしてもらいたかった願望である。
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2016年09月23日

炎上!長谷川豊ら「医療亡国論」の詐術

「人工透析患者は死ね」の
長谷川豊だけじゃない、
麻生、曽野ら“自己責任厨”が叫ぶ
「医療費亡国論」はインチキだ
2016.09.21 LITERA編集部

このおぞましいタイトルだけでおおよその中身はおわかりいただけるかと思うが、長谷川は〈ある「人工透析」を担当しているお医者さん〉から聞いた〈8〜9割ほどの患者さんの場合「自業自得」の食生活と生活習慣が原因〉という話を綴り、〈透析患者には一人年間500万円かかります。
日本人の平均年収以上ですね。
必死に払ってる保険料、そうやって食いつぶされ続けているのです〉と主張。

そして、人工透析患者と健康保険制度をこう罵倒するのだ。
〈健康を意識し、毎日、ランニングをし、お金を出して栄養バランスの良い食事をとっている人たちから保険料を巻き上げ、その金を使って、ディズニーの横入りをし、全額タダで医療を受け続け、毎月『障がい者年金』を支給されタクシーにタダ乗りしているのです〉
〈日本の利権まみれの保険システムと年金システムなんぞ、1秒でも早く解体しろ!日本の病魔の一つが「保険」であることは確かなのです!〉

 長谷川はこれまでも暴論によって注目を集めてきた“炎上芸人”であり、今回も同じように確信的に火を放ったのはミエミエだが、この“自己責任論”はいくらなんでもひどすぎて反吐が出る。

そもそも、「障がい者はディズニー横入り放題と」とか、内容自体もデマだらけなのだが、長谷川の言い分が正しいのならば、「がんや脳梗塞の原因は生活習慣病だから実費負担。
無理なら殺せ」と、どこまでも理屈づけられる。
よくもまあこんなことを書けたものだ。

 炎上すればするほど長谷川の思う壺となり、いつもならば無視するのだが、しかし、このような自己責任論をぶつ人間は他にもいる。
しかも、炎上目的ではなく本気で、だ。

 現に、麻生太郎副総理兼財務相は、2013年4月、長谷川と同じ主張を繰り広げている。
「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで糖尿になって病院に入るやつの医療費は俺たちが払っているんだから、公平じゃない」
「こいつが将来病気になったら医療費を払うのかと、無性に腹が立つときがある」(都内の会合で)

 これがこの国の副総理の発言であり、こんな暴言を吐いてなおもその座に就いていることが既におかしいのだが、総じて極右論客は、似たような持論をこれまでも展開してきた。

 たとえば、作家の曽野綾子は、複数の病気や障がいを抱えている息子をもつ野田聖子議員に対し、自著『人間にとって成熟とは何か』(幻冬舎新書)のなかで「自分の息子が、こんな高額医療を、国民の負担において受けさせてもらっていることに対する、一抹の申し訳なさ、感謝が全くない」
「医療費を負担している国民への配慮が全く欠けている」と糾弾。そして、こう述べている。

「私の周囲には『どうしてそんな巨額の費用を私たちが負担するんですか』という人もいる。『野田さんの子供さんがお使いになるのは、ご病気なんですから仕方ありませんけど、ありがとうの一言もないんですね』と言った人もいた。

『もしもの時は安心してください、というのは。遠慮もせずにどんどん使えということですか? そういう空気を煽るから、健康保険は破産するんですよ』という意見もあった。
 増税論が始終話題になるこの時期に、仕方ないとは思いつつ、皆、健康保険料を払うのも大変なのだ。
私も後期高齢者医療制度の保険料を年額五十万円以上支払っているが。私にできる唯一のこととして、できるだけ医師にかからないようにしている」
「野田氏のように権利を使うことは当然という人ばかりが増えたから、結果として日本社会、日本経済はどうなるのだろう、という全体の見通しに欠けるのである」

 曽野にあるのは下劣な障がい者排除の思想だが、同時にこのような自己責任論には“医療費が財政を圧迫している”という「医療費亡国論」がつきまとう。
実際、曽野は今年2月、「週刊ポスト」(小学館)で“高齢者は「適当な時に死ぬ義務」がある”と主張した際、“権利を「求め倒し」、医療を「使い倒し」、他人を「頼り倒す」ことは肯定されない”ということを述べている。

 高齢者や自己責任の病気で保険を使う人間のせいで、この国はそのうち医療費で破綻する──。このように差別思想は人びとを扇動するために、もっともらしく「医療費亡国論」を振りかざすのだ。
だが、この「医療費亡国論」自体、疑わしいものだ。
 たしかに、2015年度の概算医療費は、前年度から約1兆5000億円増加の41兆4627億円と発表された。
また、日本の医療費の対GDP比でも、2013年には10.2%となり、OECD加盟34カ国の平均8.9%を大きく上回っている。

 しかし、日本医師会総合政策研究機構の主任研究員である坂口一樹氏は、この高い対GDP比の本質は医療費の増大にあるのではなく、名目GDPの伸び悩みにあると喝破する。
〈二〇〇七年から一五年までの日本の名目GDPの推移を見ると、リーマンショック(二〇〇八年九月)とデフレの影響で、アベノミクスというカンフル剤を打ち続けた後の二〇一五年段階(五〇〇・七兆円)に至っても、未だ二〇〇七年の水準(五一三兆円)に達していない。

すなわち、分子(医療費)が増えたというよりも、分母(名目GDP)が増えていない、あるいは減少したことによって、日本の医療費の対GDP比は押し上げられたのである
(「“自助”へと誘導されてきた医療・介護」/岩波書店「世界」16年4月号)。

 だが、「医療費亡国論」者たちは、「2025年には医療費が104兆円にも達する!」などと不安を煽る。
しかし、この数字にもカラクリがある。
それは、官製による医療費予測はかなり多く見積もられているからだ。
 前述した坂口氏の論考によれば、1994年、厚生省(当時)は2025年の国民医療費を141兆円と予測(97年に104兆円に下方修正)。

こうした官製予測への対抗策として日本医師会は2000年に「二〇一五年 医療のグランドデザイン」を発表したが、こちらは2015年の医療費を48.6兆円(保険者コストを除く)と予測した。
 日本医師会によるこの予測は〈厚生省予測に比べると手堅いもの〉だったが、実際はどうなったか。
現実の2015年の医療費は41.5兆円となり、日本医師会の予測よりも約7兆円も下回った。
さらに、厚生省の予測数値を遡って逆算すれば、2015年の医療費は103.8兆円(94年予測)や77.2兆円(97年予測)と予想されていたわけで、予測と現実では大きな隔たりがあるのだ。  

坂口氏は、この予測と現実の食い違いを指摘した上で、このように論じている。
〈マスコミも国民も厚生省による予測を一方的に信じ込まされてきた感が強い。
すなわち、厚生省による「医療費亡国論」という幻影に惑わされてきたといっても過言ではない〉
〈そこには、単に「医療費が大きく膨張して大変だ。だから医療費を抑えなくてはならない」というプロパガンダのみが存在し、的確な現状分析はもとより、将来の政策目標などは皆無と言わざるを得ない

 もちろん、医療費が今後増えていくことは間違いない。
しかし、ここで問題にするべきは「財政を圧迫するから医療費がかかる病気は自己責任で」などというものではけっしてない。
むしろ、国民に保険料の負担を強いてきたことによって起こっている“弊害”のほうだ。
 日本では2003年に小泉純一郎首相が行った医療制度改革によって、先進国のなかでも際立って高額だった病院窓口での医療費自己負担割合が2割から3割へと引き上げられ、国庫負担率は引き下げられる一方で家計支出が増した。
また、貧困化が進み保険料を払えない人も増え、病院にかかりたくてもかかれない受診抑制も起こっている。
その結果、本来なら早い段階で行えば最小限に抑えられた治療費が、重病化してさらに治療費がかかってしまうという悪循環を生み出してしまった。

つまり、いま問題しなければならないのは、「医療費亡国論」などではなく、国民への負担が高まったがゆえに弊害を生んでいる現行の政策についてだろう。


 現に、先進国のなかでもっとも医療費が高いアメリカでも、日本と同じように医療費抑制が唱えられているが、ミネソタ州ヘネピン郡では、プライマリーケアを受けられず悪化してから受診するという治療費がかさむ悪循環にあった貧困層を郡や医療機関が連携することで変調をきたす前に掬い上げるという方法で、医療費削減を実現したという(朝日新聞2016年8月15日)。

これは、健康を自己責任にするのではなく、地域で連携して市民の健康を守る取り組みを充実させることのほうがコスト減につながるという一例だ。
 このような現実に目を向けず、差別思想を正当化するために「医療費亡国論」を喧伝する輩に惑わされてはいけない。
そして、長谷川や曽野のような主張こそこの国を滅ぼすというのは間違いないだろう。
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2016年09月24日

寅さんと「憲法24条」

今日は 午前中「位牌」の受け取り。
午後、リサイクル店で古いPCとプリンターの処分。
雨の多い九月ですが、雨のやむのを待って、実家の整理と私のアパートの整理をしています。
蔵書は 買った時の思い出があるためになかなか処分ができないでいます。
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牧太郎の大きな声では言えないが…
寅さんと「憲法24条」
毎日新聞2016年9月12日 東京夕刊

 71歳の僕も、47歳の長男も、16歳の孫も、我が家はそろって、映画「男はつらいよ」の主人公「フーテンの寅」の大ファンである。

 渥美清さん演じる「車寅次郎」は、父の車平造が芸者、菊との間につくった子ども。
実母が出奔し、父親の元に引き取られるが、16歳の時、父親と大ゲンカ。
家を飛び出し、テキ屋稼業で全国を渡り歩く“渡世人”となった−−という設定である。

 寅さんが何かの拍子で、叔父、叔母、異母妹のさくらが住む「故郷の東京・葛飾」にある柴又帝釈天の門前にある草団子屋に戻って来ると、決まって大騒動になる。
 草団子屋にとって寅さんは厄介者。
そうであっても叔父、叔母、さくらにとっては、掛け替えのない「家族の一員」。
寅さんがほれてしまった「マドンナ」とも“家族同様”に付き合う。
誰もが優しい。

 全48作で延べ7957万3000人の観客を動員した「秘密」は、美しい日本の風景と「無償の家族愛」にあるのだろう。
だから好きだ。

 でも、これはドラマだ。現実の世界はそう簡単ではない。
家族であっても、しょっちゅうトラブルを起こす「厄介者」は敬遠される。
親子がいがみ合い、縁を切った人もいるし、生まれながら天涯孤独というケースもある。
「家族」がいない人はたくさんいる。

 最近の憲法論議で、気になることがある。
自民党憲法改正草案の24条1項は「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。
家族は、互いに助け合わなければならない」。
家族による“助け合いの義務”を課す「家族条項」を新設している。

 党内の議論では「親子の扶養義務にも明文の規定を置くべきである」という意見まであったようだが、こんな「家族条項」は真っ平ご免だ。
 誰でも、家族は助け合いたい。
でも格差拡大のご時世だ。
できない人も多いはずだ。
家族を大切にしなかった場合、どんな罰則を科すつもりなのか?

 個人の尊重を重視する現行憲法から「家族の尊重」にかじを切ろうとする自民党。
3世代同居の磯野家の日常生活を描くアニメ「サザエさん」一家が理想!と言うけれど……。

「自民党の憲法24条」は、寅さん一家より浮世離れしてはいないか?(客員編集委員)
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2016年09月28日

「友引が決まらない」 葬儀業界を震撼させる2033年旧暦問題

「友引が決まらない」 
葬儀業界を震撼させる
2033年旧暦問題
2016年09月27日 07時00分 NEWSポストセブン

「友を引く」として葬式を避ける「友引」。
これが決められなくなるとして、葬儀業界に波紋を広げているのが「2033年問題」だ。
〈終活業界に激震!? 友引が消える 六曜の2033年問題〉と大見出しを打ったのはシニア向け雑誌『ソナエ』(9月16日発売号)だ。

「六曜」は、「友引」「大安」など日の吉凶を示す民間信仰。
結婚式の日程を考えるときに「大安かな」と自然にカレンダーに目をやるように、日本人にとって身近な縁起物だ。

 旧暦(天保暦)の日付の確定には、
(1)新月と新月の間を1か月とする。
(2)「その月が何月か」は春分、夏至など太陽の動きから算出される「中気」の日で決める。
春分のある月が2月、夏至は5月、秋分が8月、冬至は11月とする。
 など複数のルールがある。

ところが、2033年秋に、「ルールを全て満たそうとすると、『9月の次の月が11月』になってしまう」といった不具合が生じてしまうのだ。
これは1844年に天保暦が導入されて以来、初めての異常事態だ。

 旧暦の日付が決められない以上、六曜も「友引」の日も決まらない──これが2033年問題である。
最も混乱が懸念されるのが葬儀業界だ。
火葬場は、葬儀の日としては避ける人が多い友引を定休とするところが少なくない。
「友引の休業日は、火葬炉のメンテナンスのために必要なものです」(都営の瑞江葬儀所管理事務所)

 年間130万人が亡くなる多死社会において、うまく休業日が設定できず、火葬炉の金属部分などが熱疲労を起こして事故などになればそれこそ一大事だ。
 影響は業界全体に及ぶ。桐ヶ谷斎場など6斎場に61基の火葬炉を所有する東京博善の管理本部は「毎年12月に葬儀業者向けに翌年の友引日を記した冊子を配っているが、その時までに六曜が決まっていなければどうしたらいいか」と話す。

僧侶でジャーナリストの鵜飼秀徳氏もこういう。
「寺院関係者は葬儀がない友引をコンサート観賞や家族旅行に充てる場合が多い。
友引がなくなれば休日を決められなくなる」

 春分などを決める立場の国立天文台(文科省所管)は「あれこれいう立場ではない」とコメントするのみ。
 日本カレンダー暦文化振興協会は解決に向けて昨年8月、2033年11月に閏月(※暦のズレを調整するために例外的に設けられる「13番目の月」)を置く案を発表したが、この方法も旧暦のルールを全て満たすわけではない。
 そのため、「他の案が今後出てきてもおかしくない」(業界関係者)といい、仮に友引がカレンダーによってバラバラなら、火葬場、葬儀業者、僧侶の日程が合わず、葬儀日程がスムーズに決められない事態も発生する。
住職の都合に合わせてスケジュールを設定したら遠方で骨を焼かされるハメに──といったケースが続出する懸念もある。

 ただでさえ2033年頃は団塊世代が80代後半になり、“葬儀インフラ”が足りなくなる時代だ。「混乱を避けるためには、できる限り見解を統一させることが好ましい」(中牧弘允・暦振協理事長)
「穏やかな死」のためにも、無関心ではいられない。
  ※週刊ポスト2016年10月7日
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2016年09月29日

夫婦位牌魂入れ、叔母らの位牌お焚き上げを49日に・・

朝から 母の出生から結婚離脱までの戸籍照会を いわき市役所に。
HPにあった総務課「市民問い合わせ・相談」メールを使ったので 果たして回答してくれるか不安なのですが、町村合併後でいわき市に編入されているかがわかれば上出来です。

次に 菩提寺の住職に 母の位牌と夫婦位牌を作ってしまったのですが、魂の入れ方を教えてくださいと電話すると49日法要の時に一緒にするから 持ってきてほしいとの返事、ホッ。

図々しく 仏壇の関係で 数十年前に死去した叔母の位牌を お寺で供養することはできますか?? と聞くと それも49日法要の時 持ってきてくださいとのこと。

非常に お願いの仕方に悩んでいたので 原稿メモを作り 菩提寺に電話。
聞きなれた住職の声を聞き、心が落ち着き ちょっと無理かな・・・と思いつつお願いしたら 「いいですよ」で一機に緊張感から解放されました。

今日は 精神科通院なのですが、帰り元気があれば 法務局で「権利者変更届け出用紙」と税務署で築48年目のマンションの資産価値を聞いてきます。

市役所ではマンションなんだから「固定資産税評価」で良いはずで 路線価は関係ないといわれたのですが、念のため聞きたいと思っています。

私も母も「地方税非課税」世帯なのですが、相続の場合は 不動産の評価で相続税有無の分かれ道になりそうです。
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2016年10月01日

昨日、常磐線でいわき訪問

川崎駅からいわき駅 片道約3時間の列車の旅

まずいわき駅に降りた時の違和感が強くありました。
いわき市にお住いの方に怒られるかもしれませんが、駅と駅周辺の整備は 立派でした。
でも、昼に着いたのに 人の活気や生活感が感じられないのです。
まるで「あなたの知らない」世界に立っているようでした。

人々の話し声や笑い声が聞こえない 人の姿はまばらに見えるのに 生活者というより通行者。
幼いころに訪れた記憶では、炭鉱のぼた山が見え 田舎の駅だったのですが、多くの労働者の活気があったように思います。

タクシー乗り場は 待ちタクシーでいっぱい。
バス路線網もあるのかないのか走っている所は見ませんでした。

この市の中核はなんなんだろうか・・・、昔のようないわき湯本温泉なのか??
中核企業はなんだろうか・・・。

常磐線は、3.11の前までは 仙台や磐越東線なども結び 新幹線とは違う 豊かな田園風景や海岸線が見える車窓の旅を楽しめました。
私は 仙台には 東京ー仙台 直通の新幹線を利用していたのですが、同僚の中には 上野ー仙台 7時間弱の常磐線を利用する人もいました。
旅マニアには とっても変化のある車窓を楽しめた路線です。

市役所で 母の除籍戸籍を申し込んだのですが、爺様は 分家ということで 本家戸籍は 福島第一原発の被害が多く出ている福島県北部にある市。
市役所の担当の女性は、車がないと今日中はムリかな・・・、と市役所の郵送手配のやり方と 添付書類の知恵・返信封筒の切符と郵便為替の予想額なども教えてくれました。

路を聞いたり 役所・駅の人達は とっても素朴で 親切でした。
なのに駅を降りた時の違和感。

いち旅行者の違和感は、素朴で親切な人達のために 都市開発をしたのかという疑問かもしれません。

駅の広場の大きさ、エスカレーター・エレベーター完備の近代的なデザイン。
このような駅舎整備が 川崎駅にあれば と羨ましくなるほどですが、

地方都市の生命線は、バス・電車などの交通網整備と商店街の活性化にある思います。
「スーパーひたち」での帰路、福島県の地図を見ながら 道路網は整備されてきていますが、鉄道のローカル線網は弱いなぁと感じます。
駅舎個々が立派な建物になる以上に 東西南北の鉄道網の整備がなければ 観光もキツイだろうと思います。

JR東日本は、首都鉄道網で膨大な利益を得ています、国鉄民営化の時の「廃線はださない」との約束を守らせ、福島県・いわき市はじめ各市は もう少し 人口減少対策として「鉄道網」も道路網と同じように 力を入れてほしいものだと思います。
放射能汚染という難しい生活再建対策の復旧に 是非とも「交通網」の整備もいれて欲しいなと感じました。
旧国鉄は 首都圏の黒字で ローカル線の赤字を克服してきた優良企業でした。
国鉄の赤字は、政治新幹線などの建設と運営の分離にありました。
貨物輸送競争でも 貨物は税金で道路整備。
鉄道は国鉄まかせ。
中曽根首相の功績のようにいわれる「国鉄の分割民営化」が 地方の衰退や国民資産の民間企業への譲渡など 今でも地方に大きなダメージを与えていると考えています。

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2016年10月08日

放置でうつ症状も…老人の貧血には怖い病気が隠れている

放置でうつ症状も…
老人の貧血には怖い病気が隠れている
2016年10月7日 日刊ゲンダイ

 立ちくらみや目まいがして突然倒れてしまう――。
貧血は若い女性の病気と思われがちだが、実は高齢者の10人に1人は貧血状態にある。
貧血には心臓病やがんが潜み、放置するとうつ症状、嚥下障害などになりやすいというから恐ろしい。

 田中勝昭さん(83歳、仮名)は今月3日に風呂場の脱衣室で息苦しくなり、救急搬送された。高血圧による心不全だった。
「お医者さんからは『高血圧で心臓に負担がかかり、心臓の筋肉や血管壁が厚く硬くなって伸縮性・柔軟性が失われた。
その結果、ポンプとしての機能が低下して心臓が虚血状態になった』と説明されました。

以前から足がむくむ、おしっこの量が減った、疲れやすく体が冷える、息切れがするとこぼしていたので、病院で診てもらえ、と言っていたのですが……」

 こう言って唇を噛むのは田中さんの長男だ。
幸い、田中さんは高血圧と心不全の治療を受け一命を取り留めた。

 家族にとって意外だったのは、田中さんがひどい貧血を患っていたこと。
酸素とくっついて全身に酸素を運搬するヘモグロビンの量が9g/dlしかなかった。

東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授が言う。
「貧血は心不全を悪化させる原因ですが、心不全そのものも貧血を起こします。
心臓の機能低下で腎血流量が減り、腎機能が悪くなると、赤血球を作るエリスロポエチンの産生異常が起こります。
炎症性サイトカインも増えるので、これらが相まって貧血になると、心不全がさらに進むという悪循環に陥ります。

実際、心不全患者の3分の1は貧血があるといわれます」

■肉は食べなきゃダメ
 貧血の定義は世界保健機構(WHO)基準などで血液内のヘモグロビンの量が15歳以上の成人男性は13g/dl以下、妊婦を除く15歳以上の成人女性は12g/dl以下とされている。
高齢者は11g/dl以下だが、65歳を過ぎると造血能力が急に低下することが知られる。  

貧血にはさまざまな種類があるが、田中さんは高齢者の多くが患う鉄欠乏性貧血だった。
その原因は消化管からの鉄吸収障害、薬による消化管出血などもあるが、食事での鉄分摂取不足も大きい。
 田中さんは食が細く、十数年前の交通事故で腸が傷つき機能低下していたため、肉などは控えめにしていた。
「鉄分には、肉や魚などのタンパク質に含まれ体に吸収されやすい『ヘム鉄』と、野菜や穀類に含まれて吸収されにくい『非ヘム鉄』とがあります。

高齢者は『粗食が一番』という誤った考えから、ヘム鉄を取らないため、鉄不足になりやすい傾向にあります」(都内の管理栄養士)
 しかも田中さんは、非ヘム鉄の体内吸収を助けるビタミンCも不足気味だった。
妻と2人暮らしの田中さんは、果物などを買っても重くて持ち帰るのが大変だったからだ。

 高齢者の貧血が怖いのは心臓の病気だけじゃない。
胃がんや大腸がんなどの消化器のがんや、うつ症状や食べ物がのみ込めなくなる嚥下障害、認知症やうつ症状などにも注意が必要だ。

「消化管にできたがんによって出血し、鉄欠乏性貧血になることがあります。
鉄欠乏性貧血になると、食道の上部3分の1の粘膜に薄い膜(食道ウェブ)ができます。
そのため、食事がのどを通らなくなることがあるのです。
また、貧血の人は認知症のリスクが上がることが、ドイツや米国などの研究で報告されています」(東丸教授)

 鉄分は神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンを合成するのに欠かせない。そのため鉄不足はイライラ感や疲れやすさ、注意力の低下といったうつ病と似た症状を起こすという。  高齢者は貧血を軽く見てはいけないのだ。
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2016年10月12日

なぜ、モノより経験にお金をつかう人のほうが「幸せ」なのか

なぜ、モノより経験に
お金をつかう人のほうが
「幸せ」なのか
2016.10.11 TABI LABO

幸せの定義って難しいですよね。
価値観は人それぞれだし、幸せだと思っていたことが、ある日とつぜん180度ひっくり返ることだってあります。
でも、「Elite Daily」で紹介されていた「モノではなく、経験にお金を使うべき理由」という記事は、そのひとつのヒントになるかもしれません。

20年以上「お金と幸福の関係」を研究してきたコーネル大学の心理学教授、トーマス・ギロヴィッチ氏によると、私たちは物質的なもの(家や電子機器、洋服など)を購入するよりも、ライブやコンサート、美術展、旅行などを経験したほうが、より多くの幸福を得られるという。

さらに、経験のほうが場合は、出費に対する後悔も少ないというのだ。

01. 人生はダイヤモンドを買うために
       あるのではない
       経験は、あなたの一部となる

ギロヴィッチ教授は、同じお金をかけて商品を買った人々と、経験を買った人々の満足度を調査。
最初の時点ではほぼ同じくらいの幸福度であると位置づけられていたが、しばらく時間をおいてから再び調査を行うと、経験を買った人々の満足度が上がったのに対し、商品を買った人々の満足度は下がっていったのだ。

ギロヴィッチ氏はこう語った。
「幸福の敵のひとつに私たちの適応能力があります。
例えば何か嬉しくなるようなものを買うとします。
すると一旦はとても幸せな気持ちになるのですが、私たちはそれに適応してしまうのです。」
これは「消費のパラドック」と呼ばれるもので、商品は一度手に入れれば、どんどん自分の中で価値が薄れ、さらに違うものが欲しくなってしまう。
新しいiPhoneが出たら、次から次へと購入したくなるのもこれだ。
この消費のパラドックの繰り返しなので、欲望を満たすことは難しい。

一方で経験は、この先も繰り返し語っていけるような、素敵な思い出になる。
そして、その経験から得たことはあなたのアイデンティティの根深い一部となる。
さまざまな経験をすることで、なりたいと思っていた自分像にも、近づけるようになるのだ。

02. 人とのつながりを生む 経験はさらに、
人とのつながりも生みだす。
しかし、高級品を購入したところで誰かとつながる、ということはあまりないだろう。

新しい土地に旅に出れば、誰かと出会うかもしれない。
同じ経験をした人と、いつかどこかで意気投合するかもしれない。
自分の経験を誰かに伝えることで、その人の興味を刺激し、人生を変えることだってあるかもしれない。
人との出会いやつながりは、お金では買えないもの。
でも経験を買うことで、あなたは人間関係を広げ、世界を広げることができる。

03. 値札を外して 世界に出ていこう

経験は、商品のように簡単に価値が分かるものではない。
どちらの経験が素晴らしいかなんて、比べようのないものだ。
その経験を通して感じたこと、学んだこと、浮かんだインスピレーション、それこそが値段のつけられない価値なのだ。

つい人と比べて落ち込むことも多い競争社会において、ゆるぎないあなただけの自信となるに違いない。
必要のないものを買い続けて、気づいたら購入してから数週間ほどで捨ててしまうものが増え、大量生産・大量消費のサイクルの中に入っている。

人生を豊かにしてくれるのは、高級なバックでも宝石でもない。
あなたのビジネススキルを上げてくれるのは、イタリア製のスーツや靴なんかじゃない。
幸福を手にしたいなら、私たちはもっと積極的に「経験」をするべきではないだろうか。
Licensed material used with permission by Elite Daily
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2016年10月15日

レタス1個500円! 「肉より高い」野菜異常高値に悲鳴が

レタス1個500円!
「肉より高い」
野菜異常高値に悲鳴が
J-CASTニュース 10月14日(金)18時35分配信

 「レタス高いからキュウリで!」――あるツイッターユーザーが自家製サンドイッチの写真を投稿して、こうつぶやく。

 2016年9月に日本列島を襲った台風、そして長雨の影響で野菜の価格が高騰している。
中でもレタスは10月になっても目を疑うような値段で販売されており、1玉500円も珍しくない。
サラダやちょっとした添え物、日々の料理に欠かせない野菜だけにネットで「ワンコイン!? 」「肉より高い」といった声が相次いでいる。

■家庭菜園に踏み切る人たちも

 野菜の高騰が止まらない。
原因とみられるのは、16年9月に相次いだ台風や秋雨前線の停滞だ。
気象庁が10月3日発表したところによると、9月の日照時間は東・西日本、沖縄・奄美でかなり少なく、西日本の日本海側では統計を開始した1946年以降で最少になった。

一方で雨量は多く、西日本では平年比180%以上を記録。
日本各地で土砂災害が起こった。
平均気温も例年に比べて高かったという。

気温が高いわりに日照時間が短い、ぐずついた天候となった。
 そんな天候も影響し、野菜は例年に比べて高値で推移、中でもレタスは目に見えて「高い」。

マスコミ報道によると、一部地域では例年の2倍近くにはね上がっているという。
ツイッターには、   
「肉より高い」   
「買い物が進まない」   
「ゲェーッ!ワンコイン!? 」 と驚き、嘆きの声が寄せられている。

ツイッターを見ると、一部の家庭は料理の具材を他の野菜に変えたり、家庭菜園での栽培に踏み切ったりと、さまざま工夫でレタス高騰をしのいでいるようだ。

農水省の見通し......  
記者が16年10月14日、東京都千代田区内のスーパーを5店舗回ったところ、1玉278円から498円(いずれも税抜き)と価格にばらつきがあった。
一方、キャベツは1玉100円台で販売している店舗も多く、レタスとの価格差が著しい印象だ。  

となると、気になるのはこの高値が今後も続くのかどうかだ。
 農林水産省が9月30日に発表した「野菜の生育状況及び見通し」によると、レタスは主要生産地の長野県や茨城県での生育状況が平年並みのため、出荷量や価格は10月を通してみれば、平年並みに戻る見通しだ。
 一方、ダイコンやニンジン、ホウレンソウ、キュウリ、ピーマン、ジャガイモ、ナス、トマトに関しては、10月になっても高値で推移するようで、「完全復旧」とまでは言えないかもしれない。
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2016年10月24日

低温やけど、意外にダメージ

低温やけど、意外にダメージ
2016年10月20日 読売新聞yomi Dr.

これから寒さが増してくると、暖房器具を使う機会が増える。
湯たんぽやカイロなどによる「低温やけど」には十分注意したい。

 低温やけどは、40〜50度程度の低い温度の熱が長時間にわたって皮膚に加わることで起きる。
就寝中などに湯たんぽや電気あんかが長時間、体の同じ部位に触れている場合などだ。44度で3〜4時間、46度で30分〜1時間程度でやけどするとされている。

 「住吉皮膚科」(東京都)院長で順天堂大非常勤講師の住吉孝二さんによると、感覚神経が「痛い」「熱い」と感じなくても、一定以上の熱で皮膚組織は破壊されるという。
このため、心地よいと感じる温度でも注意が必要だ。


 低温やけどが起きる仕組みについて住吉さんは、「密着した器具が皮膚を圧迫し血流が悪くなっていることも影響している」と指摘する。

通常、皮膚に伝わった熱は、血液を介して全身に拡散されるが、血管が圧迫されることで血流が悪くなり熱がこもりやすくなる。
表皮の奥の真皮までダメージを受け、見た目よりも重症化しやすい。

 一般的なやけどでは、すぐに患部を水などで冷やすことで悪化を食い止められるが、低温やけどは「気付いた時点で皮膚の深部までダメージを受けているため、効果はあまり期待できない」(住吉さん)という。
ただちに病院へ行き、医師の治療を受けることが大切だ。

湯たんぽや電気あんか…布団を温めたら出す

 低温やけどを予防するためには、湯たんぽなどの長時間使用を避けるのが第一だ。
独立行政法人製品評価技術基盤機構製品安全センター参事官の池谷玲夫さんは「湯たんぽなどは、直接体を温めるのではなく、布団を温めるために使うようにし、就寝時点には布団から出してしまう。
電気あんかは電源を切るなどしてください」と助言する。

 暖房機能のある便座に長時間座っていることで低温やけどに至るケースも2015年に4件確認されている。
いずれも80歳以上の高齢者。
「用を足している最中に眠ってしまうなどして便座に長時間座ってしまうこともあり得る。
温度を低く設定するか、使用中はスイッチをオフにするよう周囲の人も気をつけて」と指摘する。

 意外なところでは、スマートフォンも低温やけどの原因になる。
 国民生活センターによると、「充電しながら寝たらスマホが腕の下にあり、やけどした」(奈良県・40代女性)といった事例が報告されている。
東京都生活安全課が、スマホを毛布で包んでアプリケーションを起動状態にする実験を行ったところ、50分〜2時間程度で50度前後まで発熱した。
同課の宮永浩美課長は「就寝時にスマホを使う際には十分注意してください」と呼びかけている。
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2016年10月30日

インフルエンザ予防接種はどこまで有効か

インフルエンザ予防接種は
どこまで有効か
東洋経済オンライン 10/29(土) 6:00配信

 少しずつ寒さが増していく季節。
早くも一部でインフルエンザが流行して、学級閉鎖に追い込まれた学校もあります。
「インフルエンザの予防接種を受けておきたい」
「自分の子どもにも受けさせておきたい」と考えている人も少なくないでしょう。
 ところで、そんなインフルエンザの予防接種で受けるワクチンの有効率はどのくらいだと思いますか? 

■インフルエンザワクチンの有効率は低い

 「80〜90%以上は効くだろう」と思われる人もいるのではないでしょうか。
麻疹風疹混合(MR)ワクチンや、おたふくかぜワクチンは、それぞれ95%以上、90%以上の有効率がありますが、インフルエンザワクチンの有効率は低いのです。

 文献をまとめたものでは、インフルエンザワクチンの効果は、日本では小児で25〜60%と、成人で50〜60%とされています。
厚生労働省のホームページには、乳幼児においては、「おおむね20〜50%の発病防止効果がある」とされています。
また、「乳幼児の重症化予防に関する有効性を示唆する報告も散見されます」とあります。

拙著『小児科医は自分の子どもに薬を飲ませない』でも触れていますが、そもそも、インフルエンザの予防接種の効果(有効率)を調査するのは、とても難しいとされています。

年により流行するウイルス株が異なり、ワクチン株の構成も異なり、地域によっても流行状況が異なるからです。
 私は小児科専門医です。
当院においても、毎年インフルエンザの予防接種を実施していますが、あまりやりたくはありません。
なぜなら、親御さんへの説明に手間がかかるからです。
インフルエンザの有効率で、親御さんが期待する数値と、実際に予想される数値にかなり開きがあるのです。
これは特に、1〜2歳のお子さんを連れて、初めてインフルエンザの予防接種に来た親御さんに顕著な話です。

 乳児や1〜2歳で、初めてインフルエンザの予防接種を受けに来るのは、今まで実際にインフルエンザにかかったことのないお子さんが大多数となります。
つまり、それらのお子さんは、インフルエンザウイルスに対して、体の免疫の記憶(貯金)がほとんどありません。
そのような状態で、体に外から免疫を植えつけようとしても、なかなか効果が上がらないことは想像できるでしょう。
大人でさえ、有効率は50〜60%なのですから、生まれて間もない、免疫の力がまだまだ未熟な赤ちゃんや2歳くらいまでのお子さんは、もっと確率が低いだろう……と考えることもできます。

現場ではどう話すのか

 実際に、私は診察室で親御さんに対して、次のようにお話しします。
「乳児の場合、発症を防ぐ効果ははっきりせず、重症化を防ぐ効果はあるかもしれないという程度です。
保育園に入園されていて、ご希望が強ければ接種します」
「1〜2歳の場合、いろいろな調査報告がありますが、有効率はおそらく20%くらいかもしれません。
平たく言えば、“効いたら、ラッキー”というくらいですよ」
多くの場合、親御さんはその話を聞いて驚きます。
 そして、それでもよいと納得されれば接種するようにしています。

 ちなみに、インフルエンザの予防接種は任意接種です。
自費診療の部類に入るため、接種しない限りは料金をいただくことができません。
それでも、インフルエンザワクチンについては、「しっかり効く」「受けさえすれば安心」という間違った思い込みを持つ人が多いのです。

■「先生のお子さんだったら、どうします?」

 ワクチンに関する考え方は、小児科医の間でも見解が分かれています。
それだけに、不安を覚えるお母さんお父さんも多いかもしれません。
そこで、予防接種について話がわかりそうな医者で、特に子どもがいそうな場合に、本音を聞き出すのに有効な質問は、「先生のお子さんだったら、どうします?」です。

 医者だって人間です。わが子が大切ですし、いちばんかわいいと思っています。
自分が持っている知識と経験を総動員して、一生懸命に子どものことを考え、その時点でベストと考える決断をするはずなのです。
だからこそ、本音を聞き出せるでしょう。
 この質問は、私が実際に親御さんに聞かれると困ってしまう質問のひとつに入ります。
なぜなら、お答えするのに話が長くなりますし、保育園をなるべく休ませたくないという親の都合を含めて、接種を受けさせている部分もあるからです。

 私は、大多数が「ワクチン推奨派」の小児科医の中において、どちらかと言えば慎重派であり、親の意見を聞きすぎる傾向にあります。
ただ、価値観がますます多様化している中で、言われるがままではなく、わが子の予防接種をどうするかを真剣に悩んでいる親御さんの判断の助けになればと思い、本音を吐露させていただきました。
鳥海 佳代子
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2016年10月31日

「あったらいいな」…理想の病院、クリニック

イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
「あったらいいな」…
理想の病院、クリニック
2016年10月28日 読売新聞

今日は理想の病院やクリニックについて書きますね。
「こんな病院やクリニックがあったらいいな」という僕の私見です。

 医療で一番大切なことは、施される医療の質ですが、そこはなかなか判断する基準がありません。
極端なことを言うと、手術をする先生は、その素行や、身なりや、言動や、私生活などどうでもいいですよね。
手術だけ上手にやってくれればいいのですから。
美味おい しいラーメンを出してくれれば、どんなに古い建物でも、サービスが悪くても、また行列しても、ラーメンの味で勝負だという理屈と同じです。
そしてラーメンは1日に10軒でもはしごできます。
一口食べれば美味しさはわかりますから。
ですから比較的評価は当たっています。

ところが、医療の本質の良し 悪あ しはなかなか比較できないのです。
今回はそんな本質とは離れたハード面やソフト面のお話です。  

きれいで新しい建物を  

まず、建物はきれいで新しい方がいいですね。
古いと気が 滅入めい りますね。
治療が同じであれば、どこで施されても同じだという意見もありますが、そうでしょうか。
1泊から数泊で終わるような簡単な病気はどこでもいいかもしれません。
でもある程度の入院期間が見込まれる大病であれば、明るく、 清々すがすが しく、そして気が晴れる病室が、暗くて、沈んでいて、重苦しい雰囲気の病室よりもいいに決まっています。
当然に治り方は違うように思えます。

廊下は広い方がいいですね。
下には絵などが掛けてあるとおしゃれですね。
お庭があると入院中の息抜きになりますね。

  待ち時間、何とかならない?  

さて、待ち時間です。
「3時間待ちの3分診療」などと 揶揄やゆ されますが、多くの患者さんをさばいて薄利多売で利益を上げている医療構造からして、致し方ない側面もありますが、なんとかならないでしょうか。
まずは3時間待っても苦にならないような工夫ができます。
たとえば自分の順番が近づいたら携帯電話にお知らせが来るとか、院内専用の通信機器を持ってもらって、そして好きなところで時間を潰して頂いて、10分ぐらい前に待合に来てもらうという作戦です。
これらは、実はすでに行われています。

 待ち時間をなくすためには、予約診療を正確に行えばいいのですが、予約診療をしても待たされることは、よく耳にします。
それはキャパシティ一杯に、またそれ以上に予約をいれるから起こることで、1時間に2人ぐらいを診療する体制にすれば待ち時間もなくなります。
ところが、1時間に10人以上が予約で入っていることも、 希まれ ではありません。
そうであれば、自宅に医者に来てもらうことも一つの方法です。
在宅医療では通常、月に2回ぐらいの訪問診療を行っています。
医師が決まった時間に患家に来てくれるのです。
これであれば、だいたいの時間がわかっていれば少々待っても腹は立ちません。
ちなみに往診は予定外の診察で、訪問診療は予定された診察です。

 また、最近は体を触らない、そして患者の顔を見ないでコンピューターばかりを見ている診療もあります。
患者を触らないのであれば、テレビ電話での診療でも代用可能です。
昨年8月に厚生労働省は従来の方針を大転換して、遠隔診療を基本的に認めました。
もちろん保険診療も利用できます。
つまり、これからは、検査の結果を聞くとか、著変がないので同じ薬がほしいなどという状況では、病院に出向かなくても、テレビ電話での診察が可能で、処方箋や実薬が後ほど送られてくるという診療スタイルが実際に始まっています。

 初診も再診以上に待ちますよね。
先ほどの遠隔診療について、厚生労働省は初診でも認めました。
つまり最初に対面する必要はないということです。
そうであれば、病院に行った方がいいか迷った時は、まず遠隔診療で症状を訴えて、そして来院の必要があれば、来院して診察や検査を受ける、来院の必要がなければ病院の患者数が減りますので、実際に診察する患者さんの混雑を緩和できますね。  

クロークが便利、トイレも広く…

 そして、病院やクリニックにクロークがあるといいですよね。
特に病院では荷物をもって、移動するのは大変です。
雨の日に傘を持って、冬にコートを持って移動することは大変です。
ホテルには当然にクロークがあります。
もちろんそれを利用しなくてもいいのですが、あれば便利ではないですか。
こんな当たり前のことも病院ではなかなかできません。
あってもコインロッカーという施設が大多数と思います。

 トイレはだいぶ改善されました。
多くの病院は洋式の洗浄機付きの便座となりました。
ところがトイレは狭いですね。ある程度の広さは必要と思っています。
トイレに気を配っている病院は基本的に他のいろいろな要素にも気を配っている病院と思って間違いありません。

  職員の態度に気を付けて、説明は迅速に


 医療従事者の態度は大切ですね。
エレベーターで職員の私語が多い病院は落第です。
また職員が横に並んで廊下を我が物顔で 闊歩かっぽ している病院も落第です。
職員は廊下の端を一列で歩く病院は素晴らしい教育がされています。
また職員の白衣や仕事着が汚れている病院も落第ですよ。

 いろいろな検査をして、例えば採血、単純X線写真、超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査、心電図などなどの結果が 直す ぐにわかるといいですね。
最近はダブルチェックをすることが多く、その道の専門家がチェックしてから、そのコメントを参考にして主治医がお話しします。

多くの病院では後日来院してもらって説明していますが、できれば当日に読影結果がわかると良いですね。
チェックする医者の数が十分であれば、それも可能です。
実際に即日にダブルチェックの結果を含めて説明する病院もありますよ。
もしも、後日になるのであれば、これも大した異常がなければテレビ電話で「異常ありませんでしたよ」で十分ですね。

 僕の友人のアメリカのオフィスは、ホテルのようでした。
患者が少なく、スペースが広いので、患者さん同士が顔を合わせることも希でした。
間接照明で、1人に30分から1時間の診察、診察の前には担当の医療従事者でコンシェルジュのような人が、いろいろとお話を聴いてくれます。
病院に来ると憂うつになる日本とは別世界ですね。

国民皆保険が崩壊し、混合診療が普及すると予想され、そして患者負担が5割になれば、少々お金を払っても付加価値を期待する人々のクリニックが増えるかもしれませんね。
 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。
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2016年11月02日

早死にした人に共通する生活習慣ワースト10

早死にした人に共通する
生活習慣ワースト10…
風呂好き、寝すぎ、食べたらすぐ歯磨き!?
2016.11,1 日刊SPA

 2016年は働き盛りの著名人の急死が相次いでいる。
タレントの前田健さん、元AV女優の紅音ほたるさん、最近では“ミスターラグビー”こと平尾誠二さんの死は社会に衝撃を与えた。

1/1発売の週刊SPA!に掲載されている特集『早死にする人の意外な特徴』では、病気や事故で早死にした200人の遺族や関係者を徹底取材。
何気ない日常生活に潜む意外な特徴について特集している。
ここでは、「早死にした人の意外な生活習慣」について紹介しよう。

◆日常の何気ない習慣に潜む早死にの予兆
    【早死にした人の意外な生活習慣】
1位 風呂が好き…51人
2位 8時間以上睡眠をとっている…49人
3位 食べたらすぐ歯磨きをする…35人
4位 赤ら顔…31人
5位 毎朝のジョギングが日課…28人
6位 趣味がゴルフ…24人
7位 不倫している…15人
8位 平熱が低い(36.0℃以下)…13人
9位 SEXレス…11人
10位 独身…7人
※早死にした30〜50代の人の遺族や関係者200人へのアンケート結果をもとにランキング化(複数回答アリ)

 多忙な仕事での睡眠不足やストレスによる深酒など、あしき生活習慣に陥りがちなのがサラリーマンの宿命。
医師の森田豊氏は「ずさんな生活を続けていると何気ない生活習慣が心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす」と警鐘を鳴らす。
「間違った生活習慣は気づかないうちに血管を傷め、動脈硬化を進めます。
そして、ある日急激な血圧上昇が起きると、病気の引き金に。
ランキングのトップにきている風呂好きがまさにいい例で、寒い日は血圧が上がりやすく、風呂好きほど高い温度を好む傾向があり、脳卒中のリスク大です」

 ランキング5位のジョギング、6位のゴルフも注意が必要だ。
「適度な運動はもちろん健康にプラスです。
しかし脳梗塞、心筋梗塞がいちばん多い時間は、朝6時〜8時といわれています。
早朝の運動にはいつも以上に念入りな水分補給とストレッチなどのウォーミングアップを行うようにしてください」(森田氏)

 亭主関白や不倫など男の身勝手も交感神経を高ぶらせるという。
「亭主関白の人は周囲と争う傾向が強くストレスを感じやすい。
また、不倫は妻への罪悪感に加え浮気相手を喜ばせるためにSEXを頑張りすぎてしまう。
さらに勃起薬を使用するともなれば、死に急ぐようなもの。
とはいえ、極端に性欲がないのも危険。
男性ホルモンが減少していることが原因の可能性もあり、その場合、心臓病や糖尿病のリスクが上昇。
また、離婚をして独り身になると生活の乱れから体調を崩す危険も」(同)

 また赤ら顔も、石原結實医師によると早死にのサインだという。
「漢方の世界で血行の滞りなどを意味する瘀血(おけつ)の可能性があります。
血液中に老廃物などが増え疾病の原因に。
脳卒中や心筋梗塞で倒れた人の多くは赤ら顔でした」

 赤ら顔同様、血行不良が原因とされる低体温も危険だ。
「体温が1度下がるだけで代謝は約12%もダウンします。
肥満のリスクに加え、免疫力が低下するためあらゆる病気に感染するリスクも高まる」(石原氏)

 ランキングで最も意外だったのは2位の睡眠をとりすぎるだろう。
「短い睡眠よりも死亡率は高いという統計があり、何らかの病気が潜伏しているために睡眠が長い可能性が。
また、食後の歯磨きも危険。食後30分以内の歯磨きで、歯の腐食が進みます」(森田氏)

【森田豊氏】
医師・医療ジャーナリスト。現役の医師として、診療に従事するとともに、ジャーナリストとして多くのメディアで病気や医療の問題について解説している

【石原結實氏】
医学博士・イシハラクリニック院長。
医師の傍ら、健康増進を目的とする保養所「ヒポクラティック・サナトリウム」運営。
著書は300冊以上というこの道の大家
 同特集ではほかにも「食習慣」「働き方」「職種」における「早死にした人の意外な特徴」を徹底検証。
また、「災害」や「交通事故」の被害に遭った人にはどういった特徴があるのかも解説している。

果たして、我々が早死にしないためにはどのような努力が必要なのか?
 気になるその解決策はぜひ本特集をご一読ください。
<取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
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2016年11月04日

ドコモ「iモード」終了にガラケーユーザーが悲嘆 「高齢の親が心配」の声も

ドコモ「iモード」終了に
ガラケーユーザーが悲嘆 
「高齢の親が心配」の声も
2016年11月03日 11時00分 しらべぇ

NTTドコモは、2日、iモードケータイの出荷を今年11〜12月をめどに終了し、在庫限りで販売終了することを発表した。

iモード搭載の『らくらくホン』は当面出荷を継続し、iモードサービスもこれまで同様に利用できるという。

■流行語大賞ともなった『iモード』 iモードは、1999年に始まった世界初の携帯電話によるインターネット接続サービス。
NTTドコモのシェア拡大に大きく寄与するとともに、日本のネットユーザーが裾野を拡げることにもつながった。
1999年の新語・流行語大賞トップテンにもランクインしている。
一方で、iモードサービスにこだわったことがスマートフォンへの対応を遅らせ、iモードケータイを含む従来型携帯電話は、「ガラケー(ガラパゴス携帯の略)」とも呼ばれている。

■ユーザーからは寂しさや嘆きの声も
ネットでは、iモードを利用していた頃を懐かしむ声とともに、自らや高齢の親が使っているために心配も表明されている。

ガラケーは消えていく運命か...両親まだガラケーなんだけど大丈夫かな... ― 魔法使い (@tsukai3) 2016年11月2日

個人サイトをiモード対応にするとか、楽しかった。 ― HrsT (@HrsT_jp) 2016年11月3日

ラケー生産終了って。 まだまだ使っているσ(・д・мё))に とってはダメっしょ。

スマホ料金高い。なくなるなら 断然見直ししてもらいたい ― dekoco299 (@dekoco29) 2016年11月3日

iモードは 個人的にはチケットGET用最強ツールだと思っているので、サービスだけはなくなって欲しくはない(;´Д`) ― 黄緑一色 (@huangluseyise) 2016年11月3日

ガラケー最高だよ!通信量気にしなくていいし、コンパクトだし、操作ややこしくないし、LINEしなくてすむし。 ― 零音 (@amasakirain) 2016年11月2日

えっ!!? iモード携帯終了とか私終了のお知らせすぎる・・・ 今使ってるの壊さないように使わなきゃ・・・ ― メグ (@megblue67) 2016年11月2日

ついにiモードの終焉か...なんだかさみしいね ― めぐみ@11月は毎週遠征 (@chaco077) 2016年11月2日

こうした施策により、スマートフォンの普及がより一層進むのか。
高齢ユーザーは「らくらくホン」的なサービスに集約されるのか。
日本のインターネットを牽引した「発明」の終わりを、感謝とともに見送りたい。
・合わせて読みたい→スマホはガラケーより文字が入力しづらい!約半数の人がイライラする理由とは (文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
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2016年11月05日

家計の金融資産1078万円に減少、「老後の生活」目的が最高に=日銀

家計の金融資産
1078万円に減少
「老後の生活」目的が最高に=日銀

[東京 4日 ロイター]
- 日銀が4日に公表した2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上の世帯)によると、金融資産の保有額は平均で1078万円となり、前年の1209万円から減少した。

金融資産の保有目的は、高齢化の進行を背景に「老後の生活資金」との回答が過去最高を更新した。
金融資産を保有している世帯の保有額は平均で1615万円となり、前年の1819万円から減少した。
金融商品別の構成比を見ると、預貯金が55.3%と引き続き過半を占め、同53.2%から上昇。
一方、株式や投資信託を中心とした有価証券が16.1%と同17.7%から低下した。
昨年の調査期間に2万円程度だった日経平均株価が今年は1万6000円程度に下落しており、日銀では株安に伴う有価証券の時価の減少が保有額減少の要因とみている。

なお、少額投資非課税制度(NISA)の保有額は前年の156万円から167万円に増加した。
金融資産を保有していない世帯は全体の30.9%と前年から横ばい。

今回、初めて調査した預貯金や証券会社などの口座に残高がない世帯と口座を保有していない世帯を合わせた、いわゆる「無貯蓄世帯」の割合は13%だった。

金融資産の保有目的(3つまで複数回答可)では「老後の生活資金」が70.5%と引き続き最多で、水準は過去最高を更新した。
次いで「病気や不時の災害への備え」が63.7%だった。
老後の生活が「心配」と回答した世帯は全体の83.4%と前年の80.6%から上昇しており、高齢化の進行を背景とした将来不安の高まりが家計の金融行動からもうかがえる。

調査は1953年から年1回実施しているもので、今年は6月17日から7月26日にかけて全国7808世帯を対象に行われた。
このうち3497世帯(回収率44.8%)が回答した。
(伊藤純夫)
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2016年11月08日

インフルエンザ、昨年比約4.6倍の流行…咳エチケットに留意を

インフルエンザ、
昨年比約4.6倍の流行…
咳エチケットに留意を
2016年11月07日 16時15分 リセマム

 厚生労働省は11月7日、平成28年第43週(平成28年10月24日〜30日)におけるインフルエンザの発生状況について発表。
定点あたり報告数総数は2,329で、昨年同時期の498に比べ約4.6倍の数値となった。
インフルエンザによる学年閉鎖、学級閉鎖は9月以来最高の58施設。


 インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気。
38度以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身の症状が突然現れ、普通の風邪と同じような喉の痛み、鼻汁、咳などの症状も見られる。

インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、大きくA型、B型、C型の3つに分類にされ、このうちA型とB型が大きな流行の原因となる。

 厚生労働省が発表した発生状況によると、インフルエンザ定点あたり報告数がもっとも多いのは沖縄県で661。
ついで、東京都159、埼玉県142、神奈川県119、北海道113。

インフルエンザを原因とする全国的な休校や学年閉鎖、学級閉鎖数も報告されており、第36週(平成28年9月5日〜11日)における第1報では施設数合計3だったところ、第43週にあたる第8報では58へ増加している。

 インフルエンザのおもな感染経路は、咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染。
よって、厚労省はインフルエンザの予防には「咳エチケット」を心掛け、咳やくしゃみが出るときはできるだけマスクをするよう呼びかけている。
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2016年11月09日

「粗食がいい」は誤解 がんは賢く食べて抑える時代

「粗食がいい」は誤解
がんは賢く食べて抑える時代へ
2016年11月8日 日刊ゲンダイ

末期がんというと、ガリガリに痩せた姿を思い浮かべる人が多いのではないか。
この段階になると、体の中で代謝異常が起こって、筋肉などの合成以上に分解が進む、「悪液質」と呼ばれる状態に陥るからだ。

 しかし、この悪液質を制御することで、がんと共生し、天寿を全うさせる研究が進んでいるという。
国立がん研究センター研究所がん患者病態生理研究分野の上園保仁分野長に聞いた。
「がん治療というと、がん細胞を殺すことばかりに目を奪われがちですが、必要十分な栄養を供給して、体内の代謝のバランスを取り戻すことが大切だと考えています。
がん患者さんの多くは、がんが直接原因で亡くなるのではなく、栄養不良により免疫低下が起こり、感染症などで亡くなるからです

 患者の栄養管理研究で知られる藤田保健衛生大学病院・外科・緩和医療学講座の東口志教授も近著「『がん』では死なない『がん患者』」(光文社新書)の中がん患者のうち、がんが直接原因で亡くなる人は20%弱で、80%は栄養不良による感染症などで亡くなることを明らかにしている

 また、東口教授は同書の中で、余命1カ月の寝たきりの咽頭がんの患者に適切な栄養管理を施したところ、急回復して退院。
5年間自宅で暮らした末に笑顔で亡くなった例も紹介している。

 要するに、がんは賢く食べれば症状を抑えることが可能で、「がんは栄養を横取りするので粗食がいい」は誤解なのだ。

■食欲亢進ホルモンと同じ働きをする新薬開発も

「悪液質は重症の結核、糖尿病、エイズなど、がん以外にも見られる状態で、筋肉量が異常に減少し、痩せて衰弱するのが特徴です。
ただ、がんは病期の移行スピードが速いため、がん悪液質はすぐに広がり、呼吸をするための肋間筋や咽頭・食道回りの筋肉が萎縮して、呼吸障害や嚥下障害などを起こすのです」

 がん悪液質は1年で5%以上の体重減に加え、倦怠感や食欲不振などが表れることを言い、比較的容易に治せる「前悪液質」や、亡くなる直前で治療がほぼ不可能な「抵抗性悪液質」との3段階に分かれる。

 日本では明治時代からその存在が知られていたが、その仕組みの解明が進んだのはここ10年ほど。
「がんになると、がんやがんに影響を受けた免疫細胞などから、さまざまな炎症性サイトカインが嵐(ストーム)のように分泌され、代謝異常が起こることが分かってきました。
これが悪液質の引き金です」

 サイトカインとは、さまざまな細胞に働きかけてその働きを変えるホルモンに似た物質を言う。
例えば、「インターロイキン6」は体内のタンパク質をアミノ酸などに分解する酵素のスイッチをオンにすることで、筋肉が急速に萎縮していく。
「ほかにも、副甲状腺ホルモンやLIFと呼ばれる炎症性サイトカインが悪液質の原因となることもあります。
最近はサイトカインシグナルが脳に伝わることで脳が体に指令を行う、つまり、がん悪液質は脳の関与が濃厚といわれています」

 膵がんや胃がん、卵巣がんなどは悪液質になりやすいが、乳がんなどはそうでもないという。

治療はどうなっているのか?
「@食欲維持Aサイトカインストームの是正B筋肉の維持、が基本です。

私たちが研究しているのは@で、LIF高値によって起こっているがん悪液質は、モデルラットでは六君子湯と呼ばれる漢方が有効であることを見いだしました。
海外では食欲を増進させる薬剤として、マリフアナやサリドマイドを用いた研究も行われています。
最近は食欲亢進ホルモンであるグレリンと同じ働きをする新薬開発も注目です」

 今年4月には悪液質の背景に、通常の脂肪組織から褐色脂肪組織と呼ばれる特殊な脂肪組織への急速な移行があるのではないか、とのスペイン国立がんセンターの研究が発表された。
褐色脂肪細胞は脂肪を燃焼し熱に変える働きがある。

「これは新しい視点です。筋肉が急速に失われるのは老化によるサルコペニアも同じ。
最近は老年学会などとの共同研究も進んでいます。
いまや悪液質の研究は世界的な重大テーマになっています」

 がんは殺さずに共生する時代は目の前だ。
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2016年11月12日

交通事故死の約5倍 入浴“ヒートショック”死のワーストは

交通事故死の約5倍
入浴“ヒートショック
”死のワーストは
2016年11月11日 日刊ゲンダイ

 入浴中の心肺停止で年間1万9000人が命を落としている――。
この数字がいかにスゴイことかというと、昨年の交通事故死は4117人(警察庁調べ)。
実に交通事故の5倍近くの人が風呂場で亡くなっているのだ。

 風呂場が危ないのは、やはり寒くなる今の時季。
死亡者数を月別で見てみると、11〜3月の5カ月間に7割が集中している。
先日、俳優の平幹二朗さん(享年82)も入浴中に急逝したが、当然疑われているのがヒートショックだ。
風呂死亡テスト.jpg
ヒートショックとは、急激な温度差で血圧が上下し、心筋梗塞や脳梗塞を起こすこと。
湯船に漬かったまま意識を失えば、そのまま溺死してしまう。

 では、どんな人が最も危険なのか?
 高齢者や持病のある人は当然だが、意外なのは“温暖”といわれる地域に住んでいる人たちだ。東京都健康長寿医療センターの調査によると、高齢者1万人当たりの入浴中心肺停止件数のワーストは香川県。
兵庫県、滋賀県と続き、東京都がワースト4位に顔を出す。
逆に北海道は46位、青森県も44位と死亡者が少ない。

「もともと北海道など寒冷地は浴室や脱衣所に暖房施設が備えてあり、寒さ対策がしっかりしている家が多い。
温かい地方であっても、冬に暖房がなければヒートショックの危険があります」(東京都市大学・早坂信哉教授=医学博士)

 その事実を裏付ける興味深いリポートがある。
給湯器や床暖房でお馴染みのリンナイによる「熱と暮らし通信」で、冬場の浴室を“寒い”と答えた割合が最も高かったのが75%の九州だった。
さらに「どんな日に浴槽に入るか?」と聞くと、「寒い時」が44%でトップ。
当たり前といえば当たり前だが、寒い時ほど湯船にゆっくり漬かりたくなり、それがアダとなってしまう。
 昨年、東京都で入浴中に死亡した人は1428人。交通事故死は急激に減っているが、身近で危険なのはお風呂だった。

*私も脳神経外科の通院で 風呂で寝てしまうことがあると報告すると 主治医が風呂は危険だから短めの時間でと指導されました。温泉好きの小だぬきには ちょっと辛い助言でした。
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2016年11月25日

「老い」、建物も住民も 急増する管理不全マンション 自治体、専門家派遣し支援

クローズアップ2016
「老い」、建物も住民も 
急増する管理不全マンション 
自治体、専門家派遣し支援
毎日新聞2016年11月24日 大阪朝刊

 空室の増加や管理費の滞納などが原因で荒廃する管理不全マンションが各地で目立ち始めている。
放置すれば周囲にも悪影響を与えるため、全国の自治体が実態調査を始めた。

背景には、老朽化マンションの急速な増加に対する危機感がある。
現地を訪問したり、専門家を派遣したりして住民を手助けする動きも出てきた。
国も管理組合の再生に乗り出した。 【安高晋】

 約173万戸の分譲マンションがあり、全国の約4分の1が集中する東京都。
都が2011〜12年、都内の全マンション約5万3000棟を対象に管理の実態を調べたところ、約500棟に管理組合がなかった。
調査に応じたのは全体の17%の約9000棟にとどまり、管理不全のマンションはさらに多いとみられる。

 都の住宅政策審議会は昨年、実態調査のデータも踏まえ、管理不全のマンションを把握して支援するよう答申した。
「手をこまぬいていれば確実に増加し、周辺の治安や衛生にも悪影響を及ぼす」と警告。
マンションが自治体に管理状況を定期報告する制度の構築を促した。
都は今年度から制度の試行を始めたほか、報告がなければ立ち入り調査できる仕組みも検討する。

管理不全マンションの増加どう考える? 

 老朽化マンションは今後、急増する見込みだ。
国土交通省によると、築40年以上は現在56万戸だが、10年後に162万戸、20年後は316万戸になる。
古いマンションほど住民の高齢化も進む。

1970年以前に建てられた物件は、60歳以上だけで暮らす世帯の割合が52%を占め、全体の26%を大きく上回る。
高齢化は管理組合役員のなり手不足や空室の増加につながる。

建物と住民の「二つの老い」。
これが管理不全マンションを生む要因となっている。
 管理不全マンションの全体像が見えない中、現地訪問で実態をつかもうとする動きもある。
大阪市は12〜13年、築30年以上の約340棟を対象に、住民の代表に問題点などを直接聞き取り、外観に剥落やひび割れがないか目視で点検した。
市の担当者は「調査票を郵送するだけでは分からない管理の実情や劣化状態を把握できた」と話す。

 京都市では具体的な支援も進む。
11〜12年、90年以前に建った約660棟を調査。
現地訪問で回収した調査票や目視調査から47棟を「要支援マンション」に指定し、専門家を派遣して管理組合の活動を支援している。
 同市左京区にある築42年の「真如堂(しんにょどう)マンション」(全13戸)もその一つ。
以前は管理組合がなく、外観は傷みが目立ち、管理費の徴収も滞っていた。
指定を受けた後、専門家の助言を受けながら管理組合を結成。
長期修繕計画を作成し、13年には初の大規模修繕を実現した。

管理組合の楢崎勝則理事長(62)は「支援しようという押しかけ型の申し出がなければ、お手上げだった」と振り返る。

 管理不全マンションの問題に詳しい富士通総研経済研究所の米山秀隆主席研究員は「自治体はまず、マンションの実態を把握すべきだ。
私有財産への支援には否定的な見方もあるが、災害時に危険が及ぶマンションなど、支援の必要性が高い物件から対策を検討していくことが望ましい」と指摘する。

第三者役員」に不安の声

 国はマンション管理にどう関わってきたのか。
大きな節目は2000年に成立したマンション管理適正化法だった。
管理業者に国土交通省への登録を義務付けたり、住民の相談に乗る国家資格「マンション管理士」を新設したりと、管理の質の向上を後押しした。

 その後も、急速に進む二つの老いを懸念する声は高まる。
「管理組合が機能していないマンションが増える恐れがあるのに、有効な施策が行われていない。
関与のあり方を検討すべきだ」。
国交相の諮問機関、社会資本整備審議会は09年、マンション政策の答申の中で強調した。
だが、マンションは私有財産で所有者が責任を負うのが原則。
国は管理組合を支援する団体に補助金を出すなど間接支援にとどめてきた。

 新たな対策を模索してきた国交省が今年3月に打ち出したのが、マンション内のルールを定めた管理規約のモデルとなる「標準管理規約」の改正だった。
マンション管理士や弁護士など外部の専門家も管理組合の役員になれるよう、選択の幅を広げた。
標準管理規約に法的な強制力はないが、9割のマンションがこれに沿って管理規約を作っており、影響は大きい。
国交省は、管理不全につながりかねない管理組合役員のなり手不足を解消する「切り札」として期待を寄せる。

 ただ、これらの動きを懸念する声もある。
関西の約120管理組合が加盟する京滋マンション管理対策協議会の谷垣千秋代表幹事は「専門知識を持つ第三者が役員になれば、大半の所有者が望んでいない結論に強引に誘導する事態も起きかねない」と懐疑的だ。

東京都大田区のマンションで管理組合の副理事長を務める男性(65)も「所有者以外の人に会計を任せるのは不安だ。
普段の付き合いがないと、相談もしづらい」と話す。
資金不足に悩むマンションが専門家を雇えるのかという疑問もある。

 管理不全の問題はどのマンションにも起こりうる。
谷垣氏は「購入時に老朽化のリスクを伝えるなど、所有者に『自分たちが管理する』という自覚を促す対策こそが必要だ」と訴える。
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2016年11月27日

クレーマーたちの暴走が止まらない

修学旅行をやり直せ!
勝手に独自行動して悪質化する
“モンスターペアレント2世”の出現
2016年11月27日 06時00分 週プレNEWS

クレーマーたちの暴走が止まらない。

先日公開した『妊娠した女教師に謝罪文を強要、遠足中止に激怒! モンスターペアレンツがますます悪質化』の記事が大きな反響を呼んだが、そこに取り上げた実話はまだまだ序の口だった…。
『なぜあの保護者は土下座させたいのか』(教育開発研究所)の著者で、苦情対応アドバイザーの関根眞一氏が、別の学校で起きたさらに“凶暴”な事例を詳しく明かしてくれた。

「栃木県の日光を修学旅行の行き先にしていた中学校で、仲良し3人組の保護者たちが突然、学年主任に『娘たちはディズニーランドに行きたがっている。行き先を変更してくれ!』と申し出た。
当然、主任は丁重に断りました。
すると、保護者たちは修学旅行費の積立金の返金を迫ってきた。
主任は必死に説得しましたが、保護者たちは聞く耳を持たない。
結局、積立金を保護者に返金し、3人の生徒は修学旅行と同じ日にディズニーランドへ行きました。
しかし旅行後、教室内では修学旅行の思い出話でもちきりに…。
当然、学校から配布された修学旅行の写真に1枚も写ってなかった3人は肩身の狭い思いをすることになった。
すると、保護者がまた抗議にやって来て、『なぜもっと修学旅行の大切さを教えてくれなかったのか!? 
学校が説明責任を果たさなかったせいで、娘が仲間外れにされている。
もう一度、修学旅行をやり直せ!』と言い出しました」
あまりに一方的で独善的な苦情の数々。

もちろん、“特に悪質”な例ではあるが、「こういった苦情は年々増えている」と関根氏は言う。

「一部の親たちの傍若無人な態度を後押ししたのは、SNSの影響も大きい。保護者はLINEをメインにコミュニティをつくり、『今日、こんなことを言ってみたら、学校側はこう対応した』といった情報を共有し合い、クレーム力を向上させているんです。
一方の学校側は民間企業とは異なり、苦情の対応事例を学ぶ場を作らず、研究もほとんどしない。
保護者の申し入れを頭から否定したり、話の腰を折って言い訳や正当性を主張する者も多く、保護者の逆鱗(げきりん)に触れてしまうパターンが非常に多いんです」(関根氏)
関根氏は、今後ますます学校へのクレームは巧妙化し、教師を疲弊させると予測する。
「モンスターペアレントの出現は90年代中頃ですが、当時の小中学生も今では20代から30代の大人。
小学校入学前の子供がいる人も少なくない。
つまり、子供時代に両親の『イチャモン』を見ていた人たちが、続々と親として小学校デビューするんです。
SNSにどっぷり漬かっている“モンスターペアレント2世”のクレームは親以上に手強いものになるはずです」(関根氏)

学校以上に、クレーマーが巨大リスクになっているのが、食品業界だ。

『知識ゼロからのクレーム処理入門』(幻冬舎)の著者で食品メーカーを中心にクレーム対応コンサルタントとして活躍する援川聡(えんかわ・さとる)氏はこう話す。

「食品メーカーのあらを探したり、異物混入を偽装するなどして、『テレビ局に知り合いがいる。告発するぞ』と脅す悪質クレーマーは以前からいましたが、今はメールで受けつける24時間対応の『お客様相談窓口』を会社のホームページに置く企業が増えたため、苦情が言いやすい環境になりました。
そのなかで、名前や住所を明かさない匿名クレーマー≠熨揩ヲています。
得体の知れない匿名のクレームでも、消費者の健康被害につながる恐れがあれば、企業はキチンと対応しなければなりません

ある菓子メーカーが匿名クレーマーに振り回された最近の事例がこれだ。
「その会社のお客様相談室に『おたくのキャラメルを食べたら固い異物が入っていて口の中に傷がついた』と匿名のメールが届きました。
担当者は商品の購入先や(返金、代替品の送付など)希望する対応方法についてメールで聞き取りを行なうと、相手は『商品のおまけの希少なキャラクターカードを送ってほしい』と要求してきたそうです。
その後も、相手は『電話は受けつけない』と言うので、商品を食べた際の詳しい状況や住所、氏名などの確認作業を丁寧に続けました。
その結果、実はメールの送り主は、小学生だったことが判明したんです」(援川氏)
この小学生は、目当てのカードを得るために食品事故をでっち上げた可能性が高い。

今はネットで調べれば『クレームで企業を困らせる方法』や『返金・おわび品を得るクレーム術』を誰でも学べる。
子供でも悪質なクレーマーになる時代になってしまいました」(援川氏)

そして今、食品事業者が最も恐れているのがSNSだ。
「異物混入などの食品事故や、企業対応の不備について、その会社や保健所などの公的機関に報告する前に、SNSなどのネット上に公開して、拡散させる人が増えています」(援川氏)

それで思い起こすのが昨年10月、兵庫県で45歳の女性が逮捕された詐欺事件だ。
この女性は「商品に髪の毛が入っていた」などと、半年の間に全国約1200店に計7千回の虚偽のクレーム電話をかけていた。
「彼女の自宅前には謝罪や返金に訪れた人の行列ができていた日も少なくなかったようです。
彼女の典型的な手口が、苦情先の会社の担当者に『あなたとのやりとりは全部、ネット上で公開します』と脅すことでした。
それを言われた多くの企業は冷静な判断力を失い、パニック状態に陥ってしまうのです」(援川氏)

企業がクレームに臆病になることで、近年、急増しているのが食品リコールである。
まだ具体的なトラブルが起きていなくても、自社製品になんらかの問題があるとメーカーが判断した場合は「自主リコール」が発令される。
食品分野での件数は、2004年225件→14年1014件と、10年間で5倍近くに膨れ上がっている(独立行政法人・農林水産消費安全技術センター「食品の自主回収情報」)。

東京都内の保健所に所属し、食品メーカーや小売店への監視・指導を行なう食品衛生監視員のA氏がこう話す。
「各メーカーが自主リコールを行なうかどうかの判断基準は、その商品が消費者の健康を害する恐れがあるかどうか。
例えば食中毒菌の発生やアレルギー物質の表示漏れなどは即、リコールが必要となる案件です。ところが、最近は健康には影響がないのに自主リコールに踏み切るケースが急増しています」

どういうこと?
「包装紙のはがれやシミ、包装袋の膨張、軽度な異臭や移り香、原材料表示の順番を間違えるなどの印字ミスといった健康被害も法令違反も心配がない“いきすぎたリコール”が当たり前のように行なわれるようになっているんです。
なかには数千、数万という商品が回収されるケースもあります」(A氏)

2年前の“ぺヤング事件”は記憶に新しい。
ぺヤングを購入した大学生が“商品にゴキブリが混入!”とツイッターに証拠写真を投稿すると、瞬く間にネット上に拡散。
製造元のまるか食品は当初、「工程上、混入は考えられない」と発表していたが、事態を重く見た保健所が工場への立ち入り検査を敢行。
その結果、1件の消費者のクレームからぺヤングは全商品の生産中止と自主回収に追い込まれた。

「先日も、はごろもフーズのツナ缶にゴキブリが混入していた事故がありましたが、同社は製品の製造休止を決定したものの、ほかの商品への影響はないとの判断から自主リコールまでは実施していません。
ゴキブリなどの虫が健康被害につながるかどうかは微妙なところで、商品への混入が一部にとどまるなら“自主リコールはしない”というのは妥当な判断です。
ぺヤングの件もツイッターで拡散されていなければ、自主回収は免れた可能性があります」(A氏)
当然、自主リコールには莫大(ばくだい)なコストがかかる。
「販売休止に伴う売り上げの損失に加え、“全国紙一紙400万円〜”という新聞への社告掲載料と、回収商品の買い取り、郵送、保管、廃棄にかかる費用などで数億円の損害が発生するケースもある。
2年前、自主回収費用が重くのしかかり倒産寸前に追い込まれた食品メーカーもありました。
その自主リコールも、原因は健康被害の心配がない、一部の商品における包装袋の膨張でした」(A氏)
クレーマーの暴走が、日本の“空気”をギスギスさせていく…。
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2016年11月29日

病気は「自己責任」か 小泉進次郎氏ら自民グループ「健康ゴールド免許」提言の波紋

病気は「自己責任」か 
小泉進次郎氏ら自民グループ
「健康ゴールド免許」提言の波紋
毎日新聞2016年11月28日 東京夕刊

予防に努めれば自己負担軽減→患者は努力しなかった人?

 健康管理をきちんとした人は医療費を割り引きます−−。
小泉進次郎衆院議員が実質的に仕切る自民党小委員会が10月、「健康ゴールド免許」なる新たな制度の導入を提言した。
優良運転者に与えられる「ゴールド免許証」の“医療介護版”というが、患者団体からは「病気は自己責任?」と根本から疑問を投げかける声が出ている。
何が問題なのか−−。
                        【小林祥晃】

 「予防に努力した人と努力しない人を分けて、医療費負担額に差をつける? それでは病気になった人への制裁ですよ」。
「認知症の人と家族の会」代表理事の高見国生さん(73)は、こう言って「健康ゴールド免許には反対です」と話した。
ネット上では、今年9月に「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!」と男性フリーアナウンサーが主張した問題と絡め、「同じ考え方をきれいに表現しただけでは」と指摘する意見も目立った。

 提言したのは、今年2月に設置された自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」。

茂木敏充政調会長直属の「財政再建特命委員会」の下部組織で、政府の社会保障改革の工程表が射程に入れていない、20年以降の財政のあり方を議論してきた。
若い世代へのアピールを意識し、メンバーの約20人は当選3回以下の若手。
発足時に事務局長を務めた小泉氏(現在は委員長代行)が人選し、提言とりまとめで中心的役割を果たしたとされる。

 健康ゴールド免許は、小委が10月26日に発表した提言「人生100年時代の社会保障へ」の3本柱の一つ。
茂木政調会長は「野心的な内容」と評価しており、政府・与党の政策論議に反映される可能性はある。
 提言が自己責任論と受けとめられ、批判が上がっていることについて小委員会事務局長を務める村井英樹衆院議員は
「自己責任とは全く考えていない。
誤解です。
頑張った人の負担を下げることは、そうでない人にペナルティーを科す意味でもありません。
自助努力が難しい方には配慮が必要だと考えていますし、全体を読めば分かってもらえるはずですが……」と話す。

 しかし、格差社会での受益や負担のあり方を発言している井手英策・慶応大教授(財政学)は「『中流』から転落しないようにと多くの人が必死になっている格差社会では、自己責任論が広がりやすい。
そんな状況で努力した人・しない人と区別する政策は、社会のさらなる分断を招きかねない」と懸念する。

 前出の高見さんも
「病気になるリスクを区分して負担が変わるというのでは民間保険と同じ。
そんな論理を持ち込んだら公的な保険制度が成り立たない」と指摘し「医療保険を運営する側の政府・与党が保険を使っている人と使っていない人を対立させるような提言をするのは疑問」と語る。
 ゴールド免許は「無事故無違反」の実績に対して与えられる。
では、健康ゴールド免許では「健康管理に努力した、しなかった」を、何を基準に判断するのか。
 小委は「あくまで構想段階で、細かな制度設計は導入が決まってからの話」としながらも、例として「健康診断を継続的に受けたり、禁煙を続けたりしていること」などを挙げ「努力した人の負担を現行の3割から、例えば2割にする」と説明している。
また、その前提として「生活習慣病、がん、認知症」は、健康管理次第で「予防や進行の抑制が可能なものも多い」という認識を示している。
提言の説明資料には「健康管理に努力した人が報われる医療介護へ」というキャッチコピーも書かれていた。

 しかし、腎臓病の患者団体の関係者は「同じ食事、同じ生活でも、病気になる人もいればならない人もいる。
仕事で酒の席が多い人もいる。
自己管理ができないから病気になるわけではない」と首をかしげる。


 提言は、膨張し続ける社会保障費に対する現役世代の危機感の表れでもある。
村井議員は「もし医療保険財政が破綻したら、医療を必要とする患者さんが一番困る。
今の医療制度は維持しなければいけない。
そのためにも、今後は皆で病気予防に努めることが重要です。
決して『医療費削減ありき』ではありませんが、自助を促すインセンティブは、医療を守るために必要なのです」と力説する。

 しかし、前出の井手さんは「それでは財政の存在理由がなくなる」と批判し、次のように解説する。
 「財政は、医療や教育、道路や河川の整備、消防、警察など、誰もが受益者となる事業の費用を共同で負担するためにあります。
これらは『自助』では成り立ちません。
それをやるために人間は国家や政府をつくり、財政を発達させてきた。
経済学者の故宇沢弘文さん(東大名誉教授)の言う『社会的共通資本』のためにこそ財政があるのです」

 ノーベル賞に最も近い日本人経済学者と称された宇沢さんは「人間が生きる上での基盤となる医療や教育、司法、自然環境などは市場原理に委ねられない」という「社会的共通資本」という考え方を提唱した。
井手さんは「頑張った分だけ報われる市場原理的な正義は否定しませんが、それは唯一の正義ではありません。
格差が広がり過ぎた時に是正するのも正義です。
二つの正義を両立させ、頑張りたい人は誰もが頑張れるよう、基盤を整えることが大事です」。  

宇沢さんの思想を講演などで伝えている長女で内科医の占部まりさんは、医師の立場から「今は、患者がホームレスであろうとお金持ちであろうと、ほぼ平等に医療を受けられる。
それは医療が社会的共通資本として守られているから。
この制度は破綻させないでほしい」と話す。
その上で「誰もが病気になりたくないと思っていますが、健康にいいことだけをして生きるのも難しい。
ですから、金銭的なインセンティブのみで医療のコストが減らせるとは思えません。
皆が心身ともに健康に暮らせるような施策を進め、医療費が削減されるのが理想です」と語る。  

11月上旬、国会で本会議終了後の小泉氏に健康ゴールド免許に対する批判について尋ねると、即答した。
「最近、社会保障改革は議論が盛り上がっていないよね。
これを機に国民的議論になったらいい。
賛否両論上がるのは大歓迎ですよ」

  では、もっと議論を深めようじゃないか。
国の医療制度維持のために、国民が分断される。
提言はそんな結果を招くのではないか。
*********************************

提言の概要
▽中長期的に医療介護制度の持続可能性を担保するためには、「病気にならないようにする」自助努力を支援していく必要がある。


▽医療介護費用の多くは、生活習慣病、がん、認知症への対応。
これらは、健康管理を徹底すれば、予防や進行の抑制が可能なものも多い。


▽現行制度では、自助を促すインセンティブが十分とは言えない。
今後は、健康診断を徹底し、早い段階から保健指導を受けていただく。
健康維持に取り組んできた方が病気になった場合は自己負担を低くする。

▽運転免許証では優良運転者に「ゴールド免許」が与えられる。
医療介護版の「ゴールド免許」を作り、自己負担額を低く設定することで、自助を支援すべきだ。
もちろん、自助で対応できない方には、きめ細かく対応する必要がある。
自民党「2020年以降の経済財政構想小委員会」の提言より抜粋
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2016年11月30日

年金カット強行採決で貧困高齢者が

年金カット法案が
本会議でも強行採決、
70歳以上の医療費も倍額に!
追い詰められる貧困高齢者
2016.11.29 LITERA編集部

 25日の衆院厚生労働委員会につづき、本日、衆院本会議で公的年金改革法案、いわゆる年金カット法案が強行採決された。
25日の同委で安倍首相は野党からの問題指摘に対し「それで民進党の支持率が上がるわけではないんですよ!」と言い放ち、挙げ句、「私が述べたことを理解いただかないなら何時間やっても一緒だ」と独裁者丸出しの暴言を吐いたが、それを反省するでもなく、きょうもまた強行採決。

もはや安倍首相は、反対意見など無視してなんでも強行採決で通してしまうつもりなのだろう。  

しかし、この年金カット法案は、現在、年金を受給する高齢者たちにとっては死活問題だ。
 今回の法案は、物価と賃金で下落幅がより大きいほうに合わせて年金も減額するというもので、民進党の試算では年金支給額は現在よりも5.2%も減少。2014年のデータにこの新たなルールを当てはめると、国民年金は年間約4万円減、厚生年金ではなんと年間約14.2万円も減るという。

 何度もお伝えしているように、安倍政権はこの4年のあいだに公的年金を3.4%も減らし、医療面でも70〜74歳の窓口負担を2割に引き上げるなど高齢者の生活に追い打ちをかけてきた。  

それだけではない。
昨日明らかになった2017年度から予定されている公的医療保険制度の見直し案では、70歳以上の医療費自己負担上限を、住民税を支払う全員を対象に引き上げるとした。
たとえば、約1200万人いる年収約370万円未満の所得層も、外来で月額の自己負担額上限は1万2000円だったが、来年8月からは倍の2万4600円に引き上げる。

しかも、年金が153〜211万円という低所得層への所得に応じた保険料5割軽減という特例も廃止するという。
こうした見直しによって、国は350億円を浮かせるらしい。

 医療費見直しや年金カット法案といった高齢者への社会保障の厳格化は、一体、何をもたらすのか。
NPO法人ほっとプラス代表理事で、『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書)の著者である藤田孝典氏は、25日の厚労委で参考人として法案反対の立場から、「65歳以上の高齢者の相対的貧困率は18%」という高水準にあること、そしていま、高齢者は「相当、生活が逼迫されている」と説明した。

「年金がこのままもし景気浮揚等なく減らされていくという状況では、まず生活困窮状態にある高齢者はどういうふうな状況に陥っていくのか。
わたしたちのもとに相談に来られる人たちは、病院の受診回数、服薬回数を減らしています。
年金が不十分な人は、なるべく病院に行かない。
ほんとうは受診しないといけないのに、医師の指導に従えない、そういう状況が見られています
「ほんとうは要介護4という介護サービスを入れないと普通の生活がしていけないという状態にある女性も、年金金額が少ないために要介護1ぶんのサービスしか入っていない」
「多くの研究者の方たちも、低所得にある高齢者の人たちがいかに健康を害しているのかという調査(結果)も、すでに多く出されています。

(年金の減額は)その金額だけを見ると、たかが数千円、数万円とわずかなものだと思われがちだと思いますが、この影響は非常に大きい」
 相談に訪れる人のなかには、「自殺や一家心中、介護殺人を考えているというような声がすでに数多くあります」と言う藤田氏。
いま、高齢者が置かれた状況がこうした切迫したものであると知った上で、安倍政権はそれでも年金カット法案を強行採決したのである。
 命にかかわる社会保障費を抑え込み、一方では国家公務員の年収を平均5万1000円増額する改正給与法が参院で成立している。

弱い者は「自己責任」の一言で見捨てられ、見殺しにされていく──安倍政権のままでは、そんな恐ろしい社会がどんどんと進んでいくのだろう。
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2016年12月02日

冬の感染症、連鎖を防げ

くらしナビ・子育て・親子
冬の感染症、連鎖を防げ
毎日新聞2016年11月28日 東京朝刊

 冬の感染症シーズンがやってきた。
子育て家庭にとって特に怖いのは、高熱が出るインフルエンザと嘔吐(おうと)や下痢が苦しいノロウイルスだ。
感染性胃腸炎が増えたため24日、東京都は流行警報を出した。
順天堂大学医学部付属順天堂医院の感染対策室主任感染管理認定看護師、小松崎直美さんに感染を防ぐ注意点を聞いた。  

●インフルエンザ

 インフルエンザは飛沫(ひまつ)、接触感染し、日本で流行するのは12〜3月。
予防接種を考えている人は、そろそろ済ませていいころだ。
家庭に持ち込まないためには人混みや混雑した密閉空間に行くのは避けることだ。
帰宅後と食事前、トイレ後はせっけんを使って手洗いを。
アルコールの手指消毒も効果的。

つり革やエレベーターのスイッチなど、不特定多数の人が触れる場所は感染源になりやすく、その手で鼻や口を触らない習慣づけも必要だ。
外出時は携帯用アルコール消毒薬を持っていると手軽に消毒できる。

 具合が悪いと思ったら早めに医療機関を受診しよう。
小さな子どもは大人に比べ免疫力が低く、幼いと熱を訴えられない場合が多い。
重症化してインフルエンザ脳症や熱性けいれん、中耳炎などの合併症を引き起こす危険性もある。
ただし、インフルエンザの簡易検査キットで特定できるのは発熱から12〜24時間後。
発熱から数時間だと検出できないことが多い。
その時は問診で接触歴、保育園や学校での流行状況、家族の発症状況を伝えて医師の判断をあおごう。
また、アスピリンなどインフルエンザに適さない市販の解熱剤もあるため、医師から処方された薬の使用を勧めたい。

 家庭内のまん延を防ぐために、可能なら、感染者を別の部屋でマスクをつけて過ごさせる。
子どもが嫌がれば看病する人が着用する。
できるだけ看病する人は1人に決め、ケア後は手洗いを忘れずに。

 発熱時、寒がる時は体を温め、体が熱っぽく汗をかいている場合は太い血管が通る脇の下、脚の付け根、膝の裏を冷やす。
食品用の保冷剤を冷凍庫にストックしておき、タオルで巻いたりストッキングに入れたりすると体に固定しやすい。
脱水症状につながる危険性があるため、食欲がなくても水分補給は必要だ。  

●ノロウイルス

 おなかの風邪といえば、原因の代表格はノロウイルス。
ロタウイルス、アデノウイルスなどの場合もあるが、「吐く、下痢、発熱」の3大症状は共通。特効薬はない。
流行状況を踏まえ、医療機関で検査せず「感染性胃腸炎」とだけ告げられることもある。

 感染経路は、主に二枚貝などですでに汚染された食材

▽公共施設のトイレや食器などへの接触
▽患者が吐いた汚染物を触る、吸い込む−−などがある。

便や吐しゃ物1グラムにウイルスが100万〜1億個含まれ、10〜100個程度で感染するという。
乾燥して空気中に漂うと吸い込んで感染することがあり、速やかに処理することが重要だ。

 床やテーブルに吐いた時の処理の手順は、換気→使い捨てのマスクと手袋をつける→ごみ袋を広げる→吐しゃ物をペーパータオルなどで取り除く。
続いてペーパータオルをかぶせ、50〜100倍に薄めた市販の塩素系漂白液を浸すようにかけ、しばらく置いて外す。

漂白液に浸しておいた新しいペーパータオルで外から内に向かって拭き取る(この時、汚れた面でこすると汚染が広がるので常に新しい面を使う)。
吐しゃ物や拭き取ったペーパータオル、手袋、マスクなどはごみ袋に入れて、浸る程度に漂白液を入れて口をしばる。
最後にせっけんで30秒以上かけて手を洗う。
ノロウイルスにはアルコールによる手洗いは効果がない。

 布団やシーツに吐いた時は、同様に身支度して吐しゃ物を片付け、衣類やシーツ類は放置せず漂白液に5〜10分浸し、ほかの物とは別にして普通に洗濯する。
もみ洗いする場合は、ウイルスが飛び散らないよう水の中で作業をする。
85度以上の熱湯に1分以上つけることでもウイルスを不活化できる。
布団はよく乾燥させて乾燥機やスチームアイロンをかける。
 おもちゃやドアノブ、トイレの水洗レバー、便座も塩素系漂白液で拭き上げたい。

 発症から6時間くらいは嘔吐が続くことがあり、無理に飲食させない。
どうしてもほしがる時は、水を1さじずつ与える。
吐き気が止まって3時間くらいして水分補給をする。
食事は水分がとれるようになって、食べられる量の半分くらいから食べさせよう。

 小松崎さんによると病院では各部署に、血液や汚物を処理するのに必要なものをまとめたセット(スピルキット)を常備している。
「家庭でも必要なものをまとめておくと、移動を簡略化できて汚染の拡大防止に役立つでしょう」と話している。
【                     山崎明子】

吐しゃ物処理に便利な道具
・使い捨て手袋
・使い捨てマスク
・キッチンペーパー
・ポリ袋
・0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液(市販の塩素系漂白剤を100倍に薄めたもの。2リットルのペットボトルにキャップ4杯を入れ、いっぱいまで水を入れて薄める) ニュースサイトで読む:
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2016年12月07日

「薬剤耐性菌」増加に警鐘 抗生物質の使い過ぎ原因

「薬剤耐性菌」増加に警鐘 
抗生物質の使い過ぎ原因
2016年12月6日 東京新聞

 抗生物質(抗菌薬)が効かない細菌の「薬剤耐性菌」が増えている。
抗生物質の使いすぎが原因で、現在流行中のマイコプラズマ肺炎など、身近な病気にも効きにくくなっている。
専門家は不必要な抗生物質の投与を控えることが重要だと指摘。
五月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも議題となり、国や医療現場も対策に乗り出している。
      (細川暁子)

写真

九月末から流行し始めたマイコプラズマ肺炎。
「抗生物質がマイコプラズマ菌に効かなくなってきていることが、流行の一因ではないか」。
国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)感染症科医長の宮入烈(いさお)医師は推測する。

 この肺炎は長引くせきが特徴で、小中学生など学童期の子どもが多くかかる。
国立感染症研究所によると十一月十四〜二十日に全国五百の医療機関から報告された患者数は、一医療機関当たり一・三二人。
昨年同期の〇・七六人を大きく上回っている。

 宮入医師によると、以前は、菌のタンパク質の合成を妨げる「マクロライド系」の抗生物質を使えば治療できていた。
だが二〇〇〇年ごろから、抗生物質を投与しても治らず、重症化して入院する子どもが徐々に増えているという。

 薬剤耐性菌は、抗生物質を使いすぎるなど薬の不適切な使用で細菌の遺伝子が突然変異してできる。
耐性菌を保有している人が別の人と接触したり、不特定多数の人が触れる物に菌がついて周囲に広がっていく。

 中でも特に脅威となっているのが、「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)」だ。
最後の切り札と言われる強力な「カルバペネム」を含め、ほとんどの抗生物質が効かない。  

抗生物質を使えば使うほど耐性菌は増え、別の抗生物質を使っても、その薬に耐性を持つ菌が出てくる。
いずれ菌とのいたちごっこに勝てなくなるのではないか」。
宮入医師は懸念する。

◆適正使用 医療現場で啓発
 そもそも抗生物質は細菌が原因の病気には効くが、ウイルスが原因のかぜなどには効果がない。
 だが病気の原因が、細菌なのか、ウイルスによるものかを見極めるのが難しい場合もあり、医師が念のために抗生物質を処方したり患者が求めたりする傾向がある。
耐性菌を増やさないためには、不必要な抗生物質の使用を控えることが重要」と宮入医師は言う。

 政府はサミットに先駆けて、抗生物質の使用量を約三割減らす目標を決め、十一月には「国民啓発会議」を初めて開いて対策に本腰を入れ始めた。
 医療現場でも抗生物質の適正使用を啓発する動きが広がる。

国立国際医療研究センター(東京都新宿区)の忽那賢志(くつなさとし)医師は昨年、「その抗菌薬、本当に必要ですか?」と医師や患者に呼び掛けるポスターを制作。
センター国際感染症対策室のウェブサイトで公開しており、有志の医師らによる情報提供も続けている。
忽那医師は「抗生物質の使用量抑制は、社会全体で取り組むべき課題」と話す。
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2016年12月14日

「命は平等」は当たり前

香山リカのココロの万華鏡
「命は平等」は当たり前
毎日新聞2016年12月13日 東京版

 7月に相模原市で起きた障害者施設殺傷事件を受けて再発防止策を検討してきた厚生労働省の有識者チームが、このほど報告書を公表した。

 患者さんが「自傷他害のおそれがある」として行政が強制的に入院させる「措置入院」となった場合、退院後も医療などのケアが切れたり地域で孤立したりすることがないよう自治体や医療機関で支援する、といった内容が盛り込まれていた。

今回の事件では、容疑者の男性は障害者の殺害を予告するような手紙を書くなどして措置入院になったが、退院したあとは病院への通院をすぐやめ、誰もサポートできていなかったからだ。  

防止策としてほかにもいくつかの提案が行われていたが、私にとって印象的だったのは、報告書の前半で「心のバリアフリー」の大切さが記されていたことだ。
容疑者の男性は、障害者に生きる価値を認めないなどとても身勝手でゆがんだ価値観を持っていた。
その背景にあったのは、障害を持つ人を劣ったものとして見る誤った差別の意識だ。報告書はそのことを指摘して、こう続ける。
 「こうした偏見や差別意識を社会から払拭(ふっしょく)し、一人ひとりの命の重さは障害のあるなしによって少しも変わることはない、という当たり前の価値観を社会全体で共有することが何よりも重要である
 私はその部分を読んではっとした。
「一人ひとりの命の重さは障害のあるなしによって変わらない」というのは、何か理由があってのことではない。
「当たり前の価値観」だと言っているのである。

 ところが、残念ながらいまの時代、障害を持つ人だけではなく、民族や人種の異なる人、性的マイノリティー、祖国を追われた難民などを差別したり自分の社会から追い出そうとしたりする傾向が、世界の各地で見られている。
「誰でも私たちと同じ人間なのだ」と言うと、「まずは自分たちのことが優先だ」と反発する人もいる。
私はときどき、そういう人たちにどうやって「命の重さは同じ」ということを説明すればよいのか、と頭を悩ませることもある。

 今回、この報告書はそのことについて「説明はいらない。命の重さが平等なのは当たり前」としているのだ。
私はうれしくなり、これからはそう言おうと心に決めた。
どうして誰もの命が同じく大切かって? それは当たり前のことでしょう」。
こんなわかりやすくて力強い答えを教えてくれたこの報告書に感謝したい。
(精神科医)

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2016年12月22日

突然の脳梗塞…迷わず救急車を呼ぶべき「5つの症状」

突然の脳梗塞…
迷わず救急車を呼ぶべき
「5つの症状」
2016年12月21日 日刊ゲンダイ

 年末年始の休暇に入り、病院も休みになる。
しかし、5つの「ちょっとした異変」があれば、迷わず救急車を呼ぶべきだ。
最悪の事態になりかねない。

「びびっと気づいて対応するか、『何かおかしいな』程度に考えて放置するかで、その後の運命は大きく変わります」
 こう言うのは、東京慈恵会医科大学神経内科の井口保之教授。
脳梗塞治療のエキスパートだ。

 脳梗塞は突然起こる5つの症状が見極めの決め手になる。
ところが、井口教授によれば、「見落とされることが非常に多い」という。
ドーンとくる重い症状であれば慌てて救急車を呼ぶだろうが、軽い症状のケースが珍しくないからだ。
しかも、一過性脳虚血発作といって、数分から1時間以内で症状が消えてしまうケースもあるから厄介だ。

 井口教授らの調査では、どんなに軽い症状であっても「びびっと気づいた」人は76%が2時間以内に来院。
 一方、症状には気づいていても重大視しなかった人は半数以上がすぐに病院に来ていなかった。
これがどういう結果を招くのか。

「早期に来院すれば、『血栓溶解療法』という内科的治療が可能になるのです」

 血栓溶解療法とは、「t−PA」(アルテプラーゼ)という血栓を溶かす薬剤を注射で投与する。
脳梗塞は、脳へいく血管が血栓(血液の塊)で詰まって血流が滞り、その先の脳細胞が壊死する病気だ。
当然のことながら、治療までの時間が長くなるほど壊死する脳細胞は増え、脳の損傷が拡大する。
早い段階で血栓溶解療法を受けて血流が再開通すれば、“被害”は最小限に食い止められる。

「t−PAを受けた100人の調査では、39人が3カ月後に自立でき、プラセボ(t−PAを受けられなかった)群は26人しか自立できませんでした。
100人単位で見ると小さな差と思うかもしれませんが、母体を大きくすると有意差がはっきりとわかります」

 脳梗塞は、約4割の患者は発症前と同程度まで回復し、一方で6割は後遺症が残ったり死亡したりするといわれている。
さらに、後遺症・死亡例のうち、何らかの後遺症が残る人が20%、補助なしの社会生活が困難なほどの後遺症の人が23%、死亡者が17%。
 どれに属するか? に大きくかかわっているのが、軽い症状にも「びびっと気づき」「早期に来院」することなのだ。

■高齢者の場合「認知症と誤解」

 井口教授が注意を促す5つの症状は次の通り。
@片方の腕や脚にマヒ、しびれが起こる。
マヒは「動かしたくても動かない」、しびれは「ジンジンしたしびれ」
Aろれつが回らない、言葉が出てこない、他人の言うことを理解できない
B片方の目が見えない、視野の半分が欠ける、ものが二重に見える
C立てない、歩けない、ふらふらする
D経験したことがない激しい頭痛  

Dは、くも膜下出血の症状で激烈なので、誰でも危険を感じるだろう。
しかし、@〜Cも突然起こったら、たとえ軽くても迷わず救急車を呼ぶ。
 高齢者の場合、「認知症の表れ」と本人も家族も思いがち。
たとえ認知症の症状だったとしても、それは検査を受けたからこそわかることであって、MRIなどのチェックは不可欠だ。
「私の調査では、病院に入院した脳梗塞急性期の患者で血栓溶解療法を受けることができる割合は全体の5%程度。
5つの症状にびびっと気づく人が増えれば、急性期治療を受けることができる患者の割合はもっと増えるでしょう」
 症状から脳梗塞を疑った時、救急車を呼ぶのに遠慮はいらない。
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2016年12月23日

隣の柿は甘そう?…相手を嫉妬する心の対処法

隣の柿は甘そう?…
相手を嫉妬する心の対処法
All About 12/22(木) 7:15配信

「他人を妬んではいけません」とは、誰しも子供の頃、周りの大人の誰かから言われた覚えはあるはず。
でも、言うは易し、行なうは難しで、誰かを妬んでしまえば、その相手の悪口を言うようになり、しまいには、その相手に何か意地悪をしたくなるかも。

例えば、柿がおいしそうに色づく頃。
そんな隣の柿を見て、「あら、嫌だ、ウチの柿より、おいしそうじゃない。
頭に来る!」なんて腹が立ったせいか、後で、その家の庭にこっそり○○を投げ込んでしまうようなことは、あってはならぬこと! ここでは、こうした妬み心が原因で生じる問題行動の芽を未然に摘み取り、さらに、妬み心が原因で生じてくる心の様々な不調、例えば、イライラが止まらない……といった事態を回避するため、精神医学的観点からぜひ、知っていただきたいことを詳しく解説します。

■妬み心は心の健康を損ないやすい

もしかしたら、「私は他人を妬んだりしません」と、はっきり断言する人もいるかもしれませんが、人は誰しも時に誰かを妬んでしまうもの。
もっとも妬みの視線は通常、自分の見知らぬ人には向きません。

例えば、テレビで世にもきれいな人を見たとしても、「あら嫌だ! 頭に来る!」なんてことはまずなく、大抵は、「何てきれいな人!」でおしまい。
妬む相手は通常、自分の身近な人です。

例えば、姉妹関係。
仮に、妹は男子に大変人気がある、かわいい女子だとして、姉は、その正反対で全然、男子に人気がないとします。
そんな姉がボーイフレンドと楽しそうに、はしゃぐ妹を見たりすれば、思わず妬んでしまうかも。
もっとも、人によっては、そんな妹を見ても、「あら、楽しそうにやっているわね」と、やさしく見守れる場合もあるでしょうが、もしも妹を妬んでしまい、こっそり意地悪をするようになってしまっては大変です。
もっとも、こうなっていく背景には姉の心理に何らかの不合理性が生じているもの。

例えば、自分を妹と比べてみては、「自分の方が○○なのに、どうして妹だけモテるの?」と怒ってしまったり、場合によっては、自意識が強過ぎて、自分よりモテる妹が許せない場合もあるでしょう。
でも、他人をいつも上から目線で見ていては、自分に寄って来る男子は、なかなかいないでしょうし、そもそも自己評価なんてものは、他人が自分に下す評価とは往々にして大変、違うもの。

たとえ自分ではオードリー・ヘップバーンのように、イケてる女子のつもりでも、周りの自分を見る目は残念ながら、かなり厳しい場合だってあります。
このように嫉妬心は時に誰の心にも生じるものとはいえ、時に家族関係など、大切な人間関係を壊すポテンシャルがあることには皆さん、充分、お気をつけください。

■妬み心には、うつ病、
パーソナリティ障害などの可能性がある場合も

嫉妬心は時に、心の病気のきっかけになってしまう可能性もあります。
その際、まず第一に気をつけておきたいのは、うつ病。
うつ病は代表的な心の病気のひとつで、一生のうちの罹患率は、10〜20%前後もあり、誰でも何らかの要因によって、脳内環境が悪化すれば、うつ病を発症してしまう可能性があります。
もしも嫉妬心が原因で何らかの悪循環に陥ってしまえば、脳内環境が悪化してしまい、うつ病を発症する可能性があることには要注意です。

次に、妬み心に関連する可能性がある心の病気に、パーソナリティ障害があります。
パーソナリティ障害の症状は、一般に本人の気質による部分が大きく、簡単に言えば、「元々、そんな人なのです」と言って済ませる面もあります。
しかし、その性格のために日常生活上、深刻な支障が生じやすくなります。
例えば、妬み心が強くなり過ぎて、もしも、ちょっとしたことで周りの人を妬んでは、その人の悪口を言ったり、意地悪をしていては、周りの人から白い目で見られてしまうでしょう。

こうしたパーソナリティ障害で見られやすい問題行動は、特にストレスが強くかかっている時、強まる傾向があり、できるだけ早期に精神科(神経科)を受診して、心理療法などを受けることが望ましいですが、本人が自分自身に問題行動があることを認識することは少なく、精神科を受診されることは少ないです。

■それでは、チェックを!

では以上のまとめとして、嫉妬心が病的になる傾向を示す症状を箇条書きにします。

・特定の誰かが気にかかって仕方がない
・その相手の悪口をよく言ってしまうだけでなく、何か意地悪をしてしまったこともある
・周りの誰かから妬みっぽさを指摘された覚えがある
・気持ちが冴えないことが多く、毎日を楽しめていない
・イライラして目先のことに集中できない
・眠りが浅くなってしまっていたり、食欲が大きく変化している
・何か深刻な心配事を抱えていて、不安が強い毎日になっている
・ギャンブル、飲酒、衝動買いなど、それに対する依存が強まれば、日常生活に多大な支障を起こし得るものが、イライラの解消手段になっている

嫉妬のエネルギーをポジティブな方向に向けてみて!
嫉妬心は誰の心にも時に生じる、言わば人間の自然な感情。
状況によっては、嫉妬心がどうしても避けがたいものだとすれば、その時、生じた嫉妬心を病的にさえしなければ、嫉妬心を制したことになります。
その際、まず心身に充分な余裕があるか否かは大切なポイント。

仕事もプライベートも順調な時と、何か深刻な心配事を抱えているような時とでは、心のあり方は全然違うもの。
とはいえ、この厳しいご時勢では、充分な余裕を持つこと自体、なかなか容易なことではないでしょう。
それでも、やるべき物事の効率を上げてみる、と同時に、心身のコンディショニングを整え、ストレス対策もしっかり取ってみる……など、できる限り、心身に余裕を生み出していきましょう。

次に嫉妬心で、気をつけていただきたいことは、誰かを妬んでしまった時、そのわだかまりをどう発散させているかです。
もしも、その相手の悪口を言って、心のわだかまりを発散させたとしても、その効果は一時的。やはり、そのエネルギーは、何かポジティブな方向に向けたいもの。

例えば、もしも自分が成し遂げたい目標が、しっかりあれば、そのエネルギーを注ぐ先ははっきりしてくるはず。
それでも、自分がどうしても欲しいものを身の周りの人が持っていたりすれば、思わず、うらやましく思ってしまうかも。
その際、もしも、その妬み心が、「けしからん!」といったネガティブな方向に向かいやすい人は、その心的反応は、ご自身の心の健康を損ないやすいことは、どうかご留意ください。
中嶋 泰憲
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2016年12月24日

なぜ“残念な人”になってしまうのか?人生を狂わせる3つの「不合理な期待」

なぜ“残念な人”になってしまうのか?
人生を狂わせる3つの「不合理な期待」
@DIME 12/23(金) 16:30配信

 先進的で豊かな社会に暮らすことで、必ずしも幸せな気分を味わえるわけではない。
“健康で文化的な生活”を送っていながらもどうして幸せを感じられないのか?
 注目すべき考察がいくつか発表されている。

■アメリカ人の7つの不幸のタネ

 世界一の経済大国であるアメリカだが、最新の「世界幸福度ランキング」では13位だ。
世界第3位の経済大国である日本にいたっては53位というお粗末過ぎる順位である。
そしてアメリカの中でも冨と夢の象徴であるニューヨークの住民が、最も幸福度が低いというショッキングな報告も発表されている。

 そこで経済系オンラインジャーナルの「Market Watch」では、現在のアメリカ人が日々の生活に不満である要因を7つ指摘している。
豊かな国の中でいったい何が“幸福度”を押し下げているのか。

○物価上昇に賃金が追いついていない
 いわゆる「リーマン・ショック」の後の大不況(グレートリセッション)に多くの人々が今も苦しめられている。ある調査によれば、アメリカ人の銀行口座の残高は実にその62%が1000ドル(約12万円)以下ということだ。
日々の生活はやりくりできても、緊急の出費や大きな買い物への対応がとても難しくなっていることが幸福度を大きく下げる要因になっている。

○処方薬の量が増えている
 アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の調査によれば、この10年で抗うつ剤の処方量が4倍に増えたという。
処方箋薬ばかりでなく、違法薬物についても年々流通量が増えていると言われている。
薬物に依存した状態で幸福度が高まるはずもないだろう。

○スマホ中毒になっている
 スマホやパソコンなどの情報端末に費やす時間がますます増えている。
情報端末の利用に時間をとられることで、特に成長期の子どもたちの感情認識力の養成が妨げられているという。
感情面のスキルを養成することは、将来の学業の成就や社会的成功に大きく関わっているといわれている。
スマホ中毒に陥ることで感情的な交流が損なわれ、生活の満足度も低くなるのだ。

○国民の半数がストレスを抱えている
 米公共ラジオ局とNPO機関、ハーバード公衆衛生大学院が合同で行なった調査では、対象となった成人2500人をのうちの半数が昨年きわめてストレスフルな出来事を体験したということだ。
特に中高年においては健康問題が深刻なストレスになっているという。

○金持ちや有名人の生活を目にすることが増えた
 SNSの普及によっていわゆる“セレブ”たちの生活の一端を垣間見ることができるようになっている。
また有名人ではなくとも富裕層がどんな生活を送っているのか、一般庶民にもよりよくわかるようなった。
それらの人々の生活と現在の自分の生活とのギャップを痛感させられることで必要のないストレスを受けることになるのだ。

○ゆっくり休んでいない
 アメリカ人といえば社会人でも長い夏休みをとっているイメージがあるのだが、最近の調査では有給休暇の消化率は平均5割ほどであるという。
加えてアメリカでは昼休みの休憩時間を労働時間とみなしていない職場も多く、意外なほどに休めていない実態が浮かび上がっている。

○不健康である
 昨年、米国の南部を中心に5つの州で肥満率が上昇しており、今や成人の4分の1が肥満に分類されている。
研究者によっては、実際には米国民の3分の1が肥満であると主張する声もある。
自分の体重に無関心であること、食事を1人で摂ること、砂糖を摂りすぎていることなどが主な元凶であると考えられているが、やはり健康なくして幸福もないということになる。

「幸福度ランキング」13位のアメリカでこのような事態に直面しているならば、53位の日本ではさらにストレスフルな環境に晒されているのかもしれない。

■“残念な人”の特徴6
 精神的に幸せを感じにくい環境、相対的に幸福度が低くなる社会が問題視されているのだが、外部的要因ばかりでなく当人に問題があるケースもある。
自分から不幸を呼び込んでいる人々が少なからず存在しているというのである。

 人生では時に不幸を甘んじて受け入れなければならないこともあるが、味わう必要のない不幸を選ぶことが習慣になってしまっている人々がいる。
一度不幸を受け入れてしまうと、習慣化してネガティブなサイクルに陥ってしまうのだ。
こうしたきわめて不幸で残念な人に共通する6つ習慣を「Spirit Science」の記事が指摘している。

“残念な人”の特徴をこの機会に確認しておいても無駄ではないだろう。
○被害者意識
 自分には運がなく常に被害者であり犠牲者であると自己憐憫する人々がいる。
同情を買うことで周囲と繋がろうとし、不幸の“タネ”が尽きないように無意識のうちに不幸を呼び込んでいる。


○不平不満を愛している
 不平不満をたらたら述べることを実は愛している人々がいる。
不幸な体験や問題についての不服を誰かに聞いてもらうことでいったんは気分が収まるため、根本的な問題解決への取り組みが行なわれないのだ。

○批判を極度に恐れている
 相手が何を考えているのか、誰しもある程度は気にするものだが“残念な人”は極度に気にしすぎている。
そして自分に対する批判的な意見を受け入れないため、コミュニケーションが成立しなくなり、孤立することでますます不幸になる。

○ゴシップを愛する
 自分の生活に満足が感じられないことの反動で、幸せに見える有名人の生活に訪れた不幸を詮索することに生きがいを感じるようになる。

○連続ドラマ好きである
 連続ドラマのストーリーは往々にして主人公に次から次へと問題が降りかかってくるのだが、その展開を“残念な人”は自分に重ね合わせることができるためこの種のドラマが大好きである。

○人と繋がりたいが孤立している
“残念な人”は人一倍他者との信頼関係を築きたいと望んでいるのだが、傷つくことを極度に恐れているために安定した友人知人関係が保てずに結果的に孤独に陥る傾向がある。

 このように“残念な人”は自ら不幸を招き入れるようなネガティブなサイクルに陥っている。
自分にも当てはまるものがないのかどうか、一度検討してみてもよいだろう。

■人生を狂わせる3つの「不合理な期待」

 ではなぜ人は“残念な人”になってしまうのだろうか。
もちろん何か大きな挫折体験や事件、事故などがトラウマとなってネガティブな性格になってしまうケースもあるだろうが、実は多くの場合、その考え方に起因しているという。
 とはいっても“残念な人”が決して異常な思想を持っているということではなく、ごく当然な考え方でありながらも、少しばかり“踏み外して”いることで結果的に“残念な”方向へと大きく反れてしまっているということだ。
いったいどういうことなのか。

 アメリカの臨床心理学者、アルバート・エリスが1955年に提唱した心理療法が理性感情行動療法(Rational emotive behavior therapy、REBT)である。
この療法を開発するにあたってエリスは、必要のない不幸を生み出している3つの「不合理な期待」を特定している。
一見、当然のことのように見えながらも、実は裏切られるたびにメンタルに大きなダメージを与えるこの3つをよく理解することで“残念な人”になることを防ぎ、また“残念な人”状態から回復するための糸口になる。

ではその3つの「不合理な期待」を解説しよう。
●「たいていのことはうまくできる」という自分への期待
 あまり挫折体験のない多くの人々は自分自身に高い期待をかけているといわれ、この認識が強ければ強いほど失敗したときのダメージが大きくなる。
もちろん1度や2度の失敗で認識が揺らぐことはないだろうが、何度か続くことですっかり参ってしまい、一転して自己嫌悪、自己卑下の傾向が強い性格になり“残念な人”になる。

●「常に正当に扱われる」という他者への期待
 もちろん特別な事情がない限りすべての人は公正に扱われるべきだが、現実は必ずしもそうでないのはご存知の通りだ。
それまで公正に扱われるのが当然の学生生活を卒業し、社会人になった時にこの“権利”を大きく踏みにじられる思いを経験する人も多い。
そしてこの経験を重ねて精神が落ち込むと共に“敵意”も生まれ、有名人の不幸を喜ぶような“残念な人”へと通じる道が拓けることになる。

●「いわれのない苦難や逆境に向き合う必要はない」という人生への期待
 自分は何も悪いことはしていないのに、ある時人生に苦難や逆境が訪れてきたとすれば確かに理不尽だ。
そんな苦難や逆境は対処しなくても良いものだと考えても不思議ではない。
さらに進んで自分の望むモノや結果がすぐに手に入ることが当然という認識のままに社会に出る人も少なからず存在するだろう。
そのような人はきわめて逆境に打たれ弱い存在であるとも言え、そのダメージで“残念な人”になるケースもある。

 つまり逆に考えれば、長い人生のなかでは物事がうまくできないこともあれば、この世は前提としてえこひいきされる社会であり、唐突に苦難や逆境に直面することもあるという“現実”を念頭に置いておくことが肝要のようである。
味わう必要のない不幸で精神にダメージを受けることのないよう、タフでリアリティのある現実認識を育みたいものである。
                       文/仲田しんじ
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2016年12月25日

迷惑!非常識な「私は悪くない症候群」の人たち

迷惑!非常識な
「私は悪くない症候群」の人たち
2016年12月24日 読売新聞「深読み」

自分が間違っているのに決して非を認めず、他人のせいにする人がいる。
自らを守ろうとするあまり、暴言を吐いたり、言いがかりをつけたりする。
「私は悪くない症候群」とも呼ばれ、攻撃的な行為に出ることも珍しくない。
なぜ、このように非常識な行動をする人がいるのか。
精神科医の片田珠美氏が解説する。

いつも自分が正しい!
 今年を振り返って感じるのは、独り善がりの正義を振りかざして攻撃する人が目立ったということです。
 その最たるものが今年7月、「障害者が安楽死できる世界を」という主張を正義だと信じ、相模原市の知的障害者施設を襲撃した容疑者の男でしょう。
 この事件には戦慄を覚えましたが、これほど衝撃的ではないにせよ、「自分が正しい」「私は悪くない」と疑わず、他人を攻撃する人は至るところにいて、さまざまな騒動を巻き起こしています。

やり方を教えてもらってない!  
「そんな仕事のやり方、教えてもらっていません!」
 ある会社には、自分が仕事でミスするたびにこう言って逆ギレする新入社員の女性がいるそうです。
 この新入社員は、手取り足取り教えてもらわないと、仕事ができません。
 また、何事にも受け身で、自分で工夫して仕事をする気は毛頭ありません。
いわゆるホウレンソウ(報告・連絡・相談)ができないため、周囲に迷惑をかけるのですが、その自覚も当人にはまったくありません。
 そればかりか、ちょっと厳しく注意されると、涙ぐみながら「それってパワーハラスメントじゃないですか」と訴えるので、上司は何も言えなくなるのです。
 もちろん、パワハラは許しがたい行為です。

 しかし、企業でメンタルヘルスの相談を受けるたびに感じるのは、自己正当化するために「パワハラだ」と言い立てる社員もいないわけではないということです。
 そういう人に限って、「仕事がうまくいかないのは、自分の努力や能力が足りないせいではない」などと主張するのです。

仕事を押しつけた課長が悪い!
 別の会社では、20代の男性社員の対応がつたなかったため、取引先からクレームを受けたことがあったそうです。
 このことで課長から叱責を受けた男性は、激しく反論しました。
 「クレーマー体質の取引先を自分に押しつけた課長が悪い!」
 「上司の立場を利用したパワハラだ!」

 このように、大袈裟おおげさに騒いで難を逃れようとすることが頻繁にあったため、人事部でも問題になりましたが、誰も厳しく注意することができません。
 この男性社員が受診した心療内科から、「抑うつ状態」という診断書をもらっており、そこに「配慮を要する」との記載があったためです。

 男性社員は、この診断書を盾に、自分のイヤな仕事も残業も一切しませんでした。
そればかりか、繁忙期に限ってうつを理由に半月ほど休むこともありました。
にもかかわらず、休んでいた間に海外旅行に行っていたようで、その写真をフェイスブックにアップしていました。
 診断書は、この男性社員の自宅近くの開業医から出されたものでした。
そこで、私は「国公立の病院を受診してセカンドオピニオンを聞いてくるように」との助言を人事部を通じて伝えました。
 新たな診断書の提出はなかったものの、勤務態度は多少改善しました。
「パワハラだ」などと騒ぎ立てることもなくなったとのことです。

【対処法】事実確認が大切
 パワハラと訴える人がみな「過剰防衛」だと言うつもりも、うつや自律神経失調症などの診断書を提出している人がみな「詐病」だと決めつけるつもりもありません。
 ただ、中には、「パワハラ」を錦の御旗みはたにしたり、心の病を言い訳にしたりする人もいます。
 まずは、事実確認をしましょう。
そのうえで、パワハラや心の病によって本人が実際に困っているのなら、職場環境や仕事内容を調整しなければなりません。
しかし、診断書などで事実確認ができない場合、「特別扱いはできない」ときっぱり伝えることも必要です。

僕は何もしていない!
 先日、ある男性患者から「病院に来る途中、警察官に呼び止められ職務質問されました。
僕って、そんなに怪しく見えるんでしょうか?」と尋ねられました。
 一瞬、返答に窮した私に対して、彼は突然怒りだしました。
どこかの県警で警察官が逮捕されたというニュースを思い出したようです。
 「警察官は犯罪者ばっかりやないか。
それなのに、何もしていない普通の市民を厳しく取り締まるなんて許せない!」

 この手の話は、タクシーの運転手からも聞いたことがあります。
 高齢のお客さんの指示が二転三転したため、ある時間帯だけ進入禁止となっている道路に入り込んでしまったところ、すかさず警察官がやって来て交通違反で罰金になったのだとか。
 これに、怒りを抑えきれなかった運転手は思わず、「警察は犯罪者ばっかりやないか」と叫んでしまったそうです。

働かない奴ばかり!
 私は若い頃、警察病院に勤務していた経験があり、目を疑いたくなるようなモラルの低い警察官がいたことも記憶にあります。
 ですから、警察の不祥事が報道されるたびに、私も「警察は犯罪者ばっかりやないか」という暴言を吐きそうになるのですが、そういうときは仕事でお世話になった警察官の顔を思い浮かべるようにしています。
 「真面目に頑張っている警察官もいるのだから、十把一からげにするような言い方はやめよう」と自分に言い聞かせるのです。 
 
残念ながら、この乱暴な「十把一からげ」が、最近蔓延まんえんしています。
 「公務員は、いい給料をもらっているのに働かない人ばかり」
 「教師は、いじめに対して見て見ぬふりする人ばかり」  
 「生活保護受給者は、働けるのに働かない人ばかり」

 この手の十把一からげの論法で激しく攻撃する人が増えているように見受けられます。
 こうした言い方にどれだけの正当性があるのかははなはだ疑問です。
身を粉にして働いている公務員もいれば、いじめと真摯しんしに取り組んでいる教師もいます。また、病気や障害で働けずに困っている生活保護受給者も少なくありません。

【対処法】そんな人ばかりじゃない
 「○○は××ばかり」という論法で攻撃する人がいたら、「そんな人ばかりじゃないですよ。いろいろな人がいますから」と冷静に諭しましょう。
 また、自分自身が十把一からげにして攻撃するようなことをしていないか、常に省みることも必要です。

なぜ浮気を許すんだ!
 今年は、「ゲス不倫」という言葉が流行語のトップテンに選ばれるなど、不倫騒動が世間をにぎわせました。
 当然、不倫が報じられた有名人に対する世間の怒りや攻撃もすさまじかったのですが、そういう世間の反応に私は違和感を覚えずにはいられませんでした。

 というのも、不倫は夫婦間の信頼関係を損なう行為なので、浮気が発覚したら、配偶者にきちんと謝罪して、できるだけの償いをしなければならないとはいえ、そういうことは当事者同士の話し合いに任せるべきだと私は考えているからです。
 あくまでも夫婦の問題であり、赤の他人がとやかく言うことではないというのが私の持論です。
 ところが、不倫とは直接関係ないはずの世間が激怒しているのが現状です。
不倫が明るみになった夫を許し、結婚生活を継続すると発表した妻に、「なぜ許すんだ」と怒りの矛先が向けられたケースもありました。
 不倫の当事者ではない世間が怒るのはなぜでしょうか?
 このような怒りの根底に潜んでいるのは一体何なのでしょうか?

他人の幸福が我慢できない!  
まず、「けしからん」「許せない」と声高に叫びながらたたく人の心の奥底には、羨望が潜んでいることがしばしばあります。
 「羨望というのは、他人の幸福が我慢できない怒り」と、17世紀のフランスの名門貴族、ラ・ロシュフコーは指摘しています。
 たしかに、自分がやりたくてもやれないことや、やりたいのに我慢していることを他の誰かが易々やすやすとやってのけると、他人の幸福が我慢できない怒りを抱くようなところが人間という生き物にはあります。
 当然、不倫願望を心の奥底に秘めていながら、我慢せざるをえないとか、実行に移せないという人ほど、他人の不倫を激しくたたきます。
 有名人の不倫ともなれば、その人が手にしている「成功」「名声」「富」などに対する羨望もあいまって、これでもかというくらい世間は鋭い牙を向けます。
まるで、ステージから引きずりおろさないと気が済まないようにさえ見えます。

 不倫という他人の悪を徹底的に攻撃することで、自分はそんな悪い性向など持っていないかのように振る舞う人もいます。
特に、誠実であるべき配偶者の前で、他人の不貞を攻撃すれば、自分には不倫願望のようなやましい欲望などないのだと自己正当化できるわけです。

【対処法】色恋に口を挟むのは野暮
 不倫は悪という正義を振りかざして攻撃する人の根底に、このようなメカニズムが潜んでいることに気づけば、テレビやインターネットで盛んに取り上げられる不倫騒動にも冷静なまなざしを向けられるのではないでしょうか。
 少なくとも、他人の色恋にあれこれと口を挟むのは野暮だと肝に銘じるべきです。

「正義」がはらむ危うさ
 とにかく、もっともらしい正義こそ要注意です。
 たとえば、「家族は、互いに助け合わなければならない」という主張は美しい理想のように聞こえるかもしれません。
 しかし、フランスの家族人類学者、エマニュエル・トッドが見抜いているように、「『家族』というものをやたらと称揚し、すべてを家族に負担させようとすると、それが重荷になってかえって非婚化や少子化が進み、結果として『家族』を消滅させてしまう」恐れがあります。
結局、「家族の過剰な重視が、家族を殺す」ことになるわけです。

 正義を声高に叫ぶ人の胸中には、しばしば、思惑、怒り、恨みなどが渦巻いていることを忘れてはなりません。
 そういう正義の「正しさ」を疑わず、うのみにしていると、とんでもないことになりかねません。
ですから、一見もっともらしい正義がはらむ危うさを見極めて、振り回されないように注意しましょう。
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2016年12月28日

「高額療養費制度」は申請しないと無駄な医療費を払う結果に

「高額療養費制度」は申請しないと
無駄な医療費を払う結果に
2016.12.26 16:00 NEWSポストセブン

 病気やけがの時、心配なのが医療費の負担。
でも、「高額療養費制度」を使えば、ある程度、払い戻される。
健康保険の加入者なら誰でも使えるのに、意外と知らない人が多いこの制度について、生活マネーウォッチャーの「お〜ミカ。」さんがリサーチした。
 * * *
 手術や入院で高額な医療費がかかった時のために、覚えておきたいのが「高額療養費制度」。

これを使えば、医療費がなん百万円かかっても、一定額以上は返金されるんです。
 健康保険加入者なら誰でも利用できるのに、知らない人が多くて意外と活用されていないんですって。
そこで、活用するためのコツや注意点をファイナンシャルプランナーの黒田尚子さん(「」内、以下同)に教えてもらいました。

◆申告制だから知らなきゃ損する!
「高額療養費制度」は、申請して初めて使える制度。
つまり、知らない=申請しない、と、払わなくていい医療費まで払うはめに。
でも公的な制度なんだし、病院が教えてくれるのでは?

「病院は、治療にかかる費用は教えてくれますが、高額療養費制度の説明まではしてくれないと思った方が無難です。
入院時に案内を渡されるだけで、気づかなかったというケースも少なくありません」
 制度を知らずに高額な医療費を負担したままの人も多いんですって。

では、70才未満の人が申請した場合、自己負担限度額はいくらになるの?
「主婦で夫の扶養に入っている人の場合、夫の年収によって変わります。
370万円以上770万円未満なら、約8万円支払えばいいと思っていればOK。
例えば、窓口で自己負担額が30万円と言われた場合、21万2570円は戻るので、実際の自己負担額は8万7430円になります」

 高額療養費制度は、手術や入院をしなくても、1か月の医療費が限度額を超えた場合も利用可能。
家族の医療費も合算できるんですって!
「ただし合算の対象になるのは窓口での自己負担が2万1000円以上あったものだけ。
差額ベッド代などは含みません。
また、歯科での医療費は合算できないので注意して」
※女性セブン2017年1月5・12日号
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2016年12月29日

 年金カット、国のインチキ試算が露呈

荻原博子「家庭のお金のホントとウソ」
年金、年間14万円減額レベルの
カット法案成立…
国の「支払額の2.3倍もらえる」は
インチキだった!
2016.12.28 Business Journal

 俗にいう「年金カット法案」(年金制度改革関連法案)が国会で審議、採決されました。
 年金の支給額は物価と賃金の見合いで上下しますが、この法案のポイントは、物価が上がっても賃金が下がれば年金も下がる方式が採用されたところ(マクロ経済スライドの強化)

今までは、賃金が下がってもそれ以上に物価が上がっていれば年金の給付額は下がりませんでしたが、これからは、物価が上がっても賃金の下げ幅が物価の上昇を上回ると給付額は下がります。
 具体的に、この10年間を例にとって、どれくらい減るのかを見てみましょう。
この数字は野党と政府が出しているので、まずは野党から。
野党の試算では、国民年金で年間4万円(月3300円)、厚生年金で年間14万2000円(月1万1800円)も減ってしまうという数字が出ています。
「野党だから厳しい数字なのでは」と思う方もいるかもしれませんが、これほどではないものの、政府のほうも厳しい数字になっています。
厚生労働省の試算では、国民年金のモデル世帯で年間2万4000円(月2000円)、厚生年金のモデル世帯では年間8万4000円(月7000円)の減額です。

 みなさん、もう忘れているかもしれませんが、2004年に「マクロ経済スライド」という年金カットの方法が導入され、政府は「これで年金は100年安心」と大見得を切りました。
この「100年安心」が、100年どころか、その後12年でまたカット法案を導入せざるを得なくなったということです。
嘘、インチキ、無視で塗り固められた年金  年金については、本当のところは誰にもわかりません。
いわゆる年金官僚は、「まさか」と思うようなことを平気でします。
 たとえば、政府は「若い人でも、支払った額の2.3倍もらえる」という宣伝をしきりにしていました。
これは、厚労省の「平成21年財政検証結果リポート」にもしっかり書いてあります。これを見ると、「払った額の2倍以上もらえるなら、いいかな」と思う方も多いでしょう。
 けれど、喜ぶのは早い。
厚生年金の保険料は労使折半なので、社員が月々納めている保険料が1万円だとすると、会社が支払う保険料と合わせて月2万円を納めることになり、2.3倍なら将来は4万6000円もらえるはずです。
 しかし、実際にもらえる額は、その半分の2万3000円。
「そんなバカな」と思うかもしれませんが、なぜそうなるかというと、本人が支払った1万円しか保険料にカウントせず、会社が支払った1万円は完全に無視してカウントしないからです。
会社は、従業員の保険料の1万円を負担するために給料を減らしたり福利厚生を削ったりしているのですから、これを無視するのはおかしいでしょう。
 さらに、年金支給額の3分の1以上(現在は約2分の1)は税金が使われています。
つまり、年金の加入者は、年金をもらうために保険料のほかに税金も支払っていることになります。
ところが、支給額の3分の1以上を占める税金についても無視。
その事実は、ないことになっています。
 加えて、厚労省が試算のモデルケースとしている家庭は、20歳で結婚して、夫は40年間会社員として働き続け、妻はずっと専業主婦というパターン。
今どき、このような家庭は少数派ではないでしょうか。
 なぜ、このような家庭をモデルケースにしているのかといえば、妻が40年間専業主婦なら年金保険料を1銭も支払わなくても国民年金が満額支給され、このケースが家庭全体での年金の手取りがもっとも多くなるからです。
 さらに、この試算では運用利回りが4.1%を前提としており、給料も右肩上がりの設定です。こうした細かなインチキを言い出したらきりがないので、このへんにしておきますが、実際の年金は「若い人ほどもらえない」ということを覚悟したほうがいいでしょう。

国が潰れない限り、年金は絶対に破綻しない

 よく聞かれるのは、「年金は破綻するのか」ということ。はっきり言いましょう。
「国が破綻しない限り、年金は破綻しません」。
そして、国はそう簡単には破綻しません。

 国が破綻しないのに年金だけが破綻して給付がなくなったら、すでに年金をもらう権利(受給権)を持っている人たちは国を相手取って訴訟を起こすでしょう。

 すでに年金は10年以上加入していれば受給権を得ることができるようになっているため、こうした人たちがすべて訴訟を起こせば、その賠償金で国は破綻します。
そのため、国は絶対に年金を破綻させません。
けれど、破綻はしませんが、徐々にもらえなくなっていくことだけは確かです。

 今まで、国は「年金改革」と称して「保険料を上げる」「給付額を減らす」「給付年齢を上げる」ということを繰り返してきました。
そこに、今年からは「パートにも年金を支えさせる」(本連載前回記事を参照)を新たに加えました。
 どれも私たちにとっては負担につながり、徐々にもらえなくなることは確かですが、なくなりはしないということです。
では、将来的にもらえる年金が減少する中で、私たちはどうすればいいのでしょうか?
 これについては、次回に詳しく書きましょう。
(文=荻原博子/経済ジャーナリスト)
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2017年01月03日

主治医の選び方、セカンドオピニオン嫌がる医師はダメ

主治医の選び方、
セカンドオピニオン嫌がる
医師はダメ
2017.01.02 16:00 NEWSポストセブン

「記事に書いてあったから、という理由で『薬をやめる』と言い出す患者が多くて困っている」──
最近、取材する医者からこうした不満をよく聞く。
週刊誌やネットの記事が医者の言うことを聞かない「モンスター患者」を生み出しているというのだ。
だがその逆に、ただ医者の言いなりに従うだけの「良い患者」は、実際のところ「医者にとって都合の良い患者」でしかない。

 是非はともかく、週刊誌による「飲み続けてはいけない薬」キャンペーンに対する反響の大きさは、患者が今後、医師とどう向き合うべきか、という問題を提起した。

日本在宅薬学会理事長で医師の狭間研至氏はこう言う。
何も考えずに医者の言いなりというのは問題ですが、何でも疑心暗鬼になるのも問題です。
患者さんの中には、どこかにいる“スーパードクター”や“スーパー治療薬”がいつか病気をすべて治してくれるという『青い鳥』幻想を持っている人も多い。
そうした幻想を捨て、信頼できる医者を身近に見つけることが重要です」

 信頼できる医者かどうかを見極めるポイントは何だろうか。
「いきなり『薬をやめる』と言うのではなく、『なぜこの薬を飲まないといけないんですか?』と質問してみるのはどうでしょう。
そこで誠実な対応をしてくれる人は、信頼できる医師と言えるでしょう。

患者の疑問にきちんと答えてくれない人や、自分の専門分野にしか興味を示さない人であれば、信用できないと言われても仕方ありません」(同前)

 第三者の視点を入れることも重要という。
別の医者の意見を聞く『セカンドオピニオン』はもっと気兼ねなく受けたほうが良い。
それでいやな顔をする医師を主治医に選ぶのはやめた方がいいと思います」(同前)

 地域医療機能推進機構・本部顧問、徳田安春・医師は「医療はチームでやるものという意識を、患者側も持つべきではないか」と指摘する。
医者だけでなく、看護師、薬剤師、検査技師、ソーシャルワーカーなど、多くのチームで成り立つのが医療です。
メディアもチームの一員と言っていいでしょう。
そのチームワークを良くしていくことが、良い医療に繋がるのだと思います

※週刊ポスト2017年1月1・6日号
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40代独身男に襲いかかる“正月帰省鬱”の正体とは?

40代独身男に襲いかかる
“正月帰省鬱”の正体とは?
「実家の居心地の悪さに
  メンタルを削られる……」
2017年01月02日 09時06分 SPA!

 実家に帰省している人が多い正月のこの時期、親戚と顔を合わせる機会は必然的に増える。
そこで悩みの種となるのが、普段は会わない年配の親戚との会話。
年に1〜2度しか会わない彼らにとって、東京から来た甥や姪の近況は最大の関心事。

◆「まだ結婚しないの?」
 だが、問題は彼らの質問が往々にして触れてはほしくないセンシティブな話題であることが少なくないこと。
「いまは大学3年生?就職活動はどの業界に行きたいの?」
「具体的にどんな仕事してるの?営業?」
「公務員目指すのはやめたんだっけ?」  とはいえ、このようなキャリアにかんする質問に対しては、ウソも含めてまともに答えることはできる。
だが、多くの30代以上の独身男女を悩ませるのが結婚や恋愛にかんする質問だ。

「まだ結婚しないの?」
「誰かいい相手はいないの?」
「いま彼氏はいるんだっけ?」
 こうした職場で聞かれれば一発でセクハラ認定される質問も、保守的な考えを持つ非都市部の親戚が集まる場では、なぜか問題視されないことが多いという。

◆アラフォー独身おっさんが実家帰省に苦しんでいた!
 一般に、こうした結婚にかんするセンシティブな話題は30歳前後の独身女性にとっての悩みの種として語られがちだ。
 だが、彼女たちと同じように、いやそれ以上に結婚にかんする話題に悩まされている人たちがいる。
それが40歳前後の独身男性。
内閣府のデータによると、25〜29歳で71.8%だった男性の未婚率は、35〜39歳では35.6%にまで下がる(平成27年版 少子化社会対策白書)。

記事まとめ
・実家に帰省する人が多いこの時期、悩みの種となるのが普段会わない年配の親戚との会話
・ 独身女性だけでなく、40歳前後の独身男性も結婚にかんする話題に悩まされている
・『逃げ恥』の影響で事実婚をすすめる母親もいるというエピソードも

つまり、未婚男性は35歳をこえると約3人に1人の少数派になるのだ。

 結果、アラフォー中年独身男性は年配の親戚からは「マイノリティ」として不思議な目で見られると同時に結婚に関する答えづらい質問を多く受けることになり、それが彼らの「正月鬱」の原因となっているのだ。

◆『逃げ恥』の影響で事実婚をすすめる母親
 では、彼らは具体的にどのような仕打ちを受けているのか。
「今年の正月は実家に帰らない」という40代男性11人に、過去に親や親戚から受けた正月鬱の原因となったエピソードを聞いてみた。

「これは女性もあるだろうけど、近況報告ジャブはよくされる。
『同級生の●●くんのお母さんと、この間ばったりスーパーで会ったんだけど、最近子供が生まれたんだって』なんてジャブは当たり前。
本人はさりげなく言っているつもりなんだろうけど、俺にはそういう攻撃は効かない」(40歳・IT)
「先月、『逃げ恥』を見ていた母親から電話で事実婚をすすめられた。
元々テレビの影響を受けやすい静岡の田舎の人間なので、どうでもいいと聞き流していたけど『逃げ恥』を事実婚の事例として真面目に考察しているネットの記事をLINEで送ってきた。
これには焦った」(41歳・編集)

◆さりげなくゲイと疑う質問をしてくる
「久々に実家に帰ったときになんでも結婚に絡めて批判されて鬱になった。
『太ったでしょ? だからモテないんだよ』
『会社変わったの? だからモテないんだよ』と、太ったことと転職したことがモテない(結婚できない)原因としてディスられた。

何を言っても『だからモテないんだよ』が定型句になっていて、理不尽すぎる」(40歳・音楽関係)
「先日芸能界を引退した成宮クンの話をしてきたり、●●ってゲイなの?とこっちが詳しくない芸能人の同性愛事情を今年になってやたらと聞いてくる叔母。
どうやら自分はゲイと疑われているようです。
結婚してないからって極端すぎる結論。
ちなみに、うちは弟も独身です」(40歳・放送作家)

◆解決策は「非モテじゃないアピール」!?
 このように、かなりの確率で結婚にかんする耳の痛い質問を投げかけられるアラフォー独身おっさんたち。
その解決法は、堂々と「うっせぇばばあ!」と思春期の中学生のように答えることではないらしい。
 一部回答者から「自分には恋人がいることをあえて伝える」
「女性の友人と親を会わせる。
あくまで友だちとして。
女性の友人がいることを伝えるだけでも違う」といったように非モテではないことをアピールすることが有効というコメントをもらった。

この時期、親や親戚の前で気まずい思いをしている男性たちは試してみてはいかがだろうか。
 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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2017年01月05日

がん、心筋梗塞、脳卒中…日本「3大疾患」治療のお値段

がん、心筋梗塞、脳卒中…
日本「3大疾患」治療のお値段
2017年1月4日 日刊ゲンダイ

■がん

 がん治療は、「手術」「抗がん剤」「放射線」が3本柱。
一般的に治療費は100万〜200万円といわれる。
がんの種類、進行度、手術の難易度や患者の年齢などの条件の違い、治療方法、入院日数、検査・薬の種類によって変わる。

 たとえば大腸がんなら、結腸切除手術を受けて2週間入院した場合の医療費は40万円ほど(3割負担)。
術後に抗がん剤治療を6カ月行うことになれば、薬剤の種類によって1カ月あたり「2万5000〜10万円(3割負担)」×6カ月分の費用がかかる。

 ただ、保険適用内の治療であれば、公的助成の「高額療養費制度」を利用できる。

乳がん治療を経験したファイナンシャルプランナーの黒田尚子氏は言う。
「病院や薬局などへの支払額が1カ月で一定額を超えた場合、超過分が支給されます。
自己負担限度額は年齢や収入によって異なりますが、70歳未満で月収28万〜50万円であれば、1カ月の限度額は〈8万100円+(医療費−26万7000円)×1%〉です」
 医療費が100万円(3割負担で約30万円)だとしても、月9万円弱+差額ベッド代等で済む。
しかし、治療が1年続けば年間100万円強が必要だ。

 保険適用外治療の場合は全額自己負担。
一部がんを除く重粒子線治療(平均309万円)、陽子線治療(平均268万円)などの先進医療は高額だし、国内未承認の抗がん剤は月100万円超えが多く、約646万円かかる薬剤もある。
「その場合、先進医療特約などが付帯した民間保険に未加入だと負担は大きい。
しかし、加入していたとしても、その治療が保険金の支払い対象になっているかどうかはまちまちです。
先進医療に特化した1カ月500円の医療保険もありますが、給付条件の確認が大切です」(前出の黒田氏)

■心筋梗塞

 心筋梗塞は、動脈硬化などによってできた血栓が、冠動脈に詰まって心臓に酸素や栄養が届けられなくなり、心筋の一部が壊死する病気だ。
 血流再開治療の「カテーテル治療」は1週間程度の入院を含めて約30万〜40万円。
外科治療の「冠動脈バイパス手術」になると、2週間弱の入院で約100万〜150万円(いずれも3割負担の場合)。
ただ、保険適用されるので高額療養費制度を利用できる。

 最近は、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った手術が広がっている。
小さな穴を開けて内視鏡を使って行われるので、出血や術後の痛みが少ない低侵襲な手術とされる。
「ただ、保険適用外なので全額自己負担。
最も簡単なものでも350万円程度かかる。
開胸手術と比べて心臓の回復具合が明らかに上回るわけではないので、メリットを見極める必要がある」(心臓外科医)

■脳卒中

 脳卒中の大半を占める脳梗塞は突然起こる。
状態に応じてさまざまな治療法があるが、基本的には保険適用の治療だ。
 発症後4時間半以内であれば、血栓溶解療法(t―PA)が検討される。
20日前後の入院で、窓口請求額は治療費、入院費含めて約60万円。
t―PAで十分な効果が得られない場合は血栓回収術となり約90万円。
バイパス手術やステント留置術などになると高額で約120万円(いずれも3割負担の場合)。

治療費だけでなく後遺症軽減のためにも早期来院早期治療が重要。
そのために初期症状を見逃さない」(東京慈恵会医科大学神経内科・井口保之教授)
「ろれつが回らない」「言葉が出ない」「片方の手足に力が入らない、じんじんしびれる」
「片方の目が見えない」など、突然こんな症状に襲われたら、様子見せずに救急車を呼ぶ。

 後遺症でリハビリが必要になった場合、慈恵医大では脳に刺激を加えて不自由な部分を動かす「磁気刺激療法」という選択肢がある。
開発したリハビリテーション医学講座の安保雅博教授は「2週間の入院で診療費総額は約17万円。
筋肉を柔らかくするボツリヌス注射をすることがあり、上肢なら1回で最大約7万5000円」だという。

 それも、毎日の適切なリハビリと組み合わせてこそ効果がある。
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2017年01月08日

ダラダラとかっこ悪く生きていくことのススメ

ダラダラとかっこ悪く
生きていくことのススメ
2017年01月07日 16時12分 SPA!

― 週刊SPA!連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史> ―  

BS朝日で『熱中世代』という番組の司会を進藤晶子さんと一緒にしています。
オンエアは、日曜朝8時なんですが、精神科医で作詞家の「きたやまおさむ」さんが何回もゲストで来てくれています。

 きたやまさんは、「かっこよく去る」ということに一貫して反対しています。
かっこ悪く、ダラダラと、粘りながら居続けてもいいんじゃないかと言うのです。

 例えばと言って「鶴の恩返し」の話を持ち出します。
 あの時、鶴は自分の正体を見られたから、去っていく。
それはかっこいいんだけど、人生はそんなもんじゃないんじゃないか。
そんな風に去れたら素敵かもしんないけど、人生、そうはいかないと思うと言うのです。

 じゃあ、どうすればいいんですか?と問いかけると「だから、居座るんです」と、楽しそうに答えられました。
 鶴は去っていかない。
見られて正体がバレても居座る。
ただ、ダラダラと居る。
そういう関係は面白いときたやまさんは言います。

 そう聞いて、いきなり物語のイメージが膨らみました。
 夫の「よひょう」は、女房の「つう」の正体を知った後も、なんとなく一緒の生活を続けます。
で、酔っぱらうと「お前は人間なの? それとも鶴なの?」なんて聞くのです。
 つうのほうも「両方だし、両方でもないし、私も分かんないのよ」なんて困りながら答えるのです。
 んで、また、自分の羽根で反物を織り始める姿を見て、よひょうは、「やせ細ったお前は、美しいのか? 醜いのか?」と混乱するのです。

 つうは、そう聞くと「やせてガリガリだけどお金はある私と、見事に美しいけれどお金がない私。どっちを選ぶ?」なんていう究極の選択を迫るのです。

 おお、これはまるで、「スタイル抜群で美人のモデルなんだけど性格は最悪でバカか、性格は最高でものすごく賢いんだけどデブでおブス。どっちを選ぶ?」という究極の選択の古典そのものではないですか。

◆かっこよく去った後に、残された人間は?
 んで、そうこうしているうちに、つうとよひょうに子供が生まれるわけですね。
 子供は、「うちの母ちゃん、昔、鶴だったらしいぜ」と知って、苦悩していいのか驚いていいのか分からないまま、生活を続けるのです。
やがて、子供は二人になって、「ねえ、私達もそのうち、鶴になるのかな? そしたら、空を飛べるかな?」なんてワクワクしながら話し合うのです。

「まあ、俺達は、最終的には鶴になって自分の羽根で反物を織ればいいんだから、最低保証はあるよな」
 兄が妹か弟にそんなことを言うかもしれません。

 ここらへん、物語の展開に気をつけないと、映画『おおかみこどもの雨と雪』とかぶりそうになります。
 『こうかみしょうじの飴と湯気』なんて言われないようにしないといけません。

 きたやまさんが「ダラダラと生き続けること」を主張するのは、2009年に62歳で自死した加藤和彦さんのことを思うからでしょう。

  加藤さんの去り際は、それは見事なものでした。
自分の荷物をすべて整理し、スタジオもきれいに片づけ、ただ、壁に一枚、アマチュア時代の『ザ・フォーク・クルセダーズ』のライブ風景を写した白黒写真を残しただけでした。

 遺書の書き出しは、「今日は晴れて良い日だ。こんな日に消えられるなんて素敵ではないか」で、末文は、「現場の方々にお詫びを申し上げます。面倒くさいことを、すいません。ありがとう」でした。
 あまりにも見事でスマートで手際がいいからこそ、きたやまさんは、「ちょっと待て」と思ったのだと思います。

 お前はそれでいいけれど、残された人間はどうなる。
かっこよくさっと去っていくお前はいい。
けれど、残される人間の気持ちはどうなる。
 だから、きれいに去るなんて思わずに、ダラダラとかっこ悪く生きていこうと言うのです。  

中年の孤独死が問題になっています。
多くの人はかっこ悪くなりたくないから、ミジメな自分を見せたくないから、外部との接触を絶ったんじゃないかと僕は思っています。
でも、かっこ悪く、恥をかきながら世界とつながるのもいいもんだと僕は思うのです。
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2017年01月11日

「時代遅れ」は悪くない

香山リカのココロの万華鏡
「時代遅れ」は悪くない
毎日新聞2016年12月27日 首都圏版

 診察室で、ある女性から「私たちのグループで作ったものです」と3枚ほどの紙を手わたされた。
うつ病を治療中の彼女は、同じ病を持つ人たちの話し合いグループに属していて、そこで定期的にニュースレターを作っているのだそうだ。
「すごいですね」と言うと
「いえ、この時代に紙に印刷、なんて時代遅れですよね。
なんでも電子データですませる世の中ですが、私たちはそういうのが得意じゃないのです」と答えた。
診療が終わってからお茶を飲みながらその印刷物に目を通したが、いろいろな人の体験談が載っており、とてもおもしろかった。
 もし、その女性から「私たちのニュースレターを電子メールで送ります」と言われたらどうだったか。
もちろん受け取るとは思うが、そのデータを開いてきちんと読んだだろうか。
もしかすると「あとで読もう」と思ってそのままたくさん来るメールにまぎれてしまったかもしれない。

 アメリカの大学などで行った調査によると、インターネットの交流サービスで何かのニュースを拡散する人の6割近くは、内容をよく読まずに見出しだけで「これはおもしろそう」と思ってそうしているのだそうだ。
そうやって送られた人は、また中身を読まずに見出しだけでほかの人たちに拡散する。
そのうち、誰も「本当はどんなニュースだったのか」はわからないまま、「あの人、離婚するんだって」と見出しだけでみんなが何かを知ったような気になってしまう。
これはおそろしいことだ。

 それに比べると、手もとに紙があってそこに何かが書かれていたら、見出し以外にも、全部とは言わなくてもある程度は読むであろう。
本や新聞、印刷された通信などには、昔もいまも変わらない価値があると思う。
 考えてみれば診察も同じだ。
何百年前もいまも、診察室に医者がいて患者さんがそこに入ってきて、顔を見ながら問診をしたり手で患部に触れたりしながら診察を進めていく。
それを「時代遅れ」として軽んじると、命にかかわる問題が起きることもある。

 もちろん技術は日進月歩、私たちの生活もどんどん変わっていく。
とはいえ、世の中が変わってもすべてが「時代遅れ」になるわけでない。
とくに高齢の人たちには、自分が身につけてきたやり方や習慣を大切にして「もう私は遅れた人間」などと自信を失わないでほしいと思う。
たまには「これが私のやり方だ」と、がんこ者になってもいいのだ。
(精神科医)


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2017年01月12日

軽い痛みでも発症…くも膜下出血の“サイン”を見逃すな

軽い痛みでも発症…
くも膜下出血の“サイン”を見逃すな
2017年1月11日 日刊ゲンダイ

 後頭部をガーンとハンマーで殴られたような痛み――。
くも膜下出血は激烈な痛みが特徴とされるが、実は、軽度な痛みで起こるケースもある。
かえって見過ごされやすく、要注意だ

 1年前の「あの日」を振り返るのは、会社員のAさん(58)だ。
数日前から頭痛が続き、鎮痛剤を飲んでも治まらない。
もともと頭痛持ちで、ある意味で頭痛に慣れてはいた。
いつもなら、市販の鎮痛剤を飲めば痛みが徐々に消える。
時に1錠では足らず、時間を空けて2錠飲むこともあったが、2日、3日と日をまたいで頭痛が続くのは初めてだった。
 妻からは「病院で薬をもらった方がいいんじゃない?」と言われていたが、仕事で厄介な案件を抱えている時期だったこともあり、病院に行く時間が惜しかった。
そのうち良くなるだろうと楽観視して、仕事をこなしていた。

 激痛に襲われて倒れたのは、休日出勤中だった。
幸いにも部下が職場にいたことで、速やかに救急搬送してもらえた。
検査結果は「くも膜下出血」だった。
さらにAさんの運が良かったのは、救急搬送先に脳神経外科の名医が当直でいたことで、すぐに緊急手術が行われた。
Aさんは片足の軽いマヒは残ったものの、一命を取り留めた。
後に主治医からは、「頭痛が治まらない時点で、病院に来ていれば……」と言われた。

■薬を飲んでも頭痛が1日以上続く
 脳神経外科医で、頭痛患者を多数診ている「くどうちあき脳神経外科クリニック」の工藤千秋院長は、Aさんの事例を「決して珍しいことではありません」と話す。
くも膜下出血の典型的なものでは、動脈にできた瘤(動脈瘤)が爆発するように破れます。
これによって、激烈な痛みが生じます。
しかし、破ける前に、血液がジュワーッと血管の外に染み出ていく場合があります。
すると痛みは、どちらかというと軽いようになるのです

 頭全体が重苦しい。時に吐き気もある。
Aさんに見られたように、鎮痛剤では痛みが治まらず、場合によっては数日間続く。
「これは、いわば大爆発となるくも膜下出血の前段階のような状態です。
放置したからといって瘤は消えません。
そして、何らかの拍子に瘤が本格的に破れてしまうのです」

 くも膜下出血は、発症すると50%が死に至るといわれている。
治療によって、ほとんど後遺症なく社会復帰できるのは30%程度との指摘もある。
もし、本格的に破れる前に発見できて治療を受けられたら、非常に幸運といえる。
だからこそ、サインを見逃してはいけない。

 脳梗塞などの脳卒中では、体の片方のしびれ、マヒ、言葉が出ない、ふらつく、視野が狭まるといった症状もあるが、くも膜下出血に関しては、頭痛と吐き気が表れる。

命拾いした患者の中には、「数日前から風邪だと思っていた」と話す人もいる。
頭痛や吐き気からくる連想だろう。
高血圧はくも膜下出血にも頭痛にも関係していて、『血圧の薬を飲んだら頭痛が治まった』というケースもあります。
これならくも膜下出血を心配しなくてもいいでしょう。
しかし、頭痛薬も含めて薬で症状が改善しなければ、すぐに外来を受診するか、救急車を呼ぶ。即行の対応が求められます」

 くも膜下出血は、働き盛りの世代に多い。
それゆえに「様子を見よう」「この仕事が終わってまだ症状があったら病院へ行こう」などと考えがちだが、それが、命を縮める結果につながりかねないのだ。
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2017年01月14日

<生活保護>「受給は恥」思いつめた高齢困窮者の悲劇

<生活保護>
「受給は恥」思いつめた
高齢困窮者の悲劇
毎日新聞 1/14(土) 9:30配信

 少ない年金収入なのに、生活保護受給を「恥ずかしいこと」ととらえる高齢者が少なくありません。
申請すれば受給できるはずなのに、なぜ頼ろうとしないのでしょうか。
そこには制度を「施し」と捉える、悲しいほど真面目な国民性がありました。【NPO法人ほっとプラス代表理事・藤田孝典】

◇「生活保護をもらうなら死んだ方がマシ」
 以前ほどひどくないにせよ、申請窓口で生活状況を根掘り葉掘り聞かれる状況は変わりません。
 大学を卒業したばかりのケースワーカーや自治体職員に「家族を頼れないの?」「もうちょっと働けないの?」「なぜこんなに貯金が少ないの?」と聞かれます。
理屈は通っていますが、若者の遠慮ない質問は、長く生きた人間の最後のプライドにグサグサと突き刺さります。
 親族への扶養照会もあります。

生活保護法は、3親等以内の親族が扶養できない場合に保護を認めることになっています。
しかし、親族に困窮を知られたくない高齢者はたくさんいます。
とりわけ、子供や成人した孫ならなおさらです。

 例えば、成人した子供が困窮する親を扶養する義務については、「(子供の)社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」と規定されているに過ぎません。
しかし、「扶養照会で子供に困窮がばれるかもしれない」「子供の家庭生活に迷惑をかけるかもしれない」と親が考え、申請をためらわせるハードルにもなっています。
 また、困窮当事者には、保護されることを「恥ずかしい」と感じる意識が強くあります。

私たちが、「生活保護で当面の危機を回避しましょう」「恥ずかしい制度ではありませんから」と提案しても、「いや、恥ずかしい制度ですよ。
生活保護受けるぐらいなら、死んだ方がマシです」とか、「生活保護受けるようになったら人間終わりです」と言う人が多いのです。
 この意識は年齢に関係ありません。
会社を休職した男性(24)に保護を進めたところ、彼はこう言いました。
 「こんな若い僕が、生活保護をもらえるはずがないじゃないですか。本当に受給できるんですか。それ以上に、もらったら申し訳ないじゃないですか」  

◇働けなくなったらすべて自己責任?
 生活保護制度は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定する憲法25条の理念に基づいて運営されています。
条件さえ満たせば、無差別平等に保護を受けることができます。
困窮の原因は問われません。
 にもかかわらず、制度利用に対するバッシングや批判は止まることがありません。
私たちの意識のなかに、生活保護とは自立していない人が受けるもの、あるいは怠けていた人が受けるもの、計画性がない人たちが受けるものという感情があるのでしょう。

 勤勉で真面目な国民性ゆえに、一生懸命計画的に生活してきた人ほど、保護を必要とする人たちを枠からの逸脱と見なす傾向が強いように思えます。
私たちのような支援団体やソーシャルワーカーには、日本は過度に自立を求める社会、と映ります。その意識は保護を必要とする側も同じです。

 私たちが一緒に生活保護を申請した70代の男性は、無年金状態でした。
困窮していた彼はそれでも「ほんとに嫌だ。生活保護だけは嫌だ」と言い続けました。
 「生活保護以外の制度は? お金を貸してくれる銀行はないの?」と何度も尋ねるので、「こんな所得で貸してくれる銀行なんてないですよ」と言うと、今度は「じゃあサラ金から借りたい」と言います。
「貸してくれるはずがないでしょう」と説得し、ようやく申請に行きました。
 市役所のケースワーカーですら「こんなに困るまでがまんしなくていいですよ」と言うほどの困窮ぶり。
男性は「ありがとう」と涙を流しながら申請書類を書きました。
でも結局、自殺を図ってしまいました。

 アパートに残された遺書には、「この年になってお国の世話になるのは本当に申し訳ない。だから命を断ちます」と書いてありました。
ケースワーカーに聞いたところ、保護費を受け取りにくるたびに「ほんとに申し訳ない、申し訳ない」と頭を下げ、謝っていたそうです。
 「早く仕事を見つけますから」と謝る男性に、「大丈夫ですから、もう見つけなくていいんです。
年金だと思って暮らしてくださいよ」とケースワーカーが言葉をかけても、彼は「いやあ、私は年金を掛けてなくて、本当に自分の落ち度です」と、最後まで自罰的態度を崩しませんでした。  

「まさか自分が働けなくなるとは、夢にも思わなかった」
 そうなった時、あなたはどうしますか。

◇生活保護の申請方法は
 生活保護の申請は全国の福祉事務所で受け付けています。
事務所は市役所や分庁舎内にあることが多く、「福祉課」「保護課」「社会福祉課」など、部署名は自治体によって違います。
 申請後14日間の調査期間があり、ケースワーカーによる家庭訪問
▽預貯金、保険、不動産などの資産調査
▽扶養義務者に扶養が可能かどうかを確認する通知書送付(DV被害者など特別な理由は除く)
▽年金や収入などの調査
▽就労できるかどうかの調査−−が行われます。

申請から原則2週間以内に受給の可否が決まります。
生活保護法24条は「申請があったときは保護の要否、種類、程度と方法を決め、申請者に書面で通知する」と定めています。
申請を受理しないのは「保護申請権」の侵害とみなされます。
しかし実際には、申請意思を持つ人を窓口で追い返したり、相談扱いにして受理しなかったりする「水際作戦」も残っています。
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2017年01月17日

「年金なんて払わなくていい」はサイテーな大人

年金はヤバくない?
「年金なんて払わなくていい」は
サイテーな大人の意見
2017.01.16 messy(川部紀子)

こんにちは。
ファイナンシャルおねえさんこと、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。
 この国では、年齢を問わず老後のお金の心配をしている人が多いようです。
先日も「老後不安」を口にしている新成人がテレビに映っていました。
メディアでも、不安をあおるかのように、「老後難民」「下流老人」といった言葉が続々登場し、公的年金はまるで悪者扱い。
日本中が不安に思うのも無理はありません。

 確かに、公的年金と平均的な老後の日常生活費を比較すると5〜6万円足りないことがデータからわかります。
実際60代の方も、申し合わせたように「毎月5万円貯蓄を切り崩しています」と言っているのを耳にします。

 今回は、若い世代の老後、そして年金は本当にヤバいのかを考えてみたいと思います。

サイテーな大人の意見は
年金なんて元が取れないので払わなくていい
 20歳になったばかりのフリーターから相談を受けたことがあります。
20歳から国民年金を払うことになるわけですが、母親が「お金もないんだし、元が取れないんだから、払わなくていい」と言ったとのこと。
 この母親は巷で聞かれる意見を採用しているだけなので、個人を責める気はありませんが、残念ながらこれはサイテーな大人の意見です。

私が「サイテー」というのはどこを指していると思いますか? 
「払わなくていい」という部分はもちろんなのですが、それよりも「元が取れない」の部分です。
 日本の年金制度は「世代間扶養」という仕組みで成り立っています。
これは、今あなたが払っている年金保険料は、年金受給者、つまり現在のおじいちゃんやおばあちゃんのためのものなのです。
自分で積み立てたお金を老後に受け取るわけではありません。

そもそも、日本の年金制度には、元を取るとか取れないといった概念は一切含まれていません。ですから、私は「年金で元を取る/取れない」の議論が大嫌いです。
 少子高齢化の時代ですから、将来の年金を支える若者が少なくなっていくことはすでに確定しています。
であれば、受け取る年金の額が今より少なくなることは当たり前の話なのです。

お金がないから国民年金をブッチするのは、
おバカ過ぎ!
 お母さんの「お金もないんだし」という発言については、それぞれの事情もありますし、本当に苦しいときもあるでしょうからとがめられません。
しかしその場合でも、なにもせずただただ「未納」のままでいるのは絶対にNGです。
かならず「猶予」「免除」の手続きをしてください。
お金がないという事情が認められれば、払っている人たちと同じグループに入ることができます。
 同じように国民年金保険料を支払っていなくても、ブッチ(未納)と猶予・免除では意味が大きく違います。
払っている人たちと同じグループに入ることがとても大事なのです。
このグループに入ると、たとえ国民年金保険料を払っていなくても老後に年金を受給できる可能性に繋がります。
 また、もしものときの保険の可能性にも繋がります。

年金というと、老後の年金だけをイメージしがちですが、病気やケガで障害状態になった場合の障害年金、自分が死んでしまった時の家族への遺族年金といった保険の側面もあります。
実際に障害年金や遺族年金で助けられている人もたくさんいます。
自分だって、お世話にならない保障はありません。
そして、猶予・免除の手続きをしていれば、これらを受給できる可能性が出てくるのです。

年金には、老後だけでなく、
障害、死亡のときの保険の要素も含まれています。
積立貯蓄のように元を取る/取れないの議論がやはり無意味であることがお分かりいただけるかと思います。
 もし国民年金保険料を支払えないという方は、年金関係のハガキに書いてある連絡先に電話等で確認してから「猶予」や「免除」手続きに出向きましょう。
郵送でできる場合もあります。
面倒くさいと思うかもしれません。
でもその少しの面倒を乗り越えることで得られる価値はとても大きいのです。

目指す境地は
「意外と悪くないじゃん、日本の年金」
 未納者に対して厳しい仕組みに変わることも決まっています。
 未納者には最初に「督促状」が届きます。
そこで指定されている期限内に保険料を払わなかった場合には、給与、預貯金、自動車などの財産が差し押さえられます。
これまでは年間所得350万円、未納月数7カ月以上が差し押さえの対象でしたが、平成29年4月からは年間所得300万円以上で未納月数13カ月以上が対象となります。
既に差し押さえをされた人もいますが、4月からは今まで以上に増えると思われます。
さらに平成30年からは年間所得300万円以上で未納月数7カ月以上と対象が拡大する予定です。  

残念ながら、私たちがこの国の法律を簡単に引っくり返すことはできません。
もちろん望ましい方向に制度を変えていくことも重要ですが、日々の生活を問題なく送るためには、いったんこの国に生まれた宿命として今の制度を受け入れて、いいところを見つける方がずっと気持ちよく年金保険料を払っていけると思います。
 現在の年金制度は、おじいちゃんやおばあちゃんたちを支えることができ、自分や家族の保険の要素もついていて、老後はどんなに長生きしても死ぬまで一生受け取れる、というものです。
長生きすれば、ものすごい金額を受け取ることができるかもしれません。
実際に、現在の年金受給者の夫婦は平均して生涯で6000万円以上を受け取っています。
悪者扱いをされているわりになかなかの金額だと思いませんか? 

今後、受給額は減るとは思いますが、それでもトータルでは自分で積み立てて用意できないほどの金額を受け取れる可能性はとても高いです。
 「元を取れないどころか、この国の年金が破たんするのではないか」という人もいます。
でも年金が破たんする可能性よりも、あなたが長生きをして「元を取る」可能性の方がよっぽど高いと思います。
 過去と比べると実際ちょっぴり寂しさを覚える年金ではありますが、今は今で、未来は未来なので、過去と比べても無意味です。
勉強すればするほど「意外と悪くないじゃん、日本の年金」と感じるようになると思います。

「年金なんて元が取れないので払わなくていい」はサイテーな大人の意見だということをしっかり覚えておいてください。
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2017年01月18日

勉強するときは勉強し、遊ぶときは遊ぶ 勉強するときは勉強し、遊ぶときは遊ぶ

勉強するときは勉強し、
遊ぶときは遊ぶ
2017年01月17日 11時00分 ダイヤモンドオンライン

目標達成が叶うと、達成感で満ちあふれます。
いつも仕事や勉強だけをしている人はどれだけ感じているのでしょうか。
何事にもメリハリが重要です。
シリーズ6万5000部を突破した『ずるい勉強法』より、短い時間で結果をだすための「遊び」について考えていきましょう。

■短い時間で結果を出す
 子どもの頃、「1時間でも多く勉強しろ」と親や先生から言われたものですが、社会人になってからも、上司や先輩から「定時で帰るな、1時間でも長く働け」と言われることがあります。  しかし、時間をかければ結果が出るわけではありません。
たとえ結果が出たとしても、時間がかかっている以上、非効率的です。
むしろ、短い時間で結果を出し、残った時間でほかのことをしたほうが、ずっと効率的といえます。
 短い時間で結果を出すには、すべてにおいて時間制限、つまり、デッドラインを設けることです。
当たり前のことですが、ダラダラとやってはいけません。

限られた時間のなかで全力疾走し、時間内に終わらせるようにするのです。
 勉強でも仕事でも「この時間までにやる」「1時間でやる」と、決めてやるのです。
私も仕事や勉強をするときには、タイムをはかるか、時間制限を設けるようにしています。

 ある会社では、利益を生むために社員に残業を課していましたが、社員も会社も疲弊してしまい、定時で仕事を終わらせるシステムに変更しました。
結果は、残業をしていたときよりも定時で終わらせたほうがよかったそうです。
これも、時間が短くなったぶん、集中して仕事をした成果といえます。

 近年、朝早く出勤して早めに仕事を終わらせることが省庁や企業で推奨されていますが、実際にはむしろ残業が増え、労働時間が長くなってしまっているのが現状のようです。
どんなに朝型の生活が有効でも、時間を区切らないと人はダラダラと仕事をしてしまうのです。  

全力疾走する際には、ただ時間を制限するだけではなく、「目標」をしっかり持つことが大事です。
試験勉強なら「赤点を取らない」、仕事なら「15時までにこの資料を作成する」など、はっきりとした具体的な目標を設定しましょう。
目的意識があるかないかで、そこに向かう「真剣さ」が変わってきます。それは、結果をも大きく左右します。
 さらに、目標を達成するためには、あえてほかの予定を入れると効果的です。
 ほかの予定を入れず、勉強や仕事に集中すべきだと言う人もいますが、私は逆だと考えます。ほかにやることをたくさんつくったほうが効率は断然よくなります。
自分を追い込むことによってパワーが生まれるからです。
 やらなくてはいけないことがあるときほど、遊びの予定を入れましょう。
 たとえば、「遊びの予定があるから勉強は明日に回す」のではなく、「遊びの予定があるから、その時間までに勉強を終わらせる」のです。
そうすると、限られた時間のなかで頑張るため、時間の濃度がグッと濃くなります。
そして、勉強をやり終えたとき、「達成感」と「解放感」が得られます。
遊んでいる最中も、やり残したことがないので、よりいっそう楽しむことができます。
その満足感から翌日も「また勉強を頑張ろう!」という気持ちになります。
プラスのループが続くのです。

 このように、短い時間で全力疾走すれば、勉強も遊びも、100%のパワーで全力投球することができます。
「勉強するときは勉強し、遊ぶときは遊ぶ」の精神で、どちらも思い切り楽しんでください。
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2017年01月21日

現役医師が実践する風邪予防法、手を洗うまで顔を触らない

現役医師が実践する風邪予防法、
手を洗うまで顔を触らない
2017年01月21日 07時00分 NEWSポストセブン

 風邪大流行の季節だが、皆さんはどのような風邪予防策を講じているだろうか。
病気のプロ、現役医師はどんな予防法を行っているか聞いてみた。
今回話を聞いたすべての医師が、うがい・手洗いをしっかり実行。
これは基本中の基本だ。

 池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんは1日数回、コップ2杯の水で5、6回に分けてうがいをする。
「風邪の予防は水、風邪を引いたらヨードうがい液が有効です」

 秋津医院院長の秋津壽男さんは、ひとつまみの塩を入れたお茶を利用する。
「お茶は必ず1度沸騰させているので殺菌されているし、そこに塩が加わると、のどへの刺激が少なくなります。お茶は出がらしで充分です」

 手洗いも徹底。

おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎さんは、診察後には必ずアルコール消毒液で手を洗っている。
「ウイルスのついた手で顔を触ると感染の可能性があるので、手を洗うまでは顔を触りません」  

池谷医院院長の池谷敏郎さんは「電車のつり革を握ったら、その手では絶対に顔を触らないようにします」と言う徹底ぶり。
顔に触れる前には必ず手洗い、を習慣化しよう。

 服でも体を温めることができる。
秋津さんは「3つの首を温めることが重要」と言う。
3つの首とは、首、手首、足首。皮膚表面に近いところに動脈があるので、ここを冷やすと体力を落としやすいのです。
ですから、寒いときにはレッグウオーマーとマフラーが欠かせません」

 芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏さんは首を温めるためにできるだけハイネックの服を選択。
シャツの時にはネクタイで二重にガードする。
女性ならストール使いのおしゃれを定番化したいところだ。
 ただ、ここまで紹介したのはすべて予防の話。

風邪を引いてしまったら別の対策が必要となる。
過度な厚着はNGだ。
「風邪を引いたら汗をかくことで、体温が下がります。
ところが、厚着をして布団にくるまって寝ると汗が蒸発しにくくなり、熱がこもって寝苦しさの原因となったり、脱水症状を起こすこともありますからご用心ください。
スポーツウエアなど速乾性の衣類を身につけ、こまめに着替えるようにしましょう」(池谷さん)

 引く前はがっちり、引いてしまったらちょいユルと覚えておこう。
            ※女性セブン2017年2月2日号
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2017年01月22日

医師も驚く若者の「免疫力低下」。感染症増加で20代でも風邪から肺炎に!?

医師も驚く若者の「免疫力低下」。
感染症増加で20代でも風邪から肺炎に!?
2017年01月21日 06時00分 週プレNEWS

不規則な食生活、ストレス、そして運動不足…。
現代人の生活は、かつて「オヤジ病」といわれた病気の低年齢化をグイグイ進行させていた!  名医たちの指南で、2017年こそ心機一転、健康なカラダとココロを取り戻せ!

■風邪から肺炎を発症し、
                 入院に至るケースも
人が日常生活を送る空間には、目に見えない雑多な細菌やウイルスが潜んでいる。
ただ、若いうちは免疫機能が活発なため、細菌やウイルスが体内に入っても、めったに病気を発症しない…というのが、これまでの常識だった。


しかし、今の若い世代は細菌やウイルスにめっぽう弱いと、東京・山王病院副院長で、呼吸器外科医の奥仲哲弥先生は語る。
20代、30代で肺炎にかかる人が増えてきたことが、その顕著な例だという。
「肺炎の原因になる微生物はたくさんあり、症状もそれぞれ多少異なりますが、大別すると『院内肺炎』と『市中肺炎』のふたつ。
院内肺炎は入院中に抵抗力が低下してかかる肺炎、市中肺炎は町の中でかかる肺炎です。
10年ほど前まで、市中肺炎は高齢者や慢性疾患の人の病気でした。
若い人が町で肺炎の原因菌を吸い込んでも、せいぜい1日喉が痛いとか、熱が出るくらいの症状しか出なかった。
ところが、今は30代の肺炎患者さんが頻繁に来院します。
しかも、入院して強力な抗生物質を投与しないと治らないほど重症化する人も決して珍しくありません。
また、風邪で抵抗力が弱まった体に市中肺炎菌が入り、発症する若い人もいます。
これも以前ならまず肺炎発症には至らなかったのに、今は“二次遭難”的に肺炎を起こしてしまう。
ストレスや体力低下が原因となって、若い世代の免疫力が落ちているとしか思えないのです

■20代から30代に猛威を振るう結核菌
過去の病気と思われがちな肺結核も低年齢化が進んでいる。
新たに結核になった患者は年間2万人を超えるが、その年齢層は高齢者と、20代から30代の若者とに2層化する傾向があるという。
「実は、結核菌も意外と町の中に存在しています。
結核にかかっても病院に行かない人たちが公園などにいるからですが、結核菌の感染力はそう強くないので、若者が吸い込んでも年齢相応の免疫力があれば発症はしないはず。
しかし、現実には20代の発症が増えているんです。
江戸時代末期、新撰組の若手組員・沖田総司(そうじ)が結核だったことはよく知られていますが、彼がせき込んだり喀血(かっけつ)しても、新撰組の仲間たちには感染しなかった。
もし今の世に沖田総司が生きていたら、周囲の同世代に結核が大感染しそうです」(奥仲先生)

■免疫力低下で激痛の帯状疱疹に
もうひとつ知っておくべき病気が、ヘルペスウイルスの一種、水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスによって起きる帯状疱疹だ。
このウイルスは子供に感染すると水疱瘡(みずぼうそう)を起こし、それとともに免疫がつく。

しかし、実は水疱瘡が治ってもウイルスは一生、神経の根元に潜伏し、高齢になって免疫力が落ちると、すかさず帯状疱疹を発症させるのだ。
帯状疱疹は胸や背中、顔などの左右どちらかの側に痛みやかゆみを覚え、やがて赤い斑点が出て帯状に水ぶくれができるのが一般的な症状。

高齢者の場合、治療後に「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる痛みが起きやすいが、若いからといって安心してはいけない。
治療が遅れると若い世代もこの神経痛が後遺症として起きる可能性が高まるため、早めの治療が肝心なのだ。
「実は私も治療が遅れ、激痛に悩んだひとりです」と、奥仲先生。
30代のとき顔面から頭部にかけて痛みが出たが、「まさかこの年で帯状疱疹にはかからないだろう」と思い、受診が遅れてしまったのだという。
「大学病院で激務をこなしていた頃なので、ストレスがたまり、免疫力がかなり落ちていたのでしょう。
帯状疱疹後神経痛は、まさに激痛。
当時は神経性の痛みに効果的な薬がなく、長期間苦しみました。
今はいい薬がありますから、私を反面教師にして、読者の皆さんは帯状疱疹が疑われる症状が出たら、いち早く皮膚科を受診してください

■はしかの予防接種が足りない人は要注意
最後は、強烈な感染力を持つ、はしか。
はしかを起こす麻疹(ましん)ウイルスの感染力は、インフルエンザウイルスの10倍から20倍といわれ、昨年9月には関西国際空港の従業員にはしかの集団感染が起きた。
特に注意が必要なのは、20代半ばから40歳までの人。
といっても、これは免疫力の問題ではなく、過去のワクチン行政の問題だ。
はしかは2回の予防接種で重症化を防げますが、今の20代半ばから40代のなかには予防接種が1度だけ、あるいは接種していない人がいます。
重症化すると40℃近い高熱を発し、1千人にひとりが脳炎を起こし亡くなるという怖い感染症ですから、接種が1回だけの人、また一度もしていない人は、今すぐにでも予防接種をすることをオススメします」(奥仲先生)

●山王病院副院長呼吸器センター長
 奥仲哲弥先生 1958年生まれ、埼玉県出身。
『サンデー・ジャポン』(TBS系)に隔週レギュラー出演中。
『健康寿命より快楽寿命をのばしなさい!』(主婦と生活社)、
『禁煙バトルロワイヤル』(集英社新書、爆笑問題・太田光氏との共著)ほか著書多数

★週刊プレイボーイ3&4号
「今年こそ拡大する『オヤジ病』の低年齢化を食い止めろ!!」より
(取材・文/浅野恵子 協力/世良光弘  イラスト/スズキサトル)
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2017年01月25日

年金支給「70歳から」に? ターゲットは団塊ジュニア世代

年金支給「70歳から」に? 
ターゲットは団塊ジュニア世代
デイリー新潮 1/24(火) 8:00配信

 1月5日に日本老年学会が行った会見にて、「高齢者は75歳から」とする提言がなされた。
ワーキンググループにて座長を務めた大内尉義(やすよし)・東大名誉教授(老年医学)は「提言はあくまで医学の立場からのもので、財政的な問題は全く念頭にない」と断るが、年金の支給年齢引き上げを促す材料に用いられると懸念する声も上がる。

 経済アナリストの森永卓郎氏は、 「昨年、世界保健機関(WHO)が発表した15年の日本の健康寿命は75歳ですから、支給開始をそこまで引き上げるのは、さすがに無理でしょう」  としながらも、 「厚労省は、実は70歳に引き上げようとしています。
彼らが少なくとも5年ごとに年金財政の現況と見通しを公表する『財政検証』のうち、14年6月のレポートでは8つのケースが紹介されており、うち5つは65歳から69歳までの労働力率が66・7%に設定されていました。

これは10人に7人が70歳まで働かないと厚生年金の所得代替率、つまり現役世代の手取り収入の何%を受け取れるかという数字が50%を保てない、との検証結果を意味しています。
2030年度以降も、厚労省は3年に1歳ずつ引き上げて70歳に近づけようとしており、このペースでいくと、2045年度には支給開始年齢が完全に70歳となります」

 そのターゲットは“団塊ジュニア”だと指摘するのは、特定社会保険労務士の稲毛由佳氏である。
「彼らは就職氷河期を経験し、貧困が顕在化しています。
非正規雇用のために厚生年金が積み上がっていない率が高く、また親世代の年金を頼りにするパラサイトも多い。
現行のまま団塊ジュニアが受給年齢を迎えれば、支給額が20%近く減るのは必至で、それを避けるには支給開始年齢を引き上げるしかないのです

■定年は延長といかず
 社会保険労務士の北村庄吾氏は、
「現在の年金制度は世代間扶養方式。
現役の保険料で引退した人の年金を作っていて、それで足りずに国が不足分を捻出しているわけです。
1960年当時は11人で1人を支えていたのが今は2・5人で1人、2050年には1・3人で1人になっていくのだから、システムがもつはずがない。
どこかで抜本的な制度見直しをしないといけないのですが、それに手をつけると政権維持が難しくなるから、現状は株価対策をしつつGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用益で凌いでいるのです」

 今年から65歳以上にも雇用保険が適用されることになり、また確定拠出年金(DC)への加入も、個人型の対象が公務員や主婦などに拡大。
企業型も中小企業向けに簡易制度が創設された。
年金制度自体はすでに風前の灯で、だからこそ政府はDCを拡充した。年金も自分で作っていかねばならない時代に突入してしまったということです」(同)

 そんな日常と、いかに折り合えばよいというのか。
先の森永氏が言う。
「支給年齢が70歳まで引き上げられても、世間は70歳定年制とはなりません。
今でも65歳定年制を導入しているのは、ごく一部の大企業や優良企業、公務員のみです。

現実には継続雇用の場合、60歳で定年を迎えてパートタイマーとして週3日とか、フルタイムでなく数時間とか、勤務を短縮する形でそれまでの給料の半分、あるいは3分の1程度を貰う。そんなスタイルが大多数を占めることになるでしょう」

 つまりは、働きながら年金程度の額しか手にできない暮らしが10年ほど続くというわけだ。で、 「収入が3分の1になるかも知れないのだから、まずは生活コストを下げることです。
昭和35年の実質賃金は現在の5分の1でしたが、何とかやっていけました。
ローンを抱えていない夫婦なら、月に10万円あれば食べていける。
『高齢者層』に入る前に、こうした術を身につけておくべきです」(同)

 つくづく世知辛くなったものである。

特集「ついこの間までは後期高齢者が……突然『高齢者は75歳以上』提言は『年金受給』後ろ倒しの大陰謀?」より
「週刊新潮」2017年1月19日号 掲載
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2017年01月29日

 コンビニの過酷なノルマ&自腹購入…

恵方巻き30本、ケーキ2千個…
コンビニのバイト、
季節モノのノルマ&自腹購入が過酷!
2017.01.28 Business Journal 文=編集部、
協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役・弁護士

 2月3日の節分を前に、コンビニエンスストアなどでは恵方巻きが売り出されているが、一方で「販売ノルマ」に対して悲鳴が上がっている。
インターネット上には、店員たちの「今年もノルマ30本」「ノルマ達成できそうにない」「誰か予約して……」といった言葉が並んでいるのだ。

 実際、いわゆる「ブラックバイト」の相談を受けているブラックバイトユニオンには、アルバイト店員からの販売ノルマや自腹購入に関する相談が多く寄せられており、ノルマ未達分の数万円を給料から天引きされたり、自ら買い取ったりするケースもあるという。

 流通ジャーナリストの法理健氏は、
コンビニは、人口減少と出店加速で既存店の来店客数が減っています。
そのため、『待ち』の商売から『攻め』の商売に移行せざるを得ない局面にきており、その象徴が恵方巻きなどの予約商材です」と語る。

「クリスマスケーキ、おせち料理、年賀状、お中元・お歳暮、 母の日……というふうに、20年ほど前から個店別の販売競争はありましたが、そこに数年前から恵方巻きが加わりました。
もともと、コンビニやスーパーにとって、2月は売り上げが落ちる時期です。
日数自体が少ない上、3〜4月のシーズン商品や新商品の発売前で、小売業は全体的に盛り上がりに欠ける。
そのため、各社は恵方巻きを大々的に売り出しているわけです。

 しかし、恵方巻きは予約商材のなかでも商品単価が低く、予約活動の効率が悪いといわれています。
一方、単価が安いためにバイトなどにノルマが課されやすい側面もあります。
そして、予約が埋まらなかった店では店頭販売されることもあるため、節分の日には売り場に恵方巻きがあふれるコンビニが散見されることになるのです」(法理氏)

 日本フランチャイズチェーン協会が1月に発表したデータによると、2016年のコンビニ来店客数は前年比0.5%減の159億715万人。
しかしながら、客1人当たりの平均購入額は同0.9%増の605.6円となっており、豊富な品揃えや予約商材に代表される消費喚起で補完している状況だ。

「ケーキの予約2000個」「独身なのにおせち6個」 「コンビニのスーパーバイザー(SV)やマネージャーは、担当エリアの予約商材の売り上げが昇給や出世に直結することが多いです。
前年比の数字や売上高は、競合店や地域環境などの諸条件によっても左右されますが、予約商材の売れ行きであれば『努力次第』であり、公平な判断材料となるからです。

 ある地方都市のコンビニでは、オーナーががんばって『クリスマスケーキの予約を2000個獲得した』という例もありました。
本部が押し付けているという側面もありますが、コンビニは立地産業なので、たとえば近くに競合店ができて売り上げが下がれば、生き残るためには予約商材に力を入れて売り込むしかありません。
 また、予約商材の販売ノルマを達成するために、バイトだけでなくSVなどが自腹購入することもあります。
『上司が怖くて、おせちを 6個買った』という独身男性のケースもあるほどです。
また、母の日のプレゼントでは、『不在配送の客の半分ぐらいは、当日働いていたSVだった』という話もあります」(同)

ノルマ未達で天引きや自腹購入は
                                      労基法違反に
 もはや、コンビニの季節商品や予約商材と店員の自腹購入は切っても切れない関係にあるといえそうだ。
しかし、そうした実態について、弁護士法人ALG&Associates執行役・弁護士の山岸純氏は以下のように語る。
バイトにノルマを課して、未達成の場合に給料から天引きすることは、労働基準法24条に違反し、30万円以下の罰金が科せられる犯罪です。
同法同条には『労働者には給料を全額払わなければならない』と規定されており、『罰金』などと称して天引きすることは違法となります。

 また、余った商品を強制的に買い取らされているような場合ですが、同じように、『自社製品を強制的に購入させることの違法性が争われた裁判』にて、東京地方裁判所の平成20年11月11日判決は、販売店(勤務先)に対して『優越的な地位を乱用して不当に商品を買わせたという不法行為として、損害額18万円(商品代金)、弁護士費用約2万円』の支払いを命じています。
このように、余った商品を強制的に買い取らせることも、場合によっては違法となります

 違法な自腹購入が横行する、コンビニの予約商材。
もし、節分の日に売り場に恵方巻きがあふれていたら、店員の心中を察することも必要なのかもしれない。
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2017年01月31日

著名人が語る苛烈な介護体験

「お父ちゃんなんかさっさと死んでくれたら…」
島田洋七、安藤桃子、春やすこら
著名人が語る 苛烈な介護体験
2017.01.30 LITERA(伊勢崎馨)

 介護をめぐる様々な問題は深刻化の一途をたどっている。
介護職員の過酷な労働環境、介護施設で相次ぐ虐待、悪徳介護ビジネスの跋扈、介護離職、介護による貧困、そして家族間での介護殺人や心中──。

 2025年には、団塊の世代約800万人が後期高齢者となり、後期高齢者人口は2200万人にまで達するという試算もある。
これが介護の“2025年問題”だ。
4人に1人が後期高齢者という超高齢社会で、誰しもが直面する可能性が極めて高いのが介護だ。  

そんななか、各界の著名人などが自らの介護体験を語った『私と介護』(新日本出版社)が刊行された。
そこには島田洋七、春やすこ、ねじめ正一、城戸真亜子、安藤桃子、香山リカなど17人の赤裸々で率直な介護体験が語られている。

 たとえば『佐賀のがばいばあちゃん』で注目を集めた島田洋七氏は妻の母親(義母)の介護を経験している。
1999年、佐賀で暮らす義母が脳梗塞で倒れたのだ。
東京から片道2時間かかる老母の遠距離介護が始まった。
しかし、こうした生活は過酷だった。
〈ある晩、僕が帰宅すると、嫁が娘に話していました。
「こんな生活いつまで続くんやろ」。
その声は疲れ果てていました〉 

 そのため島田氏は東京を引き払い、佐賀に引っ越すことを決意する。
〈芸能界の仕事も大切かもしれないけど、それより親の方が大切やと思った〉からだ。
その後14年もの間、夫婦と妻の兄弟を含めた介護生活が続いた。
しかしお互いが率直に話し合い、介護も協力できたことで、それを乗り切ったという。
全部、一人で抱え込むのが一番あかん。
無理せず家族にも頼って、自分でできる範囲で介護をしたらいいと

 両親のダブル介護を経験したのが、タレントの春やすこ氏だ。
春氏の父親は20年以上前から脳梗塞で右半身が不自由となり、大病も繰り返した。
そんな両親が心配で2005年に同居を始めた春氏だったが、その父親が階段から落ちて、要介護5となる。
さらに今度は母親が自転車で転倒してしまう。
春氏の2人の子どもも介護を手伝ってくれたが、それでも春氏の負担は大きかった。

〈朝6時前に起きて3時間おきにオムツを替え、食事を運ぶなど、一日中父の世話をしながら、母の通院につきあう生活です。
 くたくたになって、「なんで何もかも私が……」と、ストレスで過食になりました。
しんどいときは、「お父ちゃんなんかさっさと死んでくれたら楽やわ」と毒吐いて傷つけたこともあります〉

 そんな春氏だったが、両親の気持ちを優先し、最低限の介護サービスしか利用しなかった。
だが、その異変に気づいたのがケアマネージャーだったという。
今したいことは、なんですか?」との問いに、大学を卒業する娘との旅行を伝えると、「介護サービスを使って行ってきて」と背中を押されたのだ。
その後、春氏は以前より介護サービスを使うようになり、気持ちの切り替えができたという。  

芸能一家も介護とは無縁ではない。
母がエッセイストの安藤和津、父は俳優の奥田瑛二、さらに妹が女優の安藤サクラ、そして自身も映画監督という華々しい一家の安藤桃子氏は、祖母を家族総出で介護した。
しかし介護に至るまでは紆余曲折あったという。
それは寝たきりになる前、祖母がデパートでおもらしをしたことだった。

〈体の大きなひとだったから2人で入ると窮屈、尿の匂いも子どもと違ってきつい。
手間取るうちに祖母が力尽きてへたりこんでしまい、思わず怒鳴ってしまいました〉
 桃子氏はこのことを現在でも後悔しているというが、その後も祖母は家族に下の世話をされることを拒否したという。

〈埋められない溝があって、しんどい時期でした。
けれど、祖母が自らの現状と、家族の「助けたい」という気持ちを受け入れてくれたことで、介護は次第にスムーズになっていきました〉


 祖母は06年、83歳で亡くなったが、桃子氏は14年、介護をテーマにした映画『0.5ミリ』を監督する。
その理由は次のようなものだった。
お年寄りの知恵を借りたり、大切に敬うことが今の日本では本当に少ないですよね
高齢者への敬意がない現状に怒りが湧きました〉
先人たちの知恵を、しっかり受け継ぎ、バトンタッチをしなくてはと思います〉 

 同書で語られるのはある程度、経済的に余裕のある人々でもある。
環境の面でも恵まれているといってもいい。
それでも、介護はそれぞれが多くの、そして多様な問題を抱えるものであり、苛烈なものには違いない。
彼ら、彼女たちの語る言葉は、体験者ならではの切実なものだ。

「働いている人の収入が、大変な仕事の割には少ない」
東京オリンピックで本当に3兆円使うのなら、それを削って介護士さんの給料を上げてほしい」(島田洋七氏)


相談できる人を見つけて、ためこまないこと
サービスも受けて、どんだけズボラにできるか考えると、気が楽ですよ」(春やすこ氏)


「仕事がなければ孤独に陥り、煮詰まってしまうでしょう。
ブログなどで発信し、社会にかかわりながら誰かの役にたつことは、私自身の救いでもあります」(認知症の母親を介護するフードライターの大久保朱夏氏)

「介護は突然やってきますし、介護する側の心が豊かでないと成り立ちません。
家族をサポートする体制をもっと増やしてほしい」(安藤桃子氏)

政府はいま、施設介護を見直し、在宅介護にシフトさせようとしています
悪い方向ではありません。
しかし、介護の働き手は備わっていないなかで、互助や家族でごまかされては困ります」(20代で母親を、30代で父親を、そして夫を在宅介護で見送ったノンフィクション作家・沖藤典子氏)

しかし現実を見ると、こうした介護者たちの切実な声が届いているとは思えない。
 新年早々の1月1日、改正「育児・介護休業法」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)が施行された。

 この改正では、介護が必要な家族が1人いる場合、通算93日までだった介護休業を3回を上限に分割して取得できるようになった。
また介護休業とは別に、労働時間短縮措置が利用開始から3年の間で2回以上の利用可能となり、残業免除もできた。
その対象は正社員と一部の派遣社員で、介護についての休暇も1日単位を半日単位に改めるなどが盛り込まれている。

 しかし、これで問題が解決するかといえば、そうではない。
これまでにも、「介護休業法」は存在し、93日までの介護休業が認められていたが、その取得率はわずか3.2%。
それが分割で取れると改正されたからといって、劇的にその数字が上がるとは思えない。
しかも申請すると企業は基本的に拒否できないが、その罰則は最大20万円の過料と、悪質な場合の企業名公表だ。
これが一体どのくらい効力があるのか。
現在の日本企業の体質を考えると大きな疑問が残るものだ。

さらにパートなどの非正規や、契約1年単位の派遣社員、リタイア後の老老介護や、専業主婦に対しては、何の効力もない。

 そもそも本サイトでも何度か指摘したが、現在、安倍政権が推し進めているのが“家族による在宅介護”と“介護締め出し”政策だ。
15年4月にも介護保険法が改正されているが、これで介護難民が減るどころか、特別養護老人ホーム(特養)の入所条件が厳しくなった。
それまで「要介護1」以上だったのが「原則要介護3以上」と引き上げられ、それが介護保険法の施行規則に明記されたのだ。
これでは入居したくても申込みすらできなくなり、門前払いされる要介護者が増加するだけだ。

また入居できたとしても補助認定が厳格化され、さらにこれまで全員1割だった自己負担割合が、年金収入280万円以上の場合で2割に倍増した。

 介護保険料が値上げされた一方、介護報酬は実質マイナス4.48%と過去最大規模の引き下げになり、デイサービスなど小規模施設の閉鎖が相次いで問題になったし、介護職員の不足も深刻だ。
 こうした政策は、右肩上がりの介護保険制度の財政を抑えるため、家族による在宅介護に重点を置くものだ。
要介護者が必要なケアを受けられないだけではない。
家族にとっても、これまで以上に精神的かつ肉体的、そして経済的な負担が増加するということでもある

「介護離職ゼロ」どころか、はっきり言って、介護サービスの崩壊と高齢者の切り捨てだ

 さらに家族による在宅介護を強要する“根拠”とすべく安倍政権が意欲を燃やすのが、来年の国会で提出を目指す「家庭教育支援法案」(仮称)だ。
これは家庭教育を「家庭、学校、地域が一体となった支援体制の強化」(自民党プロジェクトチーム事務局長・上野通子参院議員)を狙いとするというが、実際には国家が家庭のあり方を規定し、家庭教育に介入するというトンデモなシロモノとみられている。

実際、安倍政権は「家族は、互いに助け合わなければならない」という自民党の改憲草案の憲法24条、いわゆる“家族条項”の新設に見られるように、家族による「助け合い」を義務化しようとしており、「家庭教育支援法案」もその延長上にあることは間違いない。

 国や自治体がすべき社会保障を“家族”に丸投げするという“自己責任論”。
しかも、前掲した『私と介護』でも介護経験者が指摘するように、在宅で介護をする人々を支えるための政策や取り組みがほとんどないのが現状なのだ。

 しかし、本当に必要なのは、家族であれ介護施設の職員であれ、介護する者への経済的サポートとともに、心と体の負担を減らすべく繊細で多様性のあるサポートシステム構築だろう。
 介護が必要な人々と、それを支える介護者のため、同書のように多くの著名人たちが声をあげる。
こうした声が大きなムーブメントとなることを祈りたい。
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保険会社で働く人の多くが「医療保険はバカバカしいので入らない」!? その理由とは

保険会社で働く人の多くが
医療保険はバカバカしいので入らない」!?
その理由とは
2017年01月29日 16時00分 SPA!

 入院などに備えて医療保険に加入する人は多いが
「私の知る限り、保険会社で働く人の多くは『医療保険に入るのはバカバカしい』と考えています」と、保険コンサルタントの後田亨氏。

「入院時の費用など『お金の使途別』に対策をとらないことです。
お金の問題を解決するのはお金ですから、自己資金で払うのが一番。
医療保険に頼ると、数万円程度のお金のためにも保険料を払うことになる。
健康保険の保障もあるのにもったいないということです」

 そもそも保険料が高すぎる――と、後田氏は語気を強める。
「保険数理の専門家によると、医療保険の保険料には保険会社の運営費が3割ほど含まれている。1万円入金すると3000円手数料がかかるATM機のイメージです」

 高額の保険料の背後には「経費の使いすぎ」という問題も。
「各社の保険料収入に占める事業費の割合を見ると、例えばアフラックで20%超。
大手でも10%前後。
大手の数十分の1の規模である埼玉県民共済が3%程度の事業費率で運営されていることを思うと、コストがかかり過ぎです」

 ちなみに「医療保険に入らない」保険会社の中の人たちは、どんな保険に加入しているのか? 「掛け捨ての死亡保険ですね。
自分で出せない1000万円単位のお金は保険に頼る一方で、“貯蓄性”は保険でなくてもできることなので求めない。
一般には販売されていない『団体保険』が彼らの間で人気なのは、販売手数料などのコストが低いからです」

 団体保険は大手企業などで導入されている。
生命保険に入る前に、国や職場の制度をチェックだ。

<知っ得! 新常識ベスト3>
1.「使い道」ではなく「金額の大きさ」で考える
                        知ってる…26% 知らない…74%
2.保険に「貯蓄性」は求めない
                        知ってる…31% 知らない…69%
3.こだわるべきは、保険料に含まれる「コスト」
                        知ってる…18% 知らない…82%

【後田亨氏】
保険コンサルタント。
オフィス・バトン「保険相談室」代表。
生保会社の営業職を経て独立。
近著に『生命保険は「入るほど損?!」』(日本経済新聞出版社)
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2017年02月03日

 なぜ日本は「寝たきり老人」大国?

富家孝「危ない医療」
なぜ日本は「寝たきり老人」大国
安らかな自然死を許さない、
過剰な延命治療が蔓延
2017.02.02 Business Journal

文=富家孝/医師、ラ・クイリマ代表取締役

 あまり知られていないが、日本の医療が世界一な点が2つある。
ひとつは薬剤消費量が人口数に比べて多いこと。
日本の薬剤消費量は人口が約3億2000万人のアメリカの約2倍もある。
もうひとつは寝たきり老人の比率が世界各国と比べてダントツに高いこと。
この2つとも褒められたことではないのに、いっこうに改善されていない。

 とくに後者は、欧米各国と比較すると日本だけの現象といってよい。
実際、寝たきり老人の数は、社会の高齢化とともに増え続け、現在約200万人。
このままいくと2025年には300万人に達すかもしれないといわれている。 
 なぜ、こんなことになっているのだろうか。

 その最大の原因は、医者が死期を迎えている患者さんを死なせないからである。
つまり、過剰ともいえる延命治療が行われているからだ。

 欧米各国では、医療施設、老人ホームなどに寝たきり老人はほとんどいない。
たとえば、北欧のスウェーデンでは、高齢者が自分で物を食べることができなくなった場合、点滴や胃ろうなどの処置は行わない。
このような人工的な処置によって高齢者を生かし続けることは、生命への冒涜と考えるからだ。つまり、人間は自力で生きることができなくなったら、自然に死んでいくべきだという死生観がある。
 ところが、日本はこの逆で、どんなことをしてでも生かそうとする。
たとえ植物状態になって呼吸しているだけでも、生きているほうがいいと考える。

欧米と日本の死生観の違い
 私は最近、介護医療の現場にかかわることが多い。
その現場でつくづく思うのは、遺体の様子が昔と比べて大きく違っているということだ。
特に寝たきり状態になってから死を迎えた方の遺体は、皮膚が黒ずみ、全体が水ぶくれを起こしたように膨らんでいる。
これは、点滴や胃ろうで無理やり生かされた結果だ。
 さまざまな延命治療を行う日本と、自然な死を受け入れる欧米。
どちらがいいとは一概にはいえないが、遺体を見た限りでは欧米の死生観のほうが自然の摂理にかなっていると思う。
 過剰な延命治療をやりすぎた結果、私たちは「自然死」というものを知らなくなった。
これは、一般の方ばかりか医者もそうだ。
医者は自分の仕事を医療技術によって人間を助ける、つまり「生かす」ということとしかとらえていなかったため、自然死がなんだかわからなくなってしまった。
医者は病院で末期がんや脳疾患などで死んでいく人、延命治療の果てに死んでいく人しか見ていない。
口から食べる力がなくなっているにもかかわらず、胃ろうをつけて栄養剤を投与し続ける。
呼吸する力がなくなっているにもかかわらず、人工呼吸器で息をさせる。
こんなことばかりしていては、人間が衰弱して自然に死んでいくことがどういうものなのか、わからなくなる。

いちばんいい死に方
「自然死とは、実態は“餓死”なんです。
餓死という響きは悲惨に聞こえますが、死に際の餓死は一つも恐ろしくない」と、『大往生したけりゃ医療とかかわるな』(中村仁一/幻冬舎新書)にある。
私は、この記述に同書執筆者と同じ医師として大いに共感した。

 中村氏は、医師としてのキャリアの最後に特別養護老人ホームの常勤医となり、高齢者を大勢看取ってきた。
その体験があるので、自然死への見方は確かである。
 中村氏は、「自然死は病気ではありません。
過度の延命治療は死に行く人のためにはなりません」と言い、「大往生するためのいちばんいい死に方は自然死です」と結論している。

 では、「自然死(老衰死)=餓死」とは、どのようなことを指すのだろうか。
 人間は誰しも死ぬ間際になると物を食べなくなり、水もほとんど飲まなくなる。そして、飲まず食わずの状態になってから1週間から10日で死んでいく。
これは飲食しないから死ぬのではなく、死ぬから飲食しなくなるのであり、死ぬ前にはお腹も減らず、のども渇かないという。
こうして飲まず食わずになると、人間はそれまで蓄えてきた体の中の栄養分や水分を使い果たして死んでいく。
つまり、自然死は餓死である。

餓 死
 餓死というと、言葉の響きからいって惨めに感じる。
しかし、中村氏によれば、実際は本当に安らかな死に方であるという。
その理由は次の3つだ。

(1)飢餓状態になると脳内にモルヒネのような物質が分泌されて幸せな気分になる。
(2)脱水状態になると意識レベルが下がりボンヤリとした状態になる。
(3)呼吸が十分にできなくなると体内が酸素不足し、その一方で体内に炭酸ガスが増える。
酸素不足は脳内にモルヒネのような物質の分泌を引き起こし、炭酸ガスには麻酔作用がある。  

つまり、この3つの作用により、人間は意識朦朧としたまどろみのうちに死んでいく。
がん患者でさえも自然死の場合には痛みを感じず、朦朧としたなかで死んでいくという。
 こうして自然死を迎えた遺体は、やせ細り、枯れ木のような状態になるが、延命治療後の遺体に比べれば、遺体らしい遺体である。

 人の自然死は餓死である。
それは決して惨めなことではない。
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2017年02月06日

推計200万人以上患者がいる睡眠時無呼吸症候群、早期発見を

推計200万人以上患者がいる
睡眠時無呼吸症候群、早期発見を
2017.02.05 16:00 NEWSポストセブン

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、顎が小さいなどの骨格の問題や肥満、加齢が原因で起こる。
睡眠時の10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まる)が無呼吸とされ、1時間あたり、5回以上の気流停止がある場合はSASと診断される。

 睡眠時に、一時的に呼吸が止まるため、息苦しさに何度も目を覚まし、起床時に倦怠や疲労を感じ、日中に激しい眠気などが起こる。
40〜60歳の男性を中心に、現在200万人以上の患者がいると推計されている。

 SASは、高血圧や糖尿病の原因や動脈硬化を促進し、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが高まるなどがわかっている。
さらに交通事故や仕事中の事故などの原因になり、社会的にも問題となっている。

 順天堂大学医学部公衆衛生学教室の谷川武教授に聞いた。
SASは、夜中に何度も目を覚ますことで、睡眠の質が低下し、慢性の睡眠不足状態となり、日中に猛烈な眠気を感じることがあります。
しかし、交通事故や転落事故などを起こした人の中には、重症のSASなのに、日中に眠気を感じないため、自分が患っていることに気づいていない方が大勢います。
結果、事故前にSASが発見されず、事故に繋がった例も多く報告されるようになってきました」  

SASは、気道が狭くなることで発症するため、睡眠中にいびきが大きくなり、家族の指摘で病院を受診し、SASだと診断されるケースも多い。

 2004年、ペンシルバニア大学が実施した「睡眠と身体への影響」に関する興味深い研究がある。
被験者を8時間睡眠、6時間睡眠、4時間睡眠、まったく寝ないという4群に分け、2週間で身体にどのような影響があったかを検査したもの。
評価は主観的な眠気と、モニター画面に現われる数字を認識し、ボタンを押す反応をみる客観的指標の2つだ。

 まったく寝なかった人は主観的眠気がすぐに上昇し、客観的反応は低下する。
4時間睡眠と6時間睡眠の群は、眠気をあまり感じなかったが、客観的なデータはまったく寝ない群の2日目と同じくらいに低下していた。

「徹夜のように、急に睡眠が奪われた場合は、強い眠気を感じます。
ですが、肥満や加齢が徐々に進行して起こるSASは、慢性の睡眠不足に身体が慣れて脳が眠いと感じなくなる人が多いのです。
眠さを感じないから安全というわけではなく、慢性睡眠不足状態ではマイクロスリープといって、直前まで起きていたのに“一瞬寝るという状況が起こります。
これが交通事故などに繋がるのです」(谷川教授)

 SASは、生活習慣病や事故など社会的問題のリスクとなっている。
治療はCPAPという鼻から気道に空気を送るマスクを装着して眠ることで、呼吸障害を治療できる。

 家族の大きないびきや会議中の居眠りなどを見つけたら、病院でのSAS検査や自宅でできる簡易なSASスクリーニングの受診を促すことが重要だ。


●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年2月10日号
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2017年02月13日

「介護」はこれからもっと過酷で悲惨になる

「介護」はこれからもっと過酷で悲惨になる
介護保険制度がどんどん難解になっている
2017年02月12日 17時00分 東洋経済オンライン

中村 陽子 :東洋経済 記者

介護離職、介護難民、介護殺人……。
「介護」の2文字に付きまとう暗い影。
多くの人にとって親が元気なうちは目を背けていたい、憂鬱なテーマではないだろうか。
だがいずれやってくる現実。
ここは一念発起、予習に踏み込むきっかけをくれる、初心者向けの書。
『親の介護をする前に読む本』を書いた介護ライターの東田勉氏に聞に心構えを聞いた。

■元気なうちに親の意思を聞いておく
──高齢でも体は丈夫、自身の認知症など疑ってもいない親に、子はどう切り出せばいいのでしょう。
まず、元気なうちに親の意思を聞いておくことが大事です。
〇介護が必要になったら在宅か施設か、どこで介護されたいか。
〇もう1つは延命を望むか望まないか。
これを聞いておかないと絶対に後々後悔します。

そして親が75歳になったら、要介護認定の検査を受けてもらうことを勧めます。
役所から知らせが来たとか、受診が義務化された、健康具合を見に係の人が来るとか、ウソも方便。
何とか要介護認定を受けてもらうのが第一歩です。
65歳の誕生日前に送られてくる介護保険証持参で役所の介護保険課窓口に行き申請、受理されたら自分が立ち会える日に認定調査員に来てもらって、要介護認定の調査を受けます。
1カ月後、要介護度が書き込まれた介護保険証が送られてくる運びです。

──すでに認知症、介護の本を多く書かれていますが、今あえて初心者向けに書かれたのは?

今、介護は激変しています。
これから介護に入っていく人には大変な時代になる。
いろんな落とし穴があると警鐘を鳴らしたかった。
介護保険、医療保険も財政破綻でサービス削減と負担増が同時進行し、働き手も圧倒的に不足している。
懸念されていたことが現実となってきた。
要介護3以上で入所可能な特別養護老人ホームの待機者は国の政策転換で減りつつあるけど、肝心の職員が確保できず、入所者を受け入れられない事態が多発しています。

──介護の基礎知識がないと、先々業界の人と「まともに対峙できない」とクギを刺されています。
介護保険制度がどんどん難解になり、素人はついていけなくなりつつある。
それ以前に要注意なのが、日本の福祉はすべて申請主義ということ
送られてきた介護保険証はそのままでは単なる紙切れ。
要介護認定を受け要介護度の数字が記入され、ケアマネジャー・介護事業者と個別に契約して、やっと使用可になる。
介護保険制度自体も面倒ですが、いろんな事業者と対峙していかないと全然前に進まない。
だからこれから介護する人は腹をくくるしかない。

離れて暮らしている場合は、親の近くにいつも気に掛けてくれる信用できるケアマネジャーをつけておきたい。
要介護認定を受けて、要支援1、2の場合は地域包括支援センターがケアマネジャーをつけてくれます。
要介護1〜5の場合は居宅介護支援事業所を通してケアマネジャーをお願いしますが、役所は一覧表をくれるだけ。
まずは自宅近くの事業所から順に電話する。
ポイントは複数の事業所に聞くことです。
話してみて感じのいいところ、「絶対オムツはしたくない」など親の希望があれば、それに前向きに回答してくれたところと契約する。
彼らは最低月1回の訪問を義務づけられているから、離れて暮らす家族はそのケアマネジャーに電話して様子を聞けます。
ケアマネジャーさんを信用して相談相手にしていくことですね。

介護の仲間を作り、いろんな人の知恵を借りる
──在宅介護の場合は?
一人で抱え込まずに他人の力を借りてオープンな介護を。
デイサービスやショートステイをうまく使い、何とか自分の時間を確保して趣味も手放さないとか、余裕を持てるよう工夫しましょう。
介護の仲間を作ることもとても大事。
いろんな人の知恵を借りながら、介護を苦じゃないものにしていく。
地域の介護の先輩からアドバイスをもらって受診機関を決めるとか、生活面での助言をもらうといいですね。

認知症の場合は「認知症の人と家族の会」という公益社団法人が47都道府県すべてにありますから、地元に家族会がないか教えてもらうといいです。
なるべく近くの家族会に顔を出してアドバイスをもらう。
介護の経験者は皆さんとても親切です。
アドバイスすることにやりがいを感じる方が結構多くて、初めて介護する人の苦しみや悩みに寄り添ってくれます。

──初心者には初耳の話だらけです
ええ、向こうから教えてはくれませんから。
そこがおかしいのです。
たとえば地域包括支援センターは利用してくれるのを待っていても、自ら情報を発することはありません。
介護というと寝たきり老人の食事や排泄(はいせつ)、入浴の世話など、キツい“後始末”の印象が強いけど、本来そうではなく、長年続けてきた生活習慣へ戻すことです。
でも現実には、自分の口から食べてもらう方法、自分でトイレで排泄してもらう方法、普通のお風呂に入ってもらう方法を探らず、食事は鼻からチューブ、排泄はオムツ、体はふくだけか入浴してもストレッチャーによる機械浴とか、手抜き介護の施設が多い。

本当にあるべき介護をやっていけば、これほど感謝される仕事はないし、お年寄りも幸せになる。
亡くなるギリギリまで普通の生活を送れるのです。

薬で苦しむ被介護者や家族
──認知症を疑ってもやみくもに受診するな、と書かれていますが。
地域の家族会でアドバイスをもらってからのほうがいいと思います。
実は認知症医療に問題あり、と考えているんです。
受診するとその日から薬物療法が始まり、そうすると興奮して暴れだす、暴言を吐くなどさまざまな副作用で問題が起こり、それに対し今度は向精神薬が処方され、お年寄りがダメージを受けていく例が少なくない。
その後、歩行障害や嚥下(えんげ)障害の副作用が加わっても、これが認知症です、進行性の病気だからこういうものです、と医師も薬害であることを認めないんです。

薬で苦しむ被介護者・家族がたいへん多いので、認知症の医療を安全なものにしないと介護にならんなという問題意識があります

認知症介護の苦しみは介護現場か、もしくは家族しか見ていません。
診察室で暴れることはめったにありませんから。

取材を通して私が痛感するのは、介護の問題は突き詰めれば認知症の問題になり、認知症の問題は突き詰めれば薬害の問題ということです。

この本の裏テーマは、自分が介護を受ける前に読む本、です。
後始末介護と表現したような劣悪な介護とよい介護を見分ける目を養うとか、申請主義の制度の問題、悪い業者の囲い込みに遭わない方法とか、本人のためにならない医療を受けないこと、胃瘻(いろう)をはじめとする延命や終末期医療の問題など、自分が介護を受ける前の予習本としても書きました。
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2017年02月14日

良質な睡眠とは物音がしても起きず死んだように眠ってる状態

良質な睡眠とは
物音がしても起きず
死んだように眠ってる状態
2017.02.13 16:00 NEWSポストセブン

 質の良い睡眠は、疲れをしっかり取って、心と体を回復するのにとても有効だ。
免疫力アップにも重要で、寝ている間に、成長ホルモンや副腎皮質ホルモンが分泌され、免疫細胞が活性化し、病気の予防と治療を手助けしてくれる。

 このときに大切なのは、睡眠の“量”より“質”だと、芝大門いまづクリニック院長で医学博士の今津嘉宏さんは話す。
長く眠ったからといって、その分、免疫細胞が活性化するわけではない。


「人によって異なりますが、睡眠時間の目安は7〜8時間。
短くても平気な人は、回復が早く、免疫力が高めの人です。
少しくらい物音がしてもまったく起きず、まるで死んだようにぐっすり眠っているのが、質の良い理想の睡眠です。
このように深く眠った後は、疲れがすっかり取れて、スッキリしています」

 快適な睡眠を得るためには、遮光の工夫や、自分に合った寝具を整えるなどの環境づくりも大切。
寝つきにくい人は、就寝30分前に入浴を済ませ、体がポカポカ温まった状態で布団に入ると入眠しやすい。
※女性セブン2017年2月23日号
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45歳東大卒シングルマザーの重すぎる試練 「激しいパワハラのせいで障害者になった」

45歳東大卒シングルマザーの
重すぎる試練
「激しいパワハラのせいで障害者になった」
2017.2.14 東洋経済オンライン(中村 淳彦)

この連載では、女性、特に単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。
個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。

今回紹介するのは、東京都に住むシングルマザー45歳。
東大で学んだ高学歴の彼女は、なぜ働けなくなってしまったのか。

 井川優子さん(45歳、仮名)は大きな電動車椅子に背をもたれ、ゆっくりと私のほうを向いて会釈する。
過剰に暖房が効く部屋、膝には毛布がある。
電動式の背もたれは、45度程度の角度で半分寝た状態だ。
声が小さい。
耳を立てながら近づくと、「今日はよろしくお願いしますね」と聞こえる。
事前に体調が悪いと聞いていたが、そういう次元ではなく、やっと生きているといった状態だ。  

「そんな驚いた顔をしなくても(笑)。カラダが動かないだけですから」
 驚く私の表情をすぐ察し、笑いながらそう言う。
半分寝たきりの彼女は上品な淑女だった。
なんと東大文科III類、最終学歴は東大大学院前期課程修了という。
卒業後、臨床心理士として活躍する。
 しかし2008年、特定疾患外の難病である慢性疲労症候群(別名:筋痛性脳脊髄炎)を発症し、ほぼ寝たきりにまで症状は悪化。
現在のような厳しい状況を迎えた。
全身の筋肉と自律神経の機能が低下して、体温調節ができず、全身を激しい痛みが襲い、カラダを満足に動かすことはできない。
寝返りや取材のために右を向くようなこともできない。

 さらに、2人の子どもを育てるシングルマザーである。
公立高校と公立中学に通う兄妹。
半年前から、10年以上費やしてやっと抽選に当たった公営団地で暮らす。
収入は年間200万円の障害年金だけ。
 重症の井川さんは、1人で入浴も食事もできない、ほぼ全介助状態。
生活は毎日訪問するヘルパーに頼る。
本当に肉体的、精神的、そして経済的にも、「やっと生存している」といった状態だった。
「生活保護は子どもの進路が制約される」


 「児童扶養手当の月4万7000円、それと児童扶養証書がもらえないことが本当に苦しい。
病気で働けないから、支援団体と区役所から生活保護受給を何度も言われました。
けど、生活保護では障害加算と母子加算、どちらかしか選べない。
障害年金が認定されると自動的に児童扶養手当が受けられなくなって、その証書がないと一人親支援のメニューが利用できなくなる。
なぜか、そういう制度で、非常に苦しい。
子どもの大学進学が視野にあって、生活保護だと進路が制約される。
だから生活保護を受けないで、踏ん張っています」

 経済的に最も負担が大きかったのは、月9万円の家賃だ。
生活保護ではないので賃貸住宅を借りている。
収入の半分以上は、家賃と光熱費で消えた。
生活環境も悪く、10畳ほどの部屋に2台の介護ベッドがあり、狭すぎて2人の子どもが寝るスペースはなかった。
現在の公営住宅に引っ越すまで、長男は押し入れで眠っていた。

 「家賃4万円の公営住宅にやっと入れて、少しだけ肩の荷が軽くなりました。
それまで子どもの食べ物にも困る困窮状態でしたが、最近はやっと食べて、寝るという最低限の生活環境は確保できています。
私の担当医や子どもの学校の関係で、絶対に地域からは離れられない。
新しい人間関係を作れるような状態ではないですし。
人気の高い地区なので公営住宅は倍率700倍以上。
生活の困窮に応じた抽選で、ようやく順番が回ってきました」

 慢性疲労症候群が発症後、現住居に引っ越すまでの7年間は地獄のような日々だった。
1年間、一度も外出しない年もある。
前住居はエレベーターのない4階。
車椅子で全介助に近い彼女は、とても外出することはできなかった。

 「もう何年間も自分1人では生活できない状態。
お風呂はもちろんですし、ご飯を食べたりもできない。
こうしてカップを持てる日はいいけれども、1食を食べきる体力はないです。
食べれば元気になる。
でも、食べられない。
体力落とす。その繰り返し。
ちゃんと動く手と足が欲しい、そう毎日思っています。
本当に情けないです」

 日々状態が悪化して、7年前から手も足も満足に動かなくなった。
寝たきりに近い状態になり、清潔は保てない。
狭い部屋に介護ベッドを2台置き、汚れたら隣のベッドに移る。
食事と入浴はヘルパー頼り。
最悪な生活環境を子どもたちに申し訳ないと思いながら、ベッドでじっと天井を見ているだけの日々を送っていた。

 「カラダが動かないのは、本当に気が滅入ります。
それに症状が本当に苦しい。
今はちょっと落ち着いているけど、疼痛がある。
鋭い痛み。
私の場合は肩の関節にキリを入れて、ぐりぐりされているような。それが何時間も続く。
何年間も痛みに苦しめられて、ここにきてちょっと緩和しました。
やっぱり生きているのが、しんどいってなります。
自殺して亡くなった人たちがうらやましいな、って思っていました。

慢性疲労症候群の患者は自殺率が高い。
私もやっぱり追い詰められて死にたいって時期は長かった」
 発症のとき長男は7歳、長女は5歳。
家賃負担が重く、子どもたちは給食以外を満足に食べることができなかった。
空腹の中で、交代で母親の食事介助やトイレ誘導など介護を手伝った。
厳しい生活だった。

 「カラダが許すかぎり、子どもたちにできることはしました。
子どもがいなかったら、もっと療養に専念でき、早くよくなるかもっていう考え方もある。
けど、私の場合は子どもがいるから希望があって頑張れた。
子どもがいなくて1人だったら、たぶん3〜4年前に自殺していました」

 井川さんは体力がない。
長時間しゃべることも難しい。
ここまでしゃべったところで息切れが始まった。
少し時間を置く。
「東大卒」でも就職は厳しかった
 手元のスイッチで背もたれを倒し、目をつぶって休む。
30分間、小さな声で話をしただけ。
体温調整ができず、少し震えている。
どうして厳しい現状に至ったのか、足早に聞かなければならない。

 東大大学院在学中から、臨床活動を始めた。
1998年に大学院を修了してからはフリーランスの臨床心理士になる。
各地の教育委員会、総合病院の精神科、大学の学生相談室、私立大学や大学院の非常勤講師など、活発に仕事をした。
 「私たちの世代は、東大卒でも就職は厳しかった。
非常勤掛け持ちが一般的で、今、高学歴女性の貧困が問題になっていますが、まさにそれです。

私はたまたま単価の高い仕事をもらったので、月収は50万円ほど。
それで1999年に結婚して、すぐに長男が生まれました」
 友達の紹介で2つ年上の男性と結婚。
同じく大学院を修了して非常勤講師をする男性で、夫婦生活と家庭はそれなりに平穏だった。
結婚生活で初めての壁は不定期で仕事依頼がくるフリーランスの臨床の仕事と、育児の両立が難しくなったことだ。

 「勤務先は私立大学の学生相談室で、校内でリストカットとか、あと“自殺します”って予告する学生が多かった。
具体的な予告になると、目を離すわけにいかないので学生相談室で保護、親御さんに引き渡す。親御さんが地方から来るのを夜まで待つとか多かった。
時間的に育児をしながらは無理と判断して、転職することにしました。
省庁の外郭団体でした。天下りが多い組織です」
 某省庁の外郭団体に転職する。
そこから転げ落ちるように人生は暗転した。

 「カラダがこの状態になったのは、パワハラが原因です。
客観的に原因を考え続けましたが、それしか考えられない。
組織ぐるみ、執拗に執拗に執拗にやられました
 冷静沈着な井川さんは、初めて少し大きな声を上げた。

 「始まりは苗字でした。私は通称で仕事してて、結婚で苗字が変わった。
研究者の側面もあって名前が変わると、業績が検索できなくなる。
それまで仕事では旧姓を使っていました。
東京都教育委員会の仕事でも当時すでに通称を認めてくれた。
でも2005年にその外郭団体に入るとき、通称使用は絶対に認めないと追い詰められた。
どれだけ説明しても業務命令だから、苗字を変えろと。
家庭裁判所に行けと。すごまれた。
繰り返し恫喝されてペーパー離婚しました。
名前だけが理由です。
そうしたら旦那が古風な人で、ショックだったって。
気持ちが離れてしまった。
要するに私はフラれ、子どもは捨てられました」

 世帯年収で1000万円は軽く超えていたが、離婚が原因で半減。
約束した月10万円の養育費は一度も払われなかった。
シングルマザーになって経済的、時間的に生活が苦しくなる。


勤務中に上司がワインをこぼして…  

恐ろしい職場でした。全職員の1割くらいが高学歴女性で、とにかく女性をイジメ抜く。
ミスを女性に押しつける、時間内で処理が不可能な仕事量を課して恫喝する、男性上司が数人で囲んでののしるみたいな。
最もひどかったのは、勤務中に自席で飲んでいたワインをこぼしてシミをつけた上司が近づいてきて“貴様を掃除係に任命してやる”と。
500平方メートルくらいのワンフロアを日常業務しながら延々掃除させられて、それでちょっとのホコリや糸くずを持ってきて怒鳴るみたいな。
その上司は総務部長でした」

 年功序列が現存する公的機関は組織が硬直し、昔ながらの男尊女卑の意識が残りがちだ。
彼女が働いた団体は女性職員へのイジメ、パワハラが常態化して、それまで何人も退職している。
さらに女性というだけで正当な人事評価はされなかった。
「私の在籍期間、数人いた女性職員は5段階ある人事評価で全員まず1にされました」という。
どんな結果を出しても女性職員の職位は上がることはなく、男性が著しく有利な男性社会だった。
 2007年、転職して2年目、ストレスの多い日々を過ごしているうちに体調がおかしくなった。  「週末は頭痛とかで寝込んでいましたし、お腹が痛い。
普通じゃない痛さ。医師の知人らに相談すると皆そろって胆のう炎ではないかと言う。
お腹が痛いときは、必ず前兆で激しい頭痛が伴う。
基本的に頭痛と腹痛はよくなることはなく、我慢しながら働いて2008年1月ごろから胆のうの辺りが本格的に痛くなった。
休日はぐったり疲れきって、頭が痛くて動けなかった。
子どもの授業参観も痛くて行けない。
仕事以外、いつも寝ていました」

 体調が悪くなっても、職場のパワハラは続いた。
上司や上層部は井川さんを集中的にイジメ続け、子どものために定時に帰ると勤務態度をののしった。
シングルマザーなので、辞めるわけにはいかない。
頭痛と腹痛の前兆が出ていたが、肉体的にも精神的にも我慢に我慢を続けた。

 「最終的に壊れたときのことは覚えています。
総務部長に代休振替を頼んだ。
“私の振り替え休日どうしたらいいでしょう? ”って尋ねた。
“は、捨てろよ? ”と言われて、その瞬間に突然ポンって熱が出た。
確か部長たちは大きな声でホステスとかゴルフの話をしていた。
そんな話を聞きながら、スイッチを入れたように熱が出て倒れてしまったのです」
 2009年3月。
井川さんの健康は、その日から戻っていない。

 「39度の熱が、いつまでも38度までしか下がらない。
翌日、発熱を報告すると、組織最大の収入源の担当に任命され、無理に仕事を続けました。
最初は運動不足と思ってジムに行ったり、ウォーキングしたり。
それで、ますます悪化。
羞明(しゅうめい)というけど、目がおかしくなってまぶしい光に痛みが走るようになって、運動しても筋肉がげっそりと落ちるばかりで、体温調節ができなくなったのもその頃です」
 だんだんと筋力が落ち、手が使えなくなり、足も使えなくなった。
手が震えて、ペンもコップも満足に持てない。
悪化は続き、現在は長時間座位を保つのも難しい状態だ。
入浴も食事も1人ではできない。
頭痛と目痛、全身の痛みは治まらない。
パワハラが原因と思った。
悔しくていくら涙を流しても、壊れたカラダは戻ってこなかった。

170万円の「返金」を迫られた
 2010年8月に倒れて休職し、そののち解雇。
雇用保険の傷病一時金と児童扶養手当で生活をする。
しかし、いつまで経っても回復しない。
2011年に障害認定を受け、障害年金を受給する。
するとすぐ児童扶養手当、そして、だいぶ経ってから傷病一時金の返金を迫られた。
失業保険を頼りたかったが、就労できない身体状態とされ、支給されなかった。

 「ギリギリの生活だったので、170万円の返納はパニックになりました。
持つおカネを全部払っても足りない。
私は1日1食だけにし、せめて子どもだけ最低限にと願っても、1つの菓子パンを3人で分ける、みたいな生活です。
それと障害年金と児童扶養手当の併用ができない
それがここ数年の生活が苦しい原因です」

 生活苦に涙を浮かべる。
傷病一時金の返金はまだ終わっていない。
 歩くことすらできない。
2人の子どもに親らしいことをしてあげられない。
謝ってばかりだった。
利用できるサービスがないかと区役所に問い合わせるたびに「子どもを施設に入れろ」と言われる。
井川さんは何十回とその提案をされたが、拒絶を続けている。

 「今の日本は一人親で病気になって、こんな全介助みたいになったら子どもは施設に入れろって社会です
カラダは動かないかもしれないけど、私はまだ考えられるし、感情もある。
ヘルパーの方の手を借りれば、まだいろいろなことはできる。
全身痛くて毎日、毎日苦しいけど、私が子どもたちにしてあげられることは、勉強を教えてあげること。
長男が中学2年、長女が小学校5年のときから、私が勉強を教えてきました」

 長男は都立最難関校に合格し、現在そこに通っている。
母親と同じ東大を目指しているという。
 「毎日のように死のう、死にたいって思っていたけど、受験を乗り越えて子どもが元気になった。
長男は希望の高校に進学してから、自信に満ちてきた。
それまではいつも引っ込み思案で、自信がない僕っていう感じ、すぐに涙が出ちゃうみたいな。長男が元気になったら、長女も笑顔で頑張りだして、今は本当に子どもに励まされながら生きています

行政の助言は「子どもを施設へ入れろ」ばかり

 再びカラダが震えだした。
寒いようだ。
小さな声はさらに小さくなり、そろそろ限界だった。
自宅は徒歩圏だが、体力のない彼女がここまで来るのは大変な労力だ。
この取材に応じたのは、おそらく制度に言いたいことがあるからだ。
最後に聞く。
 「子どもたちにとって、障害のある親が子どもを育てるサポートがほとんどゼロなこと。
現在に至っても、児童相談所も子育て支援課のソーシャルワーカーも“子どもを施設へ入れろ”ばかり。
障害がある親が子どもを育ててはいけないと、制度側の人たちは思っています。
それはおかしい。
障害のある親が子どもを育てると、苦しめられることばかり。
私は全介助みたいな障害者だけど、子どもと暮らしたい、親として生きたいのです」

 自分ではコートを着ることができない。
ヘルパーの女性がやって来て、慣れた手つきで着衣する。
湯たんぽを背中に入れ、背もたれを起して電動車椅子はゆっくりと動く。
公営団地まで20分ほどかかるという。
 暴力ですべてを奪われた。
最後に残されたのは、一緒に生きる子どもだけ。
日本最難関の大学院を卒業した頭脳があっても、健康を取り戻すまで頼るものは社会保障しかない
排除しないでほしい、彼女はそれだけを言っていた。
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2017年02月15日

キレるお年寄りにどう向き合う 増える暴言・暴力トラブル

キレるお年寄りにどう向き合う
 増える暴言・暴力トラブル
2/14(火) 11:15 Yahoo!ニュース編集部

ジャーナリスト岩崎大輔

高齢者による暴言・暴力が増えている。
2016年版『犯罪白書』によれば、20年前と比べて高齢者の「暴行」は49倍に増加
駅や病院で暴言を吐いたり、乱暴な振る舞いをしたりというケースが増えてきた。
なぜトラブルは起きるのか。
家族はどう向き合うべきなのか。
当該家族の話に耳を傾けながら、有識者の知見を尋ねた。

大声で怒鳴るお年寄り
「このバッジがあるだろうが」 東京・永田町、衆議院第一議員会館。
受付で、身なりのいい高齢者の怒声が響き渡った。
島本政男さん(78・仮名)は公設秘書を18年以上務めた者に贈られる徽章、通称「元秘書バッジ」を指差しながら、「私は町長もしていたんだ」と大声で怒鳴っていた。
確かに、その徽章を示せば、議員会館の厳しいセキュリティチェックも素通りできる。
だがそのとき、島本さんは息子の芳雄さん(45・仮名)を同行していた。
徽章のない芳雄さんは、入館に際して訪問先議員事務所の承諾が必要だった。
だが、島本さんは息子の存在を忘れ、怒鳴り散らした。
芳雄さんが慌てて耳打ちをすると、島本さんはバツの悪そうな表情を浮かべ、トイレに向かっていった。

芳雄さんは、父親が大声で怒鳴ったことを心配していた。
「もともと父は静かで優しい性格でした。
子どもの頃、ボールで遊んでいて窓ガラスを割っても『おーっ、元気だな』と言うくらい鷹揚でした。
ところが、2年前に町長を引退し、1年前に母を亡くしてからは、目に見えて性格が変わっていきました」
島本さんは外出をしなくなると、昼間から酒を飲みだし、「別人かと思うほど」怒りっぽくなった。
「いつかタガが外れて、街中で誰かに暴力を振るったりするのではないか。
そんな心配をせずにはいられないのです」

65歳以上の「暴行」は49倍に激増
2016年版『犯罪白書』(法務省)。
少年犯罪や外国人犯罪はピーク時の3分の1にまで減少していたが、65歳以上の高齢者の犯罪は突出して増加していた。
20年前の1995年と比べると、2015年、「殺人」が約2.5倍、「強盗」は約8倍、「傷害」は約9倍という急激な増え方。
もっとも増加していたのは「暴行」で、これは約49倍にも増えていた。

私鉄やJRなど計33社局が2016年に発表した、鉄道係員に対する暴力行為についての集計によれば、駅係員や乗務員などに暴力行為を働いた中で、もっとも多いのが60代以上で、23.8%だ。

2013年に私立大学病院医療安全推進連絡会議が発表した院内暴力の調査でも、同様の結果が明らかになっている。
私大病院の職員(医師、看護婦等)、約2万9000人に患者やその家族、見舞客などから「暴言」「暴力」「セクハラ」を受けた経験があるかと尋ねたところ、暴言については41.5%、セクハラは14.1%、暴力は14.8%の職員が「はい」と回答。
いずれの項目でも相手(加害側)は50代、60代、70代が多く、なかでも暴力に限っていえば、70代が24.2%ともっとも多かった。

取材を進めると、高齢者の暴言・暴力は身近な問題として多発しており、けっして珍しくないことがわかってきた。
問題は、こうしたトラブルは「疾患」でも「事件」でもないとして、社会的に重大視されていないことだ。

家族旅行も台無しに
「せっかく親子三代で出かけたハワイ旅行でしたが、義父が面倒を起こしたせいで、台無しでした」
神奈川県川崎市に住む富永仁美さん(44・仮名)は数年前の家族旅行をそう振り返る。
ハワイ旅行は夫の父(75)の長年の希望で、孫(8)と一緒に浜辺で遊びたいという話をしていた。
楽しい旅になるはずだった。
だが、そうはならなかった。
予約していたレンタカーが確保されていなかったのだ。
2日目の朝、不手際がわかったところで、義父は「どういうことだ!」と憤りはじめた。
ホテルの出先カウンターには、日本人女性スタッフが一人。
義父は女性スタッフに執拗に謝罪を求め、大きな声をあげ、カウンターを蹴った。
「『お前のせいで滞在1日分を無駄にした!』と、何度も繰り返しては、大声で謝罪を要求していた。
ホテルの警備員が寄ってくる騒ぎようでした」。
4日間の滞在中、義父は同じ話をたびたび蒸し返し、気分の悪い旅行となった。


富永さんが夫とともに驚いたのは、義父の怒りようだった。
義父は几帳面ではあっても、そこまで怒るような人ではなかったからだ。
だが、ハワイでの義父は執拗なまでに謝罪を求め、一人で怒りを増幅させていた。
「なぜ義父がそうなったのか、義母もわかっておらず、ちょっと怖さを覚えました」(富永さん)

暴言にとどまらず、暴力行為にまで及ぶケースもある。
報道によると、兵庫県加古川市で、75歳の男がタバコのポイ捨てを注意してきた小学1年生の男児の首を絞めた事件、東京都千代田区で64歳の男がすれ違いざまにベビーカーの1歳児を殴ったという事件など、いくつも起きている。

脳の機能低下、身辺環境変化が影響している
問題の根本には何があるのか。
精神科医で老年精神医学にも見識が深い「さくら坂クリニック」の武藤治人院長は、暴言や暴行も老化現象の表れと語る。
「私のクリニックでもそういう方がいらっしゃいます。
予約もなしにやってきて、『予約でいっぱいです』とお断りしても、『すぐに診察しろ!』とご自分の主張を繰り返す。
事情を説明しても、理解してくれない。
こうした方は、一度怒りが爆発すると、その衝動を止められなくなる傾向が見られます」

こうした変調の原因は、おもに2つあると武藤氏は指摘する。

第一に老化に伴う脳の機能の低下、
第二に社会的な環境変化に伴う心理的な要因である。

年を取ると、脳内の神経細胞が減少し、徐々に萎縮していく。
その脳の変化が行動にも表れていく。

脳には感情、理性、意欲、思考を司る前頭葉という部位がありますが、この前頭葉が萎縮して機能が低下すると、感情を制御できなくなったり、判断力が衰えたりすることで、性格の変化が起こります。
気配り上手だった人が傍若無人に振る舞うように変わるとき、脳の変化が起きている可能性があります」

第二に環境変化に伴う心理的要因だ
たとえば、人との関わりが薄れることで自己肯定感が低下し、不満や不安が溜まりやすくなる。その不満や不安がちょっとしたことで怒りに転化すると武藤氏は言う。
「昔に比べ、家族や親族との関係も浅くなりました。
高齢になれば社会での活動範囲は狭まり、誰かと関わりたくとも関われない。
鬱屈してしまうのでしょう」

「怒り」をコントロールするスキルを身につけることを推奨している日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介代表理事は、怒りの前の感情に注意すべきと語る。

「怒りの感情は第二次感情と呼ばれ、第一次の寂しさ、苦しさ、不安などの感情の次に表れます。
マイナスの感情を多く抱えていると、怒りを生み出しやすい」
雑談ができて寂しさを共有してくれたりすれば、マイナス感情は薄れていく。
だが、一人でマイナス感情を溜めてしまうと、ふとしたときに暴発するという。
安藤氏は、この20年で高齢者の間で「暴行」事件が激増した点は、「老化」だけでは説明しにくいと指摘する。

そこで注目するのが、戦後のベビーブーム(1947〜1949年)に生まれた「団塊世代」の高齢化だ。
「この団塊世代は、『会社人間』でもありました。
この人たちが65歳以上の高齢者層に加わったことが大きいように思います」

平日は毎日のように残業し、上司が無理な命令をしても、社員の義務として我慢する。
そんな「会社人間」が、団塊世代の特徴だったと安藤氏は指摘する。
だが、彼らが年を取って、会社的な束縛や制約がなくなった。
この解放感が大きいというのが安藤氏の見立てだ。

「会社員時代に乱暴な行動をとれば、解雇など社会的な制裁にあいます。
いまでも、身分証を首からぶら下げていれば、駅員を殴ることはないでしょう。
しかし、会社や肩書きから離れたことで、社会的なタガが外れたのではないか

若者よりお年寄りのほうが「キレやすい」
環境変化とは別に、深刻なケースとして、認知症もある。
認知症から派生的に表れる「周辺症状」には「意欲の低下」や「記憶障害」などと並んで「暴力」がある。
「周辺症状」が疑われる場合、医師への受診が必要なこともあるだろう。
ただし、前出の武藤医師は、これまでの診断経験から言えば、怒りっぽくなった人の多くは、認知症ではなく、一般的な「脳の老化」が要因だろうと指摘する。

「MRI(核磁気共鳴画像法)で30歳と60歳以上の脳の検査画像を比較すれば、たいてい60歳以上の方の脳は少しずつ萎縮している。
しかも、脳は使わなければ衰えていく。
そうした前提から、年を取れば誰でもそうした脳の変化が起こりえる、ということを周囲が認識しておく必要があると思います」

高齢者の暴言やちょっとした暴力が「脳の変化によって起こるもの」だと周囲が認識していないことも、問題の一因ということだ。
だが、そういう理解をもったとしても、身近な家族や親族にとっては悩ましい問題だ。
日々の暴言や暴力は家族を壊す可能性も秘めている。

キレる高齢者とどう付き合っていくべきか
老人問題について多数の著書のある精神科医の和田秀樹氏は、「受容・傾聴・共感が重要」とし、こう語る。

「『受容』はまず理不尽な話であれ、無条件に受け入れる。
そして真摯に話に耳を傾けてあげる『傾聴』をし、さらに相手の気持ちに寄り添って『共感』してあげる。
それだけでおじいちゃん、おばあちゃんの態度は変わると思います」

その上で高齢者は「穏やかで怒らない」というイメージを捨て、もともと「キレやすい」「怒り出すとコントロールが利かない」という理解で接するべきだという。

「昔から日本の先人がしていたように高齢者を敬う、たててあげる。
順番待ちに耐えられないので優先してあげる。
家庭でも社会でも高齢者を『どうせ暇なんだろ』という無下な態度はとらない。
逆に言えば、そうした失礼な対応が反発や疎外感を引き起こし、自己中心的な高齢者をますます生み出してしまっている可能性があるのです。
人間誰でも年を取っていくものです。
いずれ自分もそうなる、と思えば、横柄な高齢者にも優しく接することができるのではないでしょうか」
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2017年02月21日

高齢者の“セルフネグレクト”が問題に…本人と家族が行うべき対処方法

高齢者の“セルフネグレクト”が問題に
…本人と家族が行うべき対処方法
2017年02月20日 17時00分 Doctors Me

2017年2月17日(金)千葉県で昨年5月に足が壊死した状態の高齢女性が、ゴミがたまった部屋から救出されていたことがわかりました。
(参考) 本件の女性のような生活意欲低下、ひきこもり生活など、近年高齢者のセルフネグレクトが社会問題となっております。
このセルフネグレクトとはいったい何なのでしょうか。
今回は高齢者のセルフネグレクトについて、原因、特徴、対処方法などを医師に解説していただきました。

目次
セルフネグレクトとは 日本語に訳すると「自己放任」となります。
意欲の低下、認知機能の低下などから、日常生活に関する最低限の身の回りのことさえもままならず、安全や健康などが脅かされる状態になることを指します。

高齢者がセルフネグレクトを引き起こす原因
認知症などにより、意図せずともセルフネグレクトに陥る場合があります。
一方、認知症でなくとも、高齢者で日常生活動作に支障をきたすような状態である場合や、配偶者の死去などが発生すると、セルフネグレクトに至る可能性が高まります。
近年では、家族と疎遠になったり、近隣との関係性の希薄化などが進み、セルフネグレクトの高齢者が増えているという指摘もあります。

セルフネグレクトの特徴
言動 金銭面の管理などができないケースが見られます。
また近隣や社会とのかかわりを拒否する傾向も見られます。
精神面 うつ状態、認知機能の低下、意欲の低下などが見られる傾向にあります。
外見や服装 適切な整容を行うことができず、髪やひげが伸び、衣服も極端に汚れている、悪臭がするなどのケースが見られます。
家庭環境 家族や親戚関係が疎遠な方が陥りやすいです。
部屋 ゴミが散乱し、部屋の中が混沌とした状態のことが多いです。

セルフネグレクトによって懸念される疾患
うつ病 配偶者の死や他者とのかかわりの低下などから抑うつ気分が継続し、うつ病に至るリスクが高まります。
栄養失調 食事が十分にとれず栄養失調に陥る可能性があります。
認知症 他者とのかかわりがなく、動作、運動の機会も低下していることから認知症のリスクが高まります。
また、健康管理ができていない場合が多く、その場合には持病が悪化したり、加齢とともに発症しやすくなる高血圧や動脈硬化などが進行しているケースが考えられます。

周囲に相談できない理由
日常生活がままならない状態を他人に話すことが恥ずかしい、経済的な困窮がばれることが恥ずかしい、他人の世話になるのが申し訳ないなどの気持ちがあるからと考えられます。

セルフネグレクトの対処法
本人
他人にお世話になることを気負わず、周囲に助けを求めることが大切です。

家族 家族の方は
その高齢者の方とできるだけ連絡をとるようにし、家に行って様子をみるなどの対応が必要です。

相談できる行政機関
市区町村に設置された地域包括支援センターでは、高齢者の虐待対応をはじめ、セルフネグレクトに対する支援も行っています。
ご家族をはじめ、発見した方でも通報でき、またそのプライバシーは守られています。

セルフネグレクト予備軍セルフチェック
□ 極端に不衛生な居宅である
□ 長期間、入浴をしていない
□ 不潔な衣服、身なりが継続している
□ 他者からの支援を拒否する
□ 家族とは関わっていない
□ 経済的に苦しい状態である
□ 必要な医療サービスを受けていない

最後に医師から一言 セルフネグレクトは孤独死などの原因になりますので問題です。
社会全体で対処していく必要がありますね。
        (監修:Doctors Me 医師)
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2017年02月25日

「ジェネリック医薬品は得」への疑問

新見正則「医療の極論、常識、非常識」
「安いジェネリック医薬品はトク」
       への根本的疑問…
先発品と「まったく同じ」は誤解?
2017.02.24 Business Journal
文=新見正則/医学博士、医師

今回はジェネリック医薬品のお話で盛り上がっています。
まず“常識君”の解説です。
「ジェネリック医薬品とは『後発薬』ともいわれています。
製薬会社が開発した医薬品は『先発薬』といわれますが、その特許が切れた後に、同じ成分のものを作製し、そして生物学的同等性試験に合格したものが、ジェネリック医薬品として販売されます。
価格は先発薬の70%以下で、安いものでは20%近いものまであります」

そこで、“極論君”の意見です。
「この前、薬局でもジェネリック医薬品を勧められました。
薬剤師の先生は『今飲んでいる薬と同じ成分だから、安いほうがいいですよ』と言っていました。
そこで変更できるものはすべてジェネリック医薬品にしてもらいました。
これからもすべてジェネリック医薬品を飲もうと思っています」

“非常識君”が質問します。
「本当にジェネリック医薬品は、先発薬と同じだと思っているのですか?」

 極論君の答えです。
「薬剤師の先生が『まったく同じ成分だから』と言っていましたよ」

 非常識君のコメントです。
「ジェネリック医薬品は先発薬の特許が切れた後に、先発薬を真似てつくられています。
もちろん特許で押さえられていた部分は同じです。
正真正銘のマネをしているわけですからね。
ところが、それ以外の部分は、つまり材料や製造方法は違うかもしれませんよ。
例えていえば『あんパン』です。
僕はあるメーカーの『あんパン』が大好きです。
ジェネリック医薬品とは、『あん』は老舗のメーカーと同じですが、『パン』には一切同じものという保証はありません。
また、ちょっとした味付けの『胡麻』も大切ですよね。
つまり、ジェネリック医薬品とは主成分が同じで、ほかは違う可能性があるのです。
つまり薬剤師の先生の『ジェネリック医薬品は先発薬とまったく同じ』という謳い文句は、まったく間違いですよ」

ジェネリック医薬品と先発薬は別物  

常識君のコメントです。
「でも価格が安いのです。それはすごい魅力です」

非常識君の意見です。
「まずどれぐらいの価格差があるかをしっかり聞いて、そして同じものではないという認識を持って、ジェネリック医薬品を選ぶか、先発薬を選ぶか決めればいいのです。
そして実際にジェネリック医薬品を飲んでみて効果に差がなければ、安いほうがいいでしょう。しかし、効果に差があると思えるときは、先発薬がいいと思います。

極論君が質問します。
「有効かどうかは、認可される段階で確認されていないのですか?」

非常識君が答えます。
ジェネリック医薬品が認可されるには、生物学的同等性試験をクリアすればいいのです。
健康人でジェネリック医薬品と先発薬を飲んだときに、主成分の血中濃度の変動が同じなら認可されます。
つまり、他のいろいろな要素は一切斟酌されていませんし、ましてや有効性に関しては論じていません」

極論君がコメントします。
「ジェネリック医薬品と先発薬が同じでないことはわかりました。
しかし、日本の医療費は切迫しています。
ですから、安い薬剤を使用したほうが医療経済のためと思っています。
ですから、ジェネリック医薬品で遜色ないときは、そちらを使用したいと思っています」  

常識君のコメントです。
「つまり効果が同じで相当安いジェネリック医薬品が流通すればいいのです。
決してジェネリック医薬品を否定するわけではありませんし、むしろ推進すべきと思っています。
しかし、ジェネリック医薬品が先発薬とは実は別物だと知っていて無理に勧める薬剤師の先生もいるでしょうし、もしかしたらまったく同じだと信じ込んで勧めている薬剤師の先生もいるかもしれません。
大切なことは患者さんが正しい医療情報を持って、そしてできる限り薬剤は減らして、そして同等の効力であればジェネリック医薬品を使用することだと思っています

 今日はなんとなく非常識君に軍配が上がりそうな内容でした。

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年〜 慶應義塾大学医学部外科
1993〜1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年〜 帝京大学医学部外科に勤務 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。
著書多数。
なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。
大学病院は紹介状が必要です。

ニュースサイトで読む:
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2017年02月27日

創価学会、幸福の科学、オウム真理教… 日本の新興宗教の歴史

価学会、幸福の科学、オウム真理教…
 日本の新興宗教の歴史
2017.02.26 07:00 NEWSポストセブン

 清水富美加(22才)の幸福の科学出家騒動で、にわかに宗教への注目が集まっている。
そこで、日本の新興宗教の歴史とはどんなものだったのか振り返ってみよう。
「新宗教」のなかで最も信者数を伸ばしたのが、今や与党の一角を占める公明党の支持母体である創価学会だ。
 日蓮の教えを信奉する創価学会は1930年に創立され、戦中は政府に弾圧されたが戦後に再建された。
宗教学者の島田裕巳氏は、高度経済成長期、大都市に出てきた人々が入信したことで勢力を伸ばしたと解説する。
 田舎の農村から出てきて右も左もわからないまま都会の中小企業や零細企業に勤め、生活は豊かでなく孤独を抱えた人々が、創価学会が会員を集めて開く「座談会」に参加し、創価学会に入ることでいかに功徳を手に入れられたかを発表する。
すると他の会員から大きな拍手を送られて、都会で生きていく自信や励みになる。
そんな光景が各地で見られた。
 これが創価学会の「明」の部分とするならば、その裏側には色濃い「暗」があったと島田氏は指摘する。
 創価学会の2代会長・戸田城聖氏が1951年から推進した大規模な勧誘活動「折伏大行進」が、新宗教のネガティブなイメージを生み出したというのだ。
「『折伏』とは、強引な手段を使ってでも、相手を信仰に導いていく布教のやり口です。
当時の創価学会の会員は連れ立って未会員の家を訪れ、相手を言い負かして信仰を押しつけることもありました。
時には他の宗派、他の宗教施設で折伏をすることもあり、あまりに強引な勧誘にトラブルが多発して、創価学会アレルギーを持つ人が増えました」
 高度経済成長期は新宗教にとっても成長の季節だったが、1973年のオイルショックで日本経済が停滞すると、新宗教は新たな展開を迎える。

経済拡大にブレーキがかかって“信仰で豊かになる”という現世利益の実現が難しくなると、現実の社会が与えるものとは別の価値を与える『新新宗教』が生まれました。
このタイプの教団にあたるのが、世界真光文明教団世界基督教統一心霊協会(統一教会、当時)、エホバの証人崇教真光などです」(島田氏)
 当時は五島勉氏の『ノストラダムスの大予言』がベストセラーになり、超能力者を自称するユリ・ゲラー氏が来日して、日本中が超能力ブームに熱狂した。
こうした時代背景のもとで登場した「新新宗教」の中には終末論や超能力、オカルトなどを売りに信者を増やしたものもあった。
終末論の影響で日本の将来に強い不安を抱く信者は、新新宗教が提供する、「手かざし」などによる超常体験に強い安心感を覚えた。

 その後、オイルショックを乗り越えた日本経済は上昇に転じてバブル時代を迎える。
この時期、2つの注目すべき新宗教団体が台頭した。

1つは、今回の騒動の当事者でもある幸福の科学だ。  
 同教団は、大川隆法氏が1986年に創設した。
幸福の科学を長く取材しているフリーライターの藤倉善郎氏が解説する。
「大川さんは東大法学部卒で総合商社に勤務経験がある異色の経歴から、当時、『平成の教祖』として話題になりました。
幸福の科学は基本的に大川さんという生きた人間を崇拝する宗教団体です。
大川さんには生死を問わず誰の霊でも呼び出せる能力があるとされ、さまざまな人物や神などの言葉を集めた『霊言集』を数多く出版しています。
 信者は、比較的裕福で知的なかたが多いという特徴があります。
幸福の科学には教義をどれくらい理解したかを調べる仏法真理学検定というものがあり、信者は特定の神を拝むだけでなく、熱心に勉強して知的な満足感を得る。
自分を高めることに喜びを感じる“意識高い系”が多い印象です」
 1990年代に入ると教団に変化が見られるようになった。
「初期の頃は大川さんを中心に霊界や心のあり方についての勉強会や講演会を行う団体でしたが、1991年3月に宗教法人格を取得すると、大規模教団を目指すようになりました」(藤倉氏)


 宗教法人化からわずか4か月で幸福の科学の信者数は152万人を超えたと発表され、同年7月には、大川氏の誕生日を記念する「御生誕祭」が東京ドームで開催された。
 この時、大川氏は自身が神であり、仏陀の生まれ変わりでもあるという「エル・カンターレ宣言」を行った。
 同年9月には、幸福の科学の信者だった女優の小川知子と作家の影山民夫氏が中心となり、教団を批判する記事を掲載した写真週刊誌『フライデー』及び講談社への大規模な抗議活動を行った様子が連日テレビでも放送された。
「こうした強硬な姿勢が世の反感を買い、幸福の科学は従来の新宗教と同じく人々から警戒される教団となりました」(島田氏)

 バブル時代に出現したもう1つの注目すべき新宗教団体が、1987年に麻原彰晃が設立したオウム真理教だ。
「高度経済成長の時代に発展した新宗教とは対照的に、オウムは経済的な豊かさを求めることを煩悩として否定し、ヨガなどの厳しい修行で精神性を高めることを求めました。
このため、“金がすべて”というバブル的な価値に反発し、現実の社会に生きることに虚しさを感じて、“自分探し”を求める人々がオウムに魅了されました。
こうした信者に対し、オウムは現世を離れる『出家』を求めました」(島田氏)

 オウムの信者には難関大学の出身者や医師、弁護士など社会的地位の高い若者も多かった。 『A』などオウム信者に迫ったドキュメンタリー作品を数多く撮影した映画監督の森達也氏が、オウム台頭の理由を解説する。
人々が不安になった時、死生観も含めて一般社会の持つ価値観とは別の価値観を提示して、安心感を与えてくれるのが宗教です。
つまり宗教とは、そもそもが現世へのアンチテーゼでもある。
だから、必要だけど危険です。
バブル時代の末期には世の中がさまざまな閉塞感で覆われて、多くの人が新たな価値観を求めていた。
そんな人々の受け皿のひとつがオウム真理教だったんです」

 世の中が金儲けに走ったバブル期の新宗教では、金銭関係のさまざまなトラブルも生じた。
なかでも批判を浴びたのは、韓国で生まれたキリスト教系の宗教と公称する統一教会が、壷や印鑑などを高額で売り付ける「霊感商法」だった。
 統一教会は1992年に教祖の指示で初対面の信者同士が結婚する合同結婚式を韓国のソウルオリンピック主競技場で開催して、歌手の桜田淳子、元新体操選手の山ア浩子が参加した。
 当時、霊感商法が批判を集めていたこともあり、統一教会は日本のメディアから激しくバッシングされた。
そんな新宗教に対する日本人のネガティブな感情が頂点に達したのが、1995年の地下鉄サリン事件だった。
 この年の1月17日に阪神・淡路大震災が発生した。
その混乱最中の3月20日、オウム信者が都内の地下鉄に猛毒のサリンを撒き、13人が死亡、約6300人が重軽傷を負う大惨事が発生した。
 その2日後、警視庁はオウム真理教の施設25か所を一斉捜索し、5月16日に麻原彰晃を逮捕。国民は捜査の進展を固唾をのんで見守った。

 オウムによる未曾有のテロは、日本人の宗教の見方を大きく変えた。
哲学者で津田塾大学学芸部教授の萓野稔人氏が指摘する。
「もともと日本人は自分に迷惑さえかからなければ、誰がどの宗教を信じようが寛容に受け止めていました。
しかし、地下鉄サリン事件のように人の生活に介入して平穏を乱すテロのようなことが起きると、日本人は極端な拒絶反応を示します。
オウム事件後、日本人は宗教に対して、非常に警戒心を抱くようになりました

※女性セブン2017年3月9日号
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2017年03月03日

テレビ、洗濯機、冷蔵庫は何年で買い替えたほうがお得?

テレビ、洗濯機、冷蔵庫は
何年で買い替えたほうがお得?
2017.03.02 日刊SPA

 TV、洗濯機などの大型家電製品。
これらは身近にあるがゆえについ日常の手入れを疎かにしてしまいがち。
また壊れるまで使い続けるという人も多いだろうが、適切な買い替えのサイクルがあることをご存知だろうか。

 そんな大型家電製品について、日常でできる簡単な手入れの方法と、買い替えの時期とチェックポイントを大手家電量販店員の川端洋太氏(31歳・仮名・男性・販売員歴9年)に聞いた。

テレビは買い替えサイクルを意識!
                       置き場所は慎重に
「テレビの寿命は、おおよそ5〜6年と言われています。
ネットの記事などでは10年程度と説明されていることもありますが、内蔵バックライトなどの寿命を考えると最高のパフォーマンスで見れる期間は5〜6年といったところでしょう。
また、テレビは設置場所が特に大事で、直射日光が差す場所やほこり、湿気の多い場所に置くと極端に寿命が短くなってしまいます。
日常でできるお手入れ方法としては、濡らした雑巾で本体を2週間に1度拭き掃除し、接続端子やコード類に埃が被らないように清潔に保つこと。
これだけで長持ちしますよ」

 川端氏によると、買い替えのチェックポイントは、電源を入れて画面が映るまでのラグが気になったり、画面の照明が暗くなってまったタイミング。
この時点で寿命が近付いていると判断してよいという。

 こうなれば、修理に出しても基盤やバックライト、液晶の交換で高く付いてしまうケースが多く、思い切って買い替えたほうがお得だという。
「値段はピンキリですが、小さいテレビで2〜5万円。
高くても10万円程でお買い求め頂けます」(川端氏)
 テレビは家電製品の中でも非常にデリケートな製品。
毎日小まめに掃除をして、大切に扱ったほうが良さそうである。

洗濯機はメーカー保証を上手く利用しよう
「洗濯機の平均寿命はおよそ8年と言われています。
これはほとんどのメーカーの保証期間が購入から8年後に設定してあることに起因しており、このメーカー保証を上手に使うことこそが洗濯機の使用期間を延ばすうえで大変重要になります。
また、製品の異変を早い段階で察知し対処することで急な故障を防ぐことができます」
 川端氏に聞いた洗濯機の異変チェックポイントは以下の4つだ。
1、水の排出量(購入したばかりのころに出る水の量をどこかに記録しておくとよい)
2、スイッチ(ボタンを強く押したり何度も押さなくても反応するか。内蔵コンピュータの劣化を判断するため)
3、洗濯機内部のモーター(異常がある場合、音が二重三重に聞こえる)
4、脱水、乾燥(乾きやすいシャツなどを洗うと水分量がわかりやすい)
 上記項目のうち、2つ以上に異常が見つかるようであれば保証期間内にメーカー修理を依頼したほうがよいという。

 洗濯機の手入れ方法についても聞いてみた。
洗濯機が乾いた状態で掃除機を使って内部の埃を吸い取り除き、酵素系漂白剤を500グラムほど溶かしたお湯を洗濯機に流し込み15分程度稼働させます。
カビや取り損ねた埃などが浮き出てきますので、水の排出が始まるまでに稼働を停止し、3時間ほど漬け置きをします。
時間が経ったらもう一度洗濯機を稼働し、終了です。
2ヶ月に1回程度掃除を行うのが最適なペースです。」

冷蔵庫は高いものを選んでよし
「冷蔵庫の平均寿命は15年から20年と長く、家電の中でもかなり丈夫な部類になります。
冷蔵庫はその性能上、あまり本体のお手入れが必要ありません。
ただし何年も電源をつけっ放しにしておくと本体が消耗してしまうので、3年に1度、電源を落とし内部の清掃を行うとよいでしょう」
 冷蔵庫の主な故障の症状は以下の3つ。
・冷えが弱くなる
・騒音
・水漏れ

「保証期間はおおむね5〜9年ですが、故障は少ないです。
大きさやボックス数により値段にはかなりバラつきますが、10万円以上のものを買うのをおすすめします」
 つまり、冷蔵庫はもっとも高い金をかけてよい家電製品と言えるかもしれない。
10万円ほどで購入しても、年数で計算すればかなりお買い得かもしれない。
 <取材・文/小畑マト>
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 セカンドオピニオンの罠?患者が損?

新見正則「医療の極論、常識、非常識」
セカンドオピニオンの罠?
余計な情報入り混乱や、
病院との信頼壊れ患者が損?
2017.03.02 Business Journal

文=新見正則/医学博士、医師

 今回はセカンドオピニオンのお話です。
“極論君”は「がんや心臓病などの大きな病気になったら、複数の医者の意見を聞いて、その上で一番良いと思われる施設にお世話になる」という意見です。
一方で“非常識君”は「医療は運と縁だから、最初に行った病院、かかりつけ医の先生が紹介してくれた病院を信じて、そのままお世話になる」という心づもりです。


“常識君”のコメントです。
「昔は、かかりつけ医の先生から紹介された病院があると、そこの先生の治療に盲目的に従っていました。
病院を変更したり、他の先生の意見を聞くなどということは、その病院を信じていないようで、また病院にそう思われると、患者サイドが損をすると感じて、あからさまに他の病院の意見を聞くなどということは口にできませんでした。
ところが、21世紀になって日本でもやっとセカンドオピニオンという言葉が普及してきました。
第2の意見を聞くということです。
今やセカンドオピニオンを実施していない病院は一流ではないと思われますし、また快く患者サイドのセカンドオピニオンの申し出に、今までの検査や経過をしっかり記載して応じないと、三流病院と認識されるまでになりました。
本当に世の中はこの20年で変わりました」  

ここで非常識君の意見です。
「どこの病院に行っても、日本の医療は世界最高水準だからあまり大差はないと思う。
そして、かかりつけ医の先生が紹介してくれた病院だから、間違ってはいないと思う。
そうであれば、ご縁があった病院にお任せして、余計な情報が入らないほうが、しっかりと闘病できて、治療を受けるほうも、治療を施すほうも、良い信頼関係ができると思っている」  

極論君の意見です。
「医療は情報戦です。そして、病院によって技量に差があることは当然です。
まず、今治療を行っている病院の判断が妥当かどうかを知りたいのです。
3カ所ぐらいで意見を聞いて、すべての病院が同じ治療を示すのであれば、その中からより良い病院を選べばいいと思っています。
もしも治療方針が異なるときは、さらに多くの病院の意見を聞きます」

セカンドオピニオンの意義  
ここで非常識君の質問です。
「いろいろな意見が出たらどうするのですか。
素人判断でどれが正しいかはわかりかねます」  

極論君の意見です。
「そんな時は、かかりつけ医の先生と相談します。
かかりつけ医の先生は医療の専門家ですから、その先生と相談して最良の治療を選びたいと思っています」  

常識君のコメントです。
「セカンドオピニオンはとてもいい制度です。
そして、どこの病院も、セカンドオピニオンをあからさまに否定することはありません。
むしろ自分たちの治療に自信がある病院ほど、セカンドオピニオンは歓迎です。
だって、どこに行っても同じ意見でしょうし、もしも違った意見が出ても、しっかりした実績と信念を持って治療に当たっていれば、治療方法がぶれることはないでしょう」  

極論君の意見です。
「つまり、先方の自信の程度を測るためにも、セカンドオピニオンは役に立ちます」  

非常識君の意見です。
「かかりつけ医の先生が紹介してくれた段階で、良い病院を選んでくれているはずですから、僕はその先生の気持ちを斟酌して、その病院にお任せです。
医療は運と縁と思っています。
どんなにいい病院に行っても、主治医の先生と相性が悪ければ、気持ち良い闘病生活は送れません。
紹介された病院の居心地が悪い時は、僕もセカンドオピニオンをお願いして、そして内心は転院のつもりで病院を変えることは賛成です。
つまり、気に入っている病院と医療スタッフなのに、あえてセカンドオピニオンを受ける必要はないということですよ」

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業 1985年〜
慶應義塾大学医学部外科 1993〜1998年
英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年〜 帝京大学医学部外科に勤務 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。
著書多数。
なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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posted by 小だぬき at 06:03 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月04日

「指定日前にゴミ出し」など、ついやってしまいがちな犯罪

「指定日前にゴミ出し」など、
ついやってしまいがちな犯罪
2017年03月04日 07時00分 NEWSポストセブン

 松本伊代(51才)と早見優(50才)が書類送検されたニュースを聞いて、「えっ、そんなことが犯罪になるの?
 もしかすると私も同じようなことをやってたかも」(44才・主婦) のように驚いた人も多いのでは。
2人は1月中旬、旅番組のロケで京都を訪れ、踏切から線路に立ち入って写真を撮影、松本が自身のブログにアップした。
 松本としては“軽いノリ”だったのかもしれないが、無断で線路に立ち入るのはれっきとした犯罪行為。
2人は鉄道営業法違反の疑いで京都府警右京署から事情聴取を受け、書類送検されてしまった。  

私たちだってこの2人みたいに、知らないうちに罪を犯し、逮捕されてしまうかもしれない。
「これまで大丈夫だったのに!」というあなた、たまたま見逃されていただけかも。
これを機に、日常生活でついやってしまうかもしれない「犯罪行為」を知っておこう。

◆スーパーなどで無料の氷を大量に持ち帰る
 スーパーなどに無料で置いてある割り箸やビニール袋。
余分に持って帰ってしまうこともあるが、大量に持ち帰ると窃盗罪になる。
「生鮮食品を買う人のためにある氷も同様です。
過去には、十数kgの氷を持ち帰ろうとして逮捕された事例があります」(アディーレ法律事務所・鈴木淳也弁護士)
 レジでお金を払った時に、余分にお釣りを渡されても「ラッキー」なんて思ってはいけない。
お釣りが多いのに気づいていながらそのまま受け取れば詐欺罪だ。
 2015年5月には、コンビニでお釣りが3000円のところを4万8000円渡され、気づいていながらそのまま受け取って帰った女性が逮捕されたケースがある。
「間違えた店員が悪い」といっても、それとこれとは話が別なのだ。
 スーパーのお総菜の割引シールを他の商品に張り替えて購入するのも、同じく詐欺罪に当たる。

◆店員などに「土下座して謝れ」と迫る
 店員や窓口の係の態度が悪いと腹を立てても、「土下座して謝れ」「しなければクビにしてもらう」などと言ってはいけない。
「謝れと言うだけでは脅迫にはなりませんが、危害を加えるぞとか、これを広めるぞなどと言って名誉を害するように脅して土下座させれば強要罪が成立し、3年以下の懲役です」(鈴木さん)  

所属事務所に契約解除された俳優・細川茂樹(45才)は、マネジャーが予約した宿泊ホテルで、「部屋が狭い」と言ってマネジャーに土下座させ、1時間半説教し、さらに頭を靴を履いた足で踏みつけるなどしたと報じられている。
「もしそれが真実であれば、強要罪と暴行罪になります。
暴行罪は2年以下の懲役または30万円以下の罰金。
強要罪のほうが少し重いんです」(鈴木さん)

◆指定された日よりもゴミを早く出す
 日常のゴミ出しで、指定の日以外に出す行為は廃棄物処理法違反。
「5年以下の懲役または1000万円以下の罰金とかなり重い罰となります」(鈴木さん)
「1日ぐらいなら早くても〜」と軽い気持ちで指定日の前日に捨てるのはもってのほかだ。
 だったら家のゴミをスーパーやコンビニのごみ箱に捨てるのはどうか。
これは廃棄物処理法違反で「不法投棄」にあたる可能性がある。
「店側はゴミを捨て、新しい袋に入れ替えなければならない。
大量のゴミを継続して捨てることはお店の業務を妨害しているので、偽計業務妨害罪が成立する可能性もあります。
3年以下の懲役、50万円以下の罰金です」(鈴木さん)

※女性セブン2017年3月16日号
posted by 小だぬき at 11:38 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする