2017年03月06日

絶対に受けてはいけない10つのはり治療

絶対に受けてはいけない
10つのはり治療
2017.3.5Forbes Japan c atomixmedia,inc 提供

なぜ人々は、自分の体に効果がないばかりか、時に害をもたらすようなことをし続けるのだろうか。
自己破壊的とも思えるこうした行為は、えせ医学が横行する要因となっている。
オーストラリアの研究チームは5年前に医学誌「Medical Journal of Australia」に発表した論文で、数千種類もの医療行為を検証し、効果がなかったり、逆に人体に害を及ぼしたりする156種を特定した。
ここでその全てを紹介することはできないが、中でも特にばかげているのが、はり治療だ。
論文で問題視されたはり治療はいずれも、妥当性がゼロであるのにもかかわらず、はり師たちによって推奨されている。
本記事ではこの論文に基づき、効果がなかったり、人体に害を及ぼしたりすることが科学的に実証されている10つのはり治療を紹介する。

1. 妊婦に対するはり治療。
論文はこう指摘している。
「陣痛誘発のためのはり治療は、効果または弊害を証明する十分な証拠がなく、推奨されない」

2. 子宮類線維腫に対するはり治療。
「子宮類線維腫に対するはり治療の効果を示す信頼できる証拠は存在しない」と論文は指摘している。
子宮類線維腫については効果ある治療法が多数あり、はり治療で治癒できるかもしれないという主張はナンセンスだ。

3. 過敏性腸症候群(IBS)
に対するはり治療。
先行研究からは「IBSへのはり治療は、総体的症状、痛み、生活の質において、偽薬(プラシーボ)と比べ有意な効果はない」ことが分かっている。

4. 滲出性中耳炎(OME)
に対するはり治療。
これは子どもによく見られる病気だが、過去の研究でははり治療の効能は確認されず、「OME患者の治療に用いられるべきではない」との結論が出されている。

5. 男性における下部尿路の症状
に対するはり治療。
これも効果はない。いったいどこにはりを刺すのだろうか…。

6. 高ビリルビン血症に対するはり治療。
「黄疸(おうだん)」とも呼ばれるこの症状は、新生児に多くみられる。
生まれたての赤ちゃんにはり治療を行うなど、率直に言って原始的で残酷だ。
論文は「高ビリルビン血症に対するはり治療を支持する証拠は存在しなく、NICE(国立医療技術評価機構)はこの治療法をこの人口層に使用しないことを勧告する」と結論している。

7. 手根管症候群に対する
レーザーはり治療。
複数の先行研究で、効果がないことが確認されている。
うち一つの研究では、「さらに厳密な研究が必要とされる」との結論が出されているが、望みの薄い治療法の検証に時間をかける必要はないのではないか。

8. うつ病に対するはり治療。
多くの研究が存在するが、大半に「高い偏りのリスク」があり、全てにおいて、はり治療はうつ病に効果がないとの結論が出されている
なんとも憂鬱な話だ。

9. 変形性関節症に対するはり治療。
驚くべきことではないが、変形性関節症におけるはり治療には、プラシーボ以上の効果はない。

10. ベル麻痺(顔面神経麻痺)
に対するはり治療。
8件の試験が行われたが、いずれも信頼できる効果は確認されなかった。
患者にこれ以上の試験を強いるのは残酷かつ非倫理的だろう。

問題があるとされた医療行為156種の全リストを知りたい方は、元の論文(執筆者:Adam G Elshaug、Amber M Watt、Linda Mundy、Cameron D Willis)を参照してほしい。
論文で問題視されたはり治療はこれら10種のみだが、これ以外にも多くの症状について、はり治療が効くとうたわれている。

つい先月にも、はり治療が片頭痛に効くとの研究論文がJAMAインターナル・メディシン誌に発表されたが、その発信元は、はり治療を支持する研究論文しか執筆されない中国だった。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校のエイミー・ゲルファントは同誌の同じ号に、この研究結果を否定する論評記事を寄稿している。
はり治療に関する研究論文は今後も出てくるだろうが、新たな発見は期待できない。人々は、この時代遅れのえせ科学について、いい加減目を覚ますべきだろう。
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保険料の「滞納」、住民を追い詰める対応やめよ

保険料の「滞納」
住民を追い詰める対応やめよ
2017年3月5日(日) しんぶん赤旗「主張」

 国民健康保険料(税)と後期高齢者医療制度保険料を「滞納」した世帯数・人数(昨年6月時点)を、厚生労働省が公表しました。
国保で約312万世帯が、後期医療で約23万人が「滞納」しており、多くの人が保険料の支払い困難に直面している実態を浮き彫りにしています。
「滞納」に対する“ペナルティー”として行われる正規保険証の取り上げ数も国保で約118万5000世帯、後期医療で約2万3000人にのぼります。
負担能力を超える保険料を払えずに保険証を失い、必要な医療も受けられない―。
こんな事態をいつまでも続けることは許されません。

矛盾深める「資格証」発行
 年間所得250万円の4人世帯に年間40万〜50万円以上の国保料の支払いが求められるなど、国保料の高騰が各地の市区町村で大きな問題になっています。
負担能力をはるかに超える保険料を払えず、やむなく「滞納」する世帯は少なくありません。
厚労省の発表では、「滞納」世帯数は昨年より若干減ったものの、依然300万世帯を超える高水準なのは深刻です。

 国保料「滞納」が続く世帯には、正規保険証を取り上げられ、医療機関窓口で全額(10割)支払わなくてはならない「資格証明書」や、有効期間が1カ月〜6カ月の「短期保険証」が交付されます。
 生活が苦しく保険料を払えない世帯が窓口で全額払えるはずもなく、「資格証明書」を交付された世帯の人が、経済的理由で病院にかかれず、治療遅れになって命を落とす悲劇が後を絶ちません。
 情け容赦ない保険証取り上げの中止を求める市民団体や日本共産党の粘り強い運動と追及で、機械的な運用に歯止めをかけた自治体も生まれています。
今回の厚労省発表では、神奈川県の「資格証明書」発行が前年の約2万3000世帯から約9500世帯へ“激減”しました。
横浜市が従来の“原則発行”から“抑制”へと転換した影響です。
その分「短期保険証」が増加したものの、「短期」の有効期限を1年に延ばす措置もとりました。市は、「資格証明書」は収納率向上に効率的でないなどと判断したとしています。
保険証の一律取り上げという、乱暴なやり方の行き詰まりを示しています。

 一方、国が自治体に保険料収納率の向上を競わせる中で、「滞納世帯」への財産差し押さえなどが、約29万8000件と過去最多を更新したことは重大です。
収納率向上の「先進」とされた自治体では、自動車修理業経営の老夫婦が自宅や年金を差し押さえられ、生活が成り立たなくなる悲惨なことまで起きています。
住民の暮らしの基盤を崩壊させる異常な取り立て、差し押さえをやめるべきです。

後期保険料アップ中止を
 安倍晋三政権は2018年度から、国保の財政運営を市町村から都道府県に移行させる計画です。
これを国保の保険料引き上げに連動させてはなりません。
 国会で審議中の17年度予算案には、後期高齢者の保険料の軽減措置を、4月から段階的に縮減することが盛り込まれました。
実施されれば、いまでも23万人以上が保険料を払えない状況を、ますます深刻化させます。
「後期医療」でもきびしい取り立てが加速しかねません。

国民が安心して医療にかかる土台を掘り崩す保険料アップは中止すべきです。
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2017年03月07日

「まさか自分が」若年性認知症に…働き盛りで発症、急に記憶が飛ぶことも

「まさか自分が」若年性認知症に…
働き盛りで発症、
急に記憶が飛ぶことも
読売新聞(ヨミドクター) 3/6(月)

 認知症というと、高齢者を連想しがちだが、40〜50歳代の働き盛り世代でも発症する。
「若年性認知症」と呼ばれるが、早期診断につながりにくいうえ、支援の少なさも指摘されている。
 都内で一人暮らしをする男性(60)は59歳の時、脳の一部である前頭葉が萎縮し、若年性認知症の疑いがあることが分かった。
 1年ほど前から、「何かおかしい」と自覚はあった。
街を歩いていて、急に記憶が飛び、気がつくと、別の場所にいた。
1日分の記憶がないこともあった。
久々に訪ねてきた姉が、電気やガスなど公共料金の請求書が何か月もたまっているのを見つけた。姉も「病気では」と心配し、男性は病院の受診を決意した。

 総合内科や神経内科では分からず、精神科で脳の画像を調べる磁気共鳴画像(MRI)検査などをして脳の萎縮が分かった。
約20年に及ぶ母親の介護を終えたばかりで、「まさか自分が認知症になるとは……」と振り返る。
 進行の程度は軽く、予定や出来事を紙に書き留めることで生活に大きな支障はなくなった。
 だが、勤めていた会社は退職。
若年性認知症に理解のある警備会社で今は週3〜4日、警備員として働く。
休日は、趣味の会などに出向き、姉とも毎月顔を合わせる。
「進行を防ぐためにも、仕事を続け、人と接する機会を持つようにしている」と男性は話す。

精神障害と誤診も
 若年性認知症の全国調査は行われていないが、茨城県など5県2市に地域を限定した厚生労働省の2009年の調査では、全国で推計約3万8000人。
男性に多く、発症の平均年齢は51歳前後という。
 若年性認知症の専門外来を受け持つ順天堂大の新井平伊(へいい)教授は、「働く世代は仕事に支障が出てくるので、自分で異変に気づきやすいはず。
ただ、まさか認知症とは思わず、医療機関の受診が遅れることもある」と指摘する。

 診察を受けても、初期の頃は、もの忘れよりも、性格の変化やうつ病のような症状が目につき、精神障害と間違われるケースもある。
新井教授は、「周囲に気づかれるようなら、進行している可能性がある。
異変を感じた時点で認知症疾患医療センターなど専門医を受診してほしい」と促す。
 働き盛りの世代のため、発症後は経済的な問題も起きやすい。
要件を満たせば傷病手当金や障害年金、雇用保険の失業給付を受け取れる場合もある。
認知症介護研究・研修大府センター(愛知県)が運営する若年性認知症コールセンターのホームページでは、制度の情報をまとめた「若年性認知症ハンドブック」を公開している。

支援を行う介護事業者も
 最近は、若年性認知症に特化した支援を行う介護事業者も出てきた。
 埼玉県の三芳町社会福祉協議会が昨年7月から、デイサービスセンター「けやきの家」で始めた事業もその一つ。
家庭の事情などで放課後の居場所がない子どもに無料で食事を提供する「子ども食堂」も運営しており、夕食作りをしたり、卓球やバレーで一緒に遊んだりしてもらっている。
現在は58〜64歳の男女4人が週1〜2回利用する。

 「けやきの家」の管理者の内城(ないじょう)一人さんは、「体力もあり、サービスを受けるばかりでなく、役割を持つことを望む人は多い。
地域貢献とリンクすることで、『役に立ちたい』という思いに寄り添うことができれば」と話す。  ただ、こうした場所はまだ各地で少ないのが実情。
40歳以上でも使える介護保険のデイサービスは、高齢者を想定したものが多いためで、障害福祉サービスも含め、発症後の居場所づくりも課題となっている。
     (手嶋由梨)
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2017年03月08日

「生活保護受給者は悪い」という空気を作っていないだろうかという懸念

生活保護を取り上げるTV番組に
疑問の声、一部の強烈なケースを
面白おかしく取り上げることに
意味はあるのか
2017年03月07日 18時38分 キャリコネ

今年1月、小田原市の福祉課の職員らが「生活保護なめんな」と書かれたジャンパーを着用していた問題が報道された。
生活保護にまつわる話題は議論を巻き起こしがちだが、3月6日に放送されたバラエティ「好きか嫌いか言う時間」(TBS)でも議題になった。

働きながら生活保護を受けるフリーライターに大バッシング 論争の中心になったのが、フリーライターとして仕事をしながら生活保護を受給する36歳の男性だ。
男性は、生活保護申請者は「申請権」を持つため、原則として福祉事務所は断れないという前提を紹介し、「生活保護は健康でも簡単に受けることができる」と主張した。
男性自身も健康状態に問題はなく、ライター業務以外にも就ける状態だが、生活保護を受けて暮らしているという。

スタジオでは坂上忍さんや自民党の片山さつき参院議員らが「グレーゾーンだ」と批判。
しかし男性は「収入申告をしているから不正受給ではない」と反論し、 「僕がおかしいと思うなら、制度がおかしい。
違反してはいない」 と開き直る。
こうした態度も火に油を注ぎ、スタジオでは「仕事があるのに生活保護を貰うのは禁止すべきだ」という論調が強まった。
しかし、人権派で知られる宇都宮健児弁護士と、お笑い芸人のたかまつななさんは、この空気を止めようと意見する。
たかまつさんは 「公務員でも、給料が少なく生活保護を受けている人がいる。
仕事があるなら受給するなとしてしまうと、そうした人たちが保護を受けられなくなってしまう」 と主張し、宇都宮弁護士も「学校の先生の中にもいます」と加勢。
しかし、虚しくも空気は変わらず、生活保護受給者にネガティブな印象を持たせるような流れが続いた。
「生活保護の受給日を給料日と呼ぶ不届き者がいる」というケースを紹介

番組を見ていて気になった点が三つある。
一点目は、意図的に「生活保護受給者は悪い」という空気を作っていないだろうかという懸念だ。 番組冒頭では生活保護費の参考額が紹介されていた。
東京23区内に住む33歳・29歳・4歳の3人世帯の場合、約23万円が支給されるというが、これを知った町の人は「多すぎる」と批判する。
60代の主婦は 「40年間国民年金払って、私今手取り6万円」 と、納得いかない様子だ。
しかし、以前本サイトでは25歳の若者が最低限度の生活を営むには地方都市でも月22万円が必要との試算を紹介したことがあった。
3人世帯で23万円が、健康で文化的な最低限度の生活を営み自立するには充分な額だろうか。
ちなみに、生活保護受給者が貯蓄する際には、目的や額に制限がある。
自立への道は楽ではない。

二点目は、不正受給事例への過度の注目だ。
不正受給の事例紹介では、現役福祉課職員から 「生活保護の受給日を給料日と呼ぶ不届き者がいる」
「貰ってやっている、という態度の人がいる」 との話が出たが、これは不正受給ではなくモラルの問題だ。
ようやく紹介された不正受給の事例で「1世帯に住んでいながら、世帯が別だと偽って申請していた3世代家族の例」が出てきたが、そもそも稀なケースだ。

生活保護の不正受給は全体の2%弱。
個々の事例がモラルを欠くものであるにせよ、この2%を吊るし上げ、残りの98%の受給者も一緒くたに非難することに意義はあるのか。
ましてや、個々人の態度問題を受給者全体の問題のように話すのは、偏見を助長するだけだ
不正受給よりも、漏給問題のほうが深刻である。
2010年の厚生労働省の調査では、条件を満たしているにも関わらず受給できていない人が7割いると言われている。
番組では、そうした話は1分にも満たないうちに終わってしまった。
ネットでも 「こういう珍しいケースをことさら取り上げて『不正受給だ!』
『国のカネが少ないのにこんな人に使われてるもっと減らすべきだ』
『1人1日300円なんて贅沢だ』という方向に持って行く」

「正直、芸人やタレントは生活保護には触れないで欲しい。
いや、まともな人もいるかもしれんけど、どうしても『ずるい』という視点を排除できんと思うのよ。
ウケを狙う職業柄」 と、異が唱えられる。
生活保護は権利の一つだ。バラエティで議論すること自体に抵抗がある人が多いようだ。

必要なのは「健康で文化的な最低限度の生活」の再定義 そして、三点目は、弱者叩きが平然と放送されていたことだ。
番組後半で、生活保護を受給する男性の夕飯メニューが紹介された。
かつて自身も貧困だったという俳優の風間トオルさんがこれに 「晩御飯が豪華だ。自分は草や虫を食べていた」 と水を差したのだ。
この男性は8人家族の大黒柱で、心臓を病んで働けなくなり、生活保護を受給している。
自身は一日一食、子供達には栄養をと一皿100円の生牡蠣をおかずにし、一人あたりの食費は1日315円で暮らしていると知っていながらの発言だ。

「健康で文化的な最低限度の生活」は、草や虫を食べる生活を想定していない。
にも関わらず、夕飯のおかずだけを取り上げ「贅沢だ」と批判するのはいかがなものか。
健康で文化的な最低限度の生活の再定義が必要だ。
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2017年03月10日

増加するぜんそく患者、実は大人が多く年間約1500人が死ぬ

増加するぜんそく患者、
実は大人が多く年間約1500人が死ぬ
2017年03月09日 16時00分 NEWSポストセブン

 近頃、ぜんそく患者が増え続けている。
2005年の約400万人から2008年には約800万人(非アレルギー性含む)へと倍増した。
子供の病気だと思われがちだが、実は大人の患者の方がずっと多い。

2014年の患者調査によると、118万人のぜんそく患者のうち、成人が6割を占めている。
 認定NPO法人日本アレルギー友の会・事務局長の丸山恵理さん(56才)は自身も小児の頃からアトピーとぜんそくに悩まされてきた。
アトピーはよくなったり悪くなったりを繰り返しながら現在まで続き、ぜんそくも1才の時に発症して、15才の頃にいったん治まったものの5年前に再発したという。

「うちの会にはアトピーとぜんそくの成人のかたが多い。
アレルギーのために自分に自信がなくなってしまい、就職や結婚に不安を持ってしまったり、遺伝するのではないかと考え、出産を躊躇する人もいます。
それほどアレルギー疾患は人生を左右するものなんです」(丸山さん)

 ぜんそくは、丸山さんのケースのように、治ったと思っても安心できないのが特徴だ。
東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科診療部長・勝沼俊雄医師が言う。
「3才くらいまでによくなっても、思春期になると4分の1弱が再発するといわれています。
6才でぜんそくの子は思春期になっても半数が治っていないというデータもある。
ストレス、妊娠、感染、喫煙などの影響で、大人になってから再発することも珍しくありません」  

ただし、小児ぜんそくから大人のぜんそくに移行するのは2〜3割ほどで、大人になって発症するケースがほとんどだと池袋大谷クリニックの大谷義夫院長は言う。
「ピークは40〜50代です。
風邪を引いた後に発作が残る人が多いですが、ほこりを吸って悪化する人、疲労やストレスが原因で悪くなる人もいます。
大人の場合、ぜんそくだとは思わずに発見が遅れて症状を悪化させてしまうケースも少なくありません」
 年間約1500人がぜんそくで命を落とす。
そのほとんどが大人で、60才以上が9割近くに上る。
アレルギーは遺伝するといわれるが、ぜんそくは遺伝だけではなく、ほかにも危険・環境因子があり、突然発症するのも大人のぜんそくの特徴だ。
「大人になってから発症したぜんそくを完治させるのは難しい。

のどがヒューヒューゼーゼーと鳴る“ぜん鳴”や呼吸困難などの発作を抑えるために、吸入ステロイドなどの長期管理薬(コントローラー)をベースに、発作が起きたとき用の発作治療薬(リリーバー)を組み合わせるのが治療の基本です」(大谷さん)

    ※女性セブン2017年3月23日号
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首都圏直下型地震が起きた時に「危険度が高い街」ワースト5

首都圏直下型地震が起きた時に
「危険度が高い街」ワースト5
2015.12.17  日刊SPA

「ヤバい何かがある街」を、首都圏を中心にジャンル別にランキング!
 識者や住民の声、現地での取材結果からその火種に極限まで接近してみた。
あなたの住む街は大丈夫か?

◆東京湾沿いの被害は不可避。
なかでもタワマン住人は不利?【災害】
 南海トラフ地震などの災害予測がよく話題に上るが、首都圏直下型地震が起きた場合、その被害規模は類例のないものとなる。
そこで「All About」でガイドも務める災害危機管理専門家の和田隆昌氏に聞いた。
「東京は、山手線の東側に災害危険区域が集中しています。
なかでも最も災害時の被害を気にしなければならないのが墨田区。
住み続けるにはそれなりの準備が必要です。
両サイドを川に挟まれ地盤が弱い上、橋が落ちたら逃げられない。
おまけに高齢住民も多く木造住宅の建て替えが進んでいない。
避難危険度、倒壊危険度、火災危険度のすべての面で条件が悪い。
同区内では関東大震災にも4万人以上が亡くなっています」

 次に、土砂災害の可能性が非常に高い神奈川県横浜、横須賀市。
「土や崖の露出面に立つ住宅がなぜか圧倒的に多い。
横浜の根岸などは住宅街がそのまま山の中にあります。
海岸線近くでは津波の被害も想定しなければなりません」
 そして京浜工業地帯が広がる川崎市川崎区はもちろん、大型コンビナート、火力発電所が集中する千葉県浦安、木更津も震災で化学薬品が漏れ出したり、大規模火災が起きる可能性が大だ。
繁華街では古い木造建築が入り組んでいる赤坂、新橋、新宿の一部地域、そして古い建物が多く厨房で火を多用する横浜中華街の火災危険度が高い。

 またタワーマンションの場合は、さらなる苦労を強いられる。
「東京湾沿いの火力発電所が大規模被害を受けると停電復旧までに最大1週間以上はかかる可能性があります。
電気がないと高層階までインフラが通らないため、外に出ざるをえなくなる。
多くの避難所はマンション住民の数は考慮していないので、入ることができずに彷徨うことになるでしょう」

<災害で壊滅する街/ワースト5>
1位:墨田区(東京都)【孤立・倒壊・延焼】
悪条件がこれでもかというほど重なり、住むには準備が必要

2位:川崎市川崎区(神奈川県)【連鎖火災】
京浜工業地帯が広がる一帯。
いざ倒壊や火災が起きると……

3位:横浜、横須賀(神奈川県)【土砂崩れ】
土砂災害危険度ナンバーワン。
住宅街と急斜面が隣接している

4位:京浜工業地域、浦安など(千葉県)【首都圏麻痺】
首都圏のインフラ施設が集中。
浦安は液状化現象

5位:首都圏繁華街【逃げ遅れる】
旧耐震の建物が多いため火災、避難危険度が高い

取材・文/SPA!ヤバい街取材班
posted by 小だぬき at 14:35 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月11日

『あさイチ』震災特集に柳澤秀夫が苦言!

『あさイチ』震災特集に柳澤秀夫が苦言!
「“震災で離婚減少”は福島の現実と違う」
「データで一括りにするな」
2017.03.10 LITERA(伊勢崎馨)

 東日本大震災から明日で6年が経つ。
この時期メディアでは震災関連の番組や特集が多く組まれるが、『あさイチ』(NHK)で、NHK解説委員の柳澤秀夫が自らの番組の報道姿勢に静かな怒りを見せたシーンがあった。
 8日の『あさイチ』(NHK)では震災特集として「データでみる東日本大震災から6年」が放送された。
この6年間で、私たちの暮らしの何が変わったのか、そして何が変わらないかを様々な“全国データ”で考察するとういうもの。
たとえば、震災直後に増えた被災地のふるさと納税、全ての米で放射性物質の検査をしているのになかなか伸びない福島産の米、復興に程遠い福島県の漁業の実態などが、データで示されていったが、最後に示されたのが“結婚と離婚”のデータだった。

 番組では震災直後に女性が殺到したという大阪にある結婚相談所を取材し、当時流行語となった“震災婚“絆婚”という言葉を紹介。
婚姻数は震災翌年には7000件増えたあと、減少したこと、一方、離婚件数も震災前年と比べて1万6000と大きく減少したことなどが“全国データ”で示された。
これに対し司会の有働由美子アナが
「6年経つと(結婚感に対する)考え方が変わるというか。
私は変わりませんけど(笑)」と笑いを取り、
コメンテーターの三田寛子も「東北の方々のご苦労も見えてきました」と無難なコメントをするなか、憮然とした表情で苦言を呈したのが解説委員の柳澤秀夫だった。
「一言では言えないね。だって離婚が減っているというのも福島の現実と違う。
帰る、帰らないで、いろいろ問題になっている。
ひびが入って離婚することが福島の場合には問題になっているくらいなので。
全国で大きい目でみるのと(福島も一緒に)データでくくるのは、正直、違和感がある。
くくれない」

 これに対し、フォローするように司会の井ノ原快彦や有働アナが発言するが、しかし柳沢はこう続けた。
「5、6年で現実が見えるものもいいけど、僕は福島出身ということもあって、それはなかなか見えてきませんね。
福島の当事者にしてみれば、農作物を作るにしても愚直に、やれることを丁寧に続けるしかないんです
「(福島の米が)検査されていると知っている人が40 %にも満たない。
メディアの側ももう少し考えないといけないということを突きつけられたと思います」
日常の戻り方が被災地と被災地でない人の差が大きくなっていますよね。
僕たちは震災と関係のない日常が戻っていますけど、被災地はそうではありません

 つまり、柳沢は被災地、特に福島の現状や離婚の実態を“データ”、それも“全国データ”でひとくくりにして欲しくないと、静かな憤りを表明したのだ。
その上で、未だ“絆”などと言って、被災地の現実から目を背け、被災地の状況を正確に伝えないメディアにも苦言を呈したのだ。
 柳沢の怒りはもっともだろう。
確かに震災以降、福島も含め全国的に離婚率は減っている。
しかし甚大な原発事故、そして未曾有の放射能汚染に見まわれた福島に限っていえば、その事情はあまりに特殊だと言わざるをえない。
 親にとって子どもの被ばくは事故直後から現在までもっとも切実な問題だ。
今年2月20日に開かれた福島県の「県民健康調査」検討委員会でも、昨年末発表からさらに1人増え、甲状腺ガンまたは悪性の疑いが184人に達したことが発表された。
こうした現状もあり、現在も自主避難を続ける親子は多いが、自主避難をめぐり多くの家庭が一家離散、あるいは離婚に追い込まれるケースは少なくない。

 たとえば、自主避難をテーマにした『ルポ 母子避難――消されゆく原発事故被害者』(吉田千亜/岩波新書)では、自主避難した多くの家族の“分断”や“苦悩“が描かれている。
 2人の幼い子どもを連れて避難したものの、夫は仕事のため単身で福島に戻った河井加緒子さん(当時29歳)もその一人だ。
母子は事故後、埼玉県の公営住宅で避難生活を始めた。
しかし夫からは、避難生活に対する経済的援助は一切なく、放射能のリスクや子どたちへの影響にも無関心だった。
「ある日、夫が河井さんのいないところで「あいつが勝手に避難したんだ」と身内に話していたことがわかった。
子どもを守るために避難するのは当然だと河井さんは考えていたが、夫は違ったのだ」
 河井さんはフルタイムの仕事を得ることができたが、小さな子どもたちを抱えどんどん疲弊していき事故後10カ月ほどで離婚を決意したという。

 他にも離婚には至ってはいないが慣れない環境、離散生活で母子ともに体調を崩すケース、夫の両親との意見の違いからなかなか子どもを連れて逃げられない母親、原発事故で失いたくない仕事を捨て、新築したばかりの家を出る。
避難先では貯金を切り崩す生活を余儀なくなれる。
そのうえ、子どもの幼稚園や学校、進学、そしていじめの問題もある。

 また今週発売の「週刊女性」(3月21日号 主婦と生活者)の被災地特集でも、いまだ続く家族、そして夫婦の亀裂が紹介されている。
「“二重生活は嫌だ”と反対する夫ともめたんです。
私は子ども中心で考えたいのに、結局押し切られた」(県外避難がかなわなかった30 代女性)

「夫の親は“爆発からもう5年もたった。
安全だ”と言いますが、私は“まだ5年しかたっていない”と言いたい。
でも夫との間で放射線に関する話はしません。
話せばもめますから」(2人の子どもをもつ30代女性)

 水面下で、しかし着々と進む家族の亀裂。
そして放射能の問題を口にすれば離婚しかないという現状。
その事情は様々だが、しかしいずれも原発事故がなければ決して起きていなかったはずのものだ。
 しかも今年3月、一部を除く避難区域の解除に伴う帰還事業と、自主避難者への住居の無償提供が打ち切られる方針だ。
そうなれば経済的、心理的、そして子どもの健康、教育問題など、これまで以上に様々な問題が避難者たちに大きくのしかかり、追い詰められる家族がさらに増えることは想像に難くない。

 ようするに、この日の『あさイチ』はこうした現実があるのに、「離婚が減っている」などというデータをもちだしていたのだ。
無神経としかいいようがない。
 というか、そもそも、震災を語るのに、ざっくりした全国データを意味ありげに並べることにいったいなんの意味があるのか。
むしろ、福島をはじめとした被災地がいまも抱える問題に蓋をして、社会を分断させることにしかならない。
おそらく、柳沢はそう指摘したかったのだろう。

 もちろんこの問題は『あさイチ』に限ったことではない。
震災報道全体、そして社会の空気や政府の姿勢にもいえることだ。
震災以降、この国では「絆」「みんなでひとつになろう」「前を向こう」といったざっくりとした美しい言葉をやたら声高に叫んで、震災、原発事故によって起きている過酷な現実をごまかしてきた。
 しかし、いくら言葉で「絆」を強調したところで、問題は解決しない。
むしろ、美しい言葉とは裏腹に、現実はどんどんグロテスクになっていく。
被災者は隅っこに追いやられ、誰も被災地の問題に見向きもしなくなり、美しい物語からこぼれ落ちたいちばん過酷な状況にある人が、いちばん虐げられ、ものが言えなくなっている。
 震災と原発事故から6年。
柳沢の静かな怒りは、私たちはそのことを思い出させてくれたといっていいだろう。
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2017年03月12日

病院の病床は減らしていいのか。医療介護難民があふれる本当の数字

病院の病床は減らしていいのか。
医療介護難民があふれる本当の数字
ニュースイッチ 3/11(土) 12:06配信

在宅へシフトの問題点。
療養病床から退院できる人は4割に過ぎない
 最近、「療養病床が廃止」「入院から在宅へシフト」といった新聞記事やニュースが目立ちます。
読者の皆さんも耳にしたことはないでしょうか。
専門的になりますが、
病院の病床は、心筋梗塞や骨折など、すぐに治さなければならない病気向けの「一般病床」と、
リハビリをしたり、難病や認知症の方が長期間療養するための「療養病床」に分けることができます。
 かつて療養病床に関し「社会的入院」が問題になりました。
本当は医療が必要ないのに、自宅で世話できないなどの理由で長期間入院していることが医療費の無駄遣いとの批判です。
 確かに昔は、そうした入院患者さんもいましたが、20―30年前の話です。

今は、医療や手厚い介護が必要な患者さんしか入院していません。
 また専門的な話で恐縮ですが、療養病床の患者さんは、医療の必要度に応じ高い順に「医療区分3」「医療区分2」「医療区分1」と分けられています。
つまり、何らかの医療処置が必要な方しか入院できない仕組みです。

 国の借金が1000兆円を超える中、国は支出の大きな部分を占める医療費を抑制しようと、今度も療養病床を対象にしてきました。
 医療必要度が低い「医療区分1」の患者さんの約7割は自宅や介護施設で充分ということで、療養病床を約8万床減らせということになったのです。
 ところが、厚労省が実施した調査では、実際に療養病床から退院できる方は3―4割に過ぎないことが分かりました。
それは当然です。
 「医療区分1」の患者さんは、経管栄養を行っていたり、意識障害があったり、嘔吐(おうと)や発熱を頻発するような方も多く、24時間の医療体制を敷くことのできない自宅や介護施設では無理です。
 自宅などへ戻れるのが7割でなく4割だとすると、今後の高齢者人口の増加などを考えた際、療養病床は逆に5万床程度増やさなければ、患者さんの行き場がなくなってしまいます。
 また、「医療区分1」の7割を自宅などで診るには、さらに在宅医を5000人、訪問看護師を2万3000人も育成しなければならず、これは非現実的です。
 私が会長を務めている東京都の療養病床の団体で、患者さんに対し「療養病床の削減をご存知かどうか」お聞きしたところ、9割の患者さんやご家族は知らないと回答されました。
 医療費の無駄遣いはなくすべきですが、必要な医療は死守すべきで、今後も国に対し積極的に訴えていきたいと考えています。

安藤高朗(医療法人社団永生会理事長)
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2017年03月18日

朝食抜き、脳出血リスク上昇

くらしナビ・ライフスタイル
朝食抜き、脳出血リスク上昇
毎日新聞2017年3月15日 東京朝刊

1日の始まりの朝食。
食べた方がいいのはなんとなくわかっているが、最近の研究で「食べた方が生活習慣病のリスクを下げる」という見方が確実になってきた。
朝食には、生活リズムを整えるだけではない、意外な効果があるようだ。

 ●13年間追跡調査
 朝食を取る、取らないで体調がよいかどうかは、個人の主観によりそれぞれ異なる。
このため、朝食と健康の関係を知るには、朝食を取る回数が多い集団と少ない集団で、長期的にどんな差が出るかを調べる必要がある。

 国立がん研究センターと大阪大学は昨年1月、朝食の欠食と脳卒中、虚血性心疾患の関連を解析した研究結果を公表した。
対象は岩手、長野、高知、沖縄など9保健所管内の45〜74歳の8万2772人。
男女はほぼ同数で、平均で約13年間追跡調査して、朝食の摂取回数と脳卒中などの発症率との関係を分析した。
 その結果、朝食を週に0〜2回しか取らない人たちは、毎日食べる人たちに比べて、脳出血の発症率は36%高かった。
一方、脳梗塞(こうそく)やくも膜下出血、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)との関連は見られなかった。
ただ米国の研究では、朝食を食べない人は食べる人に比べ、虚血性心疾患の発症リスクが27%高くなるとの報告もある。

 国立がん研究センターによると、朝食の欠食は肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病のリスクを上げることがこれまでの研究で分かっている。
脳出血のリスク上昇をも招くことは、「世界でも初めての研究結果」(磯博康・大阪大学大学院教授=公衆衛生学)だという。
 解析にあたった磯さんは「朝食の欠食は子供たちや学生の集中力を低下させ、成績にも悪影響を及ぼすことが指摘されてきた。
成人でも、朝食抜きを長く続けると脳出血の発症リスクが上がる可能性が高いことが明らかになった」と話す。

 ●起床1時間後に
 なぜ、朝食を抜くと脳出血のリスクが高くなるのか。
脳出血の最大の要因は高血圧だ。
一般に血圧は朝、目覚める1時間ほど前から上昇し始め、起床後約2〜3時間でピークになる。
そして夜の就寝後に徐々に下がっていく。
この生活パターンの中で朝食を抜くと、副腎皮質からホルモンの一種のコルチゾールがより多く分泌され、それが血圧を押し上げるのではと考えられている。

 逆に、血圧の上昇がピークを迎える前、つまり起床して1時間前後に朝食を取るとコルチゾールの分泌が抑えられ、血圧の上昇も抑えられる。
 血圧は塩分(ナトリウム)の摂取でも上がる。
朝食を取る場合には、和食、洋食のどちらにせよ、「尿でナトリウムを排せつする作用のあるカルシウムや、カリウムの豊富な乳製品や野菜・果物も取りたい」と磯さんは勧める。

 ●体内時計を正常化
 朝食の重要性は、1日のうちでいつ何を食べれば、健康によいかを研究する「時間栄養学」の視点からも解明されつつある。
 この分野に詳しい山口大学の明石真・時間学研究所教授によると、1日は24時間だが、人の体内時計は微妙にずれがあり、平均すると24時間と十数分程度の周期のリズムで動く。
真っ暗な中で生活すると1日は24時間にはならず、体内時計は徐々に遅い方にずれてゆく傾向がある。
このため、24時間周期に体内時計を合わせる必要があり、そのリセットの役割を果たすのが朝の光と食事だ。

明石さんは「朝の光の方がリセットの作用は強いが、朝の食事も重要だ」と体内時計の調整からも朝食は大切だと話す。

 朝食を抜いて、1日のエネルギー摂取量を減らす方が健康によいという考え方もあるが、明石さんは「1日のエネルギー摂取量を減らすなら、朝ではなく、夜に減らした方がよい」と話す。  

朝、昼、夜の食事をどのような割合で食べればよいかの議論は今年1月半ば、京都で開かれた「時間生物学と栄養学」と題したシンポジウム(日本病態栄養学会主催)でも活発に行われた。
時間栄養学の研究で実績の高い柴田重信・早稲田大学先端生命医科学センター長らの研究報告によると、1日3食の場合、朝にしっかりと食べる方が太りにくく、逆に夜にたくさん食べると太りやすいだけでなく、筋肉を作るたんぱく質が合成されにくくなることが分かった。

栄養ドリンクを飲んだり、ヨーグルトのような乳製品だけを取ったりしても、朝食を取ったことにはならない。
女性がダイエット志向で朝食を抜くのも要注意だ。
 夜勤の仕事につく人は、朝食の取り方に工夫が必要だという。
明け方に空腹で帰宅し、たくさん食べてしまうと、快眠できなくなる。
明石さんは「まだ研究データは少ないが、1日のエネルギー摂取量は維持したままで、4〜5回に分けて少しずつ食べるのがよい」とアドバイスする。
【小島正美】

望ましい食事の配分比率 朝食1〜2:昼食1:夕食1

 朝食メニュー
▽和食の場合 ・ごはん ・みそ汁 ・魚や肉類 ・野菜の煮物 ・ヨーグルトや果物
▽洋食の場合 ・パン ・肉類や卵 ・サラダ ・ヨーグルトや果物

毎日新聞 ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20170315/ddm/013/040/009000c#csidx4f1c18f336236bfad85a07e63a05c47 Copyright 毎日新聞
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花粉症、適切な服薬と治療

きょうの潮流 2017年3月17日(金)しんぶん赤旗

春が近づき、本来なら心浮き立つ時期ですが、花粉症にかかってからは一転、つらく憂うつな季節となってしまいました

▼日本では3人に1人が花粉症というデータもあり、子どもの患者も増えています。
医師に聞くと「幼い子は症状をうまく訴えられないことも多い。
我慢したり放置したりせず、受診して適切な薬を使うことが大切」だそうです

▼ある母親は子どもの学校で「病院に行けなくても有効な市販薬が出ているので服用すると良い」と聞きました。
「でも、市販薬は高くて飲み続けるのは経済的に厳しい」と言います

▼花粉症や風邪薬の宣伝で「医療用と成分が同量」という言葉を聞くことが増えました。
もともとは医師の処方箋が必要だった薬が、街の薬局でも買えるようになっています。
国の医療費削減を狙って政府が進めてきたことです。
こうした薬の購入費を確定申告で所得から控除できる「セルフメディケーション税制」も創設しました

▼厚生労働省の資料にセルフメディケーションは「自分自身の健康に責任を持ち軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と書かれています。
政府は、市販薬と効能が類似する薬を病院で処方された場合、患者の負担額を引き上げることも検討しています

▼風邪くらいで医者に行かず、薬を買ってのんでおけということでしょうか。
重症・軽症にかかわらず必要な医療を受けられるようにすることこそ、公的医療制度の役割。
政府にその責任を果たす構えがあるのか、きびしく問われます。
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2017年03月20日

あなたも隠れた「仮面高血圧」では? 中年成人の16%が高血圧基準を満たしている

あなたも隠れた
「仮面高血圧」では?
中年成人の16%が
高血圧基準を満たしている
2017.03.19 ヘルスプレス 

 診察室では正常血圧だが、それ以外で血圧が上昇するのが「仮面高血圧」。
この仮面高血圧を気付かないまま放っておくと、動脈硬化がすすみ、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす危険性が高くなる。
 この病態を検出する最良の方法は、小型のモニタリング機器を24時間装着することだとされている。
「Circulation」2016年12月6日号に掲載された研究報告によると、診察室で「正常」血圧である人のうち約16%は、24時間モニタリングで「仮面高血圧」であることが判明したという。

健康な中年成人約900人の
16%が高血圧だった
 米ストーニーブルック大学(ニューヨーク州)精神医学・社会学教授のJoseph Schwartz氏らは、健康な中年成人約900人を対象として、診察室血圧を3回の受診時に各3回、計9回にわたり測定し、さらに24時間自由行動下血圧測定により30分ごとの24時間測定も行った。
 対象者は全員、降圧薬は使用しておらず、平均年齢は45歳、約80%が白人だった。
退職した高齢者は、高血圧である可能性が高いため除外した。

 研究の結果、診察室血圧が正常であった対象者のうち16%弱は、覚醒時自由行動下血圧の平均値に基づく高血圧の基準を満たしていた。
自由行動下血圧は診察室血圧に比べて、収縮期血圧では平均約7 mmHg、拡張期血圧では約2mmHg高かった。

対象者の3分の1以上は、24時間収縮期血圧が診察室血圧よりも10 mmHg高かった。
10分の1では拡張期血圧が同様に高かった。
 測定値の差は若く痩せた人で最も多くみられ、この差は60歳までに、または過体重の人が肥満になると大幅に小さくなることが示された。

Schwartz氏は、「高血圧の治療を受けていない人の場合、自由行動下血圧は通常、診察室血圧よりも高いことが示唆された」と話している。

仮面高血圧は脳卒中・
心筋梗塞リスクが3.86倍
 この仮面高血圧とまったく真逆なのが「白衣高血圧」。
診察室で測ると緊張して血圧が上がってしまう場合だ。
血圧はその時々の体調や心理状態でも大きく変化する。
白衣高血圧は緊張しやすい傾向があることが多く、すぐに疾患への関連性が問題視はされないが、仮面高血圧は注意が必要だ。

 アメリカ・コロンビア大学のトーマス・ピッカリング教授の研究報告では、脳卒中や心筋梗塞などのリスクは正常血圧の人を1とした場合、慢性的な高血圧で2.94倍、仮面高血圧では3.86倍にもなっている。
 早朝に血圧が高くなる「早朝高血圧」も仮面高血圧の一種と考えられている。
朝に血圧を測ると高い数値となるが、病院で日中に図ると正常値になっている場合だ。
やはり脳卒中や心筋梗塞になる危険性が高いといわれている。

 早朝高血圧で特に、夜間の血圧は低く早朝に急上昇するタイプ<モーニングサージ>は、心疾患リスクが特に高くなる。
自治医科大学の研究では、慢性的な高血圧のに加えモーニング・サージがあると、通常の高血圧患者より脳卒中のリスクが2.5倍も高くなるとされている。

では、仮面高血圧を発見するにはどうしたらいいのか?
 答えはきわめて地味なだが、血圧を、毎日家庭で規則的に計測することだ。
朝と夜の1日に朝と夜の2回。
血圧は夜間に上昇することが多いため、朝晩に測定することで「仮面高血圧」を発見しやすくなる。

 すでに高血圧の薬(降圧剤)を飲んでいる場合は、朝は起床後、薬を飲む前に。
飲んでいない場合は起床後1時間以内に測るようにしたい。
また、夜は就寝直前が理想だが、血圧は入浴やアルコールで下がるため、入浴や晩酌の前に測るほうがいい。

 正常値の目安は、家庭で測る場合125/80mmHg未満。
3カ月程度続けて測定し、135/85mmHgを超えるようであれば医師の診察が必要だろう。  

家庭で毎日計るなんて面倒で難しいという人には「24時間ABPM(自由行動下血圧)測定検査」もある
携帯型の自動血圧計を取り付け、24時間の血圧を昼間は15分置き、夜間は30分置きに測定して、24時間の平均血圧を含め、詳細な血圧の評価を行える。
保険診療で行うことができるので、専門医にこれも相談したほうがいい。
 仮面高血圧は、高齢者だけでなく、40代以上でも増えている。
仮面高血圧の仮面を剥げ!
(文=編集部)
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2017年03月22日

「原発20km圏内」に残されたペット&家畜たちの今

「原発20km圏内」に残された
ペット&家畜たちの今
2017.03.21 雑学 日刊SPA

原発事故から6年が過ぎた。
原発20km圏内は3月31日に一部地域が避難指示を解除されるが、まだまだ放射線量の高い地域は多く、復興への道は険しい。
そんな人の住まなくなった地域で、動物を飼い続けている人々がいる。
彼らは何のために世話をし続けるのか?

ペットを連れては避難できなかった
 ’11年の原発事故から6年間、警戒区域内に取り残された動物たちを撮り続けている写真家がいる。
太田康介さん(58歳)だ。
事故後、人間たちは辛うじて避難することができたが、自力で避難することのできないペットや家畜は原発周辺に置き去りにされ、その多くは餓死していった。


 そんな中、浪江町の赤間徹さんは、たった一人で猫80匹、犬20匹の世話をしている。
現在は避難先の郡山市から通いながら、一時預かりで保護した猫や犬の里親探しを行っている。すでに猫約600匹、犬200匹を保護したという。
原発事故後、浪江町の住民は津島という地域にいったん避難しました。
そこからさらにバスに乗って避難するというとき『ペットは一緒に乗せられない』と言われたんです。
そこで、多くの人は泣く泣く連れてきたペットを放しました。
無事に家までたどり着いてくれることを祈って。
多くのペットたちが、家に向かって道路を歩いていくのを見ました。
その光景が忘れられないんです。
だからまず、浪江町の動物たちだけでも保護しようと」(赤間さん)

 猫のほか、20km圏内でよく見られるのは牛の姿だ。
浪江町の牧場主・山本幸二さんは国からの殺処分要請を拒否。
元自宅近くの牧場で50頭の“出荷できない”牛を育てている。
現在は避難先の二本松市から毎日通う。
山本さんは太田さんの活動にも協力、納屋には猫の餌を置いている。

「『汚染された』といっても、それは人間の都合によるもの。
牛たちには何の責任もない。
食肉にもならないのに無益な殺生はできません。
だから牛に『除草』という役目を持たせて、生きる意味を与えているのです
 山本さんはこの牧場を「復活の牧場」と名付けた。
牛たちが死ぬまで世話をするつもりだという。

東京のための電力が福島を苦しめている
 同じく浪江町で「希望の牧場」を運営する吉澤正巳さんも、家畜の殺処分に抵抗して牛を飼い続けている畜産農家の一人だ。
現在は300頭以上の牛を飼っている。
商品価値のない牛たちを飼い続けることは、吉澤さんの“牛飼い”としての意地だという。
「ここの牛は家畜でもペットでもない。
でも俺には殺せない。
原発事故後、多くの牛が牛舎に繋がれたまま水も餌もなく餓死してしまった。
人間のために、無駄に死なせたという申し訳なさがあります
生き残った牛にも、斑点や脱毛など被曝の影響ではないかと思われる症状が出ている。
牛たちは原発の最大の被害者であり、事故を生き抜いてきた貴重な資料でもある。
それを、何事もなかったかのように殺してはいけないという思いもあります

 さらに、この場所で牛を飼うということは「エネルギーの未来を考えることにも繋がる」と吉澤さんは語る。
「福島原発がつくっていた電力は、福島の人々は使っていませんでした。
東京の人たちのためにつくっていた電力が、福島を今も苦しめている。
その証拠がこの牛たちなんです。
それなのに、日本は原発再稼働や原発輸出を進めようとしている。
福島の現実を知ってもらうためにも、今後も飼い続けるつもりです」

人間以外の動物はみんな被害者
 原発から12kmの富岡町内で暮らし、犬や猫、牛や馬を保護している松村直登さんは、震災直後に街をさまよっていた動物たちを路上で捕まえて保護してきた。
一時は近くのダチョウ園から逃げ出したダチョウも飼っていた。
「警戒区域に残った家畜は殺処分するって国が言うから、我慢できなかったんだな。
俺が助けてやっからなと。
ペットも餌やらねえと自分では生きていけねえっぺ。
人間以外の動物みんな被害者よ。
人間が作るものに完璧なものはねえ。
原子力が“夢のエネルギー”なんて嘘だったんだ」(松村さん)

 松村さんは事故後いったん避難したが、すぐに警戒区域の自宅に戻ってきた。
水道もガスも電気もない土地で一人、動物とともに暮らす松村さんの姿はドキュメンタリー映画(『ナオトひとりっきり』)にもなって注目を浴び、募金も集まるようになった。
動物たちが命をまっとうしていなくなるのと、募金が一緒になくなるのが理想。
でないと卑怯だべ。
詐欺になっちまう。
俺はあいつらみてえになりたくねえ」

 「あいつら」というのは、「動物愛護」を掲げて多額の募金を集めたまま、会計報告もしない、活動実態もわからない団体のことだ。
太田さんはこう語る。
「『ペットと子供の支援は募金が集まる』と言われます。
ホームページなどではかわいい動物の写真を載せて宣伝していますが、実体にそぐわない団体もあるんです。
ある団体などは、『風船で餌を飛ばして原発周辺の動物たちに届ける』と言って多額の寄付を集めましたが、その風船を見た人は誰もいません」

 今回紹介した人たちに共通しているのは、自費で活動をしているか、募金をもらっていたとしてもきちんと報告をして大切に使っているということだ。
被災地で6年間、人間のために被害を受けた動物たちの世話を続けている人たちがいるということを忘れてはならない。

取材・文/北村土龍
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2017年03月23日

人間ドックとがん検診の真実

新見正則「医療の極論、常識、非常識」
【人間ドックとがん検診の真実】
無意味で、かえって「悪い事態」のケースも?
2017.03.22 Business Journal

 今回は、人間ドックや検診のお話です。

“極論君”は「早期発見は何より大切だから、機会あるごとに人間ドックや検診は受けるようにしている。少なくとも毎年受けている」という意見の持ち主です。  

一方で“非常識君”は「人間ドックや検診はまったく受けずに、何か調子が悪いときに病院を受診する」というポリシーです。

“常識君”の解説です。
「まず健診と検診がゴチャゴチャにされています。
健診は健康診断の略で、健康でない人を幅広く拾い上げることが目的です。
検診は特定の病気を発見することが目的で、がんを見つけるのであればがん検診という文言が使用されます。
健診には40歳から74歳の公的保険加入者を対象とする特定健診や、学校健診、職場健診などがあります。
そうすると本人の希望で行う人間ドックも健康診断に含まれますが、人間ドックでも特定の病気をターゲットにすれば検診の意味合いが強くなります。
また、病気の手前で見つけようという『一次予防』と、病気を早く見つけようという『二次予防』という見方から考えると、健診は主に『一次予防』、検診は『二次予防』に強く関連します」  

極論君の意見です。
「検診と健診の違いよりも、僕は長生きしたいのです。
ですから、病気になりたくないし、病気があれば早く治すことがよりよい選択肢と思うので、可能な限りたくさんの健診や検診を受けるのです。
そして人間ドックには毎年欠かさず行って、すべてのオプション検査をお願いしています」  

非常識君の意見です。
「病気を早く見つけても、症状が出てから見つけても、予後にほとんど差がないということを聞いたことがあります。
ですから、人間ドックには行ったことがないし、また地方自治体から来るがん検診などのお誘いはすべて無視しています」  

常識君のコメントです。
「確かにカナダの大規模臨床研究で乳がん検診を行った群と、行わなかった群で生命予後に差がないという結果もあります。
また、がん検診の普及で早期の段階のがんが見つかる頻度は上昇しているが、進行したがんが見つかる頻度は変わらないというものもあります。
それらの結果を早く見つけても御利益(ごりやく)が少ないと解釈する人もいます。
そうであれば、症状が出てからすぐに病院を受診すればいいので、検査に必要な費用や時間が無駄になります」

陽 性  

非常識君の意見です。
「がん検診などでは、がんと疑われて、しかし精密検査の結果、がんでないという人が少なからず生じます。
擬陽性ということです。
すると、『がんでなくてよかった』という結論ですが、実は検査をしなければ、こんな無駄な時間とお金は不要だったということになります。
そして、何よりがんではないかとハラハラして過ごす日々がなんと無駄であったことでしょう。そして、この時間が人生のなかでとんでもないストレスを感じた無益な日々ということになります。
むしろ、この擬陽性が最大の問題だろうと思っています」  

極論君の意見です。
「擬陽性がストレスを生じることに異論はありません。
しかし、毎年検査を受けていれば、そして異常がなければ、安心なのです」  

非常識君の追加意見です。
「むしろ、人間ドックや健診で異常がないと言われて、かえって無理を続ける人が少なからずいます。
そうであれば、人間ドックや健診を受けるよりも、日常生活の管理、いわゆる養生を心がけたほうが、長生きするようにも思えるのですが」  

常識君のコメントです。
「健康に注意を払うことは大切です。
ですからそんな観点から、人間ドックや健診を受ければいいのではないでしょうか。
治療手段がない病気や、死ぬまで放置しても問題ない進行の遅いがんなどは見つからないほうがいいかもしれません。
しかし、医療は進歩していますので、早期発見で命拾いするがんも、また疾病もどんどんと増えています。
ですから、あまり極端なことを言わずに、適切に人間ドックや健診を利用すればいいのではないでしょうか。
何より、調子が悪いときには早急に病院を受診するべきです。
また、どんな項目をどのくらいの頻度で受けるかは、いろいろなことを気軽に話せる『かかりつけ医』の先生と相談してください」

(文=新見正則/医学博士、医師)
ニュースサイトで読む:
http://biz-journal.jp/2017/03/post_18407_2.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
http://biz-journal.jp/2017/03/post_18407.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2017年03月25日

それ聞きます?「小学校の先生」が困った親からのクレーム3つ

それ聞きます?
「小学校の先生」が困った
親からのクレーム3つ
3/9 M.Sakamoto

小学校に子どもを通わせている皆さん。
わが子の将来を思うあまり、教師に対する言動に熱が入りすぎていませんか?
 行き過ぎると先生たちから、敬遠されてしまうかも……。
今回は関東の某小学校で教師を務める現役の先生に、「こんな人は困る……」という親の共通点を教えてもらいました。
うっかり自分がしていないか、是非チェックしてみてくださいね。

1:わが子の成績ダウンを納得しない
最初は子どもの成績ダウンについて。
確かに中学受験などを考えているご家庭からすれば、子どもの成績ダウンは深刻な問題でしょう。
三者面談などで先生に異議を唱えたくなる、その気持ちも分からなくはありませんが、先生にとっては「困ったな」と敬遠されている様子です。

学年が変わるとガラッと成績が落ちることも
「成績は、学年が上がると、急に下がることもあるのです。
学年が上がり、学習内容が増えると、曖昧な部分を残している子は、どうしても理解している子どもと徐々に差が出てきます。
今は各評価基準で細かく絶対評価していることも理由としてあります」 にもかかわらず、去年までの成績の延長で「今年の成績も悪くはならないだろう」と考えてしまい、下がった成績に対して納得がいかない親御さんも一部いるようです。
「特にこうしたケースは、お子さんの成績が標準よりも少し上の家庭に多いです」との言葉も。 教育熱心になって、お子さんの成績に一喜一憂してしまう親御さんは、ちょっと要注意のポイントですね。

2:クラス編成に自分の意見を入れようとする
次はクラス編成について。一部の親御さんからすれば「あそこの家の子とは、できれば一緒のクラスにしてほしくない」などといった本音もあるかもしれません。
しかしその考えを、実際に三者面談の場で先生に求めるとなると、話は違ってきますよね。

クラス編成の希望を伝えられても…
「他に三者面談で困ることと言えば、クラス編成についてです。
“あの子と一緒にしてくれ”だとか、“あの子と離してくれ”だとか、クラス編成についての希望を求めてこられる親御さんがいます。
ですが、“はい”とは言えるわけもなく」 常識的に考えて自分の意見がクラス編成に反映されないことは、親自身も分かってはいるはずです。
にもかかわらず口にしてくる親に、ちょっと教師としては困ってしまうのでしょう。

3:他の子の成績まで知りたがる
他の子どもの成績についてママ友には、直接聞きにくいもの。
「別に気にならない」という親御さんもいるかもしれませんが、親同士のライバル意識や受験などの利害関係が重なると、「知りたい」という思いが一部のママに強くなってしまうのかも……。
だからといって、三者面談などで他の子の成績を先生に聞いていいわけではもちろんありません。
先生との信頼関係を損なう質問
「三者面談で他の子の成績を聞かれる場合もありますが、まず言えません」 とのこと。
普通に考えれば分かりますし、逆にそんな質問をしたことで、自分の評価を下げてしまうことにもなりかねませんね。
いざというときに、わが子の助けになってくれる担任の先生。
その先生との信頼関係を損なわないためにも、上述した言動にはちょっと注意した方がいいかもしれませんね。

  以上、現役の小学校の先生が語る、ちょっと困る親の共通点を3つ紹介しましたが、いかがでしたか? 
新年度が始まる今だからこそ、ぜひともチェックしてみてくださいね。
(ライター 坂本正敬)
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2017年03月29日

ママ友5タイプ徹底分析! 新学期を迎える前に対処法を予習

ママ友5タイプ徹底分析!
新学期を迎える前に対処法を予習
2017年03月28日 16時00分 dot.(ドット)

 新学期目前、入学やクラス替えなどで、あらたな保護者とのつき合いが始まるシーズンの到来です。
でも、最近はママ友関係に悩むお母さんも増えている様子。
そこで『AERA with Kids』春号に掲載中の、ママ友づきあいを円滑にするアドバイスをお教えします。
アドバイザーは、小学校の校長を務めた経験を持つ、コミュニケーション研究家の尾塚理恵子さん。
ストレスを感じるママ友を大きく5タイプに分けて、それぞれの特徴と上手なつきあい方を指南してくれました。
「いるいる、こういうタイプ!」と盛り上がりながら、ぜひ参考にしてください。

【タイプ1】
その場を仕切りたがり、自分の意見をゴリゴリ押してくる「ボスママ」。
これをリーダーと勘違いしてはいけません。
 ボスママは、一見するとリーダーのように思われがちですが、実はリーダーシップのない「目立ちたがり屋」なのです。
本物のリーダーとは、みんなのために嫌な役を引き受けられる人。
たとえば、担任の先生の対応に疑問を感じたときなど、保護者の意見を集約して先生に伝え、調整する。
こういった面倒なことができるのがリーダーです。
でも、ボスママは、大変なことがあるときは「あんたやって」と人にやらせようとします。
そのくせ、人の上には立ちたいというやっかいな性質です。
 たてついたら怖いけれど、黙って言うとおりにするのもつらい。
そんなときは、「あなたの言い分は理解しているよ」と相手を一度立ててから、「では、私たちの意見はどうかしら?」と提案してみましょう。
真っ向から否定すると、かたくなになるのがこのタイプ。
一度共感をしてから、話し合いが進む方向に意見を提案するのがコツです。

【タイプ2】
「空気を読めないママ」。
天然、マイペースといってしまえば聞こえはいいけど、ほかの人の気持ちを考えない言動に、振り回されてしまうのです。
 こちらの都合も考えずに、受け取る側の元気を吸い取るような愚痴メールをしょっちゅう送りつける。
クラスの役員決めのときに「うちは下の子が幼稚園なので役員はムリです。
お子さんが一人の方が受けるのがいいんじゃないですか?」と、その場が凍りつくような発言を平気でしたり、「働いてるお母さんて、なんだかんだで係をやらないよね!」とワーキングママ批判を大声で繰り広げたり。
 こんなふうに、自分のことだけを中心に考えて、まわりのことが考えられない人の言うことやすることは、いちいち深く受け止めないことが大切です。
愚痴メールには共感しなくてもOKだし、ワーキングママ批判も気にしないようにしましょう。
役員をやりたがらないママは、空気を読めないのではなく、先手を打って役員を逃れようとしているのです。
リーダーシップのある人に「子どものための活動であり、皆が公平に協力している」という旨を伝えてもらうのも手です。
このようなタイプは、ほかの人をストレスのはけ口にする傾向があります。
ですから、自分とは関係のない問題として、客観的にとらえましょう。
それだけで気持ちがラクになりますよ。

【タイプ3】
自分の子さえよければ、よその子はどうでもいい。
いつでもどこでも「うちの子優先ママ」
 子ども同士のトラブルで、相手の子どもの親にわが子に非はないと怒鳴り込むママ。
ほかにも子どもがいる中で、自分の子どもをあからさまにひいきしたり、見苦しいほどの熱愛ぶりを見せるママ。
こんな行き過ぎた態度に、周囲はドン引きです。
 自分の子どもが何でも一番と考えているママは、親から甘やかされて育てられた人。
また、子どもへの愛情表現がわからず、子どもを何でも優先させることが愛情表現だと勘違いしている場合もあります。
このタイプは、人の気持ちを察する力が低いので、ほかの人が感じる嫌な気持ちに気がつきにくいのが特徴。
ですから、関わる場合には、こちらの考えをしっかりと伝えることが必要なのです。
でも、口調には気をつけて。何か意見を言われると、批判されたと思って感情的になるのもこのタイプ。
上から目線で諭すように話すのはNGです。

【タイプ4】
どんなことでも自分と比べて、優位に立つことが喜びです
「マウンティング・ママ」
 子どもが通う塾や夫の会社、はては子どもの習い事のバレエシューズのブランドまで。
逐一比べては「私(うちの子)のほうが上」をアピールしたがるのがこのタイプです。
 マウンティング・ママは、とにかく「承認欲求」の強い人。
他人と比較することで、自分の優位性を確かめて、安心感を得たいのです。
この手のママは、自分への反応が気に入らないと、その人を標的に攻撃を繰り返す可能性もあるので要注意。
ある程度の距離を保ち、こちらが感情的にならないことがうまくつき合いましょう。
コツは、客観的に相手の言動を判断することです。
また、ときにはこちらから「ほめる」ことも効果的。
ただやみくもにほめるのではなく、「これは!」と思ったときに心をこめてしっかりとほめる。相手の承認欲求も満たされて、ぐんと接しやすくなりますよ。

【タイプ5】
「群れママ」。
ランチ会やイベント、すぐに群れたがるママたち。
実は、見せかけの「仲良し」だけのケースも多いようです……。
 暗黙の了解となったランチを欠席したら、自分の悪口を言われていた。
仕事が忙しくてクラスのママ友イベントに参加できないけど、しょっちゅう集まり盛り上がっているようで、なんだか疎外感……。
なぜかママたちの中には、グループを作って行動したがる人が多いものです。
 群れたがるママには、ふたつのタイプがいます。
ひとつはやたらとイベントを企画して、主導権を握り周りから「自分がいるからうまくいくでしょ!」とアピールして満足したいタイプ。
もうひとつは、「私、ひとりじゃダメなの」と何でも人を巻き込むタイプです。
どちらも、つるむのが嫌だと感じるなら無理をしてつるむ必要はありません。
逆に、適度に距離を保たないと、勝手に「つるみ仲間」と思われてしまいます。
ちょっと断っただけで「あの人は冷たい」なんて拡散されてしまいますよ!

 たくさんのママたちと接する機会がある尾塚さんは、最近、年齢は立派な大人なのに心がまだ女子高生のままでいるママたちが多いと感じるそう。
そんなママたちと対等にやりあおうとしたり、見栄を張り合ったりするのは、ストレスがたまる一方。
うまく渡り合うには、こちらがコミュニケーションの腕を磨き、一枚上手の「大人」になることが有効といいます。
みんなから好かれようと八方美人になっては、疲れるだけ。
人の言動に一喜一憂しないことも、ママ友ストレスに縛られないコツです。

※『AERA with Kids春号』より
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2017年03月30日

ネット上のデマ、なぜ広がる…「重要」で「あいまい」に反応

ネット上のデマ、なぜ広がる…
「重要」で「あいまい」に反応
2017年3月29日 読売新聞「こころ元気塾」

むごい匿名攻撃の恐怖…スマイリーキクチさん被害
 インターネット上のうわさやデマをよく考えずに拡散させると、深刻な人権侵害につながる恐れがある。
なぜデマは広がるのか、ウソの共犯者にならないためにはどうすればいいのか。
 人気女性アイドルグループのメンバーが2月に急死した。
ツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では死因として、「インフルエンザ脳症」という情報が拡散した。
「熊本地震で動物園からライオンが逃げた」という虚偽の内容の文章と画像がツイッターに投稿され、ネット上に広がった。
熊本市の動植物園には100件以上の問い合わせがあったという。
 いずれも、真実と思わせるような公式発表はなかった。なぜ広まるのか。

 うわさを研究する中央大教授の松田美佐さん(メディア論)は「うわさの広がりやすさは情報の『重要性』と『あいまいさ』のかけ算で決まる」と説明する。
 松田さんによると、アイドルの急死のケースでいえば、若者に人気のあるグループのメンバーの急死は重大な関心事で、所属事務所が死因を発表しない「あいまいさ」が急速にデマが広がった理由と分析する。
 ネット社会になり、デマが拡散するスピードは速まった。
収束するのも早いという特徴がある。
アイドルの急死から2日後に所属事務所が「致死性不整脈の疑い」と死因を発表すると、デマは急速に収束した。

 ウソの共犯者にならない方策として、松田さんは
〈1〉不安につけ込む“手口”を知る
〈2〉情報元を確認する
〈3〉簡単に白黒つけない――ことを勧める。

 災害時はデマが流れやすい。
人々の不安が高まっているためで、関東大震災や東日本大震災でも様々なデマが流れた。
真偽不明な情報の場合は、官公庁やマスメディアなど信頼のおける情報を調べるといい。
松田さんは「反射的にリツイート(転載)するのは危険。
一度立ち止まって考えるくせをつけてほしい」と注意を呼びかける。

 「犯罪者に人権はない」「人殺しは即刻死刑」――。
お笑いタレントのスマイリーキクチさん(45)は、ネット上に殺人事件の犯人であるかのような文言を繰り返し書き込まれ、中傷を受けた。
「匿名の集団が、いかにむごいことをするかを競い合っている状況に、恐怖を感じた」と振り返る。
 この経験から、ネット上のデマの怖さを知ってもらおうと、学校や企業で講演活動を続けており、「小さなウソが、人格を燃やし尽くすデマに発展することもある。
僕のような被害者を出さないためにも、ネット上で発信する時には、注意を払ってほしい」と話す。
 スマイリーさんの講演を聞いた学生からは「ツイッターをしているが、デマの加害者になる恐ろしさを知った」
「自分だったら自殺していたかも」などの感想が寄せられたという。
スマイリーさん自身のブログには、いじめなどで、ネット上にデマを流された人から助けを求めるメッセージが寄せられることもあり、「警察に相談した方がいい」など対応策を返信している。

■スマイリーさんの被害
 自身のブログなどに、1989年に発覚した女子高生殺人事件の犯人であるかのような文言が書き込まれた。
2009年、男女らが名誉 毀損きそん などの容疑で書類送検されると減ったが、ブログに殺害予告が書き込まれて今月のテレビ出演をやめるなど、今も被害は続いている。
(加納昭彦)

元の記事を読む
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2017年04月02日

終末治療の中止をもとめる意思表明書

蒲谷茂「自分のからだは自分で守る」
延命治療はやめてください…
「終末期治療の中止を求める意思表明書」 
2017.04.02 Business Journal

文=蒲谷茂/医療ジャーナリスト

 先日、私は誕生日を迎えました。
Facebookをしているので、自分の誕生日を登録してあります。
すると、Facebook上で友だちになった人をはじめ、昔からの知り合いも含めて、いろいろな人からメッセージが届きました。
この歳になって、直接お目にかかっていない人からもお祝いのメッセージをいただくと、なにやら考えることもあります。
 子どもの頃、正月に叔父のところへ年始のあいさつに行ったとき。
お年玉が目的ですが、叔父が「正月や冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」という一休さんの言葉を紹介してくれました。
「昔は正月になると皆一様に歳を取ったものだ。年を取ればそれだけ死ぬ時が近づいてくる。
だから、めでたくもありめでたくもなし」という意味ですが、この言葉は、子ども心に強烈な印象を残しました。
 私は拙書『自宅で死にたい』(バジリコ)で、自らの終末について書いたのですが、誕生日はまさに冥土の旅の一里塚。
そこで、誕生日を機に終末宣言をすることをお勧めしたい。
 若い人はそんなものはいらないと思うでしょうが、そろそろ自分の最期をどのようにしようかと考えている人は、ぜひやってみましょう。
私が推奨する終末宣言のひな型を紹介しておきましょう。
 愛知県がんセンター名誉総長大野竜三(りゅうぞう)氏が提案されています。
『自宅で死にたい』でも紹介したのですが、原本は大野氏の著書『自分で選ぶ終末期医療』(朝日新聞社)にあります。
以下に引用します。



【終末治療の中止をもとめる意思表明書】
 私はこれまでの人生を、私なりに一生懸命生きてきました。
 ここに、私の人生が終わるとしても、決して悔いはありません。
 いま、私は意識を失うような状態に陥っていると思います。
あるいは、呼びかけに応じているかもしれませんが、意識はもうろうとしていると思います。
ということは、私はいま自分の力では水も飲めないし、食べ物を食べられないでしょう。
 自分で呼吸できない状態にあり、人工呼吸器により呼吸をしているかもしれません。
繰り返しますが、私は、いま私の人生が終わるとしても、決して悔いはありません。
  ですから、もし、人工呼吸器をつけてから四八時間経っても、私の自発呼吸が戻らなかったら、人工呼吸器を外してください。
 たとえ、自発呼吸がある場合でも、もし意識を失ったり、もうろうとなってから四八時間経っても意識が戻らなかったりもうろう状態が続いていたら、点滴も栄養補給もやめてください。  

もし、私の意識状態に明らかな回復兆候がみられる場合には、さらに二四時間待っていただき、その時点で、私の意識が戻っていなかったり、もうろう状態が続いていたら、点滴も栄養補給もやめてください。
 意識の判定は、厳密にしていただく必要はありません。
ふつうの呼びかけに対し、声を出して答えなくなったら、意識はなくなっていると判断してください。
 また、点滴と栄養補給をやめた後、私が自力で飲み食いできる状態にないなら、無理に飲ませたり食べさせたりしないでください。
 もちろん、そうなったら、昇圧剤も輸血も人工透析も血漿交換などもやめてください。
 もし、私が苦しがっているように見えるならば、その状態を緩和していただける治療は、喜んでお受けします。
 ただし、昇圧剤や脳圧低下薬などの、延命のための治療はやめてください。
 いま、私の命を永らえるために努力をしてくださっている、お医者さん、看護師さんやその他の病院スタッフの皆さまにも、心から感謝しています。
 せっかく、努力をしてくださっている皆さまには、たいへん申し訳ありませんが、どうか、私の願いを聞いてください。
決して、決して、悔いはありませんので、お願いいたします。
 私はこの終末治療の中止をもとめる私の意思表明書を、意識も鮮明で、書いている内容を十分に理解している状態で書いています。
 たとえ、家族の誰かが反対しても、私の意思を尊重してください。
 四八時間という時間は短いかもしれませんが、決して悔いはありません。
どうか私の願いを聞き届けてください。

  年  月  日  
住所  
本人自署名   歳 印
(可能であれば)家族自筆署名



70歳という年齢
 この「終末期治療の中止をもとめる意思表明書」は、大野先生は70歳以上の人を仮定するとあります。
70歳という年齢に説得力があります。
自分は70年という人生を精いっぱい生きた、自分の身に何かが起こっても決して悔やむことはないほど、十分長い人生を体験してきたと書きましょう、と。
人生の終わりを諦念とともに悔やむことはない、と。
 これはたいへん大切なことだなと思います。
誕生日に当たって、自らの終末を考えるのも大切なことです。
自分のためにも家族のためにも。
(文=蒲谷茂/医療ジャーナリスト)

蒲谷茂 医療ジャーナリスト。
1949年生まれ。
立教大学卒業後、健康雑誌『壮快』の編集にかかわり、8年後に独立。
多くの医療・健康に関する雑誌の編集・執筆、テレビ番組の企画・制作にも携わる。
95年『大丈夫』(小学館発行の健康雑誌)の創刊編集長に就任。
その後、30年以上にわたる経験や人脈を生かし、自分のからだは自分で守るための情報を発信し続けている。
著書は、『民間療法のウソとホント』、『歯は磨くだけでいいのか』(共に文春新書)、『測るだけで大丈夫』(八重洲出版)、『死に至る病・チェックブック』『自宅で死にたい』(共にバジリコ)などがある。
現在、八ヶ岳南麓に住み、FM八ヶ岳のパーソナリティもつとめている。

ニュースサイトで読む:
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2017年04月14日

自主避難者 住宅提供打ち切り=大久保昂(大阪科学環境部)

記者の目
自主避難者 住宅提供打ち切り
=大久保昂(大阪科学環境部)
毎日新聞2017年4月13日 東京朝刊

再建支える体制、不十分
 東京電力福島第1原発事故で、福島県内の避難指示が出ていない区域から避難した「自主避難者」への住宅の無償提供が、3月末で打ち切られた。
昨秋からこの問題の取材を続けてきたが、困窮し、自立した生活ができる見通しが立たないまま打ち切りを迎えた避難者に数多く出会った。
事故から6年。
この間の国や福島県、避難先の自治体が避難者の生活再建を支える体制が不十分だったことが、こうした事態を招いたと考えている。

 原発事故後、福島県では放射線への不安などを背景に、避難指示区域外の住民の一部が自主的に県内外へ避難した。
県は自主避難者が避難先で入居した住宅は、災害時に一時的に住む「仮設住宅」とみなし、家賃を肩代わりしてきた。
避難指示区域からの避難と違い、自主避難者には東電からの賠償がほとんどなく、福島県による住宅の無償提供がほぼ唯一の支援だった。
しかし、県は2015年6月に「福島の生活環境は整いつつある」として17年3月末での打ち切りを表明した。

 福島の放射線量は事故直後から大きく下がり、私が住む関西と変わらない地域もある。
しかし、今も不安を抱く自主避難者がおり、避難先でできた友達と離れて帰還するのを嫌がる子供を抱えた世帯もある。
福島県の自主避難者は昨年10月時点で約1万世帯。
その多くが今春、「古里への帰還」と「家賃などを自己負担しての避難継続」との選択に悩んだ。

 取材で感じたのは、自主避難者の二極化だ。
避難先になじみ、生活を再建できた人は「もう『避難者』という立場から脱したい」と語った。避難先で自治会長になった人もいるという。
一方で「払える家賃の家が見つからず、夜も眠れない」
「引っ越し費用がない」といった訴えも聞いた。
その中には、障害者や日本語が不自由な外国出身の家族を抱え、震災前から弱い立場に置かれていた人がいた。
母子避難の末に離婚に至ったり、精神疾患や脳梗塞(こうそく)を発症したりと、避難後に生活が暗転した事例もあった。
こうした避難者は、就労や医療、教育など個別の事情に応じたきめ細かい自立支援を必要としていたはずだ。
しかし、サポートが十分ではないと感じることが度々あった。

 福島市から大阪市営住宅に自主避難する男性(57)は、避難してから4年半もの間、都会の片隅で孤立していた。
身体障害1級の視覚障害がある。
全盲ではないが、手紙を読むには明るいベランダへ出てルーペで文字を拡大しなければならない。
見知らぬ土地で一人で外出するのは不安だ。
介助してくれる韓国出身の妻(62)は、日本語の読み書きが満足にできない。
このため、避難先に行政や支援団体から郵便が届いても、ほとんど目を通すことがなかった。  こうして支援策や行政サービスにつながる機会がないまま困窮し、避難時の引っ越しや家財道具の調達などで背負った借金の返済に行き詰まった。
住宅の無償提供の打ち切りも、福島県の発表から半年間、知らなかった。
その後、自宅を訪問してくれた支援者の助言で大阪市に住民票を移し、市の福祉サービスを受けるようになった。
しかし、行政に対する複雑な思いはいまも消えていない。
「行政は目の障害のことは分かっていたはずだ。
福島市でも大阪市でもいい。
大事な情報が伝わるようにする配慮があれば、これほど苦労せずに済んだ」

訪問への熱意、自治体で温度差
 打ち切りを前に、福島県や避難先の自治体は昨年度、自主避難者を戸別訪問した。
打ち切り後の住まいの悩みを聞くだけでなく、困窮した世帯に自立へ向けた道筋を示す機会とすべきだったが、必ずしもそうはなっていなかった。
福島県郡山市から東京都営住宅に避難していた母子世帯の50代の母親は、住宅の管理者側から年度末での退去を求める話ばかりを向けられ、「出ていかなければ裁判もあり得る」とまで言われて精神的に参ってしまっていた。

 訪問に対する熱意も自治体ごとに温度差があり、打ち切り3カ月前まで訪問を実施しなかった自治体もあった。
そもそも、多くの自治体が福祉部門の職員ではなく、公営住宅の担当職員に訪問を任せていた。生活を包括的に支援する意識が希薄だったと言われても仕方がないだろう。

 取材を通じて気になったことがもう一つある。
生活保護の利用をためらう避難者が少なくないことだ。
大阪市に避難した母子世帯は「国の世話にはならない」と申請を拒み、月8万円ほどの収入で糊口(ここう)をしのいでいた。
しかし、生活保護は本来、こうした人のために用意されている制度だ。
戸別訪問などで困窮した避難者を把握している自治体は、誤解や偏見を解き、積極的に保護につなげるべきだ。

福島県と避難先、連携して注力を
 住宅無償提供の打ち切りに向けた支援が十分に行き届かなかった責任は元の居住地、避難先の双方にあると思う。
福島県は住宅の支援で事足れりとし、避難先の自治体には「自分の町の住民ではない」という意識がなかっただろうか。
今からでも遅くはない。両者で連携し、困窮にあえぐ世帯を中心にきめ細かい自立支援に力を注ぐべきだ。

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2017年04月15日

4・5月は自殺死亡者数がピーク

4・5月は自殺死亡者数がピーク
〜自傷行為の経験者は
「1年以内の自殺リスク」も高い
2017.04.14 ヘルスプレス

 「4月8日」と「4月11日」という日付から何を連想なさるだろうか?
 実は新学期が始まる時期のこの両日は、例年、夏休み明けの「9月1日」に次いで「自殺する児童生徒」が多いことで、教育関係者のあいだでは知られる日付なのだ。
 『自殺死亡統計の概況』(厚生労働省大臣官房統計情報部)から1日平均自殺死亡数を月別で閲覧してみても、多くの年で「4・5月がピーク」であることが明白だ。

 また、「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹氏が、今年も4月8日、自らの公式ブログで「いじめで辛い時は『学校休んでいいんだよ…』。
危険からの避難だよ!」と呼びかけた背景にも、そんな事情があったようだ。

 このような日本の児童生徒の自殺傾向に対して、海の向こうのアメリカではどのような深刻な事情を抱えているのか? 
その一端が垣間見れる最新報告が、『American Journal of Psychiatry』(オンライン版・3月21日付)に掲載されたので要約してみよう。

アメリカ「銃社会」の自殺リスクの実態
 コロンビア大学医療センター(ニューヨーク市)精神医学教授のMark Olfson氏らの研究が示唆した、自殺関連のアメリカの事情は、次のようなものだった――。

 自傷行為を行なった人の場合、「1年以内の自殺リスク」も高い。
その自傷の再発リスクに関しては、年齢的には高齢者、人種別では白人、そして、うつ病やアルコール依存症などの精神疾患の治療を「最近受けた人」で、とりわけ高い傾向が認められた。  

研究に際しては、全米45州のメディケイド(Medicaid:民間の医療保険に加入できない低所得者・身体障害者に対して用意されたアメリカ合衆国連邦政府の公的医療保険制度の一つ)の情報に基づき、2001〜2007年の期間中に「初回の自傷歴」が確認された対象者(6万2000人強)について解析が行なわれた。
 その結果、自傷(歴アリ)患者の場合、その後1年以内の自殺率は「人口10万人あたり年間439.1人」にのぼり、一般集団比で約37倍であった。
なかでも男性患者の自殺死亡リスクが女性の2倍を占めており、白人の高齢者では「白人ではない若年者」の3倍に相当した。

 さて、ここからが「銃社会」として知られるアメリカならではの事情となるのだが……。
初回の自傷行為に「非暴力的な手段(薬物など)」を選んだ層と「暴力的な手段(銃など)」を用いた層とを比較した場合、その後の自殺リスクは後者、つまり「暴力的な手段」のほうが高く、そのうち40%超の事例で「銃」が絡んでいた。

過労自殺問題で揺れる
電通の新入社員たちは……
 さらに、初回の自傷行為に「暴力的な手段」を用いた層の場合、「自傷行為から1カ月以内の急性期(不安定期)」の自殺リスクが高く、その比率は残る11カ月間の約10倍にも相当したというから、「銃の悪魔的な誘惑」の怖さがわかる。

 「急性期」の定義は医学上、曖昧ではあるものの、論文主筆者のOlfson氏は、次のように述べている。
 「われわれの研究成果として、自傷行為後の数カ月間は患者の安全を確保できるよう、周囲が尽力すべきであることが示唆された。
その時期の自傷患者の自殺リスクを低減するためにも、医師陣は入院や監視強化、彼らの背景にある精神疾患の治療を十分に考慮するべきだと思われる

 翻って、アベノミクス下のわが国では、昨秋、大手広告代理店・電通に勤務していた新入社員の過労自殺が社会問題化。
4月3日、2017年度の入社式が行なわれ、渦中の新人広告マンにマイクを向けるテレビ局の姿も散見されたが……。
 あにはからんや、むしろ「周囲の人たちのほうが心配している」と新入社員たちは異口同音に語り、「仕事のキツさや上下関係の厳しさ」は織り込み済みで、「早く一人前になりたい」と意欲を述べる声が大多数を占めていた。

 一方、暦がめくられ、ゴールデンウイーク期間中の浮かれも終われば、「例年、自殺が急増する」といわれる「5月病」の季節がやってくる。
世界保健機構(WHO)は「世界のうつ病患者は3億人超」と報告しており、・・・・。
  (文=編集部)
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2017年04月19日

「振り込め詐欺撃退」機能付き電話が大ヒット…その画期的かつ驚愕の機能とは?

「振り込め詐欺撃退」
機能付き電話が大ヒット…
その画期的かつ驚愕の機能とは?
2017年04月18日 06時11分 ビジネスジャーナル

●電話の思い出
 我々お父さん世代が、平成生まれの若者たちと飲んだときに必ず出るトピックのひとつが、電話。
「おれたちが若い頃は、携帯電話なんてなかったから、好きな女の子に電話する際は本当に緊張したものだ。
それに比べて、携帯やLINEのある今の若者たちは、さぞかし恋愛がしやすいことだろう」
 こうした話を、若者相手にした記憶はないだろうか。
もしあれば、立派な昭和世代だ。

 相手のお父さんが出たときにどう対応するか(あるいはガチャンと切るか)、相手の家の電話はどこにあるのか(居間か、廊下か、玄関か)など、徹底的にシミュレーションしながら電話をかけたものである。
 かつては、ひとり暮らしを始めて最初にすることが、電電公社あるいはNTTへの電話線の申し込みだった。
お父さん世代が青春を謳歌していた1980〜90年代は、電話はコミュニケーション手段として非常に重要な手段であった。
 当時の恋愛ドラマを思い返してみても、固定電話であるがゆえに生じた「行き違いの恋愛」に胸をときめかせたことも多かった。
流行した歌謡曲にも、今となっては死語に近い「ダイヤル」や「電話帳」という言葉が頻繁に出てきたものだ。
つまり、我々お父さん世代の青春時代の思い出における固定電話の存在は、大きかったのだ。

●固定電話の衰退
 かつて「電話線を引く」と表現していた固定電話は、一家に1台が常識だったが、その常識が変わってきているという。
 総務省が発表した、世帯主年代別の固定電話の保有状況をみると、若い世代ほど固定電話の保有率が低いことがわかる。
世帯主が60歳以上の家庭では、9割以上固定電話を保有しているのに対し、30代では50%、20代に至っては12%と若い世代ほど、固定電話の保有率は低くなる。
 つまり、20〜30代の場合、結婚して所帯を持っても固定電話を引くことはせずに、すべて携帯電話で済ませているということがわかる。

情報の伝達スタイルが世帯単位から個人単位へとシフトし、家庭に据え置かれる固定電話の役割が変わってきているようだ。
 それでも家電メーカーは、いわゆる固定電話機を製造し続けるが、おのずとターゲットは60代以上の高齢者となる。
実際、固定電話購入者の7割は60代以上というデータもある。
 そのような背景もあり、各電機メーカーは高齢者向けに文字表示の大きな機器や、わかりやすさを売りにした機器で勝負を挑んでいる。
 そんななか、シャープが開発した「詐欺被害強化機能」を搭載した固定電話機(JD−AT81)が大ヒットしているという。    

●詐欺対策強化機能を搭載した電話機とは
 シャープは、固定電話の購入者の7割が60代以上であることに着目し、その年齢層の利用状況を調査した。
その結果、振り込め詐欺被害者の約8割が60歳以上となっていることが分かり、その顧客層に向けて本製品を開発したのだ。

 本製品の主な特徴は、以下の通り。
(1)着信時メッセージ  
電話をかけてくる人に対し、「ただ今、振り込め詐欺対策モードになっています。この通話を録音します。あなたのお名前をおっしゃって下さい」というメッセージが流れる。
録音された名前を聞いてから、受話器を取るかどうか判断できるのだ。
振り込め詐欺の場合、犯罪者は足がつくことを何よりも嫌がるため、ここでかなりの割合で撃退できることとなる。
(2)迷惑電話自動判別機能  
万一、怪しげな電話に出てしまった際にも、「迷惑電話自動判別機能」が付いており、ドアホンのチャイム音を鳴らして、電話を切るきっかけをつくってくれたり、振り込め詐欺対策メッセージを流してくれたりする。当然その間の会話も録音している。
(3)あんしん相談ボタン
 もしも怪しい電話に出てしまったとしても、切った後に「あんしん相談ボタン」を押せば、登録した相談相手(たとえば息子)につながるため、即座に情報確認が可能。
(4)迷惑電話フィルタ
 警察や自治体から提供を受けた迷惑電話番号情報などを使い、振り込め詐欺や悪質なセールス電話を自動で着信拒否。着信音も鳴らない。

 最近の振り込め詐欺は「劇場型」と称され、たとえば犯罪者が警察官になりきって電話をしてきて、パニックに陥っている間に弁護士や金融機関を名乗る人物が複数回、しかもあえて非通知でなく番号を開示してかけてくるような凝ったケースも出てきている。
2015年は、振り込め詐欺被害総額が390億円で過去最高となり(警察庁発表)、いまだに増加傾向にあるようだ。
 なんといっても犯罪者らが最も嫌がるのは、声の録音であるが、あえて録音していることを伝えるという発想は、おもしろい。

 市場のニーズを的確に把握し、ユニークな発想で画期的な商品を実現してしまうシャープのしたたかさ、ものづくり力には、改めて感心させられた。
いまだ厳しい経営環境が続くシャープであるが、「目の付けどころがシャープでしょ。」のキャッチフレーズ通り、今後も世間をうならせる商品に期待したい。
文=星野達也
ノーリツプレシジョン取締役副社長、ナインシグマ・ジャパン顧問)
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2017年04月20日

「『延命治療』とは何か? 無意味な治療と必要な治療とを分けるもの」

『延命治療』とは何か? 
無意味な治療と
必要な治療とを分けるもの
2016年9月1日 読売新聞

 「延命治療は嫌です。
生きているのか死んでいるのかわからない状態で生かされるのはご免です」とは、周りの多くの方たちの反応です。
 「では、延命治療ってどんな治療のことを指しますか?」と聞くと、 胃瘻いろう や経管栄養、呼吸器、点滴などがあり、病状や年齢などの条件は考慮していないので漠然としたものです。  

一方で、テレビでは病気や老いをマイナスと考えて、様々なサプリメントのコマーシャルが頻繁に流れています。
 そもそも「延命治療」という言葉には無理があると思います。
何をもって延命とするのか、延命と考えるのに年齢があるのかという疑問です。
なぜなら医療そのものが生命をどう維持するのかが重要なのですから、そのために必要か無意味な治療なのかという問いは、生体だけで考えるのでなく、いわゆる生命の質(QOL)も含めて考えるということなのでしょう。

 これは、人生の最期に当たって医療にすべてをお任せするのではなく、私たち一人一人が、なぜ生きているのか、どう自分の人生を全うするのか、そして、家族はどう 看取みと っていくのかという覚悟を問われているのだと思います。

 「いのちって何だろう?」と100歳の医師から、10歳の小学生に質問したことがありました。
一人の生徒が「ハート?」と言って胸の上に手を置きました。
先生は、迷わず白板に1本の線を引き、両端に0と100を書き込みました。
「私は今ここ、君たちはどこですか」と一番前の生徒にペンを渡しました。
直線の半分の半分、もっと小さく10等分したところに点を書きました。
そして、「いのちって、君たちが持っている時間です」と、目に見える形で示しました。
 これは、当時100歳だった日野原重明先生が、宮崎の小学校で行った「いのちの授業」の一場面です。
命は自分が持っている時間だから、その時間を大切に使いなさいというメッセージは子供たちだけでなく、後ろで授業参観していた私たちにも直球で伝わりました。
そして、「その時間を自分のためだけに使う時期があり、その後は人のために使うのですよ、何より平和のために使ってください」と付け加えられました。

 「『延命治療』とは何か?」と考えることと、「『いのち』とは何か?」「生きていくとは何か?」と考えることは同じだと思うのです。
人は自分の持っている時間を精いっぱい生きて、そして、その人生の完結となる点が、100歳を超えようとも、もっと短い点になろうとも、そこに優劣はないはずです。
持っている時間を精いっぱい使って、 馴染なじ みの人に囲まれて穏やかに過ごせる日々の最期が、いのちの終わりとなる。
そのために治療が必要であれば、それは延命治療ではないはずです。

 宮崎市は、市民の一人一人が“わたしらしく”生ききるためのノート「わたしの 想おも いをつなぐノート」を作りました。
この背景には、「終活」などを考える時に、最期の時を、単に心臓が動いていれば良いわけではなく、質の良い最期を送りたいと思う人が増えてきていることがあります。
そのためには本人の意思が大事になってきますから、元気な時から最期の時間をどのように過ごしたいか、どのような医療を受けたいかを考えるきっかけにしてほしいという想いからです。  

このノートの手引書に書かれている延命治療の項を引用します。
 「延命治療を望む? 望まない? どのような治療を受けるのかを決めるのは、あなた自身です。
どちらの選択もありますが、いざという時にすでに自分の意思が表せないことがありますから、元気な時から考えて自分の意思を表明しておくことが大切です」と冒頭に書かれています。
 その上で、生命維持のための最大限の治療とはどんなものがあるのか、継続的な栄養補給とは何があるのか、点滴など水分を維持する処置とはどんなことか、痛みはほとんどの場合色々な方法で取ることができること、そして、もう回復の見込みがなく、すべての機能が弱るときに自然にゆだねるとは、どのようなことなのかを、わかりやすく解説しています。
 このノートの真の目的は、単に最期の治療をどこまでするのかを表明しておくというだけでなく、いのちの時間を“わたしらしく”生ききるためにどのように思うのか、一人一人の死生観を醸成していくことなのだと思います。
そのための一つのツール(道具)として、市民に啓発する活動が続いています。

 私が「延命治療とは何か」と考える時にいつも思い出すのは、「かあさんの家」で看取った光子さん(仮称)のことです。
 光子さんは、戦前戦後を女性一人で懸命に生き抜いてきた85歳の方でした。
ご近所さんやお友達に支えられながら一人暮らしをしていましたが、自宅で倒れているのを発見され、救急車で病院に運ばれました。
そこで、慢性腎不全で人工透析が必要だという診断結果を受けました。
腎不全を示すクレアチニン値が5を超えていましたが、少し認知症の症状もあり、ご家族は人工透析をして普通の生活が制限されてしまうことを選びませんでした。
これまでたくさん苦労をしてきたから、最期の時間は穏やかに暮らすのが一番大切なことだと希望され、「かあさんの家」に入居されたのです。
 入居当初は、顔もむくみ、貧血でふらつき、立つこともできませんでした。
まず、本人の希望を聞きながら、これまでの生活のリズムを取り戻すようにしました。
体液内にあり、体の働きを正常に保つ電解質のバランスも壊れていましたから、生野菜を温野菜にし、塩分を極力減らし、色々な食材を少量ずつにして献立を工夫しました。
ちょっとした傷でもすぐに、皮膚の深いところまで 化膿かのう して痛みや腫れを伴う「 蜂窩織炎ほうかしきえん 」になるので、早め早めに在宅医療の支援をうけました。

  人には、体を一定の状態に保つ「ホメオスタシス(homeostasis)」という機能が備わっています。
外の気温が上がっても下がっても、体温を36度5分程度にいつも保っています。
けがをしてもそれを治そうとする働きがあり、外部からの病原体に対しても、自己を守る防御反応が働きます。
 この機能が備わっているおかげで、私たちは健康に過ごすことができているのですが、光子さんは、この機能が衰えてきていました。
しかし、機能を果たさなくなりつつある腎臓に人工透析をするのではなく、自然に任せて生体を維持できるだけするという選択をしました。
 ご家族は、透析をしなければ余命はあと2か月しかないだろう、もしかしたら突然呼吸が止まるかもしれませんと告知されており、そのことも覚悟の上でした。
 しかし、光子さんは予想に反してそれから2年と2か月、穏やかに同居者と「とも暮らし」を楽しみ、2日間だけ床に伏して、すっと逝かれました。
腎不全の血液検査の数値は改善していたわけではありませんし、クレアチニン値も貧血の度合いも、ほぼ横ばい状態で経緯しました。
光子さんが人工透析をせずに2年余りも過ごすことができたのは、足りない機能をほかで補いながら、まさにホメオスタシスの働きのなせる業だったのではないかと思っています。

 これまでに、かあさんの家で看取った方々から私が教わったことは、ヒトの細胞の一つ一つは常に生きたいと思っているのだということです。
そして、その生きるという働きが徐々に弱っていき、食べられなくなりすべての身体の機能が衰え、最期は持てる力を出し切って精いっぱい生ききるのだと思います。
死はその結果です。
この自然にゆだねるという流れを、医療が余計な手出しをすることで変えてしまうことがあります。
 本人は「そろそろお迎えが来てほしい」と思っていても、看取る家族の気持ちは揺れ動きます。
食べられなくなったら何とか栄養を補給しなくては餓死するのではと心配し、水分が取れない状態になると脱水になるので点滴をしてほしいと医療にできることを期待します。
 そんな時に、ご家族には、治療が本人にとってはどうなのか、自分がその立場だったらと想像することが大切になります。
このプロセスを経ることで、最終的には自然にゆだねることが、なにより本人にとっての最善なのだと納得されていきます。
 無意味な治療と必要な治療を分けるものは、本人の意思と本人にとっての最善を考えて選択することなのではないでしょうか。
延命治療とは、むしろ家族が大切な人を看取るときの課題とも言えます。
あなた自身がどこで最期の時間を過ごし、どのような医療を受けたいのかを、元気なうちから意識して考え、そして、それを家族や周りに表明しておくことが大切です。
なぜなら、あなた自身のためだけでなく、あなたのことを大切に思っている方にとって、看取るときの大切な 拠よ りどころになるのですから。
 あなたは、人生の最期の時間をどこで過ごしたいのか、どのような医療を受けたいのか、あなたの意思をご家族や周りの人に伝えていますか。
※参考までに “わたしの想いをつなぐノート”の問い合わせ先( 宮崎市HP )

◇ 【略歴】  
市原 美穂(いちはら・みほ)
一般社団法人全国ホームホスピス協会代表理事  
1947、宮崎県生まれ。
87年、宮崎市に夫が「いちはら医院」を開業し、裏方として携わる。
98年、「ホームホスピス宮崎」設立に参画し、2002年に「特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎」理事長に就任。
04年に「ホームホスピスかあさんの家」を開設し、現在宮崎市内に4軒を運営する。
15年「一般社団法人全国ホームホスピス協会」を設立し、現職。
08年「社会貢献者賞」(社会貢献支援財団)、09年、「新しい医療のかたち賞」(医療の質・安全学会)、15年、「保健文化賞」(第一生命・厚労省)をそれぞれ受賞。
著書に『ホームホスピス「かあさんの家」のつくり方』(図書出版木星舎)、『暮らしの中で逝く その<理念>について』(同)、編著に『病院から家に帰るとき読む本』(同)がある。

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2017年04月21日

自殺者の7割は男性! 男のメンタルリスク管理術

自殺者の7割は男性!
男のメンタルリスク管理術
2017年04月19日 22時55分 All About

■「男はつらいよ!?」
ストレスを自覚しにくい男性たち
私が幼い頃、「男は黙って……」という言い回しが流行りました。
これは、あるテレビCMをきっかけに流行した言葉。
「四の五の言わずに黙ってやれ」
「泣きごとを言わずに腹に収めろ」といったメッセージですが、そんな男らしさをまぶしく感じる一方で、女の私は「男の人生ってタイヘンそう…・・・」と遠い目で眺めたものです。

そして数年前、「お父さん、眠れてる?」というキャッチフレーズのもと、内閣府の自殺対策キャンペーンのCMが放映されました。
疲れ果てて見えるお父さんに、高校生くらいの娘が心配そうに上の言葉をかけるシーン。
実際、人は眠れなくなるほど追いつめられると、ストレス状態を自覚できなくなるもの。
そのため、疲れたお父さんたちに「眠れてる?」と、分かりやすい指標を提示するのは、とても効果的なのです。
このように、男性はなぜか体を害してまでやるべきことに突き進み、ストレス状態に気づきにくく、またそれを口にしにくい傾向があるようです。
これは一体どうしてなのでしょうか?

■「男女脳」の違いで
ストレスの溜まり方が変わる?
男女の脳には、構造上大きな違いがあります。
それは、左脳と右脳を結ぶ「脳梁」という橋のような役割を果たす部分が、女性は男性より20%太いことです。
そのため、女性は男性より右脳と左脳の連絡がよく、右脳で「何となく感じたこと」がすぐに左脳で言葉に変わるため、それを口に出さずにいられなくなるのだと言われています。
(この男女脳の違いについては、黒川伊保子さんの『脳育ての黄金ルール』等の著書をぜひご一読ください)

たしかに、女性は会社でイヤなことがあったりすると、すぐに同僚や友だちに打ち明けずにいられないものです。
女同士のランチや飲み会では、「あの上司、イライラするのよね!」「この仕事、私に合ってないような気がするの……」といったグチやつぶやきが飛び交います。
そうした女子会に男性が1人ポツンと混ざると、「同じようなことをよくしゃべるなぁ」「どこまで続くのかなぁ」と、途方に暮れてしまうものです。

このように、女性は感じたことをすぐに言葉にできるため、比較的自分のストレス状態に気づきやすいのです。
そのため、何らかの支援につながりやすく、「死ぬまで追い込まれる」リスクは、男性より低いのではないかと考えられます。
実際に、近年の自殺統計(警察庁・内閣府)を見ても、男性の自殺者が約7割に上るのに対し、女性は3割程度です。

■悩みを溜めて仕事に集中……
男性ならではのメンタルリスク では、脳梁が細く、右脳と左脳の連絡の悪い男性には、どんなメリットがあるのでしょう?
 両脳の連絡が悪いだけに、感情に振り回されずに、仕事にとことん没頭することができます。右脳、左脳それぞれの能力を最大限に生かし、ダイナミックな仕事をこなすこともできます。
一方、右脳で感じた「つらい」「苦しい」といった気持ちを、すぐに左脳で言語化しにくいのがデメリット。
さらには、闘争性を高める男性ホルモンの働きも手伝い、寝る間も削って仕事に集中してしまうのが男性でしょう。
これが高じると、気づいたときには過労が行きすぎ、健康を崩してダウンしてしまいます。
このように、ストレスに気づきにくく、自分を追い込み、対策が遅れがちになるのが、男性のメンタルリスクだと考えられます。

■今すぐ実践!
3つの「男のメンタルリスク管理」
男女の脳の構造が異なるなら、男には「男のメンタルリスク管理術」が必要になるでしょう。
そのヒントとして、3つのポイントを挙げてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

(1) 生活習慣と身体症状でメンタルチェック
過労状態でも感情を自覚しにくい男性は、2週間に一度くらい、「生活習慣」や「身体症状」からストレス状態をチェックするのがお勧めです。
特に、うつ病の診断基準にも含まれる「睡眠」と「食欲」は、非常に重要な指標。

■睡 眠
過労死を防ぐためには、1日6時間以上の睡眠が必要とされています。
この1日6時間睡眠を割り込むのが、時間外労働80時間の「過労死ライン」を越えた働き方です。
つまり「睡眠時間が1日6時間以下」「ぐっすり眠れず、朝の目覚めが悪い」という項目に心当たりがある人は、メンタルの危険信号。
もちろん、「時間外労働が80時間を越えている」ことも、重大な危険要因です。

■食欲、飲酒 食欲の変化への注目も重要です。
「朝食が食べられなくなった」「食事を残してしまう」「欠食することが多い」「やたらと食べてしまう」という事項もチェックしてみましょう。
また、ストレスが溜まってくると、不眠や憂うつをアルコールを飲んで晴らそうとする人も増えてきます。
「酒量が増えている」「寝酒が習慣になっている」といった事項もチェックです。

■身体症状
精神症状を自覚しなくても、体に症状が現れるうつ病もあります。
これを「仮面うつ病」と言います。
「頭痛、肩コリ、腰痛など体の痛みが治らない」「便秘や下痢が続く」「胃に痛みや不快感がある」などがよく見られる症状です。
内科の治療で改善しないようなら、仮面うつ病の疑いもあります。
上の太字部分の多くに心当たりがあるなら、精神症状を自覚していなくても、心療内科、精神科を受診しましょう。
心の病の場合、早めに治療を始めるほど、早い回復が期待できます。

(2) 休息・休養も
「スケジュール」に組み込む
本来、休息・休養は「疲れを感じたら」とるもの。
しかし、感情を自覚しにくい男性は疲れを感じにくいため、タイミングよく休めない傾向があると思います。
そのため、休息・休養は「スケジュール」の中に組み込むことをお勧めします。
たとえば社内では、「1時間仕事に没頭したら、5分間のティーブレイク」。
ただし、自分の席で休んでも仕事から手が離れにくいので、「コーヒーコーナーで一服」「廊下でストレッチ」「社内を歩く」といった自分なりの休息ルールを設定することです。
気がつけば残業をしてしまうなら、意識的に「ノー残業デイ」をつくることも大切です。
会社にこの制度がない場合、自分自身で設定、職場内で奨励するのもいい方法です。

100%守れなくてもいいのです。
形だけでも「○曜日はノー残業デイ」とスケジューリングしておけば、「その日は、早く仕事を切り上げよう」という意識を持てます。
また、休日の1日は「骨休め」の日にすること。
土曜日に遊びの予定を入れるなら、その翌日は家でゆっくり休養をとる、というスケジュールにしましょう。
男性には、誰にも邪魔されずに1人でゆっくり過ごす時間が必要なのです。

(3) 自由に話して
「感情を意識化」できる場を持つ
「おしゃべりの達人」である女性は、給湯室でもロッカールームでも「今日のイヤなこと」を口にし、ストレスを自覚しやすいものです。
一方、男性はなかなかそうもいきません。
だからこそ、「話しやすい空間」に足を運ぶ必要があります。
リラックスできる環境でとりとめもない話をしていれば、感情はふっと湧き出してくるもの。
大人の男性に「居心地の良いバー」や「気の合う店主のいる居酒屋」が人気なのは、このためでしょう。
適度な距離感を保ちつつ、話に耳を傾けてくれるマスター。
「おふくろの味」を用意し、熱いおしぼりを手渡してくれるおやっさん、おかみさん。
ほっこり落ち着ける空間に身をゆだね、気持ちを受容してくれる人と言葉を交わせば、気がつけば「オレ、ちょっと参ってるのかな?」なんて、感情の言葉が口をついてくるものです。

こんなやりとりを彼女や妻とできれば最高なのでしょうが、「近しい間柄だからこそ、うまくいかない」という声が多いのが、悲しいところ。
「男の沽券」からグチを飲みこんでしまうのかもしれませんし、「おしゃべりの達人」である彼女たちに会話の主導権を奪われ、結局毎回聞き役になってしまうのかもしれません……(涙)。 だからこそ、「自由に話して感情を意識化できる場」をどこかに一つは持つことが、メンタルリスクを管理するためにも大切です。

――メンタルリスク管理は、他にもたくさんの方法がありますが、まずは以上の3つのヒントを参考にしてみてください。
普段、なかなか気づいてあげられない「俺の気持ち」をケアしてあげることこそ、明日の元気をつくる秘訣です。
       (文:大美賀 直子)
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2017年05月08日

「一言多い」人の精神構造&対処法

いつも「一言多い」人の
精神構造…常に上に立ちたい型
・言訳型・決めつけへの対処法
2017.05.08 Business Journal

文=真島加代/清談社
 何気ない会話をはずませる“雑談力”がビジネスシーンで注目されているように、コミュニケーションスキルをアップさせたいと感じている人は多い。
その一方で、世の中には、余計な一言を発して相手を不快にさせてしまう、いわゆる「一言多い人」も一定の割合で存在する。

 そうした人たちは、なぜ会話のなかで余計な一言をつけ加えてしまうのだろうか。
また、余計な一言でイラッとしたときは、どのように対処すればいいのか。
全国心理業連合会公認プロフェッショナル心理カウンセラーの浮世満理子さんに話を聞いた。

劣等感から嫌み発言をしてしまうケースも
 まず知っておく必要があるのは、「一言多い人」の心理だ。
浮世さんは、「基本的に、一言多い人も相手を傷つけようとか嫌な思いをさせようとしているわけではありません」と語る。
私は『無意識の悪意』と呼んでいるのですが、余計な一言は、発言者の価値観や感情がポロッと出てしまうのが特徴。
それまでうまくコミュニケーションが取れていたのに、本題とは関係ない、配慮を欠いた発言をしてしまい、受け手が『そういう言い方しなくてもいいんじゃないの?』
『その一言はいらないよね?』と感じれば、それは余計な一言といえるでしょう」(浮世さん)  

さらに、一言多い人も好きで言っているわけではなく、それで気分がいいわけでもないという。なかには、相手に対してコンプレックスを感じているからこそ、つい言ってしまうケースも多いそうだ。
「たとえば、どんくさい先輩がバリバリ仕事をする後輩に劣等感を抱いている場合、『Aさんって悩みごとがなさそうでいいよね。
僕はすぐ落ち込んでしまうから、うらやましいよ』と嫌みを言うことがあります。
これはもちろん、受け手にとっては不快だし、言う側もコンプレックスを吐き出すだけなので、すっきりしません。
どちらにとっても、やはり『余計』なのです」(同)

 お互いに余計な発言とはいえ、やはりより気分がよくないのは言われた側だ。
余計な一言は、受け手が事前に阻止できるものではないだけに、不快な思いを軽減するには「言われたときの対処法」が重要になる。

 そこで、聞き取り調査で集めた実例を基に、具体的な対処法を紹介しよう。

「マウンティング型」にはどう返すのがベスト?
 まず、典型といえるのが「マウンティング型」だ。
「会議で発言したら、同僚から『よくできているじゃないですか、Bさんにしては』と言われた」(28歳、男性)
「上司に『女にしてはがんばっているじゃないか』と言われました。
今どきこんな言い方をする人がいるんだ、と絶句」(26歳、女性)
 浮世さんによれば、これらは「自分が優位に立ちたいときによく使われる余計な一言」だという。
「ここには、オフィスや会議の場で『この人は普段、仕事ができない』という印象を周囲に与えたい、という心理が無意識に働いています。
男性に多いコミュニケーション方法で、『誰が上で、誰が下か』というポジションをつけて、自分の立ち位置を明確にしようとしている可能性が高いです」(浮世さん)

 逆に、女性がマウンティング型の発言をするときは、相手をライバル視しているケースが多い。
心のなかにある「Cさんばっかりずるい」という心理が、余計な一言となって表れるのだという。 「貶めるようなことを言われたときに感情的になるのは、相手の思うつぼ。
『女にしては』という言葉に『それって男尊女卑ですよ』などと言い返せば、むしろ『女は感情的』『あの人は怒りっぽい』というイメージが定着する可能性があります。
 ベストな対処法は、さりげなく『ありがとうございます! 女にしては、これからもがんばります』と、もっともイラッとしたワードを繰り返すことです」(同)

 余計な一言をオウム返しすることで、その失礼さを本人にフィードバックする効果が得られるという。

受け身の人に多い「言い訳型」が残念なワケ
 一方、若い社員が上司に発してしまいがちなのが「言い訳型」だ。
「ミスを指摘したときに『Dさんにこうしろって言われました』という言い訳をされるとイラッときます。
せめて謝ってほしい」(30歳、女性)
「職場の後輩が、よく『申し訳ありませんでした。
教えてもらってなかったので』
『やったことがなかったので』と言うんですよ。
言い訳するな、ただの勉強不足だろう、と」(28歳、男性)
 この言い訳型を発する人には、「仕事に対して『受け身』の傾向がある」(浮世さん)という。
「本人にも言い訳をしているという自覚があるのですが、失敗したと思われるのが怖くて、ミスを指摘されるとつい言葉が増えてしまう。
とはいえ、上司や先輩にすれば、『言い訳する時間があったら早く仕事しろ』という感じですよね」(同)
 仕事に対して受け身の人は、どこかに「上司のお手伝いをしている」との感覚があり、そのため言い訳がましい発言をしてしまうという。
「そういうタイプの人には、『お手伝いしてあげていると思っていない? これはあなたの仕事だよ』ときちんと伝えることが対処法になります。
仕事に受け身の人は、わからないことは聞かなくても教えてもらえると思っている場合が多い。自分の仕事に責任を持つように認識させましょう」(同)

不快でしかない「決めつけ型」は拒絶していい
 そして、上司や先輩社員に見られがちなのが「イメージによる決めつけ型」で、後輩の女性などに余計な一言を発してしまうケースだ。
「会社の先輩に『Eさんって料理とかしなそうなのに……。
お弁当持ってきてるの意外(笑)』と言われ、ムカッとしました」(24歳、女性)
「男性の上司に海外旅行の話をしたら、『よくそんなお金があるね! 男に払わせたの?』と、半分冗談、半分本気で言われた。
死ぬほど働いて、自分のお金で行ったんですけど?」(27歳、女性)

 言う側は冗談のつもりかもしれないが、言われる側にとって、この手の決めつけは不快でしかない。
こうした無神経な発言には特別な対処法は必要ないという。
「おそらく、相手のイメージを勝手に決めつけて発した言葉でしょう。
それによって相手がどれだけ傷つくか、ということをまったく考えていないのです。
あまりに配慮に欠けた言葉をかけられたときは、『私が料理をしようがしまいが、関係ないですよね?』としっかり拒絶してください。
無神経な人にはストレートに言わないと伝わりません」(浮世さん)

失言を防いでコミュニケーション上手になる方法
 では、逆に余計な一言を発してしまいがちな人は、どういう点に気をつければいいのか。
性格の問題でもあるだけに変えるのは難しそうだが、浮世さんは「意識の持ちようで、余計な一言を飲み込むことは可能」と語る。
会話の終着点を意識してください。
たとえば、初めて仕事をする相手の場合、気持ちよくコミュニケーションを取ることも仕事のうち。
対話する相手と『どんな関係を築きたいか』を意識すれば、必要のない一言を言わずに済むかもしれません」(同)

 自分が言われたら嫌だと思うことは相手に言わない……。
幼稚園で教わるようなマナーだが、現実には、ついつい余計な一言を発してしまうことがあるのも事実。
身に覚えがある人は、今一度、自分の発言を振り返る必要がありそうだ。
(文=真島加代/清談社)

浮世満理子(うきよ・まりこ)
カリフォルニアのエサレン心理研究所にて心理学を学んだ後、プロスポーツ選手や芸能人、企業経営者などのメンタルトレーニングを行う傍ら、多くの人にカウンセリングを学んでほしいと、株式会社アイディアヒューマンサポートサービスを設立。現在主宰を務める。
●「浮世満理子オフィシャルウェブサイト」
●「アイディアヒューマンサポートサービス」

ニュースサイトで読む: 
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2017年05月09日

大竹しのぶが介護保険法改正を批判

大竹しのぶが
安倍政権の「介護保険法」
改正を批判! 国民の負担増に
「違うところにお金が回っている
2017.05.08 LITERA(伊勢崎馨)

 安保法制、特定秘密保護法、TPP、カジノ法など数々の強行採決という暴挙を繰り返している安倍政権だが、4月12日、衆院厚生労働委員会での介護保険関連法案改正案(以下介護保険法)の強行採決もまた唖然とするものだった。

本サイトでも既報のとおり、委員会において民進党の柚木道義議員が森友学園問題について質問したのに対し、自民党が逆ギレし突然一方的に審議を打ち切り、14日に予定されていた採決を勝手に前倒し強行してしまったからだ。
 自分に都合の悪い質問に対し答弁を拒否、質問とは関係ない法案を強行採決する。
それ自体民主主義国家とは到底思えない許されない暴挙だが、その審議対象だった介護保険法改正案の中身も、自己負担率をさらに引き上げるという高齢者そして弱者切り捨てとしか思えない問題法案だ。

 そんな中、女優の大竹しのぶが介護保険法案に対しこう疑問を呈したのだ。
〈介護保険法がまた改正されようとしている。
一定の所得以上の人だが、自己負担が2割から3割になるという。
負担が増えると、デイサービスの回数を減らしたり、家族に負担が行ったりするのではないか。この高齢化社会の中、国にお金がなくなってゆくのは分かるが、違うところにお金が回ってはいないだろうか〉
 これは朝日新聞での連載エッセイ「まあいいか」の4月21日夕刊に掲載されたものだが、大竹の疑問はもっともなものだ。

今回の介護保険法改正では、大竹の言うように、年収が340万円以上ある高齢者がサービスを利用した際の自己負担率を2割から割に引き上げるというもの。
民進、共産など野党はこれに反対したが、18日の衆院本会議でも自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、今国会で成立することは決定的だ。

大竹しのぶが安倍政権の
介護保険改悪に反対する理由
 大竹といえば、特定秘密保護法や憲法改正、安保法制などに強い危機感を表明し反対するなど積極的に政治的発言をしてきた。
安保法制反対の国会前集会にも参加したり、安倍首相を名指しで批判するなど日本の芸能人としてはかなり踏み込んだこともある。

そんな大竹にとって今回の介護保険法案問題もまた、切実なものだったのだろう。
というのも今年95歳になる大竹の母親は、今から3年ほど前、自宅で転倒して左肩を骨折、それを機に体調を崩した母親の介護を大竹や家族が担ってきたからだ。
その経験から大竹は介護についても盛んに発言している。

 たとえば2年ほど前の『徹子の部屋』(テレビ朝日)15年1月19日放送でも自らも子宮頸がんを患いながら、老年期うつ病の母親の介護について「突然やってくるものと実感」などとその体験を語り、今年3月3日放送の同じく『徹子の部屋』では母親が作った雛人形などを紹介。
こうしたもの作りをリハビリとして活用していることや、温泉旅行で、妹と一緒に温泉に入れた苦労話などの介護エピソードを紹介している。
 そして“経験者”である大竹の介護保険法改正に対する危惧は極めて正しい。

今回の改正は年収340円以上の単身者(年金収入のみは344万円)そして夫婦世帯なら年収463万円以上の自己負担を2割から3割に引き上げるというものだが、そもそも安倍政権は2年前の2015年4月にも介護保険法を改正したばかりだ。
この時の改正では特別養護老人ホーム(特養)の入所条件がそれまでの「要介護1」以上だったものが「原則要介護3以上」と厳しくなっている。
また入居できたとしても補助認定が厳格化され、さらにこれまで全員が1割だった自己負担割合が、年金収入280万円以上の場合で2割に倍増した。
 しかも、この改正で入居したくても申込みすらできないなど、門前払いされる要介護者が増加したのだ。

同時に要介護者が利用できる訪問介護と通所介護については、2018年までに自治体が行う「地域支援事業」に移行される。
これでは自治体によってサービスや費用に差が生じ、要介護者にとって不利益になるとの指摘もある。
実際、2015年の改正で、サービス利用を減らすだけでなく、食費さえも削るといった高齢者の声も相次いだ。
 実際にその弊害も現実化している。

5月5日付の毎日新聞によれば、特別養護老人ホームの約2割が要介護3の入居を見合わせているという。
その理由は2015年の改正で入居が要介護3以上に制限されたが、しかし介護報酬の加算や要介護確認が不確かなため、受け入れを敬遠しているからだという。
入居制限を厳しくした安倍政権の政策で、こうした弊害も発生、さらなる介護難民が増加しているのだ。

安倍政権が目論む改憲は
「家族」への全責任押し付け
 すでに15年の時点で、こうした高齢者の切り捨て政策が実行されたわけだが、それが今回さらに加速するということだ。
 だが安倍政権の高齢者、要介護者切り捨てはこれだけではない。
それが“家族による在宅介護”の推進だ。
 安倍政権は今国会で「家庭教育支援法案」の提出を目指しているが、これは国家が家庭のあり方を規定し、家庭教育に介入するというトンデモなシロモノだ。
同時に家族こそが基礎的集団であることを強要し、社会全体で担うべき教育を「家族」に押し付けるものだ。
こうした「家族」への押し付けは、介護でも起きている。
つまり、在宅介護という名の“自立”“自己責任”が推奨され、社会保障の削減にお墨付きが与えられる。
しかも安倍政権は、「家族は、互いに助け合わなければならない」という自民党の改憲草案の憲法24条、いわゆる“家族条項”を新設、家族による「助け合い」を義務化しようとしているのだ。  

こうした安倍政権による政策は、“介護殺人”や、介護者自身の自殺という数多くの事件も誘発している。
最近でも、大阪府で寝たきりの76歳の夫に食事を与えずに死亡させたとして、73歳の妻が殺人容疑で5月6日に逮捕された。
妻は警察に自分で通報した際「介護に疲れて夫の面倒を見ていない」と語っており、“介護殺人”だった可能性が濃厚だ。

 介護保険法の改悪に、共謀罪、そして一連の戦争法──。
もはや安倍政権が打ち出す数々の政策は、日本にとって害悪でしかないことは明らかだ。
そして大竹もまた前述の朝日新聞エッセイで、日本を覆う恐怖、そして危惧をこう表明している。
〈この数年で、いつの間にか、次々に決められていく様々なルール。
私たちはどんな声を上げてゆけばいいのだろう。
 声をからしながら、自分たちで必死になって意見を叫び合ったあの子ども時代を思い出す。
皆で事前に協議することを監視され、叫ぶことさえできなくなるなんて、怖くなる。
本当に怖くなる

 これは明らかに安倍政権への批判、そして共謀罪に対する恐怖を示すものだろう。
これまでも安倍政権を名指しして批判、また平和への思いを語ってきた大竹だからこそ、今回の介護保険法改正、そして共謀罪にも反対の声をあげるのは当然のことだった。
そんな大竹は昨年2月21日のしんぶん赤旗日曜版で、こうも言い切っていた。
自分の名前を出して意見を提示し、責任を持てる年齢ですから、それはやっていきたいと思っています
 メディアを通して反戦・平和、そして安倍政権の欺瞞を訴える大竹の姿勢を、本サイトは全力で応援していきたい。
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2017年05月24日

平均貯蓄額1820万円の真実 現役世代に迫りくる無数の「格差」に要注意!

平均貯蓄額1820万円の真実 
現役世代に迫りくる
無数の「格差」に要注意!
2017.05.22 messy

こんにちは!ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。
先日、総務省より2016年度家計調査「貯蓄・負債編」が発表されました。
この調査では、国民の貯蓄・負債状況などが調べられています。
今回はこの調査を参考に、平均貯蓄額について一緒に考えてみてほしいと思います。

これからは、お金関連の事柄に「格差」が付いてまわります。
自分がいろいろな「格差」の残念なグループに入ってしまわないように、対策を考えていきましょう。

なぜ平均貯蓄額に
届かない人が約8割も?
 貯蓄が増えている実感を持つ人が少ない中、2016年度の平均貯蓄額が4年連続で増加し、2002年以降で最高額を打ち出したというニュースは、多くの人を驚かせました。

おそらく読者の皆さんも平均貯蓄額1820万円と聞いたら同様の感想を持たれるでしょう。
貯蓄ゼロの世帯が3割というデータもあるくらいです。
1820万円なんてどう考えてもおかしいような気がします。

 おおよその平均貯蓄額である1800万円を基準にしたデータを見てみると、勤労者世帯、つまり普通に働いている現役世代の77.8%が貯蓄額1800万円以下となっています。
約8割ですから、普通の人達は1800万円も持っていないということです。

実のところ平均貯蓄額を引き上げていたのは高齢者世帯で、実に44.5%が1800万円超とのこと。
しかも、勤労者世帯と高齢者世帯の分布を比べると、勤労者世帯の最も多くが分布されている貯蓄額は「100万円未満」で12.8%、それに対し高齢者世帯は「4000万円以上」で18.6%です

 働いてきた年数が違うので当然といえば当然ですが、将来4000万円以上のグループに入ることができるかと言われると自信がなくなりますよね。
日本にはこれほどの「世代間格差」があることを自覚しなくてはなりません。

将来の貯蓄格差はなぜ生まれるか
 さらに高齢者世帯を詳しく見てみると、無職高齢者世帯の平均貯蓄額は全体の平均よりも約500万円多い2363万円です。
この理由は、定年退職時に受け取った退職金でしょう。
これからも、退職金で大きな差が付くのは間違いありません。

 退職金がなくても、違法でもなければブラック企業でもありません。
退職金が3000万円の会社もあれば、0円の会社もあります。
現役時代に同じような暮らしをしていても、退職後に大きな差が付く可能性が高いのは言うまでもありませんね。
これが「退職金格差」です。

 もう定年退職だの、老後なんていう概念を捨てなくてはいけないかもしれません。
「元気であればずっと働くことを考える時代」という声もちらほら聞こえてきます。
ただ、元気に働ける高齢者というのは概して一流企業や公務員の退職者で、多額の退職金を受け取っています。
退職金ももらっていて、さらにその後も働くこともできるわけで、そうでない人との差は広がるばかりです。
さらに、これらの老後の勝ち組は公的年金の額も多いということで、「高齢収入格差」も生まれます。
 もう1つ考えられるのが、親のお金。
今の高齢者が手元にあるお金を使い切らなければ、いつか次世代に回ってくることになります。親がお金を持っている人とそうでない人でもかなり差が付きます。
これが「相続財産格差」です。


格差の残念組に入りそうなのは?  
将来の格差の残念組に入ってしまいそうなケースをまとめてみましょう。

・退職金がない人(自営業、退職金制度のない会社)
・公的年金が少ない人(個人事業主、年金未納者)
・親のお金に期待が持てなそうな人
・将来仕事をする自信がない人(能力や気力や体力など)
・何も対策をしていない人(貯めていない人)

 このケースに当てはまる人は、何か早めに対策を講じた方が良さそうです。
 老後のお金作りであれば、最低でも確定拠出年金くらいはやっておくと良いでしょう。
今年から加入者の範囲が拡大され、20歳以上のほぼ全国民が加入できるようになりました。
会社でやっている場合もあり、これを企業型といいますが、自ら任意の金融機関で申し込む個人型(iDeCo)に加入することも検討してみましょう。
この制度については次回解説したいと思います。

 お金の不安といえば、いろんな調査で上位に入るのは「老後」です。
ついては、貯蓄の目的も「老後」という方が多いです。
であれば、合理的に貯めていきたいですね。

川部紀子
1973年北海道生まれ。
ファイナンシャルプランナー(CFPR 1級FP技能士)
・社会保険労務士。
大手生命保険会社のセールスレディとして8年間勤務。
その間、父ががんに罹り障害者の母を残し他界。
親友3人といとこも他界。
自身もがんの疑いで入院。
母の介護認定を機に27歳にしてバリアフリーマンションを購入。
生死とお金に翻弄される20代を過ごし、生きるためのお金と知識の必要性を痛感する。
保険以外の知識も広めるべくFPとして30歳で起業。
後に社労士資格も取得し、現在「FP・社労士事務所川部商店」代表。
お金に関するキャリアは20年を超えた。
セミナーに力を入れており講師依頼は年間約200回。
受講者も3万人超。
テレビ、ラジオ、新聞等メディア出演も多数
twitter:@kawabenoriko
サイト:FP・社労士事務所 川部商店 川部紀子】
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2017年05月25日

人生を大損している“情弱”な5つの行動…ランチで10分以上並ぶ、財布がパンパンetc.

人生を大損している
“情弱”な5つの行動…
ランチで10分以上並ぶ、財布がパンパンetc.
2017.05.23 R-30

 現代は高度情報化社会。
“情報”に触れるのは一層手軽になった一方で、「情報強者=情強」と「情報弱者=情弱」の差もまた拡大中だ。

 では、そもそも“情弱”とはどういう人のことを指すのか?
 特徴を行動分析の専門家・石田淳氏に聞いた。

「情弱は本来、情報がないために金銭や時間の面で具体的に損をしている人を指していました。しかし最近では、情報をうまく活用できず“立ち回りが下手な人”も拡大解釈して情弱と呼ばれるようになってきていますね」

 一般的に情弱に見受けられる行動、思考の傾向とは?
「“考えない”人が圧倒的に多い。
最近、トランプ大統領がしきりに『フェイクニュースだ』と叫んでいますが、実際に情報の正確性の検証は重要。
何も考えずにSNSでデマ拡散に加担してしまうのは情弱と言えるでしょう。
古典的ですが新聞や本といった“有料の情報”に触れることが必要です」

 金銭面で大損をしている場合も。
「『銀行の引き出し手数料が週1回以上かかっている人』は具体的にどのくらいの金額を損しているのかを計算してみたほうがいい。
週一回216円かかるとすれば年間で1万368円。
10年間続けていれば10万円以上失っているわけです。
手数料無料の口座開設やクレカの活用など、対策はいくらでもあるんですけどね」

さらに30〜40代は情弱が深刻化するリスクが高いのだとか。
「30〜40代は子どもの養育費が一番かかる世代でお金の管理は必須。
さらに職場では責任ある立場になっている人も多く、知識や技能の習得を面倒くさがって避けている場合ではありません。
特に男性は、加齢とともに新しい人間関係を構築するのが難しくなりますが、これも深刻化の要因です」
 また石田氏は「情弱であることは人生のリスクをも高める」と指摘。
「日本人の平均寿命は近いうちに100歳を越えると言われています。
仕事もナシ、貯金もナシ、友達もナシで80歳になってもまだ死ねない。
死ぬよりつらくても生きていかなくてはならないんです

 そこで、編集部が作成した「あなたが情弱かどうかわかる」チェックシートが以下である。

【情弱行動チェックシート】
・会話中の意味不明な語句をわかったふりでやりすごしたことがある
……会話中でわかったふりをするくらいならその場で質問するべき。情弱は後で調べないままでいることが多く、知識も増えない
・銀行の引き出し手数料が週1回以上かかる
……1回あたり数百円以下だからと、安易に手数料を払いがち。
そもそも1か月の間に必要になるお金が計算できていない
・糖質制限に失敗したことがある
……はやりに乗るだけは乗るが、本格的に学ぶわけでなく中途半端な知識によるあくまで自己流。
問題点なども把握していない
・平日のランチで10分以上並んだことがある
……よほどの価値がある場合を除いて、惰性で並ぶのは情弱。
並ばない店も他にあるはず。
せめて待っている時間を読書などで有効活用したい
・財布がレシートなどでパンパン
……情報の整理整頓ができておらず、必要なときに必要なものを取り出せない。
同様にカバンに今日必要ない書類を入れたままにしている人も

 5/23発売の週刊SPA!に掲載されている特集『[情弱な人]の意外な共通点45』では、上記の【情弱行動チェックシート】にある5項目すべてにYESと回答した人を“情弱エリート”と認定。
情弱エリート100人が職場や日常生活でどのような行動をとっているのか徹底検証した。
果たして、情弱エリートたちに共通する言動とは? また、どうすれば情弱体質から抜け出せるのか?
 この記事を読んでいる人で、上記の【情弱行動チェックシート】に一つでもYESと回答した方は、どうか面倒くさがらずこの特集を本誌でご一読ください。

【石田 淳氏】
行動分析学者。ウィルPMインターナショナル代表。
行動分析学の第一人者として人材マネジメント手法を提唱する。
著書に『100歳時代の人生マネジメント』(祥伝社)ほか
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2017年05月28日

うつ病「休職」の診断書を乱発!? 問題の本質は「逃げ道」の選択肢がないこと

うつ病「休職」の診断書を乱発!?
問題の本質は
「逃げ道」の選択肢がないこと
2017.05.27 ヘルスプレス 

文=里中高志

 がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病と並んで、厚生労働省が定める「5大疾病」のひとつにあげている精神疾患。
特にうつ病患者の増加と、それによる「会社の休職」は深刻な社会問題となっている。

 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査では、うつ病などメンタルヘルスの不調を感じている人の「13.3%」が休職している。
もはや、どの職場でも、ひとりやふたり、時には数名のうつ病休職者がいるのは、当たり前の光景になっている。

 このうつ病休職をどう捉えるべきか。
その問題の本質に踏み込んだ問題提起をしているのが、最近発売された『うつ病休職』(新潮新書)である。 
 この本の著者であり、沖縄でクリニックを開業している中嶋聡医師の主張は、「現在の精神医療の現場において、うつ病休職が必要という診断書が、あまりに安易に乱発されている」ということにある。
 本書の冒頭では、皮肉を込めて「うつ病休職の診断書をもらう方法」を指南するのだが、その内容は、「なるべく若い医者がやっていて、心療内科と内科を標榜していて、さらに、できれば同僚に深刻そうに見えないけど休職している人がいたら、その人と同じクリニックに行く」という具合だ。

「抑うつ反応」は病気ではない?
 中嶋医師は臨床の現場で、本当にうつ病かどうか疑わしいにも関わらず、「うつ病のため休職が必要」という診断書を求める人の多さに苦言を呈しようとする。
 同医師からすると、診断書問題とは、すなわち病気になることで利益を得るという「疾病利得」に属するものであり、苦しいときに少しでも楽な道があればそれを選ぼうとする気持ちが、診断書の要求につながっているのである。
 そこには、問題が起きそうになるとそこから回避するため診断書をもらってくるよう従業員に指示する会社の事情や、診断書をもらうことで時には「傷病手当金」や「障害年金」まで得られるという経済的事情もからんでいる。

 中嶋医師は「うつ病ではないか」と診断書を求める人に、「抑うつ反応や心因反応、さらには疾病性なし」といった診断を下すことも多い。

休職したいがための方便として、診断書が求められているというのだが――。
 本人としてはまぎれもなく体調が悪くなっていたり、上司との関係や深夜にまで及ぶ労働に苦しめられているのだから、それをあたかも「詐病」のように否定するのは、患者に冷たすぎるのではないか、という気がしないでもない。
 また、中嶋医師は有名な労働裁判のケースに関しても、「うつ病」ではなく「抑うつ反応」だという見立てを示している。
これを見ると、同医師の考えるうつ病は、かなり定義が狭い範囲に限定されている印象を受ける。
 「病気」と「苦悩」は別物であり、抑うつ反応は苦悩であって病気ではないというのが中嶋医師の見解だ。

残業が100時間、200時間は労働問題
 本書を読んでいけば、その問題意識は、「抑うつ反応」という診断が下されるべきケースがあまりにも多いのに、「うつ病」と診断されていることにあることがわかる。
 そして、「労務上の問題による不具合」をすべてうつ病に転嫁して診断書を出して休職しても、いつまでも本質は解決しない、と。
毎月の残業時間が100時間とか200時間というのは、うつ病かどうかという精神医学上の問題というよりは、労働問題なのである。

 患者本人としては、そうはいってもつらいのだから「お前はうつ病じゃないと言われても……」と思うかもしれないが、
「安易に休職しても職場の問題はいつまでも変わらないですよ」ということを中嶋医師は主張しているのだろう。

「休職という逃げ道」しか
   選択肢がないことが問題だ
 現在、休職と復職を繰り返し、一見元気そうに見えても、いつまでも職場に復帰できない人が増えているようだ。
 しかし、問題は休む方法が休職しかないという「0か100」かの労働環境にもあるように思える。
休職という逃げ道を選ぶ前に、「無理なく働けるように環境を改善するべき……」というのは簡単だが、さりとて職場の雰囲気や慣行を変えるのは、決して簡単なことではない。

 働くことが苦しくても、働かないわけにはいかない……。
そんな堂々巡りから逃げ出すためには、「『休職が必要』という診断書をゲットするしか方法がない」という企業社会の現状が、あるいは問題の本質のようにも思える。

里中高志(さとなか・たかし)
精神保健福祉士。フリージャーナリスト。
1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。
大正大学大学院宗教学専攻修了。
精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。
メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。
著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。
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2017年06月01日

 リボ払い&オートチャージ貧乏とは?

松崎のり子「誰が貯めに金は成る」
リボ払い&オートチャージ
「貧乏」が危ない…
急増する「見えない出費」の罠
2017.06.01 Business Journal

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

 春からの花見に歓送迎会、大型連休とイベント続きの時期からホッと一息、「あとは夏のボーナスまで、じっと緊縮財政モードで行こう」という人は少なくないのではないか。
 とても、「プレミアムフライデーに気前よく消費」とはいけそうにない。
しかし、こんな時期だからこそ、注意したいものがある。
それが「見えないお金」たちだ。

 見えないお金とは、キャッシュレス、つまり現金を見ないでやり取りされる支払いのことを指す。
これは、意外と多い。
口座引き落とし、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネーなどが挙げられる。
スマートフォン(スマホ)のアプリを通じた支払いも可能になってきているので、今後はますます現金を見ない取引が増えるだろう。
 さらに、フィンテックによる金融サービスが拡大し、個人間送金アプリも増加中だ。
飲み会の割り勘代金がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて請求され、クレジットカードやプリペイドカードなどで支払う。
受け取った代金も財布の現金とは別枠になり、これまた見えないお金のまま管理されることになる。

 筆者は、このようなアプリで代金の請求をされたことはまだないが、ITリテラシーが同じレベルでの飲み会でないと、割り勘するにも難しい時代がやってきそうだ。

手数料15%…
カードのリボ払いは回避が賢明
 お金が見えないということは、いくら払っているかの意識が希薄になるということだ。
財布に1000円しかなければ2000円の物は買えないが、クレジットカードやデビットカードがあれば買えてしまう。
そして、決済元の口座からは財布の中身を上回る2000円が消えていくわけだ。

 お金の専門家が口をそろえて「NO」と言うリボ払いはもっと問題で、いくら使っても毎月の引き落としが一定額のまま続く。
引き落としは、カードを使い続ける間はずっと続く可能性すらある。
最近では、「リボは悪質だ」と言われ続けたせいか、初期設定がこっそりリボ払いになっているカードもある。
 ポイント還元率などのサービスにひかれて新たに契約したカードが手元に届いたら、支払いの形式を確かめたほうがいい。
もしリボ払いになっていたら、カード会社に問い合わせて通常の回数払いに変更してもらう手続きが必要だ。
 なんとも面倒だが、そのままでは年率15%もの手数料を取られるはめになる。
これほど手数料を払ってもらえるなら、たとえポイントを5倍にするサービスを行っても、カード会社は痛くもかゆくもないだろう。
企業は自分たちが損する仕組みはつくらないのだ。

 分割でカード払いにしたいのであれば、手数料がかからない2回までがおすすめだ。
「2回では支払額が多すぎて無理」という場合は、素直にお金が貯まるまで待つか、手数料を払う痛みを感じつつ3回までにしよう。
 回数が増えれば増えるほど、手数料は上がる。某大手カードのサイトによると、3回払いで12%、5回で13.25%、10回で14.25%(実質年率)。
繰り返すが、リボ払いは15%(それ以上の場合もある)。
見えないお金の落とし穴は、こんなところにもある。

電子マネーのオートチャージは
           節約の天敵  
 それでも、クレジットカード払いはまだいい。
一応、使用した際にはレシートや控えを受け取れるからだ。
そうしたお金の流れすら見えないのが、電子マネーのオートチャージだ。
 交通系ICカードの電子マネーや流通系の電子マネーなどで、一定の残高を下回ると自動でクレジットカードを通じてチャージされる設定にしていると、「何に使ったか」という意識もなくクレジット払いに計上される。
 自動販売機のお茶やコンビニエンスストアでの軽食など、クレジットカードで払うには少額すぎる買い物も、電子マネーならハードルが低い。
しかし、チャージ金額の合計だけがクレジットカードの明細に記載されるため、それを見ても何を買ったのか思い出せない。
まさに、お金のブラックボックスだ。

 使うお金が見えなくなると、「節約しよう」という意識は低くなってしまう。
もっともいいのは、頑なに現金以外は使わないことだが、そうもいかない。
「節約になるから、ポイントやマイルを貯めたい」という人もいるだろう。

そこで、見えないお金の使いすぎを防ぐという視点で対策を考えてみた。

「見えないお金」で大損しないための
            浪費防止策
【カード決済の引き落とし口座と生活のための口座を分ける】
 給料が振り込まれる口座と分けて、カード払いをしたら請求月まで待たずにその金額を即入金する。
しかし、そのお金が手元にない場合もある。
そういうときは、カード用口座の通帳に使った金額の合計を記入しておき、次の給料日にその代金を取り分けて入金しておく。

【口座を分けられない場合は、封筒にカード払い用の資金を取り分けておく】
 カード専用口座を持つと管理が面倒な場合や、同じ口座でないといけない理由があるなら、アナログだが、封筒を用意してカード払いで使った金額を取り分けておく。
そして、引き落とし日の前に必ず入金する。

【請求明細を熟読する】
 クレジット払いにしているスマホのアプリ課金や、利用料金と合算した支払いは、現金取り分け方式が難しい。
見えないまま払い続けるのは怖いので、せめて請求明細をじっくり見よう。
コツは、最初に合計金額を見て、それから内訳を見ること。
「こんなに払うのか」というショックを受けてから内訳に進むと、何に多く使っているかに意識が向くため、節約すべき項目を見つけやすいだろう。

【オートチャージはやめるしかない。チャージは現金で行おう】
 現金がなくても買えるというのは、一見便利だが、実態はカード会社からのお金の借り入れだ。
借りたお金は返さなくてはいけないし、うっかり返済し忘れが続けば、あなたの信用情報に傷がつくことにもなる。
 我々は収入以上の金額は使えないし、使う額を収入より少なくしなければ貯蓄はできない。
当たり前だが、その原理原則を巧みにぼやけさせるのが「見えないお金」だと肝に銘じたい。

( ●松崎のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト。
生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。
「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。
また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。
著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
Facebookページ「消費経済リサーチルーム」

ニュースサイトで読む:
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2017年06月06日

 やめられない万引きは「孤独」が原因

窃盗症(クレプトマニア)の
多くが高齢女性! やめられない
「快感」の原因は「孤独」
2017.06.05 ヘルスプレス(里中高志)

 平成28年版の『犯罪白書』によれば、「窃盗」は認知件数において刑法犯の7割を超える、最もケース例の多い犯罪で、その件数は年に80万件を超えている。
 そのうち「万引き」が占める割合は14.5%であり、これは近年、減少傾向にあるというが、相当に高い割合であることは間違いない。
万引きをしては捕まって刑務所に入り、出所してもすぐまた万引きをして刑務所に再び入る──。  このような「常習累犯窃盗」と呼ばれる人も多く、深刻な社会問題になっている。

「窃盗症(クレプトマニア)」とは
どのような病気か?
 こういった人は単なる「軽犯罪者」ではなく「窃盗症」という疾患を患っているとも考えられる。
「窃盗症」は別名「クレプトマニア」とも言うが、これはどのような病気なのだろうか?
 東京で唯一、窃盗症(クレプトマニア)のための患者のための専門外来がある「大森榎本クリニック」の精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんはこう話す。
 「クレプトマニアは、国際的な診断基準である『DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)』や『ICD-10(国際疾病分類第10版)』にも記載されている世界共通の疾患です。

世界や日本にどのくらいの患者数があるかというと、しっかりしたデータはありません」
 「日本の窃盗犯事例のうち、クレプトマニアに該当する数の推計もなかなか難しいのが現状です。
しかし、平成27年の犯罪白書では、万引きで検挙された者のうち窃盗の前科をもつ者は20%を超えています。」
 さらに斉藤氏は、その「診断基準」について以下のように補足する。
 「診断基準としては、『DSM-5』には個人的に用いるためでもなく、またその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される
窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり』『窃盗に及ぶときの快感、満足、または解放感』などの項目が掲げられています」
 「ただし、現実には盗んだ品物をまったく自分で使わないということはなく、この『個人的に用いるためでもなく』という箇所はやや厳密にすぎるきらいがあり、実際の臨床場面での診断はもう少し柔軟に行なうべきだと我々としては考えています」

患者の半数以上が50代以上の女性
 斉藤氏によれば、万引きにもいろいろな種類があり、必ずしもそのすべてが窃盗症(クレプトマニア)に該当するわけではなく、特に生活苦によるものや転売目的のものはその範疇ではない。
 窃盗症(クレプトマニア)に該当する人は、金銭的な価値のためでなく、衝動的にスーパーやコンビニで商品を盗むことを繰り返すのがその特徴だという。  「取った瞬間は快感や達成感を覚えるのですが、その快感はあまり持続しない。
家に帰って商品を見たら、なんでこんなものを取っちゃったんだろう、と感じるようです。
それでも、逮捕されなかったらずっと続けていただろう、という人がほとんど」

 「実際に当クリニックの患者さんは、刑事手続きの段階で窃盗が繰り返していることがわかって担当の弁護士から紹介された人が多い。
当院を受診して、初めてクレプトマニアという病気を知ることになります。
このタイミングで治療が始まるのが特徴的です」

 そして、その年齢層・性別であるが、大森榎本クリニックの受診者のデータを見ると、50代以上が半数で、女性が半数以上の53%を占めている。
全体的には65歳以上の女性の割合が多くなっているのが特徴だという。

 「当院にも女性の高齢の方が次々と来るのですが、見た目や服装、話し方も上品で、『なんでこの人が万引きを?』と不思議に思うような人たちが多いです。
共通する傾向としては、ご主人を亡くされるなどの喪失体験を経験した後に万引きが始まっているケースが少なくない、ということ
 「75歳くらいでご主人に先だれたものの、遺族年金で生活にゆとりはあり、お子さんもお孫さんもいる――そんな人が万引きで捕まり、家族がビックリするケースもあります」

高齢の女性が万引きに走るのは
「孤独」が原因  
なぜ、高齢の女性が万引きに走るのか。
斉藤氏は、そのキーワードは「孤独」だと話す。  
「それまでまったく万引きなどしたことがなかったのに、50代を過ぎて突然始まるというケースが多い。
そのきっかけとして一番多いのが、パートナーとの死別や離婚なんです」

 「<寂しいから万引きをする>という深層を分析するのは、なかなか難しいことです。
ただ言えるのは、そこに<失ったものを取り返す>という意味合いがある。
そして、万引きで捕まることで、連絡が途絶えていた親族と触れ合う機会が生まれる――。
このことをどこまで自覚しているかは分からないが、結果的に患者の孤独感は一時的に癒されます」

 万引きで捕まり、刑事手続きの過程で、初めて医療や福祉サービスにつながる人も少なくない。
 話し相手もおらず、行く場所もない孤独が、高齢女性を万引きに走らせるのだろうか……。
孤独から逃れる唯一の手段が、万引きだということだとしたら、あまりにも寂しい老後の風景ではある。
 日本の高齢者を支えるコミュニティや人とのつながりが、それだけ途絶えてしまったということなのかもしれない。
(取材・文=里中高志)

斉藤章佳(さいとう・あきよし) 
大森榎本クリニック精神保健福祉部長。
アジア最大規模といわれる依存症施設「榎本クリニック」(東京都)で、精神保健福祉士・社会福祉士としてアルコール依存症を中心にギャンブル・薬物・摂食障害・性依存・虐待・DV・クレプトマニアなどのアディクション問題に携わる。
大学や専門学校で早期の依存症教育にも積極的に取り組む。
講演も含め、その活動は幅広くマスコミでも取り上げられている。
著者に『性依存症の治療』(金剛出版.2014)、
『性依存症のリアル』(金剛出版.2015)その他論文多い。
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2017年06月10日

スラム化する郊外とマンションの「現在」…高齢者と空き住戸だらけで修繕もできず

スラム化する郊外と
マンションの「現在」…
高齢者と空き住戸だらけで修繕もできず
2017.06.10 Business Journal

文=牧野知弘/オラガ総研代表取締役

 野村総合研究所の予測では2033年には日本国内の空き家数は2000万戸を超え、空き家率は30%を超えるとされる。
一般的には空き家率は30%を超えると急速に治安が悪化し、環境悪化を嫌気した人々が、地域から脱出を始めるといわれている。

 つまり、日本は国全体が30%という「限界値」を超える異常事態になるのだ。
ということは、おそらくこの頃には日本の多くの地域社会が崩壊の危機に晒されることになる。

そしてこの崩壊は、地方の中山間地域から始まり、都市郊外部、そして都心部へと広く、深く「病が広がる」かのように蝕まれていくことになる。
 首都圏の不動産価格は、アベノミクス効果で全体が上昇しているかのように報道されているが、実態は異なる。
実は、首都圏郊外の不動産価値は、急速に下げ足を速めているのだ。
首都圏郊外部で育った年齢も若くてバリバリ働ける人たちは、都心部に生活拠点を移し始め、地域に残されるのは高齢者ばかりになっているのが現状だ。

 首都圏でも千葉県や埼玉県の郊外や、船橋や松戸といった中核都市でも駅からバスで行くような、昔「ニュータウン」と呼ばれた住宅地の中古価格は、マンションで「くるま一台分」(250万円から300万円)、戸建てでも1000万円を大きく下回るような「暴落状況」になっている。  

平成バブルの頃はおそらく4000万円から5000万円くらいはしたであろう物件の価値が、10分の1程度にまで縮小しているということだ。

  地域社会との接点が希薄
 残念なことに首都圏郊外のニュータウンと呼ばれた多くの地域は、1970年代以降に開発された新しい街で、地域に根差した文化や伝統といったものは存在しない。
住民の多くは、元サラリーマン。
家と会社との間を往復するばかりで、地域社会との接点が希薄だった人たちだ
 家は核家族が中心。
祖父母などが同居しているケースは稀で、両親と子供たちだけという二世代だけのものが中心だ。

 地域社会としては、住宅が分譲された同時期に一斉に入居した、ほぼ同じ年代、同じ経済状況の人たちばかりだ。
初めのうちは若くて活気があふれていた街も、住民は一斉に歳をとり、街中から子供たちの声は消え、高齢者ばかりのひっそりとした街になる。
子供たちはすでに学校を卒業し、都心部の会社に就職し、会社から近くの都心居住を選択している。
夫婦共働きが当たり前の現代。
子供を保育所に預けて都心まで1時間半以上もかけて通勤するなどという生活スタイルは、そもそも「あり得ない」のだ。
 また、彼らは自分たちが育った都市郊外部に対してあまり愛着を持っていないのが特徴だ。
当たり前である。
小学校くらいまでは地元の学校に通っていた彼らだが、地域の公園で遊んでいたのは小学校低学年まで。
高学年からは連日の塾通い。
ひたすら学校と塾と家との間を往復するだけの生活は、父親のそれとあまり変わりがない。
親たちの故郷像にある、小鮒を釣った川もなければ、兎を追った野原もないのだ。
 彼らが経験したのは、私立中学に合格したのち、やはり父親と同じように電車に乗って、学校と家との間をひたすら往復するだけの生活だ。
地域社会に溶け込む余地など、もともと残されていないのだ。

このようにまったく地域に対して「無関心」で育った子供たちは、都心居住を選択したのちは、自分たちが「育ったはず」であるニュータウンには戻ってはこない。
そもそも地域に対する愛着など欠片もないからだ。
 子供たちがまだ小さかった頃には、サラリーマンの父親のなかでも少しは元気があった人たちが、盆踊りを催して壇上で太鼓をたたき、お祭りや食事会などを企画し、地域社会の絆をつくろうとしてきたが、それも今は昔。

 地域に残された人たちが高齢者ばかりになると、なんだか活気がなくなり、お祭りに集まる人たちも急速に減ってしまう。
そのうちみんな億劫になって家に引き籠もるようになる。
ただでさえ、新たに開発された土地で、伝統も文化もない地域だ。
集まってきた人たちの「出自」もさまざまである。
職業はほとんどがサラリーマンで、何か特殊な技能や能力があるわけでもない。

 もともとサラリーマンという種族は、会社以外の人生というものを味わったことのない人たちだ。
会社の「役職」だけが自分を表現する手段だった彼らにとって、言うことを聞いてくれない妻や子供に加えて、いまだかつて「触れて」もこなかった地域社会の人たちと交わり、今さら新たな自分を再構築していくことはなかなかにして困難な作業といわざるを得ない。

 子供たちが「後を継ぐ」わけでもなく地域社会から次々と櫛の歯が抜けるように去って行ってしまった地域では、地域の絆を保つ術がどこにもないというのが実態なのだ。

老朽したマンションの実像
 空き家といえば戸建て住宅ばかりを思い浮かべがちだが、マンションになると事態はさらに深刻だ。
マンションの多くは区分所有という権利形態だが、この形態が曲者だ。
分譲時点では多くの所有者は同じような経済状態、家族構成だったものが、時代の経過とともに変化する。
子供たちは家を出て、やはり親の元に戻ってはこない。

 戸建てに比べ、マンションは近所づきあいにあまり気兼ねしなくてよいと考えて入居した人が多いはずだ。
しかし建物も老朽化して、いざ大規模修繕や建替えを考えなければならない時点に至って、人は初めて、これらの決断に際して、他の区分所有者と真剣に向かい合わなければいけないことに気づくのだ。
 分譲当時はマンション住戸の多くに所有者が住んでいたものが、賃貸に拠出していたり、親が亡くなってそのまま空き住戸になっている住戸も目立つ。
なかには寝たきりの状態の高齢者の単身世帯まで出現しているのが、老朽化したマンションの平均的な実像だ。

 ここでマンション全体として「何か」を決めようとしても、区分所有者同士の意見を集約することは非常に難しくなってしまう。
管理組合総会でも住民エゴがまともにぶつかり合い、物事を決められない。
空き住戸が増えて管理費や修繕積立金が思うように集まらなくなるにつけ、マンションから逃げ出す住民も増え始める。
ひとりだけ優等生を演じても、マンションは区分所有者全員の協力を得ていかなければ、実質は何事もスムーズに決まっていかないという性格を抱えた、実に「やっかい」なコミュニティーなのだ。

 マンションというコミュニティーの崩壊だ。
マンションはいわば建物内でのひとつの地域社会でもある。
ひとつひとつのマンション内での地域社会の崩壊がやがて地域全体の崩壊につながっていくことは容易に想像できるだろう。
 地域社会が崩壊していくことは、スラム化への道でもある。
空き家や空き住戸には不法滞在の外国人や不逞の輩が巣食い、地域は不法地帯へと変貌を遂げていく。
これまでこうした光景は遠い外国での話で、自分たちは関係がないと思ってきた我々日本人も、遠くない将来、こうした事態に確実に直面することになるのである。

 日本社会は今、急速に「二極化」している。
「富める者」と「困窮する者」への二極化だ。
地域社会の崩壊は、これまで地域を支えてきた中間層が衰退し、大多数の困窮者が空き家や空き住戸に巣食い、地域ごとスラム化する危険を孕んでいる。
 多くの地域社会が崩壊を始める日本で、「家」というひとつの地域社会の単位が今危機に晒されているのである。

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2017年06月13日

死なないための病院の選び方

新見正則「医療の極論、常識、非常識」
医者が教える、
死なないための病院の選び方…
病院ランキングは信用NG?
2017.06.12 Business Journal

文=新見正則/医学博士、医師

今回は病院の選び方に関するお話です。
極論君”は、
「大きな病気に罹り、特に手術を要するような病気になって、それを治療する病院を選ぶことはとても重要なことだから、インターネットや本、週刊誌などの情報を最大限に利用して選ぶ」という主張です。

常識君”が質問します。
「『○○に強い病院』『××疾患ベスト100病院』などという情報を、大いに大切にするということですか?」
極論君の意見です。
「そうです。少しでもいい病院にかかりたいのです。
日本はフリーアクセスですから、アメリカなどと違って保険によって病院が制約されることはありません。
どこの病院にもかかれる権利を持っているのですから、一生懸命によりよい病院を探すのです。自分の命のためです」  

そこで、“非常識君”が質問します。
「何を材料に選ぶのですか」  

極論君のコメントです。
「いい病院として載っている病院から選ぶのです」  

常識君のコメントです。
「日本でもたくさんの病院ランキングが出ています。
しかし、どれも情報量が少ないです。
客観的な資料は手術数ぐらいです」  

非常識君の意見です。
「確かに、何を根拠にいい病院を選んでいるかが明確ではない資料が多いですね。
手術数以外も考慮しているものは、とても少ないです。
手術数が多い病院は確かに少ない病院よりも、その手術に関しては秀でている可能性は高いのです。
しかし、ある程度以上の手術数があればそれで十分とも思われます。
多くの病院が年間に100例以上手術をしている一方で、10例しか行っていない病院で手術を受けたいとは誰も思わないはずです。
誰もが問題外と思うような病院を除いて、その後にランキングすることはとても難しいと思います」

手術数をもとに適当にランキング?  

常識君のコメントです。
客観的な情報でしかランキングは作成できないでしょう。
手術数以外で客観的なことは、手術時間とか、出血量とか、合併症の頻度とか、手術後の死亡率とか、専門医や指導医の数なども実は客観的なデータになります。
また入院日数なども評価項目に入れることも可能です。
しかし、そんなデータをあまり見たことはないでしょう。
 また、病院全体のランキングであれば、医療従事者の数とか、それぞれの医療職の平均在職年数とかも客観的なデータになりますね。
訴訟の数なども実は役立つかもしれません。
そんなデータを元にしてのランキングは、実は存在しないのです。
ある程度問題外の病院を省いて、そしてその後は基本的に手術数をもとに適当にランキングされていることがほとんどでしょう」

極論君の意見です。
「そうであれば、やはり手術数が多い病院を選ぶことが必須ですね」  

常識君のコメントです。
手術数を基本にして選ぶことは間違ってはいないと思います。
しかし一番大切なことは地理的なものだと思いますよ。
つまり自宅から近い病院がやはり最初の選択肢になるはずです
まず、自分が通える範囲を決めて、そこからインターネットや本などでよさそうな病院を見つけてはどうでしょうか」

本当に良い先生  

非常識君のコメントです。
「僕が大切にしているのは、医療従事者が病気になったときにどこの病院を選ぶかです。
医療に詳しくない人がいくらランキングをしても、無意味に思えるのです。
僕はかかりつけ医の意見を最大限に尊重しています。
そして、その先生が同じ病気になったときに選ぶ病院を聞いて、その病院の世の中での評判を知るためにインターネットや本、週刊誌の情報を参考にします」

常識君の意見です。
「確かに医者が、自分が病気になったときに選ぶ病院ランキングなんていう本があると、信憑性が高いかもしれません」  

非常識君の意見です。
「医者といっても、その病気について専門家でない医者が選ぶランキングでは説得力に書けます。
最良のランキングは、専門医がその病気になったときにどの病院に行くかですね」  

常識君の意見です。
セールスの人でも、自分が欲しい商品を売ることができる人は幸せですね。
車の販売でも、本当は他社の車のほうが優れていると思うのだけれども、自社の車を売ることが商売だから致し方なく、それを売っているという光景も目に浮かびます。
本当に何が最良なのかは、実際に携わっている人の心のなかにだけあるようにも思えます。
それを客観的な土俵でランキングするのは、やはり無理があるように思えます」  

非常識君の意見です。
大きな病院の先生が、自分の病院以外を勧めてくれたときは、本当によい先生なのではないでしょうか。
車の販売でいえば、『そのカテゴリーの、そしてあなたの希望に添う車は当社のものではなく、○○の会社の××がいいと思いますよ』なんて言ってくれる営業担当の人は、相当信頼できますよね」  

非常識君が妙に常識的なコメントになりました。 

新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ 1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年〜 慶應義塾大学医学部外科 1
993〜1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年〜 帝京大学医学部外科に勤務

幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。
著書多数。
なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院(*小だぬきの内科・精神科通院病院)で受診してください。
大学病院は紹介状が必要です。

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2017年06月26日

雨の日の体の不調 「梅雨疲労」解消は5つのリセット法で

雨の日の体の不調
「梅雨疲労」解消は
5つのリセット法で
2017年6月25日 日刊ゲンダイ

 九州から関東、北陸にかけては梅雨本番。
雨の日が続くと、何となく憂鬱だ。
なぜか。
「雨をもたらす低気圧のせいです。
体への圧力がいつもより低下して、血管やリンパ管が膨張。
血液やリンパが滞るため、むくみやすい。
暑いのに何となく冷えるのもそのためです」
 こう言うのは、ストレスケア・カウンセラーで「あなたの人生を変える雨の日の過ごし方」(文響社)の著者、美野田啓二氏だ。

低気圧だと、自律神経が副交感神経優位になりやすいとも言う。
「そうすると、体が休息モードになるため、仕事などで頑張りたいのに、体が動かしにくく、ダルくなるのです」
 だから体を休めたくなるのだが、そうもいかない。
社内を見渡すと、デキる人は“雨鬱”を感じていないのか、テキパキ動いていたりする。
ダルい気分を解消して、梅雨疲労をリセットする方法はないか。
美野田氏に聞いた。

■朝はベッドで手足ブルブル
 梅雨疲労で気分が重い時は、無理に起きる前にやることがある。
「あおむけの状態で手足を天井に向けて上げ、ブルブル揺らすといい。
交感神経が刺激されて目覚めが良くなるほか、血液やリンパの流れが改善。
むくみや冷え性にも効果的です」

■喉が渇いたらエスプレッソW 
「雨の日に感じやすい頭痛は、低気圧によって頭の血管が膨張するのが原因です。
そんな時は血管を収縮させる作用の高いカフェインを多めに取ること。
目安は1日300ミリグラム。
エスプレッソコーヒー約2杯分です」
 玉露でもいい。
カフェイン含有量は1杯で180ミリグラムだ。

■耳栓&アイマスクで昼寝する 
 疲れがたまると、視野が自然と狭くなる。
「目から入る情報を制限し、脳を刺激から守ろうとするのです。
突発性難聴の原因の一つに、ストレスになる音を遮断し、脳を守ろうとするためという説もあります。
雨の日は、ストレス源となる情報コントロールが鈍りがちなので、耳栓やアイマスクで情報をシャットアウト。
脳と自律神経が休まります」
 昼休みに耳栓とアイマスクで昼寝すれば、午後はスッキリ仕事できる。

■外回りは大股歩きか階段1段飛ばし
 自律神経のバランスを副交感神経優位から交感神経優位に切り替えるには、歩き方の工夫を。

「身長の半分くらいの歩幅で大股に歩くのです。
お尻の大臀筋や太ももの大腿四頭筋、裏もものハムストリングス、ふくらはぎの下腿三頭筋が連動して動くため、大臀筋からさらに腹部や背中の筋肉なども刺激されます。
それらの筋肉は、体を支えるのに必要な抗重力筋で、筋肉の刺激が脊髄から脳に伝わることで、交感神経優位になって頭がシャキッとするのです」
 雨の中はちょっとという人は、階段を1段飛ばしで上るのもいい。

■晩酌のツマミはバンバンジー
 鶏や豚の肉、カツオやマグロなどの赤身には疲労軽減物質イミダペプチドが多く含まれている。
「特に多いのが鶏のムネ肉。100グラム当たり1223ミリグラムと、2位の豚ロース肉(928ミリグラム)の1・5倍ほど。
安くてカロリーが低いのでお勧めです。
1日だけではダメなので、少なくとも1日100グラムを2週間食べ続けることです」
 晩酌のツマミはバンバンジーで決まりだ。
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2017年06月28日

「睡眠負債」の恐ろしさ 自覚症状ないまま脳にダメージ蓄積

「睡眠負債」の恐ろしさ 
   自覚症状ないまま
     脳にダメージ蓄積
2017.06.27 07:00 NEWSホストセブン

 毎日1〜2時間の寝不足が借金のように積み重なり、やがて“債務超過”に陥ると、がん、認知症などをはじめとする重大な疾病を発症させる。
それが「睡眠負債」だ。

脳神経科学などを専門とする枝川義邦・早稲田大学研究戦略センター教授が解説する。
「もともとは米国の睡眠科学の専門家が『Sleep Debt』という用語を提唱しました。
それが『睡眠負債』と直訳されて、近年は日本でも使われるようになってきた。
 たとえ毎日少しずつであっても、適切な睡眠時間を確保できていないと、脳の機能が衰えるなど体に深刻な問題が起きると警告する意味も含めた言葉です

 6月18日に放送された『NHKスペシャル』でも〈睡眠負債が危ない〜“ちょっと寝不足”が命を縮める〜〉と題してこの問題を大きく取り上げ、話題を呼んでいる。
 徹夜が健康に悪いのは直観的に理解できるが、ちょっとした寝不足に対して、あえて警鐘を鳴らす必要があるのだろうか。
前出・枝川氏は、「睡眠負債を積み重ねることは、むしろ徹夜よりも問題がある」と指摘する。

「2003年にペンシルバニア大の研究者らが行なった実験の結果から、そのことがよくわかります。
被験者を徹夜(3日連続)、4時間睡眠(14日間連続)、6時間睡眠(同)、8時間睡眠(同)の4グループに分け、脳の認知力を計るテストを毎日実施したところ、6時間睡眠を2週間続けたグループはテストの結果が徹夜明けの被験者と同程度になってしまったのです。
 つまり6時間の睡眠では“負債”がどんどん積み重なっていくわけです。
さらに問題なのは6時間睡眠の人には“寝足りない”という感覚がないことです

 徹夜した人間には、“生活リズムを改善しなければ”という意識が生まれるが、6時間寝ていると本人に自覚症状のないまま脳をはじめ体のあちこちにダメージが蓄積されていく。
そこに、睡眠負債の怖さがあるわけだ。
『Nスペ』にも出演して警告を発した睡眠評価研究機構代表・白川修一郎氏もこういう。
「睡眠と脳のはたらきの関係を調べた実験は数多くあります。
たとえば前夜の睡眠時間が4時間以下になると単純作業におけるヒューマンエラーが急激に増える一方、5時間睡眠が2晩連続になると、エラーは4時間以下が1晩の時と同じくらいに増えてしまうとする実験結果があります。
睡眠不足は『累積』してしまうのです
※週刊ポスト2017年7月7日号
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2017年07月05日

“1日1万歩で健康”のウソ 奇跡の「中之条研究」で判明

“1日1万歩で健康”のウソ
奇跡の「中之条研究」で判明
2017.07.04 NEWSポストセブン

 仕事は毎朝5時に始まり、夜9時過ぎまで接客、掃除、配膳、スタッフ指導などで旅館内を歩き回る──。
 ある老舗旅館の77歳の女将の万歩計の数値は、毎日1万歩を大きく超えていた。
同年代と比べて、明らかに“健康的”な生活のはずだった。
ところが、ある日職場で転んだ拍子に足を骨折してしまう。
病院では、骨粗鬆症と診断された。

「1日1万歩で健康」というウォーキング推奨のキャッチコピーを地で行っていたのに、一体何が間違っていたのか。
実は“歩けば歩くほど健康になる”という常識は大間違いなのです。
万歩計に表示された歩数だけを見て、“1万歩以上だから大丈夫だ”などと安心していると、かえって健康を損なうリスクが生まれます」
 そう語るのは、東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利氏(運動科学研究室長)だ。  

青柳氏は2000年から群馬・中之条町に住む65歳以上の住民を対象にした大規模追跡調査を行ない、身体活動と病気リスクなどの関係を調べる研究を続けてきた。
冒頭の女将も、その「中之条研究」の対象者のひとりだった。
「1997年に留学先のカナダから帰国した際、日本では筋トレがブームになっていましたが、実際にどの程度の運動をすれば病気を予防できるかという客観的な指標がほとんどなかった。
そこで大規模な疫学調査を自力で始めようと考えました」(青柳氏)
 試験的に始まった中之条研究はスタートから17年が過ぎ、世界中の研究者から注目を集めている。

 同研究では中之条町で暮らす65歳以上の全住民5000人を対象に、運動や身体活動の状況、食生活、睡眠時間、病気の有無などを聞く詳細なアンケート調査を年に1回行なって、健康状態を綿密に調べる。
「こうした疫学研究で最も大切なのは、なるべく多くのデータを集めることです。
中之条は私の生まれ故郷で縁者が多く、協力をお願いしやすかった。
通常の研究におけるアンケートは郵送で回答率が低く、健康維持に意欲的な人の意見が集まりやすいなどのバイアスが生じますが、中之条では町役場の人が1枚ずつ住人に手渡しており、99%という驚異的な回収率を誇っています」(青柳氏)

 回答者のうち2000人に詳細な血液検査や遺伝子解析を実施。
また、全体の1割にあたる500人には、調査のカギとなる「身体活動量計」を着用してもらう。  身体活動量計はもともとクジラやイルカなどの生態研究に使われた装置で、加速度センサーを内蔵。
「歩数」だけでなく、運動の「強度」まで測定できる。
「従来型の疫学調査の手法に加えて、活動量計を携帯してもらったところがこの研究のオリジナルです。
入浴時以外は24時間365日、活動量計を腰に装着してもらい、長い人では17年間つけっぱなしです。
米国で発表すると、必ずといっていいほど“お前たちは宗教団体か”といわれます(苦笑)」(青柳氏)
 参加者は月に1度、指定の拠点に活動量計のデータを提出し、前月と比較しながら生活習慣についてのアドバイスを受ける。
 17年にわたる調査中に亡くなる住民もいるが、毎年、新たに65歳になった住民が加わって研究の規模を維持する。

 中之条町保健環境課(保健センター)の唐澤伸子課長はこういう。
「最初は少しずつ住民の皆さんに協力をお願いするところから始めました。
近年は、青柳先生の研究が進んで成果も形として見えてきたので、町としても調査結果を住民の皆さんの健康づくりに利用させてもらう取り組みを充実させようとしています」
 1つの町の住民全員を対象に365日、ほぼ全活動を長期にわたって追跡する研究は世界でも他に例がなく、海外で「奇跡の研究」と讃えられているという。

◆「8000歩、20分」の法則
 蓄積された膨大なデータからは、これまでの常識と異なる数々の知見が得られたという。
たとえば、青柳氏はこの研究によって「運動するほど健康になる」という認識が誤りであることを示す事例を数多く見てきた。
 冒頭の女将の例がそうだ。
1日1万歩以上でも骨粗鬆症になったのは、毎日の歩行の「強度」に問題があったからだと青柳氏はいう。
「女将は和服で一日を過ごし、宿泊客にうるさく思われないようにいつもすり足で、小股で音を立てないように歩いていました。
歩数は多いけど、息があがったりは絶対にしない運動の強度だった。
そうすると、どれだけ歩いても健康にはなれません。
彼女の場合は、常に館内にいて日光に当たらなかったことも骨を弱くした原因の一つです

 その反面、強度の高い「激しすぎる運動」も健康を害するとわかってきた。
「メタボ対策のため40代でトライアスロンを始めた男性は9度目の完走を目指すレース直前に太ももの内側やふくらはぎに違和感が生じて、手足がしびれるようになった。
診断の結果は動脈硬化。激しい運動によって発生した活性炭素が血管を傷つけ、修復が間に合わずに細くなった血管に大量の血が流れて詰まったことが原因です。
 このような激しすぎる運動で生じた活性酸素が遺伝子に傷をつけ、糖尿病や認知症、がんといった重い病気のリスクが増すこともあります」(青柳氏)

もちろん「運動をしないほど健康になる」ということではない。
 中之条研究で蓄積された膨大なデータから明らかになったのは「歩く“量”だけでなく“質”にも注意を払うべき」ということであり、
「歩数が多いほどいい、運動は激しいほどいい、という考えは誤り」だという新常識である。

※週刊ポスト2017年7月14日号
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2017年07月14日

<年金プア 不安の中で>60代夫婦 食費節約、香典も断る

<年金プア 不安の中で>
60代夫婦 
食費節約、香典も断る
2017年7月13日 東京新聞

 公的老齢年金の受給額が少ない高齢者の世帯には、支出を徹底して切りつめなければいけないケースも多い。
パートなどで働いても、生活資金の不足分を埋めるだけの収入を得られないことが多いからだ。節約を徹底している世帯の実情を聞いた。
(白井康彦)

 東海地方に住む六十代後半の男性Aさんは、妻と合わせて公的年金の年金額は月約七万三千円。
いずれもパートで働き、その収入は合計で月十二万〜十三万円という。
「家計簿をきちんと付けて節約を徹底する毎日です」。

Aさんが、年金関係の書類を見せながら説明してくれた。
「この先、パートを何年続けられるか不安です」
 自営で自動車関連の仕事をしていたAさんは国民年金加入者。
六十代の妻は一時、会社勤めをしていたが、厚生年金の加入期間は五年と短い。
Aさんは仕事がうまくいかず、五十代前半の時期に破綻。
一億円以上の借金を抱え、返済に追われた。

「その影響で今も貯金は約二十五万円しかありません」。
そのころは、夫婦とも年金保険料の支払いはできず、滞納期間は十数年。
その分、現在の受給額にはね返っている。

 古い二階建ての借家住まいで、家賃は月約六万円。
パート先への通勤は、二人それぞれが軽自動車を使っている。
二十六年前と十五年前に発売された中古車。
ガソリン代や自動車税で月平均約二万円ぐらいはかかる。

 そのほか電気代などの光熱費や携帯電話代が合計で約二万円。
国民健康保険や介護保険の保険料は月約七千五百円。
新聞代が三千円余り。
年金とパート代の合計収入から、固定的な支出を差し引いていくと、残りは九万円を割る。  

「このあたりは田舎なので、野菜や米を知り合いが持ってきてくれるのがありがたい」。
それでも食費は切りつめている。
朝食は主に、二人で食パン三枚だけ。
外食はほとんどせず、買い物はスーパーの安売り時間帯などを利用。

出費を極力抑え、「食費は夫婦で月二万円ほど」。
今の住まいに十年ほど居住しているが、近所の住民や親族らへの香典やお祝いなども断っているという。
 二〇一六年の家計調査によると、六十五歳以上の夫婦のみの世帯の平均支出額は、家賃などの住居費を除くと約二十二万五千円。
Aさん夫妻は多くて約十四万円なので、約八万五千円も平均レベルより低い暮らしぶりだ(図参照)。
年金プアー.jpg
「夫婦でいろいろ話し合いながら節約しているので乗り切れている。もし一人になったらどうなるのか。今後のことを考えると、とても不安です」

◆支援団体が食料品配布
 年金プアの世帯は多いが、自治体や貧困者支援団体が支援活動を行うには工夫がいる。
具体的な支援策がほとんどない上、対象者も見つけにくい。
 賞味期限に近いなどの理由で市場に流通させられない食品を企業から譲り受けて生活困窮者らに無償提供しているフードバンク団体「神奈川フードバンク・プラス」は六月十三日、年金生活者が多い神奈川県内の古い公営団地で、食料品の配布を行った。

十五日が年金受給日のため、その直前に行えば、多くの人が集まるのではと考えたという。
事前にチラシを配布したこともあり、食料品を運ぶ軽トラックが到着する前から行列ができ、約百六十人もの住民が受け取った。
 「古い団地なので、年金受給者は多いと思ったが、反響は予想以上」と理事長の本岡俊郎さん(70)。
「こうした支援を今後も続けていきたい」と話した。
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2017年07月15日

在来種vsヒアリの上陸決戦 “アリにはアリ”はありなのか?

在来種vsヒアリの上陸決戦
“アリにはアリ”はありなのか?
2017年7月14日 日刊ゲンダイ

 さながらヒアリ・パニックの様相を呈してきた。
5月下旬に国内で初めて見つかってから、これまでに東京、大阪、兵庫、愛知の1都3県で、計6件が確認されている。
 外来の“殺人アリ”の到来に戦々恐々となるのも無理はないが、ネット上では、既存の昆虫が“返り討ち”にしてくれるのではないか――と話題になっている。

 ネット上でヒアリの“天敵”候補として紹介されていたのが、在来種のクロオオアリとサムライアリだ。
これらのアリは本当にヒアリに対抗できるのか。
「人と自然の博物館」(兵庫)の研究員がこう指摘する。

「フロリダの先行研究によれば、在来種のいる土地にヒアリの女王アリを放ったところ、放たれたヒアリのうち、120日間生き延びたのは0・5%という結果があります。
アリの天敵はアリなのです。
在来種がいることによってヒアリの定着率が下がることはあり得ます。
『ヒアリが在来種を駆逐する』という定説がありますが、最近の研究の事例を踏まえれば、必ずしも正しいとは言えません。
むしろ、下手に人間の手を加えて、薬などで駆除しようとすると、在来種もその犠牲になるでしょう。
そうなるとヒアリ対策の意図とは裏腹に“ヒアリさん、いらっしゃい”みたいなことになりかねません。

ただ、現時点では、在来種がヒアリに対抗できるかは分からない、というのが正直なところです」
 ちなみに昆虫ではないが、アリクイVSヒアリはどうか。
「アリクイは働きアリを主に食べるので、女王アリを食べない限り、根本的な解決にはつながりません」(研究員)
 本格的な上陸はまだ確認されていないが、仮に営巣を始めているヒアリがいるとすれば、日本のアリの踏ん張りに期待するしかない。
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2017年07月16日

医師の半数が「国民皆保険は維持できない」と悲観! <無駄な医療>の見直しを急げ

医師の半数が
国民皆保険は維持できない」と悲観!
<無駄な医療>の見直しを急げ
2017.07.15 ヘルスプレス (文=編集部)

 体調が悪くなれば、誰もがいつでも自由に医療機関にアクセスでき、少ない負担で検査を受け、必要な薬を処方してもらえる。
すべての国民が何らかの公的な医療保険に加入するという「国民皆保険制度」のお陰だ。
  私たちにとっては当たり前のことだが、世界に目を向けるとそうではない。
先進国でも「民間保険」中心の国もあれば、「無保険」の国民が多い国も存在する。
日本の医療保険制度は非常に恵まれているのだ。
 しかし、現在医療の現場で働く医師たちの半数が「この制度は維持できない」と危機感を覚えていることが、最近の調査で明らかになった。

医師の52%が「国民皆保険は破綻する」  
 これは日本経済新聞と10万人の医師が登録する情報サイト「メドピア」が共同で、全国の医師に対して行った調査によるもの。
インターネットを通じて1030人の医師から回答を得た。
 その中で「現状の皆保険制度に基づく医療は今後も持続できると思うか」を聞いたところ、「そうは思わない」との回答が539人(52%)に達した。
その理由としては「高齢者の医療費の増大」や「医療の高度化」をあげる医師が多かったという。
 一方「持続できる」と答えた医師261人(25%)も、多くが「患者負担の増加」「消費税の増税」など、財源を確保できるという条件を追記。
どちらにせよ、現状のままでは維持が難しいとの認識が大半を占めた。

 国民医療費は1990年度に20兆円を超え、2015年度は概算で41.5兆円。
国民が支払う健康保険料と患者負担でまかなえているのはその6割にすぎず、残りの4割は税金などから補填されている状態だ。
 しかも政府の推計によれば、2025年度には国民医療費は54兆円に達するという。
日々現場を見続けている医師達の危機感は、想像以上に大きい。

 対策としては
「支払い能力のある人の負担増」「紹介状なしでも受診できる『フリーアクセス』に一定の制限を」という回答のほか、「医療の効率化」「過剰医療を見直すべき」という医療側の意識改革を求める声もあったという。

アメリカでは500もの
         <過剰医療>をリスト化  
 近年、現代医療における過剰医療は日本だけでなく多くの先進国で議論されてきた問題だ。  

本来、医療行為にはそれを行うに値する科学的なエビデンスが伴う。
しかし現実には「患者が要求する」「お金が儲かる」「患者に訴えられたくない」といった理由で、科学的な根拠に乏しい「無駄な医療」が行われている。
 たとえば、本来は必要のない検査や手術、抗生物質の使いすぎ、高齢者への多剤処方などだ。  

アメリカでは医療費高騰のかなりの部分を「過剰な治療」や「医療連携のミス」などの過剰医療が占めており、その割合は低く見積もっても「医療費全体の20%を超える」との報告もある。  

医療費支出」と「患者の身体」の両方に負担をかける過剰医療は改めるべき。
そうした声が高まったアメリカの医療界では、2012年に「Choosing Wisely(賢明な選択)」というキャンペーンが立ち上げられた。

 Choosing Wiselyは臨床系の医学会に呼びかけ、「考え直すべき医療行為」をエビデンスと共に具体的に5つずつ挙げてもらった。
 たとえば「ウイルスが原因の風邪やインフルエンザに抗生物質は効かず、逆に耐性菌の増加につながる」
「75歳以上がコレステロール値を下げても死亡リスクが下がるという明確な証拠はない」といった内容だ。
 最終的に70を超える学会が参加し、500近くにのぼる項目がリストアップされた。
これらはすべて、科学的根拠と合わせてインターネットで公開されている。

患者も適切な治療を選ぶ意識を  
 この活動は各国が注目し、現在では、カナダ、イタリア、英国、オーストラリアなど10カ国以上に広まっている。
日本でも昨年10月に「チュージング・ワイズリー・ジャパン(CWJ)」が発足。
今年6月1日には日本医学会がシンポジウムで取り上げた。  

 CWJ代表で佐賀大学名誉教授の小泉俊三医師は、「医療費削減が目的と誤解しないでほしい」と強調。
大事なのは患者と医師がじっくり考え、望ましい医療を一緒に決めること」と語る。
 それでも、医師と患者が協力して適切な治療を選ぶことが、結果として医療費削減に少しでも寄与するならば、運動を進める意義はさらに大きくなるだろう。

 国民皆保険制度を維持するためには、自己負担の増加や増税など何らかの財源の手当が必要になる時が来る。
しかし、負担を増やす前にすべきなのは、まず意識を変えることだ。
 私たち患者も過剰な治療のデメリットを知り、「心配だから」というだけの理由で安易に医師に求めないことを意識したい。
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松居一代と栄一郎の結婚に猛反対 船越パパは正しかった

松居一代と栄一郎の結婚に猛反対
船越パパは正しかった
2017年7月16日 日刊ゲンダイ

 亀の甲より年の功とはよく言ったもの。
年長者の経験や知恵は尊いという例えだが老いたる馬は道を忘れずという別の言い方もある。

ひとり息子の船越英一郎(56)と松居一代(60)との結婚を当初から反対していた船越英二さん(2007年に84歳で死去)は、結果的に見ると正しい判断をしていたことになる。
 父の船越英二さんは、01年に行われた2人の披露宴も欠席。
バツイチ・子連れ(当時=小6の息子)の松居を気に入らなかったからとされ、結局、鬼籍に入るまで一度も嫁と会うことはなかったという。

まさしく偏屈な老人で、当時はマスコミにも「女性に対する偏見・差別だ」と批判された。
騏麟も老いては駑馬に劣るというわけである。

「ただ、昔から亀の甲より年の功と言われることにも意味はあります。
人間は体験の中でしか判断を学べません。
その点、親は子より確実に経験があり、しかも子を思う深い愛情がある。
頭ごなしはいけませんが、父親が『若い娘は夜遅くまで出歩いてはいけない』
『とりあえず大学は出ておけ』と言うのも、その一つ一つに先人としての深謀遠慮があります」(国士舘大学講師でビジネス能力開発研究所代表の安重千代子氏)

 船越パパも、どうやら単純に松居一代が嫌いだったわけではなさそうだ。
「芸能界に生きる女性特有の気の強さというか、その点を心配していたそうです。
父の船越は、息子のおっとりした性格も見抜き、芸能界入りの際も反対したほど。
結婚後、息子が尻に敷かれるのを予見していたのです」(芸能リポーター)

 老人は考えが古いと一方的に拒絶すると、今の船越栄一郎のようになってしまう。
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2017年07月23日

コレが原因で死ぬ危険はある? 扇風機の健康で効果的な使い方

コレが原因で死ぬ危険はある?
扇風機の健康で効果的な使い方
2017年07月22日 17時15分

扇風機は体に悪い」

「夜、寝るときにつけっぱなしにすると危険」という都市伝説はウソ? ホント?

猛暑の暑さ対策や熱中症予防に欠かせない扇風機の噂を医師が徹底検証。

医学的にオススメしたい健康的な扇風機の活用法をご紹介します。

■扇風機にあたりすぎて

         死ぬことってあるの?
心地よい扇風機の風……。

でも、「夜寝るときにつけっぱなしにすると、知らないうちに体温が下がりすぎて低体温死する」

「あたりすぎは体に悪い」という話もあるようです。

結論から言うと、日本では健康な人が扇風機の風を浴び続けても、体温が命を脅かすほど下がることはありません。

西洋医学とは哲学が異なりますが、東洋医学では体を冷やすことは悪いこととされています(悪いの意味は曖昧ですが……)。

風を送って温度を下げる、冷ますという場合、実際に温度はどこまで下がるでしょうか?

気化熱を考えない場合、コーヒーなどの熱い飲み物はだいたい室温と同程度までは下がると考えられます。

ある温度と湿度で水蒸気が水になる温度を「露点温度」と呼びます。

露点温度で身近なのは、雷雨時にガラスの内側に水滴が結露する現象です。

気化熱を利用している場合、露点温度に達すると気化が止まるので、温度低下も止まります。

扇風機を使っても、通常結露は起きていませんね。

理論上は湿度計の湿球温度までが下がる温度だと考えられます。

つまり、温度と湿度によりますが、扇風機を使えば室温よりも数度低い温度まで、皮膚温を下げることが可能です。湿度が高い日本の夏、扇風機の風だけで体温がどんどん下がり続けて死亡するような現象は起きません。

■都市伝説? 扇風機による

  突然死(FAN DEATH)の正体
また、体温と関係なく、扇風機にあたっている最中の突然死が気になっている人もいるようです。

一人暮らしの人が真夏の風呂上がりにビールや酎ハイを飲み、扇風機にあたっているときに突然死……。

「亡くなった方の部屋では扇風機が動いたままだった」といった報道があると、扇風機使用中の突然死で、扇風機にも原因かのように思われてしまうかもしれません。

しかし、突然死の季節別・地域別の統計については結論を出すのが難しい面があります。

全ての突然死に対して、必ずしも解剖が実施されるわけではなく、推定の部分が多いからです。


夏という気候自体にも突然死のリスクは潜んでいます。

例えば、夏の暑さはビールを美味しくしてくれますが、アルコールには利尿作用もあります。

それでなくても脱水症をおこしやすい季節です。

それによって脳梗塞が多いという傾向もあります。

また、飲酒は脈拍数を増加させて不整脈を誘発することもわかっています。

入浴が血圧は変動を与えるのも確かです。

「夏の風呂上がり、飲酒中に扇風機にあたりながら突然死」というのは、医学的に考えると扇風機のせいというよりも、実際には上記のような他の原因の方が考えられると思います。

■寝るときの扇風機のつけっぱなしは、

  腹痛・下痢の原因にも……
東洋医学的な用語で「寝冷え」という言葉があります。

実は西洋医学では「寝冷え」という病気や症状はないのですが、消化器系の症状については西洋医学的解釈が可能です。

眠ると体全体での熱産生が落ちます。

血流の分布も変わり、皮膚への血流が増加します。

つまり体全体として冷えやすい状態となります。

冷えやすい状態で血流が変化すると、消化器系の血流も変化します。

生理的な変化ですが、血流の変化は腹痛や下痢などを起こす機能性胃腸症に近い状態を引き起こす可能性があります。

同様に、冷たい食べ物、かき氷などを食べても機能性胃腸症に似た状態が起きる可能性があります。

その意味では、夜寝るときに扇風機をつけっぱなしにして体全体を冷やし続けるのは、胃腸の健康のためには注意が必要かもしれません。

■暑い室内でも体温よりマシ?

体温で温まってしまう周りの空気
夏の外気は、体温よりも高い可能性があります。

直射日光に曝されたアスファルトやコンクリートの上では、体温よりも高い空気が滞留しているかもしれません。

汗の気化には湿度も関係しますが、体温より空気の温度が高いと、せっかくの気化熱を割り引いても、ひどい熱気として感じることになります。

一方で、温度のコントロールがしやすいのは室内です。

よほど日当たりがよく密閉された空間でない限り、夏場でも室内の温度は体温よりは低いことが多いです。

しかし、体温よりも温度が低く、空気の流れのない場所では、自分自身の皮膚が周囲の空気を温めてしまうことになります。

温まってしまう空気と周りの空気を簡単に入れ替えられるのが扇風機です。

風を作って送ることで体が体温よりも冷たい空気と接することができ、快適な環境を作ることができます。

■扇風機2台使い&換気扇活用で、

  効率よく体感温度を下げられる
建物の構造によっては窓を開けられないこともありますが、外気温が室温よりも涼しい場合、外の空気を上手に取り入れない手はありません。

室温や外気温が40度を超えるような場合は別ですが、「外気温<室温<体温」が成り立つ場合、2台の扇風機を使うことで、より効率よく室内を涼しくすることも可能です。

まず、室内の熱気を外に出すために、1台の扇風機を窓を開けて外向きに使います。

扇風機は羽の後ろの空気を吸い込んで前方に送り出す構造です。

別の窓を開けておいて空気の通り道を作ります。

さらにもう1台の扇風機で、体に風を送ります。

ヒートアイランドが起きているような地域では難しいですが、涼しい外気を取り入れつつ、体温を下げることができます。

自宅のようにキッチンがある室内なら、換気扇を使って熱気を外に出しながら扇風機を使うと、上記の扇風機の2台使いと同様の効果が得られます。

■扇風機はエアコン

  一緒に使うのがポイント
エアコンからの冷気は冷やしたい空間に届くとは限りません。

溜まった冷気を拡散させるのに扇風機は役に立ちます。

エアコンの吹き出しから遠い場所に冷気を送ることも可能です。

熱帯夜の場合、エアコンと扇風機を併用すれば、温度設定を数度上げることができるので、節電効果も期待できます。

都心ではヒートアイランド現象があるので、団扇と浴衣による夕涼みは死語となって夜もエアコンが必要な状態です。

自然の風ではありませんが、扇風機を使って風による気化熱で体温を冷やすほうがよいといえそうです。
(文:西園寺 克) 

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2017年07月25日

シニアライフ、旅行プラン、余裕を持って

シニアライフ、
旅行プラン、余裕を持って
2017年7月7日 読売新聞
日程詰め込まず休憩たっぷり
 この夏、旅行するシニアの方も多いことだろう。

ただ、中には「せっかくだから、あちこち見たい」とスケジュールを詰め込み、途中で体調を崩してしまうケースもあるという。

若い頃より体力は落ちているもの。「無理のないプランを立てることが肝心」と専門家はアドバイスする。

 「旅の経験があまりない年配の方は、『二度と来られないかも』『できるだけ見ておきたい』などと考え、つい無理な旅行をしてしまうことがあります」。
海外120か国で観光客を案内してきたベテラン添乗員の原好正さん(69)はそう指摘する。

 例えば、短い期間に複数の観光都市を次々に訪ねて回るツアーは魅力的だ。

だが、原さんは「予約の前に、どんな旅行になるのか、パンフレットと地図、ガイド本を広げて想像してみてください」と話す。

早朝に起きてバスの長距離移動と観光地の見学を繰り返すようなツアーもある。

シニア世代は自分の体力をよく考えたい

「せっかくのイタリア旅行なのに2日目でダウンした、という事例もあります。

体調を崩しては楽しいはずの旅が台なしです」

  訪問する観光地の立地や歩く道の状況についても、ガイド本などでよく調べておきたい。

古い街並みや遺跡、寺社は年配の方に人気のスポットだが、一方で坂道や階段が多かったり、道が舗装されていなかったりすることもある。

また、美術館巡りは、意外に長時間歩くことも。

 日本旅行業協会広報室長の矢嶋敏朗さんは、「こうした場所を見学した後には、たっぷり休憩時間を取ってほしい。足に自信がない人は、坂道は観光用のタクシーを利用して」とアドバイスする。

 ホテルも、予約前にバリアフリーへの配慮が行き届いているか確認しておきたい。

膝の具合がよくなくて畳に座れないといったこともある。

「食事は大広間でも椅子に座ることができるか」といった不安や質問は、宿や旅行会社に問い合わせておく。

 最近は、高齢者向けのツアー商品もある。

クラブツーリズム(東京)では、

〈1〉1日の見学場所を平均3か所以内に絞る

〈2〉見学時間は通常の1・5倍以上取る

〈3〉歩く時間は30分〜2時間に抑えて休憩も90分に1回は取る

――といった配慮をしている。

こうした考え方は、個人旅行のプランを立てる際にも参考になる。

 矢嶋さんは「『お金を払って来たのだから全部見ないと』と無理をしがち。

でも、もし体調がよくないなら、その日は途中で観光をやめてバスの中で休む、ホテルで一日寝ている、といった判断をしてほしい。

それが楽しい旅につながります」と話している

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2017年07月27日

相模原事件から1年−−−−植松被告の思想と、安倍自民党の障害者切り捨て・差別排外主義との関係を改めて問う

相模原事件から1年−−−−
植松被告の思想と、
安倍自民党の障害者切り捨て
差別排外主義との関係を改めて問う
2017.07.26 LITERA編集部

 神奈川県相模原市の障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」での入所者19人が殺害された事件から1年。
殺人及び殺人未遂で起訴された元職員の植松聖被告だが、横浜地裁で始まるはずの裁判は、まだ公判前整理手続きすら始まっていない状態で、真相解明にはまだまだ時間がかかりうそうだ。  

しかし、ひとつだけ改めて指摘しておかなければいけないのは、この相模原事件がいまの安倍政権の障がい者切り捨て政策や排外主義と差別を丸出しにする社会状況とけっして無関係ではないということだ。
 植松被告は事件前、衆院議長公邸に「私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活および社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です」といった手紙を届け、「(障がい者)ひとりにつき税金がこれだけ使われている」
「何人殺せばいくら税金が浮く」などと語っていたことがわかっていた。

 また、逮捕後も「障害者なんていなくなればいい」と供述し、最近も、時事通信社の取材に手紙で応じ、「不幸がまん延している世界を変えることができればと考えた」と記したうえで、「意思疎通ができない重度障害者は不幸をばらまく存在で、安楽死させるべきだ」と主張していたという。

 しかし、こうした思想をもっているのは植松被告だけではない。
そもそも、小泉政権と安倍政権は障がい者に税金を投入するのは無駄とばかりに、障がい者とその家族に負担増を強いる法改悪を行っているし、石原慎太郎や息子の石原伸晃、安倍政権の重鎮である麻生太郎、安倍政権のブレーンである曽野綾子は、「安楽死させたほうがいい」「いつまで生きているんだ」「税金を使っているのを申し訳なく思え」などと、障がい者や老人に対して信じられないような攻撃を、口にしてきた。

 植松被告のツイッターには、安倍晋三、百田尚樹、橋下徹、中山成彬、テキサス親父日本事務局、ケント・ギルバート、上念司、西村幸祐、つるの剛士、高須克弥、村西とおると、ネトウヨが好みそうな極右政治家、文化人がすらりと並んでいたが、こうした思想に大きな影響を受けたのは間違いないだろう。

 いや、植松被告だけではない。事件後、安倍政権を盲信するネトウヨたちの間では、〈そうやってみんなすぐ植松容疑者が異常だと言い張るけど行動がよくなかっただけで言ってることは正論だと思う〉
〈植松の言ってることはこれからの日本を考えるとあながち間違ってはいない〉
〈穀潰しして連中に使われる予定だった税金を節約して、国の役にたったよ彼は。弱いものって誰? 
精神障害者はどんなに暴力や暴言はいても罪に問われない無敵の強者だよ?〉といった、植松被告の考え方に賛同する声があふれた。

 さらに、自民党のネット応援部隊であるJ-NSC会員(=ネトサポ)がブログで、「植松が言うように障害者はいなくなるべき」と全面的な賛同を示し、障がい者の子どもがいる野田聖子衆議院議員にまで「自民党の改憲案との矛盾をなくすために障害者の子ども殺せ」と迫っていたことも発覚した。

 本サイトは、相模原事件は、2000年代から始まった、弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする排外差別主義が合体した結果であり、起こるべくして起きた事件だと考えている。
 そのことを確認するために、事件が発生したあと、本サイトが掲載した検証記事を再録するので、ぜひ読んでほしい。 (編集部)

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2017年07月31日

不眠に悩む人は必見 「睡眠薬」との上手な付き合い方

不眠に悩む人は必見
「睡眠薬」との上手な付き合い方
[日経Gooday 2017年6月23日付記事を再構成]

 寝つきが悪い、夜中や早朝に目が覚めてしまうなど、不眠に悩む人が増えている。
人生の約3分の1の時間を眠って過ごすからこそ、誰もが睡眠を大切にしたいと思うもの。

日本睡眠学会理事長であり東京慈恵会医科大学葛飾医療センター院長の伊藤洋氏に、不眠症の弊害や治療の進め方、良質の眠りの秘訣について聞いた。

■不眠症は生活習慣病や認知症など、
      全身に影響を及ぼす

――不眠症の患者はどのくらい増えているのでしょうか。

 平成26年(2014年)厚生労働省「国民健康・栄養調査」によれば、成人の20%、5人に1人が睡眠による休養が十分に取れていないと答えています。
しかし、不眠症の診断基準は随時改訂されているので、正確な患者数の推移は把握できず、実際の患者はこの半分以下の6〜10%程度と推測されます[注1]。

ただ、不眠症は高齢者に多いので、今後ますます高齢社会になれば不眠症の人も増えていく、これは確かなことです。
 かつては「眠れないくらい大したことではない」と軽視されていた時代もありましたが、長距離バスの居眠り運転事故などをきっかけに、睡眠の重要性がクローズアップされ、不眠症に対する関心も高まっています。

 不眠の影響は全身に及び、不眠症の人は糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病になる確率が高いことも分かってきています。
その反対もしかりです。

糖尿病患者の不眠症が改善するとHbA1c(過去1〜2カ月間の平均的な血糖値を反映する指標)が下がるように、不眠が治れば身体症状まで改善することが明らかになっています。

――そもそも高齢者に不眠症が多いのはなぜですか。

 高齢になると心身の不調を感じやすくなるので、それらによる心理的ストレスや、睡眠と関連する生活習慣病の増加、加齢による睡眠リズムの変化(目覚める時間が早くなる、眠りが浅くなる)など、様々な要因が重なり、不眠を引き起こしやすくなります。

 例えば、高齢者に多いアルツハイマー病の患者では、約40%に何らかの睡眠障害があることが分かっています[注2]。
アルツハイマー病はβアミロイドというタンパク質が脳内に蓄積することが原因と考えられていますが、きちんと眠れるとβアミロイドは洗い流されます。
それに対し、不眠症の人はβアミロイドがたまって記憶も悪くなり、認知症になるリスクが高まります[注3]。
加えて、不眠が長く続くと、脳内で記憶に関与する「海馬」の容積が小さくなることも分かっています[注4]。

■薬は副作用に注意しつつ、
   自己判断で減らさないこと

――不眠症の治療にはどのような薬を使うのですか。

 不眠症の治療薬は表1の通りです。
基本的に、寝つきが悪い人には、効き目が早く現れ、持続時間が短い「超短時間・短時間作用型」、
夜中に目が覚めやすい(中途覚醒)人や、早朝に目が覚めてしまう(早朝覚醒)人には、効き目が長く続く「中時間・長時間作用型」が使われます。

[注1] 平成24年度厚生労働科学研究・障害者対策総合研究事業「睡眠薬の適正使用及び減量・中止のための診療ガイドラインに関する研究班」および「日本睡眠学会・睡眠薬使用ガイドライン作成ワーキンググループ」編「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」(2013年)
[注2] McCurry SM, et al. Sleep Med Rev. 2000; 4(6): 603-628.
[注3] Berkeley News. Jun 2015./Mander BA, et al. Nat Neurosci. 2015;18(7): 1051-1057.
[注4] Noh HJ, et al. J Clin Neurol. 2012; 8: 130-138.

処方されることが多いのは、「ベンゾジアゼピン系」という種類の薬です。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、中枢神経系を抑える脳内神経伝達物質「GABA」の作用を強める薬で、脳の活動を緩やかにすることで、スムーズに睡眠に導いてくれます。
催眠作用が強い割には、かつて大量服用で死に至ることで知られたバルビツール酸系の睡眠薬よりもふらつきや倦怠感などの副作用が軽く、使いやすい薬として広まりました。

 ただし、どんなに優れた薬でも副作用には注意が必要です。
特に高齢者は、肝臓や腎臓の働きが低下しているため、薬の代謝、分解、排せつに時間がかかり、効き目も副作用も出やすくなります。
このため、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を高齢者に処方する場合、副作用のリスクを減らすために一般成人の半分程度に量を減らすようにしています。
 また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬には筋肉を緩ませる(筋弛緩)作用がありますので、効き目が続いているときに立ち歩くと、ふらつき、転倒する恐れがあります。

特に、夜中にトイレに行くときは、足元も暗く、転倒によるけがに注意が必要です。
患者さんには、睡眠薬を服用した後に立ち歩くときは、電気をつけ、きちんと覚醒してから動くように注意を呼びかけています。
また、ベンゾジアゼピン系を長期間にわたって使っている人は、使わない人の約1.5倍も認知症になりやすいと推定する研究結果もあるので、長期連用には注意が必要です[注5]。

 2014年に発売された新薬のスボレキサント(商品名ベルソムラ)は、従来の「眠らせようとする薬」と違って、覚醒系の神経スイッチを切ることで「目覚めにくくさせる薬」です。
ふらつきなどの副作用が少なく、中途覚醒のある高齢者に適しています。
しかし、残念ながらスボレキサントも万能ではありません。

寝つきが悪いタイプの不眠に最適なのは、ベンゾジアゼピン系です。
不眠症の外来では、それぞれの薬剤の特性を生かしながら使い分けています。

――睡眠薬で眠れるようになるのはうれしいのですが、「一度睡眠薬に頼ると、やめたときにますます不眠がひどくなるのではないか」という不安もあります。

 睡眠薬をいきなりやめると、不眠が再発してしまうことがあります。
これを「リバウンド」と呼ぶのですが、特にベンゾジアゼピン系のように半減期[注6]が短い薬を急にやめた場合に起こりやすいことが知られています。
ベンゾジアゼピン系はレム睡眠[注7]を抑制し、眠りを深くします。
薬をやめることで、突然重しがなくなって深い眠りからボーンと跳ね上がるように目が覚めてしまうのです。
 ただ、やめ方を工夫すれば、こうした問題は過度に心配するには及びません。
睡眠薬は徐々にやめることが肝要で、半減期が長い薬は服用間隔を1日おきに減らす、短い薬なら半量に減らすなど、患者の状態や薬の半減期によって、いくつかの効果的な減量方法があります(図1)。
自己判断しないで医師と相談してください。
 そもそも、睡眠薬をやめることについての考え方はさまざまです。
若い人が睡眠薬を長期にわたってたくさん飲むのは避けたほうがよいのですが、80歳を過ぎた人が決められた量を飲むことでぐっすり眠って元気に過ごせるなら、わざわざやめなくてもいい、という見方もあります。
「何が何でも薬をやめなければいけない」という思い込みが自分を追い詰めることのないよう、睡眠薬との上手な付き合い方を身につけていくことも必要です。

[注5] Zhong G, et al. PLoS ONE. 2015; 10(5): e0127836.
[注6] 半減期:薬の成分の血中濃度が半分に減る時間。半減期が短いほど、代謝・排せつが速い薬であることを示す。
[注7] レム(REM)睡眠:REMはRapid Eye Movementの略。睡眠中に急速に眼球が動く状態で、眠りが浅い。

――最近、いくつかの睡眠薬が新たに「向精神薬」に指定されたと聞きますが、「向精神薬」に指定されると何が変わるのでしょうか。

 新たに向精神薬[注8]に指定されたのは、エチゾラム(商品名デパスほか)やゾピクロン(商品名アモバンほか)ですね。
エチゾラムはベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、抗不安作用があるため、抗不安薬(不安などの心理的・身体的症状の治療に作用する薬)としても使われます。
他のベンゾジアゼピン系と同じように半減期が短く、急にやめるとリバウンドして不安が生じます。
また、様々な診療科で処方されるため、薬物乱用目的で不正に入手されやすいという問題もありました。
こうしたことから、2016年9月に第三種向精神薬に指定され、一度に30日分しか処方できなくなりました。
ゾピクロンも同様です。
いずれの薬も、不眠症に使うには優れた薬で、今もよく用いられています。
適切に使うことが大切なだけで、決して怖い薬ではありません。

 新薬の発売は、少し先の話になるかと思います。ベンゾジアゼピン系は開発しつくされた感があり、出るとすればスボレキサントの仲間ではないでしょうか。
前述の表1の薬で治療する流れはしばらく変わらないでしょう。

■良質の眠りを得るために気をつけたいこと

――寝る直前までスマートフォンを見るなど、眠りにくい習慣がまん延しているように見えます。現代の生活環境と不眠の関係についてどう思われますか。

 布団の中でタブレットやスマートフォンの明るい画面を長く見ていると、睡眠を促進させるホルモン、メラトニンの分泌が減ってしまいます。
目が冴えて寝不足に陥れば昼間に眠いのも当然で、長く続けば生活習慣病を起こすこともあるでしょう。
 最近はサマータイムが推奨されていますが、たった1時間でも、起床時間がずれると眠れなくなる人が増えますので、生理的リズムの観点では、安易に飛びつくのは考えものです。
エコの観点から考えれば良いことでもありますが、睡眠に不安のある人にはお勧めできません。

――市販薬を使うなど、病院に行かなくても良質の睡眠を得る方法はありますか。

 薬局で手に入る睡眠改善薬は、アレルギーや風邪の薬で眠くなる副作用を逆手に取ったものです。
忙しくて病院に行くのが難しいなど急場しのぎには便利な薬ですが、続けて使うと耐性ができて効かなくなります。
添付文書に「不眠症の診断を受けた人は服用しない」と記載があります。
不眠が少し気になる程度の人が、慣れない出張先などで一時的に使うならいいでしょう。
睡眠薬に限らず、市販薬は使用上の注意をきちんと読み、理解したうえで自己責任で使用しましょう。
 良質の睡眠を確保するには正しい知識も必須です。
一定時間に起床する、寝酒をしないなど、確立したスタンダードがあるので試してみてください(表2)。

[注8] 向精神薬:中枢神経に作用し、精神機能に影響を及ぼす薬物の総称で、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などがある。

伊藤洋氏
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター院長/日本睡眠学会理事長。
1978年東京慈恵会医科大学卒業。同大学医学部精神医学講座の助教授、教授を経て、2007年より同大学附属青戸病院(現・東京慈恵会医科大学葛飾医療センター)院長。
睡眠障害、不眠症、むずむず脚症候群などを専門とし、テレビなどのメディアで睡眠障害に関する解説を行う機会も多い。
編著書に、『不眠症とつきあうコツ』(フジメディカル出版)など。
(ライター 田中美香)
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2017年08月01日

増える高齢者の無貯蓄世帯 老後資金は大丈夫か?

増える高齢者の無貯蓄世帯
老後資金は大丈夫か?
2017.7.31 プレジデントオンライン

先立つものがなければ「豊かな老後」は危うい。
お金を増やすための勉強は現役時代からぜひ始めたいもの。

では何を学んだらよいのか──。
老後の生活を本格的に意識し始める50代。
ここでしっかりと貯蓄できるか否かで、定年後の暮らしは大きく変わる。

ファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子さんは
「50代は人生の最後の貯めどき。老後資金設計をきちんと行いたい年代です」と話す。
「50歳以上になると『ねんきん定期便』に老齢年金の見込み額が記載されます。
また、退職金の額、子どもの教育費、住宅ローンの残高などいろいろなメドが立ってくる。
自分のリタイア後を見据えて、それまでにあとどのくらい貯められそうかなど、プランニングがしやすくなります」

ところが、現実は厳しい。
いま、この年代で貯蓄のない無貯蓄世帯が増えているのだ。
金融広報中央委員会の調べによると、50代の世帯の29.1%が無貯蓄で、その率はリタイア後の60代、70代になっても変わらない(図1参照)。
「貯蓄のない世帯割合が上昇傾向にあるのに対し、平均貯蓄額は増えていくことから格差の拡大が推測されますが、世帯収入が多くても貯蓄がほとんどないケースもあるなど、実態は複雑です」
いまはある程度貯蓄があっても、安心はできない。
給与カットやリストラは日常茶飯事だ。
無貯蓄ならば、なおさら早く手を打つ必要がある。

八ツ井さんはできることから始めるのが大切だとアドバイスする。
まずは目の前の家計の見直しが、遠回りのようで近道なのです。
老後は急にやってくるわけではなく、これまでの人生の延長線上にある。
定年になったからといって消費スタイルを急には変えられません。
家計見直しは早いほうが楽です。
後になればなるほど大変になります。

月2万円でも20年で約500万円、40年で1000万円近く貯まり、あなどれません」

具体的に見ていこう。リタイア期は退職金が入るなど、一般的に人生の貯蓄ピーク時にあたる。老後は年金とともに、その貯蓄を取り崩して生活することになるが、「老後にお金で苦労する人とそうでない人を分けるポイントは3つある」と八ツ井さんは指摘する。

第1は、住まい。
賃貸の場合、固定費として毎月一定額が出ていくため、貯蓄の減りが早い。
では持ち家なら大丈夫かといえば、そうでもない。
マンションだと管理費や修繕積立費に月数万円かかる。
いずれにせよ、老後の住宅費を考慮に入れておくことが大事だ。

2番目は食費。
高齢になれば食べる量は減っても、健康志向などで高価なものを選びがちで、案外かさむ。
特にこだわりの調味料や食品、ぜいたくな食事に慣れていると、老後になっても変えるのが難しく、「食費の見直しは早いほうがよい」と八ツ井さんは言う。

3つ目は、医療費。
こればかりは削るのが難しいが、だからこそ「健康は財産」。
現役時代から健康管理をしっかりしておきたい。

こうした支出の一方で、リタイア後も収入を得る人が少なくない。
会社員の場合は関連会社に勤めたり、現役時代の人脈やキャリアを生かして、取引先から仕事を紹介してもらったりという人は意外に多いという。

「月に数万円でも収入があると安心感が増します。
そうした働き口があるかどうかは、それまでにどういう人間関係を築いてきたかに左右されます。
いろいろな意味で、定年は人生の総決算だといえるわけです」

勉強代覚悟で実践することが大切

収入面でいうと、資産運用も一つの手だ。
ただし、「あくまでも余裕資金の範囲内で」と八ツ井さんは注意する。
「余裕資金とは、当面使わないお金のことです。
生涯のキャッシュフロー表をつくるとわかりやすいのですが、たとえば90歳まで生きると仮定して、いまある貯蓄を取り崩していっても、余るお金。
仮にそれが500万円として、その500万円がなくなっても家計が破綻しないというのが余裕資金です。
その余裕資金のなかで、本人のリスク許容度に従って投資に回します」

運用といっても、初心者にはハードルが高い。
そこで八ツ井さんが勧めるのが座学と実践の両輪による勉強法だ。
「いろいろな本を読んだり、セミナーに参加すると同時に、実際に運用してみることが大事だと思います。
投資すると、本にはさらっと書いてあることが腑に落ちる。
やはり実際にやってみると違うんですよね。
私もかなりの勉強代を払いました(笑)」

運用においては分散投資が王道で、「金融商品もリスクの低いものから高いものまであるので、徐々に慣らしていきましょう。
最初からムリをせず、預金に近いような投資信託などから少しずつ始めて、個別株へ進むようなステップがおススメです」と八ツ井さん。
そのうえで、八ツ井さんはリスクについて注意を促す。

「ただ、いまは分散がなかなか利かない時代です。
昔に比べて価格が連動しやすくなっていて、下がるときはいっせいに下がる。
特にダウンサイドリスクのほうが、連鎖的に強くなりやすくなっています。
昔は『バイ・アンド・ホールド』で、株などを分散して買ったら、あとは持っていればいいと言われましたが、いまの時代は危険だと思ったらすぐに避難すること。
つまり損切りの視点を持つことが大きなポイントです」

損切りといわれても、これまた初心者には難しい。
含み損のまま塩漬けしておいて、買った値段に戻るまで待つ人も多い。
そこで八ツ井さんが運用の参考にするとよいというのが「行動経済学」だ。
行動経済学はダニエル・カーネマンが02年にノーベル経済学賞を取ったもので、心理学と関係の深い経済学である。
それによると、利益が出ている局面ではリスク回避的になり、売って現状の利益で満足する半面、損失が出ているときはリスク許容度が大きくなって、リスクを取ってでも値上がりを待つ傾向がある(図2参照)。

「つまり人は常に合理的な判断をするわけではないということです。
特に値動きが大きくてリスクの高いいまは、相場で一喜一憂する難しいときでしょう。
潔く損切りできるかが大事です
ちなみに、行動経済学の概要を知るには、『経済は感情で動く』(マッテオ・モッテルリーニ著)、『行動経済学入門』(真壁昭夫著)、『図解雑学 行動経済学』(筒井義郎・山根承子共著)などがおススメだ。

そして最後に、八ツ井さんは次のように念を押す。
「私は『損小利大』という言葉が好きなのですが、お金は減らさなければ名目上は増えます。いったん減ると、元本に戻すのがすごく大変です。
運用はそもそもリスクです。
それに対して、家計改善は無リスクです。
だから運用の優先順位は二番手。
とにかくできることからコツコツやりましょう」
ムダな出費はないか、今日からでも見直してみてはどうだろう。

八ツ井慶子
ファイナンシャルプランナー。
生活マネー相談室代表。2001年に独立。
セミナー、講演などで活躍している。
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容姿の話はマナー違反

香山リカのココロの万華鏡
容姿の話はマナー違反
毎日新聞2017年8月1日 地方版

 アメリカのトランプ大統領が、フランスの大統領夫人に「スタイルがいいですね。美しい」と声をかけ、欧米のメディアがいっせいに批判した。
ほめ言葉のつもりだったのだろうが、国際的なマナーの世界では、いまは容姿や外見を話題にすること自体が問題とされることが多い。
とくに女性に対して体形を話題にすると、ほめたとしてもセクハラと見なされる場合があるのだ。

オバマ前大統領も、女性司法長官に「抜群の美人ですね」と言って謝罪した。

 日本社会では、そこまで「容姿や外見の話はしない」というルールが徹底していない。
今回のトランプ大統領の件でも、ネットで
「スタイルをほめられたらうれしい」
「セクシーですね、と言われるのも歓迎」などと発言している女性たちもいた。
「容姿の話はいっさいダメ、だなんて堅苦しすぎる」という声もあった。

たしかにドラマには、いまだに
「なんておきれいな人。女優のようですね」
「あら、うれしい」といった会話も登場する。

 しかし、とくに仕事やボランティアの場などでは、「女だから」と特別扱いされたくないという女性も多い。
それどころか、一人の人間として頑張っているときに、外見のことを言われると傷ついてしまうことさえある。

診察室でも、新しい企画について会社の男性役員たちの前でプレゼンテーションを行ったら、話が終わった瞬間に「女子大生みたいだね」「モテるでしょ」などと言われてショックだった、と話してくれた女性がいた。
「結局、話の内容なんてどうでもいいのかな」と思ったのだそうだ。

 こういう話をすると、とくに男性たちは
「面倒くさいな。かたいこと言わずに、ほめたら素直に受け取ればいいじゃないか」と思うかもしれない。
もちろん、ある程度、信頼関係ができていれば
「その服、似合うじゃない」
「あなたも運動の成果でおなかがヘコんですごい」などと外見を話題に会話を楽しむのもよいだろう。

 ただ、少なくとも初対面や仕事で会っている女性に「美人ですね」「スタイル抜群」などと声をかけるのはいまはルール違反、と思っておいた方がよい。
言うまでもないが、「ポッチャリしてる」「もう少し化粧すれば」など否定的な言葉はもってのほかだ。

 「女と男」ではなくて一人の人間同士として。外見ではなくてあくまで中身を大切に。
その基本さえ守れば、お互いが尊重し合ってよい関係を作っていけるはずだと思う。
       (精神科医)
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2017年08月03日

ストレスチェックは役立つの?

教えて!ヨミドック
ストレスチェックは役立つの?
2017年8月2日 読売新聞

心身の不調、防ぐ狙い  

Q  
職場の人間関係で頭が痛いよ。そういえば会社がやってるストレスチェックは何のためなの。  

ヨミドック  
ストレスチェックは、いわば心の健康診断です。
会社は、ストレスが原因で社員の心身の不調が顕在化する前に、未然に防ごうとしているのです。
2015年12月から、実施が義務づけられました。
50人未満の会社では努力義務となっています。  

 どうチェックする?  

 多くの場合、「職場の雰囲気は友好的」「仕事が処理しきれない」「自分のペースで仕事ができる」などの設問に、「そうだ」「やや違う」など4段階で答えてもらう形です。
設問は60問程度です。  

 何がわかるのかな。  

 ストレスの程度や要因です。
要因で最も多いのは人間関係、次に仕事の量と質。
仕事に裁量権があるほどストレスが少ないとされます。
分析結果からはストレスによる心身の反応、周囲のサポートの状況などもわかります。  

 人事評価などに影響すると嫌だな。  

 結果を見るのは、社員の健康を支える産業医です。
評価のためではありません。  

 結果が出たら、どうすればいいの?  

 ストレスのサインに早く気づき、セルフケアに生かすことが大切です。
この機会に「自分がどんな時に、ストレスを感じるか」「助けてくれるのは上司か同僚か」などを明らかにしておくとよいでしょう。  

 医師に直接、相談できるの?  

 ストレスが「高」と判定された場合、産業医の面接指導を勧められます。
医師は、会社の担当者から、あなたの職場環境に関する情報を得た上でカウンセリングを行います。
必要に応じて、医療機関の受診や休職、配置転換などについて会社に助言し、会社は最善の措置を講じるよう努めることとされています。  

 面接はおっくうだな。  

 残念なことに、高ストレスの社員の大半が、この面接指導を断ってしまいます。
でも産業医は上司ではありません。
気軽に相談し、こころの健康を守りましょう。  

(鈴木敦秋/
取材協力=長谷川崇・日比谷産業医事務所所長、
堀有伸・ほりメンタルクリニック院長)
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2017年08月05日

熱中症や脳梗塞を防ぐ「医学的に正しい」汗の拭き方

熱中症や脳梗塞を防ぐ
「医学的に正しい」
     汗の拭き方
2017年8月4日 日刊ゲンダイ

 気象庁の3カ月予報によると、今年の8月は例年になく酷暑とのこと。
引き続き脱水による熱中症や血栓症に注意が必要だが、「汗の拭き方」も工夫次第で熱中症や脳梗塞・心筋梗塞などの予防になるという。
汗と臭いの専門家である五味クリニック(東京・新宿)の五味常明院長に聞いた。

「噴き出す汗は乾いたタオルでしっかり拭いて皮膚を乾燥させたいと思うでしょうが、我慢してください。
この時季の汗は湿り気が皮膚に全体に少し残る程度に拭くのが一番。
小まめに軽く拭くか、ウエットティッシュで拭くことです。
その方が“ムダな汗”をかいて体内の水分を失うことが少なくなります」

 夏の汗は、体内の余分な熱を体外に放出して体温を一定に保つのが目的。
体内で産出される熱から、内臓や脳といった重要器官を守るためだ。
それには、打ち水で大地を冷やすのと同じ理屈で、皮膚から気化熱を効率よく奪うことが大切になる。
「汗が蒸発して体温を下げて平熱に戻れば、それ以上汗をかくことはありません。
ところが、その途中で噴き出る汗を完全に拭いたり、冷房が効いた部屋に入って皮膚を乾燥させると、気化熱で体温を下げることができなくなる。
結果、熱が体の中にこもり、脳と皮膚の2つのセンサーから“もっと汗を出せ”との指令が出て、より大量の汗が流れてしまうのです」
 これを何度も繰り返すと、大量の汗と共に体内から必要な水分やミネラルが失われ、めまい、脱力感、筋肉のけいれんを起こす。

■汗の蒸発面積を増やせ!
 夏はただでさえ、血管が広がっていて血圧が低い。
そのうえ、汗の原料である血液から水分が抜ければ脳の血流が不足して失神を起こしたり、血栓ができてそれが肺や脳や心臓に飛ぶことで重大な事態を招きかねない。

 もうひとつ汗で忘れてならないことは、汗には熱を体外に放出するのに“有効な汗”と“ムダな汗”があること。
「通常、汗が汗腺から皮膚表面に排出されると、すぐに蒸発します。
ところが、汗の排出量が最大蒸発量を超えると汗が目に見えてきます。
これは体を冷却するのには役立たないムダな汗です」

 このムダな汗を有効な汗に変えるためには、汗は完全に拭き取らず、皮膚全体に薄く塗りつけた方がいいという。
水分の蒸発量は蒸発面積が大きければ大きいほど多くなります。
汗孔から出た汗は、そのままその付近にとどまると蒸発面積は小さい。
汗をのばすことで蒸発面積を広げれば、汗は蒸発しやすくなり、体を効率的に冷やすことになります

 人間の皮膚には浅い溝が縦横に走っていて、汗の蒸発面積を増やすのに適した構造がある。「汗を少し残してそれを塗りのばす」のは、これを推し進めることにもつながるのだ。
「汗は食塩水ですから、真水に比べて蒸発が抑制されています。汗の量が多くなれば、汗に含まれる塩分は多くなるので汗が蒸発しにくい。
汗を皮膚にのばして蒸発面積を広げることは、その意味でも有効なのです」

 ただし、このときどうしても気になるのが臭いの問題だ。
汗の臭いの主な原因は、皮膚にひそむ細菌の増殖です。
汗が少ないときは汗が皮膚面を酸性化して細菌の増殖を抑制します。
しかし、汗が増えると皮膚はアルカリ性に傾いて抑制効果が低下し細菌などが活動して臭くなるこの時季の汗は湿り気のある除菌シートで拭くのがベストでしょう」

 たかが汗と思うことなかれ。夏は1日で10リットルの汗をかく人もいる。
汗を効率的に流すことは熱中症や心血管イベントの予防だけでなく、体の臓器のムダな動きを抑えて夏バテを防ぐ意味もあるのだ。
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2017年08月06日

「国民皆保険は維持できない」、医師の過半数が悲観的見解…過剰医療蔓延で医療制度破綻の危機

「国民皆保険は維持できない」
医師の過半数が悲観的見解…
過剰医療蔓延で
医療制度破綻の危機
2017.08.05 文=ヘルスプレス編集部

 体調が悪くなれば、誰もがいつでも自由に医療機関において少ない負担で検査を受け、必要な薬を処方してもらえる。
すべての国民が、なんらかの公的な医療保険に加入するという「国民皆保険制度」のお陰だ。    

私たちにとっては当たり前のことだが、世界に目を向けるとそうではない。
先進国でも「民間保険」中心の国もあれば、「無保険」の国民が多い国も存在する。
日本の医療保険制度は非常に恵まれているのだ。

 しかし、現在医療の現場で働く医師たちの半数が「この制度は維持できない」と危機感を覚えていることが、最近の調査で明らかになった。

医師の52%が「国民皆保険は破綻する」 
 これは日本経済新聞と、10万人の医師が登録する情報サイト「メドピア」が共同で、全国の医師に対して行った調査の結果だ。
インターネットを通じて1030人の医師から回答を得た。

 その中で「現状の皆保険制度に基づく医療は、今後も持続できると思うか」と聞いたところ、「そうは思わない」との回答が539人(52%)に達した。
その理由としては「高齢者の医療費の増大」や「医療の高度化」を挙げる医師が多かったという。
 一方、「持続できる」と答えた医師261人(25%)でも、その多くが「患者負担の増加」「消費税の増税」など、財源を確保できることを条件として追記している。
どちらにせよ、現状のままでは維持が難しいとの認識が大半を占めた。

 国民医療費は1990年度に20兆円を超え、2015年度は概算で41.5兆円。
国民が支払う健康保険料と患者負担でまかなえているのはその6割にすぎず、残りの4割は税金などから補填されている状態だ。
 しかも政府の推計によれば、2025年度には国民医療費は54兆円に達するという。

日々現場を見続けている医師達の危機感は、想像以上に大きい。
 対策としては「支払い能力のある人の負担増」「紹介状なしでも受診できる『フリーアクセス』に一定の制限を」という回答のほか、「医療の効率化」「過剰医療を見直すべき」という医療側の意識改革を求める声もあったという。

アメリカでは500もの過剰医療をリスト化 
 近年、現代医療における過剰医療は日本だけでなく多くの先進国で議論されてきた問題だ。  

本来、医療行為にはそれを行うに値する科学的なエビデンスが伴う。
しかし現実には「患者が要求する」「お金が儲かる」「患者に訴えられたくない」といった理由で、科学的な根拠に乏しい「無駄な医療」が行われている。
たとえば、本来は必要のない検査や手術、抗生物質の使いすぎ、高齢者への多剤処方などだ。  

アメリカでは医療費高騰のかなりの部分を「過剰な治療」や「医療連携のミス」などの過剰医療が占めており、その割合は低く見積もっても「医療費全体の20%を超える」との報告もある。

医療費支出」と「患者の身体」の両方に負担をかける過剰医療は改めるべき−−。
そうした声が高まったアメリカの医療界では、2012年に「Choosing Wisely(賢明な選択)」というキャンペーンが立ち上げられた。
具体的には、臨床系の医学会に呼びかけ、「考え直すべき医療行為」をエビデンスと共に具体的に5つずつ挙げてもらったのだ。
 たとえば「ウイルスが原因の風邪やインフルエンザに抗生物質は効かず、逆に耐性菌の増加につながる」
「75歳以上がコレステロール値を下げても死亡リスクが下がるという明確な証拠はない」といった内容だ。
 最終的に70を超える学会が参加し、500近くにのぼる項目がリストアップされた。
これらはすべて、科学的根拠と合わせてインターネットで公開されている。

患者も適切な治療を選ぶ意識を 
 この活動には各国が注目し、現在では、カナダ、イタリア、英国、オーストラリアなど10カ国以上に広まっている。
日本でも昨年10月に「チュージング・ワイズリー・ジャパン(CWJ)」が発足。
今年6月1日には日本医学会がシンポジウムで取り上げた。
 CWJ代表で佐賀大学名誉教授の小泉俊三医師は、「医療費削減が目的と誤解しないでほしい。大事なのは患者と医師がじっくり考え、望ましい医療を一緒に決めること」と語る。
それでも、医師と患者が協力して適切な治療を選ぶことが、結果として医療費削減に少しでも寄与するならば、運動を進める意義はさらに大きくなるだろう。

 国民皆保険制度を維持するためには、自己負担の増加や増税など、なんらかの財源の手当が必要になる時が来る。
しかし、負担を増やす前にすべきなのは、まず意識を変えることだ。
 私たち患者も過剰な治療のデメリットを知り、「心配だから」というだけの理由で安易に医師に求めないことを意識したい。
(文=ヘルスプレス編集部)
※ 初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

ニュースサイトで読む:
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2017年08月21日

「感情」を使う仕事につく人の「心」の守り方

「感情」を使う仕事に
つく人の「心」の守り方
2017.8.19 All About

「感情労働」を知っていますか?
あなたの仕事は、「決められた感情」で人に接することを求められる仕事ですか?

たとえばサービス業や営業職の人は、苦手なお客さんにも常ににこやかに対応することが求められます。
苦情の対応に追われるコールセンターでは、怒鳴り声にもやさしい声で受容的に対応することが求められます。
教師や保育士もまたしかり。
常に「先生」として適切な言葉、表情、態度で子どもたちに接することが求められる仕事です。

また、看護師やカウンセラー、ケアワーカーは、専門家として患者や利用者に感情を使って安心を与える仕事です。
このように「人相手」の仕事につく人の多くが、決められた感情の管理を求められ、こうした規範的な感情を商品価値として提供する仕事を「感情労働」といいます。

「肉体労働」や「頭脳労働」は昔からよく知られる言葉ですが、「感情労働」は近年注目されてきた新しい概念です。
仕事に熱心なあまり、燃えつきてしまう人も 感情労働は、とてもストレスフルな仕事です。
不快なこと、失礼なことを言われたら、つい嫌な気持ちが顔に出てしまうのが人情ですが、感情労働においては、個人的な感情を仕事に反映させないように、セーブすることが求められます。個人的な感情を表に出さずに、どんな相手にでも同じように接することが求められたりします。

こうした仕事の顔は、プライベートの場でも求められることがあります。
休日でも、「先生なんですね」と言われれば、それらしく行動しなければと感じたり、
「看護師だから親切でいなくては」
「ケアワーカーだから優しくなければ」というように、周囲も本人も、仕事の顔は実際の本人と裏表なく一致しているべきだと、考えやすいものです。
そのため、感情労働につく人は精神的に消耗しやすいのです。

とくに、使命感がとても強く、ひたむきな気持ちで仕事をしている人ほど、突然ポキッと心が折れてしまうような虚無感に襲われることがあります。
これを「バーンアウト」(燃えつき症候群)と言います。
バーンアウトに陥ると、突然仕事にやりがいを見いだせなくなり、人が変わったように冷淡な対応をするようになったりします。
これは、いつも決められた感情で仕事をしなければと頑張りすぎて、情緒が消耗してしまった結果です。
「こうあらねばらない」という仕事上の「ペルソナ」(仮面)に縛られすぎてしまう人ほど、バーンアウトするリスクを抱えているのです

感情労働者の
バーンアウトを防ぐには?
とはいえ、感情労働は、やりがいのある仕事です。
洗練された笑顔は人を幸せな気持ちにさせますし、真摯な対応は受け手を安心させ、生きる力を与えることができます。
そんな仕事にやりがいを持つ人のなかには、仕事と個人を分けて考えることができず、仕事にのめり込んでいく人が少なくありません。
当面はやりがいと使命感で高揚し、仕事に邁進できても、休みなくその状態を続けると、心のエネルギーが失われ、燃えつきてしまいます。
その結果、出勤することもできなくなり、好きな仕事をあきらめてしまう人もいます。

そのため、感情労働につく人は仕事にかける思いと同じくらい、仕事に打ち込む時間や気持ちの込め方に制限をかけることも意識し、オンとオフのメリハリをつける必要があるのです。

たとえば、「ここまでは頑張るけれど、ここから先はできない」という限界を知っておくこともその一つ。
限界を理解すれば、仕事の物理的な負担、精神的な負担を1人で抱え込むリスクを減らすことができます。
また、仕事中は気持ちを込めて対応しても、仕事が終わったら意識を切り替えて、自分の時間を守ること。
「あのことはまた明日、仕事中に考えればいい」というように、ある程度割り切って考えることが必要になることもあります。
また、休日には勉強会や研修会など、自己研鑽にばかり時間を費やすのではなく、趣味や気晴らし、ムダ話の時間も大事にすることです。

「仕事の私」のイメージは私の全部ではない また、仕事では「清楚なお姉さん」「白衣の天使」「みんなのお母さん」といった理想的なペルソナがつきまとっていても、そのイメージが必ずしも「自分自身」であるわけではありません。
わがままな顔や冷酷な顔、なまけ者の顔、したたかな顔など、いろいろな側面を持っているのが人間です。
期待される職業上のイメージと自分自身を一体化させねばならないと頑張ってしまう人ほど、職業上のペルソナに合わない自分自身の「負の側面」が許せなくなってしまうものです。

すると、「私は○○のプロなのだから、いつでも○○でなければならない」という思い込みが自分を縛り、追いつめてしまいます。
感情労働を選ぶ人の多くは、人間が大好きで、感情が豊かな人だと思います。
それだけに、いつも笑顔で懸命に人に尽くしてしまい、知らず知らずのうちに疲れを溜めてしまうのでしょう。
仕事は長く続けていくことに意味があります。

せっかく選んだ適職をバーンアウトで失わないように、また労働の価値である感情を守るためにも、仕事とプライベートとの時間的な切り分けをし、「プロはこうあらねばならない」という職業上のペルソナにこだわりすぎないことも必要なテクニックになってきます
感情労働にやりがいを覚えている人ほど、このことを意識していく必要があるのだと思います。
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2017年08月23日

避難所の経験者が教える 災害時にまず携行するべきもの

避難所の経験者が教える
災害時に
まず携行するべきもの
2017年8月22日 日刊ゲンダイ

 災害時にお世話になる避難所。
長ければ数週間の生活拠点となるが、どんなものを用意しておけばいいのか?

 日本気象協会が防災の心得として、避難所などへ移動するときに“最低限必要なもの”をアドバイスしてくれている。
 それによると、「飲料水」「(給水車から水を受け取る)給水袋」「ポリタンク」の飲料水関連がまず挙げられ、
次いで「レトルト食品」「缶詰」「栄養補助食品」の食料など。
さらに食べたら「歯ブラシ」「簡易トイレ」「トイレットペーパー」も必要になる。
体育館での生活を見越して、「スリッパ」「タオル」「懐中電灯」「下着」が並び、
「家族写真(捜索時の確認用)」「現金」「通帳」「身分証明書」「印鑑」と続く……。

 “最低限”としながら欲張り過ぎな気もするが、全部で53種類。
避難所まで荷物を運ぶ軽トラが必要なくらいだ。
 では、実際に避難所生活を経験した人はどう答えるのか?

 昨年4月、故郷の熊本県益城町で熊本地震に遭遇した井芹昌信氏(「インプレスR&D」社長)がこう言う。
真っ先に思い浮かぶのが、三つまたコンセント(タップ)ですね。
食料や水は翌日から自衛隊などによって運ばれてきます。
一方、災害時に一番役立つのは、何より情報でした。
それには携帯電話、パソコンが欠かせない。
熊本地震では長く停電したと伝えられましたが、実は避難所の益城町総合体育館には非常用発電機があった。
そのためコンセントの奪い合いが起き、たこ足に次ぐたこ足配線でした。
その時、三つまたコンセントがあったら……と思い知ったのです。
欲を言えば延長ケーブルも必要でしょう」

 個人的に食料を持ち込んでも食べにくいらしい。
避難所では平等が大事で、温かい豚汁なども全員に配る量がないと公正を期して調理されなかったという。
「もっとも、本当に用意すべきは、いつ自分の身に降りかかってもいいという“覚悟”です。
避難所に来てから、『初めての避難所生活なんで……』とは言っていられません」(井芹氏)  

経験者だけに説得力がある。
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2017年08月25日

生活に支障が出るほど深刻! “おなら問題”は病気の可能性も?

生活に支障が出るほど深刻!
“おなら問題”は
病気の可能性も?
2017年08月23日 15時00分 週プレNEWS

日常的に思わず出てしまう“おならの音”問題だが、前回紹介したおなら芸人・市川こいくち氏が勧める“スカしテク”でかなり改善できることがわかった。
だが市川氏いわく、単純に音や「ちょっとやらかしちゃった」だけでは済まない深刻なケースもあるという。

「昔、ある番組で、おならのせいで恥ずかしい思いを何度もしてきたという20代の女性に話を聞いたんですよ。
食べ物に注意しても、ところ構わず出る。
『仕事中、自分のデスクでも、接客の時でも出てしまう』と、涙ながらに語っていました」(市川氏)

気恥ずかしい思いもさることながら、一度の失敗がストレスやトラウマとなってしまうケースも少なくない。
また、その根本には病気という可能性も隠されているのだ。

「たかがおならで…」は済まないこの問題。
これまで多くのおならに悩む人々の相談を受けてきた、埼玉県さいたま市の『心と体のクリニック』院長の大林正博医師は「おならは心身ともに自分の健康状態を知ることができるひとつのバロメーター」と語る。
大林医師の元には、今も月に平均30人ほどが相談に訪れているという。
高校生や大学生など若い人も多い。

■電車も乗れない? 
過敏性腸症候群のガス型とは
「最近やたら緊張するとおならが出るな…」
「下っ腹がやたら張る」という場合、もしかするとそれは、“過敏性腸症候群のガス型”という病気の一種かも知れない。

「主にストレスや腸内環境の悪化など様々な要因で便秘や下痢を繰り返す“過敏性腸症候群(IBS)”ですが、頻繁(ひんぱん)におならが出たり、ガスで下腹部が異常に張ってしまう症状を“ガス型”と分類しています。

特に緊張する場面などで悪化する人も少なくなく、実際に相談に来た方の中には『大事な会議中にガマンできずにおならをしてしまい、それ以来、またやらかしてしまうのが怖い。
さらに、満員電車に乗ると何度も途中下車してトイレに駆け込んでしまう』というケースもある。
失敗がさらにプレッシャーやストレスとなって、症状を悪化させてしまうのです」(大林医師)

また厄介なのが、IBSの下痢型とガス型の混合タイプだ。
今回20代から40代の男性を対象にしたアンケートの中でも、下記のような深刻な訴えがあった。
「片道1時間かかる通勤の電車の中で、おならと同時に思わず“実”が出てしまい、ぎゅうぎゅう詰めの車内中に強烈な臭いが充満した。
周囲の白い目が忘れられず、『またいつかやらかすんじゃないか』と、電車に乗るたびにいつもかなりの緊張感に襲われる」(32歳・男性)
この男性は「元々、人よりおならが多いタイプだとは思っていたが、まさか病気だとは考えもしなかった」という。
その後、毎朝電車に乗ることが怖くなり、遅刻も増えて日常生活に支障をきたすように。
そこでようやく病院に駆け込み、初めて現状を知ったという。

■常に自分が臭う気がする
“自臭症”という病
さらにIBSと併発しやすいのが、“自臭症(じしゅうしょう)”だという。
精神疾患のひとつで、存在しない臭いを感じてしまったり、「周りの人はきっと臭いと思ってる」など自分の臭いに悩まされる病気。
大林医師いわく「自臭症と過敏性腸症候群のガス型の両方に陥っている人も多い」という。
「これまで過敏性腸症候群のガス型と自臭症は全く別の病気とされてきましたが、実際は両方持っている患者さんも多いという報告があります。

ガス型の症状としては軽くても、おならが出ることを過剰に心配してしまうようになり、その結果、自臭症にもなりやすい。
また、特徴としては、他人の咳払いや鼻をすする(臭いをかぐ)ようなしぐさを見ると『自分のせいだ』と思い込んでしまう傾向があるようです」
この他にも、無意識に空気を多く飲み込んでしまい、おならが出やすくなる“呑気症(どんきしょう)”という病気もあるが、これもストレスが大きく関係しているといわれている。

これらは少々極端なケースかもしれないが、病気ということに気が付かず人前で失敗を繰り返し、それが大きな心の傷となって、より状況を悪化させてしまう可能性も十分あるので、早めの治療が大切だ。
大林医師いわく、IBSガス型の治療は整腸剤や漢方・食物繊維の摂取などで腸内環境を改善させると同時に、ストレスを軽減できる環境を作ったり、リラックスすることも大事とのこと。

自臭症に至っては、対人関係に対する恐怖や不安、自信のなさも関係しているので、緊張を緩和する薬を使うことも。
人の中に入る練習や、「自分は臭い」という思い込みを取っ払って、客観的な視点で状況を把握する治療も行なうという。
「おならなんて、ただの生理現象だろう」と放置するのではなく、気になった場合はまず病院へ行ってみるのもいいだろう。

また、根本的に腸内環境を見直すことも重要だ。
一般的に腸内の善玉菌が優勢になれば、便もおならもそれほど臭わなくなり、過度に出ることもなくなるという。
「そもそも、肛門から排出されるおならの量は平均して1日100ccから300ccと言われています。
その場しのぎで“なんとか誤魔化したい!”と思う気持ちもわかりますが、自分に合った整腸剤を探して試してみたり、食物繊維の多い食材をとってみたりと、根本的に腸内の健康状態を保つように心がけるのが一番ではないでしょうか」(大林医師)

たかが、おなら…されど、おなら…。実はこれほどまで悩んでいる人が多いということ、またその深刻さにも今回の取材を通して改めて気づかされた。
「音を消すテクニックも、知っているのと知らないのではストレスが全然違うと思うんです。
それが自信にもなるし、ストレスもちょっと減るんじゃないかなと思います」(市川氏)
音や臭いを軽減するテクニックを押さえつつ、悪循環に陥る前に改めて自分の屁と向き合ってみてもいいかもしれない。
(取材/青山ゆか、鯨井隆正 文/青山ゆか)

●大林正博
さいたま市「心と体のクリニック」院長。
うつ病やパニック障害など一般的に知られる精神疾患以外にも、“おなら”に悩む患者も多く診察している http://www.kokorotokarada.net/
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2017年08月27日

検査を受けても異常なし? 不調が続く「自律神経失調症」とは

検査を受けても異常なし?
不調が続く
「自律神経失調症」とは
2017.8.25 All About

体の機能をコントロールする自律神経
風邪でもないのに微熱があったり、朝から疲れを感じたり、動悸が激しくなったり……。
そんな症状が続いて病院で検査を受けても、これといった原因が見つからない場合、「自律神経失調症」と診断されることがあります。
ちなみに「自律神経失調症」は病名ではなく、このような症状につけられる診断名です。

自律神経失調症を理解するためには、まず「自律神経」のはたらきを知る必要があります。
自律神経とは、循環器、消化器、呼吸器などの体の機能をコントロールしている神経のことです。
交感神経と副交感神経の2つからなり、24時間休みなくはたらいています。

交感神経は、仕事や勉強、運動、家事など、主に昼間に人が活動しているときにはたらきます。このとき人間の体は心拍数が上がり、筋肉は緊張し、血管は収縮します。
これは人間が活動しやすいように体の状態を維持しているということで、何か外的な刺激にすぐに反応できるのは、交感神経のはたらきによるためです。

一方の副交感神経は主に夜間、体を回復させてリラックスしているときにはたらき、睡眠時がピークとなります。
心拍数は落ち着き、筋肉はゆるみ、血管は拡張しています。
このとき体内では、胃や腸などの消化器官が活発にはたらき、栄養の吸収や老廃物の排出を促進しています。
疲労回復や新陳代謝を行なうことで、体の元気を取り戻していると考えれば分かりやすいでしょう。

自律神経が正しくはたらいているときは、交感神経と副交感神経が互いにバランスを取りながら体の状態を調節しています。
しかし、この2つのバランスが崩れて、さまざまな身体的症状が現れることがあります。
それが自律神経失調症です。

自律神経失調症の
原因と症状はさまざま
自律神経失調症になると、疲労感やだるさ、頭痛、耳鳴り、めまい、便秘や下痢のほか、不眠や手足のしびれが現れたりします。
また体調の不良だけではなく、イライラしたり、憂鬱になったり、理由の分からない不安感に襲われたりなど情緒不安定な状態になることも多く、仕事や勉強に対するやる気も起きません。

自律神経のバランスが崩れる原因には、感染症や内分泌疾患などの病気もありますが、多くはストレスや疲労、不規則な生活による睡眠不足などです。

また生まれつき自律神経が過敏な人や、ストレスに弱い性格の人もいます。
女性の場合は、更年期障害によるホルモンバランスの崩れが自律神経失調症のきっかけになるともいわれています。

病気でもないのにこのような状態にあると、周囲からは「だらけている」と見られがちです。本人は何とかしたいと思っても、原因が分からないだけに、さらにストレスを溜め込むことになってしまいます。
また、慢性的にストレスが生じる環境では自律神経に不調が生じるだけでなく、うつ病や不安障害など心の病気を引き起こす可能性も高くなります。

自律神経失調症の治療法は?
対症療法と生活習慣改善
原因が特定されなければ、自律神経失調症と診断されても、根本的な原因を取り除く治療は難しい場合もあるでしょうが、問題になっている症状への対症療法としての薬物治療や行動療法などがあります。
更年期障害の女性の場合、ホルモンバランスを整えるためのホルモン剤が投与されることもあります。
しかし、いちばんの治療法は、生活習慣の改善とストレスを自分でコントロールできるようにすることです
夜は副交感神経をはたらかせるために、十分な休養をとるようにします。
夜更かしが慢性的になっているのなら、少しずつ寝る時間を早めて、朝すっきり目覚められるように生活リズムを変えていきましょう。
食事も栄養バランスを心がけて、規則正しくとるようにしてください。

社会生活を送っていれば、ストレスをまったくなくすことは不可能ですが、上手につきあうことで減らすことは可能です。
ストレスを溜め込みやすい人は、完璧主義や責任感が強い傾向があります。
自分の小さなミスが許せず、気に病んでしまう……。
そうした考え方を一旦やめてみることです。
また、自分だけの楽しい時間をつくり、趣味や好きなことに没頭することもストレス軽減になります。

自律神経失調症は、生活改善をはじめても、効果があらわれるまでには時間がかかりやすいものですが、まずはできることから始めましょう。
気長に生活を改善し、ストレスを減らしていくことが、症状改善にはいちばんの近道だといえるのです。
関連する情報として
「春にざわめく胸騒ぎ、これって病気なの?」
「42℃から効果が真逆に?お風呂で自律神経を整える方法」などもあわせてご覧ください。
(監修:今村 甲彦)
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2017年08月28日

3つの要素がそろうと赤信号! 孤独死予備軍“セルフネグレクト”からの脱出法

3つの要素がそろうと赤信号!
孤独死予備軍“
セルフネグレクト”からの脱出法
2017.8.26 週刊女性PRIME

 今年2月、ゴミ屋敷から両足が壊死した高齢女性が救出され世間に衝撃が。
きっかけは人それぞれでも、社会との関係を断ち切り、最終的に身の回りの世話もしなくなる“セルフネグレクト(自己放任)”が大きな社会問題となっています。
         ◇   ◇   ◇ 
家族や自分も陥りかねない
現代社会の成れの果て
 激しい疲労や落ち込みから、食事や入浴、掃除などの日常動作もやる気が起きず放置してしまうという経験は、誰しも1度くらいあるのでは?
 しかし、たいていはしばらくすると気を持ち直し、いつもの生活に戻れるもの。

 それに対し、生活や健康状態が自分では回復できないレベルまで悪化し改善する意欲も周囲に助けを求める気力もなくなってしまうことを「セルフネグレクト」と呼びます。

中にはゴミにあふれた
部屋の中で孤独死する
        深刻なケースも……。
自己放任、自己放棄ともいわれるセルフネグレクトは、これまでひとり暮らしの高齢者に多いとされてきましたが、近年では働き盛りのサラリーマンから大学生まで、年齢を問わず増えています」と話すのは、地域医療やビジネスパーソンのメンタルケアに精通している医師・田中伸明先生(ベスリクリニック院長)

 セルフネグレクトの事例を見ると、ごく普通の生活をしていた人が陥ることも多いよう。
まずはその原因と過程からひも解いていきます。

環境、反応、維持する仕組み
     3つの要素がそろうと赤信号
 田中先生によれば、セルフネグレクトに陥る過程には、3つの要素があるそう。  

まず1つ目は、きっかけとなる環境の変化。
「例えば、家族の死や恋人との別れ、仕事での大きな失敗、病気など。

そうした出来事に対して、2つ目の要素である個人の反応が起こります。
自分自身を守るために“社会との関わりを断つ”という状態に行き着くんです。
反応の仕方は、その人のもともとの資質によっても現れ方が変わってきます。
特に強く現れやすいのは、極端な執着思考の人や、物事を勝つか負けるかといった具合に両極にしか考えられない人、ネガティブな事柄の原因を自分ではなくすべて相手が悪いと考える人。
また、もともと社会との関わりが薄く、孤立傾向の人。
こうした人たちは、セルフネグレクトに陥りやすいといえます。

そして3つ目は、社会との隔絶状態を維持できる仕組み。
悪化した生活状態であっても、年金や家族の援助などによって経済的にはなんとか生きていける状況であるということ。

この3つがつながることでセルフネグレクトが完成するのです」
 そのときの本人の状態は、自分だけの世界に閉じこもる“自閉”の状態に通じますが、その中でもセルフネグレクト特有なのが心身の分離。
心は自分自分だけれども、身体は自分とは関係のないものだと思ってしまう。
自分とは関係ないから、汚くなろうが、衰弱しようが全く気にならず無視する。
この状態こそ自己放棄=セルフネグレクトというわけです」

周囲の接し方や
現代社会の環境にも問題が潜んでいる
 3つ目の要素である“維持できる仕組み”は、家族など周囲の人間がよかれと思ってやっていることが、結果的にセルフネグレクトを助長してしまっている場合も。

「親が仕送りをしたり食事を運ぶことで、本人が社会と関わりを持たなくとも生きていける状況を作り上げてしまっているんです。
また、親だけに限らず現代社会は外出して人と直接関わらなくても、インターネットで手軽に外部と接続できてしまいますよね。
これにより自分が社会と隔絶しているという自覚がないまま、自閉状態が維持されてしまうという社会的背景もあります

 改善するには、
そんな状況を壊していくことが必要。
「例えば、同居している息子や娘がセルフネグレクト状態で閉じこもっている場合、部屋の前まで食事を運んではいけません。
お腹が減ったでしょう? だったらダイニングで一緒に食べましょうと声をかけてください。
そのとき、閉じこもっていることなんて、家族はまるで気にかけていないかのような、明るい雰囲気を保つのもポイントです。
またネットの接続が切れてしまって自分たちでは修理できないから、専門業者さんのところへ行って自分で直してきてと外出を促したり。
とにかく本人がセルフネグレクトの状態を維持できないよう、居心地の悪い状況をあえて作っていくように、周囲の人間も関わり方を変えていくことが解決につながります」

 本人が自分の意志で動き始めたら
         第1段階は突破。
これが改善に向かう“変曲点”になります。
解決への取り組みにおいて、この変曲点は重要なキーワード。
「治療は時間をかけてあれこれやっても、変化はごくわずかしか現れないことがほとんど。
でも、それを繰り返し積み上げていき、変曲点に達したときに刺激を与えると、加速して変化が現れてきます。
すぐにあきらめず粘り強く向き合うことも大切です

抜け出すためにどうすれば?
正しい接し方と解決法
 悲惨な状況を目の当たりにし、どうしていいかわからず慌てるばかり……。
もしも身近な人が陥ったとき、そうならないために、有効な対策や予防法をしっかりインプットしておこう。

■本人の状態や資質により
    有効な対策は違う
 心と身体が分離した状態は同じでも、本人に自尊心が残っているかどうかで対応の仕方は変わると田中先生。
自尊心が残っている場合、昔ながらの友人や地区の民生委員などの第三者に協力してもらい、
みんなも困っているよという話をすることでもともと社会的立場を気にかける人なら、特に自分も動かなければという気持ちを呼び起こせる可能性があります。
一方、自尊心が残っていない人は治りたいという気持ちがそもそもないので、身体をきれいにしなさいなどと正面から説得しても意味がありません。

治療方法としては強制的に
身体をきれいにすることから始めます。
本来、心と身体はつながっていますから、身体をきれいにしたり、女性なら化粧をさせたりすることで心が戻っていく効果が期待できます。
つまり分離した心と身体を再び合体させるような治療を行っていきます」
 ただし、結果を焦るのは禁物。
「人間は心身の構造上、3回経験すると無意識が発動して行動できるようになっているんです。
1回目は意識だけの領域に指示を与えて拒絶されても、
2回目には前回の記憶があるため少しずつ無意識の領域にまで指示が下りていきます。
そして3回目には、無意識が発動して自動的に動けるようになるんです。
だから、一気に解決しようとしてはダメ。

その人が現況に陥ったきっかけを理解し、自分を守るために自閉状態になっていることを受け入れたうえで心身が分離する状態に至るまでの道のりを、反対にたどる作業をしていかなければいけません。
同じことを3回繰り返しながら、根気よく接していくことが必要なのです」

■人や社会との交流、
自立を意識した教育も重要
 冒頭であげた、家族の死や恋人との別れ、病気といった環境の変化は、誰にでも起こりうること。
では、そこからセルフネグレトに陥らないための予防策とは?

一番は、人や社会との関わり、つまり社会性を大切にすることですね。
人格というのは、他者との関わりによって形成されるものですから、地域社会や家庭の中で、自分の存在価値が明確になれば向上していきます。
私がいなければ困る人がいる、という意識を持つようにするのもいいでしょう。
また子どもに対して、親や周囲の人間がすべてやってあげるのではなく、ゴミ出しなど何かしら日課を与えるなどして、子どもの自立性を高めていくことも、健やかな心を育み、セルフネグレクトを防ぐ対策になります」

 なお、家族や友人だけに限らず、困ったときには専門家や行政サービスも活用したいところだが一部、問題点も。
「高齢者であれば、介護保険制度や民生委員など、ある程度対応してくれる窓口がありますが、若者や中年層には、今のところ社会にサポートする仕組みがないのが問題。
この点は今後、早急に解決するべき課題ですね」

■1度で完治とはいえないから
    再発しない暮らし方を
 1度、脱することができても、また何かのきっかけで、容易に再発する可能性があるのがセルフネグレクトの怖いところ。
特に、他者のサポートによって外に出した場合は、すぐに元に戻ってしまう危険性も。
「再発を防ぐために、こもっていた部屋をなくしてしまうなど先手を打って環境を整えておくのも手です。
また、根本的な部分ですが、現代人は心の問題ばかりに注目して頭でっかちになっている人が多い。
やはり人間は心身両面を働かせることでバランスがとれるんです。
普段から身体を動かす習慣をつけるのも、再発予防に有効だと思います」

<話を聞いた人>
田中伸明先生
◎日本神経学会認定医、日本東洋医学学会専門医、医師会産業医。
諏訪中央病院(鎌田実院長)で地域医療に従事、その後、大学教授などを経てベスリクリニックを開設。
薬に頼らないメンタルケアを提唱している。
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2017年08月29日

医師の働き過ぎ 健康でこそ命預かれる

医師の働き過ぎ 
健康でこそ命預かれる
2017年8月28日 東京新聞「社説」

 医師の長時間労働を減らす議論が厚生労働省の有識者検討会で始まった。
勤務医は残業や夜勤など激務が問題化している。
患者の命を預かる医師が過労で倒れては元も子もないというものだろう。

 政府が三月にまとめた「働き方改革実行計画」では、残業時間の上限を「月百時間未満」とする規制策を盛り込んだ。
医師はこの規制の適用を五年間猶予された。
患者が診療を求めれば拒めない「応召義務」があるからだ。

 医師は、命を救うという使命感が強い。
多くの患者を診察する病院の勤務医は残業をいとわず、宿直や急な呼び出しにも対応している。職場に医師の過労問題には目をつぶる雰囲気もあるだろう。

 だが、激務から心身を休める余裕がない。
七月には、懸命に診療を続けていた産婦人科の三十代男性研修医の自殺が、長時間労働で精神疾患を発症したことが原因だったと労災認定されたばかり。
研修医に休日はほとんどなく、自宅の冷蔵庫には何もなかったという。
私生活もない状態で、自身の命を脅かす働き方は尋常ではない。

 厚労省によると、週の労働時間が六十時間を超える人の割合は雇用者全体の平均で14%。
医師は41・8%でトップだ。
過去五年間に過労死や過労自殺した医師は十人に上る。

 七月には最高裁が、勤務医の年俸に残業代は含まれないとの判決を出した。
つまり通常の賃金と残業代を明確に線引きし、労働時間規制の重要性を示したといえる。
 医師の残業をどう減らすか、検討会で二年かけ議論する。
ただ、八月の初会合は協議の難航を予想させた。

大学病院長は「医師は診療、自己研究、教育の三つの業務がある。
どこからどこまでと業務を切り分けられない」と指摘した。
別の医療関係者は「医師の勤務には自己研さんの面があり、制限されることに不満を持つ医師もいる」と慎重な対応を求めた。
 残業を減らせばその分、医師を増やすなど将来必要な医師の養成問題に影響する。
確かに一律に規制をかけることは難しい。
ここは知恵を出し合うしかない。

 負担が重くなりがちな若手とベテランとの分担見直しは必要だろう。
診断書作成などの事務作業や、患者への説明など医師の業務をもっと他職種に任せたい。
看護師にも医師と協力して医療行為ができるように業務の幅を広げられる余地はあるのではないか。
 医師も紛れもなく労働者であることを忘れないでほしい。 
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2017年09月02日

「防災の日」に考える 意識変え豪雨に備える

「防災の日」に考える 
意識変え豪雨に備える
2017年9月1日 東京新聞「社説」

 地球温暖化の影響か。
雨の降り方が近年、変わってきたといわれる。
今夏も局地的豪雨が相次いだ。
降り方が変われば、意識も備えも変えねばならぬ。

 住宅地が広がる名古屋市名東区付近に七月二十九日夕、局地的な大雨が降った。
 午後六時半までの一時間に約一〇〇ミリという猛烈な雨がレーダーで観測され、名古屋地方気象台は「記録的短時間大雨情報」を出した。
その地域では数年に一度程度しか起こらない激しい降り方、ということである。

◆水は突然押し寄せる
 不思議なことに、同じ名東区でも南部の住民は、さしたる降雨はなかったと言う。
ところが、区内を流れてくる中小河川、植田川の水位はわずか十分ほどの間に急上昇し、氾濫寸前となった。
 ほとんど降雨がなかった場所にも、不意打ちのように水が押し寄せてくる。
これも局地的な豪雨の恐ろしさである。

コンクリートで覆われた都市部では、大雨の水は地中に染み込むことなく、市街地の中小河川に一気に流れ込む。
 二〇〇八年七月に神戸市を襲った局地的豪雨も思い出したい。
同市灘区の都賀川の水位は、やはり十分ほどの間に一・三メートルほど上昇し、河川敷にいた十六人が流されて小学生ら五人が死亡した。

 大雨による災害は一時間降水量が五〇ミリを超えると起こりやすくなるといわれ、気象庁は一時間五〇ミリ以上八〇ミリ未満を「非常に激しい雨」、八〇ミリ以上を「猛烈な雨」と表現している。

 その「非常に激しい雨」「猛烈な雨」は、明らかに増える傾向にある。
 気象庁の統計によると、「非常に激しい雨」「猛烈な雨」が降った頻度は、アメダス(地域気象観測システム)千地点当たり、一九七六〜八五年の十年間は年平均一七三・八回だった。
ところが、〇七〜一六年の十年間は年平均二三二・一回。
つまり、この三十年ほどの間に30%以上も増えたことになる。

 温暖化と大雨の関係は完全には解明されてはいないが、少なくとも温暖化で気温が上がれば海水温も上昇し、空気に含まれる水蒸気の量が増える。
こうして大雨になりやすくなると考えられる。
 七十七人が犠牲になった一四年八月の広島土砂災害も、今年の九州北部豪雨も、同じ場所で次々と積乱雲が発生する「線状降水帯」が局地的な豪雨をもたらした。

◆ハードだけでは守れぬ
 線状降水帯発生の予測は今の技術では難しく、今夏の九州北部豪雨でも、残念ながら気象庁などの情報が後手に回り、自治体が避難勧告を出した時には既に山間部で建物が流されていた。  

豪雨への備えで何よりも重要なのは情報である
より迅速に防災情報を出せるよう、なおいっそうの研究を気象庁に求めたい。
 大雨を巡っては、国土交通省が一五年、「水防災意識社会再構築ビジョン」を策定してもいる。
 従来の大雨対策は、いわばハードありき。
つまり、百年に一度、二百年に一度という大雨を想定した基準を設け、堤防や遊水地を整備していくものだった。
 この再構築ビジョンは「施設では防ぎきれない大洪水は発生する」とうたい、住民が自らリスクを察知して主体的に避難できるようにするソフト重視も掲げた。
 いわば、ハードの限界を認めて発想を転換した格好である。

 同年九月の関東・東北水害を教訓とした。
茨城県常総市では二十キロも上流であふれた水が半日以上たってから押し寄せ、何千人もの住民が孤立した。
 遠くであふれ出た水がどこに向かうのか。
洪水ハザードマップを見ていたとしても、想像することは難しいのが実情だろう。
 危険が迫ってから避難するのでは遅いということである。
 突然の地震とは違い、天気予報で予告される台風などの大雨は、対応するのに時間的な余裕があると思いがちだ。
ところが、近年相次ぐ局地的な豪雨は、そこが落とし穴になることを示している。

◆一歩先を想像する力  
途方もない被害を出した五九年の伊勢湾台風の時代に比べれば、国土は頑丈な堤防に守られ、何千人もの犠牲者を出すような水害はなくなった。
その安心感、あるいは先入観が避難への反射神経を鈍らせてはいないか。
 気象庁ホームページの「高解像度降水ナウキャスト」、あるいは今年七月から運用が始まった「洪水警報の危険度分布」など、一歩先の危険を知らせる仕組みは日進月歩で整備されている。宝の持ち腐れにさせてはなるまい。

 豪雨災害は、どこでも起こることを、まず再確認したい。
身を守るのは、次の展開を想像する力である。
雨の降り方が変わってきたなら、雨への意識も改めたい。
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2017年09月03日

O157:埼玉ポテサラと関西など同一遺伝子 広域で検出

O157:
埼玉ポテサラと関西など
同一遺伝子 広域で検出
毎日新聞 2017年9月2日

 群馬、埼玉両県の総菜店で購入したポテトサラダを食べた複数の客が病原性大腸菌O157に感染した問題で、国立感染症研究所で患者から検出された菌の遺伝子を調べた結果、一致したことが厚生労働省への取材で分かった。

 同一の遺伝子型の菌が関西でも検出されたことが判明し、同省は1日、感染源や感染の広がりを把握するため、患者から発症1週間以内に食べた食事や旅行の有無などを聞き取り調査するよう自治体に通知を出した。

 O157による患者の報告数は8月14〜20日の1週間で144件と、過去5年で最も流行した年を超える水準。
感染研で遺伝子を調査したところ、144件の大半の患者で菌の遺伝子型が一致。
関東で流行しているほか、滋賀や三重、新潟県の患者からも同一の遺伝子の菌が検出された。  

厚労省は共通の汚染源の食物などが広域に流通し、患者からさらに感染が広がっている可能性があると判断。
自治体に対し群馬、埼玉県の患者から検出されたO157と同タイプの菌を確認した場合、感染研で遺伝子型を調べると共に、プールの利用や動物との接触など患者から詳細な行動を確認するよう求めた。

 また感染源が特定されない中で、給食が始まることから、自治体に対し給食を調理する事業者に感染予防の指導を徹底することも求めた。
      【桐野耕一】

ことば「O157」
 元々は牛などの腸にいる大腸菌の一種。
食肉処理などの際に、肉の表面に付着することがある。
毒性が強く、重症化して死に至ることもある。
食中毒の発生は、菌が増殖しやすい初夏から初秋にかけてが多い。
菌が人の手足などを介して2次感染するおそれがある。
対策としては加熱(75度で1分以上)と、食材についた菌を洗い流すことなどが挙げられる。  
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2017年09月04日

年金75歳時代の恐怖、家族や友人が骨さえ拾ってくれない!

年金75歳時代の恐怖、
家族や友人が
骨さえ拾ってくれない!
9/3(日) 16:00配信 NEWSポストセブン

 男性の平均寿命80歳で、政府が検討を開始した年金受給開始を75歳に引き上げる案が実現してしまうと、死ぬ数年前まで安定的な収入はないことになる。
そうなれば「終活」事情も大きく変わってきそうだ。

 すでに、葬儀にかける費用が捻出できないことから格安葬儀が広がっているとするのは、NPO法人「葬儀費用研究会」の冨永達也事務局長だ。
「葬儀の相談で、いちばん多いのが、子供に迷惑をかけたくないというもの。
葬儀費用ぐらいは自分たちで貯めておきたいと多くの人が考えている。
だからわずかな年金からでも捻出できるように、家族葬で、それもできるだけ安くしたいというお話を聞きます。
ただ、家族葬といっても、世間並みのことをやろうとすれば50万〜70万円は必要になってくる」

 年金の空白期間が生まれるだけでなく、医療も介護も大きな負担増を強いられると考えられる75歳受給開始時代がやってくれば、さらなる「簡素化」の流れが進むことは間違いない。
「現在のところでは、僧侶も呼ばない無宗教のかたちで葬儀業者に依頼して、15万〜20万円。これが最低ラインでしょう。

遺体を運ぶ運搬費、遺体保管料、棺の費用はどうしてもかかってくる」(同前)
 こうした価格帯の葬儀の場合、通夜や告別式はなく、火葬許可が出るのを待つ間は遺体を安置所に預け、そのまま火葬場で近親者のみでお別れとなる。
安置所では、一般的な枕飾りすらない。

 では、75歳年金受給時代となり、本人に全く蓄えがなく、子供も費用捻出を拒否するようなケースでは、どういったことが起きるのか。
冨永氏はこういう。
「火葬場での骨上げをしなくなるのではないでしょうか。
関係が途絶えた親戚が孤独死した場合などは、警察が親戚を探し出したとしても、遺体の引き取りを拒否されるケースがあります。
そういう場合は、最終的には行政が火葬します。
葬儀費用が捻出できなくなると、残された人から“弔うことを拒否される”というところまで行き着くのではないでしょうか」
 骨も拾ってもらえない時代がやってくる。

※週刊ポスト2017年9月8日号
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2017年09月06日

無理して学校行かないで NPO呼び掛け「大人は居場所を」

無理して学校行かないで 
NPO呼び掛け
「大人は居場所を」
2017年9月5日 東京新聞朝刊

 夏休み明けに子どもの自殺が増える9月1日前後に、首都圏で中高生の死亡が相次いだ。
警察によると、いずれも自殺の可能性が高い。

いじめや不登校などの問題に取り組む関係者らは悩む子どもたちへ向け、
「無理して学校に行かなくてもいいんだよ」
「ささいなことでも相談して」と呼び掛けている。

 「子どもたちには『学校か死か』ではなく、『学校に行かない』という選択肢が許されることを伝えたい
 NPO法人「全国不登校新聞社」の石井志昂(しこう)編集長(35)は四日、取材にこう語った。
自身も中学二年で不登校になったが、「許されないと思ってため込んでいた『学校に行きたくない』という気持ちを親に打ち明け、受け止めてもらったことで命を拾った」。
周囲の大人たちには
原因探しの前に、安全第一。
まずは子どもがいたい場所にいられるようにすることが大事」とアドバイスする。

 いじめ防止に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」の理事、小森美登里さん(60)は十九年前、学校でのいじめが原因で高校生の娘=当時(15)=を自殺で亡くした。

「原因がいじめだったとしたら、その現場は学校がほとんど。
夏休みに学校から離れてほっとしている心が、新学期が近づくにつれて不安が増して押しつぶされてしまうことがある」と話す。
 学校側には「いじめを把握していて状況が改善していないならば、教員から『無理して来なくていい。
心配しなくていい』と子どもたちに伝えてあげてほしい」と呼び掛ける。

 不登校新聞社などNPO法人五団体は八月下旬、登校がつらい子どもたちに向けた緊急メッセージ「学校へ行きたくないあなたへ、味方はココにいます」をインターネットで公表。
同新聞社などのウェブサイトに掲載されている。
 メッセージは、学校のことを考えるのがつらいのに「自分の味方なんていない」と感じている子どもたちへ「支えてくれる味方はココにいます」と呼び掛け、具体的な相談先として、無料で十八歳以下の電話相談に応じるチャイルドラインなどを紹介している。

 警視庁は相談電話ヤング・テレホン・コーナーで専門職員らが相談に応じる。
少年育成課は「名前を明かさなくても大丈夫。どんなささいなことでもいいので、相談を」と話している。

◆夏休み明け 中高生自殺相次ぐ
 四日朝、東京都内と千葉県で、中高生三人が相次いで死亡した。
墨田区では中学三年の女子生徒(14)がマンション十四階の自宅ベランダから転落。
向島署によると、家族に「夏休みの宿題ができていない」と話し、自室に遺書のようなメモがあった。
夏休み前には「勉強についていけない」と登校できなくなったこともあったという。

 江戸川区の公園の公衆トイレでは、区内の高校三年の男子生徒(17)が首をつっているのが見つかった。
葛西署によると、進路に悩み、一日朝から行方が分からなくなっていた。

 千葉県船橋市では京成電鉄東中山駅で、県内の高校一年の男子生徒(16)が通勤特急にはねられた。
船橋署によると、男子生徒は私服姿で駅のホームの端に立ち、運転士は「電車が通過する時に線路内に倒れてきた」と説明している。

 八月三十日から今月一日にかけても、都内と埼玉県で中高生四人が建物から飛び降りるなどした。
 東京都八王子市では一日午前、中学二年の女子生徒(13)が学校敷地内で倒れているのが見つかり、腰の骨を折る重傷。
南大沢署によると、高さ十三メートルの四階音楽室の窓から飛び降りたとみられる。
学校は二十九日に始業式があり、一日は通常授業だった。
友人関係に悩み、直前まで他の女子生徒が相談に乗っていたという。

 都内ではこの他、三十日朝に台東区で中学二年の男子生徒(13)が、三十一日夜には渋谷区で高校一年の男子生徒(16)が死亡。
いずれも自殺とみられる。

 埼玉県所沢市では三十一日午前二時ごろ、高校一年の男子生徒(16)が県営団地の前で倒れて亡くなっているのが見つかった。
所沢署は飛び降り自殺を図ったとみている。
高校は一日が二学期の始業式だった。

◆24時間子供SOSダイヤル 
  (0120)078310
◆子どもの人権110番 
  (0120)007110  
(月〜金曜、午前8時30分〜午後5時15分)
◆チャイルドライン 
  (0120)997777  
(月〜土曜、午後4時〜9時、18歳以下専用)
◆ヤング・テレホン・コーナー 
  03(3580)4970  
(年中無休、24時間)  
  ※ヤング・テレホンのみ有料
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2017年09月07日

お金がないときの過ごし方はこんなにある!5つの選択

お金がないときの
過ごし方はこんなにある!
5つの選択
2017年9月6日 All About

お金がないと何もできないのか?
今の世の中は、遊びでも出会いも学びも、なんでもお金があれば、いろいろな体験ができるようになりました。
それはそれで良いことですが、だからといって、お金がないと何もできないという思い込みは、ちょっとどうかと思います。
月末になると、「お金がないので、することがなくて退屈」というボヤキを聞くことがあるのです。
お金がないときは、お金と縁のない空間で過ごすことができれば、快適で居られるのですよ。
自分なら、金欠対策に次の五択から選びます。

図書館に行く

勉強したい、本を読みたい、じっくりデスクワークをしたいという人なら、図書館がオススメです。
たくさんの本と勉学に励む人たちに囲まれて、お金のことなど忘れて、学びのモチベーションがアップすることでしょう。
地域の差はありますが、図書館には、集中できる読書コーナー、くつろげるソファースペース、リラックスできる休憩ゾーンなどがありますから、終日居てもあきることはありません。
本だけではなくて、雑誌や新聞を乱読できるのも、図書館の楽しみ方の一つ。
同じ本を読むのでも、魅力的な新刊本が並んでいる書店などには、決して行ってはなりません(お金を使いたくなりますから)。

自然の中を散策、運動

自宅の周りを散策すれば、小さな林や丘、小川や公園など、新たな発見をできるかもしれません。
身近な自然に触れて、リラックスできれば、心身のリフレッシュにもなります。
少しふんばって、ジョッギングなどをすると、行動範囲がぐっと広がります。
私の地元には、100基を超える由来碑が路傍に設置されています。
街歩きをしながら、一昔前までの生活の表舞台で重要な役割をはたしていた歴史的に由緒深い文化的遺産を知ることができます。
同じ自然を満喫するのでも、観光地や遊園地などには、決して行ってはなりません。

神社仏閣めぐり
ただ街を散策するのではつまらないという人は、神社仏閣にしぼって、歩き回ってはいかがでしょう。
神仏の前で、日頃の思いを整理して、祈るという行為は、人生で必要です。
ご先祖のお墓をお参りするのもいいですね。
あなたを守ってくれている何かに感謝して、明日からの健闘を誓うことで、金運もあがることでしょう。
近所のお寺や神社が、無名だから、小さいからといって無関心でいませんでしたか?
名所だからお参りするというのではなく、どこででも一生懸命に祈る、その気持ちが、開運の鍵なのです。ただし、お賽銭だけはお忘れなく。

近所の親戚、
      友人宅を訪ねる

作家・本田健さんの名言の中に「一週間泊めてくれる友人を50人以上作れば、一生食べていける」、というのがあります。
一週間なんかでなくて一日でもいいのです。
泊めてくれなくてもいいのです。
友人だけでなく、親戚でも知人でもかまいません。
だれかの家にフラっと立ち寄ってみませんか。
お金がないから飯食わしてくれみたいな、本音で付き合える人だったら、最高です。
お金のかからない時間つぶしというセコい意味を超えて、奇妙な偶然に出会うのも、こういうときです。

部屋の中でお片づけ

どこにも出かけたくない、だれにも会いたくないというあなた。
家の中で、お片づけをしてください。
「断捨離」という言葉にもあるように、物を捨てて執着から解放されることは、人生を変える第一歩です。
家の中の不要なものを捨て、必要なものだけを整理整頓しておくことを、一日かけてやってみませんか。
もしかしたら、何日もかかるかもしれません。
お金はかかりませんが、空間を生み出し、運気を呼び込むことにつながるでしょう。
同じ部屋を整理するのでも、家具や収納棚を見つけようと、ホームセンターなどには、決して行ってはなりません。

いかがでしたか?金欠状態を忘れて、充実した時間を過ごしてください。
(文:北川 邦弘)
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「長寿大国ニッポン」何が"めでたい"のか

「長寿大国ニッポン」
   何が"めでたい"のか
2017.9.6 プレジデントオンライン (元木 昌彦)

昨年9月の厚生労働省の発表によると、100歳以上の高齢者は全国に6万5692人。
これは46年連続の増加で、人口10万人当たりの人数は世界一という。
元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏も、今年72歳となり、男性の健康寿命71.19歳を超えた。
元木氏は「100歳」を目指す風潮に、敢然とぼやく。

誰のための
「人生100年時代」なのか
若者には未来なんてない、時間があるだけだ
これは立川談志十八番「やかん」の中のご隠居さんの名文句である。
ハンバーガーみてェな文明の残飯喰ってて、長生きするはずがない。
それが証拠に、若いやつで長生きしている奴ぁ一人もいない

日本には100歳以上の年寄りが約7万人いるそうだ。
人口10万人当たりではイタリア、アメリカ、中国、インドを抜いて第1位である。
1963年には153人だったのが、1998年に1万人、2012年には5万人を超えた。
まさに長寿大国である。
といってもそのうち9割弱が女性ではあるが。
毎年4〜5000人ずつ増えているというから、あと100年もすると100歳まで生きることが稀ではなくなるかもしれない。

どこの国でも長寿を寿ぐという習慣があり、日本でも喜寿、米寿、白寿と名付けて祝ってきた。ちなみに100歳以上は仙寿110歳は珍寿120歳は大還暦という。
そのうち還暦を2回祝う年寄りも珍しいことではなくなるかもしれない。

長生き男たちが望む
       「死ぬまでSEX」
そうした時代を先取りしてか、書店に行くと
『人生100年時代の新しい働き方』
『人生100年時代のお金の不安がなくなる話』
『100歳まで元気でぽっくり逝ける眠り方』
『100歳まで元気な人は何を食べているか?』
『100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方』などの本が並んでいる。

眠り方なんかいるか、死んでしまえばずっと寝ていられるんじゃ。
杖のつき方で長生きできるのかと悪態をつきたくなるが、そんなに長生きしたいのかね。
アンチエイジング、植毛、ライザップとかで腹をへこますだけに何十万も使うという。

昔は地獄の沙汰もカネ次第といったが、今は長生きするのもカネがなくてはできないのである

そうやって長生きした男たちが果てしなく増殖して、死ぬまでSEXと、ED薬を飲みながら女を漁る浅ましい世界がやってくるのだろうか。
ゾンビの世界だね。
今年7月に日野原重明聖路加国際病院名誉院長が105歳で亡くなった。
彼が90代の終わり頃にインタビューしたことがある。
1時間程度で取材が終わると、椅子に深々と腰掛けていた日野原院長が、手も衝かずにヒョイと立ってスタスタと部屋から出て行った。

「長寿=悪」のような風潮が目立つ
その後ろ姿を見て、彼のように元気で仕事をバリバリこなして生きているなら、長生きもいいかもしれないと思ったものだったが、多くの人はそうではない。
テレビに出てくる元気印の年寄りたちも例外中の例外であろう。
植物人間のようになって、延命装置の管をつけられて100歳を迎えるのでは、長寿とはいえまい。
それに最近、長寿=悪のような風潮が目立つ気がする。
家庭では老老介護の悲劇が繰り返され、認知症になった親と、それを介護する子供とのトラブルがメディアを通じて喧伝される。

まるで年寄りは厄災であるかのような空気が蔓延し、それをいいことに、国は年寄りいじめとでもいうべき制度改悪を推し進めている。
『週刊ポスト』(9/8号)は、年金の受け取り年齢を今の65歳から75歳にする策謀が安倍首相の下、「未来投資会議」で進められていると報じている。
そうなると「夫婦で年金月額約22万円の標準モデル世帯の場合、10年分の年金収入約2640万円が減らされる。
そうすると定年時点での貯蓄が2500万円ではとても足りず、退職金を合わせて5000万円の貯蓄があっても、85歳前に食いつぶしてしまいます」(ファイナンシャルプランナーの藤川太)

「年金人生」の時間はほとんどない
その前段として、先に日本老年学会と日本老年医学会が「65歳以上」とされる高齢者の定義を「75歳以上」に引き上げるべきだとする提言を発表した。
要は、寝たきりでない年寄りなら、老骨に鞭打ち働いて税金を払う側になれということだ。
シルバーパスは返上せよ、医療費負担も現役世代と同じにする。
その代わり75歳になったら手厚い年金で老後をゆっくり暮らしてくれというのだが、そんなことは信じないことだ。
あと10年もしないうちに100歳以上の年寄りが増えて社会保障費が膨らみ過ぎたので、年金受け取り年齢を85歳にするといってくるに決まっている。
政府や役人の頭の中はその程度なのだ。

それに健康寿命は男が約70歳女性でも約74歳だから、年金をもらっても健康で楽しい第二の人生を送れる時間はほとんど残されていない。
もっと深刻なのは「死に場所難民」になることだ。
これまでは多くの人が病院で死んでいた。
だが厚労省の方針で、病院のベッド数を大幅に減らしたため、在宅介護や終末期医療も自宅で行わなくてはいけなくなる。

「100歳まで生きるために
         してはいけないこと」
そのため老老介護はもちろんのこと、孤独死も日常茶飯のことになる。
これでも長生きは幸せだといえるのだろうか。
老後不安大国ニッポンである。

私も古希を超え健康寿命も超えた。
この年になって一番困るのが「短気」になったことである。
それも自分に腹が立つのだ。
ペットボトルの栓が開けられない。
背中に膏薬が貼れない。
靴下がはけない。
平坦な道を歩いていて転びそうになる。
いちいち腹が立つ。情けない。
だが、すべて自己責任である。

新聞を開けば、血糖値や血圧を下げる、年齢とともに気になる悩みをサポートする、年齢を重ねてきたあなたへと、サプリと紙オムツの広告ばかりである。
しかも年寄りの弱みに付け込んでバカ高い。
みんな飲んでいたらおまんまを買うカネがなくなって餓死してしまう。

週刊誌を開けば「老前破産」だ「100歳まで生きるためにしてはいけないこと」と、老人性うつ病の身を叱咤する特集ばかり。
ちなみに『週刊現代』(9/2号)の「100歳まで生きるために」を覗いてみた。
年金は繰り上げ受給するな、1800万円も損をする。
節税のためにタワーマンションやアパート経営をしてはいけない。
こういう保険商品は買ってはいけない。
親の介護は親の財布でやれ。
老後の家の住み替えやリフォームは慎重になど、懇切丁寧に書いてあるのだが、下流老人である私には何も関係がないことばかりである。

この国は「姥捨て山」
         政策を取り始めた
佐藤愛子の『九十歳。何がめでたい』が売れているが、書かれているのは老いの苦しみ、孤独、愚痴ばかりである。
「ああ、長生きするということは、全く面倒くさいことだ。
耳だけじゃない。目も悪い。
終始、涙が滲み出て目尻目頭のジクジクが止まらない。
膝からは時々力が脱けてよろめく。
脳みそも減ってきた。
そのうち歯も抜けるだろう。
なのに私はまだ生きている。

『まったく、しつこいねェ』 思わず呟くが、これは誰にいっているのか。
自分にか? 神さまにか? わからない。
ついに観念する時が来たのか。
かくなる上は、さからわず怒らず嘆かず、なりゆきに任せるしかないようで。
ものいわぬ婆ァとなりて 春暮るる」
愛子バアさん、生きているのも面倒だから死んでしまえと思うのだ。

「葬式なんかいらん。坊主もいらん。
そのへんの川にでも捨ててくれ。
なに、そんなことしたら、警察問題になって、捨てた娘は罰金を取られるかもしれないって? ……もう知らん! 勝手にせい!」

この国は老人福祉を切り捨て、年寄りを棄民する「姥捨て山」政策を取り始めたと思う。
若者たちも、自分が年寄りになれば、そのことに気付くはずだ。
佐藤愛子ではないが、「長寿大国ニッポン。何がめでたい」である。
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2017年09月09日

秋は不調訴える患者急増 夏バテ胃腸は「傾腸」で立て直す

秋は不調訴える患者急増
夏バテ胃腸は
「傾腸」で立て直す
2017年9月8日 日刊ゲンダイ

 夏の終わりから秋口にかけては、胃腸の不調に悩む患者が増えるという。
夏バテした胃腸を早く立て直すには「傾腸」が効果的だ。

「パン・豆類・ヨーグルト・りんごを食べてはいけません」の著者で消化器専門医の江田証氏(江田クリニック院長)に詳しく聞いた。

「冷たいものを取り過ぎたり、暑かったり涼しかったりを繰り返して自律神経のバランスが乱れたり、夏休み中の帰省で親戚や来客に気を使ったり……。
夏場はこうした要因が重なって胃腸が疲弊します。
その疲れが、下痢や腹痛といった不調になって秋口に表れるのです。
夏の終わりから秋口にかけては、患者さんの数が普段の2〜3割増しになります」

 そんな夏バテ胃腸を素早く立て直すためには、胃腸に大きな影響を与える飲食物を見直すことが有効だ。
何が自分に合っていて合っていないのか。
胃腸の状態に耳を傾ける「傾腸」が重要だという。

 傾腸を実践するには、「低FODMAP食」を活用する。
FODMAPとは、「発酵性」のある「オリゴ糖類」「二糖類」「単糖類」「ポリオール類」のアルファベット表記の頭文字に「AND」を加えて並べたもの。
これらの糖質は小腸で吸収されにくいため、小腸の中の浸透圧が高まって水分が過剰にたまり、下痢や痛みを引き起こす。
また、小腸で吸収されにくいこれらの糖質は大腸まで到達し、大腸内の腸内細菌と反応して異常発酵を起こす。
これにより、水素ガスがたくさん生産されてお腹の張りや便秘の原因になる。
これらの糖質を避けた食事を3週間続けると、8割の人で胃腸の調子が回復するという。

「低FODMAP食は、そもそも過敏性腸症候群などの胃腸の不調に悩む人に向けて、オーストラリアのモナッシュ大学で考案されたものです。
厳密には、まず3週間、すべてのFODMAP食を除去し、その後で高FODMAP食のグループをひとつずつ摂取していく。
その都度、食べると胃腸の不調を招くような高FODMAP食を確認し、自分の体に合っていない高FODMAP食を食べないようにする食事法です。
ハーバード大学などもその有効性を認める論文を発表しています」

■低FODMAP食を意識する
<表>にあるような高FODMAP食をすべて避ければ、小腸の負担が減って夏バテ胃腸を立て直すことができる。
ただ、徹底するのはなかなか難しい。
 そこで、簡易的に5種類の高FODMAP食を1種類ずつ、3日間控え、胃腸の調子を確認してみる。

@「フルクタン」を控える
小麦食品(パン、ラーメン、パスタ、シリアルなど)、ニンニク、タマネギなどに含まれる。

A「ガラクトオリゴ糖」を控える
ひよこ豆、レンズ豆などの豆類、ゴボウ、サトイモなどに含まれる。

B「乳糖」(ラクトース)を控える
牛乳、ヨーグルト、プリン、アイスクリームなどの乳製品に含まれる。

C「果糖」(フルクトース)を控える
ハチミツや果物に含まれる。中でも、リンゴ、モモ、サクランボ、マンゴー、スイカは果糖が多い。

D「ポリオール」(ソルビトール、キシリトールなど)を控える
シュガーフリーのガムやミント菓子、リンゴ、ナシ、モモ、スイカなどの果物、カリフラワー、キノコ類などの野菜に多く含まれる。

「5種類の中で、もっとも胃腸の不調の原因になっているケースが多いのが『フルクタン』です。
普段から悩んでいる人はもちろん、夏バテ胃腸を立て直したい人は、まずフルクタンの摂取を控えて傾腸してみてください。
また夏が旬のスイカやモモを多く食べていた人は、『果糖』や『ポリオール』を取り過ぎていたことも考えられます。
胃腸を立て直すには、それらを避けてみましょう」

 それでもハードルが高いという人もいるだろうが、意識して高FODMAP食の摂取量を減らすだけでも、症状が改善することがわかっている。
胃腸の不調に悩んでいるなら試してみる価値はある。
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2017年09月10日

ごみ屋敷の住人は「セルフネグレクト」 推定1万1000人、氷山の一角 SOS見逃さないで

ごみ屋敷の住人は
「セルフネグレクト」 
推定1万1000人、
氷山の一角
SOS見逃さないで
9/10(日) 9:00 西日本新聞配信

 大量のごみを自宅にため込んだ「ごみ屋敷」。
その住人は、周囲の指摘に耳を貸さない変わり者と思われがちだが、認知症や生活意欲の喪失が原因となっている場合がある。
何らかの理由で身の回りのことをしなくなり、SOSの発信力も低下した「セルフネグレクト(自己放任)」の状態に陥ってしまった人たち。

東邦大(東京)看護学部の岸恵美子教授(公衆衛生看護学)は「地域のさりげない見守りなど一歩前に進んで手を差し出すことが大事」と指摘している。

 ■推計約1万1000人
 聞き慣れない「セルフネグレクト」は「ネグレクト」に「セルフ(自分)」を付けた造語。
他者の世話や介護、育児などを放棄するネグレクトではなく、自分自身の世話を放棄してしまう状態のことだ。

「心身の安全や健康が脅かされ、人権も侵害されている状態。
放置すれば孤独死する可能性が高く、緩やかな自殺の入り口だ」と岸教授。
不衛生な住環境の「ごみ屋敷」もこの一つという。

 内閣府の2011年の調査によると、セルフネグレクトに陥っている高齢者は推計で約1万1千人。
ただこれは氷山の一角で、岸教授は先進国の米国の調査事例を基に「200万〜300万人がセルフネグレクトの可能性がある」との見方も示した。

■配偶者の死でも
 なぜセルフネグレクトに陥ってしまうのか。
岸教授はこれまで関わった事例を紹介した。
 息子と暮らす女性は年を取るにつれ、ごみ出しや炊事が面倒になってきた。
息子から「おまえは役立たずだ」と繰り返しののしられ、次第に「自分は価値のない人間」と考えるようになり「枯れるように死にたい」と望むようになった。
これは息子に遠慮、気兼ねして声を上げることができなくなったケースだ。

 ある男性は分別して出したごみに対して、近所の女性に分別方法が悪いと指摘された。
次第にごみを出すのが怖くなり、気が付けば家の中はごみまみれ。
近隣住民とのトラブルが引き金だった。

 岸教授によると、認知症や物忘れ、精神疾患など病気に起因するのが約3割。
そのほか、配偶者など親しい人を亡くす、リストラ、地域からの孤立、世話になりたくないというプライドや迷惑をかけたくないといった日本人特有の考えが邪魔するケースなど、理由はさまざまだ。
そしてこう指摘する。
これは誰にでも起こりうることです

■信頼関係築いて
 ごみ屋敷を巡っては自治体が相次いで条例を制定、15年には京都市が全国で初めて行政代執行でごみを撤去し、話題になった。
 自分から支援を求めない人、SOSの発信力が低下した人をどう救うか。

岸教授によると、セルフネグレクトに陥った人は、訪ねても会おうとしない
▽雨戸やカーテンが閉め切ったままになっている
▽外で姿を見掛けなくなった−などさまざまな「サイン」を出しているという。

 「地域住民や地域包括支援センターの職員がアンテナを高くして、早く見つける。
定期的な訪問を続け、助けを求めない理由を探り、信頼関係を築いて必要な支援につなぐことが大事だ」と岸教授。
「さりげない見守り」「ちょっとした声掛け」「少しのおせっかい」を心掛けて、手を差し伸べれば「孤立死を防ぐと同時に、地域コミュニティーの再生にもつながる」と話した。
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2017年09月11日

「広く浅い」人間関係の方が人は幸せになれる。適度の刺激とストレスが幸福のカギ

「広く浅い」人間関係の方が
人は幸せになれる
適度の刺激とストレスが幸福のカギ
2017年09月10日 中村 陽子 : 東洋経済 記者

よく言うポジティブシンキングが、ネガティブ感情を排除するやや行きすぎの前向き思考なのに対し、
ポジティブ心理学はポジティブな自分とネガティブな自分を両方認め、よりよく、幸せな状態を目指す学問だという。
その神髄について、『実践 ポジティブ心理学』を書いた慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科前野隆司教授に詳しく聞いた。

病気になりにくい体を作ることの“心版”

――よく「幸せは気の持ちよう」といいますよね。

心理学や認知科学、脳科学が発達していなかった昔は、気の持ちようだと根性論で語るしかなかった。
最近はもっと科学的に、いくつかの条件を整えれば「well-being」(心身ともに充実したよりよい状態)を目指せることがわかってきた。
病気になりにくい体を作ることの“心版”なんです。

――人生が好転していく黄金比率はポジティブ感情とネガティブ感情が3対1、という説を紹介されています。
ポジティブ100%というのもまたいけない?

ポジティブに振り切るとヒトラーの全体主義みたいになってしまう。
心の中の批判的感情を抑えるとそれがストレスになる。
ネガティブは決して悪い面だけじゃないんです。
実際社会の役にも立つ。
日本人は世界一、不安遺伝子を持つといわれますが、
「この点がまだダメだ」というネガティブ感情が緻密なものづくりやすし、工芸に見る研ぎ澄まされた美学を完成させたともいえる。
嫌な上司がいたら愚痴も言いつつ、前向きに対応策を考えるとか、いい部分も探してみるとかしたほうが幸せ感は上がる。
要はバランスです。

――本当に幸せな状態になるには、ある程度の負荷、よいストレスをかけることが必要なのだとか。

ストレスがないと成長がない。
変化していく爽快感や、刺激を受け成長することは幸せ因子のひとつ。
悪いストレスに至らない範囲でよいストレスをかけるのが大事です。
よく幸せというと、お花畑の中で心安らかに座ってる場面を想像したりしますが、調べてみるとそうじゃないんですよ。
初めて見る花を発見して喜ぶとか、何かウキウキと新しい刺激のあるほうが人間幸せに感じるよう脳ができているんです。
ただ変化にはストレスが付きもの。
好きな花の写真を撮るにも、どのアングルで撮ろうとか、風で揺れてなかなか決まらないとか、気にならない程度の小さな小さなストレスがある。
そういうのをいいストレスと呼びます。

――家族・親友のような狭く深い関係より、親戚・友人のような広く浅い関係のほうが人の幸せに寄与するというのは面白いですね。

あの研究結果は面白いですよね。
普通に考えると、心の通じた親友との密な付き合いのほうが幸福度も高そうに思えますが、統計的には違う。
薄い人間関係をバサバサ切っていくような人は幸せ度が下がる。
たとえば、立ちを話する顔なじみの店員さんとかがそこここにいる弱いつながりでいい。
そんな関係が広く多くあったほうが幸福度が高い。
安心感があるというか、これから先、長く薄くたくさんの人が支えになると感じるほうが幸せなように人間はできてるんですね。
多様であれば新しい刺激があり、多様だから小さな差が気にならない。
私は私、彼は彼と楽観的になれる。

自分のためより、
他人のために使うほうが幸せ
――他人の利益のために行動できる利他的な人は利己的な人より幸せ、という結果も意外でした。

 おカネも自分のためより、他人のために使うほうが幸せを感じるという結果が出ている。
人間は利他的なとき、セロトニン、オキシトシンなどの“幸せホルモン”が分泌されるんです。
たとえば電車で困ってる人に席を譲ると、優しい気持ちになれますよね。
譲るべきだと思いつつ寝たふりするのは逆にストレスになる。
ちょっと頑張って席を譲ったときにほんのりいい気分になる。
それが幸せになり、幸せになると創造性も上がり、仕事も好回転する。
無理に寝たふりして罪悪感でモヤモヤしたまま仕事するより、パフォーマンスは上がります。
利他的といってもそんな小さなことからでいいんです。
落ちていた紙くずを拾ってゴミ箱に入れるとか、ちょっとした利他。
利他的だと幸せになり、幸せだと利他的になるという双方向性も確認されています。

――幸せになれる「幸せの4つの因子」も1500人アンケート調査の結果から割り出されました。

「やってみよう!」という自己実現と成長
「ありがとう!」と他者とつながり感謝の心を持つ
「何とかなる!」という前向きと楽観
そして「ありのままに!」と他者と比較せず自分らしさを持つ、の4つの因子です。
コンピュータがはじき出した結果を見たとき、ストーンと納得感がありました。

僕の研究ではありませんが、テレビのチャンネルを頻繁に切り替える人は幸福度が低い。
つねに最良の選択を追求する人より、そこそこで満足する人のほうが幸福度が高いという傾向です。
夢も大きすぎないほうが幸せ。
山に例えると、遠くにそびえる高い山を目指す人よりも、目の前に小さな山をちょこちょこ置いて目標を刻む人のほうが幸せという研究もあります。
パフォーマンスを上げる研究でもある

――ポジティブ心理学というのは、パフォーマンスをベストに引き上げるためではなく、あくまでも幸せを感じるにはどうすればいいかを追究する学問ですよね。

そう、幸せをベストに引き上げるにはどうすればいいか、です。
本では実践できるエクササイズを紹介したので参考にしてください。
でも幸せな人は創造性が3倍になり、生産性が1.3倍になるという研究結果があるんです。
だからパフォーマンスを上げる研究でもある、実は。
心が整って幸福度が上がっていくと、ワクワクしながら多様な仲間に囲まれ、パフォーマンスも上がってしまう。

――話題の「働き方改革」についても、一言おありですね。

社員の幸せにも注目しないとマズイと思うんですよね。
時短だ、10時消灯だと、とにかく就業時間減らせの一本やりで眉間にシワ寄せても、たぶんチマチマした改善案しか出ないんじゃないかな。
幸せは創造性を上げ生産性を上げ、結果、時短につながる。
ある会社では朝礼を1時間以上やるんです。
みんなで徹底的に話すことで課題や各人の抱える問題が共有され、スピード感をもって仕事が進む。
一見ムダに思えることで幸せ度を高めるとその結果が時短になる。
幸せが時短を呼ぶことは実証されてもいます。
社員の幸せこそを中心に据えないと、真の働き方改革にならないと思うんです。
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2017年09月16日

休日にドッと疲れの出る人が実は危ない理由:まじめな人ほど自分を追い詰めている

休日にドッと疲れの出る人
実は危ない理由
まじめな人ほど
自分を追い詰めている
2017年09月02日 東洋経済

マッツ・ビルマーク :
インナー・ヘルス・エデュケーション代表

「最近どう?」 人から尋ねられたときに、「変わらず元気です」「順調です」と社交辞令で答える人は少なくないでしょう。
同じように、仕事で同僚や上司から、プライベートで家族や友人から、「大変そうだけど大丈夫?」なんて聞かれたとき、とりあえず反射的に「大丈夫」と言うことがクセになっていないでしょうか。

本当は、誰かの助けが
必要な状況でも…
本当は大丈夫でなく、誰かの助けが必要な状況でも、「大丈夫」と言うのが大人として当たり前、なんて思っている人は多いのではないでしょうか。
そんなまじめな人は、知らず知らずのうちに自分を追い詰めてしまう「助けを求められない人」かもしれません。

私はスウェーデン、カルマル市に生まれ、自分で興した会社でずっと働いてきました。
昔からずっと、いわゆるリーダー、起業家タイプでしたが、社交性や愛想のよさを隠れみのに、実は不安症を長年抱えていました。
その心の病を妻であるスーサン・ビルマークと共に夫婦で抜け出しました。
共著である『北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方』にも詳しくまとめてありますが、ここ数年は心の病の研究に力を入れ、ストレスに悩む人の助けとなるべく活動しています。

こんなことに心当たりはないでしょうか。
平日は精いっぱい頑張って、休みになった途端、疲れがどっと出て休日は寝てばかり。
あろうことかせっかくの長期休みの最初の日に風邪をひいたりする。
もしくは大きな仕事が終わってほっとした途端に体調を崩してしまう。

重度のストレス障害につながりやすい要因はいろいろあります。
いくつか挙げてみましょう。

・精神的に強い人だと思われたい
・成果を出すよう求められて育った
・自分の問題を人に話さない
・人に助けを求めるのが難しいと感じる

思い当たる人は、頑張りすぎて自分の具合が悪いことを自覚できなくなっているのかもしれません。
仕事や、やらなければいけないことで頭がいっぱいになり、自分自身の体と心を意識することがなくなってしまうのです。
ストレスを感じているときにやりがちでいちばん危険なのが、このようにスイッチを切ってしまって、体からの警告を無視することです。
「スイッチを切る」ことが、精神破綻への第一歩となるケースは少なくないのです。

私がどん底状態だったとき、いちばん必要だったのは話を聞いてくれる相手でした。
ただ、すでに感覚のスイッチを切ってしまっていましたので、自分の回復はもはや優先事項ではありませんでした。
それどころか、家計や自分の会社を取り巻く環境に感じる、大きなストレスにばかり意識が向いていたのです。
予定表は会議で毎日びっしり埋まり、同時に複数のことをこなしていました。
やるべきことをリストからひとつ消しても、すぐにまた別の要件で埋まっていきます。
いつまで経っても仕事が終わらず、手を休める暇がありませんでした。

仕事に優先順位をつける、筋道立てて考える、ここまでと決めたらあとは断る、といったことがどんどんできなくなっていきました。
完全な無力感に襲われ、ろくに眠れず、胃潰瘍になり、背中には鋭い痛みがあり、不安で仕方ありませんでした。

助けの求め方がわからなかった
もうこれ以上無理だと感じていましたが、助けの求め方がわからなかったのです。
精神科医に話を聞いてもらうなんてとんでもない、と思っていました。
そんなところへ行くのはかなり心を病んでいる人だけだ、と自分に言い聞かせていたのです。
しかしあるとき通っていたジムで、誰かがスティグ・フルドの話をしているのを小耳に挟みました。
スティグはスウェーデンではよく知られたメンタルコーチです。
悪いうわさはなく、ずいぶん人気のようでした。
スティグに連絡をとってほどなく、自分が子どもの頃に抱えていた問題について、わたしはスティグと話し合っていました。そ

れまで誰にも話さなかったことを聞いてもらえて、とてつもない解放感を覚えました。
リラックスするエクササイズも彼から教わり、前ほどストレスを感じないようになりました。

スイッチを切ってしまえる人の厄介な点は、具合が悪いのを自覚しなくなることです。
仕事のことで頭がいっぱいだと、自分自身を意識することがなくなります。
自分自身や家族にどんな思いをさせているか気づかないのです。
週末や休みが近づくと不安になります

脳がようやくひと息ついてじっくり考えられる機会なのに、むなしくなったり、胃や頭が痛くなったり、疲れをどっと感じたり、風邪をひいたりしがちです。
月曜日になると、またスイッチを切ります。
ここまでくると、何かしなければならないことがあるたびに、スイッチを切ることが習慣になってしまっています。

体のあちこちが痛いのを無視し、自分のいろいろな問題を抑え込んで、意識を仕事に集中させているのです。
そんな自分を止めるには、病気になって寝込むか病院送りになるかしかありません。
歯が痛ければためらわずに歯医者へ行き、車の調子が悪ければ修理工場へ持っていくのを恥ずかしく思うことはありません。
それなのに心の不調となると、助けを求めるのをためらったり恥ずかしがったりします。

選択の余地がなくなってしまうまで放っておいてはいけません。
手遅れになる前に、いますぐ助けを求めるのが望ましいことです。
パートナーに話を聞いてもらうのも大切ですが、専門療法士の代わりにはなれません。
助けを求めるのは人として当然のことです。
自分の状況は自分で変えられます。
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2017年09月18日

「アレさ、実はオレがやったんだよ」――自分の仕事を盛って自慢話をする「アレオレ詐欺師」に要注意

「アレさ、実はオレがやったんだよ」
――自分の仕事を盛って自慢話をする
「アレオレ詐欺師」に要注意
2017年9月17日 キャリコネニュース (松本ミゾレ)

嘘には色んなレベルがある。
誰も困らないような嘘もあれば、ちょっと本当っぽくてややこしく、つい信じてしまいそうになる嘘もある。
嘘なんてつかないに越したことはないと思ってはいるが、個人的には、明らかに一般的に考えて嘘と分かるものなら、別についてもいいようにも感じるところはある。

厄介なのは、事情を良く知らない人が聞いてしまうと、つい信じてしまうようなデマの類だろう。

「あのチームで主力メンバーでした」
嘘をつかれても
部外者が見抜くのはなかなか難しい
そもそも社会人になると、大半の人は後々真実が露見して自分の立場が危うくなるような嘘はつかないはず。
自分のありのままの姿で地道に生きるのが一番だもの。

だけど世間には後でバレたら自分の立場がヤバくなるにも関わらず、ついしょうもない嘘をついてしまう人というのがいるようだ。
つい先日、ツイッターで「アレオレ詐欺」という言葉を知った。

直接自分が関与してもいない仕事にも関わらず、事情を知らない第三者に「アレ、オレがやったんだぜ」としょうもない嘘をつくことをアレオレ詐欺というそうだ。
言い得て妙なネーミングである。
オレオレ詐欺より深刻度はだいぶマシだけど、こんな嘘をついてしまう人は正直キツい。

「職場の使えない人が、他所では『自分がチームの主力だ』と言いふらしていた」だとか。
あるいは「他人の作った成果物を手に面接にやってきて、『これは自分の手がけたものです』などと言ってきた」などというイタい事例なんかも考えられる。
自分の実力で成し遂げてもいないような成果を、色々な方面で、さも自分のお陰で完遂できたように言いふらす。
しかも、その嘘を部外者が見抜くのは難しい。
これがアレオレ詐欺師の実態というわけだ。

ただの虚構マウントならまだしも、
   場合によっては実害を招くリスクも
以前、合コンで女の子の気を引こうと必死になっているやつが、何を思ったかフリーターなのに「オレ、医者なんだけど、こないだタレントがお忍びで入院してきて〜」とか言い出したのを見たこともある。
「お前が医者に診てもらえ」と突っ込んで事なきを得たが、あんなもんを信じる人だっているかもしれないから、アレオレ詐欺って悪い意味で無限の可能性を秘めているように思える。

アレオレ詐欺のレベルによっては、ただの笑い話では済まなくなるんじゃないだろうか。
たとえば就活をする際に、面接で嘘の経歴を話してしまったり、履歴書にも虚偽の記載をしたり。
こういうことをやってしまうと、バレたときは完全アウトだ。
しかし、職歴を誤魔化す人ってたま〜にいるそうで、こういうのがいざ雇用してから発覚すると、その職場的にも大きな痛手になる。

調子のいいことばかり話す人に出会ったら、アレオレ詐欺にひっかからないよう、注意して接していきたいところだ。
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2017年09月24日

「特売品」で損する人が知らない値札の読み方

「特売品」で損する人が
知らない値札の読み方
不利益防ぐユニットプライス制に存亡の危機
2017年09月23日 東洋経済

加藤 絵美 :
消費生活専門相談員・日本女子大学非常勤講師

「店長イチオシ!」「地域最安値に挑戦!」「大容量でお得!」――。
スーパーやドラッグストアに行くと、売り場にはこうした推奨ポップが躍り、つい手を伸ばしてしまいがちだ。
が、このうたい文句を鵜呑みにしてはいけない。

シャンプーや洗剤の詰め替え用が、本体よりも割高なのはよくある話。
加えて最近では、商品のリニューアルに合わせて、ひそかに内容量を減らし、いつもより安く見せる「隠れ値上げ」が横行している。

真の「お買い得品」を見抜く
ユニットプライス
節約をしたつもりが、実は割高な商品を買わされていた。
そんな不利益を防ぐために活用できるのが、「ユニットプライス(単位価格)」だ。
牛乳100ml当たり、みそ100g当たり、トイレットペーパー10m当たり、洗濯用洗剤100g当たり、紙おむつなどの衛生用品1個(1枚)当たりに換算していくらか、商品棚の値札に表示するというものだ。

消費者にとってユニットプライスの効用は、大きく分けて2つある。
1つ目は、同一ブランドの商品で容器や容量が異なる場合、価格比較を容易にできることだ。

洗濯用洗剤を例に挙げてみよう。とある店頭には、ライオンの洗濯用洗剤「スーパーナノックス」が本体と詰め替え用で計4種類並んでいた。
ただ、一見してどれがいちばんお得なのかはわからない。
そこで、値札に記されたユニットプライスを見てみると、本体も詰め替え用も、小さいもののほうが単価が安いことがわかった。
すなわち、大容量を買えばお買い得というわけではないようだ。

そして2つ目の効用は、「隠れ値上げ」を見破ることができる点だ。
一例を紹介しよう。食品メーカーの明治は、2015年7月に、14品目で容量を2〜12%減量した。
つまり実質の値上げである。
「明治おいしい牛乳」の場合は、2016年9月に容器をリニューアルした際、容量を1000mlから900mlに減らしたのだ。
「安い」の文字に思わず手が伸びるが、100ml当たりで計算すると実は安くない。
このとき、ネット上では多くの消費者が、「容量が減ったことを知らずに買ってしまった」と不満をあらわにしていた。
実際、筆者もリニューアル後の商品を「安い」と勘違いして買ってしまった。
いつもは200円を切らない商品が199円で売られていたことに加え、「地域最安値に挑戦」「安い」のポップに思わず飛びついてしまったのだ。
しかし、ユニットプライスは、1000mlのときより若干高くなっていたのだ。
つまり、「安い」と書くこと自体が本来おかしいのだ。
こうした「特価または価格据え置き(実は容量減)」という値上げは、明治に限らずよく行われているが、消費者の買い物の現場ではなかなか気づきにくい。

日頃から単価を意識して買い物をしていると、価格変動にすぐ気づくことができるという点で、ユニットプライスは一定のバロメーター機能を果たす。

各自治体で
続々廃止のユニットプライス

消費者を不当な値付けから守るユニットプライスだが、実は現在、各自治体で廃止の危機にさらされている。

精肉を買う時に100g当たりのユニットプライスが必ず表示されているが、これは「食肉の表示に関する公正競争規約」によってルールが定められているためだ。


一方で、他の食品や日用雑貨品のユニットプライスを運用するのは、各自治体。昭和50年代に消費者団体が法制化を訴え、一度は経済企画庁(当時)によって検討がされたものの、事業者の負担が懸念されて実現しなかった。


そのかわり、国は地方自治体に通知を出し、取り組みを地域に委ねたという経緯がある。

その結果、@制度の有無、A対象となる店の規模、B対象となる品目には大きな地域格差が見られるようになってしまった。

そして、当初40近い都道府県で制度化されたものの、その後次々と廃止され、いまや制度化している自治体は20を切る。


制度の廃止は、消費者が不利益を被りかねないのに、なぜそれを断行するのか。
2016年に制度を廃止した神奈川県は、その理由として「消費者の商品選びの基準が価格だけでなく品質や機能など多様化し、表示の必要性が低下したため、廃止しても消費者に不利益はない」などの理由を挙げている。
ただ、不利益がないことを十分に検証したとは想像しがたく、安易な廃止はあまりに消費者視点を欠いている。

さらに問題なのが、この制度を存続させている都道府県であっても、その順守率が極めて低いことである。
東京都が、2015年に行った調査では、対象店舗169店のうち、76%に当たる130店で不適切な表示(ユニットプライスの非表示を含める)が行われていた。
日用品の値上げが頻発し、消費税のさらなる増税も検討されている中、多くの消費者にとって節約は喫緊の課題になっている。

総務省の家計調査によると、消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は、2016年は29年ぶりの高水準になるなど生活費高騰がいわれている。
消費者ニーズの多様化に応えて企業がさまざまな容器・容量の商品を流通させるようになった現代、複雑な暗算をしなくても簡単に商品のコストを比較できる、ユニットプライス表示の必要性は高まっている。

海外では全商品で
表示を法制化したところも
海外では、EU諸国やオーストラリアなど、消費者保護のためにユニットプライスの表示を法制化し、全商品に適用している国も多い。

 国ごとに異なる表示方法を統一し、よりわかりやすい単価表示を目指す国際規格(ISO)の策定も進んでいる。
日本でも、私たちの家計に直結するこの制度の価値を再考し、時代に合ったあり方を検討していくべきではないか。
消費者が住んでいる地域によって、また利用するスーパーによって、ユニットプライスが表示されていなかったり、単位に一貫性がないのは不便である。

消費者もまた、店頭の「お買い得」といった表示を鵜呑みにせず、こうした情報を基に品物を吟味して、主体的に選んでいく姿勢が求められている。
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2017年09月26日

「日本では暴動が起きない」の伝説が崩れる日

「日本では暴動が起きない」
の伝説が崩れる日
元日銀審議委員が語る
               日本経済の近未来
2017年09月24日 東洋経済 (沢木 文 : Writer&Editor)

日本銀行による「異次元緩和」と「東京五輪開催」という2つの好材料によって、円安・株高や不動産価格の高騰に沸く日本経済。
ところが、多くの人々の給料は上がらず、円安の影響などにより、生活必需品が値上がりして、生活は苦しくなるばかり。
庶民の多くは、生活が楽になったという実感がないばかりか、貧富の差がますます拡大したと、不満に思っているのが現状だ。

驚くことに、日本はもはや先進国有数の「貧困大国」なのだ。
諸外国に目を向けると、貧困問題を背景とした暴動が多発している。
そうであれば、日本でも暴動が起きてもおかしくないはずだが、日本では、暴動らしい暴動は起きていない。

ではいったい、それはなぜなのか。
『東京五輪後の日本経済』(小学館)を著したばかりの元日本銀行政策委員会審議委員の白井さゆりに、その実情を聞いた。

なぜ日本では暴動が起こらないのか
今、世界のあちこちで、デモや集会が暴動へと発展し、警察官と衝突しているニュースなどをよく見かける。
しかし、日本ではそのようなニュースを見ることは、ほとんどない。
東京都心の繁華街や国会周辺などで生活苦を訴えるデモなどが起こることもあるが、それは決して、暴力的なものではない。
ではなぜ、日本では暴動が起こらないのだろうか。

白井氏が言う。
「世界で起こった暴動の背景を見ると、そこには人種や宗教による大きな差別問題が存在することが多いのが現状。
しかし、日本では、人種や宗教の差別問題が大きくはないため、そもそも暴動を起こしてまで、社会に対する不満を爆発させようという人が、諸外国と比べて多くはないのです」。

それでは安心できるのかといえば、そうではない。
人種差別や宗教差別と並んで、暴動の大きな原因となる「貧困問題」については、日本は決して安心できない状況にあるのだ。

一国の中で一定基準以下の収入しか得られていない人の割合を示す「相対的貧困率」を見ると、日本は先進国などから構成されるOECD(経済協力開発機構)加盟国35カ国の中では第4位、主要先進国の中では、アメリカに次ぐ第2位の「貧困大国」であるというのも、まぎれもない事実。
こうしてみると、日本でもいつ、暴動が起きてもおかしくはないともいえそうだ。

暴動が起きないのはなぜか。
日本における「3つの貧困層」
白井氏は、日本の主たる貧困層が諸外国にはない大きな特徴を持っているからだと分析する。

「日本には主に、次の3つの貧困層が存在します。
いちばん割合が大きいのは、ひとり暮らしの高齢女性です。
昔の女性は専業主婦が多かったため、配偶者が亡くなった後は、国民年金だけで生活している人も少なくありません。
わが国では、そうした人たちが貧困に陥るケースが非常に多く、日本の貧困の典型的な形といえます」
「その次に多いのが、若い人たちの中で、自由を求めて定職に就かない人たちが貧困に陥るケースです。
フリーターなどを続ける若者などが、その典型です。
さらには、数としては少ないものの、シングルマザーによる貧困問題も深刻です。

シングルマザーの場合には、子育てと仕事を両立させるために、パートタイマーなどを選ばざるをえないため、貧困に陥る可能性が非常に高くなるという傾向があります。
しかし、彼らの性質上、なかなか暴動を起こす存在にはなりにくいといえます」

なるほど、高齢の女性が、生活が苦しいからといって、積極的に暴動を起こす存在になるかといえば、それは考えにくい。
自由を求めてあえて定職に就かなかった若者たちは、自分の意思決定の結果として貧困に陥ったともいえるため、社会に対する大きな不満を持ちにくいのも理解できる。
3番目の貧困であるシングルマザーの場合、子育てと仕事に追われており、そもそも暴動を起こす余裕などない、ということなのだろう。

しかし、日本銀行がデフレ脱却の目標として掲げた「物価上昇率2%」というインフレが日本でもし本当に実現したとしたら、いったいどうなるのだろうか。

白井氏は、賃金が上がらない庶民や貧困層の生活が今よりもさらに苦しいものとなることは確実だという。
「2017年9月時点では、物価上昇率2%というインフレ目標には、ほど遠い状況にあります。
ところが、これから本格的なインフレが進行するとすれば、貧困問題は、今よりさらに深刻になる可能性があります。
今の状態でギリギリやっていけているという人たちからすると、食料品や家賃が本格的に値上がりをはじめたら、生活はますます苦しいものになっていくからです。
貧困層の間からは、それこそ我慢の限界を超えて、悲鳴が上がるかもしれません」

「実際、2015年の半ばに1ドル125円を超える円安が進行した際、あちこちから『生活が苦しい』という声が出ました。
ただ、当時はその後に為替が円高方向に反転し、さらに昨年はじめには原油価格や食料価格が大きく下がり、物価が下落に転じたこともあって、大きな社会問題とはなりませんでした」
つまり、皮肉なことに、日本銀行が望むインフレにはなっていないことが、逆に貧困層の救いになっているのです。

しかし、日本で今後、本格的なインフレが進行することになれば、これまで我慢を重ねてきた貧困層も、ついに我慢の限界に達して立ち上がり、日本でもいよいよ暴動が起こるかもしれません。
そうした事態を引き起こさないためにも、政府や日本銀行は、単に『物価上昇率2%』目標にこだわるばかりでなく、今からしっかりとした対策を考えておくべきなのです」

このまま無策のまま本格的なインフレが進行してしまえば、日本でも貧困層による暴動が起きるかもしれないのだ。
われわれは元日銀審議委員の「警告」を真剣に受け止めるべきだろう。
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2017年09月27日

余命の物差しにならない? 平均寿命のウソ・ホント

余命の物差しにならない?
平均寿命のウソ・ホント
2017.9.26 All About

「死亡年齢の平均」ではない!
意外と複雑な平均寿命の算出法 人口統計の一つに、「生命表(life table)」というものがあります。
意外かもしれませんが、皆さんがよく耳にする「平均寿命」というものは、この生命表の中で基本となる数値(関数)ではありません。
100人の死亡した年齢を足して100で割った数値、というような単純なものではないからです。

なぜ人口統計の生命表から切り離されて、「平均寿命」という用語が独り歩きするようになってしまったのでしょうか?
一つには、直感的に分かった気分になれる言葉だからだと思います。
「平均」は小学校の算数でも習いますし、「寿命」も電池の寿命というように普通の会話でも使われ、長い方が長生きで良いものだとパッとイメージできる単語です。
要するに難しい数式や統計学的なことを知らなくても、「平均寿命」と聞いただけで誰でも理解できた気になれる言葉だからでしょう。

その上、国際比較もしやすい数値なので、「日本の平均寿命は世界一長い!」という報道を聞くのも、何となく嬉しかったりするものかもしれません。
しかし、実際に多くの人が考えている「平均寿命」には、いくつかの誤解が見られます。
単純そうな平均寿命ですが、実は数式を使わずに算出法を解説するのは難しい、なかなか複雑なものなのです。

平均寿命とは?
平均寿命の出し方を図で解説
そもそも「平均」と言っていますが、多くの人が算数などで習う平均とは、まったく意味が違います。
次の図をご覧ください。
平均寿命.jpg
少し難しく見えるかもしれませんが、年齢がX軸、生存数という関数がY軸です。
年齢が増えると、自然と生存数は減って行き、右下がりの曲線となります。
ある年齢で垂線を引くと、垂線の左上側と右下側に図形ができます。
平均寿命というのは、この2つの図形の面積が等しくなる年齢に相当します。
どうでしょう? こう聞いただけでも「思っていたのと違う……」と感じられるのではないでしょうか?

生存数を表現する砂時計があるとすると、上の砂と下の砂の量が同じになる年齢が平均寿命ということです。
しかもこの砂時計の場合、砂の落ちる速さは一定ではありません。
最初は少なく、後半に急に多くなります。
単純に足して割る、という平均ではないのです。

それでは次に、平均寿命についてのよくある疑問や間違いについて、一問一答の形で解説しましょう。

「平均寿命−年齢」が大まかな自分の余命だ ⇒ ウソ
これはとても多い誤り。
よく聞くのが、「女性の平均寿命が約85歳。
今、私は40歳だから、あと45年くらいかしら」といった表現です。
平均寿命は、あくまでも「発表されたその年に誕生した人」の平均余命のこと
そもそも計算すること自体が間違いなので、この考え方は正しくありません。
ひとつ言えるのは、現在40歳の女性の平均余命は45歳より長いのは確かです。

平均寿命を毎年報道するのは意味がない ⇒ ホント
こちらは正論。
平均寿命は、「生命表」という統計の指標の一つ。
国勢調査に基づくものを「完全生命表」と呼んでいますが、国勢調査は5年毎に実施しています。平均寿命だけ取り上げて毎年大きく報道されるのはやや不自然な感じがします。
国勢調査での生命表は、「簡易生命表」と呼んでいます。

平均寿命まで生きるのは50%? ⇒ ウソ
誤り。
生きるという表現に関係したのは平均余命ではなくて生命表の中で生存数という別の指標です。

上の言い方に直接関係した指標があります。
ただし、日本では平均寿命まで生きる確率は50%より大きくなっています。

高額な生命保険に入ると寿命がのびる ⇒ ホント
都市伝説的でいかにもウソな印象ですが、これはある意味で正解です。
高額な生命保険に加入するときは、定期健康診断などによる審査があります。
完全生命表、簡易生命表とは別に3つ目の生命表としての、生保標準生命表というものがあります。
もちろん、加入することで実際の寿命がのびるわけではありませんが、「のびる」の意味を完全生命表と生保標準生命表の差という数値的な意味で見ると、正しいことになります。

平均寿命は女性が長い ⇒ ホント
こちらは正解。
日本を含めて、世界的に見ても女性の方が寿命が長い傾向になるのは事実です。
遺伝因子と環境因子の両方が関係していると考えられます。
そして報道される平均寿命を気にする以上に、介護が必要となる期間を差し引いた「健康寿命」を意識することが大切です。
健康寿命は、個人個人が自立した生活ができる期間のことで、生活習慣で伸ばすことが可能です。
食生活の改善と禁煙を、できることから始めましょう。
posted by 小だぬき at 05:05 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

定年して「暴走老人」にならないための5原則

定年して「暴走老人」に
  ならないための5原則
年を取ったら
おカネよりも大事なことがある
2017年09月30日 東洋経済

大江 英樹 :
経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

高齢者の傷害・暴行犯は、
20年前の20倍に激増
「老後の三大不安」と言われるのが「病気」「貧困」「孤独」です。
この3つの中で、万人に共通する最大の関心事は「病気」でしょう。
誰にとっても、何をするにしても健康であることは大切ですから、これについて高い関心があるのは当然です。

次に、貧困の問題ですが、長生きするのはいいけれど、それによっておカネが無くなる不安を、多くの人が持っています。
マスコミ等でも悲惨な老後を送っている人の現実を見せられると、誰もが強い関心を持たざるをえません。
ところが、意外と深刻に考えていないのが、三番目の「孤独」の問題です。

なぜなら、サラリーマンの現役世代の人々は毎日のように会社に通い、多くの人と交わる機会があります。
また、家族や友人もいる人が大半のため、孤独を感じることはあまりないからです。
ところが、定年退職した後に一番深刻になるのがこの問題なのです。

齢を取ってからの「孤独」がいったいどういう事態を引き起こすのか、考えてみましょう。 2016年11月に発表された平成28年版の『犯罪白書』を見ると、犯罪全体の件数は減少傾向にあります。
刑法犯の認知件数は、戦後最多だった2002(平成14)年をピークに13年連続で減少、 2015年は戦後最少を記録しています(前年比9.4%減)。
これはピークの2002年から見ると、4割弱の件数です。
ところが、全体件数は減っているものの、なんと65歳以上の高齢者の犯罪は一貫して増え続けています。
高齢者の犯罪検挙者数は約4万8000人で、20年前の平成8年に比べると3.8倍となっています。

中でも大きく増えているのは「傷害・暴行犯」で、こちらは20年前に比べると20倍に増えているのです。
高齢者自体が増えているのは確かですが、それにしても暴行犯が20倍に増えているというのはちょっと異常です。
確かに「キレやすい老人」が増えているのは実感します。
最近、人身事故などによる列車の遅延がよく起きていますが、駅のホームで「いつ運転を再開するのか!!」などと、駅員に食って掛かったりしているのは若い人よりも、むしろ年配の人のほうが多いように思えます。

老年精神医学を専門とする精神科医の和田秀樹氏によれば、この現象は加齢による人間の感情の変化を考えると、ごく自然なことなのだそうです。
年齢と共に脳の中でもまず先に前頭葉の機能が低下することが多いと言います。
前頭葉が委縮していくと、感情抑制機能の低下や性格の先鋭化といった傾向が強く出てきます。齢を取ると涙もろくなると言いますが、これは感情抑制機能が低下していることの現れでしょう。
性格の先鋭化というのは、それまである程度理性で抑えることができていた、その人の性格の特徴が大きく表に出てくるということです。
ところが、こうした前頭葉の機能低下というのは別に最近起きたことではなく、生物学的に起きる現象ですから、昔からあったはずです。
にもかかわらず、最近になって「キレやすい老人」が増えてきている、そしてそれが犯罪にまでつながっているというのはいったいどういうわけでしょうか。

理由は一つではないでしょうが、私が考えるのはやはり独り暮らしであったり、家族がいてもうまくコミュニケーションがとれなかったりする「孤独」な人が増えてきているというのが、一番大きな原因なのではないかと思います。

昔は多くの人が大家族で暮らしていました。
私が子どもの頃は、おばあちゃんがご飯を作ったり、おじいちゃんが孫の面倒を見たりといったことが大家族の中では日常的に行われていたのです。
人間は極めて社会的な動物ですから、家族という小さな単位の社会であっても、他の人と共に暮らしていくことでわきまえるべきところや我慢すべきところは、多かれ少なかれ出てきます。
そうしたコミュニケーションによる力が前頭葉の萎縮やそれに伴う感情の激化をある程度防いでいたと言っていいでしょう。
ところが核家族化がこの大家族での暮らしをほとんど消滅させてしまいました。
皮肉なことに現在65〜70歳以上の多くが、田舎から大家族での暮らしを捨てて都会に出てきた人たちです。
大都市での地域のつながりも希薄なままに定年を迎えて、孤独な状況に陥ってしまっている人が多くなっているのでしょう。

勤務先以外に
知人や友人を必ず持つ
今さら昔の大家族制に戻るということは不可能ですが、それでも極端な孤独に陥らないようにする方法はあります。
サラリーマン現役時代からできるだけ会社の人間とだけ付き合うのではなく、会社の外に多くの知人や友人を持つことです。
単純なアドバイスのようですが、自然にできない人も意外に多く、意識してやらないといけません。
脳は毎日同じパターンの行動を繰り返していると、劣化していくと言われていますから、会社の中でルーティンの仕事をし、同じ人たちと付き合うだけでなく、できるだけ幅広く新しい人と知り合うことを通じて新しい行動に取り組んでいくことが大切です。
これによっていま勤めている会社という居場所がなくなったとしても、新たな自分の居場所を持つことができると同時につねに人とのコミュニケーションを保つことができるようになるでしょう。
結果として、脳の活性化も維持することができるようになるはずです。

私が考える老後に向けた「新しい友人を作るための5ヶ条」は以下の通りです。

1.50代になったらなるべく会社の人間とはつきあわない   
アフターファイブや休日は会社の付き合いと距離を置く

2.昔の友達(小中高時代)との交流の復活  
⇒SNSとかで比較的簡単にできる

3.新たな趣味にチャレンジする   
⇒趣味を通じたつながりが増える

4.できるだけ人の世話をする   
⇒人の役に立つことで、つながりは非常に強くなる

5.好奇心を持ち続ける  
⇒何事にも興味を持てば人とのつながりも増える

私は会社を定年で辞めて5年経ちますが、元勤めていた会社の人たちとの付き合いは、ごくわずかです。
この5年間の間に知り合って付き合うようになった人たちのほうが圧倒的に多くなってきています。
定年は人生の一つの区切りにしかすぎません。
自分にとって新しい友人等でつながりを拡大していくことが、暴走老人にならないための方法と言えるのではないでしょうか。
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2017年10月02日

予知できずとも減災を

週のはじめに考える
予知できずとも減災を
2017年10月1日 東京新聞「社説」

 「地震を予知したら警戒宣言を出す」という虚構がなくなります。
しかし、南海トラフ巨大地震は必ず起きます。
自らの命は自ら守る心構えが大事です。
 東海地震はかつて「明日起きても不思議ではない」と言われました。
予知を前提に一九七八年、大規模地震対策特別措置法(大震法)が施行されました。
予知ができれば、対処の仕方もあります。
警戒宣言が出たら安全な場所に避難すればよいのです。
大震法は警戒宣言が出たら、新幹線、高速道路を止め、学校や銀行などを休みにすると定めています。

◆南海トラフ巨大地震
 当時は中国で海城地震(七五年)の予知に成功。
米地震学者ショルツが地震の準備段階から発生までを統一的に説明した「ショルツ理論」も登場していました。
前兆を捉えられれば、予知もできると考えられたのです。
 観測網が充実すると、前兆らしきものが見えても地震が起きないなど、科学者が考えていた以上に地震は複雑な現象だということが分かってきました。

先週、予知はできないことを前提に、新たな対策を検討することが決まりました。
予知が無理となると、いつ起きてもよい備えが必要です。
 想定する地震も変わりました。
四十年前は静岡県の駿河湾などを震源域とする東海地震でした。
現在、警戒が必要なのは、駿河湾から紀伊半島、四国沖を通って九州の近くまで震源域が延びる南海トラフ巨大地震です。

 南海トラフ地震の想定震源域では四四年に昭和東南海地震、四六年に昭和南海地震が発生。
その時の空白域が東海地震の想定震源域でした。
もう、次の巨大地震が来てもおかしくないというのです。
 発生確率は今後三十年で70%。死者は最悪で約三十二万人とされます。
二〇一三年に南海トラフ地震を対象とする特別措置法ができました。

◆安全な場所を選んで
 気象庁は十一月一日から南海トラフ全域を対象に、前震や地殻変動などの異常現象を観測した場合は「南海トラフ地震に関連する情報」を発表する方針です。
情報が出たらどう行動すればよいのかは、これから検討されます。

 危険度を数値化し、レベル1ならどうする、2ならどうする、といった具体的な行動例を示すことが望まれます。
 私たちはどう備えるべきでしょうか。
参考になるのは過去の経験です。
 東日本大震災では多くの人が津波で亡くなりました。
防潮堤も壊れました。
一方、高所に移転していた集落は無事でした。

昨年の熊本地震では、地盤による被害の差の大きさが明らかになりました。
安全な場所に住むことの重要性を示しています。
 南海トラフ地震に備える高知市でこんな話を聞きました。
 高知市は昭和南海地震で地盤沈下が起き、津波に襲われました。
そのとき水没した地域が今では住宅地になっています。
高知城に近く、便利のよい場所です。
ここにあるマンションに、そうした歴史を知らずに転勤族が引っ越してくるというのです。

 住宅を新築する際や引っ越しのときには、防災面も考慮するようにしたいものです。
通学や通勤のルートも、一度、チェックしてはいかがでしょうか。
例えば、気象庁から「情報」が出たら海岸から遠いルートに変えるといった対策も取れます。  

残念ながら、防災情報を手に入れるのは容易ではありません。
地震、洪水、液状化の危険度や、地盤の強度や標高といったデータは、個別には公開されているものもありますが、収集して総合的に判断するのはかなり難しい。
 IT企業のリブセンスは、先週から不動産業者向けに東京都など一都三県で物件ごとに災害リスクを数値化し、提供するサービスを始めました。
地震や液状化、津波、洪水といった自然災害に対して、どの程度強いのかを数値化しています。見ると、同じ市区町村の中でも大きく違います。

 不動産価格に影響を与える可能性があるので、自治体ではやりにくいのかもしれませんが、防災、減災には重要な情報です。
官民のどちらが主導するにしろ、全国に広がってほしいものです。

◆わがことだと考える
 地震は本震だけではありません。
東日本大震災の後、静岡県や長野県などで大きな誘発地震がありました。
昭和東南海地震でも翌年、三河地震が起き、死者・行方不明者約二千三百人の大災害となりました。
南海トラフ地震が起きたら、被災地から遠くても警戒する必要があります。
いや、発生前から地震が増えるという見方もあります。
どこに住んでいても、大地震は人ごとではなく、わがこととして考えたいものです。
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食品や宅配便…あす(10/1)から値上げするものは? 家計には「逆風の強い秋」に

食品や宅配便…
あす(10/1)から値上げするものは?
 家計には「逆風の強い秋」に
2017.9.30 06:06 Sankei Biz

 10月1日から食品や日用品、宅配便の値上げが相次ぐ。
人手不足や天候不順による原料高が波及する形で家計には逆風の強い秋となりそうだ。

企業の新技術導入などによる人手不足の解消にはまだまだ時間がかかり、今後も影響が広がる可能性がある。
 サービスや外食は人手不足が引き金に。

ヤマト運輸は宅配便の基本運賃を税抜き140〜180円値上げする。
配達するドライバーの負担軽減などに向けて、利用者は荷物の受け取り場所を個人宅ではなく、全国に約4000カ所ある営業所を指定して送ることができるようになる。

 大手居酒屋チェーンの鳥貴族は人件費などの上昇から、税抜き280円均一のメニュー価格を298円に1989年以来28年ぶりに値上げする。

 食品では原料高が価格上昇を招く。
日清オイリオグループは家庭用オリーブオイル5商品の納入価格を10%以上引き上げる。
2日からはサラダ油など家庭用食用油22品目も値上げする。
天候不順などで原材料が高騰した。
にんべんは家庭用のかつお節や削り節などを10〜25%程度値上げ。
東南アジアなどでカツオを使うツナ缶の需要が伸び、調達価格が上がった。

 フィリップモリスジャパンが1日付で「マールボロ」の紙巻きたばこ計32銘柄を1箱当たり10円値上げ。

横浜ゴムが乗用車の冬用タイヤの出荷価格を平均5%上げる。

 一方、法改正や新制度も暮らしに影響を与えそうだ。
悪質商法の被害者救済に向け、消費者団体による業者の財産差し押さえ手続きを国民生活センターが支援できるようにする改正法が1日施行。
安全保障に関わる技術流出の防止強化が目的の改正外為法も施行する。
仮想通貨を扱う取引所の運用では、金融庁に登録済みか登録申請中の事業者以外は仮想通貨取引所として営業できなくなる。
 社会保障関連では、育児休業の取得可能期間の延長や高齢者の一部入院患者の負担増、加入期間不足で無年金だった人への支給開始といった変更が行われる。
posted by 小だぬき at 06:40 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月03日

相手をなぜかイラッとさせる「3つの禁句」

相手をなぜか
イラッとさせる「3つの禁句」
2017年10月02日 東洋経済

大野 萌子 :
日本メンタルアップ支援機構 代表理事

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

相手をイラッとさせる一言
誰かと話をしていて、イラッとすることはありませんか?
あからさまな暴言や蔑むような言葉ならわかりやすいですが、問題なのは、普通のやり取りの中に潜む、心理的な暴力の応酬です。

使うほうと使われるほうの双方が無意識のことも多く、理由がはっきりわからないけれど嫌な感じが残る場合もあります。
そのようなやり取りは、相手との関係性を悪くするだけでなく、たった一言で、相手との関係性を崩壊させてしまうこともあり、注意が必要です。

以下に「3つの禁句」をご紹介します。

1.「知らないの?」
思わず使ってしまう方も多いのではと思いますが、これは、相手を見下している、相手より優位に立ちたい心境の表れとも取れる表現です。
相手が知っているということを前提にした言動で、「そんなことも知らないの!?」というニュアンスが含まれます。

使われた側は、知識の場合は、知らないことへの恥ずかしさ、また、情報などの場合は、その情報が自分に来なかったことへの疎外感を感じることもあり、いずれにせよネガティブな感情につながります。
相手からバカにされているという思いを持ちやすく、よい関係性を築くためには避けたい言葉です。

2.「私なんて」
この言葉に、謙虚な感じを持つ方も多いと思いますが、実は、相手に認めろと脅している承認欲求の表れです。
「そんなことないですよ」「こんなにすばらしいじゃないですか」という言葉を、相手に求めていることに気づくことが大切です。

先日もこんな話を聞きました。
取引先の経営者の「私なんて」という言葉に、今までの功績を挙げて対応していたところ、それでも「私なんて」を連発するので、今までの失敗例を気にしているのかな、とその件を話題に出したところ、激怒されたという内容でした。
どう対応したらよかったのかと悩まれていましたが、対応に取り立てて落ち度はなく、どちらかといえば、その経営者は、ひたすら持ち上げられたかっただけなのではと感じました。
「私なんて」は自己承認欲求を満たすために使ってしまいがちなのです
類似表現で、「私で大丈夫でしょうか」があります
「大丈夫」と言ってもらいたい、もしくは、「あなたが大丈夫と言ったのだから失敗しても責任は取りませんよ」という逃げのようにも感じます。
いずれにせよ、自己顕示欲の強い表現であることの認識が必要です。

3.「あなたとは違う」
これは、相手と自分を差別化する表現で、考え方や仕事のやり方に意見されたときに、使ってしまいがちだと思います。
2008年に福田康夫元首相が退陣記者会見の際に、記者の質問に対して発した「あなたとは違うんです」という言葉が、大きな反響を呼んだのを記憶されている方も多いのではないでしょうか。
その年の新語・流行語大賞にもノミネートされたほど、たった一言で、 強いインパクトを与えてしまう言葉なのです。

また、「あなたにはわからない」という表現もあります。
相手を拒絶する表現ですが、そもそも、その「わからない」相手に話そうと思う根底には、同意してほしいという欲求が強く存在していることになります。
本当にわからないと思っている相手に話を振ることはないでしょうし、話したい気持ちはあるのですから、八つ当たりも甚だしい表現です。
「あなたにはわからない」という言葉を使うくらいなら、その人に話さなければいいわけで、本当にわかってほしければ、わかるように話す努力が必要です。
もし、わかってほしくて使うなら、より一層、相手を遠ざけてしまう表現なので逆効果です。

カウンセリングや相談業務の中では、相談者から、このような言葉を浴びせられることがよくあります。
話を聞いているカウンセラーが、そう発言しているクライアントより苦しい体験をしているとしても、それを相手に伝えることはありません。
嫌な思いをしたとしても仕事の場合は割り切れるかもしれませんが、通常の人間関係では大きなリスクになるでしょう。

自分の言動を振り返ってみる
これらの禁句は、話している表情や声の大きさ、語調からも大きな影響を受けるので、すべての場面で当てはまらないとは思います。
ただ、誰しも言葉の言い回しに癖があります。
不用意にこれらの言葉を使ってしまっているとしたら、知らない間に相手から距離を取られたり、信頼関係を築くうえでの障害になっているかもしれません。

何げなく使っている不用意な一言で、相手をイラッとさせていることがあることを知って、自分の言動を振り返ってみてください。
快適なやり取りの積み重ねが、相手との関係を深め、信頼を育み、ひいては、自分の居場所の確立に役立ち、あなた自身の「生きやすさに」につながっていきます。
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2017年10月07日

群馬大学付属病院の事例は医療事故ではなく犯罪に近い

医療事故を起こす医師は「謙虚でない」のか?
群馬大学付属病院の事例は
医療事故ではなく犯罪に近い
2017.10.04 ヘルスプレス

  中村祐輔(なかむら・ゆうすけ)
シカゴ大学医学部内科・
外科教授兼個別化医療センター副センター長。

 ネットニュースを見ていると「下手過ぎる医師の恐怖、病室の惨劇はこうして起きた」というタイトルの記事があった。
群馬大学付属病院で起きた医療事故に関して、首藤淳哉さんという著者がコメントをしていた(JB Press)。
 最後のほうに「医療事故によって医師が業務上過失致死罪に問われるケースはほとんどないと言われる。
だが医師は決して万能な存在ではない。
いま医師に求められているのは、『わたしは間違えるかもしれない』という思いをどれだけ持てるかではないだろうか。
命を扱うことについての畏れ。
そういう謙虚さを持つ医師だけが、困難な手術に挑む真の勇気を手に出来るのではないかと思うのである」と書かれていた。

「自分は絶対に間違いを起こさない」と
       自信過剰の医師などは稀
 群馬大学のケースは、一般的な謙虚さの問題ではないと思う。
手術をした医師本人の問題は否定しようもないが、このまともでない医師をチェックするシステムの欠如が最大の問題である。
また、医療事故といっても、いろいろなケースがあり、医療事故が刑事責任を問われないのは問題であるような論調には賛同しかねる。
 また、「医療事故を起こした医師=謙虚さを欠けている」かのような表現もおかしい。
医療関係者は、真剣で謙虚であっても、医療事故と背中合わせで診療に従事しているのだ。

 日本には「自分が偉い」と勘違いしている医師はたくさんいるかもしれないが、今や「自分が万能だ」と思っている医師など、絶滅危惧種ではないのか? 
「自分は絶対に間違いを起こさない」と自信過剰の医師などは稀だ。
 ドクターXのように「私、失敗しません」などとは、口が裂けても言えず、逆に、「失敗したらどうしよう」「間違いだったら、どうしよう」という不安が、常に心の中を過ぎっているのが実態だ。
診断の難しい病気、治療の難しい病気、リスクの高い手術、難しさに日々苦悶している医師が大半だ。
 同じ病名の患者に同じ薬剤を投与しても、同じように効果が出ると限らないのが、現実世界である。
「どうしてよくならないのですか?」と聞かれても、「効かない人には効かない」と心の中で返答するしかないのだ。
 もちろん、そんなことを口に出して言ってしまえば、怒りだす患者さんもいるだろう。
「どうして失敗したのですか?」と尋ねられても、それがわかっていれば、失敗などしない。
医療に絶対がないにもかかわらず、ミスをすれば、許されない風潮にある。

 そして、困難に挑む勇気を持って臨んでも、失敗すれば、人格を否定するような言葉が返ってくることも少なくない。
失敗することは、患者さんや家族にとって不幸であるが、医師にとっても、後悔と一生の心の負担を背負うことになるケースが多いのだ。

 指紋が個人個人で異なるように、体内の血管の位置も微妙に異なり、それが静脈認証システムに応用されている。
内臓が左右逆転しているなどの極端な違いを含め、本当に多様性に富んでいる。
また、血管が予想以上に脆くなっている場合もあり、いくら経験を積んでも、予測を超える場合もあるのだ。

群馬大学の例は
医療事故ではなく犯罪に近いレベル
 この群馬大学の例は病的に異常なケースであり、これは医療事故ではなく、犯罪に近いレベルであると言っていい。
 交通事故でも、単なる不注意から、死につながる事故もある。
しかし、酒を飲んだり、違法薬物を飲んで事故を起こせば、確実に犯罪だ。

群馬大学の事例は、運転能力がないにもかかわらず、大型車を乱暴に運転したケースと同じようなものだ。
 しかし、交通事故と同じで、日常診療の中では予測できない医療事故のリスクはあちらこちらに存在している。
患者さんの安全を最優先にすることに異論はないが、真っ正直な医師が、ミスを起こし、それに対して過度な批難を浴びれば、その人たちの心が折れてしまう。

 米国の「医師の燃え尽き症候群」は深刻な社会問題になりつつある。
何かが起こると、まるで、医師全体が傲慢で謙虚さの欠片もないような論調の報道が溢れ、魔女狩り状態となる。
そして、謙虚な気持ちで患者さんに接し、日々、心を痛めている医師たちが萎縮し、心が燃え尽きてしまう。

 謙虚な姿勢は、医師に対して求めるだけでなく、すべての職種に必要ではないのか?
 当然、メディアに対しても求められるものだ!

 私はSTAP細胞事件の魔女狩り報道を決して忘れない。
メディアに対しても求められるものではないのか!

(編集部注:
2014年、群馬大学病院第二外科の同一の医師が執刀した、保険適用外の腹腔鏡を使った肝臓手術で、患者8人が術後4カ月以内に死亡していたことが発覚。
その後、腹腔鏡を使った手術だけではなく、開腹手術でも同一の執刀医によって過去5年間に10人が死亡していたことが判明。
2015年3月3日、群馬大学病院は、腹腔鏡手術にて死亡した8人全員について診療に過失があったとの調査結果を公表。
開腹手術後3日目に死亡した患者1人については、死亡後にがんではないと判明したのに、執刀医はその事実を遺族に告げず、虚偽の診断書を作成していたと発表した。

同年4月、2010年12月〜2014年6月に腹腔鏡手術で8人と、2009年4月以降の開腹手術での10人の計18人が死亡したことが分かっていたが、既に発表されている以外にも同じ執刀医による死亡者がいたことが判明した。)

「中村祐輔のシカゴ便り(2017-09-14)」
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2017年10月14日

電通、人の命が失われても罰金50万円

電通の過労死裁判、
「人の命が失われても罰金50万円」
が象徴する日本の現実
2017.10.13 Business Journal

文=深笛義也/ライター

 労働基準法違反罪に問われていた電通に対して、東京簡易裁判所は10月6日に求刑通りとなる罰金50万円の判決を言いわたした。
 電通では2015年12月に新入社員だった高橋まつりさんが長時間労働の末に自殺しており、違法残業の問題が取り沙汰されていた。
9月22日に開かれた初公判では、同社の山本敏博社長が出廷し、起訴内容について「間違いありません」と認めて謝罪したことも話題になっていた。

 この判決について、ブラック企業被害対策弁護団代表を務める弁護士の佐々木亮氏は以下のように語る。
労基法違反の場合、裁判の形式は略式で法廷に経営者が呼ばれることもなく、書面上のみで行われるケースが多いです。
しかし、今回の電通のケースでは正式裁判として行われ、また山本社長が出廷しました。
これは、非常に大きな意味を持つことだと思っています。
 電通の事件を発端に、長時間労働や過労死の問題に対して社会的に非難が集まりました。

そして、裁判所が『これは大きな問題だ』と考えて正式裁判にしたということですから、歓迎すべき流れではあります。
 しかしながら、電通では高橋さんが自殺に追い込まれているため、『1人の命が失われたのに罰金50万円は安すぎる』という声が出るのは当然かもしれません。
直接、刑事事件に問われれば違っていたのかもしれませんが、あくまで労基法違反の裁判であるため、これは法律の構造上は仕方のない面もあります。

 ただし、企業にとって罰金刑を食らうというのは大きなことであり、大企業であればあるほど恥ずかしいことでもあります。
電通という大企業が罰金刑で有罪になったという事実は、金額としては小さいかもしれませんが、社会に大きな影響を与えたと思います」(佐々木氏)

「会社に命を捧げる必要はない」
 現在、政府は「働き方改革」を推進している。
この判決は、日本企業の働き方や政府の政策にも影響を及ぼすのだろうか。
「高橋さんの自殺の原因が労災、つまり『業務上の問題である』と認定されたことが政府に与える影響は大きいと思います。
今、厚生労働省は勤務と勤務の間を9時間以上空ける『勤務間インターバル』の導入を推奨しています。
 これは、残業で遅くまで勤務した場合は翌日の出勤時間を遅くするというものです。
ただし、現在は法的制度ではなく、単に推奨しているにすぎません。
また、政府が用意している労基法改正案でも、これは努力義務にとどまっています。

 そして、この労基法改正案では、残業時間の上限についても新たに定めるとされているのですが、1カ月平均で80時間、単月で100時間未満まで容認するという内容のため、『完全に過労死をなくす』というところまでは踏み込めていないと思います」(同)
 ブラック企業や長時間労働の問題に対しては、いまだ働く側が自衛する努力が必要ということだ。
では、働く人々はどんなことに気をつければいいのだろうか。
過労が続いてうつ状態に陥ったまま働いていると、『辞める』『逃げる』などの選択肢を取ることすらできなくなってしまいます。
そのため、元気なうちに、自分の状況を把握するために労働時間を正確に記録しておいたほうがいいでしょう。

 職場の環境や働き方が少しでもおかしかったら、『自分で変えていく』という意識も必要です。
労働組合があったり同じような状況の仲間がいたり、変えられる環境があるのであれば、職場の状況を変えていくのが一番いいでしょう。
 変えられない場合は、何も会社に命を捧げる必要はないので、転職などを検討すべきです。
病気になったときは、普通の企業であれば休職の制度があるため、そういった制度についてあらかじめ知っておくことも大事です。

 健康保険組合などから、傷病手当金として一定の金銭を得られることもできるので、当面の生活を維持することもできます。
また、労災申請をして認められれば労災給付金が支給されます。
おおまかにでもいいので、そういった制度や手続きについて知っておくといいでしょう」(同)

「労災認定が難しい」
裁量労働制に潜む危険
 長時間労働や過労死をめぐる問題は、後を絶たない。
 最近も、13年に死亡したNHK記者の佐戸未和さんが14年に過労死認定されていたことが発表された。
佐戸さんの死亡前1カ月間の時間外労働時間は過労死基準を大幅に上回る約159時間、休日は2日間だったという。
NHKは記者に事業場外みなし労働時間制を適用していたが、今年4月からは裁量労働制を導入するなどの対策を講じている。
「裁量労働制では、労働時間の記録がおろそかになり労災の認定が難しくなるケースがあります。
また、会社側が社員の労働時間を記録していないケースも多いです。
会社には健康配慮義務があるので、本当は記録しないといけないのですが……。
特に裁量労働の場合は、自分がどういう状況にいるのかを客観的に知るために、自ら労働時間を記録しておいたほうがいいでしょう」(同)
 仕事によって命を奪われないためにも、まだまだ自分で自分の身を守ることが大切だ。

ニュースサイトで読む:
http://biz-journal.jp/2017/10/post_20934.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2017年10月19日

何をやっても続かない!? 「いつも三日坊主」の解消法3つ

何をやっても続かない!?
「いつも三日坊主」の解消法3つ
2017年10月18日 Googirl

何となく恥ずかしいし、もしかすると人によってはちょっとだらしないと思われてしまうこともあるかもしれない……というような理由から、わざわざ口にはしないけれど「何をやっても続かない」とか「いつも三日坊主なの」という人も実はけっこう多いのではないでしょうか?

実は筆者も……わりと続けられないタイプなんです(やはり声を大にして言ったことはありませんが)。
ゲームも、家計簿をつけるのも、挙げ句の果てには資格試験の勉強まで――どれもこれも、わりとすぐ飽きてしまいます。
日記なんていうものは、5日と続けられたためしがありません。
こういうタイプの人は、もしかしたら“続けるのが下手”なのではなく、“取り組み方が下手”なだけである可能性が高いかもしれません。

続けられない人のリアルボイスと解決策
(1) 目標設定が高い場合
「まず、これから毎日コツコツ行っていくための目標設定を行います。
しっかりしたもののときもあれば、そこまでピシッとしたものでないときもありますが……。
でも目標を立てても、それだけで終わってしまうような場合も多いです」(受付/28歳/女性)

▽ コツコツやれたためしがないからこそ、目標を立てておけば大丈夫だと思うんですよね。
この場合は、目標設定がやや高すぎるということも考えられるので、少し低めに設定し直すことでだいぶ続けやすくなります。

(2) 何でも完璧に
   こなそうとしている場合
「忙しくてじゅうぶんな時間が確保できなくて、それでやめてしまうことが多いですね」(不動産/30歳/女性)

▽ “しっかりと行うことがベスト”だと思ってしまう完璧主義の考えが強い人は、70%くらいしかできないときには行動できない(したくない)ことも多いようです。
でも完璧にやり続けるということは、そう簡単なことではありません。
だったら、完璧にやれなくても良いじゃないんですか? 
最初のうちは完璧にやらないことが気持ち悪く感じるかもしれませんが、我慢して続けていくうちにだんだんと慣れていき続けられるようになっていくはずですよ!

(3) 続けることが
そのうち億劫になる場合
「最初は、今回こそは続けられると意気込むのですが、そのうち面倒くさくなってしまって……けっきょく続けられないんですよね〜。情けない」(ネイリスト/28歳/女性)

▽ これは、飽きっぽい性格の人に多く見られる傾向かもしれませんね。
続けること自体が面倒くさくなりがちだというようなタイプの人は、“とりあえず1か月だけ続てみよう”というような短期の目標に切り替えてみるといいかもしれません。
もしかしたらその頃にはそれがすっかり定着して、生活の一部になってしまっているということもあり得ますしね!

いかがでしょう、当てはまることや思い当たる節はありましたか?
 ルーティン作業には向き不向き、得手不得手があると思います。
続けることが苦手な人は新たな興味関心を見つけやすいという長所があったりもしますし、別にそこまで気にすることもないのではないかとも思います。
しかし「何をやっても続かないのはイヤ! 絶対に三日坊主を直したいの!」という人は、この機会に自分の思考や行動を見直してみてもいいのかもしれませんね。
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2017年10月22日

延命治療は愛情? 家族のエゴ? 残酷な最期を強いる「長生き地獄」の現場

延命治療は愛情? 家族のエゴ?
残酷な最期を強いる
「長生き地獄」の現場
2017年10月21日 13時00分 週刊女性

文/松原惇子ノンフィクション作家

 日本人の寿命が延び続けている。
2016年9月、厚生労働省は「100歳以上の高齢者が全国に6万5692人に。
46年連続の増加」と発表した。
医療の発展や栄養・衛生・環境状態などの向上から、わたしたちの寿命は延び続けている。
しかし、心から喜べないのはなぜか。
 最近、よく聞かれる「長生きなんかしたくない」という声。
高齢者のみならず、20代の若い人まで長生きを恐れている。
仕事の不安、結婚して生活できるかの不安、年金の不安などで、長生きが幸せにつながらないという背景があるようだ。
 いま、実際に長生きの現場では何が起きているのか? 

 ノンフィクション作家・松原惇子さんは、著書『長生き地獄』(SB新書)で、延命治療、在宅医療、有料老人ホーム、孤独死など、さまざまな長生きの現場を徹底取材し、その実態を書いた。
松原さんは現場取材から、日本には“死にたくても死なせてもらえない高齢者”が大勢いることを知り、愕然(がくぜん)としたと言う。
そんな松原さんが見た“死ねない現場”とはーー。  
 ◇   ◇   ◇  
「死なせてくれ!」の声なき叫び 
 和男さん(仮名)の父親は80歳のとき、脳出血に見舞われ、救急搬送された。
ICUに運ばれ、すぐに手術が行われたが、父親が一般病室に戻ってきたときは、意識のない状態だった。
 現在は、日本尊厳死協会にも加入し延命治療の知識もある和男さんだが、当時は延命に関する知識もなく、自分の無知さに腹が立つと話す。
「親父が倒れたことだけで、わたしたち兄弟は動転してしまい、すべての判断は医師任せでした」
「先生! 親父を助けて! 助けてください!!」。
兄弟そろって、医師にそう懇願した。

まさか、父親が植物状態のまま生かされ続けることになるとは……。
 父親の鼻から入れられたチューブは、2年後の死ぬときまで外されることはなかった。
鼻からの栄養注入だけでなく、腕には点滴も行われ、和男さんはそのときの様子を思い出し顔を伏せた。
点滴は延命治療と捉えにくいが、実は点滴も延命治療の一つなのだ。
父親の手は2年間に及ぶ点滴の針のせいで、真っ黒でまるで炭のようになり、針を刺す1点の場所もなく、ついには最も神経過敏で痛い場所、手の甲や足の甲にまで刺したと言う。
 皮膚は真っ黒、日に日にやせていく父親の残酷な姿に、息子の彼は、ただそばにいて声をかけるしかなかった。
父親の反応はまったくなかったが、「早く死なせてくれ!」と言っていたに違いないと振り返る。

 さらに、恐ろしいことがある。
和男さんの家は資産家で病院に顔が利いたため、3か月しかいられない病院に2年置かせてもらったのはいいが、病院側としては、点滴するだけでは長く置くことができないため、3か月に一度、なんらかの手術を試みたというのだから驚く。
ちなみに2年間で病院に支払った金額は、約2500万円である。

 声も発せず、ただ生きているだけのようだった父親。
家族の延命に対する無知と病院にお任せしたとことによる、父親の悲惨な最期と言わざるをえない。
もし、自分が逆の立場だったら? こんな最期を望むだろうか。
良かれと思って頼んだ延命治療が、父親を苦しめた。
生きていてほしいと家族が望んだこととはいえ、残酷な最期を父に強いてしまった。
愛情のつもりだったか、家族のエゴだったのか……。

 この話を聞いたとき、元気なうちに、自分の意思を家族にきちんと伝えておくことと、家族にも尊厳死について勉強してもらうことが必要だと、わたしは強く思った。
 つまり、たとえ尊厳死協会に入っていたとしても、病院に運ばれてからでは遅いのだ。
延命治療をなされないためには、日頃からの家族とのコミュニケーションが不可欠なようだ。

オランダには
「延命」という言葉さえない
 現場取材から、日本の延命治療に疑問を感じ、2015年春、わたしは福祉の先進国であるオランダへ飛んだ。
高齢者住宅の視察に行き、そこで得た言葉に度肝を抜かれた。
「延命治療についてお聞きしたいのですが、どのようにされているのですか」と聞くと、対応してくれた方は笑いながらこう言った。
「延命ですか? オランダには延命という言葉さえありません」
 つまり、延命をしないのが当たり前。
オランダでは延命措置は患者が選ぶものでも、医者が選択するものでもなく、存在しないものなのだ。
回復の見込みのある患者に、一時的な措置として胃ろう(腹部に小さな穴を開け、直接、胃に栄養を入れる方法)をすることはあるが、延命のために、胃ろうをすることはないと言い切る。
延命をしない、これは、オランダだけではなく、欧米でのスタンダードな考え方になっている。

欧米には寝たきり老人はいないのだ。
年を取ると寝たきりになるのは、日本だけの現象なのかもしれない。

 終末期医療に詳しい、宮本顕二医師と宮本礼子医師は、スウェーデンを視察した際に、日本との終末期医療の差に愕然としたと、その著書のなかで語っている。
欧米には寝たきり老人がいないと言われているが、その理由について、医師らはこう示している。
 その理由は、高齢者が終末期を迎えると食べられなくなるのは当たり前で、(中略)延命を図ることは非論理的であると、国民みんなが認識しているからでした。
逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。
 日本のように、高齢で食べられなくなったからといって経管栄養や点滴はしません。
肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。 (『欧米に寝たきり老人はいない』より引用)

 日本と欧米の医療現場の差と患者側の知識の差に、わたしは腹立たしくなった。
 日本人は欧米人とは真逆だ。
自分の命なのに、医師にお任せ、家族にお任せ。
「先生にこんなこと言ったら失礼だ」と、自分の希望を言わない。
先生の言いなり。
自分の命を守るのは自分でしかないはずなのに。
つまり、生死の勉強をしていないから自分の意見がなく、言えないのだ。

延命治療の知識は、医師のものではなく、私たちが学ばなくてはならない大事なこと。
勉強して自分の意見を持たないと、自分も家族も苦しむことになるのだ。

良い死のためにすべきこと10
 自分が寝たきりにさせられないために、そして家族を寝たきりにさせないためにも、今の元気なうちに勉強しておく必要があるだろう。
良い死に方を考えること。
それは、超高齢社会を突っ走る、わたしたち日本人一人一人に突きつけられている大きな課題だ。
『長生き地獄』の5章に書いた「良い死に方を考えるための10のポイント」は、「良い死」を考えるきっかけになるはずだ。
良い死に方とは、つまるところ、良い生き方に通ずるのだ。
「良い死に方」とひと言で言っても、具体的に何をどうすればよいのか、健全な判断ができる今のうちに、きちんと考えておく必要があるだろう。
「そのとき」になってからでは遅い。

ここでは、「良い死に方」のために考えておきたい10のポイントをわたしなりにまとめてみた。

●延命治療をするか、しないか(尊厳死を望むか)
●リビングウイル(※)を書く
●家族や友人に自分の意思を伝えておく
●救急車を呼ぶか、呼ばないか
●孤独死を望むか、望まないか
●最期は自宅か、施設か
●あなたの地区に訪問医はいるか、いないか
●生死について話せる友達がいるか、いないか
●自分なりの死生観を持っているか、否か
●今を楽しんでいるか

(※)編集部注:自分で意思を決定・表明できない状態になったときに受ける医療について、あらかじめ要望を明記しておく文書。
 皆さんもこれを参考に、自分なりに考えておくことをお勧めする。

<プロフィール>
松原惇子(まつばら・じゅんこ)
◎1947年、埼玉県生まれ。
昭和女子大学卒業後、ニューヨーク市立クイーンズカレッジ大学院にてカウンセリングで修士課程修了。
39歳のとき『女が家を買うとき』(文藝春秋)で作家デビュー。
3作目の『クロワッサン症候群』はベストセラーとなり流行語に。
一貫して「女性ひとりの生き方」をテーマに執筆、講演活動を行っている。
NPO法人SSS(スリーエス)ネットワーク代表理事。
著書に『「ひとりの老後」はこわくない』(PHP文庫)、『老後ひとりぼっち』(SB新書)など多数。
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2017年10月23日

「吐いてでも給食を食べさせる」熱心な教育の恐ろしさ

「吐いてでも給食を食べさせる」
熱心な教育の恐ろしさ
2017年10月21日 15時56分 SPA!
週刊SPA!連載
「ドン・キホーテのピアス」
<文/鴻上尚史> ―

じつに切ないニュースを見てしまいました。
 岐阜市内の小学校の先生が給食を完食するよう児童に指導した結果、去年と今年7月までの間に、小学生5人が吐いていたというのです。
 去年、1年生の学級担任だった時は4人に偏食をなくすために給食を残さず食べるように指導、4人が計8回、吐きました。
 今年は、2年生の学級補助担任となり、7月に体調不良の児童に給食を食べるよう指導し、児童は吐きました。
保護者は学校に児童の体調不良を連絡していましたが、この先生には伝わっていませんでした。  

市の教育委員会は「配慮にかけた指導だった」として女性教師に口頭で厳重注意処分を出しました。
 先生は「子どもに負担をかけてしまい反省している」と話しているそうです。
 最初、僕はこのニュースを知って、「ああ、若い真面目な先生なんじゃないだろうか。
この人は、自分が学生時代、先生の言ったことや校則に対して、まったく疑問に思わないで従ってきた人なんじゃないかな。
だから、こんなムチャをしたんだな」と思いました。

 ところがよくニュースを調べると50代の女性だと分かりました。
 ということは、この先生は、この指導をずっと熱心にしてきたと考えられます。
つまり、今まで、完食して吐いてしまった児童を見てきたはずです。
でも、その指導をやめなかった。
今回はたまたま匿名の情報が教育委員会に入り、問題になっただけなのです。

 市の教育委員会は、この問題を受けて、「楽しく食べ物に感謝して食べる食育指導を職員に徹底する」とコメントしました。
 けれど「楽しく」より「食べ物に感謝して」という部分を真面目に受け取れば「食べ物を残すことは食べ物に対して失礼です。
全部、食べなさい」という指導にすぐにつながります。
それが徹底されたら、吐いてもしょうがない、となるのです。

◆指導することと
指導を徹底することは違う
 僕は肉の脂身が苦手です。
牛肉はまだなんとかなりますが、豚肉はまったくダメです。
小学校の時、給食で豚肉の料理がでた時は、本当に地獄でした。
 給食用の安い豚肉だからか、いつも脂身がたっぷりありました。
もちろん、小学校時代の先生は、給食を残すことを許してくれませんでした。
 僕はまず、豚肉の脂身だけを残して給食を食べ終えました。
そして、残った脂身を小さくスプーンで切り、一切れずつ口に含み、牛乳で一気に飲み込みました。
 苦行のような時間でした。
 あまりに多い時は、一気に口に含んでそのままトイレに直行しました。
 今でも、その瞬間を覚えているのですが、トイレに行く途中、豚肉の脂身の臭いに我慢できなくなって、側溝に一気に吐いたことがあります。
 汚い話で申し訳ないのですが、ぶわっとまき散らすように吐き出しました。
本当に泣きたい気持ちでした。

 たぶん、偏食をなくすために「給食は残さない。完食する」と指導されていたのでしょう。
無理に食えば、偏食はなくなるという理論は誰が決めたのでしょうか。
そういう理論を提出した人がいたら、会ってみたいものです。
 僕はいまだに、豚肉の脂身が食べられず、でも、肩こりは激しいですが、すこぶる健康に生活しています。

 その後、「三角食べ」という、主食(パンやごはん)、おかず、牛乳という三種類をまるで三角形をなぞるように順番に食べる食べ方を指導され、「何をどの順番で食べるぐらい自由にさせろ!」と小学生ながらものすごく憤慨しました。

 ツイッターで、この悲しいニュースをつぶやいたら「食育は大切です」とか「最近の女子小学生はごはんを残すのです。
ご存知ないのですか?」とか、いろいろツイートが返ってきました。
 偏食をなくそうと「指導すること」と、「指導を徹底すること」は全然違います。
「あなたの健康を考えてあなたのためにやっているのです」という「正義と善意」を進めることと、徹底することは全然違います。

「熱心な教育」「完全な善意」「徹底した指導」は、目の前の人間が苦しんで吐くことを無視できるのです。
 感じなくなるのです。
それはなんと恐ろしいことなのでしょう。
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2017年10月25日

病的な浪費癖の悲惨な末路…

病的な浪費癖の悲惨な末路…
借金ふくらみ仕事も友人も失う、
絶対治る方法?
2016.06.15 Business Journal

文=青柳直弥/清談社

 給料が振り込まれた途端に買い物や飲み食い、ギャンブルなどに無計画にお金を浪費し、給料日から一週間もたたないうちに生活費をすべて使い果たしてしまう……。
あなたのまわりにも、こんな「浪費癖」のある人がいるのではないだろうか。

 なかには、給料だけではなく、クレジットカードのキャッシングや周囲に借金をしてまで浪費を繰り返す人も少なくない。
ここまでいくと、もはや「癖」では済まされないレベルとも思える。
 こうした浪費癖は、いったい何に起因するもので、改善することは可能なのだろうか。
臨床心理士の山名裕子氏に話を聞いた。

見極めが難しい「浪費癖」と「依存症」
 浪費癖とまではいかなくても、お酒が入った時などに後先を考えずに持ち金を使ってしまい、翌日に激しく後悔するというのは、誰でも一度ぐらいは経験があるはずだ。
しかし、こうしたことを何度も繰り返す人は、浪費癖を疑ったほうがいいかもしれない。

「一口に浪費癖といっても、それが単なる『癖』なのか、何かに依存してしまっている『依存症』なのかによって、対処法も変わってきます。
まずは自分が浪費癖なのか、依存症なのか、自分の浪費のレベルがどの程度なのかを把握する必要があります」(山名氏)
 しかし、山名氏によると、「浪費癖」と「依存症」の見極めは非常に難しいという。
 例えば、ブランド物を買い漁ったりパチンコにお金をつぎ込んだりする人がいても、それだけで「買い物依存症」「ギャンブル依存症」であるかどうかは判別できない。
境界線となるのは、日常生活に支障をきたしているかどうかだ。

「例えば、仕事をせずにギャンブルをやったり、嘘をついて借金を重ねたりするなど、もはや自分でコントロールできず、どんどん深刻な状況になっていくのは『依存症』です。
 一方、浪費『癖』は、他人に迷惑をかけることもそれほどなく、生活に支障をきたすギリギリのラインで生活できている。
困った状況ではあるけれど、なんとか生きていけている状態の人を指します」(同)

自信家や完璧主義、
孤独な人は浪費癖に陥りやすい
 山名氏によれば、浪費癖や依存症には、以下のチェック項目に当てはまる傾向を持つ人が多いという。

(1)心の居場所がない人(家庭や職場で、孤立感や孤独感を抱えている)
(2)過去になんらかのトラウマを持つ人(親のDV、家庭不和など)
(3)人付き合いがよく、見栄っ張りな性格の人
(4)上昇志向が強く、自己満足度が低い人
  (「俺はこんなもんじゃない」という思いが強い)
(5)自信家、完璧主義の人
(6)家族や交際相手に金銭的サポートを受けている人
(7)幸せに対する感受性が低く、小さな幸せを見つけることが苦手な人

 このうち、ギャンブル依存症に比較的多いのが、(5)の「自信家、完璧主義の人」だ。 「ギャンブル依存症には、『いつか、自分は勝てる』という根拠のない自信を持つ人が多い。
これまでも逆境をなんとかすり抜けてきたという経験が次第に癖になり、少額では満足できず、どんどん賭け金が吊り上がっていくんです」(同)

 一方、アルコール依存症に多く見られるのは(1)の「心の居場所がない人」だという。
寂しさを埋めるためにお酒に走ってしまう傾向が強いので、アルコール依存症の場合は、心のすき間を埋めるための別の趣味をつくることが大切です」(同)

自己満足度の低さも浪費の原因に
 実をいうと、筆者自身、一人暮らしの部屋に帰りたくないために毎晩のように飲みに行き、浪費を繰り返している「問題のある大人」の一人だ。
 とはいえ、寂しいという自覚はそれほどなかったが、山名氏は「おそらく現状に対する自己満足度が低く、それがお酒に走らせている原因では?」と指摘する。
心の居場所がないだけではなく、自己満足度の低さも、浪費の一因になっているというのである。
「そういうタイプの人は、なるべくお金のかからない趣味、それも家でできるものと外でできるものの両方持つことをおすすめします。
さらに、『サードプレイス』というのですが、自宅や会社・学校以外に、3つ目の自分の居場所を持つことも有効です。
孤立感を埋めるのが目的なので、できればスポーツジムなど、人との関わり合いがある場所のほうが効果的です」(同)

 ジークムント・フロイトやカール・グスタフ・ユングと並ぶ心理学の巨人の一人で、哲学者でもあったアルフレッド・アドラーも「人は、人に貢献することで居場所をつくれる」という言葉を残していたという。
では、浪費癖はどうやって改善させればいいのだろうか。

「『癖』の人の場合は、もう『お金が入ったら使う』という習慣や流れができています。
給料が10万円でも100万円でも、同じように使ってしまう。
使い切るという脳になっているわけです。
専門の認知行動療法では、環境、行動、体、感情、考え方(認知)、この5つはすべて影響し合っているとされていますが、自分を変えたいのであれば、この5つのどれかにアプローチすることが必要でしょう」(同)

周囲が借金を返している間は
絶対に治らない!
 例えば、「行動」にアプローチするなら、どこでお金を多く使っているか、何に無駄に使っているかを知るために、小遣い帳をつけるのも有効な方法だという。

「今なら、家計簿アプリの『マネーフォワード』を使うといいと思います。
銀行口座やクレジットカードとも連携できるので、自分の全財産が一目でわかり、かなりブレーキがかかります。
私自身、これまではわりと後先を考えずに洋服などを買ってしまうほうだったのですが、このアプリを使うようになってから、カードの明細も見るようになり、少しずつお金が貯められるようになりました」(同)
 また、「環境」へのアプローチでは、結婚や引っ越し、転職などでガラッと生活が改善するケースも多いそうだ。

「浪費する人は、『これまで、意外となんとかなってしまった』という人が多い。
ただし、依存症レベルの人は、その人の借金を親などが返してしまっている間は絶対に治りません。
周囲がよかれと思って助けることが、さらなる悪化につながっていきます。
『コントロール障害』といって、自分の意思ではどうにもできないほど厄介なのが依存症です。しかし、浪費癖であれば、絶対に治すことができます」(同)

 浪費癖のある人は、自分や周囲になんらかの言い訳をして変わろうとしない人が多い。
しかし、前述のアドラーは「変われない」という人を指して「変われないのではなく、変わらないという選択を自分でしているだけだ」とも言っている。

 気がついたら仕事も友人も何もかも失っていた……などということにならないために、筆者を含め、身に覚えのある人は自分を変える努力をしたほうがよさそうだ。
(文=青柳直弥/清談社)

ニュースサイトで読む:
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15496.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2017年10月26日

「ビフォー・アフター」原則禁止に=美容医療トラブルで広告規制−厚労省方針

「ビフォー・アフター」原則禁止に
=美容医療トラブルで広告規制
−厚労省方針
2017.10.25 時事通信

 「プチ整形」や「脂肪吸引」といった美容医療サービスの誇大広告などをきっかけに消費者トラブルが相次ぐ事態を受け、厚生労働省は25日、医療機関の広告規制を見直し、「ビフォー・アフター」として効果をうたった術前術後の写真掲載を原則禁止する方針を固めた。

学会などが掲載する写真は、消費者への誘引性がないとして規制の対象外とする。
省令に新たな広告禁止事項として定め、来年6月までに適用したい考え。

  医療法は虚偽・誇大広告を禁じているが、術前術後の写真は加工や修正が施されていても、立証や見分けが難しい。
写真を見て美容外科を受診し、トラブルになるケースが後を絶たないため、内閣府の消費者委員会が広告規制の見直しを求め、厚労省が有識者検討会で議論してきた。 

  この日の検討会では一部の委員から、必要な情報が患者に届かない恐れがあり、規制は現行通り虚偽・誇大広告に限るべきだとの意見も出た。

  しかし消費者団体の委員は「ホームページのビフォー・アフターの写真がトラブルのきっかけになっている」と指摘。
他の委員からも「患者への十分な説明と同意を省き、写真に飛びつく人を待ち構える医療機関の規制が目的で、適切な情報を提供することに何ら影響はない」との声が相次ぎ、広く規制すべきだとの意見が大勢を占めた。(了)
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2017年10月28日

「ギリギリの生活」さえ許されない生活保護引き下げの悪夢

「ギリギリの生活」
さえ許されない
生活保護引き下げの悪夢
2017.10.27 ダイヤモンド・オンライン

みわよしこ
フリーランス・ライター 

憲法改正と比べて
あまりにもたやすい
生活保護制度の「改悪」
 2017年10月22日の衆議院総選挙は、自民党・公明党が3分の2を超える多数となった。
世の中の注目は改憲に集中しているが、私が最も気になるのは生活保護制度の今後だ。
 国の最高法規である憲法は、容易に変更されてよいものではない。
このため、変更にあたっては、非常に“面倒“な手続きが定められている。

しかし、生活保護世帯それぞれに給付される金額である生活保護基準は、厚労大臣が決定する。運用や施行のあり方は、厚労省の通知・通達・規則類で定められる。
憲法に比べると、あっけないほど簡単に変更できてしまうのだ。
 2013年以後、止まることを知らない勢いで進む生活保護基準の引き下げは、生存権を定めた日本国憲法第25条の「実質改憲」「解釈改憲」なのかもしれない。

それでは今、生活保護基準と生活保護制度に、何が起ころうとしているのだろうか。
 今回は、社保審・生活保護基準部会と同・生活困窮者自立支援及び生活保護部会の多岐にわたるトピックの中から、特に重大と思われるものを独断と偏見で厳選して紹介する。

 内容は以下の3点だ。
(1)「健康で文化的な最低限度」の生育や教育とは?
(2)一般低所得層の消費実態は、どのように参照されようとしているのか。
(3)医療扶助「適正化」のために医療費自費負担を導入してよいのか。

 その前に、2013年以後の生活保護費の削減を振り返っておきたい。
 2013年以降の生活保護基準削減は、私には「複数の子どもがいる生活保護世帯を狙い撃ちした」かのように見えてならない。
下のグラフは、2013年1月に厚労省が公開した資料「生活保護制度の見直しについて」の5ページの表から作成した、
都市部での生活保護費の生活費分の引き下げ幅を、世帯構成別に高いものから低いものへと並べたものだ。

◆2013年〜2015年 
生活扶助引き下げ率(都市部・%)  左側、つまり引き下げ率が高かった側には、子どものいる夫妻・母子世帯・比較的若い単身者が並ぶ。
私は当時から、この人々に対する「費用が足りなくなっても、働けばなんとかなるでしょう?(働けないとすれば、あなたの努力不足)」というメッセージを感じとってしまっている。

 なおこの他、2人以上の世帯に対しては家賃補助(住宅扶助)の引き下げ幅が大きい。
さらに、世帯の人数が多いほど引き下げ率が高まる形での「見直し」多数も行われている。

「働けるはず」の人々を狙い撃ち
2013年以後の生活保護基準削減
 子育て中の親は、年齢で言えば「働ける」とされる20〜65歳であることが多い。
とはいえ、子どものいる生活保護世帯の親は、「心身とも健康で、“雇われ力”が高く、求職活動に励めばすぐ就労できる」とは限らない。
生活保護費が削減されてどうにもならなくなったら、「だから働く」という成り行きにはならず、働けないまま厳しい生活の中で活力を失うことになりがちだ。
子どものいる世帯では、「お金が足りない」ことの影響が直ちに子どもに影響するだろう。

 長年にわたって東京都内の生活保護の現場で働いてきた社会福祉士の田川英信さんは、2013年以後の引き下げの影響を現場で見ていた。
「生活保護の職場にいて、引き下げの影響が多大過ぎることを痛感していました。
生活保護利用者は、家電製品が壊れたり、冠婚葬祭などで思わぬ出費があった際に、余力がないから困り果てる方が多くいます。
また交際費が工面できず社会的に孤立している方も多いです。
かつかつの生活で、ただ死なないだけ、楽しみがない』ともよく言われました」と語る。

「それなのに」なのか、あるいは「それだから」なのかはわからないが、生活保護基準部会で現在進んでいるのは、「子どもの健全育成に必要な費用は?」という検討だ。
 私が最も気になる動きは、「『健康で文化的な最低限度』の生育や教育とは?」に関する検討だ。
 生活保護基準の計算は、1984年に現在と同じ「水準均衡方式」が導入されて以来、最初に標準3人世帯(30代・20代の両親+4歳の子ども)の「最低限度」の生活費を計算するところから始まる。
このとき、一般低所得層の「消費実態」が「参照」される。
一般低所得層とされてきたのは、所得の低い方から世帯数で10%まで。
財務省は、この「10%」をさらに低所得側の「2%」などに変更することを厚労省に要請しつづけてきたが、厚労省は抵抗してきた。

 生活保護基準以下の所得で暮らす世帯の「消費実態」を「参照」するという、冷静に考えてみると意味を理解するのに苦労する方式には、当時の生活保護関連審議会の委員たちの精一杯の抵抗が含まれている。
「今よりも高くしてほしいと言える状況ではないけれども、せめて下げさせないように」ということだ。
 この「10%」は、大ざっぱに言うと「ギリギリだけど社会生活を営める」ラインとして設定された。
下着や食物など、他人から見えない何かを節約することで、「おつきあい」が辛うじて維持できるということだ。
さらに所得が減っていくと、とりあえずの生命維持、「まだ死んでいない」という状態を維持するために、他のあらゆるものが犠牲になる。

 今年度以来、生活保護基準部会で厚労省が進めているのは、「一般世帯との均衡だけではなく、子どもの貧困対策の観点から生活保護制度において保障すべき子どもの健全育成にかかる費用の範囲及び水準」を、生活費を含めて検証することだ(下線は筆者による。資料2ページ)。  現在までに、「子どもの健全育成にかかる費用」に加え、親が2人の場合と1人の場合で必要な費用に差はあるのかどうかという検討も行われている(資料1ページ)。

 子どもの貧困対策の観点から見れば、子どもの育つ家庭の貧困を解消することほど確実な対策はない。
子どもの学力と家庭の経済状況には密接な関係がある。
最も貧しい層の最も勉強する子どもは、最も豊かな層の最も勉強しない子どもより学力が劣ることは、2013年にお茶の水女子大学の研究が明らかにした。
 役所文書を読み慣れすぎている私には、どうしても「生活保護制度において保障すべき子どもの健全育成」の意味は「貧困状態にある家庭は貧困のままにしておいてよい」、「子どもの貧困対策」の意味は「生活保護世帯の子どもが、成人後に生活保護世帯をつくることを避ける」と解釈するのが最も自然に見える。

生活保護世帯の
子どもの生育と教育は
「この程度でよい」のか?
 正直なところ、私は資料を読んだだけで目眩を覚える。
傍聴すれば、基準部会の委員たちが厚労省の示した政府方針に強く抵抗する姿を時間いっぱい見聞した後、厚労省を出た途端に涙が止まらなくなる。
また出張が多く東京に不在のことも多いため、本年7月以後は傍聴していない。

 しかし、厚労省の作成した資料を見る限り、「健康で文化的な最低限度」の生育と教育のラインを設定するという“こだわり”は現在も維持されている。
所得階層が10%刻みではなく20%刻みになっており、
「生活保護世帯と、主に生活保護以下の所得階層を比較する」という検討がされていないのは、せめてもの救いだ。
これは、基準部会の委員たちが、おそらくはその比較をさせない目的で、所得階層を細かく分割することに抵抗した結果だ。

 傍聴した方々の話によると、基準部会の委員ほぼ全員が、
「生活保護世帯の子どもの生育と教育はこの程度でよい」という考え方に強い抵抗を示し、所得が下がるごとに子どもが「剥奪」されるものが何なのかを検討すべき、という意見もあるようだ。
政権が「引き下げる」と決めれば、台風の中で舞い散ってしまう木の葉のような抵抗ではあるが、最後まで希望を捨てずに成り行きを見守りたい。

一般低所得層の消費実態が
「物価偽装」されている危惧
2点目の危惧は、「一般低所得層の消費実態は、どのように参照されようとしているのか」である。
 2013年1月、突如として厚労省独自の物価指数「生活扶助相当CPI」が提示され、物価下落を最大の理由として、大幅な生活保護費用の生活費分(生活扶助)引き下げが実施された。
中日新聞編集委員の白井康彦氏は、「生活扶助相当CPI」が引き下げを導くためにつくり出されたものであることを直後に見抜き、著書において「物価偽装」と述べている。

生活保護基準引き下げに抗議する「いのちのとりで裁判」では、今、全国各地の地方裁判所において、この「物価偽装」が争われているところだ。
 本年は、2012年に予定されていた生活保護基準見直し(実際には2013年)の、予定されていた5年後の見直しにあたる。
厚労省は、全国消費実態調査の2009年・2014年データを比較することで見直しを行おうとしている。
しかし、傍聴した方々によれば、委員たちは厚労省に対し、
「なぜ高齢女性世帯が多い全国消費実態調査を使うのか」
年間3ヵ月だけの全国消費実態調査より、通年の家計調査のほうが信頼度が高いのに
「サンプルサイズが小さすぎる」
「男女格差の影響は」と鋭い質問の数々を発したという。

 現在、「いのちのとりで裁判」を事務局員として支える田川英信氏は、「厚労省は、過去にも、生活保護基準部会などの委員会が出した報告書を尊重せず、”良いとこ取り”で重大な決定を下してきました。

委員の多くは、厚労省に不信感を抱いています。
また委員の中からは『消費水準の比較では無理。生存権保障としてふさわしい保護基準を厚労省が示すべき』という意見も出ています」と語る。
私も、ぜひそうしてほしい。
生存権が保障されたとき、どういう生活ができるのか。
「生活保護だから無理」「生活保護ならこの程度」はどこまで許されるのか。
厚労省の責任で示してほしい。

 私から見れば、生活保護基準は現在すでに「低すぎる」といってよいレベルだ。
これ以上下げるのであれば、時間をかけて「ツッコミどころ」のない検討をしてほしい。
この他、「高齢単身世帯」を新たに生活保護費計算の基準に含めることにより、高齢でない単身世帯に対して大きな引き下げが行われる可能性など、懸念の種は数え切れない。

医療費自費負担への懸念
受給者と医療をめぐる偏見
 最後に、懸念の3点目である「医療扶助『適正化』のために医療費自費負担を導入してよいのか」について述べたい。
この検討は、生活保護基準部会ではなく、生活保護法の再改正を前提に設置された社保審・生活困窮者自立支援及び生活保護部会で行われている。

 生活保護費総額のおおむね半分は、医療費で占められている。
この背景には、精神科長期入院(生活保護費全体の約12%)もあれば、がんや難病などに罹患している医療ニーズの高い人々が多いこともある。
また、「貧困ビジネス」化している一部医療機関の問題もある。

 しかし、「医療費の自己負担がないからといって、不要な医療を欲しがる生活保護受給者」という都市伝説は根強い。
この都市伝説を背景に、「窓口での自己負担を導入すれば、生活保護受給者が不要な医療を求めることはなくなるのでは」という検討が行われている。
 しかしもともと、「無料だから」と安易に医療機関を利用する生活保護の人々(頻回受信者)は多かったわけではない。
さらに対策が行われた結果、現在は過去の半分以下になっている。

このことは、他ならぬ同部会の厚労省資料の4ページに、
「未だにやめられない人は、精神面の疾患・障害を抱えていたり、社会的な居場所がなかったりする場合も」
「生活保護世帯の子どもの受診率は一般世帯より低い」という事実とともに示されている。
「無料だからといって安易に医療を使う生活保護の人々」が都市伝説であることは、厚労省も認めているのだ。
 この自己負担は、いったん立て替えるだけで、手続きをすれば後で戻ってくる形にすることが検討されているのだが、生活保護で暮らす人々は、そのような作業を問題なく行えるとは限らない。
むしろ、事務作業・証票の取り扱い・文字の読み書きなどに困難を抱えていることが珍しくない。
立て替え分の返戻の手続きが問題なく行えるとしても、一時的に「健康で文化的な最低限度」の保護費からの持ち出しが行われることになる。
 もしもこれが制度化されたら、医療を受ければ「健康で文化的な最低限度の生活」が損なわれることを、国が堂々と認めて制度化するということになる。
もはや生活保護制度による憲法の無効化、「壊憲」ではないだろうか。

 生活保護という希望の制度に、今後も希望を持ち続けたいけれど、明るい材料は何ひとつ見つからない。
しかし本年2017年は、小田原市で開催された「生活保護行政のあり方検討会」に、生活保護で暮らした経験を持つ和久井みちる氏が有識者委員として参加するという、史上初の快挙があった記念すべき年でもある。
生活保護という経験を評価されて公的機関の有識者委員になった人は、過去にいなかったのだ。

2013年以後に行われた、過去最大規模の生活保護基準引き下げで当事者の生活がどうなっているのかを知るために、まず当事者の声を聞き、困窮実態を理解し、それから決定してほしいです」(田川氏)
 現在約220万人の生活保護受給者たち、人数でいえば最大のステークホルダーを置き去りにして、生活保護に関する物事が決められたり進められたりしてよい理由はない。
とりあえず私は、障害者運動の世界統一スローガン「Nothing with us without us(私たちのことを私たち抜きに決めるな)」を心の中に煮えたぎらせながら、成り行きに関心を寄せ続け、泣きながらでも関連部会の傍聴を再開しようと思う。
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2017年10月30日

自殺者の4人に1人が予告している

自殺に関する5つの誤解〜
中高年の<自殺者の4人に1人>が
周囲に「意思」を……
2017.10.28 ヘルスプレス 

 長らく自殺大国と言われてきた日本だが、平成15年をピークに自殺者数は減少傾向にある。
警視庁の統計によれば、平成28年の自殺者数は2万1897人となり、対前年比2128人(約8.9%)減。
平成10年以来、14年連続して3万人を超える状況が続いていたが、昨年は22年ぶりに2万2000人を下回った。
 しかし、諸外国の現状と比べるとまだまだ自殺は多い。
政府の『平成28年度自殺対策白書』によると、世界各国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)の中で、日本は19.5人でワースト6位だ。
 ちなみにワースト1位はリトアニアの30.8人。
次いで韓国の28.5人、スリナムの24.2人、スロベニアの20.5人、ハンガリーの19.5人となっている。

 政府は今年7月に、国の自殺対策の指針となる新たな「自殺総合対策大綱」を閣議決定。
自殺者は減少傾向にあるものの「非常事態はまだ続いている」と指摘し、自殺死亡率を「今後10年で30%以上減らす」との数値目標を掲げている。

自殺者の多くが
「パートナー」や「家族」に
SOSを出していた  
 たとえ自分自身が一度も「死にたい」と考えたことがなくても、自殺問題は他人事ではない。もし大切な家族や友達が突然命を絶ってしまったら……。
身近な自殺を防ぐために何ができるのか?  
そのヒントとなる新たなデータが、アメリカでの研究で明らかになった。
『American Journal of Preventive Medicine』(10月3日オンライン版)に掲載された論文によると、アメリカの「50歳以上の自殺者の約4人に1人」が、事前に周囲にその意思を打ち明けていたことが分かった。
 この研究は、米テキサス大学オースティン校老年学部長のNamkee Choi氏らが実施したもの。
2005〜2014年に発生した傷害死データを分析した結果、「50歳以上の自殺者の23.4%」が自殺をする前にその意思を周囲に打ち明けていた。
 なかでも「抑うつ」を抱えている人や健康上の問題を抱えている人は、自殺前に予告する確率が高く、それぞれ1.57倍と1.56倍だった。
また、メンタルヘルス関連のケアや薬物またはアルコール乱用の治療を最近受けていた人も、自殺する前に誰かにその意思を打ち明ける確率が高かった。

 さらに高齢になるほど、<自殺を予告>する傾向があることも分かった。
50〜59歳以下の自殺者と比べて、70〜79歳は1.13倍、80歳以上の自殺者は1.28倍、自殺する前にその意思を打ち明ける可能性が高いことが示されている。

そして自殺前に「死にたい」気持ちを打ち明けた相手として最も多かったのは、パートナーやそれ以外の家族だったという。
 Choi氏は「自殺の意思を事前に誰かに打ち明けるということは、自殺を予防するチャンスがあるということだ。
医師や周囲の人は、自殺リスクの高い人を見つけ出し、支援できるようにしておく必要がある」と話す。
 また、抑うつや健康上の問題などがあると事前に打ち明ける確率が高いことがわかったため、「これらの問題に対して必要なサービスを提供することで、自殺を予防できる可能性がある」と指摘する。

「自殺に関する5つの誤解」  
 自殺をする人は事前に周囲の人に「何らかのSOS」を出すケースが少なくないことを、今回の研究は改めて裏付けた結果となった。
そして、メンタルや健康に問題を抱えている人ほど、その確立は高くなる。
 わが国でも自殺動機の約半数を、うつ病をはじめとする健康問題が占めている。
リスクの高い人が発する「SOSのサイン」を周囲が見逃すことなく受け止め、対応していくことが自殺防止の鍵となる。

 そこで「妨げ」となりやすいのは「自殺に関する誤った認識」だ。
日本は自殺が非常に多い国であるにもかかわらず、一般人の間で自殺に対する理解が深まっておらず、ともすれば目を背けることも起きやすい。

 東京都福祉保健局・東京都立中部総合精神保健福祉センターのウェブサイトでは
自殺に関する5つの誤解」として、
以下の「5つの誤り」をあげている。
@「死ぬ・死ぬ」という人は、本当は自殺しない
A自殺の危険度が高い人は死ぬ覚悟が確固としている
B未遂に終わった人は死ぬつもりなどなかった
C自殺について話をすることは危険だ
D自殺は突然起き、予測は不可能である

まずはしっかり向き合って
話ができる環境を整える
 自殺した人の多くは、実際に行動に及ぶ前に何らかのサインを送ったり、自殺する意思をはっきりと言葉に出したりして誰かに伝えている。
 そして自殺リスクの高い人でも「死にたい」「助けて欲しい」という気持ちの間で揺れ動いており、それが自殺行動にも反映される。
そのため自殺未遂に及んだ人は、その後も同じ行動を繰り返し、結局は自殺によって命を落とす確率が高い。
 また自殺を話題にしても、「自殺の考えを植え付けることにはならない」。
救いを求める気持ちに真剣に向き合うことができれば、「自殺について率直に語り合うこと」は、むしろ危険を減らすことになる。
 そして、自殺が突然のように見える場合でも、実は自殺に至るまでには長い苦悩の道程があるのが普通だという。
 このように、自殺をほのめかす人の気持ちを正面から受け止めることができれば、命を守る手立ては残されている。
最終的には治療にまで結びつけることが理想だが、身近な人がそうした「苦しみ」を口にするようになったら、まずはしっかり向き合って話ができる環境を整えたい。
         (文=編集部)
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2017年11月02日

病気が原因で嘘つきになってしまう? その心理と特徴

病気が原因で
嘘つきになってしまう?
その心理と特徴
2017.11.1 All About

性格のせいではないのかも……
嘘をついてしまう病気とは 程度の差こそあれ、私たちは人の目を気にしながら生きているもの。
周りの人からどう思われているのか、気になることもあるでしょう。
また、周りの人に高く評価されたいという思いが、モチベーションを高める大きな原動力になることもあります。
そんな心理がある中で、周りの人から「あの人は嘘つきだ!」といった目で見られるようになってしまったら大変です。
その人たちの輪の中で気持ちよい人間関係を保っていくのは、かなり難しくなるかもしれません。
しかし、つい嘘をついてしまう背景に、心の病気が関与している場合もあるのです。

ここでは、嘘に関連する心の病気を詳しく解説します。

パーソナリティ障害……
嘘つきが平気になるのも症状のひとつ
相手に嘘をつかれることも、ショックなものです。
嘘の度合いによっては、相手の人格を疑ってしまうこともあるでしょう。
しかし、実はパーソナリティ的に、嘘をつく敷居が低くなっている場合もあります。

もしも自己の何らかの利益や都合のために平気で嘘をつくようになっている場合、反社会性パーソナリティ障害の可能性があることにも注意してください。
反社会性パーソナリティ障害の発症率は人口のおよそ1〜3%前後。
性差は男性に多くなっています。

反社会性パーソナリティ障害では、社会的規範に対するモラルが深刻に低下し、平気で嘘をつくといった問題行動が起きやすくなります。
反社会性パーソナリティ障害の場合、本人が自ら精神科を受診することは少ないですが、対人関係上のトラブルを軽減し、日常生活の質を向上させるためにも、心理療法などの治療を受けることが望ましいです。

アルツハイマー型認知症
・慢性アルコール依存症
・解離性障害……
記憶がないことが嘘の背景にあるケース
もしも、はっきり記憶がない時間が自分にあったとしたら、なかなか嫌なものだと思います。
例えば、仲間と酒を飲んでいるうちに泥酔してしまい、気づいた時は、自宅のベッドの上……しかも服も何も着ていなかったとなると、一体どうやって帰って来たのか、いや、それ以上に、帰る途中、何か間違ったことをしなかったか不安になるかもしれません。
後にその日のことを誰かに尋ねられたら、面目を保つため、適当に答えてしまうこともあるでしょう。
適当に答えてしまうことも、広義には嘘の一形態です。
もしも記憶がない時が頻繁に現れると、作話も多くなります。
例えば、アルツハイマー型認知症では短期記憶が障害されやすく、昨日のことだけでなく、数時間前のことも、全く覚えていないといったことがあります。
また、認知症では現実と、自分が思いこんだことの違いが曖昧になりやすいのも、作話が生じやすい素地になります。
また、慢性アルコール依存症でも記憶障害が現れることがあります。
アルコール依存症では食生活が片寄りやすく、もしも長期間にわたりビタミンB1(チアミン)摂取不足が生じると、脳内の神経細胞の一部がダメージを受け、コルサコフ症候群と呼ばれる病態が生じることがあります。
記憶障害はコルサコフ症候群の特徴的な症状のひとつ。
コルサコフ症候群では、失われた記憶を埋め合わせる作話がよく現われます。
また、記憶のない時間が現れやすい心の病気として、解離性障害が挙げられます。
心の解離が進んでしまうと、まれではありますが、記憶のない時間にもうひとつの人格が現われる、いわゆる多重人格が生じることもあります。
もっとも心の解離自体は、日常的に誰でも経験することです。
例えば、誰かに肩を叩かれてハッと我に返るような時ですが、仮に家族の誰かが大事な相談事を自分にしていたとして、相手が自分に意見を求めてきた時、ハッと我に返っても話の内容が実は頭に入っていなかった……ということはあるでしょう。
その際、相手の話を聞いていなかったことを素直に謝るべきか、それとも適当にお茶を濁した方がよいのかは、なかなか判断が難しいものです。
このような日常レベルを明らかに超えたレベルで、もし身近な誰かに作話が多くなっていることに気付いたら、相手の人格を疑う前に、記憶障害の可能性もあるのではと、一応疑ってみることも大切です。

虚偽性障害……
一般的には嘘と思われる仮病
仮病も時についてしまいがちな嘘かもしれません。
ちょっと人に言いにくい用事ができて持ち場を離れるために、ちょっと仮病を使ってしまう……。
日常生活上、時に起こり得ることかもしれませんが、もしもそれが原因で日常生活に深刻な問題が生じている場合、その反社会性パーソナリティ障害的な傾向には注意が必要です。
また、まれではありますが、病気のふりをすること自体が、仮病の目的になってしまうこともあります。
病気になれば、周りの人は普段よりずっと優しくなるものですが、その優しさを求めて、病人を演じてしまう「虚偽性障害」が挙げられます。
これも嘘に関連する心の病気のひとつです。

以上、今回は嘘に関連する心の病気をいくつか解説しましたが、もちろん大多数の方は時に嘘をついてしまっても、日常生活が深刻に障害されるまでには至らないでしょう。
しかし嘘はつかれた相手にとっては大変嫌なものです。
長年の付き合いを通じて築き上げた信頼関係が、たった一度の嘘で壊れてしまうこともあります。
もしも嘘をついてしまうことで、日常生活上に深刻な問題が生じているような場合、心の病気が関連している可能性もあることを、どうか心に留めておいてください。
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2017年11月03日

不思議だ・・・日本ではなぜ今もガラケーを使う人がいるのか=中国

不思議だ・・・
日本ではなぜ今も
ガラケーを使う人がいるのか=中国
2017年11月2日 15時12分 サーチナ

 なかなか浸透しないと言われていた日本でも、現在ではスマートフォンの所有率がかなり高くなった。
2016年12月のデータによると、平均所有率は64.5%だったという。
年代別では、最も高い10代(15―19歳)では、男性86.5%、女性95.5%にも達し、ガラケーを使っているのは時代遅れという風潮さえある。
しかし、今でも一定数の人が折り畳み携帯を好んで使っており、根強い人気があるのも事実だ。  「折り畳み携帯好き」という日本の傾向は、スマホの普及率が非常に高い中国では不思議に感じられるようで、中国メディアの今日頭条は26日、「どうして日本人は折り畳み携帯を好むのか」と題する記事を掲載して分析した。

 記事は、日本は一眼レフカメラや家電、アニメなどでは高い競争力を持つにも関わらず、スマホ業界では後れを取ったと指摘。
電車に40人に乗っていたら、35人はガラケーだと主張したが、これは誇張しすぎか、あるいはひと昔前の印象だろう。
しかし、日本では中国よりもガラケーに愛着を持つ人が大勢いるのもまた事実だ。

 記事はその理由を4つに分けて説明した。
1つは日本が「島国」ならではの保守性を持っていること、
2つ目に「高齢化」で使い慣れた折り畳み携帯を好む人が多いこと、
3つ目にガラケーと言えどもあまりに性能が優れていて「スマホと大差ない」こと、
最後には大企業数社で「市場を独占」していたためだとした。

日本の折り畳み携帯は、スマホが登場するまですでに大きな進歩を遂げていて、インターネットや、モバイル決済、音楽、読書、SNSもできてあまりに万能だったと振り返った。
 その点、ガラケーの機能が限られていた中国では、スマホが受け入れやすかったのだろう。
また、日本と違い月々の利用料金が安いことや、無料のWi-Fi環境が多いことも手軽さを後押ししていると思われる。
しかし、時代の波には逆らえないようで、日本でも折り畳み携帯を見かけることはずいぶん少なくなった。
今でも新機種が発売されているようだが、この先も生き残るかどうかは微妙なところだろう。(編集担当:村山健二)
*小だぬきもガラケーです。
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2017年11月06日

風邪をひきやすい人、ひきにくい人。 その差はどこに?

風邪をひきやすい人、
ひきにくい人。
その差はどこに?
2017.11.4 Mocosuku

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

寒さが染みる季節になってきました。
朝晩と日中の気温の寒暖差が激しく体温調節の難しい日が多いですね。
風邪を引いている人も少なくないのではないでしょうか。
ところで、風邪をひきやすい人、ひきにくい人がいるのはどうしてなのでしょう。
また、その差はどこにあるのでしょうか。

今回は「風邪をひきやすい、ひきにくい」ということについて考えてみたいと思います。

風邪を引きやすい人:
医師の見解

大川原華織医師(内科医)
 生活が乱れている方は、多忙な毎日のため休養が足りず、多くのストレスにさらされがちです。
 忙しさから外食が続くと、高糖分・高脂肪の食事に偏り、ビタミン類や食物繊維の不足なども起こりやすくなります。
 これらが重なった場合、免疫システムが低下すると言われますので、風邪もひきやすくなるでしょう。 (出典:マイナビニュース http://news.mynavi.jp/articles/2016/10/18/cold/

西口めぐみ医師(内科医)
 風邪をひきやすいのは、とくに仕事で忙しくしており、睡眠不足の人です。
 そういうタイプの人は市販の風邪薬を飲んでも治らず、夜間の救急外来に来られるケースが多いです。
 また、そういった方の場合、ストレスにさらされていることが原因になっていることも。
 というのも、ストレスには免疫を下げてしまう悪い働きがあるからです。
(出典:エッセオンライン、https://esse-online.jp/32059

新見正則医師(漢方医)
 漢方医学では、筋肉が少なく、消化機能も悪い「虚証」の人は、免疫力が低く風邪もひきやすい。
 太っていても、ポチャポチャしたタイプは「虚証」。
 体重ではなく、筋量と消化力が免疫力にかかわってくるのです。
(出典:東洋経済オンライン、http://toyokeizai.net/articles/-/24537

ご覧のように、風邪をひきやすいタイプはストレス、生活習慣の乱れ、免疫力の弱さ、そして、ある種の体質がキーワードになりそうです。
風邪をひきにくい生活習慣 前項の医師の見解から、
「ストレスがない、ストレスに強い」「生活習慣が整っている」「免疫力が強い」ことは、風邪をひきにくい要因となるでしょう。

具体的には次のようなことです。
十分な睡眠をとる
起床したら朝日を浴び、朝食を摂る バランスの取れた食事を摂る
上手にストレスを発散させる
楽しく会話したり、笑ったりすることがよくある 定期的に運動し、休養を取っている 入浴などリラックスする時間をとっている
身体を冷やさない(温める)
手洗いやうがいなど、風邪をひき起こすウィルスに感染しないように予防を講じている

このように、ストレスを回避し、生活習慣を整え、感染予防を心がけることで、自ずと免疫力は高まっていきます。
また、もともと虚証で身体が弱い人や、加齢により免疫力が低下している人なども、ストレスや生活習慣を整えることで、もてる免疫力を最大限に保つことができるようになります。

風邪をひきやすい「虚弱体質」
それでは、風邪をひきやすいというのは、前述のような環境や生活スタイルといった「後天的要因」によるものだけなのでしょうか。
辞書(大辞泉)には、体質とは「からだの性質。遺伝的素因と環境的要因との相互作用によって形成される、個々人の総合的な性質」とあります。
「風邪をひきやすい体質」は、もっとも典型的な例として挙げられています。
「風邪をひきやすい体質」としてあげられる虚弱体質は、正式な医学用語ではありません。

しかし、東洋医学にも精通している消化器の専門医によると、次の条件が重なることで「虚弱体質」が作られると考えられています。

胃腸が弱く、便秘や下痢を起こしやすい
呼吸器が弱く、風邪などをひきやすい
心臓血管系が弱く、いつも青白い顔をしていて、貧血になりやすい
精神的に脆弱である
骨や筋肉が細い

こうした虚弱体質には、冷え性や代謝が悪い、免疫力が低い、などの特徴も伴います。
ところで「体質」は、辞書の定義にもあるように、食事や生活習慣などにより後天的に作られると同時に、先天的に継承されるものでもあると示唆しています。
ただし、遺伝的側面に関する科学的なアプローチは、今のところ先端的な研究が端緒についたところです。

たとえば 、虚弱体質や免疫力の弱さ、あるいは、ストレスになりやすさが、どの遺伝子やその組み合わせの影響によるものなのかを解明するゲノム研究は、先端的な研究が端緒についたところのようです。
今後にその解明が期待されます。

【参考】
・コトバンク 食の医学館「虚弱体質」(https://kotobank.jp/word/%E8%99%9A%E5%BC%B1%E4%BD%93%E8%B3%AA-794738
・理化学研究所 プレスリリース(http://www.riken.jp/pr/press/2017/20170530_1/

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。
産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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2017年11月11日

こんな症状が出たら注意! 脳梗塞が起こると現れるサインを見逃すな!

こんな症状が出たら注意! 
脳梗塞が起こると
現れるサインを見逃すな!
2014.1.3  NHK出版

*小だぬきも「ロレツがまわらない」、「左腕のしびれ、右指の震え」「急に仰向けに倒れる」「歩くのがつらい」症状が出たので 一昨年から脳外科と整形外科でMRI検査を定期的にしながら 薬で血流を良くしています。
脳外科では小さな脳梗塞、整形外科では頸部血管・神経の狭窄」が発見されました。
ただ症状の出方から「精神科」とも連携して「薬」でコントロールをしています。
杖の使用と転ばないようになどの注意を言われています。
整形外科には、4月中旬まで手術を延ばせないか今日 10日に要望しました。
情けないことに左親指が痛いと申告したところ 腱鞘炎で注射を打たれ、帰宅後 爆睡してしまいました。

「脳梗塞」とは、脳の血管が詰まって血流が途絶える病気を言う。
早期治療が重要であるため、東京女子医科大学 主任教授の内山真一郎(うちやま・しんいちろう)さんは、「脳梗塞が疑われる症状が現れた場合は、直ちに救急車を呼んで専門の医療機関に搬送してもらいましょう」と説く。
早く適切な治療を受けるために知っておきたい「脳梗塞のサインとなる主な3つの症状」を内山さんにうかがった。
* * *
脳梗塞とは 脳梗塞とは、脳の血管が詰まる病気で、命に関わるだけでなく、病後に重い後遺症を残すこともあります。
脳の表面には、頚(けい)部から伸びる太い血管が張り巡らされています。
さらに、太い血管から分かれた細い血管が、脳の奥へ縦横に伸びています。
このように脳全体が血管に覆われることによって、脳の隅々まで血液が供給されます。
脳の血管が詰まると、そこから先には血液が流れていかなくなるため、脳が壊死(えし)してしまいます。
その結果、壊死した部位が司(つかさど)る機能が失われて、「手足の麻痺(まひ)」や「言語の障害」といった症状が起こってきます。

■脳梗塞が起こると 脳梗塞が起こると、体の左右どちらか片側に突然症状が現れます。特に多いのが、「体の片側の腕や脚が麻痺する」「顔がゆがむ」「ろれつが回らないなどの言語の障害」の3つです
これらの症状は脳梗塞の重要なサインですから、少しでも異変を感じた場合は、次の要領で素早くチェックします。

◎体の片側の麻痺の場合−−症状は片方の腕や脚に現れます。
腕の場合は手のひらを上に向けて両腕を前に伸ばすと、麻痺のある側が下がってきます。
脚の場合は片脚ずつで立ってみます。
麻痺のある側ではふらついてうまく立てません。

◎顔のゆがみがある場合−−症状が強い場合は、ゆがみがある側の口角が垂れ下がるため外見で判断できます。
わかりにくい場合は、にっこり笑ったり、「いー」と発音したときに、左右の口角のどちらかが垂れ下がっていたり、動きが悪ければ顔にゆがみがあると判断します。

◎言語に障害がある場合−−「らりるれろ」と発音したり、「パタカ、パタカ……」と反復して言ってみます。
障害があると、言いにくかったり、もつれたりします。
また、「言いたいことを言葉にできない」
「発話はできても相手の言葉が理解できず、話のつじつまが合わない」といった「失語症」が現れることもあります。

そのほか、「視野の異常」「ふらつき」もよく見られます。
視野の異常は、両目で見ても左右どちらかの目で見ても、同じ側の視野の半分が欠けます。
目の病気ではなく、脳梗塞によって起こる症状です。
ふらつきの場合は、手足の麻痺がないのに立てない、歩けないなどの特徴があります。

◆次の症状は現れないことも多い 「頭痛」も多いように思われていますが、脳梗塞で頭痛が起こることはあまりありません。
今まで経験したことがないような激しい頭痛が現れた場合は、むしろ、くも膜下出血が疑われます。
また、重篤な脳梗塞では、意識が低下したり意識を失うこともありますが、必ず現れるとは限らないため、意識があっても油断できません。
■『NHKきょうの健康』2014年1月号より
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2017年11月14日

不安に強い人は「孤独」を飼い慣らしている

不安に強い人は
「孤独」を飼い慣らしている
「孤独」と「寂しい」はまったく別のことだ
2017年11月10日 東洋経済

枡野 俊明 :
「禅の庭」庭園デザイナー、僧侶

ここ10年ほどで急速に浸透したものの1つにSNSがあります。
消費者庁は2016年、同年末には国内におけるSNSの利用者数が6872万人に達する見込みと発表しました。
なぜここまでSNSは社会に受け入れられたのでしょうか。

根本にあるのは、人とつながっていたい、仲間が欲しい、という欲求と言ってもいいでしょう。いまある交友関係の結びつきを強めたい、新たなつながりをつくりたい……そんな心理が働いているはずです。
言い換えるなら、自分は1人ではない、孤独ではない、と確認できるツールとしてSNSが利用されている側面があるでしょう。

多くの人にとって、孤独になることは恐怖なのです。
しかし、孤独になると、人は本当につらいのでしょうか。
禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動によって、「世界が尊敬する日本人100人」に選出された枡野俊明氏(新刊『近すぎず、遠すぎず。』がある)は、孤独になり、人生や自らの使命と真摯に向き合うことが、境遇や状況を好転させる原動力になると言います。

「孤独=寂しい」を疑え
人は集団に属していないと不安に駆られるようです。
アメリカの心理学者、アブラハム・マズローが人間の欲求を理論化した「欲求5段階説」でも、
食事睡眠排泄などの第1階層「生理の欲求」、
安全で安定した暮らしを維持する第2階層「安全の欲求」、
その上位となる第3階層に、自分が社会に受け入れられているという感覚をもつ社会的欲求(帰属欲求)が位置づけられています。

グループの一員でいたい、仲間が欲しい、というのは人の“性(さが)”といってもいいでしょう。
旧来、多くの人にとって、社会に受け入れられていると実感できるのは、職場や仕事上の人間関係がうまくいっているときだったり、地域コミュニティでトラブルなく人づきあいをしているケースだったりしたわけですが、現代はそうした旧来型の関係に加えて、SNS上でのつながりを求める人が多くなりました。

誰もが気軽に参加できるSNS上のつながりが何かの役に立つこともあるでしょうが、確たる芯がある集団ではないように思われてなりません。
仮に、SNS上でつながっている1人が窮地に立って救いを求めたとして、手を差し伸べる人はどれだけいるでしょうか。
何か事があれば、つながりの希薄さは露呈するのではないでしょうか。

それでも人はつながりを求め、グループの一員であることを欲します。
理由は、1人でいることが不安だからであり、そこにあるのは「孤独(1人)=寂しい」という図式です。
しかし、これには異論があります。

私は、孤独であることと寂しさは異なるものだと思います。
お釈迦様は、「犀(さい)の角(つの)のようにただ独り歩め」とおっしゃいました。
“孤独のすすめ”といってもいいでしょう。
自分を確立するためにも、自分が歩んでいく道を見定めるにも、孤独であることが必要なのです。
独りで静かに過ごす孤独な時間のなかでこそ、自己は形成され、確立されていきます。
自分を見つめるための充実した時間をもたらしてくれる孤独が、寂しいものであるわけがありません。

他人と比較しても、
いいことは1つもない
孤独な時間を得て、自己を確立する過程では、自分を他人と比較しないということがとても重要になります。
「隣の芝生は青い」という言葉があるように、人は得てして、他人のものはよく見えてしまうものです。
しかし、他人と比較して、自分にいいことがあるでしょうか。
禅では、比較することを強く戒めています。

私は多くの「禅の庭」を手がけてきましたが、自分の作品とどなたかの作品を比べるということはまったくありません。
それだけでなく、自分の作品どうしを比較することもしません。
「禅の庭」はそのときどきの自分の心を表現したものです。
自分の心の有り様、心の境地がそのまま「禅の庭」にあらわれるのですから、比較自体がありえないのです。

社会や組織においても、比べることに意味はありません。
たとえば、待遇のいい会社にいる友人と自分を比べたら、自分の待遇が改善されますか。
大きな仕事を任されている同期社員と自分を比べることで、自分にいい仕事がまわってきますか。
比べたところで自分は変わらないし、事態が好転することもないのです。それどころか、羨望や嫉妬、自己否定といったネガティブな感情にとらわれて、余計につらくなるだけでしょう。

比較の対象になるのは特定の相手だけではありません。
情報過多の現代においては、比較の対象もさまざまとなります。
世代の平均年収であったり、流行の必携アイテムであったり、その手の情報に触れるとつい自分と比較してしまうでしょうが、自己の確立のためには、それらは無意味です。
情報に振り回されてはいけません。

寝る前の30分間、
   静かな時間をもつ
孤独の大切さが理解できても、他者との比較を断ち切るのは容易ではないかもしれません。
心の有り様を、意識的に現在とは違う状態にするためには、それなりのトレーニングが必要であるということも、一面では真実です。
そこで、本稿の最後に、本来の自己に出会う具体的な方法をご紹介しましょう。
それは、寝る前の30分間、静かな時間をもつことです。

本来は、坐禅をして穏やかな心、研ぎ澄まされた心に整えるのがいちばんですが、坐禅の心得がないという人は、自分が本当に心地よいと感じることをして、30分間、静かに過ごしてみてください。
静かな曲調の音楽を聴くのもいいですし、心を落ち着けてくれるアロマを焚くのもいいでしょう。

経過していく時間に、「ああ、なんだか心地よいなあ」と身を任せることが大事です。
そんな時間は坐禅にも似て、心を整えてくれることでしょう。
そして、30分間の最後の5分(あるいは10分)を、自分を見つめる時間にあてるのです。

その日の仕事や人間関係でストレスを感じていたとしても、静かな時間を過ごすことで、そこから意識は離れます。
また、リラックスした状態になることで、集中力が高まっていますから、短い時間でも自分をしっかり見つめることができます。
孤独と寂しさは違うことを知り、自分をしっかり見つめることを日課にすれば、ほどなくして人間関係の悩みとは無縁の、強い自分になっていることでしょう。
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2017年11月15日

なぜ老人は「悪口」だけしっかり聞こえるのか

なぜ老人は「悪口」だけ
しっかり聞こえるのか
「介護疲れ」はこうすればラクになる
2017年11月08日 東洋経済

平松 類 : 医師/医学博士

介護疲れと、それによる悲劇が絶えず報道されています。
介護をする側は睡眠不足になりがちで、肉体的疲労も大きい。
それだけでなく、子育てと違っていつ終わるかわからない介護を続ける中で、精神的な疲労がたまることもしばしば。
そうやって介護をして「ありがとう」と感謝されればまだ頑張れます。
しかし、ありがとうの一言が出てこない。

それは、老人が「介護を受けることが当たり前だと思っている」あるいは「性格が悪くなっているから」。
そう思ってしまうのではないでしょうか。
「でもそれは、正解といえないことも多い」と言うのは、『老人の取扱説明書』の著者であり、シニア世代の新しい生き方を提唱する「新老人の会」会員でもある医師・平松類氏。

いったいどういうことか。
老人の困った行動の原因と対策を解説していただきます。

高齢者は、高音よりも
低音のほうがよく聞こえる

高齢者というとよく話に出るのが、
「本人に都合の悪いことは、まったく聞こえない」「
優しく話しかけても無視をされる」、けれども「悪口を話しているときは、なぜかしっかりと聞かれている」。

「地獄耳」なのではないか?とも思われますが、実はこれ、老化による聴覚の特徴的な変化が原因なのです。
老化によって聴覚が衰えるということは知られていますが、均一に衰えるわけではないのです。若い頃であれば、音が高いか低いかによって聞こえ方に大きな違いはありあせん。
しかし、高齢になると高い音のほうが著しく聞こえにくくなってくるのです。
低音(500Hz)に比べると高音(2000Hz)で伝えるには1.5倍の音量を必要とするという研究データもあるくらいです。

悪口や愚痴はたいてい、トーンを落として話しますよね。
すると声が低くなりますから、高齢者に聞かれやすくなってしまうのです。
逆に何かを熱心に伝えたいときこそ、感情が高ぶったりして声が高くなりがちですから、伝わらないことが増えるのです。
ただ、この「高音よりも低音が聞こえやすい」という特徴を上手に利用することもできます。
介護などでどうしても伝えたいことこそ、落ち着いて低めの声で話しかけてください。

一方で、介護をしているとどうしてもイライラして、悪口も言いたくなります。
そんなときは、「どうせ聞こえていない」と高をくくらず、本人の近くでは話さないようにしましょう。
これらに気をつけると、高齢者に何かを伝えるのはだいぶラクになるはずです。

それから高齢になると無口になりやすく無愛想で堅物。
そう思われがちですが、実は理由があります。
高齢になると声を出す声帯と声を出すための筋肉が衰えるため、どうしても無口になりやすいのです。
声の衰えは特に、男性に起こりやすい現象です。
加齢に伴い、声帯の萎縮が男性の67%、女性の26%に起こるといわれています。
定年までは仕事場で毎日会話をし声を出していたかもしれませんが、定年後、急に話す相手は妻だけになる人が多くいます。
すると声を出す機会が激減します。
そうすると「廃用性萎縮」といって使わない筋肉が衰えていき、会話するのが億劫になります。
夫婦間で距離ができてしまい、熟年離婚の原因につながるケースすらあります。

このような状態になっていないか、チェックする方法として、「最大発声持続時間」というものがあります。
「あー」という声をどのぐらい長く出せるか調べるのですが、平均は20〜30秒です。
男性ですと15秒、女性ですと10秒以下になったら赤信号です。

無口な老人を見て、社交性がないとか性格が悪いと決めてかかるのは早計です。
声に問題があるのかもと、意識的に見ることができれば、対応は大分変わるはずです。
会話を成立させるために“取り繕う”ことも ただ、スムーズに声が出せたとしても、また別の問題もあります。

それが「取り繕い反応」問題。
人が言っていることがわからなくても「ああ、あれね」と言ってしまったり、高齢になると覚えていないことが申し訳なくて、知っているふりをしてしまう場合があるのです。
「あれ」「これ」「それ」が増えたときには、この症状を疑ったほうがいいかもしれません。

「お昼はもう食べました?」と聞いて、「最近はすぐお腹がいっぱいになってね」と高齢者が答えたとしましょう。
「そうですか、お薬は飲みました?」と聞くと、「あれは大丈夫だよ」と高齢者は答えます。
一見会話は成立しているようですが、実際はお昼を食べたかの記憶があいまいで、薬も飲んだかあんまり覚えていない可能性があります。
けれども、会話を成立させるために、高齢者は気を使って当たり障りのない会話をするわけです。

このように取り繕うのは、認知症の前兆でもあることもあるので注意が必要です。
そして取り繕いをしていると、介護側との会話を理解していないことがあるので、せっかくの会話も空虚になってしまいます。
ここでしてはいけないのが、詳しく問い詰めること。
「あれって何なの?」「ちゃんと答えてよ!」と言ってしまうと、高齢者を追い詰めてしまいます。

高齢者は落ち込んだり、怒ってしまったりすることがあるのです。
こういった場合の解決策の1つは、自分が忘れたふりをしたり、「ちゃんと聞いていなくてごめんね」という感じで、もう一度聞いてみること。
高齢者が快く答えてくれる場合もあります。

ここまで会話の問題について取り上げてきましたが、身体面についても知っておくといいことがあります。
その1つが、遠近両方メガネについて。
階段などでの転倒については、遠近両用メガネが“転倒の原因をむしろ作ってしまう”ことがあるのです。
人は年を取ると老眼になってきますが、老眼になると手元から、より離したり、老眼鏡をかけないと見にくいものです。
そこで多くの高齢者が遠近両用メガネをかけて生活をしています。
遠近両用メガネをかけて下(手元)を見ると手元が見えやすいという便利なものですが、階段で同じように下(足元)を見ようとするとピントが合わず、正常な距離感で足元が見えにくくなってしまい、階段を踏み外して転んでしまうのです。

階段に行く際には、あごを引いて下を見るようにするか、メガネを遠近両用でないものにするのがよい方法となります。

トイレに連れていくほど、
頻尿になってしまう
 最後にトイレの問題にも触れておきます。
年齢を重ねると、おしっこが頻回になるというのは聞いたことがあるのではないでしょうか。
前立腺肥大などもありますが、高齢になると尿を濃縮するホルモンが少なくなるために頻尿になるといわれているのです。

ただし、だからといって就寝中にトイレに行かないで済むように、前もってトイレに行ってもらおうとやたらとトイレを促すと、逆効果になることがあります。
こまめにトイレに行くと、わずかに尿がたまっただけで尿意を感じるようになってしまい、逆にトイレに余計行きやすくなってしまうからです。
ですから、膀胱にしっかりと尿がたまってから、トイレに行ってもらうほうがいいのです。

高齢者が夜中に何度も起きると、介護する側も睡眠が取れず大変です。
なるべく起きてこないようにするためには、ほかにもできることがあります。
まずは、寝具の素材。
レーヨンやポリエステルを避けて、木綿やガーゼなどを使うほうがよいです。
というのは、高齢になると皮膚が弱くなるので、寝具がレーヨンなどだとかゆくなったりして、そのかゆみで起きてしまうことがあるからです。

エアコンの使い方も大切です。
エアコンは体に悪いと思われがちですし、高齢者はエアコンを嫌います。
しかし、しっかりと睡眠を取ってもらうにはエアコンが重宝します。
タイマー設定にして自動的にオフになるようにすればエアコンによる影響は軽減されますし、自動的に消えることをきちんと伝えれば、高齢者も話を聞いてくれやすくなります。

日本は世界で最も高齢化している国です。
ピンチととらえる人もいるかもしれませんが、高齢者に優しい国となれば、世界中から注目される国になるかもしれません。
そうなってほしいと願っています。
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2017年11月16日

人生100年時代も「不健康期間」は長いままだ

人生100年時代も
「不健康期間」は長いままだ
平均で男性9年、
女性は12年健康に支障がある
2017年11月13日 東洋経済

村松 容子
: ニッセイ基礎研究所保険研究部 准主任研究員

世界有数の長寿大国として知られる日本。
2017年7月公表の平均寿命は男性80.98年、女性87.14年と、いずれも過去最高となっている(厚生労働省「2016年簡易生命表」調べ)。

平均寿命とは、その年に生まれた0歳児が、平均して何年生きられるかを示す。
1986年の平均寿命は男性75.23年、女性80.93年だったので、この30年だけでも5年以上延びたことになる。
2016年生まれの男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生きる計算だ。

大事なのは健康寿命
しかし、平均寿命が延びたとしても、健康で生きられる期間、いわゆる「健康寿命」が延びなくては、ありがたみがないだろう。
平均寿命だけでなく健康寿命も延びているのか。
また、今後、延びる余地はあるのだろうか。

統計から読み解いていこう。
どういう期間を「健康で生きられる期間」と考えるかは、国の定義に倣って「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とここでは定義する。
また、分析には厚生労働省が行っている「国民生活基礎調査」で3年おきに尋ねている「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問の結果を用いる。

2016年の健康寿命は、簡易生命表と国民生活基礎調査の結果を使って筆者が計算したところ、男性72.14年、女性74.79年だった。
3年前は男性71.19年、女性74.21年だったことから、この3年間で、健康寿命は男性が0.95年、女性が0.58年延びたことになる。
その間の平均寿命の延びは、男性が0.77年、女性が0.53年であるため、健康寿命の延びが平均寿命の延びをわずかに上回っていた。

時系列でみても、2010年以降、健康寿命の延びが平均寿命の延びを上回っており、健康寿命と平均寿命の差、すなわち「健康上の問題で日常生活に影響がある期間(不健康期間)」はわずかながら改善傾向にある。
しかし、男性で約9年、女性で約12年と依然として長いことに変わりはない。
不健康期間というと、「高齢期に介護を必要としている期間」を想像しがちであるが、不健康期間はそれだけを表しているわけではない。

生まれてから今までに健康上の問題で日常生活に影響があった期間を足し合わせた結果を指している。
また、ここでいう「日常生活」とは、「日常動作」のほか、「外出」「仕事・家事・学業」「運動」などであり、必ずしも介護を必要としているわけではない。

高齢になればなるほど
男性のほうが元気
「健康上の問題で日常生活に影響がある」の割合は、全年齢平均で男性が12.0%、女性が14.7%だった。
年齢別にみると、当然年齢とともに高くなり、特に70歳以降で急激に上昇することがわかる。 男女を比較すると、60〜74歳を除くすべての年代で「日常生活に影響がある」割合は女性のほうが高い。
そのため、女性は平均寿命では男性を6.16年上回っているにもかかわらず、健康寿命ではその差が2.65年にまで縮小しているのだ。

また、健康上の問題で日常生活に影響がある割合を年齢別にみた場合、2004年と2016年を比較すると60歳未満の現役世代では、ほぼ横ばいで推移しているのに対し、60歳以上の高齢者では継続的に改善していた。
たとえば2016年の65〜69歳は2004年の60〜64歳と同水準となるなど、65〜79歳では、この12年間で5歳分程度、若返っているといえそうだ。
また、日常生活に影響がある割合の男女差は、70歳未満の世代では近年大きな変化はない。
しかし、70〜79歳では、女性の改善が著しく、男女差は縮小している。
一方で、80歳以上では逆に男性の改善が大きかったため、男女差が広がっていた。

「健康寿命」を延ばすには 健康寿命は、都道府県による健康格差を縮小するためや、保健医療に関する取り組みの計画や評価を行うために導入した指標であり、同じ条件で計算しているため諸外国や都道府県間、時系列で比較するのに適している

日本では、国民の健康寿命を2020年までに 2010年の値から1歳以上、2025年までに2歳以上延ばすことを目標としている。
今回の結果で2020年までの目標はクリアする見通しだ。

男性で約9年、女性で約12年という不健康期間は決して短くはない。
ただ近年、高齢者の健康上の問題で日常生活に影響がある割合は改善しており、今後の不健康期間の男女差の縮小や健康寿命の延伸に期待がもてる。

懸念を1つ挙げるとすれば、現役世代(60歳未満)の「日常生活に影響がある」割合にほとんど改善がみられないことだろう。
健康寿命というと、高齢者の問題だととらえがちであるが、延伸のためには若い頃からの健康改善も重要となる。
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2017年11月20日

バイトより安月給"常勤医不足"に悩む僻地

バイトより安月給"
常勤医不足"に悩む僻地
2017.11.17 プレジデントオンライン (上 昌広)

地域医療の崩壊を食い止めるため、厚生労働省は来年にも医療法を改正し、若手医師の「僻地勤務」を義務化する方針だ。
すでに一部の若手医師は地域医療のために立ち上がりつつあるが、厚労省や地元自治体はそうした動きを牽制している。
なぜ若者の邪魔をするのか。
その原因は医療界の「既得権益」にある――。

大学医局と厚労省に
「監視」される奴隷
地域医療が崩壊の瀬戸際にある。
この問題を解決すべく、厚生労働省は来年の通常国会に提出する医療法の改正案に、若手医師を僻地に強制的に派遣する仕組みを盛り込もうとしている。
2014年、厚労省は「都道府県が責任を持って医師の地域偏在の解消に取り組むコントロールタワー」(厚労省HPより)として、各都道府県に「地域医療支援センター」を設置した。

厚労省によれば、今回の法改正で、「地域医療支援センター」が地元の大学と連携して、「医学部入学から生涯にわたる医師のキャリア形成・異動を把握」し、「キャリア形成支援・配置調整」ができるように権限を強化するらしい。
こうなると、医師は大学卒業後も、大学医局と厚労省に「監視」され、彼らの指示するまま「配置」されることになる。
これでは奴隷のようなものだ。

民主主義社会での日本で、こんな「国家統制」が許されるはずがない。
ところが、厚労省は本気だ。
医療法改正案の中には、これ以外にも、この手の国家統制がふんだんに盛り込まれている。

「老害医師」が
厚労省にすりよる構造
残念ながら、いまのところ医療界の有識者は誰も反対していない。
むしろ、厚労省の尻馬に乗っている。
たとえば邊見公雄・全国自治体病院協議会会長は、業界誌の『日経メディカル』で以下のように語っている。
「国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むことを可能にするためにも、医師になって数年間は強制的に全国各地で勤務するようにしてほしいと私は考えている。
そもそも医師は「ヒポクラテスの誓い」をしているのだから、100%の医師がこの方針に賛同してしかるべきだ」(日経メディカル「労基署に踏み込まれる前に医療界がすべきこと」)

私は、この文章を読んで反吐が出た。
邊見氏が、僻地医療での勤務を大切に思うなら、業界団体の名誉職にしがみつかず、自ら赴任すればいい。
自らは安全地帯にいて、若手をこき使う。
日本の医療の問題は、若手医師が僻地勤務を嫌がることではない。
このような老害医師が、厚労省にすりより、国家統制の強化を誘導していることだ。

私は厚労省と業界団体による統制を強化することは、日本の地域医療をますます衰退させると考えている。
どんな分野においても、活性化のためには志のある若者が必要だ。
だが、常に老害という名の既得権者が、彼らの邪魔をする。

福島県南相馬市の事例をご紹介したい。
今年8月末、南相馬市の大町病院から常勤医内科医がいなくなってしまった。
大町病院は南相馬に4つしかない一般病院の1つだ。
ここが機能を失うと、南相馬市だけでなく相双地区の医療が崩壊する。
緊急事態だ。

「誰もいかないなら、
私がいきます」
相双地区は福島第一原発事故で大きな被害を受けた。
国家が相応の責任を負うべき地域である。
医師不足への対応では、厚労省は、医師免許をもつ厚労官僚である医系技官の赴任や、国立病院機構やナショナルセンターの医師の出向といった手段をとれる。

前出の邊見氏も、日本の医療界のリーダーと自負するなら、全国自治体病院協議会の場で支援を議論したり、その幅広い交友関係で支援を仲介したりすることもできたはずだ。
ところが、彼らは何もしなかった。

結局、大町病院の内科の穴を埋めたのは、医師になって3年目という南相馬市立総合病院の山本佳奈医師だった。
「誰もいかないなら、私がいきます」と及川友好・南相馬市立総合病院院長に志願した。
彼女は滋賀県出身で、大阪の四天王寺高校から滋賀医大へと進んだ。
私は彼女が大学に在学していたとき、東大医科研の研究室で知己を得た。
卒業後は南相馬市立総合病院で初期研修を行った。

滋賀医大在学中から、彼女は産科志望だった。
大学に入局せず、南相馬にとどまりながら、産科医になることを希望した。
ところが、彼女のような「異端児」を、南相馬市の桜井勝延市長、南相馬市立総合病院に福島県立医大から出向している産科医、さらに福島県立医大の産婦人科医局がいじめ倒した。
詳細は拙稿をご覧いただきたい。(JBPress「日本の医療崩壊を救った若き女性医師」)。

「余計な軋轢」を起こす
彼女は迷惑な存在
福島医大における既得権を守りたい彼らにとって、山本医師のような存在は受け入れがたかったのだろう。
一方、南相馬市や福島県などの行政は福島医大に対応を丸投げした。
余計な軋轢を起こす彼女は迷惑な存在だ。
そこに医療を受ける住民の目線はない。
追い込まれた彼女を2人の医師が救った。

1人目は竹之下誠一・福島県立医大理事長だ。
竹之下理事長は、桜井・南相馬市長に、福島医大として彼女を支援することを伝えた。
南相馬市は福島県立医大以外に医師招聘のルートがない。
桜井市長も、竹之下理事長の意向は無視できない。
余談だが、竹之下氏は鹿児島の鶴丸高校から群馬大学に進んだ外科医だ。
群馬大学の関係者に聞くと「腹腔鏡事故を起こしたグループとの抗争に敗れ、福島に移っていった。
そして、そこで実績をあげた」という。
苦労が彼を育てたのだろう。
今年、外様の竹之下氏が福島医大の理事長に就任し、福島の医療は変わりつつある。
話を戻そう。

2人目の支援者は、南相馬市立総合病院の小鷹昌明医師(神経内科)だ。
傷ついた彼女に「僕と一緒にやろう」と声がけした。
小鷹氏のキャリアはユニークだ。
震災後、獨協医大神経内科准教授のポストを捨てて、南相馬市に移住した。
南相馬の復興を願い、院内にとどまらず、地元社会で活動している。
詳しくは拙稿をご覧いただきたい(FACTA「南相馬「名もなき赤髭」物語」)。

20人以上の入院患者と
週8コマの外来
結局、彼女は神経内科医を選択し、南相馬市立総合病院に残った。
ただ、それもすんなりいったわけではない。
今年4月の時点では「福島県立医大とけんかする医師は雇用できない」(桜井・南相馬市長)という理由で、非常勤雇用だった。
正式に採用されたのは今年5月からだ。
その彼女が南相馬市の危機を救った。

現在、大町病院のたったひとりの常勤内科医として働いている。
彼女は20人以上の入院患者を受け持ち、さらに週8コマの外来を担当している。
ベテランの内科医でも、外来は週4コマ、入院患者の受け持ちは10人程度が普通だ。
常識では考えられない仕事量だ。

彼女の毎日は多忙を極める。
朝8時に出勤し、病棟を回る。
日中は外来だ。
その合間に急患が入ってくる。
高カルシウム血症による意識障害、溶血性貧血発作疑いなど、診断に苦慮するものが多い。
彼女は駆け出しで、経験も少ない。
「ワシントンマニュアル」や「ハリソン内科学」などの医学書を引きながら診療している。

文献だけでは分からないことがあれば、私や、南相馬市立総合病院の先輩医師に携帯電話で聞いている。

われわれの仕事は、
やる気のある若手を支えること
問い合わせに応じて、知人の専門医を紹介したこともある。
例えば、大町病院には放射線専門医がいない。
外部に読影を依頼しているが、結果がわかるまで数日かかる。
先日、発熱が続く患者に胸部X線を撮影した。
明らかな所見はなかったが、少しだけ痰が出ていた。
彼女は胸部CT画像を撮影したが、非特異的な所見以上にはわからなかった。
私も同様だった。
そこで、東大医科研時代の同僚の専門医を紹介し、フェイスブックメッセンジャーで画像を送った。
すぐに「気管支肺炎」と返事をくれた。
抗生剤を投与すると、状況は改善した。
一事が万事、こんな感じだ。

彼女は、毎晩22時ごろまで診療やカルテ整理を続け、終わった後に論文を書いている。
現在、3つ目の英文論文を準備中だ。
彼女は大町病院に異動して成長した。
若手は自分で判断させて、責任をもたせると伸びる。
われわれの仕事は、やる気のある若手を支えることだ

僻地の医療崩壊を食い止めるための1つの方法は、このようなやる気のある若手医師に来てもらうことだ。
その際、いくつか解決すべき課題がある。

アルバイト医師より給与は安い
例えば、給与だ。
山本医師は南相馬市立総合病院の常勤医師、つまり地方公務員だ。
地方の民間病院と比較して、給与は驚くほど安い。
山本医師が赴任した9月の月給は約48万円。
その後、時間給3000円程度で残業代が加算されることになった。

一方、大町病院には、東京の私立大学から大勢のアルバイト医師が来ている。
一般的に医師のアルバイトでは、午前・午後の外来で10万円以上、あるいは休日の日直と当直で15万円以上の報酬が見込まれる。
山本医師は公務員なので、こうしたアルバイトはできない。
アルバイト医師の給与総額は、山本医師よりはるかに高いはずだが、働きぶりはどうだろうか。

どちらが病院や地域社会に貢献しているか。
ダブルスタンダードは看過できない。
医師不足の自治体は、医師確保のために年間数千万円を大学に寄附し、「寄附講座」を設立することで医師を派遣してもらっている。
だが、その実態は医大による給与のピンハネだ。
私が調べたところ、2014年度にいわき市が福島医大に寄附した6000万円のうち、医師に支払われた人件費総額は2530万円。
差額の3470万円は医大が自由に使えるカネとなっていた(ハフポスト「福島の医師不足利権」)。
こうした寄附なら、支援を受けられるだけまだいい。

山本医師のように自らの意志で地域医療を守ろうとする若者には何の支援もない。
むしろ、「地元の大学と軋轢を起こす存在」としていじめる人たちもいるのだ。
若手医師の「強制派遣」を議論する前に これでは、みなで若者のやる気をそいでいるようなものだ。
医療行為には責任がともなう。
医療事故を起こせば、自らが逮捕され、膨大な賠償金を支払う可能性もある。
彼らを安くこき使い、責任だけを負わせるというのは恥ずべきことだ。
取り組んだ仕事に対しては、相応の評価を与えなくてはいけない。

厚労省や邊見氏は、若手医師の「強制派遣」を議論する前に、そのための制度について議論すべきだ。
古今東西、変革は社会の周辺から起こる。
そして、その中心は常に本気で行動する若者だ。

南相馬市は、東日本大震災後の原発事故で甚大な被害を受けた。
いま、この地域に志のある若手医師が集い、地域をかえようとしている。
こうしたケースが社会で共有されれば、われこそはという若者がさらに出てくるだろう。
その際、老害という名の既得権者から、彼らを守らなければいけない。

上 昌広(かみ・まさひろ) 医学博士。
1968年兵庫県生まれ。
1993年東京大学医学部医学科卒業、1999年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。
虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員、東京大学医科学研究所特任教授など歴任。
2016年4月より特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所を立ち上げ、理事長に就任。
医療関係者など約5万人が講読するメールマガジン「MRIC」編集長。
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2017年11月28日

「相続税マルサ」はある日突然あなたの家にやってくる

「相続税マルサ」は
ある日突然
あなたの家にやってくる
2017年11月27日 NEWSポストセブン

 相続税が富裕層だけではなく、一般家庭もターゲットにしてから約3年。
税務調査官たちの“訪問”を受ける人が続々と現われ始めた。
しかも一度訪問されると、申告漏れなどの「非違(ひい)」を見つけられる確率は8割を超える。

我が家は相続税を払う対象ではない、税金はちゃんと納めた、しっかりと対策をしている──そんな思い込みがアダになるケースが多いのである。

 国税局の“相続税マルサ”は忘れた頃に突然現われる。それは1本の電話から始まる。
「○×税務署です。相続税の件でお宅にうかがいます」
「臨宅(りんたく)」と呼ばれる実地調査の通告である。
故人が亡くなって2年ほど経ち、遺産相続の手続きがとっくに終わってから行なわれることが多い。

 電話が来たら、ほぼ間違いなく、相続税の追徴と加算税(重加算税は最大50%)を覚悟した方がいい。
 国税庁の最新のデータによると、2016事務年度(*注)は全国で1万2116件の相続税の実地調査が行なわれ、そのうち82%で申告漏れなどの「非違」(違法行為)が見つかって加算税が課せられた。
【*注/法人税、消費税及び源泉所得税の事務を実施するために設けた年度のこと。期間は毎年7月1日から翌年6月30日まで】

「相続税なんてお金持ちの悩みでしょ。
うちには関係ない」
 そんな風に考えている人が一番大変な目に遭う。

2015年の相続税法改正で控除額が大幅に引き下げられ、相続税の課税対象は大きく広がったからだ。
 それまでは夫が妻と2人の子供を残して死亡した場合、家や預貯金など相続資産(遺産)の総額が8000万円までは非課税で、相続税を取られるのはそれこそ“億”近い財産を持つ資産家だけだった。
ところが、法改正以降は同じ法定相続人なら、4800万円(控除額は3000万円+法定相続1人につき600万円)を超える遺産があれば相続税を課せられるようになった。  

課税件数は2015年は前年の年間約5万件(死亡者全体の4.4%)から、10万件以上(同約8%)に倍増した。
国税OBで東京都内の税務署の資産課税部門を歴任した税理士の武田秀和氏が語る。
相続税は今までは富裕層を対象とした税金でしたが、『国民にあまねく負担してもらう』という考え方で法改正され、“ごく普通の税金”へと変わりました。
 たとえば都内23区に100平米ほどの土地と家があれば相続税の評価額は少なくとも3000万円くらいになる。
それに高齢者の平均的な金融資産の額2000万円などを加えると、とくに資産家ではない一般的な家庭でも相続税の課税対象になる。

財務省、国税庁の財政当局からみれば、相続税は非常に大きな財源ですから、今後課税対象はもっと広げられ、税率も上がっていく可能性があります」
※週刊ポスト2017年12月8日号
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2017年12月01日

「忖度を要求する人」から身を守る正しい方法

「忖度疲れ」で
追い詰められる人の精神構造
「忖度を要求する人」から
身を守る正しい方法
2017年11月30日 東洋経済

片田 珠美 : 精神科医

「森友・加計」問題を契機にして、忖度(そんたく)という言葉が度々メディアで取り上げられましたが、精神科医の片田珠美氏によると、忖度しすぎてストレスをため、心身に不調を来す人が増えているといいます。
『忖度社会ニッポン』を刊行した片田氏が、「忖度疲れ」にならないためにはどうすればいいのか解説します。
*************************
忖度とは、何も言われなくても、相手の意向を推し量り、先回りして満たそうとすることだが、筆者の外来に通院している患者の中には、忖度に時間とエネルギーを費やしすぎて疲れ果てた方が少なくない。

いわば「忖度疲れ」に陥り、心身に不調を来したわけで、こういう方は、「波風を立てたくない」「気に入られたい」「嫌われたくない」という願望が人一倍強い。
そのため、他人の評価や評判に過敏で、相手が何を望んでいるのかをつねに気にせずにはいられない。
こうした現状を目の当たりにして、忖度は日本人の精神構造と密接に結びついた宿痾(しゅくあ)だと感じた。

そこで、忖度しすぎてストレスをためないため、つまり「忖度疲れ」にならないためにはどうすればいいのか解説したい。
忖度はなくならない 最初に強調しておきたいのは、忖度は日本社会から決してなくならないということである
というのも、忖度は通常は配慮、気配り、思いやりなどとして認識されており、それが自然にできる人は「気が利く」と評価されることが多いからだ。

その背景には、日本社会において「察する」ことが伝統的に重視されてきたことがある。
つまり、「言わなくてもわかる」以心伝心の間柄が望ましいとされてきたわけだ。
裏返せば、腹の探り合いによってコミュニケーションを図ってきたともいえる。

このような社会で欧米と比較して言語が軽視されるのは当然だろう。
いや、むしろ言葉でいちいち伝えるのはやぼという風潮さえあったように見える。

歴史学者の会田雄次は『日本人の意識構造』(講談社現代新書)の中で「言葉(ロゴス)の否定という点、ないしは相互理解のためには、論理的な言葉は重要でないし、むしろ邪魔だという気持ちこそ、実は日本人には生得的なものではないか」と述べているが、筆者も同感だ。

この「言葉の否定」が、「空気」の支配を許す一因になっているのは確かである。
コミュニケーションにおいて論理的な言葉が重視されず、「空気」に支配されやすい社会で、忖度がなくなることはありえない。

踏まえておきたい3つのこと
「忖度疲れ」にならないためには、それを踏まえたうえで、次の3つを実行することが必要だ。

1)まず気づく
2)観察と分析
3)あやふやなままにせず明確にする
それぞれについて解説しよう。

1)まず気づく
日本のサラリーマン社会には忖度のネットワークが張り巡らされていて、忖度のクモの糸からなかなか逃れられない。
問題は、それに気づかず、知らず知らずのうちに忖度してしまう方が少なくないことだ。
「忖度疲れ」に陥り、不眠や気分の落ち込みなどの症状を訴えて筆者の外来を受診した方の多くも、忖度するのが当たり前になっていて、忖度がはらむ問題に全然気づいていなかったからこそ、手痛いしっぺ返しを食らい、心身に不調を来したように見える。

必要なのはその状況に気づいて自覚すること。
何よりも困るのは、忖度がはらむさまざまな問題に気づかぬまま長年過ごしているうちに、手遅れになったり、一気に問題が噴出したりすることだ。

このように、はっきりした自覚症状がなく、危険を自覚しないまま放置しているうちにどんどん進行し、ある日突然命にかかわる状態になって初めて重大性に気づく病気を「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ぶ。
代表的な病気が高血圧で、放っておくと脳卒中や心筋梗塞などを発症し、生命の危機を招きかねない。
厄介なことに、「忖度疲れ」は「サイレントキラー」になりうる。
伝統的に「世間」を気にし、「空気」に流されやすい日本人は、半ば反射的に忖度してしまい、「忖度疲れ」に陥りやすいが、そのことに気づいていない方がほとんどだ。
それをまず自覚すべきである。

2)観察と分析
あなたをがんじがらめにしている忖度のクモの糸を解きほぐし、場合によっては断ち切るのに必要なのは観察と分析だ。
まず、一歩引いて、なぜあなたは忖度するのかを見極めなければならない。

その際、自らに次の質問を投げかけてみるといい。
@ 何を失うことを恐れているのか?
A どんな見返りを期待しているのか?
B 誰に認められたいのか?

この3つの質問に対する答えをじっくり考えて、自分自身が忖度する理由を分析しよう。
たとえば、あなたが会社員で、つねに上司の意向を気にかけており、上司の希望を察したら、それを満たすべく最大限の努力をしている場合。
あなたのやっていることはまさに忖度であり、3つの質問を自分自身に投げかけることによって分析するのだ。

まず、失うことを恐れているのは、やはり現在の安定した生活、そして上司からの評価のはずだ。
次に、見返りとして期待しているのは、昇進や昇給だろう。
さらに、上司に認められたいという承認欲求が強いからこそ、忖度する。

このように自分が忖度する理由を分析することによって、さめた目で自分自身を眺められる。
その際、
「自分が失うことを恐れている評価は、それがなければ生きていけないほど大切なものなのか」
「忖度すれば実際に見返りが得られるのか」
「忖度すれば本当に認めてもらえるのか」などと、少々意地悪な質問を自分自身に投げかけるべきだ。

最終的には「忖度することは、自分が生きていくうえで必要不可欠なのか」と自問することをお勧めする。
その結果、自分が失いたくないものを守るためにある程度の忖度はやむをえないと思えば、忖度を続けていくしかない。

ただ、あくまでもさめた目で、忖度がもたらすメリットとデメリットをはかりにかけながらである。
忖度したら、報われる?
逆に、自分が失うことを恐れていたものは、それがなければ生きていけないほど大切なわけではなかったとか、忖度しても必ずしも報われるわけではないと気づいたら、しばらく忖度をやめてみることをお勧めする。

忖度するのが当たり前になっていた方は、全然忖度しなかったら、人間関係がぎくしゃくするのではないかと危惧なさるかもしれない。
しかし、実際には、必ずしもそうなるわけではない。
むしろ、忖度のクモの糸から解き放たれて、余計な気苦労をせずに済むはずだ。

3)あやふやなままにせず明確にする
日本社会で忖度がはびこるのは、「空気」に支配されやすいからであり、先述したとおり、その一因に「言語の否定」がある。
とすれば忖度の弊害を減らすには、できるだけ言葉にして伝えるしかないということになる。つまり「言わなくてもわかる」という思い込みを捨てることが必要だ。

これは、自分の身を守るうえでも大切なことである。
というのも、狡猾な人ほど、自分の要求をはっきり言わずに、欲しいものを手に入れようとするからだ。
それとなくほのめかしはするものの、何を望んでいるのかは決して明確にしない。
他人に因縁をつけて金銭を要求する悪人が、「カネをくれ」などとは決して言わず、「誠意を見せろ」と脅すのと同じである。

こういう場合は、たとえ何を要求しているのかうすうす察しがついていても、しらばっくれるのが1番だ。
だから、わからないふりをする、
もしくは「誠意とはどういうことでしょうか?」「どんなふうに誠意を見せればいいのでしょうか?」などと尋ねることをお勧めする。
向こうはいら立って暴言を吐くかもしれないが、そこで恐れをなして、中途半端に忖度などしてはいけない。

あくまでも「言葉ではっきりおっしゃってください」という態度を貫くべきである。
同様の態度を、言葉ではっきり伝えずに仕事を押し付けて責任転嫁しようとする同僚に対しても示すほうがいい。
たとえば、同僚が、本来自分が作成すべき書類を、黙って、あなたの机の上に置いているような場合である。
あなたが引き受ける筋合いのない仕事ならば、無視して差し支えない。
もっとも、狡猾な人ほど、罪悪感をかき立てて責任を押し付けるようなことを平気でする。
「お互いに助け合わなければならない」という一般論を持ち出したり、「協調性がない」とあなたを責めたりして、何とか仕事を押し付けようとするかもしれない。
このような手口に乗せられてはいけない。

「どういう理由で、あなたの仕事を私が代わりにやらなければならないのですか?」
「なぜ、あなたがこの仕事をしないのですか?」などと質問して、仕事を押し付けようとした理由を明確にしておくほうがいい。

気まずい思いをしたくないから、あるいは波風を立てるのが嫌だからということで、同僚の気持ちを忖度して1度でも引き受けてしまうと、その後もずっと押し付けられかねない。
そうなれば、向こうの思うつぼである。
こうした事態を避けるためにも、最初に明確にしておかなければならない。

向こうの説明があいまいだったら、さらに尋ねて、決してあやふやなままにせず、明確にするのだというこちらの意思を示しておくべきだ。
そうすれば、手強い奴と思われて、敬遠されるだろうから、余計なことを押し付けられずに済む。

「空気が読めない」ことを逆手に取る
このようにできるだけ言葉で明確にすることを続けていると、「空気が読めない」と中傷されるかもしれない。
しかし忖度は日本社会の宿痾であり、その最大の原因が「空気」の支配である以上、「空気が読めない」ことを逆手に取ったほうが生きやすい場合もある。
「空気が読めない」人は、当然「空気」に支配されることもないのだから。

もちろん、「空気」をある程度読むことは、組織の中で生き延びるために必要だろう。
ただ、その「空気」を何となくおかしいと感じるセンサーの感度が低下しないように気をつけなければならない。
そして、何となくおかしいと感じたら、あえて忖度しない勇気、時には水を差す勇気を持ちたいものである。
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2017年12月04日

キレる人、キレられる人=室井佑月

女は死なない 第14回 室井佑月
キレる人、キレられる人
2017年12月1日 毎日新聞

 週末は愛媛県の松山市で過ごす。
月曜は南海放送のラジオに出る日。
昨日はその日だったので、のんびり昼食を取って、はり治療院ではりを打ってもらい、その足で南海放送に向かった。
 一緒に番組に出ているアナウンサーの女性が、慌てた様子であたしに近づいてきた。
「大丈夫でした? 暴走車が出たんですよ。
室井さん、月曜のこの時間帯は、お堀のまわりや、大街道を散歩してたりするでしょ?」

 なんのことかわからなかった。
番組がはじまり、彼女が最新ニュースを読み上げて、ようやくわかった。
 事故を起こした車が、警察と派手なカーチェイスを繰り広げたらしい。
そして、車が暴走した場所は、あたしがよくうろついている場所。
 お城のまわりの白鳥や亀がいるお堀、少しレトロな商店がつらなる大街道。
車を暴走させるような場所じゃない。
のんびりした松山の、さらにのんびりした空間といった感じだ。

 犯人は41歳。後部座席に母親を乗せたまま暴走していたみたいだ。
 翌日、全国ニュースで取り上げられ、改めてわかったこともあった。
犯人は、アルコールもドラッグもやっていなかったという。
親の面倒をよくみる、真面目で良い子だったと、犯人の家の近所の女性がテレビで語っていた。  

真面目な良い子が、なぜ突然キレたんだ?
 警察によると、「ストレスがたまり、自暴自棄になり、無茶な運転をしました」そう供述したらしいが。  
 今年の6月も、東名高速道路で、ワゴン車に大型トラックがぶつかって、夫婦2人がお亡くなりになった。
この事故は執拗な嫌がらせをするもう一台の車が絡んでいた。
嫌がらせをする男は、高速道路で夫婦の乗っていた車を止めるように仕向け、怒鳴り散らして夫婦を車の外に出した。
そこに後ろからきたトラックが突っ込んでしまった。

 最近のニュースはこんなのばかりだ。
札幌では弁護士ともあろう人物が、タクシー運転手にキレていたっけ。
国民の模範とならねばいけない政治家も、秘書を怒鳴り散らし殴っていた。
 日本中、キレる大人が増幅している。
なぜ、こうなる?

 少し前、4月の『DIAMOND online』に『キレる中高年、精神科医が指摘する哀しき理由』という、フリーライターの光浦晋三さんが書かれた良記事が載っていた。
そこで、医療法人社団榎本会榎本クリニック池袋の、山下悠毅院長のブログが抜粋されていた。  

山下院長によれば、「怒りは二次感情である」そうで、
「人の心の中には“不安を溜めるバケツ”があり、私たちが日常の中で感じている様々な不安はそのバケツに溜まっていきます(睡眠不足とか、将来の不安とかね)。
そして、それがいっぱいになったところに別の不安が生じると、ついにはそのバケツから溢れ出し、それが「怒り」という二次感情となって出現するのです」ということみたいだ 。 

そこでライターの光浦さんは、キレるということに対し、こうまとめている。
「つまり、直前に起きた出来事だけでキレるのではなく、むしろ問題の本質は、日常的にその人の心のバケツが不安で満たされてしまっていることにあるのだ」と。

不安の強い人は、無意識に『オレの日常の怒りをぶつけよう』とぶつけられる相手を探しているのだ」と。
 ってことは、八つ当たりのようなもの?
 八つ当たりで殺されたりしたら、たまらない。

 そうそう、自分がキレない大人になるには、自分の進むべき方向性を明確にし、目標を持つこと、とも書かれていた。
 あたし自身、20代、30代の頃は今よりもっとキレやすかった。
腹がたつことがあると、「はぁ?」と立ち上がっちゃっているみたいな。
それが今では、仲間内でも穏やかな代表だ。

 40代に入って、なにが変わったかと考えてみた。
仕事も生活も、先細りしながらも、安定したといえる。

飲む酒が山崎の18年から、ホワイトホースになった。
べつにそこにストレスは感じない。
酔えればいい。

 母親が亡くなったのも大きい。
分不相応な親孝行しようと、背伸びしていた。
あたしは母にいっつも誉められたかったのだ。

 息子の行く末が見えてきたってことも大きいか。
あと4年、大学費用を捻出するだけ。私立の医大に行きたいとか、音大に行きたいとかいいださなかったので、マンションを売り払わなくても済みそうだ。

 そうか! あたしはなぜキレなくなったか、はっきりといえる。
ある日、自分の所持金から、死ぬまでかかるだろう最低限の生活費を引いてみたのだ。
このまま細々と仕事をつづけていたら、イケる気がした。
 それからだ、あたしがキレなくなったのは。

 が、キレる人に対し、どうしていいのかはわからん。
ライターの光浦さんいわく、キレる人は怒りをぶつける対象を探しているみたいだから、ちょっとは怖そうな雰囲気を醸し出したほうがいいんだろうか。
 でも、これから細々と生きていこうと決意し、ラフな格好でお堀のまわりを散歩するのが趣味になったあたしは、弱そうにしか見えないだろう。

 キレそうな荒ぶる心を抱えた人と、穏やかでキレられる対象になりそうな者。
 前者の苦しさは毎日のことだし、心情的にキツそうだ。
やっぱあたしは、このまま後者でいくわ。

室井佑月 1970年、青森県生まれ。
雑誌モデル、銀座・高級クラブでのホステスなどを経て、1997年に「小説新潮」主催「読者による『性の小説』」に入選し、作家デビュー。
小説家、随筆家、タレントとして多岐にわたり活動している。
2000年に第一子となる男児を出産。
2016年には、一人息子の中学受験と子育てについて愛と葛藤の8年間を赤裸々に綴ったエッセー『息子ってヤツは』(毎日新聞出版)を上梓。
主な著書に『熱帯植物園』(新潮社)、『血い花』(集英社)、『子作り爆裂伝』(飛鳥新社)、『ママの神様』(講談社)などがある。
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2017年12月06日

最高裁判決に不安の声 苦情急増NHK受信料“集金法”の変化

最高裁判決に不安の声
苦情急増NHK受信料
   “集金法”の変化
2017年12月5日 日刊ゲンダイ

 テレビを設置すれば、受信料支払い義務が生じるのは、憲法が保障する「契約の自由」に反する――そう主張して受信料を支払わない男性に対して、NHKが支払いを求めている訴訟。

6日、15人の裁判官全員が参加する最高裁大法廷で判決が下される。
「NHKの公共性を理由に合憲判断を示す可能性が高い」(法曹関係者)という。

 現在もNHKの受信料取り立ては、苦情が殺到している。
最高裁の合憲判決が加わればますますひどくなる――そんな不安の声が広がっている。
 4日の毎日新聞は、NHKの受信契約を巡り、全国の消費生活センターに寄せられた件数が昨年度8472件になり、過去10年間で4倍に急増したと報じた。

 一体、現場で何が起こっているのか。
NHK出身で葛飾区議の立花孝志氏が言う。
「NHKの地域スタッフによる集金から、外部業者へ委託し全国展開したのが10年前です。
苦情が増えたのはそこからです。
地域に根差したスタッフではどうしてもフレンドリーになってしまい、なめられていた。
業者委託後に、スタッフは2カ月おきにローテーションで担当エリアを替わるようになった。
スタッフに短期勝負を課すと同時に、交渉相手と“顔なじみ”にならないようにして、ドライな対応を可能にしたのです。
しかも、受信料制度など丁寧な説明はせず、法律を盾に契約を迫るのですから、苦情が増えるのは至極当然です」

 苦情急増の一方で、なるほどドライな集金は大きな“成果”を挙げている。
昨年末の世帯別受信料支払い率(全国平均)は、過去最高の78・2%となった。
 相談件数の急増について、NHKは「契約収納業務の法人委託化に伴い、新たに業務を開始する一部の法人事業者の社員の業務に関する知識が若干不足していることで、視聴者の皆さまからご意見をいただくことがあり、再発防止を図る」(広報局)と回答した。

 本当は「まごころ不足」じゃないのか。
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NHK受信料:制度は「合憲」 最高裁が初判断

NHK受信料
:制度は「合憲」
 最高裁が初判断
2017年12月06日 15時10分 毎日新聞

 NHKの受信料制度が憲法が保障する「契約の自由」に反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、制度を「合憲」とする初判断を示した。
国民が公平に財源を負担してNHKを支える制度の合理性を司法が認めた形となる。

今後の公共放送のあり方を巡る議論や、約900万世帯に上る未契約者からの受信料徴収にも影響を与えそうだ。

 今回の裁判は2006年にテレビを設置した後、「偏った放送内容に不満がある」と受信契約を拒んでいた東京都内の60代男性を相手取り、NHKが契約締結や未払い分の支払いを求めて11年に提訴。
NHKはこれまで未契約者に対する同種訴訟を約300件起こしているが、最高裁が判決を出すのは今回が初めて。

 放送法64条は、テレビなどの放送受信設備を設置した世帯や事業所は「NHKと受信契約をしなければいけない」と規定する。
この規定を巡り、男性側は「罰則はなく、努力義務に過ぎない。契約を強制する規定だとすれば憲法に違反する」と主張。
NHK側は「放送法が定める『豊かで良い放送』をするために受信料制度は不可欠で、合理性や必要性がある」などと反論していた。

 1、2審は、契約は義務と認めた上で受信料制度は「公共の福祉に適合し必要性が認められる」と合憲判断。
男性に未払い分約20万円の支払いを命じた。
双方の上告を受け、最高裁は昨年11月、15人の裁判官全員で憲法判断や重要な争点の判断を行う大法廷に審理を回付していた。
     【伊藤直孝】
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2017年12月09日

生活保護費引き下げ検討に怒り

生活保護費の引き下げ
検討に怒りの声相次ぐ
保育料や奨学金の給付基準にも影響、
「生活保護受給者だけの話ではない」
2017年12月08日 19時06分 キャリコネ

厚生労働省は、生活保護費を引き下げることを検討し始めた。
12月8日、共同通信などが報じた。

一般の低所得世帯の消費支出より支給額が多いとの調査結果を受けて、支給額の見直しに着手したのだという。
報道を受け、批判の声が相次いでいる。

生活保護の中には、アパートなどの家賃に対する「住宅扶助」や医療サービスの費用を賄う「医療扶助」などがある。
今回、見直しの対象になるのは、日常生活に必要な費用に対する「生活扶助」だ。

「生活保護基準引き下げは誰も幸せにしない」
この「生活扶助」を最大1割程度引き下げる可能性があるという。
報道によると、例えば、中学生と小学生の子ども2人を持つ40代夫婦は支給額が月約21万9000円から、約19万4000円に減る。
65歳の高齢単身者も月約8万円から約7万3000円に減る。
支給水準は5年に1度見直しており、前回2013年度にも一度引き下げられている。

これに対し、貧困対策に関わる人々や研究者からも批判の声があがっている。
生活に困っている人やホームレスへの支援を行うNPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典代表理事は、 「市民生活に甚大な影響が出るからやめろ」 「生活保護基準引き下げは誰も幸せにしない」 とツイッターで警鐘を鳴らした。
ツイートに添付された画像によると、生活保護費の引き下げは「最低賃金が上がらない」など、他の制度にも悪影響を及ぼすという。

保育料無償化や給付型奨学金の対象世帯が減少
弁護士の篠田奈保子さんは、「各種の社会保障制度の減免や支給の基準となっている非課税基準にも影響します。
生活保護受給者だけの話ではありません」と指摘。

生活保護基準が下がると、住民税の非課税基準も下がるため、今まで無税だった人が課税される可能性が出てくる。

そうすると住民税が非課税のときは安くすんでいた保育料や介護保険の自己負担限度額が上がってしまうのだ。
自民党が唱えていた保育料無償化や給付型奨学金も住民税の非課税世帯を対象に実施する予定だった。
そのため篠田さんは、 「生活保護基準引き下げにより、非課税基準自体を下げて、対象者をより少なくする作戦に出るわけね。
対策してますって言えるし、対象をどんどんと小さくして予算を少なくもできるという訳ね」 と批判していた。

東京大学の本田由紀教授も「一般の低所得世帯の消費支出が減少しているから生活保護費も削減するという負のスパイラル。いじめのような」とツイート。

一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さんは、
「絶対に許されません」と怒りを露わにし、反対署名への呼びかけを行った。
「生活保護制度の充実を求める緊急署名」は2018年1月末日まで募集しているという。

また、今回の引き下げ検討は、一般の低所得者の消費支出額を踏まえてのものだというが、ネットではむしろ低所得世帯への支援が必要なのではないかという声も相次いでいる。
「『低所得世帯やばいね賃金上げるねー!』じゃないあたり、なんとも寂れた国って感じ」
生活保護費が高いんじゃなくて、それを下回るほどの低所得者層の給料がおかしいんだって

厚労省の社会・援護局保護課の担当者は「生活保護基準部会で検討をしているが、まだ結論は出ていない。
年内にも報告書をまとめる予定です」と話していた。
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2017年12月10日

冬、風呂の湯温度は42度以上だと危険です

ヘルス・ライフ
冬、風呂の湯温度は
42度以上だと危険です
2017.12.08 Business Journal

文=吉澤恵里
/薬剤師、医療ジャーナリスト

 街がクリスマスムードに溢れ、忘年会など酒の席も増えほろ酔いで帰宅の途に着くことも多くなる
これからの時季は、自律神経も乱れやすく血圧が不安定になりがちだ。
高血圧は自覚症状がないが命に関わるような病気を引き起こすことがあるため、「サイレントキラー」と呼ばれる。

特に冬はサイレントキラーが放つ「ヒートショック」によって命を落とすケースもある。
ヒートショックは誰にでも起き得る。
回避するためには、その対策を知ることが大切だ。

 ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が大きく上下することが原因となり、心筋梗塞、不整脈、脳梗塞などが引き起こされることをいう。
特に、入浴時にヒートショックが起きると急激な血圧低下で意識障害を起こし、溺れて死亡するケースもある。

 12月から1月にかけては、気温が下がり屋外と室内の温度差が激しくなるため、ヒートショックが起きやすい。
過去10年のデータを見ても、入浴中の心肺停止は8月がもっとも少なく、12から1月はその10倍以上に上るほど多い。
冬場の入浴は、特に注意が必要といえる。

 そんなヒートショックを防ぐ入浴方法は、以下の要領だ。
(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖める… 温度の急激な変化が血圧を大きく変動させるため、温度差を小さくすることが望ましい。

(2)湯温は 41 度以下にする…熱い湯への入浴は、血圧の急降下を招く恐れがある。また、一般的に41度であれば、入浴前後の温度差によるカラダへのダメージは少ないと考えられる。

(3)浴槽に浸かる時間は10分以下にする…のぼせることで意識障害を起こす危険性が高まるだけでなく、脱水症状が起きると血流が悪化するため心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険もある。

(4)浴槽から出る際はゆっくり立ち上がる…入浴により血管が弛緩しているため、急に立ち上がると脳への血流が滞り、めまいや失神を起こす危険性がある。

(5)食後すぐや飲酒後の入浴は避ける…食後や飲酒後は血圧が下がりやすいため、食後は2時間以上あけたほうがいい。また、飲酒後の入浴は避けるのが望ましい。

危険は入浴時以外にも  ヒートショックの報告例がダントツに多いのは入浴時だが、寒いトイレや温度差のある屋内外の出入りなどでも起きることがある。

また、中高年世代に注意喚起したいのが「サウナ」だ。
働き盛りのビジネスパーソンにはサウナ愛好者も多いのではないだろうか。
 2003年、歌手の西城秀樹さんがサウナ入浴後に梗塞脳で倒れたニュースは当時話題となった。

サウナは心筋梗塞、脳梗塞、不整脈などを引き起こす危険性がある。
原因のひとつは、サウナで大量の汗をかくことにより脱水状態になると、血液中の水分が減少して血栓ができやすくなることにある。
また、サウナ利用者の多くは、サウナから出た後に冷水を浴びるが、これがヒートショックを引き起こす原因となることがある。
サウナを利用する際は、長時間の利用は避け、十分に水分摂取し、ゆっくりとクールダウンすることをお勧めしたい。

 入浴でリラックスすることはストレス解消にも効果的だ。
ヒートショックを引き起こす危険を回避し、寒い冬こそ入浴を楽しみたいものだ。

吉澤恵理
薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。
1992年東北薬科大学卒業。
薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

ニュースサイトで読む:
http://biz-journal.jp/2017/12/post_21626.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2017年12月13日

生活保護カットで他の低所得者も困窮

生活保護カットで
最低賃金が
上がらなくなるのに…
安倍政権に騙され
弱者が弱者バッシングに走る日本社会
2017.12.11 LITERA編集部

 安倍首相の言う「全世代型の社会保障」とは一体なんだったのか──。
8日、厚労省は生活保護費を引き下げる検討に入った。
食費や光熱費といった暮らしの根幹にかかわる「生活扶助」を最大1割程度引き下げる方向で、しかも、見直しの必要があると判断した理由は“一般の低所得世帯の消費支出より支給額が多い”からなのだという。

 毎日新聞によると、〈「40代夫婦と中学生、小学生」(大都市部)の4人家族〉の場合はカット幅が最大13.7%におよぶ見込みで、
〈65歳以上の夫婦の世帯も10%超のカット〉
〈母子家庭に対する加算(母子加算)平均2割カットになる可能性〉と伝えている。

 こんな馬鹿な話があるだろうか。
一般低所得者世帯の消費支出よりも支給額が多いというのなら、見直すべきは低所得者世帯の消費支出が低い原因のほうであり、それは最低賃金が低すぎることに起因している。

そもそも、2007年の法改正よって最低賃金は生活保護基準を上回るようにしなくてはならなくなったが、生活保護基準が引き下げられれば最低賃金も引きあげる必要はなくなってしまう。
景気によっては、生活保護基準にあわせて、最低賃金が引き下げられる状況すら起こりかねない。
これでは一般低所得者世帯の消費支出はますます下がっていくだけだ。

 このように、生活保護基準の引き下げは生活保護受給世帯だけの問題ではない。
 まず、生活保護基準は、そのほかの制度でも目安に用いられている。
たとえば、低所得世帯に対して小・中学校の学用品費や給食費、通学費、修学旅行費などの援助をおこなう就学援助や、国民健康保険の保険料・一部負担金の減免などが自治体によっては生活保護基準額に一定の係数をかけて認定基準を決定している。

さらに、都道府県による高校奨学金や大学による奨学金の基準も同様だ。
 しかも、生活保護基準が下がれば住民税の非課税基準も下がり、課税対象者は増える。
そうなると、非課税か否かで負担額を決めている高額療養費や介護保険の自己負担額、保育料などのさまざまな制度にも影響が出る。

 そして、安倍首相が選挙で掲げた「高等教育の無償化」も、選挙後に無償化の対象を住民税非課税世帯(年収約250万円未満)で検討中だ。
それでなくても無償化の対象が狭すぎると批判があがっているのに、生活保護基準の引き下げによってさらに対象者が少なくなる可能性があるのだ。
 このように弱者をターゲットにする一方、安倍首相は「革新的な技術により生産性向上に挑戦する企業」に対する法人税を20%まで引き下げる方針を打ち出した。

企業への優遇措置によって税収はさらに落ち込むが、その分、貧困層に大打撃を与える消費税を増税し、社会保障費も削ろうというのである。

ターニングポイントは
自民党が仕掛けた河本準一バッシング
 だが、生活保護基準の引き下げは「全世代」の生活に直結する問題だというのに、「生活保護受給者のほうがいい暮らしをしているのはおかしいから賛成」などと歓迎する声があがってしまうのが、いまの日本だ。

現況をつくり出したのは、言うまでもなく自民党による「不正受給許すまじ」という「生活保護バッシング」にある。
 あらためて振り返れば、「聖域なき構造改革」によって所得格差を拡大させ貧困を増大させた小泉純一郎首相は、生活保護費を削減。
これと同時に全国で「水際作戦」が多発し、孤立死自殺に追い込まれたケースが頻発した。
これは「行政による殺人」と言うべきもので、さらには生活保護を受けられずに餓死するという事件が立て続けに起こった。

 にもかかわらず、2007年の第一次安倍政権では生活保護基準の見直しを打ち出し、歩調を合わせるようにメディアでも生活保護の不正受給に対するバッシングが徐々に増えはじめた。
今年1月に問題が発覚した神奈川県小田原市で「保護なめんな」とプリントされたおぞましいジャンパーがつくられたのは、ちょうどこのころだ。

 そして、生活保護バッシングの決定打となったのが、2012年4月にもちあがった次長課長・河本準一の親族が生活保護を受けていた問題だった。
河本のケースは不正受給など違法にあたるものではなかったが(後の法改正で扶養義務が強化されることになる)、これに自民党の片山さつき議員や世耕弘成議員が噛みつき、メディアに登場しては河本の大バッシングを展開。

同年1月には、札幌市で40代の姉妹が生活保護の相談に出向きながらも申請に至らず死亡するという痛ましい事件が起こっていたが、生活保護の重要性が謳われることなく片山の主張と同じようにメディアも「不正受給許すまじ」とバッシングに加担。
「生活保護は恥」などという空気を社会につくり出していったのだ。

 こうした生活保護バッシングの波に乗り、同年12月の衆院選で自民党・安倍晋三総裁は「生活保護の給付水準を10%引き下げる」という公約を掲げて政権に復帰。
生活保護費の削減を断行し、13年には生活保護の申請厳格化という「水際作戦」の強化ともいえる生活保護法改正と生活困窮者自立支援法を成立させてしまったのである。

ほとんどいない不正受給、
一方、先進国で最も少ない
生活保護受給者
 小泉首相から安倍首相が引き継ぎ、いまなお「アベノミクス」と称してつづける新自由主義政策は、貧困を広げる一方で社会保障を「自己責任」として切り捨てていくものだ。
「福祉や保障に頼るな、家族で助け合って生活しろ」というその考え方は、公的責任を逃れ、個人にすべての責任を押しつける。
そうしたなかで生活保護バッシングが吹き荒れたことは、偶然の一致などではない。

煽動したのが自民党の政治家だったように、起こるべくして起こったものだったのだ。
 だからこそ確認しなくてはならないのは、バッシングの根拠としてもち出される不正受給の問題だ。
自治体による調査強化によって不正受給の件数と金額が過去最多となった2012年度でも、保護費全体で不正分が占める割合は0.53%。
これは、諸外国と比べても圧倒的に低い数字、というか、ほとんど「不正がない」に等しい。  

ようするに、この国の政府や政治家たちは、生活保護基準を引き下げるために、100人に1人もいない不正をクローズアップし、あたかも生活保護受給者の多くが不正を働いているかのようなバッシングを繰り広げてきたのだ。
 日本は不正横行どころか、生活保護を受けている人が圧倒的に少ない。

2010年当時の統計だが、
ドイツの生活保護利用者は793万5000人で全人口の9.7%、
イギリスは574万人で9.3%、
フランスは372万人で5.7%。
これに対して、日本は205万人で1.6%。
ドイツの6分の1ちょっとにすぎない。

生活保護支給額の対GDP比率となると、もっと少ない。
アメリカが3.7%、イギリスが4.1%、ドイツ、フランスが2.0%なのに、日本の生活保護支給額はGDPに対してたったの0.3%なのだ。

 これは、日本が豊かで、貧困者が少ないからではない。
生活保護を受けられる貧困状態にあるのに、ほとんどの人が生活保護を受けずに我慢しているからだ。
実際、日本で生活保護を受ける資格がある人のうち、受給している人の割合を指す「捕捉率」は2割程度だと言われている。

 こうした背景には、日本社会を覆う「生活保護は税金泥棒」という倒錯した倫理観がある。
生活保護は憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に基づく当たり前の制度であり、いまの過酷な競争社会では誰もがそこに転落する可能性があるのに、弱者をさげすみ、その当たり前の制度を使うのに後ろめたさを強いているのが日本社会の現実なのだ。  

そして、政府はこうした社会の空気に拍車をかけることで、さらに生活保護基準を引き下げ、生活保護受給者のみならず、国民全体の暮らしをさらに悪化させようとしている。

 すでに貧困と格差の拡大によって社会の底は割れているというのに、相変わらず富裕層しか見ていない安倍首相。

非正規が増加して不安定雇用は改善されず、最低賃金も上がらず、その上、セーフティネットを破壊しつづけていけば、国民の生活への不安は増し、消費はどんどん冷え込んでいく。
──このような「負のスパイラル」を、即刻断ち切らなくてはならない。
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2017年12月18日

ユニセフが重大懸念 日本の子供貧困は安倍政権で加速する

ユニセフが重大懸念
日本の子供貧困は
安倍政権で加速する
2017年12月17日 日刊ゲンダイ

 全国各地の街頭で見られるユニセフ(国連児童基金)募金への呼びかけ。
途上国の貧困にあえぐ子供たちを助けたい――と、募金する人も多いだろうが、今や日本が途上国への転落危機にある。

訪日したユニセフのレーク事務局長がNHKの取材に対し、「日本のおよそ16%の子供が深刻な貧困状態にある。
豊かな社会において子供が飢えや格差に苦しむことがあってはならない」など懸念を示したのだ。

 世界の子供の貧困問題に関わっているユニセフ事務局長の指摘だけに衝撃だ。
日本の子供の貧困は「途上国並み」と断じられたのに等しい。

「子供の貧困対策」は安倍政権の“看板政策”だったはずだ。
安倍首相も国会で〈子供の貧困対策は未来への投資であり、国を挙げて推進していきます。(略)
ひとり親家庭・多子世帯等自立支援プロジェクトを決定し、(略)子供の貧困対策を大幅に拡充することとしたところでございます〉(16年1月21日の参院決算委員会)、
〈子供たちの未来が、家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはなりません。
経済的にもさまざまな困難を抱えているひとり親家庭や子供の多い世帯には、きめ細かな支援が必要です。
(略)子供の貧困対策に全力で取り組んでまいります〉(16年9月27日の衆院本会議)と言っていたが、ナ〜ンもしていなかったのだ。

 それだけじゃない。
国はさらなる子供の貧困イジメを画策している。
厚労省が最終調整に入った、生活保護費の減額だ。
原案では、減額幅は5%になる見通しで、40代の親と小・中学生の2人の子がいる世帯の場合、約1万円減額されるという。
ひとり親世帯の母子加算も減額される見通しだから、子供の貧困をなくすどころか、〈国を挙げて〉拡大させるつもりだ。

■海外には大盤振る舞い
 許せないのは、そうやって子供の貧困イジメをする一方、海外には気前よくカネをバラまいていることだ。

安倍首相は14日、都内で開かれた国際会議「UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)フォーラム2017」で、医療費負担で貧困に陥る人などのために、政府として約29億ドル(約3300億円)規模の支援を行うとブチ上げた。
自国の子供の貧困対策はホッタラカシで、海外に大盤振る舞いなんて、あり得ないだろう。

 ついでに言うと、自公が決定した与党税制改正大綱では、所得増税やたばこ増税、国際観光旅客税、森林環境税などで年2800億円程度の増収となる見込みだが、それをソックリそのまま海外に差し出すワケだ。
一体誰のため、何のための増税なのか。

政治評論家の山口朝雄氏が言う。
安倍さんは、もはや内政では行き詰まりつつあるため、せめて外交では目立ちたい、と考えているのではないか。
手っ取り早く海外にカネを配ることが、政権のアピールになるというのでしょう

 安倍氏が首相に居座り続けたら、日本の子供たちの未来はオシマイだ。
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2017年12月25日

安倍政権「凍える大増税」“標的は庶民”の暴挙

安倍政権「凍える大増税」
“標的は庶民”の暴挙
2017年12月24日 11時05分 日刊大衆

 所得税、消費税、森林税、たばこ税、観光振興税、酒税……。
次から次へ出てくる負担増の数々。

が寒い!
 寒波が日本列島を襲うこの季節、懐を凍えさせるニュースが飛び込んで来た。
12月12日に与党税制協議会が開かれ、所得税改革案が決定。
会社員の所得税が大きく変更されることとなったのだ。

■高給取りのサラリーマンにとどまらず…
 会社員は、給与の一定額を必要経費と見なして、収入から差し引く「給与所得控除」が認められている。
これが、年収850万円以上の会社員は減額されることで増税されることとなり、年収900万円なら年間1万5000円、同1000万円以上なら同4万5000円も増税される。

「年収850万円でも、22歳以下の子どもや介護が必要な家族がいる会社員らは外されることになったので、対象者は給与所得者の約4%に当たる230万人程度になる見込みです」(政治部記者)
 なお、すべての納税者を対象とする「基礎控除」は10万円引き上げられるので、実質的な減税も同時に行われるが、まさに雀の涙。

国税庁のデータによると、現在、会社員の57%が年収400万円以下。「上位の数%の人だけが増税」だとされれば、“雲の上の話”と聞き流す人も多いだろう。
しかし、事はそう簡単ではない。
「増税の基本は“取りやすいところから取る”ですが、所得税が、その対象になるのは極めて異例です。
ここまで手を突っ込んできたということは、さらなる増税の布石ともささやかれています」(前同)
 高給取りのサラリーマンにとどまらず、すべての日本国民に負担がのしかかろうとしているのだ。

「今回、増税の対象を、当初の自民党案通りに年収800万円以上にするか、それとも年収850万円以上にするかが争点として大きく報道されましたが、それに隠れて、実は“庶民こそが標的”と思わざるをえないほど、多くの税政策が今後、待ち構えているんです」(同)

■消費税は10%に
 すでに決定したものや導入間近とされる税をまとめたのが、文末の表なのだが、それを見てげんなりしてしまう人もいると思われるほど、あまりにひどい。

まず、全国民の生活に影響する消費税は、2019年10月から10%に引き上げられることが決まっている。
所得税などと違って年収にかかわらず一律で徴収されるため、所得が低ければ低いほど、そのダメージは顕著となる。

 過去に増税時期が延期されたように、10%の消費税導入が再延期される可能性もゼロではないが、
「東京五輪前の好景気時にやるはずです。
五輪後の特需が落ち着いてしまった時期では、消費税率を引き上げるタイミングが失われてしまいますから」(政治ジャーナリストの安積明子氏)

■森林税と国際観光旅客税は利権の温床にも…
 また、最近になって姿を現した「森林税」と「国際観光旅客税」も厄介だ。
「森林税は、森林の保護を目的とした税で、個人住民税に年間1000円が上乗せされて支払われる予定となっています。
税収見込みは620億円ほどになります」(経済誌記者)

 導入時期は、東日本大震災からの復興のための増税が終わる翌年の2024年度で、それを“継続”する形で徴収するわけだが、「一度、形にした税金をなんとか、そのままキープしたいというのが本音でしょう」(前同)

 一方の国際観光旅客税は、少し前まで「出国税」の名前で報じられていたもので、その名の通り、出国時に一人あたり1000円を徴収する方針だという。
「導入時期は2019年から。恒久的に集める税金としては、実に1992年の地価税導入以来の新税となります。
日本人、外国人に関係なく徴収され、16年の出国者数を参考にすれば410億円もの税収が見込まれます」(同)

 せっかくの旅行に水を差されたと感じる人も出てくることだろう。
さらに、最近、各自治体で活発なのが「宿泊税」の導入だ。
「現在、東京都と大阪府ですでに導入されていて、京都市も来年10月から導入する予定です。その他、沖縄県や金沢市など人気観光地も導入を模索しており、庶民の旅行への影響も指摘されています」(社会部記者)

 国際観光旅客税も宿泊税も、それぞれ観光の整備・振興に使われる予定だが、前出の安積氏は、森林税も含め、税金の使途に、こう疑問を投げかける。

「ガソリン税はそもそも、道路整備のために設けられたもので暫定的なものでした。
しかし、期限が来ても廃止にせずに延長が繰り返され、さらに現在では東日本大震災の復興財源になりました。
利権の継続のいい例でしょう」

 つまり、森林税や国際観光旅客税も、その目的通りに使われ続けるか分からないというわけだ。
「そもそも、森林税なんかは何に使うか決まっておらず、まず徴収ありきなんです。
道路特定財源でムダな道路が造られたように、利権の温床となる可能性は否めません」(野党議員)
 そんな……。

■たばこも酒もまだまだ増税
 新税と継続に加え、増税の定番とも言える“取りやすいところから取る”も健在。

たばこ税はその筆頭で、「紙巻きで1本当たり3円ほど増税される見込みです。
さらに、現在は税率が抑えられている加熱式も、紙巻きにかなり近い率まで増税。
 たばこメーカーは、本体価格を下げて客離れに対応すると見られるので正確には分かりませんが、5年後には1箱の価格が500〜600円まで上昇しそうです」(前出の政治部記者)
 また、酒税も今後、第3のビールやワインを中心に増税される予定だ。

■アベノミクスの失敗が原因の一つ 
これほどまでに増税が多く待ち構えているとなれば、安積氏が「年収300万円で、どうにかやりくり生活している庶民からも“取れるなら、どこからでも徴収する”というえげつなさ。
こんなに増税されると、働く意欲をそがれますよね」と嘆くのもムリはない。
どうして、ここまで安倍政権は増税に走るのか。
その原因の一つとされるのが、アベノミクスの失敗だ。

日本大学法学部教授(政治学)の岩井奉信氏が話す。
「アベノミクスが、もう限界なんです。
税金があるという前提で、かなりのバラマキ政策をしてきましたが、経済は停滞したままで税収が思うように上がっていないんです」

 安倍晋三首相とすれば、政策失敗を補うための“元手”が欲しいが、それがなく、その補填を庶民からかき集めるしかないという構図なのだ。

●“増税大臣”麻生太郎財務相が
        強硬派として…
 しかも、“増税大臣”とも言うべき存在の麻生太郎財務相が、消費増税においては強硬派として動き、「企業には400兆円の内部留保があるのですが、これにも税金をかけろと言っているんです。
法人税と二重課税になるのでムリなんですが、いざとなったら、やるかもしれません」(前同)というほどなのだ。

 仮に、安倍政権ではないにしても、「ポスト安倍の筆頭候補の岸田文雄・自民党政調会長も、増税推進派。
特に消費税の引き上げは“不可欠”と断言しています。
また、国民の期待の高い小泉進次郎氏にしても、税金の集め方には声を大にして“物言い”をしますが、減税とは言ってくれません。
今後の増税は避けることのできない既定路線なのです」(前出の経済誌記者)

■“新たな税金”にスマホやペットも!
 実は、先に挙げた税金以外にも、“新たな税金”の創出がささやかれている。
前出の岩井氏は、「『電波税』は、その一つ。
これはスマホを使う人全員が対象となるわけで、安倍政権が何事も強行突破でやるなら……」  

欧州でも盛んに議論されているだけに十分にありえるというのだ。
また、前出の野党議員はこうも話す。

「森林税が問題ないならば、昨今の豪雨からの防衛対策を目的とした河川税、北朝鮮の脅威に備えるための防衛税もありえるでしょう。
また、ペット税はすでに導入を検討する自治体がありますし、あらゆるものへの課金が模索されています」

●介護保険サービスなど、
    支給の締めつけも
 そんな絶望的な状況を表すかのように、増税だけでなく支給の締めつけも実施される。

来年8月から改正介護保険法が施行され、原則1割の介護保険サービスの自己負担割合が、3割になる人が出てくるという。
 さらに、要介護度が改善された事業者には国からインセンティブが支払われることとなり、「現在、要介護4認定の高齢者が3に変更されるなど、重度が意図的に下げられ、その分、介護が受けられなくなる人が出てくる可能性が指摘されているんです」(前同)

 他方、12月12日には厚労省が生活保護受給額を来年度から最大13.7%引き下げる報告書案をまとめた。
「特に大都市部での引き下げが顕著で、東京23区で小学生と中学生の子どもが2人いる40代夫婦世帯で、引き下げ率最高となる月2万5000円の減額になります」(前出の社会部記者)  

高所得者も弱者も関係なく、すべて安倍政権の締めつけに苦しむ事態に陥っているのだ。
「本来、税金の徴収には、誰からどうやって集めるかという、きめ細かさが必要なのですが……」(岩井氏)

 安倍政権に庶民はむしり取られるばかりだ――。
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2017年12月30日

年金13万円、生活苦に悩む高齢者たちの実情 生活保護を受けることすらできない

年金13万円、生活苦に悩む
高齢者たちの実情 生活保護を
受けることすらできない
2017.12.29 東洋経済ONLINE(村田くみ)

 2015年9月、厚生労働省は納めた年金保険料に対し給付額がいくらになるかを世代ごとに試算した結果を発表。
それにより若年世代は現在受給している世代と比べ、大幅な減額を余儀なくされるという、「世代間格差」が存在することが判明した。

 将来に悲観的にならざるをえない若年層に対し、現在年金を受給している人たちはある意味「勝ち組」ともいえるかもしれない。

 しかし、現実には生活保護で支給される額よりも少ない年金を頼りに、ギリギリの生活を送る日本の高齢者たちの姿があった。

「こんな状況で介護が必要になったら、
       生活が成り立たなくなる」
そんな恐怖におびえながら日々を過ごす人々の実態を追う。

年金が足りない高齢者の悲鳴
 ある都営住宅の一室。
一人暮らしの高齢者5人が集い、こたつを囲んでお茶をすすっていた。
今日の天気からはじまり、孫のこと、病気のこと、話題は尽きない。
ニュースで取り上げられている「年金」について1人が切り出した。

 「これ以上年金を減らされたら、私たちの生活はどうなっちゃうの?」
 「テレビや新聞で年金の話題が取り上げられても、内容が難しくてさっぱりわからないよ」  ただ、1つだけ理解している点は、受け取る年金は将来にわたって減らされるということ。
長生きすればするほど、生活が苦しくなる。
笑い飛ばしていても、目つきは真剣だ。

 「消費税が上がってから、何を買っても高くつくので、食べ物や生活必需品以外は本当に買わなくなりましたね。
洋服も以前は、お店の前を通ったら『あら、これいいわね』と、毎シーズン1つは新しいものを買っていましたが、新調しないでなるべく着まわししなくては。
外出しても何も買わないでまっすぐ家に帰るようにしています」

 日本年金機構から毎年送られてくる「ハガキ」を片手に深いため息をつくのは、都営住宅に住むフサエさん(仮名、77歳)。
定年退職後、年金をもらいながら趣味を謳歌する……そんな悠々自適な生活を思い浮かべながら、現役時代は必死に働き続けた。
ところが、いざ年金を受け取ってみると、あまりの少なさにショックを受けた。

 夫が15年前に他界してからは一人暮らし。
嫁いだ2人の娘たちが時折、フサエさんの様子をうかがいに訪ねてくる。
定年まで企業の食堂などで働いたので、夫の扶養には入らず厚生年金に加入していた。
現在、月に受け取る年金額は厚生年金と国民年金などを合わせて約13万円。
「長年働いた割には少ない」というのが実感だった。
女性は男性よりも賃金が低いため、支払う年金保険料が少ないからだ。

 月々の生活で出費のウェートを占めるのは食費と光熱費、そして医療・介護費。
フサエさんは糖尿病の持病があり、入退院を繰り返している。
要介護度は7段階でいちばん軽い要支援1。
週に2回、デイサービスに通う。
3年前に転倒して足を骨折したときの後遺症でリハビリを行うためだ。
歩行が困難になりシルバーカーを押しながらやっとの思いで歩いている。

このほかに、定期的に内科と整形外科に通う。
医療費は薬代を含めて1割自己負担で月5000円程度。
介護保険のサービス利用料も同様に1割負担で約5000円。
そして、ガスストーブをつけて暖を取る冬場の光熱費は1万4000円にもなる。

 「年金生活に入ってからは家賃の減免申請をしたので1万1600円。
光熱費、医療費、介護の費用が何かとかかるので、貯金を切り崩しながら生活しています。
生活はいっぱい、いっぱいですよ。
これから先、今まで以上に病院や介護のおカネが必要になったらどうしようと不安になります」  

「娘たち? 孫の教育費やら何やら、娘たちにも生活があるのでアテにできませんね。
年金で生活できなくなったら生活保護に頼るしかないわね」
 お茶をすすりながらフサエさんはため息混じりに語った。  

 定年まで働いたのにもかかわらず、余裕がない生活を余儀なくされているのは、もらえる年金が少ないから。
ひとたび病気や介護をきっかけに費用の負担が増えれば生活が成り立たなくなる……。
介護破産“予備軍“の1つはフサエさんたちのような、年金受給額が低い高齢者たちだ。

安倍政権の容赦ない「年金カット」
 日本の公的年金制度(厚生年金と国民年金)は、現役世代の保険料負担で、高齢者世代を支える「世代間扶養」の考え方を基本として運営されている。
しかし、少子高齢化が進むなかで、現役世代が納付する保険料のみでは年金給付を賄いきれなくなっている。
 現役世代6713万人の保険料収入は37兆6000億円。
これに対して、年金受給の高齢者は3991万人で給付総額は53兆4000億円(いずれも2014年)。
保険料収入よりも給付額が上回っている状態だ。

給付額の不足分は、国庫(税金)から補塡し、さらに保険料の一部を「年金積立金」として保有して、一部を運用しながら切り崩している。

 国は年金制度を維持するために、制度改正を何度も行っている。
2004年に、自民・公明連立政権下で「年金100年安心プラン」と題し、今後100年間、年金の受取額は現役時代の収入に対して最低50%を保証するために、年金制度の改革が行われた。

その1つが、「マクロ経済スライド」だ。
 理解を深めるために、ここで年金について、もう一度、おさらいしよう。
そもそも、年金額は物価や賃金の変動に応じて、毎年改定されることになっている。
物価が上昇すれば年金額も上がり、下降すれば下がる「物価スライド」が導入されている。
ところが、「高齢者の生活の配慮」を理由に、2000年度から、当時の自公政権が物価スライドを凍結させた。
物価の下降に合わせて年金額を減額すべきところを据え置いたのだ。

 このため、本来もらうべき年金額よりも多くもらっていた受給者は適正額に戻すために、2013年10月から1%、翌14年4月からさらに1%減額され、2015年4月にも0.5%下げられた。

 「もらいすぎ」が解消されれば、物価や賃金が上昇すると、その分年金額も上がることになる。
その伸びを抑える役割を果たすのが、「マクロ経済スライド」だ。
2015年度、厚生年金を受け取る夫婦二人世帯のモデル世帯は、前年度より4453円プラスの月22万3519円もらえるはずだった。
ところが実際の受給額は月22万1507円。
マクロ経済スライドにより、2012円減った。
しかし、この額はあくまでもモデルであり、年金受給者3991万人のうち、約4分の1が生活保護の基準以下で生活する”隠れ貧困層”といわれる。

自営業で国民年金にしか加入していなかった人や、フサエさんのように長年働き続けていても低賃金だったために、支払われる年金額が少なかった人もいる。
 そんな”隠れ貧困層”を直撃するのは、2016年末の臨時国会で成立した「年金カット法案」だ。
現在導入されている「マクロ経済スライド」は、デフレ下では発動されないため、将来的な物価上昇の見通しが立たない現状では、年金支給額の抑制が厳しい。
そこで、デフレ下でも年金の支給額を抑制できるように、「物価と賃金の低いほうにつねに合わせて年金を下げる」という仕組みを盛り込んだ改正国民年金法が2021年4月から実施される。  

2016年12月下旬、厚生労働省が公表した試算によると、物価上昇率が1.2%、経済成長率が0.4%のケースでは、高齢者への年金支給額は新ルールを導入しない場合と比べて2026年度から2043年度まで0.6%減る。

民進党が公表した試算では、国民年金は年間4万円、厚生年金は同14万円も減るという恐ろしい結果が出ている。
今、ぎりぎりで生活している高齢者たちは、生活が立ち行かなくなるのは目に見えている。

「おカネがなければ死ぬまで働け」
 一般的に会社を定年退職したあとに、健康保険組合から国保に移る。
年齢とともに病院に通う人が多くなるので、高齢者の加入率が高い国保は、その分保険料を上げないと医療費を賄えない構造になっている。
国保の負担増も高齢者にとってかなりの痛手だ。

 東京都に住むシンジさん(仮名、67歳)も年金カットと国保の負担増で悲鳴を上げている高齢者の1人。
現在、年金を受け取りながら運送業のアルバイトで生計を立てている。

 「アベノミクスの影響で、株で儲かった人もいるようですが、私たちには関係ない話だね。年々、仕事が減って、最近の手取りは年100万円程度でした」(シンジさん)
 シンジさんの年金は年間約60万円。
長年、自営業を営んでいたため厚生年金はない。
60代で店を畳み、アルバイトをはじめた。

同い年の妻は腎臓が悪く、定期的に病院に通い人工透析を受けている。
ほとんど寝たきりの状態で要介護度は2番目に重い「要介護4」。
排泄は自力でなんとかできても、家事は一切できないため、シンジさんが妻に代わって一切を行っている。
そして、ひきこもりで働くことができない娘(30代)の3人で暮らしている。
 妻の年金はすべて妻自身の医療費に消える。
所得税と住民税は非課税に該当しても、年13万円の国民健康保険料の支払い義務はあった。  

「兄一家と同居しているので、家賃の負担がないのが幸いですが、国保の保険料と光熱費を差し引くと手元には月10万円しか残らない。
家族3人で食べていくのが精いっぱいですよ」(シンジさん)

 東京23区の保険料は住民税を基に計算されていたが、2013年度より所得から33万円の基礎控除を差し引いた「所得」が算出のもとになった。
変更後は、扶養家族や障害者・寡婦などの控除が適用されなくなり、一部の世帯では保険料が上がった。
シンジさんに限らず、年収が少なく家族が多い世帯の家計を直撃した。
豊島区を例にとると、年収200万円の年金受給者夫婦二人世帯では、年6万3840円から年8万5886円と、約2万2000円上がった。
シンジさんも以前と比較して2万円の負担が増えた。

 「世の中の人は『もっと働けばいいじゃない』と思うかもしれませんが、妻が病院に行くときは私が付き添い、普段も食事の世話をしなければならないので、働きたくても働けない。
1カ月のうち10〜15日が限界です。
それに私だって高齢者なので、現役世代のようにもっと働けといっても体がいうことを聞きませんし、これ以上は無理ですよ」

 シンジさんは自分が病気で倒れたときのことを考えると背筋が凍るというが、なすすべもない。
住居は持ち家の扱いなので、基本的に生活保護の受給対象にならないからだ。

”持ち家”が足かせになる
 「首から上は元気なんだけどね」と笑うのは、埼玉県に住むスミコさん(仮名、79歳)。
 60代でリウマチにかかり、10年前に頚椎の手術を受けた。
歩行が困難で買い物を含めて家事のほとんどは夫(80歳)が行う。
 「トイレが近くて夜中に何度も起きるのが嫌で、あまりお水を飲まなかったら去年の夏に熱中症になりかけちゃって。
猛暑日が続いても電気代がもったいないから、クーラーをつけなかったのが、よくなかったのかもしれないね」
 節約するのにはワケがある。
夫との年金は2人合わせて約15万円。
持ち家なので家賃はないが”老後”のために生活費を抑えて少しでも貯金に回している。

 “最後のセーフティーネット”といわれる生活保護受給の条件は
@現在手持ちのおカネがわずかな状態、
Aすぐに現金化が可能な資産を持っていないことなどだ。

単身世帯に支給される保護費は、東京23区で月13万円程度。
所持金が13万円を下回っていれば、受給の対象になる。
 また、Aの現金化可能な資産については、自宅、車、保険などが対象とされている。
例外もあるので詳しい情報は住む自治体の社会福祉事務所に確認をする必要があるが、一般的に持ち家は資産と見なされるので、低年金でも持ち家があると生活保護が受けられないケースが多い。
前出のシンジさん一家や、スミコさん夫婦は、生活に困窮していても生活保護の対象外になる。  

夫婦に子どもはいない。
夫はまだ一度も大病を患ったことはないというが、すでに80代。
いつまでもこのままの生活が続くとは思っていない。
 「万が一、夫が私よりも先立つようなことがあったら、どうしよう……」
 スミコさんの苦悩は尽きない。
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2017年12月31日

「まさか自分が…」年末年始に突然、路上生活を強いられる人々

「まさか自分が…」
年末年始に突然、
路上生活を強いられる人々
12/30(土) 11:00配信 現代ビジネス(大西連)

年末年始、行き場を失う人がいる  
「まさか自分がこうなるとは思わなかった」  
Yさんはそうつぶやくと、うつむいた。
 Yさんは40代半ばの男性。
高校を出てからの多くの期間を飲食店で働いて生活してきた。
 しかし、10年以上働いたお店が3年前に閉店してしまい、寮付きだったこともあり、仕事と住まいを同時に失った。
 しばらく就職活動をしながら友人宅を転々とするも仕事は見つからず、貯金も減るばかり。友人宅に長くは居候できずネットカフェ生活になった。
 「ここで生活するようになって、家がないことの大変さに気がつきました。履歴書に書く住所がなければ、郵便物も届かない。
 おまけに、毎日、その日泊まるところを確保しないといけないんです。
だんだん、心が削られていきましたよ

 ネットカフェ生活に突入したYさんだが、なんとか友人の紹介で建設現場での仕事を得ることができた。
しかし、仕事が見つかったとはいえ、日雇だ。
 「日雇でも仕事があるだけましです。
いまは、派遣会社でもマイナンバーが支払いに必要だとか、建設現場でも資格や実務経験が必要だとかで、なかなか仕事が見つからない。
 元気な体があれば仕事はどうにでもなる時代じゃなくなったんですね

 そんなYさんだが、年末年始は仕事が休業に入るということで、仕事を失った。
所持金が底を尽きた末に、私たちのところに相談に訪れたのだ。

「まさか自分がこうなるとは思わなかった」
 彼と会ったのは2016年12月31日。
Yさんは無事にふとんで年を越すことができた。
 しかし、この師走の東京で、日本で、彼のように、寒いなか路頭に迷い、行き場を失ってしまう人がいる。
 それは数百人かもしれないし、数千人かもしれない。
実数はわからない。

 しかし、困っている人たちがいて、私たちが何かができるなら、するべきだろうと思う。
 昨年(2016年から2017年)の年末年始の支援活動から見えてきたことから、必要な支援について考えたい。

「ふとんで年越しプロジェクト」とは  年末年始は「閉庁期間」といって、公的機関がお休みに入ってしまい、生活に困っても必要な制度を利用することが難しくなる。
 それを受けて、毎年、例えば都内では、年末年始に生活困窮した人を支えるために、新宿・渋谷・池袋・山谷地域などの各地域で「越年・越冬」と呼ばれる、炊き出し(共同炊事)や夜回り、医療相談や生活相談などの、民間の支援団体による活動がおこなわれる。
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【今年の相談先リストはこちら】
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 年末年始の「閉庁期間」は年によって違うが、少なくとも5〜6日、長いときは9〜10日ほども公的な支援が利用できなくなる。
 それこそ路上で凍死する人や餓死する人がでてもおかしくない。
 私たちは、2013年〜2014年の年末年始から、都内の各地の支援団体の協力で「ふとんで年越しプロジェクト(以下、「ふとんP」)」を結成。
 2013年〜2014年は約20名の人に緊急的なシェルターの提供や医療福祉支援を、2014年〜2015年の年末年始には約30名の人に、2015年〜2016年には15名の人に、2016年〜2017年には25名の人に支援をおこなった。

 本来であれば、公的な支援を年末年始の期間にも途切らせないことが必要だ。
 だが、2013年からの4年間、厚労省はじめ、関係機関に要望を重ねてきたものの、十分な成果を得ることはできなかった(これについては後述する)。

 「ふとんP」では、山谷・新宿・渋谷・池袋のそれぞれの活動を支援するべく、医師や看護師による医療相談チームとNPO等で生活相談に従事する生活相談チームとが一緒になって、一つのチームによる相談体制を整備。
 必要な人が宿泊できるための個室のシェルター約30部屋分を用意し、年末年始期間に運営するほか、各地の相談会、夜回り等に参加し、医療福祉的な支援につながることができるような支援を展開してきた。

 最終的には、例年、「ふとんP」で支援した人は年明け後に、各地で生活保護の申請をしたり、各支援団体のシェルター等に移行したり、実際に就職に結びついたりと、それぞれのニーズに合わせた行き先に向かっていく。

国が定義する
「ホームレス」では不十分
 「ふとんP」のシェルターは、過去4回の実施でこれまで90名以上の人が利用した。
 性別は、男性が7割以上、女性が2割強、セクシャルマイノリティーの人もいた。
 各地の支援団体等では個室の宿泊先などを確保することができないことも多く、例年、女性やセクシャルマイノリティーの人の相談が寄せられる。

 年代としては、昨年のみのデータだが、34歳以下が17%、35〜49歳が25%、50歳〜64歳33%、65歳以上25%と、同様のホームレス調査などと比べると若年層が多い。
 また、最高齢は90代、最年少は20代前半と、幅広い人にシェルターを提供している。

 平均年齢は約48歳(過去4回のデータより)であり、いわゆる野宿者の平均年齢が59.3歳(平成24年度ホームレスの実態に関する全国調査)であることを考えると、住まいを失った生活困窮者の実情は国が定義する「ホームレス」だけでは不十分であることを如実にあらわしていると言えるだろう。
 もちろん、全体的には50代以上が多いのだが、年代によってこれまでの経歴や現在の住まいの状況、生活歴などは傾向が見える。

 具体的には、60代以上の人には長期の路上生活経験者が多く、高血圧などの持病を抱え、相談に来た人が多い。
長らく建築業などで日雇労働をしてきたが、仕事を得られなくなり支援を求めてきた人もかなりの数いた。

 40〜50代の人には精神疾患を抱えていたり依存症の問題を持っていたりする人が多かった。また、この年代の人のなかには、生活保護を利用した経験を持つ人もいた。
 その多くは、生活保護利用中に入所した施設でトラブルにあったり、人間関係がうまくいかず(病気や障がいのためとも思われる)、支援からこぼれてしまった人たちであった。

 そして、20〜30代の人に多かったのは、ネットカフェや知人宅を転々としながら、日雇や派遣で働いている人たちだった。
 いずれも、正規職員として働いた経験が乏しく、家族との関係に問題を抱えていたり、家族が困窮していたり、孤立していることが多かった。
 また、この年代の人のなかには、軽度の知的障がいをもつ人などもいた。

相談者が貧困におちいった背景
 2013年〜2014年の年末年始からスタートした「ふとんP」では、前述したように高齢で病気を抱えた人、日雇労働等で生計を立てていたが職を失った人、精神障がいや知的障がいを抱えた若年層の人などを受け入れてきた。
 これまで支援してきた90名以上の人のうち8割以上は、健康面での不調を抱えていた。

 路上生活や不安定な住居、ホームレス状態におちいる人のなかに、健康面での不調を抱える人が多いことは旧知の事実だが、他の調査(ホームレスの実態に関する全国調査等)との違いは、障害者手帳(身体・精神・療育)を所持している人の割合が1割以上にのぼったことだ。

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※平成24年ホームレスの実態に関する全国調査によれば、手帳所持者は1.2%、以前持っていたがなくした人は1.0%だった
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 障害者手帳ということは、障害者福祉につながりサービス等を利用していたことがある人だということ。
 彼らが住まいを失っていたことは、家族のトラブルや離別(死別)、医療機関とのトラブル等により、路上にでてきてしまったことを意味する。
 支援とつながっていた人が、そこから断ち切れてしまい極寒の路上で寒さをしのぐ……そんな事態が起きていることは衝撃的だ。

 また、ここ2年の大きな傾向としては、生活保護を利用したことがある人が50%以上、なかには現在進行形で利用している人もいた。
 生活保護を利用していた(利用している)人が、なぜ住まいを失ったのか。
 劣悪な環境の施設や病院での生活に耐えられずにそこを飛び出た、人間関係のトラブルによって住まいを出ていかざるを得ないなど、さまざまな事情があった。
 支援を受けていた人が、支援が断絶し路上にでてきている。
もちろん、支援が断絶した理由にはさまざまなものがあり、本人に課題や原因があるものも含まれる。
 しかし、それを差し引いたとしても、障がいや困難を抱えて地域で暮らしていた人が、容易に路上生活におちいりやすい状況があるということ、また、そういった人たちが障がい等の理由によって、一人で制度にアクセスすることができずに路上にとどまってしまっていること、いざ生活保護や障害福祉サービスにつながったとしても、そこでのトラブルや住環境の悪さ等によって、持続して支援を利用することが難しい状況になってしまうことなど、私たちの社会の側の課題が浮き彫りになっている。

「枠」にとらわれない支援を  
「ふとんP」利用者の多くは、年明け後に生活保護の申請をおこなう。
 貧困ビジネスのような劣悪な環境の施設から逃げて来たり、法的なトラブルを抱えていた人は法律家につないだり、緊急的に医療的な支援を必要としている人には「ふとんP」協力医師が紹介状を書いたりと、年明け後もフォローしていく。
実際にすぐに入院になった人もいた。

 また、定職に就いていながら事情があって住まいを失ってしまった人や高齢と障がいで車いす生活で適切なアパートが見つからなかった人の一部に、アパートを借りる費用の援助をおこなったこともある。
 これらは、一般的には「住居確保困難者」と呼ばれる人たちだが、彼ら彼女らが独力でアパートを借りることの困難さを、伴走しながら感じた。
 たいていの場合、元ホームレスや精神障がい、はたまた、75歳以上などの状況だと多くの民間のアパートの大家さんには嫌がられてしまう。

 今年の2月に「住宅セーフティネット法」とも呼ばれる「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が改正されたが、支援の現場では喫緊の課題だ。
 また、生活保護の申請にいたらなかった人では、年明け後に住み込みの仕事や、派遣の仕事に戻っていった人たち、いわゆる空き缶集めなどをしながらのホームレス生活に戻った人がいる。  そのなかには、派遣先で事前に聞いていた労働条件と違うといった相談もあり、継続的に支援をしている。

 例えば、2015年よりスタートした生活困窮者自立支援制度では、生活保護の手前の人を支援するための施策が用意されていることになっているが、実際には、住所はないが一定以上の収入はある、などの人は対象外となっている。
 さらに、そもそも宿泊場所が転々としてしまうためにどの自治体で相談したらいいかわからないなどのさまざまな制度の狭間、自治体同士の連携不足やたこつぼ化など依然として課題が多い。

 自治体という「枠」でなく、一定の収入という「枠」ではなく、障害手帳を持っているかいないかという「枠」でなく、支援を利用したことがある・うまくいかなかった経験があるという「枠」でなく、いま目の前のいるその人を見た支援や施策、制度というものを考えていく必要があるのではないか。

これまで国や自治体に求めてきたこと
 「ふとんP」ではこの4年間、国や自治体に下記のことを求めてきた。  

・閉庁期間中にも生活保護申請を受け付けること
・閉庁期間中にも必要に応じて宿泊場所や食事の提供、または、その費用の給付・貸付等をおこなうこと
・上記の施策を適切に利用できるように発信・広報すること
・上記の施策を各自治体に周知徹底すること

 ポジティブなこととしては、閉庁期間中の生活保護申請については、きちんと受け付けるようになった。
とはいえ、受け付けてもらえても、宿泊場所の提供や費用の給付・貸付は閉庁期間中は受けられないままだ。
 これについては、国は各自治体にお願いするしかない、と答える。
各自治体は、制度上、閉庁期間中の対応は必ずしもできないわけではないが、基本的におこなわない。

 これはオフレコで某自治体の担当者に聞いたところ、
「自分のところだけやると他の自治体から困っている人がみんな集まってきてパンクする、やるなら都道府県単位などで音頭をとってもらわないと」と話していたが、東京都などに聞いても閉庁期間中の対応は考えていない、という。

 「年越し派遣村」がおこなわれたのは2008年〜2009年の年末年始。
その年、厚労省は自省の講堂を開放して対応したほか、「派遣切り」にあった人たちを支えるべく、さまざまな通知をだしたり、第二のセーフティネットと呼ばれる求職者支援などの緊急雇用対策を講じた。
 東京都も翌年の2009年〜2010年の年末年始に公設派遣村を代々木のオリンピックセンターに開設し、年末年始に必要な方への支援をおこなった。

 当時といまでは、必要とする人の人数には違いがあるのかもしれない。
しかし、路上の「ニーズ」は変化しており、高齢や病気、障がいなどを抱えている人がより多い状況というのは深刻さを増している。

 2017年は時限立法(期間の定めのある法律)である「ホームレス自立支援法」が延長された。同法によれば、ホームレスの自立の支援、ホームレスとなることを防止するための生活上の支援等」について国の責務であると明記されている。
 国は、各自治体ごとに取り組める、というスタンスではなく、広域の地域で担えるような仕組み作りなど、積極的にモデル事業等、自治体のインセンティブを高める施策をおこなってほしいものだ。

路上から見えるものを解決するには
 路上生活者は国の統計では減っている(厚労省「ホームレス概数調査」によれば2017年1月時点で全国で5534人)が、一人ひとりの路上に残されている人たちの状況は、より深刻化し、しかも、知的・精神障がいなど、見た目にわからない複雑さをともなっている。
 実際に、この4年間、年末年始の期間に約90名以上の方を支援してきて思ったのは、住まいを失うにいたるほど困窮してしまった人たちの状況からは、日本のさまざまな問題が見えてくる、ということである。

 それは、雇用、社会保障、住所に紐づく住民サービス、住宅を借りること、家族の領域とされてきたものについて……そうした様々な社会的な問題が、結果的により弱い立場の、弱ってしまっている人たちのもとにふりかかり、結果的に彼ら・彼女らを極寒の路上に追いやってしまった、そう思えてならないのである。

 くしくも、12月には生活保護基準の一部引き下げも報道され、来年度予算案として閣議決定された。
年の瀬に生活困窮者にはつらいニュースが続くのは残念だ。
 私たちの社会が目指すものは何であろうか。
 路上にいる一人ひとりの声にもっと耳を傾けてほしい。 
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月01日

初夢で読み解く!新年のラッキーアクションがわかるテスト

初夢で読み解く!
新年のラッキーアクションが
わかるテスト
2017年12月31日 Life & Aging Report(LAR)

今回は、新しい年のスタートにおすすめの心理テストをご紹介。
あなたが見る初夢によって「2018年のラッキーアクション」がわかります。
早速チェックしてみましょう。

■Q.2018年の初夢はどんな内容の夢でしたか?
(1)元気になれる夢
(2)気持ちの良い夢
(3)楽しい夢
(4)緊張感のある夢

■解説
(1)「元気になれる夢」を選んだあなた
今年のラッキーアクションは「創造」。
想像力と実行力を発揮し、クリエイティブなことに取り組むと運気アップ。
絵を描いたり、料理を作ったり、仕事のアイデアを実行したり。
イメージを形にすることなら何でもOKです。
あなたを褒めてくれる人が身近にいると、やる気が湧いてくるでしょう。

(2)「気持ちの良い夢」を選んだあなた
今年のラッキーアクションは「学ぶこと」。
興味のあるテーマを見つけてそれを探求すると、好奇心を刺激されてワクワクできそう。
また、苦手なことや嫌いなことに取り組んで、コンプレックスの克服を目指すのも吉。
実現すれば大きな達成感を得られて自信も生まれ、ハッピーな気分になるでしょう。

(3)「楽しい夢」を選んだあなた
今年のラッキーアクションは「コミュニケーション」。
あなたの気持ちや意見をどんどん発信すると運気アップ。
また、周囲の人達の言葉にもじっくり耳を傾けてみましょう。
積極的にコミュニケーションを取り、活発にアイデアや情報を交換することで、夢を実現するチャンスに恵まれるでしょう。

(4)「緊張感のある夢」を選んだあなた
今年のラッキーアクションは「初めての挑戦」。
未経験のことにチャレンジしたり、訪れたことのない街を歩いたりすると運気アップ。
また、これから発展しそうなことに着目し、いち早く実践してみるのもおすすめです。
主体的かつ積極的に行動すると、チャンスに恵まれるでしょう。

いかがでしたか? 
今回の心理テストでは、あなたの初夢からわかる「2018年のラッキーアクション」をご紹介しました。
新しい年のスタートに「今年の目標」を立てる方は、今回の結果を参考にしてみてくださいね。

(占術家/伊藤マーリン
雑誌や書籍の占い・心理テストの原稿執筆、WEBやスマホの占いコンテンツ制作などで活躍中。オリジナルのアストロカードR講座を銀座で開催している)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(13) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月02日

「賢い新年の抱負」を立てる5つの方法

「賢い新年の抱負」を
立てる5つの方法
2018年1月1日 Forbes JAPAN

新年の抱負は「諦めることが前提のもの」ではない。
失敗の原因は、目標達成に向けた取り組み方を知らないまま、数週間〜数か月間にわたり奮闘した末、達成を諦めてしまうことにある。

目標よりも大事なのは、その達成手法と計画だ。
ここでは、新年の抱負を立てるときに注意すべき5つのポイントを紹介する。

1. 目標は具体的に
「痩せること」や「貯金すること」は具体的な目標ではなく、ただの願望だ。
「6か月で7キロ痩せる」「今年は5000ドル(約56万円)以上貯金する」など具体的な目標を立てれば、現実味が出て実感が持てる。
半年で7キロ減量するには、1か月に1.1キロ、1週間に0.3キロずつ減らす必要がある。
また、1年間に5000ドル以上貯めるには1か月に416.67ドル(約4万7000円)、1週間に104.17ドル(約1万2000円)貯金すべきだ。
こうした数字を参考に、食事や運動、出費の詳細を調べれば、どの部分に取り組むべきかが分かる。
毎年失敗する新年の抱負も、こうして具体的なステップに分ければ達成しやすくなる。
また、目標値を早く決定すれば、早いうちに行動開始できる。

2. 大きな目標は
小さなステップに分ける
米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツはかつて「大半の人は、1年間にできることを過大評価し、10年間にできることを過小評価している」と語った。
新年の抱負が失敗する要因は、最初から大きな目標を掲げて失敗し、諦めてしまう人が多いことにある。
目標は、達成しやすい複数のステップに分けることが重要だ。

痩せることが目標の場合、1週間の減量目標は0.5〜1キロ程度にとどめ、週3回ジムに通って毎回少なくとも30分は運動する。
貯金が目標であれば、月200ドル(約2万2500円)/週50ドル(約5600円)貯めるところから始める。
簡単なことから始めれば、食事法や節約法、仕事のやり方を徐々に変化させ、日々の習慣とすることが可能だ。

3. 1年で達成
できなくても自分を許す
先述のように大きな目標を小さなステップへと分解した場合、成功する時期と失敗する時期が出るはずだが、それでも良い。
失敗しない人などいないので、あなたも必ず(恐らく何回も)失敗するはずだ。
人生で大きな変化を起こす人は、たとえ失敗しても、周りから「正気ではない」「絶対に達成できない」と言われても諦めない人だ。

4. 期限を設定する
大きな目標を立てた場合は特に、期限の設定が鍵となる。
計画を立て、実行のための期限を設定するまでは、目標はただの願望でしかない。
目標をそれぞれのステップに分解しても、各ステップや重要なマイルストーン(節目)に期限を設定しなければ意味がない。
期限を付ければ目標の具体性が増し、切迫感が生まれる。

5. 成功を祝う
買いたくて仕方ないコートがあったが必要ないので我慢した、ハンバーガーの代わりにサラダを注文した、昇給や昇進があった、目標達成のステップを1つ完了した──などは全て祝うべき出来事だ。
人生の大部分は日々の何気ない瞬間の積み重ねでできている。
華やかな瞬間は一瞬で過ぎ、人生のほんの一部分にしかならない。
小さな進歩や成功を祝い、自分や自分の仕事、目標とする未来の自分を誇りに思おう。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(8) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月04日

精神科医に聞く“思い込み”という呪い「ひとつの価値観にとらわれていると楽」

精神科医に聞く
“思い込み”という呪い
「ひとつの価値観にとらわれていると楽」
週刊女性2017年10月31日号

 最近、精神分析や認知科学的な観点から「呪い」というキーワードがよく語られます。
人の心というものは、ちょっとしたきっかけでさまざまな慣習、偏見、思い込みにとらわれやすいもの。
最近ではそんな感情を暴走させている有名人も目立ちます。
そうならないためにどうすればいいのか。
いま私たちができる対策を、精神科医の春日武彦さんにアドバイスしていただきました。  
 ◇   ◇   ◇  
「女性はやせているほうが美しい」──そんな思い込みによって、心と身体が壊れていく人もいるというのは精神科医の春日武彦さん。
客観的に見てまったく太っていないのに、食べ物を吐いたり、下剤を使ったりして、太ることを極端に恐れ、不健康なやせ方をするのが摂食障害の患者さんです。

「ある摂食障害の女性は、吐けない体質だったので、下剤を1日50錠も飲んで、食べたものを出していました。
彼女は“44kgを100gでもオーバーすると世間は自分に冷たくなる”と思っていて、44kgをオーバーしないよう必死でした。
自分がどうしたらキレイに見えるかではなく、“やせているほうがキレイなんだ”と思い込み、体重だけにこだわって暴走してしまうのです」

 最近は、フランスでやせすぎのモデルの起用をしないという法律ができ、「やせていることが美しい」という価値観には疑問が投げかけられています。
とはいえ、多くの人が「やせたい」とダイエットに励んでいるのが現状です。

「日本でも最近はぽっちゃりした女性タレントが人気を得ていますが、お笑い芸人として、太っていることで笑いをとっているケースが多く、“豊満なほうが美しい”という価値観はまだ少数派でしょう。

まだまだ、やせ信仰は根強く残っていますが、まじめに信仰するのではなく、上手にごまかしていくことが呪いにかからない方法です。
突きつめず、“やせたいけど、おいしいケーキはやめられない
”“やせている女性がタイプだけど、実は妻は太め”といったダブルスタンダードで生きていくほうが幸せと言えるでしょう」

何事も、
とことんまでは追求しない
 では、なぜ、摂食障害の人は、そんな苦しい思いをしてまで、呪いにとらわれてしまうのでしょうか。
世の中にはいろんな価値観がありますが、“女性はやせているほうが美しい”というひとつの価値観に絞り込むと、ほかのことを考えないでいいので、ある意味、楽なのです。
なぜやせているのがいいのか、自分がどうしたら美しく見えるかは関係ない。
体重だけを気にしていればいいのです。
この呪いを解くのはとても難しいので、摂食障害の人は“やせているほうが美しい”という呪いを受け入れつつも、目的はやせることではなく、自分が美しくなることであって、やせることは美しくなる手段のひとつ、くらいに考え直す必要があります」

 この「ひとつの価値観にとらわれていると楽」という状態は、松居一代さんや泰葉さんの言動にも見られるそう。
人は誰でも気持ちが追いつめられると、ひとつのことにこだわるようになります。
松居さんの場合は“夫が浮気をしているに違いない。
私はこんなに妻として完璧なのに許せない”、
泰葉さんの場合は“私がいま不幸なのは元夫との結婚生活のトラウマのせい”となり、おふたりとも狭い世界の中だけで攻撃していればいいので楽なのでしょう。

この、ひとつの価値観へのとらわれがプラスの方向に働くと、“この道ひとすじ”として、芸術家やアスリートなどが誕生する可能性もあります。
誰もが何かの価値観にとらわれる可能性はありますが、間違った方向に進んで、生きづらくならないためには、何事もとことんまで追求しない、後にはひけないことはしないほうがいいと言えます」

「自称うつ」の人も
       呪いにかかっている
 また、最近多い「自称うつ」の患者さんは、「うまくいかないのはうつのせい」という呪いにかかっているそう。
「自称うつの患者さんは、世の中の気に食わないことや不安を全部、うつ病のせいにします。
会社にも“うつです”というと病人として尊重され、周りも手を出せなくなります。
今、うつはとても便利な言葉になっているのです。
会社には行けないけれど、旅行には行けるなど、自称うつは、本来のうつ病とは異なり、本気で治そうとしない人がたくさんいます。
病気から治ったら、今まで保留にしていた問題に結論を出さないといけないので、実は病気から抜け出したくないのです」

 一見、呪いにかかって苦しそうな状態に見える人も、実は、そこに安住しているという面もあるから驚きです。
「安住していても、呪いにかかっていると、人間関係が修復不可能になったり、仕事を辞めざるをえなくなったりと、失うものは小さくありません。

実は呪いは、“ちょっと太った?”とか“ご主人、浮気してるんじゃないの?”といった、他者からのさりげないひと言によってインプットされることが多く、自信がなかった部分を“やっぱり”と思ってしまい、受け入れてしまうのです。

 呪いにかからないためには、“人は思いつきでしか物事を言わないもの。言葉を額面どおりに受け取る必要はまったくなし”と肝に銘じ、空気を読んで物事の裏も察するということが大事です」

松居一代さんの騒動を分析
 YouTubeで夫・船越英一郎さんの浮気疑惑を訴えた松居一代さん。
ただし、裏づけがとれない内容で、「松居さんの妄想では?」と思っている人も多いはず。
こういった松居さんのような言動をする人は、還暦あたりに多くなると春日さんは言います。

「ちょうど定年くらいの年齢になると、社会から必要とされなくなり、体力も落ち自分が急に凋落していくことに不安を覚えます。
その焦りの反動として、ふだんからわだかまりを持っていたことがドッと被害妄想として出てくるのです。
特に、これまで成功していた人は落ち目となっていく実感が大きくて、被害妄想が激しくなるのでしょう。
松居さんもどこかに敗北感を持っているはずです。
こういう人は病院に行って治るものではありませんし、そもそも、本人が病気だと思っていないので、診察を受けようとはしません。

直接の攻撃対象になると大変ですが、相手にするとますます巻き込まれるので、周りは静観するしかありません」

春日さんからのアドバイス

□呪いを受け入れ、上手にごまかす、ダブルスタンダードで
□いい加減がよい加減。とことんまで、ものごとを突きつめない
□苦しんでいるようでいて、そのほうが楽だからあえてその状態にいる人もいる
□人の言葉を額面どおりに受け取らない

<プロフィール>
春日武彦(かすが・たけひこ)
◎1951年、京都府出身。日本医科大学卒。
産婦人科医として6年間勤務したあと、精神科へ移る。
大学病院、都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長などを経て、現在も臨床に携わる。
医学博士、精神科専門医。
著書に『無意味なものと不気味なもの』(文藝春秋)、
『幸福論』(講談社現代新書)、『精神科医は腹の底で何を考えているか』(幻冬舎新書)、『臨床の詩学』(医学書院)、『緘黙』(新潮文庫)ほか。
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2018年01月05日

アナタにも起こりうる「燃え尽き症候群」とは

アナタにも起こりうる
「燃え尽き症候群」とは
2018.1.1 Mocosuku

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ

日本においては、スポーツの代表選手や部活を終えた高校3年生が「燃え尽き症候群」になりやすいといわれます。
また、先ごろ電撃引退を表明した安室奈美恵さんも、引退理由は一種の「燃え尽き症候群」ではないか…との見方があります。
こうしたアーティストと呼ばれる人たちにも、燃え尽き症候群の人は少なからずいるようです。

そんな燃え尽き症候群とはどのような症状なのでしょうか。
ご一緒に詳しく見ていきましょう。

燃え尽き症候群
(バーンアウト・シンドローム)の由来
バーンアウトという用語の提唱者は、ハーバート・フロイデンバーガーというアメリカ人の心理学者です。
彼が保健施設に勤務していた時のこと、1年余りの期間で徐々にエネルギーが抜けるかのように、仕事に対する意欲や興味を失っていく同僚の様子を目の当たりにしました。
そして、当時、ドラッグ常用者の無気力を意味した俗語『バーンアウト』を、学術用語として1974年代に提唱しました。
その後、この用語は広く知れわたり、1982年になって社会心理学者クリスティーナ・マスラックたちが、MBI(マスラック・バーンアウト・インベントリー)という尺度に標準化しました(※)。

燃え尽き症候群の概念
もともと、モーターや電球が焼き切れる状態を表わす「バーンアウト」。
それまで精力的に活動していた人が、あたかも、突然「燃え尽きた」ように意欲を無くし、休職・休業あるいは離職してしまうような現象を意味しています。
当の本人が元来意欲の乏しい人ならともかく、そうとはいえない周囲から一目置かれる人たちが多いことが、人々を驚かせました。

MBIによると、バーンアウトには、おもな症状として次の3つがあります。

情緒的消耗感
仕事などで力を出し尽くし、消耗してしまった状態で、バーンアウトのもっとも核心的な症状

脱人格化
他人に対して思いやりがなく、紋切り型(定型的)な対応になってしまう、あるいは、他人との煩わしい接触を避けるため、事務仕事に没頭したりする

個人的達成感の低下
成果の急激な落ち込みや仕事の質の低下によって、自分自身の有能感、達成感がなくなり、自己否定や離職などにつながる

ストレス反応としての
「バーンアウト」
最近では、メンタルヘルス不調の予防として、職場におけるストレスチェック制度が創設されました。
ストレスとは、原因となる「ストレッサー」と、その結果としての反応「ストレイン」に区別して考察されますが、燃え尽き症候群は「ストレス反応」であるという捉え方もあります。

燃え尽き症候群に陥りやすい個人的要因としては、未経験、周囲の高い期待、本人の高い理想、ひたむきで一生懸命な姿勢などが挙げられます。

一方、環境的要因としては、仕事の量的・質的な過重負担、仕事のオン・オフを自分でコントロールできない状況(たとえば、「子どもの世話」のように終わりが見えないこと)、役割のあいまいさなどが指摘されています。

ヒューマンサービスや
感情労働と「バーンアウト」
バーンアウトという用語が生まれた1970年代後半のアメリカでは、お客さまへのサービス提供を職務とする「ヒューマンサービス」の分野において、バーンアウトの症状が多いことに注目が集まりました。
たとえば、看護者、教員、ヘルパーなどです。

その後、肉体労働と対比して「感情労働」という用語が生まれ、これに従事する人もバーンアウトに陥りやすいことがわかってきました。
感情労働とは、気持ちや感情を主なツールとする仕事を指します。

前述のヒューマンサービスのほかに、客室乗務員や営業、あらゆる接客業、コールセンターのコミュニケーターなど、人間を相手にサービスを提供する職種はおおむね感情労働が多いとされます。

ですから、冒頭では典型的な例としてアスリートやアーティストを挙げましたが、多様化する現代社会においては、誰もが燃え尽き症候群に陥るリスクを抱えているといえるでしょう。

抑うつ状態としての
「燃え尽き症候群」
これまで熱心だった人が、急激に意欲や興味を失い、場合によっては、不眠や食欲不振などに陥る…という意味では、燃え尽き症候群を「うつ病」の兆しと診ることもできます。
実際に、症状は「燃え尽き症候群」で、診断は「うつ病」というケースも少なからずあるようです。

たとえば、主婦が子育てを終え、急に抑うつ状態を発症する「空の巣症候群」なども、燃え尽き症候群と同類といえるでしょう。
このように、極度の心身の疲労から感情が枯渇してしまう「燃え尽き症候群」は、特別な仕事をしている人に限られません。

現代社会においては、人とかかわる仕事が主業務である職種が多数あります。
ですから、誰しもなりうる抑うつ反応であることを認識しておきましょう。

【参考】
・(※)厚生労働省 e-ヘルスネット「バーンアウトシンドローム」(https://www.ehealthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-047.html)
・久保真人『バーンアウトの心理学』(サイエンス社 2014)

<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。
立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。
保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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2018年01月06日

「睡眠負債」が招きかねない4つの致命的ミス

「睡眠負債」が招きかねない
4つの致命的ミス
あなたの仕事、恋愛、婚活は大丈夫?
2018年01月05日 東洋経済

西川 ユカコ : 睡眠改善インストラクター、
昭和西川株式会社 常務取締役

昨年の流行語大賞にもノミネートされた「睡眠負債」。
これは日本社会に「睡眠が足りていない」という実感のある人が相当数いて、「睡眠不足が体に悪いかも」という危機意識が出てきていることの表れです。

ちなみに睡眠負債とは、寝不足が借金のように少しずつ蓄積した状態のこと。
体質など個人差はありますが、成人が健康に過ごすために「最適な睡眠時間は7時間前後」というのが日本の睡眠研究者の共通認識です。

ところが、厚生労働省「国民健康・栄養調査(2015年)」によると、
日本人の平均睡眠時間は「6時間未満」が4割。
また10人に1人は「5時間未満」の睡眠時間で生活をしています。

学校や仕事の始業時間などの関係で毎日の起床時刻はある程度決まってくるので、平日の夜に自分の時間を持とうとすると、どうしても睡眠を削ることになりますよね。
だから「5時間睡眠」「6時間睡眠」というと、たいして短くないように感じるかもしれません。

誰もが「睡眠負債者」の予備軍
けれど仮に1日「7時間」の睡眠が必要な人が「5時間」睡眠を毎日続けると、1日に2時間ずつ睡眠負債がたまっていきます。
この生活を2週間続けると、2時間×14日で、なんと28時間連続で起きている時と同じ脳の状態になるといいます。
これは「1日の睡眠不足(時間)×日数=連続で起きている時間数(時間)」という、睡眠不足による脳のダメージを「連続で起きている時間数」で表す計算式に当てはめたものです。
またこのように1日2時間の睡眠不足が14日間続くと、弱度酩酊状態といって、お酒を飲んで「ほろ酔い」の時の血中アルコール濃度とほぼ同じ脳の働きになるという実験結果が出ています。

ほろ酔いの時は気分がいいのでハッピーでしょうが、睡眠負債の場合には意識が朦朧としていることに加え、体がだるくて重いし、眠いし、精神的にも不安定になりやすく、思考もネガティブになりがちなので、高いパフォーマンスを上げるには決していい状態とはいえません。

ちなみに1晩程度の徹夜や寝不足ですと逆にハイテンションになりやすい(逆に寝すぎだと鬱っぽくなりやすい)ので、1〜2日の徹夜や睡眠不足は「勢い」で何とか乗り切れてしまうことも多いでしょう。
そして実は1晩徹夜するよりも、1日1〜2時間など少しずつ負債をためていくほうが、より心身にダメージが大きいことがわかっています。
日常を蝕む「前頭葉の働き」の低下 いま睡眠負債について盛んにいわれているのは、高血圧、糖尿病、認知症やガンになるリスクが高まるということ。

けれど実は、治療が必要になるようなこれらの病気になる前に、睡眠負債はあなたにピッタリと寄り添って悪さをしています。
なぜなら、脳は「十分」な睡眠なしには「十分」に働かないようにできているからです。
睡眠不足で、最初に低下する脳の機能の1つが「全身の司令塔」ともいえる前頭葉です。

今回は前頭葉の働きが低下した際に起こる、睡眠負債の日常的な弊害について説明します。

1.仕事のミス
前頭葉は「脳内の記憶を引き出す」「論理的に考える」「クリエイティブな発想をする」「適切な判断をする」「注意力を維持する」など、「賢い人」として働いてくれます。
それは仕事をするうえで、どの職種の人にも必要な機能。
きちんと睡眠をとっている場合に比べて(他人との比較ではなく、「自分の中での比較」で)、睡眠不足の場合は前頭葉の働きが低下して上記のスキルが低くなった結果、たくさんの「トホホ」が。

たとえば、注意力、集中力が落ちてケアレスミスが増えるのもその1つ。
上司や部下からの不意の質問にうまく答えられなかったり、もしくは自分の考えをまとめるのにいつも以上に時間がかかってしまったり。
いいアイディアが思い浮かばない、資料作りに異常に時間がかかる、会議や商談など勝負の場で頭がぼんやりして的外れもしくは十分に練れていない発言をしてしまったりと、自己嫌悪に陥ってしまいそうな事態が起こりやすくなります。

1〜2日の睡眠不足なら勢いで何とか乗り切れますが、それが毎日だとしたらおそろしく生産性が低くなりますし、頭が冴えて絶好調な時に比べてずいぶん「能力ダウン」な仕事内容になるでしょう。
さらに、睡眠負債がたまっていくと、冴えている日があまりなくなってくるので、冴えない日の自分がスタンダードになってしまう危険性もあります。

2.日常生活のミス
睡眠不足が蓄積し前頭葉の働きが低下して、判断力が鈍るという観点では、仕事以外のシーンでも、トホホのワナがたくさんあります。
たとえば、節約しているのに、眠気を感じながらダラダラとネットサーフィンをして必要のない物を買ってしまったり、ダイエットしているのに、1日の後半にラーメンやお菓子などを食べてしまったり。

女性の場合は、たいして誠実な男ではない予感がしているのに、押しの強さに流されて勢いで付き合っちゃったり。
男性の場合は、最高の彼女なのに、一生の伴侶にする決断ができず愛想を尽かされて逃げられちゃったり。

情緒不安定になり、
   自己肯定感も低下
前頭葉の働きが鈍った状態では、相手の本質を見抜けないまま、相手にコントロールされ、流されてお付き合いや結婚なんてことや、逆に判断力が鈍っているために最愛の人を失うなんてことにも。
ちなみに「流される」ことと、「勢い」は別物です。

流されることは、自分の人生を運に任せること。
勢いは「それでいいか」と自分できちんと判断して納得したうえで、実現に向けてスピードを上げて進むことです。
振り返ってみて、自分が欲しい未来に対して「理性が働いていなかった」「流されてなんとなく」「思考停止になっていた」などで、「ダメなほうを選んでいた」ことが多い場合は、睡眠時間を見直すのも1つの手かもしれません。

3.婚活のミス
寝不足が続くと、やけにイライラしたり落ち込んだりすることはありませんか?
 前頭葉の働きが鈍ると、情緒が不安定になったり、自己肯定感を持てなくなることが報告されています。
これは、婚活をしている人には、悪影響を及ぼしかねません。
婚活は自分が相手を選ぶ要素はもちろん、大勢の中から選ばれないといけない要素もあるので、情緒が不安定で自分に自信のない状態では辛いですし、逆にその不安定さにつけ込む人が出てきてしまうかもしれません。

前頭葉が満足に働いていない場合、正しい判断力を持つことがどうしても難しくなるので、特に「『婚活』は睡眠負債を返済してから(少なくとも返済しながら)」をスローガンにしたいところです。

寝不足カップルはケンカしやすくなる?

4.パートナーシップのミス
また前頭葉の働きが鈍っている時は、考え方もネガティブになりやすくなるので、付き合っている相手に対して「本当に自分のことを好きか」疑ったり、浮気を疑ってしまう、なんてことも考えられます。

また、相手の気持ちを慮る力や、共感力が減るうえ、自分の感情をコントロールする力も弱くなるので、寝不足のカップルはケンカしやすくなるというデータもあります。

睡眠負債は、私達の能力を自分史上最高に「バッドコンディション」に導き、仕事、人間関係など日々の大切な場でのパフォーマンスを落としてしまいます。
ここまでこの記事を読んでくれた読者に、筆者が伝えたいことはただ1つです。

十分に寝ると、脳がよく働いてくれて「思いもよらない良いこと」が本当にたくさんあります。
その「思いもよらない良いこと」を手に入れるためにも、休日に平日よりも2時間以上長く寝る人、毎日眠い人、日ごろ睡眠不足を感じている人は、2018年は、だまされたと思って10分でも20分でも長く寝ましょう!
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2018年01月07日

「日本の伝統」の多くは明治以降の発明だった

「日本の伝統」の多くは
  明治以降の発明だった
その伝統、本当に古くからあるのか?
2018年01月06日 東洋経済

西野 智紀 : HONZ

周りのみんながやっているから、乗り遅れないように私もやる―
―誰しも一度はこうした経験をしたことがあるのではないか。
仲間外れは怖いものだ。
多少ヘンな流行であっても、ついつい乗ってしまうのが人間の性である。
だが、そうして広まったブームも、時間が経つにつれて1つの風習・行事として根付く場合がある。
「伝統」だなんて言葉がついていれば、説得力倍増だ。
「古くから伝わるものなんだ、絶やしちゃいけない」という義務感すら覚えさせられる。

「古くから」「昔から」とは
一体いつごろのこと?
著者はここで疑問を抱く。
その伝統、本当に古くからあるのか?
 だいたい「古くから」「昔から」とは一体いつごろのことなのか? 
いつからなら「伝統」と呼べるのか? 

本書『「日本の伝統」の正体』柏書房(藤井青銅 著)はそうしたモヤモヤを感じる日本の伝統の数々を検証する1冊である。
著者は1979年に「星新一ショートショート・コンテスト」入賞を機に数多くのラジオ番組制作に関わってきた名放送作家。脚本家・作家としても活躍し、日本史についての著作も数冊発表している。
目から鱗の逸話ばかりでどこから読んでも楽しいが、日本の伝統に最も馴染み深くなると思われる年末年始や季節の変わり目の行事から見ていこう。

たとえば正月。無病息災などを祈念するため、初詣に行かれる方は多いだろう。
この風習、なんとなく大昔からあるような感じがするが、実は誕生は明治中期である。
1872年、東海道線開通が開通し、川崎大師へのアクセスが容易になる。
川崎大師は江戸から見て恵方にあたり、行楽も兼ねて参詣に行く人が急増し、特に1月21日の縁日(初大師)は大盛況となった。

とはいえ、恵方は5年に1回しか来ない。
当たり前だが鉄道会社としては毎年来てくれたほうが儲かる。
そこで、大晦日から寺社に籠って元日を迎える「年籠り」、
年明けはじめての縁日に参詣する「初縁日」、
居住地から見て恵方にある寺社を参詣する「恵方詣り」といった古来からの行事を組み合わせ、縁日も恵方も関係ない「初詣」をつくりあげ宣伝文句としたわけだ。

もう少し正月つながりでいくと、「重箱のおせち」もかなり新しい伝統だ。
おせちは「お節」と書き、祝いの席の料理として奈良時代から存在したが、正月のおせちを重箱に詰めるようになったのは幕末から明治にかけてで、戦後、デパートの販売戦略によって定着した。

恵方や食べ物、商売努力の話で思い出されるのが、恵方巻だ。
恵方とはもともと陰陽道の言葉で、『蜻蛉日記』(975年)にも出てくるくらい古いが、恵方巻自体は20年程度の歴史しかない。
「節分に恵方を向いて巻き寿司を食べる」風習は戦前から戦後にかけて大阪の寿司・海苔業界が大宣伝したことによって関西の一部地域には広まっていたが、これを1989年にセブン-イレブンが取り入れて大ヒットを記録。
98年には「恵方巻」という名で全国展開され、他のコンビニ各社もぞくぞく参入し、現在に至っている。

言葉の魔力と美談の引力 販売戦略が奏功するだけでなく、伝統として定着できたら、商売人としてはこの上ない喜びだ。
だが、そもそも存在しなかった(創作の疑いがある)風習が権威とともに前面に押し出しされてくると、さすがに違和感は拭えない。

昨今疑惑を集めている「江戸しぐさ」はその典型例だ。
傘を差した人同士がすれ違うとき、相手を濡らさないように互いの傘を傾ける「傘かしげ」。
複数の人が一緒に座るとき、みんなが腰を浮かせて、こぶし1つ分詰めて場所を作る「こぶし腰浮かせ」……。

マナーとしてはわからなくもないが、なぜそれを記録した史料が一切ないにもかかわらず「江戸時代からの伝統」と言い張るのか。

江戸しぐさの初出は1981年の読売新聞。
提唱したのは「江戸講」なるものの伝承者だという芝三光。
80年代後半の江戸庶民文化再評価の流れに乗じて、この道徳的しぐさは存在感を増し、現在、NPO法人を中心に、普及が進められているようだ。

このトンデモへの批判は原田実『江戸しぐさの正体』(星海社新書)に詳しいので譲るとして、「江戸時代から」という言葉の魔力と、「マナーだから」という美談が持つ思考を鈍らせる力には舌を巻かずにはおれない。

言葉の組み合わせで迫力が増した例は他にもある。
京都という由緒ある場所を利用した「平安神宮」や、「讃岐うどん」「越前竹人形」のような旧国名を冠したものがそうだ。

平安神宮」は、平安なんて付いているくらいだから平安時代からあるような気がするが、実際は1895年に平安遷都1100年を記念して創建された神社である。
また、香川の地で古くからうどんが食べられていたのは事実だが、「讃岐うどん」という言葉自体は60年代の誕生で、
越前竹人形」は水上勉が1963年に発表した小説『越前竹人形』が初出だ。

新しい伝統は他にもいろいろなところに存在する。
いかにも日本っぽい野菜の白菜は1875年に中国から伝わったものだし、パッと咲いてパッと散るさまが日本の美意識を表しているとされる桜・ソメイヨシノは明治生まれ。

なにかと話題となる日本の国技・相撲は、興行としては400年ほどの歴史はあるものの、「国技」と呼ばれだしたのは1909年の国技館誕生からである(ちなみに、日本には法令で国技と定められた競技はない)。

さまざまな思惑が
伝統を形作ってきた
こうして見てくると、日本の伝統とされるものは、明治以降の発明である場合が多い。
100年近く続いていれば伝統と呼んでもいいんじゃ、という向きもいるだろう。
断っておくと、本書はべつに伝統そのものを否定しているわけではない。
著者はこう述べる。
“「伝統があって、人間がある」のではなく、「人間があって、伝統がある」
伝統だから大切にするのはわかるが、伝統だから従わなければならないなんてことはない。

重要なのは、言葉のマジックの認識だ。
権威付けやらビジネスやら、様々な思惑が伝統を形作ってきたのもまた事実なのである。
たくさんのメディアに囲まれているこのご時世、疑問を持ったり、フェイクか否か選別したりするのは難しいし体力がいる。
が、由来や歴史を調べるのは、人間のおかしみを感じられて、存外面白いものだ。
本書はその端緒となる火を灯す1冊なのは間違いない。
なお、ちょっと厳めしいタイトルと装幀だが、文章はエッセイ風味の優しいノリなのでご安心を。
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2018年01月08日

「先延ばし癖」をやめるために、すぐに取り組むべきこと。

「先延ばし癖」を
やめるために、
すぐに取り組むべきこと。
2018.1.5 TABI LABO (星 佑貴)

去年やり残したことや、目標まで達成できないことがあるとしたら、悔やまれるのは、自分の「計画性について」が多いのではないでしょうか。

そして、新年の抱負にも「タイムマネジメント」や、「計画性」の改善を挙げる人は珍しくないと思います。
今年こそ“先延ばし癖”を直すために、何をするべきなのか。それを調べてみたんですが、いろんな人のスピーチや研究結果・調査をみても
結局は、自分自身が「先延ばししない人生」を求めて、毎日意識しつづけるしかない! という結論に至りました。
そりゃそうか……。

意識をするしかないのだけれど、その意識を保つためのアイディアや、考え方は見つけることができました。
少しでも抱負を実現するために、紹介します。

ステップ1.
自分の脳内で起きてることを理解する
自身が究極の先延ばし魔であることで、苦労してきたというティムさんは、何が自分の脳内で起きているのかを分析して、ブログにまとめました。
その内容が多くの共感をうみ、今では有名ブロガーになっています。
動画を見てもらうのが一番わかりやすいのだけれど、
簡単にまとめると、
先延ばしには二種類あると彼は言います。
期限があるものと、
期限がないもの。

例えば、レポート提出。締め切り前夜になると「パニックモンスター」が現れ、今までの怠惰を吹き飛ばし、信じられないスピードで書き上げます。
二週間で一文字も書けなかったのに、一晩で10枚以上書く状態です。
パニックモンスターが現れると、質は悪く、仕上がりも綺麗ではない成果物にはなるけれど、結果的には期限に間に合う。
この場合は、まだマシなのです。

一方で、問題を抱えている人間関係の修復や、家族に会うこと、など期限のない先延ばしには、パニックモンスターは現れてくれません。
ずっとそのまま、緩やかに最悪の後悔に近づいていくだけ。
「あとでやればいいや」という考えを積み重ねるほど、影響を受けるのはむしろ“期限のないものへの先延ばし癖”なのです。

ステップ2.
付箋をつかって整理する
先延ばしにしてしまう理由の一つとして、「やるべきことが多すぎて手をつけたくない」というものが挙げられます。
ぼんやりと荷が重いものに関して、人は手をつけるのが億劫になってしまいがちです。
だからこそ、付箋を使って、具体的に何をしなくてはいけないのかを書き出して、さらにそのためにしなくてはいけないことも書き出して、細分化していくアクションが必要なのだそう。
着手するハードルを、どんどん低くしていくことが、効果的。
目の前の小さなタスクが何か見えたら、それをパソコンやデスクに貼って意識を向けつづけましょう。

ステップ3.
とりあえず、やり始めてみる
<やるべきことを細分化する>ということ自体を、先延ばしにしてしまう人もなかにはいると思います。
はい、わかります。
見えることから手をつけることで脱却するタイプと、
何をすべきかわからないけど、とりあえず「やること」でスイッチを入れるタイプがいるのではないでしょうか。

一度ステップ2を試してみて、もしも続けられなそうだと感じたなら、とにかく椅子に座って、「タスクに手をつける」という意識を常に心がけてみてください。
それが、怠惰な自分にコントロールされてしまうことを防ぐ第一歩。

とにかく今から動いてみよう、と自分自身に言い聞かせ続けられる自分に変わっていきましょう。
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2018年01月16日

「低温やけど」の恐怖!

気づきにくく重症化しやすい
「低温やけど」の恐怖!
冷やしてもダメ!消毒もだめ!
2018.01.12 ヘルスプレス

 連日連夜、冷え込みが厳しい。
湯たんぽや使い捨てカイロが手放せない。

 2017年12月6日、消費者庁は「湯たんぽによる低温やけどに関する注意」を発表。
就寝時は布団に入れたままにせず、温まったら取り出すようにアドバイスしている。
だが、湯たんぽを朝まで布団に入れたまま寝ている人が多いだろう。  

 湯たんぽや使い捨てカイロは、使い方を間違えると低温やけどを招く。

どのような注意が必要だろう?
   気づきにくく、重症化しやすい
 『新版 今さら聞けないスキンケアの正解』 (主婦の友社/よしき皮膚科クリニック銀座・吉木伸子院長)によれば、
低温やけどとは、40度から60度くらいの、比較的低温で受けるやけどだ。
40度で約6時間、44度で2時間、50度で2〜3分で低温やけどを生ずるが、体質、部位、熱源によって時間は異なる。

 人間の皮膚温は36度程度だが、40度でも長時間さらされれば、皮膚のタンパク質が熱変性して壊死する。
それが低温やけどだ。
温熱熱傷(熱湯、火焔、蒸気などの熱による損傷)の1つで、低温熱源による熱傷を指す。
起こしやすい部位は、かかと、くるぶし、すねなど皮膚の直ぐ下に骨がある部位が多い。

 また、低温やけどは、若い人よりも高齢者や糖尿病などの持病がある人に起きやすい。
健康なら体をずらして避けられるが、糖尿病の神経障害のために感覚が低下していたり、脳梗塞や骨折などで体を動かしにくい状態なら、湯たんぽなどに皮膚が長時間触れたままにになる。
寝たままの乳幼児にも注意が必要だ。

 最初は、皮膚がやや赤くなる程度なので、皮膚の変化も目立たず、痛みも弱い。
だが、数日後に皮膚が黒ずみ、皮膚の深部に穴が開くように崩れる。
 このように自覚症状が乏しく、受診まで時間がかかることが多いため、受診時には皮膚の皮下組織が破壊され、手術が必要になる場合もある。
治療に1カ月近くかかったり、やけどの痕跡が残ったりする。
気づきにくいために、重症化しやすいのが、低温やけどの最大のリスクだ。

低温やけどは冷やさない!
「水疱が出る」
「真ん中が黒くなってくる」なら
                    急いで皮膚科へ!
 低温やけどの原因は、湯たんぽだけではない。
電気あんか、使い捨てカイロ、こたつなどの温熱器具のほか、ファンヒーターの前で寝てしまったなど例も少なくない。

知覚が低下している高齢者ならトイレの便座や、ダイエット器具(電極を当てて電気を流し、温度を上げたり筋肉を動かす器具)、スマホなどの報告もある。

 低温やけどを起こす条件は何か?
血行不良(血行が悪いと熱がこもる)、
高齢者糖尿病患者(知覚がにぶく熱さを感じない)、
温度が高くなる環境(使い捨てカイロを貼って毛布をかけて寝る、電車のヒーターの上にすわる)、圧迫(使い捨てカイロの上からガードル、電気あんかに足をのせて上から布団をかける)
爆睡、泥酔などだ。

 特に、あんかや湯たんぽの場合は、毛布や布団をかけて熱がこもる、足に当て圧迫も受けるので、さらに血行悪化するため、低温やけどを起こしやすい。
したがって、あんかや湯たんぽは、体から離して絶対に触れない位置におくか、寝るときは布団から出すようにしよう。

低温やけどを起こした時の
                  注意点は何か?
 低温やけどに気づいたら、まず冷やさない。
血行がさらに悪くなるからだ。
消毒もしない。
赤みがだけ軽症なら、ワセリンを塗って保護する。
だが「水疱が出る」「真ん中が黒くなってくる」なら、急いで皮膚科を受診しなければ危険だ。  

いずれにせよ、低温やけどを起こさないように、十分に注意して暖房器具を使うのが、最善策であることは言うまでもないだろう。
(文=編集部)

*参考
▶︎京都逓信病院
▶︎兵庫県立健康生活科学研究所生活科学総合センター
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2018年01月17日

悲惨な着物業界…代金踏み倒す客も

【はれのひ事件】
悲惨な着物業界…売上8割減
客の代金踏み倒し横行で
損失1000万円の店も
2018.01.12 Business Journal

文=小川隆行/フリーライター

 一生に一度の晴れ舞台である成人式を台無しにした「はれのひ」。
1月8日に突然閉店するなど音信不通となり、その被害総額は1億円を超えるとみられている。
代金を支払ったのに振り袖が届かないというトラブルのほか、「母と同じ着物を着たい」などという客から預かった晴れ着の“転売”疑惑まで浮上している。

近年、これほど消費者をないがしろにした悪質な騒動は目にしたことがない。
 この問題を受けて、着物業界は「被害者の会」を立ち上げた。

日本古来の“民族衣装”である着物だが、市場は1980年頃に約1兆8000億円だった売り上げが右肩下がりで、2016年には2785億円とピーク時の6分の1以下まで縮小している。
和服文化を継承している歌舞伎、落語、大相撲が人気を保っているものの、日本人は確実に和服離れしているのが現実だ。

 そんな着物業界にとって一番の稼ぎどきが、多くの女性が和服に身を包む成人式である。
そして、昔から地元で商売をしている小売店の場合は「信用」が一番のキーワード。
「あの店はきちんとしている」という評判や口コミは商売に欠かせない要素なのである。
 従業員の接客態度や価格はもちろんのこと、「入金時期と内金金額」も店の評判に関係するという。

関西の某県で50年以上にわたって営業を続けている、老舗呉服店の社長が語る。
「通常、お客様は2〜3社でお見積もりを立てますが、うちは平均価格である『購入36万円、レンタル15万円』よりもやや低い価格設定で、多くの方にご利用いただけるようにしています。
成人式の晴れ着を予約されたら、(低価格帯の場合に限り)内金を1万円だけ入れてもらっています。
すべては、お客様に気分良くご利用いただくためです。

 確信犯ともいえるはれのひは『現金払いなら5%オフ』などと入金を急かせていましたが、うちはクレジットカード決済すら見送り“あるとき払いの催促なし”という姿勢を貫いてきました。しかし、来年からはカード決済を導入せざるを得ないかもしれません」(呉服店の社長)

代金を踏み倒す客たち…
損失は1000万円超
 ただでさえ平均より安いのに“あるとき払いの催促なし”とは、利用客にとってはありがたいに違いない。
しかし、社長は以下のように内情を語る。
「代金は成人式の前日までに全額の支払いをお約束させてはもらいますが、なかには『1カ月待ってほしい』という方もいます。

そして、前日までに支払いがなくても、成人式のお手伝いはきちんとさせていただきます。
それもこれも、『実家からの仕送りで生活するのがやっとで、成人式は“自力”』という方もおり、そんな方のご希望を叶えてあげたいからです。
 一生に一度ですし、『その後、和服に興味を持ってもらいたい』というのが私どもの考えです。
そのため、カード決済を導入しないで『あくまでお客様を信用する』という姿勢を貫いてきました。
しかし、こうした口約束を守ってくれないお客様もいらっしゃるのが実情です。

 1カ月たっても代金が支払われないので電話をするとつながらない、書類に記載されたアパートを訪ねるとすでに引っ越した後……なんてことがよくあります。
催促をしないこちらの姿勢も悪いのですが、うちは取り立て屋じゃありませんし、ましてや先代社長の教えが『困っている人には施せ』でしたので……」(同)

 短大に通っている女性であれば、成人式は卒業間近で何かとお金が必要な時期だ。
また、一人暮らしの場合は10万円でも大金だろう。
晴れ着を着るという夢を叶えてしまえば支払うはずの料金は引っ越し代にでも充てるのか、そのまま“ドロン”してしまうケースが少なくないようだ。
「そうした損失金がいくらあるのか、先日調べたら四半世紀で1000万円を超えていました」(同)

 同店と提携する写真館の代表者は、次のように語る。
「撮った後でお客様が引き取りに来ない記念アルバムが、もう50冊ぐらいたまっています。
撮影が終わると『なくてもいいや』となるのでしょう。
頼まれればお客様のスマホでも撮ってあげますが、ご家族と一緒でない単独撮影の場合、最近はやんわりとお断りさせていただいています」(写真館の代表者)

「一番怖いのは、呉服業界の信用失墜」
 前出の呉服店社長が、ため息まじりに漏らした。
「今回の件は本当に許せませんが、一番怖いのは私たち呉服業界の信用失墜です。
業界全体が悪く見られてしまうと『いい加減な業界になんか、お金を払わなくていい』と思われてしまいかねません。
そうした貸し倒れが増えるのは困りますし、だからこそカード決済の導入も考えなければならないのです。

 しかし、先代社長の口癖が『金を追いかけるな。金は後からついてくる。
まずは商品知識を頭に入れ、相手の身になって商いをせよ。
そうすればお客様は気分良くご利用してくれる』でしたので、今も(決済導入を)迷っています」(呉服店社長)

 このような良心的な呉服店すら困らせてしまうほど、はれのひの騒動は悪質だったということだろう。
 直系家族が和服に身を包み、記念日に一家でささやかに過ごす
そんな原風景こそ日本の古き良き伝統文化だったが、核家族化が進み洋服が当たり前となった昨今、和文化の世界にも「カードローン」「クーリングオフ」「キャンセル」「スマホ」といった英単語が当たり前に飛び交う……。

こうした状況も伝統文化の衰退に拍車をかけている、とするのは言い過ぎだろうか。

 ニュースサイトで読む:
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2018年01月20日

人が健康的に働けるのは週39時間まで

人が健康的に働けるのは
週39時間まで
2018年1月19日 GIGAZINE(ギガジン)

オーストラリア国立大学の研究によって、人々が健康的に働けるのは週39時間が限界であると示されています。
過労は日本だけではなく世界的に問題になっており、近年の科学研究によって、労働時間を削減することが重要であるという証拠の数々が示されています。

Do you work more than 39 hours a week? Your job could be killing you | Life and style | The Guardian

テクノロジーの発展によって仕事が減るかと思えばそうとも限らず、2002年には就業時間外に仕事のメールをチェックする人は全体の10%以下でしたが、今日はスマートフォンやタブレットの存在もあり、寝る前に50%の人が仕事のメールをチェックをしていると言われています。

人の活動状況と健康についての研究として、コロンビア大学が45歳以上の被験者8000人以上の活動状況を追跡したところ、人々の平日の不活動時間は平均12.3時間でした。
そしてこのとき、1日13時間以上座っている従業員は、不活動時間が1日11.5時間の人よりも約2倍、早く死ぬ割合が高かったといいます。

複数の研究から、長時間座っていることは喫煙並に人の寿命を縮めると結論づけている研究者もいます。
また、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者らが中年の男女を中心とした8万5000人の労働者を調査した結果、過労と心血管疾患の関連性を発見しています。

働き過ぎは、特に心房細動など不整脈に関するリスクを増加させるとのこと。
この研究において「働き過ぎ」とされたのは週55時間以上の労働を行っている人で、これらの人は週35〜40時間働いている人に比べ、その後10年の心房細動のリスクが40%増加していたといいます。

「働き過ぎ」の傾向は世界各国で起こっており、ドイツの金属労働組合であるIG Metallでは、1万5000人もの労働者がワーク・ライフ・バランスを向上させるため週28時間労働を求めてストライキを行いました。

2017年2月にオーストラリア国立大学の研究チームは「健康的に働ける限界は週39時間だ」という研究結果を発表していますが、ドイツでストライキを行った労働者らも自分たちの要求について「怠惰ではなく自己防衛」だと説明しています。

なお、シリコンバレーのコンサルタントであり起業家&スタンフォード大学客員研究員でもあるAlex Soojung-Kim Pang氏は、現代の労働者がクリエイティブでいられるのは1日4時間までであると主張しています。
さらに、スウェーデンで1日6時間労働を2年間取り入れた結果、労働者は自分たちがより健康的になったことを報告し、また仕事の生産性が組織全体で85%も向上しました。

「8時間労働」から「6時間労働」に変更した結果、人は本当に幸せになれるのか?

ただし、これらの研究の多くは「労働時間」という数字的側面に着目したものであり、雇用条件について語るものではありません。
例え1日数時間であってもストレスにあふれた労働環境であれば、労働者の自由や創造性は失われてしまう可能性もあります。

市場調査会社YouGovの調べによると、イギリスでは全体の3分の1の労働者が自分の仕事は無意味だと考えているとのこと。
労働時間とともに労働環境や従業員の士気の改善がなければ、労働時間削減の効果は少なくなってしまう可能性もあるわけです。
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2018年01月21日

日本の無償ケア労働 「お母さんの負担」が重過ぎる

日本の無償ケア労働
「お母さんの負担」が
                    重過ぎる
2018.1.18 日経DUAL

 こんにちは、治部れんげです。
「ワンオペ育児」問題は、個人ではなく日本全体の問題です。
ワンオペ育児に代表される家庭内の「無償ケア労働」に関する議論を取り上げます。

■家庭内の男女不平等は、途上国に近い
 多くの働く母が悩んでいる、「私ばかり、家事・育児をしている」問題。
これは、あなただけの問題ではありません。

 先だって、ベトナムのフエで開かれた、APEC女性と経済「官民対話フォーラム」に参加しました。
このフォーラムは日本とベトナム両政府の共催で、日本のシンクタンク型NPO・Gender Action Platformが企画運営したものです。
 ひとつのセッションでモデレーターを務めたところ、印象的なデータがありました。

UN Womenアジア太平洋地域部長の加藤美和さんが提示した、男女の無償ケア労働(家事・育児・介護等)の時間差を表したもの。
先進国はどこでも、男性1に対し女性2の比率ですが、
途上国では男女差が大きく、男性の5〜6倍もの無償ケア労働を女性が担っていることが分かりました。
 皆さんのご家庭で、夫婦の家事・育児分担に、どのくらいの差がありますか?
 ほぼ半分ずつ分担しているのでしょうか。
それとも、1対9と差が大きいでしょうか。

 統計を見ると、日本の男女の無償ケア労働時間の男女差は男性1に対し、女性が3〜5となっています。
日本は経済水準やテクノロジー、治安や医療などの面では先進国ですが、家庭内の男女不平等は、途上国に近い状況なのです。

 世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数」を発表しました。
日本は2016年より順位を落として114位で先進国の中では最下位でした。
調査対象は144カ国です。
低い順位の背景には、政治家や経済分野のリーダー(例えば企業の役員や管理職)が少ないことがあります。
 では、もう日本はダメなのでしょうか?
 私はそうは思っていません。
理由は教育現場には意欲的な取り組みが見られるためです。

■「女性は家庭にいるべき」とは
                   思っていない
 今月始め、千葉県教職員組合の年次研究会に出席しました。
「両性の自立と平等」をテーマにした分科会で共同研究者を務め、県内約20の公立小中学校で行われた授業の研究発表を聞き、専門家の観点からコメントをさせていただきました。
発表内容や授業の工夫がとても興味深く、革新的で驚いたのです。

 私は政府や都のジェンダー平等政策の会議に出席したり、地方自治体の男女共同参画関連の講演に行ったりする機会がよくあります。
どこでも話題になるのは「固定的な性別役割分担(男は外で働き、女は家庭を守る)意識が強い。
教育や啓蒙が必要」ということ。

 でも、先生たちの授業研究発表を聞いていると、教育現場では取り組みが、とっくに始まっていることが分かります。
 例えば、無償ケア労働の実態調査。
ある学校では、子どもたちに家庭内の家事について、どんなものがあるか意見を聞き、付箋に書いたうえで、それを誰がやっているかを聞いて分類しました。
予想以上にお母さんが大変であることを知った子どもたちは「もっと手伝いをしよう」と思うのです。

 さらに、学校によっては「なぜ、お父さんはやっていないのか」「帰りが遅いから家事をしたくても無理」と家庭内のアンバランスや長時間労働の問題にも着目します。
子どもの身近な話題から始めて「気づき」につなげていく授業に感心しました。

 興味深いのは、親も子どもも先生も「女性は家庭を守るべき」とは思っていないこと。
ある学校が行った調査では「女性は家庭にいるべき」と思っているのは0人にもかかわらず、実際には母親が家事の大半をやっている事実をあぶり出しました。
意識と実態のギャップを個人に直接ヒアリングするのは、学校の特徴を生かした試みだと思います。

 「無意識の思い込み」から子どもたちを解放していく試みもありました。
例えば、保育士さん、大工さんなどの職業を例にとり、「男性の仕事? 女性の仕事?」と尋ねます。
最初のうち「保育士さんは女性」「大工さんは男性」と子どもたちは答えます。
これは、大人でも同じかもしれません。
 そこである学校では、地域で働く女性大工さんを授業に招きました。
「自分の町に女性の大工さんがいる」ことを目の当たりにした子どもたちは「やりたい人、向いている人がやればいい。男とか女で決めなくていい」と自然に気づいていくのです。

■次の世代のために、
        私たちができること
 昨今、企業でも盛んなダイバーシティー推進の取り組みで、「無意識の思い込み(unconscious bias)」は注目のテーマ。
自分の思い込みに気づける機会のある授業が受けられるのは、うらやましいです。
 他にも「ピンクは女の人の色」と思っている生徒たちの教室に、ピンクのシャツと小物を身に着けた校長先生が登場し「ピンクは男の人が身に着けてもいい。かっこいい」と気づかせる授業もありました。
校長先生自ら多様性の意味を示してくれる、素敵な授業ですね。
 ここでご紹介したのは、当日の研究発表で聞いた中でも、私が特に「すごい!」と思った取り組みです。

研究発表会に出席するような「熱心な先生」だからできる授業かもしれませんが、それをやっているのは、特別な受験が必要な学校ではありません。
千葉県内の都市部や古くからある町にある普通の公立小中学校でした。

 実は私の出身高校の近くにある中学校の取り組みも紹介されていて、先生による研究リポートには「ワンオペ育児」への言及もありました。
学校は、子どもたちへの教育を通じて、男女平等を目指している。
これは本当に勇気づけられることです。

 皆さんもお子さんが通う地域の学校に、こういう授業をしてほしい、と提案してみたらいかがでしょうか?
 そして、ぜひ、社会には色々な仕事があり、女性も色々な仕事に就いていること、男性も家事や育児をやる時代になっていることを、伝えてあげてほしい、と思います。
皆さんの個人的なワンオペに悩んだ経験、どうやってそれを乗り越えたかという経験を伝えることで、次の世代が子育てをするころには、もっと良い社会になっているでしょう。

治部れんげ  
昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。
1997年一橋大学法学部卒業後、日経BP社入社。
経済誌の記者・編集者を務める。
14年からフリーに。
国内外の共働き子育て事情について調査、執筆、講演などを行う。
著書『稼ぐ妻・育てる夫―夫婦の戦略的役割交換』(勁草書房)、『ふたりの子育てルール』(PHP研究所)。東京都男女平等参画審議会委員などを務める。

[日経DUAL 2017年11月13日付記事を再構成]
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2018年01月22日

「他人の失敗」を見ると快楽を覚える本質理由

「他人の失敗」を見ると
  快楽を覚える本質理由
生物種としてのヒトに仕組まれた特性だった
2018年01月20日 東洋経済

中野 信子 : 脳科学者

著名人のツイッターが炎上したり、失言がバッシングされたりする出来事が毎日のように起こる昨今。
なぜ、人は自分とは無関係の人間の失敗を目ざとく見つけ、たたこうとするのか?
脳科学者・中野信子氏が、最新刊『シャーデンフロイデ』で、バッシングに「快楽」を覚える人間の脳の仕組みを、徹底的に解剖する。

他人を引きずり下ろしたときに
        生まれる快感
「他人の不幸で今日も飯がうまい」の略で「メシウマ」というネットスラングがあります。
成功者のちょっとした失敗をネット上で糾弾して喜びに浸る、この感情のことを、脳科学・心理学の世界では「シャーデンフロイデ」と呼ばれています。
この単語はドイツ語で、Schadenfreudeと綴ります。Freudeは喜び、Schadenは損害、毒、という意味です。 これらは、ある種の週刊誌の売り上げを下支えする感情、といってもいいかもしれません。

「最近目立っているあの人」に対し、
「あの点をこうすればいいのに」「どこがいいの」「上から目線で気に入らないんだよね」などという形で"検出"が行われ、
「ちょっと痛い目に遭えばいいのに」「コメント欄で炎上させてやれ」「ツイッターで攻撃してやれ」「どうもへこんでいるらしい」「いい気味だ」というように、"排除"が実行されていきます。

いわゆるバッシングですが、この犠牲になった人の例はいくらでも挙げられるでしょう。
近年は橋下徹さんや堀江貴文さん、西野亮廣さんらが標的になることが多かったかもしれません。

実はこのバッシングにつながる一連の行動原理は「オキシトシン」という脳内物質と、深い関わりを持っています。
オキシトシンは、愛情ホルモン、幸せホルモンなどと俗に呼ばれて、基本的には人間に良い影響を与える物質と考えられています。

オキシトシンは、1906年に、ヘンリー・デールという人が発見しました。
ちょっと変わった名前ですが、その由来は「迅速な出産」という意味のギリシア語からきています。
脳下垂体をすりつぶした汁が、陣痛を引き起こすことを発見したデールは、この汁の中に、出産を速める物質が含まれているに違いないと考えて、その名前をオキシトシンと名付けたのです。

オキシトシンは、出産や授乳に関わるホルモンではありますが、メスまたは女性の体内でだけ分泌されるわけではありません。
オスまたは男性の脳内にもオキシトシンは存在し、神経伝達物質として、さまざまな働きをします。

たしかに、オキシトシンは、女性ホルモンであるエストロゲンによって増幅され、一般的に女性的なものとされる包容力であるとか、協調性、人と仲良くなることを好む傾向、養育者としての適性といった性質が、強く現れるようになります。

しかし、男性にもこうした性質を強く持つ人は増えてきています。
そう感じる人はたくさんいるでしょう。
何なら、こうした傾向を持つ男性を"オキシトシン男子"と名付けてもよいくらいかもしれません。

戦う力や性欲、恋愛に対する強い情熱、そして稼ぐ力はそう高くはないけれど、人の話をよく聞き、なごやかで、やさしい。
あまり他の女性に目移りすることもなく、貞操をまもる。
一緒にいるとほのぼのとして、落ち着く。

オキシトシンの分泌量の多さは、肌のきめ、髪のツヤ、見た目のかわいらしさにも反映されます。
むしろ、近年のトレンドとしては、こういう男性のほうが女性から人気があり、モテる、という現象が顕著になってきているのではないでしょうか。

シャーデンフロイデは
「妬み」感情と不可分なもの
さて、それではなぜ「愛と絆のホルモン」「幸せホルモン」という好ましい俗称で呼ばれるこの脳内物質が、シャーデンフロイデなどといういやらしい、持っているだけで恥ずかしくなるような感情を、同時に強めてしまうのか 。

  実は「人と人とのつながりを強めるのが、オキシトシンの本質的な働きである」と考えると説明がつくのです。
専門的な表現を使うと「愛着を形成する」という言い方をしますが、誰かとの間に情緒的な特別な絆ができるとき、脳ではオキシトシンがその回路を形作るのに一役買っています。

裏を返せば、人と人とのつながりが切れてしまいそうになると、オキシトシンが「私から離れないで」「私たちの共同体を壊さないで」「私たちの絆を断ち切ろうとすることは、許さない」という感情を促進させ、関係性が切れるのを阻止しようとするのです。

当然、男女の恋愛にも大きく影響します。
友人や会社の仲間、地域共同体など、グループの関係も同様です。
シャーデンフロイデが、「妬み」感情と不可分であることを前提とすれば、オキシトシンは、「妬み」から「シャーデンフロイデ」に至る一連の感情の流れを強めてしまう物質であると考えることができるでしょう。

なぜ人間の長い歴史の中で、持っているだけで苦々しくなるようなこの「シャーデンフロイデ」という感情がなくならなかったのでしょうか。
盲腸にさえ、存在する意味があるということが近年、明らかになってきたといいます。
まして脳は、人体の中で最も燃費の悪い臓器であり、そこまで余裕のある器官ではありません。不要な機能は、どんどん切り捨てられていきます。

生物種としてのヒトに仕組まれた特性
「シャーデンフロイデ」や「妬み」といったネガティブ感情は、一見ないほうが良いように思えても、何らかの重要な機能を担っているはずなのです。

「シャーデンフロイデ」や「妬み」は、個人の間でも生じますが、集団内で生起したときに、集団にとって都合の悪い個体を標的として「発見」し、「排除」するために使われます。

ヒトは、集団を構成することで生存確率を高め、生き延びてきた種であると考えられています。すると、最も生存確率を下げるネガティブ要因が、集団の崩壊になります。
集団というのは構成員が少しずつ犠牲を供出することによって成立しています。
たとえば、時間、労力、金銭的な負担、心理的負荷などのリソースがそれにあたります。
これらを集め運用して、そのメリットをみんなで享受するのが集団の構成要件です。

たとえば、そこに一人だけ、リソースを供出しない人が存在したと考えてください。
供出しないにもかかわらず、メリットを享受している。
つまり、その人一人だけが得をしているという状態です。
リソースを供出せずともメリットを受けられるなら自分たちも供出をやめようと他の構成員が考え始め、リソースを供出し続ける真面目な構成員の負担が大きくなります。
すると、あっけなく集団は崩壊します。

このような事態を避けるため、リソースを供出しない一人を排除するか、その行動を改めさせる必要が生じます。
これが社会的排除の原理です。
最近目立っているあの人、として人々の目に映るのは、既存の社会を壊そう、変えようとする人のことです。
こうした人の台頭を許さないというのは、生物種としてのヒトに仕組まれた特性なのです。

考えてみれば、シャーデンフロイデも、妬みも、どちらもヒトに固有といっていい感情です。
この感情を繙くことで、人間性、などといううさんくさい言葉にかき消されてしまわない、真の人間の本質が見えてくる、と私は考えています。
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2018年01月23日

「友がいつの間にか離れていく人」の3大特徴

「友がいつの間にか
離れていく人」の3大特徴
2018年1月22日 東洋経済オンライン

友人からいつの間にか
距離を置かれてしまう人の共通点は?

こんにちは。
生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

何でも話せる親友だと思っていたのに、みんなが知っている友人の話題を知らなかった。
気の合う人とめぐり会え、親密度が増してきた矢先、相手の対応が冷たく感じるようになった。このような経験はありませんか?

自分が親しいと思っていた友人からそっけない対応をされたり、相手は親しいと感じていなかったことを知ってショックを受けたという相談は、後を絶ちません。

何かトラブルが
あったわけではないのに…
男女間の恋愛とは違い、友情は多数に分散され、それぞれに違った付き合い方や距離感が生まれるので、仲間外れの感覚に悩まされる人も少なくありません。
もちろん、気の合う合わないはあるでしょうが、何か大きなトラブルがあったわけでもないのに、いつの間にか距離を置かれてしまう人には、ある共通点が存在します。

特徴@「ダメだから」
人間関係は、お互い承認し合うことによって信頼を深めていきます。
それを真っ向から否定する言動がこれです。
たとえば、友人の「こないだデートで観覧車に乗ったの」という発言に対し、「あ、私、高いところダメだから」と言ってしまうようなケースです。
これは、相手の話をいきなりシャットアウトする行為で、急激に友人との心の距離を作るNGワードです。

冬のアウトドアの話をしようとする友人に「俺、寒いのダメだから」などと、ぶっちゃけトーク風に切り込んではいないでしょうか。
もし、このように対応していることがあれば、相手に有無を言わせず、話を遮る行為だという自覚が必要です。
高いところがダメだろうが、寒いところがダメだろうが、それは、友人の話とは関係なく、相手の話を無視し、興味ないと言っていることと同じで、相手は、非常に嫌な感じを持つでしょう。

特徴A「私はね……」
このフレーズを使い、相手の話を取って、すべて自分の話にしてしまう傾向があります。
友人が、「今日、朝イチに課長に嫌味言われちゃって、1日気分が悪かった」と話し出したことに対して、「私はね、朝から電車が止まって大変だったのよ!」と自分の話をかぶせてくるような言動です。
特に女性に多いとも言えます。

例1) 友人「新しいバッグ買ったのよ。ちょっと高かったんだけど、前から欲しかったし……」 自分「私なんか、この前○○の新作バッグ衝動買いしちゃったわ」 (自嘲ぎみに自慢する)

例2) 友人「この前、話題になってたケーキの店に行ったら、1時間待ちだったの」
自分「ねぇ、聞いて聞いて、私なんてこの前、○○で3時間も待ったのよ!」
いわゆるマウンティングの1つでもあり、自分のほうが大変だった、高いモノを買ったなどと、良いことにしても悪いことにしても、「自分のほうがすごいアピール」をする行為です。
たび重なれば、嫌気を起こされること必至です。

ただ、自分の話をかぶせている本人に悪気はなく、相手の話に乗って(合わせて)いるだけというように、自覚のない方も多いので、要注意です。

相手の気を引くために
過激な発言をする

特徴B「値踏み」
うわさ話がすべて悪いとは言いませんが、とにかく「値踏み」のスタンスで、他人の話題を振る人がいます。
仕事ぶりや、学歴、収入、住んでいる場所、パートナーの容姿、洋服の趣味や態度など、あらゆることに及びます。
「知ってた? あの人○○なんだって」
「あの人、この前○○なこと言ってたんだけど、信じられる?」

相手の気を引きたい思いで、ちょっと過激な発言をしてしまう人もいるようですが、このようなことを頻繁に話題にする人は、人をそういう目で見るのだな、きっと自分のこともこんなふうにほかの人に言っているのでは、と思われても仕方がありません。
相手が距離を取りたくなるのも当然です。

人との関係をうまく作れないという相談を受けるときに感じることは、自分の対応は悪くないと思っている人が多いことです。
無意識に、相手を不快な思いにしているとしたら、改善のしようがありません。
人との関係性が築きにくいと思われる方は、ちょっと、ご自身の言動を振り返ってみましょう。

そして、いつも自分が話しすぎているかも、と感じる方は、相手7:自分3くらいのバランスを意識して話してみましょう。
もちろん、正確に計測できるわけではありませんので、あくまでイメージです。
話を聞くことは、気持ちを受け止めることです。

まずは、相手の話したことを遮らずに受け止め、それから、自分のことを話すということが大切です。
相手も、自分の話をきちんと受け止めて聞いてくれた人の話には、耳を傾けてくれるものです。
そうすると、お互いWIN-WINな関係を築け、心地よい時間を過ごせることで、また会いたい、話したいと思う気持ちが必然的に起こり、信頼関係も深まっていくと思います。

複数のコミュニティを作る
気持ちのキャッチボールができるようになると、親しいと思っていた友人が「いつの間にか離れてしまう」ことは減り、反対に、「いろいろな人から声が掛かる」ことに変化していくと思います。
そうなれば、気持ちにゆとりができ、ひとりの人や、ひとつのコミュニティに執着することも少なくなり、肩の力を抜いて、自然体で接することができるようになります。
それによって、交友関係を豊かにする好循環を生むことにもつながっていきます。

友人の数が多いことがよいこととは限りませんが、バランスよく心地よい関係を作っていくには、さまざまな人との関係性の中で培われる汎用性が必要で、そのためには、複数のコミュニティを作ることも大切なのです。
よりよい友人関係を構築する一助になればと願っています。
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2018年01月24日

北国勢からのアドバイスが「北から目線」に続々 雪道は猫背気味に歩く!など

北国勢からのアドバイスが
「北から目線」に続々 
雪道は猫背気味に歩く!など
2018年01月23日 おたくま経済新聞

 関東で大雪が降る度に活性化する、ツイッターハッシュタグ「#北から目線」が1月22日に関東を襲った、大雪日の朝から再び活気づいていました。
 このハッシュタグはそもそも、関東が大雪に見舞われると発覚する首都圏機能や関東人の“雪耐性の低さ”を北国視点で「上から目線」もとい「北から目線」で指摘するというものでしたが、あまりに関東人の雪耐性が低すぎたのが、「この人たちマジやばい」と心配してくれる北国人が続出。

 今では大雪が関東を襲う度に、心優しい北の天使が舞い降りる「雪対策のアドバイスハッシュタグ」という、心温まる側面も持っています。

 今回も当日の朝、関東人の多くは「なんとかなるだろう」とのほほん構える人が多かったように思われますが、いち早く危険を察知した北国の人たちが、関東で雪が降り始めるずいぶん前の早い時間から、続々と的確アドバイスを投稿。
帰宅時間の関東民を情報という面で少なからず助けていました。

 中でも注目されていたのが、pacoさんがイラストで紹介してくれた、雪の中での歩き方をまとめた「こういうコトに気をつけたらイイよ!」集。
雪道の歩き方のポイントと、室内に入る時の注意がまとめられています。

■歩く時は猫背気味!
 まず雪道を歩く時には、ざっくり2つのポイントがあるそうです。
・降りたてフワフワの雪が積もった雪道の上は滑りにくいよ!
・歩く時は猫背ぎみに足をふんばる。重心が下に行くように意識してみよう。一歩一歩地面を踏み出すイメージで歩くとすべりにくいよ!

 既に降った後の場合には、下にアイスバーンが隠れている場合もありますが、今回首都圏を襲った雪は、本当の「降りはじめ」。
そこで、初めて大雪が降った場合の対策としてアドバイスしてくれています。

■建物に入る前には必ず
足下の雪をしっかりトントンして落とす!
 次に教えてくれているのが、建物や車の中に入った時のアドバイス。
何かに靴のまま入る時は、足の雪をしっかり落としてからと教えてくれています。

・車に乗る前、玄関入る前、建物入る前には(足元を)トントンして欲しい。
・外も滑るけど建物入った時はもっと滑る。なるべく靴についた雪や氷を落としてから入店しよう!

 理由は中に入った時、車や建物の床を汚さないというのはもちろん、何より滑る危険を回避するためだそうです。
雨の日のコンビニを思い出していただければわかるかと思いますが、靴がぬれたままの店内は滑りやすく危険に感じることがあります。
雪もそれと同じ事で、特に雪の場合は靴底に知らぬ間に大量の雪がついていることもあり、コンビニや病院など表面がつるつるした床の場所に入ると、一気に「つるん!」と滑り、大けがの元になることもあります。

 実際この事故についてはネットに多数報告があげられており、しっかり雪を落とさないままコンビニに入ったら一気に滑ってカーリングポーズになったとか、そのまま商品棚に突っ込んだ……なんて声も。

 ちなみに筆者、昨日徒歩で帰宅いたしました。
編集部のある千葉県では15時ぐらいまでほとんど積もっていませんでした。
そのためすっかり油断していたところの、わずか2時間後……ドアをあけると突然視界にはいる数センチの積雪。
あまりの雪景色っぷりに大いにとまどいましたが、ツイートの通り猫背気味にフワフワ雪の上を歩くように心がけたら、ちょっとしたヒールのあるブーツでも転ぶことはありませんでした。
なお、途中後ろを歩いていた散歩中のワンコとお兄さんはすってんころりん。犬も転ぶという瞬間を初めて目撃しました。そして犬も転ぶと目を見開くんですねぇ……。
 1月23日の関東地方は、暖かい青空が広がっています。

既にこの話題はもう古い!と思われるかもしれませんが、日陰など場所によってはまだ数日は雪が残ることもあり、「今更」と思わず、せっかく北の天使がくれた贈り物。ケガにあわないためにも、頭の片隅にでも入れておいてはいかがでしょうか。
    (宮崎美和子)

<記事化協力> pacoさん(@sansnopanntu)
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2018年01月27日

なかなか物を捨てられない人へ…「捨てコツ」決定版!

なかなか物を捨てられない人へ…
「捨てコツ」決定版!
2018/01/25 All About(すはら ひろこ)

捨てられない!から卒業するには?
捨てれば部屋も気分も爽快!と分かっていても捨てられない。
そんな迷う気持ちと折り合いをつける「捨てる術」をご紹介します。
上手な断捨離を実行して身の回りがきちんと片付けられた生活を送れるようになりましょう。

捨てるかわりに得たいのは?
捨てることは、きっかけに過ぎません。
捨てることによって得られるプラス面を想像してみてください。
思いつくままにプラスイメージを手帳やノートに書き出してみましょう。

コツは動詞をつけて次のように表現すること。
捨てるモチベーションが高まりますよ。

・ムダ買いをやめて貯蓄を倍増する
・掃除をラクにする
・片づけやすい部屋にする
・気持ちを切り替える
・必要なモノがすぐに出せる
・先延ばし癖がなくなる
・優柔不断な自分を変える
・過去を清算して次の目標を立てる
・風水にあるような幸運を呼び込む

「捨てる」自問自答10フレーズ
捨てられない気持ちと向き合って、捨てると残すのバランスをとりながら、無理なく進めていきましょう。

1.新品同様なのにもったいない
今すぐ使ってみましょう。
使う気にならない、使ってみたものの使用感が納得できないなら要らないモノです。
充分に使いきった感がなくても、今それを必要としているかどうか、自分にとっての使用価値を判定しましょう。

2.いつか使えると思う
将来に期待しすぎないことです。
いつ使うという具体的なプランがあれば別ですが、何となく使えそうな気がする程度なら必要ありません。
もし仮に必要になる時がやって来たら、その時にベストなモノを手に入れれば良いのです。

3.高かったから捨てられない
高価なモノほど元を取るつもりで惜しげなく使いたいところ。
それなのに大事にしすぎて、使う時間よりしまってある時間の方が長くなっているのでは?
いくら値打ちのあるモノでも時間が経てば、その価値は低下します。
今からじゃんじゃん使うか、リサイクル店に引き取ってもらいましょう。

4.捨てたあとで後悔しそう
必要なときがきたら、その時に手に入れればいいと割り切って。
2度と手に入らないモノなら迷うことなく残すべし、迷うなら捨てるべし!です。

5.やっぱり捨てるなんて良くない
罪悪感と向き合って、捨てたことを無駄にしない。
「捨てることを糧にする!」といった前向きな方向転換を。
捨てる反作用として良い効果が得られます。
モノを粗末に扱わない、むやみに使い捨てない気持ちが生まれます。
後ろめたい気持ちをモノと一緒に捨てて、次に同じミスを繰り返さないための教訓にしましょう。

6.いただき物はどうしたらいい?
引き出物やお中元・お歳暮などでいただくモノは、必ずしも好みに合うとは限りません。
どうしたものかと思いあぐねるなら、新品のままバザーに出品するとかリサイクル店へ持っていきます。
お土産や手作りのプレゼントなど、贈ってくださった人の気持ちと自分の気持ちが一致するなら大切に残しますが、そうではないなら気持ちだけ有り難くいただいて、本体は捨てるという割り切りもあっていいでしょう。
薄情だなんてことはありません。

7.思い出のモノだから……
何でもかんでも捨てるというわけではありません。
まず、心のよりどころとして残すモノを選びます。
その選ばれた思い出は丁寧に保管して、いつでも手にとれるようにしましょう。
押入や物置の奥で死蔵品にならないようにすることが、残すための第一条件です。

8.自分のモノは捨てられない
思いを巡らせているだけでは、自分に都合良く考えがち。
何もかも大事なモノに思えてきます。
ゴミ袋を用意して、捨てるアクションを起こすと捨てている自分に気づくものです。
自分の将来を甘く見積もったり、過去を過大に評価するのはやめましょう。

9.自分のモノではないから
        捨てられない
捨てない理由は色々あるものです。
確かに家族のモノを勝手に捨てるわけにはいきません。
本人の判断を尊重しますが、冷静な目で見てくれる人がいると助かるのも事実。
家族同士でお互いに判定しあうと、捨てる作業がはかどるのでおすすめです。

10.とりあえずとっておこうかな?
捨てる作業も終盤になると疲れて判断が鈍ることも。
それが好き?使う?飾る?大切にする?モノの落ち着き先を決められますか?
そこをクリアできるモノだけ残します。

とりあえず残すという選択は、問題を先送りするだけなので極力避けたいところ。
それでも迷うならペンディング用の箱を一つ用意して、1カ月後、半年後など期限を書いて、いったん保留にしましょう。
捨てる決断にはエネルギーがいります。
疲れたときは無理に続行しないというのも、捨てコツです。

甘えは厳禁「捨てるール3則」 何事もルールを決めておくと、大きく横にそれることなく目的を果たせるので便利。
自分に甘くなりがちなときこそ、言い聞かせるフレーズをもっていましょう。

1.3秒ルール
コンビニのケースに並んだ飲み物から選ぶのはたったの2秒とか。
私たちは瞬時に欲しいモノを決めることができるのです。
それは要る要らないを判断するときも同じ。
せいぜい3秒で「要らない!」と見極めましょう。

2.3年ルール
使わないまま3年を経過。
持っていることすら忘れていたのでは?
今の自分に必要ないなら潔く決断を。

3.3禁句ルール
「いつか」「もしかして」「とりあえず」は捨てない言い訳の言葉。
未来への過剰な期待、過去の美化は「今」を大切に生きる妨げに。
振り出しに戻って「捨てて得る」メモを読み返してください。

捨てる心掛け「捨てコツ3則」
今ある不要なモノを減らす→むやみに増やさない→ひとつ買ったらひとつ処分して適量をキープ。
そこで大切なことが日々の心掛け。暮らしのリズムのなかに、捨てるタイムをすべり込ませましょう。

1.すぐ捨てる
見たら、読んだら、気づいたら、開けたら、用済みはすぐその場で捨てます。

【方法】
・立ち止まる場所、座る場所の脇など各所にゴミ箱を置く
・DM、チラシは玄関で捨てる
・レシート、手紙、お知らせは用が済んだら捨てる
・収集日の前日を捨て曜日にする
・読み返さない本は古書店へ
・もらった化粧品サンプルはすぐ使う
・使わない景品やオマケは断る
・空き箱は使い道がなければ捨てる
・家電製品と取扱説明書は一緒に処分
・写真や画像データを見たらベストショットだけ残す

2.あふれたら捨てる
収納する場所と範囲を決めて入りきらなくなったら捨てます。

【方法】
・レジ袋と紙袋は決めた入れ物に入るだけ
・子どもの作品はひと箱分だけ
・おもちゃボックスは○個まで
・本をしまう棚は○段分まで
・CDとDVDは○箱分、棚○段分まで
・衣類は衣装ケース○個分、引き出し○段分、ハンガー○本分まで

3.過ぎたら捨てる
期間あるいは期限を区切って過ぎたら捨てます。

【方法】
・新聞を溜めるのは1週間まで
・雑誌は発行月の月末まで
・スパイスと調味料のフタには期限を書く
・使いかけのマニキュアや口紅など化粧品
・年末になったら一昨年の年賀状を捨てる

さあ、ゴミ袋を片手に今すぐ始めましょう!
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2018年01月30日

なぜ"帰宅電車での居眠り"は体に悪いのか

なぜ"帰宅電車での
居眠り"は体に悪いのか
2018/01/29 プレジデントオンライン

あなたは帰り道の電車で居眠りをしていないだろうか。
それは夜間の睡眠の質を下げ、体を疲労させる最悪の行為だ。

睡眠の専門家である三島和夫氏は、「つらくても『帰りは席が空いても座らない』などと決めたほうがいい」とアドバイスする――。

※本稿は、伊藤和弘・佐田節子著、三島和夫監修、『疲れをとるなら帰りの電車で寝るのをやめなさい』(日経BP社)を一部再編集したものです。

昼下がりに電車に乗ると、多くの人が席で居眠りしている姿が目に入る。
みなさん、お疲れなのである。
仕事が忙しくて、ろくに眠る時間もないビジネスパーソンの間では、「通勤時間を睡眠にあてています」と言う人も少なからずいる。

例えば、家で5時間しか眠れなくても、片道30分ずつ眠れば1日6時間眠れる計算になる、というわけだ。
しかし、睡眠時間というものは単純に足し算してもいいのだろうか?
もしそれが可能なら、「夕方に3時間寝た後、深夜に仕事をして、早朝に再び3時間」みたいな分断型はどうなのだろう?

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の三島和夫さんに聞いてみた。

疲れを取るには「浅い眠り」が必要だった
「睡眠は1日合計で何時間取ればいい、というものではありません」と、三島さんは眉をひそめる。
体にはサーカディアンリズムと呼ばれる周期があり、血圧であれホルモンであれ自律神経であれ、24時間周期のメカニズムで動いています。
例えば1日に3回ずつ睡眠を取るというのは、体にとっては(24時間÷3=)8時間の周期で生活することになる。
1回の睡眠が3時間で合計9時間を確保したとしても、体の周期とまったく合わない生活が体にいいわけないでしょう」

三島さんはさらに意外な事実を教えてくれた。
大切なのは、最初に深い徐波(じょは)睡眠が出て後半は浅くなっていく、メジャースリープ(まとまった睡眠)全体の構造を崩さないことです。
短時間睡眠でも“深い眠り”は取れますが、問題は“浅い眠り”が取れないことなんです」

脳や体の疲れを取るには、「徐波睡眠」という深い睡眠だけではなく、睡眠の後半になって出てくる「浅(せん)睡眠」も必要なのだ。

徐波睡眠は眠ってから3時間以内に出る状態で、あとは時間とともに眠りが浅くなっていく。
3〜4時間しか眠らない寝不足の人でも、実は前半部分の徐波睡眠だけはしっかり取れている。
しかしそれでは不十分だから寝不足と呼ばれるのである。
睡眠は脳だけでなく、筋肉や内臓にも必要だ。
こちらはある程度眠らないと休めないため、浅い眠りを含めたまとまった睡眠時間が欠かせない。

年齢によって必要な睡眠時間は異なるが、おおむね6〜7時間、夜にしっかり眠ることで、血圧が下がり、糖代謝なども改善する。
実際、睡眠時間を削ると、わずか1日でも、筋肉や肝臓が血液中のブドウ糖を取り込むのに必要なインスリンの働きが弱まることが知られている。

「疫学的にも、短時間睡眠を長く続けると、糖尿病や高血圧といった生活習慣病にかかりやすくなることが分かっています」と三島さんは語る。
どうしても眠いときは仕事中に短い仮眠を とはいえ、世界的に見てもジャパニーズ・ビジネスパーソンの生活は甘くない。
仕事に追われて、十分な睡眠時間を確保できない人も多いだろう。
そんなときは「1日1回の睡眠」にこだわっていられない。
「十分なメジャースリープが取れず、日中眠くて仕方がないときは、業務効率の低下や事故を避けるためにも昼寝したほうがいいでしょうね」と言う三島さんに、

上手な昼寝のとり方を聞いた。

1. できるだけリラックスした姿勢で 筋肉を弛緩(しかん)させ、心臓の負担を少なくするには「横になる」のが理想的。
交感神経が優位な状態から副交感神経が優位な状態への移行も促進される。
とはいえ、オフィスで横になれない場合などは、なるべく上半身を倒し、リラックスした姿勢を心がけるといいそうだ。

2. 時間は30分以内に 眠りに入ってから30分以上たつと、深い徐波睡眠に入ってしまうことが多い。
起きてすぐに活動しなければならない場合、「深い睡眠」は禁物だ。
目が覚めてもボンヤリして、なかなか仕事に集中できない。
「眠くてたまらないときは、10分や20分眠るだけで眠気が取れます」という。

一番の問題は昼にハンパな徐波睡眠を取ってしまうと、夜の徐波睡眠が大幅に減ることだ。
「間食を食べすぎて夕飯が食べられなくなった状態」みたいなもので、結果的に夜に十分な徐波睡眠が取れなくなってしまうのだ。

3. 直前にコーヒーを飲む 昼寝によって眠気の解消を図る際には、昼寝の前にコーヒーを飲むと、起きた後の頭がスッキリしやすい。
コーヒーに含まれるカフェインには、睡眠誘発物質であるアデノシンをブロックする効果がある。
しかし、「カフェインの効果が表れるのは、口に入ってから20〜30分後」と三島さん。
つまり、昼寝の直前に飲んでおくと、寝過ぎを防ぎ、ちょうどいいタイミングで目が覚めるというわけだ。

帰りの電車で眠るのは「最悪」だった
昼寝は時間帯も大切だという。
同じ20分眠る場合でも、時間帯が早ければ早いほど、夜のメジャースリープへの影響が少なく、徐波睡眠を減らさないことが分かっている。
三島さんによると、「特に午前中の仮眠なら夜の睡眠にほとんど影響しない」という。
つまり、昼寝よりも“朝寝”がいい。
朝の出社時の通勤電車は睡眠不足を補うにはもってこいの場所ということになる。

一方、帰りの通勤電車で眠るのは最悪だ。
「帰りの電車で眠ってしまうと、家に帰ってから寝付きにくくなるし、徐波睡眠も減って眠の質が非常に悪くなります。
いくら眠くてもガマンして、帰宅してから早めにベッドに入るようにしたほうが、睡眠の質が上がって疲れも取れます。
この習慣は強く意識したほうがいでしょう。

『帰りは席が空いても座らない』と決めることなどもお勧めです。
ちょっとつらいでしょうが(笑)」
なお、昼寝をしたほうがいいのは単なる睡眠不足の人たちだけだ。

眠りたくても眠れない不眠症に悩んでいるなら、いくら眠くても昼寝は厳禁だ。
昼間にちょこちょこ眠って、せっかくの眠気を解消してしまうと、ますます夜に眠れなくなってしまう。

三島 和夫(みしま・かずお)
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理研究部長
1963年生まれ。秋田大学医学部卒業。
同医学部精神科学講座助教授、米スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員准教授などを経て、2006年より現職。
日本睡眠学会理事。
著書に『不眠の悩みを解消する本』、『8時間睡眠のウソ。』、『朝型勤務がダメな理由』など。
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2018年01月31日

人から嫌われたくない「いい人」ほど貧しくなる?

人から嫌われたくない
「いい人」ほど貧しくなる?
2018/01/29 All About (午堂 登紀雄)

年収が安くても「自分はこんなものだから」と思っていませんか?
ここでいう「いい人」とは、周囲から嫌われないよう、いい人だと思われるよう、必要以上に他人の目を意識している人のことです。

そんないい人は、お金を稼ぐことに対する罪悪感があります。
だから、お金の話をするのはいやらしいと思っていて、思い切った値付けや正当な対価の要求ができません。
代金を請求する場合も、高い値段をつけるのは恐れ多いとか、稼ぐことは他人から(弱者から)お金を搾取して、自分だけがトクしているような感情になる感じ、かけた労力に対して非常に安い金額をつけようとします。

また、他人の目を過剰に気にするということは、自分の価値観よりも他人の価値観を優先させるということであり、それはつまり自己肯定感が低いということを意味します。

だから自分は大したことはできないと過小評価しやすい。
だから自分の年収が安くても、自分はこんなものだから、と低い水準で自分を納得させ、満足しようとします。
年収1千万円なんて無理だ、と最初から自分に線引きし、挑戦することもなくあきらめてしまいます。

つまり、自分の限界を定めているのは、ほかの誰でもない「自分」。
こうして、「いい人ほど貧しい」という、救いのない現実が起こるのです。

たとえば、大学3年生の若者が就職活動を前に、あなたに相談に来たとします。
話してみると、当時の自分と比べてとてもしっかりしている。
特段自分に相談に来る必要はなさそうに感じる。
しかし彼の口から、「自分は3流大学で成績も良くないから、こんな一流企業に応募しても仕方ないですよね。
どうせ落ちるなら、最初から別の中小企業を受けたほうがいいですよね。」という言葉が出たら、あなたはどう答えるでしょうか。

「だよね〜」とは言わないでしょう。
むしろ「そんなことないよ。チャレンジしてみる価値はあると思うよ」と答えるのではないでしょうか。
そして、「でも、自分なんかには無理では?」という反応が返ってきたら?きっとあなたは、「自分で自分の限界を定めることなんてないよ。」
「そんな過小評価しなくても、君はとてもしっかりしているよ」
「そんなふうに最初からあきらめるなよ」と助言するのではないでしょうか。

そう、実はみんなわかっているんです。
自分の限界を定めるのはいつも自分。
自分の夢をあきらめるのはいつも自分。
自分の未来を裏切るのはいつも自分であるということを。
そこで、自分を過小評価する自分から脱出するためのおまじないの言葉を紹介します。

「奇跡が起こるのを待つより、自ら奇跡を起こしてみせたほうがかっこいいだろ?」
「勇者とは、恐れを知らない人ではなく、恐怖でビビッて足がすくんでも、足を前に出す度胸がある人のこと」
「世間があっと驚くのは、「お前には無理」とみんなが言うことを成し遂げたとき」
「自分をバカにしてきたヤツらを見返す方法が一つだけある。それは成功することだ。」

今日から人目を気にするよりも、自分の価値観をもっと大事にしてみませんか?
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2018年02月01日

ヒトの脳は「他人を裁く」ようにできている

ヒトの脳は
「他人を裁く」ようにできている
「暴走する正義漢」を止める方法はない
2018年01月31日 東洋経済

中野 信子 : 脳科学者

「ルールを破った誰か」や「ズルをしている誰か」を、"正しい自分"が徹底的に糾弾し、バッシングする。
ネット上でよく見掛けるこの光景は、どんな心理状態で行われているのか。
脳科学者・中野信子氏が、最新刊『シャーデンフロイデ』で、"暴走する正義漢"が生まれるメカニズムを解説する。

「ズルをしている誰か」を許せない
2017年6月、東名高速であおり運転による危険運転致死傷事件が起きました。
逮捕された人物は、過去に何度も同じことを繰り返していたといいますから、自分が悪いことをした、という認識をまったく持ち合わせていなかったのでしょう。
それどころか、オレの気分を悪くさせた相手に、制裁を加える「正当な権利」を、オレは持っている、と感じていたのではないかと思われます。

自分だけは正しく、「ズルをしている」誰かを許せない。
だから、そんなやつに対しては、俺/私がどんな暴力を振るっても許される。
そんな心理状態によって実行に移される行動を、英語で「サンクション(制裁)」といい、学術的な用語としても用いられます。

電車などの公共交通機関や街なかで暴行を働く「暴走老人」も、このサンクションという心理に基づいていると思われます。
サンクションが、ご年配の方に多いと考えられるのは、残念ながら、特に偏見というわけでもなさそうです。

生理的には前頭葉が持つ抑制機能の低下が、こうした振る舞いの原因として想定されるのですが、この機能は一度低下してしまうとなかなかそれを劇的に高めるということができません。
暴走する「正義漢」(こうした表記に引っ掛かりを感じる読者はひょっとしたら、サンクションを発動させやすいタイプの人かもしれません)を止める方法としては、その方の気力・体力が衰えるのを待つ以外に、有効な方法が考えにくいのです。
もちろん、脳には可塑性があるので、時間をかければどんなことでもまったく不可能ということはないでしょう。

ただ、たとえば行政等の観点から言えば、はたして高齢者に費用と労力と時間をかけてその暴走を止めていくことに、どれほどのコストパフォーマンスが期待できるか、といった議論が想定されます。
特にテストステロンの分泌量が多い男性は、前頭葉が担っているブレーキの機能が脆弱になっていると、心ゆくまで他者を攻撃し、ボロボロに傷つけて快感を覚える、ということをやめられなくなります。

DVの加害者側に見られる心的状態にも、類似の構造があります。

他者を殺傷することが
許される国ではないのに…
日本は法治国家であり、原則として私刑という形で報復的に他者を殺傷することが許される国ではありません。
その法治国家の住人であるにもかかわらず、
「私刑を加えても自分だけは許される」
「先にルールを破ったのはこいつだから、どんなに制裁を加えようがかまわない」
「善良な国民である俺の気分を悪くさせたこいつを許しがたい(謝罪しろ!)」という、認知の歪みが生じるのです。
これは一見、不可解に見えますが、ごく一般的に起きていることです。

「サンクションを加えたくなる衝動」を感じたことがないという人がいるかもしれません。
でもそれは、感じたことがあっても忘れてしまっているか、感じたことを他の人には知られたくない、という人だと思います。
制裁を加えることによる直接的なメリットは、本人にとってはゼロですが、規範を逸脱した人に対して制裁を加えることは、「正しい」あるいは「世のため人のため」と(少なくとも本人には)認知されています。

敢えて相手に対して言いにくいことを言ったり、世のため人のために誰もがやりにくいことをやっている自分は、正しくて善良な素晴らしい人間である、とさえ感じています。
それでは、誰かに対して制裁を加えたいという気持ちが高まることで得をする人は、一体どんな人なのでしょうか。
もちろん、制裁を加える本人ではありません。
制裁を加える本人は、制裁することによる仕返しのリスクを負わなければなりませんので、客観的に見れば、制裁というのは、"損"な行動なのです。
制裁に掛かる「労力」と「時間」というコストの問題もあります。

つまり、個人という単位で見たときに利得が高くなるのは「何も見なかったことにする」という行動を取った人です。
何かアクションを起こすこと自体が、時間と労力の損失になるからです。
仕返しのリスクがあるにもかかわらず、それを行うのは何らかのインセンティブがあるからだ、と考えざるを得ません。
一応、私たちヒトも生物のはしくれですので、何らかの得がなければその行動を選択しません。

しかし、想定できる利得というのは、実は制裁を加える本人の脳内に分泌されるドーパミンだけなのです。
ようするに「目立つあいつ」「ムカつく誰か」「一人だけズルをしているかもしれないあの人」が傷ついたことによって得られる、ドーパミンの分泌による快感です。

すべての集団で起こり得る現象
では、なぜ、「不謹慎」を叩くことによってドーパミンが分泌されるのでしょうか。
これはちょっと不思議なことのように感じられるかもしれません。
個人という単位では、まったく利得がないばかりか、損失が大きくなるかもしれない行動を、わざわざどうして、ドーパミンを分泌させてまでやらせるのか。

自ら(ドーパミンを分泌させてまで)損失を被りたがる個体が出現することで、利益を得る人たちは誰なのか。
それは、その人を除いたすべての集団構成員です。
集団において「不謹慎なヒト」を攻撃するのは、その必要が高いためです。
「不謹慎な誰か」を排除しなければ、集団全体が「不謹慎」つまり「ルールを逸脱した状態」に変容し、ひいては集団そのものが崩壊してしまう恐れが出てくる。
その前に、崩壊の引き金になりかねない「不謹慎なヒト」をつぶしておく必要があるのです。
これは、すべての集団で起こり得る現象です。

結論を言えば、誰かを叩く行為というのは、本質的にはその集団を守ろうとする行動なのです。向社会性が高まった末の帰結と言えるかもしれません。
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2018年02月02日

「こむら返り」をどう防ぐ 保温と水分補給、心がけて

どうすれば安全安心
「こむら返り」をどう防ぐ 
保温と水分補給、心がけて
毎日新聞2018年2月1日 東京夕刊

 睡眠中や運動時に起きる「こむら返り」の痛みは、誰もが一度は経験したことがあるのではないか。
原因はさまざまだが、加齢などに加え、冬場は冷えからもなりやすいという。
頻発する場合は病気が隠れていることもある。
専門家に対処法や予防策を聞いた。【鈴木美穂】

漢方薬服用、数分で効果/
ストレッチ、習慣づける/
頻発するなら受診を

 「こむら」は、ふくらはぎのことで、ふくらはぎの筋肉が必要以上に収縮(けいれん)し、「つった状態」になることを「こむら返り」という。
筋肉がつるのは、足首や指、太ももなどでも起きる。

 原因は多岐にわたるが、「もう怖くない! 筋肉のつり こむらがえり」を著した整形外科医で、出沢明PEDクリニック(東京都世田谷区)院長の出沢明さんはこう説明する。

「運動時や就寝中に起きることが多く、加齢や妊娠も原因になり得ます。
冬場は『冷え』が誘発する場合もあり、ふくらはぎを冷やさない工夫が必要です。
特に冷え性の人は長い靴下をはくなどして保温対策を万全にしましょう。
温浴や足浴も効果的です」

 出沢さんによると、筋肉には過剰な負担が掛かった場合、損傷を防ぐ「二つのセンサー」があり、これが「誤作動」するとこむら返りが起きるという。

「センサーには筋肉の伸びすぎを調整する『筋紡錘(きんぼうすい)』と、
縮みすぎを防ぐ『腱紡錘(けんぼうすい)』がありますが、
そのうち腱紡錘の働きが鈍くなると、筋肉が異常に収縮してしまい、こむら返りが起きるのです」。

脱水症状も原因になるといい、「予防として就寝前にコップ1杯の水を飲んでおくことが有効です」とアドバイスする。

 「国立精神・神経医療研究センター」(東京都小平市)の医師で睡眠障害外来を専門とする精神生理部長の三島和夫さんは「手足の冷えのほか、睡眠中に掛け布団の重みで爪先が伸びた状態で長時間すごすことによって、ふくらはぎのけいれんが起こることがある」と語り、足首が直角になるよう足の裏に「巻いたタオル」を置いておくアイデアを提案する。

 就寝時にこむら返りが起きたら、どう対処すればいいのだろう。
 「まず、爪先を体側に引いてアキレスけんを伸ばすことが重要です。その際は焦らず、ゆっくりと行いましょう。
手が届かなければ、爪先に長めのバスタオルをかけて両端を引っぱったり、ベッドのへりに足の裏を押しつけたりして伸ばすのも効果があります。
枕元にバスタオルも置いておけば慌てずに対応できます」と三島さんは言う。
けいれんが治ったら、それ以上無理に引っぱる必要はない。

 こむら返りには、漢方の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使うことが多い。
頻度が多ければ毎日服用することもあるが、症状が出そうな時だけ頓服するのでもよい。

三島さんは「運動しすぎたり、疲れがたまったりして、こむら返りが起きそうだと思ったら薬を用意しておきましょう」とアドバイスする。

 出沢さんも芍薬甘草湯の効果を認めているが、注意点を付け加える。
「飲んでから通常は2〜3分で効果が出ます。
ただ、常用すると低カリウム血症や高血圧になる危険性があります。
ドラッグストアなどでも購入は可能ですが、掛かり付け医ともよく相談することをお勧めします」

 薬に頼らずに、医師が推奨するさまざまな予防策を試すのも選択肢になりそうだ。
 筋肉のセンサーである腱紡錘の働きが鈍る理由はまだ明らかでないが、こむら返りを防ぐ方法の一つとして、出沢さんは「バランスのよい食生活と水分補給が何よりも重要」と強調する。

「普段からミネラルのバランスを意識した食生活を心がけることが大切です。
筋肉の収縮などに必要なのはマグネシウムやカリウム、カルシウム。
マグネシウムは、海産物のほかに納豆や落花生など、
カリウムはバナナやリンゴ、カルシウムは煮干しや牛乳などに多く含まれています。
こうした食品を意識して取り入れるようにしてほしい」

 また、筋肉の疲れを残さないためにストレッチやマッサージを習慣づけたい。
 こむら返りの慢性化には、筋肉量の減少や新陳代謝の低下も関わっていると考えられる。
筋肉量は20代をピークに減少する傾向にあるといい、出沢さんは「年を取るほどこむら返りが起こりやすくなるのはこのため」と説明する。

前著によると、高齢者の場合、家事や外出といった日常生活でも筋肉の疲労がたまってしまい、こむら返りが誘発されるという。
 三島さんも米国の「こむら返りを訴えて、医療機関を受診した65歳以上の高齢者265人を対象にした調査」をもとに説明する。

「高齢者のこむら返りの約75%が夜間に起き、このうち『1カ月に1回以上ある』のは7割以上を占めました」と話す。
 出沢さん、三島さんも、「大半は一過性で心配がない」と口をそろえるが「病気が隠れている場合もある」と注意を促す。

出沢さんは「糖尿病や循環器の病気があり、服用している薬の副作用からこむら返りが起きる人もいます。
こうした持病がある人は頻度などに関わらず、医師に相談して原因を特定しておく方が安心です」と語る。
 こむら返りが頻発する場合、中高年から発症が増える「腰部脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症」や「脳梗塞(こうそく)」などが隠れていることがある。

こうしたケースについては「痛みやしびれのほかに、歩行が困難になる『間欠跛行(はこう)』など、複数の症状が出ることが多い。
痛がっている時に症状を観察するのは大変ですが、家族らにつっている場所や状態を見てもらい、その症状を医師に伝えることも、隠れた病気を特定するには肝心です」(出沢さん)。

 頻度や痛みが強まっていくようであれば一度、医師に相談することが大切だ。
頻繁に目が覚めれば睡眠の質が低下し、日常生活に悪影響も出かねない。

 長期間、こむら返りで悩んでいる人は、神経内科や循環器科、整形外科、就寝時であれば睡眠障害外来などの専門医を受診することを考えてみたい。
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2018年02月09日

両極端の健康情報に迷い惑う人間の哀しい性、うつ病に薬は効くのか効かないのか

両極端の健康情報に
迷い惑う人間の哀しい性
うつ病に薬は効くのか効かないのか
2018年02月08日 東洋経済

五木 寛之 : 作家

ネットに、テレビに、新聞に……日々溢れる医療・健康情報。
健康への過剰な不安から、それらの情報に右往左往するこの暮らしぶりを、私たちはこのまま続けていくのか?
 衝撃の話題作『健康という病』(五木寛之著)から、大反響の箇所を抜粋してお届けします。

健康問題関連記事の花ざかり
このところ、というか、この数十年来、健康問題関連記事の花ざかりである。
新聞、週刊誌をはじめ、テレビ番組でもそうだ。
カラスの鳴かぬ日はあっても、マスコミに健康問題がとりあげられぬ日はないのではないか。

それらの記事や番組は、それなりに充実していて、そこがおそろしい。
医学界の専門家のコメントもちゃんと添えられているし、文章や構成も巧みである。
テレビの場合は、映像が迫力があって、がんの患部のクローズアップなど見ていてギャッと叫びたくなるくらいだ。

仕事部屋に散乱している週刊誌をアトランダムにめくってみる。

〈大反響第2弾・絶対に受けてはいけない がん「免疫療法」と「民間療法」実例報告〉
大反響第2弾とあるからには、最初の記事に相当な読者の反応があったのだろう。

〈あなたが飲んでるその薬、「海外ではもう使われていません」でした〉
この記事には具体的に有名な薬品の実名があげられている。
糖尿病薬、鎮痛剤、抗生物質など、おなじみの薬がぞろぞろ出てきて、読んでいてゾッとする読者も多いのではあるまいか。

〈「漢方」の大嘘 死者まで出ている「副作用」事典〉
これも大反響を呼んだらしく、第2弾の特集が予告されている。

一方、新聞も健康記事の大ブームだ。
以前は「こうすれば痩せられる」とか、「健康になる食品レシピ」などという役立ち記事が多かったが、最近はそうではない。

「絶対受けてはいけない○○手術」だの「この病院が危い!」「専門医が隠す術後死」といった刺激的見出しが並んでいる。
医療や治療法にも、流行がある。

かつてコッホの細菌説が大流行したころ、第二軍兵站医学部長だった森鷗外が、「脚気(かっけ)細菌説」にこだわって、陸軍に大きな被害を出したことは有名だ。
以前、精神科医の学会に呼ばれて講演をしたことがあった。
そのころは新薬が次々に登場して、「多薬・大量投与」というのが流行だった。
その学会のパンフレットにも、製薬会社の広告が目白押しで、画期的な新薬の効果が大々的にうたわれていたのである。

心療内科医の手記には
    ショックを受けた
最近、読んだ記事に、「鬱病には薬は効かない」という心療内科医の手記があって、これにはショックを受けたものだった。

その心療内科の医師の手記は、自分のこれまでの経験と、新しい治療情報の紹介が過不足なくまとめられていて、とてもいい記事だったと思う。
しかし、読後なんとなく違和感が残ったのは、その医師があまりにも率直で良心的なことだった。
文中に、これまでの治療方法についての反省が出てくる。
さまざまな薬品を患者に投与しながら、ずっと疑問を抱いていたというのだ。

医学界で推薦されている新しい薬を、いくら投与しても病状が好転しない。
専門の雑誌や学界の論文で、実証的なエビデンスをもとに効果ありとされている薬なのだ。
結局、その心療内科の医師が出した結論は、鬱病に薬は効かない、ということだった。

将来、どんな画期的な新薬が開発されるかはわからないが、目下のところ鬱病の治療に明確な効果のある薬は見当らない、というのである。

その医師の良心的な姿勢と、業界に対する勇気ある発言には敬意を表するが、私たちの側としてはどこかに首をかしげたくなるような気持ちが残ったことは事実だった。
2、3年前まで投薬治療を受けていた患者の立場はどうなるのか。
医学の進歩が、常にトライ・アンド・エラーの繰り返しの上にもたらされることはわかる。
しかし後になって、あれはまちがっていました、ではたまったものではない。
こういうことは多かれ少なかれ、現実にはよくあることだ。

しかし、そうなると画期的な新しい療法が開発されて、それを推(すす)められた場合にはどうするか。
電気製品だろうとジェット旅客機だろうと、科学の進歩は常に欠陥と誤ちの改良修正によって実現するのだ。
しかし、きのうまで信じて飲んでいた薬が、あれは無意味でした、と良心的に言われてもなあ。

医学は進歩し、
専門家の意見は分かれる
私は寝るときに、横になって寝る。
いわゆる横臥位(おうがい)だ。
もう何十年もそうやって寝ている。
べつにお釈迦(しゃか)さまが横向きに寝ていたからというわけではない。
なんとなくそうしてきた。
また、横臥位をすすめる専門家も少くない。
あの故・日野原先生も、あお向けになって寝る動物はいない、とかおっしゃっていたのを聞いたことがあった。

ところが、それと反対の意見を持っておられる医師のかたもいらして、はたしてどちらが正しいのかと目下、迷っているところなのだ。
こういう正反対の意見が、健康論にはしばしばある。

一日何リットルの水を飲めという意見がある一方で、まったく反対の説もある。
水毒という言葉もあるくらいだから、喉が渇いたときにチビチビ飲めばよい、とか、どちらもなるほどと思う点があるので困ってしまうのだ。

私の脚の不都合についても、ある人はアイシングをしなさい、という。
ある人は温めて血行を良くすべきだと力説する。
また、痛む脚で無理に歩くな、とアドバイスしてくれた専門家もいた。
駅の階段などあがるな、必ずエスカレーターを使え、というのである。

逆に体は使わなければ衰える。少々辛くてもできるだけ歩くように、と教えてくださった医師もいた。
まあ、こういうことは、すべてにわたって出会う問題だ。

がんは早期発見、早期治療が鉄則、と力説するかたもいるし、検査などしないほうが幸せです、と自信をもって説くかたもいらっしゃる。

正反対の意見、それも学識経験の豊富な専門家の発言なのだから、一般の人が迷わないほうがおかしい。
しかし、結局のところ人は自分が欲することを選ぶのだ。
迷うのも人間性である。

以前、ある文壇の先輩ががんになった。
ずっとそのかたは「がんになったら一切治療なんかしない、そのまま受け入れる」と断言しておられた。
だが実際にその状況に直面すると、ありとあらゆる民間療法に狂奔されていた。
それもまた人間のありのままの姿かもしれない。
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2018年02月10日

「仕事に集中できない人」が陥りがちな思考

「仕事に集中できない人」が
陥りがちな思考
マインドフルネスで集中力を持続させよ
2018年02月09日 東洋経済

藤井 英雄 : 精神科医

2018年が始まってもう1カ月以上が経ちました。
時間はあっという間に過ぎてしまいます。
「時間がない」「あれもこれもやらなきゃ」と、仕事でやることが多すぎて忙殺される日々を過ごす人も少なくないでしょう。
より多くの量を、短時間かつ少ない労力でこなす。

ITの進化とともに、そのスピードに合わせて生きていかなければならない現代人は、つねにストレスにさらされているとも言えます。
頭が冴えてはかどった午前の仕事も、午後には、上司の一言や、取引先からの電話一本で途切れてしまう。
ちょっと気分転換と思っていたネットサーフィンで時間が経っていたり、ほかのことを考え始めてまったく仕事が進まなくなってしまったり……なんて経験は誰でもあるのではないでしょうか。

だからこそ多くの人は注意散漫にならないために、集中力を高めたいと考えています。
そこで、役に立つのが「マインドフルネス」です。

「今、ここ」に集中できていますか?
このマインドフルネス、一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。
私は普段、精神科医として勤務している傍ら、マインドフルネス瞑想についても研究しており、私自身も過去40年にわたって実践してきました。
最近では講師としてお伝えすることもあります。
瞑想などと一緒に紹介されることの多いマインドフルネスですが、意外なことにほとんどの人はそれが何なのかを理解していないように感じます。

もともとマインドフルネスはお釈迦様が悟りを開いたときの心の状態でしたが、時代を経ることで、今では禅・瞑想・ヨガ・心理療法・社員研修と、さまざまなところでマインドフルネスの習得を推奨するようになりました。
だからでしょうか……マインドフルネスに対して、こんなイメージを抱いている人が多くいます。

「とても難しい」「そのための時間をとらないといけない」「なんなら何年も瞑想の修行が必要」「難しいヨガのポーズをしないといけない」など……。
しかし、コツさえわかれば自宅や通勤の途中、休憩時間、さらには仕事の最中でもマインドフルネスを練習することができる。
それもたった10秒のすき間時間でできてしまうのです。

まず、マインドフルネスとは何かというと、「今、ここ」の現実に「リアルタイムかつ客観的に」気づいていることです。
ネガティブなことを考えてしまったときに、ハッとわれに返って「自分は『今、ここ』を離れていた」ということに気づき、客観視することができれば、その瞬間はマインドフルネスといえるのです。
上司に怒られて動揺して、「自分はよくミスをするなぁ」と落ち込んだとしても、自分が怒られて気持ちが落ちていることに「気づく」ことができればやるべきことに集中できます。

また、大切なプレゼンの前、自分が緊張していることに「気づいて」その状況をありのまま感じることができれば、緊張も緩和して普段どおりに人前で振る舞うことができます。

「気づく」とはマインドフルネスです。
「気づき」を得ることであなたの意識を、今に集中させるのです。
イライラしているときや気分が下がっているとき、緊張してしまって気持ちが上ずってしまっているときなど、「自分は『今、ここ』を離れていた」と気づき、客観視できたとすれば必要なタスクに戻るという選択もできます。
気づかなければそのままネガティブな感情や思考に支配され続けてしまいます。

マインドフルネスはその支配に楔(くさび)を打つものなのです。
仕事でマインドフルネスが使える場面 では実際、仕事上においてマインドフルネスが効果的に力を発揮するのはどういった場面でしょうか。
たとえば、大切な会議なのに家族や恋人のことを考えている。
また、やらなくてはいけないことがあるのにネットサーフィンをしている。
こんなとき気持ちや思考は「今、ここ」にはありません。

家族や恋人との時間のことを思い出して「あんなこと言わなきゃよかった」「あのときああしておけば」と後悔し、ネットサーフィンをしながら週末の予定を考えているかもしれません。

「今、ここ」にはないもの(=不満や想像)を膨らませている状態です。
仕事に集中できない理由はここにあるのです。
「今、ここ」を離れた心は過去や未来、非現実の世界をさまよいネガティブ思考に浸り、そこから抜け出すことを邪魔します。

集中できない人は、ネガティブな記憶、不安定な未来に気が散ってしまっているわけです。
つまり集中するためにはその意識を「今、ここ」に戻せばいいのです。
しかし、訓練していない人が「今、ここ」に気持ちを集中したところで、長続きしません。
2〜3秒気づいている状態が続けばいいほうです。

上司や取引先などにイライラしてしまったときを考えてみればわかりやすいかと思います。
腹が立っても「自分は今イライラしている」と気がつき、マインドフルネスを実行できるときは、客観的に自分の状況をみることで冷静になれます。
イライラにも対処できるわけです。

問題なのは腹が立っている自分に気づいても腹の虫が収まらずに、次の瞬間にはまた腹が立ってしまうことです。
そのときにはさっきの気づきはなくなってしまっているのです。
いったんマインドフルネスになれたにもかかわらず、すぐにマインドフルネスを失い、その結果、心は「今、ここ」を離れて再びネガティブ思考へと戻ってしまいます。
マインドフルネスは持続しなければ、その効果は半減します。
そして、持続するためには、意図的にマインドフルネスになる必要があります。

そこで、取り入れたいのが冒頭でお伝えした10秒のマインドフルネスエクササイズなのです。

自分の「呼吸」に集中してみる
たとえば、上司に腹が立った場合、まずは呼吸によって動いているお腹や胸の動きに注目してみてください。
息を吸えば膨らみ、息を吐けばへこむ。
その場所を見つけるようにします。
たった10秒間です。
ほかのことを考えずにその動きを感じてみましょう。
呼吸によってお腹や胸が動いているというのは立派な「今、ここ」の現実です。
それを感じているとき、きっと何も考えず、そのことに集中している状態です。
まさにあなたがマインドフルネスの中にいる状態、ほかの物事にとらわれていない状態です。
そうした10秒を連続させるのです。
エクササイズに利用できるのは、呼吸だけではありません。

立っているときや、座っているとき、歩いているときだってそのことに集中できる動作であれば、たとえば、銀行や役所、病院の待ち時間でさえも、マインドフルネスのエクササイズを行うことができます。
また、エクササイズは集中力が切れたときだけのものでもありません。
満員電車に乗って感じるイライラやプレゼン前の不安、怒りでわれを忘れてしまっているときなど、いろいろな場面で実践することができます。

10秒間、マインドフルネスを継続できるようになったらもっと長い時間にもぜひ挑戦してもらいたいです。
しかしまずは10秒。
その10秒を大切にすれば注意散漫になったとしても、すぐに目の前のことに集中できるようになります。
10秒の習慣を大切にできる人は、平常心を取り戻し、大切な1日を過ごすことができるのです。
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2018年02月16日

「生きるとは何かを失っていくこと…

余録
「生きるとは
何かを失っていくこと…
毎日新聞2018年2月15日

 「生きるとは何かを失っていくこと。失いながら大事なものを感じられるようになること」。そんなテーマで障害者や子育て中の母親、福祉職員らさまざまな立場の人が語り合う「縁側フォーラム」というイベントが先月、静岡市で開かれた
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▲真下貴久(ましも・たかひさ)さん(37)は3年前に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した。
人生は無限だと思っていたが、今はどうやって生き切ろうかと考え、生きている実感を強く求めるようになりました

▲少しずつ随意筋が動かなくなり、3〜5年で自力呼吸ができなくなる難病だ。
人工呼吸器をつけて生きるか、死を選ぶかを自分で決めなければならない。
家族の介護負担も大きい

▲絶望から真下さんを救ったのは、先輩の患者のブログだった。
人工呼吸器をつけて海外旅行をし、友人やボランティアに囲まれて日々を楽しんでいる。
「なあ、こうやって生きれば楽しいよなあ」。
悲しみに沈んでいた妻は初めて心の底から泣いた

▲日本人の平均寿命は2016年に女性87・14歳、男性80・98歳となり、過去最高を記録した。
男女とも世界2位だ。
長い人生の中で誰もが少しずつ何かを失っていく。生きることの意味や希望を実感できないという人も多い

▲だが、人生には限りがあるという現実に直面して真下夫妻の日常は変わった。
「おれはプラチナチケットを手に入れた。普通に生きていたら体験できないことをさせてやる」。
2度目のプロポーズだった。「初めのより100万倍もすてきでした」と妻は笑う。
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2018年02月21日

寝るリズム忘れずに

香山リカのココロの万華鏡
寝るリズム忘れずに
毎日新聞2018年2月20日 都区版
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「働き方改革」により、これまで勤務時間などあってないようなものだった医者の世界も少しずつ変わってきた。
たとえば、夜の当直勤務の後、若手の医者のほとんどは翌日の日中もふだん通りに仕事をする。いったん出勤して40時間、60時間と病院に居続けるということもあった。

それが最近は「当直が終わったら、なるべく朝一度、帰宅して休養」というルールができつつあるのだ。
 ところが、それによって新たな問題が起きてきた。

ある若手が言っていた。
「夜、仮眠をはさみながら患者さんの急変などに対応して、朝、帰って、夕方また担当の患者さんの様子を見に病院に来る。
その間、数時間だけ家にいても寝られない。
だとしたら、病院で昼休みなんかに仮眠したほうがいい」

 どちらにしてもあまりの働きすぎに心配になるが、たしかに人間は機械ではない。
「はい、家に5時間滞在してその間にしっかり睡眠も取って」といわれても、なかなかそうはできない。

 良い睡眠を取るためには、忙しい時間から切り離され、短くてもいいからリラックスタイムをもうけることが大切だ。
仕事を忘れ、自分のためにお茶をいれ、すてきな音楽に20分でも耳を傾ける。
そんな時間があってこそ、からだも脳も「ああ、これから自分を休めるんだな」と睡眠モードになれるのだ。

 とくに交代勤務をしている人たちは、この「仕事をしている昼とリラックスや睡眠のための夜」が逆転することもあるので、からだが「いまは働くの? それとも休むの?」と判断できなくなる。
それによって不眠、高血圧、胃腸障害などが引き起こされることもある。
交代勤務をしている人たちは「自分のからだに相当、ムリをさせているんだ」と自覚して、睡眠前のリラックスタイムや完全休養日などをなるべく多く取ってほしいと思う。

 そう言いながらも、私もだんだん仕事の時間と自分の時間との境目がなくなりつつある。
ネットの発達で、家に戻って寝る直前でも仕事のメールをやり取りしたり、原稿を書いて送ったりしてしまうのだ。
 もちろん、今さら「みなさん、朝起きて昼は仕事や家事を頑張っても、暗くなったら働くのをやめて、ゆっくりくつろいで夜は良い睡眠を取りましょう」などと言っても、実現するのは難しそうだ。

とはいえ、本来は「朝起きて夜は寝る」のが人間という生きもののリズム
それだけは忘れないようにしたいものだ。
      (精神科医)
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2018年03月02日

心筋梗塞や脳卒中リスクが増加 「三寒四温」は命が危ない

心筋梗塞や脳卒中リスクが増加
「三寒四温」は命が危ない
2018年03月01日 日刊ゲンダイ

厳しい寒さもようやく一段落して、暖かい日も増えてきた。
とはいえ、夜になると冷え込んだり、急に寒さがぶり返す日もまだまだ多い。
そんな「三寒四温」の季節は命の危険がある。

「今日は患者が増えそうだ」
 ポカポカ陽気が続いた後で一気に寒さが戻った日は、循環器の医師は心の準備を整えるという。
激しい寒暖差によって、心筋梗塞、狭心症、大動脈解離、不整脈といった心血管疾患が発症しやすくなるからだ。
先日、66歳の若さで急逝した俳優の大杉漣さんも急性心不全だった。

 恒温動物である人間は、生命を維持するために気温が高い時は放熱、低い時は加熱と保温を行って体温を一定に保っている。
暑くなると血管を広げて血流を増やして熱を逃がし、寒くなると血管を収縮させて血流を減らして熱を逃がさないようにする。

 そのため、気温が高くなると血圧は下がり、低くなると血圧が上がる。
この血圧の上下動が急激に起こると、血管や心臓に大きな負担がかかってしまうのだ。

 東邦大学医学部名誉教授で平成横浜病院健診センター長の東丸貴信医師が言う。
前日に比べて気温が5度以上も上下動する日は注意が必要です。
とりわけ、暖かい日が続いてから急に寒くなった時が危険です。
欧州心臓病学会では、最低気温が10度低下すると心筋梗塞の発症が7%増加すると報告されています。
別の研究でも5度低下すると15日間で5・7%の増加が認められています。

一般的に、気温が低い時は交感神経が活性化してアドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコールアミンが放出され、血管が収縮して血圧も上昇します。
暖かい日が2、3日続くと、副交感神経が活性化して体がその環境に慣れてきます。
そんな状態から一気に5度以上も気温が下がると、血圧が急激に上昇したり、心拍数が増加して、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントで突然死するリスクが高まるのです」

■いきなり激しい運動を
     することも控えるべき
 また、気温が低いと代謝を活発にして体温を上げるためにアドレナリンも過剰に分泌される。それによって血液が固まりやすくなり、血栓による心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクがアップすることもわかっている。
急に寒くなった日は命が危ないのだ。

 とくに高齢者は、ただでさえ生活習慣病や加齢によって冠動脈や脳動脈の動脈硬化が進んでいる。
 気温の低下によって収縮期血圧が一気に20〜30oHgも上がる人も珍しくないというから、血管が負担に対応できずに心血管イベントを招く危険がさらに上がる。
よりいっそう気を付けたい。

 また、日々の寒暖差によって血圧が中等度高血圧の範囲(収縮期160oHg以上、拡張期100oHg以上)を超えて上下動を繰り返していると、動脈の内壁が傷つけられて動脈硬化が進み、さらに血圧の上下動が大きくなっていく。
そうした“負の連鎖”が心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクがアップすることもわかってきた。
やはり、三寒四温の時期は要注意といえる。

「これから3月にかけては、暖かい日が続いたとしても気を緩めないことが大切です。
冬物をしまい込んでずっと薄着で過ごしたり、暖房を完全に切って室温を適度にコントロールすることをやめてしまうのはまだ様子を見てください。
急に激しい運動をすることも控えましょう。
ヒートショックを防ぐために入浴前に浴室や脱衣所を暖めたり、熱い湯船につかったときはゆっくり時間をかけて出るといった対策も続けたほうがいい」

 厚労省の統計によると、心臓疾患による死亡数が最も多いのは1〜3月にかけてである。
三寒四温の季節は、ポカポカ陽気が続いても気を抜いてはいけない。
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2018年03月05日

名医が教える 危ない“かかりつけ医”を見分ける薬の目安

名医が教える 
危ない“かかりつけ医”を
見分ける薬の目安
2018年3月4日 NEWSポストセブン

 これまでの医療記事で「医者の見分け方」といえば、大病院や手術の執刀医のことばかり。
最初に私たち患者を診る“かかりつけ医”についての情報は少なく、他と比較することも難しい。  

かかりつけ医の良し悪しを見分けるためには、薬の処方箋から分かることも多い。
患者が薬の処方を希望すれば、すぐに出してくれる医師が、「患者思いのいい先生」と思ったら大間違いだ。

新潟大学名誉教授の岡田正彦医師が言う。
「多剤併用の危険性が叫ばれるのに、“薬を減らしてみましょう”と提案する医師はほとんどいませんが、本来は薬を減らす努力をする医師こそ、薬の副作用のリスクを熟知し、患者の視点で治療を進めようとしていることが多い

 では、危ないかかりつけ医を見分ける薬の“目安”はどの程度なのか。
浅草クリニック副院長の内山伸医師がアドバイスする。

1回に出す薬が5種類以上だったら気をつけたほうがいいでしょう。
薬をやたらと処方したがる医師は、自分の治療に自信がないともいえます」

 薬の種類が増えるのは、患者の体全体を把握することができず、部分、部分の症状に応じて薬を処方しているだけのこともある。
とくに高齢者の場合、多くの薬を飲んでいると副作用でふらついて、転倒するなどのリスクも高まる。

◆初診時に血圧が高いと高血圧の薬を出す
 現在、日本に4300万人もいるという高血圧患者だが、薬の服用には一定のハードルが設けられている。
前出・岡田医師が言う。
高血圧の“根本治療”は生活習慣の改善で、患者がこれまでどんな生活を送ってきたかを聞き取り、食事や運動面などで具体的な指導をするのが治療の第一歩。
ガイドラインでも、3か月間生活指導して、それでも検査値が下がらない場合に初めて降圧剤などの薬を出すよう定めています」

 高齢者の場合、降圧剤を飲むと血圧が下がりすぎ、脳梗塞を発症するリスクが高まったり、認知症を進行させるなどのリスクがあることが分かっている。

◆「お大事に」だけで終わる
 診察や薬を出した後の“説明”も、かかりつけ医選びの判断材料になる。
にしだわたる糖尿病内科院長・西田亙医師はこう語る。

「たとえば糖尿病だったら薬を出した後に、『服用後、冷や汗や動悸、強い空腹感などを覚えたら教えてくださいね』などと、副作用で起こる症状を具体的に伝え、事前に薬の副作用に配慮してくれるのがいい医師です。
『お大事に』だけで済ませる医師は、患者の命を預かっているという意識が低い。

 糖尿病治療で広く処方されているアマリールやオイグルコンといった薬は、血糖値を下げる効果は大きい反面、低血糖を引き起こす副作用もある。
低血糖はひどくなると昏睡状態に陥り、放置すると最悪、不整脈を起こして死に至るケースもあります」

『かかりつけ医は選ぶ時代』(北國新聞社刊)の著者で金沢市・ティーズ内科クリニック院長の土山智也医師が言う。
「共通するポイントは『その医師が患者の視点に立っているかどうか』です。
患者さんは、“この医師は信頼できない”と思ったら、かかりつけ医を変えること。
まずは風邪などの症状が出た時に診察を受けてみて、判断材料にしてみるのもいいでしょう」  

名医たちが教えてくれたポイントをもとに、最良のかかりつけ医を探そう。
※週刊ポスト2018年3月9日号
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2018年03月08日

全被災者の歩みに拍手

香山リカのココロの万華鏡
全被災者の歩みに拍手
毎日新聞2018年3月6日 東京版

 今年ももうすぐ3月11日がやって来る。
あれ以来、何度か東北などの被災地に出かけ、知り合った人たちの顔を思い出し、普段の不義理をわびながらメールをする。
そのうちの何通かが、「あて先が見つかりません」というメッセージとともに戻ってきてしまった。
 メールアドレスが変わったのだろうか。
それとも、何か考えがあってメール自体をやめたのかもしれない。

高齢の人だと、「体調に何かあったのでは」と心配になる。
 でもしばらく心配した後、「7年もたてば生活にも人生にもいろいろ変化があるだろう」と納得して、それ以上、考えるのをやめる。
誰かに聞けば消息がわかるのかもしれないが、「しょせん私は支援活動を通して出会っただけだし」と、あえて探し出そうとはしないようにしている。

 もし私が逆の立場なら、つらいできごとから7年たっても誰かに「本当に気の毒ですね。早く元気になって」などと言われたら、つい「もうふつうに生活しているのですから、そっとしておいてください」と言い返してしまうかもしれない。

でも、逆に「これからは被災者と支援者ではなくて、ふつうの友だちになりましょう」と思う場合もあるだろう。
私に告げずにメールアドレスを変えた人は、どんな気持ちだったのだろうか、とまた考え込みそうになる。

 支援者の立場から被災地、被災者にかかわった私ですら、こんなふうにちょっと複雑な気持ちになるのだ。
東北や関東の被災地に住んでいる人、とくに大きな被害を受けた人たちも、この7年間、さまざまに心が揺れ、「もうやめよう」と思っても考えてしまい、それでも必死に生活してきたことだろう。

 「本当に大変なことだ」とその苦労を想像するだけで気が遠くなりそうだが、同時に「人間ってすごい」とすばらしさを感じずにいられない。
メールで連絡がつく人たちも、それぞれ「地元で店を開いた」「避難先で結婚して子どもが生まれた」「海外への赴任が決まったので行ってきます」などと悲しみやつらさを抱えながらも、たくましく自分の人生を切り開いている。

 もちろん、家族や郷里を失った人にとっては、「7年」という時間が何かを解決するわけではない。
時間がたてばたつほど逆に苦しさが増す場合もあるだろう。
それでも、がんばって生き続けてきた。
メールで連絡が取れる人、取れない人、それ以外の人。大震災で被災したすべての人の歩みに拍手を送りたい。
    (精神科医)
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2018年03月16日

政府が2月に閣議決定 年金支給開始“70歳以降”は得なのか

政府が2月に閣議決定
金支給開始
“70歳以降”は得なのか
2018年3月15日 日刊ゲンダイ

 現在、公的年金の支給開始年齢は65歳だが、本人が希望すれば前倒しで60歳からの受け取りが可能だ。
ところが政府は、2月16日に閣議決定した「高齢社会対策大綱」で、70歳以降からでも支給開始年齢を選択できるように盛り込んだ。

 人生100年時代が来るなかで、果たして年金の受け取りは60歳からもらう方がトクなのか、それとも70歳すぎからもらう方がトクなのか、国民にとっては大きな問題だ。

60歳から繰り上げて受給すると65歳からの支給開始に比べ、1カ月につき0・5%減額され、逆に支給開始を遅らせれば1カ月につき0・7%増額になる。
「60歳からもらい始めると、65歳からの人に比べ0・5%×12カ月×5年で30%低い金額になる。
また70歳から繰り下げてもらえば、65歳からもらう人に比べ60カ月分の42%が増額、75歳からだと84%の増額になります」(ファイナンシャルプランナーの村井英一氏)

 国民年金は40年間納付し、65歳から受給すれば年間77万9300円を受け取れる。
しかし、仮に75歳からの需給を選択すると84%増額され143万3912円を受け取れる。年金の開始年齢を70歳以降に後ろ倒しするほど月々の年金額が増えることになる。
いかにも長寿社会に沿った仕組みに見える。

だが、ここが「高齢社会対策大綱」の狙いなのだ。
前出の村井氏が解説する。
「65歳と75歳支給開始を比較すると、75歳開始の人が65歳支給の人の年金の累計金額を逆転するのは86歳10カ月。つまり86歳10カ月を過ぎなければ75歳開始の人は上回れないことになり、仮にその前に亡くなると75歳開始では損をすることになる。
男性の平均寿命は80・77歳、65歳になった人の男性の平均寿命は84・64歳です。
早めに年金の受給を受けた方が安心でトクだと言えるでしょう」

 経済アナリストの森永卓郎氏もこう指摘する。
「65歳より繰り上げて年金を受け取っている人は3分の1います。
それは生活が苦しいからです。
どの時点での支給開始を選択するかといえば、70歳まで無年金で暮らせる選択肢は庶民にはありません。
政府の狙いは定年を延長させて65歳まで働かせ、年金の支給を70歳以降に遅らせることに他なりません

 現在、70歳からの年金の受け取りを選択している人はわずか1・3%しかいない。
政府の甘い言葉に乗せられず、早めに年金の受け取りを開始した方がよさそうだ。
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2018年03月19日

<感情労働>「心の切り売り」で疲弊する人たち

<感情労働>
「心の切り売り」で
   疲弊する人たち
3/18(日) 9:30 毎日新聞配信

 苦手な相手にも親切、丁寧に接し、つねに笑顔を絶やさず、心にもない言葉を口にする
−−仕事だからと自分に言い聞かせて頑張っているうちに、いつしか空虚感に心をむしばまれてしまう人がいます。

接客業はもちろん、あらゆる職場ではびこる「感情労働」のリスクについて、職場のメンタルや労働環境に詳しいライター西川敦子さんのリポートです。
【毎日新聞医療プレミア】


「しつこくからんでくるお客にも笑顔で対応しなければならず、ストレスがたまる」
「上司や同僚の機嫌を損ねたのではないかと思うと、不安でしかたがない」
「周囲には”よく気のつくいい人”と思われているが、時折わけのわからない怒りがこみあげてくることがある」

 心を売る仕事、「感情労働」にメンタルをむしばまれる人が後を絶たない。
感情労働とは、表情や声、態度で、暗に感情を演出することを求められる仕事のことだ。

看護師=どんなときも優しく患者に接する白衣の天使」
キャビンアテンダント(CA=礼儀正しく上品なほほ笑みを絶やさない美女」というように、私たちは特定の職種に対し、定型的、感情的な価値を期待しがちだ。

◇演技を求められるさまざまな「感情労働」  
保育士ソーシャルワーカー受付業務オペレーターホテル従業員、その他さまざまな接客業をはじめ、数え上げればきりがないほど感情労働を強いられる職種が存在しています」と解説するのは、日本赤十字看護大学名誉教授の武井麻子さんだ。

 単に愛想よく接するだけでなく、その場で求められる「特殊な感情」を演出しなければならない職種もある。

たとえば、葬儀社の社員は参列者が悲しみに浸れるよう、式の間中、控えめでいたましげな表情を崩さない。
遊園地のスタッフはハッピーな世界観を醸し出すべく、ハイテンションで明るく元気に振る舞い続ける。  

「感情労働による精神的なダメージについて指摘したのは、アメリカの社会学者、アーリー・ラッセル・ホックシールドです。
ホックシールドはCAを対象に調査を行い、彼らの多くが自分の感情を抑制し、お客に求められる感情を演出していることを明らかにしました」

 その中には、表情や声色をつくる「表層演技」にとどまらず、自分の感情そのものを変えようとする「深層演技」をしている人も少なくなかったという。

 「深層演技を続けていると、ネガティブな感情をポジティブに加工する、といった癖が染み付き、ついには本当の感情を味わうことができなくなってしまいます。
ある種の感情マヒに陥るのです。

しかし、自分を偽り続ければ、知らず知らずのうちにストレスがたまります。
常に他人の顔色や評価が気になり、不安も募るでしょう。
その結果、不眠やイライラ感に悩む人も出てきます」

 実際、看護師の中には患者に献身的に尽くす一方で、私生活では過度な飲酒や買い物、ギャンブル、異性との交遊に走る人もいるという。
「善い人」を演じているうちにバーンアウト(燃え尽き)してしまい、仕事を続けられなくなるばかりか、アイデンティティーそのものが危機にさらされ、深刻な心の病気を抱えるケースもある。

 人間の死や苦悩を目撃しながらも、ひるんだり、嫌悪の感情をあらわにできない特殊な感情ワークを強いられていればこそだろうが、他の職業に就いている人にとっても他人事ではない。  

◇サービス業に限らない!
  女性が陥りやすい“わな”  
 じつは感情労働は、サービス業に限らず、あらゆる職場で起こりうる、と武井さんはいう。
直接、顧客と接しない職場でも、上司や同僚に配慮するあまり、つい自分の感情を抑え込んでしまった経験はないだろうか。
 とくに心配なのは女性だ。

その昔、女性社員は“うちの女の子”などと呼ばれ、お茶くみや机のふき掃除をこなしながら、愛嬌(あいきょう)と気配りで男性社員を支えた。
その後、キャリアウーマンが台頭し、女性活躍の時代を迎えたが、一方で “愛され系OL”“モテカワ女子”といった言葉も健在だ。

 女性たちは、自分たちが暗黙のうちに「レーダーチャート」(正多角形のグラフ)で評価されていることを知っているのだろう。

仕事の優秀さだけでなく、容姿や女らしい丁寧さ、さらにいえば、よく気がつく優しい“いい子”かどうかなど、評価軸は多岐にわたっている。
 だから彼女たちは、相手に合わせ感情をコントロールしなければ、とついほほ笑みを浮かべてしまうのではないか。

女性管理職比率が上がろうと、ワーキングマザーが増えようと、社会の無言の抑圧がある限り、女性たちの疲弊は深まるばかりだろう。

 「中でも、行き過ぎた感情労働に陥りやすいのは、過去に心の傷を受けたことがある人」と武井さんは説明する。

子どものころ、周囲に大切にされないなど感情的な葛藤を抱えた経験があると、共感力が過度に高く、他人の感情に敏感に反応する大人になりがち、という。

◇他者と自分を分けて
「健全な自己チュー」に
 感情労働に振り回されないためにはどうすればいいのか。
 「“健全な自己チュー”になってください。
頼まれたことを何でも引き受けてはダメ。
たとえば仕事中、『ちょっといい?』と声をかけられたら、『10分ならいいですけど、20分は無理です』などと自分の条件をしっかり提示する

行きたくない飲み会は断ればいいし、聞かれたくないことは話さなくてOK。
他人と自分との間に境界線を引きましょう。

自分の時間、自分の楽しみを持つことも大切。
自分だけの秘密があってもいいかもしれない。
人間なのだから、いろんな自分がいて当たり前なのです」

 組織にできるケアもありそうだ。
まず、あらゆる業績、成果の陰にじつは感情労働があることをみんなで理解する。
そのうえでおたがいケアをしあう。
共感しすぎて疲労していないか。
お客の言葉や態度を本当はどう感じていたのか。
定期的に話し合いの場を設ける。

サービス業であれば終業時に行うなど、こまめな対策が必要、と武井さんはアドバイスする。  

「感情労働しがちな人を孤立させてはいけません。
ちゃんとつながりあい、フォローし合える関係を作ってほしい。
一人ひとりが自分を大事にしながらも、お互いどこかで甘えられる。
そんな職場をめざしたいものですね

 感情労働はおもてなしの精神にも通じる。
100%否定すべきものではないが、同時に、「人の心」という、やわらかな土台のうえに成り立っていることを忘れたくない。


 武井麻子(たけい・あさこ):
日本赤十字看護大学名誉教授。コンサルタント。
日本集団精神療法学会理事長、日本赤十字看護学会理事、日本精神保健看護学会監事、日本集団精神療法学会認定スーパーヴァイザー。
東京大学医学部保健学科、同大学院修士課程及び博士後期課程(精神衛生学専攻)修了。
保健学博士。
海上寮療養所(千葉県旭市)にて看護師・ソーシャルワーカーとして12年間勤務。
フルボーン病院(英国ケンブリッジ)にて6か月間研修。日本赤十字看護大学、大学院で教育・研究に25年間携わる。
「ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか−感情労働の時代」(大和書房)
「感情と看護−人とのかかわりを職業とすることの意味」(医学書院)など著書多数。
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2018年03月21日

年金支給日は偶数月の15日。年金生活の注意点3つ

年金支給日は偶数月の15日。
年金生活の注意点3つ
2018/03/20 All About (小川 千尋)

公的年金の支給は2か月に1回!
公的年金の支給日は、偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日です。
前月と前々月の2か月分(年金額の6分の1の金額)を、指定した金融機関の口座に振り込んでくれます。
15日は金融機関がお休みだった場合は、支給日は前日の14日に前倒しされます。

年金の支給は、どうして
2か月ごとの年6回なのでしょうか?
理由は定かではありませんが、事務手数料を抑えるためが有力だそうです。
今の年6回支給に変更されたのは約30年前のことで、それまでは年3〜4回だったそうです。
変更理由は「年金受給者のサービスの改善を図るため」でした。

サラリーマンだった人は、月1回の給料・1か月単位で家計管理をしているので、年金生活に入ると勝手が変わってきます。
そこで、年金生活に入った直後の家計管理で注意して欲しい点を3つあげました。

注意その1
2か月に1回の年金でやりくりする必要がある
年金の支給が2か月に1回になると、家計のやりくりのペースが変わります。
それまでの1月単位のやりくりを2か月単位に長くするか、または、半分の年金で1か月ずつやりくりするかのどちらかの方法で管理することになります。
どちらかというと後者の方法の方がいいかもしれません。
やりくり期間が2か月と長くなると、つい前半で使い過ぎてしまうことが多いからです。
どちらの方法でも、自分に合ったやりくり法を試行錯誤しながら確立していくことになります。

注意その2 ボーナスはない!
サラリーマンは、基本的に年2回、ボーナスをもらえます。
それで、毎月の生活費の不足分を補ったり、ちょっと高額な買い物やレジャー費用に充てたりしていたでしょう。
しかし、年金生活になると、当然のことながら、ボーナスはなくなります。
ボーナスをあてにしたやりくりをしていた人は、それができなくなります。
年金生活に入る数年前から、ボーナスは丸ごと貯蓄できるくらいのボーナスに依存しない訓練をしておくといいでしょう。

注意その3
退職金をもらって気を大きくしない!
退職金というまとまったお金をもらうと、つい気が大きくなってしまい、今まで我慢していた高額なモノを買ってしまったり、趣味にお金をかけてしまったりすることがあります。
年金生活に入るまでに十分な貯蓄ができなかった人にとっては、退職金は最後の砦です。
なるべく減らさないようにしましょう。
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2018年03月27日

今の子供は「公衆電話」の使い方を知らない? 改めて知っておきたい災害時における公衆電話の有効性

【警視庁のツイートで話題】
今の子供は「公衆電話」の使い方を知らない?
改めて知っておきたい
災害時における公衆電話の有効性
2018/03/26 ロケットニュース24(あひるねこ)
こだぬき01.gif
突然だが、あなたが最後に「公衆電話」を使ったのはいつだろうか?

 私(あひるねこ)はというと、正直まったく思い出すことができない。
高校生の時に携帯電話を手に入れて以来使っていないような気がする。
そもそも、公衆電話を見かけること自体が最近では少なくなったが、これも時代の流れなのかもしれないな。

そんな中、警視庁警備部災害対策課が発信した「公衆電話についてツイート」が現在話題になっている。
内容は、災害時の有効な連絡手段である公衆電話の使い方を、今の子供たちは知らないのでは? というものだ。

たしかにそうかも……!
 お子さんをお持ちの方は、思わずハッとしたのではないだろうか。

・使わなくなった公衆電話 思い返してみると、昔は財布にテレホンカードが入っているのが当たり前だった。
出先から自宅などに連絡する時は、公衆電話を使うのが普通だったと思う。
それが今では、最寄りの公衆電話の場所さえよく分からない有様だ。
30代の自分でさえそうなのだから、今の子供が公衆電話に触れる機会など皆無だろう。

・話題のツイート
そのことに対し、警視庁警備部災害対策課の Twitter は以下のように注意を促している。

「公衆電話は、災害時の有効な連絡手段の一つです。
小1の息子にその話をすると『公衆電話? 僕、使い方知らないよ。』
私はハッとして、すぐに息子と使い方を練習しました。

スマホの操作はできても公衆電話の使い方を知らないお子様も多いのでは?
 お子様と公衆電話の使い方を確認しておくと安心です。」
生まれた時からスマホがあったような超デジタルネイティブ世代の子供たちにとって、公衆電話などは旧時代の遺物でしかないはず。
もしかすると、固定電話そのものを使ったことがない子もいるかもしれない。

……なんだか急に自分がおっさんになった気分だな。

・公衆電話は超有能
だがしかし、公衆電話はただの電話にあらず。
災害等緊急時における有効な通信手段という側面を持っているのだ。

ここで、総務省が発表している公衆電話の2つの特徴をご紹介したい。

@災害等の緊急時において電話が混み合い、通信規制が実施される場合であっても、規制の対象外として優先的に取り扱われる。

ANTT東日本・NTT西日本の通信ビルから、電話回線を通じて電力の供給を受けているため、停電時でも電話をかけることができる。

いかがだろうか。
思わず「公衆電話さんスゲェェェェェェエエ!」と叫びたくなるほど高スペックである。
と同時に、このことを知っておくことの重要性もお分かりいただけたはずだ。

緊急時の公衆電話の使用方法も併せてお伝えしよう。
・緊急通報(110番、119番等)
デジタル公衆電話:受話器を上げ、そのまま110番等を押す。

アナログ公衆電話:受話器を上げ「緊急通報ボタン」を押した後、110番等を押す。

・災害発生時等
デジタル公衆電話:受話器を上げ、そのまま電話番号をダイヤルする。

アナログ公衆電話:受話器を上げ、硬貨・テレホンカードをいったん投入し、電話番号をダイヤルする。
通話終了後、硬貨・テレホンカードはそのまま返却される。
災害等緊急時は、硬貨やテレホンカードは不要となる(災害発生時等のアナログ公衆電話を除く)。

公衆電話にはデジタル公衆電話とアナログ公衆電話の2種類があり、使用方法がやや異なるので注意が必要だ。
ぜひ覚えておいていただきたい。

・もしものために
こういったことは、過去に公衆電話を利用していた大人でも意外と知らなかったりするのではないか。
それが子供ならなおさらである。親御さんは、公衆電話の使い方だけではなく、電話がある場所などもお子さんにしっかりと教えてあげるといいだろう。

参照元:Twiter @MPD_bousai
総務省(PDF)
執筆:あひるねこ 
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2018年03月31日

春は特にねむくなる…実は○○が関係していた!

春は特にねむくなる…
実は○○が関係していた!
2018/03/26 All About

やはり春はだるさも満開
肝臓の働きを活発にするアミノ酸・オルニチンの普及・啓発を行っているオルニチン研究会が、全国の20〜50歳代の男女400人に対して、春に「だるい」と感じる人の実態調査を行いました。
全体として6割の人が「春はだるさを感じやすい季節」と思っていて、年代が高くなるにつれてその割合が高くなります。

注目は30代です。
この世代は、女性では全世代を通して最もだるさを感じていないのに対して、男性は他の世代よりも多いという結果になりました。
思わず、「ガンバレ30代男子!」と応援したくなります。

だるさの原因として、男性では仕事が、女性では寝不足がトップでした。
特に20代女性は、7割が寝不足と回答しています。
また、男女ともに人間関係をあげる人も、多くいました。

春のだるさは陽気のせいだけでなく、社会環境も大きく影響しているようです。

どうして春は眠いのか?
実験室で明かりを調整し、昼が長い夏条件と夜が長い冬条件を作り出す実験から、季節によって睡眠・覚醒のリズムが異なることが分かっています。

夏条件では、就床時刻と起床時刻が早まり、総睡眠時間が短くなります。
多くの人が慢性的な睡眠不足に陥っていますから、睡眠時間が削られてさらに睡眠不足がひどくなるため、朝や日中の眠気が強くなります。

さらに、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンは、冬から夏にかけて、分泌量のピークが早い時間帯に移動します。
睡眠に大きな影響を与える体温も、同じように最も低くなる時刻が早まります。
自律神経でも、寒い冬には交感神経が活発ですが、だんだん暖かくなると、副交感神経が優位になってきます。

このように、体の中のいろいろなリズムが変わってくると、新しい状態に慣れるまで体と心の不調を生じることがあります。

春には眠気が強くなるだけでなく、自律神経のバランスが崩れたり、抑うつ気分が強くなったりするのは、このためです。

気温の変化も大きな要因です。
冬の朝、寒くて目が覚めてしまう人でも、春になって寝室の温度が15〜20℃くらいになると、気持ちよくなって寝過ごしたり二度寝してしまいます。
いろいろなことが合わさって、春の眠気を作っているのでしょう。

春の眠気を追い払え!
朝の二度寝は気持ちいいものですが、浅い眠りが続くだけなので、睡眠不足の解消にはあまり役立ちません。

それならば、起きなければいけないギリギリの時刻に、目覚まし時計をセットしておいて、アラームがなったら布団を蹴飛ばしてしまいましょう。
寒くて目が覚めてきます。

次に、部屋の明かりをつけ、カーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。
光は体内時計をリセットして、新しい1日を始める合図になります。

冷たい水で顔を洗うと、眠気が減ります。
ただし、効果時間が短いので、コーヒーやお茶でカフェインも摂りましょう。

朝ごはんを食べると、胃腸にある体内時計も目覚めてくれます。
これまでは何も食べずに出かけていた人も、牛乳とバナナなど食べやすいものを、少し摂ることから始めてみましょう。

気を抜くと、日中にも眠気が襲ってきます。
そんなときは、ガムを噛んだり近くを歩いたりしてください。
このようなリズム運動をすると、脳を覚醒させる働きがあるセロトニン神経が活性化されます。

1人で勉強や仕事をしているときに眠くなったら、他の人とおしゃべりすることも効果的です。 どうしても眠気に勝てそうもないときには、いっそ眠ってしまいましょう。
「居眠り」ではなく「パワーナップ」と呼べば、後ろめたさもなくなります。
横にならずに椅子に腰掛けたまま、5〜10分ほどだけ眠ります。

目をつぶる前に、今ある問題について考えておくと、目覚めたときによいアイデアが浮かぶことがあります。

追想法」というもので、トーマス・エジソンや湯川秀樹博士も、これからアイデアを得ていました。
春の眠気を逆手にとって、充実した時間をお過ごしください。
posted by 小だぬき at 07:37 | 神奈川 | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月01日

日本人に多いという「もやもや病」 いったいどういう病気?

日本人に多いという
「もやもや病」
いったいどういう病気?
2018/03/27 Mocosuku

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

シンガーソングライターの徳永英明さんは、2001年に「もやもや病」を発症したといいます。 翌年症状が落ち着いて歌手活動に復帰しましたが、2016年、もやもや病による脳梗塞発症予防のため手術をしました。
徳永さんのもやもや病との闘いは、この病気が一般の人に知られるきっかけとなりました。

もやもや病は、脳に血液を送る血管が徐々に詰まり、脳の血液不足や出血を起こす難病。
日本で最初に見つかった疾患です。
今回はこの「もやもや病」について、解説したいと思います。

もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)とは
脳に血液を送っている血管で「内頚動脈(ないけいどうみゃく)」という太い2本の動脈があります。
内頚動脈は、心臓から出た大動脈から枝分かれし、首から頭へ上がってすぐに二股に分かれます。
左右の内頚動脈は、それぞれ左右の大脳半球へと走って酸素や栄養を送っています。
この内頚動脈の終末部にあたる二股に分かれる部分に狭窄(すぼまって狭くなる)や閉塞が起こるのが「もやもや病」です。

それとともに「側副血行路(そくふくけっこうろ)」という、大脳半球に血液を届けようと異常な血管が網の目のように形成されます。
側副血行路は「もやもや血管」とも呼ばれていますが、本来の太さ以上に拡張して多量の血液を送るので切れやすく、頭蓋骨のなかで出血を起こすこともあります。

もやもや病は血管が細くなると道路のロータリーのような血管の環状交差点ができます。
これを「ウィリス動脈輪」というため、もやもや病は別名「ウィリス動脈輪閉塞症」とも呼ばれます。

日本に多い「もやもや病」
もやもや病は、1957年に東京大学の研究グループによって初めて報告されました。
その後、1960年代終わりに東北大学の研究グループによって「もやもや病」と命名されました。
当時の解像度の低い脳血管造影写真では、側副血行路(もやもや血管)がタバコの煙のように「もやもや」と見えたことから名づけられたといわれています。
現在では世界的に通用する正式名称となっており、英語では「Moyamoya disease(モヤモヤ・ディジーズ)」と表記します。

「もやもや病は、前述のとおり脳の血管が徐々に詰まってしまう病気ですが、加齢による動脈硬化の進行で脳が詰まるのとは違い、子どもや若い世代にも発症します。

現在、最も多く診断されているのは日本で、国内には16,000人ほど患者さんがいます。
韓国や台湾など東アジアや黄色人種に多い病気とされています(人口の多い中国では正確な統計がありません)

発症年齢は5歳ころと30〜40歳ころの二回山があり、男女比は1:1.8で女性に多いという傾向がわかっています。

もやもや病の症状
もやもや病によって、内頚動脈や大脳半球の後半部に血液を送る「後大脳動脈(こうだいのうどうみゃく)」が狭くなる患者さんもいます。
こうして脳血管が詰まることで脳に血液不足が起こり、手足のまひや言語障害などを起こすのが「虚血型もやもや病」です。

また、側副血行路に長年負担がかかり続けて血管が切れ、脳出血を起こすタイプが「出血型もやもや病」です。
虚血型は小児に多く、出血型は成人の半数を占めています。

脳虚血 内頚動脈が細くなることで「もやもや血管」が発達しますが、それでも大脳は血液不足状態に陥ります。
そうすると「一過性脳虚血発作」や「脳梗塞」が起こります。

一過性脳虚血性発作は、手足が動かしにくい、手足や顔面がしびれる、うまくコトバが出ないなどの症状が突然起こり、数分から数時間で回復する症状です。
小児では過呼吸からこの発作が起こりやすいといわれています。

また、ラーメンやうどんなどを「フーフー」と吹き冷ましながら食べる、リコーダーやハーモニカを吹く、などの動作が引き金になったり、歌ったり大声を出したりすると発作が起こることもあります。
一過性で自然に治まりますが、脳梗塞の前兆発作という面も指摘されていますから要注意です。

脳梗塞
血液が不足して脳の一部が死んでしまうのが「脳梗塞」です。
起こった場所によって「手足の運動障害」「言語障害」といった症状が後遺症として残ります。

そして、もやもや病で起こる脳梗塞のきっかけは、側副血行路にかかる負担によって発症する「脳出血」です。
しかも、いったん出血すると何度も繰り返すようになることも指摘されています。

その他の症状
もやもや病の患者さんには頭痛を訴える人が多く、拍動性の痛みや吐き気をともなう場合もあります。
また、頻度は高くないのですが「ひきつけ(けいれん)」発作で検査を受けてもやもや病と診断されるケースもあります。

国立循環器病研究センター病院には、2012年から「もやもや病専門外来」が開設されました。

ほんの10年前までは原因がまったく不明の病気でしたが、日本がリードして研究を進め原因や検査、治療法などが解明されてきている疾患といえるでしょう。

【参考】
・国立循環器病研究センター病院『もやもや病専門外来』(http://www.ncvc.go.jp/hospital/section/moyamoya/)
・京都大学『もやもや病感受性遺伝子の特定とその機能についての発見』http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2011/110721_1.htm

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ) 保健師・看護師。
株式会社 とらうべ 社員。
産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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2018年04月03日

PTA、町内会の憂鬱な役員改選、どう改革すべきなのか

PTA、町内会の
   憂鬱な役員改選、
  どう改革すべきなのか
2018.04.01 NEWSポストセブン

 新年度を迎え、小中学校のPTAや地元町内会の役員改選が行われようとしている。
任意とは名ばかりで、なかば持ち回りで強制的に「役」を押し付けられる風潮に、あちこちで批判も高まっている。
“組織学者”として知られる同志社大学政策学部教授の太田肇氏が、こうした旧態依然とした組織に早急な改革を促す。  
     * * *
 毎年この時期は、自分にPTAや町内会の役が回ってきたらどうしようと考えて憂鬱になるという人が少なくない。
 くじ引きや選挙でいきなり役員になったら、たびたび開かれる会合や行事にかり出されるので、仕事のスケジュールも家族旅行の計画も見直さなければならなくなる。
なかには仕事との両立が難しいため、やむなく退職する人、PTAや町内会を脱退する人、役員が回ってきそうになったら引っ越す人までいる。

 朝日新聞が2015年に行ったアンケート調査によると、PTAのイメージについて73%の回答者が「面倒くさい・負担が大きい」と答えている。

また自治会・町内会について「不要」もしくは「どちらかといえば不要」と答えた人が49%にのぼり、「必要」もしくは「どちらかといえば必要」と答えた人(45%)を上回っている。

 これほど多くの人が負担に感じ、人気のないPTAや町内会には、やはり構造的な問題があると考えてよかろう。
旧態依然とした組織が時代に合わなくなったのだ。
あらゆる組織のなかで最も改革が遅れているのがPTAや町内会だといっても過言ではない。

◆欧米のPTAが元気な理由
 ところで海外を見渡すと、PTAはもちろん、地域自治会のような組織もまったく存在しないわけではない。
意外にも欧米のPTA活動は日本よりむしろ活発だ。
しかも親や地域の人たちが自ら積極的に参加している。

 その理由は2つある。  
ひとつは、PTAなら学校行事の手伝い、地域自治会なら行政の下請的な「役務」がないことだ。つまり自分たちの子どもが通う学校、住んでいる地域をよくするという、ほんとうの意味での自治的な活動をする組織なのである。  

もうひとつは、強制がないことである。
加入も活動への参加もすべてボランティアであり、リーダーは立候補した人のなかから選ばれる。
ボランティアにするとリーダーのなり手がいないのではないか、強制加入にしなければ組織が崩壊するのではないかと想像しがちだが、実際はむしろ逆のようだ。

◆強制をやめたら参加者が増えた
 日本では一昨年、タレントの菊池桃子さんが「一億総活躍国民会議」の民間議員として出席した際、全員が参加しなければならない雰囲気のPTAはワーキングマザーの重荷になっているという趣旨の発言をし、世間の関心を呼んだ。
それを機に、組織を改革しようという動きも少しずつ出はじめている。

 たとえば、PTAへの強制的な加入をボランティア制にあらためたり、役員をすべて廃止したりした例がある。
 すると、興味深いことに参加者がかえって増えたそうだ。
また、どうしても会員が担わなければならない役務は、一人ひとりに引き受ける役割(委員)や、委員を務める年度を選択させたり、都合のつく日程を調整させたりするなどして強制色を薄めているところもある。

◆「任意」「選択」をキーワードに
 地域自治会についても、東京都の武蔵野市のように町内会組織を置いていない自治体がある。  

武蔵野市では、地域活動は基本的にボランティアが担い、ボランティア活動になじまないものは行政が行うことにしている。
たとえは街路灯の管理や住宅側溝の掃除などは市が直接行い、市報は市から委託されたシルバー人材センターが各戸に配布する。
家庭ゴミも、市が個別回収している。

 その一方、農村共同体とは異質なつながりをつくるため、市内に公設民営のコミュニティセンターを多数設け、ボランティアの地域住民によって組織されたコミュニティ協議会が運営している。
市の人口の約1%にあたる約1400人が運営に関わるなど、住民の参加は活発だ。

 強制がなく、自分の生活を犠牲にしなくてもよいところに魅力を感じ、他の地域から武蔵野市に引っ越してくる人もいるという。

 PTAにしても町内会にしても、その多くは戦後に創設もしくは復活したものであり、70年以上たった現在では人々の生活も、価値観も当時と大きく変化している。
 都市部では地域に定住する人が減る一方、転勤などで一時的に住む人が増えている。
複数の居所をもつ人も珍しくなくなった。
また、女性が外で働くようになり、平日は時間がとれないし、休日は休息やレジャーに時間を使いたいという人が多い。

生活範囲も広がり、居住地への関わり方も昔に比べると薄くなっている。
さらに強制的に役を割り当てられたり、行事へ動員されたりすることに反発を感じる人も増えている。

 役員が改選され、新体制に移るこの時期こそ改革のチャンスである。
制度疲労を起こしている組織に思い切ってメスを入れ、「任意」と「選択」をキーワードにした新たな組織へ改革してもらいたい。
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2018年04月09日

ブラック企業を辞めた後に椎間板ヘルニアを発症して気づいた「たった1つの大事なこと」

ブラック企業を辞めた後に
椎間板ヘルニアを発症して
気づいた
「たった1つの大事なこと」
2018/04/09 ロケットニュース24(和才雄一郎)

突然ですが、「ブラック企業に勤めることで起きる一番の問題」って何だと思いますか?
 長すぎる労働時間?
 安すぎる給料? 
  それとも、重苦しくなりがちな社内の空気でしょうか?

確かにそれらは相当に厄介な問題ですが、はっきり言って「一番の問題」ではありません。
少なくとも、私が実際にブラック企業に勤務して感じた「一番の問題」ではありませんでした。では一体何が「一番の問題」なのかというのを以下で紹介したいと思います。

・勤めていたブラック企業の特徴
本題に行く前に、私が勤めていたブラック企業について簡単に紹介しましょう。
サクっと言うと、長い労働時間で、安い給料で、入社してから3年以内の離職率がほぼ100%で、社長がクズという、ブラック企業あるあるを詰め込んだような職場でした。

その社長の「クズ伝説」については本サイトで以前に何度か紹介しているので、覚えている方もいるかもしれません。本当に本当にどうしようもないクズだったのです。

・辞めたくても辞められないジレンマ
それはさておき、入社した当初の私は、多くの新社会人と同様 希望に胸を膨らませていたものです。
ただ、入社から1カ月くらい経った頃でしょうか。
浮き輪の空気が少しずつ抜けていくように、希望で膨らんでいたはずの胸がしぼみ始めました。

「あ、ヤバイ会社に入ってしまった」と気づいたのですね。
もっと言うなら、「何の罪も犯してないのに刑務所に入ったようなものだ」と本気で思っていました。
むしろ刑務所の囚人の方が、自由時間もあるからマシなんじゃないかとも。
その頃から、私は会社を辞めることを考え始めるのですが……これがなかなか大変なのです。

なぜなら、労働時間が長すぎて、仕事をしながら転職活動をすることが難しい。
さらに、ギリギリ生活できるだけの給料なので貯金もない。ということは、会社を辞めて新しい仕事がすぐに決まらない場合、生活費は一体どうすれば……?
こうやって考え始めると、永久に解決できない問題が自分の前に立ちふさがっているような気がしまして、「とりあえず会社を続けるしかない」という結論に落ち着いていました。

まるで脱獄するかどうか散々悩んだ挙げ句、「失敗したら殺されるから」と刑務所内に居続けることを渋々決めた囚人のように、私は何カ月もその会社で過ごしたのです。月に200時間くらいの残業を、無給でこなしながら。

・一番の問題とは?
そんなある日、ついに「一番の問題」が私の身にも起こりました。
お待たせして申し訳ありません。
いよいよ、「一番の問題」が何かを紹介しましょう。
それは…… 「こんな状況、どうにも手の施しようがないやん……降参」と、心の中で言い出すヤツが出現することです。
言い換えれば、「何もかも諦めモードになってしまう」といったところでしょうか。

−−「それだけ?」と思う人もいるかもしれませんが、実のところ心の中で「こんな状況、どうにも手の施しようがない」とつぶやくヤツほど厄介な存在はありません。
ヤツは、その会社のクズ社長より何倍も悪質なクソ野郎だったと言って差し支えないでしょう。

なにせ、「どうやって会社を辞めようか」とか「どうやって状況を変えようか」と考えることを強制終了させるのですから。
「何とかして抜け出そう」という気力を奪うのですから。
桃鉄のキングボンビーのように、全てをぶち壊すのですから。
そう、心の中でつぶやくそいつは、まさにキングボンビーそのものです。

ちなみに、私が心の中のキングボンビーに気づいた直後、そのブラック企業を辞めました。
次の仕事は決まっていませんでしたが、まず辞めることにしました。
クズ社長よりも、心の中にいるキングボンビーこそが “看守” になっていたことに気づいたからです。
キングボンビーは非常に悪質なのですが、その姿を捕捉してしまえばどうってことありません。

キングボンビーの存在に気づいていない時、もしくは「キングボンビーこそが一番悪質」だと気づいてない時だけ、要注意なのです。

・その後
それから私は、運良くすぐに次の仕事を見つけることが出来ました。
しかし……しばらくすると、ブラック企業時代のハードワークが祟ったのか、椎間板ヘルニアを発症し、働くことが困難な状況になってしまったのです。
さらに、関わっていた雑誌が廃刊になったり他にも色々あったりして、結局その職場を辞めることになりました。

・治療費が膨れ上がって借金
ここで私にとって優先すべきは、何よりもまず椎間板ヘルニアを治すことです。
なので私は就職活動を一旦中断し、治療に専念することにしたのですが……

ちょっとした問題が起こりました。
予想がつくと思いますが、お金が足りなくなってきたのです。
特に苦しかったのは治療費で、毎月5万ほどのお金が消えていきました。

「何でそんなにかかるの?」と思う人もいるかもしれませんが、椎間板ヘルニアの治療を行っている病院は、健康保険が使えるところばかりではありません。
むしろ、ネットで見て「何か良さそう」というところは健康保険が使えない病院も多かったりするのです。
こちらとしては、ヘルニアによる坐骨(ざこつ)神経痛が苦しいので、保険が使えない病院にも行っちゃいます。
1度行くと、「1回では治りません」と言われるのでまた行く → 大金が消えるという悪循環です。

なお、このとき私の貯金はほぼ無く、医療保険的なものにも入っていません。
失業保険はすぐに支給されず、出るのは3カ月間後。
生活費さえ無いのに、それに医療費……。
どう考えても、お金が足りる訳ないのです。
そこで私は、消費者金融で借金をしながら治療をすることにしました。

その時……!
またしてもキングボンビーがちょこっとだけ顔を出したのです。
ただ、私にとってキングボンビーは勝手知ったる敵です。
「あ〜来たな」という感じだったので、
キングボンビーが私の心の中で顔を出した瞬間に叩き潰してやりました。

そのおかげか、消費者金融で借金しながらの椎間板ヘルニア治療は、肉体的にはキツかったものの、精神的にはそれほど苦しくありませんでした。
ちなみに、それからしばらくして以前の記事で紹介した腰痛体操を続けていたら椎間板ヘルニアは完治
数年後に借金も完済することが出来ました。

・まとめ
長くなってしまいましたが、まとめましょう。
私がブラック企業に勤めているときに気づいた「一番の敵」は、社長でもなく老害経営陣でもなく、「こんな状況、どうにも手の施しようがないやん……降参」と自分の心の中でつぶやいているキングボンビーでした。
そして「キングボンビーさえ叩き潰せば、大体のことは何とかなる」と思えたことが、ブラック企業を辞めた後に椎間板ヘルニアを発症して気づいた「たった1つの大事なこと」なのです。

もしかしたら、皆さんの心の中にもキングボンビーが生まれるかもしれません。
というか、こんなことを言ってる私の心の中にもまた、生まれるかもしれません。
でも、その存在を認識していれば恐れることはありません。
やるべきことは1つだけ。顔を出したキングボンビーの脳天を叩き割ればいいのです。
もうボコボコにしてやって下さいね。
それでは今日はこのへんで。
執筆:和才雄一郎
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2018年04月10日

真面目な組織人ほど「うそ」や「不正」に走りやすい理由

真面目な組織人ほど
「うそ」や「不正」に
     走りやすい理由
2018/04/10 ITmedia ビジネスONLiNE (窪田順生)

 4月8日、『ワイドナショー』(フジテレビ)を見ていたら、ダウンタウンの松本人志さんが、大相撲春巡業中に土俵内で救命措置を行っている女性に対して、「女性の方は土俵から降りてください」とアナウンスした行司について、こんなことを言っていた。

 「彼もかわいそうやなと思う。日本国中に叩かれちゃってて。ちょっと真面目すぎたんですよ。真面目がゆえに、こうなっちゃってるんですよ
 ネットではいろいろな意見があるようだが、この言葉は今回の問題だけにとどまらず、相撲協会の一連のゴタゴタにもあてはまる「本質」を突いている。

あの組織は真面目がゆえ暴行事件にフタをして、真面目がゆえ協会の秩序を乱した貴乃花親方を袋叩きにしたのだ。
 ワケわからんことを言うなと思うかもしれないが、
実はこの「真面目」というのは今、日本で起きている組織の腐敗、不正行為などのすべてに相通じる「病」である。

最近の官僚の不正行為、少し前に続発したデータ改ざん問題などすべて組織にいる人々が「真面目がゆえ」に起きたという側面もあるのだ。
 神戸製鋼でも、日産でも、三菱自動車でも、データ改ざんなどに関わったのはみな真面目な現場の技術者だ。
不正会計を行って大きな批判にさらされた経営陣も、部署の数値をかさ上げした中間管理職も、みな会社の未来を真剣に憂いていた真面目な東芝マンたちだった。

 マスコミや野党が「史上最大の犯罪」だと大騒ぎしている森友問題でも、佐川・元財務省理財局長も真面目だからこそエリートコースを進むことができたわけだし、その周りで改ざんや口裏合わせに奔走した職員たちも、みな真面目な公僕だ。

 つまり、周囲からも犯罪者扱いされ、三度のメシより不正が好きみたいな人が組織の不正や不祥事をひき起こすケースというのはかなりまれで、ほとんどはその組織内で与えられた仕事を、愚痴をこぼすことなく黙々と取り組むような「真面目な組織人」たちが、不正に手を染めたり、社会から大ヒンシュクを買うような不祥事を起こしたりというパターンが圧倒的に多いのである。

●「思考停止」のワナに陥りやすい
 筆者もこれまで報道対策アドバイザーとして、さまざまな組織で不正、不祥事、改ざんなどが起こるメカニズムを検証させていただく機会があったが、それらを振り返ってみても、中心的な役割を果たしていたのはほぼ例外なく、真面目な組織人だった。

 なんてことを言うと、「こいつは真面目に働く人間をバカにするのか!」「日本人の美徳をディスるなんてこの反日ヤローめ!」という怒声が360度から聞こえてきそうなので、断っておくと、筆者は「真面目」が悪いと言っているわけではない。

 自分の信念、倫理、哲学、美学に対して忠実な人というのは道を誤ることは少ない。
自分の中で常にこれは正しいのか、正しくないのかと自問自答しながら生きているからだ。
そういう「真面目に生きている人」ではなく、組織というものに対してのみ真面目になっている人がヤバいと申し上げているのだ。

 真面目な組織人というのは往々にして、「思考停止」のワナに陥りやすい
もっとも分かりやすいケースは、元ナチス親衛隊幹部として、多くのユダヤ人虐殺に関わったアドルフ・アイヒマンである。
人間と思えぬ残虐行為を指揮し、「悪魔」「怪物」と恐れられた男は自らの罪を問われた法廷でこのように述べた。
 「命令に従っただけだ」
 世界は姑息な責任逃れだと批判したが、『全体主義の起源』という歴史的名著のなかで、ナチズム台頭のプロセスを細かに研究してきたユダヤ人哲学者、ハンナ・アーレントはまったく異なるものの見方をした。
 アイヒマンの思考停止を象徴する発言だと指摘し、この「悪魔」や「怪物」と評される男を「自分で考えることをせずに命令だけを完遂する小役人」と分析したのだ。

 ユダヤ人社会はアイヒマンを擁護したと思って猛烈なバッシングを行ったが、実は彼女が言いたかったのはそういう上っ面の話ではない。
アイヒマンのようなどこにでもいる真面目な組織人は、組織や上司への絶対的な忠誠を誓うあまりに、自分の頭で物事を考えることを放棄してしまう。
 そのような思考停止状態の人間は危ない。
組織から命令されれば、どんなモラルの欠けた行為や、身の毛もよだつ残虐行為であっても、機械的に実行してしまうからだ。
つまり、「悪魔」や「怪物」は、真面目な人が「歯車」になることで生まれるのだ

この「悪の陳腐さ」という、文明社会の普遍的かつ、構造的な問題を世に投げかけたかったのだ。

●組織内ルールが「思考」に勝ってしまった
 アーレントの問題提起から50年以上が経過したが、この真面目な組織人が、真面目さゆえに引き起こす「陳腐な悪」という問題を、我々日本社会はまだ克服できていない。
というより、終身雇用制度の弊害でよりおかしな方向へとこじらせている。

 その症状が重くなって、いよいよ覆い隠せなくなってきたのが、日本相撲協会なのだ。
 ご存じのようにこの組織に身を投じた者は、「伝統」や「しきたり」を重んじなくてはいけない。
それは言い方を変えると、古くから続いているルールは問答無用で守る、としつけられるということなので、他の組織より思考停止に陥りやすい。
つまり、「プチ・アイヒマン」とも言うべき、思考停止に陥った人々があふれているのだ。

 相撲界の発展のために尽力している真面目な人たちをナチスの戦争犯罪人と重ねるなんて侮辱だと相撲ファンからこれまたすさまじい抗議が殺到しそうだが、残念ながら今回の救命処置騒動が、協会の思考停止体質をこれ以上ないほど分かりやすく示している。

 若い行司の方は、頭に刷り込まれている「女人禁制」というルールや、周囲の相撲ファンからの指摘で脊髄反射でアナウンスしてしまった。
もし彼がアイヒマンのように社会からつるし上げられるようなことがあれば、きっとこう釈明するはずだ。
 「伝統に従っただけだ」
 組織人としては真面目だが、「倒れている人をどう救えるのか」ということに関してはまったく思考を巡らせていない。
 組織内ルールが「思考」に勝ってしまったのだ。

また、このような思考停止は、トイレ発言が叩かれている春日野巡業部長にもあてはまる。
 問題のアナウンスがなされたとき、トイレに行っていて会場にはいなかったとして、「想定外の出来事でビックリした。
(アナウンスも)聞こえなかった」(日刊スポーツ 4月5日)とコメントした春日野親方だったが、その後、騒動時に画像から会場内にいたことが明らかになった。

●相撲協会は「考えることを放棄した」
 ネット上では、責任を逃れるためのうそだと厳しく批判されているが、筆者はこれも真面目な組織人がゆえの「陳腐な悪」に過ぎないと思っている。
 あれが巡業部長の責任ということになれば、相撲協会は何をしているんだ、ということになりまたしても大騒ぎになる。
しかし、「私も驚いたんですけど、若い行司がどうもテンパっちゃって」で済ませておけば、「相撲協会は女性差別などしません。
再発防止に務めます」みたいなコメントでどうにかお茶をにごすことができる。

 つまり、トイレ発言は、自身の保身もさることながら、不祥事続きの相撲協会がこれ以上叩かれないように、という「組織防衛」の意図があったことが容易に想像できるのだ。
 「意図」と聞くと、ちゃんと考えているじゃないかと思うかもしれないが、頭を働かせているのは「組織を守る」という一点のみで、世の中の人々に対して誠実な説明なのか、スケープゴートにされた行司はどんな思いなのか、など最も大事なところに関してはゴソッと思考が抜けているのだ。

 このように相撲協会を「考えることを放棄した組織」だととらえると、最近の一連の騒動をすべてクリアに読み解くこときる。
 3横綱が密室で、メキメキと頭角をあらわしてきた若手をリンチした。
殴られる理由も説教される理由もない被害者の声に耳を傾ければ、横綱たちの組織犯罪に対して、徹底的な調査をするのが健全な組織だが、ご存じのように、お手盛りの第三者調査でサクッと幕引きをした。

 そこに対して納得いかないので、身をもって異を唱えたのが、貴乃花親方だったが、「理事なのに協会に協力しないとは組織人失格」「何度も家を訪ねたが返事がない」など本筋ではない部分を袋叩きにして、しまいには弟子の不祥事にかこつけて完全にスポイルした。

 そう聞くと、八角理事長やら相撲協会理事たちを悪人のように断罪しているように聞こえるかもしれないが、これもアイヒマンとまったく同じである。
 「相撲ジャーナリスト」を名乗る方たちや、相撲記者クラブ在籍ウン十年みたいな評論家のオジサンたちが擁護するように、彼らは相撲界の発展を心から願い、相撲協会という組織に尽くそうとしている真面目な組織人だ。

 だからこそ、「横綱は品行方正な人格者」という組織内論理に盲従して思考が停止してしまうのである。
なにも考えていないので、一般社会からすると耳を疑うような言動も平気で行う。
臭いものにフタをしているようにしか見えない、ずさんな対応もしれっとできてしまうのだ。

●「思考停止型組織」の恐ろしいところ
 そして、このような相撲協会の「思考停止体質」を実は最も象徴しているのが、何をかくそう、貴乃花親方だ。
親方は、愛弟子が暴行を働いて「一兵卒として出直す」と述べた。
 一兵卒というのは、上の命令は絶対で、何も考えずに任務を遂行する。
「死ね」と言われれば、死ぬ存在だ。

つまり、あれは「もう私はなにも考えません」と言っているのだ。
あれほど組織にたてついた人物が、こうも分かりやすく陥落する。
これが「思考停止型組織」の恐ろしいところだ。

 こういうカルチャーを変えないことには、どんなに再発防止策をしても、同じような不祥事が繰り返される。
 今回の騒動を受けて、相撲協会では土俵内で不測の事態が起きた際のマニュアルを整備するとか言っていたが、こういう教条主義は「思考停止」にさらに拍車をかける。
 残念ながら、相撲協会のゴタゴタはさらにひどくなっていきそうだ。
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2018年04月11日

実話】ネットで話題の「理不尽な新聞詐欺の話」が怖い

【実話】ネットで話題の
「理不尽な新聞詐欺の話」が怖い
/ 完全に頭がおかしいので気を付けよう
2018/04/10 ロケットニュース24(P.K.サンジュン)

最近、インターネット上で「新聞購読にまつわる詐欺まがいな話」がちょいちょい話題になっている。
当サイトでも「記者が詐欺にあいかけたエピソード」をご紹介したが、今回ご紹介するのはズバリ「本物の新聞屋が詐欺をしようとしてきた話」だ。
ご覧いただく前に断っておくが、この話はとても胸クソが悪い。
……が「こんなことが実際にある」と知っておけば “万が一” のときのためになるハズだ。
それでは以下でご紹介しよう。

・始まりは1本の電話
このエピソードはインターネット上で紹介されていたものである。
投稿者本人に許可はいただいたが「HN等は一切出さないならば」という条件だったので、あえて名前は伏せておく。
さて、この話に登場するのは投稿者の「お母さん」「お父さん」そして「新聞配達屋」である。

果たして新聞屋はどんな手段で定期購読を取り付けようとしたのだろうか?
 以下で、再現VTR風にご紹介しよう。
始まりは1本の電話だったという

配達屋「もしもし。A新聞ですが2年契約をいただいたので4月から配達させていただきます」

お母さん「確かに以前はおたくから新聞をとっていたけど5年ほど前にやめました。今はB新聞を取っているんですが……」

配達屋「でもこちらには契約書があります。お持ちしますので見てください」

後日──。
配達屋「これが契約書です」

お母さん「確かに名前は主人ですけど明らかに字が違いますよ。なんで印鑑まで押してあるんですか? 規約した覚えはありません」

配達屋「それは契約違反です。あなたの言ってることは違法行為ですよ?」

お母さん「これって私文書偽造じゃないですか? これは犯罪ですよ、詐欺ですよ? 帰ってください」

配達屋「……いま詐欺と言ったことについて謝ってください。私は親切で来たんですからね? 今の会話は録音しているので訴えますよ?」
この場はいったん新聞屋が退散。

その夜、帰宅したお父さんがブチギレて新聞屋に「なんかお宅からうちに変なヤツが来たらしいけど何かの間違いだよな? 
詐欺グループかもしれないぞ」と電話。
すると…… “ヤツ” は本当に新聞屋にいた──。

そしてさらに後日。

お父さん「この前のことを謝れ!」

配達屋「いや、あなたの奥さんは私のことを詐欺師呼ばわりしました。そのことを謝ってください。それにほら、ここにあなたのサインと印鑑が押された契約書があるじゃないですか?」

お父さん「もういい! お前のことは本社に連絡するからな!!」

配達屋「そのせいで私がクビになったらあなたのせいですからね? 今の暴言も全て録音してますから、もしクビになったら訴えます」

……いかがだろうか?
 理不尽にもほどがないだろうか?
 ある意味これだけ頭がおかしいと回避のしようもない気がするが、これが本当にあった話だというから恐ろしい。

・レアケースではない
なお、この件を消費者センターに問い合わせたところ「いま新聞詐欺の問い合わせが非常に多く、実際にお金も取られた人がいるので注意してください」と話していたという。
つまり今回ご紹介したエピソードは決してレアケースではないようだ。

とにもかくにも、こうした詐欺まがいな行為に巻き込まれる可能性は誰にでもあるから、くれぐれも注意しよう。
次に頭のおかしい配達屋が現れるのは、あなたのところかもしれない。
posted by 小だぬき at 01:04 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月12日

老齢年金の申請をしてきました。

明日、65歳の誕生日を迎えます。
脳外科の外来が午後に入っているので 今日 予約を取り「申請」しました。
これからの人のために 経験したことを書きます。

まずは、誕生日の3ケ月前に年金機構から「老齢基礎年金申請書」が送られてきます。
誕生日前日から、申請できますので 日本年金機構に電話して 最寄りの年金事務所の予約をとりましょう。

必要となる 住民票は 年金申請用として役所に申し込むと 無料になります。
マイナンバーの記入が必要になるので 身分証明用としてマイナンバーカードの写真付きを取得しておくと便利です。

私の場合は「共済年金」なので 事前に申請書が届き 年金の選択をしました。
共済や厚生年金も基礎年金と別建てなので 申請が必要になります。

基礎年金番号も大切に保存しておいてください。

私の障害年金の更新が来年なので 老齢共済年金ではなく 老齢障害年金を選択しました。
障害年金は、収入扱いにならず 所得税がかからないので、共済の老齢年金支給額の方が年間20万円強高いのですが、所得税がかからないことと障害基礎年金が満額支給になる「障害年金」を選択しました。

ついでですが 障害認定と同時に「年金掛け金支払い免除」手続きをしていたので 基礎年金額は 満額になりません。
注意すべきは 障害年金でも 「年金繰り下げ」扱いにならないことと 障害認定更新時に 認定解除か等級変更時に再申請が必要とのことです。

年金事務所では 一つ一つ記入の仕方や年金コードなどを教えてくれるので 記入に迷ったら 空白にして申請時に担当社労士さんに教えてもらった方が 訂正印が少なくて済みます。(私は 訂正だらけでした、トホホ)

今年の4月からは「花の28年組」の年金手続きです。
同窓生の皆さん、年金仲間になります。
厚労省の年金改悪が 自分の身に生活に直結します。
「老人パワー」で これ以上の改悪は阻止しましょうね。
posted by 小だぬき at 19:24 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月14日

年金支給ミス 制度の信頼を壊すな

年金支給ミス 
制度の信頼を壊すな
2018年4月13日 東京新聞「社説」
こタヌキ同盟.jpg
 日本年金機構の情報管理のずさんさがまた露呈した。
外部の委託業者の情報処理にミスがあった。
調査委員会が検証を始めたが、適切な情報管理と運用が年金制度の信頼の基本と自覚すべきだ。  

約十万人の年金の二月支給分が少なかった。
総額約二十億円になる。
一方で多く支払われていた人も約四万五千人いた。

 発覚の端緒は、二月に入り年金額が減ることに気付いた受給者から問い合わせが増えたことだった。
年金を頼りに生活している人にすれば、少しの減額でも敏感になることは当然だろう

 加えて四月から、介護保険料が多くの自治体で値上げされる。
七十五歳以上の医療保険料も上がる地域がある。
機構は、負担増や給付減が生活に影響する受給者の実情を認識する必要がある。
 支給ミスは機構がデータ入力を委託した外部業者の処理がずさんだったためだ。

年金に所得税がかかる人の控除手続きに必要な書類のデータ入力作業で発生した。
 機構によると、契約では入力後に担当者二人が確認する手順だったが、書類を機械で読み取らせていた。
そのため誤入力が発生した。
入力漏れもあった。

委託業者は、機械の読み込みではミスが出やすい氏名などの入力作業を中国の関連企業にやらせていた。
これも契約違反だという。

 委託業者は五百万人を超える大規模作業は初めてで、人材不足からこうした対応になったようだ。
厳重な管理が求められる公的年金情報を扱う責任感が欠けていた。
 機構は委託業者の対応能力についてチェックが不十分だった。
しかもミスに気付いた後も代わりの業者が見つからないという理由で委託を続けた。
機構は業者へ損害賠償請求を行う方針だが、自身の責任も重い。

機構を監督する厚生労働省も責任を自覚すべきだ。
 その後、別の業者も入力作業を外部に委託していたことが分かった。
業務量が増え外部委託が避けられないのなら、業者の管理体制を再考する必要がある。
機構は有識者による調査委員会を設け十日に初会合を開いた。

業務委託のあり方などを検証し六月に報告書をまとめる。
調査に協力し管理体制を見直してほしい。
 機構は、旧社会保険庁時代の「宙に浮いた年金記録」問題や二〇一五年のサイバー攻撃による年金情報百二十五万件の流出など情報管理の不祥事が絶えない。

高齢期の生活を支える制度を担っていると肝に銘じるべきだ。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月16日

脊髄動脈エコー検査をしました。

18日に「脊髄外科」手術の検査入院・脊髄神経矯正手術日と入院期間について 決定しようという流れの中、今日は脳外科で脊髄動脈エコー検査で 手術リスク判定をしました。

エコー検査の結果は、血管内に血栓部分が1/3ほどあり、神経手術は可能でも 今後 とも脳外科で出す血液・血管関係の薬は 飲み続けないと脳梗塞や脳出血の恐れがでてくるとのこと。

エコー写真を見ながら 何気なく「神経も骨も血管も異常だらけで 長生きは無理でしょうね」というと 
脳外科の先生「薬さえきちんと飲み 血液循環さえ維持できれば、長生きできる人も多いよ」とのこと。

不思議と「死の恐怖」より「残された命を1日でも長くする」「介護保険対象者になったのだから、困ったときは役所に相談し 介護認定をしてもらう」などという居直り的発想になりました。

帰り、久しぶりに本屋に行き 菩提寺宗派「曹洞宗」の住職の書いた「心がラクになる生き方」南直哉著(アスコム社)を買い、手術・検査・リハビリ時の支えの本にします。

元共産党員の私が病気の時は 仏にすがるのですから 自分自身 結構 思想的に柔軟だなぁと苦笑です。
posted by 小だぬき at 20:51 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月18日

「すぐに答えを出そうとしない」「見返りを求めない」…人生を豊かにする生き方

「すぐに答えを出そうとしない」
「見返りを求めない」…
人生を豊かにする生き方
2018.04.17 新刊JP編集部
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 人生を豊かに過ごすにはどうすればいいのか。
そもそも、「生きる」とはどのようなことなのか。
 答えを出すことが難しい問いに向き合う時間は誰にでもあるが、答えが出ないまま終わるということも多いだろう。
では、どう考えればいいのか。

 どんなときも「おかげさま」を忘れず、死を心配せずに毎日を楽しく生きることが、人生を与えられた私たちの使命であり、何よりも今を楽しむことこそ、最も重要である。
――そう述べるのが、『おかげさまで生きる』(幻冬舎刊、2017年に文庫版刊行)の著者である医師の矢作直樹氏だ。
医師として人の生死と向き合ってきた矢作氏が辿り着いた「生きる」の意味。
そして、豊かに生きるための考え方。
本書から紹介しよう。

■すぐに答えを出さず、
時間に結論を委ねることも大切

 問いにぶつかったら、すぐに答えを出さないといけないという気持ちになるだろう。
「なぜ生きるのか」という問いもそうだ。

 しかし、矢作氏は、答えは「出すもの」ではなく、「出るもの」であると考えているという。
 どう判断していいのか見当もつかないとき、結論を先送りにしてしまったことはないだろうか。
そして、「優柔不断な自分が嫌だ」「答えを出せず情けない」、そんな風に思って自分をせめるかもしれない。
しかし、先送りにするのも選択の一つ。
もしかしたら時間が解決してくれるときもある。

 矢作氏は「時間という存在は、私たちを縛る嫌な存在である反面、物事を解決する、トラブルを解消するための貴重な存在です」と指摘する。
 自分の生活を振り返ってみて欲しい。
どこか焦っていないだろうか?
 歩調を周囲に合わせようと必死に答えを考え続けてはいないだろうか。
でも、誰かが勝手に作ったスピードに巻き込まれてイライラするのは禁物だ。

■どうしようもない状況は「しかたがない」

 また、朝の通勤時に電車が運転見合わせになったり、物事がうまくいかないなど苛立ちのもとは至る所にある。
しかし、怒ったところでどうすることもできない。
そこでは「しかたがない」と考え、理不尽を受け入れることが重要だ。

 しかし、矢作氏は、「しかたがない」という言葉はあきらめの境地で使うのではないと指摘する。
自分の力ではどうしようもない状況があったら、「それもまた人生」とまずその状況を受け入れるのだ。
それが大きな学びに通じていく。
 人は困ったときに本性が出るもの。
確かに苛立ちを隠さずに誰かにぶつかるなどもってのほかだ。
「しかたがない」も重要な考え方だといえる。

■人に見返りを求めないことで
   本当の快適さを得る

 一人ぼっちという孤独感や、周囲とうまくやれないという分離感の行き着く先について矢作氏は、自分なんて死んだほうがいいいいのだという「負の領域」であると指摘する。
そして、こうした感情の大本は「自縛」という領域で、自分を縛っているのは自分自身であることを理解しておかなければいけない。

 矢作氏は、孤独感や分離感は一人でいるから起こるのではなく、「他者との感情面での『つながり』を感じられないから生まれる」と述べる。
 よく考えみれば、確かに私たちは他者とのつながりなしで生きてはいけない。
何かを買うにしても、どこかへ行くにしても、誰かの助けが必要だ。
孤独感や分離感は“つながっているはずの感覚”が鈍くなっているだけなのだ。

 矢作氏は、人生はギブ・アンド・テイクではなく、ギブ・アンド・ギブと訴える。
見返りを期待せずに与えることが、いずれ自分のためになる。
与えたら忘れる。
その循環に身を置くことが、本当の快適さを得ることにつながると言う。

 ただ、一人の感覚を急に手放すことは難しい。
そこで本書で提案されているのが、まず「しがらみ」を手放してみること。
「しなければいけない」「なくてはいけない」といった「しがらみ」を1つだけでいいので手放す。
つまり、自分にとって譲れない考えを手放すのだ。

 しがらみが強いと、知らず知らずのうちに周囲とのつながりが薄れてしまうと矢作氏。
それは、皆が異なる価値観で生きているという当たり前のことを忘れるからだ。
しがらみを捨てる。
そうすることで、孤独感が薄れて他者とのつながりが太くなり、人生そのものが豊かになるのだろう。

 人生の岐路に立ったときや迷ったとき、救急医療の第一線で命と向き合ってきた矢作氏の生きることへの考え方は、進む道を導き出すときに参考になるはずだ。
(新刊JP編集部)

ニュースサイトで読む:
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2018年04月22日

水に流せない! “女子トイレの行列”問題

水に流せない! 
“女子トイレの行列”問題
4/21(土) 読売新聞(大正大学准教授 岡山朋子)  

まもなく大型連休。
行く先々の施設のトイレで、順番待ちの長蛇の列に悩まされたことのある女性は多いのではないだろうか。
各地で公共トイレを清潔にするなど快適化を目指す動きが広がっているが、この“行列問題”はほとんど改善が見られない。
大正大学人間学部准教授で、日本トイレ研究所の会員でもある岡山朋子さんに、女子トイレ行列を生む背景や問題点について解説してもらった。

◆“男女平等”が不平等に
 先日、順番待ちの列ができていた女子トイレの前で、小さい女の子が我慢しきれなくなり、母親が列に割り込む形で「先に使わせてほしい」とお願いしたことをきっかけに論争がわき起こり、ツイッターでも議論になりました。
 「子どもに優先させてあげるのが大人の優しさ」と思う人がいる一方、
「過活動膀胱(ぼうこう)」などでいつも尿漏れを心配している大人の女性や、
急な生理などで一刻も早くトイレに駆け込みたいという女性もいます。
いずれも当事者にとっては非常に深刻な問題であり、簡単には譲れません。

 こうした深刻な「トイレ渋滞」の影響を受けるのは、ほとんどが女性です。
公共施設などで女子トイレの前にだけ長蛇の列ができているのを、男性も見かけたことがあるでしょう。
 その原因は、実態にそぐわない「男女平等」にあります。
公共トイレの多くが左右対称の作りで、男子トイレ、女子トイレが同じ面積で作られることが影響しているのです。

◆利用時間は男性の2.5倍
 中日本高速道路(ネクスコ中日本)が2014年度に行った調査によると、
男性が小便器を利用する時間が平均37.7秒であったのに対し、
女性の個室トイレの平均利用時間は約93.1秒で、男性の約2.5倍の時間がかかっていました。
女性のトイレは常に個室が必要で、男性より所作も多いからです。

 男女で同じ面積のトイレを作れば、すべて個室の女子トイレは、男子トイレよりも便器の数が少なくなることが多く、その上、1人当たりの利用時間が長いとなれば、女子側にだけ列ができるのは当然といえます。
 面積が「男女平等」であっても、利便性の面では「平等」とはとても言えないのです。

女性のほうが多い…山口県萩市
◆男性の2倍を目標値に
 トイレの男女比率を変え、女子トイレの渋滞問題を改善しようと取り組んでいる自治体もあります。
山口県の萩市です。
 萩市には松下村塾など、世界遺産に登録された観光地の一部があり、観光客が大型バスで訪れると、公衆トイレを利用する女性たちの長蛇の列ができていました。

市の公共施設でもイベント開催時に同様の問題が起きていたことから、市は「公共施設のトイレにかかる整備方針」を設け、「男性小便器数と女性便器数の比は概ね1:2とする」という目標値を定めています。

 同市によると、女性コーラスの全国大会などが行われる萩市民館は、男子トイレの便器が22個(小便器15個、個室7個)、女子トイレは個室のみ12個でしたが、2013年度に行われた整備で女子トイレだけを増やし、男子の1.5倍に当たる個室34個となりました(女子トイレ内に男児用小便器1個を増設)。

◆「空き」でも奥のトイレは使われない
 面積の問題以外にも、「トイレ渋滞」を生む理由があります。
 先に紹介したネクスコ中日本の調査では、トイレの列に並ぶ人の行動について、もう一つ興味深いことが分かりました。  

並んでいる人の行動を観察すると奥の個室が「空き」となっているのに、利用する人が少なく、入り口近くの個室に利用が集中していることがわかりました。
仮に1人当たりのロス時間は短くても、行列する人の数を掛ければ、相当な時間のムダになります。
 こうした調査をもとに、高速道路のサービスエリア(SA)などでトイレの混雑解消に向けた取り組みが始まっています。 

デザインでトイレ渋滞を解消
◆センサーで「空き」を表示
 静岡県沼津市の東名高速道路・愛鷹(あしたか)パーキングエリア(PA)などでは、トイレの個室の入り口にライトを設置し、センサーで利用状況を感知して、使用中なら「赤」、空いていれば「青」と自動的に表示するようにしています。
 ほかにも、人は明るい方へ行きたくなるという心理的な「サバンナ効果」を利用して、トイレの入り口から奥に向かって、壁のデザインを寒色系から暖色系に、照明も徐々に明るくするなどして、空いている奥の個室を利用するように促す工夫をしています。
これにより、奥の個室までまんべんなく利用され、以前よりも混雑が緩和されたといいます。

 順番待ちの列に整然と並んでもらうことも時間のロス解消につながります。
どこで待てば良いか分からないなどの理由で順番を抜かされた人から不満の声が出るなどして、トラブルになるのを防ぐことができます。
 圏央道の厚木PA(内回り)などでは、人の足形などを床面に描き、トイレの順番を待つ位置と並び順が分かるようにし、さらに、入る人と出る人が出入り口で交錯しないように、それぞれの動線を床に描いた矢印で示すようにしています。

 このほか、女性はトイレで化粧や身だしなみを整えることがあり、その順番待ちがトイレ内の混雑にもつかながるとして、トイレとは別に専用のスペースを設けたサービスエリアもあります。

◆デザインで混雑を解消
 スポーツ観戦の際も、トイレのタイミングは重要です。
行列に並んでいる間に、決定的な瞬間を見逃してしまうのは誰も避けたい事態でしょう。
2020年の東京五輪に向けても、大きな課題になると思います。

 Jリーグで昨季優勝した川崎フロンターレの本拠地・等々力陸上競技場(川崎市中原区)では、2015年のメインスタジアム改修に合わせて、トイレの混雑解消にも取り組みました。
サッカー観戦時のトイレ利用は、ハーフタイムなどの限られた時間に集中しがちです。
試合再開までにお客さんが客席に戻れるようにと配慮したそうです。
 ここでも、個室の「空き」がはっきりと分かるような工夫をしています。

 スタジアムの改修を行った日本設計(東京都新宿区)によると、全ての個室ドアが閉まった状態では個室の周辺はまっ白に見えるようにデザインされています。
個室内の壁は女子トイレが赤、男子トイレは青に統一され、白い扉が開くと、個室内の色が見えて、そこが「空き」になったことがわかるという仕組みです。
 動線にも工夫しています。
 用をすませて個室を出ると、すぐ目の前に小さな手洗い場所があります(写真参照)
手を洗い終えて顔を上げると、一番奥にある緑色の壁に目が向く作りになっていて、壁面には矢印が一つ描かれています。
これに従って移動すれば、出口となります。
トイレに入ってから出口までが“一方通行”で、利用者が一度も戻ることなく動くように導く仕掛けになっているのです。
この工夫で、入る人と出る人の交錯も防いでいます。

◆男性は母や妻の立場で考えて
 車で移動する際や混雑した駅、観光地など、トイレの問題が心配になる場面はいくつもありますが、女性はなかなかその悩みを言いだせません。
女性同士でも、世代間で分かり合えないことが多いと思います。

 男性にとってはなおさら、「女性のトイレの問題」は、分からないことだらけだと思います。
しかし、ここで紹介したように、社会的な理解不足や環境整備の遅れに女性は困っているのです。

知らないふりをせず、自分の母親、妻、娘の大問題として考えていただければ、本当の意味での“男女平等”のトイレ整備が実現していくのではないでしょうか。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月29日

ココに注意!厄介なクレーマー対応をスムーズに行う3つのポイント

ココに注意!
厄介なクレーマー対応を
スムーズに行う3つのポイント
2018/04/28 All About

クレーマー対応・
謝罪の適切な方法とは
仕事でもアルバイトでも、接する顧客は千差万別。
また、仕事上のミスやトラブルも時として起こり得るものです。
いつも気持ちよく働きたいものですが、時として適切な苦情を超えた、いわゆる「クレーマー」「モンスタークレーマー」の呼ばれるような顧客対応が必要になることもあります。
サービスや対応を強く非難したり、要求をエスカレートさせ、無理難題を押し通そうとしたりするクレーマー。
こうした方との関わりは非常に気を遣いますし、強いストレスを感じてしまうものです。

また、対応に気をつけないとさらに怒りを煽り、問題を大きくしてしまうリスクもあります。
クレーマー対応の基本となる3つの対処法を知り、いざというときに冷静に対応できるように備えておきましょう。

ポイント1:
怒りの背景にある心理を理解する
感情的なクレームの背景にあるものは何か、考えてみましょう。
たびたびクレームが寄せられたり、激しい感情が治まらないような場合には、そのクレームの奥にはクレーム内容とは直接関係のない何かに、ストレスを抱えているのかもしれません。

たとえば、同じ保護者が塾の教師に対して「子どもの成績がちっとも上がらない。どうなってるんだ!」、
同じ客が飲食店の店主に対して「遅い、どうなってるんだ!」というように、たびたびクレームをつける場合、感情的になりやすい気持ちに、何らかの個人的なストレスが影響しているのかもしれません。
表面的な激しい態度や物言いに警戒するのではなく、その方は背景にどのような思いや事情を抱えているのだろうと、考えながら話を聞くことが大切です。
こうした気持ちで接するとこちら側の対応が柔和になり、すると、相手も感情が煽られずに冷静になりやすくなるのです。

ポイント2:
不愉快にさせたことについては
真摯に謝罪する
謝罪の際には、紋切型の謝罪の言葉を繰り返せばいいというわけではありません。
よく考えずに謝ると過失を認めたものと理解され、過大な要求に結びつく可能性があります。
謝罪にあたっては「意図して行ったわけではないが、結果的に不愉快にさせていること」への非礼について詫びることです。

クレームは、発信者の何かが受け手にとって不都合、不利益を与えているために寄せられるものです。
したがって内容をよく吟味し、どのような不都合、不利益があるのだろうと理解することが大切です。

ポイント3:
相手の言い分にまっすぐ傾聴する
相手の主張には、まっすぐに耳を傾けましょう。
「くわしくお話を聞かせていただけますか」と言葉をかけ、相手の話をまっすぐに聞く態度を示しましょう。
話の途中で、「そうは言いましても」「それは誤解です」といった言葉を挟むのはタブーです。
しっかり話を受け止め、怒りが落ち着いてきたところで、改めてこちら側の見解を伝えたり、今後の対応などの話し合いに移っていったりするとよいでしょう。

上のように、クレームには冷静に対応しつつも、相手の怒りの背景に何があるのかをよく考えてみること。
そして、相手に迷惑をかけたことに対してはしっかり謝罪し、言い分をまっすぐに傾聴すること。
この対応によって、相手の怒りは落ち着き、冷静な話し合いが進みやすくなるものと思います。

クレームの対処や謝罪が必要なシーンに直面したときには、ぜひ上の3つのポイントを活かし、対応してみてはいかがでしょうか?
posted by 小だぬき at 08:33 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月30日

生活保護利用者を差別:法改定案 与党などが採決強行

生活保護利用者を差別
法改定案 与党などが採決強行
2018年4月28日(土) しんぶん赤旗

 生活困窮者自立支援法等改定案が27日、衆院本会議で自民、公明、維新などの賛成で可決され、参院に送付されました。

政府与党が公文書改ざんや隠ぺいなどで国会審議の土台を壊し、事態打開を求める日本共産党などの野党議員が欠席するなかで与党側が採決を強行しました。
 法案には、生活保護利用者だけに後発薬の“原則使用”を義務付けることが含まれ、利用者や医療団体から「差別だ」と反対の声があがっています。
 無料低額宿泊所を一時的な宿泊施設から生活保護利用者の恒久的な受け皿に変え、低質な住環境を固定化することにつながる内容も盛り込まれています。

 生活保護世帯の子どもが大学進学する場合に一時金を支給(自宅通学10万円、下宿30万円)。
これまで子どもが大学進学すると「世帯分離」が避けられず保護費が減額されていましたが、「住宅手当」分は減らさないことにしました。
しかし「世帯分離」の仕組みは変わらないため、日常生活費に充てる「生活扶助」は減額されます。

 政府は法案とは別に、7割の利用者を対象に10月から「生活扶助」の最大5%削減を狙っています。

 これに対し立憲民主党、希望の党、日本共産党、無所属の会、自由党、社民党6野党・会派は「子どもの生活底上げ法案(生活保護法等改正案)」を共同提出。

野党案は、児童扶養手当を月1万円増額して毎月支給にすることや、生活保護基準を1年かけて見直し、その間は引き下げしないとしています。
世帯分離」廃止なども盛り込まれています。

 野党案の審議は継続されたままで、共産党の高橋千鶴子議員は、野党案を中心に審議時間の回復を求めて奮闘するとしています。
 本会議を傍聴した全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の西野武事務局長は「後発薬使用原則化など人権を無視する内容のある法案がほとんど議論されないまま可決されたことに強い憤りを感じる。
法案廃止を求めて引き続きたたかっていく」と語りました。
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2018年05月03日

2日に術前検査、通院で半日。11日手術、でも不確定な手術適応性

2日に「頸椎間圧迫」「脊椎間圧迫」「股関節」で整形外科 (脊椎外科)に通院。

肺レントゲン、頸椎CT、脊椎MRI、肺機能検査、心臓心電図、血液検査、尿検査などの検査と画像診断で 約6時間の病院滞在。
結果としては 5/10に入院、5/11に頸椎圧迫改善手術、8日 麻酔科外来、9日 心臓エコー検査などの日程が 組まれました。
但しがついてしまったのです。心電図検査での不整脈と肺機能の低下などもあり、頸椎手術不適応で できない場合もあるとのこと。

頸椎間圧迫を放置すると いつ「寝た切り」状態になるかもしれないからと 手術に同意、決断したものの 心臓と肺の状態で手術が不能になるという場合も・・・。

頸椎→脊椎→股関節の3つの手術が 順調にできても 数年がかりの手術間隔とそれぞれの箇所で数年のリハビリ生活との宣告。

主治医に 寝たきりになるよりは 殺して欲しいなどと 失敗を前提に要望を言うと、
苦笑しながら 私が主治医として執刀するのだから信じてほしい。
エコノミー症候群・呼吸困難・心臓・肺炎などの合併症がでないように入院時にきちんと病状管理して 寝たきりになどにしないからと約束。

ただ主治医から 介護保険申請高額療養費申請はして欲しいとの要望が出され、月曜日に区役所で申請する予定です。

寝た切り想定ですか??と聞いたら、今でも 歩行困難が出ているし 料理・洗濯・掃除なども難しくなってきているし 歳とともに状態は 悪くなるのは明らか。
1回の手術で 今後再発しないという保障はできないし、何回かの再手術をしなければならない人も 数は少ないがいるからとのこと。

脳外科で経過観察している脳梗塞痕が 急激に拡大するか 大量出血するか、肺炎と同時にエコノミー症候群による血管栓塞が起こらない限り、「殺してくれ!!」の要望は、医師としては拒否するしかない。病院への信頼のためにも 合併症にしないよ、ですって。

安易に「悪くても車椅子生活」というのは 幻想のようで 首から神経が遮断・切れたら 「車いすでは済まない」とのネット情報。

入院説明の病院事務の方に 何か聞いておきたいことはありますか??に 
悪ノリして「担当の看護師さんの指名やレンタルはできますか」との冗談に 真面目に「難しいのでは・・・」と答えてくれた 若き女子事務員さんの真面目さに 思わず「ごめんなさい」と謝罪してしまいました。

前期高齢者でも65歳は 医療費3割負担。高額療養費対象外の日用品のレンタル料や入院食事負担、差額ベット料金など 入院日数を観光ホテルに宿泊したと考えれば、「安い」かもしれない なんて ノー天気な小だぬきは、月額18万円弱の年金で考えるのではなく、退職金残額から計算している・・、 貧困予備者候補かな??

小学校退職 元教員の平均寿命が 68歳などと 都市伝説のように信じられている中、そう長期の余命を狙うより 日々好日の積み上げ余生と割り切ったり 人間の車検?を2年程度に設定して メンテナンスをしていけば??長生きできるのかな。
フランケンシュタイン博士の気持ちがわかるように感じた1日、確実に無節制な生活では 臓器が痛むのもモットもです。

小だぬきの「傷だらけの人生」開幕日の5月2日です。
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2018年05月05日

差別と人権 小さな声、伝えてこそ

差別と人権 
小さな声、伝えてこそ
2018年5月4日 東京新聞「社説」

 世界人権宣言の採択から今年で七十年。
すべての人の基本的人権を公に認めた宣言だ。
だが差別や偏見は一向になくならない。
私たちはその現実とどう向き合い、報道すべきか。改めて考えた。

 取材相手の言葉にハッとさせられることがある。
 二年ほど前、名古屋市近郊の町に、車いすユーザーの押富俊恵さん(36)を初めて訪ねたときもそうだった。
 難病を患っても医療職で培った経験や知識を生かし、後に障害者支援のNPO法人を立ち上げた。
その彼女の言葉だった。

「見下ろしたままで話す人がいるんです。
何というか、心を開いて話しづらくて」

 この思いがけぬひと言が、私たちがふだん思っている記者としての心構えを、力強く念押ししてくれたように聞こえたのだ。
いつも忘れないでいて、と。

 差別や人権にかかわる問題を取材する場合、私たちは、立場の弱い人の話を聞くことが多い。
そんなときには、相手の目線で見て、聞いて、理解していくという心構えでありたい。
 障害のある人や現に差別されている人は、心の内を自ら意思表示することがなかなか難しい。

そうした小さな声、声なき声をいかにくみ取り、伝えていくかが、私たちには問われている。

 世界人権宣言が採択されたのは一九四八年十二月十日。
パリで開かれた第三回国連総会だった。
 宣言そのものに法的拘束力はない。
だが人種差別や女性差別の撤廃、子どもの権利条約など、その理想と精神は各種の国際条約、規約となって生み出された。  同様に、各国でも法の制定などが進んでいる。

 日本でなら、最近では一昨年の「人権三法」だろう。
四月に障害者差別解消法、六月にヘイトスピーチ対策法、十二月に部落差別解消法が施行された。
 むろん法の有無にかかわらず、いわれのない差別や偏見に対しては、これからも私たちは厳しく物申していかねばならない

差別を助長するような面もあるポピュリズムが世界に広まってきている現状を見れば、余計にである。
 法ができても、差別は根深い。
法の趣旨が、公的機関や人びとにどう浸透していくか。

 繰り返しになるが、だからこそ私たちは小さな声に耳を澄ませ、伝え続ける必要がある。
法が意味あるものになっていくためにも。
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2018年05月06日

人格・権利が尊重される社会を

こどもの日
人格・権利が尊重される社会を
2018年5月5日(土)しんぶん赤旗「主張」

 きょうは「こどもの日」です。
「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかる」日として1948年に定められました。

日本の子どもたちは一人ひとりの人格を大切にされているでしょうか。
いま国連子どもの権利委員会は日本の子どもの権利が守られているか、4回目の審査をすすめています。

競争的環境の見直しこそ
 子どもの権利委員会は子どもの権利条約に基づいて設置されています。
条約加盟国の政府が提出する報告とともに、子どもの権利にかかわる活動をしている民間団体からの報告も踏まえて、各国での子どもの権利条約の実施状況について審査します。

 日本については、これまで3回審査をおこない、98年、2004年、10年に日本政府への改善勧告を含む「所見」を出しています。
3回の所見ではいずれも、日本の子どもたちが「高度に競争的な学校環境」のもとにおかれていて、発達をゆがめられ、不登校、中退、自殺など否定的な影響を与えている点を問題にしています。

 日本政府は、競争的な教育環境を見直すどころか、全国学力テストの導入などでいっそう激しくしてきました。
いじめによる自殺は後を絶たず、不登校が増え、校内暴力も高い水準が続いています。
 にもかかわらず、4回目の審査にむけて安倍晋三政権が昨年、子どもの権利委員会に提出した報告は、「高度に競争的な学校環境」がいじめなどを助長しているという同委員会の指摘に対し、「(そうした)認識を持ち続けるのであれば、その客観的な根拠について明らかにされたい」と、開き直りともいえる態度を示しています。
本気で「子どもの人格を重んじ、幸福をはかる」姿勢がまったくないといわざるをえません。

 日本政府がやるべきことは、学力テストの見直し・廃止など、子どもの権利委員会の指摘にこたえる施策です。
 「夏休みで(給食がなく)10キロやせた中学生」「修学旅行の積立金を取り崩し生活費にあてる親」―。
「子どもの権利条約 市民・NGO報告書をつくる会」が子どもの権利委員会に提出した報告書にある子どもの貧困の実態です。
 貧困状態にある日本の18歳未満の子どもの比率は、15年の調査で少し低下しましたが、13・9%、約7人に1人と、国際的にみて依然高水準です。
格差と貧困を広げてきた安倍政権の政策が改めて問われます。
このうえさらに、生活保護の削減などで子どもを苦しめることは許されません。

 下着の色を指定する、生まれつき茶色の髪を強制的に黒染めさせるなど人権侵害にもあたる校則、「問題行動」に対し生徒の言い分も聞かずに罰則を機械的に適用するゼロトレランス(寛容度ゼロ)方式の生徒指導、なくならない体罰など、学校で子どもの権利が侵されている現状は深刻です。

子どもの意見を大切に
 子どもの権利条約は、子どもに影響するすべての事柄について子ども自身が意見を表明する権利を保障し、その意見が「相応に考慮される」と定めています。
 憲法と権利条約に基づいて子どもを社会の一員として尊重し、その声を聞き、幸せを保障していく―。

「こどもの日」の趣旨にふさわしい政治への転換をいまこそ求めていきましょう。
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2018年05月10日

高齢者と服薬 引き算で副作用減らせ

高齢者と服薬 
引き算で副作用減らせ
2018年5月9日 東京新聞「社説」

 高齢者は多くの薬を併用することが多い。
厚生労働省は副作用などのトラブルを防ぐため医薬品の適正使用について指針案を示した。
薬はなるべく減らすことも治療のうちと考えるべきだろう。

高齢になるといくつもの疾患を抱えがちだ。
あちらこちらの医療機関を受診し降圧剤や睡眠薬など多種類の薬を処方される。
 厚労省によると七十五歳以上の四割が一カ月で五種類以上、25%が七種類以上を一カ所の薬局で受け取っている。
十一種類以上の人もいるとのデータもある。
 だが、高齢者の服薬には注意が必要だ。
加齢で薬を分解する体の働きが低下している。
同じ量でも若い人より効きすぎてしまう。

 無視できないのは副作用だ
ふらつき・転倒、記憶障害、抑うつなど深刻なトラブルが出やすくなる。
食欲低下や便秘、排尿障害なども起こり、高齢者を悩ませることになる。
副作用を抑えようと別の薬を処方される悪循環もある。

 トラブルの発生は六種類以上で増加するデータがある一方、三種類程度でも発生するケースもあり処方された薬の中身や組み合わせに注意が求められる。

 厚労省は、指針案を初めてつくった。
医師や薬剤師ら向けで、特徴的な副作用の症状や原因薬を示し、医療従事者が連携して服薬状況の把握や処方の見直しを促している。
その上で使用中止できないか、より安全性の高い代替薬を使えないかなどを判断し、減薬や変更後の患者の慎重な経過観察も求めている。

 医薬品は医療の柱のひとつだ。
これまで症状が改善しなければ種類や量が増え、長期処方に傾きがちだった。
多剤による影響を考慮したり、減薬する発想はあまりなかったのではないか。

 今後、多くの高齢患者が薬を利用することになる。
減薬も症状の改善や生活の質(QOL)向上に役立つと「引き算」の発想に換える時機に来ている。
 飲み忘れなどの残薬は年間五百億円分になるとの推計もある。
医療費の節約のためにも服薬の管理は重要になる。
 そのためには、地域のかかりつけの医師や薬剤師の役割は増すが、医療関係者同士の連携はまだ手薄だ。
患者の服薬情報の共有を含めチームで患者を支える態勢づくりを急ぐべきだ。
 患者は勝手な服薬中止は避けたいが、「薬が多い」と感じたり体調に不調を感じたら医師や薬剤師に聞いてみることも心掛けたい。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今日 入院、明日手術

今回は 頸椎圧迫是正の外科手術のためPCを持ち込まず、リハビリ・退院を優先するために 3週間程度の休載になります。
術前検査で 心臓「狭心症」「頻脈」、肺の機能低下などで 昨日 麻酔医の説明でも 場合によっては「中断」もありえるとのことでした。

各検査の数値から「完全禁煙を」と宣告され、禁煙10日。
ニコチン依存の恐ろしさか、ボーっとしていると左手で煙草を探るしぐさに。
入院することで 完全禁煙に挑戦します。

更新がしばらく止まりますが、忘れないでくださいね。
13時30分に入院手続き。11日 手術にそなえて 痰出し訓練に入ります。

行ってきます。
posted by 小だぬき at 12:00 | 神奈川 ☔ | Comment(13) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月18日

頸椎狭窄手術からの仮退院

17日に退院できました。
ブログ友達っていいものだなぁと 昨日痛感しました。

10日 9時に床屋
   12時に昼食「がボラライス」
   13時30分 入院手続き
        9027室2人部屋へ病院の都合とのことで差額ベット代無料
   15時30分 入浴
   16時から執刀医や看護師の入院生活の予定、説明
   18時 夕食 おいしい・品数たっぷり、あたたかくかいものはあたたかく冷たいものは冷たく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この時点で 病院のイメージが変わりました。
昔は、部屋は汚い 食事は材料がわからないような冷えて不味い、看護師はぶっきらぼうという記憶があったのですが、見事に逆転、ベットが空いていれば食事入院をしたいくらいの 美味しいバランスのとれた3食でした。パンは苦手と申告していたせいか 全てご飯定食。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11日 7時から血液検査、アレルギー検査など
   10時30分より手術
   12時30分 ICUに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
全身麻酔で手術したものですから 手術の記憶なし。
ICUで一番不安だったのは 時間感覚がなく、「周りの人が入れ替わるのに 自分のみ取り残された感覚」
それと尿は管でつながれているのでいいのですが、便が困りナースコール。
声が出づらく嗄れている中で 必死に訴えて 2度ほどお世話に。
ごめんねと手で拝むと「気にしないで、それも僕のしごとですよ、困ったりつらい時は いつでも呼んで」と看護師に男性がいる安心感がうまれました。
状態を聞きに来る 執刀医、主治医、麻酔医に対し 声がでず 手信号??でOKサインを。
二度ほど 呼吸停止がありましたが 想定内の対処で乗り切りました、と話してくれました。

ICUから病室に戻ったのが、19時30分。
長時間いたような感覚は辛いものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12日〜 問題患者に
痰がからみ 声は出しづらかったのですが 身体に自由がもどってくると やたらと動きたいが・・・・
5時の看護師さんによる熱・血圧・血糖検査の前、やたらと歩きたくなり 自立歩行でトイレへ。
それを看護師さんにみつかり 立ち眩みや足のもつれはありませんか・・、これから動きたいときはナースコールで知らせ 看護師と同伴にとのお叱り。「無理して早く治るより、今は転倒が怖い」とのこと。
これは歩行器を使わされることになった後も 歩く→見つかる→謝るが続きました。

多目的トイレの入口「空き」の表示を「使用中にするのを忘れることもたびたび」
その度に看護師さんや女の子・女性・おばあちゃんに見学され 恥ずかしい思いも・・

リハビリもはじまり 幼児教室のようでした。
自力トイレが伝わっていたのか、普通にトレーニング室まで歩いてください。バックアップはしますからとのお言葉。
手足の力では押したり・押されたり、バンザイや前へ倣え等で一時躊躇したとき どうしたの??と聞かれたので 指示どおりにすると 君を抱くことになってしまうのでというと そんなこと気にしなくていいとのことでしたので 若き療法士との楽しい時間??を送りました。
機能検査や歩行、手足は手術後としては驚異的とのお褒め。

16日に看護師と療法士による「入浴指導」、入院して以来 女性に見られる場面も「さすが前期高齢者、色気も感じずの悲しい局面多々」 
30日の通院日までは くびの固定具や指導された院内のくらしと同様にとのこと。

主治医曰く「腰の手術は、早くても2ケ月後」とのこと、今年は母の3回忌法要を9/6に行うため 腰とまた関節は 暖房費節約のため 冬まで痛み止めで耐えたいですというと 薬で痛みを抑えられる状態を祈るよとのことでした。

昨日、帰宅して コメントの言葉の温かさに 感謝でした。
院内では動く監視患者も退院して 帰宅するまでの20分で 疲れが出てしまいました。

ひとまず 退院のご報告になり もうしわけありません。
posted by 小だぬき at 09:00 | 神奈川 | Comment(10) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

差額ベットの運・不運

差額ベット代金は、病院にも患者にも 運・不運 紙一重。

私は部屋希望の時、大部屋の方が 寂しくないから大部屋にと希望しました。
所が入院できたのは 1日5400円差額の二人部屋。

景色もいいし 空いたら差額無しの大部屋に移ればいいと思っていたら、
私の当日担当看護師が「この病室は、病院の都合で入ってもらうので 差額料金はなしです」とのこと。

2人ベット希望を 最初からした人は 差額料金が発生するとのこと。

結果的に2人部屋で 看護師巡回も世話も手厚い 8日間の滞在。
看護師さんとの会話で 私のような例は多いの?? と聞いたら、経営上は少ないとのこと。

当日の救急搬送・入院者の数と主治医の地位、差額ベットの運用予想などで「病院都合」の患者ラッキーが生じるようです。

飛行機でも客室の空き具合によっては エコノミーからビジネスに「会社都合」の変更があるとのこと。

前期高齢者のスタートで ラッキーな無料での差額ベット使用。
これから このようなラッキーがまた起こるのかも 楽しみな人生になりそうです。

posted by 小だぬき at 21:36 | 神奈川 ☁ | Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月21日

麻生大臣が致命的な「問題発言」を繰り返す理由が分かった

麻生大臣が致命的な
「問題発言」を繰り返す
理由が分かった
圧倒的に欠如している2つの力
2018.5.16 現代ビジネス

原田 隆之 筑波大学教授

繰り返される問題発言
前財務次官のセクハラ問題を受けて、麻生財務大臣の発言がたびたび物議を醸している。
例えば、既に財務省がセクハラを認定した後になっても、
「(福田氏)本人が、ないと言っている以上、あるとはなかなか言えない」
「はめられた可能性は否定できない」
「セクハラ罪という罪はない」などと、平気で暴言を繰り返している。

発言の一部は、後になって撤回、謝罪したが、自民党のなかからも批判が噴出している。
また、問題発言の撤回や謝罪は、麻生大臣の「お家芸」のようなもので、これまで何度も繰り返しているのに、まったく過去の失敗から学んでいないようだ。

このような発言をするのは、当然、女性に対してのゆがんだ認識、ハラスメント行為や人権に対しての浅い認識があるからであって、そうした自分の問題を改めようという姿勢もないようだ。
事実、財務省で幹部対象に実施されたセクハラ研修にも大臣の姿はなかった。

発言内容を分析してみると… ここに挙げた問題発言を分析すると、いろいろな特徴が見えてくる。
まず、最初の2つの発言であるが、本人は福田氏を弁護するつもりで、あるいは多様な見方があることを示すつもりでの発言だったのかもしれず、本人なりにいろいろと考えてはいるのだろう。
しかし、そこに決定的に欠如しているものがある。
それは、「共感性」である。
共感性とは、他者の感情を思いやって、それを共有する能力のことをいう。
こんなことを言えば、聞いている人は何を思い、どう感じるのか、とりわけ被害者はどう感じるのか、こうしたことに思いを馳せることのできる能力のことだ。
この能力があれば、あのような暴言は出てこないだろう。

一方、これらの発言を聞いて、不快に思ったり批判をしたりしている多くの人々は、共感性が働いたからこそ、自分とは直接関係がなくても、その発言内容のあまりの酷さに唖然とするのである。
そして当人は、そのことを周囲から批判されても、まったく理解していないかのような顔つきである。
だから、同じ過ちを繰り返すのであるが、いくら言葉で伝えても、心に響いていない様子である。
まさに、右から入って左へと抜けているような有様である。

「セクハラ罪はない」発言
さらに、「セクハラ罪はない」という発言であるが、その後しぶしぶ謝罪したものの、当初は批判を受けても、本人は「事実を述べただけ」と強弁を続けていた。
ここにも共感性の欠如は如実に現れている
たしかに事実を述べただけかもしれないが、それに対して受け取った人がどう感じるかという視点がまったく抜け落ちているのである。

当たり前のことだが、事実であれば何を言ってもいいわけではない。
そこには、共感性欠如に加えて、未熟な幼児性とも言える問題が指摘できる。
子どもは、平気で相手の身体的欠陥をあげつらって笑いものにしたり、「言っていいこと」と「悪いこと」の区別がつかず、人前で口にすべきでない言葉を大声で述べて、親をハラハラさせたりする。

例えば、小学生が「ウンコ」などと言って大笑いしている姿は、いつの時代にも見られる幼稚な言動である。
しかし、成長につれて、親のしつけが内面化され社会化が進み、周りの反応などを敏感に察知する能力も身につけて、こうした発言がなくなっていく。
これが、大人が身につける分別であり、良識というものだ。
大人が人前で「ウンコ」と言ってみろと言われたら、不安や羞恥心を抱くだろう。

現に、この原稿を書いている私もそのような気持ちを感じながら書いている。
「事実を述べただけ」と開き直って強弁する姿には、「嘘じゃないもん。だって本当なんだもん」などと言って、親の言うことをきかない未熟な子どもの姿を重ねてしまう。
ハラハラして不快になっているのは周囲のみで、本人はそれを感じていないのだ。

共感性とは何か
では、共感性について詳しくみていきたい。
先に簡単に定義したように、一言で言えば他者の心情を思いやる力のことを共感性という。
しかし、共感性には2種類あり、この区別は重要だ。

1つは、「認知的共感性」である。
これは、相手の気持ちを頭で理解することのできる能力を言う。
よく国語の問題などで、「この主人公はどのように感じていたでしょうか」などと問われることがあるが、これは認知的共感性を育むための教育である。
つまりこれは、言葉、表情、しぐさなどから、相手の気持ちを推論する能力である。
心理学では「こころの理論」とも呼ばれており、自閉症児などではこの能力に問題があるケースがあるが、教育や治療によって育てることが可能である。
いわゆる「忖度」もこのタイプの共感性である。

もう1つは、「情緒的共感性」である。
これは、相手の心情を頭で理解するだけではなく、それを追体験し、同じように感じ取る能力のことである。
ドラマを観て、登場人物に自分を重ねて感動したり、事件事故の被害者に思いを馳せて涙を流したりするのも、情緒的共感性ゆえのことである。
情緒的共感性の働きは、社会生活や対人関係においてきわめて重要である。
この能力があるからこそ、いたずらに他人を傷つけることなく、円滑な関係を発展、維持することができる。
また、誰かが困っているときには心の支えになったり、話を聞いて共に悩んだり、喜んだりすることもできる。

麻生大臣のこれまでの発言や、批判に対する対応などを見るとき、これらの双方が欠如していると言わざるを得ない。

 なぜ共感性が欠如しているのか
さて、ここからは一般論であるが、共感性の欠如はなぜ生じるのだろうか。
まず、認知的共感性であるが、これは成長とともに、親のしつけや教育、友人関係などのなかで「学習」していくものだ。
これが、「理性的な関所」となって、自分の発言をチェックするように働く。
しかし、イスラエルの心理学者でノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマンが言うように、その働きは、咄嗟のときや、疲労、アルコールなどの影響下では減退しやすい。
こうしたときに、失言が出やすくなる。

また、そもそもこのようなしつけや教育がなされていないケースもある。
親が放任していた場合や、無神経な発言をしてもそれが許される環境で育ったような場合も、認知的共感性は育たないだろう。
そのような人は、自分本位の一方的な物の見方しかできず、常に強者の立場で、強者の論理に立った言動を取りがちである。

「理性的な関所」、すなわち認知的共感性は、脳の中の前頭前野と呼ばれる部位にその座があり、ここに障害や機能不全であったりする場合、十分に作用しないことが考えられる。

そして、もう1つの情緒的共感性であるが、これに関連する部位は、前頭前野の下部に位置する眼窩部と呼ばれる皮質である。
ここは「温かい脳」とも呼ばれ、良心や感情に関連した働きをする。
さらに、脳のもっと奥にある大脳辺縁系と呼ばれる部位に位置する扁桃体という小さな構造物も、情動の調節をする機能がある。
これらの部位に何らかの異常や機能不全があったとき、温かい人間的な感情の発露が見られなくなる。
言葉は理解しても、心に響かないというのは、こうした異常を反映している。

共感性が育つしくみ
子どもが誰かを傷つける言動をした場合、親や教師から叱責を受ける。
また、友達仲間から非難されたり、相手に泣かれたりすることもある。
こうした場合、本人は少なからず動揺する。
また、強く叱責されると、心臓の鼓動が高まり、大きな恐怖や不安を抱く。
このように、自分の言動によって、ネガティブな結果が伴うと、以後、その言動を慎むようになる。
これが、基本的な人間行動の原理であり、「学習」と呼ばれるプロセスである。

つまり、失敗から学んで思慮分別のある大人になっていく。
このプロセスで重要なことは、不適切な言動は、心拍の増加や不安感情などとペアになって学習されるということである。
たがって、そのあと、同様の言動が頭に浮かんだとき、心拍が増加し、不安を抱くので、それが行動のブレーキとなる。
つまり、それが「感情的な関所」として働くようになる。

われわれが、他人を傷つける言動を慎むのは、頭で「いけない」とわかっているからという理由(理性的な関所)もあるが、そのような言動をすることに対する不快感や不安のような感情が作動するから(情緒的な関所)でもある。
かつて、われわれの正しい判断には、理性的で冷静な脳の働きが重要で、感情はそれらの邪魔をするものだととらえられていた。
しかし、ポルトガルの神経科学者アントニオ・ダマシオは、人間の行動には、「感情に基づく判断」も重要な役割を果たすと考え、これを「ソマティック・マーカー(生理的信号)仮説」と呼んだ。
われわれが、他人を傷つけるような言動に出ようとしたとき、不安や心拍亢進のような生理的信号が生起し、それがブレーキとなる。
しかし、前述の眼窩部や扁桃体、あるいは心拍などを調節する自律神経系の機能異常がある場合は、これらが適切に働かない。
すると、何のためらいもなく、無配慮で相手を平然と傷つける言動を繰り返すことになる。
これは、うっかりによる「失言」とは質が違う。
そして、そのことで失敗をしたり、周りから誹りを受けたりしても、感情的な動きが伴わないので、学習できずに、同じことを懲りもせずに繰り返してしまう。
つまり、このタイプは失敗から学べないので、治らない。

ハラスメントに対抗するために
これからの「正義」について
プラトンにしても、アリストテレスにしても、正義を理性の問題としてとらえていた。
しかし、繰り返される不正義のなかには、感情の不全による問題が大きいことがわかってきた。
あらためて、正義とは、単に理性の問題ではなく、感情の問題でもある。

ハーバード大学の政治哲学者マイケル・サンデルは、その著『これからの「正義」の話をしよう』の中で、
「民主的な社会での暮らしのなかには、善と悪、正義と不正義をめぐる意見の対立が満ち満ちている」と述べ、
「では、正義と不正義、平等と不平等、個人の権利と公共の利益が対立する領域で、進むべき道を見つけ出すにはどうすればいいのだろうか」と問いかける。

そしてその解決として、まず自らの正義に関する見解を批判的に検討すべきであることを提唱する。
さらに、従来の理性的な正義感ではなく、「美徳」を涵養することと「共通善」について判断すること重要性を説く。
これは、私なりに解釈すると、正義に対する感情を育てること、個々の相違や不一致を受け入れることのできる共感性を育むことと言い換えることができる。

しかし、既に述べたように、理性的な共感性や正義感を育むことには、教育はある程度の成功を収めてきたが、情緒的共感性や「感情的正義感」については、まだ議論が始まったばかりである。
さらに、現時点の神経科学による見通しは、悲観的である。

とはいえ、繰り返されるハラスメントや無神経発言に対抗するために、これからの「正義」の話をするとき、感情的正義感」という概念は、間違いなく重要なキーワードになってくるだろう。
さて、麻生大臣であるが、5月14日には国会でセクハラ問題に関して、初めて被害女性に陳謝した。
続いて、15日には閣議後の記者会見で「大臣としてセクハラを認定した」旨発言した。

これが世論の反発を受けての、しぶしぶの発言なのか、それとも情緒的共感性や感情的正義感に基づく真摯な発言なのか、今後の言動に注目していきたいものである。
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2018年05月22日

「人と考え方が違う」のを恐れてはいけない

「人と考え方が違う」のを

恐れてはいけない

独創的な考えは猛烈な抵抗を受ける

2018年05月09日 東洋経済


スコット・バリー・カウフマン : 心理学者


2014年3月、「ハフィントンポスト」のシニアライター、キャロリン・グレゴワールが書いた1つの記事が爆発的ヒットとなった。

そのタイトルは「創造性の高い人がやっている18のこと」。

クリエイティブ思考の人々の習慣を探ったこの記事は瞬く間にシェアされ、フェイスブックの「いいね!」は50万にも上った。 このことは、効率化や生産性向上ばかりが議論される時代において、創造性の重要性を改めて認識させる契機となったと言える

この記事の基となった研究を行っている

ペンシルベニア大学の心理学者、スコット・バリー・カウフマンとグレゴワールの新著『FUTURE INTELLIGENCE これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣』から、実際にクリエイティブ思考を持っている人たちの習慣をいくつか紹介しよう。


偉業に不可欠な要素は?

クレイジーな人々がいる。

厄介者、反逆者、トラブルメーカー。

四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る人々だ。


――1997年、アップルの広告 アップルが1997年に展開した「Think Different.(物の見方を変えよう)」キャンペーンは、宣伝史上最もクリエイティブで、最も成功したコマーシャルの1つとして称賛されてきた。

テレビCMでは、ガンジー、マーサ・グラハム、アルバート・アインシュタイン、アルフレッド・ヒッチコックなど、因習を打破した偉大な人々の白黒映像が次々に流れた。


当時アップルの売り上げは低迷していたが、この刺激的なCMは、「アップルはイノベーションの拠点となって、クリエイティブ思考の人、独創的な思索家、テクノロジーをいち早く利用する人のための製品を作る」というメッセージを広く伝えることに成功した。 そしてこのCMは、創造性とイノベーションの心理も語っている。

すなわち、あらゆるタイプの偉業に不可欠な要素は、「人と違う考え方をする」ことなのだ。


成功者たちはつねに、伝統的な考え方を拒み、標準と権威に挑み、トラブルを厭わず、最終的に真の変化への道を開いた。


「わたしたちは信じている……人々はこの世界をより良いものに変えられるということを」。

社内の会議でこのキャンペーンのアイデアを披露したときに、ジョブズはそう言った。


芸術と科学の歴史に名を残す、偉大な人々について考えてみよう。

彼らに共通する特徴の1つは、現状に挑戦し、努力する過程でしばしば抵抗と逆境に遭遇したことだ。

また、彼らの業績は往々にして、当初は失敗というレッテルを貼られた。

しかし、彼らはアップルのコマーシャルが言うように、「人類を前進させてきた」のだ。


ある独創的な改革者を見てみよう。16世紀イタリアの哲学者にして天文学者で、数学者でもあったジョルダーノ・ブルーノだ。

彼の革新的な学説は、時代を何世紀も先取りしていたばかりか、現代科学の大きな前進を予言してさえいた。


タブーとされていた被写体に向かう

彼は、無限の宇宙と複数の世界という見方を提唱した。

それは、旧来の地球中心の天文学を否定しただけでなく、コペルニクスのモデルをも超えていた。

宇宙は固定されたものではなく「無限」だと主張し、ほかの惑星に生命が存在することを示唆したのだ。

その結果、キリスト教会と科学機関から容赦ない攻撃を受け、宗教裁判所に逮捕され、1600年火刑に処された。 つねに死の危険にさらされながらも、ブルーノは真実だと思うことを堂々と公言した。

以下の言葉はよく引用される。


数が多いというだけで、多数派と同じように考えようとするのは、志が低い証拠である。

真実は多数派が信じるか否かによって変わるものではない」。

現代アートの世界でも、伝統的なフォームやテーマを拒むことにはリスクが伴う。

たとえそれが社会の進歩につながるとしても、である。


アメリカの写真家、ロバート・メイプルソープは、自分が写真という表現方法を選んだのは、それが「今日、存在する狂気を表現する完璧な媒体だと思えたからだ」と語った。

1970年代から1980年代にかけて、彼はその時代にはタブーとされていた被写体を臆することなくカメラに収めた。

なかでも最も広く知られたのは、ゲイの欲望および、サディズムとマゾヒズムの探求だった。


メイプルソープは大衆の怒りもトラブルも恐れなかった。

彼の豪胆さは、挑発的な被写体を巨大な画面にとらえた写真の一枚一枚に反映されている。

彼は、「大きくすることは、写真をパワフルにすることだ」と言った。 もっとも「パワフル」では、言葉足らずだろう。

彼の作品、とりわけヌードや性行為を表現したものは、しばしば展示をボイコットされたり禁止されたりした。

1989年には、ワシントンDCの著名なコーコラン美術館が、予定していた彼の回顧展をキャンセルした。

フランスの写真誌は最近、彼の作品を「最も衝撃的な作品であり、実際、アートの歴史において最も危険な写真」と評した。


「クリエイティブであるには勇気が必要」

クリエイティブ思考が社会を進化させてきた過程には、パラダイムを変えるほどのイノベーションがあふれているが、禁書、文化的な戦争、芸術家の迫害といった事例も無数に見られる。

真の違いをもたらしたイノベーションのほぼすべてが、当初は、糾弾とまでは言わずとも、さまざまなレベルの抵抗に遭遇しているのだ。 アンリ・マティスは、絵画の世界を印象主義とポスト印象主義からモダニティ(現代性)へと推し進めた反逆者と呼ばれるが、自らの歩みを振り返って、「クリエイティブであるには勇気が必要だ」と語った。

ここに挙げた因習を打破した人々は真の被服従者であり、心理学者ロバート・J・スタンバーグが「新しく、少しばかり奇妙で非常識なアイデアを生み出し、促進しようとする人」と定義した人々だ。


1985年、スタンバーグらはその研究において、さまざまな職業の人に、「クリエイティブな人の核となるものは何か」とたずねた。その結果、「クリエイティブな人はリスクをとり、世の中で支持されている考え方を拒み、斬新なアイデアを支持する」という特徴が見えてきた。 大衆に逆らうには勇気が必要とされ、当然ながら大衆の意見に従うほうが簡単で気楽だ。

だが、リスクと失敗は意義ある成功を収めるには不可欠であり、それどころか、あらゆる新しい取り組みに欠かせない要素なのだ。


スタンバーグらが説明するように、いかなる分野であれ、最も独創的な貢献は、大衆におもねるところからは生まれないのである。
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2018年05月25日

町内会や自治会って何をする組織なの? 気になる疑問をぜんぶ聞いてきた!

町内会や自治会って何をする組織なの?
気になる疑問をぜんぶ聞いてきた!
2018/05/24 マイナビニュース(山田井ユウキ)

●ゴミの収集場所を決めているのは実は……
町内会や自治会という言葉を聞いたこと、ありますか?
町や地域の人たちが集まって作った組織や団体のことで、その場所で住んでいる人たちが加入してさまざまな活動を行っています。
とはいえ、町内会や自治会が実際にどんな活動をしているのか、よくわかっていないという人も多いのでは。

「引っ越したら入らないといけないのか」「加入したらいろいろ大変なんじゃないか」など……疑問は尽きません。
そこで今回、町内会や自治会について研究をされている首都大学東京の玉野和志教授に詳しいお話を伺いました。

――そもそも町内会や自治会といった組織がなぜ生まれたのでしょうか。

玉野教授「現在のような町内会や自治会は、その地域に住んでいる人が全員加入することを前提にしています。
これは世界的に見ても珍しい仕組みです。
こうした組織が生まれたのは、大正や昭和といった近代になってからのことです」

――意外に歴史が浅いのですね。その時期に何かあったのですか?

玉野教授「大正時代は都市化の時期で、都市部へたくさんの人が流入しました。
すると、それまでと異なり、隣に誰が住んでいるのかわかりにくくなってくるわけです。
そうした不安を解消するために、町内会や自治会が組織されていきました。
日頃から親睦を深めることで、ある意味自分の身を守ろうとしたんですね。
私はこれを、共同防衛と呼んでいます

――なるほど。隣人が誰なのかわからないという不安を払拭するためだったんですね。

玉野教授「戦時中はこれが『隣組』という形で、国家の末端組織として機能したわけですが、戦争が終わるとGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により解散させられます。
戦争に協力した組織、とみなされたのです」

――でもその後、復活したと。

玉野教授「ええ。共同防衛という観点から、そういった組織はむしろ戦後こそ必要だったし、住民が自ら地域活動を行う分には行政からしたらありがたいですからね。
70年代くらいからは行政が推奨するようになったし、阪神淡路大震災あたりからは、公然と『自治会に入りましょう』と言うようになりました。
GHQに禁止されていた時代を知っている世代にとっては驚きだったようです」

――よくわかりました。現代の町内会や自治会の活動とはどんなものなのでしょう。

玉野教授「まず、盆踊りや夏祭りといった親睦事業があります。
これは先ほどの共同防衛の観点がもとになっています。
日頃からお互いによく知り合って、仲良くしましょうというわけです。
それから防災訓練、そしてゴミの収集場所の決定ですね」

――ゴミを出す場所も町内会が?

玉野教授「はい。ゴミの収集場所は、町内会や自治会が行政と相談して決めている場合が多いんですよ。
自分の家の前がゴミ置き場になるのは、嫌がる人が多いでしょう?」

――嫌ですね……。

玉野教授「行政が一方的に場所を決めると、揉めるんですよ。
行政には文句を言いやすいですからね。
ですから行政は『地域のみなさんで決めてください』と言うわけです。
『みんなで決めた』なら文句も出にくいですからね。」

――なるほど! ところで、町内会や自治会に入るのは義務なのですか?

玉野教授「町内会・自治会は民間の組織ですから、強制力はありません。
ですから入っても入らなくても問題はありません」

――そうでしたか!

玉野教授「ただ、町内会や自治会の立場からすると、全戸加入でないと意味がないですけどね。
そうでないと共同防衛になりませんから」

●賃貸でも町内会に入るべき?
――正直、賃貸マンション暮らしでいつ別の地域に引っ越すかわからない身としては、今のお話を聞いてもなお町内会に入りたいとはあまり思えないのですが、町内会・自治会に入るメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

玉野教授「メリットと言われると正直難しいですね。
いざ、というときのために近所の人とは仲良くしておいたほうがいい、ということでしょうか。
たとえば被災した場合などはご近所付き合いがあるほうが助かるでしょう」

――それはたしかに。

玉野教授「単身の高齢者であれば孤独死を防ぐことにもつながるかもしれません。
町内会・自治会に入っておくことは、将来、何かあったときのための投資でもあるんです」

――ただ、今は入らない人も多いのですよね?

玉野教授「多いですね。それが今の町内会・自治会の抱える大きな課題です」

――なぜ入る人が減ったのでしょう。

玉野教授「昔はマンションが建つなど新しい住民が入ってきたときには、町内会の人が1軒1軒回って加入を勧めていたんですよ。
ただ、町内会や自治会の人手が少なくなり、高齢化も進んだせいで、それがなかなか難しくなっています。
最近では賃貸マンションなどは回らないことも多くなりました」

――分譲はまだしも、賃貸マンションの住人はまた引っ越していなくなるかもしれませんしね。

玉野教授「賃貸住宅に住んでいる人も、向こうから来ないのにわざわざ自ら町内会や自治会を探して入ろうとする人は少ないでしょう」

――それはそうですね。

玉野教授「そういう事情もあり、以前は8割以上が加入していたような郊外の町でも加入率はどんどん下がっています。
それから、タワーマンションが増えたことも影響していますね。
タワーマンションは人も多いですし、マンション内に自治会を持っていたりしますから」

――そういう意味では地域単位ではなく、建物単位になりつつあるとも言えるわけですね。
衰退というよりも"あり方"が変わりつつあるという。

玉野教授「ただ、そこでも全戸加入と言うとなかなか難しいですね。
近所付き合いを避けるためにマンションに住んでいるという人もいますから」

――ちなみに、きちんと機能している町内会を見分ける方法はありますか?

玉野教授「新たな住民がやってきたら、家まで誘いにきてくれる町内会は機能していると言えると思いますよ。
組織自体にそれだけ体力があるということですから。
あとは、町内会の仕事を輪番でちゃんと回しているところですね。
逆に気をつけたほうがいいのは、仕事を平等に回さず、特定の誰かに任せっきりになっている町内会でしょう」

――なるほど。「勧誘に来てくれるかどうか」というのはわかりやすい見分け方ですね。
どうもありがとうございました!

町内会・自治会の役割や仕事、加入することの意義について伺ってきました。必ずしも加入は義務ではないとのことですが、今後長くその場所で暮らしていくことを考えるなら、地域ぐるみのお付き合いという意味で加入する、というのも1つの安心材料になりそうです。
とはいえ、機能していない町内会・自治会もあるようですので、そのあたりはしっかり見極めておきたいですね。


玉野和志教授プロフィール
首都大学東京・人文科学研究科教授。
専攻は地域社会学、都市社会学で、町内会・自治会やNPO・ボランティアといった、地域生活や市民活動の社会学的な調査・研究に従事している。
著書に「東京のローカル・コミュニティ」「近代日本の都市化と町内会の成立」「実践社会調査入門」など。
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2018年05月30日

便利になったものです。

30年近くまえの「胆嚢摘出手術時」と今回の頸椎手術で学んだことがあります。

一つは入院持参品→今回は 1日1050円のパジャマ・タオル・オムツなどのレンタルを頼んで入院したので、事前にバックに入れていたもので使用したものは、歯ブラシ・歯磨き粉位でした。昔は「洗濯はどうしよう」とか 替えは何着などと家族や知人に心配をかけたものですが、今は職場を退勤してから入院も可能に・・・。

二つ目は 食事のおいしさです。
今回の病院食なら 食堂を大改装して 予約で食べられるようにすれば 申し込みしたいです。食材名も明記され 温かいものは温かく、冷えたものは冷えてだされました。
昔は「コレ、何の白魚??」「食事ではなくエサ」「食事制限のかかっていない場合は、購買店で弁当・パン購入」

三つ目は 白衣です。
「昔は帽子に一本線が主任、二本線が婦長」薄青白衣は「看護学生か見習い」と患者からみて身分制がわかったものですが、
今回は、上着に赤・青・緑・黄などの線がデザインされ 皆違う」、興味を持った私は 下がスラックスなのはわかりますが 上着の色の違いに意味あるの?? と聞いたら「だって自腹で買うんだもの、色位好きなものにしたいとのこと、一部補助は病院からでているとのこと」

長期入院は 中・高齢者が多い
整形外科のイメージとして スポーツによる靭帯損しようとか骨折で 若者が多いのかと思っていたら、膝の故障・腰変形・などで患者の九割方は老人でした。

今日で 首の固定具が取れ、日常生活の制限も解除。
看護師とハイタッチ。

でも、主治医は 腰はいつ手術するかな??と 一歩先の発想。

腰だけは「失敗多い→車いす」という 教員都市伝説の世界
プラス材料と父母弟の法事を調べて 都市伝説打破に立ち向かいます。
posted by 小だぬき at 22:00 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月05日

節約や貯金は家庭に合った「投資」「消費」「浪費」の仕分けをしてから考える。

「外食=ムダづかい」ではない。
節約や貯金は家庭に合った
「投資」「消費」「浪費」の
仕分けをしてから考える。
2018/06/03 マネーの達人(服部 ゆい)

家計管理を成功させるために必要なこと 1円でも安いスーパーに走って食費を削ることでも、セール品や安売りの情報に詳しくなって節約上手になることでもありません。
家計管理が上手な人とは、自分の家計において支出の「最適解(最も適した解答)」を把握している人のことです。

支出の最適解とは
支出の最適解とは、各家庭の価値観やライフスタイルによって大きく異なるものです。
そのため、 「食費は全体の15%に抑えなくてはいけない」 などといった考え方はとてもナンセンス。
住んでいる場所が違う人とは物価も地価も違うし、している仕事やお金に対する考え方だって違います。

確かに全体の平均値を知ることは大切ですが、家族構成だけが同じで他はまったく異なる背景を持つ他人と家計を比較してもしょうがないのです。

筆者の食費は7万円以上 子ども1人の3人家族で、食費は外食代含め7万円以上かかっています。
この金額だけ聞くと 「3人家族ならもっと減らせるのでは」 「ぜいたくしすぎ」 なんて言う人もいるでしょう。
しかし我が家では、健康的な身体は人生における重要な資本であるという方針のもと、「食は未来への大切な投資」だと考えて食に使うお金を重視しています。

つまり、我が家で食費は「消費」ではなく「投資」です。
その分、スマホの通信費は消費、上辺だけの付き合いで飲み会に行くことは浪費とし、そうした消費や浪費行動に対しては無駄にお金を使わないようにしているため、ストレスなく貯蓄もできています。

支出項目を家族の価値観に照らし合わせえる
・ 投資
・ 消費
・ 浪費 に区分し、

投資につながる費目は家族の幸せを作るものとして優先的に配分を多く
反対に 「単なる消費や浪費である費目は配分を減らす」 ように調整するだけで、その家計においてストレスなく継続できる最適な 支出配分=支出 の最適解が把握できます。

その支出は投資なのか、
単なる消費なのかを考えよう
毎日なにげなく使っているお金の流れを可視化することから始めます。
ざっくりで良いので、無理のない範囲でクレジットカードや銀行の通帳、レシートを集めて1か月間の支出を出してみましょう。
支出の把握には、家計簿アプリの「マネーフォワード[https://moneyforward.com/]」を使うと便利です。
支出の全体像が見えたら、 「これは投資になるのか?」 「消費になるのか?」 を家族で話し合い、支出の費目を区分していきます。

ここで大切なのは、「一般的に」という考え方はひとまず置いておき、自分たちの価値観や人生における優先順位を元に決めていくことです。

費目の分け方
・ 生活のために最低限必要な支出
    →「消費」 例:食費や水道光熱費、日用品など

・ 「なんとなく」で生じた、役に立たない支出
   →「浪費」 例:衝動買いしたセール品など 新聞や書籍代は一般的に教養費として区分されますが、その内訳がたいして読んでいない夕刊や、話題になっていたから買っただけの新刊なのであれば、それはただの浪費です。
お金を使う時に「なんとなく」使っているもの、後から考えて約に立たなかったな、というものは大抵、「なくても困らないもの」であることが多いです。

・ 家族の幸せや未来を作る支出
  →「投資」 例:教育費や預貯金など 長年のライフワークとして続けている趣味の費用や、家族のレジャー費など、それが生活の潤滑剤になっているようなものの場合、その費用はある意味で家族の幸せを作る「投資」です。

こういう費目を無理に切り詰めようとしても継続できず、たまった不満を違う形の支出で発散してしまい、家計見直しのリバウンドが生じる原因になってしまいます。
ダイエットも家計管理も「習慣化」できなければ意味がありません。
ストレスを感じないように支出をコントロールすることがもっとも大切なのです

リバウンドを防ぐ支出見直しのコツは
「固定費」にある
支出におけるそれぞれの 「投資」 「消費」 「浪費」 区分を分類できたら、消費費目と浪費費目の中から支出の見直しをしていきます。
見直しをするとき、考えなくてはいけないのが「無理なく継続できるかどうか」ということ。
たとえただの消費・浪費費目であっても、 「面倒くさい」 「時間がかかる」 など、少しでもストレスを感じてしまうような見直し方法だと、リバウンドしてしまいます。
リバウンドしないように支出を見直すコツは「固定費」にあります。

固定費とは
毎月一定額必ず発生する支出です。
例えば、
・ 住宅ローンや家賃といった住居費
・ 水道光熱費
・ 携帯電話やインターネットの通信費
・ 月払いの生命保険料 などが固定費に該当します。

変動費とは
月のイベントや行事によって費用が変動する食費や日用品、雑費や交際費です。

「固定費」を見直すと効果が持続
固定費は、一度費用を見直すとその効果が毎月持続します。 必ず発生する支出だからこそ、永続的な節約効果があり、ストレスを感じずに支出の見直しを成功できます。
空腹感を感じずに3食食べて健康的に痩せることがダイエット成功の近道であるように、
無理なく固定費を削り、日常に不満を感じずに健康的に生活できること が家計における支出見直しの近道なのです。

固定費の見直しで取り掛かりやすいもの
スマホやインターネットの通信費や光熱費の見直しではないでしょうか。
通信費を圧迫する多くの原因は、スマホのデータ通信料の高さにあります。
大手携帯キャリアで5,000円するデータプランが格安SIMに切り替えることで半額ほどになるケースは多数あります。

筆者も数年前から格安SIMを何社か使っていますが、通信速度は遜色なく、ストレスなく数千円の通信費節約を実現しました。

光熱費が見直しできるケース
都市ガス自由化と電力自由化によって、多くの提供会社ではお得なセットプランを出しています。
電気とガスをセットで契約するだけで割引がある場合もあります。
いずれも、提供会社を変えたからといって普段の生活になんら支障はありません。

・ テレビや部屋の電気をマメに消す
・ エアコンの使用を我慢する といった無理のある節約をするよりも効果が得られますので、試してみてはかがでしょうか。

それでも投資費目が多い場合には 消費費目と浪費費目を見直したものの、どうしても投資費目の割合が多すぎるという場合もあるでしょう。
もちろん、収入の中で使える支出の額は決まっているため、無制限に投資できるわけではありませんよね。

「消費や浪費の額を減らしても赤字がある」
「投資額が多く家計を圧迫している」 という場合には、

・ 将来その投資でどれほどのリターンが得られるのか
・ 投資に対するリスクはどれくらいなのか 総合的に見て投資の優先度を決める必要があります。

「なんとなく将来役に立ちそうだから」というレベルの自己投資であれば、ハイリスク・ローリターンです。
逆に、子どもの教育費などはわかりやすいハイリターン投資といえます。
どちらを優先するかは明らかですよね。

投資額が多すぎる家庭は、おそらくいろんなことに興味があり、多趣味なご家庭なのでしょう。
しかし、できるだけリスクが低く、家族の未来にとって確実なリターンが得られる投資を優先的に考えることも、最適な家計管理を実現するうえで大切なことです。

ストレスを増やさない
ストレスを抱えながら無理な負荷をかかえてダイエットしても、リバウンドしてしまうのは家計管理も同じです。
ダイエットという言葉が最適な食事習慣という意味合いを持っているように、家計管理も最適な家計の習慣化につきるのではないでしょうか。

習慣化のポイントは、家計管理に無駄な時間をかけないことです。
1円でも安いスーパーに走る時間があれば、それは自分や家族への投資時間に使いましょう。
「時は金なり」という考え方があるように、節約に無駄な時間をかけるのは本末転倒です。
お金をどう使うかというのは、人生をどう生きるかというのと同じこと。
どう生きたいのか、人生の優先度を家族と話し合い、支出の最適解を見つけましょう。
(執筆者:服部 ゆい)
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2018年06月06日

風邪薬や解熱鎮痛剤の怖い副作用

風邪薬や解熱鎮痛剤、
怖い副作用はなぜ起こる?
2018.05.30 Business Journal

文=小谷寿美子/薬剤師

「この薬は副作用があるのですか?」
 薬剤師として、患者さんからこれは必ずと言っていいほど聞かれる質問です。
すべての薬に副作用があるのですが、だからといって「あります」と答えてしまうと、言われた方は薬を飲まなくなってしまう恐れがあります。

副作用がないように思える「水」でさえ、量を間違えれば人は死にます。
だから「溺死」があり、2015年には4804人の方が家庭内浴槽で亡くなっています。
川やプールでも溺死はありますから、もっと多くの方が「水」で死ぬのです。
それでも水が安全だと人々が思っているのは、「適量」を守れば水で死なないことを経験を通じてわかっているからです。

 薬の場合、「適量」というのはどれくらいなのでしょうか?
 それを決めるために動物実験と臨床試験があります。

動物実験では、どの量を入れたら薬効を発揮するか? 
どの量を入れたら中毒症状が起こるか? 
さらに、どの量を入れたら死ぬか? ということを調べます。
薬効を発揮する量と中毒症状が起こる量が大きく離れていると、「合格」として次の臨床試験に進むことができます。
 なかには薬効を発揮する量と中毒症状が起こる量が近い薬も「合格」とされることがあります。
多くの動物たちには薬効を発揮しているものの、同じ量で一部の動物たちに中毒症状が出てしまうこともあります。
しかし、それでも「合格」とされるのは、その薬効がどうしても治療上必要だからです。
有名なところでは、「テオフィリン」(喘息治療薬)、「ジゴキシン」(心不全治療薬)、「ワルファリン」(血栓塞栓症治療薬)などがあります。

臨床試験の内容とは?
 臨床試験とは、ヒトを対象とした「人体実験」です。
安全に試験をするためには、動物実験で「合格」したものでなくてはなりません。
まず「ボランティア」と呼ばれる健康成人男性10名程度に薬を飲んでもらい、「用法用量」を決めていきます。
そして次は少人数の患者さんに、この「用法用量」で効果が出ているかを確認します。
効果がより出る最小限の量を「用法用量」として決めます。
さらに患者さんの人数を増やした試験をして、多くのデータを取ります。
有効率、副作用発生率、その副作用にどんなものがあったのか、などです。

ここでいう副作用というのは、薬効以外の症状すべてをいいます。
有効率が低かったり、副作用発生率が高かったりしたものは、薬として発売できません。
 発売されているすべての薬では、「用法用量」が決められています。
この通り使うと薬効が最大限に発揮され、副作用が少なくてすむようになっています。
これが薬の「適量」ということになります。

 前述のとおり、薬の副作用とは薬効以外の症状すべてを指すので、数が多いですし、患者さんはどんな副作用があるか不安になってしまうのです。

副作用の3つの種類
 副作用は、大きく分けると3種類あります。知っているだけで不安は緩和されます。

(1)期待する部位以外で薬効を発揮してしまった
 飲んだ薬は吸収されたのち、血液循環に乗って目的地へ運ばれます。
もちろん目的地以外も通るので、そこで薬効を発揮するのです。
わかりやすい例でいうと「鼻炎薬」です。
この薬の作用は水分の排泄を止めることです。
鼻でその作用を発揮すると、鼻の水分を止める、つまり鼻水が止まるわけです。
これが期待する薬効です。
 それが、もし口の水分を止めるとどうなるでしょう?
 口の水分、唾液の分泌が止まります。
口が乾くのです。
大腸の水分を止めるとどうなるでしょう?
 便秘になってしまいます。実はステロイド薬の副作用もこのパターンで考えていきます。
ステロイド薬は多くの作用があります。
その多くの作用がさまざまな場所で発揮されるので、症状によって投与量は変わります。

(2)肝臓や腎臓へ負担がかかった
 飲んだ薬は排泄されます。
肝臓で分解されて胆汁として排泄される場合と、腎臓でこし取られて排泄される場合があります。
もちろんどちらか一方の時もありますし、両方の臓器で排泄されることもあります。
薬を多くの種類飲んでいると、肝臓や腎臓がアップアップになり、「もう疲れた」とストライキを起こします。
 また、薬そのものや分解中の物質が直接臓器を破壊することもあります。
アルコールが肝臓に悪いというのはご存知かと思います。
アルコールが肝臓で分解される時に発生する「アセトアルデヒド」が直接肝臓を破壊します。
風邪薬や痛み止めで有名な「アセトアミノフェン」は一度CYPという酵素でN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンという毒性物質に変換され、その後グルタチオンという物質にくっつくことで無害化して排泄されます。
このグルタチオンという物質にも限りがあるので、くっつけずにあふれた毒性物質が肝臓を直接破壊します。
排泄機能が落ちると体内に残る薬の量が増えるため、それによる中毒症状が出てしまうことが考えられます。

(3)アレルギー反応が起こった
 食べ物アレルギーと同様に薬にもアレルギーが出てしまうものです。
その症状は軽いものから死に至るものまで出てきます。
軽いものは蕁麻疹で、薬を中止してステロイド薬を飲んだり点滴したりすれば治ります。
ひどいものはアナフィラキシーといって全身の蕁麻疹はもちろん、目や口の粘膜が腫れあがり、血圧低下と呼吸困難になります。
これはすぐに対処しないと死にます。
どの薬でもアレルギー反応は出る可能性があります。
そのなかでも多いのが抗生物質、解熱鎮痛薬、造影剤です。

 以上みてきたように、薬を服用する際には、副作用について正しく理解することが大切です。

ニュースサイトで読む: http://biz-journal.jp/2018/05/post_23527.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2018年06月20日

「こうあるべき」を手放せば、人生は楽になる 自分の「思考グセ」に気づいていますか?

「こうあるべき」を手放せば、
人生は楽になる
自分の「思考グセ」に
気づいていますか?
2018/06/11 東洋経済(大野 萌子)

 こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。
 友達に自分の悪いところを指摘されたとき、「バカにしているのかな」「失礼だ」ととらえれば、気分が下がると思いますが、
「自分のことをよくわかってくれている」と思い、あえて言ってくれたととらえればどうでしょうか。

私たちがストレスを感じるのは、この「とらえ方」が大きく影響していて、同じ出来事に遭遇しても、その出来事のとらえ方によって、気分が上下します。
バスに乗り遅れてしまったら?  運がいい悪いも同じで、
「運がいい」と思う人たちは、起こった出来事から自分にプラスになる目的を見いだし、
反対に「運が悪い」と思う人たちは、マイナスの目的を見いだす傾向があります。

 バスに乗り遅れてしまった。あーあと思った次の瞬間。  

・プラスの思考
「まぁいいか。歩いて運動不足を解消できると思おう。
風も気持ちいいし気分転換にもなりそう」  

・マイナスの思考
「帰りがけに○○さんが話しかけてきたからだ。
ほんとあの人は空気読めない人だわ。嫌になる」  といった具合です。

 もちろん、すごく急いでいるときや状況によっては、プラスの気分になれないことはあるかと思います。  ただ、日常に起こりうることであれば、プラスの意識を持つだけで、気持ちが楽になります。
そして、気持ちが楽になればなるほど、プラスに考えられる機会が増え、よいスパイラルを招きます。

 このような思考グセは、性格や身を置いてきた環境に左右されることも多いのですが、意識的に変えていくことが可能です。
 物事には多面性があり、すべてのことによい面と悪い面が存在します。
よい面を見るようにする、自分にとってよい解釈をする、これがよかったのだという目的を見いだすといった意識が大切で、最初のうちは「とはいっても」と自分に反論したくなることもあると思いますが、続けていくことが肝心です。

「べき」思考を再考する
もう1つ、私たちの心を不快にさせるとらえ方が「べき」思考です。
言葉のとおり「○○すべき」「こうあるべき」という強い呪縛のような思考のことです。
 自分を責めるタイプの人は、この思考が自分に対して働きます。
「○○すべき」「こうあるべき」と自らの行動に対して、必要以上にプレッシャーをかけ、がんじがらめになってしまいがちです。
その結果、思いどおりにならなかったときに、さらに自分を責めてしまうという繰り返しになり、苦しむ傾向があります。
 また、他人を責めるタイプの人は、「他人」に対して、この思考が働きます。
すると、思いどおりにならない相手に対して、腹を立てたり、批判的になりやすいものです。

 いずれにしても、物事に対しての融通が利きにくく、気持ちのゆとりがありません。
 相談業務の中で、婚活の相談を受けることもあるのですが、女性の場合は、「べき」に苦しんでいる方が多くみられます。

 「子どもが欲しいので、できるだけ早く結婚すべき」だと思い、そのためには、出会いがないので、「結婚相談所に登録すべき」だと思っています。
でも、すごく抵抗があって悩んでいる。
悩んでいても時間が過ぎていくだけで何も変わらないので、「行動を起こすべき」だといろいろ調べているのだけれど、どうしても先に進めない。
 親にも言われているし、自分でも「結婚はするべき」だと考えてる、でも「本当は婚活なんてしたくない」と涙ながらに訴えられることも少なくありません。

「べき」思考にとらわれて、自分の気持ちに向き合わないので、自分自身の中での整合性が取れずに心のバランスを崩しているのです。
 悩みごとの多くは「やるべき」ことはわかっているのだけれど「やりたくない」「やる気が起きない」という思考と感情のギャップです。
 気持ちがついていかないと行動に移すのは、至難の業です。
反対に、気持ちがあれば、行動を起こすことなんて簡単です。
何かをしようとするときに「仕方がない」という理由付けや、できない「言い訳」を考え始める時点で、それは「やりたくないこと」「気が向かないこと」なのです。

 たとえば、予定のないお休みの日に友人から会わないかと連絡が入ったと仮定します。
これから身支度をするのが面倒だなと思いつつも、会いたい気持ちが強ければ、即行動に移すと思いますし、そうでなければ、「明日早いから」とか「今週は疲れているから」などと、即座に断る理由を探し始めるでしょう。
 もちろん、仕事をはじめ、やらなければならないことはたくさんあります。
だからこそ、取捨選択が必要なのです。
迷いは、自分の心からのメッセージだと思って、迷ったら「本当に自分に必要なことなのか」と自分の気持ちに向き合う機会にしましょう。

自分の本当の気持ちに向き合う  
そして、「やるべき」ことだけど、「やらなくてもよいこと」に過剰なエネルギーを注ぎこまないことが大切です。
 たとえば、専業主婦の立場で、家族には手料理を作るべきという強い思考があれば、お惣菜を買うことに罪悪感を覚えます。
同じように妻に対して夫が同じ思考を持っていた場合に、妻が買ってきたお惣菜を見て「手抜き」だと腹が立つわけです。
「べき」思考は、気持ちのゆとりを奪い、あたかもほかに選択肢のない正論のように自分自身、そして相手を追いつめやすいものです。

 自分の気持ちを大切に、そこまでして「すべき」ことなのかを、自分の心に聞いてみてください。
そして、少しずつ「べき」思考を手放していくことが重要です。
 ちょっとしたとらえ方の差が、気持ちのゆとりに大きな違いを生んでいきます。

ぜひ、思考グセを「プラス」に、そして「柔軟」にシフトできるよう意識することを試してみてください。
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2018年06月21日

がん見落とし 患者には到底納得できない

がん見落とし 
患者には到底納得できない
2018年06月20日 読売新聞「社説」

 患部の画像の細部に目を奪われ、重要な病巣を見逃した。
患者の全身を診る、という原則が疎おろそかになっていないか。

 千葉大医学部付属病院で、がんの診断ミスが相次いでいたことが判明した。
 病院の調査によると、2013年以降、コンピューター断層撮影法(CT)検査などの画像に映った患者9人のがんを見落としていた。
うち4人については、その後の治療内容に影響が及んだ。
 担当医が、検査画像の中で、患者の主症状に関連する部分にしか注意を払っていなかったことが原因だという。

放射線診断専門医と連携して、周りの臓器までよく見ていれば、もっと早い段階でがんを発見できたかもしれない。
 典型的なのは、昨年12月に死亡した60歳代の女性の例だ。
炎症性腸疾患の経過観察のため、13年6月にCT検査を受けた。
画像を診た専門医は、腎がんが疑われると画像診断報告書に記したが、担当医は見落とした。
 昨年10月に別のCT検査で腎がんが判明したが、既に手術はできない状態だった。

 進歩した診断技術が有効活用されていない。
患者側にとっては見過ごせない事態である。
 千葉大病院は、厚生労働省が認めた特定機能病院だ。
高度な医療を提供する能力を有するはずだが、担当医の意識や診療体制に問題が多いと言わざるを得ない。  外部調査委員会は今月、診療科と放射線診断専門医の連携が不十分だった、と指摘した。

専門医からの画像診断報告書を診療科が確認するルールが存在しない点を批判したのも、もっともである。
 千葉大病院は7月から、再発防止策を強化する。画像診断センターを新設し、専門医を増員する。
担当医が患者とともに画像診断報告書を確認する制度も始める。
着実に実行してもらいたい。
 他の医療機関でも同様の見落としが相次ぐ。
千葉大病院のケースは氷山の一角である。
厚労省は昨年11月、安全対策を徹底するよう全国に通知している。

 日本には、世界有数と言われるほど多数のCT検査機器が導入され、撮影数もトップクラスだ。
 CT検査をすれば、何枚もの画像が得られる。
小さな影も映し出される。
それが病巣かどうか、評価できる専門医は足りない。
 画像検査と診断を専門とする医療機関も増えている。

多数の患者を抱える大学病院などは、画像診断の外部委託を取り入れるなど、業務の効率化を検討すべきだ。
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2018年07月05日

高齢者に死をもたらす「熱中症」の甚大リスク

高齢者に死をもたらす
「熱中症」の甚大リスク
まずは週1度の親への電話を2回以上にしよう
2018年07月04日 東洋経済

梶 葉子 : 医療ジャーナリスト

熱中症が起こりやすい季節が到来した。
昨日(7月3日)には、熱中症の疑いで埼玉県の76歳男性が亡くなったことが明らかになった。
国を挙げての啓発活動が功を奏し、熱中症による重症化率・死亡率は減少傾向だという。
だが、その中で高齢者の死亡率・死亡者数だけは、飛び抜けて高い。

そこから見えてくるのは、超高齢社会、老々介護、孤立、貧困など、今の日本社会の現実そのものだ。

高齢者の死亡者数は
   若年〜壮年者の数倍
熱中症に詳しい帝京大学附属病院高度救命救急センター長の三宅康史教授による調査では、2012年以降各年6〜9月の熱中症の死亡者数は、70歳未満に限ってみれば50人前後だ。
ところが70歳以上の人では、一気に300人以上に跳ね上がる。

日本はすでに超高齢社会。
高齢化率は30%に迫り、2025年までには「団塊の世代」が全員後期高齢者になり、百寿者は2017年の段階で6万8000人近くに上る。
その中で、心身が弱り、持病を抱え、在宅で闘病したり介護を受けて生活する高齢者が急増している。

これが熱中症による高齢者の死亡数が際立つ要因の一つだと、三宅教授は考えている。
「基本的に高齢者の熱中症と、スポーツや屋外の肉体労働などでかかる若年〜壮年の熱中症とは、分けて考える必要があります。
若い人たちの場合、特に最近はみんな気を付けて水分や休憩を取るし、もともと体力もあるので、軽症で済む場合が多い。

しかし、高齢者の熱中症は異なります。
暑さで食欲が落ちて脱水気味になった上に、糖尿などの持病が悪化していたり、普段から低栄養だったり、虚弱(フレイル)になっているなど、熱中症以外のさまざまな要素が重なって複合的に起きることが多い。
そのため、重症化しやすく、回復も遅いのです」(三宅教授、以下同)

高齢者の場合、家での日常生活の中にこそ、熱中症のリスクがある。
年をとって体力・気力が弱れば、毎年やっていたことも、だんだんとできなくなってくる。
いつも元気な祖父母や両親も、後期高齢者になり、さらに80歳を過ぎてくれば、子どもや孫には見せないところで、衰えてきているかもしれない。

例えば、夏布団と冬布団の入れ替えができず、冬の羽毛布団をそのまま使っていたり、衣替えまで手が回らず、ヒートテックの下着や厚手のシャツを着ていたりする。
気温の差を感じにくくなって、コタツがついていたり、エアコンのスイッチが冷房に切り替わっていなかったりする。
中には、部屋にエアコンがなかったり、あっても電気代を心配して使わないこともある。

糖尿病、高血圧の高齢者は注意
さらに「老々介護」では、介護者も高齢で認知症があるなど判断力や認知機能が衰え、季節に応じた適切な生活を送ることが難しくなってくる。
炎天下に買い物に行って倒れたり、足が弱って近くのスーパーにも頻繁には行けなくなったりして、食材やペットボトルなどを十分に補充できないこともある。
そういった状態で真夏日や熱帯夜が続くと、慢性的な食欲不振や睡眠不足から少しずつ体調を崩し、熱中症になっていく。

高齢者は日常的に多くの薬剤を服用している場合も多く、そこにもリスクが潜む。
「たとえば、糖尿病がある方は、多尿になるので水分が失われて脱水になりやすい。
末梢神経の感覚が鈍くなるため暑さを感じにくく、上着の脱ぎ着など適切な温度管理が難しい場合もあります。
また、高血圧で服用する降圧薬は、心機能を下げて血圧を下げるため血液の循環が低下し、体内の熱を体表に運びにくくする危険性があるし、利尿薬は当然、排尿を促すので脱水気味になります。

いつも服用している薬剤であっても、熱中症の季節にはリスクになることもあると心得て、十分に注意をすることが必要です」
三宅教授によると、独居や高齢者のみの世帯で、家族とも疎遠で隣近所とも付き合いがないなど孤立している場合、発見が遅れて重症化しやすいという。
特に「老々介護」では、介護者が先に倒れてしまうと被介護者も救われず、同時に複数の死者が出てしまうこともある。

この2、3年、猛暑の中、閉め切った室内で老夫婦や高齢の親子・きょうだいが亡くなって発見されたというニュースを目にすることも、まれではなくなっている。
世の中にこれだけ熱中症の啓発が溢れていても、十分に届かない人や、届いても自分たちだけでは対処が難しい人も少なくないのだ。

週に2回は親に電話して確認を
昔は、冬期に高齢者が亡くなると「残念ながら冬を越せなかったねぇ。
今年は特に寒かったから……」という会話が交わされたものである。

だが、昨今は「夏を越せなかったねぇ。猛暑だったから」に変わりつつある。
「熱中症の季節には家族や周囲の人が、いつも以上に気に掛けることが大切です。
電話をする回数を増やす、頻繁に様子を見に行く、ちょっと声を掛ける。
そういったことで、具合が悪そうなのがわかって早めに対処すれば、重症化せずに済みます。

今後ますます在宅が推進され、家で過ごす高齢者が増えることでリスクは一層高まります。
行政も含めて、高齢者の熱中症対策は喫緊の課題ですね」 対策は身近なところから。

とりあえず夏の間は、週に1度の親への電話を2回以上にするとしよう。
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2018年07月12日

満足した人生には「幸せの感じ方」が重要だ

人生の後半では「芯」を決め
軌道修正をしよう
満足した人生には「幸せの感じ方」が重要だ
2018/07/03 東洋経済

齋藤 孝 : 明治大学教授
人生100年時代。
人類がいまだ経験したことのない超長寿時代を私たちは生きています。
働き盛りの40代、50代はまだ人生の折り返し地点に過ぎません。
齋藤孝氏の著書『人生後半の幸福論 50のチェックリストで自分を見直す』をもとに、「幸せの感じ方」や50あるチェックリストの中から一例を紹介します。

「老後」より「余生」より
   大事なのは「幸せの感じ方」
人類がいまだ経験したことのない長寿社会の到来──。
なかでも日本はその先頭を走っています。
お手本にすべき「先例」のない新たな時代を迎えているのです。
働き方にもパラダイム変化が生じています。

60〜65歳で定年を迎えても、そこからの人生が30〜40年ほどもあります。
「定年を迎えたら、後はのんびり過ごす」という生き方は、もはや現実にそぐわなくなりました。
60代からを「老後」と呼ぶには早すぎますし、「余生」と言うには長すぎます。
人生が100年近くも続くということを前提にして生きていなかった時代から、明らかにそれを意識しなければいけない時代へと変わりました。

本来、「人生をどう生きるか」というのは思春期から青春期の若者たちがテーマとする問いでしたが、成熟した大人たちの間であらためて「人生をどう生きるか」ということを考え直さざるを得なくなったのです。
雑誌やネットでよく「老後資金としていくら必要か」といった記事を見かけます。
もちろんおカネの問題は避けては通れないことですが、はたしてそれがいちばん大事な問題でしょうか。
それ以前に大事なのは、「自分はどういう生き方をすることで幸せを感じられるか」という価値観の再確認ではないかと私は思っています。

老後のためのおカネがたくさんあれば絶対に幸せだというものでもないですし、ただ長く生きればいいというものでもありません。
肝心なことは、自分は何があれば幸せなのか、何を大切にして生きていきたいのか──そこです。
価値観は、年齢的なものでも変わってきます。
40代くらいまでは、仕事や子育てに追われて忙しい毎日を過ごしています。
その時期には、仕事で何を成すかとか、家族をいかに守り養うかということに価値を置くことになります。
しかし50歳前後になると、仕事における自分の立ち位置も変わってくる、子どもが成長して家族のかたちも変わる、健康問題が生じるなど、さまざまな面で変化が起きてきます。
価値を感じるものもおのずと変わってきます。

拙著『人生後半の幸福論 50のチェックリストで自分を見直す』で私が提案するのは、人生の折り返し地点である50歳前後になったら、自分の生き方を見つめ直してみよう、ということです。
100年生きるという新たな可能性を踏まえつつ、あらためて「人生後半に自分が求めるものは何か」を考えてみる。
自分の人生後半の「芯」になるものを確かめ、軌道修正をするのです。
それには、現在の自分と、これから自分が目指していくところ、両方がクリアになっていなければなりません。

人生の軌道修正というものは、短いスパンで一気にできてしまうものではないでしょう。
50年の年月をかけて今の自分があるわけですから、シフトするのにも時間を要するのは当たり前です。
アラフィフでまず自分を見直し、「自分はどうなっていきたいのか」「どう生きたいのか」を見据えたら、そこからじっくりそういう自分になっていけばいいのです。
大事なのは、自分が価値を感じるものをいかに大事にして暮らしていけるかです。
それが、人生後半を幸せに導く最大要素だと私は思います。

50代以降のいいところは、ほかの人との比較競争によって幸せが左右されることがだんだんなくなり、自分自身の価値観でいくらでも幸せを得られる領域に入っていくことです。
そういう意味では、自分を主体にして本当に人生を味わえるようになるのは、まさにここからかもしれません。
私は現在57歳です。
私もまた、人生後半の見直しと軌道修正のただ中にいます。
楽しく、笑顔で、充実した人生後半を生きていくために、今から何をしたらいいのか。
一緒に考えていきましょう。

人生後半のチェックリスト CHECK!@ 
最近、感動していますか? 感動するというのは、「心が動く」ことです。
イキイキと活動しつづけるためには、心が動かなくなっていくことがいちばんよくないと私は考えています。
「感動しやすいか、しにくいかなんて、個人の性格の問題」 なんて思っていませんか。
いいえ、これは感性をさびつかせないでおけるかどうか、その人自身の意識の問題です。

寄る年波とともに、身体がだんだん硬くなっていき、可動域が狭まっていきます。
しかし、前屈も開脚もびっくりするほど見事にできてしまう身体の柔らかなご年配の方もたくさんいます。
それは、可動域を狭めないよう日々意識して身体を動かしつづけているからです。
心も同じです。
動かしつづけることを心がけたほうがいい。
いろいろなことに心を動かせられる自分でいること──意識して、そう仕向けていきましょう。
それには、「自分の体験にしていく」ことが大事です。
たとえば、オリンピックで誰がメダルを獲ったというニュースに接しても、それだけでは感動はしません。
「へえ、そうか……」と思うくらいです。
でも、その選手の背景を知り、その試合を身を入れて観ることで「おお、すごい!」「なんて頑張ったんだ!」と感動する。

小説や映画も、あらすじを知っただけでは感動しません。
実際に読んだり観たりすることで、感動が湧く。
感動は、エネルギーを省力化して、結果だけを知るところには起こりません。
自分をかかわらせていかないと味わえないものなのです。
自分が感動を味わう機会を減らしていないか、考えてみてください。
また、心が動くことがあっても、それを意識化せずにそのまま埋もれさせ、忘れてしまっていないか、考えてみてほしいと思います。

手帳に感動したことを書きとめる CHECK!A
 心が動いたことを、何かに書きとめていますか?
ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどSNS全盛の世の中です。
おそらくこの流れは今後も続くことでしょう。
私はSNSには、心が動いたこと、感動したことを書くのがいいのではないかと思います。
私は、それを手帳に書き込んでいます。
心が動いたことを手短に記しておくのです。
たとえば、バドミントンの世界選手権で奥原希望さんがシングルスで優勝したときは、手帳に「奥原希望さん、祝金メダル!」と書きました。
何の所縁もなく、お会いしたこともありませんが、「こんなすごい試合を見せてくれてありがとう」という気持ちで書きとめたのです。
スポーツ好きなので、そういう記録はとても多いです。
観た映画は、タイトルと主演俳優の名前をメモしておきます。
タイトルだけではどんな映画か思い出しにくいこともありますが、俳優さんまで書いておくと、すっと思い出せます。
心に残るセリフがあったら、それを書いておくこともあります。
本の中の印象に残る言葉だとか、テレビで見聞きした秀逸なエピソードなどを書くことも。 その他、「ちょっと気分が上がったこと」があったら、手帳にニコニコマークを書き入れます。

たとえば、初めてお会いして対談をした方と意気投合して話がはずんだら、ニコニコマーク。
疲れぎみだったのでマッサージを受けに行ったら、施術をしてくれた人がとてもうまくてすっきり爽快になった。
これもニコニコマーク。
食事に行ったら、初めての店がすごくおいしくて、「いい店見つけた」という気分になった。
これもニコニコです。
「これが一個あったから、今日はいい日だった」と考えると、その日の終わりを気持ちよく迎えることができます。
手帳は、日々何度も見るものです。
並んでいる小さなニコニコマークは、「この日もいいことがあった」という証、ささやかな幸せの蓄積なので、それが目に入るだけでも、日々の幸福感が上がっていきます。

私にとって手帳は「予定」を書くためだけのものでなく、「今」を記録するもの、自分の時間に小さな幸せを増やしていくものでもあります。
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2018年07月13日

外国人が心底驚いた日本人の「夏の過ごし方」

外国人が心底驚いた
日本人の「夏の過ごし方」
炎天下の中スポーツまでしちゃう根性
2018/07/08 東洋経済

アナスタシア・新井・カチャントニ
: 通訳、翻訳家、ライター

「暑中お見舞い申し上げます。厳しい暑さが続いておりますが……」
今年も暑中見舞いの季節になりましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はお陰様で、ギリシャで元気に過ごしています!

初めて「暑中見舞い」という存在を知ったのは、ある夏の日でした。
日本人の夫がパソコンに向かってカタカタと何かを書いていました。
それは何かと聞くと「暑中見舞い」と。
そういえば、『サザエさん』で見たことがあるなぁ、というのが初めの印象でした。
もちろん、『サザエさん』では、波平さんが筆を使って書いていたのですが……(笑)。
「お体には気をつけて」なんて大げさだと思ったけど… 暑中見舞いというのは、とてもすばらしい習慣だと思います。
ずっと会っていない友人や知人と連絡を取るきっかけになりますし、そこから久しぶりに会おうか、なんて話にもなるかもしれません。

ギリシャにもクリスマスカードを出す習慣があるにはありますが、書く人はあまり多くありません。
手紙を書くと、相手に「私はあなたのことを気にかけているよ」と伝えることができますよね。
最近、剣道の先生からいただいた手ぬぐいに「聲無聴(こえなきにきく)」という言葉が書かれていました。
調べてみると、「聲無きに聴き、形無きを視る」という言葉から来ているようでした。
人が何か言ったりしたりする前に、それを感じ取って行動するということだそうです。

暑中見舞いはまさに、このような日本人の考え方を表していることの1つですよね。
日本人は、見逃してしまいそうな小さな変化を読み取るのが得意で、それがきめ細かな対応など、日本ならではのサービスを可能にしているのだと思います。
最近は、暑中見舞いを書く人も少なくなっていると聞きましたが、私にとっては、なくなってほしくない習慣の1つです。
それにしても、「厳しい暑さが続きますが、くれぐれもお体にはお気をつけて」なんて大げさな表現だなと、初めのころは思っていました。
アテネの夏も暑いですが、みんなバカンスモードで、海に行ったりバーベキューをしたり、夏なりのゆったりとした生活をしているので、「お体にお気をつけて」というほどではありません。

むしろ夏は楽しくて、朝方まで時間を忘れてパーティをすることがよくあります。
ついつい飲みすぎたり食べすぎたりしてしまうので、それを「気をつけてください」と言っているのかと思ったくらいです。

しかしながら、日本の夏を体験して、日本人の言っている意味がわかりました。
日本に着いて飛行機から降りた瞬間、強烈な湿気を感じました。
まるでサウナに入っているようでした。
そのおかげで、夏に日本に行ったときは肌の調子は絶好調でしたが(笑)、滞在中は本当に大変でした。
アテネでも気温は高く、日差しも強いですが、カラッとしているので日陰に入ってしまえばなんとか暑さを凌げます。
でも日本の暑さは、クーラーを入れるくらいしか、本当に凌ぎようがないですね。
日本の夏はどこへ行ってもクーラーが入っていて驚きましたが、それも納得です。
クーラーなしではやっていけませんね。

この暑い中で運動をするなんて!!
私は、アテネで日本語を教えているのですが、生徒たちは「夏に日本へ行きたい!」とよく言っています。
桜を見ることができる春も人気ですが、やっぱり若い人にとっては夏のイベントの方が魅力的に映るようです。
もちろん彼らもアニメやドラマなどのファンなので、夏のイベントに関しては、『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』や『ハチミツとクローバー』などの学園物から情報を仕入れています。

そんな彼らは「海で泳いで、スイカ割りをして海の家でかき氷を食べて、夜は浴衣を着てお祭りに行って花火を見る。
肝試しもやってみたい」。
そんなことを言っていますが、完全に日本の夏を甘く見ていますね。

それからもう1つ驚いたことは、夏の暑さの中でも普通に運動をしていることです。
私たちが観光しているだけでも汗だくになっているのに、その状況で運動するなんて、ギリシャ人には考えられません。

夫に連れられて、ある道場の稽古に参加しましたが、空調設備もない中で激しい稽古をしていて、本当にびっくり仰天しました。
その先生は、「夏は暑いからそれほどキツいことはしないけど、暑さに負けずに稽古することで精神が鍛えられる」と仰っていました。
これも剣道の大切な部分だと思い、ギリシャに帰ってから道場の人に声をかけて夏の日中に稽古をしてみましたが、10分経つと1人が面を取り、もう10分経つとまたもう1人……という感じで、1時間後に残ったのはたったの3人でした。
そのときギリシャ人が話していたことは、「日本人は化け物なのか?」ということです。

もちろん、日本の稽古は暑さに加えて湿度も非常に高い中で行われます。
改めて日本人の凄さを感じた出来事でした。
ギリシャには学校の部活はほとんどなく、運動したい子どもたちは地域のスポーツクラブに行きます。
だいたいのスポーツクラブは年度初めの9月に始まって6月で終わります。
7月と8月は活動がありません。
ギリシャの学校は6月の中旬から9月中旬までの約3カ月間が夏休みです。

日本に比べるとだいぶ長いですが、この期間はスポーツクラブも活動がありません。
7、8月の時期は両親も仕事を休むことができるので、バカンスに行く家族が多いことや、学校のない期間に共働きの家庭は子どもを田舎に住む祖父母のところに預けることも多いため、子どもが集まらないというのが主な理由ですが、一番の理由は「暑いから」です。

日本人が暑い時期も稽古を続けるのは
私たちの剣道クラブにも小学生がいますが、夏に入ってから出席率がよくなかったので親御さんに様子を尋ねると、「学校も終わったから、剣道もまた9月から」という言葉が返ってきました。
暑さで集中力を保ちづらい夏に練習しても効率は上がらないからその間はゆっくりして、気温が下がって運動しやすくなったらまた再開する。
そのような考え方が主流です。

日本人が夏の暑い時期にも変わらず稽古をするのは、普段の生活のペースを変えたくないからなのではないかと思います。
一度ペースが乱れてしまうと、それを立て直すのが難しいから、なるべく一定のペースで生活をしたいと思っている。
私の目にはそんなふうに映ります。
確かに、一定のペースで生活をしていれば余計なことに気を使わなくて済むので、それは効率的な方法と言えるかもしれません。
また、「一度決めたことは最後までやる」という意思の強さを鍛えることもできるように思います。
日本人は責任感が強い人が多い印象がありますが、これも1つの理由かもしれません。

反対にギリシャ人の生活は、予定が変わることがとても多いです。むしろ予定どおりにいくことのほうが少ない気がします(笑)。
状況に合わせて臨機応変に対応しているというと聞こえはいいですが、そのときの気分で決めていることも少なくありません。
これに対応するのはなかなか大変ですが、その分気持ちを切り替えるのは上手だと思います。
急な変更があっても気持ちを引きずることなく、すぐに次のことに気持ちを集中させるのは割と得意です。

先日、このような日本とギリシャの違いを実感する出来事がありました。
ギリシャは残念ながら今回のサッカーワールドカップに出場できませんでしたが、サッカーが好きな人が多いのでテレビで観戦している人は多いです。
日本とギリシャは前回のブラジルワールドカップで同じグループリーグだったので、日本のことを気にしている人も意外に多いです。

この間、友人たちとお茶をしているときに話題になったのが、日本とコロンビアの試合でした。
試合が始まってすぐ、コロンビアの選手にレッドカードが出され、コロンビアは10人で戦わなくてはなりませんでした。
相手は1人少ないわけですから、日本にとっては非常に有利な状況です。
ギリシャ人だったら誰もが「よし! 相手は少ないから試合をコントロールしやすくなった」と思うような展開です。
しかし、私の友人たちが話していたのは「日本は戸惑っているように見えた」ということでした。
ワールドカップという大舞台。
しかも大切な1戦目ということで、ほかのチーム同様、日本も綿密に作戦を立てていたと思います。
もちろんそれは、11人対11人の試合を想定しての作戦だったはずです。
でも、その状況は試合開始後すぐに崩れてしまいました。
状況が違いますから、用意していた作戦どおりにはできない。
しかも相手は1人少ない状況ですから、普段と違うプレーをしてくる。
そのような想定外の状況の中で日本は、自分たちのペースを取り戻すまでに時間がかかった。
それを私の友人たちは「有利なはずの日本が戸惑ってしまった」と表現したのだと思います。

猛烈な暑さは
行動パターンを変えてみるチャンス
予定どおりに物事が進まない中で生活をするのは、なかなか大変です。
一定のペースを保つことができれば、無駄なエネルギーを使わないで済むことも確かだと思います。
ですが、たまには生活のペースを変えてみるのもいいのではないかと思います。
それによって、急な状況の変化にも対応できるようになるし、また普段とは異なる視点から物事をみるよいきっかけにもなります。

日本の強みは、よくオーガナイズされ、規律を持って行動することができる点だと思います。
でも、たまにはギリシャの生活のように、次に何が起こるかわからないという中で生活してみてはどうでしょうか?
 もちろん疲れることもありますが、意外と楽しいものですよ!
日本の強烈な夏の暑さは、行動パターンを変える理由にもってこいかもしれません。
普段のペースを保ちつつも、何か小さな変化を入れてみるのもいいかもしれませんね。
でも、無理はせず、くれぐれもお体にはお気をつけください!
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2018年07月14日

「夏バテで倒れて死にかけた」 エアコン、睡眠…5つの危険サイン

「夏バテで倒れて死にかけた」
エアコン、睡眠…5つの危険サイン
2018/07/13 日刊SPA!

心身ともに不調が表れる夏バテ。
涼しくなるまでの辛抱……と我慢してしまいがちだが、放置したがため、命に関わる大病を患うこともある。
そんな“キラー夏バテ”のメカニズムとは!?

◆夏バテで自律神経に異常が発生。
  脳卒中や心筋梗塞の危険が増大
 連日猛暑が続いている今夏。
すでにすっかり夏バテ気味という人も多いのではないだろうか?
 そんな夏バテも毎年のこととなれば「涼しくなれば大丈夫」と気楽に構えがちだが、たかが夏バテと侮ることなかれ。
実際に熱中症と夏バテの合わせ技で倒れてしまい、死にかけたという報告もある。

休日のバイクツーリングが趣味だという生方大輔さん(仮名・42歳・映像制作)の例を見てみよう。

「友人と軽く酒を飲んでいたら、店を出た途端に倒れてしまったんです。
声をかけられても、返事することすらできませんでした。
救急車を呼んでもらい、精密検査をすると、結果は軽度の脳卒中。
普段は内勤なのでほとんど日光に当たらないのですが、その日は昼間バイクに乗っていたんです。
いつの間にかダメージが蓄積していて、そこに酒が加わって倒れました」

 営業の外回りなど、長時間日に当たることが多いサラリーマンにとっては他人事ではない話だ。
軽い疲れだからと放置しておくと、手遅れにもなりかねない。
 東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏は、「夏バテを放っておくと、心筋梗塞や脳卒中、突然死などのリスクを高めることになりかねません」と説明する。
そのメカニズムは次のとおりだ。
「夏バテは医学的に定義づけされているものではありませんが、一般的には夏場に疲労が蓄積した状態。暑さ、寒暖差、紫外線が原因で自律神経が正常に働かなくなる状態が夏バテです

◆自律神経の機能低下が
          夏バテを引き起こす
 自律神経は体温や血圧のコントロールから心肺機能、消化機能まで体のあらゆる働きを司るいわば司令塔。
夏になるとその自律神経が働きすぎて疲れてしまい、体の怠さ・食欲の減退などの夏バテ症状が出るというわけだ。
現代社会は寒いぐらいにエアコンの効いた室内と、35℃以上の屋外を盛んに出入りするなど、自然界では考えられない状態が多く、人の体はこうした状況に対応するようにできていない。
過酷な状況に自律神経が疲れてしまうんです

 自律神経の機能低下はヤル気の減退も引き起こすが、これも実は危険な徴候なんだとか。
「意欲が高まると活発に活動してしまい、結果として自律神経を酷使する。
それを避けるために意欲が減退する仕組みです。
実際には意欲減退の前に“飽きやすい”という症状が出る。
飽きは疲れのファーストサイン。
好きなことにも集中できなくなったら夏バテの兆候だと思うべきでしょうね

 ただ、ヤル気の減退程度で済めばまだマシ。
夏バテ状態を解消せずに放っておけば、より悲惨な状況も招きかねない。
自律神経で対処できなくなると、体は内分泌系の機能に頼ります。
するとステロイドホルモンを分泌するんですが、これがくせもので糖尿病リスクを高めてしまう。
放置すると生活習慣病のリスクも高まりますし、脳卒中や心筋梗塞の可能性も高くなってしまいます

 大病にもつながりかねない夏バテだが、梶本氏はこの季節に急増する熱中症も「自律神経の不調が原因のひとつ」と語る。

昨年の5〜9月、熱中症で救急搬送された人数は5万2984人。
この数字は一昨年と比べると2572人増えている。
さらに、熱中症=高齢者というイメージもあるが、18歳以上65歳未満の成人も約35.6%とかなり多い。
熱中症に詳しい横浜国立大学の田中英登教授は、「働き盛りだからと安心していては非常に危ない」と語る。

「ひとくちに熱中症と言っても、原因や症状で熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の4つに分類されます。
熱失神は一過性の血圧低下、
熱けいれんは塩分不足、
熱疲労は高体温や水分不足が原因。
これらが組み合わさって熱射病になれば、命の危険もあります。
軽い熱中症でも夏バテと組み合わさると危険な状況になることもあるので、この季節は特に注意すべきですね」

◆現役世代でも高い
   熱中症や夏バテのリスク
 蓄積された夏バテと熱中症、そして酒の組み合わせで死の淵に……。
前出の生方さんなどは“キラー夏バテ”を地でいく例だが、こうした症状を防ぐためにはどうすればいいのだろうか?

「熱中症で言えば、体への熱負荷がポイント。
日射が非常に強い屋外はもちろん、閉め切った屋内でエアコンを使っていない状況でも起きやすい。
気温だけでなく湿度も重要で、湿度が10%高くなれば気温2℃上昇と同じ程度の熱負荷がかかります」(前出・田中氏)
 となれば、当然有効なのはエアコンだ。

いまだに「エアコンをつけて寝るのはNG」という風潮もあるが、前出の梶本氏は「100%間違い」と断言する。
「エアコンをつけずに寝て夜中に暑さで寝汗をかいて目が覚める。
これは最悪です。
本来、睡眠を取ることで自律神経を休めますが、寝汗をかくということは自律神経が全然休めていない。
自律神経の機能が回復せず、夏バテの症状を加速させてしまうんです」

 しかし、そんな便利なエアコンも使い方を誤るとリスクも生まれる。
田中氏は次のように話す。
冷えすぎはやはりよくないですし、気流を直接肌に浴び続けると脱水症状になる可能性も。
お酒を飲んだ夜などは特に危険です。
扇風機などで間接気流をつくり、エアコンが苦手な人はタイマーも活用を。
また、冷感スプレーは体温を下げずに涼しさを感じさせてくれますが、外出前に使うと体温調整機能を失い非常に危険。
使用は外から戻ったときにしましょう」

 また、トレーニングをして体力づくりをするのも夏バテ対策には有効。
ジムやサウナなどで汗をかきやすい体質にすることが自律神経の働きにも効果的なのだ。
「ただ、オーバーワークには注意してください。
翌日にも疲れが残るようだとそれはやりすぎ。
ヤル気の減退などは体からの“休め”というサインですから、夏バテを感じたら素直に休むことが一番効果的なんです」(梶本氏)

 夏は仕事だけでなく休日も活動的という人は多い。
だが、疲れを押しての活動は夏バテの加速につながる。
梶本氏は「自律神経の機能は年齢とともに低下し、40代は10代の半分以下」と話す。
 若い頃と同じ感覚で夏をエンジョイしていては自律神経の疲れが抜けず、“キラー夏バテ”のリスクが増してしまうというわけだ。

《キラー夏バテの危険サイン!》

1 ヤル気が出ず、飽きっぽくなる
 普段好きなゲームで遊んでも、なぜかすぐに飽きてしまう……。
そんな“飽きやすさ”は疲労、そして夏バテの兆候のひとつ。
何をする気も起きなくなれば、いよいよ本格的な夏バテだ。早めに休養を

2 寝汗が止まらず、暑さで目が覚める
 睡眠中は自律神経を休ませる貴重な時間。
にもかかわらず、暑くて寝汗をかいていては休むどころか自律神経は活発に活動中だ。
自律神経が睡眠によって休んで回復しなければ、夏バテは加速する一方

3 寝つくためにお酒を飲んでしまう
 アルコールは自律神経を麻痺させる効果を持つ。
一時的には眠くなるが、分解されるとむしろ目覚めやすくなり、熟睡ができないどころかかえって疲れが溜まるだけになるので夏の寝酒は避けるべし

4 エアコンの風を肌に当ててしまう
 冷気を肌に直接当てると低体温の原因に。
さらに脱水症状も招きかねない。
エアコンを付けて寝る際は、風が直接肌に当たらないように気をつけて、室内に風が回るように配慮する工夫が必要だ

5 外出する前に冷感スプレーを使う
 冷感スプレーでは実際の体温は下がらない。
暑い屋外への外出前に使うと“体温は上がるが体感温度は低いので体の体温調整機能が働かない”という事態を招き、熱中症のリスクを高めてしまう
                                          【梶本修身氏】
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2018年07月15日

連日の猛暑 熱中症が重症か見極めるポイントは?

連日の猛暑
熱中症が重症か
見極めるポイントは?
2018/07/14 日経スタイル

 この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。
ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!

【問題】
周囲の人が熱中症と思われる症状になったとき、応急措置と見守りで済むレベルか、それより重症で医療機関の受診が必要なレベルかを見極めることが重要です
見極めのポイントの一つは「自力で水を飲めるかどうか」というのはホント?ウソ?

(1)ホント
(2)ウソ

正解は、(1)ホント です。
 日本救急医学会では熱中症を重症度でI度、II度、III度に分類しています。

I度は意識障害がなく、応急措置と見守りで済むレベル。
II度は集中力や判断力の低下が見られ、医療機関の受診が必要なレベル。
III度は特に症状が重く、入院が必要なレベルです。

 「一般の人はI度とII度を見分ける知識が求められる。
ポイントは意識の有無と、自力で水を飲めるかどうか。
ペットボトルなどを容器ごと手渡して、一人で水を飲めるかを確認してください。
うまく飲めなければ意識障害があるII度ということ。
すぐに医療機関に連れていきましょう」と帝京大学医学部救急医学講座の三宅康史教授は言います。

■応急措置は「FIRE」(炎)と覚える
熱中症の応急処置.jpg
 応急措置については、「FIRE」というキーワードを覚えておくといざという時に役立ちます。
F(Fluid)は水分補給、
I(Icing)は冷却、
R(Rest)は安静、
E(Emergency)は119番通報です。

「意識がもうろうとしていたら、すぐに救急車を。
その場合は逆から、つまりE、R、I、Fの順番で応急処置をしてください。
意識がない場合、無理に水を飲ませてはいけません」と三宅教授はアドバイスします。

■死亡者のうち、8割は「非労作性熱中症」
 ちなみに、熱中症は大きく2つに分けられます。
炎天下など気温が高い中で体を動かすことで起こる「労作性熱中症」と、
体を動かさなくても起こる「非労作性熱中症」です。

 前者は若者から中年が起こしやすく、圧倒的に男性が多いのが特徴。
一方、後者は高齢者に多く見られるタイプで、男女差はありません。
また、発症しても治療すればすぐに回復する労作性熱中症に対し、「非労作性熱中症は予後が悪く、熱中症による死亡者の8割はこちらのタイプです」と三宅教授は指摘します。

 非労作性熱中症の典型例は、下記のようなケースです。
【78歳女性・老老介護中:】
脳梗塞で寝たきりになっている81歳の夫を一人で介護していた。
本人のパーキンソン病も進行していた。
エアコンは嫌いなので使わない。
梅雨明けで暑さの続く7月下旬、夕飯の準備をしているときに倒れる。
数日後、連絡が取れず心配して訪ねてきた娘が発見。
室内はサウナのような状態で、夫婦ともに熱中症になっていた。

 「老老介護の場合、介護しているほうが熱中症で倒れると、介護されているほうも熱中症になってしまう。
特に梅雨明けの7月下旬は一気に熱波が来るにもかかわらずまだ体が暑さに慣れておらず、最も熱中症を起こしやすい時期」(三宅教授)というので、注意しましょう。

 なお、環境省では熱中症の基本情報、予防法、応急措置などをまとめた「熱中症環境保健マニュアル 2018」( http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php )を出しています。
環境省のホームページから無料でダウンロードできるので、万一の場合に備え、一度は目を通してください。
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday2017年7月10日付記事を再構成]
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posted by 小だぬき at 06:20 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月16日

眠気が取れない人は要注意!約5%の人がかかる「睡眠時無呼吸症候群」

眠気が取れない人は要注意!
約5%の人がかかる
「睡眠時無呼吸症候群」
2018/07/14 AllAbout 坪田 聡(医師)

睡眠時無呼吸症候群は、100人中2〜7人に該当するものの、適切な治療を受けている人は少ないと考えられている病気です。

「睡眠中に呼吸が止まっていることがあると言われた」
「いびきをかき、十分眠っても眠気が取れない」という人は、この病気かチェックしてみましょう。
睡眠時無呼吸症候群のメカニズムと大まかな種類について医師が解説します

睡眠時無呼吸症候群とは……

21世紀の国民病・その症状
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている時に呼吸が止まる「無呼吸」症状や、呼吸の回数が減る「低呼吸」が原因で睡眠障害が起こってしまう病気です。
実際には睡眠の質が下がっているにも関わらず、診察に訪れる患者さんの多くが自分の睡眠不足を認識しておらず、日中、知らないうちに居眠りしてしまうことも問題です。

もしあなたが家族やベッドパートナーから、「眠っている間に呼吸が止まっているよ」と言われたことがあったり、いびきをかく癖があり、眠っているつもりなのに眠気が取れないような場合、この「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は「21世紀の国民病」と言われるほど、多くの人がかかっている病気ですが、適切な治療を受けている人はまだ少ないのが現状です。

100人中2〜7人は睡眠時無呼吸症候群
2003年2月26日、乗客約800人を乗せ、時速270kmで走行中の山陽新幹線ひかり号運転手が眠り込んでしまい、岡山駅を通り過ぎそうになってしまうという事故がありました。
その後の調査で、これが単なる居眠り運転ではなく「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が原因だったと分かり報じられたことが、この病気が広く知られるようになったきっかけだったように思います。

日本での調査によると、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは男性の3〜7%、女性では2〜5%もいると報告されています。
このことから日本には睡眠時無呼吸症候群の人が500万人もいると推定されています
このうち、治療が必要なのに受けていない患者さんが300万人以上いるともいわれています。

性別では、男性は女性の3〜5倍も睡眠時無呼吸症候群になりやすく、しかも軽症例に比べて重症になると男女比が拡大します。
男性では患者さんの半数以上を40〜50歳代が占め、女性では閉経後に急増するのも特徴です。

睡眠時無呼吸症候群の3タイプ
・最も多いのは気道閉塞タイプ
睡眠時無呼吸症候群は、大きく3つにタイプに分類されています。

■ 気道閉塞型の睡眠時無呼吸症候群
鼻あるいは口から肺に至るまでの空気の通り道である気道の一部が、狭くなったり詰まったりして、一時的に呼吸できなくなるタイプ。
外来で診る患者さんの中でも、このタイプが最も多いです。

■ 中枢型の睡眠時無呼吸症候群
脳にある呼吸中枢の働きに異常が起こり、呼吸に関する筋肉に指令が届かなくなって呼吸できなくなるタイプ。
脳血管障害やうっ血性心不全、高山病などが原因の睡眠時無呼吸症候群もこのタイプに含まれます。

■ 混合型の睡眠時無呼吸症候群
1回の無呼吸発作の中で、中枢型に引き続いて閉塞型が起こるタイプ。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、生理的な原因と鼻や喉の形態異常の2つが重なり発症します。
眠ると筋肉の緊張が解け、体はグッタリとしますが、これは喉の周りや舌の筋肉も例外ではなく、起きている時に比べて睡眠中は気道が狭くなりがちです。
また、仰向けで寝ると重力の関係で、舌がノドに落ち込みやすくなります。
健康な人なら、睡眠中に起こる生理的な変化だけでは軽いイビキをかく程度でしかありません。
しかし、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などの鼻の病気や扁桃腺の肥大、肥満、顎が小さいなど形の異常があると、気道が閉塞しやすくなり無呼吸に陥ってしまうのです。
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2018年07月18日

わずかでも苦難に寄り添おう

きょうの潮流
2018.7.16 しんぶん赤旗
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「暑」には、日光の熱が集中するという意があります。
太陽や火を表す「日」と「煮」の原字である「者」から成り、かまどで火をたくような「あつさ」が語源には含まれています

▼猛暑、酷暑、大暑、炎暑、甚暑、極暑―。
暑のほどを表現する言葉は数ありますが、身の危うさまで感じるこの暑さを何と。
すでに30度超えは当然、40度に迫る地域も。
熱中症への警戒や対策もこれまで以上に心がけなければ

▼3連休中、西日本豪雨の被災地にはボランティアが続々と駆けつけました。
がれきの撤去や土砂のかき出し、片付けや手伝い。
少しでも力に、自分にできることがあればと、暑熱ともたたかう懸命な作業にこぼれる汗をぬぐっています

▼現場の混乱や熱中症の恐れもありますが、被災者からは感謝の言葉が尽きません。
荒廃した地にひろがる人のぬくもり。
それは、いつわが身に災害が降りかかるやもしれぬ国で培ってきた支援の輪、心の絆なのかもしれません

▼一方で政権の災害にたいする危機意識は薄く、被災者には冷たい。
安倍首相ら幹部が笑顔で酒席を催していた初動はもちろん、被災地の視察後に首相が国会で最初にやろうとすることがカジノ法案とは。
どこまで被災者に背を向けるのか

▼犠牲となった200人をこえる命。
ふるさとや暮らしを失った苦しみや絶望感。
生活再建への長い道のり。
アベ政治の非道さがここにも露骨に現れるなか、
わずかでも苦難に寄り添おうとする人びとの姿はこの国に希望の光をともしています。
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2018年07月24日

年長者が若者に食事をおごるのは大間違いだ もう「粘っこい慣習」はやめたほうがいい

年長者が若者に
食事をおごるのは大間違いだ
もう「粘っこい慣習」は
やめたほうがいい
2018/07/23 東洋経済(江口 克彦 )

松下幸之助氏(パナソニック創業者)のもとで23年側近として過ごした江口克彦氏。
若手ビジネスパーソン向けの連載として好評だった「上司と部下の常識・非常識」に続いて、「50歳からの同調圧力に負けない人生の送り方」について書き下ろしてもらう。

若者たちと食事にいくと、50歳になっても60歳、70歳になっても「自分が支払わなければならない」などと思う。
先輩だから、後輩に支払わせてはいけないと思ったりする。
それで頼りない袖を振る。
 それが美徳、それが先輩らしい振る舞いだと考える。

もともと払う気もない後輩を「まあ、オレに任せておけ」などと制するふりをしながら、「とりあえずの美学」で、レジに向かう。
 こんな慣習、いかがなものか。その若者たち、後輩たちへの「とりあえずの美学」が、結局は、彼らをスポイルしている、自立心を毀損していることを考えなければならないと思う。

年長者が奢る必要はない  
年齢だけを考えて奢ることより、先輩として人間の生き方を教え、語ることのほうが大事ではないか。
大事なことは「魚を与えるより、魚を釣る方法を教える」ことではないか。

それを、簡単にメシを奢ってしまって、どうする。
奢ることによって後輩を喜ばせて、どうする。
 なによりみっともないのは、若者や後輩にご馳走し、奢りながら「なんでお礼を言わないんだ」「お礼の一言くらい言うべきものだ」と呟いたりお説教したりすること。
そんな恥ずかしい年長者、年寄りがいかに多いことか。

50歳を超える年齢になると、ますますそのようなことを思うようだ。
 心のなかで思うだけならまだいいが、「おい、礼ぐらいは言えよな」と感謝を要求してしまう。
それを不満に思った若者から文句を言われたり、不機嫌な表情でもされたら、人間関係が悪くなってしまう。
 いったいなんのために奢ったのか、なんのために自分が1人で支払ったのかすらわからなくなる。
本来の目的から大きく逸脱。
まったく本末転倒もいいところだろう。

年長者が若者に奢るのは「自己満足」
 礼を要求するぐらいなら、もう二度と誰にも奢らないと心に決めたほうがいい。
年長者が若者に奢ることは、実は気遣いでもなんでもないのだ。
単なる自己満足にしかすぎないのである。

 最近の若い人たちは、年長者のそういったお節介のほうが、かえって重荷なのではあるまいか。
上司と部下で呑みに行くと、部下の方から「割り勘にしてくれ」と言うこともあるらしい。
 今の若者たちは、恩着せがましい負担を嫌う。
気をつかうような相手と飲みに行きたくもないのである。

同じ仲間であっても、相手の負担になりたくないから、大仰な贈り物を避けるし電話もしない。
常にLINEなどのメッセージングアプリを利用する。

贈り物をしてしまえば、相手はお返しに悩んでしまう。
電話をすれば、都合の悪いタイミングでも出なければならない。
その点、メッセージングアプリで済ませれば、相手の負担にならないのだという。

 言われてみれば、こちらも同じような気持ちだ。
お中元やお歳暮については、十分に配慮しないと、相手の負担を強いることにもなるのだ。
香典もこの頃は「お断り」という場合が多い。
つまり香典返しが負担だからだ。

 AIだ、IoTだ、シンギュラリティだと言われている今の時代に、もう「粘(ねば)っこい慣習」はやめたほうがいい。
むしろ、新しいツールを駆使しながら、今まで以上の豊かで温かい、心のこもった、そして、お互いに負担にならない生活の工夫するほうが大切なのではないか。
 とにかく、年上だからと若者に奢ることはもうやめよう。
今の若者に、「先輩に奢ってもらおう」というような、あさましい気持ちはない。
むしろ、負担なのだ。
奢る分だけお節介ということである。
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2018年07月25日

それでも「教室にエアコン不要」と言う大人へ

それでも「教室にエアコン不要」と
言う大人へ
2018/07/24 東洋経済

親野 智可等 : 教育評論家

7月17日に、愛知県豊田市で小学1年生の児童が熱中症で亡くなりました。
各社報道によると、公園で30分ほど昆虫採集をした後、児童たちは教室に戻って教室で休憩していました。
ところが、休憩中に意識を失い、救急車で搬送されましたが亡くなりました。
かけがえのない子どもを失ったご家族の心情は察するにあまりあるところです。

この教室にエアコンはなく、扇風機が4台設置されていただけとのことです。
暑いさなかに公園に出掛けた判断も問題になっていますが、教室にエアコンがあったら助かった可能性があるということも指摘されています。

この事故を受け、豊田市では、小学校の教室のエアコン設置工事を前倒しで進める方針を決めました。

根強くある「エアコン不要」の根性論
学校にエアコンを設置すべきか否かという議論は十年前からありました。
そして、数年前までは、
「子どものうちからエアコンの中で過ごしてばかりいては、体が弱くなる。せめて学校では……」
「教室を快適にしてしまうと、休み時間にも外に出て遊ばなくなる」
「つねに快適な環境の中にいては忍耐心が育たない」などという意見もありました。

ですが、今年の酷暑を経験してみれば、もはやそういう議論をしている段階でないことは明らかです。
豊田市の事故は校外学習の後ということでしたが、このままでは、ずっと教室にいて熱中症になる児童が続出する可能性があります。
休み時間に外遊びをした子どもたちが汗だくで教室に戻ってくると、体感温度はさらに上がります。
そうでなくても、1つの教室に40人近い子どもがいるのですから、子どもたちの発する熱の量だけでもハンパないものがあります。

私も講演先の学校で授業中の教室を参観させてもらうことがありますが、エアコンがない場合、7月や9月の教室内は勉強に取り組めるような環境ではありません。
また、勉強面だけでなく、不快な環境にいればストレスもかかりますし、いら立ちにより子ども同士のトラブルやいじめが増えることも考えられます。

「昔は学校にエアコンなどないのが当たり前だった。
今の子は今の子は軟弱だ」という意見は根強くあります。
そこで、気象庁の「過去の気象データ検索」で調べてみました。

50年間で2.5度も上昇した平均温度
たとえば奈良県奈良市の1967年(50年前)の7月の「一日の最高気温」の平均は、30.5度でした。
そして、1987年(30年前・今の子育て世代が子どもだった頃)の7月の「一日の最高気温」の平均は、31.0度でした。
ところが昨年、2017年の7月の「一日の最高気温」の平均は33.0度です。
つまり、50年間で2.5度も上昇したのです。

また、この30年間だけでも2.0度の上昇です。
平均が2.5度も上昇したというのはすごいことです。
しかも、上昇の度合いも上がっています。

また、たとえば愛媛県松山市の1967年(50年前)の7月の「一日の最高気温」の平均は、30.7度でした。
1987年(30年前)の7月の「一日の最高気温」の平均は、30.7度で、これは1967年と変わりがありません。
ところが昨年、2017年の7月の「一日の最高気温」の平均は32.6度です。
つまり、この30年間だけで1.9度も上昇したのです。

ついでに、7月の「一日の最高気温」の平均が30年間でどのように変化したか、気象庁のデータより、あといくつかアトランダムに調べてみたら、次のような結果が出ました。

福岡市は3.0度上昇
静岡市は1.1度上昇
長野市は0.5度上昇
横浜市は1.7度上昇
高知市は2.2度上昇
秋田市は2.3度上昇
札幌市は2.9度上昇
那覇市は1.6度上昇 ということで、もう十分ですね。

このように、日本の気温は確実に上昇しています。
ですから、「昔は学校にエアコンなどないのが当たり前だった。
今の子は軟弱だ」などという意見は成り立たないのです。
ところで、なぜ主に奈良県と愛媛県を例に取ったかというと、この両県は最高気温が高いにもかかわらずエアコン設置率が低いという最悪な県だからです。

それは、名古屋大学の内田良准教授の下記のリポートによって明らかです。
小中のエアコン設置 いまだ半数 
暑くても設置率1割未満の自治体も 
莫大な予算が課題(Yahoo!ニュース)
※リポートの5番目のグラフに出ています。

大人たちは、政治家も役人も会社員も、エアコンの効いた涼しい環境で仕事をしています。
それでいて、子どもたちには悲惨な環境を押し付けています。
教室にエアコンはいらないと言う人たちは、「教育のためだ」「身体を鍛えろ」「忍耐心、我慢する力、根性を鍛えろ」とでも言いたいのでしょうか?

特に、政治家や役人にはエアコンのない教室の授業を参観してみてほしいです。
1時間と言わず、子どもたちのいる間ずっと一緒に過ごしてみてください。
もちろん、晴れの日にです。
だんだんと気温が上がって、3時間目4時間目になると相当大変です。
これが5時間目や6時間目になると、うだるような暑さになります。
ぜひ、経験してください。

そうすれば、二度と「教室にエアコンはいらない」などとは言えなくなるはずです。
しかも、すでに各種メディアで報じられているように、子どもたちは次の理由で大人よりも熱中症になりやすいのです。

1. 子どもは、体重当たりの体表面積が大人と比べて大きいので、外の熱を吸収しやすい
2. 子どもは、水分をためておく筋肉の量が少ないので保水力が弱い
3. 子どもは、汗を出して体温を調整するための汗腺や自律神経が未発達

そして以下は、長く学校現場にいた私の実感ですが、

4. 子どもは人生経験が少ない分、大人より自分の体調不良に気づくのが遅い。
それに気付いたとしても、適切な言葉でうまく伝えられない

「9月は大丈夫だろう」でいいのか
政治家や役人の中には、「もう夏休みに入ったからセーフ。
これでエアコン設置を求める声も下火になるだろう」と思っている人がいるかもしれません。
でも、それは勘違いです。
9月の残暑を甘くみてはいけないからです。

私も教師として経験してきましたが、夏の疲れが蓄積したところに、9月の残暑がやってきて、そのまっただ中でエアコンのない教室で勉強するのです。
思い出しただけでぞっとします。

夏は毎年必ずやってきます。
来年は冷夏になるという保証はありません。
先述のとおり、毎年気温は上がっており、熱中症のリスクは高まっているのです。

そして、もう1つ見逃せないのが、都道府県によってエアコンの設置率がまったく違うという点です。
この違いは異常なまでに大きいです。

先の内田良准教授が作成したグラフを見れば一目瞭然です。

設置率が低いところは政治家や役人を動かす必要があります。
そのためには、PTA、校長会、教頭会、地域の教育協議会、教職員組合などの関係団体が一致団結して取り組むことが大切です。
なんといっても子どもの命にかかわる問題なのですから。

いちばん効果的なのは、やはり自治体の首長や議員に働きかけることでしょう。
署名集めは常套手段です。
そして、エビデンスもつけて請願書を出しましょう。
エビデンスがあると説得力が高まります。
気象庁のサイトで自分たちの地域の気象情報を得てください。
さらには、気象庁や各地の気象台に直接問い合わせれば、もっと詳細な情報が得られるかもしれません。
実際の教室の温度を測って記録するのも効果的です。

繰り返しますが、本当に、このままではずっと教室にいて熱中症になる児童が続出する可能性があります。
というより、確実に出るでしょう。
そうならないためには、機運が盛り上がっている今を逃さずに取りかかることが求められます。
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サラリーマンに訪れる“55歳の壁”。

サラリーマンに訪れる
“55歳の壁”。
乗り越えるためにすべき5つのこと
日刊SPA! 2018/07/24

年金の支給開始年齢の引き上げをにらんで、サラリーマンの定年が60歳から65歳へと引き上げられる過渡期にある現在。
しかし、ほんの30年ほど前までは「55歳定年」が主流だった。
そんな「55歳」というボーダーラインは、今日では見えざる壁となって現役サラリーマンの前に立ちふさがっている。

例えば、サラリーマンは55歳を超えると会社から“戦力外”扱いされるという話もあり、実際SPA!で55〜60歳の男性にアンケートを行ったところ(回答者数3018人)、58.9%が「55歳を境に人生が“下り坂”になった」と回答していのだ。

◆55歳の壁を越えるには?
 職場での戦力外扱い、それに伴う収入のダウン、そして子供の教育費など、
“55歳の壁”はさまざまな角度からわれわれの人生を阻もうとするが、その本質をひとことで言えば「生きていくためにいやいや仕事を続けなくてはならないツラさ」ということになるだろう。

仕事がツラいのはどの世代でも同じですが、若い世代と違って55歳には転職という逃げ道がほとんど残されていない。
そこへもってきて、医療費だ教育費だとカネがかかるため、いさぎよく会社を辞めるという選択肢もない。
会社からお荷物扱いされてモチベーションは極限まで下がっているにもかかわらず、不本意ながら会社にしがみつかなくてはならない……
この状態が、メンタル的には一番堪えます」(ジャーナリストの溝上憲文氏)

 55歳ともなれば“残りの会社人生は消化試合”という気分になりがちだが、年金がもらえるまではあと10年(ゆくゆくは15年)もある。
その間ずっと“いやいや”が続けば、それは地獄だろう。

「そんな状態から脱するシンプルな方法が、ささやかな副業を持つこと。
少額でも会社以外に収入源があれば、安心感と充実感が違います。
私の知人にも、50歳を過ぎてライターになった会社員がいるのですが、逆に職場を取材の場として楽しめるようになったとか。
55歳の壁に直面した人にとって、ただの趣味ではたいした気晴らしになりません。
むしろ『こんなことをしている場合なのか』などと、かえってストレスになる恐れも。
趣味なら趣味で、お金をもらえる趣味を持つことが大事なんです

 副業と言われても何をしていいかわからないという人も多いだろうが、自分で考える以上に「他人から“頼まれる”状態をつくるのが大事」と言うのはライフデザインアドバイザーの木村勝氏。
「自分がこれまで何をしてきたか、自分に何ができるのかを日頃から周囲に伝えていれば『今度、こういう案件があるから手伝ってもらえないか』と声がかかることもある。
そんな、ちょっとした手伝いが副業に発展したという例はいくらでもあります。

そのためには、会社の内外で人の輪を広げることが重要。
会社の看板があるからこそ会える人もいるわけで、55歳から定年までの5年間は“今後の取引先を開拓する”つもりで活動すれば、会社にいることのモチベーションも見いだせるでしょう」
 55歳といわず、40代のうちからこの心構えでいれば、“壁”を跳ね返すことも十分可能だ。

<55歳の壁を跳ね返すには>
・ささやかな副業を始める
・カネがもらえる趣味を持つ
・頼み事をされる人間になる
・自分のできることを人に話す
・顧客を開拓するつもりで人に会う
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2018年07月28日

日本人の4割が抱える「睡眠負債」の深刻度

日本人の4割が抱える
「睡眠負債」の深刻度
最速で解消!今日からできる3つのこと
2018/07/27 東洋経済

白川 修一郎 :
睡眠評価研究機構代表、医学博士

ますます暑さが厳しくなる日本列島。
ちょっと寝不足な日々を送る人も多いでしょう。
しかし、そのちょっとした寝不足が、あなたの体に大きなダメージを与えていることをご存じでしょうか。

日本人の4割が抱える、
危険な眠りの借金「睡眠負債」
こたぬきダンス.gif
2017年、ユーキャン新語・流行語大賞トップ10に選ばれた言葉が話題になりました。
「睡眠負債」です。
この言葉は、英語の「sleep debt」を直訳した言葉で、単なる“睡眠不足”ではなく、“返済すべき睡眠不足の累積”というニュアンスを含んでいます。

睡眠不足はその日だけの問題ではありません。
1日1時間程度の睡眠不足でも30日間続けば、一睡もせずに30時間起き続けているのと同じ状態になります。
解消しないかぎり毎日積み重ねられていってしまう、かなり危険なものなのです。

この睡眠負債、日本の中でも近年深刻な問題となっています。
2015年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によれば、1日の平均睡眠時間が6時間未満の日本人の割合は20歳以上に限ると39.5%。
つまり、成人の約4割もの人が、睡眠が足りていないのです。

休日に寝だめをするから大丈夫だと思っている人もいるでしょう。
しかし、寝だめでは睡眠負債を解消できません。
むしろ、その間違った寝方によって、かえって日曜日の夜に寝つけなくなる悪循環が生みだされます。
もしあなたが、月曜日の出社前の朝に、憂うつだったとしたら、それは睡眠負債の累積によるものかもしれないのです。

朝の憂うつだけではありません。
睡眠負債は、仕事の生産性をも下げることがわかっています。
ランド研究所・ヨーロッパが、2016年レポートのなかで、睡眠時間が6時間未満の人が7時間の睡眠をとった場合、年間でどの程度の経済的な社会損失が改善されるかを推計しています。
それによると、日本を含む5カ国をGDP比で考えた場合、日本はトップでGDPの2.92%(2018年1月の為替レートで、ほぼ15兆1800億円)が改善されるという結果となりました。

つまり、日本は現在、睡眠負債によって、約15兆円の経済損失を出しているのです。

睡眠負債は、重大なミスも引き起こします。
アメリカでは、自動車の交通事故と睡眠の関係が研究されています。
交通安全を推進するアメリカの非営利団体(AAA Foundation for Traffic Safety)の2016年の報告によれば、過去24時間で7時間以上の睡眠をとっていたドライバーの事故確率を1とすると、6時間〜6時間59分の睡眠時間で1.3倍、4時間未満の睡眠時間では11.5倍にまでなると推定されています。

睡眠負債は、交通事故をはじめ、仕事や日常生活の中で重大な人為ミスを引き起こす大きな要因でもあるということです。

ではなぜ、睡眠負債はこうした人為ミスなどを引き起こすのでしょうか。
それは、睡眠負債が脳の働きを低下させるからです。
脳の前頭連合野は特に睡眠負債の影響を受けやすい領域です。
前頭連合野は、適切な判断をし、意思を決定する「認知・実行機能」、不必要な行動の「抑制機能」、そのほかにも「意欲コントロール機能」や「情緒安定機能」など多くの働きを担っています。

睡眠負債で前頭連合野がうまく働かないと、集中力や記憶力、思考力、モチベーションなどの低下をもたらしてしまい、仕事上のミスが増加してしまうのです。

間違いだらけの快眠法 では、睡眠負債を解消するには、どうしたらいいのでしょうか。
気をつけてほしいのは、誤った方法に踊らされないことです。
実は、ちまたに出ている情報には、間違いやウソがかなりあります。

たとえば、睡眠と食事の関係。
インターネット等では、「寝る前に温めた牛乳を飲むとよく眠れる」「レタスを食べるとよく眠れる」といった情報が流れていますが、結論から言ってしまうと、これはウソです。
現在までに科学的に証明されている睡眠改善効果のある単一の栄養素としては、アミノ酸のひとつであるトリプトファン、グリシン、テアニンと、その他にメラトニンなどがあります。

これらの栄養素を摂取する場合、眠改善効果がはっきりとみられる量は、トリプトファンとグリシンが3g以上、テアニンは200mg程度、メラトニンは30mg程度。
いずれもタンパク質などに組み込まれていないフリーの状態のものを一度に摂取することが必要です。

・確かにトリプトファンは乳製品に多く含まれるため、寝る前に牛乳を飲むことは一見、理にかなっているように思えます。
しかし、3gのフリーのトリプトファンを摂取するためには、実はドラム缶半分程度の濃いめの牛乳を一度に飲まなければなりません。
・メラトニンはケールやレタスに多く含まれているものの、30mgを食べるためには約70kg、数で示すと450玉以上を一度に食べなければならず、現実的ではありません。
・テアニンは茶葉に多く含まれていますが、茶葉には覚醒作用の強いカフェインも多く含まれています。
緑茶や紅茶を飲んでテアニンを摂取したつもりでいても、カフェインの効果で逆に目が冴えて眠れないことになってしまうということです。

そこでまずは、誤った情報に惑わされずに、快適な睡眠を実現するために、“寝つきを悪くする習慣”を改善することに着手してみましょう。
寝つきに大きく影響する交感神経の活動は、習慣的な就寝時刻のほぼ30分前から休息モードに入りはじめます。
眠りを誘いやすくするホルモンのメラトニンも、習慣的な就寝時刻の1〜2時間前から分泌がはじまります。
そのため、次のような行動や習慣は寝つきを悪くしてしまいます。

@ 夜遅くの晩御飯
胃に食物が入り消化活動が行われていると体は覚醒方向に動き、睡眠モードに入るのが難しくなります。
夕食程度のボリュームの食物を消化するには、3時間程度が必要とされています。

A 眠る前のスマートフォン、パソコン、タブレット
150ルクス(目安:一般住宅の明るさが150〜250ルクス)以上の光が当たっているとメラトニンの分泌も抑制されます。
メラトニンの分泌抑制力が最も強い光の波長は460o付近(青緑色光)で、スマートフォンやパソコン、タブレットのブルーライトはこの波長付近の光です。

B 夜遅くの満員電車、車の運転、運動
メラトニンには交感神経が興奮していると分泌されにくいという特徴があります。
満員電車に揺られて帰宅したり、車を運転して帰宅したり、急ぎ足で帰宅したりすると交感神経を興奮させてしまうということです。

いかがでしょうか。ついやってしまいがちな習慣があなたの快眠を阻害しているのです。
試しにこのNG習慣をやめてみるだけでも、スーッと寝つきやすくなるでしょう。
たぬき02.gif
最速で「睡眠負債」を解消する、今日からできる3つのこと では、やめるべきNG習慣にプラスして、簡単にはじめられる睡眠負債解消法を3つお伝えしましょう。

@ 自分の睡眠を把握する
睡眠負債を解消するためには、客観的に自分の睡眠状態を知ることが大切です。
そのために役立つのが、睡眠日誌です。
0時から23時までのマス目を作り、朝、目が覚めたら眠っていた時間帯を30分単位で塗り潰します。
あわせて前日の気分と、仕事などでのパフォーマンスを思い出し、〇、△、×で評価します。
  これによって、自分の睡眠の状態と睡眠負債量、それによる気分やパフォーマンスの変化に気づくことができます。

A 休日の正しい眠り方
睡眠が不足しているときには、休日に睡眠負債を解消しなければなりません。
しかし、休日に遅くまで眠ってしまうと、体のリズムを乱すことになってしまいます。
そこでお勧めなのが、次の2つの方法です。

1:休日の前夜はいつもより1時間前に就寝し、休日はいつもより1時間遅く起床する(1時間遅くといっても、午前10時までには起床して朝食をとり、太陽光を浴びるようにしましょう)。

2:それでも睡眠負債がたまっているときは、二度寝はせずに午後0時から3時までの時間帯に1〜2時間の昼寝をする。

1を実行することで計2時間分程度の睡眠負債を解消でき、かつ体のリズムはまったく乱れません。
それでも眠気がある場合はあわせて2の方法をとれば、睡眠負債を解消できます。
昼寝については、一般的に夜の主睡眠まで8時間以上の覚醒時間があると、夜の睡眠に影響が少ないことがわかっています。

寝つきや睡眠感に
大きく影響する枕も重要

B 枕とパジャマ 枕は寝つきや睡眠感に大きく影響します。
年中、空調で寝室を一定の温湿度にしていないかぎり、夏と冬で枕を変えたほうがいいでしょう。

・夏の枕には頭部からの汗を吸い取り、頭を冷やす効果が求められます。
そのため、形状は小さめで、吸湿性と放湿性が良好で通気性のよい素材を選びましょう。
ダニの発生も多いので洗えるものが望ましいといえます。
・一方、冬の枕は肩と首の保温の役割も担っています。
やや大きめで頭に当たる部分の素材はダウンなどの保湿性能の高いものを使いたいものです。

寝巻選びも重要です。
暑い季節にはパジャマを着ないで寝る人がいます。
しかし、パジャマの繊維の表面積は皮膚表面より圧倒的に大きく、パジャマを着たほうが、汗が気化する表面積が増えます。結果的に、裸で寝るよりも深部体温を下げやすいことが知られています。

いかがだったでしょうか。
ここまで睡眠負債についてお伝えしてきましたが、私の新刊『命を縮める「睡眠負債」を解消する 科学的に正しい最速の方法』では、この記事で紹介しきれなかった睡眠負債のさまざまな解消方法についても紹介しています。
また、睡眠日誌の詳細なつけ方やフォーマットも掲載していますので、ぜひご利用ください。
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2018年08月02日

「キレる60代男性」増加の背景

職場でも家庭でも満たされぬプライド
「キレる60代男性」増加の背景
2018年8月1日 東洋経済

「キレる60代男性」が増加している要因について、筆者が考察している
役職の降格など、職場での不遇や家庭内での権威低下が一因という
プライドが満たされないため、他人に敬意を要求するようになると分析した
************************
今日、駅で暴力を振るう者、執拗なクレーマー、暴れるモンスターペイシェントは高齢男性というイメージができつつある。

かつては、「怒れる若者」に対し、「分別を示す」のが高齢男性だった。
いま何が起きているのか。

まず事例を観察する。
『週刊東洋経済』2016年3月19日号には、
席を譲ろうとした中学生に「ふざけるな。(中略)いやいやなことぐらい、わかるのっ!」とからんだ男や、
レストラン来店のつど、店長を30分以上「指導」した男の例が挙げられている。
いずれも60代くらいとある。

昨年11月のNHK「クローズアップ現代」は、出演者の体験を紹介した。
駅ホームで、「若いのに、何を座っているんだ。年寄りのイスだ、譲れ!」と言われた例、
局のレジで「お支払いはカードでよろしいですか?」と聞いたところ、「待てよ! 不機嫌そうな顔をしやがって、お前の対応はどうなっているんだよ! 何ですぐ謝らないんだ!」と責められた例。

また「キレる側」からは、「店員が無愛想なときは、すごく頭きますね。……許せなくなっちゃう、キレちゃうんですよね」という声があった。

尋常ではない高齢者による暴力の増加

粗暴行為の舞台を見ると、まず病院・診療所である。
ブログやアンケートによると、看護師のほとんどが、待ち時間、態度、医療内容などに関して、高齢者の粗暴言動を経験している。
次いで、駅構内での暴力がある。
大手私鉄16社調査(2017年度)によると、加害者の21%が60代以上で、20代の22%に次ぎ2位である。

公的な統計はどうか。
法務省「犯罪白書」によれば、わが国の犯罪総検挙数は年間約150万件程度で、減少傾向にある。
うち傷害と暴行は逆に増加傾向で、1996年の約2万件を底に、2016年には約4万5000件になっている。
男性の割合が90%を超える。
65歳以上の高齢者に限っての総検挙数は年5万件弱で2005年以降はほぼ横ばい。
主に窃盗の増加により減少していない。

齢者の全体に占める比率は、人口の約27%であるが、検挙数では約3%と低い。
ただし、高齢者の暴力について見ると、動きが尋常でない。
20年前は年間300件程度であったものが、1万3000件に急増している。
全人口における比率も、1%強から28%強に上昇している。

「高齢者が増えただけではないのか」という疑問に応えて、人口構成変化を補正するため、高齢人口を分母にした暴力犯罪率を示す。
結果は衝撃的で、高齢者10万人当たりの暴力犯罪は20年で10倍以上に増え、なお直線的に増加中である。
犯罪にまで至るのは氷山の一角と考えられるので、多く見られる単なる粗暴行為もこの間増えていると推測できる。

有り余るプライドが
高齢者の怒りの原動力になっている。

彼らの発するメッセージは「尊敬の強要」である。
これを理解する手掛かりを、最近の「敬老者が乗車します」事件に見ることができる。
この事件は、花見に行く老人の団体が電車の席に「次の駅から、敬老者が16名乗車します」と書いた紙を置いて、席を確保しようとしたというもので、大きく報道された。
このような席取り自体に加え、その言葉遣いも見慣れないものである。
この文章に、当事者の意志が表れている。
「老人が乗車します」が正しいのだが、それでは自分たちへの敬意が足りないと感じる。
文法を無視してでも、「お前らが敬うべき人が乗るんだ」と言いたくて、「敬老者が乗車」となったのである。

本件は幸い、批判を受けて所属する老人会から再発防止が表明され穏便に済んだが、この「尊敬強要」の心理が、怒れる高齢者の問題にはつきものなのだ。

本来は高齢になると寛容になるはずだが さて、原因分析に先立ち、人はなぜ長生きなのかを考えよう。

一般に哺乳類は繁殖年齢が終われば寿命も終わる。
だが人類においては、女性は閉経してからも長期間を生きる。
男性も多くが繁殖活動を停止した後も長く生きる。
異例な長寿のメリットは何だろうか。
まず、孫の養育である。
子以上に孫がかわいい感情は普通に見られる。

人間は成育期間が長く、子育て負担は大きい(「「葛藤」の本能を経営の意思決定に応用しよう」を参照されたい)
祖父母が長生きして育児に協力すれば、子孫を残す確率が高まる。

もう1つの役割は集団淘汰への対応である。
生き字引のような老人が、生活の知恵を伝え、諍(いさか)いを調停すれば、集団存続に有利である。
人類の共同生活において、年の功には有用性があった。
高齢個体は利他的行動を通じて集団に貢献していた。
本能は長い試行錯誤を経て進化しており、通常は優れて適応的である。
齢(よわい)を重ね、世に尽くす喜びを感じる者は、上述の利他的行動を起こす本能に従っている。
どこにでも年を経て、利他的本能を「タイマー発動」する者がおり、寄付や財団活動に勤む。

チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』では、金の亡者スクルージが老齢に至って改心する。
これが働き盛りではリアリティがない。
このためのメカニズムとして、脳は高齢に至ると、幸福度を感じやすく、他人に寛容になる傾向を持つ。

岡本純子氏の「日本の高齢者は、なぜこうも「不機嫌」なのか」を参照いただきたい。
なお岡本氏の論説は本件に限らず的確で示唆に富むものだ。

一方で、本能は環境次第で誤作動する。
幸福で寛容であってほしい高齢者が、なぜキレるのか。
NHKの「クローズアップ現代」では、

@怒りを抑制する前頭葉が老化するという生理的理由と、
A定年で生活環境が大きく変わるという社会的理由の2点を挙げた。

近年の「粗暴化」の
要因として考えられる4点
しかし、老化で怒りの抑制が弱まることがあるとしても、先述のとおり、加齢で寛容性が増す傾向もある。
総合すればかつては高齢者の粗暴性は低かった。
老化も定年退職も昔からあったことである。
近年の変化を理解するには、新しい構造要因を探す必要がある。
その候補を4点考えてみる。

1つは健康の改善である。
今日、60歳を過ぎて、矍鑠(かくしゃく)としてスポーツをこなす人は多い。
半世紀前には腰の曲がった人が少なくなかった。
体力があるから攻撃性が増すことは、容易に理解できる。

2つ目は、職場の変化である。
バブル崩壊以前までの年功序列企業では職位が定年まで一律に上昇した。
しかし、今は年齢だけで昇進はできない。
定年が延長される一方で、ラインオフや子会社出向が生じた。
結果、多くのシニア社員が、役職から引き下げられ、部下も権限もない職場に取り残される。

3つ目は、家庭内の権威低下である。
女性の立場が弱く、男性に逆らうことが困難であった時代には、理不尽かつ無愛想で、家事などしない夫にも、仕方なく耐えていた妻が、今は黙っていない。
熟年離婚で放り出される者、家族に相手にされず、有り余る時間を一人持て余す者があふれている。

4つ目の社会変化は、顧客本位主義である。
感情労働が営業上有効と気づいた企業は、職員に「お客様の王様扱い」を強いる。
この結果顧客が感情労働を当然視し、尊敬を強要する心理が広まる。

また、すべての人が王様になるなら、すべての人が召使にもなることに注意が必要だ。
顧客の立場で王様の扱いを要求する一方、自分が働く際は、召使の感情労働を強いられる。
この振り幅を繰り返すうち、心が金属疲労を起こす。

プライド過剰な高齢者では、特にストレスが大きく、時に心が破断する。
さてこれらが組み合わさるとどうか。

体力はあって、職場にも家庭にも自己肯定の場がない高齢男性が、感情労働の蔓延する世界をさまよう。
彼の抱える「満たされぬプライド」の程度が、一世代前に比べ、格段に高いことは想像に難くない。
かくて赤の他人に無理やり敬意を要求し、態度が許せない、と言ってキレることになる。

こういう人に絡まれたらどうするか。
やり込めれば一時は爽快である。
だがこうした手合いは急増している。
いちいち争えばいつかひどい目に遭うから、逃げるが勝ちである。
失うものが、座席を横取りされる程度なら、あきらめるのが得策である。

業務上のクレームはより厄介だが、逃げる方法は知られている。
「自己の重要感」欲求への対応は、古くD.カーネギーが、『How to Win Friends and Influence People(邦題:人を動かす)』で、3点にまとめている。

1. 批判するな、けなすな、文句を言うな。
2. 真剣に誉め言葉を言え。
3. 相手の強い欲求を駆り立てよ。

セールスマンのカーネギーは、販売の秘訣として、以上3点を挙げた。

害を避けるだけなら、3は不要で、1か2で大抵はかわせる。
だが、お世辞など言って、相手が増長したらどうするか。
理不尽さがエスカレートするケースもある。
そうなったら、そこで「警察に行きましょう」と切り札を切る。
前段の1、2を真摯にやっておくほど、真剣味が増し効果が高い。
ただのプライド過剰男なら、これで引っ込む。

万が一引っ込まなければ、危険人物である。
110番しつつ逃げねばならない。

ラインオフ後の仕事は
   社会への貢献と考える
さて次に、より根本的な社会的対策を考える。
根本的な政策は、元気な高齢者に適切な場で働いてもらうことである。
職場にも家庭にも居場所がない者が大勢いたのでは、社会に良いはずがない。
また一方、若者世代の負担の抑制と、経済価値増大の観点からも、勤労は必要である
年金や福祉の財源が枯渇していく中、若者だけが働き、多数の高齢者が無為に暮らす社会など存続しえない。
高齢者も社会の利益に貢献が必要で、それは当人の喜びにもなる。
喜びがあれば、他人に尊敬を強要し諍う必要もなくなる。

加えて、勤労に居場所がある者は、家庭でも愛されやすい。
官民で高齢者の活性化策を考え、高齢者に企業またはコミュニティで働いてもらう努力は始まっている。
社会的枠組みの構築は進み、今後も強化されるであろう。

そうなると課題は、当事者が適合できるかにある。
意識の問題は大きい。
ラインオフ前、40代から自分を知り、特技を磨き、また研修や各種の体験、コミュニティ活動などに参加することは有益である。
高齢からのキャリアでは、人の上に立つ役割を求めてはいけない。
プライドや嫉妬心は、特に抑制する必要がある。
嫉妬による不適応の典型パターンは「あの人より、この俺のほうが上でないと絶対おかしい」といった他者比較である。

青色発光ダイオードの中村修二博士やNAND型フラッシュメモリの舛岡富士雄博士のような、世界的発明を成し遂げた天才でさえ、社内で不遇をかこったことを思えば、大多数の人は「この俺が!」と息巻いても滑稽でしかない。
自らプライドをマネージできれば、気持ちが前を向く。
そうすると、怒りが消え、満足と感謝が生じる。
感謝の心境は本人の幸福に極めて重要で、これが目指すゴールである。

目指すところが定まれば、自己変革のヒントや体験談は、書籍やセミナーなどで多く見つけられる。
悲観的に見ると、もしこのまま事態が悪化すれば、世代間の深刻な対立のおそれもなしとしない。
資産の偏在、年金・医療をはじめとする社会保障負担のアンバランス、年功序列社会などの事情が複合して、将来を担う若者は、ただでさえ不公平感にさいなまれている。

高齢者も社会に貢献し、若者の負担を減らす必要があるが、それを怠るばかりか、自ら尊敬を強要し粗暴行為に出るようでは、国を誤る。
そんなことをすれば、責めは自らに返ってくる。
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「いじめたい気持ち」は誰にでもある!?

「いじめたい気持ち」は
誰にでもある!?
2018/07/30 AllAboutMedical

中嶋 泰憲(精神科医)
いじめは大きな社会問題です。
どうして人は他人をいじめてしまうのでしょうか? 
みんなでいじめているから、自分もいじめたくなってしまった……なんて事態は絶対に避けたいこと。
人によっては、とにかく相手の顔を見ただけで、むかつくなんてこともあるかも知れません。
だからと言って、それで相手をいじめてしまうというのは、あってはなりません。

今回は、誰かをいじめたい、何かにあたりたいといったネガティブな感情をコントロールするために、是非、知っていただきたいことを精神医学的観点から詳しく解説します。

いじめたい衝動をよく理解してみて!
まず、どんな時に相手をいじめたくなった、あるいは、何かにあたりたくなってしまったかを、よく考えてみませんか?
人によっては「相手の顔を見た時」と答えてしまう人がいるかも知れません。
事態は非常にまずくなっていますが、その人にとっては、その相手の顔を見てしまうということは、脳にとってはネガティブな刺激になっているはず。
つまり、脳が何らかのネガティブな刺激を受け、それがさらに増幅されてしまうような時、相手をいじめたい衝動を抑えられなくなってしまう可能性があります。

実際、イライラしている時は要注意です。
例えば、もしも仕事の山に追われてイライラが止まらないような時、何らかの挑発行為に直面したら、例えば、職場の廊下で誰かとすれ違った際、相手が挨拶も無しに素知らぬ顔で、すっと通り過ぎて行ったりすれば、誰だってむかっと来るかも。
でも、そのはけ口を他の誰かに向けてしまってはいけませんね。

また、場合によっては、何らかの劣等感が刺激されてしまい、苛立ち気味の時があるかも知れません
例えば、腹周りを、すごく気にしている人。
他人から、あからさまにそれをからかわれたら、ちょっと頭に来るかも。
でも、その苛立ちを他の誰かに向けてしまってはダメですよ。

さて、ここで是非、認識しておきたいことは、誰かをいじめてしまうということは、その相手の心を傷つけてしまうだけでなく、実は自分自身の心も傷つけているのです。

誰かをいじめても、
自分の問題は何一つ解決しません
いじめの大きな問題点は、どんどんエスカレートしやすいこと。
それ自体、実に不幸な事態ですが、いじめがエスカレートしやすい大きな原因は、たとえ誰かをいじめたとしても、「いじめたい衝動を生み出している問題点」を何一つ解決しないという点です。

例えば、仕事が山のようにあって、イライラが止まらぬ人。
そのイライラを他の誰かにぶつけたって、仕事の山は決して減りません。
その時、真っ先に自分がすべきことは仕事なのに、それをせずに、他人にあたってしまうということは、一種の破壊行為。
後味が大変悪いものですし、仕事を無事片付けたような真の満足感が得られるはずなどありません。
再び仕事の山という現実を前に、イライラ感をつのらせるだけではないでしょうか。

また、劣等感を刺激されてしまった人。
先ほどの例のように、腹周りを気にしている人が、誰かにそれをからかわれたりすれば、心にグサリと来てしまう場合があるかも。
でも、その苛立ちを他の誰かに向けたって、腹周りがすっきりするはずなどありません。
きっと、その場の人間関係が、ぎくしゃくしていく一方なのではないでしょうか。

このように「誰かをいじめたい」「何かにあたりたい」という衝動は、自分が抱えている何らかの問題から生じているということを充分認識しておきたいもの。
その問題に背を向けて他人にあたっても、その問題自体は解決されず、心の圧迫感は増すばかりです。

ちょっと大げさな言い方ではありますが、自分の問題には勇気を持って、真正面から対処していきたいものです。

いじめたい衝動を負の連鎖から
正の連鎖へと転換しよう
誰かをいじめるという行為は、いじめたい衝動に対するネガティブな対処法だとすれば、何らかのポジティブな対処法を私たちは考える必要があると思います。

例えば、先に述べたように、仕事が山のようにたまっていて、イライラが止まらぬ人の場合、そのイライラを他人にぶつける前に、まずすべきことは明らかに仕事の山をさっさと片付けること。
まずは睡眠時間を確保し、食生活を改善するなどして、心身のコンディショニングを整えたうえで、モチべショーンを上げるために、やれることは何でもやって、物事の効率化を達成したいもの。

そして、無事にそうなれば心に余裕が生まれ、たとえ、誰かの腹周りが目に付いたとしても、その人には何か良い点、例えば、身だしなみが素晴らしいなど、その人は実は一目置くべき人であることに気付きやすくなるのではないでしょうか。

また、劣等感に悩んでいる人の場合。
例えば、先ほどの腹周りを気にしている人なら、食生活を見直したり、定期的に運動するなど、すべきことは割り合いはっきりしています。
しかし、場合によっては、劣等感の源が本人の力ではなかなか解決しにくいこともあるでしょう。
こうした場合、他人をいじめたい、何かにあたりたいといったネガティブな衝動を、よりポジティブな方向に、自分の得意分野に注いでみるというのも良いはず。

例えば、ダンスが得意な人は、その腕を磨いていけば、きっと自分により自信を持てるでしょうし、周りの人も一目を置いてくれると思います。
それに周りの人だって、「よし! 自分も得意な分野を磨いていこう」と、モチベーションが得られるかも知れません。

以上のように、他人をいじめたいという衝動は、自分の心が不健康になっているサインです。
私たち一人一人の心の健康が不健康になれば、いじめ問題が蔓延するなど、社会全体が病的になりやすいということを、認識したいです。

そして、たとえ誰かをいじめたいという衝動が心に生まれたとしても、そのエネルギーを、いじめがエスカレートしていくような負の連鎖から、周りの人みんながポジティブな方向へ向かっていく正の連鎖へと転換させるべきだという意識を、私たち、みんなで持ちたいものです。
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2018年08月05日

眠すぎるのは病気かも…「過眠症」の危険度チェック

眠すぎるのは病気かも…
「過眠症」の危険度チェック
2018/08/02 AllAbout(坪田 聡(医師))

過眠症とは
夜はグッスリ眠っているにもかかわらず、日中に耐えがたい眠気に襲われる…
そんなあなたは、「過眠症」という病気かもしれません。
眠気の程度をチェックして、病院へ行くべきかはっきりさせましょう!

あなたの眠気は異常?
過眠症の危険度をセルフチェック ここでチェックして、スッキリしましょう。
あなたの症状のレベルをチェックできる、「エップワース眠気尺度」をご紹介します。
これは、日常生活において感じる眠気について評価するためのテストで、世界中の医療や産業保健の現場で広く使われており、信頼性が高いものです。

以下の状況で、ウトウトしてしまったり、眠ってしまうことがありますか?
最近の日常生活を思い出して、0から3のうち、最も当てはまる番号1つに○印を付けてください。
質問の中には、最近あなたが行っていないことがあるかもしれません。
その時には、もしその状況にあったとしたらどうなるかを考えて答えてください。

・座って本を読んでいるとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0 時々ある: 1 よくある: 2 大体いつも: 3

・テレビを見ているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0 時々ある: 1 よくある: 2 大体いつも: 3

・人の大勢いる場所でじっと座っているとき(会議や映画館など)、居眠りをすることは
絶対にない: 0 時々ある: 1 よくある: 2 大体いつも: 3

・他の人が運転する車に乗せてもらっていて、1時間くらい休憩なしでずっと乗っているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0 時々ある: 1 よくある: 2 大体いつも: 3

・午後じっと横になって休んでいるとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0 時々ある: 1 よくある: 2 大体いつも: 3

・座って人とおしゃべりしているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0 時々ある: 1 よくある: 2 大体いつも: 3

・お昼ご飯のあとに静かに座っているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0 時々ある: 1 よくある: 2 大体いつも: 3

・自分が車を運転していて、数分間信号待ちをしているとき、居眠りをすることは
絶対にない: 0 時々ある: 1 よくある: 2 大体いつも: 3

過眠症セルフチェックの判定方法
あなたの眠気は、大丈夫ですか?
それでは、眠気の判定です。
8つの質問項目の各得点(0〜3点)を、全て足し合わせて総合得点を出してください。
これが高いほど日中の眠気が強く、逆に得点が低いほど眠気は弱い、と判定します。

総合得点が11点以上の場合は、何かの病気が原因で強い眠気が起こっている可能性があります。
早めに睡眠障害の専門医を受診すると良いでしょう。
10点以下の人でも、しばらく経ってから再び行なうと、高得点になることがあります。

慢性的な眠気を感じているのなら、時期をずらして再評価してみてください。
このテストはあくまでも、主観的な眠気を評価するものです。
点数が低い場合でも、緊張のため眠気を感じないだけで、目を閉じるとすぐに眠ってしまうこともあります。
睡眠障害の専門の医療機関では、他の客観的な眠気の検査とあわせて、総合的に診断をしてくれます。
心配な方は、一度相談してみましょう。

11点以上だと、
睡眠に関連するこんな病気が疑われます
心配なときには、早めに相談を!
エップワース眠気尺度が11点以上の人は、どんな病気の可能性があるのでしょうか?
日中の眠気以外の症状と、それから考えられる病気について、下にまとめました。
もし、当てはまる病気が見つかれば、早めに睡眠障害の専門医療機関を受診しましょう。

■薬剤性過眠睡眠 ・薬や精神科の薬、風邪薬、アレルギーの薬などを飲んでいる
■うつ病、季節性うつ病 ・気分がすぐれない、もの悲しい ・不安が強い・やる気が出ない
■長時間睡眠者、睡眠不足症候群 ・夜間の睡眠が不十分 ・十分な睡眠をとると日中の眠気がなくなる
ナルコレプシー ・日中の居眠りを我慢できない・笑ったり驚いたり怒ったりすると、体の力が抜ける ・金縛りにあう ・寝入りばなに幻覚を見る
■特発性過眠症 ・日中に眠ると、起こそうとしても1時間以上、目覚めない ・居眠りの後、すっきりした感じがしない ・寝覚めが悪く、ひどく寝ぼける
■反復性過眠症 ・3日〜3週間の傾眠状態と、その後の通常の状態が、交互に繰り返される
■睡眠時無呼吸症候群 ・イビキをよくかく ・睡眠中の呼吸が不規則 ・朝起きたときに頭痛がしたり、ノドが渇いている ・高血圧・肥満 ・顎が小さい
■むずむず脚症候群 ・夕方から夜にかけて、脚がむずむず・ちくちく・ひりひりする ・脚に虫が這うような不快感がある ・家族に脚を動かしていると言われたことがある
■周期性四肢運動障害 ・睡眠中に足が動く
■月経関連過眠症 ・月経の周期と関連して強い眠気を感じる ・その時期を過ぎると、日中の眠気がなくなる
■睡眠相後退症候群 ・睡眠の時間帯が遅いほうにずれて、極端な宵っ張りの朝寝坊
■非24時間睡眠覚醒症候群 ・就寝と起床の時刻が毎日1時間ずつ遅くなる
■不規則型睡眠覚醒パターン ・寝ている時間と目覚めている時間がバラバラ 日中の居眠りは、大きな事故の原因にもなります。

強い眠気に悩まされている方は、早めにチェックして、病気かどうか確かめてみてください。
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2018年08月08日

サマータイムはデメリットだらけ 「ゴリ押し」森喜朗に菅長官も困った

サマータイムはデメリットだらけ 
「ゴリ押し」森喜朗に菅長官も困った
2018/8/ 7 J-CASTニュース

2020年の東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、夏の時間を繰り上げるサマータイム(夏時間)を猛プッシュしている。
これまでも、省エネを目的とするサマータイムの議論はたびたび盛り上がっては立ち消えになってきたが、今回の目的は「猛暑対策」。

政府与党が「本格検討に入った」と報じられたのに続いて、安倍晋三首相は森氏らとの会談で、まずは自民党内で議論する意向を示したという。
ただ、導入には様々なハードルや、健康被害などデメリットが指摘されており、菅義偉官房長官は現時点では「国民の皆さんの日常生活に影響を生じる」と慎重姿勢だ。

「日が高くなる前にレースを
          終えることができる」?
森氏は2018年7月27日に安倍氏と会談し、サマータイムの法整備を要望。
これを受ける形で、産経新聞は8月6日の1面トップ(東京本社最終版)で、政府・与党が夏の時間を2時間繰り上げるサマータイムについて「本格検討に入った」と報じた。
記事では、 「導入すれば、午前7時スタート予定のマラソンが、もっとも涼しい午前5時スタートになり、日が高くなる前にレースを終えることができる」 などと説明されている。

ただ、菅義偉官房長官は8月6日午前の会見で、 「報道は承知しているが、政府としてサマータイム導入を目指すとの方針を決定した事実はない」 とした上で、サマータイム導入には 「暑さ対策の一環としての提案として受け止めているが、国民の皆さんの日常生活に影響を生じるものであり、大会までの期間があと2年と限られていることもある」 と消極的。

さらに、 「いずれにしても暑さ対策については、競技の開始時間の前倒しをし、さらには沿道の緑化や路面の温度を抑制する舗装などの取り組みを進めており、ハード・ソフトの面から総合的な対策を徹底的に取り組んでいきたい」 と述べ、暑さ対策としてのサマータイム導入は優先順位が低いことをにじませた。

改修に「4年」はかかり...
          IT後進国転落も!?
確かに菅氏が指摘しているように、「日常生活」への影響は大きい。
やはり導入の機運が高まった08年、日本睡眠学会は反対する声明を発表している。

サマータイム導入で早起きになる一方で「早寝」にはなりにくく、睡眠時間が短くなって健康被害につながる、というのがその理由だ。
声明では、04〜06年に札幌商工会議所が主導して行った模擬サマータイム(フレックスタイム)に参加した人へのアンケート調査では、従業員の20%〜40%が睡眠不足、体調の悪化を訴えたことから、サマータイム導入による健康被害で、年に1350億円の経済損失が発生すると試算した。

健康被害以外に、「あと2年」という時間的制約も大きなハードルだ。
コンピューターシステムの対応が間に合わない可能性があるからだ。
国産OS「TRON」を開発したことで知られる坂村健・東洋大教授は、08年6月の毎日新聞への寄稿で、00年になるとコンピューターシステムに不具合が起きるとされた「2000年(Y2K)問題」を引き合いに、サマータイムを「意図的Y2K問題」だと指摘。
Y2Kの時の経験からして、制度の導入決定から4年程度はシステム改修にかけるべき」 だと主張し、 「さらに、貴重な技術者をはりつける4年はIT分野において日本に決定的な後れを取らせるかもしれない」 とも訴えた。

韓国もソウル五輪で導入したが
そんな中でも、森氏は8月7日午前、再び首相官邸を訪れて安倍氏にサマータイム導入を要請。
森氏らが記者団に明らかにしたところによると、安倍氏は「まずは(自民)党で先行してやってほしい」などと話したという。
ただ、菅官房長官は直後の会見で、前日と同様の導入に否定的な答弁を繰り返し、安倍氏から検討に向けた指示があったかどうかについては 「個別の会談に言及することは差し控えたい」 とするにとどめた。

実は韓国でも五輪を理由にサマータイムが導入されたことがあったが、ほどなく廃止されている。
導入されたのはソウル五輪を翌年に控えた1987年で、その理由は 「放送主幹社である米国NBCから一銭でも中継権料を取るため、人気種目の試合時間を米国の夜の時間帯に合わせなければならず、そのためには1時間でも多く時差を調整する必要があった」(韓国・中央日報) というもの。

1989年に廃止された理由も 「経済的な結びつきが強い日本が導入していなかったため、商取引に支障が生じる事例が多発した」(読売新聞) というもので、いずれも今回の東京五輪とは異なっている。
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2018年08月09日

医師から患者になり、初めて知ったこと=手術受け分かった不安、立場の違い

医師から患者になり、
初めて知ったこと
=手術受け分かった不安、立場の違い
8/8(水) jiji.com(武矢けいゆう)

私が人生で初めて全身麻酔手術を受けたのは、医師になって数年たってからのことでした。
この時、手術前後で1カ月近くの入院を経験しました。
私は初めて入院患者となり、それまで全く気づけなかった驚くべき事実を知ることになります。

 今回は、医師から患者になったことで、私がどんなことを学び、どんなふうに成長できたのかを書いてみたいと思います。

身麻酔手術は怖い
 外科医は、毎日のように患者さんに全身麻酔手術を受けていただく仕事です。
 いつも手術前の患者さんからは、
「ちゃんと麻酔が効くでしょうか?」
「途中で麻酔が覚めたりしないでしょうか?」
「手術が終わっても麻酔が覚めない、なんてことはないでしょうか?」と質問攻めです。

 全身麻酔は薬で突然意識を失わせる行為なので、怖いのは当たり前です。
しかし実体験のなかった私はそれまで、患者さんにニコニコして「大丈夫ですよ!」と言っていました。
今日の全身麻酔の技術は非常に安全ですから、ことさらに心配する必要はありません。
これは私が毎日のように肌で感じていたことです。

 ところが、自分が全身麻酔手術を受ける段になった時、言いようもない恐怖を覚えました。
「麻酔薬が注射される時はどんなふうに意識がなくなるのだろう」
「目が覚めた時、口の中に気管チューブが入っているのは苦しくないだろうか」
「麻酔薬の副作用で出る吐き気はつらくないだろうか」実にさまざまな不安が去来しました。

 自分が手術を受ける段になって初めて、全身麻酔への恐怖を味わうことになったのです。
それ以後は、患者さんの不安をじっくり聞いて共感し、それまで以上に丁寧に繰り返し説明するようになりました。

医師にあまり本当の気持ちを伝えない
 手術後は、自分の体が問題なく回復しているかどうか、不安で仕方がありませんでした。
医師である私ですらこうなので、医療の専門家でない患者さんからすれば、その不安は計り知れないでしょう。

 そして、毎日のように主治医が病室に顔を見せるのを心待ちにすることになります。
毎日、自分の体に関して主治医への質問がたくさんたまってきます。
 ところが、いざ主治医が病室にやって来て、その忙しそうな姿を見ると、
「今こんなことを言うと迷惑ではないか?」
「ある程度、痛みは我慢した方がいいのではないか?」と気を遣うので、正直な気持ちは伝えにくくなります。
とにかく話したいことがたくさんあるのに、遠慮して一部しか伝えられないのです。

 私は医師として患者さんと接する時は、「不安なことがあれば私に何でも言ってくださいね」と言っていましたが、それだけでは不十分だということが分かりました。
遠慮がちな方には忙しそうな姿をなるべく見せず、「じっくり全ての情報を引き出そう」という姿勢を見せるようになりました。

手術後はとにかくつらい
 私たちは普段患者さんに、手術後はしっかりリハビリをするよう指導します。
病状によっては安静にすべきケースもありますが、全身状態が許せば、術後は積極的に動いていただきます。
こうした術後のリハビリが、回復を早めるためには非常に重要だからです。
 私は、術後ベッド上でじっと寝ている患者さんには、「もっと歩いてください」と少しスパルタな指導をしていたこともありました。
ところが自分が手術を受けると、印象が大きく変わりました。
 とにかく術後は全身がだるくて重く、起き上がるのも一苦労です。
スムーズに歩くなどとても無理で、フラフラになりながらリハビリをしました。
手術翌日からスタスタと病棟を歩いている高齢の患者さんがたくさんいたことを思い出し、改めて感心しました。

 手術後はとにかくつらいことを十分認識し、その上で適切な言葉をかける必要があると分かりました。

ナースコールを押すのは気を遣う
 私は患者さんにいつも、「何かあったらナースコール押してくださいね!」と軽く言っていたのですが、自分が入院すると、そう簡単でもないことに気づきました。
入院中はささいな不安や看護師への用事が出てくるのですが、看護師たちが忙しい中、「こんなことでコールしていいのだろうか」と思ってしまうのです。
 たくさんの患者さんの相手をしなくてはならない看護師たちに、自分のところに来てもらうにはそれなりの理由が必要だと考えると、ナースコールを押すことへの敷居は高くなります。
もちろん「何のためらいもなくナースコールを何度も押せる患者さん」はたくさんいます。
これは個人の性格の違いです。

 しかし、中には控えめな性格の人もいて、「ナースコールを押したいけれど遠慮して押せない」という人が多くいる可能性に気づけたのは、大きな成長だと感じます。
それぞれの患者さんの性格に応じて、適切なケアは違うと実感できたからです。
 医師は、何百、何千という患者さんを相手にする中で、患者さんへの診療が当たり前の行為になっています。

しかし医師として、患者さんの立場で物事を考えることがいかに大切かを、入院することで身にしみて学ぶことができました。  これを読む医療者の方々にもぜひ、こういう患者さんの立場を分かっていただけるとうれしく思います。


武矢けいゆう(たけや・けいゆう)医師
専門は消化器外科。
平成22年京都大学医学部卒業後、複数の市中病院勤務を経て、現在京都大学医学研究科博士課程。
個人で執筆、運営する医療情報ブログ「外科医の視点」で役立つ医療情報を日々発信中。
資格は外科専門医、消化器外科専門医、消化器病専門医など。
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2018年08月10日

五輪酷暑対策でサマータイム導入は愚策

酷暑対策でサマータイムの愚!
過重労働、健康被害、システム障害…
デメリットだらけなのに
五輪無罪でゴリ押し
2018.08.08 LITERA編集部

 オリンピックの暑さ対策のため、日本政府が夏の時間を2時間繰り上げるサマータイムの導入に前向きな姿勢を見せている。  

先月27日、オリンピック組織委員会の森喜朗会長が首相官邸を訪れ、安倍首相にサマータイムの導入を要請。
安倍首相も解決策の一つとして導入に前向きな姿勢であることから、秋の臨時国会への議員立法提出を目指すという。

 サマータイムを導入したことによる問題点は大きく分けて3つある。
1つは労働時間がますます長時間化するのではないかという懸念だ。
 7日放送『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)でジャーナリストの青木理氏は
「ヨーロッパなんかでサマータイムを入れているんですけど、早く帰って買い物できるとか、明るい時間に帰宅できるとかっていうメリットというのは、すぐにデメリットにもなるわけですよ。
(中略)日本人的ないまの雰囲気でいうと、帰れるのかと。
つまり、早くから働いて、遅くまで働いたら、労働時間が長くなるだけの話だし」と語っているが、実際、始業時間に厳しく終業時間には緩い日本の企業風土では、サマータイムを導入したところで早く帰れることはなく、ただ2時間早く出社しただけで、帰る時間はいつもと同じといった状況になる可能性が非常に高いと言わざるを得ない。

また、小売業やサービス業は営業時間を大幅に変更させることが予測され、ここでも労働時間が長くなることが懸念される。  

実は、日本でも、1948年から51年にかけてサマータイムを導入していたことがあるが、その際も残業量が増加して労働環境が悪化したことから廃止されている。
この歴史が繰り返される可能性は残念ながら高いだろう。

 もうひとつ懸念されるのが、健康問題。
通常よりも2時間ずれた生活をいきなり強いられることで睡眠不足などを引き起こし、心疾患をはじめとした様々な病気を引き起こす可能性が指摘されている。
前述『モーニングショー』で玉川徹氏は「夏に自律神経が乱れる人、多いわけですよ。
これだけ猛暑になっていると。
それで、いきなり睡眠時間2時間ぐらいずれちゃったら、本当に多くの人が命に直結するような事態になりますよ」と語っているが、過酷な気候のもと国内にいながら無理やり2時間の時差ボケを引き起こさせるような施策は、高齢者や持病のある人などにはかなり大きな負担となる。

 とくに、心筋梗塞を発症するリスクが高くなることが報告されており、事実、ロシアでは2011年にサマータイムを廃止しているが、その原因も心筋梗塞で救急車を出動する回数が増えたからだとされている。

 3つ目はシステムなどの構築に莫大なコストがかかると予想されることだ。
2時間繰り上がった時計のために各コンピューターシステムを調整し直す必要があり、各企業はそこに多くのリソースを割くことを強いられる。
エンジニアが、新国立競技場建設での過重労働のような状態にさらされる可能性が高い。

 このようにサマータイムの導入では大きなデメリットがあるわけだが、それでも導入を決行するに足る十分な理由があるかといえば疑問だ。
 サマータイムの恩恵を受ける競技の代表として、巷間よくあげられるのがマラソンである。
サマータイムの導入により朝の5時スタートにすることができるとされているが、ならば現在の時刻のまま朝の5時スタートにすればいい。

『モーニングショー』で玉川氏はこうも語っていた。
「マラソンだって午前5時スタートにすればいいだけじゃないですか。
なんでそれだけのことのために、システムからみんなの生活から全部影響を受けなければならないのか。
あのね、五輪無罪、オリンピック無罪みたいなのっていうのは、僕は大反対ですよ。
オリンピックは楽しみですよ。
楽しみだけど、たった2週間の話じゃないですか。
それのために、たとえば、共謀罪を通してみたりね、こういうふうなこと考えてみたり、なにやってんだって思いますよ」

オリンピック無罪で国家総動員状態!
過重労働、ブラックボランティア、
           学徒動員…  
今回の東京オリンピックをめぐっては、あまりにも横暴なやり方が横行し過ぎている。
玉川氏のあげた共謀罪もそうだが、死者も出ている新国立競技場建設での過重労働、劣悪な条件でのボランティア募集、大学や高等専門学校に対してボランティア参加のため試験時期をずらすよう文科省とスポーツ庁が通知を出した件、東京都オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部のスタッフが大会期間中は混雑防止のためにネット通販を控えるように提言した話など、「国家総動員」「オリンピックのために自己犠牲しない人間は非国民」とでも言いたげな施策が次々と出されている。  

サマータイムの導入もそのひとつと言っていいだろう。
なぜ、たかだか数週間の運動会のために、日本に住む人々全員がこんな負担を強いられなければならないのか。
暑さ対策のためなら、ここまで犠牲を払ってさほど効果のないサマータイムを導入するより、オリンピックを2カ月後ろ倒しすればいい話だ。

 そもそも、この時期の日本は酷暑だということを知りながら、〈この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である〉(「立候補ファイル(日本語版)」より)などと言ってオリンピックを招致したのは誰か。

 また、サマータイム導入にあたっては、もともとは恒久的な導入ではなく、2019年と20年の2年間のみの限定導入になるというが、前述したようなシステム変更のコストに見合わないとの指摘を受けて、恒久的なサマータイムの導入に舵を切り始めているとの報道もある。
森氏は〈五輪のためにやるということではなく、日本政府が地球環境保護に取り組むという観点で進めてほしい〉(8月8日付ニュースサイト「スポーツ報知」より)と述べているが、そもそも、湿度が高く夜も暑い日本の気候ではサマータイムを導入しても冷房などの使用料は変わらないため省エネにはつながらないと長きにわたって指摘され続けている。

 また、批判を受けてすぐさま限定的な運用から恒久的な運用に切り替えたというのは、要するに、たいして深く考えていなかったということだろう。
こんなのはあまりにも杜撰過ぎる。
日本に住む人々は政治家のオモチャではないし、オリンピック組織委員会の奴隷でもない。

 こんなかたちでしか開催できないオリンピックならば、即刻返上するべきだろう。
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2018年08月14日

会社の理不尽との戦い方

会社の理不尽との戦い方
コラムニスト石原壮一郎氏が伝授
2018年8月12日 日刊ゲンダイ

 電通社員が過労自殺して以来、企業は働き方改革に力を入れている。
しかし、一部の専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度が国会で成立。
高プロの適用拡大も問題になっていて、ブラック企業が野放しになりかねない。

実際、今もなお理不尽なトップや幹部、上司の振る舞いに悩まされている人は多くいる。
 では、そんな会社の理不尽とどうやって闘えばいいか。
「9割の会社はバカ」(飛鳥新社 共著三矢晃子)の著者で、コラムニストの石原壮一郎氏に話を聞いた。

■ケース1 上司の意向を忖度し、グレーな行為に手を染めなければならなくなった  
上司がひいきにする取引先にコンペでちょっと色をつけたり、競合先のエース社員に嫌がらせをしたり……。
指示を受けた人は嫌でも避けられないが、それがバレたら、誰が責任をとるのか。
「こうした不祥事が起きた場合、対外的に責任をとるのは代表取締役社長です。
現場の社員が解雇されるなど重い処分を受けるのは不当。
会社の中で味方をつけて話し合いをするか、社内外の組合に相談して、要望書を提出したりするといい」

■ケース2 本社の重役に過剰なおもてなし
 本社の幹部が支社や支店をチェックに来る。
そんなとき、現場は事前に幹部が好きなお茶菓子を用意。
訪問の日は、手厚くもてなす。
正直、迷惑なのだが……。
「一番の“がん”が特定されている場合は、その上を説得するのが一番です。
人数を集めて、社長に相談するなりして、その人に退場を願います。
しかし、相手はそれなりの権力を持っています。
一人で闘うヒロイズム的なやり方はよくありません。
心ある仲間をなるべくたくさん集めて、一緒に動くのが穏当なやり方です」

■ケース3 サービス残業が当たり前、有休もとれない
 サービス残業が横行したり、有給休暇を消化できなかったりする会社は少なくないだろう。
「昔の常識が今も通用すると多くの人が思っている職場は危険です。
訴えても聞き入れられない場合は、労働基準監督署に証拠を揃えて持っていきましょう。
守秘義務があるため、誰が通報したかは、会社側に知られません。
仮に社内で犯人捜しが始まってバレたとしても、それを理由に解雇や降格・減給などの処分を受けるのは違法です」

■ケース4 休日や深夜に仕事LINEが鳴りやまない
 仕事でSNSを使う会社も増えているが、帰宅後や休日にも「あれどうなってる?」などと、いちいち連絡されてはたまらないだろう。
「相手には悪いことをしているという意識はないので、『夜中、結構目が覚めちゃうんですよね』『家族のことで忙しくてチェックできないんです』と、上司や周りに言いづらくても早めに指摘するのが肝心。
ため込んで怒りを爆発させると、思わぬ問題に発展しかねませんから。
こじれないうちに小出しに、冷静に伝えることが大切です」

 社内外に味方をつけ、一人でストレスをためこまないことだ。
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2018年08月18日

気象予報士の森田正光、サマータイムは「意味がない」と断言

サマータイムに気象予報士も反対 
「時間を繰り上げても
気温は1〜2度しか違わない。
アジアでは気候的に無理」「意味がない」
2018年8月17日 キャリコネニュース

気象予報士の森田正光さんは8月15日、ラジオ番組「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ)で、サマータイムは「意味がない」と断言した。
北米と違い、アジアでは1〜2時間繰り上げても気温がそれほど変わらないため、システム変更等のコストに見合うだけの利点がないという。

視聴者からの質問で「サマータイム導入は是か非か」と聞かれた森田さんは、「非ですね。個人的には意味がないと思っています」と断言した。
「朝の時間を活用しようとか、涼しい時間に何かしようとしたって温度は一緒、湿度も高い」
「そもそも論で言うと、日本にサマータイムは向いていないということがあります。
欧米と季節が違う。
元々の導入はイギリスですよね。
100年くらい前にイギリスの建設業の方が考えたそうです。
昼が長いので有効に使おうということでやったのが始まりなんですね。
100年くらいの歴史があるんです。

日本では戦後、進駐軍が来て4年間くらいサマータイムをやったんですね。
ところがもう皆寝不足でダメになったっていう経過があるんです」

日本では、GHQに占領されていた1948年に夏時刻法が成立し、時計を1時間進めた時刻が使われていた。
しかし4年後の1952年には廃止されている。
韓国でも1988年のソウルオリンピックに合わせて、87〜88年の2年間だけサマータイムが実施された。
しかし「季節的に無理」という理由で廃止されたという。

この「季節的に無理」というのは、時間をずらしても暑いから意味がないということだ。
「暑すぎるんです。2時間やそこらずらしても一緒だということです。
実際に2時間ずれて朝の7時が5時になっても1〜2度しか違わないんですよ、最大で。
昼の時間はどの時間帯でも暑いわけです。
結局は、朝早い時間を有効活用しようとか、涼しい時間に何かしようとしたって温度は一緒で、湿度も高い。
アジアでは気候的に無理」

気象庁によると、今年の8月14日の気温は午前5時に24度、午前7時に25.7度だった。
15日は午前5時が27.4度、午前7時が29.2度となっている。
2時間早起きしても、気温に大差はないのだ。

そのため森田さんは「導入する時にシステムを変更するとかコストが掛かるじゃないですか」と労力が必要な割に見返りが少ないことを指摘していた。

フィンランドでは7万人の署名を受けて
政府がEUに廃止を提案
番組パーソナリティの森本毅郎さんは「イギリスでも100年経った今、見直し論が出ているという話がありました。
(中略)睡眠障害の影響も出てくるという話ですから」と指摘した。
現在、EU加盟国では共通の夏時間「デイライト・セービング・タイム(DST)」を導入している。
3月の最終日曜日から10月の最終土曜日まで時計を1時間進めるというものだ。
しかしフィンランドでは7万人の署名を受けて、今年1月に政府がEUに廃止を提案した。
リトアニアでも17年12月、政府とEUが廃止に向けた協議に入っている。
フランスドイツラトビアでも世論調査で過半数が夏時間に反対しているという。

健康への悪影響も指摘されている。
睡眠不足になり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まったり、判断力の低下で交通事故が増える可能性があるという。
日本では奈良県が2012年から、開庁時刻と閉庁時刻を30分繰り上げるサマータイムを実施していた。
東日本大震災後、節電のために始まったものだが、職員から不評だったため、2017年に廃止している。
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2018年08月25日

嫌いなことからは逃げろ! 一人で抱え込まないための思考法

嫌いなことからは逃げろ! 
一人で抱え込まない
              ための思考法
2018.08.24 新刊JP

 嫌いなこと、不得意なことからは逃げていい。
なぜなら、方向性の間違っている努力の9割はムダだからだ。
正しい努力対象を見つけることで、人生も成功できるということだ。
 そう述べるのは『あなたの努力が報われない本当の理由』(プレジデント社刊)の著者である潮凪洋介氏だ。
本書で潮凪氏は、「逃げてはいけない」という洗脳から脱却し、「報われる努力」を身につける方法を紹介している。

 成功する人は、総じて「面倒くさがり屋」だという。
なぜなら、面倒くさがりだからこそ効率を考え、最小限の努力で最高のゴールに辿り着こうとするからだ。
徹底的にめんどうくさがった結果、自分でやるのがイヤだったら、「誰かの手を借りられないか?」と考え始めるのだ。

 この境地に行くためには、何でも一人で抱え込まず、一旦全てを放棄する勇気を持つことが重要だ。
 面倒くさいことが押し寄せてきたら、一定期間しっかりと「逃げる」と決める。
今まで無理してやってきたことを「やらない」と決める。

 仕事で「面倒くさい」と思うことがあったら、何かを変えるチャンスが来たと考えよう。
 また、やりたくない仕事を辞めると、結婚もできると潮凪氏は述べる。
やりたくない仕事をイヤイヤやっている人に魅力的なオーラは出ない。
出会いの場に行っても、第一印象で損するだろう。

 一方、大好きな仕事をイキイキとやっている人は、楽しかった仕事の余韻をプライベートでも身にまとうことができるので、異性の目に魅力的に映る。
 つまり、努力の方向性を間違うとモテない人間になり、恋愛も逃し、婚期も逃してしまうのである。

 潮凪さんが考える正しい努力対象とは、「大好き&大得意なことを仕事」にして、「好きな人々」とだけ付き合い、「良好な人間関係」の中、「正しいビジネスモデル」で働くことだ。

 努力しているのにうまくいかない、という人は、努力の対象・方法を間違えているのかもしれない。自分の努力の方向性が間違っていないかどうか、まずは確認してみてはどうだろう。 (新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
ニュースサイトで読む:
https://biz-journal.jp/2018/08/post_24519.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2018年08月26日

「お墓の問題」に悩む人が勿体なさすぎる理由

「お墓の問題」に悩む人が
        勿体なさすぎる理由
時代に合わない伝統に
       縛られなくてもいい
2018/08/25 東洋経済
(小だぬきは 昨日水戸の菩提寺で母の3回忌法要をしました。)

藤井 青銅 : 作家・放送作家

この夏、お盆で故郷に帰った方も多いだろう。
現代では、生まれ育った場所とは別の土地で暮らす人が多い。
しかし、先祖からのお墓は生まれ育った土地にある。
そして、日本全国で高齢化が進んでいる。

いま、故郷で暮らす親や親族が亡くなったあと、「先祖代々の墓をどうするのか?」という問題に直面するケースが増えている。
だがしかし、そのお墓は本当に先祖代々からなのか?

 いやそれどころか、われわれはいったいいつからお墓参りをしているのか?
実は現在、われわれが行っている「骨壺が埋まる石のお墓にお参りする」という伝統は、せいぜいさかのぼって100年そこそこ。
「先祖代々の墓」といっても、その「代々」はそんなに古くないのだ。

だいたい、庶民が「○○家」という名字を名乗るのは明治以降だし。

フェイクニュースで広まった
「お布施」や「戒名」
インド生まれの仏教が中国、朝鮮半島を経由して日本に伝わってきたのは、6世紀中頃だ。
そこから一気に飛んで、江戸時代に入る。
幕府はキリシタンを禁止。
すると、島原の乱(1637年)前後から、寺請制度・檀家制度が整えられていく。

これは要するに、各地域の寺が「この住民は我が寺の信者であり、キリシタンではない」と証明すること。
証明してもらわなければ住民はキリシタンの疑いを持たれるわけで、生死にかかわる。
なので、すべての人はどこかのお寺(檀那寺)の檀家にならざるをえない、という仕組みだ。
こうして寺は行政の末端として戸籍係の役割と、キリシタン監視の役割も兼ねた。
その代わりに、葬式・法要の独占権を得た。 やがて元禄の頃(1700年頃)、

『宗門檀那請合之掟(しゅうもんだんなうけあいのおきて)』という文書が現れる。
内容は、住民に対し「葬式、法要などを檀那寺で行え」
「寺の改築・新築費を負担しろ」
「お布施を払え、戒名を付けろ」
「檀那寺を変えるな」……などと、やたらお寺側に有利なことが並んでいる。

それもそのはず、これは偽書なのであった。
今でいう“フェイクニュース”だ。
しかも、いかにも家康が決めたことのように寺に張り出され、寺子屋の習字手本にも使われたというから、これまた今でいう印象操作や、洗脳教育みたいなものだ。
こうして、寺は経営が安定した。
俗に「葬式仏教」とよばれるものは、ここに始まる。

つまり、一般庶民がお寺のお坊さんと葬儀・法要を行い、家の中の仏壇にご先祖の位牌が並ぶ光景(位牌を使わない宗派もある)は、300年くらいの歴史しかないのだ。
ちなみに、元々の仏教で、死後の戒名はない。
位牌のルーツは儒教から来ている。
というか、そもそも祖霊信仰・祖先崇拝が仏教にはない。
中国の儒教と、日本土着の原始神道的な民俗信仰とが融合したのだ。
その結果、われわれは、(仏につながったとされる)ご先祖様を拝んでいる。

「お墓参り」の歴史は200年しかない
では、お墓はいつからあるのか?
実は、「養老律令」(757年)の喪葬令(そうそうりょう)で、庶民は墓を持ってはいけないとされた。
なので、ずっと時代が下っても、普通の人々は決められた地域に穴を掘って埋め、上に土饅頭を作る。
もちろん土葬だ。
いわば、これが墓だった。
目印として石を置いたり、木を植えたりはする。
やがて遺体が腐敗して土饅頭は陥没し、その存在はわからなくなる。
文字どおり、土に還るというわけだ。

しかしそれではご先祖を拝もうにも、どこを拝めばいいのかわからない。
そこでやがて、埋めたのとは別の便利な場所に、石塔を作って拝むようになった(民俗学では、これを「埋め墓」と「参り墓」の両墓制と呼んでいる)。
「参り墓」を拝んだところで、それはしょせん石材だ。
しかし、遠くにある「埋め墓」につながる入口だと考えればいい。
とはいえ、石塔を建てられるのは上流階級の話。

一般庶民が墓を建てるようになるのは、江戸時代のことだ。
各地の墓地で墓碑を調査したところ、「文化・文政・天保(19世紀初期)」の頃から、一般庶民の墓が増え始める、という。

天保2年(1831年)には、『墓石制限令』というものが出ている。
これは「百姓・町人の戒名の院号・居士禁止」や「墓石の高さ四尺まで」などと決めたもの。ということは、それ以前にそういう墓が出て来たということだろう。
そして、この規則を守るなら庶民も墓を建てていいということだ。

つまり、庶民がお墓を建て、お墓参りをする風習は200年くらいの歴史しかない。
明治になって、寺請制度がなくなる。
すると葬式仏教だけが残った。
そこへ、明治政府の「家制度」が始まる。
すると「先祖代々の墓」なるものが現れ、ここで「一緒の墓に入る」とか、「墓を継ぐ」とか「代々の墓を守る」という意識が生まれてくるのだ。
さらに、土地不足と公衆衛生の観点から火葬が推奨された。

明治の思想家として有名な中江兆民は「人が死ねば墓地ばかりが増えて、宅地や耕地を侵食する。
自分の場合は、火葬した骨と灰を海中に投棄してほしい」と書いている(兆民は無宗教の人だから、葬式も拒否。代わりに行われたのが日本初の「告別式」だ。
あれは元々、宗教とは別のものとして始まった)。

しかしそれでも、全国の火葬率は明治半ばで30%、大正時代で40%。50%を越えたのは戦後の1950年代。
火葬施設が整えられることで1980年代に90%を越え、現在はほぼ100%。
日本は世界一の火葬大国なのだ。

移りゆく「伝統」に
        縛られなくてもいい
戦後、家制度はなくなる。
生まれた土地から離れて暮らす人々も増える。
「地元のお寺・お坊さん・お墓」と「人」との関係は、どんどん希薄になっていく。
当然、檀家を前提にした寺の経営は苦しくなる。
そこで葬儀社が葬祭一式を取り仕切るようになった(葬儀社は、すでに明治時代、東京に誕生している)。

もはやお寺のお坊さんは、セレモニーホールで葬儀社が仕切るイベントの中の、いち登場人物(重要ではあるが)にすぎない。
いつの間にか社会的な儀式であったはずの「告別式」も宗教的儀式の中に取り込まれている。
人は必ず死ぬ。それは大昔から変わらない。
だから、葬儀や墓に関する「伝統」も大昔から変わらないと思いきや、こんなに変わって来ているのだ。

となると、「先祖代々の墓」に「一緒に入る、入りたくない」で家族同士が争ったり、「継ぐ」とか「守る」で頭を悩ますことにも、あまり意味はないようにも思える。
信心・信仰というのは心の中のことだから、目に見えない。
なので、さまざまな儀式を必要とする。
ほとんどの人には意味のわからないお経とか、お焼香の回数とか、四十九日法要とか、一周忌、三回忌、七回忌……。お墓の魂入れ、墓じまいの魂抜き……など。

一般の人にとって「宗教は儀式に宿る」。
その儀式が時代に合わなくなれば更新して、再設定すればいい。
「伝統」とは、人が生きやすいために作った決め事の集積にすぎない。
時代に合わなくなった伝統に縛られて生きている人々が悩まされるとしたら、きっと「代々のご先祖様」も喜ばないだろう。
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2018年08月29日

"マジギレ"するか否かは2秒で判断せよ

"マジギレ"するか否かは
2秒で判断せよ
2018年8月28日 プレジデントオンライン

目上の人間から心ない言葉をぶつけられ、怒りを覚えるのだが、その場ではキレられず、後から怒りがふつふつと湧いてくる。
そんな経験はないだろうか。
だれであってもストレスを溜め込むのはよくない。
ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は「後で思い返して悔やむくらいなら、その場で上手にキレることをおぼえるべきだ」と指摘する。
その「キレ方」のポイントとは――。

■目下の人間が突然キレるとき
「いやぁ、飼い犬に手を噛まれた気分だよ」──これまでに何度か、そう嘆く知人たちの声を聞いたことがある。
何事かと尋ねてみると、部下や外注先の若者が「突然キレて、『あなたとはもう仕事をしたくない』とメールで一方的に通告してきた」というのだ。
とはいえ、このようなケースでは「いま手がけている業務、しかかりの仕事はきちんとやり遂げます。
でも、その後は一切手を引きますので、引き継げる方を用意しておいてください」などと冷静に書き添えてくる若者が多いとも聞く。
キレながらも、仕事を中途半端に投げ出すようなことはしない、というのが彼らの矜持なのだろう。

そうした、下っ端による「乱」だか「変」を受けて、エラい人はよく、次のようなセリフをのたまう。

「そんなに怒っていたなら、もっと早く言ってくれればいいのに」
「オレの対応がまずかったのであれば、そのときに指摘してほしかったよ」
「何度も打ち合わせなどで顔を合わせていたし、こちらに意見する機会はいくらでもあったはず。
どうして突然キレてくるのかねぇ」

こういうことを言っている時点で認識が間違っている。
下の人間がケツをまくり、まさかの大激怒メール、反逆メールを送るに至る背景には、長期に渡って蓄積された、さまざまな怒りが存在しているものだ。
そして上の人間による何かしらの言動が、ついに最後のボタンを押し、とうとう“キレメール”が送信されてしまったのである。

■フタをしてきた怒りの感情が噴出
「上司と部下」「発注者と受注者」といった上下関係が存在すると、上に立つ者は権限を握っているだけに、ときとしてパワハラまがいの発言をしたり、理不尽な押し付けをしたりすることがある。
そして下の者は「自分のほうが立場は弱いのだから、仕方がない」と思いながらも、モヤモヤした感情はなかなか拭い去れず、ストレスをじわじわと溜め続けていく。

そんな折、親しい人と飲む機会があり、愚痴をこぼしたところ「それってパワハラじゃない?」「そんな状況じゃ、いいかげんキレてもいいと思う」「なんでそんな仕事までやらされてるの? おかしいよ」といった言葉を返されたとしよう。
帰路、これまで一生懸命フタをしてきたモヤモヤとした思いが、先ほどの知人の言葉に刺激を受けて、次第に輪郭を明らかにしてくる。
これは「怒り」の感情だったのか──自分のなかで、改めて認識する。
自宅に着くころには、これまで受けてきたひどい仕打ちをいくつも思い出し、怒りは臨界点を超える寸前まで高まっているだろう。
そして頭に浮かんできたのが、直近で上の人間から言われたセリフ──「お前、なんでそんなこともできねぇんだよ」「いままで何やってきたんだよ。バカなの?」──である。
これが決定打だ。
「よくわかった。もう懲り懲りだ」「これ以上は耐えられない」「よし、腹をくくろう」と、怒りに震えながらも冷静に、冒頭にあるような絶縁メールを書くに至るのだ。

■相手を目に前にすると怒れない
過去にこうした絶縁連絡をしたことがある人から話を聞くと、「すっと、相手からの仕打ちを当たり前のこととして捉えて、耐えてきた。
だが、あるとき、過去の記憶を反芻していたら、その相手が関わることのすべてが一気にイヤになってしまった」といった心の動きを教えてくれることが多い。

共通するのは“自分でも気づかぬうちにストレスが蓄積されていて、気が付いたときにはすでに限界を迎えており、怒りの感情が抑えられない”という状態だ。
そしてこれも共通することなのだが、彼らはほぼ必ず「上役や発注者を目の前にすると、怒れない」「後から考えると理不尽なことでも、言われたり、されたりした瞬間はひとまず受け入れてしまう」というのである。

「エラい人が私の不備を挙げ連ねているのだから、その場では相手のほうが正しいと思ってしまう。
でも、家に帰ってから思い返すと『やはり相手のほうがおかしいのではないか』と考えてしまい、悶々とする。
そうして怒りのぶつけ先がないまま過ごし、1週間くらいしてまたその人に会ったときは、業務に関する指示を受けたりするだけで終わってしまう。
結局、前回の怒りをぶつける機会もないまま、惰性で仕事を続けてしまったんです」

■激怒の後に重要なのは
              周囲への根回し
日本人特有なのかどうかはわからないが、面と向かって怒れないという人は意外と多い。
一方、私はといえば、腹が立ったらその場で激怒して「もうおめぇとの縁は切るわ。付き合いきれんわ、ボケ」と平気で言える人間である。
喫茶店などにいた場合は、自分の飲んだコーヒー代だけをテーブルに残し、何のためらいもなくその場を立ち去る。
その後どうなろうが、知ったことではない。
「もうこいつと一生付き合わない」と決断したことがもっとも重要なので、家に帰ってから、自分に落ち度がなかったかなどをいちいち検証することもない。

私が相手の目の前で激怒する状態に至るのは、こちらが怒ることに正当性があると判断できた場合のみだ。
事後に考えるのは、自分がどれほどひどい仕打ちを受けたかを周囲に伝え、その人物と縁を切ったことをいかに周知するか、という点だけである。

だれかとの関係が修復不可能なものになった場合、面倒なのは「共通の知り合い」といった人が余計な詮索をしてしまうことだ。
とくに男女でこのような衝突があった場合、2人にはいわゆる“男と女の関係”があり、痴情のもつれから仲違いに至ったのではと邪推する向きも出てきてしまう。

そのため私は、キレた後は電光石火のごとく、重要な共通の知人に対して「実はこれまで、数々の理不尽な仕打ちを受けてきたんです。
○○さんと縁を切ったのは、その結果にすぎません」と伝えるようにしている。
真相を周囲に伝え、少しでも味方を多くつくっておくことが、余計な詮索や邪推を回避するには非常に重要なのだ。

■本気で怒るときほど理詰めで
私のように怒るべきタイミングで素直に怒ることができる人はともかく、なかなか怒ることができず、怒りの感情を溜め込んでしまう人は、一体どうすればよいのだろうか。
「後から来る怒り」のジレンマから抜け出し、その場で怒りを爆発させるには、ちょっとしたコツがある。
それは「本気で怒るときほど感情的にならない」ということだ。
逆説的に聞こえるかもしれないが、怒るときは「とにかく理詰めで」ということに尽きる。

怒るかどうかを判断する際に重要なのは、以下のポイントである。
4つあれば十分だ。
そのうえで「よし、いまから怒りを噴出させてやる」と冷静に決断し、激怒する。

【1】怒るに値する酷い仕打ちをこれまでに受け続けてきた。証拠もある。
【2】自分がここで激怒しても、共通の知人は自分に分があることをわかってくれる。
【3】自分は滅多なことでは怒らない人間であることを、共通の知人は知っている。
【4】目の前にいるこの人間と縁が切れても生活に支障はない。
【5】共通の知人は、この人物に横暴な面やパワハラ気質があることを知っている。
【6】この人物とこれからも付き合うことこそ、ストレスの元凶になると判断できる。

■怒りの導火線に
火を付けるまでの所要時間は2秒
もうひとつ重要なのは、相手から何かキツいことを言われたときに「えっ?」と面食らうことなく、「なぬ!」と正面から受け止めて、怒りの導火線に即座に火をつけることである。
決して難しくはない。
相手の発言に感情的に反応してしまうから「えっ?」と怯んでしまうのであって、冷静さを失わなければ「はい、来た」と受け止めることができるはずだ。
ビビる必要はまったくない。

「なぬ!」から導火線に着火するまでの間は2秒程度でよいだろう。
その間に上記【1】〜【6】を素早く判断し、即座にキレて、相手に絶縁宣言をするのである。
あとは、本来もらうべき報酬などをキチンと回収するまで、淡々とやり取りを続ければよい。

たぶん、これはクレーマー対策やモンスタークライアント対策などでも使えるテクニックだろう。
理不尽な要求をしつづける人物は、意識的にしろ無意識的にしろ、こちらのことを甘く見ている。
そうした連中には、冷静かつ毅然とした態度がいちばん効くものだ。

それまで自分に対してペコペコしたり、唯々諾々と従ってくれたりした人間が、いきなり「わかりました。ならば、もう御社との付き合いは終わりにしましょう。
とりあえず、今月分までの仕事はさせていただきますが、来月からはナシということでよろしくお願いします」と反旗を翻すのだから、これは効く。

■ある広告代理店の担当者にキレた話
大切なのは心の準備である。
「もしも今日、理不尽なことを言われたらそこで私はキレる」と覚悟を決めるのだ。
心の準備をしておけば、案外すんなりと激怒することができる。
ときには部下を守るために、瞬間湯沸かし器のごとく激怒することも必要だ。

私は大学の同級生でもある女性(Y嬢)と2人で編集プロダクション的な会社を経営しているが、彼女に対して失礼なことを言う大企業の人間がときおり出てくる。
いまだに「大企業=エラい、中小企業=見下すべき対象」と考えている人間がいるのだ。
決して数は多くないが、これまでの経験的にいうと、数年に一度くらいの頻度で出現する。

とある大手広告代理店と仕事をしたときのことだ。
我々は広告用の原稿執筆を受注し、Y嬢が窓口となって代理店の営業担当とやり取りしていた。
そして、提出した原稿に対し、修正指示を受けた。
それ自体はよくあることだが、その担当者は余計なことまで口にしだしたのだ。

■罵詈雑言が終わらない
「なんで、オタクは○○社(クライアント)のことをこうも理解できないのかね。
日々、○○社に通って先方のことをよく理解している私が、これまでさんざん説明してきたのに、なんで原稿に“安全への配慮をやり尽くしてきた○○社”なんて文章が入るの?
 あのね、○○社の取り組みに“やり尽くす”なんて状況はないの。
○○社はこれからも“やり続ける”の。
“やり尽くす”だったら、もうこれからの進化がないでしょうよ。エッ!
 オタクが出してきたその軽率な文章がね、私がこれまで○○社に対して粉骨砕身、忠誠を尽くして積み上げてきた実績を一瞬でパーにするかもしれないんだよ?」

それまでも鼻持ちならない態度をとることが多い担当者だったが、いざ文句を言い始めたら堰を切ったように「オマエらは無能である」と罵ってきた。
というか、別に“作品”をつくっているわけでもなく、販促物をつくっているのだから、進行管理者たる彼の判断で自ら修正・調整を施せばいいのだ。
その後「やり尽くしてきた」はNGワードであることを、我々に淡々とメールで説明すれば済む話である。
少なくとも、妙な信用問題を持ち出して、ツベコベ文句を言う必要はないと考えるが、彼の話は止まらない。

「オタクみたいな仕事ができない2人ぼっちの会社に任せた結果、もしもウチがアカウント(ざっくり言えば「取引先」のこと)を失うようなことになったらどうするの?
 だいたい、オタクはあんまり○○社の人の前でも笑ったりしないしさ。
こうやって原稿も稚拙だしさ。
とにかく○○社のことを、私ほどとは言わないまでも、ちゃんと学んでよ。
頼むからさ、ハァ……(ため息)」

■「零細企業だからって、バカにするな」
すでに原稿はすべてフィックスし、あとは掲載を待つばかりとなっていた。
つまり、我々の業務はすでに終了している状況だった。
「やり尽くしてきた」という表現を「やり続ける」に変更する作業も終わっている。

Y嬢はこの営業担当の発言を私に淡々と伝え、「変な人だね」と軽く愚痴る程度で流そうとしていた。
もう納品が済んだ案件だし、相手の発言は自分が飲み込めばいい……そんな雰囲気だった。
その姿を前に、私はこの担当者と縁を切ることを決めた。
大切な我が社の社員がそこまでヒドいことを言われて、上司として黙っていられるわけがない。
私はすぐにその担当者に電話をし、こう伝えた。
「ウチの社員にずいぶんとヒドいことを言ってくれたそうじゃないですか。
オレらが零細企業だからって、バカにしないでほしいんですけど。
正直、彼女は優秀ですよ。
たぶんアンタより仕事できますよ」
「もうオタクとは仕事したくないんで、今回で終わりです。
客先で笑わない? はぁ? それなら“笑い女”でも“笑い男”でも、なんでもいいからバイトで雇って、会議に連れていけばいいんじゃないですか? 
もう付き合いきれないです。
さようなら。カネだけは事前に決めた額をちゃんと払ってくださいね」

■「目先の売上」より「心の平穏」
その営業担当の筋の悪さは事前に聞いていたので、私も上司として、いつ相手に怒るべきかタイミングを計っていたところがある。
要は、心の準備がすでにできていた。
その絶縁宣言以後、Y嬢はストレスフルなやり取りから解放され、のびのびと仕事に取り組めるようになった。
毎月数十万円の売上が見込める案件を失ったのは事実だが、そんなことよりも心の平穏のほうがはるかに大切である。
「冷静に、かつ適切に怒る」ことは、穏やかな生活を送るために必要な、処世術のひとつといえるだろう。

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【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」

・それまで従順だった目下の人間が突然キレてきたとき、「飼い犬に噛まれた気分」などと言っているようでは認識が甘い。目上の人間として、相手の感情を慮れなかった自分が悪いと思え。
・目上の存在から日常的にパワハラを受けている人は、自分の感情にフタをすることがクセになっている。もっと自分の感情に素直になって構わない。
・本気でキレるときほど感情的にならず、周到に計算して、冷静にキレるべし。
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中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973年東京都生まれ。
ネットニュース編集者/PRプランナー。
1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。
博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。
2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。
著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『バカざんまい』など多数。
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2018年09月01日

新たな副作用が見つかった有名市販薬の実名リスト

3年以内に新たな副作用が
見つかった有名市販薬の  
                   実名リスト
2018年8月30日 NEWSポストセブン

 新しい薬が開発・発売された時点では「その薬のすべての副作用がわかっているわけではない」ということをご存じだろうか。
 製薬会社が新薬を開発するまでには長い時間と費用がかかる。
一般に、新しい薬が発売されるまでには、10〜15年の時間がかかり、数千億円が投じられるとされる。
動物実験や臨床試験など、さまざまな治験を経て、ようやく発売に至るわけだが、同時に、途中で開発が中止されるケースも多く、新薬として製品化される確率は、わずか3分の1しかないそうだ。

 それほどまでに慎重なプロセスを経て、ようやく製品になって使用されることになる医薬品だが、実は発売されてから、多くの人が使用する中で新しく発見される副作用も少なくない。
しかも、その中には脳梗塞や肝不全、呼吸困難など命にかかわるものも含まれるというから恐ろしい。

 発売後に見つかった副作用は、いったいどのように周知されるのだろうか。
その場合、製薬会社や医師などが厚労省所管のPMDA(独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」)に報告する義務が課されており、最終的には、厚労省が製薬会社に「医薬品添付文書」の改訂を指示することになっている。

 とはいえ、すでに流通してしまっている商品には添付文書の改訂は間に合わない。
そのためPMDAは、新たに発見された副作用についてウェブページ上で公開しているが、なかなか一般の患者の目に留まることはない。
 本誌・女性セブンでは、PMDAがこの3年以内に「新・副作用」を発表した薬品を選定。
医師の処方箋が必要な処方薬は国内売上高上位100位以内の薬品(2016年度決算・日刊薬業調べ)から、市販薬は2018年3月期の売上が15位以内の大手製薬会社の製品などからリストアップした。

◆あの有名薬も…
 街のドラッグストアで気軽に買える市販薬について見てみよう。
市販薬は、そのリスクの大きさにより、いくつかに分類されている。
リストに掲載した『ロキソニンSテープ』のような、薬剤師による対面販売でしか購入できない「要指導医薬品」のほか、「一般用医薬品」という区分けがある。

一般用医薬品にはさらに、薬剤師のみが販売できる第1類医薬品、登録販売者でも販売可能な第2類医薬品、第3類医薬品がある。
これら一般用医薬品は、いずれもネット通販が許されている。
 医薬情報研究所を運営するエス・アイ・シー取締役で、薬剤師の堀美智子さんが話す。
「ほとんどの薬局はPMDAに登録しているほか、メーカーからも情報が入るので、新たに発見された副作用について把握しています。
しかし、一般用医薬品の場合、製品に同梱された説明書である『添付文書』を読まない人も多く、どんな副作用の可能性があるかを知らないまま使用している場合も多いはずです」

 市販薬の場合、添付文書の「相談すること」という項目に、すでに確認されている副作用の情報が記載される。
 痛み止めとして手放せないという人も多い『ロキソニンS』も、新たな副作用が報告されている薬の1つ。

ロキソニンSなどのロキソプロフェンを含む商品には2016年3月に『小腸・大腸の狭窄・閉塞(吐き気・嘔吐、腹痛、腹部膨満等があらわれる)』という項目が追加されました。
腸が詰まってしまうもので、放置すると死に至ることもあります。
添付文書を読むことの大切さを知ってほしい」(前出・堀さん)

 風邪薬として有名な『パブロンゴールドA』も2017年7月、「呼吸抑制」という新たな副作用が追加された。
息切れや息苦しさを感じるというもので、同じ成分を含む『新ルルA』『ベンザブロックL』『アネトンせき止め液』といった有名薬も同様に改訂情報が発表されている。

 1953年発売という長い歴史を持ち、ひび、あかぎれなどに使われる『オロナインH軟膏』も新たな副作用が見つかり、2017年10月に「ショック(アナフィラキシー)」という副作用が追加された。
体に発疹が出たり、口や手足のしびれ、呼吸困難などが現れ、死に至ることもあるというから注意が必要だ。
同様に、『プリザS軟膏』『シオノギD軟膏』にも同じ副作用が追加されている。
      ※女性セブン2018年9月13日号
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2018年09月11日

経営ノウハウがない歯科医の末路 開業して念願だった「城主」が転落するワケ

経営ノウハウがない歯科医の末路
開業して念願だった「城主」が転落するワケ
2018/09/10 AERAdot.(若林健史)

歯科医院の数はコンビニの数より多いといわれ、全歯科医師の約6割は開業医(診療所の開設者または法人の代表者)です。
なぜ歯科医はこれほど開業者の数が多いのでしょうか?
 歯科治療と経営手腕は別のものなのでしょうか?
 テレビなどでおなじみの歯周病専門医、若林健史歯科医師に聞きました。
            *  *  *
 厚生労働省の最新の調査(2016年12月31日時点)では全国の歯科医師の数は10万4533人、うち診療所の開設者または法人の代表者は5万9482人で、全歯科医師の約56.9%を占める計算になります。
開業の時期はさまざまですが、歯科医院の院長になる歯科医師がもっとも多いということになります。

 なぜ開業する歯科医が多いのでしょうか。
歯科医は医師と違い、勤務する職場が少ないということもあります。
医師は、複数の診療科がある病院などに勤務し、ほかの医師や医療スタッフと連携しながら診療をおこないます。
これに対して歯科医は歯科助手などのサポートは必要であるものの、やろうと思えば(後述のように、実際には1人でやるのは難しいですが)1人でも診療が可能です。
 しかし、職場の問題以上に、歯科医は「一国一城の主になりたい」という気持ちが強い人が多いからだと思います。

 歯科医師の多くは歯学部を卒業後、主に歯科医院に勤務しながら技術を磨きますが、仕事をしているうちに、「この歯科医院では使っていない材料で、さらに高度な治療がしたい」など、やりたいことがでてくるものなのです。
 もっとも以前は3〜5年で開業するケースが多かったのですが、近年は、徐々に開業までの期間が長くなっています。
歯科の治療が複雑かつ専門化してきて、開業までに学ばなければならないことが多くなってきたためです。

 しかし、実際に開業するとなると、大変です。
歯学部では歯の治療の仕方は学べますが、経営のノウハウは教えてもらえません。
勤務先の歯科医院でも院長は経営や収入がいくらあるかなんて、教えてくれませんからね。

 私も開業の際には人並みに苦労しました。
当時、叔父が経営している歯科医院に勤務していたのですが、「そろそろ、開業したい」というと、「じゃあ、銀行でお金を借りなさい」といわれ、「???」。
 恥ずかしながら銀行はお金を貯金するところであって、お金を借りる場所だなんて、よく知らなかったんです。

 銀行で最初は冷たくあしらわれ、何軒目かで、ようやく話を聞いてもらうことができました。
自分の理想とする歯科医院コンセプトを熱く語ったところ、担当の人から、 「そういう歯科医院がなくて探していた」  その人は歯周病に悩んでいて、専門の歯科医院を探していたそうです。

 自信を持って立ち上げた医院でしたが、開業当初は患者さんが本当に来てくれるのか、不安がありました。
 最近では新規開業をサポートする業者があり、お金を払えばホームページの作成や内覧会の実施、チラシ配布などをやってくれるようになりました。
読者のみなさんも新規開業の歯科医院がのぼりを立てていたり、歯ブラシを配ったりしていてもらったことがあるでしょう。こうした業者はすごく繁盛していると聞きます。
開業は歯科医の夢ですが、歯科医院の数が多い現在、競争も大変だということです。

■治療の腕前と経営手段は別物?  
さて、読者のみなさんにとっての関心事は何より、経営手腕と歯科医師としての腕は別物なのかどうかという点だと思います。
 これはどちらともいえませんが、腕さえよければやっていけるかというと、それは難しいと思います。
 なぜなら、歯科治療には家賃、水道光熱費、人件費だけでなく、材料費、歯科技工士に補綴(ほてつ)物(かぶせものや入れ歯など)を作ってもらうための技工料など、その他にも高額なコストがかかります。
お金が入ってこないと患者さんにしてあげたい治療が、できないからです。
 そうした意味では、スタッフが極端に少ない、例えば歯科医師が1人だけですべてをこなしている歯科医院がありますが、これは患者さんにとっては不親切であると思います。

 狭い口の中に器具を入れ、歯や歯ぐきを的確に治療、処置するためにはこまやかな作業が必要で、視野を確保するためには舌をよけたり、バキュームという器具で唾液を吸い取ったり、むし歯で歯を削るときに水を吸い取ったりする作業が必要です。
 通常はこの作業を歯科衛生士や歯科助手がおこない、歯科医師は治療に専念します。
歯科医師が1人でやろうとすることは不可能ではありませんが、手は2本しかないので、治療のクオリティーを保つのは難しく、時間もかかってしまいます。
「時間をかけてていねいにやってくれる」と患者さんは思うかもしれませんが、1人だからこそ時間がかかってしまうのです。  つまり、腕とともにある程度の経営手腕は必要だということです。
信念を持ち、1人で一生懸命やってクオリティーの高い治療をしておられる歯科医師も知っていますが、患者さんのためには歯科助手がいたほうがいいのかなと思います。

 もちろん、経営第一主義ではいけません。
利益を第一に考えてしまうとコストのかからない質の悪い歯科材料を使ったり、時間効率を考えるあまりに、処置を流れ作業で進めていく、という事態にもなりかねません。
 ただし、どのような歯科医院が経営第一主義なのかは、見た目ではわかりづらいのです。
 例えば自費診療の歯科医院、具体的にはインプラントや審美歯科は一等地の新しいビルの中にあることが多く、いかにももうかっている印象を受けるかもしれませんが、治療にコストがかかるので出ていく経費も多いのです。
さらにていねいなカウンセリングをおこなえばおこなうほど、利益が少なくなるので、むしろ、経営に苦労しているところは多いです。

 高級レストランは高いけれどさまざまな経費がかかる。それよりも安くて1日1000杯出るラーメン屋のほうが、ある意味もうかる。
これは歯科医院にもあてはまるかもしれません。
 良心のある歯科医師は、いい料理を提供したいという思いとコストの問題で、日々、悩んでいるのです。

若林健史(わかばやし・けんじ)
歯科医師。若林歯科医院院長。
1982年、日本大学松戸歯学部卒業。
89年、東京都渋谷区代官山にて開業。
2014年、代官山から恵比寿南に移転。
日本大学客員教授、日本歯周病学会理事、日本臨床歯周病学会副理事長を務める。
歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演
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2018年09月12日

日本にとどめ サマータイムに警鐘

健康被害続出に
   経済損失は数千億円。
サマータイム導入は
   日本の息の根を止める
2018/09/11 HARBOR BUSINESS

 酷暑、そして五輪の旗印のもとに注目を集めているサマータイム導入。
「暑さ対策」を名目に、政府も対応を検討し始めているというが、その実現度は!?

◆五輪のためだけに
2時間の早寝早起きが必要か?
 五輪開催を’20年に控えてブレーキが故障しているのか、今年に入ってからの森喜朗大会組織委員会会長のアクセル全開の“暴走”が世間を賑わせている。
曰く、「東京五輪を迎えるにあたり暑さはチャンス」、「サマータイムの導入を首相の決断でやってほしい」と。

 森会長は’14年頃からすでにサマータイムの導入を提唱しており、今年8月には安倍首相に要請している。
今回提唱されたサマータイムとは、’19〜’21年の2年間実施され、日照時間の長い夏に限り日本国中の時計の針を2時間先に進め、昼間時間を有効に使おうというもの。

ちなみにサマータイム期間中の朝7時は、現在の時間の朝5時ということになる。
 森会長は、東京五輪でマラソンを朝7時(現朝5時)にスタートすれば、日が高くなって暑くなる前にレースを終えることができるという“暑さ対策”のメリットを一番に挙げている。
しかし、時間を繰り上げても気温は1〜2℃しか違わないのは今夏が証明した。

 現在、サマータイムは世界60か国で実施されているものの、ロシア、中国、インド、韓国など、一旦、採用しながら廃止した国も多い。
日本でも戦後すぐの’48年から導入されていた時期もあったが、長時間労働が社会問題化し、結局4年で廃止になった経緯がある。
 そして70年たった今、再び日本で“早起きの強要”が実施されようとしているのだ。

◆導入で心筋梗塞や脳卒中で死亡も!?
 日本睡眠学会理事の神山潤医師は、サマータイム導入による健康被害についてこう警鐘を鳴らす。
「サマータイムは、ただ単純に時計の針を2時間早めるという話ではありません。
間違いなく寝不足や時差ボケの状態が続く人が出てきます。
眠気に強い/弱い人、長時間/短時間睡眠が適正な人などがいるなかで、それを一律にするのは大変危険です。
サマータイム導入で最も生体リズムを狂わされるのは“夜型”の人でしょう

 海外の研究でも、サマータイム導入による健康被害は多数報告されている。
「日本よりも睡眠時間が長い国でさえ、サマータイムへの変更時には心筋梗塞、脳卒中、(寝不足による)交通事故が増えるということが報告されています。
オーストラリアでは、睡眠不足でうつ病を発症し自殺する人が急増したという例もあります」

 しかし、日本ではそれ以上の健康被害が予想される。
総務省の’16年の社会生活基本調査によれば、日本人の一日の睡眠時間の平均は7時間40分。
経済協力開発機構(OECD)の国際調査と見比べると世界最短レベルだった。
日本人は「世界一眠りを疎かにする国民」なのだ。

神山氏は指摘する。
「私の患者さんのなかには、睡眠不足を指摘すると『4時間も寝ているのに睡眠不足なんてことあるか!』と怒ったり『仕事があるのでこれ以上、睡眠時間は削れない』と言う人もいます。
居眠り=サボっているという偏見が日本では根強いのでしょう。
そもそも“寝てない自慢”をする国なんて、世界で日本ぐらいのものですよ」

 こうした悪しき生活態度を改めない限り、サマータイムの導入など自殺行為としか言いようがない。
眠りと脳も密接に関係している。
睡眠の量と質の低下は、前頭前野にも悪影響を及ぼすという。
「前頭前野の機能が衰えると、感情のコントロールや適切な判断が難しくなります。
こんなシステムを思いつきで導入しようとしているおじいさん(森会長)の前頭前野を一度調べたほうがいいかもしれません(笑)」

◆経済効果より損失大。
   長時間労働が常態化  
次にサマータイム導入による経済効果について見ていこう。
 第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミストの永濱利廣氏は、次のように試算する。
「サマータイム導入によって、活動時間の増加が家計消費にプラスに影響し、娯楽・レジャー・外食等への出費増を通じて個人消費が0.3%増加。
金額にして7532億円に相当すると試算されます。
’09年に札幌市でサマータイムが実施されたときも、域内のGDPを0.4%押し上げました。
しかし、余暇時間を有効利用するという目的なら、年2回も時間を変え、健康被害の大きいサマータイムよりも、変更が1回で済む標準時の前倒しのほうがまだましでしょう」

 サマータイムの恩恵を受けるためには、実施期間の問題に加え勤務時間にも留意する必要がある。
「戦後に実施されたサマータイムが失敗したときのように、始業時間が早まっても終業時間は変わらず、労働時間が長引けば経済効果は薄れます。
特に中小企業は人手不足なので、『こんな明るい時間帯で定時には帰りにくい』と居残ってしまう人も多いのではないでしょうか」

 通常時間から夏時間に移行する際、コンピュータシステムの変更のコストにも留意が必要だ。
「サマータイム導入時のシステム変更だけで数千億円かかると言われています。
SE業界には特需となるかもしれませんが、多くの中小企業は負担を強いられるでしょう。
また、この時期は消費税の軽減税率や元号の変更なども重なっているため、そもそもシステム変更は難しいかもしれません」  

さらに、再び睡眠の話に戻ると、’16年の米国ランド研究所の調査では、日本人の睡眠不足による経済損失は年間約15兆円、国民総生産の2.92%に相当するという試算もある。
 経済効果よりも損失のほうが圧倒的に大きいサマータイムだが、今年8月に森会長の要請を受けた安倍首相は、旧森派という手前無視するわけにもいかず検討を約束。
 こうしたなか、遠藤利明・自民党東京五輪実施本部長は、9月に党内に「サマータイム議連」を立ち上げる考えを明らかにした。
 そこで編集部は、サマータイム議連の会長に就任する河村建夫衆院予算委員長、議連の実務を担う遠藤氏の事務所に議連の動向などを尋ねてみたところ、次のような返答があった。

「自民党でもサマータイムについてさまざまな考えを持っている人がいる。
一丸となっている感じではない」(遠藤利明事務所)

「これから動くので、議連に誰が入るのかはまったくわからない状態。
自民党内でもさほど盛り上がっていない」(河村建夫事務所)
「マスコミが騒いでいるだけですか?」と敢えて聞いてみたが、とくに否定はしなかった。

 議員たちの歯切れが悪くなるのも当然で、世論のサマータイムへの反発は激しさを増す一方で、8月31日、サマータイムを採用中の欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は、域内市民の8割が制度の廃止を支持したことを受け、廃止を目指す意向を表明している。

《サマータイム導入で起こりうること》
●メリット
個人消費の増加……まだ日が明るいうちから退社できるため、帰宅前にパチンコや居酒屋などに寄ることで経済効果を見込んでいる。
日本生産性本部によれば、経済波及効果は9673億円に達する
省エネ……明るい時間に活動できるため電気などの節電効果がある。
日本生産性本部によれば、原油換算で93万kl分の省エネ効果があり、全国民が使う冷蔵庫の消費電力40日分に相当
防犯効果……外が明るい時間帯に学校や会社から帰宅できるため、犯罪に巻き込まれるリスクが軽減する。
見通しもいいため、暗い中での運転を避けることができ、接触事故も減少する

●デメリット
健康被害……“早起き”と聞くと、一見聞こえはいいが、同時に“早寝”しなければ、睡眠負債は溜まっていく。
その結果、脳や心臓、精神面にダメージが及び、死に至る危険性もある
システム改変コスト……時計が2時間繰り上がることで、各コンピュータシステムを調整し直すことになり、各企業は大きな負担を強いられる。
それに加え、国や自治体の公的インフラの修正も必要だ
労働時間の超過……ブラック企業は、国のお墨付きを得て労働者に早出出勤を強要できる。

また、神山医師は新聞記者、コンビニ店長、警察官、消防士など日頃から激務な業界の人間が心配だという
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2018年09月22日

サマータイム、安倍政権の政治的意図

サマータイム、
安倍政権の政治的意図
2018.09.20 Business Journal

文=小笠原泰/明治大学国際日本学部教授

 サマータイム導入の可否をめぐり議論が盛り上がっている。
欧州では、9月12日にEUのユンケル欧州委員長が、EU加盟国が一律に採用しているサマータイム制度を2019年に廃止する法案を欧州議会と加盟国の理事会に正式提案した。

これを受けて、導入をゴリ押ししようとする自民党は翌13日、サマータイム導入を前提とした議員連盟を、導入を前提としない研究会に格下げし、法案提出の目標時期も今秋の臨時国会から先送りした。

 ことの発端は、安倍晋三首相が8月7日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会委員長の森喜朗元首相と会談した際、サマータイム制度導入の提案を受け、自民党に検討を指示したことだった。
以降、「健康に悪い」「残業が増える」「EUでもサマータイム導入の見直しが始まっているのに世界に逆行している」といった指摘が多数なされている。

 本稿では、サマータイム導入の政治的意図や、グローバル化する日本社会への影響など多面的な観点から論点整理を行ってみたい。

今回のサマータイム導入の論点を整理すると、以下の6点になるのではないか。

・猛暑の夏に開催する東京五輪・パラリンピックへの対応
・サマータイム導入の政治的意図
・現行のサマータイム案
・導入国からみた日本におけるサマータイム導入の必要性
・海外との関係で考えるサマータイム導入
・反対意見の論調 猛暑の夏に開催する東京五輪・パラリンピックへの対応

 今回のサマータイム導入議論は、2020年の東京五輪が念頭にある。
酷暑の時期の開催なので、マラソンなど屋外競技をより涼しい時間帯に行おうという目的である。
しかし、酷暑対策であるならば、坂村健東洋大教授も指摘するように、単に競技の開催時間を早めれば良いだけである。
選手には前もって周知し、競技場へのアクセスとなる公共移動手段の始発をこの期間だけ早めれば済むことである。
 つまり、東京五輪の酷暑対策として、サマータイムという社会全体に大きな影響を与える制度を導入する意義は、まったく不明である。

サマータイム導入の政治的意図
 では、合理性のないサマータイム導入が、なぜ議論になっているのか。
それは、東京五輪を酷暑の夏季に開催することに対する海外での不評という外圧を利用してでも、サマータイムを導入したいという政治的意図があるからである。
これがサマータイム導入の一番大きな理由であろう。

自民党にとっては、
サマータイム導入は悲願
サマータイム導入はこれまで、1995年、1999年、2005年、2011年の4回試みられていたが、すべて法案提出は断念され、失敗に帰している。
この意味では、自民党にとっては、サマータイム導入は悲願なのであろう。

 実は日本でもサマータイムを導入していた時期がある。
敗戦後の占領統治時代の1948年〜1951年までの3年間、GHQ主導で導入していた。夏時刻法という法律を制定し、標準時刻に1時間を加えたタイムゾーンを採用し、5月の第1土曜日から9月の第2土曜日までの期間を夏時間としていた。
1952年の講和条約発効前に、この夏時刻法は廃止された。

諸説あるが、廃止の大きな理由は、当時の日本では人口の大半は農業で生計を立てる農家であり、太陽の動きに合わせて生活をしてきた彼らは、夏時刻による1時間の時間変更に馴染めず不評であったというのが廃止の最大の原因といわれている。

 では、自民党が執着するサマータイムの導入目的とはなんであろうか。
それは、省エネと経済効果であるようだ。
省エネに関しては、エアコンの利用が広がった今、サマータイムを導入しても省エネどころかエネルギー消費が増えるといわれているので説得力はない。
 もう一つが、日没の時間が遅くなることによる経済効果である。
しかし、“飲み屋”での消費が大きい日本では、夜の時間の短縮は経済的にマイナスの効果をもたらす。
明るい時間を長くすることで日中の消費が増えたとしても、当然、その分だけ夜の時間が短くなり夜の消費は減る。
時間当たりで日中消費のほうが夜の消費よりもよほど大きくない限り、大幅な消費増にはならないであろう。
つまり、大きな経済効果は期待薄といえる。

 しかし、経済成長がお題目の政治家にとって重要なのは、「経済効果がある」と主張することなのである。
政治家と官僚(特に経産省)が「日本のGDPを伸ばすには、その6割近くを占める個人消費を増やさなければならない、それが我々のミッションである」と考えているのであろう。
不発に終わったプレミアムフライデーも、この発想がベースにある。
経産省としてはあの手この手で個人消費を増やすのに必死であり、そこでサマータイム導入の議論に飛びついたといえよう。  

経産省にとっては、「経済成長のために矢継ぎ早に経済対策をしています」と国民に見せることが重要なのであり、その対策が実際に経済効果をもたらすかは彼らにとって重要ではない。
実際、政策失敗の屍が累々であるが、その責任を取ろうとは露ほども思っていない。

現行のサマータイム案
以上のように省エネと経済効果が不確かななかで、システムリスクと高い社会的コストを伴うサマータイムを導入するのは説得性に欠ける。
しかし、政治家は突き進むのである。
日本の政治家は、消費税の軽減税率といい、合理性を欠き目先の人気取りのために将来に禍根を残すことを平気で行うのである。
国民としては、そのような政治家に投票し続けるのはもうやめるべきではないか。

 8月6日付産経新聞によると、現在、政府と与党で検討されているサマータイム案では、夏に時間を2時間繰り上げる夏時間を、2019年と2020年に2年間限定で導入する方向のようである。
そして繰り上げ期間として、「最も暑い6〜8月を軸に数カ月間だけ2時間繰り上げる方向で検討に入った」とある。
もしこれが本当なら、政治家の発想を疑わざるをえない。

 まず、2時間繰り上げは、世界に類のない異常な繰り上げである(例外として、連合国占領下のドイツで1945年と1947年に2段階のサマータイムを実施)。
医師でなくとも健康に悪いというのはわかる。
また、6〜8月を軸に数カ月間というのも合理性がない。
欧米では、明るい時間帯を長くするためにサマータイムがあるので、約7カ月(2018年は3月25日から10月28日)、北米では約8カ月(3月11日から11月4日)である。

実施国を見ている限り、数カ月ではサマータイム本来の意味がないと思われる。
さらに、2年間の限定導入というのも理解できない。
もし、本当に2年間の限定導入というのであれば、コンピュータのシステム改修の多大なコストと手間とリスクをどう考えているのであろうか。

 以上、サマータイムをめぐる議論の政治的な文脈を総括したが、自民党が検討を進める現行案は議論するに値しないといえる。
次回は、より本質的な意味での日本社会におけるサマータイムの必要性について考えてみたい。

ニュースサイトで読む:
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2018年09月25日

何をやっても無駄。人がネガティブ思考に陥る本当の理由とは?

何をやっても無駄。
人がネガティブ思考に
陥る本当の理由とは?
2018年09月24日 SPA!

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。
自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。
自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か?
そのヒントをつづる連載第68回
 信念というと、「一つのことをやり抜く」といったポジティブなイメージがあるかもしれません。
しかし思考には「ポジティブ思考」と「ネガティブ思考」があるように、信念にも「ポジティブな信念」と「ネガティブな信念」があります。

「何をやっても無駄」とか「どうせまた失敗する」といったネガティブ思考には誰もが悩まされたことがあるでしょう。
こうしたネガティブ思考は切り替えようとしても、なかなか切り替えられません。
「こんな風に後ろ向きになるのは良くない」といくら自分に言い聞かせても、「でもやっぱり上手くいかないんじゃ……」と考えてしまいます。
 そして「思考は現実化する」という格言のとおり、「何をやっても無駄」で「また失敗」を繰り返すことになります。

自己啓発の一環として過去の出来事をきちんと思い出していくと、やり方や環境のせいばかりでなく、むしろ自ら失敗に転がり込んでいったことが明らかになります。
成功した実業家が「そのまま続ければうまくいくはずなのに、もう少しのところでみんなやめてしまう」と嘆くのに納得できるようになります。

◆思考は結果で、信念は原因
こうした否定的なサイクルの原因になっているのが、自分のネガティブな信念です。
「自分の信念」と「現実の出来事」の化学反応によって思考は生まれています。

ポジティブな信念があればポジティブな思考が生まれ、ネガティブな信念があればネガティブな思考が生まれます。
つまり思考は結果であり、信念こそが原因です。
自分の思考ばかり気にして信念に気づかないのは、卵ばかり気にして鶏に気づかないのと一緒です。
 ただ、人間にはそうならざるをえない事情があります。
普通に生活しているだけでは、自分の信念に気づくのはとても困難です。
それがネガティブな信念でもあれば尚更です。

ネガティブな信念が生まれる経緯には苦しみや悲しみ、理不尽があります。
誰もそんな過去を積極的に思い出そうとはしません。
こうして過去の記憶と共に信念も抑圧されて原因がわからなくなり、ただただ自分の思考に振り回される状態が出来上がります。

 ネガティブな信念が特に生まれやすいのが創作、競争、恋愛の3分野です。
作家や漫画家、ミュージシャンなどクリエイティブな職業を自分の仕事にできなかった。
スポーツでレギュラーになれなかった、あるいは勉強で志望校に合格できなかった。
好きな人に振り向いてもらえなかった。
「才能が認められなった」「人に選ばれなかった」という経験は、人生全体に負の影響を及ぼします。
「経験があると」と言いましたが、こうした経験がない人などいません。
生まれてからこの方ずっと幸せで順風満帆なんて人間はいないからです。
誰もがその時々で苦しみや悲しみ、理不尽を経験し、心に痛みを秘めています。
そして、いつかそれと向き合う日がやってきます。
その日が来るまでは、心の痛みを避けるようにして同じ失敗を繰り返します。

◆ネガティブな信念に向き合おう
 反対に自分のネガティブな信念に気づき、きっかけになった過去と向き合えると、その過去と信念から自由になれます。
これはただ認識するだけで、何かアクションを起こす必要はありません。
「ああ、あの時、自分は本当に絶望したんだな」と心から納得すれば、ごく自然に才能や失敗を話に持ち出さないようになります。
これが「才能の発掘」や「成功」によって悩みを解決しようとするのではなく、そもそもそれを問題視しなくなる「解消」という手法です。

 クルマにアクセルとブレーキがあるように、心にもアクセルとブレーキがあります。
ポジティブな信念がアクセルであり、ネガティブな信念がブレーキです。
ブレーキを緩めなくては、いくらアクセルを踏んでもクルマは進みません。
同じようにネガティブな信念に気づかなくては、いくらポジティブな信念があってもその力を発揮できません。

 この文章を読んでいると、やけに無感情になるかもしれません。
それこそがまさに抑圧です。
「誰もが心に痛みを秘めています」と言われても、「へー、そうなんだ」と自分は関係ないとばかりにスルーできるのが、人間の心の巧みさです。

もしナチュラルに過去の出来事を認められているならば、「そういえば私にそういうことがあったなぁ……」と振り返られるはずです。
 とはいえ、そうした信念は準備なしに無闇に掘り起こすものでもありません。
もし何かしらを感じるものがあるならば、自分の思考を記録するメンタルレコーディングから始めるのをオススメします。

「ポジティブな信念」と「ネガティブな信念」を発見していく過程は同時に起こります。
そうして私たちは自分の両面を認めながら成長していくのです。
自己啓発はとてもエキサイティングな冒険です。
もしそれに目覚めたら、もう普通に生きることはできません。

 ポジティブな信念は初志貫徹の助けになりますが、ネガティブな信念は同じ過ちを繰り返す原因になります。
自分がどんな信念を持っているのか把握しておくのはとても大切です。
自分が思ったことや感じたことを記録して、繰り返されるパターンから自分の信念に気づきましょう。
続けるとわかりますが、私たちは良い意味でも悪い意味でも同じこと繰り返しています。
どうせなら良い繰り返しを選択しましょう。
記録はそのために必要な自分の記憶を呼び覚ましてくれます。

佐々木】 コーチャー。
自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。
カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。
現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」
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歯磨きは1日1回だと虫歯になる? 虫歯のウソ・ホント

歯磨きは1日1回だと虫歯になる?
虫歯のウソ・ホント
2018/09/24 All About

丸山 和弘(歯科医)
今まで当たり前と思っていた情報や言い伝えが、意外にも間違っているということがあります。
今回は、歯磨きに関する思い込みや噂について、解説していきます。

Q1.食後の3分以内に磨けば、
虫歯になりにくい?
子どものころ「食べたら3分以内に歯磨きしなさい」なんて言われた人はいませんか?
これはある実験のデータから砂糖水を口に含み約3分で歯が溶け始めるため、その前に歯垢を取ってしまえば虫歯になりにくいといった話が元ネタでした。
よく考えると、これは食事を始めてから3分以内に歯磨きをしなくてはならず、食後の3分以内に磨けば虫歯になりにくいといったことではありません。 → A 「うそ」

Q2.歯磨き粉の研磨剤で歯が削れる?
「歯磨き粉には研磨剤が入っているので使わないで歯を磨いたほうが歯のために良い」
こんな話を聞いたことはありませんか?
たしかに、歯磨き粉を使用しなくてもプラークを落とすことができますので、使わなくても問題はありません。
しかし現在ではフッ素入りなど、歯に対してメリットのある製品が多く研磨剤に関してもクレンザーのような強い研磨作用はないので、それほど心配しないで使用することができます。 → A 「うそ」

Q3.歯ブラシの毛先が開いたら交換?
歯ブラシの毛先が開いてくると表面的には汚れは取れますが、歯と歯の間に毛先を差し込みにくくなってしまいます。
一般的には歯ブラシは毛先の「かど」の部分が重要なので、毛先が開いてきたらかどが無くなり丸くなります。
このため交換したほうが良いと思われます。 → A 「本当」

Q4.歯磨きは1日1回だと虫歯になる?
歯磨きを1日3回毎食後に行なっている人には怖くてできないことですが、1日1回しか磨かない人もいます。
どちらが虫歯になりやすいでしょうか?
実は虫歯に関しては1日1回でもしっかり磨けていれば大丈夫です。
むしろ食生活の間食など食べる回数が多い方が虫歯になるリスクが高くなります。 → A 「うそ」

Q5.歯ブラシは柔らかくても汚れは取れる?
歯ブラシ選びの時、柔らかい歯ブラシは汚れが取れない気がして、痛くない程度の固めの歯ブラシを選んでいる人いませんか?
歯ブラシが固くても柔らかくても口の中の汚れを落とす効果は同じです。
落とす相手の固さが硬ければ歯ブラシも固いほうが良いですが、歯ブラシで落とすのは「プラーク」と呼ばれる柔らかい汚れです。
したがって、かなり柔らかめの歯ブラシでも歯ブラシのかどがしっかりしていれば汚れは十分に落とすことができます。
最近では歯ブラシは柔らかいものを勧める歯医者さんが増えてきています。 → A 「本当」

Q6.デンタルフロスでは
歯周病は予防できない?
スーパーやドラックストアーなどで様々なオーラルケアーグッズを目にします。
歯ブラシ以外の補助器具を買う際に「検診で歯周病に注意してください」といわれ、フロスを買って歯の間の掃除をしている人いませんか?
フロスの正しい使い方は、歯と歯の間で歯がしっかりとくっついている部分を掃除するために使います。
決して、歯肉に強く擦るようには使ってはいけません。
このため、歯周病の予防にはあまり効果がありません。
歯と歯肉の間の汚れを取ることが重要だからです。
虫歯予防には「フロス」、歯周病予防には「歯間ブラシ」と覚えましょう。 → A 「本当」


全部知っていた人は、オーラルケアーに対してかなり関心のある方だと思います。
勘違いしていた情報があるという人は、今後の正しい歯磨きの参考にしてみてください。
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2018年09月26日

加齢による「身体感覚」の劣化−「空気を読めない」高齢者にならないために!

加齢による「身体感覚」の劣化−
「空気を読めない」
高齢者にならないために!
2018/09/25 ZUUonlin
*小だぬきのための論文のようです。
土堤内昭雄(どてうちあきお)
ニッセイ基礎研究所 社会研究部 主任研究員

内閣府『平成29年版高齢社会白書』によると、2012年の日本の認知症患者数は約462万人、団塊世代が後期高齢者になる2025年には700万人程度にのぼり、高齢者の5人にひとりを占めるという。
認知症に至らずとも、60代以降になれば、加齢にともなう認知力の低下は多くの高齢者にみられる。

物事の理解・判断が遅くなったり、記憶力が低下したりする上に、空間認識力が衰え始めるのだ。
空間認識力とは、人間が有する視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚などの感覚器により、物体が3次元空間の中でどのような状態にあるかを把握する力だ。

たとえばわれわれがキャッチボールをする時、目や耳からの情報をもとに、ボールの飛んでくる方向や落下点を判断してボールを捕捉する。
距離や速さなどの認識を誤ると正確にボールをキャッチすることはできない。

老化が進むと、若い頃に容易だったことが思い通りにゆかなくなることも多い。
運動機能に加えて空間認識力が衰えて「身体感覚」が鈍くなるからだ。
視野が狭まり、人や物にぶつかったり、わずかな段差につまずいたりすることも増える。

すべてが加齢のせいではないだろうが、「身体感覚」の劣化は高齢者の社会生活にも大きな影響を与える。
一方、認知力が低下すると社会状況を的確に把握することが難しくなり、いわゆる「空気を読めない」高齢者が増える。
その結果、社会の中でさまざまなトラブルが発生する。
鉄道係員に対する暴力行為やコンビニ店員への暴言など、悪質なクレーマーも60代以上の高齢者によく見られる。

このような人が増える要因のひとつは、社会的視野が狭まり、いわば社会空間における「身体感覚」の劣化や喪失によるものと言えるかもしれない。
「空気を読めない」高齢者にならないためには、一体どうすればよいのだろうか。

ひとつは「身体感覚」を鍛えることだろう。
言葉のキャッチボールである人間のコミュニケーションを円滑に行うためには、相互の言葉を正確に捉える「身体感覚」が必要だからだ。
「人の話を聞かない」、「自分だけに意識が向く」など自己中心的ではなく、相手に意識や目を向けることが重要なのだ。
最近ではレーダーやカメラなど多くのセンサーを備えた衝突防止装置の付いた自動車が増えている。
高齢者が人生を楽しくドライブするためにも、周囲の状況を念入りに観察し、五感に加えて「身体感覚」を適切に磨くことが求められる。
社会空間の中で安全な車間距離を維持する「身体感覚」を持つことも、超高齢社会における重要な「老いる力」ではないだろうか。
(参考)研究員の眼
『“幸せ”の自己アイデンティティ〜ストップ! 「キレる高齢者」』(2016年7月5日)https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=53327?site=nli
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2018年09月27日

台風24号 去年の台風18号と同様に、日本列島を縦断し広範囲で暴風か

台風24号 
去年の台風18号と同様に
日本列島を縦断し
広範囲で暴風か
9/26(水) ウェザーニュース
24号台風の進路予想.jpg
 日本に接近中の台風24号は、今週末に先島諸島付近を通過した後、週明けにかけて日本列島を直撃する可能性が高まってきました。
 先島諸島から東シナ海に進んで、東に進路を変える進路は、去年9月に九州に上陸した台風18号と似ている点が多くあります。
 ■ 去年の台風18号との類似点 ■  
・東シナ海で勢力が強まる  
・進路を東に変えて急加速  
・広いエリアで暴風に警戒 
東シナ海で勢力が強まる

 去年の台風18号は、海面水温が高い東シナ海で発達のピークを迎えました。
 今回の台風24号も沖縄の南で一旦、勢力を弱めたものの、先島諸島から東シナ海に進む中で再び勢力を増すと予想されます。
 その分、勢力を保った状態で日本列島に近づきそうです。

 どちらも秋の台風らしく、急に速度を上げて日本付近を北上します。
 東シナ海を北上中は自転車並みの速度で進んでいたものが、上空のジェット気流に乗ることで、自動車並みに加速します。  

日本に近づくに連れて、スピードが上がって急に近づいてきますので、対策は早め早めに行うようにしてください。

広いエリアで暴風に警戒
 どちらも強風域の直径が1000kmを超える大型台風で、台風の中心から離れたところでも暴風のおそれがあります。
 去年の台風18号でも、台風の進路から遠い横浜で30.3m/s、仙台で28.3m/s、釧路で35.0m/sの暴風を観測。
 今回の台風24号は、それよりも勢力が強いため、暴風のエリアがさらに拡大してもおかしくありません。

 去年の台風18号は、鹿児島県に上陸した時の中心気圧が975hPaで最大風速が30m/sでしたが、今回の台風24号はこれよりも強い勢力で近づく見込みです。
 台風の進路に関わらず、広域での被害が懸念されますので、早めに対策を行ってください。 
***********************
台風24号 列島上陸か 
     特徴と警戒点
9/26 日直予報士

大型で非常に強い台風24号は29日(土)頃に沖縄にかなり接近、30日(日)から1日(月)にかけて九州から北海道を縦断する可能性。
広く暴風や大雨となる恐れがあります。

●大型で非常に強い
台風24号の進路と特徴
沖縄の南の台風24号は大型で非常に強い勢力を維持しています。
今後もゆっくり北上し、29日(土)頃に非常に強い勢力で沖縄にかなり接近する予想。
その後、北東に進路を変え、30日(日)から1日(月)にかけて九州から北海道を縦断する恐れがあります。

今回の台風の特徴は
・沖縄付近では動きが遅く影響が長引く恐れがあること
・台風周辺の湿った空気が流れ込んで本州付近の秋雨前線の活動が活発になり、台風の接近前から大雨となる恐れがあること
・台風は進路を北東に変えた後、一気にスピードを上げて、九州から北海道を縦断し、急に大荒れの天気となる恐れがあること などです。

●各地の警戒点
【沖縄】沖縄では風が強く、海はしけています。
27日(木)はさらに風が強まり、海はうねりを伴ってしけるでしょう。
28日(金)以降は猛烈なしけとなる見込みです。
石垣島など先島諸島では28日(金)から、本島地方は29日(土)に暴風となるでしょう。
高波や暴風に厳重な警戒が必要です。
海岸付近では高潮による浸水や冠水にも注意が必要です。

【九州〜近畿】29日(土)には秋雨前線の活動が活発化し、発達した雨雲が次々かかるでしょう。
台風の接近前から雨量が多くなる恐れがあります。
台風が予報円の中心を進めば30日(日)に西日本を縦断し、暴風が吹き荒れ、台風本体の活発な雨雲がかかる恐れがあります。交通機関が大きく乱れる可能性があり、注意が必要です。

【東海〜関東】29日(土)頃から秋雨前線の影響で活発な雨雲がかかるでしょう。
台風が予報円の中心を進むと、30日(日)から1日(月)の午前中を中心に雨や風が強まり、荒れた天気となる恐れがあります。

【東北・北海道】こちらは今のところ、1日(月)に荒天が予想されます。
台風は本州付近でスピードを上げる予想で、台風が西日本に近づいたと思ったら一気に北日本に近づいてくる可能性があります。
油断せずに早めの台風対策を心掛けて下さい。
この情報は26日現在の資料をもとに発信しています。
特に、台風の転向(向きを変える)する場所や時期の予想にまだ幅があり、荒天の期間が変わる可能性があります。
今後も最新の台風情報にご注意下さい。
日直予報士でも随時最新の情報をアップしていきます。
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2018年09月29日

台風24号 土日に直撃 交通障害の恐れ

台風24号 土日に直撃
交通障害の恐れ
2018/09/28 tenki.jp

大型で非常に強い台風24号は29日(土)に沖縄本島にかなり接近し、
30日(日)から10月1日(月)に西日本から北日本を縦断する予想。
広く大荒れの天気で、交通機関が大きく乱れる可能性。

●大型で非常に強い台風24号の進路
台風24号は29日(土)に非常に強い勢力を保ったまま沖縄本島にかなり接近するでしょう。
まだ台風の動きが遅く、影響が長時間続く恐れがあります。
その後、進路を北東へ変え、スピードを上げるでしょう。

30日(日)には非常に強い勢力で西日本に接近・上陸し、さらに加速して10月1日(月)にかけて東日本・北日本を縦断する予想です。
先日、近畿を中心に被害をもたらした台風21号は25年ぶりに非常に強い勢力で徳島県南部に上陸、その後、兵庫県神戸市付近に再上陸しましたが、今回の台風24号も非常に強い勢力で西日本に接近・上陸する恐れがあり、警戒が必要です。

台風24号予想 29日午後3時.png
c tenki.jp 提供 台風24号 土日に直撃 交通障害の恐れ

また、日本の南に停滞している前線が、29日(土)にかけて西日本や東日本に北上し、30日(日)は北日本まで北上する見込みで、台風の接近前から大雨となる恐れがあります。

●各地の警戒期間と警戒点

【沖縄】29日(土)は本島地方も暴風となる見込みです。
最大風速50メートル以上の猛烈な風が吹き荒れ、瞬間的には70メートルの樹木や電柱が倒れてしまうようなめったにないような風が吹く恐れもあります。
また、台風本体の雨雲がかかり、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降り、大雨による災害が発生する恐れがあります。
暴風や土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒して下さい。
また、海岸や河口付近の低地では、高潮による浸水や冠水に厳重に警戒が必要です。
30日(日)にかけて海上は猛烈なしけとなりますので、海岸付近には近づかないで下さい。

【九州〜近畿】台風接近前の29日(土)は前線の活動が活発になり、雨や雷雨になるでしょう。
非常に激しい雨の降る所もある見込みです。
30日(日)は台風本体の活発な雨雲がかかるでしょう。
平年の9月ひと月分の雨が一気に降ってしまうような災害級の大雨の恐れがあり、警戒が必要です。

自治体から出される避難情報に注意し、早めの避難、安全確保をなさって下さい。
30日(日)には外出が危険なほどの猛烈な風が吹き荒れたり、海岸付近では高潮の恐れがあります。
潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると波が海岸堤防を越えて浸水する可能性もあります。
高潮や高潮と重なり合った波浪による浸水などにも厳重に警戒して下さい。

【東海〜関東】29日(土)は前線の影響で雨が降るでしょう。
次第に雨脚が強まり、激しい雨の降る所もある見込みです。
沿岸部を中心に風も強まるでしょう。
30日(日)の午後から10月1日(月)の午前中が荒天のピークで、暴風や大雨に警戒が必要です。

【東北・北海道】30日(日)の夜から10月1日(月)の午前中にかけて大荒れの天気となる恐れがあります。
早めの台風対策を心掛けて下さい。

各地、荒天が予想される期間は空の便に加え、列車の運休や遅れ、高速道の規制など交通機関が大きく乱れる可能性があります。
最新の交通情報にもご注意下さい。
不要不急の外出は避けるようにして下さい。
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2018年10月09日

前歯治療には自由診療か保険診療か・・・・。

意外に知らない…
前歯治療は保険が利かない
といわれる理由
2018年10月05日 日刊ゲンダイ

 あなたは前歯の虫歯治療のため歯科医院を訪れた際、
「保険診療だと使える素材も限られるし、長期間使うと色が変わる場合もあります。
自由診療でどうですか」と言われたことはないだろうか?

 改めて費用を計算してもらうと数千円がウン十万円に。本当に保険で前歯を治療するのと自由診療で行うのとでは出来栄えに差があるのか?
 自由診療専門の歯科医師で「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に聞いた。

 歯の治療を保険のみで行うか、自由診療で行うかの違いはたくさんある。
保険診療では、治療に使える素材、やり方など細かく制限されている。
一方、自由診療では詰め物・かぶせ物の素材を歯科医が選択し、患者の状態などに合わせた提案が可能となる。

その中で患者がよく聞かされるのが素材の違いだ。
「前歯の治療を保険だけで行う場合、かぶせ物や詰め物の材料は白い硬質レジンが使われます。
レジンとはプラスチック製樹脂のことで、強度がある半面、吸水性があるといわれます。
そのため『プラークが付きやすく、口臭が出やすい。
使っているうちに着色して変色したり、すり減って内面の金属が露出して歯ぐきが黒くなる場合があります』などと説明される患者さんは少なくありません」

 一方、自費診療の場合はプラスチック以外にもさまざまな材料が使われる。
例えば、セラミックだ。
かぶせ物をする場合、通常は金属で補強する内面をジルコニアで製作し、その上にセラミックを使うオールセラミックが可能になる。
これについて「金属を一切使わないので金属アレルギーは出ないし、長年使っても変色や変形、腐食、吸水による口臭が出にくい」などとそのメリットを強調した説明がなされる場合が多い。

 しかし、どちらも保険診療から自由診療へ誘導するための常套句だと木村院長は言う。
保険診療での前歯の治療が、自由診療のそれと比べて機能的に大きく劣るわけではありません。
歯科医師の腕さえあれば見た目もそれなりに満足できるものになるはずです。
そもそも前歯の虫歯は目立つため、かぶせ物が必要となるほどひどいケースはあまりないはず。

保険診療でも使われるレジンでも丁寧に詰めればどこに埋めたか分からないよう治療することは可能で、大体は長期的に問題なく過ごせます。
むしろ、かぶせ物をすると歯は大きく削られてしまい、歯の寿命を短くしてしまう。
慎重でなければなりません」

 ただし、前歯なしは見た目が悪いため、できるだけ短期間ですべてを終えなければならない。
そのため歯科医師は、ある程度の腕が必要となるという。
「どんな歯も、再治療となれば削らなければなりません。
しかし、他の歯に比べて小さい前歯は何度もやり直しはできません。
どの歯もできるだけ短期間で根管治療、修復治療、かぶせ物、ブリッジ治療を終えることが基本です。
しかし、審美的に前歯はそれがより強く求められるのです。
歯科医師は短期間の治療を可能にするさまざまな知識と経験と、技術、治療・検査の装置など総合力が必要とされます」

■費用の違いは何の差なのか?  
むろん、歯科医師の多くはこうした腕は持っているだろうが、問題はそれを丁寧に行うのに必要な時間をかけられるか、だ。

「私は自由診療で歯科診療をしています。
そのため、ひとりの患者さんの診療に半日から1日かけることも珍しいことではありません。
しかし、『この治療は保険点数〇点◯◯円』と国によって金額が決められている保険診療ではそうはいきません。
限られた時間と予算の中でできる範囲でしか治療を行えないのです。
その結果、とにかく患者さんの数をこなすという場合もあり、満足のいく治療ができないケースも出てくるでしょう」

 つまり、患者から「前歯を保険診療の範囲内でやってください」と言われて、「自由診療での治療はどうですか」と提案する保険診療の歯科医院の中には、暗に「歯科医院としても満足できる治療を行うためには、それなりの治療時間を確保するための費用が必要」と言っている場合もあるのだ。
「いまや歯科医院の数はコンビニエンスストアより多いとされており、競争が激化しています。そうした中、

患者さんは
@評判が良くて混んでいる保険診療の歯科医院の10分診療を選ぶ
A評判がイマイチで患者が少ないが、時間をかけて治療はしてくれる保険診療の歯医医院を選ぶ
B費用はかかるが、制約がないため十分な時間と患者の状況に沿った素材を使う自由診療専門の歯科医院を選ぶ
――から選択しなければなりません。

そうした中で、中高年の患者さんが満足のいく前歯治療を受けるには、必要とされる治療レベル、歯科医院の経営状況のバランスを知ったうえで治療場所を選ぶ必要があります」
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2018年10月10日

「湿気がひどくてマグロにカビが生える」開場目前の豊洲市場に不安の声が高まる

「湿気がひどくて
マグロにカビが生える」
開場目前の豊洲市場に
不安の声が高まる
10/9(火) 文春オンライン(石井 妙子)

「本当に市場として機能するのか」、「死亡事故が起こりはしないか」、「魚の安全性は保てるのか」――。
 豊洲移転が目前に迫る今、改めて市場関係者の間で不安が高まっている。
総工費6000億円以上をかけた「最新設備」を誇る豊洲市場が開場するのは10月11日。

本来なら、希望に満ちた華やぎに満たされていてもいいはずだが、市場関係者の表情は一様に固い。
これが築地での「最後の日々」になるのか。
「築地に残りたい」という声は根強い 

地盤沈下によって
引き起こされた巨大な「ひび割れ」

「ここにきて、移転推進派だった人たちまで、顔を曇らせていますよ」(仲卸業者・男性Aさん)

 一体、何がそこまで不安視されているのか。
築地市場に赴き、人々の声を拾った。
「築地を離れることの寂しさ、というような情緒的な話ではないんです。
いい話がまったく聞こえてこない」(同前)
 豊洲市場はこれまで土壌汚染問題が、度々、取り上げられてきたが、その汚染状況も改善されない中、ここへきて、建物そのものに対する問題が持ち上がっている。

 そのひとつが、深刻な地盤沈下だ。
 9月上旬、仲卸棟西側で、横幅約10メートル、段差約5センチという「ひび割れ」が発見された。
地盤沈下によって引き起こされた巨大な「ひび割れ」である。
「豊洲の店舗にダンベ(魚や水産物を入れる業務用冷蔵庫)を入れたら、それだけで床が沈んでしまった、という話もあります」(仲卸業者・男性Bさん)
 豊洲は、もともと地盤が非常に緩い。
その上に重厚長大な建物を作った。

先日は、工事を請け負った業者から、「地中に打ち込む杭が十分に支持層(固い地盤)に届いていない」という内部告発もなされている(『週刊現代』2018年9月1日号)。

「豊洲の床耐荷重は本当に、
                    大丈夫なのか」  
緩い地盤、偽装工事……。
ただでさえ不安が募る中、9月下旬になって、突如、豊洲市場内に貼り出された紙が、業者の人々をさらに驚愕させた。

「貼り紙に、『2.5トンフォークリフト、800kg』と書いてあります。
2.5トンフォークリフトといったら、2.5トンの荷を積めるリフト、という意味なんです。
それなのに、800キロまでって。
一度にそれしか運べないのでは仕事になりません」(仲卸業者・女性Aさん)

 この貼り紙は、「豊洲の床耐荷重は本当に、大丈夫なのか」という不安を改めて市場関係者に与えることになった。
ターレ(運搬車)は本体だけで800キロ、荷を載せれば2トン近くになる。
フォークリフトはさらに重く、荷物を載せれば6トンに近い。
築地は1階部分だけが売り場だったため心配する必要がなかった。
だが、豊洲の場合、中卸棟の売り場は4階まである。
床が抜けたりしないか、十分な重みに耐えうる設計になっているのか。不安の声は尽きない。

「とても臭くて白濁していたそうです」
 9月23日には、汚染水がマンホールから噴き出すという、信じ難い出来事も起こった。
仲卸業者のひとりで、「築地女将さん会」会長の山口タイさんが語る。
「仲卸業者が移転の準備のために、豊洲に行っていた時、偶然、見つけたんです。
水は、とても臭くて白濁していたそうです。
たまたま彼らが発見したから明るみに出ましたが、そうでなければ、都はこれも隠蔽したんじゃないでしょうか」

 東京都は、地下水の上昇を抑えるために地下水管理システムを導入。
地下水の水位が上昇した際には、速やかに浄化して、外に排出できると説明した。
だが、そのシステムが機能せず、浄化前の地下水が、そのままマンホールから噴き出したのである。
 地下水は言うまでもなく、汚染されている。

 東京都は、この件に関して「地下水を汲み上げて排水施設に送るための送水管の空気弁に付着物が挟まったことが原因」として、「過去に同様のケースはなく、今後は再発防止に務める」との見解を示した。
だが、この説明では仲卸業者の不安は少しも解消されない。

マグロの身にカビが付着したら……
 湿気とカビは、より深刻な問題である。
「とにかく豊洲市場は湿気がひどいんです。
地下水が水蒸気になって上がってくるのに、建物が密閉型で窓ひとつない。
温度を冷暖房で常に25度になるよう設定しているので、特に夏場は、ダクトを通じて室内にも水滴が生じる。
開店すれば、店内に冷凍庫やダンベといった冷蔵機器を入れ、冷凍食品を扱うわけだし、水も流す。
益々、湿気が出るはずです。

 開場前の今現在で、空調を24時間フル稼働にしても、湿度が70パーセント。
高い時は90パーセントを超える。
だから、ものすごくカビが出るんですよ。
カビは生ものに付着して繁殖する。

一番、心配なのはマグロです。
マグロの身にカビが付着したら、3、4日後に発生する。
豊洲で売る時は目に見えなくても、小売店に渡ってからカビが出ることも……」(仲卸業者・男性Bさん)

 都も、ここまでの湿気とカビの発生は想定外だったのだろう。
開場を目前にして、至るところに、大型の除湿機を断りもなく設置した。
仲卸業者の女性が、憤慨しつつ語る。
「最近になって、突然、巨大な除湿機が無造作に通路にボンボン置かれたんです。
カビ対策なんでしょうね。
でも、こんなものがあったら、危なくてターレを走らせられない

 湿気を除去する根本的な手段がなく、この巨大な除湿機を都は置いたのだろうか。

豊洲では「買い回し」ができない  
市場機能を無視した構造上のミスをあげる声も数多く耳にした。
豊洲は築地のようにコンパクトにまとまっていない。
だだっ広いばかりで、まったく動線を考えて作られていないんです。

これでは、仲卸棟で魚を買って、青果棟で野菜も買う、という『買い回し』ができません。
それに、鮮魚は新鮮さが命。
時間をかけないように機能的に運ばなくてはならないのに、築地の何倍も時間がかかる」(仲卸業者・男性Aさん)

 卸、仲卸、青果棟と、これまでは三つの機能がワンフロアに集約されていた。
階段やエレベーターとは無縁だった。
 だが、豊洲は3か所に建物が分かれており、しかも、それぞれが幹線道路によって分断されている。
また、仲卸棟の積込場や店舗は1階から4階まである。
「それなのに、エレベーターは6基のみ。
4階まで買いに来てもらえるのか。
本来、市場は築地のような平屋が理想なんです」(仲卸業者・女性Aさん)

「あれでは、ターレから荷が崩れ落ちてしまう」
 漁港から大型トラックで運ばれる魚や水産物は、まず、大卸(水産卸)に持ち込まれ、セリや相対取引を経て、仲卸の各店舗に運ばれる。
1日に扱う鮮魚や水産加工物は2016年度で1628トン、青果は1021トンにのぼる。
「築地では、すべての売り場が繋がっていたけれど、豊洲では、卸棟と仲卸棟は別の建物。
地下道で荷物を運ぶことになる。
ところが、その地下道は3本しかない上に、傾斜がきつく、ひどいヘアピンカーブ。
あれでは、ターレから荷が崩れ落ちてしまう。
それに、道幅が狭くて接触事故を起こしそうです」(仲卸業者・Aさん)

 こうした初歩的な設計ミスは、いたるところで指摘されている。
 大型トラックは、大卸のトレーラーヒットに横付けされ、横面扉が開いて、荷を下ろす。
だが、豊洲の設計者は、コンビニなどを回っている一般的なトラックのように、縦付けして、後ろの扉を開き、荷を下ろすものと思い込んで設計していた。

 また、排水溝が設計ミスで浅く、詰まりやすいという声もあった。
「大量の水で魚の血や鱗を洗い流すことができないようでは衛生を保てないのに……」(仲卸業者・男性Bさん)

 市場の命は水だ。
築地では真水と海水で流し清め、排水し続け、食の衛生を守ってきた。
だが、豊洲は水を大量に使えば、構造上の不備で排水は詰まり、さらにはカビが出てしまう。
大変なジレンマだ。

駐車場の数が圧倒的に足りない
 アクセスの点でも、問題は広がっている。
 最寄り駅はゆりかもめの市場前だが、始発でも競りの時間には間に合わない。
 東京メトロ有楽町線の豊洲駅からでは、徒歩で20分。
自動車を使う場合も、駐車場からの距離が遠く、さらには、駐車場の数が圧倒的に足りないことが判明し、追加工事が急遽行われた。
開場すれば、約1800台のトラックやバスが早朝から押し寄せることになるはずだが、周辺の道路環境は整っておらず、橋を渡らなければならないため渋滞が懸念されている。
「豊洲は時間がかかるだけだと敬遠されて、誰も来なくなってしまうのではないか。
市場の機能を理解せずに設計して、手直しもできないという状況だ」(仲卸業者・男性Aさん)

「このまま開場したらパニックになる。
ターレの激突や床の陥没も心配だ。
死亡事故が起こるんじゃないかと心配です。
何より食品の安全性が保てるのか」(仲卸業者・男性Cさん)

 こうした状況を受けて、一部の業者は9月19日、「移転差止請求」を東京地方裁判所に出した。
「よもや都知事が『安全宣言』を出したり、農水省が認可を下ろすとは思えなかった。
私たちは最後の手段として司法に訴えたんです。

都知事は2年前に移転延期を決めた。
それから状況は何も改善されていないのに、今度は何の説明もなく強引に移転を決めた」(「築地女将さん会」会長・山口タイさん)
 豊洲市場が抱える多くの問題を、どう捉えているのか。
今、この状況で市場を開場することは正しい判断といえるのか。
小池都知事は説明を求める市場関係者と真摯に向き合うべきである。
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2018年10月19日

新基準導入で日本人の半数が「高血圧患者」になる時代

新基準導入で日本人の半数が
「高血圧患者」になる時代
2018年10月18日 NEWSポストセブン

 上が135、下が85。
──健康診断のためかかりつけ医を訪れたとある中高年男性は、少し高めだがいつもと変わらない血圧に安堵した。
だが医者が口にしたのは想定外の言葉だった。
「135ですか……。降圧剤を飲みましょうか」

 これまで「140に届かなければ心配ないですよ」と言われていたのに、なぜいきなり……。
驚いたが、担当医の指示だから仕方ない。
その日から降圧剤を飲み続けることとなった──。
半年後にはこのような「高血圧にされる人」が急増するかもしれない。

 今年9月に開催された日本高血圧学会の総会で、来年4月に改訂される高血圧治療ガイドラインの方針案が示された。
 これまで高血圧の治療を受ける患者が目標とする血圧は、75歳未満の成人で「140/90(75歳以上だと150/90)」だった。
だが今回の方針案では、「130/80(同140/90)」未満に下げることとなったのだ。
「今後、日本医学会や日本内科学会などが草案を査読し、パブリックコメントを集めたうえで2019年春をめどに改訂ガイドラインを公表します」(日本高血圧学会事務局)

 背景にあるのは、昨年11月、米国心臓病学会(ACC)が「140/90」だった高血圧の診断基準を「130/80」に引き下げると発表したことだ。
米国ではこの基準変更を受けて、推計7220万人だった高血圧患者が一夜にして1億330万人に激増した。
 診断基準とは「あなたは高血圧であり、治療が必要です」と医師が診断するラインを指す。
アメリカではこれを「130/80」に引き下げたため、高血圧患者が一気に増加したのだ。

この流れを受けた日本では、前述した9月の総会で日本高血圧学会は現在の「140/90」という診断基準を変更しないことを表明する一方、治療目標を引き下げることになった。
 これは何を意味するのか。診断基準についての研究を行なう東海大学名誉教授の大櫛陽一・大櫛医学情報研究所所長が解説する。
「診断基準をいきなり変えると治療現場に混乱が生まれかねないので、治療目標だけを変えるのでしょう。
治療目標はあくまで“目標”で、必ずしも厳守すべきものではないはずですが、現場の医師たちはそうは考えていません。
患者のリスクを少しでも減らすために治療目標まで厳格に下げようとするケースが多い。

 今回の変更によって、例えば上が135の74歳以下の患者の場合、基準では140未満だから『高血圧』ではないはずが、『目標の130まで下げましょう』といわれる可能性が高くなります」
 高血圧患者に対する治療が厳しくなる中で、「ゆくゆくは診断基準の改訂に繋がるかもしれない」(高血圧の予防治療を専門とする新潟大学名誉教授の岡田正彦医師)という指摘もある。

 現在、日本の高血圧患者(140〜/90〜)は4300万人と推計されている。
滋賀医科大学と厚労省がまとめた『NIPPON DATA2010』からその内訳をみると、
血圧「140〜159/90〜99」では60〜69歳の37.2%、70〜79歳の41.0%、80歳以上の42.9%。
血圧「160〜179/100〜109」だと60〜69歳の13.1%、70〜79歳の18.0%、80歳以上の13.3%。
血圧「180以上/110以上」で60〜69歳は5.4%、70〜79歳の4.0%、80歳以上の5.1%を占めている。

 現在の基準では高血圧に分類されない、血圧が「130〜139/80〜89」の人は、60〜69歳の24.6%、70〜79歳の20.9%、80歳以上では23.5%を占め、2000万人いるとされている。
だが、もし将来的に「診断基準」まで変更された場合、その人数は6300万人となる。
実に日本人の半数が“高血圧患者”となってしまう。
60歳以上に限れば8割以上が「治療が必要」と見なされることになる。

    ※週刊ポスト2018年10月26日号
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2018年10月22日

それ本当?「塩」にまつわる健康情報 意外と少ない!?「塩の致死量」 海水と経口補水液の違いとは……

それ本当?
「塩」にまつわる健康情報
意外と少ない!?「塩の致死量」
海水と経口補水液の違いとは……
2018/10/21 withnews

 健康にまつわる情報でよく出てくるのが「塩」です。
暑いときは多めにとるようすすめられ、普段の生活では「減塩」が体にいいと言われます。
「塩水ダイエット」など間違った情報が広まることも。遭難しても海水を飲んだらダメだけど、経口補水液はOKな理由。
体臭が気になる人におすすめの活用法。
体内でのはたらきや、涙や鼻水の浸透圧の違いなど、正しい知識で向き合いたい塩の話をご紹介します。(薬剤師ライター・高垣育)

体内での「塩」の役割  
そもそも塩は体のなかでどのような働きをしているのでしょうか。
 塩は食事を通して私たちの体のなかに入ると水に溶けてナトリウムイオンと塩素イオンという形になります。
 そして細胞内外の水とミネラルのバランスを整えたり、筋肉を収縮させたり、体中に張り巡らされた神経を通して体のすみずみまでスムーズに情報を伝えたり。
私たちが生きていくうえで欠かせない大切な働きをします。

 たとえば熱中症になったり、激しい下痢や嘔吐(おうと)を繰り返すとけいれんの症状が現れることがあります。
これは筋肉を収縮させる役割を果たすナトリウムイオンなどが大量に失われたために起こります。

塩とりすぎるとダメな理由
 熱中症の対策では、塩分をとることがすすめられています。
 一方、厚生労働省が生活習慣病を予防する目的で掲げた塩分摂取の目標量は1日あたり男性8グラム未満、女性7グラム未満です。
 もし、普段の食事で摂取する1日10グラムを超えるような塩を単品あるいは濃縮されたかたちで過剰摂取した場合はどうなるのでしょうか。

 神奈川県済生会横浜市東部病院の医師・谷口英喜さんは「血液中のナトリウムイオンが水を引き込み臓器が大きなダメージを受ける」と説明します。

 「血液中のナトリウムイオン濃度が急激に上昇すると、血液中のナトリウムイオンが体中の水を血液の中に引き込み血管内が水浸しになります。
肺の血管内が水浸しになると肺水腫、心臓だと心不全となり心臓や肺に大きなダメージを与えます。
命にかかわるような病態です」
  だから塩を単品あるいは、醤油のように濃縮された形で短時間に摂取するのは危険なのです。

意外と少ない?致死量
 では、塩による致死量はどのくらいなのでしょう?
 体重60キログラムの人だと食塩30グラムほど。
大人に比べて体が小さな子供の場合、体重10キログラムでは小さじ1杯5グラムほどの食塩で死に至ることも。
 体重1キログラムあたり、塩は0.5〜1グラムが致死量と言われています。

 ここで心配なのが夏場にお世話になった人も多い経口補水液です。
 熱中症やおなかの風邪による激しい下痢・嘔吐で脱水状態になった際に活躍する経口補水液には500ミリリットルのペットボトル1本あたりおよそ1.5グラムの塩が含まれています。
 谷口さんは「たとえば同じ塩1.5グラムを摂取するにしても、経口補水液や食事としてとる場合と、海水のように濃縮された状態でとるのとでは安全性が異なります」と言います。

海水飲んだらダメな合理的理由
 例えば、映画などでしばしば見かける海で遭難したシーン。
 遭難した人たちはどんなにのどが渇いても周りに大量にある海水を飲みません。
なぜだろうと不思議に思ったことはありませんか?

 実は、海水には経口補水液の10倍にもおよぶ塩分が含まれています。
 仮に500ミリリットルのペットボトル1本分の海水を飲んだとしたら、その塩分量は15グラム。
 この量だと、谷口さんが説明してくれたように、血液中のナトリウムイオン濃度が急激に上昇し、命に危険が及ぶ深刻なダメージを体が受けることになります。
 「海で遭難したら海水を飲まない」は遭難者が生き延びるために理にかなった行動だったのです。

海水と経口補水液の違いって?
 それに対して、経口補水液は薄まった状態なので「ペットボトル1本分を飲んでも急激に血液中のナトリウムイオン濃度を上昇させる心配はなく安全」と谷口さんは説明します。
 ただし安全に飲めるからといって経口補水液を何日間も漫然と飲み続けるのは禁物です。
 食事に加えて経口補水液からも塩をとると過剰摂取となり、高血圧になったり、腎臓に負担をかけたりすることになるためです。

体臭に効く塩
 使い方を間違えると健康に悪影響を及ぼすだけでなく、命を危険にさらすおそれがある「塩」ですが、怖いだけではなく良い面もたくさんあります。

 季節を問わず気になる体臭。
脂っぽい加齢臭にも、酸っぱい汗臭さにも「塩」で対処する方法があります。
 五味クリニック院長の五味常明さんは「ニオイのもとになる余分な脂やあかなどの汚れを塩によって上手に取り除くことができます」と言います。
 「私たちの皮膚の表面には潤いを保つ皮脂や皮膚の免疫を保ちバリアーの役割をする常在菌が存在しています。
これらは私たちの体に必要なものですが、洗浄力の強い洗剤を使うと取り過ぎになってしまいます。
塩なら体に必要な油分や常在菌は残しつつ、汚れをきれいにできるのです」

手軽な「塩風呂」
 体臭をおさえる塩の使い方として、おすすめなのが塩風呂です。
 一般的な家庭用の浴槽に塩ひとつかみ30〜50グラムを入れるだけ。
お湯の温度は38〜39度、入浴時間はトータルで15〜20分くらいを目安にして湯船につかってください。
 できれば精製塩ではなく天然塩を用意するのがおすすめです。

 注意点は「肌にひどい傷がある場合はしみるおそれがあるのでお休みする」ということ。
もうひとつは、浴槽のタイプによっては塩が浴槽の故障の原因になる場合があるということです。
 自宅の浴槽で塩風呂を行っても大丈夫かどうかよく調べてみてください。

 もし塩を使えない浴槽の場合は洗面器などにはったお湯に塩を溶かした「塩湯」を作って体を洗います。
そのあとシャワーで塩を洗い流せば浴槽を傷めることはありません。

「塩水鼻うがい」
 水で鼻うがいをするとツンとして痛い。
これは鼻の粘膜の細胞と水の浸透圧に差があるためです。
 そこで登場するのが塩水です。

 鼻のクリニック東京の院長、川野健二さんは「鼻うがいに使う“塩水”は体から常に分泌されている涙や鼻水と同じ浸透圧になるように調整したいわば鼻水や涙の代用のようなもの。
だからツンとしないし痛くありません」と話します。

「入り口」だけを洗うこと
 塩水鼻うがいに用意するのは「塩」およそ2グラム(小さじ2分の1ほど)と体温に近い37度くらいのぬるま湯コップ1杯分(およそ200ミリリットル)です。
そして、基本的には鼻うがい用の専用容器を使用することを川野さんは勧めています。
 「鼻の入り口だけを洗うこと」「洗うときは心持ち顔を下に向けて洗いたい鼻の穴を高くするように顔を傾けること」を意識し、朝晩1日2回行います。
 鼻の奥まで洗おうとして水を勢いよく鼻の奥へ送り込もうとするのは禁物。
水の勢いによって鼻の粘膜が刺激を受けて、かえって鼻づまりを招くこともあります。
鼻うがいは「鼻の入り口」をやさしくすすぐだけと覚えておきましょう。

 注意点は「黄色い鼻水」が出ている時、すなわち「カゼ」や「副鼻腔(ふくびくう)炎」などのなんらかの感染症がすでに起こっている場合にはお休みするということです。
 川野さんは「入り口だけを上手に洗えれば良いのですが、洗う勢いが強すぎて、うがい液が耳へ流れ込むと、一緒にウイルスなども運ばれて中耳炎などの別の感染症を起こすリスクがあります」と指摘します。

当たり前の存在だからこそ
 私たちにとって身近な塩。
健康に役立てるためにと思ってても、使い方を誤るとかえって悪影響になることがあります。
 「塩水ダイエット」など、誤った情報が広がりやすいのも、それだけ当たり前のような存在であるからかもしれません。  

正確な情報できちんと塩に向き合うことが大事です。
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消費税10% カードを使わない人にポイント還元なしの無慈悲

消費税10% カードを使わない人に
ポイント還元なしの無慈悲
2018/10/22 NEWSポストセブン

安倍晋三首相は閣議で消費増税実施を発表し、「経済に影響を及ぼさないよう特別の措置を講じる」と指示した。
補助金の拡充やポイント還元制度の創設などが検討されているというが、複雑怪奇な“弥縫策”に、現場では混乱が広がっている。
それがどんな影響を及ぼすかを知っておけば、消費者が取るべき行動が見えてくる。
 前回(2014年4月)の消費税率5%から8%への引き上げ後は、消費が一気に冷え込み、景気悪化で給料は下がり、国民生活は一段と苦しくなった。
「特別の措置」が必要なのは、来年の増税ではそれ以上の負担と混乱が予想されるからだ。

 本誌・週刊ポスト前号では、消費税が10%に上がる前に、「買っておくもの」「買わなくていいもの」を仕分けした。  増税と聞けば「買いだめ」に走りがちだが、前回は増税後の消費の冷え込みで投げ売りされて値段が大きく下がった。
増税前の駆け込み消費で高値掴みさせられたケースも少なくない。

 生活防衛のためにはどうすればいいか。
 保存のきく医薬品は増税前に買い置きするメリットがあるが、増税後も特売対象になりやすいトイレットペーパーや洗剤など日用品は慌てて買う必要がない。
家電なら冷蔵庫や洗濯機など値崩れしにくい「白物家電」は増税前、モデルチェンジが早く値崩れしやすいテレビやパソコンは“待て”というのが節約術の専門家の指摘だ。
また、高額商品の自動車や一生の買い物になる住宅は、増税後に住宅減税や自動車減税が実施されれば、急いで買うのが得策とはいえない。

◆現金払いは「悪」なのか!
 経済ジャーナリストの荻原博子氏が指摘する。
政府の増税対策のメニューにあるのは、物をどんどん買うなら還元するという景気対策。
高齢者や低所得者など、消費増税の影響を最も受ける層の負担を軽くするものではありません

 安倍首相が目玉に掲げたのが「ポイント還元」だ。
中小の小売店で商品を購入した客に、税金を原資に価格の2%分のポイントをつけるというもので、ためたポイントは商店やネット販売の代金支払いや値引きに使える。
だが、対象になるのはクレジットカードや電子マネーで購入した場合だけ。
現金払いだと“戻し税”の恩恵を受けられない。

前出の荻原氏が語る。
「政府の家計調査によると、65歳以上の世帯(2人以上)の食費を除いた1か月の平均消費支出は約18万円、年間約216万円です。
2%のポイントがもらえないと約4万円を失うことになる
 政府はポイント制を「中小零細商店対策」と説明しているが、商店街の飲食店経営者はこういう。
「うちはカードも使えない小さな店ですから対応できない。
それにもともとポイント還元商売は大手チェーンが得意としているし消費者にもそのイメージが強い。
お客さんの足が遠のいてしまうのではないか」

 税理士でもある立正大学教授の浦野広明氏が政府の狙いを指摘する。
中小商店にまで電子決済を導入させ、税務当局が店の売り上げから客が何を買ったかの資産状況まで正確に把握して課税できるようにするのが狙いでしょう
 ポイントをもらえる人も喜んでばかりはいられない。

  ※週刊ポスト2018年11月2日号
posted by 小だぬき at 11:18 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月26日

麻生太郎財務相がまた「医療費の税負担あほらしい」と暴言

麻生太郎財務相がまた
「医療費の税負担あほらしい」と暴言
医療自己責任論と弱者排除を
ふりかざす醜悪体質は昔から
2018.10.23 LITERA編集部

 この男は一体何回国民を傷つけたら気が済むのだろう。
本日おこなわれた閣議後の記者会見で、またも麻生太郎副総理兼財務相が看過できない暴言を吐いたのだ。

「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。
良いことを言うなと思った」(共同通信より)
 不摂生して病気になった人間の医療費を払うのは「あほらしい」などという発言を取り上げ、「良いことを言う」と褒めあげて自分の意見として述べたのである。

 麻生氏がこのような暴言を吐いたのは、これがはじめてではない。
総理大臣だった2008年11月20日に開かれた経済財政諮問会議でも、「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と言い、「こちらのほうがはるかに医療費がかかってない。
毎朝歩いたり何かしているからである。
私のほうが税金は払っている」と主張すると、こう述べたのだ。
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」

 さらに、第二次安倍政権で副総理兼財務相に就くと、2013年4月24日の都内会合でも、このように発言した。
「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで糖尿になって病院に入るやつの医療費は俺たちが払っているんだから、公平じゃない」
「こいつが将来病気になったら医療費を払うのかと、無性に腹が立つときがある」
 麻生財務相はたまたま大病していないだけで、「愛人」だと報じられた女性がいるバーで1回約180万円も使っているほか、高級フレンチだの高級寿司店だのに通うという、まさに「飲み倒し」の豪遊生活を送っている。
しかも、麻生財務相は政治活動費で豪遊しており、国民のほうが「腹が立つ」と言いたいくらいだ。
こうして政治資金で「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで」いる麻生財務相が、いつ自分が重い病気にかかるかはわからないというのに、「健康なおれが医療費を払うのはあほらしい」などと言うことを「良いこと」などと言い放ったのである。

 そして、この暴言は、2016年に問題となった長谷川豊氏の「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」
「自堕落な生活で人工透析患者になったハナクソ同然のバカ患者」という自己責任論とまったく同じものだ。
いや、麻生氏は財務相という医療費を検討する行政のトップであり、長谷川氏以上に発言への責任は重い。

 過去にも指摘したが、麻生財務相が「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで」と槍玉にあげてきた「2型糖尿病」の原因は、麻生財務相の言うような「贅沢病」などではなく、むしろ「貧困病」だという指摘がなされており、全日本民主医療機関連合会の調査でも〈患者は低学歴で非正規雇用が多く、貧困や労働環境の悪化が糖尿病の発症を早めていることが推測されます〉とまとめられている。
コレは日本に限った話ではなく、世界的にも経済的・社会的格差によって「健康格差」が生まれ、なかでも糖尿病はそうした健康格差の代名詞となっているのである(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2016/11/post-2661.html)。

 つまり、政府に求められるのは、健康格差の是正のための政策をしっかりおこない、早期発見・治療のために、厚労省が中心となって自治体、企業、地域などで食生活の改善や医療機関への受診の促進をさらに進めていくことにほかならない。
 にもかかわらず、麻生財務相はこうした問題点をまったく理解しようとせず、一方的に「自分で健康を維持できない人間の医療費を健康な人間が支払うのは不公平」などと日本の医療制度を否定し、自己責任論を煽動しているのだ。

麻生財務相は高額医療にかかる
高齢者にも「さっさと死ねるように」と暴言
 ようするに、麻生財務相が繰り返し暴言を吐いてやろうとしていることは、人工透析患者をはじめ“原因は自堕落な生活にある”と誤った認識を社会に広げると同時に蔑視感情を植え付けるという偏見・差別の拡散であり、患者やその家族に恥の意識をもたせることで医療費抑制につなげようという、極悪非道の“政策”なのだ。

 しかも、麻生財務相がターゲットにしてきたのは、糖尿病患者だけではない。
2013年11月21日に開かれた政府の社会保障制度改革国民会議では、麻生財務相は高齢者の終末医療にかんして、こんな暴言を放っている。
「政府のお金で(高額医療を)やってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。
さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろ考えないと解決しない」
 つまり、麻生財務相は、高額医療にかかる高齢者は「さっさと死ね」と言っているのだ。
その上、このとき麻生財務相は患者のことを「チューブの人間」と表現した上、「私はそういうことをしてもらう必要はない、さっさと死ぬからと(遺書に)書いて渡している」と述べたという(毎日新聞2013年11月22日付)。

 自分の死生観を勝手に国民に押し付けるなと言いたいが、こうやって麻生財務相は国民の医療を受ける権利、いや、国民の生きる権利を軽んじ、奪おうとしてきたのだ。

 これは糖尿病や終末医療を受ける高齢者だけの問題ではない。
麻生財務相の物言いは、あらゆる障がいや後天性の重病にいつ刃が向けられてもおかしくはないものだ。
そして、こうやって自己責任だと国民に押し付けることで、社会保障費の抑制をはかろうという頭しか、この無能な大臣にはないのである。

 多くの国民が麻生氏の暴言に慣れすぎて、「また失言か」などと見過ごすかもしれないが、こんな男をのさばらせつづけるのは、はっきり言って異常であり危険だろう。
これは大袈裟ではなく、私たちの命の問題がかかっている。
即刻、辞任するべきだ。
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2018年11月19日

安倍内閣の官房参与が消費税批判

安倍内閣の官房参与が「赤旗」に
登場して消費増税批判!
10%への税率引き上げは日本経済を破壊する
2018.11.18 LITERA編集部

来年10月に予定されている消費税10%への引き上げ。
メディアでも軽減税率やプレミアム商品券など引き上げ前提の話題ばかりで、消費税増税そのものに対する議論や批判がほとんどなされていない。
 そんなメディアの影響もあってか、この馬鹿馬鹿しいにもほどがある増税に対し国民から大きな反発は起こっていない。
今月9日から3日間にわたって実施されたNHK世論調査でも、消費税率10%への引き上げる方針について「賛成」が32%、「反対」が35%、「どちらともいえない」が27%。
「ふざけるな」という声が上がっても不思議はないのに、なぜかそうはならないのだ。

 そんななか、なんと当の安倍政権を支える現役の内閣官房参与が、「赤旗」一面に登場し「消費税10%反対」を唱えている。
「私は来年10月の消費税増税は凍結すべきだと思っています。
10%への税率引き上げは日本経済を破壊するからです」 「しんぶん赤旗日曜版」(11月18日付け)で、こう断言しているのは、2012年から安倍内閣で内閣官房参与を務めている、藤井聡・京都大学大学院教授だ。

藤井氏は「しんぶん赤旗日曜版」のインタビューに応じ、景気への悪影響、貧困の拡大、被災地復興への打撃といった観点から、2面に渡って消費増税の危険性を語っている。
 実は藤井氏が消費増税反対を唱えるのはこのインタビューが初めてではない。
先日刊行された著書『「10%消費税」が日本経済を破壊する』(晶文社)においても、〈デフレ状況にある現在の我が国において消費増税を行うことは、 国民を貧困化させ、日本を貧国化させ、そして、挙げ句に日本の「財政基盤」そのものを破壊することにつながると確信する〉と主張。
増税の「凍結」、いや「減税」こそが〈日本経済に最悪の被害がもたらされることを避けるための、最善の策〉だとし、増税の凍結・減税は〈政治の力で変えられるのは、当たり前〉だと述べているのだ。

 そもそも、安倍首相は「日本経済は11年ぶりとなる6四半期連続のプラス成長」
「内需主導の力強い経済成長が実現している」などとしきりに景気回復を強調するが、一方で今年9月のJNN世論調査では84%の人がアベノミクスの景気回復について「実感ない」と答えている。
だが、これは当然の話だ。

藤井氏によると各世帯の年間消費額は、2014年に消費税を5%から8%に引き上げる直前が369万円だったのに、増税後は一気に下がりつづけ、2017年には335万円にまで落ち込んだのだ。
つまり、〈消費増税のせいで、私達は一世帯当たり年間 34 万円分も「貧しい暮らし」を余儀なくされるようになった〉というわけだ。

 しかも、「景気回復」との掛け声とは裏腹に、2014年の増税後からサラリーマンの給与水準も低いままで一向に回復していない。
中小企業の「景況感」をはかる業況判断指数(DI)も、リーマンショックで「どん底」に落ちて以降はマイナス(景気が悪い)ながらも徐々に回復しつつあったが、2014年の増税によって改善傾向がマイナス領域でピタリと止まったまま。
「消費」「賃金」「景況判断」の客観的データからも、2014年消費増税によって庶民の暮らしは大打撃を受け、依然として深刻な状態にあることがわかる。

何より、日本経済全体の6割を占める「消費」の総額(実質値)は、消費増税前後で14兆円も下落。その後も消費は冷え込んだままなのだ。

安倍首相の経済ブレーンが
「アベノミクスで経済上向き」の嘘を指摘
 では、どうして「アベノミクスで経済が上向き」などという報道が出てくるのか。
これを藤井氏は〈世界経済が好調なおかげ〉にすぎないと喝破する。
実際、GDPは2014年の消費増税前から現在まで約18兆円(実質値)伸びているが、この間に輸出は約15兆円も増加。輸出の増加がなければ〈一年あたり約0.7〜0.8兆円、成長率にして実に年率平均約0.2%しか伸びなかった〉のである。
また、この4年で、輸出に次いで伸びたのは「民間投資」だが、これも輸出が伸びた結果であると考えられるという。

藤井氏はこう述べている。
つまり、世界経済の好況という「他力」がなければ、日本経済はやはり、消費増税によって「衰退」していたのである〉 〈万一、消費増税によって内需がこれだけ弱々しい状況に至っている中で世界的な経済危機が勃発すれば、衰弱した日本経済は恐るべきダメージを被るであろう〉

 さらに藤井氏は、世界各国の経済成長率(1995〜2015年)に目を向け、
〈日本の20年間成長率は断トツの最下位〉
〈日本の成長率だけが「マイナス」の水準〉であるとし、〈日本はもはや、「経済大国」でないばかりか、「先進国」ですらない〉
〈先進国でも発展途上国でもない、世界唯一の「衰退途上国」とでも言わざるを得ない〉と明言。

こうした元凶が、バブル崩壊後の1997年に実施した消費税の3%から5%への引き上げによって「デフレ不況」に突入したためだと説明した上で、〈未だに「デフレ脱却」を果たせていない〉いまの状態で消費税を10%に引き上げることは〈確実に破壊的ダメージがもたらされる〉と警告を発するのだ。
 その上、2014年の消費増税時は「外需の伸び」という幸運があったが、これは「アメリカ経済の好況」と「安い原油価格」があってのこと。
ご存じの通り、トランプ大統領は目下、安倍首相に自動車の追加関税をちらつかせており、原油価格も上昇。
つまり、〈2019年増税の外需環境は、2014年増税よりも、より深刻な被害をもたらした1997年増税時のそれに類似している〉のである。

 しかも、今回の増税は、安倍首相肝入りの「働き方改革」による〈労働者の所得は8.5兆円縮減される〉という予測や、東京オリンピック投資が縮小に入るというタイミングとぶつかる。
また、「10%」という数字の「キリの良さ」「わかりやすさ」が消費行動にブレーキをかけやすいという心的傾向もあると藤井氏は指摘。
〈日本経済にもたらす破壊的ダメージは極めて深刻なものになるのは「必至」〉であり、それを回避するためにも「凍結」あるいは「減税」こそが求められるというのである。

「消費税でなく法人税を上げるべき」と
  主張する藤井聡・内閣官房参与
 だが、こうは言っても「国の借金は1000兆円もあるのに放置していいのか」「消費税を延期ばかりしていたら国の借金で日本は破綻する」という声が必ずや上がるだろう。
しかし、藤井氏はこれを〈何の根拠もない「杞憂」(無用の心配)であり、ただ単に、経済学者や増税推進派が撒き散らかした「デマ」であり「プロパガンダ」(主義の宣伝)に煽られているに過ぎぬもの〉と断言。
「デマ」である根拠を挙げている。

 そのひとつが、1997年や2014年の増税がそうであったように、デフレ不況下で消費税を増税すれば、〈経済が停滞し、かえって税収が減って、財政が悪化してしまう〉ということ。
国の破綻回避を叫ぶなら、税収が減少する増税を止めたほうがいい、というのである。

 さらに、「国の破綻」という曖昧な言葉自体が詐欺的であり、「日本政府の破綻はありえない」ということ。
たとえばよく引き合いに出されるギリシャだが、ギリシャの場合は「国の借金が増えた」ことで危機に陥ったのではなく、〈経済が低迷し、失業者が増えてしまったことが「原因」で、税収が減り、借りた金が返せなくなり、「政府が破綻」〉した。
ギリシャの借金は「ユーロ」だったが、日本の場合は基本的にすべて円建ての借金であり、円の通貨発行権もある。
自国通貨建ての借金であるために破綻することはあり得ないのだ。
また、ギリシャが破綻危機にあった際は金利が30〜40%だったというが、日本の国債の金利はいま0.1%程度。
だからこそ、市場関係者が「日本政府が破綻する」などと心配している者はいない、というのだ。

 そして、「国が破綻するから消費税」という主張に対し、藤井氏は加えて〈増税する対象として「消費税」を選ぶ必然性など何もない〉といい、消費増税とは反対に税率が下げられてきた法人税を上げるべきだと強調する。
 当然の主張だろう。第二次安倍政権の発足以降、アベノミクスの成長戦略として法人税率はどんどん引き下げられ、法人実
効税率は37%から2016年度には29.97%に減少。消費税増収分は法人税の減収の穴埋めに使われたようなものだからだ。  

実際、藤井氏は過去約30年に遡って現状と比較し、
〈金持ちと大企業がかつて支払っていた税金を10兆円以上減らしてやり、その大半を、貧乏な世帯も含めたすべての庶民が肩代わりしてやるようになった〉
〈消費増税は確実に、庶民の間の「格差」や「不平等」を拡大させた〉と指摘。

法人税のほかにも、“所得税の高額所得者ほど減税の流れの見直し”や、先日、増税見送りが発表された金融所得の税率引き上げ、環境税・混雑税、土地利用是正税なども提案している。

「幼児教育無償化」もインチキ、半分は地方に押し付け  格差が広がるなか、低所得者であるほど負担が重くなる「逆進性」の消費税を増税するのではなく、法人税や所得税の税率を見直し、不公平な税制を正すべきというのは、至極真っ当な考え方だ。
だが、安倍首相はそれを実行しようとはけっしてせず、世界景気の恩恵を受けているだけの結果を「内需主導の成長」などと嘘をつき続けている。

 いや、それだけではない。消費増税の目的として、安倍首相がぶち上げている「幼児教育・保育の無償化」についてもさっそくインチキが発覚した。スタートから半年間は国費で払うものの、無償化に必要な8300億円のうち半分以上となる4370億円は市町村に負担させるというのだ。
 昨年9月に解散表明をしたときの大義名分は「消費税の使い方の見直し」であり、安倍首相は「幼児教育の無償化を一気に進める」と大見得を切った。
だが、これも「半分以上は地方でよろしく」とツケを回そうというのである。
しかも、〈自治体によっては無償化の負担が消費税の増収分を上回る〉(朝日新聞11月8日付)という。

 政府は混乱必至の軽減税率を筆頭に「プレミアム付き商品券」だの「キャッシュレス決済でポイント還元」だのと愚策ばかり打ち出しているが、幼児教育の無償化にしても、待機児童家庭はその恩恵を受けられないという問題がある。
その上、待機児童解消のための地方財源が無償化によって削られる可能性まで出てきたのである。
 幼児教育の無償化を「未来の投資だ」と喧伝するばかり。

一方の国民も、政府に言われるがままで「増税しかたなし」と諦めている。
 上述の「赤旗」で藤井氏は「10%への増税は決まったことだから仕方がないと国民が容認すれば、消費税率は15%、20%へとさらに引き上げられる」とも警告。
そして消費税10%への増税中止もあり得るとの見方を示し、「カギとなるのは国民世論」「この問題に党派は関係ありません」と国民世論の喚起を呼びかけている。

「やはり増税はおかしい」と、いまこそ国民が声をあげなくては、安倍政権によってほんとうに立ち直れないほどわたしたちの暮らしは破壊し尽くされてしまうだろう。
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2018年11月24日

中高年の哀しみただよう サラリーマン川柳傑作選10

中高年の哀しみただよう
サラリーマン川柳傑作選10
2018/11/23 NEWSポストセブン

 毎年数々の名作が誕生する「サラリーマン川柳」。
歴代の優秀作品を眺めていくと、そこには世代間のギャップが表れている。
これぞ、という作品を一挙紹介する。 【括弧内は雅号。寸評はネットニュース編集者の中川淳一郎氏】

●どうなった? 「確認します」はやってません(2015年、受け流し丸)
「確認します」とか「了解しました」とか「承知しました」とか若者はやたらと丁寧なのだが、丁寧な言葉遣いだったらサボりが許される、と考える人への苛立ちが感じられる良い句です。

●気付いてよ 既読スルーも 返事なの(2014年、現代っ子)
 最近のオッサンはなまじっかスマホなんてもんを持ってしまったため、LINEの返事を1時間しないだけで「俺を低く見やがって!」と怒る。
既読スルーにより「メッセージ伝わった」でいいじゃないですか。

●部下の言う 「課長やばい」は 褒め言葉(2015年、無粋上司)
「やばい」が褒め言葉っていうのはもしかしたらオッサンのセンスかもしれませんよ。
2000年代前半に世間を騒がせた「スーパーフリー」の代表の決めゼリフは「アツい、ヤバい、間違いない」で、彼は現在44歳。

●ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?(2016年、なおまる御前)
 いやはや、レッテルを貼られた者同士のいがみ合い。
これは許してあげましょうよ。
バブル入社組は「大量採用時代だったからバカでも入れた」と言われ、ゆとり世代も「お前らは勉強していない」と揶揄される。
いっそのこと仲良くなれば?

●新人は ペンを取らずに 写メを撮る(2016年、実在主婦)
 これもそうですが、ITとか広告系の若者って会議中に皆PC立ち上げてますよね。
別に議事録を書いているというわけではないけど、何やってるのかと見たら仕事のチャットしていました。
優先順位、できてます。

●遅れても はっきり寝坊と 言う新人(2017年、バカまじめ)
 この新人は恐らく「嘘をついても仕方がない」という合理的な考えを持っているのではないでしょうか。
彼を批判する人は、これまでに何人親戚を殺してきたか思い返してください。
もう親ぐらいしか残ってないでしょ?

●オレのボス ヤフーでググれと 無理を言う(2016年、田舎出身自衛官)
「ググれ」もすでに死語のような気もしますが、かつて「コピー取って」を「ゼロックスして」と言ったのと同じようなにおいを感じ、懐かしさ100%です。

●空いている 上座に座る 新社員(2016年、はっぱ2323)
 上座・下座とか、名刺をどちらが先に出すかとか、エレベーターで先に降りるのは誰か? とか正直どうでもいいビジネスマナーがまかり通っているのが日本のビジネス世界です。
最初に来た人間が奥に詰めればいいんですよ。

●休みます LINEの文字は 元気そう(2014年、すっとぼけ)
 オッサンの怒りが込められていますねぇ。
「元気そう」ってお前の主観だろ!(笑)
 元気そうなフォントでも使ってたのかよ。

●暗号と 思って良く見りゃ 課長の字(2016年、怪傑もぐり33世)
 かつて東大の駒場寮に住んでいたこともあり、学生運動の「ゲバ字」的な略し方を今でも私は書くことがあるのですが、その文字を見ると「何ですか、この略字? かっこいいっすね!」と若者からホメられることもあります。

※サラリーマン川柳/第一生命が主催し、毎年募集。
今年で第32回を迎える。
すでに募集は終了し、来年1月下旬に優秀100作品が発表される予定。

■なかがわ・じゅんいちろう
/1973年福岡県生まれ。
ライター、ネットニュース編集者。
著書に『ネットは基本、クソメディア』(角川新書)、
『電通と博報堂は何をしているのか』(星海社新書)などがある。

   ※SAPIO2018年11・12月号
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2018年11月26日

妊婦への医療費加算 自己負担をなくせないか

妊婦への医療費加算 
自己負担をなくせないか
毎日新聞「社説」2018年11月25日 

 妊娠している女性が医療機関の外来を受診すると一般の患者より多く窓口負担をしなければならない。
今年4月から導入された「妊婦加算」という制度のためだ。
 病院で自己負担分を払うときに初めて知った人が多く、「妊婦増税」「妊婦いじめだ」との批判が秋ごろからネットで拡散している。
 厚生労働省は加算の額や趣旨を説明したリーフレットを配布しているが、それで妊婦の理解を得ることができるだろうか。少子化対策に水を差さないためにも、妊婦の負担軽減について検討すべきだ。

 「妊婦加算」は今年の診療報酬の改定で新たに設けられた。
妊娠中の女性が内科や皮膚科、泌尿器科などを受診すると、初診料に750円、再診料に380円が上乗せされる。
自己負担は原則3割のため、窓口で払う金額は初診時に225円、再診時は114円多くなる。
深夜や休日の診療はさらに増額される。

 医薬品の中には胎児の発育に悪い影響を与える物質を含んだものもあり、妊婦の診療には特別な注意が必要だ。
妊婦は尿路感染症を合併する頻度も高く、虫垂炎などの診断が困難な場合もある。
 専門的な技術料として、医師に対する診療報酬に加算を設けることは理解できる。

 ただ、診療報酬を加算すれば、それに伴って患者の自己負担も引き上げられる。
1回の負担は少額でも、妊娠中に継続的に医療機関にかかれば費用はかさむ。

 若い世代の中には経済的に余裕のない人が多い。
妊娠に伴う失職や休職で収入が減る人も少なくない。
 妊婦が病気になると一般の人よりお金がかかるというイメージが広がれば、妊娠をためらう人が増えるとの懸念もある。  

今は国を挙げて少子化対策に取り組んでいるさなかである。
政府は妊婦の自己負担分を除外する何らかの措置を検討すべきではないか。
 診療報酬について決める厚労省の中央社会保険医療協議会(中医協)は医師、保険組合、学識経験者、医薬品企業などのメンバーで占められており、患者側の委員は少ない。
 患者の立場に配慮した診療報酬の決め方や、広報のあり方についても工夫が必要だ。
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2018年11月27日

予防に役立つ。風邪をひきやすくなる行動パターン10

予防に役立つ。
風邪をひきやすくなる
行動パターン10
2018年11月25日 ライフハッカー[日本版]

冬になるとずっと風邪をひいているような気がする? あなただけではありません。
もちろん、ほかの人より風邪をひきやすい体質なのかもしれませんが、具合が悪くなる(そして、ほかの人に細菌をうつす)確率が上がるような行動(実はたくさんあります)を取っている可能性もあります。

「風邪はとってもうつりやすいのです。
風邪のウイルス(「ライノウイルス」が多い)は、接触と空気の両方を介して拡散しますから、ただ呼吸しているだけで、誰かのクシャミからうつる恐れも」と、ニューヨーク市マウント・サイナイ病院の耳鼻咽喉科医、ベンジャミン・トゥイールさん。

風邪は感染症。
細菌がとんでもなく広がります
そして典型的な症状がはじまります…鼻づまり、喉の痛み、身体の痛み、頭痛、クシャミ、軽い発熱(別のタイプの呼吸器系疾患、インフルエンザでも同じような症状が出ますが、その場合はもっと激しくて頻繁になります)。
電車のなかで誰かのクシャミから細菌をもらってしまうのはどうしようもないかもしれませんが、風邪をひきやすくする状況や行動のなかには、気をつければ避けられるものもあります。

10パターンの行動や状況を見てみましょう。

1. きちんと手を洗っていない
風邪を予防するには、普通の石けんと水、またはたいていどこでも売っているアルコール手指消毒ジェルで、手をよく洗うことです」と、アメリカの大手医療保険機関、カイザー・パーマネンテの伝染病専門家で医師のスティーブ・パロディさん。

アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、手洗いにかける時間は少なくとも20秒間(『ハッピー・バースデー』の歌を頭のなかで2回繰り返すと、およそこの時間だそう)。
手を洗うのが本当に必要かどうかわからない状況であれば、洗うに越したことはありません。

CDCによると、次のような場合は必ず洗うべきです。
食べ物を調理する前、調理中、調理後食べ物を食べる前  病気の人を世話する前と、世話した後  切り傷や傷口を処置する前と、処置した後トイレを使った後オムツを替えた後、またはトイレを使った子供の後始末をした後鼻をかんだ後、              咳/クシャミをした後動物、動物の餌、動物の排泄物に触った後ペットフードやペット用おやつを扱った後ゴミに触った後

2. どうしても顔に触ってしまう
細菌のついた手で顔に触ってしまっては、病気になるリスクを大きく上げる結果に。
風邪のウイルスは、目、鼻、口から身体に入るからです。
触らないこと──その方が、肌にもよいですしね。

3. 睡眠が足りない
十分に眠っていないと、身体の免疫システムが風邪のウイルスを撃退できません。
事実、睡眠時間に違いがある11組の双子の成人(双子なので遺伝子などほかの条件は同じ)を対象とした2017年の研究によると、睡眠が少ない方の人で本当に免疫力の低下が見られたそう。
「たっぷり眠って休み、健康的な食事をとれば、風邪のウイルスが身体に入っても、感染に抵抗する免疫力が上がります」と、パロディさん。
成人は夜に少なくとも7時間の睡眠が必要。

4. 水分が足りない
風邪の予防でも治療でも、トゥイールさんが強調するのは水分補給の重要性。
水分を余計に取ると風邪が治りやすくなると証明している研究はそれほど多くありませんが、水分が足りないと免疫システムが弱くなるので、風邪もひきやすくなります。
ちゃんと水分を取っていれば(男性は1日に水およそ15.5杯、女性は11.5杯)、身体のはたらきをベストに保つために有効。

5. アレルギーの基礎疾患がある
アレルギーで鼻が詰まっていると、軽い風邪でも耐え難く感じてしまいます。
「例えば、埃アレルギーであれば、鼻が詰まっていることが多いでしょうから、ちょっとした風邪でも、ずっと嫌な感じになるでしょう」と、トゥイールさん。
風邪がなかなかよくならないようであれば(一般的には7〜10日で治ります)、耳鼻咽喉科の医師やアレルギー専門医などの専門家に診てもらって、症状の原因を調べるようトゥイールさんはすすめています。

6. ワクチン接種していない
インフルエンザの予防注射をしましょう!
「インフルエンザワクチンの接種は、“重大な冬の感染症”の拡散を防ぐうえで効果的です」と、パロディさん。
その年に優勢なインフルエンザウイルスのタイプによって効果はさまざまですが、全般的に、ワクチンはインフルエンザの予防に65%の効果があります。
そして、ワクチンを接種しておけば、インフルエンザになっても症状がそれほどひどくなりません。

7. 常に細菌に接するような
                  仕事をしている
子どもはたいてい、鼻をグズグズさせていても、咳をするときに口を覆ったり、よく手を洗ったりはしないもの。
そんな子どもたちに囲まれていたら、きっと具合が悪くなるでしょう。
「教師は何度も風邪をひきます。
仕事の環境のせいで、風邪のリスクが高くなるケースです」(トゥイールさん)。
託児所やオフィス(キーボードは細菌だらけ)で働いている人、あるいは仕事で出張が多い人も、具合が悪くなる確率がアップ。
もちろん、だからといって仕事を替えるわけにもいきませんから、せめて特に入念に手を洗いましょう。
アルコールベースの手指除菌薬も、緊急の場合には手を清潔にする役に立ちます。

8. 人とくっつきあっている
仕事のときであれ、ほかのときであれ、インフルエンザシーズンの冬場は、ほかの人と接近して過ごす時間が長くなります。 「冬は室内で過ごす時間が長くなりがちで、咳やクシャミを介して細菌を共有することに」と、ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルスの耳鼻咽喉科医、エリック・ボイトさん。
対抗するには、睡眠と適切な水分補給がベストだそう。

9. 運動をサボっている
ボイトさんは、毎日運動することの重要性も強調。
定期的に中くらいの強さの運動をしていると(毎日歩くだけでも)、免疫力がアップしそうなのです。
医学誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・メディシン』誌で報告された研究では、体重が多すぎる閉経後の女性を、週に5日中くらいの運動を45分行うグループと、週に1回簡単なストレッチを45分行うグループに分けて、1年間にわたり風邪のひきやすさを比較しました。
その結果、中くらいの運動グループの方が、1年の間に風邪をひく回数が少なく、研究の終わりころには、ストレッチのグループが風邪をひくリスクは3倍も高くなったそう。
どうしてか?
この研究では、運動すると、唾液中の免疫グロブリンA(IgA:免疫機能がちゃんとはたらくために重要な、粘膜内の抗体)が増加するためではないかと考えられています。

10. 免疫力が下がっている
「免疫系の病気や、免疫系を標的にするタイプのがん(リンパ腫や白血病のような)、あるいは免疫系を抑制する薬(化学療法を受けている場合など)のせいで、免疫力が下がっている人は、風邪などの感染症にかかりやすくなっています」(パロティさん)
ボイトさんによると、免疫力低下の程度はごくわずかから重度までさまざま。
血液中のIgAが少ない場合も免疫力が弱まり、呼吸器の感染症にかかりやすくなるそう。

もちろん、免疫力や風邪に対する抵抗力の強さには年齢も影響。
「幼児とお年寄りは免疫力が弱いため、重い感染症になるリスクがずっと高くなります」(ボイトさん)。

風邪の予防法
頻繁に手を洗い、なるべく顔に近づけないほかにも、風邪を予防するためにできることがあります。
電話とキーボードを除菌シートで拭く、リラックスする時間をとり、よく眠る、そしてビタミンD(鮭、卵、栄養強化ミルクなど)、亜鉛(牛肉、栄養強化シリアルなど)、プロパイオティクス(コンブチャとか)が豊富な食品を取るようにすれば、風邪とインフルエンザのシーズンにも驚くほど効果があるでしょう。

Source: Anisa Arsenault/171410 Reasons You Always Seem to Catch a Cold マイロハスより転載(2018.08.29)
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2018年11月28日

自律神経を乱す、「考え方の悪いクセ」の正体

自律神経を乱す、
「考え方の悪いクセ」の正体
失敗の「拡大解釈」をしていませんか
2018/10/06 東洋経済

原田 賢 : 「自律神経専門」整体師
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「なんだか眠れない……」「なんとなく胃の調子が悪い……」「なぜか胸が苦しい……」こういった不調は、自律神経乱れが原因かもしれません。
自律神経の乱れは、長引くとうつ病をはじめとするさまざまな疾患を引き起こすおそれがあります。
本稿では、『忙しいビジネスパーソンのための自律神経整え方BOOK』から抜粋し、自律神経を整える「考え方」の習慣を紹介します。
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ストレスを感じたときは、
        脳を意識的に切り替える
自律神経失調の症状がある方の多くは、そもそもストレスを抱えていて、悩みが頭の中でグルグルと回っています。
あなたも、ふと気がつくとストレスになっている仕事や人間関係などで頭がいっぱい――そんな経験はありませんか?

どうせなら、楽しいこと、好きなこと、リラックスできることを思い浮かべる癖をつけましょう。
ストレスになることが頭に思い浮かんできたら「よくないことを思い浮かべているな」と思い、楽しいこと、好きなこと、リラックスできることを頭に思い浮かべてください。

普段からでも、楽しいことや好きなこと、リラックスできることを思い浮かべていいのです。
こう言うと、皆さんはそんなにすぐに楽しいことなんて考えられないし、考えたって楽しくなんてならない、と思うかもしれませんが、このエクササイズは無理矢理考えても大丈夫です。

これにはしっかりとした理由があるのです。
というのも、脳は見ているものを自分の実体験だと勘違いする性質があるからです。
自分の頭の中で、楽しい情景や、リラックスできることをなるべく鮮明に思い浮かべると、しだいに自分が今、実際にやっているのだと勘違いしてくれます。
楽しいこと、好きなこと、リラックスできることというのは、副交感神経を働かせてくれる状況なので、考え方を変えるだけで、体をリラックスする状況に切り替えることができるのです。

認知の歪みから考える、
ストレスから抜け出す思考法
「認知の歪み」という言葉をご存じですか?
これは、ストレスを溜めやすい方が陥りがちな考え方のパターンを表しているもので、アメリカの精神科医デビッド・D・バーンズ博士が提唱している新しい認知療法です。
これをビジネスパーソンでストレスを溜めやすい方の考え方のパターンに当てはめると、2つに分けられます。

1つ目は、完璧主義の考え方で、100点を取らないと気が済まない、「〜しなければならない、といった思考」がその典型です。
2つ目は、ネガティブな考え方で、小さな失敗を大きなミスだと思う、これで全てが台無しだと考える、悪いことばかりに視点を向けてしまう、根拠もないのに未来はきっと悪くなると考えるなどがその典型です。

ビジネスの現場でこのような考え方をしていると、同じことが起きていても、ほかの人はストレスに感じていないのに、自分はストレスに感じてしまうということになりやすいのです。
すると、何をやってもストレスになって、いつも交感神経を活発に働かせてしまう状況をつくりだしてしまうのです。
ビジネスの現場に合わせた「脳の切り替え方」 では、実際にビジネスの現場に合わせた「脳の切り替え方」を見ていきましょう。

@ 完璧主義をやめてみる
物事を白か黒か、ゼロか100かという視点でしか見ることができず、白黒つけなければ納得できないという思考パターンです。
ビジネスの現場の例では、任された仕事は何としてでも高い評価を取らないといけないと考え、「ミスをすることは許されない」と、過度に自分を追い込んでしまう、というものです。
また、上司があいまいだったり間違った指示をしてくると怒りが込み上げてきたり、好きか嫌いかだけで分けてしまう……なども当てはまります。
対処法としては、あいまいさを許容する気持ちを持つことです。
世の中のほとんどは、あいまいなことなので、許して受けいれるということができれば、このストレスの負担を大きく減らすことができます。
人の意見が変わったり、間違ったことをしたりしたとしても同じ人間なんだから当たり前と考えたり、無理して100点取るよりも、無理をしないで90点取れればいいという考え方に切り替えましょう。

A よくない出来事が
     起こり続けると考えない
一度よくない出来事があったら、いつもよくないことばかりだと思ってしまったり、たった1人に嫌われただけなのに、みんな私のことが嫌いなのだと思ってしまうような思考パターンがあります。
ビジネスの現場の例では、1週間のうちで6日間は、うまく仕事ができていたのに、1日でも失敗があると「いつも自分は失敗ばかりだ。出世することもできない」と思ってしまうなど、悪い状況を一般的なものだと考えてしまうような状態です。

全体を客観的に考える 対処法としては、
全体を客観的に考えることです。
先ほどの失敗例でいえば、1週間を7日と考えて、7分の6はうまくいっている。
失敗したのは7分の1だから、たった1日うまくいかなかっただけだと思うようにするのです。
たった1度の最下位なんてどうでもいい 一度起きたよくない出来事を、たまたま起きただけだ、いつもではない、と考えて冷静に見ることができれば、この思考パターンによるストレスを減らすことができます。

B 悪いことだけを見ない
全体の中の1つのよくないことだけに目が向いて、よいことが見えなくなり、悪いことばかりが見えてしまうという状態に陥ることがあります。
たとえば仕事をしているとき、長らく営業でよい成績を取っていたのに、一度だけ最下位の営業成績になったとします。
このとき、最下位になったことばかりが気になって、このままクビになるのではないかと思ってしまう、というような状況です。
これは、最下位になったショックがあまりに大きく、仕事全体に対して不安感を抱いてしまっているのです。
対処法としては、よいことに目が向いていない状態なので、視点を悪いことからよいことに切り替える必要があります。
たった1度の最下位なんてどうでもよく、ずっとよい成績を残し続けていることのほうがすごいことなのです。

C マイナスにとらえすぎない
マイナス化思考とは、プラスの経験を「マイナス化」してしまったり、よいことを悪いことにすり替えてしまったりする考え方のことです。
せっかく成功したことを、「どうせ、まぐれだ」と考えがちなあなたは要注意。
うまくいったことを、偶然だとか、たまたまだというふうにとらえていると、成功したことを素直に喜べなくなり、よかったとかうれしいとか思うことがなくなってしまいます。
つまり、成功体験そのものを感じられなくなってしまうのです。
そうすると、何をやってもうまくいかないとか、うまくいっていることもうまくいっていないと勘違いしてしまうことが起きるのです。
このようにマイナス化してとらえていたら、何をやっても楽しくなく、やる気も起きなくなってしまいます。
仕事でうまくいった、成功したということがあれば、成功を成功として素直にとらえることが必要です。
また、まぐれではなく、努力の結果なのだと、客観的にとらえることが必要となります。
できたことは、素直に喜ぶようにする習慣をつけていきましょう。

D 根拠のない結論を出さない
根拠もないのに、悪い結論を勝手に予測する考え方をやめましょう。

1つ目は、人に対しての考え方で、「心の読みすぎ」というものがあります
本当のことは本人から聞かなければわからないのに、他人の行動を勝手に決めつけてしまう……という思考パターンです。 →

根拠がないのなら、よい結論を出すことも自由
他人が黙っているのを見て、怒っているのだろうと決めつけたり、そっけない態度をされたら嫌われていると思い込んだりなど、他人の顔色を気にしすぎてしまう方が、このタイプに当てはまります。

2つ目は、物事に対しての考え方で、「先読みの誤り」というものがあります
結論を悪く決めつけてしまう思考パターンです。
「私はこのまま出世することができない」「私は一生、平社員のままだ」など、と、先を悪いほうに読んで考えています。

2つのケースとも、根拠のない結論を出さないことが必要です。
根拠がないのなら、よい結論を出すことも自由です。
勝手に悪い結論に決めつけて悩み苦しむよりも、よい結論に決めつけて明るく希望を持って行動しよう、と考えてみましょう。

成功は成功、失敗は失敗

E 拡大解釈や過小評価をしない
失敗や悪いことを大きく考え、成功やよいことを小さく考えるという思考パターンがあります。
こういった思考に陥ると、小さなミスが大失敗に感じられ、社会人として最低だ、この会社を辞めたほうがいいと、自分で勝手にことを大きくしてしまいます。
小さなミスは、小さなミスであり、台なしではないと考えましょう。
失敗は成功のもとという言葉があるとおり、小さなミスは、大きな成功のもとかもしれません。
ミスは行動した結果です。
どんどんチャレンジして、ミスをたくさんしたほうが、後でいろいろなことに気配りができ、大成功することができるかもしれません。
私もうつ病を克服した方法を基にこの整体院を開業し、皆さんのお役に立つことができています。
成功は成功。失敗は失敗。いいことはいいこと。悪いことは悪いこと、という客観的な視点を持つことが必要です。

F 感情的に物事を決めつけない
自分の感情が現実であると思い込んでしまうという思考パターンがあります。
自分が不安を感じている → だから失敗する
自分の気分が落ち込んでいる → だからこのままやらないほうがいい など、
自分の感情によって世の中の正しさを決めたりしていませんか?

時間があまりとれなかったために不安に陥り、仕事はすべて失敗だと考えてしまったりなど、心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
やみくもに時間を費やしたからといって、必ずうまくいくとは限りません。
少なくても正確に準備ができたほうがうまくいくこともありますし、それ以外の堂々とした受け答えなどによる要因でうまくいくことだってあります。
気分や感情は、一過性のことが多く、いつまでも続くわけではないですし、次の瞬間には楽しくなるかもしれません。
この状況の対策としては、気分をよくしたり、いいことを探したりすることがいちばんです。

とにかく楽しいことを
頭に思い浮かべるようにする
帰りにおいしいものを食べて帰ろうとか、次の休みに旅行に行くことを思い浮かべるなど、とにかく楽しいことを頭に思い浮かべるようにしましょう。

G 「すべき」思考をやめる
「〜すべき」「〜すべきでない」「〜しなければならない」と、つい考えていませんか?
期限があるものではないのに、いつまでにやらなければならないと思い込み、結果的に自分自身を追い込んで、プレッシャーを感じた経験はありませんか?
この思考パターンの厄介なところは、自分だけでなく、他人に対しても同様に当たってしまうことにあります。 
たとえば他人を見て、もっと頑張るべきだとか、自分より早く帰るべきではないと考えてしまったことはありませんか?
  人はそれぞれ持っている常識が違います。
もしかしたら相手から見ると、自分のほうが間違っているのかもしれません。
こんな状況には「上下に目線をずらす」という考え方が有効です。

まずは、「上」の目線
たとえば自分が「すべきだ」と考えていることに対して的外れなことを言ってきたら、悪い言い方ですが、少し斜に構えて上から目線になってみましょう。
小さな子どもに接するように、まともにぶつからず、よしよしかわいそうな人だと上から目線で見れば、他人を許せる余裕が生まれます。

また、逆に相手の言うことは絶対だ、どんなことでも「はい」と言おうと、「下」から目線でいるのも有効です。
どちらもアプローチは違いますが、自分の「すべき」という思考パターンから無理やり離れることができます。

うまくいかなくても、次はうまくいくこともある

H レッテル貼りをやめる
うまくいかなかったときや、失敗をしてしまったときに、ネガティブなレッテルを貼ってしまうことはありませんか?
うまくいかなくても、次はうまくいくこともある。
努力をすれば状況は変わると考え、決めつけをできるかぎり排除していきましょう。

I 何もかもを自分に関連づけない
悪いことが起こったときに、自分に責任がない場合でも、自分のせいにしてしまう思考パターンがあります。
ほかの人が仕事で失敗しているのを見て、自分が助けてあげられなかったから失敗してしまったんだというように、他人の失敗を自分のせいにしてしまうことがありますが、他人がやってしまったことに責任を感じすぎてはいけません。
他人に100%の影響を与えることはできないのですから、助けなかったから失敗をしたと決めつけてしまうのは飛躍した論理なのです。
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2018年11月29日

「疲れ」がいつまでも取れない人の根本原因

「疲れ」がいつまでも
取れない人の根本原因
重要なことは「疲れ」からの急速な回復だ
2018/11/28 東洋経済オンライン

竹下 雄真 : デポルターレクラブ代表

重要なことは「疲れない」ことではなく「疲れからの急速な回復」だ――。
疲労の仕組みやリカバリー(回復)方法について、多くのスポーツ選手や経営者の肉体改造に携わるデポルターレクラブ代表の竹下雄真氏の著書『ビジネスアスリートが実践する 最強のリカバリー術』(監修:本間龍介医師)を基に、生活習慣を改善させる3ステップを紹介します。
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いったい、なぜ、現代人の疲労は取りにくいのか。
これを考える前に、疲労についてまずはしっかり定義する必要がある。

疲労とは、風邪や頭痛などと同じように、現代人にとっては当たり前すぎて、取り立てて気にしていないという人も多いが、実は、とても奥が深い。

そもそも疲労にはいくつかの種類がある。
大きく分ければ、「肉体的」「精神的」「神経的」な疲労だ。

1 肉体的な疲労
筋肉を動かすためのエネルギーが不足し、だるさや筋肉の張りなどが起こっている状態のこと。
日頃から運動不足だったり、デスクワークで同じ姿勢を長時間とり続けていたりすることによって起こる。
反対に、過度の運動や重労働を続けたことにより、筋肉が疲労していることもある。

2 精神的な疲労
ストレスを原因として心が疲弊している状態のこと。
人間関係のトラブルや家庭の不和、仕事での緊張やプレッシャーなどが引き金となっていることが多い。
不眠、食欲不振、イライラ、憂うつなどを伴うことが多く、”うつ状態”に似ている。

3 神経的な疲労
長時間デスクワークをしたり、細かい作業をしたりすることによって、目や脳の神経が過度に緊張した状態が続くことによって起こる。
集中力が低下したり、物覚えが悪くなったりするほか、不眠や眼精疲労の原因にもなる。

現代では疲労の質が変わっている
特に近年増えているのは、神経的な疲労である。
仕事でもプライベートでも、スマホを長時間使用し続けることにより、脳や視神経が過緊張の状態になっているのだ。

これら3つの疲労は単独で表れるのではなく、複合的に発生している。
終日、パソコンに向かって作業をしていれば、神経的な疲労にもなるし、運動不足により肉体的な疲労も起こる。
社内で人間関係のストレスに悩むことがあれば、精神的な疲労も加わるだろう。

少し前の日本では、肉体的な疲労が圧倒的に多かった。
だからこそ、「寝れば疲れが取れる」「精のつくものを食べれば元気になる」という程度で、疲労はとらえられていたのだ。

現在は、インターネットやスマホが広く普及しており、現代人は絶えず過密な情報にさらされることになった。
加えて、多くの企業ではリストラが加速し、成果主義の浸透や終身雇用制度の崩壊など、労働環境も大きく変化した。
環境が変われば、それにさらされる人間の肉体も精神も変化するのは当然だ。
つまり、社会環境の変化が、人間の疲労の質までも変えたのである。

「疲労」と「疲労感」の違い
「疲れ」と向き合ううえで大事なのは、まず、「疲労」と「疲労感」は違うと理解することだ。
難しいのは、本人がどれだけ疲れているのか、客観的に測定する”ものさし”が用意されていないということである。
現在では脳機能や血液の検査を行い、生化学的な評価を下すことによって、ある程度、信頼性の高い疲労度を測定できるようになったが、それでもまだ、本人が「どれだけ疲労を感じているか」というのは、あくまでも個人的な感覚であり、検査データと乖離することも少なくない。

つまり、「疲労」とは「物理的な体の疲れ」であり、「疲労感」とは「本人が疲れたと感じる度合い」のことであり、この2つが完全に一致していないということに、疲労を解決する難しさがあるのだ。

これはアスリートのみならず、すべての人に共通する。
たとえば、ものすごく過酷でプレッシャーのかかる仕事をしているときでも、周囲から高く評価され、やりがいを感じているなら、それほど「疲れた」という感覚を持たないだろう。

だがその一方で、単調で面白くない作業を延々と強いられたり、退屈な会議に出席したりするときには、たちまち疲れを感じるはずだ。
このように、「疲労感」という感覚は非常に主観的なものであり、本人の意欲ややる気に大きく影響を受けるのである。

良いリカバリーの条件とは?
しつこい疲れを取るために、ぜひ実践したいリカバリー法を紹介したい。
まず、「良いリカバリー」とはいったいどんなものか、定義してみよう。
「リカバリー」とは直訳すれば「回復する」「取り戻す」という意味だ。
ということは、「今は一時的に失ってしまったけれど、以前は元気だったことがある」ということが前提になってくる。
ここ数年、慢性的に体調が悪く、「元気に満ちあふれていたときのことを思い出せない」という場合は、残念ながらリカバリーとはいわない。
その場合は、病気を治癒することが必要になるだろう。

人間はそもそも生物学的に、30歳以降になると加齢により体力が衰えるのは当然だ。
どんな一流アスリートでも、年齢の壁を越えることは難しい。
なかには頑張って現役生活を続ける選手もいるが、それでもかつての黄金時代に比べればスタミナは落ち、反射神経も衰え、「昔とは何かが違う」という違和感を覚えることはやむをえない。

だが、生活の中で上手にリカバリーの習慣を取り入れると、若かった頃の全盛期とまではいかなくても、ある程度は体力や気力を復元することができる。
疲労してもきちんと疲労回復物質を出すことができれば、疲労する以前よりも心身のパフォーマンスは向上する。
つまり、「良いリカバリー」とは、「疲労」と「回復」をスムーズに繰り返すことであり、日頃から疲労回復能力をできるだけ上げておくことが、「良いリカバリー」には欠かせないのである。

リカバリーを考える上で重要な点
リカバリーを考えるうえで大事なのは、疲れをためないということだ。
「疲れ」という負の財産は、ためればためるほど雪だるま式に膨らんで、解消するのが難しくなる。
疲労はできるだけ翌日に残さず、「一晩眠ったらスッキリしている」というのが理想だ。
また、自分なりのルールを見つけておくことも、とても大切。

たとえば、「起きたら必ず、常温の水を1杯飲む」とか、「夜、寝る前にストレッチを15分間行う」など、なんでもいい。
そういう小さなルールをあらかじめ決めておくと、万が一、不規則な生活が続いて体調が悪くなったとしても、そのルールを再開することで自分のペースを取り戻すことができるはずだ。

「脳をだます」ことも必要になる
それからもうひとつ、リカバリーをうまく行うためには、ときには「脳をだます」ということも必要になる。
人間の体の中で、唯一、自分でだますことができる器官は脳である。
風邪をひいて、ぐったりしているときでも、「自分は元気だ」と何度も繰り返し自分に語りかけることで、いつのまにか、具合の悪さを忘れてしまうことがある。
もちろん、風邪が治ったわけではない。
脳に「元気だ」と思い込ませ、具合の悪さを隠してしまうのである。

「脳をだます」ということを応用して、「自分は体調を回復した」「元気を取り戻した」と、自分に何度も語りかけることも、リカバリーには大事だ。
もちろん、体調が絶不調だったり、明らかに病気だったりするときには、脳をだましてもまったく意味がない。
むしろ、体調を悪化させてますますリカバリーをしづらくしてしまうだろうから、その場合は考え直したほうがいい。

だが、人間とはそもそも思い込みの激しい動物であり、「なんだか体調が悪い気がする」と思えば本当に体調が悪くなることもある。実際、アスリートも試合の前には、自分自身に「俺は勝つ」「チャンスで打つ」など、鏡に向かって言い聞かせている人も、とても多い。
「勝ちたい」という希望ではなく、「勝つ」と、現在形で脳に言い聞かせることがポイントだ。
繰り返した作業は、いっそう深く脳に刻まれていく。

常々、「ありがとう」「おかげさまで」という言葉が口癖になっている人は、いつも感謝の気持ちで心が満たされているだろうし、そういう穏やかなマインドはどんなときでも冷静な心を保ち、気力を充実させるのに役立つ。

脳をどんな状態でキープしたら、
いつも最適なパフォーマンスを
発揮することができるのか。
そのためには、自分にどんな声がけをしたらいいのか。
自己流にマインドを最適化する方法について、改めて考えてみるのもいいと思う。

リカバリーには心構えが必要
リカバリーとは、一朝一夕にできるものではない。
疲れのたまらない体を手に入れるため、これからリカバリーを生活習慣に取り入れようとするなら、最低でも1カ月くらいは意識して、誤った生活習慣を見直し、正しい習慣を身に付けようという心構えが必要になる。
だが、意識づけが必要なのは最初だけで、習慣としてなじんでしまえば、あとはそれほど意識しなくても日常的に行えるようになるはずだ。

3ステップのリカバリー法
僕が考えるリカバリー法は、3ステップで進める。

まずは、「悪いものを入れない」という第1ステップ。
たとえば、目の前に汚れた池があるとする。そこには絶えず排水や汚水が流れ込んでいて、どんどん汚くなっていく。 この池の水をきれいにするにはどうしたら良いか?
 まずは、排水や汚水が流れ込むルートを遮断することが必要だ。
どれだけきれいで新鮮な水を池に注ぎ込んでも、絶えず汚い水が流れ込んでくる状態では、いつまで経っても、池の水はきれいにならない。
そのため、まずは「悪いものを入れない=上流を断つ」ことが、リカバリーのファーストステップになる。

次に行うのは、「体から毒を出す」ということ。すなわち、解毒である
先ほどの池の例で考えてみれば、排水や汚水がこれ以上流れ込んでこない状況になったら、次は、水面に浮いたゴミを取り除いたり、底にたまった泥を捨てたり、といった作業を行うだろう。

体もこれと同じで、老廃物や未消化の食べものなどが体内に蓄積している状態では、どれだけ体に良い栄養素やサプリメントを摂取したとしても意味がなくなってしまう。
特に現代人は、さまざまな毒性物質にさらされている。

農薬、ダイオキシン、内分泌攪乱物質(環境ホルモン)などの人工的な毒もあれば、カビやウイルスなどの微生物のリスクもある。
また、食べものに含まれる添加物も体にさまざまな悪影響をもたらすことがある。
こうした毒素を体外へ排出することは、内臓機能を正常化し、代謝をスムーズにして、疲労がたまらない体を作るベースとなる。
近年はデトックスブームでもあるので、解毒の大切さや必要性は容易に想像できるだろう。

3つ目のステップは、「体に良いものを入れる」ということ。
これがリカバリーの最終段階で、悪いものを断ち、体から毒素を出して、初めて体に良いものを入れるのである。
よく、「疲れが取れない」といって、慌てて強力な栄養ドリンクに頼る人がいる。
だが、これはまったくの対症療法でしかなく、「疲れを感じている体」を改善するために、本質的な努力を何もしていない。

リカバリーを実践して、体の回復力が上がってくると、自然と毎日エネルギッシュに過ごせるようになり、大げさではなく、世界が違って見えるはずだ。
そのためにも最低1カ月間意識して、生活習慣の見直しに取り組んでほしい。
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2018年11月30日

トップ営業マンが接客や雑談で「絶対に言わない一言」とは何か

トップ営業マンが接客や雑談で
「絶対に言わない一言」とは何か
2018/11/29 ダイヤモンドオンライン(菊原智明 )

ちょっとした一言や相づちが、その場の雰囲気を一気に悪くしてしまうことがある。
トップ営業マンと呼ばれる人々は、場を盛り上げることを第一に考え、そうした一言を言わない人たちである。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明
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場の雰囲気を
盛り上げる人と悪くする人の違い
 あなたの周りに《この人がいるとなぜか盛り上がる》といった人がいないだろうか?
井戸端会議でも飲み会でも、とくに目立って話をしているわけではないが、どういうワケだかその人の周りだけ会話が弾んでいく。
 こういった人がいるとどんな会でも楽しくなる。

 逆に《この人がいると雰囲気が悪くなる》という人もいる。
 たとえ盛り上がった場であっても、その人が何か発言するたびにシラケていく。
静かにしてもらいたい時には便利だが、このような「火消し役」のような人もいるのだ。

 では、その違いは何だろうか?
 いくつかの具体例をあげて説明しよう。
 仕事仲間と話をしていた時のことだ。

Aさんが食事法について面白い話をしていた。
いろいろ混ぜて食べるより同系(炭水化物なら炭水化物だけ、タンパク質ならタンパク質だけ食べる)の食物を食べたほうが内臓に負担がかからず、エネルギーになりやすいという。
 みんなで「それは知らなかった!」などと言って盛り上がっていた。
盛り上がりピークに達したころ、Bさんが「そういう理論って、よくあるよね」とボソッと言った。
 その瞬間、一気にシラケた。
 Bさんは悪い人ではないが、場の空気を読まない人である。
あえて火消しをやっているのなら、見事と言うほかない。
 いずれにせよ、こういった一言を言う人はだんだんと敬遠される。
実際、Bさんはどの会でも見かけなくなった。
 悪気はないが、つまらない一言を言ってしまう。
こういった人があなたのまわりにもいないだろうか?

トップ営業マンは相づちにも気をつける
 もし、盛り上がっている席で、“一言口を挟んだとたん静まり返った”という経験があるのなら、今後は注意しなくてはならない。
 では、次は手前みそで恐縮だが、好例となったケースを紹介する。

 私がハウスメーカーの営業マン時代、2世帯住宅を検討しているお客様を接客していた時のことだ。
 ひょんなことから“嫁姑の問題”に発展し、お客様が話しながらどんどんエキサイトしてきた。
 そこで私は「そういったお客様もたくさんいらっしゃいますから」と相づちを打った。
その一言でお客様は「うちだけじゃないのですね」と心から安心してくれた。

 私はしばしばお客様との商談時に共感を得るために「そういうのはよくありますよ」という相づちを打つことが多かった。  つまり、偶然だったのだが、ここでの火消し役的なトークは効果的だった。
 要するに、相手が同調してほしい時の共感トークはいい。だが、盛り上がっている時には向いていない、ということだ。

《とっておきの話だ!》と思っている相手に「よくある話だ」などと言ってはならないのだ。
 結果を出している営業マンは、決してそんな相づちは打たない。
 たとえ聞き飽きている話でも「なるほど、面白いですね!」と受け答えする。
 トップ営業マンは普段の会話から《どう相づちを打てば相手が気持ちよくなるか?》と考え、練習しているのだ。

盛り上がっている中「正論」を言って
シラケさせる人
 盛り上がっている中、シラケる一言を言う人もイヤだが、正論を言ってしまう人もまた敬遠される。

以前、友人たちと子どもの話になったことがある。
 友人Cは息子について「この前、県大会に出てね。そこで優勝だったんだ」と話していた。
 県大会優勝は大したもの。
仲間で「すごいじゃないか!」と盛り上がっていた。

 そんな時のこと、友人Dが「県大会で勝ったとしても、しょせん群馬のレベルだろう。全国に出れば並み以下だよ」と言い出した。
 その瞬間、一気に話が盛り下がったのは言うまでもない。
 確かに友人Dの言う通りではある。
 群馬県内だけでは競技人口も少なく、その競技でトップになるためには全国大会で結果を出す必要がある。
 しかし、今、それを言うべきだろうか?
“友人Cの息子の将来を思ってあえて言った”というのだとしても、いただけない。

 嫉妬なのか?自分が主役にならないと気が済まないのか?
とにかく、周りにいる人たちが本当にイラッとする一言だったのだ。

トップ営業マンは
シラケる一言」を決して言わない
 トップ営業マンはプライベートのささいな話題だとしても“シラケる一言”を決して言ったりはしない。
 どんな話題だとしても、《どう言えば盛り上がるのか?》と考えて発言している。
この差が人間的魅力につながり、そして営業の成績の差になって表れる。

 人といい関係を構築するためには、周りの人とコミュニケーションの時間を取る必要がある。
雑談にも積極的に参加するほうがいい。
 しかし、せっかく仕事の手をとめ、時間をかけたのにもかかわらず、かえって職場の雰囲気を悪くするなど逆効果になったのでは意味がない。
「人付き合いには自信がある」と言っている人こそ、注意が必要だ。
 やはり、相手の立場になって受け答えすることが大切になってくる。あなたが会話の輪に入った時、一気に盛り上がるようになれば、営業成績は間違いなく上がっていくだろう。
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2018年12月03日

重病サインを見逃す医師の無知と患者の過信

病サインを見逃す
医師の無知と患者の過信
2018/11/25 東洋経済ONLINE

北原 雅樹 : ペインクリニック専門医、麻酔科医

長引く体の痛み(慢性痛)の特徴の1つとして、医療機関を受診したくなるような強い痛みを患者さんが感じているにもかかわらず、痛みの原因となるような異常が見つからず、なぜ痛いのかがよくわからない、ということがある。

慢性痛は直ちに命が危険になるような病気ではないのだが、毎年500人以上の患者さんを診ていると、すでに何らかの病気にかかってしまったことで、慢性痛とは別の原因で痛みが生じているケースに遭遇する。
そのようなときには、もっと前に見つけられていれば……と忸怩(じくじ)たる想いにとらわれる。

痛みの原因がよくわからない
「やっと先生にお会いすることができました。
この半年間は特に痛くて痛くて……。
なかなか予約が取れなかったんですよね〜」
部屋に入ってイスに腰掛けるなり、患者さんは期待感を弾んだ声にこめて話しだした。
軽く日焼けしているような、やや褐色の肌をした60代前半の女性である。
身長160センチはあるだろうが少し痩せ気味だ。
言動は活発だが、どことなくやつれているように感じられた。

長くお待たせしたことをお詫びした後、いつもどおり、「何がいちばんお困りですか」と質問を始めた。
「仕事の関係から、パソコンの前に座って作業していることが多く、ずっと前から背中の中ほどが凝って痛かったんです。
それが、1年くらい前から段々痛みがひどくなって、半年くらい前からほぼ毎晩、寝ていても痛みで目が覚めるくらい痛みが強くなりました」

女性は、この日一緒に来ていた60代の旦那さんと2人で会社をずっと経営してきた。
女性は税理士の資格を持っていて経理を担当しているため、パソコン仕事が多いという。
もう数年したら仕事をたたんで悠々自適の生活に入ろうと考えている。
そうしたら身体も楽になると頑張ってきたが、あまりにも痛みがひどいので当科を紹介してもらったとのことである。

今まで、大学病院を含む複数の医療機関を何回か受診したことがあるが、背中の痛みの原因はよくわからないといわれてきた。
「1年位前からのひどい痛みにはロキソプロフェンがよく効いて、飲んでから30分もすると痛みは半分以下になって楽になります。
そこで、身体に悪いとはわかっていたのですが、ロキソプロフェンを1日6回も7回も飲んでしまって……。
そうしたら胃が痛くなって血を吐いてしまい、副作用で胃潰瘍になっていると診断されて内科の先生から叱られました。
アセトアミノフェンに替えて胃潰瘍は治まったのですが、前ほどは効かなくて困っています」

「ヤバイ徴候」が満載
胸と腰とのちょうど間の背骨のあたりに鈍い痛みはつねに感じていて、ひどくなるとそこから身体の前のほう(上腹部)に広がって差し込むような痛みとなるという。
食欲が落ちたわけでもないのに、この半年くらいで体重が3kgくらい減った。
若いときから風邪さえもほとんどひいたこともないくらい健康であり、かつ個人事業で忙しいので、必要だとは知りつつも、がん検診を含む健康診断は過去数年間受診していない。
このような話を聞いているうちに、自分の気分が少しずつ沈んでいくのを感じていた。

痛みの原因が「ある」ことを示す「ヤバイ徴候」が満載だったのである。
ひと通り診察を終えた後、内臓に原因がある可能性が高いことを夫婦にお伝えして、すぐに消化器内科に院内紹介状を書いて受診してもらった。
数時間後に返ってきた返信は、私のいやな予測が当たっていたことを示していた。
「膵臓がんの可能性が高いため、直ちに入院精査します」と書かれていた。

薬が効かないこともある
痛みに何か原因がありそうなヤバイ徴候としては、まず、強い痛みのために寝ていても目が覚めてしまう、ということがあげられる。
ここで重要なのは、痛みが原因で目が覚めるということであり、目がさめたら痛みを感じた、のではない。

つまり、ほかの事(トイレだとか隣に寝ている旦那さんのイビキだとか)で目が覚めたら痛みも感じた、とか、以前から寝つきが悪かったり眠りが浅かったりしていたので寝ている間も痛みが気になってしまう、というのとは異なる。
あくまでも、強い痛みがきっかけで目が覚めてしまう、ということである。
すなわち、痛みで眠りが妨げられるというのは慢性痛ではまずありえないことなのである。
慢性痛患者さんほぼ全員が、たとえ睡眠薬などを使用してでも、一度寝てしまえば痛みは気にならない、と話す。

一般的に使われている睡眠薬には鎮痛効果はない。
また、薬そのものの作用もそれほど強いわけではなく、縫い針一本を刺しただけでも目を覚ませる程度である。
鎮痛薬、特に非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs、ロキソプロフェンやジクロフェナクなど)がよく効くのも「ヤバイ徴候」の1つだ。
よく効く、というのは服用してから30分くらいしてから効果が出始めて、痛みが半分以下になるというような場合である。

医師でさえも誤解している人がいるのだが、NSAIDsは「抗炎症薬」であって、鎮痛薬ではない。
怪我や病気で起こる炎症を抑えることで、炎症に伴う痛みが間接的に良くなるのである。
つまり、炎症がなければ理論的にNSAIDsは効果がない。
そして慢性痛はほとんどの場合に炎症を伴わない(あってもごくわずか)ので、NSAIDsを飲んでも効果はあまり感じられない。

なぜ「ヤバイ徴候」が見過ごされるのか
慢性痛でも効果を感じるように思うのは、いわゆるプラセボ効果によることが多い。
また、「平均への回帰」も効果があったように思う一因となっている。
慢性の痛みのほとんどでは、痛みは強くなったり弱くなったりを繰り返す。
つまり、痛みが極めて強くなったら、そのまま何もしなくても自然に痛みは弱くなる。

その一方で、痛みに対して薬を使うのは痛みが強くなった時なので、たとえ薬の効果がほとんどなくても、自然と痛みが弱くなるため、薬が効いたと思ってしまうのである。
さらに、この患者さんの場合には特に思い当たる理由がなく体重が急に減っている。

中高年以上では、原因不明の急な体重減少は内臓などに癌などのなんらかの大きな異常があることを疑わせる「ヤバイ徴候」である。
自信過剰で「ヤバイ徴候」が見過ごされがち ではなぜ「ヤバイ徴候」が見過ごされるのだろう。

見過ごされやすいのは、以前から慢性痛があった部分に新しい痛みがかぶってしまった場合である。
痛みの性質が以前とは変わっている(この患者さんの場合、以前よりもはるかに痛みが強くなり、かつ腹部まで痛みが広がってきた)にもかかわらず、患者さん自身で「前からの痛みがひどくなっただけ」と理解してしまう。

特に、痛みの性質が変わる以前に大きな病院で精密検査を受けたことがあると、「どうせまた、何もないと言われるだけだ」と考えて、医療機関を受診することもない。
また、慢性痛についての医師への教育が日本はアメリカやヨーロッパなど先進国に比べて大きく遅れているため、ほとんどの医師は慢性痛について十分な知識や経験がない。
そのため、痛みの性質の変化や、痛みによる睡眠障害、NSAIDsが効き過ぎること、などの重要な情報を患者さんに問診することもほとんどなく、見過ごしてしまいがちになる。

さらに、この患者さんのように自分の健康に過剰な自信を持っていて、定期的な健康診断などを受けていない場合は、さまざまな「ヤバイ徴候」が見過ごされがちになる。
そして、この患者さんの場合、ただでさえ症状が出にくくて発見が遅れがちになる膵臓がんの中でも、特にわかりにくい膵尾部癌であったことが不運だった。
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2018年12月05日

免疫力研究の第一人者も勧める免疫力アップの確実な方法

免疫力研究の第一人者も勧める
免疫力アップの確実な方法
2018年11月27日 日刊ゲンダイ(笹川伸雄)

 がんには「5年生存率」という言葉がある。
がんと診断されてから5年後に生存が確認できた割合を意味するのだが、「がんと宣告された人は5年生きればいい」と、私には聞こえる。
ちなみに、ステージWの食道がんの5年生存率は12.2%だ。
これは医療の、医師の怠慢、傲慢さではないか。

 先日、知人の女性と会った。
彼女は心から楽しそうに笑う。
周囲の人を明るくさせ、元気にさせる人気者だ。
話の内容からすると還暦は過ぎてはいるのだろう。
ところが、彼女は8年前にがんを患い、手術を受け、つらい抗がん剤治療とも闘った。
年に1度受けている検診では、再発の兆しは見られないという。

 一昨年急死した新潟大学名誉教授の安保徹氏は免疫療法で知られ、免疫力を高めればがんを克服できると話していた。
その手軽で確実な方法として勧めていたのが「笑う」ことだった。
笑いは副交感神経を優位にし、NK細胞の活性を高める。
「ストレスの強い人ほど効果が高く、どんなに面白いことがなくても鏡に向かってつくり笑いするだけで筋肉がほぐれ、免疫力を高めるいい結果が出ている」と述べている。

 医師で作家の鎌田實さんも、笑いの効用を説いている。
その中に例として2人の人物を出す。

1人は米国のノーマン・カズンズさん。
膠原(こうげん)病をステロイドなどの薬を用いずに治し、「笑いと治癒力」という世界的なベストセラーを著した。

もう1人が笹森恵子さん。
広島で被爆し、その後2度のがんを乗り越えた方だ。
彼女はノーマン・カズンズさんの養女になり、よく笑うようになった。

「笑うことがこの2人の命を支えてきたと感じた」(鎌田さん)
 さらにこうも言う。
感染症の時には交感神経が緊張する“頑張るという思い”の方が生き抜けられるが、がんと闘うのは副交感神経が支配するリンパ球。
「だから、がんと向き合うためには頑張るって思い過ぎないほうがいい
 私も笑いに包まれる日常を増やしている。
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2018年12月06日

「死の恐怖を乗り越える術」多くの患者に出会い考えたこと

がんと向き合い生きていく
死の恐怖を乗り越える術
多くの患者に出会い考えたこと
2018年12月05日 日刊ゲンダイ(佐々木常雄)

「もう治療法はありません」
「あと3カ月の命ていです」
 担当医からそう告げられ、セカンドオピニオンを求めて私の外来へ相談に来られたがん患者がたくさんいます。

 まだほかに治療法がある患者には入院してもらって治療を行います。
しかし、もう治療法が残っていない患者にはどう答えればよいのか?
 しかも初めてお会いする方ばかりです。
結局、真実を話すしかありません。
それでも、眼光鋭く私を見つめる患者の目は、「生きたい」と訴えているのです。

 私は、そんな「生きたい目」とたくさん出会って、「死に直面し奈落に落とされた患者が這い上がる術」や「宗教なしで死の恐怖を乗り越える術」を知りたい、そしてそれを患者に伝えたいと思いました。
しかし、過去の医療において、このような医療は行われてはきませんでした。

 江戸時代に書かれた「医戒」には、
死を告げるとは死を与えると名づけるものである
医師はけっして患者の生きる希望を断ち切ることをしてはならない」とあります。
その伝統は長く続き、ずっと「短い命」、死を隠す医療が行われてきたのです。

 ところが、患者の知る権利や自己決定権が叫ばれるようになった2000年以後は、「あと3カ月の命です」などといとも簡単に告げられ、死の恐怖にさいなまれる患者が多くみられるようになりました。
平均寿命が延び、100歳を越える方も珍しくない時代になりましたが、がんにかかって途中で人生を諦めなければならない厳しさは変わりません。

 哲学者の梅原猛氏は
私たちの生命のなかには、永遠の生命がやどり、それが子孫に甦っていく。
この世の生命は受け継がれていくことに救いがある」と言われます。
しかし、それでは子に恵まれない方はどうすればよいのでしょうか。

 1万人をみとった米国の精神科医キューブラー・ロスは、「人間はさなぎから蝶になるように肉体を脱ぎ捨てて魂となって別の次元に入っていく。
だから死を恐れることはない」と患者に言って回りました。

牧師の窪寺俊之氏は、「たった数十年、仮のこの世に現れただけで、魂は宇宙の彼方に戻るのです。
死は怖くありません」と言っています。
両者とも宗教的な考えが背景にあるのです。

 ドイツの哲学者ハイデッガーはこう述べています。
「死んだら天国にいくとか、自分が死んでも子供が自分の生命を受け継ぐとかいうイメージによって、人は誰でも死の観念を隠蔽しようとする。
しかし、これらは死に対する十分な了解ではなく、ただその厳しさを覆い隠すだけのものである。
逆に、ここから死の不安ということが人間の気分の本質としてつきまとうことになる
「死を直視せよ。良心の呼び声が聞こえてくる」

 ただ、そう言いながら良心の呼び声の説明がないのです。
「がん患者・家族語らいの会通信」には、ある方のこんな言葉が記されています。
「人間の体は死によって解体しても、他の生物や物の一部として永遠に存在し続ける」
 こうした先哲の助言はたくさんあります。
しかし、その多くは自分自身が“安全地帯”にいるうえでの言葉に思えて、命が差し迫っている患者に響くのか、奈落から這い上がれる術になれるかどうかは疑問なのです。

■心の奥には必ず這い上がれる心がある
 悪性黒色腫にさいなまれ続けた宗教学者の岸本英夫氏は、著書「死を見つめる心」の中で「死を無である」とし、これを「大きな別れ」と解するとしています。
これはかなりの説得力を感じ、参考になるように思われました。

 さらに私は、奈落に落ちたが這い上がったと思われる患者に、「どうして這い上がれたか」を聞いてみることにしました。

そうした患者の言葉の中で、最も心に残ったヒントは「心の奥には必ず這い上がれる心がある」ということでした。
 私は拙著「がんを生きる」の中でこの点を取り上げました。
そして、自然に天寿を全うした方が「恐怖でない死」を得られるように、がんで亡くなるとしても安寧な心が表れることはできないのか。
それを模索することにしたのです。
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2018年12月12日

プライドがムダに高い「中高年男性」の末路

プライドがムダに高い「中高年男性」の末路
12/11(火) 東洋経済(岡本 純子)

 『週刊SPA!』の12月4日号で特集された「(裏)流行語大賞」のサラリーマン編第2位に「おじさんの孤独」が選ばれた。

今年2月、筆者は『世界一孤独な日本のおじさん』という本を出版し、以来、この連載などで、「孤独」の健康影響などについて発信し続けてきた。
一人の時間を楽しむ「ソリチュード」はいいけれど、誰にも頼ることができず、一人、不安で寂しい気持ちを指す「ロンリネス」の孤独は心身に大きな負荷を与える、ということは無数の科学的研究によって実証されている。

 特に男性は、退職後、長期的な孤独に陥りやすいので注意が必要だというメッセージに対し、多かったのが、「孤独の何が悪い」「孤独上等」というご意見だった。
書店には、「孤独万歳本」があふれかえり、ものすごい売れ行きだが、この現象は、多くの人が「孤独に対する漠然とした、もしくは鮮明な不安」を抱えていることの裏返しではないだろうか。

というわけで、にわかに注目を集める(? )「おじさんの孤独」だが、最近の中高年男性たちはそれ以外にも、いろいろと「生きづらさ」を抱えているように見える。

■生きづらさの根っこにある「プライド」
 人材難時代に若者たちは引く手あまたの一方で、テクノロジーの変化の速い現代に、「進化」に対応できない一部の男性たちに向けられる視線は極めて厳しい。
パワハラ職場で必死に働き、少ないお小遣いで家族を支えるために頑張ってきても、なかなか報われない。
そんな彼らへの深い愛情から、筆者は「余計なお世話」「放っておいてくれ」と批判を受けながらも、日々、皆さんの「幸せ」のカタチを探るというお節介を焼いている。

 長らくおじさんウォッチングを続けてきて、彼らの「生きづらさ」の根っこに何があるのかを考えた結果、
最終的に、4つの要因にたどり着いた。
それは「プライド」と「恥」と「承認欲求」そして、「男らしさの縛り」である。

今回は、まずその1つ目、「プライドについて考えてみたいと思う。
 都内の製薬会社に勤める50代後半の男性は、定年後の人生を模索する中で、尊敬する先輩にこう言われた。
「定年を迎えたら、プライドと肩書を徹底的に捨て去りなさい」。

日本のおじさんの最大の呪縛はこの「プライド」という何とも厄介な代物だ。
特に終身雇用、年功序列制度という「タテ社会」の中で、会社勤めの男性は係長、課長、部長……と役職が上がるにつれ、上から目線で話し、敬語で「かしずかれる」ことに慣れていく。
「権力」という空気が、「プライド」という風船を膨らませていくようなものだ。
上司らしく振る舞わねばという責任感がいつの間にか、プライドやおごりになり代わっていたりする。

 友人の選挙を手伝っていた女性は、中高年のボランティアの人たちと一緒に仕事をするうちにあることに気づいた。
女性たちは、おしゃべりを楽しみながら、自然に共同作業を楽しむが、男性は時々、声がけや感謝の意を伝えないと「すねてしまう」ところがあったというのだ。

 「『すねる』『ひがむ』『うらむ』という言葉の裏には『甘え』がある」と精神科医の土居健郎は著書『「甘え」の構造』で指摘したが、「無償の奉仕」に慣れない男性は、知らないうちに、自らの「奉仕」に対し、「働きを認め、プライドをくすぐる」という「対価」を求めているところがある。
 定年後の男性は、その知見と経験を生かして、ボランティアなど社会貢献に携われば、きっと尊敬され、自らの幸福感につながるのではとも思うのだが、「なぜ、タダで働くのか、その意味がわからない」という人が非常に多い。
ここでも「ある種のプライド」が邪魔をしている。

■「歩み寄り」を阻む「プライド」
 仕事という戦場で、盾と剣で戦い続けているうちに、「プライド」という分厚い鎧をまといやすく、そうして肥大化したプライドは、人とつながりを作ることを非常に難しくする。
相手の気持ちに寄り添い、共感し合い、理解し合うことで、関係性は深化していくが、強すぎる「エゴ」(自我)に対するプライドは、胸襟を開いた「歩み寄り」を阻むからだ。

会社という狭い社会の中で、どちらかが上でどちらかが下という力関係に基づくコミュニケーションを続けているうちに、バリバリと働く女性も「プライド」を背負いやすく、「孤独」は今やおじさんだけの問題でもない。
 プライドという言葉は、日本では、ポジティブに使われることが多いが、
実はキリスト教では、罪の根源とみなされる7 deadly sins(大罪)の筆頭に挙げられている。

その7つとは「傲慢」(pride)、「強欲」(greed)、「嫉妬」(envy)、「憤怒」(wrath)、「色欲」(lust)、「暴食」(gluttony)、「怠惰」(sloth)という感情や欲望だ。

 元来、プライドは、自分の能力に対する過信、おごり、高ぶりを意味し、ほかの人の利益を犠牲にする極めて重大な罪であると考えられている。
「Pride goes before a fall(プライドはつまずきに先立つ)」ということわざもあるが、まさにプライドとは「おごれる者は久しからず」の「おごり」にあたる。

一方で、「誇り」に当たるプライドは、ポジティブな効果をもたらすことが実証されている。
サウスウェールズ大学の研究では、プライドが忍耐力ややり抜く力につながり、勤勉さと献身に結び付くと結論づけられた。

つまり、プライドには「良いプライド」と「悪いプライド」の2種類が存在するということになる。

実際、英語では、良いプライドはAuthentic pride (正真正銘のプライド)、悪いプライドはHubristic pride(高慢なプライド)といったように区別される。

 「正真正銘のプライド」とは、自分の持つ能力に対する誇りの感覚だ。
自分の作り出す作品に対する誇り、仕事に対する献身やその成果に対する満足感など、自分の内面から湧き上がってくる「絶対的な感覚」。
こうしたプライドは周囲から共感も得やすく、また、自分のノウハウや技を共有し、他者をサポートしようとする行動につながりやすい。
脳科学的にも、他者とのつながりを促進するセロトニンの分泌と関連付けられている。

 一方で、「高慢なプライド」は、自分の有能性や支配力を過度に誇示しようとするために、脆弱な自我と不安、攻撃性を伴う。
こうしたプライドは男性ホルモンの分泌と密接に関わっており、他者との関係性を阻むと考えられている。

■「相対的な自信」は百害あって一利なし
 つまり、「誇り」とは、他者からの評価とはまったく関係がない「絶対的な自信」であり、「傲慢」は肩書や身分を根拠に、自分を誇大表示して見せようとすることである。
結局のところ、他者からの承認や評価に依存して得られるものであり、他人と比較したときの優位性に基づく「相対的な自信」ということになる。
こちらのほうは百害あって一利なしということなのだ。

 「良いプライド」は謙虚さを伴う。
職人が、現状に満足せずに、つねに高みを目指し、より良いものを作り続けようとする姿はこの典型だろう。
一方で、自分を進化させていく努力をやめ、他者との競争や、他者からの承認によって自己の存在意義を求めようとすれば、そこには最終的に、空虚さと孤独しか残らない。
 人は案外、まがい物のプライドにとらわれやすいものである。
人を解放し進化させるプライドか、人を閉じ込め退化させるプライドか――。
そのプライドの真贋を見極めておく必要があるだろう。

 岡本 純子 :コミュニケーション・ストラテジスト
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2018年12月15日

インフルエンザ流行入り=時期は例年並み−厚労省

インフルエンザ流行入り=時期は例年並み−厚労省
時事通信社 2018/12/14  

厚生労働省は14日、インフルエンザが全国的な流行期に入ったと発表した。
9日までの1週間に、定点観測している全国約5000医療機関を8438人が受診。
1機関当たり1.70人となり、流行入りの目安とされる1人を超えた。
流行入りの時期は例年並み。

 厚労省によると、同日までの1週間に全国の医療機関を受診した患者数の推計は約6.3万人。
前週より約2.9万人増えた。
都道府県別で1機関当たりの患者数が多いのは、香川(4.00人)、北海道(3.96人)、愛知(3.43人)、和歌山(2.90人)、鹿児島(2.76人)の順。

 直近5週間で検出されたウイルスは、2009年に新型として世界的に流行したA型が最も多く、A香港型、B型が続いている。
 厚労省は、今季のワクチンについて、適切に使用すれば全体では不足は生じない状況としているが、安定供給のため、13歳以上は原則1回の接種とすることなどを呼び掛けている。
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2018年12月20日

日本人はなぜ「集団の考え」に 染まりやすいのか?

日本人はなぜ「集団の考え」に 染まりやすいのか?
2018年12月19日 ダイヤモンドオンライン

日本では、どのムラに所属するかによって、「物の見方」や善悪の基準が大きく変わる。
これは「いじめ」を引き起こしやすい構造であり、日本社会を歪める元凶ではないだろうか。
なぜ日本人は集団の物の見方に感染してしまうのか。
なぜ個人の見方は、いつの間にか乗っ取られてしまうのか。

15万部のベストセラー『「超」入門 失敗の本質』の著者・鈴木博毅氏が、40年読み継がれる日本人論の決定版、山本七平氏の『「空気」の研究』をわかりやすく読み解く新刊『「超」入門 空気の研究』から、内容の一部を特別公開する。
*****************************
■日本人はどのムラに所属するかで倫理観が変わる
 日本はムラ社会であり、ムラには独自の善悪の基準があります。
産業や共同体ごとに独自の論理があり、それぞれに「独自の物の見方」があるのです。

 政治家の善と国民の善は同じではないかもしれません。
特定の利権産業団体の善が、市民にとって悪であることもあります。

 山本七平氏は、日本人はどのムラに所属するかで善悪の基準がコロコロ変わる「情況倫理」に陥ると指摘しています。
 一方、その対比として、山本氏は西欧の「固定倫理」も紹介しています。

 メートル法のように、規範を非人間的な基準においてこれを絶対に動かさない場合は、その規範で平等に各人を律すればよい。
この場合の不正は、人間がこの規範をまげることである。

 固定倫理をイメージするために、次のような解説もしています。
 餓死寸前に一片のパンを盗もうと、飽食の余興に一片のパンを盗もうと、「盗み」は「盗み」として同じように処罰される。
 しかし日本社会の情況倫理では、「餓死寸前で一片のパンを盗む行為は、同情の余地がある」という“物の見方”がある場合、罪は軽くなります。
逆に、「裕福な者が余興のために一片のパンを盗むのはけしからん」と見るならば、罪は重くなるのです。

 日本の犯罪報道を聞くと、殺意があったか否かが罪の計量に影響を与えることがわかります。
被害者の悲惨な結果はまったく同じであるにもかかわらずです。
情況倫理が働く日本社会では、集団の物の見方で行為への評価が違ってしまうのです。

■情況に流された人間は、有罪か無罪か?
 情況倫理について、山本氏の指摘を見てみましょう。
「あの情況ではああするのが正しいが、この情況ではこうするのが正しい」(中略)、当時の情況ではああせざるを得なかった。
従って非難さるべきは、ああせざるを得ない情況をつくり出した者だ
 これは、「特定の物の見方」に支配された集団に放り込まれたことで、自分も倫理の基準を変えざるを得なかったのだ、という釈明、言い訳と捉えることができます。
 山本氏は、これを一種の自己無謬性、責任が自分にはないという主張だとしています。

 情況の創出には自己もまた参加したのだという最小限の意識さえ完全に欠如している状態なのである(中略)、この考え方をする者は、同じ情況に置かれても、それへの対応は個人個人でみな違う、その違いは、各個人の自らの意志に基づく決断であることを、絶対に認めようとせず
 なぜ情況が生まれたことに、全員が加担したと言えるのでしょうか。
 共同体の物の見方の形成は、参加者たちがその考え方を放置して、反論や批判をしなかったことが原因の一端だからです。

誰かの言葉にあなたが反対せず、別の視点を投じなかったことが、集団の情況(物の見方)の支配を加速させたのです。
 さらに言えば、集団の情況にのみ込まれるかどうかは人によって異なり、当然、共同体の物の見方に流されない人もいます。
集団の情況にのみ込まれるか否かは、実は100%個人の決断であり、悪いほうに倫理基準を変えた自己の責任を情況のせいにしているだけなのです。

いじめの加害者がたった1本の献花を恐れる理由
 いじめに関する著作を複数持つ、社会学者の内藤朝雄氏の『いじめの構造』には、
加害者側の生徒が、クラスの空気を読みながらいじめを始める様子が描かれています。
 そして、加害者の生徒たちは、亡くなったA君がいなくても何も変わらないと強弁します。
しかし、あるクラスメートがA君の机に花を飾ろうとしたとき、加害者の生徒たちは反応します。
 ある生徒は、教室でA君の机に花を飾ろうとしたクラスメートを「おまえは関係ないやん」と追い返した。

 A君を自殺に追いやったいじめの加害生徒たちは、なぜ1本の献花を嫌がったのでしょうか。
A君の机に花が置かれることで、A君が二度と戻らないこと、重大な犯罪が行われてしまったこと、A君が亡くなった悲しみがクラスに広がるからです。

 改めて、情況倫理について整理してみましょう。

「情況」=特定の物の見方
「情況倫理」=物の見方に影響を受ける倫理  

献花でA君が亡くなったことが意識され、クラスが悲しみに包まれると、生徒たちの「物の見方」が変化します。
すると、加害生徒の犯罪の重大さが認識されるのです。

 加害者たちは、A君の自殺を知らされた後でも、「死んでせいせいした」「別にあいつがおらんでも、何も変わらんもんね」「おれ、のろわれるかもしれん」などとふざけて話していた。

 クラスの情況(物の見方)が変われば、過去の空気は一瞬で崩壊します。
上の言葉は、加害者がクラスの“情況”の変化を恐れていることを暗示しています。
同時に加害生徒たちの驚くほどの狡猾さ、ずる賢さも示唆していると言えるでしょう。

では「空気」と「情況」はどう違うのか?
 これまでの議論では、「空気」と「情況」の区分を明確にしてきませんでした。
ここで両者の違いをはっきりさせるために、『「空気」の研究』の文面を見てみます。
(当時の情況ではああせざるを得なかったという言葉に対して)
 この論理は、「当時の空気では……」「あの時代の空気も知らずに……」と同じ論理だが、言っている内容はその逆で、当時の実情すなわち、対応すべき現実のことである。
 空気の拘束でなく、客観的情況乃至は、客観的情況と称する状態の拘束である。

 山本氏の文章から、「空気」と「情況」を次のように定義してみます。

空気」=ある種の前提
情況」=前提を起点にして形成された、集団の物の見方  ほとんど似た意味に思われる方もいるかもしれません。

二つの最大の違いは、「空気」は公にできない秘密の前提であることが多いことです。
 戦艦大和の沖縄特攻が「空気」によって決定されたことはすでにご説明しましたが、それは、大和が戦わずに敗戦を迎えることは許されない、という海軍上層部の“前提”が起点となっています。

 しかし「戦って撃沈されること」が特攻の目的であるなど、大和の艦長や乗組員、兵士の家族や関係者の前では口が裂けても言えません。
 したがって、空気(前提)から発生した情況「大和の特攻は不可避である」だけが外に出てきて、集団の中で連呼されて次第に支配的な考え方にさせられるのです。

“空気”そのものの、論理的正当化は不可能である。
 これは当たり前でしょう。
情況と空気の関連図.jpg 
 大きな共同体の中で、ごく特定のムラだけに都合のいい前提など、公表できるわけがありません。
特定のムラと共同体全体で、大きく乖離している前提を正当化しようとすれば、全体側から激烈な怒りが生まれるからです。  

だからこそ、空気は隠蔽され、物の見方(情況)だけが外に出てくるのです。

 山本氏は情況を、「当時の実情すなわち、対応すべき現実のことである」と述べていますが、情況は「大和の特攻は不可避である」など、会議の席などで支配的な意見として続々と表面に出てきます。
情況は空気のように隠蔽されず、対応すべき現実、圧力として目の前に迫ってくるのです。

「自分の見方」はやがて乗っ取られる
 前述した『いじめの構造』には、空気と情況倫理に酷似する指摘があります。
 学校の集団生活によって生徒にされた人たちは、

[1]自分たちが群れて付和雷同することによってできあがる、集合的な場の情報(場の空気!)によって、内的モードが別のタイプに切り替わる。
「友だち」の群れの場の情報が個をとびこえて内部にはいり、内的モードが変化した。

「何かそれ、うつっちゃうんですよ」という発言は、群れに「寄生され」て内的モードが変化させられる曖昧な感覚をあらわしている。
 これは山本氏が描写した情況倫理とほぼ同じです。

生徒たちは閉じられた共同体で、ある種の前提を共有していき、次第にその前提から発生する「物の見方」に染まっていくのです。
 すると「集団がどのような考え方をしているか」で、生徒たちの倫理基準も変わってしまう。

自分で倫理基準を保つ訓練をしていないと、集団の情況(物の見方)に感染してしまい、自己の倫理基準を乗っ取られてしまう。
『いじめの構造』で指摘された生徒の姿は、日本社会の情況倫理の学校版なのです。
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2018年12月22日

"ウソっぽいネタ"の拡散が気持ちいい理由

"ウソっぽいネタ"の拡散が気持ちいい理由
2018年12月21日 PRESIDENT Online( 森本 あんり)

なぜ正しいニュースよりも、「ウソっぽいネタ」のほうが、より強く拡散してしまうのか。
国際基督教大学教授の森本あんり氏は「荒唐無稽な話を広める人は、内容が事実でなくても構わないと思っている。
なぜなら自分が納得できることが正しいと捉えているからだ。
その『自分は正しいことを言っている』という意識は、酔いしれるような強い快感をもたらす」と分析する――。

■人を惹きつける「陰謀論」
世界の各地で、ポピュリズムが急速に政治的な発言力を増している。

注・ポピュリズム(英: populism)とは、一般大衆の利益や権利、願望、不安や恐れを利用して、大衆の支持のもとに、既存のエリート主義である体制側や知識人などと対決しようとする政治思想、または政治姿勢のことである

ポピュリズムの陰には、しばしば陰謀論も見え隠れする。

アメリカでは、陰謀論を唱える「QAnon(Qアノン)」という不気味な集団がトランプ支持者たちの間で広まっている。

日本では、ブログの呼びかけを背景に「反日」「在日」と決めつけられた弁護士の懲戒請求が各地の弁護士会に出された事件も発生した。
陰謀論の素地や特徴はそれぞれ違っていても、彼らの掲げる主張はみな単純でほとんど荒唐無稽である。
だがそれでも、こうした主張は人びとを惹きつける強い魔力をもっており、いったん信じた人はその筋書きを熱狂的に支持するようになる。
なぜ人びとは、それほどまでに陰謀論に魅せられてしまうのだろうか。
そして、なぜ「事実」は、それらの人びとの誤った思い込みを正す力をもたないのだろうか。

■交通系ICカードの金額をチェックする人はいない
宗教社会学の用語で言うと、これは「信憑性構造」の問題である。
それぞれの文化や社会には、誰もが当然と思って疑わない常識や前提というものが数多く存在している。
それらは、正常に機能している間は誰の意識にも上らない。
自らの存在を意識させずに機能しているものこそ、その社会の「正統」なのである。

ところが、いったんそれが問題となって人びとの意識に浮上すると、この認識構造に大きな変化が現れる。
潜在していたものが顕在化し、それまで気がつかなかった力が自分を含むすべてのものを支配していたことに思い至ると、システムそのものに対する疑念が広がり、一挙に陰謀論の土壌ができてしまうのである。

いわば、パソコンに不具合を起こした原因が個々のアプリケーションではなく、その土台となっているOS(オペレーティングシステム)だった、ということを発見した時のようなものである。
たとえば、われわれは電車に乗る時に交通系ICカードを使うが、改札口を通るたびに差し引かれる金額が本当に正確かどうかをチェックする人はいないだろう。
これは「まさか鉄道会社が一回ごとに数銭をかすめ取るようなことはしないはずだ」という前提に支えられて乗車しているからである。

われわれの日常生活には、このような疑われざる前提が無数に存在しており、それが全体として社会の信憑性構造を形作っている。
その一つ一つを疑わなければならないとしたら、まことに住みにくい社会となってしまうだろう。

■人が求めるのはカネだけではない
宗教学的に見ると、ポピュリズムや陰謀論には人間の本来的な欲求が関わっている、と言うことができる。
このことを、日頃われわれがよく使っている、ある経済用語の歴史を振り返ることで考えてみよう。

英語に“interest”という言葉がある。
これは「利子」「利潤」などという意味と、「興味」「関心」という意味とをもっている。
自分がもうかる話には、誰でも興味や関心をもつものだから、この2つの意味がつながっていることは理解できる。
しかし、この言葉にはもう少し深い意味もある。

『オックスフォード英語辞典』によると、“interest”の最初の用例は15世紀半ばにさかのぼり、それは「あるものに客観的に関わらしめられていること」(being objectively concerned)という意味であった。
つまり「何かに興味をもつ」という認識のあり方ではなく、「その人が対象と関わりをもち、対象に参与する」という存在のあり方を示す言葉なのである。
どのような関わりか。
同辞典によると、その内容には「霊的な特権」(spiritual privileges)が含まれる。
たとえば17世紀のピューリタン神学者が「神の恵みにインタレストをもつ」と言えば、それは単に神の恵みに興味があって眺めている、という意味でなく、自分という存在がその恵みにあずかる者となる、という意味である。
つまり、「インタレスト」は、単に「経済的な利益」だけでなく、個人の「物質的な幸福」を越えた、精神的な参与を含む願望を意味していたのである。

■ポピュリズムに浸かる人は「つながり」がほしい
今日のポピュリズムにも、同じような「インタレスト」がある。
ポピュリズムに浸かっている人びとは、何を求めているのか。
それは、参与である。
自分が属する社会の一部として存在することである。
彼らは、単に物質的な利害を求めて声をあげているのではない。
ポピュリズムが前世紀に中南米や東欧で始まった時にはそうだったかもしれないし、今日でも経済的な関心は重要さを失ってはいない。

だが、今日のポピュリズムをそれだけで理解することはできない。
人びとが求めているのは、階級的な利益ではなく、もう少し精神的な利益である。
それは、自分の住む社会に有意義に存在することであり、そう認められることである。
自分という存在の社会的な意義を確認したいのである。
それは、人間としてごく当然の欲求かもしれない。

人は誰でも、金だけでは幸福になれない。
人とのつながり、社会とのつながりを通して、自分という存在が、何らかの意味をもち、意義をもっている、ということを確認したいのである。
そのために声を上げる。
選挙の投票でも、ネット空間でも、これは同じである。

■「正しい」が与えてくれる快感
ポピュリズムがはやるのはなぜか。
一口に言えば、それは「快楽」をもたらすからである。
そこに独特の「情熱」を注ぎ込むことができるからである。
ネット上で、いわゆる「炎上」が起きる時、他人に批判を浴びせかけるのも、同じ理由である。
そこには、ある種の高揚感が漂っている。
その高揚感は、「お祭り」と言われるように、宗教的な祝祭の高揚感である。

「悪いことをした」「間違ったことをした」と思われる人に容赦のない批判を浴びせるとき、自分は「正しい」側に立っている。
自分の怒りは正当だ。
これは公憤であり義憤だ。
あの連中はそれだけのことをしたのだから制裁を受けて当然だ、という認識である。
これは酔いしれるような強い快感をもたらす。
人は正義を求める。というより、正義を愉しむ。

この快感は、単に金銭的な利害という視点では捉えることができない。
むしろ、多少の代価や犠牲を払ってでも、その快楽を求めるのである。

■「フェイクニュース」の種は昔からあった
昨今の選挙や投票では、世界各地で思わぬ結果が出て人びとを驚かせた。
高所得者への減税と福祉予算の削減を唱える政治家が、なぜか低所得者の支持を集める。
将来世代にツケを回すような政策を掲げる政治家が、なぜか若者の支持を受ける。
「有権者は合理的な判断ができない」というリベラルな評論家の嘆きが聞こえてきそうである。

しかし、こうした不思議は、今に始まったことではない。
戦後すぐに書かれたハンナ・アレントの『全体主義の起源』には、こういう一言が出てくる。

「大衆にとって、階級や国民という総体的利害は存在しない。」
つまり、投票をする諸個人にとって、自分の属する階級や国家というくくりは、大きすぎて自分の利害とは直接に結びつかない。
だからいくら階級的な利害を訴えても、大衆には説得力がない、というのである。

アレントは、「事実というものは、もはや大衆への説得力を失ってしまった」とも書いている。
われわれは今になって「ポスト真実」だ「フェイクニュース」だと騒いでいるが、それはすでに第二次大戦前に始まっていた大衆化の帰結だ、ということになる。

■「一貫した世界観」がほしい人たち
では、事実でなければ、人びとは何を求めているのか。
アレントによれば、それは「一貫した世界観」である。
身の回りに起きる個々のばらばらな出来事を、自分が納得のいく仕方で説明してくれる世界理解の方法である。

かつてそれは宗教であった。
たとえ自分が苦難に遭っても、神や仏のみこころの中では「この不条理や苦しみに何らかの意味があるのだろう」と考えることができた。
しかし、既成宗教が弱体化した今日、それに変わる説明原理を提供してくれるのが陰謀論なのである。

一見無関係と思われるような遠くの出来事のあれこれは、実はみなつながっているのだ、その背後にはこういう原因があって、これがすべての現象を動かしているのだ、という説明原理がそこにある。

自分が失業して苦しんでいることと、中国やメキシコで起こっていることが、実は深いところでつながっている、それは誰かの陰謀なのだ、という一貫した説明原理である。

それが事実かどうか――それはあまり重要ではない。
人は、正しいから納得するのではない。
納得するから正しいのである。
たとえ事実がそれと違うことを指し示しているように見えても、それはうわべだけのことである。

自分は、より深いところにある、歴史の必然性を知っているのだ。
いったんそう信じた人は、もはやどんな反証も受け付けない。
まさに宗教的な原理主義に特徴的な信念形態である。
実は、このように信じさせることは、ナチズム以来の大衆プロパガンダの常道手段であった。

ヒットラーの『わが闘争』を読むと、彼がアメリカの大衆宣伝の手法からいかに多くを学んだかが、彼自身の言葉で雄弁に書かれている。
ナチズムの手法は、アメリカ生まれなのである。

■「納得できるか」が事実より大事
ポピュリズムもまた、「移民」や「テロ」という簡単な原理で、身の回りの世界を一挙に説明しようとする。
「ワシントンの政治家」「ウォール街の金融家」などが、重要なキーワードだ。
ポピュリストは、こうした感情的にチャージされた用語を用いて、人びとの暮らし全体をわかりやすく説明してくれるのである。
ポピュリズムの魅力は、このような疑似信仰ないし代替宗教の力に他ならない。

昨今はフェイクニュースに対応して、「ファクトチェック」の必要が論じられるようになった。
だが、特定の世界観に生きる人びとにとって、あれこれの「事実」は結局さほど問題にならない。
それらの全体を通して、ある種の納得感が得られるかどうか―
―それが「事実」の判断よりも上にあるからである。

以前は、何が事実であるかは、新聞を読んだり本で調べたりすることで判断することができた。
信頼できる組織による裏付けや、論理的な整合性などが、真偽の判断を支える合理的な手段だった。
しかし今日、真理の最終審級は、各人が直接心の内に感ずるものでしかない。
宗教学の用語では、この直接性を「神秘主義」と呼ぶ。
現代ポピュリズムの本質はここにある。
これ以降の詳細は、拙著をご覧いただきたい。
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森本あんり(もりもと・あんり)
国際基督教大学 学務副学長・教授
1956年神奈川県生まれ。
プリンストン神学大学院博士課程修了(Ph.D.)。
専攻は神学・宗教学。
著書に『アメリカ的理念の身体――寛容と良心・政教分離・信教の自由をめぐる歴史的実験の軌跡』(創文社)『反知性主義――アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮選書)『宗教国家アメリカのふしぎな論理』(NHK出版新書)ほか多数。
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2018年12月31日

本年、応援ありがとうございました。

今日は大晦日、あと10時間で今年も終わります。
2018.12.31  小だぬき

皆さま一年間お付き合いいただきホントにありがとうございました。
すでにお正月の準備を済まされた方、大晦日でもまだ忙しく準備されている方もあると思います。
今年もあとわずかで新しい年を迎えることになりましたが、今年も多くの皆さまに本当にお世話になりました。

来年こそ安倍政権の暴走売国政治を終わらせ、
国際社会からさすが国民主権・平和希求の国の日本だと国際社会から尊敬され、
国内的には安倍暴走政権を終わらせ、憲法改悪阻止、
東日本大震災、熊本大地震、大阪地震、豪雨災害の復旧・復興や福島原発事故の収束、沖縄辺野古新基地の建設阻止、消費税の増税阻止、
そして多くの国民が希望の持てるよい1年でありますよう、また、皆さまがご健勝で幸多かれとお祈りしております。

PS.私の身体 *要支援2、うつ病障害認定
@脳梗塞
A心筋梗塞
B頸椎狭窄(5月に手術)
C脊椎狭窄と骨変形
D胆嚢切除による肝臓監視
E右股間接異常
F大腸憩室4ケ所
Gうつ病(年金2級、手帳3級)
H糖尿病要経過観察
I内臓ポリープ

一つでも来年は 改善させていきたいと思います。 春先には 脊椎狭窄と股間接を予定しています。

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2019年01月01日

寝ても取れない疲れ…。

寝ても取れない疲れ…。実はすべての疲労は脳が原因だった!
12/31(月) 集英社ハピプラニュース

毎日ちゃんと寝ているはずなのに、最近、疲れがとれなくなってきた……と感じているマリソル世代の女性は多いはず。
でも“年齢的にしょうがない”とあきらめるべからず。
ちょっとしたコツさえ知っておけば、疲れは効率よく解消が可能。
疲れないための簡単メソッドを実践して元気な心と体を取り戻して!

≪歳をとって加速? どうして疲れるの?≫
まずは、疲れが起こるメカニズムや、年齢と疲労の関係などについて、医学博士の梶本修身先生が詳しく解説。

☆私が解説します!
●医学博士 梶本修身先生
大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。
東京疲労・睡眠クリニック院長。
『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)ほか著書多数

<疲れは、体でなく脳の自律神経中枢の疲弊によって起こる>
そもそも“疲れ”とはどういう状態 のことをいうのか、最初にその基本的なことから知っておこう。
「日本疲労学会では、疲れとは“運動や労力などの身体作業負荷あるいはデスクワークなどの精神作業負荷を連続して与えた時に見られる身体的あるいは精神的パフォーマンスの低下現象”と定義されています。
つまり心身に負荷がかかることを続けた時に、思考力や注意力が低下したり、動作が緩慢になったり、目のかすみや頭痛、肩こり、腰痛が現れるなどして、パフォーマンスが低下することをさします

 このような症状が出ると誰もが“体が疲れた”と思いがちだが、実は疲れは体でなく“脳”で起きるのだとか。
「運動をして“体が疲れた”と感じても、実際には筋肉や内臓はほとんど疲れていないことが研究によりわかっています。
ではどこが疲れているのかというと“脳”です。

具体的に言えば脳の自律神経の中枢です。
運動をすると呼吸や心拍、体温などを調節しなければならないため、脳の自律神経中枢がフル稼働して疲弊します。
この時、脳の自律神経細胞で活性酸素が発生し、細胞が酸化ストレスにさらされ、その疲れは、体でなく脳の自律神経 中枢の疲弊によって起こる結果、自律神経細胞本来の機能を維持できなくなって生じるのが疲労です」

 運動だけでなくデスクワークなどの頭を使う作業で感じる疲労も、自律神経中枢の疲弊によって起こるそう。
「ご存じのように、自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は心身が活動的な時や緊張や興奮状態の時、ストレスがある時に優位になります。
一方、副交感神経は心身がリラックスモードの時に優位になります。
このうち交感神経が優位になっている時は最大のパフォーマンスを発揮できるよう、脳の自律神経中枢はフル稼働状態になります。
つまり交感神経優位の時、自律神経中枢が最も疲弊し、疲れを感じるのです。
仕事で頭を使っている時も交感神経が優位な状態なので疲れやすくなります」

では、疲れと年齢の関係とは?
「自律神経機能は老化が激しく、10代をピークに年々低下し、40代になるとピーク時の半分以下にまで低下してしまいます。
そのため加齢とともに疲れやすくなるのです」

そこで知りたいのが、効率よく疲れをとるコツ。
交感神経優位な状態が疲れの最大の原因なので、交感神経が支配する時間を減らし、副交感神経が優位な時間を増やすことが疲労を減らすコツです。
例えばランニングのような運動は交感神経を優位にするので、疲れたからスッキリしようと思ってランニングをすると、疲労に疲労を重ねるだけで逆効果。
このように間違った方法をとっていると“何をしても疲れがとれない”という事態に陥るので要注意。
正しい疲労解消術を知っておきましょう」

知ってた? ■すべての疲労は脳が原因!
自律神経のうちの交感神経が優位な時は、脳の自律神経中枢の細胞がフル稼働状態。
これが脳を疲弊させ、疲れが生じる。
左のような項目は、すべて交感神経を優位にし、脳を疲れさせ疲労を招く。
疲れている時にランニング、入浴と重ねて行うと、疲れが足し算的に増すことに。

知ってた?  ■慢性疲労症候群
“疲労”は病気ではなく生理的な現象だが、日常生活に支障が出るほどの強い疲労感を長期間感じる場合は“慢性疲労症候群”の可能性が。
日常生活が損なわれる強い疲労感が6カ月以上持続または繰り返し、筋肉痛や発熱、リンパ節の腫れが生じることもある。

Marisol ONLINE 知っていた?
■自律神経機能は年々低下
脳の自律神経機能は加齢とともに急降下。
年齢を重ねるにつれ疲れやすくなるのはこのため。
自律神経機能の低下は食い止められないが脳を疲れさせない生活に改善すれば低下速度が緩やかに。

今すぐチェック!
■あなたの脳のお疲れ度は?

以下の項目で自分が当てはまることをチェック。
1つでも該当したら、脳疲労がたまっている可能性大!

□物事はキリのいいところまで、やり遂げたいほうだ
□職場など長く過ごす空間に、苦手な人がいる
□責任感が強く、遅くまで残業しても苦にならない
□長時間座り姿勢で作業をしている
□何かに集中して没頭するとまわりが見えなくなりがち
□疲れると栄養ドリンクをよく飲む
□疲れると高カロリーのものを食べがち
□長時間のドライブでもあまり休憩をしない
□熱めのお風呂に長湯をするのが好き
□休日は遠くの旅先に足を延ばすことが多い
□いびきをかくと言われたことがあり、日中眠くなる
□趣味などで、つい夜更かししてしまうことがある
□ストレス解消のため習慣的に体を動かしている
□満員の電車やバスに乗って移動することが多い
□屋外で過ごす時間が長い
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2019年01月02日

「年末年始の連休なんかいらねぇ!」という人たちの深刻事情

「年末年始の連休なんかいらねぇ!」という人たちの深刻事情
2019年01月01日 SPA!

新しい年が明け、例年なら休みも残り僅かだが、この年末年始は三が日をはさみ前後が週末のため、正月休みが「9連休」という幸せな人も少なくないだろう。
 実家に帰るもよし、海外に旅行に行くもよし、思い切って寝正月を満喫するのもよし。
しかし「休み」といえば問答無用で楽しい、うれしいと思うのは我々だけなのかもしれない。
正月休み、大型連休を手放しで喜べないどころか、できれば「連休なんてなければよい」などという人々がいる。

◆大型連休は手取りが減るので困る
「休日があればあるほど生活ができなくなる。
人力飛行機みたいなもので、漕がなければ堕ちてしまう。
派遣社員なんて、そんな生活なんですよ。
9連休もあれば、単純に手取りが5万以上減る。
2月3月は人並みの生活を送れるかどうか不安です」

 東京都下の自動車工場に派遣社員として勤務する内村さん(仮名・40代)は、かつて某大手自動車メーカーの工員として働いていたが、赤字解消のために工場が閉鎖され、職も失った。
それからすぐに派遣社員として別メーカーの自動車製造工場に行くことになったが、年齢的に派遣先の社員に昇格することも厳しく、月給制ではなく日給制で10年以上働き続けている。
「派遣会社のメンバーでも最年長。ほかの派遣社員の労務管理をやったりするので、勤務ごとに数千円の手当てが出るのが救いですが、休日となればそれもゼロ。
最近は残業がダメ、なんて風潮があって、残業で小銭を稼ぐこともできない。
非正規にとって、休みはうれしくもなんともない」(内村さん)

◆収入がある公務員でもツラい
 うって変わって、都内の某省庁に勤務する松井さん(仮名・30代)は、独身かつ高給取りということもあり、さぞかしハッピーな年末年始を過ごすのかと思いきや、現実は甘くないのだとため息をつく。
「緊急事態が発生するといつでも飛んでいかなければならないという仕事柄、年末年始の待機要員に選ばれるのは決まって独身者。
しかも私の場合は実家も都内にあるため、わざわざ正月に帰るなんてこともしない。

実家に帰れば『結婚しろ』と母親が呪文のように言ってくる。
ほとんどの友人は結婚してるし、部下は帰省してるし、実家も帰りづらい。
去年は無理やり仕事を作って登庁し、居合わせた部下と飲みに行きました。
あ、もちろん勤務はつけていません。
みなさんの税金ですからね」(松井さん)
 確かに、年末年始はなぜか「家族や親族で過ごさなければならない」という感覚がある。
この慣習こそが長期休暇を「嫌なもの」にさせている節はないだろうか?

◆家族・親族から根掘り葉掘り聞かれるのがツラい
「アラサー超えてすでにアラフォー。
弟は結婚し、兄である俺の代わりに実家を継ぐことになった。
そもそも弟は、公務員になり嫁も子もいて堅実派。
正月にみんなで集まれば、俺なんて居場所がない。
弟のモノになる予定の実家にはすでに俺の部屋はなく、何でもかんでも弟と比較されて。
正月は本家である実家に集うのが“親族の掟”みたいになっているので、行かなきゃ行かないでうるさい。
9連休もあれば、三泊くらいはしないと、何をやっているんだ、友達はいないはず、仕事もないはず、と根掘り葉掘り聞かれて。
せめて三日間は我慢しないと……

 うつろな目でこう話すのは、都内在住のライター……というか、筆者である。
連休だなんだと浮かれている皆様。
そうではない人も少なからずいるので、理解してもらわなくともいいから“そういう人もいるのだ”と、せめて知っておいていただけると幸いである。
<取材・文/森原ドンタコス>
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2019年01月04日

脚の静脈に謎のボコボコが…立ち仕事やマラソンに注意「下肢静脈瘤」とは

脚の静脈に謎のボコボコが…立ち仕事やマラソンに注意「下肢静脈瘤」とは
2019年01月03日 SPA!

40代を超すと「病気」の話題も増えてくる。
だが、三大成人病などメジャーな病気に注意していても、耳慣れないマイナーな病気に足元を掬われてしまうことも……。
そこで「本当に怖い中年の病気」と題して、真の意味で中年が要注意な病気について紹介していく。

 第一回は「下肢静脈瘤」。
この病気、ご存じだろうか?
◆耳慣れない「下肢静脈瘤」とは?
 脚の静脈の弁が壊れて、血液が逆流してしまう病気。
それが下肢静脈瘤だ。
良性疾患であり、たちどころに命に関わる病気ではない。
しかし、この病気に詳しい北青山Dクリニックの阿保義久院長は、「油断して放置すると大変なことになる」と警鐘を鳴らす。

下肢動脈瘤..jpg
「加齢とともに発症しやすくなる下肢静脈瘤ですが、一度発症すると基本的に自然に回復することはない。
そして、放置するほど他の病気の引き金となるのです」(阿保院長、以下同)
 下肢静脈瘤を発症すると、主に太ももやふくらはぎの静脈がぼこぼこと浮き上がってくる。
「見た目が良くないので、女性の方は割と早期に医者にかかるケースが多いのですが、男性は放置する傾向があります。
しかし、重篤化すると潰瘍化してひどい痛みを伴ったり、血栓になりやすくなるという報告があります」
 そして、稀ではあるが最悪死に至ることも。

下肢静脈瘤になると、静脈に負担がかかり血のかたまりができやすくなる。
この血栓が肺などに詰まると、いわゆるエコノミークラス症候群のリスクが高まり、突然死を招く恐れがあります。
決して放置してはいけません

◆下肢静脈瘤になりやすい特徴とは?
 この病気には“かかりやすい特徴”があると阿保院長。
座り仕事よりも立ち仕事の人。また、マラソン選手やサッカー選手など足を酷使する人も発症するリスクが高いようです。

足の血液は“第二の心臓”ともいわれるふくらはぎや太ももの筋肉の力によって心臓に戻っていきます。
立ちっぱなしでこの筋肉のポンプが機能しないと、足にどんどん血がたまっていく。
すると静脈に大きな圧力がかかり、弁が壊れて血液が逆流してしまうのです」

 予防するには、どのような対策が必要なのだろうか?
足に血液をためないことが大切です。
仕事中も同じ姿勢を取らず、適度な歩行やストレッチを行うことで足の血液の巡りはよくなります。
とくに立ちっぱなしの方は、定期的に遠めのトイレに歩いたり、体操や深呼吸をすることを心がけてください。

病気自体は治療方法がほぼ確立していますし、手術も日帰りで簡単な施術で済むケースがほとんどです」

 かゆみやこむらがえりは静脈瘤の予兆だそう。
早目の診療を心掛けたい。〈取材・文/高橋健太〉


阿保義久氏
東京大学医学部卒。腫瘍外科・血管外科医。
2000年に北青山Dクリニックを設立。
下肢静脈瘤の日帰り根治手術・椎間板ヘルニアのレーザー治療・痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療などからがん遺伝子治療まで行う。
著書に『アンチ・エイジング革命』、『下肢静脈瘤が消えていく食事』、『尊厳あるがん治療』など
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2019年01月07日

「病院代は非課税」のウソ “隠れ増税”をどうやって取り戻すか

「病院代は非課税」のウソ “隠れ増税”をどうやって取り戻すか
2019.01.06 週刊ポスト

「医療費には消費税がかからない」──そう認識している人は多いだろう。
実際、怪我や病気で入院した際、病院から受け取った請求書を見ても、「消費税」という項目はどこにもないはずだ。
 しかし、本当は見えないところで消費税を取られている。

入院時に個室などを利用すると支払う差額ベッド代や、自由診療の費用は課税対象だ。
ほとんど知られていないが、紹介状なしで大病院にかかったときに窓口で支払う初診料の特別料金5000円にも、しっかり消費税が含まれているのである。
 そのうえ、今度の消費増税と同時に、診療報酬も引き上げられる見込みだ。
厚労省が定める診療報酬や薬価等には、医療機関が設備や薬を仕入れる時に負担する消費税が反映されるため、実質的な“消費増税”と言っていい。

 医療費の自己負担は増えることになり、医者にかかることが多い中高年世代には、これでもかと税負担がのしかかるのだ。  

それに対抗するにはどうするか。
「薬代」という搦め手で医療費を安くあげる“秘策”がある。
やり方は簡単だ。
実は、病院で診察を受けて処方箋を出された後、どこの調剤薬局で薬を受け取るかで、支払う代金が異なってくるのだ。
同じ薬を同じ数だけ処方されるにも関わらず、である。
 一番安いのは、病院と同じ敷地内にある「院内薬局」。
次に安いのは、病院から道を挟んで向かい側などにある「門前薬局」。
そして薬代が最も高くなるのは商店街などにある「個人経営の調剤薬局」だ。

 これは薬代に含まれる調剤基本料が薬局のタイプによって違うことによるものだ。
今まで何も考えずに薬局を選んでいたなら、病院を出た後に周囲を見回し、同じ敷地内の薬局に向かうようにするといい。

※週刊ポスト2019年1月11日号
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2019年01月10日

帰省ラッシュで見かけた迷惑客にうんざり…孫をダシに「席を譲れ」と迫る老人も

帰省ラッシュで見かけた迷惑客にうんざり…孫をダシに「席を譲れ」と迫る老人も
2019年01月09日 SPA!<取材・文/山口準>

いよいよ2019年、最後の“平成時代”がスタートした。
年末年始は地元や旅行先で過ごした、という読者も多いはずだが、高速道路を車で移動した人もいれば、遠方まで飛行機や新幹線を使ったという人もいるだろう。
 特に飛行機、新幹線は長い時間を見ず知らずの他人と、かなり狭い空間でいっしょに過ごさなければならないため、他人の言動が気になってしまうことも多々。
それが非常識で不愉快なものであればあるほど、ストレスはたまりやすいものだ……。  
年末年始の移動で嫌な思いをした人たちの声を聞いた。

◆孫をダシに「席を譲れ」と迫る老人
 京都在住のIT関連会社社員・松木さん(30代・仮名)は、正月を故郷の熊本県で過ごした。
熊本といえば、九州新幹線の開通後、新大阪から「さくら」や「みずほ」を使えば一本で行けるようになり、利便性が大いに増した。
松木さんもこの3年ほどは、新幹線を使って京都と熊本を行き来しているという。

「実家から京都に戻る際に切符が取れず、博多から東京行きの“のぞみ”の自由席に乗車しました。
博多を出た時点で、自由席の席は一つも空いておらず、小倉(福岡県)や徳山(山口県)、広島から自由席に乗る人たちは、デッキか車内に立って乗車する感じだったのですが……」(松木さん)
 徳山駅から乗車したのは、関西弁で話す60代ほどの男性と幼稚園生くらいのその孫、幼稚園生の両親らしき男女だった。

男性が松木さんの隣に立った瞬間、車内に響き渡るような大声で次のように言い放った。
「はぁーアカン、いっぱいや! この国は老人と子どもに優しゅうないわ! 腰痛いのに床に座れっちゅーんか? 〇〇ちゃん(孫)ツラいか? ツラいよなー? 大人になったら席を譲るような立派な人間にならなアカンで!」

 松木さんだけではない、その声を聞いた同じ車両の座席に座る全員が、バツが悪そうに下を向いたのである。
「こういうことを10分くらい、真横で大声でしゃべられるものだから、私と私の隣に座っていたお客さんが仕方なく席を立ちました。
しかし、男性は『おお、空いた空いたラッキーや!』といって、私たちに礼も言わない。
祖父さんと孫はその後も席でギャーギャー話しながら、新大阪で降りる間際には、別の老人に席を譲っていて……。
私は京都までですが、隣のお客さんは新横浜まで行く予定だったそうで。
その後もずっと立ちっぱなしだったのかもしれません」(松木さん)

◆空いた指定席を転々とするギャル2人組
 年末年始といえば、飛行機も満席、新幹線に至っては乗車率が100%を超えることも珍しくなく、自由席の席取り合戦に敗北してしまえば、目的地まで立って移動するハメになる。
 一方、そのような状況になっても、いや、人の迷惑を顧みずとも、なんとしても座って移動したい、という迷惑な人々もいるのだ。

神戸の実家に帰省すべく、品川駅から東海道新幹線に乗車した都内在住の会社員・ケンジさん(20代・仮名)は、12月初旬に指定席を予約。
品川から新神戸までゆったり座って移動するはずだったが……。
「品川で乗り込んだのですが、自分の席とその隣に、派手な女のコが2人座っていたのです。
自分のチケットを思わず見返しましたが、そこは確かに自分の席。
気まずいなあと思いつつ声をかけると“チッ”と舌打ちして、真後ろの空いている席に移動したのです」(ケンジさん)

 女2人は悪びれた様子もなく「空いてるんだからいいじゃんねー」など、ケンジさんに聞こえるように囁き合っていたというから、ケンジさんの心境が穏やかでなかったのは言うまでもない。
そもそも、しっかりカネを払い、正当に座っているケンジさんが文句を言われる筋合いはないはずだが……。
しかし、彼女たちはその後も同じような行為をずっと繰り返した。

「新横浜で指定席のほとんどが満席になりました。
移動した女が座っている席にも予約客が来ると、また舌打ちして、渋々と席を移動した。
その後も空いた席を転々としつつ、席で電話したり、何べんもタバコを吸いに立ったり……。
迷惑この上なかったのですが、文句を言うと100倍で言い返してくるのかもしれないと思うと怖くて、誰もなにも言えなかったのです」(ケンジさん)

 車内には「指定席は空いていても、別のお客様が予約されているので座らないように」と何度もアナウンスが響いていたが、まったく聞く耳なしといった女たち。
ケンジさんが新神戸で降車するとき、女らが図々しくもグリーン車の空き席に座っているのを目撃したというから、開いた口が塞がらない。

◆酒の持ち込みが禁止されているLCCで酒盛りする不良たち
 今年、2年ぶりに地元札幌に帰省するため、家族と成田空港から飛行機に乗ったという市川さん(40代・仮名)。
少しでも費用を節約するために格安航空会社(LCC)を使って移動したが、機内で遭遇した迷惑客のせいで後味の悪い思いをした。
「LCCは、一部の航空会社で、機内で飲むための酒類の持ち込みが禁止されています。
今回利用した航空会社も持ち込みを禁止しており、飲みたいなら機内で買うしかありません。
しかし、我々のすぐ後ろに座っていた不良風の3人の男たちは、バッグからこっそりウイスキー瓶を取り出して飲み続け、空港(新千歳)につくまで大騒ぎ。
客室乗務員さんが注意すると、5分くらいおとなしくなるのですが、またすぐに騒々しくなって……」(市川さん)

 同航空会社の関係者に確認したところ、確かに「機内で飲むための酒類」の持ち込みは禁止されているが、土産用の酒類(アルコール度数による)の持ち込みは禁止されていないため、機内で飲むための酒として、こっそり持ち込む客が後を絶たないという。
「男らはケチな会社だと文句を言っていましたが、そもそもLCCに乗っているわけですからね。
札幌や函館は田舎だ、なんて大騒ぎしてました。
おそらく上京して都会人になった気分で、地元に大手を振って帰省する途中、気が大きくなっていたんでしょうね。
ああいうのが本当の田舎者で、北海道の恥だと思いました。
飛行機から引きずりおろせるものなら、そうしたかったですが……」(市川さん)

 他人の目ばかりを気にして過ごせ、ということではないが、せっかく楽しい気持ちでいる他人を不愉快にする愚かさを、取材に答えてくれた“被害者”たちの叫びから、少しでも感じ取っていただければ幸いだ。
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2019年01月11日

痴漢や万引き犯の意外な「実態」

痴漢や万引き犯の意外な「実態」
2019年1月10日 Wedge

『万引き依存症』『男が痴漢になる理由』
斉藤章佳氏インタビュー
本多カツヒロ (ライター)

「痴漢をはじめとする性犯罪の加害者は、非モテで性欲の塊のような男」。
「万引き犯は、生活に困窮した老人」……
世の中には犯罪者に対するステレオタイプなイメージが存在する。
実際のかれらの素顔とはどんなものなのか?

 痴漢や万引きを繰り返す人々のなかには行為・プロセス依存にあてはまる依存症の人たちもいる。
かれらの治療に長年携わり、『万引き依存症』『男が痴漢になる理由』(共にイースト・プレス)を上梓した精神保健福祉士、社会福祉士で大森榎本クリニックの斉藤章佳氏に、痴漢や万引きを繰り返しやめられない人の実態や犯行に至るメカニズムなどについて話を聞いた。
******************************
――痴漢や盗撮、万引きを繰り返す人たちの治療をされています。どんな患者さんが多いのでしょうか?

斉藤
世間では性犯罪加害者について共有されているイメージがあります。
たとえば、痴漢はモテない、女性に相手にされない男性、性欲の強い男性といったイメージです。
しかし、クリニックに通う患者さんたちはまったく違います。

痴漢の場合、一番典型的なのは、四大卒の既婚者で子どももいる会社員です。
盗撮はさらに大卒の割合が高くなる傾向があります。

万引きにしても、年金で細々と生活している高齢者が困窮しやむなくといったイメージがあるかもしれませんが、実は患者さんの7割が女性で、その中の大半が65歳以上の生活レベルが普通より上の人が多い。
ですから、治療対象となる窃盗癖のある人は貧困や転売目的で万引きを繰り返しているわけではありませんし、犯行時にはしっかりと商品を買えるだけのお金を所持しています。

そして執行猶予期間中の再犯など、重大な法的リスクがあるにもかかわらず対象行為に及びます。
この不合理性がこの問題の本質で、それまで万引きとは無縁の人生を送ってきた人たちばかりです。

 性犯罪については、これまで1600人をこえる加害者の再発防止プログラムに携わってきました。
世間の痴漢や万引き依存症者に対し、共有されているイメージと実態があまりにかけ離れているので、この2冊を通してそのイメージを覆したかったのです。
 また、特に性犯罪は加害者像だけでなく被害者像も実際と大きくかけ離れており、それがセカンドレイプの温床にもなっています。
たとえば痴漢にあった女性に対し、派手で露出が多い服装だから狙われたんだ、隙が多いからや被害者から誘っていたんじゃないか、などといった誹謗中傷です。
実際には、痴漢加害者は逮捕されないことが最も重要なので、そうした女性ではなく、警察に訴えでない泣き寝入りしそうなおとなしい女性を狙います。

――はたから見れば、痴漢の場合、既婚で正規雇用、万引きの場合でも生活に困っているわけではないと一見幸せそうな人生を歩んでいるように見えます。
どうして彼らは犯罪に走るのでしょうか?

斉藤
両者ともに共通しているのは過度なストレスです。
誰もが抱えるストレスによって罪を繰り返すことに非難があるのはわかりますが、患者さんたちはシンプルにそう答えるのです。
 痴漢を繰り返す患者さんの場合、自分を抑えながら自宅や会社では従順な夫や社員を演じ、日々の生活を送るなかで、唯一匿名性の高い満員電車のなかだけがストレスを発散できる場所、となっていることが多い。

痴漢をすることで弱い者をいじめ、ある種の優越感や達成感を味わえる。
痴漢には他にも支配欲求や征服感、男性性の確認、ゲーム感覚やレジャー感覚など複合的な快楽が凝縮されています。
こうした快楽は、日常生活ではなかなか味わえないので耽溺してしまう。
 それこそ朝起きてから夜寝るまでの間、彼らはどの路線で痴漢をしようか、警察にマークされていたら、逮捕されたらどうしようかなど考え、痴漢がもはや「生きがい」になっているのです。

――痴漢などの性犯罪について、アダルトコンテンツの影響を指摘する声を耳にすることもありますが、患者さんたちを見ていてその影響はどうでしょうか?

斉藤
痴漢にしても、盗撮にしてもアダルトコンテンツに影響されて始めてしまった人は全体の1割程度しかいません。
ただ、問題行動を繰り返すなかで、そうしたコンテンツが本人の認知の歪みを強化する要因や再発時の引き金には確実になっています。

――万引きの場合は、さまざまなストレスがあるなかでも具体的にどのようなものが目立ちますか?

斉藤
万引きの場合、女性が多いという話をしましたが、代表的なのは性別役割分業による家事労働やケア労働で感じるストレスが多い。
比較的若い世代では、いわゆるワンオペ育児によるストレスや、共働き家庭で子どもがいる場合、子どもの事情で急に会社を早退しなければならないときに、他の社員の理解のなさにストレスを感じながら働き続けているワーキングマザーは多い。

壮年世代の場合は、子どもが巣立つことによる喪失感、夫が亡くなった喪失感や、親の介護によるストレスが大きい。
いずれも夫の協力が得られずみな孤立化しています。
そうしたストレスが引き金となり万引きに走ることが多いようです。

――万引きは、1日に約13億円の被害が出ている非常に身近な犯罪です。

斉藤
そうですね。2010年から警察庁の通達により万引被害は全件通報になりましたが、実際に実行している店舗は半分くらいです。
実はある大手のドラッグストアなどは、万引きの損害額を商品価格に上乗せしているため、結局、罪を犯していない我々が支払っているのです。
これを聞くと万引きは許せませんよね。
ですから、一般の人ももう少し当事者性を持ってほしいですね。

――痴漢も万引きも依存症の人たちの治療をされているわけですが、両者は依存症としてどう分類されているのでしょうか?

斉藤:依存症のカテゴリーは大きく3つにわけられます。

アルコールや薬物、カフェイン、タバコ、摂食障害などの物質依存
セックス依存や恋愛依存などの関係依存
そして痴漢や盗撮を含む性的な逸脱行為、万引き、ギャンブル、リストカットなどの行為・プロセス依存の3つです。

これらの物質や行為、関係により何らかの社会的、身体的、経済的損失が生じているにもかかわらずそれが止められない状態を依存症と呼んでいます。

――話はズレますが、タイガー・ウッズも患ったセックス依存症という病気は本当にあるのでしょうか?

斉藤
セックス依存症という病名はありません。
しかし、不特定多数の人と性的関係を持つことで、社会的、身体的、経済的損失を繰り返すのに止められない人たちはいます。
 昨年から、私が監修をつとめているWeb漫画『セックス依存症になりました。(津島隆太作)』(https://wpb.shueisha.co.jp/comic/2018/12/21/107827/)は、セックス依存症の当事者である作者が描いているので、とてもリアルです。
かれらは性的な欲求だけでなく、とにかくセックスをしていないと居ても立ってもいられない衝動に駆られその制御ができなくなります。

――痴漢や万引きの依存症になると身体のなかでは何が起こっているのでしょうか?

斉藤
痴漢の場合、はじめは満員電車のなかでたまたま手が触れてしまっただけかもしれません。
しかし、そのときに快楽の衝撃が体中に走り、ストレスから解放された感覚を味わい、それから繰り返すようになるケースがあります。

万引きの場合も、もし最初の行為で何度も失敗していれば、それ以上繰り返すことはないでしょう。
しかし、万引きは残念ながら見つからないことも多く捕捉されないこともあるために成功体験を積み重ねやすくその都度達成感や気持ちがスッキリとした感覚を学習し常習化するケースが多い。

 両者とも成功したときには、脳内では快楽物質であるドーパミンが分泌されます。
しかし、お酒や睡眠薬を習慣的に飲み続けていると一定量では足りなくなるのと同じく、痴漢や万引きも同じことを繰り返してもそれ以上の興奮を得られなくなります。
これをドーパミンの耐性といいますが、そうなると、回数の増加やよりハイリスクな環境で行うようになります。

様々な意味での「死のリスク」を伴う行為が人間が耽溺していく要因でもあります。

痴漢や万引きには、「社会的な死」のリスクがありますし、
アルコールや薬物は「身体的な死」のリスクが、
ギャンブルには「経済的な死」のリスクがあります。

依存症と「死のリスク」というのはセットなんです。
人間にとって慢性的に命を天秤にかけ続けるとここそが、実は生きていることを実感できる方法なのです。

――依存症の人たちは、生と死を天秤にかけられないのでしょうか?

斉藤
天秤にかけることはできますが、その物質や行為に耽溺していくうちに優先順位の逆転現象が起きます。
たとえば、著書『万引き依存症』の中に出てくるAさんは、娘の結婚披露宴へ向かう途中に万引きをしてしまい逮捕されてしまいました。
母親として、娘の結婚式に出席するのに当然ですが万引きをしてはいけないと分かっています。
でもそのプレッシャーで前の晩に眠れなかったかもしれませんし、たまたま持ってきたカバンが大きなもので、そしてたまたま空いた時間にスーパーに入ってしまいます。
そして、「今日だけは絶対にしてはいけない」という極度のストレス状況が重なっていました。
そのような状況下で正常な判断ができなくなります。

この日だけは絶対にやってはいけないだろうという日に限ってやる人がいますね。
これも不合理性のひとつです。

――そして認知の歪みを強化していく。

斉藤
そうですね。
 痴漢は代表的な認知の歪みが20個ほどあります。
一番多い認知の歪みが、女性は痴漢をされたいと思っている人もいるという発想です。
他にも「今週は仕事を頑張ったから、痴漢をしても許される」
「女性専用車両に乗っていない女性は痴漢をされたい人だ」と解釈する人までいます。

信じられないかもしれませんが、四大卒で妻子がいてサラリーマンです。

万引きの場合も、「このお店でたくさん買い物をしているのだから、今日くらいは万引きをしても許される」などと子どもが聞いてもおかしいと思うロジックを作り出し時間をかけてはぐくんでいきます。

――ただ、かれらは万引きや痴漢行為に耽溺していますが、我々もたとえばスマホであったり、甘い食べ物であったり程度の差こそあれ何かに依存していますね。

斉藤
痴漢や万引きといった依存症の問題は、被害者が存在するのでまずは被害者のことを第一に考えないといけません。
 しかし、アルコールや薬物、ニコチン、カフェインなどは被害者が存在しない、自己使用の問題です。
そうした依存症の人たちにとって、人生の辛い局面でそれがあったからこそ自殺などせずに生き延びたかもしれないという面はあります。

――クリニックの治療はもちろんですが、社会全体がどうなれば依存症の患者さんたちが回復しやすくなるのでしょうか?

斉藤
依存症になりやすい人の特徴は、真面目で責任感が強く、人に助けを求められない人が多い。
だからこそ、安心して助けを求められる社会になれば依存症になったとしても回復しやすいと思います。
そして依存症への正しい理解を周囲がすることで少しでも彼らに対する偏見を取り除いていくことが重要だと考えています。

――最後にあえて本書をおすすめしたい人たちは?

斉藤
まだ顕在化していない当事者やその家族の人たちですね。
最近、この2冊を読んで電話で相談が来るケースが増えています。
多くの人に読んでほしいのはもちろんですが、まずは、当事者や家族、周囲の人たちに読んでいただいて、結果的に行動変容のためのプログラムにつながれば嬉しいですね。
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2019年01月14日

「死に至る中年の病」が増加…NASH、食道胃接合部がんの恐怖

「死に至る中年の病」が増加…NASH、食道胃接合部がんの恐怖
2019年01月13日 SPA!

40代を超すと「病気」の話題も増えてくる。
だが、三大成人病などメジャーな病気に注意していても、耳慣れないマイナーな病気に足元を掬われてしまうことも……。

そこで「本当は怖い中年の病気」と題して、真の意味で中年が要注意な病気について紹介していく。
第2回は「NASH」と「食道胃接合がん」だ。
近年、増加の一途を辿る身近で危険な病気である。

◆予備軍1000万人の「NASH」とは?
 NASHとは「非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis)」のこと。
北青山Dクリニックの阿保義久院長によれば、近年、患者数の増加が著しいという。
「脂肪肝炎というと、過度な飲酒が原因というイメージがありますが、最近ではアルコールが要因ではない脂肪性肝疾患『NAFLD』が増加中。
このNAFLDが重篤化すると『NASH』となります。

この病気は2014年ごろから注目され始め、今ではNASHの予備軍であるNAFLDの患者は日本で1000万人もいると推測されています」
 たかが脂肪肝と放置していると、生命にかかわる事態にまで発展。
「脂肪肝とは肝臓がフォアグラのようにぶよぶよな状態になることです。
この状態から病状が進むと、肝臓の繊維化そして肝硬変につながっていく。
最終的には肝臓がんへと進行するリスクもあります。
肝臓への負担は主に飲酒が原因と考えられがちですが、NAFLD・NASHは飲酒習慣がなくてもメタボリックな人なら誰でも罹患している可能性がある。

肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれているので、自覚症状がほとんどないことも注意を要するポイントです」
「自分は酒を飲まないので肝臓は大丈夫」との思い込みは禁物だ。
「まずは食生活を見直して、暴飲暴食をさけること。
そして、定期的な健康診断を心掛けること。
最近の医学において肝臓の疾患は早期に発見できれば対策は十分に可能です。

中年太りが気になりだしたら、腹回りだけでなく肝臓も気にしてください」
 沈黙の臓器のか細い悲鳴を、聞き逃してはならない。

◆胃がんでも食道がんでもない「食道胃接合部がん」
 国立がんセンターの最新がん統計によると、日本人男性の部位別死亡数の第1位は「肺がん」、第2位は「胃がん」、第3位は「大腸がん」。
がんで死亡する日本人男性の半数近くがこの3部位のがんであるが、前出の阿保院長によれば「近年『食道胃接合部がん』というがんが増加傾向にある」という。

「食道胃接合部がん」とは、読んで字のごとく食道と胃のつなぎ目に発生するがんである。
「胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌の感染減により減少傾向にありますが、日本人の食生活の変化により、胃がん以外の欧米型がんが増えてきています。
食道胃接合部がんはその一種。
昔は噴門がんとも呼ばれていましたが、この呼び方になったのは最近のことです」

 このがんが増加中である原因は、食生活が欧米化し、肥満が社会問題化したことと密接に関係している。
食道胃接合部がんの原因のひとつは『胃酸の逆流』。
肥満などにより腹圧が上昇することで胃酸が逆流するのです。

“頸(くび)”“胸”“腹”の3か所を手術するケースが多く、施術の危険性も高い。
リンパ系にも転移しやすく、非常に厄介ながんです」

 なんとも恐ろしいがんだが、予防など対策はあるのだろうか?
「初期に発見できれば対応できるので、内視鏡による早期発見が第一。
このがんにかかわらず、がん対策には定期的な内視鏡検査を強くおすすめします。
日本の内視鏡医療は世界でもトップクラスで、日に日に技術が進歩している分野。
静脈注射によるほぼ無痛の内視鏡検査を行っている医療機関も増えています。

医療関係者の中には、人間ドッグの際にバリウムによる検査をはさまず、直接内視鏡検査に進んでしまう人も多いですよ」  内視鏡大国・日本に住んでいるからには、その利点を生かさない手はない。


【阿保院長プロフィール】
阿保義久
東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。
2000年に北青山Dクリニックを設立。
下肢静脈瘤の日帰り根治手術・椎間板ヘルニアのレーザー治療・痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療―がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。
著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。
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2019年01月21日

冬に突然死を招く4つの「危険な生活習慣」

冬に突然死を招く4つの「危険な生活習慣」
2019.1.20 ダイヤモンドオンライン
渡辺尚彦(わたなべ・よしひこ)
聖光ヶ丘病院顧問、医学博士。

いよいよ冬本番。1日の寒暖差が大きくなる季節は、何気ない普段の生活の中に、血圧の乱高下から突然死を招く危険因子が潜んでいるため、要注意だ。
では、具体的には冬場のどのような行動に気をつければいいのだろうか。
30年以上前から携帯型血圧計を装着し、24時間血圧自己測定の世界記録保持者でもある、聖光ヶ丘病院顧問の渡辺尚彦医師が解説する。

「死のスイッチ」を入れる行動は 普段の生活に潜んでいる
 冬になり寒くなると、血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。
何気ない生活の中でも、例えば朝ぽかぽかの布団から出て寒いトイレに入る時や、帰宅直後の寒い部屋でコートを脱いだり、寒い部屋のまま着替えたりする時など、寒暖差を急に感じる行為には注意が必要です。

 高血圧は突然死を招く危険な因子です。
減塩など食生活の改善も大切ですが、「死のスイッチ」を入れるのは、実は、普段の行動の中にあります。
 私は、30年以上24時間365日血圧計を装着し、自分の血圧を計測し続け、自身と患者のデータから、血圧の変動と日常生活の行動との関連について分析してきました。
24時間の血圧推移と、起床から睡眠時まで全ての行動、つまり、仕事、電車や車での移動、睡眠、散歩、運動、トイレ、食事、入浴等との関連が特定しています。

 これらの調査の中で、死を招く、特に危険な血圧の乱高下を招いた生活習慣は、4つあります。

危険な生活習慣(1)
熱い風呂に入る
 実は、年間約1万5000人以上が風呂で亡くなっています。
風呂は癒やしの場であると同時にリスクの高い場所です。
その要因が「高温」「長湯」「温度差」という3つのリスクです。
 熱い風呂は、血圧を急激に上げ、脳や心臓の障害を起こしやすくします。
熱い風呂の長湯は、血流を増加させて、のぼせやすくなります。
のぼせると、めまいや失神に至り、溺れれたり、転んだりする事故につながり大変危険です。

 温度差は「ヒートショック」ともいわれますが、寒い脱衣所から熱い浴槽につかる時、または、その逆の時の大きな温度差が身体を襲います。
急激な温度の変化は交感神経を強く刺激するので、血圧が一気に上がり、脳や心臓の障害を招きやすくなります。

 おすすめは39〜40℃くらいのぬるめの入浴。
長湯をするなら、あまり体に水圧のかからない「半身浴」がいいでしょう。
 寒い時期には特に室内と浴室と脱衣所の温度差がヒートショックを招き危険です。
脱衣所にヒーターを置いて部屋を暖めたり、浴室は少し前からシャワーを出して室内を暖めておいたりするのがいいでしょう。
 また、浴槽に入る前にはかけ湯を欠かさないでください。
ポイントは、いきなり肩からかけるのではなく、足元から少しずつ、だんだん体の上の方にかけていくこと。
浴槽に入る際も、いきなりザブンとではなく、ゆっくり足元から入ることが大切です。
こうすることで、血圧の急激な上昇を和らげることができます。

 浴槽から出る時も、急に立ち上がらず、ゆっくりと体を起こしましょう。
そして、風呂から上がったら、体を冷やさないようすぐに服を身に着けるように。
そうすることにとって血圧の急激な変動を回避できます。
 また、入浴に伴う脳梗塞を防ぐためには、「入浴の前後に必ずコップ1杯の水を飲む」ことがおすすめ。
これで、血管のつまりによる心臓や脳疾患の発症を防ぐことができます。

危険な生活習慣(2)
サウナに入る  
サウナは入り方を間違えると自殺行為になります。
 サウナはたいてい水風呂と一緒になっていますが、サウナから出て水風呂に直行、ザブンと水風呂に入り、またサウナに入る――を繰り返していませんか?
これはヒートショック状態を自ら作り出しているのと同じで、非常に危険です。
 以前、私が真冬のアメリカのリゾートホテルに行った時、別棟にあるサウナに徒歩で行き、20〜30分と長めに入ったところ、血圧が150mmHgを優に超えていたことがありました。
心拍数も150をオーバーしており、汗をかいて激しい運動をしている時と同じ数値になり、非常に驚きました。
つまり、サウナは激しいスポーツと同程度の負担を体に強いるものなので要注意です。

 サウナと血圧の変動との関係を調査し続けた結論として、私がおすすめするサウナの入り方は、60℃のサウナに最大15分を限度とし、水風呂は厳禁。
入る前後にコップ1杯以上の水を飲むことです。
 血管がもろくなっている中高年や、糖尿病、高血圧など持病を持つ方にとっては、サウナと水風呂は死に直結する行為なので、特に注意が必要です。

危険な生活習慣(3)
尿意、便意を我慢する
 排便と血圧の変化も密接に関わっていることが、私自身の血圧データと患者さんのデータから明らかになっています。
 排便の際は、いきむので血圧が上昇します。
つまり、便秘気味の人は血圧が上がりがちになるのです。
下痢の場合も、おなかに痛みが生じることにより、体に負担がかかり、血圧が上がるので、こちらも好ましくはありません。

便通はスムーズであることが一番です。
 また、排尿を我慢しても血圧が上がります。
 これも私自身の経験ですが、ビールを飲んで帰宅する際、電車の中で尿意を我慢していました。
駅のトイレで、排尿前後の血圧を調べたところ、排尿前175mmHg、排尿後12mmHg5となり、尿意を我慢しただけで、血圧が50mmHgも上がっていました。

 実は、排尿により急激に血圧が下がると、時に意識がなくなることがあり、これを医学用語で「排尿失神」と呼びます。
倒れてケガをすることもあるので要注意です。
排便を我慢しても排尿同様血圧が上がるので、こちらも気をつけましょう。

 ちなみに、「立ち小便」も血圧を上げる要因になります。
立位が交感神経を緊張させ、さらに排尿の際に腹圧がかかるので、血圧が急上昇します。
洋式トイレで座って排尿すると、立ってする時に比べて、血圧の上昇が幾分和らぐので、自宅では座ってすることがおすすめです。
その際は、便座は暖かくしておくこと。
冬場は冷えた便座におしりが触れるだけでも血圧が上がります。
自宅のトイレが暖房便座であれば、常にスイッチを入れておきましょう。
暖房タイプでなければ、便座カバーをつけるだけでも、血圧の上昇をかなり軽減できます。

危険な生活習慣(4)
イライラする
 年末はいろいろと忙しい季節。また年始では、スポーツ観戦で熱くなることもあるでしょう。
ストレスも高血圧の要因のひとつです。
 これも私自身の体験ですが、以前、患者さんのカルテに張り付けてあったデータが別人のものだった、という大きなミスが見つかり、生まれて初めて、「どうしてこんないい加減なことをするんだ!」と周囲に怒りをぶちまけてしまいました。
すると、その時の血圧は、200mmHg以上に跳ね上がっていたのです。
 もちろん、時々起きる程度であれば問題はないのですが、それが頻繁に起きたり、血圧が高いまま下がらなくなったりすると、さまざまなリスクも高くなります。

 スポーツ観戦も同様です。たまに楽しむ程度なら問題はありませんが、熱中すると血圧が上がってしまいます。
ひいきのチームがある人は、応援が過度にならないようにセルフコントロールをしてください。
あまりに熱中すると、血圧が上がって脳卒中を起こしかねないので注意が必要です。

 高血圧が気になるが、食事の減塩は難しいというのであれば、まずこういった生活習慣に気をつけることから始めてみてはいかがでしょうか。
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2019年01月24日

“平成最後”『サラリーマン川柳』優秀100選が決定

“平成最後”『サラリーマン川柳』優秀100選が決定
1/22(火) オリコン

 第一生命は22日、昨年9月から10月にかけて、全国の幅広い世代を対象に募集した、第32回『第一生命サラリーマン川柳コンクール』を実施し、全国から寄せられた4万3691句の中から“平成最後”の全国優秀100句を決定した。
 今年の優秀100句には“定年延長”“再雇用”により遠ざかる人生の余暇を嘆く句が多数入選。
第4次安倍内閣では、企業に65歳以上の定年延長、さらに2019年度を目標に70歳定年の原則化を求めるなど、シニア層の活躍推進に力を入れていく。
厚生労働省の調査によると、一律定年制を定めている企業のうち、定年を65歳以上としている企業の割合は2017年に17.8%にのぼり、10年前の2007年(9.1%)の約2倍に上昇した。

 ただ、もうすぐ定年を迎えようとしていたサラリーマンからは「余暇が遠ざかった…」、部下からは「苦手な上司が再雇用された…」など悲痛の叫びが届いた。
 そのほかにも、不要なものはメルカリで「売る」、情報はインスタグラムやLINEで「すぐに共有」などモノや情報を効率的にシェアする様子が、優秀100句にも多く見られるようになった。
一方、「通勤ラッシュ」「無駄な休日出勤・残業」「仕事と家事の両立」に関するサラリーマンの悩みは、今回の入選作でも数多く登場し“働き方の効率化”はまだまだ道半ばの様子が伺えた。

 元年を迎える次回のサラ川では、シェアオフィスや家事代行サービスなど、働き方にも“シェア”を活用した、新しいサラリーマンの姿が見られることにも期待したい。
 また、今回はタレントのDAIGOが特別審査員の20代限定「YWD部門」(YoungのWishでDAIGO部門)や、地方自治体等と協力して実施した「地元サラ川(ジモサラ)」など、初めての企画も用意されている。
 今後、全国優秀100句の中から平成最後のサラリーマン川柳コンクールベスト10を決める投票を実施(3月15日投票締切)。
投票結果は、5月下旬に発表する。

■第32回サラ川優秀100句は以下のとおり
     作品                                        (雅号)
『五時過ぎた カモンベイビー USAばらし』(盆踊り)
『人生の 余暇はいつくる 再雇用』(年金未受給者)
『ご馳走を インスタ用に 作る妻』(なるほどマン)
『ジュエリーを 平成最後と ねだる妻』(ことは)
『新人の 名前が読めぬ 時代来た』(真珠2シャイ)

『再雇用 昨日の部下に 指示仰ぐ』(白いカラス)
『ゴール前 延びる定年 老い越せない』(チコちゃん55歳)
『メルカリで 妻が売るのは 俺の物』(島根のぽん太)
『意見箱 反映されず ただの箱』(下の気持ち)
『妻の愚痴 返す言葉は うん、そだねー』(クズギルティ)

『生産性 語る上司の 非効率』(悦)
『本題を 外れ会議は 活気付く』(安田 蝸牛)
『テレワーク そばに妻いて 緊張し』(あんどらごら)
『母強し いいえ女性は 皆強し』(人生百彩)
『切った後 価値が上がった 株と彼』(しーちゃんのばあば)

『手紙書き 漢字忘れて スマホ打ち』(忘却の人)
『AIも 太刀打ちできぬ 妻の勘』(うみうし)
『飛「車」よりも 健康将棋じゃ 「歩」が強し』(組織の駒)
『子供服 ダンナのこづかい 上回る』(天童のサイトーです。)
『諦める 妻のトリセツ 日日進化』(赤塚不二子)

『朝ラッシュ ランチ満席 夜一人』(生一丁喜んで)
『脱サラし 農業継ぐも 親上司』(くら)
『半端ない 妻の小言は 容赦ない』(さごじょう)
『ジム帰り かいた汗より 重い酒』(おたやん)
『イクメンを 育てる前に 子が育つ』(みつ豆)

『神隠し!? 二次会なると 消える部下』(パスタ)
『会議中 本音と建前 懐疑中』(怪傑もぐり33世)
『「これ優先」 みんな言うけど どれ優先?』(全て最優先)
『間食を もぐもぐタイムと 正当化』(松戸ラガー)
『兄ショック ガンダム以来の アムロロス』(シャアの友人)

『ノー残業 趣味なし金なし 居場所なし』(リトルプー)
『議論無し 「そだね〜」だけの 役員会』(ぴんけろ)
『上司宅 家ではこんなに 動くのか?』(よみ人知らず)
『「前向きに 検討します!」と 後ずさり』(柳川良紗)
『下腹が 気づかぬ内に ひょっこりはん』(のあ)

『手間暇を 掛けてインスタ 冷める飯』(ハルル)
『女子会の モグモグタイム はんぱない』(ゆうこりん)
『何度目だ? 平成最後の 頼み事』(玉ねぎ頭)
『「あの頃は!」 今を語れぬ 我が上司』(カマキリ)
『大安か 上司出張 妻不在』(喜夢多来)

『子におもちゃ 捨てると言ったら 「イヤ、売って」』(しぇありんぐ、え?好みー?)
『俺四番 野球じゃなくて 風呂の順』(ぽん吉)
『いい数字 出るまで測る 血圧計』(とん吉)
『納税で 知らない土地も ふるさとに』(なにわのあっちゃん)
『この先は AI上司に 査定され』(トンケイ)

『顔認証 今では無理な クラス会』(ご同輩)
『今どきの ホウレンソウは LINEから』(しーしーちゃん)
『頼まれる お手すきの時 ありません』(うどんはいから)
『ふところは 年中無休 クールビズ』(逆ペリカン)
『病院へ 来ない仲間を 心配し』(カープひろし)

『趣味探し 定年前の 大仕事』(光男)
『腕枕 乗ってくるのは にゃんこだけ』(また旅)
『「やせなさい」 腹にしみいる 医者の声』(べごちゃん)
『「パパじゃやだ」 それでも送る 保育園』(毎朝大変)
『飲み会の 日程調整 まず妻と』(調整くん)

『「また残業」 俺のツイート 妻いいね!』(仮面夫婦)
『報告後 課長必ず 「メールして」』(ケンシロウ)
『夢を持て そういう上司も 夢見せて』(よみ人知らず)
『夕飯で 分かる明日の お弁当』(じゅん)
『お犬様 俺の四倍 床屋代』(ナナハン親父)

『給料も シニア割され 半額に』(再任用)
『家にいて 娘と会話 ラインにて』(ノア)
『よく切れる スマホの電池 うちの妻』(みらいむ)
『見える化を したのに見えない 小さい字』(リオカウル)
『例の件? ありすぎて困る 何の件?』(まじめ人間)

『叱っても 褒めても返事は 「ヤバイッス!」』(国語辞典)
『やっと縁 切れた上司が 再雇用』(アカエタカ)
『在宅勤 家事もまかされ フル稼働』(紫柳(シリュウ))
『定年が 手招きしつつ 遠ざかる』(マリちゃん)
『再雇用 家にいなくて 最高よ!』(糟糠の妻)

『人事異動 オレの後任 人工知能』(A.I.)
『どう耐える 百年時代 恐妻家』(ゆうちゃん)
『ライバルが 去ってAI 現れる』(ひぐらし)
『来春は 10連休だが 定年後』(蓼喰う虫)
『コインより 仮想に近い 夫婦仲』(仮面妻)

『忖度で ちがう意見が 一致する』(団塊世代)
『大変ねー 気遣うあなたは 再配達』(宅配便)
『伸び悩む パパの出世と 貯蓄額』(甘酒)
『昼休み 上司とランチ 勤務時間』(あやまる)
『休日に 働き方の 打ち合わせ』(きの子)

『組織人 英語で言えば YESMAN!』(NO MAN)
『削減だ 改革起こすと 仕事増え』(一生船乗り)
『そだねーと 妻の返事は スルーパス』(モグたん)
『ストレスで モグモグタイムが エンドレス』(ウエスト半端ねえ!)
『インスタで 妻のランチを 二度見する』(田中十字路)

『詰め込まれ 社に着くまでが 一仕事』(マニョ)
『上司から ともだち申請 見ないふり』(公私混同)
『終業後 家に帰れば 家事始業』(ワンオペ育児)
『効率化 他部署に負担が 移動した』(にしびん)
『ちょっといい? ちょっとで終わった 試しなし』(散らかりカレンダー)

『部下休み 理由知ったの SNS』(小豆)
『マラソンは 靴とウェア−で 勝負する』(嶋 一)
『まえは犬 いまはスマホに 話しかけ』(みっちー)
『オレ正論 妻へりくつで なぜ勝てぬ』(のりちゃん)
『ためている 俺はストレス 妻は金』(紙風船)

『会議終え 本音を言いに 喫煙所』(ほのぼの)
『意見出せ 出したとたんに 担当者』(七色とうがらし)
『効率化 提案会議で 残業か』(疲れる)
『U・S・A 流行りにのれない まあいっさ』(しん)
『参観日 こっそり祖父母も ひょっこりはん』(もりもりタイム)
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2019年01月25日

第2の「消えた年金」問題も発生、年金減額16年の歴史とカラクリ

第2の「消えた年金」問題も発生、年金減額16年の歴史とカラクリ
2019.01.24 週刊ポスト2019年2月1日号

 厚労省の毎月勤労統計の調査不正は、第2の「消えた年金」問題と呼ばれる──。
統計調査の内容やデータを変えて平均賃金を低く見せかけた結果、国民が受け取る失業給付や労災の遺族・障害年金、介護休業給付などが数百億円も減らされ、追加支給が必要になった。
被害者は延べ2000万人にのぼる。

 12年前、2007年の「消えた年金」問題では、厚労省と旧社会保険庁のずさんな年金行政で5000万件を超える年金保険料の納付記録が消され、年金が支払われないままになっていることが発覚した。
それに怒った国民が年金事務所に殺到し、第一次安倍政権を揺るがす事態となった。

 これまでに約3000万件が判明、総額1兆6000億円の未払い年金が追加支給されたが、未だ2000万件の記録が特定されていない。
なぜ、厚労省で巨額の未払いが繰り返されるのか。
実は、「第1」も「第2」も問題の病巣は同じだ。

 厚労省は国民生活に直結する多くの統計調査を実施し、役人がつくりあげた複雑な計算式の数字を少し変えるだけで年金や医療費、失業保険などの社会保障給付、いわば国民に払う“命のカネ”をいかようにも増減できる権限を持つ。
そうした数字の操作こそが、この役所の力の源泉であり、それが「消えた年金」や数々のデータ改竄など数々の不祥事を生んできた。

◆「保険料だけ」上げられた
 今回の統計不正が始まったのは2004年からだ。
当時、失業者は過去最高の110万人を超え、厚生年金の保険料収入は落ち込み、国民年金の未納率は4割に達していた。
失業保険の積立金も底をついて社会保障制度全体が崩壊寸前だった。

 厚労省が失業保険より先に手を付けたのは年金だった。
時の小泉内閣が「100年安心」を掲げて年金改革に乗り出すと、同省は制度を複雑に作り替え、年金の計算式を変更し、データの数字も変えていく。
 前年の2003年には、年金に「総報酬制」が導入された。
それまでサラリーマンの厚生年金の保険料と受給額は月給で計算されていたが、ボーナスを含めた「総報酬」で計算する方法に変更し、年金額を大きく引き下げたのである。

 厚生年金の受給額は〈給料×乗率×年金加入月数〉という計算式で算定される。
この乗率を変えるだけで年金額はどうにでも増減できる。
総報酬制の導入にあたって乗率は1000分の7.125から同5.481に引き下げられ、この年以降の厚生年金加入期間の年金額はなんと25%も減額されることになった。

 暴動が起きても不思議ではないほどの大幅カットだが、政府は同時に保険料率を17.35%から13.58%に引き下げ、国民に「ボーナスを含め計算し直しただけで、保険料も年金額も変わらない」と説明した。
 ところが、その翌年、国民は騙されたことに気づかされる。
総報酬制の実施後、政府はいったん引き下げた保険料を18.3%まで段階的に引き上げることを決めたからだ。
国民が気づいた時には年金減額と保険料アップのダブルパンチとなった。
 味をしめた厚労省では、このタイミングから毎月勤労統計の調査不正を進めてきた。

◆「減らす」ための計算式
 なぜ厚労省は平均賃金を低く見せかけたかったのか。
平均賃金は失業給付だけではなく、年金とも関係している。
年金額は、「賃金スライド」と呼ばれる平均賃金の変化で調整され、賃金の伸びが低くなれば抑えられる。
この計算式も2004年の年金改正で決められた。

 厚労省年金局年金課は、「年金の賃金スライドの計算と勤労統計とは全くリンクしていない。
今回の不正調査問題が年金の保険料や支給額に影響を与えることは全くありません」と言うが、実は、年金額のもとになる平均賃金の算出方法は勤労統計以上の“ブラックボックス”なのだ。

 社会保険労務士でもあり、年金数理に詳しい第一生命経済研究所経済調査部の星野卓也・副主任エコノミストが語る。
「そもそも年金計算における賃金は『前年の物価上昇率』、『実質賃金変動率』、そして『可処分所得割合変化率』という調査の方法も時期も違う3つのデータを組み合わせて算出されています」

 細かい説明は省くが、計算結果を見ると、複雑極まりない算出を施す狙いが浮かび上がる。
 勤労統計では「賃金上昇」が続いていた期間でさえも、「年金額のベースとなる賃金」はなぜかマイナスになっているのだ。
その結果、年金額は低く抑えられていた。

◆今年から「新・減額装置」が発動  
その後も年金改革のたびに減額するカラクリが盛り込まれてきた。
最も大きいのはマクロ経済スライドによる計算式の変更だ。
 これは年金受給者やこれから受給する新規裁定者の年金額を改定する際、年金生活者が困らないように賃金の伸びや物価上昇に応じて年金額を増やす従来の計算式に「スライド調整率」という数値を加味することで、逆に年金額を毎年目減りさせていく仕組みだ。

 2004年の年金改正で導入されたが、物価が下がっている年は年金額を減らさずに据え置かれてきた。
それを厚労省は「もらいすぎ年金」(特例水準)と呼んで批判し、2012年の年金改正で「特例水準の解消」を名目に年金額を2.5%引き下げた。
 さらに2016年の年金改正では、物価下落で発動できなかった年の「スライド調整率」を毎年持ち越し、物価が上昇したときにまとめて精算させて国民の年金をいっぺんに減額(目減り)させるキャリーオーバー制度を導入した。
今年から実施が見込まれている。

 前出の星野氏は、こうした度重なる制度変更の結果、2018年度の年金受給世帯の実質年金給付は2012年度より6%下がる見込みと試算している。
「このうち3%分は年金特例水準の解消による減額と15年のマクロ経済スライドの発動によって年金の実質額が目減りしたものですが、残りの3%分は年金改定の複雑な計算式によるものです。
消費税増税による物価上昇でも年金額が上がらない仕組みがあり、その結果、年金額が実質目減りしていると考えられます」(星野氏)

 とはいえ、これまでは賃金上昇率がマイナスになっても年金の改定率はゼロで据え置かれてきたため、年金の支給額が額面で下がることはなかった。
だが、2021年からは賃金や物価が下がれば、年金額そのものが引き下げられるようになる。
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2019年01月26日

医師が教える、インフルエンザの知られざる予防法

医師が教える、インフルエンザの知られざる予防法
…罹ったときの間違った対処法
2019.01.25 Business Journal
石原結實
イシハラクリニック院長、医学博士

 38.0℃以上の発熱が突飛に発現し、全身の節々の痛みがあり、「いつもの風邪と感じが違う」と思ったら、すぐ病院で受診して抗インフルエンザ薬を処方してもらう必要がある。
発病して48時間を過ぎウイルスが細胞内に潜り込んでしまうと、薬が効かないからだ。

 ただし、インフルエンザは予防をするほうが大切である。
インフルエンザ・ウイルスの主な感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3つである。

よって、予防法としては以下が知られている。
(1)マスクの着用…飛沫感染を防御
(2)緑茶による「うがい」…緑茶に含まれる「カテキン」に抗ウイルス作用がある
(3)手洗い…石鹸で手首、手の甲や手のひら、手指、爪まで入念に洗う。アルコール消毒ならもっと短時間ですむ
(4)ドアノブ、スマホ、パソコン、机の上でインフルエンザ・ウイルスは1〜2日生存するので、アルコールで消毒する

 このほかには、以下などの励行も大切である。
(5)室内に加湿器を設置…乾燥するほどウイルスの感染力が高まる
(6)十分な睡眠…寝不足は免疫力を低下させる
7)ウォーキング、ストレッチなどの心地よい運動…マラソンなどの競技を目的としたハードな運動は免疫力を低下させることがあるが、「心地よい」「うっすらと汗ばむ」程度の運動は免疫力を上げる  

しかし、一般の医学が指摘、指導しない重要な予防法として、「食べすぎを避けること」がある。
 風邪、インフルエンザ、胃腸病その他ほとんどの病気で、「食欲不振」が発現する。
そんなとき一般の人たちも、医師たちでさえも、「体力をつけるために無理してでも食べるように」と、食を強要することがほとんどだ。
 しかし、これは愚の骨頂である。

神様が我々人間をはじめ、動物に与えてくださっている病気を治す方法は究極的には「食べないこと(食欲不振)」と「発熱」の2つしかない。
犬や猫が病気をすると「一切食を拒み、数日すると元気になる」
様子を目の当たりにした人は少なくないだろう。

「食べたくないときは食べない」
 話は旧聞に属するが、米国ミネソタ大学医学部の教授だったM・J・マレイ博士は1975年に飢饉のサハラ砂漠を訪れ、遊牧民に食糧を与えたところ、「しばらくして突然にマラリアやブルセロージス、結核などの感染症が起こってきた」ことを経験したことから「栄養過多が感染症を誘発するのではないか」
「我々が食べる食物中の栄養素は、我々の体の維持よりも、病原菌の分裂、増殖のほうにむしろ利用されているのではないか」と考えるに至った。

その後、種々の実験を繰り返した同教授は「感染症をはじめ、病気にかかったときには食欲不振に陥るが、これは体の防御機構の表現である」という論文を米国臨床栄養学会誌に発表した。

その実験の概要は、次のようなものだ。
 ネズミ100匹を4群に分ける。その4群を何も感染していないネズミと、腹腔内に病原菌を注射して無理に病気を起こさせたネズミの2群に分ける。その2群ずつを、さらに自由に食べさせる群と、チューブを胃に入れて無理に食べさせる群に分けて、死亡率と平均生存日数を観察した。
結果は「表」のようになった。
 種々の病気で食欲のないときに「体力をつけるために」という理由で無理に食べることがいかに悪いか、かえって、病気を悪化させたり、死期を早めたりすることがある、ということを雄弁に物語っている。

 マレイ教授も結論として「食欲不振は自分自身の体の防御反応に重要な働きを果たしている」と喝破している。
 2016年、日本の大隅良典博士に与えられたノーベル医学・生理学賞は同博士の「Autophagy(自食作用)」の理論に対してである。
人体を構成する60兆個の細胞は、年齢を重ねるとともに、その細胞内に「古いタンパク質」「老廃物」「ウイルス」などが蓄積されてくる。
「空腹」のときや絶食すると、こうした「有害物」を細胞自身が処理してしまう現象が「Autophagy」である。
つまり空腹(食欲不振)のとき、細胞に潜り込んだインフルエンザ・ウイルスも「自食」されてしまうことを示唆している。  

よって、インフルエンザの予防や、不幸にして罹患したとき(抗インフルエンザ薬は服用しつつ)にも「食べたくないときは食べない」ことだ。
ただし人体60兆個の細胞は、糖分だけで活動しているのだから、体を温める作用のある熱い紅茶にハチミツや黒砂糖を加え、免疫力増強作用や殺菌・抗ウイルス作用、解毒作用を有する生姜(の辛み成分=ジンゲロン、ジンゲロール)のすりおろし、または粉末を足した「生姜紅茶」を1日3〜4杯飲まれるとよい。

インフルエンザ予防になるし、もちろん、かかったときも早めの治癒を促してくれるはずだ。
 なお紅茶の赤い色素「テアフラビン」には強力な抗インフルエンザ作用があることも確かめられている。 

ニュースサイトで読む:
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2019年01月29日

「ずっと体調悪い人」が知らない調子の整え方

「ずっと体調悪い人」が知らない調子の整え方
大事なのは自分の「調子の波」を観察すること
2019/01/28 アルファポリスビジネス編集部

臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。
エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。
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「身体と心を整える」簡単エクササイズ
仕事がうまくいかないとき、やる気が出ないときに、気分転換をする人は多いと思います。
インターネットで動画を見る人もいれば、マッサージ屋さんに行く人もいるでしょう。
あるいは漫画を読んだり、おいしいものを食べたりと、気分転換の方法は人それぞれだろうと思います。

ただ、数ある気分転換の方法の中でも、私がお勧めするのは、「身体を動かす」ことによる気分転換です。
スポーツジムに行ったり、ジョギングをしたりといった本格的なものもありますが、デスクの周りで手足を伸ばしたり、首や肩、足首などをゆっくり、大きく回すなど、ちょっとした体操やストレッチも効果的です。

なぜ、身体を動かすことがいい気分転換になるのか。
それは、身体と心は「一体」だからです。
不安や怒り、ねたみや焦りを感じているとき、私たちの身体には必ずどこかに、不自然な緊張やこわばり、鈍い痛みなどの違和感が生じています。

逆に、全身がリラックスしているときには、私たちはネガティブな感情にとらわれることはありません。
身体と心が一体であることは、次のような簡単なエクササイズでも確かめることができます。

まず、蹲踞(そんきょ)という姿勢を取ってみましょう。
つま先立ちでしゃがむ、お相撲さんや剣道の人が、試合の前にやっている姿勢です。
やってみるとわかりますが、この姿勢を取ること自体が、西洋式の生活になじんだ現代人にとっては意外に難しいものです。

やり方は極めて簡単、蹲踞の姿勢でどれくらいの時間、安定を維持できるかを試してみるわけです。
年齢によっても違いますが、少しでも心ここにあらず、つまり何かを上の空で考えた瞬間、バランスを崩す人が多いのではないでしょうか。
特に心に不安があったり、心配事があって落ち着きのないときには、10秒もしないうちにバランスを崩し、姿勢を維持することができなくなってしまいます。

心の乱れは、体の乱れにつながる
蹲踞の姿勢を取るとき、私たちは身体の重心を背筋に沿って真っすぐ降ろすことでバランスを取っています。
心が乱れていると、必ず身体の重心の位置も乱れます。
そうするとすぐさま、蹲踞の姿勢は崩れるのです。
つまり、蹲踞の姿勢をどれくらいの時間保てるかということで、そのときの精神状態の良し悪しを、ある程度、測ることができるのです。

また、これは逆も成り立ちます。
つまり蹲踞の姿勢をしばらく維持することによって、心はある程度落ち着くのです。

焦りと不安が「調子を落とす」ことにつながる
特にデスクワークの方にありがちですが、仕事に夢中になっていると、自分の心身の調子の変化に気づきにくくなります。
自分では無理をしているつもりはなくても、疲労をたくさんためて仕事をしている人は少なくありません。
そういう人は、目をつむって、自分の身体を観察してみてください。
呼吸が浅くなっていないか、背中がこわばっていないか、肩に力が入りすぎていないか……。

肩にどれくらい力が入っているか、胃腸に違和感はないか、姿勢が崩れていないか……。
特に身体を観察してみて驚くのは、体の中にはいつもどこかにかすかではありますが、「痛み」や「痺れ」や「気持ち悪さ」というものがあり、それが絶えず現れたり消えたりしていることです。

初めはあまりコツがつかめないかもしれません。
でも何度か試みているうちに、あるときフッと、体の中の動きを捉えられるようになるでしょう。

焦りや不安で精神状態が悪いときというのは、必ず身体のどこかに、その兆候が出ています。
そして、その兆候を、実際に症状が出る前に感じ取れるようになると、不思議なことに、毎日ほんの5分でも目をつむって観察しているだけで、しだいに身体の調子が崩れにくくなり、好不調のブレがなくなり、仕事のパフォーマンスが底上げされてくるんです。

先ほど述べたように、自分の身体を観察すること自体、身体の調子を整える力強い作用があります。
しかしそれだけではありません。
もう1つ、仕事のパーフォマンスを確実に上げる要因があります。
それは、自分の心身の調子をモニタリングすることによって「不安」が軽減されるからです。

調子の悪いときというのは、私たちは「調子の悪い自分」を「自分の実力」だと思い込んでしまいがちです。
「こんな簡単なミスばかりをしている自分は、仕事ができないダメな人間ではないか」
「この仕事には向いていないんじゃないか」
実際、ミスを繰り返したり、仕事の成果も上がっていなければ、こういう不安にとらわれるのも無理はありません。
しかしながら、この「不安」こそが、実は「調子を落とす」最大の原因なのです。

どんな人であっても好不調の波がある
本当は、どんな人であっても、好不調の波があります。
つまり不調は固定したものではなくて、時間の波の一部なのです。
どれほど調子が悪くても、ずっと悪いままではありません。
いつか必ず、いや、案外早い時期に調子は上向いてきます。

ところが、「自分は仕事ができない人間なんじゃないか……」という不安が強すぎると、ちょうど心に悪いイメージの“レッテル”を貼ってしまうような効果が生じて、不調が続いてしまいやすくなります。
また、こういう不安にとらわれているときは「なんとか挽回しなければ」と焦って余計な仕事に手を出し、かえってミスを招き、さらに自信を失ってしまうという悪循環に陥ることも少なくありません。

調子を落としているときに必要なことは「このまま不調が続くのではないか」という不安を払い、「なんとかなるさ」という、ある種の楽観主義を持つことです。
ただし、不安を払うためには「不安はよくないのだ」などと“心がけ”るだけでは、十分な効果は期待できません。

それよりは、ほんの10分ほどでも休憩して、その間に深呼吸を数回する、身体を動かす、お茶やコーヒーブレイクをする、など具体的に節目の時間を持つのがよいのです。

そうして一度でも不安の軽減を実際に経験すれば、再び不調で落ち込んでしまっても、
(1)これは本来の自分ではない
(2)不安から解放された明るい自分に戻ることができる
という2点を、筋道を立てて思い出すことで不安は減少します。

こうして1日のうちで不安に陥る時間が減少していけば、不調に陥る回数自体も減っていきます。
なぜなら、「このままずっと、調子が悪いままだったらどうしよう」という底なしの不安こそが、実は不調を引き起こす、最大の原因だからです。

「いまは確かに調子が悪いけれど、時間が経てば必ず、いい時がやってくるさ」という楽観的な希望を信じる。
その信じる根拠となる鍵が、自分の心身の状態をモニタリングすることなのです。

心身の状態を常日頃からモニタリングしていると、自分の調子の「波」が把握できます。
1日の間の変化はもちろん、1週間、1カ月……、といったまとまった期間の「波」を自分なりに把握することができれば、多少調子を落としたところで、「また調子が上向いていく」ということを信じられるようになるのです。

「調子の波」を捉える練習
自分なりに「調子の波」を捉えておくことは、長期的に仕事のパフォーマンスを高いレベルで保ち続けるためには大切な習慣です。
ただ、調子の波を感じ取るには、ある程度、自分自身を観察する「訓練期間」が必要です。

先に述べたとおり、身体の違和感を手がかりに、自分の調子の変化をチェックすることを日々の習慣のなかに取り入れてみてください。

たとえば1日のうちで、午前中と午後の調子の違いを比べてみる。
お昼ご飯を食べた後すぐと、数時間後の調子はどうか、人と会う前と、会った後ではどう変化しているか……。
あるいは1週間のなかでどう変化しているか、1か月周期でみるとどうか……。

「調子の波」がわかりづらい場合
「調子の波」というのがどういうものかわかりづらい、という人は、風邪を引いたときなど、体調を崩したときにこそ、自分の体調の変化(体の内側の変化)を観察してみてください。

というのも、調子が悪いときというのは、「波」が大きくなり、観察しやすくなるからです。
熱が上がっていくときのだるさ、しんどさ、関節のこわばりの変化を観察してみる。
そうすると病気のときでも、ただ痛みやだるさやしんどさが物質のようにそこにあるのではなくて、たとえばたった5分でも、特にズキンズキンと痛いときと、そうでもなくて少し軽快してぼんやりしているときとが繰り返し訪れていることがわかります。
そうやって自分の身体の状態に生じる「波」を観察することで、だんだんと心身の調子の「波」を感知するセンサーが磨かれていきます。
「苦痛は波を描く」ということを知っていると、それだけでかなり楽になります。

それは結局、「この苦しさが“ずっと続いたら”どうしよう」という不安がいつのまにか軽減するからです。

まずは「睡眠と運動」から
いくら調子の波を捉えても、どうしても調子が低下してしまうことももちろんあります。
そういうときに手をつけるべきことは「睡眠」と「運動」、その次には「栄養」です。
この順番は、大半の日本人にとっては、ということです。

ここでは詳しく述べませんが、3つ目の栄養については、特に野菜嫌いの人は要注意です。
そこだけはチェックしてくださいね。
さて、特に睡眠は何よりも大切です。
質のよい睡眠を取ることさえできれば、たいていの不調は解消されてゆくとさえ言えると思います。
では、質のよい睡眠に必要なことは何か。

いくつかあるのですが、最近、質のよい睡眠のために重要だということがわかってきたのが「午前中の運動」です。
質のよい睡眠のためには、副交感神経優位の状態で睡眠に入ることが必要なのですが、副交感神経を働かせるメラトニンという脳内物質は、運動をした15時間後に分泌されることがわかっています。

つまり、夜23時頃に就寝する人は、朝7〜8時頃に運動しておけば、就寝しやすくなるというわけです。
また、朝、身体を動かしておくことは、その日1日のパフォーマンスを上げるうえでも、重要なポイントです。
朝起きたときに気持ちが沈んでいると、その日1日の仕事のパフォーマンスが低下します。

私自身、朝起きたときに、軽いうつ状態といっていいぐらい、気分がすっかり落ちこんでしまっていることがあります。
人生に対する強い空虚感があって、世界が色あせて見えてしまうのです。
そういうときでも、15分ほど体操をして身体を動かしているうちに、いつのまにか何事もなかったかのように気分がよくなり、調子を取り戻すことができることを実感しています。

ヨガでもピラティスでもラジオ体操でも、自分に合ったものでかまいませんが、朝の運動のコツは、いきなり全身を動かすのではなく、「身体の末端」から少しずつ、順を追って動かすことです。

そういう意味で、私は足助體操(あすけたいそう)という体操を毎朝やっています。
これはとても理にかなっていて、簡単で安全で、体調が整います。
たとえば朝目覚めたら、足首を左回し右回し各10回ほど、ゆっくりと回してみてください。
そうやって少し身体が温まってきたら、次に違うストレッチ系の動きをやってみればよいと思います。

朝からしっかりと身体を動かし、まとまった時間、質の良い睡眠を取ること。そうすれば、心と身体の調子は確実に上向いて行きます。
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2019年01月31日

知らないと損する「健康保険」の落とし穴

知らないと損する「健康保険」の落とし穴
2019年01月30日 PRESIDENT Online
原 昌平(はら・しょうへい)
読売新聞大阪本社編集委員 精神保健福祉士

病気やけがで働けなくなったとき、どうやって生活を成り立たせればいいのか。
勤め先の健康保険に加入している人なら、すぐに心配は生じない。
「傷病手当金」という仕組みがあり、最長で1年6カ月間は元の給与の3分の2程度を受け取れるからだ。
ただし申請しなければもらえない。
また、勤めを辞めるときは、退職の時期や休みの取り方によって退職後も受給できるかどうかが違ってくる。
制度の仕組みを解説しよう――。

※本稿は、原昌平『医療費で損しない46の方法』(中公新書ラクレ)の第V章「働き手が病気・けがをしたら」の一部を再編集したものです。

■手続きをしないともらえない「傷病手当金」
公的医療保険には、病気やけがをしたときの医療サービスだけでなく、現金が給付される制度があります。
ただし、自分から手続きをしなければ、もらえません。
条件を満たしていても、制度を知らないと損をするわけです。

なかでも、働き手として、ぜひとも頭に入れておくべきなのは「傷病手当金」です。
病気やけがで仕事を休んだときに、生活費をそれなりに確保できるからです。
傷病手当金は、雇われている人向けの健康保険の加入者が、病気やけがで仕事を休んだ結果、給与が出なくなるか、元の3分の2程度未満に減った場合に支給されます。
労災保険の対象となる業務災害・通勤災害以外の病気やけがで休んだときの所得保障制度です。

以下、健保組合、協会けんぽに加入している人の場合で説明します。
公務員や私学の共済組合でも、だいたい同じです。

■連続して3日休んだ後の欠勤日から支給
傷病手当金は、病気やけがのために労務不能になり、連続して3日間休むと、その次の欠勤日から支給されます。
最初の連続3日の休みは「待期期間」と呼ばれ、公休日や有給休暇も含めて数えます。
早退した場合も、待期期間の1日目にカウントします。

給与がゼロになった場合の支給額は1日あたり、直前の「標準報酬日額」の3分の2です。
雇われている人向けの社会保険(健康保険、厚生年金保険)では、労働の対価の月額を等級区分にあてはめて「標準報酬月額」を決め、保険料の計算などに用いています。

傷病手当金を計算するときは、最初の支給対象日の属する月を含めた以前1年間の標準報酬月額を平均したうえで、それを30で割って「標準報酬日額」とします。
標準報酬月額の平均が30万円の人だと、標準報酬日額は1万円になり、傷病手当金はその3分の2で、1日あたり6667円が支給されます。
公休日の分も支給されます。
休んでいる期間に給与がある程度出た場合も、1日あたりの額が「標準報酬日額の3分の2」より少なければ、差額が支給されます。
その健康保険に加入する前になった病気やけがで、加入後に休んだ場合も給付対象です。

■「就労不能」は医師に認定してもらう
労務不能とは、勤務先でまったく働けないことを意味します。
元の事業所で半日だけ勤務したり、配置転換で軽い仕事をしたりした日は、就労とみなされ、その分の傷病手当金はもらえません。
療養中にときどき出勤した場合だと、出勤日は支給対象外ですが、休んだ日の傷病手当金はもらえます。
休んでいる間の軽い副業や内職は差し支えありません。

傷病手当金を受けるには、加入している健康保険の保険者(保険の運営者)に、支給申請書を提出します。
申請書の用紙は、職場の人事労務部門または保険者で入手します。
協会けんぽの用紙は、ホームページからダウンロードできます。

この制度は、将来の見込みではなく、過去の就労不能について支給されます。
申請書には、本人が書く欄のほか、過去の一定期間に就労不能だったことを認める医師の意見の欄と、事業主による勤務実績・賃金の証明の欄があります。

すめに受診しないと、過去に就労不能だったことを医師に認定してもらえないので、注意してください。
医師に意見を書いてもらい、人事労務部門で事業主の証明を受けたら、保険者に提出します。
医師の意見記入には健康保険が適用され、自己負担は3割負担なら300円。
保険者によっては月単位の書類提出を求めますが、蓄えがあれば数カ月分まとめた申請でもかまいません
支給対象日から2年たつごとに時効になっていくので、その前に申請します。

■支給期間は「1年6カ月目」まで
支給される期間は、最初の支給対象日から数えて1年6カ月目まで。
いったん職場復帰して、同じ病気やけがが治らないまま再び休んだ場合は、待期期間なしで支給が再開されますが、不支給だった途中の期間も含めて1年6カ月で打ち切りになります。
延べ1年6カ月の給付ではなく、カレンダー上で1年6カ月たてば、おしまいです。

ただ、初診日から1年6カ月以上たっていて、その病気やけがによって、ある程度の障害があるなら、障害年金を受けられるかもしれません(障害基礎年金と障害厚生年金のうち、2階部分の障害厚生年金は、厚生年金保険の加入期間に初診日があることが条件なので、在職中に医療機関にかかっておくことが大切)。

一方、同じ病気でも、症状がなくなってから相当な期間がたって再発した場合や、別の病気やけがになったときは、改めて最長1年6カ月間、傷病手当金を受給できます。
なお、病気やけがで休んでいて給料がゼロになったときも、社会保険料や住民税はかかります。
天引きできないので、一般的には会社を通じて自分で払う必要があります。

■会社を辞めてからも、傷病手当金を受けられる
がん、脳卒中、心臓病、うつ病をはじめ、病気やけがをして、しかたなく勤めを辞める人は少なくありませんん。
病気であればなおさら、生活のためにも治療のためにも、収入の確保は大切です。

傷病手当金は、いくつかの要件を満たせば、勤めを辞めてからも、就労できない状態なら継続して受け取れます。
在職中の最初の支給対象日から数えて最長で1年6カ月目まで、元の月給のほぼ3分の2が支給されます。
退職後に元の健康保険に任意継続で加入した場合でも、国民健康保険に加入した場合でも、続けて受け取れます。

初めての支給申請は、退職後でもかまいませんが、退職月までの期間については事業主による勤務実績・賃金の証明が必要です(その後の分は医師の意見だけでよい)。

ただし大事なのは、次に説明するように、休みの取り方や退職の時期によって、辞めてから傷病手当金を継続してもらえるかどうかが分かれることです。
あわてて辞めずに、傷病手当金との関係でどうするのが得か、よく検討してからにしましょう。

連続3日以上休む、健康保険の継続加入を1年以上にする 退職した後も傷病手当金を継続して受け取るには、以下の4つの要件をすべて満たしている必要があります。

第1の要件は「連続して3日、療養のため労務不能で休んだあと、さらに1日以上、欠勤した」ことです。
ポイントは、いきなり辞めないことです。
少なくとも、傷病手当金の受給に必要な待期期間にあたる連続3日間以上(公休・有休を含む)の休みを取った後で、退職に向けた手続きをします。
それに退職日の休みを加えれば、この要件を満たします。

第2の要件は「退職日まで1年間以上、健康保険に継続加入していたこと」です。
現在の健康保険の加入期間が、退職日を含めて1年に足りなければ、傷病手当金の受給中に条件を満たすよう、日程を考えて退職するのが得策です。

欠勤・休職がどれだけ認められるのか、就業規則で確認したうえで、必要なら人事労務部門に相談しましょう。
ここでいう健康保険の加入は、健保組合でも協会けんぽでもよく、転職や転勤で保険の加入先が変わっていても、加入の空白が1日もなければ、継続加入として通算できます。
ただし以前の事業所を退職した後に健康保険に任意継続で加入した期間は、カウントされません。
また、共済組合の加入期間とは、互いに通算できません。

■退職日は絶対に休む、退職後に働かない

第3の要件は「退職の日も、療養のために休んでいたこと」です。
退職の日は絶対に休む。
これは極めて重要です。
勤・休職でも、公休・有休でもかまいません。
職場に出向いて事務手続きや私物の片づけをしてもいいけれど、出勤扱いにはしないことです。
もし退職日に出勤したら、それだけで退職後は傷病手当金をもらえなくなります。
たった1日働いたせいで、その後の権利が消えて大損をしてしまうのです。

第4の要件は「退職後、まったく働いていないこと」です。
退職後の傷病手当金は、1日でも働いて収入を得たら、就労可能とみなされて支給を打ち切られます。
職中と違い、1年6カ月の残り期間がたくさんあっても、支給は再開されません。
ちょっとしたバイトをした結果、打ち切られることがあり、要注意です。

■地域の国保には制度がない
雇われている人向けの健康保険や共済組合と違い、国民健康保険では、傷病手当金の給付事業をやるかどうかは、保険者の任意となっています。
特定業種の自営業者でつくる国保組合の一部は実施していますが、地域の国保では、まったく行われていません。
地域の国保には、自営業者や農業、無職の人のほか、社会保険に加入できない労働者も入っています。
労働時間・労働日数が少ない労働者や、小規模または任意適用業種(飲食・サービスなど)の個人経営で社会保険が適用されていない事業所の労働者です。
そうした労働者は、病気やけがで働けなくなったときに傷病手当金を受けられません。
社会保障制度の「穴」の一つです。


原 昌平(はら・しょうへい)
読売新聞大阪本社編集委員 精神保健福祉士
1959年生まれ。
1982年京都大学理学部卒業、読売新聞大阪本社に入社。
京都支局、社会部、科学部デスクを経て、2010年から編集委員。
1996年以降、医療と社会保障を中心に取材する。
社会福祉学修士。
大阪府立大学・立命館大学客員研究員。
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2019年02月01日

やる気が出ない…心の病み期から抜け出す方法

やる気が出ない…心の病み期から抜け出す方法
2019/01/28 All About
中嶋 泰憲(医師)

気持ちが浮かない、やる気が出ない……心の不調が続くとき 気持ちが浮かない、何だかイライラする、落ち込んで、やる気が出ない……。
こうした心の不調は誰にでもあるものです。
一方で、これらの精神的な不調の深刻さや継続期間には大きな個人差があります。
一晩ぐっすり眠れば朝にはスッキリしている人もいれば、数週間以上不調が続いてしまう人もいるでしょう。

不調が長引き、いわゆる心の「病み期」に突入してしまったと感じることもあるかもしれません。
ここでは、心の病み期から抜け出す方法を、精神医学的な見方から詳しく解説します。

心の「病み期」とは……気持ちが優れず、精神的な不調を自覚
「病み期」という言葉は、正式な医学用語ではありません。
普段より気持ちが優れず、精神的な不調を自覚しているときに一般的に使われている俗語的なものと考えてよいでしょう。
精神医学的に見ると、「病み期」という言葉の意味合いは、精神医学の用語でいうところの「エピソード」に近いものだと感じます。
エピソード」という単語自体は、海外ドラマなどでのエピソード1、エピソード2といった使われ方で耳慣れているかもしれませんが、精神医学の用語として使われる場合は少し異なります。

例えば「精神病性のエピソード」といえば、それまで特に問題なく日常を送っていた人に、ある時期から幻覚や妄想などの精神病性の問題が始まり、しばらくの期間続き、次第に落ち着いていき、元の問題のない日常に戻っていくまでの、一連の期間やその時に現れていた問題のタイプを指して使われます。

例えば、問題なく日常生活を送っていた人が、ある時期を境に気持ちが落ち込み始め、うつ病を特徴づける抑うつ症状が一定期間続き、ある時期を越えてから次第に気持ちが軽くなっていき、また元の日常に戻っていく……。
このように抑うつ症状がはっきり現れていた時期と抑うつ状態だったという一連の不調の内容を、「うつ病のエピソード」と言います。
「病み期」はこれと同様、不調を感じている期間とそのときの精神的な不調の状態などを含めて使われる言葉かと思います。

「日常的で短期的な不調」と「心の病気」の間にある「病み期」
病み期は、誰にでも起こり比較的短時間で治る「日常的な気持ちの不調」と、先述したうつ病のような明らかな「心の病気」との中間にあたる心の問題と言えるでしょう。
大切なのは、自己判断で「病み期に入ってしまった」と片づけるのではなく、適切な対処が必要な心の病気ではないかも考えることです。

もしそのいわゆる「病み期」に生じている問題が、うつ病と、日常的な冴えない気持ちの中間にあたるものならば、その病み期は「うつ病的な病み期」と言えるでしょう。
日常的な気持ちの落ち込みとははっきり違うものの、うつ病と診断されるレベルではない、ということもあると思います。

心の病気かそうでないかを見分けることは、「脳内に起きている不調のレベルを正しく見極めること」とも言えます。
なぜなら精神症状の本態は、心の病気というよりも、脳内の不調を意味しているからです。

最も簡易な見分け方としては、それが原因で
「日常生活に生じている問題がどれくらい大きいか」
「どれくらい続いているか」という2点です。

実際に、心の病気は、うつ病、統合失調症など病気のタイプによって、現れやすい精神症状に違いがあります。
しかしいずれの場合も、それが原因で日常生活に生じている問題の深刻さ、そして、その持続期間が、心の病気の深刻度を判断する際の重要なポイントになっています。

いわゆる「病み期」が、気分的な不調のみで日常には支障がないのか、日常生活に支障をきたしているのかは区別して考える必要があります。

定期的に病み期に入る場合の対処法・克服法……
PMSや冬季うつ病等の可能性も なかには、定期的に「病み期」に入ってしまうという方もいるようです。
「疲れやすくなる」「昼間の眠気が強まる」「イライラが抑えられず、暴飲暴食をしてしまいがち」等、病み期の症状は人それぞれですが、もし病み期に入る時期に一定のパターンがあるならば、ぜひ把握しておきたいところです。

例えば、「毎月、月経前になると病み期になる」「毎年秋から冬にかけて病み期だ」といった自分のパターンがわかれば、あらかじめ対策することもできるでしょう。
症状の深刻度によっては、専門家の力を借りるべきだということも頭に入れておきましょう。
このようなパターンがある場合、俗語的な「病み期」ではなく、「PMS」や「冬季うつ病」といった正式な病気が関連していることもあるからです。

一方で、気分的に浮かなくても日常生活は何とか問題なく回っている場合、つまり、するべき勉強や仕事などもそれなりにこなせており、家族や友人との人間関係も維持できている状態であれば、一般に心の病気のレベルとは見なしにくいです。
言葉をかえれば、専門家の力を借りる必要はまだなく、自力で充分対処できるレベルであるとも言えます。

例として「冬季うつ病」的な病み期が辛いのであれば、冬季うつ病の対処法を取り入れて自分で対処してみるのもよいでしょう。
人工光を浴びる光療法を始め、晴れた日にはなるべく外へ出て太陽の光に当たるといったちょっとしたことが、冬季うつ病的な病み期対策としても有効なことです。

「病み期」の注意点……悪い習慣が身に付きやすい病み期
上記のような病み期から抜け出すためには、その病み期にあらわれている問題のタイプに応じて考えるべきですが、
病み期の問題をさらに深刻化させないためにおさえておきたいポイントは、どのタイプの問題にも共通するポイントがあります。
まず、病み期は、いわゆる悪い習慣、言葉を変えれば、後で後悔するような習慣が身につきやすい時期です。
それには病み期の、当人の心の辛さを解く手段になり得る面があるからです。
たとえばタバコの本数がかなり増える、あるいはお酒の量がかなり増えるようなケースもあります。
問題は、それでその時は心が軽くなっても、それは病み期の人が抱えがちな、日常の何か厄介な問題を解決することにはなりません。
また、中枢神経系に作用する物質は量が過剰になると、一般に病み期の脳をさらに病的にしてしまう可能性もあります。
こうした悪い習慣をなるべく身に付けないでおくことは、病み期の方が特に気をつけたいポイントといえます。

病み期は「自分に有効なストレス対策」を考えるタイミング
病み期のつらさが増すような場合、しばしば日常生活からのストレスが関わっていることがあります。
病み期は普段以上にしっかりとストレス対策をしたい時期です。
最適なストレス解消法は人それぞれですが、基本的なアプローチとしては、精神医学的にも広く推奨されている

「睡眠時間の確保」
「栄養バランスの取れた食事」
「運動習慣」などの実践をしてみるのがよいでしょう。

生活リズムを整えて、適切に運動等でエネルギーも消費できていれば、先に挙げたような悪い習慣につながる行為をする時間やエネルギーがなくなりやすいというメリットもあります。
適切なストレス対策は、病み期を悪化させず、また、病み期からより早く抜け出すために有効です。

病み期の原因が精神病性的な場合の注意点
一方で、そもそも本人が自分が病み期に入っているとう自覚が薄かったり、なかったりするケースもあります。

たとえば病み期に生じる問題に「精神病性」的な面がある場合です。
「精神病性」という問題は、それが精神疾患のレベルになれば、一般に幻覚や妄想などが現われて、それらが現実でないということも分からなくなっている状態と考えてください。
これは統合失調症などの精神病性障害を特徴づける問題でもあります。

病み期の問題が気持ちが落ち込むといったうつ病的なものではなく、もっと精神病性的なものになると、他の問題が現れてきます。
空耳や迷信を信じたりするようなことは、多くの人にもある問題のないものです。
一方で、事実無根でもパートナーの浮気などを強く疑ってしまい、精神的なバランスを失いそうになってしまうようなケースは、精神病性的な病み期の問題になり得ることです。

こうした場合は、自分自身でいかにその誤りに気付けるかということが克服のポイントになります。
いわゆる病み期と呼べるような問題で、まだ精神病性障害のレベルになっていなければ、冷静に考えることで、自分でも自分の思考の極端さや間違いにある程度気付くことができると思います。
具体的な手順としては、まずはどのような状況になると自分の誤りに気付きにくくなってしまうか、と逆の視点から考えていくと、分かりやすいかもしれません。

たとえば、自分1人で悩みや問題を抱え込んでいると、その疑いや苦しみがいっそう強まると感じた場合、そうならないために誰かに思い切って相談してみることも良いでしょう。
口にしただけで気持ちが軽くなり、客観的に自分を見るきっかけにもなる可能性があります。

また、相手の意見を聞くことで自分の間違いに気付けるかもしれません。
また、身近な人がもしこのような病み期に入っていてそれに対する自覚がなさそうだと気づいた場合、精神病性的な深刻さが高くなっている可能性もあります。
そうした際は精神科の受診をすすめてみることも事態を良い方向に向けるために大切なことは、ぜひ念頭に置いておいてください。

以上、病み期から抜け出すために知っておきたい、精神医学的なポイントを詳しく解説しました。
最後に繰り返しますが、もしいわゆる病み期による問題が深刻になっていて、心の病気の状態に近いと感じた場合は、自力で無理に対処しようとするのではなく、精神科などで専門家の力を借りるべきという点は、どうかご注意ください。
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2019年02月05日

なぜ人は都合よく"記憶"を書き換えるのか

なぜ人は都合よく"記憶"を書き換えるのか
2019年02月04日 PRESIDENT Online
増本康平(ますもと・こうへい)
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 准教授

人の記憶はあてにならない。
なぜ人の脳は、事実を正確に記録しないのか。
神戸大学大学院の増本康平准教授は「経験したことの詳細まで長期間、記憶できる超記憶力を持つ人もいる。
だがそういう人は、記憶を忘れられずに苦しんでいる。
私たちは記憶を書き換えることで現実に対応しているからだ」と解説する――。
※本稿は、増本康平『老いと記憶 加齢で得るもの、失うもの』(中公新書)の一部を再編集したものです。
****************************
■なぜ「起こっていないこと」を「起こった」と信じるか
以前、同窓会で同級生たちと修学旅行の話で盛り上がったことがあります。
私は風邪をひいて、その修学旅行に参加できなかったのですが、ちょっとしたいたずら心で、あの時はこうだった、ああだった、と、さもその時に一緒にいたように相槌を適当に打ったりして会話に参加していました。
同級生たちは私の言動も気にならないようで、自然に受け入れていたのですが、その後に私がその修学旅行に参加していないとネタバラシをしても、まったく受け入れてくれません。

私は確実に参加していないのですが、実際には起こっていないことを起こったと信じて疑わないのです。
なぜ、そのような現象が生じるのでしょうか。
これまでの記憶に関する認知心理学研究は、私たちの記憶は驚くほどあてにならず、あいまいで、時には本人も気がつかないうちに偽の記憶を作り出すことを実証してきました。

あなたが今読んでいるページを写真のように記憶できるのは数ミリ秒(1ミリ秒=1000分の1秒)、聞こえる音をそのままの音として記憶できるのは数秒程度です。
物理的に存在する情報をそっくりそのまま記憶できる期間はあまりにも短く、すべての情報を覚えることは驚異的な記憶の持ち主でもない限り不可能です。

そのため、覚えたい情報のみを取り出し、その情報には何らかの意味づけを行う必要があります。
また、意味づけられた情報も時間とともに詳細が思い出せなくなり、大まかな粗筋だけが残ります。

■見ていないはずのを“ガラス”を「見た」という 偽りの記憶(虚偽記憶)
研究の第一人者であるロフタス博士は、私たちがどれほど都合よく記憶を変容させるかを実験によって鮮やかに示しています。
彼女の実験では、参加者に交通事故のビデオをみてもらいました。
その後、一つのグループには「車がぶつかった(hit)時のスピードはどれくらいでしたか?」と尋ね、別のグループには「車が激突した(smashed)時のスピードはどれくらいでしたか?」と尋ねました。

激突したという言葉で聞かれたグループは平均で時速10.46マイル=時速16.83キロメートルだったのに対して、ぶつかったという言葉で聞かれたグループは、平均で時速8マイル=12.87キロメートルと回答し、同じビデオをみていたのに聞き方を変えただけでスピードの評価には統計的に有意な差がみられました。

また、この実験の一週間後、参加者に対して、一週間前にみた事故のビデオで、「割れたガラスをみたかどうか」を尋ねたところ(実際には割れたガラスは存在しませんでしたが)、激突したという言葉で尋ねられたグループでは、ガラスをみたという回答の割合が高まりました。

■記憶は「後から聞いた情報」で変化する
毎年、私の講義でも学生に記憶のあいまいさを実感してもらうために、同じような実験を行います。
ロフタス博士らの実験と異なるのは、半分の学生には「この事故で運転手が亡くなりました」、もう半分の学生には「この事故では運転手は軽傷で済みました」とビデオのあとに表示し、事故を起こした車のスピードを予測させることです。
運転手が亡くなったという情報を与えた場合は、回答の平均時速は約60キロメートル、軽傷で済んだという情報を与えた場合は平均時速40キロメートルと、同じビデオをみていても20キロメートルもスピードの評価が異なります。

このように、後から与えられた情報による記憶の変化は事後情報効果と呼ばれ、記憶は後から与えられた情報とつじつまが合うように変化することを示しています。
そして多くの場合、記憶の変化は意識せず生じます。

■“偽物の出来事”を「覚えている」と言う
とはいえ、この実験は実際に車が衝突するビデオをみせ、その事実についての評価が変わったというだけです。
心理学者はこのような記憶の変容だけでなく、ちょっとした情報を与えるだけで、まったく経験しなかった記憶が形成されることも明らかにしています。

たとえば、ロフタス博士らが行った別の実験では、参加者が幼少期に経験した4つの出来事を提示しました。
3つは本当にあった出来事ですが、1つはまったく経験していない偽物の出来事で、5歳の時にショッピングモールで長時間迷子になり高齢の女性に助けられた、というものです。参加者は、それらの出来事について覚えている内容を書き出すように、また覚えていなければ「覚えていない」と書くように指示されます。
この段階で、24人の参加者のうち、7人が経験していない偽物の出来事を覚えていると回答しました。
その後、一週間から二週間の間隔をあけ、二度、4つの出来事の詳細とどのくらい覚えているかをインタビューしました。
そうすると、偽物の記憶は思い出す回数が増えるほど、記憶の鮮明度の指標が向上したのです。

この研究は、人が経験していない出来事を記憶していることがあり、かつその経験していない記憶を思い出す回数が多いほど虚偽記憶が鮮明になることを意味しています。
これまでの実験から、溺れて死にかけたがライフガードに助けられた、ディズニーランドでバッグス・バニーと握手した(バッグス・バニーはワーナー・ブラザースのキャラクターなので、ありえない話です)といった、さまざまな経験していない記憶が形成されることが示されています。

■鍛錬された兵士でも「誤った記憶」を作り出す
そして、このような幼児期の記憶だけでなく、後から情報を加えることで、トラウマになるほどの出来事、たとえば、捕虜となり暴力や尋問を受けた相手の顔すらも、確信をもって誤った選択をすることが示されています。
アメリカ海軍の訓練で戦争捕虜となることを経験するものがあります。
30分の間、尋問者から一人で尋問を受けるのですが、訓練の一環とはいえ、尋問者の質問に答えなかったり、要求に従っているように見えない場合は、顔面を叩かれたり、腹部にパンチを受けたり、無理な体勢を強いられたりと身体的懲罰をも伴います。
尋問の間は尋問者の目をみることが求められ、尋問される側は確実に尋問者の顔を眺めることになります。
尋問が終わった後、独房に隔離され、顔写真を渡され写真を見るように指示を受けます。
写真をみている間に、「尋問者があなたに食べ物を与えましたか?」など尋問に関する質問を行います。
渡された写真は尋問者とは違う人物のものです。
その後、尋問者の写真を選択するよう求められると、9割の人は後でみせられた偽物の写真を選びました。
偽の情報や特定の行動へと誘導するプロパガンダに対して抵抗できるよう、訓練を受けた兵士でさえも、虚偽の情報に晒されることで誤った記憶を簡単に作り出すのです。

■記憶は一体何のためにあるのか
そして、この虚偽記憶は記憶力が低下していなくてもみられます。
パティス博士は、1987年10月19日の出来事を尋ねられると、「月曜日で株式市場の暴落の日だった」というように、すぐに何が起こったのかを思い出せるような極端に優れた自伝的記憶の持ち主20名と、平均的な記憶力を有する38名の対照群に対して、虚偽の情報によって記憶の歪みが生じるのかを検討する実験を行いました。

その結果、驚異的な記憶の持ち主でも、一般的な記憶力の持ち主である対照群と同じように誤情報によって誤った記憶を想起したのです。
記憶が経験したことを正確に記録していないという前提に立つと、記憶は一体何のためにあるのか? という疑問が生じます。
私たちが一般的に考えている記録するという役割以外の機能が記憶にあるとすると、その機能はどのようなものなのでしょうか。
そして、加齢とともに記憶の役割はどのように変化するのでしょうか。

■「驚異的な記憶力」を持つ人の苦しみ
経験したことをすべて記憶し、正確に思い出せる人と比較することで、記憶が書き換えられることにどのような意味があるのかを知ることができます。
経験したことの詳細まで長期間、記憶できる超記憶力を持つ人は世の中に少なからずいます。

神経心理学者であるルリヤ博士が報告したシィーと呼ばれる男性は、これまでに報告されてきた超記憶力の持ち主の中でも、特に優れた記憶力を持ち、記憶できる量に際限がありませんでした。
彼は、70以上の単語や数字を一度みただけで正しい順序ですべて記憶できただけでなく、10年後、16年後もその情報を正確に思い出すことができました。
ルリヤ博士はシィーの驚異的な記憶と、その背景にある原因を明らかにするだけでなく、そのような驚異的な記憶が人生にいかなる影響を及ぼすのかについても記録を残しました。
シィーは、忘れるために紙に書き出して丸めてゴミ箱に捨てたり燃やしたりするほど、情報を忘れられずに苦しんでいました。

■記憶は「正確に情報を記録」するものではない
また、私たちは複数の情報の特徴をまとめたり、抽象化したりすることが容易にできます。
しかし、このような抽象化やカテゴリー化は私たちの記憶があいまいだから可能なのです。

シィーはあまりにも情報が鮮明に記憶として保持されるので、複数の情報をまとめたり、共通する情報を取り出したりすることができませんでした。
会話でも、事柄の細部や副次的な情報の追憶にとらわれ、その内容は果てしないほど脱線したそうです。
さらに、頭の中で形成される記憶のイメージが鮮明すぎて、空想と現実の区別がつかず、頭の中の鮮明な像が現実と一致しないために、必要な行動をとれないこともありました。

正確で驚異的な記憶の持ち主の人生は、バラ色の人生と言えるものではなかったのです。
記憶力が維持されている若い世代においても記憶は書き換えられ、正確な記憶の持ち主が普通の生活すらままならないことは、私たちの記憶が正確に情報を記録するためのものではないことを示しています。
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増本康平(ますもと・こうへい)
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 准教授
1977年、大阪府生まれ。
2005年大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。
博士(人間科学)。
日本学術振興会特別研究員、大阪大学大学院人間科学研究科助教、島根大学法文学部講師を経て、2011年神戸大学に着任。スタンフォード大学長寿センター客員研究員。専門分野は、高齢者心理学、認知心理学、神経心理学。
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2019年02月06日

自分に嘘をついて買い物をする人の末路

自分に嘘をついて買い物をする人の末路
2019年02月05日 PRESIDENT Online
舟木彩乃 ストレス・マネジメント研究者

■破産、借金をしてもやめられない
普段の買い物では「必要なもの」を買うわけですが、セールでは「お得なもの」を手に入れようとします。
販売する側は、「在庫限り」と強調して他のお客さんとの競争を煽ったり、セールによる興奮を促す音楽や広告を展開したりして五感に訴えかけます。
その結果、買うという行為が達成感に繋がり、快感を覚えるのです。

「何をいくらで買うか」といった中身ではなく、買い物をすること自体が価値となってしまう。
だから、必要以上に買い物をしてしまうというわけです。
心理学の見地からは、いったん家に帰るか、少なくとも2〜3時間ほど時間を空けて冷静になってから買うかどうか判断するようアドバイスできます。

しかし、適切な範囲での買い物は、ストレス解消に役立つ面もあります。
自分の中で「費用対効果」が取れたと納得できればよい、と割り切ることも大切です。
ただし、気をつけなければいけないのは、「買い物依存症」になってしまうことです。
つまり、買い物によって日常生活に支障をきたすようになってしまう。
カード破産や、多額の借金をしてまで買い物がやめられなくなるケースもあります。

買い物依存症には、以下のようなチェックリストがあります。

・買い物をすると気分がスッキリして、嫌なことを忘れる
・品物のすべての種類や型などを揃えたくて買うことがある
・店員にちやほやされると気分がいい
・手持ちの現金がなくてもカードなどで借金してまで買い物してしまう
・高額な品物をどんどん買いたくなる
・買い物をやめようとするとイライラする
・買ったものを捨てられない
・買い物をするために嘘をついたことがある
・買い物の後に罪悪感や不安感を覚えることがある
・買った物を使わないことがある

複数の項目にチェックがつくようであれば、要注意です。

■オンラインゲームの「課金」「ガチャ」も要注意
また、近年は現物の買い物ではなく、ソーシャルゲームやオンラインゲームに多額の課金をする人も増えています。
「重課金」「廃課金」と呼ばれる人たちも、買い物依存症と同じように「課金」自体が目的化し、癖になってやめられなくなっている可能性があります。
こちらも、運営側は「期間限定」を謳い、視覚や聴覚に訴える演出を巧みに施しています。

買い物依存症のチェックリストの買い物を「課金」や「ガチャ」、品物を「キャラクター」や「アイテム」に置き換えて、チェックしてみてください。

日常生活に支障をきたしている場合は、背景に原因となっているストレスがあるといわれています。
ひいては、そのストレスを解消することが必要といえます。
仕事や交友関係に悩みがあるのであれば、信頼できる人に悩みを相談したり、カウンセリングを受けてみるのもいいでしょう。
買い物ではないストレス解消法が見つかるかもしれません。

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舟木彩乃 ストレス・マネジメント研究者
国会議員秘書などを経て、現在は筑波大学大学院博士課程在籍。
著書に『「首尾一貫感覚」で心を強くする』がある。
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2019年02月07日

匿名で人を血祭りに「便乗コメント」の罪

匿名で人を血祭りに「便乗コメント」の罪
2019年02月06日 PRESIDENT Online
精神科医 片田 珠美

ニュースサイトのコメント欄では、事実関係をろくに把握せずに「怒りのコメント」を残す人が目立つ。
なぜそこまで怒るのか。
精神科医の片田珠美氏は「他人の怒りに便乗して怒る人は、誰でもいからボコボコにたたいて鬱憤を晴らししたい欲望が強い」という。
匿名の安全地帯から人を血祭りに上げる「歪んだ心理」のメカニズムとは――。

■他人の怒りコメントに乗じて怒る“便乗怒り”の心理
政治家や芸能人などの発言、あるいはネット上に掲載された記事がたびたび炎上する。
その内容の是非はともかく、一部分だけを取り上げたり、ちょっとした言葉遣いをあげつらったりして、血祭りに上げる人が少なくない。
なかには、他の人が残した怒りのコメントを少し読んだだけで、輪をかけて激しい怒りのコメントを残す人もいるように見受けられる。
さらに、発言や記事の元の文脈を無視しているとしか思えない人もいて、きちんと読んでいないのではないかと疑いたくなる。
こういう人は、いわば他人の怒りに便乗して怒るわけで、“便乗怒り”といえる。

この“便乗怒り”の心理は一体どうなっているのだろうか。
分析すると、次の3つの心理が浮かび上がる。

(1)怒りの正当化
(2)鬱憤晴らし
(3)優越感

(1)怒りの正当化まず、「他の人も怒っているのだから、自分も怒っていい」と考え、自分自身の怒りを正当化する。
これは、怒りを激化させる重要な要因である。
なぜならば、「怒ってはいけない」というしつけや教育を幼い頃から受けてきて、怒ることに恥ずかしさと後ろめたさを感じている人が多いが、「他の人も怒っているのだから……」と思えば、そういう気持ちを払拭できるからだ。

いわば「赤信号みんなで渡れば怖くない」という心理が働き、他人の怒りを口実にして心理的な抵抗なしに怒ることができる。
当然、怒りのコメントを残している人が他にも大勢いるほど、そして他のコメントが手厳しいほど、抵抗は小さくなる。
心理的な抵抗が小さくなると、怒りの対象だったはずの発言や記事の元々の内容も文脈もそれほど重要ではなくなる。
なかには、そんなものはどうでもいいとさえ思う人もいるようだ。
こういう人は、しばしば「誰でもいいからたたきたい」という欲望に駆り立てられている。
だから、大衆のバッシングを受けている有名人は格好の対象であり、便乗してボコボコにたたくのである。

■匿名の「安全地帯」からフルボッコする神経

(2)鬱憤晴らし「誰でもいいからたたきたい」という欲望を抱くのは、日頃から鬱憤がたまっていて、そのはけ口を探さずにはいられないからだろう。
つまり、怒りたくても怒れず、欲求不満にさいなまれている。
だから、誰でもいいから怒りをぶつけて、スカッとしたい。
このように鬱憤晴らしのために「誰でもいいからたたきたい」と思っていると、ネット上で他の誰かが残した怒りのコメントを見つけたら、これ幸いとばかりに自分も激しい怒りをぶつける。

こういう人は、そもそも鬱憤がたまる原因を作った相手に対しては、怖くて怒れない場合が多い。
たとえば、本当に腹が立っているのは、理不尽な指示に部下を無理矢理従わせようとするくせに、責任はすべて部下に押しつける上司だったり、ろくに家事をしないくせに、文句ばかり言う妻だったりするのだが、そういう相手には怖くて何も言えない。
それでも、怒りが消えてなくなるわけではない。
怒りは、澱のようにたまっていくので、何らかの形で吐き出さずにはいられない。
だから、その矛先の向きを変えて、しっぺ返しの恐れがなさそうな弱い相手に怒りをぶつける。

■「ネットに実名入りで悪評を書くぞ」と脅す
このような方向転換を精神分析では「置き換え」と呼ぶ。
怒りの「置き換え」の最たるものが、最近問題になっている「カスタマーハラスメント」、いわゆる「カスハラ」である。

「カスハラ」とは、サービス業の現場あるいはお客様相談センターで客が行う理不尽な要求や悪質なクレームなどの迷惑行為であり、最近深刻化している。
たとえば、店員に「お前は頭が悪い。
だからこんな仕事しかできないんだ!」と暴言を吐いたり、態度が気に入らないという理由で土下座を要求したりする。
あるいは、返金や賠償金を要求し、それが受け入れられないと、「ネットに実名入りで悪評を書く」「殺されたいのか」などと脅す。
こうした「カスハラ」が増えている背景には、顧客獲得のために“過剰”ともいえるサービスが当たり前になったことや、SNSの普及によって誰でも悪評を容易に発信できるようになり、しかもそれがすぐに拡散することがあるだろう。

だが、問題の核心は、店員を怒鳴りつけたり脅したりすることによって日頃の鬱憤を晴らそうとする客が少なくないことだと私は思う。
この手の客は、日頃怒りたくても怒れないので、怒りの「置き換え」によって、その矛先を言い返せない弱い立場の店員に向けるわけである。 同様のメカニズムが“便乗怒り”にも働いているように見える。本当に怒りたいのは職場や家庭の身近な相手なのだが、怖くて怒れない。
そのため、ネット上で他人の怒りのコメントを見つけると、それに便乗して怒りをぶつける。
この“便乗怒り”は、鬱憤晴らしの手段として最適である。
というのも、匿名で怒りのコメントを書き込めば、仕返しされる心配はないからだ。
自分は「安全地帯」にいながら、どんな激しい怒りでもぶつけられる。だからこそ、後を絶たないのである。

■ゲス不倫の芸能人を責める人は正義感の衣をかぶせる

(3)優越感そのうえ、怒ることによって優越感も味わえる。
怒りのコメントが多いのは、たいてい不祥事や失言などがあったときなので、そういう“失点”を厳しく責め、そんな“失点”は自分にはないと強調すれば、自分のほうが優位に立てる。

この手の優越感は、相手が大物であるほど味わえる。
当然、政治家や芸能人は絶好のターゲットであり、有名人の不倫スキャンダルが相次いで報じられた頃、ネット上は“便乗怒り”であふれていた。
有名人へのバッシングに同調した“便乗怒り”を目にするたびに、イタリアの思想家、マキアヴェッリの「人は、心中に巣くう嫉妬心によって、賞(ほ)めるよりもけなすほうを好むものである」という言葉を思い出す。

“便乗怒り”で怒りのコメントを残す人には、自分が嫉妬心を抱いているという認識はないかもしれない。
これは当然だ。
というのも、嫉妬心は恥ずべき陰湿な感情なので、そんな感情が自分の胸中に潜んでいることを誰だって認めたくないからだ。
厄介なことに、嫉妬心を抱いている自覚がない人ほど、正義感の衣をかぶせる。

たとえば、「不倫するなんて人倫にもとる」「あんな暴言を吐くなんて政治家として失格」といった“正論”を吐く。
たしかに、不倫も暴言も“悪”であり、許されないことだが、それを厳しく責め、怒りのコメントを残す人の心の中に“悪”への欲望がみじんもないかといえば、はなはだ疑問である。

実は、「自分も不倫したいが、妻が怖くてできない」
「自分も会社で思い切り暴言を吐きたいが、そんなことをすればクビになりかねないので我慢している」という人が多いのではないか。
自分がしたくてもできないとか、我慢しているとかいうことを他人が易々とやってのけると、誰でも悔しい。
だが、その悔しさを認めたくないので、正義感の衣をかぶせて、たたく。

とくに相手が有名人であれば、嫉妬心もあいまって、バッシングが激しくなる。
そして、それがさらに“便乗怒り”を誘発する。

■弱い相手を怒ると、怒られた側もさらに弱い相手を怒る
“便乗怒り”が現在の日本社会に蔓延しているのは、それだけ鬱屈した思いを抱えている人が多いからだろう。
そういう人は、怒りを向けるべき本来の相手が怖くて、怒れない。
だから、「置き換え」によって、たたきやすい相手に怒りの矛先を向ける。
このように怒りの矛先がずれているのは危険だと私は思う。

誰かがあまり関係のない弱い相手を怒ると、怒られた側もさらに弱い相手を怒る。
こうして、怒りの“とばっちり”がどんどん連鎖していくと、そもそも何について、誰に対して怒っていたのかが次第にあいまいになる。
ですから、みなさん、自分が本当に怒りを覚えているのは誰なのか、その相手に怒れないのはなぜなのかを分析して、きちんと怒りましょう。
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2019年02月08日

過剰な自慢、こき下ろし、敵対心…職場の「困った人」3つの対処法

過剰な自慢、こき下ろし、敵対心…職場の「困った人」3つの対処法
2019.2.7 ダイヤモンドオンライン
舟木彩乃:ストレス・マネジメント研究者

純粋な親切心から伝えたはずなのに敵意を持った言葉として捉えられた、きちんと説明したはずなのに「え!そこですか?」というところにこだわられた…など、まともな会話が通じない「困った人」があなたの職場にもいませんか。
そんな「困った人」への対処法を解説します。
(ストレス・マネジメント研究者 舟木彩乃)

「なんかおかしい…」という人たち
 私はこれまで8000人以上の方にカウンセリングをしてきたのですが、最近、関わってしまうと“厄介な人”や“困った人”についての相談が増えてきたように感じます。
 それは具体的には次のような人たちです。
皆さんの周りにいませんか?

・過剰に自己アピールする、自慢話が多い
・異様に他人をこき下ろす
・純粋な親切心から伝えた言葉が敵意をもった言葉と受け取られた
・きちんと説明したはずなのに、“え、そこですか?”というところにこだわる

 実際のカウンセリングのケースをいくつかご紹介したいと思います。

◎ケース1:持田さん(仮名)50代女性で専業主婦
 持田さんは、とても控えめな印象を与える方です。
もともと大手企業で一般事務職に就いていましたが結婚を機に退職、ブランクは20年以上ありますが、また仕事をしたいと思っています。
「仕事に復帰したい」と思うようになったのは、友人からある会合の司会をお願いされて引き受けたところ、自分の存在価値が実感できたことがきっかけだそうです。
 しかし、持田さんが仕事を再開することについて夫が賛成してくれない、というのが相談内容でした。

私は、持田さんが仕事に復帰したいという気持ちを大事にしながらも、そのことが原因で夫婦関係がこじれないようにするにはどうしたらいいか、話し合っていく必要があると思いました。
 しかし、このテーマで話を進めていくと、おとなしい印象であった持田さんがイライラしだし「カウンセラーさんは今まで、いろいろな人とお話ししているはずですよね?
私と話していて、他の人とは違う“なにか”に気がつきませんか?」と、やや強い口調で言ってきました。
 特段、持田さんの“何か”に気づくこともなかった私は、「それは何か教えていただけますか?」と返しました。

 持田さんは、せきを切ったように「学生時代の就職活動では有名テレビ局のアナウンサーの最終試験まで残っていた」という類いの話をし始め、「私は、理路整然と人にものを伝える才能や技術があるわけですが、今まで話していてそれに気がつかなかったですか?」とかなり強い口調で私に言ってきたのです。
 持田さんが私に伝えたかった一番の内容は「自分は見ての通り、人に物事を伝える技術や才能がある。
だから人前で話す仕事が向いている」ということでした。

 持田さんは、いくら話をしても自分の“技術や才能”に気づかず、称賛もしなかった私にいら立っていたのです。
 カウンセリングにくる方の中には、持田さんのように、相談するというより他人から称賛や承認を得るために来た、という人もいるのです。
 職場の同僚や上司に相談する人も同じようなタイプの人が少なくありません。

◎ケース2:橋口さん(仮名):30代男性・課長職、同期Aさんに困っている
 次にご紹介するのは、「困った人」に困っていた橋口さんのケースです。
 橋口さんは、大手企業に勤める会社員で、最近、課長に昇進したばかりです。
橋口さんの会社生活における悩みの種は、橋口さんの課に異動してきた同期入社のAさんでした。
同期入社の橋口さんがAさんの上司ということになります。

注意するとキレたりする
 Aさんは、仕事で大きな実績を残しているわけではありませんが、橋口さんよりも学歴が高く、自信に満ちあふれているところがあるそうです。
たまに、橋口さんがAさんに仕事のことで指摘すると、「そういうやり方は効率悪そうだね(笑)」などと皮肉を言ったり、時にはキレだすようなこともありました。
 また、自分がどんなに優秀であるかを、橋口さんをはじめ周りの人間に認めさせることに執着しているところもありました。

自分が注目され称賛されるためには、平気で“ウソ”までつくということでした。
 ある日、橋口さんの部署で全体会議があったのですが、そのときの内容は新規事業を具体的に進めるための話し合いでした。
 この新規事業はもともと橋口さんのアイデアで、社内でとても高い評価を得て予算がついたものでした。
しかし、Aさんは全体会議の場で突然「いやー、本当によかったな、橋口!俺のアドバイスを聞いておいて損はなかっただろう?」と、まるでAさんのおかげで橋口さんのアイデアが高い評価を得たようなアピールをしだしたのです。

 Aさんと、一切そんな会話をした覚えのない橋口さんは、驚きのあまりその場で何も言えなかったそうです。
厄介なのは、Aさんの経歴やあまりに堂々とした口調から、会議に出ていた人がAさんの言葉をそのまま信じてしまったことでした。
 それ以降も、Aさんは橋口さんの“手柄”を取るような言動が続き、注意するとキレたりしていました。
周囲はAさんがまるで橋口さんの陰のブレーンであるかのような印象を持ってしまい、橋口さんは非常にやりにくいと困っていました。

困った人の正体  
ケース1の持田さん、ケース2で橋口さんを困らせているAさん、この両者は一見違うタイプに見えるかもしれません。

根底に“病理的な自己愛”  
しかし、両者には共通して「自分は称賛されるべき特別な人である」という思いがあります。
その共通の思いを掘り下げていくと、そこには「強い劣等感」が潜んでいます。
 そのため、彼らは他人からの評価には非常に敏感です。
 自分の能力が周囲から評価されてプライドを維持できているときは“万能感”にあふれていますが、人から称賛されずにいたり批判されたりすると、根っこにあった“強い劣等感”が顔を出して過剰反応するのです。

 心理学では、これを「自己愛的怒り」といい、自己防衛本能の1つとされています。
 本当に優秀な人であれば、周りから認められているため、過剰な自己アピールや自慢をする必要はありません。
できない人ほど自慢話が多くなり、周りから見ると“イタい人”となっているケースはよくあります。

“強い劣等感”は、さらに掘り下げると、その根底に“病理的な自己愛”があります。
“病理的な自己愛”とは、自分自身が思い描く「100点満点の自分」と「とりえのないダメな0点の自分」という両極端に自分が分裂していて、“等身大の自分”がいない状態です。

 こういう人は本来の自分を受け入れることができないため、ちょっとした挫折や失敗であっても過度に恐れるという脆弱(ぜいじゃく)性があるのです。

“困った人”への対応方法
 ここまで紹介してきた心理的メカニズムが分かれば、少しはモヤモヤ感は晴れるものの、“困った人”の周囲の人は大変な思いをしなければなりません。

困った人への3つの対処法
周りは“困った人”にどのような対応をすればよいでしょうか。
 対処する方法は、あなたと“困った人”との関係によっても大きく変わってきますが、ケース2の橋口さんとAさんのように、職場で関わらざるを得ない場合の対処法を3つお伝えしたいと思います。

◎対処法 1.
日ごろから“困った人”について、上司や同僚などに相談をしておきましょう――これにより“困った人”の手柄横取り発言の信憑(しんぴょう)性が低くなります。

2.“困った人”の背景には、“強い劣等感”があることを意識しましょう――その上で、“困った人”の感情に引きずられて頭ごなしに否定するのではなく、冷静な対応を心掛けましょう。

3.“困った人”と2人だけのやり取りは避けましょう
――ミーティングやメールなど2人だけでやり取りするのではなく、必ず信用のおける第三者を入れておき、いざというときの“証人”をつくっておきましょう。
“困った人”の持つ“病理的な自己愛”の原因はとても深いところにあり、簡単に直るものではありません。
そのため、親切心からであっても過度に親しくしたり、逆に突き放したりせず、冷静な一貫した態度で接することが重要なのです。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、人物像や状況の変更などを施しています。ご了承ください。
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2019年02月10日

日本人はもっと「食事を残す勇気」を持ってもいい!?

日本人はもっと「食事を残す勇気」を持ってもいい!?
2019年02月09日 All About
(文:平井 千里(管理栄養士))

■「残さず食べる」日本人の美徳
「食事を残してはいけない」と、両親や学校できつく教えられたという人も少なくないと思います。
食材をつくってくれた農家の人や、調理をしてくれた人を想う日本人の美徳です。

提供する側が食べる人の適量を知っていて料理を出した場合は、「残す必要がない」=「残してはいけない」という状況もあります。
例えば、小学校の給食などはその年齢の子供さんに見合った量を提供しています。
成長や体調の違いもありますので、絶対にいけないとまでは言いませんが、基本的には残さずに食べることが望まれます。

しかし、外食など自宅以外の場所で食事をする場合、食べる人にとっての適量が提供されない場合もあります。
そして「残してはいけない」という美徳にとらわれて、必死になって残さず食べきってしまうことも多いものです。

実は食べ過ぎは疲労を生み出し、老化を早めてしまうなど、体に悪影響を与えることが知られています。
もし美徳を守ることで将来の健康が危ぶまれるのであれば、勇気を持って破ってしまうことも大事なことのように思います。

■「食事を残す勇気」を持つには
食事を残すことができる人とできない人の差は、「一食分」の食事をどのように考えるかという、定義の差です。

食事を残すことができる人は、「一食分」を自分の胃袋の容量に見合った量として考えることができます。
食べ終わったときの自分の感覚で「もうちょっと食べられるけれど、体調が悪くなっては意味がない。
このくらいでやめておこう」というように、身体との対話で食事を終わらせることができるのです。

逆に、食事を残すことができない人は、出された皿に乗っている量が「一人前」なので、自分の適量に見合っていないとしても、周りの目を気にして何とかして食べきろうとしてしまいます。
「残してはいけない」という美徳や、料理・食材に関わる方への感謝を持つことは大切ですが、食べた人が美味しく楽しく食事をしなければ、それらの考え方も本末転倒です。

また、諸外国には恵まれない子供たちがいて、彼らは満足な食事を食べることはできないのだから……と考える方もいらっしゃいますが、残念ながら目の前にある食事を諸外国に届けることはできません。
確かにもったいないと思いますが、無理をして食べて肥満や生活習慣病を助長するよりも、健康を守って元気に働き、1円でも多く収入を得られれば、その中から恵まれない子供たちに少しでも寄付すると良いでしょう。
その方が本当に恵まれない子供たちを守ることにつながるのではないでしょうか。

■勇気が持てないときはどうするか
食事を残す勇気を持つことができないとしたら、当たり前ですが、最初に残さなくて済む量をオーダーすることが必要です。

特に、外食ではおかずの量を調節することは難しいことが多いので、米飯やパンなどで調節することになります。
ありがたいことに、最近では外食産業でも細かく「小盛」「大盛」などのオーダーをきいてくれるお店も増えてきました。
このような背景が出てきたのは、「残したくない」というお客様の要望が強くあることをお店側でも察知していること、そしてお店側でも食べ残しがあるより、気持ちがいいということではないでしょうか。

また、自宅で購入する食材の量も、「安い」からではなく「食べきれる量」を購入するようにします。
自宅では、食卓で料理を残すこと以上に、冷蔵庫の中に食材を入れっぱなしにしたまま忘れてしまい、ダメにしてしまうことも多いと思います。
冷蔵庫の中は常に整理整頓をして、何が入っているかがひと目で分かるようにしておきましょう。

冷蔵庫にある材料を全部使い切りたい、と言って大量に作ってしまうことも往々にしてあるようです。
冷凍保存できる料理は小分けにして冷凍保存すればよいですが、保存が効かない料理の場合は食べきれる量だけを作るようにしてください。
いずれの場合も、食事を残さなければならないのが辛いことは間違いありません。

しかし、“食事を残す勇気”を持つ必要があるシーンでは、食べ物と自分の身体のどちらが大事かという二択になります。
この二択は恋と仕事を比べるというように、どちらとも選び難いものとは違います。
食べ物は代わりがあっても、自分の身体にはスペアはないのです。
日に何度も行うので軽い選択のようではありますが、チリも積もればなんとやらです。
ぜひ、賢い選択をしていきましょう。
posted by 小だぬき at 19:59 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月21日

大切なのは心の健康を確保することだ

健康論に振り回される人を襲う「不幸な悩み」 大切なのは心の健康を確保することだ
2019/02/19 東洋経済オンライン(筒井 幹雄)

メディアが体にいいと取り上げるたびに、いろんな食品が店の棚から消える日本。
嗜好品の摂取を控えるのはもちろん、マイクロ波を避けるために電子レンジを使わない人もいる。

そういうことよりも重要なのは心の健康」。
人生経験、話術、漢方薬で患者の心を元気にする、イグ・ノーベル賞受賞の英オックスフォード大学・新見正則医学博士による健康論『健康マニア、何が楽しい 体にいいことばかりやってて疲れない?』。

不安がなくなると医療が正常化する  

──「メメント・モリ(死を思え)」と言われている感じです。

 ベースにあるのは、「どうせ人は死ぬから、それまで楽しく生きればいい」。
それが長生きとトレードオフになるのはおかしいので、運動でも酒でもリスクを知って対処すればいいと思っています。  

──患者に「死ねば治る!」(笑)。

昔からそうだったんですか。
 外科医だった頃は、1日でも長生きさせるのが仕事だと思っていた。
きっかけはセカンドオピニオン。
1998年にイギリス留学から帰ると、日本はセカンドオピニオンなんてとんでもないって雰囲気。
ゼロからつくるのが好きなので、喜んでやらせてもらいました(笑)。

全国から病気の治らない方が来て、話を1時間聞く。
「こんなことで悩んでいるんだ」というのが集積されて今に至っています。
10人中9人は適切な治療を受けているのに、本人は不安。
「正しいんだよ」と言ってあげるだけで、不安がなくなって、医療が正常化していく。  

──不幸な悩みは誤った健康情報からくることもある?

 ある。
「寝ないとがんになるらしいから寝たいんだけど、寝ても寝た気がしない」とかね。
「50歳を超えたら寝た気はしないよ」と言ってあげると安心します。
健康情報が氾濫していて、それで不健康になるなんて本末転倒。
公共放送も含めて、メディアはある健康法に「悪い」というエビデンス(証拠)がなければ平気で流すから、みんなが右往左往する。
こんなのが効くこともあるらしいですよ、くらいにしてくれればいいのに。  

──メディアの責任は大きい?

 大きいね。
エビデンスの有無さえ明らかにしてくれれば、何を言ってもいいんです。
「説得力は乏しいけど、いいと思ってやっている人が多い」とかね。
有酸素運動をしろとか、体を冷やすなとか、安くて副作用がない健康法なら、お金が絡まないのでエビデンスは不要です。
逆に、高くて危険な治療はエビデンスが必要。
そこがごっちゃになって流通している。  

──例えば、不眠自体は問題がないのに、誤った情報で患者が生まれている?

 一部は正しい。
不眠で病気になる人はほんの少しですがいますから。
悲しいかな、われわれの資本主義社会は、具合の悪い人が1人いればその裾野を広げることで儲けられる。
患者には、眠れないと死ぬって思って薬を飲んでいるならやめろと言っていますが、ほとんどの医者は製薬会社の言うことをそのまま受け入れていて、そこにお金が動いているという認識もないと思う。

自分が楽しいことをするのが心の健康に  

──健康情報を取捨選択しない側にも問題はありますね。

 外来で診てると、死んでもいいから健康でいたいって感じの人はいます(笑)。
リスク評価をしていないんです。
交通事故で年に約3500人が死んでいて、そのリスクを引き受けて外出している反面、これは体に悪い、あれも体に悪いなんてやっているのは変だな。  

──アンチテーゼが、「どうせ死ぬんだから、それまで楽しく」。

 大切なのは心の健康。必ず死ぬということを認識し、自分が楽しいことを、リスクを承知してやるのが、心の健康につながる。
危険なことのほうが楽しいでしょ、冬山に登るとか。
僕はトライアスロンをやるけど、海で溺れたり、自転車で骨折したりとかなり危ない。
でもやる。
お酒だってたばこだってそうですよね。
人はリスクのあることにわくわくするんですよ。  

──患者に「死」はタブーでは?  

そこは、話し方です。
「あんた、いつ死んでもおかしくないよ」って言えばびっくりするけど、その後に「少し前に母が死んで、次は俺の番なんだ」と続けると「あ、おまえも死ぬ番か」って感じになり、何も言いませんよ。
30年前の僕には言えません、僕の番はまだ先だったから。  

──みんな死ぬんだってわかる。  

そう。
「今晩死ぬかもしれないから、おいしいもの食べて帰りなさい」って言うと、「力もらいました」なんて言って帰るよね。吹っ切れる人が多いです。
同じだって、共感できるのです。

依存性のある睡眠薬の減薬も、昔は「悪いからやめろ」と言っていたけど、それじゃあ共感しない。
「ずっと飲むとご利益が減る。そうなると困るでしょ」と言うと控える。  

──治らない場合は、症状と付き合うことを告げるのも大事?

 そのほうが患者に響く。
半分は薬で楽にしよう、半分は自分で治そうね、もしくは死ぬまで治らないよ、と言っています。
半分楽になるということで、患者もいろいろと受け入れられるようになる。

「おかげさまで」と言えれば心は健康  
──漢方薬も使いますね。

 西洋医療で治せない患者に「治せ」と言われ(笑)、漢方の勉強をしました。
漢方は10人飲んだら3人効くと思えばいい。
ある処方が効かなければ別の処方、ダメならまた別の処方。
5つも出せば効くでしょう。

──道具としての漢方に人生経験と話術で患者の心が元気になる。

 それと優しさかな。
「死ねば治る」に「死ぬまで頑張る」と答えられる人のほうが、あれこれ健康法を考えている人より長生きしていると思う。

もちろん健康マニアでも、テレビを見て「またくだらねえことやってんな、この健康法は30点!」って言えるなら心は健康です。
1つの指標は「おかげさまで」
症状がよくならなくても「おかげさまで変わりありません」と「まだ治らない」では心の状態が全然違う。
医者としてはいかに「おかげさまで」を引き出せるかです。

──そんな医者ばかりでは……。

 若い医者は死がわからないので、目の前の病気を治すことを考えちゃう。
だから、かかりつけ医にするなら人生相談も可能な年配の医者がいいと思う。
患者にその時がきたら、「お迎えがきた」と家族に伝えられる医者。
「送ってあげなさい」って。
つまり、点滴とか延命措置を何もしない。
それでも、最後まで手を尽くすことを選ぶ家族もいるでしょうが、送ってあげればと言われただけで精神的に楽になります。
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2019年02月25日

お金がいくらあっても「足りない」と思うワケ

お金がいくらあっても「足りない」と思うワケ
満たされた」感覚が全く得られないヤバさ
2019/02/24 東洋経済オンライン
佐藤 優 : 作家・元外務省主任分析官

食欲や睡眠欲もある程度充足すれば、満足感は得られるもの。
ですが、いくらあっても満足感が得られないのが、「お金に対する欲求」です。
金銭欲はなぜ収まりづらいのか?
 作家・元外務省主任分析官の佐藤優さんが解説します。
*************************
お金には「限界効用逓減の法則」が当てはまりません。
具体的にいうと、例えばどんなに好きな食べ物でも、ある程度食べてお腹が膨らんだらもういらないと思うでしょう。
どんなにお酒が好きな人だって、ウォッカを3本も空けたらもうお酒を見るのも嫌になるはず。
これが「限界効用の逓減」で、ある程度手に入れたら「満たされた」という感覚や「もうたくさん」という感覚になる。
つまり充足することで欲望が減少するわけです。

ところがお金だけは違う。
100万円を手に入れたら次は1000万円がほしいと思う。
1000万円手に入れたら、今度は1億円がほしいと思う。
欲望に際限がない、つまり「限界効用が逓減しない」のです。
これがお金の怖いところで、一種麻薬に似ています。

どんどんエスカレートして、それがないと不安になり、けっして満ち足りるということがありません。

お金の欲求は際限なくエスカレートするもの
外交の世界では「情報を金で買うな」という鉄則があります。
ある人物から情報を得ようとする際、お金の力に頼るのがいちばん簡単に見えます。
しかし相手が報酬に味をしめて金額を吊り上げてきたり、金銭の額に応じて情報の質を変えてきたりする可能性がある。
しかも場合によっては、より高い報酬を支払う別の第三者に寝返る可能性もあります。

インテリジェンスの人間にとっては、情報の質こそが最大のポイント。
ですから、お金に執着の強い人間には警戒して近づこうとしません。
そういう人の特徴は、お金を請求するときに積算根拠のないお金を要求してくることです。
例えば10万円必要だとなったとき、これとこの資料を買い、相手と会食するのにいくら必要だというように、その内訳を明示できる人は大丈夫。
多少それに上乗せをすることはあっても、法外なお金を要求することはまずありません。

あとは要求金額は高くても、ちゃんとした理由がある人物。
自分の娘が病気で医療費がかかるなどの事情がある人は報酬を吹っかけてきますが、理由があるのでその後要求がエスカレートする危険は少ない。

「お金」が誕生した理由
ところが、お金の内訳についての説明が一切なく、アバウトにいくらと要求してくる人物がいる。
これはただのお金好きな人間だと判断して警戒します。
そういう人物はどんどん要求がエスカレートするのがつねで、これなどもお金に「限界効用逓減の法則」が当てはまらないことを証明しています。

なぜ、お金には「限界効用逓減の法則」が当てはまらないのでしょう? 
それはお金は人間がつくり出したものであり、自然物ではないからです。

お金とは「人と人との関係」を具現化したもの
そもそもお金はどうして生まれたのか?
 こういう根本的な問題に応えてくれるのは近代経済学でも、まして最近のマネー本でもなく、マルクスの『資本論』です。

お金は商品の交換から生じます。
例えばいま自分はボールペンをたくさん持っている。
ジュースが1本ほしいのでボールペン2本と換えてくれと交渉し、成立する。
今度はICレコーダーがほしいとします。
ICレコーダーは価値が高いのでボールペン100本と交換してくれと交渉する。
しかし相手はボールペン100本も必要ないからダメだと。
ならばボールペン50本とジュース25本でどうかと。

こういう風に、商品の交換だとかなり面倒なことになります。
そこで、誰もが共通に価値があると認めるものを媒介させ、交換しようとなった。

例えば、かつての日本ではそれがおコメだった。
いったんコメに換えることで、後からほかのものにいくらでも交換できたんです。
これを『資本論』では「一般的等価物」と呼んでいます。
ただしコメはかさばるし時間とともに劣化します。
そこで、それに代わる一般的等価物として金や銀などの貨幣が生まれ、やがて紙幣になっていく。

お金というのは商品の交換の際に必然的に生じてきたものであり、人と人との関係と、その概念がモノになって具現化したものです。
自然界にあるものは、人間はある程度得られれば満足するよう本能的にプログラムされています。
しかし、人間と人間の関係がつくり出したお金には、それが当てはまらないようです。

例えば、魚や野菜を必要以上に大量に買う人はいないでしょう。
余ったら腐らせるだけだからです。
ところがお金はいくら持っていても腐らないし、基本的にどんなものにでも交換できる。
だからたくさんあればあるほどいいと考える。

お金の価値が「一瞬」で消えるとき
守銭奴という言葉がありますが、まさにお金を貯めることだけが趣味のような人もいます。
たしかに資本主義の世の中は、すべてを商品化する方向に動きますから、最終的には人間の命さえお金に換算してしまう。
そんな世の中であればこそ、お金だけが信用できるとひたすら蓄財に励む人が現れてもおかしくありません。
100万円手に入れたら1000万円、1000万円手に入れたら1億円……。
際限のないお金への執着の連鎖が始まるわけです。

お金が紙切れであることに気づく瞬間
お金は具体的な商品やモノではないがゆえに、さまざまな可能性と期待、欲望が無制限に反映されます。
逆に言えば、それくらい多くの人に幻想を抱いてもらったほうがお金、通貨としての価値や強さが出てくる。
最近はFXなどで個人投資家も為替に関わることが増えていますが、まさに通貨の強さが国家にも投資家にも重要なポイントになっています。

ただし、その価値は本来の通貨そのものの価値とは違ったものであることを忘れてはなりません。
通貨がFXのような投資の対象になった以上、それを取り巻く人間たちの期待や信用、思惑を反映した、実体とは遊離した蜃気楼のようなものになっているのです。

皆さんは1万円札の原価がどれくらいか知っていますか? 
造幣局の輪転機を回せば原価はわずか22円。
つまり、本来の1万円札の価値は22円なのです。
お金が幻想から成り立っているというのは、この事実からもわかるでしょう。

この幻想が崩れる瞬間を私は体験しています。
旧ソ連の日本大使館に勤務していたころ、当時はソ連が崩壊する直前で、とてつもないインフレと物資不足にあえいでいました。
忘れもしない1991年1月のある日、夜のニュースで突然、「本日24時で50ルーブル、100ルーブル紙幣が使えなくなります」とアナウンサーが読み上げたのです。
日本でいうなら5000円札と1万円札が使えなくなるのと一緒。
それまで使っていたお金が紙切れになる瞬間というのは、言葉にはできない感覚です。
日本も終戦直後には同じような状態だったわけです。

激しいインフレでお金の価値が一気に下がり、また当時は国のお金のほかに国外では軍票という軍が発行していたお金もあった。
軍票で資産を持っていた人もたくさんいたはずですが、当然すべて紙切れです。
お金とは人と人との関係がつくり出した人工物であるがゆえに、また人々の幻想と欲望を反映したものであるがゆえに、価値が一気に膨らむこともあれば、まったくのゼロになることだってある。

その怖さを体験しないまでも、頭の隅に入れておくことは必要です。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月28日

モノの所有が段々「時代遅れ」になっていく理由

モノの所有が段々「時代遅れ」になっていく理由 「共有」「シェア」「つながり」が新たな価値だ
2019/02/27 東洋経済オンライン
石山 アンジュ : 内閣官房シェアリングエコノミー伝道師

1つの企業で定年まで働き、貯めたお金で家や車、その他たくさんのモノを所有し、社会保障に守られて一生を終える――。
そんな「幸せ」のロールモデルはすでに崩壊した。
これからの時代では、組織にもお金にもモノにも依存しない生き方が求められる。

そんな中で今、注目を集めているのが「シェアリングエコノミー(共有経済)」という概念。
なぜ今、シェアが注目されているのか? 
シェアが生み出す価値とは?
 内閣官房シェアリングエコノミー伝道師・石山アンジュ氏の著書『シェアライフ』の内容を一部抜粋し、再構成のうえお届けします。
***************************
今、シェアリングエコノミーが注目されている理由
民泊にライドシェア、フリマアプリにクラウドソーシング……近年、世界中で「シェア」の概念に基づくサービスが広がり始めています。
なぜ今、シェアが注目されているのか? 
それには2つの背景があります。

1つは、インターネットの登場とテクノロジーの発展によって、個人間でのやり取りが、簡単にできるようになったことです。自分が持っているものと相手が必要としているものを「見て」知ることができる。
時間や距離という制約を越えて、複数の人との貸し借りや売買、その他のやり取りが一瞬で可能になる。
さらに、位置情報の活用や決済システムの進化などにより、個人間でのやり取りは現在進行形で、よりスムーズに、便利になってきています。

もう1つは、個人のあいだでも社会のあいだでも、シェアという思想への共感が広がりつつあること。
拙著『シェアライフ』でも詳しく解説していますが、現代では、「組織中心」から「個人中心」の社会へとパワーシフトが起こり、「豊かさ」の概念が物質的なものから内面的なものへ変化しています。
そんな中で、個人間の信頼関係を大切にすることで成り立つシェアが共感を呼ぶのは、必然的といえます。
このような背景から、「シェア=新たな社会をつくるもの」としての可能性が注目されているのです。

従来の私たちの生活は、基本的には、企業がつくったものを買い、所有し、消費する「BtoC(Business to Consumer)」のモデルで成り立ってきました。
これに対して、シェアリングエコノミーは、「CtoC(Consumer to Consumer)」というモデルを可能にしました。
個人が使っていないモノやスペース、時間や知識、スキルまで、あらゆるものが商品になり、個人がサービスの提供者となることができます。
さらに、自分たちで値段を決めたり、あるいは無償で譲り合ったりと、企業ではなく個人の裁量に基づいてやり取りできるのです。

個人と個人が生み出す新しい経済の形
このCtoCモデルをサービスにしたのが、「プラットフォーム」と呼ばれる、個人間のシェアを仲介する場を提供する企業です。
2008年ごろからアメリカを中心に始まり、一気に広がりました。

例えば、宿泊場所を提供したいホストと宿泊したい人を結ぶ、民泊シェアプラットフォーム「Airbnb」や、
自家用車を有効活用したいドライバーと、乗せてほしい人をつなぐライドシェアプラットフォーム「Uber」などが代表例です。
その勢いはアメリカにとどまらず、ヨーロッパや韓国、中国、東南アジアなど世界中に広がっています。
日本ではまだまだ「シェアプラットフォーム=海外のサービス」という認識が強いですが、私が事務局長を務めている「シェアリングエコノミー協会」に属するシェアサービス企業は約280社、そのうちの9割以上が日本の企業です。

日本発のシェアサービスも、これからますます普及・発展していくだろうと考えられます。

シェア時代には「信頼」がカギ
これまでのBtoCモデルでは、企業の評判や、国や業界が定めたサービス水準の指標などで、サービスの提供企業を信頼することができました。
一方、個人間、とくにインターネット上でのやり取りでは、「何をもって提供者を信頼できるのか?」ということが課題になります。
そのための新たな方法が「レビューシステム」。
いわば個人間の「食べログ」評価のような機能です。

これまで相手と実際に会って相乗りをしてもらったり、宿泊場所を提供したりしたことのある人がつけた評価やコメント。
これによって、「信用できるかどうか?」が可視化され、次にやり取りする人が判断材料とすることができるようになりました。
逆に言えば、どんなにお金があって社会的地位が高くても、信頼を獲得できなければ、シェアというコミュニティーや取引への参加は難しくなります。

シェアという概念では、この「信頼」をどう捉え、私たち一人ひとりがどう再定義できるかがカギになります。

シェアが生み出す新しい価値
――それは、「これまで価値だと思われていなかったことが、価値になること」です。
例えば、住む人を失い何十年もそのまま放置されていた空き家や廃校などを、民泊やゲストハウスとして生まれ変わらせるなどの事例があります。
「企業が利益のために行う事業」という視点だと、需要が小さすぎてサービス価値として見なされなかったようなニッチな物事。
それが、それを必要としている人と、それを活かせる知識や経験を持っている人とがプラットフォームを通じて出会うことで、新しい価値を生み出せるようになりました。

また、個人に視点を向けてみると、個人としてサービスを提供できるようになったことで、「自分でも気づかなかった得意なことや経験が、誰かのためになり、価値として交換できる」ようになります。
例えば、一般の主婦の方などが他の家庭の家事を行うシェアサービス「タスカジ」では、これまで家庭のためにやっていた整理整頓法を、依頼された家庭で実践したところ、大変喜ばれ、口コミが反響を呼び書籍を出版するなどの事例もあります。

制約からの自由、所有しない幸せ
家事や子育て、介護もそうですが、今、家庭の中にあって収入にならないと思われている仕事だって、本来は誰かのためになる価値であるはずです。
シェアプラットフォームによって、そのような価値を「見える化」すれば、やっている本人も必要としている人も、その意義を確かめ合うことができます。
シェアすることで、あらゆる制約から解放され、もっと身軽に、不自由さを感じずに生きていくことができる。
私はそう考えています。

家、車、洋服……これまで私たちは、生活に必要な「よりよいモノ、より質の高いモノ」を得るために一生懸命働いてきた。けれど、その結果、自由な時間は減り、捨てられないモノが増え、それが自分を不自由にしていることに気づきはじめているのではないでしょうか。
「今すぐ海外に住みたいのに決められない……」
「今すぐ会社を辞めたいのに、辞められない……」
今の生活を維持するために所有してきたモノは、今の生活を変えたいときには心理的・物理的ハードルになってしまうのです。
しかし、生活においてあらゆるモノを共有すれば、好きな時間に好きな場所で好きなだけ利用したり、一時所有したりすることができる。
毎日の生活をシェアに変えることで、モノを所有することでの不自由さや、自分を制約しているものから解放され、もっと自由に、新たな豊かさを得ることができるのです。
新たな豊かさとは「つながり」 そして、シェアすることで生まれる最も大きな価値は「つながり」です。

つながりが、お金や社会的ステータスのような、これまで個人の資産とされてきたものと同じ価値をもつ時代がきたのです。私はこれを「つながり資産」と呼んでいます。
つながりを資産だと捉える考え方は、「社会関係資本=ソーシャルキャピタル」ともいわれています。
アメリカの政治学者ロバート・パットナムは、人々が他人に対して抱く「信頼」、それに「お互いさま」「持ちつ持たれつ」といった言葉に象徴されるような「互酬性の規範」、人や組織のあいだの「ネットワーク(絆)」を「ソーシャルキャピタル」と呼び、個人にも社会にも利益をもたらすものであると提唱しています。

現代のような先行き不透明な時代において、確かな安心を買える資産こそ、「つながり」です。
何かあったら手を差し伸べてくれる人が思い浮かぶこと
――明日、もし地震が起こっても、泊まらせてくれる家や、助けてくれる人のつながりがあること、信頼できて気軽に頼れるコミュニティーがあること――
そのようなつながりを増やしていくことが、これからの時代を生きる上での重要な資産になるのだと確信しています。
そして、その「つながりをどれだけ貯められるか」が、これからの新たな「豊かさ」の指標になるのではないかと私は考えています。
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2019年03月05日

「別れ」は「成長」をもたらす。変化を嫌がってはいけない

「別れ」は「成長」をもたらす。変化を嫌がってはいけない
2019年03月04日 SPA!

◆「別れ」を成長に変えるには、変化を嫌がってはいけない
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。
自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。
自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か?
そのヒントをつづる連載第91回

 3月といえば別れの季節です。
卒業や転勤で今の人間関係から離れる人も多いと思います。
自分ではなく、親しい相手が去っていくこともあるでしょう。
別れは切ないものですが、だからこそ、そこに貴重な学びがあります。

 その学びとは「自覚」です。
自覚は異質に触れることで芽生えます。
学校にしろ会社にしろ、コミュニティは同質な者の集まりです。
そして同じ者同士で集まっている間は気づけません。

外国に行くと、自分の国のことがそれまでよりもわかるようになるのと一緒です。
 たとえば学校を卒業して友人と離れ離れになるのは、それぞれの進路が異なるからです。
自分とは異なる道に進む人間に触れた時、私たちに「あいつはああする。では、自分はどうするのか?」という問いかけが生まれます。

 先日、祖母が入院したという知らせがあって、実家に戻りお見舞いに行きました。
祖母は認知症が進み、数年前に私のことがわからなくなっています。

「見知らぬ人が来るとかえって混乱する」という事情もあって、祖母が暮らすグループホームからも足が遠のいていました。  その日も会話ができる状態ではなかったのですが、ふと、じっと視線が交わる時間が長く続きました。
それから私が軽く手を振ると、祖母も手を伸ばし、私の手を握ってくれました。
 祖母が私のことを自分の孫だとわかっていたのかは定かではありません。
ただ、手を握った時の感触はきっと一生忘れないと思います。

その時、私は自分が元気なうちにやるべきことがあると思いました。
そう思ったのは生と死という、もっとも根本的な別れの予感に触れたからです。
 幸い、祖母はまだ入院中ですが持ち直してくれました。
ただ、それは結果論です。

もしお見舞いに行かなかったら、私と祖母が手を握ることも、こうして祖母から何かを受け取った気持ちになることもなかったのかもしれません。
前日の夜遅くに母から連絡があり、早朝の新幹線に乗って面会し、翌日には帰る慌ただしい日程でしたが、会いに行ってよかったと心から思いました。

 生と死に限らず、別れはいつか必ずやってきます。
自分も相手も否応なしに変わっていきます。
その変化が別れをもたらします。
自分が普段当たり前だと思っていることは、実は全然そうではないのです。
それこそが自覚という学びです。

環境が変わっているのに、心が変わっていなかったら、上手く適応できません。
 別れの後には新しい出会いがあります。
私たちは別れと出会いを繰り返し、変わっていきます。
それを成長にできるか、停滞になるかは、「変わっていく」という自覚があるかどうかで決まります。
変化を嫌がり留まろうとする。
それが停滞だからです。

 3月は別れの季節です。
もしあなたに別れが起きたなら、ぜひ相手について考え、そして自分について考えてみてください。
相手も自分も変わっていく。
その思考が変化と成長をもたらします。

佐々木】 コーチャー。
自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。
現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」
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2019年03月07日

虐待サバイバーが語る「児童相談所は私を助けてくれなかった」

虐待サバイバーが語る「児童相談所は私を助けてくれなかった」
3/5(火) 文春オンライン(渋井 哲也)  

今年1月24日、千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さん(10)が自宅で死亡した。
父親の勇一郎容疑者(41)と母親のなぎさ容疑者(32)が傷害容疑で逮捕された。
この事件では、柏児童相談所の不適切な対応が問題となっている。

 柏児相は心愛さんを一時保護していたが、一時保護を解除して預けていた親族宅から自宅に戻すかどうか判断する際、父親から「お父さんに叩かれたのは嘘」などと書かれた手紙を見せられた。
しかし真偽については十分に確かめず、自宅に戻した。
市が合同委員会を設置。再発防止策を検討することになっている。

 児相のあり方が問われる中、過去に両親から虐待され、児相と関わった2人に話を聞くことができた。

「死ぬならここにしようと決めている」
 今年2月某日、明穂(27、仮名)から無料通信アプリLINEのメッセージが届いた。
「死にたいと思って、気がついたら更地にいた。
震災前、ここには児童相談所があった。
死ぬならここにしようと決めている」

 東日本大震災9年目の取材で筆者は被災地にいた。
そのことをツイッターで知ったという。
さっそく連絡を取り、会うことにした。
明穂の自宅は津波被災をしたため、一旦、仮設住宅に住んだ。
現在、実家は建て替えた。

 明穂はよく父親からこう言われて、体罰を受けながら育った。
“なぜ叩かれたのか。理由を探しなさい”

100点を取っても、「こんな簡単なテストで喜ぶな」
 例えば、幼いころは親戚に挨拶をするタイミングが遅いという理由だったり、小学生のときは成績が理由だったりした。100点以外は許さないが、100点を取っても、「こんな簡単なテストで喜ぶな」と言われた。

そのためか、小1の頃から自殺を考えていたという。
「1年のころは飛び降りれば死ねると思って、自宅の2階から飛び降りたことがあった。
2年のときからはリストカットをしたり、頭をぶつけるようになった」

 勉強するモチベーションが上がらず、5年の頃には100点を取れなくなっていた。
「友達を家に呼ぶと、父は『君はどこの大学に行くの?』と聞き、答えられないと家にあげなかった。
次第に友達が来なくなった。
でも、授業参観にも父親がくるので、熱心に思われていた」

児童相談所に行き、家で虐待されたと訴えたが……
 母親も明穂を虐待した。
「もっと叩いて育てればよかった」と言っていたほどだ。
晩ご飯前後には、外に締め出されたことも多かった。
近所の人に見られない時間帯でもあった。

小3からは「死にたい」と強く思う。
父親から性的虐待を受けるようになった時期だ。
「週末に、中2までされていた」

 中学では、学校の先生に家のことを話すようになった。
「性的虐待のことは、されなくなってからも、すぐには話す気になれなかった」
 中3のとき、明穂は自分から児童相談所へ行き、家で虐待されたと訴えた。

一旦は「保護する」という話になったが、連絡が行った母親の反対で、実現しなかった。
当時は、親権が強かった。
「児相に夢と希望を持ちすぎた。何かが変わるという期待があった。
児相が介入してくれると思ったのに、それ以上のことはしない。
骨折でもしないといけないのか。
このとき母親も性的虐待のことを知ったけれど、家に帰ると、ケーキが用意され、なかったことにされた」

 明穂はずっと親に殺されると思ってきた。
震災の時は無職でも避難所などで役に立ったことから、「無職を責められず、よかった」と振り返る。
家族との関係は変化しないが、両親は年をとったこともあり、暴力は受けていない。
そして、無職ながらも一人暮らしをしている。

「今も死にたいと思っている。
高校生までは早く死にたいと思っていた。
なぜなら若いうちはニュースに取り上げられるはず。
しかし、そのタイミングを逃した。
一回しか死ねないので、ここぞという時に死にたい。
(家の)系譜を断ちたい」

30代の男性とラブホテルから出たところを補導
 那美(20、仮名)は16歳のとき、池袋駅北口で警察に補導された。
30代の男性とラブホテルから出たところだった。
「警察官とラブホテルで現場検証をした。
生々しい感じで、『こんなことをしたのか?』とか『相手は全部吐いたよ』とか言われたりして、私は『たぶん、そうだと思います』と受け答えした。
何をしたのかをしゃべらせようとしていた」

 東京都青少年健全育成条例(淫行)違反事件となった。
那美は援助交際もしていたが、このときは、金銭のやりとりはなかった。
いわゆる素行が悪いとされたため、神奈川県内の児童相談所に送致され、児童福祉司と話すことになる。

「めちゃ、性格が悪い人だった。“そんなこと(援助交際等)をした人はゴミ”と言うように、冷たい人だったので、2、3回行って、ばっくれようと思った」
最初の担当には「あんたとは話したくない」
2回目は性格検査をした。臨床心理士が対応した。

「優しい人だった。話しやすかったし。
そのため、最初の担当には『あんたとは話したくない』
『心理士となら喋っていい』と言った」

 カウンセリングされるようになると、自分の家族のことも話した。
「母はマンションを買うために借金をした。
そのことをきっかけに父親は私にも暴力をふるうようになった。
離婚して母親と暮らしたが、おじいちゃん、おばあちゃんから掃除機の尖った部分で殴られたりした。
自分の殻に閉じこもる性格で、読書で集中していると、返事をしないからでしょうね」

 中学の頃は、母親の彼氏と一緒に住むこともあったが、その男から暴力を受けた。
その後、父親と暮らすようになるが、父親からも暴力を受ける。
自傷行為を繰り返すようになり、何度か病院に入院するが、PTSDの診断を受けた。

「虐待のニュースは自分の心が死んじゃうので……」
「母親と暮らしたときは明確な虐待だと思う。
でも、どこからが虐待なのかわからない。
例えば、高校生のときは父親と暮らすが、手をあげられたり、物を壊されたり、部屋のものがなくなっていた。
作った食べ物は捨てられ、皿ごと捨てられていたこともある」

 殴られたりすると、泣き叫ぶ子もいるだろうが、那美は殴られてもフリーズし、泣かなかった。
「だから近所の人にもわからないし、父親は外面がいいので、発覚しない。
心理士の人からは『家を出た方がいい』と言われたが、児相は初めてだったし、万引きもタバコもしてないので、非行だと思っていない。
保護されるレベルでもない」

 児相は虐待自体には介入しなかった。
高校卒業後、就職した那美。
会社の寮で暮らしているため、しばらく父親とは会ってない。
ただ、成人式を迎えたために手紙とお金が送られてきた。
「どうしたらいいのかわからないので、(お金は)使ってない」

 心愛ちゃんの事件について、那美はニュースを見聞きするのを避けていたという。
「ニュースは見ないようにしていた。虐待のニュースは自分の心が死んじゃうので……」
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2019年03月11日

 有名なことわざに存在した「科学的根拠」6選

言語学博士が解説! 有名なことわざに存在した「科学的根拠」6選
週刊女性2019年3月19日号 2019/3/9

 先人の知恵であることわざには、世代を超えて納得してしまう含蓄がありますよね。
そんなことわざは、迷信でもただの言い伝えでもなく、社会における人間の行動原則を端的に表しているという、科学的根拠があるものもあったんです。
いにしえの教えと最新科学が融合する!? 驚きのレポートですよ!

立証その1・笑う門には福来る
■教育やプレゼンはユーモアによって信頼度が上がる
─アリゾナ州立大学 クーパーらの研究

 ユーモアのある話には自然と笑顔がこぼれるもの。
アリゾナ州立大学の研究によれば、教育やプレゼンの現場でも効果抜群だとか!
 1600人以上もの学生からアンケートを取った結果、99%の学生がユーモアのある授業を好意的に評価。
 さらに研究を進めると、ユーモアがあることで49.4%の学生が授業に対してより聞く耳を持つようになり、21.4%が記憶の助けになったと回答。
7.8%の学生にいたっては、「ユーモアがあると、難しい内容や情報をより時間をかけて処理できる」と報告しているほど。

また、笑顔にはストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを軽減する効果があることも立証ずみ。
 しかも、表情筋を笑顔にするだけで効果があるため、作り笑いでもOK。
まさに、笑っているだけでよいことづくしというわけ。

立証その2・豚もおだてりゃ木に登る
■人の可能性を信じて期待すると、期待された本人も応えようとする
─ハーバード大学 ローゼンタールの研究

 信用するなら、おだててみると効果アリ!
 ローゼンタールは、知能テストを行い、その結果と関係なく、各クラスの20%にあたる生徒の名前をランダムに挙げ、「この生徒たちは、知能テストの結果、急速に知的能力が伸びると予測された生徒です」と伝える、ちょっと意地悪な(!?)実験を行った。
 その8か月後に再び知能テストを行ったところ、「伸びる」と告げられた生徒たちは、そうでない生徒たちに比べ、著しく成績がアップしていたというからビックリ! 
「自分にはそんな才能があるんだ!?」と思い込むことで、自分の潜在能力を解き放ってしまったというわけ。
けなすよりも、ほめることが大事なのだ!

 ただし! 別の研究では、結果をほめるのではなく、プロセスをほめないと逆効果とも。
「〇〇ちゃんは90点を取って偉いね」ではなく、「毎日30分欠かさず勉強した〇〇ちゃんは賢い」とほめると◎。
じゃないと、木に登るどころか、“猿も木から落ちる”になってしまうかも。

立証その3・後悔先に立たず/思い立ったが吉日
■やらなかった後悔は長期にわたって、さらに大きな後悔を生み出す
─コーネル大学 ギロビッチの研究  

心理学者でもあるギロビッチは、「なぜ人は、判断を間違えてしまい、あいまいな信念のもと、合理的とは言いがたい行動を選択するのか」といったことをテーマに研究を行い、さまざまな形で老若男女からデータを集めた。
その結果、人はやらなかったことに対する後悔をより強く覚えているということを突き止めたという。

 彼はこういった事象を「行動非行動の法則」と呼び、行動したことによる後悔と、行動しなかったことによる後悔であれば、後者の後悔のほうが大きくなるとしている。

 おまけに、ドイツの心理学者エビングハウスの研究によると「人間はやらなければならないことを後回しにするようにできている」というから恐ろしい。
 だからこそ、後回しにして後悔しないように、“思い立ったが吉日マインド”が大切。
林先生の「今でしょ!」は、人間の本質を突いていたから大ブレイクしたのかも。

立証その4・類は友を呼ぶ
■類似性の多い人ほど、好感度が高くなる
─テキサス大学 バーンとネルソンの研究

 科学の世界では、「類似性の法則(対人魅力と態度の類似性)」と呼ばれているように、“類は友を呼ぶ”にもエビデンスがあった!
 人は、自分の趣味嗜好に近い人ほど親近感を覚えてしまい、逆に遠い人ほど反発しがちになる、というから妙に納得。
 この傾向は、男女の恋愛のケースにも当てはまるといい、“おしどり夫婦”が、“似たもの夫婦”になっていくことも、科学的に見れば自然な流れというわけ。
 ただし、研究を行ったバーンとネルソンは、「自分と同じ、または似たような考え方を持つ相手は、自分の考え方が正しいというひとつの証明になることから好意を抱きやすい」とも言及。

自分が正しいと主張したいがために、類似性の高い人とつながることを求めるのは黄色信号。
自分の成長を止めてしまいかねないので、ときには自分と異なる性質の人と触れ合うことも大事!

立証その5・嘘つきは泥棒の始まり
■偽物のブランド品を身につけていると誠実性がなくなっていく
─ハーバード・ビジネス・スクール ノートンらの研究

 85人の女性を対象に、本物のブランド品のサングラスをかけさせたAグループ。
本当は本物なのに「偽物」とあえて伝えて同じサングラスをかけさせたBグループ。
何も伝えずにサングラスをかけさせたCグループ。  

3つのグループに、正解率に応じて報酬がもらえる数字を使ったテスト実験を行い、その正解数を自己申告制にしたところ、なんとBグループの71%が、ウソの正解数を報告! 偽物を身にまとっていると感じると、言動も嘘っぽくなることが示唆された!
 この実験、「偽物のブランド品を身につけていると批判的になる」という無慈悲な続報まで提唱していて、偽物ブランドをつけてまで見栄を張るような人は、他人の行動を「不誠実だ」、「ウソくさい」などと評価する傾向が強いと指摘。
 言葉のウソ以外に、所持品やアイテムも偽物で固めていると、不誠実な人間になってしまうなんて怖すぎる! 
泥棒はないにしても、嘘つきは詐欺師の始まりかも!?

立証その6・早起きは三文の徳
■無理をして早起きをするとストレスが増加する
─ウエストミンスター大学 クロウらの研究

 ことわざの中には、逆に「そうとも言い切れない」ものもあるみたい。
例えば、“早起きは三文の徳”は、その最たる例。
 ウエストミンスター大学は、2日間にわたってさまざまな睡眠リズムを持つ42人の被験者の唾液を1日8回分析したところ、早起き傾向にある人は起きるのが遅い人に比べて、より多くのコルチゾールが検出された……
つまり、早起きする人ほどストレス値が上がる可能性があると論及したのだ。

 また、サクロ・クオーレ・カトリック大学の研究では、夜更かしタイプのほうが、創造性や柔軟性に富んでいるという結果が明らかになっているとか。
「早起きして朝活や運動をしないと、良識ある社会人やデキるビジネスパーソンになれない」なんて、過度に考える必要はないみたい。
 結局、朝型であろうと夜型であろうと、自分のペースを崩さずに時間配分ができ、上手に時間を使える人が“三文の徳”をゲットするってこと。  寝不足こそいちばんの大敵!

無理して朝活はしないように。
「私たちが普段している行動が、実は心身の健康にも有効だということが科学的に証明されているとわかれば心強いですよね?
 同様に、私たちにとって身近なことわざに、実は科学的な根拠があるとわかれば、その教えを実践したり、より強い説得力を持って受け入れられたりできるはず! 
先人たちの知恵に科学的根拠が加われば、まさに、ことわざの“鬼に金棒”状態です。
ぜひ試してみてくださいね♪」

教えてくれたのは……
堀田秀吾先生◎ほった・しゅうご
 熊本県生まれ。
明治大学法学部教授。
言語学博士。
言語とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学など、さまざまな学問分野を融合したアプローチで研究を行う。
本誌で大人気連載中!
『このことわざ、科学的に立証されているんです』 (主婦と生活社刊/税込み1404円)
先人の知恵である「ことわざ」を、科学的根拠から検証。
人間の行動原理を踏まえた、よりよい人生を送る道しるべとして解説した一冊。

(取材・文/我妻アヅ子)
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2019年03月12日

<被災地の今>被災の痕跡は消えても人影はない、本当の復興はいつなのか

<被災地の今>
被災の痕跡は消えても人影はない、本当の復興はいつなのか
2019年03月11日 週刊女性

2万人近くの死者・行方不明者を出した未曽有の災害から8年。
被災地のがれきは除去され、新たなインフラ設備も整いつつある。
 今回、週刊女性が訪れた岩手県宮古市の田老地区では、津波で崩壊した巨大防潮堤が整備され、太陽光発電パネルも設置されて、被災の痕跡はなくなっているように。

 しかし、付近を歩く人はまばらで活気は感じられず……。
 津波で160人前後が亡くなったとされる同・釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センター跡に建設中の「うのすまい・トモス」も、犠牲者を悼む「釜石祈りのパーク」、防災学習拠点などからなる立派なメモリアルパークが完成間近。

ただ、近辺に人影は少なく寂しさが漂っていた。
 一部を除き避難区域から解除された福島第一原発近くの飯舘(いいたて)村も、放射性廃棄物が入った土のうが無数に積み上げられていて、人が近づきがたい状況になっている。

あの日から8年  
2万人近くの死者・行方不明者を出した未曽有の災害から8年。
被災地のがれきは除去され、新たなインフラ設備も整いつつある。
 今回、週刊女性が訪れた岩手県宮古市の田老地区では、津波で崩壊した巨大防潮堤が整備され、太陽光発電パネルも設置されて、被災の痕跡はなくなっているように。
 しかし、付近を歩く人はまばらで活気は感じられず……。

 津波で160人前後が亡くなったとされる同・釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センター跡に建設中の「うのすまい・トモス」も、犠牲者を悼む「釜石祈りのパーク」、防災学習拠点などからなる立派なメモリアルパークが完成間近。
ただ、近辺に人影は少なく寂しさが漂っていた。

 一部を除き避難区域から解除された福島第一原発近くの飯舘(いいたて)村も、放射性廃棄物が入った土のうが無数に積み上げられていて、人が近づきがたい状況になっている。

 犠牲者や移住を余儀なくされた住民も多いので、人口減少は当然だが、施設ばかりが立派になっただけでは、被災地の復旧は進んでいるとはいえないはずだ。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

術前検査・パソコンを初期化してしまうミス

3月になってから 私のミスが目立ちました。
その報告をさせて下さい。

1日 頸椎外科で腰・首・股関節などのCT撮影。股関節の状態悪化で 手術担当医の予約

2日 築51年目の我が住居ビルの窓改修工事
   下見の時は、荷物移動なしということで 当日の改修に臨みましたが、PCをいじくりながら 作業を見ていると なんとベランダ側のサッシ工事は テーブル等の移動が必要ということで協力してもらい動かしました。するとなんと処分しなくてはいけない小物(ゴミ)が隙間からどっさり。
改修が約8時間かかり、原状回復の荷物・家具移動。

3日 カーテンを洗濯、なんとどのカーテンも汚れていて洗濯槽の水が真っ黒に、終了したとき こんなにも明るいカーテン色とレースだったのかと感激。
   1日中 洗濯とゴミの整理。
   カーテンなどの取り付け時、椅子から転落、腕・足に酷い打撲あとが・・・。

4〜5日 ダウンし爆睡。

6日 テーブル周りの片づけ、写真やバック 小銭などが出てきました。

7〜10日 最大のミス、PCが調子が悪く 復元で戻そうとしたら ボーっとしていて PC初期化にクリック、慌てて止めようとしてもダメ。
 ダウンロードしていたファイルの復活のための悪戦苦闘。
何せ IDとパスワードの設定したものを忘れていて いちいちメールで問い合わせて
復活作業。
一瞬の復元ミスで自力回復に時間を取られました。

11日 紹介された整形外科医の診察と術前検査
  予約表を見ていなかったためか 以前通っていたクリニックに、受付の看護師が
「大変です。このクリニックではなく 別のクリニックの予約ですと地図と相手先に遅れの連絡をしてくれました。
移動だけでクタクタに。
術前検査で 私が以前から苦手にている「肺機能検査」、くわえる筒からの空気漏れが改善されず 低数値。
結果は 25日の診察でとのこと。検査に合格できれば 4/4 入院、4/5手術と決まりました。

12日 退職互助会・退職共済会に継続手続きの用紙郵送日と〆切日の確認電話
    共済会へ「障害老齢年金」の診断書発送と〆切の問い合わせ。
    歯科・内科の診察日変更、定期購入の「温泉水」の4月分の停止

 3月でいろいろなことが・・・、
選挙入場券が入院時までに届かないと 期日前投票が出来なくなり 病院での投票に。
ざっと 思い出しても いろいろな出来事に翻弄されている私がいます。
posted by 小だぬき at 22:50 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月17日

睡眠薬で便秘、胃薬でうつ悪化… 注意すべき薬の副作用

睡眠薬で便秘、胃薬でうつ悪化… 注意すべき薬の副作用
3/16(土) NEWS ポストセブン

「良薬は口に苦し」とはよく言ったもの。
しかし、どんなによい薬でも、あまりにも多くのんだり、組み合わせを間違えたりすれば苦いだけでなく、毒にも変わる。
多くの薬を飲みすぎた結果、害になってしまう「多剤弊害」も問題となっている。

 薬の持つ副作用について、プロであるはずの医師ですらよく知らないまま、処方している場合もある。
医療問題に詳しいジャーナリストの村上和巳さんはこう話す。
「例えば循環器や血圧を専門にしている医師に、睡眠薬系の知識がないというのはよくある話。
よくわからないから、『とりあえず名前を知っている有名な薬を出しておこう』と処方することもままあるのが現状です。  

一例を挙げるならば睡眠薬では便秘の副作用があるものが少なくありません。
もし睡眠薬で便秘の副作用が出たら、睡眠薬が本当に必要なのか否か、服用量は適切なのかの再検討が必要です。
ところが睡眠薬に詳しくない医師は、睡眠薬の副作用で便秘が出ても、体調変化が原因と判断してしまい、単純に便秘薬や整腸薬が追加され、多剤併用の泥沼に陥ってしまいます」

 実際に、薬ののみ過ぎが原因で病状が悪化した例も少なくない。
新田クリニック院長の新田國夫医師が言う。
「例えば、一部の胃薬に含まれるH2ブロッカーという成分は、胃酸の分泌や胃の不快な症状を抑える半面、脳にも影響を及ぼし、その結果、うつ病や認知症を悪化させることがあります。
 そうした副作用を胃薬が原因だとは思わず、認知症が悪化したと判断し、向精神薬を投与すると、レビー小体型認知症の場合には手足が震えるパーキンソン病のような症状が悪化する。
ひどい場合は幻視が出現する話はよく聞きます。

こういった場合、すべての薬を一旦やめると、症状がおさまるということもあります」
 在宅医療や訪問診療に取り組むたかせクリニック院長の高瀬義昌さんも声をそろえる。
「認知症を発症した80才の男性患者が、不眠やめまいを訴えたところ、抗不安薬を複数処方された。
しかしその後だんだん怒りっぽくなり、夜中に大声を出して暴れて、ついには妻を突き飛ばして骨折させてしまった。
 診察してみると、認知症の薬のほかに抗不安薬が2種類、胃腸薬4種類、降圧剤3種類など、合わせて17種類もの薬をのんでいました。
そこで薬を見直し、4種類に減らしたところ、怒りっぽさが消えて穏やかな性格に戻りました。
抗不安薬や抗認知症薬の中にはイライラしたり怒りっぽくなったりする副作用があるものもあり、併用したことで症状が出やすくなったのではないかと推測されます」

※女性セブン2019年3月28日・4月4日号
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手術数が多くて口コミが悪い病院はアリか

手術数が多くて口コミが悪い病院はアリか
2019年03月17日 PRESIDENT Online

年齢を重ねると増えてくる体の変調。
突然のそのとき、どこの病院に行き、どんな医師を訪ねるべきなのか。
9つのポイントで検証した。
第4回は「クチコミvsランキング」――。
※本稿は、「プレジデント」(2018年12月31日号)の掲載記事を再編集したものです

■よい病院が見つかる、情報収集術とは
病気になったとき、どの病院を受診すればよいのか。がんなどの重い病気の場合、生死にかかわるだけに特に頭を悩ませる。病院ランキングのほか、身近な人のクチコミやネット上にも多くのクチコミ情報があふれている。

何を基準に病院選びをするのがベストなのだろうか。
「クチコミとランキングにはそれぞれメリットとデメリットがあり、症状の種類によって使い分けるとよいでしょう。
ただ、ネットのクチコミ評価には十分な注意が必要です
こうアドバイスするのは、医師であり、クリニック向け診療支援ウェブサービスを提供するメディ・ウェブ代表取締役会長の楊浩勇氏だ。

「ネットのクチコミ評価は匿名性が高く、医師や病院に強い不満を持っている人ほど積極的に書き込みをする傾向が見られます。
私たち医療者から見ると、難しい病気や症状を扱って患者さんが多く混んでいるクリニックや、とても真面目な先生ほど、そんな批判的な書き込みに悩まされがちです。
というのも、情熱のある先生は、患者さんに丁寧に食生活や運動などの生活習慣の指導をします。
しかし、そういうことに慣れていない患者さんは、不満を感じやすいのです。
上から目線で指図されたと感じてしまい、それでネットに批判を書き込みます。
だからネット上のクチコミ評価が低いというのは、必ずしもアテになりません」

これはグルメサイトのクチコミ評価と似ている。
店のよしあしと星の数は必ずしも一致しない。
食事ならまだしも、医療の場合、患者がそうした評価に左右されるのは大きな問題といえよう。
クチコミに関して、患者と専門医、医療機関をつなぐサービスを提供する、医療ITベンチャー企業のリーズンホワイの塩飽(しわく)哲生氏は次のように指摘する。

「クチコミは誰がどういうデータに基づいて発信しているのかという情報源が重要です。
患者さんは自分が経験したことが一番印象に残ります。
がんでもステージや治療法が異なり経験値が違うので、気をつけるべきです。
逆に利点はデータではない部分、ドクターの説明がわかりやすいとか、人となりなどの印象、スタッフの対応などがわかるのはクチコミのいい点だと思います

医師やスタッフの感じ、院内の様子などはクチコミ評価が参考になるのは確か。
ただし、あくまでも患者の主観だということを認識したうえで、鵜呑みにせずうまく利用したい。

一方、ランキングについてはどのように活用すればよいのだろうか。
ランキングが役立つのは、難しい診断や手術が明らかに必要な重い病気です。
がんの場合、胃がんならどの病院、肝臓がんはどこが得意といったランキングは、ある程度参考になると思います。
大きな病院ではDPC(診断群分類別包括評価)データを公開しているところが多いので、手術件数や患者数などの数字は嘘をつきません。

手術数が多いと経験値も高まるほか、看護師など周りのスタッフのスキルも高いので医療ミスが起きにくい。
また、医療機器への投資もしやすく、最新の設備が整っているなどのメリットは大きいでしょう」(楊氏)

塩飽氏も「ランキングのいい点は、やはり数字でわかるところです。
データの取り方が適切であれば数字は嘘をつきません」と客観的データの有効性を評価する。

ただし、ランキングの注意点についても指摘する。
「手術件数が多いほうが経験値が高いのは確かですが、例えば整形外科だと、リハビリに力を入れている病院なのか否かによって、再手術率が変わってきます。
再手術率が高いと手術件数も多くなる。
ですから、データの読み方にも注意する必要があります

■AIで、患者と専門医がつながる
また最近は、ランキングにも用いられる前述のDPCデータや論文データと人工知能(AI)を活用して、自分に合った医師を探すことができると塩飽氏は語る。
「AIのおかげで、がんに関し、厚生労働省が公表している病院のDPCデータベース(疾患および術式別患者数)と、約20万人の医師による40万件の論文データに基づき、先生の専門領域と患者さんを結びつけることができるようになりました。Findme(ファインドミー)というサービスの中で利用できますが、機械学習によりその精度は高まっていきます」

このように口コミやランキング、AIを使って理想的な病院や医師を見つけることができたとしよう。
しかし、それを最大限に生かすために、忘れてはいけない大切なことがある。

医師や病院との良好な関係づくりだ。
前出の楊氏は次のように話す。
「私の経験からも言えるのは、患者さんにはよい患者さんと残念な患者さんがいるということです。
よい患者さんは、上手に医者の力を引き出すことができます。
賢くて受診リテラシーが高い。
そういう患者さんにはこちらも積極的に情報提供し、治してあげようという気持ちになる。
逆に、態度の悪い横柄な患者さんもいます。
医師が偉いとかそういう問題ではなく、残念ながら、モンスターペイシェント(患者)を含め、人として当たり前のことができていない患者さんが増えています。
それでは医療者側もやる気が失せ、患者さんにとっても損になります」

クチコミやランキングなどで患者が病院を選ぶ時代ではあるが、患者が偉くなったわけではない。
医師の力を引き出すためにも、そこを勘違いしないよう、患者側として肝に銘じておきたい。

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楊 浩勇
医師 メディ・ウェブ代表取締役会長。
医療法人健究社理事長。
慶應義塾大学医学部卒。
著書に『上手な医者のかかりかた』。

塩飽哲生
リーズンホワイ代表取締役社長
東京大学工学部、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。
著書に『病院選びの前に必ず読む本』。
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(ジャーナリスト 田之上 信)
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2019年03月18日

柏児童相談所、驚愕の酷い対応

私が柏児童相談所に通報して驚いた、あまりに酷い対応…
小4女児死亡事故はなぜ起きたのか
2019.03.17 Business Journal
文=林美保子/フリーライター  

2月19日、千葉県野田市では、虐待の恐れなどがある子どもについて関係機関が情報を共有する会議を行った。
1月に父親から虐待を受けていた小4女児が死亡した事件の対応について初めて検証する場ではあったが、このケースを担当していた柏児童相談所は、事件について話し合う前に退席したという。

「この事件について野田市と向き合う担当者が決まっておらず、調整できなかった」というのが理由だそうだ。
 1月にこの事件の第1報を聞いたとき、担当したのが柏児童相談所と知り、「さもありなん」と、私は思った。

自分自身、柏児童相談所へ通報をした経験から、「あそこは、あてにならない」と思っていたからだ。
 そして、このニュースである。
調整できなかったという内部事情を理由にすること自体、職員が逃げ腰であることを露呈しているわけで、少なくとも当事者機関の責任として誰かが、誰もいなければ所長が代表として出席するべきだろう。

学校も児相も効力なし
 私が柏児童相談所に通報したのは、近所に住む女性の息子への虐待だった。
 2009年、A子一家が引っ越してくると、半年もたたないうちから、息子B男(小2)への虐待が始まった。
昼夜を問わず母親A子の怒鳴り声と息子の泣き声が聞こえてきた。
「死ね、おまえ、ドン!(すごい音)、やれよ、ホントにボケ! ドン!」
 母親はちょっと感情が高ぶったという範疇を超えて、いつも半狂乱状態になっていた。

「早く! 早く! 早く食え! 早く! 早く! 早くせーよ!」と、延々20分も怒鳴りつけながら食事を急かしていたこともある。
しばらくして父親が単身赴任となり、母子2人になると夜もお構いなしに怒鳴り声が聞こえるようになった。
 もっとも多いのが23時から25時の間。とても小学生へのしつけとは思えない時間帯だ。
我が家は比較的早く寝るので、こんなときには決まって起こされてしまう。
どうも、その頃になると母親の感情の抑制が利かなくなるらしい。  

B男がかわいそうでたまらなくなり、まずは、同居する高齢の母への定期訪問に訪れた民生委員に相談した。
民生委員が小学校に報告すると、学校がB男の同級生から聞き取りをして虐待が明らかになった。
校長と担任による自宅訪問が行われ、児相からの指導もあったと聞く。
しかし、学校や児相の指導も効力はなかった。

 13年のある日、真夜中にA子の怒鳴り声やB男の泣き声で目が覚めた。
ドンドンガタガタガタンとひどい物音もする。
もしかしたら、A子は身体的な虐待も始めたのではないかと心配でたまらなくなり、翌日意を決して、「これから、相談に行きたい」と柏児童相談所に電話をした。

ところが、切羽詰まった私の思いとは裏腹に、「予約でいっぱいなので、来てもらっても対応できません」と女性職員に断られた。ほかの案件で手がいっぱいなのか、それとも、A子親子のことはある程度把握しているからなのかわからないが、非常に不愛想でそっけなかった。
 必死に訴える私に、「それでは、今、電話で説明してください」と渋々といった感じで尋ねてきた。
そして、「連絡をするかもしれない」と言って電話を切り、その後の連絡は一切なかった。

ついに、警察に通報する
 その頃、交番の巡回訪問を受けた。
「何かお困りのことはありませんか?」と警察官に聞かれたときに、A子のことを相談すると、「いつでも通報してくれれば、現場に駆けつけます。
遠慮なく連絡してください」と言ってくれた。

 数カ月後、A子の家から激しい物音が続いた。
その数日前、B男が泣きながら、「殺せよ!」と発した声が聞こえていたこともあり、意を決して交番に通報すると、すぐさま男性警察官1名と女性警察官2名がA子宅に駆けつけた。

 15分ほどA子親子とやり取りした後、我が家にそっとやってきて報告をしてくれた。
「身体を見せてもらったところ、身体的虐待の兆候はありませんでした。
おかあさんは、『受験勉強でちょっと親子喧嘩をしただけ』と言っていましたけれども、また何かあったら連絡ください」  

警察の出動にはさすがのA子も驚いたのか、かなり効力があった。
半年くらい静かになったのだ。  
その後、A子のヒステリーは減ったものの、B男が中学生になると、今度はB男が家庭内暴力を振るうようになった。
それに対してもさまざまな手段が講じられ、A子宅の問題は通算8年以上の歳月を経て、やっと小康状態になっている。

遅れている日本の対応
 小4女児死亡事件を受け、児相の負担が大きいこと、必ずしも経験豊かな専門家が配置されているわけではないこと、他の機関との連携がなされていないことなど、今、盛んに議論されている。

私自身の経験からも、児相や学校レベルではなかなか解決が難しいため、警察との連携は必要だと思う。
 児相や教育委員会が父親の恫喝に怯んでしまっては、プロとは言えない。
父親の望むとおりにしたら女児がどんな不利益を被るかを考えれば、自分がどんなに恐怖感を覚えても、いや恐怖感を覚えるような父親ならなおのこと、そこのところを死守するのが専門家だと思う。

聞けば、児相の職員は2〜3年で別の部署に異動になってしまうのだという。
専門家といえるようになるには経験も必要である。
柏児童相談所の対応のまずさは、数、質両方の力不足から来ているのだろう。

 以前、虐待していないのに誤解され親子が引き離されてしまう米国映画を見たことがある。
それだけ米国ではずいぶん前から児童虐待が深刻で、そのための対策が徹底しているそうだ。
 米国では、裁判所が虐待する親から子どもを保護し、その親へのカウンセリングなどを命じる体制を整えている。
一方、日本では経験豊かな児相の相談員が育っていないにもかかわらず、児相が虐待介入も家族の支援も両方の仕事を担っているのが実状だ。
 これ以上の犠牲者を出さないためにも、児童虐待に対応する制度や組織を早急に整備することが求められる。

ニュースサイトで読む:
https://biz-journal.jp/2019/03/post_27105.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2019年03月19日

医師"20分で眠れなければベッドを出る"

医師"20分で眠れなければベッドを出る"
2019年03月18日 PRESIDENT Online

「日中眠くなる」「朝早く目が覚める」。
春にはそんな悩みがよく聞かれる。
精神科医で早稲田大学准教授の西多昌規氏は「春は体内時計が昼の長さにまだ慣れていない。
年度の切り替わりによる心身の不調、花粉症の鼻詰まりなど、睡眠の質を下げる要因も多い」という。
医師が教える「睡眠の5つのコツ」とは――。

■季節の変わり目には睡眠の悩みが増える
3月に入って日の光もまぶしくなり、暖かい日も増えてきました。
就職、進学から異動、転職など、新生活を控えている人も多くなる忙しい季節です。

春は、日中にウトウトと眠くなるイメージがあります。
夏目漱石は、小説『草枕』のなかで、「春は眠くなる。猫は鼠を捕る事を忘れ、人間は借金のある事を忘れる」と書いています。
「日中どうしても眠くなる」「朝早く目が覚める」「すっきり起きられない」など、季節の変わり目には睡眠の悩みが増える印象があります。
秋は「ぐっすり寝た気がしない」という相談が多い一方で、春は日中の眠気や朝早く目覚めてしまうという悩みが多い印象があります。
漱石も感じていた春の眠気ですが、日中に眠くなるメカニズムが、人間には備わっているのでしょうか。

春になると眠気が強くなるのは、科学的にも確かにあることだとわたしは考えます。
理由は一つに絞られるものではなく、体内時計といった生物的要因から、新生活に向けた緊張など心理的要因がミックスしていると考えられます。

■睡眠時間は「一年間同じ」ではない
わたしたちの睡眠時間は、一年通じて一定ではありません。
日の長い夏には睡眠時間は短くなり、夜の長い冬には長くなります。
春は、夏至のころほど昼の時間は長くありません。
ただ、寝室の中に光が差し込む時刻は、冬の頃と比べて徐々に早くなってきるのを実感します。
明け方にまだ眠っているようでも、人間の脳は網膜を通じて日の光を感知し、覚醒を始めるのです。

睡眠時間は、春よりも夏の方が短くなります。
しかし、眠気と言えば、夏よりも春という方が多いでしょう。
温度や湿度などの環境が、猛暑の夏と比べて穏やかな春のほうがウトウトしやすいのはもちろん、冬の長い夜に慣れていた体内時計が、長くなりつつある昼にまだ慣れてきていないのが理由です。
5月の連休ごろになれば、体内時計は昼の長い一日に慣れてしまうのです。

■アラームが鳴る前に目が覚めてしまう理由
春になると眠くなるのは、日本だけではありません。
中国は「春眠暁を覚えず」という有名な漢詩を生み、英語にも「Springtime sleepiness」「Springtime lethargy」という、春の眠気やだるさを表す言葉があります。
サマータイムを導入している国では、3月から夏時間となり体内時計が乱れる影響もあると思われます。
ただ諸外国の年度は、9月開始が一般的です。
学校の新学期も、秋から始まります。

日本は、学校も会社も4月で年度が切り替わります。
3月4月は、どんな人にとっても多かれ少なかれ環境の変化を経験する人が多くなり、それだけストレスや緊張を感じることも多くなります。
「新しい部署で大丈夫かな……」「新しいクラスになじめるかしら……」など、3月になると、4月からの新しい環境に対する不安が増してきます。
4月から新生活が始まれば、慣れない仕事や人間関係など、緊張の毎日が続きます。
翌朝に早く起きなければならないとき、アラームが鳴る前に目が覚めてしまった経験はないでしょうか? 
これは「注意睡眠」と呼ばれる現象です。
心理的緊張も、睡眠を浅くしてしまうことは言うまでもありません。
春は体内時計によって、朝早くから目覚めやすくなるうえに、心理的要因からも、睡眠の質が下がります。
結果的に、日中に眠気やだるさに襲われやすくなるのです。

■「花粉症」と「低気圧」も眠気の原因になる
春に見られる睡眠の問題で侮れないのは、花粉症などのアレルギー症状です。
鼻詰まりや喉のまわりの炎症は、寝ている間の空気(=酸素)の通り道を狭くしてしまい、「睡眠時無呼吸症候群」に近い状態にしてしまう場合もあります。

花粉症の眠気と言えば、抗アレルギー薬による眠気で日中は頭がぼうっとしてしまうことをイメージしますが、夜も鼻詰まりで睡眠の質が低くなっている可能性があるわけです。
春が過ぎれば治るとはいえ、きちんと対処をしないと、睡眠不足の状態が続いて体調を崩してしまいます。

そのほかに、気候の変化もあります。
太平洋側では、3月に入ると乾燥した冬と違って、低気圧に覆われる機会が増え、雨の日が多くなります。
低気圧による心身の不調のメカニズムは、まだ明らかではないですが、現実生活ではよく見る現象です。

科学が発達しても、日の出を人為的に遅くしたり、4月始まりの新年度制度を勝手に変更したりすることはできません。
できる範囲で、睡眠を保つ工夫と努力をしていく必要があります。
朝早く明るくなるのが一因だからといって、寝室を完全に真っ暗にして暗室にしてしまうと、今度はちゃんと目覚めて覚醒することが難しくなります。
心理的要因も睡眠を悪くしますが、ストレスを一発で消し去るスイッチがあるわけでもありません。
慌ただしい春に、できる範囲で健康的な睡眠を保つ実践的なコツを考えてみました。

1.「少しだけ」早く寝る
次の朝早いので、いつもよりも早くベッドに入ったはいいけれども、かえって眠れなくなった経験はないでしょうか。
人間は、いつもの就寝時刻より早く寝つくこと、つまり体内時計を早回しにすることは、非常に苦手です。
特に夜型傾向の強い10代後半〜20歳代の男性にとっては、いつもより早く寝なさいというのは、厳しい注文かもしれません。
たしかに、平素より1時間以上も早く寝つきなさいというのは、やや無理があります。
しかし、3、4月は「明け方」の睡眠が浅くなっていることを思いだしてみてください。
30分くらいならば、いつもより早く寝ることはできないでしょうか。
夜更かしをやめる、という漠然とした目標よりも、数値化した現実的なスケジュールを考えるべきです。

2. 休みの日の寝坊は2時間までOK
朝起きる時刻も、夜眠る時刻も、一定にするのが体内時計にとってはいちばん望ましい生活です。
しかし、人間である以上、このような実験動物のような生活をすることは100%不可能でしょう。

3、4月のこの時期は、睡眠時間が冬に比べて短くなり始め、体内時計がそれに追いついていない状態です。
かつ、周囲の変化もかなりあり、心理的負担も大きくなっています。
平日の睡眠不足は、当然のものとして考えなければなりません。
特に新生活が始まった人にとっては、週末は貴重です。
ゆっくりできる週末を楽しみに、忙しい新生活をしのいでいる人も少なくないはず。
週末ぐらいは、1、2時間ぐらいの寝坊は、むしろ取った方がいいとわたしは思います。

スウェーデンの研究でも、平日は睡眠時間が5時間未満であっても、週末に8時間以上眠っている人の場合、死亡リスクは上昇しないという結果が発表されています。
この結果を見ると「3時間以上の寝だめでもいいじゃない」と思われるかもしれませんが、わたしはそうは思いません。
休みの日、たとえば土曜日に昼過ぎまで眠ってしまうと、当然ながらその日の夜は寝つくのが遅くなります。
深夜にようやく寝て、次の日曜日はもっと遅く起きる。
そして日曜の夜はずっと寝つけず、月曜は寝たか寝ないかわからないまま出勤……。
おそらくその一週間は、睡眠リズムの乱れを引きずったまま、調子の上がらない一週間になる可能性大です。
週末の寝坊は、2時間まで、多く取ったとしても3時間までにしましょう。
逆に、平日と同じ時間に起きることはないと思うと、気持ちが少しは楽になると思います。

3. 寝具やパジャマを、こまめに調節
春は寒暖の差が激しく、蒸し暑い初夏のような日があるかと思えば、冬に戻ったような寒い日もあり、熟睡をさまたげる気温の変化が起こりやすくなります。
いつまでも冬と同じ寝具では寝苦しいですし、かといって夏のような寝具では、肌寒いことも。
人の身体は思いのほか気温の差に敏感ですから、寝具やパジャマを調節して、熟睡できる環境を整えましょう。
翌朝の天気予報で気温をチェックしておく、交換できる布団をベッドのわきに置いておく、などの準備ができればいいでしょう。

4. とりとめのないお喋りでストレスの「言語化」を
3月、4月は、環境の変化も伴うため、精神的にも多大なストレスがかかります。
緊張や不安、不満、気疲れ……。
薬や注射ですぐに解決とはいかないところが、ストレス対策の悩ましいところです。
わたしがいちばん大切だと考えているのは、新生活についてなにげないことでも他人に話す機会を持つことです。
小難しい用語を使えば、ストレスの「言語化」です。
「今日はソフトの使い方なかなか覚えられなくて大変だった」 「さっそく上司に注意されちゃった」 と、言葉にできる機会は貴重です。

逆にひとりでストレスを抱えて悶々としている姿を想像してください。
精神的に不健康であることは、言うまでもないでしょう。
特に孤独に陥りがちな男性の場合は、毎日お喋りしなさいとはいいませんが、せめて月に一度は家族なり友達なりパートナーに、なにげないことを話す機会をもちたいものです。
人間は誰も見ていないところでは、苦しみになかなか耐えられません。
話を聞いてくれるのがごくたまにであっても、ちゃんと見守っている人の存在があれば、頑張れるものです。

5. ベッドに入って20分眠れなければ、寝室から出る
眠れないときは、無理して眠ろうとしないことが大切です。
ベッドに入ってから20分たっても眠れない場合は、寝室から出ましょう。
部屋の明かりも暗めに調節、ノンカフェインのお茶でも飲みながら、ゆっくり過ごします。
そして眠くなったら再びベッドへ戻ります。
時計やスマホを見るなど眠れない不安を強くしてしまう、あるいはアクション系など刺激の強い動画を見てしまうなどの行動はNGです。

眠くなるのは、「退屈」「単調」という、刺激の乏しい環境です。
現在の不眠治療では、眠れないときに無理にベッドに居続けると、苦痛の記憶が刻まれて寝室が苦行の場になってしまうので逆効果とされています。
どうしても眠れないときは、「今夜の寝不足で次の夜は眠れる」と、受け入れるのがベターです。
ただ、連日にわたって不眠が続くならば、生活習慣では限界の可能性もあるので、睡眠医療の出番であることも知っておいてください。
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西多 昌規(にしだ・まさき)
精神科医 医学博士。早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。東京医科歯科大学卒業後、スタンフォード大学医学部客員講師などを経て現職。
『テンパらない技術』(PHP文庫)、『自分の「異常性」に気づかない人たち: 病識と否認の心理』(草思社)、『休む技術』『眠る技術』(ともに、大和書房)など著書多数。
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2019年03月27日

物忘れを防ぎ記憶も定着する、一番簡単な記憶法とは


物忘れを防ぎ記憶も定着する、一番簡単な記憶法とは
2019.3.26 ダイヤモンドオンライン(高島徹治)

覚える力、考える力を維持できれば、人生後半は素晴らしく幸せなものになります。
生活習慣のちょっとした工夫と努力で、「覚える力」と「考える力」は簡単に高めることができるのです。
このたび新著『図解 10歳若返る!簡単に頭を鍛える法』を上梓した能力開発コンサルタントの高島徹治氏が、頭を簡単に鍛えるコツを紹介していきます。
今回お教えするのは、効果てきめん「声出し記憶法」です。

ものを探す時間は人生のムダ 1年で5日分の損!?
「ケータイはどこに置いたっけ?」 「メガネはどこだ?」
 ──1日に何度も、こんな騒ぎに時間を割いていませんか?
 それぞれ決まった置き場を決めていても、無意識のうちに別の場所に置いてしまい、あとで見つからなくなることがよくあります。  
でも、探しものだけで、1日に何十分もかけるなんて、まるで人生のムダ!
 1日20分かけたとしても、1ヵ月で10時間、1年で120時間をロスするのです。
年に5日間も探しものをしている計算になります。
 そこで、そんなムダを今日からなくせる、素晴らしい記憶法を紹介しましょう。
 それが「声出し記憶法」です。
 これは、忘れてはならない動作をするときに、ハッキリと声に出すというもの。
たとえば、携帯電話をテーブルに置きながら「ケータイをテーブルに置いた」と、口に出すわけです。
 こうすれば、置き場所を忘れることはありません。

 なぜなら、置き場所を忘れるのは、無意識のうちに行動したのが原因だからです。
声に出したり体を動かして、行動を意識化すれば、ハッキリと置き場所を頭に残せるようになります。
これほど確実な方法はありません。じつは、私は、この「声出し記憶法」をしばしば実行するのですが、家族には「みっともない」とよく言われます。
ですが、やめるつもりは毛頭ありません。

 人生の大切な数十分をムダにすることを思えば、他人からどう見えるかなんて些細な問題にすぎませんから。

声出し記憶法によって スイッチ押し間違えもなくなった
「声出し記憶法」は、ものの置き場所を探すとき以外にも活用できます。
 わが家の階段の脇には、照明のスイッチが上下に並んでついています。
 上のスイッチは室内の照明で、下のスイッチは階段の照明。
これを私はよく押し間違えるのです。
 階段の照明をつけようとして、うっかり上のスイッチを押してしまう。
そのたびに室内の照明を消してしまい、家族からひんしゅくを買っていました。

 これではいけないと、あるとき「階段は下」と声に出しながらスイッチを押してみました。
すると不思議なことに、それ以後は、二度と間違えなくなったではありませんか!
 これも、「声出し記憶法」によって、行動を意識化できたおかげです。
 このように、上と下、右と左というように、いつも選択に迷っているような場合にも、「声出し記憶法」は役に立ちます。  

ちなみに、「階段は下」と覚えるだけではもの足りないからといって、「室内は上」という情報を加える必要はありません。階段が下なら、室内は上に決まっているからです。
 覚える内容はなるべく少なくする、というのもまた、記憶法の大事なセオリーです。

俳優は長くて難しいセリフを どうやって覚えるのか  
俳優さんは、どうやってセリフを覚えているかご存じですか?
 かねてから私は、年配の俳優が、長いセリフをよどみなく口にするのを見るたびに、「よく覚えられるなぁ」と不思議に思っていました。
 すると、知り合いの俳優がこんなことを教えてくれたのです。
「セリフっていうのは、台本を読むだけではなかなか覚えられないものだよ。
でもね、実際に声に出して、身振りと組み合わせると、どんなに長くて難しいセリフでも忘れないんだ
 なるほど、と私は納得しました。

 書いてある字をただ目で追っただけでは、よほどの天才でない限り、そう簡単に覚えられるものではありません。
 でも、声を出して体を動かせば、脳にしっかりと刻まれます。
 まさに「人間の脳の働きにかなった覚え方」と言ってよいでしょう。
 この事実は、私たちの記憶力強化にも応用できます。

音読することで 感覚器官を通じて脳を刺激  
そもそも、なぜ声を出したり、体を動かすと記憶に定着するのでしょうか。
 それは人間の持っている感覚を最大限に利用するからです。
 人間には、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」という5つの感覚が備わっています。
いわゆる5感です。
それぞれ、目、耳、鼻、口、皮膚という感覚器官を通じて脳を刺激しているわけです。
 これらの感覚を、できるだけ多く活用したほうが、効率よく記憶できます。
 たとえば、新聞を読むときは、目で追うだけではなく、声に出して読んでみると、自分の声で新聞の内容が確認できるうえに、その情報が耳を通して脳に伝えられます。
 このとき、目、口、耳という3つの感覚器官を使っています。
 こうして脳が多方面から刺激を受けると、より活発に動くようになるわけです。
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2019年03月28日

異常な疲労感、眠気

昨日は 午前中に精神科受診と薬局だけのつもりでいたのですが 吹き出物が出たために切開してもらうために外科も受診、体が動くので 午後 区役所に行き 障害者バスフリー券を更新してきました。
でも 身体は正直なのか 普段の運動量を超えていたことの警告か、帰宅時のバスでは 下半身が重く、今日も睡眠過多。
これを書いている20時段階でも 眠気が襲ってきます。
少しずつリハビリしていかなくては 毎日コンスタントに動けないことを痛感させられました。

明日は 歯科定期健診。
明後日は 「不在者投票」
その後、入院準備に入ります。

4月4日入院、5日股関節人工骨へ置換手術
後はリハビリ10日の予定です。

お詫びですが、いつも楽しみに巡回させていただいたブログの訪問が 難しくなっています。
私が 更新を休止している間、過去の記事を読んで頂けると嬉しいです。
記事一つ一つが ミニ論文のようになっており 小だぬきは どこに共感して その記事を選んだのか 想像していただけると 嬉しいです。

眠気が また襲ってきました。
明日は 朝から 起きれるといいなと願いながら ベットにはいります。
お休みなさい。
posted by 小だぬき at 20:25 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月02日

人はなぜ偶然を軽視するのか? 人生のヒントは偶然にある

人はなぜ偶然を軽視するのか? 人生のヒントは偶然にある
2019年04月01日 日刊SPA(佐々木)

いまの仕事楽しい?……
ビジネスだけで成功しても不満が残る。
自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。

人間の能力には限界があります。
自分一人ですべてをこなすことはできません。
実際、私たちは色々な場面で協力し合っています。

しかし、考えることに関しては、一人でやろうとしがちです。
 ほかのことと同様に、考えることもまた誰かと協力した方が捗ります。
そのために取り入れるべきなのが「偶然」です。

悩みを解決してくれるのは、「たまたま見かけた出来事」や「たまたま人から聞いた話」といった偶然のヒントです。
 多くの発明や発見はこうした偶然をきっかけにしています。
アルキメデスはお風呂に入っている時に、アルキメデスの原理を発見しました。
スイスの発明家ジョルジュ・デ・メストラルは衣服に貼りついたオナモミの実から、面ファスナー(マジックテープ)を発明しました。

 誰にでも、知らないことや経験していないことは山ほどあります。
それ故にすべてを必然として考えるのは不可能です。
「こうすれば上手くいくはず」と考えを突き詰めていって、八方塞がりになったことは誰にでもあると思います。
そんな時、答えは偶然という形で見つかります。

 しかし、私たちはつい偶然を軽視しがちです。
せっかくヒントをつかんでも、「ただの偶然」で片付けてしまいます。
それだと自分一人で考える「必然」という限界から抜け出せません。

 心理療法家の河合隼雄は通勤途中に起きた出来事を、その日の臨床のヒントにしたといいます。
心の世界は複雑で、何が閃きの引き金になるかわかりません。
しかし、それはあらゆるものがヒントになりうるということでもあります。

 発明や発見のように物事について考える時は、物事がヒントになります。
同じように人間について考える時は、人間がヒントになります。
つまり、自分のことで悩んだ時は、他人がヒントになるということです。

 ですから偶然といっても、それはデタラメではありません。
たとえばお金持ちになりたい時に、宝くじに期待しても仕方ありません。
そうではなく、お金持ちに注目しましょう。
するとその人物が思わぬヒントになってくれます。

 このように偶然に目を向けられるようになると、人生の進み方がまったく変わってきます。
偶然がヒントになるのは発明や発見だけではありません。
仕事や家族といった人間的な問題には、他人という偶然がヒントになります。

 悩んだ時は、ぜひあちこちへ出かけて、色々な人に会ってみてください。
彼らが、あなたの悩みを解決するヒントになってくれるでしょう。


佐々木
コーチャー。
自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。
カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。
現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。
ブログ「星を辿る」
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2019年04月04日

明日受ける 股関節の人工関節手術

入院から退院まで
人工関節ドットコムより引用

(小だぬき)今日4日1時30分入院、明日5日に下記の手術を受けます。
股関節がすり減り 人工関節に入れ替える。
歳だけでは説明出来ない 骨粗鬆症の疑いがあるそうです。
皆さんの応援があると信じて、リハビリに努めます。
合併症などでないことを祈る思いです。
医師の見通しでは、順調にリハビリが進み 合併症がではなければ 15日(月)には退院可能になるとのことでした。

手術前
インフォームドコンセント
医師からインフォームドコンセントと呼ばれる術前説明があります。
股関節手術説明.png
入院と手術の準備

手術の前に、必要な検査を受けます。
服用しているくすりがあれば必ず病院のスタッフに伝えてください。
血を固まりにくくするくすりは、一時的に服用を中止していただくことがあります。
手術を受けられる体調であることが確認されたら、入院のための準備品などの説明を受けます。

自己血貯血(じこけつ/ちょけつ) 貧血のない方は、輸血による合併症のリスクを避けるため自分の血液を前もって採血して、 手術まで保管しておく場合があります。

⇒輸血について ※入院から退院までの一般的な流れを記載していますが、施設によって内容や呼び名が変わります。

入院 糖尿病の方で、血糖値のコントロールのために手術前日より早く入院が必要となる場合もあります。
手術の日取りに合わせたスケジュールが組まれます。

手術準備

当日は手術用の着衣に着がえ、腕に小さなチューブ(静脈ライン)を挿入します。
このチューブは、手術中に抗生物質やその他のくすりを投与するために使います。

麻酔 手術室に入ると麻酔がおこなわれます。
麻酔には全身麻酔と局所麻酔があります
麻酔が十分に効いてきたら、消毒液を使って患部を消毒します。

手術開始

関節の中に人工関節を入れるため、皮膚を切開します。

損傷骨の切除
手術に必要な程度、骨が見える状態になったら、専用の器具を使って損傷のある部分を取り除き 、人工関節に合わせて骨の形を整えます。

人工関節の固定
医師は人工関節がしっかりと固定され、十分に機能することを確かめてから、切開した部分を縫合します。

縫合
当日は手術用の着衣に着がえ、腕に小さなチューブ(静脈ライン)を挿入します。
このチューブは、手術中に抗生物質やその他のくすりを投与するために使います。

手術終了
創にたまった血液を外へ流し出すために、専用の排液管(ドレーン)を傷口に挿入します。
その後、傷口を滅菌(めっきん)ガーゼでおおい、包帯を巻いて帰室します。

手術室への入室から病棟への帰室までの目安は概ね2時間から3時間程度で、個々の状況によって変わります。

手術後

麻酔が覚めてくると、ゆっくりと意識が回復してきます。
看護師が適宜、血圧や体温、足の動きなどをチェックします。
また、手術直後の痛みを取り除くため、痛み止めのくすりを投与しますが、痛みがひどい場合は麻酔を使用します。

リハビリテーション
人工膝関節周囲の筋肉を強化し、バランスや可動域を回復させるために、徐々にリハビリテーションを始めます。
また、理学療法士が最適な運動をおこなう手助けをしてくれます。
いずれも日常生活への復帰を目的とした内容になります。

退院

回復が十分であると医師が判断したら、まもなく退院することができます。

具体的には、安定した歩行・階段昇降ができ、トイレ・入浴などをご自身ひとりでできるようになることが退院の条件となります。
輸血について 手術中および手術後には、輸血を必要とする可能性があります。
最近では、手術の前に自分の血液を採っておき、手術後に輸血する方法(自己血(じこけつ)輸血)や、 手術中に出血した血液を専用の器械でろ過して体内に戻す方法(回収血輸血)などをとる場合もあります。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(8) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月20日

無事退院しました。

入院での交流など これから連載で報告したいと思います。

今日は、長文の文がPCの悪戯で2度も 消えてしまったので 明日以降 今日の消えた文を再現しながら 書いて行きたいと思います。

看護師・理学療法士・看護助手・栄養士・薬剤師さんとの交流、包括支援センター、市の介護認定員さん、病室の仲間との交流など 多くの交流と リハビリの悪戦苦闘の様子などを 報告していきたいと思います。

今日は 股関節人工関節置換手術の中で得た 人間関係の温かさで 無事退院帰宅したことの報告でお許しください。
posted by 小だぬき at 19:04 | 神奈川 ☀ | Comment(6) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月21日

筋肉の炎症。足のむくみで象さん足

入院雑記@ 
あんよは上手
*看護師さん・看護助手・理学療法士さんなどの交流は次回以降

T.手術は成功でも リハビリを妨げた股の筋肉の炎症と足のむくみ(象さんの足)

術後の患者管理室をでて 部屋に戻るためのベット移動で異変。股の筋肉の炎症のため右足が痛くて力が入らない。
その状態が術後1週間継続。
歩行補助器のリハビリでも 左足ケンケンや補助器に体重を預けることが多く、担当した理学療法士さんは あの手この手を繰り出し 徐々に体重を左右平衡になるようになるように特訓。

U.転機になったのが 13日。  

担当療法士さんのお休みの日に 代わってリハビリしてくれた女性療法士さんと若手バリバリのイケ面男子。
女性療法士さんに囲まれてのリハビリに 痛がらず従順に身体・筋肉を預けて トレーニング中も冗談の交流。

担当の療法士さんが 不思議がるような 次の日の身体移動の上達。
小だぬきの補助器を使っての歩行も13日を境に 急激に上達。
14日からは 杖でのリハビリに前進。
何か初老引きこもり小だぬきは、若い女の子たちには 素直に従う スケベ老人なのかと 心で苦笑い。

V.股の炎症も全体から手でほぐせるように分離

マイ杖を購入して秘密特訓の開始が 15日。
多少 足がもつれたり 杖での足の歩行順序が分からなくなりつつ 日々 前の日の指摘を次の日は克服するようになってきたのが 16日。

主治医は この時点で 退院許可のハンコを押したとのことですが、理学療法士さん 看護室の抵抗で20日まで延期。
杖や杖抜きの自力歩行が 可能になったのが 18日。

入院前から尻にできた嚢胞が ムクレタのか 18日・19日に大量出血。
ほぼ独り立ちで 階段の昇降を含めて可能になった時に 今度はこちらから カートの持ち方やカバンかリュックかと質問してのリハビリが19日、やっと療法士さんも納得してくれたのか 20日退院に同意。

W.もっと看護師さんたちといたい・・・

尻の嚢胞の大量出血に驚いていた看護師さんに、「君たちともっと話したい気持ちが出血に出たんだよ」、自宅リハビリ可能になっても 若い女の子と話したいとの気持ちが出るあたり やはり小だぬきは 寂しがり屋かスケベか・・・
posted by 小だぬき at 07:19 | 神奈川 ☁ | Comment(10) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月22日

若い子が キビキビ働く姿は素敵

入院雑記A
看護師さんらとの交流のスタート

今日は内容に入る前に、何げない言葉の持つ 受け取り方・・・
夜勤の看護師が自己紹介をする時の「今日の夜のお世話を 担当する〇◎です」、場所が病院なのだから 聞き流せばいいのですが、リハビリが進みよくなってくると ついからかいたくなる小だぬき。

病院の外で会った時、聞きたい言葉だね、と言ったら 一瞬意味が呑み込めずキョトンとしてから「今のはセクハラですよ」と顔を赤くして抗議。

教員の世界もそうですが 職業独特の言葉の使い方が 他の仕事の方からすると 理解に苦しむという場合もあるのだと学びました。

T.手術前日

夜食で食止めになり、次の朝 10時迄の期限付きで 補水液「OS-!」2本を渡されるのですが 「ポカリスエット」をより不味くした味で苦手だなぁといったら 看護師曰く「私も同じように感じますが 手術のため必要だから・・」と妙に同情する表情。

また 術前ということで シャワーを使わせて貰えるのですが 看護師さん「一人で大丈夫ですか??」、まだ手術をしていないのでシャワーくらい使えるのですが 「一人じゃ無理、身体を洗ってくれると言ったら 洗ってくれるの?? 」と余計な一言。
何か教員が子供と言葉遊びを楽しんでいるような感覚に。

U.手術当日

なんと15時 手術室入室とのこと。
それまでは 何もすることがないので ウトウトと眠っていると なんとも時間の経つのが早いこと。
「前の人の手術が早く終わりそうだから 手術着に着替えて「」と 術着の着替えの指導。
やたらと紐が多く しかも多くの部分にスリットがある代物。
結局看護師さんに 紐を結んで貰いました。

看護師さんと同伴で手術控室に。
手術室が多いんだねとか 病棟看護師が立ち合い看護師をやることがあるの? とか質問攻めに。
専門性が違うので 配属されない限り 病棟専属とのこと。

既往症とかアレルギーの有無を質問されたのち 手術室へ。
同伴してくれた看護師さんに「頑張ってね」と言われ 手を振りながらの別れ。

手術に入り 麻酔担当医が問診した男の人と違い 美人の女医さん。
質問に答えているうちに 全身麻酔で眠りに・・・。

目が覚めたら 患者観察室に。

その5日は 救急患者やストーカー傷害容疑の人が 大立ち回りをしたらしく骨折で搬送され賑やかでした。
私は 右足に異物感を強く感じながらも 痛み」は感じませんでした。

V.手術翌日

翌朝に病棟看護師が迎えに来てくれた時 捕虜生活から解放されたような気分でした。

病棟に戻り病室に入る時 病室用ベットに移動するのですが 初めて右足が動かないことに気づき 自力でのベット移動が不能に。
なんと記憶だけでも 6人の看護師が 身体を支え持ちあげて ベット移動をしてくれまた。

W.ベットの配置がえ

この配置換えが 看護師・看護助手・理学療法士さんらとの 交流をうむのです。

位置は、入り口の右側。カーテンを開けると 廊下での動きが 全て見える所。

これからが 不思議な交流が始まるのですが・・・、
        次回に続くにしてください。
posted by 小だぬき at 04:19 | 神奈川 ☁ | Comment(5) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月24日

「PTA免除の儀式」

「PTA免除の儀式」
笠井アナの体験談に「『自慢話』が保護者を追い詰める」の声も
2019年04月23日 リアルライブ

 朝日新聞で、「PTA免除の儀式怖い/病気・離婚を告白 /泣き出す親」というショッキングな見出しが躍った。
 これを取り上げたのが、23日の『とくダネ!』(フジテレビ系)。
番組ではこう紹介されていた。

新年度最初に行われる保護者会で、PTA役員を希望する人を募るのだが、多くの場合、希望者はいない。
その場合、保護者たちは、例えば妊娠中であるとか親を介護しているなど、それぞれの家庭事情をみんなの前で説明し、任命免除を求めるケースがあるのだとか。  
「そして、免除するかどうかは、他の保護者たちが顔を伏せながら挙手して決めるとも紹介されていました。

ところが、病気であることを明かすと、『診断書を出してください』と言われ、シングルマザーと言うと、『みんなも働いています』と言われ拒否されたそうです」(芸能ライター)

 ただし、長男の通う学校のPTA役員を務めた笠井信輔アナは「(PTA)毛嫌いしすぎなんですよ」と主張し、妻とともに様々な学校行事に積極的に参加したと語っていたが、これを「正論」と言うユーザーもいる一方で、「PTAで悩んでいる人は、決して初めから毛嫌いしているわけではない。

そういう『自慢話』が、できない人を追い詰めていく」と反論する意見も多かった。

 さらにSNS上には、PTA経験を今までした、あるいはこれから務める親世代からも様々な体験談が。

「子どもが複数いると PTA、子ども会、自治会の役員など 何年も重なる

親の介護、子ども達と自分の病気の 通院も
死にそうになりながら 夫は仕事で忙しく非協力的

助けてくれる役員さんが数人いたから 何とかなったけど ほぼ家庭崩壊状態」といったものから、
「今日初めての小学校の保護者会だ…憂鬱でしかない。
ぼくうつ病なんでPTA役員無理っすって話したい」という投稿も。

 また、「PTAはホントいらない組織」
「この悪しきシステムは何のためにあるんだ?

保護者イジメ?なんの罰ゲーム?」というPTA不要論も渦巻いていた。
posted by 小だぬき at 02:39 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月25日

長距離通院に成功

入院雑記B番外編
電車で座席を譲られる

うつでの障害年金申請書(病気診断書)は はじめに「うつ」と診断した医師または病院で書いてもらうことが必須です。
私の場合、通勤途中で 「頭痛・寝不足状態・自殺念慮・出勤拒否)などで 勤務先川口に向かう途中の王子駅に無意識に降り病院精神科を受診しました。 
癌の疑いで胆嚢摘出をして以来 肝臓機能の定期通院している病院です。

「うつ」検査をして 以後 長く主治医になるK先生が 休職の必要性を 診察室から直接管理職に電話連絡し
「今日からしばらく休職させないと 自殺の可能性があるので 医師の責任で学校にはいかせられません」
「治療の条件として 小だぬきさんとの直接接触は禁止し、私を介しての 連絡にしてください、
小だぬきさんの方からの連絡は 電話ではなく メールかFAXでするように話します」としたうえ、しばらく教頭・校長と話してくれました。」

電話を終えた主治医が 「病気の心配より 代員確保のため 長期の診断にしてほしい」だなんて・・・、
「この管理職のもとでは 治るものも治らない」
「管理職が人事異動で異動し 関係が切れるまでは 現場復帰は 考えないでいい」と・・・。

*詳しくは ブログ開設当時に記述してありますので ここでは触れません。

T.自宅川崎から 板橋区滝野川の病院への通院

共済組合傷害老齢年金の申請が今月末なので、手術退院直後の杖状態で 昨日24日 K病院精神科受診。
通勤帯での電車に 杖で踏ん張る私を見かねてか 座席の中年の女性が席を譲ってくれました。
自宅から川崎駅までで 疲労がでていたので、素直に「ありがとうございます」の言葉で座らせていただきました。
以後 爆睡して 一駅乗り越し、また電車で王子駅に戻るという おっちょこちょいを。

U.杖は不便な歩行補助道具??

何の荷物がない時は 杖は 便利な補助道具ですが、昨日のように雨の中だと話は別。
リュックを背負い、杖と傘だと スイカの出し入れも不自然な姿勢になるし、電車内でのリュックの手持ちでは つり革もつかめない。
席を譲ってくれた女性がいなければ 満員電車での足の踏ん張りも長続きしなかったでしょう。
まだまだ、人情が残っていることに感激した瞬間でした。

V.リハビリに望みが・・・

電車に乗れたことが TVの「初めてのおつかい」の子供・親のように 嬉しかったです。
大げさのようですが「できなかったことが できた」喜びです。
手術あとに 少し腫れがでましたが、長距離移動(約自宅から 往復2時間半)が できたことが 25日に予定それる外来リハビリに臨む自信になったように感じました。

<今日の教訓>
出来なかったことが できたことで より進んだ挑戦の動機づけになる。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月27日

よく通院を乗り切りました。糖尿患者に

入院雑記C
日常生活でのリハビリと自分との闘い

20日の退院以来、今までになく通院予定日が連続してありました

22日 MR検査、主治医の診断
   人工関節がきちんと筋肉になじんでいる様子を MR写真で確認。
   あとは外来リハビリと自宅で動くことを積極的にしてくださいとのこと。
   外来リハビリの予約。
   カロリー調整食での食事開始。

24日 精神科受診 往復2時間間半の電車移動の成功。
   年金申請用診断書 受け取り、公立学校教職員共済会に郵送。

25日 1回目の外来リハビリ(約40分)、歩行の前提になる筋肉の硬直をほぐすことを重点に。

26日 歯科定期健診。

入院中は 看護師が補助をしてくれて トイレから各種検査までこなしていたのですが、退院後は、全て 自己管理・自己責任。
病院のリハビリ室や廊下とは違い 
一歩自宅のドアーからでると 頼りは杖のみ。

起床から 洗面 トイレ 食事 外出が なんと 大変なのか・・・。
当たり前の日常と手術前に思っていたことが 当たり前でなかった」と痛感。

糖尿病初期との診断

血液検査・尿検査・血糖検査(毎回 空腹時と食後)をしたのですが、「糖尿病」との診断が確定。
*血糖値 最低空腹時 103、最高値214。インスリン注射を3回 平均血糖値158

栄養士さんとの個別面談や栄養講習会に参加し、当面は 今までの食事の見直しを提案されました。

@外食で 大盛や特盛を止め、普通食に抑える
A間食をしない
B規則正しい 食事時間を心がける
Cできるだけ単品の食事ではなく 野菜を含めて 多くの栄養素のあるものを食べる

このことから始めませんか?? と提案されました。

退院後の食事は 電子レンジとトースターが 大活躍しています。
微妙に ネットでの注文も 副食・惣菜が多くなってきました。

板橋の精神科受診時に内科に寄り 手術病院への「高血圧・高脂血・糖尿」の紹介状を書いてもらおうとしたのですが、精神科でクタクタになり しかも 内科主治医が午後の担当であり 3時間半待つことに耐えられず、帰宅。

手術病院での検査データーから 板橋から転院しなくても 治療は可能ですが、今までの主治医から「紹介状」→病院通院の手順をふんだ方が 今後、その病院との関係では円満な方法と、 患者相談室の助言に従うことにしました。

今回の診断書で障害老齢年金が却下された場合は、精神科も 手術病院の「心療内科」に変更したいと思っています。

4月は「座席を譲られる体験や人間関係の大変さと交流の必要性、他人の優しさなどを感じる日々になっています。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月29日

なぜ痩せない?「お腹太りの人」が陥る5大盲点

なぜ痩せない?「お腹太りの人」が陥る5大盲点
「食事抜き、腹筋、飲み会…」あなたは大丈夫?
2019/04/24 東洋経済オンライン

池谷 敏郎 : 医学博士/池谷医院院長
内科、循環器科の専門医として、数多くの患者と日々接している医学博士の池谷敏郎氏。
血管、血液、心臓などの循環器系のエキスパートとして『名医のTHE太鼓判!』(TBS)などテレビにも多数出演しているが、過去15キロ以上の減量に成功し、57歳でも体脂肪率10.6%を誇ることはあまり知られていない。
このたび、その「減量メソッド」を全公開した新刊『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド』を上梓した池谷氏に「お腹太りの人ほど陥ってしまう『内臓脂肪』5つの盲点」について解説してもらう。

内臓脂肪のこと、「正しく」知っていますか?

「食事をできるだけとらないようにしているけどやせない」
「腹筋運動を頑張っているけど、なかなかお腹が引っ込まない」という話は、私のクリニックに来る患者さんたちからもよく聞きます。
食べすぎや運動不足は内臓脂肪が蓄積する原因の1つではありますが、ダイエットを「間違った方法」で行ってしまっては、その効果は期待できません。
なにより、無理をして体に負担をかけたり、自分が苦痛に感じたりすることは長続きしません。

私は長年、血管、血液、心臓などの循環器系のエキスパートとして数多くの患者さんたちと接してきました。
その中で感じたのが、「内臓脂肪に対して多くの誤解をしている人が多い」ということです。
誤解したままダイエットを頑張っても、内臓脂肪は減るどころか、かえってどんどん蓄積してしまうこともあります。
その結果、体に悪影響を及ぼすことにもなりかねません。
努力をしているのに無駄なことになってしまっては、本当にもったいないことです。

では、多くの人たちが誤解しがちな「内臓脂肪の盲点」とは何でしょうか。
いくつかありますが、ここでは、主な5つの「内臓脂肪の盲点」を紹介しします。

「食事」を抜いても、内臓脂肪が落ちない…

まず、よく誤解されがちな盲点が「単に食事を抜くだけでは、内臓脂肪はなかなか減らない」ということです。
内臓脂肪を減らすには「賢く食べる」こと

【盲点1】朝食やランチなど、無理に「食事」を抜いてしまう
「内臓脂肪を落としましょう」というと、「食べなければいいんだ」と思ってしまいがちですよね。
そのために「朝食を抜く」「ランチを抜く」と、「食事をとらないダイエット」で頑張ろうという人がいますが、これは絶対NGです。
極端に食事を減らすと、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまいます。
すると食事制限をやめたあとは、筋肉の減ってしまったところに脂肪がつきます。
この脂肪ばかりついた状態を「サルコペニア肥満」といい、通常の肥満よりも生活習慣病になる可能性が高くなります。

「サルコペニア肥満」は高齢者に多くみられますが、近年は若い女性も増えています。
「無理なダイエット」を行った結果、肥満体には見えなくてもぷよぷよの体をもった「サルコペニア肥満」になってしまうのです。
そもそも「食べない」ダイエットは長く続かないものです。

私自身の経験からも、ダイエットは「無理なく、続けること」ができるものでなければ成功しません。
「食べない」のではなく、「賢く食べて」上手にやせましょう。

【盲点2】無理に「完全な糖質制限」までしてしまう
現代人の肥満の原因ほとんどが、ご飯やパンなどの「糖質のとりすぎ」といわれています。
この糖質を減らすことができれば、内臓脂肪も減らすことができますが、「極端な糖質制限」を、私はおすすめしません。

極端な糖質制限を始めた場合、ほとんどのケースでエネルギー不足になる危険性があるからです。
炭水化物を食べすぎて太っている人の多くはほかの栄養素が不足していることが多く、炭水化物を極端に減らすことで全体的なエネルギーが足りなくなるのです。
その結果、「だるくなる」「やる気がなくなる」などの症状が出ることになり、当然長続きもしません。

私自身も完全な糖質制限によってエネルギー不足となり、「やせこけた老人」のような状態になってしまった経験があります。
糖質は多すぎず少なすぎず、上手にとることが重要です。
今までの量から「半分に減らす」だけでも内臓脂肪の減少は十分に期待できると思います。

次によく誤解される盲点は、「外食や飲み会が多くて、内臓脂肪を落とすことができない」と思われがちなことです。

1日のトータルエネルギー量で調整すればOK

【盲点3】「外食」「飲み会」が多くて、「調整できない」と諦める
糖質制限をしようと思っても、会社勤めだと昼や夜の食事が調整できないことがありますよね。
昼食が仕出し弁当になったり、夕食が接待や飲み会になったりなど、糖質の調整がしづらい状況があるでしょう。
そこで、思い切って朝の「主食」を抜いてしまう作戦を提案します。
朝食を抜くのではなく、朝は必要最小限の糖質とあわせて、1日の中で不足しやすい食物繊維・ビタミン・ミネラル・たんぱく質を摂取する方法です。
主食は抜くことになるので、朝食のカロリーは低めとなります。
その分、昼や夜の食事のカロリーが少し多くてもOKです。

主食の制限がうまくいかなかった場合でも、1日で摂取するトータルエネルギー量が糖質を中心に制限できるので、効率よくダイエット効果を発揮してくれます。

私がよくおすすめしているのが、「蒸し黒豆トッピングヨーグルト」です。
ヨーグルトに市販されている蒸し黒豆をのせただけの簡単レシピで、低糖質で高たんぱく、さらに豊富な水溶性食物繊維を含んでいます。
私もよく朝食で食べています。
簡単ですので、一度試してみてはいかがでしょうか。

【盲点4】「間違った方法」で、「腹筋運動」を一生懸命している
「ポッコリお腹を引っ込めるには腹筋運動!」と、必死に腹筋運動をするというのはよくある光景ですが、残念ながら一般的に行われている腹筋運動だけで、「お腹ポッコリの解消を期待すること」はほとんどできません。

「一般的な腹筋運動」とは、「膝を固定して腕を頭の後ろに組んで上半身を90度まで起こす」という運動のことです。
この運動は腹筋ではなく、主に太ももの前の筋肉を使って起き上がっているため、太ももを鍛える運動にはなりますが、腹筋を鍛えて「お腹ポッコリの解消」にはつながらないのです。

さらに「運動」については、実は「よくある誤解」がもう1つあります。

「ハードな運動」をすればいい?
「内臓脂肪を減らすには、とにかく運動」と、「ハードな運動をしよう」とするのも、よく誤解されがちな盲点です。

【盲点5】「ハードな運動」を続けなくても、軽い有酸素運動10分程度でOK
腹筋だけでなく、「たくさん運動をしなくては」と、たくさん走ったりジム通いを頑張ったりしている人もいると思います。
しかし、ハードな運動は体に大きな負担をかけるだけでなく、長続きしないことが多いのではないでしょうか。

内臓脂肪を減らすためには、まず適切な食事制限が最重要。
そして運動は、10分程度の軽い有酸素運動程度でもOKです。

「ラジオ体操」のような体操でもいいし、少し散歩をするのもおすすめです。
運動のタイミングは、専門家によって意見が分かれるところですが、私のおすすめは「食後30〜60分」です。
これは血糖値の上昇を抑えるためです。

食後に運動をすれば、血中のブドウ糖をエネルギーとして使うので、血糖値を下げることになり、脂肪が蓄積されにくくなるからです。
このほかに、普段の生活の中のちょっとした行動でも、積み重ねることで「お腹ポッコリ」の解消に役立ちます。

例えば、お腹と背中がくっつくようなイメージで、下腹を凹ませる「ドローイン」です。
お腹を引っ込めたまま背筋を伸ばし、「いい姿勢」をキープしながら、呼吸は普段と変わりなく行います。
これだけで「体幹(インナーマッスル)」を鍛え、「お腹ポッコリ」を解消してくれます。
立っていても座っていても、歩きながらでもOKですので、ぜひ試してみてください。

「正しい方法」を知れば「内臓脂肪」は落とせる
「内臓脂肪」について間違った認識をしているため、努力をしても「ポッコリお腹」から抜け出せずにいる人は少なくありません。
食事も運動も、「正しい方法」を知れば、必ず「内臓脂肪」を減らすことができます。
また、すぐに効果が出ないからといって、ダイエットをやめてしまう人もいると思いますが、まずは「1カ月」を目標にしてみましょう。
内臓脂肪が減ってくると、腹囲もみるみる減っていき、「見た目」も若返っていきます。

内臓脂肪を「正しく」知り、「正しい努力」をすれば、「健康」も「外見力」もいっきに手に入ります。
50歳を過ぎた私でも内臓脂肪を減らせたので、みなさんもきっとできると確信しています。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月30日

長いGW10連休でたまる「危険ストレス」に要注意

長いGW10連休でたまる「危険ストレス」に要注意
連休中に「心の不調」を起こさないために
2019/04/29 東洋経済オンライン

大野 萌子 : 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

メディアもSNSも一部分の切り取りでしかない

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。
今年のGWはかつてない大型連休となりましたが、楽しんでいる方がいる一方で、憂鬱な方も多くいると思います。
長い休みは、さまざまなことを引き起こします。
実際に、カウンセリングの現場でも、大型連休の後は、心の不調を訴える方が増えます。
不調が起こる主な原因を知るとともに予防策を講じていただけたらと思います。

原因1:取り残され感
世の中がお祭り騒ぎとなり、メディアやSNSなどで旅行やイベントの様子を発信し楽しんでいる方々を目にすることによって、自分だけが取り残された感じに陥る人は少なくありません。
みんなが幸せそうに見えてしまい「お金がない」「パートナーがいない」「子どもがいない」「友達がいない」「趣味がない」などの気持ちがより一層強化され、落ち込んでしまうことが多いのも事実です。

しかし、メディアもSNSも、ある一部分の切り取りでしかありません。
ほんの一部分を見て、すべてそうだと思うのは間違いです。

例えば、海外に向かう大勢の人を目にすれば、世の中の大半の人が海外旅行をしていると錯覚しがちですが、決してそうではありません。
大手旅行会社が見込んだ今年の海外旅行者は、例年を上回る58万5000人ですが、それでも総人口1億2623万人のうちのたった0.46%にすぎません。
99%以上の人は海外旅行に行かないわけです。

もっと身近な例を挙げれば、嫌がる子どもに「いい写真が取れない」と叱りつけながらスマホを向けている親を観光地で何度も目にしたことがあります。
さまざまな情報を拡大解釈して、「自分だけ……」と、落ち込むことのないようにしていただきたいと思います。

原因2:家族とのしがらみ
家族といつもより長く顔を合わせることになると、普段のちょっとしたイライラが爆発しがちになります。
また、久しぶりに親や親戚と顔を合わせる機会も増えるのではと思いますが、その折に、仕事や結婚、子育てなど、ライフスタイルに口出しされたり、価値観を押し付けられて衝突することも多いでしょう。

関係性の近い相手ほど感情を揺さぶられる
私たちは、基本的に関係性の近い相手ほど感情を揺さぶられます。
自分に近しい人に対しては、本来「理解してほしい」「認めてほしい」という感情が芽生えるのは当然のことで、その思いを否定されたり、反発されることに対して、大きな影響を受けます。

相手に対する思いが強いがゆえに起こることでもあるのですが、必要以上の衝突は避けたいところ。
長い休みだからといって、「家族と過ごさなければならない」ことも「帰省しなければならない」こともありません。
苦痛と感じているのなら、予定切り上げやキャンセルも選択肢の中に入れましょう。

原因3:風呂敷残業
この言葉を知らない若い方もいると思いますが、要は、出勤はしないけれども、家で仕事をすることです。
連休前に「連休中に持ち帰る仕事をまとめている」といった話もあちこちから聞きました。
表向きは休みでも、まったく休めないどころか、連休明けに備えて業務をこなさなければならない方も多くいるのです。

私がカウンセリングをしていて感じることの1つに、心の不調を訴える方に多いのが「切り替えが苦手」という特徴です。
つねに仕事のことを考え、休み中も仕事のことが頭から離れない状況はやはり問題で、どこかで強制リセットをかける必要があります。

思い切って「環境」を変える
強制的に休むとかえって仕事のことが気になって……とおっしゃる方もいると思いますが、気持ちの切り替えが是が非でも必要です。
そのためには、思い切って環境を変えることも大切で、
「いつも行かない場所、もしくは初めての場所に足を運んでみる」
「PCやタブレットなどを起動しない日を設ける」
「アラームをかけずに休む」
「最近、疎遠になってしまった人に連絡を取ってみる」など、意識的に行動してみてください。

そのあとに、また仕事に戻り、たとえ一時的なものであっても「リセットすること」は大切です。

原因4:そもそも休めない
サービス業など世間が休みのときほど忙しい業種や、急患対応の医療機関など、人が休んでいるのに休めないどころか、かえって忙しいという方も少なくないと思います。
普段よりも過剰労働となり、心身への負担が増えます。
この期間だけは、なんとか乗り切らなければという意識が強ければ強いほど負荷をかけがちです。

今年はその期間が長いために例年よりも注意が必要です。
崩れがちな生活リズムを整えるためにも無理をせず、適宜息抜きを心がけましょう。
隙間時間を利用した手軽な気分転換がお勧めです。

「ランチタイムにちょっとぜいたくをする」
「テイクアウトのコーヒーをランクアップさせる」
「ご褒美スイーツやお酒を買って帰る」
「ゆっくり湯船につかる」など、身近でなるべく時間をかけずに手軽にできることを積極的に取り入れましょう。

忙しすぎると徐々にそんな心の余裕もなくなると思いますので、GW前半の今からぜひ心がけていただきたいと思います。
いずれにせよ「いつもと違う」という状況は、たとえ楽しいことであったとしても心身に負担を与えます。
無理をせずに、意識的に気分転換を取り入れながら、ゆったりとした気持ちを持てるよう心掛けてください

平成から令和に移りゆく時期に、気持ちもよりよく切り替えられますように。
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2019年05月04日

不審電話を切れない人はなぜ切れないのか

不審電話を切れない人はなぜ切れないのか
2019年05月03日 PRESIDENT Online

▼老親がオレオレ詐欺被害
■「費用もかからないし、人助けになるなら」と名義貸し

オレオレ詐欺(ニセ電話詐欺)の手口には「溺れる者は藁をもつかむ」状態に追い込むというセオリーがあります。
最近増えている新たな手口が人の親切心につけこむ詐欺。

佐々木道子さん(仮名・72歳)の家にある日、「介護付き有料老人ホームのパンフレットと入居権利申込書」が届きました。その数日後、Aという会社から電話が。
「パンフレットにある老人ホームへの入居希望者が数名いるが、法人からは申し込めないので、入居権利申込書を持っているあなたに代わりに申し込んでもらい、その権利を買い取らせてほしい」

道子さんが「お金がない」と断ると、「介護が必要なのに入れない人がたくさんいるんです。
費用は当社で全額負担するので、人助けだと思って名義だけ貸してほしい」と担当者。
道子さんは「費用もかからないし、人助けになるなら」と、名義貸しを了承してしまいました。

■「犯罪行為になります」という脅しの電話が…
ると数日後、その老人ホームから「入居権は個人にしか販売していないのに、入金が会社名義なのはおかしい。
権利をA社に譲ったならインサイダー取引で犯罪行為になります」という脅しの電話がかかってきたのです。
慌ててA社に問い合わせると「間違って当社名義で振り込んでしまったので、老人ホームと交渉中です。
申し訳ありません」とのこと。

もちろん、すべて真っ赤なウソ。
そして数日後、A社から悪魔のような提案が。
「幸い、老人ホーム側は示談金を払えば、公にしないと言っています。
もし公になってあなたが逮捕されたりしたら大変ですから、示談金の半分は当社が負担させていただきます」。
窮地に立たされた道子さんは「半分もってもらえるのなら」と500万円を支払ってしまったのです。

■頭脳明晰、自信過剰な高齢者ほど騙されやすい
「こんなウソに騙されるなんて」と思うかもしれませんね。
でも、人はパニックになると、様々な方法を検討するのではなく、目の前にある方法で何とか早く危機を脱しようとします。

心理学ではこの特性を「ヒューリスティック」といいます。
犯人はこれを利用し、まずは溺れさせ、藁を差し伸べる、つまりパニック寸前まで追い込み、カネさえ払えば救われるというストーリーに仕立てているわけです。

注意したいのは、頭脳明晰、自信過剰な高齢者ほど騙されやすいこと。
多くのトラブルを乗り越えてきた経験があるため、「自分だけは大丈夫」と過信しやすいからです。
これまでの人生経験に頼って深く考えずにラクをしようとするのも騙されやすい要因です。

一番の対策は、親とニセ電話詐欺について騙す側の視点からよく話し合い、自分たちはどんなリスクを抱えて暮らしているかを一緒に考えてみることです。

肝心なのは、カネを要求されたときは相手が誰であろうと疑うことです。
打つべき一手:カネを要求されたら、相手が誰であろうと疑え! -

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西田公昭 立正大学心理学部教授
1960年生まれ。84年関西大学社会学部卒業。
詐欺・悪徳商法の心理学研究の第一人者として新聞、テレビなどのマスメディアでも活躍。
著書に『マンガでわかる!高齢者詐欺対策マニュアル』ほか。
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2019年05月05日

緩和ケア病棟から追い出される? ケアの現場に持ち込まれた「連帯責任制」

緩和ケア病棟から追い出される? 
ケアの現場に持ち込まれた「連帯責任制」
5/4(土) 配信 BuzzFeed Japan Medical

寄稿:西智弘・腫瘍内科医、緩和ケア医

皆さんは「緩和ケア病棟(ホスピス)」というものに、どういうイメージをお持ちでしょうか。
「死を迎えるために最後に行く場所」というネガティブなものもあれば、「苦痛を緩和して楽にしてくれる場所」や「看護師による手厚いケアを受け、家族や親しい人たちと過ごせる場所」といったポジティブなイメージの方もいるかもしれません。

いずれにしても、人生の最終段階の時間を尊重され、ゆったりと安楽に過ごせるというイメージは共通しているのではないでしょうか。
しかし、この「終の棲家」ともいうべき緩和ケア病棟から「追い出された」と訴えられる事例が増えてきているのです。
いったい、日本の緩和ケア病棟に何がおきているのでしょうか。

元気になったのに絶望に落とされたAさんの物語
Aさんは、60代の女性。
結婚はしましたが、40代で離婚したのち、一人で生活をしてきました。
社交的な性格を生かして、保険の外交員を長年務め、何度も表彰されるほど優秀な社員だったそうです。
しかし、50歳になったころ、胸にしこりがあることに気づきます。
「まさか......」 と思って病院で精密検査を受けたところ、乳がんの診断。
目の前が真っ暗になりましたが、頼れる人もいないAさんは「しっかりしないと」と気持ちを奮い立たせ、手術に臨みました。
手術は成功し、術後にホルモン療法も受け、また仕事にも復帰して今まで通りの生活を送れていました。
しかし、手術後8年が経ったところで再発しました。
骨と肝臓に転移が見つかり、Aさんは抗がん剤を中心とした治療に入ります。
5年ほど、治療を繰り返しながら頑張ってきたものの、病状は徐々に進行します。
骨の痛みが強くなり緊急入院となりました。
痛みのため食事も十分にとれず、徐々に衰弱をしていくAさんに対し、主治医はこう告げました。
「もう回復は難しいでしょう。
余命も1ヶ月は厳しいと思います。
お近くの緩和ケア病棟をご紹介します。
そちらで療養するのが良いでしょう」

Aさんは、「いよいよ自分もおしまいか」と落ち込んだものの、「それならば残された方々に迷惑をかけないようにきちんと
してから旅立とう」と考え、遠くの親戚や友人にお願いして、自宅の処分や身の回りの整理をしてもらいました。

緩和ケアで痛みが取れ、希望が湧いたのに......
そして、緩和ケア病棟へ。
用意されたのは明るくきれいな部屋でしたが、「ここで私は最期を迎えるのか」と思うと涙をとめることができませんでした。
しかし、Aさんにとって予想外のことが起こります。
これまで昼も夜も苦しんでいた痛みが、1日、また1日と無くなっていったのです。
痛みがなくなるにしたがって食欲も回復し、寝たきりだったAさんは少しですが起き上がって歩けるようになりました。
「緩和ケアって、すごいのね。こんなことならもっと早く診てもらうんだったわ」 と、Aさんは担当医に笑顔で伝えました。

「余命1ヶ月と前の病院では言われたけど、この調子ならもっと頑張れそうですよね。
希望がわいてきました」 と話すAさんの言葉に、担当医が少し顔を曇らせたことに、Aさんは気づきませんでした。
そして2週間が過ぎたころ、担当医が回診に来て告げたのです。
「Aさん。病状も安定したのでそろそろ退院しましょう。
どちらに退院されますか?」

それを聞いたAさんは驚き、 「えっ、退院?ここにはいられないということですか?だって私にはもう帰る場所がないんです」
「そうなんですか。
困りましたね。
でも、来週くらいには退院して頂かないと......」
「先生は『病状は安定している』とおっしゃいましたが、この数日あまり食欲もわかないし、痛みも強くなってきている気がするのですが......」
「うーん。当院の場合、30日を超えて入院というのは難しく......」
その言葉を聞いて、Aさんはカッとなって言いました。

それじゃあ、言われた通り1ヶ月で死んだほうがよかったということですか!
 せっかく元気になったのに、どうして喜んでくれないのですか。
私はここに来るべき人間ではなかったのですね」
Aさんはそこまで言うと泣き崩れてしまい、担当医はただ黙って立っていることしかできませんでした。

緩和ケア病棟入院料の推移。
入院が短期間であるほど増収、長期入院は減収という傾向が強くなってきた。

患者さんが長く入院すればするほど儲からない仕組み
日本において、緩和ケア病棟は1990年に保険で認められ、全国での設置が進められました。
今では、400をこえる施設で8000床のベッドが利用できるようになっています。
緩和ケア病棟が作られた当初、その診療報酬は「どれだけ長く入院しても一律」でした。
そのため、私が緩和ケアの研修医だった10年前、病棟には1年を超える入院期間のがん患者さんもいました。

ある患者さんは琴の名手で、季節の行事ごとに和服に着替え、その腕前を披露してくれました。
またある患者さんは長い入院期間の中で、隣同士の部屋に入った方と友達になり、毎日のように廊下に置かれたベンチに腰かけて会話を楽しんでいました。
そういった、ゆったりと過ごす時間の流れが、昔の緩和ケア病棟にはありました。

それが2012年に、入院期間によって診療報酬が変化する仕組みにかわりました。
表にあるように30日以内、30〜60日、60日超となるにしたがって診療報酬が下がる仕組みです。
その結果、「1年をこえる入院」ということは病棟経営上難しくなりました。
この変更の一番の理由は、「緩和ケア病棟という資源をできる限り多くの方に使ってもらいたい」ということだと言われています。

要するに、短期入院で患者さんの症状を早期に緩和し、退院させて、次の患者さんを受け入れていこう、という考えです。
しかし、様々な個別の事情から退院するのが難しいという患者さんはいます。

80代の二人暮らしで、パートナーも病弱な上にお金もなく、介護施設にも行けず自宅での介護も難しいケース。
点滴などが多く、濃厚な医療を長期的に継続しないと症状緩和が難しいケース。
若年で介護保険が使えないうえに、両親の不安が強いため自宅に戻っても救急車で戻ってきてしまうケース......。

自宅に戻れることは理想的ですが、全ての人にとって在宅がベストとは限らないのです。
2017年までの診療報酬制度では、そういった特殊な方々に対応することは可能でした。
長期入院になれば、その分、診療報酬は下がってしまうのですが「まあ、仕方ないよね」ということで目をつむることもできたのです。
退院が難しいケースは年間通しても数名くらいで、その1人が減額になっても、病棟全体の経営に与える影響はそれほど大きくなかったからです。

緩和ケア病棟の哲学をガラッと変えた「入院期間連帯責任制」
しかしこの2018年の診療報酬の改定で、それも大きく変わってしまいました。
入院料1」と「入院料2」とに分けられ、「入院料1」をとるためには「直近1年間の入院日数の平均が30日未満」という条件がついたのです。
他にも色々条件がありますが、今回はこの点のみにしぼって話をします。

この「入院日数『平均』30日未満」という文言をみて、どういったことが起きるかが想像できますか?
これはつまり、先ほどあげたような「例外的な生き方」は「認めない」という宣言なのです。
2017年までは、多くの患者さんが20日くらいで退院していく中で、1名が100日入院していても「仕方ないよね」で済みました。
でも、今では「1名が100日入院」してしまうと困るのです。
「平均」が30日を超えてしまうからです。
そうすると、入院している患者さん「全員から」入院料1はとれなくなり、入院料2に切り替えられます。
1名の長期入院患者さんのせいで、なんの関係もない病棟全員分の診療報酬が「連帯責任で」カットされるということです。

入院料1が2に切り替わると年間約1,500万円の損失になるという試算もあります(参考文献1)
病院の赤字経営が全国で問題となる昨今、1,500万円の損失を受け入れられるところは多くはないでしょう。
結果的に、安寧に過ごせる場を求めてようやく緩和ケア病棟にたどりついた患者さんをして、「入院したその日から、追いだすことばかり言われる」と言わせてしまうような対応が、全国的に行われているのです。
そればかりか「30日以内に退院しない(死亡しない)」見込みの患者さんの受け入れを制限するようなことも始まっています。

緩和ケア病棟から「ケア」が失われ、医療スタッフは逃げ出す
昔のような、患者さんと医療スタッフとの穏やかな心の交流、なんていう余裕は、現場から失われつつあります。
追い出す側・追い出される側の対立が信頼を生むはずもなく、短い入院期間ではその個々の人となりを知ることもできません。
「緩和ケア病棟を多くの人に使ってもらおう」という考えは一理ありますが、患者さんにしてみれば、「他にも苦しんでいる人がいるんだから、あなたが寝ているそのベッドを早く次の人に渡しなさい」と言われても「そんなこと知ったことではない」と感じるのが普通ではないでしょうか。

医療者側もしたくてしていることではありません。
医療者も苦しんでいます。
本来、緩和ケアの現場で働くことを希望する医療者は、病に苦しむ患者さんたちを支え、死に向かっていく中でも「生きていてよかった」と思ってもらえることを自分の喜びと誇りに感じられるような心根の方が多いのです。

しかし、このような診療報酬改定による、緩和ケア病棟の哲学の転換によって、「生きていてよかった」どころか「早く死んでいたほうがよかった」と患者さんに思わせてしまうような現状に、多くの医療者が苦しみ、絶望し、そして現場を去ってしまう方すら出ています。
緩和ケア病棟は、多くの方に利用してもらう医療資源のひとつであることは確かですが、その中で働く医療者だって大事な資源なのです。
そのやる気を失わせ、ケアの質を低下させることが、未来にとってよいとは私には思えません。

「地域ホスピス」という選択肢
:Bさんの物語から 本来ならば、このような「例外的な生き方は認めない」と宣言される診療報酬体系は撤廃されるべきだと考えます。
しかし私たちは現実的にこの体制の中でなんとかしていかなければなりません。
病棟経営にも打撃を与えず、患者さんたちを追い出すでもない、そのような方法はあるのでしょうか?
そのひとつとして「地域ホスピス」という選択肢があります。

地域ホスピスというのは、医療法人ではない、看護師や介護士が中心となる民間の緩和ケア施設。
例えば当院の近くだと「ケアホスピス中原」という施設があります(参考文献2)
今回、当院の緩和ケア病棟を利用しながらも、ケアホスピス中原へ移られたBさんの話を紹介しましょう。

Bさんは、川崎市外に住む80代の女性で、がんで長らく闘病してきましたが、2018年に緩和ケアに専念するにあたって、当院へ通うことを選択されました。
「なるべく長く自宅で過ごしたい。
でも最期は病院がいい。
私は一人暮らしだから。
でも介護施設だけは絶対に嫌よ」 と、最初からおっしゃっていました。

2018年末、体調を崩して当院へ入院したBさん。
このときは、体調も回復して退院したのですが、2019年1月に再入院となってしまい、さらに肺炎を繰り返したことで衰弱が進んでしまいました。
一度、本人の強い希望で自宅に戻ってはみたものの、やはり生活は困難で、1日で再入院しました。
もう、自宅に戻るのは難しいだろうという話になりました。
しかし、そこで問題になったのが「30日間の入院制限」です。

2月以降、比較的病状は落ち着き、食事も食べられていた中で、「どこで過ごすか」を家族とも話し合いました。
結果的に「緩和ケア病棟と継続した医師の診察が受けられる」
「家族が付き添え、看護師など医療スタッフが常駐している」
「介護施設ではない」というご希望の中で、4月にケアホスピス中原に移ることができました。

そして、緩和ケア病棟でも主治医だった私が、引き続きケアホスピス中原へ毎週訪問診療に伺っています。
娘さんは、この入院期間の問題について、次のように語ります。

緩和ケアに入院して、30日で死なないといけないのかと思いました。
でも人間、そんなに都合よく死ねないですよね。
母は、『病院で最期を迎える』というのが希望だったのです。
介護施設だけは嫌と」
「自分たちはこういうところ(ケアホスピス中原)に入れてラッキーだったとは思います。
私たちは早めに緩和ケアにかかれたから、こうやって調整できて、こちらに来ることができましたが、時間がない方だともっと具合が悪くなってから、どうにかしないとならなくなる場合もあるのではないでしょうか。
だから緩和ケアに早めにかかるのをお勧めしたいです」

ケアホスピスには、医師が常駐しているわけではありませんが、看護師によるケアが中心となったこのような施設と、医療が中心となる緩和ケア病棟の役割分担をしていくことが、未来の緩和ケアのひとつの姿といえます。

受け入れてくれる場所もないまま、漂流する患者
地域ホスピスは、もちろんどこにでもある施設ではありません。
介護施設などがその受け皿となってくれることが理想ですが、施設ごとの嘱託医が指定されていて、ケアホスピスのように外部から緩和ケアの専門医を受け入れてくれるところはまだ多くありません。
緩和ケア病棟に長くいられなくなる現状の中で、そこを出ても次に受け入れてくれる場所も整っていないまま、多くの患者さんが居場所を求めてさまよい、つらい思いをしているのが、今の終末期医療の現状なのです。

皆さんはこのような現状をどう思いますか。
そして、あなたたちの地域がどうなっていくのが理想と考えますか。
皆さんのご意見をお聞かせください。

 【西智弘(にし・ともひろ)】 
川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター腫瘍内科医
2005年北海道大学卒。
家庭医療を中心に初期研修後、緩和ケア・腫瘍内科の専門研修を受ける。
2012年から現職。
現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。
一方で「暮らしの保健室」を運営する会社を起業し、院外に活動の場を広げている。
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。
著書に『緩和ケアの壁にぶつかったら読む本』(中外医学社)、『「残された時間」を告げるとき』(青海社)がある。
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2019年05月06日

消費税増税、値上げラッシュ…令和をとりまくマネー環境の全容

消費税増税、値上げラッシュ…
令和をとりまくマネー環境の全容
2019年05月05日 女性自身

今年10月には消費税が10%に上がるとされており、すでに生活に身近な食品などの値上げが相次ぎ、家計を直撃している。

2月からはレギュラーガソリンの全国平均価格が9週連続で上昇し続け、
3月からはアイスクリームやサバ缶などの缶詰類、家庭用すり身製品、牛乳などの乳製品の値段が上がった。
5月以降は大手メーカーの値上げラッシュが本格化する。

■家計にかかわる主な価格・制度の変更
【5月】
<サントリー>1日出荷分から1.2リットル以上のペットボトル飲料が一律20円値上げ。
<アマゾン>17日からアマゾンプライム年会費が3,900円から4,900円に値上げ。
<カルビー>21日納品分からポテトチップスなどスナック菓子を順次値上げ。

【6月】
<TOHOシネマズ>一般の映画鑑賞料金を1,800円から1,900円に値上げ。
<東洋水産>1日出荷分から「赤いきつね」など即席めん約200品目を13〜30円値上げ。

【7月】
<カゴメ>1日出荷分からトマトジュース、野菜ジュースなどが5〜10%値上げ。

【10月】
消費税が10%にアップ(見込み/軽減税率制度により、外食・酒類などを除く飲食料品は8%に据え置き)。
中小の小売店でのキャッシュレス決済で最大5%ポイント還元。
値段や消費税が上がる前に買うべきものを買っておかないと損してしまう! と駆け込み消費を考える人も少なくない。

「あまり慌てずに、いったん冷静になって家計のことを考えてみましょう」
そうアドバイスするのは、1万5,000人以上の家計を再生させてきた家計再生コンサルタントの横山光昭さんだ。
「消費税が上がっても、家賃や健康保険適応の医療費、保険料などには消費税はかかりません。

消費税がかかる支出は光熱費や食費、日用品費など月の生活費の3分の2程度。
たとえば、生活費が毎月30万円かかる家計であれば、約20万円分の支出に消費税がかかることになります。
現在の8%で計算しますと、消費税は1万6,000円。
10%になりますと2万円で差額は4,000円。

負担増は4,000円と思えば、それほど苦しいと感じることはないと思います。
焦ってストック買いするほうが家計のムダにつながります」(横山さん・以下同)

むしろ今から増税前までに準備しておきたいのは、改元を機に家計の“お金の流れ”をきちんと見直して、みるみる貯まる“貯め体質”になること。

「一度、支出のすべてを書き出してみましょう。
支出は家賃や光熱費、通信費、保険料などの『固定費』と、食費や日用品費、衣服費や娯楽費などの『変動費』に分けられ、支出を書き出すことでふだんの買い物の浪費グセが見つかります。
“ムダ支出”を見直すだけでも増税分はカバーでき、さらに貯蓄の分も捻出することもけっして無理ではありません。

把握しているつもりの支出も改めて書き出してみると、“なんとなく”“ついつい”使っている支出に気づくもの。
元号が変わるタイミングは、そうした“家計の常識”をガラッと見直すのにもよいチャンスです。
家計のルールを改めて、貯め体質になりましょう」
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2019年05月07日

7割弱が「具合悪い」を訴える日本の異常

7割弱が「具合悪い」を訴える日本の異常
2019年5月6日 プレジデントオンライン
養老孟司(ようろう・たけし)

65歳以上の認知症患者数は2012年には約462万人、25年には700万人となり、認知症予備軍の数と合わせれば1000万人を突破する見込みだ。
今、私たちはどんな対策ができるのだろうか。
長年の解剖学研究の結果から、脳を中心として、社会、文化の問題を考えてきた養老氏に聞いた。

■人生100年時代、日本人が抱くあいまいな不安
実に日本人の7割弱が「自分は健康でない」と思っているんです。
というのも、経済協力開発機構(OECD)が2016年に35カ国を対象に「自分の健康状態は良好だと思いますか?」という調査をしました。
結果、日本は35カ国中34位。
3人に1人しか「自分の健康状態は良好だ」と答えなかったんです。

ちなみに88%の人が「自分の健康状態は良好だ」と答えた国もありました。
アメリカです。
自己肯定感が強い。
健康に関してもそうです。
ほかにも、ニュージーランド、カナダ、この辺が高いです。
やっぱり、自己肯定の社会だなと思いますね。

一方で、日本では7割弱の人が「自分はどっか具合が悪い」って言うんですよ。
医学界とか製薬学会にとって、こんなにいい社会はないですね(笑)。
だから「100歳まで健康で、ちゃんとボケないでいるには、どうすればいいですか?」という質問が、私のところにもよくきます。

日本で平均寿命が長い都道府県、皆さん、ご存じでしょうか。
男女ともに長いのは長野県と滋賀県です。
両県ともに豊かな自然環境で暮らせる地域ですよね。

一方で都会の生活、これは私たちにとって非常によくない。
都会にいると、周りは人工物ばかりです。
植物や地面ですら、人為的に配置され、石ころすら転がってない。
ビルの中にいれば天気に左右されることもないし、蚊もハエも飛んできません。
つまり、無意味なものが一切ない。
我々の祖先が自然の洞窟の中に住んでいた頃と比べると大違いです。

■ボケないために、体のどこを使えばいいのか
そんな現代人のための脳の訓練とは何か。
ボケないためには、目と鼻と耳など、五感を使うことです。
人間の持つ感覚である、視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚……このうち、皆さんは、目はよく使うと思います。
が、それ以外はほとんど使わないでしょう。

人間の脳に入ってくる情報の40%は視覚からの情報だという研究結果もあるので、もちろん視覚は重要です。
嗅覚は非常に原始的なもの。
サルは、嗅覚を司る脳の部分が退化していて、特に人間においては極端に小さくなっています。
しかし、これは記憶にはものすごく深い関係があるんですよ。

認知症を防ぐためには、そういった感覚、普段使っていなかった五感を訓練するのがいいでしょう。
手を積極的に使うのも大切です。
かつてカナダの脳神経外科医ワイルダー・ペンフィールドが電気刺激を用いて、大脳のどの箇所が、体のどの部分に対応しているかを研究し、脳みその中を地図に描きました。
そうすると、手を動かすための領域がものすごく大きくなったんです。
例えば、背中の領域は小さい。pp;p;.
神経の密度が低いから。

それに比べると、手の領域は何倍も大きい。
指先は細かい運動ができるよう神経の密度が高いからです。
脳の大部分を刺激しているんです。
だから、手先を動かすことは認知症対策にとても役に立ちます。
そういった意味では、麻雀をするのもいいでしょう。
パソコンを使うのもいいことですね。

今の人は、昔の人より手先をデリケートに使ってるんじゃないでしょうか。
私なんかは毎日、虫の標本を見ます。
大きさは、4ミリから7ミリと非常に細かい。
ピンセットで虫の足を伸ばして、その微かな音を聞いてみる。
たしかに音がするんです。
これ、特別に私の耳がいいというわけではありません。
人間って本来そういう能力を持っているんです。
日常生活で使わないだけなんです。

本来、感覚は外の世界と結びついています。
しかし近代生活だと、完全にコントロールされてしまっている。
ビルの中にいれば、風も当たらない。
照明も一切変わらず、床は同じ硬さで、必ず平ら。
感覚がほとんど刺激されないんです。
生活の変化への反応も鈍くなっていきます。

例えば、奥さんが新しい洋服を着ていたり、美容院でヘアスタイルを変えてきたとしましょう。
お子さんが帰ってくるとすぐに「お母さん、髪を切ったでしょう。新しい洋服、どこで買ったの?」って聞いてくると思います。
ところが、旦那さんが会社から帰ってきても、いっさい何も言わないんですね。
これ、別に愛情が薄れたわけではなくて、大人は毎日同じような生活をしているから変化に気づきにくい。
これが人間の意識の特徴です。
これだと、やっぱりボケません?

例えば、田んぼを想像してみてください。意識して歩いてみたら本当にいろんなものがある。
土の感触や匂い。
風を感じて、鳥の声を聞いたり。
そういう情報が無意識に入ってくるわけですね。
しかし、都会に来てごらんなさい。
まったく違ってきますよ。

都会は人が生まれた環境ではありませんから。
そして現代は、脳にフォーカスされすぎている。
だから認知症が問題になるんです。
田舎であれば、そんなに大ごとになりません。
私の知り合いのおじいさんが、認知症で入院していました。
いちばん困るのは病院の至る所で小便をすること。
結局、医者が田舎に帰しましたが、そしたら、おじいちゃん、いつも自分の畑に出ていって、必要になるとそこらで小便をしている。
ただそれだけのことです。
田舎にいれば何の問題もない。

都会では、なんでも数値に変換してしまう。
僕はこれを問題だと思っています。
認知症の人にとっては、きつい社会ですね。
患者さんが数値に変わってしまう。
検査をして数値を出したら、マイナスばっかりになる。
あれができない、これができない、そのマイナスをどうやって埋めるかっていう話になり、治療をしようということになる。

■人間がどんどん数値に変えられていく
僕の若い頃なんかは、治療法は少なかった。
そのかわり医者は、非常に丁寧に、患者さんの過去を聞きました。
おじいちゃん、おばあちゃんの病気から始まって、「なんで亡くなりましたか?」という質問、ご本人も「どういう病気をされましたか?」とか。とにかく丁寧に問診しました。

今のお医者さんは、そんな暇はありません。
患者さんの今の体の状態を検査して、すべて数値に変えます。
CTなんかも、あれは全部、数値ですよ。
画像と思っている方もいるでしょう。
あれは、体の各部分を細かい立方体に分けて、そのそれぞれの立方体のエックス線の透過度を数値にするんです。
それで皆さんの状態が、平均値からどれだけズレているかを確かめて、治療を施していくためのデータなんです。

医者は患者を診ない。
見るのはカルテだけ。
検査の結果だけ。
ほぼすべて数値です。
患者さん本人を目の前にすると、顔色から、機嫌から、臭いから、いろんな感覚的情報が入ってきます。
これ、医者にとっては邪魔なんですよ。
そういうものを「ノイズ(雑音)」と呼んでいます。

このような人間の情報化・数値化。
これについて考えるきっかけになったある出来事があります。
ある日、銀行に行ったときのこと。
手続きの途中で、本人確認の書類を求められました。
あいにくその日、運転免許証を持っていなかったんですよ。
それで「僕、今日は免許証、持っていません」と事務員の人に言いました。
すると相手がなんて言ったか。
「困りましたね。養老先生本人だとわかってるんですけどね」と。
僕の顔を見て言ったんです(笑)。
私本人だってわかっているのに、本人確認の書類が要る。
要求されたのは、生身の私ではなく、情報としての私だったんです。
銀行にとってみると、本人はノイズでしかない。

■生身の人間は、ノイズを含みすぎている
マイナンバーに抵抗感がある人も多いですよね。
個人情報を悪用されたらどうするのかなど、さまざまな理由があると思いますが、しかし根本の問題は、生身の私と、情報としての私の折り合いが、まだ社会的に決着していないことです。

今の社会は、情報、つまり意味しか求められていない社会。
それが情報化社会の正体です。
でも、生身の人間は、いわばノイズを含みすぎています。
現代の若者は、ノイズを嫌います。
面と向かって人間と接するよりSNSのほうが好きなのも、これに関係しているはずです。

会社では若い社員が課長にメールで報告をする。
同じ部屋で働いているのに。
課長の顔を見たくないんですよ。
ノイズがいっぱい詰まってますから。
もし、機嫌が悪かったら嫌だ、なんて。仲間同士でも、メールで話す。
本人の顔を見ると余分な情報が入ってきてしまいますから。
これが本質です。

もう1つ医療の話をしますと、薬やサプリメントを飲むことは、何の差し支えもないと思っているんですよ。
だいたいプラシーボって、ようするに偽薬ですけど、これも薬だと思って飲むと4割ぐらいの人には効果があると、はっきり証明されています。
それに本当に病気だったら、飲めば効くわけですから。
薬もサプリも、飲んだほうが具合がいいと思えば、飲めばいいのではないかと、私はそう思っています。
ちなみに、私はどうかというと、薬もサプリも飲みませんね(笑)。

ただし、薬でいちばん注意しなければいけないのは、体の中の滞留時間が長いものです。
「1錠飲んだら1週間効く」という薬は、飲まないほうがいい。
例えばマラリアの予防薬がそうです。
1週間、血中濃度を保ちます。
この薬に仮に副作用があると、大変なことになりますよね。
気をつけましょう。

話を戻しますと、認知症は周囲との関係が大切なんです。
少なくとも現在のような都市生活だと、認知症の人は非常に目立ってしまいます。
認知症の人がそうでないようにいかに暮らせるか。
そういう環境をどうやって維持していくかを考えていくのが重要です。

■「忘却力」だって大切
認知症も人生のうち。お互い様ですからね。
「あ、ボケたんだ」って、それを理解して親切にしてあげれば、別に問題ないでしょう。
無理やり、入院させる必要もない。
もちろん、ご家族が、自宅で介護を背負い込んで疲労困憊してしまってはいけませんから、そこは無理のない範囲で、ですよ。

そもそも、年を取ってくると、自然と物忘れが多くなりますよね。
そうなったら、ある意味仕方がないと割り切るのもいい。
赤瀬川原平さんも「老人力」を提唱して、老いることをプラスに考えようと言っています。
物忘れがひどくなることを、「忘却力が付く」って言っていましたね(笑)。
世界にはいろんな人がいるもので、本当に稀ですけども、記憶力がよくて困るっていう人もいます。
何が困るかって、忘れたいことも忘れられないから本人が「辛い」と言うんです。
だから医者に相談に行く。
何月何日って言ったら、曜日がパッとわかって、その日、何があったって言えるんですから。

うちの女房がそうだったら、僕なんか一緒に暮らせませんよね。
「あのとき、こうだった。ああだった」と、必ず覚えてますからね(笑)。
だから「忘却力」も非常に大切だと考えます。
ちなみに、うちの母は95歳まで生きていまして、ほとんどボケていませんでした。
しかし、ちょっと問題があってですね。
母の場合は、体が動かなくなってしまった。
頭はボケていないので、そうすると、いろいろ文句が多くなって、かわいそうでした。

逆に体が非常に丈夫でいわゆるボケが起こっちゃいますと、徘徊が始まっちゃいますね。
どんどん歩いていってどこへ行ったかわからないと、こういう話になっちゃう。
だから脳・体を含めて全体のバランスが大切なんです。

年を取るっていうことは、今まで生きてきた結果です。
認知症になってもしょうがない。
私は、80歳を超えてますから、80年間の歴史が私の中に入っているんです。
今、梅が咲いていますが、梅の木だって、今のカタチになるまで何千万年、何億年と長い年月をかけて進化してきました。
それを今の人間が頭で考えて、完全に理解できますか?

 その謙虚さは持っていただきたいですね。
人の体も同じです。
でも、もちろんいいんですよ、いろんなことに望みを持ってね。
夢を持って生きるのが、一番だと思います。
(協力=ネイチャーラボ主催「人生100年時代を生きるための“脳”」イベント)

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養老孟司(ようろう・たけし)
1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。
62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。
67年、医学博士号修得。
81年、東京大学医学部教授に就任、95年に退官。
北里大学教授、大正大学客員教授などを務め、現在は東京大学名誉教授。
『からだの見方』『唯脳論』『バカの壁』『遺言。』など著書多数。
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2019年05月09日

70歳医師"病人になって初めてわかった"

70歳医師"病人になって初めてわかった"
2019年05月08日 PRESIDENT Online
医師、ジャーナリスト 富家 孝

医師は診断の際、患者に問診を行う。
症状の訴えに応じて、診断を下していくが、実際にどれほどの痛みなのかはよくわからない。
医師で医療ジャーナリストの富家孝氏は、「自分自身が心臓病と糖尿病になって、『これが自覚症状なのか』と驚いた。
医者は病気を『本当』には知らないとわかった」という――。

■医師は病気を「本当」には知らない?
私が医者になって、じきに半世紀になろうとしています。
すでに70歳を超えました。
一般の人ならすでに職業生活を終えて引退している年ですが、医者には定年がありません。
医師免許は終身です。
よって、いまも私は医者を続けているのですが、年齢を重ねてつくづく思うのは、実は病気を本当には知らなかったということです。

もちろん、病気自体は知識と診察の経験から知っています。
しかし、その症状や、そのときどんな感じになるかなどは、医者といえども、実際に体験しないとわからないのです。
なぜそう言えるかというと、私自身が、二つの体験をしたからです。

一つは心臓病、もう一つは糖尿病です。
心臓病というのは、たいていの場合、胸が苦しくなるという自覚症状によってわかります。
私が初めてなにか胸が押し付けられるような感じになったのは、平成16年12月6日の朝方のことです。

■胸に突然の圧迫感と冷や汗
私は手帳に自分の体験を細くメモしているので、正確に記すと、午前7時10分のことで、このとき、左胸部にそれまでになかった圧迫感を感じ、冷や汗が出ました。
医者としての直感から、これは血管になにか異変が生じていると思い、すぐに知己の心臓外科医・南淵明宏氏に連絡を取りました。
彼は、心臓外科の世界では有名な凄腕を持つ名医です。
「すぐ来てください」と言われ、私は彼の病院に駆けつけました。
そうして、CTと心電図の検査を受けました。
すると異常がないということでしたが、エコーを見ると左室が動いていないのです。

「これはステントを入れないとだめですね」と、南渕医師。
冠動脈前下行枝が90%以上が詰まっているというのです。
ステントというのは、ステンレススチールやコバルト合金などの金属でできているチューブで、これを血管に入れることで血流が回復します。
こうして、緊急でステント挿入手術を受けました。

私が医学生のときに習ったのは、心筋梗塞などを起こすと「胸痛、圧迫感、左肩痛、奥歯の痛み」という症状が出るということでしたが、このときの私は、まさにこれに当てはまっていたのです。
結局、病気というのは自分でなってみて初めてわかるものだと、このとき痛感しました。

以来、私は、降圧剤の「ブロプレス」、「テノーミン」、「アムロジン」(Ca拮抗薬)、血液をサラサラにする「プラビックス」を服用し続けています。
また、枕元には血圧計を置いて、いつでも測れるようにしてきました。
南淵医師は、「ステントを入れても、何年かすればまた必ず動脈が詰まることがありますから、結局、バイパスが必要ですよ」と言いました。
そのときはそんなものかと思ったのですが、これもまた本当でした。

ステント挿入の手術を受けてから8年後、2012年12月22日の朝方、私は再び胸痛に襲われたのです。
このときは背中にも痛みが出ました。
それで再び南淵医師に連絡し、検査を受けると、冠動脈の根元のほうが95%も詰まっていました。
このときは開胸して動脈バイパス手術を受け、事なきを得ました。
約2週間入院して、お正月を病院のベッドで過ごしました。

■糖尿病も身をもって体験
糖尿病に関しても同じです。私が初めて糖尿病の気があると診断されたのは、2005年のこと。
血糖値を検査したところ、HbA1c(血中のヘモグロビンのうち、糖化しているものがどれぐらい存在するかの割合)が7.2と、当時の基準値(6.2%未満が優、6.2〜6.9%が良)を超えていたため、以来、血糖値を下げるために、「グリミクロン」(SU剤)を朝夕1錠、「エクア」を朝夕2錠、「メトグルコ」を毎食後3〜6錠、飲むようになりました。

食生活も変え、炭水化物を摂りすぎないようにするため、夕食にはご飯も控えるようにしました。
クスリを飲み始めて2〜3カ月して血糖値は下がりました。
しかし、服用を止めると上がるので、以来、クスリと血糖値の測定は欠かせなくなりました。

糖尿病というのは、いわゆる一般的な病気ではなく、いったんなると治りません。
生活習慣病というのはみなそうです。
つまり、病気というより老化現象と言ったほうがいいでしょう。

糖尿病の場合は、なんらかの原因でインスリンがつくられなくなり、その結果、血液中のブドウ糖の量が増えます。
この血糖値が上がった状態が続くと、疲労感がとれなかったり、のどの渇きが頻繁になったりし、最終的には合併症(神経障害、網膜症、腎症)を起こします。
また、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞の危険性も高くなります。そのため、クスリと食生活は非常に大事なのです。

■急に足に力が入らなくなる
ただ、糖尿病が怖いのは、高血糖ではなく低血糖です。
低血糖になると、冷や汗をかいたり、目がかすんだりして集中力がなくなり、最後には言葉が出にくくなったり、呂律(ろれつ)が回らなくなったりします。
意識を失い倒れる場合もあります。
低血糖が怖いというのは医者としての常識で、糖尿病患者さんにクスリを処方するとき、「下がりすぎたら危険ですので十分注意してください」と言うことになっています。
しかし、そうは言っても医者自身はマニュアルに沿って言っているだけで、低血糖になると、実際にどうなるかはわかっていないのです。

それが本当にわかったのは、2015年5月に低血糖の症状を実際に体験してからです。
前記したように、私は自分の体調と食事を常に手帳にメモしているのですが、それで確認すると、午後2時ごろ、なにか嫌な感じがし、気持ちが悪くなりました。
うまく説明できないのですが、日頃しゃべるのが大好きな私がしゃべるのさえ嫌になりました。
このとき、私が思ったのは、糖尿病患者さんがよく言う「低血糖というのはこれなのか」です。

それで、あわててチョコレートやクッキーなどを食べました。
糖分を摂るためです。
そうして、1時間ほどで回復しました。
これと同じことが、2016年1月7日の午後7時ごろにも起こりました。
このときは風呂に入ろうとして、足に力が入らなくなったのです。
足を踏み出そうとするのですが、踏み出せないのです。
私は急いで簡易測定器で空腹時血糖値を測りました。
すると、35mg/dlと出たので、このときもあわててチョコレートやクッキーなどを食べました。
すると、約1時半後、血糖値は196mg/dlまで回復しました(正常値は80〜130mg/dl)。

もしなにもしなかったら、そのまま意識を失ったかもしれず、かなり危なかったわけです。
糖尿病専門医は、「エクアをSU剤と併用するときは低血糖に注意してください」と言い、このことは医学書にも書かれています。
私の症状はまさにそれでした。
糖尿病患者さんは、よく私と同じような症状を訴えます。
しかし、その症状を聞いても医者に同じ体験がないと、医者自身は的確な判断と指示ができません。

■「自覚症状」に謙虚になるべし
この歳になるまで、私は実にいろいろな患者さんを診てきました。
しかし、つくづく思うのは、私は患者さんの訴えを頭でわかっていただけということです。
医者は実は、病気に関して本当にはなにも知らない。
そう痛感するようになりました。
そのため、年配の方に私が言いたいのは、歳を取ったら、自分の体が発するサインに謙虚になること。
そして、できるなら同じような体験をしている年輩の医者にかかることです。
そういう医者のほうが、その症状のサインをわかってくれるということです。

若い医者なら、症状を細かく真剣に聞いてくれる医者を選ぶべきでしょう。
歳を取るにつれて、若いときにはなかった変調が体に表れます。
そのとき、私たちは初めていつまでも健康のままではいられないことに気づくのです。
検査が充実したとはいえ、自覚症状がその病気の本当の姿を表しているのです。

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富家 孝(ふけ・たかし)
東京慈恵会医科大卒。
開業医、病院経営、早稲田大講師、日本女子体育大助教授などを経て、医療コンサルタントに。
新日本プロレス・リングドクター。
著書に『不要なクスリ 無用な手術』など66冊。
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2019年05月16日

「べき論」を語る人が孤立しがちな本質的理由

「べき論」を語る人が孤立しがちな本質的理由
「巻きこめる人」になるための"3つの考え方"
2019/05/15 東洋経済オンライン
清水 久三子
: アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

「巻き込める人」になるために
新年度、新しい時代の始まりにあたり、仕事で新たなチャレンジを始められる方も多いと思います。
どんな仕事でも1人だけで完結する仕事は少ないもの。
同じ仕事でも、周囲が心よくサポートしてくれる人と、そうでない人では大きな差が生まれてきます。

周囲の人に協力してもらえる力、つまり「巻き込み力」がある人になることは、今のような先の見えない時代で正解のないことに取り組んでいく際の大きな成功要因になります。
20代の頃、私はこの巻き込み力がないために、手痛い失敗をしました。
業務のやり方を統一する仕事で、ことごとく関係者の反対にあってしまったのです。

「やろうとしていることは正しいはずなのになぜ反対されるのかわからない」というのが当時の正直な気持ちでした。
その失敗から、どうやったら周りを巻き込んで物事を進められるのかを考え、「コンサルタント=変革の請負人だから、コンサルタントになればそのやり方が身につくのでは?」と考えたのが転職のきっかけでした。

その後発見したのは、実はテクニックそのものよりも考え方や視点を変えることが巻き込み力に必要であるということでした。
巻き込み力というと、「強いリーダーシップやカリスマ性がないとだめだ……」と思われるかもしれませんが、実は視点を切り替えることで巻き込み力を高めることができます。

3つの視点の切り替え方、1つ目は
そこでこの記事では、周囲の人に「この人に協力したい」と思ってもらえる3つの視点の切り替え方についてご紹介します。
「こうすべき(Should)」→「こうしたい(Want)」 「〜すべき」という考えは周囲の人を動かす強い考え方だと思われるかもしれませんが、この考え方で周囲を巻き込もうとすると実はあまり上手くいきません。
なぜなら、誰もが納得する絶対的な「べき」はないからです。

「べき」と言うといかにも正論のように聞こえますが、実際には「べき」は立場や環境、経験、時代によって変わるものであり、人は皆違う「べき」を持っています。
こう考えると、すべての「べき」は正しいかどうかわからないといってもよいでしょう。
つまり「べき」で相手を説得して巻き込もうとすると失敗しがちなのです。

職種や部門による「べき」の違いをあげてみましょう。
営業の人は「顧客の要求にきめ細やかに応えるべき」、
管理部門の人は「コストがかかる個別対応は会社の利益を減らすからやめるべき」というふうに立場が異なれば「べき」は変わってきます。

環境による「べき」の違いを挙げてみましょう。
東京ではエスカレーターは「右側を空けるべき」、大阪では「左側を空けるべき」という違いがあり、うっかり反対側に立っているとどつかれます。
さらには「エスカレーターの歩行は危険だから止まって乗るべき」という管理側の「べき」もあります。
つまり、「べき」論で周囲を巻き込もうとすると完全に一致する状況というのはあまりないため、衝突が生まれやすいのです。
ではどうすればいいでしょうか。

「こうしたい(Want)」という視点で切り替えて話すのです。

メリットは3つあります。
・相手の「べき」を否定しないため、共感が生まれやすい
・(仮に)考え方に違いがあっても問題になりにくい
・「ではどうしたらそうなるのか?」ということを一緒に考えてもらえる

私が新しい業務を導入した際には、私は「全員同じやり方で統一してやるべきだ」と強く主張し、周囲の人の「自分のやりやすいやり方でやるべきだ」という思いとぶつかっていました。

「べき論」を振りかざすのをやめたら…
その後は「べき論」を振りかざすのはやめて、「私は皆さんにこの新しいやり方でもっと楽をしてもらいたいと思っているのですが、どうしたらいいでしょうか?」という接し方に変えたところ、自分でも驚くほどの協力を得られるようになりました。

「何をするか(What)」→「なぜやるのか(Why)」 「何をするか」という考え方は人を引きつけるように思われますが、いつもそうとは限りません。
やることは、状況の変化とともに変わることも多いからです。
自分が「こうしよう!」と掲げたこと=Whatに一時的に協力が集まったとしても、状況が変わるともっとよいWhatに人の心が移って行くことは想像にかたくありませんし、自分自身が試行錯誤し、学んでいくことでWhatが変わることもあるでしょう。

巻き込み力にはブレない芯が必要です。
ころころ変わるWhatに協力を仰ぐよりも、ブレない信念に共感してもらうほうが、結果的に強い協力を得ることができます。
信念とは「なぜそれをやろうと思っているのか」=Whyのことです。

Whyへの共感は強く長く続きますが、人を引きつけるWhyとあまり引きつけないWhyがあります。
ビジネス訓話としてもよく取り上げられる「3人のレンガ職人」というイソップ童話は、このWhyの違いを端的に表しているのでご紹介します。

ある旅人が街を歩いていると、1人の男が道の脇で難しそうな顔をしながらレンガを積んでいました。
旅人は、その男のそばに立ち止まって尋ねました。
「ここでいったい何をしているのですか?」
すると、男はこう答えました。
「レンガ積みに決まっているだろ。
雨の日も風の日も、暑い日も寒い日も1日中レンガ積みだ。
なんでオレはこんなことを毎日しなければならないんだろう」
旅人は、その男に「大変ですね」と慰めの言葉を残して歩き続けました。

しばらく行くと、一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会いました。
そこで、また旅人は「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねたところ、男はこう答えました。
「大きな壁をつくっているんだよ。この仕事で私は家族を養ってるんだ。この仕事があるから家族全員が食べていけるのだから、大変だなんて言ったらバチが当たるよ」
旅人は、その男に励ましの言葉を残して歩き続けました。

さらにもう少し歩くと、別の男がイキイキと楽しそうにレンガを積んでいました。
旅人は興味深く「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねました。
すると男は目を輝かせてこう答えました。
「歴史に残る偉大な大聖堂をつくっているんだ。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだ。素晴らしいだろう!」
旅人は、その男にお礼の言葉を残して、元気いっぱいに歩き始めました。

1人目にはそもそもWhyがありません。
そこにあるのはやらされ感です。
やらされ仕事に周囲の人を巻き込むのは難しそうです。

2人目のWhyは「生活費を稼ぎたいから」。
これが家族のためでもなく、とにかく稼ぎたいというWhyだった場合にはあまり賛同を得られることはないでしょう。

3人目のWhyは「人を救う建物をつくることで世の中に貢献したいから」です。
このWhyは多くの人が賛同するでしょう。
結果として応援が集まり、レンガを積む仕事だけではなく、大聖堂を建てる重要な仕事を任されるかもしれません。
よいWhyとそうでないWhy このようによいWhyには人が集まり、そうでないWhyからは人が離れて孤独になっていくのです。

物事を始める動機として稼ぎたいなどの欲望があることを否定するわけではありません。
人を巻き込むということを考えるのであれば、共感されるWhyを自分の中に持っている必要があるということです。

「巻き込み力」→「巻き込まれ力」 最後は意外かもしれませんが、巻き込み力を高めたいのであれば、自分が巻き込まれる力を強くする必要があります。
日本は同調圧力が強いと言われていますが、自ら巻き込まれる力は、空気を読んで同調圧力に従うということではありません。
他の人がチャレンジしようとしている取り組みや未知なる領域の取り組みに対して、自分から飛び込んでいく力のことです。この経験が、結果的に自分が何かをする際の巻き込み力につながるのです。

日本マイクロソフト社では「巻き込まれ力」を評価対象としているそうです。

主に3つの評価軸があり、
1つは、自分に与えられた責任をどれだけ果たしたか。
2つ目は、それを実現するために、どれだけ多くの人を巻き込んだか。
3つ目は、他者の成功に自分がどれだけ巻き込まれて貢献したか。

自分の仕事ではないから……と人に協力しなければ、自分が協力してほしい時も協力してもらえないというのは考えてみれば当然のことかもしれませんが、実際にはそうなりがちです。
ですので、意識的に「巻き込まれよう」と行動しなければ巻き込まれ力が強くなることはありません。

巻き込まれ力を高めるには、まずは自分がどんな人物なのか、何に興味があるのか、どんな強みがあるのか……などを情報として発信する必要があります。
今だとSNSなどがあり、情報発信しやすいでしょう。
SNSをリア充アピールのために使うだけではなく、自分が巻き込まれるきっかけ作りと考えて情報発信してみるとよいのではないでしょうか。

もう1つは巻き込まれる機会を短期的な損得勘定で捉えないということです。
自分が得られるものを金銭や評価などで考えると巻き込まれ力は弱まります。
直接その取り組みから得られるものではなく、自分が得られる経験の方が重要だと考えてみましょう。
自分が巻き込まれていくことで、視野が広がり、視座が上がります。

古代哲学者アリストテレスは、人を説得するには、ロゴス(論理)、パトス(熱意)、エトス(人格)の3つが必要だと説いています。
どんなに論理的に情熱を持って話したとしても、自分を信じてもらえなければ巻き込むことはできません。
エトス(人格)の中でも最も重要だといわれているのが実践から得られた知恵を持っていることです。
いろいろな取り組みに自ら巻き込まれていくことで、この実践知が蓄えられ、結果的に人を巻き込むことができるようになります。
多くの方が巻き込み力、巻き込まれ力を高めていくことで、社会がよい方向に向かっていくことを願っています。
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駅構内のコインロッカーで一斉に値上げが進む裏事情

駅構内のコインロッカーで一斉に値上げが進む裏事情
5/16(木)小島和紘(MONEY PLUS編集部)

人件費や原材料費の高騰や、10月に予定されている消費増税を前に、身の回りの商品やサービスの値上げが相次いでいます。そんな中、鉄道駅構内に設置されているコインロッカーも値上げしていることがわかりました。

JR東日本や東京メトロなど、都内の駅コインロッカーが2019年春ごろから価格を改定。
なぜ一斉に価格改定をしたのでしょうか。
その背景を探ります。

従来の利用料金に100円上乗せ JR東日本エリアの駅コインロッカーを管理するJR東日本リテールネットは、大型サイズのコインロッカー(600円〜)の利用料金を100円値上げ。
エリア内の全駅が対象で、4月末までに都内の駅は値上げが完了しました。
小型と中型の料金は据え置きです。

東京地下鉄(東京メトロ)は、コインロッカーを設置している107駅で、5月7日から順次価格を改定を進めています。
小型サイズのロッカー利用料金(300円)を100円値上げし、中型、大型の料金は据え置き。
PASMO対応型のみが対象となり、鍵式タイプの料金の変更はありません。

都営地下鉄のコインロッカーも、全駅の計130台について5月中旬から順次値上げします。
200円、300円の小型ロッカーの利用料金がそれぞれ100円上がります。
中型、大型のロッカーについては、東京メトロと同様、料金の変更はありません。

値上げとインバウンドの意外な関係
JR東日本リテールネットのコンビニエンス営業部担当者は、今回の料金変更の理由について「JRと連携して進めているコインロッカーの大型化が背景にある」と説明します。
近年、訪日外国人(インバウンド)などによる大型サイズのロッカーの使用が増えているからです。

「海外からのお客様はスーツケースなど大きめの荷物を持っていることが多いので、小型・中型のロッカーでは入らないという声があがっています。
お客様の利便性を向上するために大型化を進めています」

現状、駅に設置しているコインロッカーは小型・中型が多くを占めますが、利用者のニーズに合わせた大型タイプを設置するにあたって追加コストがかかる、というわけです。
さらに、年々上昇する人件費も影響しているといいます。

「利用約款に基づき、コインロッカーに入れて4日を過ぎた荷物は順次回収しているほか、ロッカーの不備がないかの点検を日々しています」(同)。

消費増税の影響は? 東京メトロは値上げについて、「2006年から導入を始めたPASMO対応式コインロッカーの導入や更新などに伴う管理費など、諸経費の増加によるもの」(広報担当者)と回答しました。

ちなみに、各社は今回の値上げと消費増税との関係を否定しています。
複数の鉄道事業者が乗り入れる駅は、管理者や運営形態の異なるコインロッカーが混在しています。
そうした状況もあって、同一駅内でコインロッカーの価格差を作るよりも、「右へならえ」で同じタイミングで値上げをした可能性もありそうです。
気づかないうちに、じわりじわりと値上げされていく生活まわりのサービス。
今後も思わぬところで人件費の高騰やインバウンドの影響が出てくるかもしれません。
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2019年05月20日

煙たがられる「頑固者」に誰もが傾いていくワケ

煙たがられる「頑固者」に誰もが傾いていくワケ
年を重ねたベテランが陥りやすい「落とし穴」
2019/05/19 東洋経済オンライン

保坂 隆
: 聖路加国際病院診療教育アドバイザー

精神科医で、聖路加国際病院診療教育アドバイザーを務める保坂隆氏は、先頃刊行した著書『精神科医が断言する 「老後の不安」の9割は無駄』において、定年前後のシニア世代に向けた「生き方のヒント」をわかりやすく語っている。
その内容は、働き盛りの40代・50代にとっても“ハッとさせられる”内容が多い。
そこでこの記事では保坂氏に、「世の40代・50代がシニアになる前に知っておいたほうがいいこと」について教えていただく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「頑固なベテラン」にならないための大事な考え方
40代や50代の、いわゆる「ベテラン」世代の人たちが「これからの自分」をイメージしたとき、いったいどんな自分が思い浮かぶでしょうか。
「経験を積んで、歳を重ねるごとに性格もおおらかに、穏やかになっていたい」と思うのが一般的かもしれません。

ただ、実際に周辺を見まわしてみると、他人の言うことになかなか耳を貸さない、頑固な人も少なからずいるのではないでしょうか。
人は年齢を重ねるにつれ、新しい発見や出会いがしだいに少なくなっていくのと同時に、「自分の地位や立場を守りたい」という思いがより強くなって、本来は頭の柔らかい人でも、つい保守的な考え方に傾きがちです。
さまざまな経験を重ねてきたばかりに、自分の考えや流儀にかたくなにこだわるようになって、その思い込みがさらに強くなると、自分の周囲に見えないバリアを築いて孤立するケースさえあります。

とくに男性の場合は、社会的地位や肩書きにこだわる傾向が強く、日頃から現実的な考え方をする女性と比べて、頑固になる度合いが高いかもしれません。

過去の成功体験は「捨て去る」
年齢を重ねるごとに頑固になっていくのは、実は「脳の老化」と密接な関係があります。
人は、歳をとると脳が次第に活力不足となり、情報処理速度もだんだん遅くなってきます。
そうなると、他人を理解して、自分も理解してもらい、相互のコミュニケーションをとるという努力が煩わしくなってくるのです。

人間は誰しも、お互いを理解してコミュニケーションをとるために、想像以上に膨大なエネルギーを必要とします。
脳が柔軟な若い頃ならエネルギーは十分にあり、脳のあらゆる回路を通して情報を発信し、相手の発信する情報もきちんと受け止め、理解を深めていきます。

でも、歳を重ねてエネルギーが足りなくなってきた脳にとって、コミュニケーションの構築には以前よりも負担がかかるようになります。
そこで、エネルギーを使ってわざわざ煩わしさを感じるよりは、「自分自身が正しいと感じるバリア内」にいて、相手を理解することを放棄してしまったほうがずっとラクで心地がいいため、だんだん「頑固者」になっていくというわけです。

アメリカの著述家で、『道は開ける』『人を動かす』などの自己啓発書の著者でもあるデール・カーネギーは、「頑固を誇るのは小人の常だ。
にっこり握手して自分の過ちを認められる人こそ大人物である」と語っています。

このカーネギーの言葉にもあるように、自分を頑固者にならないようにするために大事なことは、まず自分がこだわっている「成功体験」をリセットすること。
これまでに経験してきたさまざまな栄光や成功にこだわる気持ちこそが不要な固定観念を生むのですから、いったんそれを白紙に戻し、日頃から、「新しい成功体験を作り上げよう」と意識することです。

一見すると単純なことのようにも思えますが、シンプルなことでつまずいてしまうのも人間というもの。
まずは心を空っぽにして、自分のメンタルを軽くすることこそが、「頑固頭予防・解消」への第一歩といえるでしょう。

肉を食べることと脳の相関関係
さて、先ほど「自分が正しいと感じるバリア内にいて、相手を理解するのを放棄したほうがラク」と述べましたが、それに関連し、歳を重ねるごとに若い頃のような意欲がなくなって、「何となくやる気が出ない」「何かを始めようとするモチベーションが湧かない」といった思いを抱いている人は多いはずです。

しかし、ともすれば他人からは「怠けグセ」と思われ、自分では「歳のせい」として片付けてしまうことも少なくないようです。
実はこの現象も、脳の老化が原因で起こっているのかもしれません。

「やる気」や「意欲」が湧くのは気分の問題だろうと思いがちですが、それは脳がコントロールしている領域です。
人間の「意欲」や「やる気」を高める役割の主役は「ドーパミン」という脳内物質です。
脳内にドーパミンが足りていれば気持ちも意欲的になりますが、不足するとやる気が起きない状態になります。

では、このドーパミンの増やし方について、自分にとって一番身近な「食」の面からみたときはどうなのか。
これも単純なことにも思われるかもしれませんが、その答えは「ドーパミンの主原料であるたんぱく質を十分に取ること」です。
たんぱく質は食事で体に取り込まれ、消化酵素によってアミノ酸に分解されますが、ドーパミンをつくるためにはたんぱく質をたっぷり取らなくてはなりません。
ところが、体力の衰えを多少なりとも意識する年齢になると、肉類をあまり食べない人も多くなり、たんぱく質が不足した状態になりがちです。

しかし、肉類を食べるのが最も効率のよいたんぱく質の取り方ですから、カロリーや脂質のことも考え、適度は運動などでカロリー過多にならないよう心がけながら、上手にたんぱく質を取るよう日頃から心がけましょう。
また、ドーパミンをはじめ、脳内の神経伝達物質の合成にはさまざまな栄養が関わっていて、たんぱく質と同時にそれらも取っていくことが大切です。
たとえばビタミンには、脳の血流をよくしたり、脳神経の働きを改善する作用があり、動脈硬化の原因となるホモシステインや活性酸素を除去する働きもあります。

現在のシニア世代の20%はビタミンB12不足ともいわれています。
シニア世代はもちろん、まだシニアの領域には達していない40、50代の人たちもまた、魚介類やレバーなど、ビタミンB12の多い食品を積極的に取りたいものです。
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2019年05月23日

病的な不安の陰に「過剰な責任感」と「考え続ける義務感」

病的な不安の陰に「過剰な責任感」と「考え続ける義務感」
2019年05月22日 ダイヤモンドオンライン

封入した書類がそろっているか幾度も確認し、封を剥がし数えないと落ち着かない。
 こんな経験は誰にでもあるだろう。
ただ、意思に反して確認行動を繰り返し、仕事や生活に支障を来す場合は全般性不安障害や強迫性障害と診断されることもある。

 広島大学大学院総合科学研究科・杉浦義典准教授と米セントラルフロリダ大の研究から、こうした行動には「過剰な責任感」と「考え続ける義務感」が共通して絡んでいることが示された。
 研究者らは米国の大学生539人を対象に、数種の質問票を使って責任感と心配および強迫傾向との関連を調査。
 回答を解析した結果、

過剰な責任感には
(1)良くないことが起こるのを、避けなくてはいけない、
(2)良くないことが起きたのは自分のせいだと考え、自分を責める、
(3)問題を解決する方法をとことん考え抜かなくてはいけないという義務感を感じる、
      という3タイプがあることが示された。  
さらに(2)の自分を責めるタイプと(3)の考え続ける義務感が強いタイプが、心配と強迫傾向の双方を強めることがわかったのだ。

 一方で(1)の良くないことを避けなければという責任感とは、有意な関係性を見いだせなかった。

 自分を責める気持ちが「まだ足りない、もっともっと考えなくては……」という義務感に拍車をかけてしまうのだろう。
研究者はこうした「過剰な責任感」の緩和が期待できる方法として「コンパッショントレーニング(CT)」をあげている。  

CTとは、簡単にいうと「自分への思いやりを育成し強化する訓練」のこと。
 わがままや甘えと混同しそうだが、実際には自分の状況を冷静に判断して限界がある弱い自分を慈しみ、回復のためのケアを選択するタフさが必要だ。
マインドフルネスや瞑想もこの範疇に入る。

 ちょうど新年度から1ヵ月半が過ぎた。
もし、不慣れな環境で不安に苛まれているなら、一度立ち止まって、過剰な責任感と義務感に縛られていないか俯瞰してみるとよいだろう。自分で自分を追い詰める前に。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)
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2019年06月01日

「信頼を失った相手と復縁する方法」

心理カウンセラーが教える
「信頼を失った相手と復縁する方法」
STELLA MEDIX Ltd.(翻訳) 2019/05/31

信頼は、人間関係の基盤」。
もうそのフレーズは聞き飽きた……と思われるかもしれませんが、実に本質を突いていると言えます。
信頼関係がなければ、そこには何も存在しないのと同じです。
土台となるものがないのは、それはまるで、もろく崩れる波打ち際の砂と同じなのです」と、心理学者で、オリベットナザレン大学ヘルシー・リレーションシップ・センターの共同創設者でもあるレス・パロットさん。

つまり、一度でも信頼関係が壊れると、再びそれを取り戻すのは、そう簡単なことではないのです。
それどころか信頼を失うと、関係そのものを続けることができるのかどうかも分からなくなります。

もし相手を信頼していないのならば、相手との関係そのものが存在するのかどうか、今一度見直すべきかもしれません」と言うのは、デラウェアを拠点とするリレーションシップ・セラピスト、認定性教育者でヒューマン・セクシュアリティ博士号(DHS)を持つデボラ・ライーノさん。

信頼関係が壊れた原因は、はっきりしている?
「信頼関係を壊す原因はいくらでもありますが、あからさまではない“暗黙的”な原因か、はっきりした“明示的”な原因に分類されます。

明示的な原因には、浮気などが挙げられます。
テクノロジーが進み、出会いの場が広がり、いまどきの恋愛形態は様々になっているのです」 とライーノさん。

あからさまではない、暗黙的な原因としては「たわいのない嘘や、約束の時間にいつも遅刻するなどがある」と、ライーノさんは説明します。
パロットさんいわく、そのほかにも、本人に聞かれるとまずいような陰口を言ったり、消費癖や借金を隠したりすることが原因で、信頼関係が壊れることがあるのだそう。

結局のところ、言う事とやる事が違ってしまうと信頼関係は壊れるのです」と、カップルカウンセラーで『Breaking Up & Bouncing Back』の著者であるサマンサ・バーンズさん。

しかし、もしもあなたかパートナーのどちらかが原因で、信頼関係が壊れてしまったとしても、一度失われた信頼を取り戻し、より良好な関係を築くことは必ずしも不可能なことではありません。
現に多くのカップルが、信頼関係が壊れた後でも、それに向き合い対処することで、実際はさらによい関係を築けています。

「苦境を乗り越えたカップルの絆は、以前にもまして強くなります」とパロットさん。
なので、もしあなたとパートナーの信頼関係が壊れているのであれば、これから教える方法を試し、信頼関係を取り戻して、ふたりの関係を以前よりよくなるようにしてみるとよいかもしれません。

Step 1:すべてをさらけ出してみる
まずは、信頼関係を壊してしまう原因となったことに関して、全てさらけ出します。
壊れてしまった信頼関係を克服する唯一の方法は、それがなんであれ、正直に相手に全てをさらけ出すことです。
そうすることでお互いに何が問題なのかわかります」とパロットさん。

信頼を裏切った側の人にとって、相手に包み隠さず伝えることは難しいかもしれません。
しかしパロットさんは、「そういった行為は、さらに事態を悪くするだけだ」と説明します。
「それはかならず自分に返ってきますよ」 ここのステップでは、信頼を取り戻すのにふたりでよく話し合います。

特定の行為が相手にどんな思いをさせているか、お互いによく話し合うのです」とライーノさん。
「これは片方だけの努力で解決できる問題ではありません。ふたりの問題なのです。なので、ふたりによる努力が必要です」

Step 2:信頼関係を壊した側がまず謝る
そして、心から謝るのです。
「信頼を裏切った側は、それを深く反省していなければなりません」と心理学者で『Finding Peace When Your Heart is in Pieces』の著者であるポール・コールマンさん。

信頼を壊した行為に対し、しっかりとした当事者意識をもって、アカウンタビリティ(結果に対する説明責任)を果たします。
誠実な態度で事情を説明し、きちんと謝罪してこそ信頼は取り戻せます。
なので、それがたとえ相手をさらに傷つけるような事実を認めることになるとしても、とにかく誠意をしめすように心掛けるのです」とマンハッタンに本拠を置く認定臨床心理学者のジョセフ・シロナさん。

「アカウンタビリティを果たすフリや、反省をいくら装っても、それは短期的には効果があるかもしれませんが、もし本当の理由が隠されたままであれば、その関係が長く続くことはまずないでしょう」 とにかく、パートナーのどんな問いからも逃げない姿勢で謝ります。
「テーブルの向かい側に座っている相手が知りたいと思うことに、つつみ隠さず答えることが大事です」とパロットさん。

しかし、もしあなたが信頼を裏切られた側であれば、パートナーがあなたの質問に対し、全て答えを持っているわけではないことも知っておきたいところです。
どうしてそのようなことが起こったのか理解する努力をしつつも、しかし、相手がそれに対する答えを全て持っているわけでは決してないことも忘れないでください」とコールマンさん。

Step 3:「自分のことをよく分かってくれている」とパートナーが思えるようにする
謝罪、説明責任、約束は、決して簡単なことではない信頼の修復への足がかり、最初の一歩となるものです。
お互い相手がどう思っているのか、よく分かりあっていなければならないのです。

パロットさんによると「どうしても自己保身に走りそうになります。
しかしお互いが自分の立場を守ろうとするよりも、そのような考え方はやめて、相手の立場になってみること。
つまりは、相手への共感が大切なのです」

夕食など食事をとりながら話せばいい場合や、あるいはセラピストに数週間、あるいは数か月通う必要がある場合など、事態の深刻さによって違います。
しかし、いずれの場合でも大切なのは、ふたりがお互いの立場を理解しあうことです。

裏切られた側は、なぜ相手はそのようなことをしてしまったのか、それを分かってあげようとすることです。
「裏切り行為に抱く感情はそれこそ人それぞれ。同じ状況にあっても相手があなたと同じように感じているとは限らないのです」 とシロナさん。
「じっくり話し合いを持つことで信頼を再び得ることは、まず何が必要であるか、これからどういった形で、どの方向を目指していけばよいのかをはっきりとさせるだけでなく、その裏切りによって相手を傷付つけてしまったという事実をきちんと認めることにもなります」

もしあなたが裏切られた側の人ならば、「相手への共感」の気持ちをもつとよいかもしれません。
人を裏切る人は、その人自身がなにかしら心の傷を負っている場合がほとんどです」とパロットさん。
「なので相手のことを悪人と決めつけずに、相手がなぜそのような行為をとってしまうのか、どのような心の傷を負っているのかを理解してあげようとすれば、あなた自身も納得できるでしょう。
その場ですぐに理解しようとするのは無理かもしれません。
まずは少しずつ、信頼をまた積み上げていくことです」

Step 4:信頼関係を壊してしまうような行動を見直す
これは、状況と経緯にもよります。
ライーノさんによると、例えば、あなたが約束の時間に現れずに信頼を壊したとしたら、30分ほど早めに目覚ましをセットするとよいかもしれません。
あるいは浮気をしてしまったのなら、自分の家では自分の携帯をテーブルに置いたままにする、相手がソーシャルメディアをチェックできる状態にするといった行為かもしれません。

コールマンさんの説明では、普段何気なくやっていることでも、もしそれによって相手が裏切られたと感じることがあればそれは直ちに止め、旅行へ行くなどといったことも、しばらくは控えるべきとのこと。

一度信頼を失った場合、それによって傷ついた側は、相手から誠実な態度を示されなければ安心できないので、そのような努力はとても重要です
「しかしだからといって、裏切られた側は、常に相手を監視するようなことは控えなければなりません」とコールマンさんは説明します。
信頼するということは、“知らないでいる”ことができ、疑わしきは罰せずのスタンスが取れることをいうのです。
なので傷ついた側は、不安な“知らないでいる”状況に耐えられるよう努力しなければなりません。
それで、相手から“安心”を常に求めようとしなくなるでしょう」

信頼を取り戻すには時間がかかります。
つまり、相手が常に前向きな姿勢を取るようにならなければ、信頼は取り戻せません。
言動と行動が伴ってこそ、それが現状を大きく変え、信頼を取り戻すことができます。
一度だけではなんの変化も起こりません。
時間をかけて、何度も何度も繰り返してこそ現状を変えることができるのです」とバーンズさん。

Step 5:その他にも、なにか改善できないかよく考えてみる
よい関係を長く続けていくには、ひとつの失敗にこだわるのではなく、できるだけ全体像でとらえることが大切です。
健全な関係でいられるかどうかはつまり、あなた自身やパートナーがどれだけ健全な状態であるかしだいなのです」とパロットさんは指摘します。

一緒に過ごす時間を意識的に作っているか?
不公平と感じることがあり、その話し合いが必要か?
毎回同じことで喧嘩になっていないか? と、
ふたりの関係をいま一度見直してみることをコールマンさんは勧めています。

「絆の強まりを実感できれば、相手の信頼性、誠実性、忠実性を信じることができるでしょう。
関係が全体的にうまく行かなければ、信頼を完全に取り戻すことはできません」

それでも、うまくいかないときはどうする?
厳しい現実かもしれませんが、すべての信頼関係が修復できるわけではありません。
「場合によっては、信頼は完全に壊れてしまい、修復することが不可能です」とシロナさん。
「信頼を取り戻すのに時間がかかり過ぎ、それ以上続けるのがむずかしくなる場合もあります」

ライーノさんによると、信頼関係の修復にかかる時間は、その状況やあなたやパートナーの性格によって異なりますが、だいたい6か月から2年くらいとのこと。
しかし、ある程度何年かやってみても進捗がみられなければ、それには諦めをつけるべきでしょう。
相手が同じ過ちを犯したりした場合には、とくに。

セラピストなど外部に助けを求めることは、なにも恥じるべきことではなく、それどころかメリットしかありません、
とライーノさん。
より前へ進むために手助けを必要とするのは、よくあることです。信頼は取り戻せます。
ただ少し、努力が必要なだけです
Brielle Gregory/How to Rebuild Trust in a Broken Relationship, According to Therapists 訳/STELLA MEDIX Ltd.
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【裏ワザ】警視庁がツイートした「生ゴミの臭いを抑える方法」

【裏ワザ】警視庁がツイートした「生ゴミの臭いを抑える方法」がマジ凄い!
超簡単にできて梅雨や夏もこれで一発悪臭防止!!
中澤星児 2019/05/31 ロケットニュース24

太陽頑張りすぎィィィイイイ! そう叫びたくなるような暑さが続いている。
この時期に33度越えとか……完全に春がお留守だ。
そして、暑いと臭ってくるのが生ゴミである。

特にこれからは梅雨の季節。ぷ〜んと臭う悪臭に、不快さMAXのシーズンがやって来る。
そんな全家庭共通の悩みに立ち上がったのは、我らが警視庁警備部災害対策課(@MPD_bousai)だ。

「超簡単に生ゴミの臭いを抑える方法」をTwitterで教えてくれているためお伝えしたい。
梅雨から夏の異臭騒ぎもこれで一発悪臭防止!
・生活に密着した裏ワザの数々 「お菓子の袋の開け方」や「固い瓶のフタを開ける方法」など、これまでも一般生活に使える裏ワザをツイートしている警視庁警備部災害対策課。
いつも、生活に密着したライフハックを教えてくれるところはさすが市民の生活を守る警視庁だ。

・生ゴミの臭いを抑える方法
そんな我らが警視庁警備部災害対策課がこの度ツイートしたのは「生ゴミの臭いを抑える方法」。

これからの時期に大活躍しそうなその方法は以下の通り!

1. ゴミ箱のビニール袋の底にキッチンペーパーを2枚ほど敷く
2. 水で薄めたお酢をキッチンペーパーに振りかけ染み込ませる ──以上である! 

ってファ!? これで終わり? 

紹介している私(中澤)もビビってしまうほどの手短な説明となってしまったが、こんなことで本当に臭いを防げるのだろうか?
そこで、実際この対策を施した上で、生ゴミの入ったゴミ箱を匂ってみたところ……
酢!! これ酢や! 
ゴミ箱が圧倒的な酢の匂いに支配されている。
スッキリ。
なお、警視庁のツイートでは、お酢と水の比率は「1:1」で、大サジ3杯くらいで作っているので分量の参考にどうぞ。

放っておくと、虫が寄ってくる原因にもなりかねない生ゴミの悪臭。
多くの人を不快な気分にさせてきた「災害」を未然に防ぐなんて、さすが警視庁警備部災害対策課である。

参照元:Twitter @MPD_bousai
執筆:中澤星児
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即席麺・飲料・菓子・映画鑑賞…1日から値上げ

即席麺・飲料・菓子・映画鑑賞…1日から値上げ
産経デジタル 2019/05/31

 即席麺や飲料メーカーなどは、1日から幅広い製品で値上げに踏み切る。
原材料価格の高騰や人件費、物流費の上昇が主な原因で、メーカー各社は「企業努力ではコスト増を吸収できなくなった」と主張している。
値上げは映画鑑賞料金などにもおよび、10月に予定される消費税増税を控えた家計には負担増となる。

 東洋水産は「マルちゃん」ブランドの即席袋麺やカップ麺、約200品目の出荷価格を1日から引き上げる。
「赤いきつねうどん」の新しい税別希望小売価格は193円(従来は180円)となる。

 日清食品は「カップヌードル」など約160品目で、
エースコック(大阪府吹田市)も「スーパーカップ」など約90品目で、それぞれ4〜8%、出荷価格を引き上げる。

 飲料メーカーでは、伊藤園が「お〜いお茶」シリーズの2リットル入りペットボトルを税別希望小売価格350円(従来は330円)に値上げする。

 ハーゲンダッツジャパンは、大型カップで473ミリリットル入りの「パイント」を同じく765円から850円にするなど、約4年ぶりの値上げを実施する。
バニラやイチゴなどの原材料価格高騰などが要因という。

 湖池屋はスナック菓子17品目の参考小売価格を値上げし、「のり塩」など60グラム入りポテトチップは130円(同120円)に、126グラム入りのお徳用サイズは250円(同230円)に引き上げる。

 飲食店では、ジェイアール東日本フードビジネスが、主にJR東日本の駅構内に展開するベックスコーヒーショップの1都8県79店舗で、コーヒーやホットドッグなど約30品目を10〜20円値上げする。

乳製品などの原材料や人件費、物流費の上昇が理由で、ブレンドコーヒーなどの値上げは平成25年10月以来となる。

 食料関連以外でも、TOHOシネマズが運営する全国66カ所の映画館で一般の鑑賞料金を1800円から1900円に値上げする。
学生や障害者割引の鑑賞料金は据え置く。

 また、家庭紙「エリエール」を展開する大王製紙は1日から出荷価格を10%以上引き上げる。
エリエールで展開する商品のうち、トイレットペーパーやキッチンタオル、ティッシュといった紙製品が対象。
昨年5月以来の値上げとなる。
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2019年06月02日

肥満の原因は栄養不足だった。

肥満の原因は栄養不足だった。
料理嫌いでも「地味ご飯」でやせる方法
2019年06月02日 女子SPA!

「ダイエットは流行病」。
ドキッとする一言からはじまる『ダイエット事典』には、体作りを根本から整える知識がいっぱい。
著者の森拓郎氏は運動指導者であり、これまで30冊におよぶボディメイクの本を出版しています。
ダイエットの本質は健康的な体をつくるための食事のしかた」と提案する本書には、過酷な筋トレや食事制限は一切載っていません。
なぜなら「ほとんどの肥満の原因は『運動不足』より『栄養不足』」だからです。

◆甘いものがやめられないのも栄養不足
 飽食の時代に栄養不足? と驚くなかれ。
朝食はコンビニの菓子パンにテイクアウトのコーヒー、
昼食は丼物かパスタなどの単品料理、
残業明けの夜食はダイエットも兼ねてグラノーラバーだけ、こんな食生活をしている人もいるのではないでしょうか。

現代人の多くは、エネルギーとして余りやすい精製糖と粗悪な油を取りすぎている傾向にあります。
だから代謝機能も低下して、太りやすくなるというわけです」という本書の見解は、私もちょっと耳が痛かったです。

 とはいえ、精製糖や粗悪な油が使われているのは、私達が大好きな安いスイーツ。
そもそも甘いものがほしくなる衝動って、どこからくるのでしょう?

本書によると、理由はふたつありました。
 まずひとつ目は、「カロリー不足。食事が貧相だから、甘いもの(=お菓子)で補いたくなる」。
ふたつ目は、「ミネラルやビタミンなどの栄養不足。特にビタミンB群やマグネシウムは糖代謝に関わるので必ず充実させたい」。

 なるほど、つまり栄養が足りていれば、甘いものに対する欲求も自然と減ってくるわけです。
 普段の食事内容にも、注意が必要。
手軽で便利でおいしい、パスタやラーメンやうどんといった「麺だけ食」でも栄養不足は加速するというのです。

本書いわく「麺だけを食べていれば『糖質の塊』を食べているに過ぎません。
健康的にヤセたいのなら、たんぱく質に富んだ具を足すべきです」。

 食べる時も麺以外の具から先に食べるのがコツ。
「麺を食べ始める頃にはお腹も満たされてきているので、早食いを避けられます」と本書が言うように、少しの工夫と習慣が、無理なくヤセる秘訣なのです。

◆具体的には何を食べればいいの?
 理屈はわかるけど、一汁三菜とか1日30品目摂取とか、かなり難しいのも事実。
そこで本書がおススメするのが、「地味ご飯」です。

「朝食にご飯1杯と卵1個、納豆1パック(50g)で、栄養バランスが完璧にとれます」と昔ながらの「地味ご飯」に太鼓判! 「これに具材入りの味噌汁を足せば、さらに栄養を強化できます」と猛プッシュ。
ついでに「ご飯を玄米か麦飯にできればなおよし」ということですが、すべてを網羅できなくても、「ご飯+卵+納豆」ならできそうじゃないですか。
 極端な話、この3品をすべてお茶碗に投入して混ぜてもいいのです。

朝でなくても、1日1食「地味ご飯」に変えるだけで栄養不足が解消し、ラクにヤセられるならかえってお得じゃありませんか。

◆「そばは太らない」のウソ、ホント
 数ある麺類のうち、太らないイメージがあるのがそば。
「確かにそばは低GIですし、うどんなどに比べてたんぱく質も意外と豊富」と本書もそばを推奨していますが、本書はそれだけでは終わりません。

チェックすべきは、「そばを選ぶなら、ミネラルやビタミンがより多い十割そば(つなぎに小麦粉を使わず、そば粉だけでつくられたそば)」
「卵や納豆などの高たんぱくな具を追加すること」。

ついでに、ダイエットを意識しているなら天ぷら類は我慢すべし。
「衣は小麦粉ですし、チェーン店の場合、使い古され酸化した油で揚げているというリスクも高まります」とのこと。
この酸化した油ですが、「太りやすくなるだけでなく、悪玉コレステロールを増やし善玉コレステロールを減らしやすくなっています」というではないですか。

『ダイエット事典』というだけあって、本書はダイエットにまつわる些細な疑問をズバッと回答。
けっこうドSな指南もありますが、それもこれも「一生太らないカラダを手に入れる!」ための愛のムチ。
 次回は、さらに突っ込んだ内容をお送りいたします。
<文/森美樹>

森美樹】 1970年生まれ。
少女小説を7冊刊行したのち休筆。
2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。
同作を含む『主婦病』(新潮社)を上梓。
Twitter:@morimikixxx
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2019年06月03日

"申請すればもらえるお金"最新リスト20

"申請すればもらえるお金"最新リスト20
2019年6月2日 プレジデントオンライン

活用すれば100万円単位で得することも可能な、国や自治体が行うサポート制度。
使わないのはあまりにもったいない!

■マイホーム購入で、最大30万円
転職や失業、出産に住宅購入など、人生にはまとまったお金が必要なタイミングがやってきますが、実はそういった個人の出費に対して、国や自治体が金銭面でサポートしている事実を知らない方が意外と多いのです。

サポート制度には大きく2つのタイプがあります。
助成金や補助金、支払いの軽減といった形で『お金がもらえる』ものと、税金の控除によって『お金が戻ってくるもの』で、いずれの場合も、しかるべき窓口で届け出を行えばサポートを受けられる仕組みになっており、ここでは特に働き世代の役に立ちそうな情報をご紹介します。

まずは「すまい給付金」です。
これはマイホーム購入時の負担を少しでも減らすために現金を支給しようという制度で、住宅ローン控除の補完的な位置づけになっています。
給付にあたっては床面積や収入、第三者機関の検査などいくつか条件があり、給付額も年収額などによって異なりますが、消費税率8%の状況下では30万円が、10%になった場合は50万円が最高額として支払われます(詳しくは、すまい給付金HP内にて確認可能)。

住宅関連では、マンション投資中の会社員へのサポートもあります。
東京の文京区が推進している「文京すまいるプロジェクト」では、65歳以上の高齢者やひとり親世帯などに物件を貸すと、物件ひとつにつき最大2万円の謝礼を受けることができます。
賃貸に出すことで上乗せの補助を行う自治体は珍しいですが、高齢者が賃貸住宅を借りにくい状況は全国の都市部では共通の問題です。
高齢者への貸し出しについては自治体が積極的に入居者を探すケースなどもあるため、お住まいの自治体で類する制度がないか確認してみるといいでしょう。
今後、文京区のあとを追う自治体が増えていく可能性も十分に考えられます。

続いて出産と子育て関連のサポートを見てみましょう。
今や6組に1組の夫婦が受けていると言われる不妊治療は、費用が高額なうえに保険も適用外と、経済的な負担の大きいイメージがありますが、「特定不妊治療助成金」を利用すれば、その負担は軽減されます。

対象条件は、夫婦の合計所得が730万円未満、妻の年齢が43歳未満などで、30代の妻の場合、最大105万円までの助成金を受けられます(初回治療で30万円+2回目から6回目までの治療で各15万円)。
ただし、妻の年齢が40歳以上になると、給付を受けられる回数が3回に減るため、注意が必要です。

この特定不妊治療助成金に関してもっとも注目すべき点は、2015年以降、サポートの対象に夫も含まれたことでしょう。
男性不妊の治療である精子採取に対して1回につき上限15万円が支払われる運びとなりました。
制度の有用性が格段に高まったのは間違いありません。

■修学旅行費の全額が支給?!
また、子どもが小学校入学を控える家庭での大きな出費といえばランドセルの購入などの入学準備の費用があげられますが、各自治体が行っている「就学援助制度」を利用すれば負担を減らすことができます。
収入の制限はありますが、最大で約4万円(市町村によって多少異なる)の補助金が出ます。

なお、この就学援助制度がカバーする内容は多岐にわたり、たとえば中学校の修学旅行にかかる費用も(交通費、宿泊費、記念写真代、保険料など)諸条件をクリアさえすれば自治体が負担してくれる場合があります。
ちなみに、茨城県日立市や大阪府摂津市は、収入などの条件なしにランドセルを現物支給してくれる自治体です。

現状で健康に問題がなくてもある日突然、重い病や大きなケガに襲われることも、人ごととはいえません。
そんなときに心強いのが「高額療養費制度」です。

病院への支払いが一定額を超えると、その分のお金が年齢や所得に応じて戻ってくるものです。
一例として、69歳以下で年収が400万円の人に、1カ月の医療費が100万円かかったとします。
健康保険が適用される場合、自己負担は3割ですので、本来は30万円の支払いとなるところ、この制度を使えば21万円以上が戻ってきます。
手続きに関する詳細はそれぞれの健康保険組合や自治体の国民健康保険窓口で確認してください。

■自然災害発生時も心強い制度がある
このほかにもお得なサポート制度が。
たとえば、スキルアップを図ることは転職を目指すうえで有利に働きますが、「教育訓練給付金」を申請すれば、資格や技術の取得にかかった費用の20〜50%(上限10万〜40万円)が戻ってきます。

英会話やパソコン教室、FPに簿記の資格講座など、給付の対象となる教育訓練の種類はあらかじめ定められていますが、受給条件は雇用保険の被保険者であった期間が3年以上あるだけでOK。

さらに初回は1年以上で給付が受けられるため、入社2年目の若手社員も利用できます。

最後に、国内で頻発している自然災害へのサポート制度をご紹介します。
「被災ローン減免制度」は、大規模な災害で住宅や勤務先などが被災し、その結果、住宅ローンをはじめとするその他のローン(自動車、個人事業など)を返せなくなった人、またはいずれ返せなくなると予想される人が対象で、その内容はかなり手厚いものです。

■できるだけ返済をし、それでも無理な場合は免除
関係金融機関の承諾が条件になりますが、自身の持つ貯蓄の最大500万円と公的な支援金などを手元に残したうえで、できるだけ返済をし、それでも無理な場合は免除してもらえるのです。

さらに自己破産とは違うため、これ以降も新たなローンが組める可能性が高い、という利点もあります。
この被災ローン減免制度は法的制度ではなく、全国銀行協会が中心となった、紳士協定的な制度のため、法的な拘束力はありませんが、銀行側は自発的に順守しており、18年の西日本豪雨でも多数の利用実績があります。

もちろん、これらの制度は申請しなければ絶対にもらえません。
また、国や自治体が積極的な周知活動を行わない場合もあるため、自ら情報収集をすることは、お金を得ることに等しいといえるでしょう。

▼情報はどのようにして得るか
お得な制度の情報を集めるためにはどのようなアプローチ方法があるか、一例をご紹介します。
まずチェックしたいのは、自治体が発行している広報誌。
自治体が住民向けに発信している情報なので、自分にとって最大限リーチした情報が得られ、思わぬお得情報を入手できるかもしれません。

次にオススメするのが、家計簿アプリ“Zaim”です。
アプリ内の機能「わたしの給付金」では、自分が住む自治体の給付金や控除制度を検索できます。
さらに有料会員向けのオプションでは、自分のプロフィールから、自分が利用可能な給付金や控除制度を検索してくれるため、ラクラク情報を入手できます。
また、各自治体の広報課が運営するツイッターアカウントもフォローしておきましょう。
制度だけでなく、地域のイベントやお得な豆知識なども入手でき、暮らしの利便性が上がります。

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風呂内亜矢
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
著書『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』宝島社)のほか、テレビ・雑誌でのコメント実績も多数。
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2019年06月05日

ムカつく相手に「ムカつく」と伝えるコツ

ムカつく相手に「ムカつく」と伝えるコツ
2019年06月04日 PRESIDENT Online(三坂健)

無茶な仕事を振ってくる、叱り方が理不尽――腹が立つ上司と働かなければいけないとき、どうすればいいだろうか。
我慢するだけでは改善されない。
人材育成コンサルタントの三坂健氏は「ときには直接本人に感情を伝えることも重要だ」という。
その伝え方のコツとは――。
※本稿は、HRインスティテュート『全員転職時代のポータブルスキル大全』(KADOKAWA)を再編集したものです。

■仕事の無茶ぶりに「困ります」と言う方法
仕事でもプライベートでも、人間関係にはストレスが付きまとう。
時には、「なぜ自分がこんなふうに扱われないといけないのか」と感じるような出来事も起こる。
そんなとき、あなたはどのような反応をしているだろうか。
相手にその感情をぶつける? じっと我慢する? 
それとも、その場は引き下がるが、影で悪口を言ってストレス発散する?

 ――これらの対応では、その場を乗りきることはできても、解決にはならず、後日また同じような出来事が起きるだろう。 そこで役に立つのが、アサーティブネスだ。

アサーティブネスとは、直訳すると「自己主張すること」
自分の要求や意見を、相手の権利を侵害することなく、率直に表現することをいう。
つまり、自分の考えを、相手が協力しやすいように伝える方法である。
自分が我慢するのでもなく、相手をやり込めるのでもなく、自分の気持ちを正直に伝えて互いに歩み寄ることを目指す。

具体的には、以下のステップで、アサーティブなメッセージをつくり、伝えることができる。

(1) 相手の行動を客観的に説明する。推測表現、断定表現は一切入れない
(2) 自分にどういう影響があるのかを具体的に言う
(3) 自分の気持ちをはっきり表現する。真っ先にどう思ったか、を伝える

■責め立てるような表現は避ける
(1)〜(3)を使って、例を考えてみよう。
たとえばあなたがとても忙しい日に、上司や先輩が突然、「これ、今日の17時までにやって」と仕事を振ってきたとする。
アサーティブネスを用いると、どんな対応ができるだろうか。

《アサーティブネスを使った伝え方の例》
(1)「今日17時までに完了してほしい」というご依頼をいただきました。
(2) こうしたご依頼は私にとっては唐突なものであり、あまりに急なので、仕事を前向きに捉えるのが難しく感じてしまいます。
(3) なので、もっと早めに状況をお伝えいただくか、またはゆとりをもった仕事のご依頼をお願いしたいです。

これを見て気後れする人もいるかもしれない。
とくにビジネスの場において、自分の負の感情を取り繕うことなく主張するのは、勇気がいる。
時に痛みを伴うこともあるだろう。
しかし、自分だけでなく相手のことも考えたうえでの正直なメッセージだからこそ、相手に響くことも多い。
相手のほうも「自分のことを大切に扱ってもらいたい」と考えているので、意図が伝われば問題にはならない。

■感情を伝えて人間関係を強固にする
伝え方には訓練が必要だ。感情に流されて伝えるのはご法度。
1)〜(3)のとおり、事実を率直に伝えるに留め、相手を非難しないようにする。
「あなたの仕事のしかたはおかしいと思います」とか、「それ、あなたが忘れていたから今日急に依頼をしてきたのですよね?」といった表現はしない。
これは相手が目下であっても同じだ。

まずは社内の気心の知れた先輩で練習してみよう。きっと受け止めてくれるはずだ。
どこでも誰とでも働ける人、働く環境や仕事の内容が変わっても成果を出せる人というのは、アサーティブネスに長じた人が多い。
「それは困ります」「とても残念です」「こうなるとは思いませんでした」としっかり自分の感情を隠さず伝えることで、むしろ人間関係を強固にしていくスキルを身につけよう。

■アンガーマネジメントは「我慢」ではない
では、もっと強い怒りが湧いたらどうすべきだろうか。
近年、職場では多様な価値観を受け入れることが求められるようになった。
価値観が多様化すれば、認め合う面が増える一方で、見えない衝突も増える。
衝突が増えればストレスや怒りの感情が増大する。

誤解が多いようなので最初に伝えておくが、アンガーマネジメントとは「怒りを抑え込む」手法ではない。
怒りをコントロールし、上手に付き合うための方法だ。
怒り自体は時に強いモチベーションを生み出す原動力にもなるため、無闇に抑え込むことはかえってもったいない。

ただ、絶対にやめたほうがいい怒り方がある。イライラしたときや怒りを感じたとき、一番やってはいけないことは「反射」だ。
感情に任せて物にあたったり、売り言葉に買い言葉を返したところで、うまくいくことはまずない。
「反射」をやめるのは実は簡単だ。

今すぐ実践できる対処法を2つ紹介しよう。

(1) 6秒待つ
怒っているとき、脳の大脳辺縁系と呼ばれる部分が活発に働き、感情が支配している状態だ。
一方で、脳は前頭葉と呼ばれる部分を使って理性的に対処しようとする。
ただ前頭葉が働き始めるにはタイムラグがあるため、脳を感情から理性に切り替えさせるために、6秒程度の時間が必要とされる。
(2)深呼吸する
「6秒待つ」間に深呼吸をしよう。
ちょうど1回できるはずだ。

昨今注目を浴びている瞑想やマインドフルネスにも用いられている禅の「三調」という教えがある。
「調身・調息・調心」、つまり心を整えるためにはまず姿勢を調え、次に呼吸を調える。 怒りに支配されているときは緊張感が強まり、呼吸が浅くなっていることが多い。
逆を言えば、深く呼吸をすれば感情をコントロールしやすくなるのだ。
繰り返しになるが、あくまで怒りの感情をコントロールすることが大切で、抑え込むのではない。
したがって、冷静になったうえで、伝えるべき怒りは適切に表現しよう。

たとえば「1つ、お伝えしていいですか」と断りを入れたうえで、口頭ならば低い声で、メールならば、あまり長くない文章で、ポイントを絞って相手に感情を届けよう。
先ほどの「唐突に急な仕事を振られたこと」についてだとすれば、下記のような言い方がある。

「今回はなんとか周りの人にも無理をお願いして今日中に対応しますが、次からは進捗を前もって共有していただけたらと思います」

■ストレスは悪いことばかりではない
最後に、ストレスとの適切な付き合い方を紹介する。
コンスタントに活躍できる人は間違いなくストレスマネジメントがうまい。
前提として、ストレスは、悪いことばかりではない。
短期的にはコルチゾール(ストレスホルモン)のレベルを引き上げ、アドレナリンを増加させることで、意識を高めてくれる。
これにより、差し迫る納期に間に合うよう仕事効率を上げる、といった馬力が発揮できるのだ。

問題になるのは、ストレスが長期にわたる場合だ。
コルチゾールを持続的に増加させると、脳に有害な影響が及び、記憶力や集中力等を低下させる。
ただ、多くの人は、完全に押し潰されるまで、自分の集中力が弱まっていることに気がつかない。
だからこそ、今のストレスのレベルを自覚することが必要になる。
ストレスのレベルを自覚するには、その日の心身の状態を10点満点で手帳に記入してみることだ。
なぜその点数をつけたのか、理由も書く。
加えて、「ストレスに感じていること、不安なこと」を書き出してみて、それらを「自分で変えられるもの/変えられないもの」に整理してみる。

■チームのストレスを見える化する効果
変えられないものは大きなストレスになるが、本当に変えられないのか、別の見方ができないかを考えられれば、ストレスレベルを下げる糸口も見つかり得る。
これを発展させて、図表1のようにチームでその日の心身の状態をボードにプロットし、共有する方法もある。
毎朝、メンバーは自分の名前や似顔絵が書かれたマグネットを、その日の状態に合わせて貼り付ける。

ある会社のクレーム処理部門では、このボードでその日のストレスを見える化したところ、お互いの状態を気遣って助け合いが生まれ、チーム活性化に繋がったという。
まず「自覚する」ことがストレスコントロールの第一歩となる。
上手にコントロールしてストレスを力に変えよう。
とくに部下を持つ人には身につけてほしいスキルである。

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三坂健(みさか・けん)
HRインスティテュート シニアコンサルタント
慶應義塾大学経済学部卒業。
安田火災海上保険株式会社(現・損害保険ジャパン日本興亜株式会社)にて法人営業等に携わる。
退社後、HRインスティテュートに参画。
現在は常務取締役兼シニアコンサルタント。
経営コンサルティングを中心に、教育コンテンツの開発、人事制度設計、新規事業開発、人材育成トレーニングなどを手掛ける。
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2019年06月14日

携帯電話“2年縛り”消滅で「料金値上げ地獄」が利用者を襲う?

携帯電話“2年縛り”消滅で
「料金値上げ地獄」が利用者を襲う?
2019年06月13日 アサ芸Biz(小林洋三)

 総務省が、携帯電話の2年契約、いわゆる“2年縛り”を途中で解約した際の違約金の上限を1000円とする規制を検討していることが、6月8日に判明した。
現在、携帯大手3社(NTTドコモ・KDDI〈au〉・ソフトバンク)の違約金は9500円となっているので、大幅な引き下げとなるのだが、これがかえって我々利用者の首を絞める可能性が指摘されている。

  「秋に施行される改正電気通信事業法により顧客の過度な囲い込みが禁じられるため、2年縛りの違約金が値下げされることは予想されていましたが、まさか1000円になるとは驚きました。
これにより、利用者が携帯会社を乗り換えやすくなり、値下げ競争も活発になることが期待されています」(社会部記者)

 ネット上でもこれに《1000円でも払いたくないが、ひとまず総務省グッジョブ》などと歓迎する声が多く上がっているが、こんな話もある。

  「総務省も価格競争による料金の値下げを狙っているようですが、真逆の結果を生み出す可能性もあります。

現在、大手3社が出している携帯プランの料金は“2年縛りありき”で設定されているもの。
そのため簡単に乗り換えられるのであれば、いっそのこと料金プランを値上げしようという流れになる。
違約金の値下げまで時間もないことから、その損失を埋めるには通話・通信料金を値上げするのが最も手っ取り早いですからね」(ITジャーナリスト)

 お役所が首を突っ込みすぎるとロクなことが起きない? 
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2019年06月15日

エアコンを買えない生活保護受給者の猛暑サバイバル、今年は大丈夫か

エアコンを買えない生活保護受給者の猛暑サバイバル、今年は大丈夫か
2019.6.14 ダイヤモンドonlin

みわよしこ:フリーランス・ライター

2018年6月に認められた 「保護費でエアコン」のその後
 生活保護で暮らす当事者たちと周辺の人々にとって、夏は文字通り「サバイバル」の季節だ。
酷暑の夏となった2018年7月には、札幌市で60代の女性が熱中症で死亡した。
女性の部屋には冷房装置があったものの、電気料金滞納により電力供給が停止されており、使用されていなかった。
その日、札幌市の最高気温は31度に達していた。

 2018年は酷暑の見通しがあったため、厚労省は6月27日、生活保護世帯に対し、保護費から冷房器具の設置を認める通知を発行していた。
この通知は、さまざまな意味で画期的であった。
 まず、暖房器具と冷房器具の併給が認められ、冷涼なはずの地域の酷暑・温暖なはずの地域の厳寒にも対応できるようになったこと。
また、対象は「熱中症予防が特に必要とされる者」となっているが、年齢や状態による区分はなく、福祉事務所の総合的な勘案と判断を求めていることだ。

 とはいえ対象となるのは、2018年4月1日以降に新たに生活保護で暮らし始めたり、生活保護のもとで転居したりするなど、「2018年度以降に、生活保護のもとで新生活を始めた」と考えられる世帯のみだ。

 エアコンの本体価格の上限は5万円となっている。
この価格で実際に購入できるエアコンと在庫を調べてみたところ、機種はおおむね2013年から2017年のモデルだった。
実際の使用に関して、大きな問題はないであろう。
 しかしながら、残っている商品が極めて少ない。
また、本体費用に加えて設置費用は別途認められるものの、電気料金は考慮されない。
エアコンがあっても使用できないのなら、熱中症で死亡した札幌市の女性と同じシチュエーションだ。

 2019年の夏、生活保護世帯とエアコンに関して「令和」効果の風は吹くだろうか。
対象者は誰なのか
昨夏の猛暑で「出遅れた」人はNG?

 最も気になるのは、昨年4月1日以降に生活保護のもとで新生活を始めたものの、昨年はエアコン設置費用の申請をしなかった場合の取り扱いだ。
昨年の夏は、酷暑のあまり気力も体力も失い、制度を知らせても「申請するために動くなんて無理」という当事者が数名いた。
 当該の厚労省通知には、「当該被保護世帯に属する被保護者に熱中症予防が特に必要とされる者がいる場合であって、それ以降、初めて到来する熱中症予防が必要となる時期を迎えるに当たり、最低生活に直接必要な冷房器具の持ち合わせがない場合」という記述がある。

「熱中症予防が特に必要とされる者」は別途、高齢者・障害者・傷病者・難病患者・子どもなどのように列挙されている。「健常者はどうでもいいのか」とツッコミたくはなるが、考え方は理解できる。

 では、「初めて到来する熱中症予防が必要となる時期」とは何なのか。
常識的に考えれば、「生活保護のもとで新生活を開始してから初めての夏」となり、2回目の夏は対象にならないことになるが、そのような解釈でいいのだろうか。

厚労省の社会・援護局保護課に、直接問い合わせて確認した。
 回答は、「生活保護のもとで新生活を開始してから初めての夏」であった。
たとえば、2018年4月に生活保護での新生活を関東で開始した場合、初めての夏が訪れる2018年7月には、いまだ貯蓄の余地がない。
そこで、家具什器費としてのエアコン購入費用が認められる。
この年の熱中症シーズンが終わるまでに申請しなかった場合、翌年夏には新生活開始から1年以上が経過しており、やりくりによる貯蓄の余地があるはずなので、この通知の対象とはならない。
 この場合には、社会福祉協議会(社協)から生活福祉資金の貸付によってエアコンを購入する方法が残されているとはいえ、返済は保護費からの「天引き」で行う原則なので、「健康で文化的な最低限度」が損なわれるという問題がある。
エアコンを稼働させるには、電気料金も必要になる。

 ともあれ現在、厚労省の画期的な通知が多数の人々を救う可能性は、あまり期待できない。
では、生活保護で暮らす人々を含め、これから今年の日本の夏を迎える人々は、熱中症をどの程度恐れればよいのだろうか。

今夏の暑さは「平年並み」 しかし安心はできない
 今年は5月に、夏の暑さの思いやられる高気温の日があった。
しかし気象庁によれば、2019年の夏の暑さは「平年並み」と予測されている。
 気象庁の予報で用いられる「平年並み」は、過去30年間の観測値から求められる。

気温の場合、低い方から高い方へと並べて3分の1ずつに分割し、真ん中の3分の1に当たる場合に「気温は平年並み」となる。
 気象庁が今年5月24日に発表した「向こう3ヵ月の天候の見通し」によれば、6月から8月の平均気温は、沖縄・奄美で「平年並みか高い」、その他全国では「ほぼ平年並み」となっている。
もともと夏の厳しい沖縄・奄美での気温の「高い」見込みは、心配になる。

「ほぼ平年並み」の他地域も、安心するわけには行かない。
「ほぼ平年並み」は、あくまで「平均」気温の話だからだ。
現在、8月の東京の平年気温は、最高31度・最低24度となっている。
8月に最高気温が38度の日と最低気温が17度の日が1日ずつある場合、他の日が「平年並み」ならば、8月の「平均」気温は変わらない。

「6月と8月は気温が若干低めだったけれど、7月は酷暑」というパターンの場合も、3ヵ月の「平均」気温は「平年並み」になり得る。

 気候は、世界中で不安定になっている。
平均がどうあれ、何が起こるかを正確に予測することは難しい。
ひと夏にたった1日だけ、人間の生存を脅かす酷暑の日があれば、体力の乏しい人々は簡単に生命を奪われたり、健康に深いダメージを受けたりする。
救急車出動1回と入院1週間の費用は、少なくともエアコン数台分に達するはずだ。

私には、「エアコンと電気代で医療費を節約したほうが、厚労省にとって、さらに財務省にとって“トク”なのでは?」と思えてならない。

 エアコンの有無が生存に関わるのは、誰に対しても同じことだ。
昨年夏の酷暑を受けて、東京都荒川区と福島県相馬市は独自に、低所得世帯を対象としたエアコン設置助成を行った。
このような制度は、全国で恒久的に実施されてほしいところだ。

日本全国では、すでにエアコンの設置率は90%を超えている。
残る10%未満の世帯が対象なのだから、巨額の予算が必要になるわけではない。
 とはいえ、住宅は基本的に「国交省マター」だ。
生活保護の「住」の相当部分が「厚労省マター」となっている背景には多様な歴史的経緯があるのだが、人間の生存に適さない居住環境に対しては、エアコンや断熱性能を含めて国交省が「テコ入れ」するのが本来の姿であろう。
そうなるまでは、生活保護とその延長線上にある「厚労省マター」としての充実を期待するしかない。

ケースワーカーの 「知らないふり」は許されるのか
 生活保護とエアコンに関して、2018年6月に厚労省が発した通知は画期的だった。
しかし対象は、当初から「2018年4月1日以降に生活保護のもとで新生活を開始した世帯」に限定されていた。
それだけではなく、「ケースワーカーによるエアコン設置の妨害か」と勘ぐりたくなる事例もあった。

 その2018年、通知について知った当事者が勇気をふるって福祉事務所に申し出たところ、ケースワーカーの返事は「そんな制度はない」という一言だったという。
その後、厚労省は周知を図ったが、「エアコンが必要な事情の説明をさせない」という形で実質的に申請を拒まれたという事例もあった。
 2018年の夏がそのまま過ぎてしまうと、生活保護費でエアコンを設置する道は絶たれることになる。
社協の貸付の利用や個人のやりくりは、いつでも誰でも可能とは限らない。

残る“便法”は、多大なリスクを伴う「いったん生活保護を脱却して、再度申請する」といった方法か、実行が事実上不可能であることも多い「転居する」といった方法だ。

 生活保護世帯の大人たちは、高齢者や障害者や傷病者であったりする。
そこに学齢期の子どもがいて暮らしと育ちと学びに配慮する必要があるのなら、さらに選択肢は少なくなる。
 いずれにしても、住まいの中で熱中症に倒れたり寒さに凍えたりする場面は、誰に対してもあってはならないはずだ。
生活保護世帯にだけ、特別な配慮が必要というわけではない。

生活保護を象徴として、人間として当然の「誰もが、健康で文化的な生活を送る」という願いを、改めて噛み締めよう。
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2019年06月18日

寿命激減「死を呼ぶ睡眠」!「シャワー」「ジャージや浴衣」はNG!

寿命激減「死を呼ぶ睡眠」!
「シャワー」「ジャージや浴衣」はNG!
2019年06月17日 日刊大衆

ジメジメ、ムシムシする梅雨時や夏場の熱帯夜は、睡眠時間がいつもと変わらなくても、“睡眠の質”がガクンと落ちる。
こうなると、心身にさまざまな不調や不具合が起こる。

 健康番組などでもおなじみの眠りとお風呂の専門家の小林麻利子氏も、OLだった10年ほど前、睡眠の質が悪かったせいで、急な腹痛や過呼吸、肌荒れなどの体調不良で精神的にも、かなりまいっていた時期があったという。
「最初は仕事のストレスのせいだと思っていたんですが、あるとき、熟睡できないことが一番の原因じゃないかと思いまして。
自分なりに睡眠の質を良くするように努力したところ、心身ともみるみる健康を取り戻したんです。

心身の不調が睡眠にあると気づいてない人が意外に多いんですよ」(小林氏=以下同)
 睡眠は心身を休ませるだけでなく、健康と密接に関わっている。

実際、睡眠の量と質が確保できなくなると、頻繁に風邪をひく、仕事中に集中力が切れたり妙にイライラする。
さらに、これが続くと糖尿病や高血圧症、肥満などの生活習慣病が悪化したり、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わることにもなる。
「良い睡眠が得られないと、脳の機能も低下し、精神状態が不安定になったり、うつ病や認知症の発症リスクも高まることが最近の研究で明らかになっています」

 良い睡眠は心身を癒やすが、逆に悪い睡眠は命を削る。
では、どんな就寝習慣が寿命を縮めるのか?
〈夏場はシャワーだけ〉これも寝つきを悪くして質の悪い睡眠となる原因だ。
「睡眠に入るとき、体温は少し下がるんですが、このとき温度差が大きいほうが寝つきも良く、熟睡できます。
そのためにも、湯船に浸かって深部体温を高い状態にする必要があります。

夏なら寝る2時間ぐらい前に40度の浴槽で15分、41度なら10分ぐらい浸かることが、気持ちのいい眠りを誘うポイントです」
〈寝るときはジャージや浴衣を着ている〉こんな男性も多いだろうが、これでは寝汗も吸収しにくい。
素材は綿かシルクで、寝返りが打ちやすいパジャマが一番。
「最近は床に敷くとヒンヤリする冷温シーツも出回っていますが、汗を吸わないので好ましくありません」

 中高年の中には、夜中、トイレに立つのが嫌だからと〈寝る前の水分は控えている〉人がいる。
 だが、人は寝ている間に100〜150ccぐらいの汗をかくため、血中の水分が不足して血液がドロドロになる。
これで血栓ができやすくなり、最悪の場合、寝ている間に心筋梗塞や脳梗塞で“眠りっぱなし”になってしまうことも。
「寝る前に白湯を一杯飲んむと、いいでしょう」  白湯でなく〈寝酒が習慣になっている〉。
こんな男性読者も多いだろうが、これも決して良い就寝習慣ではない。

「アルコールを飲むと、寝つきは良くなるかもしれませんが、寝ている間に交感神経が働き、熟睡を防げてしまいます」
 現在発売中の『週刊大衆』7月1日号では続けて睡眠について特集。
すぐに使える「睡眠健康度チェック表」とともに、危険な睡眠の仕方について説明している。
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2019年06月21日

いじめや差別、なぜやめられない? 香山リカさんが挙げる3つの理由 「他人をいじめる人生」の結末は……

いじめや差別、なぜやめられない?
 香山リカさんが挙げる3つの理由 
「他人をいじめる人生」の結末は……
6/20(木) with news

 職場などで「自分だけが損している」とか、「私は努力しているのにこんなはずじゃなかった」と思うことはありませんか。
そんな気持ちが実はいじめや差別につながっている、と精神科医の香山リカさんは指摘します。
厳しい競争社会の中、だれもが加害者・被害者になる可能性があるというのです。
キーワードは「自己愛の傷つき」「否認」「確証バイアス」といった人間にもともと備わっている性質でした。

なぜいじめや差別はいけないのか
そもそも、なぜいじめや差別をしてはいけないのでしょうか。
香山さんは「人は人を殺さないというルールに厳密な論理も正確な理由もないはず。
それと同じように、差別やいじめも仕方ないと認めているといっしょに生きていることができないから、『とにかくそれはやめよう』と考えてここまで生き延びてきました」と著書「『いじめ』や『差別』をなくすためにできること」(ちくまプリマ−新書)で述べています。

 香山さんは、いじめや差別をしたり、「自分は関係ない」と思っていたりすると、「自分で自分の首を絞めることになる」と指摘します。
つまり、いつかは自分もいじめや差別を受けることになるかもしれないというのです。

 今年3月、ツイッターで差別的な書き込みをしたとして世田谷年金事務所(東京都)の所長が更迭されました。
日本年金機構が、所長のものと確認したアカウントには、特定の国会議員の名前を挙げるなどして、「国賊」「鬼畜」「非日本人」といった投稿を繰り返していました。

《精神科医の香山リカさんは、このアカウントから自分あてに、「反日」とリプライが来たことがあるという。
「年金事務所は様々な人のプライバシーを預かるところ。
これほどのヘイト発言を繰り返す差別主義者が所長をしていたことはショック。
公正に審査されていたのか、疑念を抱かざるを得ない」と話した。
――朝日新聞デジタル:ヘイト投稿、リプライ来た香山リカ氏「審査公正か疑念」》

 部落差別問題では、戦前に発行された地名リストを入手した男性が2016年に書籍として刊行してネット上に掲載。
被差別部落出身者らでつくる運動団体の部落解放同盟が「部落差別が助長される」として出版禁止やネット掲載禁止を求めて東京地裁に提訴しました。
部落差別について香山さんは「被差別部落出身ということでさげすまれたり排除されたりすることはどんなにつらいことか。そこが差別はいけないという大原則だったのにそれが通じなくなっている」と嘆きます。

「こんなはずじゃなかった」という気持ち
 それでは人間はなぜ、「自分は関係ない」と思ったり、いじめや差別をしたりしてしまうのでしょうか。
「多くの人が『自己愛の傷つき』という問題を抱えている」と香山さんは精神医学的な理由をあげます。
 香山さんによると、「自己愛」というのは「自分で自分のことを大切に思う」心の動きの一つです。
この自己愛が大きくなって自分が傷つくと「私はこんなはずじゃなかった」とか「私はもっと輝いていたはずだ」という気持ちが募るというのです。

《「自己愛」というのは、(中略)「自分で自分のことを大切に思う」という人間が生きていく上で基本の心の動きのひとつです。
(中略)その「自己愛の傷つき」の状態にある人たちは、「私はいつもバカにされている」「私には才能があるのに、まわりが理解してくれないからすべてが台なしになった」(中略)と思っています。
(中略)オーストリアのハインツ・コフートという精神分析学者は、「自己愛の傷つき」が起きたとき、人は「コントロール不能で予想外の怒り」を示すものだ、と述べました。
――香山リカ著「『いじめ』や『差別』をなくすためにできること」(ちくまプリマ−新書)》

 なぜ自己愛が傷ついてしまうのでしょうか。
香山さんによると、社会の競争が激しくなり、恵まれた立場の人たちほど「私はがんばった」「ものすごく努力した」と思い、他人に対して見る目が厳しくなっているといいます。
 そして、「こんなはずじゃなかった」という嫉妬心は、同じ会社の人にライバル意識を持って仕事をがんばるという方向ではなく、「こんなところに私が受けるべき特権を享受している人がいる」と思い込んで生活保護受給者といった社会的弱者を攻撃の対象にすると、香山さんは指摘します。

《「誰がひどいヘイトスピーチをしているか」についていくつかの調査があるのですが、「その人たちは決して貧困や無職ではない」という結果も出ています。
いちばん多いのは、「大きな都市の郊外に住む30代から40代の会社員」だそうです。
(中略)では、なぜその人たちは、自分は恵まれているにもかかわらず、外国人をバカにしたり、追い出そうとしたりするのか。
(中略)会社員など恵まれた立場の人たちほど、(中略)他人に対して見る目が厳しくなっているのです。
――香山リカ著「『いじめ』や『差別』をなくすためにできること」(ちくまプリマ−新書)》

恐怖や葛藤をみなかったことにして自分を守る
 深層心理学で「否認」という、恐怖や葛藤をみなかったことにして自分を守るメカニズムがあります。
香山さんによると、いじめや差別をする人にあてはめると、自分の不安や傷つきから自分を守っているというのです。
競争の中で生まれる不安に直面するのは勇気がいることなので、それから目をそらしたいというのが「否認」なのです。
 また、「否認」の心のメカニズムは、いじめや差別を受ける側や傍観者にも起こります。
これがいじめや差別の発見や解決を遅らせる原因になるというのです。

《私たちの心には、自分が認めたくないこと、認めるのはつらいことがあったときに、”見なかったふり”をする自動装置のようなものがついている(中略)この『打ち消す動き』のことを「否認」と呼びます。
この「否認」は、自分がいじめや差別の被害者のときも、加害者のときも、まわりで見ている人つまり傍観者のときも、同じように起きます。
そして、この「否認」には、そのいじめや差別の内容がひどければひどいほど起きやすくなる、という性質もあります。
たとえば、親からの虐待でからだにあざができたり骨折したりしている子どもが児童養護施設に保護されても、その子が「これは転んでできたケガなんだよ」と言い張ることがあります。
子どもが自分に暴力をふるう親をかばってそう言うときもありますが、「否認」のメカニズムが働いて本当にそう思い込んでいる場合もあるのです」
――香山リカ著「『いじめ』や『差別』をなくすためにできること」(ちくまプリマ−新書)》

他人をいじめる人生の結末  
「確証バイアス」とは自分の考えに沿う情報しか信じない心理です。
香山さんによると、一度いじめや差別を始めるとやめられなくなるのは「いったん『自分たちは正しい』『守られている』という思いを味わうと『確証バイアス』により、異論を受け入れられなくなるからだ」といいます。
自分がしているいじめや差別に根拠がなかったという事実を告げられても修正することができないのです。

《心理学でいう「確証バイアス」が働いて、自分のいったん信じたことを強化する情報しか取り入れなくなってしまうので。自分の気持ちにぴたっとはまるデマや陰謀論を聞くと、ほらやっぱりそうなんだ、と信じ込んでしまう。
――香山リカ対談集「ヒューマンライツ 人権をめぐる旅へ」(発行:ころから)》

 このように他人をいじめたり差別し続けたりするとどうなるのでしょうか。
香山さんは「他人を攻撃することで自分が満たされる錯覚を起こしてしまう」としたうえで「いじめたり差別したりすることでしか自分の安心感を得られない、自信を持てなくなってしまう。
いじめや差別に依存した、自分では何も解決できない、やりたいこともできない人生を送ることになる」と訴えます。
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2019年06月25日

バーゲンで大損する人の"心理的ワナ"3つ

バーゲンで大損する人の"心理的ワナ"3つ
2019年06月24日 PRESIDENT Online
経済コラムニスト 大江 英樹 

もうすぐ夏のバーゲンが始まる時期になりました。
ボーナス支給とも重なり、誰もが心ときめく季節といえるでしょう。
ところが気をつけないとバーゲンセールには実に周到な心の罠が仕掛けられているのです。
そこで今回は、このバーゲンセールについて考えてみたいと思います。

■なぜバーゲンをやるのか
そもそもバーゲンセールとは、一体どういう目的でおこなうのでしょうか?
 言うまでもなく、その第一の目的は、商品の在庫をさばくことです。
洋服の場合、ファッション性の高い流行の品物については、製品を作るための企画の段階から、実際に生産し、販売するまではとても時間がかかると言われています。
ところが、それを販売する期間は限られていて短いのです。
そこで、商品の入れ替えがどんどん早くなり、どれぐらい売れるかという予測が難しくなっています。

逆に、売れて品物がなくなってしまうと売り上げの機会を失ってしまいますから、それを恐れてつい過剰に作ってしまうという傾向もあるようです。
以前、NHKの番組でこの問題が取り上げられたことがありました。
市場に出回っている衣料品は28億点もありますが、その半分は売れ残り、何とそのうちの一部は新品のまま焼却処分になることもあるそうです。
それではまるまる損ですね。
値段を下げてでも売れれば、その損を小さくすることはできます。
だからバーゲンセールをやるのです。

■日頃のご愛顧に感謝しているわけではない
みなさんの中にはバーゲンセールは日頃のご愛顧に感謝して、お店が損をしてでも安く売ってくれると思っている人がいるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。
商売として考えた場合、バーゲンをやることで利益は増えます。
なぜなら焼却処分をしてしまうぐらいなら、少しでも売れて現金が入ってくる方が良いにきまっているからです。
それに売値を下げたとしても仕入れの原価より少しでも上回る価格で売れれば粗利益は出ます。
つまりバーゲンセールは儲かるから行なうのです。

その証拠にプロ野球のチームが優勝すると関連する百貨店が優勝記念セールをやりますね。
ところが優勝しなくても「応援感謝セール」というのをやります。
要は何でもいいから理由を見つけて、バーゲンセールをやりたいのです。

なぜならバーゲンはお店にとって儲かるからです。

■値札の書き換えにだまされてはいけない
そんなバーゲンセールに潜む心理的な罠、その一つが「値札の書き換え」です。
バーゲンセールの場合、全店3割引とか50%OFFといった札があちこちにぶら下がっています。
それに加えて、実際の商品を見ると5万円という値段を線で消して2万9800円といった具合に新しい値段が書き加えられていることもあります。
2万9800円とではたった200円しか違わなくても大台が違う分、安くなっているという印象が強くなります。

それに、もし元の値段の5万円が本当の値段でなかったとしたら?
 つまり元々3万円程度のものであったものが、値引き率を大きく見せるためにわざと5万円と書いて線で消してあったとしたらどうでしょう? 
バーゲンが始まる前の値段を覚えている人でなければ、まずそのことに気付かないでしょう。

顧客を勧誘するために実際の販売価格と異なる表示をすることは「不当表示」といって、景品表示法で禁止されていますから、そんなことは無いと思いますが、ひょっとしたら悪質なお店では行われているかもしれません。

■「アンカリング効果」を使ったワナ
行動経済学では、「アンカリング効果」というのがあります。
アンカーというのは船のイカリのことですが、そのイカリを下ろすことをアンカリングと言います。
この場合、最初に示されている値段がアンカーになり、判断の基準値となります。
その基準値よりも大幅に低く表示されることで、お得感が増してくるという仕掛けです。

もちろん本当に値段を下げているのであれば、消費者にとってはありがたいのですが、さきほどのように実際よりもわざと高く表示したものを大きく割引しているかのように見せる違法行為には注意が必要です。
また、アンカリング効果を使ったやり方には別な方法もあります。
それが二つ目のお話、「セール対象外商品」の存在です。

■「セール対象外商品」をつくる意図
バーゲンセールをやっているお店に行くと、商品の陳列棚のところの一角に「セール対象外商品」というコーナーを作っている場合があります。
それもしばしば、よく目立つところにおいてあるのです。
でも考えてみるとこのセール対象外商品というのは不思議な存在です。
そもそも買いに来るお客さんはほとんどがバーゲンで値段が下がったものを探しに来ているわけですから、そんな時にわざわざ定価で値下げしていない商品を買うことはあまりないでしょう。
それに、前にもお話したようにバーゲンセールというのは少しでも商品の在庫を減らして、お店の損失を少なくするためにやるわけですから、お店にはできるだけたくさん売れ残った商品を並べようとするはずです。

にもかかわらず、そんな貴重な限られたお店のスペースに、どうしてそれほど売れるとは思えない、定価の「セール対象外商品」を置いているのか? 
私はここにもアンカリング効果の狙いがあるのではないかと考えています。
それは、同じ店の中に定価の商品と値下げした商品を並べておくことで値下げされた商品のお得感が出てくるからです。
もちろんセール対象外商品は新製品ですから値打ちがあるので定価だということは誰もが理解しています。
しかしながら、数カ月遅れ程度であるのなら、そんなに値打ちが違うことはないでしょう。
それなら値段の安い方が良いと考えるのは自然です。
「あ、セール対象外に比べるとこんなに安いんだ!」といって購買意欲が刺激される可能性が高まることも考えられます。

■いつまでたっても閉店しない閉店セール
次によくあるのが「閉店セール」です。
それも「いつまでたっても閉店しない閉店セール」というのを見かけたことがありませんか(笑)。

以前、ある大学で消費問題を研究している学生さんたちのゼミで「閉店セール」について調査をしたことがありました。
都内で閉店セールをやっている9つの店を半年にわたって調査したところ、4つの店は実際に閉店しましたが残りの5つは閉店していなかったというのです。
なぜそんなことになったのかというと、実は閉店セールといっても2つのパターンがあるからです。

完全に廃業してしまう場合とお店の改装のために一時閉店するという場合です。
「閉店セール」とうたいながら、閉店しないお店というのは改装のために閉店したということだったのでしょうね。
実際、お店の改装のために閉店する場合では、短い時はたった1日しか閉店しないということもあるそうなのです。
これなら単なる定休日と同じです。
本当に閉店したのかどうか気付かない場合だってありますよね。

結局、多くの人が「閉店」という言葉で連想するのは「廃業」に限りなく近いでしょうから、ほとんど“たたき売り”みたいな安い値段になっているはずだ、というイメージを持つのでしょう。
お店も当然、それを狙っていると思います。

■バーゲンのときこそ、気を引き締めて
ここまでバーゲンセールについて考えてみましたが、言うまでもなく、バーゲンセールそのものが悪いというわけではありません。
やはりバーゲンという言葉を聞くと心がときめくのはごく自然なことですよね。
でもそんな心ときめくバーゲンだからこそ、気持ちが高揚しているからこそ、なかなか冷静に判断できないこともあります。

バーゲンセールにはそんな高揚した気持ちで買い物をする人の購買意欲をさらにそそるような仕掛けがたくさんあるということは知っておいた方がいいでしょう。
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2019年06月29日

月またぎの入院は損!高額療養費制度「自己負担が増える」落とし穴

月またぎの入院は損!
高額療養費制度「自己負担が増える」落とし穴
2019.6.28 ダイヤモンドonline

早川幸子:フリーライター

A子さんとB子さんは、この10年、悩んできた膝の痛みをとるために、同じ病院で膝の人工関節手術を受けた。
 年齢は、ともに73歳。
人工関節を入れたのは、2人とも右膝で、受けた治療内容やリハビリのプログラムも同じ。
入院日数はともに20日間だった。

 医療費の自己負担が軽減される健康保険の高額療養費の所得区分は、2人とも「現役並みI」なので、当然、支払うお金も同じになるはずだ。
ところが、最終的に支払った医療費は、A子さんが約10万円だったのに対して、B子さんは約18万円。
 まったく同じ治療を受けたのに、2人の自己負担額に約8万円もの差が出たのはなぜなのだろうか。

不思議に思ったB子さんは、病院に問い合わせてみたが、医療費に間違いはないという。
 この自己負担額の違いは、「高額療養費」の運用ルールから生じるものだ。

その月の「1日から末日まで」の 医療費で高額療養費を計算する
 通常、病院や診療所の窓口では、年齢や所得に応じてかかった医療費の1〜3割を自己負担する。
70歳未満で自己負担割合が3割の人の場合、かかった医療費が1万円なら3000円が自己負担分だ。
 だが、手術をしたり、化学治療を受けたりして、医療費そのものが高額になることもある。
その時、通常の医療と同じような自己負担額だと、3割の負担でも、医療費が100万円なら自己負担額は30万円、医療費が200万円なら自己負担額は60万円だ。
 これでは、医療費が家計の重荷になり、防貧対策としての健康保険の意義を損なうことになりかねない。

そこで、1973(昭和48)年に作られたのが「高額療養費」で、1ヵ月に患者が支払う自己負担額に上限を設けたものだ。  この制度があるおかげで、医療費が高額になっても、それに比例して自己負担額が増えていくことはなく、一定の範囲内に抑えられるようになっている。

高額療養費、3つの注意点!
患者にとって非常にありがたい制度だが、多くの人が等しく制度を利用できるようにするために、運用にはルールが設けられており、
原則的に
「(1)1人の患者が、(2)1つの医療機関で、(3)1ヵ月」に使った医療費をもとに計算することになっている。

 このなかで、A子さんとB子さんの医療費に差をもたらしたのが、(3)の「1ヵ月」というルールだ。
 1ヵ月と聞くと、「30日間」と思うかもしれないが、この1ヵ月は歴月単位という意味で、その月の1日から末日までの医療費を計算することになっている。
そのため、入院期間が月をまたいだ場合は、各月の1日から末日までの医療費が別々に計算されるのだ。
 2人の入院日数は同じ20日間だったが、A子さんが入院したのは5月10日〜5月29日まで。
一方、B子さんの入院期間は、5月20日〜6月8日までと月をまたいでいる。
そのため、A子さんは、かかった医療費がまとめて計算されるが、B子さんは5月分と6月分の高額療養費を別々に計算することになり、次のように医療費に差が出ることになったのだ。

◆入院が「歴月範囲内or月をまたぐか」によって変わる医療費
【試算条件】
・年齢:73歳
・かかった医療費の総額:200万円で
・入院期間: 20日間
・高額療養費の所得区分
:現役並みI

●入院期間が5月10日〜5月29日までのA子さんの自己負担額

・5月10〜5月29日までの高額療養費 8万100円+(200万円−26万7000円)×1%=9万7430円 ⇒9万7430円

●入院期間が5月20日〜6月8日までのB子さんの自己負担額

・5月20〜5月31日までの高額療養費 8万100円+(150万円−26万7000円)×1%=9万2430円
・6月1日〜6月8日までの高額療養費 8万100円+(50万円−26万7000円)×1%=8万2430円 ⇒5月分の9万2430円+6月分の8万2430円=17万4860円  

A子さんとB子さんの医療費の自己負担額の差は7万7430円に!

緊急を要しない手術は入院期間の交渉を
 同じ医療を受けても、入院期間が2ヵ月にまたがったB子さんは、歴月範囲内で収まったA子さんに比べると、自己負担額が7万7430円も多くなってしまった。
 健康保険は、保険料や税金などで運営されている国民の共有財産だ。
決められたルールに沿って運用しないと、制度が立ちゆかなくなってしまうので、高額療養費が歴月単位で計算されるのは仕方のないことではある。
だが、同じ治療を受けたのに、入院期間が月をまたぐか、またがないかによって医療費に差が出るのは、個人としては納得しがたい気持ちになるのも当然だ。

 とくに、これまで医療費が低く抑えられていた70歳以上の高齢者も、2018年8月から、年収約770万円以上の高所得層については、高額療養費の自己負担上限額が引き上げられており、治療期間が月をまたぐと、さらに負担が増える。
 70歳以上の人の高額療養費の見直しは、「負担するのは現役世代、給付を受けるのは高齢者」という従来型の社会保障の構造から、年齢に関係なく「能力に応じて負担し、必要に応じて給付を受ける」全世代型の社会保障制度に転換するための改革の一環として行われたものだ。

そのため、これまで所得に関係なく一律に優遇されていた高齢者も、一定以上の所得がある人には相応の負担を求められるようになっている。

 社会保障制度を持続可能なものにするためには必要な改革ではあるが、病気になったときの負担が増えるのは、うれしいものではないはずだ。
 もちろん、交通事故によるケガ、脳血管疾患など、今すぐ治療しないと命に関わるというものは、入院期間を選ぶことはできない。
だが、人工関節の手術のように緊急を要するものではなく、計画的に行う治療については、入院期間が歴月範囲内に収まるスケジュールを組んでもらえないかどうか主治医に相談してみるのも、医療費を節約するための1つの手段だ。

 直接、主治医に話すのは気が引けるという人は、各病院に設けられている「医療相談室」などに相談してもいい。
ベッドの空き状況、執刀医のスケジュールもあるので、必ずしも患者の希望が通るわけではないが、相談すれば配慮してもらえることもある。

 高齢になると、病気やケガの治療のために入院する確率も高くなり、医療費の負担も増える。
だが、その時、高額療養費の仕組みを知っていれば、ちょっとしてことで数万円単位で医療費を節約できる可能性もある。

入院は、その月の1日から末日までに終えられるのがお得」だということを覚えておこう。
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続々擁立の「れいわ新選組」 山本太郎代表が指摘する「日本の問題点」とは

続々擁立の「れいわ新選組」
 山本太郎代表が指摘する「日本の問題点」とは
2019年06月28日 J-CASTニュース
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)

政治団体「れいわ新選組」代表の山本太郎参院議員(44)は2019年6月27、28日、都内で記者会見を開き、今夏の参院選で、2人の候補者を擁立すると発表した。

候補者は山本代表と、蓮池透氏に続き、それぞれ3人目と4人目。2人が出馬を決めた理由とは――。

安冨歩氏「政治の原則を変えないといけない」
27日の会見では、東京大学東洋文化研究所教授の安冨歩氏(56)が出馬を表明した。
「女性装の教授」として知られている。

安冨氏は50年にわたり、自分を「男性」と思ってきたが、ダイエットをきっかけに「女性もの」の服を着たことで、「無理をして男の服を着ていると気づいた」と振り返る。
「これが私にとっては自然なので、こういう恰好をしている」。

安冨氏は、現代社会を「豪華な地獄」とたとえ、「見た目はすばらしいが、息が詰まって苦しくてたまらない」
「豪華な地獄」とは「国民国家という名前のシステム」だといい、「機能しなくなり始めたのは、第一次世界大戦の時。そこから百年もたっているので完全に機能しなくなっている」と指摘する。
一方で「政策をどうこうの段階ではもうないと考えていて、政治の原則を変えないといけない」とも主張した。

「『子どもを守ること』ということを政治の判断のすべての基礎に置く。
『生きづらさ』から私たちの社会を解放し、現代の危機から私たちを救い出す唯一の道ではないか」(安冨氏)
また安冨氏は、「投票しても何も変わらないように政治が作られている」とも指摘する。

「政治というシステム全体が機能しなくなりつつあるという恐怖感から、太郎さんは新しい希望を、何か開こうとしているんじゃないかという期待が集まっているんじゃないか」
「今までの政治の外に新しい政治をつくることで、議会制民主主義を再生する力を(人々は山本氏に)期待しておられるんじゃないか。私自身もそういう力を感じたので、子どもを守ろうっていう政治の原則を訴えるのが、ここなら可能ではないかと思って、参加しました」(安冨氏)

木村英子氏「障害当事者として政治に参加し、少しでも変えていくことができたら」
28日には、重度障害者の木村英子氏(54)の擁立も発表された。
重度の障害があり、24時間介助の必要な人物が国政選挙に立候補するのは、「異例」とみられる。

脳性麻痺がある木村氏は、地域での生活を望む当事者の自立支援に携わってきた。
体はどの部分も動かず、歩いたり足を伸ばしたりすることができない。
「どこも動けません。しゃべれるだけです」。

生後8カ月の時、歩行器ごと玄関に落ちて、首の骨を損傷。
幼いころから施設と養護学校で暮らし、19歳で地域に出るまで社会を知らずに育った。
「同い年の健常者の友だちができたのは地域に出てきてからです。
一生施設で生かされ、死ぬまで出ることはできないと、ずっと思っていました」。

木村氏は障害者運動の中で山本氏と出会い、「障害を持った当事者の現状を、直接国会に訴えていってほしい、一緒に戦っていきましょう」と出馬を呼びかけられたという。

「私のような重度障害者が国会に声を届けるチャンスを、太郎さんから頂いて、今回立候補させてもらうことを決意しました。
厳しい現状を強いられている仲間たちの苦悩と叫びを、私が障害当事者として政治に参加し、少しでも変えていくことができたら」(木村氏)

キーワードは「生きづらさ」と「生産性」
山本代表は両日の会見で、今の社会状況を端的なキーワードを使って表現した。

安冨氏の会見では、「今の日本の中で一番の問題は生きづらさ」と指摘し、「『男らしさ』とか、『女らしさ』とか、『子どもらしさ』とか、『母親らしさ』とか、っていう地獄のようなカテゴライズといいますか、こうあるべきだという枠にはめられながら生かされるような現代の、まさに地獄」と表現していた。

木村氏の会見であげたキーワードは、「生産性」。「生きづらさにつながっていく」としつつ、「生産性というもので人間の価値が測られるような社会に、もうすでになっていると思います」と危惧。

「人間は存在するだけで価値があるものという考え方に基づいて政治が行われないならば、その世は地獄であろうと。
今がその状況だと考えています」と持論を展開し、 「生産性ではなく、いかに存在しているだけで人間は価値があるか、という社会を実現するために政治がある。
そういう考え方のもとに、れいわ新選組はこれからやっていきたい」 とビジョンを語った。
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2019年07月07日

「カロリーゼロ」は嬉しいけれど…体に悪い?

「カロリーゼロ」は嬉しいけれど…体に悪い?
2019/07/04 All About

平井 千里(管理栄養士 / 実践栄養ガイド)

「カロリーゼロ飲料」「ノンカロリー食品」の安全性は?
スーパーやコンビニなどでもよく見かける「ノンカロリー」「カロリーゼロ」表示のある食品・飲料。
人気商品にもなると、砂糖を使用したオリジナル製品とカロリーゼロバージョンの同商品とが並べて販売されていることも珍しくありません。
この場合、「カロリーゼロの方が太らないだろう」と、カロリーゼロ製品に手が伸びる人も少なくないでしょう。

しかし、考えてみてください。
甘い飲み物なのに、カロリーゼロ。
砂糖を使っていたらカロリーはゼロにはならないはずです。
一体、何を使ってあれだけの甘味をつけているのか説明できますか?

あまり知られていませんが、砂糖の代わりに使われる甘味料には様々な種類があります。
それぞれの特徴と安全性について、わかりやすく解説します。

ノンカロリーシュガーとは……
天然甘味料・人口甘味料・糖アルコール
カロリーゼロ商品は、甘味を感じる「非糖質系甘味料」や「糖アルコール」を砂糖の代わりに使用しています。
砂糖が入っていなくてもしっかりとした甘みがあるのはそのためです。
「非糖質系甘味料」には「天然甘味料」と「人工甘味料」があります。

■天然甘味料……
ステビア、天草、羅漢果など ステビア、甘草、羅漢果といった植物から採取される甘味料があります。
ステビアは1gあたり4kcalのエネルギーを持っていますが、甘草、羅漢果から採取される甘味料にはエネルギーがありません。
ステビアは砂糖の300倍の甘さを持っているといわれていることから、1gあたりのエネルギー量は同じでも使用量が減るために低エネルギーが実現するとわれいています。
甘草、羅漢果も砂糖の10〜500倍の甘さを持つといわれており、少量でしっかりとした甘味を感じることができます。

■人工甘味料……
アスパルテーム・スクラロースなど 人工甘味料には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリンがあります。
いずれも食品衛生法に基づく指定添加物で、カロリーゼロ。
利用方法に制限があります。
詳しくは独立行政法人「農畜産業振興機構」による「砂糖以外の甘味料について」をご覧ください。
甘さにもそれぞれ独特の風味があり、甘さを加える以外にも苦味を抑える効果を持つものもあります。

■糖アルコール……
キシリトール、エリスリトールなど
糖アルコールには、キシリトール、エリスリトールなどがあります。
糖アルコールは「還元基を有する糖類にニッケル触媒を使用し、高温高圧下で水素を反応、還元して製造(接触還元)されたもので、ソルビト−ル(ソルビット)、マルヂト−ル、還元水飴のような鎖状多価アルコールの総称」といわれていますが、一言でざっくり表すならば「糖分とアルコールが化合してできた人工甘味料」といえるでしょう。

人工甘味料ですがキシリトールなどは歯に優しいことも知られていて、ガムなどにも利用されていますね。
これらのうちカロリーを持たないものが、砂糖の代用品になる「ノンカロリーシュガー」として販売されているようです。

ノンカロリーシュガーは健康的か、危険か
ノンカロリーシュガーについての専門家の意見は賛否両論があります。
一例を挙げると、「糖尿病などで低エネルギー食にする必要があるが甘いものが止められない患者さんに、少量使ってもらうのにはもってこいだ」といった肯定的な意見もあれば、
「甘いものはクセになってしまう。低カロリーだと思ってたくさん食べてしまったり、次第に低カロリーのものではガマンできなくなり結局カロリーの高いものを食べてしまうようになる」といった否定的な意見もある、という具合です。

以前は人工甘味料が「血糖値を上げない甘いもの」として期待を集めた時期もありましたが、最近では人工甘味料が腸内フローラに影響を与え、耐糖能異常を引き起こす可能性があるため、注意が必要といわれています。
また、妊婦が人工甘味料を摂りすぎると生まれた子供が肥満になりやすいというデータもあるようです。

これらの様々な意見や報告を受けて、私は患者様に「ノンカロリーシュガーは甘いものがどうしても食べたいとき、1日1本だけコーヒーに入れるくらいはOKです。
ただし、いくらでもどうぞとは言えません」と説明しています。

実際に、私も1日1杯くらいはノンカロリーシュガーを使ってコーヒーを飲んでいます。

食品の「カロリーゼロ」は実はカロリーゼロではない
実は、食品のカロリーゼロもアルコールと同じように、厚生労働省「栄養表示基準に基づく栄養成分表示」で栄養成分の表示方法が厳格に定められています。
この中で、食品100g中5kcal以下(飲料100ml中5kcal以下も可)であれば、「カロリーゼロ」と表示することが可能だと明記されています。

ただ、アルコールの場合、本当に弱い人はほんの少量でも酔ってしまう人がいますが、エネルギー源は数kcal摂りすぎたくらいで、体重増加につながったり体調不良を訴えたりすることは通常ありません。
食品100g中5kcalがどのくらいかと考えてみると、例えば、チンゲン菜1束(100g)で8kcal程度なので、100g中5kcal程度であれば、誤差範囲と考えても差し支えありません。

ノンカロリーシュガーが一般に普及して約10年。
かなり一般に浸透してきたようには思いますが、まだまだ「食歴」として考えると短いです。
現時点では安全性が確保されているからこそ、日本国内でも販売許可が出されているわけですが、
食歴の長さと1回あたりの摂取量を考えると、「ノンカロリーだからいくら食べても大丈夫」とまで安心しきって大量に使ってしまうのは危険な気もします。

甘いものを欲する脳との折り合いをつけて、上手にゼロカロリーシュガーを利用したいものです。
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「これで増税なんて鬼」「戦後最大の好景気って何の話?」 6割の世帯が「生活が苦しい」、厚労省調査が話題に

「これで増税なんて鬼」「戦後最大の好景気って何の話?」 
6割の世帯が「生活が苦しい」、厚労省調査が話題に
2019年07月06日 キャリコネ

厚労省が2日に発表した2018年の国民生活基礎調査の結果が話題になっている。
同日のキャリコネニュースでも伝えたが、特に「生活が苦しい」と答える世帯が4年ぶりに増加し、全世帯の57.7%となったことが注目を集めた。

ネット上では匿名掲示板にいくつもスレッドが立ち、2000以上のコメントが上がったガールズちゃんねるでは、
「こんなんで増税なんて鬼だ」
「税金どんどん上がるのになんで給料増えないのさ?」
「20代で真面目に働いて納税してます。税金がなければ普通の暮らしができるのに」 など、苦労がしのばれる嘆きや怒りの声が相次いだ。(文:okei)

「高齢者も専業主婦も生活が苦しくて働きに出ているのに」
同調査によれば、1世帯あたりの平均所得額は551万6000円で4年ぶりに減少。
昨年より8万6000円下がっている。
中央値は423万円で、平均551万6000円以下の世帯は6割を超える。
厚労省は、相対的に所得の低い高齢者が増えていることが平均所得額を押し下げていると分析しているが、景気の悪い話ばかりで目の前が暗くなる。

消費税だけでなく、給料から引かれる社会保険料などの重さに悲鳴を挙げる人も多かった。
「手元に残らないお金のために働いている。それなのに年金もらえる年齢は上がる一方もうやくざだよ、金の取り方が」と書く人も。
5ちゃんねるでも1000を超えるスレッドが次々に立ち、政策・政権批判も目立った。
「鬼のように社会保険料持ってかれてさらに増税だ?ふざけるな!」
「ひどい下がり方じゃね 消費増税して大丈夫なの?」
「働き方改革でサラリーマンの残業カットされたのが最大の原因」
「アベノミクスで戦後最大の好景気ってのは何の話なの?」 などのほか、

「年金だけでは生活が苦しくて働きに出ているのに、まるで"生きがいをつくってやった"と言わんばかり。
(中略)専業主婦も生活が苦しくなり働きに出ているので、雇用が増えていることになる」など、過去から現在までのこんな政策のせいで倒産やリストラ、非正規雇用が増えた、と呪いのように長文を並べる人も複数見られた。

「地方なんて子持ちで夫婦共働きでも世帯年収300万くらい普通だぞ」
他方、5ちゃんねるには「すいません、高齢者じゃないのに世帯収入が350万ぐらいですが」など、平均所得と比較して自分の低収入を嘆く人も多かった。

「児童がいる世帯の平均所得」が740万6000円であることに「まじで?」とショックを受ける人も少なくない。
「地方なんて子持ちで夫婦共働きでも世帯年収300万くらい普通だぞ740万円なんて嘘だよな 嘘って言ってくれ」
「地方の現実を言うとバカにされる」と書いた人は、周囲には300万円くらいの世帯が結構多いと明かし、「700は嘘だと言って欲しい。格差ありすぎ」と嘆いた。

年収と所得なので単純比較はできないが、同調査によると、世帯所得が一番多い層は「100〜200 万円未満」と「200〜300万円未満」(13.7%)で、
次いで「300〜400 万円未満」(13.6%)だ。

平均所得(551万6000円)を聞くと超えない人が6割なのだから、比べてしまうと落ち込む人は多い。
しかし、あまりに統計の数字を気にし過ぎるのも考えものだ。
それぞれに意味を汲み取り、参考として捉えるほうがいいだろう。

不満の大きい人は参院選での投票を忘れずに。投票日は7月21日だ。
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2019年07月10日

傷つきやすい人に"無理しないで"は逆効果

傷つきやすい人に"無理しないで"は逆効果
2019年07月09日 PRESIDENT Online
MP人間科学研究所代表 榎本 博明

嫌なことがあるとひどく落ち込み、なかなか立ち直れない人がいる。
MP人間科学研究所代表の榎本博明氏は「こういった人は、困難な状況にあっても、心が折れずに適応できるレジリエンス(回復力)が低いことが多い。早く立ち直れないのは性格ではなく、記憶の管理法に問題がある」と指摘する――。

※本稿は、榎本博明『なぜイヤな記憶は消えないのか』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■自分が嫌だと嘆くのに気晴らしに逃げている
自分の毎日の生活がパッとしないとか、外で人と一緒にいれば気が紛れるが家に帰ってひとりになると気分が落ち込み憂鬱になるなどと言いながら、何も生活を変えようとしない。
そんな人があまりに多い。

自分が嫌だと嘆きつつ、そんな自分を変えようという動きがない。
これではいつまでたっても憂鬱な毎日から抜け出すことはできない。
そのような人は、自分のことを嘆きはするが、自分と向き合うということがない。
テレビを見たり、音楽を聴いたり、ネットで検索したり、ゲームをしたり、SNSでやりとりしたりと、気を紛らすことをするばかりで、自分と向き合わない。
まるで自分と向き合うことを怖れるかのように、気晴らしに没頭し続ける。

「人間は意味を求める存在である」とし、意味を感じられないことからくる空虚感が多くの現代人を苦しめているとした実存分析の提唱者である精神科医フランクルは、気晴らしによって虚しさに直面することから逃げている人があまりに多いとし、気晴らしの弊害を指摘している。

■「無理しなくていい」という心のケアの決まり文句
家に帰ると、すぐにテレビをつける。
パソコンを立ち上げる。
虚しさに、つまり納得のいかない自分自身に直面するのを避けるべく、ひたすら気晴らしに走る。
スマートフォンの登場が、そうした傾向に拍車をかけている。
電車の中でも、家にいても、スマートフォンを手放せない。
絶えずいじりながら、自分と向き合う瞬間をことごとく避けている。
それによって、自分の中の虚しい思いに直面せずにすむ。
暗黒の裂け目に吸い込まれそうな恐怖を味わわないですむ。

気晴らし的な娯楽の場や道具がつぎつぎに開発されることで、自分と直面する機会が奪われる。
そのせいで自分を変えるチャンスも逃すことになる。
そうした気晴らし的な娯楽に加えて、「そのままの自分でいい」「無理しなくていい」という心のケアの決まり文句が、後ろ向きに開き直る人物を大量生産している。

ありのままの自分を受け入れる、つまり自己受容が、前向きに生きる上で重要な意味をもつのは言うまでもない。
だが、それは、まだ未熟で至らないところもたくさんあり、理想にはほど遠いが、日々一生懸命に頑張って健気に生きている自分を認めてあげよう、まだまだ未熟だからといって責めるのはやめよう、そのままに受け入れよう、という意味である。

■早く立ち直れるかは心の「回復力」次第
そのまま成長しなくていい、今のままでいいというのではない。
そのままでいい、変わる必要ないというなら、いつまでたっても傷つきやすい心を抱えて、事あるごとに酷く落ち込み、いったん落ち込むとなかなか立ち直れず、そんな自分に自己嫌悪して、うつうつとした人生をずっと送り続けなければならない。 それでいいのだろうか。
そんな人生を望むだろうか。

できることなら、ちょっとしたことでいちいち傷ついたり落ち込んだりしないですむように、もっと前向きに生きられる強い心を手に入れたいと思わないだろうか。
そもそも「そのままの自分でいい」「無理しなくていい」という心のケアの決まり文句は、心が酷く傷ついて病理水準にあるときに、こんな状態で頑張れというのは酷だということで、現実生活から緊急避難させて一時的に保護するためのものだ。
それを日常場面に当てはめる風潮が広まったせいで、日頃から努力することも頑張ることもせず、自己コントロール力を高めることもせず、弱く未熟で傷つきやすい自分をそのままに生きている人が目立つようになった。

■落ち込んでばかりいても、状況の改善は望めない
心が鍛えられていないため、ちょっとしたことにも酷く傷つく。
何かにつけて自信がない。
自信がなく不安が強いため、他人の何気ない言葉や態度を必要以上に気にする。
嫌なことがあるたびに大きく落ち込み、前に進めなくなる。
前向きに頑張ることができないため、パッとしない人生になる。
その結果、不満や愚痴だらけになり、自分に嫌気がさしてくる。
心が鍛えられていないためにレジリエンスが低いのだ。

レジリエンスとは、復元力と訳され、もともとは物理学用語で弾力を意味するが、心理学では回復力とか立ち直る力を意味する。
もう少し具体的に説明すると、レジリエンスとは、強いストレス状況下に置かれても健康状態を維持できる性質、ストレスの影響を緩和できる性質、一時的にネガティブ・ライフイベントの影響を受けてもすぐに回復し立ち直れる性質のことである。

要するに、嫌なことがあったときはだれでも落ち込むが、そこからすぐに立ち直れるか、長く尾を引くかは、レジリエンスしだいというわけだ。
どうしたら打開できるかわからないような困難な状況に置かれれば、だれだって心に負荷がかかり、落ち込んだり、悩んだり、絶望的な気持ちになったりする。
でも、そこで諦めて投げやりになったり、落ち込んでばかりいても、状況の改善は望めない。
ますます自分が追い込まれ、悲惨な気持ちになるだけだ。

■「無理しなくていい」を平常時まで多用しない
そこで問われるのがレジリエンスである。
困難な状況にあっても、心が折れずに適応していく力。
挫折して落ち込むことがあっても、そこから回復し、立ち直る力。
辛い状況でも、諦めずに頑張り続けられる力。

このようなレジリエンスが欠けていると、困難な状況を耐え抜くことができない。
そんなときに口にするのが、「心が折れた」というセリフだ。
レジリエンスの高い人は、どうにもならない厳しい状況に置かれ、気分が落ち込むことがあっても、心が折れることはなく、必ず立ち直っていく。
スポーツ選手が大ケガをしたとき、「ケガが治るまでは筋トレや練習のことは忘れてゆっくり休んでなさい」というのは間違っていない。

だが、ケガが治った後や、そもそもケガをしていない選手にまで、「筋トレや練習のことは忘れてゆっくりしなさい」などと言うだろうか。
そんなことを言っていたら力のある選手は育たない。
ゆえに、大切なのは、「そのままの自分でいい」「無理しなくていい」といった緊急時の心のケアのセリフを平常時に適用しないことだ。
そして、レジリエンスを高めるべく、心を強くする工夫をすることだ。
その際に、記憶とのつきあい方が重要な鍵を握ることになるのである。

■すぐに傷つく原因は性格ではなく、記憶システムにある
心のケアのセリフに平常時から馴染んでしまっては、どんどんレジリエンスの低い人間になり、忍耐力、協調性、やる気、感情抑制力などの非認知能力が低下してしまう。
傷つきやすく、何かにつけて落ち込んだり、ヤケになったり、頑張らねばならない局面でもやる気が湧いてこなかったり、すぐに諦めたり、人とうまくやっていけなかったりして、仕事でも私生活でも苦労しなければならない。

実際、軽いうつが、現代型うつなどと呼ばれて、目立つようになっている。
本人はほんとうに落ち込んで辛いのだろうが、多くの人がそれほど反応しないようなことにも過敏に反応してしまう。
それで本人も大変な思いをするが、周囲も迷惑を被る。

ちょっとしたことで傷ついたという心の傷シンドロームともいうべきものも増えている。
他の人なら傷つかないようなことにも酷く傷ついてしまう。
その結果、被害者意識が高まり、自分の受け止め方の過敏さは棚上げして、他罰的になりやすい。
本人が辛いのは事実としても、何気ない言動に傷ついたとされては、周囲も対応に困ってしまい、ときに腫れ物に触るような扱いになる。
いずれにしても、このような落ち込みやすく傷つきやすい心を抱えていては、仕事面でも躓きやすいし、人間関係もぎくしゃくしてしまう。
その結果、自分の世界を狭めてしまう。

その落ち込みやすい心の構え、傷つきやすい心の構えを何とかする必要がある。
そこにも記憶の整理の仕方が関係している。
そこを変えなければ、苦しい心理状況から脱することはできない。
何かと落ち込んだり傷ついたりするのは、他人が悪いわけでもなく、自分が悪いわけでもない。
記憶システムが悪いのだ。
だから、そこを変えれば、タフな心が手に入り、前向きの人生に転換できる。

■人間としての成長機会を奪われていないか
これでわかっていただけたかと思う。
「そのままの自分」ではダメなのだ。
自分の心を鍛えることをしないと、ちょっとしたことにも傷つきやすい人間、いざというときにも頑張ることのできない人間になってしまう。
そうなったら、だれよりも本人が一番辛いはずだ。
同じような目に遭っても、立ち直れないほどに傷つき落ち込む人もいれば、飄々と乗り越えていく人もいる。
できることなら、立ち直れないほどのダメージを負って苦しい世界に足踏みするより、前向きに乗り越えていきたいものである。

「そのままの自分でいい」「頑張らなくていい」式の心のケア文化の中で甘やかされてしまうと、現実においてちょっとした困難にぶつかるたびに苦しむことになり、意味ある人生を切り開く力のないひ弱な人間になってしまう。
それは、一見大事にされているようでありながら、じつは人間としての成長の機会を奪われている。
心地よく前向きに生きていく人生を手に入れるチャンスを奪われているのである。
ここは一念発起して、自分を成長軌道に乗せるべきだろう。
そのためにも、自分をダメにしない発想の転換が必要だ。

■記憶と健康的に付き合えば前向きになれる
そこで必要なのが、自己改造である。
そのための効果的な方法が記憶健康法だ。
改めて念を押しておくが、それは記憶との健康なつきあい方であって、記憶力を高める方法ではない。

記憶健康法とは、記憶をうまくコントロールし、使いこなして、イキイキとした、また安定感のある、前向きで健康な人生を導くための方法である。
ちょっとしたことで傷ついたり、うつ的な気分に落ち込む人が急増している。
いったん沈み込むとなかなか浮上できないという人も少なくない。
そうした徴候も、記憶のあり方に問題があるのだ。

記憶健康法を習得して、記憶を整えることができれば、傷つきにくく落ち込みにくい心が手に入る。
どんなときも前向きの気持ちを失わず、頑張ることができるようになる。
人生とは記憶である。
すでに述べたように、自分に価値を感じるのも感じられないのも、自信がもてるのももてないのも、すべては記憶しだいである。

■「不健康な記憶」に支配されてはいけない
何とかなるさと楽観できるのも、どうにもならないような悲観的な気分に襲われるのも、記憶しだいである。
明るい展望を描くことができるのも、描くことができずに閉塞感に苛まれるのも、記憶しだいである。
他人を信頼できるのも、だれに対しても不信感が拭えないのも、これも記憶しだいである。

何もやる気がしないというのも、人生に前向きになれないというのも、自分に自信がもてないというのも、人を信用できないというのも、すべては不健康な記憶に支配されているのである。
自分の人生は挫折だらけ。自分の人生はどうにもパッとしない、もっと輝きたい。
将来に何も希望がもてない、明るい展望がない。
こんな状態から脱するには、記憶システムを健康なものに変えていく必要がある。
たとえば、記憶を整える必要がある。
そして、記憶へのアクセスの仕方を調整していく必要がある。
今すぐ記憶健康法を実践して、前向きの人生を手に入れよう。

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榎本 博明(えのもと・ひろあき)
MP人間科学研究所代表 心理学博士。
東京大学教育心理学科卒業。
東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。
カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て現職。
『なぜ、その「謙虚さ」は上司に通じないのか?』、『「忖度」の構造』ほか著書多数。
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2019年07月13日

寝ても疲労が取れない人に試してほしい休息法

寝ても疲労が取れない人に試してほしい休息法
2019/07/11 yoga

寝ても取れない疲労を抱えていませんか?
私たちの身体は本来、充分な睡眠を取れば疲れはリセットされ、翌朝にスッキリと目覚められるようにできています。
しかしながら現代人は、『疲れたら、寝る』だけでは抜けない疲労を抱えている場合がとても多いのです。
デジタル技術が進化し、コミュニケーションの速度がひと昔前に比べ格段と早くなり、その早さに対応するべく脳はフル回転。
自然の摂理に沿った生活が難しい現代では、本来備わっている回復の力を発揮しづらいということを、誰もが本能的に感じているのではないでしょうか。

そもそも疲労とは、身体が休息を必要としていることを脳に知らせるためのもの。
疲れを感じることで身体の活動を停止させ、強制的に休息を取れるようになっています。
しかし、興奮したり気を張っていたりすると、疲労というサインを脳が無視してしまう。
その結果、疲労がまだ回復していない状態で活動を続けてしまい、どんどんと疲労が蓄積されていくのです。
この状況下では身体も脳も、覚醒した状態で頑張り続けてしまいます。

特に現代は、脳を覚醒した状態に保つことが多く、脳に疲労が溜まりやすいといわれています。
今回は、この『寝ても取れない疲れ』にフォーカスし、ヨガニードラを使った疲労回復方法、特に脳を休ませる方法をご紹介していきます。

ヨガニードラで現れるリラックスの脳波 『何も考えずにボーッとすれば、脳は休まる』と思われがちですが、ボーッとしているつもりでも脳は活動しているもの。
いくら身体を休めていても、または睡眠中でも、脳は一定の活動をしています。
それでは、そんな『働きものの脳』を、どのように休ませてあげれば良いのでしょうか?
瞑想やヨガニードラといったヨガの練習は、脳の疲労を取り除く方法として優れているということが、最近の研究ではかなり詳しく解き明かされています。

何千年も前から伝わるヨガの練習法の優れた点が、現代の科学によって解明されるというのはとても興味深いことです。
ヨガニードラの分野では特に、その疲労回復効果が脳波の測定によって立証されています。
ヨガニードラの練習中は、脳にアルファ波という脳波が現れやすいといわれています。
アルファ波とは、リラックスした状態のときに現れる脳波の一種です。

理論的に物事を考えている時、また緊張状態にある時には出現しない脳波で、ストレスの緩和にも役立つともいわれています。
また、反対のステータスのようにも感じるかもしれませんが、集中力が研ぎ澄まされているときにもアルファ波が検出されます。
まどろんだ状態でひらめきが生まれやすいのはこのためです。

ヨガニードラの練習中は、なるべくまどろみの状態を保とうと努めるのですが、そのまどろみの状態ではアルファ波が多く出現します。
つまり、ヨガニードラの練習中は、身体も脳も心地の良いリラックスの状態にあり、更にこの状態を保つ練習をしているということなのです。
また、アルファ波を保つ時間が睡眠中よりも長いので、眠るだけでは取れない脳の疲れにも有効的です。

ヨガニードラで脳に意識的な休息を
それでは実際に、ヨガニードラの練習をしてみましょう。
今回はより身近に練習していただけるように、座った状態での練習方法をお伝えします。
声のガイダンスを使った方が練習はしやすいですが、下記のように意識を自分の内側で巡らせるだけでも練習は行えます。

リラックスしながら気軽に試してみましょう。
@環境を整える
・落ち着ける静かな場所を選ぶ
・朝でも日中でも夜でも、好きな時間帯でOK

A座って体勢を整える
・背筋を伸ばし、身体の左右を対象にする
・背もたれや壁を使っても良い
・椅子に座って行っても良い

B呼吸を整える
・口から何回か溜め息をつき、余分な緊張を解放してから始める
・自然な鼻呼吸を繰り返す
・ヨガニードラ中は呼吸をコントロールしない

C身体の細かい部分に意識を巡らす
・手や足など末端から徐々に意識を移行させ、更にその部分が『リラックスした』と感じる

【例】右手の手のひらがリラックスしたと感じる→右手の親指、人差し指、中指、薬指、小指がリラックスしたと感じる→右手の手首、肘、肩、右腕全体、がリラックスしたと感じる→右の肩甲骨の周り、腰、お尻がリラックスしたと感じる→右のももの後ろ側、膝の後ろ、ふくらはぎ、足首がリラックスしたと感じる→右足のかかと、土踏まず、右の背面全体がリラックスしたと感じる→右足の親指、人差し指、中指、薬指、小指がリラックスしたと感じる→右足の甲、足首、すね、膝、ももの前側、足の付け根がリラックスしたと感じる→右のお腹、胸、肩がリラックスしたと感じる→右の前側全体がリラックスしたと感じる →左側も同じように繰り返す

D自然な呼吸を繰り返しながら、呼吸をカウントダウンする
・吸って吐いて11、吸って吐いて10・・・と11から1まで呼吸を数える

E自分がリラックスしている状態を思い描く
あまり難しく考えず、ぜひ気軽にヨガニードラの練習を実践してみて下さい。
練習を繰り返すうちに、リラックスの状態(アルファ波の現れている状態)を長く保てるようになっていきます。
すると次第に、脳の疲労が緩和されていくことでしょう。
そして、眠ることだけでは取れない疲れも緩和されていくはずです。

ライター/井上敦子
15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。
不眠症をヨガで克服した経験を持つ。
リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。
週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。Instagram:@yoga_atsuko.inoue 
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2019年07月16日

ニセ科学「ホメオパシー」の実践が危険な理由

ニセ科学「ホメオパシー」の実践が危険な理由
毒物の「ヒ素」でさえ薬にしてしまう謎理論
2019/07/15 東洋経済オンライン

名取 宏 : 内科医

今年2月、参議院議員の山本太郎氏が、日本母親連盟を批判する際に取り上げたことでも注目を集めた民間療法「ホメオパシー」。

ヨーロッパ発祥の民間療法の実践が危険な理由とは?

 同療法に詳しい内科医の名取宏(なとり ひろむ)氏が解説する。
みなさんは「ホメオパシー」という言葉を聞いたことがありますか? 
ヨーロッパ発祥の民間療法の一種なのですが、日本では主に妊婦さんや出産後のお母さん方のあいだでホメオパシーが使われています。
助産師から勧められたり 、母親同士のネットワークで広まったりしているようです。
みなさんも子育て中に「自然療法のホメオパシーを始めたんだけど、子どもの免疫力が上がって副作用もなくて、薬にも頼らなくてすむし本当にいいよ。やってみない?」と声をかけられることがあるかもしれません。

ホメオパシーの利用者は、子どもに対しては化学物質を避け、できるだけ安全で安心なものを使いたいと考えている人に多いようです。

「ヒ素」が薬になる独自理論

ホメオパシーには、毒物を薄めると毒を打ち消す薬になり、しかも薄めれば薄めるほど効果が強くなるという独特の考え方があります。
ヒ素が毒物であることは、みなさんご存じですね。
そのヒ素を水やアルコールといった液体に溶かし、10倍や100倍に薄めて振り混ぜることを何十回も繰り返し、最終的にその液体を砂糖玉に染み込ませたものが、ヒ素の毒に効くという理屈です。
この砂糖玉を「レメディ」と言います。
レメディは錠剤に似ていて、いかにも薬という形をしていますが、薬効成分は含まれていません。

物質としてのヒ素は何度も繰り返し薄められているため、ヒ素のレメディには残っていません。
元の成分は含まれていないため、安全だというわけです。
元の成分が残っていないのになぜ効果を発揮するのかというと、ヒ素の情報が水に記憶されているのだそうです。
水の記憶は「バイタルフォース」や「波動」といった一見科学的に思える用語で説明されることもあります。
でも、効果だけあって副作用はないようなよいものであれば、病院でも使われているはずではないでしょうか。

日本でホメオパシーを利用している医師は、きわめて少数です。
「ホメオパス」と呼ばれるホメオパシーの「専門家」がいるにはいますが、民間のホメオパシーの団体が独自に認定した資格にすぎず、国家資格ではありません。
「水の記憶」や「波動」にも科学的根拠はありません。
ホメオパシーの理論で言えば、ヒ素のレメディはヒ素中毒に効くはずですが、実際にはヒ素中毒に対してではなく、不安や焦燥感に使われています。
ヒ素中毒が、不安や焦燥感といった精神症状を引き起こすからでしょう。
よく言えば柔軟で、悪く言えばいい加減です。

ヒ素だけでなく、ほかにもじつに多種類のレメディがあります。
アロエ、ベラドンナ、毒グモ、ヒゼンダニ、犬の乳、亜鉛、硫黄、水銀など。変わったものでは、ベルリンの壁のレメディや般若心経のレメディがあります。

民間療法というより「加持祈祷」のたぐい

般若心経のレメディがいったい何に効くというのでしょうか。
ホメオパシーの理論によると、般若心経のレメディは般若心経によって生じる症状に効くことになりますが、あるホメオパス(ホメオパシー治療を行う者)のブログによれば、成仏していない霊の憑依(ひょうい)や生霊に使うのだそうです。
もはや民間療法というより加持祈禱の類ですね。

生霊に効かすつもりなら、生霊を何度も繰り返し薄めたレメディを使わなければならないはずですが、さすがに材料の生霊が手に入らなかったのでしょう。
また、レメディは結構お高いです。
例えば、小ビンに入った般若心経のレメディはネットショッピングのサイトで税込2052円で売られていました。
ホメオパシーでは症状に合わせてレメディを選んで使うので、多種類のレメディを準備しなければなりません。
よく使う種類のレメディがセットになったものは1万円以上の値段がついています。

ホメオパスに相談すると、これまたお金がかかります。
保険はききませんので全額自費です。
値段が高くても、効けばまだいいでしょう。
でも、これらのレメディに効果はありません。
薬に効果があるかどうかは、その薬と似たニセの薬と比べてみることで証明できますが、臨床試験でレメディに似せたニセの薬と比較したところ、差がないことがはっきりわかっています
※1 Shang A et al. Are the clinical effects of homoeopathy placebo effects? Comparative study of placebo-controlled trials of homoeopathy and allopathy., Lancet. 2005 Aug 27-Sep 2; 366 (9487): 726–32.)。
レメディには薬効成分は残っていませんから当然です。

レメディに特別な効果がなくても、効いたように誤解することはあります。
例えば、不安に効くとされるヒ素のレメディを飲んで、不安がやわらぐこともあるでしょう。
レメディに特別な効果がなくても、単になんだか薬っぽいものを飲んだことが安心感をもたらすのです。
あるいはレメディを使ったあとに風邪が治ったとして、単に自然治癒しただけなのにレメディが効いたと誤認することもあります。

つまり、ホメオパシーは、いわばおまじないのようなもの。
転んで膝を擦りむいた子どもに、「いたいのいたいの、とんでけー」と言ってあげると泣き止むのと同じです。
薬効成分が含まれていないレメディには副作用はありません。
おまじないとしてはよくできています。
ホメオパシーがヨーロッパにおいて伝統的な民間療法として残ってきたのも、こうした理由があるのでしょう。
おまじないですから、ベルリンの壁でも般若心経でもなんでもありなのです。
おまじないとしてだけ使用されていれば、ホメオパシーの問題点は高価であることくらいでした。
しかし、残念なことに、おまじない以上の効果が信じられているせいで、子どもに実害が生じています。

「ワクチンが毒」という謎理論

インターネットでは、さまざまなホメオパシーの体験談が語られています。
例えば、中耳炎の子どもに対して母親がホメオパシーによる治療を続け、2週間以上も高熱が続いたケースでは、祖父母から「孫を殺す気か」と言われて総合病院を受診し入院となりました。
ホメオパシーは単なるおまじないだとわかっていれば、数日も熱が続けば病院を受診するでしょうに。

この事例は、子どもに必要かつ適切な医療を受けさせていないので、児童虐待の一種である医療ネグレクトとみなされます。 ホメオパシーは「ワクチンは毒だ」という主張と結びついていることもあります。
ホメオパシー団体の言い分によると、「ワクチンの成分を薄めたレメディによって病気が治った。
よって、ワクチンは病気の原因に違いない」ということのようです
※2 日本ホメオパシー医学協会の予防接種に対する見解)。

しかし、先に述べたとおり、レメディによって本当に病気が治ることは証明されていません。
レメディを使ったことによる安心感や、レメディが効くに違いないという思い込みから、病気が治ったと誤認しただけだと私は思います。
実際には、ワクチンはさまざまな病気を防ぎます(※3 Facts for Parents: Diseases & the Vaccines that Prevent Them)。

レメディそのものは、ただの砂糖玉なので安全で無害ですが、「ワクチンは毒だ」という考えは有害です。

ホメオパシーの有害な考えが引き起こした死亡事例もあります。
赤ちゃんは出血を予防するビタミンKが不足しがちなため、本来は生後すぐにビタミンKのシロップが与えられます。
しかし、ホメオパシー団体の指導者は、「ビタミン剤の実物の投与があまりよくないと思うので、私はレメディーにして使っています」
「ホメオパシーにもビタミンKのレメディーはありますから、それを使っていただきたい」などと言っていました(※4 由井寅子 『ホメオパシー的妊娠と出産』 ホメオパシー出版)。

2009年、ビタミンK欠乏症による出血で生後2カ月の赤ちゃんが亡くなるという事件がありました。
その赤ちゃんは、ホメオパシー団体に所属している助産師によって、本物のビタミンKではなく、ビタミンKのレメディを与えられていたのです。
ビタミンKのレメディはただの砂糖玉ですから、ビタミンKの代わりにはなりません。

医療関係者でさえ信じていた

ホメオパシーの指導者たちも、助産師もホメオパシーがおまじないであることをわかっていなかったのです。
この事件は民事訴訟になり、助産師側が和解金を払うことで和解が成立しました。
でも、いくらお金をもらっても、赤ちゃんの命は戻りません。
この事件を受け、日本学術会議は「ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題」「医療関係者がホメオパシーを治療に使用することは認められません」という会長談話を発表しました(※5 「ホメオパシー」についての会長談話)。

しかし、残念ながら、医療従事者であるはずの助産師の中には、ホメオパシーを使用している人もいます。
日本助産師会は「助産師がホメオパシーを医療に代わるものとして使用したり、勧めたりすることのないよう、継続的な指導や研修を実施し、会員への周知徹底」を図っています。

もしみなさんが、助産師からホメオパシーを勧められたとしたら、その助産師は日本助産師会の指導に反しているものと思ってください。
ホメオパシーを使用していた助産師は、自然な出産にこだわりがあったようです。
ホメオパシーが受け入れられる背景に「自然は安全で、薬や注射は不自然で危険」という思い込みがあると思います。

中耳炎が治らないのになかなか病院を受診しなかったり、ワクチンを否定したりするケースも、そうした考えが背景にあります。

自然が本当に安全なのか、よく考えてみましょう。
医学が発展するまでは、たくさんの子どもたちが死んでいました。
死亡統計がとられるようになった明治時代には、1年間における乳児死亡率は1000人あたり約150人でした。

ホメオパシーが危険なシンプルな理由

現在の日本の乳児死亡率は1年間において1000人あたり約2人。
つまり、1歳になるまでに1000人の赤ちゃんのうち2人くらいが亡くなるということです。
これは歴史的に見ても、現代において他国と比較しても大変少ない数です。

明治時代の日本では、現代の日本と比べて、約75倍もの赤ちゃんが亡くなっていました。
江戸時代には、子どもの半数が成人するまでに死んだといいます。
その死因の多くが天然痘(てんねんとう)や麻疹といった感染症でした。
天然痘も麻疹も、今ではワクチンで予防できる病気です。

本来の「自然」は、多産多死です。
現在の日本の社会では子どもが亡くなることが珍しくなったためか、自然が本来安全ではなかったことが忘れられています。

「自然は安全」という誤解に基づいて適切な医療を遠ざけるからこそ、ホメオパシーは危険なのです。
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2019年07月17日

「人に迷惑」を異常に恐れる日本人の病理

「人に迷惑」を異常に恐れる日本人の病理
2019年07月16日 PRESIDENT Online
精神科医 和田 秀樹 

今年6月、元農水事務次官だった男性が44歳の長男を殺害するという事件が起きた。
精神科医の和田秀樹氏は「元次官は子育ての悩みを誰にも打ち明けていなかったのではないか。
自分ひとりで問題を抱え込むと、やがて心理的視野狭窄となってしまう。
元次官には『甘える勇気』が足りなかった」という――。

■東大法学部→農林水産事務次官→長男殺害の、残念すぎる末路
今年6月、東京大学法学部卒で元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者(76歳)が44歳の長男を包丁で殺害し逮捕された事件は、まだ記憶に新しい。
事務次官ということは、省庁での出世競争に勝ち抜いてトップになったということだ。
東大を出たからといっても必ずしも、官僚のトップには立てるわけではない。
この次官はエリート中のエリートにもかかわらず、なぜ実の息子を殺すなんていうバカなことをしたのか。

このニュースが耳目を集めたのは、息子が中学2年生くらいから家庭内暴力を始め、引きこもりに近い生活をしていたということもある。
ちょうど、「8050問題」が話題になっていた。
5月28日、バス停にいた私立カリタス小学校の児童や保護者ら20人が殺傷された川崎殺傷事件。
犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51歳)が長年引きこもり生活をしていて、その面倒を80代の伯父夫婦がみていた。
この事件をきっかけに、引きこもりが高齢化して50代となり、親が80代で破綻寸前の家庭がたくさんあるという8050問題についての報道が再燃したのだ。
元次官の息子殺しのケースは7040問題というほうが正確だが、高齢の親が中高年の引きこもりを殺したという点では、家庭の構造は8050問題と同じと言える。

■「息子があの事件の容疑者のようになるのが怖かった」
44歳の長男は元次官の妻である母親に暴力をふるっていたという。
事件当日は、家に隣接する小学校で運動会をやっており、これに対して「うるせぇな。ぶっ殺してやるぞ」と長男は騒いでいた。
ここで口論が起こり、その際、元次官の頭に川崎の事件がよぎり、「息子があの事件の容疑者のようになるのが怖かった」「周囲に迷惑をかけたくないと思った」と供述したという。

多くの引きこもりの子、とくに家庭内暴力をふるう子を持つ親なら、あるいは、想像力のある人なら、この気持ちは痛いほどわかるかもしれない。
とはいえ、人を殺していいわけがない。
裁判では情状酌量を受けるだろうが、殺人で執行猶予がつく確率は高くない。
元次官は、その瞬間、やはりバカになったのだと私は思う。
その心のメカニズムを考えてみたい。

■元事務次官のエリートは「バカ」になったのか
ひとつには心理的視野狭窄がある。
確かに川崎の事件はセンセーショナルなものだったが、引きこもりの子どもの多くはそうした凶悪な犯罪を起こさない。
引きこもりの人は今、全国に100万人くらいはいると推定されているが、8050問題と言われるようなケースであんな大量殺人を起こしたケースはこれまでになかったのではないか。

元次官は農水省トップとして日常の仕事の中で各種統計にも触れていたはずだ。
客観的な「数字」で状況を冷静に分析・判断する。
複数のデータを照らし合わせて、事実を突き詰める……。
息子を殺すという行為にはそうした理知的なものが一切含まれていない。
息子を生かしてはおけない。そんな気持ちに支配され、自分の恐れていることにばかりに目がいってしまう心理的視野狭窄の状況に陥ると、自分の考えや予想は100%正しいと思い込んでしまうことがある。
その結果「殺人」という行動になってしまったのではないか。

■「なぜ周囲に助けを求めなかったのか」
精神科医である私が不可解に思ったのは、元次官が「なぜ周囲に助けを求めなかったのか」ということである。
私のクリニックは主に高齢者を対象とする。
患者の中には、精神障害者の子をもつ親世代の患者もいるが、8050問題に当てはまる人がいるかどうかはわからない。
これまでのところ、そうした事情を吐露する患者はいなかった。

一方、その逆はかなりの人数を診ている。
要するに、老親の介護を抱え込みうつになってしまうようなケースだ。
実際、これは8050問題と比較にならないくらいの悲劇を生んでいる。

介護をする子どもが高齢者の親に対して暴力を働いて殺したりケガをさせたりするケースは少なくないが、それ以上に多いのは、親を世話する子どもの側が介護うつとなるケースであり、中には自殺にまで発展する深刻なケースもある。
幸いなことに、私の患者には「介護殺人」「介護自殺」に関わった方はいないが、介護でうつになった方はかなりの数になる。
とりわけ長年、親を在宅介護していて精神的にも肉体的にも限界にきているにもかかわらず、介護施設に親を預けることに対して強い罪悪感を抱き、自分が無理に無理を重ねダウンしてしまう事例が多い。
また、介護保険を使った介護サービスを利用することにさえ抵抗感をもって、自分ひとりで介護を抱え込んでしまったケースもある。
これまで税金や介護保険料を払い続けてきたのだから、もっと「公」に頼っていいのに、あるいは周囲の人に頼っていいのに、それができなかったばかりにうつになり、共倒れの状況になってしまう。

■誰にもSOSを出せぬまま30年間が過ぎた結果
おそらく、件の元次官も自分が元官僚という立場にあるという世間体や見栄などが災いして、周囲に弱みを見せたり、泣き言を言ったり、あるいは公的なサポートを受けることができなかったのではないか。
ある週刊誌の記事では、農水省時代の同期が、事件を起こす直前の元次官の様子に関するコメントを紹介していた。
「いつも通り、元気そうに見えましたけどね。
息子さんと娘さんがいることは何となく知っていましたが、その時も特に家族の話はしていませんでした」(『週刊新潮』2019年6月13日号)
かなり追い詰められた状況にいながら、人に一切弱みを見せることができなかったようだ。
おそらく相談に乗ってもらう人もいなかったのだろうし、公的機関に相談に行くこともなかったのだろう。
そんな日が、被害者が中学生の頃から30年も続いていたことになる。

■なぜ日本人論の名著『「甘え」の構造』が読まれなくなったのか
これでは心理的視野狭窄が起こってもしかたない。
ただ、これは子が親を看る、親が子を看る介護や面倒の話に限ったことではない。
宗教学者の山折哲雄氏が以前、面白い指摘をしているのを目にした。
それは、戦後の日本を象徴する日本人論の2つのベストセラー『タテ社会の人間関係』(中根千枝著、1967年刊)と『「甘え」の構造』(土居健郎著、1971年刊)のうち、タテ社会のほうは今でも売れ続けているのに、『「甘え」の構造』のほうは2000年を境に読まれなくなったということだ。

要するにタテ社会は今でも続いているが、甘えを基盤とする社会が崩壊したのではないかという指摘である。
『「甘え」の構造』はタイトルから誤解されることが多いが、「甘え」を悪いものと考えるどころか、それができないことによって引き起こされる病理を問題にしたものである。
素直に他人の好意を信じることができないから、すねたり、ひねくれたり、ふてくされたり、被害者意識を高めたりする。

確かに山折氏が指摘するように、2000年になる少し前くらいから、日本型の「終身雇用」や「年功序列」が悪い甘えの象徴とされ、「企業の系列」ももたれあいとか甘えとか言われて断罪された。

■セーフティネット「生活保護」受給者をたたく日本社会
さらに生活保護についても、もともとは不正受給が問題とされるべき議論が、いつの間にか「生活保護の人がワーキングプアの人より収入が多いのはいかがなものか」という論調に変化し、政府に頼る受給者に対するバッシングへとつながっていった。
誰もが生活保護というセーフティーネットの世話になる可能性があるにもかかわらず、生活保護で国に食わせてもらっている人はけしからんという空気が醸成されたのである。

人に甘えることが許されなくなった事例は他にもある。
昔は酒の席では、年齢や肩書に関係なく無礼講で言いたいことを言ってもいいことがあった。
いわば「甘え」を認める文化だったが最近は、無礼講と口では言いつつ、その実、暗黙の了解があり、場の空気を壊す人間をKYなどと言って断罪するようになった。

■逆に欧米では相互依存の重要性が強調されるようになった
皮肉なことに、日本が「甘え」から「自立」を目指す社会や文化に変貌している際に、欧米では相互依存の重要性が強調されるようになってきた。

私が90年代初頭のアメリカ留学中から学び続けているハインツ・コフートの自己心理学は心理的依存の重要性を説くもので、現在アメリカでもっとも人気のある精神分析理論である。
自立を求めてつい無理をしがちなアメリカのエグゼクティブにこれが受けているようなのだ。
また、日本でも一世を風靡した「EQ(こころの知能指数)理論」でも、感情のコントロールと同時に重視されるのは共感能力であり、いい意味で「相互に依存する」ことが人間関係を豊かにする重要性が説かれている。
この応用編の理論の中では、暴君型のリーダーシップは古く、共感型リーダーこそあるべき姿として説かれている。
またハーバードやMITのような名門大学で「共同研究のスキル」を教えるようになったことも紹介されている。

■「嫌われる勇気」以上に「甘える勇気」が大事
これは道徳論ではなく、ひとりの能力では限界があるから、助け合える点は助け合って成果を高めようというアメリカ流のプラグマティズムに基づくものだ。
人に頼ることや救いを求めることが、日本社会ではとてもハードルの高いものになりつつあるが、そこで勇気を振り絞って、人に頼り救いを求めることで展望が開けることもあるはずだ。
少なくともメンタルヘルスの改善を期待することができる。

今回の元次官の事件は、こうした「甘える勇気」の欠如がその根底にあると私は解釈している。
それがないと、賢い人ほどメンタルにどんどん追い込まれ、うつ的症状になって本来の能力が発揮できなくなる。
最終的には心理的視野狭窄を起こして、最悪の判断や行動をとってしまう。

「甘える勇気」があれば、メンタル面で健康度が上がって判断・決断も健全なものになる。
また、人との協働によってパフォーマンスを向上させることができる。

今の日本人に、とりわけ頭のいい人がバカにならないために身に付けるべきなのは、「嫌われる勇気」以上に「甘える勇気」だと私は考えている。
その理論や心の持ち方について詳しく論じた『甘える勇気』(新講社)という本を上梓したので参考にしていただけると幸いである。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月18日

お線香を折らずに持ち歩けるライフハック・・・

お線香を折らずに持ち歩ける
ライフハック 粉チーズの
空き容器大活躍
2019年07月16日 おたくま経済新聞(梓川みいな)

 お盆のお墓参りで持っていくお線香。箱のままだとかさばるし、かといって裸で持ち出すとポキポキ折れてしまうし……。そんな時のためのライフハックがツイッターで紹介され、マネしたいという人が続出しています。

 「春にお墓参りに来た義父がパルメザンチーズに線香入れてきてクッソ笑ったので今回ウチも入れてみた。
サイズピッタリだし使いたい分だけ出せるのすごくない?」と、線香入れと化した粉チーズ容器の写真をツイッターに投稿した、ネットユーザーのサチヨさん。

 桜の香りのお線香の箱の横には、粉チーズの容器からちょっと飛び出しているお線香が。程よい感じにお線香が出てくる蓋の部分が、使い勝手がよさそうです。
長さもお線香にピッタリサイズ。

 これを見た人たちからは、「ショートサイズにチョコベビーのプラ容器を使っているけどこれがちょうどいい」とか、「マーブルチョコの空き容器もピッタリサイズで、化粧ブラシもピッタリ」など、実際にリサイクルして使っている人からのリプライが。
 どの容器も、かさばらずにサクッと出し入れしやすい大きさなので、使い勝手がよさそうです。

湿気や衝撃にもある程度強いのも魅力。
しかし、うっかり線香入り容器を食卓の上に置いてしまうと、スパゲティの上にお線香が……という惨事につながりそう。

マーブルチョコの容器なら、まだ開けてみて「チョコ入っていないんかーい」で済まされそうですが。
 粉チーズの容器でも、プラスチック容器なら外装フィルムを剥がすことができるものが多いと思いますので、お線香用など他の用途に転用する場合、外装フィルムは剥がしておくと良いかもしれません。
中身も見えやすくなり、残量確認もしやすくなりますね。
剥がせないタイプなら、大きく「お線香入れ」と書いておきましょう。

 これから本格的なお盆シーズン、今までお線香用の入れ物を持っていなかった人は、こんなリサイクルもいいかもしれませんね。

? <記事化協力> サチヨさん(@sachiyodx2010
posted by 小だぬき at 06:57 | 神奈川 ☀ | Comment(6) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月19日

悪質クレーマーの多くは“かまってちゃん”。どう対応するのがベスト?

悪質クレーマーの多くは“かまってちゃん”。
どう対応するのがベスト?
2019年07月18日 SPA!

悪質クレーマーによる暴言、脅迫、長時間拘束……店員に対して悪態をつきまくる「カスハラ(カスタマーハラスメント)」の問題が深刻化。
理不尽な怒りをぶつけ、不当な要求をしてくる客に堂々と「NO」を突きつける社会はやってくるか!?

◆対抗策の要となるカスハラ加害者の正体
 カスハラに遭遇した場合、スタッフとしてどのように対応したらいいのか。
石崎冬貴弁護士が解説する。
「まずは相手をなだめるためにも『不快な思いをさせて申し訳ありません』と謝ってしまいましょう。
謝罪をしたからといって、法的責任を認めることにはなりません」

 反論はせず、相手の言い分をしっかりと聞くことも重要だ。
その上で店側の見解を相手に提示するが、約束と捉えられることは言うべきではない。
「責任者がいてもその場では回答せず『持ち帰って検討します』と対応します。
相手の勢いにのまれてしまったり、言った言わないの話に発展する恐れがあるためです」
 その後も電話などで執拗に追及してくる場合は「誤解が生じないように、記録が残るメールでやり取りしましょう」と提示するのが効果的。
電話よりもメールは手間がかかるので、面倒になってトーンダウンするケースが多いという。

「カスハラの多くは、誰かにワガママを聞いてほしい“かまってちゃん”なんです。
理屈が通じる相手ではないので、理不尽な要求に対しては『申し訳ありません。できません』という対応を淡々と繰り返すのがベストです。
相手はつまらなくなって、長くても1か月くらいで必ず姿を消します」

 現場任せにするのではなく、企業側がカスハラを想定しておくことも必要だろう。
UAゼンセンの見解を波岸氏は次のように述べる。
「社内でカスハラの対応策や窓口をあらかじめ決めておき、一定の判断基準をつくっておくといいですね。
行き過ぎた迷惑行為などの禁止・処罰規定を定めた“悪質クレーム対策法”の制定も必要でしょう。

サービスを受ける側も与える側も、本来は対等な立場のはず。
啓発活動もしながらお互いが尊重し合える社会をつくっていきたい」
 客商売をしている限り、カスハラは必ず起きるもの。
毅然とした対応で乗り切りたい。

◆<怖がらなくていい! カスハラの脅し文句>
●「ネットに書くぞ!」……「悪評を書く人は何をしても書くと割り切って、星1の評価よりも星5を多く獲得することを目指しましょう」(石崎弁護士

●「訴訟するぞ!」……「理不尽な要求をもとに裁判を起こしても勝てるわけがないので、実際に行動を起こす人はまずいません。たいてい口だけです」(同)

●「消費者センター」に訴えるぞ……「カスハラ対応に慣れている人たちにバトンタッチしてもらえるので、むしろ好都合。こちらは何も痛くありません」(同)

取材・文/西谷 格 ツマミ具依
― カスハラ現場の悲鳴 ―
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2019年07月22日

九州で大雨、5万7千人に避難指示 佐賀で小学生が死亡

九州で大雨、5万7千人に避難指示
佐賀で小学生が死亡
2019/07/21 朝日新聞社

福岡、佐賀両県は20日から21日にかけて、24時間あたり300ミリを超す記録的な雨量を観測した。
福岡県では一時、計5万7千人に警戒レベル4にあたる避難指示(緊急)が出された。
22日も降雨が予想されることから、気象庁は引き続き土砂災害などに対する警戒を呼びかけている。

 朝鮮半島に進んだ台風5号と太平洋高気圧の影響から、暖かく湿った空気が流入し、大雨をもたらした。

 気象庁は、21日午前5時50分までの1時間のレーダー解析で110ミリの大雨が降った可能性があるとして、福岡県久留米市、佐賀県鳥栖市とみやき町に「記録的短時間大雨情報」を出した。

 21日午後2時10分までの24時間降水量は、鳥栖市で323ミリ、久留米市で306・5ミリにのぼった。
ともに観測史上最多を更新した。
久留米市では、18日の降り始めからの降水量が平年の7月の1カ月分を超えた。

福岡県では、久留米市と朝倉市の一部、筑前町全域の計2万2千世帯5万7千人に避難指示が出された。
 久留米市では、避難しようとした女性(94)が転倒し、胸の骨が折れる重傷。
福岡県によると、4カ所で土砂崩れ、床上浸水4件、道路の冠水などの被害が38件あった。

 久留米市では、冠水した道路の中に車が取り残されたり、水しぶきを上げながら走行したりした。
久留米市に隣接する同県小郡市にある「イオン小郡ショッピングセンター」は、周辺が冠水したことなどから、臨時休業を決定。同店は昨年7月の西日本豪雨で浸水し、2カ月以上休業した。

 九州北部は22日正午までの24時間雨量が120〜150ミリと予想されている。

 また、佐賀県唐津市の県道では、20日午後11時半ごろ、倒れた松の木に軽乗用車が衝突しているのを通行人が発見。
助手席に乗っていた近くの小学生、川崎辿皇(てんこう)さん(11)が病院に運ばれたが、胸を強く打ち死亡が確認された。
運転していた母親の飲食店従業員、明日香さん(37)は軽傷を負った。
 唐津署は、風や雨で松が倒れた可能性もあるとみて調べている。
現場は、国の特別名勝「虹の松原」を走る県道。
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2019年07月24日

歩行の定義から逸脱「大股歩きは体にいい」は間違いだった

歩行の定義から逸脱「大股歩きは体にいい」は間違いだった
2019年07月23日 日刊ゲンダイヘルスケア

 今回の参院選は、「老後のために2000万円貯めておけ」という、年金問題が争点となったが、上がらない給与体系の中、2000万円など到底貯めておくことのできない大部分の庶民は、結局死ぬまで働き続けるしかない。

 だが、歩くことができなくなると、働く方法はかなり限られる。
一部の仕事を除いて、老後も働き続けるためには、自分の足で立って歩ける能力を維持することは、最低条件だと言っていい。
「歩き続ける」は、テレビの健康番組でも定番のテーマだが、そこで長年お馴染みになってきたのが、「大股で歩くのが体にいい」というフレーズ。

ところが、これが大きな間違いだと指摘するのが、「JCHO東京新宿メディカルセンター」(東京・飯田橋)のリハビリテーション士長である理学療法士の田中尚喜氏だ。

「NHKの番組では、必ず大股で歩きましょう、と言っています。
これがどうして始まったか調べると、どうもそれ以前はジョギングブームだったのが、一生懸命ジョギングした結果、心不全で亡くなった方が出たので、今度はウオーキングにしましょう、大股で腕を振って歩きましょう、となったようなんです。
ところが、この歩き方では気分も高揚して速く歩けるが、20分以上経つと疲れて速度が下がってしまう。
長く歩くためには、あまり大股で歩かないほうがいいんです」

 江戸時代の人はどんなに遠くても徒歩でお伊勢参りをするほど健脚だった。
着物だと大股で歩くと裾がはだけてしまうため、当然小股で歩いていたと田中氏は説明する。
 大股で歩くと、足が前に出過ぎて、膝が曲がってしまうため、「大腿四頭筋」という筋肉に負担がかかる。
その反動で、足と太ももは後ろにいかなくなり、本来使用しなければならない「大臀筋」という筋肉を、使わなくなってしまうのだという。

「そもそも、人間の歩行とは、ある目的を達成するために体の中心、いわゆる重心を目的物に近づける行為のことです。
それなのに、足や腕を無駄に大きく振り出すと、重心は後方に下がってしまう。
これでは、歩行の定義から逸脱してしまうのです」

 田中氏によると、ここ30年、つまり平成の間に、大臀筋が萎縮してジーパンの平均的なヒップサイズが小さくなり、ふくらはぎの腓腹筋が肥大化してブーツが太くなった。
そして、一番大きな変化は、歩くだけで疲れてしまう人が急増したことだという。
平成の30年間は、歩く力が失われていった30年だったのだ。

 筋肉には、持久力に優れた遅筋と、瞬発的な力を出す速筋がある。
高齢になると速筋が落ちて遅筋だけで生活するようになるため、これを是正するために、健康番組では、大股で歩く、腕を振るという内容を入れるようになったのでは、ということだが、本来は、歩く際にこんな大げさな動作をする必要はない。
このような激しいウオーキングでは短時間で疲れて、歩くのをやめてしまう。

田中氏は「健康のために歩くなら、小股で長時間、普通に散歩をするのが、一番いい」という。
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2019年07月25日

いくら寝ても寝ても眠くなるのは病気!?

いくら寝ても寝ても眠くなるのは病気!?
2019/07/23 All About (坪田 聡(医師))

寝ても寝ても眠い「過眠症」とは
夜はグッスリ眠っているにもかかわらず、日中耐えがたい眠気に襲われる毎日……。
原因は単なる疲労の蓄積かもしれませんし、女性であれば生理前の月経関連過眠症の可能性もありますし、原因は一概にはいえません。
ここでは、睡眠障害の1つである「過眠症」、また日中に眠気を起こす病気について睡眠の専門医が詳しく解説します。

睡眠の評価尺度を用いて、眠気の程度から眠気危険レベルをセルフチェックしてみましょう。

異常な眠気と正常な眠気の違い
・ 眠気危険度セルフチェック
あなたの症状のレベルをチェックできる、「エップワース眠気尺度」をご紹介します。
これは日常生活において感じる眠気について評価するためのテストで、世界中の医療や産業保健の現場で広く使われており信頼性が高いものです。

以下の状況で、ウトウトしてしまったり、眠ってしまうことがありますか?
最近の日常生活を思い出して、0から3のうち、最も当てはまる番号1つに○印を付けてください。
質問の中には、最近あなたが行っていないことがあるかもしれません。
その時には、もしその状況にあったとしたらどうなるかを考えて答えてください。

・座って本を読んでいるとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・テレビを見ているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・人の大勢いる場所でじっと座っているとき(会議や映画館など)、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・他の人が運転する車に乗せてもらっていて、1時間くらい休憩なしでずっと乗っているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3 ・

午後じっと横になって休んでいるとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・座って人とおしゃべりしているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・お昼ご飯のあとに静かに座っているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3

・自分が車を運転していて、数分間信号待ちをしているとき、
居眠りをすることは 絶対にない:0/時々ある:1/よくある:2/大体いつも:3


眠気の危険度を判定……要注意は11点以上
それでは、眠気の判定です。
上記の8つの質問項目の各得点(0〜3点)を、全て足し合わせて総合得点を出してください。
点数が高いほど日中の眠気が強く、逆に得点が低いほど眠気は弱いと判定します。

総合得点が11点以上の場合は、何かの病気が原因で強い眠気が起こっている可能性があります。
早めに睡眠障害の専門医を受診すると良いでしょう。

一方、10点以下であっても、しばらく経ってから再び測定すると高得点になることもあります。
慢性的な眠気を感じているのなら、時期をずらして再評価してみてください。
このテストはあくまでも主観的な眠気を評価するものです。
点数が低い場合でも緊張のため眠気を感じないだけで、目を閉じるとすぐに眠ってしまうこともあります。
睡眠障害の専門の医療機関では、他の客観的な眠気の検査とあわせて、総合的に診断をしてくれます。
心配な方は、一度相談してみましょう。

過眠症の種類・睡眠に関連する主な病気一覧
エップワース眠気尺度が11点以上の人は、どんな病気の可能性があるのでしょうか?
当てはまる病気が見つかれば、早めに睡眠障害の専門医療機関を受診しましょう。

▼1. 過眠症の種類
■ナルコレプシー
・日中の居眠りを我慢できない
・笑ったり驚いたり怒ったりすると、体の力が抜ける
・金縛りにあう ・寝入りばなに幻覚を見る

■特発性過眠症
・日中に眠ると、起こそうとしても1時間以上、目覚めない
・居眠りの後、すっきりした感じがしない
・寝覚めが悪く、ひどく寝ぼける ■反復性過眠症
・3日〜3週間の傾眠状態と、その後の通常の状態が、交互に繰り返される

▼2. 睡眠に関連する病気
■睡眠時無呼吸症候群
・イビキをよくかく
・睡眠中の呼吸が不規則
・朝起きたときに頭痛がしたり、ノドが渇いている
・高血圧 ・肥満 ・顎が小さい

■薬剤性過眠
・睡眠薬や精神科の薬、風邪薬、アレルギーの薬などを飲んでいる

■うつ病、季節性うつ病
・気分がすぐれない、もの悲しい
・不安が強い ・やる気が出ない

■長時間睡眠者、睡眠不足症候群
・夜間の睡眠が不十分
・十分な睡眠をとると日中の眠気がなくなる

■むずむず脚症候群 ・夕方から夜にかけて、脚がむずむず
・ちくちく・ひりひりする
・脚に虫が這うような不快感がある
・家族に脚を動かしていると言われたことがある

■周期性四肢運動障害
・睡眠中に足が動く

■月経関連過眠症
・月経の周期と関連して強い眠気を感じる
・その時期を過ぎると、日中の眠気がなくなる

■睡眠相後退症候群
・睡眠の時間帯が遅いほうにずれて、極端な宵っ張りの朝寝坊

■非24時間睡眠覚醒症候群
・就寝と起床の時刻が毎日1時間ずつ遅くなる

■不規則型睡眠覚醒パターン
・寝ている時間と目覚めている時間がバラバラ 日中の居眠りは大きな事故の原因にもなります。

強い眠気に悩まされている方は、早めにチェックして、病気かどうか確かめてみてください。
posted by 小だぬき at 12:09 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月27日

「なかなか決められない人」と決断できる人の差

「なかなか決められない人」と決断できる人の差
あなたが「物事を決断できない」5つの理由
2019/07/26 東洋経済オンライン
柳生 雄寛 : 実践経営コンサルタント

あなたは物事を「すぐに決められる」ほうですか?
それとも、「なかなか決められない」ほうですか?

 「すぐに決められる」という方も、もしかしたら、「決めている」と思っているだけで、本当は「決めていない」かもしれないそうです。
「決められない人」と「決められる人」の違いはどこにあるのでしょうか。

柳生雄寛氏の著書『なかなか自分で決められない人のための「決める」技術』から一部抜粋し、「決められない理由」について解説します。

素早く正しい決断ができるようになれば、これまで無駄に使っていた決断までの時間が短縮され、時間をもっと有効に使うことができるようになります。
さらに、決断力を身につける過程で、あなたなりの価値観の整理もできますので、自分の価値観を再認識でき、自分の価値観に合った充実した人生を送ることもできるようになるでしょう。

ここでは、あなたが決められない理由を5つに絞ってお伝えします。

決められない人、決断できる人の差
1. 決められない人:悪いほうへ悪いほうへと考える
  決断できる人:考えても仕方のないことは考えない

世の中には、あれこれと悩んだ揚げ句に、不安になってしまい、なかなか行動できない人がいます。
わかりやすい例で言うと、憧れの異性がいて、その人と付き合いたいけれど、「告白してフラれたらどうしよう?」などとネガティブなことを考えてしまって、「告白する」という行動がなかなかとれないでいる、というようなケースです。

これと同じようなことは、ビジネスシーンでもたくさんあります。
「営業に行って買ってもらえなかったらどうしよう?」
「あの人に仕事をお願いして断られたらどうしよう?」
「テレアポをしてガチャンと切られたらどうしよう?」
「新しいことを始めて失敗したらどうしよう?」……

このように「うまくいかなかったら、どうしよう?」と悩んでしまって、なかなか行動できなかった経験、皆さんにもあるのではないでしょうか。
このように悪いほうへ悪いほうへと考えてしまって行動できなくなっている人は、本当にたくさんいます。

この原因は単純です。
それは、「考えても仕方のないことを考えてしまっているだけ」ということです。
これに対して、行動できる人は、考えても仕方のないことは考えません。

「告白してフラれたらどうしよう?」
「営業に行って買ってもらえなかったらどうしよう?」
そんなふうに考えることによって成功する確率が上がるのであれば、それは意味のあることでしょう。
しかし実際問題として、「フラれたらどうしよう?」「買ってもらえなかったらどうしよう?」と考えたところで、成功確率は上がりません。
だから、そんなことは考えても意味がない、考えても仕方がないということを、行動できる人は知っているのです。

行動できる人の視点は前向きです。
「うまくいかなかったら、どうしよう?」ではなく、「どうすれば、うまくいくか?」ということに、つねにフォーカスしているのです。

ポイント:ネガティブなことを考えても、成功確率は上がらない 失敗を極端に恐れるのはNGだ

2. 決められない人:失敗を極端に恐れる
    決断できる人:「人間万事塞翁が馬」と思っている

失敗を恐れて行動できない人の話をしましたが、そもそも、失敗を恐れて決断ができない人も多いようです。
皆さんもそんな経験はありませんか? 
しかし、その決断が失敗につながるかどうかは誰にもわかりません。
さらに、たとえ失敗したとしても、それがかえっていい結果につながるということもあります。

「人間万事塞翁が馬」という中国の故事をご存じでしょうか。
簡単にいうと、次のような話です。

昔、中国北方の城塞の近くに占いの上手な老人が住んでいました。
あるとき、その老人が飼っていた馬が逃げ出してしまったため、近所の人たちが気の毒がると、その老人は残念がる様子もなく「このことが幸福につながらないとも限らない」と言いました。
のちに、逃げた馬は野生のすばらしい馬を連れて戻ってきました。
近所の人たちがお祝いを言いに行くと、老人は「これが災いのもとになるかもしれない」と言いました。
すると今度は、その馬に乗った老人の息子が、落馬して足の骨を折ってしまいました。
近所の人たちがお見舞いに行くと、その老人は「これが幸福のもとになるかもしれない」と言ったのです。
それから1年後、隣の国の軍隊が攻め込んできて戦争となり、近所に住んでいる息子の友達であった若者たちはほとんどが戦死してしまいました。
しかし、足の骨を折っていた老人の息子は兵役を免れたため、戦死しなくてすんだのです。

老人の馬は、福から災いへ、そしてまた災いから福へと、老人の運命に変化をもたらしたわけですが、このようなことは長い人生の中ではよくあることです。

「気になる異性に告白したらフラれてしまった。でも、そのおかげでもっとステキな相手に巡り合うことができた」
「仕事でミスをして、違う部署に異動になってしまった。でも、そのおかげで天職と出会うことができた」
といった話もよく聞きます。

つまり、人生というのは、何がどうなるかは予測できないものなのです。
そして、すでに起こった過去の事実も、考え方や捉え方ひとつで、よくも悪くも一瞬でどちらにでもなるのです。
決断ができる人はそのことを知っています。
だから、決断した後に起こる出来事に一喜一憂しません。

その出来事を受け入れ、そのたびに最善と思える決断を繰り返していくのです。
人生は決断の連続です。
しかし、先のことを完全に予測することは不可能ですから、その時点でベストと思える決断をしていくしかないのです。

また、1度決めたことは「絶対」ではありません。
状況や環境が変われば、修正する必要がありますし、変えてもいいのです。
このようなことを知っておくと、失敗を恐れずに「決める」ことができるようになるでしょう。

ポイント:失敗と思っても、それがかえってよい結果につながることもある

決められない人は欲張る

3. 決められない人:あれもこれもと欲張る
    決断できる人:1つに絞り、他の選択肢は捨てる

お昼に何を食べようかと迷ってしまい、なかなか決められなかった経験はありませんか?
とくにレストラン街などに行くと、ラーメン屋、うどん屋、そば屋、寿司屋、焼肉屋、和食、中華、イタリアン、フレンチ、ファストフードなどなど、いろいろなお店がありますので迷ってしまうのも無理はありません。
じつは、この原因は選択肢(情報)が多すぎることにあります。

選択肢が多すぎると、「あれもいい、これもいい」となって、なかなか決められないケースが多いのです。
つまり、ほかの選択肢をすべて捨てきって1つに絞ることができないのです。
仕事も同じです。自分に能力があると思っている人は、能力があるからいろいろな仕事ができると思っています。
だから、1つに絞ろうとしません。

でも、考えてみてください。運動神経のいい人が、プロ野球選手とプロサッカー選手とプロバスケットボール選手になろうと思って、実際に3つともプロになれる人がいると思いますか。

昔、NBAで「バスケの神様」と呼ばれたマイケル・ジョーダン氏が野球に挑戦したことがありましたが、結局、結果は出ませんでした。
「あれもやりたい、これもやりたい」では、結果は出ないのです。
結局どれも中途半端で終わってしまうことでしょう。

何をやるかを決めかねているうちに時間だけが過ぎて、そのうち体力が衰えたり、より能力の高いライバルが出てきたりして、いざ決めたときにはチャンスを逃がしてしまっていた……ということになりかねません。

一流の選手は、最初から、何か1つに絞って集中しています。
決断できる人は、余計なことを考えず、欲張らずに、1つに絞ったら、ほかの選択肢は捨てているのです。

「決める力」は、ズバリ「捨てる力」であるといっても過言ではありません。
「決めきる」とは、「捨てきる」ことができるかですね。

ポイント:何かを決めることは、何かを捨てることである

4. 決められない人:世の中のルールを知らない
    決断できる人:世の中のルールとその意味を知っている

すごく疲れているときに、目の前に上りのエスカレーターがあったとします。
もう一歩も動きたくない気分です。
皆さんはそんなとき、エスカレーターの右側と左側、どちらに乗りますか?
おそらく、多くの人は迷うことなく、じっと立っていられる列(多くの地域では左側)に乗るという決断をすることでしょう。
なぜなら、そちら側に乗れば、エスカレーターの上を歩かなくてもいいというルールを知っているからです。
じつは、世の中にはこのようなルールがたくさん存在します。

「上司と一緒にタクシーに乗るときはどの席に座るべきか」
「エレベーターではどの位置に立てばいいか」
「コース料理のフォークとナイフはどれから使えばいいか」などなど、知っていれば迷わなくてすむことがたくさんあるわけです。

自分の判断基準が確立していないと迷う
したがって、こうした世の中のルールをたくさん知っている人は、すぐに正しい決断ができます。
同様に、自分なりのルールや判断基準が確立している人も、迷わずに素早く決断できます。

逆にいうと、世の中のルールを知らない人や、自分なりの判断基準が確立していない人は、なかなか決められないというわけです。
ただし、ここで注意が必要なのは、ルールというのはあくまで「情報(知識)」にすぎないということ。
つまり、それを一つひとつ覚えていたらキリがないということです。
では、どうすればいいのでしょうか。

それは、「なぜ、そうなのか?」という「考え方」を理解することです。
そのルールの意味、ルールの本質といってもいいでしょう。

例えば、「上司と一緒にタクシーに乗るときは、自分は助手席に乗る」というのは情報です。
それに対して、考え方とは「なぜ、助手席に乗るべきなのか?」、すなわち「目下の者は、行き先を指示したり、会計をしたりといった雑用をするために助手席に乗る」ということです。
表面的な情報を知っているだけでも、決めることはできます。

しかし、それだけでは応用が利かないのです。
これまで直面したことのない場面に遭遇して慌ててしまうのは、考え方を知らないから。
マニュアルに書かれていないイレギュラーなことが起こると対応できない人がいますが、これはまさに考え方を知らない人の典型例といえるでしょう。

ルールをたくさん覚えること、より多くの情報を収集することももちろん重要です。
しかし、正しい決断ができるようになるためにより重要なのは、考え方、すなわち意味や本質を理解しておくことなのです。

ポイント:ルールや情報を知るだけでなく、その背景にある考え方を理解する

5. 決められない人:目的があいまい
    決断できる人:目的が明確になっている

目的が明確に決まっていないために決められない、というケースもあります。
例えば、将来、サッカー選手になりたいのか、野球選手になりたいのかによって、トレーニングの方法は全然違ってきます。だから、仮にトレーニングをしようと思ったとしても、どんなトレーニングをすればいいのかが決められないわけです。

勉強もそうですね。
将来、医者になりたいのか、弁護士になりたいのかによって、勉強すべき内容は変わってきます。
また、目的がはっきりしないから、行くべき大学も決められないわけです。
もっと身近な話でいうと、ダイエットもそうでしょう。ただ漠然と「やせたい」とか「ダイエットしなきゃ」と思っている人は、いつまでたってもダイエットをするという決断ができません。
何のためにダイエットをするのかという目的が明確になっていない人は、なかなか決断できないのです。

目的が決まらないと目標も決まらない

さらにいうと、仮にダイエットをするという決断をしたとしても、「いつまでに、何キロやせる」という目標が明確になっていなければ、どんな方法でダイエットすればいいかを決めることができません。
ちなみに、目標は目的を達成するための通過点ですので、目的が決まらなければ目標も決まらないのです。

もちろん、仕事も同じです。
テレアポの電話を1本かけるにしても、目的が漠然としていては、その場で契約を取るためのトークをすればいいのか、まずは会う約束をするためのトークをすればいいかがはっきりしません。
その際、テレアポの目的が明確になっていれば、自ずとトークの内容も決まってくるわけです。

何かを決断するうえで、目的はとても重要です。
目的が明確になっていれば、その目的に合っているかどうかでその決断の正しさを判断することができるからです。

逆に、目的が明確でない人は、照らし合わせる基準がないため、なかなか重要な決断ができないといっても過言ではないでしょう。

ポイント:目的が明確になっていれば、決断もしやすい

多くの人は「決める」と「思っている」を混同しています。
決めたと思っているだけで、実際には決めていないことが多いのです。

本当の「決める」には、行動が伴います。
「決める」と「やる」はセットなので、行動の伴わないものは、決めたとは言いません。
ただ思っているだけです。

このような「思っているだけ」を「決める」に変え、さらに決めたことを「続けて」いくことで、あなたはあなたの望む幸せと、その先にある成功を手に入れることができるのです。

そして、そのためのノウハウの根幹を成すものが、マーケティングとマネジメントなのです。
「自分の人生の経営者は自分自身」です。
自分の人生を成功へと導くための舵取りをするのは、ほかの誰でもないあなた自身なのです。
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2019年08月09日

病気や怪我で、障害年金はどのくらい出るのか

病気や怪我で、障害年金はどのくらい出るのか
2019年08月08日 PRESIDENT Online

年金というと、老後に受け取るもの、と思いがちですが、老後を支える「老齢年金」以外にも年金はあります。
加入者が障害によって生活や仕事に支障をきたした場合、また加入者が死亡した場合の年金です。
万が一のときにその後の人生を支える「障害年金」についいて知っておきましょう。

■がんや精神疾患でも対象になることがある
「障害年金」とは、病気やケガなどで一定以上の障害がある人に支給される年金である。
障害というと、寝たきり、目が見えない、耳が聞こえないなど、肢体不自由の状態を思い浮かべがちだが、がんや糖尿病、高血圧、呼吸器疾患、うつ病、認知障害といった精神の障害なども対象となり、仕事や日々の生活に支障があれば障害年金が支給されることがある。

状態によって1等級から3等級(またはそれ未満)に認定され、等級に応じた年金が支給される。
他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害では1級、
日常生活が困難で仕事が困難な状態が2級、
日常生活に支障はなくても仕事には制限がある状態が3級、というのが目安となる。

働けない障害状態の人は、がん治療中の人より多いともいわれており、多くの人がイメージするより対象範囲が広い。
医師によっては「これは障害認定に受けられる」といったことに詳しくないケースもあるので、自身や身近な人に重い疾患があるなど、より詳細に知りたい場合は、日本年金機構のホームページにある「国民年金・厚生年金 障害認定基準参考」をチェックしてみよう。

■支給額は年金の種類や家族構成によって異なる
支給される障害年金の種類と金額は、加入している年金の種類、障害等級、子どもの有無などによって異なる。

フリーランスや自営業(国民年金・1号)の場合、障害等級が1級、2級の人には「障害基礎年金」が支給される(額は等級により異なる)。
18歳までの子がいれば、ここに「子の加算」が上乗せされる。

会社員ではさらに「障害厚生年金」が加わる。
障害厚生年金の額は、障害等級や、それまで受けていた給与の額、厚生年金の加入期間によって計算される。
加入期間が25年未満の場合は、25年加入したものとして計算されるため、就職して間もない人でも、ある程度の額が支給されるのが特徴だ。
また妻が働き、夫が専業主夫で、妻が障害認定を受けた場合など、養っている配偶者がいる場合は、「配偶者の加給年金」もプラスされる。

1級障害の人に支給される障害年金の額を具体的に見ていこう。
フリーランスでシングルのAさん 障害基礎年金97万5125円
フリーランスで子どもが1人いるBさん 障害基礎年金97万5125円+子の加算22万4500円=119万9625円
会社員でシングルのAさん(月収30万円・加入期間25年) 障害基礎年金97万5125円+障害厚生年金80万1600円=177万6725円
会社員で配偶者、子どもが1人いるBさん(月収30万円・加入期間25年) 障害基礎年金97万5125円+障害厚生年金80万1600円+子の加算22万4500円+配偶者加給年金22万4500円=222万5725円

国民年金加入者より厚生年金加入者、また扶養している家族が多いほど、額が多くなる仕組みだ。

■会社員なら2級未満の人にも支給がある
障害等級3級の人には障害基礎年金は支給されない。
したがって、国民年金加入者では、障害年金の支給はなし、となる。
しかし会社員(厚生年金加入)で障害等級3級の人には、給与や年金の加入期間に応じた「障害厚生年金」が支給される。
金額は月収×1000分の7.125×300月(月収の約2.1倍)で、58万5100円が最低保障額となっている。

さらに一定の障害があるものの、3級より軽い障害と認定された厚生年金加入者には、もらっていた給与や年金の加入期間に応じた年金額の2倍の額(最低保障額117万200円)が「障害手当金」として支給される(年金ではなく、一時金)。

■初診日から1年半後に認定を受ける
障害年金の受け方についても知っておこう。
障害年金の支給を受けるためには、障害認定日に、障害認定(障害等級何級か)を受ける必要がある。
障害認定日とは、障害の原因である病気やケガについてはじめて診察を受けた日(初診日)から1年6カ月経った日のこと。
つまり、大きな病気やケガをして1年半経過後、一定の障害状態があれば、障害年金が受けられる、ということである。

ただし、人工肛門造設や咽頭全摘出など、症状が固定したケースでは1年6カ月を待たずに障害認定を受けることができ、給付が開始される。
一定の手続きが必要なので、まずは病院にいるソーシャルワーカーなどに相談するといい。

大きなポイントは、「どの年金が受けられるかは、初診日時点で加入していた年金の種類で決まる」ということである。
例えば会社員だったときに病気やケガをして在職中にはじめて診察を受け、その後しばらくして退職し、障害認定日には無職だった(国民年金加入)、という場合、初診日には会社員であったため、厚生年金加入者として障害厚生年金を受けることができる。

■保険料未払いでは所定の給付が受けられない
障害年金を受給するには、保険料を滞納していないことが大原則となる。
会社員は給与天引きなので心配ないが、自営業者で滞納している人はとても危険だ。
具体的には、初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと、または初診日の前々月までの加入期間のうち、3分の2以上の期間、保険料を納付または免除されていることが条件となっている。

未払いなどで条件を満たさないなどで障害年金が受けられない人は、福祉的措置として「特別障害給付金制度」が適用されるが、支給額は障害年金より少なくなる。
老後のためだけではなく、万が一のときのためにも、年金保険料はしっかり納付する必要がある。

納付が難しい場合は保険料免除の制度もあるので、すぐに年金事務所に相談したい。

■20歳未満で障害を負った場合も支給される
障害年金の対象となるのは、原則20歳以上65歳未満の国内居住者だが、生まれた時から障害がある人、20歳前に障害を負った人、20歳前の傷病が原因で20歳以降に障害を負った人は、すべて「20歳前障害」として障害基礎年金が支給される。
支給は20歳からで、1級なら97万5125円、2級なら78万100円となっている(3級、3級未満はなし)。

ただし所得制限が設けられており、扶養家族がいない人の例では、1年間の所得が360万4000円を超えると年金額が半分に、462万1000円を超えると全額が支給停止になる。
障害があって収入が減ると、障害年金が支給されても生活費が不足することがある。

死亡や病気に備えて生命保険や医療保険に入っていても、働けなくなった場合のことは考えていないことが多いので、そうしたリスクにも目を向けておきたい。

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井戸 美枝(いど・みえ)
社会保険労務士 ファイナンシャルプランナー、経済エッセイスト。
神戸市生まれ。関西大学社会学部卒。
厚労省社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員も務める。
『大図解 届け出だけでもらえるお金』など著書多数。
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2019年08月11日

「自分にふさわしい終わり方を」――増える“直葬”変わる弔いの形

「自分にふさわしい終わり方を」
――増える“直葬”変わる弔いの形
最終更新日時:2019年7月8日 Yahoo!ニュース

親類や知人が通夜に集まって故人をしのび、翌日には葬式・告別式で送り出す。
そんな葬儀の「定型」が変わりつつある。
通夜や告別式を行わずに遺体を火葬場に送り、それを最期とする「直葬」が増えているのだ。

直葬を選ぶ人の事情とは――。
(ノンフィクションライター・熊谷祐司/Yahoo!ニュース 特集編集部)

年齢とともにお葬式の必要がなくなる
今年80歳を迎える東京都の山下幸三さん(仮名)は、自分がやがて人生の終わりを迎えるときは「直葬」と決めている。
山下さんは10年ほど前から都内の介護付き有料老人ホームで暮らしている。
未婚で妻や子どもはいない。
今は毎日、1時間半ほどの散歩を欠かさず、元気に生活している。
2人の兄も健在で、いずれも都内で暮らしている。

山下さんは、60歳で大手企業を退職。
もともとは、多くの参列者が集まる普通の葬儀で送り出してほしいと望んでいた。
だが、年齢を重ねるなかで心境が変化した。
「定年退職から5年、10年と過ぎるうちに、だんだんと会社時代の仲間とも疎遠になっていきます。
年賀状も年々減っていき、先方から〈80歳になるので来年からは年賀状を失礼させていただきます〉と最後の年賀状が届くようにもなりました。
付き合いがあった親戚も少なくなり、葬式を開いても来てくれる人は数えるほどでしょう。
直葬のほうが、今の私にふさわしい終わり方だと思うようになってきたのです」

生前の親から「お金をかけなくていいよ」
直葬は、通夜や告別式などの儀式を行わない、火葬のみの葬儀形式だ。
法律で死後24時間以内の火葬、埋葬は禁じられているため、それまで遺体は自宅や病院などに安置する必要がある。
その間、近親者が故人の顔を見ながらお別れすることも、納棺に立ち会って送り出すこともできる。
身内だけで通夜や告別式を営む家族葬よりさらにシンプルな形だといえる。

2017年に公正取引委員会が発表した「葬儀の取引に関する実態調査報告書」によれば、葬儀の種類別での年間取扱件数で「増加傾向」にある葬儀の種類を葬儀業者に尋ねたところ、直葬は26.2%と家族葬(51.1%)に次いで高い数値となった。

また、葬祭の業界団体が設立した冠婚葬祭総合研究所のアンケート調査で、世代別の消費者に直葬の意向を尋ねたところ、800人ほどの団塊世代(65〜69歳、2016年)では「自分の葬儀は直葬でいい」と答えた人は、「そう思う」「ややそう思う」が53%と半数以上を占めた。
直葬は広がりつつあることが見てとれる。

千葉県松戸市で葬儀社の「メモリアール」を30年近く経営する富田次男さんは「年々、直葬が増えている実感がある」と話す。
メモリアールは年間60件ほどの葬儀を行い、近年はそのうちの3割ほどが直葬だという。
「理由の一つは、親が生前に、子の老後の蓄えや孫の教育費を気にかけて『自分の葬式にはお金をかけなくていいよ』と子に話していることです。
見送る側としても、香典返しや参列者に食事を提供する通夜振る舞いなどに大きな負担感があります。
直葬ならその費用や手間が省け、故人も許してくれるだろうとお考えになるわけです」

直葬は通常の告別式や葬儀と比べて費用も安い。
日本消費者協会の2016年の調査によると、葬儀一式や通夜での飲食接待費、寺院への布施などを総合した費用は、平均195.7万円だという。
メモリアールでは、納棺の儀式と棺への花入れをプラスした「見送る火葬式」など4種類の標準メニューを用意している。
このうち最もシンプルなのが「火葬のみの直葬」(12万8000円)だ。
直葬の費用には、棺代のほかに、搬送車(50キロまで)の利用料、安置所(2泊3日)の利用料、火葬場への搬送料、火葬料、骨壺代が含まれている。
僧侶の読経や戒名も、別料金のオプションでつけられる。

「4〜5年前は家族葬が主流でしたが、最近は直葬か通夜を省略する『一日葬』を選ぶ人のほうが多くなりました」
神奈川県川崎市の男性(55)は、2年前に父親の葬儀で直葬を選択した。
理由について「つながりがなくなっていることが大きい」と話す。
「父は亡くなる5年ほど前から認知症になり、特別養護老人ホームで暮らしていました。
その時点で長く住んできた地域から離れたのに加え、父の記憶が曖昧になったことで交友関係も分かりにくくなった。
また、父の実家である新潟県の寺との関係も切れていました。
ですので、特養で息を引き取ると、すぐにスマホで調べて出てきた業者に依頼しました。
1日安置して翌日火葬するコースで10万円もしませんでした。
価格が安かったのも魅力です」

神奈川県相模原市の女性(49)は、既存の葬儀社のプランに不信感があり、利用したくなかったと語った。
4年前に父親が亡くなったとき、何も調べないまま地元で知られる葬儀社に連絡、葬儀を手配した。
小規模の生花祭壇が設けられ、希望する宗派の僧侶の葬儀込みで約150万円。
提示された額にやや高いという印象があったが、それが「標準」と説明を受け、決めた。
葬儀は滞りなく進行した。
「ところが、すべてが終わり、料金も支払ったあとで、その葬儀社のウェブサイトを見たら、うちが選んだプランと全く同じ内容の葬儀が約80万円と出ていた。
つまり、何も調べずに来た客には70万円近く上乗せしていたのです。
葬儀社にクレームを言い、交渉しましたが、差額は返金してもらえませんでした。
私も父の死で混乱していたとはいえ、信頼を裏切られたような感覚でした。
そこで考えたのは、家族でやる葬儀はシンプルな火葬だけで十分だったのではと。
そこで1年前に母親が亡くなった時には、ネットで探した別の葬儀社による直葬で見送ることにしました。
費用は十数万円でした」

川崎市の男性も相模原市の女性も、直葬でまったく問題はなかったと振り返る。
女性は自分も将来この程度で十分だと考えているという。
「なくなった本人の意思もあると思いますが、残された家族が納得できるのであれば、直葬で問題ないのだろうと思います」

これから本格的な直葬時代が訪れる
直葬が増える背景について、現代のお葬式事情に詳しいシニア生活文化研究所所長の小谷みどりさんは「死亡年齢の上昇が与えたインパクトは大きい」と分析する。
「これまでのお葬式は、見栄と世間体で成り立っていました。
だから、子どもが59歳のときに親が亡くなると、葬儀は最も盛大になります。
もし大手企業の役員や部長の地位に就いていたらなおさらです。
ところが現在は、子どもが現役を退いたあとで親が亡くなるケースが増えています」

厚生労働省の「人口動態統計」によると、2000年には80歳を超えて死亡する人の割合は44%だった。
それが2017年には64%に上昇し、さらに90歳以上で亡くなる人の割合も27%に達している。
子が定年退職を迎えたあとに親が亡くなれば、もはや仕事関係の人たちが葬儀に多く集まることもない。
盛大に葬儀を営んで見栄を張る必要もないわけだ。
地域社会の希薄化や核家族化の進展も直葬が受け入れられる背景だ、と小谷さんは語る。

「近所付き合い自体が減っているので、隣近所から『あそこの子どもは親不孝だ』と非難されることも少ないでしょう。
同居していない親は、子どもに迷惑をかけたくないという思いが強くなります。
お年寄りに尋ねると、大半の人が『家族葬でいい』『お葬式はしなくてもいい』と答えます。
自分が知り合いのお葬式に出たときに『遺族が大変だ』と思うからでしょうね」

孤立する高齢者が増え、未婚率の上昇で関係の深い親族が少なくなる。
数人残った遺族だけが参列するばかりなら、家族だけで故人を囲んで一晩を過ごし、派手な葬儀を省いて火葬だけでいいと感じる人も増えるはずだと小谷さんは言う。

「孤立した人たちが亡くなっても、悲しんでくれる人は少ないでしょう。
これからが本格的な直葬時代です。
今後、合理的な直葬を選択する人はますます増えるでしょうね」

生前契約で「自分色」にも 直葬を望んでいる冒頭の山下さん。
遺志を確実に実現するために、「生前契約」という手法を使った。
山下さんに妻子はなく、近親者といえば山下さんより高齢の兄たちだ。
頼るわけにはいかない。
そこで、山下さんは直葬の執行を東京都豊島区のNPO法人「りすシステム」に託している。

死後の手続きや葬儀について本人の希望に沿って受託する法人で、1993年10月に発足した生前契約のパイオニアだ。
代表理事の杉山歩さんが言う。
「葬儀は残された人たちのイベントという側面があり、必ずしも本人が希望したとおりになるとは限りません。
私たちは公正証書によって会員の意思を生前にお預かりし、お亡くなりになったらそのとおりに執行します」

現在、りすシステムと生前契約している会員は全国におよそ3700人。
その8割は関東の1都3県に集中している。
「りすシステムの設立後、しばらくは、お通夜とお葬式を希望する人が多かったのですが、現在はおよそ半分の方が直葬をお選びになります」

一般的な直葬では葬儀社に安置所の手配を頼むことになるが、りすシステムには自前の安置所を備えた会館がある。
近親者が故人に一晩付き添える夜伽(よとぎ)部屋や葬儀用ホールを備えた3階建ての「りすセンター・新木場」である。
遺体は処置室で化粧などを施して納棺される。
生前契約の明細書に希望の死に装束が指定してあれば、服飾を専門とするスタッフがあらかじめ紙で作っておいた“ドレス”や“スーツ”に着替えさせる。
「処置室は、病院で感染症患者の治療に使われる空気感染隔離室と同じ陰圧室になっていて、滅菌装置も備えています」と同センター長の花田和広さんが説明する。

安置室は処置室の隣にある。8センチほどの分厚いステンレス扉で密閉され、最大37体の安置が可能だ。
常時5℃に保たれ、足を踏み入れるとひんやりとする。
処置室の前には、控えめに焼香の道具が置いてある。

「直葬とはいえ、故人のお知り合いがお顔を見たいというケースがあります。
そのとき安置室からご遺体を面会室に移動して、お別れができるようにしています」

費用は直葬だけなら40万円程度だと杉山さんは言う。
「遺品整理や部屋の片づけ、自治体や警察などへの各種届け出、公共料金の解約・精算手続きなどを含めても、だいたい100万円以内で収まります」
葬儀や散骨は別料金のオプションメニューとなり、棺や祭壇、供花の種類や数、僧侶による読経や戒名によっても費用は異なる。
骨壺も一般的な白の陶器ではなく、高級な青磁のものを希望する会員もいるという。
「直葬といっても安っぽいわけではなく、細かい点にこだわれば豪華な直葬になります」

りすシステムの初期費用は直葬や部屋の片付けなどにかかる死後事務費用と生前事務費用の預託金が必要となる。
預託金は、りすシステムとは別のNPO法人日本生前契約等決済機構が管理し、必要に応じて使われる。
生前契約の利用者は、独り身の人ばかりではない。

「お子さんが40代、50代なら、仕事が忙しいとか海外在住とか、すぐ駆けつけられない事情があります。
私たちは契約によって生前、死後ともにお子さんたちに代わってその役割を果たすわけですから、いわば『契約家族』です」

山下さんの場合、棺は最もグレードが高い素材のものを用意してもらい、火葬場に運ばれるときの霊柩車にはアメリカの高級車「リンカーン」を指定している。
そして荼毘(だび)に付された後は、ニュージーランドの海に散骨してもらう。
それが希望だ。
「今までリンカーンに乗ったことはありませんけど、一度ぐらいはいいかなとね」
亡くなってからの乗り心地はどんなものですかねと問うと、山下さんも笑う。 山下さんは、3年前に100歳近かった母を直葬で見送り、ニュージーランド沖に散骨した。
「母は長生きしたので友人知人は、みな先に亡くなり、葬式に呼ぶ人がほとんどいない状況でした。
私も亡くなったら母が眠る南半球の海の底に行きたいと思っています」
母を送ったときと同じように、自分も直葬で送られたい──。
山下さんはそう語った。

直葬は葬儀から見栄や外聞をそぎ落として最期を迎える一つの形でもある。


熊谷祐司(くまがい・ゆうじ)
1966年、東京都生まれ。
ビジネス誌の編集者を経てノンフィクションライターとなる。
総合誌やWEBメディアで社会、経済、教育など幅広い分野の取材・執筆を担当。
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2019年08月13日

熱中症対策7つ。猛暑のなかで注意すべき症状は?

熱中症対策7つ。猛暑のなかで注意すべき症状は?
MYLOHAS編集部 2019/08/07
──ライフハッカー[日本版]より転載

自然には恐ろしい危険がたくさんありますが、おそらく中でも一番怖いのが“サイレント・キラー”とも言われる「暑さ」です。

CDCによると、アメリカでは高温で亡くなる人が、ハリケーン、雷、竜巻、地震、洪水で亡くなる人を合わせた数よりも多いのです。
今回は、猛暑の屋外で1日中過ごさなければならない時の対策をお教えしましょう。

猛暑は命を奪う
猛暑の中で生き伸びる方法を学ぶには、猛暑がどのように人体に有害かを知らなければなりません。
厳しい暑さは、ゆっくりとですが確実に生命システムを停止させます。
そして、その症状は、子どもや老人の場合は特に、驚くほど気づきにくいです。

太陽が強烈な日差しでゆっくりと人間を調理していくよりも酷い状況です。
人体は次のように変化していきます。

<ステップ1>
高気圧の気象配置になると、上層の大気から地上に向かって空気が引き下げられ、その空気の圧縮で気温が上昇します。
高気圧では、雲で覆われず、風が吹かず、すでに高温の暑さがさらに悪化します。
このような酷暑の中、屋外で過ごさなければならない場合、中核温(内臓などの環境温度に影響されない深部体温)が上昇し、体の冷却システムである汗をかきはじめます。

<ステップ2>
発汗によって(体内の)熱を発散させ、汗が肌の上で蒸発し、体が冷えます。
しかし、強烈な暑さでは、汗をかきすぎて蒸発する時間がない、もしくは湿度が高すぎて水分が蒸発しにくくなります。
すると、汗をかけばかくほど体が冷えるシステムが過剰運転となり、脱水症状になります。

<ステップ3>
この時点で、体は発汗によって失った水分を必死で補給しようとするので、とても喉が乾き始めます。
また、電解質の値が低くなり始めると、筋けいれん、極度の体力消耗、失神のような症状が起こります。

<ステップ4>
体内の熱が発散されていない場合は、熱中症になる危険があります。
熱が体を冷やす能力を完全に制圧し、まったく汗をかかなくなります。
ここまでくると、熱が脳に過剰な負担をかけ、めまい、衰弱、もうろう状態、吐き気、意識不明などになります。

<ステップ5>
最終的に、血液が濃くなり(ドロドロになり)、水分不足のために酸素が少なくなり、血液を送り出し、血管をきれいにするために、心臓や腎臓にさらに負担がかかります。
それに応じて、心臓はより速く血液を送り出そうとし、体温がさらに上昇します。

<ステップ6>
心臓が必死に血液を送り出そうとすると、肌が冷たくなり冷や汗をかき始めます。
すると、あっという間に、脳は酸欠を処理できず、永久に停止します。

しかし、このような恐ろしいことが起こらないよう、防ぐ方法はたくさんあります。

1. 体を締め付けない、軽量で、明るい色の、綿素材の服を着る
猛暑の時に着る服は、快適さと安全性のどちらにとっても一番重要です。
肌と洋服の間に空気が流れるだけの十分な余裕があれば、汗を蒸発させることができます。
前述のように、汗が蒸発しないと体が冷やせません。
また、服は軽量のほうがいいです。
軽量であれば体への負担も軽く(服が重いと動くのによりエネルギーが必要で、より熱が生成されます)、生地が薄ければ通気性もあります。
白やベージュのような明るい、薄い色の服は、太陽光を反射するので、熱も反射します。

さらに大事なのは、綿素材の服を選びましょう。
綿は体の余分な水分を吸収し、汗が蒸発するのを助けるので、体を冷やすことができます。
汗をのがす特殊な素材は、気温が安定しているスポーツジムや日中の涼しい時間帯にはいいかもしれませんが、猛暑には最適ではありません。

2. 衣服、帽子、タオルを濡らす
綿は、水分を吸収し保つのにいい素材なので、衣服を濡らして、体を冷やすことができます。
シャツを脱ぎ、川の水に浸したり、ペットボトルの水を全体にかけたりしましょう。
絞って、また身につければ、すぐに体を冷やしてくれます。
帽子は服以上に役に立ちます。
顔や目を太陽光から守るだけでなく、帽子を濡らして頭にかぶれば、涼しくて気持ちいいです。
自分の肌や体以外の水分を蒸発させて体を冷やせば、汗をたくさんかかずに済みます。
最後に大事なことを言い忘れていましたが、猛暑で屋外に出なければならない時は、タオルやラグを持ち歩くのもいいです。 濡らして絞って、首の周りに巻き付けましょう。
綿以上に水分保持に優れ、体を長時間冷やす、特殊な素材のタオルもあります。

3. 日陰を探し、定期的にそこで休む
太陽が照りつける暑い日には、日陰がすべてです。
屋外で何をしていても、とにかく日陰を探して、できるだけそこで休憩をしてください。
熱中症になっていそうな人を看護する時は、医療関係者の間では「冷やすの第一、移送はその次」と言われており、屋外で長時間過ごす時には、このルールに倣ったほうがいいでしょう。

自分の体温が上がっていると感じたら、動く前に日陰を探して涼んでください。
目的地が近づいているからと言って、猛暑の中でラストスパートをかけようとしないでください。
焦らず、涼をとりましょう。

4. 無理をしすぎない
当然だと思うかもしれませんが、動けば動くほど体は熱くなり、動かなければ体は冷えます。
運動をしている時に燃やしているエネルギーの約80%は熱に変換されます。
屋外ですでに灼けるような暑さの中にいるのに、それ以上体を熱くする必要はありません。
日陰で休憩をして、無理をしすぎないでください。
トレーニング中のアスリートや兵士の死因のトップ3のうちの1つは、運動性の熱中症もしくは日射病です。

5. 水を飲み、電解質を補給する
水を飲みましょう!
人体は涼しい状態を保つようかなりきちんと機能しますが、その働きをするために必要な燃料を補給しなければなりません。 つまり、飲み過ぎではないかと思うくらい大量の水を飲むべきだということです。
また、できれば塩分も摂取して電解質を補いましょう。

アルコール、カフェイン、炭酸などは飲まないようにしてください。
この手の水分は、保水プロセスが遅いので、脱水症状になることがあります。
長旅や水分が限られているとわかっている場合は、当然ですが水を無駄にしたくないでしょう。
しかし、屋外にいる時は、必要だと思う量以上の十分な飲み水を持ち歩きましょう。

6. 小型の持ち歩き扇風機は使わない
よさそうだと思うかもしれませんが、FEMA(米連邦緊急事態管理局)は屋外で気温が35度以上の場合は、扇風機を使うのを推奨していません。
扇風機は風を送り、人体に間違った快適さを感じさせますが、実際に体温は下がらないと説明しています。
さらに、汗の蒸発が起こらないので、肌が乾燥します。
この間違った快適さと体が冷えないことによって、突然日射病になることもあります。

7. ミストボトルを持ち歩く
扇風機の代わりにミストボトルを持ち歩きましょう。
猛暑の中で快適になる方法としては一番のおすすめです。
ミストボトルで水を体に吹きかけると、細かい水滴がすぐに蒸発し、体を冷やしてくれます。
体温を少し下げてくれるだけでなく、気持ちよくもなります。

気をつけてほしいのは、霧吹きではなくミストボトルです。
ミストボトルは、肌により均一に水分を補給することができます。

屋外の気温が32度以上の場合は、用心して、十分に準備が整っている時だけ外出してください。
気温が37度を超えたら、できるだけ外出は控えましょう。
気温が40度以上の場合は、外出しないでください。

そんな危険を冒すほどの価値はありません。
熱中症から身を守って!

[ライフハッカー[日本版]]
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2019年08月20日

日本人の6割が感じる「生きづらさ」向き合うための3つのコツ

日本人の6割が感じる「生きづらさ」向き合うための3つのコツ
2019年08月19日 SPA!

―[[生きづらい病]の正体]―

 仕事や家庭などさまざまな場面で感じる「生きづらさ」が日本人に蔓延している。
30〜55歳までの男女2000人を対象にしたアンケート調査でも64.5%の人が生きづらいと感じている現代社会。
もはや国民病とも言える、その病理に迫る!

◆「生きづらさ」とどう向き合うべきか?

「生きづらい病」を抱えた人は、どう折り合いをつけるべきか?
「まずは生きづらい理由を整理し、理解すること。
そのうえで自身が悩まされている気質や障害、疾患について詳しく知ることです。
そこから特性を生かせる働き方や生き方を模索できたり、治療するための対策を考えていけたりと第一歩を踏み出すことができます」(HSP専門カウンセラー・みさきじゅり氏)

※HSPとは?…
「ハイリー・センシティブ・パーソン」の略。
感覚から得た情報を処理する神経が敏感で、刺激や他人の感情に過敏に反応してしまう特性を持つ
 HSP当事者である川村博行さん(仮名・40歳)も、カウンセリングを受けながら自身のHSPの特性と折り合いをつけている最中だ。
「社会人時代はいっぱいいっぱいで気づきませんでしたが、今は相手の感情や細かい表情の変化に気づけるHSPの特性は1対1のビジネスに役立つスキルだと感じています。

特性がデメリットだけじゃないと思えるようになって心が軽くなりました」
 HSPに限らず「他者との比較をやめ、環境やペース、適性など自分にとって働きやすい環境を自分で選んだという仕事に対する肯定感が重要」(みさき氏)だという。

 また、多くの日本人が生きづらさの理由として直面する“対人関係でのつまずき”。
精神科医の西脇俊二氏は、「専門医にかかるまでもなく、対人関係を良化させるコツは3つしかない」と断言する。

「1つ目は『他人に期待しないこと』。
対人関係でつまずく理由の多くは、他人が思ったとおりに行動してくれなかったり評価してくれないことがストレスになり生まれるもの。
自分自身は変えられても他人の感情や思考を変えることはできません。
他人にはとことん期待せずにいたほうが、心穏やかに生きられます。

 そして2つ目は『自分にも期待しないこと』。
自分には“できること”と“できないこと”があることを理解し、『うまくいかないことがあっても当然』と考えて落ち込まないようにする。
もちろんすべてを諦めるのではなく、“できること”のスキルを伸ばす努力は不可欠です」
 他人にも自分にも期待をするからこそ、うまくいかなくなったときに生きづらさを感じてしまう。

◆意識的に他者の承認欲求を満たすことを考える
 これら2つを踏まえたうえでもっとも重要なのが3つ目だ。
最後は『他人の承認欲求を満たしてあげること』。
承認欲求は誰しもが持ち、飢えているものですが、それを意識的に『他人に与えよう』と考えている人は非常に少ない。
これが生きづらさが蔓延するひとつの理由とも言えます。
自分の承認欲求を満たすことばかり考えるのではなく、意識的に他者を褒めたり認めることで周囲の人の承認欲求を満たすことを考える。
そうすることでおのずと人から求められるようになり、自分の承認欲求も満たされることに繋がります」(西脇氏)

 言わばこの3点は対人関係の核だが、こうした意識改革はすぐに実践できるものではない。
「まずは2週間から1か月。
メモに書いて貼ったり、スマホの待ち受け画面に書き込むなど、ことあるごとに思い出し心がければ、徐々に思考法が身につきストレスが軽減する」(同)という。

 つかみどころのない“生きづらさ”に悩まされ続けるのではなく、その理由を知ったうえで対策を実践することが、一番の近道なのかもしれない。

◆タイプ別「生きづらさ」の対処法
=====
<HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)>
HSPの特性をみずからの個性として受け入れることが折り合いをつけるための第一歩。
外出時はイヤホンで雑音を遮断する、会社から近いエリアに住み電車通勤の負担を減らす、「コピー機の横だと気が散るので」と上司に伝えて社内での席を配慮してもらうなど、積極的に個人で対策を取ることも忘れずに

<発達障害>
近年はソーシャルスキルトレーニング(SST)と呼ばれる発達障害者の社会的自立、生活の不自由をなくすための療育プログラムも充実。
ADHDなら投薬治療で症状を抑えることも可能。
グレーゾーンであれ、希望すればこうした治療を受けられる。
当事者会に参加し悩みを共有するのもひとつの手段だ

<複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)>
個人で無理に過去のトラウマと向き合おうとするのは精神的負担が大きいためオススメできない。
医師の診断、カウンセリングを受けながら指示を仰ぐのがベター。
抗うつ剤による投薬治療という選択肢もあるが、対症療法にすぎず根本となるトラウマを解消するものではないので坂本医師は推奨していない
=====

◆「生きづらい病」の人たちとの接し方

 では、生きづらさを抱える人に周囲はどう接するべきか?
「何事も深く考え込む特性をもつHSPですが、『考えすぎだ』『気にしすぎだ』といったワードは当事者の個性を否定することになるのでNG。
HSPは感情や神経が乱高下しやすい面がありますが、そういうときには非難するのではなく『大丈夫だよ』と安心させる声をかけてほしいです」(前出・みさき氏)

 ミスへの対策を、ともに話し合うのもひとつの手段だ。
「ケアレスミスが多いなら『次はこうしてみたらどうだろう?』などとアイデアを一緒に出していくようにしましょう。
高圧的に指導して治そうとしたり、自分たちの仕事のやり方を無理強いしたりはしないほうがよいと思います」(前出・西脇氏)

 周囲が理解を示す姿勢を見せてこそ、「生きづらさ」は解消されるものなのだ。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
―[[生きづらい病]の正体]―
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2019年08月22日

岩崎恭子 14歳で金メダル、今も失われた2年間の記憶

岩崎恭子 14歳で金メダル、今も失われた2年間の記憶
8/21(水) 日経ARIA

オリンピックというひのき舞台で輝いたスポーツ界のヒロインたちの「その後」は、意外に知られていません。
競技者人生がカセットテープのA面だとすれば、引退後の人生はB面。
私たちの記憶に残るオリンピアンたちの栄光と挫折に、ジャーナリストの吉井妙子さんが迫ります。

●「目標は決勝進出」だった14歳が手にした金メダル
―― 1992年のバルセロナ五輪で発した「今まで生きてきた中で一番幸せです」のフレーズは、27年たった今も多くの人の心にあります。

岩崎恭子さん(以下、敬称略)
 あのとき14歳になったばかりで、まさか私が金メダルを獲得するなんて夢にも考えていませんでしたし、そもそも私は決勝直前まで誰からも注目されず、期待もされていなかったと思います。
実際バルセロナ五輪直前までは日本記録さえ破れていなかったし、世界のトップとは6秒近い差があり、平泳ぎ200mで6秒の差は決定的。私の目標は決勝進出でした。
 ですから予選で2位になり決勝進出を決めた時は「やったー!」ってガッツポーズ。
日本代表の仲間たちも「恭子ちゃん、すごい」って喜んでくれたので、もう達成感がいっぱい。
 でもコーチから「もう1回泳ぐからね」と言われ「そっか」って。
五輪の決勝戦がどんなにプレッシャーの掛かるものかあまり理解していなくて、試合直前におにぎりを5個も食べているんです。
喉を通らないという友達の分も(笑)。
 状況をあまりのみ込めていないのがよかったのか、決勝当日は50mプールがなぜか小さく見えた。
そして、ゴールしたらなんと私が1位。
会場がすごく盛り上がっていて、体から湧き上がる喜びを表現しようと思い、とっさに出た言葉があのフレーズでした。
バブルが弾けた後の日本の希望の光になった

―― 五輪のたびに名言が生まれますが、いつしか記憶の底に沈んでしまいます。
でも、岩崎さんの言葉は今もなお、私たちの中に生き続けている。
ご自身ではなぜだと思われますか。

岩崎 
14歳の少女が人生を総括するような言葉を発したので、そのギャップに皆さん驚かれたんだと思います。現在41歳の私が、もし突然、中学生に「私の人生の中で……」と言われたら「は?」って思いますもん。
ただ、まだ多くの人に覚えて頂いているのは、時代背景や環境などいろんな要素があると思います。
 バルセロナ五輪で金メダルをとったのは私と柔道の吉田秀彦さん、古賀稔彦さんの3人だけだったので注目度が高かった。
最近でも、渡部香生子ちゃんや池江璃花子ちゃんなど若くして活躍する選手が台頭するたびに「岩崎2世」と称され、そしてあのフレーズがクローズアップされる。
 またオリンピック、元号が変わるなどアーカイブ的な特集のときは必ずと言っていいほどあの発言を取り上げて頂けるので、皆さんの記憶に刻まれることが多いんだと思います。

 平成から令和になるときも多くの取材を受け、ある記者の方に言われたことが印象的でした。
それは、バブルが弾け、この先、日本はどうなるのかと目に見えない不安が漂っていたときに、未来ある中学生が金メダルをとり希望の光を与えてくれからこそ、あの言葉が今でも私たちの心に残っていると。
うれしかったですねえ。

―― しかしその言葉はそれ以降、解離性健忘(非常に強いストレスにより過去を思い出せなくなる障害)になるほど、岩崎さんを苦しめました。
金メダリストになった途端に環境が激変

岩崎
そう、中3から高校1年までの記憶がほとんどないんです。
 金メダリストになった途端、環境が180度変わってしまいました。
まず驚いたのが帰国時の空港。
カメラマンが何十人もいて、私が歩くたびに追いかけてくる。
バルセロナでは日本競泳陣の中でメダルをとったのは私だけだったから、取材陣が私一人に集中するのもすごく嫌だった。
でもそれはまだ序の口。
 家から一歩出ると多くの人の視線にさらされ、学校の行き帰りには、見知らぬ人に何度も後を付けられました。
家の電話は鳴りっぱなしになるし、かみそりの刃を送られてきたこともあります。
それで学校の行き帰りは母が車で送り迎えをしてくれることになりました。

●心に刺さった「14年しか生きていないのに何が分かる」の声

岩崎
 知らない人に「14年しか生きていないのに何が分かる」とか「私なんて何年生きていてもいいことないよ」とか声を掛けられ、今だったら「幸せと感じるのは、何歳でもいいでしょ」と思うんですけど、まだ思春期になったばかりですから、ズサズサ心を切られましたね。
また、高校は私の入学時から男女共学になったんですけど「岩崎が共学じゃないと行かないと駄々をこね、共学にさせた」とか、信じられない噂話がたびたび耳に届きました。

金メダルをとるんじゃなかったと思った日々

岩崎
 多分、今ならネットでバッシングされるようなことが、その当時はインターネット環境も発達していなかったので、ダイレクトに届けられたんです。
他人の容赦ない視線がガラスの破片のように私の体に突き刺さり、噂話が私の心をむしばんだ。
「あんな言葉を言わなきゃよかった」と毎日思ったし、しまいには金メダルなんてとるんじゃなかったって。

―― 自分を守るため本能的に記憶を消したんですね。
消さなければ生きていけなかった。

岩崎 
後で考えても、何に悩んでいたのかよく覚えていないんです。
忘れるくらい何もかも苦しい時期だった……。
大学で心理学を専攻し、卒論を書くときに、その頃の自分を分析しようと試みたのですが、教授に止められました。
「まだ早い。大学生の君は、当時の記憶に耐えられるほどまだ心ができていない」って。
しばらくたって中学や高校時代の友人に「あの頃こうだった、ああだった」と言われ、かすかに記憶が戻るくらいですね。  ただ、記憶がない時期は家族だけが私の支えでした。
3姉妹の次女なんですけど、私が家で普通に過ごせたのは、父や母がどれだけ頑張って私を守ってくれたか、私が母になった今、よく分かります。
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2019年08月27日

看護師たちを困らせるモンスター患者

看護師たちを困らせるモンスター患者
「あっちの患者より優しくしろ!」
日刊SPA! 2019/08/26

 かつてない高齢化社会に突入した日本。
もちろんそれは医療の現場でも例外ではない。
総合病院ともなれば、診察開始時間の前から、列をなす年長者の姿を見ることも珍しくない。
 しかし、この年代特有の上から目線が、トラブルをまねくケースも後を絶たないという。

◆横柄な態度が目立つ年配患者たち…
「この前、対応した年配の男性患者は、膝や肘が弱っているので、周りからバイクに乗るのを止められていたのに、言うことを聞かずに乗って転倒。
幸い、骨折で済んだんですが、入院中、共同の風呂場に置いてあったクレンザーで頭を洗って、目が炎症したといって、ナースルームに怒鳴り込んできました」

 そう話すのは、関東近県にある総合病院で看護師をしている佐々木香織さん(仮名・32歳)。
おっとりとした見た目のためか、モンスター患者に遭遇しやすいとか。
「クレンザーをシャンプーと間違ってしまったのは、患者さんのミスなのですが、“そんなところに置いてあるから悪い”と言って、引きませんでした。
さらには『治療費を払え』とエスカレートしていったので、家族に連絡をして事情を聴いてもらいました」

 この男性患者のように、最近では、身体の不調で入院などしても、元気な老人が増えて困っているそう。
「この前は、支払い能力がないのに、個室を希望してきた高齢の男性がいました。
かつてはある企業で役職に就いていたことがあるらしく、『ほかの人と同室だとプライバシーが守れなくていやだ』と暴れていました。
家族もほとんどお見舞いに来ないし、保険証を確認したら、生活保護受給者でした。
この男性は耳が遠いのか、廊下まで響く音量でラジオ聞いていて、ほかの入院患者からクレームが入ってきましたね」

 かつての栄光を忘れられない年配患者が多いのか、受付でも「自分の順番を先にしろ」といった、横柄な物言いが目にあまるという。

◆終電が無くなりタクシー代を要求、軽症で救急車を呼ぶ女子大生…  
さらに、耳を疑いたくなるような要求を患者たちはしてきたらしい。
香織さんは、「クレームを言われるのが日常茶飯事なので、どれがモンスター患者なのかわからなくなった」と語った。
「うちの病院は、2つの駅からアクセスできるのですが、どちらの駅からも遠いんです。
深夜に具合が悪くなって救急車に乗車し、入院するほどの症状ではない場合は、診察が終わったら自力で帰ってもらいます。電車が動いていないような深夜の場合、タクシーに乗ることになるのですが、『こんな時間になったのは病院のせいなのだからタクシー代を出せ』と怒鳴る人は、男性に多かったですね」

 20代の女性に多いトラブルが、高熱や腹痛という緊急の症状ではないのに、周りに頼れる人がいない不安から、救急車を呼んでしまうことのよう。
「この前は、『彼氏も友達もいないから、救急車を呼んでしまった』という女子大生がいました。
病院で診察したら、大病ではないとほっとしたようですぐに元気になっていました。
クレーマー患者よりはマシですが、なんでもすぐ救急車を呼ばれてしまうと、本当に必要な人に迷惑が掛かってしまうので、これも困りものですね」

◆ニーズが高まる個室に、トラブルが続出!
 香織さんは「入院時に個室を希望する人が増えてきているが、退院する時に支払いでトラブルになることが多い」という。  

近年、プライバシーへの配慮や、入院中も仕事がしたい会社員など、個室を希望する人が増えている。
病院によっては、全室個室の病棟もあるが、1泊あたり1万円程度の割増料金を巡って、トラブルも絶えない。
「最初に『読んでください』と言って渡している入院承諾書を読んでいない人がほとんどなんです。
手術が必要なケースや、大部屋が空いていない時など、患者さんによっては個室に数日だけ入院してもらいます。
最初に了承をを得ているはずなのに『ベッドが空いていないのは病院の都合なのだから、個室料金は払わない』といって揉めたり、午前中で退院しても部屋を使っているために1泊分の個室料金が発生することに対して、『入院費は払いたくない。ホテルに泊まるのでホテル代を出せ』という人もいたりします」

 このように、人命を優先されるべき医療現場だが、一部の患者たちの横柄な態度に、看護師たちは頭を悩ませている。
香織さんは「病院をサービス業と勘違いしているのか、『あっちの患者よりも、もっと優しくしろ』と言ってくる患者もいます。
最近は、怒るのに疲れて“面白い患者さんが来たなあ”と思うようにしています」と、あきらめにも似た表情で語った。

 自分がもし、看護師のお世話になるようになったら、裏で「モンスター患者が来た」と言われないよう気を付けたいものだ。
          <取材・文/池守りぜね>
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2019年09月09日

今日 手術入院

今日、大学医療センター病院に10時30分予定で手術入院をします。
台風進路によっては 鉄道の再開が遅れるかもしれませんので ニュースにくぎ付けです。

 9日 (月) 入院 10:30
 10日 (火) 大腸内視鏡検査 10:00
 11日 (水) 多発痔瘻・膿皮症手術 3時間の予定

以下 経過観察などで10日〜14日の入院予定。

21日迄は 「予約投稿」で記事更新をします。
コメント返しやブログ訪問はできませんので お許しください。

毎日のように出血する症状と「さようなら」ができそうです。
30年年以上 拗らせた痔瘻。
やっと決心ができました。
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2019年09月11日

2019年度も折り返し!今からでも間に合う?家計の見直しのポイントとは

2019年度も折り返し!
今からでも間に合う?
家計の見直しのポイントとは
9/8(日) ファイナンシャルフィールド

年始に今年こそ貯めるぞ! 家計簿をつけるぞ! と意気込んだものの息切れしている人、なかなかお金を貯めることができないという人に挽回の方法を教えます。

やっぱり意気込んでも…
「お金を貯めたい。家計簿をつけよう!」なんて意気込んでも、やっぱりこれができない人はたくさんいます。
実は私もその一人です。
家計簿をつければお金の管理ができている、そして貯まるという錯覚に陥っている人もいるはずです。
自分に無理な暗示をかけて、疲れることをやっているにすぎません。

昔から、十人十色。10人いれば10人の考え方、やり方があっても良いと思います。
お金を貯める方法についてもいろいろなやり方があっても良いのです。
とかく、お金=家計簿となりますが、毎日つけるのは面倒で大変です。
そこで、家計簿をつけることが長続きしない人は、いっそのことやめてしまうのはどうでしょう?

では、どうすれば貯められるのか?
そこで、毎日毎日家計簿をつける代わりに、1ヶ月の収支の洗い出しをして無駄をしっかり把握し、カットすることが重要になってきます。 
この際、季節によっても支出は大きく違う点に注意しましょう。
例えば、夏は必要以上に飲み物の購入が増えますし、お盆休みなど長期の休みで外出も増えます。
このように、12ヶ月の収支の洗い出しをして、無駄をカットしていきましょう。

●強い意思で貯金の目標を持つ!
また、何のために・いつまでに自分はお金を貯めるのかを考えて、しっかり目標を決めることも大切です。
お金を貯めるには自分のお金に対する意識改革と、お金の悪い使い方の習慣を直すことが必要になります。
お金の悪い使い方の習慣も、生活習慣病と同じです。
生活習慣病は毎日の繰り返しの悪い習慣で、体に悪い影響を与えた結果、発症します。
今一度、自分と本気で向き合って考えてみましょう。

ここがポイント!! 
お金を使う悪い習慣とは?
私は、コーヒーが大好きです。
外出先のカフェでコーヒーを飲みます。
1日2回カフェに行くこともあります。
習慣とはこのようなものです。
では、他にお金を使ってしまう習慣にはどのようなものがあるのでしょうか?

・毎日のお酒、たばこの購入
・毎日のペットボトルの飲み物購入
・毎日の缶コーヒー購入
・コンビニの行き過ぎ
・カフェの行き過ぎ
・頻繁な飲み会などの付き合いのための飲食
・家族との頻繁な外食
・必要以上の洋服、靴、バック、化粧品の購入
・コンサートや舞台チケットの頻繁な購入
・食事以外のおやつの購入
・毎日昼の外食 ・雑誌の頻繁購入 など

分かっていても毎日または、頻繁に買ってしまっているものがそれです。

ここがポイント!!
 まだまだ、減らせる支出があるハズ!
上記の習慣以外に、以下のような定期的な支出でお金を浪費している可能性があります。
減らせるものはないか、チェックしてみましょう。

・ワイシャツのクリーニング代(形状記憶などを購入し自宅で洗うのはダメか?)
・スマホの料金プラン(格安スマホではダメか?)
・サブスクリプション(定額支払いの音楽配信などの解約忘れ)
・生命保険の見直し(比較検討したことはあるか?)
・美容院、床屋の見直し(安価の所では本当にダメなのか?)
・新聞は必要か?(webニュースではダメなのか?)
・自家用車の見直し(カーシェア・レンタカーではダメか?)
・住居費は妥当か?(住宅ローンの見直しなどしたか?)
・無駄な交際費(本当にその付き合いが必要か?)
・光熱費は各社検討したか?など

また、借金とクレジットカードの使い過ぎにも注意が必要です。
カードを使うならデビットカードを検討するのもよいでしょう。

まとめ
まずはついお金を浪費してしまっている習慣を改善し、支出を抑えることに力を注ぐのが一番です。
「収入―支出=自由になるお金」です。
この際、支出の中に貯金金額を入れて先に引いてしまうのがおすすめです。
残るお金が少ない人、全く出ない人は年収を上げることを考えるか、使うことをしないよう努力することが必要です。
また、使えるお金がこれしかないということをハッキリと分かるような自分なりの方法を見つけてみましょう。

例えば、1ヶ月の食費の予算を出したら、そのお金を冷蔵庫にマグネットで止めるなどして、自分に「今月はこれしか使えない」と分からせるのも良い方法かもしれません。
例えば5万円だとすると、1万円札5枚を貼り付けるといったかたちです。

無駄を見つけてお金を貯めるためには、自分と向き合い見直すことが重要です。
一度見直して実践し反省して、また見直しです。
この繰り返しで習慣が改善していきます。

さあ、やってみましょう!

執筆者:朝比奈瑞季
日本ファイナンシャルプランナーズ協会会員 
NPO法人 ら・し・さ(終活アドバイザー協会)会員
ファイナンシャルフィールド編集部
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2019年09月16日

政府の認知症予防は危険だらけ

政府の認知症予防は危険だらけ
症状を進行させコミュニティを分断させる恐れも
2019.09.05 ヘルスプレス

 6月18日、政府は認知症施策推進大綱を発表した。
「予防」と「共生」を2本柱の目的として掲げ、高齢社会のなかで認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指すことを目標としているものだ。
 ニュースで報道されていたこともあり、私が普段訪問している長屋の高齢者も、「やっぱり認知症に気をつけないと」と語っていた。

しかし、このような感想を聞くたびに、私は高齢者が安心に暮らせる社会から離れていくと感じる。
今回の大綱も、本当に認知症患者の希望につながるかは疑問だ。

運動不足の改善で認知症は改善できない!?  
そもそも認知症の予防方法が確立していない。
確かに認知症の予防は世界中で注目されており、2017年には世界保健機関(WHO)が、「認知症グローバル・アクションプラン」を策定し、認知症のリスクを軽減するために生活習慣への介入を推奨している。
 しかし、どのような介入がよいかはエビデンスが確立していない。

 この大綱でも、認知症の予防に関しては「運動不足の改善」「社会的孤立の解消」「生活習慣病」が挙げられているが、いずれもこの大綱がターゲットと定めている団塊の世代に対して介入することで認知症が予防できるかどうかはまだ結論が出ていない。

 例えば、運動は運動量が多い人は認知症のリスクが低いという観察研究はこれまでにも多いが、運動不足の人に運動をさせることで認知症リスクが下がるかどうかは結論が出ていない。
 英国サセックス大学のヤング(Young)氏による12報のランダム化試験のメタアナリシスによると、認知機能が正常な55歳以上の被験者に対して有酸素運動による介入を2か月から6か月間行っても、認知機能の改善は認められなかった*1。

 英国の35〜55歳の公務員を約30年にわたって調査した「Whitehall II Study」のコホートを用いて運動量と認知症の関係を調査した研究によると、認知症と診断された患者は診断から9年以内に運動量が低下していた*2。

 このことから、運動量の低下は認知症の前駆症状である可能性も示唆されている。
もしそうであれば、運動不足に陥った高齢者に介入しても認知症予防には効果がない可能性もある。

高齢者の糖尿病に介入してももはや手遅れ!?  
また、生活習慣病の中でも糖尿病を例に挙げると、2006年に『Lancet Neurology』に発表されたシステマティックレビューにおいても65歳未満での糖尿病は認知症のリスクになると言われている*3。

 高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、長期間続くことで認知機能に影響を及ぼすと言われている。
このため、これらの改善は中年期に行っておくことが認知症予防に効果的だ。
 一方で、高齢になってからの糖尿病が認知症に与える影響はそれより小さい。
 スウェーデンの双子データベースを用いた研究によると、65歳未満に糖尿病を発症した人では認知症リスクが約2倍になっていたが、  65歳以降に糖尿病を発症した人は、そうでない人に比べて認知症リスクに統計的な差がなかった*4。

 現在すでに65歳を超えている団塊の世代では、もはや介入しても間に合わない可能性すらある。

大綱は利権争いと競争の歪み、天下り先の量産しか生み出さない
 今回発表された大綱は当初「認知症患者の6%の減少」と数値目標までついていた。
この数値は、5月16日似開催された「認知症施策推進のための有識者会議」で示された数値が根拠となっている。
 まず、10年間で認知症の発症年齢を1歳遅らせることを目標としている。
すると、10年間で有病率が1割低下する計算となるため、6年間で6%の減少、という目算となる。

しかし、上述のとおり認知症の予防方法が分かってもいない現在、認知症の発症年齢をどのように遅らせることができるのか不明だ。

このように予防方法が確立していない中であえて認知症の予防を政府が掲げることで生まれる懸念が2つある。  

1つ目は、政府の後押しによってできる利権と競争の歪みである。
例えば、「認知症施策推進のための有識者会議」資料によると、認知症予防は、住民サービスへの参加率向上、認知症予防に関するエビデンス収集の推進、民間サービスの評価・認証の検討、などが案として上がっている。
 民間サービスの評価・認証という単語で思い出すのは厚生労働省所管の独立行政法人である医薬基盤・健康・栄養研究所が審査を行う特定保健用食品(トクホ)だ。
 トクホ認証を受けていると健康に良いような印象を与えるが、トクホ認証の人工甘味料入りの飲料は、たとえカロリーゼロであっても健康には良くない。
 当初は健康に良い食品を分かりやすくするなどの目的でできた制度も、認証が形骸化すると消費者への利益はない。
残るのは、各省庁所管の独立行政法人、つまり天下り先だけだ。

 認知症予防サービスも、エビデンスが曖昧なだけに、このような歪な査定が行われる可能性が高い。
 例えば認知症テストの点数が上がるゲームソフトが認証を受けたとしても、そのゲームをした高齢者が運動不足から寝たきりになるのでは誰も救われない。
 むしろ現在のように予防方法が確立していない状態では、多くのプレイヤーが様々な試みを行い、うまくいったものを広めるのが理想的だ。

 例えば製薬会社のエーザイは、他の製薬企業が撤退するなか、社運を懸けて新認知症薬の開発を行っている。
 たとえ新薬の開発に成功したとしても認知症への効果や副作用の検証、費用対効果など専門家からの厳しい評価にさらされ、さらには特許切れ、他の新薬の出現など様々なリスクがある。
新薬の成功のためには、フェアだが激しい競争に生き残らなければならない。
 また様々な地域でNPOや福祉事業者などが認知症予防を目的としたサービスを行っている。
運動、認知機能トレーニング、食事、社会サービスなど、様々な側面からの介入があるが、現時点では認知症の予防効果がはっきりと証明されているものはない。
 これら単体のサービスの有効性もそうだが、個人に最適な組み合わせの評価など、効果の検証の道は長い。

 政府の役割は、フェアな競争の維持、効果の検証と公開であって、どのようなサービスが広まるかは競争に任せるのが適切だ。

認知症予防の煽りがコミュニティの分断を招く  
2つ目は、予防を煽ることで生まれるコミュニティの断絶だ。
私の経験では、認知症予防に対して積極的なコミュニティほど、認知症のような症状が出てきた高齢者をコミュニティから排除する傾向がある。
「認知症が怖いから予防しないと」と大勢が語って、みんなでラジオ体操をするなど健康維持に熱心な長屋の住民では、認知症の住民が出てきたときに「あの人は前から違ったから」「生まれも違う地域だから」と、自分たちのコミュニティのメンバーとして捉えるのではなく、自分たちとの差異を強調して元から違ったように捉えようとする発言が多くなった。

 一方で、仲良くお話しする程度はするが、運動などの健康維持には積極的ではない長屋もある。
 ここでも最近認知機能が下がってきた高齢者がいるが、その高齢者は「ばっちゃん、またぼけてるなあ」と言われはするが、部屋には毎日誰かが出入りしてニコニコと生活している。

 政府によって予防を煽ることは、「健康でなければいけない」という思い込みを招く。
 認知症やその他の疾患で健康を損ねた状態になった人をみると、「そういえばあの人は運動してなかったね」「甘いものが好きだったから」と自分と違うところを見つけてコミュニティの外に追い出してしまいやすい。

最も介入が必要な軽度認知機能低下が放置される危険性  
そうなると、認知症対策もうまくいかない。
ベルリン自由大学のサンク(Zankd)氏らの報告によると、認知症に関して最も不安が強くなり、尊厳を損ねるのは、認知症の前段階として知られる「軽度認知機能低下」の状態の人だ*5。

一方でこの段階の人は、適切な介入を行うことで認知機能が改善する可能性があると期待されている。
つまり、最も介入が必要な人だ。
しかし、認知症予防が喧伝される社会では、認知機能低下を指摘されるとコミュニティから疎外される懸念があるため、不安を共有することもできない。  
こうして本当に介入が必要な人が不安を誰にも伝えられないまま適切な介入が行われず、さらに認知機能が低下するという悪循環を生む可能性すらある。

「健康な人」と「そうでない人」の間で断絶がおきかねない  
今後、政府の取り組みにかかわらず、認知症の予防に取り組む高齢者は増える。
そのとき、高齢者コミュニティ内で「健康な人」と「そうでない人」の間で断絶が起きることを私は恐れている。
 人は誰もが老い、健康を損ねる。

高齢社会においては、特に健康状態の多様性が生まれる。
そこでは、安心して病気になることができる社会こそ、政府が目指す姿ではないだろうか。

 まとめると、現在の政府が行っている認知症対策は、将来の成長分野の健全な競争を阻害し、さらに高齢社会の分断を招く危険がある。
 需要のある認知症の予防分野は民間部門の競争に任せ、民間部門では支援できないような高齢者が幸福な生活を送ってもらえるように環境を整備する――。
これが高齢社会での国のあり方ではないだろうか。
      (文=森田知宏)

参考文献
1. Young, J., et al., Aerobic exercise to improve cognitive function in older people without known cognitive impairment. Cochrane Database Syst Rev, 2015(4): p. CD005381.
2. Sabia, S., et al., Physical activity, cognitive decline, and risk of dementia: 28 year follow-up of Whitehall II cohort study. BMJ, 2017. 357: p. j2709.

3. Biessels, G.J., et al., Risk of dementia in diabetes mellitus: a systematic review. Lancet Neurol, 2006. 5(1): p. 64-74.
4. Xu, W., et al., Mid- and late-life diabetes in relation to the risk of dementia: a population-based twin study. Diabetes, 2009. 58(1): p. 71-7.
5. Zankd, S. and B. Leipold, The relationship between severity of dementia and subjective well-being. Aging Ment Health, 2001. 5(2): p. 191-6.
医療バナンス学会発行
「MRIC」2019年9月3日より転載(http://medg.jp/mt/
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2019年09月17日

池江璃花子と密会、なべおさみの”ハンドパワー”は本物か、インチキか!?

池江璃花子と密会、なべおさみの”ハンドパワー”は本物か、インチキか!?
2019.09.03 TOCANA

 白血病を公表している競泳女子・池江璃花子選手とタレント・なべおさみに”密会報道”が持ち上がった。
8月29日発売の「週刊新潮」(新潮社)と30日発売の「フライデー」(講談社)が揃って報じているもので、池江選手ががんの「民間療法」を行うなべの教えに傾倒しているという内容だ。

 なべと言えば、1991年、長男で元たけし軍団のなべやかんの「明治大学替え玉受験事件」で騒がれたことで知られ、5月には古巣の吉本興業復帰が発表されたばかり。
近年はスピリチュアルに目覚め、自身の”気”や”オーラ”で多くの著名人の命を救ってきたと自称しているという。

両誌では、池江選手がなべの自宅を訪れるシーンや、一緒に東京・銀座へ向かう姿など、複数の写真が掲載されている。
事情を知る関係者の話。
「なべとは池江選手の母を介して知り合ったそうだ。
多額の報酬を支払い相談に乗ってもらっているみたいだ」

 なべはマスコミの取材は完全NGで、池江親子とのただならぬ関係≠ノついて完全否定しているという。
 ここでは、がんの民間療法についての良し悪しは触れないでおくが、2つの週刊誌が同時に同じネタを掲載した時点で、第三者のリークがあったと見るのが妥当。
それも「なべに”取り込まれる”池江親子に警鐘を鳴らす狙いがある」(同)ことは明らかだ。

「ただ、間違ってはいけないのは、池江さんは抗がん剤治療などをやめて、なべの手かざし療法≠ノ走ったわけではないということ。
病院の治療は治療で、きちんと受診している。
なべとの関係性は分けて考える必要がある」(スポーツ紙記者)

 とはいえ、池江選手を応援するファンからは「大丈夫なのか?」という声が殺到しているのも事実。
今後のキーマンは2017年6月に小林麻央さんをがんで亡くした歌舞伎俳優の市川海老蔵と、麻央の姉の麻耶だ。
「新潮の記事によれば、なべは闘病中だった麻央さんに”気”を送り続け、妹のことで疲弊していた姉の麻耶を気遣い、自宅でご馳走をもてなしたという。
それが本当かどうか。
そもそもなべと接点はあったのか。
池江選手とその家族のためにも、名前の出た海老蔵さんや麻耶さんはこの件に関して発言する必要があると思う」(ワイドショー関係者)

 なべは4年前に出版された「昭和の怪物 裏も表も芸能界」(講談社)の中で「私の業(わざ)を使える比率は50%です。半分は天が許してくれないのです」と告白。
生と死、どちらに転んでもいいような言い訳をすでに確立している。
 なべには是非ともマスコミの前で神秘のパワーを披露してもらいたいものだ。
                                     編集部
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2019年09月18日

「満員電車の腹痛」を避けるために

「満員電車の腹痛」避けるために
2019.09.08 Business Journal  

朝、満員の通勤電車の中で急にお腹がギュルギュルと鳴り出し、途中で下車して駅のトイレを探すか、会社まで我慢をしようか迷う。
特に“お腹弱い系”の人はよくこの「ギリギリの戦い」を経験をしているのではないだろうか。
 お腹が弱いにしても、なぜ通勤電車で下痢になってしまうのか。

 『もう通勤電車で下痢にならない! すべてのお腹弱い系を救う40の方法』(松生恒夫著、祥伝社刊)では、30年間で4万人以上の腸を診てきた医学博士の著者が、排便のメカニズムから朝の過ごし方・便意と上手に付き合う方法まで専門医としての結論を紹介している。

■「朝ごはん抜き」は引き金の一つ?
 松生氏が感じているのは、年々、下痢に悩まされている患者さんが増加していることだという。
 家を出る前にトイレに行っておけば安心できるが、その時間に限ってしたくならないもの。
 特に朝ギリギリまで寝て、朝食を摂る余裕もなく、バタバタしながら朝出かけるような生活では、トイレにかける時間も持てない。

 松生氏によれば、排便が起こるまでの過程で、大腸から肛門へと便を移動させる「大蠕動」が起こるという。これは食べ物や水分の摂取によって1日1〜3回起こる。
特に朝食を食べたあとの約1時間後に起こりやすいが、この動きは10〜30分しか持続しない。
そのため、ちゃんと朝食を摂らないと便意を適切に感じにくくなってしまうのだ。
 そして、朝食を食べずに、駅のホームでコーヒーを買って飲んでから慌てて通勤電車に乗る。
こんなことをしてしまうと、そのコーヒーが引き金となって、通勤電車の中で大蠕動が起こり、強い便意が起こってしまうという。

■満員電車という環境のストレスも問題
 また、ストレスフルな環境にも注意だと著者は指摘する。
 満員電車の身動きもできず、押し合いへし合いのなかで体を押されると、極度なストレスを感じる。
こんなときにもお腹が痛くなるケースは多い。

 お腹は痛い、トイレに行きたい。でも身動きはとれないし、電車はしばらく止まらない。
このストレスフルな環境は、便意にも大きく関係しているのだ。

 ◇
 もし満員電車が引き金の一つなら、例えば会社の制度でリモートワークが許されているなら家で仕事をしてから出社するなどができるだろう。
また、トイレに行ってから出社をするということも可能であるはずだ。
「朝、その時間に出かける」から、自分の体にあった働き方をするということを考えるきっかけになる。
 通勤電車で便意をもよおしてしまう、お腹が弱い人は、本書から下痢の正体や便意をもよおさないための食生活やライフスタイルを学ぶことで、快適な生活に近づけるかもしれない。 (新刊JP編集部)

ニュースサイトで読む:
https://biz-journal.jp/2019/09/post_117561.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
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2019年09月22日

波乱の13日間の入院

昨日、東邦大学医療センター大森病院を無事退院しました。

入院初日は台風15号の影響で JRが計画運休→間引き運転で 入院のためのバックは 鉄道の満員電車で持ち込み不可能。
タクシーを呼ぼうにも「携帯の回線が混雑している」案内が20分近く流れ やっと繋がり 乗車できたとおもったら 幹線道路が大渋滞。
9時出発で多摩川大橋を渡れたのが 10時過ぎ。
運転手さんが裏道を熟知していて 2号館「マイナースステーション」の予約10時30分にギリギリセーフ。
入院受付の看護師さんから よく時間通り来られましたね、まだ日勤の看護師も多く来られない状態です、と疲労を心配してくれました。

その日から翌日の大腸内視鏡検査のための下剤攻撃。
昼食・夜食は フルーツジュースと牛乳のみ。
下剤の効果確認の 便・排泄物の看護師確認、合格するまでに 不味い下剤を約1リットル半でOKサインがでました。

大腸内視鏡検査で痔瘻の兆候なし。
病名から「多発性痔瘻」が消え、「膿皮症」のみの診断になりました。

11日の手術では 痔瘻がない分 傷も軽いかな・・・と楽観したのが大きな間違い。
尻の半分近くの皮と肉が抉られ 痛み止めを大量処方してもらっても痛みが消えない、寝るも地獄 トイレにいくも地獄の苦しみ。
傷口を鏡でみて 余りの酷さに絶句しました。

実質3日と半日の食止め。
普段は この位平気なのですが、「禁止されると無性に腹が減る」状態になりました。
入院3日目までは 傷の痛さと空腹との闘いでした。(続く)
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入院3日までの補足、退院1日目

食事
9日(月)昼  セルティースープ(カボチャ)
                   ジュースパックP ]
                   ヤクルト
       ゼリーA

9日(月)夕      牛乳
        紅茶パック

.*10日大腸内視鏡検査、11日膿皮症手術

10日〜12日朝 食止め


看護師予定表 
10日(火)     内服 朝1日分をお渡しします。
      朝6時から下財を飲みます。
      吐き気や腹痛などがありましたら
      看護師に教えて下さい😞

11日(水)     点滴  手術(8:15〜12時予定)
                5時以降 飲水×
       6時に内服わたします、
       ゆかたに着換えてください。
       朝 浣腸をし きれいにします。
      8時までに排泄をすませてください。
      鍵(貴重品)は看護師があづかります。

12 日(木)    採血  採尿
      点滴
      看護師と一緒に歩きましょう

*歩けたら 導尿管が外れ 自由??の身に。

***************************
退院1日目
   ガーゼへの体液と血のシミだしが多く
   ガーゼ交換2回
   皆さまの温かい「おかえりなさい」で
   悪戦苦闘しながらガーゼ交換

入院時と違い、一人というのは
心細いものですね。
posted by 小だぬき at 09:24 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする