2012年01月05日

民の力を活かそう 政治を諦めない

民の力を活かそう 政治を諦めない

2012年1月5日  東京新聞社説

 消費税率引き上げはマニフェスト違反ですが、批判ばかりでは実りはありません。

政策を正すには民(たみ)が政治を諦めず、政治家に思いを伝え続けなければ。


 二〇一二年の日本政治は、野田佳彦首相の四日の記者会見で幕を開けました。


 消費税率を段階的に引き上げ、一五年に10%とする「社会保障と税の一体改革大綱」の素案なるものが年末に決まり、首相会見も、その実現への決意を語るものでした。

「この問題は、どの政権でも先送りできないテーマです。誠心誠意(野党側に協議を)呼び掛けていきたい」と。

◆大義なき消費増税

 そして、第二次世界大戦時にチャーチル英首相が語ったという言葉を引き合いに出して「Never, never, never, never give up。大義のあることを諦めず、しっかり伝えるなら、局面は変わると確信しています」とも強調しました。

これらの言葉からは、消費税率引き上げに懸ける首相の並々ならぬ決意が伝わってきます。


 でも、ちょっと待ってほしい。消費税増税はいつの間に民主党政権の大義と化したのでしょうか。


 歴史的な政権交代を果たした〇九年衆院選で民主党が掲げたマニフェストのどこにも、そんなことは書かれていません。民主党政権の四年間に消費税を引き上げることはないとも約束していました。


 一体改革の素案を決める段階では当初、一三年十月に8%に引き上げる党執行部案が提示され、最終的には半年先送りを決めました。


 一三年十月からの引き上げだと現在の衆院議員任期中に実施を閣議決定することになり、公約違反になるからだそうですが、そんなことはまやかしにすぎません。

消費税率を引き上げるのなら堂々と「税率引き上げを検討する」とマニフェストに書くべきでした。

◆ムダの一掃が先決

 首相に政権の大義と感じてほしいのは、むしろ行政の無駄をなくすことの方です。

野田首相だけでなく、歴代の民主党政権はマニフェストで約束した「税金のムダづかい」一掃にどこまで死力を尽くしたというのでしょうか。


 営々と積み上げられてきた政官財の既得権益を打ち破るのは困難な作業だと、国民は理解しています。

しかし、それをやると言ったからこそ、民主党に政権を託したのではないでしょうか。


 自分たちの力量不足のツケを、消費税増税という形で国民に押し付けられてはたまりません。


 少子高齢化社会の本格的な到来に伴う社会保障費の増大や危機的な財政状況を改善するためには、いずれ消費税率の引き上げは避けられないと、国民の多くは理解しています。


 しかし、穴の開いたバケツにいくら水を注ぎ込んでも水がたまらないように、無駄遣いが残る行政機構にいくら税金をつぎ込んでも財政状況はよくならず、国民経済は疲弊するばかりです。


 首相がまず力を注ぐべきは、増税ではなく、国会や政府が身を削ることです。その順番が違うことに、国民は怒りを感じるのです。


 自民党や公明党による政権攻撃は野党の役目柄、仕方がないとしても、国会が不毛な対立ばかり繰り返しては国民の不信を買うのも当然です。

ここは、行政の無駄を削るという与党の試みに協力してはどうか。困難な仕事にこそ与野党が力を合わせるべきです。


 民主党は消費税増税に当たり、衆院議員定数の八〇削減や国家公務員給与の削減などを前提条件にしました。

国会や政府の無駄を削ろうとする意欲の表れとして評価できますが、注文もあります。


 定数は比例代表からの削減を避けてほしい。比例削減は少数政党切り捨てにつながるからです。


 議員一人当たりの経費は年間一億円程度で、八〇削っても八十億円の削減にしかなりません。

むしろ年間約三百二十億円に上る政党交付金の方を削減したらどうか。


 一〇年分の収入に占める政党交付金の割合は民主党は八割超、自民党も七割近くです。もはや国営政党の状況で、国のお金で成り立っている点で官僚と同じです。


 政治家と官僚は対立しているように見えて実は一蓮托生(いちれんたくしょう)です。この状況を脱しない限り、行政の無駄に果敢には切り込めません。

◆成立前に信を問え

 首相は会見で衆院解散の時期には触れませんでしたが、消費税増税法案の成立後、実施前に解散する腹づもりなのでしょう。しかし、それは姑息(こそく)です。

増税確定前に国民の信を問うのは当然です。


 政権交代への期待が高かった分、失望も大きい。

だからといって政治を諦めてはなりません。民が無関心を決め込んだ瞬間、政治家と官僚の暴走は始まります。根比べの今が正念場なのです。

posted by 小だぬき at 10:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月07日

民の力を活かそう つながり望む声を聞け

民の力を活かそう 
つながり望む声を聞け

2012年1月7日  東京新聞社説

 福島第一原発の事故で多くの人々は、日常が破壊されました。

十数万人もの避難者は県内・県外に散り散りです。つながりを求める声を聞きましょう。


 うっすらと雪が残る五日夕、中古のトラックが福島市内の農作物直売所にやってきました。

荷台には一トン余りの温州ミカン。七日の初売りに間に合わせました。「元気か」と待ち受けた人々が声を掛けました。


 愛媛県伊予市の渡部寛志さん(32)が約千三百キロもの距離を走り、運んできたのです。妻(29)と七歳と三歳になる女の子も窮屈な車から降りてきました。

◆避難を転々、愛媛へ

 「四日夜に愛媛を出発して、瀬戸大橋を渡り、高速道路を延々と…。二十一時間もかかりました」と語る渡部さん自身が、原発の避難者です。

福島県南相馬市の自宅は、原発から十二キロにあり、警戒区域に含まれます。


 「家の二百メートルまで迫った津波で、目前の二つの集落は残らずなくなりました。

妻と子は裏山の農作業小屋で一夜を明かし、親類宅に身を寄せました。

私は消防団員でもあり、翌日は行方不明者の捜索にあたっていました。そのとき、原発が爆発したのです」


 コメや卵、野菜をつくる専業農家でした。原発事故はその生活を一変させました。


 「翌日に郡山市の姉の家へ、3号機の爆発後は、会津若松市の母の実家へと避難しました。

 長女が小一になる昨年四月上旬に松山市へと移りました。『生きる場』を原発で奪われたと思っています」


 農業を営むため、昨年夏に瀬戸内海から五キロほど入った中山間地に農地と空き家を見つけました。

 「借りたのはミカン畑です。

地主さんからは『ミカンは儲(もう)からないから、キウイをやれ』と勧められました。でも、キウイは福島でも栽培されています。郷里でつくれない果物をと思いました」

◆家族さえ分断した現実


 田んぼも借りていますが、コメを福島に運ぶつもりはありません。放射性物質の検出や風評被害で戸惑いの渦中にある農家の心情が浮かぶからです。「コメを持ち込めば、福島農民のプライドをずたずたにしてしまうでしょう」


 福島県によれば避難者数は、県外で約六万二千人、県内で約九万六千人にのぼります。その大半が原発事故による避難者にあたるとみられます。県人口もいまだに減り続けています。大勢の人が「生きる場」を失ったのと同然です。


 もともと被災地は二世代、三世代の同居が多い地域でした。

でも現役世代は県外の親類を頼って移転し、お年寄りは県内の仮設住宅に残るケースが目立ちます。

「自分が重荷になる」と感じていると聞きます。苛酷な現実です。


 地域のつながりはむろん、家族まで分断してしまったのが、原故のむごさです。


 ミカンでつながりを持ちたい渡部さんも内心は複雑です。


 「仮設住宅にもミカンを運び、喜んでもらいましたが、私は落ち込みもしました。

自分だけしたいことを始めたのではないか。自分勝手ではないか…。故郷を捨てたわけではないけれど、気が重たくなりました」


 仮に南相馬市の家が国の新基準で居住が認められたとしても、すぐに帰るつもりはありません。

元の土地で農業を営む限り、放射線量が高い山間部から水が流れてくるからです。


 「子どもへの影響は心配です。いずれ故郷に戻りますが、それは娘が高校を卒業してから。自己判断に任せようと思います」


悩める避難者の気持ちを政府はどう受け止めるでしょう。昨年末に原発事故の「収束宣言」を出し、汚染土壌などの中間貯蔵施設を原発のある双葉郡内に建設する方針を打ち出しました。


 まるで事故の幕引きのため、既成事実化を急ごうとする非情さがうかがえます。人の心まで「処理」できません。葛藤を続ける住民たちの心を逆なでし、怒りを増幅させるばかりでしょう。



◆「秋には黒字に」と焦り

 悩ましいのは収入が上がらず、東京電力の補償の見通しも不透明なことです。

「今年秋には黒字化したい」と焦りを語ります。経済的な補償は当然ですが、同時に故郷や家族とのつながりが分断された人々の支援策にも国はもっと取り組むべきです。


 トラックの荷台にはミカンが残っています。渡部さんが向かう先は古里の南相馬市。避難中の両親や農業仲間と新年会で再会するのが楽しみです。

posted by 小だぬき at 09:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月08日

週のはじめに考える 地方から国を変えよう

週のはじめに考える 
地方から国を変えよう
2012年1月8日  東京新聞社説

「地域のことは地域で」という地方分権が進みません。中央府省が抵抗し、自治体に戸惑いがあります。住民自ら動きだすことが、近くて確かな道です。


 地方分権の議論は実は古く一九八一(昭和五十六)年発足の臨時行政調査会から始まりました。のちに三公社の民営化につなげた「土光臨調」です。

その後、途切れることなく三十年余も議論が続いています。この間、国の機関委任事務が廃止され、議会の権限が強化されるなど少しずつ前進してきました。

民主党政権は、国が権限を分け与えるイメージを改めようと「地域主権」と名付け、改革に意欲を見せました。しかし…。

◆修繕より建て替え

 改革の本丸である国の出先機関の原則廃止は先送りされ、なお府省側の執拗(しつよう)な抵抗に遭っています。

一括交付金も中身があいまいなままで、二年目も完全実施はお預けです。

鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦首相と代わるにつれて、熱がだんだん冷めてきているような気がしてなりません。


 本年度はかろうじて、国が基準を決めている義務付け・枠付けの見直しが進みました。

でも例えるなら、家の土台が腐って傾いているのに、ドアや窓を修繕しているようなもの。

その土台こそ、国と地方の行財政システムです。もう建て替える時期に来ているのではないでしょうか。


 それならと、上がったのろしが大阪都構想です。大阪維新の会の勢いは止まりません。「このままではだめだ」という府民の思いをつかんだだけでなく、国をも動かそうとしています。何も大阪に限ったことではありません。

国民の多くが「仕組みを変えなければ」と考え始めています。

◆復興も「急がば回れ」

 東日本大震災の復興が被災自治体の主導で進みつつあることは評価できます。

前町長が犠牲となった岩手県大槌町では、八月に就任した碇川(いかりがわ)豊・新町長がボトムアップの復興計画づくりを決め、地区ごとの復興協議会が案を持ち寄りました。

合意形成に時間を要するけれど、「急がば回れ」でいいでしょう。自分たちの未来をじっくり話し合って決める、それは住民自治の原点です。自治体のオーナーは住民なのだから。


 こうした住民と行政の協働が各地で試行されています。地域委員会や市民討議会の類もそうです。

公共とはもちろん、行政だけのものではありません。自分ができることは自分でやる、それでだめなら地域社会や所属団体が支える、もしそれでもだめなら公的に支える−という「自助、共助、公助」の原則を再認識しましょう。

公助も、住民に一番近い自治体が担うべきです。ニア・イズ・ベター、近いほど良い、だから地方分権を進めるのです。


 一方で、存在意義が問われる議会の改革は待ったなしです。

自治体議会改革フォーラムの調査では、議会と議員の役割・責務を明記した議会基本条例の制定は過去四年間で二百件を超え、検討中を含めると四百件余といいます。一方、改革に取り組んでいない議会も依然四割あります。


 ある議員研修での出来事。講演後に町議から「で、何をすればいいのか」「モデルを教えてほしい」と質問が出て、あぜんとした講師は「それを考えるのが議員でしょ」と言いたいのをぐっとこらえて、「あなた方がぜひモデルに」と答えたそうです。首長の追認機関から早く脱皮してもらいたいものです。


 期待したい動きもあります。地方から国を変えよう、と百人を超える地方議員が集まった「龍馬プロジェクト」。全国会会長を務める大阪府吹田市議会副議長の神谷宗幣さん(34)ら数人の呼び掛けから始まりました。


 無関心の壁を越えようと住民、特に若者の意識変革から実践しているところが、期待したい理由です。

目標は維新の会の橋下徹代表と似ていますが、「カリスマでなく地に足のついた改革を」(神谷会長)と言います。

仲間から鈴木英敬・三重県知事や山野之義・金沢市長ら首長も輩出し、次は国政を目指すとのこと。次期衆院選で打ち出す政策に注目したいです

◆理想像は「地方政府」

 地方分権が成り立つには、地方税財源を確保するための抜本改革が避けられません。自治体の課税自主権も拡充しなければなりません。

一昨年の地域主権戦略大綱に、自治財政権を確立した「地方政府」という概念が盛り込まれました。これが理想像でしょう。


 併せて、都道府県は必要なのか。道州制が望ましいのか。過疎の自治体をどう守るのか−。これまで提言止まりの課題が山積みです。国の議論が進まないなら、地方が率先しようではありませんか。でなければ、この国の未来は描けない気がしてなりません。

posted by 小だぬき at 08:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

成人の日 苦難の時こそ好機と考えよう

成人の日
苦難の時こそ好機と考えよう
2012年1月8日01時07分 読売新聞


(大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い、励ます日)


祝日法は、あすの「成人の日」の趣旨をそう謳(うた)っている。


 新成人を迎える経済状況は厳しい。リーマン・ショックによる景気低迷をいったん克服したのに、大震災が発生した 東日本大震災からの復興を誓いつつ明けた今年、大人として歩み出す約120万人の新成人へ、大きなエールを送りたい。

さらに歴史的円高で、輸出関連をはじめ企業の業績にも明るい材料がない。高校などを卒業して社会人となっている人の中には、非正規雇用のまま安定した仕事に就いていないケースも多い。

大学生の就職は超氷河期の出口が見えない。

学生ならば、しっかりと将来を見据えて勉学に励み、社会人ならば、よりやりがいと責任のある仕事を志向しないと、自分を生かせる職場は得られない状況だ。

 大変な時に大人の仲間入りをするわけだが、後ろ向きに考えるだけでは展望も開けまい。

読売新聞の新年企画「日本あれから 幸せの座標」が、大震災以後、「働く意義」を問い直す動きを紹介している。


何か。日本生産性本部が今年度の新入社員に仕事に対する考えを聞いた質問に、96%の人が「社会や人から感謝される仕事をしたい」と答えた。

 働く幸せ、とは 社会に役立つ仕事を望む傾向は震災でより強まった、と大学関係者は指摘している。

被災地へ救援に駆けつけた自衛官、消防隊員や医療関係者、交通網の復旧にあたる作業員や駅員、物資を運ぶ運転手、必需品を絶やさずに売り続ける店員――それぞれに職責を全うする人たちの姿が数限りなくあったからだろう。

 企業の規模や知名度ではなく、「社会や人から感謝される」ことを基準にすれば、素晴らしい職業に出会う機会は必ずある。多少の回り道をしても、多くの経験を積み、可能性に挑戦するべきだ。

 冒険家の三浦雄一郎さんも
「今こそチャンスと考える若者にどんどん出てきてほしい」年頭の本紙で語っている。

「苦難の時代にこそ、新しい価値観を探し、何かを変えようとする力が湧くもの。


“復興元年”の新成人には、幅広く職業観を培い、人生を切り拓(ひら)いていってもらいたい。

 企業にも、新卒・既卒の区別なく年間を通じて採用するなど、柔軟な姿勢が必要だ。新成人を仲間に迎える以上、若者の意欲をきちんと見いだす責任があろう。
posted by 小だぬき at 11:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月09日

貴方の絆に表現の間違い…年賀状、悲喜こもごも

貴方の絆に表現の間違い…年賀状、悲喜こもごも
2012.1.8 20:01 westライフ

 平成23年の漢字に選ばれたためか、今年の年賀状のあいさつに「絆」の文言が目立ちました。

 それにしても古い友人との年賀状のやりとりは、年齢に関係なくうれしいものです。

特にパソコン全盛の時代に心のこもった手書きの年賀状をもらうと、気持ちも高ぶります。


 お互い年をとったせいか「時節柄、お体をご自愛ください」という文面も目にするようになり ました。

しかし、この表現が正しい言葉の用法かと問われると、答えはノーです。

「自愛」とは、自分自身の体を気にかけ、大切にすることなので、「お体」とすると重複表現、いわゆる重言になります。

この場合は、「ご自愛ください」と表現すればスッキリします。

このほかにも、原稿に幾度となく登場する重言の代表的なものとして、「射程距離」(射程の中に距離の意味が含まれている)、「背後から羽交い締め」(羽交い締めの動作は背後からすること)などがあります。

重言は誤字や不適切表現と同様に、特に注意してチェックしなければならないものの一つです。

また重言以外にも、よく間違って使われる慣用句があります。

これから時季的に受験シーズンですが、合格発表などで使われる表現の「悲喜こもごも」がその代表例です。

本来の意味は、「一人の人間の心境」を言う語で、悲しみと喜びが代わる代わる生ずる心模様を言うのですが、「合格発表の掲示板前には悲喜こもごもの情景が…」などと、多数の人の場面の描写に用いられていることが多い用語です。


 この場合も誤用なので、「喜ぶ人、悲しむ人さまざまな情景が…」などと、表現を工夫して、現場の記者には出稿してもらいたいと思うのです。


 しかし最近は、合格発表をインターネットで掲示する大学も増えてきており、この表現が合格発表などで使われることは、今後少なくなると思われます。

パソコンやケータイなどのIT(情報技術)メディアの前で、受験生一人一人が「悲喜こもごも」の世界を繰り広げることだけは間違いないようです。(S)

posted by 小だぬき at 08:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

成人の日に考える 前へ、明日へ、未来へ

成人の日に考える 
前へ、明日へ、未来へ
2012年1月9日   東京新聞社説

 時代が二つに分かたれました。震災前と震災後。新成人の皆さんは、震災後の希望を担う初めての大人たち。だから、特別におめでとうございます。


 「実感がわきません」。福島県いわき市の避難先のアパートで先々月、二十歳の誕生日を祝うことになってしまった長峰真実さんの本音です。


 自宅は福島第一原発にほど近い浪江町の請戸地区。潮騒の音に親しみ、七キロ先にそびえる原発の夜の明かりを「きれい」と思ったこともありました。

◆振り袖に思いを託し

 その海があの日突然荒れ狂い、集落が丸ごと流されてしまうとは。放射能という見えない壁が、生まれ育ったまちの風景や、お世話になった親しい人を、こんなにも厳しく隔ててしまうとは。


 勤め先のコンビニエンスストアから同僚の車で逃れ、翌日、高台の避難所でようやく両親や弟たちに会えたときのことを思うと、今でも涙が止まりません。


 被災後、二本松市の体育館で二十日間、新潟県南魚沼市の旅館で四カ月近くを過ごし、いわき市の借り上げ住宅に移ったのが七月末。

帰る土地があるのに帰れない。体の中で余震が続いているように、なかなか心が定まりません。


 そんな真実さんが先月、成人式の振り袖をインターネットで予約しました。赤地の裾に花を散らした古典柄。浪江町役場の仮庁舎がある二本松市で、昨日、ふるさとの成人式が開かれました。

ちりぢりになった旧友たちと、あらためて無事を喜び合いました。再会のための晴れ着です。


 大人になって何をすべきか、自分に何ができるのか、未来はかすんで見えません。でも震災の次の年、この新しい年に成人の日を迎えることが、何やら特別な巡り合わせに思えてなりません。

真実さんは、決めました。


 「成人の日を区切りにし、一歩、前に踏み出します」


 自動車の運転免許を取得して、就活を始めよう。幼いころの夢だったパティシエにも挑んでみよう。

今日は、自分のための自分の中の区切りの日。自分に向き合い、自分で何かを決めてみる。

成人の日とは本来、そういうものなのかもしれません。


 失った大きな家は十年前、建築業三代目の父、勝さん(53)が自ら手がけた家でした。

 「それなら、おれももう一度、もっとすごい家を建ててやる」
 家族にとっても、特別な日になりそうですが。

◆自分自身が動かねば

 宮城県気仙沼市の佐々木志保さんは、五月に二十歳になりました。震災後洋菓子店を解雇され、七月から気仙沼復興協会の福祉部に勤めています。


 市内の仮設住宅を巡回し、炊き出しの手伝いをしたり、お茶会を開いて住人とコミュニケーションをとるのが仕事です。


 「震災があって二十歳になるのと、なくて二十歳になるのとでは、大人としての自覚がまったく違っていたはずです」と、志保さんは考えます。


 志保さんも被災者です。しかし、家も家族も無事でした。

はじめは恐る恐る仮設住宅の扉をたたき、住人と言葉を交わし、打ち解け、やがて「ありがとう」の言葉を聞くようになり、志保さんは自分が少しずつ、大人になっていくように感じています。


 志保さんは今、「自分自身が動かなければ、結局何も変わらない。がれきの山も片づかない。でも動けば動いた分だけ、まちは変わる。良くなっていく」と信じています。


 今この国の冬空を、もしかすると、被災地のそれより、もっと大きな閉塞(へいそく)感が覆っています。


 新成人の皆さん。経済の力におぼれ、科学の威力を過信して、ふるさとの森を枯らし、川や海を荒らしてきたのは、皆さんではありません。


 地震列島を原発だらけにした揚げ句、爆発事故を起こさせたのも、雇用と保障を奪っていくのも、一千兆円にも届く途方もない借金をこしらえたのも、皆さんではありません。私たちはその責任から逃れるつもりはありません。


 それでも、時代を変える力を持つのは常に若い人たちです。老いた常識よりはるかに強く、新しい海へ乗り出す新しい船を、操ることができる人たちです。

◆新しい春への足跡を

 雪に埋もれた桜の中で、新しい春が育ち始めているように、小さくていい、維新とか、大転換でなくていい、今日から一歩前へ出よう。自分の力で大人になろう。自分を大人にしていこう。


 新成人、前へ。若い世代よ、前へ。被災地もそうでないまちも、それぞれ一歩ずつ前へ。私たちも、負けずに前へ踏み出します。

posted by 小だぬき at 13:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月10日

民の力を活かそう「思いやる」から始める

民の力を活かそう
「思いやる」から始める

2012年1月10日   東京新聞社説

 年金は老後の安心を得る制度です。しかし制度を支える現役世代は疲弊し、年金で暮らす高齢者も生活は楽ではありません。どう支え合えるでしょうか。


 「月一万五千円の保険料なんて無理、とても払えない」


 東京都内の建設現場で日雇いとして働く加藤匡通さん(43)は、ため息交じりにこう断言しました。


 日当一万二千円。業界では高収入ですが、毎月の国民年金保険料は払えません。


 バブル経済崩壊後、正社員の働き口が減りました。低賃金で雇用も安定しない非正規で働く若者が増え、リーマン・ショックで多くが職を失いました。


 非正規の人たちを支援しようと加藤さんは三年前、地元に茨城不安定労働組合を結成しました。「相談に来たとき所持金が二千円の人もいた」と言います。


 今の皆年金制度が始まって半世紀がたちます。しかし、国民年金保険料の納付率は昨年度は六割を切りました。


 所得に余裕がなくなった人が増えているからです。制度への不信感もあります。


 長期間払わず強制徴収をせざるを得ない人もいます。日本年金機構の田中章夫・強制徴収企画指導グループ長は「以前は探せば定期預金があったりしたが、今の若い人はクレジットカードの決済日に口座にやっと入金があるのが現状」と明かします。

現役世代は制度を支える力を失いつつあります。

 今の皆年金制度が始まった一九六一年は高度成長期でした。

◆生活支えられない制度

 前年には所得倍増計画が打ち出され、東海道新幹線の開通や東京五輪も控えていました。六一年の会社員の平均年収三十四万円は五一年の二・三倍、会社員数も二倍です。高齢者が少なく、現役世代が増え所得も増える時代でした。


 年金制度は、その時の現役世代の保険料をその時の高齢者に年金として払うルールです。


 これだと高齢者が増え、現役世代が減れば制度の維持が難しくなります。今がまさにそうです。


 一方で、年金で暮らす高齢者の生活も楽ではありません。国民年金は満額で月六万六千円ほどです。実際は受給者約二千五百万人の半数以上が月六万円未満です。


 厚生労働省は、年金は持ち家や面倒を見てくれる子どもと同居していることが制度の前提で補助的な収入といいます。


 現状はそんな人ばかりではありません。年末に、司法書士や労働者支援の市民団体などが開いた「なんでも総合相談会」に訪れた男性(45)は、リーマン・ショックで事業が行き詰まっていました。

 「長野で母は一人暮らし。僕の立場なら援助しなければならないのに今はお荷物になっている」と肩を落とします。現役世代の疲弊と少子化で、高齢者にも夫婦二人や一人暮らしが増えています。


 政府は社会保障と税の一体改革を進めています。持続可能な社会保障制度にし、合わせて消費税を増税してその財源に充てようという考えです。

しかし、社会保障改革では国民から反発を受けそうな給付のカットなどの制度改革は見送り逃げ腰です。


 民主党は、すべての人が加入する年金の一元化と、最低額を保障する年金の創設をマニフェストの目玉に掲げていますが、具体案を示していません。将来像が分からないのでは不安は募るばかりです。


 一方で、政府は消費増税にはひた走っています。その前に公務員の人件費削減などと並び社会保障の明確な将来像を示すべきです。


 やみくもに政府に高齢者の年金を減らせとか、現役世代の負担を増やせと主張すると世代間で対立を生み問題を解決できません。


 できることはあります。お互いの苦境を理解すること。そうすれば支えようと思うはずです。


 加藤さんは労組の活動で、若い人たちの親世代に非正規労働の実態を話す講演会を開きました。

◆お互いを知る努力から

 「なんでうちの子がずっとアルバイトなのかようやく分かったと六十代の男性が言ってくれた。

知ってもらうことは大事、世代間の対立は話を悪化させるだけ」と加藤さんは実感します。


 前出の相談会には若い男性(32)も訪れました。失業した昨年八月から公園でホームレス生活を続けています。


 疲れ切った表情ですが、「自力で再起したい」と語る姿に希望を感じます。周囲には市民団体など彼を思いやる人たちがいます。

苦境を知ればこその支え合いです。

posted by 小だぬき at 10:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月11日

大阪府教師「君が代不起立でクビでもいいという教師は多い」

大阪府教師
「君が代不起立
でクビでもいいという教師は多い」


※週刊ポスト2012年1月13・20日号


改革には痛みを伴うというが、大阪では本当に流血の事態を迎えるかもしれない。

橋下徹・大阪市長が唱える教育改革に真っ向から抵抗を続ける学校教師たちは、3月の卒業式での「君が代斉唱時の起立」阻止に向け、実力行使も辞さない姿勢を露わにし始めている。


松井一郎・大阪府知事は、就任会見で教育基本条例案の早期成立を明言している。

2月に条例案が府議会と市議会に提出されれば、「効果」がまず最初に試されるのは、その1か月後に控える府立校の卒業式だ。そこで一部の教員による実力行使が起きる気運は高まっている。


「大阪市教委は式典での国歌斉唱にピアノ伴奏を強制しており、それに悩む音楽教師が多い。

そんな中で条例が成立すれば、教師たちは恐怖に怯え、さらに精神的な圧迫が強まることになる」(『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪・井前弘幸氏)


文科省調査によれば、2009年度中にうつ病などの精神疾患で休職した教員は全国で過去最多の5458人。

教員に占める休職者数の割合を示す「休職者出現率」は、大阪は沖縄に次いで全国2位。政令指定都市では、大阪市が1位、堺市が3位と群を抜いている。


「そうして精神的に追い込まれた教師や、その姿を見た同僚教師が粛々と卒業式の国歌斉唱で起立するとは思えない。

“何が何でも君が代斉唱を潰す”と息巻く教師もいるだけに、せっかくの子供たちの門出が暴力的な行動で台無しにされるかもしれないと心配しています」(元府立高校長)


東京の都立高校の元教諭で「不起立のジャンヌ・ダルク」と呼ばれた女性のケースでは、こんな異様な光景が見られた。


「不起立を続けて迎えた2008年の卒業式、この女性教諭は“今日も不起立なら免職処分か”といわれていました。しかしその日は、小中学校合わせて25人の卒業生しかいない養護学校に、数十人もの支援者が詰めかけ、『君が代不起立』『日の丸・君が代強制反対』といった物々しい横断幕やゼッケンが掲げられた。


生徒や保護者らの戸惑いの中、女性教諭は支援者に歓声と拍手で迎えられ、不起立を貫きました」(当時の様子を取材したフリーライターの山田祐氏)


「教育は2万%強制」といって憚らない橋下市長による「君が代強制」となれば、インパクトはこの比ではない。

2000校・約5万人に及ぶ府立校とその教員の間で同時多発的な“意思表示”が起きれば、想像し得ない大騒動が予想される。すでに「実力行使」計画は進んでいる。


「国歌斉唱の際の不起立運動を組織的に呼びかける動きは、府教委の監視が厳しいためにやりにくくなっている。

しかし、議会の始まる2月には、府庁と市役所を教職員と支援者で包囲する大規模集会を予定している。条例阻止を最後まで訴えたい」(前出・井前氏)


“その先”について、大教組に加入する府立中の中堅教師は不気味な予言をする。


「2月までは条例案の修正・撤回の呼びかけに力を尽くすが、それでも橋下や松井が議会提出するようなら、3月の卒業式で多くの教員が反発的な態度に出るのは間違いない。具体的な方法はまだ決まっていないが、いずれにしても世論に大きな影響を与える方法でなくてはならない。


何人かの教師が不起立で抵抗するくらいではニュースにもならない。“クビになっても本望だ”という教師が少なくないことを橋下は思い知るはずだ」


民意をバックに強気の攻勢に出る橋下氏の“正義”と、劣勢になりながらも信念は曲げない教師たちの“正義”――。その衝突は、流血の事態が避けられそうにない。

posted by 小だぬき at 08:44 | Comment(8) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

いろいろな反響に考える

多くのコメントを頂きありがとうございます。

大阪府教師「君が代不起立でクビでもいいという教師は多い」


私は、国歌はすきです。ただ、歌詞はすきではありません。
Posted by  まこ at 2012年01月11日 09:11


わたし右思想ではありませんが、やはり国歌、国旗には敬意を表すべきだと思います。
自分たちの思想を守るために教え子たちの門出を暴力沙汰で台無しにするようでは、世論を敵にまわすだけだとは思わないのでしょうか。
なにより、子供たちがかわいそうです。
Posted by まーるまat 2012年01月11日 10:05


まこさんへ。私も国旗・国歌に反対するものではありませんが、なぜ 基礎自治体の歌を重視しないで いきなり国歌なのかが疑問なのです。まず郷土を愛する心から育てるべきと考えています。
Posted by 小だぬき at 2012年01月11日 12:26


まーるまーさんへ
私は この問題は 陛下が「強制にならぬように」と国旗・国歌法成立のおり 念を押されたお気持ちを考えても、行政・教育委員会の陛下の気持ちを踏みにじる「強制」だと思います。国立学校ならともかく 公立学校でなぜ 国歌なのか?? 県市町村歌をきちんと歌えるようにするのが 郷土愛教育だと思います。
この点から考えても 組合の方が愛国者と言えないでしょうか・・。
普段の授業では きちんと教えている組合員が多いのです。
職務命令だ、処分で「式」を強行する行政がファシズムだと思っています。
Posted by 小だぬき at 2012年01月11日 12:40


小だぬきよ。わかってねーな。
国旗、国家は、良い悪いの問題じゃねーんだよ。好き嫌いの問題でもないんだよ。
自国を大切にできずに、何が「郷土愛」だ。
クビを覚悟の教師、ホントにいるのかな?
精々減俸、くらいにタカをくくってるから、歌わなかったり、不起立なんだ。
大体、国歌斉唱で不起立なんて、教育の一番大切な礼儀を教えることと正反対だぜ。
あと、ファシスムって、どういう意味で使ってる?教えて欲しいな。
Posted by 歩三の安藤大尉 at 2012年01月11日 17:53


自国を大切にするからこそ 発達段階に負うじて まず 自分の地域の歌を大事にすることから教えたいのです。国立学校は否定していません。
また、ファシズムを私は 多数の力を結集して異論を許さない体制だと思っています。
少数派の存在、意見にも理があることを排除する思想だとおもっています。
Posted by 小だぬき at 2012年01月11日 20:12


なぜ私が教育条例に反対するのか・・

小だぬき。お前、詐病だろ?
自治体云々の前に、「自分の身の回りのことがひとりではできない」はずの精神障害2級のお前が、こんな政治的なアジテーションを書くなんて、おかしいじゃないか!
年金の不法取得だな。
税金泥棒が、何をエラソーなことをブログで書いたって、嘘八百だ。Posted by 歩三の安藤大尉 at 2012年01月11日 18:16

歩三の安藤大尉さん、今のあなたのような言い方がファシズムだと思うのです。
障害2級で身の周りのことはできないのは確かですが、廃人ではありません。
精神疾患への偏見もお持ちのようですね。

思考力の全てがマヒしているのではなく、感心の持てるものには 考える力は残っています。

税金泥棒と おっしゃいますが、そんなに審査は甘くありません。

一番障害を治して以前と同じように働きたいと思っているのが患者ですよ。

あなたは 理性のある愛国者と思ってお付き合いさせて頂きましたが、偏見・差別のアジテーションをする方とは思いませんでした。
私は 治療の一環として ブログでの記事の選択や意見を書いているのです。

障害者は 税金泥棒ですか、必死に意見をまとめる努力のブログ表現も障害者はしてはならないのですか??
意見の合わないものへの誹謗中傷をする人ではないと信じたいと思います。
Posted by 小だぬき at 2012年01月11日 20:29



堂々とこういった反対意見を主張されるのはいいと思います 橋下さんには批判にならないただの卑怯な悪口が多いですからね 保護者の視点からいうとどう考えてもどうかばってみてもあの教師はクビやろって
ヤツが堂々と教師やってる現状は腹が立ちます 保護者にも教師にもモンスターはいるんですよ だから少々不安はあっても変えてほしいんですよ
Posted by hiro at 2012年01月11日 20:39


hiroさん ありがとうございます。
教員の質の問題ですが、その人の教育力と人間性の問題と 採用・研修の行政の問題は冷静にみていかなければと思うのです。

初めから意欲や人間性に欠陥があったのか・・との問いかけです。教職員組合では 一人ひとりの教育力を高めようと「教育研究集会」で実践交流をしています。
小だぬき at 2012年01月11日 21:08
posted by 小だぬき at 21:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月12日

終戦直後から変わらない政治と行政

【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
終戦直後から変わらない政治と行政

2012年1月6日 日刊ゲンダイ掲載


時代に即したシステム必要

 2012年は総選挙があると予想されているようだ。その時期もいろいろと取り沙汰されている。

気の早い週刊誌は全選挙区の当落予想を掲載。解散ムードをあおっている。

 ただ、このまま選挙に突入したところで、どうなるのか。どの政党も過半数に届かなければ、政治はさらに混乱する。そこから政界再編に発展しても、スッキリするとは限らない。

政策や理念でガラガラポンするのならいいが、好き嫌いや付き合いの濃淡で群れることになれば、今と変わらない。何も決められない政治がダラダラと続くことになる。

 10年前と比べ、われわれの暮らしは激変した。テレビはデジタルになり、クルマはハイブリッドがシェアを拡大し、たばこの値段は2倍近くになった。携帯電話はスマートフォンが幅を利かせている。

20年前、30年前と比べると、違いはさらに広がっていく。そんな時代もあったなあと、笑えるぐらいなら大したモノ。多くの人は思い出すのも一苦労だろう。

 ところが、政治のシステムは全然変わらない。終戦直後から同じだ。

そのため、一度、衆参で多数が違う「ねじれ」が生まれると醜い政争が勃発する。国民そっちのけの権力闘争が続き、重要政策はひとつとして決められなくなってしまう。

 消費税増税は議論すらしないとした民主党が消費税増税に前のめりになり、消費税増税を公約に掲げていた自民党が消費税増税に反発する。

これも「ねじれ」だ。当人たちは疑問に思っていないようだが、ハタから見れば理解に苦しむ行動である。

 行政も古い。例えば、英語教育重視が打ち出された学校の現場では、語学を教える外国人の先生が増えている。

だが、彼らのほとんどは日本の教員免許を持っていない。日本の大学を出ていないのだから当たり前だが、そのため、彼らを日本人の教員と同じ待遇で迎え入れることはできない。

外国人教師を増やしたいのなら、免許制度の手直しが必要だ。ところが、行政は見て見ぬふりである。
 日本の社会は大きく変化している。人口構成もかつてとは違う。

団塊の世代は次々とリタイアし、子供はどんどん減っている。

政治も行政も、そんな時代に即したシステムに変えなければダメだ。

根っこから変えない限り、何度選挙を繰り返しても、国民はむなしさだけを覚えることになる。
【高橋乗宣】
posted by 小だぬき at 09:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「うん、うん」の心掛け

【私説・論説室から】
「うん、うん」の心掛け

2012年1月11日  東京新聞(大西隆)

 子どもを放射能から守ろうと活動する母親たちに取材していて、少し前に聞いた学習塾経営者の話を思い出した。

小学生の娘が世話になっているのだが、内心じくじたるものがあった。


 子どもの教育をめぐり父親と意見がかみ合わないと悩み、相談にやって来る母親が少なくないという。

そこで父親の仕事を尋ねると、たいてい学校の先生や新聞記者なのだそうだ。


 共通するのは、理屈を振りかざして相手を論破したがる性癖が強いことらしい。

「つまり」「要するに」と母親の言い分を一方的にまとめ上げ、最後に「べき論」。
で締めくくる確かにまるで社説のようだ。


 母親は自らの不安や不満に「うん、うん、頑張っているね」と耳を傾けてほしいのであって、理屈を披露してもらいたいわけではない。折に触れ、子育ては夫婦の共同作業であることを確かめたいようなのだ。


 さて、環境や給食の放射能汚染にどう対処するのか。多くの母親たちが子どもを守りたい一心で、まさに理屈の世界の住人である先生や記者、さらに役人や議員と向き合っている


 そして「科学的には心配ない」の一点張りだった相手が、母親たちが切々と訴える不安や不満を受け止めるようになってきた。

地域の子どもを共に守るという使命感や責任感を呼び起こしてほしいものだ。


 今年の抱負。「うん、うん」の父親、記者を心掛けること。 

posted by 小だぬき at 21:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月13日

〈蟻の一穴、天下の乱れ〉にならぬよう願う

 1月12日付 よみうり寸評
2012年1月12日13時49分 読売新聞)
 
〈蟻(あり)の一穴〉が心配だ

このところ日本の治安という堤防に蟻の穴が一つ、二つ、三つと続いてあいた

◆最初の穴は大みそか、警視庁に出頭したオウム真理教事件の特別手配犯、平田信容疑者を警備中の機動隊員が「丸の内署か交番へ行け」と門前払いした件

◆次は9日、台湾からの女性留学生2人を殺害した指名手配犯で同じ台湾籍の男性留学生を名古屋市内で任意同行中に自殺させてしまった警視庁捜査員の失態。

第3は11日、広島刑務所から殺人未遂などの罪で服役中の中国人、李国林受刑者が脱走した件だ

◆どれも服務に緊張感を欠いていたように思われる。警視庁は緊急の副署長会議を開いた。組織全体の問題という認識だ

◆広島の脱走囚は影響が大きい。刑務所の監視カメラは塀を乗り越える受刑者をとらえていたが、一人だけの監視職員が見落とすなどで、警察への通報が遅れた

◆平田容疑者が特別手配からやっと消えたが、代わりに?李脱走囚が特別手配された。

〈蟻の一穴、天下の乱れ〉にならぬよう願う。
posted by 小だぬき at 10:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月14日

牧太郎の大きな声では言えないが…:サイフの健康

牧太郎の大きな声では言えないが…:サイフの健康

毎日新聞 2012年1月10日 東京夕刊

 去年まで、初詣では「身体の健康」と「こころの健康」を祈っていた。


 20年ほど前、脳卒中で倒れ右半身まひになって、つくづく「健康が一番」と気づいた。


 家内安全、商売繁盛を祈るより、まずは「身体の健康」。


 「こころの健康」というのは、その時、うつ病になって「自殺しよう!」と思ったことがある。
「こころの不健康」は命まで奪う。


 「二つの健康」が最優先だが……今年の初詣は違った。


 大みそか。ベートーベンの「第九」を聞きながら、東京・アメ横から乗ったタクシーの運転手さんが「正直者がバカをみる時代になりましたねえ」とシミジミと話し出した。


 「金持ちだけが情報を独り占めして、ドンドン太っていく。1億円持っている人には、特別の情報が入るんだそうですよ」


 多分「富裕層限定プライベートクラブ」のことだろう。


 正直に働いても「豊か」になれない時代に「1億円の金融資産を持つ人」だけが“金持ちクラブ”に入れる。ほとんどの会員が年収3000万円以上である。


 そんな条件をクリアする人は? 莫大(ばくだい)な遺産を相続した人、ビジネスオーナー、医師、弁護士、大企業のトップ……でも、弁護士でも仕事がなくて、失業中というケースもある。


 かなり幸運でなければ「金融資産1億円+年収3000万円」はクリアできない。


 ところが、最近、その富裕層をミリオネアとビリオネア(超富裕層)に分ける風潮があるらしい。


 ビリオネアとは金融資産10億円以上。「ビリオネアビジネスの極意」の著者、小林昇太郎氏によれば、その数は2万6000人以上。彼らが持つ金融資産だけで50兆円だという。


 国民の金融資産は約1400兆円だから、日本の総人口の0・02%の超富裕層が国民の金融資産の3・5%を集めている。


 大部分の日本人がバカをみる時代?が来るかもしれない。


 今年の初詣は「身体の健康」「こころの健康」に加えて「サイフの健康」を祈った。


 僕のサイフの中身も“健康”であってほしいが、それより……神様! 日本のサイフ格差を少しでもなくして「健康な国家」になりますように!(専門編集委員)

posted by 小だぬき at 13:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月16日

デフレで収入が減る一方、生活必需品はインフレに! 大苦境時代の人々が模索する逆転発想の生活防衛術

デフレで収入が減る一方、
生活必需品はインフレに!
大苦境時代の人々が模索する
         逆転発想の生活防衛術

2012年1月13日  ダイヤモンド オンライン

ちっとも生活が楽にならない――。不況の出口が見えない日本では、こんな溜息がそこかしこに溢れている。
それは単なる不況のせいなのだろうか。

実は、一般世帯が感じる生活苦の裏側には、新たな構造不況が見え隠れする。

デフレで給料が減り続けるなか、安くなるのは家電や外食などの贅沢品ばかり。食料品やエネルギーなどの生活必需品は、むしろインフレ状態にある。

これでは、いくら働いても節約しても、楽な生活を望むべくもない。この未曾有の苦境をどうやって乗り切るべきか。生活苦に喘ぐ家庭が模索する「逆転発想」の生活防衛術を探ってみよう。
(取材・文/友清 哲、協力/プレスラボ)

これは単なるデフレ不況ではない?
いくら節約しても生活が楽にならない理由

「生活苦とまではいきませんが、いくら働いても節約しても、一向に暮らし向きがよくならない気はします。この冬のボーナスは、増えこそしないものの、前年並みの額が支給されました。でも、通年で見ると貯金の額はほとんど増えていませんね。この1年、特に贅沢をしてきたつもりはないんですが……」


 ある40代のビジネスマンは、こう疲労感をにじませる。彼だけではない。不況の出口が見えない日本では、こんな溜息がそこかしこに溢れているのだ。

一般庶民の生活が苦しいのは、足もとで始まったことではない。だが、「それにしても、やけに生活が苦しい」と感じている読者は少なくないだろう。


 長期にわたってデフレが続く日本では、商品やサービスの価格は低下傾向にある。一度街に出れば、そこそこクオリティの高い生活用品を100円ショップでいくらでも買うことができる。


 家電量販店でも、まだそれほど型落ちしていない大型の薄型テレビが10万円をゆうに切る値段で売られているし、“デフレの象徴”のようにとり上げられる牛丼チェーンをはじめ、飲食店でもワンコインで食べられる豪華なメニューが増えている。

 つい先頃、松屋フーズが松屋の「牛めし」並盛りを、これまでの320円よりも40円安い280円に価格改定すると発表し、話題になったことは記憶に新しい。

 もちろん、デフレは企業収益を圧迫し、勤労世帯の収入を減らすため、家計を直撃する負の経済要因であることは間違いないが、不況下ではこうした値下げ競争を喜ぶ向きも決して少なくない。

いくら給料が増えないとはいえ、モノやサービスが安くなっているにもかかわらず、なぜ深刻な生活苦を感じる人が多いのだろうか。


 それは、「日本全体がデフレであっても、自分ではデフレを感じられない」という人々が増えているためだ。 
内閣府が発表した昨年10月の消費動向調査によると、1年後の物価見通しについて「上昇する」と回答した人が69.6%と、対前月比で2.4ポイントも増加している。
多くの人は、むしろ「生活価格は上昇傾向にある」と感じているわけだ。
これを見る限り、現在の日本の経済状況を単なるデフレと捉えるのは、短絡的に過ぎるかもしれない。

不況で収入が減り続けているのに
生活必需品は値上がりする大苦境

 その背景について、2011年12月5日付けの日本経済新聞は、「消費者がデフレを実感しにくい最大の理由は、原油や穀物など商品市況の高騰で、生活必需品の値上げが増えていること」と指摘している。


 パソコンなどの家電が、スペックの向上に相反して低価格化が進んでいるのに対し、砂糖やコーヒー、野菜など食料品の価格は上昇している。

我々が感じている生活苦の原因は、この「物価の二極化現象」によるところが大きそうだ。


 そのことは、ここ1年間のCPI(消費者物価指数)を費目別に見ても明らかだ。

物価の押し下げ要因になっているのは、家具・家事用品、住居、被服及び履物、保健医療、教養娯楽などの贅沢品。逆に押し上げ要因となっているのは、食料、光熱・水道、交通・通信、諸雑費などの生活必需品となっている。


 つまり、今の経済状況下では、贅沢品を消費する頻度が高い高所得層よりも、生活必需品を消費する頻度が高い中間層や低所得層が、より生活苦を感じやすい構造になっている。

デフレで給料が上がらないのに、普段消費する商品やサービスは高くなっていく――。これでは一般庶民の生活が楽になるはずはない。


 皆がこうした現状をはっきり認識しているわけではないにせよ、前述の消費動向調査を見てもわかる通り、「やはり何かがおかしい」ということを、消費者は敏感に察しているのだ。

 とりわけ生鮮食品については、地方と中央の価格差を比較してみると、そのいびつさが浮き彫りになるようだ。この年末年始の里帰りを経て、世間ではこんな声も上がっている。


「東京では250円もした四国産のレタスが、地方都市では100円で買えることに驚きました。ブロッコリーもおよそ3倍もの価格差があります。日々の生活の中で、家電を購入する機会はそう何度もないので、デフレよりもインフレを実感することのほうが多いように思います」(30代・主婦)


 主婦層からすれば、家計を直撃するのは耐久財の値下がりよりも、生活必需品の値上がりのほうであることは間違いない。最近では、こうした新たな構造不況を「スクリューフレーション」と表現するメディアも散見される。


 スクリューフレーションとは、先に米国で発生した現象であり、中間層の貧困化とインフレの同時進行を指す言葉だ。
現在の日本のように、贅沢品の価格が低下し、生活必需品の価格が上昇する状態は、まさしくこれに当たると言えまいか。

 マクロベースで見て厄介なのは、この「2つの動き」がいずれも一般世帯の家計にとってマイナスに作用することだ。
消費負担が増せば、それだけ経済活動も萎縮してしまう。不況からの脱出を目指す日本経済にとって、これは由々しき問題だろう。

弁当よりも外食にしたほうがむしろ安い?
「スクリューフレーション」に対抗する知恵

 では、世間の人々はこうした生活苦にどう立ち向かっているのだろうか。現状が単なるデフレ不況ではなく、スクリューフレーションであると仮定すれば、相応の策を練ってサバイブする必要がある。


 世間の声を拾ってみると、興味深いのは、「逆転の発想」によって苦境を何とかやり過ごそうと知恵を絞っている人が、少なくないことだ。特に、価格の上昇傾向が強い食料品については、代替需要への流れが見られる。


「これまでは、なけなしの小遣いを守る意味で弁当を持参していましたが、結局、材料代よりも立ち食いそば屋や牛丼チェーンのほうが安上がりなので、ランチは外食に切り替えました」(30代・男性会社員)


「あえて格安ファストフードのテイクアウト品を、惣菜替わりに活用しています」(30代・主婦)

「最近、地元のスーパーで日用品を買うと、以前よりも高くつくように感じます。そこで、最寄りから1つ手前の駅で降り、駅前の大型スーパーで買うようになりました。惣菜や食材などは、体力がある全国チェーン店のほうが、小規模店よりも値段を安くしているし、閉店間際の値下げ幅も大きいから。仕事で遅くなることが多いため、深夜まで営業している大型店のほうが、都合がいいですしね」(40代・女性公務員)
 一時しのぎではあるかもしれないが、従来の固定観念に囚われずにコスト効率を追求することが、スクリューフレーション時代の生活術と言える。

食費を節約して最新家電を買いたい!
贅沢品を海外で揃えてしまう人も

 また、生活必需品の支出を控え、節約したお金で「他の消費」を楽しむというトレンドも。
「白米だけ会社に持参して、惣菜はスーパーで買っています。最近では300円の弁当もあるので、そちらで済ませてしまうことも多いです。そのぶん、家電は最新式にこだわりたいですね」(20代・男性会社員)


「旅行が大好きなので、まとまった休暇がとれるとハワイやヨーロッパへ行きます。円高の追い風を利用して、服やバックなどの高価なものは、ほとんど現地で買ってしまい、次の海外旅行まで大事に使います。
一方、普段日本で生活しているときは、できるだけ節約するようにしていますね。夕食も大抵は、ファミレスやスーパーのお弁当。いくら独身だからといって、いつまでもこんな生活ではいけないとも思うんですけどね(苦笑)」(40代・女性会社員)


 値上がりする食料品を安価なテイクアウト品などで済ませる一方、パソコンや家電などの高級品でデフレのメリットを享受したり、「価格の地域差」を利用する。

節約ばかりに囚われず、生活も楽しみたい消費者としては、賢い生き方なのかもしれない。


 目減りする収入や将来的な雇用への不安に輪をかける生活価格の上昇。足もとの構造不況の影響が、これからどこまで広がっていくかは不透明だ。しかし少なくとも、単なるデフレ以上に一般家庭に与える影響が大きいだけに、とてつもない格差を生み出す可能性もある。


 今後は、消費税の引き上げが生活苦を加速させることも懸念されている。

前述のようなささやかな「生活防衛術」だけで、どこまで耐えられるものなのか。もっと抜本的な家計の見直しが必要になりはしないか。
慎重な状況判断を求められているのは、他でもなく、あなた自身であることを忘れてはならない。

posted by 小だぬき at 11:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月18日

就職内定率 若者にもっと機会を

就職内定率 若者にもっと機会を
毎日新聞 2012年1月18日 2時30分  社説

 今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日現在)は71.9%で前年より少し上回った。とはいえ、過去2番目に低い水準だ。

「超高齢社会」に備えて政府は税と社会保障の一体改革を進めようとしているが、若年世代の雇用が縮小してはどんな社会保障制度を作っても足元から崩れていくだろう。

政府だけでなく、労使を交えた真剣な取り組みが必要だ。


 内定率とは卒業予定者で就職を希望している学生を分母にした数字だ。
今春の大学卒業予定者は約55万人。ところが、このうち就職を希望せず就職活動をしていない学生が13万人以上もいる。

昨年の最終的な内定率は91%だったが、すべての卒業生を分母にした就職率は60%に過ぎないのだ。

大学を卒業しても就職せず、大学院や海外留学の道を選んだり、定職に就かず親の収入で生活したりする人は90年代中ごろから急激に増えてきた。内定率に一喜一憂するよりも底流の動きを見据えなければならないだろう。


 グローバル競争の中で企業が人件費を抑えるため新規採用を控え、非正規労働者を増やしてきたことが原因と言われているが、それだけではない。サービス業も少子・超高齢化時代のニーズの発掘が十分にできていないのではないか。ここ数年を見ると一貫して雇用が増えているのは「医療・福祉」くらいで、デフレや内需不振を反映した雇用難の深刻さを物語っている。


 経団連は今春闘をめぐって「定期昇給の延期・凍結も含め厳しい交渉を行わざるを得ない」との見解を示している。
内需を活性化するには労働者の消費を高めなければならず、そのために賃金の上昇は不可欠と労働側は反発する。
いずれにせよ労働市場へこれから参入しようという若者のことは労使交渉の議題になりにくい。
労使には目先の利益よりも、若年層の雇用確保に向けて自らの身を削る覚悟で取り組むことも必要だ。社会の持続可能性に影が差したのでは、企業の活動も労働者の生活も脅かされるというものだ。


 安定志向が最近の学生の特徴と言われるが、新入社員が会社を選ぶ理由として会社のブランドや将来性よりも、「自分の能力が生かせるから」「仕事が面白いから」を重視する人が増えているという調査結果もある。

既存の価値にとらわれず果敢に挑戦する若い志を応援したい。
失敗しても再挑戦できる柔軟な雇用制度や慣行、生活の安心を保障する年金や医療制度を国を挙げて作っていこう。
初めから確固たる目的を持ち、即戦力となるような若者がどれだけいるだろう。現実の仕事で失敗しながら誰もが成長していくのだ。

posted by 小だぬき at 07:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「反増税派を番組に出すのは勇気いる」とTVディレクター証言

「反増税派を番組に出すのは勇気いる
                        とTVディレクター証言
※週刊ポスト2012年1月27日号

野田佳彦・首相が年頭会見で消費税増税を「ネバー・ネバー・ネバー・ネバー・ギブアップ」と語るなど、露骨な増税路線が敷かれ始めた。

財務省による大新聞、テレビを巻き込んだ世論工作も活発化している。
メディアに対しても元経産省官僚の古賀茂明氏ら反増税派言論人の露出をやめさせるべく圧力をかけている。


反増税派きっての論客、元財務官僚の高橋洋一・嘉悦大学教授も標的にされた一人だ。

財務省内では「高橋はブラックリストの筆頭」(同省有力OB)とされ、高橋氏も、「最近、対談の企画や討論番組への出演依頼の後、『今回はご遠慮させていただきたい』とキャンセルされるケースが何度かあった」と語る。


たとえテレビ出演が実現しても、重要な発言がカットされる現実に直面した。


昨年末、高橋氏は民放テレビの討論番組で増税派の財務省OB議員らと「国家経済破綻」をテーマに議論を戦わせたが、オンエアを見て驚いた。


「収録で私が増税派の人たちに『では何年後に財政破綻すると思うか』と尋ねると、『3年』だという。しかし、実は、市場では日本国債のリスクをはかるCDS金利(※)は1.3%と低い。


世界の金融のプロは日本の財政状況は数十年に1回の低い確率でしか破綻しないと見ている。ギリシャのCDS金利は60%以上だから全く評価が違うわけです。もし、本当に日本が短期間で財政破綻するというなら、政府が自らCDSを買えば大儲けできる。そのことを指摘すると彼らは誰も反論できなかった。


また、震災復興などの財源は増税ではなく、国債の日銀引き受けで十分できる。
私が小泉・安倍政権で官邸にいた時は実際にそうやったと指摘して増税論を論破したが、その議論はほとんどカットされていました」(高橋氏)


その裏には何があるか。民放テレビのあるディレクターが明かす。

「高橋氏や古賀氏を番組に出すのは勇気がいる。財務省に睨まれて『あの発言の根拠は何か』と抗議が来るからだ。
局の上層部はそれが怖いから、せっかく出演してもらっても収録後に発言やデータをチェックし、財務省の心証が悪くなりそうな部分はカットして自主規制する傾向にある」

言論機関の自殺である。


※CDS/クレジット・デフォルト・スワップの略。国債や社債、貸付債権などの信用リスクを対象としたデリバティブ商品のこと。デフォルト(債務不履行)の可能性が高いほど金利が上がる。

posted by 小だぬき at 12:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月19日

増税の前にやるべきことがある

弁護士、自民党衆議院議員・稲田朋美
増税の前にやるべきことがある
2012.1.19 03:27 [正論]

 野田佳彦首相が、「不退転の決意」で「政治生命をかけた」消費税増税が通常国会最大の課題だ。
 ≪政権公約撤回し真摯に謝罪を≫


 首相は「耳あたりのいいことを言って国民の歓心を買う政治ではなく、選挙が厳しくなるかもしれないが、辛いテーマも理解いただける政治を日本につくれるかの正念場だ」と言うが、「耳あたりのいい」「国民の歓心を買う」ことをいって政権をとったのは、ほかならぬ民主党ではなかったか。本心からそう思うなら、まずマニフェスト(政権公約)を撤回し、国民に真摯(しんし)に謝罪すべきだろう。


 読者の方には、政権公約の中の「民主党政権が政策を実行する手順をご説明いたします」というページを読み返していただきたい。

無駄遣いの排除と予算の組み換えで平成25年までに16・8兆円を生み出し、子ども手当、高校授業料無償化、年金改革、医療、介護、農家戸別補償、ガソリン税引き下げ、高速道路無料、雇用対策、最低賃金引き上げ、後期高齢者医療廃止を実行すると謳(うた)ってある。


 問題は、その16・8兆円に子育て、年金、医療、介護、雇用という社会保障の政策が入っていたことだ。民主党の本来の主張は、消費税を上げずに社会保障改革もするということだった。歴史的政権交代をもたらした公約の財源に、消費税増税は含まれていない。


 次に、「社会保障と税の一体改革」を言うのなら、社会保障改革の案を具体的に提示すべきであって、改革は先送りして増税だけというのでは看板に偽りありだ。


 国内総生産(GDP)の2倍もの債務を抱える借金大国で財政再建をしようと思えば、社会保障を抑制して増税する以外にない。

 首相はまず、できもしない「月額7万円の最低保障年金」の年金改革を取り下げるべきだ。民主党が昨春取りまとめた試算では、その実現には消費税を15%まで引き上げなければならず、それでも、平均的サラリーマン所得(年間400万程度)以上の層では、年金(所得比例年金+最低保障年金)は現状より下がる計算になる。


 ≪議員百人、歳費5割削減せよ≫


 政府はこの試算を公表し、「月額7万円の最低保障年金」の年金改革はできないことを認めて謝るべきだ。素案では、平成25年に年金改革法案を出すとしているが、いつまで国民を欺き続けるのか。


 実現可能性のない年金改革を掲げ、2年後に法案を提出する予定だなどと言い繕い、「協議に応じろ」と呼びかけられても、野党として乗れないのは当然である。


 もちろん、GDP比2倍の借金は、票とおカネをくれる勢力におもねる政治をしてきたからであって、責任の大半はわが自民党にある。だから、自民党は下野したのであり、下野して当然だった。


 その反省をも込めていえば、社会保障を抑制して増税するという国民に大きな負担を強いる改革をする前にやるべきことがある。


 まずは、最高裁で違憲判決が出された一票の格差を是正し、政治家の都合による小手先の定数減でなく、衆院を中選挙区制にして、議員定数を100減らす抜本改革を提案する。


 次に、国、地方ともに公務員人件費の2割カット、さらに、政治家自らが覚悟をみせるという意味で、国会議員歳費の5割カットを提案したい。

公務員の給料切り下げ分と国会議員の歳費は、基礎的財政収支(プライマリーバランス)が黒字化し、財政が健全化すれば、元に戻してもよい。赤字経営を続けながら役員が報酬を満額もらう民間企業は少なかろう。


 歳費を減らすと政治家が育たないと言う人がいるが、若手政治家が歳費の大半を政治活動につぎ込んでいること自体が問題なのであって、政治活動費については、その政治家の思想信条への共鳴者から広く浅く個人献金を集められるよう一定献金額まで無条件で税額控除できる制度に改めるべきだ。

そもそも、政治家には、国家のために働くことに生きがいと誇りを感じる人がなるべきで、収入が少ないからなりたくないなどと言う人になってもらう必要はない。


 ≪社会保障改革は原則自立で≫


 社会保障改革でも、できるだけ国に頼らないことを前提とした制度を目指すべきだろう。

例えば、相続税を支払う前に生前、国が負担した年金、医療、介護の全額もしくは一部を、相続財産中の金融資産の範囲内で国に返還することも一法だろう。

終末期医療も自らの意思で拒否できる制度を整えたり、働く能力のある人には生活保護の代わりに雇用の場を提供したりすることも検討されていい。

要は、社会保障を原則自立の例外と捉え直して、本当に国の手助けを必要とする人々を対象としたものに変えていく、ということだ。


 社会保障制度は国の根幹を成すもので、そこには自民も民主もない。

正しい制度を構築できなければ、道義大国は実現しない。しかし、これらの大改革を断行するには強い政府でなければならない。

破綻した公約の上に築かれた砂上の楼閣政権には、大なたなど振るえるわけがない。

公約撤回−謝罪から始めるほかないのである。(いなだ ともみ)

posted by 小だぬき at 08:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

年間貯金額「できなかった」の14%合わせ20万円以下が43%

年間貯金額 
「できなかった」の14%合わせ20万円以下が43%
※女性セブン2012年2月2日号

早く景気が良くなってほしいけれど、まだ先行き不透明な2012年。そんな時代は貯金をしたくなるものだが、なかなか貯金が難しいという実態も…。


 本誌読者サイト「セブンズクラブ」の会員221人に「年間の貯金目標金額」と「実際にできた年間貯金額」を聞いたところ、以下のような結果となった。


【年間の貯金目標金額】
10万円未満:18%
10万〜20万円:13%
21万〜40万円:15%
41万〜60万円:17%
61万〜80万円:8%
81万〜100万円:14.5%
101万円以上:14.5%


【実際にできた年間貯金額】
できなかった:14%
10万円未満:17%
10万〜20万円:12%
21万〜40万円:13.5%
41万〜60万円:17%
61万〜80万円:7%
81万〜100万円:9%
101万円以上:10.5%


 年間貯金目標額が20万円以下だった人は「できなかった」も合わせると43%だった。

20万円以下を目標としていた人が31%だっただけに、目標どおりに貯まらない現実とのギャップがあることが浮き彫りとなった。

posted by 小だぬき at 08:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月20日

一番よりも、「唯一」という言葉の方が…

余録:
一番よりも、「唯一」という言葉の方が…

毎日新聞 2012年1月20日 1時44分

「一番よりも、『唯一』という言葉の方が僕の人生では大切な位置を占めてきた」。

かつての大リーグの速球王、ノーラン・ライアン氏の言葉という。それが名言とされるのは、いうまでもなく彼がいくつもの「一番」を達成したからだ

▲今も燦然(さんぜん)と輝く通算5714奪三振の大リーグ記録、7度のノーヒット・ノーラン達成をはじめ1993年の引退時は実に53の大リーグ記録を保持していたライアン氏である。彼は79年の移籍時に投手として初めて年俸が100万ドルを超えたことでも球史に刻まれた

▲時はめぐり今はテキサス・レンジャーズの球団社長であるライアン氏だ。そのレンジャーズは6年契約で6000万ドル、交渉権獲得費用を合わせ1億1000万ドル以上の巨費を日本ハムのダルビッシュ有投手獲得に投じた

▲「間違いなく私より大きかった。体を鍛え上げているのが分かった。それに格好いい」。伝説の投手はダルビッシュ投手との初対面で、自らと同じスリークオーターの右腕である日本のエースをたたえた。「競おうとする姿勢もいい」。その闘志も十分と見たようだ

▲アメリカン・リーグを連覇しながらワールドシリーズで続けて敗退しているレンジャーズのことだ。松坂大輔投手がレッドソックス入りした際の6年契約5200万ドルを大きく超えるダルビッシュ投手への厚遇には「世界一」請負人への強い期待が込められていよう

▲ちなみにライアン氏は徹底した自己管理と独自のトレーニングで46歳まで速球投手として君臨した。
ダルビッシュ投手も目指すべきは自らの「唯一」だ。「一番」の記録の群れはおのずとついてくる。
posted by 小だぬき at 10:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

野田テキト〜“シロアリ退治”いつやる?

小だぬき→YouTube映像は記事下です。

野田テキト〜?
“シロアリ退治”いつやる

2012.01.20  ZAKZAK 
元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一


野田佳彦首相の「シロアリ」発言をご存じだろうか。かつて街頭演説で語った話だ。「マニフェスト、イギリスで始まりました。ルールがあるんです。書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。それがルールです」で始まる。

 そして「消費税1%分は、2兆5000億円です。(中略)消費税5%分のみなさんの税金に、天下り法人がぶら下がってるんです。シロアリがたかってるんです。それなのに、シロアリ退治しないで、今度は消費税引き上げるんですか?」と、税金が天下り役人らにムダ遣いされている状態での消費税増税を厳しく批判する。

 さらには「消費税の税収が20兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません。鳩山(由紀夫元首相)さんが4年間消費税を引き上げないといったのは、そこなんです。シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです」と続く。

 すばらしい演説だ。しかし、言っていることが今とはまったく正反対だ。野党議員は、国会でこの野田首相の演説を読み上げ、野田首相に質問したらどうだろうか。

 菅直人前首相も財務相就任前と後では消費税増税に関する発言がコロッと変わった。鳩山元首相も普天間基地問題では「最低でも県外」という言葉が一転して元に戻った。

 なぜ民主党幹部の発言はこうも180度変わるのか。政治家個人の資質もあるだろうが、最大の要因は政権交代時の民主党マニフェストがほとんど崩壊状態ということだ。

 脱官僚、政治主導、無駄削減による20兆円の財源確保、歳入庁、抜本的年金改革、年金記録問題、年金通帳導入、後期高齢者医療廃止、天下り廃止、天下り機関原則廃止、八ッ場ダム建設中止、国家公務員給与削減、子ども手当2万6000円、ガソリン暫定税率課税廃止、高速無料化、格差是正などなど、これらを民主党はギブアップしている。

 これらのうちいくつかはもともと無理筋だったという事情はある。しかし、民主党が「脱官僚」を諦めて「官僚依存」になったためにできなくなったものも多い。

 今の野田首相がいい例だ。天下り廃止や天下り機関原則廃止をギブアップして、シロアリ退治をやらなくなった。その結果、無駄削減ができなくなって、そのしわ寄せは、マニフェストに書かれていない消費税増税になった。かつて野田首相が街頭演説で言っていたとおりだ。

 脱官僚を断行できなかったのは、官僚に伍するようなスタッフがいないからだ。これは政権への準備不足だ。いきなり大臣になってからスタッフを探すのでは遅い。政治家として早い段階でそうした人材は確保しておかないと、政治主導・脱官僚はできるものでない。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

iji6254 投稿作品
posted by 小だぬき at 22:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月22日

放射能トラウマとリスク

時代の風:放射能トラウマとリスク
精神科医・斎藤環
毎日新聞 2012年1月22日 東京朝刊

 ◇分断招く隣組的な心性

 福島県南相馬市で診療と内部被ばくの検査、健診、除染などにかかわっている東大医科研の坪倉正治医師によれば、現時点で慢性被ばくによる大きな実被害の報告は、ほとんどないとのことである(小松秀樹「放射能トラウマ」医療ガバナンス学会メールマガジンvol・303)。


 むしろ深刻なのは、外部からの批判や報道などによる社会的な影響のほうである。

原発事故による最大の被害は、子どもの“放射能トラウマ”だ。しかもその多くは、大人の“放射能トラウマ”による“2次的放射能トラウマ”であり、年齢が低いほどトラウマの程度が強い印象があるという。


 風評被害の影響もあって、うつ状態になる人が増えたり、家族が崩壊したりという事態は耳にしていた。現地で子どもの電話相談窓口を担当している人からは、このところ虐待相談も急増しているという話も聞いた。


 被災地での虐待件数についてはまだ正確な統計データが得られていないが、屋外で遊ぶ機会の減った子どもたちが、精神的に不安定な大人と過ごす時間が増えたとすれば、まったくありえない話ではない。


 問題は「風評」ばかりではない。

福島の地で生活を続けている人々を批判する声が、いまだにある。とにかく「放射能というだけで危険」とする立場からは、汚染された地域に住んで子育てをするなど考えられない、というわけだ。


 しかしこの考え方は、自らが住む場所の安全性が相対的なものでしかない事実を十分に認識しておらず、いわば「福島産の放射能が危険」といった「ケガレ」の発想に近い立場という意味で“放射能幻想”と呼ばれても仕方がない。


 放射能はさしあたり人の身体は破壊していないが、“放射能幻想”は人の心を確実に破壊しているということ


 その背景には、低線量被ばくの危険性がはっきりしないという問題がある。

  放射性物質の放出が及ぼす長期的影響については、不確実な点が多いのだ。生活環境に数世代にわたって残留するごく低レベルの放射能が、住民集団の健康に、長期的にどのような影響を及ぼすのか。「これ以下は安全」という「しきい値」はあるのか。被ばく線量と発がん率の上昇には直線的な関係があるのか。確実なことは何も分かっていない。


 この状況下で立場は二つに分断される。「危険であるという根拠がないのでさしあたり安全」とする立場と、「安全であるという根拠がないので危険」とする立場。事故直後には後者に傾いた私自身も、最近では前者に近い立場だ。不確実な未来予測に基づいて当事者を批判する権利は私にはないと気づいたからだ。


 社会学者のウルリッヒ・ベックは、福島の原発事故に関する論考で「非知のパラドクス」について述べている(「リスク化する日本社会」岩波書店)。


 先にも述べたとおり、低線量被ばくによる影響については、確実なことはほとんど分かっていない。こうした「非知」に耐えられない人々の中には都市伝説や代替医療に向かうものも出てくるだろう。さらにここに政治的な問題が加味されることで、知識はさらに硬直化する。


 例えばチェルノブイリの犠牲者数については、数十人から百万人以上とする説まで、報告によってまちまちであるという。事故の範囲をどう定義するかによって、データの解釈がまったく異なってくるのだ。汚染地域の区分にしても、しばしば曖昧で時に矛盾することすらあった。


 この状況下では「危険が増すほどに非知も増し、決断は不可避となるとともに不可能となる」。それどころか現時点では、情報が増えれば増えるほど混乱が深まるようにすら思われる。分かれば分かるほど分からなくなる、という状況下で、もはや「絶対の安全」は誰の手にも入らない。


 まさにこれこそが、ベックが「リスク社会」という言葉を通じて述べた状況ではなかったか。

リスク社会においては、われわれの生活を快適にするはずの技術が同時にリスクも生産してしまうため、ひとたび事故が起こればリスクは万人に等しくふりかかることになる。原発事故がそうであったように。


 ベックは「リスクによる連帯」を提唱するが、いま起きつつあることはむしろ「リスクによる分断」ではないだろうか。この分断の要因としては、リスクそのものを生産している政府や東京電力以上に、リスクへの態度が異なる人々への攻撃性のほうが先鋭化してしまうという、いわば「隣組」的な心性があるように思われる。しかし、その「分断」が誰を利することになるかは言うまでもないだろう。


 さらに付け加えるなら「連帯」の手前で問われるのは、私たちの「死生観」そのものなのではないか。

私たちの生が常に多様な、時として定量することもできないリスク−−それは「放射能」に限らない−−を抱えていること。つまり生の内側では常に死が育まれている事実を理解すること。被ばくについて考えることは、この事実を深く認識するまたとない機会となるだろう。

posted by 小だぬき at 11:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月23日

明日から通常国会

くどいようですが、野田総理の街頭演説と「今やろうとしていること」のかい離が 問われる国会になりそうです。

消費税値上げの5%は 全額社会保障費に使うとマスコミをあげて 納得させようとしていますが、今の5%も導入時・値上げ時に 社会保障財源の名目でした。

社会保障の問題は トータルの10%で議論してもらわなければ 納得できません。
目的税のハズが いつの間にか財務省によって「一般会計」にされては・・・。歯止めが必要です。

posted by 小だぬき at 07:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月24日

シロアリを退治して働きアリの政治 はどこに??

通常国会の開会式・本会議が 衆参議院で AM.10:00から始まります。
*11時現在 まだ開会されていません。議事運営委員会で初日から混乱でしょうかね。
************************************
(野田氏の街頭演説、別角度)
私どもは、マニフェストみなさまにお配りをしております。
魂を込めて今回はマニフェスト作りました。
私たちの、このマニフェストの一丁目の一番地は、
税金の無駄遣いは許さないということであります。
徹底して天下りをなくす、そして渡りは認めない。

こうした税金の無駄遣いを徹底することによって、
お金を生み出していき、16兆8千億円、
民主党のマニフェストを実現するには新たな予算が必要になります。
私たちは、財源は見つけることができるんです。

一般会計は80兆円ほど、特別会計合わせると207兆円
この特別会計には無駄がいっぱいあります。
私はこの特別会計改革の責任者をやってまいりました。

一般会計は黒い皮の財布です。
1万円やカードが入っている。
そのほかに21の特別な財布が、
お尻のポケットや靴裏にいっぱい入っているんです。
でも、21の特別会計、21の離れでは、
私たちが調べた限りでは、すき焼き食べ放題、
焼肉食べ放題、ビール飲み放題、焼酎飲み放題
無駄遣いはいっぱいやってます。

ここから16兆8千億円財源を作ることは十分可能であります。
無駄な事業をやめて、本当に必要なところにお金を回していく
これが政権交代です。
政策の優先順位を決めて、本当に必要なところにお金を流していく、
予算をつけていくこれが民主党の考え方であります。

財源はいっぱいあります。
天下り法人に12兆円もお金を使ってる国です。
シロアリを退治して働きアリの政治をたまには実現しようではありませんか。


posted by 小だぬき at 10:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月25日

悪知恵の人勧実施合意、自公は取り消しを!!

一見下記のようなニュースを見ると 自民党・公明党の修正を民主党が飲んだ形にはなりますが、実の所、「名を捨て 実をとった」のは 民主党です。

人事院勧告を 連合には 11ヶ月阻止できた。国民には 与野党合意で公務員賃金にメスを入れたと主張できます。

3月のみ  0.23%の減額。
4月から  8.03%減額 となりますが、

民主党や連合労組にとっては 4月から人事院勧告制度の形骸化を勝ち取ったといえます。本当に悪知恵の働く人がいるものだと怒りすら感じます。

これで 第1ステップの2年間は、人事院勧告がでても プラス勧告になり 国家財政危機を理由に勧告を見送れる。
それ以後も 民間賃金の飛躍的な向上・改善がない場合は、人事院はマイナス勧告を出さざる得なくなる。
そして 人事院はいらないの世論をつくればいい。

何か 公務員労働者の生活など 無視したような 政治的取引。

自民党・公明党の皆さん、この合意で法案を通したら 民主党という敵に塩を送るようなものですよ。

確かに 連合にとっては 0.23%の上乗せは 想定外でしょうが、労使交渉に路を開いたと 成果として労組員には説明するのでしょう。

このような茶番で 棒給表の書き換えと手当の改正手続きを担わされる 事務方は混乱するでしょうね。
人事異動と同時並行で完成させなければならなくなるのですから・・・。 

**************************

公務員給与 人勧実施で合意 
民自公 平均8・03%減額
2012.1.25 20:26  MSN産経ニュース

 民主、自民、公明の3党は25日、国家公務員給与削減をめぐる実務者協議を開き、民主党が人事院勧告(人勧)の0・23%削減の実施を含めて平均8・03%まで減額する案を提示、自公両党も受け入れた。


 民主党は、人勧制度を廃止して国家公務員に労働協約締結権を付与する公務員制度改革関連法案の今国会中の成立についても協力を求めたが、自公両党は回答を留保した。


 合意では、3月から国家公務員給与を人勧に従い0・23%削減した上で、4月から平成25年度末までの間は7・8%を削減する。


 国家公務員の給与削減をめぐっては、菅直人前内閣が東日本大震災復興対策費の捻出策として平均7・8%削減する臨時特例法案を昨年の通常国会に提出。先の臨時国会で3党が修正協議を開始したが、自公両党は人勧をした上での7・8%削減を求め、継続審議となっていた。


 民主党の支持団体である連合は人勧廃止を求めているが、民主党は、消費税増税関連法案の国会提出を前に「政府が身を切る姿勢」を示すため3党での合意を優先させた。実務者協議に出席した同党の稲見哲男衆院議員は「党首脳が、自公が拒否できないような内容を提示すべきだと判断した」と説明した。

posted by 小だぬき at 21:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月26日

民間・公務員ともに「未来につながる交渉を」

昨日の自公民の公務員給与合意を 詭弁としました。
ただ 連合という労働団体が 主力の民間賃金でさえ 定期昇給がやっとという現状では、公務員給与を団体交渉権にゆだねてもプラス回答は至難の技ですね。

「名を捨て実をとった」のが民主党と述べましたが この実が腐っていたのでは 笑い話にもなりません。
キツネとタヌキのばかしあい ではありませんが、「連合」に高い組合費を払っている組合員の我慢も限界に達し 執行部批判などを通して 弱体化の坂を転げ落ちるかもしれません。

何せ 主力の民間でさえ 早々とベースアップどころか 定期昇給がやっとの攻防戦では、公務員労組が労働三権を獲得しても 財政赤字・公務員倫理、労働組合活動の厳格化などで 「人事院勧告制度」を残すべきだったとなるのは 陽をみるより明らかなことのように思います。
この公務員給与問題は、第一ステップでは 民主党タヌキの勝ち。
しかし 今後の「労働組合」の再編成や加入率の大幅上昇がない場合、自公両党は 「公務員関連法」を民主党に強行採決させれば 次に政権を担う時には プラスに働く。

民間だけでなく 公務員も「未来につながる交渉を」と願うものです。
***********************************
 社説:12年春闘 未来につながる交渉を

毎日新聞 2012年1月26日 2時31分

 2012年の春闘がスタートした。

連合は「働く者への適正な配分が内需拡大、デフレ脱却につながる」と主張し、一時金や手当を含めた給与総額の1%引き上げを求める。

一方、経団連はベースアップについては「論外」、定期昇給についても「負担が重い企業では延期・凍結を含めて厳しい交渉を行わざるを得ない」と反論、「震災の影響や行き過ぎた円高など企業を取り巻く環境は厳しい」と一歩も引かない構えだ。


 この論戦、就職活動に苦戦している学生はどう感じるだろう。あるいは労使交渉の場に就けない非正規雇用労働者はどうか、気になる。


 定昇凍結という冷水を浴びせられた連合の憤りはわかる。

日本の会社員は入社当時の給料は低いが、次第に上がっていく。結婚して子どもができれば子育てや教育費にお金がかかり、マイホームを持てば長年にわたる住宅ローンを組むようにもなる。

勤続年数に従って給料が上がる賃金制度を土台に人生の設計をしているのだ。しかも、近年は多くの職場で正社員が少なくなり、それにともなって個々の正社員への仕事の負荷は高まっている。長時間労働を強いられて賃金も上がらないのでは疲弊するばかりだ。


 しかし、それは「正社員」の切符を手に入れた人たちのぜいたくな悩みではないか−−。

たまたま就職氷河期に大学を卒業したばかりに希望する就職先が見つからず非正規職場を渡り歩く若者たちがそのように感じたとしても不思議ではない。


 連合は「非正規雇用の待遇改善」も主張しているが、これまでも春闘の課題に掲げながら成果を上げられなかったのはなぜか。自分たちの賃金が危うい状況の中で、労組のメンバーではない非正規の人々の待遇改善にどこまで本気で取り組めるのだろうか。


 経営者側も「賃金より雇用」と言うのであれば、具体的な雇用維持・拡充策を提示すべきだ。

企業活動を取り巻く環境が厳しいからといって、収益を内部留保と配当にばかり充てていたのでは社会は納得しないだろう。

若者の雇用拡大とともに、出産・育児休暇が取りやすい職場環境の改善、パートなどの厚生年金拡充にも真剣に取り組むべきだ。


 自由な働き方を求めて非正規雇用を選ぶ人もいる。公的な社会保障の網を非正規雇用にも広げれば、雇用の多様性や流動性を高めることにつながるだろう。

いずれにせよ、被用者のうち非正規雇用労働者は35%を占める時代になった。

労組の加入者も減り続けている。現状の利害関係の枠を超え、明日のための交渉をしなければ春闘の役割はますます小さくなっていくだろう。

posted by 小だぬき at 07:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

30年前に大論争の丸山ワクチン 外国人からも使用の要望来る

下記の丸山ワクチンは 副作用がなく 投与後の生存率も高いものです。
当時の「薬事審議会」の東大閥・医薬界主流から、丸山先生の専門が結核であったために 患者の願いも虚しく葬り去られようとしました。

イレッサを代表とする 強い副作用を伴うものが認可され、副作用がなく免疫作用が認められていて 多くの患者の願いのあった薬が 認可されない。

「薬事審議会」も 原子力村同様に 公平な審議機関ではなく 学閥・権威にひれ伏したものであった証拠の事例です。
その後の「薬害」にしても 審議会メンバーの責任追及さえされず 医学権威として君臨する医療界・厚労省の腐敗は 国民として怒りの対象の一つでもあります。

***************************
30年前に大論争の丸山ワクチン
 外国人からも使用の要望来る
 
2012.1.24   NEWSポストセブン

がんの3大治療である手術、放射線、抗がん剤の治療を進行度合いによって受けることができなければ、患者は天から見放されたような気分を味わうという。

生きる術を求めて必死になっている患者への“救いの手”のひとつが、かつて日本中の注目を集めた丸山ワクチンだ。

いまだ認可されていない“がん治療薬”は、現在も年間3万人もの患者に使用されていた。

手術、放射線、抗がん剤という、従来からあるがんの「標準治療」の限界が明らかになりつつある。

がんを切除しても、再発、転移し、しかも合併症にも悩まされるといった例が無数に見られる。

副作用の悩みも尽きない。そのため、漢方薬、健康食品などを使った「代替療法」が注目されつつある。なかでも免疫細胞の働きを強化してがん細胞を攻撃する「免疫療法」が、21世紀のがん治療を担う主力として期待されている。


30年前、その元祖ともいえる薬が、認可をめぐって大論争、大騒動を巻き起こしたことがある。

開発者・丸山千里博士(故人。日本医科大学名誉教授)の名前を冠した「丸山ワクチン」である。


丸山ワクチンは、1976(昭和51)年に製薬会社・ゼリア新薬からがんの治療薬として製造承認が申請されたが、1981年に旧厚生大臣の諮問機関だった中央薬事審議会で「現時点では有効性を確認できない」という結論が出され、認可が見送られた。

審議会での審議は客観性や公平性を欠いていたという批判が渦巻き、国会での論議にまで発展した。ちなみに、衆議院議員に当選したばかりの菅直人前首相も、当時、認可を求める患者組織を支援していたひとりである。


通常、薬として認可されなければ、製薬会社は商品化を断念し、患者に使用されることはなくなる。

ところが、丸山ワクチンの場合、治療効果を信じる多くの患者たちから「使い続けたい」という強い要望があった。それを受け、当時の厚生省は苦肉の策を取らざるを得なかった。


治験薬は本来、患者に無料で提供されるが、丸山ワクチンは、患者が全額自己負担する「有償治験薬」として使用を認められることになったのである。この「有償治験薬」は日本では丸山ワクチンが唯一の例である。以来、一部のがん患者たちに使われ続けている。


丸山ワクチンを使った治療を希望する場合、通常よりも若干煩雑な手続きが必要だ。


投与を希望する患者やその家族は、まず主治医に「治験承諾書」を書いてもらい、故・丸山博士が1972年に設立した日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設(東京)で初診(レクチャー)を受けてワクチンを購入。それを主治医のもとに持ち帰って投与(注射)してもらう


承諾書を発行し、投与を行なってくれる医療機関に指定や制限はなく、故・丸山博士の次男で、NPO法人「丸山ワクチンとがんを考える会」事務局長である丸山達雄氏によれば「現在、全国で約2万の医院が対応している」という。


丸山ワクチンががんの治療に使われ始めたのは1964年。以来、現在に至るまでのべ約39万人もの人に投与されてきた。

同ワクチン療法研究施設所長の永積惇氏によれば、2010年の1年間だけでものべ3万人近くに投与され、そのうち新たな患者も2600人を超える。

現在までに使用期間が1か月以上、5年未満の症例数は15万6600人、5年以上10年未満の症例数は1万800人余り、10年以上の症例数は7000人余りに上る。


※週刊ポスト2012年2月3日号

posted by 小だぬき at 10:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月27日

<橋下市長>「目安箱」にメールや手紙 「通報」続々

<橋下市長>「目安箱」にメールや手紙 「通報」続々
1月27日(金)1時12分     毎日新聞配信

大阪市の橋下徹市長が、市職員からの内部告発などをメールや手紙で受け付け始めたところ、多くの「通報」が寄せられていることが市への取材で分かった。

橋下市長は自分のメールアドレスを全職員に公開、「(通常の)ラインでは上がってこない貴重な情報がどんどんくる」と独自の情報収集術に胸を張る。

しかし、「密告奨励」とも取れる手法で、「職場がギスギスし始めた」との声が出ているほか、専門家も「職員同士の連帯を損なう」と指摘している。

 「(市の労働)組合の意向で昇任試験の受験を遅らされた」「組合に迎合する(区役所の)総務課長だと、組合(の人事)案を受け入れてしまう」

 昨年末に橋下市長が就任した際、職員から複数のメールが寄せられた。労働組合が市の人事に介入しているとの証言で、橋下市長は不当な介入がないか、調査を指示した。

 年明けには市教育委員の視察に関する情報もメールで寄せられた。今月10日の市長と教育委員の意見交換会の直前、学校視察が駆け込み的に行われたという内容で、橋下市長は視察の実態を市教委に報告させた。病気休職の不正取得の手口を通報するものもあった。

 市は市長へのメールの数を明らかにしていないが、橋下市長は「すごくたくさん来ている。しっかり厳正に対処したい」と話す。

 また、手紙で受け付ける「目安箱」を今月設けたところ、20日間で約50通が届いた。所定の様式に従って市役所に郵送すると、市長に直接届き、他の職員が中身を見ることはないという。

 職員からの内部告発は、橋下市長が進める公務員制度改革や労働組合との関係見直しなどに直結している。

告発を奨励するため、市と市教委の懲戒処分の指針も改め、職員が不正行為に関係していても市に通報して不祥事の全容解明に貢献した場合、処分を軽減することを明記した。原則免職にはしないこともルール化し、25日から運用している。

 一方、こうした手法を問題視する声も上がる。

24日の市教育委員会会議では、指針を改めることについて、委員の一人が「信頼関係を生む仕組み作りが重要ではないか」と指摘した。

ある職員は「『壁に耳あり、障子に目あり』という感じで萎縮している職員もいる」と打ち明ける。別の職員は「内部告発は中傷の類いも少なくない。市長が偏った情報で判断を誤らなければいいが」と戸惑いを見せた。
【林由紀子、原田啓之】


 ◇目安箱
 享保の改革で知られる8代将軍、徳川吉宗が1721年、江戸城竜ノ口評定所前に設置。民心把握や施政の参考意見を得るため、一般庶民に不満や要望を直訴させた。投書は将軍自らが検分。これにより小石川養生所の設置や、江戸市中の町火消の整備などが実現した。
posted by 小だぬき at 08:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ルールと礼義は 守りたいですね。

私が 問題意識を持つことの一つに、日本人のなかに自分の正義を押しつける人がいることです。

アフガニスタン拉致事件、松本サリン事件、三億円事件、各種冤罪事件、小沢事件など きちんと自分の頭で 考え調べれば ??がでてくるのに、新聞報道・警察報道をもとに 匿名の批判がでる。

しかも 自分のしていることが正義だと思い込んでいるから始末に悪い。

☆三億円事件で誤認逮捕された方は、世間の犯人視がもとで、就職も家庭も築けずに沖縄で孤独死しました。

☆松本サリン事件でも 素人でもサリンはできるとの誤った情報をもとに誤認逮捕されました。

☆アフガニスタンでボランティアで活動していた女性が拉致されたとき、他国は「日本人の誇り」として救助・人間の崇高さ論調だったのに、日本は自己責任論で匿名批判の嵐でした。

☆小沢一郎氏のことも 法律を知る者にとっては とんでもない冤罪起訴なのに マスコミ論調で有罪と信じ込んでいる人が多い。

☆厚労省の村木課長への思い込み冤罪や 再審無罪事件の多さ。

私たち一人一人は 万能ではありませんし 情報も限られています。
マスコミなどの情報だけで 人を非難したり侮辱することなど 到底ゆるせないことです。
少なくとも 東京新聞と産経・読売の比較位はして欲しい。

次は ブログに関してです。

私も「右翼」「極左」「詐欺師」「税金泥棒」「死ね」「自殺しろ」のありとあらゆる罵詈雑言もされたし、ある人の意見に同調しないために 非難されたこともあります。

私の読んでいるステキなブログにも 自分と考えが違うというだけで 一方的に相手のブログで攻撃されると悩んでいる方もいます。

ブログにもルールがあるはずです。それは互いの意見を尊重しあう姿勢です。
意見や思想が違っても「私は ・・・と思う」との意見交換をするのが礼儀だと思うのです。

どうもPCに書きこむときに 正常な人間関係のルールを忘れ 「全知全能」と自分を思い込み 相手の批判・脅し・侮辱のみで 自分の主張が通ったと勘違いされる方も少数いるらしい。

ネット文化を健全に発展させるためには、相手への思いやりと礼義ある交流に心がけたいものです。

不幸にもネチネチとした嫌がらせに近いコメントや記事に合われた方は 負けないで欲しい。
まず 言葉遣いが乱暴な人には まともにかかわらない方がいいと思います。

ましてやブログ閉鎖やSNS退会などは 礼儀のない人に負けたことになります。
他の読者の「良識」を信じて 負けないで欲しいと願っています。

posted by 小だぬき at 22:54 | Comment(8) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月28日

近事片々:超論理的理屈

近事片々:超論理的理屈
毎日新聞 2012年1月27日 14時07分

今、学校では「ディベート」に力を入れる。詭弁(きべん)を学ぶのではない。

論理立った思考と相手を納得させる表現の力。

当然、言論の府国会は子供たちに最高の模範、議員は先生。
    ◇    ◇

 さて。「衆院議員任期中に消費税は上げないのだから、公約違反ではない」。野田先生のこの超論理的理屈、何と子供たちに説こう。

学校では、約束を破ったりしたらまず素直に謝りましょう、とも教えている。

    ◇    ◇
 あれれ、はここにも。郵政見直しめぐり、「議員バッジを外すぐらいの気概を」と、かの鳩山先生が説く。
    ◇    ◇
 <貧かこつ隣同士の寒鴉(かんがらす)>
          正岡子規

posted by 小だぬき at 07:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月29日

創価学会員だった暴力団会長高山登久太郎 死直前に学会批判

創価学会員だった暴力団会長高山登久太郎 死直前に学会批判
週刊ポスト2012年2月3日号


創価学会という特異な宗教団体と池田大作というカリスマ指導者に迫った週刊ポストの連載『化城の人』。ノンフィクション作家の佐野眞一氏が、ある暴力団員による創価学会への思いを書いた。(文中敬称略)

* * *
初代会長・牧口常三郎の教員時代に関連する興味深い記述を「警鐘」という過去の公式サイトで見つけた。


これは、二〇〇三年六月に他界した指定暴力団会津小鉄会長の高山登久太郎の公式サイトである。
高山は本名を姜外秀という在日韓国人で、家族そろって創価学会員だった。
その高山が死の約一か月前に「創価学会を暴く」というブログを書いている。ブログは暴力団の親分とも思えないおごそかな調子の書き出しから始まっている。

〈人が変わり、それによって社会が変わっていく──。


創価学会の前身『創価教育学会』は、昭和5年、後に初代会長となる牧口常三郎の『創価教育体系』に始まる。

教員だった牧口は、教育者、そして日蓮正宗と出会った縁から、仏法を中心に据えた教育を通して、自分の理想とする平和と人間の価値創造の実現を目指した。これが『創価教育体系』であり、すべてはここが原点になっている〉

この記述だけで、高山が相当年季の入った創価学会員だったことがわかる。高山のサイトを続けよう。
〈一般的に言われているが、学会の信者たちの中には、危険な職業に就かざるを得ない人や、社会的に虐げられた人、そしてその家族が多くいる。社会の中で苦しみ、左翼政党のように怒りをストレートにぶつけ、社会変革を訴えるよりも、まず心の平安を求めたいと願っても不思議ではない。いじめ抜かれた人たちが、そんなとき仏法に接し、入信してお題目を唱えることで救われた人は実に多い。

それだけに学会員の組織愛は、他のどんな政党や宗教団体よりも強い。ましてや外部からの批判に結束して立ち向かっていればなおさらのことだ〉

高山の舌鋒はここから急に激越になる。批判の矢面にさらされているのは、池田大作である。

〈しかし本当の敵は内部にある。これまで述べてきたように、功徳と信心を金に絡ませるようなやり方、権力に対する迎合は、すべて池田によるものだ。飽くことのない金銭欲と名誉欲。彼がどこかの国の名誉市民になったり、どこかの大学で名誉博士になっても、いまの生活にも心の平安にも何の関係もない。


「学会に入って本当によかった」

「学会だからこそ権力が弱いものいじめをするのを見過ごせない」と言えるような組織にすることが先決ではないか〉

高山は未曽有の不況下、倒産の憂き目に遭っている中小企業が跡を絶たないなかで、池田が世界を回ってノーベル平和賞を札ビラで買うようなムダな金はない、とも述べている。

ブログはそこから一転、「拝啓 池田大作殿」と題する手紙調の文章に変わる。

〈拝啓 一言申し上げる。
はびこる拝金主義、幹部の堕落、そして一生懸命に努力する者が何も報われない現実──。学会で今、何が起こっているか、貴殿はその現状をご存知か。一度、水戸黄門よろしく、お忍びで全国を廻って直接、その目で見てみるがいい〉
posted by 小だぬき at 10:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月01日

鋳型にはめ込むように「お上」に従順で物言わぬ教師をつくることに躍起

鋳型にはめ込むように「お上」に従順で
物言わぬ教師をつくることに躍起


2012年1月31日  東京新聞「筆洗」

千人近い生徒全員の名前と顔を覚え、校門で気さくに声を掛ける高校の校長はまずいないだろう。

退職する時、卒業生全員から寄せ書きを贈られた熱血教師は、あることがきっかけで教育現場から排除されてしまう

▼東京都立三鷹高校の校長だった土肥信雄さんは二〇〇六年、職員会議で教師が挙手して採決することを禁じる都教育委員会の方針に異を唱えた。

二度と戦争をしないために最も重要なことだ、と生徒に語っていた「言論の自由」が奪われることへの危機感からだった

▼定年を迎えた〇九年、ほぼ全員が採用される非常勤教員の試験で不合格になった。すべての項目で最低のC評価。都教委に歯向かったことへの報復であることは明らかだった

▼「不採用は不当」と土肥さんが都教委を訴えた訴訟の判決がきのう、東京地裁で下された。結果は敗訴。

結論が先にあり、理由を後からくっつけたような説得力のない判決だった

▼東京や大阪では鋳型にはめ込むように「お上」に従順で物言わぬ教師をつくることに躍起になっている。

そんな流れに歯止めをかけるどころか、助長する判決を連発する司法の責任は重い

▼三年前の離任式で生徒から渡された「卒業証書」にはこう書いてある。「教育委員会の弾圧にも負けず本校所定の課程を修了したことを証する」。

この“宝物”を胸に土肥さんは再び闘いを始める。
posted by 小だぬき at 07:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月02日

発信箱:御用学者はいらない=布施広(論説室)

発信箱:御用学者はいらない
2012年2月2日 0時29分  毎日新聞 布施広(論説室)

オバマ米大統領がイランに「いかなる選択肢も排除しない」とすごんだ翌日(日本時間1月26日)である。東京都内で「季刊アラブ」(日本アラブ協会発行)が主催する新年会が開かれた。

この雑誌は知る人ぞ知る存在というか、報道各社や外務省、大学、企業などの中東専門家を執筆陣に擁し、記事のレベルはすこぶる高い。


その集まりでよく耳にしたのは「米軍のイラン攻撃はありえない」という声だ。1月19日の本欄でも触れたように、米外交の重点課題はイスラエルの安全であり、米国は選挙の年だから「イラン危機」が殊更クローズアップされる。

が、そこには選挙向けのポーズもあって、冷静なオバマ政権は、イラン攻撃で世界経済を混乱させるのは最悪のシナリオだと考えている−−と海千山千の専門家たちは読むのだ。


 ただ、専門家もいろいろで、数日後、ある大学教授がテレビで「日本は北朝鮮問題があるから、イラン問題で米国に同調すべきだ」と言うのを見て、おやおやと思った。

私は覚えている。この人はイラク戦争でも同じ論法で対米協力を支持したのだ。


 日米協調は大事だ。軍事行動も私は一概には否定しない。

が、米国は北朝鮮問題で日本の安全のために何をしてくれたかという総括もなく、ただ対米協力を訴えても米国の御用学者と思われるだけだろう。米国にもばかにされるだけだろう。


 イラク戦争で消耗した米国をあざけるように、北朝鮮は核実験を繰り返した。

日本はイラク戦争の被害者だと指摘した米要人もいるそうだ。

日本への北朝鮮の脅威はそっくり残って、増大したからだ。


よくしゃべる教授の顔を見ながら思った。イラク戦争時、日本の論客とされる人々がどんなことを言っていたか、詳しく検証しなければいけない、と。

posted by 小だぬき at 09:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月03日

沖縄防衛局長講話要旨

沖縄防衛局長講話要旨
(2012/02/02-11:10)時事通信

 防衛省が2日、衆院予算委員会理事会に提出した真部朗沖縄防衛局長の「講話要旨」は次の通り。

 本日、忙しい業務を抱えている中、お集まりいただき、ありがとうございます。
時間も限られているので、なるべく簡潔にお話ししたいと思います。

 ご存じかもしれませんが、来る2月12日に、宜野湾市長選挙が予定されています。まだ確定していませんが、2人の候補が立候補する予定です。

報道等によると、伊波洋一元宜野湾市長と佐喜真淳(沖縄)県議です。

基地問題については、伊波氏は「県内移設反対、早期閉鎖・返還」を主張しています。

佐喜真氏は「現状固定化を断固阻止し、一日も早い危険性の除去と返還・跡地利用計画を強力に推進」するとしています。双方ともに「県外移設」を主張しています。

 宜野湾市は、普天間飛行場が所在しており、普天間飛行場問題の原点とも言うべき市であります。

平成8年に橋本(龍太郎首相)・モンデール(駐日米大使)会談で合意されて以来、この問題は、15年間以上にわたって日米両政府が取り組んできた重要課題です。

日米合意上も、大きくは、平成8年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告から平成18年の米軍再編ロードマップに引き継がれています。この間、さまざまな移設案が検討され、最終的に辺野古のV字案が決定されました。

その後、平成21年には政権交代があり、従来の移設案である辺野古のV字案が白紙的に再検討されました。

この再検討過程を経て、一昨年5月に辺野古が移設先であることが改めて日米合意となり、昨年6月には「2プラス2(日米安全保障協議委員会)」で、

仕様の変更を伴ってではありますが、代替施設の形状についてV字案で合意されました。

一方、この再検討過程を機に、この問題に対する沖縄県民の見方は厳しさを増し、現在では、辺野古案をはじめ県内移設に反対する声が一般的になっています。

これに対して、政府は、その必要性をパンフレットなどを使って積極的に県や市町村、各種団体などに説明するとともに、訓練移転の拡充など一層の基地負担の軽減に取り組むことなどによって、県民の理解を得ようと努力しているところです。

 このような中で、宜野湾市の市長選は、普天間飛行場を抱える自治体の直近の民意が示される場として注目される重要な選挙と考えられます。

 皆さんは、自らが有権者であるかまたは有権者を親族にお持ちの公務員です。

公務員は、国民の権利である選挙権の行使、すなわち投票に積極的であるべきであります。

私は職員に、「特定の候補者に投票しなさい」と言える立場ではありません。来るべき選挙には棄権を避け、期日前投票を含め、ぜひ投票所に足を運ぶようにしていただきたい。

機会があれば親戚の方々にも投票所に行くようにお話していただきたい。

一方、公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではありません。

選挙に際しては、政治的中立性の確保が要求されます。

自衛隊法等の関係法令に違反したり、違反していると思われないよう留意をお願いしたい。親戚の方々と接する際にも気をつけていただきたい。

 以上、まとまりのない話で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

 (注)本要旨は、局長の記憶に基づいて作成し、講話参加者66名のうち50名に確認した内容を反映したものである。(2012/02/02-11:10)

posted by 小だぬき at 03:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

6年ぶり豪雪 「共助」進め命を守ろう

6年ぶり豪雪 「共助」進め命を守ろう

2012年2月3日   東京新聞社説

 今冬最強の寒気が日本列島に入り込み、六年前の豪雪に迫る大雪になっている。

雪害の死者の多くは除雪中の事故が原因で、高齢者も目立つ。弱者を守るためには、共に助け合う仕組みも必要だ。


 気象庁によると、北日本の上空に氷点下四二度以下の猛烈な寒気が流入。

日本海側を中心に雪が降り続いて、積雪は青森県で四メートル超、山形、新潟両県でも三メートル超の地点が出るなど二〇〇六(平成十八)年豪雪に迫る勢いになっている。


 雪は小康状態になってからも注意が必要だ。事故の多くは、雪が一段落してから行われることも多い除雪中に起きている。


 〇六年の豪雪では百五十二人が亡くなったが、うち75%が除雪中に屋根から転落したりして亡くなった。高齢者の犠牲が多いのも特徴で、この豪雪では死者の65%を占めた。


 大雪を洪水や地震などと同じ地域全体を襲う災害としてとらえ、対策を講じるべきだ。とりわけ高齢者や障害者、子どもなどの弱者をどう守るかが問われる。


 最近、雪害対策として注目されるのが「共助」の仕組みだ。「自助=個人・家庭」では手に余り、「公助=国・自治体」では機動的に対応できない地域の課題について、地域共同体のメンバーが共に支え合う。


 山形県朝日町は以前、雪下ろしの費用の九割を町が負担していた。しかし、豪雪時は依頼が集中し個人では業者の確保が難しいなどの問題が浮上。〇七年度から雪の処理の主体を区(町内会)に移した。


 弱者の家庭の雪下ろしは地域で行い、業者に頼む場合も区が依頼を代行する。


 地域一斉で作業することで危険性を減らす取り組みも各地で行われている。雪の多い地域では町内会単位でどうやって互いに助け合うか話し合ってもらいたい。


 災害に関していえば、東京などの都市では、団地の高齢者が同じ問題を抱えている。共助の仕組みを進めたい。


 共助を支えるのは公助だ。「自」「共」に任せて「公」は何もしなくていいということではない。


 六年前の豪雪の後も、昨年の大雪の後も共助の必要性が指摘され、国はマニュアルまで作った。


 しかし、除雪中の事故は相変わらず起きている。自治体が強く指導して共助の仕組みをつくることも必要だろう。

最後に助けに来るのが「公」では困るのだ。

posted by 小だぬき at 18:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月04日

とうとう人事院に申し立て 厚労省が隠す「陰湿イジメ」

とうとう人事院に申し立て 
厚労省が隠す「陰湿イジメ」
2012年2月2日 日刊ゲンダイ掲載

パワハラ定義のバカバカしさ


 厚労省のワーキンググループが職場のパワハラ行為を類型化した報告書をまとめた。

「侮辱、暴言」「隔離、無視」といった具体的な陰湿行為が挙げられているのだが、当の厚労省内で深刻なパワハラが起きている。

 問題になっているのは、厚労省東京空港検疫所の木村盛世医師に対する「イジメ」だ。

 木村医師は、国民が大パニックになった09年の新型インフルエンザ騒動の際、厚労省の防疫策を批判した女性技官だ。

当時、マスコミにも頻繁に登場していた。「水際作戦で侵入は防げない」「感染症対策に力を入れるべき」と当然の指摘をしたのだが、厚労省は一切無視し、あろうことか組織ぐるみの「イジメ」を展開したのである。

「例えば、国立がんセンターが木村氏の講師派遣を要請しても、検疫所が『木村氏以外ならOK』と回答したり、職場で『木村は無能で怠慢とメディアにリークしよう』といった発言が飛び交ったりしたようです。

全て厚労省が今回まとめた『パワハラ類型』に該当する卑劣極まりない行為です」(医療ジャーナリスト)

 木村医師は、不眠や食欲低下などの症状が出て「抑うつ状態」と診断されて休職し、公務災害認定を申請したほどだ。その後、どうなったのか。

「厚労省は木村医師の公務災害を突っぱねただけでなく、職場復帰を望む木村医師をネチネチ妨害し続けています。困った木村医師は人事院に不服申し立てを行い、今年3月に公開審理が開かれることになりました」(厚労省事情通)

 木村医師はこう言う。
「人事院申し立てを公務災害申し立てにつなげ、最終的には裁判で判例に残したいと考えています」
 一方の厚労省は「人事担当者が出張中で答えられない」(厚生科学課)としている。

 マトモなことを言うほど閑職に追いやり、辞職を迫る。国民を向かない職員ばかりになるわけだ。
posted by 小だぬき at 09:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

才能があれば、どんどん登用する社会・・

才能があれば、どんどん登用する社会
2012.2.4 03:13 [産経抄]


 友人の少ない小欄にも「○○さんからフェイスブックへの招待が届きました」というメールが舞い込むことがたまにある。ありがた迷惑なので丁重にお断りしているが、世の中にはつながりたい人がごまんといるらしい。


 ▼8年前に誕生したフェイスブックは、登録者が8億人以上を数えるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)である。

この世界最大のネット社交場をつくった27歳のザッカーバーグは、株式上場を決断した。

上場によって約3800億円の資金を調達する計画だが、企業価値を示す株式の時価総額は最大約7兆6千億円も見込まれるというからスケールが違う。


 ▼彼が、フェイスブックを立ち上げるきっかけとなったフェイスマッシュをつくったのは、ハーバード大2年生のときだ。

実はこれ、大学のコンピューターをハッキングして女子学生の顔写真を集め、格付けした違法サイトで、数時間後に閉鎖されたんだとか。


 ▼日本でもヒットした映画「ソーシャル・ネットワーク」は、女友達から「あなたがもてないのは性格が最低だからよ」とふられた腹いせから立ち上げた、と描いている。

元友人らから「アイデアの盗用」などで訴えられた事実からみると、嫌われ者なのだろう。


 ▼憎まれっ子世にはばかるとはよくいったものだ。ザッカーバーグは投資家への書簡で「素早く行動し、何かを壊せ」「最もリスクが高いのは、リスクを負わないことだ」と挑発する。


 ▼若造が何をほざく、と言いたいところだが、この国の現状をみると黙らざるを得ない。嫌われ者でも才能があれば、どんどん登用する社会にせねば強者に食い物にされるだけだ。無能でいい人は田中直紀防衛相一人で十分である。

posted by 小だぬき at 20:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月05日

<ペテンはわが身にはねかえる>

<ペテンはわが身にはねかえる>
2012年2月5日  東京新聞「筆洗」

 犯罪に、いい犯罪も悪い犯罪もない。その通りだが、やはり「区別」はある気がする

▼一九三〇年代に、米国に実在した犯罪者ジョン・デリンジャーは銀行強盗は平気で繰り返したが、一般客は狙わなかった。そして、彼を描いた少し前の映画の中では、仲間から誘拐を持ち掛けられても、こう言ってきっぱり断る。「誘拐は好きじゃない。大衆が嫌う」

▼人を騙(だま)すのも同じ。相手が誰ならいいということは無論、ない。だが、やはり「区別」はある。騙すにことかいてこういう人を…と、強い憤りを覚えるのは、震災被災者や原発事故の避難者の不安につけ込む連中である

▼例えば、国民生活センターが注意を呼び掛けている悪質な「開運商法」。雑誌広告を見て「願いがかなう」数珠やブレスレットを買うと、「使い方」の説明をするから電話せよとの手紙が。その電話で、購入者に身の上話などさせ、脅しすかしでさらに“開運商品”を買わせるらしい

▼被災者からの相談も多く、宮城県の五十代女性の場合は、電話で「仮設住宅に住んでいる」などと話した結果、さらに水晶玉などを買うはめに。振り込まされたのは見舞金の全額五十万円だった…

▼既に奪われた人から奪うとは、ペテンにしてもあまりに卑劣なペテン。<ペテンはわが身にはねかえる>と西諺(せいげん)はいうが、当然、ひときわ手酷(てひど)く、でなければならない。

posted by 小だぬき at 11:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

厳冬で入浴中死亡増…目立つ高齢者、自宅も注意

厳冬で入浴中死亡増…目立つ高齢者、自宅も注意
読売新聞 2月4日(土)15時6分配信  

入浴中に高齢者が急死する事故が相次いでいる。

 大阪市のまとめでは、下旬から急に冷え込みの厳しくなった昨年12月には、前年の2倍にあたる30人が死亡。

各地でも11月から3月にかけて毎年事故が集中することから、医療関係者らは寒い時期の入浴に十分注意するよう、呼びかけている。
 
 こうした事故は、一般に「ヒートショック」と呼ばれる。脱衣による寒さで血管が収縮すると血圧は上昇するが、熱い湯に入ると血管が広がり血圧は下がる。

血圧や脈拍数の急変動が引き金になって、浴槽でおぼれたり、脳卒中、心筋梗塞が起きたりする

 
 家庭の浴槽内での溺死者は年間約4000人に上り、うち高齢者は89%(厚生労働省調べ)。

原因を心臓・脳疾患発作まで広げると、東京救急協会は「入浴中の死亡者は全国で年間1万4000人以上」と推計している。
 
 大阪市消防局によると、2011年の入浴中の死亡者は171人(速報値)で、うち65歳以上が90%。これまでを分析すると、約80%が自宅で入浴中に亡くなっているという。
 
 周囲に誰かがいる共同浴場に比べ、「個室」の自宅浴室の事故は、救護が遅れるケースが多い。

大阪市でも、昨年12月だけで「風呂から出てこないので家族が見にいくと、頭まで湯につかっていた」(70歳代女性)、「脱衣所で倒れ、心肺停止状態だった」(80歳代女性)などの事例が相次いだ。

救急課の担当者は「少しでも気分が悪くなったら、風呂の栓を抜いて。それで少なくとも溺死は防げる」と呼びかける。
posted by 小だぬき at 13:56 | Comment(1) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月07日

自殺対策「GKB47」に批判…ゴキブリの意?

自殺対策「GKB47」に批判…ゴキブリの意?
2012年2月7日00時13分 読売新聞)


参院予算委員会の石井一委員長(民主党)は6日の予算委で、内閣府が3月の自殺対策強化月間のキャッチフレーズに決めた「あなたGKB47宣言!」について、委員長としては異例の「見直し要請」を政府に行った。


 これを受け、自殺対策を所管する岡田副総理は6日夜、見直しが可能かどうか事務方に検討するよう指示したことを記者団に明らかにした。


 GKBは悩みを抱える人に声をかけたり、支援機関を紹介したりする活動「ゲートキーパー・ベーシック」の略。「47」には、47都道府県に取り組みを広げる思いが込められているという。


 このキャッチフレーズについて、民主党の松浦大悟氏は6日の予算委で「(人気アイドルグループの)『AKB48』をもじったものだ。GKBは若い人たちの間ではゴキブリを意味する言葉だ。人の生死と向き合う自殺対策の言葉としては不適切だ」と撤回を求めた。

 答弁に立った岡田副総理は「(キャッチフレーズは)昨年11月に決まったことだ。ポスターもはられている」といったんは難色を示した。

一方、野田首相は「キャッチフレーズを見た瞬間、私も率直に言うと違和感を感じた」と述べ、見直しを含めて検討する考えを示した。松浦氏によると、自殺対策に取り組む全国の72団体が、このキャッチフレーズに反対している。

posted by 小だぬき at 08:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月08日

年金改革と消費税10%は 無関係、岡田副総理

昨日の参議院予算委員会のみんなの党小野次郎さんの質問で、今回の消費税の値上げでは 年金の改革の財源は入っていないこと、年金積立金から一般財源への貸し入れ金が 財務省から3兆円以上返金されていないことが明らかになりました。誤魔化しや数字操作がされているようです。
監視が必要です。
*********************
年金試算公開 
こうして前進させよう

毎日新聞社説 2012年2月8日 2時31分

迷走を重ねた末、民主党の新年金制度の試算が近く公表されることになった。

税と社会保障の一体改革は待ったなしだ。議論の入り口にすらたどり着けず、不信と混迷を極めている責任はひとえに民主党にある。どうすれば一体改革が少しでも前進するか考えたい。


 「年金を一元化し、すべての人が月額7万円以上の年金を受け取れるようにする」というのが民主党の新年金制度案である。どのくらい財源が必要かは説明してこなかった。「政権を取ったらすぐに明らかにする」と言った幹部もいたが、政権に就いてもう3人目の首相になる。


 なぜ明らかにしないのか。昨春、菅直人内閣が税と社会保障改革案をまとめた際、新年金制度だけで最大で消費税7・1%増が必要との試算が出た。

現状でも借金で賄っている社会保障費と早急に改善しなければならない分を合わせて消費税5%増が必要とされているのに、さらに7%が加わるのだ。結局、菅内閣は現行制度の修正案を並べただけで、新年金制度は棚上げされた。


 本来ならこの時点で決着をつけるべきだった。野党時代の民主党は抜本改革を盾に現行制度の修正に反対してきたのだ。自民党や公明党の憤りはよくわかる。しかし、国の累積債務が1000兆円と見込まれる現状を考えれば、税と社会保障改革は少しの猶予も許されない状況だ。民主党のご都合主義的な姿勢にはあえて目をつぶり、与野党協議を進めるよう私たちは主張してきた。


 ところが、野田佳彦内閣になって新年金制度が再び棚から下ろされ、一体改革の素案で完全復活した。またも財源を明記せずにである。棚上げせざるを得ない事情について党幹部間でどんな検討をしたのか。野党が協議に応じる姿勢を見せないので、選挙になった時の看板をちらつかせるためか。姑息(こそく)というものだ。


 「党全体で共有したもの(試算)ではない」と野田首相は言うが、それならば素案に載せるべきではなかった。もはや逃げることは許されない。公表される試算を徹底検討し、現時点で新年金制度が実現不可能であれば素案から削除すべきだ。これまでの民主党の年金をめぐる対応についても総括すればよい。「年金はすでに破綻している」と国民の危機感をあおり、新年金制度で選挙を利してきたのが民主党だ。その内実を国民に説明する責任がある。


 その上でだが、一体改革はやはり与野党で議論を進めてほしい。出生率や物価、経済成長などに年金財政は大きな影響を受ける。年金は大事だが、子育てや医療、介護など切迫した社会保障改革なくして将来の年金を語ることはできないのだ。

posted by 小だぬき at 07:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月09日

沖縄防衛局長「講話」問題 共産党も情報漏洩に動揺

沖縄防衛局長「講話」問題
共産党も情報漏洩に動揺
2012.2.9 01:12    産経新聞

沖縄県宜野湾市長選(12日投開票)をめぐり、真部朗(まなべ・ろう)沖縄防衛局長の「講話」やメール情報が共産党に流れたことが防衛省に衝撃を与えたが、実は共産党でも動揺が広がっている。

1月31日の衆院予算委員会での赤嶺政賢議員による「爆弾質問」の内容が政府側に漏れていたことが分かったからだ。


これを暴露したのは田中直紀防衛相だった。赤嶺氏の質問を受け「この委員会に出席をする前に事務次官からこういう質問があるのではないかという指摘をいただき、局としてそういう事実があってはいけないということで調査している」と述べたのだ。


 秘密主義を信条とする共産党にはかなりのショックだった。関係者は「講話問題は機関紙『しんぶん赤旗』にもスクープさせず、赤嶺氏が国会で衝撃的に暴露する戦略だったのに…。明らかに党内から外部に情報が漏れた」と疑心暗鬼を隠さない。


 素人防衛相のうっかり暴露は、共産党の動向をウオッチしてきた公安調査庁など公安当局には大きな痛手となったある公安関係者は憤りを隠さない。


 「公安当局は日常的に共産党内の協力者から情報収集しており、赤嶺氏の質問も共産党内の『モニター情報』として事前に政府サイドに伝えられていた。

でも決して公表してはいけない機密だ共産党は緩んだタガを締め直してくるだろうから、今後の情報収集活動に支障が出かねない

posted by 小だぬき at 13:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月10日

年収1500万円「犯罪検事」をなぜ税金で養うのか

年収1500万円「犯罪検事」をなぜ税金で養うのか
2012年2月6日 日刊ゲンダイ掲載


<新たな捏造ゾロゾロ発覚>

 チンピラ検事の不正は底ナシの様相だ。

石川知裕衆院議員(38)を取り調べた田代政弘検事(45)の捜査報告書に、小沢裁判で判明した以外にも捏造が発覚した。石川議員が録音した聴取内容と照らし合わせた結果、石川議員が語っていない中身が、報告書からゾロゾロ出てきたのだ。

 例えば、石川議員は、田代に「署名拒否にしますか」と聞かれると、「そんな、突き放さないでくださいよ」と言ったことになっている。だが、録音にはこんなやりとりは一切なかった。

 田代は、小沢裁判の過程でも、石川議員が「検事から『ウソをついたら選挙民を裏切ることになる』と言われ、これは結構効いたんです」と発言したとする記述の創作・捏造がバレた。
現在は市民団体から「虚偽有印公文書作成」などの罪で刑事告発されている。

 犯罪を根絶させるはずの検事が“犯罪行為”に手を染めていたのだからア然というほかない。おまけに検察組織は、告発を受理しておきながら、いまだ田代にのうのうと新潟地検検事としての身分を保障している。なぜ、犯罪検事を税金で養わなければならないのか。その待遇もベラボーだから許せない。

「検事の給料は一般の国家公務員と違い、独自の法律で定められています。残業代がつかない代わりに待遇は“別格”で、50代前半の特捜部副部長クラスで、手当やボーナスを含めると年収2000万円といわれている。その一、二歩手前の田代検事でさえ、1500万円近い年収はもらっているはずです。

生活にユトリがあるから、すでに世田谷区内に一戸建てを構えている。告発された今は新潟で蟄居同然の身でしょうが、問題が起きた検事をしばらく閑職につけて裏に引っ込ませ、ホトボリが冷めるのを待つのも検察の常套手段です」(司法ジャーナリスト)

 組織防衛しか頭にない連中の卑劣な手口だが、こんなフザケた話を許していいのか。元祖・改ざん検事の前田恒彦受刑者の部下だった国井弘樹検事は、同僚宛てのメールにこう書いていた。

「言ってもないことを調書にすることはよくある。証拠を作り上げたり、もみ消したりするという点では同じ。前田を糾弾できるほどキレイなことをしてきたのか」――。
 この組織は皆、改ざん検事と同じ穴のムジナ。一度、解体しないとダメだ。
posted by 小だぬき at 07:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月11日

「天皇陛下の祈り」の崇高な精神性こそ余人をもって代え難い

「天皇陛下の祈り」の崇高な精神性こそ余人をもって代え難い
SAPIO2012年2月22日号

天皇が執り行なう重要な儀式に宮中祭祀がある。
神々に感謝の祈りを捧げ、国家国民の安寧と平和を祈るものだが、その詳細は秘儀中の秘儀とされ、広く国民の目に触れることはない。
その内容について、ジャーナリストの山村明義氏が解説する。

 * * *
「天皇の祈り」の存続が危惧されている。


 GHQの7年近い占領下を経た戦後、宮内庁によって宮中祭祀の「簡略化」が度重ねて実施されてきた。


 事実、昭和天皇の時代から「ご高齢・ご健康への配慮」「政教分離違反の疑い」などという名目の下、徐々に宮中祭祀の回数が減らされてきた。


 例えば、昭和43年の入江相政侍従長時代に、毎月1回は御親拝により行なわれていた「旬祭」が削減された。この旬祭は本来、毎月1日、11日、21日に行なわれるが、平成21年からは5月と10月の1日のみの御親拝に変更された。


 回数だけではない。昭和50年には、浄衣をまとった侍従を宮中三殿に遣わし、天皇陛下に代わって行なっていた「毎朝御代拝」を、モーニング姿で賢所の階段下の前庭で一拝する拝礼に改変。また、近年では皇太子など皇族の代拝も、侍従から掌典次長に変えられたことがある。


 これらの祭儀の「簡略化」が天皇陛下のご意志に沿って行なわれていたかといえば、かなり疑問である。元側近らの証言からすると、昭和天皇も今上天皇も、強いご決意をもって宮中祭祀にのぞまれていたことは、明らかだからだ。


 何より、「簡略化」の最大の問題は、「天皇陛下のまつり」の本来の意義を宮内庁の官僚たちが理解しないままに回数を減らしたり、祭祀の中身を変えているのではないかという懸念があることだ。


 一方で、昨年までのご公務の日数は逆に増えている事実もある。「陛下のご負担軽減」を訴えながら、宮中祭祀の親祭だけを減らしたことは、「天皇(日本)の精神性の軽視」と指摘されても仕方が無い。


 それでも先の高谷元内掌典は、こう語っている。

「たとえ陛下が(賢所での)御拝を減らされあそばされても、お仕えさせて戴いた私共には、陛下が同じようにお祈りされているのがわかるのです。宮中祭祀は未来永劫、粛々と行なわれるものなのです


 事実、東日本大震災の被災地への御行幸や、宮中祭祀での数々の天皇陛下の祈りが、震災で大きな苦難に陥った日本国民に対し、強い勇気と鼓舞を与えた。

いかに周囲が止めようと、日本と日本人を守ろうとする「天皇陛下の祈り」の崇高なる精神性こそ、余人をもって代え難い。日本の歴史と伝統が綿々と続き、永遠に変わることはないはずの宮中祭祀の精神性を変えることだけは決して許されない。

posted by 小だぬき at 08:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月14日

90度近くまで上昇 福島原発2号機の原子炉内で何が起こっているのか

90度近くまで上昇 
福島原発2号機の原子炉内で何が起こっているのか

2012年2月13日  日刊ゲンダイ掲載


ウソっぱちだった「冷温停止」

 一体、中で何が起こっているのか。不気味なのが東京電力福島第1原発の2号機だ。
 原子炉の圧力容器底部の温度が徐々に上がっていて、12日はついに90度近くまで上昇したのである。

「冷温停止」の基準は100度で、余裕をみて80度が限度とされる。それをあっさり超えてしまった。

東電は温度計が3カ所にあって、残り2カ所は35度程度であることから「温度計の故障」を疑っているが、専門家の見方は違う。

「なにしろ、原子炉の中の様子は何もわかっちゃいないのです。溶融した核燃料が圧力容器の底を突き抜け、格納容器の底にたまっているとみられていますが、どこにどれだけたまっているのかはもちろん、注水して冷やしているけれども、その水位もわからない。きちんと冷えているのか、どこかが露出していないか。
何もわからないから内視鏡のようなカメラを入れたが、それでもわからなかった。そうした状況の中で、温度が上昇してきたわけです。
東電・政府は原子炉を安定した状態で制御できていると言ってきましたが、ウソです。
核燃料の状況は3・11のときとまったく変わっていない。水をかけて、『制御したつもりになっている』だけなのです」(原子炉格納容器を設計していた元東芝技術者の後藤政志氏)

 それでなくても、凍結、水漏れなどのトラブルが頻発している注水系のシステムは綱渡りだ。東電は注水系が止まっても3時間以内に消防車が来れば大丈夫だし、12時間は持つとか言っているが、3・11をみれば、こんなものは屁のツッパリにもならないことがよくわかる。

<「再臨界」の可能性も>

 東電は温度上昇を受けて、「ホウ酸水」の注入を始めている。「念のためとはいえ、再臨界の恐れがあるからやる措置です。

もう一度、再臨界が起これば、これまでの苦労は水の泡。元のもくあみになります」と言う後藤氏は、今後も数多くの悪夢のシナリオが起こりうることを知るべきだという。

「まず、再び地震が起こり、注水システムが止まる恐れがある。
さらにずっと水をかけていれば、水が放射能によって分解されて水素が出る。何カ月もすれば水素がたまる。再び水素爆発の危険はないのかどうか。地震といえば、4号機の核燃料プールが崩壊する懸念はクリアされたのかどうか。プールが崩れて、核燃料が床に落ちれば、冷却することができなくなる。器の中にあるからこそ、冷却できるわけで、床にぶちまけられたらなす術なしです」
 冷温停止を信じないほうがいい。
posted by 小だぬき at 08:13 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月16日

完全にマインドコントロールされたオセロ中島 「占い師」に脳のプログラム書き換えられた?

完全にマインドコントロールされたオセロ中島
             
「占い師」に脳のプログラム書き換えられた?

2012/2/15 20:14   J-CASTニュース

お笑いコンビ「オセロ」の中島知子さん(40)が、同居中の占い師にマインドコントロールされている凄まじい実態が徐々に分かってきた。
しかも、その原因を突き詰めていかないと再起は難しいというのだ。

体調不良で長期休養中の中島知子さんについて、週刊誌やスポーツ紙などでその異常な生活ぶりが次々に伝えられている。


「警視総監と話」など支離滅裂と報じられる


虚ろな目で寝たまま天井を見つめていた…。
この光景は、心配して訪れた友人らが目撃したそうだ。

報道によると、奇妙な共同生活を送っている40代の占い師女性とは、2005年ごろに行きつけの飲食店で知り合い、仕事や私生活の悩みを相談するうちに親しくなった。

09年4月ごろから東京都渋谷区の自宅マンションで同居するようになり、7月ごろには激太りした異変ぶりが報じられるようになった。


そして、11年4月から休養に入ったが、12年に入ると、週刊誌報道で、自宅と個人事務所の家賃を約660万円も滞納していることが明るみに。不動産管理会社から次々に訴訟を起こされ、うち個人事務所の裁判では、中島さん側が出廷しなかったため、そのままでは4月にも強制退去させられるとみられている。


滞納についての中島さんの弁明も、かなり奇妙だ。

当初は、引っ越し業者の勘違いを主張したが、その後、自宅が盗難被害に遭い、警察から引っ越してはならないと指示されたというのだ。「盗難被害について警視総監と話をしている」と支離滅裂なことも言っていたという。
中島さんが異常な言動をするようになったのは、占い師にマインドコントロールされているかららしい。
2月15日放送の日テレ系「スッキリ!!」で、こうした問題に詳しいジャーナリストの有田芳生さんが、そのカラクリを明らかにした。

それによると、中島さんは、食べるものから仕事の仕方まで占い師から指示を仰ぐようになって、その指示なくしては何もできなくなった。


「マインドコントロールは、ヤドカリそのもの」


中島知子さんが自宅前に個人事務所を借りたのも、占い師の指示だったという。
有田芳生さんによると、事務所になったのは数年たってからで、実際は、占い師の親族を住まわせるのに使っていた。

その後、食べものや旅行などに使うため、中島さんの預金がどんどんなくなっていった。自宅などの家賃が滞納になったのは、預金残高が底をついたためではないかと有田さんは推測する。


占い師が芸能人らをマインドコントロールしたのは、これまでに5、6人おり、生活が行き詰まると次のターゲットに移ることを繰り返していたという。
支配された人は精神的にズタズタになってしまうため、訴えることもできないそうだこうしたやり方について、有田さんは、ヤドカリそのものだと指摘した。


もっとも、中島さんの親も心配して、占い師の支配から抜け出させようとした。2011年7月には成人に対しては異例の人身保護請求を裁判所に行い、その結果、中島さんはいったん病院に入院した。ところが、退院すると、すぐに占い師との共同生活に戻ってしまった。


占い師に傾いたのは、中島さんが交際タレントとの破局などに悩んでいたことがきっかけとされる。有田さんは、原因があるからマインドコントロールされると指摘し、占い師への依存では悩みは解決しないことを中島さんが理解するよう専門カウンセラーに見てもらうことが必要だとした。


中島さんの問題について、精神科医の和田秀樹さんは、こう語る。

マインドコントロールされると、脳のプログラムが書き換えられている状態になります。ですから、抜け出すためには、もう一度プログラムを書き直さないといけません。それには、カウンセリング治療の通院が数か月、場合によっては数年もかかるでしょう。確かに、財産がなくなれば関係はなくなると思いますが、それから治療すると人間不信になるなどの副作用が出かねません。日本では、自殺するなどの要件がないと強制入院させられないのですが、周囲が協力してこの問題を早くなんとかしないといけないでしょうね」

posted by 小だぬき at 04:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月17日

維新の会、ナチス党が合法的に政権を握った道筋

ワイマール憲法下、第一次大戦敗北による巨額賠償金に苦しむドイツ国民の閉塞感を 「選挙」による現状打破に希望を持たせて 独裁を確立したヒットラー率いるドイツナチス党。

橋下氏の大阪維新の会も 政策より 白黒を明確にし 相手側を徹底的に攻撃・排除する手法で「何か変革してくれそう」との雰囲気で閉塞感打破を願う国民を扇動しているとしか思えないのです。

彼の弁護士としての弁論では それが正しいのでしょうが、政治にその手法を持ってくることは、反対派・少数派・異端排除の独裁に路を開くことにはならないでしょうか??

今の政治・政党が 維新の会にすり寄るより、自浄作用・組織見直し・政策の練り直しで 「国民の前衛党」として 立ち向かうことを祈ります。
*********************
「維新八策」に揺れる永田町 
切り捨ても出来ず…「踏み絵戦略だ」
 
2012.2.17 00:36  産経新聞

維新の風に永田町が翻弄されている。

大阪市の橋下徹市長率いる「大阪維新の会」の次期衆院選マニフェスト(政権公約)となる「維新版・船中八策」。その骨子には、「首相公選制の導入」「参院の廃止」など刺激的な政策が並ぶ。

民主、自民などの既成政党からすれば「地域政党の戯(ざ)れ言」と切り捨てたいところだが、そうも言っていられない哀しい現実がある。

 注目の人は16日、東京にいた。総務省で開かれた大都市制度のあり方を議論する政府の地方制度調査会に出席した橋下氏。持論である「大阪都」構想について熱弁を振るった後、船中八策に関し、記者団にこう述べた。


 「国会議員からは完全にひかれてますね。国会議員は完全に嫌がっています。でも、国会議員がどう国民の感覚を捉えるか、政治感覚が試されんじゃないでしょうか


 試されると言われた国会議員のほうは、何とも歯切れが悪かった。

 自民党の谷垣禎一総裁は16日の記者会見で、船中八策について問われると、「軽々に批判だけしてもいけない。論評は差し控えたい…」。

 谷垣氏の優柔不断は今に始まったことではないが、こと維新の話となると、自民党全体も煮え切らない。

 党の「大都市問題に関する検討プロジェクトチーム(PT)」座長を務める菅義偉元総務相は「国民が抱える政治へのさまざまな不満を解決しようという意欲の表れだ」と維新の政策を高く評価。

一方、石原伸晃幹事長は「言うのは簡単だ」と批判し、脇雅史参院国対委員長も「論評に値しない」と切り捨てる。まさに賛否両論だ。


 民主党の反応も複雑だ。輿(こし)石(いし)東(あずま)幹事長が参院廃止の主張に「二院制は必要だ」と反論すれば、前原誠司政調会長は「われわれの考え方と共通する面もある」と歓迎するなど、維新への評価は定まっていない。


 船中八策には道州制導入や参院廃止など憲法改正を必要とする政策が含まれ、一朝一夕で実現できるものではない。

国政に携わる政党が無責任に賛同できる代物ではないし、「あえて“高めの球”を投じて、こちらに踏み絵を踏ませる戦略だ」(民主党幹部)ということも重々分かっている。


 しかし、真正面から批判できない理由もある。次期衆院選での生き残りを考えれば、今や全国的な広がりを見せる維新の会に対する世論の期待を無視するわけにはいかない


 昨年11月の「大阪ダブル選」以前から維新の会との連携に意欲をみせてきたみんなの党はそもそも、消費税増税に反対だ。一方、船中八策は消費税増税を掲げている。にもかかわらず、渡辺喜美代表は「政策がうりふたつだ」と強弁する。


 国民新党は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に反対だが、亀井静香代表は「橋下氏がどう考えているかよく分からんのに、コメントできない」とけむに巻く。


 橋下氏は16日、「大阪維新の会で国政進出のメンバーの準備だけはしておきますが、基本は国会でやっていただければそれで十分」と述べた。

裏を返せば、自分たちの政策実現に協力しなければ、次期衆院選で刺客(しかく)を放つということだ。


 ある自民党幹部は「連携できれば御の字だが、維新の会との対決を避けられるだけでいい」と本音を漏らす。

維新の会という黒船の来襲に立ち往生する既成政党の姿が、そこにはある。
(小島優)

posted by 小だぬき at 06:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

松下政経塾より粗悪 橋下「維新政治塾」の内実

松下政経塾より粗悪 橋下「維新政治塾」の内実
2012年2月14日 日刊ゲンダイ掲載

3000人超が応募

<チルドレンはもう結構>

 政治の劣化が止まらない。

橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の政治塾に3326人の応募があった。この中から衆院選の候補者が誕生する見込みだ。

「300人擁立、200人当選」の橋下構想は、彼らが支える格好である。しかし、この政治塾、野田首相らが学んだ松下政経塾と比較にならないほど、お粗末である。

政治家の粗製乱造が当たり前になれば、国家は滅ぶ。

「新しい国家経営を推進していく指導者育成」――松下幸之助の理念で設立された松下政経塾には、曲がりなりにも“学び”があった。
全寮制で、研修期間も4年間(当初は5年間)と長い。入塾を許されるのも毎年10人以下という狭き門だ。塾生は自らテーマを決め、現場で体験し、学習していく。常勤の講師はいないが、かつては幸之助も手ほどきした。

「地盤」「看板」「カバン」がない政治家志望の若者を育てようという思いはあったのだ。
 それでも成果がサッパリなのは、野田政権の迷走を見ても明らかである。
玄葉外相、松原国家公安委員長、前原政調会長、樽床幹事長代行と、政経塾OBは閣僚や党役員として重要ポストに就いているが、“新しい国家経営”はまったく見えてこない。
 彼らがリードする増税や復興、TPP、米軍基地移転で、国民の暮らしはグチャグチャだ。
 じっくり育ててもこれである。

橋下の政治塾は、さらにタチの悪い政治家を生みそうだ。「襤褸(らんる)の旗 松下政経塾の研究」の著者でジャーナリストの出井康博氏が言う。

「維新の政治塾に入れば、次期衆院選に立候補できる可能性は高い。政治家の志望者が大量に集まったのもムリはありません。
ただ、そのために受ける講義は月2回だけ。しかも、総勢2500人を5グループに分けて開講する方針というから、500人単位の塾生をまとめて教育することになる。こんなシステムから有能な政治家が生まれるとは思えません。

要するに、この塾は、手っ取り早く橋下チルドレンを大量生産するための仕掛けに過ぎないのです。本気で政治家を育てる気があるのなら、衆院選向け公約集“維新八策”を公表してから募集するはず。その前に人集めをしたのは、チルドレンづくりが目的ということでしょう」

 応募者には地方議員や大学教授、官僚、弁護士といった面々がいるそうだが、橋下頼みでノシ上がろうという魂胆がミエミエだ。

だれかのためではなく、自分のために政治家になりたい人たちばかりではないか。

 それでも次期衆院選は、維新政治塾の出身者が次々に当選する公算は大きい。日本を悪くする政治家を生んだ松下政経塾を、さらに粗悪にした塾から生まれる政治家たちが永田町を闊歩するのだ。
 この国の終わりは、本当に近い。
posted by 小だぬき at 18:41 | Comment(0) | TrackBack(1) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月18日

天皇陛下、入院直前まで公務…医師「平常心で」

天皇陛下、入院直前まで公務…医師「平常心で」
2012年2月18日   09時16分 読売新聞

 18日に冠動脈のバイパス手術を受けられる天皇陛下は、入院直前まで公務で多忙に過ごし、17日午前、皇后さまに付き添われ東大病院入院棟14階の病室に入られた。

東大との合同チームで手術を主導する順天堂大順天堂医院の天野篤・心臓血管外科教授(56)は、読売新聞の取材に「平常心で臨みます」としている。


 「非常に泰然としておられると思いました」。宮内庁幹部はこの1週間の陛下の様子をそう表現した。


 今月12日、バイパス手術の実施や日程が発表されてから、体調を崩さないよう、朝の散策などは控えたが、公務は皇太子さまに国事行為の臨時代行を委任する16日夕まで、連日予定通り臨まれてきた。幹部との打ち合わせでは普段通りじっと説明に耳を傾け、質問もされたという。

来月、発生1年を迎える東日本大震災に関連した公務には強い思いを示されていたという。

posted by 小だぬき at 09:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

私もこうして騙された! 洗脳された女性の末路

私もこうして騙された! 
洗脳された女性の末路
02/17 18:00  インフォシーク

 連日メディアを賑わしているオセロ・中島知子の家賃滞納騒動。怪しい霊能者による洗脳はかなり深刻なようで、関係者の誰もが自力での復活は難しいと言っている。
各メディアはそんな中島の状態をどこか異世界の出来事のように報じ、視聴者の多くもまた対岸の火事と思っている節があるだろう。
しかし、現実はというと、そんなことはない。あなたの側にも、いつ怪しい霊能者がやってくるかわからない。実際、記者の周囲にも洗脳された経験のある人物がいたので、今日はその話を少ししたい。

 彼女の名前は高木千賀子(仮名)。歳は40代半ば。
長い髪を少しだけ茶色に染める彼女は、スタイルもよく、いわゆる美魔女風の美人。
現在、会社員として働く彼女は、都内のマンションで娘との2人暮らしをしている。
今は幸せだと語る彼女だが、十年ほど前はある女性の完全なマインドコントロール下にあったと記者に話してくれた。

 高木さんがその女性と出会ったのは、1990年代後半のこと。
当時、高木さんは夫と娘と3人暮らし。夫は、若くして会社役員にまで上り詰めた、いわゆるやり手のエリートサラリーマンで、都内一等地のマンションに居を構える家族3人は、何不自由なくセレブな生活を送っていた。
そんな家族に亀裂が生じたのは、高木さんがある女性を家に連れ帰ったことに始まる。

 その女性(麻生恵美・仮名)と高木さんの出会いは、友人の紹介だった。
よく当たる占い師がいると教えられて連れて行かれたファミレスだったという。
はじめは単純な手相占いや姓名判断をされたという高木さんだが、何か言い当てられたような気がして、その後も麻生の下に通いつめることに。
いつしかプライベートでも会うような仲になった2人は、普段から飲みに行き、温泉旅行を楽しみ、親友のような関係になったという。
今考えてみれば、その当時の勘定は全て自分持ちだったと高木さんは振り返る。

 「金品を求められたことはない」と語る高木さんが、麻生の毒牙にかかったのは、自分から100万円という大金を渡したことがきっかけだったという。

 麻生との交際が始まって半年あまり経過したある日、高木さんは麻生から悩みを打ち明けられた。その内容は、「家賃を滞納している」というものだった。
占い師という職業柄、収入が不安定で、最近アパートの家賃を払えないというのだ。そんな麻生を不憫に思った高木さんは、夫に無断で貯金を下ろし、「これで、清算したらいい」と100万円を渡した。しかし、麻生はその大金を受け取らなかったという。そんな出来事を振り返りながら、高木さんは「あれで完全に信じた」と漏らす。

 なんとかアパートの家賃も払えたという麻生に連れられて、彼女の住むアパートを訪れた高木さんが目にしたのは、ボロボロの木造アパートと同居する母と弟。
高木さんは、とにかく衝撃的だったとその光景を振り返る。老いた母は生気がなく、その横で自堕落に寝ている弟。高木さんは、その一家を我が家に迎えることを決心した――。

 「一番驚いたのは夫じゃないかしら」会社から帰ってきたら、知らない老婆と怪しい女とやる気のない若い男がいるのだ。驚くなんてもんじゃないだろう。
高木さんの説得もあって、しばらくは夫も我慢していたというが、嫌気が差すのは時間の問題だった。
マンションの権利や貯蓄など、全ての権利を高木さんに譲渡するという条件を呑み、夫は家を離れた。夫が出した唯一の条件は、娘の養育を高木さんの実家に任せるということだった。
 
 そうして始まった高木さんと麻生とその家族との生活。
すでに完全な洗脳下にあったと思われる高木さんは、何を食べるにも麻生に聞き、麻生の言う「神様からの言葉」に従ったという。
近頃世間を騒がしているオセロ・中島の洗脳騒動でも、霊能者による「神の計画」というものが報じられているが、「まったく同じ」と高木さんは振り返る。
高木さんと中島を洗脳した人物が同一人物かどうかはわからないが、その手口は聞けば聞くほど似ている。

 洗脳の手始めは、「神様はこう言ってますけど、どうしますか?」という言葉。
大して重要でない事柄、たとえば、何を食べるかや○○に行く方法など、まあどちらでもいいということに関して、インチキ霊能者はこの言葉を使う。
どちらでもいいのだから、神様が言ってるならそうしましょうとなるのは人の常というものだろう。まして、高木さんや中島は、その霊能者を信用している。次第に、どんなことでも「神様の言葉」を使う霊能者に従う彼女たちの思考能力は徐々に低下していく。

 完全な依存。これがマインドコントロールの本質だ。
そうして、洗脳された高木さんは神の計画の下、生まれ変わることを指示され、全身の毛を剃り、毎日毎食肉を食べたという。
そして毎晩のようにカラオケに行き、「神がかり的にうまかった」という霊能者の歌声を聴く。
「まるでプロのソプラノ歌手。いや、むしろそれよりうまかった」と高木さんは霊能者の歌声の印象を振り返る。そして、時折出かける麻生は、中居正広や三國連太郎といった大物芸能人に会いに行くと言っていたらしい。
どうしようもない嘘に違いないが、当時の高木さんは、「そんな人とも繋がりがあるんだ」と感心していたという。

 それでも、高木さんは金品を要求されたことはなかった。
実際の被害額は、マンションや預貯金など数千万に及ぶものの、その全ては自ら進んで使ったものだったと彼女は語る。

そんな彼女が麻生の呪縛から抜け出せたのは、借金返済のため(すでに高木さんは借金をしてまで麻生らに使っていた)売り払ったマンションを出て行く日、残高0円の通帳を見たときだったという。

 独身時代と合わせて結婚してから貯めていた1,000万円ほどのお金が全てなくなっている。
振り返れば、確かに自分で散々下ろしていた。そのほとんどが麻生との飲食費。そして、その麻生はもういない。娘に会いたい――。高木さんは実家に向かい、娘を抱きしめた。

 まだ短い髪の毛のまま仕事を見つけた高木さんは、会社員として働き始め、夜はテレクラでバイトをした。まだ残っている借金を綺麗にして、再び娘と暮らすために彼女は必死で働いた。そうして、今は娘と2人で幸せな生活を送っている。

 高い壷を買わせたり、布施などと称して金を取るわけではないインチキ霊能者。
むしろ現金に関しては受け取りを拒否している。現在報道されている中島のケースに関して詳しくはわからないが、その手口や被害の状況は高木さんのケースとよく似ている。

きっと中島からインチキ霊能者への金銭のやり取りはないだろう。
そんな自称・霊能者の目的は、一般の感覚からは理解できない。まだ金を騙し取る似非新興宗教のほうが理解できるというものだ。高木さんは、「とにかく食欲が凄まじかった」とその女霊能者を振り返ったが、ただ食べるためだけに、人の生活を破綻させたというのだろうか。

 資本主義社会に住み、自由の国で暮らすわれわれには、一般的に共通する"普通"の感覚がある。
たとえば、金儲けをしたいとか幸せになりたいといった感覚だ。そういった感覚は誰にでもあるものだろう。
しかし、中島や高木さんを食い物にしたインチキ霊能者には、そういった感覚が欠如しているように思う。
つまり、人を騙しておきながら金銭を要求しないという点は、すでにインチキや悪徳という、こちら側の非難を受け付けないものにしてしまうのではないか。そもそも住む世界が違う相手に、既存の法律や制度を適用させるのは難しいのかもしれない。

 オセロ・中島の親は、人身保護請求という制度を使い、娘と霊能者を引き離した。
しかし、その後中島は自らの足で霊能者の下に戻っている。中島にとって、その霊能者は親よりも大切な存在になっていたのだろう。

自由意志や人権というのもまた、われわれの世界に共通する"普通"の感覚だ。中島が自分の意思で霊能者を必要とするなら、それは誰にも止められない。
しかし、それがマインドコントロールというものなのは明白だ。気付いていないのは本人だけといえるだろう。そこから抜け出すには、本人が何かをきっかけに気付くしかない。高木さんにとってそのきっかけは、底をついた通帳と最愛の娘だった。中島も、どうにか早くきっかけを見つけて欲しいと願う。
(文=峯尾)
posted by 小だぬき at 20:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月19日

陛下の手術終了 ご負担の軽減策を真剣に

陛下の手術終了 ご負担の軽減策を真剣に
2012.2.19 03:03  産経新聞 主張 


 天皇陛下は東大病院で心臓の冠動脈バイパス手術を受けられた。
手術は順調に終了し、陛下は集中治療室(ICU)に移られた。医師団によると術後の経過も安定している。一日も早いご回復を改めて祈りたい。


 陛下は平成15年1月にも前立腺がんの手術を受け、昨年11月には肺炎で入院された。ご負担軽減は待ったなしの課題である。


 宮内庁は平成21年1月、全国植樹祭などでのお言葉を取りやめ、新嘗(にいなめ)祭などの宮中祭祀(さいし)も時間を限って出席されるなどの軽減策を打ち出した。

だが、昨年12月の78歳の誕生日に合わせて発表された1年間の陛下のお仕事は依然、土曜も日曜もない忙しさである。


 内閣から回ってくる文書の署名・押印は957件にのぼり、国務大臣ら109人の認証官の任命式や34人の新任外国大使の信任状捧呈(ほうてい)式に臨まれた。21回の宮中祭祀に加え、東京都内や近郊へのご訪問は37回、公的な地方ご訪問は12道県に及んだ。


 とりわけ、昨年3月の東日本大震災以降、7週連続で宮城県などの被災地や首都圏の避難所を皇后陛下とともに訪問され、例年にないハードな1年を送られた。


 今年も、術前の検査入院などの合間を縫って、講書始の儀、歌会始の儀、新大臣や最高裁判事の認証官任命式、リハビリ施設のご訪問、国立がん研究センター創立50周年記念式典へのご臨席などのご公務に追われた。


 陛下の責任感の強さの表れと受け止めたいが、それがかえって過重なご負担になるのではないかと心配である。


 手術後も、3月11日に東京で開かれる政府主催の東日本大震災1年の追悼式へのご出席など、重要なご公務が予定されている。


 宮内庁は「医師の意見を聞き、両陛下にご相談して(ご負担軽減への)対応を決める」(風岡典之次長)と説明している。陛下のお仕事の中で、他の皇族方が分担できるものを精査し、少しでも陛下のご負担を減らしたい。


 そのために、皇族の減少を食い止める方策も急務だ。まもなく、女性皇族が結婚しても皇族の身分を維持できる「女性宮家」創設に関する有識者からのヒアリングが始まる。

さらに、野田佳彦首相が先の衆院予算委員会で表明した旧皇族の皇籍復帰も含めた幅広い検討を重ねて求めたい。

posted by 小だぬき at 08:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

消費者目線のデフレ対策を!! 賃上げと雇用保障

何か 政治家の発想がおかしいと思う今日この頃。

国家公務員給与削減の人事院勧告を11年4月に遡って実施し、その上 大幅カットを4月から実施との3党合意。
年末調整が終わっている今、今年度分の人事院勧告削減分をどう処理するのか・・・・。
人事異動などの業務と確定申告で 手一杯の国税に処理できるのだろうか・・・。

よく景気対策としてインフレ誘導が さも正論のように論じられていますが、とんでもない話ですし、橋下大阪市長などは預貯金課税までいっています。

今の不景気の要因は二つあると思います。

一つは、雇用者所得の低下、不正規労働の増加による給与水準の低空飛行と雇用不安。
二つ目は、企業の製品開発力の低下、購買層に魅力のない製品の生産。

よく大企業優遇税制に 海外工場移転抑制のためといわれていますが、私の中学校の時から 産業の空洞化、ドーナツ現象などがでていました。

また、旧松下電器の松下幸之助氏が言った「わが社は 従業員を一人も解雇しない」との経営理念などは 二昔前に崩壊しています。

今の大企業の赤字は、海外展開の失敗と国内需要を発掘できない製品の魅力のなさにあるのでしょう。
おまけに 大切な顧客になりうる従業員を リストラという名で 大量解雇する。
いわば 経営責任による企業赤字でしょう。

なぜ 無能な経営者の大企業税優遇がデフレ脱却になるのか 理解不能です。

その分 中小の企業の育成・研究費に税金投入した方が 効果があることか・・・・

また、私個人として デフレ感などないのです。
一般的な生鮮食品や食材、服や日用品は 徐々に値上げ傾向にあるとさえ思います。

私は 今の不況感をなくすためには 思い切った賃上げと正規雇用化の基に 魅力ある製品製造とサービスが基本になければ 資金の流動化は起こらないと思っています


今の生活水準で インフレ誘導、消費税や各種増税をしたら 私なら「万が一に備え」守りに入るでしょうね。

今の円安にしても株にしても マネーゲームの投機筋の仕掛けたものです。

資源輸入国、加工貿易の教科書の時代は 終わっているのです。

庶民サイドの豊かさ指標を作り 内需拡大の方策を真剣に模索すべきで 安易なインフレ誘導は絶対に避けるべきものです。
もっと強く言えば 海外に拠点移動する会社は 外資として関税や法人税を考えるべきと思います。また売上に課税する外形標準課税も真剣に考える時です。
posted by 小だぬき at 15:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月20日

現代の「3丁目の夕陽」の再生を・・

先週 確定申告に行って 街の変貌ぶりに驚きました。

以前にあった レコード店や喫茶店、食堂、文房具屋、魚屋などが 大型ビルやショッピングモールに変わっているのです。

何か 異次元を歩いている感覚・・・・。

自宅の周りを改めて 見回すと 本屋と電器店、和菓子・洋菓子屋が商店街から消えている。
飲食店もなくなり ビルになっている。
深刻なのは 町医者といわれる開業医が 歯科を除いてない。

昔のように テレビや冷蔵庫が故障したら 近くの電器店に修理を頼むこともできない・・・。

確かに購入だけなら 大型店は 便利ですが、メンテナンスや急な故障、お客さんの時には 商店街のないことが不便この上ない。

増えたのが パチンコ屋・ゲーム店など。

学校や商店街を基礎に作られていた「地域」の人間関係が薄くなっているのが気になりました。

週の初めにあたり 今週こそは 災害対策を兼ねて 地域まわりをしないといけないなと 思う小だぬきです。

posted by 小だぬき at 09:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月21日

牧太郎の大きな声では言えないが…:財務官僚よ、答弁に立て!

牧太郎の大きな声では言えないが…:財務官僚よ、答弁に立て!
毎日新聞 2012年2月14日 東京夕刊

 ちょっぴりだが、大蔵(現財務)官僚に“不信感”を抱いたのは40年も前。1971年8月15日、ニクソン米大統領が突然「金・ドル交換停止」を宣言したニクソン・ショックの時だった。


 戦後の国際通貨体制は「金・ドル本位制」。金1オンス=35ドルでドルを金に交換できたが、この声明を機に、ドルと金のリンクは永遠に停止された。

 長らく「1ドル=360円」に慣れ親しんだ日本には想定外のことだったのか? 大蔵官僚は当初「1ドル=360円」を死守しようと為替市場でドルを買い続けた。大蔵省国際金融局の幹部は「10億ドルも買えば市場からドルはなくなる」と豪語していたが……「ドル売り」は止まらない。2週間後には、日本は変動相場制にならざるを得なかった。日本で一番頭の良い(と評判の)大蔵官僚でも“見通し”を誤ることもある。


 前回「『身を切る改革』のウソ」で、もう一つの「大蔵官僚の失敗」に触れた。

 1997(平成9)年4月1日、橋本内閣は消費税の税率を3%から5%に引き上げた。確かに、97年度の消費税収は約3兆円増えたが、所得税と法人税が合計で、2年後の99年度には97年度に比べて6兆5000億円も税収減。橋本龍太郎さんは「だまされた!」と漏らした。


 大蔵省主導の「増税と緊縮財政」で、せっかく上向き始めていた景気の腰を折り、山一証券や北海道拓殖銀行、三洋証券など大企業が倒産した。


 小渕内閣は98年、「積極財政と金融緩和」政策を実行して「消費税増税」で落ちこんだ景気を回復させたが、小渕恵三首相の急死後、再び、森・小泉内閣が財務省主導の「財政緊縮政策」を取り、日本はデフレ不況に陥った。


 今、デフレ対策ゼロ?で、消費税増税一直線である。


 今回もシナリオを書いているのは、野田佳彦さんでも、岡田克也さんでもない。実は、消費税増税の“最高責任者”は勝栄二郎財務事務次官である。

 その“最高責任者”は国会審議に姿を見せない。「政治主導」と偉そうに言うが、1年ごとに首相が交代する日本。国民は財務官僚から「責任ある説明」を聞きたい。テレビ、新聞のインタビューにも出てほしい。

 もちろん、この4年間、ドル安・円高で日本が膨大な為替差損を出した理由も聞くことになるが……。
(専門編集委員)

posted by 小だぬき at 07:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月22日

宗教法人への課税 税務調査するだけで課税強化可能と専門家

宗教法人への課税 税務調査するだけで課税強化可能と専門家
2012年2月22日(水)7時0分配信 NEWSポストセブン  

野田政権が消費税増税を推し進めているが、消費税をアップする前に旧態依然とした税体系の中で優遇されてきたものを見直すことが重要だ。

その一つが、不平等税制の恩恵にあずかってきた宗教法人への見直しだ


 宗教法人はお布施や賽銭など宗教活動の収入は非課税で、不動産の固定資産税なども免除。保育園や墓地経営などの「非収益事業」も非課税、物品販売や飲食業、駐車場などの収益事業は課税対象だが、所得の2割が控除され、通常より低い法人税率が適用される。


 小沢一郎・元民主党代表が幹事長だった鳩山政権時代には、政府税制調査会で当時の増子輝彦・経済産業副大臣が「宗教法人の税制には問題が多い」と提起するなど、宗教法人税制の見直しが論議されかけた。
しかし、菅政権、野田政権では、消費増税に公明党の賛成が必要になるため、政府税調の議論から消えたのである。


 浦野広明・立正大学法学部客員教授はこう指摘する。


「宗教法人への課税強化は難しいというが、実際には国税は、小さな寺の住職が檀家からお布施としてコメをもらったことを所得だとみなして課税したケースもある。
一方で巨大宗教法人に関しては、所有する会館を選挙活動に貸し、明らかに課税事業の貸席業を行なっていたとしても調査をしない。法改正しなくても、きちんと税務調査するだけで課税強化はできる。それをしないことが行政の不公平です」


 反増税を唱える小沢氏が自信たっぷりに「増税せんでも財源はある」と繰り返し発言しているのは、そうした算盤勘定をしているからだ。

※週刊ポスト2012年3月2日号

posted by 小だぬき at 08:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月25日

河村氏発言をスタートに・・。冷静な検証を!!

まず 当時の中国は アメリカ・ドイツ・イギリスなどの欧米の植民地競争の最中にあったこと。
国民党・共産党の対立と匪賊の横行など 中国国内が混乱していたこと。
その中で日本陸軍の満州国などの侵略・暴走があったこと。

歴史的背景をみた上で 「南京大虐殺」というものを検証しなければなりません。

当時の南京市の人口は20万人弱といわれています。国民党政府が首都を直前まで置き、重慶への首都移転前後の事件です。

まず 論点の一つは、南京に国民党残存軍、共産党八路軍、匪賊も相当数残っていた可能性があること。
彼らの闘い方の検証が必要になること。

第二に 進軍途中の日本軍が 中国のいうように 30万人に及ぶ市民虐殺・蛮行をする 時間的、弾薬的余裕があったかどうかの検証。

この問題が浮上してきたのが 朝日新聞の本多勝一記者の「中国を歩く」で 一方的な日本軍の残虐性として報道されてからです。
戦時中の毎日新聞の「南京100人切り」の戦意高揚記事も 「虐殺」を裏付けるものと報道されました。

ここで報道機関が 問題提起したことが 全て事実のように一人歩きをはじめました。

中国国内の勢力争い、匪賊といわれる強奪集団、アメリカ・ドイツ・イギリス・オランダなどの植民地政策と日本軍の進攻。
その中で起こった南京事件と言われる 殺人や女性暴行です。

ここは 当時の歴史的背景や各集団の行動、日本軍の進攻日誌や弾薬・食糧など 総合的に検証しなければならない問題なのです。

戦時下ですから 日本軍の規律の緩みがあったにせよ、数十万人の虐殺などを 師団や連隊などが組織的に行えるほどの状況だったのかも冷静に見なければなりません。

死者を全て日本軍の蛮行とするには 余りにも 時間的にも兵站的にも ムリがあるように思います。

侵略・進攻どちらの用語でも 軍人以外に被害者がでたことは 反省と謝罪は必要ですが、どう考えても 過大で無意味な消耗でしかない作戦を 当時の陸軍部隊がしたとは考えにくいのです。

本来は 本多記者のルポを掲載する以上、正確な事実検証・調査報道をする責任は「朝日新聞」が負うべきですが、従軍慰安婦という造語での誤報道同様、国際関係を拗らすことで 後追い検証は 朝日新聞としてしていません。

全ての誤りは「日本軍」という 植民地拡大の欧米の暴挙などなかったかのように報道したのが 日本の報道機関です。

名古屋の河村市長の発言を機会に 「南京事件」を客観的に調査をするスタートにして欲しい。

今のままでは 作戦に参加した兵士や家族の名誉は永遠に回復されずに 汚名のみ残る。

戦争とは 狂気です。日本軍のみ狂気で国民党・共産党・匪賊や欧米諸国は 平和主義だったなどという幻想は 成り立たないと思います。
posted by 小だぬき at 06:27 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月02日

「慰安婦」問題 河野談話の誤りを伝えよ

「慰安婦」問題 河野談話の誤りを伝えよ
2012.3.2 03:28  産経新聞 主張

 韓国の李明博大統領が独立運動の記念式典で、いわゆる「従軍慰安婦」への賠償請求問題について「すぐに解決しなければならない人道的問題だ」と述べた。さらに、元慰安婦が80歳代の高齢であるとして、「元慰安婦がこのまま世を去ったら、日本はこの問題の解決の機会を永遠に失う」と、日本に迫った。


 李大統領がなぜ、これほど強硬に慰安婦問題を蒸し返そうとするのか、理解に苦しむ。


 繰り返すまでもないが、昭和40年の日韓基本条約で両国の請求権問題は「完全かつ最終的に」解決されたと明記された。


 国としての賠償問題は解決済みであるため、平成7年から「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)で、民間からの募金による償い金を元慰安婦に支給する事業を始めた。


 償い金は元慰安婦1人につき200万円で、台湾、フィリピンなどの元慰安婦には申請に沿って償い金が支払われたが、韓国では多くの元慰安婦が国家賠償でないとして受け取りを拒否した。これは韓国側の事情によるものだ


 李大統領は昨年暮れの日韓首脳会談でも、野田佳彦首相に慰安婦問題の「優先的な解決」を求め、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦の碑についても「日本の誠意ある措置がなければ、第2、第3の像が建つ」と恫喝(どうかつ)めいた言葉を吐いた。

李政権の反日姿勢は来月の韓国総選挙と年末の大統領選を前に、所得格差拡大などへの有権者の不満を外に振り向けるためとみられるが、それにしても異様だ。


 そもそも、この慰安婦問題は平成5年、宮沢喜一内閣の下で出された当時の河野洋平官房長官談話に端を発する。

慰安婦の募集に日本の官憲が加担した、として「強制連行」を認める内容だった。


 しかし、それを示す証拠は日本政府が集めた約230点の公文書になく、談話発表の直前、ソウルで聴いた元慰安婦16人の“証言”だけで「強制連行」を認めたことが後に、石原信雄元官房副長官の証言で明らかになった。


 自民党政権時代も含め、歴代内閣がこのことを韓国に説明してこなかったことが、慰安婦問題を何度も蒸し返される原因でもある。

野田政権は河野談話を改めて検証し、それが誤りであることをはっきり韓国に伝えるべきだ。

posted by 小だぬき at 08:39 | Comment(6) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月03日

“かけがえのない記録”

3月3日付 編集手帳
2012年3月3日01時26分 読売新聞

 豪雨で堤防が決壊し、いままさに流されようとしている自宅に、一家は忘れ物を取りに戻る。制止する警官に母親が言う。「2冊でも3冊でも、アルバムをとって来たいんです。家族の記録なんです。かけがえがないんです…

◆かつて放送された山田太一さん脚本のテレビドラマ『岸辺のアルバム』最終回の一場面である。家族のかたちが壊れかける物語の筋はたとえ知らずとも、“かけがえのない記録”という言葉には誰もがうなずくだろう

◆震災で肉親を亡くし、せめて思い出だけでもと、がれきから家族のアルバムを掘り出す人の姿を、幾度、目にしたことか
◆この季節になると思い出す詩に、吉野弘さんの『一枚の写真』がある。雛(ひな)飾りの前で、幼い姉妹がおめかしをして座っている。〈この写真のシャッターを押したのは/多分、お父さまだが/お父さまの指に指を重ねて/同時にシャッターを押したものがいる/その名は「幸福」〉

◆きょうも、どこかの屋根の下で“かけがえのない記録”が生まれることだろう。指に指を重ねてくれる者のありがたさが身にしみるに違いない。いつもの年にまして。

posted by 小だぬき at 13:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月05日

公務員給与法成立 デフレの深刻化

下記の産経新聞の社説で 意図的にかふれていないのが「デフレ不況下の賃金ひきさげ」が 正しいのかという点です。
ますます買い控えが起きないかの問題です。

金融では 0金利(デフレからインフレ誘導金利)になっても 預金が動いていません。
今必要なのは、人勧を維持したうえで 民間賃金の底上げ施策です。
今 賃金抑制は デフレ加速の愚策でしかありません。

自民党の西田昌司参議院議員の反対意見に賛成です。


**********************************
公務員給与法成立 国会議員はさらに身削れ
2012.3.5 03:00     msm 産経ニュース

国家公務員に給与削減を強いた以上、国会議員は自らを厳しく律しなければならない。与野党は、議員歳費や政党交付金の大幅削減を直ちに実行に移すべきだ。


 国家公務員の給与を平均7・8%引き下げる特例法が成立した。2年間の時限立法措置だが、これによって浮く総額5530億円は、東日本大震災の復興財源に充てられる。


 労働基本権が制約されている中で、人事院勧告以上に引き下げたことには批判も強い。だが、国家の非常事態を乗り切るために、公務に就く者が協力するのは当然だといえよう。


 看過できないのは、国会議員が自らに甘すぎることだ。議員歳費を毎月50万円削減する措置は、昨年9月末までの半年間で打ち切ったままである。これでは、いくら身を切る覚悟を声高に叫んでも信用されまい。

 議員歳費の削減は、与野党が合意さえすればできる。公務員に強いた痛み以上に身を削ってこそ、国民も納得しよう。議員定数の削減も含め、早急に結論を出さなければならない

 政党交付金も大きく切り込むべきだ

そもそも、政党交付金は使途の公開が不十分で、ずさんに使われているのではないかとの疑念が払拭できない。この際、支給額の大幅カットと合わせて、そのあり方を見直すよう求めたい。


 例えば、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体に、政党交付金を含む旧政党の資金が迂回(うかい)して入れられていた疑惑がある。菅直人前首相が北朝鮮や拉致事件関係者と関係が深い政治団体に不適切な献金をしていた問題でも、その原資の多くは政党交付金だったと指摘されている。


 公務員の給与削減も、今回だけで終わらせてはならない。野田佳彦政権は消費税増税の前提としても位置づけている。ならば、恒久的な措置を考える必要がある。


 民主党は「国家公務員総人件費の2割削減」を掲げているが道筋はみえない。地方公務員を削減対象に含めなかったのもおかしい。地方公務員の給与は国家公務員に準拠しているのではないのか。


 野田政権は公務員優遇批判の強い共済年金と厚生年金の一元化も先送りしようとしているが、支持団体の公務員労組などに過度の配慮をすることなく、「聖域なき改革」を進めてもらいたい。

posted by 小だぬき at 13:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月07日

社保庁役人は犯罪人ばかりだったのか 全員逮捕して全貌を解明しろ

社保庁役人は犯罪人ばかりだったのか 全員逮捕して全貌を解明しろ
2012年3月5日  日刊ゲンダイ掲載

年金のデタラメ運営なんて彼らには瑣事だ。まだ暴かれていない巨大な犯罪が行われていたに違いない

 AIJの年金資産2000億円消失事件は、単なるサギみたいな話かと思ったら、とんでもなかった。
社保庁といえば、全員がフダ付きのような役所だった。社会保険庁のOBが深く関与。それで信用し、被害に遭った基金が数多くあるのだ。

このOBは「虚偽の運用実績は知らなかった」と弁明、自分こそ“被害者”と言わんばかりだが、冗談じゃない。
そのOBが、またいい加減なことをした。この際、社保庁OBを全員とっ捕まえて、悪さをしていないか、調べてみたほうがいい。

 問題のOBは石山勲氏(74)。社保庁年金担当や厚生省保険局課長補佐を歴任し、2000年に退職。その後、都内の年金基金常務理事を務め、2004年4月にコンサルタント会社を設立した。設立時の出資金のうち、約半分はAIJ側が出資。また顧問料として年間約500万円が石山に支払われていた。

「石山は社保庁の職員が天下りした各地の企業年金に、『AIJは運用に安定感がある』『優良な委託先』と薦めていました。年に2回、資金運用セミナーも開催。各地の年金担当者数十人を集め、AIJやほかの3社に投資商品のPRをさせていた。
石山も『私が厳選した投資会社です』と後押し。すっかり信用して、AIJと年金資金の投資一任契約を結んだところも多かったようです」(経済担当記者)

 AIJのファンドには昨年3月時点で、84もの基金が投資をしているが、業績が拡大した背景には、こうした“天下りネットワーク”の存在があった。その一翼を担ったのが石山なのだが、本人は大手紙やテレビ局の取材に、「AIJは付き合いのある数多い社のうちの一社」「3〜4年前にコンサル契約を解消して以降は連絡をとっていない」と釈明。悪びれるそぶりもないのだから、フザケている。

「社保庁OBの石山氏がAIJを薦めれば、そりゃ、みんな信用しますよ。被害を拡大させたという点では大きな責任があります。また、投資先は265社もあるのに、なぜセミナーではAIJら4社だけが商品PRをできたのでしょうか。大きな疑問です。

AIJは2008年9月のリーマン・ショック後も、高利回りをうたい、業界では不審がられていた。石山氏は正しく運用しているのか、細かくチェックすることも必要でした。人に薦めるだけ薦めて、『後は知りません』というのは無責任すぎます」(年金問題に詳しいジャーナリストの岩瀬達哉氏)

 そんな石山の薦めにホイホイ乗った年金基金には、1999年以降、少なくとも23人の社保庁OBが再就職していた。彼らの年収は約1200万円ともいわれている。

 こうなると、コイツらは一体何なのか。社保庁といえば、「消えた年金」だけでなく、不祥事、悪さがこれでもかと発覚し、潰された組織だ。

幹部の収賄、職員の情報無断閲覧、マッサージ器の購入などデタラメの限りが露呈した。これで打ち切りかと思ったら、まだAIJがあったわけです。この調子だと、似たようなケースがいっぱい出てくるかもしれない。
運用で大損を出しているのに隠している。そんなデタラメに社保庁OBが関わっている。こういうケースです。この際、全OBを問い詰めることが必要なのかもしれません」(前出の記者)

 経済評論家の荻原博子氏もこう言った。

国民は、年金でグリーンピアをつくり天下っていた年金福祉事業団に呆れ、不祥事続出の社保庁に驚き、日本年金機構に衣替えしても、まだこんな不祥事が出てくるのかとア然としている。
そこに共通するのは、年金官僚に国民の老後の年金を守ろうという意識が決定的に欠落していることです。
国民の老後よりも自分の老後のことしか考えちゃいない。
人さまの金を運用しているという責任感も緊張感もない。こうなると、どれだけ我々の年金が食い物にされているのか、わかりませんよ


 AIJの巨額損失はおそらく、氷山の一角だ。まだかわいい方かもしれない。それだけに全貌解明が急務だ。
posted by 小だぬき at 05:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月08日

忘れかけていた純粋さ

忘れかけていた純粋さ

2012年3月7日  東京新聞論説室から(佐藤次郎)

 去年、ことしとマラソン界の話題をさらった川内優輝選手。

ロンドン五輪代表は難しくなったようだが、それはともかく、この若き走者がもたらした印象は鮮烈だった。

何より、スポーツにふさわしい純粋さを見せてくれたのが嬉(うれ)しい。


 公務員として働きながらたった一人でトップの一角に食い込んできたことがもてはやされているが、彼の魅力はそんなドラマ性だけにあるのではない。

カネや知名度アップなどの利害得失には関係なく、自分のやりたいことをしっかりと見据えて可能性を追い求めていこうとする、まさに純粋で真摯(しんし)な取り組みこそが素晴らしいのである。


 いまやスポーツはどの面でもビジネスと密接につながっている。

主要大会はどれも一大ショーと化しているし、選手はプロ、あるいは実業団のように実質的なプロでなければトップクラスには入れないとされている。

確かにそれはそうなのだろう。ただ、そうした傾向がすべて善なわけではない。

カネの面だけでなく、本質とは関係ない要素があまりに多すぎるのがいまのスポーツ界だ。

川内優輝の走りは、皆が忘れかけていたものをふと思い出させてくれたように思う。


 その奮闘は他への強い刺激ともなった。五輪選考会で有力候補以外の伏兵が次々と好走したのにも川内効果が影響していたに違いない。それだけでもメダル級の貢献というものだ。 

posted by 小だぬき at 08:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月10日

東京大空襲67年、慰霊の法要 都知事ら参列

東京大空襲67年、慰霊の法要 都知事ら参列
2012年3月10日 11時04分  共同通信

約10万人が亡くなったとされる太平洋戦争末期の東京大空襲から67年の10日、犠牲者らの遺骨が安置されている東京都慰霊堂(墨田区)で法要が営まれた。


 東京都慰霊協会の主催で遺族や秋篠宮ご夫妻、石原慎太郎都知事ら約320人が参列。


 都は戦争の惨禍を繰り返さないことを誓って3月10日を「平和の日」と定めており、午後には都庁で記念式典を開く。

慰霊堂近くの碑に納められた犠牲者名簿には、昨年新たに判明した223人の氏名が追加された。


 東京大空襲は1945年3月10日未明、300機を超える米爆撃機B29が焼夷弾で空襲し、下町を中心に大きな被害が出た。

posted by 小だぬき at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

憂楽帳:風化と教訓

憂楽帳:風化と教訓
毎日新聞 2012年3月10日 大阪夕刊

「1月17日を休日にしよう」


 10年前のこの日、同僚が本紙朝刊「記者の目」欄で提言した。阪神淡路大震災から7年がたち、更地や壊れた建物が目立つ場所がある一方、再建が進んで被災地と分かりにくい地域も多かった。


 何より被災者の中でも、被害の程度、収入、年齢などによる温度差が大きかった。

私も取材先で「いつまで暗い話ばかり書くのか」と問われ、悩んだ記憶がある。

一人でも多くの命を救うため、休日を利用してじっくり教訓を学ぼうという同僚の提言には、風化を何とか食い止めたいという思いがにじんでいた。


 明日で東日本大震災から1年になる。阪神の約3倍にのぼる2万人近い犠牲とともに、津波、原発事故などの教訓はあまりに多い。一日だけの休日にとどまらず、ボランティア活動が連休などに偏りすぎないよう、企業や学校で休暇を取りやすくする工夫なども必要だろう。


 いつかどこかで大地震が起きた時、「あの教訓が生かされた」という事例を一つでも増やしたい。その思いを込めつつ、発生時刻の午後2時46分に時計のアラームをセットした。【斉藤貞三郎】

posted by 小だぬき at 19:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月11日

3・11から1年 私たちは変わったか

3・11から1年 私たちは変わったか
2012年3月11日    東京新聞社説

 3・11は日本に重い課題を突きつけました。日本の復興とエネルギーの未来です。歴史的責任を感じます。だがそのために私たちは変わったのだろうか。


 雪の福島で印象深い二人に会いました。


 一人は三春町の元副町長。一年前を静かに語りだした。

 …ここは福島第一原発から西へ約五十キロです。1号機爆発の三月十二日の夜、原発近くからの避難民二千人を受け入れました。翌十三日、避難民には安定ヨウ素剤が配られた。それが何か私たちは知りません。だから勉強しました。
 爆発は次々起きます。県がヨウ素剤を保管していると知り保健師に取りに行かせました。

◆ヨウ素剤いつ飲ます


 でもそれを町民にいつ飲ませたらいいのか。効力は飲んで二十四時間。いつ飲むかは重大な問題です。
私は大学山岳部の出で観天望気をかじっていました。データを集め自分で天候予測をする。


 十五日。午後雨の予報。風向を見るため吹き流しを二カ所(役場と山の上)に設置。東風確認。ネットで茨城県東海村では放射能が通常値の百倍と知る。


 決断しました。午後一時、町民にヨウ素剤の配布・服用の指示です。あとで知ったのですが、服用指示はほかでは出されていませんでした。でも町民を守れました。

 聞き終わって、たずねました。

 一年前と今とは何か変わるところはあったのですか、と。

 答えはごく簡単でした。
 …国も県も変わっていない。

 統治体、統治の仕組みに対する不信です。放射能の流れを予測するSPEEDIは働いても国民には知らされない。対策は後手ばかり。自治体は懸命なのに、国の政治は不在も同然。例えば復興庁発足の何と遅かったこと。日本中が歯ぎしりする思いでした。

◆国に欠けていたもの

 では国に何が欠けていたのか。それは首長たちの働きと比べれば一目瞭然です。

住民、国民を守り切るという情熱と覚悟です。あのころ残っていた希望とは、日本人が日本人を見直したことです。私たちにはできるのです。


 それでも、一年を経て状況の本質が変わらないとすれば、私たち自身が実は変わっていないのではないか、という問いかけが必要になります。


 三月十一日はその前も鋭く思い出させました。
高度成長の中で、また経済優先と効率化の波の中で、私たちが忘れ、また奪われてきたものです。人の命の重さ、共同体の大切さ、忍耐や思いやり、中央と地方の格差、貧富の広がり…とりわけ原発立地地の不安。


 政治がもし変わらないのなら、政治に頼むのではなく、私たち自身が変わらなければなりません。主権者はいうまでもなく私たちなのであり、私たちが変われば日本は変わるのです。


 福島で印象深かったもう一人は地元の老ジャーナリストでした。

 原発はずっとそばにあった。彼は言いました。
 「振り返れば、ぼくは原子力村の側の人間だった。大した疑問は持たなかった」

 その悔悟は地方中央を問わず、多くのメディア人のもつ思いと通じるかもしれない。
原発に対する批判力がいかにも弱かったのではないか、と。原子力を進歩の象徴とし、その黒い影が見いだせなかった。


 今、老ジャーナリストはしわ深い顔で付け加えました。

 「日本には広島、長崎があったのです」
 その言葉の先には福島があるようでした。


 日本はあらためて世界に発信せねばなりません。核に頼らない、新しいエネルギー、新しい暮らしを世界に知らせねばなりません。


 現状はどうか。政府は原発の再稼働に前のめりになり、原発の海外輸出に何のためらいもなく、国民の知りたいエネルギー計画は進んでいるようには見えない。

 日本の原子力政策は何も変わっていないようにも見えます。何かを真剣に考え抜いたという痕跡が見あたらない。身近で危険なものほど、国民によく公開され、説明されるべきなのに。

◆新しい日本を創ろう

 私たちは変わったか、という問いは厳しすぎるかもしれません。しかし前進するためには、絶えざる自戒と反問が必要です。
昨年のきょうは、未来への真剣な考察を私たちに重く課したのです。恐るべきほど多くの犠牲のうえに。


 それに報わずして何としましょう。被災地の人々は変わったけれど、そうでない人々は変わらないという事態を恐れます。

国を古きから新しきに変えて、原発に頼らない国を創る。核なき世界を目指す。新しい日本を創りましょう。新しい日本は私たち一人ひとりの中にあるのです。

posted by 小だぬき at 08:16 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

信頼できる学者 小出裕章、児玉龍彦さん・・

福島第一原発事故で 学者の全てを鵜呑みにできないことがわかりました。
今マスコミに出て評論・説明している学者・評論家は、御用学者で 下記の客観的に危険性を訴えている小出さん、児玉さんは マスコミに登場する回数が激減しています。

マスコミの商業主義が 如実にでています。

救いなのは、心ある市民団体、自治体、研究機関では 冷静に講演会・研究会が開かれ 冷静に多くの人が「事実、真実」を追求しようとする姿勢です。

まだまだ 日本も希望を捨てたものではないと感じる所です。



<児玉龍彦・東京大学>




<小出裕章・京都大学>
1.
2.

3.
posted by 小だぬき at 16:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月12日

いまなお「あの」ではなく「この」震災であることが悔しく、恥ずかしい

3月11日付 編集手帳
2012年3月11日01時12分 読売新聞

使い慣れた言い回しにも嘘(うそ)がある。時は流れる、という。流れない「時」もある。雪のように降り積もる

◆〈時計の針が前にすすむと「時間」になります/後にすすむと「思い出」になります〉。寺山修司は『思い出の歴史』と題する詩にそう書いたが、この1年は詩人の定義にあてはまらない異形の歳月であったろう。津波に肉親を奪われ、放射線に故郷を追われた人にとって、震災が思い出に変わることは金輪際あり得ない。
復興の遅々たる歩みを思えば、針は前にも進んでいない。いまも午後2時46分を指して、時計は止まったままである

◆死者・不明者は約2万人…と書きかけて、ためらう。命に「約」や端数があるはずもない。
人の命を量では語るまいと、メディアは犠牲者と家族の人生にさまざまな光をあててきた。本紙の読者はその幼女を知っている。

〈ままへ。いきてるといいね おげんきですか〉。行方不明の母に手紙を書いた岩手県宮古市の4歳児、昆愛海(こんまなみ)ちゃんもいまは5歳、5月には学齢の6歳になる。漢字を学び、自分の名前の中で「母」が見守ってくれていることに気づく日も遠くないだろう。成長の年輪を一つ刻むだけの時間を費やしながら、いまなお「あの」ではなく「この」震災であることが悔しく、恥ずかしい

◆口にするのも文字にするのも、気の滅入(めい)る言葉がある。「絆」である。

その心は尊くとも、昔の流行歌ではないが、言葉にすれば嘘に染まる…(『ダンシング・オールナイト』)。宮城県石巻市には、市が自力で処理できる106年分のがれきが積まれている。
すべての都道府県で少しずつ引き受ける総力戦以外には解決の手だてがないものを、「汚染の危険がゼロではないのだから」という受け入れ側の拒否反応もあって、がれきの処理は進んでいない。

羞恥心を覚えることなく「絆」を語るには、相当に丈夫な神経が要る

◆人は優しくなったか。賢くなったか。1年という時間が発する問いは二つだろう。

政権与党内では「造反カードの切りどきは…」といった政略談議が音量を増している。予算の財源を手当てする法案には成立のめどが立っていない。

肝心かなめの立法府が違法状態の“脱法府”に転じたと聞くに及んでは、悪い夢をみているようでもある。
総じて神経の丈夫な人々の暮らす永田町にしても、歳月の問いに「はい」と胸を張って答えられる人は少数だろう

◆雪下ろしをしないと屋根がもたないように、降り積もった時間の“時下ろし”をしなければ日本という国がもたない。

ひたすら被災地のことだけを考えて、ほかのすべてが脳裏から消えた1年前のあの夜に、一人ひとりが立ち返る以外、時計の針を前に進めるすべはあるまい。この1年に流した一生分の涙をぬぐうのに疲れて、スコップを握る手は重くとも。
posted by 小だぬき at 09:43 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月13日

ホーム転落事故 周りの声掛けが命綱に

ホーム転落事故 周りの声掛けが命綱に
2012年3月13日    東京新聞社説

 いつまで同じ悲劇が繰り返されるのか。
また目の不自由な人がホームから落ちて亡くなった。
点字ブロックだけでは視覚障害者を守りきれない。安全柵づくりとともに周りの声掛けを進めよう。


 埼玉県川越市の東武東上線川越駅で先週、視野が極めて狭いマッサージ指圧師の橋本彰雄さん(62)がホームから転落し、七秒後に急行電車にはねられた。

 ホームの端と点字ブロックの間を歩いていて足を踏み外したらしい。その様子が監視カメラに写っていたという。


 事故発生と同時刻の午後一時前、現場に立った。ホーム最後部の近くだ。
急行を待つ人がどんどん増え、点字ブロックの近辺に大勢が立ちふさがった。


 利便性や安全性を考え、普段から乗り降りする位置を決めている視覚障害者は多い。電車の到着を告げるアナウンスが流れ、橋本さんはいつもの乗車位置へと急いだのではないか。他人にぶつからずに歩くには、ホームの端でなくてはならなかったに違いない。


 しかし、白杖(はくじょう)をついた目の不自由な人が危ない場所を歩いているのに、周りの人は誰も声を掛けなかったのか。注意を促したり、手を引いたりすれば落ちずに済んだかもしれない。


 居合わせたみんなが無関心だったとは思えない。相手の尊厳を傷つけないかとためらう人も少なくない。だが、ヒヤリとするような場面では迷わず声を掛けたい。


 点字ブロックそのものも古いタイプだった。ホームの内側と外側を示す「内方線」と呼ばれるライン状の突起がついていない。しかも周辺の床面と同じ高さに埋め込まれ、靴底では点字ブロックと気づきにくい。改善が急がれる。


 点字ブロックだけでは万全ではない。昨年七月に全盲の男性が落ちて亡くなった東京都町田市の東急田園都市線つくし野駅のホームには、既に最新の「内方線」のついたタイプが設置してあった。


 やはり安全対策にはホームドアが欠かせない。視覚障害者の相次ぐ転落事故を受けて国土交通省は、一日に十万人以上が使う大規模駅に速やかに設けるとする目安を示している。


 東武鉄道によれば、川越駅をはじめ全路線で九駅が対象だが、いずれもホームドアの設置計画はないという。
国や自治体は資金繰りや技術開発を後押しすべきだ。


 声掛けも点字ブロックも鉄道業界にとっては脇役でしかない。それに頼り切ってはならない。

posted by 小だぬき at 09:15 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

処分するなら「学校長」「教頭」ではないのか!!

下記の記事を読んで 和泉高校の管理職こそ、君が代斉唱府教委職務命令違反で 処分すべきではないかと思いました。

卒業式を主催する学校の管理職が 自分の部下教職員の監視に当たる異常、どう自らが「斉唱」しながら 職員の口元の確認をするのか・・・・。

式場の配置がどうなっていたかは不明ですが、卒業生の晴れの卒業式の舞台で 生徒の顔を見るのではなく、職員の口元をみていることに 管理職らは異常とは思わないのだろうか・・・。
また、自ら斉唱をしながら 職員の口元を見ることが可能なのか??  もし可能としても 卒業生より部下教職員の監視にあたる管理職は、教育公務員としての適格性に問題はないだろうか??


正直、私が現職の頃、教員として自信のないものが管理職試験を受ける。現場の状況より教育委員会に軸足を置いている日和見、などという「問題管理職」追求を 現場では考えざる得ないご仁が多かったのです。

教職員からも児童・生徒からも人間的・教育者として尊敬される管理職が 年々少なくなっているようです。


和泉高校の中原徹校長、あなたは 卒業式の時 教育者でしたか??  
それとも行政の末端管理職だったのですか??


************************************
<君が代斉唱>歌っているか口の動きチェック…大阪の府立高校

毎日新聞 3月13日(火)11時30分配信

 大阪府立和泉高校(岸和田市)で2日に実施された卒業式の君が代斉唱の際、学校側が教職員の起立だけでなく、実際に歌っているかどうかを口の動きでチェックしていたことが分かった。

式典終了後の事実確認で、1人が起立しただけで歌わなかったと認めたため、府教委が処分を検討している。

同校の中原徹校長は橋下徹・大阪市長の友人で弁護士
。同市長が府知事時代の10年4月に民間人校長として採用された。

 府教委などによると、式には教職員約60人が出席。
府教委が事前に全校長に出した「起立斉唱を目視で確認」との指示を受け、教頭らが起立状況に加えて、口の動きをチェックした
全員が起立していたが、このうち3人について口が動いていないと判断し、1人が歌わなかったことを認めたという。

 府教委は1月、府立学校の全教職員に起立斉唱を求める職務命令を出し、2月にあった卒業式で起立しなかったとして今月9日、17人を戒告(懲戒処分)とした。

 中原校長は13日更新した自身のブログで、府教委から「明らかに歌っていない教職員をチェックしてくれればよいとの指示を得た」とし「府教育委員会からの職務命令・指示を順守した」と主張。

歌わなかったことを認めた教職員は「次回からはちゃんと歌う」と謝罪したとしている。

 橋下大阪市長は13日、記者団に「起立斉唱の職務命令が出ているのだから、口元を見るのは当たり前で素晴らしいマネジメント」と述べた。【田中博子、茶谷亮】

posted by 小だぬき at 17:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月14日

大阪市職員アンケートにみる橋下徹市長のファシズム

昨日の参議院予算委員会で日本共産党の山下芳生議員が、大阪市職員アンケートの問題点、不当労働行為を追及しました。
昨日の卒業式の教職員調査と同じように 橋下市長のファシズム的手法が明らかになりました。
いくら人気があっても 橋下氏の手法は認めるわけにはいきません。

posted by 小だぬき at 10:52 | Comment(7) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月16日

障害者総合支援法案:閣議決定 元原告・訴訟団は批判

障害者総合支援法案:閣議決定 元原告・訴訟団は批判
毎日新聞 2012年3月13日 21時43分 石川隆宣

政府は13日、現行の障害者自立支援法に代わる障害者総合支援法案を閣議決定した。

基本理念に「共生社会の実現」などを盛り込み、難病患者を障害福祉サービスの対象とする一方、サービスの原則無料化は見送った。一部を除き来年4月1日の施行を目指す。


 サービスを受ける際に必要な「障害程度区分」の認定方法や、支給決定のあり方を法施行3年をめどに見直す。14年4月からは重度訪問介護サービスの対象を重度の知的・精神障害者にも広げる。


 現行の自立支援法を巡っては、障害者らが全国14地裁で違憲訴訟を起こしたが、長妻昭厚生労働相(当時)が廃止を明言して原告側と基本合意し、和解した経緯がある。
総合支援法は自立支援法の枠組みを基本的に踏襲し、同法の一部改正案の形式を取っていることから、障害者団体などは「約束違反」と猛反発している。


 一方、政府は「名称も理念も新たにした新法で自立支援法は事実上の廃止」と説明している。
しかし、閣議決定を受けて13日に厚労省で記者会見した元原告・訴訟団は「基本合意を無視され、到底納得できない。国会での審議の中で、基本合意を実現させる闘いを続ける」などと政府を批判した。

posted by 小だぬき at 08:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

<就職内定率>過去3番目の低率 心身のケア急務

小だぬき→私の時は、民間は野村証券と岡三証券、トヨタ自工を受けました。
野村証券は 社長が同窓生と就職課で紹介を受けて受験したのですが、出身大学別の控室と待遇の違いに呆れて退席しました。

2社の内定を確保して、国家公務員1種と川崎市社会科教員を受験し 試験は通ったものの採用なし。試験合格=採用との勘違い・世間知らずで 浪人。

卒業後 明星大学通信教育で綱渡りの「小学校免許」習得。
埼玉県と川崎市の小学校採用名簿に載りながら、3月の免許申請までヒヤヒヤの単位修得。
その時は、試験官に恵まれ 「埼玉には公的夜間中学がないのはおかしい」と言い、服装もチェックの背広とピンクシャツの私を ユニークとプラスに評価してくれ、採用打診が早かった埼玉県の教員になりました。
初任地は所沢で ちょうど西武球場建設でトトロの森伐採反対の真っ最中。

着任と同時に「組合加入届」。執行部から試用期間終了後でいいよの声に「組合は組合員を守ってくれますよね」で 今までと違う 52年度採用組といわれました。
当時 4.17ストの家宅捜査・逮捕・委員長逮捕送検後の組合脱退が大量にでた後だったので、
当時の所沢採用組の半数以上が 晴れて「日教組加入埼玉県教組」の組合加入をしたものですから当時の執行部の驚きの顔を思いだします。

民間がだめなら 試験での採用を目指してもいいのでは・・・と 思う所です。
ちなみに 行政書士・宅地建物取引主任者の資格を習得していたのですが、採用にあたっては何の効果もありませんでした。

今の学生は 受験資格が中学程度の自衛隊「任期制の士」の採用試験にも大学卒が受ける時代になったようで 健闘を祈る気持ちです。


********************

<就職内定率>過去3番目の低率 心身のケア急務
毎日新聞 3月16日(金)12時42分配信

 今春卒業予定の大学生の就職内定率(2月1日現在)は80.5%と、過去3番目に低い数値となった。就職先が決まらぬ4年生からは後悔や落胆の声が上がる。追い詰められる学生を救おうと、大学も対策に乗り出している。【遠藤拓】

 3月に入り、最終盤を迎えた大学4年生の就職活動。13、14日に東京都内で開かれた合同就職説明会「就職博2013」(学情主催)には、3年生らを含めて約2300人が参加。3割程度が4年生とみられ、4月から新社会人となることを目指して駆け回った。

 「3月いっぱいは全力で就職先を探すつもり」と話す大妻女子大の女子学生(22)は疲れた表情。
約80社受けたが内定はない。「えり好みせず、もっとたくさん受けておけばよかった」と後悔をにじませた。
就職先が決まらなければ、卒業後に就職に有利な資格を取って再挑戦するつもりだ。

 帝京大の男子学生(22)も50社受けたが内定はまだ。
連敗して落ち込み、くよくよすることが多くなった」と打ち明ける。決まらなければ、4月からはアルバイトをしながら活動を続けるという。

    ◇    

 厳しい就職事情が続く中、筑波大のキャリア支援室は09年度に初めて就職相談専任担当を1人置き、昨年度はさらに5人増員した。相談件数は年間延べ2000件にも。「いくら頑張っても内定を取れない」「卒業か就職留年で迷っている」といった声が相次ぐ。

 富山大も10年度に「学生なんでも相談窓口」を新設。内定が取れず「大学に行く気力がなくなった」「眠れなくなった」という相談が寄せられるという。

担当の八島不二彦心理士は「就活は大きな壁。3、4年生の大半は悩んでいると感じる。就職難に拍車がかかると心身の負担も大きくなる」といい、じっくり話を聴きながら学生の心のケアに努めている。

 筑波大保健管理センターの杉江征准教授は「就活は全人格を評価するものでない。不採用が続いても『自分は価値がない』と思わないで」と呼び掛けている。
posted by 小だぬき at 18:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月17日

働き者の乳酸菌とビフィズス菌 

特集ワイド:働き者の乳酸菌とビフィズス菌 免疫力アップ、花粉症改善 アンチエージングにも期待
毎日新聞 2012年3月15日 東京夕刊

ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌やビフィズス菌への視線が熱い。というのもインフルエンザの予防や、花粉症の緩和につながる可能性を示す研究報告が相次いでいるからだ。腸内で活躍する「ミクロの働き者」たちの新たなパワーを探った。【宮田哲】


 色とりどりのパッケージが並ぶ棚の前に立っただけで、おなかの調子がよくなるように感じるのは気のせいか。訪れたのは、東京都板橋区のスーパー、マルエツ板橋駅前店のヨーグルト売り場。


 「整腸作用があり、アレルギーにも良いと聞くので、子供のためによく買っていますよ」。パートの女性(33)が言う。一方「震災で品薄になって以来、我が家は手作り。牛乳に市販のヨーグルトを混ぜて発酵させるんです」と教えてくれたのは、近くに住む主婦(69)だ。
「特にいいのは免疫力がアップすることですね」。そう言って手にしたのは、赤いパッケージ。この冬の「ヨーグルトブーム」に火を付けたとされる、明治の商品「R−1」だ。


 きっかけは一つの報告だった。佐賀県有田町の伊万里有田共立病院の調査では、2010年から11年にかけての半年間、町内の全小中学生約1900人に学校給食で「R−1」のドリンクタイプを毎日飲ませたところ、インフルエンザの感染率が小学生0・64%、中学生0・31%と、県全体や周辺自治体に比べ格段に低かった−−というのだ。


 テレビの情報番組でこのデータが紹介されると、スーパーに「R−1」を求める客が殺到し、品薄になって棚が空になるという事態に。

 ヨーグルト全体の売り上げも好調だ。マルエツは首都圏に約260店を展開するが、2月の売り上げはプレーンタイプで前年より35%伸びた。
 ■
 「乳酸菌とは、牛乳などに含まれる糖を分解し、大量に乳酸を生み出す細菌の総称なのです。あの酸味は乳酸などによるものですが、菌自体は無味無臭ですね」。そう話すのは「ヨーグルトの科学」などの著書がある信州大名誉教授の細野明義さんだ。一方のビフィズス菌は学問的には乳酸菌とは別種とされ、乳酸に加えて酢酸も作るという。


 ヨーグルトによって便秘が改善することは広く知られているが、これは乳酸が腸を刺激し、ぜん動運動を活発にするからだ。


 ここで、乳酸菌などの「仕事場」である腸内の環境についておさらいしよう。

 私たちの腸の中には、100兆個以上もの細菌がひしめき、体に良い「善玉菌」、有害な「悪玉菌」、どちらにもなる「日和見菌」という三つのグループに分かれる。悪玉菌が増えると発がん性物質や毒素ができるため、人体もこれを警戒し、全ての免疫担当細胞の約70%を腸の周囲に配しているほどだ。


 善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌をとれば、悪玉菌を抑制する働きがあるとされるが、近年は、それらのパワーを裏付けるデータが次々に報告されているのだ。


 例えば、重要な免疫細胞の一つで、がん細胞やウイルス感染した細胞を破壊する役を担う「ナチュラルキラー(NK)細胞」への影響だ。先に紹介した「R−1」には1073R−1という乳酸菌が含まれているが、この菌入りのヨーグルトを食べると、NK細胞の働きの度合いを示す「NK活性」の値が上昇したとの報告がある。乳酸菌シロタ株の入ったヤクルトの製品の試験でも、やはり上がった。

 ならば、免疫バランスが崩れることによって起きるアレルギーに対してはどうか。森永乳業の研究で、花粉症の患者にビフィズス菌BB536の粉末を13週間飲み続けてもらったところ、鼻水、鼻づまりなどの自覚症状が改善されたという。乳酸菌でも同様の効果が報告されている。


 細野さんによると、乳酸菌には発がん性物質を吸着する働きもあるそうだ。「乳酸菌の細胞壁に発がん性物質がどんどんくっつくのです。菌はそのまま排せつされるから、おなかの中がきれいになる。しかも、その吸着力は、腸に届く前に胃酸などで死んでしまった乳酸菌にも残っていることが分かっています」

 ■
 アンチエージング(老化予防)との“接点”も浮かび上がってきた。
 協同乳業や京都大などが、人間の30〜35歳に当たる生後10カ月のマウス20匹に、ビフィズス菌LKM512を週3回投与し、生存率が75%に低下するまでの期間を調べた。その結果、食塩水を与えた群では投与18週目、生後1年3カ月だったのに対し、LKM512を与えた群は投与45週目、生後1年10カ月だった。「この半年の伸びは、マウスの平均寿命(約2年)の4分の1の効果があった計算になります」。協同乳業研究所の松本光晴主任研究員は言う。
 そこには、DNAの安定化や細胞増殖などに関係する生理活性物質「ポリアミン」が関係していると、松本さんらはみる。「ポリアミンは生命活動そのものに関わる物質。LKM512を投与したマウスは、大腸内でポリアミン濃度が上昇していました」
 こうしたデータは、あくまで限定的な条件下や動物実験によるものだが、今後に期待を抱かせることは確かだ。

 ◇おいしく楽しい伝統のぬか漬け

 日本の「伝統料理」にも乳酸菌は生かされている。
 「コンニャクですけど」
 「カボチャです」

 「これはエリンギです」


 東京都三鷹市で10日にあった「ぬか漬けマラソン」という名の講習会。まるでシルクハットからハトを飛び立たせるマジシャンのように、先生の世田谷区の主婦、岡部奈尾江さん(39)が小さな容器から大ぶりな野菜たちをゴロンゴロンと取り出す。その手元を見詰める約30人の男女からどよめきの声が上がった。

 岡部さんは、母の作るぬか漬けが大好きだった。自分でも漬けるようになり、幼い息子の友達に出せば、どんどん食べてくれる。その母親たちに頼まれ、約3年前から講習会を開くように。この日は多摩地区の市民講座「東京にしがわ大学」に招かれた。


 ぬかには、整腸作用のある乳酸菌がたっぷり含まれている。そのぬかのうまみを吸った野菜はこくがあって、さわやかな酸味が口中に広がる。ぬか漬けの作り方を指導した岡部さんは、こうあいさつした。「ぬか漬けっておいしくて、楽しくって、体にいい。いいことずくめです」

 確かに、そうだ。「うまいなあ」と喜びながら乳酸菌を取り込めているのだから。


 「東日本大震災後、免疫力を上げるために発酵食品への関心が高まっていると感じています。私自身、旅行などで2、3週間食べないと、お肌の調子が悪くなる。ぬか漬けの力を実感します」

 体の中で働いてくれていると思えば、いとしさも増す。ヨーグルトやぬか漬けを食べた後は、そっとおなかをなでてあげようか−−。

posted by 小だぬき at 07:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月18日

年金「積立制」の検討を急げ

これが言いたい:年金「積立制」の検討を急げ
毎日新聞 2012年3月15日 東京朝刊
                         学習院大教授・鈴木亘

◇将来の破綻から目を背けた議論は「談合」だ


 年金改革に関する与野党の最近の議論は実質的な「談合」に等しい。
現行の年金制度の維持は不可能であるという現実から目を背け、改革をまたも先送りしようとする意味においてである。


 そもそも「今の制度で大丈夫か」をどう分析するかが極めて重要だ。旧自公政権が今後100年間の年金財政維持を確約した「年金100年安心プラン」は、リーマン・ショックや東日本大震災等によって、もはや破綻状態にあることは明らかだ。


 5年前の06年度に厚生年金と国民年金を合わせて約150兆円存在した積立金は、11年度末には110兆円近くまで取り崩される。この40兆円もの取り崩しは全く「想定外」のものである。このままのペースで進めば、28年度には積立金が枯渇する。仮に景気が潜在成長率に急回復しても、筆者の試算では30年代には枯渇が避けられない。


 しかし、政府の現状認識は極めて甘い。元々100年安心プランを不可能と批判して政権交代を果たした民主党が、なぜか今になって「100年安心」と強弁している。


 その根拠は、今から3年以上前に厚生労働省が行った財政検証という年金の健康診断である。
厚労省はこの時、再び100年安心との診断結果を下したが、これはリーマン・ショックが起きる前の統計に基づく。積立金の運用利回りを4・1%もの高率に設定する「粉飾決算」も行った。


 野田政権がこの粉飾健診の上にあぐらをかく限り、論理的に改革は必要無いので、最低保障年金等を提案してもまるで説得力を持たない。


 「税と社会保障の一体改革」も支給開始年齢の引き上げ、高所得者の年金減額、マクロ経済スライドの即時発動が葬り去られ、バラマキ案ばかり残った。自公両党もそもそも自分たちの100年安心プランを批判できる立場にない。


 これを年金談合と言わずして何と呼ぶべきか。与野党とも厚労省の健診結果を疑いつつ、3年間も新たな健診を避け続けている。
与野党のほおかむりをいいことに厚労省も動かない国民不在の「三すくみ」状態の放置である。


 そんな中、橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が次期衆院選に向けた公約案で大胆な年金改革案を打ち出した。
詳細な制度設計はこれからだが、現行の年金制度はいったん清算し、積み立て方
 式に移行したうえで、高所得者には「掛け捨て」を迫るという。正しい現状認識と方向性だ。
特に掛け捨てに早くも批判が出ているようだ。
だが、公的年金の役割を老後に貧困に陥らないための「保険」と考えれば、幸運にも貯金を十分蓄えられた高齢者には、少なくとも基礎年金分は放棄してもらってよい。所得比例部分は、退職一時金の形で一部を返却することも一案だ。


 また、積み立て方式には移行のためのコストが高すぎて非現実的という指摘がある。しかし、そのコストを100年、200年かけて少しずつ返済する方式にすれば、現行の賦課方式よりも現役、将来世代の負担を少なくできる。


 いずれにせよ、公約案への批判の多くが現行制度が安心という前提に立つ限り、本質的に間違っている。
我々は現状を放置し近い将来の制度終了を選ぶのか、痛み覚悟で今すぐ改革し、将来も維持可能な年金制度にするかの、二者択一を迫られているのだ。


 維新の会が提起した「積み立て、掛け捨て」案が軸となり、既存政党の年金談合を突破する議論が沸き起こることを期待している。

posted by 小だぬき at 16:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

橋下大阪市長ウォッチ「渡辺氏の方が堂々たる独裁じゃないですかね」 読売グループ会長の「ヒトラー批判」に「逆襲」

橋下大阪市長ウォッチ「渡辺氏の方が堂々たる独裁じゃないですかね」 読売グループ会長の「ヒトラー批判」に「逆襲」

2012年3月18日(日)15時37分配信 J-CASTニュース

 橋下徹大阪市長(42)が、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長(85)にツイッターで反論した。
渡辺会長は月刊誌「文藝春秋」(4月号)で、橋下市長発言に対し、「ヒトラーを想起」すると懸念を示していた。


橋下市長は、渡辺会長が気にした「白紙委任」という自身の発言の意味について説明した上で、大阪市長である自分に比べれば、「渡辺氏の方が読売新聞だけでなく政界も財界も野球界も牛耳る堂々たる独裁じゃないですかね!」と書いた。

渡辺会長「私が想起するのは、アドルフ・ヒトラーである」

渡辺会長は文藝春秋紙上で、橋下市長の朝日新聞インタビュー(2月12日付朝刊)にあった市長発言に注目した。それは、
「選挙では国民に大きな方向性を示して訴える。ある種の白紙委任なんですよ」
というくだりで、渡辺氏はこの発言から
私が想起するのは、アドルフ・ヒトラーである
と懸念を示した。ヒトラーが「全権委任法」を成立させ、「ファシズムの元凶となった」として、
「これは非常に危険な兆候だと思う」「この点、はっきりと彼に説明を請うべきだろう」
と指摘していた。

現在では「独裁は無理」

これに対し橋下市長は、2012年3月18日のツイッターで答えた形だ。
渡辺会長の話題に入ってから5ツイートは、大阪市で進めようとしている教育をめぐる話を続け、その後、
「そして渡辺氏が僕に対して一番懸念していること。僕が『政治はある種の白紙委任』と朝日新聞のインタビューに答えたことに関してヒトラーとだぶらせている。これは論理の飛躍。今、子どもがマクドナルドを買ってきた。それを食べてから反論する」
と一旦ツイートを休止した。ほどなく反論を再開し、
「ヒトラー独裁のときの統治機構・メディアの情況と今のそれを比較して独裁云々を論じなければならない。今の統治機構において権力は完全な任期制。そして公正な選挙で権力は作られる。これだけでいわゆる独裁は無理。さらに何と言ってもメディアの存在。日本においてメディアの力で権力は倒される
と「独裁は無理」だと指摘し、橋下市長自身も「メディアの公式な取材にはできる限り応じているつもりだ」とした。
渡辺会長が気にした「白紙委任」については、
(3ツイート略)「また事前の契約を前提とすると不測の事態に政治家は対応できなくなる。政治家は大きな方向性、価値観を示す。重要事項については個別に示す。そして任期の中で、またメディアチェックや様々な権力チェックの中で総合判断を繰り返す。これが政治でありある種の白紙委任の意味である」
と説明した。その上で渡辺会長による「独裁懸念」について、
「僕なんかね、制度で雁字搦めに縛られ、維新の会以外の多数会派とメディアの厳しいチェックも受けて、独裁なんてやりようがないですよ。所詮、ローカルの大阪市役所の所長ですしね。それに比べれば、渡辺氏の方が読売新聞社だけでなく政界も財界も野球界も牛耳る堂々たる独裁じゃないですかね!」
と「逆襲」した。
posted by 小だぬき at 17:41 | Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月19日

暗闇から世界を見る 政治を変えるのは国民だ!!

暗闇から世界を見る

2012年3月18日  東京新聞社説

閉塞(へいそく)感に覆われた日本であっても「人としての尊厳」が守られるよう、暗闇から世界を見る政治が求められます。憲法第一三条の重みが増しています。


 「生存」を考えるとき真っ先に頭に浮かぶのは、国民に「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する憲法第二五条です。

福祉制度の土台とされるこの規定は、経済的に困窮している人たちにとって命の綱となっています。


 近年の経済不振、東日本大震災や原発事故の影響で、生活保護の受給者は過去最高記録を更新し続け、昨年十二月の時点で二百八万人余に達しました。

◆個人として尊重される

 しかし、福祉の内容は財政の制約を受け、実際には「人間としての最低限の生」しか保障されません。現に、自民党は生活保護切り下げを議論しています。


 目を転じます。生きるためには経済的基盤が欠かせませんが、人は物質的な満足だけのために生きるのではなく、精神的な充足感も必要です。


 憲法第一三条には「すべて国民は、個人として尊重される」とあります。一人一人が人格的に自律した存在、「自らの生の演出者」として自分らしく生きる事を尊重されることで個人の尊厳が守られるのだ、と解されています。


 同条後段には「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、(中略)立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」とあります。


 ここでは「生命、自由及び幸福追求の権利」を人格的自律のために重要かつ不可欠な権利として保障し、国政の基本とすることを定めたのです。

 全体としての「その人らしさ」は、人格の核となる部分をさまざまな要素が包んで形成されます。憲法制定者はその形成を国政が支えることを求めました。

◆立ちはだかる現実の壁

 第二五条と第一三条をともに機能させてこそ「尊厳ある生」が保たれるのです。


 二〇〇一年五月、熊本地裁はハンセン病患者の強制隔離を違法とした判決で「人として当然に持っているはずの人生のありとあらゆる発展可能性を大きく損なったのは、居住、移転の自由を定めた憲法第二二条にとどまらず一三条にも違反する」と述べました。


 隔離を定めた法律は廃止されましたが、日本社会を第一三条に照らしてみるといろいろな問題が浮かび上がります。


 雇用問題一つとっても、社会へ巣立とうとする若者たちの前に、35%が派遣やパートなどの非正規雇用(一一年平均、総務省調べ)という厳しい現実の壁が立ちはだかります。


 雇う側の都合で安易に使い捨てにされる不安に脅かされているのでは、キャリアを重ね、将来展望を描くどころではありません。多くの労働者の人としての尊厳を無視して、日本経済は成り立っているのです。


 大学生たちは、「使いやすく役に立つ人材を早く囲い込みたい」企業の思惑に振り回されて、三年生のうちから就職活動に走り回っています。
若者が落ち着いて勉強して知識を蓄え社会への適応能力をつけ、人格を磨くべき大学教育が形骸化しつつあります。


 東日本大震災の被災者、原発事故の被害者はいまだに三十四万人が避難所、仮設住宅などで避難生活を余儀なくされ、生活再建の見通しが立たないまま焦燥を募らせています。


 政治、行政はこれらの人々の命をつなぐことでよしとしているかのように見え、「人としての尊厳」「自分らしさ」の尊重にまでは目配りが及びません。


 現行憲法は押しつけられた憲法といわれることがありますが、日本国民は主権者、憲法制定権者として第九条その他の条文の位置づけや社会のあり方を自ら考え、それにしたがって国家を形成してきました。憲法を実質化してきたのは日本人自身といえます。

 いまこそ一三条にも命を吹き込み、二五条と一体で国政の基本にしなければなりませんが、政治家をはじめとする日本の指導者たちにいま最も欠けているのは現場感覚です。


 暗い所からは明るい外を見通せても、明るい所からは暗闇の内部が見えません。暗闇に身を置いて外部世界を見る視座を確立しないと、国民の幸福追求の権利を理解するのは難しいでしょう。

◆現場感覚の欠如で迷走

 松下政経塾の出身者が枢要ポストを占める民主党政権の迷走は、現場感覚の欠如を物語ります。
橋下徹・大阪市長の「維新政治塾」など政治家による新たな政治塾開設も盛んですが、「塾のお勉強」で国民目線の政治ができるとは思えません。
政治家は市民の海の中で学ぶべきなのです。

posted by 小だぬき at 04:13 | Comment(6) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Dr.中川のがんの時代を暮らす:/陛下のお言葉に感動

Dr.中川のがんの時代を暮らす:/ 
陛下のお言葉に感動
毎日新聞 2012年3月18日 東京朝刊


 東日本大震災から1年となった今月11日、日本各地で追悼行事が開かれました。

心臓の冠動脈バイパス手術を2月18日に受け、1週間前に退院されたばかりの天皇陛下も、政府主催の追悼式に出席されました。


 退院後、胸にたまった水を抜く治療を受けたばかりの陛下は、テレビを通しても体調が優れないように感じました。
心臓病だけでなく、9年前に手術を受けられた前立腺がんに対するホルモン治療も続けており、骨粗しょう症も併発されている中で、ご自身の強い希望による出席だったといいます。


 このときの陛下のお言葉に、大きな感動を受けたのは、僕だけではないはずです。


 死者、行方不明者に対する哀悼はもちろん、「救助活動で命を落とした多くの方々を忘れることができない」「原発作業者などの尽力を深くねぎらいたい」という言葉には、恥ずかしながら涙を禁じ得ませんでした。


 陛下は、原発事故による避難民も気遣われ、「危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。
再びそこに安全に住むためには、放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています」
と述べられました。


 適切な除染活動、風評被害の沈静化、住民と行政・専門家との対話などを進め、避難されている皆さんが、住み慣れた我が家で安心して健康に暮らせることを、陛下が願っているという思いが伝わってきました。私も、とても重要だと感じている課題です。


 今、被災地の復興を妨げる大きな問題に、岩手、宮城、福島3県で2253万トンにも達する大量のがれきがあります。これまでに処理されたがれきは3県で、6%だけです。宮城県石巻市では、市が自力で処理できる106年分のがれきが残っています。放射性物質が検出されないか、低いレベルの岩手、宮城のがれきも、受け入れる自治体がほとんどありません。


 復興に向けたさまざまな課題を解決する際、「国民皆が被災者に心を寄せ、被災地の状況が改善されていくようたゆみなく努力を続けていくよう期待しています」という陛下のお言葉を思い出したいと考えています。

(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長

posted by 小だぬき at 18:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月20日

「中高年フリーター」50万人の老後

【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
「中高年フリーター」50万人の老後
2012年3月16日 日刊ゲンダイ掲載

20年後は暴動頻発!?

 フリーターの高齢化が進んでいるそうだ。
15日の日経夕刊は、アルバイトやパートで生計を立てている35〜44歳が50万人(2011年平均)に上り、過去最高になったと伝えた。

就職氷河期に高校や大学を卒業した人たちが40歳前後になった影響としている。みんな20年前後もフリーター生活を続けているということだ。

 企業はどんどん海外に出て行き、国内は仕事が減っている。
雇用環境が改善する見込みは薄い。
大学を卒業しても、働くのが難しい時代に入っている。

 新卒者は中国、ベトナム、タイ、インドネシアといった国の人たちとスクラッチで競争だ。
高い給料をもらって働くには、何らかの技術や能力が必要。学歴だけでは、どうにもならなくなっている。

 日本は終身雇用で、一度就職すると、なかなか辞めない。

最近は少し状況が変わってきたが、万人が活発に転職する社会ではないし、それまでに積み上げた知識や技能がピカピカに光っている人材は企業にとっても大切だろう。しかし、それで雇用が硬直化すれば、若い人たちの機会が失われる。

 パート暮らしは老後も厳しい。
現在は主に自営業者向けの国民年金に加入している人が大半だろうが、毎月6万円程度の給付では大変だ。

小生は厚生年金と私学共済を受け取っているが、それでも電気やガス、水道など、生活に欠かせないライフラインの負担などでおおむね消える。
日々の食費は妻の年金で賄っているのが実情だ。

 給料が安いフリーターは、蓄えもないだろう。これから、さらに20年後、50万人の中高年フリーターが60歳前後を迎えるとき、満足に暮らせなくなる恐れは強いのだ。

もしかしたら、老人たちの暴動により、社会は非常に不安定になるかもしれない。

 野田首相は今年1月、連合の古賀会長らを官邸に招いた際、「分厚い中間層の復活を理念に掲げている」と強調。「非正規雇用対策の充実を期した法案を提出する」と話した。

今国会にフリーターの年金対策を盛り込んだ法案も提出する。
しかし、厚生年金などに加入できるようになる非正規労働者の数は、当初の370万人から45万人に縮小された。

 やるべきことは増税だけではない。

posted by 小だぬき at 07:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月21日

度を越すと矢はあらぬ方へ

度を越すと矢はあらぬ方へ
2012年3月21日  東京新聞 私説・論説室から(谷政幸)

毎週末、弓道場に通うようになって一年がたつ。


 初体験の格式張った伝統武芸。ちょっとしたはずみで仲間に加えてもらった。


 しきたりはなにかとやかましく、いい年をして、にらまれたり、叱られてばっかりでも、たまに矢の的中する快感がこたえられず、飽きずに続いている。


 稽古始めには弓の心得を合唱する。告白するが、厄介な丸暗記より壁に掲げられた字面を目で追うのが常で、見回せば自分だけ“くちパク”だったり。後ろめたいことこの上ない。

 が、誰かにとがめられたことはない。言っても無駄とみられているか、払う敬意に偽りなきことが理解されているか。いずれにせよ「大人の関係」が潤滑油になって場の平穏を保つ。


 そんなおおらかで自由な立場からすると、とても気の毒に思えてしまうのが大阪の学校の先生たちだ。


 報道によれば、府立高校の卒業式で「君が代」を歌っているのかどうか、校長に口元を監視されていたそうである。


 口はちゃんと動いているか、ただパクパクしているだけか、それをいい年した大人同士が、チェックし、されるなんて…。造反先生どころか、まともに歌っていた順法先生だって気分が良かろうはずはない。


 市職員の思想調査でも指弾された橋下徹大阪市長に重ねる、弓の教えを一つ。


 余計な力や度を越す雑念が入ると矢はあらぬ方向へ飛んでいく。

posted by 小だぬき at 08:51 | Comment(10) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月22日

ワーク・ライフバランス社長.小室淑恵さんに学ぶ

昨日は、頭が重く 考えるというより 見ることに専念し「YouTube」の歌などを聞いたり いろいろなテーマを漠然と検索していたら、ワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さんの口述に出会いました。

聞いているうちに いつの間にか 真剣に「そうか このような柔軟な思考が大切なんだ」と何度も 話の内容にのめり込みました。

仕事と家庭・地域というのは、バランスがとれてこそ正常なんだという 当たり前のことを忘れていた自分が恥ずかしくなりました。

うつに触れられた時、そうだなぁ 俺も柔軟さと見切り、仕事と生活のバランスが崩れていたなぁと反省させられました。

若い方でも しっかりと 自分の思いを実現するために 会社を興し 活躍している姿がすがすがしかったので 映像を紹介します。

少子化対策、雇用、デフレ脱却などのヒントも「なるほど」と納得させてくれました。


1.

2.

3.
posted by 小だぬき at 05:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月23日

そろそろ本気で国民も怒らないと・・・

増税推進派重鎮の身勝手すぎる論理
2012年3月19日 日刊ゲンダイ掲載

オフレコを前提に言いたい放題

<「反対派は文句を言いたいだけ」「党内の声なき声を尊重すべき>

「事前審査に来ている反対派は、文句を言いたいだけ。
党内で黙っている300人は逆の立場だ。サイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)の意見を尊重しなければいけない」
――増税反対派が頭から湯気を出して怒り出すのは確実だ。

民主党の重鎮として増税推進を振りかざす大幹部が、信じがたい暴言を吐いた。

増税法案をめぐって連日、深夜まで長時間の議論を重ねる中
、「審査に来ない議員の意見が大事」なんて、党内手続きを全面否定したのと同じ。民主主義のルールからも逸脱している。

 問題発言が飛び出したのは16日の深夜。約5時間半にわたる議論の末、決着が祝日明けの21日以降に持ち越された直後だった。

 衆院第2議員会館の会議室に群がった大勢の「番記者」の前で、大幹部はオフレコを条件にペラペラ語り出した。

「事前審査に来た議員が100人としても、党内にはまだ300人のサイレント・マジョリティーがいる。本当は彼らの声なき声を尊重しなければいけない。(一体改革の)大綱から
内容を)後退させたらサイレント・マジョリティーは怒りますよ」

 ガチンコ議論を終えた直後でも、大幹部の認識はこの程度。
本気で反対派の意見に耳を傾ける気は、さらさらない

 発言の主は財務省出身で、ガチガチの財政規律重視派として知られる。
最近は、自分が野田首相の後見役であることを強調し、野田の悲願達成のため、反対派の意見を抑え込もうと必死だ。

酒好きでも知られるが、議論の後に一杯ひっかけたわけではあるまい。
シラフだからこそ、なおさら問題なのだ。

 14日の事前審査開始から3日連続、計15時間以上に及んだ増税論議は何だったのか。

「この発言が執行部の総意だとしたら許せません。

そもそも事前審査に参加条件はないのです。増税への賛否を問わず、意見のある議員はいつでも発言できます。それなのに参加しない議員の意見まで忖度(そんたく)して重視するなら、何のために議論を重ねているのか。党内手続きを愚弄しています。

形ばかりの“ガス抜き”で増税を強行するのなら、党内民主主義を踏みにじる暴挙です」(ある反対派議員)

 いくらオフレコとはいえ、大幹部の暴言を1行も報じない大マスコミもどうかしている。国民の意見はそっちのけで着々と進む増税への道。

そろそろ本気で国民も怒らないと、取り返しのつかないことになる。
posted by 小だぬき at 09:00 | Comment(5) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月24日

完璧すぎる最終弁論 小沢無罪3つの決定打

完璧すぎる最終弁論 小沢無罪3つの決定打
2012年3月21日  日刊ゲンダイ掲載

指定弁護士の主張をすべて論破

特捜部の妄想から始まったゼネコン収賄事件の捜査は敗北に終わった。
本件は、その残滓(ざんし)である」――。

圧巻だった。19日に行われた小沢裁判の最終弁論。

弁護団は検察捜査の違法性を厳しく批判した上で、有罪論告をした指定弁護士側の主張にひとつひとつ反論し、潰していった。
もはや有罪の根拠はなにひとつ残っていない。誰がどう見ても、小沢無罪は確実だ。

<「ヤクザの親分」理論を一蹴>

 中身ゼロのスカスカ論告で、指定弁護士が苦し紛れに持ち出したのが、「ヤクザの親分と子分」の論理だった。

配下の組員の拳銃所持について暴力団組長の「共謀共同正犯」を認めた03年5月の最高裁決定(通称スワット事件)を引用し、「明確な謀議がなくても小沢と秘書の間に共謀が成立する」と主張したのだ。

この理論は、検察審査会でも紹介され、強制起訴議決に影響を与えた大きな“論拠”なのだが、弁護団は「特殊なスワット事件を、あたかも一般的な事例のように歪曲して引用するのは不当だ」と猛反論した。

〈スワット事件で共謀共同正犯が認定されたのは、(1)専属ボディーガードのスワットは常に拳銃を装備して警護にあたっていた(2)組長は常にスワットと一緒に行動していた(3)組長自身もかつて親分の警護役を経験して、スワットの拳銃所持を知っていたという事実があったからで、事実関係がまったく違う〉
(弁論要旨)
 国会議員秘書は社会的に認められた正当な業務だし、虚偽記載を常態的に繰り返していたわけではない。
小沢と秘書は常に行動を共にするわけでもない。加えて、小沢には秘書の経験もないのだ。スワット事件になぞらえて共謀共同正犯が成立するなんて、言いがかりに過ぎない。

<石川議員の「不可解な行動」を解明>

 秘書だった石川議員が小沢から借りた4億円を分散入金したり、わざわざ利息が発生する預金担保融資を受けたことなどが「非合理的」とされてきた。「やましいカネを隠すため」と決めつけられてきたのだが、弁護団はこれも蹴散らした。

「分散入金は、銀行に記録が残るから、むしろ隠すことはできない。それに、銀行融資を介さないで小沢が直接4億円を貸すと、政治団体に寄付したと誤解されかねず、利息分だけで寄付の制限額を超えてしまう。
不動産担保ローンよりも預金担保融資の方が利息が低いのだから、こちらを利用するのは合理的だ」

 弁護団はこう説明し、石川の行動についても、「いずれも直前になってドタバタ動いていると評するほかない」と、ある意味での“一貫性”を明示した。
石川の場当たり的な行動を見れば、指定弁護士が言うような「用意周到な犯罪」でないことは明白なのだ。

<池田調書は「報告・了承」ではない>

 裁判では「小沢に報告し、了承を得た」とする元秘書の供述調書がことごとく却下された。

唯一、採用されたのが、「平成17年分収支報告書の内容を報告した」という池田元秘書の調書だが、弁護団は、これも「報告・了承」を裏付けるものではないと反論した。

「石川からの引き継ぎが不十分で、池田は“期ズレ”について認識していなかった。
また、証拠採用された調書でも、池田が小沢氏に報告したとされる場面の具体的な記載は全くなく、『おお、そうか』が、何に対しての了承なのかは曖昧なまま。

裁判所がどう判断するかですが、これで共謀を認定するのは難しいでしょう」(社会部記者)

 裁判過程で検察の違法な捜査も次々と明らかになり、4月26日の判決は無罪しかあり得ない」
最後の意見陳述を終えた小沢も、無罪判決に向けて自信を深めているように見えた。

万が一、裁判所が“推認”で有罪判決を下すようなことがあれば、それこそ、これは小沢潰しの国策捜査だと自ら認めるようなもの。司法の自殺行為だ。

 冒頭の弁護団の言葉が、この事件の構図を見事に言い表している。事件など、最初から存在しないのである。

posted by 小だぬき at 06:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月25日

大地震予測“切り札”は犬とネコ!その異常行動を見抜け

大地震予測“切り札”は犬とネコ!その異常行動を見抜け
2012.03.24   ZakZak(夕刊フジ)

東日本大震災以降、大地震発生の危機感が高まっている。事前に揺れを察知するのが究極の安全対策だが、地震予知はまだまだ未知の分野

われわれの頼みの綱は、揺れの直前に鳴り響く緊急地震速報だけなのが現状だ。そんななか、動物の危険察知能力に目を付けた研究者がいる。大地震のたびに動物たちが起こす異常行動を研究し、「地震予知に役立てられないか」というのだ。「野生の勘」は切り札となるのか。

 地震の前の動物の前兆行動について研究するのは、麻布大学獣医学部の太田光明教授(介在動物学)。太田氏は、1995年の阪神淡路大震災で数多くの動物の前兆行動が報告されていたことに着目。動物の行動と地震との関連性について調べてきた。

 最近も、日本海で数百万匹の深海魚やクジラが打ち上げられる怪現象が相次いでいる。東日本大震災前にも、茨城沿岸に大量のイルカが打ち上げられた。

 そもそも動物は地震の前兆をどうやって察知するのか。

 「地震発生の前に地盤に圧力が加わりひずみが生じる。

そこで異常発生した電磁波を感じ取っている可能性が高い。帯電したエアロゾルを感じている説もあります。そこで、動物に電磁波による刺激を与え、その反応を見る実験を行っています」(太田氏)

 太田氏はこれまでに500頭あまりの犬、イルカや猫、カエルなどさまざまな動物でこの実験を実施。その異常行動は別表の通りで、「犬は30頭に1頭の割合で電磁波への明確な反応がみられました。イルカの場合はより反応が顕著です。地震発生前にクジラなどが岸に上がったりするのも電磁波の影響で、方向感覚を失ったためである可能性が高い。これまでの実験結果や事例などからも、電磁波の与える影響は否定しきれません」(同)。

 動物の前兆行動について、唱えたのは太田氏が初めててではない。

 弘海原(わだつみ)清・大阪市立大名誉教授(地質学)や、池谷元伺・大阪大名誉教授(電子工学)=いずれも故人=もそれぞれの立場から、電磁波による動物の前兆行動を研究。

 弘海原氏が理事長を務め、地震の前兆についての情報を収集する特定非営利活動法人「e−PISCO」には、阪神大震災の直後から1711件の証言が寄せられ、その多くが動物に関するものだった。

 「直下型地震だった阪神淡路大震災では1メートル当たり70ボルトもの強烈な電磁波が発生しました。
そのため、ストレス反応によって多くの動物に前兆行動がみられた

犬では、遠吠えしたり激しく鳴いたり。前掻きして盛んに穴を掘る仕草をする例もあったようです。
猫はいつもいる場所からいなくなる傾向が強かったといいます」(太田氏)

 公益社団法人「日本愛玩動物協会」が阪神大震災後に行った調査では、犬で25%以上、猫は39%以上が震災前に異常行動をとったことが判明。
ほかに、「冬眠中のヘビやミミズが地表にはい出してくる」「カラスが群れて鳴き騒いだ」の報告があったという。

 では、東日本大震災ではどうだったのか。

 「不可解なことに阪神ほどの報告数はありませんでした。
東北地方では当時、規模の大きな地震が頻発していましたから、動物が揺れに慣れてしまったのではないでしょうか。それに、飼育方法が都市部と違うという面も関係している可能性がある」(太田氏)。環境や条件面に左右されるようだ。

 とはいえ、地震に備えるための“武器”になる可能性は秘めている。

 「実際に中国では1960年代から、国家的プロジェクトとして研究が進んでいます。日本ではいま、約2500万匹の飼い犬、飼い猫がいるといわれているので、これだけいれば相当な情報が集まるはず」(同)

 なかでも、太田氏が注目するのは犬だ。目に見える形で電磁波へのストレス反応をみせるため、いざという時の活躍に期待が集まる。

 「実験動物は自然の本能が失われているためか、電磁波への反応が鈍い。

反対に野生に近い状態で飼育されている犬は、圧倒的に反応しやすいことがわかりました。
犬種でいえば、バセンジやシベリアンハスキー、柴犬などです。いずれもオオカミに近い古い犬種。6才以上の高齢犬で、より顕著な反応が見られました」(太田氏)

 愛らしい眼差しを向けてくるペットが、あなたのピンチを救うかも知れない。
posted by 小だぬき at 05:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月26日

Dr.中川のがんの時代を暮らす:暮らしの中のリスク

Dr.中川のがんの時代を暮らす:暮らしの中のリスク

毎日新聞 2012年3月25日 東京朝刊

 放射線医学総合研究所の神田玲子上席研究員らの研究グループが、市民638人と研究所の職員らを対象に実施した調査によると、一般人が暮らしの中の「リスク」として恐怖を感じる順番は、ピストルがトップ、2番は原子力、3番でしたが喫煙。

実際のリスクの大きさとしては、喫煙、飲酒、交通事故の順なので、身近なリスクに対する一般市民の意識のずれが示されたことになります。


 リスクの認識に関してギャップが生まれるのは、メディアの影響も小さくないと感じています。

たとえば、現在、低線量被ばくのリスクが大きく報道されていますが、広島・長崎の10万人以上の被爆者を50年以上も綿密に追跡した結果、100ミリシーベルト以下の被ばくでは、がんの明確な増加は確認できていません。
低線量被ばくによる発がんリスクの増加は、あったとしても非常に少ないと考えるべきだと思います。


 放射線以外にも、ダイオキシンや環境ホルモンなど、新顔の「リスク」が大きく報道されては忘れられていきました。

一方、年間36万人近くが死亡するがんについては、報道は多いものの、大半の情報は断片的で、国民の知識を増やす啓発的な内容になっていません。

たばこはがんだけでなく心臓病や高血圧も引き起こし、年間約20万人の死因となっていますが、警鐘を鳴らすメディアは多いとは言えません。

年間3万人を超える自殺、年に約4600人が亡くなり6万人以上が後遺症に悩まされている交通事故も、もっと積極的に取り上げてほしいと感じます。


 メディアを見ていると、本当に備えが必要な重大なリスクは報道されにくい傾向を感じます。

あまりにも大きいリスクは「日常的」すぎて、「ニュース」になりにくいためでしょうか。私たちは、本当のリスクと報道で話題になるリスクの差に注意を払う必要があります。


 2001年に起きた9・11のテロの後、米国では自動車事故による死亡が年間1600人も増えました。
テレビで繰り返し放映された飛行機によるテロの映像の影響で、よりリスクが高い長距離運転による事故が増えたためです。

暮らしの中のリスクの大きさを客観的に測る「ものさし」があればいいな、と思います。
(中川恵一・東京大病院准教授、緩和ケア診療部長)

posted by 小だぬき at 06:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月27日

くちパク国歌斉唱 最初に言いがかりをつけたのはダレだ!?

くちパク国歌斉唱 最初に言いがかりをつけたのはダレだ!?
2012年3月19日   日刊ゲンダイ掲載

<背景には橋下VS.教育委>

本当に「君が代」を歌っているのか――大阪府立和泉高校の国歌斉唱チェックが、波紋を広げている。

 発端は今月2日の卒業式で、中原徹校長(41)が国歌斉唱を義務づけた条例に基づき、教頭らに教員の口の動きを「監視」させたこと。

 その話を聞いて、大阪府の教育委員長は「そこまでやらなくていいのでは」と校長を批判。
メディアも府知事時代の昨年6月に全国初の斉唱義務条例を成立させた橋下徹・大阪市長と結びつけて騒いでいるが、チョット変だ。

 実は、中原校長に国歌斉唱のチェックを指導したのは、府の教育委員会自身なのである。

 府の教育委は1月17日付で条例に基づき、府立校の全教員に起立斉唱を求める職務命令を通達した。

この命令を受け、中原校長は教育委に「通達徹底のため、確実に斉唱を確認しようとすれば、全教員の口元まで近寄って確かめなければいけない。これでは、せっかくの卒業式の雰囲気が台無し。どうすればいいのか」と相談した。

すると、次のような指示があったと、中原校長は自身のブログで明かしている。

「遠目でよいので、明らかに歌っていない教職員をチェックしてくれればよい」
 指示に従って、教頭らに10〜30メートルの距離から、約5秒間、約60人の教員の様子を眺めさせたのが、メディアの言う「監視」の実態というのだ。

 校長に「こうしなさい」と言っておきながら、手のひらを返して批判する。マッチポンプのような話だが、メディアもその片棒を担いでいるわけだ。

 中原校長は弁護士出身で2年前に民間人校長として採用された。橋下市長とは早大時代からの友人関係にある。ン!? 教育委VS.橋下&中原の構図だ。こりゃ、魑魅魍魎(ちみもうりょう)である。

posted by 小だぬき at 07:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月29日

いじめ問題、認めぬ学校側 隠蔽という2次被害

ニュースUP:追跡 
いじめ問題、認めぬ学校側 隠蔽という2次被害
毎日新聞 2012年3月28日 大阪朝刊
                        社会部・亀田早苗

 
<おおさか発・プラスアルファ>


 神戸市内の小学校で05年度、同級生からいじめを受けた小学5年生の男児(現在17歳)が損害賠償を求めた訴訟で、裁判所がいじめを認定した後も被害者の父親(48)らが神戸市教委に働きかけを続けている。

市教委が「いじめと断定できない」と裁判所に提出した調査の回答書が「虚偽で、納得できない」という。改めて現場から報告する。


 ■審査打ち切り


 「一枚の書類になぜここまでこだわるか、親の思いをどうか考えていただきたい」


 神戸市議会の文教経済委員会に先月、回答書を虚偽だと認めさせるよう3回目の陳情をした市民団体「全国学校事故・事件を語る会」の西尾裕美さん(54)が訴えた。

「虚偽文書を作成・提出し、いじめ・恐喝行為を隠蔽(いんぺい)しようとした事実を認めさせ」るよう、市教委に指導を求めるなどしてきた。
会のメンバーでもある父親は傍聴席で見守った。だが、審査は打ち切りとなった。


 大阪高裁が09年12月に出した判決では、加害者3人の保護者計5人に慰謝料など計110万円余りの支払いを命じた。05年4月〜06年2月、日常的な暴力、金銭の恐喝・たかり行為などを認めた。

恐喝・たかり行為には、和解などが成立した児童を含め計7人が加担したとされ、被害金額は計約50万円に上った。


 回答書は、1審の最中だった08年2月、神戸地裁に出され「いじめ・恐喝の事実があったか断定できない」とした。被害者の保護者の要望で本人に直接事実確認ができなかった
▽被害者が恐喝事件として警察に届け出、取り調べが始まった
▽被害者が転校−−などから調査続行が困難になったとしている。


 ■「校長の涙」どこへ


 父親は裁判中、この内容を知って驚いた。学校側はいったん、被害者である少年と父親にいじめを認めたからだ。

当時の校長が市教委に、文書で報告している。学校側はいじめ発覚翌日から関係者の家を回って事実確認をした。学年集会を開き、5年生全員に見聞きしたことを書かせた。校長はその結果を被害者と両親に報告し、「かわいそうに」と涙を流し、いじめを認めた。


 父親は、本人に直接話を聞かないように要望したことはなく、転校後も学校に出向き面談したことがあったことなどを挙げ、「文書は虚偽」と強く訴える。

一方、市教委側は、委員会などで「被害者側の主張と学校側が調査できたことに食い違いがあり、それを埋めるだけの調査ができなかった」と繰り返す。

校長が06年3月に市教委に提出した文書には、いじめや恐喝の加害児童の人数も書かれている。判断を覆した理由については「記録がないので分からない」「既に退職した外部の人なので問い合わせるつもりもない」と、木で鼻をくくったような回答だ。


 私は何回か、いじめによる自殺を取材した。どのケースも学校が「2次被害」を起こしていた。発生当初だけは謝罪することがあるが、「なぜ命を落とさなければならなかったか」と調査を求める遺族に言を翻して事実を隠したり、沈静化を図る過程で孤立させたりする。今回は被害者が自殺に至るような事態は避けられたが、構図は同じだ。


 被害少年はいじめ発覚直後、担任と生活指導の男性教諭2人と面談したが、「なぜ早く言わなかったか」と何度も問い詰められ、「いじめられる方にも責任がある」などと言われた。

加害者側の陳述書によると、学校側は加害者の親に、脅したのではなく「お金をもらった珍しいケース」などと説明し、いじめたことには触れなかった。被害者の保護者を中傷する発言まであったという。

被害者家族はいじめ問題から、転校を余儀なくされた。

父親が採った面談の音声記録によると、校長は書類を取りに行った父親に、「いじめという理由を書き換えなければ(転校に必要な)校長印を押せない」という趣旨のことを言ったという。校長に取材したが、「守秘義務があるので応じられない」と話した。


 ■苦しむ人の助けに


 全国学校事故・事件を語る会の代表世話人で、中学校教諭の内海千春さんは「被害・加害双方に異なる説明をするのは生徒指導上、一番まずい対応だ」と話す。

「必要なのは、いつ、どこで、だれが、何をしたという具体的事実。それが揺らいではいけない。
調査には親や行政機関の圧力に負けない専門性と力が必要だ。その上で学校がどう考えるという判断を保護者に伝えなければ」と指摘する。

「学校は、少数派である被害者側を黙らせようとすることが多い。このケースは象徴的だ」と話す。


 被害少年は裁判所に提出した陳述書で、いじめられた体験を「自分が本当にどうしようもなく、世の中にいてもいなくてもいい存在に思えてくるのだ」と記した。
死を何度も考えたが、今はいじめで苦しんでいる子どもたちに対し「絶対に自殺をしないこと」とアドバイスする。

学校や加害者はすべて被害者を悪者にする。生きている僕にさえ、学校や教育委員会は、ありもしないことを、公の場で平気で言うのだから」という。


 父親は市教委に訴え続ける理由を「学校の対応のひどさを明らかにしたい思いがある」と話す。
いじめ問題で裁判に発展するケースでは、被害者が自殺して当事者から話が聞けないケースも多い。それでも裁判で闘う決意をする親たちに参考になれば、という思いもあるという。


 文科省は学校に10年11月、アンケートなどでいじめの早期発見に努めるよう求め、昨年6月には、いじめ自殺が起きた場合、学校・教委が適切な背景調査をするよう通知した。

原因を分析し、再発防止を図る狙いだという。しかし現状では、学校側の調査・指導能力に疑問を感じざるを得ない。


 「いじめ体験を思い出すと精神的に不安定になることがある」という少年から、直接話は聞けなかったが、将来、学校の先生を志望しているという。父親は「学校を変え、いじめられる子どもの力になりたいという思いがあるようだ」と話す。

posted by 小だぬき at 05:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

消費増税了承 結論ありきで禍根残す

消費増税了承 結論ありきで禍根残す
2012年3月29日    東京新聞社説

 民主党が消費税増税法案を了承した。

前原誠司政調会長は未明に打ち切った事前審査で一任を取り付けたとしているが、増税反対派は議論の続行を求めている。増税の結論ありきで禍根を残した。


 消費税増税法案の国会提出前の事前審査は通算八日間、合計四十六時間に及んだ。これだけの時間を費やしても、反対派を説き伏せられなかったことは、消費税増税をめぐる対立の根深さを物語る。


 党員資格停止中の小沢一郎元代表に近い議員たちが増税反対派に多いが故に、「親小沢」対「反小沢」の主導権争いにも見えるが、国民から政権を託された二〇〇九年衆院選のマニフェストにないことをやろうというのだから、強硬な反対意見が出るのも当然だ。


 反対派の抵抗で「経済状況の好転」という増税実施条件が入ったが、実質2%成長の実現は前提でないという。さらなる増税をもくろむ「再増税条項」が削除されたのがせめてもの救いなのだろう。


 社会保障と税の「一体改革」と銘を打ったのだから、消費税率を引き上げるのなら、国民が安心できる、持続可能な社会保障の改革案を示すのは当然のはずだ

 しかし、これまでの国会論戦でも、長時間にわたる民主党内議論でも、何のために消費税率を引き上げるのか、引き上げの前提となる社会保障とはどんなものか、さっぱり明らかにされていない。


 社会保障改革と切り離し、とにかく消費税率引き上げの前例をつくろうとするだけなら、野田内閣が、消費税率引き上げを悲願とする財務省の走狗(そうく)に堕したと批判されても仕方があるまい。


 マニフェスト違反と知ってか知らずか、消費税増税ばかりを訴え、政府や国会の無駄をなくすことに不熱心な与党議員の姿には慄然(りつぜん)とする。

増大する社会保障費を賄うためいずれ消費税増税がやむを得ないとしても社会保障の未来像を描いたり、政府や国会が身を削ったりと、その前にやるべきことは山ほどあるはずだ


 直近の共同通信世論調査で、消費税増税に反対する人が56%と前回調査より増えたのも、増税ばかりを先行させる野田政権への不信感の表れではないのか。


 野田佳彦首相は消費税増税法案を三十日に閣議決定する。この流れが止められないのなら、せめて国会審議の中で、増税前にやるべきことを議論し、実現に努めてほしい
それが国民から負託を受けた者の最低限の役目である。

posted by 小だぬき at 12:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月30日

過去の発言がブーメランのように戻ってくる

筆洗
過去の発言がブーメランのように戻ってくる
2012年3月29日   東京新聞 コラム

 「消費税を上げ、医療費を引き上げ、定率減税を引き下げ、風邪から治りかけていた日本経済を肺炎にしてしまった。
同じことをまた繰り返そうとしているんでしょうか」。

消費税率アップに反対する民主党議員の発言ではない

▼二〇〇五年一月の衆院本会議で、当時の小泉純一郎首相を前に、野党時代の野田佳彦首相が展開した増税批判だ。

過去の発言がブーメランのように戻ってくることが民主党首脳には多いが、これはその典型だ

▼消費税を二〇一四年四月に8%、一五年十月に10%に引き上げる法案の事前審査をしていた民主党の合同会議は、きのう未明に議論を打ち切った。夕方の政府・民主三役会議で法案を了承し、三十日に国会に提出する見通しだ

▼焦点の「景気条項」は一一年度から十年間の平均成長率を「名目3%、実質2%程度を目指す」と明記したが、あくまでも努力目標であり、増税する際の条件ではないという

▼そうは言っても法案に書いた以上、足かせになる。経済が停滞する中、「条件ではありませんでした」と、増税に踏み切ろうとする政府を国民は許すだろうか

▼野党時代の首相の指摘は正鵠(せいこく)を射ていた。

今回の増税案による国民負担の規模は、日本経済を「肺炎」にした橋本政権の当時よりもはるかに大きい。
非正規労働者が増えて、所得も減っている。肺炎では済まないかもしれない。

posted by 小だぬき at 05:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月31日

「危ない」と言うのもバカらしい橋下市長の軽量級

【溝口敦の斬り込み時評】
「危ない」と言うのもバカらしい橋下市長の軽量級
2012年3月27日 日刊ゲンダイ掲載

橋下徹大阪市長の考え方について、ハシズムと揶揄する声がある。

ファシズムまがいの乱暴さということだろうが、たいていの人が、橋下氏を放置すれば遠からずファシズムの危険が、などとは考えていまい。

そう危機感をつのらせるほど大物ではない、危ながるだけ損と感じているはずだ。

 しかし彼を頼り、押し上げようとする民意が確実に存在し、日ごとに勢いを強めている。

 毎日新聞が3月初めに実施した世論調査では橋下氏が率いる「大阪維新の会」の全国進出に「期待する」と答えた人が61%に上った。

 読売新聞が3月半ば、近畿の有権者を対象に実施した世論調査では維新の国政進出に期待する人が63%にも達した。

大阪府民の橋下支持率が72%、大阪市民の支持率が67%。投票から4カ月たった今なお橋下市長は圧倒的に支持されている。

 他方で「望ましい政権の枠組み」が民主中心5%、自民中心11%で、両党合わせて2割にもならない。過半の国民が既成政党に何も期待していないばかりか、その既成政党さえ橋下人気にすり寄る始末である。

 たしかに既成の組織やシステムなど、おおよそのものはタカが知れた存在であることが分かってきた。政党や原発、検察庁や中央官庁、年金官僚、投資コンサルタント、マスメディア、みんなろくでもないものばかり。

 こんなものはぶち壊せ、ガラガラポンで最初から出直せ、既得権益を握ってヌクヌク怠ける役人や労働組合、教員、総じて安定した雇用関係にある者はつまみ出せ、という気分は分からぬでもない。

 恵まれた者に対する恨みや呪詛が社会を覆っている。国民の多くがワーキングプアの目で既得権益者とそのシステムを憎々しげに見つめている。

 おそらく橋下氏はこうした国民感情を追い風に人気街道を爆走している。

来る衆院選で政権をうかがい、あわよくば総理の座にさえつきかねない。

 先日、橋下氏のため市長選に敗れた平松邦夫前大阪市長に話を聞く機会があった。平松氏は橋下氏から具体的な政策について、外交方針について聞いたことがなく、橋下市長は大阪を愛していないのではないかと話していた。

 しかし橋下氏は政策など走りながら考えればいい、間違えれば訂正すれば済むと考えているはずだ。

 今後ハシズムが世を席巻することがあるとしても、すでに底が割れた小泉純一郎元首相の信奉者というから、およそ軽量級、案じるに足りないと考える人が多いのではないか。もっともらしく「それが危険だ」とはこの際、言わないが。
posted by 小だぬき at 06:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月01日

亀井静香 正義の人かドンキホーテか 政権崩壊のアリの一穴の声も

亀井静香 正義の人かドンキホーテか 政権崩壊のアリの一穴の声も
2012年3月31日 日刊ゲンダイ掲載

敵に回すと厄介

「さすが亀井さん。想像以上の騒ぎとなりましたね」 
政治評論家の有馬晴海氏がこう言った。

国民新党は衆参8人の小所帯だ。このうち消費税増税に反対し政権離脱を主張しているのは、亀井静香代表と亀井亜紀子政調会長の2人だけ。
野田政権に歯向かっても、多勢に無勢。流れを変えることはできない。

 それでも動けばテレビカメラが追っかけ、ニュースとなる。
29日から、亀井は久しぶりに注目の人となった。それも誇大妄想に耽る「ドンキホーテ」ではなく、筋を通す「正義の人」として、脚光を浴びたのだ。

 国民新党の残る6人は政権にしがみつく構えである。

自見金融相は、亀井に何度も携帯を鳴らされながら電話に出ず、シレッとして閣議で署名した。

「大臣はどうしてもやめたくないと逃げ回っている。みっともないから、やめてほしい」と、20歳も下の亀井政調会長に批判されても、平気の平左だ。
やはり大臣は、3日やったらやめられないらしいが、分は悪い。
いくら、「郵政民営化法改正案を仕上げる」(下地幹事長)と政権居残りを正当化しても、郵政改正案は自公も賛成だから、成立は確実だ。政権にとどまる理由にはならない。

「信念を貫いたのは2人の亀井。国民は支持します。残りの連中はシメシメと思っているのかもしれないが、選挙は厳しい。

小渕政権のとき、連立離脱した自由党を抜けて与党に残った保守党はどうなったか。3カ月後の選挙で衆院議員が18人から7人に激減しています。そのときと同じでしょうね」(政界関係者)

 政権に残る連中は、そこが死に場所だ。6人で新党を立ち上げても、生き残りは難しい。国民新党の票とカネは、亀井代表のキャラクターで集まった。顔役がいなければ、泡沫政党になるのがオチだ。

 野田政権も危ない。国民の亀井支持は、裏を返せば「野田ノー」だ。

世論の反増税は高まるし、永田町の雰囲気も変わってきた。

 前出の有馬晴海氏が言う。

「本来なら、1人や2人が減ったところでビクともしないはず。民主党が衆議院で圧倒的多数を占めていることに変わりはありません。

それなのに、テレビや大新聞が亀井さんの動きを政局として取り上げたから、永田町はキナ臭くなってきた。だれもがそわそわし始めています。

亀井さんは、おとなしくしている“隠れ増税反対派”の背中を押した。増税反対でも存在感を示せることを証明したのです。これは大きい。

今後は、内閣や執行部に反発し、声を上げる議員が増える可能性が出てきました。

小沢系の17人が政務三役や党の役職を辞任したのも、ジワジワと効いてくる。野田首相が増税法案の採決に突っ込めば、大量造反も考えられるというムードになってきました」

 亀井を敵に回すと厄介だ。金融相のときは、憎き竹中がつくった銀行を潰し、小泉構造改革路線に逆行するモラトリアム法案を成立させた。郵政民営化だって、粘り腰で事実上の撤回が秒読み段階に入っている。

 消費税増税に「政治生命をかける」と公言している野田首相が、地獄を味わうのはこれからだ。

亀井の反旗は、政権崩壊のアリの一穴となりそうである。

posted by 小だぬき at 08:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はじまりの風・・天声人語

2012.4.1  朝日新聞「天声人語」より

旅先で目覚め、初めての地にいるんだと高ぶることがある。昨日までとは違う一日の始まりだ。

春荒れ一過のこの朝を、社会に出る皆さんはどんな思いで迎えただろう。

望んだ道でも、スタートラインの白さに気後れするのが常人である

▼〈あの時夢に見ていた世界に立っているのに/見渡す景色に足を少しすくませ/だけど後ろ振り向かないで/歩いてゆくこと決めたから……〉。すべての新社会人に、平原綾香さんが歌う「はじまりの風」を贈りたい



▼この春の就職内定率は、震災復興の仕事が増えたことで大学生、高校生とも去年を上回った。むろん正規雇いばかりではない。始まりが順風でなくても、まずは力の限り一歩を踏み出そう

▼門出に心苦しいのは過去から転がってきた国の借金だ。1千兆円に迫る雪だるまを止めようと、消費増税の法案が提出された。5%を2年後に8%、1年半おいて10%へ。

負担感は低所得層ほど大きい。借金の先送りで苦しむのも、差し当たりきついのも若い世代である

▼振り向かずに突き進む野田首相は、向かい風の中にある。小沢一郎氏の仲間は辞表攻勢をかけ、連立相手の国民新党は割れた。頼みの自民党も「まずは解散」とつれない

▼この増税政局、詰まるところ政治家の度胸と度量を問うている。権力欲だけで議員になったわけではあるまい。

ここは、国政へと背中を押した「はじまりの風」を思い起こすべし。

きょうの暮らしと国の明日が危うい時に、政策より政局のわけがない。
posted by 小だぬき at 13:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月02日

沖縄戦 「さとうきび畑」歌碑除幕式

沖縄「ざわわ」の歌碑が完成

2012年4月1日(日)19時56分配信 共同通信


 「ざわわ、ざわわ」の歌い出しで知られ、沖縄戦で父親を失った少女の悲しみを歌った「さとうきび畑」の歌碑が完成し除幕式が1日、67年前の同じ日に米軍が沖縄本島に上陸した沖縄県読谷村で開かれた。サトウキビが風に揺られる中、地元の子どもらが歌を合唱。近くの自然壕では慰霊祭もあった。米軍の艦砲射撃の激しさをイメージし、鉄で作られた歌碑の高さは180センチで、幅360センチ。





posted by 小だぬき at 04:38 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月03日

気を付けて!先輩OLが「イラッ」とする新入社員のNGマナー

気を付けて!先輩OLが「イラッ」とする新入社員のNGマナー
2012.04.02 18:00   NEWSポストセブン

新たな人生のスタートを切る春、会社にも社会人デビューをする人が入ってきます。

これから新入社員となる人もどきどきしているでしょうが、受け入れる先輩方もいろいろ思うところがあり。


スターツ出版株式会社が運営する女性向けWebサイト『OZmall』では、4月から社会人デビューをする新社会人向けに、先輩社員の本音など、様々なアンケート調査を実施しました。


先輩社員が気になってしまう、“新入社員のマナーで特に目に付くポイント”はどこなのでしょうか?



■一番気になるのが敬語! 取引先へのタメ口はもってのほかです


1,317人の先輩OLによる回答で1位となったのは、「敬語の使い方」でした。中には、「社内では笑い話になっても、取引先の方にまで敬語が使えず驚いた」なんて経験をした人もいたようです。


敬語が使えないのがその人だとしても、会社員である以上、失敗したら会社の名前も傷つきます。社会人マナーの最低限なものとして、敬語はきちんと使ってほしいですよね。


続いて2位は、「出社、退社時の挨拶」。

このアンケートに参加した先輩OLは、「挨拶はきちんと出来なきゃ社会人失格でしょ」と回答。ぜひ新入社員は気を付けてほしいものです。


3位は、「注意をされたときの受け答え(怒られ方)」。

これについては、「きちんと謝れない人が増えてきた気がします。上司に怒られても言い訳したり、ごめんなさいの一言が言えなくて反省しているのか分からない」という厳しい声が……。


そして、4位には「オフィスでの私語・態度」、

5位には「電話の取り方」、と続いています。



どれも新入社員にはありがちなNGマナーですが、それぞれについてよく見てみると、自分の新入社員時代を思い出してしまう方も多いのではないでしょうか。


ちなみに5位に入っている電話の取り方については、私にも覚えがたくさんあります。ある会社に電話したところ、応対に出たのはどうやら新入社員らしき男性。

最初のうちはよかったのですが、途中から急にくだけた調子になり、「あぁ、それOKっすよ。また電話してもらったらいいと思います」と返されました。


こういう経験、一度や二度ではないので、もう慣れてしまいましたが……。とりわけ5月あたりに増えるのは、新人研修が終わって、各部署に配置されたからではないでしょうか。


しかし逆に、こんな意見もありました。


「変に気を使いすぎで、雑用を全部やろうとする。雑務のために雇っているわけではないし、“それくらい自分でできるよ……”ってことも率先してやろうとするので、“そんなことより自分の仕事をして……”と思ってしまう。

気の使い過ぎは、かえってNG」

確かに、何事にも限度がありますよね。とはいえ私たち先輩世代も、新入社員のときは怒られながら学んでいったはず。頑張って直して、成長してくれるよう応援したいですね。
posted by 小だぬき at 08:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月04日

自民党佐藤正久議員の無理難題、田中防衛相をあえて弁護する

最近の国会審議での田中防衛相に対する質問は、常軌を逸しているように思う。

特に「防衛族」と言われる 自民党の石波氏、佐藤氏などにその傾向が強い。
彼らが 防衛相でも 自衛隊のみで「国民の生命・財産」「日本の主権・統治機能」の完全防衛などが 不可能なことは 先の「沖縄戦」の例を見ても明らかだし 状況はそれ以上に困難なことは 承知のハズです。

基本的なことは、戦後長らく 専守防衛として整備されてきた自衛隊には、重大な欠陥のあることです。

1.自衛隊の装備・人員の整備のみで、国土の防衛的整備や国民避難という点が欠けていたこと。
2.今回のミサイルにせよ ゲリラ戦にしろ、国民への「戦時体制・防衛思想」が整備されていないこと。
3.統合幕僚会議で統合運用が最近始まりましたが、陸・海・空自衛隊と海上保安庁の役割分担が明確になっていない。
 そのために 装備品や訓練 法体系が縦割りのままであること。
4.有事法制が軍事的に論じられるだけで、国民保護の観点がない。
 地下鉄・地下商店街・ビル・道路などに 有事の国民避難の観点がない。
5.爆弾低気圧といわれた昨日・今日の暴風雨を始め、東北大地震などの自然災害に対しての「防衛」の体制がなく、「戦死者」が多くでていること。
6.もっとも肝心なことは、軍事力のみでは 国民の保護以前に 軍隊としての損害すら防げないこと。イラク・アフガンなどの米軍でも明らか。

総合的に国防を考える視点が欠如したままでの「自衛隊」の国防力では、いくら装備・隊員の使命感をもってしても 「国民を守りきる」というには ほど遠い現状にあることは、陸上自衛隊出身の佐藤正久議員が 一番わかっているハズです。

できないことをしろ!! と 質問をするよりも 自衛隊と国土整備、国民の生命保護の立場から 提言していくのが筋だと思います。

また、ミサイルやゲリラの 目標設定や攻撃は 意図する国の判断に左右されるもので それに対する完全防御は 不可能というのが 冷徹な現実ではないでしょうか・・

大臣だから 自衛隊の運用・作戦を全て掌握しろ!!というのであれば、統合幕僚会議議長でも 大臣職は務まらないほど 専門分化しているのが現状でしょう。

そもそも 出来もしないことを できるかのごとく質問する 自民党が政権をとった時に 質問した内容の重大性がブーメランのごとく返って来ることをご承知ください。

「今の態勢では 全国土を守りきれない」は、国民より最前線の自衛隊員が最も危惧している真実であろうと思っています。

********************************

田中防衛相じゃ日本守れない!訂正・謝罪5回のトホホ
2012.04.03   zakzak

田中直紀防衛相は3日の参院予算委員会で、北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」への防衛態勢について「今の態勢では全国土を守りきれない」と明言した。

質問した佐藤正久氏(自民)は「防衛相が国民の命を守りきれないと言うなんて…」と絶句。田中氏は慌てて「日米安保体制の中で対応する」と補足した。

 北朝鮮の「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルへの答弁でも田中氏は迷走。
沖縄県の多良間島(人口約1250人)に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備しない理由について「人口規模がある」と述べた。

「住民が少ないから配備しない」と受け取られたことから、田中氏はその後に「不適切な発言だった」と謝罪した。

 この日の田中氏の訂正・謝罪は計5回。田中氏は平成23年度から5年間の中期防衛力整備計画について「見直す必要性を感じている」と意欲を示したが、これも空回りに終わりそうだ
posted by 小だぬき at 06:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月05日

消費税に不信感 

香山リカのココロの万華鏡:消費税に不信感 
毎日新聞 2012年04月03日 東京地方版

 消費税がついに上がるのだろうか。2014年4月に8%、15年10月に10%と段階的に引き上げられる予定だという。


 大学で消費税の話をすると、多くの学生たちはまず「バイト代で生活がギリギリなのに、生活に必要なものの値段がこれ以上、上がるのは困る」と“個人の事情”を口にする。
しかしその後で、「でも、そうしないと社会保障の財源が足りない、っていうなら仕方ないのかな」と“社会の事情”に顔を向け、自分に言い聞かせるようにつぶやく。

「自分の損得ばかり言わずに、みんなで“痛み”を引き受けなければ」という気持ちは、大震災以降、多くの人で強くなっているのだと思う。


しかし、ここにひとつ大きな問題がある。

「消費税を上げたとして、そのお金は本当に“みんなのため”に使われるの?」という不信感が、どうしても消えないのだ。

野田首相によると、消費税の税収はすべて社会保障給付と少子化対策にのみあてる、と言っているが、それがどうしても信用できない。

「結局、取るものだけ取っても、私たちの生活の安心にはつながらないのではないのか」「別の赤字を補填(ほてん)するのに使われるのではないのか」など、限りなく疑ってしまいたくなる。


 消費税の議論でよく引き合いに出されるのは、「どの国も消費税が約25%」という北欧諸国の例だ。それに比べれば、数字の上だけで考えれば日本の消費税はまだまだ低い。

 ただ、北欧諸国と日本には決定的な違いがある。

それは、北欧では国民の政治や行政に対する信頼度がとても高い、ということだ。

もちろんいろいろな問題もあるにはあるが、それでも全体的には国民は政府や行政を信頼しており、「きちんとしたサービスが受けられ、安心して暮らせる」と思っているからこそ、高い消費税も支払う気になるわけだ。

 診察室で見ていると、人間にとっていちばんのストレスは、この「不信感」だと思う。

家族や学校、職場を信じられない。

誰かがやさしい言葉をかけてくれても、「だまされているのでは」と疑心暗鬼になってしまう。

こういった不信感こそが、人をうつ病などの心の病に追い込んでいくのだ。

私たちだって、できれば政治や行政を信用したい。

「消費税を上げて福祉にあてる? どうせ口だけでしょ」などと疑わず、「あなたたちなら悪いようにはしないだろうから、うれしくはないけれど協力しましょう」と言ってみたい。

不信感いっぱいの中でただ税率だけが上がるのは、心にとっても財布にとっても大きな負担になるだけだ

posted by 小だぬき at 07:37 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月06日

北の「衛星」打ち上げ ミサイル防衛でよいのか

北の「衛星」打ち上げ ミサイル防衛でよいのか
2012年4月5日   東京新聞社説

 長距離弾道ミサイルと同じ性能を持つ北朝鮮の「人工衛星」に対し政府は破壊措置命令を出した。

自衛隊のミサイル防衛(MD)システムは有効なのか。


 破壊措置命令は二〇〇九年四月、北朝鮮が発射した長距離弾道ミサイルに続き、二度目である。

北朝鮮が今月十二日から十六日の間に打ち上げると発表した「人工衛星」は、沖縄の先島諸島上空を通過するとされる。
防衛省は沖縄本島、宮古島、石垣島へ地上発射型迎撃ミサイル「PAC3」を本土から海上輸送し、海上発射型迎撃ミサイル「SM3」を搭載するイージス護衛艦三隻を東シナ海と日本海に配備する。

◆破綻した抑止理論

 自衛隊がいない石垣島の一部住民は「将来の部隊配備を見越して市民の目を慣らす意図を感じる」と反発する。

政府とすれば、MDシステムを保有している以上、落下の危険があれば破壊措置命令を出すべきで、〇九年に破壊措置命令を出したのだから今回も同じ対応をするという理屈なのだろう。


 北朝鮮の狙いは「人工衛星」の打ち上げによって、同じ性能を持つ長距離弾道ミサイルを完成させ、米国との交渉を有利に運ぶ材料にすると同時に日本の混乱を引き起こすことにあるとみられる。

〇九年は日本政府が前日に「発射」を誤報して日本中が大騒ぎした。

肝心の落下した場合の住民への通知は国と地方自治体が互いに押し付け合い、結局、放り出して終わった。


 MDシテスムとは、弾道ミサイル攻撃をしても意味がないと相手に思わせて、発射を思いとどまらせる「拒否的抑止」の切り札のはずだが、「人工衛星」というクセ球に抑止は効かせようがない。

現に日本が迎撃態勢をとっても、北朝鮮は打ち上げをやめようとしない。筋違いの対応だからである。

◆原点は「対米支援」

 MDシステムは、米国で開発された。〇一年、採用を決めたブッシュ大統領は「ならず者国家のミサイル攻撃から国民を守る」と演説したが、米国の軍事侵攻を恐れた北朝鮮とイランはかえって核と弾道ミサイルの開発を加速させた。


 日本でMD導入の旗振り役を務めた守屋武昌元防衛事務次官(収賄罪などで服役中)は防衛局長だった〇二年、「米国は開発に十兆円投じた。同盟国として支援するのは当然だ」と語り、「対米支援」の側面を強調した。


 自衛隊は反対した。巨額の費用が防衛費を圧迫することが確実だったからである。渋る陸海空幹部を守屋元次官と親しい山崎拓自民党副総裁(当時)が説き伏せ、首相官邸への説明は元次官自らが出向いた。

〇三年十二月、小泉内閣はMD導入を閣議決定したが、日本防衛の指針「防衛計画の大綱」で想定しておらず、大綱そのものが改定された。

MD導入は、防衛官僚が政治家を誘導し、安全保障政策を左右する「文民統制の逸脱」と「対米支援」が原点といえる。


 防衛省がMD導入に投じた費用は本年度で一兆円を超える。
その多くを受け取った米国では安定しない迎撃ミサイルの命中精度に加え、MD防衛網を打ち破る弾道ミサイルの複数弾頭化やおとり弾頭、ミサイル連射などの対抗策に有効な手を打ち出せないでいる。

そんなありさまだから、SM3とPAC3を組み合わせて本格導入したのは日本だけである。


 イージス護衛艦のSM3で迎撃し、撃ち漏らしたらPAC3で対処する二段構えとはいえ、PAC3の発射機は首都圏、中部、北九州に置いてある二十八機だけ。

北海道から九州まで五十四基もある原発を狙われたらひとたまりもないだろう。


 日本が警戒する北朝鮮の弾道ミサイルは、中距離弾道ミサイルの「スカッドC」(射程約五百キロ)と「ノドン」(同千三百キロ)であり、日本を飛び越える「人工衛星」や長距離弾道ミサイルではない。
破壊措置命令は必要性を検証して出されたようにはみえない。


 仮に「人工衛星」の落下に備える災害対処の道具としよう。
PAC3の「市街地での運用」は米国でさえ経験していない未知の分野である。

迎撃に成功して破片が落下しても安全なのか、そもそも命中するのか不安が残る。


 「PAC3で迎撃できるか」と会見で問われた片岡晴彦航空幕僚長は「飛行経路、衝突の状況によって違う」と述べるにとどまった。

災害対処なら、確実な効果を上げてもらわなければ困るのだ。

◆過剰反応は思うつぼ

 今後も北朝鮮が「人工衛星」打ち上げを予告するたび、破壊措置命令が発令されるのだろうか。過剰反応が北朝鮮の思うつぼであることだけは確かだろう


 費用対効果を見極めれば、ミサイル防衛システムは「無用の長物」との疑いが浮上してしかるべきである。

posted by 小だぬき at 06:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月08日

亀井静香氏・亀井亜希子氏の完封勝ち。爽やかな離党会見

12/04/05 大岡政談−亀ちゃんの完封勝ち◆日刊ゲンダイ 



今回は、洞察力に富む亀ちゃん=亀井静香氏の完封勝ち。
他方、鈍感力に富む面々は、公党代表が連立離脱を2日・2度に亘(わた)って首相公邸で通告の客観的事実の意味を、未だ認知し得ず。

企業に例えたなら、合弁関係の解消を一方の代表取締役が宣告したのが3月29日夜半2時間8分間、翌30日早朝17分間のトップ会談です。

にも拘(かかわ)らず、執行役員である下地幹郎幹事長は、党所属8名の国会議員の6名が今回の消費税増税法案の閣議決定に賛成、と藤村修官房長官に伝え、それを「根拠」に自見庄三郎「金融担当大臣」の“花押(かおう)”は有効、と現時点で野田佳彦内閣は“御都合主義”(by共同通信)判断しています。

「代表は、党の最高責任者であって、党を代表し、党務を総理する」と国民新党の党則には明記されているにも拘らず・・・。

況(いわ)んや3月25日付「ミキオブログ」は、「私達の党が代表の判断を尊重するという基本的な考え方には変わりは有りません。この消費税の問題で私共が多数決を取ろうと考えた事も有りません」と記しているの
です。
 
 徳川吉宗将軍の御落胤(ごらくいん)を自称した山伏・天一坊改行の跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)に周囲が翻弄された「大岡政談」を想起させます。

「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律案」は、当初の内閣提出“閣法”でなく、民主、自民、公明3会派が共同提出の議員立法。郵政改革に関する特別委員会の質疑で答弁に立つのも提出者の議員です。
関係閣僚は政府の見解を問われた場合に答えるのみ。

即ち、3党が担保する「郵政改革法」という赤児は既に国民新党の手を離れ、成立へと向けて無事に旅立っているのです。

なのに、法案成立を経て10月の4社化体制まで与党として見届けねば、と牽強付会(けんきょうふかい)な向きは、手掛けた事業が完璧に始動する迄、自分が役員として担当し続けねば成功しない、と転勤を拒んで駄々を捏(こ)ねる“モンスター・サラリーマン”。

嘗(かつ)て河野洋平、小沢一郎両氏の深夜の会談を取り持った土井たか子女史は、悪評紛々の「小選挙区制」に道を開いた衆議院議長として歴史に名前を刻みます。

社業=政権が安定せず、顧客=国民と乖離する惨状を憂慮し、2年7ヶ月前の「連立政権樹立に当たっての政策合意」に記した「消費税率の据え置き」を朝令暮改したなら貴方は“死出の旅”へと転落するぞ、と最後まで自党の代表が首相に諫言していたにも拘らず、土井たか子女史の二の舞を自ら買って出た面々は、嗚呼、親の心、子知らずです。
posted by 小だぬき at 11:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月09日

孤立死、制度のはざま 定義・統計なし 防ぐ仕組み未確立

クローズアップ2012:
孤立死、制度のはざま 定義・統計なし 防ぐ仕組み未確立
毎日新聞 2012年04月08日 東京朝刊

 2月にさいたま市や東京都立川市で親子の「孤立死」が見つかったが、3月以降も横浜市などで同様の事例の判明が相次いでいる。
セーフティーネットで救われず、死後も長期間気付かれないこうしたケースはなぜ起こり、どう防ぐことができるのか。
各地で新たな取り組みが模索されているが、「プライバシーの壁」など課題もなお多いる。

 ◇「自己申請」救済に限界

 孤立死について内閣府の高齢社会白書は「1人で息を引き取り、一定期間放置され、悲惨な状態になったもの」とし、厚生労働省の会議報告書には「社会から『孤立』した結果、死後、長期間放置される」との文言がある。

だが、両府省とも「明確な定義はない」とし、全国統計も取っていない。


 参考になるのは東京23区の変死体などを扱う東京都監察医務院の「事業概要」の数字だ。23区で09年の1年間、自宅での死亡が見つかった1人暮らしの高齢者(65歳以上)は2194人。
「全てが孤立死とは言い切れないが実態に近い」(内閣府・高齢社会担当)として白書にも引用され、「推計では全国で年間3万人との話もある」(同)という。

ただし最近問題となった事例は家族単位、しかも高齢者ではないのに長く発見されないケースが目立つ。
こうした事例も「孤立死」なら、実際の数はさらに増える可能性がある。
孤立死が相次ぎ、検討会を設置した立川市は、調査で09年度19件、10年度33件、11年度は27件と計79件を孤立死と確認。「8割近くは近所の通報で1週間以内に発見されているが、これだけ多いとは」と、委員の一人は驚く。


 周囲や自治体はなぜ早く気付かないのか。

 今年最初に判明した札幌市のケースでは、40代の姉妹は行政の福祉サービスを受けず、高齢者ではないため民生委員の見回りの対象外。
町内会にも入っていなかった。10年6月から3回、区役所の生活保護相談窓口を訪れていたが、結局、生活保護も未申請。知的障害のある妹は昨年12月20日夜、携帯電話に「111」の発信履歴を残し、110番や119番通報しようとしたとみられるが、受け止める人はいなかった。

2月にさいたま市で家族3人が死亡したケースでは、室内にあった現金は1円玉数枚だけ。
住民票は未登録で生活保護はなく、自治会も未加入だった。
民生委員の見回りもやはり対象外で、担当者は一家の困窮を「知らなかった」という。


 孤立死問題に詳しい桃山学院大学社会学部の松端克文教授(社会福祉学)は
現在の福祉は自己決定(申請)に基づく。介護保険も障害者自立支援法も個人が申請して初めてサービスが給付されるから、制度からこぼれる弱者が出てくる」と分析。

「住民の共助は自然発生的に生まれるとは限らない。
行政や社会福祉協議会の専門家が支援し孤立防止に機能する仕組み作りが必要だ」と訴える。【柳澤一男、関東晋慈、狩野智彦】

◇各地で対策、個人情報が課題

 自治体はさまざまな孤立死対策を取る。


 熊本県は昨年3月、「熊本見守り応援隊」を発足、地元新聞社やガス会社、郵便局など定期的に家庭を回る6社と協定を結んだ。

異変を感じた時、警察や社会福祉協議会に連絡してもらうのが活動の柱。これまで、家で倒れている人を見つけて救急車を呼び、一命を取り留めた例が数件あった。

埼玉県入間市では3月、ヤクルトの女性配達員が、2回連続して応答がない配達先を不審に思い警察に通報。精神疾患の男性を助けた。警察と地元販売会社による協定が実を結んだ。


 ただし、成功例ばかりではない。

 さいたま市は10年8月に電気を止められた無職男性(当時76歳)が熱中症で死亡したことを受け、同年9月に電力やガス会社と滞納世帯について協議。
だが、滞納者が必ずしも生活困窮者ではないなどの理由で、滞納者から相談があった場合のみ、事業者が市などに連絡することに。このため今年2月の3人孤立死まで、電気やガスの停止情報は市に伝わらなかった。


 埼玉県蕨市のケースでは孤立死発見直前の3月30日、市水道部とメーター検針や料金徴収の業務委託会社が、異変を察知すれば連絡するとの協定を結んだが、対象は原則、高齢者などに限られ、働き盛りの単身世帯は対象外だった。

孤立死を受けた協議で議論となるのが個人情報の壁だ
さいたま市の対策会議では、異変情報提供について東京電力が「同意なく個人情報を提供することを禁じる個人情報保護法の観点から困難」との認識を示した。
孤立死を受け、立川市で3月14日に開かれた自治会の集会で、田村拓次会長(63)は訴えた。「人間の連帯かプライバシーか。どちらが大事なのか問いたい」【澤本麻里子、中川聡子】

==============
 ◆今年に入って判明した主な孤立死◆
 (※年齢はいずれも当時)


 <1>札幌姉妹孤立死

 1月20日夜、札幌市の賃貸マンションで無職の姉(42)と知的障害者の妹(40)の遺体を「12月中旬から連絡が取れない」と管理会社から通報された警察が発見。姉は病死、妹は凍死の模様。ガスは11月末、電気は1月初めごろに停止。


 <2>大阪・豊中白骨遺体

 1月26日午後、大阪府豊中市の民家で白骨化した遺体を訪問者が発見。生きていれば74歳の住民男性だったが、室内のカレンダーは02年1月のままだった。


 <3>東京・立川母子孤立死
 2月13日昼、東京都立川市のマンションで死後約2カ月たった母(45)と知的障害児の次男(4)の遺体を発見。ガスが長く使われていないと管理会社から知らされた親族が警察に通報。母はくも膜下出血、次男は衰弱死とみられる。


 <4>さいたま3人変死

 2月20日昼、さいたま市のアパートで男性(64)と妻(63)、長男(39)の死後約1、2カ月の遺体を「応答がない」との連絡を管理会社から受けた警察が発見。死因は不明。3人は01年ごろ秋田県から転居し、11年8月ごろから家賃を滞納、水道や電気、ガスも止まっていた。


 <5>立川母娘孤立死

 3月7日夕、立川市の都営アパートで母(95)と娘(63)の遺体を安否確認に来た同市職員らが発見。娘は病死、母は衰弱死とみられ、死後1カ月前後。

 <6>東京・足立2人変死
 3月11日午前、東京都足立区のアパートで住民男性(73)と同居女性(84)の遺体を、訪れた男性の知人が発見。男性は死後約1週間、女性は3〜4日。いずれも病死か。


 <7>埼玉・川口母子変死
 3月14日午前、埼玉県川口市の住宅で年金生活の母(92)と息子(64)の遺体を「新聞が2、3週間たまり変」と思った近隣住民が発見。いずれも病死か。


 <8>横浜母子孤立死

 3月17日に、横浜市の住宅で2人暮らしの母(77)と小児まひで重度の知的障害がある息子(44)の遺体を息子の通う福祉施設の職員が昨年12月6日に見つけていたことが判明。母は高血圧と糖尿病を患い11月末に病死、息子は発見前日に肺気腫や呼吸不全で死亡したとみられる。


 <9>埼玉・入間孤立死救出

 3月22日、埼玉県入間市の民家で、応答がないのを不審に思ったヤクルト女性配達員が警察に通報し、孤立死の可能性があった精神疾患の男性(45)を救出。世話をしていた母(75)は病死しているのが見つかり、遺体死後10日ほど経過。


 <10>埼玉・蕨白骨

 4月1日昼、埼玉県蕨市のアパートで住民男性(45)とみられる死後2年以上の白骨遺体を管理会社が発見。
posted by 小だぬき at 10:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月10日

生活保護者“急増”の舞台ウラ…サラリーマンの“働き損”許すな

生活保護者“急増”の舞台ウラ…サラリーマンの“働き損”許すな
2012.04.09   夕刊フジ

生活保護と一般家庭.jpg


消費税増税の前に、政府の歳出削減を求める意見は多い。

中でも、生活保護費予算が3・7兆円にまで膨れ上がった背景について、与野党が「年金や最低賃金より生活保護の受給額が高いため、生活保護に流れる」「医療費の自己負担がないため、医療費が激増している」などとモラルハザードを指摘している。

病気や障害などでやむを得ない事情がある受給者も多い。だが、「働
いたら負け」の社会になりつつあるとすれば、これを放置することは許されない。

 「東京都では、圧倒的に年金加入よりも生活保護の方が得。医療費無料など、さまざまな特典がある。

年金保険料を払わずに好き放題やって、最後は生活保護に行くというのが一番安易な道だ。(年金保険料を)払った人の方が恵まれるようにならないといけない」

 民主党の桜井充参院議員は、4日の参院予算委員会で、こう政府に詰め寄った。桜井氏が示した「特典」とは、別表の通りだ。

 生活保護受給者は、月額6万6000円を切った国民年金受給者よりも手取りが多い。介護や医療費は原則無料で、NHK受信料、住民税なども免除されている。このほか、地域ごとに上限が定められている(最大5万3700円)家賃も受け取れるうえ、光熱水費の減額や母子家庭なら加算もある。

 厚労省によれば、今年1月時点で、全国の生活保護受給者は、戦後混乱期の1951年度(月平均)の204万6646人を突破して、209万1902人で過去最高を記録した。

 2012年度予算の生活保護費予算は3兆7000億円で、同年度の税収見込みが42・3兆円だから、ほぼ約9%に上る。全国最多は、橋下徹市長の大阪市で、18人に1人が生活保護を受給している。

 世帯主が「働ける層」(15−64歳)の生活保護受給が急増しているのも大きな問題だ。リーマン・ショック前の08年8月には、この層の受給割合は9%だったが、11年3月には21%にまで急増している。

 1000万人いるという年収200万円以下の「ワーキングプア層」は、年収200万ならば月収は16万7000円ほどになる。

家賃や税金、社会保険料を支払えば、生活保護受給者に比べて可処分所得が下回るケースもある。「生活保護の方が得」となってもおかしくはない。

 自民党生活保護プロジェクトチーム座長の世耕弘成参院議員は「自民党時代は若者が申請に来ても受けなかった。

09年に民主党政権になって、これが一変した。年越し派遣村の村長・湯浅誠氏が内閣参与に入った。厚労省が通達で『窓口に来た人は、できるだけ早く認めよ』と出して、タガが外れた。09年度の生活保護費は2兆8000万円だったが、12年度は30%も増えた」と話した。

 同党の片山さつき参院議員は先月末の参院予算委員会で、生活保護受給者の中で、在日外国人への支給率や増加率が増えている実態を明らかにした。人口比で見ると、支給率は3倍以上になる。

 膨れ上がった生活保護費予算のほぼ半分、1兆8000億円超は医療費だ。
1人当たり医療費(年額)は、09年度のデータで81・5万円。国民健康保険(国保)加入者は45万円だから、1・8倍となる。

 医師でもある民主党の桜井氏はこの点を問題視して、こう追及した。

 「医療費の自己負担がないので、好き放題とは言わないが、(本当に)必要な医療だけなのか。大阪市では生活保護の人以外は看ていない病院が34ある。新薬を処方してもらったうえで、ネットで販売する貧困ビジネスもあると聞く。ここにメスを入れていかないと、相当、不公平感がある」

 厚労省保護課は夕刊フジの取材に対し、11年7−9月の段階で、国保と後期高齢者を除く、外来または入院の患者がすべて生活保護受給者だった医療機関が、全国で何と104もあることを明らかにした。

 自民党の世耕氏は「生活保護の患者は、取りっぱぐれがないので病院にとっては最高のお客様だ。大きなモラルハザードが起きている」と指摘する。財務省の政務三役経験者も「4500億円は削れるはず」と話した。

 生活保護の「家賃補助」が、「不正受給」の温床になっているとの指摘もある。

 「貧困ビジネス」(幻冬舎新書)の著書があるエコノミスト、門倉貴史氏は「ホームレスを1カ所のアパートなどに囲い込んで生活保護を受けさせ、ピンハネするというビジネスもある。これが暴力団の資金源になっている場合もある」と話した。

 下手をすれば国を食いつぶしかねない生活保護だが、一体、どうすればいいのか。

 小宮山洋子厚労相は4日、「仕組み横断的にやる」と述べ、具体策は今後に委ねた。自民党は給付水準を10%下げたり、住宅や食事を現物支給することを次期衆院選の公約に盛り込む方針だ。

 消費税と並ぶ、大きな論点となりそうだ。

 ■生活保護 

一般的に高齢や病気などによって、生活費や医療費に困り、ほかに取りうる方法がないときに、困窮の程度に応じて各地方自治体が保護、自立に向けた援助を行う制度のこと。
本人などから申請を受けて、収入・資産・扶養の状況などを調査したうえ、国の決めた保護基準(基準額)とその世帯の収入を比較して、収入が保護基準を下回る場合に不足する分が保護費として支給される。

自治体・家族構成・年齢によって保護を受けられる基準額は違い、例えば、東京都杉並区の50代の単身世代の基準額は13万5310円となっている。
posted by 小だぬき at 15:31 | Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月12日

切りたくもあり、切りたくもなし

天声人語 4月12日 朝日新聞

 〈盗人を捕らえてみれば我が子なり〉が〈切りたくもあり切りたくもなし〉の付句(つけく)なのはよく知られる。

古い俳諧集にはさらに〈さやかなる月をかくせる花の枝〉という付句もある。こちらはあまり知られていないが、切るに切れない気持ちはよく分かる

▼そんな花の季節、民主党の閣僚経験者ら約40人が夜桜のもと会食したそうだ。消費増税をめぐって野田首相と小沢元代表が対立する中、党内の融和を狙ったらしい。首相にとって小沢さんはさしずめ、命がけの目標を隠す花の枝だろう。切りたくもあり、切りたくもなし

▼市井でも、花見のムシロに社長派と専務派が呉越同舟の図はある。場の雰囲気は、東京で見た本紙見出し「民主重鎮 集えど花冷え」で想像がついた。協調への見通しは立ちそうにないらしい

▼消費増税法案の成立に命をかける野田さんは、むしろ自民党の谷垣総裁に秋波を送る。自民は協力の前提として小沢さんを「切る」よう求めている。だが枝を切って、枝とともに散る花(議員)が多ければ、民主党は崩れかねない

▼法案審議の行方は次の衆院選の日程と密接に絡みあう。そして増税は不人気だ。しかし「再選されることばかり考えていると、再選に値するのが難しくなる」という箴言(しんげん)もある。この局面、与野党を問わず、誰が政治家で誰が政治屋かに敏感でいたい

▼きのうの党首討論はまた「入り口論」を出なかった。理は我に、非は彼に、の難じ合いではない、賢く歩み寄る度量が、政治にほしい。
posted by 小だぬき at 07:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

私たちが望むものは

私たちが望むものは
歌:岡林信康
作詞:岡林信康
作曲:岡林信康

私達の望むものは生きる苦しみではなく
私達の望むものは生きる喜びなのだ

私達の望むものは社会のための私ではなく
私達の望むものは私達のための社会なのだ

私達の望むものは与えられるではなく
私達の望むものは奪い取ることなのだ

私達の望むものはあなたを殺すことではなく
私達の望むものはあなたと生きることなのだ

今ある不幸にとどまってはならない
まだ見ぬ幸せに今飛び立つのだ

私達の望むものはくりかえすことではなく
私達の望むものはたえず変わってゆくことなのだ

私達の望むものは決して私達ではなく
私達の望むものは私でありつづけることなのだ

今ある不幸にとどまってはならない
まだ見ぬ幸せに今飛び立つのだ

私達の望むものは生きる喜びではなく
私達の望むものは生きる苦しみなのだ

私達の望むものはあなたと生きることではなく
私達の望むものはあなたを殺すことなのだ

今ある不幸にとどまってはならない
まだ見ぬ幸せに今飛び立つのだ

私達の望むものは
私達の望むものは
posted by 小だぬき at 12:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

働くおれ達の世の中が きっときっと来るさそのうちに 



山谷ブルース
   岡林信康 作詞/作曲


1.今日の仕事はつらかった  
あとは焼酎をあおるだけ
どうせどうせ山谷のドヤ住まい  
他にやることありゃしねえ


2.一人酒場で飲む酒に  
かえらぬ昔がなつかしい
泣いてないてみたってなんになる  
今じゃ山谷がふるさとよ


3.工事終わればそれっきり  
お払い箱のおれ達さ
いいさいいさ山谷の立ちん坊  
世間うらんで何になる


4.人は山谷を悪く言う  
だけどおれ達いなくなりゃ
ビルもビルも道路も出来やしねえ  
誰も分かっちゃくれねえか


5.だけどおれ達や泣かないぜ  
働くおれ達の世の中が
きっときっと来るさそのうちに  
その日は泣こうぜうれし泣き


************************
わたしの青春時代は、5番の歌詞を 本気で信じたものです。
「民主党」に幻想をもったのも 希望を取り戻したい一心でした。

posted by 小だぬき at 20:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月13日

“延命策”円滑化法ついに限界 9万社が倒産する恐怖

“延命策”円滑化法ついに限界 9万社が倒産する恐怖
2012年4月9日 日刊ゲンダイ掲載

中小企業は前年比 倍のペースで破綻中

 いったい何のための法律だったのか。
08年秋のリーマン・ショックを受け、09年12月に施行された金融円滑化法(モラトリアム法)のことだ。

「借金の返済を先延ばしする」という円滑化法は、中小企業を救うウルトラCの触れ込みだった。

「いずれ景気が回復するだろうから、それまで返済を猶予するという読みだった」(市場関係者)

 ところが、待てど暮らせど景気は回復しない。借金返済こそ迫られないものの、デフレ不況で売り上げは伸びず、日々の運転資金が枯渇。従業員の給与もロクに払えず、あえなく倒産する中小企業が続出しているのだ。

 東京商工リサーチの調査によると、円滑化法(返済猶予)を利用したにもかかわらず、その後倒産した企業は増加の一途で、昨年7月から今年2月まで8カ月連続で前年同月を上回った。

ウルトラCは、ただの延命策に過ぎなかったことがハッキリした。
「しかも今年に入り、倒産件数は前年比で倍増ペースです。
2月は、昨年の7件から17件に急増しました。3月も同じような状況でしょう。
年間で見ると10年度(10年4月〜11年3月)は72件でしたが、11年度はその倍の倒産件数が見込まれます。

今年4月以降の12年度は、もっと大変なことになると思います」(東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏)

 円滑化法を利用した中小企業は全国で20万〜30万社といわれる。返済猶予の期間は最長で3年間だが、「2年以上の延長は再建の見込みが薄い」(金融関係者)のが実情だ。
円滑化法スタートから3年目に入ったいま、倒産ラッシュが起きても不思議はない。

「2割から3割の中小企業が危険水域にいます。20万社の2割でも4万社です。ここ数年の年間の倒産件数は1万3000社程度ですが、その3倍以上の中小企業が瀕死の状態なのです」(友田信男氏)

 悪く見積もれば30万社の3割、9万社が倒産予備軍になる。これだけの中小企業が危機に直面しているのに、野田政権は景気対策そっちのけで消費税増税に血眼だ。

倒産ラッシュが起きれば、株価は再びドン底に突き落とされ、未曽有の不景気に突入しかねない。

「やるべきことは増税ではなく、中小企業を救う新たな支援策です」(市場関係者)
 早く手を打ったほうがいい。
posted by 小だぬき at 08:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

DQN患者「治らなかった」とクレームつけて医療費踏み倒す

DQN患者「治らなかった」とクレームつけて医療費踏み倒す
2012年4月13日(金)7時0分配信 NEWSポストセブン


 生活に困窮し、税金や保険料を払えない人に紛れて、支払い能力があるのに「払わない人々」が増えている。

給食費に医療費、奨学金まで次々と踏み倒す彼らは、カネの問題ではなく、モラルを崩壊させる存在として、やがてこの国を脅かす。


「払わない人々」の被害は広がる一方だ。都内大学病院の勤務医が語る。


「子供を連れてきて診察中は神妙な顔をして説明を聞いているお母さんが、精算窓口では“私は頼まれて連れてきた親戚です。
次回払うように母親にいっておきます”などと言い張って逃げてしまうケースが多いんです。
受診後にそのまま窓口に寄らず帰ってしまい、支払いを求めても無視する人もいます」


 日本病院会など4つの病院団体で作る四病院団体協議会の発表によると、医療費の未収額は136億円(2008年度)に上っている。


 多くのケースでは保険証を提示しているのだから、まず常識的に逃げられるはずはないのに、その場だけ払わずに済めばそれでいいという、もはや完全な場当たり生活である。


「たしかに窓口を通らないというのは昔からちょくちょくありましたが、最近多いのは、『治らなかった』とか、『なんでこんなに治療費が高いんだ』とかクレームをつけて、結局払わないという患者ですね。

私たちは飲食店などの商売じゃないので、その場で払わないといわれても警察を呼べません。

事務担当者も“後日話し合いましょう”とソフトな対応しかできないので、そのまま踏み倒されてしまうケースが多いですね」(前出・勤務医)

 ちなみにDQNとは、「ドキュン」と読み、常識のない方々を称するネット用語である。
※週刊ポスト2012年4月20日号

posted by 小だぬき at 09:20 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月14日

子育て新システムの落とし穴 保育先確保 自己責任化の恐れ

子育て新システムの落とし穴 保育先確保 自己責任化の恐れ
2012年4月13日  東京新聞

 「子ども・子育て新システム」の関連法案が国会に提出された。成立すれば、利用者が就学前の子どもを対象にした多様な施設の中から選び、直接契約することになる。従来と比べて保護者や施設、市区町村の役割はどう変わるのか。問題点を探った。 (小形佳奈

 新システムの柱は、未就学児向けの教育・保育の利用者に利用料を補助する「こども園給付」だ。


 「国が保育所や幼稚園に出していたお金を利用者に給付し、『そのお金で必要なサービスを買ってください』という仕組み」。立正大学社会福祉学部の中村尚子准教授(障害児教育学)は解説する。


 こども園には、幼稚園と保育園の機能を一体化した「総合こども園」と、〇〜二歳児を受け入れる保育所、三〜五歳児のための幼稚園がある。給付は利用者ではなく、施設が代理受領する。


 ◆利用者は


 こども園などの施設に直接申し込み、契約する。現在も幼稚園や無認可保育所に対しては直接申し込んでいるが、認可保育所を希望する場合は市区町村に施設の希望順位を書いて申請し、入園先を決めてもらっている。

新システムでは、保育が必要な場合は市区町村の必要度認定を受けてから施設に申し込む。


 ◆市区町村は


 現在は保護者の労働時間、収入、祖父母の近居など、さまざまな要件で総合的に「保育に欠ける」度合いを判断し、保育料を徴収している。

新システムでは、市区町村は保育が必要な時間の長短だけを認定する。また地域の保育需要を調査し、必要な子育て支援の体制や実施時期について計画を立てるが、保育の実施義務はなくなる。


 ◆施設は


 申し込みが定員を上回った場合は利用者を選考する。保育が必要ない利用者に対しては、現在の幼稚園と同様に先着順や建学の精神に基づく選考も可。
利用時間や所得に応じた個々の保育料を算定、徴収など、現在の認可保育所にはない事務作業が増える。

◇経営考え、長時間利用者優先も

  新システムは、保育所に入れない待機児童の解消を目指すが、その八割を占める〇〜二歳児の受け入れを幼稚園には義務付けていない。

こども園の枠外で保育ママや小規模施設などを「地域型保育」に指定して給付を行い、受け入れを促進するが、待機児童解消につながるか不透明だ。


 利用者と施設との直接契約で、市区町村が保育の実施義務を負わなくなる点も、鹿児島大学法科大学院の伊藤周平教授(社会保障法)は「認定を受けた子どもが施設に入れないのは、公的責任ではなく、保護者の自己責任になる」と話す。


 新システムは、介護保険法や障害者自立支援法と同じ仕組みを持つといわれる。介護保険では認定を受けても施設不足でサービスが受けられない「介護難民」が問題になった。自立支援法では自己負担増に対応できない障害者が利用を控え、経営が悪化した施設が人件費を削るなどの弊害が生じた。

また、要介護度や障害区分認定が高いほど報酬も高いことから、経営安定のため利用者を選ぶ施設もあるという。


 「自立支援法で、利用者は施設を選べる、と言われた。でも、選べるのではなく、選ばれている」と中村准教授。

伊藤教授は「保育需要の多い都市部では、施設は給付額の多い長時間保育の子どもを優先するだろう」と予想する。新制度への疑問は膨らむばかりだ。

posted by 小だぬき at 07:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新1年生の登下校 自分で身を守る6カ条

新1年生の登下校 自分で身を守る6カ条
2012.4.14    東京新聞

小学生になると登下校に保護者は付き添わず、子どもだけで行動する機会が増える。

気になるのが、子ども狙いの犯罪だ。子どもが身を守るには、叫ぶ、逃げる、かみつくなどが有効。家庭での訓練法も含め、専門家に紹介してもらった。 (小形佳奈)


 「サングラスやマスク姿といった見た目だけで、不審者と判断してはいけない」。子どもを狙う犯罪を研究し、体験型の安全教室を開いている「子どもの安全教育グループACE」代表の清永奈穂さんは解説した。


 「近づいてくる、話し掛けてくる、ついてくる−。何らかのコミュニケーションを一方的に求めてくる人が、不審者です」


 四、五年前に清永さんらが小学生に行った調査では、21%もが、不審者につきまとわれたり、声を掛けられたりしていた。

夕方に通学路で遭遇した割合が高く、半数近くは走って逃げたが、何もできなかったという子どもも二割。七割は、そのとき防犯ブザーを持っていなかった。

 そうした不審者による犯罪を未然に防ぐには、どうすればいいのか。清永さんは次の六点を強調した。


 ●防犯ブザー

 引っ張る部分がへそのあたりに来るよう、取り付け位置を調節する。後ろから抱きつかれても鳴らせるか試す。電池切れがないか定期的に確かめる。


 ●「行きません」

 知らない人に「お菓子を買ってあげる」「ゲームを見せてあげる」と言われてもついて行かない。「行きません」と断る。


 ●大声と身ぶり

 何かあれば、「助けて!」と大声で。コツは、体を「く」の字に曲げること。大げさに手を振ったり足を踏み鳴らして、遠くの人にも分かるよう、全身で知らせる。


 ●20メートル全力疾走
 
 不審者は狙った相手が二十メートル逃げるとあきらめるという。全速力で逃げ、場合によっては持ち物は捨てる。


 ●ジタバタ

 それでも手をつかまれたら、おしりを床につけ、捕まらないように相手に向かって足をバタバタさせる。


 ●かみつく

 捕まってしまったら、かみつく。指先が一番痛いが、とにかくどこでも。ひるんだ隙に逃げる。


 いずれも、体験させることが重要。二十メートル走では距離感を覚えさせ、ジタバタでは体力に合わせてジタバタの時間を十秒、二十秒と延ばす。かみつきでは、かまれるところにタオルを巻いておき、本当にかませてみる。


 清永さんは、「訓練で、危機に対する判断力といった『安全基礎体力』を身に付けて」とアドバイスした。

posted by 小だぬき at 22:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月15日

朝日新聞「消費税がふさわしい」に東京新聞論説副主幹が反論

朝日新聞「消費税がふさわしい」に東京新聞論説副主幹が反論
※週刊ポスト2012年4月20日号

 野田佳彦政権が消費税引き上げ法案を国会に提出した。

野田政権は増税が社会保障制度との「一体改革」と宣伝してきたが、実態は違う、と東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏は指摘する。以下は、長谷川氏の解説だ。

* * *
 改革の目玉だった最低保障年金(月額7万円)の創設をめざす法案の提出は来年の(!)通常国会に後回しである。

共済年金と厚生年金の一元化をめざす年金一元化法案は4月の国会提出をめざし、公務員に有利な上乗せ分である「職域加算」の廃止は先送りされた。


 まさに「先に増税ありき」で社会保障制度の抜本改革は後回しになった

一体になっていない。それはもちろん問題なのだが、もっと根本的な論点を指摘したい。

それはそもそも社会保障財源に消費税を引き上げるのが適切なのか、という問題である。

たとえば朝日新聞は次のように書いた。


「社会全体で支え合う社会保障の財源には、一線を退いた高齢者から、働く現役組まで幅広い層が負担し、税収も安定している消費税がふさわしい」(3月31日付社説)


 こうした考えは朝日に限らず増税賛成派のマスコミに共有されている。「みんなに納めてもらうのだから社会保障の財源として適当」というのだ。


 社会保障とはなにか。「政府による所得再配分」である。

だれでも病気や怪我だけでなく、さまざまな事情で不運にも苦しい生活を余儀なくされる場合がある。

そういうときも安心して暮らしていけるように政府が豊かな人々から苦しい人々に所得を再配分する。

それが社会の安全網(セーフティネット)、すなわち社会保障制度だ。


 制度の本質がそうであれば、財源も豊かな人々による納税で賄われるのが自然である。つまり高所得者により重い税を課す累進性をもった所得税や儲けた企業に対する法人税だ。


 あるいは、財源不足なら保険料を高くしてもいい。厚生年金であれば保険料は企業と被雇用者の折半なので、きちんと管理されているが、保険料を引き上げると、所得税と法人税を引き上げたのと同じ結果になる。


 納める側からみれば、保険料も強制徴収されるので税と変わらず、違うのは個人記録が残る点だけだ。

日本では記録管理がいい加減だったから大問題になったが、保険料のほうが負担と給付の関係が一目瞭然になって納得感がある。

posted by 小だぬき at 08:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

たくさんの薬を出すとペナルティー

兵庫県尼崎市の「ドクター和」こと長尾和宏医師が町医者目線で熱く!語るブログです。

たくさんの薬を出すとペナルティー

朝日新聞 健康欄  アピタル


お医者さんは、お薬が好きです。
何かというと、お薬を出します。
まるでお薬を出すのが仕事のようです。


診療科によって、お薬の種類が違います。

一番多いのは、やはり内科でしょうか。
10種類以上の方も、よくみかけます。

これまで診た最高処方は30種類投薬。
全部止めさせたら、元気になりました。
笑い話のようですが、本当の話です。


あと、精神科も多いですね。
10種類以上の方をよく見かけます。

内科は、できるだけ遠慮して出します。

処方箋1枚の診療報酬は680円。

しかし7種類以上のお薬を処方すると、
400円に減額されます。


病院から当院にアルバイトに来た医師は驚きます。
「沢山処方して、沢山仕事をしたのにペナルティー?」
そう、ペナルティーがあるのです。

と説明しても信じてもらえません?

患者さんには、逆に「お得」になりますが。
保険診療の規則です。


お薬は、少ないにこしたことはない。
一剤がベスト。
いや、ひとつも無いのが、ベストですね。

posted by 小だぬき at 15:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

〈時の回廊〉鎌田慧「自動車絶望工場」 夢も希望も奪い去る労働

〈時の回廊〉鎌田慧「自動車絶望工場」 夢も希望も奪い去る労働

[朝日新聞掲載]2012年04月13日

1972年秋から6カ月間、愛知県豊田市にあるトヨタ自動車工場で期間工として働いた。
当時、34歳。その体験を基に書いたのが『自動車絶望工場』だ。
そこには合理化を進める企業と疎外される労働者の姿があった。
若者たちの「夢」は日々、「絶望」へと変わっていった。40年たった現在も、その構造は変わっていない。
     ◇
 青森県六ケ所村について書いた記事を読んだ見ず知らずの農民から寄せられた手紙が、トヨタの工場で期間工として、働くきっかけになりました。

手紙の主は青森からホンダの工場に出稼ぎに来ていました。その彼と会った時に「どこの自動車工場が一番、きついのか」と尋ねたら「トヨタだ」と答えたんです。

労働の合理化に興味を持っていて、どういうふうにきついのかを知りたかった。それで一番きついトヨタの工場で働いてみようと思ったのです。

このルポの前に、公害の取材で九州に6カ月、滞在していたため、お金がなかった。期間工として働けば、お金が入るというのも理由の一つでした。

 トヨタにいた時は何度も辞めようと思っていました。寮に帰ると階段も上れないほど疲れている。「今日、辞めると言おう。今日こそは……」と思いながら日々を過ごしていました。期間満了の6カ月を残して辞めたら、本は書けないぞと思っていたから、最後まで続けられたんだと思います。

 タイトルに「絶望」という言葉を入れたのは、大きな工場で働くという夢が、実際に働くことによって「絶望」に変わっていくと感じたからです。

 寮で同じ部屋で暮らしていた工藤クンの気持ちをどこかに反映したというのもあります。
同郷だった21歳の工藤クンとは偶然、職安で出会いました。彼の「身上調査表」の志望動機の欄には「貴社の将来性」と書かれていました。

仏壇づくりから転業したかった彼は「本工に採用されたい」という希望を持っていたのです。しかし働き出してから4カ月後、工藤クンは工場で倒れました。結局、首になって田舎に帰されました。本工どころか、「期間満了」さえできなかったのです。

 数年後、工藤クンを見舞いに病院に行きました。リハビリを受けていた彼は、わたしのことを思い出せませんでした。それから何年かして、彼の実家を訪ねてみると、家は無くなっていました。もう彼の行方はわかりません。

 今年1月、労働ペンクラブのメンバーと、日産の神奈川県・追浜工場の見学に行きました。工場は自動化が進んでいましたが、やはり無機質で硬い時間が流れていました。時間に人間が押し込まれて、その中で動いている。あの当時と何も変わっていません。

 製造業は、ますます不安定労働に依存するようになっています。
以前は期間工しかなかった。いまは、期間工の下層として、派遣労働者が大量に採用されています。期間工の寮は無料で風呂もついていましたが、派遣はそれすらない。状況は悪化し、労働構造はさらに複雑化しています。

 「ルポライター」は、ほぼ絶滅危惧種になりつつあります。でも、僕はこれからも「ルポライター」であり続けたい。

「いつか作家になりたい」という憧れを持っていた、かつてのルポライターたちは、「作家」という言葉がついた「ノンフィクション作家」に肩書を変えていった。

僕は逃げ遅れたんです。いまさら逃げても仕方ないでしょう。「ルポライター」という肩書のなんとなく、うさんくさい感じがいいと思っています。僕は、これまでずっと片隅のことを書いてきたわけで、僕自身も同じように地味な所に居続けたいと思うのです。(聞き手・山田優)
    ◇
 かまた・さとし 1938年、青森県生まれ。新聞・雑誌記者を経てフリー。90年に『反骨―鈴木東民の生涯』で新田次郎文学賞、91年に『六ケ所村の記録』で毎日出版文化賞。

posted by 小だぬき at 18:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月16日

開かれた地域基盤に 新しい共同体像を探る 内山節さん(哲学者)



開かれた地域基盤に 新しい共同体像を探る 内山節さん(哲学者)
2012年4月7日   東京新聞

 群馬県上野村は、険しい山野が面積の九割以上を占める。
上信(じょうしん)電鉄線の終点・下仁田(しもにた)駅から車で三十分余り。
哲学者内山節(うちやまたかし)さん(62)の家に向かう山道で、猿が数匹、のり面を駆け上るのが見えた。間もなく、八軒の集落が現れた。
 「猿はこの庭で二十匹ぐらい騒いでいることもありますよ。家に夜戻ると、カモシカが待っている。
動物の領地に人間が住まわせてもらっているんです」。
築百年という家の前で、愛車の冬用タイヤを汗ばみながら付け替えていた内山さんが、笑って出迎えてくれた。


 杉や楢(なら)の木が茂る裏山と約四百平方メートルの畑も自ら所有する。新年には、各地から集まる仲間と百臼近くの餅をつき、近所に配る。納屋には杵(きね)や臼、チェーンソーや農具が所狭しと並ぶ。自分の墓も庭に建てた。


 「私が初めてこの村に来た一九七〇年ごろは、『自然なんか飯の種にならん。開発して人間の役に立つようにする』という考えが主流でした。
『個の確立のために封建的な共同体は打破すべきもの』という思想も一般的だった。でも、自然と一緒にみんなで助け合いながら生きていくこの村の社会が、私にとっては非常に魅力的だったんです」


 都立高校を卒業後、組織に属さずに哲学を学んでいた二十歳すぎの内山さんは、たまたま釣りをしに来たこの村が気に入り、年間の三分の一を村で過ごすようになる。
東京の自宅と、ほかの移動先が残りの三分の一ずつ。そんな生活を長年送ってきた。


 内山さんの新刊『ローカリズム原論 新しい共同体をデザインする』(農文協)は、震災後の昨年四月から七月にかけ、立教大大学院で社会人学生らに語った講義録をもとにしている。
昨秋に刊行した『文明の災禍』(新潮新書)に続き「ポスト3・11」の日本を考える手掛かりとなる一冊だ。


 ローカリズムは、小さな地域や共同体の独自性を重視し、それを基盤として生きていこうとする考えを指す。市場経済を全世界に広げるグローバリズムの逆を意味する。上野村の生活を通じ、内山さんが身体で学んだ思想と言っていい。


 「震災後、社会の基盤は結局ローカリズムにあるということが、より強く感じられるようになったと思います。
日本のGDPが戻っても復興にはならない。それぞれの人たちの生きる地域が、再び確立されなければいけない」


 『ローカリズム原論』で内山さんは、周囲との「関係性」をつくることを人間の本質ととらえ、「共同体」が人間にとって持つ意味を問い直していく。


 「ヨーロッパと異なり、日本の共同体には死者と周囲の自然が含まれていた。
上野村の葬式は今でも半分ぐらい、家族ではなくて共同体がやる。それは共同体が死者の思いを受け継ぐということです。
人のつながりは、今の人間同士がつながる横軸のほかに、過去と現在と未来をつなぐ縦軸がある。共同体には縦軸をつなぐ役割があると思います」


 内山さんが考える新たな共同体像は、一つの地域に閉じたものではない。


 東京・丸の内に、仲間たちがつくった「とかちの」「にっぽんの」という二つの郷土料理店がある。一つには自ら出資した。各地の農産物が食材として活用されるこの店は、地方と都会、生産者と消費者が交流する拠点として機能する。地域を主体にした社会のこれからを考える場所でもある。


 「地域を超えた、ある目的意識に基づくつながりで、これも一つの結び付きのあり方です。
上野村の人口は千四百人ですが、自分にとって村が大事な地域だと思う人を五千人ぐらいつくろうとしている。『応援団』のほうが多い。

震災後には三陸を継続的に『自分の地域』として支援する動きも出ている。地域とは居住地ばかりではありません」


 日本の比較地と定めたフランスをしばしば訪れ、ローカリズムの動きなどを見つめてきた。
最近は近代化の渦中にあるベトナムが気になり「身体で雰囲気を感じたい」と四、五日訪れたばかり。


 「現実から始まって現実に出てくるのが哲学です。知性の領域だけでやろうとしても、限界をつくってしまう。
小さな村に行くとひどく哲学的なおじいさん、おばあさんがいます。その人たちは哲学的な知識があるわけではないけれど、身体で知っている。
だから僕も身体を動かすことを含め、関心を持ったことは何でもやりたい」


 修験道とマルクスの時代についての本もそれぞれ書き始める。内山さんの仕事を見ると、哲学が「総合学問」であることがよく分かる。 (石井敬)

posted by 小だぬき at 07:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月17日

弁護士、衆議院議員・稲田朋美 主権回復記念日を設ける意義は

弁護士、衆議院議員・稲田朋美 主権回復記念日を設ける意義は
2012.4.17 03:20   正論

 サンフランシスコ平和条約が昭和27年4月28日に発効し、日本が主権を回復してから60年がたつ。

平成21年の政権交代で下野した自民党は、「立党の精神に立ち戻れ」という掛け声の下、4月28日を主権回復記念日として祝日にする画期的な法案を議員立法により国会に提出した。
今年の記念日には党本部で国民集会が開催される運びとなり、そこで谷垣禎一総裁が挨拶をすることになっている。


 ≪東京裁判史観からの決別を


 それ自体は大変喜ばしいことであり、原点回帰の証しといえるのだが、自民党はそのことの意義と責任を自覚しなければならない。


 主権回復記念日を祝うということは、安倍晋三首相が掲げた「戦後レジームからの脱却」を今一度わが党の旗にすることであり、その中核に据えるべきは東京裁判史観からの決別である。

自民党総裁が記念日の国民集会で挨拶する意義は、政権奪還した暁には首相として堂々と靖国神社に参拝し、村山談話、河野談話を撤回すると国民に約束することにこそある。


 首相の靖国参拝は、対外(対中韓)的には、いわゆるA級戦犯の問題に、対内的には、憲法20条3項の政教分離問題に帰着する。


 東京裁判の主任弁護人、清瀬一郎弁護士の管轄の動議を国民共通の認識にしなければならない。

すなわち、東京裁判は、いわゆるA級戦犯を「戦争を遂行した指導者個人の戦争責任」という、行為当時の国際法上何ら違法ではなかった行為を事後法で裁いたという罪刑法定主義違反、そして、ポツダム宣言10項で「われらの捕虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人」と謳(うた)われた範囲を逸脱した条約違反という、国際法に違反した二重の意味で不法無効な裁判であった。訴訟指揮や証拠の採否にも甚だしい不公平、不公正があり、裁判の名に値しない「東京裁判」ならぬ、「東京茶番」だった。


 近代法の大原則にも条約にも違反した野蛮な茶番の結果、いわゆるA級戦犯として処刑された人々を、主権国家たるわが国が靖国神社に合祀(ごうし)していることは、他国からとやかくいわれる筋合いのものでは全くない。
そのことを国民全てが認識し、東京裁判の不当性を教科書にも記載すべきである。


 ≪首相は堂々と靖国参拝せよ


 政教分離問題は、憲法改正議論とも密接に関わってくる。

主権回復記念日に発表予定の自民党憲法草案では、自衛軍(国防軍)の創設を、憲法9条を改正して明記するし、集団的自衛権の行使を認めることを党の方針としている。


 それは、自衛戦争で亡くなる人を憲法が想定するということだ。
では、自衛戦争で祖国を守るために命をささげた人をどこに祀(まつ)るのかというと、ペリー来航以来の国難に殉じた人々を合祀している靖国神社以外にはなく、解釈上、首相の靖国神社参拝が憲法違反とのそしりを受けることのないような憲法の文言にする必要がある。


 平成7年の村山談話は、「東京茶番」の判決に従った連合国側に押し付けられた歴史観に基づくものであり、直ちに撤回すべきだ。日韓併合条約に対する誤った認識を示し、反省と謝罪をした22年の菅談話と、それを踏まえ韓国に朝鮮儀軌を贈与したことも誤りであったと宣言すべきだ。

東京裁判史観で書かれた教科書で日本の将来を担う子供たちに誤った歴史を教えることは、犯罪的だといっても過言ではない。学習指導要領、検定制度の見直しを中心とする教科書改革は待ったなしだ。


 平成5年の河野談話は、いわゆる従軍慰安婦の強制連行が事実無根であるにもかかわらず、政治的配慮から強制性を認めた点で誤りであった。
現在、韓国から執拗(しつよう)に要求されている、いわゆる従軍慰安婦に対する謝罪と補償については、事実と国際法の両面から反論し、きっぱりと拒否すべきだ。


 ≪「国ごっこ」やめ主権国家に≫


 戦争被害の決着は平和条約の締結で終わっている。
それを後に、あれこれ蒸し返すことは国家間の決着を無意味にし、国際法上の正義に反する。

韓国でいえば、昭和40年の日韓国交正常化の際に締結された日韓基本条約で、全て解決済みであり、同時に締結された日韓請求権・経済協力協定で、日本が韓国に対して無償供与3億ドル、政府借款2億ドルの支援を約束する一方、両国およびその国民の間の財産請求権の問題が、完全かつ最終的に解決されたということが確認されている。


 わが国はもはや、慰安婦問題を含む戦争被害に対し補償だの謝罪だの反省だのする必要はないし、また、してもいけない。

一時の政治的配慮でおわびをし、補償をするということは、平和条約を締結する意義を損なわせ、国際法のルールに反し、不正義だからだ。


 既成政党への不信が高まる中、政治に求められているのは、耳あたりのいいスローガンや、細かい事項を列挙したマニフェスト(政権公約)ではなく、決してブレない理念とそれを貫徹する覚悟だ。

今年の主権回復記念日を、日本が「国ごっこ」をやめて真の主権国家になる始まりの一日に、そして保守政治再生の一歩にしたい。
(いなだ ともみ)

posted by 小だぬき at 06:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月18日

香山リカのココロの万華鏡:演技でも感謝の一言を

香山リカのココロの万華鏡:演技でも感謝の一言を
毎日新聞 2012年04月17日 東京地方版

 何かとあわただしい4月が始まり、診察室でも「落ち着かない」「イライラする」といった声を聞くことが多くなった気がする。

「会社や家でキレやすくなった」という人もいる。
みんな「これじゃいけない」と思っているが、なかなか気持ちをしずめることができないのだ。


 そんなとき、身近にいる誰かから「いつもたいへんでしょう」「たまにはゆっくり休んでね」といったやさしい言葉をかけられたら、どんなにほっとするだろう。張りつめた心がほぐれて、それだけでも疲れが半減する気がするかもしれない


 それなのに、忙しい人のまわりにいるのは、たいてい「もっと忙しい人」なので、なかなかねぎらいの声をかけられない。


 診察室である女性が、こんな話をしてくれた。

多忙な職場で働くその女性は、家に帰ってから急いで食事の支度をする。
深夜近くなって帰宅する夫は、帰るなり「なんだ、今日も野菜炒めか。たまにはさっぱりしたものを食わせてくれよ」と料理に不満を述べる。

すると女性も思わず、「今朝、ごみ出ししてくれなかったでしょ! あんなに頼んだのに」ととがめてしまう。
「本当は“遅くまでおつかれさま”と言いたいし、言ってほしい。でも、言えないんです。相手のミスを指摘し合ってしまうんです……」


 疲れていると、どうしても「ありがとう」「おつかれさま」より、「どうしてやってくれないの?」「もっとこうしてよ」と不満や要求を口にしたくなる。これは、どんなに地位の高い人や賢い人でも同じなのだ。

でも、そこで「ちょっと待てよ。相手はいまそんな言葉を言ってほしいかな」と立ち止まることは、誰にでもできるはず。

 顔を合わせたとたん、「だらしないわね」「こっちだってたいへんなんだ」とチクチクと身近な人を攻撃し合うのはやめて、
まずはにっこり笑って「今日も一日おつかれさま」「こちらこそ、いつもありがとう」と。「思ってもいないことは言えない」という人もいるかもしれないけれど、たとえ演技だっていいではないか。

ねぎらいの言葉をかけるうちに、「そうそう、今日も無事に帰ってきてくれただけでも、ありがたいわね」「この人のこと、大切にしなきゃな」と本当の感謝の思いも生まれてくるというものだ。

どうしても伝えたい不満があれば、その後なら相手も素直に「そうだよね」と聞いてくれるはずだ。


 まずは、鏡の前で笑顔と「ありがとう」の練習を。最初は“芝居”から始めてもよいのだ

posted by 小だぬき at 09:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「批判なきまじめさは悪をなす」

近事片々:じっくり考える
毎日新聞 2012年04月18日 13時14分

「撃ったことがあるのか」「いいぞ」。
読唇術で見る金王朝3代目、ミサイル行進に興奮。
この若大将にはぜひ、困窮人民の思いを知る「読心術」を。
   
       ◇    ◇

 あと20年もせぬうちに「先進国」から脱落も、と経済予測シナリオ。
さあ、みんな!とねじり鉢巻きか、「豊かさ」「働く」とは何かじっくり考える時か

    ◇    ◇

 吉武輝子さんは女学校在学中敗戦を迎えた。
軍国主義教育の過ちを悔いる教師。その涙の言葉を終生忘れなかった。
「批判なきまじめさは悪をなす」


 ともすれば思考停止に流されそうな時、思い返したい。

    ◇    ◇

 <ふみゆける春草を虫とびにけり> 
                                星野立子

posted by 小だぬき at 20:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月20日

<つつましき文明国であるために必要なもの不必要なもの>

筆洗

2012年4月20日  東京新聞

ランキングが好きな日本人にとっては、少々ショッキングな報道だったかもしれない

▼最近、経団連の研究機関・21世紀政策研究所が発表した長期予測である。
何でも、日本は国民の「豊かさ」を示す一人当たりGDPで、二〇一〇年現在、世界二十位。それが三〇年には二十一位に後退、一〇年の二十四位から十五位に浮上する韓国に抜かれるのだという

▼生産性の伸びなど種々の条件に基づいた予測だそうだが、より楽観的なシナリオでも、十七位の日本は十五位の韓国の後塵(こうじん)を拝するとの見立て。

「先進国から転落しかねない」とまで脅されれば、ちょっと暗い気持ちにもなる

▼ただ一方で思う。「先進国」であり続けさえすれば「豊か」なのか

最近、心を去らない歌がある。俳人の長谷川櫂(かい)さんが「3・11」後の作をまとめた『震災歌集』の中の一首だ。

<つつましき文明国であるために必要なもの不必要なもの>

▼「先進国」や「経済大国」の看板にしがみつかずとも、「つつましき文明国」であればよい。

過剰な便利に取り巻かれた、いわば“量”の「豊かさ」から“質”のそれへの転換の中にこそ、日本の将来像は見いだされるべきだ

何が本当に<必要>で何が本当は<不必要>かを見極めるところから始まる

▼震災と原発事故を経た今こそ、その転換の大チャンス。政治がそれをフイにせぬようにと願う。

posted by 小だぬき at 07:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

拉致/私たちは何故、気づかなかったのか!!

今、北朝鮮のミサイル発射問題で 田中防衛大臣の問責決議が可決されています。

自民党は 田中大臣の罷免・辞職を求めて、全審議拒否に入っていますが、日本への主権侵害・国民拉致という間接侵略の問題は まだ未解決です。

少なくとも 拉致問題特別委員会は 審議して、前進させて欲しいです。

個人的には、韓国の了承をとり 自衛隊の特殊部隊での救出を願うものです。

日本の情報機関は、拉致被害者移住地や被害者と連絡をしていることと信じたいです。

2.
posted by 小だぬき at 16:39 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月21日

新しい希望、またひとつ=鎌田實

さあこれからだ:/新しい希望、またひとつ=鎌田實
毎日新聞 2012年04月21日 東京朝刊

 2011年3月16日未明、ようやく電話がつながった。


「遠藤先生、生きてるかー。カマタでーす」

 震災直後から、ぼくは福島県南相馬市立小高病院の遠藤清次院長に、ずっと電話をかけ続けていた。


 遠藤先生は、ぼくが応援団長をしている宮城県にある障害者支援施設「虹の園」のミニ講演会と、南相馬での講演会に来てくれた。

2回会っただけ。病院のスタッフとのミーティングで、ぼくの本に書かれている、あたたかな地域医療のことをよく話している、と聞いた。


 自分でも不思議なのだ。特に親しい付き合いをしていたわけでもなかったが、大震災、そして原発事故のニュースが報じられるなかで、遠藤先生や小高病院のことが、気になってしかたなかった。


 「生きててよかった」


 ぼくがそう言うと、遠藤先生はこう言った。「それどころではありません」

 薬がない。医療用酸素がない。ガソリンがない。病院の自家発電機を動かしている重油がない。
 「暖房もとまりそうです。大変です」
切羽詰まった声だった。


 話を聞くと、震災発生からの5日間はすさまじいものだった。

当時、小高病院には68人の入院患者がいて、半数が寝たきり、3人が人工呼吸器につながっていた。

津波は、病院の100メートル手前まで迫っていたが、なんとか難を逃れた。
そこへ、津波で家を流された小高地区の人たちが避難してきた。遠藤先生を含む3人の医師たちは必死だった。

 福島第1原発の冷却装置が停止し、1号機の爆発に次いで、3号機、4号機の水素爆発が発生。その間、避難指示エリアは11日に3キロ、12日に10キロ、20キロへと広がっていった。


 小高病院は原発から18キロの地点にある。
遠藤先生はスタッフ30人を集めて、最後の一人の患者を安全に避難させるまで、われわれは守り続ける、と宣言する。


 スタッフは、入院患者や避難者を20キロ圏の外へ誘導、避難させることに全力を注いだ。
原発から23キロ地点の南相馬市立総合病院へ無事に避難したが、15日、20〜30キロ圏内に屋内退避の指示が出される。

見えない放射線の不安により必要な物資が滞り、南相馬市立総合病院は孤立を余儀なくされることになった。ぼくの携帯がつながったのは、そんな状態のときだった。


 この電話をきっかけに、南相馬市の桜井勝延市長が長野県茅野市長と諏訪中央病院院長に救援を要請。

30キロ圏内に入る初の医療班として、諏訪中央病院の医師、看護師たち31人が交代で南相馬に入り、長期的な支援を開始する。
たまたまつながった電話が、強い結びつきを生んだ。縁とは不思議なものだと思う。


 もう一つ不思議な縁があった。2008年、小高病院は常勤医が6人から3人になり、存続のピンチを迎えていた。
南相馬市には市立総合病院という大病院がある。小さな小高病院は廃院になるというウワサが広がっていた。

 そんななか、小高地区の住民であり、遠藤先生の患者、横山邦彦夫妻と住民が立ち上がる。
「自分たちの地域の病院を守りたい」「高度医療は市立総合病院に任せ、小高病院にはあたたかな在宅医療や、老人医療をしてもらいたい」


 そんな訴えのもとに、約1万人の署名が集まった。住民の動きに動かされ、南相馬市立病院改革プラン策定委員会は小高病院の存続を決定した。

2011年3月3日のことである。喜びにひたった8日後、なんと大津波がおそった。


 住民が守った小高病院は、20キロ圏内に退避指示が出されたため、一時閉院が決まった。
遠藤先生は、医師不足が深刻な福島県猪苗代町立猪苗代病院に移った。


 ところが、である。昨年秋、ぼくは遠藤先生からこんな話を聞かされた。

かつて小高病院の存続に奔走した横山夫妻と住民から、戻ってきてほしいと言われているというのだ。

 小高地区の住民は多くが津波で家を流され、主に鹿島地区の仮設住宅に集まっていた。
仮設住宅の人口は増えていくのに対して、医師の数は減少。相双地区では医師の数は、震災前と比べて半減している。


 「かつて病院を守ってくれた地域の人たちに、恩返しをしたい。仮設商店街の一角に診療所をつくり、もう一度、あたたかな地域医療をやりたい」

 遠藤先生の話に感動した。

仮設の診療所は2、3年しか使えない。なのに内装や超音波、心電図などの機器を含めると、約2000万円の多額の負担が先生にのしかかる。
それでも、彼の意思は固かった。


 ぼくは、診療所の看板を筆で書くことになった。カマタの似顔絵ののぼり旗もでき、カマタが診療所で健康教室を開くときには、そののぼり旗が診療所の入り口ではためく。
カマタ流の応援だ。


 あの電話以降、ぼく自身、何度も南相馬に通ううち、ごはんを食べていけ、泊まっていけと声をかけられるようになった。

親戚づきあいのようなつながりができてきた。縁は不思議だ。


 新しい診療所の名前は、なんと「絆診療所」。遠藤先生が名づけた。
たくさんのあたたかな縁が結ばれた結果だ。
その名の通り、地域にしっかりと根をひろげる診療所が5月1日、オープンする。


 絶望の中に、またひとつ、新しい希望がはじまる。(医師・作家、題字も)

posted by 小だぬき at 09:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月22日

 〈蚊意外(かいがい)にキケンあり〉〈動物とは離し上手に〉〈鳥扱い注意〉。何のこっちゃ

4月22日付 編集手帳
2012年4月22日01時50分 読売新聞)

〈蚊意外(かいがい)にキケンあり〉〈動物とは離し上手に〉〈鳥扱い注意〉。何のこっちゃ、と思うでしょうが、海外旅行が増加するゴールデンウイーク(GW)を前に、厚生労働省が作った感染症予防ポスターのキャッチコピーである

◆親父(おやじ)ギャグ、ふざけ過ぎ、と揶揄(やゆ)されることは多分、厚労省も端(はな)から織り込み済みだろう。うまく術中にはめられたようだ。この際だから啓発のお手伝いをする

が媒介するマラリアなどが、熱帯や亜熱帯で流行しているという。虫よけスプレーなどで対策を。狂犬病も侮れない。

犬だけでなく猫やコウモリにかまれて発症することもある。
素性のわからない動物からは離れることだ。

鳥インフルエンザへの警戒も重要。鳥が売買されている所には近づかないように

◆厚労省の取り組みに力が入るのも、今年のGWは海外旅行に出かける人が56万人を超え、過去最高に迫ると見られているからだ。

曜日の位置が良く、円高メリットは大きい。震災の自粛ムードが薄らいだ面もあろう

◆指折り数えて出発を待っている皆さん、どうかお気を付けて。そして旅先では、震災支援に御礼の言葉を。
posted by 小だぬき at 12:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月23日

整理:基本は「選択」 「今」に基準合わせ、モノ管理

整理:基本は「選択」 「今」に基準合わせ、モノ管理
毎日新聞 2012年04月22日 東京朝刊

門出と出会いの春。新しい衣類や生活用品を購入し、慣れ親しんだものを処分しなくては。
でもそこで「捨てられない」壁に突き当たる。できるだけ捨てずに、気持ち良く手放せないものか。プロフェッショナルに極意を尋ねた。【山崎明子】


 4月中旬の朝。「暮らしっく工房」(東京都杉並区)代表の福田美保子さんが同区の1LDKマンションに乗りこんだ。


 天井近くまである衣装ケースは衣類でパンパン。子どものおもちゃをその上に置いている。本棚は奥と手前の2列使いで、ベッドの下に日用品、カウンターキッチンの下に趣味の手芸用品が詰めこまれている。


 福田さんは都内を中心にハウスクリーニングや整理技術の指導をしている。

夫と2、4歳の子どもの4人暮らしの女性(31)が「一人では整理できない」と思いつめ、片づけコーチを頼んだ。


 福田さんはまずこう言った。「整理の基本は、捨てることではなく選択すること。自分が管理できる範囲に収まるよう基準を作ってくださいね」

福田さんによると、手元に残す基準は▽今使っている▽思い入れがある▽とにかく好き−−なモノ
逆に手放すのは▽今は必要ないがいつか使うかも▽もったいない▽要不要を判断できない−−と感じるモノだ。

「今」に基準を合わせることがモノを増やさないカギ。

もらったお土産は感謝しながら処分する。非常時用のストックは時期を見て入れ替える。どうしても決められないモノは日付入りの段ボール箱の中に。1年たって使わなければ「不要品」と判断する。


 福田さんの指摘に従って、女性はもてあましていた手芸材料、賞味期限切れドレッシングなどを見切っていく。どんどん表情が輝いていった。

 ◇リサイクルで有効活用

 片づけたモノをごみにせず、有効に生かすのがリサイクル

関東の1都4県でリユースショップ60店を展開する「トレジャー・ファクトリー」(本社・東京都足立区)は、家庭にあるもの全てを買い取る。

買い取り基準は電気製品は製造から、家具は購入から7年以内が目安。

家具はデザインやキズの有無で値段が変わる。

衣類はそのままの状態で売り場に並ぶのでクリーニングした方が評価は高い。

同社広報の小谷真由子さんは「持ち込む時、親しい友人に喜んでもらう気持ちが必要です」とアドバイスする。

 故繊維リサイクル業「ナカノ」(事業本部、横浜市南区)は09年、古着原料の特殊紡績手袋「よみがえり」(378円)を開発した。
女性用の「よみがぁ〜る」と合わせてこれまでに約70万セットを販売した。厚手で灰色の布地には赤や青、金ラメの繊維が混じる。


 横浜市内で集めた古着が主原料。伝統のモノ作り技術を生かしたシティーブランド「ヨコハマ・グッズ(横濱001)」に認定された。同社には宅配便でも古着が送られて来る。
事業企画室の窪田恭史さん(38)は「衣類には気持ちがこもっている。ごみではありません。知恵を出してその思いに応えたい」という。


 古着を送る場合の問い合わせは秦野工場電話0463・75・0564。

posted by 小だぬき at 10:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月24日

若者はなぜファシストにダマされるのか?

若者はなぜファシストにダマされるのか?
2012年4月20日 日刊ゲンダイ掲載

歴史の暗部に学ぶべき

<橋下大阪市長「理想の男性上司」調査で一気に1位>

 大阪市の橋下徹市長(42)が「理想の男性上司」アンケートで1位になった。

産業能率大がこの春就職した新入社員466人(男性314人、女性152人)から回答を得たもので、橋下は32票を獲得。
昨年の29位から一気にトップに躍り出た。2位は池上彰、3位はイチローだ。

 橋下の政治姿勢はファシズムをもじって「ハシズム」と呼ばれている。

府知事時代は職員の給与カットを断行し、
市長になるや職員の思想を調べるようなアンケート調査を実施。
「君が代起立条例案」を可決し、服務規定に反する職員は断固処分する方針を打ち出した。

 今月2日の発令式では新職員に「みなさんは国民に対して命令をする立場に立つんです」「人が人に命令を出すなんていうのは唯一、公権力を持った者、みなさんしかできないんですよ」と訓示した。

権力こそ正義といわんばかりの姿勢は独裁者そのもの

なのになぜ理想の上司なのか。

「若者が子羊化しているからです」とは社会学者で作家の岳真也氏だ。

「長年大学で教えていますが、いまの若者は10年前と全然違う。自分から“飲み会をやろう”と言えず、誰かについて行こうとするのです。他人にリードされないと何もできない。強いリーダーシップを感じさせる橋下氏に憧れるのでしょう。

しかも世の中は深刻な不況で、誰もが将来に希望が持てない。
第1次大戦後のドイツで若者がヒトラーに熱狂した状況に酷似しています」

 ヒトラーは国民が外国勢力を敵視するよう誘導した。
橋下は公務員という身近な存在への反感を増幅させている。単純な思考しかできない若者は「あいつら、税金で楽をしやがって」と憎悪とねたみを募らせ、それがさらに橋下人気をあおる格好だ

「いまの若者はファシズムを理解していないのです。学校でもヒトラーについてあまり教えないため、橋下氏のように次々と発信する人を見ると、“ブレなくてカッコいい”と感じてしまう。これは危険なことです。

ヒトラーだけでなく、正義を振りかざしながら、結果的に悪事に走った例は歴史をみればいくらでもある。犬を愛するあまり生類憐れみの令で庶民を苦しめた徳川綱吉しかり、仏門の腐敗を正すという大義のもとに比叡山を焼き討ちした織田信長しかり。新社会人こそ歴史を学んで欲しいと思います」(岳真也氏)

 
賢者は歴史に学ぶ――。
posted by 小だぬき at 17:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月25日

「孤立死」の時代に 命への想像力をもっと

「孤立死」の時代に 命への想像力をもっと
2012年4月25日    東京新聞社説

 人知れず息を引き取り、気づかれない「孤立死」が相次ぐ。行政に対策をすべて任せても孤立は防げない。私たちに突きつけられた難問なのだ。

 東京都江東区内の都営住宅で独り暮らしの女性の救出劇があった。八十六歳で認知症が疑われたが、介護される身ではなかった。


 三月下旬の夜八時すぎ、旧知の間柄の主婦北沢紀子さん(68)宅の電話が鳴った。団地の住人が玄関先のポストに新聞がたまっているのを不審に思い知らせてきた。

 慌てて車で自宅を訪ねたが、返事がない。だが、室内からはテレビの音が漏れてくる。近くの交番で警察官の協力を仰ぎ、隣人に事情を告げてベランダ伝いに部屋に入ると、女性は倒れていた。


◆都営住宅での救出劇

 脱水症状に陥り、意識を失いかけている。救急車で病院に担ぎ込み、一命を取り留めた。転んで腰の辺りを骨折し、身動きが取れないまま三日もたっていた。


 以前、女性は風呂の水をあふれさせ、階下の住人に迷惑を掛けた。一緒に謝りに出向いた折、気がかりな点は連絡を、と頼んでおいた。
都営住宅が当たったからと近所から引っ越した後も、孤独な女性を気遣ってきたのだ。

 孤立死対策に取り組んでいる行政の担当者は、せめてこれくらいの気配りを持ってほしいものだ。


 身の回りの問題を抱えていそうな高齢者や障害者、ひとり親家庭、困窮者への配慮を怠らない。見守りの担い手を増やす工夫を忘れない。
異変情報が入れば警察や消防と共に素早く動く。


 プロ集団のはずの行政がなぜ後手に回りがちなのだろうか。「人間味が感じられない」という北沢さんの言葉が本質を突いている。


◆人間味に欠ける行政

 例えば、一刻を争う安否確認のありようだ。

三月初めに立川市の都営住宅で息絶えた母(95)と娘(63)が見つかった。自治会が「応答がない」と都住宅供給公社に通報してから一週間もたっていた。


 都営住宅には、安否を確かめるのにどんな場合に入室するかを定めたマニュアルがある。これまで六十五歳以上の単身者にのみ備えてきた。
今度の問題は想定外だったため先週になって中身を見直し、全世帯に対象を広げた。


 異臭がしない場合は、住人が部屋にいるのを確かめることが立ち入りの条件だ。
判然としなければ電気メーターや音、照明、ポストの様子を探ることなどが決められている。


 しかし、緊急事態に知りたいのは命に別条がないかどうかだ。「管理者が危ないと思ったら合鍵で入って確かめる」。そう石原慎太郎知事が言うように、マニュアル以前の人として当たり前の判断と行動だ。


 元気でいれば「無事でよかった。心配しました」で気持ちは通じるだろう。
それには地域の信頼を得る不断の努力と北沢さんのいう人間味がなくてはならない。


 行政の縦割り意識は住民の実像を見えにくくする。二月中旬に立川市のマンションで亡くなっているのが見つかった母(45)と知的障害のある息子(4つ)は、役所の四つの窓口と接点があった。


 自ら病気を患い、女手ひとつで障害児の面倒を見ることがどんなに大変か。窓口で得られた情報を互いに交換すれば綱渡りの暮らしぶりが容易に浮かぶ。想像力を働かせなくなっていた。


 立川市は役所に散在する情報を共有し、サービスの利用状況を点検したり、緊急事態に対応したりする手だてを考えるという。


 孤立死の経験から北九州市では行政が外に飛び込んでいる。地域ごとに担当者を決め、見守りや手助けが要りそうな住民の情報を足で稼ぎ、役所につなぐ。地域と二人三脚で寄り添う。


 全国的には行政が独占する弱者の個人情報を地域に提供し、見守りや安否確認に生かせないかと論議もされている。


 しかし、これほど行政に頼りきってしまう社会でいいのだろうか。孤立死は、それを防ぐのは本来、地域社会の役割ではないのかという問いを突きつけている。


◆優しい“おせっかい”

 マニュアル、合鍵、個人情報は孤立死を防ぐための道具でしかない。それを有効に機能させるのは人間だ。一人ひとりの気遣いや思いやり、そんな地域の再生こそ大切なのではないだろうか。


 北沢さんは「人間の命は情報のようなもので救われるわけではない」と言う。

 助けた女性の先行きに気をもんでいる。足腰が弱り、退院しても独り暮らしはもはや無理かもしれない。老人ホームを探さなければならないと考えている。


 地域再生は大きな課題だ。心温まる“おせっかい”を増やすことかもしれない。

posted by 小だぬき at 08:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

香山リカのココロの万華鏡:まだまだ女性は…

香山リカのココロの万華鏡:まだまだ女性は…
毎日新聞 2012年04月24日 東京地方版

「女の時代」と言われて長いが、本当にそうなのだろうか。そんなことを最近、改めて考えている。


 大学で新4年生の就職活動が正念場を迎えていることも関係している。
教員から見て「優秀だな」と思う女子学生も、なかなか良い結果を出すことができない。
もちろん、この時代、男子学生にとっても就職活動はたいへんなのだが、「大手はむずかしそうだから、中小企業やベンチャー企業にも目を向けます」から、「やっぱり正社員は無理だったので、派遣社員としてがんばります」と元気だった女子学生がだんだん沈んだ顔になっていくのを見るのはつらい。


 そして、せっかく希望の職場に入社できても、3年後、5年後に卒業生の女性から「退職することにしました」という連絡を受け取ることも多い。

同期で入社して同じ仕事をしているのに、海外勤務とか重要な仕事とか、男性が優先なんですよ。
女が働くのって、思ったよりずっとたいへんですね」と、彼女たちは“目に見えない女性差別”の壁にぶつかり、疲れ果てて会社を去る決意をする。

かくして、はつらつとした女性も大勢、入社したはずなのに、はっと気づいたときにはどの職場でも「役員は全員、男性」「部長級は女性がひとりだけ」といった“おなじみの光景”が広がっている、ということになる。


 「そんなの、ただの思い込みだよ」という人もいるかもしれないが、国際的な指標もそれを裏付けている。
11年の世界経済フォーラムで発表された「男女平等指数」では、日本はなんと135カ国中、98位だった。

上位には北欧などヨーロッパの国が並ぶが、米国は16位、中国は61位というのを見ても、日本の女性が“不平等”の状態にあることは明らかだ。

日本の場合、政治や経済の場で「意思決定に携わる女性リーダーは約9%しかいない」ということが、大きく順位を下げる要因になっているそうだ。


 「女性の力」のすごさを認めない人は、いまどき誰もいないだろう。

しかし、日本はそれをうまく活用することができていないのだ。これは、政治や経済だけではなく、地域でも家庭でも同じこと。
「どうせわかってもらえないから、やめておこう」と力を発揮するのをやめて引き下がる女性が大勢いるのは、本当にもったいない話だ。

「女ってさ、こんなものだろう」「なんだかんだ言っても、女の幸せはね」と、女性のことをすべてわかったように話す男性には、まずこう言いたい。

「あなたは、妻や娘の気持ちに本当に向かい合ったことはありますか?」

posted by 小だぬき at 13:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月26日

サンデー時評:「とっさの判断」がいかに大切か

サンデー時評:「とっさの判断」がいかに大切か
2012年04月25日  毎日新聞

一九八四年一月八日生まれの二十八歳とされているが、北朝鮮はなぜか生年月日を明らかにしないそうだ。
外見からみても、そんな年ごろだろう。北朝鮮労働党第一書記、新最高指導者のポストに就いた金正恩だ。


 このところ、毎日のようにメディアに登場する金正恩を見せられている。
初の肉声演説も聞いた。いつも引っかかるのはヘアスタイルだ。なぜあんな刈り上げ方をしているのか。〈建国の父〉である祖父の金日成国家主席にあやかっているという説も聞いたが、金日成の髪形はそれほど短くはなかったはずだが。


 とにかく、金王朝の三代目である。日本の政界にも三代目は何人もいる。四代目もいる。総じてぱっとしない。

代を重ねるにつれ次第に器量は劣っていくとみてよさそうだが、そうでない逆のケースもたまにあるから、ややこしい。
いまの金正恩のイメージは危なげ、頼もしいという感じではない。


 金正恩の命令によるのか、父親の金正日時代から決まっていたことなのか定かでないが、今回の北朝鮮によるミサイル発射と失敗騒動には気になることがたくさんあった。

その最たるものは、藤村修官房長官が、

 「ダブルチェックが必要だった」と公表の遅れについて釈明したことである。

ダブルとは何か。今回のミサイル発射に際して策定した〈新対処要領〉で、米軍の早期警戒情報(SEW)と自衛隊レーダー(イージス艦と地上)でダブルチェックした後、情報を公表することにしていたことを指す。それは、それでよい。


 しかし、今回は当てはまらなかったのだ。SEWがミサイル発射の熱源をとらえ、防衛省が情報を受信したのが発射約二分後の十三日午前七時四十分、このSEW情報がダブルのうちの一つ目である。


 ところが、田中直紀防衛相が記者会見で、

 「何らかの飛翔体が発射された」と発表したのが午前八時二十三分、つまり発射から四十三分後という驚くべき失態を演じ、批判にさらされた。

この間、「SEW情報が正確か確認中」(八時ごろ)とか、「わが国のレーダーでは確認していない」(八時三分)などの情報が防衛省から首相官邸に入っている。

ダブルの二つ目、自衛隊のレーダーによる懸命の確認作業が行われていたのだが、結果がでない。

 しかし、一方で、同時刻ごろ防衛省の統合幕僚長は田中防衛相に、「米軍が飛翔体を発見したがロスト(失探)、洋上に落下したもよう」(七時五十分)と報告している。自衛隊の探知可能高度まで上昇する前にミサイルが落下したことは明らかだった。

だから、こんどの場合は自衛隊レーダーがチェック能力を欠いていたのに、藤村長官も田中防衛相もダブルチェックにこだわり、モタモタするうちに時間が過ぎたのだ。
その理由については、さまざまな推測や噂が流れている。


◇間違いを恐れるあまり大間違い…

 だが、この種のこだわりは特殊な事例ではない。あちこちで日常的に起きている。

かつて、私の身辺でも、次のような体験をしたことがある。いい例ではないかもしれないが、情報処理という点では共通していた。


 ある深夜、重要な政治的決定がなされた。いまでいえば、民主・自民大連立ほどではないが、それに近い大ニュースだった。

M紙のA記者は、かねて昵懇で決定の当事者である実力者Bから深夜の情報を得た。Aは直ちに政治部デスクに電話連絡、


 「すぐに記事にしてくれ」と依頼した。デスクは、「ありがとう」と応じたが、翌朝の新聞を見ると一行も出ていない。Aは愕然とし、デスクに文句を言うと、「担当記者に裏付けをとるよう指示したが、とれなかったので」という釈明だ。

Bを補佐していた政治家もS紙に情報提供したらしく、S紙の一面トップを飾る特ダネになった。


 Aは政治部に長く在籍していた。その時は部員ではないが、M紙の記者であり、Bには古くから食い込んでいる。新米の担当記者に裏付けをとる能力があるはずがない。ところが、デスクは内部的なダブルチェックにこだわり、失敗を演じたのだ。

私がデスクだったら、ベテランのAの情報を信頼し、直ちに自分で記事を書き上げ、一面のトップを作ったのに、とその時の一部始終を知って、思った。
ミサイル事件になぞると、A記者は米軍のSEWであり、デスクが藤村長官、田中防衛相の立場になる。


 新聞の場合、ダブルの努力はいいとして、シングルだけで十分だった。Aの情報以上のものをどこからも得られるはずがなかったからだ。ミサイルについても、ダブルチェックの努力をするのは当然だが、最初の探知能力の優れているSEW情報をまず日本の国民に知らせるべきだった。国民は数分後にミサイル発射を知ることができたのだ


 両大臣もデスクも臨機応変の対応ができなかった。日ごろから身内の能力を知り、形式にこだわることなく、直ちに頭を切り替える才覚に欠けていた。これは、時に恐ろしい事態につながりかねない。


 新聞なら、抜いた抜かれたの競争レベルの話ですむが、国民の生命、財産にかかわると、重大な損害に直結していく。
福島原発事故でも同じことが言える。いずれのケースでも、とっさの判断がいかに大切かを教えているのだ。


 とっさの判断をしなければならない立場にいる人は、首相でも大臣でも、役所の局長、課長でも、企業のトップでも、自衛隊・警察・消防などの責任者でも、新聞・テレビの幹部でも、日ごろから心の準備が必要だ。そんなことは言わずもがなである。


 しかし、準備をしているつもりでも間違うことを、北ミサイル事件はみせつけた。間違いを恐れるあまり、結果的に大間違いをすることがある。

あとから、「検証、検証」と騒いでも、取り返しがつかない。


<今週のひと言>

 小沢判決がどうであれ、小沢観は変わらない。

 (サンデー毎日2012年5月6・13日合併号)

posted by 小だぬき at 07:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

21世紀の日本でかくも異常な魔女狩り裁判

きょうで小沢裁判は終わったのか
2012年4月26日 日刊ゲンダイ掲載


小沢が無罪判決でどうなるこれから


<小沢抹殺は何のため 誰のためだったか>

 長く不毛な裁判にようやく一区切りがついた。
26日、検察審査会によって強制起訴された小沢一郎・元民主党代表に対し、東京地裁(大善文男裁判長)が無罪判決を出したのだ。

小沢の政治資金団体・陸山会の土地取引を巡り、政治資金収支報告書の虚偽記載が問題視された裁判は、政治的謀略以外の何モノでもなかった。

政権交代の立役者・小沢の元秘書らをいきなり逮捕し、小沢自身も裁判にかけることで、その政治活動を封印することが狙いだった。

ありえないような裁判の過程で明らかになったのは、魔女狩りのごとく、最初から小沢を狙い撃ちにしていた検察の横暴と、そのためには捜査報告書すらも捏造するというデタラメ捜査手法だった。

これで小沢が有罪になったら、まさに日本の司法は戦前の暗黒時代に逆戻りだったのだが、寸前で踏みとどまったとはいえる


しかし、それで「めでたし」と言えるのか。小沢裁判は多くの課題と疑問を投げかけた。小沢の今後も気にかかる。これにて一件落着といえるのかどうか。さまざまな角度から探ってみる。

<この暗黒裁判は歴史的にどう見られるか>

 オランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏は小沢裁判について、こう言っていた。
「小沢一郎氏の裁判で考えなくてはいけないのは、捜査、逮捕、起訴、裁判が先進国として、きちんとバランスのとれたものであったかということです」

小沢氏を標的にして進行していることは人物破壊です。
長年かかって築き上げてきた既得権益を破壊しようとする人物(=小沢一郎)に銃口を向け、そして引き金を引く。
体制側にとって、新種の人間というのはいつの時代も脅威なのですが、こういうことが許されていいのか」

 これが先進国の第一線ジャーナリストの見立てなのだ。この裁判がいかに異常で異様だったか分かる。

 言うまでもなく、小沢は政権交代の立役者だ。
政治主導、官僚支配打破の先頭に立つべき政治家だった。

だから、検察は狙い撃ちにした。2009年3月に西松事件で小沢の元秘書を逮捕すると、翌年は「陸山会」の土地取引に目を付け、現衆院議員の石川知裕など元秘書ら3人を逮捕。がんがん締め上げ、小沢への裏金を暴こうとした。

結局、裏金の証拠はなく、小沢本人の起訴は断念したが、検察審査会が強制起訴した。
検察審査会が強制起訴の根拠とした捜査報告書は捏造だった。恐怖の謀略と言うしかない。

 小沢に無罪判決が出たが、21世紀の日本でかくも異常な魔女狩り裁判が行われたことは歴史にハッキリ記さねばならない。

あってはならない「政治的謀略」と「人権破壊」が白昼堂々と行われ、しかも、大メディアはそれを批判するどころか、暴走検察のリーク情報を垂れ流し、そのお先棒を担いだのである。

 ウォルフレン氏は小沢の元秘書で衆院議員・石川知裕ら3人に有罪が下った判決にも驚いていた。

判決は推認による有罪でした。私に言わせれば、あれは司法による“大量虐殺”に等しい。秘書3人は、別に政治献金を着服したわけではありません。単なる記載ミスです。
推認によって有罪判決を受けるといったことが先進国であっていいのでしょうか

 これがこの国の司法の姿だ。だから、小沢無罪でも喜べない。
「これにて一件落着」にしてはいけない。司法の責任を徹底追及する必要があるのである。

posted by 小だぬき at 20:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月27日

小沢元代表無罪 許せぬ検察の市民誤導

小沢元代表無罪 許せぬ検察の市民誤導
2012年4月27日   東京新聞社説

政治資金規正法違反に問われた民主党元代表小沢一郎被告は無罪だった。
元秘書らとの共謀を示す調書などが排斥されたからだ。
市民による検察審査会の判断を誤らせた検察の捜査こそ問題だ


 「事実に反する内容の捜査報告書を作成した上で、検察審査会に送付することがあってはならない」と裁判長は述べた。


 小沢元代表の裁判は、新しい検察審制度に基づき、市民による起訴議決を経て、強制起訴されたものだった。


 つまり、市民が判断の中核としたとみられる検察側の書類そのものが虚偽だった点を、裁判所が糾弾したわけだ。


 問題の報告書は元秘書の石川知裕衆院議員が小沢氏の関与を認めた理由の部分だ。
「検事から『親分を守るためにうそをつけば選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」と石川議員は述べたという。
だが、実際にはそのようなやりとりがないことが、録音記録で明らかになった。


 検察が虚偽の文書を用いて、市民を誤導したと指弾されてもやむを得まい。

石川議員の供述調書も、検事の違法な威迫、誘導があり、裁判で証拠採用されなかった。取り調べ過程の全面録画(可視化)の議論は加速しよう。


 そもそも、巨額なカネはゼネコンから小沢元代表側へと渡ったという見立てで、捜査は始まった。
上司から「特捜部と小沢の全面戦争だ」とハッパをかけられたという元検事の証言も法廷で出た。
今回の判決でも「検事は見立てに沿う供述を得ることに力を注いでいた」と厳しく批判された。
予断となった特捜検察の手法をあらためて見直さざるを得まい。


 検察審の在り方も論議を呼びそうだ。
検察の大きな裁量を見直し、市民に事実上の起訴権限が与えられた新制度は評価できる。
その特徴は黒白を法廷決着させたい意思だろう。
一方で、強制起訴の乱用を懸念する声もある。


 今回の裁判でも、弁護側は「検察が意図的に検察審に誤った判断をさせた」と主張していた。
これは検察審の悪用であり、事実なら言語道断である。市民の議論をサポートする弁護士を複数制にしたり、容疑者に弁明機会を与えるなど、改善点を模索したい


 小沢元代表は法廷で「関心は天下国家の話。収支報告書を見たことすらない」とも語った。政治資金制度の根幹部分を改正することも急務といえよう。

posted by 小だぬき at 11:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

原因と経過・結果、主治医に叱られそうですが・・

昨日の小沢裁判判決でもそうですが、マスコミの誤誘導が余りにも多い気がします。

そもそも 小沢氏強制起訴も 検察審査会の議事録も選任方法も明らかになっていません。
裁判員制度では 裁判後の記者会見もされているのにです。

しかも東京地検特捜部が2度に渡って「不起訴(犯罪が成立しない)」としたものを、2回目の検察審査会では 1週間で委員選出と強制起訴を決定している。
地検特捜部より検察審査会の方が 証拠調べも判断も優れていることになる・・・

そうなるとマスコミや国会の野党の証人喚問は、小沢氏に対してではなく、捜査担当検事と検察審査会の審査員に対してでなくては おかしいのではないでしょうか・・・

次に不思議なのは 「郵政民営化改悪」です。官業より民間のほうが 効率も利便性も向上し ユニバーサルサービスも維持できると言っていますが、思い出してください
国鉄がJRに分割されたあとのことを。

国鉄は旅客収支では黒字でした。しかも首都圏などの黒字で地方過疎線の赤字を埋めた結果でもです。
経営を圧迫したのは 政治路線といわれる新幹線の建設などを独立採算で強行させたことにあります。
道路との競争で、道路は税金で整備で 鉄道は独立採算では 競争もできずに「借金体質」になることは 明らかで 分割民営化は何か政治的・利権的な政治意図があったことはハッキリしています。

全国単体の公社だからできた ローカル線の維持と営業収支の黒字を 分割民営化することで 路線そのものに採算がとれないということで どれほどの地方線が廃線になったことでしょう。
しかも車両基地や操車基地などの 国民財産ごとJRに引き渡され、政治のための膨大な赤字は「清算事業団」に分離して 税を投入しました。

結局 全国単一路線を主張した「国鉄労働組合」の分裂・脱退や不採用などの組合つぶしのみが目的だったかのような 労組悪者説に世論を見事に誘導しました。

誰の目にも明らかな民営化の無責任は、ホームに必ずいた保安要員としての鉄道員がいなくなり 飛び込み自殺などが急激に増えたことです。

JRだけでも 怒り一杯なのに 今回の「郵政改悪法」は 簡易郵便局や貯金・保険に関する問題点の根幹は 会社の努力義務に過ぎない物になっています
しばらくは静かにしているでしょうが 民間企業としての合理化問題など必ずやでてきます。郵政の根幹の郵便すら 今は「宅配便」会社の方が信頼性も早さも確実である点の議論一つなかったのは 誤りでしょう。

おかしいと思うことは たくさんありすぎで 今日の最後は「国家赤字」についてのみにします。
まず 疑問なのは、国債残高の大きさの責任はだれにあるかということです。
安住財務大臣などは 他人事のように「国家財政が厳しいから」消費税増税を などと他人事のようにいいますが、大量国債発行の目的使い方に問題はないか、法人税・累進課税の軽減について 国民に説明する必要があるのではないですか・・・

だれか 赤字に責任をとった政治家・官僚はいるのでしょうか?

最近の例では 日本航空再建問題があります。
大量の税金を投入しているのに、当時からマイレージサービスを継続していたり 航空会社の生命線である 整備・客室乗務員・パイロットの大量解雇をしている。
本来、リストラすべきなのは 管理職やホテルなどであったはずなのに 運航要員をリストラしている。
なにか納税者として 税金を投入して 安全の要の運航要員のリストラを阻止できなかった後ろめたさが残ります。

企業には公的資金注入、外国には「援助」、国際機関には多額の出資金・・、が何とも納得できないのです
社会保障維持のためといいながら 社会保障基金の運用赤字や独立法人としての社会保険料での独立採算での運営の問題点。

国民を「生かさぬよう 殺さぬよう」「知らさず 知られないよう」にという政治家方針かと 国会中継をみていて怒りを感じます。
posted by 小だぬき at 15:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月29日

心身の疲れと自衛隊を「国防軍」にする課題。

今日は 朝から動けず 薬を飲むために食事をしてまた眠る。理想的??リラックス日でした。

昨日、自民党が「憲法改悪案」を発表しました。
自衛隊を真に「国防軍」にするためには、軍隊で守られるものを明確にすることです

簡単に言えば 「国内での軍事防衛力として」自衛隊を位置付ける訳ですから、「国民を自衛隊は守ってくれない、自助努力を」ということを 明確にしないといけないのです。

仮想敵国をどこにおくにしても 国防軍の動きは 相手の攻撃次第となります。

本来、国民一人一人を守る シェルターや武器、抵抗運動のイロハは 機会をとらえて 短期間でも男女かかわらずにする必要があります。

つまり 国防軍を軍隊として機能させるには国民が 自力で逃げられる、抵抗できる態勢が必要になるのです。

今 武器を使用できる人は、警察・自衛隊・海保・猟師・暴力団などの一部にとどまります。しかも 今の所有兵器のほとんどは、演習地や海外でしか実弾がうてません。
 
相手が 戦車10両対決を演習地でとか、公海上で護衛艦・潜水艦の同じ条件での海戦とか、主力戦闘機同士の空中戦とか 子どもでも笑う想定でしか 近代戦争はできない。移動にしても橋・道路が兵器加重に耐え得る作りなのかも問題です。

まともに議論するのなら 軍隊は「国民を守れるのか」「国民犠牲を覚悟して 領土・領海・領空の国土と 統治機構(天皇制、霞が関、永田町)を防衛するのを優先するかハッキリさせなければならないでしょう。

そうでなければ、敵の進行阻止や破壊活動阻止のために、自衛隊が国土内の建築物や道路・橋などを破壊する活動なども想定しなければなりません。

演習地で精強でも 犠牲の許容と破壊を現場指揮官判断にゆだねなければ、都市部や住宅地では 闘えないのです。

最低の武器使用習熟のために 国民の短期武器講習・習熟が必要になります。
それと 本当に何が必要で 何がムダかという 軍としての編成や武器調達に真剣に踏み込むことです。

どうも 軍事に詳しいと思い込んでいる人ほど、国内で闘えるのかという基本的問題に目をそらしているように思う。


*******************************
憂楽帳:緊張感が不正絶つ 
毎日新聞 2012年04月28日 西部夕刊


大分県教委ナンバー2の教育審議監(現教育次長)や校長ら8人の有罪が確定した教育汚職発覚から、6月で4年。採用取り消し撤回などを求める訴訟は続くが「過去の事件」という印象を持つ人も少なくないかもしれない。


 そんな県教委が1月、委員長の発案で委員会撮影に突然“待った”をかけた。報道各社は以降、隅の制限エリアからの撮影を余儀なくされている。


 事件以降の委員会には記者が多数取材に訪れ、教育長が頭を下げる写真が何度も紙面に登場。事件から1年の節目の委員会では教育次長が居眠りと受け止められかねない場面が記者に見つかり、更迭されたこともあった。


 傍聴人規則に「委員長許可が必要」とあるものの、従前は事実上の自由撮影。それがいい緊張感を生んでいた。なのに「審議充実」を目的にした運用変更。委員が何をしていても、後ろ姿からは分からない。各社からの反発で、改善は考えているようだが……。

 居眠りを虎視眈々(たんたん)と狙っているわけではない。

汚職は「誰も見てない。ばれない」意識が根底にあった。「県民が見ている」緊張こそ、長きにわたり不正を絶つ源だからだ。【梅山崇】

posted by 小だぬき at 19:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月30日

近事片々:信頼の原則

近事片々:信頼の原則
毎日新聞 2012年04月27日 14時13分

 集団登校の児童を襲う輪禍。ドライバーはとりわけ幼い子供たちの前では念には念の注意を払う。
それこそ交通安全を支える「信頼の原則」の最たるものだが、踏みにじられている。

 それは大人社会全体への不信にもつながる。


    ◇    ◇


 信頼を損ない続けることに忸怩(じくじ)たるものありや、政界。

 「復権」の鬨(とき)の声高く、権力闘争劇の幕開け。しかし、今や主人公の力量のほど、たぶんに“共同幻想”にも似て。
 はたから見れば、いつものごとく、沈みゆく船の甲板でカラオケのマイクを争っているさまとしか映らぬが。


    ◇    ◇


 <黒蝶(ちょう)のめぐる銅像夕せまり>        西東三鬼

posted by 小だぬき at 05:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月01日

「メーデー」 宣言だけではダメだ

「メーデー」 宣言だけではダメだ
2012.5.1  東京新聞社説

働く人たちの祭典・メーデーの季節だ。日本経済は低迷が続き、労働環境は一段と厳しさを増す一方で、メーデーの存在が霞んでいる。
労働組合は宣言だけではなく、行動こそが重要だろう。


 完全失業率は4・5%と高水準が続く。賃金も、毎月勤労統計調査の現金給与総額(約二十六万五千円)は横ばい状態だ。
デフレ経済で将来不安から消費を手控える「守りの意識」が強く、統計の数字以上に国民の生活実感は悪い。


 そんな中、頼みとなるはずの労働組合が沈滞している。組合離れの実態は目を覆うばかりだ。


 国内の労働組合員数は昨年、ほぼ半世紀ぶりに一千万人を割り込んだ。ピーク時の一九九四年から二割減の九百九十六万人になった。組織率は18%台まで落ちた。


 背景は正社員の減少と非正規社員の増加だ。経済のグローバル化に伴って、人件費抑制のため、企業が正社員を派遣労働者に置き換えたためで、今や非正規の割合は三割を超えた。


 危機感を強める連合は非正規の組合化に取り組み始めたが、もともと大企業の正社員中心の労組だ。スーパーのパートらが組合員の48%を占めるUIゼンセン同盟を除けば、連合の非正規対応は鈍い。
これまで終身雇用など日本型雇用を担ってきただけに、多様化する労働層に対処できていない。


 それがメーデーにも表れてきた。
先月二十八日にあったメーデー中央大会は「すべての働く者の連帯で、働くことを軸とする安心社会を実現する」。との宣言を採択した。

しかし、派遣切りが問題となった二〇〇七、〇八年は「ストップ・ザ・格差社会」と明快なスローガンだったのに対し、非正規対策の決意が伝わってこない。


 雇用環境が大きく変わった以上、労組の戦略変更は必然だ。

拡大する非正規社員を取り込まないかぎり弱体化は止められない。非正規の要求実現を進めるしかない。
正社員になりたいのになれない「不本意の非正規」は派遣や契約社員でそれぞれ四割を超えている。


 まずは希望者の正社員化に全力を挙げる。また、試用期間を設けることで採用を後押しする「トライアル雇用」や、賃金格差をなくしていく「同一価値労働・同一賃金」を普及させるなどだ。


 宣言を採択するだけのメーデーではなく、目に見える果実を示す。そうでなければ存在意義は失われてしまうだろう。

posted by 小だぬき at 13:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月02日

東京大空襲訴訟 人道主義で立法を急げ

東京大空襲訴訟 人道主義で立法を急げ
2012年5月2日  東京新聞社説

 東京大空襲の被害救済を求めた裁判は、東京高裁でも原告敗訴に終わった。

多大な苦痛に対し「心情的に理解できる」にとどまっては、戦争の生傷は癒えない。人道主義に立った立法を急ぐべきだ。


 下町一帯に焼夷(しょうい)弾が落とされ、火の海をさまよいながら、無数の人々が逃げ回った。米軍による無差別爆撃で、死者は十万人を超え、被災者は百万人にものぼった。六十七年前にあった東京大空襲である。


 被害に遭った原告らは、日本政府が講和条約で米国に対する損害賠償請求権を放棄したことを踏まえ、責任は国にあるとし、謝罪と損害賠償を求めていた。
だが、一審の東京地裁に続いて、東京高裁も原告敗訴の判決を出した。


 米軍による空襲は名古屋、大阪など全国六十七都市に及んだ。

被害の救済を求める動きも連綿と続いてきた。旧軍人・軍属や遺族らが恩給や補償などの対象になっているのに対し、民間人は置き去りの状態だったからだ。


 一九七三年に民間人の被害救済の法案が提出され、八九年まで議論されたが、とうとう結実しなかった。
当時、日弁連が憲法の「法の下の平等」などに基づき、民間戦災者の援護法制定を求める決議をしたこともある。


 東京大空襲の地裁判決は訴えを退けつつも、「救済は政治的配慮に基づき、立法を通じて解決すべきだ」と述べた。
今回も「不公平と感じることは心情的には理解できる」との表現にとどまり、一審をほぼ踏襲する内容だった。


 確かに八七年に最高裁は「戦争被害は、国民の等しく耐え忍ぶべきもの」と「受忍論」を展開した。だが、原爆被害者に医療特別手当などが支給されたり、中国残留孤児も援護の対象になった。


 二〇一〇年にはシベリア抑留の特別措置法も成立し、戦争被害者の救済問題は“進化”しているのが現状だ。


 同年に名古屋市では、空襲などでの民間戦傷者に見舞金制度を創設した。
浜松市などにも同様の仕組みがある。


 そもそも、英国でもフランスでも、敗戦国のドイツやイタリアでも民間の被害者を補償している。人権と人道上の考え方からだ。

日本の空襲被害者をなぜ放置していいのか。この訴訟はそんな問題点を投げかけたはずだ。


 「空襲被害者援護法」をつくる動きは、超党派の議員らの間でも起きている。“悲劇”がなお続く現状は酷薄ではないか。

posted by 小だぬき at 18:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月03日

被災地 幸福追求・生存権どこへ 今こそ憲法の出番

被災地 幸福追求・生存権どこへ 今こそ憲法の出番
2012年5月3日 07時11分   東京新聞社会面

 一人一人が尊重され、人間らしく平和で安全な社会に生きる。

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故以降、だれもがその願いを切実にしていることだろう。

六十五年前のきょう、日本国憲法が施行された。
一三条と二五条が保障する権利の実現に国は努力しているのか。
大震災の後、千六百十八人が関連死で亡くなっている。もうこれ以上、悲しみと苦しみを広げてはいけない。

   ◇

 被災した約百世帯が入居する宮城県石巻市東部の万石浦(まんごくうら)仮設住宅。
今年一月の深夜、救急車のサイレン音が響き、八十五歳の女性宅前に止まった。


 女性は心臓を患っていた。この夜、女性は助けを求めて部屋の壁をたたいた。
「コンコンコン」。その音に異変を察した隣部屋の主婦が通報し、女性は一命をとりとめた。

 女性は以前にも発作を起こしたことがあった。助けを呼ぶときは、壁をたたいて知らせることが合図になっていた。
仮設住宅の薄い壁が命綱なのだ。

 「うまく隣人が気づいてくれてよかったが…」と自治会長の後藤嘉男さん(71)。いつも気になるのは入居者の様子。高齢の単身者十九人には特に気を配っているという。


 県内一の被災者を抱える石巻市は、七千二百戸の仮設住宅の入居先を決める際、公平を期すため原則抽選とした。このため、同じ地域の住民がバラバラに分かれて入居。見知らぬ人が隣人になった。


 「周りは田んぼ、何にもないべ」。市中心部から離れた桃生(ものう)町の仮設住宅で、一人暮らしの木村勝夫さん(70)がこぼす。

町までの巡回バスは一日二便。
五十一戸ある仮設住宅は空き部屋が多く、日中も人の気配がない。


 木村さんは足が不自由で出歩けず、買い物はヘルパーに頼むが、調理に苦労する。
昼すぎ、テーブルの上には卵かけご飯の残りと焼酎。三年前まで建築業をしていたが、今は生活保護に頼る。
マッチ箱に入れられたような生活。おかしくなる」とコップに焼酎をついだ。


 同じ仮設住宅で一人で暮らす亀井洋さん(45)は震災後に職を失い、今年に入ってようやく、仙台港での荷揚げのアルバイトを紹介してもらった。

日当は一万二百五十円だが、仕事があるときだけの臨時アルバイト。
「少ないと月に五日程度、十日働けたらいい方。朝晩自炊して食べていくのがやっと。全く先が見えない」と話す。


 四月半ば、市内の田んぼの中に立つ仮設住宅で、五十二歳の男性と知人の三十六歳の女性の遺体が見つかった。死後一〜二週間。男性が先に病死し、女性が後で亡くなったとみられる。


 「死」のニュースは、仮設住宅で暮らす被災者にとって人ごとではない。「ドキッとするんです」と万石浦の後藤さんは話す。
昨年九月にも別の仮設住宅で一人暮らしの男性が刃物で腹を刺して命を絶っている。


 炊き出しなどで被災者を支援するNPO法人「フェアトレード東北」の佐藤大知さん(26)は「仮設住宅の規模や場所によって支援の届き方に格差が出ている。

市中心部から離れた仮設住宅には支援が行き届かず、孤立している人が点在している」と訴える。

posted by 小だぬき at 08:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

現憲法の理念を実現するのが先では・・・

今日は「憲法記念日」です。各党の談話で おおよその考え方がわかります。

この「日本国憲法」の基本的な考え方は、アメリカ占領軍が「起案」したのは 事実でしょう。
ただ 法学部の「憲法」学習では、成立過程での国会討論が紹介されます。

日本共産党の野坂参三衆議院議員(後 委員長→議長→名誉議長→除名)の九条の反対討論です。

野坂氏は 制定時から 主権国家・独立国家として 「国防軍」が持てない条項はおかしい、反対である。と主張した唯一の議員です。

それに対して 
時の政府は 占領軍に盲従し「この憲法は 平和のためにも是非必要だし、我が国は前文にあるような理想を追求する国家になる」と 共産党の「自衛軍」は必要との議論に反対しました。

それが どうでしょう・・・・。
占領軍の無軍備政策から東西冷戦に合わせたような再軍備を 警察予備隊→保安隊→自衛隊と 憲法の解釈改憲で 今まできています。

9条以外も 与党は 言葉だけ「自主憲法制定」といいながら、自国の憲法の内実化を怠りました。

政権与党の都合によって 「現憲法では・・・」「米国の押し付け」と 態度の一貫性がありません。

下記の「民主党」「自民党」の現・旧政権与党の談話そのものが、内実のある憲法にすると同時に 必要があれば改憲の議論はきちんとするとなっていないに等しいのです。

むしろ左翼政党と言われる 共産党・社民党に護憲思想が ハッキリあらわれていることに注目です。

憲法にかんしては、共産党・社民党・自民党保守派の主張が理にかなっています。

みんなの党の改悪案では 一歩間違えれば「大政翼賛会」「独裁」「戦争」の路につながりかねない危険を覚えます。


*********************** **********
憲法記念日 各党が談話

2012年5月3日11時13分  朝日デジタル

 憲法記念日にあたり、各党は3日付で談話を発表した。


 民主党は前原誠司政調会長が「現行憲法に改める点があれば改めるべきだ」と改憲の必要性を表明。
東日本大震災への対応の反省から、緊急時の人権保障、危機管理、国と地方の協力の3点を挙げ、「憲法論議を豊富化させるべき課題が提起されている」とした。


 自民党の谷垣禎一総裁は「国民、領土、主権を守る姿勢を明確にするためにも、自主憲法制定に向けた取り組みを加速させる」と改憲への決意を鮮明にした。

 公明党は「現憲法は優れた憲法」と評価しつつ、環境権や人権の拡大を付け加える「加憲」が「最も現実的で妥当」とした。


 共産党は市田忠義書記局長が「政府・国会が憲法の諸原則にのっとって被災者・避難者の生活再建、国民生活の向上に力をつくさなくてはならない」。

 社民党も「震災復興、原発事故収束、国民生活の再建に全力をあげ、憲法の理念を生かした政治の実現をめざす」と表明。

 みんなの党の渡辺喜美代表は「首相公選制、一院制国会、地域主権型道州制、国民投票法制などの改正が必要だ」と主張した。


 国民新党は「震災により、緊急時に国民の生命、安全を守る条項の必要性が明らかになった」。
 
 新党改革は舛添要一代表が「国民と共に憲法改正論議を進めていく」とした。

posted by 小だぬき at 19:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月04日

労働安全衛生法ってどんな法律?

質問なるほドリ:
労働安全衛生法ってどんな法律?=回答・八田浩輔
毎日新聞 2012年05月03日 東京朝刊

◇事業者責任、明確に 健康診断など義務付け

 なるほドリ 労働安全衛生法(ろうどうあんぜんえいせいほう)(安衛法)という法律の改正案が国会に出ているらしいね。どんな法律?


 記者 戦後の高度経済成長期から、労働災害や特定の職業の人がかかる確率の高い病気(職業病)が増えたため、労働者の健康と安全を守るため1972年に制定されました。
会社など事業者に労災を防ぐ計画や管理体制の整備を求め、労働者を守る責任を負わせています。年に1度、労働者の健康診断を実施することや、規模の大きな事業所には産業医を置くことも義務付けています。


 Q 今回は何が改正されるのかな。


 A 従業員のメンタルヘルス(心の健康)の検査や、職場の受動喫煙(じゅどうきつえん)を防ぐ取り組みを新たに義務付けています。
安衛法は、産業形態や働き方の変化に応じ、時代にあった対策を盛り込んできました。80年代後半以降、労働者の心身の健康を増進する支援体制の強化や、長時間労働対策などが加わりました。


 Q 職場のメンタルヘルス対策って、どうなってるの?

 A これまでも厚生労働省が指針を作ったり、会社などに自殺対策の実施を求めてきました。
厚労省の推計では、うつ病や自殺で働く人を失う経済損失は年約2・7兆円(09年)と、生産性の観点からも重要な問題です。

ただし、プライバシーを守りながら進めることは簡単ではありません。
労働者の不利益にならないように、事業者や行政、医療・保健の専門家が連携して、長期的な視点で議論を深め、対策を充実させることが大切です。
(リスク取材班)

posted by 小だぬき at 11:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月05日

言葉の持つ力。それは「傷つけるためではなく…

余録:
言葉の持つ力。それは「傷つけるためではなく…
毎日新聞 2012年05月05日 00時07分

 言葉の持つ力。それは「傷つけるためではなく、だれかを守り、だれかに伝え、だれかとつながりあうための力」だ−−。
今年の本屋大賞を受賞した小説「舟を編む」 (三浦しをん作、光文社刊)の一節である。

辞書は言葉の海にこぎだす舟、その舟を編むのが辞書づくりだという比喩が美しい

▲悲しいかな、私たちが現実に耳にする言葉は、辞書づくりに一生をかける作中人物たちのように温かくはない。
相手を責め立てる言葉、だれかとつながりあうための言葉ではなく、だれかを傷つけるための言葉がはんらんしている

▲大型連休前の問責決議で、田中直紀防衛相の資質を問う国会論戦があった。
子どもの世界のいじめにも似た集団での嘲笑に、眉をひそめる国民も多かったのではないか。
その職にいかに不適格かを丁寧に説く方が、よほど言葉に重みがあっただろうに

▲この国の政治は議論がいつもかみあわない。与党も野党も自分たちの陣地を築き、壁を高くして、互いに言葉を投げつけ合っている。
壁の内側は仲間の世界だ。
そこでしか通じない言葉を使っていれば、それはいつしか仲間だけを守り、敵を傷つけるための言葉になってしまう

▲コミュニケーションとは本来、考えを異にする者同士が相手の意見に耳を傾け、それを尊重し、そして自らを高めていくことである。人と人がつながりあうために、言葉は生まれたのだ

▲連休明けには問責決議の後始末と消費税の国会審議、そして小沢一郎元代表の処分解除をめぐる民主党内の論議が始まる。
言葉のつぶてがむなしく飛び交う政治の光景を、また見せつけられるのはごめんこうむりたい。
posted by 小だぬき at 08:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月06日

さあこれからだ:健康長寿の秘密=鎌田實

さあこれからだ:健康長寿の秘密=鎌田實
毎日新聞 2012年05月05日 東京朝刊

 一度身についた習慣は変えにくい。だけど変わらない人はいない。人は必ず変われる。


 厚生労働省が今年3月に発表した都道府県別の年齢調整死亡率は、男女ともに長野県が最も低いという結果になった。


 年齢調整死亡率というのは聞き慣れないかもしれない。死亡率は年齢と関係する。高齢化の進んだ県では当然、死亡率が高くなってしまう。
そこで、統計上の処理をして年齢構成をそろえたのが年齢調整死亡率だ。人口10万人当たりの年間死亡者数で表される。


 2010年の算出結果で死亡率が低いのは、男性では1位長野県(477・3人)、2位滋賀県(496・4人)、3位福井県(499・9人)、女性では1位長野県(248・8人)、2位新潟県(254・6人)、3位島根県(254・7人)となった。

逆に死亡率が高いのは、男性で青森県(662・4人)、秋田県(613・5人)、岩手県(590・1人)と東北が多い。女性では青森県(304・3人)、栃木県(295・7人)、和歌山県(294・5人)となった。


 この調査は5年に1度行われているが、長野県の男性は1990年から5回連続1位である。女性は前回2005年に2位であった。

ちなみに、平均寿命の国の調査においても、長野県の男性は1990年から4回連続1位、女性は2000年が3位、2005年が5位となっている。どの調査でも、健康長寿であることを示している。

しかし、長野県はもともと脳卒中が多く、どちらかというと不健康で早死にする人が多く、医療費も高い県であった。それが今では健康長寿県。老人が多いのに、医療費が安い県になって注目されるようになった。

その理由は何かを探ろうと、かつて、国民健康保険中央会に研究委員会がつくられ、長寿の秘密が研究された。ぼくも委員の一人だった。


 高齢者単独世帯の比率の低さ、持ち家率の高さ、在宅ケアの充実などが、長寿で老人医療費を低くしている要因ではないか。坂が多く、高齢者が自分の足で上り下りしているのも大きいのではないかともいわれた。


 だが、最も統計的に有意の関係があるといわれたのは、長野県では、高齢者の就業率の高さであった。農業従事者が多い。しかも、北海道などに比べると桁違いに小さい農業である。小さいからこそ年を取っても続けられ、それが収入や生きがいにつながっている。体を動かして働き、生きがいをもてる生活こそが、健康長寿の秘密ではないかと指摘された。


 また、研究委員会は住民自身が健康への意識を高め、生活を改善していったことも大きいと指摘している。


 ぼくが長野県茅野市に赴任した37年前、健康づくりの新しい波がおこりはじめていた。ぼくたちは病院の仕事が終わると、夜、地域へ出かけていった。脳卒中の予防のために、どう生活習慣を変えたらいいか。出て行く医療を、年間80回も行った。

 まず取り組んだのは減塩である。

ぼくが血圧と塩分と動脈硬化の話をすると、地域のおじさん、おばさんたちは熱心に聞き、「先生の話はわかりやすい」と納得してくれた。

だが、その直後。「さあ、お茶、お茶」と、塩からい野沢菜の漬物にさらにしょうゆをドバドバかける。笑い事ではなかった。ショックだった。打ちのめされた。

生活習慣を変えるのはなかなか難しいとそのとき思った。

 野菜や食物繊維を多くとること、魚を中心にしたたんぱく質をとること、肥満予防のためにウオーキングをすることなどを理解してもらおうとした。

最近は一般によく知られるようになったが、野菜や魚の色素には抗酸化力があり、アンチエイジング作用が期待できる。

 何度もこうした話を繰り返した。でも知識としてもっているだけでは生活習慣は容易には変わらないことに気が付いた。

知識を、生活のなかで具体的に実践できるように噛(か)み砕き、広めていくことが必要だった。

地域の保健補導員というヘルスボランティアが力を貸してくれた。食生活改善推進協議会、通称「食改」、ショッカイさんたちが縁の下の力もちになってくれた。

 保健補導員やショッカイさんは、ぼくたちの話を元に、野菜や繊維が豊富で、塩分を減らし、海のない長野県でできるだけ魚を食べられるような献立を考えて、長野県中に広げていった。

ぼくの住んでいる茅野市は人口5万6000人に保健補導員の経験者が9000人を超えている。食生活は格段に改善した。


 当時、長野県の人の塩分摂取量を調査すると、なんと1日約25グラムなんて人がけっこう多くてビックリ。今では11〜13グラムに低下してきている。長野県の1人当たりの塩分購入量は2002年には5212グラムだったが、2010年には2441グラムと減ってきた。


 長野県の野菜の摂取量は、日本でも有数の高さだ。健診率は全国でけっして高くないが、健診後の生活指導を充実させ「歩け歩け運動」などの積極的な予防にも力を入れた。


 生活習慣を変えること。専門的な言葉では「行動変容」という。

長野県が日本一、年齢調整死亡率が低い県となったのは、数十年の時間をかけ、地域の人みずからが生活習慣を少しずつ変えてきた結果だと思う。長生きのために、長野に引っ越してこなくてもいい。

行動変容が大切なのだ。ちょっと生活を変えれば、だれでも健康になれる。
「減塩」「血液をサラサラにする魚」「色素の多い野菜」「海草、キノコなどの繊維」「発酵食品」「運動」。あなたも今日から始めてみませんか。人は必ず変われる。
(医師・作家、題字も)

posted by 小だぬき at 11:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

生活保護不正受給疑惑

次長課長・河本準一が逮捕の危機か / 生活保護不正受給疑惑で片山さつき議員「厚労省に調査依頼した」

提供:ロケットニュース24


例外もあるが、親に収入がなく子どもに一定以上の収入がある場合は、親を扶養する義務である「扶養義務」が発生する。
年収が数千万円の河本さんは、収入がない母親を扶養する義務があるといわれている。


つまり、河本さんの母親が生活保護を受けているのは、一般的にみて不自然なのである。

高額な収入のある河本さんが扶養義務を果たしていないということになり、母親が生活保護の不正受給にあたる可能性がある。

そのため、河本さん自身も「共同正犯や教唆などの罪を問われるのでは?」という意見が多くあがっているのである。


この件は半月以上前から話題となっているが、現在河本さんからまったくコメントが出されておらず、事実かどうか確認することができない。

このような疑惑はタレントとして致命的なイメージダウンにつながる。
事実無根であるならば、なぜ河本さんは口を閉じたままなのだろうか?


気になっているのは一般人だけではないようで、政治家の片山さつき議員が厚生労働省の担当課長に調査を依頼したという。
彼女が5月2日に掲載したブログ記事では、以下のようなコメントが記載されている。
 
・片山さつき議員のブログコメント

もう半月も、マスコミで話題になっていながら、ご本人の釈明のない、本件。

仮にギャグのネタであって、本当は母親の生活保護需給はない、というなら、それを記者会見で公表して、そういうことは、本来刑事罰の対象にもなりうることである、ことを言うべきでしょう。

もしも、本当ならば、これだけ大っぴらな不正受給を放置しておく、当局、同氏の母親居住の市町村、は何をやっているんだと言われてもしかたありません。


 今の厚生労働省の、生活保護担当課長は、生活保護の適正化が与野党で最大のテーマのひとつになっており、社会保障税の一体改革でも、正直ものが報われる社会にするうえで、「生活保護は、本当に困窮している方にはしっかり届き、頑張れば働ける、あるいは本来養ってくれるべき近い親等の親族がいる場合にまで払っていたら、消費税などいくらあっても足りない世界になりかねない」という批判が当然出てくるので、かなりしっかりした課長さんです。


 今日も直接話をして、以下のような言い訳が、建前上の、お役所回答ではあるけれど、せめて直接の窓口である市と府の担当に、状況を確認するように、要請してもらうことになりました。これだけでも大きな進歩でしょう。(片山さつき議員のブログより引用)

この動きに関してインターネット掲示板では「素晴らしい! どんどん切り込んでいってほしい」といった片山議員を応援する声や、「今まで河本が無反応なのがおかしい。何かリアクションすべきじゃん」、「本当だとしたらとんでもないやつだと思うよ 困ってる人が受け取るべき生活保護を何千万も年収がある人の家族が奪ってるんだから」と河本さんの行動を疑問視する声が多数あがっている。


はたして本当に河本さん親子は生活保護を不正受給しているのだろうか?

 河本さんは一刻も早く事実を会見で説明してほしい。この不正受給が事実ではないことを願いたい。


参照元:片山さつき公式ブログ 

posted by 小だぬき at 19:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月07日

予言は人をもてあそぶ

書店員に聞く 占師になる方法
朝日新聞「文]保科龍朗  [掲載]2012年05月05日

 占いの館へようこそ。お望み通りの予言をしてさしあげましょう。
なんですって? 自称占師にだまされていないか知りたいとおっしゃる。
ならば私もこっそり読んでいる、こちらの本をお求めになられたほうが身のためですぞ。


■八重洲ブックセンター八重洲本店 
野口絵里さんのおすすめ

(1)人間この信じやすきもの [著]トーマス・ギロビッチ
(2)スピリチュアル市場の研究 [著]有元裕美子
(3)透視術―予言と占いの歴史 [著]ジョゼフ・デスアール、アニク・デスアール
 ▽記者のお薦め
(4)タイタンの妖女 [著]カート・ヴォネガット・ジュニア

■予言は人をもてあそぶ

 予言にしたがえば、2012年はまさに暗たんたる終末のシナリオのむごたらしい結末を迎えるはずだ。

 中米に栄えたマヤ文明の暦をよりどころとした「2012年人類滅亡説」がそれである。

人心をおののかせる度合いは「ノストラダムスの大予言」の足元にもおよばないが、心の片すみに引っかかったら外せなくなる不安の針は隠し持っている。

 野口さんが「今回のテーマで真っさきに思い浮かんだ社会心理学のロングセラー」だという

  (1)『人間この信じやすきもの』では、人がおちいる誤信や迷信のしくみを米国の認知心理学者が解きあかしている。

 著者はまず、「人間の本性は『真空』を嫌う」と論じる。人は予期できなかったり無意味だったりする現象に我慢がならない。
そのために混沌(こんとん)とした外界に一定の秩序やパターンを見いだそうとするのである。
 この本性は、ほどよく働いていれば科学の新発見などに役立つが、歯止めがきかなくなると、ありえない観念へ迷いこんでしまう。

 たちの悪い例が、「自己成就的予言」だ。銀行が破産するというデマを信じこんだ人びとがパニックを増幅させ、現実には起こるはずのなかった破産へ追いこんでしまうことがある。人は自分の信念や仮説に見合う情報しか見ようとしなかったり、過大評価したりするものなのだ。

 (2)『スピリチュアル市場の研究』は占いや癒やしなど、精神世界に根ざすビジネスの全容のリポートだ。
 1970年代に誕生したスピリチュアル(霊的)・ビジネスは前世紀末から急成長をとげ、いまや推定市場規模は1兆円という。

「スピリチュアル本は驚くほどよく売れる。どんな読者なのかと興味を持っていたが、『信じやすく』『自信のない』人びとがこの市場の消費者なのだと分析されている」(野口さん)。

 (3)『透視術―予言と占いの歴史』は、タロット、占星術、交霊術などさまざまな占い術を解説した西洋オカルト学の入門書。著者のジョゼフ・デスアール自身、パリで開業する透視術師である。

 記者が薦める(4)『タイタンの妖女』は、カート・ヴォネガットがまだ無名のころの長編2作目のSF小説だ。主人公は全米一の大富豪コンスタント。
彼はある日、宇宙旅行で全知全能の神のごとき存在となった男ラムファードから過酷な未来を予言され、その通りに富も記憶も奪われ、太陽系を放浪する身となる。
しかも、予言にもてあそばれているのは彼ひとりだけでなく、人類全体の歴史が、あるとんでもない目的のために操られていたのである。

 運命にあらがおうとする自由意思がいとおしくなる破天荒な物語だ。(保科龍朗)
    ◇
■〈見るなら〉NEXT―ネクスト―

 「あらやだ、ハリウッドのモト冬樹よ」「その言いかた、おかしいでしょ!? ニコラス・ケイジだってば。
この映画、フィリップ・K・ディックの短編小説を原作にしたハード・コアなSFなのよ」「冬樹はどんな役なの?」「さだまさしから松山千春への爆笑ものまねメドレー……って、違うでしょ! 

 主人公には予知能力があるんだけど、自分自身にかかわる2分先の未来が見えるの」「2分だけってショボいわね」「でも、その能力を察知したFBIは、テロリストがロサンゼルスを核兵器で壊滅させようとしている陰謀を阻止するのに彼を利用するわけ」
」「そんなこと、できっこないじゃん」
「見ればわかるけど、結局、体を張ったら、なんとかなるもんなのよ。あんたなんか2秒先も真っ暗闇なくせに」「そんな先のことまで考えてたら、オカマなんてやってらんないわ!」(龍)
 ブルーレイ発売元はギャガ、販売元はハピネット、4935円。

posted by 小だぬき at 08:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月08日

超高齢社会 「肩車型」の常識を疑え

社説:超高齢社会 「肩車型」の常識を疑え
毎日新聞 2012年05月05日 02時30分

 長寿はおめでたいことなのに、高齢化となると悲観論をもって語られることが多い。

現役世代の人口が減り続けているせいでもある。

現役4人が高齢者1人を背負う「騎馬戦型」から、現役1人が高齢者1人を背負う「肩車型」になると言われたら誰しも不安になるだろう。たしかに人口比率はそのようになる。


 だからこそ先進国最低レベルの国民負担率(税と保険の負担)をもう少し引き上げるべきだという文脈で「肩車型」説は登場したはずだったが、野田佳彦首相らの言い方がまずいのだろうか、逆に社会保障制度の信頼性を揺るがせているようにも思える。
そのせいで年金や保険の未加入者が増えているのだとしたらあまりに皮肉だ。

現役の負担は増えない ここは世の「肩車型=悲観論」の常識を疑ってみようではないか。

 現役(15〜64歳)と高齢者(65歳以上)の人口比がいずれ1対1になるのは間違いないとして、社会保障の安定性を考える上で大事なのは働いて所得を得ている層と「支えられる側」の比率であることを忘れてはならない。

支えられる側」にいるのは高齢者だけではない。戦後間もないころの親は大勢の子供たちを育てていたが、今は子供の数が減り続けている。

 また、以前の「支えられる側」には専業主婦、障害者、病気の人も含まれていたが、今は専業主婦世帯よりも共働き世帯の方が増え、障害者の雇用率も上がっている。
また、65歳を過ぎても働いている高齢者は以前と比べものにならないほど多くなった。
今後も高齢者や主婦が働いて「支える側」が厚くなれば、高齢化率の伸びほどには現役世代の負担は増えないだろう。
ひきこもりやニートなど現役世代で働いていない人もいるが、これらのデータを含めて総合的に見ると、「支える側」と「支えられる側」の比率はこの数十年ほとんど変化がない


 もう一つ、悲観論の根拠である「高齢化に伴って社会保障費が毎年1兆円ずつ増え、世代間格差が広がる」という説も考えてみよう。


 3世代同居が当たり前だった時代は、老いた両親の介護や子供の保育はもっぱら妻の役割とされ、その妻を含めた大家族全員の生活費を現役世代の夫が一人で支えていた。

ところが、核家族やひとり暮らしが当たり前になり、子供の数も減ってくると、親の介護や保育の負担は相対的に軽くなる。老いた親も年金や預金で生活できるようになれば、現役世代の経済的負担は少なくなる。

 もちろん、無年金や低年金の高齢者は多く、親の介護のために離職する人も後を絶たないが、年金も介護保険もなかったころに比べれば、今の現役世代の負担は一概に重くなったとは言えない。

むしろ1人当たりの相続財産は以前より多く、教育を受ける機会や費用も増えている。「肩車型」のイメージと世代間格差の実相はかなり違うと考えるべきだ。


 国家財政レベルでは社会保障費の増加は圧迫要因かもしれないが、増加分が介護や保育サービスの充実に回れば、現役世代の家族内の負担は軽減されていく。

もともと社会保障は所得の多い人から税や保険料を多く集め、所得の少ない人に回す再分配の機能を持つ。費用の膨張だけでなく、再分配が有効に機能しているかどうかが問題なのである。


プラチナ世代に注目 「支える側」で特に注目すべきなのは元気な高齢層だ。
年齢区分では「高齢者」とされるが、実は肩車の下側で支えている。

たとえば、今年65歳になった人を見ると、プロ野球の星野仙一楽天監督、タレントで映画監督の北野武氏をはじめそうそうたる人物が各界で名を連ねる。
そう簡単に隠居などしそうにない、ピカピカの現役である。「お年寄り」と呼ぶのもはばかられる65歳以上はあなたの身近にも多いはずだ。

年齢的にはシルバーだが、いぶし銀のような地味さはなく色あせずに輝き続けるという意味で「プラチナ世代」と呼ばれたりする。

戦後の日本の医療や保険の成果について昨年、英医学誌「ランセット」が特集したが、単に長寿だというだけでなく元気な高齢世代を大量に出現させた功績も見逃してはならない。


 ビジネスマンや理系研究者が定年後、福祉や農業などの分野に転身し成功している例は今や珍しくない。未知の分野に果敢に飛び込み、長年培ってきた豊富な知識や経験を生かしてほしい。
多様な価値観がぶつかり合うところに新しい時代を切り開くヒントが生まれるはずだ。


 プラチナ世代が輝き続けるためには医療や福祉も変わらねばならない。

高齢になれば誰だって病気や障害は持つものだ。「治す」ことを目的にした急性期医療モデルから、治らなくても生きがいを持って働き続けられるような慢性期の医療・介護モデルへの転換を急ぐべきだ。


 大量のプラチナ世代が「支える側」に回ったとき、この国のかたちはずいぶん違って見えてくる。過度の悲観は禁物だ。どうやって「支える側」に居続けられるかを考えよう。

posted by 小だぬき at 09:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月09日

小沢氏起訴した検察審査会が抱える「7つの重大疑惑」を紹介

小沢氏起訴した検察審査会が抱える「7つの重大疑惑」を紹介
2012年5月9日(水)7時1分配信 NEWSポストセブン

4月26日の小沢一郎氏への無罪判決は「検審の強制起訴の手続きに瑕疵(かし)はなかった」としたが、疑惑は多い。

ここでは7つ紹介しよう。


【1】検察の不起訴判断に異議を申し立てた「市民団体」はたった1人の元新聞記者だったこと。新聞・テレビが強調したような“良識ある市民の集まり”ではなかった。


【2】審査員は抽選ではなく恣意的に選ばれた可能性が高い。2回の審査会のメンバーの平均年齢はそれぞれ34.3歳と30.9歳。有権者の平均年齢(52歳)からかけ離れており、本誌試算ではこれだけ若い構成になる確率は0.00067%だ。


【3】早退して起訴議決に参加しなかった審査員が議決書の作成日には出席していたことが森裕子・参院議員の調査で発覚。


【4】強制起訴には2度の起訴相当が必要だが、1回目と2回目で議決理由が違う。


【5】補助審査員(弁護士)が暴力団の抗争時などに適用される凶器準備集合罪の概念を審査員にアドバイスして強制起訴を誘導したという疑惑もある。


【6】起訴の判断根拠が田代政弘検事が作成した捏造の捜査報告書だった。


【7】特捜部は小沢氏に有利な証拠は提出さえしていなかった。


※週刊ポスト2012年5月18日号

posted by 小だぬき at 09:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小沢一郎氏を「指定弁護士」控訴とは、司法の信頼崩壊の一歩

検察審査会の適法性すら疑問なのに、今日「指定弁護士」が 控訴の方針を記者会見でしました。

自民党・公明党の 小沢氏国会証人喚問要求は 筋違いであることは明らかです。

 本当に証人喚問が必要なのは、
東京地検特捜部の捜査の端緒と不起訴にした経過と
検察審査会が本当に委員を選任して どのような審査をしたのかを問うべきです。
日本の暗黒」と歴史評価が下されるような政治家失脚のみを狙う控訴方針です。
 高等裁判所は「控
訴棄却」が 司法の信頼のためにも大切だと思います



2012/03/23  有田芳生
東京地検による謀略の構図ーー小沢一郎裁判への疑惑   

3月23日(金)昨日の法務委員会での質問は〈歴史的危機にある検察の構造的問題点−「小沢一郎裁判」にもふれてー〉というテーマにした。
質問準備をしていて大きな発見が-あった。田代弘政・東京地検検事(現在は新潟地検)が作成した偽造捜査報告書の重大な役割である。
しかし、進行中の裁判について法務大臣は答えられない。
ならば検察の問題-を指摘するなかで、自説を語るしかない。
そう判断した。田代検事が石川知裕議員を任意で取り調べたのは、平成22年5月17日。
そこにはこんな文言がある。「ヤクザの手下-が親分を守るためにウソをつくのと同じ」。ここでいう「手下」とは石川議員、「親分」が小沢一郎元代表だ。

ところがこの論理が東京第5検察審査会でも使われている。

審査補-助員を務めた弁護士が審査員に説明した内容は次のような内容だ。「暴力団や政治家という違いは考えずに上下関係で判断してください」。
かくして小沢一郎元代表の強制起訴が-決まり、議決書のなかでも田代検事作成の偽造捜査報告書が引用されている。

さらに小沢元代表に禁固3年を言い渡した指定弁護士による論告求刑では、暴力団組長の銃刀法違反-事件(最高裁判決)が「共謀」論の根拠とされている。

つまり小沢一郎元代表を強制起訴し、論告求刑に導いた原点が、田代検事の作成した偽造捜査報告書だったのである。

共-謀」論で過激派や暴力団などと政治家を同列に置くことは刑事司法の常識を逸脱していることは、郷原信郎さんが指摘しているとおりだ。

「田代検事の取調べは、個人的なもので-はなく、組織的なものであったとも疑われる」と田代検事の捜査報告書などを証拠採用しなかった東京地裁決定は書いた。

つまり小沢一郎元代表を起訴できなかった東京地検一部-幹部が、田代検事に偽造捜査報告書を書かせ、それが検察審査会による強制起訴につながったという構図である。
なお田代検事は小沢裁判に証人として出廷し、こう語った。「当-時は、その危険性を自覚していなかったが、録音されているとわかっていれば、このような取調べはしなかった」。

取調べが可視化されていたなら偽造などできなかったというの-である。

小沢一郎裁判は、東京地検の一部幹部によって仕組まれたものである可能性が高い。法務委員会での質問を準備していてそう判断せざるをえなかった。 http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2012/03/post_2964.htmlより転載。
 ※※ちなみに、参議院のサイトでは2012年3月22日(木)法務委員会 約4時間39分となっているのだが、日付が・・・?
posted by 小だぬき at 15:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月10日

小沢元代表控訴 一審尊重へ制度改正を

小沢元代表控訴 一審尊重へ制度改正を
2012年5月10日    東京新聞社説

 一審無罪の小沢一郎民主党元代表を検察官役の指定弁護士が控訴するのは疑問だ。
そもそも検察が起訴を断念した事件だ。一審無罪なら、その判断を尊重するよう検察審査会制度の改正を求めたい。


 新しい検察審制度で、小沢元代表が強制起訴されたのは、市民が「白か黒かを法廷で決着させたい」という結果だった。
政治資金規正法違反の罪に問われたものの、一審判決は「故意や共謀は認められない」と判断している。


 つまり、「白」という決着はすでについているわけだ。

検察が起訴する場合でも、一審が無罪なら、基本的に控訴すべきではないという考え方が法曹界にある。

国家権力が強大な捜査権限をフルに用いて、有罪を証明できないならば、それ以上の権力行使は抑制するべきだという思想からだ。


 とくに小沢元代表の場合は、特捜検察が一人の政治家を長期間にわたり追い回し、起訴できなかった異様な事件である。

ゼネコンからの巨額な闇献金を疑ったためだが、不発に終わった。見立て捜査そのものに政治的意図があったと勘繰られてもやむを得ない。


 小沢元代表はこの三年間、政治活動が実質的に制約を受けている。

首相の座の可能性もあったことを考えると、本人ばかりでなく、選挙で支持した有権者の期待も踏みにじられたのと同然だ。


 新制度は従来、検察だけが独占していた起訴権限を市民にも広げる意味があり、評価する。だが、新制度ゆえに未整備な部分もある。

検察官役の指定弁護士に一任される控訴判断はその典型例だ。検察でさえ、控訴は高検や最高検の上級庁と協議する。


 指定弁護士の独断で、小沢元代表をいつまでも刑事被告人の扱いにしてよいのか。「看過できない事実誤認」を理由とするが、検察審に提出された検察の捜査報告書などは虚偽の事実が記載されたものだ。

どんな具体的な材料で一審判決を覆そうというのか。

 むしろ、「白か黒か」を判定した一審判決を尊重し、それを歯止めとする明文規定を設けるべきだ。

最高裁も二月に、控訴審は一審の事実認定によほどの不合理がない限り、一審を尊重すべきだとする判断を示している。むろん被告が一審有罪の場合は、控訴するのは当然の権利だ。


 検察による不起訴、強制起訴による裁判で無罪なのに、「黒」だと際限なく後追いを続ける制度には手直しが急務である。

posted by 小だぬき at 09:31 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月11日

良心を無くしたマスコミ・識者の大衆迎合??

今日は マスコミや識者のおかしさについて考えました。

<芸能>

・私には 苦手な分野ですが 芸能マスコミのゴシップやプライベート暴露報道には いささかついていけないのです。

◎本来は「芸術」「芸能」の評論や紹介が主だと思うのです。私などは、コンサートにいっても その楽団の特徴や編曲、活動紹介などが知りたいのに、週刊誌などでは皆無に等しい・・・。他の楽団との比較で 違う思い・曲に感じるのはなぜか??などがしりたいのに。

◎芸能界報道もそうです。その役者さんや歌手などの特徴や活動、見て欲しい演技や聞いて欲しい曲のアピール点を 知りたいのに、見出しで目立つのが プライバシーの侵害やゴシップ、その人の収入だけという有様。

◎マスコミが低俗なのか 事務所の方針か知りませんが、私生活と芸は別だと思うのはわたしだけでしょうか・・・。

<政治・時事>

・小沢一郎氏の報道などは まさしく「魔女狩り」「名誉棄損」ではないでしょうか。

◎この事件のそもそもが「検察の小沢つぶし」「検察審査会の闇」に起因するのですが、さも人民裁判のごとく 有罪への世論誘導をしたのが 週刊誌・TV・新聞などのマスコミです。
事実を丹念に調査して報道するのではなく「4億円の資金」「各不動産保有」「家庭・支持議員の資質」などと ことさら 不景気で生活に四苦八苦している私達の情緒に訴えて 「有罪だ」「小沢は悪だ」などとの刷り込みをしました。

◎小沢氏の判決文を読むまでもなく、訴因がいつの間にか変更されていたり 勇気ある!!識者が指摘している 法違反はない との主張などは 無視されています。

◎検察捜査の問題点や検察審査会の闇、秘書1審での「裁判官心証、証拠なし」の有罪判決の問題点などの報道は 少ない。

◎今もっとも危険だと思うのは、一部TV報道がしている「公開捜査」の手法です。
たとえ指名手配犯でも「裁判で有罪が確定するまでは 推定無罪」が原則なのに、警視庁の捜査資料を元に マスコミが「人民裁判、逮捕」の先頭に立つ。使い方を誤れば、反対派弾圧の手段になってしまうものです。
問題にすべきは なぜ警察が逮捕できないか、捜査に問題はなかったかの検証です。効率化・科学捜査の名による 地域の最前線の交番・派出所の統廃合が 地域との関係を疎遠にし 重要犯罪の検挙率の大幅な低下をまねいていたり冤罪をうんでいるのでしょう。

◎いつも不思議に感じるのは、専門家でないアナウンサーや芸能人、現役を退いているマスコミ関係者に 感想や意見を述べさせるのかという点です。
この人達が 捜査方針を誤らせたり、冤罪をうんだ場合、どう責任をとらせられるのか真剣に検討されていいと思います。

◎消費税論議にしてもそうです。デフレの脱却が先といいながら 増税・人員整理・非正規雇用・成長政策のなさ・法人課税の優遇、給与カットなどのデフレ深化の施策の検証や反対提言を無視して 「消費増税に反対するのは無責任」と変な論陣を張る 読売・朝日・産経新聞やメディア。
「嘘も重ねれば 事実になる」ような アジテーターのようです。

変だ、おかしい、どうして?の 素朴な疑問が 私たちの思考の武器であると思います。いったん自分の頭で考えて 納得できるのか・・・の習慣だけは忘れてはならないとの思いが日々つのります。

posted by 小だぬき at 07:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

戦略なき民主党政権のPKO(自衛隊) ハイチで続く「どぶさらい」

戦略なき民主党政権のPKO ハイチで続く「どぶさらい」
2012.5.11 01:47 産経新聞


 ハイチの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊部隊の撤収方針決定には「遅きに失した」(防衛省幹部)との批判が渦巻く。


 「どぶさらいをやらされている」「ゴミの移動ぐらいしか仕事がない」

 陸自幹部によると、これが派遣開始から2年3カ月がたったハイチPKOの実情だという。


 今年1月、野田佳彦首相が1年間の派遣延長を決めた際にも、防衛省内には撤収を求める声が出ていたが、黙殺された。揚げ句、施設部隊は民間ボランティアでもできるような仕事ばかり任され、現地に留め置かれている。


 これは民主党政権がPKOの「出口戦略」を描けていない証しだ。

「どの任務をどれだけ達成するかという『入り口戦略』を示して派遣するのが本来あるべき姿だ。それに照らせば出口はおのずと決まる」。外務省幹部はそう断じる。

民主党政権が入り口戦略を示した形跡はなく、出口戦略も持ち得ないのは自明だ。


 戦略なきPKOはハイチに限ったことではない。昨年11月から開始した南スーダンPKOも同じだ。

  野田内閣は南スーダンの国造りに向け5年間の派遣期間を想定するが、国際協力機構(JICA)とも連動させ、オールジャパンで国造りをどう主導していくのか道筋を示していない。
このため早くも、「陸自部隊に5年間も道路補修だけをやらせるのか」(自民党国防関係議員)との批判があがっている。


 藤村修官房長官と玄葉光一郎外相、田中直紀防衛相は10日、隣国スーダンとの軍事衝突が激化している南スーダンの現状について「軍事的緊張は限定的」との認識で一致し、6月までに2次隊(約330人)を派遣する方針を決めた。


 「国際貢献」の名の下、国防を担う自衛隊員を海外に送り続ける民主党政権。

「われわれは“便利屋”じゃない」。自衛隊幹部にはこんな不満がくすぶっている。(半沢尚久、峯匡孝)

posted by 小だぬき at 16:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月12日

小沢裁判「国民騙したメディアは猛省すべき」と鳥越俊太郎氏

小沢裁判「国民騙したメディアは猛省すべき」と鳥越俊太郎氏
2012年5月9日(水)16時0分配信 NEWSポストセブン 

 それは小沢一郎氏の“陸山会裁判”でも繰り返された。

なぜ、新聞・テレビは捜査や裁判の冤罪構造に斬り込もうとしないのか。


 ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏は、「それは陸山会事件そのものがメディアによってつくりあげられた事件だったからだ」と指摘する。


 すべてのスタートは政権交代前の2009年の「西松建設事件」だった。


「検察は建設業者がダム建設の受注を有利にしようと小沢氏の事務所にお金を持っていったという古典的な贈収賄シナリオを描き、新聞にバンバンとリークしたことが発端だった。新聞はそれを検証せずに垂れ流すように書いていった。


 新聞が建設会社から小沢氏にカネが渡ったのが事実のような書き方をして、それを追いかけるように特捜部の捜査が進んでいく。

情報の出元は同じだから各紙横並びの記事になり、国民には、『どの新聞も書いているから小沢氏は何か悪いことをしている』という印象が植え付けられる。

その繰り返しを何年も続けたので、“小沢一郎は巨悪”というイメージがつくられてしまった」(鳥越氏)


 判決後にもテレビは街頭インタビューで、「無罪? おかしいんじゃないか」と答える国民の声を放映した。

メディアが国民に「小沢は巨悪」のイメージを植え付け、無罪判決が出ると今度は国民に「おかしい」といわせていかにも国民が判決に納得していないように報じる。

これこそ戦前のメディアが得意としていた危険な世論操作である。こんなかつて取った杵柄はしまっておくほうがよい。


 鳥越氏が続ける。


「総選挙前の西松事件は政権交代を阻止する、政権交代後の陸山会事件は小沢氏を政治の中枢からできるだけ遠ざけるという特捜部の考える“正義”のための捜査だった。

それにメディアが完全に乗って世論はつくられた。国民はメディアに騙されてきたのであり、メディアは猛省しなければならない」


 毎日新聞記者から『サンデー毎日』編集長、テレビ朝日『スーパーモーニング』のコメンテーターを歴任し、新聞・テレビの報道第一線に立ってきた鳥越氏の発言だけに迫真性と説得力がある。


※週刊ポスト2012年5月18日号

posted by 小だぬき at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月13日

障害者「また裏切り」 民主の総合支援法案に幻滅、提言の“無料化”反映されず

現場発:障害者「また裏切り」 民主の総合支援法案に幻滅、提言の“無料化”反映されず
毎日新聞 2012年05月12日 西部朝刊


 政府が今国会での成立を目指している障害者総合支援法案に、障害者らが強く反発している。

現行の障害者自立支援法に代わり、民主党が政権奪取時に公約した新たな法制度だが、障害者らと一緒にまとめた「サービスの原則無料化」などの提言の多くが反映されず、現行法の枠組みをほぼ踏襲しているためだ。

「これも公約違反か」。新法案を信じて裁判で和解した元原告たちに民主政権への幻滅が広がっている。【蒔田備憲】


 「今までやってきたことはなんだったんだ」。

元原告の一人で、下肢障害のある平島龍磨さん(44)=福岡県福智町=は新法案の内容を知り、むなしさでやりきれなくなった。

「国は障害者の声を聞くつもりがないとしか思えない。また裏切られた」


 06年に施行された現行の自立支援法により、収入に応じて福祉サービス利用料を支払う「応能負担」から、サービス費の原則1割を自己負担する「応益負担」に転換された。

障害者は「生きる権利を侵害している」と抗議。平島さんら全国71人が08年10月から14地裁に提訴した。

 民主党は09年衆院選で現行法廃止を掲げて政権を奪取。

原告は「新たな福祉制度制定は障害者参画の下に十分議論を行う」などで国と基本合意し、和解に応じた。

新法制定のため内閣府は障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会を設け、メンバー55人の約半数に障害者・家族も入れて昨年8月末に「骨格提言」をまとめた。

 
元原告の一人、脳性マヒで車椅子生活を送る山下裕幸さん(31)=福岡県糸田町=は自立支援法施行後、作業所の工賃月約8000円に対し、数万円の「利用料」が発生。

「人間として生きることを否定されている」と傷つき、民主政権が誕生しても国を信用できなかったが、周囲の説得で和解を受け入れた。

その際、首相官邸で当時の鳩山由紀夫首相と握手し、「お互い頑張りましょう」と言葉を交わした時は期待も抱いたという。


 だが今国会に提出された新法案の中身は骨格提言と異なる内容だった。

難病患者を対象にするなど新要素はあるものの、部会長だった日本社会事業大の佐藤久夫教授によると、骨格提言で指摘した60項目のうち38項目が全く触れられておらず、「サービスの原則無料化」も盛り込まれなかった。

佐藤教授は「当事者の声が反映された内容とは言えない」と批判する。


 厚生労働省障害保健福祉部企画課は「新しい理念や目的を盛り込んでおり、骨格提言の内容もできる限り盛り込んでいる」と説明するが、民主政権を信じた障害者の落胆は大きい。

山下さんは「和解しない方が良かったのでは」と怒りをにじませ、部会メンバーの一人、NPO法人障害者インターナショナル日本会議の尾上浩二事務局長も「骨格提言は100ページ超あったのに、厚労省が当初示してきた新法案は4ページ。あまりに不誠実だった」と憤っている。


 ◇骨格提言の内容と新法案への反映

×「障害種別や程度による制度の空白及び制度上の格差が生じないように制度設計を行う責務を有する」など国の義務


×「障害に伴う必要な支援は、原則無償とすべき」など利用者負担

△「障害者個人の訓練と努力で克服するべきだと考える従来の『医学モデル』から、適切な支援を実施しない社会の方が問題だと考える『社会モデル』への転換」など法の理念

※佐藤教授の分析を基に作成。×=新法案で全く触れられていない△=新法案で不明確または不十分
********************
 ◇障害者総合支援法案

 障害者自立支援法に代わる法律として、障害者が地域社会で共生できるよう社会的障壁の除去を目的としている。障害者の範囲に難病患者を加え、重度訪問介護の対象者を拡大することなどを盛り込んだが、福祉サービスの支給決定における本人の意向尊重や障害者支援の制度設計に対する国の責務など、障害者側が求めていた内容は盛り込まれず、枠組みはほぼ現行法を踏襲している。

posted by 小だぬき at 12:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月14日

高齢者と登山 低体温症への備え怠るな

高齢者と登山 低体温症への備え怠るな
2012.5.14 03:08 (産経新聞)[主張]

 間もなく夏山シーズンが幕を開ける。

ゴールデンウイークには、北アルプスで遭難事故が相次ぎ、計10人が命を落とした。大半が高齢者で、死因は全員が「低体温症」だった。

 登山を楽しむ中高年が増えているが、事故に遭わないためにも、低体温症に対するしっかりした備えをして出かけたい。


 低体温症は寒さで体の熱が奪われて起きる。意識が薄れて歩けなくなり、さらに体温が下がると、眠気や筋肉の硬直といった症状が出て死に至る。


 とくに体温調整能力が落ちている高齢者は、本人が気付かないうちに症状が悪化する。
寒いと感じたら早めに防寒着を身に着け、風の来ない、くぼ地に逃げ込むなどの対応を心がけてほしい。


 白馬岳で63〜78歳の男性6人のパーティー全員が死亡した遭難事故は当初、軽装で遺体が発見され、装備不足が指摘された。

しかし、後でザックからは防寒着が見つかった。メンバーの大半は医師で登山のベテランもいた。低体温症についての知識はあったはずだが、生かせなかったようだ。


 一般的に登山中は体温が上がって汗をかくため、軽装で行動することが多い。
そこを急激な強い寒気に襲われると、判断力だけでなく、防寒着を身に着ける気力や体力まで失ってしまう。

 服装は天候に合わせて臨機応変に変え、高カロリーで簡単に食べられる食料をとって体温を維持することが重要だ。
自分の体力を過信せず、余裕ある計画を立て、時には引き返す勇気も持ちたい。


 3年前の7月に北海道・大雪山系のトムラウシ山で8人が死亡した遭難事故も、死因は強い風雨による低体温症だった。

夏だからと甘く見てはならない。標高が低い山でも危険はある。


 日本生産性本部のレジャー白書によれば、日本の登山人口は1千万人を超えている。

登山人口の拡大に比例して高齢者の遭難事故も増えており、警察庁の統計では全遭難者の5割近くを60歳以上が占めている。


 登山には大きな感動がある一方、低体温症以外にも滑落や高山病、クマとの遭遇など危険が少なくない。

救助費用を賄える山岳保険に入るのは当然の備えだ。悲劇を繰り返さないよう、日頃から体力と知識を身に付けるなど危機管理を怠ってはならない

posted by 小だぬき at 07:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月15日

沖縄施政権返還40周年 いまだ「復帰」なし得ず

沖縄施政権返還40周年 いまだ「復帰」なし得ず
2012年5月15日 東京新聞社説

 一九七二年五月十五日、戦後、米軍による統治が続いていた沖縄の施政権は日本に返還された。
以来四十年。沖縄は本当に日本に復帰したと言えるのか。

 復帰当日の午前十時半、東京・九段の日本武道館と那覇市民会館とをテレビ中継で結び、政府主催の沖縄復帰記念式典が始まった。


 沖縄返還を主導した式典委員長の佐藤栄作首相は声を詰まらせながら、こうあいさつする。

 「沖縄は本日、祖国に復帰した。戦争で失われた領土を外交交渉により回復したことは史上極めてまれであり、これを可能にした日米友好の絆の強さを痛感する」

◆「本土並み」程遠く

 自らの外交成果を誇る佐藤首相に対し、那覇会場に出席していた屋良朝苗沖縄県知事のあいさつからは、復帰をめぐる県民のやり切れない思いが伝わる。


 「復帰の内容は必ずしも私どもの切なる願望がいれられたとは言えない。
米軍基地をはじめ、いろいろな問題を持ち込んで復帰した。
これからも厳しさは続き、新しい困難に直面するかもしれない」


 沖縄返還の基本方針は「核抜き本土並み」だ。核抜きとは、沖縄に配備されていた核兵器の撤去、本土並みとは、日米安全保障条約と関連取り決めが沖縄にも変更なく適用されることを意味する。

同時に、沖縄県土面積の12・6%を占める米軍基地を本土並みに縮小することでもあった。


 佐藤首相は「沖縄の基地は、当然日本の本土並みになるべきものだから順次撤去、縮小の方向にいくと思う」と国会答弁しており、県民の期待も高まっていた。


 しかし、沖縄の米軍基地の現状はどうか。県土面積に占める割合は10・2%と依然高く、在日米軍基地の約74%は沖縄に集中する。

四十年を経ても「本土並み」は達成されていない。屋良知事の懸念は残念ながら的中したのである。

◆人権ないがしろに

 沖縄の米軍基地はなぜ減らないのか。

米軍が「アジア・太平洋の要石」と位置付ける沖縄の地理的な優位性、中国の海洋進出や北朝鮮の軍事挑発に代表される戦略環境の変化など、理由付けしようと思えば、いくらでもできる。


 しかし、最も根源的な要因は、沖縄県民の苦悩に寄り添って現状を変えようとする姿勢が日本政府にも、本土に住む日本国民にも欠けていたことではなかろうか。


 そのことは復帰四十周年を機に沖縄の県紙と全国紙が合同で行った世論調査で明らかになった。


 琉球新報と毎日新聞との調査では、沖縄に在日米軍基地の七割以上が集中する現状を「不平等」だと思う沖縄県民は69%に達するのに対し、国民全体では33%にとどまる。

また、沖縄の米軍基地を自分の住む地域に移設することの賛否は反対67%、賛成24%だった。


 ここから透けて見えるのは、自分の住む地域に米軍基地があると困るが沖縄にあるのは別に構わないという身勝手な意識、沖縄の厳しい現状に目を向けようとしない集団的無関心だ。


 沖縄の側からは、なぜ自分たちだけが過重な基地負担を引き受けなければならないのか、それは本土による沖縄に対する構造的差別だと、痛烈に告発されている。


 日米安全保障体制が日本の安全に不可欠であり、沖縄が日本の不可分な一部であるというのなら、基地提供という安保条約上の義務は沖縄県民により多く押し付けるのではなく、日本国民ができ得る限り等しく負うべきだろう。


 平穏な生活を脅かす日々の騒音や頻発する米兵の事件・事故、日本で起きた米兵の犯罪を日本の司法が裁けない日米地位協定…。

圧倒的に多くの米軍基地が残る沖縄では依然、日本国憲法で保障された基本的人権がないがしろにされる状況に支配されている。


 人権無視の米軍統治に苦しんだ沖縄県民にとって日本復帰は憲法への復帰だったが、憲法よりも安保条約や地位協定が優先される復帰前のような現状では、沖縄が真の復帰を果たしたとは言えない。


 本土に住む私たちは、日本の一部に憲法の「空白」地帯が残ることを座視していいのだろうか。

 人権意識の高さを売りとする米政府が、沖縄の人権には無関心なことも、不思議でならない。

◆同胞として連帯を

 福島第一原発事故は、福島の人たちに犠牲を強いてきたと日本国民を覚醒させた。

政府や企業が発する情報をうのみにせず、自らの頭で考え、判断する行動様式が根付きつつある結果、政府や電力資本のうそが次々と暴かれた。


 沖縄の現状にも国民全体が関心を寄せ、沖縄に基地を置く根拠とされた「抑止力」が真実かどうか自ら考えるべきだろう。

本土と沖縄が同胞として痛みを共有し、連帯して初めて、本当の復帰に向けた第一歩を記すことができる。

posted by 小だぬき at 08:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月16日

憂楽帳:唯一の場所 (タワーの景観)

憂楽帳:唯一の場所
毎日新聞 05月16日 13時31分

東京スカイツリーが来週、開業する。高さ634メートルの世界一の自立式電波塔。

浅草周辺の景観を損ねると一部で建設に反対する声もあったが、東京の新観光名所としての期待は大きい。


 私が勤務する茨城県には、意外にも各分野で日本一の巨像がある。
大子町の大子地蔵尊、那珂市の一乗院毘沙門天、水戸市の埴輪(はにわ)像・はに丸タワー……。
牛久市の牛久大仏は青銅製大仏で世界一だ。高さ120メートル。奈良の大仏が手のひらに乗るほどの巨大さだ。


 緑豊かな地方都市にはやや違和感がある。
背後から体内へ。エレベーターで地上85メートルまで上がると、西側小窓脇にスカイツリー方面を示す真新しい案内板。富士山と並ぶ写真も掲示され、人気にちゃっかり便乗している感も。


 私の出身地・京都市の京都タワー(131メートル)は1964年の開業前、「景観を守るために東寺の塔より高い物は建てない」という不文律を破ると猛反対があった。

 だが私を含む一部の京都人はタワーからの眺望を好む。
なぜならそこは「京都で唯一、タワーが見えない場所」だからだ。
【堀井泰孝】

posted by 小だぬき at 18:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月17日

河本準一 生活保護受給の母養えぬとの言い分に正当性あるか

河本準一 生活保護受給の母養えぬとの言い分に正当性あるか
※女性セブン2012年5月31日号


 自民党の参議院議員である片山さつき氏(53才)や世耕弘成氏(49才)が、追求する姿勢を見せている、お笑い芸人・河本準一(37才・次長課長)の「母親生活保護不正受給疑惑」。
推定年収5000万円といわれる河本は、実母を扶養していないと主張している。


 生活保護を受給する条件について、生活保護制度に詳しい関西国際大学教授の道中隆氏に話を聞いた。


「預貯金、持ち家などの資産がないこと、親族からの援助が受けられないこと、働くことができなくて一定以上の収入がないこと…大きくこの3つの条件になります。

生活保護法では、もし助けてくれる親族がいる場合は、生活保護を受ける前に、子供やきょうだいの援助を受けなければいけないなどと定められています」


 河本の年収は、出演しているテレビ番組などから推定して5000万円。これが仮に4000万円、3000万円、あるいは2000万円であっても、一般的な常識で考えれば、母親の面倒をみる程度には裕福だろう。


 河本は妻と一男一女の4人家族。
都内の一等地にある高級賃貸マンションの3LDKで暮らしている。
先日、テレビ番組に出演した際には、そのマイホームを妻子とともに公開しつつ、幸せな暮らしぶりを見せていたが、母ひとりを養う余裕もない生活にはとても見えなかった。


 以前、女性セブンの取材に河本の所属事務所は、母親が生活保護を受給していることを認めたうえで、「決して不正受給をしているわけではありません」と主張、

河本には母親の他に面倒を見なければいけない親族が3人いて、母親を含め4人の面倒を見なければならず、負担が大きいこと、そしてお笑い芸人という職業柄、将来いつ仕事がなくなるかわからないため、貯蓄をしておく必要があること。

この2つの要素を踏まえて行政と相談したうえで、受給していると回答していた。


 しかし、そうなると河本の言い分がまかり通るのであれば、どのような年収の家庭にもそれぞれの事情があるはずで、「親を扶養しなくてもいい」とみんなが主張し始めたら、生活保護そのものの根幹を揺るがす問題となる。

 

 民法の規定では、親子の関係が極端に悪いなど、何らかの事情で親子関係を絶縁していた場合、扶養を拒否することも可能だ。

そうであれば子供には、どれだけ収入があっても親の面倒をみる義務はない。

しかし、河本は著書『一人二役』の表紙で母親とのツーショット写真を披露。バラエティー番組では「(母親に)仕送りしている」と率先して発言するなど、その関係は極めて良好に映る。

posted by 小だぬき at 07:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東電を法的整理なら国民負担5兆円減!

東電を法的整理なら国民負担5兆円減!
2012.05.16 zakzak

連載:「日本」の解き方」


 東京電力は公的資金による資本注入で経営再建を目指すことが決まった。
2年以内で黒字転換を目指すとしているが、果たして投入された公的資金を国に返済することはできるのだろうか。

 本コラムで何度も指摘してきたように、東電を法的整理すれば、発送電分離などの電力自由化もできる。
しかし、法的整理をしないと電力自由化はまずできない。

 今後も引き続き東電の地域独占を許し、その結果として東電が黒字転換するとしても、それは単なる独占利潤によるものでしかない。

 つまり、東電が地域独占である限り、その電力料金は国民にとって避けられないものであり、その意味では税金と同じである。

だから、東電を法的整理で解体し、電力自由化をしない以上、「独占的な電力料金」か、「税金負担」か、という選択肢しか国民には与えられず、どちらにせよ国民負担になるわけだ。

 一般の資本市場のルール通りに法的整理しておけば、東電の債権者や株主が相応の負担をするので、国民負担は5兆円程度軽くなる。
と同時に、送電部門などの売却が行われるので、発送電に分離もできる。
その際、原発を国が買い取るという選択肢もあった。
そうであれば、買い取り価格にもよるが、脱原発か否か、脱原発の場合にはそのスケジュールも国民に明確にすることができたはずだ。

 もちろん、東電を法的整理しても、電力事業が継続されるのはJALの法的整理でも飛行機は飛んでいたのを見れば明らかだ。

 東電を事実上国有化をしながら、法的整理の時と同じようなことが果たしてできるだろうか。
総合特別事業計画をみれば、そうならないことは明らかだ。総合特別事業計画は、地域独占の東電の存続を前提としてその範囲内での些細(ささい)なリストラでしかない。

 マスコミも東電の存続を前提としている。マスコミでコメントするアナリストもそうだ。だから、「政府による実質国有化で東電の経営破綻という最悪のシナリオは回避されたが、総合特別事業計画の実行性に懸念がある」などという評論家的解説になる。
ちなみにアナリストの多くは金融機関系のシンクタンクなので、法的整理すると打撃が大きい親会社の金融機関を意識して、法的整理を口にすることはまずない。

 経産省の思惑は、形だけ東電のリストラをし、少しだけ電力自由化の雰囲気を作り、結局、地域独占は当分の間維持して、その間に高い電力料金を国民に課して、それによって公的資金を長い間かけて返済していくということではないか。

 地域独占がいかにひどいかは、関電の対応をみてもわかる。

事前にとりうる需給対策を行わないで、原発稼働がないと電力供給できないという一点張りだ。
地域独占なので、そうした「横暴」がまかり通る。東電国有化の出口を電力自由化におき、発電部門では地域独占をなくし、それで発電の多様化や安心化を図り地域電力の安定供給をすべきだ。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

posted by 小だぬき at 18:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月18日

ひと:市川寛さん 「冤罪作った」と告白、元検事の弁護士

ひと:市川寛さん 「冤罪作った」と告白、元検事の弁護士
毎日新聞 2012年05月18日 00時25分


 一昨年発覚した大阪地検特捜部の証拠改ざん事件。

テレビに映る逮捕前の検事を見て、思わずつぶやいた。「あのころの俺だ」。
後ろめたさを隠すように、前を見据えた表情。11年前に冤罪(えんざい)を作り上げた自分とそっくりだった。

 新任時代に強引な取り調べや調書の作り方を見聞きした。

「おかしい」と感じつつ染まった。佐賀地検にいた00〜01年、農協の背任事件を担当した。
「ろくに証拠もなかったが、上司の方針に逆らえなかった」。
逮捕した組合長を「ぶっ殺すぞ」と脅し、作文した自白調書に署名させた。

 起訴後、良心の呵責(かしゃく)に苦しんだ。

「本当のことを言わなければ、人間として終わりだ」。自身の暴言を法廷で告白。

組合長の無罪判決が確定した05年、検事を辞めた。

 
 弁護士への転身には葛藤があった。批判も浴びた。

「元暴言検事に資格があるのか」。今も自問し、決意を胸に刻む。「あの時のような不当な起訴を、今度は防ぎたい」


 東京地検特捜部でも、実際にないやり取りを捜査報告書に書く不祥事が発覚した。

担当検事は昔の同僚だった。
「上司にも物言える検事だったのに。なぜ過ちが繰り返されるのか」。自分の体験が手がかりになればと、2月に「検事失格」(毎日新聞社刊)を出版した。


 今でも後輩検事と酒を飲む。「自分の良心に反する処分は絶対にするな」。


うなずく後輩たちに検察の再生を託す。
【安高晋】

posted by 小だぬき at 10:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大相撲 力士ニックネーム

憂楽帳:ニックネーム
毎日新聞 2012年05月18日 13時33分

大相撲夏場所で横綱・白鵬を破って初金星を挙げた前頭・豊響(とよひびき)のニックネームは「平成の猛牛」。

平成と付くのは、昭和時代に猛牛と呼ばれた元横綱・琴桜がいるからだ。


 かつては愛称、異名を持つ力士が多く、
横綱ではウルフ(千代の富士)、津軽ナマコ(旭富士)、

大関ではピラニア(旭国)、南海の黒ヒョウ(若嶋津)。

他にも桜色の音楽(横綱・照国)、白い稲妻(関脇・北の洋)、褐色の弾丸(関脇・房錦)など色付き系、潜航艇(関脇・岩風)、起重機(関脇・明武谷=みょうぶだに)、デゴイチ(関脇・黒姫山)など乗り物・機械系と多彩だった。


 だが今は少ない。

豊響の他に現役では角界のベッカム(大関・琴欧洲)、ロボコップ(十両・高見盛)くらいか。
個性派力士が少ないのと、命名するメディア側にも責任がありそう。


 相撲協会は、ゆるキャラの公式マスコットで人気回復を狙うより、有望力士のニックネームを公募、選定してみてはどうか。

ただし、ブームに便乗して「○○王子」というのは勘弁してほしい。

【大矢伸一】

posted by 小だぬき at 16:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月19日

記憶にとどめたい・・3.11

番組のCMもそのままです。
ジャマな場合 の処理は皆さんで オリジナル画像は 約130分程度です。



このような番組が 放映されただけでも 時代が変わったと思います。
軍隊か非軍隊かなどと 不毛な議論の中でも 現地部隊の「最善の救助・救難」の姿には「自衛隊がいて良かった、ありがとう」と素直な気持ちになれます。

阪神神戸大震災では 自衛隊は非常呼集をかけ 災害派遣体制も完了させていたのに、兵庫県知事・神戸市の「反自衛隊感情」のため 災害派遣要請が遅れ、助かるべき人命も失われたと検証されています。

日本航空123便 御巣鷹山墜落でも 死体・遺品捜索の主力が自衛隊普通科だったのに 報道では無視されました。
ただ川上慶子さん 救出のヘリが 千葉の第一空挺団所属であったことから 国民は 自衛隊の活動に気づきました。

きちんと自衛隊隊員の活動実態を 客観的に報道する、やっとここまできたかの思いです。
ここまで指揮官や隊員の発言や命令を 公開する・公開した 自衛隊広報に頭が下がります。

消防庁・海上保安庁・警察、町会などの記録も 教訓を得るために保存して欲しい。

posted by 小だぬき at 09:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月20日

金環日食 過去にこれだけの大地震

金環日食 過去にこれだけの大地震
2012年5月19日 日刊ゲンダイ掲載

 金環日食ブームの一方、見逃せないのが「日食と地震」に関する不気味な諸説だ。

 月と太陽の引力が地球に大きく作用することは科学的に証明されている。

独立行政法人「防災科学技術研究所」は10年1月に、「地殻のひずみが十分にたまったときに、月や太陽の引力が地震発生の最後の引き金になると考えられる」と発表したから、日食が大地震を引き起こしてもおかしくない。

 さらに、「ニュートリノ説」も出てきた。今月6日、米ケーブルTVチャンネルが、「日食と地震」の関係を指摘。

日食になると太陽から放射されるニュートリノが月のレンズ効果で増幅され、地球の核に影響。その核に引っ張られた圧力波が地表に伝わるという。

ニュートリノが集中して降り注ぐのが、日食が見られる地域の軌道上だ。

 例えば、1999年8月11日。ヨーロッパで皆既日食が観測されたが、その6日後の17日、死者約1万7000人を出したイズミット地震(トルコ)が起きている。

ヨーロッパなどで皆既日食が見られた06年3月29日には、2日後の31日に日食帯付近のイラン西部で死傷者1000人を超える大地震が発生している。

 
ちなみに、21日の金環日食をバッチリ観測できる地域は、房総半島、東海・東南海・南海地震の発生予想地域となぜか重なる。

迷信であってほしいが……。
posted by 小だぬき at 08:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月21日

あったかな心、つながる=鎌田實

さあこれからだ:あったかな心、つながる=鎌田實
毎日新聞 2012年05月19日 東京朝刊

 心温まる話をしよう。

 福島県石川郡平田村に、一般財団法人「震災復興支援放射能安全研究所」が設立された。

田舎には場違いの研究所だが、次の世代を担う子どもたちを守るため、全身の内部被ばくを測定できるホールボディーカウンターや、食品や母乳の放射線量を検出できる高機能の検査機器が設置されている。

研究所は昨年10月中旬から今年3月末までの約5カ月半で、1万4111人の内部被ばくを検査してきた。
来月には2台目のホールボディーカウンターを導入する。これまで日本では検査できなかった、小さな子どもの検査をできるようにしたいという。

 ホールボディーカウンターは、1台で1億円を超す高額な機器だ。

ぼくが21年間支援を続けているベラルーシ共和国のベトカという放射能汚染地域では、人口1万9000人の町にホールボディーカウンターが2台あったが、福島県には約200万人の県民がいるのに、ホールボディーカウンターはわずか10台ちょっとしかなく、ケタ違いに少ない。

 そんななかで、民間の小さな研究所が2台ものホールボディーカウンターを設置した。
18歳以下の子どもの内部被ばくの検査料は、なんと無料という。なかなかできることではない。

 何でこんなことが、田舎の研究所でできるのか。実は、小さな、あったかな「気持ち」が、次々に連鎖を起こした結果なのだ。

 研究所を設立したのは、医療法人誠励会。

ひらた中央病院をはじめ、老人保健施設や老人ホーム、四つのデイサービスセンター、二つの診療所を経営している。

福島第1原発事故以降、原発から30キロ圏内の施設や病院にいた寝たきりのお年寄りを、総力を挙げて受け入れてきた。

 グループの病院には当時、120人近い患者が入院していたが、さらに169人、行き場所のない病気や障害をもったお年寄りを受け入れたのである。

 昨年7月までの5カ月間は、戦場のようだった。

リハビリ室などを仮の病室にし、待合室にベッドを置いたりした。
もう限界と思いながらも、次から次へとやってくる患者を受け入れた。
ピーク時は、スタッフの睡眠時間は1日2〜3時間という過酷な状態になった。

 「困難に直面している人がいるのに、自分たちが手を差し伸べないわけにはいかない」

 地域貢献のための、純粋なボランティアのつもりだったという。

 この窮状をマスコミが報じた。

医師や看護師や介護の専門家、一般の市民がボランティアとしてはせ参じた。
その数は約400人。3カ月間もボランティアを続けてくれた看護師もいた。
近隣の住民たちもお米や野菜を持ってきて、食事の手助けを買って出た。

 「人の手が欲しいと思っているときに、全国から多くの人が応援に駆けつけてくれた。忘れることができない感動だった」という。全国から義援金も集まった。

これに対して、病院側がとった行動はすごい。


「30キロ圏内の障害老人たちを支えることができたのは、全国のたくさんの人たちの応援のおかげ。私たち医療法人の収入にしてはいけない」


 あったかい。なかなかできないことだ。
高額なホールボディーカウンターなどの機器を導入し、研究所を設立した熱い志に、ぼくは心を揺さぶられた。


 財団の名誉理事長になってほしいと依頼された。通常はこういう話はお断りしているのだが、ぼくにできることなら一肌脱ぎたいと思った。
忙しいぼくの健康を気づかう妻は「これ以上ボランティアするのは無理よ」と心配してくれた。
それでも、一肌でも二肌でも脱ぎたいと思ったのだ。


 これまで研究所で内部被ばくの検査をした人のうち、1キログラム当たり20ベクレル以上の内部被ばくが認められた人の割合は、10月1・24%、11月1・64%、12月1・84%、1月1・13%、2月0・45%、3月0・06%と、著明に減少している。


 軽度の内部被ばくがあって再検査をした人は、18歳以下では92人いた。

干し柿や山菜やイノシシの肉などが原因として考えられた。干し柿はチェルノブイリにはないので、新たに注意が必要だと思った。

 食事の注意をすると、90人は明らかに放射線量が減少し、このうち84人は検出限界を下回った。ほぼゼロと考えていい。
2人は横ばいだが、生活環境や習慣を見直しながら、3回目の検査を予定している。大人で20ベクレルを超えた14人は全員、再検査で放射線量が明らかに減った。

 内部被ばくをしても、汚染されていない食品を食べていると、チェルノブイリでは90日で正常化すると言われた。
この研究所には福島全県から患者が受診に来ているが、その多くは1〜2カ月間で正常化している。
結果を怖がって検査を避けようとする人がいるが、見えない放射線に対処するためには、きちんと測定することが大切だ。

 放射線とのつきあいは長期戦になる。
放射線の「見える化」が大事だ。
健康診断、内部被ばくの測定、食品の放射線測定を徹底しながら、子どもの命を守っていかなければならない。

 民間の志のある研究所の取り組みは、原発事故という絶望のなかにともった、小さな明かりだ。
この小さな明かりをともし続けるには、人の力も、資金も必要だ。

次世代の子どもたちを守るためにも、この明かりを絶やさぬよう、多くの人たちに応援してほしい。

posted by 小だぬき at 10:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月22日

小沢氏喚問を叫ぶ石原・町村・江田各氏の「政治とカネ」問題

小沢氏喚問を叫ぶ石原・町村・江田各氏の「政治とカネ」問題
2012年5月11日 07:00  NEWSポストセブン

 
最も恐れていた事態が現実に起こってしまった――これが永田町のホンネだ。

座敷牢に入れられていた小沢一郎が無罪判決を受けて表舞台に戻ってくる。

すくみ上がった与野党議員は「それでも小沢は政界追放!」とヒステリックに叫ぶが、その前に自分自身の収支報告書をじっくりと眺めることをお勧めしたい。
 
 まずは野党。自民党の次期総裁候補の1人である石原伸晃・幹事長はこう噛みついた。
 
「政治的、道義的責任は重い。証人喚問を求める」
 
 もし仮に「借入金の不記載」「期ズレ」が国会で説明すべき“犯罪”ならば、石原幹事長の「政治とカネ」はどうか。
 
 代表を務める党支部の2003年の政治資金収支報告書では、6万8000円だった講演会の会場使用料を68万円と記載し、その後数年にわたって繰越金額も誤って記し続けた。

毎年数十万円も収支が合わなければ気づいて当然だが、相当ずさんな会計をしていたらしく、外部からの指摘で誤記が発覚したのは5年後。

政治資金を1円単位まで精査して公表する小沢事務所では考えられないミスだ。

だが、この件も報告書の修正だけでお咎めなし。
 
 さらに石原氏には、橋本派1億円闇献金事件(※)の日歯連から巨額の迂回献金を受け取った重大疑惑もある。

2001年4月から2003年9月まで小泉内閣で行政改革・規制改革担当大臣を務めた石原氏は、日本歯科医師会の懸案だった医療規制改革にかかわる立場にあった。
迂回献金の手法は、日歯連がいったん自民党の資金団体「国民政治協会」に献金。その後、党本部から石原氏(党支部)への交付金として2000〜2002年で総額4000万円が環流したというものだ。
 
 党本部から1000万円単位の臨時交付金は異例で、計4回の献金はすべて日歯連から支出されて2週間ほどで石原氏側にわたっていた。

日歯連の元会計責任者は闇献金事件の公判で、「特定の、国民政治協代議士に献金しても会から日歯連に領収証が発行された」と迂回献金のカラクリを証言している。
まさに贈収賄につながりかねない疑惑だ。 

 小沢氏が政治資金で不動産を取得したことが問題ならば次のケースはどうか。
 
 次期総裁選への出馬を明言している自民党の実力者、町村信孝・元官房長官は、2001年、資金管理団体「信友会」を通じて1000万円の不動産(北海道江別市)を取得し、6年後に600万円の安値で買い取って自宅にしている。

不動産購入どころか、政治資金の私的流用さえ疑われるケースにもかかわらず、大メディアは報じず、捜査当局も動いていない。
 
 無罪判決が出る前から、小沢氏を「無罪でも証人喚問すべき」と強く訴えた江田憲司・みんなの党幹事長も、代表を務める政治団体「憲政研究会」で2003年に840万円の不動産(横浜市)を購入している。

小沢氏に対し、政治資金で不動産を買うこと自体がよくないと批判した政治家、メディアは多かったが、ならば彼らも厳しく追及すべきだろう。
 
 そもそも日付や金額の間違いなど、収支報告書の修正は2011年だけでも581件に上る。

そのすべての議員や会計責任者が逮捕、強制起訴され、証人喚問を求められなければ、司法府も立法府もダブルスタンダードを認めることになる。

※日歯連闇献金事件/日本歯科医師連盟から橋本派への1億円をはじめ、多くの自民党有力議員に巨額の闇献金や迂回献金が行なわれた事件。
診療報酬改定など医療政策で有利な政策をとってもらうための工作資金だったとされる。


※週刊ポスト2011年5月18日号

posted by 小だぬき at 21:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月25日

地方公務員はアホガキ、犯罪者の吹きだまり

地方公務員はアホガキ、犯罪者の吹きだまり
2012年5月22日 日刊ゲンダイ掲載

話題は「入れ墨」「飲酒」「わいせつ逮捕」ばかり

<甘えの温存が生んだ役人天国の実態の構造>

「荒れきった中学の生徒指導以下。あまりにも低レベルです」

 公務員の実態に詳しいルポライターの横田由美子氏はそう嘆いた。

37歳の熱血市長から、1カ月に及ぶ「禁酒令」をくらった福岡市の全職員。
前代未聞の強権発動への是非はともかく、驚きアキれたのは総勢1万8000人の福岡市職員の“酒乱ぶり”だ。

 今月18日夜に酔った職員2人が、相次いで暴行と傷害容疑で逮捕。港湾局職員(52)はタクシー運転手をぶん殴り、保育課係長(48)は口論相手の同僚の歯を折った。
「問題は酒に乱れたタイミングです。公共事業の移転補償をめぐる収賄容疑で市土地開発公社職員(56)が逮捕され、当日昼には市役所に家宅捜索が入ったばかり。ちなみに収賄容疑の職員が知人に『自分は補償金を増額できる』とワイロを求めたのも、しっかりと酒を振る舞われた後でした」(福岡市政事情通)

 今年2月にも酔った消防士が盗んだ車を運転して逮捕された。
ほんの数カ月の間に、これだけの職員が酒がらみで警察の厄介になるのは異常だ。

幼児3人が犠牲となって飲酒運転厳罰化のきっかけとなった06年の追突事故も、運転は福岡市職員だった。その反省は全くみえない。

 福岡市の内部調査によれば、全職員のうち94人にアルコール依存症の疑いがあるという。
大阪市の調査では、「タトゥーあり」の職員の数は110人に上った。

地方公務員である警官や教員の不祥事も後を絶たない。

女子高生の尻を触って今月11日に懲戒免職となった神奈川県警の巡査(20)は「高校の頃から痴漢行為を繰り返してきた」「警官になればやめられると思ったが、欲望を抑えられなかった」と供述した。“犯罪者の潜入”は見抜けなかったのか。

 アル中と入れ墨とわいせつ犯が大多数とは言わないが、気がつけば日本の地方公務員はアホガキ並みの低レベル。なぜ、ヒドイ実態が生まれ、放置されているのか。前出の横田氏が言う。

「国家公務員の厚遇ぶりこそ、最近は世論の批判にさらされていますが、地方公務員は『役人天国』が許されています。

全国区の不祥事じゃなければメディアも注目しないし、追及の手も緩い。
だから各省庁のノンキャリ職員が地方公務員に転職するケースも増えています。
人事院に手綱を握られた国と違って、地方は自分たちの権限で勝手に管理職ポストもつくれる。
当然、民間より給与水準は上がり、公共事業の発注権も握っているから、業者にもチヤホヤされる。
労組も強く、利権を背景としたコネ採用も横行しています。改革派知事や市長がもてはやされる前は、地方のトップは旧自治省出身などの落下傘首長ばかり。
地元のしがらみをブチ壊す人材は皆無でした。長年、甘えの構造が温存化され、緩みきった体質がしみついているのです」

 国民が地方に支払う税金の年間総額は30兆円以上。野田がシャカリキの消費税率5%引き上げ分のうち、1%は地方に回る。

いつまでも地方の役所が不良職員の吹きだまりでいいわけがない
posted by 小だぬき at 06:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月26日

一票の格差 解散先延ばしに使うな

一票の格差 解散先延ばしに使うな
2012年5月25日  東京新聞社説

 国会は国政選挙の「一票の格差」をいつまで放置するつもりなのか。

このまま次の選挙を迎えれば違憲判決が出るのは必至だ。結論先送りで衆院解散・総選挙を先延ばししているとしか思えない。 

格差最大二・三倍の二〇〇九年衆院選を「違憲状態」と断じた最高裁判決から一年以上がたつ。


 さらに、衆院選挙区画定審議会は直近の国勢調査結果に応じて一年以内に新しい区割りを勧告することになっているが、与野党間の協議が調わず、その期限である今年二月二十五日から三カ月がたっても勧告に至っていない。
つまり違法状態だ。


 唯一の立法機関である国会が違憲・違法状態を放置することは、法治国家では許されない。与野党議員は立法府を「違法府」に貶(おとし)めていることをなぜ恥じないのか。


 与野党は二十三日、幹事長・書記局長会談を開き、民主党が(1)人口の少ない五県で小選挙区を一ずつ減らす「〇増五減」(2)比例代表定数一八〇から七十五削減し、残る一〇五のうち三十五に連用制を導入−などとする案を示した。


 最高裁が求めた、四十七都道府県にまず一議席ずつ配分する「一人別枠方式」の廃止には踏み込まず、小選挙区の五減で格差を二倍以内に収める一方、定数八十減で民主党の主張を通し、中小政党に有利な連用制導入で公明党などの理解を得ようとしたのだろう。


 しかし、いかにも継ぎはぎで理念が感じられない。この案は民主党が以前にも提示し、各党の反発で棚上げされたものでもある。反発を承知で再び持ち出し、結論を先送りしたとしか思えない。


 民主党の輿石東幹事長は次期衆院選の時期について来年夏の参院選との「ダブル選が望ましい」と語ったという。

逆風が予想される選挙はできるだけ先延ばししたいのが民主党執行部の本音だろう。


 各党の利害が激しく対立する選挙制度は、簡単には結論が得られないことは理解する。だからといって、それを解散先延ばしに利用するのは厳に慎むべきだ。


 まずは〇増五減で違憲・違法状態を解消した上で、導入から二十年近くがたち、弊害も指摘される小選挙区比例代表並立制の抜本的な見直しに各党が合意し、有識者による審議会を設けて議論を委ねたらどうか。


 「一票の格差」解消が必要なのは参院も同じだ。

国会は「決められない政治」との指摘に甘んじることなく、国権の最高機関としての矜持(きょうじ)を示すべきである。

posted by 小だぬき at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月27日

バッシングに便乗 小宮山厚労相こそよっぽどのワル

バッシングに便乗 小宮山厚労相こそよっぽどのワル
2012年5月26日 日刊ゲンダイ掲載

生活保護削除を検討、扇動報道は思うツボ

<謝罪会見 河本は極悪人なのか>

 鬼のクビを取ったような大騒ぎだ。
お笑いコンビ「次長課長」の河本準一(37)が25日、母親の生活保護受給問題で謝罪会見を開いた。

会場は100人を超える報道陣でゴッタ返し、わざわざ会見を生中継する民放テレビ局もあったほど。

NHKまでトップニュースで伝えていた。まるで大疑獄の当事者のような扱いなのだが、河本はそこまでワルなのか。

 河本は母親の生活保護受給について「今まで福祉の方と相談して決めてきた」と語った。
道義的な問題はあるにせよ、違法行為はゼロ。

いくら河本が人気芸人とはいえ、メディアは明らかに騒ぎすぎだ。それでも「年収5000万円の人気芸人の母親の生活保護受給はオカシイ」と言うなら、福祉事務所の対応を責めるべきだろう

 メディアがあおるから、度が過ぎた河本バッシングは一般人にまで広がっている。

「騒動に火がついて以降、河本がテレビ出演するたび、局には『何で、あんなやつを使うんだ!』『フザケルナ!』と、視聴者から嵐のような抗議電話が殺到します。

あれだけ激しい抗議を受けると、どの番組も河本を起用するのに躊躇(ちゅうちょ)しますよ」(民放関係者)

 河本が涙ながらに頭を下げても、ネット世論は許さない。会見で「(生活保護受給は)情けなくて恥ずかしかった。

誰にも言いたくなかった」と発言したことに早速カミつき、「生活保護を受けている人をバカにしてるの?」「収入が不安定とか言うなら普通の会社に勤めたらいい」と批判が渦巻いている。

現在レギュラー番組5本の売れっ子の河本だが、この調子だと、仕事を失って自分自身が生活保護を受けなければ、食べていけない生活に追い込まれかねない

 許しがたいのは、小宮山洋子厚労相だ。

25日の国会で「生活保護費の支給水準引き下げ」や「親族が扶養できると判明した場合の積極的な返還要求」の検討を表明。

河本バッシングに便乗したのは明らかだ。

「現在、生活保護費の支給総額は3.7兆円。

過去最高額を更新し続け、財政規律を叫ぶ政府にすれば、支給カットは悲願です。

河本バッシングは渡りに船で、世論の生活保護への批判が高いうちに、なし崩し的に削減しようとしているとしか思えません。

しかし、生活保護は憲法で認められた権利。

貧困層を減らすような景気回復策こそ、本来の政治の務めです。
定見もなくムードに流されやすい国民性も問題ですが、メディアはやりすぎ。

河本問題で騒げば騒ぐほど、権力の思うツボです。大局に立った冷静な報道を心がけるべきですよ」(政治評論家・山口朝雄氏)

 本当のワルは河本バッシングの裏で、ほくそ笑んでいるやつらなのだ。

posted by 小だぬき at 08:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月28日

余録:北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」を…

余録:北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」を…
毎日新聞 2012年05月28日 00時10分

北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」を日本海に向けて初めて発射実験したのは19年前の93年5月29日だった。

ところが、その事実が報道されたのは6月11日。13日もたった後である

▲この日朝、ある「政府筋」が実名を出さない条件で報道陣に明かしたからだ。
「北朝鮮のミサイルが能登半島沖に着弾しました」「核武装すれば大変なことになります」。突如、大ニュースを切り出された記者たちの方が驚き、あわてたそうだ

▲この「政府筋」が当時の官房副長官、石原信雄氏だったことは、その後本人が認め公表している。
時の宮沢喜一内閣は発射直後に情報をつかんでいたが、米国への配慮などから極秘扱いにしたとされる。
しかし、事務方トップの石原氏がまったく独断でリークしたのだった

▲「黙っていてはいけない。危険な企てをしている国があることを国民に知ってほしかった」と後に石原氏は語っている。
それを「危機感をあおるため世論誘導しようとした」とか、「官僚の出過ぎたまねだ」と非難する人は今、ほとんどいないだろう

▲リークやオフレコというと悪いイメージで語られがちだが、信念と覚悟を持って情報を明かす官僚もいたということでもある。

オフレコの席を放談会と勘違いし、暴言を吐いて辞任する政治家や官僚が後を絶たない今とは大違いである

▲「世襲3代目」になっても北朝鮮をめぐる危機的状況は変わらない。

そして日本は、といえば、「迷答弁」ぶりであきれさせ、時に失笑まで買う人が参院で問責決議を可決されながら、国の危機管理の要である防衛相を続けている。

19年後の現実を改めて見つめたい。
posted by 小だぬき at 07:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

過労社会 防げなかった死<上> 急成長ワタミ「労使一体」

過労社会 防げなかった死<上> 急成長ワタミ「労使一体」
  2012年5月26日 東京新聞朝刊

 ワタミフードサービス(東京)に入社して二カ月で自殺した森美菜さん=当時(26)=の同僚だった元男性社員(26)は、入社時の本社研修を忘れない。


 同期の一人が会場で「労働組合はあるんですか」と尋ねると、人材開発部の社員が即座に答えた。

「うちにそんなものはないし、必要ありません。問題が起これば迷わず相談してください」。会場がざわめいた。


 四年たった今も、ワタミグループに労働組合はない。「創業者の渡辺美樹氏は社員を家族と言ってはばからない。その思想が背景にある」と元幹部は説明する。

だが、“娘”だった森さんの葬儀に渡辺氏の姿はなかった。


 ワタミの法令順守担当の塚田武グループ長は「わが社は労使対等というより労使一体。
問題があれば内部通報制度もあり、従業員の意見を集約する機能を十分果たしている」と話す。


 親会社のワタミは創業十四年で東証一部に上場。〇五年にはチェーン店が五百を超えた。

社長だった渡辺氏の「二〇〇八年千店舗達成」の大号令に加え、介護分野など事業の多角化にも乗り出す。


 ある店長経験者は「むちゃな拡大路線で現場にひずみが生まれていた」という。

元取締役も「会社の急成長の裏でコンプライアンスが追いついていなかった」と語る。

 森さんが自殺した〇八年前後は、ワタミフードサービスで労務管理の問題が噴出した時期だった。

三十分単位で勤務時間の端数を切り捨てていた残業代の未払いが発覚し、アルバイトの解雇をめぐる訴訟も起きた。


 ワタミフードサービスは、この年を境に時間外労働の上限を全店一斉に短縮。店舗のパソコンで一分単位で出退勤時間が記録できるシステムに改めた。


 塚田氏は「いけいけドンドンの創業時と違い、会社が大きくなると法令順守が求められるようになり、企業として成熟していった」と説明した。


 ワタミの中堅幹部によると、今年二月、森さんの労災認定を、会社は驚きを持って受け止めたという。
中堅幹部は「労働基準監督署は不認定だったし、労務管理も改善が進んだ。
森さんの件は社内的には終わった話で、青天の霹靂(へきれき)だった」と明かした。

 森さんの労災認定の際、神奈川労働者災害補償保険審査官が指摘した、森さんの月百四十時間の時間外労働について塚田氏は「当時から異例だった」と言い切る。


 だがワタミフードサービスでは今も、従業員の意思が反映されないやり方で三六協定が結ばれ、労働基準法に抵触する状態が続く。

従業員は、経営側の言うがままの労働条件を受け入れるしかない。


 渡辺氏は森さんの労災認定後、短文投稿サイト「ツイッター」に「労務管理ができていなかったとの認識はない」と書き込み、批判にさらされた。


 今月、渡辺氏に三六協定の手続きが適正かなどについて取材を申し込んだが、回答は「遺族と協議中のためコメントは控えさせていただきます」だけだった。

   ×  ×

 手帳に「誰か助けて」と書き残し、新入社員の森さんは自ら命を絶った。
「過労死」という言葉が生まれて、今年で三十年。
過労死はなくなるどころか、年々増え続けている。
会社の利益を追求するあまり、人命が軽視されていく。
彼女らの悲鳴はなぜ届かなかったのか。過労死を生む背景に迫る。


 「過労社会」へのご意見や過労死問題の情報をお寄せください。
〒231 0007 横浜市中区弁天通4の52 東京新聞横浜支局。
ファクス045(201)1046、
メールyokohama@tokyo−np.co.jpまで。

posted by 小だぬき at 12:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

過労社会 防げなかった死<中> 外食大手「うちだけじゃない」

過労社会 防げなかった死<中> 外食大手「うちだけじゃない
2012年5月27日 東京新聞朝刊

 「『過労死ライン』を超える時間外労働を認めているのは、うちだけではない」


 二〇一〇年八月の大阪高裁。大手居酒屋チェーン「大庄」(東京)が提出した資料には、他の外食大手十三社十八店で会社側が労働者と合意したとされる残業時間が列挙されていた。

月百三十五時間、百二十時間、百時間…。厚生労働省が過労死と関連が強いとする八十時間を上回る数字が並ぶ。


 吹上元康さん=当時(24)=は〇七年四月に同社に入った四カ月後、心機能不全のため死亡した。

労働基準監督署の労災認定は下りたが、両親は会社と取締役個人を相手取り裁判に持ち込んだ。
過剰な長時間労働を認めていた経営者の姿勢を正したかった。


 吹上さんは大津市の「日本海庄や石山駅店」に配属され、午前九時に出勤し午後十一時すぎまで働くのが常だった。
高裁は吹上さんの残業時間を、月七十八〜百二十九時間と認定した。


 自分より経験のあるアルバイトにも気を使い仕込み作業を率先してこなしていたと、同僚は法廷で証言した。

「八歳の時の作文で、『食堂屋になりたい』と書いた。

自分の店を持つ夢を抱いて入社したが、調理師免許を取る前に倒れてしまった」と、父了(さとる)さん(63)は悔やむ。


 吹上さんの店では当時、時間外労働の上限は百時間とされていた。

長時間労働を認めてきた責任を問われた大庄側の反論は率直だった。


 「外食産業界では、上限百時間の時間外労働を労使間で合意するのは一般的だ。他の業界でも、日本を代表する企業でも同様だ」


 過当競争の業界で、自社だけが「健康第一」でやっていては生き残れない。経営側の論理が透けて見えた。


 昨年五月の判決で、坂本倫城(みちき)裁判長は「長時間労働を認識できたのに放置し、改善策を何ら取らなかった」と、社長以下取締役四人に計約一億円の賠償を命じた一審判決を支持。経営者個人の責任をあらためて認めた。


 大庄の主張は日本の働き方を象徴している。

総務省の昨年の「労働力調査」によると、二十〜五十九歳の男女の一割強に当たる約五百三万人が「過労死ライン」を超えて働いている。

坂本裁判長は判決で「労働者の健康は何よりも守らなければならない」と繰り返し、警鐘を鳴らした。


 厳しい就職戦線をくぐり抜け、やっと内定をつかんだ若者が毎年、過労で倒れていく。
「判決は画期的だが、経営者が労働者の命と健康を守る自覚を持たなければ、事態は良くならない」。

三十七年にわたり過労死遺族からの相談を受けている水野幹男弁護士は、こう話す。


 吹上さんの裁判で大庄側は、判決を不服として上告した。

posted by 小だぬき at 17:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月29日

過労社会 防げなかった死<下> 命より大切な仕事って

過労社会 防げなかった死<下> 命より大切な仕事って
2012年5月28日 東京新聞朝刊

働き過ぎから心身ともに追い詰められる「過労社会」をつぶさに目撃してきたのは、女性たちだ。

ある日突然倒れた夫や子どもを日々、会社に送り出してきた。


 「国に要請しても裁判に訴えても過労死は減らない」


 約二百五十人の過労死遺族でつくる「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子(えみこ)さん(63)=京都市=は昨年十一月、衆院議員会館でマイクを握った。議員らを前に「過労死防止基本法(仮称)」の制定を訴えた。


 寺西さんは一九九六年、そば店で働く夫を過労自殺で失った。労災申請しようと、新聞に載っていた電話相談「過労死一一〇番」にかけた。


 応対したのが現在、「過労死弁護団全国連絡会議」事務局次長を務める岩城穣(ゆたか)弁護士(55)だった。
「まだ自殺の認定基準はなく、現状では認定は難しい」と寺西さんに告げた後、こう持ち掛けた。
「新たな基準を作るために僕も頑張っている。一緒に頑張りませんか」。
以来、寺西さんは岩城弁護士と行動を共にしてきた。


 「過労死」という言葉は、三人の医師が八二年に出版した書籍に初めて登場する。

当時は、労働者の急死の原因を解明し、労災認定を求めようと、一部の弁護士や医師らが活動を始めたばかり。岩城弁護士は「会社の責任を問う発想はなかった」と振り返る。

 八八年に大阪の弁護士らが始めた過労死一一〇番をきっかけに、遺族が立ち上がる。各地で家族の会が設立され、九一年に全国組織となった。

遺族は弁護団と連携し、労災申請や企業の責任を問う裁判を次々と起こした。


 労災認定に数年、裁判ならばさらに数年。会社から協力は得られず、遺族自身が過労を示す内部資料や同僚の証言を集めて回った。

勝訴すれば、成功例として会員の中でノウハウを情報交換した。会員の裁判が先駆けとなって判例も生まれ、過労死への社会的関心も高まっていった。

寺西さんも十年かけて会社側に責任を認めさせ、裁判で和解。
家族の会は、労災認定の基準を緩和させる原動力となった。

過労死の主因である「脳・心臓疾患」と「精神障害」の労災認定率は、九七年に約13%だったのが、二〇一〇年には約30%にまで伸びた。


 「日本人は身を粉にして働くことを美徳としてきた。
法律を作り、こうした働き方を考えるきっかけにしたい」と寺西さん。
基本法に、国や企業の責任を明確にし、政府の重点施策に過労死防止を盛り込むことなどを求めている。


 家族の会などは現在、全国で署名活動を行っており、すでに十六万人分が集まった。六月六日に再び、議員会館で集会を開く。


 「命より大切な仕事って何ですか」。家族を奪われた女性たちの訴えから、過労死根絶へ大きなうねりが起きつつある。

(中沢誠と皆川剛が担当しました)


過労労災.jpg

 「過労社会」へのご意見や過労死問題の情報をお寄せください。
〒231 0007 横浜市中区弁天通4の52 東京新聞横浜支局。
ファクス045(201)1046、
メールyokohama@tokyo−np.co.jpまで。

posted by 小だぬき at 09:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「消費増税すれば税収増」のウソは過去2回の歴史が証明済み

「消費増税すれば税収増」のウソは過去2回の歴史が証明済み
2012.05.29 07:00   NEWSポストセブン

消費税引き上げ論議の中、多くのマスコミが「財政赤字だから増税は不可欠」と宣伝し、「増税すれば財政再建できる」と主張するが、それは間違いだと指摘するのは東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏だ。
以下は長谷川氏の解説だ。


 * * *
 国会で消費税引き上げ論議が本格化してきた。

私は、かつて野田自身が言ったように
「増税の前に霞が関に巣くうシロアリ退治が不可欠」と考える。 
 
 百歩譲って増税が必要としても、欧州危機などで景気の先行きが不透明ないま、適切なタイミングではない。

増税が税収増にならないからだ。


 多くのマスコミが「財政赤字だから増税は不可欠」と宣伝するので、つい読者も「増税すれば財政再建できる」と思ってしまうかもしれない。

それは間違いだ。財務省だって、増税が必ずしも税収増に結びつかないことくらい分かっている。

国民をだますには、危機を煽るのが手っ取り早いと思っているだけなのだ


 増税が税収増にならないのは、事実が物語っている。

消費税を導入したのは竹下登内閣当時の1989年4月だった。
当時はバブル真っ盛りで所得税も法人税も右肩上がりを続けていたが、翌年にバブルが崩壊すると、まもなく減少に転じてしまう。


 1997年4月に橋本龍太郎内閣が5%に引き上げた後は、所得税も法人税も振幅はあるが緩やかに減少傾向をたどった。


 結果として、一般会計の税収は90年度の60.1兆円をピークに全体として年々減り続け、2010年度決算では41.5兆円にまで落ち込んだ。

消費税を導入してから、一度もピークの税収に戻ったことがない。


 こう言うと、財務省は「1989年以降はバブル崩壊、1997年以降は当時のアジア通貨危機と山一証券破綻など金融危機の影響が大きく、消費税引き上げが原因ではない」と反論する。

景気低迷はデフレを放置した日本銀行の責任もあるから、すべてが増税のせいというつもりはない。


 だが、ポイントは「税率アップが税収増にならなかった」という事実である。

本来なら目的は税収増であって、増税ではないはずだ。

ところが、いまの議論は税率引き上げが焦点になって、肝心の「税収をどう増やすか」という目的が後回しになっている。


 世界を見ると、フランス大統領選とギリシャ総選挙を経て各国が冷静さを取り戻しつつあるようだ。
先の主要国首脳会議(G8サミット)は財政再建とともに経済成長重視を強調した。
緊縮財政一本槍では経済が落ち込むばかりで危機がますます深刻化するという認識が深まったのだ。


 そうなると、増税路線をひた走る野田の異常さが浮き彫りになる。産経新聞がその辺を伝えている。


「欧州債務危機脱却に向け、各国首脳が『財政再建と経済成長の両立が不可欠』との認識で一致する中、(野田)首相は具体的な成長戦略に言及しなかったばかりか、国際公約のはずの消費税増税までも国会審議への影響を憂慮してトーンダウン」「日本の成長戦略については『今年度は2 %を上回る経済成長を実現させたい』と抱負を述べただけで方策には触れなかった。これでは増税による景気縮小とデフレ圧力に対して無策であることを露呈したに等しい」(5月21日付)


 野田は増税を訴えるだけで、成長政策がないという認識は正しい。

日本が本当に税収増を目指そうとするなら、答えは消費税引き上げではなく経済成長の復活である。

当たり前の話なのだが、20年の大停滞で「日本はもう成長できない」と多くの人が思い込んでしまったのではないか。

(文中敬称略)
※週刊ポスト2012年6月8日号

posted by 小だぬき at 21:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

自分を守りたいが故に誰かを責めてしまう。

筆洗 2012年5月29日 東京新聞コラム

 <自分を認め様(よう)とする言葉はなんて/相手を非難する言葉と似ているんだろう…>。
故河島英五さんの初期の作品「かけがえのない人」にこんな歌詞がある。

自分を守りたいが故に誰かを責めてしまう。

誰でも思い当たる節はあるはずだ

保身と非難は表裏一体ともいえるが、東京電力福島第一原発の事故を検証する国会調査委員会の参考人招致でも、強く批判することで自らや組織を守ろうという姿が垣間見えた

▼菅直人前首相の現場視察や吉田昌郎所長(当時)に直接、連絡を取ったことを「混乱の極みで所長は指示をし、指揮を執らなきゃいけない。

そんな時に質問的な話で時間を取るのは芳しくない」と批判したのは、東電の勝俣恒久会長だ

▼きのう、参考人に呼ばれた前首相は「東電から派遣されたフェローはほとんどのことが分からなかった」「分からないと言われるのは、本当に困った」と東電や保安院に矛先を向けた

事実が究明されるなら批判の応酬も結構だが、東電が全面撤退を政府に打診したかどうかは結局、分からずじまいだ。

混乱と不信感が渦巻く中の「伝言ゲーム」が招いた「迷宮」に思えてきた

▼前首相の質疑を聞いて痛感させられたのは、この国の政治家や官僚、電力会社には、破局的な事故を起こす可能性を秘める魔物を扱う能力も資格もなかったということだ。
そして、それは今もない。

posted by 小だぬき at 07:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月31日

大飯再稼働 政府、最終決定へ 関西連合が事実上容認

大飯再稼働 政府、最終決定へ 関西連合が事実上容認
2012年5月31日 07時05分 東京新聞


 関西広域連合は三十日、関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について、条件付きで政府に最終判断を委ねる声明を発表した。

これを受け、野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係三閣僚は同日夜、再稼働に関する四者会合を官邸で開き、周辺自治体は再稼働を容認したと判断。

立地自治体の県と町の理解が得られれば、再稼働を最終決定する方針を確認した。

安全に対する不安が強い国民の声を置き去りに、政府は再稼働に向けて走りだした。 

 四者会合は四月十三日に再稼働方針を決め、福井県などの理解を求め始めて以来初。

首相は、関西広域連合の声明を踏まえ「関係自治体の一定の理解が得られつつある」と強調。
夏の電力確保だけでなく、経済の安定と発展のため原発は引き続き重要だ。立地自治体の理解が得られれば、最終的に首相の責任で(再稼働を)判断したい」と述べた。


 会合では、細野豪志原発事故担当相が三十日、鳥取県での広域連合の会合で、原子力規制を一元的に担う原子力規制庁設置までの暫定的な安全確保策として、現地に特別な体制をつくる案を示したことなどを報告。

広域連合側は松井一郎大阪府知事らが「安全基準が万全でないのに再稼働を決めるのか」と反発したが、理解は得られたと判断した。


 ただ、再稼働させる原発の安全性を判断する基準が暫定的という問題は残ったまま。
規制庁設置の関連法案は二十九日に審議入りしたものの、成立の見通しは立っていない。

民主党内にも少なくない再稼働慎重派から「拙速だ」との反対論が噴出するのは確実だ。

(東京新聞)
posted by 小だぬき at 09:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月03日

広がる年金不安に専門家「破綻しない、納めた方が得」と断言

広がる年金不安に専門家「破綻しない、納めた方が得」と断言

2012年6月3日(日)7時0分配信 NEWSポストセブン

「私の年金、本当にもらえるのでしょうか?」


 年金セミナーを各地で開いている社会保険労務士・東海林正昭さんが、セミナーで参加者からよく聞かれる質問がこれ。
年金への不安が、大きく広がっている証左といえる。


 記憶に新しいのは、5000万件もの記録ミスが発覚した2007年の「消えた年金問題」。
その後、雇用情勢の悪化が拍車をかけて国民年金の未納率はどんどん上昇し、2010年度には40.7%と過去最悪の水準を更新した。

近い将来、現役世代が高齢者を支え切れなくなり、年金制度そのものが破綻するのでは――といった憶測まで呼んでいる。


「なかには、“年金はどうせもらえないから、保険料は納めないほうがいいのでは”というかたまでいます。年金制度に不信感をもち、年金保険料を払うだけ損という考えのようです」(東海林さん)


 だが、東海林さんは、「年金は破綻しない」ときっぱり答える。


「サラリーマンが加入する厚生年金は、給料から強制的に天引きされる形。なので、サラリーマンに未納というのはあり得ません。

未納率4割と聞くと驚きますが、これはあくまで国民年金の話。年金加入者全体から見れば、5%程度にすぎないのです」(東海林さん)


 特定社会保険労務士の長沢有紀さんも、「年金は納めたほうが得」という立場をとる。


「年金は、現役時代に納めた保険料が大きければ大きいほど、老後にもらえるリターンも大きくなる。国民年金の場合、現在の水準で保険料を20才から60才まで満期の40年間払い続けると、払込総額は約720万円。


 これに対して65才から受け取れる年金額は、年間約80万円になります。つまり、年金をもらってから9年間で元がとれます。

そして、女性
の平均寿命の86才まで生きたとすると総額は約1680万円となり、2倍以上に増える計算。
年金を納めたほうが圧倒的に得です」(長沢さん)


※女性セブン2012年6月14日号

posted by 小だぬき at 10:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月04日

「開店休業」国会 法案停滞は与野党の怠慢だ

「開店休業」国会 法案停滞は与野党の怠慢だ
(6月3日付・読売社説)

国会は今月21日の会期末が迫りつつあるにもかかわらず、あまりにも成果が乏しい。


 政府は今国会に81法案を提出しているが、このうち成立したのは20本。
成立率は、わずか約25%である。例年の国会ならば、この時点で5割程度に達している。


 焦点の社会保障・税一体改革関連法案をはじめ、今年度予算の執行に欠かせない赤字国債発行を可能にする「特例公債法案」など重要な法案の成立に見通しが立っていない。


 国会の職務怠慢そのものである。国政の停滞をこれ以上、長引かせてはならない。


 国会の機能が低下した原因は、衆参ねじれ国会の下、与野党がそれぞれの責任を果たさず、不毛な対立を続けていることにある。


 田中防衛相と前田国土交通相の問責を参院が決議した後、野党は2閣僚に関係しない政府提出法案についても、一体改革関連法案などの例外を除き、審議することに原則として反対している。


 特に、野党が多数を占める参院では、4月27日を最後に、本会議は1か月以上開かれず、法案の採決はもとより審議さえ行われていない。異常な事態だ。


 自民党の谷垣総裁は、民主党政権が「国政の停滞」を招いたと批判しているが、問責を根拠とする野党の審議拒否こそが国会の“開店休業”の要因となっている。


 野党は問責の問題を切り離し、審議に応じるべきである。


 無論、民主党執行部の責任も重大である。法案が通らない理由を野党だけに押しつけるようでは、政権党としての自覚が足りない。

法案の審議促進にもっと真剣に努力しなければならない。


 国会が立法機能を果たさないことで、外交・安全保障政策に支障が出ることも懸念されている。


 自衛隊の国連平和維持活動(PKO)などで国造りを支援している南スーダンに日本大使館を設置する法案や、国際結婚が破綻した際の子供の扱いを定めるハーグ条約の承認案も放置されている。


 尖閣諸島などの離島に不法上陸した外国人らを海上保安官が検挙できるようにする海上保安庁法改正案の成立も欠かせない。


 国会の停滞を打開すべきだ。


 衆院議院運営委員会は、災害に備えてガソリンなどの国家備蓄を進める石油備蓄法改正案や消防法改正案などの委員会付託を、与党の多数決で決めた。

いずれも大きな対立点がない法案であり、速やかに審議に入る必要がある。

2012年6月3日01時42分 読売新聞)
posted by 小だぬき at 07:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

黙殺された野村総研の“TV消せばエアコンの1.7倍節電”報告

勝谷誠彦 馬鹿どもに声高に抗議するのに疲れた今やるべき事
2012.06.04 07:00   NEWSポストセブン


 テレビで節電が叫ばれているが、そもそも昼間のテレビほど無駄なものはない

無駄だけではなく、人をバカにする。公害である。

これだけ言われても電波を止めないというのであれば、私たちのライフスタイルを変えて観なければよろしい。


 高校野球もだ。NHKの中継を一切観ない。
いや、中継をしているのならば受信料を拒否する。
「みなさまのNHK」が節電に反する国賊行為をしているのである。
当然のことだろう。

球児たちのためにも大会はやればいい。

ただし、早朝試合とナイターにする。

熱中症についてあれほど報じながら炎天下で球児に試合をさせる朝日新聞の神経が私にはわからない。

 馬鹿どもに声高に抗議するのにはもう疲れたし効果がないこともわかった。

だから私たちはゆるやかに生き方を変えて、奴らを不要なものにしてしまおう。

この柔らかな革命がうまくいけば、たとえば不当な税金に対しても、日本人は立ち上がるすべを覚えるかもしれない。

電力不足と、節電などを嘘つきどもが押しつけてくるこの夏は、日本人にとってあるいは歴史的な好機になるかもしれないのだ。


 静かに、したたかに、この夏を楽しもうではないか。

こうすれば節電できる式の記事や番組も無視することだ。おまえらがそういうことをやめるのが、いちばんの節電だ、ともうわかったのだから。

※メルマガNEWSポストセブン17号

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
黙殺された野村総研の“TV消せばエアコンの1.7倍節電”報
2011.08.10 16:00

「こまめに電灯を消そう」「エアコンの設定温度を28度に」――テレビのワイドショーでは、様々な節電方法が連日紹介されている。

その一方で、黙殺され続けている一番効果的な節電方法がある。


 それはズバリ「テレビを消すこと」だ。


 興味深いデータがある。野村総合研究所が4月15日に発表した『家庭における節電対策の推進』なるレポート。

注目したいのは「主な節電対策を講じた場合の1軒あたりの期待節電量」という試算だ。


 これによれば、エアコン1台を止めることで期待できる節電効果(1時間あたりの消費電力)は130ワット。

一方、液晶テレビを1台消すと220ワットとなる。


 単純に比較しても、テレビを消す節電効果は、エアコンの約1.7倍にもなるということだ。


 この夏、エアコンを使わずに熱中症で亡くなる人が続出している。

にもかかわらず「テレビを消す」という選択肢を国民に知らせないテレビ局は社会の公器といえるのか。

 
 自分たちにとって「不都合な真実」を隠しつつ、今日もテレビはつまらない番組を垂れ流し続けている。


※週刊ポスト2011年8月19・26日号

 

posted by 小だぬき at 14:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月05日

「改正暴対法」戦前の治安維持法が復活する

「改正暴対法」のトンデモない中身
2012年6月2日 日刊ゲンダイ掲載

戦前の治安維持法が復活する
<警察の狙いは天下りの拡大>

 野田政権は庶民イジメの消費税増税にまっしぐらだが、今国会では他にも見逃せない「改悪法案」がある。

「改正暴力団対策法」だ。

 改正暴対法は、住民に危害を繰り返す団体を「特定危険指定暴力団」と指定したり、暴力追放運動推進センター(暴追センター)が事務所の使用差し止めを代行訴訟したりする制度が盛り込まれている。

2月に閣議決定し、国会に提出されたが、審議入りしていない。新聞テレビは「成立を急げ」の大合唱だが、この法案は問題だらけだ。

「『特定危険指定暴力団』の指定要件が曖昧なのです。

つまり警察のサジ加減ひとつで『この団体は暴力団』と判断されかねない。これは憲法で保障された基本的人権を侵します。

『事業者の責務』で、暴力団との商取引の厳格化を求めているが、これではヤクザの子どもに弁当を売っただけで『暴力団』と受け取られかねません」(都内弁護士)

 いちいち警察にお伺いを立てるなんて冗談じゃない。まるで戦前の治安維持法ソックリだ。

さらに、この改悪法には許し難いウラがある。警察OBの天下りだ。

「92年の暴対法施行後、ゼネコンに調査役などと名乗る警察OBが増えました。

法律で暴力団対応の『不当要求防止責任者』を置くことが求められ、各社が雇ったからです。

この責任者は暴追センターで対応策の講習を受けるのですが、暴追センターも警察OBの天下り先。

改正法では、暴追センターが訴訟代行を行えるようになります。
天下り先の仕事を増やそうという狙いがミエミエです」(司法ジャーナリスト)

 先月31日に参院会館で開かれた「暴排条例と暴対法改定に異議あり」と題した集会に出席したジャーナリストの
宮崎学氏は「警察は捜査能力の低下を法律の(不備の)せいにしている」と断じていた。

 検察に続き警察も暴走し始めたら、この国は警察国家になってしまう
posted by 小だぬき at 12:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月07日

余録:皇室は悠久の歴史の中で…

余録:皇室は悠久の歴史の中で…
毎日新聞 2012年06月07日 00時13分


  「皇室は悠久の歴史の中で常に受動態であった。突き詰めると、存在することに意義があるということだ。

政治や営利にも関与できないし、ある意味『ニッチ(すきま)産業』だ」。

亡くなった寛仁さまがこう語ったのは6年前のインタビューだ

▲皇室がニッチ産業とは大胆なたとえだが、こうしたずばり言い切る物言いが寛仁さまの真骨頂だった。

そんな言葉のいくつかは皇族の発言として物議をかもすこともあった。

その意味で戦後の一時代の皇族は、ご本人には文字通り窮屈な「すきま」と感じられたのか

▲障害者福祉やスポーツ振興などの公務に早くから取り組んできた寛仁さまが、その活動に打ち込むために皇籍離脱を申し出たのは30年前である。

むろん皇室典範では離脱は許されなかった。

だが投じた一石は皇族のあるべき姿についてのさまざまな論議を呼び起こす

▲シンボルとなったひげは若き皇族として先鞭(せんべん)をつけた英国留学から帰国した際にはやしていたものだ。

曽祖父の明治天皇とよく似ていると評されると、うれしそうな表情をのぞかせていたという。
「ヒゲの殿下」の呼び名は戦後世代の皇族の代名詞のようにもなった

▲ラジオのディスクジョッキーをするなど皇族として「初」の逸話も多い。

むろん誰も経験したことない戦後象徴天皇制の下での皇族だ。

飾りのない肉声や振る舞いは多くの国民の皇族イメージに人間的なぬくもりを
宿らせた


▲晩年は闘病に次ぐ闘病であった。だがそのさなかに皇族の役割についてこう語った。
「光が当たっていないところに光を当てる。それが大事です」。

思いはしっかりと次の世代に手渡された。

posted by 小だぬき at 08:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月08日

<集めて分ける 社会保障と税・人口問題編> 少子化に歯止めをかけるには?

<集めて分ける 社会保障と税・人口問題編> 少子化に歯止めをかけるには?
2012年6月7日  東京新聞

少子化が止まらない日本。
合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの推定人数、以下出生率)は一・三九(二〇一一年)と、低水準から抜け出せていない。

出生率アップを遂げた先進諸外国の例も交え、日本の少子化の要因を探った。少子化に歯止めをかける対策とは−。 (宮本直子)


 子どもたちの歓声が響く東京都江戸川区の行船公園。

小学四年と年長の二人の女の子を育てる主婦、宮田麻津子さん(35)は「近くに公園が多く、いつも子どもがいっぱい。
少子化なんて全く感じない」と笑う。


 中学一年から年長までの四人を育てる主婦中谷初恵さん(49)も「子育て家庭への区の補助はありがたい。
それを目当てに引っ越してきた人も周りにいる」と話す。
二人とも「『もう一人ほしいな』という声をよく聞く」と口をそろえる。


 江戸川区の出生率は一・三七(一〇年)と二十三区で最も高く、市区町村別データを取り始めた一九九三年からトップを維持。

都道府県別で全国最下位の東京都の一・一二(二〇一〇年)、二十三区の一・〇八(同年)と比べると、江戸川区の健闘ぶりが分かる。

同区子育て支援課の岩瀬耕二課長は「子育て世代重視の区の独自策が出生率の高さにも表れている」と胸を張る。


 独自策の主なものは、乳児(一歳未満)養育手当=月一万三千円
▽私立幼稚園通園児保護者への補助=月二万六千円
▽中学生まで医療費無料
▽小中学校給食費の約三分の一を区が負担−など。


 ほとんどに所得などの制限がなく、全ての子育て世代が恩恵を受ける。

岩瀬課長は「都心へのアクセスがよい割に地価が安く、公園面積は二十三区一位。憩える場があり、環境面でも子育て世代には暮らしやすい」。

     ◇

 日本の出生率は第一次ベビーブーム(一九四七〜四九年)には四・三を超えていた。
その後、低下し、二〇〇五年には過去最低の一・二六まで落ち込んだ。

政府は保育サービスの充実を柱に少子化対策を講じてきたものの、効果は見て取れない。
フランスでは二・〇一(一〇年)、スウェーデンでは一・九八(同年)と出生率が回復傾向にある。出生率アップを遂げた両国では、どのような施策が功を奏したのか。


 フランスは経済支援が手厚い出生促進型。第二子から手当を支給し、子どもが増えれば加算される。税制も子どもが多いほど有利な課税方式。


 一方、スウェーデンは育児休業や保育サービスに重きを置く両立支援型。
育休中の大半の期間で給料の八割を保障。休業前とほぼ変わらない賃金水準が保たれる。
保育サービスは一歳児以上なら誰もが受けられる体制が整えられている。


 家族関係社会支出(国が家族手当、育児休業給付などに使った支出)の対国内総生産(GDP)比(〇七年)を比べると、フランス3%、スウェーデン3・35%に対し、日本は0・79%と約四分の一。


 第一生命経済研究所主席研究員の松田茂樹さんは「子育てにお金をかける姿勢は両国に共通している。
適正な負担水準を検討し、日本もその姿勢を見習うべきだ」と話す。


 松田さんが「少子化の最も深刻で根本的な要因」とみるのが未婚化

国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集(一二年版)によると、生涯未婚率(五十歳時の未婚率)を四十年前と比べると、男性は1・7%(一九七〇年)が20・1%(二〇一〇年)、女性も3・3%が10・6%へと上昇している。


 松田さんは「今は三人に一人が非正規雇用の時代。雇用の劣化が未婚化につながっている。

経済的に不安定な非正規雇用者は結婚して子どもを育てることが難しい。賃金を上げる、正社員化するなど、待遇改善策が急務」と訴える。

posted by 小だぬき at 09:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月10日

いかがなものか 「再稼働」判断

特集ワイド:いかがなものか 「再稼働」判断
毎日新聞 2012年06月08日 東京夕刊

 「原発ゼロ」は、やはりつかの間の夢となるのか。野田佳彦首相の最終判断時期が迫る関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働。政治プロセス、安全性、橋下徹・大阪市長らの動き……あらゆる面で疑問は残ったままだ。3人に聞いた。【戸田栄、藤田祐子】

 ◇不真面目な見切り発車−−
元原子炉格納容器設計技術者・後藤政志さん

 小手先の対策をいくつか実施し、ストレステストの1次評価に合格しただけで「安全性は確保したから大飯原発を再稼働していい」とは、不真面目な考えというほかない。
福島原発事故で最悪のシナリオをたどれば、首都圏が壊滅状態に陥った可能性があります。
であれば、電気不足と引き換えに見切り発車するようなことではないでしょう。

 発生する地震や津波の想定を大きくし、原子力プラントの弱点を補強する形の対策は進められました。
しかし、プラントそのものは元のままですから、最初の設計値から全体の強度を引き上げるには限界があります。

まず、そこに大きな問題がある。
地震や津波、事故進行状況など想定の仕方も通りいっぺんで、複合災害となろう事態への対応策として十分ではありません。

補強した対策にしても、免震棟やフィルター付きベントの設置は15年度だといいます

現にあってこその対策でしょう。

福島事故で大きな役割を果たした免震棟について言えば、本気で取り組めば、もっと早く作れるはずです。

要は真面目に事故の可能性に向き合っていないのです。


 設計上の想定を超える地震や津波などが発生した場合、どれだけ原発に安全上の余裕があるかをみるのがストレステストです。

ところが、1次評価は主要な建造物や機器などしか対象にしていない。

施設には複雑な配管など多くのものがあり、事故で何がどんな悪さをするかわからない。
1次評価段階で安全性が確保されたとは言えません。


 2次評価では、対象の原発で炉心溶融が起きると、住民の被ばくを含め、どんな被害が出るかが分かります。

そこで、原発の危険を市民がよく理解してから、再稼働の是非が議論されるべきです。

posted by 小だぬき at 10:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

いかがなものか 「再稼働」判断A

特集ワイド:いかがなものか 「再稼働」判断A
毎日新聞 2012年06月08日 東京夕刊


◇賛否選挙で問えばいい−−
衆院議員・辻元清美さん

早くダメなものには見切りをつけて、次のものに転換していくべきだと思う

まだ福島原発事故は終わっていません。

原子力災害の被災者に賠償する法律も、賠償金の拡充などの改正ができていない。

現時点での大飯原発の再稼働には反対です。

 いつまでに脱原発を図るかのロードマップの提示も重要です。

政府が原子力政策の方向性を定めもせず、その場しのぎで動かすのはおかしい。

また野田佳彦首相は「(再稼働は)私の責任で判断する」と発言していますが、「責任」の中身が分からなかった。

再稼働は、全国民のコンセンサスが必要な課題となっているのです。

 もう一度、原発事故が起きたら、日本は本当にだめになる。

そうでなくても原発を動かせば使用済み核燃料がどんどんたまっていきますが、被災地のがれきの受け入れ先さえろくにないのだから、使用済み核燃料の埋設に同意する地域があるのでしょうか。

その長期にわたる冷却や放射性廃棄物の処分など、原発は発電と別にいろいろとコストもかさみます。

イデオロギーによる賛否ではない、フクシマ後の今、原発を動かし続けようとすることに無理があるのです。

政府が原発を止められない理由として、停止した途端に、資産だった原発が不良債権になって全国の電力会社が債務超過に陥り、経済が混乱するからだという話があります。

また、原発輸出関連企業は米企業と合弁するなど関係を深めていて、日米関係から急な方針転換は難しいという人もいます。

 包み隠さず全てを国民に明らかにし、原発稼働に対する賛否を次の選挙の争点にしたらいい。

政治に求められているのは、過去の誤った国策と決別する覚悟です。

posted by 小だぬき at 19:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月11日

なぜ成功者ほど洗脳のカモになるのか?

なぜ成功者ほど洗脳のカモになるのか?
2012年6月11日(月)7時0分配信 ゆかしメディア

 占い師による洗脳事件で、話題の的となった人気お笑いコンビ、オセロの中島知子さん。
恋愛に恵まれなかったとも言われているが、美人な上にOLなどとは比較にならないほどの高収入。
厳しい芸能界で大成功し、尊敬のまなざしを集める存在が、占い師の洗脳にはまってしまった。
「一体なぜなのだろう?」と誰もが首を傾げただろう。
そこで、芸能人や会社経営者らの顧客を多く持つ占い師Aさんに「占い師は顧客を洗脳できるのか?」ということを聞いてみた。

■洗脳されやすい性格とは?

 Aさんは西洋占星術とタロット、手相見を得意とし、20年以上のキャリアを誇る人気占い師だ。
現在は、対面だけでなくメールや携帯電話などでも占いをしており、“手軽に占ってもらえる環境”が整ったために、「占いに依存する」人が続出しているという。

 一般的に普通の人よりは、著名人や有名人こそ占いに最もはまりやすい環境を持つのだという。
まずは「情報が漏れやすい」という点。

 オセロ中島さんがハマったような悪徳占い師は、常に「おいしい獲物」を狙っているという性質を持つ。
一般人に比べ、芸能人や文化人、会社経営者などは「パートナーとの別れや死別」「業績の悪化」など個人情報が漏れやすい。
さらに、メディアに露出がある場合、どんなに取り繕っていても、表情や言動に精神状態が現れる。

 そのため、悪徳占い師は、顧客(=獲物)にベストなタイミングで近づく事ができるのだ。

■「孤独感」を感じた時に隙ができる

 そして、性格面。トップに昇り詰める人は、次のような特徴がある。

1 プライドが高い→家族や友人に相談できない
2 頑張り屋⇒裏を返せば折れやすい、という性質を持つ。

 また、ワンマンな一匹狼タイプは心の底では孤独感を持っている。

 「孤独感」は占いにもっともハマりやすいキーワードなのだとAさんは言う。
とくに、「恋愛・結婚などの破局」「死別」によって傷心である時期は、心のなかでは支えを求めている状態だ。

 なかでもパートナーとの別れから約1年ほど経ち、落ち着いた頃が最も寂しさが身にしみる頃で、「おいしいタイミング」であるという。
特に未亡人は遺産を持っているために、絶好のカモだそうだ。

■潜在意識を解放する逆行催眠とは?

 Aさんが語ることには、例の占い師は中島さんに対し、「“逆行催眠”という洗脳術を使っていたのではないか?」という。

 「逆行催眠」とは、インナーチャイルド(内なる子供)と呼ばれる潜在意識を意識化してトラウマやストレスに向き合う療法である。
治療後は手をパンと叩くなどして、現在の自分(現実)に戻すのが通常だが、催眠をあえて解かないこともできる。
内なる子どもを解放したままにしたため、欲望に歯止めがかからず、肉を食べ続けて太り、仕事でもワガママ放題をしたのではないかというのがAさんの見解だ。

 ちなみに「肉」は外見的な美にこだわった中島さんを、ストレスから解放させる象徴である。
誰にでも何か大きなコンプレックスやこだわりはあるもの。
それを見つけ、操ることが洗脳の決め手にもなる。

 洗脳の最終手段は「家族からの切り離し」。
そして「疑似家族」である。

■家族と離せばあとは仕上げ

 悩みのある人間は家族との関係が良くないことが多く、そのため多額のお金を払って専門家でもない第三者に相談にくるのである。
概ね同性の親に対し、不満を持っており、そこから人間関係を崩していくのがセオリーだ。

 本来なら最も信頼してしかるべきの「家族」から切り離された後は、人間関係は真っ裸の状態。

 そこに「疑似家族」を付け加えていけば、もうすでに洗脳は仕上げの段階である。
オセロの中島さんだけでなく、古くはオウム心理教のサティアンやヤマギシ会のコミューンなどもこの「疑似家族」の形態をとっている。
このことからも、疑似家族での生活という段階がどのような状態か理解いただけるだろう。

 ただし、同じ洗脳といっても宗教心や理念で結ばれた人間関係ではなく、占い師と顧客という“金”で?がっている人間関係は、「金の切れ目が縁の切れ目」となるのが大きな違いだ。

 失うものが金だけならまだいい。
誰からも見放され、社会的な信頼さえも失ってしまったら地獄である…。
posted by 小だぬき at 08:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月12日

大飯再稼働会見 「安全神話」への逆戻り

大飯再稼働会見 「安全神話」への逆戻り
毎日新聞社説 2012年06月12日 02時31分

 心にも理性にも響かない先週の野田佳彦首相の「大飯再稼働会見」だった。
国民ではなく、福井県知事に向けたメッセージであることが透けて見える。
これで国民の納得が得られるとは到底思えない。


 疑問はいくつもある。

まず、「福島を襲ったような地震・津波が起きても事故を防止できる」「すべての電源が失われても炉心損傷に至らない」という首相の認識だ。

 そもそも、福島第1原発の過酷事故の最大の教訓は、いくら防護対策を取っていても「事故は起こる」ということだった。

にもかかわらず、首相は再び、「事故は起きない」という前提に立ち返って再稼働を進めようとしている。
「安全神話」への逆戻りと言う以外にない。


 「福島のような」という限定付き「安全保証」も問題だ。
次の事故は違う形を取るに違いないからだ。


 国際的な原発の安全原則は「5層の防護」から成り立っている。3層目までは過酷事故の防止、4層目以降は過酷事故を前提に、放射性物質の放出から人や環境を守る防災対策までを求めている。


 免震棟など過酷事故対策の一部を先送りしている大飯原発で、4、5層目の対策をどう実行するのか。
首相は国民にきちんと説明する義務があるはずだ。


 さらに、「原子力発電を止めたままでは、日本の社会は立ちゆかない」という発言も疑問だ。

政府は「脱原発依存」を方針とし、どのようなエネルギーミックスをめざすのか、時間と労力をかけて検討している。


 その結論さえ出ていないのに、「夏場限定の再稼働では国民の生活は守れない」「エネルギー安全保障の視点から原発は重要な電源」と踏み込んだ。

国民的な議論を置き去りにする発言ではないか。


 もちろん、電力不足から突発的な停電が起きれば人命にかかわる。
計画停電が続けば産業にも大きな影響が出るだろう。重い問題である。


 しかし、夏の電力不足への対応が必要となることは1年以上前からわかっていた。その間に取るべき対策を怠ってきたのは政府と関西電力だ。

まずその反省と謝罪があってしかるべきなのに、危機感だけをあおる姿勢は受け入れられない。


 節電や電力のピークカット、電力融通など、さまざまな対策を講じようとしている時に、再稼働を強行することは、社会の変革の芽をつぶすことにもつながる。


 首相は「再稼働反対は精神論」という趣旨の発言もしているが、事故対策は「精神論」ではない。

原発過酷事故を現実に経験しながら、「事故は防止できる」と主張することこそが、精神論ではないだろうか。

posted by 小だぬき at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「不正受給バッシング」加担は自らの首を絞めることになる

「不正受給バッシング」加担は自らの首を絞めることになる
(SPA! ) 2012年6月12日(火)配信

 芸人親族の生活保護「不正受給」疑惑がワイドショーを賑わしている。

 まるで不正受給の横行で自治体財政が逼迫しているかのようなイメージがつけられているが、その総額は全体の0.38%。
その一方で、「受給資格があるのにもらえない」という大きな問題がある。

こうした問題を無視して、バッシングとも言える生保批判が行き過ぎるといったいどうなるのか?

 貧困問題とその対応策を専門にする首都大学教授の岡部卓氏は、生保バッシングの加速は無関係だと思っている我々にも将来的に陰を落とすことになると指摘する。

「もらえる人がもらっていないにもかかわらず、生活保護の受給者数そのものは増え続けています。

その理由の一つは、経済の停滞や雇用の悪化に伴う失業者の増加です。

’08年のリーマン・ショック以降、『派遣切り』に象徴される非正規労働者の雇用契約打ち切りが相次いだことは周知の通りですが、非正規労働者は『第一のセーフティネット』である雇用保険に加入していないことが多く、失業給付を受けることができません。
そこで求職者支援制度や住宅手当制度などの『第二のセーフティネット』が導入されましたが、十分に機能しているとは言いがたい状況です。

だから、15〜 64歳の稼働年齢層は『最後のセーフティネット』である生活保護に頼らざるを得なくなったのです。

 もう一つが、生活困窮高齢者の増加です。
国民年金だけでは保険料を40年間きっちり払ったとしても生活保護受給額より低い年金しか受け取ることができません。

また未納・未加入などによって給付水準が低い人、全くもらえない人も増えています。こういう人たちも生活保護に頼ることになります。

つまり、ほかの社会保障制度の底が抜けているから生活保護の増加がとまらないのです。

 ほかの先進国と比べてセーフティネットの貧弱な日本では、会社が倒産した、リストラされた、病気で働けなくなった、といった場合に頼れるのは生活保護しかありません。
政府は「不正受給」疑惑を利用して、さらに生活保護を削ろうとしています。その尻馬に乗ってしまうことは、自らの首を絞めてしまうことでもあるのです。

 もしこの状態で生活保護制度が機能しなくなったら、支えるものは何もなくなります。
そのとき国家に対する信頼をどうやって担保するのか。
もう一度金融危機や経済危機が来た時、どういうことが起きるのか。
ナショナルミニマム(国が設定する最低生活保障水準)を堅持・持続させるための国民的議論が求めらていると思います」
(岡部卓氏)

 週刊SPA!6/12発売号特集記事「本当は厳しい/冷たい日本の生活保護制度」では、捕捉率(支給基準を満たしている人に払われていない人の割合)10〜20%という先進国の中でも群を抜いて低い理由や背景、実際の窓口でどのような「門前払い」が行われているか? 
さらに、不正受給以上に、生活保護制度や貧困者を利用してカネを吸い上げる連中の存在について言及している。
そちらもご覧いただき、今一度生活保護問題について考えていきたい。
【岡部卓氏】

posted by 小だぬき at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月13日

「放送休止」を誰も言わない

牧太郎の大きな声では言えないが…:
「放送休止」を誰も言わない
毎日新聞 2012年06月12日 東京夕刊

お隣・中国でも、人気テレビ番組は恋愛バラエティー? カメラの前に着飾った女性がズラッと並び、お相手を探す男性の性格、容貌、経済力、家系を“値踏み”する。


 もろに「欲望」が赤裸々になって面白いが……低レベルになればなるほど、人気になるのは日本のテレビと変わりない。


 しかし、中国は違っていた。


 国家ラジオ・映画・テレビ総局は1月1日、厳しい番組規制を開始した。


 中国には3000を超すテレビ局があるそうだが、規制を受けたのは全国放送をしている34の衛星放送局。
「夜の娯楽番組は週に2本しか放送してはならない」と命じられた。

その結果、娯楽番組は去年の126本から38本に激減。視聴率ランキングも禁止された。


 「拝金主義的な番組」を放置できない!というのが中国共産党の言い分。
自由がない「1党支配の国」は恐ろしい。


 それに引き換え……日本のテレビ番組は自由奔放? 安い制作費で、低レベルの番組?を垂れ流している。


 テレビに良心はないのか?とテレビ局の知人に“抗議”すると「そんなことは断じてない」。


 そうだろうか?

 良心があるなら、原発再稼働に本気で反対するのなら、テレビ局はこの夏、「無駄な放送」を休止すべきではないのか?
posted by 小だぬき at 07:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月14日

こみ上げる苦い思い

香山リカのココロの万華鏡:
こみ上げる苦い思い
毎日新聞 2012年06月12日 東京地方

 1997年に東京都渋谷区で女性会社員が殺害された事件で、加害者と見なされ無期懲役が確定していたネパール国籍の男性の再審開始が決定した。

刑の執行は停止され、男性は釈放、準備が整い次第、ネパールに帰国することになる。


 不当な拘束が終わって本当に良かったが、いろいろな問題が残った。

まず、異国で逮捕されて取り調べを受け、裁判を経て服役、という経過で費やされた15年の長い歳月は、もう戻ってこない。

この男性の場合、家族が無実を信じて支え続けたからまだ救いは残るが、最近は事件発生から20年以上たって再審開始が決定した事案もある。

「どうも間違いだったみたいです、ごめんなさい」ではとてもすまされないが、今後こういったあやまちを防ぐには、どうすればいいのか。

逮捕や取り調べの過程で、「この人ではないかもしれない」と疑う目を持つ人はいないものだろうか。

 そして、この男性が釈放されたということは、真犯人は別にいるわけだが、その人はどこで何をしているのか。

再審は開始されても、捜査からやり直してこれから真犯人を見つけるのはきわめて困難だ。

被害者の遺族は、どういう思いでこのニュースを耳にしたのだろう。

この事件は発生当初、であっても、それとは違う基準で「女性としての価値」が測られ、「生きづらさ」を感じている。

被害者の女性も、肩書をはずした「自分の価値」を確認したくて、あえて不特定多数の男性相手の接客を行ったのではないか……。

こういった分析が、当時の女性たちが置かれた状況と重ね合わせてさかんに行われた。
家族背景なども詳細に報道され、それによって遺族もさらなる追い打ちを受けただろう。

 最大の被害を受けたのはもちろん当事者の女性だが、家族も悲しみに追い打ちをかけるような痛手を受け、そして今回、釈放された男性やその家族も想像を超える苦痛を味わった。

さらにつけ加えれば、一般の女性たちの多くも、いまだに当時と同じ「生きづらさ」を抱えて生きている。

この事件そして今回の再審開始や男性の釈放から、私たちが何か学べることがあるとすれば、それはいったい何なのだろう。

家族に再会して晴れやかな笑顔を見せる男性にほっとしながらも、なんとも苦い思いがこみ上げてきた。

posted by 小だぬき at 10:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月15日

時間を金で買う現代

時代の風:時間を金で買う現代=京都大教授・山極寿一

毎日新聞 2012年05月20日 東京朝刊

◇買えぬ信頼、取り戻そう


 「時間どろぼう」という言葉を記憶している読者は多いだろう。
ドイツの作家ミヒャエル・エンデ作「モモ」に出てくる話である。
時間貯蓄銀行から派遣された灰色の男たちによって、人々の時間が盗まれていく。それをモモという少女が活躍して取り戻す。
そのために彼女がとった手段は、ただ相手に会って話を聞くことだった。

それこそ、このファンタジーは現代の日本で、ますます重要な意味をもちつつあるのではないだろうか。


 時間とは記憶によって紡がれるものである。

かつて距離は時間の関数だった。
だから、遠い距離を旅した記憶は、かかった時間で表現された。
「7日も歩いて着いた国」と言えば、ずいぶん遠いところへ旅をしたことになった。
その間に出会った多くの景色や人々は記憶の中に時間の経過とともに並び、出発点と到着点を結ぶ物語となった。

しかし、今は違う。東京の人々にとって飛行機で行く沖縄は、バスで行く名古屋より近い。
移動の手段によって、距離は時間では測れなくなった。

時間にとって代わったのは費用である。「時は金なり」ということわざは、もともと時間はお金と同じように貴重なものだから大切にしなければいけないという意味だった。

ところが、次第に「時間は金で買えるもの」という意味に変わってきた。
特急料金を払えば、普通列車で行くより時間を短縮できる。
速達郵便は普通郵便より料金が高いし、航空便は船便より費用がかさむ。

同時に、距離も時間と同じように金に換算されて計算されるようになった。


 しかし、これは大きな勘違いを生むもととなった。

金は時間のように記憶によって蓄積できるものではない。

本来、お金は今ある可能性や価値を、劣化しないお札や硬貨に代えて、それを将来に担保する装置である。
言わば時間を止めて、その価値や可能性が持続的であることを認める装置だ。

しかし、実はその持続性や普遍性は危うい約束事や予測の上に成り立っている。

今の価値が将来も変わることなく続くかもしれないが、もっと大きくなったり、ゼロになるかもしれない。
リーマン・ショックに代表される近年の金融危機はそのことを如実に物語っている。

 時間には決して金に換算できない側面がある。

たとえば、子どもが成長するには時間が必要だ。
お金をかければ、子どもの成長を物質的に豊かにできるかもしれないが、成長にかかる時間を短縮できない。
そして、時間を紡ぎ出す記憶をお金に換算することはできないのだ

社会で生きていくための信頼をお金で買えない理由がここにある。
信頼とは人々の間に生じた優しい記憶によって育てられ、維持されるからである。


 人々の信頼で作られるネットワークを社会資本という。
何か困った問題が起こった時、一人では解決できない事態が生じた時、頼れる人々の輪が社会資本だ。
それは互いに顔と顔とを合わせ、時間をかけて話をすることによって作られる。

その時間は金では買えない。人々のために費やした社会的な時間が社会資本の元手になるのだ。

私はそれを、野生のゴリラとの生活で学んだ。
ゴリラはいつも仲間の顔が見えるまとまりのいい10頭前後の群れで暮らしている。顔を見つめ合い、仕草や表情で互いに感情の動きや意図を的確に読む。

人間の最もまとまりのよい集団のサイズも10〜15人で、共鳴集団と呼ばれている。

サッカーやラグビーのチームのように、言葉を用いずに合図や動作で仲間の意図が読め、まとまって複雑な動きができる集団である。

これも日常的に顔を合わせる関係によって築かれる。
言葉のおかげで人間は一人でいくつも共鳴集団を作ることができた。

でも、信頼関係を作るには視覚や接触によるコミュニケーションに勝るものはなく、言葉はそれを補助するに過ぎない。


 人間が発する言葉は個性があり、声は身体と結びついている。

だが、文字は言葉を身体から引き離し、劣化しない情報に変える。
情報になれば、効率化が重視されてお金と相性が良くなる。

現代の危機はその情報化を急激に拡大してしまったことにあると私は思う。

本来、身体化されたコミュニケーションによって信頼関係を作るために使ってきた時間を、今私たちは膨大な情報を読み、発信するために費やしている。

フェイスブックやチャットを使って交信し、近況を報告し合う。
それは確かに仲間と会って話す時間を節約しているのだが、果たしてその機能を代用できているのだろうか。

現代の私たちは、一日の大半をパソコンや携帯電話に向かって文字と付き合いながら過ごしている。
もっと、人と顔を合わせし、食べ、遊び、歌い、話すことに使うべきなのではないだろうか。
それが モモが時間どろぼうたちから取り戻した時間だった。

時間がお金に換算される経済優先の社会ではなく、人々の確かな信頼に基づく生きた時間を取り戻したいと切に思う。

posted by 小だぬき at 11:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月16日

余録:「権力」「政権」の「権」を…

余録:「権力」「政権」の「権」を…
毎日新聞 2012年06月16日 00時30分

「権力」「政権」の「権」を漢和辞典で引くと「はかる」「はかり」などの語義がある。

白川静の「常用字解」によると「権」のつくりの部分はコウノトリで、神聖な鳥として鳥占いに使われた。
そこで「はかる」の意が生じたという

▲なるほど「権衡」「権量」などてんびんやはかりにかかわる熟語もある。

「権力」や「権威」もまた力や威を正しくはかって人を従わせるのがミソだろう。
そういえば古代バビロンでは物差しが王権の象徴だったとも聞く

▲さてきょうにも大飯原発再稼働を決めるという野田佳彦首相のてんびんである。

片方の皿には原発再稼働にともなう事故のリスク、一方に電力不足で懸念される経済と市民生活のリスク、それぞれを置いて国民に示して見せたのは後者に大きく傾いたてんびんだった

▲すかさず再稼働のリスクのおもりの異常な軽さをいぶかしむ声がわき起こったのは当然だろう。

そもそも「事故は防げる」とリスクを否定するかのような物言いが「安全神話復活」の批判を呼んだ。免震棟など過酷事故対策が整っていないことにも十分な説明がない

▲予想を超えて起こる事故を前提に何重もの防護措置が求められる原発の安全対策だ。
だがそのリスクの見積もりも多重防護も首相のはかり皿の上になかった。

電力不足のリスクは軽視できないが、原発事故の何たるかを見た国民にそんなてんびんを示されても困る

▲「権」には「仮の」「まにあわせの」といった語義もある。

その場その場の臨機応変を強行するのが権力だといううがった説明が「常用字解」に見えるが、はかりの狂いは早く直してもらわねば危うい。
posted by 小だぬき at 06:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月17日

カメラ映像次々 異例の公開捜査 監視社会を危惧

カメラ映像次々 異例の公開捜査 監視社会を危惧
2012年6月16日 東京新聞朝刊

十七年にわたって逃走していた高橋克也容疑者(54)を追い詰めたのは、警視庁による異例の「公開捜査」だった。
川崎市内の潜伏先が判明して以降、防犯カメラに写った本人の姿や筆跡、購入したキャリーバッグの画像など計十数枚を公開し、千七百件を超す情報が寄せられた。

識者からは「情報化時代に合った手法」との評価がある一方、市民を動員した監視社会の強化や、当局によるメディア操作を危惧する声も根強い。


 「国民の皆さまからの多大なご支援、ご協力に深く感謝申し上げます」。

逮捕を受け十五日午後、警視庁の吉田尚正刑事部長が会見で謝意を表した。警視庁幹部がカメラの前に立つのは異例だ。


 十三日には、捜査一課ナンバー2の理事官がテレビに生出演。
出頭を呼び掛けるパフォーマンスまで行い、視聴者を巻き込んだ「劇場型」の捜査が鮮明になった。


 高橋容疑者は、逃走中に個室ビデオ店でテレビをチェックしていたといい、「キャリーバッグを鶴見駅のコインロッカーに入れたが、バッグの画像が公開されたので出せなくなり、追加料金を払った」と供述。公開捜査で包囲網が狭まり、プレッシャーを受けていたことがうかがえる。


 犯罪社会学が専門の小宮信夫立正大教授は「公開捜査」について「情報化時代の当然の捜査だ。
日本の警察はこれまで刑事の聞き込みや勘に頼る捜査が中心で、一般人は捜査の邪魔にならないよう蚊帳の外に置いていた」と指摘。
公開捜査は米国ではよく行われるといい、IT時代に合った手法だとする。


 ジャーナリストの大谷昭宏さんは「結果的に市民の目で高橋容疑者を封じ込め、逃走できる状況をつくらなかった。
警察よりも市民が捕まえた感じが強い。警察もメディアの使い方がうまくなった」とする。


 一方で、防犯カメラが至る所に張り巡らされ、映像の分析も素早くできる現状を国民が知る機会になったとの見方も。

「市民がどれほど多くの防犯カメラにさらされているかが分かった。
プライバシーの問題も含め、防犯カメラを誰がチェック、管理するかの議論になれば」と負の側面に目を向ける。


 また、防犯カメラとプライバシー保護の問題に詳しい清水勉弁護士は「標的が追い詰められ、いつ出てくるのかを、国民に楽しませている感覚だった」と分析。

「この感覚を利用してカメラへの支持を求めるのは本末転倒だ」と指摘した。

 この日、インターネットのツイッターや掲示板にも「監視社会が進むこの流れは不気味に思うよ」など、今回の捜査の在り方に疑問を示す書き込みが見られた。

posted by 小だぬき at 08:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月18日

東電 料金値上げデタラメ中身

東電 料金値上げデタラメ中身
2012年6月14日 日刊ゲンダイ掲載

原発維持費、ボーナス計上だけじゃない

<社員のレジャー費にも30億円>

 
どこまで国民をバカにすれば気が済むのか。

 利用者に電気料金の大幅値上げを押しつけようとしている東京電力が、福島原発6基分の維持費を値上げの原価に計上していた問題。

再稼働の可能性はゼロなのに、2012〜14年度の平均で、年間900億円もの維持費を家庭向けの電気料金値上げに盛り込んでいたからフザケている。

 それでなくても、値上げの内訳をめぐっては、これまでにも数々のデタラメが発覚している。
東電社員のボーナスとして、今冬の147億円(1人当たり40万円)に加え、13、14年度の計3年間で732億円も計上していた。

今夏のボーナスを出さないかわりに、来年度の社員の年収を46万円もアップしようとして批判が殺到したばかりなのに、平気の平左である。

 驚くのは早い。
いま、経産省の有識者会議「電気料金審査専門委員会」で議論されている電気料金の内訳を知れば、もうア然、ボー然なのだ。

東電は人件費をカットしたと言い張りますが、手厚い福利厚生は温存されています。
例えば、都内に多くある家族向け社宅の1カ月の家賃は、平均3万円です。
家賃補助は既婚者の場合、平均4万円を超えます。
このほか、持ち家財形貯蓄奨励金として年20億円、自社株を買うための持ち株奨励金に2億円という具合。

さらに、年間32億円が計上されている『カフェテリアプラン』なる選択型の福利厚生制度は、勤続年数や資格の有無でポイントがもらえ、提携ホテルの利用など好きなサービスが選べるものです。

どうして東電社員のレジャー費用まで、電気料金で払わなければいけないのか
(経済ジャーナリスト)

 値上げをめぐっては、火力発電向けの燃料の調達価格も、市場価格より2〜6%も割高だったことが分かり、批判を浴びている。何から何までムチャクチャなのだ。

 ムダを削らず、負担ばかり押しつける。どこかのアホ政権にそっくりだが、この調子じゃ、今後も何が出てくるかわからない
posted by 小だぬき at 10:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月19日

<Q&A>修正案審議たった数時間? 「採決ありき」少数無視

<Q&A>修正案審議たった数時間? 
「採決ありき」少数無視
2012年6月19日 東京新聞朝刊

消費税率の引き上げを柱とした社会保障と税の一体改革に関する民主、自民、公明三党の修正協議がまとまったのを受け、三党は政府提出の関連法案と自民党がまとめた対案の修正案を二十一日までに衆院で採決することを目指す。


法案審議はどうなるのか。
 
Q 修正案はいつ提出されるのか。


 A 政府提出の関連法案は七本あり、自民党の対案は、最低保障年金の創設や後期高齢者医療制度の廃止など民主党の主要政策を事実上、棚上げする内容で、すべてを合わせると八法案になる。目標期限まであまり時間がない。

衆院法制局が三党合意に基づいて法案修正の作業を急ピッチで進めている。
事務的には十九日にも提出の準備は整う見通しだ。


 Q では、すぐに衆院で審議されるの。


 A 修正案の提出は、民主党内で修正案を了承する手続きが終わってからになる。手続きが長引けば、提出時期も遅れ、審議にも入れない。


 Q 提出されれば、時間をかけて審議するんだよね。国会の会期も延長すると聞いた。


 A いや、野田佳彦首相が二十一日までの衆院での採決を目指していて、修正案を審議する衆院特別委員会は「二十一日の採決ありき」で日程が組まれ、審議は数時間だけになる可能性も高い。


 Q 七法案は百時間も議論したんだから、修正案もしっかりと審議すべきだ。


 A 修正案は三党が合意しただけで、他の党は議論に参加していない。
三党は衆院の議席では圧倒的多数を握っているけれど、だからといって、形だけの審議で少数意見をほとんど聞かないのは、民主主義のあり方としておかしい。
「国会軽視」との批判は免れない。
 (清水俊介)

posted by 小だぬき at 10:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月20日

幼児の脳死移植 立ち止まって考えたい

幼児の脳死移植 立ち止まって考えたい
2012年6月19日  東京新聞社説

 六歳未満児の脳死による臓器移植が行われた。

悲しみの中で提供を決断した両親の思いと移植しか治療法のない人の苦しさを受け止めながら、なお立ち止まって考えたいことがある。


 六歳未満の男児が、臓器提供のために初めて法的に脳死と判定された。

心臓と肝臓はそれぞれ十歳未満児に、腎臓は六十代女性に移植された。


 わが子の悲劇に深い悲しみを抱えながら、脳死を受け入れ提供を決断した両親の思いを重く受け止めたい。


 一九九七年に施行された臓器移植法は脳死からの臓器提供には書面による本人の意思表示が必要で、十五歳以上に限られていた。


 臓器移植を進めるため二〇一〇年施行の改正法では、意思表示がなくても家族の承諾があれば脳死からの臓器提供が可能になった。年齢制限もなくなった。

 この二年で十五歳以上の提供は八十九例と改正前より増えた。十五歳未満は昨年に続き二例目だ。


 日本臓器移植ネットワークによると十五歳未満で移植を待つ患者は七十九人いる。移植しか回復を望めない患者や家族の事情を考えれば命のリレーの意義は大きい。

 一方で、脳死を人の死とすることに心の引っかかりが消えない人も少なくない。
脳死では患者は温かいし心臓は鼓動している。

 この問題は宗教観にもかかわり、医療での尊厳死や安楽死という問題にもつながる。


 本人の意思表示なしの提供は、自己決定権がないがしろにされないか不安が残る。
六歳未満児は提供への意思を形成しているとは考えにくく違和感がぬぐえない。


 同時に本人に代わり決断する家族の心理的負担も大きい。提供を決めて初めて脳死判定に入るため生の終わりを家族が決めることにもなりハードルは高い。医師もどう移植を切り出すか悩んでいる。


 脳死による臓器移植をどう受け止めるか、一人一人が考えるしかない。
それには情報が必要だが、十分とはいえない。


 治療は尽くされたのか、医師と移植ネットはどう患者・家族と接したのか、家族が決断したりみとる十分な時間はあったか、その後の家族へのケアの実態はどうか。

昨年の十五歳未満のケースについても知りたいことは多くある。
年齢すら公表しないのでは、問題を自分のこととしてなかなか受け止められないのではないか

 こうした情報なしにこの問題と向き合うことはできない
posted by 小だぬき at 07:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月21日

膨大な税金の無駄遣い、国会延長

第180回国会(常会)が開かれています。
会期は平成24年1月24日から6月21日までです。
*6月22日から9月8日の79日間延長が決まりました。
議長提案で決まるなんて・・・。
せめて 議会運営委員長の延長提案と賛否討論はして欲しかった。
暴挙に抗議します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本当は 今日が「国会最終日」

報道では 民主党・自民党・公明党の合意で 50日〜79日の「国会延長」を 午後の本会議で可決するらしい・・・(今PM 00:06)

そのために「閉会中継続審査のため」予定されていた全衆参議院委員会が ストップしています。

これこそ壮大な税金のムダ使いです。

開会日の異常な遅れと民主党執行部の「決められない政治」のため 通常国会の会期中に何日が審議できたのか・・・・。

まともに法案がでてこない、あげくに民主・自民・公明の3党合意で 国会を延長して消費税値上げを決定しようとする傲慢さ。

政権与党が まともに法案を出し、審議日程を確保するために国対委員や議事運営委員が 全力で取り組んでいれば、国会延長など必要なく 審議時間も確保できたはずです。

参議院自民党は 今日 首相問責決議を出すと 山本一太予算委員会理事は宣言していましたよね。その方針を実行できるのであれば 国会延長は無駄になります。

慣例では 問責大臣の出席委員会は 参議院では開会できないはずです。

傲慢な民主党が居直り、衆参議院の自民党方針が揺れ、公明党は 庶民の味方から 権力にしがみつく党になってしまっている。

もし午後の本会議で 会期延長になった場合は、自公民を猛烈に批判しなければ マスコミの質が問われる。

こんなに延長する予算があるのなら 解散・総選挙をして民意を問うて欲しい。
posted by 小だぬき at 12:06 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

常識が通じない民主・自民・公明

特別委員会は、今日のところ「流会」になりました。
理事会での激しいやり取りが想像されます。
与野党の良識ある理事・委員を応援します・・・(PM.7:00)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日中に「社会保障と税の一体改革」を 特別委員会で採決しようとしているようです。
フザケルナです。

今まで「社会保障と税の一体改革特別委員会」で 審議されていたのは、政府提出法案です。
でも、100時間以上の審議をしても 政府が具体的な法案提出を来年と先延ばししているため 実質「消費税値上げ」の可否の問題になっています。

今回の民主・自民・公明の修正案だと 総合子供園構想や最低年金保障も棚上げになっています。

それなら 筋として 本会議で 政府提案取り下げ、再改正(改悪)法案提出、趣旨説明、質問時間を確保して 新たに「社会保障と税の一体改革特別委員会」で ゼロから審議するのが「常識だ」と思うのですが、委員会で 現行案修正提案、可決で乗り越えようとしているようです。

驚いたことに 明日 本会議を開いて可決させるとか・・・、もう狂気です。

国民の生活に直結する「消費税」の問題と今の景気に大きな影響を与える法案を 民主・自民・公明で合意できたから いいのだというのであれば、次の選挙で3党には「国民の良識」をぶっつけようではありませんか!!

小沢一郎氏のグループは、増税反対を明確に打ち出すようです。

全議員さん、今のデフレ下でも 国民資産が預貯金にまわり、消費にむかわないのは なぜか良く考えてください。

今の収入不安と将来不安だと 私は思います。

その意識を理解しないで 今の時期に消費税値上げに賛成することは、国民生活破壊の何ものでもありません。
いくら党議拘束がかかろうと、法案に賛成をして、有権者の敵になっては議員生活もお終いですね。

今は「コンクリートから人へ」「人間らしく生活できる国に」との当たり前の政策で 一致団結すべき時です。

これ以上 真に生活困窮をしている人達の期待を裏切らない議員であって欲しい。
posted by 小だぬき at 14:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

民自公3党の「密室談合」増税法案、反対6党議長申し入れ

民自公3党の「密室談合」増税法案に関し、横路孝弘衆議院議長に6党で申し入れを行いました!
新党日本 田中康夫代表HPより

新党日本は、みんなの党、日本共産党、社会民主党、新党きづな、新党大地・真民主と共に、6月20日14時45分に衆議院議長室で、横路孝弘議長に、「3党談合の国会押し付けそのものである」「今回の消費税増税法案については廃案にすべきである」と申し入れを行いました。
この申し入れは、6月14日の6党の合意事項※に基づくものです。
「ていねいに」、「しっかりと」といった言葉を民自公3党は用いながら、羊頭狗肉な状態に陥っている、との田中代表からの発言に対し、横路議長は「しっかりと審議するよう3党に伝える」と応じました。

【申し入れ者】
江田憲司 みんなの党幹事長
市田忠義 日本共産党書記局長
重野安正 社会民主党幹事長
渡辺浩一郎 新党きづな幹事長
松木けんこう 新党大地・真民主幹事長
田中康夫 新党日本代表

・申し入れ文書PDFはこちら>>>
posted by 小だぬき at 20:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月22日

延長国会「決めない」のも政治だ

延長国会「決めない」のも政治だ
2012年6月22日  東京新聞社説

通常国会の会期が九月八日まで七十九日間延長された。

消費税増税のための「一体」改革法案の成立が目的だが、それ以外にこそ、決めるべきことはたくさんある。
優先順位を間違えてはならない。


 眼前の課題は放置され、二年先の消費税増税だけが先に決まる。政治生命を懸けた消費税増税をほぼ手中にした野田佳彦首相にとっては、面目躍如というところか。


 国民の多くは順序がおかしいと思うが、その声は政府や民主党執行部に届かない。


 ねじれ国会でもあり、政府提出法案の成立率は35%にとどまる体たらくだ。

国会議員だけが担う立法という仕事を全うするには大幅な延長が必要なことは理解する。

 ただ、限られた時間である。決めるべきことにこそ力を注ぎ、無為に時間を過ごすべきではない。


 一体改革法案は民主、自民、公明三党などの賛成で近く衆院を通過し、参院での審議を経て今国会中に成立する見通しだ。


 しかし、政権を託された二〇〇九年衆院選のマニフェストに書いていない消費税増税を、民主党が自公両党と手を結んで進めることには、やはり納得がいかない。

小沢一郎元代表ら民主党内にも法案反対を明言する議員がいるのは当然だ。

小沢氏らは離党・新党結成も視野に入れる。首相は、民主党が打撃を被っても、増税さえ実現すればいいというのか。


 消費税増税の決定は、一年かけて検討する社会保障抜本改革の結論が出るまで棚上げすべきだ
増税が本当に必要かどうか見極めるのは、それからでも遅くはない。


 首相は、消費税増税の民自公三党合意を「決められない政治」からの脱却だと言うが、その詭弁(きべん)にはだまされたくない。

国民の多くが疑問に思う政策なら「決められない」方がましである。参院議員の良識に望みをつなげたい。


 延長国会ではまず、衆院の「一票の格差」是正と、国会の無駄排除に力を注ぐべきだ。
違憲・違法状態を放置し、政党交付金や文書通信交通滞在費などの特権に手を付けない国会が信頼されるのか。


 民主党が国会に提出した衆院比例代表に一部連用制を導入する案は、消費税増税への公明党の協力を得ようとの思惑が丸見えだ。


 一票の格差是正のために「〇増五減」は最低限必要だが、選挙制度を抜本的に変えるのなら有識者に議論を委ねるのも一手だ。

議員を選ぶ土俵づくりは、党利党略とは距離を置くべきである。

posted by 小だぬき at 08:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月23日

近事片々:またしても…

近事片々:またしても…

毎日新聞 2012年06月22日 13時32分

 またも、謎深き事件を解いてみせたのは、DNA鑑定と防犯カメラ。
千葉、マンション内殺人事件の急転。

    ◇    ◇

 またも、政局劇場クライマックス恒例の切り崩しごっこ、政界花いちもんめ争奪戦の巻。
まあ、離党届にサインさせるとはまた古風な。

    ◇    ◇

 またか、検証なき報告書。核燃サイクル。
サイクルだからと堂々めぐりでもあるまいが。

    ◇    ◇

 まさか、白昼堂々、運転免許学科試験会場でIT機器使用のカンニング。
組織的な横行の影も。
浜の真砂(まさご)は尽きるとも。

    ◇    ◇

 <夏鴨(なつがも)や堤の人にいつも遠く>        
                            
                             松本弘孝

posted by 小だぬき at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

沖縄慰霊の日

昨年の「小だぬきのつれづれ日記」より
実際の沖縄戦は、3月下旬〜9月上旬まで続くのですが・・・

今日は「地上戦」の残酷さと 本土の捨て石にされた意味、米国の基地、委託統治、本土返還・米軍の基地の占領維持など トータルに見る必要があると思います。

今日を「慰霊の日」としたのは、沖縄守備隊の牛島中将・長参謀長の自決により 日本軍の組織的抵抗が終わったとされる日だからです。

当時の32軍は、兵員の台湾や関東軍への移動で ゲリラ戦による長期持久の道の選択しかありませんでした。
沖縄守備軍自体が 本土から捨てられた存在だったのです。

当然、予想された米軍上陸に当たって、県民の疎開計画を大規模にすべきところを 対馬丸への魚雷攻撃など 制空・制海権を失っており 米軍上陸時には多数の住民が「軍と行動を一緒」にとることしか選択技を失っていました。

当時の皇民化教育の検証も必要です。意識は住民も軍も「祖国防衛」だったのです。

米軍艦艇や航空機による砲撃・爆撃による「鉄の暴風」、本土からの補給なしの中で 3ヶ月近く「軍機能」が維持されたことも驚異的ですが、鉄血勤皇隊(男子学生)・ひめゆりなどの看護隊などの悲劇は、軍の組織的抵抗終了後も続きました。

その中で軍の統制をなくし暴徒化した日本兵による ガマ(洞窟)への住民拒否、自決強要、自殺の悲劇が戦史に残りました。

野田首相が「慰霊の日」でどんなことを言うか、沖縄の人は 期待を持てるのか??
普天間の問題など 複雑な心境でしょう。

・村落の全員死亡地域が多数あり、未だに被害総数すら確定していない。
・学徒隊などが 最前線に配置され 軍の住民保護より持久戦優先の作戦指導。
・県庁、国の住民疎開の判断の遅れ
・陸海軍機の数あれば戦果というような 無謀な「特攻攻撃」 米軍損害は甚大だったと戦史には 記録があります。
 ★軍令部、参謀本部の高級軍人達、航空基地司令部は 戦後 多く生き残りました。特攻隊の後に続いたのは少数。
・大和等の艦船特攻。

歴史にifはないのですが、艦船の砲台化や松山航空隊や厚木航空隊の沖縄配備が 数ヶ月前にでもあれば被害も違ったものになった可能性もあるのです。

戦史によると 一番マズイ軍の運用は「逐次投入」だそうです。効果的なのは全戦力の適時投入しかないそうです。

後のベトナム戦では 「沖縄戦の教訓」を真摯に学び、ゲリラ戦で長期持久を図り 正規軍はきちんと効果的に運用するという ホーチミン北ベトナム共産党が近代的戦力のアメリカ軍を敗北させました。

戦後の軍隊運用に多大の影響と小国の主権維持のテロ・ゲリラでの闘いは 沖縄戦の教訓から始まっています。

未だに学んでいないのが、日本政府であると思われるのは残念なことです。

以前も書きましたが、退避壕もない・高速道も臨時滑走路にする思想なし、ゲリラなどに対する交戦規程もない。

特に陸上自衛隊は、住民を盾にとられての防衛戦になります。
明確な「国防指針」や 住民退避の検討は是非すべきでしょう


東日本大震災においての活動は 救難が主体とはいえ、驚くほどの士気の高さを諸外国に印象づけました。
国土防衛戦の環境整備は 政治の責任です。

軍隊と住民の生命維持・尊さを 考える1日になって欲しいと思う小だぬきです。
posted by 小だぬき at 08:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

沖縄慰霊の日 島人の心に寄り添って

沖縄慰霊の日 島人の心に寄り添って
2012年6月23日 東京新聞社説

激しい地上戦で約十五万人の県民が犠牲となった沖縄。

戦後は過酷な米軍支配を強いられ、復帰後も広大な米軍基地が残る。

慰霊の日のきょうは県民の悲しみや苦しみ、怒りに寄り添う日としたい。


 一九四五年六月二十三日、沖縄守備隊「第三二軍」の司令官牛島満中将の自決で、日本軍の組織的戦闘は終結した。

米軍の沖縄本島上陸から三カ月近く。餓死やマラリア感染死を含めて当時の人口の四分の一を失った事実が戦闘の苛烈さを物語る。


 沖縄本島南部の糸満市摩文仁。

最後の激戦地跡に造られた平和祈念公園できょう沖縄全戦没者追悼式が行われる。
野田佳彦首相も参列し、あいさつする予定だ。
首相はどんな言葉を発するのだろう。


 戦争で肉親や仲間を失った悲しみ、かつての米軍支配に対する怒り、米軍基地と隣り合わせの生活を強いられる島人(しまんちゅ)(沖縄の人々)の苦しみに寄り添っているか。

野田内閣のこれまでの沖縄政策を振り返ると、何とも心もとない。


 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還問題では、名護市辺野古への県内移設を「唯一有効な進め方である」との立場を変えない。


 政府の環境影響評価書に対し、仲井真弘多知事が二度にわたって「事実上不可能」とする意見を出したにもかかわらず、だ。


 いくら普天間返還のためとはいえ、在日米軍基地の74%が集中する沖縄県に新たな基地を造ることはさらに過重な負担を強いると、なぜ思いが至らないのか。


 そればかりか、その普天間飛行場に米海兵隊は垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを配備する計画だという。
実戦配備後も事故が相次ぎ、安全性が確立されたとはいえない危険な軍用機だ。

 配備を追認する日本政府に、計画中止を求める沖縄県民の声はいつになったら届くのだろうか。


 本土決戦に備える時間稼ぎの「捨て石」にされた沖縄。

海軍司令官だった大田実少将は最後、海軍次官宛てにこう打電する。「沖縄県民かく戦えり。県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを」


 沖縄の日本復帰から四十年を経ても、基地提供という日米安全保障条約上の義務を沖縄により多く負わせている現実は、政府も本土の私たちも沖縄への心配りを欠いてきたことを示すのではないか。


 慰霊の日は、犠牲者への哀悼と同時に、日本国民が沖縄の人たちに同胞として寄り添ってきたといえるのか、問い直す日でもある。

posted by 小だぬき at 19:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月24日

国会議員、 国民には負担求めるけれど…身を切らぬ改革

国会議員:公用車は?議員経費は?
−−国民には負担求めるけれど…身を切らぬ改革
2012年06月23日 毎日新聞

◇国会公用車半減目標、現状14%減
◇議員経費2割減 目標、現状4%減


 国民に負担を求める消費税増税の審議が衆院で大詰めだ。
翻って国会議員の「身を切る改革」はどうなっているのか
議員たちがかつて約束・提起した改革のその後を調べた。
              【青島顕】

 ■公用車は?


 01年6月、与党3党(自民・公明・保守)の国会改革推進協議会が発表した改革案の目玉は「国会公用車を10年を目標に半減」。
座長だった大野功統(よしのり)元防衛庁長官(自民)は「小泉純一郎首相の構造改革の中、国会も目をそらせなかった」と振り返る。


 あれから11年、衆参両院事務局によると、衆院166台、参院113台の計279台だった公用車は今、衆院138台、参院103台の計241台と削減率は14%にとどまる。


 大野氏は「委員長車は反対が出そうだったので、事務局車と一般議員の乗る政党配属車を減らす計画だった」と話す。
事務局車は45台が20台になり目標を達成したが、政党配属車は117台が2台減っただけ。
大野氏は「(改めて減車を)やらなければならない」と苦笑するが、衆参事務局は「今後、予定はない」とあっさり。

公用車については「会期外や選挙中は稼働していない」(議員秘書)との指摘があるが、衆院事務局は「閉会中も運転業務をしている。
選挙中は整備、点検や安全運転者講習の受講をする」と説明する。


 ■議員経費は?


 政権交代翌年の10年参院選の民主党マニフェスト(政権公約)は、国会議員経費2割削減と企業・団体献金の廃止をうたった。


 給与に相当する議員歳費は5月から年間270万円(2年間)の削減が始まった。

しかし国会議員経費は、文書通信交通滞在費(年1200万円)、公設秘書経費(平均2800万円前後)など年間7000万円以上と言われ、削減は4%程度に過ぎない

 企業・団体献金も、党本部としては受け入れを自粛中だが、政治家が代表を務める党支部は受け取っている。

10年の政治資金収支報告書によると、野田佳彦首相も計450万円を受け取った。


■文書通信費は?


 年1200万円が支給される文書通信交通滞在費は、歳費と同様、個人口座に振り込まれる。
経費扱いで非課税のため「あまり活動せず、ため込む議員もいる」(与党議員秘書)との指摘が相次ぎ、透明化を求める声が上がっている。

綿貫民輔衆院議長(当時)が委嘱した「衆院改革に関する調査会」(会長・瀬島龍三NTT相談役、故人)が01年にまとめた答申も「議員活動に必要不可欠だが、領収書等を付した報告書提出を義務付けるべきだ」としたが、放置されている。


 毎日新聞は3月、議員待遇を議論する衆参の議院運営委員会委員計50人に収支報告の必要性などを質問したが、回答者はたった3人。

透明化はなぜ実現しないのか。議員経費問題に取り組む民主党の長尾敬衆院議員は「『それぐらい、いいんじゃない』と言われる」と話す。


 20年近く国会議員秘書を務めた評論家、永田長太さんは「ここ数年、北欧製の家具や調度品を使った豪華な議員会館や議員宿舎が建設されており、身を切る改革など名ばかりだ。

国民感覚とかけ離れているから改革が進まない」と批判する

posted by 小だぬき at 06:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

◆『誰が小沢一郎を殺すのか?』

小沢一郎夫人の手紙はニセモノか?
怪文書と化した「直筆」離縁状【鵜の目鷹の目】
2012-06-24  日刊 目のニュース

■小沢夫人の手紙はニセモノ

「週刊文春」(2012年6月21日号)が掲載した、小沢一郎夫人の手紙について、有田芳生氏が偽物だと主張している。

 6月14日に発売された「週刊文春」は、小沢一郎夫人の直筆による手紙を公開し波紋を呼んだ。
この手紙を小沢つぶしのための偽造だと主張するのが、ジャーナリストで衆議院議員の有田芳生氏だ。

 週刊文春が発売された直後から、
小沢夫人「書簡」を掲載した「週刊文春」は完売。
しかしその内容には”偽造”としかいえない内容がちりばめられている。
夫婦の問題は他人のあずかり知らぬこと。
大震災後の虚偽の内容が書かれたのはある人物が介在している。
マスコミに登場しないことを基本とする夫人の態度を見透かした公開は巧妙

 Twitterに発言。本物かどうか疑わしいとの主張を続けている。

■筆跡が違う

 有田氏は、小沢一郎夫人と親しい女性に、夫人から届いた直筆の手紙を見せてもらった。
文春のものと比べると、「し」「た」などの筆跡が明らかに異なっていたと指摘している。

 この件について有田氏は、ジャーナリストの藤本順一氏と対談しており、その模様が来週発売の「SPA!」に掲載されるそうだ。

「小沢一郎夫人の手紙は捏造だ」と断言する政治ジャーナリストの藤本順一さんと対談。小沢氏が京都から立候補を考えているなどといった手紙の内容から「もう少し信憑性ある怪文書に」と皮肉。
「永田メール」事件を思い出させるとも指摘。私は入手した夫人の直筆手紙と比較。来週号の「SPA」掲載だ
(有田芳生Twitterより引用)

■怪文書と化した夫人の手紙

「週刊文春」に掲載された小沢一郎夫人の「直筆手紙」は、そのコピーが、あちこちに郵送されるという事態が起きており、有田氏だけでなく全国会議員に送付された。

「週刊文春」が報じた「小澤和子」書簡。
20日には全国会議員に送付されたが、その後も都内だけでなく愛知県などにも送られていることがわかった。
何物かによる組織的「怪文書」送信
(有田芳生Twitterより引用)

 これは、何を意図しているのだろうか。まるで怪文書だと有田氏は語っている。

■小沢一郎の反応

 ある議員が小沢一郎氏に文春記事について尋ねたところ
いや〜ビックリするねえ(有田芳生Twitterより引用)
 小沢氏は一言述べただけだった。

反論に値する内容ではないと判断している証拠だと、有田氏は語っている。

 この手紙については毎日新聞も取り上げている。記事の中で毎日新聞は
妻の関係者は、筆跡が真正のものと証言している
 と報じており、文春が掲載した手紙は和子夫人の直筆によるものと評価しているようだ。
 一方、小沢事務所は
手紙は本人の字ではない。放射能を恐れて逃げたという事実はない。どこにどう逃げたのか、こちらが聞きたい。どこにも逃げていないことは証明できる(毎日新聞より引用)
と反論している。

 小沢一郎は壊し屋活動を開始し、新党結成へと動き出した。

このタイミングで噴出した、和子夫人の手紙問題。ホンモノ説とニセモノ説、どちらが正しいのだろうか。当の和子夫人は沈黙を守ったままだ。

有田芳生 Twitter
https://twitter.com/#!/aritayoshifu
YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/
+++++++++++++
追記 小だぬき

小沢氏は 現地入りの事実と知事との連携による復興を成し遂げています。
寧ろ 岩手県より東京方面にも放射能が降っていたことを考えれば、現地は知事に 要望・支援は 中央の小沢氏と役割分担をしたものと考えられます。

また離婚されたとされる奥さまの署名が 旧性の「福田」ではなく 「小澤」になっているのも なにか 日記などの切り貼りを 奥さん名でして 小沢一郎氏にダメージを与えるという「謀略」と考えています。

posted by 小だぬき at 21:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月26日

一体改革:造反あおる自民「民主、公約総崩れ」と攻勢

一体改革:造反あおる自民 
                 「民主、公約総崩れ」と攻勢
毎日新聞 2012年06月25日 23時48分
(最終更新 06月26日 02時02分)

 自民党は25日、衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で、民主党の09年衆院選マニフェスト(政権公約)について「総崩れ」になったと繰り返し攻勢をかけた。

  26日の衆院採決を前に民主党の小沢一郎元代表らの造反をあおって与党を過半数割れに追い込む狙いがある。


 「これだけうそで固めたマニフェストは総崩れだ」。
自民党の町村信孝元官房長官は25日の衆院特別委で、「消費増税に触れていない」「最低保障年金の創設は『事実上の撤回』」など13項目を列挙したボードを使ってマニフェストを批判し、野田佳彦首相に「総崩れ」を認めるよう迫った。

一方で、民主党内でマニフェスト順守を求める元代表らの造反の動きについて「小沢グループが『国民との約束を果たせない』と言っている一点は正しい」と述べ、分断を図った。

 自民党は、衆院採決で民主党の分裂を誘って早期の衆院解散・総選挙につなげることが基本戦略。

民主、公明両党との法案の修正協議の段階では、合意を優先してマニフェスト攻撃は控えたが、党幹部は「26日の法案採決が確定したため、民主党の造反が膨らむように特別委では厳しい質問を行った」と説明した。

元代表らが離党すれば、解散に向けて内閣不信任決議案を可決しやすくなるなど優位に立てる。

ただ、党内には元代表への警戒感も強く、茂木敏充政調会長は25日のTBSの番組で「我々として(元代表と)組むことはない」と述べた。


 自民党は25日の特別委で、採決先送りを図ってきた民主党の輿石東幹事長にも批判を集中させた。

輿石氏が参院審議でも法案の成立を邪魔しかねないと警戒しているためで、自民党の伊吹文明元幹事長は「輿石氏の(法案審議の)遅延策に歯止めをかけてほしい。そうでないと参院の出口まで各党は協力できない」と首相に求めた。
【坂口裕彦、念佛明奈】

posted by 小だぬき at 08:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

消費増税法案が衆院通過 民主から反対票57人



消費増税法案が衆院通過 民主から反対票57人
2012年6月26日(火)15時25分配信 J-CASTニュース

消費増税法案が2012年6月26日午後、衆院本会議で民主、自民、公明などの賛成多数で可決された。
賛成票は363票、反対票は96票だった。19人が欠席・棄権した。

民主党からは、小沢一郎元代表に近いグループを中心に57人が反対票を投じた。


輿石東幹事長は除名などの厳しい処分は見送りたい考えだが、玄葉光一郎外相は「一定のケジメは必要」と、党内でも温度差がある。

造反議員のうち、何人が離党に踏み切るかが今後の焦点。離党者が54人以上にのぼった場合、与党は衆院で過半数割れすることになり、内閣不信任決議案が可決される可能性も出てくるため、さらに苦しい政権運営が予想される。

 法案は、消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることが骨子。参院での審議が順調に進めば、8月上旬にも成立する見通し。

野田首相が最後の訴え「ペテン師、嘘つき、バカと言われるなかで」…

衆院本会議に先だって行われた衆院特別委員会では、

野田佳彦首相は、民主党が政権を獲得した09年夏の衆院総選挙の政権公約(マニフェスト)で消費増税に触れていなかったことを振り返って

「ペテン師、嘘つき、バカと言われるなかで、それでもこの改革はやり遂げなければいけないと思っている人たちが腹をくくって賛成しようとしている」

「最終最後まで、一致結束した対応をしていただけるものと信じたい」

と党内の結束を訴えていた。


その一方で、6月26日午前、鳩山由紀夫前首相が「党の方針と異なる行動を取るため」などとして党の最高顧問を辞任する意向を明らかにしたほか、小沢氏に近いとされる
福田昭夫総務政務官も「法案に賛成できない」として藤村修官房長官に辞表を提出。
小沢グループ以外の、いわゆる「中間派」と呼ばれるグループからも法案に反対する声が相次いでいた。

posted by 小だぬき at 22:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月27日

消費増税法案:政策と政局の間で…運命の一日

消費増税法案:政策と政局の間で…運命の一日
毎日新聞 2012年06月27日 01時05分

 消費増税法案が衆院で可決された運命の一日。

民主党内の賛否は大きく分かれ、57人が反対に回った。
政策と政局の間で揺れた議員らの一日を追った。


 「おはようございます」。野田佳彦首相は26日午前8時11分、首相公邸を出ると、待ち受けていた記者団にあいさつ。「いよいよ採決ですが」との問いかけに無言でうなずくと、国会内で開かれる閣議へと向かった。


 一方、民主党の鳩山由紀夫元首相は午前9時25分、自宅前で記者団に法案への反対を改めて明言。
「国民の期待を無にすることはできない」と硬い表情で語った。


 苦悩の色濃い民主党を横目に、自民党幹部は朝から上機嫌だった。
午前8時50分、自宅前に集まった記者団に「いい天気だねえ」と声をかけると、両手の指でハサミの形を作り、民主党について「分裂、分裂。終わりの始まりだ。
ホッホッホ」とおどけてみせた。

 民主党内では、採決直前まで悩む議員らも多かった。

村井宗明氏は午前11時からの記者会見で反対から退席への態度変更を表明。
「昨夜1時間、議員会館の部屋で岡田克也副総理に政府(の物品)調達(の見直し)をきちんとやる、と言われた」と理由を説明。

福田衣里子氏は「自分の性格として棄権はいやだ。政局になっていることに抗議の意味も込めて反対票を投じる」と棄権から反対に態度を変更した。


 衆院本会議で最初に記名採決になった社会保障制度改革推進法案。

午後2時41分に小沢一郎元代表が反対の青票を投じた。菅内閣不信任決議案に賛成し民主党を除籍された新党大地・真民主の松木謙公代表代行が「イヨッ」とかけ声。
場内から拍手も起こった。


 3回目の記名採決は消費増税法案。

午後3時20分、小沢元代表は投票前に青票を見つめ、職員に渡すと小さくうなずき笑みを浮かべた。

投票の最後尾には松崎哲久、岡島一正、樋高剛、小泉俊明、中津川博郷、鈴木克昌各氏ら反対派の面々が並んだ。

反対票が積み上がり、会場からは「オーッ」というどよめきが起こる。

職員らが票数を数える間、野党席からは「賛成したのに何だ、これは」「けじめをつけろ」など造反へのやじが飛び交った。


 採決後、記者団が造反議員を次々に取り囲んだ。

山田正彦氏は「新党も一つの選択肢だ」と言明したが、すぐに離党届は出さない。

畑浩治氏は「最善の策は民主党を立て直すこと。
次の話は小沢先生とともに歩みたい」と小沢元代表に判断を委ねる考えを示唆した


 東日本大震災を反対の理由にした議員も多い。

石山敬貴氏(宮城4区)は「被災地選出議員として行動した。県民も分かってくれると思う」としつつ「小沢グループの方々とは一線を画している」と強調した。


 一方、本会議終了後の午後3時半、国会内でフジテレビの中継に応じた民主党の渡部恒三最高顧問は「若い議員が選挙目当てで行動するなら別だが、党代表や首相までした人。

党が決めたことは、従うのが党人政治家の常識だ」と反対票を投じた鳩山氏を批判。目の前で次の出番を待っていた鳩山氏は、目を伏せ横を向いた。

その20分後、法案可決のお礼に国会内の自民党控室を訪れた野田首相。

谷垣禎一総裁は「ご苦労様でした」とねぎらう一方で「厳しい結果だったが、参院の審議前に、態勢をきちんと立て直されることを期待します」と、事実上の分裂状態に陥った民主党を当てこすった。


 自民党の閣僚経験者は「いやあ、面白いことになってきた。
欠席を含めて70というのは非常に重い結果だ。
参院に行けば、もっと厳しくやっていく」と、今後の攻勢に気合を入れた。

首相にとって、今後も内憂外患の政権運営が続く。

posted by 小だぬき at 07:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一つの言葉で喧嘩(けんか)して、一つの言葉で仲直り・・

筆 洗 
2012年6月27日 東京新聞コラム

 一つの言葉で喧嘩(けんか)して一つの言葉で仲直り
一つの言葉で頭がさがり/一つの言葉で笑いあい/一つの言葉で泣かされる>。

東京・柴又の「寅(とら)さん記念館」にある「言葉は心」という詩だ

▼映画評論家の故淀川長治さんがお坊さんから教わり、いつも口ずさんでいるのを映画監督の山田洋次さんが聞き、映画「男はつらいよ」の撮影現場に飾ったという。

何げない言葉に人は喜び、傷つく。
重ねるほど色あせて、心に届かなくなる言葉もある

▼「心から、心から、心からお願い申し上げます」。

野田佳彦首相は一昨日の臨時代議士会で懇願した。

消費税関連法案の衆院本会議での採決前に、党の仲間に直接訴える最後の機会だったが、反対派議員は反発を強め、むしろ亀裂は深まったようだ

▼きのうの本会議で、法案に反対票を投じた民主党の議員は五十七人。

棄権も含めると、七十人を超える大量の“造反”議員が出て、民主党は事実上、分裂状態に陥った

▼「マニフェストはルールがある。
書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです
シロアリ退治しないで、消費税引き上げなんですか?」。

首相が選挙応援の演説で訴えてからまだ三年もたっていない

▼政権交代して財務副大臣、財務相を経験したとたん、首相はマニフェストを忘れ増税一直線に変心した。

言葉は心。心からそう思う。

posted by 小だぬき at 14:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月29日

分裂騒ぎの民主 国民への造反者は誰か

分裂騒ぎの民主 国民への造反者は誰か
2012年6月29日 東京新聞社説

 小沢一郎民主党元代表が反対し、撤回を求めた消費税増税法案。

野田佳彦首相は「造反」議員らの厳正な処分を表明したが、
公約破りは首相の方だ。どちらが国民に対する造反かを見極めたい。


 二〇〇九年衆院選マニフェストを反故(ほご)にした首相が悪いのか、実現できない公約を作った小沢氏の責任がより重いのか。


 民主党内ばかりか自民、公明両党からも厳しい処分を求める声が相次ぐ小沢氏の方が分は悪そうだが、
公約に期待して民主党に政権を託した有権者は、野田氏の方にこそ問題ありと言いたいのではなかろうか。


 有権者は「生活が第一」「官僚主導から政治主導へ」「税金の無駄遣い根絶」「緊密で対等な日米関係」など、自公時代とは違う政権の実現を目指して票を投じた。


 もちろんそれらは難題だ。官僚機構や既得権益層の厚い岩盤を穿(うが)つのは容易でない。
だからこそ政権交代という権力構造の歴史的変化に実現を託したのではないか。


 民主党議員の多くは、それらの実現は難しいと言うが、どこまで死力を尽くしたのか
抵抗が強いが故に早々に諦め、増税路線になびいたと疑われても仕方がない。


 できない約束を作った方が悪いという指摘もある。
実現困難だと決め付けるのは早計だが、仮にできない約束だとしても、それを掲げて選挙に勝ったのではないか。


 実現に努力するのは当然だし、できないと考えるなら、作成時に疑義を申し出るべきだった。
納得できないのなら民主党以外から立候補すべきではなかったか。


 公約破りの消費税増税を正当化するのは信義に反する。


 小沢氏は、民主党を離れないように求めた輿石東幹事長に対し、消費税増税法案の撤回を求め、話し合いは平行線に終わった。


 両氏はきょうにも再会談するが小沢氏らが新党結成に踏み切れば民主党が歴史的役割を果たせずに瓦解(がかい)する。
残念だが、国民との約束を守れないなら仕方がない。


 そうなれば、民主党は政権政党としての正統性を失う。

首相は消費税増税法案成立を強行せず、衆院を早急に解散すべきだ。
そのためにも違憲・違法状態にある衆院の「一票の格差」を是正する必要がある。


 民主党が提出した一部連用制の導入案は複雑で、解散先延ばしが目的と疑われかねない。

選挙制度の抜本改革は次期衆院選以降の課題とし、今国会では「〇増五減」案の実現を急ぐべきだ。

posted by 小だぬき at 09:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月01日

買い物弱者

憂楽帳:買い物弱者
毎日新聞 2012年06月30日 西部夕刊 

生鮮食品店が自宅から遠い「買い物弱者」が全国で900万人以上いるという
農林水産省が先日、発表した。

最寄り店まで500メートル以上離れ、自動車を持っていない人が対象だ。


 北九州市門司区の市営後楽町団地は入居者の8割超が65歳以上。
「買い物弱者」が多い。

約300メートル先の大型スーパーが撤退後、倍の距離のスーパーが最も近い生鮮食品店となった。

両手に買い物袋を提げ、最後が急な上りとなる帰路は、お年寄りにはつらい。多くのお年寄りはタクシーに頼る。


 そこで自治会などが中心となり、1年前から週1回1時間の「移動市場」を開店。市民の台所、旦過市場の業者が魚や肉などの生鮮品を中心に、団地集会所で商品を広げる。
つえを手にした独り暮らしの91歳男性は「向こうから来てくれて、助かるよ」と話す。


 政令市で最も高齢化が進む北九州市で初の取り組み。業者によると1年で3カ所に拡大した。
今後は都市部の高齢化対策が喫緊の課題となる
「買い物弱者」をどう救うかはその柱の一つだ。

くだんの男性は、散らしずしなど4点(計750円)を買い求め、満足そうに集会所を出た。
              【関野弘】

posted by 小だぬき at 07:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月02日

近事片々:「見逃しについての一考察」

近事片々:「見逃しについての一考察」
毎日新聞 2012年06月30日 13時16分 


 2番じゃダメなんです、と張り切ったわけではあるまいが、「不正論文数世界一」になるまでなぜ止められなかった。
ぜひとも調査、考察を加え論文に。

 さぞ、いろんな組織で回し読みされるだろう。
    ◇    ◇

 インサイダーの連鎖。
一部の不心得者が、では説明できない、見逃しの欠陥システム。

    ◇    ◇

 元オウム逃亡者に巡回連絡。
世にあふれる手配写真の中で、警察官が2度、実物に面と向かいながら見逃した皮肉。
防犯カメラ全盛の世、「この目で確かめる」なんて言葉も軽く。

    ◇    ◇

 <ころころと笹(ささ)こけ落ちし蝸牛(かたつむり)>         
                 杉風(さんぷう)


posted by 小だぬき at 08:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月03日

発信箱:報道されない「示談」

発信箱:報道されない「示談」=大治朋子(外信部)
毎日新聞 2012年07月03日 00時24分

沖縄に暮らして実感したのは、米兵らによる犯罪の多さだ。


 沖縄県警が昨年1年間に摘発した米軍人・軍属らの刑法犯件数は42件。

前年比で約4割減、過去10年で最少というが、それでも1カ月に3.5件、10日に1回のペースで起きている。


 例えば2月に起きた器物損壊事件。酒に酔った海兵隊員が、金武町の学校などに駐車されていた車11台を破壊した。


 驚いたのは、その後の「示談交渉」。

海兵隊の法務担当は被害者の学生らを交番に呼び出し、示談書へのサインを求めた。
奥の部屋には警官がいたが、「何をしているのか確認しなかった」。
学生らは交番だったので「警察の仲介だと思った」という。


 「示談」のやり方もおかしかった。
米軍の法務担当者は英語の示談書などを用意し署名させたが、それを学生らに渡さなかった。
だから被害者たちは「サインはしたが、内容はよく思い出せない」。そんな理不尽が繰り返されてきた。


 学校側は報道機関に一斉に情報提供したが、地元紙の琉球新報以外はほとんど報じなかった。たまたまニュースが多かったのか、あるいは人手不足だったのか。本紙はウェブサイトで新報の記事を転載した。


 報道を受け、米軍側は今後交番を使わないこと、示談書を被害者にも渡すことを約束し謝罪した。
警察も「交番を使用しないよう要請した」と記者発表した。
それでも多くのメディアは、沈黙した。「沖縄ではありがちな話」と黙殺したのかもしれない。

posted by 小だぬき at 05:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月05日

「旗日」の持つ 歴史と伝統を取り戻す議論のスタートに!!

「日本国政府」というのが、こんなにも狂っているとは・・・・

3連休法案検討とか、今の祝日法でも「旗日、祝日」の形骸化と歴史への冒涜だと思うのに、さらに一歩改悪を進めようという検討。
全ては 産業界の操業・稼働保障が 裏の意図てしょうが、ここまで「歴史や伝統」を蔑にすることは 許されません。

消費税増税や控除廃止、公共料金の値上げ・・・などで 人間らしい生活が困難になっている中、これ以上 休日を増やしたら 時間給・日給で働くアルバイト・パート・派遣・臨時などの 非正規労働者の生活は どうなるのだろうか・・・。

私は「旗日」の持つ 歴史と伝統を 取り戻す議論のスタートにして欲しい。

20日「海の日」には 意味があります。
でも 今月のように16日といわれても 私は違和感を持つのです。

放射能・原発問題、災害被災者の生活再建、TPP、増税・値上げラッシュ、雇用不安など 大切な問題の対策・施策は 遅々として進まず、連休法の改悪。

私は 祝日振替なしの「祝日法」に戻すべきという立場です。
*********************
土曜祝日なら3連休に 政府、月・金へ振り替え検討
2012年7月5日 02時00分  東京新聞

国民の祝日が土曜日に当たった場合、日曜と同様に振り替え休日を設ける方向で政府、民主党が検討していることが4日、分かった。

月曜か金曜に休みをずらして3連休を増やし、観光振興につなげるのが狙い。

政府は、東日本大震災を踏まえた新産業創出などの取り組みをまとめ、近く閣議決定する「日本再生戦略」に盛り込み、国民祝日法を改正したい考えだ。


 政府は、秋に大型連休を地域別に設定することを検討中だが、全国的な企業活動への影響など課題も多く、実現のめどが立っていない。
全国一斉の土曜祝日の振り替えは、休日が増え、社会的影響も少ないとみられることから浮上した。(共同)

posted by 小だぬき at 13:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月07日

勝谷誠彦氏 原発、増税…と恫喝統治を繰り返す日本国政府

勝谷誠彦氏 原発、増税…と
   恫喝統治を繰り返す日本国政府
2012年7月7日(土)7時0分配信 NEWSポストセブン

7月6日に配信された22号より「勝谷誠彦の今週のオピニオン」の一部
* * *
 かつて私は『偽装国家』という本を正続2冊、上梓した。
国軍を自衛隊と言いくるめ、暴行窃盗恐喝をいじめと言い換えるようなこの国の虚妄を暴いたのである。

しかし、今思えばまだしもそこには「民を騙す」というそれなりのテクニックがあった。

今、日本国政府はそうした遠慮もかなぐり捨てて、文字通りの暴力装置と化しつつある。
その手法は、
国民に対する恫喝と、弱きもの貧しきものを「棄てる」ことだ。いくつもの現象面から、私はもはやこの国を『棄民国家』と呼ぶほかはない。


 人々はどう「棄てられて」いるのか。

まず思い浮かぶのが、福島の原発事故であり、大震災の被災地であり、再稼働を強行される原発を持つ地元だろう。

低所得層や中小企業に「死ね」という消費税増税もまたそのひとつに違いない。

これらに共通しているのは、さきほど触れたような「恫喝統治」だ。

原発を巡っては「この夏、大規模な停電が起きる」と脅した。
その数字的な根拠はついに示されずじまいだった。

何よりも、もっとも停電などの可能性が高いと言われている関西の住民たちはある程度「覚悟」していた。

これはいくつも番組を持っている私が皮膚感覚で知っている。

原発の事故で命や故郷を失う危険性と、ひと夏暑さを我慢する努力とを天秤にかければ、子どもでもわかる理屈だろう。


 消費税増税については「ギリシャになる」を野田佳彦首相は連発した。
ならないことをもっとも知っているのはドジョウを踊らせている財務官僚であり、世界の市場だ。
破綻が近づいている国の国債や貨幣をどこの馬鹿が買うのか。
一方で円高でウンウンと苦しみながら、一方でデフォルトが起きるという。これまた子どもすら騙すことはできまい。


※メルマガNEWSポストセブン22号

posted by 小だぬき at 10:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月08日

近事片々:調査のむなしさ

近事片々:調査のむなしさ
毎日新聞 2012年07月07日 13時23分

  調査のむなしさ。
中学生の自殺をめぐる大津市教委、アンケートで在校生から深刻な回答も得ながら、当事者には確認をしていないという不可思議。
    
 
       ◇    ◇

 情けなくなるデータ。
 11年度の鉄道駅員・乗務員への暴力、統計開始以来最多。金、土曜に酔った40代以上が目立つとか。これはれっきとした犯罪ですよ、と説くもせつない。
    
        ◇    ◇

 増える働く女性の「非正規」率54%で最多、と厚生労働省11年版「働く女性の実情」に。
 四半世紀以上も前、雇用機会均等法スタートのころに描いていた将来の実情はいずこへ。

    ◇    ◇

 <青梅や空(むな)しき籠に雨の糸>夏目漱石
posted by 小だぬき at 07:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月09日

今はまだ途上を歩く、大震災被災地

週のはじめに考える 今はまだ途上を歩く
2012年7月8日  東京新聞社説

 大震災は、この国の迷いをあぶり出したのかもしれません。

被災した人も、そうでない人たちも、今ともに途上を歩く。あの日から間もなく五百日


 潮騒は、ここまで届きません。

 福島県いわき市の鈴木富子さん(58)は、海辺で三十一年間営んできたカフェと自宅を、震災の津波で失いました。


 今はまだ仮住まい。しかし「このままで終わりたくない」と四月末、市内で店を再開することができました。

 常磐炭鉱の跡地に近い、JR湯本駅前の商店街。七坪の小さなカフェの名前は、以前と同じ「サーフィン」です。

◆ふと不安になる時間

 山ぎわの景色の中に、鈴木さんは可能な限り、海辺の店を再現しようと試みました。
漆喰(しっくい)の白壁で明るい雰囲気を醸し出し、木枠の窓には、オレンジと青のステンドグラスをちりばめました。


 改装費用の半分は「仮店舗開設資金」として県から補助を受けました。あと半分は銀行からの借り入れです。


 白壁にパッチワークのタペストリーを飾っています。鈴木さんが、ひいおばあさんの着物をほどいて二年がかりで縫い上げました。


 被災から三カ月後、自宅があった場所から二キロ離れた海岸で、奇跡的に見つかりました。少し色あせてはいましたが。


 借金を背負って、毎日しゃかりきに働きながら、鈴木さんはふと不安になるそうです。

 「お客さんが戻ってくれるのは心底うれしい。でも私、今何でこんなに一生懸命、がんばっているんだろう」


 客足の途切れた海辺の店内で、窓越しに午後の日差しを浴びながら、パッチワークにいそしむ時間が、鈴木さんは大好きでした。


 被災後なぜか、パッチワークを作れません。作りたい気持ちはあっても手先が動いてくれません。

 「途上なのかなあ…」。鈴木さんは、つぶやきました。


 宮城県気仙沼港では六月六日、カツオの初水揚げがありました。

 漁港や市場だけではありません。
氷屋さん、箱屋さん、運送屋さん、餌屋さん…。町の隅々まで根を張った「水産」という巨大なシステムが、その日から稼働し始めます。


 震災で港の市場が半分水没し、加工場が集まる南気仙沼地区も壊滅状態に陥りました。
それでも、十五年連続カツオ水揚げ日本一の記録は途切れませんでした。水産のまちの誇りです。

◆カツオは来てくれた

 水産業の柱といわれる製氷工場は、年内に震災前の生産量を取り戻す見込みです。
七十〜八十センチも沈下した地盤のかさ上げ、盛り土工事も、進んではいくでしょう。それでも、海の男は不信と不安を口にします。


 例えば加工団地を造る構想が、具体化しています。
国や自治体が提示する補助金のメニューは豊富です。ところが、なかなか口にはできません。「来年の秋までに使いなさい」とか、難しい条件が、決まってついてくるからです


 放射能の風評被害は、去年よりひどくなっています。

いきのいいカツオがせっかく市場に揚がっても、売れないと気持ちがなえてしまいます。心の溝にも、かさ上げ工事が必要です。


 気仙沼商工会議所副会頭の岡本寛さん(61)は「今年もカツオは来てくれた。とてもうれしい。けど少し疲れたなあ」と苦笑い。
そして「まだ途上ですから…」と。


 時代の大きな変わり目を前にして、私たちは希望と不安を交互に感じているようです。
被災地でも、それ以外でも、その点は同じなのかもしれません。
先進国を気取っていても、私たちはまだ、途上で揺れているのでしょう。


 いわき市の鈴木さんは言いました。
「社会って、パッチワークのようなものですね」

 三角や丸、四角いパターン(型)をデザインし、芯を入れ、裏地を張ってキルトにし、丁寧に大切に、小さなパターンをつなぎ合わせて作品を完成させる。


 被災地に学び、被災者に寄り添いながら、かけがえのない命を貴び、人と人とがこまやかに結び付き、原発に頼らなくてもびくともしない、「自治」というパターンをまず縫い上げる。

 それらを一つ、また一つ、強固につなぎ合わせると、「日本」という新しい作品が出来上がる。

◆また新たな頂上へ

 私たちはパッチワークを縫うように、着実に、胸を張り、左右の景色を確かめながら、途上を歩いていこうと思います。
 たとえそれが、これまでに経験したことのない、下り坂であったとしても。また次の頂に登る明日を楽しみに。
posted by 小だぬき at 06:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サラリーマン川柳:胃カメラじゃ 決して見えない 腹黒さ

サラリーマン川柳:
胃カメラじゃ 決して見えない 腹黒さ
毎日新聞 2012年07月01日 東京朝刊


「宝くじ当たれば辞める」が合言葉   
                                  事務員A


女子会と聴いて覗けば六十代      
                                ビート留守


妻が言う「承知しました」聞いてみたい 
                                  大魔神


スマートフォン妻と同じで操れず    
                             妻ーとフォン


EXCELをエグザイルと読む部長   
                         怪傑もぐり33世


何気ない暮らしが何より宝物      
                              考えボーイ


立ち上がり目的忘れまた座る      
                               健忘術数


定年後田舎に帰れば青年部       
                フミヤフレンドリークラブ


最近は忘れるよりも覚えない     
                                てくてく

==============

 ◇秀逸

胃カメラじゃ 決して見えない 腹黒さ 
                         
レントゲン
==============
 提供・第一生命(日曜掲載)
posted by 小だぬき at 18:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月10日

中国共産党の覇権主義と尖閣問題

日本よ、目を覚まさせてあげよう、
尖閣問題で中国と争っても勝ち目はない
                 
―中国紙
2012年7月9日(月)18時36分配信 Record China


2012年7月9日、中国共産党機関紙・人民日報系 国際情報紙、環球時報は「日本が釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で中国と争っても、全く勝ち目はない」とする論評記事を掲載した。以下は その内容。

日本の野田佳彦首相は7日、個人が所有する釣魚島(尖閣諸島)を国有化する方針を明らかにした。
これにより、両国の争いが激化するのは必至である。

単なる選挙対策とみる向きもあるが、中国人にとってはどんな理由であろうと関係ない。
日本が中国の我慢の限界を刺激してくるならば、それに真っ向から立ち向かうだけである

いずれにしろ、
日本が釣魚島問題で中国と争っても、全く勝ち目はない。
中国には十分な資源と手段があるばかりか、日本と徹底して戦おうという官民の意志もしっかりしている。

是非とも互いに報復しあおうではないか

中国は釣魚島が西太平洋の「少々危険な」摩擦ポイントになっても少しも怖くない。

日本政府の理不尽な挑発に対し、中国は積極的に以下の4点を成し遂げるべきである。

1、釣魚島周辺における中国の存在感を高める。巡航などの主権行為を日本側より多く実施する
2、日本側が一歩進めたら、中国側は一歩半でも二歩でも多く進める。日本側に挑発行為がどれほど深刻な結果を引き起こすのかを思い知らせる
3、両岸四地(中国本土、台湾、香港、マカオ)による「保釣」(尖閣諸島を守る)活動を強化させる。台湾当局はあまり熱心ではないが、民意が率先して馬英九政府に呼び掛けていくべきだ
4、釣魚島危機は中日の経済協力に悪影響を及ぼすことになる。だが、我々はあえて傍観しよう。そうすれば、日本側も政策の過ちに自ずと気付くに違いない

中日関係は重要だが、何をされてもじっと黙って耐えるほど重要ではない。

日本とやり合う必要があると判断すれば、中国人は必ずやる。中国の主権と団結を守る方が、中日関係を波風立てないようにすることよりもっと重要だからだ。

それに、沖縄はどうしても日本領である必要があるのだろうか?
長い目で見れば、沖縄自身が「日本離れ」を起こしても全く不思議ではない。
中国もこの問題を真剣に検討してみよう。

もちろん、中国もできればもめ事は起きてほしくない。だが、どんなに友好を願っても日本の態度があれでは仕方がない。

中国は実力で日本に目を覚まさせるしかないのである。

日本がどんなに激しく反発しても恐れるな。
ギャーギャー言わせておけばよい。何度かやり合ううちに、日本人も深く反省し、分をわきまえるようになるだろう。(翻訳・編集/NN)
posted by 小だぬき at 07:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月11日

<全文公開>勝谷誠彦「日本人の正気と意気地を発露せよ!」

<全文公開>勝谷誠彦「日本人の正気と意気地を発露せよ!」
2012.07.10 07:00 NEWSポストセブン
7/7紹介の前半を含め 全文が公開されました(小だぬき)

* * *
 かつて私は『偽装国家』という本を正続2冊、上梓した。
国軍を自衛隊と言いくるめ、暴行窃盗恐喝をいじめと言い換えるようなこの国の虚妄を暴いたのである。
しかし、今思えばまだしもそこには「民を騙す」というそれなりのテクニックがあった。

今、日本国政府はそうした遠慮もかなぐり捨てて、文字通りの暴力装置と化しつつある。
その手法は、国民に対する恫喝と、弱きもの貧しきものを「棄てる」ことだ。
いくつもの現象面から、私はもはやこの国を『棄民国家』と呼ぶほかはない。

 人々はどう「棄てられて」いるのか。

まず思い浮かぶのが、
福島の原発事故であり、大震災の被災地であり、再稼働を強行される原発を持つ地元だろう。
低所得層や中小企業に「死ね」という消費税増税もまたそのひとつに違いない。

これらに共通しているのは、さきほど触れたような「恫喝統治」だ。
原発を巡っては「この夏、大規模な停電が起きる」と脅した。
その数字的な根拠はついに示されずじまいだった。
何よりも、もっとも停電などの可能性が高いと言われている関西の住民たちはある程度「覚悟」していた。
これはいくつも番組を持っている私が皮膚感覚で知っている。
原発の事故で命や故郷を失う危険性と、ひと夏暑さを我慢する努力とを天秤にかければ、子どもでもわかる理屈だろう。


 消費税増税については「ギリシャになる」を野田佳彦首相は連発した。
ならないことをもっとも知っているのはドジョウを踊らせている財務官僚であり、世界の市場だ。
破綻が近づいている国の国債や貨幣をどこの馬鹿が買うのか。
一方で円高でウンウンと苦しみながら、一方でデフォルトが起きるという。これまた子どもすら騙すことはできまい。

 要するに道理をひっこめて無理を通しているのがドジョウ一派である。
それにガマンできなくなって小沢一郎元民主党代表などが離党すると除名処分にした。これまた同調者が出ないための恫喝にほかならない。


こうした「棄民」と「恫喝」の文脈の中で、もうひとつ注視したいことが起きている。
今触れたようなことは、いずれも最近の出来事だ。
しかし戦後の日本国の「原罪」のひとつに対しても、今の政治は同様な仕打ちをしようとしているのだ。水俣病である。
 水俣病の患者認定の申請を、7月いっぱいで打ち切ると政府は決めた。

これに対して在野の医師たちなどが検診を繰り広げると、新たな患者が大変に高い確率で見つかり始めた。
なぜか。ここに福島原発事故から私たちが苦しみながら学んだことが生きてくる。
「最初の汚染地域の線引き」が間違っていたのだ。
当然、その外にも被害者はいるものだという想像力を働かせるべきだった。


 もうひとつは流通だ。
当時は今ほど流通が発達していなかっただろうが、魚介類が必ずしも地元で消費されるばかりでないことを、風評被害などを含めた、福島での苦い体験で私たちは学んだ。
それらをもとに、水俣病について、むしろ新たに範囲を見直すべきだろう。しかし逆に打ち切るのだという。

 これに対する環境省の役人のセリフも「恫喝統治」を象徴していた。
「7月で打ち切ると言ったので、むしろ申請を迷っていた人たちが申し出てきた」と言い放ったのだ。
どうしてこの発言が問題にならないのか私はわからない。
要するに、締め切りを示して恫喝したからあぶり出せたと言っているのである。
潜在的患者の方々が、差別や理不尽な視線に耐えて、どれほど言いだせずに我慢してきたかということへの心遣いなどどこにもない。
むしろ、被害を増幅させた国や企業こそが草の根をわけてでも、被害者を探し出すべきだったのではないのか。


 ここまでコケにされて黙っている大和民族ではない。
高杉晋作が言ったように、日本人はとことん追い詰められると「狂を発する」のである
あの時の長州がそうだった。日露戦争の、大東亜戦争の時の私たちがそうだった。

まず原発の再稼働を巡って、人々は立ち上がり始めた。
膨大な数の群衆が首相官邸をとりまいた光景は、安保闘争を彷彿とさせる。
しかし、大きな違いがひとつある。あの時は「命はかかっていなかった」「国土もかかっていなかった」。
しかし今回は、ひとりひとりの命と、故郷が担保となっている。こうなると日本人は「狂を発する」ことをドジョウは知ることになるだろう。


 比較的若い人々が官邸をとりまく横で、水俣病のお年寄りの患者の方々が、議員会館の前で雨に打たれて座り込みをしていた。


 気がつこう! この方々も「棄てられし民」なのだ。
原発によって棄てられつつあることに怒る人々と、心の底ではつながるべき人々なのだ。


 いや、それだけではない。東日本大震災の被災地で、今なお復興から「棄てられている被災者」、福島の地に帰ることができず、各地に「棄てられている避難民」、更に言えば消費税増税によって生活や経営が破綻し「人生を棄てざるをえなくなるかも知れない貧しき人々」。

 すべての棄民よ、団結せよ!
 首相官邸を、国会を包囲せよ!
 それぞれの選挙区で、国会議員を、地方議員を問いつめよ!
 恫喝統治に加担して嘘八百を垂れ流す大マスコミを信用するな!
 原発の維持推進に安易に加担して、電力各社の株主総会で賛成票を投じた大企業をあぶり出せ!
 そいつらの製品を買うな!

 もちろん決戦の場は選挙だ。それまでこの怒りを忘れてはいけない。
 日本人の正気(せいき)と意気地(いきじ)を、今こそ発露せよ!

※メルマガNEWSポストセブン22号
posted by 小だぬき at 05:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月12日

小沢新党 「生活第一」貫いてこそ

小沢新党 「生活第一」貫いてこそ
2012年7月11日   東京新聞社説

小沢一郎元民主党代表を中心とする新党がきょう旗揚げする。
二〇〇九年衆院選で国民が政権を託した民主党を離党したが、マニフェストで掲げた「国民の生活が第一」という理念は貫くべきだ。

小沢氏には新生党、新進党、自由党に次ぐ四度目の新党結成だ。
自民党を飛び出した際のような新鮮味はなく、今回も権力闘争の一環であることは否定しがたいが野田佳彦首相の下での民主党は、「もはや政権交代を成し遂げた民主党でない」という問題意識は共有する。


 野田首相は消費税増税はしないという〇九年衆院選での「国民との契約」を反故(ほご)にし、敵対していた自民、公明両党と結託して増税を強行しようとしている。


 政権交代可能な二大政党制は、有権者が政策によって政権を選択する制度のはずだ。

政権を委ねられた政党は選挙で公約した政策の実現に努めるのが大前提である。

 首相はこれを無視し、約二十年間にわたる政治改革を経て有権者がようやく勝ち取った政権交代の意義を貶(おとし)めた。その罪は深い。


 小沢氏は、新党が目指す政策について「政権交代の時に国民と約束した理念と個別の政策だ。今日的なテーマとしては消費税増税の先行に反対する。原発も大きな国民の関心事だ」と語った。


 「小沢新党」が「反消費税増税」や「脱原発」を掲げるのは、民主党マニフェストを掲げて選ばれた経緯や、原発事故後の状況を考えれば当然の成り行きだろう。


 新党が、国会内で活動する際の会派名を「国民の生活が第一」と届け出たことからみても、マニフェスト実現に努める責任は自覚しているようだ。
国民との約束は貫くのが筋である。


 問題はどう実現するかだ。


 衆参合わせて五十人規模の新党は、野田政権の暴走を止めるには力不足かもしれない。
小異を捨てて大同につき、「反消費税増税」や「脱原発」など同じ政策の実現を目指す他党議員との連携を粘り強く模索する必要がある。


 次期衆院選も苦戦が予想されている。
小沢氏は河村たかし名古屋市長ら首長率いる地域政党と共闘する「オリーブの木」戦術に新党の生き残りを託しているようだが、地域政党側の反応は芳しくない。


 それでも小沢氏は理念を高く掲げ、政策の選択肢を示し、その実現を愚直に目指す姿勢を見せるべきだ。政権を託すに足るかどうか判断するのは有権者である

posted by 小だぬき at 06:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月15日

九州豪雨:次々に積乱雲発生 長期化のメカニズム



九州豪雨:次々に積乱雲発生 長期化のメカニズム

毎日新聞 2012年07月14日 19時40分(最終更新 07月14日 23時18分)

九州北部を襲った14日の猛烈な雨について、福岡管区気象台は九州西海上で次々に積乱雲が発生していたことと、流れ込んだ空気が九州北部の山にぶつかって積乱雲が生まれた二つの現象が重なったことが大きな原因とみている。

熊本県に大きな被害をもたらした12日の豪雨の発生と同じメカニズムだ。


 気象台によると、停滞した梅雨前線の南西側で、太平洋高気圧に沿って暖かく湿った空気が流れ込む「湿舌(しつぜつ)」と呼ばれる現象が続いている

こうして流れ込んだ空気が、北からの寒気とぶつかり積乱雲のかたまりが発生した。これとは別に、南西から流れ込む暖かく湿った空気が山の斜面にぶつかり、次々に積乱雲が生まれた。


 降り始めの11〜14日の72時間に熊本県阿蘇市乙姫で813.5ミリ、福岡県八女市黒木町で646.5ミリなど観測史上最大の雨量を記録した。


 梅雨前線の停滞で、大気の不安定な状態はしばらく続く見通し。

土砂災害や河川氾濫の危険が高い地域があるため、気象庁は「十分注意してほしい」と呼びかけている。

posted by 小だぬき at 06:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

これで大飯原発本格稼働ですか・・



今の福島県の状態を 7/10の参議院予算委員会にて 自民党の森まさ子議員が質問しました。
原発事故対策などの無責任な対応や 各種賠償も進んでいないことがわかります。
参考人の双葉町長の証言は胸に迫るものがあります。

安全対策も未確立で避難計画もまだ出来ていない 関西電力大飯原発が本格稼働に入ってしまいました。
今度 また「想定外」などが起きたら 全国が放射能汚染地域になります。
また、琵琶湖なども汚染されてしまいます。

毎週 金曜日の脱原発の首相官邸への抗議のデモも マスコミの多くは報道しませんが 自発的に10万人以上の人が集まる「市民革命」ともいうべきことが起きています。
明日は 大江健三郎さんらの呼びかけで 東京代々木公園にて 脱原発・反原発のイベントが行われます。
民主党や自民党、公明党支持の皆さんでも 放射能の危険はご承知だと思います。
明日は、代々木から新宿、池袋などを 散歩予定に入れてみませんか・・。

私は最短の代々木駅コースの散歩なら可能かな? と思っています。

今の大飯原発稼働には 殆ど福島第一の教訓が生かされていません。
今・明日、地震や人為的ミスが起こったらと思うと・・・・。
まだ止められるうちに止めたいものです。
posted by 小だぬき at 17:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月16日

《いじめを見ている君へ》江川紹子さん

《いじめを見ている君へ》江川紹子さん
2012年7月15日22時51分 朝日新聞デジタル

■声をあげて 自分のためにも


 いじめを見たり聞いたりしても、誰かにそれを伝えるのは大変かもしれません。
今度は自分がいじめられるかもって、不安になりますよね。
でも、気がついた人が言わないと、その子は助からないんです


 中学校のころ、クラスで少し避(さ)けられている女の子がいました。
男子から容姿(ようし)をからかわれていました。
仲良しの女の子が1人いたことで、深刻ないじめにはなりませんでした。


 でも、卒業後しばらくたった後の同窓会で、仲良しだった子が言ったんです。
「あの子、亡くなったよ」。場がシーンと静まりかえりました。原因は病気でしたが、みんな心のどこかに、あのころのことが痛みとしてあったんです。


 いじめられた子が自殺したり後遺症(こういしょう)を残すけがをしたりしたら、周りの人たちはすごく後悔することになります。

いじめを傍観するのも、いじめの一種。被害を出さないためにも、自分が何もしなかったことでしんどい思いをしないためにも、声をあげてほしい。


 イスラエルという国で、兵役(へいえき)を拒み、パレスチナ人への迫害をやめようと声をあげた若い女性がいました。
周囲から無視され、批判もされたけれど、私にこう言いました
「自分自身に正直であることが一番ハッピーなんだ」って。


 大人の社会にも不正はあります。だから偉そうなことは言えませんが、いじめを知ったなら、信頼できる大人に知らせてほしい。


 子どもの世界のことは、子どもが一番よく知っているでしょう? 
担任が信じられなかったら他の先生でもいい。
学校以外の人でも構わない。
あなたの声に耳を傾けている人はきっといますから。
                (ジャーナリスト)

posted by 小だぬき at 08:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

さよなら原発、暑さ以上の熱意・決意17万人



途中リタイアでネット中継視聴に移行した小だぬき

いつもの原宿駅が階段を上れない下れない、帰りの切符が確保できない・・・

あるのは集会に自主的に参加した人達の 爽やかな熱気。

まだまだ日本国民も 「主権者」の位置に踏みとどまっている。

心身障害にはちょっと参加が 苦しかったのではと うつの立場として思ってしまいました。あきらめない・続ける大切さを再確認です。
posted by 小だぬき at 23:33 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月17日

さよなら原発 「17万人」集う 



さよなら原発 「17万人」集う 
2012年7月17日 07時00分  東京新聞

 東京電力福島第一原発事故を受け、作家の大江健三郎さんらが呼び掛けた「さようなら原発10万人集会」が十六日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。

三連休の最終日で全国から参加者が集まり、関西電力大飯(おおい)原発3号機に続き、4号機でも再稼働を決めた政府への抗議の声に包まれた。


 参加者数は主催者発表で約十七万人で、警視庁関係者によると約七万五千人。
主催者によると、反原発を訴える集会としては、昨年九月に東京都新宿区の明治公園で行われた集会を上回り、過去最大規模という。


 公園内のサッカー場に設けられたステージには呼び掛け人の著名人らが登壇。音楽家の坂本龍一さんは「電気のために美しい日本、国の未来である子どもの命を危険にさらすべきではない」と訴えた。

参加者はサッカー場を埋め尽くしたほか、野外音楽堂前の広場や公園内の道路などにも広がった。「福島につながろう」「再稼働おことわり」などと書かれたパネルなどを掲げた。


 労組や市民団体など組織による呼び掛けに応じた人だけでなく、インターネットなどで集会を知った市民らも加わった。会場内や最寄り駅を結ぶ歩道などでは一時身動きが取れないほど混雑し、警察官がマイクを使って誘導や警戒に当たった。

 会場から新宿や恵比寿方面など三コースに分かれてパレードが繰り広げられ、会場内でトークや音楽のライブも行われた。


 この日は、東京都心の最高気温が平年より四度近く高い三三度の暑さ。会場の自動販売機の清涼飲料水は午前中でほぼ売り切れ、売店前に水を求めて長い列ができた。大江さんらが「原発ゼロ」を訴えて一千万人を目標に取り組んできた署名は、七月八日現在で約七百八十五万人分に達しているという。

(東京新聞)
posted by 小だぬき at 08:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月19日

まるで、呪文のように原発推進派から吐き出される言葉がある

筆洗
2012年7月18日 東京新聞

 まるで、呪文のように原発推進派から吐き出される言葉がある。

「放射能の直接的な影響で死んだ人は一人もいない」。

福島第一原発の事故で放出された大量の放射能の影響が将来どんな形で出るのか、専門家の間でも意見が分かれているが、そんなことは関係ないらしい

▼逆に想像してみたい。事故がなかったら、どれだけの人が死ななくて済んだか。
国会事故調査委員会によると、事故直後の約三週間、避難区域になった二十キロ圏内の病院と介護老人保健施設で、少なくとも六十人が避難後に死亡したという


職を失った人、避難生活のストレスでうつ病になった人…。多くの人が自ら命を絶った。その姿は想像できないようだ

▼将来の原発比率はどうあるべきか。
政府主催の意見聴取会(名古屋市)でもこの呪文が飛び出した。個人の意見として「放射能で死んだ人はいない」と言い切ったのは、20〜25%案を支持した中部電力の課長だ

▼仙台市の意見聴取会では、社の意見を代弁する形で東北電力の部長が原発の維持を強く訴えた。
利害当事者側が「国民の声」を名乗ることに強い違和感を覚える

▼これまでの聴取会は、選ばれた発言者が持論を述べるだけだった。
政府が目指すという国民的議論からはほど遠い。
「議論は尽くした」というアリバイ工作に利用されてはたまらない。

posted by 小だぬき at 06:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

政治の弱者イジメ

今 参議院で「社会保障と税の一体改革(改悪)」の質疑がされています。

私が腹が立つのは、老齢人口が増え 現役世代の負担が増大するから、消費税増税を という 政治家と官僚の無責任さです。

今の年金受給年齢に入る人達も 現役時代に年金掛け金を 払い続けていた事実を故意に無視しています。

一体 団塊の世代を含めて 今の年金受給者の掛け金は 全額 先輩方の年金に使用されたのか・・・。

膨大な掛け金収入で 「社保庁」「国民年金センター」の独立採算制でのムダ使いや積立金の運用失敗などの 責任をとった官僚・政治家はいるのか?

今の年金財政の悪化を 全て受給者増・少子化に原因を求めるのは 無責任ではないかと思う。

企業の臨時雇用や派遣労働の増加を規制して 正規雇用を原則にするだけでも収入を安定化が出来るし、内部留保の労働分配への一定の義務化などでも改善できる。

今の大企業は 斜陽産業として 優遇税制を廃止し、新産業創出のための税制や支援に発想を変える必要はないだろうか・・・。

HONDAやパナソニックも町工場で出発し、創業者の創意工夫と技術革新・消費者のニーズを的確にとらえ 発展してきました。
でも 今の大企業は 殿様商法に甘んじていませんか?  研究開発にとれほどの資金投資をしていますか?

国会の議論を聞いていても そもそもなぜ?の議論がなされず 現状を追認して国民負担という禁じ手で 今を凌げばいいような浅い議論のように感じます。

次の選挙では自民・公明・民主党に退場してもらい 新しい課題別連合政権の挑戦をしてもらいたいものです。
ネックになる 共産党の全選挙区立候補方針を取り下げ、「国民の生活第一」「きづな」「社民」「新党日本」の現職のいるところは その当選を優先して 京都や東京の重点に絞る取り組みを望みたものです。
posted by 小だぬき at 13:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月20日

「私の言うことはみなウソだ」 さてホントかウソ…

余録:「私の言うことはみなウソだ」。
                     さてホントかウソ…  

毎日新聞 2012年07月20日 00時05分

           
 「私の言うことはみなウソだ」。さてホントかウソか−−この手の話をパラドックス(逆説)という。
この「ウソつきのパラドックス」を考えたのは古代ギリシャの哲学者エウブリデスという

▲今日「砂山のパラドックス」と呼ばれる逆説もこの人の作といわれる。
−−砂山がある。その砂1粒を取っても砂山である。
砂山から1粒取っても依然砂山というのであれば、さらに1粒、さらに1粒……といつか最後の1粒になってもそれは砂山ということになる

▲「ばかばかしい」と怒られそうだが、これは論理学の問題として大まじめに論じられたテーマだそうだ。
砂粒を取るうちにやがて砂山でなくなるが、どの1粒の時かは決められない。

なにやら議員が1人、また1人と離党していく民主党を思い浮かべた方もおられよう

▲「離党ドミノ」なる言葉がメディアに躍り、小沢一郎氏のグループが党を飛び出た後も離党者に歯止めがかからない民主党である。
消費増税法案の衆院採決後の離党届提出者は計55人になった。
さしもの政権与党の砂山も誰の目にも分かるほど一まわり小さくなった

目立つのは、この間の離党理由の広がりだ
原発再稼働や環太平洋パートナーシップ協定参加への反対から尖閣諸島問題の対応への不満まで、政権の抱える争点ごとに離党者が出ては首相も党執行部もたまらない。
もともと結束を欠く砂の集まりのような党の宿命か

▲なおも離党予備軍を抱える首相には「自壊」と隣り合わせの政権運営が続く。
さて与党はどこまで減れば与党でなくなるか。奇妙なパラドックスには事欠かぬ政界だが、こちらはいずれはっきりする。

posted by 小だぬき at 08:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月22日

「親の価値観押しつけないで」−−二神能基さん(69)

リアル30’s:変えてみる? 識者に聞く 
「親の価値観押しつけないで」
2012年07月05日 毎日新聞

二神能基さん(69)


二神能基(ふたがみ・のうき) 1943年生まれ、愛媛県出身。ニートや引きこもりの若者を支援するNPOニュースタート事務局を設立、若者支援で全国をかけ回る。著書に「希望のニート」など。
二神能基(ふたがみ・のうき) 1943年生まれ、愛媛県出身。ニートや引きこもりの若者を支援するNPOニュースタート事務局を設立、若者支援で全国をかけ回る。著書に「希望のニート」など。

◇価値観の谷間で身動き取れず

 ニートや引きこもりになってうちに来た若者に「この先どうなりたいの?」と聞くと、「普通に幸せになりたい」と答える。
普通に働いて、普通に家庭を持って、普通にやっていきたいと言う。
そもそも、物欲や競争心があまりないんです。
社会でのし上がりたいなんて欲望もない。


 しかし、30代は家庭や学校で「成長」という価値観を刷り込まれてきた。
親は引きこもった子どもに対して「努力して一歩ずつがんばればいい」と言うが、一歩ずつ上がっていけたのは20世紀の話。

私は親御さんに「上昇志向を捨てないと子どもは立ち直れませんよ」と伝えている。


 でも、真面目なお母さんほど「息子を立派に育て上げるのが務め」と考えていて、発想転換が難しい。

だから、うちに来た若者をいかに21世紀型にするかが私の務め。
「がんばればなんとかなる」という発想は彼らを追い詰めるだけです。


 若者も根が真面目なんですよ。
「正社員じゃなきゃいけない」「結婚するには年収はこれぐらいなきゃいけない」って。

そんなの誰が決めたの? 正社員が良かったのは、根拠なく給料が上がるシステムがあったから。
自分らしく生きようと思えば、正社員の仕組みにこだわらなくていい。
仕事に生きがいを求めた時代はもう終わったんです。

 お金のために働くのは彼らにとって「懲役」のようなもの。
「若者は辛抱が足りない」という意見もあるが、むしろ辛抱する価値がないということ
「ヒモ婚」の幸せもあっていい。
「男が働いて妻子を養う」といった家族観に縛られていては若者は結婚しません。


 私は「一番嫌でない仕事で自分の食いぶちだけは稼ごう」と言っていて、20代以下にはすっと入っていく。

彼らは「大企業の正社員だから安定とは限らない」って感じているから。
非正規の仕事に就いて「仲間とボランティアをしたりしながら、ビンボーを楽しんでます」と明るいです。


 ところが30代は苦しい。
20世紀と21世紀の価値観の間で身動きが取れなくなっている。
親から「やっぱり正社員じゃなきゃ」と言われ、右往左往している。
でも、給料が低くったって生き方が貧しいわけではない。心豊かな生き方はできる。日本はこんなに豊かになったのに、まだ発想が貧乏くさいですね。


 時代の大きな転換期で、30代はこれからの日本を作る世代。
若者の現状は親世代に「新しい幸せの形」を考えさせる。
ぜいたく品やみんなが持っているモノを求めるのではなく、働く動機として、仲間や誰かの役に立っているという実感・場所が必要。
親や政府がその発想に立たないと。
    【聞き手・鈴木敦子、写真も】

posted by 小だぬき at 10:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

民主党 福田衣里子に報復イジメ

民主党 福田衣里子に報復イジメ
2012年7月20日 日刊ゲンダイ掲載

増税に反対票 
 これは民主党のイジメ!? 福田衣里子衆院議員(31)が厚生労働委員を外された。
 福田議員といえば、薬害肝炎訴訟で九州原告団長を務めたことをキッカケに政治家に転身した人物。
当選直後からずっと厚生労働委員会に所属し、「人の命のために、血の通った政治を」と訴え続けてきた
知名度も高く、民主党の厚労議員の“看板”みたいなものだ。
現在も、超党派で今国会への提出を目指している「カネミ油症被害者救済法案」に取り掛かっている最中だった。

 ところが、「小沢新党」結成にともなって委員会の会派構成が変更。
民主党会派の厚生労働委員の人数が減員になったため、福田議員が外されてしまったのだ。
他にも厚労委を外された議員がいるが、いずれも共通するのは消費増税法案に反対票を投じた造反議員。
つまり“報復措置”である。

厚労委を外された福田議員は沖縄北方特委をあてがわれたという。

 福田議員を直撃すると。
執行部から『委員会の人数の関係で何人か外さなければいけないが、(消費増税法案に)賛成した人は外せないので』と言われました。
まあ、党内の厚労部門会議などにはオブザーバーで参加できますし、いずれまた厚労委員に復帰できるのではないかと期待していますが……」

 このヒドイ仕打ちに、永田町では福田議員の「大阪維新の会」入りも囁かれている。

「法務官僚の旦那さんが大阪市の橋下市長の下に出向中です。
民主党の体質に嫌気がさしたエリー(福田議員)も維新の会に行っちゃうんじゃないかといわれているのです」(民主党関係者)

 本人にブツけてみると、こう言った。
私が目指しているのは『社会福祉国家』です
新自由主義と競争社会を助長する橋下市長とは合いませんよ」

posted by 小だぬき at 18:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月23日

多消費から持続可能へ

週のはじめに考える 多消費から持続可能へ
2012年7月22日   東京新聞

原発の問題は、エネルギーの問題であり、エネルギー消費の問題でもある。
今当たり前の大量消費文化に私たちが別れを告げられるかということです。


 今春、ショックを覚えたことがありました。

日本への永住を決め、国籍も取得した文学者ドナルド・キーンさんの言葉でした。
記者会見でこう言いました。

 「率直にいうとがっかりしています。東京は(電気照明がこうこうと灯(とも)り)明るい。必要のない看板がたくさんある。東京だけではありません」

◆キーン先生から叱責

 この叱声を耳痛く聞いた日本人は、おそらくいっぱいいたのだと思います。
昨年の夏はあれほど節電していたのに、のどもと過ぎれば熱さを忘れるというようなことになっていたのですから。


 外国から来ると、よくわかるのでしょう。もう少し言えば被災地との痛みの分かち合いはどうしたのですか、ということでもあったでしょう。


 節約、節制は、口で言うのはやすく実行はむずかしいものです。
洋の東西を問わず、人間の弱点、性癖のようなものです。

 まして大量消費という暮らしに慣れきってしまえば、抜け出すのは容易でない
敵はわが身に潜む欲望であり大量消費社会とは、その
欲望をかき立てるからです。


 それが全部悪いとまでは言いません。
便利なこと、豊かなこと、楽しいこともあります。
しかし、時には立ち止まり考え直すことも必要でしょう。
昨年の3・11とは不幸にしてその機会を与えてくれたのに相違ありません。


 そういう機会は以前にもありました。一九七三年の第四次中東戦争に端を発した第一次石油危機です。アラブ産の石油が反アラブ国には禁輸とされ、世界がパニックになりました。

◆小さくてすばらしい

 実際には日本などには非アラブ産の石油が回され、極端な輸入低下はなかったのですが、資源小国の日本は将来を心配しました。

原子力は国策としてさらに重要になったのです。


 同じ年、たまたま世界的ベストセラーになった本がありました。
英国で出版された「スモール・イズ・ビューティフル(邦題・小さいことはすばらしい)」です。
資源の適正な利用を訴え、石油危機を予想していたのです。


 著者はドイツ出身の英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(一九一一〜七七年)。
経済学の泰斗ケインズも認めた学者で、英国石炭公社の顧問を二十年間務めている。
戦後欧州の復興は石炭がかぎであるとしながら、石炭も石油、ガス、ウランも限りのある資源と見ていた。

戦略的、投機的対象にもなる。彼によれば石油危機は来るべくして来たわけです。


 地球規模では経済成長の限界を予測し、人間単位では欲求を小さくして、満足を深くすることが必要だと訴えていました。
人間中心の経済学と呼ばれました。


 それが本の題の「小さいことはすばらしい」です。
彼はミスター・スモールと愛称され、米国の講演旅行では行く先々で立ち見が出たそうです。

 世界が彼を熱く迎えたのは、石油危機の直後ということもあったのでしょうが、充実感のある仕事やぜいたくでなくとも静かな幸福と、残念だがそうではない現実との間に埋めがたい溝が生じていたからかもしれません。

経済成長のかたわらで人が置き去りになっているような光景です。


 しかし、彼の考えは広がらなかった。賛同者は多数にはなりませんでした。

 幸福や満足感は人ごとです。
石油危機は資源輸入の分散、産業の省エネルギーや効率化をぐんと進めました。
豊かさは維持されました。それは尊重すべきことです。


 しかし、今のままでいいのか、その豊かさは果たして持続可能かと問われれば、答えに詰まるかもしれません。
答えるにはシューマッハーの思想も参考になるし、他にも種々の考え方はあります。


 節電の夏といいます。企業活動や生活には大きな影響があります。
中東戦争が引き金の第一次石油危機、またイラン革命で起きた第二次石油危機に次ぐ、新しいエネルギー危機の下での夏です。

◆原子力に頼らぬとは

 前の二つは政治と経済成長で乗り切れましたが、今度の危機の克服には私たち自身の改革が大きな要素になりそうです。
少なくとも冒頭のキーン先生のいうような無駄遣いは慎みたいし、それ以外にも自分の意思で実行してみたい。


 原発に頼らないとは、大量の、また過剰かもしれない消費を見直そうという国民や企業が増えることでもあるのです。
国がやらないのなら、私たち自身がやるしかないのです。

posted by 小だぬき at 07:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

憂楽帳:「矛盾」してていい

憂楽帳:「矛盾」してていい
毎日新聞 2012年07月23日 12時37分

あまりに暑いので台所のクーラーをつけたところ、21歳の長男が汗だくで帰ってきた。
「わあ、やっぱり涼しいね」と感動しながらも、こんなことを言う。
「お父さん、脱原発なのに、こういうの使って、矛盾してない?」


 それを「矛盾」ととるなら、矛盾でいい。
いくら電力を使いまくっても、脱原発は主張できる。
原発関係の企業や省庁に勤めていても同じだ。

問われているのは、福島のような放射線汚染は未来永劫(えいごう)二度と起きないと言えるのか、ということだからだ。
あるいは、最終処分場も決めず、見知らぬ未来の人々に核廃棄物を託してもいいのか、ということだ。

エネルギー論というより個人の倫理が問われている。


 意見とは本来そうだし、特に倫理について語る場合、地位や経歴、立場、ふるまい、過去との一貫性にとらわれず、どこまでも自由であっていい。

だから「電気自動車のCMに出ている坂本龍一が脱原発を語れるのか」「テクノポップで電気を使ってきた」という非難は、問われている問題の本質をぼやかすだけだ。【藤原章生】

posted by 小だぬき at 17:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月24日

近事片々:どこ吹く風

近事片々:どこ吹く風
毎日新聞 2012年07月23日 12時34

 困惑も不信もどこ吹く風、とでも言いたげに、のっそりオスプレイ搭載船、岩国に横付け。
    ◇    ◇


 ロンドン。金獲得5位以内がノルマと。結構だが、金か銀か、それが問題だと悩むなかれ。悔いなき全力発揮こそ値千金


    ◇    ◇


 どうした、警察不祥事。新聞記者は多く警察担当(サツマワリ)で始まり、その世界に親しみやすいだけにせつない。靴底減らす一線警察官らの歯ぎしりが聞こえそう


    ◇    ◇


 「機械遺産」に「ウォシュレット」。未知なる角度、温度に体を張った開発が国民生活を一変させた。このいちずさが。


    ◇    ◇ 

 <このみちをたどるほかない草のふかくも>種田山頭火
posted by 小だぬき at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月26日

最低賃金引き上げ 共働きでも貧困の現実

社説:最低賃金引き上げ 共働きでも貧困の現実
毎日新聞 2012年07月26日 02時30分

働く人の賃金が生活保護よりも低いのはおかしい。

産業や職種にかかわりなく、すべての働く人は法律で定めた最低賃金より多くの賃金を得ることが保障されているが、その最低賃金が生活保護よりも低い「逆転現象」がまだ11都道府県で残っているのだ。

これでは働く意欲がそがれ、モラルハザードが起きる。最優先して改善すべき課題である。


 2012年度の地域別最低賃金について、中央最低賃金審議会の小委員会は平均7円引き上げることを決めた。
昨年に続き低い引き上げ水準である。

首都圏や関西圏を中心にした「逆転現象」状態の11都道府県には一定の幅を持たせた目安額を定め、地域の審議会に具体額の決定を委ねることになったが、最高額で引き上げたとしても北海道と宮城県はまだ生活保護に届かない。

今年度での解消が無理な場合は「原則2年以内に生活保護との逆転現象の解消を目指す」とされたが、もっと深刻に考えるべきではないか。


 結婚ができない、子どもが産めないという現役世代の貧困は少子化をさらに悪化させ、子育て世帯では子どもの健康や教育に暗い影を落としている。

経済にも悪影響を及ぼす。可処分所得が国民の平均値の半分に満たない「相対的貧困」を見ると、日本の子育て世帯は14.2%で、先進国では最も高いレベルだ。

子育て世帯の失業率は0.4%。働いているのに貧困にあえいでいる子育て世帯がいかに多いかを示している。

 もともとわが国は正社員の男性が一家の生活費をまかなう賃金を得るという考え方が強く、主婦のパートや学生アルバイトなどの非正規労働者の賃金は低く抑えられてきた。
90年代以降に労働者の非正規化が進められ、現在では被用者全体の4割近くを占めるに至ったが、伝統的な雇用・賃金モデルは変わらず、非正規労働者は労使の賃金交渉から排除されてきた。

最低賃金の改善が始まったのは、07年の最低賃金法改正で地域ごとに最低賃金を定め、違反者への罰金が2万円以下から50万円以下へと引き上げられてからだ。


 経営者側は最低賃金引き上げへの反発が強いが、相対的貧困を下回る現役世帯のうち、2人以上が働いている世帯が39%を占めている。

米国の2倍、スウェーデンやフランスの3倍だ。

夫婦共働きでも相対的貧困から抜け出せない社会は異常としかいいようがない。


 08年の自公政権時には「生活保護との整合性だけでなく小規模企業の高卒初任給との均衡を勘案し5年間で(最低賃金を)引き上げる」ことが打ち出された。

労使とも重く受け止めて実現すべきだ。働く人が報われない社会に未来はない

posted by 小だぬき at 08:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月27日

日本の大メディアはなぜ反原発デモを報じないのか

日本の大メディアはなぜ反原発デモを報じないのか
2012年7月23日 日刊ゲンダイ掲載

<先週も当局の規制に緊迫場面>

 毎週金曜日に首相官邸前で行われる原発再稼働反対デモ。

集う人々は膨れ上がる一方で、16回目となった今月20日にも9万人(主催者発表)が集まった。

 もはや、民意のうねりは安保闘争並みだが、これをきちんと報じるメディアはごく一部だ。

20日は鳩山元首相がやってきて、拡声器を握った。毎日や読売、日経はそれをキワモノ扱いで小さく報じただけ。

NHKは脱原発10万人集会(代々木公園=16日)まで、デモを全然扱わず、ついに仏ルモンド紙にこんなふうに書かれてしまった。

〈日本ではデモの習慣は失われていたが、1カ月前から毎週金曜日の夕方、総理官邸の前で原発反対の抗議デモが行われている。
デモの参加者は回を重ねるごとに増えている。
しかし、国内の主要新聞の扱いは非常に小さく、NHKはこれを完全に無視している〉

 外国メディアにとっては、これだけのデモを報じない大メディアの姿勢の方がニュースなのだ。

 ルモンドの報道は外務省のホームページも取り上げられ、そうしたらNHKは慌てて「デモの参加者増の背景は?」(20日)なんて、“小特集”を組んでいた。

 こんなメディアばかりだから、もちろん、先週の金曜日にあった“小競り合い”も報じていない。

「デモが終わり、8時過ぎには整然とみんな、帰り始めました。
ところが、官邸前の交差点にはバリケードが張られ、目の前にメトロの入り口があるのに何百メートルも迂回させようとするのです。
誰かが“なぜだ”“みんな静かにやっているじゃないか”と言い出し、そうしたら、自然発生的に“開けろ”“開けろ”コールになった。

警官が本部と連絡し、鉄柵は撤去されたんですが、脚立に飛び乗った男がいて、バシャバシャを撮っていた。あの人、公安ですかね」(参加者のひとり)

 デモ隊=危険分子とでも思っているんじゃないか、この国の当局や大マスコミは。フランス在住のエッセイスト、中島さおり氏はこう言った。

「フランスで、この規模のデモが起これば大ニュースになります。
デモは政権に対し、民意を直接示す行動で、民主主義においては極めて重要だからです。
メディアはデモで示された民意がどれだけ強いのかを報じる義務がある。
人数はもちろん、時には実況中継もやります。
日本のメディアがあまりにもデモを報じないことに驚いています」

 メディアが民意ではなく政権の方を向いているのだからどうしようもない
posted by 小だぬき at 08:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月28日

つながる:ソーシャルメディアと記者 マスコミ批判に反省

つながる:ソーシャルメディアと記者 マスコミ批判に反省=三沢耕平
毎日新聞 2012年07月28日 東京朝刊

首相官邸前で原発再稼働に抗議するデモが続いている。

関西電力大飯原発の再稼働に向けた議論が山場を迎えた今春以降、週を追うごとに参加者が増加。
組織的なデモと異なるので規模の把握は難しいが、警察発表でも参加者は数万人単位に膨れ上がっている。

これまでのデモとの大きな違いはツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアを通して拡大している点だ。

 大飯原発が再稼働した直後の7月6日。私もデモに足を運んだ。
笛を吹きながら小刻みに跳び上がる人。
太鼓のリズムに合わせて拳を振り上げる者。
老若男女を問わず、それぞれがそれぞれのスタイルで抗議の意思を表していた。
小雨にもかかわらず、手作りのプラカードを掲げて「再稼働反対」の声を上げる参加者の熱気に驚いた。

隣にいた古参の議員秘書も「これほどの人が官邸を取り囲むのは安保闘争以来だ」と驚いていた。

ただ、私が最も印象に残ったのは「再稼働反対」の声ではない。

「腐った新聞」「新聞はうそつき」などと記したマスコミ批判のプラカードだった。

この春、ツイッターを始めた私の元にも、報道のあり方を問う批判の声が容赦なく寄せられている。
「原発の危険性をなぜ見抜けなかったのか」「規制当局と癒着しているのではないのか」という類いのものだ。

東日本大震災前に東電を担当した当時の私は原発を推進すべきだと考えていた。
人口減少が続く日本が成長するためには原子力大国となって世界をリードしなければならないとも考えていた。

報道の使命が取材対象をチェックし、そこに潜む問題点を検証することにあると考えると、東電の原発の安全性に疑問を抱かなかった時点で、こうした批判は私は的を射ていると思うし、反省しなければならない。

 
ソーシャルメディアの魅力は考え方や価値観の違う世界とつながることだと感じている。
限られた価値観の中で形成された原発安全神話に依拠した昔の自分を振り切るためにも、ツイッターで広がるデモにはこれからも足を運び続けたい。【東京経済部】

posted by 小だぬき at 06:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月29日

新聞世論調査より「Yahoo!みんなの政治」が実態反映との意見も

新聞世論調査より「Yahoo!みんなの政治」が実態反映との意見も
2012年7月29日(日)7時0分配信 NEWSポストセブン

「小沢新党、期待せず79%」「消費増税法案可決を評価する45%」――と大々的に報じられる世論調査の結果に違和感を覚える人が多い。

世論調査の数字は、本当に“民意”なのか、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏と長谷川幸洋氏が「世論調査ジャーナリズム」を論じる。


鳥越:国民とメディアと政治の関係について考えるとき、いつも私は太平洋戦争について思い起こします。
日本の国民は最初から「戦争をしたい」と思っていたわけではないのに、メディアに戦意を煽られて大多数の国民が支持して戦争へと突入した。


 そのときのメディアは、世界情勢や戦況の真実を国民に伝えていないわけです。
それどころか国民の心情を「鬼畜米英」へ誘導するように煽っていた。
当時、世論調査はなかったと思うが、大半の国民は当然、「戦争やむなし」の方向に行った。


長谷川:太平洋戦争の例ですが、それとまったく同じことが、消費増税に関する世論調査についてもいえます。
本来、社会保障の財源が足りないとすれば、それは保険料の値上げによって補うべきなのか、それとも増税によって補うべきなのか。

 仮に増税だとすれば、消費税が相応しいのか、それとも所得税なのか、法人税なのか。
一方、歳出面ではどこに、どれだけの無駄があるのか――こうした全体的なピクチャーを国民に示して議論すべきなのに、ほとんどそれをしないまま、財務省が最初から「消費税ありき」を押し付けてきた。

 そして自民党、民主党といった政治側ばかりか、メディアもその理屈に乗り、それに沿った報道と社説を繰り返してきた。
与えられる情報に偏りがあって、あらかじめ選択肢が狭められている。
消費増税だけを決め打ちして世論調査で「消費税イエスかノーか」を問う形で行なってきたわけです。


鳥越:どうしたって、「増税やむなし」の結果が出るに決まっている。だから客観的な結果は期待できない。

 消費増税法案に賛成か反対を問う調査では、社によって極端な差がでた。
6月の衆議審議の頃、同じ時期に行なった調査では朝日も読売も「今国会で増税法案を成立させるべきか」と質問したところ、「させるべき」が朝日では17%にすぎなかったのに、読売では64%もの高率だった。
この結果を見れば、世論調査によって民意を図ることがいかに虚しいかがわかります。


長谷川:新聞・テレビの調査結果とネットのそれでも大きく異なることが多い。
特に小沢氏に対する支持率がそうで、ネットでは非常に高い。
「Yahoo!みんなの政治」などのほうが、調査主体に変な色がついていないだけに、世論の実態を反映しているのかもしれない。

 ただし、ネットも完全には信用できない。
ネット番組でTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について賛否を投票してもらうと8割ぐらいが反対でした。
外資やグローバリズムを嫌う層が多いんだと思います。
 
鳥越:今は、中立、公正、客観的に民意を映し出す世論調査の仕組みがなくなっている。


長谷川:まずはメディアがしっかりすべきだと思いますが、まだ十分ではない。
他に内閣府も世論調査を行なっていますが、国会の原発事故調委員長の黒川清氏の言葉を借りれば、政府に対する信頼度がメルトダウンしているから、国民から信用されない。
そこで今、国会事故調の厳正さを見ると、私が期待しているのは国会です。
衆議院や参議院の調査局が世論調査を行なってもいい。


鳥越:それでも最後はメディアに期待したいですね。


※週刊ポスト2012年8月3日号

posted by 小だぬき at 10:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月30日

脱原発デモ:国会議事堂を包囲

脱原発デモ:国会議事堂を包囲

毎日新聞 2012年07月29日 20時54分
              (最終更新 07月29日 21時59分)

脱原発」を訴える大規模なデモ行進が29日、東京都千代田区の日比谷公園を発着点に行われた。
警察の調べでは1万数千人が参加。
「再稼働反対」「原発やめろ」と声を上げる人々は行進後、永田町に移動し、国会議事堂を取り囲んだ。
車道に人がなだれ込み機動隊が制止するなど、騒然とする一幕もあった。


 毎週金曜日の夜に首相官邸前での抗議行動を呼びかけている有志の市民ネットワーク「首都圏反原発連合」が主催。

今年3月11日に行った「3・11東京大行進」に続くデモで、集まった人々は午後4時ごろから、公園近くのオフィス街など約1.6キロを練り歩いた。

午後7時には国会議事堂の周囲約1.3キロを包囲。「再稼働反対」「原発やめろ」と口々に叫んだ。


 浴衣姿で参加した横浜市戸塚区の立松幸子さん(60)は「次の世代のためにという気持ちで来ましたが、若い人たちが多いのでうれしいです」。

学生仲間と参加した早稲田大4年の谷口典英さん(25)は自分たちが未来を作らないといけない
(東京電力福島第1原発の事故で)今でも何万といる避難者の生活を無視して、原発を再稼働するのはおかしい」と話した。

国会議事堂正門前で開かれた集会には超党派の国会議員も参加。
騒ぎで参加者とみられる男2人が公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。
     【町田結子、大沢瑞季】

posted by 小だぬき at 05:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月31日

社説:日本の政治 いつまで内向きなのか

社説:日本の政治 いつまで内向きなのか
毎日新聞 2012年07月31日 02時30分

秋田犬とシベリア猫のプレゼント交換のほかは残念ながら目に見える成果はなかった、と言っては言い過ぎだろうか。

黒海沿岸の保養地ソチを先週末訪れた玄葉光一郎外相はロシアのラブロフ外相、プーチン大統領とそれぞれ会談した。
外相会談では北方領土交渉の継続を申し合わせたが、浮き彫りになったのは双方の立場の深い溝だった。


 その象徴が「法と正義」という言葉を巡る解釈である。


 これは93年に日露首脳が署名し、領土交渉の基盤となっている東京宣言に盛り込まれたキーワードだ。
日本側は「両国間で合意のうえ作成された諸文書」などを踏まえ「法と正義」を根拠に北方四島の返還を求めているが、ラブロフ外相は「第二次大戦の結果が国連憲章の中で定められている。
ロシア国民にとってそれこそが法と正義の原則の表れだ」という理屈で反論した。


 また、メドベージェフ首相が今月初めに国後島を訪問したことに遺憾の意を伝えた玄葉外相に対して、ラブロフ外相は要人の北方四島訪問を続ける考えを示すなど、主張はまったくの平行線だった。


 ロシアの言い分は、戦争の結果としての領土の最終処理は平和条約で行うものだ、とする日本側の立場と相いれない。

要人の北方領土訪問を続けて日本側を挑発するような姿勢も、今回の外相会談で確認した「相互信頼と静かな環境」の下での交渉という合意に矛盾する。

言葉と行動に大きな隔たりがあるのが、日露関係の現実なのである。

ロシア側の強硬姿勢をなじるのは簡単だ。
だが、日本の近年の政治混迷が、ロシアに付け入られるスキを見せてきたことも事実だろう。
首相が毎年のように代わり、一貫した外交方針を持てない政権を相手に、先方が真剣な外交交渉に応じると考えるのは甘すぎないか。


 要は、政争に明け暮れているうちに国家の統一した意思と戦略が見えなくなっているのだ。


 今に始まったことではないとはいえ、重要な国際会議を日本の首脳が欠席したり、日程を短縮したりするケースが目立つ。

最近も、20年夏季五輪の東京招致を閣議了解していながら、アピールの機会だった野田佳彦首相のロンドン五輪開会式出席は、国会最優先を理由にあっさり見送られた。
これは一つのエピソードにすぎないが、政権全体、政党、国会のすべてに、世界とかかわろうという意識が希薄な証左でもある。


 日露関係だけではない。

揺れる日米関係や困難さを増す日中、日韓関係も、絶え間ない内向きの権力闘争からは、前向きに切り開く力も知恵も生まれてはこない。

posted by 小だぬき at 08:15 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月02日

民主党政権で“国民の生活が台無し”?

【編集局から】民主党政権で“国民の生活が台無し”?
2012.08.01  zakzak

 ロンドン五輪で日本選手が素晴しい活躍をして、列島は大盛り上がりです。

そんななか、民主党は先月30日まで、小沢一郎氏に奪われた「国民の生活が第一」に代わる新しいキャッチコピーを公募していましたが、低調のようです。

 若手議員は「政権交代後の誇れる実績がないから難しい。
自分の案が採用されないのもイヤだ」という理由で、提出しなかったそうです。

 片や、次々と案が飛び交っているのがインターネット上。

旧コピーをもじった「国民の生活が台無し」や「国民の生活が2番じゃダメなんでしょうか?」、“公約違反”を意識した「トラストミー・アゲイン」、「もう一度だけ騙したい」、「一日一嘘」など、民主党への痛烈な揶揄(やゆ)が大多数ですが…。

 マキャベリは「君主論」に、「君主は政権を維持するために憎悪と軽蔑を招かないようにしなければならない」との趣旨を記しました。

コピー案からは、少なからず「軽蔑」が感じられるだけに、次期衆院選で民主党は苦戦しそうです。(S)

posted by 小だぬき at 09:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月03日

“金メダリスト”岩崎恭子との思い出…実家に入り浸り

“金メダリスト”岩崎恭子との思い出…実家に入り浸り
2012.08.02
武藤まき子 
中国放送(広島)アナウンサーを経て、フジテレビ「おはよう!ナイスディ」のリポーターに。フジテレビ専属リポーターとして『情報プレゼンター とくダネ!』に出演中。芸能、歌舞伎、皇室を主に担当する。著書にリポーター人生を綴ったエッセイ『つたえびと』(扶桑社刊)

いやぁ、汗が止まらない。
猛暑お見舞い申し上げます。
8時間の時差があるロンドンからは連日の熱戦。
私にとって忘れられない場所である。

 1997年8月31日。
あのダイアナ皇太子妃の事故死を日本の情報番組の中でいち早くお伝えした。
バッキンガム宮殿前の特設コーナーからの生中継では、現地スタッフに身ぶり手ぶり。
かの地の朝晩は夏でもひんやりしていた。

 とても悲しい出来事だった。
もう遠い過去とはいえ、ロンドン五輪の開会式でテレビに映ったチャールズ皇太子とカミラ夫人を見ると、複雑な気持ちになった。

 フィナーレで70歳になるポール・マッカートニーが登場すると、ホッとした。
青春時代のビートルズは、私達の洋楽のバイブルみたいなものだった。
アルバム「アビイ・ロード」に収録された「ジ・エンド」から、「ヘイ・ジュード」に至る場面。
朝からリビングで立ち上がって、歌ってしまう私だった。
ああ、炊き出しのお手伝いでも、小倉智昭キャスターのカバン持ちでもいいから、ロンドンに行きたかった!

 オリンピックといえば、日本のスタジオからの“後方支援”で選手の家族や周辺取材もずいぶんやった。

 印象深いのは水泳女子の岩崎恭子ちゃん。
92年、バルセロナオリンピックの競泳女子200m平泳ぎで金メダルをつかんだ。
史上最年少の14歳での獲得に、「今まで生きてた中で、一番幸せです」と名台詞を残した。

 当事、私は静岡県沼津市のご自宅に入り浸りで、おいしい夕飯までごちそうになった。
お元気だったおばあちゃんと仲良くなり、漬物や梅干しをお土産にいただいた。
ご両親からどこよりも早いコメントも。
その分、スポーツ担当記者には相当、にらまれたが…。

 2年ほど前、ホテルのティールームでお茶していると、ガラス越しに美しい女性が現れ、「おまきさーん!」と声がかかった。
あの恭子ちゃんが…。昨年には女の子を出産して、今や1児のママだという。

 オリンピックには、選手とともに歩んだ家族、コーチ、友人らの涙ぐましい努力と感動の物語がある。
だから、昼と夜が逆転しても、見届けたくなる。
posted by 小だぬき at 06:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月04日

主催側 警視庁 食い違うデモ人数なぜ

主催側 警視庁 食い違うデモ人数なぜ
2012年8月4日 東京新聞朝刊

 国会や首相官邸周辺で毎週金曜、原発再稼働への抗議行動が繰り広げられている。
その参加人数が、主催者と警視庁の間で大きく違っている。
なぜ、こんなにかけ離れるのか。そもそも、人数をどうやって数えているのだろう。


 Q どれほどの人が詰め掛けているのか。


 A 七月最終週の抗議行動は、日曜日だった二十九日夜に、集会とデモに続く「国会大包囲」として行われた。
主催者は推定二十万人と発表し、警視庁の幹部は報道機関の取材に一万二千五百人と説明した。主催者発表の十六分の一の規模になる。


 Q どうやって数えているの?


 A 主催者側は六月二十九日の抗議行動の際、午後六時半にスタッフがカウンターで数え、五千〜五千五百人と判明。
その後に人波の長さが伸びた分を掛けて、約二十万人という数字を出した。
最近では数え切れないほどの人が詰め掛けているので、スタッフが区域を決めて、六月二十九日の数字を基に目測で「前より多い」などと情報を集め、人数を推定している。


 Q 警視庁は?


 A 警備の体制を組む上で必要な情報として、およその人数を数えている。
デモでは固まりごとの人数から、集会では会場の面積と人の密集度から、それぞれ算出している。
過去の集会で使われた場所が会場なら「ここがいっぱいになれば何万人」といった経験値も参考にしている。


 Q なぜ警視庁は、人数を発表しないの?


 A 主催者側が発表した人数と差が大きく、警視庁が意図していない論争や混乱を招くし、公表するために集計しているわけでもない、としている。
そのため本紙は、抗議行動の後に警視庁の幹部に取材して「警視庁関係者によると」として、警視庁が数えた概数を記事にしている。


 Q ほかのデモや集会でも、主催者側と警視庁の数字はかけ離れているの?


 A 例えば、七月十六日に東京・代々木公園で開かれた「さようなら原発10万人集会」で、主催者は十七万人と発表し、警視庁幹部は七万五千人とした。
主催者側は開会式直前の時点で、会場を十区画に分けて概数を目測。積算すると十一万人だったので、その後に増えた分を推定して十七万人と発表した。
一方の警視庁幹部は、公園出入り口で、カウンターを使って手作業で数えたと話した。


 Q 国会前のデモと言えば「六〇年安保闘争」。当時も、主催者と警察で人数が違っていた?


 A 当時の東京新聞によると、新安保条約が自然承認される前日の一九六〇年六月十八日夜、国会前の抗議デモに参加した人数は、主催者調べで三十三万人、警視庁調べでは十三万人。当時から人数に違いがあった。

posted by 小だぬき at 08:20 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月05日

脱原発 民意明確に 67%「ゼロ」選択

脱原発 民意明確に 67%「ゼロ」選択
 2012年8月5日 07時09分 東京新聞

将来の原発比率をどうするか、政府が国民から意見を聴く会が四日、高松市と福岡市で開かれ、すべての日程が終わった。
全国十一会場で参加者が突きつけた声は、70%近くまでが原発ゼロだった。

細野豪志原発事故担当相が「最も重要な聴取会」と述べた福島市の会場では「すべての原発の即廃炉」が圧倒的だった。

東京電力福島第一原発の事故を受けて明確に示された「脱原発依存」の民意。
政府はその声をしっかり受け止め、政策に反映させていくことが求められる。

 聴取会は七月十四日にさいたま市でスタートし、仙台、名古屋、富山など十一都市で開かれた。
運営をめぐっては、原発比率の選択肢が0%、15%、20〜25%の三つしかない点や、政府が15%を落としどころにしたがっている意図が見え隠れする点をはじめ、さまざまな問題点が浮かび上がった。
  0%の選択肢について発言を希望した人の割合は67・9%に達した。

三つの選択肢以外の発言を求めた人も、会場での声を聴くと「二〇三〇年に0%では遅すぎる」など、もっと切実な0%論を展開する人が多かった。

 15%を選んだ人の中には、本当は0%を選択したいが「当面は代替エネルギーの確保が難しいだろうから」とする消極的な15%論が多かった。

 選択肢ごとの発言枠を設けなかった福島市の聴取会では、発言した三十人のほぼすべてが0%を主張し、そのほとんどが即廃炉を求める内容だった。

 政府は聴取会のほか、インターネットやファクスなどで意見を募るパブリックコメントを、今月十二日まで実施中。

集計はまだされていないが、事務局によると、既に三万件超が寄せられ「0%が多い」という。  
問題なのは、こうして示された民意を、政府が今後のエネルギー政策にどう反映させるかだ。
政府は今月中にも新たな方針を打ち出す予定だが、「九月の民主党代表選で争点にしたくないだけ」と見透かす発言も、聴取会では多かった。
使用済み核燃料や放射性廃棄物の最終処分が白紙状態であることを懸念する声も目立った。
  「国民的議論」をすると言いながら、政党の都合で民意を無視し、十分な検討もせず、重要なエネルギー施策を決めるとしたら、国民の強い批判を招くことになるだろう。 (東京新聞)
posted by 小だぬき at 07:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月06日

見えない放射能の脅威

筆洗
2012.8.6   東京新聞

 <とにかく戦争はこの間すんだんだね。
そのくせ俺たちは戦争のために死んで行くんだぜ。
戦争がすんでもまだ戦争のために現にこうやって死んで行くんだね。
そいつが不思議なんだ>。
原爆症で死期を悟った男性が、医師に語りかけている

▼原民喜とともに、最も早い時期に自らの被爆体験を小説にした作家大田洋子の『屍(しかばね)の街』の中で最も印象に残る場面だ。
戦争は終わったのになぜ死ぬのか。素朴な疑問に胸を打たれる

▼被爆後、元気だった人も、斑点が肌に現れると死期が近い。見えない放射能の脅威は、福島第一原発の事故を経験した私たちが直面している問題そのものだ

▼戦前、私小説などを書く流行作家だった大田は被爆を機に作風が一変した。
故郷の惨状を徹底して書き、原爆しか書けない作家という烙印(らくいん)を押された

▼代表作になった『屍の街』は一九四八年十一月に出版されたが、占領軍の検閲を考慮し一部を削除。完全版の刊行まで被爆から五年近くかかった。
書く責任を果たして死にたいと、生死をさまよいながら障子紙やちり紙に書きなぐった。
構成など考える余裕はなく、「きわめて部分的な体験しか書いていない」と後悔もした

▼小さな物語かもしれないが、体験者でなければ絶対に書けない真実が宿っている。
女性作家の使命感は確かに作品を歴史に刻んだ。
きょうは六十七回目の広島原爆忌。


posted by 小だぬき at 08:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月07日

不信任案可決はあるのか 消費増税は潰れるのか

不信任案可決はあるのか 消費増税は潰れるのか
2012年8月4日 日刊ゲンダイ掲載

野党7党が共同提出

<ここで谷垣が裏切ったら野田への批判は自民党へ向かう> 

野党7党が7日にも共同で内閣不信任案を出すことで合意した。
各党の思惑はともかく、消費増税法案成立前の提出は、一種の「政局」だが、果たしてこの動きは広がるのかどうか。

 焦点は3つだ。まず自民、公明はどうするのか。

「自民党は、問責だ、不信任案提出だと騒いできたが、もちろん、ブラフ。増税法案採決をお盆前にさせ、早期解散を約束させるのが狙いです。

そうやって野田政権を揺さぶって、来週中に消費増税を確定させ、お盆明けからは、ゆっくり解散政局をつくろうと考えていた。

ただ、他の野党7党が不信任案提出を決めてしまったため、状況は変わった。

不信任案に反対したら野田を『信任』したことになってしまうから、それはできない。
党内では小泉進次郎など若手が3党合意を破棄しろと騒ぎ、それも無視できない。
週明けくらいに野田首相がお盆前の採決と早期解散を約束しないと、自民党も不信任案提出に乗らざるを得ません」(政治ジャーナリスト)

 その場合、自民党は違う理由で不信任案を提出。それに野党7党が合流することになる。
残る公明党はヌエだから、自民党が腹を決めれば、ついていく。

 第2の焦点は、民主党内の造反だ。仮に全野党が足並みそろえて不信任案に賛成しても、可決には15人足りない。そこで鳩山元首相など衆院の消費増税反対組の動きが問題になるのだが、民主党関係者はこう言った。

「消費増税法案の衆院通過に反対しておいて、今度は野田首相を信任するのは難しい。それに総選挙に向けて、彼らは無所属で戦った方が有利と計算しているから、可決できるなら不信任案に乗る可能性が出てきます」
 ギリギリ、これもクリアしそうだ。

 野田が不信任される光景が迫ってきたのだが、そうなると、消費増税は潰れるのか。これが3番目の焦点だ。

「来週にも不信任案が可決されたら、衆院解散か内閣総辞職なので、もちろん増税法案は廃案。パーです。それだけに、財務省や大マスコミがそんな状況を許すのか不透明。

自公に圧力をかけることは十二分にあります。

ただ、いったん廃案になっても自公が政権復帰すれば、増税法案は実現できるし、自公もそのつもりでいる。
総選挙をクリアしたというメリットも生まれる。
財務省や大マスコミにとって、不信任案可決は目をつむることができる選択肢なのです」(前出のジャーナリスト)

 不信任案可決も、消費増税の廃案も十分に見えてきた。

要は、二枚舌のズルいだけの自民党がこの正念場で勝負に出られるかどうかだけだ。

ここまで機が熟しながら、谷垣が来週、野田と手打ちして3党合意維持なんてなったら、永久に「裏切り政党」と呼ばれ、増税に反対する6割の批判は自民党に集中する。それだけは覚悟すべきだ。
posted by 小だぬき at 10:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月08日

消費税増税法案 国民に信を問う潮時だ

消費税増税法案 国民に信を問う潮時だ
2012.8.8    東京新聞社説

内閣不信任決議案と首相問責決議案が提出された。民主党マニフェストに違反する消費税増税の強行は許されない。野田佳彦首相にとって衆院を解散して国民に信を問う潮時ではないのか。


 不信任決議案と問責決議案を提出したのは自民、公明両党以外の野党各党だ。提案理由を「消費税増税は民主党の公約違反で、国民の声に背く野田内閣は信任に値しない」とする。


 不信任決議案はいまのところ否決される公算が大きいが、問責決議は可決される可能性がある。決議には法的拘束力はないものの、可決されればすべての国会審議が止まる。首相は重く受け止めるべきだ。


 消費税を増税する社会保障と税の「一体」改革法案は、二〇〇九年衆院選の民主党マニフェストに反する。盛り込まれておらず、消費税増税はしないと公約して政権に就いたのではなかったか。


 消費税増税に転換するのなら、衆院を解散して国民にその是非を問うのが筋だ。公約違反と理解しながら強行するのは、国民に対するだまし討ちと言ってもよい。



 自民党は首相が衆院解散を確約しなければ、ほかの野党とは別に不信任決議案と問責決議案を独自に提出するという。野田内閣の支持率が低迷するうちに衆院選に持ち込んだ方が党勢拡大が見込めると踏んだのだろう。


 しかし、消費税増税という民主党のマニフェスト違反に加担しながら、解散の確約がなければ「一体」改革法案の成立に協力しないというのは理解しがたい。



 社会保障改革を先送りし、政府や国会の無駄にも切り込まず、消費税だけが増税される、名ばかりの「一体」改革法案は本来、成立させるべきではない。


 とはいえ、国民の生活に大きな影響を与える消費税増税を衆院解散の取引材料にしてもよいのか。自民党の対応は、党利党略との批判を免れないのではないか。


 国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会の仕事は、法律をつくり、国民の生活のために政策を実現することだ。


 しかし、歳入の四割を占める赤字国債発行のための特例公債法案や、衆院「一票の格差」是正など緊急を要する案件も手付かずだ。そんな状況で、与野党は責任を果たしたと胸を張れるのだろうか。


 消費税増税前にやるべき改革、処理すべき案件は数多くある。
それをやろうとしない首相にはもはや政権を委ねることはできない。

posted by 小だぬき at 12:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

1945年8月9日、午前11時2分 長崎原爆投下



明日、長崎原爆慰霊の日
    
広島・長崎の被爆国日本。
福島で被爆加害国になった日本・東電。

いまだ、事故原因も終息方法もわからない原子力発電所。

大飯原発再稼働などの国民生命無視の決定。

消費増税だけでなく 3.11の被災復興と再建資金・賠償金支給の遅れ。原発廃炉に向けて、次の総選挙の入場券でこそ 民主党・自民党・公明党にNo!!を 表明したい。
posted by 小だぬき at 17:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月09日

どうにもとまらない永田町の不快指数

天声人語
2012.8.9    朝日新聞

立秋すぎて暑いのはいつものことだから我慢しよう。
五輪や甲子園が熱いのも当たり前。
どうにもならないのが永田町の不快指数である。消費増税案の採決をめぐる駆け引きが、またぞろ政争に転じた

▼総選挙を待ちきれない自民党は、野田首相に早期解散の確約を迫る。
さもないと増税の合意はご破算だと。
党首会談の結果、増税法案の成立と「近いうち」の解散で合意したが、その時期はどうにでも解釈できる。
選挙が怖い民主党内では「野田おろし」の気配もあるらしい

▼消費増税は世論を二分する苦い政策だ。
だが、これほどの財政赤字を放置すれば国家の信用が揺らぐ。
決められない政治に、市場は「日本売り」の準備を始めよう。
金利は上がり、住宅ローンや景気に響きかねない

▼そもそも、借金を子や孫に回す生き方を省みる時である。
自省の末とみえた3党合意が、ひと皮むけば政局とは呆(あき)れる。

一に当選、二に入閣、三四がなくて五にゴルフ、そんな「旧型」議員が多すぎないか

▼来(きた)るべき政界再編では、複数の「政策党」と一つの「政局党」に分かれてほしいものだ。政争が好きな政局党はそのうち消えてなくなる。
政界に未練のある議員は、縁のある政策党に選挙対策の「軍師」として雇われたらいい

▼〈政治家の顔みたくなき暑さかな〉三上触男(ふれお)。
さすがに脂ぎった面相は減ったけれど、していることが古臭い、そして大人げない。政権交代の予感に満ちた3年前の熱はどこへやら、ひたすら暑苦しい夏である。

posted by 小だぬき at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月11日

消費増税法案参院可決:「何を信じていいか」有権者、迷走政局に怒り

消費増税法案参院可決:「何を信じていいか」有権者、迷走政局に怒り
2012年8月11日(土)0時25分配信 神奈川新聞

「党利党略ばかり」「何を信じたらいいか分からない」―。

消費税増税関連法が成立した10日、県内有権者からは批判の声が相次いだ。
増税そのものだけではなく、「3党合意」や「解散時期の明示」をめぐり迷走した政局に、「本当に国民のことを考えているのか」と怒りをあらわにした。


「弱者は死ね、と言わんばかりだ」。県央地区で生活保護を受けている男性(68)は憤りを隠さない。
増税となれば支出が増え、今まで以上に切り詰めた生活を強いられるのに、議員定数などは削減されないまま。
「一刻も早く解散を」と訴える一方、「今の政治に納得できない。次は投票に行かないかも」と悩む。


横浜市金沢区のレジャー施設に子どもと訪れていた同市南区のパート女性(39)は、3年前の総選挙で民主党の候補に投票した。
「消費税は上げない」というマニフェストを信じたからだ。
野田佳彦首相は関連法成立後の会見で陳謝したが、「これから何を信じたらいいのか」とため息をつく。


関心のない有権者も。横浜・みなとみらい21地区に遊びに来ていた東京都内の私立大学3年の男子学生(20)は、政治ニュースより、開催中のロンドン五輪中継を見る方が楽しいという。
「政治のことは、大学を卒業してから考える」と素っ気なく話した。


にぎやかな五輪報道の陰で展開された政局に、「国民を無視している」と不快感をあらわにするのは、三浦市の自営業の女性(41)。
景気回復の実感はないとして、「高齢者向けの社会保障だけでなく、景気対策など現役世代への政策も必要」と強調した。

横浜市都筑区の男性会社員(41)は「ただの足の引っ張り合い」と今回の迷走を切り捨てた。 

posted by 小だぬき at 06:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月12日

ネット右翼への疑問 鈴木邦夫氏

鈴木邦夫 ネット右翼の「朝鮮人は帰れ」攻撃が国守るか疑問
2012.08.11 07:00  NEWSポストセブン

ネット上で発生し、一部は街頭に出て活動する「ウヨク」(ネット右翼=ネトウヨ)たちを、“本家”の「右翼」はどう見ているのか。
民族派団体、一水会顧問の鈴木邦男氏は、「かつての私を見ているようだ」とした上で、「しかし彼らには、考えの異なる敵とぶつかり、正面から討論することにもっと挑んでほしい」と苦言を呈す。
以下、鈴木氏の主張である。

 * * *
 ネット右翼がネット上で、相手を匿名で攻撃するのは卑怯であり、それは主張でも何でもない。

しかし、「主権回復を目指す会」の西村修平氏や「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠氏らが登場した時は、顔や名前を出して堂々と活動しているという意味で、評価できた。
また、当初は彼らの運動方針ややり方を、いくつかの点で“うまい”とも思った。


 例えば、自らを「右翼」ではなく、「市民運動」だと言う。
その上で、ネットを利用して賛同者を募り、一般の人が入りやすい状況を作っている。また、街宣活動をする際は事前に警察と打ち合わせをして、捕まらないような対策を取っていると聞いている。
それまで運動に関わったことのない人でも入っていけるような間口の広さから、“右翼版べ平連”のようにも感じた。


 ただ、彼らの行なう街宣やデモを目にすると、首を捻りたくなることが多い。


 例えば、映画「靖国 YASUKUNI」(2008年)上映への抗議活動では、右翼の中でも「彼らはよくやっている」と評価する声が聞かれた。

しかし、不法滞在を理由に強制送還を迫られていたフィリピン人一家に対し、当時中学生だった娘の通う中学校の前で「日本から叩き出せ!」と叫ぶデモ(2009年)や、「ザ・コーヴ」上映映画館の支配人宅まで押しかけて玄関前で街宣を行ない(2010年)、その様子を動画で公開したことなどを見るにつけ、「これは運動ではなく弱い者いじめだ」と、右翼の多くは否定的になった。


 彼らが街宣やデモで叫ぶ「朝鮮人は国に帰れ」という嫌がらせや汚い罵りは聞くに堪えない。
他ならぬ私も、彼らの街宣現場で話し合いを申し入れたら、「朝鮮人! 帰れ!」と攻撃された。
人の心に潜む差別意識や排外意識を露骨に出して罵倒する姿を見せられると、これが本当に「国を守る」ことなのだろうか、と疑問に思う。


 映画監督で作家の森達也氏は「主語が複数になると、述語が暴走する」と言った。まさに至言だと思う。

例えば
一人の人間が「私はこう思う」と言うなら、発言には責任が伴い、間違った時にはそれを認めて反省することができる。しかし、「私」が「我々」になり、数の力でものを言い始めると、誤りを認めることは容易でなくなり、「我々」は暴走する危険性を持

 私自身もそうだった。学生時代に運動をやっていた当時は、自分と同じ考えを持つ人が10人から100人、1000人から1万人に増えていけば世の中が良くなると単純に信じていた。
それこそ、「反対する者は日本から追い出せ」と言わんばかりの勢いだった。私もかつて、彼らと同じような物言いをしたことは否定できない。


 しかし、私はテレビや雑誌に出て発言し、討論する場を与えられたことで、責任を持った冷静な発言を心がけるようになった。
そうでなければ、「暴走する右翼」で終わっていたかもしれない。


「直接行動で思想を表わすのが右翼だ。お前らは言論メディアに囲い込まれたからダメになったのだ」と批判する右翼もいるが、私は言論で戦うべきだと思う。


 しかし、彼らは街宣を離れた討論の場には出て来ない。
2年ほど前、「ザ・コーヴ」の上映をめぐり、「ニコニコ動画」の生放送で西村氏らと対談する企画が持ち上がったが、直前になってキャンセルされた。
「ニコ生」は私にとっても“アウェー”だが、西村氏らはよほど「敵の土俵」には上がりたくないらしい。

 結局、彼らは集団で街宣し、言いたいことを言うスタイルを崩さない。自分たちが必ず勝てる“ホーム”でしか戦わないのだ。
※SAPIO2012年8月22・29日号
posted by 小だぬき at 11:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

御巣鷹山JAL墜落から27年

若い人には 記憶にもないのでしょうが、日本航空ジャンボ機が群馬県御巣鷹山に墜落して27年の歳月が立ちます。
その前の年から 航空機事故が続き「旅客機」に対する安全神話が崩れそうになった時の出来事、

航空自衛隊のF86戦闘機の戦闘訓練に全日空機を使い、空中衝突全員死亡事件。
・羽田沖で「逆噴射」と機長が叫び、墜落した事故。
・大韓航空機、ソ連戦闘機による撃墜事件

日本だけでなく諸外国でも「旅客機」事故が頻発している中で 日本航空大阪行き123便墜落事故がおきました。

この事故については 未だに米軍撃墜説が消えないほど不可解な事故として鮮明に記憶に残っています。<小だぬきが大阪の研究会のため 3日前に日本航空ジャンボ機に乗り、事故当日の朝 夜行「銀河」で帰宅した夕方に起こった事故だったのです>

18時出発?の123便が 羽田離陸後 30分ほどでダッチロール(制御不能飛行)に入り 突然レーダーから消え 墜落が確実になっても 墜落した場所が特定できず 埼玉県・群馬県県警も確認出来ないとき、最初に発見・救援部隊出動の打診をしたのが米軍だったことから 「米軍関与」説が消えないでいます。

夜、群馬県御巣鷹山と確認されても 登山道もなく救難部隊の現場到着が大幅に遅れたこと。
警察・消防・自衛隊が出動し 凄惨な遺体や肉片を丁寧に集めた主力が自衛隊普通科部隊であったのにも関わらず、報道は警察発表のみ。
幸にも 3名の生存者が発見され、習志野の空挺団所属ヘリコプターで空挺団隊員に救助される場面を見て、自衛隊の姿がやっと見える状態でした(当時の反自衛隊報道主流のマスコミによって)

そのときの検証報道が後になり報道され、自衛隊の持つ災害対処能力が やっと認知されることになります。

歌手の坂本九さんや墜落する中で必死に家族への遺書を書いたサラリーマンの方の姿が 報道されて悲しみを深くしたものです。

520名の犠牲者を出した記録は、8・12連絡会(被災者家族の会)から 「おすたかれくいえむ」と題して毎日新聞社から出版され、多くの人の記憶に刻まれたものです。

小説家の横山秀夫さんが「クライマーズ・ハイ」の題で小説にし、映画テレビでもご覧になった方が多いと思います。

事故調査委員会はジャンボ機の隔壁破損が原因と結論を出しましたが、パイロットの交信記録や突然の制御不能、初動の米軍の早さなどから いまだ「謎」として残っている事故です。

犠牲者・遺族には 申し訳なかったのですが、27年前の私の搭乗機でも起こりえたのかとゾーッとして しばらく搭乗機体を調べ ジャンボを外した記憶が 鮮明によみがえる 8/12 です

posted by 小だぬき at 14:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月14日

ネット右翼へ 鈴木邦夫氏

ネット右翼 頭の中で仮想敵を作り「反日」と名指しして罵る
2012.08.13 16:01  NEWSポストセブン

 ネット上で発生し、一部は街頭に出て活動する「ウヨク」(ネット右翼=ネトウヨ)たちを、“本家”の「右翼」はどう見ているのか。
民族派団体、一水会顧問の鈴木邦男氏は、かつての自分の姿を重ね合わせた上で、彼らは言論の場に出て戦うべきだと提言する。
以下、鈴木氏の主張である。

 * * *
 ネット上だけで活動しているネトウヨはもちろん、「主権回復を目指す会」(目指す会)や「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の一人ひとりは、寄る辺のない人間だと思う。
だからこそ、「強くなりたい」と願うのだ。

しかし、集団で「我々は日本を背負っている」と言った途端に、人間から巨大ロボットに変身したような気がしてしまう。
それに加え、「北朝鮮に攻め込め」「韓国、中国を許すな」などと発言すると、その錯覚はさらに強まる。これは怖いことだと思う。


 また、彼らはそうした運動の場に、「日の丸」をたくさん掲げ、自分たちは「日本」だと言う。
しかし、外国人に「出て行け」と言う偏狭さが日本と言えるだろうか。


 日本の歴史は、中国や西欧など、あらゆる文明をほとんど無制限に受け容れながら続いてきた。
そうした咀嚼力、自由さ、鷹揚さは日本的であり、素晴らしい。

だからこそ、「これこそが日本で、それ以外は許さない」という姿勢は“日本的でない”、と私は思う。
彼らには、もっと「日の丸」を大事にして欲しい。


 もう一つ、気になることがある。彼らが運動するきっかけの多くがネットであるせいか、敵と戦うことに免疫がないということだ


 私は、学生運動当時に、対立する左翼学生たちとしょっちゅう激論を交わし、時には殴り合った。それでも、敵にも優秀な人間がいる、いい奴がいるということはお互いに分かっていた。


 しかし、ネット右翼は頭の中で架空の敵を作り、それを「反日」だと名指しして罵る。しかし、本当は、ナマの敵を知らないのではないか。


 私は、言論の場に出ることで“いい敵”と出会う機会を得た。そこでは失敗もしたし、却って馬脚を露わしたこともあったと思う。

ただ、敵とたくさん戦うという経験を経たからこそ、自分を冷静に客観視できるようになったのだ。


 例えば、弁護士の遠藤誠氏(故人)のように、思想は100%違っても、尊敬できる敵は何人もいる。
反対に、思想は同じだが尊敬できない人間もいる。

一体感を原動力に運動している間は気付かないが、やがて時間が経つと、仲間の中にさえ、ろくでもない人がいることを知る時が来る。

今後、彼らには、そうした試練が待っているのだと思う。


「自分たちを批判する相手とは会いたくない」「同じ考えの集まりが心地いい」と感じるのは、ネット右翼だけではなく、ネットで知りたい情報だけを読み、気の合う仲間とだけ集まるような、日本社会そのものでもある。


 そして、在特会や目指す会を支えているのは、名前や顔を出さずに拍手喝采を送る大勢の人間だ。
ネット右翼たちには、考えの異なる敵と討論することに挑んでほしい。たとえ仲間から追い出されたとしても、言いたいことが言えるかどうか。
一人ひとりが強くなるためにはどうしたらいいのか。


 そのためには、集団での単なる弱い者いじめをやめ、ネットという「安全地帯」を飛び出して、国のことを考え、発言する勇気を持ってもらいたい。

※SAPIO2012年8月22・29日号
posted by 小だぬき at 10:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

投票で「夢」を見るなら・・

何か 大阪維新の会に 世論調査では比例投票が多いとのこと。
そんなに 愚かな選択をするともおもえませんが・・・。

私は 橋下氏の唯我独尊の政治手法には 反対ですし、この素人集団が 国会に大量進出をすれば 政党政治の否定につながりかねない危険を感じます。
もう多数派の横暴で 政党政治が終わっているとの見方もできますが・・・。

彼が 大阪市を「日本一住みたい街」にしたのならわかりますが、現状は 組合攻撃と給与カット、異論を許さない狭量な独善ではないだろうか・・・。
公務員には、団結権はあっても争議権はありません。また 大阪市役所職員の「政治活動」を禁止しながら 自らは「維新の会」ですか・・・。

橋下氏のしていることと 市役所職員に要求していることのかい離は どう説明するのだろうか??
「従えないのなら辞めればいい」と簡単にいう弁護士市長。
よもや 
公務員には「雇用保険」がないことを 承知でいってるなら 生活者の敵といっもいい。

私の願いは 増税に反対した会派の過半数です。

民主党 → 国民の生活第一、社民党、新党日本、きづな
自民党 → みんなの党、国民の生活第一、新党改革
公明党 → 国民の生活第一、日本共産党

などに 思いきって「一票をかけてみたい」

参議院の「みどりの風」も 推薦候補を立てて欲しい。

そして、対抗候補者が自公民しかいない場合は、よりマシな候補を。
共産党も自公民当選の利敵行為にならないように候補者の配慮を!!

せっかく 3年前に1票で 政治を変え得ることを学習したはずです。

つぎの総選挙で 反増税派を勝利させ 緩やかな政策による連合政府の伝統の一歩を築いてもいいのではと思います。
得体のしれない「維新の会」より よほど夢のある「部分連合」のような気がします。
posted by 小だぬき at 18:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月15日

戦争と原発に向き合う 未来世代へ責任がある



戦争と原発に向き合う 未来世代へ責任がある
2012.8.15   東京新聞社説

 広島、長崎の原爆忌を経て、六十七回目の終戦記念日です。
東日本大震災と福島第一原発事故後の八月は、戦争と原発に向き合う月になりました。

 毎週金曜夜に恒例となった首相官邸前の反原発デモは、ロンドン五輪の晩も、消費税増税法成立の夜も数万の人を集めて、収束どころか拡大の気配です。
政府の全国十一市でのエネルギー政策意見聴取会でも原発ゼロが七割で「即廃炉」意見も多数でした。

 二〇三〇年の原発比率をどうするのか。原発ゼロの選択は、われわれの価値観と生活スタイルを根元から変えることをも意味します。その勇気と気概、覚悟があるか、試されようとしています。


 二〇三〇年の原発比率をどうするのか。
原発ゼロの選択は、われわれの価値観と生活スタイルを根元から変えることをも意味します。
その勇気と気概、覚悟があるか、試されようとしています。

◆内なる成長信仰

なおそれまで散発的だった各地の反原発抗議行動の火に油を注いだのは、関西電力大飯原発の再稼働を表明した野田佳彦首相の六月八日の記者会見でした。
安全確認がおざなりなうえに、「原発を止めたままでは日本の社会は立ちゆかない」と、再稼働の理由が経済成長と原発推進という従来の国策のまま。
「夏場限定の再稼働では国民の生活は守れない」とまで踏み込んでいました。

 反原発や脱原発の市民が怒る一方で財界、産業界が安堵(あんど)、歓迎したのはもちろんです。
最大手全国新聞の主筆は野田首相の「反ポピュリズム」的決断と評価、「電力・エネルギー不安を引き金とする経済破局は避けられるに違いない」と論評しています。


 原発に関する世論調査では奇妙な傾向に気づきます。新聞やテレビの調査では、原発ゼロを求める声は、街頭に繰り出しているような勢いがなく、日本経済のために原発推進が少なくないことです。
四十年前、水俣病の原因がチッソ水俣工場の廃液だったことが判明したあともチッソ擁護市民が少なくなかったように、フクシマ後も。
われわれの内なる成長信仰は容易には変わらないようです。


◆倫理と規範と人の道

 しかし、経済以上に忘れてはならない大切なものがあります。
倫理や規範、あるいは人の道です。


 作家村上春樹さんは、昨年の六月、スペイン・バルセロナのカタルーニャ国際賞授賞式のスピーチで、福島原発事故をめぐって「原発を許した我々は被害者であると同時に加害者。そのことを厳しく見つめなおさないと同じ失敗を繰り返す」と語りました。


 村上さんの悔恨は、急速な経済発展の途上で、「効率」という安易な基準に流され、大事な道筋を見失ってしまったことでした。

核爆弾を投下された国民として技術と叡智(えいち)を結集、原発に代わるエネルギーを国家レベルで追求、開発する。
それを日本の戦後の歩みの中心命題に据えるべきだった。
そんな骨太の倫理と規範、社会的メッセージが必要だった。
世界に貢献できる機会になったはずだったというのです。
我々は原発に警告を発した人々に貼られたレッテルの「非現実的な夢想家」でなくてはならないのだ、とも。

 日本の原発は老朽化の末期症状から大事故の危険性があり、廃炉の研究も十分には進んでいません。
毎日大量に生み出される低レベル放射性廃棄物で三百年、高レベルだと十万年の厳重な隔離管理が必要です。
人知が及ばない時空、利便や快適な生活のために危険な放射性廃棄物を垂れ流しているとすれば、脱原発こそが、われわれの未来世代に対する倫理であり、人の道だと思えるのです。

千年に一度の大震災と原発事故は、人々を打ちのめしましたが、日本が受け入れてきた西洋文明や思想、科学技術について考える機会ともなりました。
文明の転換期のようです。
成長から脱成長の時代へ。どんな時代、国、社会へと変わっていくのかは不確かですが、この国には信じ、愛するに足る人たちがいます。


 文学者のドナルド・キーンさんは、日本への帰化に際して、作家高見順が戦争中に日記に書いたのと同じ結論に至ったと打ち明けました。

高見順は東京上野駅での空襲の罹災(りさい)民たちが、おとなしく健気(けなげ)、我慢強く、謙虚で沈着なのに感銘して、日記に「こうした人々と共に生き、死にたいと思った」と記したのでした。
それは大震災での東北の人々と同じでした。



◆幸せな生き方さまざま


 在野の思想家の渡辺京二氏が「逝きし世の面影」で紹介したのは、幕末に訪れた外国人の目に映った日本と日本人のすばらしさでした。


 「貧乏人は存在するが、貧困なるものは存在しない」。
貧しいけれど人間の尊厳が守られた幸せな人たち。
当たり前のことながら、幸せは物質の豊かさではない。
かつても、これからも、幸せな生き方はさまざまであることを教えています。

posted by 小だぬき at 11:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月16日

捏造された慰安婦問題拡散と朝日新聞誤報

捏造された慰安婦問題拡散のきっかけの1つが朝日新聞大誤報
2012.08.15 07:00   NEWS-ポストセブン


 慰安婦問題が広く知られるようになって20年以上が過ぎた。
第2次世界大戦時、日本軍が慰安婦を強制連行したとの「説」はその後の調査研究によって、事実ではないと結論が出た

残念なことに、勉強不足から慰安婦問題については韓国側の主張が「正しい」と信じている日本人も少なくない。


 東京基督教大学教授の西岡力氏が慰安婦問題の捏造について語る。
ここでは誰が慰安婦問題のきっかけの1つとなった朝日新聞の大誤報について解説する。

 * * *
 慰安婦性奴隷説は1983年に吉田清治が『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』(三一書房刊)という本を出して誕生する。

吉田は済州島で日本軍人らを引率し、若い未婚女性や赤ん坊を抱いた母親を連行し、レイプしたという「体験」を語ったのだ。


 だが、『済州新聞』は、現地住民はそのようなことはなかった、吉田は嘘をついていると語っていると1989年8月14日同紙に書いている。


 この吉田の証言から8年後、1991年8月11日、朝日新聞が大誤報をして、第1次慰安婦騒ぎが始まる。

「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く」という大見出しを付けた記事は〈日中戦争や第二次大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」が聞き取り作業を始めた〉というリードが付けられていた。


「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され」と書いている点が吉田証言に乗っかった悪意を持つ誤報だった。
なぜなら、名乗りを上げた元慰安婦、金学順さんは「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され」てはいないからだ。
彼女は貧しさのため母親に40円でキーセン(妓生。朝鮮半島の芸妓・娼婦を指す)として売られたと訴状などで明言しているのだ。
今現在まで朝日新聞はこの誤報を訂正していない。


 1992年1月に訪韓した宮沢首相は盧泰愚大統領に8回謝った。
私は同年2月、外務省北東アジア課の幹部に、首相は権力による強制連行を認め謝罪したのか、貧困による人身売買の被害に対して謝罪したのかと質問したところ、これから調べるという驚くべき回答を得た。

以上のような内容を私は同年4月号の月刊『文藝春秋』に書いた。


 私の論稿が出た直後、現代史学者の秦郁彦先生が吉田証言について現地調査を行ない、先に引用した済州新聞の記事などを発見して吉田証言も嘘であることを暴いた。
金学順さん以外の名乗り出た元慰安婦の証言についても、ソウル大学名誉教授の安秉直先生が学術的な調査を行ない、権力による連行は証明できないという結論を出した。

 日本政府は1992年1月以降、過去の公文書を徹底的に調査したが、女子挺身隊制度と慰安婦は全く別物であり、慰安婦を権力によって連行したことを示す文書は1つも出てこなかった。
以上のように、第1次論争で実は事実関係については決着がついていた。

※SAPIO2012年8月22・29日号

posted by 小だぬき at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月17日

時計の針は未来を刻まない

<筆洗>
2012年8月17日 東京新聞

海軍兵学校を卒業し、特攻要員として敗戦を迎えた岩島久夫さん(86)が広島に入ったのは、原爆投下の二日後だった。

焼けた皮膚を垂れ下げた人、息絶える寸前の人たちが水たまりに体を浸し「水をくれ」とうめく地獄絵が広がっていた

▼戦後、米国政治を研究、防衛研究所戦史部長も務めた岩島さんは、米国防総省などの友人にも被爆地の惨状を伝えてきた。

「核アレルギーはどんなに強くても強すぎることはない」。
体験に基づく信念に米国の知己は耳を傾けてくれたという

▼かつて、岩島さんから米国で学んだ「法則」をうかがったことがある。

ある国の「脅威度」は政治的距離に比例する。
政治的距離は、カネや人、モノなど交流の量に反比例するという。

その法則は東アジアで揺らいでいるように見える

▼韓国の李明博大統領は竹島への電撃訪問に続き、天皇の訪韓に関して外交儀礼をわきまえない発言を重ね、日韓のきしみは一層大きくなった。

香港の活動家は、海上保安庁の制止を無視し、日本領土である尖閣諸島の魚釣島に上陸した

▼貿易や観光などの交流の大きさを考えれば、日本と韓国、中国との政治的距離は近く、脅威度は低いはずなのに、時計の針は未来を刻まない

▼政治的な距離が縮まらないのは、六十七年たっても衰えない戦争や植民地支配の苛烈な記憶があるからだ。領土問題の根源である。
posted by 小だぬき at 10:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月18日

香山リカのココロの万華鏡:2年先のことなんて

香山リカのココロの万華鏡:2年先のことなんて 
毎日新聞 2012年08月14日 東京地方版

 消費増税法案が可決された。
いま5%の消費税率は、14年4月には8%、15年10月に10%へと2段階で引き上げられることになる。


 大学で学生たちと話をする中で何度かこの消費税増税という問題を取り上げてみたのだが、いまひとつ乗ってこない。
仕送りもどんどん減る中でアルバイトをしながら苦しい生活を送っている学生にとっては、消費税アップはたいへんな負担だと思うのだが、「まあ、たしかに」と切実さがないのだ。


 「どうして? 生活に直結する問題じゃない」と言うと、あるときひとりの学生が言った。
「でも先生、いますぐ上がるわけじゃないんでしょう? えーと、再来年の4月? ちょうど大学を卒業する年だけど、はたして就職できているのかどうか」。

さらに別の学生たちがつけ加えた。「それに直下型地震だって来るかもしれないし」「仕事も住むところもなくて、もう消費税どころじゃなかったりして」。

つまり、彼らにとっては再来年なんてあまりに先の話であり、自分の未来もまったく見えないので、消費税増税と言われてもほとんど現実味が持てないのだ

 そう言われると、こちらも「なに言ってるの。ちゃんと正社員として初任給をもらう頃だよ。そこで消費税アップというのは、けっこうたいへんじゃないの?」と自信を持って口にできなくなる。

それどころか、「そうだよね、まあ、私だってその頃、どこで何をしてるのか、わからないしね」などと、とたんに2年後が霧の中のような気さえしてくるのだ。


 おそらく、こんな気分なのは私のまわりだけではないだろう。

消費税増税によるダメージははかり知れないと思っている人も、「14年と15年」と言われると、なんだかそれがはるか先のことのような気がしてきて、反対の声もトーンダウンしてしまったのではないか。

「2年先どころか、明日のことさえわからない」という不安感が、いま世間にはまん延しているような気がする。

もちろん、だからといって悲観的にばかりはなっていられない。
そんな不安感を払いのけるために、「とりあえず」とオリンピックに夢中になった人もいるだろう。

ひとときでも気持ちが前向きになれたのなら、それはとても意味あることだ。
そこで高揚した気持ちで、今度は目の前の現実や生活にしっかり向き合えるか。


アスリートたちの戦いは終わったが、私たちの勝負はこれからだ。

posted by 小だぬき at 10:06 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月19日

領海・領空・領土侵害に対する武力行使

今も竹島・尖閣諸島・北方4島を「日本の国土」というだけで 実効支配を怠ったツケと土下座外交が 今、韓国・中国共産党・ロシアとの関係を拗らせている。

この問題は 領海にとどまらず 漁業権益・地下資源採掘権などと密接な利害が伴うものだけに 「宣言したから」「歴史に根拠が」などと言葉だけの外交では、聞く耳を持たない国には 説得力がない。

この歴史という概念をどこまでに限定させるかが 国益を守る第一歩でしょう。
相手の都合のいい所で妥協すると「琉球王国は・・・中国の」とかの暴論になる。

とらえる時期により 正当性などは 時の力関係で変わってしまいます。

今一度 国家主権(領海・領空・領土)の保全を海上保安庁・海上自衛隊の実力を用いて実行する、あたり前の国としての姿を積み重ねて行くしか 解決の道はないと思います。

このことは 憲法の「国際紛争解決の一つ」の軍事力行使ではなく、国防のための当然の実力行使という覚悟を 政治家は政争に明け暮れるのではなく 決意し国民に理解を求める時期です。

警告・停船命令・退去命令をし 従わない時は 撃沈する。
各国沿岸警備隊が国籍不明船に実行していることを 日本が決断することです。

領海防衛の意思を明確に「見える目」「聞こえる意志」として示すしかないでしょう。

今の法制では 攻撃され自己防衛の場合しか応戦できないのです。
また「警察比例の原則」で相手側火力と同程度しか認められないのです。

F35が導入されても 攻撃されて初めて防衛できる。いわば 第一陣が「戦死」しなければ応戦できない いびつな構造です。

この軍事常識に反する防衛思想から、国家主権を守るためなら 実弾発射は現場に任せるといった 強い国防政策に転換するべき時です。

暴走しないためにも しっかりとした「交戦規程」は 作るべきです。

実際に「国家主権保全宣言」と「沿岸警備法」の制定は 早急にすべきと思います。
posted by 小だぬき at 18:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月20日

孤独な悲鳴が聞こえた

孤独な悲鳴が聞こえた
2012.8.20    東京新聞・論説室

 深夜、電話が鳴った。聞き慣れない声は以前、取材させてもらった元受刑者の女性だった。
「こんな時間にすみません…」。消え入りそうな声に驚いた。「お元気でしたか?」。女性は語りだした。

 刑を終え、身寄りもないために更生施設で数カ月を過ごした後、老人施設で介護職員として働いている。

 その職場が過酷だという。
週二、三回の夜勤は二人態勢で、夕方から翌朝まで十六時間、短い休憩時間のほかはフル回転。

数十人の入所者を担当し、体の不自由な人を抱えたトイレ介助、呼び出しのベル。「ひと晩に何度も階段を上り下りするので、頭はボーッとして、くらくらに…」


 罪を償い、やり直そうとしても安心できる家や仕事がない。
大きなハンディを背負った女性は疲れ果てていた。
記者の私に電話をしてきたのも境遇を語れる人もない、追い詰められた末の悲鳴だ。話を聞くうちに沈んできてしまった。


 困窮や孤立は再犯につながる。
国は今、元受刑者の社会復帰支援に力を入れている。
司法と福祉をつなぎ、高齢や障害のある人には福祉施設などで暮らせるようにしている。
一般の元受刑者への自立を促す施策はもっとほしい。


 罪を犯した人への偏見は根強い。
生き直しにもがく人が孤独な悲鳴を上げなくてすむように、社会への着地を見守る相談窓口など、差し伸べる手はいくつあってもいい。 
            (佐藤直子)

posted by 小だぬき at 10:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月21日

「領域警備法」官邸は“及び腰” 中韓に配慮?藤村官房長官が否定

領域警備法」官邸は“及び腰” 中韓に配慮?藤村官房長官が否定
2012.8.21 11:22   MSN産経新聞

 平時から自衛隊が海上保安庁や警察を支援して不法な領海侵犯を排除するための「領域警備法」の制定について、藤村修官房長官は20日の記者会見で否定的な考えを示した。

沖縄県・尖閣諸島への香港の活動家らの上陸事件を受けて、政府・与党内にも法整備の機運が高まったが、野田政権は早くもこれを葬り去ろうとしている


 藤村氏は会見で「引き続き海保の態勢整備や装備の充実を図り、領海警備業務に遺漏なく万全を期すのが今の政府の見解だ」と述べ、海保の運用改善で十分だとの認識を示した。

長島昭久首相補佐官が19日のフジテレビ番組で自衛隊の活用も視野に入れた法整備を唱えたことに関しては、「長島氏が個人的見解を述べたのか、希望的見解を述べたのかよく分からない」として、政府の考え方ではないことを強調した。


 領域警備法制定の必要性を訴えているのは長島氏だけではない。
民主党の前原誠司政調会長も19日のテレビ朝日番組で、国連海洋法条約に基づく領域警備法整備の必要性を訴えた。


 だが、領域警備法をめぐっては、自民党政権時の平成11年3月と13年12月の北朝鮮工作船事件を機に制定の機運が高まったものの、いずれも見送られてきた。


 藤村氏が領域警備法制定に後ろ向きなのは「今の時点で中国、韓国を刺激したくないからだろう」(政府関係者)とみられる。

こうした姿勢は、政府の重要な意思決定のプロセスにも表れている。

 17日に尖閣諸島上陸事件に関する関係閣僚会議が開かれたが、森本敏防衛相は呼ばれなかった。

参加閣僚の人選は藤村氏が中心となって進めた。

 尖閣諸島は海上自衛隊のP3C哨戒機が365日、周辺海域の警戒監視活動を続けている。
防衛相を出席させない官邸の姿勢には、政府内でも疑問視する声が出ている。


 政府関係者は「防衛相を参加させると中韓に誤ったメッセージを送ることになると恐れているのか。時代錯誤の考え方だ」と批判した。


 野田佳彦首相は21日に、韓国の李明博大統領による竹島(島根県)上陸に関する関係閣僚会議を招集する予定だ。

だが、藤村氏は20日の記者会見で出席する閣僚について「その他関係閣僚ということで調整している」と言葉を濁し、森本氏の参加を明言しなかった。

posted by 小だぬき at 12:06 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月27日

本当にデフレ? 不明な販売定価

<小だぬきのつれづれ日記」
2009.8.27 より

家の母親は律儀に家計簿をつけています。 その点私は失格ですが・・・。
多くの家でも レシートをもとに家計簿をつけていると思います。

よくわからないのが 物の「原価」

・AQUARIUS(スポーツドリンク)
  イオンで 88円
   ローソン100で 100円
   スーバーで  125円
   コんビニ・自販機で 150円

コーヒー缶やビタミン飲料などでも 同じような傾向を持ちます。

・肉や野菜も 値段が極端に違うばあいがあります。

私は、特に飲料については 悩むのです。熱中症予防のために「スポーツドリンク」と「水」をよくかうのですが、同一製品で値段がこうも違うと 素朴に「なぜ?」と思うのです。

同じようなことは家電品についてもいえます。
ちょっと待てば、量販店で「値崩れ」のようにやすくなるのです。
何も今でなく、1日 1ヶ月 1年 待てばという気持ちになるのです。

ソニーのPSVが 1万円値下げで 販売されるということですが、以前の購入者からすると「フザケルナよ」という気持ちになりませんか??

まだ映画のDVDなども 発売当時4000〜6000円近くしていたものが、廉価版として1800円とか1000円近くの値段で手に入るのなら 先を急いで買いますか??

新刊本にしても 文庫化が早ければ わざわざハードカバーで高いものを買いますか??


消費の冷え込みといわれて久しいのですが、「企業側」が 上記のような値下げ販売を繰り返すのですから 私たちは 何も慌てないでも「買い頃」を待つ心理になるのは 当然のような気がするのです。

初めから「原料費・人件費・製造加工費・適正利益」の原価を明らかにして 販売するようになれば、ちょっとまてよ という気持ちは起きないと思うのです。

企業や販売店が「自らの首を絞めている」としか 思えない 「消費者を馬鹿にした」販売方式ではありませんか??

この不況の中でも ブランド品は売れていると言われます。それは高くても品質がよく買い手が「安心して」買えるからでしょう。

私も何度 カメラパソコン電子辞書携帯電話ビデオプリンター、DVD、DVD映画作品で 買ったあと 性能のいい新製品で安くなる現象に 「腹がたち」「自分の買う時期」「店員の情報開示のなさ」に痛い思い・悔しい思いをしたことでしょう。

確かに今、派遣切りや社内失業、パート切りなどが大量に発生していることは確かだし、金利にしても低金利のデフレ傾向であることはたしかでしょう。

でも、キャノンやトヨタなどに限らず 物が売れない原因を作っているのは、企業そのものとしか小だぬきには思えないのです。

買い換え需要無視の生産計画、消費者の心理を買い控え・待機にする「販売価格」、
私には消費者財布・心理・「値崩れの期待感」などで 賢くなった消費者に、企業が気づいていない、遅れている現象としか 思えないのです。

大きいことはいいことだ」の時代はおわったのです。
ブランド品に限らず 「品質の良い物、安心出来る物」が売れる時代に入ったのだと思うのです。

ユニクロという会社が 「安くてファション性が高く 品質も向上して」売れていることに 経済連や経済同友会などの大企業は学ぶべきだと思います。

「経済規模」は小さくなっても 本当にいいものなら コツコツと貯金をしてでも買うものです。
そこから 景気や内需の議論をすべきだと信じるのですが・・・。
posted by 小だぬき at 09:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月28日

精神鑑定で刑罰考慮はおかしい

「小だぬきのつれづれ日記」
2010.8.10より

殺人、強盗殺人などの裁判で 言葉にする「被告の責任能力」、これは加害者の言い分であり 被害者に与えた被害に代わりありません。

新聞報道などで「精神劫弱」「精神能力なし」「精神病院通院歴あり」などの報道がされ、現に精神鑑定を受ける被告がいます。

確かに刑法39条に刑「精神能力の低の免除・減刑要件として 被告の「責任能力の有無」があります。

でも、考えても見て下さい。
正常な感覚で殺人、バラバラ死体などの重大犯罪、万引きなどの窃盗事件などを起こす 化け物のような犯罪者が多くいますか?

殆どの人が「正常な思考力を無くす」から 犯罪を起こすのだと思います。

私は裁判の量刑判断に「精神鑑定」を使うのは 反対です。

犯罪の事実のみで罪刑を決め、治療を要する場合は 医療監獄で治療すべきだと思います。

任能力の低下・喪失」で犯罪に走るのが普通で、正常な感覚で犯罪を犯す方が異常だと思うのです。

今日の報道で「精神病院通院歴あり」と得意げに報道する所もありましたが、差別・偏見助長も甚だしいと思います。
統計的にも 通院歴なしの犯行の方が圧倒的に多いのに、根拠を何ら示さず「精神病院通院歴あり」は 精神疾患への偏見・差別を助長するもの以外に考えられません。

私などは「精神障害者手帳2級」「自立支援医療で通院」「障害年金2級」を受けています。
私は、犯罪予備群なのでしょうか・・・、どうも「通院歴あり」が 犯罪をする可能性大との誤った認識を多くの人に与えかねない。

前に書きましたが 少年法犯罪についても 被害者は実名、加害者は匿名などとおかしな事例が多いです。

私は「責任能力の有無」「年齢」に関わらず、犯した事実により 裁判の量刑が決まるようにしなければ、いつも被害者のみが悲しみを背負って生きる 今の社会の改善は出来ないと思います。

posted by 小だぬき at 09:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月29日

西田昌司「問責決議可決!早く信を問え野田総理!」

西田昌司「問責決議可決!早く信を問え野田総理!」


今日、参議院本会議で野田首相問責決議が可決されました。

大企業の大量「希望退職」の名のもとの人員整理。
竹島に関しての韓国との対立。
琉球列島の領有権まで言い出した 中国共産党。
海外派遣の自衛隊員の事故・負傷の問題。
沖縄普天間基地への「オスプレイ」配備。

特例公債法の事実上の廃案による 予算執行の遅れ。
デフレ・不景気・雇用問題・賃金低下などへの対応。

自民党は、さも次の総選挙で政権がとれるようなことを言っていますが、それほど愚かな選択は しないと思う。
また、橋下の維新の会のようなものに票が行くという報道も 選挙民を愚弄している。

私の世代以上は「マルクス主義」の社民党までは許容できても、マルクス・レーニン主義=科学的社会主義の日本共産党には??がつくのです。

レーニン主義というのは 民主的中央集権主義の団結で政権をとる。粛清や弾圧・強制収容所の負のイメージがあるのです。創立90周年で レーニン主義を放棄した時、議会での革命に転換したとき 大きな受け皿になれると信じています。

山村工作隊・球根栽培法(火炎瓶製造法)・交番襲撃などを知る世代としては、民主連合政府(よりマシな政権)方針が レーニン主義克服後なら信じられるのです・・・。

検討をして欲しいと切に願います。今のままなら 連合政府の一員には絶対になれないで
終わることを危惧します。
posted by 小だぬき at 21:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月30日

社説:首相問責可決 責任放棄し幕引きとは

社説:首相問責可決 責任放棄し幕引きとは
毎日新聞 2012年08月30日 02時31分

無責任のきわみである

野田佳彦首相に対する問責決議が参院本会議で野党の賛成多数で可決された。

野党は一部案件を除き参院で審議を拒否する構えで、通常国会は空転したまま事実上、閉幕しそうな状況だ。


 民主、自民両党とも筋の通らぬ強硬策に訴えたあげくの混乱だが、実態は違憲状態である衆院の「1票の格差」など懸案を放り出し、国会の幕引きを図る茶番劇に等しい。
「決めない政治」に逆戻りした首相と谷垣禎一自民党総裁の責任感を疑う。

 どっちもどっちと言わざるを得ない攻防だ。


 民主党は喫緊の課題である「1票の格差」是正に生煮えの選挙制度改革案などもあえて抱き合わせ、衆院通過を強行した。
衆院解散の先送りを狙い、野党を挑発することで格差是正をつぶそうとしたのである。


 「待ってました」とばかりに自民は反応した。
確かに民主のやり口は非難すべきだが、首相問責決議案の提出は筋違いで、矛盾している。


 谷垣氏は民自公3党首による「近いうちに国民に信を問う」合意をたてに、首相は今国会で衆院解散に踏み切るべきだと対決姿勢を強めた。
両氏にどんなやりとりがあったかは不明だが文言上、「今国会解散」の約束と解するには無理がある。

しかも、谷垣氏は首相と協力し、消費増税を実現したばかりである。

増税を批判し問責決議案を提出していた中小野党案との調整が難航、自民は結局同調したが、公明は棄権に回った。
これでは谷垣氏の自己否定とすら取られかねない。


 「1票の格差」を放置して国会を閉じれば、それこそ解散先送りを図る民主党の思うツボだろう。
法的に裏づけのない問責決議を審議拒否戦術などの道具にそもそも使うべきでない。
問責決議で絶縁状を突きつけたからといって、早期解散が保証されるというわけでもあるまい。


 結局、非難合戦のどさくさにまぎれて党首選びに突入する体裁を民自両党首が取り繕おうとしているのが実態ではないか。

赤字国債を発行するための特例公債法案など懸案を決着させる責任感が首相と谷垣氏に感じられない。
「決める政治」はどうしたのか。


 中国、韓国など近隣諸国と緊張が高まる中で混乱が好ましくないことも言うまでもない。
わざわざ隙(すき)をみせ、国益を損なうと言っても過言ではあるまい。


 民主からは問責決議を受けて「『近いうちに解散』は白紙だ」との無責任な発言が早くも聞こえてくる。


 増税問題を決着し「決める政治」を示したはずの国会がこんな終わり方でいいのか。
まだ会期は1週間以上ある。2大政党の両党首の見識が問われる。

posted by 小だぬき at 07:04 | Comment(0) | TrackBack(1) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

昔、こんなに暑かったけ・・・

「小だぬきのつれづれ日記」
2009.8.3 より

川崎市もコンクリート道路に高層マンション、オマケに歩いていると エアコンの室外機の温風。
街自体が熱を貯め込む悪循環に陥っていないか・・・、と思うこの頃。

小だぬきは「耐え難きを耐え」などという高尚な精神ではなく、単にエアコンホースの修理に物ぐさでエアコンを使っていないだけなのですが、気象庁の発表する最高気温と身体に感じる熱では相当な開きがあるようです。

今の小だぬき家の室温37度。これでも ちょっと外出しただけで帰宅したら涼しく感じるのですから コンクリートエアコン室外機で暖められた地面近くの温度は 相当高くなっているのでしょう。

より地面に近いお子さんや乳母車赤ちゃん達の熱中症対策は より注意する必要があるようです。

私が産まれたのは 羽田空港近く、すぐ川崎に引っ越したのですが、今思い出すとこんなに暑かったかな・・・・と記憶が今一つハッキリしないのです。

土の道路が多く、当時は木造建物。近くには畑があり、よくなしやイチジクなどを「無許可」で頂いた時代。
自然の森や林が方々にあり 日陰に入ると涼しかったという記憶があるのです。

交通もトロリーバス(架線を使ったバス)と自転車中心の生活。

「昔は良く感じる物だ・想い出は純化される」といいますが、扇風機すら高級品だったあの頃の想い出の一つは お祭りの時にだされた氷柱の冷たさです。また日陰での土のひんやりした感覚も思い出されます。

確かに今は、何でも近代化されビル群や舗装道路、車の多さ・・・・。各家庭でのエアコン設置なども進んでいます。

昭和20年〜30年代に幼少期を育った者には、自然と嫌でも共生する生活を送ったものです。風鈴や網戸、うちわ、打ち水の風情は 生きる知恵として定着したものでしょう。

それが高度成長政策、昭和39年の東京オリンピックを境にして 地域の変貌が激しくなり、今では中都市を旅行しても 駅前は、ミニ都市のような町並みになっています。

ローカル線での不便を覚悟してミニ駅で下りて、郵便ポスト以外何もない風景に触れることが 最高の贅沢とも感じられる昨今です(過疎地に住んでいらっしゃる方の苦労は並大抵では ないでしょうが・・)

地球温暖化が言われている今、何が必要で 何がなくてもなんとかなり、何が不要か エアコン生活にまだ入れない小だぬきは考えるのです。

2011年の地デジ放送開始なども5000万台以上の廃棄TVがでるとのこと。こんな環境に悪いことはないでしょう。アナログ電波帯を空けることのメリットが 携帯需要だけなら、アナログと地デジ併用でも良いはずです。

これ以上、環境悪化を防ぐために「何をどう規制するか」が 真剣に問われなければならない時代に入ったと思います
posted by 小だぬき at 20:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月31日

東電社員の子供に対するイジメが多発!

東電社員の子供に対するイジメが多発!「電気料金値上げ分を返せ」とカツアゲetc…
SPA! ) 2012年8月21日(火)配信

 原発事故への責任追及が東電社員に集中している。
確かに、原発事故において東電の責任は重い。
しかし、一社員、ましてやその子供へのいじめや脅迫まで頻発しているという。

「小学生の息子が、突然『お父さんのせいで学校に行けなくなった』と言い出したんです……」と語るのは、千葉県に住む40代の東電社員、Aさん。

「朝のワイドショーに影響されて、子供の世界でも話題は東電批判。
ウチの子は『(お前の親は)放射能をバラ撒いている』『原発が安全だなんて騙していた』などと毎日のように友達から非難されていたそうです。
『あいつに触ると放射能が移る』とまで言われて仲間外れにされていたとか」

 Aさんの住む地域には、「ホットスポット」と呼ばれる放射能の高汚染地域が点在。親が子供の被曝を心配して西日本などに転校させるケースも出てきていた。
とりわけ女子生徒の反応が厳しかった。

「『私が将来子供を産めなくなったらどう責任とってくれるの?』と詰め寄られたと言っていました。
原発周辺に残された犬猫の写真を突きつけられて『この子たちどうするつもり?』と責められたりもしたそうです」(同)

 Aさんは現在、子供を別の地区の小学校に転校させ、「東電社員の息子」ということは隠すようにしているという。

「いちばんひどかったのは、電気料金の値上げが話題になった時です」と語るのは、都内の営業所に勤めるBさん(30代)。

「このあたりは中小零細企業が多く、電気料金値上げで多大な影響を受ける地域。

ウチの子は『値上げ分を返せ』とカツアゲされていました。
これまで多くの東電社員の子供は、親の仕事を誇りに思って、友達にも自慢してきたのだと思います。
JRやJAL、NHKなどと同じく、子供にも分かりやすい職業ですしね。
そのせいで、余計に今回のことで反発が起こっているのでは」

 週刊SPA!8/28発売号「東電『一般社員』の声に出せない悲鳴」では、他にも脅迫や嫌がらせに怯えつつも、事故による責任を痛切に感じ声にも出せずにいる東電の一般社員の声を紹介している。 
<取材・文/田中裕司 尾原宏之 志葉 玲 桐島 瞬>
posted by 小だぬき at 05:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

みんなちがって、みんないい

 わたしと小鳥とすずと
            金子みすず

わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。


私の大好きな「金子すず」さんの「わたしと小鳥と鈴と」の詩です。

生協の「一人は万人のために 万人はひとりのために」とのスーローガンに 何か違和感を感じていた私が 小学校2年生教科書にあるこの詩に出会ったとき、「そうなんだ、そうだよな」と心から共感できたのです。

「みんなちがって、みんないい」

と 心から思える社会が理想なんだと気づいたのです。
福祉医療・障害・病気」などに この考え方が土台にあれば どんなにステキな社会になるだろうか・・。
人が産まれ・成長していく中で その人の個性が形成されます。

なにも全員が ロボットのように 同じで完璧であることを目指す必要はないのです。

学力にしても みな七五三飴のようにどこを切っても同じ必要はないのです。
このことは 当たり前のようですが、以外に忘れられていることです。

違いばかりに眼を向けるか? いい点を見つけることに眼を向けるか・・・・

集団・グループにしても 同質性をもとめるか、「各個性を引き出し協力できる」かで 同じ集団でも生きづらさ・生き甲斐に差や違いがしょうじるでしょう。

地域をみてもいえると思います。
なんとか「みんなちがって、みんないい」といえるような人間関係を作りたいですね
posted by 小だぬき at 18:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月02日

自助と共助―まずは迷惑をかけあう

自助と共助―まずは迷惑をかけあう
2012.9.2   朝日新聞社説

「支え合いマップ」を知っていますか?


 数十世帯単位のご近所で、住民一人ひとりが参加し、「おつき合い」の相手を線で結ぶ。いわば「共助の地図」だ。


 全国で地域福祉のアドバイスをしている木原孝久さん(71)が20年前から提唱し、市町村や社会福祉協議会の担当者や民生委員らの間で広がってきた。


 
合言葉は「助けられ上手になる」である。


 マップで線が引けない人は地域で孤立し、災害時に逃げ遅れたり、病気で孤独死したりするリスクが高いことがわかる。


 そんな事態を防ぐには、住民が常日頃から、自ら「助けて」と声をあげる必要がある。それが本当の意味で、自分の命を自分で守る「自助」だ


 「自分の困りごとを表に出すのは恥ずかしい」と思いがちだが「助けられる人」がいて初めて、「助けたい人」の力が引き出される。
自助と共助は裏表の関係なのだ。


 最大の壁は「人に迷惑をかけてはいけない」という意識である。
日本人は、問題を自分や家族のなかで解決することが自助と教え込まれてきた。


 たとえば自民党が、5月にまとめた社会保障に関する「基本的な考え方」には、そんな常識が色濃い。


 「家族内の精神的、経済的、物理的な助け合い、すなわち『家族力』の強化により『自助』を大事にする」とうたう。

 まずは家族内でなんとか始末をつけよ、と読める。


 だが、現実はどうか。

 高度成長期、大量の労働力が地方から都市へと流入した。
地縁・血縁が薄れ、核家族化がすすみ、さらに高齢化で単身世帯が急速に広がっている。


 「家族は大事だ」という道徳論で、きずなが復活し、孤独死や虐待が解消するだろうか。


 むしろ、プライバシー尊重の名のもとで「引きこもり」を助長し、共助を妨げるおそれさえあると、現場の経験は教える。


 かたや財政悪化を背景に、税金による公助にも限界が見えている。

「家族内の自助」の強調は、裏づけのないまま「福祉の充実」を言い募ってきた政治の敗北宣言という側面もある。


 「自助・共助・公助の最適バランスに留意し、自立を支援する」。
民主、自民、公明の3党は、こんな考え方の社会保障制度改革推進法を成立させたが、中身の議論を深めないまま、国会は機能を停止した。


 こんな時だからこそ、有権者自ら、「自助」や「自立」の意味を考えたい。

posted by 小だぬき at 08:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月04日

サラリーマンを襲う“リストラ地獄”!40歳以上が標的

サラリーマンを襲う“リストラ地獄”!40歳以上が標的
2012.09.03 ZakZak(夕刊フジ)


 大リストラ時代が数字で裏付けられた。

2012年の上場企業の希望・早期退職者募集が8月30日までで50社に達したことが東京商工リサーチのまとめで分かった。

総募集人数は大手電機メーカーを中心に3年ぶりに1万5000人を突破。
年内には2万人を超え、リーマン・ショック後の不況時を上回る恐れもあるという。

 個別企業で募集人数または応募人数が最も多かったのは、半導体大手のルネサスエレクトロニクスで募集人数はグループ会社を含めて5000人。
NECは応募人数2393人、シャープの募集人数2000人と業績不振の大手電機が上位を占めた。

 また、軽自動車の受託生産を行う八千代工業の応募人数が771人、液晶パネル製造装置大手のアルバックが募集人数700人と製造業の厳しさが際立っている。

「高止まりした円高で価格競争力が低下した電機メーカーなどの深刻な業績不振を浮き彫りにしている」と東京商工リサーチ情報本部は分析する。

 業種別で電気機器の14社に次いで多かったのが小売りの5社。

ヤマダ電機が買収することが決まっている家電量販店大手のベスト電器は正社員300人を募集、近鉄百貨店は40歳以上の社員を対象に200人の希望退職を募集し、177人が応募した。

 眼鏡業界でも希望退職が実施され、大手のメガネスーパーでは455人、愛眼は89人が応募した。
「ジンズやゾフなど新興企業の拡大で低価格競争が激化しており、大手もリストラを余儀なくされている」(業界関係者)という。

 総募集人数(募集人数が不明の場合は応募人数)は1万5174人と、すでに前年(8623人)の1・7倍に。

 大規模な人員削減はまだ広がる動きをみせており、年間の上場企業の希望・早期退職者の総募集人数は2万人を超え、リーマン・ショックによる世界同時不況で大リストラが行われた2009年の2万2950人を上回る事態も危惧されるというから恐ろしい。

各社の募集対象者をみると、40歳以上の社員を対象にしたケースが多いのが身につまされる
そして人員削減の対象も「今後はメーカーの下請けなど中小企業の雇用面への波及が懸念される」(情報本部)と川下へ広がっていくと予想する。

 リストラ地獄はこれからが本番のようだ。
posted by 小だぬき at 05:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

橋下維新の会―国政に進出する前に

橋下維新の会―国政に進出する前に
2012.9.4  朝日新聞社説

 橋下徹大阪市長ひきいる大阪維新の会が、次の総選挙で国政進出をめざすという。


 民主、自民など既成政党の体たらくを見るにつけ、「古い政治を一掃し、新しい政治をつくる」という橋下氏の主張は確かに新鮮だ。


 各種の世論調査で期待が高いのもそのためだろう。

 一方で、国民の支持を得た新党が、あっという間に失速して姿を消す。そんな例をこれまで何度も見てきた。


 今回は違う、と橋下氏はいうのだろう。ならばまず、ふたつのことを問うておきたい。


 ひとつは、橋下氏自身の身の振り方である


 総選挙では300人規模を擁立し、過半数の獲得が目標という。
当然、第1党になって政権をとったり、連立政権に加わったりする覚悟があるのだろう。

 ところが、党首である橋下氏自身は立候補せず、市長にとどまるという。


 府知事から市長に転じてわずか9カ月、持論の大阪都構想も道半ばで市長職を放り出しては市民の納得はえられまい。


 他方、国政は片手間でできるような仕事とは思えない。


 政党としての責任の所在があいまいになる心配もある。さらに、税財源の配分など、国と地方の利害がぶつかる場合はどうするのか。

 党首と市長にどう折り合いをつけるのか、説明してほしい。


 
ふたつめは、政策集「維新八策」についてだ。


 もっとも目を引くのは「統治機構の作り直し」である。

 「動かない政治」をどう動かすかが、目下の政治の重要課題であるのはその通りだ。
 八策にはその答えとして、首相公選制、参院の廃止、憲法改正発議要件の緩和など憲法改正が必要な項目が並んでいる。


 政党が憲法改正を掲げること自体を否定するつもりはないが、肝心なのは政治を動かして実現する政策の中身だ。


 日本は少子高齢化や低成長、巨額の財政赤字といった難題に直面している。原発事故を受け、新たなエネルギー政策をどう描くかも急務だ。


 八策には、消費税の地方税化と地方交付税の廃止、年金の積み立て方式化、脱原発依存体制の構築などの政策が並ぶ。


 しかし、こうした個別の政策をどう実現していくのかも、本当に難題の解決に結びつくのかもまだ見えない。
さらに、その先にどんな社会像、国家像があるのかもわからない。

 その展望を、橋下氏はもっと具体的に語る責任がある。
posted by 小だぬき at 17:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月08日

余録:われわれの子供はその立ち居振る舞いに・・

余録:われわれの子供はその立ち居振る舞いに…
毎日新聞 2012年09月07日 00時03分

 「われわれの子供はその立ち居振る舞いに落ち着きがなく優雅を重んじない。
日本の子供はその点非常に完全で、全く賞賛に値する」。
戦国時代に来日して大著「日本史」を残したポルトガルの宣教師フロイスは「日欧文化比較」にこう記した

▲「われわれの間では普通鞭(むち)で打って息子を懲罰する。
日本ではそういうことは滅多(めった)に行われない。
ただ言葉で譴責(けんせき)するだけだ」。
彼は書簡でも日本人は「6、7歳の子にも70歳の人に対するように真面目に話す」と述べた

▲それよりやや後に来日したスペインの貿易商人も日本人の親が子を罰しないことに注目した。
そして首切りなど残虐な刑罰をためらわぬ日本人が「子供を罰するのは残酷だ」というのに驚いている。
戦国の殺伐とした世でも、子供には甘かったわれらのご先祖である

▲「おもちゃをかたづけないので腹が立った。言うことを聞かせるためだった」。
東京・碑文谷で5歳の男児が母親にポリ袋をかぶせられて亡くなった事件で、当の母親はしつけだったと話しているという。
ささいな怒りと胸のつぶれるような虐待の落差に言葉を失う

▲今年上半期の児童虐待事件は前年比6割増で、過去最多の248件にのぼった。やはり「しつけ」が虐待の口実とされる例が多いのが何ともやりきれない。
このほか警察が虐待の恐れがあると児童相談所に通告した児童数7271人も前年を4割近く上回る数だった

▲世の平和とはうらはらに閉ざされた家庭内で子供へのむごい仕打ちが増える時代をどう評すればいいのか。
大人の鬱屈のはけ口が子供へと向けられる世には戦国乱世のご先祖も眉をひそめよう。
posted by 小だぬき at 01:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月09日

余録:「あのころの人、どこへ行ったのかなあ」…

余録:「あのころの人、どこへ行ったのかなあ」…
毎日新聞 2012年09月09日 00時34分

 「あのころの人、どこへ行ったのかなあと静岡県熱海市で土産物店を営む幼なじみが言う。
昭和30〜40年代は旅館も土産物店も繁盛し、住み込みで働く単身女性がたくさんいた。
狭いアパートの部屋で暮らす母子家庭も珍しくなかった

▲当時の高校進学率はせいぜい5割。
学歴や資格がないのは当たり前だった。
子や孫に囲まれて幸せな老後を送っている人もいるだろうが、その日を生きるのに精いっぱいで結婚に縁の薄かった人も多いはずだ。
給料も少なく、年金制度に入っていたのかどうかもわからない

▲平らな土地が少ない熱海は急傾斜の坂の上に市営住宅がいくつもある。
老朽化した部屋で独居のお年寄りたちが暮らしている。
かつて旅館や土産物店で働いていた人もいるだろう。
商店のある海岸通りまで下りてくることができず、週に数回やってくる移動販売車が命綱だ

▲「世代間格差」とは、高齢者ほど払った分より多い年金を受給できるが、若い世代は払う保険料が多いという意味でよく使われる。
年金には改革すべき点が多々あるが、そう言われたら年金に加入しない若者がますます増えそうだ

▲しかし、年金の多寡で公平度を測れるほど人生は単純なものではない。
ほとんどの人が高校に進学し、インターネットで好きな情報を得られる時代になった。世界のおいしいワインやチーズも食べられる。
外国にも気軽に行ける

▲格差をあおり世代間の断裂を広げてどうする。
どの時代に生まれてくるのかは誰にも選べないが、どのように生きるのか、望ましい社会を実現するためにどのような政治にするのかを選ぶことはできるはずだ
posted by 小だぬき at 09:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月10日

週のはじめに考える 言わねばならないこと

週のはじめに考える 言わねばならないこと
2012年9月9日   東京新聞社説

桐生悠々という新聞記者がいました。
権力や軍部を痛烈に批判した気骨の人です。
大勢に流されず、本質を見極める姿勢は今こそ必要とされています。


 一八七三(明治六)年、金沢に生まれた桐生悠々(本名・政次)は東京帝国大学を卒業した後、新聞社を渡り歩きました。
本紙を発行する中日新聞社の前身の一つである新愛知新聞や、長野県の信濃毎
日新聞などでは主筆を務め、晩年を名古屋で過ごします。
その報道、論説の特長は「言わねばならないこと」を書く姿勢を貫いたことにありました。

 ◆気骨の人、桐生悠々

 悠々が健筆を振るった明治後期から昭和初期は、発展途上にあった政党政治が、軍部の台頭で衰退していく時代です。

 騒然とした中、悠々の論説は、海外にまで視野を広げた豊富な知識に基づいて藩閥政治家、官僚、軍部の横暴を痛撃します。

 例えば一九一八(大正七)年、富山県魚津から全国に広がった米騒動。米価の暴騰は当時の寺内内閣の無策が原因だったにもかかわらず、政府はその責任を新聞に転嫁し、騒動に関する報道を禁止します。
憤った悠々は、八月十六日付新愛知社説「新聞紙の食糧攻め 起(た)てよ全国の新聞紙!」の筆を執ります。


 「現内閣の如(ごと)く無知無能なる内閣はなかった。彼らは米価の暴騰が如何(いか)に国民生活を脅かしつつあるかを知らず、これに対して根本的な救済法を講ぜず、…食糧騒擾(そうじょう)の責を一にこれが報道の責に任じつつある新聞紙に嫁し…」

 悠々は、寺内内閣を厳しく断罪し、内閣打倒、言論擁護運動の先頭に立ちました。寺内内閣への批判は全国に広まり、ついに総辞職に追い込まれます。

 時は流れて信毎時代、三三(昭和八)年八月十一日付の評論「関東防空大演習を嗤(わら)う」です。

◆無意味な想定嗤う

 掲載の前々日から行われていた陸軍の防空演習は、敵機を東京上空で迎え撃つことを想定していました。
悠々は、すべてを撃ち落とすことはできず、撃ち漏らした敵機が爆弾を投下し、木造家屋が多い東京を「一挙に焦土たらしめるだろう」と指摘します。


 悠々の見立ての正しさは、その後、東京をはじめとする主要都市が焦土と化した太平洋戦争の惨禍を見れば明らかですが、この評論は軍部の怒りや在郷軍人会の新聞不買運動を招き、悠々は信毎を追われます。

 守山町(現名古屋市守山区)に戻った悠々は、「他山の石」という個人誌を発行して糊口(ここう)をしのぎます。
軍部、権力への旺盛な批判はやみません。


 悠々は他山の石に「言いたいこと」と「言わねばならないこと」と区別すべきだとして、
「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが、
「言わねばならないことを言うのは義務の履行」であり、「義務の履行は多くの場合、犠牲を伴う」と書き残しています。


 たびたび発行禁止、削除処分を受けながらも軍部、権力批判を続けた悠々から学ぶべきは、強者の言い分をうのみにせず、自らの知識と判断力でその非を指摘する使命感の強さです。真の記者魂と言い換えていいのかもしれません。

 平成の世の日本にも、言わねばならないことは満ちています。

 まずは消費税増税。
民主党政権にとってはそもそも公約違反であり、それでも強行するのは民主主義を危うくします。


 社会保障と税の「一体」改革と言いながら、社会保障の抜本改革は見送られ、増税だけが決まりました。

政府や国会の無駄もほとんど削られないままです。
速やかに衆院を解散して国民に増税の是非を問うべきなのに、その前に必要な衆院「一票の格差」是正は与野党対立で手付かずです。
国会の不作為と言わずして何と言う。


 原子力発電もそうです。
いったん事故が起
これば取り返しがつかないのに、この暑い夏を「原発ゼロ」で乗り切れたのに、なぜ原発維持の選択肢が生き残るのか。


 事故が頻発する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを「世界一危険」として返還が決まった沖縄の米海兵隊普天間飛行場になぜ配備するのか。
沖縄県民に過重な負担を強いることで成り立つ日米安全保障条約は不平等ではないか。


 私たちの新聞にとって、これらは「言いたいこと」ではなく「言わねばならないこと」です

◆「志」を受け継いで

 悠々は七十一年前のあす九月十日、太平洋戦争の開戦を見ることなく六十八歳で亡くなりました。

 歴史に「たら」「れば」は無意味ですが、悠々だったら今の日本を見て、何と論評するでしょう。

 碩学(せきがく)の先輩には及ぶべくもありませんが、言わねばならないことを言う志と気概は、私たちが受け継ぎたいと考えているのです。
posted by 小だぬき at 06:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月11日

失われた20年が壊した個人消費の基盤

【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
失われた20年が壊した個人消費の基盤
2012年9月7日 日刊ゲンダイ掲載

必要なのは中堅、中小企業を支える政策

個人消費が失速しているようだ。
8月中に打ち切られると予想されたエコカー減税は、補助金が残ったために9月も継続している。
ギリギリになっても駆け込み需要は生まれず、自動車販売の伸びは鈍化しているらしい。

 猛暑にもかかわらず、関連商戦もサッパリだそうだ。夏物衣料や雑貨も伸び悩んでいると報じられた。

 今年4―6月期GDPを見ても、個人消費は前期の1.2%増から0.1%増まで大幅にダウンしている。その後も下降傾向が続いているということだろう。

 考えてみれば当然である。旺盛な購買意欲を持ち、実際の活動でGDPを押し上げるはずの30〜40代が、積極的に消費を楽しめないのだ。

 かつて、この層はいちばん元気だった。
働き盛りといわれる年齢を迎え、職場では部下を抱えるリーダーとなり、成果を出す。

仕事に見合うだけの稼ぎをもらい、家庭に欲しいと思うモノを次々と買った。
それが消費を盛り上げるエネルギーとなったのだ。

 今の30〜40代は違う。バブル崩壊後に社会人となり、「失われた20年」を過ごすうちに働き盛りを迎えている。
仕事に恵まれず、パートやアルバイトで食いつなぐ。そんな人たちも多い。

経済状況が悪く、雇用は不安定で、収入もチョボチョボ。
消費をしたくてもできないような状況に 追い込まれているのである


 ゆとりがあるのは団塊の世代ぐらいだろう。
住宅ローンの返済も終わり、現役を退き、貯蓄や年金で暮らしている。

 ただ、GDPに貢献できるほどの消費活動は望めない。
あらかたのモノは手元にそろっているし、スーツやワイシャツを新調する必要もなくなった。
小生などはクルマも手放している。
消費に対する意欲が湧かないのだ。

 日本経済の失われた状態があと20年も続けば、現役世代は丸ごと「消費に消極的な層」となる。その上、リタイア組もモノを買わないとなれば、個人消費が経済を支えるという図式は崩壊だ。
GDPを伸ばしていく基盤やパワーの源泉も失われてしまう。

 使用期限を決めた金券でも配れば、一時的に消費は増えるかも知れない。
しかし、何の解決にもつながらない。

 かといって、グローバル化を進める大企業を優遇しても、どれだけ国内で雇用を生むのか不透明だ。

 ユニークな技術を持った中堅、中小企業は国内にいっぱいある。
 地方にも目を向け、そうした企業の事業活動を支えて雇用を増やす。そんな政策が求められているのではないか 
posted by 小だぬき at 09:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

沖縄県民大会―首相は声を受けとめよ

沖縄県民大会―首相は声を受けとめよ
2012.9.11    朝日新聞社説

日米両政府に対する沖縄の不信と怒りが、大きなうねりとなって広がった。


 米軍の新型輸送機オスプレイ配備に反対する県民大会が、沖縄県宜野湾市であった。
主催者発表で約10万1千人が集まり、市内にある普天間飛行場への受け入れ拒否の声をあげた。


 1996年に日米で合意した普天間飛行場の返還は、基地があることによる負担と危険を減らすためだった。

 
 住宅や学校に囲まれた飛行場の危険さは、変わっていない。
 そこに安全性で論争が続くオスプレイを持ち込むことを、地元の人たちは受け入れられない。


 「沖縄の青い空は私たち県民のもの」という大会での県民らの声は、その思いを伝える。
県民らは、米軍基地をめぐって構造的な差別があると感じている。

 たとえば、米国はすべての軍飛行場のまわりに、発着の安全確保のため、建築物を一切建ててはならない「クリアゾーン」をおくと義務づけている。

 ところが、普天間飛行場では危険なクリアゾーンが外にはみ出し、そこに普天間第二小学校など18施設があり、約800戸に3600人がくらす。


 本国では運用できない基地を沖縄では使い、新たにオスプレイ配備も進める米国の姿勢は、命を軽視する二重基準や差別であると、県民には映る。


 沖縄で、米軍機の墜落事故は数々のいまわしい記憶につながる。

59年には沖縄本島中部、石川市(現うるま市)の宮森小学校に戦闘機が墜落した。パイロットは直前に脱出して助かったが、児童ら18人が死に、210人が負傷した。


 基地の負担は、県民の受け入れられる我慢の限界を超えている。
また、現実の問題として、米軍は住民に嫌われて、基地を円滑に機能させられるのか。
県民大会に集まった人たちは、普天間飛行場のフェンスに黒いリボンをくくりつけた。

計画にこだわって配備し、その後に万一のことがあれば、日米関係を大きく傷つける。


 本土は、沖縄がどんなに苦しい状況にあるかを知らなくてはならない。
野田首相はこの声を受けとめるべきだ。
そして沖縄の人たちに対して「配備は米政府の方針」という言い方ではなく、自分の言葉で話すべきだ。
米国との交渉も必要だ。


 一日も早く、普天間飛行場を返還させる日米合意の原点に戻ろう。
そして、名護市辺野古への移設が無理なことも、県民大会の声を聞けば明らかだ。

 現実を認めることから始めなければ、解決策はない。
posted by 小だぬき at 19:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月13日

「日本維新の会」 国政改革への道筋が見えない

「日本維新の会」 国政改革への道筋が見えない
(9月13日付・読売社説)

侮れない政治勢力になりつつあるが、政策も運営体制も急ごしらえの感は否めない。


 地域政党・大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長が、大阪市で党の政治資金パーティーを開き、新党「日本維新の会」結成を宣言した。


 橋下氏は、「何かをやろうとするとぶつかる壁が国の制度と法律だ。
本当の意味で大阪の改革をやろうと思えば、法改正しかない」と国政進出の意義を語った。


 日本維新は、次期衆院選で「過半数」獲得を目指すという。

だが、「大阪都」構想を実現するためだけなら、何も国政に進出する必要はない。
下氏は、“大風呂敷”とも言える意欲ばかりが先走っているように見える。
国政で何をどう実現するのか、説得力のある見解を示す必要がある。


維新側は、これまで次期衆院選の公約としてきた「維新八策」を「綱領」に変更した。
党の価値観を示すものだからだという。

維新八策には「自立する国家」「決定でき、責任を負う民主主義」といった言葉が並んでいるが、こうした抽象的な表現からは、日本維新がどんな国家を目指すのかが伝わってこない。
理念はもっとわかりやすく説明すべきだ。
 

維新八策には、憲法改正を伴う首相公選制導入や、衆院の議員定数半減などスローガンのような目標と、社会保障、教育、雇用などの政策が混在している。
中長期と当面の政策課題を、きちんと仕分けしなければなるまい


 橋下氏は「役人では解決できない問題、国論を二分する問題は、選挙で解決するしかない」と強調した。それでは、次期衆院選で具体的に何を公約するのか、明示してもらいたい。

 日本維新は、極めて特異な体制をとる。
党本部を大阪に置く。松野頼久元官房副長官ら現職国会議員7人が新党に参加するため、政党要件は満たされる。
国会議員団と大阪維新の会など地方議員団は、並列の関係にする方針だ。

 

 橋下氏は党代表と大阪市長を兼務し、衆院選には立候補しないという。
府知事から市長に転身して1年足らずで、最大の政治課題である大阪都構想への取り組みも、これから区割りや財源調整など難しい局面に入るからだろう。


 日本維新は衆院選後、政党間の連携のカギを握る勢力に躍進する可能性もとりざたされている。

 橋下氏は、「自分の時間を削って国政に充てる」と言うが、政治経験のない新人議員らを大阪からコントロールできるだろうか。
2012年9月13日01時36分 読売新聞)
posted by 小だぬき at 06:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【おまきが行く】橋下市長“コトバの魔力”に潜む危うさ

【おまきが行く】橋下市長“コトバの魔力”に潜む危うさ
2012.9.13     zakzak(夕刊フジ)

 芸能界より政界が慌ただしくなってきた。

 世の中を動かす辣腕の男たちも女性問題となると、かくも脆(もろ)いのか。
松下忠洋郵政改革・金融相の自殺。
自宅からは野田佳彦首相、藤村修官房長官、そして妻宛ての遺書が見つかったという。
そして、今週発売の週刊新潮には、女性問題のスキャンダルが…。

 同じように週刊誌で生い立ちや女性問題を暴露されても動じなかったのが「日本維新の会」を12日、結党する橋下徹大阪市長だ。
過去の浮気話ではさすがに平身低頭で、妻への詫びを何度も口にしたが、不思議と評判が落ちない。

 毎週、私が仕事で大阪に行くと、タクシーの運転手さんが口々に言う。
「ワシら難しいことわからへんけど、あの人は話がわかりやすい」

 「思い立ったらすぐ行動する。御堂筋もきれいになった」

 タレント弁護士として活躍していた頃には、よく早朝の飛行機で一緒になった。
「武藤さんも早いですね」と声をかけられた。
手にいっぱいの新聞の束をのぞくと、「これは僕の命綱ですから」と笑いながら、あっと言うまに駆け抜ける。

 番組ではメモを取るでもなく、相手のことを即座に理解して切り返す。如才ないのだ。

 同時に危うさを感じることもある。

 コトバの魔力というのか、熱くなってくると人の話を最後まで聞かないで、かぶせてくる。
あるいは、人の話をうまく引き取って自分の話にする。
大阪から国会議事堂に殴り込みをかけようという意気込みをひしひしと感じる。

 話術という点で言わせていただけば、今の自民も民主も、あと一押しが足りない。流ちょうなら良いというわけではない。
心に響かないのだ。

 かつて、小渕恵三、梶山静六、小泉純一郎の3氏で争われた自民党総裁選(98年7月)で、それぞれに独占直撃したことがある。
番組では栄養ドリンクを用意した。

 小泉さんは、「ありがとう」とスッと飲んだ。
小渕さんは訥弁ながら、私の風貌を見て、「銀座のクラブみたいだね」と微笑んで飲んだ。
梶山さんは、「こういうの嫌いなんだ。家内の出すものしか飲まない」と話し、取材時間に5分遅れたことにオカンムリだった。

 小渕さんの言葉には優しさが垣間見えた。

 ■武藤まき子 
中国放送(広島)アナウンサーを経て、フジテレビ「おはよう!ナイスディ」のリポーターに。
現在、フジの『情報プレゼンター とくダネ!』、関西テレビ『ハピくるっ!』に出演中。芸能、歌舞伎、皇室を主に担当する。
著書にリポーター人生を綴ったエッセイ『つたえびと』(扶桑社刊)

posted by 小だぬき at 20:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月14日

憂楽帳:もう一度考えよう

憂楽帳:もう一度考えよう
毎日新聞 2012年09月12日 13時57分


昨年の3月11日は、山形県内の実家にたまたま戻ってきていたという。
テレビで甚大な被害を目にした宮城県の名取市閖上(ゆりあげ)地区や南三陸町は、仕事で何度も足を運んだ場所だった。
一般道路を何時間もかけて、とにかく戻った仙台市宮城野区内の自宅や事務所は、激しい揺れの影響で足の踏み場もなかった。

「人間1人の、自分の無力さを、つくづく思い知らされた」

 先日知り合った、山形県南部に住む男性(50)から聞いた言葉だ。

「町おこし」を、民間の立場で支える仕事などをしていた彼は今、山形県内で仕事をしながら時間を作っては、復興支援やその相談のため、以前の仕事先を訪問している。
「こっちは仕事度外視で続けている。
人として当たり前のことをしているだけだから」と笑った。


 本紙9日付朝刊で掲載した被災42市町村の首長アンケートでは「震災・被災地への関心の薄れ」を懸念する声が最も多かった。
「もう一度、一人一人が『自分には今、何ができるのか』を考え直すべきではないか
」。
笑顔は消え、目に涙が光った。【熊田明裕】

posted by 小だぬき at 07:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月15日

4号機緊迫!! 野田政権のデタラメ対応には世界中が怒っている!

4号機緊迫!! 野田政権のデタラメ対応には世界中が怒っている!
2012年9月14日 日刊ゲンダイ掲載

村田光平元駐スイス大使 インタビュー
<なぜ、今すぐ核燃料棒を取り出さないのか>


 野田首相に書簡を送り、福島原発に対し、きちんとした対策を取るよう求めた村田光平元駐スイス大使(74)。
今年3月、参院予算委員会でも「4号機問題は世界の安全保障問題だ。最大限の対応をする必要性がある」と訴えたが、野田は馬の耳に念仏だ。
改めて、村田氏に政府の対応のデタラメぶりを聞いてみた。

「私は海外の学者らとの交流を重ね、世界が福島4号機問題に危機感を募らせていることを痛感しています。
でも、肝心の野田首相をはじめ政府は重い腰を上げようとしない。

今、福島第1原発に残されている燃料集合体の総数1万4225本がメルトダウンすれば、果てしない放射能が放出されます
米国の使用済み燃料プールの専門家であるロバート・アルバレス氏によれば、チェルノブイリの85倍のセシウム137が福島第1原発に存在する。
4号機だけでもチェルノブイリの10倍です。

ここが崩壊すれば、世界の破滅につながっていく。それなのに、政府は今すぐ始めなければいけない核燃料棒の取り出しを急ごうとしていない。考えられないことです」

 村田氏によると、海外メディアはこうした危機を積極的に伝えているという。
フランスの有力誌「ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」は先月、4号機について「最悪の事故はこれから起きる」と題する記事を掲載した。

「北澤宏一・元JST理事長などの専門家を取材していて、北半球全体が長期にわたって深刻な汚染にさらされ、日本は滅亡すると指摘していました。
米国の原子力技術者アーニー・ガンダーセン氏も先月、国会内で講演し、同じような懸念を訴えましたが、ほとんど報じられなかった。

世界が注目している危機なのに、日本政府はその対応を東電に委ねて、国として最大限の努力をしていない。
放射能汚染の加害国という罪悪感がなく、ここに海外からは非常に厳しい目が向けられているのです」

 確かに政府がチンタラやっている間に、再び大地震が来る可能性もある。
政府は全力を挙げて、核燃料棒の取り出しに取り組むべきなのに、マトモに情報を出さない“加害者”東電任せ。

こりゃ、世界も怒るわけだし、国民もコブシを振り上げなければウソである。
posted by 小だぬき at 08:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中国で“日本人狩り”始まる!18日に北京で未曾有の大暴動も

中国で“日本人狩り”始まる!18日に北京で未曾有の大暴動も
2012.09.14   zakzak

中国の暴走が止まらない。
14日午前には中国の監視船が沖縄県・尖閣諸島付近の領海を侵犯、中国国内では日本人を標的にした蛮行が相次ぐ。
さらに満州事変の発端となった9月18日に向けて中国全土で大規模な反日デモが同時多発的に起きる恐れがあり、特に危ないのが首都・北京。専門家は、不満を抱えた学生の一斉蜂起で「無秩序な大暴動に発展しかねない」と懸念を示す。

 「2005年の反日デモより、今の方が社会の雰囲気が悪く、とても心配だ」と上海の日系メーカー関係者は明かす。

上海では日本政府が尖閣諸島を国有化した11日以降、日本人がラーメンを顔にかけられ目を負傷したほか、中国人からペットボトルを投げつけられ罵声を浴びた事例や、突然、声を掛けられ足を数回蹴られ打撲傷を負ったり、眼鏡を割られて奪われたりする騒動も起きている。

 中国当局は反日行動を野放しにし、お墨付きまで与えている。
中国外務省の洪磊副報道局長は13日の記者会見で、「中国全土が日本の誤った行動に憤りをたぎらせ、政府による正義の要求や対抗措置を支持している」と発言。
商務省の姜増偉次官も日本製品ボイコットについて「中国の消費者の権利」と容認した。

 中国在住の日本人ジャーナリスト、林真宣氏は緊迫する現地の様子をこう話す。

 「週初めから、現地メディアが尖閣に関する話題を連日トップ扱いで報じるようになった。
それに煽られて民衆の反日感情も高まりつつある。
ネット上では、反日デモへの参加や、尖閣購入のための募金を呼びかける声も噴出し、不穏なムードが広がっている」

 反日運動がピークを迎えると警戒されるのが18日。
1931年9月18日に満州事変の発端となった柳条湖事件が起きたことから、中国では「国辱の日」といわれる。

 中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏によると、「『9・18』は中国人のナショナリズムが最高潮に達する日で、過去に何度も反日活動が起こってきた」。
現地では中国版ツイッター「微博」などで、複数の市民が「9・18」のデモへの参加を呼びかけている。

 当初は書き込みを削除するなど沈静化に動いていた中国政府だが、ネット上での呼びかけを黙認する方針に転換、「反日の動きが中国全土に加速度的に拡大している」(前出の林氏)。

 富坂氏は、中国政府の動きを「経済格差や深刻化する就職難などにより民衆は不満を抱えている。自分たちにその鬱憤が向くのを恐れており、反日運動を扇動することで民衆の目をそらそうとしている」と分析する。

 日本人攻撃が「ガス抜き」というのもふざけた話だが、ボヤで済まずに大火事になりそうな危険もはらむ。

富坂氏は「盛り上がり方が尋常ではない。特に心配なのは、夏休みを終えた学生たちが学校に帰ってきていること。
政府への不満をため込んでいるこの階層の中国人が1カ所に集まり、各地で一斉に蜂起すれば無秩序な大暴動にまで発展しかねない。特に政府機関が集中する北京で大きな混乱が起これば、収拾不可能な事態になる」と危ぶむ。

 北京の日本大使館は、邦人に対し、1人での夜間外出やタクシー乗車などを控えるよう注意喚起した。Xデーに向けて、緊迫感は高まっている。 
posted by 小だぬき at 20:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月16日

反日デモ 突如暴徒化 北京 日本大使館前に1万人

反日デモ 突如暴徒化 北京 日本大使館前に1万人
2012年9月16日 東京新聞朝刊

 【北京=佐藤大】
尖閣諸島の国有化に抗議する反日デモは十五日、中国各地で激化した。
北京の日本大使館前には、尖閣諸島国有化に抗議して約一万人が押し寄せた。
秩序だって始まったデモは突然、暴走を始め、暴力的に変質した。


 最初のデモは午前八時半ごろに始まった。
「日本製品をボイコットし、レアアースの供給を停止しろ」「祖国の尊厳のために日本と開戦しろ」。
約百人がプラカードを掲げ、「日本人は釣魚島から出ていけ!」とシュプレヒコールを上げた。


 公安当局は早朝から大使館周辺に警戒態勢を敷き、デモを統制しようとした。
デモ隊も当初は当局の指示に従い、グループ順に比較的整然と抗議の声を上げていた。


 雰囲気が一変したのは午前九時半ごろ。
十番目ぐらいのデモ隊の一部が、大使館にペットボトルや野菜、石などを投げ始めた。
十〜二十代の若い男が中心。
最前列の男たちは大使館に突入しようと、大声を上げながら警官隊と激しく衝突した。
いったんデモを終えたグループも加わり、みるみる人があふれる。
片道三車線の道路全体が約四百メートルにわたってデモ隊と見物にきた人々に占拠された。大使館正面の日本国旗は、投げられた物で汚されたため降ろされた


 警官隊がデモ隊に押され、大使館の敷地に迫ると、数百人の武装警察が投入された。
鉄製のバリケードが敷かれたが、一部はそれも壊して乗り越えようとする。
武装警官が引きずり出されて暴行を受ける場面もあり、ぐったりした武装警官の一人が仲間に助け出された。
取材エリアにいた報道陣にも物が投げ込まれ、隣にいた欧米の女性記者の顔にコーン標識が当たった。


 午後六時ごろ、テロ対策などにあたる特殊警察が投入され、デモ隊は追い出された。
大使館周辺は赤い中国国旗が埋め尽くし、中国国歌が何度も響いた。
日ごろの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように興奮した若者たちの横顔には、「愛国」だけではない背景があるように思えた。
「愛国」を免罪符に一気に暴徒化する恐ろしさを感じた。


 インターネットでは、各地で暴徒化したデモ参加者が略奪物を自慢する書き込みがある一方、「犯罪行為だ」「中国の恥だ」との批判も上がっている


 十六日と、満州事変の発端となった一九三一年の柳条湖事件から八十一年にあたる十八日も、数十都市でデモが呼び掛けられており、反日活動はさらに激しくなりそうだ。

posted by 小だぬき at 08:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月17日

【口先と裏切り 橋下徹新党の正体 橋下ベイビーズ選考基準は「カネあるか」

【口先と裏切り 橋下徹新党の正体】
橋下ベイビーズ選考基準は「カネあるか」
2012年9月13日 日刊ゲンダイ掲載

「日本維新の会」旗揚げ

<風任せで当選すれば儲けもん>

 12日橋下新党「日本維新の会」が旗揚げした。
国会議員7人が参加し、これで国政進出を果たしたことになるが、急激な膨張路線と、次々と広げる大風呂敷には危うさが漂う。

「調子に乗っとんちゃうか」
 維新の地方議員は、最近、後援者にこう苦言を吐かれたという。アホなマスコミが世論調査で「比例投票先1位」とはやし立てるから、維新はますます天狗になる。
その最たるものが、次期衆院選での「過半数獲得」宣言だ。

 衆院の過半数は241議席。維新はそれを取りにいくため、全300選挙区と比例を合わせて350〜400人の候補者を擁立する方針だ。
週内に、維新政治塾の塾生と議員、首長、公務員経験者を対象にした第1次公募を開始する。
 橋下人気頼みの浮動票狙いだから、選挙資金は永田町で常識とされる「1人1億円」までのカネはかからないだろう。

しかし、小選挙区だけでも供託金は300万円×300で9億円。
街頭演説のやり方など選挙のノウハウを教えるスタッフも必要――普通ならこう考えるが、維新の場合は、カネもノウハウも必要なし。
風任せのデタトコ勝負なのである。

「現職以外でマトモな候補を立てるのは、関西を中心にした40〜50程度の勝てる選挙区だけ。
残りは落下傘候補を適当にはめていく。
いま、維新塾の塾生は『落下傘でもいいか。カネはあるか』と聞かれています。
『維新の看板だけは与えるから、自前でカネを用意してもらい、当選してくれれば儲けもん』という発想です。

これなら党のフトコロが痛まない。
『過半数獲得』について、橋下さんは『選挙後の他党との連携を含んだ過半数』とも言っています。
実際、100議席を取るのだって簡単ではありません」(在阪ジャーナリスト)

 維新は昨年の大阪市議選でも公募を行ったが、「優秀な元役人が『カネはあるか』と聞かれ『ない』と答えたら落とされた」(前出のジャーナリスト)という。

“カネこそすべて”で候補者を選考した結果、維新の1期生市議は「幼稚な学級会レベル」(市政記者)だ。
同じことが国政選挙でも起きる。
チルドレン以下の“橋下ベイビーズ”が大量当選しかねないのである。

 
確かに民主党も自民党もヒドすぎる。かといって、ムードに流され「橋下新党」に投票すると、有権者は間違いなく後悔するハメになる。
posted by 小だぬき at 04:15 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月18日

敬老の日に考える 人生という記憶遺産

敬老の日に考える 人生という記憶遺産
2012年9月17日   東京新聞社説

歴史とは、毛糸玉のようなものかもしれません。ほどいて、また編み直す。
またほどく。
長い人生の喜怒哀楽をひもとくと、未来の種が隠れています。


 目の前によどんだ海があり、背後には火力発電所の巨大な煙突がそびえています。

 名古屋市港区潮見町の工場地帯の入り口あたり。かつてここには、日本最大級の高射砲陣地がありました。
 砲台まできれいさっぱり撤去され、地面は平らにならされて、小さな森の傍らに、ドラム缶が積み上げられたりしています。往時のよすがは、ありません。

◆自分にとっての日常

 名古屋市東区の元会社役員森田三郎さん(91)が、彦根高商(現滋賀大)を繰り上げ卒業し、「きそ隊」と呼ばれる高射砲部隊に入隊したのは一九四二年の二月。
「声が大きかったからでしょうか」と森田さん。
下士官として観測班に配属されました。

 米爆撃機B29の来襲をいち早く目視して測高機で測り、指揮官の中隊長に方角や速度を告げる役割です。中隊長は森田さんからの情報に従って、砲手に撃ち方を命じます。

 高射砲は「当たらない」のが通説です。
B29が高度一万メートルというジャンボ機並みの高さを飛んでいたからです。


 ところが、潮見陣地には、口径一二センチ、砲身長六・七メートル、射程一万四千メートルという巨大な最新鋭の高射砲が、六門設置されていました。
それ以外には皇居防衛のため、東京・杉並に配備された六門があるだけでした。
航空機産業を中心とする中部のものづくりが、当時からいかに重要視されていたかがしのばれます。


 森田さんは役目柄、巨砲が放った砲弾がB29に命中した瞬間を何度も目撃しています。翼に開いた穴まで覚えています。
それほど空襲の最前線に生身をさらし、守りについていたわけです。


 「怖いとか、生き延びたいとか。そんな余裕はまったくありませんでした。ただそれが、自分にとって当時の日常、当時の生活だったのです」と、森田さんは淡々と語ってくれました。

 終戦の年の春、当時の名古屋高射第二師団長が将官旗を立てた黒塗りの車を乗り付け、陣地の中央に「撃墜八機 撃破二十六機」と墨書した木柱を立てていきました。これももちろん、今では跡形もありません。

◆口元に浮かべた笑み

 戦後森田さんは、戦争で中断させられた好きなテニスを思う存分楽しみました。  ことし一月に誕生日を迎えるまでの二十四年間は、名古屋市内の中心部にある市営のテニスコートへ月に七、八回、朝一番の地下鉄で通い詰めました。

 
 「生きていてよかったですね」と水を向けても、こたえは返って来ませんでした。

 その代わり、口元に笑みを浮かべて、テニスの話をし続けました。 
その笑顔が何より鮮やかに、生と平和の貴さを表していたような気がします。


 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、一九九七年から「世界記憶遺産」を認定しています。ベートーベンの自筆楽譜やアンネの日記、日本からは昨年、筑豊の炭鉱労働者の日常を記録した絵画や日記が初めて登録されました。


 このようなお墨付きはもらえなくても、すべての人の一生は、大切な記憶遺産なのかもしれません。

震災の記憶を背負った陸前高田の一本松が、ただそこに無言で立っているだけで、見る人に希望を与え続けてきたように、迷い道の出口にたたずんで、ほんのりと明かりをともしてくれているのかもしれません。


 原爆被爆者で医師の丸屋博さん(87)は「広島を訪れたイラクの大学の先生が、復興した広島の街と人を見て、自分たちにもやれそうな気になった、と言ってくれました。
生き残った私たちは、希望を語り続けたい。広島から世界へ、そして福島へ、希望の種を届けたい」と考えます


 三重県四日市市の水処理会社に勤める会社員榊枝正史さん(27)は年初から、四大公害の一つ、四日市ぜんそくの歴史を語るボランティアを引き継ぎました。
若き“語り部”です。


 「私たちは過去に、大事なものをたくさん失いました。その価値を決して忘れず、なぜ失ってしまったのかを、この街の歴史に問い続けたい。過去を語るということは、つまり未来を語ること」という思いとともに。

◆新しい花を咲かせて

 ホウセンカの種がはじけるように、人生という記憶遺産は、世代を超えて遠くへ飛んでいくのでしょうか。
 私たちは、飛び散った種を拾い集めて、紙面に記録し続けましょう。新しい花が咲きますように。
posted by 小だぬき at 07:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

憂楽帳:歴史の現場

憂楽帳:歴史の現場
毎日新聞 2012年09月18日 12時07分

春先、静岡県下田市の高台に長楽寺を訪ねた。

1855年2月7日、1カ月半前の「安政の大津波」の難を逃れたばかりのこの地で、日露和親条約が結ばれた。
択捉(えとろふ)島とウルップ島の間に国境を置くとの内容で、択捉、国後(くなしり)、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)の4島が日本領と定まった。
この日が北方領土の日なのはそのためだ。

今回の訪問まで、そうしたディテールを私は知らなかった。


 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化以降、中国で抗議の反日デモが広がる。
暴徒による破壊・略奪に一切の言い訳は許されない。

ただ、「戦略的互恵関係」という、いわば大人の理屈を強調してこの問題をとりあえず収束させようとするだけなら、未来への知恵が少し足りないように思う。


 「本当はねえ、こうした場所に教師や国の偉い人が足を運んで、子供たちや国民に教えてほしいんだ」。

長楽寺の境内で、旧ソ連から贈られた人形など友好の品々を展示していた宝物館従業員は言った。
歴史の現場を学び、考える。その積み重ねから生まれる冷静な議論もあるはずだ。       
           【千代崎聖史】

posted by 小だぬき at 18:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月20日

サンデー時評:「日本維新の会」、よくわからない

サンデー時評:「日本維新の会」、よくわからない

2012年09月19日
 ◇岩見隆夫(いわみ・たかお=毎日新聞客員編集委員)

作家の渡辺淳一さんが、「橋下クンに総理をやらせてみたらどうか」という一文を『週刊現代』六月二日号に寄せたのを読んで意外に思ったことは、以前当コラムに書いたことがある。


 渡辺さんは、

〈いまの閉塞したニッポンを変えられるのは彼しかいない〉

 と断じ、理由として迫力と色気をあげていた。
私には作家的感性がないから反論しにくいが、冷やかしでなく本気でそう感じているのだろうか。


 三十年ほど前、毎朝、通勤電車のなかで
、渡辺さんの新聞連載小説『ひとひらの雪』を読んだ記憶がある。男の恋愛心理を描く達人だと思った。

 いまは確か七十八歳になられる。私より少し年長だが、医者でもある高齢のインテリ作家の目に、橋下徹大阪市長がなぜそこまで魅力的に映るのか、不思議で仕方ない。


 迫力と色気というが、男性一般と政治リーダーの場合では当然意味合いが違ってくる。甘い顔のやさ男で話術にたけた橋下さんは、一般男性としてそれがある。だから、タレント弁護士で売れ、テレビ画面に再三登場し、〈ナニワの寵児〉のもとになった。

 だが、国家を経営する権力者としての迫力と色気がいまの橋下さんにあるかと言えば、ない。ない、が言い過ぎだというなら、極めて薄いというしかない

戦前の首相で言えば、
犬養毅さんは〈オオカミのごとく〉と言われ、
浜口雄幸さんは〈ライオン〉の異名がついて回った。
だが、犬養さんは天下の才人として、浜口さんは鈍重そのものの重量感で、指導者独特の迫力と色気を備えていた。
面相でなく、身辺からにじみでてくるものである。


 戦後の代表格はやはり田中角栄さんだろう。ほかにもいろいろいる。

  ところが、今年元日付の『産経新聞』が、有識者約千人にネット調査で、〈理想的なリーダーは誰ですか〉と問うたところ、(1)坂本龍馬(2)織田信長(3)徳川家康(4)小泉純一郎(5)橋下徹がベスト5だった。


 現役では橋下さんがトップ、田中さんは九位に追いやられ、石原慎太郎東京都知事は十三位。その後の各種世論調査も似たような傾向を示している。


 となると、渡辺さんの〈橋下首相論〉は世間の空気を代弁したことになるのだろう。しかし、私は危なっかしいものを感じる。日本が内外ともに国難的状況にあること、にもかかわらず既成の諸政党にはパンチがなく、旧態依然の政治手法にかまけていること、そこまでは、まったくその通りである。
しかし、だからといって〈橋下さん〉と声をかけるのは、飛躍がある。

 ◇価値観・方向性の一致? やはり「政策」だろう

 橋下さんが率いる地域政党の大阪維新の会は、九月八日、大阪市内の全体会議で、日本維新の会という名称の国政政党を設立、次期衆院選で国政に進出する方針を決めた。

全小選挙区(三百)と比例代表(百八十)に、計三百五十人から四百人を擁立し、過半数(二百四十一)の当選を目指すという。
この時点で維新の国会議員はゼロ、のちに自民、民主、みんな三党の衆参議員七人が参加して政党資格要件(国会議員五人以上)を満たした。


 確かに、〈比例代表でどの党に投票するか〉という世論調査の設問に対して、六月段階では維新が第一党に躍り出たこともあったが、最近はやや沈静化して自民党につぐ第二党に収まっている。
それでもすごい人気で、選挙予測のプロが数十議席から百議席前後をはじいているのもわからないではない。民主党首脳の一人は、

「細川さん(護熙・元首相)のケースがありますからねえ。ひょっとしたら、ひょっとする」
 と私につぶやいた。


 細川さんの場合、熊本県知事を辞めたあと、一九九二年五月、日本新党を旗揚げし、翌九三年七月の衆院選で三十五人当選させ(第五党)、そのまま連立政権の首相に就任した異例のケースである。
政党間の力関係から、意外な展開になったのだ。


 橋下さんはいまのところ、衆院選に出馬しないと言い切っているから〈橋下首相〉はありえないが、しかし、これまでの豹変歴からすると、いつ「出る」と言い出すかわかったものではない。

 だが、私の橋下不信はそんなことではない。
九月九日開かれた公開討論会には、国会議員、地方首長らが出席したが、橋下さんは冒頭に、

「個々の政策でなく、根底の価値観が共有できるか、方向性が一緒かを話し合ってもらいたい」

 と呼びかけた。
私は大変奇異な感じがした。価値観とは何を意味しているのか。
突然、茫漠とした単語が飛び出す。


 やはり政策だろう。わざわざ〈維新八策〉を用意し、センターピンは衆院定数の半減、消費税の地方税化などだという。だが、そのいずれも意見の一致はむずかしい。最初は、


「八策に賛同できるかどうかを連携の判断基準にする」

 と強気だったが、賛同が無理とみて、〈価値観〉などというあいまいで便利な言葉を持ち出したのではないか、と私は勘ぐった。もし、そうだとすれば、到底政治にならない。


 特に衆院定数の半減は世間受けする。民主党が四十議席減の公職選挙法改正案を出した時だし、そんなケチなことでなくバッサリ半分だ、という。〈まるでバナナのたたき売り〉という批判が出たそうだが、当然である。


 議会のあり方を真剣に議論した結果とはとても思えない。
ポピュリズム(大衆迎合)の最たるもので、しかも思いつきのように思われた。


 公開討論会の翌日、出席者の一人で橋下さんのブレーンの中田宏前横浜市長は、民放テレビで、

「いざという時には、これでいくぞ、五年、十年かけてもという、それが価値観。きのうはキック・オフです」
 と語った。よくわからない。


「維新はシナリオなきやり方、ぶっつけ本番ですから」

 とも中田さんは言った。ますますわからない。


<今週のひと言>

 正直、退屈だ、党首選。
(サンデー毎日2012年9月30日号)

posted by 小だぬき at 08:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

SAPIO 「新・大東亜共栄圏」で中国抜きの繁栄構想を提唱

SAPIO 「新・大東亜共栄圏」で中国抜きの繁栄構想を提唱
2012.09.20   ※SAPIO2012年10月3・10日号

 国際情報誌・SAPIOが9月20日発売号で『「新・大東亜共栄圏」中国抜きの“アジア繁栄構想”を提唱する――』との大特集を打ち出した。
その狙いは何か、以下は同誌の巻頭言だ。

 * * *
 本誌は敢えて「禁句」を提唱する。


 日本の戦後論壇では、日本を「アジアの盟主」と呼んだり、「アジアの共栄圏」を唱えたりすることはタブーとされてきた。
もちろん、先の大戦の反省と贖罪のため、「忍び難きを忍」んで言葉を呑み込んできたからだ。


 その間、戦争の大義を勝者の論理で押し殺された恨みは深く国民に沈澱し、反動から「禁句」をことさら口にする論客ももちろんいたが、結果、世界と日本人にその思想の中核が理解されることは難しかった。
だから「敢えて」なのである。


 いまアジアは大きな岐路に立っている。日本の敗戦という大きな断層があったにもかかわらず、過去100余年間、アジアの発展の先頭を走り続けてきたのは常に日本だった。
いまや「日本、恐るるに足らず」と鼻息荒い中国や韓国も、戦中のインフラや教育の整備のみならず、戦後も敗戦国たる日本からの援助によって近代化を進めざるを得なかったのが実情なのだ。

 ところが、その中国、韓国の台頭によってアジアのパワーバランスは崩れた。
時同じくして、日本が先進国、大国ゆえの変革の必要性に一歩早く迫られたことで、「我こそは新・アジアの盟主」と肩をいからせる国が、領土、経済、外交で幅を利かせ始めている。


 一方で、戦中に日本が開発に国家の命運を懸けた東南アジアは、ようやく高度経済成長期を迎えており、EUに次ぐ巨大経済連合の姿が見え始めた。文化圏、経済圏は少し異なるが、インドの急成長も周知の通りである。


 
残念なことに、尖閣・竹島問題を見ても明らかなように、中国、韓国が歴史を捏造してまで日本を敵視する姿勢を続ける限り、日中韓の連携によるアジア共栄の道はなかなか難しい。
が、それを「石の上にも三年」と待ち続ける時間は、日本の現状からも東南アジアの成長スピードから考えても、もはやない。

 この複雑な連立方程式の解こそ、今の時代に求められる「新・大東亜共栄圏」である。
要らぬ批判を受けぬために銘記しておきたいが、これはいたずらに中韓を敵視するものではない。
しかし、本来なら手を携えてアジアの発展に尽力すべき両国が、その道を好まぬなら、ひとまずそちらは時間がかかるものと覚悟し、まずは伴に歩める国々と先に進むしかあるまい。

冒頭に引用した「玉音放送」の一節はあまりにも有名だが、同じ詔勅のなかで昭和天皇は、こうも述べている。

「米英二国に宣戦せる所以もまた実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾するに出て、他国の主権を排し、領土を侵すが如きは、固より朕が志にあらず」


 
豊穣な自然と勤勉な人々、地政学的な要所を抱くアジアは、発展の後れゆえに先を行く国々に常に翻弄されてきた。

先の大戦の大義が欧米列強からのアジアの自立自存にあったとすれば、現代はむしろ同じアジアにはびこる新・帝国主義からの自立自存が必要かもしれないことは悲しむべき皮肉だ。

 反論も大いに歓迎したい。
今こそタブーを排し、「新・大東亜共栄圏」の在り方を論じる時だ。

posted by 小だぬき at 17:56 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月22日

詩人まど・みちおさんの『わからんちゃん』から

詩人まど・みちおさんの『わからんちゃん』から
2012年9月21日   東京新聞「筆洗」

<なんにもわからん/わからんちゃんが いてね/おしごと はじめた/とんかち スパナ/トンテンカン チンプンカン トンチンカン>。

詩人まど・みちおさんの『わからんちゃん』は、とにかく愉快な詩だ

<みんなが わらった/わらったっても へいき/まいにち まいつき/まいねん しごと/トンテンカン チンプンカン トンチンカン>

音読すると、言葉が口の中で弾み出すようだ

▼読んでいて心がまるで弾まないのは、米軍の新型輸送機オスプレイの沖縄配備をめぐる記事だ。
日米が安全確保策で合意し、日本政府が「運用の安全性は十分確認された」と安全宣言した

▼事故が相次ぎ、米国内では住民の反対で一部の訓練計画が中止された。

米国は事故原因を「人的要因が大きい」と説明、日本政府はこれを鵜呑(うの)みにして安全だと胸を張る。
沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が「トラブルは人のミスで発生するから大丈夫と言うなら、かなりトンチンカン」と言っていたが、まったくその通りだ

▼『わからんちゃん』は続く。
<そのうち できたよ/わからんものが できた/わからんちゃんたら/ひらりと のった><みなさん さよなら/つきまで いってきます/ふるるん るんるんるん/よぞらに きえた>

▼わからんものが日本中の空を飛び回るなんて、トンテンカン チンプンカン トンチンカン。
posted by 小だぬき at 07:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月23日

NHK強引な受信料徴収の実態 

NHK強引な受信料徴収の実態  
テレビのない家庭に「ワンセグ見れるなら払わないといけない」など
2012年09月22日   16:00   東京スポーツ

NHKがビジネスホテルチェーン「東横イン」を相手に受信料計約5億5210万円の支払いを求めた訴訟が波紋を広げている。
受信料徴収をめぐっては、一般庶民に対しても裁判を乱発。強引な取り立てまであるのが実情だ。

10月からの「受信料値下げ」を テレビを使い大アピールするその裏側で“大増収”に突っ走っているNHKに、非難の声が上がっている。

9月10日に東京地裁で開かれた第1回口頭弁論で、NHK側は「ホテルの受信料は主に客室単位で計算する。
テレビが設置されているのに未契約の約3万3700件分がある」と主張した。
一方、東横イン側は「空室やテレビを見ない人のことを 考えておらず、納得できない」と徹底抗戦する構えを見せる。
NHKは東横インとは別のホテル事業者2社に対しても同様の訴訟を起こしている。

2010年からは全国で不払いを続ける世帯に受信料の“強制執行の勧告”という実力行使に突入。
8月末で、125人が通知を受け、そのうち90人に強制執行の手続きが申し立てられている。

あるNHK職員は「受信料に関しては営業セクションなので、局全体にはトラブルの情報は入らない。
その分、受信料裁判で勝訴の話ばかり聞くので、職員のほとんどは“払って当たり前”の雰囲気になってますね」と明かす。

それにしてもNHKの“受信料”への強硬姿勢は何か腑に落ちない。
元NHK職員で、ネット上の「ひとり放送局」でNHK問題を告発している立花孝志氏も「もう横暴さを許すわけにはいかない。
これはヤクザまがいの行為」と憤る。

「そもそもホテルへの徴収ですが、ホテルで見る人は宿泊客。その宿泊客は自分たちの家でも受信料を払っていますよね。
つまり、家でも払って、宿泊先のホテルでも払うことになる。二重徴収にならないでしょうか?

さらに、立花氏はNHKが受信契約や受信料徴収を委託している業者の“暴走”を危惧する。

委託業者は契約させればNHKから金が入る。しつこく訪問したり、脅して契約させてしまうこともある。
私も勝手に家に上がり込んで、契約させられた女性からの相談も受けています」
5月にはNHK鹿児島放送局の委託業者が、鹿児島県霧島市に住む男性の衛星放送受信契約書を偽造。
男性の口座から受信料5440円が引き落とされたことが判明した。

NHKの“強制執行の勧告”は今後も続くとみられる。しかも、テレビの契約だけでは終わらない可能性もあるのだ。

「昨年7月に放送法の受信料に関する旧第32条が新第64条に変わったんですけど、新たに加えられた第4項が問題です」
第4項とは「協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をするものについても適用する」という規定。

受信するものはすべて受信料を徴収できるということだ。つまりワンセグケータイやカーナビ、パソコンまで徴収対象にする構えだというから恐ろしい。
実際に業者がテレビのない家庭に対し「ワンセグ見れるなら払わないといけない」と徴収する例は後を絶たない。
小さなケータイ画面と大画面でテレビを見る人が同じ受信料とは納得いかない気がするが…。

立花氏は
「裁判で勝ったことはニュースでバンバン流すのに、ヤクザまがいの徴収の仕方が問題になっても、流れることはない。
もちろんそうした徴収の仕方を問題視する番組を作るわけはないし、ひきょうです。
私はこれからもNHKの問題点を訴えていきますよ」と熱っぽく語った。
posted by 小だぬき at 10:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

失速が始まった 橋下新党 支持率2%に真っ青

失速が始まった 橋下新党 支持率2%に真っ青

2012年9月23日(日)10時0分配信 日刊ゲンダイ

<9日の公開討論が致命傷>

 橋下徹が真っ青になっているらしい。
予想外に支持率が低迷しているからだ。


 朝日新聞の調査では、政党支持率は〈民主16%、自民15%、維新3%〉。衆院比例区の投票先も〈自民23%、民主15%、維新5%〉という低さだ。
読売の調査でも、支持率は〈自民21%、民主15%、維新2%〉。
投票先は〈自民31%、維新16%、民主14%〉だった。
投票先では、地元「近畿」でも自民党にトップを奪われている。


 とうとう、ネットの質問サイト「ヤフー知恵袋」に「日本維新の会は早くも失速でしょうか?」という質問が寄せられる始末だ。

「やはり9日の公開討論会が致命傷でした。
維新の会に鞍替えする7人の国会議員などと討論会をやったが、彼らは『大賛成!』『おっしゃるとおり!』と橋下を絶賛するだけ。
さすがに、あれでは国民はシラけるし、橋下新党の底が割れた。

しかも、衆院選の目玉候補は、
そのまんま東のようなB級ばかりです。
この先、候補者が具体的に決まれば決まるほど、支持を失っていくはずです」(維新の会事情通)


 追い打ちをかけるように、橋下新党を支えてきたブレーンが、一斉に“離反”しつつある。

 これまで「維新の会」の政策は、“脱藩官僚”の古賀茂明氏(経産省)、原英史氏(経産省)、高橋洋一氏(財務省)の3人が知恵袋となってつくってきた。
ところが、橋下新党に愛想を尽かし、近々“集団離脱”するとみられているのだ。


 もし、3人の頭脳に見放されたら維新の会は終わりだ

「3人は維新の会の“変節にかなり違和感を持っているようです。

『脱原発』のエネルギー戦略会議が中止になってしまったことも大きい。
消費増税についても、橋下市長は『決まったことは受け入れる』と容認してしまった。

なにより、最近の維新は、安倍晋三にラブコールを送ったり、改憲に熱心だったりと、改革派の“第三極”というより、“第2自民党”のようになっている
さすがに、政策づくりに熱心な3人はついていけないでしょう」(霞が関関係者)


 もともと、3人は「みんなの党」のブレーンだったこともあって、橋下新党とみんなの党が、ケンカ別れしたのをキッカケに、みんなの党にシフトするだろうとみられていた。
19日も、「みんなの党」が開いた勉強会に3人そろって参加している。


「橋下市長は、支持率が低迷しているうえに、頼りにしていたブレーンが距離を置きはじめたことで焦りまくっています。
19日も、唐突に『大飯原発を止められるかどうかが試金石だ』と、一度は再稼働を容認したくせに脱原発を訴えたり、企業献金を受け取らないことを表明して『絶対に自民党にはできないことだ』と叫んでいる。
なんでもいいから、
とにかく国民受けのすることを訴えようということでしょう」(政界事情通)

 もともと維新の会は、民主党と自民党があまりにヒドイから伸びてきた勢力。
実績や中身があるわけじゃない。いよいよ、橋下新党のバケの皮がはげてきた。

(日刊ゲンダイ2012年9月20日掲載)
posted by 小だぬき at 21:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月24日

「不妊治療の救世主」か「命の選別」か 新型着床前診断が投げかけた波紋

「不妊治療の救世主」か「命の選別」か 新型着床前診断が投げかけた波紋
2012.9.19 07:00    産経新聞[関西の議論]

女性の社会進出に伴う晩婚化や出産年齢の高齢化に伴って不妊治療を受ける夫婦が増え続け、現在は6〜8組に1組の夫婦が不妊に悩んでいるとされる。

母体が高齢になるほど卵子の老化や染色体異常の割合が高くなって妊娠は難しくなり、不妊治療は「時間との戦い」の側面がある。
そんな中、専門病院「大谷レディスクリニック」(神戸市中央区)が染色体異常のない受精卵を選んで体外受精の妊娠率を上げる治療を行っていたことが明らかになり、論議を呼んだ。何が問題なのか。(加納裕子)


「学会は「容認しない」


 「他の治療法ではここまで着床率を上げ、流産率を下げることはできない。
相当有効な方法なのです」

 「大谷レディスクリニック」の大谷徹郎医師は、穏やかな表情でこう語った。


 今年7月、大谷医師が受精卵を子宮に戻す前にすべての染色体異常を調べる新たな受精卵診断(新型着床前診断)を行っていたことが明らかになった。


 大谷医師によると、平成23年2月から今年5月までに、25〜45歳の129組の夫婦に対して着床前診断を行った。
染色体に異常がなかった受精卵を70人の子宮に戻して50人が妊娠(71・4%)し、流産は3人(6・0%)。
一般的な体外受精による39歳の妊娠率(24・7%)、流産率(31・5%)を大幅に上回る結果だったという。

着床前診断について、日本産科婦人科学会は重い遺伝病以外の着床前診断を認めておらず、個別の申請を学会員に求めている。
だが、大谷医師は申請書に記入する患者の病歴などのプライバシーが守られる保証がないなどとして、申請を行っていなかった。


 学会は今回の治療について「妊娠率や生児を得られる率の向上には寄与しない」とし、容認しないとする声明を出した。
大谷医師は「それは『旧型』の話。新型の着床前診断は今後の不妊治療のスタンダードになるべき有効な治療法だ」と反論する。



困難な不妊治療 心身ともに疲弊して…


 なぜ、このような治療が必要なのか。
不妊の原因はさまざまで、一般的には排卵因子と卵管因子、男性因子がそれぞれ不妊の理由の25〜35%を占める「3大因子」とされる。
不妊治療に訪れた夫婦は検査を重ねてこうした原因を究明し、必要な治療を行っていく。

 精子が卵子に出合うために通る卵管が詰まっている場合や精子に卵管をくぐり抜ける力がないなどの場合は、卵子と精子を採取して体外で受精させた上で子宮に戻す「体外受精」に踏み切る。
原因が特に見つからないのに妊娠しないという場合も、排卵した卵子を卵管に取り込むことができない「ピックアップ障害」の可能性を考えて体外受精を試みることが多い。

ただ、それでも確実に出産できるとはかぎらない。
保険のきかない体外受精を繰り返して1千万円以上を費やす夫婦や、妊娠しても流産を繰り返し心身ともに傷ついていく女性が後を絶たない。
そして治療に時間を費やすほど高齢になり、妊娠しにくくなっていく。


 受精卵を何度戻しても着床しなかったり、流産を繰り返したりする主な原因は卵子の老化や受精卵の染色体異常とされる。
大谷医師は、新型着床前診断を行って染色体異常がなく妊娠する可能性の極めて高い受精卵を戻すことで、流産や度重なる体外受精の失敗による時間のロス、患者の肉体的、精神的負担を減らせると説明する。



障害者排除か さまざまな立場での議論必要


 今回大谷医師が行った治療について、東京都内のある専門医は「学会の指針に反したことは問題だが気持ち的には分かる」といい、「今回の治療法は技術的には確立されており、恩恵がないわけではない。
技術をどう使うかは社会の許容範囲によって決めるべきで、さまざまな立場の人たちの意見を聞き、議論を深めることが必要だ」と話す。


 実は着床前診断をめぐっては平成16年、受精卵の染色体の一部を検査する旧型の着床前診断を大谷医師が実施していたこと明らかになり、障害者団体から反発の声が上がったことがある。
染色体異常の受精卵を排除するように選別することは、ダウン症など染色体異常による障害者を排除することにつながるとの懸念があったためという。

脳性マヒを持つ人による「大阪青い芝の会」(大阪市東住吉区)の川嶋雅恵会長(59)は「着床前診断は優勢思想に基づいた命の選別であり、医師の理論で安易にすべきではない」と話す。
一方、患者の1人は「6度目の妊娠で初めて産声を聴くことができ、涙が止まらなかった」と語ったといい、大谷医師は「染色体異常がある受精卵を無差別に排除するのではなく、両親の希望によってはダウン症として生まれる可能性のある受精卵を子宮に戻すという選択肢もある」と説明している。


 命の選別とみるか、命を生み出すための治療とみるか−。
社会の許容範囲が今どこにあるのかを問い続けることが、高度生殖医療には必要なのかもしれない

posted by 小だぬき at 05:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月25日

平和国家は「柳に雪折れなし」の外交で、譲らず、理を説いてほしい

天声人語
2012.9.25   朝日新聞

 40年前のきょう、当時の田中角栄首相は北京へ発った。
毛沢東主席、周恩来首相と会談をこなし、中国との国交関係を回復したのは9月29日のことだ。
歴史的な訪中の前日、田中は東京西郊にある高碕(たかさき)達之助の墓前に参じている

▼日中友好の井戸を掘った日本人として、真っ先に名前のあがる人物だ。
実業家にして政治家で、周恩来との間に信頼と友情を育み、国交正常化への道をつけた。
いま泉下(せんか)で、角突き合わせる両国を何と見ていよう

▼北京で開催予定だった国交40年の記念式典が事実上中止になった。
節目節目に開かれてきたが、取りやめは初めてだ。
他の交流事業や催しも相次いで中止、延期になっている。
先人が掘り、後続が深めた井戸の水位が、みるみる下がりつつある

▼本紙が両国で行った世論調査で、日本の9割、中国の8割が「日中はうまくいっていない」と答えた。
中国での調査は尖閣諸島の国有化前だから、今はさらに悪化していよう。
どちらの政府も弱腰批判が痛手になりかねない

▼きょうは中国の文豪、魯迅(ろじん)が生まれた日でもある。
魯迅といえば「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」の一節が名高い。
日中の井戸も、戦後の荒野についた道のようなものだ。営々と時をかけて太くなってきた

▼すぐ指をポキポキ鳴らしたがる大国は厄介だが、平和国家は「柳に雪折れなし」の外交で、譲らず、理を説いてほしい。
勇ましい声に引きずられると、井戸は涸(か)れて火柱が立つ。

posted by 小だぬき at 05:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月28日

じいさんの墓参りも…靖国参拝、橋下氏に母が

じいさんの墓参りも…靖国参拝、橋下氏に母が
2012年9月27日22時53分読売新聞

 
橋下徹大阪市長は27日、記者団に、「国のために命を落とされた方に敬意を表するのは大切だ」と述べ、日本維新の会代表としての靖国神社の参拝に前向きな考えを示した。
「政党として方針を決める問題ではない」としたうえで、「8月15日に行くべきなのか、春秋の例大祭に行くべきなのかは考える」と述べた。


 また、「(戦争の)加害者であったことも忘れず、誤ったメッセージの出し方にならないよう気を付けなければならない」と言い、周辺国への配慮も必要との認識を示した。

さらに、靖国参拝の意向を話した母親から、「(橋下氏の)じいさんの墓参りも行ってないのにどういうことか」と苦言を呈されたことを明かした。

posted by 小だぬき at 06:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月30日

強烈台風 なぜ相次ぐ

強烈台風 なぜ相次ぐ
2012年9月30日 東京新聞朝刊

 強大な台風が相次いでいる。
沖縄に爪痕を残した台風15号と16号、本州に迫る台風17号といずれも最盛期は大型で、中心気圧も九〇〇〜九一〇ヘクトパスカルまで下がった。
立て続けの猛発達はなぜなのか。気象庁は温暖化との関連も含め「何とも言えない」とし、一方で熱帯上空の寒気の影響を指摘する声もある。(宇佐見昭彦)


 台風15号と16号は沖縄本島を通過後、朝鮮半島へ向かった。
厳しい残暑をもたらした太平洋高気圧が本州付近に居座っていたためだ。
今は高気圧が東へ退き、台風17号は本州直撃コースを進む。


 気象庁の区分では、台風の中心付近の最大風速四四メートル以上が「非常に強い」で、五四メートル以上は最上級の「猛烈な」。
最盛期には15号は非常に強い台風、16号と17号は猛烈な台風にまで発達した。


 三連続でこれだけの勢力になるのは、まれだ。
一九九七年の23〜25号はいずれも大型で猛烈な台風となり、中心気圧も九〇五〜九一〇ヘクトパスカルまで下がったが、日本列島にはそれほど接近しなかった。


 気象庁気候情報課では「フィリピンの東の海面水温は、今が一年で最も高い時期。大気の対流活動も活発だ。
ただ、それが台風の発達にどう結びつくか。温暖化が進むと強い台風の割合が増すという研究データもあるが、今回のケースが温暖化の結果かどうかは分からない」と説明。


 沖縄気象台でも「海面水温が高いといっても平年並み。決め手になる原因は分からない」と首をひねる。


 「台風物語」の著者で元静岡地方気象台長の饒村曜(にょうむらよう)さんは「ある一年の中では、海面水温や大気の流れなど台風のできる環境が似ていると、同じようなケースが続くこともある」と指摘する。


 「水温が平年並みなら上空の事情だ」と話すのは、天気キャスターで気象予報士の森朗さん。
「暑かったこの夏、偏西風が蛇行して上空の寒気が日本付近では南下できず、日本の東を南下して熱帯上空にまで流れ込んだ。
それが積乱雲の発達を強め、台風が勢力を増しやすい状況を招いたのでは」と分析する。

posted by 小だぬき at 08:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月01日

障害者の差別 防ぐには知ることから

ご心配をおかけしたMRI検査ですが、今回は主治医が画像解析と治療アドバイスを専門家から受けるということで 診断結果は 金曜日に持ち越しとなりました。
患者心理として より専門家に・・といわれると 心配がましますよね。
************************************
障害者の差別 防ぐには知ることから
2012年10月1日  東京新聞社説

 障害者の差別を禁じる法律作りが本格化する。
内閣府の専門部会がその土台となる意見書をまとめた。
障害者にのみ我慢や諦めを強いるのは人の道に外れる。
何が差別なのか。まずそれを知りたい。


 障害者の差別禁止法が大事なのは、約百二十カ国が結ぶ障害者権利条約を日本も批准するのに欠かせないからだ。
性別や人種による差別と同様に障害に基づく差別を防ぎ、被害を救済する手だてを整える必要がある。


 障害があっても普通に学び、働き、暮らす社会にというノーマライゼーションの考え方はだいぶ広まった。なのに、内閣府の最近の調査では約七割に及ぶ障害者が差別や偏見を体験したと答えた。

 生きづらさを訴える声が後を絶たない。なぜだろうか。

 悪意を抱いての排斥は論外として、端的に言えば、どんなことが差別に当たるのか世間が分かっていないからだ。
健常者本位の意識や行動、仕組みが図らずも障害者に不利益や不都合、不便をもたらし得ることにも思い至らない。


 障害当事者が加わった内閣府障害者政策委員会の専門部会の意見書はそんな視点から、何が差別かを示す物差しとなる法律を作るよう提言した。
差別した人を処罰するのではなく、障害者と健常者の格差を埋めるルールを望みたい。


 意見書は条約を踏まえ、差別の形には二つあるとした。

 まず、障害があることを理由に健常者とは異なる取り扱いをすること。
例えば、精神障害者を飛行機に乗せないとか、盲導犬を連れた視覚障害者をレストランに入れないとかいった行為だ。


 そして、健常者と同様の機会や待遇を確保するための配慮を欠くこと。
車いすの人が通れるように建物の入り口にスロープを設ける、パニック障害の人が満員電車に乗らずに済むように勤務時間を変える、というふうな工夫をしないと差別と見なされる。


 もっとも、相手のさまざまな障害に配慮しようとすれば資金や人手、物品などの負担が避けられない。
事業者や個人は持ち出しとなる。
でも、前向きに負担を引き受けてこそ支え合い社会に近づく。公的支援が大切だ。


意見書は交通や医療、教育、雇用、政治、司法などの十分野について事例を交えて説明した。
だが、法律の条文は抽象的にならざるを得ない。具体的な場面が思い浮かぶような手引が要るだろう。


 差別をなくすには差別の実態を知らせ、知る努力が肝心だ。
posted by 小だぬき at 18:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月02日

また福祉が人を殺した-生活保護バッシングは「助けて」とも言えず餓死・孤立死を頻発させる社会まねく

また福祉が人を殺した-生活保護バッシングは「助けて」とも言えず餓死・孤立死を頻発させる社会まねく
2012年09月21日 11:21
国家公務員一般労働組合スクラム
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11360225593.html

 昨日、中央社会保障学校(中央社保協主催)でシンポジウム「餓死・孤立死・生活保護をめぐって」が開催されました。シンポジストのひとり雨宮処凛さん(作家、反貧困ネットワーク副代表)の発言の一部要旨を紹介します。(by文責ノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)


また、福祉が人を殺した

 今年5月、私は「全国『餓死』『孤立死』問題調査団」に同行して、札幌・白石区のマンションで姉妹が遺体で発見された孤立死事件の調査を行いました。

 

 この事件は私にとって他人事ではありませんでした。
亡くなった42歳と40歳の姉妹の出身地は私と同じ北海道滝川市で、妹さんとは年も3つしか違わなかったからです。
しかも、お姉さんが働いていたのは私もよく知る地元では有名なデパートで、その店が倒産したことで札幌に出て働き始め、それから数年後の今年1月、遺体で発見されたのです。


 お姉さんは3度にわたって白石区に生活保護の相談に訪れていました。
3度の面接受付表を見るとライフラインの滞納の問題を確認していなかったり所持金や預金残高も確認せずに追い返しているのです。

調査団に同行した現役のケースワーカーの方によると基本的なことも確認されていない非常に問題が多い対応できちんと対応すれば生活保護が必要な状況であったとのことです。
生活保護は最後のセーフティーネットなのに、地域の違いや対応した職員の違いによって対応が全然違うというのに私は愕然としました。


 私が生活保護の同行申請を行っているとき、多くの当事者は自殺という言葉をよく口にします。
「生活保護を受けられなかったら自殺してた」、「もうきょうダメだったら自殺しようと思ってた」と言う人が多いのです。


生活保護は最後のセーフティーネット、最後の砦です。
当事者は生死のぎりぎりのライン上にいて、きょう目の前で生活保護がダメなら自殺してしまう可能性も高いのです。
それなのに、対応する窓口の職員によって生活保護が受けられるかどうかが違ってくるとか、ローカルルールでこの地域では若い人が来たら必ず追い返すなどというとんでもないことが現実に行われている。
生死にかかわる現場なのに、その地域とか職員によって差がありすぎることに愕然としました。


 官邸前抗議デモ やっと日本が普通のまともな国になった


官邸前抗議行動は、金曜日の原発再稼働反対と水曜日の生活保護など社会保障改悪反対、消費税増税反対の課題などでいま毎週行われていて、私は主に金曜日と水曜日の行動に参加してきました。


 毎週金曜日の脱原発の官邸前抗議デモで、参加している方に聞くと、黙っていると容認とか賛成の方に自動的にカウントされると官邸前に来て脱原発の意思表示をしたいという人が多いですね。


 一般の方が多く参加する官邸前行動は、抗議デモ、直接行動に参加するハードルが下がって、民主主義が健全に機能し始めたと思っています。

私たちは「民主主義が再稼働した」と言っています。
心の制御棒が福島原発事故によって引き抜かれてデモクラシーが再稼働しているわけです。
世論では脱原発の方が圧倒的に強いのに、なかなかそうならない現状、間接民主主義が機能していない現状があるから直接声をあげて、野田首相も直接話し合うなどの一定の対応を引き出すなど、直接行動が少しずつ政治を動かす力になってきているという手応えを感じてきたのが3.11からのこの1年半だと思います。


この1年半で500万人ぐらいがデモに参加しているといわれていて、6月の官邸前だけで100万人以上が集まり、金曜日は脱原発、水曜日は生活保護改悪・社会保障改悪・消費税増税の反対行動、火曜日がTPP参加反対、またオスプレイ配備反対なども加わるなど毎日のように官邸前で抗議行動が行われるというのは、日本の民主主義の今後にとって、とてもいい影響があるのではないかと楽しみにしています。

 
 昨日新宿で行われた民主党代表候補街頭演説会で候補者に対して多くの市民から批判の声があがりました。
こうしたことも、官邸前などの熱気がなかったらあんなに多くの批判の声もあがらなかったのではないかと思います。
市民が声をあげられるような社会になって、海外のメディアが報じているように、日本はやっと「まともな国」「普通の国」になったのではないでしょうか。


 原発再稼働の問題もそうですが、生活保護の切り下げ、社会保障の切り下げ、消費税増税についても声をあげストップさせなければ生きられない、殺されてしまうという切実な問題ですから、もっともっと声をあげなければいけません。
今まで黙っていてひとつもいいことがなかったということをみんな感じていると思いますのでもっと声をあげていきたいですね。


 「助けて」と言えないまま餓死・孤立死を頻発する社会 こうした社会でいいのかと私たち一人ひとりが問われている


脱原発などで多くの市民がいま声をあげているという現実がある一方で、をあげられない人のことを考えなければいけないと思っています。

 
 餓死・孤立死事件で、札幌・白石区のお姉さんはSOSを発信できましたが、SOSを発しないで餓死・孤立死に至ってしまうケースも多いことが非常に気になります。
 
 よく考えると、他人に「助けて」と言える、行政にSOSを発信できるというのは、2つの条件が必要だと思うのです。
 

 1つは自分が助けられる価値がある人間だと思っているということです。
自分は生きていていいと自分を肯定できる状態であることが「助けて」と言える1つめの条件です。
でも貧困はその条件を簡単に人から奪い去ってしまいます。
貧困状態に陥ると人間は、「自分なんか生きているだけで迷惑で申し訳ない」、「働けなくて生きていくのは申し訳ない」などと思ってしまう。
自分に助けられる価値がない、生きる価値がないと思ってしまうのです。

2つめの条件は、社会に対する信頼を持っていなければいけないということです。
社会に対してSOSを発したところで誰も助けてくれないと社会への不信感を持っていると「助けて」とは言えません。

 
 1つめの自己肯定感、自分は生きていていいという思いと、2つめの社会への信頼がないと、「助けて」とは言えないのです
  多くの貧困当事者は「助けて」と言った瞬間に貧困ビジネスのカモになるというような体験をずっと繰り返してきている。
「助けて」と言うたびにひどい目にあっていたりするのです。
貧困に陥る前段には労働の現場で裏切られてきたということもあり、いろいろなところで繰り返し騙されています。
社会に裏切られ騙されて続けているのでそういう社会に対して「助けて」とは言えないのです。
このまま行くとSOSを発しないまま餓死や孤立死などで亡くなっていく人が増えていくのではないかと危惧しています。


 私たちにできることは、貧困当事者に信頼されるに足る社会をつくっていくことです。
貧困当事者、生きづらさを抱える人たちが信頼できる社会なのかが、私たちにいま問われているのだと思うのです。
いま餓死や孤立死に至ってまでも「助けて」とも言わないままにこれだけの人を死なせている社会なのです。
こうした社会のあり方でいいのかと私たち一人ひとりが問われていると思うのです。

生活保護バッシング は 生きていていいとされる条件をどんどん厳しくし 誰もが生きづらい社会まねく。

 社会構造上の問題を考えずに、どこかで楽して得している奴らがいるぞとばかりに生活保護バッシングの激しさがどんどん加速しているような気がします。
経済の停滞が続き、どんどん生活が厳しくなっていくなかで、生活保護バッシングに熱をあげる人たちには社会構造上の問題を考える余裕がないのではないかと思います。
構造の問題に迫るという余裕すら持てない状況が広がっているのではないでしょうか。
ある意味、社会構造上の問題を考えるということはある程度余裕がなければできないことでもあるので、ますます余裕がなくなって生活保護バッシングがどんどん過激になってしまうのではないかと危惧しています。


 今回の生活保護バッシングは、片山さつき議員をはじめとする自民党の生活保護プロジェクトチームが火付け役です。
片山さつき議員などは、民主党政権になってからこんなに生活保護受給者が増えているとバッシングしているわけですが、理解できないのは、自民党政権時代の雇用政策の失敗のツケや社会保障費をがんがん削ってきたツケが回って、いまこんなに
大変になっていることを全部他人のせいにしてバッシングしているところです。
ここが一番分からない点です。
これに対して自民党はよく言ってくれたとか言っている人はその流れをどう考えているのか理解に苦しみます。


 
先日の報道ステーションで自民党の石原伸晃議員は「ナマポ」などと生活保護受給者を蔑視するような発言をするだけでなく「尊厳死」まで持ち出し背筋が寒くなる思いをしているのですが、こうした攻撃はどんどん激しくなって来るような気がしています。

こうしたバッシングによって、社会で生きていくハードルを上げられてしまうので、自分を肯定するハードルも上がってしまうのです。
それを「尊厳死」などとまで言われ出すとこのハードルをクリアしていないと「もう生きていてはいけない」という社会になっていくと思うのです。

そんな社会は誰にとっても生きづらい社会です。
とにかく自分が役に立って生産性が高くてより多く利益を生み出せるということを常に証明しないといけないというとても生きづらい社会になってしまいます。


 生活保護バッシングがもたらすものは生活保護の問題だけにとどまらず、生きることに対して多くの条件を課していくという社会に変わっていくという問題です。

生きていていいとされる条件がどんどん厳しくされ、生きていくハードルが上げられていき、私たち一人ひとりが「私は存在していていいんだろうか?」、「私は生きていて迷惑なんじゃないか?」などと思わされてしまうという とても生きづらい社会につながっていくと思うのです。
 

posted by 小だぬき at 13:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月04日

少子高齢化―がんばりようがあるか

少子高齢化―がんばりようがあるか
2012.10.4    朝日新聞社説
 たぶん、「がんばりようがある」とわかれば、みんな、なんとか、がんばっちゃうんだと思う。/「がんばりようがない」というときが、いちばん、じつは、くるしいわけで。(糸井重里「羊どろぼう。」から)

 
 「がんばりようがある」と思うのは、どんなときだろう。


 65歳以上の高齢者が今年、3千万人を突破した。20〜64歳の現役世代は減少していく。
65年に9.1人で1人のお年寄りを支える「胴上げ型」だった日本社会は、いまや2.4人で1人の「騎馬戦型」。2050年には1.2人で1人を支える「肩車型」になる――。

 政府が社会保障と税の一体改革を訴えるため、盛んに発信したメッセージである。


 これで「がんばれる」だろうか。現役世代は肩の荷が際限なく重くなる絶望感を抱き、高齢者は年をとると
 働らけない人が働けないのは何か悪いことのようで不安になる。そんな反応が自然だろう。


 ここで示された人口構成の変化にうそはない。


 だが、「支える」ための負担の重さは本来、「働いていない人」1人を何人の「働いている人」で支えるかで示すべきだ。

 この指標だと、見える風景は違ってくる。


 今年の労働経済白書の試算によると、働いていない人と就業者の比率はここ数十年、1対1前後で安定してきた。

 高齢者が増える一方、子どもの数が減ることで、社会全体としてみると、働いていない人の割合が極端に高まっているわけではないからだ。


 さらに白書は今後、一定の経済成長を達成し、多くの女性や高齢者が働くようになるケースでは、就業者は現状の延長に比べ、2020年で352万人、30年で632万人増えるという見通しも示している。今より働く人の比率が増える。

 働き手が押しつぶされる肩車型のイメージとは随分違う。


 もちろん、年金や医療、介護でお金がかかる高齢者が増えるため、社会全体での負担増は避けられない。

 ただ、働いていない人が就業者に回れば肩の荷は軽くなる。

ことに女性の就業である。女性が働きやすい政策が展開されると、出生率が上昇する傾向は多くの先進国でみられる
子育ての支援は、女性の就業率を向上させながら、少子化も改善するという点で効果が大きい。  
「がんばりようがある」世界である。
そこに目を向けて、一人ひとりが「がんばっちゃう」と、世の中は変わる。

posted by 小だぬき at 05:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月06日

本物を超えるニセモノ現れる

仲畑流・万能川柳:本物を超えるニセモノ現れる
毎日新聞 2012年10月06日 東京朝刊


☆印は秀逸(仲畑貴志選)


☆本物を超えるニセモノ現れる 久喜 宮本佳則


挨拶をすればいい人なんだろか 
さいたま 影無


外人が見れば和食の洋食屋 
武蔵野 竹とんぼ


重力のない部屋ほしくなる介護 相模原 水野タケシ


これがまあ終の仕事かテレショップ 
糸島 摘んでご卵


つり具屋の投げ売りセールについ釣られ 
神戸 中林照明


党内に異論なければそれも変 
神奈川 荒川淳


披露宴楽しかったわまた呼んで 青森 よしのまち
 

テレビ上ちょっと置くとこ欲しいけど 貝塚 土生肇


できるなら改名してよ肛門科 横浜 岩瀬雅史


匿名になったとたんに毒舌家 
高知 しばてん


70でまだ少年の頃の夢 
藤枝 寺田克


バスなのと言って5分もしゃべるなよ 
神奈川 カトンボ


陸橋もガードレールもない銀座 
越谷 小藤正明


手間はみな同じですよと言う床屋 行田 ひろちゃん


人生も腹まわりほど豊かなら 白石 よねづ徹夜


あご上げて頭数えるバスガイド 
川越 麦そよぐ


ネタ切れで末席狙いばかり出来 
東京 八寿代

posted by 小だぬき at 07:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

政治評論家・筆坂秀世氏 「共産党は一貫した護憲勢力」か

政治評論家・筆坂秀世氏 「共産党は一貫した護憲勢力」か
2012.9.30 17:10  MSN産経新聞

皆さんは共産党を一貫した「護憲勢力」と考えていないだろうか。
「必ずしもそうではなかった」と説明すると、大抵の人は目を丸くする。
私は18歳で入党し、平成17年に離党するまでナンバー4と言われる政策委員長などを務めた。
党の憲法政策にも深く関わってきたが、党の歩みは「護憲一辺倒」ではなかった。


 象徴的な例として9条を挙げたい。
中央委員会議長を務めた野坂参三さんは憲法制定時、自衛権まで否定するかのような書きぶりに猛反対した。

ところが、時の吉田茂首相は「戦争は国家防衛の名で行われてきた」と取り合わなかった。


 衆院選で野党第二党に躍進した1970年代以降
、他党との連立政権樹立を念頭に、「憲法違反の自衛隊は解散させるが、国民の合意があれば憲法を改正し、最小限の自衛措置は取る(軍隊を持つ)」という方針を打ち出した時期もある。


 「9条堅持」を明確に打ち出すようになったのは90年代に入ってからだ。
「冷戦が終わり、軍隊無しにやっていける世界が来た」と考えたからだ。
いま党はかたくなに「護憲」を掲げているが、現実的な憲法論に立っていた時代もあったということだ。


 憲法改正の是非を大いに論じたらいい。
憲法は神棚に上げておくものではない。
護憲派にその傾向が強い。
特に9条の検証は急がねばならない。
これは明らかに日本の属国化を前提にした条文だ。


 「戦力を保持しない」と規定した理由は、単に戦前の日本軍に代わる米軍が憲法制定時は駐留していたからだ。


 占領が終わり、独立国になった現在の日本にとってふさわしい条文なのか、日米安保体制のあり方も含めて議論が必要だ。

posted by 小だぬき at 16:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月07日

ニュースの匠:自民党の「右翼」化=鳥越俊太郎

ニュースの匠:自民党の「右翼」化=鳥越俊太郎

毎日新聞 2012年10月06日 東京朝刊

◇次の選挙、カギに

 先日の日曜日、TBSテレビの「サンデーモーニング」をぼんやり眺めていました。
日曜朝ですから、まだ十分に目覚めていない頭なんですね。
でも、この人の発言にはオヨヨ、と思わずテレビ画面にくぎ付けになりました。

「自民党はずいぶん幅の狭い政党になったもんですねえ。保守の中の右翼ばかりだ」
 河野洋平さんが話題にしているのは自民党総裁選の5人の候補のことです。順不同で並べておくと、安倍晋三、町村信孝、石原伸晃、石破茂、林芳正の各氏です。
 私が「うん、河野さん、よく言った!」と思わずひざを打ったのは、国民・有権者が今回の総裁選全体に漂う、そこはかとなきある種の空気を感じていると思っていたからです。


 5人の候補はいずれも異口同音に主張しました。「集団的自衛権の行使を認めるべきだ」


 安倍さんはさらに一歩踏み込んで「国防軍をつくる」と言い、確か石破さんも同様のことを発言されていたのを記憶しています。
尖閣諸島の問題で日中間が険悪な状態になっている折から、なんとも勇ましく、心地よい響きになりそうで心配ですね。


河野さんがあえて“右翼”と5人の候補を断じたのも、自民党の歴史を知る者には当然に映ります。

 50年以上にわたる自民党政権下では、憲法9条の精神に照らして「集団的自衛権は保有するが、行使しない」という解釈を守り通して来られたからです。
もちろん、自民党の中の一部タカ派=右翼的傾向の政治家はこれに抵抗してきました。
しかし、自民党政権期間中はどういう政治家が総理になってもこの「集団的自衛権は行使しない」という基本方針は守られてきました。


 現実はどうでしょう。

 実は小泉(純一郎)政権下、日本の自衛隊はイラクの戦場に送られ、特に航空自衛隊の輸送機は米軍兵士をイラク内で運んでいました。
これは立派な戦闘行為への参加です。
事実上「集団的自衛権」は行使されていたのですね。


 集団的自衛権の行使に日本が強い歯止めをかけたのには理由があります。
過去の世界大戦の歴史を見れば、これこそが戦火拡大の最大の原因だからです。
もし、自民党が再び返り咲き、安倍総理になったらどうなるのでしょう。
次の選挙がカギです。

posted by 小だぬき at 14:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月08日

病み切ったニッポン 老若男女、上から下までマル奇事件ゾクゾク



病み切ったニッポン 老若男女、上から下までマル奇事件ゾクゾク
2012年10月5日 日刊ゲンダイ掲載

 ニッポンは、老若男女 上から下まで病み切ってしまった。
4日は最高検の公判部長(58)が酔っぱらって電車を遅らせた、なんてバカな話が報じられた。
エリートがこのざまだから、野田政権に生活をメチャクチャにされた庶民は推して知るべしだ。

<90歳老婆が隣家に火を放つ“狂気”>

 石川県輪島市では4日、90歳の老婆が放火の疑いで御用となった。
 捕まったのは無職の倉とき容疑者で、近所の会社員(51)の自宅物置に火を放ち、併設の木造2階建て家屋を含めて約280平方メートルを全焼させた疑いだ。
「現場近くでは07年と昨年の2回、不審火が続いて、地元警察が防犯カメラを設置していた。
今回の火災後に映像をチェックすると皆、ビックリ。近所の婆さんの姿がバッチリ写っていたのです。
一連の不審火も婆さんの犯行とみて調べています」(捜査事情通)

 この婆さん、年齢の割にチョー元気で、自ら火を放ちながら、火災直後のテレビの取材に、「私の家も火がつくかと思った」とハキハキと答えていた。
「婆さんは、被害者宅とトラブルがあったわけでもなさそうです。
杖なしで歩けるとはいえ、腰は90度近く曲がっており、遠出はおっくう。
そこで近所に火をつけたようです」(前出の事情通)
 息子夫婦らと共に暮らしていたが、家族は婆さんの“狂気”に気づかなかった。
カツカツの暮らしの上に、消費増税。身内に気を配る余裕すら、もうない。

<ニート男が薬局で歯ブラシ5本ボキッ>

 島根県出雲市では、無職男(35)がドラッグストアで売り物の歯ブラシ5本を一束にして突然、ひねり潰し、器物損壊の現行犯で逮捕された。
「逮捕前日から市内のドラッグストア6店舗で同様の被害が相次ぎ、いずれも男の犯行のようです」(捜査事情通)
 男は動機を語らず、ふさぎ込んでいるそうだ。
男は地元の商業高を卒業後、地元企業に就職。数年前に会社を辞めてフラフラしていた。
事件の背景には地方の疲弊がある」と男の知人は言う。
「30歳を越えて職を探すにも、ハローワークの求人は“飛び込み営業”くらい。

企業側も〈どうせ辞めても職がない〉と高をくくり、従業員をコキ使う。
若者は職を探して地元を離れ、残るは老人だけという悪循環。
アイツじゃなくても皆、憂さを晴らしたいんです」
 男は二股騒動で話題になった料理評論家・園山真希絵と小・中学校の同級生だった。
「華やかな世界を生きる彼女と、うだつが上がらない自分……。格差も、彼を追い詰めた要因のひとつでしょう」(知人)

<幼い娘2人を刺殺した母親の心の闇>

“子殺し”も後を絶たない。
神奈川県葉山町では3日、9歳と9カ月の娘2人を刺殺した42歳の母親が逮捕された。
 母親は精神障害で入退院を繰り返していたというが、心に闇を抱える母親は増える一方。
男性より女性の方が2倍うつになりやすく、うつ病患者は右肩上がりで100万人超だ。
主婦事情にも詳しいライターの佐藤留美氏が言う。
「政府の子育て支援なんてかけ声ばかり。
私の周囲で〈安心して子育てできる〉と話す母親は一人もいない。
とりわけ働く母親は、誰にも助けてもらえないという閉塞感を常に感じている。
うつ状態じゃない方が少ないでしょう。〈時々イライラしてわが子に殺意を覚える自分が怖い〉と悩んでいる知人もいます」
腐った政治の罪は重すぎる
posted by 小だぬき at 14:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月10日

子どもの貧困 政治は冷たすぎないか



社説:子どもの貧困 政治は冷たすぎないか
毎日新聞 2012年10月10日 02時30分

親の失業や経済困窮から授業料が払えず、やむなく中退する高校生や大学生が後を絶たない。
義務教育でも給食費や学用品費が払えない児童生徒が増えており、市町村が実施する就学援助を受ける小中学生は全国で157万人に上る。
調査開始時(95年度)の約2倍で、小中学生全体の16%を占めるに至った。


 深刻なのは、自治体によって差が大きく、援助が必要なのに受けられていない子が相当数に上ることだ。
生活保護受給世帯の子への援助は国から補助金が出るが、それに準ずる世帯の子については国が税源移譲して補助金が廃止されたため市町村の裁量に委ねられている。

 ユニセフが今年発表した子どもの貧困についての国際比較によると、先進20カ国の中で日本は貧困率が4番目に高かった。
日本より上はアメリカ、スペイン、イタリアだけ。
北欧諸国に比べると日本の貧困率は約3倍という高さだ。


 意外に思う人もいるだろう。
不況とはいえ日本で子どもの餓死や凍死なんて聞かないじゃないか、と。ユニセフの調査は「相対的貧困率」と呼ばれるもので、その国の標準的所得の半分以下の世帯の割合と定義されている。
人々がある社会の中で生活するためには、その社会における「ふつう」の生活からかけ離れていないことが必要との考えによる。


 修学旅行に一人だけ行けない、まともな食事が学校の給食だけ、ふろに何日も入れない……という状況は現在の日本の社会的水準からかけ離れ、いじめや排除の対象になりやすいというのだ。
学校に通えないとよい仕事に就くチャンスが少なくなり、お金がなければ健康にも悪影響が出る。そんなアリ地獄が貧困の連鎖を生んでいる。


 社会保障はそのためにある。税や保険料を国民から集めて必要な人に年金や生活保護として給付する再分配機能によって、困窮者の生活は支えられているのだ。

ところが、日本の子どもの貧困率は再分配をした後でさらに悪化する状態が続いていた。
子育て世帯は納めている税や保険料の額ほどには給付が得られなかったのである。最近になってようやく改善されたが、子ども手当をめぐる混乱の中で再び悪化が懸念されている

posted by 小だぬき at 07:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

山谷ブルース・八代亜紀



岡林信康が 歌詞を短縮し、最後の部分をカットしているのに、八代亜紀。五木ひろしの2人が アルバムで オリジナル版を歌ってくれているのに出会い、嬉しくなりました。

山谷の歌詞を パート 臨時雇用、などの「理不尽」な雇用形態に置き換えて 歌い続けてほしいものです。
「働く者の世の中」を 目指したいものです。
個人加盟の合同労組や一般ユニオンなどもあります。

大手組合の「第2人事部」「経営者と一体」「労働貴族化」では 本当に弱い者を救わないことは確かなようです・・・
posted by 小だぬき at 20:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月11日

復興予算19兆円を他に転用続々



これは極めて悪質な犯罪だ 復興予算19兆円を他に転用続々に国民の怒り爆発
2012年10月10日 日刊ゲンダイ掲載 

関係者を逮捕し真相を究明する必要

<復興のためと称して大増税して国民から奪い取ったカネを自分たちのために勝手に使っている財務省以下の役人どもは完全な犯罪人。
野田政権は初めからこの犯罪に意図的に関与しているという疑惑>

 東日本大震災の復興予算が沖縄の国道整備や中央省庁の耐震改修などに使われていたことが発覚、大騒ぎになっているが、こりゃ、内閣総辞職モノのデタラメだ。

 復興予算とは震災の復旧、復興のために組まれた特別会計(東日本復興特別会計)で、5年間で少なくとも19兆円を投じることになっている。
うち、10.5兆円は復興増税(所得税や住民税)で賄うもので、国民も「被災者のためになるなら……」と認めたものだ。

 ところが、そんな予算が被災地とはまったく関係ないところで、てんで関係ないものにジャブジャブ使われていたのである。

 主なものは別表にまとめたが
、見れば見るほど、腹が立ってくる。
被災地以外の道路整備や官庁施設、公営住宅の耐震化に使われた「全国防災」名目の予算は4827億円。

「多くの納税者の安全に耐震化は必要」とか言って、都内など12カ所の税務署も耐震化されたが、その一方で、被災地は置き去りなのだ。
震災で本庁舎の建て替えが必要な自治体は13市町村に及ぶが、ひとつも着工していない。よくもまあ、財務省はテメーの税務署だけを先行させたものだ。

「武器弾薬にも巨額の復興予算が使われていますよ。
武器車両等整備費に669億円、航空機整備費に99億円。
防衛省は『津波で被災したから』というが、武器より、被災者の生活改善が先でしょう。

他にも北海道と埼玉県の刑務所では小型油圧ショベルなんて買っていた。被災地に近いのでガレキ撤去作業のための職業訓練という名目です」(野党関係者)
 そんなこんなのデタラメが5000事業もあるのである。

 経済産業省が企業の国内での立地や設備投資を支援するために2950億円もの予算をブン捕った「国内立地推進事業」にも驚かされる。
一見、被災地の産業復興、雇用改善に役立ちそうに見えるが、補助金対象510件のうち、被災3県の事業はたった30件しかなかった。
残りはどこが受け取ったのかというと、トヨタやキヤノン、東芝などの大企業の名前が出てくるのだ。

 これじゃあ、単なる大企業支援だが、もっと驚くことがある。
こうした復興予算の“転用”“流用”が明らかになった今、平野復興相が何と言ったか。
「個々の予算で見た場合、いかがなものかというものもないわけではない。
きちんと精査し、来年度予算以降は被災地に特化した予算をつくる」
 まったく他人事なのである。
岡田副総理はこう言った。
「国民から理解が得られない部分があるなら手直しすることが大事だ。
被災地にお金が十分、行き渡らないことになれば本末転倒で、見直しが必要だ」

 自分たちが予算をつくってバラまいたくせに、この言い草。
何がこれから精査、見直しだ。自分たちが当事者ではないか。
こんな失態が明らかになった以上、責任をとって辞めるのが当たり前だ。
いや、これは失態といえるのか。コイツらだって分かってやっていたのではないか。

国民の善意を踏みにじり、震災を悪用、焼け太りするなんて、許し難いゴロツキどもだ。
posted by 小だぬき at 06:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月13日

家電エコポイント:激論 会計検査院と環境省

家電エコポイント:激論 
検査院「CO2排出増えた」/環境省「長く使えば削減」
毎日新聞 2012年10月12日 東京朝刊

省エネ性能が高い家電製品を普及させるため実施された国の「
家電エコポイント制度」について、会計検査院は11日、制度の目的とは逆に二酸化炭素(CO2)排出量が年間で約173万トン増えたとする試算をまとめ、国会に報告した。
制度をきっかけに新しく家電を購入した消費者が多く、その分CO2排出量が増えたとしている。
これに対し、制度を推進した環境省は「極端な仮定だ。制度の効果を短期的にしか評価していない」と強く反発している。【古関俊樹、藤野基文】


 エコポイント制度は09、10年度に地球温暖化対策や経済活性化などを目的に、環境、経済産業、総務3省が実施。
省エネ効果が高い家電3品目(エアコン、冷蔵庫、地デジ対応テレビ)を購入するとポイントがもらえ、商品券などと交換できた。

環境省は昨年6月、CO2削減効果は年間約270万トンと発表している。


 検査院は家電の購入状況から、CO2排出量を独自に試算した。
その結果、CO2が最も増えたのがエアコンで、期間中に購入された約737万台のうち、買い替えは約335万台にとどまり、新規購入された約402万台が排出する約243万トンを全て「純増」と判断した。

 エアコンが1台しかなかった家庭が、制度をきっかけに2台目を購入したケースなどが想定されるという。
冷蔵庫とテレビでは買い替えが新規需要を上回り、これらを含めた全体では約173万トンの増加と試算した。

 また購入価格に応じてポイントがつくため、消費者が通常より大型の製品を選択する傾向があったという。
一回り画面が大きいテレビや容量が多い冷蔵庫が買われ、結果的に消費電力の大きい製品の購入が促されていたと判断した。

検査院は「経済活性化などに役立ったが、商品の新規購入や大型化で消費電力が増えることも踏まえ実施を検討する必要があった」と指摘した。

 ◇「考え方異なる」

 一方、環境省は家電の新規購入に伴うCO2排出量の考え方が検査院とは異なると主張する。

 検査院は、制度がなければ家電製品は新規購入されないと仮定。購入が促進されたことで、その分のCO2排出量が増えるとしている。
これに対して環境省は、制度がなければ省エネ効率の良い家電ではなく比較的価格の安い、平均的な省エネ効率の製品が購入されると仮定。
制度で効率の良い製品が購入されればCO2排出量は削減されると試算した。


 環境省の担当者は「新規購入した時点では排出量が増えるが、省エネ効率の良い家電を長く使えば排出量は削減できる。
必要な家電をどうやって省エネ効率の高いものに替えていくかが重要なのに、検査院は分かっていない」と批判した。

posted by 小だぬき at 07:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月14日

「愛国」の名の下の罵詈雑言 「心の余裕」なくなった?

特集ワイド:「愛国」の名の下の罵詈雑言 「心の余裕」なくなった?
毎日新聞 2012年10月11日 東京夕刊

◇戦争知る世代減少、引く経済の停滞

 売国奴、国賊−−最近、やけに物騒な、時代がかった言葉が週刊誌やネット上に飛び交っている。
尖閣諸島や竹島など領土問題に関する政治家や有名人の発言に反応しているらしいのだが、なぜこんな“過剰”な物言いが広がっているのか。【藤田祐子】


 集中砲火を浴びたのは、中国国営中央テレビが9月21日に放送した野中広務元自民党幹事長(86)へのインタビュー。

「日本政府の不法な『尖閣購入』による関係亀裂を日本の元官房長官が中国におわび」と題したニュースで、野中氏が日本語で「こんな不幸な事件が起きたのは、まったく日本の人間として恥ずかしい。
中国の皆さんに大変申し訳ないと心からおわびを申し上げる」と述べるシーンが流れた。
ニュースは中国語で、談話も一部のため「不幸な事件」が何を指すのか、日中戦争なのか尖閣諸島の国有化なのか、はっきりしない。
だが「謝罪した」という一点で非難が集中。批判をまとめたサイトが10以上作られ、転載された動画のコメント欄には、差別語や「犬」「売国奴」などの書き込みが相次いだ。


 民主党の藤井裕久元財務相(80)は同月23日、NHKの討論番組で、中国との向き合い方について「中国にも韓国にも昔の日本に対するものが残っている。
歴史を若い人にもっと勉強していただきたい」と発言。
週刊誌で「親中派の熱烈応援」と批判され、ブログなどでもあげつらわれた。

日中国交正常化40周年を機に中国側に招かれ9月下旬に訪中した自民党の高村正彦元外相(70)も、訪中しただけでネットで「弱腰外交」「売国三昧(ざんまい)」とののしられている。

 冷静な議論もあるが、怒りを投げつけるだけのものも多い。
    ■

 「こと外交に関しては、民意のほうが政府よりも強硬で、対外的に強くあれという愛国主義的な主張に傾く『対外硬(たいがいこう)』の傾向は、明治以降の近代日本でずっとあったことです」。
「中国化する日本」などの著書がある歴史学者の與那覇潤(よなはじゅん)愛知県立大准教授はそう話す。


 プロの外交の現場は常に駆け引きや妥協と一体で、100%の「勝ち」はない。
対して、自らの立場だけを主張すればよい国内世論では政府よりも強硬派が主流となるのは自然だという。
「特に、言論の自由が国家に制限された明治期や戦前は、『愛国ゆえに要求する』と強調して訴えることが、弾圧を避けるうえでも有効な手段でした」


 しかし、民主化していない中国はともかく、今の日本で、「愛国」の名の下に、罵詈雑言(ばりぞうごん)まで飛び交うのはなぜか。


 背景には、冷戦構造の崩壊以降、日本を取り巻く世界の枠組みが大きく変わったことがある。
「対アジア外交ではこれまで、第二次大戦のしょく罪意識や経済的な優越ゆえの“心の余裕”が、強硬論のみに傾かせない緩衝となってきた。
それが90年代以降、戦争を知る世代の減少による加害者意識の衰弱や、中韓の経済的台頭と日本の停滞などで構造が変わります。

そこへ、今回の日系企業への焼き打ちのような、どうみてもこれは中国側が『加害者』だろうという事態が起きたことで、一気に被害者感情に反転し、軍事的強硬論が噴き出してきたといえます」(與那覇さん)


 これまでは「上から目線」で譲歩する、という特殊な関係にあった対アジア感情が、経済的余裕がなくなったために強硬論に傾いたとみるのだ。

「同時に55年体制の終わりや業界団体の弱体化で、政治家の地位が漠然とした『民意』のみに依存し始めたため、『民意の批判』に対して非常にもろくなった。
政治家が民意を恐れて、特定の反応しか示しにくくなっている、という状況はあると思います」

藤井元財務相の事務所は「批判されて立場や意見を変えたということはありません」としているが、野中氏の事務所は「取材申し込みが相次いでいますが、十分な時間が取れず、さらなる誤解を招く恐れがあるので」として、口を閉ざしている。

    ■

 政治家だけではない。
映画「ラブレター」が韓国で大ヒットした岩井俊二監督(49)は9月18日、短文投稿サイト「ツイッター」で「中国や韓国での反日教育をどう思っていますか」と質問を受け、「侵略された国がまだ怒っていても当然」とし、「こういう時は国境を越えて同じ気持ちの仲間が連帯して今の平和を守らないと」などと書いた。

発言は韓国の新聞で紹介されて注目を集める一方、日本では批判が集中。
岩井監督は同23日、「僕の意見なんか平和を願う日本人のごくごく平凡な意見。
そういう意見が誰もがもっと自由に語り合える環境が大事だと思うんだが」と書き残して主な発言を削除した。


 「『嫌な空気』を感じることがある」と話すのはノンフィクション作家の吉永みち子さん。
新聞各紙の1面トップがそろって反日デモ激化と尖閣諸島問題だったことに「(大ニュースだが)見事に同じ内容で、不安を覚えた」とコラムに書いたところ、友人から「そんなことを書いて大丈夫?」と気遣われたという。

「領土問題だけではなく、『たばこを吸う人が許せない』や『電車内のベビーカーは邪魔』など、ネガティブな『嫌う権利』が強くなり、逆の立場は声を出しにくくなっている気がします。
重要なのは多様な意見があることではないでしょうか」。
考え方の違う存在を認めず、自分にとって都合の悪いものは社会から抹殺する、という姿勢に疑問を持たない人が増えたとしたら、それは不気味だという。

「友人は、大多数の感情の流れと異なることを言うと批判されるのではと心配してくれた。
かつて、日本にもものが自由に言えない時代があった。
それは強制ではなく、こんな形で訪れるのだと実感してぞっとしたのです」


 この息苦しさを振り払う手立てはないのだろうか。
吉永さんは「口をつぐまないこと」ときっぱり。
與那覇さんは「ある選択をしたら次はどうなるかを、具体的に想像してゆくしかない」と話す。
「互いに譲歩しないなら、戦争するのか。その場合、どうやって勝つのか。
勝った後、得た島をどう確保し続けるのか。
その負担は元が取れるのか。それで、望む結末がやってくるのか。
頭を冷やしてひとつずつ、考えてみませんか」

 短慮の先には敗北しかない。
posted by 小だぬき at 10:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月15日

ミネラルウォーターより水道水が安全ってことあるの!?

ミネラルウォーターより水道水が安全ってことあるの!?
2012年10月14日(日)21時0分配信 美レンジャー


目にしない日はないくらい、どこでも見かけるようになったミネラルウォーター。500mlがおよそ100円ほどで売られていますが、よく考えてみて下さい。

水道水はただ同然なのに、ミネラルウォーターを購入する理由は何でしょうか?
 例えば塩素のカルキ臭が苦手な人は、ミネラルウォーターのほうが飲みやすいと思います。
しかし安全面に関しての検査基準は、水道水のほうが厳しいチェックを受けていることをご存知でしょうか?

今日は、ミネラルウォーターは本当に安全なのか? 水道水は危険なのか? について見ていきたいと思います。

■水道水の検査基準は50項目あるのに……

水質基準については、水道水は水道法で50項目、ミネラルウォーターは食品衛生法で原水には18項目の水質基準が定められています。


発ガン物質と言われる『ヒ素』は水道法で1リットル当たり0.01ml以下なのに対し、食品衛生法では0.05ml以下なので、ミネラルウォーターの基準のほうが緩く、水道水の5倍という結果に。


■実は昔より水道水は塩素が少ない?


水道水は病原菌等の繁殖を防ぐため、塩素で消毒されます。塩素自体は人に対しては影響はありませんが、カルキ臭が気になると思います。
そして、塩素と水が反応して発生する発がん物質も気になります。

しかしそれらを軽減するために、現在“高度浄水処理”という処理がされているのをご存知でしょうか?

高度浄水処理とは、カビ臭原因物質・トリハロメタンのもととなる物質や、カルキ臭のもととなるアンモニア性窒素など、通常の処理では十分に対応できない物質の処理を目的としたものです。

■大阪の水が美味しくなったわけ


大阪の水が以前と比べて、とても美味しくなったという話があります。
これは全国に先駆けて大阪市で、最初の塩素混入の過程をオゾン消毒に切り替えたからではないかと思います。

オゾンの殺菌力は塩素の7倍! 塩素処理の過程が減っても十分安全なお水へ処理することが可能です。
また、カルキ臭も減るので、より美味しく感じるようです。


いかがでしたでしょうか?
 ミネラルウォーターばかり飲んでいると、進化した水道水が美味しくなっているのに気づかないですよね。
味覚は人それぞれですが、水道水を飲むことで、今までのイメージが変わる味が発見できるかもしれませんよ。

posted by 小だぬき at 09:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月19日

発信箱:報道されない「示談」=大治朋子(外信部)

発信箱:報道されない「示談」=大治朋子(外信部)
毎日新聞 2012年07月03日 00時24分

 沖縄に暮らして実感したのは、米兵らによる犯罪の多さだ。


 沖縄県警が昨年1年間に摘発した米軍人・軍属らの刑法犯件数は42件。前年比で約4割減、過去10年で最少というが、それでも1カ月に3.5件、10日に1回のペースで起きている。


 例えば2月に起きた器物損壊事件。酒に酔った海兵隊員が、金武町の学校などに駐車されていた車11台を破壊した。


 驚いたのは、その後の「示談交渉」。
海兵隊の法務担当は被害者の学生らを交番に呼び出し、示談書へのサインを求めた。
奥の部屋には警官がいたが、「何をしているのか確認しなかった」。
学生らは交番だったので「警察の仲介だと思った」という。


 「示談」のやり方もおかしかった。米軍の法務担当者は英語の示談書などを用意し署名させたが、それを学生らに渡さなかった。
だから被害者たちは「サインはしたが、内容はよく思い出せない」。そんな理不尽が繰り返されてきた。


 学校側は報道機関に一斉に情報提供したが、地元紙の琉球新報以外はほとんど報じなかった。
たまたまニュースが多かったのか、あるいは人手不足だったのか。
本紙はウェブサイトで新報の記事を転載した。


 報道を受け、米軍側は今後交番を使わないこと、示談書を被害者にも渡すことを約束し謝罪した。
警察も「交番を使用しないよう要請した」と記者発表した。
それでも多くのメディアは、沈黙した。
「沖縄ではありがちな話」と黙殺したのかもしれない。

posted by 小だぬき at 06:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

沖縄米兵事件 再発防止へ実効性ある対策を

沖縄米兵事件 再発防止へ実効性ある対策を
(10月19日付・読売社説)

 卑劣で悪質な犯罪で、日米同盟にも悪影響を及ぼしている。  米軍は、実効性ある再発防止策を早急に講じるべきだ。
 沖縄県中部で、未明に帰宅中の成人女性が米海軍兵2人に暴行された。
 沖縄県警は2人を集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕した。厳正な捜査を求めたい。
 2人は米テキサス州の基地所属で、今月上旬に来日し、犯行当日中に離日する予定だった。

 8月には、那覇市で在沖縄米兵による強制わいせつ事件が発生したばかりだ。
こうした不祥事が繰り返されるようでは、日本の安全保障に欠かせない米軍の沖縄駐留が不安定になろう。


 沖縄県の仲井真弘多知事が「正気の沙汰ではない」と憤るのも無理はない。米軍による具体的な犯罪抑止策の徹底が急務である。


 現在も、在沖縄米兵には、米軍基地外での飲酒制限や、沖縄の文化・歴史に関する講習などが義務づけられているが、今回のような短期滞在者は対象外だ。

 森本防衛相らは、日米合同委員会で米側に綱紀粛正の徹底を強く求める考えを示している。


 若い米兵を対象にした中長期的な教育の拡充、外出制限など、より包括的で効果的な対策をまとめることが重要だ。


 今回の事件は、米軍の新型輸送機MV22オスプレイが沖縄に配備された直後だったため、県民の反発が一段と高まっている。

 ただ、暴行事件への対応とオスプレイの安全確保は基本的に別問題であり、それぞれ解決策を追求するのが筋だろう。
 同時に、米軍による事故の防止や騒音の軽減など、周辺住民の負担全体を軽減する努力を日米双方が不断に続ける必要がある。


 政府内には、1995年の女児暴行事件時のように、沖縄の反米軍世論が沸騰する事態になることを懸念する向きもある。

 しかし、当時は、県警が逮捕状を取った米兵の身柄引き渡しを米側が一時拒否したのに対し、今回は県警が容疑者の身柄を確保している点が大きく異なる。
容疑者2人は日本の司法手続きに基づき、処罰される見通しだ。


 仲井真知事は日米地位協定の改定を改めて主張している。
だが、今回の事件捜査では、起訴前の米兵引き渡しなどを制限する地位協定が障害とはなっていない。

 日米両政府は従来、地位協定の運用の改善を重ね、具体的問題を解決してきた。それが最も現実的な選択であり、同盟関係をより強靱(きょうじん)にすることにもつながろう。
2012年10月19日01時30分 読売新聞
posted by 小だぬき at 06:54 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月20日

【復興予算の横流し問題】決算委員会 (森まさこ議員の質疑)

自民党参議院議員の森まさ子さんの質問には 反自民の立ち位置に立つ私も熱烈支持をしています。ともすれば 忘れられがちになってきている 福島県被災地の現状を知ることができます。


posted by 小だぬき at 09:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月21日

駐留(占領)米軍の全面撤退と対等な「新安全保障条約」を!!

小沢一郎氏 失脚の引き金となった2009年2月の発言とは?
2012年10月21日(日)7時0分配信 NEWSポストセブン


 ベストセラー『戦後史の正体』(創元社)が話題の元外務省国際情報局長・孫崎享氏は、新刊『アメリカに潰された政治家たち』(小学館刊)で、アメリカの虎の尾を踏んで失脚した政治家12人を紹介している。
そのなかの一人が、「国民の生活が第一」代表の小沢一郎氏だ。小沢氏はなぜ米国に狙われたのか、孫崎氏が解説する。
* * *
 私は米軍情報部が人材リクルートのために製作したプロモーションビデオを見たことがあります。
その映像では情報部の活動の一端が紹介されているのですが、オサマ・ビン・ラディンなどとともに小沢一郎氏の写真が映し出され、私はハッとしました。 
彼らにとっては、小沢氏に対して工作をしていることなど、隠す必要がないほど当たり前のことなのです


 2009年2月24日の記者会見で、小沢氏は「軍事戦略的に米国の極東におけるプレゼンスは第7艦隊で十分だ」と語りました。小沢氏はこれでアメリカの“虎の尾”を踏んだのです。

 この発言から1か月も経っていない2009年3月3日、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の会計責任者で公設秘書も務める大久保隆規らが、政治資金規正法違反で逮捕される事件が起きました。
しかし、贈収賄が行なわれたとされるのはその3年以上も前で、あまりにもタイミングが良過ぎます。

 なぜこういうことが起きるのかというと、米国の情報機関は、要人の弱みになる情報をつかんだら、いつでも切れるカードとしてストックしておき、ここぞというときに検察にリークするからです。


 この事件で小沢氏は民主党代表を辞任しました。
その後、民主党への政権交代が起き、鳩山首相が誕生したのですから、もしこの事件がなければ、小沢氏が首相になっていてもおかしくなかったのです。
この一連の事件は、ほぼ確実に首相になっていた政治家を、アメリカの意図を汲んだ検察とマスコミが攻撃して失脚させた事件と言えるのです。


※『アメリカに潰された政治家たち』より抜粋

posted by 小だぬき at 20:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月22日

テレビと孤独死

憂楽帳:テレビと孤独死 
毎日新聞 2012年10月20日 西部夕刊

 新聞社の編集局にある複数のテレビはどれも一日中つけっ放しだ。
いつ地震速報などが流れるか分からないからだ


北九州市の市営団地で一人暮らしの男性(70)は全く別の理由で夜、テレビをつけっ放しにしている。
団地の大半は独居高齢者。
車通りからは少し離れ、日が落ちると深い静寂に包まれる。
「しーんとなると孤独感に押しつぶれそうになる」。
つまらない番組しかない時は音を消し、ムード音楽を流す。
それでもテレビのスイッチは消さない。目はテレビ画面を追い続ける。
「“人”を感じていたいんです」


 団地では6年前、孤独死事案があった。
4カ月だれも気付かなかった。
男性は、皮と骨だけになった遺体を直接この目で見た。
自分だっていつこうなるか分からない……。
時々そんな不安に襲われるという。


 夜の団地を歩いてみた。
カーテン越しにちらちらと光が動くのが見え、テレビの前で座る高齢者の姿が思い浮かぶ。
ふと思った。
テレビがなかった時代は、お年寄りが一人で暮らすこともほとんどなかったろうし、孤独死もなかったろうな、と。
                            【三木陽介】

posted by 小だぬき at 04:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月23日

「権威」の落とし穴

【私説・論説室から】
「権威」の落とし穴
2012年10月22日  東京新聞


 体温計が計測不能になった状態を初めて見た。
 当時一歳の長男の熱は、四〇度を上回り計測限度を超えていた。

 異変に気付いたのは夜だ。
かかりつけの医院は開いていない。
迷わず小児医療専門の国立病院の夜間救急に向かった。
設備も整い権威ある医療機関だ。


 診察した医師は、考えられる検査をしたが診断がつかない。
最後は「検査で後遺症が残ることがある」と覚悟を求められ、脳の異常を調べる髄液検査まで受けた。
結局、発熱の原因は分からずじまいで帰宅した。


 翌日、かかりつけの開業医を受診すると「それならマイコプラズマ肺炎しかない」と言う。処方薬で高熱がうそのように下がった。


 病院の医師も懸命に診察してくれたが、開業医の知識と臨床経験に救われた。


 偽のiPS心筋移植騒動は東大やハーバード大という権威に惑わされ、メディアは真偽を確かめる思考を停止させてしまった。


 医療では大学病院を筆頭に大病院にいる医師が最も腕がいいと思いがちだ。

 だが本来、所属する医療機関の大小と医師の能力は関係ないはずだ。
 騒動で長男のこの一件を思いだした。そして反省も含め、思考停止の落とし穴を再認識させてくれた。


 診察室に入ると「お待たせして申し訳ないですね」といつも謙虚に声をかけてくれるかかりつけ医の顔を思い浮かべながら、そう実感した。 
              (鈴木 穣)

posted by 小だぬき at 09:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「報われない」と思う前に

香山リカのココロの万華鏡:「報われない」と思う前に
毎日新聞 2012年10月23日 東京地方版

ある日、突然、「パソコンのサイトに犯罪予告を書き込んだだろう」と言われ、逮捕される。
「やってません」と否定しても、「詳細な調査から、キミのパソコンから書き込まれたことはわかってるんだ」と取り合ってもらえない……。

 そんなカフカの小説か悪夢のようなできごとが、現実に起きてしまった。
この7月には大阪で、9月には三重で、それぞれ市のホームページなどに犯行予告が書き込まれ、その“犯人”と見られて逮捕された4人のパソコンは、いずれも遠隔操作ウイルスに感染していたことがわかった。
つまり、別の人物がその人になりすまして、書き込みを行っていたわけだ。


 さらに、真犯人と見られる人物が報道機関や弁護士に犯行声明のメールを送り、その動機を「警察・検察をはめてやりたかった」と明かしている。
同じ手口を使って、全部で13件もの犯行予告、脅迫メールを送ったようだ。


 専門家によれば、今回の遠隔操作ウイルスは「数年間、専門的にプログラムの勉強をした人なら比較的、簡単に作成できるもの」ということだ。
テレビでもその道の専門家が、「すぐできます」と記者のパソコンを遠隔操作していた。

しかし、いくら専門的な知識を身につけた
人には簡単でも、そこに至るまでの「数年間の勉強」は決して簡単ではないはずだ。


 そういえば、あの「iPS細胞を臨床応用した」とほぼ虚偽と思われる話をマスコミなどでした男性も、長年、勉強や研究を続けてきたことはたしからしい。
なぜ、そうやって、苦労して勉強した結果を、社会に役立つことではなくて間違った方向に使おうとするのだろう。
自分の努力が十分な成果につながらず「報われない」という思いが、次第に社会や他者への恨みや妬みに変わっていくのだろうか。


 実は、診察室でも「私だってがんばっているのに、こんなに認められないのはおかしい」と怒りを訴える人がときどきいる。
たしかにその人たちは多額の報酬も手にしていなければ、ノーベル賞などの輝かしい賞ももらっていない。
それでも、「好きなことをやっている」というやりがいと、社会に貢献できているというそれなりの手ごたえと、自分の生活を支えるだけの収入が得られれば、それで幸せとは考えられないだろうか。
「報われない」と落ち込む前に、専門的な知識や技術を努力して身につけた自分に誇りを感じてほしい、と心から思う。

posted by 小だぬき at 20:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする