2017年05月22日

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」ゲスト 小池晃(後編)

室井佑月が共産党・小池晃に説教!?
「共産党はネットの使い方が下手すぎ」
「ネトサポに対抗する組織つくれ」
2017.05.21 LITERA

日本共産党書記局長・小池晃参院議員を迎えてお送りしている室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」。
前編では、森友問題はもちろん、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用や共謀罪強行、2020年新憲法施行宣言の批判で意気投合、「安倍首相は後ろめたいときキレる」「自分に媚びない女性に厳しい」など、安倍首相を徹底ウォッチしてきた二人ならではの分析まで飛び出した。
 ところが、後編では一転して、室井佑月が共産党と小池議員に「野党連合は大丈夫なのか」と追及。
「共産党は真面目すぎ」
「ネットやマスコミの使い方が下手すぎ」と説教を始めたのだった。
はたして、共産党書記局長でもある小池議員はどう答えるのか?
 そして、野党連合の行方は?
(編集部)


小池晃が「NHKの国会ダイジェストを見ると、僕が言い負かされてるみたい」と

室井 でも、これだけいろいろあっても、安倍政権の支持率って下がりませんよね。
そうそう、小池さんにあったら、これをぜひ陳情したいと思っていたんですけど、世論調査って、信用できるんですか。
マスコミの世論調査の実態について調べてほしい。
だって怪しいんだもの。
私のまわりには仕事じゃなきゃ、安倍さんマンセー! なんて人、いませんよ。
地域や年齢層、時間帯、やりとりがどんなものなのか。
本当に公正で正確な調査なのか。
意図的な誘導があるんじゃないかと。

小池 内閣支持率はそんなことはないと思いますが、室井さんのおっしゃる通り、恣意的な世論調査もありますよね。
「テロに対して備えるための、テロ等準備罪がありますが、どう思いますか?」と聞かれたら、「反対」とはなかなかなりません。
たしかに、安倍政権の支持率が落ちないのは、野党の結束力の弱さ、与党・自民党に代わる力を示せていないことが原因のひとつにあると思います、でも、一方では、そうしたメディアの問題も大きいと思います。

室井 そうなんです!
 国会中継のダイジェストなんてひどいですもんね。
安倍さんが反論にならない論理をかざして逆ギレしている答弁を、上手に編集して、「なんか強そうな勇ましい人だ」「負け知らずでタフ」というイメージに仕上げてしまう。
これこそ悪質な情報操作だと思うんです。

小池 そういえば、自分の国会質問を後からテレビで見ると、「これ、俺が負けているみたいだな」と思うことがありますね(笑)。

室井 実際は全然違うのに。

小池 さっき言った「妻を犯罪者扱いするのは不愉快だ」発言のときもそうでした。
私は「昭恵夫人と籠池理事長がいつから知り合いか」と質問しただけなのに、安倍首相の「不愉快だ!」という逆上場面だけを流して、私の質問も反論もカットしてしまう。
だから、犯罪者扱いした小池に対して、安倍首相が妻をかばったかのような印象をもたれてしまうんです。
後でNHKの担当記者に「なぜあそこだけ切り取って流すのか」と聞いたら、「そうした方が、安倍さんの異常さがわかるんじゃないですか」と言っていました。
でもそれはまったく逆だと思います。

室井 あの不愉快発言も、ネットでは「安倍ちゃん最強!」なんて絶賛されてましたもんね。

小池 テレビのニュース番組などでもほとんど政権批判がなくなりましたね。
テレビの討論番組も少なくなった。
以前は、『サンデープロジェクト』(テレビ朝日)などで政党討論をやっていましたが、最近は有識者討論ばかり。
やるとしてもBSでしょう。

室井 安倍さんが首相になってから、安倍政権に批判的なコメンテーターはどんどん変えられているんですよ。

小池 テレビで批判的なことを言った司会者やコメンテーターに、政府から「ご説明を」なんて来るらしいですね。

室井 昔は、自民党議員の愛人やってる友達から、「あんた、それくらいにしとき!」とか注意されて、「先生が会いたがっているよ」と言われ、その議員さんと一緒にご飯を食べに行ったことがあるんです。
そしたら「元気だな、跳ねっ返りが」とか笑われておしまいだった。
ま、私は若くて可愛いバカ枠だったので、そんなものでしたね。
それが今はネトウヨやネトサポ(自民党ネットサポーターズクラブ)と思しき連中から、いっぱい誹謗中傷がきます。
ババアになったからという理由だけじゃないでしょ。
テレビ局やスポンサーに、集団で「なんであんな女を使うんだ」と電話があったり、ツイッターなどネット系でも、私の発言を抜き取って、歪めて「こんなにバカなことを言ってる」と非難されたり。

小池 政権批判をしなくなったのは、ネトウヨの抗議をテレビ局が嫌がる、というのもあるんでしょう。

室井 ちょっとでも「安倍さんがこんな発言をしていてひどい」と政権批判をしようものなら、集団で「売国奴だ!」とか、「朝鮮に帰れ!」という書き込みがネットでもあるんです。
芸能人はみんなそれを怖れて、発言をやめてしまう。
あっ、そういえば、もうひとつ陳情したいことがあった。
ぜひ、ネトサポの実態を共産党に調べてもらいたいんです。
都市伝説的な噂では、「電通の子会社が、バイトを組織してやっている」なんて言われているじゃないですか。
一体正体は何なのか、ちゃんと世に知らしめないと。
大切なことですよ、思想じゃなくて、お金もらってそういう活動をしている人がいるかどうか分かるって。

小池 それは重大情報だ。ぜひ調べましょう。

室井「共産党にも
ネトサポみたいな組織を
            つくってほしい」と提案

室井 あと、共産党にもネトサポみたいな組織をつくってほしい。
そういうことできるのって、組織力がある共産党しかいないと思うんです。
本当は、世の中がおかしいと思っている人もいっぱいいると思うし、TV局の中にも、「本当にこのままでいいのか」と思っている人もいっぱいいると思うんです。
だから、多くの人たちが声をあげやすいようにしないとダメですよね。
そのために、私もこの連載などで何度も言っていますが、ネトウヨやネトサポのやり方を真似ていくべきだと思うんです。
彼らって、ひとつの番組や人を集中的に攻撃するじゃないですか。
だから、まっとうな政権批判や良い発言をした番組やコメンテーターに対し、すぐに「立派だ!」と声をあげる組織、集団を作ってください。

小池 赤旗のテレビ欄には、いい番組がやっていたら褒める投書をするようにと、テレビ局の電話番号が書いてあるんですが。

室井 知ってますけど、それだけじゃ甘いなぁ。
言いづらいですけど、共産党って出しちゃダメでしょ。
一般の人でひく人いるから。
今は安倍政権を倒すため、縁の下の力持ちになって、組織力を生かして、24時間体制でテレビやネット、そして雑誌を見て、政権批判している人たちを賞賛したり仲間に取り込んだりしていかないと。
野党全体に言えることですが、ネットやマスコミの使い方がヘタすぎると思う。
一方の自民党はネットのことをすごく研究しているし、芸能人や文化人、評論家も上手く使っていて、一緒にご飯なんか食べてるんですよ。
それで「もっと重要な問題があるだろう、森友なんかやっている場合か!」なんて擁護発言させるわけです。

小池 でも、そんななかで、テレビで鋭く安倍首相の“本質”を突く室井さんのような存在は貴重だと思いますよ。

室井 私は普通のおばさんですから、ガス抜きに使われているだけ。
そうそう、この前、右翼雑誌の「正論」(産経新聞社)から共謀罪の対談に出てほしいとの依頼があったんですけど、相手が文芸評論家の小川榮太郎だって言うんです。
あの安倍応援団で、言論弾圧をする「放送遵守を求める視聴者の会」の人間ですよ!
しかも私も小川さんも共謀罪の専門家じゃない。
本当に共謀罪について真剣に考えているなら、反対している専門家を出せばいい。
きっと、小川さんの主戦場の「正論」で共謀罪反対の私を叩き潰すつもりだったんでしょ。
卑劣なやり口ですよね。

小池 でも、室井さんの発言に拍手喝采している人はたくさんいると思います。
だからテレビ局も出演させるんです。

室井 いや、まだまだです。
その輪を広げていくためには、ネトサヨみたいなものを組織してもらうしかないんです。
サザンの桑田さんや、長渕剛さん、渡辺謙さんなど、スター的な人たちが発信できて、みんなで拡散していけるのが理想です。
「今、ウケてる! 支持されている!」という波に乗ると、芸能人ってサービス精神が強いから、もっと強く発信してくれると思います。

小池 たしかに、共産党も組織を上げて、前向きな発言をした人をプッシュする必要はありますよね。

室井 それと、共産党も芸能人に声かけて選挙に出したほうがいいですよ。

小池 共産党から出てくれますかねえ?

室井 そんな弱気こと言って、実際に声かけたことないでしょ!
 動いてみないとわからないですよ。
それと、自分たちでも番組をつくったほうがいい。

小池 ネットでは一応、『とことん共産党』という番組を持っているんですよ。

室井 あー、ダメですね。
まず、番組名がダメだもん(笑)。
だから党の色を出さないで、『ニュース女子』(TOKYO MX)のような感じで、こちらからサイドからのみ情報を出すんです。
だいたい共産党って、真面目すぎるんですよ。
小池さん、キャバクラとか行かないでしょう?

小池 行かないですよ(笑)。

室井 もうちょっと、そういうところに行って、若い女の子の気持ちとかちゃんとリサーチしたほうがいいですよ。
そうだ、党名を出さずにテレビ局をつくればいいんじゃないですか。
メディア対策に力を入れてもらいたい。
『チャンネル桜』の逆張りのネットテレビとか。
『ニュース女子』もDHCの一社提供だし、共産党の支持者に番組を買ってもらうのはどうですか?

小池 そんなにお金を持っている支持者がいるかなあ(笑)。
実は、室井さんの言うようなことを考えたこともあります。
でもスポンサーをどうしようかで話が止まってしまうんです。

「野党連合は大丈夫なのか」と追及する
室井に小池が反論

室井 政権とくっついている人たちは、仕事が増えて儲けに繋がるけど、こっちは資金力もないですからね。
でも、私、地方のラジオで20分ラジオをやらせてもらっていて、そこで安倍さんの批判をたくさんしています。
そんな番組だから今まで絶対に提供がつかない枠だったのに、地元の企業がついてくれたんですよ。
だから、共産党もあきらめないで、党の色を出さない、視聴者が食いつくようなフックを効かせた、政権批判のメディアをつくってくださいよ。

小池 そういうメディア発信を強めなきゃいけない、というのはありますが、同時に草の根的な政治運動を広げていかないと。
安保法制のとき、国会前のデモで室井さんとお会いしましたが、ああいう闘いを起こさないといけません。
あのときは野党共闘できていたじゃないですか。
参議院選挙であれだけ協力できた。

室井 でも、野党がいまのような状況じゃ、そういう政治運動の広がりは難しいんじゃないですか。

小池 いや、やられっぱなしというわけでもないですよ。
頑張っているところもある。
たとえば沖縄。
沖縄は野党が選挙に勝ち続けているじゃないですか。
総選挙も知事選も、この前の参議院選挙も。
「辺野古の基地を許すな」など、争点がはっきりしているからだと思います。
その間、政府は機動隊を本土から連れてきて、辺野古でも高江でも、とにかく工事を進めて既成事実をどんどん作ってしまっている。
「既成事実にしたら諦めるだろう」ということしかやっていないんです。
福島も、参議院選挙で現職大臣を落として勝ったじゃないですか。
「原発はダメ。第二原発も廃炉にしなきゃいけない」ということが県民の圧倒的な世論になっていて、争点がはっきりと見えているんです。

室井 たしかに沖縄は頑張っていると思いますが、うーん……。
わたしは今、週の半分を地方で暮らしているんですが、地方になればなるほど自民党がやっぱり強いんですよね。
なぜかと言うと、何か大きい建物を建てるとき、土建屋はここ! 弁当屋はここ! ポスターはここ! と、付け入る隙がなく決まっていて。
政治に関して、政策を読んでいる人がほとんどいない印象です。
前回の選挙を支えた野党連合もかなりやばいんじゃないですか。

小池 そんなことはないですよ。
一歩ずつ前進しています。
ただ、もうちょっと頑張らないといけないというのも事実です。
共謀罪についても一緒にデモをしたり集会に出たり、断固廃案にするべく一緒に行動する必要がある。

室井 国会中継を見ていて思うんですけど、野党の連携があれば、少ない時間を有効活用して、重複した質問をせずに済むんですよね。
「それ前の人がさっき聞いたのに、同じこと聞いてる!」というのがよくあるんです。
共産党はそういうことがないですよね。

小池 うちはチームでやっていますから。
民進党の人は、みんな個人でやっているから。
でもそこはそれぞれの良さがありますからね。
しかし民進党も変わってきている。
安保法制のとき、当時の民主党議員が、「国民の世論と運動の力で、ストップさせたい」と言っていて驚きました。
民進党は世論で動く政党だから、SEALDSのような若者が出てきて集会に人が集まり注目を浴びたり、安保法制反対の世論が高まると、いい意味で変わるんだなと思いましたね。

「いつまでに安倍を倒すか、期限を切れ」
と迫る室井に、小池は…

室井 でも、民進党に主導権を握らせない方がいいですよ。
昨年の東京都知事選を見ていてそう思いました。
新潟知事選のときも、後から蓮舫代表がシャシャリ出てきて、中途半端な対応をして。そういえば民進党だった長島昭久さんが離党しましたが、共産党との共闘に不満だったんですよね?

小池 あれは口実ですよ。
「今頃その理由で?」という感じじゃないですか。
東京都議選が目前に迫ってきているので、このまま民進党にいたらダメだと、抜ける口実を探していたんじゃないかな。
実際は、共産党と選挙協力した方がいいと思っている民進党の議員は結構いるんですよ。

室井 でも、民進党には本気で共産党嫌いな人もいますよね(笑)。
以前、選挙カーで演説をしているとき、「共産党と一緒に上がりたくない」という民進党議員がいました。

小池 そういうこともあります。
でも、そんなのいちいち気にしていたらやってられません。

室井 私、民進党のそういう姿勢を見るに見かねて、『週刊朝日』の連載で、「イデオロギー以前に人としてどうよ」と書いたことがあります。
協力してもらってるんだから「ありがとう」という態度にならなきゃおかしいでしょ、と。

小池 あれ、志位(和夫委員長)さんが読んで、喜んでいましたよ。

室井 民進党は、誰が一番話せるんですか?

小池 今の執行部は話ができます。
室井さんは疑いの目で見ていますが(笑)。

室井 でも野田さんって、リベラルの人にもすごく嫌われているでしょう。
私も、あの人、嫌い。

小池 政権時代の印象があるから、ネガティブなイメージなんでしょう。
でも、付き合ってみると、世間の評判ほど話がわからない人じゃない。
ただ、存在感が重厚すぎて、電話してすぐに会えるといった身軽さはない。
しかし会って話せば勘所はおさえてくれる人です。
私は結構、信頼しているんです。

室井 小池さんの言葉を信じて(笑)、野党連合にはぜひ期待しています。
それ以外でも “アベを倒す”方法はありますか? 
小池さん、そして共産党はどう闘うのか教えて下さい。

小池 森友学園問題の追及は徹底的にやりたいです。
森友学園問題を追及することで、安倍政治の危険な本質が見えてくると思っています。
実際、国民の財産や許認可の私物化、身内への優遇、さらには安倍首相が日本中の学校を森友学園のようにしたい、と考えていることも明らかになった。
「安倍首相、頑張れ!安保法制国会通過、良かったです」と全国民に言わせるような社会にしたいわけでしょう。
そこをきちんと暴いていけば、安倍政権を倒す突破口になると思っています。

室井 ずばり、期限はいつまでですか?

小池 き、期限ですか?

室井 いつまでに倒すのか。
期限を切って、覚悟してほしいです。
小池さんはつねに、一歩先に行くひとだから、ハードルを高くしたいんです。
ズバリ、期限はいつまでですか?

小池 来年9月に自民党総裁選があり、安倍総理の再選が焦点となるでしょう。
続投させないためにも、それまでに倒さなきゃダメですね。
そのためには、国会の前が毎日人で溢れるような闘いをする必要があると思っています。
国会では、野党が情報交換して、あらゆる側面から攻めて立てます。
当面は共謀罪です。
そしてテレビによくでる芸能人の方なども発言しやすい局面を作ります。
一部の人の主張ではなく、これが世論なんだと、知らしめていく。

室井 それを実現するためにも、ネットやメディアをうまく使うようになってほしい。
小池さんはわかっていると思いますけど、自民党や、その周辺の親衛隊ってすごく卑怯なんですから。
だから、もう一度陳情します。
ネトウヨやネトサポに対抗できる組織、集団を作ってください。
これも共産党にしか出来ないと思うんです。
機動力があるんですから。
小池さん、本当にお願いしますね。

小池 わかりました(笑)。
こちらも、もっとずる賢くやれということですよね。

室井 それで、安倍政権を倒してくださいね。
絶対、絶対ですよ、期待しています!
(構成 編集部)

小池晃 
日本共産党書記局長、参議院議員。
1960年生まれ。東北大学医学部医学科卒業後、医師勤務を経て、1988年の参院選で初当選。
現在は3期目で、日本共産党で常任幹部会委員、政策委員長、副委員長などを歴任し、現職。

室井佑月 
作家、1970年生まれ。
レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビューし、その後テレビコメンテーターとしても活躍。
現在『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『あさイチ』(NHK)などに出演中。
posted by 小だぬき at 00:32| 神奈川 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月21日

安倍首相はどういうときにキレるのか?

安倍首相はどういうときにキレるのか?
室井佑月と共産党・小池晃が
安倍のデタラメ国会答弁を徹底分析
2017.05.20 LITERA

 安倍首相を倒すために、最近はこの対談連載を使って野党への“陳情”まで始めた室井佑月。
でも、「民進党は逆に悪口大会になりそうだから行きたくない」らしい(笑)。
じゃあ、誰を? と聞いてみたら、「いま一番たよりになるのはやっぱ共産党でしょ」
「とくに安倍さんをしょっちゅうキレさせてる小池さんに陳情したい」。
というわけで、第5回は、日本共産党書記局長の小池晃参院議員をゲストに招くことにした。  

小池議員といえば、室井の言うように、その鋭い質問でたびたび、安倍首相を追いつめ、逆ギレさせてきた国会質問の名手。
前編では森友学園問題、北朝鮮危機の政治利用、共謀罪、2020年新憲法施行宣言など、安倍政治の徹底批判はもちろん、首相の天敵ともいえる小池議員に、安倍首相の国会答弁や政権運営がなぜあんなに横暴でひどいのか、を分析してもらった。
 小池議員の口から、普段は聞けない本音も飛び出す一方、室井が小池議員に“政治家の愛人事情”を指南する場面も。  
 室井佑月と共産党書記局長という、ちょっと意外な取り合わせの2人がタッグを組んで、どんな安倍批判を展開するのか?  乞うご期待!
      (編集部)
共謀罪、新憲法施行宣言…
安倍首相は民主主義の破壊者だ

室井 いきなりですけど、あたし、安倍政権を倒したい! って本気で思ってるんですよ。
この連載もそのために始めたんですけど、やっぱり国会で安倍首相と闘っている野党の方に直接、陳情するのが手っ取り早いと思って。
それで、前回の自由党・山本太郎さんに続いて、今回は小池先生をお呼びしたんです。
共産党には前々から言いたいことがいっぱいあったし。

小池 先生なんて呼ばないで下さいよ(苦笑)。

室井 もともとお医者さんだし、先生かなと思ったんです。
じゃあ、小池さんで(笑)。

小池 最初からこわいなあ(笑)。
でも、室井さんのおっしゃるように、本当に安倍政権は倒さないとダメです。
憲法も平和も人権も民主主義も死んでしまう。
いままさに、共謀罪が強行採決されようとしていますが、政府答弁や自民党の法務部会長の発言でも明らかなように、共謀罪の目的はテロなんかじゃなくて、政府批判を取り締まることなんです。

室井 これが成立したら、日本は本当に恐怖国家になってしまいますよね。

小池 それと、安倍首相は2020年に新憲法施行するという宣言をしたでしょう。
改憲は国会が発議するもので、行政の長である総理大臣が具体的な改憲日程を口にするのは完全に憲法違反。
そんなことまでわからなくなってるのか、と思いました。

室井 しかも「俺の考えが知りたかったら読売新聞のインタビューを読め」とか答弁したんでしょう。
小池さんも先日の国会で追及されてましたけど。

小池 国会よりも自分の応援団メディアを読め、って。
国会軽視、ひいては国民軽視ですよ。
それと、安倍首相は自民党総裁の立場で発言したと言っていますが、読売新聞では安倍首相インタビューになっている。
二枚舌もいいところです。

室井 やりたい放題ですね。
こういう状況を見ていると、どんどん危機感が強くなるんですけど、でも、本気になればなるほど、現実に安倍さんを倒すのが難しいことも痛感するんですよね。
実は、森友学園問題が起きた時はこれでやっと安倍政権を追い詰められると思ったんです。
ところが、北朝鮮のミサイル危機問題が勃発して、すっかり森友が隅に追いやられてしまったでしょう。
このまま忘れられてしまうんじゃないか、とすごく危惧してるんですよ。

小池 いや、森友学園問題はこれからもまだまだ追及していきますよ。
ただ、安倍政権はさまざまな問題を森友隠しに利用している感じはありますよね。


安倍に「犯罪者扱いは不愉快だ」と
逆ギレされたとき小池は

室井 マスコミもそれに乗っかって北朝鮮危機を煽りまくりましたからね。
毎週のように「○日がXデーだ」なんて繰り返し言って、ワイドショーはまるですぐに北朝鮮からミサイルが飛んでくるようなことを言ってた。
私は最初から、そんなのありえないと言ってたんですけど、全然相手にされなかった。
ちょうどいちばん北朝鮮危機が盛り上がってた頃、その問題を特集している番組に出たんですけど、みんなが「北朝鮮からミサイルが落ちてきたらどうなるのか」なんて一生懸命叫んでいるから、「落ちてこないって。安倍さんたち、みんな外遊に行くでしょ? 花見もしてたでしょ?」と言ったんです。
そうしたら、ネットで「このお花畑脳が!」「あのKY女を外せ! 番組に電凸しろ!」とか大バッシングされました(笑)。

小池 実は、日本のマスコミが一番騒いでいたんですけどね。
でも、それも、安倍首相と政府が煽ったせいです。
「メトロ止めるより、原発止めろ」ですよ。
実は、本気で事を構えるなんてトランプも考えていなかった。
アメリカも、北朝鮮との対話に前向きな姿勢ですし、韓国、中国、ロシアは6カ国協議の再開で一致しています。
ところが、安倍首相は6カ国協議は「現時点でただちに再開できない」などと言いながら、背を向けています。

室井 安倍さんは国会で、「サリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」とか答弁してたでしょ。
何を言ってるんだろうと思いました。
そんなの前々から言われてることだし、別に北朝鮮だけじゃなくどこの国だってできるだろうって。
いいんですか、一国の首相があんな「夕刊フジ」の見出しみたいなこと言って。

小池 安倍首相は根拠を持たずに言い切りがちなんです。
例の「そもそも」発言についてつっこまれたときの反応なんて典型でしょう。
安倍首相が共謀罪について「“そもそも”犯罪を犯すことを目的としている集団でなければならない」と答弁したことについて、民進党の山尾志桜里氏が衆院法務委員会で、「だったらオウム真理教は“そもそも”宗教法人だから対象外か」とつっこんだんですが、安倍さんは「山尾さんは“初めから”という意味しかご存じないかもしれないが、辞書で念のために調べたら、“基本的に”という意味もある」と言い切った。
でも、30冊くらい辞書を調べても、“基本的に”と書いている辞書はひとつもないらしいですね。毎日新聞が書いていましたが。

室井 安倍さんらしい(笑)。
そういえば、小池さんは、国会で安倍さんに何度もキレられていますね。
森友学園の問題でも……。

小池 3月1日の参院予算委員会ですよね。
私は安倍首相に「昭恵夫人と籠池泰典理事長がいつからの知り合いなのか」と事実関係を質問しただけなんですが、突然逆上して、「妻は私人だ。いちいち、妻をまるで犯罪者扱いするのは不愉快だ」
「本当に不愉快ですよ」「不愉快ですよ!」と、3回くらい「不愉快」とリピートし発言していました。
私の方が不愉快でしたけどね(笑)。

室井 森友問題では、鴻池祥肇議員の口利き疑惑を追及したときも、安倍さん、キレてましたよね。

小池 あのときは鴻池議員の名前を出さずに「ある国会議員の事務所の面談記録」として読み上げたんですが、そしたら安倍さんが「あたかも私の事務所であるかのごとく印象操作して」と怒り出して……。
なんでそういうこと言うのかなあと不思議に思っていたんですよ。
実際は鴻池さんの事務所の面談記録だから、こっちは全然そんなつもりないのに。
そしたら、翌日発売の「週刊文春」で安倍事務所に出入りしていた人が「私が口利きしました」という記事を載せていることがわかって、ああその件と勘違いしていたのかと。
逆に、官邸の情報力って意外にたいしたことないなと思いましたけどね。

室井 でも、安倍さんがキレる時って、だいたい追い詰められているときですよね。
そういう意味じゃ、小池さんはキレさせるのがうまい(笑)。

小池 すごくわかりやすい人だなと思います。
先程言った不愉快発言もそうですが、もうひとつ、2015年にジャーナリストの後藤健二さんがイスラム国に殺害されたとき。
あの直前、エジプト訪問中の安倍さんが、「ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるため、2億ドルを出す」と演説した。
もちろんテロリストは絶対に許せませんが、私が同年2月3日の予算委員会で、「演説で(すでに後藤健二さんと湯川遥菜さんが拘束されていることを知りながら)危険が及ぶ認識がなかったのか」と聞くと、安倍さんは逆上したんです。
これって、自分でも明らかに後ろめたさがあるからでしょう。

室井 それと、安倍さんって特に女性に対してひどい態度を取るような気がする。

小池 いや、たんに“女性”じゃなくて、“自分に媚びない女性”に対して、です。
“媚びを売る”ような女性に対しては、安倍首相は決して威張り散らしていません(笑)。
自分より強い女性に対しては、敵対するというか、本能的に防御し、高圧的になるのかもしれませんね。

室井 たしかに、稲田朋美さんとかにはすっごく優しいですよね(笑)。

森友問題は「官僚の忖度」ではなく
「昭恵夫人の関与」だ

室井 でも、あの答弁とか、私物化、報道に圧力をかけるやり口などをみていると、安倍さんって勘違いしていません?
 自分を、皇室まではいかなくとも、それに準ずる血だと思い込んでいる気がしてなりません。

小池 国会で、「我々の法律の説明は全く正しいと思いますよ。
私は総理大臣なんですから」なんて言うんですから。
まるで「朕は国家なり」ですよね。

室井 だから、やっぱり絶対に、この政権を倒さなきゃダメなんです。
そこで、さっきも話に出た森友問題なんですけど、今後も追及してもらえるんですね? 

小池 もちろん、やりますよ! 
財務省は国民の財産を8億円も値引きしたプロセスをまだ一切明らかにしてないんですよ。
こんなことが許されるはずがない。
あの用心深い財務省が「資料は捨てました」なんてありえない。
絶対に持っているはずです。
それと、問題の本質はどう考えても昭恵夫人なんです。
その行為は“忖度”などではなく、まさに“関与”です。
ところが、昭恵夫人は、国会で説明するどころか記者会見さえもやっていないじゃないですか。Facebookに書いただけです。
しかも本人が書いたものじゃないんじゃないかとさえいわれている。
週刊誌などで「昭恵さんがこう言っていた」など報道されていますが、それは伝聞でしかない。国民の前で何も喋っていないんです。
このまま終わらせるわけにはいきません。

室井 でも、民進党の中にも、ネトウヨのように「世界情勢が緊迫しているのに森友みたいなことをやっている場合じゃない」
「森友なんかのつまらないこと」と、言い出している人もいると聞いています。

小池 つまらない問題なんかじゃありませんよ。
さっきもいったように、国民の財産にかかわることだし、それに一番最初に、「私の妻も関与していません。
関与していたら、総理大臣も国会議員も辞めます」と言い切ったのは安倍首相です。
ここまで大問題にしたのは安倍さんの方なんです。
その言葉の責任をとってもらわないと。
もし、この問題をこのままうやむやにしたら、「野党はだらしなさすぎる」といわれてしまう。だから今、さらなる追及のために、新しい材料を探しています。
加計学園の獣医学部開設も、安倍さんの関与の疑いが強まっています。
徹底的に追及します。

室井 やったー! ぜひ期待しています。
だって、このままだと、籠池さんがなんのために証人喚問に立ったのかもわからないし、総理の知り合いなら許認可が簡単に降りるとか国有地を安く買えるというのが当たり前になってしまう。

小池 政治家や官僚が嘘をついたり、文書をなくしてもいいんだということにもなります。
無法状態ですよね。
だから、とにかく終わらせるわけにはいかない。
少なくとも、昭恵夫人に国民の前できちんと喋ってもらわないと。
喋ったら、またびっくりするような話がでてきて、次の展開があるんじゃないかとも思っているんです。

室井 昭恵夫人は自分のためにも出てくるべきですよ。
私がもし昭恵夫人の友達だったら、って考えたことがあるんです。
昭恵夫人が救われる方法があるとしたら、これしかない! という方法です。
国会に出て、「すべてわたしが悪いんです! 私がバカなために! もう離婚します!」と言ったら、昭恵夫人の株が急上昇すると思いません? 
これから先の人生、離婚してもテレビに呼ばれたりして、目立ちたがり屋なあのひともそれがいいんじゃないかと思って。
友達じゃないから教えませんけど。

小池 ……(笑)。
これまでの自民党政権になかった横暴、始まりは安保法制

室井 森友問題だけでなく、大臣の暴言も大きな問題になっています。
今村雅弘復興相が福島県などからの避難者を「自己責任だ」と言ったり、震災地が「東北でよかった」と言って辞任しました。

小池 山本幸三地方創生担当相の「学芸員はガン」発言、古屋圭司選挙対策委員長による「沖縄特有のいつもの戦術」発言、ほかには重婚、不倫が週刊誌で報道され辞任した経済産業政務官だった中川俊直さん。
そろそろ、自民党が自爆する日が近いのではと思います。

室井 でも、中川さんってケチだったのかな。
だって、他の議員の人だって、色んなところに愛人がいて子どもを産ませたりして、それをみんな知っているけど知らないふりをしているじゃないですか。
そんな中で愛人に暴露されるのって、だいたいケチが原因ですよね。

小池 そうなんですか?

室井 私はホステスをやっていましたから。
派閥によって、愛人を赤坂に住ませるか、六本木に住ませるか、神楽坂かなんてこともあるんでしょ(笑)。

小池 そういう情報、うちは弱いんで、今度レクチャーしてください(笑)。

室井 ただ、愛人や不倫は家族や個人的問題だから、呆れるだけでおしまいだけど、やっぱり許せないのは暴言ですよ。
でも、辞めたのって、今村復興相だけでしょ。

小池 おっしゃる通り、一切責任をとっていないなんておかしいことです。
今村復興相だけでなく、他にも、3人、5人の大臣が辞めていなきゃいけない。
その代表が稲田朋美防衛相です。
森友学園問題での答弁で、ほころびが次々と出てきたことに対して、「自分の記憶に基づき答弁した。
虚偽の答弁をしたことはない」と言っていましたが、これが許されるなら、嘘をつき放題じゃないですか。
めちゃくちゃですよ。
ただ、予算委員会をやっているときは、どの大臣も呼べるし、時々テレビ中継もあって、野党がガンガン攻めの姿勢でいけますが、予算委員会が終わってしまうと、そういう場面を作るのが難しいんです。

室井 こういう安倍政権の暴言って、これからもっとどんどんひどくなるような気がするんですよ。
わたしはコメンテーター歴20年近くて、小泉政権や第一次安倍政権のときからやっているんですが、昔は間違えて「自衛隊の派兵」と言ったら、すごく怒られていたのに……。

小池 「軍隊」と言ったらアウトでしたもんね。

室井 ですよね? 
でも、安倍さんは「我が軍」と平気で言っていいます。
それに、ちょっと前だったら、こうした状況下で武力行使を全面支持なんてしたら、「日本にもミサイルが飛んできて損害を被るかもしれないのに、なんてことを言うんだ。どういう外交をしているんだ」とボコボコにされるようなことだと思うんです。
安倍さんのそうした発言をはじめ、安倍政権の人たちって問題発言がすごく多いでしょ。
いつからこうなってしまったのか。
じわじわともっと酷くなるんじゃやないかと。
それが一番怖いんです。

小池 これまで、自民党が国会で絶対的多数を占めたことは何度もあったんですが、あそこまで、傍若無人なふるまいをしたことはなかったですよ。

室井 4月12日にも厚生労働委員会で、民進党の柚木道義さんが森友問題について質問したら、与党が一方的に審議を打ち切って介護保険制度関連法案を強行採決してしまいましたよね。

小池 本来、どんな質問をするかは自由なんです。
介護保険の委員会だから森友のことを聞いたらいけない、けしからんから、強行採決なんてあり得ない話です。
安倍政権になってからこうした異常事態が頻発しています。
そのきっかけは、やはり一昨年の安保法制だと思うんです。
戦後、自衛隊がこれだけ強大になりましたが、しかし憲法9条があるから海外で戦争はできないし、「集団的自衛権はさすがに無理」だとあの小泉純一郎元首相だって言っていた。
でも、安倍首相がそれをひっくり返したことで、歯止めがなくなり、とにかく自分たちのやりたい放題にやっていいとなってしまったんだと思います。
そのきわめつきが、冒頭で話した2020年の新憲法施行宣言ですね。
(後編に続く)

小池晃 
日本共産党書記局長、参議院議員。
1960年生まれ。東北大学医学部医学科卒業後、医師勤務を経て、1988年の参院選で初当選。
現在は3期目で、日本共産党で常任幹部会委員、政策委員長、副委員長などを歴任し、現職。

室井佑月 
作家、1970年生まれ。
レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビューし、その後テレビコメンテーターとしても活躍。
現在『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『あさイチ』(NHK)などに出演中。
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2017年05月20日

 共謀罪が衆院委員会で強行採決の暴挙

共謀罪が衆院委員会で
「強行採決」の暴挙!
安倍首相は加計学園問題の追及恐れ“逃亡”の無責任
2017.05.19 LITERA編集部

 怒号が響くなか、ついに与党が共謀罪を衆院法務委員会で「強行採決」した。
採決の荒っぽさは安倍政権のお決まりとなっているが、きょうもかなりひどいものだった。

 最後の質疑に立った維新の会・丸山穂高議員(ちなみに法務委員ではない)が「もう30時間も審議した!」「これ以上は意味はない!」と暴言を叫び、4月21日に法務委で民進党の反発に「テロ行為だ!」というヤジを飛ばした自民党の土屋正忠・法務委理事がすかさず採決を求める動議を出し、騒然としたなかで公明党の國重徹議員が附帯決議を読み上げ、委員長が何を言っているのかわからないまま、あれよあれよと可決されてしまったのだ。

 しかも、これほどの重要法案の採決にもかかわらず、NHKの中継はなし。
さらに、安倍首相は本来、質疑に出席する予定だったにもかかわらず“敵前逃亡”したのである。  

逃げた理由は明白で、安倍首相は加計学園問題の追及を恐れたのだ。
周知の通り、加計学園傘下である岡山理科大学の獣医学部新設に伴い、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」という文言が文科省の資料に明記されていたことが発覚したが、当初、安倍官邸は「出所不明」「捏造文書」などと言い切って逃げ切るつもりだった。
 しかし、昨日の朝日新聞が続報で、文書には打ち合わせ日時や対応した人名などが具体的に書かれていること、さらには文書内に登場する日本獣医師会顧問の北村直人氏が「文書に書かれていることは事実だ」と証言したことなどから、「文書は本物」と認めざるを得ない状況に追い込まれている。
安倍首相はさっさと国民に説明を行うべきだが、そうした責任を放棄してきょうの法務委から逃げ出したのだ。

 いや、加計学園問題だけではない。
安倍首相は共謀罪の今国会成立の先頭に立ってきた責任者である。
それを自分の疑惑説明から逃れるために放り出すとは、まさしくダブルで無責任の極みだろう。  

このように重要法案の採決に首相が出席しない状況で、与党が勝手に決めた「衆院採決の目安」である審議30時間に達したという滅茶苦茶な理屈で、共謀罪は強行採決されてしまったのだ。

質疑でなぜか民進党批判…
    維新は自民党の「分隊」だ
 だが、肝心の30時間の“中身”は、法案責任者である金田法相の要領を得ない答弁を筆頭にグダグダの連続で、追及を受ければ受けるほど法案のボロが露わになる体たらく。
もはや審議のスタートラインにさえ立てていないのが現状だ。
 また、与党は維新の会が法案の修正に合意し賛成に回ったことから「強行ではない」「野党も賛成している」と主張するのだろうが、これはとんだ茶番だ。
維新の要求である「取り調べの可視化」は「検討する」としただけで「付則」扱い。
だいたい、任意捜査は録音・録画などの取り調べの可視化の対象外であって、一方、法務省の林真琴刑事局長は「準備行為が行われる前でも任意捜査は許される」と答弁している。
付則の意味などまったくないのだ。
 こんな無意味な修正で合意して「強行採決じゃない」という与党の主張に加担する維新。
前述した維新の丸山議員は質疑で民進党批判を繰り返す始末で、維新はたんなる自民党の「分隊」でしかないのだ。

 そもそも、共謀罪の問題点は挙げ出せばキリがない。
まず、安倍首相は「共謀罪がなければ東京五輪は開催できない」と言い、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結のためには共謀罪が必要だと述べてきたが、すでに多くの識者が指摘している通り、共謀罪を成立させなくてもTOC条約は締結できる。
安倍首相は国民をまやかすためにホラを吹いたのである。

 しかも、この法案はまったく「テロ対策」などではない。
現に、地下鉄サリン事件などのオウム事件を東京地検公安部で担当した弁護士の落合洋司氏は、「「共謀罪があれば事件は防げたのに」というようなおめでたい意見は、捜査現場では全く聞かれませんでした」と述べている(朝日新聞5月18日付)。
「殺人予備罪や爆発物取締罰則、銃刀法といった既存の刑罰法令を活用することによって十分取り締まれたから」だ。
そして日本はすでに、世界的に見てもテロに対応する広い処罰範囲を設けている。
共謀罪はテロ対策だというのなら、単独犯や単発犯を除外していることがおかしいのだ。

 そして最大の問題は、「一般人が捜査対象になる」ということだ。
安倍首相や金田法相は否定するが、盛山正仁法務副大臣は「一般人も捜査対象」と認識を示している。
だいたい、金田法相は「弁当とビールを持っていれば花見、地図と双眼鏡なら犯罪の下見」などと言っている。
当然、そんなもので判断できるわけがなく、準備行為か否かは結局「心のなか」で判断され、いくらでも恣意的に運用できるということを意味している。

 事実、共謀罪の取りまとめ役となっている自民党法務部会長である古川俊治参院議員は、沖縄の基地反対運動や、原発のような国策を推進する企業に対してSNS上で集団で批判を書き込むといった行為が共謀罪に適用されることを「あり得ること」と明言しているのだ。

共謀罪は「一般人も捜査対象」ではなく
「一般人こそ捜査対象」だ
 まだまだあるが、こうした問題についてまったく納得できる答弁もなされずに、むしろ疑問や矛盾が雪だるま式に膨らみつづけている。
そんなシロモノが、審議もそこそこに強行採決されてしまったのである。

 絶対に忘れてはいけないのは、治安維持法のことだ。
治安維持法は今回の共謀罪と同じように「一般人には関係ない」として運用されたが、実際は政府や戦争を批判した一般の人びとが次々に検挙され、市民への監視はどんどんと強化されていったではないか。


 共謀罪とはすなわち、国民全員がターゲットとなる法案であり、国民の自由を奪い、国民監視社会をつくるものだ。
そして、早晩「権力に刃向かうことは犯罪」という社会の空気が生まれるだろう。  与党は来週23日にも衆院本会議を通過させる気でいるが、国民の内心に踏み込む共謀罪は、絶対に廃案に追い込まなくてはならない。
(編集部)
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2017年05月19日

許せない「共謀罪」強行採決

今日、「共謀罪」が衆議院法務委員会で自民党・公明党・維新の党によって強行採決がされました。
問題点を多く残し 警察の思想信条に対する幅広い捜査を可能にする「現在版治安維持法」。
戦前と違い、「表現の自由」「理不尽に対する意見表明」「思想信条の自由」を萎縮せず、行使し 闘いを続けようではありませんか!!
posted by 小だぬき at 14:40| 神奈川 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 佐野元春が共謀罪反対「治安維持法だ」

佐野元春が共謀罪を批判!
「判断するのは権力、戦前の治安維持法に似ている」
ケラ、ロマン優光、アジカン後藤も
2017.05.19 LITERA編集部

佐野元春が抱く共謀罪への危機感!
「僕の蒼い鳥がそう言っている」
「共謀罪」がきょう、衆院法務委員会で強行採決される見通しが強まってきた。
国会の政府答弁で、恣意的な解釈がいくらでも可能なこと、その目的がテロ対策などでなく、政権批判を取り締まる目的があることから、国民から批判が噴出しているが、与党は国会内でまともな議論に応じようともせず、どうしても無理やり成立させる腹づもりらしい。

 そんななか、今月17日、佐野元春が自身の公式フェイスブックアカウントにこんな文章を投稿した。
〈政府が進めている「共謀罪」に危険なシルシが見える  
スーザン・ソンタグは言った 「検閲を警戒すること、しかし忘れないこと」  
アーティストにとって、検閲は地雷だ  表現が規制されることほどきついことはない  
政府は言う  普通の人には関係ない  
しかし判断するのは権力を持つ者、警察だ  ダメと言われたらそれでアウト
戦前の治安維持法と似ている  
当時のアーティストはどう感じただろう  
あの人は言う  自由に唄えるだけましだ。
個人は全体に尽くすものだ、と  
そうだとして  もし真実が醜い幻ならば  自分は何を信じればいいのだろう  
あの人は言う  気にくわないから逮捕する  
そう言われたら、誰もが面倒になって黙ってしまうだろう  
スーザン・ソンタグは言った
社会においても個々人の生活においても、もっとも強力で深層にひそむ検閲、それは自己検閲」  
丘の向こう、陽が暮れる前に、歌わなくちゃいけないことがある  
僕の蒼い鳥がそう言っている〉

ECDは共謀罪成立後にやって来る
相互監視社会を危惧  
佐野元春といえば、1988年に原発政策や真実を報じないマスコミへの怒りを歌った「警告どおり 計画どおり」という楽曲を発表するなど、社会的視点をもっていることでも知られている。  

そんな佐野は、「僕の蒼い鳥がそう言っている」という佐野らしい詩的な言い回しと、アメリカの高名な作家・思想家であるスーザン・ソンタグの言葉を引用しながら、「共謀罪」によって起きるであろう作家や芸術家への検閲、また、そういった公権力からの暴力への恐怖によって起こる自己検閲への危惧を綴ったのだ。
 佐野が抱く危惧は絵空事でも妄想でもない。
公権力による恣意的な解釈により、どこまでも適用範囲が拡大する可能性をもつ「共謀罪」は、自分たちに都合の悪い意見をもつ者を排除するための武器として、確実に権力者によって悪用される。
それは歴史が証明していることだ。
 治安維持法によって逮捕され激しい拷問を受けた経験をもつ杉浦正男氏は、17年5月12日付日刊ゲンダイでインタビューに答え、当時のことを振り返ってこのように話している。
当局が都合が悪いと判断すれば市民弾圧が容易に可能になることです。
治安維持法は大学への弾圧から始まり、労働運動、文化・芸能活動へと対象が広がりました。
支配層にとって際限なく権限を拡大し、弾圧する武器になるのです」

 民主主義も表現の自由も破壊する
「共謀罪」に反対の声をあげているミュージシャンは佐野元春だけではない。
たとえば、ラッパーのECDはツイッターにこのような文章を投稿している。
共謀罪が通ったあとに待っているのは密告を奨励する社会だよ。
それがどれほど陰湿な社会か。
そんな社会を子供たちに残したくない〉
いやな奴はもっといやな奴になる。
いい奴だと思ってた奴もいやな奴になる。
そんな世界
〈オーウェルの「1984」を初めて読んだのは75年、15の時だったと思う。
その時はニュースピークとかダブルシンクについては正直今ほどにはピンと来なかった。
だけど作中に登場する子供の密告者は本当に恐ろしかった〉

 これも治安維持法が存在した時代に現実に起きたことだ。
戦時下、政府は近隣住民同士で「隣組」をつくらせ、市民同士で相互監視を行わせた。
戦争に対して否定的な言動をしている人物を密告させ、治安維持法で次々と逮捕していったのだ。

 安倍政権はこれまで、テロ対策のために「共謀罪」が必要だと嘘を並べ立てて議論を押し通してきた。
新たな法整備などなくても、現行の法律でテロ対策は十分可能であり、その詐術は多くの専門家から指摘されているのだが、安倍政権を信奉してやまない人々はそれでもなお「共謀罪」の必要性をがなりたてる。

 彼らは「共謀罪」の真の恐ろしさを認識していないのだろう。
確かに、いまの時点では独裁状態の安倍政権を応援するマジョリティだからお咎めはないのかもしれないが、彼らネトウヨだっていずれ摘発される側にまわる可能性はある。
治安維持法も、当初は共産主義革命運動を対象にしていたのが、その後、宗教運動や右翼活動にもなし崩し的に範囲が拡大。
政権に都合の悪いものであればすべて摘発の範囲に拡大解釈されていった。

ロマン優光やケラリーノ・サンドロヴィッチも
共謀罪に警鐘を鳴らす
 掟ポルシェとともにロマンポルシェ。
として活動し、プンクボイ名義でソロとしても音楽活動を展開しているロマン優光はツイッターでこのように警鐘を鳴らす。
共謀罪の怖いところは、政権担当しているグループが恣意的に自分たちの都合の良いように気に食わない人間を逮捕できる可能性があるからで、あれが通ったからといって今すぐ独裁国家になるとかはさすがにないと思うが、将来的にそれが可能になる要因を残すことは非常に危険だ〉

あれは別にサヨクとか反日とかいったものを取り締まるものではなくて、政権にとって都合の悪いものを取り締まるものなわけだから、適応される対象は政権担当するグループのその時の都合によって変わるし、政権担当するグループがいつまでも同じだとも限らない

 日本が民主主義を標榜する国であるならば、「共謀罪」なんて法案が通過することは決してあってはなってはならないのだが、ご存知の通り国会ではまともな議論がなされていないまま法案がゴリ押しされている。
金田勝年法務大臣は稚拙な答弁を繰り返し話は二転三転。
その当然の結果として、「共謀罪」の内容について国民の周知が行き届いたとは言い難い。

 しかし、それでも法案は政権与党の数の暴力でどんどん先へ進んでいく。
そういった状況を見て、劇作家でミュージシャンのケラリーノ・サンドロヴィッチも警鐘を鳴らす。
断固、サミットへの手土産なんかのために共謀罪を強行採決されてはならない。
賛成の方もどうか急がず慎重に。
納得のいく根拠はなにひとつ明確に示されていないのだから。
とんでもない未来が待ってるかもしれないのだから。〉

 この「共謀罪」は、2003年、04年、05年と、これまで三度も廃案となっている法案だが、今回「共謀罪」が審議入りされるまでの議論はまさしくメチャクチャなものだった。
 政府は国際組織犯罪防止条例を批准するためにこの「共謀罪」が必要だと説明。
これがなければ東京オリンピックにおけるテロ対策が十分に行えないとしている。
条約批准にあたっては現行法で十分であり、新たな法整備が必要という主張が完全な嘘っぱちなのは先に述べた通りだが、たとえその政府の主張が正しかったとしても、そもそもそんなリスクの高いスポーツイベントを開催する必要性が本当にあるのか?

 それでなくとも、五輪招致の演説に際して福島第一原発のことを「アンダーコントロール」だのと、世界に嘘をばらまいて呼び寄せたオリンピックである。

アジカン後藤正文「共謀罪が必要なら東京五輪は辞退すべき」  
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文はかつてツイッターにこのような文章を投稿していた。
五輪というイベントが、本当に共謀罪を創設したり、基本的人権を制限しないと開催できないような空恐ろしいイベントであるのだとしたら、そんな剣呑なイベントの開催は、いまからでもぜひ辞退するのが賢明だということだ〉 「女性自身」(光文社)

17年2月7日号に掲載された坂本龍一と吉永小百合の対談で、坂本はドナルド・トランプ大統領の誕生をめぐるアメリカの混乱を見て「いまこそアートが必要だと強く思った」と語っている。 「僕はアメリカに住んでいて、アメリカ市民ではないので選挙権はないですが、やはり、トランプ氏が大統領選挙で当選したときには本当にショックで。
周りにはショックで泣いている人もたくさんいましたけれど、翌日には「こんな時代だから、今までになく音楽やアートが必要だ」と、僕は強く思ったし、トランプ以前とトランプの時代では、アメリカにおける音楽やアートの存在の仕方が、たぶん違ってくるような気がします」
 音楽でも映画でも小説でも漫画でも絵画でも演劇でも詩歌でも漫才でも、ありとあらゆる文化や芸術は、人々の相互理解と連帯を促すものだ。
「声高に主張しても、違う考えを持っている人の心を開くことはできませんから。
跳ね返ってくるだけで。
固く閉じている心を開くのは、アートや音楽、映画や物語の強さだと思います。
だから、こういうときこそ、より必要だと思います」(前同)

 しかし、「共謀罪」が通ってしまえば、権力者を批判するような表現をつくり出すことは許されないことになってしまう。
「共謀罪」が成立した後のこの国は、まさしく安倍晋三“独裁”政権が支配するものいえぬディストピアだ。
最後の最後まで反対の声をあげ続けていく必要がある。
(編集部)
posted by 小だぬき at 12:41| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする