2017年09月20日

国民が見くびられている: 首相が「冒頭解散」を検討

首相が「冒頭解散」を検討
国民が見くびられている
毎日新聞「社説」2017年9月19日

 主権者たる国民への畏れなど、みじんも感じられない政治がまかり通ろうとしている。

 安倍晋三首相が28日召集予定の臨時国会冒頭にも衆院を解散する方針を固めた。
総選挙は「10月22日投開票」の日程を軸に政府・与党は調整に入っているという。

 北朝鮮情勢の緊迫が続く中での選挙となる可能性が高い。
にもかかわらず解散に踏み切るのは、今、選挙をした方が自民党はそんなに議席を減らさないだろうという首相の打算以外に考えられない。

 民進党は前原誠司代表に交代した後ももたついている。
小池百合子東京都知事と連携して結成を目指すという新党も、今なら準備が間に合わないだろうというわけだ。

 さらに首相の魂胆が透けて見えるのは、首相の所信表明演説や各党代表質問も行わずに解散する案が検討されていることだ。
 首相自身が渦中にある加計学園や森友学園問題は何も解明されておらず、引き続き国会の焦点だ。
首相も先の通常国会終了直後は「今後、真摯(しんし)に説明する」と約束していた。
 ところが、それを避けて解散に持ち込むのは、よほど疑惑を隠しておきたいからだろう。
首相がそれでこの問題は忘れ去られると考えているのなら国民はなめられたものだ。

 解散・総選挙によって政治空白が生まれ、「北朝鮮問題への対応は大丈夫なのか」との不安もある。
 自民党からは「北朝鮮問題は長期化するから、いつ解散しても同じ」との声を聞く。
ならば、なぜそう判断するのか、そして、この問題をどう解決しようと考えているのか、説明すべきだ。

 確かに内閣支持率は一時と比べて回復している。
しかし、それは北朝鮮問題という対外的な危機感が現内閣への期待を生んでいるからに過ぎない。
首相の努力の結果ではない。

 首相は先月、改造内閣を「仕事人内閣」と自賛した。
成果どころか、仕事の中身さえ国会で示す前に解散するということでもある。
 2014年11月、消費増税先送りを理由に衆院を解散した時以上に大義はないと言うべきである。
 首相は米国から帰国後に最終決断するという。
冒頭解散は国民不在の選択である。
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2017年09月19日

安倍首相“大義なき解散”強行の最大の理由は森友捜査ツブシ! 財務省摘発に動く大阪地検特捜部を封じ込め

安倍首相
“大義なき解散”強行の
最大の理由は森友捜査ツブシ!
財務省摘発に動く
大阪地検特捜部を封じ込め
2017.09.18 LITERA編集部

 安倍首相が今月28日の臨時国会冒頭も視野に、衆院を解散する方針を固めたとマスコミ各社が伝えた。
政府・与党は、早ければ10月10日公示の22日投開票、あるいは17日公示の29日投開票の日程で調整を進めているという。

大義のかけらもない解散である。
だいたい、政権は8月に内閣を改造したばかりだが、そのとき安倍首相は「この内閣はいわば結果本位の『仕事人内閣』」などと喧伝していた。
しかし、国会すら開かずその「結果」とやらを何一つ残さないまま、わずか1カ月余りで解散となれば、自ら内閣改造に意味はなかったことを示しているようなものだ。
呆れざるをえない。

 しかも、安倍首相はこの間、北朝鮮によるミサイル発射や核実験に対し「これまでにない深刻かつ重大な脅威」などと言って、“米朝戦争”の可能性の高まりを強調してきたのではなかったか。
それが一転、解散して政治的空白をあえて作り出そうというのはどういうことなのか。
矛盾にもほどがあるだろう。

 この解散に大義がないことは、安倍応援団の言動からも証明されている。
安倍応援団の新聞社や政治評論家はこぞって「解散で民意を問うのは当然」と解散支持を声高に叫んでいるが、その理由となると、自衛隊を憲法に位置付ける改憲、北朝鮮問題への対応、施行された安保法制の是非、はたまた経済政策から消費増税など、てんでバラバラ。
ようするに、応援団でさえ、解散の目的が何なのかまったくわかっていないのである。

 しかし、それは当然だろう。
与党の党利党略、いや、安倍首相の政権維持という“私利私略”のみで行おうとしているにすぎない。
そして、応援団としては、その本音を言いたくても言えないため、適当な理由をでっちあげているだけだからだ。

 そもそも、安倍首相が解散に踏み切ろうとしている理由の一つは、すでに各方面から指摘されているように「いまが選挙の最大のチャンス」とふんだためだ。
 ほんの1カ月前までは、加計問題で支持率が急落。
選挙をやれば、議席を激減させるのが確実だったため、とても解散できる状況ではなかった。
ところが、北朝鮮危機が勃発して状況は一変。
危機を最大限煽った結果、加計問題や森友問題はふっとび、マスコミ世論調査でも数カ月ぶりに「支持する」が「支持しない」を上回った。

自民党独自の世論調査で、
いまなら議席を増やせるとの結果が
 一方、前原誠司代表の民進党も山尾志桜里元政調会長の不倫疑惑スキャンダルや離党者の続出で混乱の最中にある。
さきの都議選で自民党の脅威となった小池百合子率いる都民ファーストの会も、国政版「若狭・細野新党」はまったく態勢が整っていない。
この状況なら「選挙に勝てる」と判断したのである。
 しかも、決め手になったのが、自民党が独自で行った世論調査だったという。

「自民党は独自で定期的に世論調査を行っているんですが、9月はじめの調査で、いま、選挙をやれば、現状維持は確実。
情勢によっては議席を大幅に増やすことができるとの結果が出た。
安倍首相が自民党総裁3選を達成するためには、衆院選で議席数を減らすことはできない。
しかし、この先のタイミングは北朝鮮情勢にしても、経済にしても、支持率が上がる要素はほとんどない。
そこにこの絶好の状況がきたため、一気に解散に傾いたんでしょう」(全国紙政治部記者)

 しかし、安倍政権がこのタイミングで解散をしかける目的はもうひとつある。
それはもちろん、森友・加計追及つぶしだ。
 臨時国会が開かれると、この間、出て来た加計学園や森友学園の新疑惑について追及され、さらに窮地に追い込まれるのは確実。

とくに、官邸が神経を尖らせていたのが、森友学園のほうだという。
例の国有地の格安払い下げをめぐっては、政権にとって致命傷とも言えるような証拠が次々と出てきているからだ。

 そのひとつが、FNNが先月にスクープした、2016年3月下旬に行われたとされる国側と森友側打ち合わせ時の音声記録だ。
これまで国側は、ごみの撤去費用が8億1900万円と算出された理由について、地中9.9メートルのところまでごみがあることを確認できるとしたためと説明してきた。

 ところが、FNNが9月11日に報じた音声記録では、国側の職員とみられる人物が
「(3メートルまで掘った)その下からごみが出てきたというふうに理解してるんですね。
その下にあるごみっていうのは国が知らなかった事実なんで、そこはきっちりやる必要があるでしょうという、そういうストーリーはイメージしてるんです」と語っており、工事関係者が「そういうふうに認識を統一した方がいいのであれば、我々は合わさせていただきますけれども」と発言していた。

国会を開けば、
佐川前理財局長の虚偽答弁が
追及を避けられない
 ようするにこれは、国側が3メートルより下からごみが出てきて土地の値引くという「ストーリー」を描き、森友サイドと共有していたという決定的証拠。
さらに音声では、近畿財務局の池田靖・国有財産統括官(当時)が「資料を調整するなかで、どういう整理をするのがいいのかということで、ご協議、協議させていただけるなら、そういう方向でお話し合いをさせていただければありがたいです」と話しており、完全に口裏合わせが行われていたことが伺える。

 他にも、やはりFNNが今年8月に報じた、2016年5月下旬のものとされる音声記録では、「(ゴミ撤去などの費用として)1億3000万円がうんぬんというよりも、ぐーんと下げていかなあかんよ」と要求する籠池泰典理事長(当時)に対し、池田国有財産統括官が「理事長がおっしゃる0円に近い金額まで、私はできるだけ努力する作業を、いまやっています」と返答している。
実際、このやりとりの後に不動産鑑定士は土地評価額を9億5600万円と算出。
ごみ撤去費用を値引きし、土地売却価格は1億3400万円となった。
池田国有財産統括官が明言した通りになっていたのだ。

 実は、FNNなどがスクープしたこれらの音声データは、森友問題で財務省、近畿財務局の背任摘発を視野に捜査をしている大阪地検特捜部が世論に後押ししてもらうためにリークしたもの。今後、捜査が進むにつれてさらに財務省、近畿財務局の犯罪行為を裏付ける様々な証拠がマスコミに流され、国会で徹底追及されるのは必至の情勢だ。
 そして、そうなれば、当然、その責任を問われることになるのが、国会議論当時の財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官だ。
佐川長官は当時、国会で森友学園側との事前交渉は一切なかったと強弁してきたからだ。

「先方にあらかじめ不動産鑑定というかその価格について申し上げることはございません」
「本件の土地の処分につきましては、私ども、不当な働きかけは一切なかった」
「そういう(不動産鑑定などの)価格につきまして、こちらから提示したこともございませんし、先方(森友学園側)からいくらで買いたいといった希望があったこともございません」

 これらの答弁がすべて虚偽だったことが国会で明らかにされれば、佐川氏は必ず国税庁長官辞職に追い込まれるだろう。
そうなると、任命責任者の官邸も当然、責任を問われることになる。

解散総選挙で、
大阪地検特捜部の捜査を
   ストップさせるのが狙い
 ようするに、安倍政権にとって、森友問題の疑惑追及は絶対に封じ込めなければならないものであり、そのために解散が持ち出されたということらしいのだ。
 しかも、解散の効果は、国会での追及の機会を奪うだけではない。
前述したように、大阪地検特捜部は近畿財務局を背任容疑で捜査しており、「現場は本格的に財務局職員逮捕へ向けて動いている」(検察担当記者)と言われている。
安倍政権は解散総選挙を実施することで、検察の捜査もストップさせることができるのである。

「大阪地検特捜部の現場が森友問題で財務省の摘発に動き始めたのは、安倍政権の支持率低下と世論の後押しがあったから。
解散総選挙になれば、選挙期間中や特別国会開催中に捜査がストップするのはもちろん、選挙で自民党が勝てば、官邸からの圧力が強まり、これ以上、検察が捜査を続けることはできなくなる。
完全に幕引きされてしまうでしょう。
逆に言うと、安倍首相と官邸はそれを狙っているということです」(前出・全国紙政治部記者)  

ようするに、政権は解散を疑惑回避の時間稼ぎとして使うだけでなく、選挙で勝利することで、「国民の信を得た」として森友・加計問題での“禊”を済ませたことにするとの青写真を描いているらしいのだ。
 しかも、官邸内部では、この“モリカケ疑惑隠し解散”と批判されるのを見越して、開き直る作戦も浮上しているという。
臨時国会冒頭で安倍総理が『森友・加計問題を野党が引っ張るから重要法案の審議ができない。
国民はどちらを信じるのか』などと宣言して、逆に一連の疑惑を解散の“大義”とする案が出ているようです。
そのうえで、選挙に勝てば、朝日や毎日などのうるさいマスコミも完全に黙らせることができるというわけです」(政治評論家)

 自己保身と権力への妄執のために、莫大なカネを使って選挙まで私物化しようとしている安倍政権。
国民が選挙の場で明確にノーを突きつける、それ以外にないだろう。
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2017年09月18日

露骨モリカケ追及逃れ 国会冒頭解散なら安倍首相はドツボ

露骨モリカケ追及逃れ
国会冒頭解散なら
安倍首相はドツボ
2017年9月16日 日刊ゲンダイ

 衆議院の解散をめぐって、また永田町がざわざわしている。

 今月25日とされた臨時国会の召集日が28日にずれこみそうだなどと、なかなか決まらないことから、「安倍首相は冒頭解散を考えているのではないか」というのだが、10日の日曜夜に麻生副総理が安倍首相の私邸を訪れ、1時間半も話し込んだことで解散風が強まった。
さらに、「複数の全国紙が『9・25解散が現実味を帯びてきたので、準備を怠らぬように』と社内会議で指令を出した」「自民党が内々に全国の情勢調査を指示した」などの情報も流れ、一部の衆院議員やメディアも警戒を強めて浮足立っている。

 10・22の補選に合わせた解散・総選挙の噂はずっとくすぶってはきたが、ここへきてなぜ加速しているのか。
「安倍内閣の支持率が回復基調にあることが一番大きい。
一方の民進党は山尾さんの不倫疑惑や離党ドミノでボロボロですからね。
臨時国会で審議に入れば、安倍首相は森友・加計問題で攻められ、再び支持率が下落しかねないし、第2の消えた年金問題まで出てきた。
そうした追及を避けるためにも、一部の首相側近が早期解散を進言しているようです。

首相の悲願の憲法改正についても、『自公と小池新党を合わせて3分の2を確保できる』という分析もある」(自民党関係者)
 だが、Jアラートやミサイル避難訓練で北朝鮮危機をあおっておきながら、「今なら勝てるから総選挙」とはご都合主義が過ぎやしないか。
モリ・カケ逃れは国民にバレバレ。

臨時国会の予算委員会が後回しなんてあり得ない。
 政治評論家の野上忠興氏もこう言う。
「解散にどんな大義名分を付けるのでしょうか。
自分と妻の不祥事を吹き飛ばすための個利個略なのは明らかで、
森友・加計疑惑を隠すことが目的の選挙だと国民に見透かされるでしょう。

簡単に勝てる、野党共闘は間に合わない、と思うのも甘い。
09年の衆院選では政策協定を結んでいなくとも、共産党は全小選挙区の半分の150しか候補者を擁立しなかった。
今回も、民進、共産ともまだ全選挙区に候補者を立てられていない。
裏を返せば、選挙区のすみ分けが可能ということです。

内閣支持率が回復基調だといっても、『安倍首相を信用できない』という人は依然多く、与野党一騎打ちになれば、どうなるかわかりませんよ

 先週末に行われた読売新聞の世論調査で、解散・総選挙について「急ぐ必要はない」が66%のうえ、先月から5ポイント上昇してもいる。
保身の身びいき解散で、安倍首相はドツボにはまる。
posted by 小だぬき at 08:00| 神奈川 ☔| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「アレさ、実はオレがやったんだよ」――自分の仕事を盛って自慢話をする「アレオレ詐欺師」に要注意

「アレさ、実はオレがやったんだよ」
――自分の仕事を盛って自慢話をする
「アレオレ詐欺師」に要注意
2017年9月17日 キャリコネニュース (松本ミゾレ)

嘘には色んなレベルがある。
誰も困らないような嘘もあれば、ちょっと本当っぽくてややこしく、つい信じてしまいそうになる嘘もある。
嘘なんてつかないに越したことはないと思ってはいるが、個人的には、明らかに一般的に考えて嘘と分かるものなら、別についてもいいようにも感じるところはある。

厄介なのは、事情を良く知らない人が聞いてしまうと、つい信じてしまうようなデマの類だろう。

「あのチームで主力メンバーでした」
嘘をつかれても
部外者が見抜くのはなかなか難しい
そもそも社会人になると、大半の人は後々真実が露見して自分の立場が危うくなるような嘘はつかないはず。
自分のありのままの姿で地道に生きるのが一番だもの。

だけど世間には後でバレたら自分の立場がヤバくなるにも関わらず、ついしょうもない嘘をついてしまう人というのがいるようだ。
つい先日、ツイッターで「アレオレ詐欺」という言葉を知った。

直接自分が関与してもいない仕事にも関わらず、事情を知らない第三者に「アレ、オレがやったんだぜ」としょうもない嘘をつくことをアレオレ詐欺というそうだ。
言い得て妙なネーミングである。
オレオレ詐欺より深刻度はだいぶマシだけど、こんな嘘をついてしまう人は正直キツい。

「職場の使えない人が、他所では『自分がチームの主力だ』と言いふらしていた」だとか。
あるいは「他人の作った成果物を手に面接にやってきて、『これは自分の手がけたものです』などと言ってきた」などというイタい事例なんかも考えられる。
自分の実力で成し遂げてもいないような成果を、色々な方面で、さも自分のお陰で完遂できたように言いふらす。
しかも、その嘘を部外者が見抜くのは難しい。
これがアレオレ詐欺師の実態というわけだ。

ただの虚構マウントならまだしも、
   場合によっては実害を招くリスクも
以前、合コンで女の子の気を引こうと必死になっているやつが、何を思ったかフリーターなのに「オレ、医者なんだけど、こないだタレントがお忍びで入院してきて〜」とか言い出したのを見たこともある。
「お前が医者に診てもらえ」と突っ込んで事なきを得たが、あんなもんを信じる人だっているかもしれないから、アレオレ詐欺って悪い意味で無限の可能性を秘めているように思える。

アレオレ詐欺のレベルによっては、ただの笑い話では済まなくなるんじゃないだろうか。
たとえば就活をする際に、面接で嘘の経歴を話してしまったり、履歴書にも虚偽の記載をしたり。
こういうことをやってしまうと、バレたときは完全アウトだ。
しかし、職歴を誤魔化す人ってたま〜にいるそうで、こういうのがいざ雇用してから発覚すると、その職場的にも大きな痛手になる。

調子のいいことばかり話す人に出会ったら、アレオレ詐欺にひっかからないよう、注意して接していきたいところだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月17日

官邸と産経が煽動する東京新聞・望月記者バッシングがヒドい! 卑劣な報道圧力に、メディアは即刻抗議せよ!

官邸と産経が煽動する
東京新聞・望月記者
バッシングがヒドい!
卑劣な報道圧力に、
メディアは即刻抗議せよ!
2017.09.16 LITERA編集部  

官邸が今月1日、菅義偉官房長官の会見で孤軍奮闘する望月衣塑子記者が所属する東京新聞に対し書面で注意喚起をおこなった件が、さらに醜い事態を招いている。
今度は産経新聞が、望月記者の発言をめぐって抗議文を東京新聞に送りつけたのだ。

 そもそも、官邸が望月記者の質問に対して注意喚起の文書を出していたことが公になったのは、翌2日付の産経の記事が発端。
その後、民進党議員が問題の文書を手に入れ公開したが、そこには内閣官房総理大臣官邸報道室長の上村秀紀氏の名前で、以下のように綴られていた。

〈官房長官記者会見において、未確定な事実や単なる推測に基づく質疑応答がなされ、国民に誤解を生じさせるような事態は、当室としては断じて許容出来ません。
貴社には再発防止の徹底を強く要請します〉

 ここで官邸が問題にしているのは、望月記者が加計学園の獣医学部設置認可について8月25日の会見で「認可の保留という決定が出ました」と発言したこと。
文科省が認可保留を発表する前だったため、「決定」という発言を〈未確定な事実や単なる推測〉だと攻撃したのだ。  

しかし、認可保留の決定については、8月10日の時点で産経も含むほとんどの新聞・テレビがすでに報じていたことで、また望月記者が質問したわずか数時間後には文科省も正式発表しており、
〈未確定な事実や単なる推測〉などではまったくない。
仮に「未確定な事実」や「単なる推測」だったとしても、それを質問して何が悪いのか。
政府が正式発表したことしか質問できないとなれば、報道の自由を著しく侵害するもので、戦時中の大本営発表か、中国や北朝鮮の国営メディアかという話だ。

 だが、この官邸による注意喚起の文書について産経が官邸に丸乗りした上、望月記者に対する批判とともに報じると、安倍応援団やネトウヨのあいだで過熱していた望月記者バッシングはさらにヒートアップ。
なんと、報道が出て2日後の4日午後9時ごろに東京新聞には、中年男性の声で「ネットニュースに出ている記者は、なぜ政府の言うことに従わないのか」「殺してやる」という旨の電話がかかってきたという。
これは望月記者への「殺害予告」だ。

官邸の意を汲んで、
望月バッシングを
煽動してきた産経新聞  
こうしたネット上の望月記者に対するバッシングを煽ってきたのは、その産経だ。
6月に望月記者が官房長官会見で質問をおこなうようになるや否や、「産経ニュース」でさっそく批判記事を配信。
その後も繰り返し望月記者の質問を批判、「野党議員のような質問」「会見時間の半分を浪費」などと個人攻撃を展開してきた。
さらに9月9日には石平氏が「彼女のやってるのは吐き気を催すうぬぼれだ!」などと書き立てた。

 この異常な事態を受け、望月記者は14日の会見で、
「注意文書のことが産経新聞になぜリークとして出て、記事が出て、またこれまでの官房長官とのやり取りもいくつも記事にされていた」と言及。
「言論弾圧を助長するかのようなネット上の誹謗中傷、ネット以外の誹謗中傷等々について、政府としてはいまどのように受け止めていらっしゃるのか」と菅官房長官に質問したのだ。

 会見での質疑応答をもとに記者が殺害予告まで受ける。
報道の自由を守る責任を負う政府としては、断固としてそうした卑劣な行動にノーという毅然とした態度を示すべきだ。
しかし、菅官房長官は「ネットにいろいろ書くというのは、それはいろんな方の自由であるということも事実じゃないでしょうか。
政府としてはコメントすることは控えるべき」とお茶を濁すだけだった。  
しかも、このように望月記者への誹謗中傷を煽ってきた産経は、望月記者の「産経にリークとして記事が出た」という発言を「事実無根であり、社の名誉と信用を著しく毀損するもので看過できない」とし抗議文を出したのだ。

 よくもまあ恥ずかしげもなく……とあきれ果てるしかない。
連日のように露骨な官邸リーク記事を紙面に踊らせている産経が、今さらリークといわれて毀損されるような“名誉や信用”などいったいどこにあるのか。
しかも、この注意喚起の件に限らず、産経が望月バッシングを展開してきたのは、リークの有無にかかわらず官邸の意図と歩調を合わせたものであることは明らかだ。

 菅官房長官に厳しく詰め寄る望月記者の存在が官邸は疎ましく、この間裏で個人攻撃のチャンスを狙っていたといわれる。
実際、「週刊新潮」(新潮社)6月22日号によると、菅官房長官は会見で切り込んでくる望月記者に怒り心頭。
邸スタッフに「警察組織を使って彼女の身辺調査をするよう命じた」ということが報じられている。

 官邸リークによる読売新聞の前川喜平・前文部科学事務次官の“出会い系バー通い”報道を彷彿とさせる一件だが、官邸が産経と読売を巧みに使い分けリーク記事を書かせていることなどもはや周知の事実だ。
 そんな産経に「報道の自由」やジャーナリズムの使命を説いたところで、八百屋で魚を買うようなことかもしれない。
だが、問題なのは、産経は言うまでもないが、ほかのメディアの対応だろう。

官邸に狙い撃ちされた
東京新聞・望月記者を
見殺しにする、忖度メディア
 繰り返すが、官邸が東京新聞に出した注意文書は、明白に「報道の自由」に対する圧力である。
「未確定な事実」や「単なる憶測」と言って質問を封じるということ自体が言語道断で、こうした官邸の言い分がまかり通れば、独自で掴んだ情報も「未確定な事実」や「単なる憶測」とされ、政府が認めていることしか追及できないということになってしまう
これは、望月記者や東京新聞だけの問題ではなく、報道の自由を著しく侵害するものとして全メディアが即刻抗議すべき大問題だ。
にもかかわらず、ほかのメディアも東京新聞に対する今回の官邸の注意文書に対し、抗議どころか、何のアクションもしていない。

 唯一の動きは、IWJの岩上安身氏が8日の会見でおこなった質問だ。
ここで岩上氏は「25日のこの時点で、なぜ望月記者が特段に注意されなければならなかったのか。
正式の公表の前とはいえあらかた報じられている内容にもとづいての質問であり、望月記者だけが厳しく注意されるというのはダブル・スタンダードのように感じられますが、その点いかがでしょうか?」と質問。
だが、この件も翌9日、朝日新聞がベタ記事でほんの少しふれただけ。
結局、きょうにいたるまで、どの新聞社・テレビ局ともに、表立って官邸に対して抗議をおこなっていないのである。

 それどころか、望月記者の9月13日のツイートによれば、官邸記者クラブの幹事社であるテレビ朝日の記者が菅官房長官と目配せし、朝日新聞の記者がまだ挙手しているにもかかわらず会見を打ち切るなど、むしろ官邸側の意を汲んでいるくらいだ。
 この、国民の知る権利など放り出して「官邸に嫌われたくない」という保身に走る記者クラブ体質、サラリーマン記者たちの「知らんぷり」加減には反吐が出る
これで「権力の監視」などできるはずがない。

 対して米国のメディアはどうか。
トランプ政権のホワイトハウス報道官だったショーン・スパイサー氏が政権に批判的なCNNやニューヨーク・タイムズなどを会見から締め出した際には、AP通信やタイム誌はいっしょになって会見をボイコット。
ホワイトハウス記者会も抗議声明を発表した。
もちろん、スパイサー氏が菅官房長官と同様にまともに質問に答えず、批判的なメディアには強権的な姿勢を見せても、記者たちは食い下がって何度も質問を繰り返す。
スパイサー氏が詭弁を振りかざした際には露骨にシラけた表情を向け、紙面や番組ではっきりと「嘘つき」「バカ」「大バカ」「最悪の返答」と批判を浴びせている。
これこそが不誠実な政権担当者へのジャーナリズムの本来のあり方ではないのか。

 産経は論外としても、官邸が望月記者を露骨にターゲットにするなかで他社が他人事な態度を取っていることは、この国のメディアのレベルの低さを物語っている。
そしてこれこそが、この国の民主主義の危機を示しているのだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする