2018年01月18日

愛するペットが死んだら「燃えるゴミ」なのか

愛するペットが死んだら
   「燃えるゴミ」なのか
ペットを弔いたいという
   飼い主は増えている
2018年01月17日 東洋経済

細川 幸一 : 日本女子大学教授

街中を歩くと至るところで犬と散歩する人々と出会う。
一般社団法人ペットフード協会の調査では日本の犬の飼育頭数は987万8000頭、猫は984万7000頭で、合わせて1972万5000頭もいる(2016年調査)。
少子高齢化や核家族化の進展もあり、ペットを家族の一員と思う人は確実に増えている。

人間同様ペットも長寿になっており、同調査では犬の平均寿命は14.36歳、猫の平均寿命は15.04歳だという。
死は必ず訪れる。
そのときにどうするかは重要な課題だろう。
また、捨て犬猫、野良犬猫のエサやりによる繁殖、多頭飼育も問題となっており、所有者不明あるいは所有者不在の犬猫も社会問題化しているため、死んだ場合の対応も課題だ。

法律上はどのような扱いなのか?
  廃棄物処理法第2条第1項は、「この法律において『廃棄物』とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、……廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの……をいう」と規定している。
したがって、自治体が動物の死体の処理をする場合は「廃棄物」扱いが基本だ。

ゴミ収集を行っている市区町村はどのように扱っているのだろうか。
まず、私有地ではない一般道等に動物の死体がある場合は、清掃部局に連絡すれば引き取ってくれることがほとんどだ。
ただし、国道なら国交省の地域事務所、都道・県道等なら都・県等の地域事務所となる。

いわゆる野良犬・野良猫が私有地で死んでいる場合の対応はバラバラだ。
一般道同様に回収に来るところ、料金を取って引き取るところ、土地の所有者自らが民間業者等に依頼しなければならないところなどさまざまだ。
回収あるいは引き取った後の処分もさまざまだ。
ゴミと一緒に焼却するところ、ゴミ焼却施設に動物専用の焼却施設のあるところ、収集したあと、動物専門の焼却施設や寺院に持ち込むところなどだ。

一方、ペットはどうだろか。ペットが死んでしまったあとの処理については、主に次の方法が行われている。
@ 飼い主が自ら処理(自己所有地への埋葬等)
A 飼い主が地方公共団体(清掃局等)へ処理依頼(焼却)
B 飼い主が民間事業者又は寺院等へ処理依頼(火葬・埋葬等)

広い一軒家に住んでいれば、@の自分の家の庭に埋葬することも可能であろう(公園などに埋葬すると廃棄物処理法・軽犯罪法違反)。
しかしこれが可能な飼い主は都市化が進んだ現状では少ないと思われる。

Aの自治体への依頼については、公道上での処理と同じであるが、基本はBなどの方法を飼い主が検討し、それが無理な場合には有料で引き取りまたは回収するという自治体が多い。

処理については前述のように自治体によってまちまちで、他のゴミと一緒に焼却されるのであれば、ためらう飼い主も多いだろう。
一部の自治体だが、燃えるゴミとして指定の袋に入れて犬猫の死体を捨ててよいところもあり、そうした自治体は一般の燃えるゴミとして焼却している。

最近増えているのはBの動物専門の火葬・埋葬業や寺院である。
ペットを家族として弔いたいという飼い主の感情の高まりとともに各地でこうした民間施設が多くできている。
火葬は施設で行う場合と、火葬車が自宅に来て行う場合がある。
また合同火葬と個別火葬があり、後者の方が料金は高いが、遺骨の引き取りが可能だ。
ただし、こうした施設は埋葬法、動物愛護法、廃棄物処理法などの法律の対象外のため、消費者トラブルや火葬場設置をめぐる住民トラブルもある。

世間を驚かせたのは、2010年の埼玉県飯能市における動物死体の不法投棄だ。
飼い主から預かった約100匹のペットの死体を動物葬祭業を営む71歳の男性が火葬及び返骨等の処理を適正に行わずに飯能市の山中・正丸峠付近に投棄した事件だ。

ゴミと同じ扱いは避ける方向に
前述のように動物の死体は、法律上は廃棄物扱いなので、ゴミとして焼却しても問題はない。
だが、動物愛護管理法が第2条において「動物が命あるものであることにかんがみ……適正に取り扱うようにしなければならない」としていること、また近年の人びとの動物、特に犬猫に対する感情への配慮から行政でもゴミと同じ扱いを避ける方向にあると言える。

しかし、生活を共にしてきたペットを弔いたいという飼い主の気持ちに行政の対応では追い付かず、ペット専門の火葬・埋葬業や寺院を増やす結果になっている。
数多くの業者が参入する中で、現在では悪質なペット火葬業者やペット霊園が存在する問題も表面化している。
訪問火葬業者や霊園業者が加盟する業界団体などでは業界の健全化に取り組んでいたり、条例を定めたりしている自治体もあるが、抜本的な解決には至っていない現状のようだ。

動物愛護法が動物が死んでからのことを想定していないため、火葬・埋葬業者の同法での規制ができないのが現状であり、改正論議の論点になっている。

動物と人間の関係は単純ではない。
家族同様に大事にされ、死んだあとも丁寧に弔われるペットがいる一方で、そうでない動物が大量に存在するのが現代消費社会だ。
商品として買ってもらえなかったペットショップの犬猫たちのその後のことや、ペットフードになる家畜についてはペット愛好家でも無関心なことが多い。
人間に愛されなかった動物のことも考えていく必要があるだろう。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(4) | 趣味・好きな事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月17日

悲惨な着物業界…代金踏み倒す客も

【はれのひ事件】
悲惨な着物業界…売上8割減
客の代金踏み倒し横行で
損失1000万円の店も
2018.01.12 Business Journal

文=小川隆行/フリーライター

 一生に一度の晴れ舞台である成人式を台無しにした「はれのひ」。
1月8日に突然閉店するなど音信不通となり、その被害総額は1億円を超えるとみられている。
代金を支払ったのに振り袖が届かないというトラブルのほか、「母と同じ着物を着たい」などという客から預かった晴れ着の“転売”疑惑まで浮上している。

近年、これほど消費者をないがしろにした悪質な騒動は目にしたことがない。
 この問題を受けて、着物業界は「被害者の会」を立ち上げた。

日本古来の“民族衣装”である着物だが、市場は1980年頃に約1兆8000億円だった売り上げが右肩下がりで、2016年には2785億円とピーク時の6分の1以下まで縮小している。
和服文化を継承している歌舞伎、落語、大相撲が人気を保っているものの、日本人は確実に和服離れしているのが現実だ。

 そんな着物業界にとって一番の稼ぎどきが、多くの女性が和服に身を包む成人式である。
そして、昔から地元で商売をしている小売店の場合は「信用」が一番のキーワード。
「あの店はきちんとしている」という評判や口コミは商売に欠かせない要素なのである。
 従業員の接客態度や価格はもちろんのこと、「入金時期と内金金額」も店の評判に関係するという。

関西の某県で50年以上にわたって営業を続けている、老舗呉服店の社長が語る。
「通常、お客様は2〜3社でお見積もりを立てますが、うちは平均価格である『購入36万円、レンタル15万円』よりもやや低い価格設定で、多くの方にご利用いただけるようにしています。
成人式の晴れ着を予約されたら、(低価格帯の場合に限り)内金を1万円だけ入れてもらっています。
すべては、お客様に気分良くご利用いただくためです。

 確信犯ともいえるはれのひは『現金払いなら5%オフ』などと入金を急かせていましたが、うちはクレジットカード決済すら見送り“あるとき払いの催促なし”という姿勢を貫いてきました。しかし、来年からはカード決済を導入せざるを得ないかもしれません」(呉服店の社長)

代金を踏み倒す客たち…
損失は1000万円超
 ただでさえ平均より安いのに“あるとき払いの催促なし”とは、利用客にとってはありがたいに違いない。
しかし、社長は以下のように内情を語る。
「代金は成人式の前日までに全額の支払いをお約束させてはもらいますが、なかには『1カ月待ってほしい』という方もいます。

そして、前日までに支払いがなくても、成人式のお手伝いはきちんとさせていただきます。
それもこれも、『実家からの仕送りで生活するのがやっとで、成人式は“自力”』という方もおり、そんな方のご希望を叶えてあげたいからです。
 一生に一度ですし、『その後、和服に興味を持ってもらいたい』というのが私どもの考えです。
そのため、カード決済を導入しないで『あくまでお客様を信用する』という姿勢を貫いてきました。
しかし、こうした口約束を守ってくれないお客様もいらっしゃるのが実情です。

 1カ月たっても代金が支払われないので電話をするとつながらない、書類に記載されたアパートを訪ねるとすでに引っ越した後……なんてことがよくあります。
催促をしないこちらの姿勢も悪いのですが、うちは取り立て屋じゃありませんし、ましてや先代社長の教えが『困っている人には施せ』でしたので……」(同)

 短大に通っている女性であれば、成人式は卒業間近で何かとお金が必要な時期だ。
また、一人暮らしの場合は10万円でも大金だろう。
晴れ着を着るという夢を叶えてしまえば支払うはずの料金は引っ越し代にでも充てるのか、そのまま“ドロン”してしまうケースが少なくないようだ。
「そうした損失金がいくらあるのか、先日調べたら四半世紀で1000万円を超えていました」(同)

 同店と提携する写真館の代表者は、次のように語る。
「撮った後でお客様が引き取りに来ない記念アルバムが、もう50冊ぐらいたまっています。
撮影が終わると『なくてもいいや』となるのでしょう。
頼まれればお客様のスマホでも撮ってあげますが、ご家族と一緒でない単独撮影の場合、最近はやんわりとお断りさせていただいています」(写真館の代表者)

「一番怖いのは、呉服業界の信用失墜」
 前出の呉服店社長が、ため息まじりに漏らした。
「今回の件は本当に許せませんが、一番怖いのは私たち呉服業界の信用失墜です。
業界全体が悪く見られてしまうと『いい加減な業界になんか、お金を払わなくていい』と思われてしまいかねません。
そうした貸し倒れが増えるのは困りますし、だからこそカード決済の導入も考えなければならないのです。

 しかし、先代社長の口癖が『金を追いかけるな。金は後からついてくる。
まずは商品知識を頭に入れ、相手の身になって商いをせよ。
そうすればお客様は気分良くご利用してくれる』でしたので、今も(決済導入を)迷っています」(呉服店社長)

 このような良心的な呉服店すら困らせてしまうほど、はれのひの騒動は悪質だったということだろう。
 直系家族が和服に身を包み、記念日に一家でささやかに過ごす
そんな原風景こそ日本の古き良き伝統文化だったが、核家族化が進み洋服が当たり前となった昨今、和文化の世界にも「カードローン」「クーリングオフ」「キャンセル」「スマホ」といった英単語が当たり前に飛び交う……。

こうした状況も伝統文化の衰退に拍車をかけている、とするのは言い過ぎだろうか。

 ニュースサイトで読む:
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posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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