2025年03月18日

「ほかの国では考えられない」 日本へ移住した外国人 暮らしてみて驚いた“当たり前”とは

「ほかの国では考えられない」 日本へ移住した外国人 暮らしてみて驚いた“当たり前”とは
3/17(月) Hint-Pot

 世界的に見ても、ユニークな文化を持つ日本。
移住してくる外国人は、どのようなことに驚くのでしょうか。
2024年、外交関係を樹立して60周年を迎えたカリブ海に浮かぶトリニダード・トバゴ共和国出身のニコラスさんは、日本に住んでトータル6年近くになります。
母国から約1万4400キロ離れた日本を訪れて驚いたことは、なんだったのでしょうか。
 ◇ ◇ ◇
まったく新しいカルチャーに飛び込むためJETに応募

 幼い頃から他国のさまざまなカルチャーを学ぶことが好きだという、トリニダード・トバゴ出身のニコラスさん。
ニコラスさんが日本へ移住したきっかけは、JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Programme/語学指導等を行う外国青年招致事業)の存在を知ったことでした。

 地球のほぼ裏側に位置する日本とトリニダード・トバゴですが、日本行きへの迷いは一切なかったといいます。
それというのも、トリニダード・トバゴでは毎週、日本を紹介するドキュメンタリー番組が放送されており、ニコラスさんもよく視聴していました。

 そして、まったく違う文化を持った未知の国である日本に、とても深い関心を抱いていたといいます。
日本を「行きたい国」リストにずいぶん前から入れていたそうです。

「日本はとても遠く、なかなか簡単に行くことができません。JETプログラムへの参加は、本当にマジカルな機会を掴んだと思いました」

日本はゴミの仕分けが細かすぎる?

 こうしてALT(Assistant Language Teacher/外国語指導助手)のサポートをする仕事で、大分県に派遣されたニコラスさん。
ドキュメンタリーを観ていたこともあり、日本の文化にはある程度慣れ親しんでいましたが、日本での暮らしは当初、驚きの連続だったそうです。

「驚いたことは本当にたくさんあって数え切れませんが、ナンバー1はゴミの分別でした。
母国ではゴミを仕分けることがなく、なんでもまとめて捨てていたんです。
しかし、日本ではかなり細かく仕分ける必要があり、捨てる曜日も決まっていることに驚きました」

 多くの外国人が日本での生活で苦労することのひとつといわれるのが、ゴミの分別です。
日本では、自治体ごとに細かなルールは異なりますが、可燃ゴミや不燃ゴミの違いがわからなかったり、指定の袋を使用することを知らなかったりと、トラブルになりがちです。

 また、住んでいる場所によっては、前日の夜に出してはいけないといったルールも。
日本のゴミ分別に関する決まりの厳密さは、世界でもトップクラスだといわれています。
そのため、日本へ来る前にアメリカにも数週間滞在していたニコラスさんでも、戸惑いを隠せませんでした。

「他人のことを思いやる国民性だと思いました」

さらに、日本の交通事情にも驚いたといいます。

「日本には車、バス、電車、自転車などさまざまな交通機関があり、そこまでひどい渋滞が起こらないことにもびっくり。
電車やバスがほぼ遅れずに来るという点は、本当に素晴らしいですね。
母国では、ほとんどの人が車を使います。
自転車に乗る人はほぼいませんし、大人も子どもも歩かず車で移動します。
そのため、どこもかしこも渋滞ばかり。
日本では、通学や買い物のために歩く人が多いことにも驚きました」

 かつては、トリニダード島全域に政府が運営する鉄道がありましたが、1968年にすべて廃止され、現在は車や小型バスでの移動がほとんどだといいます。
車での移動が多いため、クラクションの音が街中に響き渡るのも日常の風景です。

「日本は、本当に静かです! クラクションの音はもちろん、バスや電車の中でうるさく話をする人がいないし、夜になったら掃除機をかけたり、洗濯機を回したりもしない。
法律で決まっているわけではなく暗黙のルールがあり、それを守っている人が多い。
ほかの国では考えられないくらい、他人のことを思いやる国民性だと思いました」

チップがないのに日本の接客はすごい

 そして、やはり驚いたのは、日本のホスピタリティの高さです。
トリニダード・トバゴのホテルやレストランでは、10〜20%程度のチップを渡す必要があります。
一方、日本ではチップ文化がないにもかかわらず、素晴らしい接客を受けることができることに感激したそう。

「ファストフード店ですらも、日本は接客が素晴らしい。チップがないのに、こんなにいいサービスを受けられるなんて、日本以外にはないと思います。
驚いたといえば、レストランで店員さんを呼ぶときに、他国なら『すみません!』とアピールする必要があります。しかし、日本では呼び出しボタンを押せばいいだけの店が多いことにびっくり。初めてそのシステムを見たときは、信じられませんでした」

 日本人にとっては当たり前のサービスでも、ニコラスさんが驚いたことはほかにも。

「コンビニエンスストアで税金が支払えるシステムが整備されている点も、驚きでした。
母国では、役所などに行かないと税金が払えないんです。日本では光熱費など、なんでもコンビニで支払えて、本当に便利だと思いました」

 日本の利便性の高さに、移住早々から度肝を抜かれていたというニコラスさん。

和栗 恵
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月17日

貯金ができないのは「年収が低いから」ではない…インフレ貧乏になっていく「安物買いの銭失い」という悪癖

貯金ができないのは「年収が低いから」ではない…インフレ貧乏になっていく「安物買いの銭失い」という悪癖
2025年03月16日 PRESIDENT Online

お金が貯まる人、貯まらない人の違いはどこにあるのか。
消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんは「出費を抑えようと、安くていいものを手に入れようとする。それがお金が貯まらない“落とし穴”になっている」という――。

■「いいモノが安く買えた時代」は終わった

物価高が止まらない。節約できない必需品にあたるコメの売価は下がらないままだし、キャベツも白菜も相変わらず高い。
おまけに、4月にはビール大手4社が揃ってアルコール飲料を値上げする予定だ。

むろん値上げは食品だけにとどまらず、ティッシュやトイレットペーパーの値上げも予定されている。
そうなると家計のために1円でも安いものを探したいのが人情だ。
チラシを見比べたり、ネットで情報収集したりと、庶民はそのための努力を惜しまない。
今や、安さは価値そのものなのだから。

しかし、安さにも2種類あるのはご存じだろうか。
良い安さと悪い安さ、いや、正統な安さと不当な安さと書くほうが正確かもしれない。この違いを見極めておかないと、大事なお金を守れない。長らく日本では、性能がよく、かつ安いモノが手に入ったものだ。しかし、今や「安かろう、悪かろう」の時代にいよいよ突入している。

■デフレ時代、激安商品は当たり前

1900年以降のデフレ時代はなかなか給料が上がらず、その懐にあわせて安い店や業態がたくさん生まれた。
高く値をつけても売れないし、激安価格で客を引き付けるしかなかったからだ。

私たちになじみ深い100円ショップチェーンが誕生したのもその頃だ。
均一ショップの安さの理由はいくつかあるが、人件費や製作コストが安い海外生産の商品を大量に仕入れすることで原価を抑え、100円でも販売することができた。
また、利用客の支払いも現金のみにすることで、キャッシュレス決済手数料の負担もなかった。

その頃よく見かけたディスカウントストアも、商品を大量に現金買い付けすることで仕入れコストを抑え、破格の店頭価格をつけることができた。
ショップ内の品ぞろえを見てみるとさほど安くない商品も混じっていたが、目玉商品を店頭に積み上げて客を呼び込み、通常価格の商品も合わせ買いをしてもらうことで利益を確保できたのだ。

外食産業に目を向ければ、牛丼1杯が280円という時代もあった。
当時は比較的安い輸入牛肉を確保できたことや、店舗で働く人員の人件費が今より安く済んだことも大きい。
また、当時は牛丼チェーン同士で安さを競いあっていた。
「安さ」で客を惹きつけ、自分の店のファンになってもらうための先行投資のような値付けもあっただろう。

■「安さ」に正当性があった

同じく、マクドナルドのハンバーガーも長らく100円を切っていた。こちらも、原材料費や輸送費、人件費等が抑えられた時代背景とともに、安さでファミリーや学生層を取り込み、子どもの頃からハンバーガーショップに行く習慣をつけてもらうという目的もあっただろう。

ここで触れてきた業態の「安さ」には、良いとまでは言わないが、理由に正当性はある。なぜ安くなっているのかのまっとうな説明ができるからだ。

他にモノが安く売られる条件を整理すると、次のようなものが挙がるだろう。

1 大量に仕入れたために早く処分したい
2 色や味など人気がなく、売れ行きが悪い
3 消費期限・使用期限が迫っているので期限までに売り切りたい
4 パッケージの改定や、商品が廃版になるので早く店頭から処分したい
5 新製品・新サービスのスタートなので多くの人に手に取ってほしい
6 決算時期前に在庫を一掃し、売り上げの数字も立てたい

また、店側も安売りのための工夫が欠かせない

1 現金決済だけにして、そのぶん安くする(キャッシュレス対応などのコストを省く)
2 段ボール箱を切って並べるだけの陳列など、人手をかけず効率化する
3 売れ筋の商品だけに絞り込んで、あれこれ商品数を増やさない
4 人流は多いが家賃の高い立地には出店しない

安く売られる理由は一つではなく、さまざまな要因が共存するものだが、理屈がはっきりわかるような「安さ」は消費者にとっても納得がいく。
逆に、安さの理由が判然としないケースは注意したほうがいいのだ。

■「ネットだから安いのだろう」は大丈夫か

正当ではない安さ、とはどういうものだろうか。
例えば「他に比べて妙に安い」と感じる製品には一定の注意が必要だ。
たとえば、最近モバイルバッテリーの発火事故が増えていると耳にする。スマートフォン用のモバイルバッテリーが火を噴き、火災になったという例は少なくなく、消費者庁も注意喚起を行っている。

報道によれば、そういう商品は価格もかなり安めだという。
発火事故の頻発を受け、モバイルバッテリーは平成30年から電気用品安全法の規制対象となり、国内での販売にはPSEマークが必須だが、ネット通販ではそのマークがない製品も混じっているらしい。安い商品には、そうしたものが一部含まれるというのだ。

私たちは、「ネット通販では販売店よりも安く買えるのが当たり前」と考える。
店舗や販売員がいない分、安くできるはずだからというのが理由で、それは先の「正当な安さ」ともいえるのだが、そのぶん相手がどんな業者なのか見えにくい。
そこを逆手にとって、詐欺まがいの取引に使われることもある。
相場よりあえて安い商品価格を出してエサにするのだ。購入したものの商品が届かないまま業者と連絡が取れなくなったとか、お金だけならともかく、個人情報やカード番号も抜かれたのではないかと危惧されるケースもあるとか。

■「安心」は買えない

「不当」ではないが、グレーな安さもある。
冒頭でコメ高騰について書いたが、フリマアプリで市価より安くコメが売られている場合はどうだろう。
売主が生産者や販売店ならともかく、一般人の場合だと躊躇してしまう。
食品管理の基準にのっとった保存・保管などが担保されているか心配だからだ。

売り手に悪気がないとしても、その「安さ」が安心できる安さであるかは別の話になる。
品物の取引において、業者から買うよりフリマアプリなどの個人間取引の方が安いのは、業務上必要なコストが省かれるせいだ。
安い反面、販売した品物の補償なども期待できない。万が一トラブルが起きた時も、個人間で解決するしかなく、手間も時間もかかる。そのリスクも含んだ上の「安さ」だと理解しておかなくてはならないのだ。

話が変わるが、住宅ローンで固定金利にするか変動金利にするか悩んだ時に、金利差は安心料の有無と考えるといいと聞いた。
金利はこれ以上、上がりませんという長期の安心料を払う=固定金利、今後金利が上がるかもしれないが、とにかく今の安さを優先=変動金利という関係で見るとわかりやすいと。
いずれを選ぶかはローン利用者それぞれの考え次第だが、現在の金利動向を見ていると、これも「不安があるが故の安さ」の一例かもしれない。

■「安さ」を求めるほど、何かが犠牲に

デフレ時代に正当だった安さの根拠は、令和の時代には通用しなくなってしまった。
どんどん原材料費が高騰し、為替で円安が長引けば国外での生産メリットが薄れ、更には国内外の人件費は今後も上がっていくだろう。

2025年も食品を中心に値上げラッシュが起きているが、調査会社帝国データバンクのレポートでは、円安以外にも、原材料以外の包装資材を含めた値上げ、物流費や人件費などのコスト、原油や電気・ガス代などエネルギー価格などを複合要因に挙げている。

どう楽観的に見ようとしても、これらがすぐに解消するわけはなく、「安さ」を追求しようとすれば価格据え置きで量を減らすステルス戦略か、あるいは質を落とすしかない。

先日も、昔のコートを処分しようと思ったところ、明らかに今どきの服より素材や造りがいいと気づいた。それはそうだろう。
すべてのコストが上がっているのだ、価格を安くしようとすればするほど、数年前の商品より質を下げざるを得ないだろう。デフレ時代は、安いながらもよいものを消費者に届けようという経営努力が通じたものだ。
しかし、インフレ時代で安さを追求すれば、そのぶん質をある程度犠牲にせざるを得ない。

■「安物買いの銭失い」がいちばん危険

飲食店なら、まず人件費を節約する方向に動くだろう。
注文はモバイルで、配膳はロボット、社会保険料の負担が発生する長期バイトではなくスポットワーカーを雇うというように。
安めのビジネスホテルも、タオル類の交換はしてくれず、宿泊客が自らドアの外に出す光景は珍しくなくなった。
接客という「質」は、安さとともに求めてはいけない。サービス=ゼロ円の時代は過去になったのだ。

昔の洋服の話をしたが、これから生産される商品は、同じ質を保とうとすればこれまで以上に高額になるだろう。
それなら中古品を安く買ったほうがいい。
逆に、常識外れの安値を見たら、それは理屈に合わないと考えるべきだ。何らかのリスクを示す黄信号かもしれない。
先に書いたモバイルバッテリーなどのアイテムや、妙に安い食品なども同様だ。「安かろう、悪かろう」と同じ意味の言葉があったではないか、それは「安物買いの銭失い」という。
----------
松崎 のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月16日

日本をこれから襲う「インフラ崩壊」…深刻な人口減少社会で「建設業界」に起きること

日本をこれから襲う「インフラ崩壊」…深刻な人口減少社会で「建設業界」に起きること
3/15(土) 現代ビジネス

この国の人口はどこまで減っていくのだろうか。
今年1年間の出生数が70万人割れになるかもしれず、大きな話題となっている。

そんな衝撃的な現実を前にしてもなお、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。

100万部ベストセラーシリーズの最新作『未来の年表 業界大変化』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。

※本記事は河合雅司『未来の年表 業界大変化』から抜粋・編集したものです。

この30年で建設投資は20兆円減少

建物や建築物というのは完成したら終わりとはいかない。
完成後にこそ真価が問われる。
だが、どこまで人口減少による将来的な需要減を織り込んでいるのかと心配になるビルや商業施設、道路などが少なくない。

国交省によれば、建物や建築物の生産高である建設投資は1992年度の約84兆円がピークだ。
2021年度は58兆4000億円となる見通しで、ピーク時より30.5%減である。生産年齢人口(15歳~64歳)がピークを迎えたのが1995年なので、おおむね生産年齢人口の減少に歩調を合わせるように縮小を続けてきたということになる。

一般財団法人建設経済研究所の「建設経済レポート」(2022年3月)によれば、建築工事受注高も長らく減少傾向にあった。2012年度以降は景気回復に伴って増加傾向に転じたが、2018年度で再び頭打ちとなっている。土木工事も2018年度以降は準大手や中堅の受注高が減っている。

本格的な人口減少社会を前にしてすでに縮小傾向を示し始めている建設業だが、生産年齢人口は今後急カーブを描きながら減少していく。普通に考えれば、建設需要が現行水準を維持することは考えづらい。

老朽化による政府投資の拡大

しかしながら、建設業の場合には明るい材料がある。
政府投資の拡大が見込まれるのだ。
社会インフラの多くが高度経済成長期以降に整備されており、老朽化が目立つようになってきた。更新が喫緊の課題となっている。

例えば、全国に約72万ヵ所ある道路橋梁の場合、建設後50年を経過する施設の割合は、2019年3月時点の27%から、2029年3月には52%へと跳ね上がる。

トンネルや港湾岸壁、水門といった河川管理施設なども大規模に手を入れなければならない時期を迎えている。
いずれも国民の安全・安心確保や社会経済活動の基盤となっている。
人口が減るからといって朽ちるに任せるわけにはいかない。

社会インフラの更新には相当な時間と膨大な予算を要するので、民間投資の縮小を幾分かはカバーするだろう。

河合 雅司(作家・ジャーナリスト)
posted by 小だぬき at 04:16 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする