2017年05月19日

「共謀罪」法案緊迫 「内心」侵す法案 必ず阻止を

「共謀罪」法案緊迫
「内心」侵す法案 必ず阻止を
2017年5月17日(水)しんぶん赤旗「主張」

 国民の思想や良心の自由の重大な侵害につながる「共謀罪」法案について、自民、公明の与党、日本維新の会が衆院通過へ向けた動きを強めています。
「共謀罪」法案は4月半ばに審議入りしましたが、野党の追及で、政府の持ち出す「テロ対策」の口実が成り立たず、国民監視を強める危険な本質が次々と明らかになっています。

金田勝年法相の答弁も迷走を繰り返し、法案の矛盾やほころびもあらわになっています。
こんな法案を数の力で押し通そうとする安倍晋三政権と与党、その補完勢力の暴走を阻止するため世論と運動を広げることが急務です。

国民の不安と懸念広がる  
「共謀罪」法案を審議する衆院法務委員会で16日、参考人質疑が行われ、弁護士らから警察が国民の日常生活を監視し、「心の中」を処罰対象とする法案の憲法に反する危険などが指摘されました
 与党は審議を打ち切り、17日に委員会採決、18日に衆院通過をもくろんでいますが、とてもそんな状況ではありません。
週明けに相次ぎ報じられたメディアの世論調査では、「今の国会で成立させる必要はない64%」(「朝日」)、「成立させるべきと思わない45%」(「読売」)といずれも「成立させるべき」より多くなっています
法案を「よくわからない」という声が多数であることはどの調査でも共通しています。

法案への「賛成」についても、「読売」や「産経」でも4月調査から5ポイント低下、自分が監視や捜査の対象などにされることに「不安を感じる56・4%」(「産経」)、「法案についての政府の説明は十分でない78%」(「朝日」)などとの回答になっています。
審議が進めば進むほど、法案への理解が深まるどころか、国民が警戒と懸念を強めていることを示しています。

 政府・与党が盛んに繰り返す「一般人は対象にならない」という論拠は崩れています。
いまでも警察は、普通に生活している市民への尾行やビデオでの盗撮を行い監視している実態が明らかにされました。
これらの捜査を政府は「通常の業務」と居直っています。
こんな状態で「共謀罪」法案を通せば、人権侵害の違法な捜査を横行させ、国民監視社会への道をますます加速させることになりかねません。

 内心を処罰対象にする法案の本質はごまかしようがありません。
「準備行為」がないと処罰しないといっても、その行為は日常生活で普通に行われるものです。

花見か犯行の下見かの違いについて、金田法相が“目的を調べる”と内心に踏み込むことを認めました。
法相が、ビールと弁当の持参が花見で、双眼鏡と地図の持参が下見だと苦し紛れの答弁をしたことは、「内心」を取り締まる危険を隠そうとすればするほど矛盾に陥ることを浮き彫りにしています。

「修正」は本質変えず
 国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結のため「テロ対策」の法案が必要という政府の主張も、同条約が「テロ対策」を目的にしていないことなどが明らかになり、破綻しています。
自公と維新が合意した取り調べの「可視化」などの修正は、危険な本質をなんら変えるものではありません。
法案は徹底審議で廃案にすべきです。
 「共謀罪」法案は国民の力で過去3回廃案に追い込みました。
4度廃案に追い込むため、さらに力を合わせようではありませんか。
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「共謀罪」法案 与党、(あす)衆院委採決の構え 法相不信任案否決へ

「共謀罪」法案 
与党、あす衆院委採決の構え
法相不信任案否決へ
2017年5月18日 東京新聞朝刊

 犯罪の計画を処罰する「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案の審議を巡り、民進、共産、自由、社民の野党四党は十七日、金田勝年法相の不信任決議案を衆院に提出した。
このため、この日予定されていた衆院法務委員会での質疑は行われなかった。

与党は十八日の衆院本会議で不信任決議案を否決し、十九日の法務委での「共謀罪」法案の採決を目指す。
 与党は当初、十七日の法務委での質疑後に「共謀罪」法案を採決し、週内に衆院本会議で可決、参院送付を想定していたが、日程がずれ込んだため週内の衆院通過を断念。
二十三日以降を想定している。
六月十八日までの国会会期は残り約一カ月となり、政府・与党内では、会期延長論が出ている。  

野党は十七日の法務委理事会で、同日に「共謀罪」法案の採決を行わないよう求めたが、与党筆頭理事の古川禎久氏(自民)が確約を拒んだ。
予定していた四時間を加えると、参考人の陳述や質疑を除く審議時間は、与党が採決の目安としていた三十時間を超える。
与党は審議を尽くしたと採決をうかがっていたため、野党が不信任決議案を出した。

 決議案は金田法相について「国会での説明責任を放棄し、法務行政に関する無知や無理解が著しい。
任務遂行の資格がない」とした。
 民進党の山井和則国対委員長は記者会見で「誰の目にも、金田氏が法相の任にあらずということは明らかだ」と批判。
共産党の穀田恵二国対委員長も「金田氏は一般の人が(処罰の)対象かという、一番大事な問題にさえ答弁できない」と指摘した。

 一方、公明党の石田祝稔政調会長は会見で「不信任決議案は十八日の本会議で粛々と処理する。否決されれば、信任決議の裏返しになるので、十九日に質疑が行われる」と話した。
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2017年05月18日

マンション反対「もう声出せぬ」 住環境守る団体代表「共謀罪」危惧

マンション反対「もう声出せぬ」
住環境守団体代表「共謀罪」危惧
2017年5月18日 東京新聞朝刊

 犯罪に合意したことを処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の審議は、衆院法務委員会で大詰めを迎えている。
金田勝年法相は「一般市民が捜査対象になることは百パーセントない」と強調するが、拡大解釈の懸念は残る。

名古屋市で昨年秋、マンション建設に反対し、逮捕された住民団体代表で薬剤師の奥田恭正(やすまさ)さん(60)は「共謀罪ができることで、市民が声を上げることすらできなくなってしまう」と訴える。
 (山田祐一郎)
 昨年十月七日朝、奥田さんは自宅(名古屋市瑞穂区)の向かい側の十五階建てマンション建設現場で、現場監督の男性を暴行したとして、現行犯逮捕された。
十四日間の勾留後に起訴され、保釈になった。
現在、公判中だ。
 マンションの建設計画は一昨年秋に突然、地域住民に知らされた。
低層の民家や商店ばかりの住宅街。
日照が遮られる恐れもあり、奥田さんを中心に住民約二十人が「住環境を守る会」を発足させ、計画見直しを求めて名古屋市に調停を申し立てるなどしたが、話し合いはまとまらなかった。  

本格的な工事が始まった昨年夏ごろ、奥田さんは車両出入り口付近にコーン標識を設置したことで警察に呼び出され、「これ以上は威力業務妨害になる」と指摘された。
建設業者側からは十回以上、一一〇番されていた。
 現在は数人の住民が朝、現場で抗議ののぼりや横断幕を掲げているだけだ。

 奥田さんは、現場監督との接触を禁じられているため、これまでのように抗議行動に参加できず、事実上、活動が制限された状態だ。
 奥田さんはこれまで政治活動にも住民運動にも関わったことはないが、弁護人の中谷雄二弁護士は「警察が威力業務妨害と発言したことを考えると、警察は事件前から奥田さんらを秩序を乱す団体と見ていた」と指摘する。

 共謀罪の対象犯罪には組織的威力業務妨害が含まれており、中谷弁護士は「共謀罪ができたら、警察が『犯罪をする前に捕まえなければ』と、奥田さんらを一網打尽にする危険性がある」と話す。
 奥田さんは言う。
市民が声を上げることすらできなくなるかもしれない。人ごとではないというのを知ってもらいたい
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強行採決許すな!「共謀罪は全ての人に萎縮をもたらす」

強行採決許すな!
「共謀罪は全ての人に
      萎縮をもたらす」
周防正行、平野啓一郎、柳広司…
表現者たちが猛反対の声
2017.05.17 LITERA編集部

 自民党が今国会での強行成立を目論んでいる共謀罪法案。
金田勝年法相がいまだかつて一度もまともに答弁ができていないような状態であるのに採決してしまうとは「数の力」による横暴以外のなにものでもないが、一方、日に日に共謀罪に反対する声は大きくなっている。
とくに表現者から「絶対に反対」という強い発言が相次いでいるのだ。

 本サイトではすでに、マンガ家の山本直樹氏やASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文氏、作家の浅田次郎氏らが共謀罪にNOと声をあげていることを伝えたが、同じように警鐘を鳴らす表現者はまだまだいる。

 そのひとりが、ハリウッドでもリメイクされた『Shall we ダンス?』などで知られる映画監督の周防正行氏だ。
周防監督は加瀬亮主演で刑事裁判の不条理を描いた『それでもボクはやってない』を監督したことから、「新時代の刑事司法制度特別部会」の委員にも選出。
取り調べの可視化など刑事司法改革を訴えてきたが、今回の共謀罪にも猛反対している。

 たとえば、5月12日に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)では、一般人は捜査対象にならないと無根拠に言い放つ金田法相の国会答弁のVTRを受けたスタジオトークで、周防監督は開口一番「一般の人も対象になります」と明言。
すかさず富川悠太キャスターは「って言いたくなりますよね」と合いの手を入れたが、周防監督は「いや、言い切れます」と断言し、こうつづけた。

「ようするに共謀罪を立件しようと思えば、コミュニケーションを取り締まる以外にないんですよね。
だから一般の人かどうかも、それは調べなきゃわからないことなわけで
 そして、番組では放送中に国会前で行われていた共謀罪に反対するデモの様子を中継。
その映像を見ながら周防監督は、まさにこうしたデモが捜査対象になる危険性と活動の萎縮を指摘したのだ。

たとえば安保法案のときもそうでしたけど、国会前のデモを『テロ行為だ』というふうに言った政治家もいるわけですよね。
だからいま、ここにいる人たちが一般人なのかどうかという判断も、捜査機関の恣意的判断で(どうにでもなる)。
ここに加わっていることで、自分が何か嫌疑をかけられ取り調べを受けるんではないかと思えば、この場所へも行かなくなるっていうのは、普通に考えればそうなるでしょう」

 共謀罪の恐ろしさのひとつは、捜査機関の解釈ひとつでどうにでもできる、という点だ。
周防監督はそれによって市民による政権批判が封じ込められること、ひいては表現にも影響を与えることを予見する。
政府は否定するだろうが、権力に都合の悪い主張をする人を立件する武器を手に入れることになる。
時の政権に声を上げることがはばかられる社会になるだろう。
表現をする立場には確実に影響が出る〉(朝日新聞4月19日付)
〈何が罪に当たるのかよく分からず、突然警察に「悪いことをしようとしただろう」と言われ、捜査されるかもしれない。
だったら何もしないほうがいい」という発想に陥りかねず、創作に携わる人はもちろん全ての人に萎縮をもたらす〉(東京新聞5月9日付)

 さらに、安倍政権は“強制捜査の前には裁判所の令状審査があるから捜査権限の乱用はあり得ない”などと説明するが、周防監督は〈裁判官は人権を守る最後の砦ではなく、国家権力を守る最後の砦と化している〉(前出・朝日新聞)と喝破。
政権が「監視社会にはならない」といくら説明しても、〈安倍政権は安全保障関連法案を成立させるために、憲法という国の最高法規の解釈までも変更したのだから〉(同前)、そんなものは信用に足らないと反論するのである。

作家・平野啓一郎は
「いつ自分が関わるかわからない」
 この周防監督と同じように、メディアで積極的に共謀罪批判を展開しているのが、作家の平野啓一郎氏だ。
 平野氏といえば、デビュー作『日蝕』(新潮社)で第120回芥川賞を当時最年少で受賞、最近では、昨年発表した『マチネの終わりに』(毎日新聞出版)が大きな評判となり、『アメトーーク!』(テレ朝)の人気企画「読書芸人」では又吉直樹やオードリー・若林正恭もそろって大絶賛したことでも話題を集めた。
 そんな平野氏は、共謀罪に「表現の自由を奪う」と反対している日本ペンクラブの抗議集会に参加。
テレビやラジオなどのメディアにも出演して共謀罪の危険性を訴えているが、平野氏が警戒するのは、やはり「国民の萎縮」だ。
日常のほんとうに細かなレベルで『これ言っちゃいけないんじゃないか』
『こんなこと言うと、こんなことになるんじゃないか』というふうに萎縮して、それに適応するように先回りして先回りしてというふうに考えていくと、どんどん社会の言論活動、あるいは社会の活動そのものが萎縮していってしまいます」(RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』4月20日放送)

 そして平野氏は、創作活動を行う自分にとって共謀罪は無関係ではない、と述べる。
〈本には人と人とを結びつける作用がある。
小説を書く時は色々な人に取材するし、ぼくの本が誰かの何かの原動力になることもある。
それが政府に批判的な運動かもしれない。
本を書く限り、いつ自分が関わるかわからない点に懸念を感じる〉(朝日新聞4月21日付)

 さらに、安倍政権の乱暴さにも平野氏はこう言及する。
「安保法制のときもそうだったし今回も、ものすごく多くの犯罪にふれるような問題が含まれていて、ひとつひとつについて全部説明しなくちゃいけないんですね。
だけど、とてもそんな余裕のないなかで法案が提出されていて、例によって首相も、たぶん官房長官も、『ていねいに説明しつづけていく』ときっと言うと思いますけど、1回もそれやったことはないですから、いままで。
絶対にやらないと思います。
だから、この法案はけっして通してはいけないと思っていますね」(前出『櫻井浩二インサイト』)

人気作家が新聞読者欄に投稿
「早晩国民に牙をむく
「悪法」になるのは火を見るより明らか」
 また、平野氏と同じように共謀罪に声をあげた作家が、戦前の日本の諜報機関を描き、亀梨和也と伊勢谷友介、深田恭子出演で映画化もされた人気シリーズ『ジョーカー・ゲーム』で知られる推理作家の柳広司氏だ。
 しかも、柳氏はなんと、朝日新聞の「声」欄に〈小説家・柳広司〉として投稿。
そのなかで柳氏は治安維持法と共謀罪の類似点の多さについてふれ、歴史からの教訓を忘れてはいけないことを読者にこう促した。

〈治安維持法は、成立当初、政府も新聞各社も「この法律は一般人には適用されない」「抜くことはない伝家の宝刀」と明言していました。
しかし、法律制定後の運用は事実上現場(警察)に丸投げされ、検挙率を上げるために多くの「一般人」が検挙され、取り調べの過程で殺されたり、心身に生涯癒えぬ傷を負わされたりしたことは周知の事実です。
 この結果に対して、治安維持法を推進した政治家や官僚たちが責任を取ることは、ついにありませんでした〉


〈「共謀罪」は、治安維持法同様、必ずや現場に運用を丸投げされ、早晩国民に牙をむく「悪法」になるのは火を見るより明らかです〉

──新聞へわざわざ投稿するほどに、柳氏が共謀罪に強い危機感を抱いていることがよくわかるが、ここまで表現者たちが共謀罪を危険視しているのは、それは“誰もがターゲットになる”法案であり、わたしたちの“内心”に踏み込むものだからにほかならない。

 最後に、周防監督が前述した東京新聞で述べた言葉を紹介したい。
今われわれが手にしている自由を得るため、歴史上どれだけたくさんの人が闘ってきたのか考えてほしい。
国家が唱える「安全」という言葉の先にどんな社会が待っているのか、想像力を働かせなければならない
 いま、わたしたちは、引き返すことのできない歴史の分岐点に立っている。
そのことを、絶対に忘れてはいけないだろう。
   (編集部)
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2017年05月17日

薬の効き過ぎ、重複、副作用の危険… 多剤服用の高齢者は要注意

薬の効き過ぎ、
重複、副作用の危険…
 多剤服用の高齢者は要注意
2017年5月16日 東京新聞

多くの種類の薬を服用している高齢者は、飲み合わせが悪かったり効き過ぎたりすると、ふらつきなどの副作用を起こす危険がある。
中には認知症の症状が進行したと間違えられるケースも。
複数の医師にかかっている場合は、お薬手帳を活用してかかりつけの薬剤師にチェックしてもらうといった自衛が必要だ。
 (出口有紀)
高齢者薬服用の注意点.jpg

 加齢とともに、高血圧や骨粗しょう症など慢性の病気を抱え、毎日飲む薬が増えがちだ。
厚生労働省の調査によると、二〇一五年に七十五歳以上の患者で一カ月に一カ所の薬局で受け取る薬が七種類以上の人は、25・4%にも上る。

 「高齢になると、肝臓や腎臓の機能が低下し、飲んだ薬を分解して排せつするまでに時間がかかる。
若いときと同じ量の薬でも、効き過ぎてしまうことがある」と、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)副院長で老年内科の荒井秀典さん(58)は話す。

 よくあるのは、認知症に伴う症状を抑えるために薬を使うケース。
八十代の認知症の男性は、徘徊(はいかい)や暴言、暴力などの症状があり、二種類の向精神薬を服用。
一カ月ほどで症状はおさまったが、男性は食欲がなくなり、動かなくなった。
 家族は認知症が進んだと考えていたが、荒井さんは「認知症はゆるやかに進行する病気だ」と、まず薬の影響を疑った。
薬が効き過ぎてぐったりしてしまった状態で、薬を徐々に減らし一種類にすると、男性は食欲を取り戻し、生活にも活気が戻ったという。

 患者が内科や整形外科、眼科など、さまざまな診療科を受診した時に、各医師に「眠れない」と訴えると、睡眠薬が重複する場合があり注意が必要だ。
睡眠薬には筋肉の動きを弱める作用があり、飲み過ぎたり、効き過ぎたりすると、ふらつき、転倒の恐れがある。

 荒井さんは「多くの患者を抱えて忙しい医師は、不眠の原因を十分に聞かず、薬に頼りがちになる。
うつ病で眠れないのか、生活リズムの乱れで眠れないのか、正確につかめば、薬に頼らない方法も選べる」と力を込める。

 高齢者の薬を減らそうと、同センターは昨年九月から医師や薬剤師、看護師らによるチームで、入院時に六種類以上、服用している患者を対象に、主治医へ減薬を提案する取り組みを始めた。
患者の薬を少なくし、副作用の危険性と、薬剤費を減らすことを目指す。
 患者自身も、処方された薬を把握することが必要だ。
複数の診療科を受診する場合には、お薬手帳を持参する。
かかりつけの薬局を決めておくのも効果的だ。

 愛知県春日井市などで調剤薬局を営む薬剤師塚本知男(はるお)さん(52)は「血液検査の結果も見せてもらえると、飲んだ薬が腎臓や肝臓に及ぼしている影響が分かる。
悪影響を起こしていそうなら、薬の量や種類の変更も医師に提案できる」と話す。

 糖尿病の薬を長年服用していた七十代男性に血液検査の結果を見せてもらったところ、腎機能の数値が異常を示していた。
塚本さんは「糖尿病の薬には、腎臓の代謝機能が悪いと使えないものがある。
医師に、処方量を減らすか、他の薬に替える提案をした」と話す。
本人に自覚症状はなかったが、薬を替えると、腎機能の数値が改善したという。

 厚労省は四月、薬の処方の適正化に向けた検討会を設置。一八年度末をめどに指針を策定し、医師と薬剤師らが情報共有できる仕組みづくりなどを目指す。
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