2017年06月16日

共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」

共謀罪強行成立記念!
安倍政権の暴挙を
   忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」
2017.06.15 LITERA編集部

 今朝(15日)、ついに共謀罪法案が強行成立されてしまった。
「平成の治安維持法」と呼ばれる共謀罪法。
その法案内容自体がいかに異常なものであるかは本サイトでも何度もお伝えしてきた。
だが、その幕切れは、まさに唖然とするほかにない、民主主義を否定する究極の暴挙だった。  

何しろ政府与党は「中間報告」という異例の手段を使って、参院法務委員会での採決をすっ飛ばし、共謀罪法案を一気に参院本会議で強行採決してしまったのだ。
参院での審議時間はわずか約18時間。
「良識の府」とは名ばかりで、立法のプロセスを完全に無視する“禁じ手”だった。
こんなイカサマが許されるのならば、最初から立法府での審議など無意味ということになってしまう。
戦後の憲政史上に残る汚点という以外にないだろう。

 だが、逆に言うと、これこそが安倍政権らしいやり口とも言える。
振り返れば、共謀罪法案が審議入りする前から、安倍政権は国会の内外で信じられないようなデタラメをやり続けてきた。
二転三転する説明、担当大臣の答弁不能に、安倍首相が並べ立てたハリボテの立法事実、得意のデマとレッテル貼りの連発、そして独裁者の本音……。

 共謀罪は成立してしまったが、安倍政権がこの間、いかにして国民を欺いてきたか、私たちはいま一度、心に刻んでおく必要があるだろう。
というわけで、本サイトが厳選した「安倍政権の共謀罪トンデモ言動録」を以下に紹介していきたい。
共謀罪法の恐ろしさはもちろんだが、もはや法案の是非すら超えたところにある、異常としか言いようのない安倍政権の体質がよくわかってもらえるはずだ …………………………………………
【トンデモその1】
まともに答弁できない金田法相、マスコミに「法案の質問させるな」の文書配布、最後は金田隠しも
 今回の共謀罪法案のデタラメぶりを象徴するのが、やはり担当大臣である金田勝年法相の態度だろう。
今国会の開始直後から野党は予算委員会で追及してきたが、金田法相はまともに答弁できず、立ち往生する場面が頻発。
自ら「私の頭脳で対応できない」などと言い出す始末だった。

 そもそも、2月6日には法務省がマスコミに向けて、「法案を国会提出後に法務委員会で議論すべきだ」とする文書を配布。
ようするに、「質問する野党のほうがおかしいから批判しろ」と質問封じの圧力をかけたのである。
 当然のごとく批判が殺到し、金田法相は謝罪して文書を撤回するのだが、こうした態度は法案提出後も続いた。
安倍政権は、数々の疑問に答えるどころか、金田法相に答弁させないという作戦に出たのだ。
答弁者を勝手に官僚に差し替え、しまいには答弁しようと挙手した金田法相を、盛山正仁法務副大臣と安倍首相が両サイドから抑えにかかるという場面も。
 今回の強行採決で、官邸や自民党、安倍応援団メディアは「審議を尽くした」などとほざいているが、担当大臣にまともに答弁もさせないで何が「議論を尽くした」なのか。
 国民は、こんなデタラメな担当大臣とそれを強引にごまかす政権のデタラメなやり口によって、この天下の悪法が成立したことをしかと覚えておくべきだろう。

【トンデモその2】
「共謀罪がないと東京五輪を開けない」と真っ赤な嘘をふりまき世論を騙した安倍首相
 デタラメといえば、もうひとつ、忘れてはいけないのは、五輪に向けた「テロ対策」という大義名分だ。
当初、政府は「テロ等準備罪」という名称を強調し、共謀罪を成立させなければ国際的組織犯罪防止(TOC)条約に加盟できない、TOC条約を締結できなければ五輪は開けない、という論法で、この悪法を喧伝していた。
 実際、安倍首相も1月23日の衆院本会議で、「国内法を整備し、条約を締結できなければ東京五輪・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない」と強弁した。
 オリンピックが国民の人権を制限しないと開けないようなイベントなら、そんなものさっさと開催を返上すればいいと思うが、それ以前に、このテロ対策自体がまったくの大嘘なのだ。
 日本政府はこれまでに国連のテロ対策関連条約のうち主要な13本を批准し、日本の国内法ではすでに57もの重大犯罪について「未遂」よりも前の段階で処罰できるように整備済みだ。
日弁連も共謀罪立法がなくても国連条約締結は可能だと法的観点から指摘している。


 また、このインチキはTOC条約の専門家からも指摘された。
TOC条約の「立法ガイド」の執筆者であるニコス・パッサス氏が「条約そのものは、プライバシーの侵害につながる捜査手法の導入を求めていない」
「新たな法案などの導入を正当化するために条約が利用されてはならない」と述べたのだ。
 だいたい、2013年のブエノスアイレスでの五輪招致最終プレゼンで、「東京はいまも2020年を迎えても世界有数の安全な都市」と胸を張ったのは誰だったのか。
にもかかわらず、共謀罪を強行したいと考え始めた途端に共謀罪がなければ開催は不可能などと嘯く安倍首相の二枚舌には呆れるしかない。

【トンデモその3】
対象限定は嘘! 実際はテロと無関係な法律違反も共謀罪に!
「山でキノコを採ったらテロリスト」発言も  その嘘だらけの「テロ対策」という大義名分だが、何がテロか、という説明もひどいものだった。
法案の実質審議入りを控えた4月17日、金田法相は驚くべきことに、「保安林の木やキノコ、筍を採って売れば、テロ組織の資金源となる(から共謀罪の対象になる)」などと言ってのけたのだ。
 周知の通り、政府は共謀罪の対象犯罪を277に限定したと喧伝したが、実際は、複数の犯罪をひとつにまとめるなど少なく見せようとしただけ。
しかも、そのなかには依然として「文化財保護法」や「種苗法」など、テロとはまったく無関係の法律違反が多数含まれている。
金田法相はこれを追及され、必死にごまかそうとしたわけだが、いやいや、山でキノコや筍をいそいそとパクる「テロ組織」ってなんなのか。
というか、どこでそんな山の幸を売るのか(道の駅か?)。
あまりにもバカげているとしか言いようがない。
 だが、これをたんにバカ大臣の妄言と笑い飛ばしてはならない。
あらためて言うが、共謀罪は「テロ対策」とまったく無関係の犯罪であっても、とにかく対象を広げるだけ広げ、「共謀」なる未遂・準備以下の内心の問題を見張り、恣意的な検挙を可能にするための法律である。
ようするに、恣意的な「共謀」の認定によって、誰でも「テロリスト」にされてしまいかねないのだ。

【トンデモその4】
テロは予備罪で対応できるのに金田法相が存在しない「判例」を捏造して共謀罪を正当化
 金田法相のトンデモ発言はまだまだある。
たとえば、政府が共謀罪がなければ対応できない事例としてあげる“大量殺人が可能となる危険性の高い薬品の購入”の防止に関し、野党が予備罪で対応できると指摘された金田法相は、「裁判例をみると、組織的殺人の予備に当たるとは言いがたい場合もあると考えている」と答弁した。  

ところが、具体的な判例を求められた金田法相はしどろもどろになって、「ご指摘の点は直接の判例はありませんが……」などと訂正。
つまり、法務大臣が「判例」を捏造して共謀罪を正当化しようとしたのである。
こんなことが許されていいのか。
ダメに決まっている。
 なお、政府はほかにも現行法で対処できない例として“テロ組織がハイジャック目的に航空券を予約した場合”を強調してきたが、これも現行の「ハイジャック防止法」の予備罪で対応可能。
事実、1970年当時の法務省刑事局長も「ハイジャックをする目的で、当該の航空券を買った場合は(同法の)予備罪にあたる」と答弁していた。
つまり、「テロ対策」であるはずの共謀罪法は、そもそも立法事実が存在しないのである。

【トンデモその5】
自民党が政権批判への共謀罪適用を示唆するチラシ「『デマ』を流す人はこの法律ができたら困るから」
 ところが、自民党ときたら“テロ等準備罪に反対する人は法律ができたら困る連中”なる悪質なデマゴギーまで振りまいた。
4月末に幕張メッセで開かれた「ニコニコ超会議」で、こんな文言の踊るチラシをばらまいたのだ。
〈もちろん、フツーの人が捕まるなんてことはない。
居酒屋とか、LINEとかで冗談言っただけで逮捕?!とかってツイートをたまに見かけるけど、こういうのは、まったくのウソ。
「デマ」を流す人は、この法律ができたら困るから??〉

「デマ」を流しているのは自民党のほうで、LINEやメールでのやりとりによって「共謀」と見なすということは、「手段は限定しない」との政府答弁で認めていることだ。
しかも背筋が凍るのは、“共謀罪法案に反対=テロリスト”なる常軌を逸した言いがかりである。  

言っておくが、政策や法案に反対したり、政府批判を述べたりできるのは、民主主義国家の基本中の基本だ。
安倍首相は例の加計学園問題の答弁で「印象操作だ」と連呼しているが、こうしたネット右翼ばりの極めて悪質な「印象操作」を繰り返しているのはいったいどちらか。
少なくとも、政策を批判しただけで与党から「テロ」呼ばわりされる国で、共謀罪など言語道断としか言いようがない。

【トンデモその6】
自民党議員が本音をポロリ!
野党の対応協議に「いまのはテロ準備行為じゃないか」とヤジを  
逆に言えば、この「政府に反対したらテロリスト」なる狂気の考え方こそ、政府・自民党の本質なのだ。
実際、4月21日の衆院法務委員会では金田法相が刑事局長らを“代打”に立てることで答弁を避け、議論が紛糾。
そのなかで、質問に立った民進党の階猛議員と枝野幸男幹事長が対応を相談している際、自民党の土屋正忠議員がこんな暴言を飛ばしたのだ。
「いまのはテロ、テロ準備行為じゃないか」
 当然、民進、共産両党は謝罪と撤回を求めるも、土屋議員は「ヤジの内容は覚えていない」とシラを切ってうやむやにされてしまったが、こうした“テロ攻撃”は安倍首相も同様だ。
 先月、安倍首相は朝日新聞の加計問題報道をFacebookで「言論テロ」などと批判した漫画家の投稿に対し「いいね!」と同意。
「公人中の公人」が報道機関を「言論テロ」と攻撃すること自体が異常だが、ようするに、安倍政権にとって不都合な事実を伝える言論は、すべて公権力が「テロ」と認定するということ。
摘発の恐怖を煽って恫喝、まさに恐怖政治だ。
安倍政権の方がよっぽど「テロリスト」と呼ぶべきではないか。

【トンデモその7】
安倍の「一般人は対象にならない」はやっぱり嘘だった!
途中から「誰もが組織的犯罪集団」になりうる実態が次々と
 安倍首相らが「テロリスト」とのレッテル貼りして共謀罪で取り締まりたいのが、政権を批判する人々や不正を正す声であることは、もはやあきらかだろう。
 当初、安倍首相は自ら「一般の方々が対象になることはありえない」と明言していたが、その後一転、「犯罪集団に一変した段階で一般人であるわけがない」などとして、一般人を対象になることを認めた。
言うまでもなく、「犯罪集団」を認定するのは捜査当局。
恣意的な認定によって、政府方針に反対の意見をもつ労働組合やデモを行う市民団体などが、ある日突然「犯罪集団」に仕立て上げられるということが、今後、どんどん発生するはずだ。
 さらに、審議が進むにつれて金田法相が新たに「組織的犯罪集団の周辺者」なる概念も共謀罪の対象に含むなどと言い出した。
もはやなんでもありだ。
たとえば、政府方針に反する脱原発デモや沖縄米軍基地反対デモ、あるいは共謀罪反対デモなどのなかに、ひとりでも「組織的犯罪集団」のメンバーとみなした人が参加していれば、デモ参加者全員が“一網打尽”にされうる。
独裁者が鼻で笑い、国民の表現の自由は死滅するのだ。

【トンデモその8】
共謀罪の本質は内心の自由の侵害! 金田法相は「花見で双眼鏡を持っていたら捜査対象」と
 表現の自由だけではない。
共謀罪は、人々の内心の自由をも剥奪する。
安倍首相は4月6日の衆院本会議で「犯罪の計画行為に加えて準備行為が行われて初めて処罰対象とすることで、内心を処罰するものではない」としたが、それからわずか1カ月あまりの5月16日の衆院法務委員会では、金田法相が「準備行為か否かは行為の目的などの主観面も捜査対象となる」と明言した。
 言うまでもなく、盗聴等で内心を覗かぬかぎり、個人の主観を捜査することはできない。
実際、金田法相は通信傍受法(盗聴法)の拡大について、現時点では「テロ等準備罪の捜査のために通信傍受を用いることは考えていない」としつつも、将来的には「捜査の実情を踏まえて検討すべき」としている。
 また、この「主観」発言が大問題なのは、金田法相が共謀罪の摘発事例について「花見であればビールや弁当を持っているのに対し、犯罪行為の下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っている」などと意味不明の答弁をしているからだ。
逆に言えば、これは地図や双眼鏡を持って花見に行けば、それだけで犯罪者扱いされるということ。
だいたい、いまやほとんどの人がマップ機能やカメラが搭載されたスマートフォンを持っている
もはや、すべての人間が共謀罪で恣意的に検挙される恐れがあると言っても、決して言い過ぎではないだろう。

【トンデモその9】
「そもそも」には「基本的に」の意味があると嘘をついた安倍、閣議決定でもこの嘘を事実認定!
安倍首相は今年1月、過去の共謀罪法案との違いとして「今回は“そもそも”犯罪を犯すことを目的としている集団でなければならない」と述べていた。
ところが、その3週間後にはオウム真理教を例に「当初はこれは宗教法人として認められた団体でありましたが、まさに犯罪集団として一変したわけであります」と説明を一変。
「そもそも犯罪を犯すことを目的にした集団」から「性質を一変させた場合」と取り締まり対象の拡大を突然言い出したのだ。
そして4月、この答弁の矛盾を民進党の山尾志桜里議員にただされると、安倍首相は自信満々にこう言ってのけた。
「そもそも、『そもそも』という言葉の意味について、山尾委員は『はじめから』という理解しかない、こう思っておられるかもしれませんが、『そもそも』という意味にはですね、これは調べてみますと、辞書で調べてみますとですね、辞書で念のために調べてみたんです。
へへっへ(笑)。
念のために調べてみたわけでありますが、これは『基本的に』という意味もあるということも、ぜひ知っておいていただきたい」
 しかし周知の通り、「そもそも」の意味を「基本的に」と記している辞書など存在しなかった。
ようするに、安倍首相は自分の答弁の矛盾をごまかすために、「そもそも」を「基本的に」という意味に捏造、あまつさえ「辞書で調べてみますと」などと言ったが、実はそもそも辞書さえ引いていなかった。
この男は、自分の嘘を隠すために、小学生以下のどうしようもない嘘を重ねたのである。
 しかも恐ろしいのは、話がここで終わらないことだ。
政府はその後、この「そもそも」=「基本的に」という日本語を捻じ曲げた答弁書をなんと閣議決定までしたのである。
 この閣議決定で、政府は「大辞林」(三省堂)に「(物事の)どだい」という意味があり、「どだい」には「基本」の意味があると主張。
いや、「どだい」も副詞で使うときは基本というニュアンスとは違うし、そもそも違う言葉を間にはさんで意味が同じになるなら、ほとんど全部の言葉が同じ意味になる。
 しかも「首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではない」とサラッと嘘を修正。
安倍首相は「辞書で念のために調べてみたんです」と国会で何度も強弁していたのだが。
まったくつく必要のない嘘をとっさに平気でつくとは、安倍首相の嘘は病的としか言いようがない。
 もはやクラクラしてくるが、「そもそも」問題は、揚げ足とりでもなんでもなく、法案の根幹にかかわる部分。
この“そもそも捏造事件”もまた、参院委員会採決を消し飛ばしたウルトラCと並んで、戦後憲政史上の汚点として刻まれるだろう。

【トンデモその10】
共謀罪を成立させるために国際社会を騙し、国連特別報告者まで批判! そのやり方は戦前日本そのものだ
 このように、「丁寧な説明」どころか、政府による説明の嘘や矛盾、問題点がどんどんと暴かれる一方、指摘に向き合わないばかりか聞く耳ももたず不誠実な姿勢を強めていった安倍政権。

その極めつきが、国連人権員会の特別報告者、ジョセフ・ケナタッチ氏(マルタ大教授)から日本政府に送られた書簡への態度だろう。
 ケナタッチ氏は書簡のなかで「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と指摘したが、安倍首相らは狂ったようにケナタッチ氏を口撃。
菅義偉官房長官にいたっては、「何か背景があるのでは」などとネトウヨばりの陰謀論まで口にした。
 だが、唖然とさせられたのは、安倍首相が流した“フェイクニュース”だ。
安倍首相はG7サミットの際にアントニオ・グテレス国連事務総長と会談を行ったが、国会で「グテレス国連事務総長も『人権理事会の特別報告者は国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない』旨、述べていました」と答弁。
外務省も同様の発言があったと発表していたが、国連側はすぐさまプレスリリースを出し、「特別報告者は独立した専門家であり、国連人権理事会に直接報告すると話した」と否定。
つまり、安倍首相および日本政府は国連事務総長の発言さえ捏造していたのだ。

 共謀罪に対しては、ケナタッチ氏だけではなく、海外メディアも懸念を示してきた。
そんななかで国連事務局トップの発言さえねじ曲げ、特別報告者のバッシングに終始した。
安倍首相は「国際社会との連携を深めてテロ対策にあたる」と述べているが、それ以前に国際社会の信用を失墜させたのである。


 共謀罪をめぐって噴出した問題を挙げ出せばキリがないが、にもかかわらず、安倍政権は議会ルールを破壊しながらそれを強行採決してしまった。
しかし、これだけの問題点や説明の嘘、ありえない答弁の数々があきらかになりながら強行採決を許してしまったのは、共謀罪の危険性をメディアが、なかでも影響力のあるテレビが伝えなかったからだ。
 テレビは今朝になって「審議が不十分だと言われていたのに押し切った」「答弁も二転三転してきた」などと説明しはじめたが、いまさらすぎるだろう。
審議であぶり出された事実を伝えず、伝えたとしても短い時間で「与野党の攻防」などと政局の問題に矮小化してきたからこそ、共謀罪の本質的な危険性を多くの人が知ることがないまま可決されてしまったのだ。
 しかも、これで終わりではない。むしろ今回、世論の反発も顧みず委員会をすっ飛ばして本会議で強行採決したように、今後、安倍首相にとって本丸である憲法改正でも同じような強引な手段に出るのは確実だ。
それをメディアがチェックし伝えなければ、いよいよ日本は安倍首相の思いのままにすべてが動く国になる。
政権の暴挙を国民がきちっと記憶し忘れないことはもちろん、メディアは課せられた責任をいまこそ重く受け止めるべきだろう。
    (編集部)
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2017年06月15日

福島瑞穂氏らの反対票無効に…「牛歩」時間切れ

福島瑞穂氏らの
      反対票無効に…
      「牛歩」時間切れ
6/15(木) 11:33読売新聞配信

 改正組織犯罪処罰法が可決、成立した15日朝の参院本会議で、自由党の森裕子、社民党の又市征治、福島瑞穂の3氏の反対票が無効となる一幕があった。

 3氏は反対の立場から、採決を引き延ばす「牛歩戦術」を取ったため、伊達参院議長が2分以内の投票を求めた。
3氏は最終的に反対票を投じたが、制限時間を超えた後で、「投票しなかった」とみなされた。
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異例の「委員会省略→本会議採決へ」のナゼ

異例の
「委員会省略→本会議採決へ」のナゼ
2017年6月14日 18:33 日テレNEWS24

 共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐり、国会で与野党の激しい攻防が続いている。
自民党はこの法案について、委員会での採決を省略する異例の手段で14日中に採決したい考え。
日本テレビ政治部・小栗泉部長に聞く。
 委員会採決を省略して本会議で採決するという手法は、参議院で過去18回あったが、これは異例のこと。
本来、委員会で審議して採決、可決したら本会議に上げてここで討論して採決、過半数を得れば成立というのが常道だ。
 今回、自民党は「野党が議論を打ち切って問責決議案を提出した」と言っているが、委員会審議が当初、与党が目安としていた20時間にも満ちていない段階で、採決を省略。
本会議で中間報告を行うだけで採決し、数の力で成立に持っていこうとしている。

――国会の会期末を18日に控える中、なぜ、自民党はこんなやり方をするのか。
1つは、組織犯罪処罰法改正案は、どうしても今国会で成立させたい、
もう1つは加計学園をめぐる問題で、これ以上国会で野党に追及されて政権に傷がつくことは避けたい、この2つの要素を両立するためにはこれしかないと判断したようだ。
 つまり、組織犯罪処罰法改正案は、与野党の意見が対立しているから、審議を尽くそうとすると国会を延長せざるを得ない、でも、延長したら野党に加計学園の問題をめぐり追及の場を与えることになってしまう、ならば、会期は延長せず、強行に採決しようというわけだ。

――とはいえ、与党からも「もう少し丁寧に国会運営をするべきでは」という声が上がっているようだが。
 政府・与党内には、丁寧に説明する姿勢をアピールするためにも、「会期を小幅に延長したほうがいいのでは」という声もあった。
それだけに、ある自民党のベテラン議員は「国民をなめると、かえって立ち行かなくなるだろう」と話している。
 また、共謀罪の趣旨を盛り込んだ法案をめぐっては「権力が恣意(しい)的に犯罪捜査を行うのではないか」という信頼性が問われている。
 しかし、その権力の最たる政府・与党が、自らへのダメージを避けるために議論を軽視し、強行に国会を閉じるということで、果たして、国民は政府を信頼できるでしょうか。
大きな課題を残すと言わざるを得ない。
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2017年06月14日

改めて問う「共謀罪」 成立させていいのか

改めて問う「共謀罪」
 成立させていいのか
毎日新聞2017年6月6日 東京夕刊

 「共謀罪」法案の問題点を、この特集ワイドで何度も取り上げてきたが、政府・与党は数の力で成立させようとしている。
ならば、改めて指摘したい。
この法案を通すと、憲法の理念がますます崩されるということを。
【葛西大博】

「次は通信傍受拡大」
 揺らぐ憲法理念
 まずは、兵庫県警の元刑事、飛松五男さん。
2005年に定年退職するまで通算36年を捜査部門の第一線で過ごしたベテランは、法案が成立すればこんな展開になると予想する。

 「政府は次に、盗聴法(通信傍受法)の改正に着手するでしょう。
電話やメールの盗聴をより広範囲に、合法的にするためです」
 憲法は基本的人権の一つとして「通信の秘密」を保障している。
一方、重大犯罪を取り締まるため、裁判所の令状を取れば、捜査機関は例外的に盗聴を許される。
00年施行の通信傍受法は対象犯罪として、薬物、銃器、集団密航、組織的殺人の4犯罪としていたが、昨年の改正で詐欺や窃盗など9犯罪が追加された。

 今国会で審議されている組織犯罪処罰法改正案は、「共謀罪」の成立要件を改めたテロ等準備罪を新設するのが柱で、対象とするのは277犯罪。
「どこの県警も適用第1号を目指します」と飛松さん。
そのための手段が盗聴であり、その合法化だ。

 日本弁護士連合会の共謀罪法案対策本部副本部長を務める海渡雄一弁護士も同意見だ。
「『共謀罪』法案が成立しても、現在認められる犯罪以外の通信傍受はできないので、当然、通信傍受法の改正が提起されるでしょう」
 現在、テレビのコメンテーターとして活躍する飛松さん。
新しい法律ができたら、息が詰まるような監視社会の始まりです。
警察はいったん法律が通ったら、それに向かってまい進する。
冤罪(えんざい)がどんどん出ますよ」と断言する。

 「共謀罪」法案の問題点はどこにあるのか。
まずは、「組織的犯罪集団」の定義についての疑問だ。
法案は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と規定。
集団の活動として、2人以上で犯罪を計画し、うち1人以上が計画に基づく「実行準備行為」を行った場合に、計画した全員を処罰可能としている。

政府は東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策を強調するが、日本で起きた大規模テロというと、オウム真理教(現アレフ)による地下鉄サリン事件(1995年)を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。
安倍晋三首相も今年2月の国会答弁で、オウムを例に挙げて説明している。
 これに対し、オウムを長年取材してきたジャーナリストの江川紹子さんはあきれ顔だ。
「オウムのテロは共謀罪があれば防げたと言う人もいるが、それは有り得ません。
地下鉄サリン事件が起きるまでオウムの関与が疑われる既遂事件が何件もあったのに警察が防げなかったのは、警察幹部の判断能力のなさと、全国の警察の情報共有や連携がなかったことが原因です」。
江川さんは一例として、警察幹部が当初は「失踪」との見立てにこだわった89年の坂本堤弁護士一家殺害事件を挙げた。
 江川さんは自ら書いた記事で、自宅アパートにオウム信者から毒ガスをまかれ、命を狙われたこともある。
そんな江川さんが懸念するのが「共謀罪」で一般の人に捜査が及ぶ恐れだ。
金田勝年法相は繰り返し否定したが、江川さんは「オウムでさえ、犯罪をやっていたことを知らなかった信者の方が多い。
つまり、誰が組織的犯罪集団のメンバーか、全員総当たりで聞かないと分からない。
信者の家族や勧誘を受けた人は当然一般人ですが、そういう人も調べないと実態は分からないはずです」

 さらに、この法案の大きな問題点は、日本の刑法体系を根本から揺るがしかねないことだ。
刑法は、心の中で犯罪を考えただけでは処罰されず、既遂や未遂など実際に犯罪行為をして初めて処罰されるのを原則としている。
憲法が最も根本的な人権として「思想・良心の自由」を保障しているからだ。
 一方、殺人や現住建造物等放火など重大犯罪を未然に防ぐ必要がある。

刑法には例外的に未遂より前の予備段階の行為を処罰する「予備罪」がある。
さらに現行法でも「予備」より前段階の「共謀」を処罰できる内乱陰謀罪などがある。
既遂が最も重く、未遂、予備・陰謀、共謀(計画・準備)罪とだんだん罪が軽くなるのが原則だ。

 こんな国会のやりとりがある。
5月19日の衆院法務委員会で弁護士でもある民進党の階(しな)猛議員がこう指摘した。  

「組織で大量殺人を計画し、毒入りカレーを作れば、具体的な危険があるから(刑法の殺人予備罪が適用され)2年以下の懲役だ。
だが、(毒のない)カレーだけをつくればまだ実行準備行為なので(共謀罪が適用され)5年以下の懲役。
なぜ毒入りカレーを作った方が罪が軽いのか」
 この質問は、「凶器や毒物を用意した」など具体的な危険性を要件とする予備罪よりも、準備行為だけの共謀罪の方が刑が重くなる矛盾を指摘したものだ。

青山学院大名誉教授の新倉修さん(国際刑事法)は「すごくアンバランスな刑法体系になってしまう。
捜査機関が、刑が重い共謀罪で処罰しようとしかねない」と解説する。  
「準備行為」はどう判断するのか。
「内心の自由に踏み込まないと分からない」との指摘もある。
判断基準について問われた金田法相の答弁は「花見であればビールや弁当を持っているのに対し、(犯行場所の)下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っているという外形的事情がありうる」。
質問した議員からは「双眼鏡を持ってバードウオッチングすることもある」と突っ込まれ、法相の答弁はすっかり有名になった。

 前出の海渡さんは話す。
「この答弁ではっきりしたのは、犯罪をやろうとしているかは外形的には分からずに、取り調べをしないと分からないということです。
つまり内心の自由に踏みこまないと、それが準備行為かどうかは分からないのです
 監視され、内心の自由に踏みこまれる社会。
江川さんは「私たちが気付かないところで監視が進み、気付いたときには全身に毒が回り手遅れということになりかねない」と指摘する。
 「全身」とはこの国の民主主義社会を指すという。
多くの人は自分が事件の被害者になるかもしれないとは考えても、罪を着せられる恐れがあるとは思わない。
民主国家で、知らない間に自分が「犯罪者」になってしまうかもしれない社会を想像できるだろうか。

「共謀罪」(テロ等準備罪)のポイント
・適用対象は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」
・対象犯罪は5分野(テロの実行、薬物、人身に関する搾取、その他の資金源、司法妨害)の277
・犯罪計画に基づく凶器購入のための資金調達や犯行現場の下見など「実行準備行為」があって初めて処罰可能
・死刑や10年を超える懲役・禁錮を定めた犯罪の計画は「5年以下の懲役・禁錮」に、4年以上10年以下の懲役・禁錮を定めた犯罪の計画は「2年以下の懲役・禁錮」に処す
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「共謀罪」の「歯止め」答弁 次々変わる 一般人対象外→処罰あり得る

「共謀罪」の「歯止め」答弁 
次々変わる 
一般人対象外→処罰あり得る
2017年6月14日 東京新聞朝刊  

「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案について、与党幹部は十三日午後の参院法務委員会での採決に言及したが、野党から金田勝年法相の問責決議案が出てこの日の審議は打ち切りとなった。
与党側は参院での審議時間が二十時間に達することを採決の理由にしようとしているが、政府は国会の最終盤になって当初の答弁を次々と変えている。
 (山田祐一郎)
共謀罪の答弁変遷.jpg
 「共謀罪とは別物」「一般人は対象にならない」といった「歯止め」の根拠は、審議の中で逆に曖昧になってきている。
 法案は約三十時間の審議を経て五月二十三日に衆院を通過した。
衆院では通過後も法案に対する質疑があり、今月二日には計画内容の具体性について、法務省の林真琴刑事局長が「犯行の日時、役割の詳細まで定まっている必要はない」とこれまでとは異なる答弁をした。
 四月時点で林氏は、計画した日時や場所、方法などについて「できる限り特定する必要がある」と説明し、逮捕や起訴のハードルが過去の法案よりも高いことを強調。
計画内容も「指揮命令や分担なども含めて合意が必要」と述べていた。
計画内容の詳細は不要とする二日の答弁は、捜査機関が計画と判断できる範囲が限定されず、計画に基づく準備行為の範囲も広がることを意味する。

 「犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定したので一般人は処罰対象にならない」としていた点も今月に入って説明が変わった。
一日の参院法務委で金田勝年法相は「組織的犯罪集団と関わりがある周辺者が処罰されることもあり得る」と答弁を一転。
林氏も「構成員以外を一般人というのなら、一般人が計画に参画することはあり得る」と認めた。

 十三日の参院法務委で、民進党の福山哲郎氏がこの点を厳しく追及した。
金田氏は「全体の中で同じことを言っている。限定したという説明に訂正はない」と答弁。
林氏も「衆院から同じように説明してきた」と述べたが、福山氏は「国民をだまそうとしているのではないか」と政府の姿勢を批判した。

 「組織的犯罪集団はテロリズム集団のほか暴力団、麻薬密売組織などに限られる」との説明も金田氏が八日に参院法務委で「限定されない」と翻した。
五月二十九日の参院本会議で「対外的に環境保護や人権保護を標榜(ひょうぼう)していたとしても、それが隠れみのであれば処罰されうる」と初めて言及。
隠れみのかどうかを判断するのは捜査機関であり、処罰対象に限定がないことがあらためて浮き彫りとなった。
posted by 小だぬき at 09:08| 神奈川 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする