2020年10月25日

なぜ2度あることは3度あると思ってしまうのか

なぜ2度あることは3度あると思ってしまうのか
2020年10月24日 東洋経済オンライン
小幡 績 : 慶應義塾大学大学院准教授

世の中は、馬鹿馬鹿しいほど明らかな間違いにあふれている。
今回はアメリカ大統領選挙を例に取りながら、簡単な行動経済学的視点で「なぜ間違いが生まれるのか」を解説してみよう。

バイデン氏優勢なのに日本では「まだわからない」の謎
いよいよアメリカの大統領選挙は大詰めを迎えている。
10月22日夜、最後の「一騎打ち」の討論会が行われた。
PBSという公共放送主催で行われたために第1回目よりも冷静に行われ、ドナルド・トランプ大統領に有利な初回のセッティングよりも、民主党のジョー・バイデン大統領候補に結果的に有利になったようだ。
バイデン氏とトランプ氏の支持率の差は、トランプ氏のコロナ感染以後の1カ月で大きく開いた。
足元ではやや差が縮まったが、この討論会も無風であったため、大統領はほぼバイデン氏で確定だ。

同国での調査もすべて「バイデン氏ほぼ確実」を示しているし、かんべえ氏(吉崎達彦・双日総合研究所チーフエコノミスト)の好きなリアル・クリア・ポリティクスの「大統領選挙賭けサイト」でのオッズも、バイデン氏が圧倒的に優勢だ。
そして金融市場もバイデン大統領を織り込んで、再生エネルギー銘柄が上昇。
一方で債券市場は民主党による財政支出拡大を前提にアメリカ国債の利回りは上昇している。

それにもかかわらず、日本国内では「まだわからない」という記事や専門家のコメントが目立つ。
なぜなのだろうか。
理由は2つある。
第1に、日本人の専門家は民主党が大嫌いだからである。
このバイアスは驚くほど広く存在する。
外務省の官僚が書いたといわれる「YA論文」でも、民主党政権の外交政策は日本に望ましくないことが背景にあり、勢いあまって「トランプ政権は日本の安全保障にとって悪くない」ようなことをのたまってしまう。

なぜ、民主党が嫌なのか。
それは、アメリカの東部エリート層が伝統的に持つ「弱者の味方である自分に陶酔する思想」が嫌いだからである。

日本人から見ると、自分たちは苦労したこともなく、その痛みもまったくわからないくせに、偽善的に振舞っているような印象となるようだ。
これはアメリカの低所得者層にもある程度共通で、前回の「アンチヒラリー(・クリントン)」、今回のトランプ氏への根強くかつ熱狂的な支持、さらには「エリートとワシントンとメディアの連合が生み出すフェイクニュースという都市伝説」を信じる土壌ともなっている。

アメリカや日本のアンチ民主党の是非はともかく、この結果、日本の知識層、官僚、保守寄りのメディアは、願望を込めて「民主党バイデンが負けることもありうるんじゃないか?」と予想している。
これは、行動経済学でいうところの確証バイアスである。
しかし、トランプ氏が勝つかもしれないと、ありえないことをまともな人々が言っている最大の理由は、前回トランプ氏が事前の予想に反して勝利を収めたことが一種のトラウマになっていることだ。
前回もそうだったから、今度もありうるんじゃないか。
そういうことである。

8人に1人は「為替の神様」になれる
普通は、人間は一度の意外な出来事では見方を変えない。
1回目は偶然、いわば、まぐれである。
しかし2回続くと、それはこれまでの見方を変更する動きにつながる。
3度起これば、もうそれが必然になる。

「為替相場の神様」などと呼ばれる人はよく現れる。
なぜなら、為替は上がるか下がるか、2択に過ぎないからである。
「円高になる」と予言して、1回当たると、それはたまたま。
2回連続で当たると、彼は天才。
3回連続となると、彼は為替の神様になるのである。

しかし、これは2の3乗で確率8分の1だから、少なくとも8人に1人は神様がいることになる。
「2度あることは3度ある」というのは、2度ありえないことが起きると「2回連続のショックは大きすぎて、その例外事象が、普通に起こるような気がしてくる」ことを表す。

2016年の「トランプショック」の場合は、実は伏線はブレグジット(イギリスのEU離脱)ショックにあった。
ブレグジットは、金融市場も想定外の出来事で、当日地域ごとに票が開くにつれて、「意外、あれ、あれれ、あれれれれ、まさか!」となって、そこからドカーンと英ポンドが大暴落し始めた。
もっともブレグジットの場合、事前の世論調査では、ほとんどの調査で五分五分だった。
それにもかかわらず、金融市場は「ブレグジットなどありえない」という予想で、完全に国民投票の結果は「紆余曲折があるも、否決になる」と勝手に決めてかかっていた。
これも前述の確証バイアスであるが、仕方がない面もあった。

サプライズとなった理由は主に2つだ。
第1に、そもそもブレグジットなどという誰にとっても得にならないうえに、イギリスの運命としては壊滅的な結果、歴史が終わってしまいかねないような選択肢を、あえて国民が結果として選ぶというのは、どう考えても合理的でない。
「あまりに不合理だ」というのが、現実を直視できなかったもっとも大きな原因であろう。
第2の理由は、国民投票というのは、ほぼ初めての出来事だったからだ。
国民投票はめったに行われないし、行われたとしても毎回議決すべき事項は異なる。
したがって、客観的な予測をしようにも、データどころか、1度の前例もない。
確率分布が描けないという意味で、リスクではなく、ナイトの不確実性に近いイベントだったと捉えられる。
歴史的に一度きりの事件であるから、客観的な予測をしようにもどうしていいかわからない、ということだ。

ブレグジット後にトランプ当選のサプライズがあった
この結果、ブレグジットはあまりに衝撃的な結果をもたらした。
この衝撃が大きすぎて、人々、とりわけ市場と専門家たちの間には強いトラウマとして「世論調査などの予測は当てにならない」という印象が深く刻みこまれたのである。
そして、トランプ氏が大統領に当選するという、この年2度目のサプライズが、その4カ月後に起きた。
こちらも、ブレグジット以上のサプライズだったことは、4年前になるが誰もが覚えていることだろう。
理由はブレグジットと同様だ。

トランプ氏はこれまでも大統領選挙に出馬しようとしていて、ほぼ泡沫候補扱いだったのが、共和党にほかにはろくな候補がいなかったので、あれよあれよという間に共和党の候補になってしまった。
共和党内部からも強い反対が残り、一枚岩でないどころか誰もワシントンでは支持しないという有様だった。
結果からすると、それが逆に効果的で、ワシントンの外にいて「これまでのエリートたちとは違う」、という保守的な低所得層の支持を受けて当選してしまった。

「トランプ大統領」が想像できない以上「そんなことは起こるわけがない、と信じていた、いや希望していた。
両者が混乱したまま、思考停止になっていたのだ。
その中で、前述の確証バイアスで「ヒラリー有利」の情報だけを受け入れていた。
事前調査では「拮抗している」という情報もかなりあったのに、それは無視された。
さらに、この場合は「ある種の想定外」、ということで「現実に悲惨なことになるシナリオに目をつぶる」「臭いものに蓋」「想定外の事象を過小評価する」という現象とも言えるだろう。
ブラックスワンである。

「言論ギャンブラー」の私でさえ怖くなる
しかし、ここで問題なのは、トラウマになるような現象が2度続けて起きたことである。
これで有識者と言われてきた人々はすっかり自信をなくしてしまった。
それで「トランプの逆転はありうる」というあり得ない予想に、「それはありえない」と言えなくなってしまっているのである。
私も「もしトランプが当選したら、もうこのコラムの執筆は辞める!」と言いたいところだが、「言論ギャンブラー」の私でさえ、少し怖い。

なぜトランプ氏が負けると自信を持って言えるのか。
それは、事前調査の結果がそうなっているからである。
それはみんな知っている。
ブレグジットも、前回のアメリカ大統領選挙も、それで結果は違ったではないか。
ではなぜ今度だけ自信を持てるのか。
そういう疑問を多くの方がお持ちだろう。

あなたは、すでに行動経済学でいうところの罠にはまっている。
それまでの2回と今回は、まるで違うのである。

第1に、2回のサプライズはサプライズでもなんでもなかった。
かなり拮抗していて、ブレグジットなどは、完全に五分五分の事前調査だったのに、信じなかっただけだ。
今回は、明らかに差がついている。
第2に、ブレグジットの事前調査は予測精度が高くなかったと思われる。
国民投票はほぼ初めてだったし、事前調査に答えるサンプル有権者たちも自分がどう行動するか、よくわかっていなかったと思われる。
したがって、回答者がよくわかっていないのだから、回答があまり役に立たないのは当然で、結果がサプライズだろうが、調査予測としてはサプライズではない。
予測しようがなかったからだ。

それに対し、アメリカ大統領選挙は長年の伝統と蓄積がある。
データとして積み重ねがあるということは、データとして絶対的に重要だ。
そして、答えるほうも、大統領選挙のベテランが多い。
何度も投票に行っているから、答えは決まっているし、アメリカのほとんどは事前に民主党か共和党か決まっているから、事前調査はかなり正確だ。
気分で投票先が変わることは、ほぼない。

サプライズはなくても、予測できないことが1つある
しかし、これが前回の落とし穴だった。
トランプ氏の支持者は、これまで選挙に行ったことがないような人々も投票した。
さらに、共和党、民主党という枠組みを超えた、アンチエリート、アンチワシントン、アンチヒラリーの票が多すぎて、事前の予想がこれまでの大統領選挙の予測と異なり、構造変化が起きていたことを捉えられなかったのだ。
今回は違う。
トランプ氏の2回目の大統領選挙だ。
しかも、前回のサプライズで懲りているから、調査会社も有権者もかなり慎重になっているし、分析も慎重だ。
「慎重に見積もって、バイデン」なのだから、今度はサプライズはないはずだ。

バイデン当選は確実だが、予測できないことが1つある。
新型コロナの影響だろうって? まさか。
そんな些細なことではない。
それはトランプ氏が敗戦を認めずにどう行動するかだ。

だが、世の中にとってはサプライズだし、それを利用して投資家たちは自分たちの都合がよいように、混乱に解釈をつけ、乱高下で儲けようとするだろう。
怖いのはコロナなどではなく、トランプ氏のわがままぶりと、投資家たちの強欲さだけだ。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月24日

脳はストレスとどう戦っているのか?

脳はストレスとどう戦っているのか?
2020年10月23日 ダイヤモンドオンライン
ホルスト・ルッツ 繁田香織:翻訳家

国民病1位を引き起こすストレスをどう脳が処理をするかに注目。
同じ事象でもポジティブに受け取る人がいれば、ネガティブに受け取る人もいます。
脳がどう受け取るかがすべて。
では、脳はストレスとどう向き合うべきなのか。

■ストレスを減らす方法
 ストレスは、基本的に悪いものではありません。
むしろ、ストレスは人間が生き延びるために必要なものなのです。
 狩猟や木の実などの採集のみで食料を手に入れていた時代には、敵に襲われそうになったときに闘ったり逃げたりする身体の反応、いわゆる「闘うか逃げるか反応」は生死にかかわるほど重要でした。

 たとえばライオンに遭遇したときに、身体はストレスホルモンを一瞬のうちに全身にかけ巡らせ、すばやく「闘うか逃げるか」の反応を起こすことができるようにしていたのです。
しかし、ライオンに槍を射った後は安心して、ストレスホルモンの分泌量は正常になり、落ち着いてきます。

現代でも、命にかかわる事態に見舞われ、それを乗り越えようとするときには、同じ反応が起きます。
つまり、ストレスはよいものでもあるのです。

 ただ、現代では、ストレスは国民病を引き起こす原因の第1位です。
過度のストレスが原因である病気は、高血圧や睡眠障害、さらに血管の狭窄、胃酸過多、疲労困憊、燃え尽き症候群、心筋梗塞など数多くあります。
 技術者疾病金庫〔医療保険金庫の1つ〕が2015年に実施した調査によると、ドイツでは精神疾患による欠勤の日数は2006年から急激に増加しており、精神疾患が欠勤原因の第2位となっています。
 つまり、ストレスを生じさせる事態が絶えず起こると、ストレスホルモンの分泌量がほぼずっと高いままで調整されることがないため、自然な心拍変動〔脈と脈の間隔が短くなったり長くなったりすること〕が保たれず、つねに「闘うか逃げるか」モードになっているのです。

 では、こうした場合にどうすればいいのでしょうか? 
「ストレスを和らげるべきだよ」と気遣ってもらえると確かにうれしいですが、そのような人から実際に何かしてもらえるのでしょうか?
 あるいは、自分で簡単にストレスを和らげることができるのでしょうか?
 いいえ、おそらく簡単にはできないでしょう。

ストレスに対応する身体のシステムが、これまでネガティブなストレスを生じさせていた状況について、ストレスを生じさせない状況と判断できるようにならなければいけないのですから。

ここでちょっとした例を挙げてみましょう。
 あなたが幹線道路で車を運転し、前を走っている車を追い越そうとして反対車線に出たとします。
しかし、反対車線を走っているあなたの車が、追い越そうと思っている車とほぼ横一列に並んだとき、向かいから予想以上のスピードで車が走ってきました。
ハラハラする瞬間です!
 元の車線にうまく戻れるでしょうか?
 アクセルを思いっきり踏み、うまくいけと願います!
 何とか元の車線に戻れて、事故を起こさずに済みました。
もちろん、向かいから走ってきた車はすごい勢いであなたにパッシングをし、元の車線を走っていた車も、あなたに危険な横入りをされたとパッシングをしてきました。

 さて、この場合の心理状態には2パターンあります。
このパターンのどちらに当てはまるかで、あなたのタイプがわかります。  

1つ目は身体中が震えて、頭に血が上り、脈が非常に速くなり、心筋梗塞を起こす一歩手前の状態になる。  
2つ目はわりとリラックスしており、満足げな笑みを浮かべ、心の中でこぶしを上げて「いや〜、すごくうまくいった! こうでなくては!」とつぶやいている。

 1つ目のパターンは、ストレスホルモンが過度に分泌され、非常にストレスを感じている状態です。
 2つ目のパターンは、アドレナリンも分泌されていますが、比較的リラックスしており、自分の運転テクニックに興奮している状態です。
 この2つの心理状態を起こした状況は、どちらもまったく同じですから、状況自体がネガティブなストレスを生み出しているのではないといえます。

 誰もが自分一人で、それ自体はニュートラルである状況からネガティブなストレスを引き起こすシナリオや、ネガティブなストレスを引き起こさないシナリオをつくっています。
ただ通常、これは意図して行なわれるものではなく、身体の中で自動的に起こります。
 しかし、ライフキネティックのトレーニングを行なうと、ネガティブなストレスを引き起こさないシナリオをつくることができるようになるのです。

記事抜粋 「脳が活性化する世界最先端の方法」
***************************
 ライフキネティックでは、簡単なエクササイズによって、脳内でまだ利用されていない領域を活動させていくことを目指しています。
(中略)ライフキネティックのエクササイズには、知覚(とくに視覚)の能力と、すばやく情報を処理して動きに反映させるための集中力が非常に求められます。
 このことは、とても簡単な動きを行なうエクササイズにもいえます。
これらすべての要素を満たしているのが、ライフキネティックなのです。
つまり、ライフキネティックの公式は次のようになります。

「知覚+脳トレ+動き=能力の向上」

 ライフキネティックでは、この3つの要素を使って、脳内のネットワークを改善し、それにより脳のあらゆる領域を一層活用させることを目指しています。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月23日

国会は火だるま必至 菅首相“棒読み記者会見”でも問題発言

国会は火だるま必至
菅首相“棒読み記者会見”でも問題発言
2020/10/22 日刊ゲンダイ

 官僚が書いた原稿を棒読みするのに慣れ過ぎて、自分の言葉では答えられなくなったのか。
それとも、何が問題なのか全く理解していないのか。
 21日、外遊先のインドネシア・ジャカルタで記者会見した菅首相。
記者から、あらためて日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否した理由を問われると、こう言い放ったから驚いた。
「国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事だ。
推薦された方々がそのまま任命されてきた前例を踏襲してよいのか考えた結果だ」
 オイオイ、ちょっと待て。
最初に理由を問われた際には「総合的、俯瞰的に判断」と答えていたではないか。
それが世論批判を受けて突然、「推薦リストを見ていない」と支離滅裂な言い訳を始めたかと思いきや、今度は「国民に理解されることが大事」だから理解不能だ。

 さらに、16日の日本学術会議の梶田会長との会談に触れた菅は「国民に理解されるように日本学術会議をよりよいものにしていこうと合意した」などと上から目線で開き直っていたが、一体どの口が言っているのか。

 問われているのは、日本学術会議の組織体制や学者の在り方ではない。
理由も示さず、法律に反する形で任命を勝手に拒否した菅の認識、違法性だ。
自分自身のデタラメを棚に上げ、さも学術会議側に問題があるかのよう論点をすり替える。
これぞ自分の品性下劣を告白しているようなものだ。

■外遊は「外交オンチ」のイメージを変えたかっただけ
 菅は会見で、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)について、
「法の支配、開放性の基本原則の実現を目指している」と、もっともらしく訴えていたが、「法の支配」を破壊しているのは今の日本政府だろう。
 日本学術会議に対して、菅が言うように「理解していないぞ」と憤慨している一般国民はほとんどいない。
むしろ、「国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事」と強く指摘されるべきは今の日本政府であり、菅自身だ。

 そもそも、今回の外遊だって国民に理解、支持されていたのか疑わしい。
どう考えても、国会を開かず、所信表明演説をすっ飛ばしてまで強行する必然性があったとは思えないからだ。
そして何よりも新型コロナウイルスの“感染リスク”の問題だ。
 当然ながら、今回の外遊では、菅以下、政府関係者や同行記者は感染防止策の徹底が求められ、ベトナム入国時には全員が新型コロナの「陰性証明書」を提出。

インドネシアの大統領宮殿での首脳会談でも、出席者は原則として事前にPCR検査を受けたというが、世界中で新型コロナの感染が拡大する中、わざわざ訪問する必要があったのか。
単に「外交オンチ」のイメージを変えたかっただけじゃないのか。
さらに言えば、インドネシアの財政支援にポンと500億円も拠出するのであれば、そのカネをなぜ、日本の新型コロナ対策に使うことを考えなかったのか。
やっていることがチグハグを通り越して意味不明だ。

政治評論家の森田実氏がこう言う。
「この1カ月間でハッキリしたことは、菅内閣は、やることなすこと全てが間違い。やはり、誤って誕生した内閣だということです。
学術会議の問題は明らかに学問の自由を保障した憲法23条違反。
この条文は戦前の学者弾圧などの反省を踏まえて規定されたものであり、任命拒否は許されるものではない。
説明しないのは民主主義の否定です。
各国首脳がコロナ対策に全力を注いでいる時に何もせず、中国を刺激するためとしか思えない国に外遊。
野党は早く総辞職させるべきです」

菅は「諫言」が持つ言葉の意味を理解していない
 当たり前のことだが、日本学術会議では、それぞれの研究分野において優れた知見が認められた識者が会員に推薦、任命されてきた。
繰り返すが、今回、その任命について理由も示さずに拒否したのは国民じゃない。菅自身だ。
「私が任命権者」とエラソーに言うのであれば、国民が納得する理由をきちんと説明すればいい。
それなのに、俺が決めたのだから従えと言わんばかり。
思想統制の意思剥き出しだ。
任命を拒否した識者はもちろん、学術界に対する尊敬もない。
「権力があれば何でもできる」と考えているパワハラ人物と同じで、勘違いにもホドがあるだろう。
こんな自己中心的な考えを「政治家の覚悟」と称しているのだとすればマンガだ。

 菅は学術会議問題の“本質”を理解していない。
「教養のレベルが露見」と発言した静岡県の川勝平太知事は、メディアに真意を問われた際、「私は(菅首相が)誤っていると思うので諫言した」と語っていたが、この意味すら分かっていないだろう。

 諫言とは、目上の人の過失を指摘、忠告することだ。
唐の皇帝、太宗・李世民は政治を誤らないよう諫言する役目の人物を重用したというが、それは時の権力に忖度がはびこれば、いずれは国家の衰退につながると考えていたからだ。

今の日本で言えば、政府に諫言する役割を担っている組織のひとつが日本学術会議であり、それが「右向け右」となれば国家が滅びるため、識者を含む多くの国民が強い危機感を持って反対の声を上げているのだ。

■スピード感を持って国家を破壊している
 ところが、菅はそんなことを気にも留めていない。
安倍政権と同様にノラリクラリと逃げ続けていれば、国民はすぐに忘れると居直っている。
 菅はスピード感という言葉を多用するが、重要課題や政策に対してスピード感を持って対応するという意味じゃない。
スピード感を持って安倍政権以上に民主主義を破壊し、国家を衰退させようとしているのだ。

「できるだけ早く政府として責任を持って処分方針を決めたい」
 政府が東電福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水を海洋放出する方針を固めたと報じられたことについて、菅は会見で無表情のままこう答えていたが、これも学術会議問題と同様に戦慄を覚える。

 福島県内では、59市町村のうち、41の市町村議会が海洋放出について「反対」か「慎重」とする意見書、決議を可決している。
20日、福島県内の女性市議らが衆院第2議員会館で集会を開き、「政府は住民の意見を聞いてほしい」と訴えていたのに、てんで無視だ。

すべてが「俺が決めるから従え」という姿勢で、「住民の意思」など眼中にない。
しゃべればしゃべるほど民主主義と国家を壊す「怖さ」、鉄面皮の本性が透けて見える。
 だが、来週26日召集の臨時国会では、こんなデタラメな姿勢、答弁が通用するはずがない。
答弁を重ねるほどにボロを出し、火ダルマ状態になるのは必至だ。

立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「菅首相は所信表明演説もせず、自分のやりたいことを好き勝手やっているのですから、国民主権に対する冒涜以外の何物でもない。
野党は法にのっとり、これまでの言動の矛盾をきちんと問いただすべきでしょう。
国会では、官房長官時代のような『ご指摘には当たらない』なんて答弁は許されません。
野党は連携して徹底的に追い込むべきです」
 パワハラ勘違い男は一刻も早く退場させるのが国民のためだ。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする