2019年06月09日

選挙に勝つため国益を弄ぶ安倍首相の見識

選挙に勝つため国益を弄ぶ安倍首相の見識
2019年06月08日 PRESIDENT Online
ジャーナリスト 沙鴎 一歩

■「日朝首脳会談」の思惑はもろくも崩れ去った
夏の参院選に向け、永田町が騒がしい。
いまの国会が6月28日の会期末で閉会した場合、参院選は7月4日公示、21日投開票の日程で行われる見通しだ。
安倍首相があわせて衆院を解散する「衆参同日選挙」との見方が出ており、与野党の動きに拍車がかかっている。
与野党の最大の関心は、安倍首相がいつどうやって衆院を解散するかである。

安倍首相は衆参同日選挙に勝ち、憲法改正まで成し遂げるため、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との「日朝首脳会談」を実現させようとしていた。
だが、その思惑はもろくも崩れ去った。

■「条件を付けずに」と大きな方向転換をはかったが……
今年2月、ベトナム・ハノイで行われた2回目の日米首脳会談の後、安倍首相は「今度は私の番」と明言した。
5月に北朝鮮が弾道ミサイルを連続して発射した際には、「私自身が条件を付けずに向き合わなければならない」と無条件で日朝首脳会談に臨む決意を示した。

これまで安倍首相は「拉致問題の解決に資する会談としなければならない」という姿勢を示しており、大きな方向転換は関係者を驚かせた。
安倍首相は、史上初の日朝首脳会談を実現して拉致被害者を帰国させた小泉純一郎・元首相のように、自ら北朝鮮外交の大きな檜舞台を作り上げ、その勢いに乗って衆参同日選に打って出ようと考えていた。
ところが、肝心要の金正恩氏が態度を硬化させてしまう。
北朝鮮が6月2日夜、国営メディアを通じて日朝関係について次のような声明を発表したのである。

■「安倍一味はツラの皮がクマの足の裏のように厚い」
「まるで日本政府がわが国に対する協議の方針を変えたかのように宣伝し、しつこく平壌(ピョンヤン)への門をたたいているが、われわれへの敵視政策は何も変わっていない」
「前提条件のない首脳会談の開催などとぬかす安倍一味はツラの皮がクマの足の裏のように厚い」
「あれこれ言っている安倍一味はずうずうしい。過去の罪悪をきれいに清算して新しい歴史をえがく決断を下すべきだ」

北朝鮮の声明では謝罪や賠償を求める姿勢も改めて示された。
安倍首相が前提条件を付けずに日朝首脳会談の実現を目指す考えを示していることに対し、北朝鮮の国営メディアが直接反応を示したのは、これが初めてだった。

■野党に不信任決議案を出させて、衆院解散を断行したい
なぜ北朝鮮はこのような非難の言葉を日本に向けたのか。
それは金正恩氏が安倍首相の足元をみているからである

金正恩氏は、自分の選挙のために日朝首脳会談を開こうとする安倍首相の思惑を見抜いたのだ。
いまのところ、安倍首相のもくろみは失敗した格好だが、この先、したたかで気まぐれな金正恩氏が安倍首相の意を受け入れる可能性がないとは言い切れない。

安倍首相は6月12日から14日にかけてはイランを訪問する予定だ。
28日と29日には、大阪で主要20カ国・地域首脳会議「G20」が開催され、日本が議長国を務める。
当然、安倍首相の言動が世界のニュースに流れる。

永田町では、6月19日辺りに開催される党首討論で、憲法改正の是非を取り上げ、そこから野党に不信任決議案を出させて、衆院解散を断行するとの見方も出ている。

■菅官房長官も「内閣不信任案→衆参同日選」に誘い水
すでに菅義偉官房長官は、不信任決議案は衆議院を解散する大義になり得るとの認識を示している。
これは5月17日午後の定例記者会見で、
「野党側が国会に内閣不信任決議案を提出した場合、国民に信を問うために衆議院を解散する大義になりますか」との質問に答えたもので、菅氏は「それは当然なるのではないか」とはっきりと話している。

菅氏の答えは野党に「不信任決議案を出せ」と言っているのと同じだ。
いわゆる“政治的誘い水”である。
安倍首相もこんな発言をしている。

5月30日の経団連の総会だった。
「『風』という言葉に、永田町は大変敏感だが、ひとつだけ言えることは、『風』というものは気まぐれで、誰かがコントロールできるようなものではない」
この安倍首相の発言に対し、野党幹部の1人である立憲民主党の福山哲郎幹事長は「解散権は首相にある。 それを『気まぐれだ』と自分で認めている。
よく分からないが、『解散について、はっきりと言明をしない』ということだと思うので、こちらが右往左往するような発言だとは思わない」と語っていた。

安倍首相の発言は明らかに誘い水である。
菅氏の言葉と同じだ。
安倍首相は自ら野党に王手をかけたのである。
そうでなければ、わざわざ「永田町が風に敏感だ」などと切り出すわけがない。

■「首相自ら解散風をあおるかのような発言は異例」
6月1日付の朝日新聞が「首相『風』発言 解散権をもてあそぶな」との見出しを付けた社説を書いている。
その書き出しが実に手厳しい。
「国民の代表である衆院議員全員をクビにして民意を問い直すという『解散』の重みをわきまえぬ、不見識極まる発言だ。
ウケ狙いの軽口と見過ごすわけにはいかない」

「不見識極まる発言」「ウケ狙いの軽口」と攻撃するところが、安倍政権を毛嫌いする朝日社説らしい。
朝日社説はさらに批判する。
「首相自ら解散風をあおるかのような発言は異例である」
「解散を判断する立場にありながら、『きまぐれ』とか『コントロールできない』などと、人ごとのように語るのも無責任だ」

朝日社説も沙鴎一歩と同じ見方のようである。
安倍首相発言は明らかに誘い水なのだ。
ただし、安倍首相は「人ごとのように語った」のではなく、ぼかして発言しようとしてぼかし過ぎてしまったのだろう。
それゆえ「人ごと発言だ」と朝日社説に糾弾されるのだ。

要は、安倍首相の表現力が不足しているのである。

■解散は党利党略だからこそ「大義」が求められる
続けて朝日社説はこうも書く。
「首相は12年末の政権復帰以降、14年11月、17年9月と2度にわたり、野党の虚を突くかたちで解散に踏み切り、与党が大勝した」
「衆院議員の任期を2年以上残し、腰を据えて取り組むべき課題も山積している今、党利党略優先の解散をまたも繰り返そうというのか」
「野党に対する牽制や政権与党内での求心力の維持など、さまざまな思惑があるのだろうが、解散をもてあそぶのは、いい加減にやめて、国会論戦や政策づくりに集中すべきである」

沙鴎一歩は朝日社説の見解とは違う。
まさに解散は党利党略なのである
だからこそ、かたちのうえでの「大義」が求められるのだ。

朝日社説は「解散をもてあそぶな」と主張するが、解散総選挙によって民意を問うことができる。
そこが解散のいいところだ。

■安倍首相は日米貿易交渉を「選挙の材料」に使っている
東京新聞(5月28日付)の社説は、トランプ大統領の来日にともなって27日に行われた日米首脳会談について「なぜ選挙のあとなのか」との見出しを付け、こう主張する。

「あまりに露骨、横柄な物言いではないだろうか。
日米の貿易交渉妥結は参院選挙後までずれ込む見通しという。
人々の暮らしを大きく左右する交渉である
選挙の材料に使ってはならないはずだ」

安倍政権はアメリカと貿易交渉で妥結すると、日本の国民に大きな負担が生じることになると判断している。
だから妥結を後回しにしたのだ。

東京社説が指摘するように、安倍首相は日米貿易交渉を「選挙の材料」に使っている。
安倍首相は「選挙が近い。その選挙に影響を与えたくない。貿易交渉の妥結は選挙後にしてほしい。
その代わりに見返りを用意する」とトランプ氏と何らかの密約を結んだ可能性がある。

安倍首相は夏の選挙に勝ってさらに地盤を固め、悲願の憲法改正を実現したいのだろう。
ならば安倍首相に聞きたい。
選挙や憲法はだれのためにあると考えているのか、と。
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2019年06月08日

2050年人類滅亡!? 豪シンクタンクの衝撃的な未来予測

2050年人類滅亡!? 
豪シンクタンクの衝撃的な未来予測
2019年06月07日 ニューズウィーク日本版(松岡由希子 )

<オーストラリアのシンクタンクが、今後30年の気候変動にまつわるリスクを分析し、最悪の場合、人類文明が終焉に向かうかもしれないという衝撃的な方向書を発表した>

2050年には、世界人口の55%が、年20日程度、生命に危険が及ぶほどの熱波に襲われ、20億人以上が水不足に苦しめられる。
食料生産量は大幅に減り、10億人以上が他の地域への移住を余儀なくされる。
最悪の場合、人類文明が終焉に向かうかもしれない──。
気候変動が人間社会や自然環境にもたらす影響について、このような衝撃的な未来のシナリオが明らかとなった。

「気候変動は人類文明の脅威である」
豪メルボルンの独立系シンクタンク「ブレイクスルー(Breakthrough-National Center for Climate Restoration)」は、今後30年の気候変動にまつわるセキュリティリスクをシナリオ分析し、2019年5月、報告書を発表した。
この報告書では「気候変動は短中期的にみて人類文明の脅威である」とし、「気候に関するセキュリティマネジメントにおいては、最悪のケースやファット・テール現象(正規分布の両端が実現する可能性が高いこと)を考慮した新たなアプローチが必要だ」と説いている。

2015年12月12日に採択された「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑えることを目標に掲げているが、報告書は、この目標値が未達に終わると予測する。

永久凍土が消失し、アマゾン熱帯雨林は干ばつに
報告書のシナリオによると、人為的な温室効果ガスの排出量が2030年まで増え続け、2030年までに気温が1.6度上昇する。

温室効果ガスの排出量は2030年をピークに減少するものの、炭素循環フィードバックやアイス・アルベド・フィードバックなど、気候プロセス上の要因も加わり、2050年までに気温が3度上昇する。

1.5度の気温上昇で西南極氷床が融解し、2度の気温上昇でグリーンランド氷床が融解する。
気温が2.5度上昇すると、永久凍土が広範囲にわたって消失し、アマゾン熱帯雨林は干ばつに見舞われて立ち枯れる。

ジェット気流が不安定となることで、アジアや西アフリカの季節風にも影響が及び、北米は熱波や干ばつ、森林火災など、異常気象の被害を受ける。
陸地面積の30%以上で乾燥化がすすみ、南アフリカ、地中海南岸、西アジア、中東、米国南西部、豪州内陸部で砂漠化が深刻となる。

ゼロ・エミッションベースの産業システムを構築すべき 元オーストラリア国防軍最高司令官のクリス・バリー氏は、報告書の序文で「この世の終わりを避けられないわけではないが、直ちに思い切った行動をとらなければ望みは薄い。
政府、企業、地域コミュニティがまとまって行動するべきだ」と訴えている。

また、この報告書では、一連のリスクを軽減し、人類文明を維持するために、廃棄物をゼロにするゼロ・エミッションベースの産業システムを早急に構築するべきだと提唱している。
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2019年06月07日

警察官が取調室で暴行?法医学者が異例の告発 密室取調べの実態…「可視化」で変わるか?

警察官が取調室で暴行?
法医学者が異例の告発 
密室取調べの実態…「可視化」で変わるか?
6/6(木) 関西テレビ

■留置所で発見された遺体…「右足にアザ」
【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】
(2019年5月) 「私のような立場で刑事告発するのもおかしいと言えばおかしいので、躊躇するところでした」 法医学者の出羽厚二教授。
この日、自ら刑事告発した事件について、検察官に説明を求めに行きました。

その事件とは…
【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】
「これはひどい事例だなと。今の日本でこういうことあるのかと最初は疑問に思った。
取り調べていた警察官が足を蹴り上げたんじゃないか」
2010年、手術ミスで患者を死亡させた業務上過失致死の疑いで逮捕された塚本泰彦医師(当時54歳)。
逮捕から19日後、警察署の留置場で遺体となって発見されました。
遺体と面会した遺族は、右足のアザに衝撃を受けたと話します。

【塚本医師の遺族】
「本人亡くなっているよりも、右足見てびっくりしたんですよ。
なぜ皮膚がこんなに変色しているんだろうと」
直後に発表された死因は「急性心筋梗塞」。
遺族は、真相を確かめようと奈良地裁に裁判を起こしました。
裁判で、警察は「留置場で座るときに右足を折り曲げて、ドーンという音を立てて座っていた」と説明しました。

【塚本医師の遺族】
「本人があぐらかく習慣もないし。普段からあぐらかいているのだったら、留置前からできているはず」
遺族は、死因究明が専門である出羽教授に鑑定を依頼しました。

■なぜ皮下出血ができたのか…取調室で何が?
2007年、大相撲の時津風部屋で起きた力士暴行死事件。
当初、病死とされていましたが、遺族の依頼で解剖を行い、暴行死であると見抜いたのが出羽教授でした。

【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】
「しっかりとした死因究明できていないのに内因性(病気)の死因をつけてしまう社会から早く脱却すべきだと思います」

【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】
「一番明らかにすべきことは、塚本さんの足にある皮下出血がなぜできたか。
足で蹴るなどの打撲を受けたというのが一番考えやすいと思います」

2016年11月、出羽教授は、初めての刑事告発に踏み切りました(特別公務員暴行陵虐致死傷罪)。
しかし、翌年、奈良県警は「暴行はなかった」として書類送検。
民事裁判では、暴行があったかどうか判断されることなく、遺族の請求は退けられました(確定)。

そして、2019年4月、奈良地検は、取り調べを担当した警察官2人を不起訴処分とし、捜査は終了しました(特別公務員暴行陵虐致死は嫌疑なし、致傷は嫌疑不十分)。
密室の取調室で何があったのか。
結局、明らかにされることはありませんでした。

■進む「取り調べの可視化」
はたして、取調べ中に警察官が暴行することはありうるのか。
長年、密室での取調べの問題に取り組む弁護士は…

【小坂井久弁護士】
「21世紀になっても、しばらくは大阪では(取調べ中の暴行は)よくあった」

(警察官)==取調べ中の音声==
『おい黙るな。なんか言え。殴るぞ!なめとったらあかんぞ、お前。手を出さんと思ったら大間違いやぞ!』
大阪府警では、2010年に東警察署の警部補(当時)が任意での取り調べ中に暴言をはいていたことが発覚。

翌年には、関空署の巡査部長(当時)が逮捕された外国人男性への取り調べ中に、胸を殴ったり、足を蹴ったりする暴行をしていたことも明らかになりました。

【小坂井久弁護士】
「取調室はまさにブラックボックスで、言葉良くないが、一番法にのっとらねばならない場所が無法地帯だった。
可視化してちゃんと透明にしない限り、必ず問題が起こる空間と考えないといけない」
小坂井弁護士も参加した法務省の法制審議会特別部会での激しい議論を経て、2016年に取り調べの録音・録画(可視化)を義務付ける法案が成立。
2019年6月から、殺人事件など裁判員裁判の対象となる事件と検察が独自に捜査する事件(全事件の2〜3%)について、逮捕・勾留中の容疑者のすべて(全過程)の取り調べが「可視化」されることになりました。

【小坂井久弁護士】
「自白偏重主義は、可視化を契機にして変わっていく。
『自白させて反省させる』ことまでが捜査機関の役割という思い込みに支配されている。

今日本の刑事司法は大きな変革期にあって、日本固有の(自白偏重の)取り調べというのが、本来の刑事司法にふさわしい取調べに変容していく過程にある」
一方、取り調べの可視化が捜査現場に与える影響について大阪府警の幹部は…

Q:個々の警察官にとって自白とらなければいけないという姿勢は変わってきている?

【大阪府警察本部刑事部・佐竹明理事官】
「当然暴言暴行など不適切な取り調べは絶対あってはならないのが大前提と思います。
一部録音録画(の試行)が始まってから10年くらい経っていますし、慣れてきたという言い方が良いかは分からないが、その時代に合わせた取り調べの在り方について各捜査員の意識改革はしっかりできていると思います」

Q:現在では行き過ぎた取り調べはありえない?
「あってはならない」

Q:ありえない?
「あってはならない。絶対してはいけない。
捜査員は分かっていると思います」

■不起訴処分を受け、検察審査会へ申し立て
2019年5月、奈良地検から不起訴処分の連絡を受けた出羽教授は、その理由について説明を求めました。

【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】
「(検察官は)暴行があったともいえないし、なかったともいえないと。
肝心なところは聞けなかった」 検察官から、詳しい説明はありませんでした。

6月5日、出羽教授は、市民が不起訴処分について審理する検察審査会へ申し立てを行いました。

【岩手医科大学(法医学)・出羽厚二教授】
「これを見て頂ければ、一般的な感覚で、まず暴行を疑うのが当たり前のことだと思います」
闇の中に葬られつつある、密室での取り調べの実態。
取り調べの可視化によって、今後こうした事態を防ぐことができるのでしょうか。

※カンテレ「報道ランナー」 
    2019年6月5日放送より
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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