2017年06月14日

安倍政権、物言えぬ暗さ=与良正男

熱血!与良政談
安倍政権、物言えぬ暗さ=与良正男
毎日新聞2017年6月7日 東京夕刊

 今回も学校法人「加計学園」をめぐる話を書く。
 同学園の獣医学部新設計画について「行政がゆがめられた」と証言した文部科学省の前川喜平・前事務次官に対し、安倍晋三首相は現職中に意見を言う機会はあったと強調し、「なぜその場で反対しなかったのか不思議だ」とラジオで反論した。

 同じ思いをしている人もいるだろう。
その点は前川氏本人が「力不足だった」と既に認めている。
だが、なぜ現職中に言わなかったのか、首相が本当に「不思議だ」と考えているとすれば、これはより深刻だ。
 
今月1日、外務省は森本康敬・釜山総領事を退任させた。
 韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として政府は森本氏を一時帰国させた。
森本氏はそれらの判断を私的な会食の場で批判し、それが官邸に伝わって更迭されたというのが定説だ。
 一昨年夏には総務省側がある幹部の昇格を提案したが、菅義偉官房長官が「それだけは許さない」と拒否した−−と先日毎日新聞は報じた。
この幹部は菅氏が主導したふるさと納税創設に反対していたそうだ。

 府省庁の幹部人事は今、官邸が牛耳っていることは本欄で書いた。
人事への報復を恐れ、意見を言いたくても言えない、言わない状況を作り出しているのは今の政権なのだ。
 前川証言で印象に残った言葉を。
 現職中知り得た情報を明かすのは公務員の守秘義務違反ではないかという指摘に対し、前川氏はこう言った。
 「秘にしてはいけないものを、国民に知らせるのはむしろ積極的にやるべきことだ。
それがなかったら民主主義は成り立たない」  その通りである。

そして「官邸主導」は小泉純一郎政権以降に強く叫ばれるようになったとの見方を示したうえで、こう語った。
 「小泉政権は反対意見もそれなりに受け入れてくれた。
抵抗しても報復はなかった。
風通しのよさ、明るさがあった」

 そう。確かに小泉時代は今と比べて明るかったし、自由にものが言えた。
力ずくで(時に「出会い系バー」の話を持ち出すなどして)異論を封じる安倍政治の本質を突いている言葉だと思うが、首相はそれにも聞く耳を持たない。
      (専門編集委員)
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2017年06月13日

死なないための病院の選び方

新見正則「医療の極論、常識、非常識」
医者が教える、
死なないための病院の選び方…
病院ランキングは信用NG?
2017.06.12 Business Journal

文=新見正則/医学博士、医師

今回は病院の選び方に関するお話です。
極論君”は、
「大きな病気に罹り、特に手術を要するような病気になって、それを治療する病院を選ぶことはとても重要なことだから、インターネットや本、週刊誌などの情報を最大限に利用して選ぶ」という主張です。

常識君”が質問します。
「『○○に強い病院』『××疾患ベスト100病院』などという情報を、大いに大切にするということですか?」
極論君の意見です。
「そうです。少しでもいい病院にかかりたいのです。
日本はフリーアクセスですから、アメリカなどと違って保険によって病院が制約されることはありません。
どこの病院にもかかれる権利を持っているのですから、一生懸命によりよい病院を探すのです。自分の命のためです」  

そこで、“非常識君”が質問します。
「何を材料に選ぶのですか」  

極論君のコメントです。
「いい病院として載っている病院から選ぶのです」  

常識君のコメントです。
「日本でもたくさんの病院ランキングが出ています。
しかし、どれも情報量が少ないです。
客観的な資料は手術数ぐらいです」  

非常識君の意見です。
「確かに、何を根拠にいい病院を選んでいるかが明確ではない資料が多いですね。
手術数以外も考慮しているものは、とても少ないです。
手術数が多い病院は確かに少ない病院よりも、その手術に関しては秀でている可能性は高いのです。
しかし、ある程度以上の手術数があればそれで十分とも思われます。
多くの病院が年間に100例以上手術をしている一方で、10例しか行っていない病院で手術を受けたいとは誰も思わないはずです。
誰もが問題外と思うような病院を除いて、その後にランキングすることはとても難しいと思います」

手術数をもとに適当にランキング?  

常識君のコメントです。
客観的な情報でしかランキングは作成できないでしょう。
手術数以外で客観的なことは、手術時間とか、出血量とか、合併症の頻度とか、手術後の死亡率とか、専門医や指導医の数なども実は客観的なデータになります。
また入院日数なども評価項目に入れることも可能です。
しかし、そんなデータをあまり見たことはないでしょう。
 また、病院全体のランキングであれば、医療従事者の数とか、それぞれの医療職の平均在職年数とかも客観的なデータになりますね。
訴訟の数なども実は役立つかもしれません。
そんなデータを元にしてのランキングは、実は存在しないのです。
ある程度問題外の病院を省いて、そしてその後は基本的に手術数をもとに適当にランキングされていることがほとんどでしょう」

極論君の意見です。
「そうであれば、やはり手術数が多い病院を選ぶことが必須ですね」  

常識君のコメントです。
手術数を基本にして選ぶことは間違ってはいないと思います。
しかし一番大切なことは地理的なものだと思いますよ。
つまり自宅から近い病院がやはり最初の選択肢になるはずです
まず、自分が通える範囲を決めて、そこからインターネットや本などでよさそうな病院を見つけてはどうでしょうか」

本当に良い先生  

非常識君のコメントです。
「僕が大切にしているのは、医療従事者が病気になったときにどこの病院を選ぶかです。
医療に詳しくない人がいくらランキングをしても、無意味に思えるのです。
僕はかかりつけ医の意見を最大限に尊重しています。
そして、その先生が同じ病気になったときに選ぶ病院を聞いて、その病院の世の中での評判を知るためにインターネットや本、週刊誌の情報を参考にします」

常識君の意見です。
「確かに医者が、自分が病気になったときに選ぶ病院ランキングなんていう本があると、信憑性が高いかもしれません」  

非常識君の意見です。
「医者といっても、その病気について専門家でない医者が選ぶランキングでは説得力に書けます。
最良のランキングは、専門医がその病気になったときにどの病院に行くかですね」  

常識君の意見です。
セールスの人でも、自分が欲しい商品を売ることができる人は幸せですね。
車の販売でも、本当は他社の車のほうが優れていると思うのだけれども、自社の車を売ることが商売だから致し方なく、それを売っているという光景も目に浮かびます。
本当に何が最良なのかは、実際に携わっている人の心のなかにだけあるようにも思えます。
それを客観的な土俵でランキングするのは、やはり無理があるように思えます」  

非常識君の意見です。
大きな病院の先生が、自分の病院以外を勧めてくれたときは、本当によい先生なのではないでしょうか。
車の販売でいえば、『そのカテゴリーの、そしてあなたの希望に添う車は当社のものではなく、○○の会社の××がいいと思いますよ』なんて言ってくれる営業担当の人は、相当信頼できますよね」  

非常識君が妙に常識的なコメントになりました。 

新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ 1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年〜 慶應義塾大学医学部外科 1
993〜1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年〜 帝京大学医学部外科に勤務

幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。
著書多数。
なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院(*小だぬきの内科・精神科通院病院)で受診してください。
大学病院は紹介状が必要です。

ニュースサイトで読む:
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2017年06月12日

空恐ろしい監視社会 官邸のアイヒマンらがやっていること

空恐ろしい監視社会
官邸のアイヒマンらがやっていること
2017年6月10日 日刊ゲンダイ

 加計学園の獣医学部新設をめぐる「総理のご意向文書」の報道からおよそ1カ月。
文科省がようやく再調査を決めた。
「怪文書だ」「出所不明だ」「信憑性がない」などと難癖をつけ、臭いモノに蓋をしようとする安倍官邸を追い込んだのは、文書の存在を認めた前文科事務次官の前川喜平氏の告発だ。
森友学園にはじまる一連の疑惑で浮き彫りになったのが、アベ友だけが甘い汁を吸うことができる露骨な利権構図。
それに、公権力による監視体制だ。

 前川氏の動きを察知した官邸は、天下り問題での辞任を引き合いに「あいつは(官邸に)恨みを持っている」などと悪評を流し、シンクロするように読売新聞が出会い系バー通いを報じた。その背後に見え隠れするのが、“官邸のアイヒマン”の異名を持つ北村滋内閣情報官と、実質的に内閣人事局を取り仕切る杉田和博官房副長官の存在だ。

北村氏は一貫して警備・公安畑を歩んだ警察庁キャリアで、公安警察時代の上司が杉田氏なのである。
獣医学部の新設を認めるかどうかで文科省と内閣府が綱引きをやっていた2016年9月、事務方トップだった前川氏に出会い系バー通いを厳重注意したのが杉田氏だった。
官邸の「目と耳」といわれる内閣情報調査室(内調)と公安警察から吸い上げた極めて個人的な情報を脅しに使ったのだ。

■カメラ500万台の見張り
 公安の内情に詳しいジャーナリストの青木理氏は言う。
警視庁公安部の捜査対象はテロ組織や過激派にとどまりません。
平時から中央省庁幹部、次官・局長クラス、問題を起こしそうな官僚や重要案件の担当者の身辺情報を集めている。
それに、内調は公安の“官邸出先機関”のようなもの。
彼らから前川氏の出会い系バー通いの情報が上がっていても不思議ではありません」

 こうした監視の目にさらされるのは、危険思想の持ち主や権力に近い霞が関住人だけだと思ったら大間違いだ。
一般市民だって30年以上も前から動向をチェックされている。
1987年に導入されたNシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)、02年に東京・歌舞伎町に設置されたのを機に急速に増殖した監視カメラ。
駅やコンビニなどの防犯カメラを加えれば、その数は500万台を超えるという。
犯罪捜査に活用されているとか、犯罪抑止につながるとかいわれているが、具体的な運用方法は明らかにされていない。

米国が提供した
“スパイのグーグル”の恐るべき検索力
 米政府による凄まじい個人情報収集の実態を暴露した元CIA職員のエドワード・スノーデン氏に単独インタビューをした元朝日新聞記者の小笠原みどり氏は、著書「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」(毎日新聞出版)でこう書いている。
〈2002年2月、警視庁は新宿・歌舞伎町に監視カメラ50台を設置した。
私は警視庁記者クラブを通じて新宿署のモニタールーム取材を申し込んだが、断られた。
理由に驚いた。
「通行人のプライバシーを侵害する恐れがあるから」。
プライバシーをのぞきこんでいる張本人たちがのたまうのだ。
「盗人猛々しい」という言葉が口をついて出そうになった。

モニタールームでなにが観察され、なにが記録されているかは、だれも検証することができない。
これが民主警察、科学捜査だろうか。
警視庁は秘密がまさに力の源泉であることをよく知っている〉

 小笠原氏に改めて話を聞いた。
「政府はすでに市民を監視するさまざまな手段を手にしています。
NSA(米国家安全保障局)が開発した“スパイのグーグル”と呼ばれる監視システム『エックスキースコア』が日本に渡っているという情報もある。
スノーデン氏がNSAから持ち出した機密文書の一部が4月下旬に公開されて分かったのですが、電子メールやフェイスブックへの書き込みはもちろん、ネットを介したあらゆる情報を収集できる恐ろしいツールなのです。
例えば〈ブッシュ〉〈攻撃〉でキーワード検索をかけると、そうした単語を使用した人物の情報を世界中から洗い出すことができますし、特定の人物の名前を入力して調べることもできる。
映画『スノーデン』でスノーデン氏本人が語っているのですが、NSA時代に1人の標的の全通話相手を監視するように指示され、さらにその相手の通話先も監視したところ、最初の標的から3人先には監視対象が総勢250万人に膨れ上がったそうです
危険人物かどうかの選別には、個人のコミュニケーション履歴を分析する必要があるという理屈からです。
米政府のこのやり方は、国民の内心チェックを合法化する共謀罪法案の性格と非常に似ています。
この話を聞いて、一般人が共謀罪の対象にならないと信じる人がどれほどいるでしょうか」

■「違法団体に限定されない」
 共謀罪法案の今国会成立を焦る安倍政権は、捜査対象は組織的犯罪集団に限られるとお題目のように繰り返すが、共謀罪の核心は一般市民の監視なのだ。
終盤国会での審議でも、それがますますハッキリしてきた。

先月8日の衆院予算委で金田法相は「テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織など、違法行為を目的とする団体に限られる」と断言していたが、8日の参院法務委では「限定されるものではない」と軌道修正。
さらに、法務省の林真琴刑事局長は「組織的犯罪集団の構成員でない者であってもテロ等準備罪の主体とはなり得る」と踏み込んだ。

 前出の青木理氏もこう言う。
共謀罪法案の成立を許せば、権力の監視対象は際限なく広がっていきます。
お上にまったく盾突かない、政権に無害無臭な人だからといって無関係ではいられなくなる。
捜査側が監視対象の身辺情報を収集する過程で交友関係を洗い出し、周辺人物にまで幅広く網を掛ける可能性は否定できません

 安倍首相は法案の目的に東京五輪開催に伴うテロ対策と、「パレルモ条約」(国際組織犯罪防止条約)の締結を挙げていた。
にもかかわらず、当初の法案に「テロ」の文言はゼロ。
「パレルモ条約」にいたっては、条約に精通する米ノースイースタン大教授のニコス・バッサス教授から「テロのようなイデオロギーに由来する犯罪に対応する目的では作られていない」と喝破されている。
繰り返してきたペテン答弁は完全に崩れている。

 安倍政権は秘密保護法で都合の悪い事実を隠蔽。
盗聴法で監視体制を確立し、
共謀罪で国民の内心まで統制しようとしている。
こんな政権に共謀罪を持たせたら、生かすも殺すも胸三寸で決められてしまう。
後戻りはできなくなる。

 聖学院大教授の石川裕一郎氏(憲法)は言う。
「希代の悪法と呼ばれる治安維持法は2度の改正で処罰の範囲が拡大し、社会の隅々にまで網が広げられました。
00年施行の通信傍受法(盗聴法)は16年の改正で一気に対象が増え、運用要件も緩和された。
平成の治安維持法といえる共謀罪も同じ道をたどり、なし崩しで政府の都合のいい運用に書き換えられかねない。
法案を通してしまったら一巻の終わりです」

 この国の民主主義は分水嶺に立たされている。
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2017年06月11日

実行より計画だけの方が重罪…共謀罪は犯罪を助長する

実行より計画だけの方が重罪…
共謀罪は犯罪を助長する
2017年6月10日 日刊ゲンダイ

 安倍政権が、来週の強行成立をもくろむ共謀罪法案。
277もの犯罪を対象にしているため、チェックが追いつかなかったのか、現行刑法とつじつまが合っていないものがゴロゴロある。
中には、「共謀」つまり計画だけより、実際に犯罪を犯した方が、刑が軽くなる“逆立ち現象”もあるから、ムチャクチャだ。

〈その1〉窃盗罪  
2人以上で窃盗を計画し、そのうち1人が準備行為をすれば、窃盗に着手しなくても、共謀罪が成立する。
刑の免除はない。
ところが、共謀した誰かが窃盗に着手し、自らの意思で中止して未遂に終わった場合はどうか。これは、刑法の「中止犯」という規定が適用される。
思いとどまったことへの“特典”として、必ず刑の軽減または免除が受けられる。
つまり、計画しただけで犯罪者なのに、計画をさらに進めて実行に移し、中止した方は罪に問われない可能性があるのだ。

〈その2〉傷害罪
 2人以上で傷害を計画し、1人が準備行為をしたら傷害の共謀罪成立だ。
一方、計画の実行に着手したが、傷害に至らなかった場合、傷害罪に未遂の規定はないため無罪放免だ。
企んだだけの方は罰せられるのに、である。

〈その3〉強盗罪
 強盗の共謀罪の量刑は5年以下の懲役または禁錮だが、強盗予備罪は2年以下の懲役。
計画段階から次のステップ(予備)に進めた方が軽い刑で済むことになる。

 思わず笑ってしまう“珍現象”だが、共謀罪に詳しい小口幸人弁護士が言う。
「笑い話じゃありません! 法律のロジックへの大きな侮辱です。
法務省の官僚がこんな法案を提出すること自体、信じがたいが、加計学園問題で会期延長をしたくない政府は、こうした矛盾も無修正で通そうとしている。
法体系よりも、“自己保身”ということなのでしょうか

 やっぱり希代の悪法は廃案しかない。
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安倍政権の支持率が超安定の理由、小泉政権とは大違い

安倍政権の支持率が
超安定の理由、
小泉政権とは大違い
2017年06月10日 16時00分 NEWSポストセブン

 まさに世間の「空気」を味方につけたかのような安倍晋三・首相の一強支配の現状をみるに思い起こされるのが故・山本七平氏が1977年に刊行した著書『「空気」の研究』だ。
山本氏はそこでこう書いている。
〈「空気」とはまことに大きな絶対権をもった妖怪である。
一種の「超能力」かも知れない〉

 いまや、安倍首相は「空気という妖怪」を手なずけているらしい。
「空気」を支配した安倍政権の再登板後の支持率は過去のどの政権とも違う奇妙な推移を辿っている。
 支持率が急降下した第1次政権の時と違って、閣僚辞任が相次いでも、首相のスキャンダルが出ても、発足時の50%水準から数%上下するだけで超安定しているのだ。

政治ジャーナリスト・藤本順一氏は、政治テーマの「分散」と有権者の「分断」戦略を挙げる。 「安倍首相は外交では対中強硬姿勢と対ロ交渉、経済はアベノミクス、さらに憲法改正など多くのテーマを同時並行で進めるから、1つの政策がうまくいかなくてもすぐ目先を変えることで大きく支持率が下がらない。
 もう一つは有権者の分断
原発再稼働や沖縄米軍基地移転のような国論を二分するテーマは反対派の反発を買っても、半数の支持は得られる。
そしてメディアの分断
読売や産経など親安倍と朝日のような反安倍メディアの扱いをはっきり分けることで、加計学園問題のようなスキャンダルが起きてもメディアが一枚岩で政権批判に走ることを防いでいる」  

埼玉大学社会調査研究センター長の松本正生・教授(政治意識論)は長期政権だった小泉内閣との比較からこう分析する。
「支持率1桁の森内閣の後を受けて小泉首相が誕生した時、総裁選は盛り上がり、国民の多くは『自分たちが選んだ総理』というイメージを持っていた。
だから最初は9割近い常識ではあり得ない高支持率だったが、田中眞紀子外相更迭で大きく下がり、電撃訪朝でまた上がるという具合に、国民の期待感が支持率に直結した。

 一方の安倍氏が総裁に返り咲いたとき、国民の意識は『またやるのか』と期待していなかった。
期待が低いだけに、『その割には意外にしっかりやっているじゃないか』と好意的に受け止められている。
世論調査からもそれがわかる。
内閣支持率は景気に連動する傾向がある。
 ところが、安倍政権下で景気は『良くない』という回答が多く、看板のアベノミクスは評価されていない。
それなのに支持率が高いのは、国民には先が見えない中、政権に期待はしていないが、他の選択肢もないから、せめて現状のままでいてほしいという守りの意識が窺えます
 そんな国民の消極的支持が、政治的には「安倍一強」で誰も逆らえないという人為的な「空気」を生み出している。
※週刊ポスト2017年6月16日号
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする