医療費10割自己負担も… 期限切れでも使えた従来の健康保険証はついに終了 8月以降起こりうるマイナ保険証の“落とし穴” 注意すべき2つの有効期限
8/8(土) CBCテレビ
ついに8月から、長年親しまれてきた従来の健康保険証が使用できなくなった。
医療機関などの窓口で、健康保険証を提示してもこれまでのようには受診できなかったり、3割負担などではなく、場合によっては10割負担の全額自己負担になったりはしていないだろうか。
「マイナ保険証一本化」
この言葉が新語、流行語大賞にノミネートされたのが2024年。この年の12月2日から、従来の健康保険証は新規では発行されなくなった。つまり、実質廃止されたのだ。
ところが、すんなり移行すると見られていた「マイナ保険証」へのバトンリレーは脆くも崩れ去り、政府の思惑通りにはいかなかった。
理由は、医療現場でのトラブルが主な原因だった。
全国の医師、歯科医師ら約10万人で構成される全国保険医団体連合会のアンケート調査では、実に7割の医療機関で「資格確認ができない」などのトラブルが相次ぎ、国会などでも「従来の健康保険証」を残すべきではないかと議論された。
■従来の健康保険証 なぜ7月末まで延長?
政府も、特に高齢者らはマイナ保険証へのスムーズな移行は難しいと見たのか、「資格確認書」という、従来の健康保険証と名称以外は全く同じ機能を持たせた紙の証明書を発行し、75歳以上の後期高齢者全員にも配布した。
これは、マイナ保険証を保有している、保有していないに拘らず75歳以上の全員に配布したため、「従来の健康保険証のままで良かったのでは?」との批判も相次いだ。
また、窓口で「従来の健康保険証」を提示する人もいたため、有効期限が切れていても、使用できる期間を延長し、この7月末まで使える暫定措置がとられていたのだ。
つまり、これまでは(1)マイナ保険証(2)資格確認書(3)従来の健康保険証の3つが使用できたのだが、8月からは(3)の健康保険証が使えなくなるため、(1)のマイナ保険証か(2)資格確認書での対応になる。
■マイナンバーカードの落とし穴 2つの有効期限
では、マイナ保険証はどれだけ浸透しているのだろうか?
まず、マイナンバーカードを保有している人は1億人を突破し、1億386万人と国民の8割以上にまで増えた。
マイナ保険証の利用登録は9487万人で、利用率は7割弱と徐々に増加していて、少しずつ移行しているようにも見える。
しかし、そのマイナ保険証も場合によっては使用できないこともある。
このマイナンバーカードには2つの有効期限があることを再確認したい。
カード自体の有効期限は10年、このカードの中にある電子証明書の機能の有効期限は5年と異なるのだ。
■今年 電子証明書の有効期限が切れる人は約1500万人
電子証明書だけ、なぜ5年ごとなのか?実は、セキュリティ上の安全性を維持するためなのだが、これがないとコンビニで証明書を発行することも、行政手続きでオンライン申請することなどもできなくなってしまう。
そして、何よりマイナ保険証としても使えなくなるのだ。
従来の健康保険証が使えなくなったからではなく、電子証明書の有効期限が切れたから、医療機関の窓口で10割負担になる可能性もあるのだ。
ちなみに、今年2026年に電子証明書の有効期限を迎える人は約1500万人、来年は約2100万人にも上るため注意が必要だ。マイナナンバーカードには、電子証明書の有効期限が氏名、住所、生年月日の下に明記されているので、一度確認してほしい。
■高速道路のETCカードは2001年スタート 25年立っても“二刀流”
本人の同意があれば、過去の診療情報など医療機関をまたいで共有できるため、医療の質が向上したり、救急現場での適切な応急処置に活用できたりとメリットもあると言われるマイナ保険証、より使い勝手が良くなるように、利用する国民、医療現場の声をしっかりと聞いてほしい。ただ、あまりにも拙速ではないだろうか。
今や9割以上の利用率を誇る高速道路のETCカード、スタートは2001年だった。しかし、20年以上経過してもETCレーン以外に一般レーンを設けている。そう、ETCカードへの移行も、未だに二刀流なのだ。
ただ、ETCの利便性を感じた国民が利用率を徐々に押し上げてきた。
その時と同じように、国民の理解を得るためには、利便性の向上と浸透するまでの時間が必要と言える。
しかも、そもそも、マイナンバーカード自体は、義務ではなく、あくまでも任意であることを忘れてはいけない。
【CBCテレビ論説室長 大石邦彦】

