毎日新聞 2013年04月10日 大阪夕刊
2万人の犠牲者を出した東日本大震災の発生2年を大きく伝えた先月11日の毎日新聞朝刊(東京本社発行)に、東京都墨田区で前日に営まれた東京大空襲68年追悼法要の記事が小さく載っていた。
1945年3月10日の米国による東京下町への空爆で、10万人の市民の命が奪われた。
震災犠牲者遺族の悲しみを伝える記事が載った紙面だけに、戦災の過酷さも思わずにはいられなかった。
10年前のきょう、2003年4月10日の毎日新聞夕刊は、米国の先制攻撃で始まった戦争でイラクのフセイン政権が崩壊し、当時の小泉純一郎首相の歓迎する声を紹介している。
だが、戦争は泥沼化。
開戦理由の誤りもその後判明する。
誤った戦争の結果、テロによる犠牲を含め10万人以上の市民の命が奪われた。
この間、英国やオランダではイラク戦争が厳しく検証されてきた。
一方、兵員や物資輸送などで米軍に協力した日本政府は、外務省が「適切な対応だった」との簡単な報告書を公表しただけだ。
戦災は人間の力で防止できる災禍だ。震災同様、いや、それ以上に風化させない努力が欠かせない。【湯谷茂樹】

