憂楽帳:避難する権利
毎日新聞 2014年04月23日 中部夕刊
ここ1カ月、ずっと引っかかっていることがある。
「避難する権利」。
福島県から子どもと愛知県に自主避難している母親の言葉だ。
東日本大震災から3年の3月、愛知県内であった集会に参加した母親に取材をした時に聞いた、涙ながらの訴えだった。
震災後、家族や親戚と愛知にやってきたという。
時がたつに連れて家族らは帰り、今は母子2人だけ。
母親は「帰ろうという気持ちはあるけれど」。
だが、小学生の子どもへの影響はどうなのか、放射能汚染への不安が今も除かれないでいるのだ。
福島から来た他の避難者が言っていたことを思い出した。
帰らない人に、厳しい視線が同郷人から向けられることがあると。
また、母子は、避難先の集合住宅で、住民から「帰れ」と罵声を浴びせられたこともあるという。
そんな3年間だから、口を突いて出たのだろう。
「避難する権利を認めてほしい」。
人々はまだ渦中にある。
この時の実感が、今も時々よみがえる。
思いを伝えてほしいとの思いが筆を動かす。
【清藤天】


本当に被害にあわれた方に寄り添うとは・・、今の政府の弱者切り捨て政策は許せないし、帰還可とした御用学者達にも怒りを覚えます。