2025年08月04日

保険証の期限切れにご注意!「マイナ保険証」で知らなきゃ損する“意外な落とし穴”とは?

保険証の期限切れにご注意!「マイナ保険証」で知らなきゃ損する“意外な落とし穴”とは?
2025年08月02日 ダイヤモンドオンライン

マイナ保険証の活用促進を目的として、従来型の健康保険証は新たに発行されなくなった。
7月31日で、従来型の後期高齢者医療制度の健康保険証は有効期限が切れる。高齢の親がいる人は要注意。
マイナ保険証について、知っておきたい&伝えておきたいポイントを確認しよう。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

高齢者の保険証は7月31日で期限切れ!

 マイナンバーカードの健康保険証(マイナ保険証)の普及を促進するため、従来の紙やプラスチック製の健康保険証は、昨年12月2日以降、新たに発行されなくなった。
有効期限が切れると、従来型の保険証は使えなくなる。

 7月31日は、後期高齢者医療制度の健康保険証の期限だ。
自営業者や退職者などが加入する国民健康保険は自治体により異なるが、7月31日以降順次、期限が切れる。

 8月1日以降に医療機関を受診する際は、原則「マイナ保険証」を利用する必要がある。
マイナ保険証を持っていない人は、後述する「資格確認書」を使う。

 会社員が加入する健康保険組合、協会けんぽ、公務員が加入する共済組合は、保険証に期限の記載がなければ、今年12月1日が期限となる。

 今回は、期限が切れるとどうなるのか、マイナ保険証を持っていないとどうなるのか、マイナ保険証の“意外な落とし穴”などをじっくり解説しよう。

 特に高齢の親がいる人は、要注意。
先述の通り、高齢者の保険証は7月31日に期限が切れる。
お盆休みなどで実家に帰省する際、親に「マイナ保険証、持っている?」と聞いてみよう。

 一般的に高齢者のほうが現役世代よりも医療機関を利用する機会は多いし、急に体調が悪くなることもある。
今後、病院へ行く際に「持っていくもの」を確認しておきたい。

保険証そっくりの「資格確認書」とは?

 従来の健康保険証が使えなくなるならマイナ保険証で受診、と認識している人も多いだろう。
実は、マイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証の利用登録をしていない人もいるため、そういった人向けに「資格確認書」が発行される。

 これは従来の健康保険証とそっくりのカードで、左上に「健康保険資格確認書」とある。

 マイナ保険証を持っていない人は、医療機関の窓口で「資格確認書」を提示することにより従来通り保険診療を受けることが可能となる。
マイナ保険証を持っていない人向けの「アナログ」カードである。

 原則、申請なしで交付されるが、申請が必要なケースもある。

申請なしで交付される人

・マイナ保険証を持っていない人

・後期高齢者医療制度の加入者(75歳以上)

※混乱を防ぐため、後期高齢者医療制度の加入者全員に申請不要で資格確認書の発行をする(26年7月末までの暫定的な措置)

申請により交付される人

・高齢者や障害がありマイナ保険証を持っていても、マイナンバーカードでの受診などが困難な人

・マイナンバーカードを紛失・更新中の方

 実はこのほかに、「資格情報のお知らせ」というカードもある。移行期間といえども、わかりにくい。

 今回、この原稿を書くにあたりに「そういえば、4月に健康保険から紙のカードがきていたな。資格確認書かな」と思い、よく見てみると左上に「資格情報のお知らせ」と書いてあった。

「資格情報のお知らせ」は、マイナ保険証を保有している人に送付されるものだ。
マイナ保険証が利用できない医療機関(たまにある)などを受診する際にも、マイナ保険証と併せて提示することで受診可能となる。注意したいのは、「資格情報のお知らせ」単体での受診はできないことだ。

 加入の健康保険から「資格情報のお知らせ」が届いたら、マイナ保険証(つまりマイナンバーカード)と一緒に持っておこう。

マイナポイントきっかけで取得した人は
 「電子証明書の有効期限」に気を付けて

 マイナ保険証は、マイナンバーカードに登録することで有効になる。
ちなみに、マイナンバーカードそのものに期限があるのをご存じだろうか。

【マイナンバーカードの電子証明書の有効期限】

・年齢に関わらず、カード発行から5回目の誕生日

【マイナンバーカードそのものの有効期限】

・カード発行から10回目の誕生日まで(カード発行時に18歳未満の場合は5回目の誕生日まで)

 マイナ保険証は電子証明書にひもづいている。マイナポイントがはじまった20年9月以降、マイナンバーカードを取得する人が急増した。
今年はそれから5年後にあたるため、多くの人が電子証明書の期限を迎える。

 有効期限の2〜3カ月前に通知書が送付されるので、最寄りの自治体窓口で更新手続きをすればいい。
私もこの春に期限がきたので、更新手続きをしたが、ごく簡単なものだった(マイナンバーカードの暗証番号の入力が必要なので、それだけは忘れずに持参しよう)。

 有効期限後に受診したとしても、3カ月間はマイナ保険証で受診が可能だ。
ただし、医療機関でのカードリーダーで情報提供されるのは保険資格のみで、診療情報・薬剤情報などは読み取りできない。

 高齢の親に確認・伝えるべきは、次の3点だ。

・マイナ保険証を持っているか(利用登録をしているか)確認
・マイナ保険証(マイナンバーカードの電子証明書)の有効期限はいつかを確認
・資格確認証もしくは資格情報のお知らせは届いているか(届いているなら、通院時にはマイナ保険証とセットで持っていくことを伝える)

マイナ保険証では
医療費の「合算」はできない

 従来型の保険証を廃止し、マイナ保険証に移行する制度そのものに反対の声も多いが、マイナ保険証には便利な点も結構ある。

(1)過去に処方された薬や特定検診当の情報を医師・薬剤師とデータで共有できる
(2)医療費の領収書を管理・保管しなくてもマイナポータルで管理できるため、確定申告時の医療費控除申請の手間が軽くなる
(3)医療費が高額になった場合、高額療養費の限度額を超える支払いをしなくても済む(限度額認定証の代わりとなる)

 このうち、(3)は知っておかないと損をするかもしれない“意外な落とし穴”もあるので、解説をしておきたい。

 健康保険の高額療養費とは、窓口で医療費の1〜3割を支払ったとしても所得区分に応じた1カ月の限度額を超える分は払い戻しが受けられる制度のこと。

 よく例に出される「一般的な所得の人が、がんの手術を受け医療費が100万円かかった場合、窓口で3割の30万円を支払ったとしても、限度額は8万100円+αのため、約21万円が高額療養費として払い戻される」というケースなら、最終的な自己負担は約9万円ということだ。

【自己限度額の計算式】

8万100円+(医療費−26万7000円)×1%=8万7430円

 加入の健康保険から「限度額適用認定証」という紙を発行してもらい、病院の窓口で提示すると、1〜3割ではなく、限度額のみを支払えばすむ、ありがたい仕組みだ。

 マイナ保険証にはこの「限度額適用認定証」が搭載されているため、紙の認定証を取り寄せなくて済む。

 これはとても便利な仕組みではあるが、複数の医療費支払いの「合算」には有効ではないことを知っておきたい。

 高額療養費制度には、「合算」の仕組みもある。

 70歳未満の場合は、受診者別、医療機関別、入院・通院別で算出し、2万1000円以上のものが合算され限度額を超えると、高額療養費が適用になる。

 70歳以上は、例えば外来だと全ての医療機関で支払った医療費を合算できる仕組みがある。

 70歳以上で一般的な所得の人(公的年金収入だけだと多くの場合、一般的な所得の人に該当する)の外来での限度額は、月1万8000円だ。
高齢になると、血圧コントロールで内科、白内障治療で眼科、歯の治療で歯科など複数の病院にかかっていることが多い。加えて、処方箋での薬代もある。

 これらを合算すると、医療費が月1万8000円を超えることは珍しくない。
仮に合算後の医療費が2万8000円なら、超過分は1万円だが、払い戻しを受けるには原則、申請が必要だ。

 マイナ保険証でも紙の「限度額適用認定証」でも、自動的に「合算」はできないのだ。これが知られていないポイントだ。

 現役世代の会社員、公務員が加入する健康保険なら、保険者(健康保険)がレセプトをもとに合算して自動的に払い戻してくれるか、払い戻しの申請を要請されるので、仕組みを知らなくても損はしない。

 知っておかなくてはいけないのは、退職して国民健康保険に加入している高齢者だ。
特に70歳を超えると、外来の限度額が低く、全ての医療機関分を合算できるため、前述のように限度額を超える人が多い。

「合算」は、自治体に申請することで払い戻しが受けられる。
マイナンバーカードで「公金受取口座」を登録してあっても、原則、申請だ。

 かなりややこしい話であるが、高齢の親を持つ人はぜひ一度、親と話す機会を持ってほしい。
以前に当コラムで詳細に書いたことがあるので、ぜひ参照ください(詳しくは『「医療費払い戻し」で損が嫌なら絶対知っておくべきことは?“自治体格差”も判明【高額療養費・70歳以上】』)。

posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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