2025年08月04日

「それ、正論っぽく聞こえるだけ」SNSで増殖する“巧妙すぎる詭弁”の見抜き方

「それ、正論っぽく聞こえるだけ」SNSで増殖する“巧妙すぎる詭弁”の見抜き方
土田淳真: 現役東大生
2025年8月3日 ダイヤモンドオンライン

三田紀房の受験マンガ『ドラゴン桜2』を題材に、現役東大生(文科二類)の土田淳真が教育と受験の今を読み解く連載「ドラゴン桜2で学ぶホンネの教育論」。
第74回は、「誤情報に踊らされないための自衛策」について考える。

「何を訴えているか」より「どう訴えているか」

 東大合格請負人・桜木建二は、難関大コースの成績上位生徒の志望校を東京大学に変更する、と宣言する。
東大に行きたくない、という生徒に向かって桜木は「嘘(うそ)だ」と反論し、世の中は嘘だらけだと説明する。

 いろんな嘘を、それも残念ながら悪意ある嘘を目にする機会が増えたような気がする。
先日行われた参議院選挙の際に、素人目でも誤りと思われる情報がSNSで拡散されているのを見て、やるせない気持ちになったのは私だけではないだろう。

 とはいえ、何が事実で何が嘘かを見抜くのはとても難しい。

「1+1=3だ!」と声高に主張している人はそう多くないし、そのような人がいたとしてもお笑いぐさで済む。
問題は、「真偽の確認には手間暇がかかる一方で、インパクトがあるために拡散されやすい情報」があふれていることだ。

 少しでも誤情報に惑わされないために、私は「何を訴えているか」よりも「どう訴えているか」に着目している。
こういった「誤り方」は体系化されており、誤った論理のことを誤謬(ごびゅう)とよび、中でも意図的なものを詭弁(きべん)という。

 誤謬や詭弁の例を見てみると、ここまで細かく名前が付けられているのかと感心する一方で、自分も時々このような論法を使ってやいないか、どきりとさせられる。

「○○教授が言っているから正しい」という説明は「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」に根拠を求めることで正当性をアピールする「権威に訴える論証」と呼ばれ、典型的な誤謬の1つだ。

「私の友人の東大生は3人とも性格が悪い。だから東大生は性格が悪い」という説明は、統計学的に有効なサンプリング数を満たしていないため「早まった一般化」と呼ばれる。

「両論併記」には落とし穴があった

 よく見かけるのが、「宇宙人がいないとは証明されていない。だから、宇宙人はいる」というような論法だ。
これは「無知に訴える論証」と呼ばれる誤謬の1つで、「真であると主張する側に立証責任がある」というルールを無視している。

 ユニークな名前がついているのが「ストローマン」である。
ストローマンとは「わら人形」という意味で、相手の意見を誇張や誤解して解釈し、それに反論を加えることであたかも論理的に正しいかのように見せかけている論法のことをいう。「かかし論法」とも呼ばれる。

「両論併記のわな」は奥深く、そして危険だ。
マスコミなどでは、異なる意見がある場合どちらか一方のみを記載することなく、できるだけ多くの主張を取り上げるべきだとされている。

 だが、例えば「地球が太陽の周りを回っている」という主張と「太陽が地球の周りを回っている」という主張を同時に掲載するべきだろうか。
学術的に論証されている話題に関して、世間の注目が集まっているからといって、あたかも「意見が分かれている」かのように扱うのは適切ではない。

 これらのように情報を見ていく中で重要なのは「ある情報が間違った論理で説明されている」からといって「その情報が誤りである」とは限らない、ということだ。
あくまで、「その論理では説明できない」というだけで、情報そのものの真偽は確かめられていないのだ。
posted by 小だぬき at 07:22 | 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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