2026年05月15日

《医師が指摘》健康診断・人間ドックが“当たり前”になっている風潮への危惧 がん検査には「過剰診断・過剰治療」というリスクも

医師が指摘》健康診断・人間ドックが“当たり前”になっている風潮への危惧 がん検査には「過剰診断・過剰治療」というリスクも
5/14(木) 女性セブンプラス

「とりあえず受けておけば安心」「病気は早期発見に越したことはない」──そんな感覚で、健康診断や人間ドックを漫然と受けていないだろか,だが検査にはメリットだけでなくデメリットもあり、受けたからといって安心とはいえない。
日々医療と向き合う医師たちに、最新事情を聞いた。

「正解がわからない」健康診断

 神奈川県在住のAさん(56才)は、春に定年退職した夫に、ある懸念があると話す。

「会社員だった頃は毎年、会社の健康診断や人間ドックを受けていましたが、定年退職すると自分の判断で受けないといけない。
前回から1年以上あいているし、受けたらとすすめても“体の調子が悪いわけじゃないから”とまったく聞く耳を持ちません。“おれは長生きの家系だから”なんて言いますが、なにかあってからでは遅いのに……」

 Aさんのように日本人の多くが「毎年の健康診断」を受けていて、厚労省による「国民生活基礎調査」(2022年)を見ると、20才以上の男性で73.1%、女性で65.7%が過去1年間に健康診断や人間ドックを受けたことが明らかに。
これは世界的に見ても極めて高い水準だ。

しかし、都内に住むBさん(47才)は疑問を口にする。

「就職して以降、健康診断や人間ドックを当たり前のように受けていて、昨年、乳がん検診で再検査になりました。
生検(組織の一部をメスや針で採取して、顕微鏡で調べる検査)は痛みが強く、結果が出るまで1か月近くかかりました。
結局、悪性ではなかったのですが、乳がんだったらどうしよう、子供もまだ小学生なのに、と生きた心地がしなかった。
医師のすすめるままマンモグラフィを受けましたが、超音波検査にすればよかったのか……正解がわかりません」

 同じく都内在住のCさん(52才)は、後悔の念が消えないと言う。

「昨年、自治体の健康診断で78才の父に胃がんが見つかりました。
初期だったので手術で切ってしまいましょうと医師に言われ、その通りにしましたが、胃の3分の1を切除してしまった父は一気に食が細くなり、どんどんやせてしまって。
免疫力が下がったのか、年末に風邪をこじらせて以来、横になっている時間がどんどん増えていきました。

 はっきり言って、あと30年も40年も生きられるわけではないし、“手術をせずに違う治療をしていれば”“そもそもがんが見つからなくてもよかったんじゃないか”と考えてしまいます」

「過剰診断・過剰治療」というリスク

「健診・検診のシーズン」といわれるこの季節、医師の大脇幸志郎さんは、健康診断や人間ドックが“当たり前”になっている風潮を危惧する。

「健診や検査を頻繁に受ければ安心だと誤解している人は多いのですが、必要以上に受けることでかえって不利益につながることがあります。
検査時に体を傷つける可能性があるし、放っておけばいいような病変を見つけてしまって、不要で危険な治療につながることもある。
また、企業や自治体で実施される健康診断は、法律に基づいて項目が定められていますが、それは昔に科学的根拠もなく決めたもので、海外ではすでに廃れているものも多い」

 早期発見の重要性が説かれるがん検診にも、不要な検査があると、日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之さんが話す。

「がん検診によって救われる命がある一方で、検査によるデメリットは海外でも指摘されています。
特に問題なのは、本当は病気ではないのに検査で『異常あり』と判定される『偽陽性』や、見つけなくてもいいがんを見つけてしまう『過剰診断・過剰治療』です。
検診は自費で行われるため、科学的根拠に基づいた厳しい規制がかかりにくいという問題もあります。
人間ドックで高額なオプションをつけられるケースも散見されますが、がん検診はメリットとデメリットを理解したうえで、科学的根拠のあるものを選ぶことが大切です」

※女性セブン2026年5月21・28日号
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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